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38回国会衆議院1961/02/25

予算委員会第三分科会 第1号

発言数
45
登壇者
9
会派数
2
開催日
1961/02/25

会議録

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 これより予算委員会の第三分科会を開会いたします。  私が第三分科会の主査を勤めることになりましたので、各位の御協力によりまして遺憾なきを期したいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。  本分科会は、昭和二十六年度一般会計予算中、経済企画庁、農林省及び通商産業省所管、同特別会計予算中や農林省及び通商産業省所管について審査を行なうことになっております。  なお分科会は本日より五日間開会いたしまして、三月二日の午後、主査報告を行なうことになっておりますので、審査の都合上や一応の予定といたしまして、本日は本分科会所管全部について説明を聴取し、農林省所管の質疑をいたしたいと思います。二十七日及び二十八日は農林省所管の質疑、三月一日及び二日は、経済企画庁及び通商産業省所管の質疑をいたしたいと思います。  それでは昭和三十六年度一般会計予算中、経済企画庁、農林省及び通商産業省所管、同特別会計予算中、農林省及び通商産業省所管を議題として、順次説明を聴取することといたします。  迫水経済企画庁長官。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 ただいま議題となっております経済企画庁の予算案について御説明申し上げます。  歳出予算の要求総額は五十九億四百八十四万九千円でありまして、これを前年度予算額四十六億四千二官八十八万八千円に比較いたしますと、十二億六千一百九十六万一千円の増額となっております。この増額となったおもな理由は、離島事業費が八億六千五百三十九万五千円と、国土総合開発事業調整費において一億八千万円増額となったためであります。  次に経費の内訳を申し上げます。  第一に、経済企画庁の項では、要求額は四億五千二十万六千円でありまして、前年度三億八千四十一万一千円に比較いたしますと、六千九百七十九万五千円の増額となっております。  この要求経費の内容を御説明申し上げますと、人件費、二億七千四百三万九千円と、事務費、一億七千六百十六万七千円であります。  この事務費は、一般庁務の運営経費並びに次に申し上げる内容のものであります。  一、経済の高度成長を維持し、かつ地域的にも均衡のとれた経済の発展を実現するためには、産業及び人口の適正な配置、地域間格差の是正等、地域的な側面より見た経済の重要問題に関する国の政策についての基本方向を明確にすることが急務でありますことにかんがみ、これらの事項を調査審議するため、新たに設置する地域経済問題調査会を運営するに必要な経費と、同調査会の所掌事務に関連する調査に必要な経費として五百万円を要求しております。  二、国民生活の向上をはかるための基本的な政策を企画立案するに必要な経費と、国民生活の向上対策に関する重要事項を調査審議するため、新たに設置する国民生活向上対策審議会を運営するに必要な経費として一千一百九十六万五千円を要求しております。  三、わが国経済に関する長期計画及び年次計画の策定、海外経済協力の推進、基本的経済政策の企画立案並びに経済審議会その他各審議会の運営等に要する経費が九百十二万一千円であります。  四、河川、湖沼、港湾、沿岸海域等の公共の用に供する水域の水質の保全をはかり、あわせて水質の汚濁に関する紛争の解決に資するため、水質審議会を運営し、公共用水域の調査に関する基本計画の決定及び公表、並びに水質規準の調査設定及び紛争処理の事務を行なうため、これに必要な事務費三千一百二万円を要求しております。  五、わが国内外の経済の動きを的確に把握し、また経済白書等の報告書及び統計指標を作成する等、経済動向の調査分析に必要な経費が三千五日二十六万五千円であります。  六、国土の総合開発調査に必要な経費は三千四日八十九万三千円でありまして、前年度二千八百七十二万六千円に比較いたしますと、六百十六万七千円の増額となっております。  この経費は、国土総合開発法、電源開発促進法、特殊土じょう地帯災害防除及び振興臨時措置法、離島振興法、東北開発促進法、九州開発促進法、四国開発促進法、中国開発促進法、北陸開発促進法、台風常襲地帯における災害の防除に関する特別措置法等の各法律に基づきまして、それぞれ災害の防除と生産力の発展を促進する諸施策を樹立するために要する経費と、国土総合開発審議会、電源開発調整審議会、特殊土じょう地帯対策審議会、離島振興対策審議会、東北開発審議会、九州地方開発審議会、四国開発審議会、中国開発審議会、北陸開発審議会、台風常襲地帯対策審議会、地盤沈下対策審議会の運営に要する経費であります。  なお、特に開発のおくれた地域の工業開発を促進して国民生活の均衡ある発展をはかるためと、最近における産業の発展と都市人口の増加に伴う水需要の増大にかんがみて、これが水資源を確保するための施策を樹立するための経費として三百二十七万三千円を要求しております。  第二に、経済研究所の項では、要求額は六千一百八十四万二千円でありまして、前年度四千三日七十五万円に比較いたしますと、一千八百九万二千円の増額となっております。  この経費の内容を御説明申し上げますと、人件費三千一百九十七万八千円と、事務費二千九百八十四万六千円であります。  この事務費は一般庁務の運営並びに次に申し上げる内容のものであります。  一、わが国経済の構造と経済の循環その他経済の基本的な事項を調査研究するために要する経費が八百三十六万四千円であります。  二、わが国の国富調査は戦後初めて昭和三十年に調査を実施しまして、次の本調査は昭和四十年を予定しておりますが、新年度は両調査年度の中間に当たりますので、簡易な中間調査を実施いたします経費として一千七百四十七万五千円であります。  第三に、土地調査費の項では、要求額は二億六千八百七十九万七千円でありまして、前年度一億九千十一万八千円に比較いたしますと、七千八百六十七万九千円の増額となっております。  その内容を申し上げますとや基準点測量におきましては四等三角点の新設点数を九百五十点と予定し、これに要する経費として二千六百三十六万五千円、国土調査法の規定によって、地方公共団体、土地改良区等が地籍調査を行ないますときの補助金として二億三千六百八十四万九千円、土地分類調査と水調査については五百十九万四千円となっております。  第四に国土総合開発事業調整費の項では九億五千万円を要求しております。  国土総合開発法に基づく開発事業は、各省各庁によってそれぞれ所管を興にして実施されるため、開発事業相互の進度に不均衡を来たし、総合的な効果が発揮せられない場合があります。  このような場合に、経済企画庁がこれを調整いたしまして、総合開発の効果をあげようとするものであります。特定地域及び調査地域並びに東北地方、四国地方、九州地方、中国地方、北陸地方及び首都圏地域における開発事業を対象といたすものであります。  第五に地域経済計画調査調整費の項では五千万円を要求しております。  この経費は各省各庁の地域経済計画を立てます際の調査の調整をはかり、総合的に行なわんとするためのものであります。  第六に離島振興事業費の項と揮発油税財源による離島振興道路事業費の項をあわせて要求額は四十一億二千四百万四千円でありまして、前年度三十二億五千八百六十万九千円に比較いたしますと、八億六千五百三十九万五千円の増額となっております。  この経費は離島振興法に基づきまして離島において国が行ないますところの治山治水、道路整備、港湾漁港、食糧増産等の公共事業に必要な経費と、地方公共団体等が行ないますところの公共事業、農山漁村電気導入事業、簡易水道事業に必要な事業費を補助するための経費であります。  この経費は、経済企画庁に一括計上したもので、その使用に際しましては、実施に当たる各省所管に移しかえるものであります。  以上で経済企画庁の予算説明を終わりますが、なお、御質問に応じて詳細御説明を申し上げたいと存じます。  何とぞよろしく御審議の上すみやかに可決せられんことをお願いいたします。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 議事進行について。今企画庁長官から予算の説明があったのでございますが、予算に付随いたしておりまする、基本になっておりまする法案の提出がまだないようでございます。しかも本委員会におきまして要綱の提出をお願いいたしておったのでございますが、企画庁からは水資源に関する予算の説明はございましたけれども、その法律案の要綱も出ておらないようでございます。これでは審議を進めることが不可能となるのでございます。少なくとも企画庁の審議に入る前までに要綱を——本来ならば法案の御提出を願いたいのですが、要綱なりとも出していただきたい。先般配付されたのは要綱でなくて要旨です。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 私は先般提出したものでごかんべんいただけるものと実は考えておりましたけれども、ただいま川俣さんの御発言で、よく打ち合わせてできるだけ御期待に沿うようにいたします。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 御期待じゃない。あなたの方でまだまとまらぬから出さない、まとまらないとすれば予算がどうなるのかということになるだろうと思う。予算の説明をされたからには、その根拠になる法律案は当然これに附帯してこなければならないと思う。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 了承いたしました。     —————————————

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 それでは次に周東農林大臣。

周東英雄自由民主党

○周東国務大臣 昭和三十六年度農林関係予算案の説明をいたします。  まず一般会計における農林関係予算案の総体について申し上げます。  農林省所管合計といたしましては千六百八十二億九千百万円となっておりますが、これに総理府、大蔵省、文部省、労働省及び建設省所管を加えた農林関係予算合計は、千八百七十二億二千九百万円となり、これを昭和三十五年度当初予算に比較いたしますると五百五十三億二千三百万円の増加となります。  次に本予算案編成の重点事項について申し上げます。  第一に農業生産性の向上と生産の選択的拡大に関する経費についてであります。  まず農業生産性向上の基盤である土地及び水条件の整備合理化のための農業基盤整備事業につきましては、生産の選択的拡大の方向を考慮しつつ、その計画的推進を行なうため総額四百六十三億六千六百万円を計上いたしております。  このうち土地改良事業については、総額二百九十一億四千八百万円となっております。その重点について申し上げますと、特定土地改良工事特別会計事業については、事業の計画期間内完成を目途といたしまして三十三億九千万円の繰り入れを行なうこととしております。一般会計事業におきましては、国営及び県営事業については事業効果の早期発現と経済的施行を考慮し、また団体営事業につきましては耕地の集団化とこれに関連する圃場条件の整備事業との関連を重視するとともに、積寒法等の特殊立法による振興計画を目標とし、非補助小団地等土地改良事業に対する農林漁業金融公庫の低利融資ワクを草地改良を含め百二十億円に増額することと相待って事業の推進に努めることといたし、合計百九十八億九千八百万円を計上いたしております。また愛知用水公団事業につきましては、水資源の総合開発と水利用の合理化をはかるとともに、近く工事の完了する愛知用水事業の機械、人員等を一括転用してその活用をはかるため、従来の愛知用水事業の管理とあわせて豊川用水事業を実施することとして四十一億六千万円を計上いたしました。  次に干拓事業につきましては、農用地の壊廃の趨勢に対処し、かつ造成干拓地の配分を通じて一般農家の経営規模の拡大に資するため、八郎潟干拓事業の計画期間内完了を初め、既着工地区の継続事業の計画的推進に重点を置き、特定土地改良工事特別会計繰り入れ六十六億八千五百万円、一般会計五億九千七百万円を計上いたしております。  開拓事業につきましては、総額九十九億三千六百万円を計上いたしておりますが、既入植地区の営農不振の現況にかんがみ、重点を振興地区の建設工事、開墾作業の促進、入植施設の整備に置いて事業の進捗をはかるとともに、一般農家の経営規模の拡大をはかる見地から、新たに地元増反の方式を生体とする新しい開拓のパイロット事業に着手することといたし、新規入植戸数はこれらの事情を考慮いたしまして、建設工事が完了した地区等で営農の安定が見込まれる地区に限定し千戸といたしたのであります。  次に成長農産物の伸長と土産の合理化に関する経費について申し上げます。  まず畜産物の生産増大につきまして、畜産物需要の急速な増大に応じて畜産の飛躍的な振興をはかる必要がありますので、これがため、畜産経営の基盤である飼料自給度の向上に必要な草地改良造成等の畜産基盤整備事業を拡充することといたし、集約牧野、改良牧野、湿地牧野等の事業について補助率の引き上げ、関連利用施設に対する新規助成と相待って事業規模を拡大するほか、新たに大規模草地改良事業に着手することといたし、総額六億三千八百万円を計上いたしております。  また、家畜の導入、家畜改良増殖等の従来の諸施策については酪農、肉畜を重点として強化するとともに、新規事業としては後に述べる農業近代化資金によって融資措置を講ずるほか、畜産主産地形成事業を乳牛、和牛、豚及び鶏について実施することとし、さらに、大裸麦転換対策の一環として、肉畜の導入と飼料共同化施設の設置の助成を行なうことといたしておりますが、以上に要する経費として二十二億七千百万円を計上いたしております。  次に大裸麦の転換対策費四十億円について申し上げます。最近における米の増産と消費水準の上昇に伴い、大裸麦の食糧としての上需要が連年減退している状況にかんがみまして、麦作農家の所得の増大と麦管理方式の合理化をはかるため、大裸麦の小麦、飼料作物、菜種、てん菜等への転換を推進するための措置を講ずることといたし、転換奨励金の交付、転換作物の生産合理化施設の設置、転換農家の家畜導入の助成等を行なうことといたしました。  果樹農業振興費といたしましては四千百万円を計上いたしております。畜産と並んで今後上需要の伸びが期待される果実の生産の増大をはかるため、果樹園経営に関し、経営改善計画の樹立、実行の促進、経営改善促進実験集落及び経営技術研修施設の増設、病害虫発色予察実験事業の継続実施のほか、新たに果樹の優良種苗の確保普及のため施策を講ずることといたしております。さらに果樹園植栽資金として農林漁業金融公庫から十億円の融資を行なうことといたしております。  次にてん菜生産の拡大についてであります。北海道におけるてん菜長期生産計画に基づいて、てん菜の生産を増進するとともに、暖地等府県の適地において、てん菜の合理的導入をはかるため、前年度に引き続き日本てん菜振興会に対する出資のほか、優良種子確保、てん菜用機械導入、麦転換対策の一環としてのてん菜の集団的導入等の事業のため三億九千二百万円を計上いたしております。なお、別途北海道における土地改良等の農業基盤整備事業の実施にあたっては、てん菜生産の振興に資するよう配慮する所存であります。  次に大豆及び菜種生産改善対策についてでありますが、大豆輸入の自由化に伴って後に述べます国産大豆及び菜種の価格保護措置と相待って、生産性の向上を急速に推進する必要があるので、主要生産地において機械化等による新技術導入のための生産改善施設の設催を行なうため、大裸麦転換対策費に含まれる分を含めて、総額一億八千五百万円を計上いたしております。  次に養蚕の地産性向上に関する予算であります。養蚕経営を合理化し、繭地産費の低減をはかるため、省力技術の普及のための年間条桑育指導地の継続続実施と、桑園の集団化による共同管理と全齢共同飼育を奨励するため壮蚕共同飼育施設の大幅な増設を行なうとともに、新たに軟化病の検出調査の助成を行なうことといたし、四千万円を計上いたしました。  次に作付合理化の促進に関する経費について申し上げます。農産物需要の変化に対応して有利な商品作物または飼肥料作物の導入による合理的な作付体系を確立するため、新たに水稲早期栽培跡地及び畑地における新作付体系導入のパイロット事業の実施、田畑輪換導入実験集団の設置並びに水田酪農促進のための飼料自給モデル地区の設置のため一千九百万円を計上いたしております。  第二に農産物の価格流通対策の強化についてであります。  まず主要食糧の管理についてでありますが、米管理制度につきましてはその基本を維持するとともに国内麦の管理につきましては、需給の実態に即応して管理方式を改善することとし、食糧管理特別会計の調整資金に対して一般会計より三百七十億円の繰り入れを行なうこととしております。  また、食糧管理特別会計において行なっております主要農産物の価格安定事業につきましても、別途措置を講ずる大豆菜種を除き従来の方針を継続して価格の安定をはかることとし、これによって見込まれる損失を補てんするため、食糧管理特別会計農産物等安定勘定に対し、一般会計より二十億円の繰り入れを行なうこととしたのであります。  大豆輸入の自由化に伴い、国産大豆及び菜種を保護するための措置として、集荷団体に調整を行なわせ、調整により生ずる売買差損等を交付金としてこれら団体に交付することとしたのでありますが、これに要する経費三十億円を計上いたしております。  牛乳乳製品及び食肉の価格安定につきましては、新たに畜産物事業団を設立し、乳製品豚肉等の買い入れ、保管、売り渡しによる需給調整を行なうとともに、生産者団体の行なう豚肉の自主調整に対する助成を行ない、価格変動による畜産農家の所得減少を防止し、畜産経営の安定と畜産の拡大に資することとしたのでありますが、この事業団は従来の酪農振興基金の業務もあわせて行なうこととし、三十六年度は本事業団に対し五億円の政府出資をすることといたしております。  農畜産物の流通組織を整備強化し流通の円滑化をはかる措置といたしましては、総額二億円を計上し、中央卸売市場の新増設に対する施設整備費補助金を増額したほか、青果物につきましては従来の事業に加え新たに都道府県の出荷調整対策事業の助成、青果物出荷事情調査等を行ない、また牛乳、家畜、食肉等の畜産関係の流通改善につきましても、牛乳品質改善事業、家畜市場再編整備、産地枝肉共販施設助成等を継続拡充するとともに、新たに生乳取引検査について助成を行なうことといたしております。  農畜産物の需要増進をはかる措置といたしましては、パン及び牛乳の学校給食に対する補助、日本絹業協会による生糸の海外需要増進事業助成等を含め二十七億四千二百円を計上いたしております。  第三に農業構造改善対策の推進についてであります。  まず耕地の集団化につきましては、零細分散せる耕地を集団化するとともに、耕地条件を整備することによって、労働力の節減、機械力の導入等を促進し、農業生産性の向上と経営の合理化をはかる事業を積極的に推進することとしたのでありますが、このため耕地集団化事業と二反歩区画の耕地の形成を考慮した区画整理事業等の各種団体営土地改良事業とを有機的に実施することとし、これに要する経費として十六億八千五百万円を計上いたしております。  農家の経営規模を拡大する事業として従来より実施して参りました開拓事業、草地造成事業のほか、三十六年度よりは特に一般農家の経営規模拡大を目的として、従来の開拓方式によらず地元一般農家の申請に基づく開拓パイロット事業を国営二地区、道県営七地区、団体営二十地区について着手することとしたのでありまして、このため一億一千八百万円を計上いたしております。  また自作農維持創設資金につきましても、これを農家経営規模の拡大のために積極的に活用し得るよう運用の改善をはかることとし、全体の融資ワクを前年度の百三十億円から百六十億円へと増額いたしますとともに、特に取得資金につきましては前年度の四十一億円から百億円に増額し、一戸当たりの貸付限度についてもこれを引き上げることとしたのであります。  さらに、農家の経営規模の拡大と生産性の維持向上をはかる見地から農協による農地の売買、管理に関する信託事業等、農地法等について所要の特別措置を講ずることとし、これらに要する経費として八千六百万円を計上いたしております。  農業経営の近代化を推進するための措置としては農林漁業金融公庫融資ワクの拡大、農業近代化資金制度の創設等によって所要資金の確保をはかることに重点を置いたのでありますが、一方農業経営の協業化を促進する施策のうち直接的な予算措置といたしましては、都道府県の行なう農業法人による協業化に対する指導の助成、中型トラクターの導入による協業方式確立のための機械化実験集落の設置、果樹園経営の協業化を進める実験事業としての果樹園経営改善促進集落の設置、桑園の集団化と壮蚕飼育の共同化を推進するための集団桑園模範施設の設置等の諸事業を実施することとし、このため七千三百万円を計上いたしております。  農業構造改善対策を具体的地域の特性に応じて総合的に推進するためには十分な調査計画の裏づけが必要とされるわけでありますが、三十六年度においては先駆的な九十二地域における事業計画の樹立を指導助成するとともに、五百地域においてその予備調査を実施することとし、都道府県に対する職員設置等指導経費の助成、農業委員会組織の行なう農業基本対策に関する啓蒙普及事業等を含め二億円を計上いたしております。  またこれとともに都道府県等関係機関の協力を得て地域別の営農類型を樹立することとし、七百万円の予算措置を講じております。  農業内部における過剰就業状態を改善し労働生産性の向上をはかるとともに、農業労働構成の老齢化、婦女子化を是正し、農業就業構造の改善をはかっていくため、三十六年度より新たに農業委員会組織が農業労働力調整協議会の開催等を通じて実施する就業構造改善事業に対し、八千六百万円の助成措置を講ずることとしております。  なお、農業構造改善の一環として、海外移住事業につきましても力をそそぐこととしこれに必要な経費として二億九千百万円を計上いたしております。  第四に、農協系統資金の活用による農業近代化資金融通制度の創設についてであります。  農業経営の近代化をはかり、農業生産性の向上を実現していくためには、農家等が必要とする生産施設等の整備拡充のための資金を確保し、その融通を円滑化することが強く要求されるわけでありまするが、最近農協系統金融機関より供給し得る資金量が充実している現状にかんがみまして、この資金を積極的に活用するとともに農業改良資金のらち、施設資金、有畜農家創設資金及び原則として農林漁業金融公庫資金のうち農業関係の共同施設資金と主務大臣指定施設資金を発展的に統合して新たに農業近代化資金融通制度を創設することとしたのであります。このため、三十六年度におきましてはこの制度によって農協系統資金三百億円の融通をはかることとし、一般会計に設ける農業近代化助成資金三十億円の運用益一億七千万円によって、農協の貸出金利を七分五厘以下とするため必要な利子補給について有畜農家創設資金相当分は従来通りその全額、その他は二分の一の助成を行なうほか、当該貸付金に対し、債務保証を行なうために改組新設される都道府県信用保証協会に対する都道府県の出資について三億円の補助を行なうことといたしております。  第五に、林業振興対策の推進についてであります。  まず、林業の基盤整備を計画的に推進いたしまするため、林野公共事業につきましては、治山事業費に七十七億一千三百万円、造林事業費に四十三億七千五百万円、林道事業費に三十二億五千四百万円を計上いたしております。  これらのうち治山事業につきましては、前年度に発足いたしました治山事業十カ年計画の第二年度といたしまして、民有林の治山事業につき事業費の伸び率を前年度に比し一五%とし、国有林野卒業特別会計治山勘定において事業を実施することといたしております。  また、水源林の造成事業につきましては、従来国有林野事業特別会計において自行造林事業として実施して参ったのでありますが、この方式に検討を加えまして、昭和三十六年度以降の新規契約分は森林開発公団により実施することに制度を改め、昭和三十六年度において二万ヘクタールの造成を行なうに必要な資金十億円を国有林野事業特別会計より一般会計を通じて同公団に出資することといたしております。  また造林事業につきましては、前年度に引き続き拡大造林に重点を置き、人工造林計画を推進するため補助造林を拡充実施するとともに、農林漁業金融公庫に対する一般会計よりの九億円の出資に基づいて融資造林を促進することといたしております。  林道事業につきましては、引き続き奥地林開発に重点を置いて林道網の整備をはかり、また林道改良事業を拡充するとともに、山村振興をはかるため新たに林業以外の目的を加味した多目的林道の開設を助成することといたしております。  以上のほか林業関係主要施策といたしましては、木炭の生産流通対策の強化をはかるため六千二百万円を計上し、引き続き木炭の生産指導及び調整保管事業並びに簡易搬送施設の設置の助成を行なうとともに、木炭の商品価値を高めるために、新たに切炭機の設置を助成するほか、森林計画の樹立及び実行のため四億一千七百万円、林業技術の普及指導のため四億六千八百万円を計上いたしております。  第六に、水産業振興対策の推進についてであります。  まず、水産業の基盤である漁港の整備につきましては、五十億二千二百万円を計上いたしまして、漁港整備計画に基づき継続四百二十九港、新規約十港について特定第三種、第三種及び第四種漁港等に重点を置き修築事業を実施するほか、現状に即し整備計画を再編成するための調査を行ない、なお離島の局部改良事業に対する補助率を引き上げることといたしております。  次に、沿岸漁業の振興につきましては五億一千百万円を計上し、新たに沿岸漁業の構造改善促進計画の樹立のための調査指導及び転業のあっせん指導を行なうほか、沿岸漁業振興対策事業を計画的に実施し、また漁場造成改良及び種苗対策事業の拡充を行なうとともに補助率を引き上げ、地元負担の軽減をはかることといたし、さらに沿岸漁業改良普及体制の確立をはかるため、改良普及員の増員及び機動力の整備を行なうこととしております。  次に、水産物の価格流通対策につきましては二億五百万円を計上し、農産物と同様、対策を積極的に拡充することといたしておりまして、新たに水産物の市況通報施設の整備のため助成措置を講ずるほか、多獲性大衆魚の価格の安定と流通の改善をはかるため、これら生産者の調整組合を組織させるとともに、魚価安定基金を設置して所要資金の一都を出資し、さらに生産者団体に対し主要生産地等に冷蔵庫及び冷蔵自動車を設置する経費の一部を補助することといたしております。  第七に、その他の重要施策についてであります。  まず、農業災害補償制度の実施につきましては、百二十九億四千百万円を計上しておりまして、昭和三十七年度からの実施を目途として農作物共済を中心に抜本的な制度改正を行なうこととし、新制度の普及徹底をはかり、あわせて家畜共済、蚕繭共済制度の改正に必要な調査を実施するとともに、昭和三十六年七月以降農業共済組合の基幹事務費を全額国庫負担といたして農家負担の軽減をはかることとし、共済組合等事務費負担金において約十億円の増額を行なっております。また昭和三十七年二月から農業共済再保険特別会計を廃止して農業保険事業団(仮称)を設立することとし、事業団に対する交付金その他所要の経費を計上いたしております。  次に、農林水産業に関する試験研究及び普及事業につきましては、まず農林漁業基本対策に即応して試験研究を強化するため五十三億一千五百万円を計上し、特に畑作、畜産、果樹、水産増養殖等に関する研究を強化するとともに、都道府県試験場補助金について新たに総合助成方法を採用することといたしました。改良普及事業につきましては、農業改良普及事業に二十六億二千七百万円、蚕糸の技術改良事業に三億八千七百万円、林業普及事業に四億六千八百万円、沿岸漁業改良普及事業に四千三百万円をそれぞれ計上し、生活改善関係の専門技術員及び普及員並びに沿岸漁業改良普及員の増員を行なうほか、活動費の充実、研修の強化、指導施設及び機動力の整備等の措置を講じ、関係職員の資質の向上及び活動の強化をはかることといたしております。  次に、農山漁村青年対策につきましては三億二千六百万円を計上し、引き続き農業講習施設の整備をはかるとともに、農村建設青年隊の構想を改め農家後継者の教育を目的とした長期研修として拡充実施するほか、新たにラジオ農業学校の設置、農村教育青年会議の開催等による農村青年研究実践活動並びに山村中堅青年を対象とした研修及び技術交換事業に対して助成を行なうことといたしております。なお、漁村青壮年実践活動についても引き続きその促進をはかることといたしております。  次に、後進地域振興対策についてでありますが、まず不振開拓地対策といたしましては、さきに御説明申し上げました開拓事業のうちに、振興地区関係といたしまして八十億八千万円を計上し、事業の早期完成及び入植施設の拡充をはかるとともに、一部車業の補助率を引き上げ、老朽住宅の改修に着手いたしますほか、開拓営農の振興をはかるため十一億二千九百万円を計上し、営農資金融通措置の拡充、開拓保健婦の増員、過剰入植整理措置の推進等の措置を講ずることといたしております。このほか、後進地域振興対策といたしましては、小団地開発整備事業の拡充実施をはかるため三億七千八百万円、僻地農山漁村電気導入事業により八千戸の未点灯農山漁家を解消するため一億八千六百万円、農山漁村同和対策に二千八百万円、南九州地域の防災営農振興対策に五千万円を計上しておりますほか、さきに御説明申し上げました山村振興林道事業に二億円が計上されております。  次に、農林漁業団体の活動促進につきましては、合計十七億四千九百万円を計上いたし、農業委員会、農業協同組合、森林組合、漁業協同組合等の農林漁業関係団体の組織を整備強化し、その活動を促進することといたしておりまして、これら団体に対する育成指導及び整備促進等の措置を継続実施するとともに、新たに農業協同組合の合併を強力に推進するため、合併組合に対する指導及び施設整備の助成等を行なうことといたしております。  次に、災害対策事業につきましては、治山治水事業の進展と特に伊勢湾台風、チリ津波等による災害にかんがみ、事業の計画的実施をはかることといたしておりまして、まず伊勢湾高潮対策事業につきましては、三十二億九千六百万円を計上し、直轄事業は三十七年度まで、補助事業は三十八年度までにそれぞれ事業を完了することといたしております。次に、海岸保全事業のうち、チリ津波災害対策事業につきましては五億一千五百万円を計上し、その緊急度に応じ事業を実施するとともに、一般海岸保全事業につきましては、九億九千三百万円を計上し、治水事業の進展にあわせて事業の実施をはかることといたしております。さらに、災害復旧事業につきましては百十二億二千九百万円、災害関連事業につきましては十一億三千八百万円をそれぞれ計上いたし、所定の進度により事業を推進することといたしております。  次に、昭和三十六年度の農林関係特別会計予算案について申し上げます。  第一に、食糧管理特別会計について申し上げます。  まず国内産米麦につきましては、米はその集荷数量を五百七十万トン(三千八百万石)とし、麦につきましては、大・裸麦の需要の減退等麦需給の動向に即しつつ、管理の合理化をはかるため、小麦は従来通り無制限買い入れを行ない、大麦、裸麦につきましては一定数量の範囲内の買い入れを行なう方針といたしました。また、買い入れ予算単価は、米は前年度の決定米価と同額の百五十キログラム当たり一万四百五円とし、麦も三十五年産麦の決定買入価格と同額といたしました。なお、米については消費者価格は現行通り、配給数量は月十キログラムといたし、別に卸、小売業者の販売手数料の改定を行なうことといたしております。  輸入食糧につきましては、国内産米麦及び輸入米麦の需給事情を勘案し必要な限度の数量を輸入することといたし、その買入価格も最近の実績及び今後の見通しにより算定いたしました。  農産物等につきましては、従来の方針を継続するものといたしますが、大豆、菜種は外国産大豆輸入自由化に伴いまして、別途所要の措置を講ずることといたしました。また飼料につきましては、畜産振興対策の進展に対応しまして、所要童を計上することといたしました。  なお、この会計の損益見込みにつきましては、国内米、国内麦、輸入食糧の各勘定を通じまして、三十五年度において二百八十三億円の損失が見込まれまするが、三十五年期首の調整資金持越額は五億円ありまして、三十五年度予算においては、前国会で御審議いただきました補正予算を含めて、二百九十億円の繰り入れを行ないましたので、差引十二億円を三十六年度へ調整資金として持ち越すことになりまするが、三十六年度はさらに三百七十二億円の損失が見込まれますので、三百七十億円を調整勘定に繰り入れることといたしたのであります。  また、農産物等安定勘定につきましては、三十六年度において二十億円の損失が見込まれますので、同勘定へ二十億円を補てんのため繰り入れることといたしております。  以上により、三十六年度本会計の歳入歳出は、それぞれ国内米管理勘定におきまして七千八百二十五億三千百万円、国内麦管理勘定で一千三十五億五千五百万円、輸入食糧管理勘定におきまして一千六十二億一千五百万円、農産物等安定勘定におきまして五百八十四億七千九百万円、業務勘定で百九十七億七千二百万円、調整勘定で八千五百三億円となっております。  第二に、農業共済再保険特別会計について申し上げます。  最近の農業生産事情の変化と農業災害の実態に即応いたしまして、昭和三十七年度より従来の画一的な強制加入方式の緩和、農家単位補償方式の採用、組合等の共済責任の強化拡充等、抜本的な制度改正を行なうことといたしておりますが、昭和三十七年二月よりは現在の農業共済再保険特別会計を廃止いたしまして、農業保険事業団を設立し、事業執行の責任体制を明確にし、事業の合理的運用を期することといたしております。従って、特別会計予算としては、昭和三十七年一月までを計上いたしております。  農業勘定といたしましては、歳入歳出ともに百二十一億八千万円でありまして、うち一般会計よりの繰り入れは、前年に比し三億八千八百万円増の八十三億一千六百万円となっております。これは、三十四年度の引き受け実績を基礎として現行料率で算定いたしましたが、最近の農作物、特に水稲の基準収量の伸びによる増であります。  また、家畜勘定につきましては、歳入歳出ともに二十七億七千四百万円で、うち一般会計よりの繰り入れは、五億六千九百万円で、前年度に比し、三億二千五百万円の減少となっておりまするが、これは三十四年度の引き受け実績による頭数の減によるものであります。  第三に、森林保険特別会計について申し上げます。  この会計は、従来森林の火災による損害てん補のみを保険対象といたしておりましたが、林業経営の安定を期するために、新たに風水害等の気象災害をもその対象とすることといたし、若干の料率改定を行なうほか、所要の法律改正をすることといたし、歳入歳出ともに七億五千四百万円を計上いたしております。  第四に、開拓者資金融通特別会計について申し上げます。昭和三十六年度は、経営不振の開拓農家の振興に重点を置くことといたし、従って新規入植については前述の通り前年と同数の一千戸といたしております。特に基本営農資金につきまして融資期間を一律に三カ年といたし、また従来の制度では恵まれなかった昭和二十九年度から二十二年度までのいわゆる谷間入植者に対し、営農資金の追加融資の道を開くことといたしました。  このため、歳入歳出は五十一億四千四百万円であり、歳入の内訳は、一般会計よりの繰り入れ五億五千三百万円、資金運用部借り入れ三十六億円、償還金その他九億九千百万円となっております。  第五に、国有林野事業特別会計について申し上げます。まず事業勘定につきましては、前年に引き続きまして林力増強をはかるため、拡大造林を主軸として策定されております。経営計画によりまして収穫量と事業量に見合う経費をそれぞれ計上いたしておりますほか、治山治水緊急措置法による治山計画の三十六年度予定事業費を計上いたしております。  なお、この会計の資金と組織を活用いたしまして、民有林への林政協力をいたすこととし、従来通り関連林道を継続開設するほか、新たに特別積立金制度を設置して、その資金の取りくずしにより、融資造林の拡大のための農林漁業金融公庫への出資及び治山事業の推進等のため、必要な資金十三億円を一般会計へ繰り入れるほか、すでに申し上げましたように、治山治水対策の一環として水源林造成事業を森林開発公団に実施せしめるため、その初年度資金として十億円を一般会計を通じて同公団へ出資いたすことといたしております。このため、事業勘定の歳入歳出は六百三十八億八千三百万円となっております。  治山勘定につきましては、さきに一般会計で御説明申し上げましたが、そのほかに地元負担金収入を含めまして、歳入歳出ともに六十九億五千六百万円を計上いたしております。  以上のほか、特定土地改良工事特別会計につきましては、さきに御説明申し上げておりますが、漁船再保険自作農創設特別指貫、糸価安定、中小漁業融資保証保険の各特別会計につきましては、前年度に引き続きほぼ同様の方針で計上いたしております。  次に、財政投融資計画について御説明申し上げます。昭和三十六年度における農林関係財政投融資計画は五百五十三億円でありまして、そのおもなものは次の通りであります。  第一に、まず農林漁業金融公庫につきましては、六百億円の新規貸付を行なうことといたし、前年度の五百十七億円に比し八十三億円の増加となっております。これに伴い年度内に資金交付が予定される五百六十四億円に対し、その原資として一般会計九億円、産業投資特別会計八十億円の出資と、資金運用部等からの借り入れ三百二十五億円、回収金等百五十億円を予定いたしております。  貸付計画といたしましては、非補助小団地等土地改良事業、造林事業、自作農維持創設資金、果樹園造成事業等の大幅な拡充をはかるほか、新たに林業経営安定化資金、防災営農資金を設置することといたしました。  第二に、愛知用水公団事業につきましては、さきに述べました通り豊川等の事業を包摂し、従来の愛知用水事業の管理とあわせて実施することといたしておりますが、資金計画といたしましては、国費四十一億六千万円、資金運用部よりの借り入れ四十九億円、ほかに余剰農産物資金よりの借り入れ十七億円を予定いたしております。  第三に、特定土地改良工事特別会計につきましては、歳入歳出総額百九十一億一千九百万円に見合う資金計画として、国費百億七千五百万円、資金運用部よりの借り入れ五十三億四千四百万円、他用途転売収入等三十七億円であります。  なお、開拓者資金融通特別会計につきましては、さきに御説明した通りであります。  以上をもちまして農林関係の一般会計予算案及び特別会計予算案並びに財政投融資計画の概要の御説明を終わります。よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 次に椎名通商産業大臣。

椎名悦三郎自由民主党

○椎名国務大臣 昭和三十六年度の通商産業省予算の御説明を申し上げます。  まず、三十六年度通商産業省所管一般会計の予定経費要求額は二百三十四億二千五百万円でありまして、これを三十五年度予算額百七十九億四千百万円に比較いたしますと、五十四億八千四百万円増額することになります。  三十六年度予算のうち、政策事項につきましては、これを一、貿易振興及び経済協力費、二、中小企業対策費、三、鉱工業技術振興費、四、産業構造高度化及び産業基盤強化費、五、石炭対策費の五項目に分け、御説明申し上げます。  第一に、貿易振興及び経済協力費といたしましては、世界貿易における輸出競争激化の情勢と、昨年末発表されました米国のドル防衛措置に対処して、海外市場の開拓と販路の拡張をはかりますため、前年度に引き続き、各般の貿易振興事業を充実強化するための施策を講ずることといたしまして、前年度対比三億三千四百万円増の三十一億一千八百万円を計上いたしております。  まず貿易振興につきましては、特殊法人日本貿易振興会の事業運営に必要な経費として、前年度対比一億七千九百万円増の十五億四千二百万円を計上いたしまして、従来に引き続き、海外市場調査、国際見本市の開催または参加、貿易斡旋所の運営、日本商品の宣伝等の海外事業を拡充いたしますとともに、国内中小企業者に対する貿易の指導あっせん業務の充実をはかります等、総合的に輸出振興事業を推進する所存であります。  次に、財団法人日本輸出雑貨センターの事業運営に必要な経費として、一億四百万円を計上いたしまして、輸出雑貨のデザインの登録認定及び指導奨励、生産技術の指導、専用機械の試作、常設展示場の運営等の事業を行なうことといたしております。  また、貿易振興関係といたしましては、日本プラント協会事業費補助等のプラント輸出促進費二億五百万円、生糸及び絹織物の海外宣伝費補助六千三百万円、輸出品の検査機関である工業品検査所及び繊維製品検査所の経費三億八千万円等を計上いたしております。  次に、経済協力費でございますが、輸出市場の培養、輸入原材料の安定的確保、中小企業の海外進出等をはかりますため、東南アジアその他の開発途上にある諸国の経済、社会等の実情を十分調査いたしますとともに、これら諸国に対する経済協力を積極的に推進する所存でございまして、おもなる経費といたしましては、特殊法人アジア経済研究所の調査事業の拡充に必要な出資金一億円、補助金二億二千四百万円、海外技術者の受入研修費一億三百万円、技術者及び中小企業者の海外派遣斡旋事業費三千三百万円等がありますが、このほかに、新たに低開発国の一次廃品の買付促進費として、現地調査、技術指導、品質改善の施設の設置の助成を行なうための補助金二千四百万円、及び低開発国における中小企業の設立に対する技術援助等を行なうための補助金一千万円を計上いたしております。  第二に、中小企業対策費といたしましては、中小企業の近代化合理化を強力に促進し、今後の貿易自由化の進展に伴って激化する国際競争に打ちかつ実力を培養いたしますとともに、わが国経済の高度成長過程において、中小企業の地位を向上せしめ、大企業との間の格差を是正する等、中小企業の振興が、わが国経済の成長発展のために重要であることにかんがみまして、四十四億三百万円を計上いたしております。これは前年度対比十九億七千四百万円の増、比率にいたしまして約八割増という大幅な増加となっております。  まず、中小企業の近代化の促進につきましては、前年度対比十五億二千五百万円増の三十億円を計上し、これにより中小企業の設備の近代化、合理化を一そう推進することといたしますとともに、このうち三億円程度を中小企業団地の造成のために運用いたしまして、集団的に新しい工場適地に移転するものに対して、積極的に助成をいたすこととしております。このほかに、中小企業対策費として特に重点を置いた事項といたしまして、小規模事業対策費でございますが、商工会等を通じまして小規模事業者の相談、指導を行なうための補助金を前年度の四億四百万円の二倍をこえる八億二千五百万円計上いたしております。  次に、中小企業の実態に応じた総合的振興策を、業種別に行ないますための業種別指導事業、企業診断事業及び技術指導事業の強化に要する経費として二億八千三百万円を計上いたしております。  なお、中小企業対策費といたしましては、災害復旧利子補給金五千万円、中小企業団体中央会補助七千五百万円、中小鉱山の新鉱床探査費補助一億一千万円等を計上いたしましたほか、中小企業に対して政府の行なっている諸施策を広く周知徹底するための経費一千万円を新しく計上いたしております。  第三に、鉱工技術術振興費といたしましては、最近における先進各国の目ざましい技術の進歩に対処して、新技術の開発と、これが産業における工業化の促進をはかりますため、前年度対比九億七千七百万円増の五十七億六千四百万円を計上いたしております。  おもなる事項といたしましては、まず、国立試験研究所の重要研究費等に必要な経費として、前年度対比四億七千二百万円増の十九億八千六百万円を計上いたし、国立試験研究機関の設備の更新、近代化をはかりまして、前年度に引き続き、電子技術、エネルギー対策技術、生産加工技術、オートメーション技術、分析技術等、わが国経済にとって重要な研究を推進することといたしております。  また民間における試験研究の補助につきましては、前年度対比一億一千五百万円増の五億九千万円を計上いたしまして、国家的見地より見て重要と思われる応用研究、工業化試験、機械設備の試作等について助成を強化いたしますほか、新たに共同体制による技術開発の助成を行ない、その積極的な推進をはかる所存であります。  次に、近年工業所有権に関する出願件数が激増いたしておりまして、その最終処分に至る期間が遅延し、産業活動にまで影響を及ぼすに至っておりますので、定員、経費を充実し、その処理の促進正常化をはかることといたしまして、前年度に比し一億五千三百万円増の七億三千五百万円を計上いたしております。  第四に、産業構造高度化及び産業基盤強化費でありますが、わが国経済の高度成長を実現し、所得倍増計画を達成するためには、特に機械工業を中心とする重化学工業部門の大幅な成長発展と、輸出の伸長をはかり、産業構造の高度化を推進いたしますとともに、産業が発展し得るための基礎的諸条件の整備充実を行なうことが必要でありまして、このため、前年度対比十四億一千四百万円の増、比率にいたしまして、ほぼ二倍の二十八億九千百万円を計上いたしております。  その内容のおもなるものといたしましては、まず、工業用水の確保が、今後における工業生産の伸長のため、重要不可欠な基盤である点にかんがみまして、工業用水道の事業費といたしまして、川崎、大阪臨海、継続等継続十五地区のほかに、新規事業として、横浜、愛知、神戸、室蘭等、七地区を加え、計二十二地区の事業に対し補助を行なうこととし、前年度対比十二億二千三百万円増の二十四億九千四百万円を計上いたしております。  また、このほかに、今回新たに二億円を計上いたしまして、機械類賦払い信用保険制度を創設し、機械工業の需要拡大による量産体制の確立と、中小企業の設備の近代化に資する所存であります。  次に、わが国産業の生産性の向上を推進するため、日本生産性本部に対する補助として一億三千二百万円、工業立地条件の調査研究及び工場の適正配置指導に要する経費として二千六百万円、産業構造に関する調査研究に要する経費一千万円等を計上いたしております。  第五に、石炭対策費でありますが、現在の石炭不況を克服し、石炭鉱業の抜本的体質改善をはかりますため、前年度対比四億二千九百万円増の三十二億四千百万円を計上いたしまして、炭鉱の体質改善による合理化を促進する所存であります。  すなわち、炭鉱の大規模な合理化工事、石炭流通機構の合理化及び中小炭鉱の機械化を促進いたしますため、石炭鉱業合理化事業団に二十二億四千万円を出資することといたしております。  次に、石炭鉱業合理化事業団が行なう非能率炭鉱買収費に対する補助として四億円を計上いたしております。  このほか、新たに、炭鉱整備に必要な長期運転資金の借り入れ保証に必要な基金として、石炭鉱業合理化事業団に対する出資金三億円を計上いたしますとともに、産炭地振興対策費として、産炭地における鉱工業地帯の造成、汚水処理、ボタ山の管理利用等を行ないますための調査費として三千万円を計上いたしております。  また、石炭対策関係といたしましては、ほかに、石炭技術振興補助として五千八百万円、炭田総合開発費として三千九百万円、石炭鉱害復旧事業費として当省分一億七千百万円等の経費を計上いたしております。  以上をもちまして、当省所管の一般会計に関する御説明を終わりますが、詳細についてはお手元の予算要求量要事項表をごらんいただきたいと存じます。  なお当省の所管いたしております特別会計につき、以下歳入歳出予算の大要を簡単に御説明申し上げます。  まず、アルコール専売事業特別会計でございますが、三十六年度の歳入予定額は四十六億五千七十一万、五千円、歳出予定額は三十九億五千四百三十二万三千円でありまして、資産、売掛金の関係を加減いたしますと、三十六年度の益金予定額は八億三百六十四万二千円となります。  第二に、輸出保険特別会計でございますが、三十六年度歳入歳出予定額はともに九十八億百九十四が四千円でありまして、歳入のおもなるものは保険料収入十五億六千七百二十四万三千円、資金運用収入三億九千三百万円、雑収入二億七千七百七十二万六千円、前年度剰余金七十五億六千三百九十七万五千円であり、歳出のおもなるものは、支払保険金十一億九百九十九万六千円、予備費八十六億二千二百二十五万一千円であります。  第三に、特定物資納付金処理特別会計でございますが、本会計は、特定物資輸入臨時措置法に基づくもので、三十六年度の歳入歳出予定額はおのおの三十七億四千七百十七万六千円で、歳入のおもなるものは納付金三十二億一千三十三万六千円であり、歳出のおもなるものは、産業投資特別会計繰り入れ三十七億四千三百五十万円であります。  第四に、三十六年度より新たに設けられます機械類賦払信用保険特別会計でございますが、本会計は、さきに一般会計の御説明の際に申し上げました機械類賦払い信用保険制度を実施いたしますための特別会計でございまして、三十六年度の歳入歳出予定額はともに二億五千二百七十万円でありまして、歳入のおもなるものは、一般会計よりの繰り入れ二億円、保険料収入四千五百万円であり、歳出のおもなるものは支払保険金千五百九十七万五千円、予備費二億二千九百十二万五千円であります。  以上をもちまして、一般会計及び特別会計予算の概要につき御説明いたしましたが、次に、当省関係の財政投融資計画について簡単に御説明いたしたいと存じます。  三十六年度における当省関係の財政投融資総額は、一千九百四十四億円でありまして、これを三十五年度当初計画一千六百十二億円と比較いたしますと、三百三十二億円の増加となります。本計画の運用にあたりましては、経済情勢、金融情勢の推移に応じまして弾力的に行なうことにより、重要産業及び中小企業並びに貿易振興の促進のための資金確保につき遺憾なきを期する所存であります。  まず、日本開発銀行につきまして、三十六年度における同行の融資の重点は、わが国経済の安定的成長を目標といたしまして、産業基盤の強化、産業構造の高度化と資源の有効利用に直接に貢献する産業の育成、助長を目的として、電力、石炭、特定機械、化学肥料等を重点的に取り上げることといたしましたほか、地域間の均衡的発展を目的とした地域開発融資を積極的に推進することといたしました。運用総額は八百二十五億円を確保するものとし、このため財政資金四百七十億円の融資を確保するほか、開銀外債三千万ドル、(百八億円)の発行が予定されております。  次に、中小企業金融公庫でございますが、中小企業の設備の合理化、近代化とその企業の経営の安定化に資するよう資金運用を行なうことといたします。このうちには、日本開発銀行と並んで、特定機械向け貸し出しが三十億円程度予定されております。  運用総額は、三十五年度当初計画に比し、百二十億円増の八百三十五億円を確保いたし、このため財政資金四百三十五億円の融資を受けることとした次第であります。  商工組合中央金庫につきましては、中小企業に対する組合金融の充実をはかりますために、三十五年度の当初計画に対し、六十億円増の三百十億円の貸出純増を行なう計画でありまして、このため財政資金による商中債の引き受け純増四十億円を行なうことといたしております。  中小企業信用保険公庫につきましては、信用保証協会の保証規模の拡大等に資し、中小企業金融の充実をはかりますために、融資基金として産業投資特別会計から出資二十億円を行なうことといたした次第であります。  次に、日本輸出入銀行でございますが、三十六年度におきましては、プラント輸出の促進、東南アジア等に対する経済協力と賠償実施の促進をはかるため、九百七十億円の貸付を行なう計画であります。この貸付計画を確保いたしますため、出資百二十億円、融資四百五十億円、合計五百七十億円の財政資金を投入する計画であります。  次に電源開発株式会社につきましては、三十六年度におきましても、三十五年度に引き続き、奥只見、滝、御母衣、池原等の電源開発継続工事に主力を注ぎますほか、若干の新規地点の開発を計画いたしまして、四百四十億円の工事規模を確保し、このため財政資金四百十億円の融資を行なうこととしております。  次に石油資源開発株式会社につきましては、海洋掘さくを中心とする石油資源の探鉱等を行ないますため、四億円を産業投資特別会計から出資する計画であります。このほか、油田の開発にかかる民間資金の借り入れにつきまして、五億円の政府による債務保証限度額を設定いたしました。  最後に日本航空機製造株式会社につきましては、三十六年度事業資金として、経済援助資金特別会計から十億円の財政投資を行ないますほか、量産にかかる民間資金の借り入れについて三億円の政府による債務保証限度額を設定いたしまして、当社の事業計画の円滑なる遂行を確保することといたしました。  以上をもちまして通商産業省所管の一般会計、特別会計の予算及び財政投融資計画の御説明を終わりますが、なお、御質問に応じまして詳細に御説明申し上げたいと存じます。何とぞよろしく御審議の上、可決せられんことをお願いいたします。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 これにて説明は終わりました。     —————————————

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 それでは農林省所管について質疑に入ります。質疑の通告があります。これを許します。足鹿覺君。

足鹿覺日本社会党

○足鹿分科員 昭和三十六年度農林省関係の予算は、一千八百七十二億円でありまして、比率の上からいきますと、前年より四二%の伸び、総予算に占める比率は前年度の八・四%から九・六%と若干伸びておる形になっておるのであります。この予算案を見ますと、政府は政策予算と自賛をしておられるのでありますが、その内容を検討してみますというと、政府が提案しております農業基本法案に基づいて推進せんとしておられるやに見えますが、根拠法によらない行政的な措置によって、無数の政策予算の芽が随所に見受けられるのでありまして、特に価格支持政策の点については比較的軽視されておるやに私どもは見ておるのでありますが、ともかくもこの予算を所得倍増計画の一環として、農林予算の面で今後十年後においてどういうふうな姿にしていこうとしておるのか、具体的なその筋道とでもいいますか、そういう点をこの私の質疑を通じて明らかにしてもらいたいと思うのであります。以下問題をしぼりまして、重点的に、総括質問なり一般質問で論議された点をなるべく重複を避けまして、お尋ねを申し上げてみたいと思う次第であります。  まず最初に、予算案並びに農業基本法関係におきまして、しばしば政府は農業の近代化という言葉を使っておられますが、特に農林大臣において農業の近代化の意義をどのように理解をしておられますか、また近代化のための必須な条件はどういうものを考えておられ、それをどういうふうに予算化しておられるのであるか、この点を農林大臣から御見解を承っておきたいと思います。

周東英雄自由民主党

○周東国務大臣 ただいま農林関係予算案について御説明をいたした中にも申し上げておきましたように、近代化ということについて、何を目標に、どういうふうに予算化しておるかというお尋ねであります。これは何と申しましても、少ない農業就労人口で、できるだけ多くの生産を上げるということが、今後は必要になって参りますので、それがためには、零細分散しておる農地を集団化させつつ、そこに機械力等の施設装備を入れるということ、また従来はともすると生産された生産物をそのままで売るだけでありますが、新しい農業の方向としては、生産されたものをさらに製品加工を助成して、加工というものに農業が踏み込んでいくことがいいのであります。これは農業の新しい行き方だと思います。また生産に関しまして、特に新しく伸ばすべき畜産物、果樹等につきましては、特に近代化として考えられることは、従来どっちかと申しますと、少数飼育というような形で、ごく副業的という形でやらせるという行き方でありましたが、むしろ将来における年産費を引き下げつつ販売から得られる所得を増加するという意味で、多頭飼育をもって臨む。そうして多頭飼育をするということが、畜産飼育の上上において各種の経費の節約をはかり、しかもその所得を上げるということになる。これは従来はそういう形でいかなかったが、本来、農村、農業における姿としては、大きく経営規模というものをまとめていくということが一つで、そういうことをするところに機械力を入れる、こういうことであると私は思う。従って、そういう面に対する国の予算補助的なものを考えていくと同時に、近代化資金融通法案という新しい法律に基づいた制度を開きますことは、そういうことをする土地の集団化、あるいはそこに機械化する機械を導入すること、あるいは多頭飼育における家畜の導入、あるいは加工施設というような方面への資金的面の世話をするというようなことを考えているわけであります。

足鹿覺日本社会党

○足鹿分科員 私の見るところによりますと、近代化の条件については、大体機械化の問題、それから今や大臣が指摘されました資金の問題、また技術の問題、また農村民主化の問題、こういったようなものが重要な近代化実現のための条件であろうと思うのであります。私は、主として生産面に重点を置いてまず考えてみたいのでありますが、農業近代化の基幹としての機械化について、現状をわれわれは的確につかまなければならぬと思うのであります。機械化の進行状況と申しますか、それを端的に現わしておりますものは、トラクターの普及状況の問題があろうと思います。機械化の中心は、小型トラクターを普及することではなくして、深耕を可能にして反当たりの生産力をいかに高めていくか、それを技術的にどう裏づけていくかという点に私は重点があるのではないかと思うのであります。しかるに日本の現状を見ますると、現在農家に入っておりますトラクターは、四十馬力前後の深耕を可能ならしめる力を持ったトラクターは大体六百五十台程度しかないようであります。これに反しまして、小型トラクターにつきましては、概数でありますが、大体三十四万台程度現在入っておるのではないかと思います。この小型トラクターの二十四万台という数字を見ますならば、一応形の上において機械化は進んでおるのだ、こういうふうな理解も人によってはする人もありましょうが、機械化の意義とはおよそかけ離れた姿ではないかと私は思うのであります。問題は、この四十馬力前後のものが六日工十台、コンバインに至ってはわずかに二、三十台程度であろうかと思います。ここに農業機械化の非常に大きな現実の矛盾した姿があるわけでありまして、農家は、この小型トラクターを二十万ないし三十万の金を投じて購入しておりますが、年間の稼働率から見ますと、わずかに一月ないし長くて二カ月程度の稼働日数にしかならないと思います。あとに残る期間は、ほとんど遊休施設として寝ておるような姿になっておるのであります。この事態を見ますと、最近秋田方面その他においては中型トラクター、大型トラクター等の賃耕が進んで参りまして、安いところでは反当たり七百円ないし八百円、どんなに高くても民間の賃耕は一千円以内で行なわれております。そうしますと、かりに七日円として二町歩を作っておりました場合には、一万四千円でもって大体二町歩全部が賃耕によって達成される。ところが三十万円の小型トラクターを、これを農協あるいはその他の有利な定期預金等に預入いたしましても、二万円前後の、あるいは二万円以上の金利が当然出てくるわけであります。むしろその金利をもって賃耕に回した方がより能率的であり、そして効果的であるということも一面言えるのではないかと思うのであります。最近特にかけ声だけの農業機械化に幻惑されまして、過剰投資の傾向が各地に農業経営を圧迫しておる姿が出てきておるのであります。こういう日本の農業における機械化の現状に対して、政府はいかなる根本的な対策を立てていこうとしておるのか。まず口に近代化を言う前に、この現状に対する正しい対策を樹立すべきではないか、かように私は思うものでありますが、こまかいことは別としまして、大臣のこの現状認識の上に立った機械化の構想について伺いたいと思います。

周東英雄自由民主党

○周東国務大臣 私は、足鹿さんのその説には賛成なんです。私も近県におきましては、埼玉県等において歩いて見ておりまして、確かに機械を売り込む側の方の最も有効な、短時間で深耕をさせる自動耕耘機というようなものの売り込みがあって、それに飛びついて買う、しかしその稼働は、お話の通り一年にわずかしかない、あとは眠っておる、こういうことで、私が聞かされたのは、耕耘機貧乏で、どうか一つもっと補助金を出してもらいたいというような話でしたが、私はこれについては、そういう買い入れ等について、新しい考え方においては農業近代化資金融通制度というものを確立して、こういう方面から一応金を出して持たせるようにすることが一つであると思いますが、しかし小規模経営をしている農家に一個ずつ持たせることは、私はお話の通り資金を固定させるものだと思います。従ってこの点は今後の指導方針としては、私は協同組合等に共同して持たせる、その持たせる場合における資金を近代化資金等で安く買えるような形にし、多数の農家に最小限度必要な台数を持たせるならば、負担力も少なくて済むのではないか。第二の問題は、特に協業化という問題で零細農家等が法人等を作ってやる場合に、その法人にこれを持たせて、全体の耕作をはかるというような方向に持っていって機械化を進めることがよろしかろう、それによって労力が節約され、生産性は高まる、こういうふうに私は考えております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿分科員 三十六年度予算に計上されております機械化推進の直接経費は、一億五千万円程度ふえたくらいだろうと思います。機械化実験集落を全国で四カ所作る、中型トラクターの導入実験調査を行なうというような程度でありまして、これは直接的なものでありますが、大臣が今言われた近代化資金、これはどういう意味で近代化資金と言われるのでありますか。今の資金問題についてはあとへ譲りますから、深くはこの際は避けますが、現在の国産中型以上のトラクターの生産は、まだ遅々として進んでおらない。すべてこれは輸入に待っておるということも御承知の通りでありますが、こういった農村が求めており、日本の農業近代化の重要な条件としての真の機械化を促進していくためには、一方において優秀な国産品ができていくということも一つの問題でありましょうし、また現在のファードソン級程度のものを日本に入れるにいたしましても、これがいかに安く輸入されるのかというような具体的な対策についても必要でありましょうし、もっと政府として直接的に農家が真に農業近代化のために必要としておる中型以上の機械の導入について積極的な対策を講じておらないということについて私は非常に遺憾に思うものであります。先ほど大臣は、資金問題の点を中心に御答弁になりましたが、昭和二十八年に制定されました農業機械化促進法という法律があるわけでありますが、現在この法律はほとんど活用されておらぬと私は見ておるのであります。事実上は農業機械の展示であるとかあるいは検査であるとか、主としてメーカー側の普及宣伝あるいは規格の統一といった点にのみ運用の重点がありまして、この昭和二十八年来制定された機械化促進法は促進法の名に値しない実態のままに今日まで放置されておると言っても過言ではないと思いますが、この点に対して、今述べられたような資金措置のみならず、このような法律が現存しておる以上、これに対して近代化の第一条件である機械化の根拠法にふさわしい内容にこれを充実改正して、そうして長期にわたるところの機械化に対するところの根拠法たらしめ、それに基づいた計画を樹立して、計画的に急速に機械化を促進していく必要があるのではないかと私は思うものでありますが、農業機械化促進法について、近代化資金にのみ当局は力を入れ、この根拠法を軽視し、あるいは全く抹殺しておるのではないかというふうにも考えられるのでありますが、これに対するところの大臣の御所見はどうであるか。また本年度の予算計上にあたって、これとの関連において農業機械化促進法の第六条に定める各条項に照らして、どのような具体的な措置を講ぜられておるのであるか。口に近代化あるいは共同化といういろいろ言いましても、事実上法律を眠らせ、ただ単なる行政措置等によって、思いつきと言うと言い過ぎであろうかと思いますが、ややその傾向を持つ、いわゆる近代化の政策予算の芽だと称して、畜産の主産地形成を初め、数千あるいは全部をトータルしますと万をこえるような、いろいろなこま切れなものを総花的に農村にばらまくことが日本農業の近代化を促進するゆえんであるかどうか。私はまずこの農業機械化促進法に対する大臣の所信、この法律に基づく具体的な予算との関係、また今後の対策いかんということについて伺っておきたいと思います。

周東英雄自由民主党

○周東国務大臣 お話の点ごもっともであります。なるほど今日まで機械化促進ということで二十八年に法律が出ておりますが、新しい農業の行き方として、近代化をさせる重点として機械化ということがその中でまた重きをなすときになりました。私どもは従来の行き方をさらに検討して、日本でも、先ほどお話しになった輸入農業機械というものによらなくたって、日本の農業機械というものの製作者の中には優秀なものがあり、むしろ外国でも日本の小型農機具、中型のもの等につきまして輸出が促進されておるような状態であります。これらの優秀な農業機械を作るものがおるのでありますから、日本の農業にふさわしい形において必要な、御指摘のような、あるいは中型トラクターとか小型の耕耘機とかいうものに対する製作等に関しましても十分今後検討いたしまして、御趣旨に沿うように私はやっていきたいと思います。その点は農業基本法中にも、特に農業資材に関する生産あるいは流通等について考える、また施策をするということを考えてやるというのはその点でありまして、御指摘の点については、現在の状態で十分とは私も考えておりません。今後十分に検討して措置をいたしたいと思います。  二十八年にできた機械化促進法の関連におきましての説明は振興局長からいたさせます。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 ただいま農業機械化促進法の内容につきまして、今後の処理方針をどうするのか、こういう御質問でございますが、事務的な点につきまして私からお答えいたしたいと思います。  お話しがありましたように、機械化促進法の内容といたしまして主要な事項は、一つは今後の機械化の促進に対する助成の競走を設けておる面が一つと、それからもう一つは検査を中心とした規定がございます。機械化促進法の検査部面についての機能は、最近における機械需要の増大に伴いまして、この検査機能については相当の効果を上げておると存ずるのであります。そればかりか、最近の各種の機数の増大に伴いまして、むしろ検査機能の整備を要求されておるような状況でございまして、少なくとも現状におきましてこの部面の機能は果たしておるのではなかろうかと思うのであります。  それから第一の方の各種の助成に関する規定がございます。これは農民に対する機械利用の展示に対する助成であるとか、あるいは機械オペレーターの養成施設に対する助成であるとか、あるいは修理施設に対する助成であるとか、そういうことを内容としておるのでありますが、これにつきましては先ほど農林大臣からも答弁がありましたように、今後の機械化を普及していきます場合におきまして、現実には当面小型のトラクター、自動耕耘機が五十数万台もすでにどんどん入ってきておるわけでございます。他方今後の農業の機械化のあり方というものを考えてみます場合に、先ほど大臣からも御答弁申し上げた通り、どうしてもだんだん大型化していくということの方が利用としては効率化していくわけでございます。そういう意味で今後といたしましては、大型につきましては土層改良あるいは深耕等の効果は特に顕著でありますので、これに対する助成は年々相当大幅に計上いたしておるわけでございます。現在大型として普及されておるホイール・トラクターは二千三百台に上っております。そのうち国で助成したりあるいは国で貸与した台数は、先ほど先生がお話しになったように六百台に至っておるのでございます。来年度予算におきましても、大型トラクターにつきましては、深耕用、上層改良用ともに相当大幅な台数を計上いたしておりまして、深耕用では百六十七セット、土層改良用では四十三セットを来年度の導入計画にあげておるわけでございます。しかしそれ以外にやはり今後の一貫的な作業部面までの合理化ということ、機械化ということを考えてみた場合に、たびたび申し上げておるかと思いますが、やはり二十馬力程度の中型のものが今後の農業機械化の一つの型になるのではなかろうか。こういうことで、日本の土壌あるいは日本の農業経営を前提とした場合に、導入さるべきタイプとして中型のトラクターを共同で利用する、こういうことを考えまして、昨年度から機械化実験集落というものを設けまして、それの利用に入っておるわけでございます。本年度も引き続きまして全国に四カ所の機械化集落を設けることにいたしております。もちろんこれに対する助成をいたしておるわけでございますが、今や機械化というものが、単に機械化という面からの推進というだけでなしに、農業の生産面あるいは技術革新という面から見まして、あらゆる作物の耕種農作業方法の中に機械化を取り入れざるを得ないというふうな状況になって参っておるわけでございまして、たとえばコストの引き下げ、あるいは生産の増大、生産性の向上、こういう見地から見まして、各種の作物の作業面に機械化が入っておるわけでございます。たとえば麦につきましてはドリルまきであるとか、あるいは大豆、菜種、てん菜、すべてこれらの作業部面に対する機械化の要請というものが、現在の作業体系といたしましては非常に緊要なものであると考えておりまして、これを一段と普及する段階にあるという見地から、振興局関係の予算といたしましては、機械化といたしましては、今申しました予算として大型トラクターの導入あるいは機械化実験集落という予算として計上されておりますけれども、それ以外に麦対策としての助成も、やはりこれはドリルまき等の機械化に対する助成でございます。これは本年度九百カ所を予定いたしております。それからそのほか大豆、菜種、てん菜等に対する助成も、すべてこれは機械が入っておりまして、それらに対する助成を講じておるわけでございますから、機械化促進法の直接の助成という形よりも、もっと進んだ形で助成をもうすでに行なっておる、全面的に今後どうするかということは、この機械化促進法について十分検討して参りたい、かように考えております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿分科員 私の聞いておるのはそういうこまかいことではなしに、大所高所に立った機械化に対するところの基本方針とその根拠法を明確にしてやらない限り、それは大臣がかわり、あるいは政府の方針がぐらつけば、そのつどやはり変わっていくわけでありまして、政府の考え方は自立経営に中心を償いてこれを育成する、そのものの部分的協業または共同化というきわめて消極的な方針を農業基本法を中心に貫いておるわけでありまして、従って、現在の農業機械化促進法という不十分な法律であっても、これを根拠法として長期にわたり、しかも掘り下げた基本的な対策に欠けておる、私はこのことを指摘しておるのであります。たとえば最近においてヘリコプターによる農薬の散布、これは私どもの県でも農協連がやっております。これに対しましても、直接的に国家がどのような指導なりあるいは助成なりを行なっているかということも聞いておりません。また先ほど指摘しましたコンバインの問題にしましても、日本の現存の農法が麦わらや稲わらを束にして、これを他にまた収入の道にするというような一つの考え方に立っている以上、日本的なコンバインの機械の普及ということもできますまい。これはたばねるまでのことはとてもコンバインとしてはできません。麦わらなり稲わらを積み上げて随所に置いておくという程度しかいかないわけであります。従って、そうした日本の農業機械化を促進していくための一連の施策というもの、農業技術とからみ合った一連の施策というものが講じられない限り、きわめて場当たりな対策ではないか、かように考えざるを得ないのであります。日本の労働力中心、百姓の手労働を中心とした今までの農業技術や営農形態をそのまま温存しようとして、一方においては誤った農民の機械化に対するところの考え方を是正せずして、幾らおやりになりましても、私は成果を期待することはできない。従って、近代化の一つの大きな柱であるこの問題が未解決になるのではないか。多くは申し上げませんが、とにかく農業機械化促進法というようなものを中心にしてその根拠法を明確にして、そうして権威のある機械化対策というものを講じ、そしてこれが労働力をただに見た昔の営農形態に立脚した古い農法を機械化にどう変えていくかという技術体系と結び合わせた思い切った施策というものを今後とらない限り、私は、この機械化はかえって、現状を推していきますならば、過剰投資の傾向、それが農業経営に対する重圧、いろいろな弊害をすら伴うものではないか。この点を指摘して、農業機械化法が不十分であるならば、これを廃案とし、これを徹底的に改正するならば改正の方針をきめて、そしてなるべくすみやかな機会に、農業基本法等を政府が云々されます以上は、その根拠法としての活用をはかられることが、きわめて喫緊の要請ではないかということを私は指摘しまして、この点については、大臣においても十分検討するということでありますので、次に資金の問題について伺います。  三十六年度の予算に新たに経営近代化資金が計上されようとしております。まだ法案の要綱程度をわれわれは拝見した程度でありまして、これを今云々するということもどうかと思いますが、大体の構想は、政府の財政支出を極力回避して、そして金融対策にその政策の転換をはかろうとしておる。つまり安上がり農政、と言うと非常にあなた方はきらわれると思いますが、事実は直接投資を控えて金融措置に依存していこうというのでありますから、大きな農政転換の姿の一つであろうと思います。ところがその要綱を見ますと、国と県が一分ずつの利子補給をする、末端の農家の金利を七分五厘にするという大体の構想のようでありますが、これでは私は従来の農業金融の実情から見まして、はたして所期の目的を達成するかどうかということを疑いたいのであります。この骨子の中心ともいうべき点は、系統資金を三百億動かすというところにもあるようでありますが、これに一つのひもをつけてそして運用するということは、農協の現在の金融方式が高金利であって、農家の利用を妨げているという点についての若干の改正にはなろうかと思います。しかしながら、農協の自主性という点について考えてみますと、これは大きな問題をはらんでおると思うのであります。政府がひもをつけ、しかも窓口を市町村の農協に求めておるようでありますが、この信用保証協会等において七〇%ないし八〇%程度の信用保証を一面に講ずるということで、経営規模の小さい、普通の金融ベースに乗らない貧農といいますか中農以下の者も、その対象になるのだと政府は説明しておりますけれども、依然として農協をくぐらすということになりますと、理事の全員の個人保証を必要とする形になります。従来の政府資金やいろいろな天災融資資金のごときに至るまでも、農協の理事全員の個人保証を求めております。そうしてしかも、その手続はきわめて煩瑣である。長野県の具体的な一例を先日現地の人に聞いてみますと、ある開拓地においては、百六十人の組合員の資金手続をするために、五人の人が三日間昼夜を分かたず努力し、しかも一通に関連するところの付帯借入書に三十五回同一人の判を押さなければ出ない、こういう実情を訴えておりました。結局そういういろいろな隘路があるから、政府は資金需要がないのだ、ワクはあっても資金需要がないといつも言っていますが、そういう煩瑣な、しかも農協の末端窓口における理事の全員保証というような点等が一つの隘路となりまして、事実上においては借りたいがめんどうくさい、または出しても農協がうんと言わないというような幾多の矛盾が累積をして、結局資金需要が減退しておるのが現実の姿であり、農村においては、資金需要の最近におきます状態は、きわめて旺盛というよりも、異常に近いくらいの熱意をもって資金を求めておりますが、これにこたえるすべがない、こういうのが私は農業金融の現状ではないかと思うのです。これに対処して、今政府が考えておられるような構想をもってしては、今私が指摘したような一、二点をもってしましても、この問題の打開には少し力が足りないのではないか、かように思うわけでありますが、すでに都道府県におきまして、いろいろな名称ではありますが、農業近代化資金制度の形で出発しておる県が十県程度、共同化資金的な性格を強く出しております県が十七、八府県、しかもその県の利子補給を見ますと、大きいところは県費でもって四分以上の利子補給をしておる。しかしそれは県費を相当持つ県ではできるでありましょうが、財政の貧弱な県においてはそういう措置もできますまい。従って私は、これらの都道府県の姿に突き上げられて、政府がようやくこのたびこたえようという段階ではないかと思いますが、それにしては、わずか二分の補給をもってしては、目的を達成するにはいささか遠いのではないかと思います。すでに県費において四分も利子補給をしておるところがあるのであります。従って県で利子補給するものを半額というふうに、もう少し積極的な近代化対策、資金対策を考え、県が五分利子補給をするならば——今の一分、一分をさらに二分五厘ずつというふうにこれを進めて、そうしてこの低金利の熱望にこたえていくのが至当ではないかと思う。むしろ政府が考えておる九分五厘を七分五厘にいたしました場合においては、逆に後退の危険すらも包蔵しておるのではないか。その政府の規格に大体右にならえということになりますと、低いところはやや前進しますが、相当進んだところは、むしろ後退をするような危険すらも包蔵しておるのではないか。そういう点を私どもは憂えるわけでありまして、いずれにいたしましても北海道の寒地畑作振興資金が、国会の意見をいれられて、ここに主査をしておられます三浦さんが農林大臣のときに非常な問題をかもしながらも、ついに五分という寒地農業に対する金利の一つの形が出てきておるのであります。むしろ七分五厘というような、わずかの二分補給というようなこと、しかもその一分の資金源は三十億を国が出資して、その運用益の一億六、七千万円をもってまかなうというようなことで、現在の農業共同化や近代化に対するところの農民の熱意にこたえることができるかどうか、これまた私は機械化の問題と同様にかけ声はなかなか勇ましいけれども、その内容を掘り下げてみれば矛盾だらけではないかと思う。おそきに失しても手をつけたことについては私はあえて非難はいたしませんが、その内容についてきわめて遺憾な点が多々あるように思います。農林大臣のこの基本構想に対する御所見、それから具体的には都道府県に新設または改組される信用保証協会が保証する残額については、中小企業の年末金融の先例もありますが、市町村自治体で残額の損失補償を見るというふうにいたしますならば、いわゆる信用力の低い農民といえども、農協も喜んで判を押すようになるでしょう。そうした問題。それから経営者以外の連帯保証をやはりとる方針のようでありますが、たとえば五人なら五人で共同経営をやる、そのものだけのお互いの連帯保証でいいのではないか。少なくとも窓口におけるところの取り扱い、共同化、近代化資金の運用ということについては、まだもっと検討をし、掘り下げて、同じ発足きせるならば充実した施策を講ずべきだと思うのであります。大臣のこれに対する基本構想——具体的な点を二、三指摘いたしましたが、言えばたくさんありますが、それらの点について事務当局としてはどのように対処されようとしておるか、そういった点について御所見を承っておきたいと思います。

周東英雄自由民主党

○周東国務大臣 まことに御意見ごもっともな点もあります。私はただいまこの新しい近代化資金融通制度を開きまして、農協を通じて出すその間において手続が非常に煩瑣で、借りるにもなかなか借りられない。ことに全員の理事の保証というようなことをやっているので、なかなかいかぬといろお話、この手続上の問題については、私はこれを改正させる方向に考えております。今の利子補給の額が少な過ぎるじゃないかという問題については、今後とも私は考えていきたいと思うのです。しかし私は足鹿さんですから十分御存じだと思いますが、この農協の資金というもののあり方を現在のままにしておいて、国だけで多額の利子補給をしていってあの資金を運用することを考えることはいかがかと思うのです。本来御承知の通り農協というものは、私が申しますように、これは常に相互扶助の団体であるということを呼号している。だからほかの営利的な銀行とは違うのだから別個の方において、ほかの方で税等に関しては違うような減免措置を講ずるようにという主張です。私はその意味において、農協に集まっている金があまり窮屈な形に高利な金で、しかも全員の理事の保証でなければ借さぬというような行き方を徐々にでも改正していく方向に皆さんとともに協力していきたいと思うのです。これはかなり精神的な面がありますので骨が折れます。しかし本来農村の農業協同組合に集まる金というものは相互融通、相互扶助の立場で集まってくるものであって、それが多額の保証がなければ貸せぬ、高利でなければ貸せぬということで、ほかに動いていってはいかぬのではないか。それをある程度直すべき方法として一つあの活用を考えてみたわけであります。その意味において私は利子補給が今のままでいいとは申しません。できるだけ今後とも努力しなければなりませんが、そのこと自体は、農協自体の金自身においてももとを下げるような指導をしていって、それになおかつ政府が利子補給をしていくという考え方に持っていきたいと思う。農協の金は高い。それをそのままにしておいて国だけの利子補給をふやしていくということだけではいけないじゃないか。ここに私は今後指導の精神があると考えます。しかし、そのことは一足飛びにはいきますまいから、並行しつつ、今後の情勢を考えつつ下がるように、利子補給の面についてはさらに額を検討していきたいと思います。  それからこまかい点については事務当局にお尋ねですからお答えさせます。これは別に私から申し上げなくてもいいかと思いますが、国が利子補給をして急に後退しはせぬかというお尋ねですが、これは私どもは県等で利子補給されておるものが相当ある。それが国が利子補給することによってさらに下がる。七分五厘以下で貸せるようにしたい。最高限は平均九分五厘に二分の補給をやるということで計算しなければならぬということを言っております。しかしそれ以下なら私はちっとも差しつかえないと思う。私は急に国から出たからそれだけ県が減らすというようなことはしないように指導していったらどうかと思うのです。

足鹿覺日本社会党

○足鹿分科員 その点私の言わんとするところと違うのですが、後退しはしないかということが一つの危惧になるわけです。そうなると私は断定もしませんし、そうなるようなことはおそらくあってはならぬと思うのです。むしろ県が利子補給したその四分なら四分に対しては二分を補給する、それから補給率の低い、財政力のない県等に対しては、その水準にまで達するような利子補給を政府が考える。そういう方向を出すべきではないか。こういうことを中心に私の意見をまじえてお伺いしておるわけであります。その点で今の大臣の御答弁と私の質問の趣旨が食い違っておるように思います。北海道の畑地振興のマル寒資金五分という修正が国民の総意を代表して数年前に国会を通っておるのです。しかも政府が農民の所得倍増を呼号しながらこういう具体的な資金に悩んでおる、最も生産力を伸ばし、最も所得の向上をはからねばならない今まで恵まれておらなかった階層の農家にいかにして近代化の資金や共同化の資金が流れていくかということについて考えるならば——異例の措置を私は行なえと言っているのではない。すでに事例があるではありませんか。それを当然あなた方は考慮されて立案さるべき筋合いのものであり、それに基づいた予算措置を当然講じられる性質のものではないかと私は思うわけであります。その点を、大臣としての御所信を一つ明確にしていただきたい。少なくとも現在の畜産の面においても多頭飼育の問題、また牧野牧草の改良の問題、あるいは飼育に必要な施設の問題、いろいろ分かれております。特に具体的な点で先ほど一点落としておりましたが、酪農の場合に、乳牛の導入資金と施設の建設資金、こういうふうに二つ分かれる。これを一括して一つの据置期間を作り、そして償還年限を十年なら十年と考えておられるようでありますが、牛そのものは二年足らずで一つの償還の財源となるところの乳も出てきますし、また子供も生まれましょう。しかし施設は相当の耐用年数を持っておるわけでありますから、具体的に言いますならば、乳牛等の据置期間とそれから施設の据置期間というような問題に対しても、もっと周到な注意を払って資金の運営要綱を定めるべき筋合いのものではなかろうかと私は思います。現在政府の立案しておられるところによりますと、個人の最高を二百万といっておられますが、これにかける共同化の員数を五人なら五人としますならば、一千万円が最高限となるでありましょう。しかし実際に三十頭以上の近代的な酪農経営をやろうとする場合には、とうていそれでは足りないというのが一般の共同化を体験しつつある農民の声であります。そうした実情をあなた方はよく知っておられて、なおこういう消極的なものを近代化資金制度と銘打って出されるのであるか。その内容は近代化資金という名に値するような内容を持っておらないのではないか、それに必要な予算措置を伴っておらないのではないか。先ほど通産大臣の説明を聞いて、中小企業も対策がおくれたりといえども、農林関係の予算対策に比べますならば一日の長があるように見受けました。総花的に、一つの重点も明確にしない。本年度の農林予算の政策予算の内容は、こういう面からも指摘するならばきわめて貧弱ではないか。もっと数歩進めて大きくその名に値するような施策を必要とするのではないか。そうでない限り、政策予算だなどということは私は少しうぬぼれ、自画自賛過ぎはしないか、こういうふうにも思うわけでありまして、そういった点をもっと事務当局の考え方に対して、大臣としては大臣の見識と所信において根本的な方針を指示され、それを具体化せしめられていくという方向に進むべきものではないかと思いますが、これ以上意見にわたりますから申し上げません。  具体的な、今私が申しました経営者以外の連帯保証を要するか、市町村の自治体の債務保証についてはどういうふうに考えるか、また個人の最高の二百万円の場合に、共同化されたものの員数、あるいは戸数を乗じて得たものが最高ワクとなってくぎづけになるのか、もっと、必要によってはそのワクをふやし得るのか、そういった諸点について、簡単でよろしいですから、イエスかノーか、どうするのかという点を明らかにしていただきたいと思います。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 それでは事務的な問題になりますので私がお答え申し上げます。  第一番目の保証の残額について市町村等がこれを持つということができるかどうかという問題でございますが、これは現在近代化資金で保証しようといって考えておりますものは大体八割程度ということで考えておるのでございまして、あとの二〇%程度はともかく一応農協の金を使いまして、そして農協から貸し出すということでありますので、農協においてもその程度のものはやはり責任を持ってもらうという体制が必要ではないかというふうに考えておるわけであります。それに加えまして市町村等が保証するというようなことがあるいはありました場合に、それはどういう工合に扱うかという具体的な問題につきましては、現在いろいろ運用等について検討中でございます。  それともう一つ、そういうような問題とも関連をいたしますが、いろいろ足鹿委員の御心配のように、農協がネックになってせっかくの金が出ないというような問題もあろうかと思うのでございます。たとえば先ほど足鹿さんおっしゃいましたように、連帯保証を要するとかいろいろ窮屈な問題があろうかと思うのでございますが、これはせっかくの制度が農協がネックになって農民に金が渡らないということがございませんように、いろいろ運用面で今までの欠陥等も十分究明いたしまして、そういうことがないように一つ十分考えたいということで、いろいろ運用上の検討を現在いたしております。  それから二百万円の問題でございますが、一応現在の考え方は、個人に貸します場合には最高限度二百万円で考えようということでございます。それから協業の場合においては一千万円、それから共同事業の場合においては五千万円、こういう考え方で私ども考えております。もちろん、計算といいますか、計算上は、五人が共同した場合に五人集まるのだから一千万円、六人の場合には一千二百万円になるではないか、こういうお話であろうと思いますが、共同といいまするのは、いわゆる協業することによって個人そのものの需要が全部算術的にプラスになるということでは協業の意味もないのでありまして、あるいはそういうことで必ずしも十人集まったからそれが二千万円でなければならぬということはないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。従いまして、一応現在のところでは、発足でもございますので、発足いたしますときには一千万円ということで押えまして、そして実際の運用をいたしまして、実情を見た上でまた実情に合うように今後十分検討しなければいけないというふうに考えておりますが現在のところは一千万円というところで協業の場合には考えておるわけであります。  それからもう一つ、たとえば乳牛を導入するというような場合に、牛の償還期限あるいは据置期間等とそれから施設の据置期間等とは別に考えたらいいじゃないかという御意見でございますが、ごもっともでございまして、一応建前といたしましては、セット融資ということで牛とか施設というものを一緒にして、同じ条件で考えていこうということも原則的にはございますけれども、たとえば牛なんかを入れる場合には、これは実情がだいぶ違うだろうと思いますので、そういう点は運用上実情に合いますように考えたいということでいろいろ検討をいたしております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿分科員 経営者だけでいいかどうか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 それらの問題も運用上どういう工合にいたしますか、農協の現在の貸出条件等もいろいろございますので、そういう点を十分調べまして、運用上農協がネックにならぬように十分検討したいと思って、具体的な運用の問題はまだ検討中でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿分科員 一つの事例を申し上げましょう。これは埼玉県の事例でありますが、もうすでにその地区の農協の幹部は、政府が近代化資金などを出すというようなことは、なるべく農民に知らさない。知らすと農民がどっと申し込みをしてくる。そういう場合になると、たとえば協業の場合においても二百万の五人で一千万、そんなのが三組も四組も一村で出た場合には大へんなことになる。保証をしておる限りは、自分たちは身代限りをしても、理事をやめても、最後まで償還が完了するまでは保証の責めを負わなければならぬ。お互いが貧農ですからね。農協の理事といえども、今日潤沢に農業経営をやっておるという人々が何人ありましょうか。そうしますと、結局もしものときには自分たちがかぶらねばならぬ。こういう点からみんなちゅうちょをし、制度はできてもその運用上の点で明確にならない限りこれはだめです。現に農協も貸さない、公庫も貸さない、どこも貸さないものが、国民金融公庫に申し込んだところが、酪農施設に、事業としての採算をそろばんしたところがこれはりっぱに成り立つ、貸してあげましょうというわけで、五、六十万の金ではございますが、出した事例があるじゃありませんか。一部の農民ではありますが、いわゆる現在の農林金融体系からくるいろいろな矛盾を自分たちの力で検討して、他の通産省や大蔵省所管の融資機関にすがっていくというような現実を、あなた方は何と考えておられますか。そういう事態がすでに起きておるにもかかわらず、これから検討するなどということは私は少し手ぬるいと思います。もっと実情に目をつけられて、そして具体的にやらない限り、いわゆる農業近代化資金制度も実効の上がらない、手の届かない高ねの花として農民からながめられるような結果になりはしないかと私は思うわけであります。  それからこれはついででありますが、近代化、共同化の問題に関連しまして、自治省と折衝なり、話し合いがあるかどうか。なければ大臣にしてもらいたい問題がありますが、果樹産地において、私どもの地帯はナシの主産地でありますし、淡谷委員の地帯はリンゴその他の主産地でありますが、ミカンやあるいはナシ、リンゴというような大規模な栽培の進んでおる各地帯においては共同選果が非常に進んで、従来の部落単位の共同選果から、数カ町村を統合するところのマンモス選果場が各地に続出しております。私の県におきましては、二十世紀の中心である松崎というところに広大な選果場を作って、日本一だと言われておりますが、これをやったところが、固定資産税を取られるわけです。年間にわずか一カ月、長くて一カ月半程度の利用期間しかない。このものに対して、通常の農業生産施設として固定資産税をかけられておる事例がありまして、この問題に対して新聞その他も大きく取り上げて解決を迫った去年の秋以来の問題でありますが、これについても、現在の共同化をやればそういう大きな矛盾にぶつかっていく。しかもこれに対して、農林省は自治省と固定資産税の課税基準等についても具体的な措置を講じておられるのかおられないのか。そうした幾多の現実に起きておる具体的な問題を一つ一つ解決せずして、幾ら制度を作ってみましても、さっきの農業機械化促進法の類に流れてしまいはしないか。そういう点をあなた方がもっと真剣に取り上げられない限り、いわゆる農民所得の他産業従事者との均衡、または同一水準以上にわれわれは引き上げようというのでありますが、そういう問題が解決されない限り、生産面においていかようにコスト・ダウンをはかろうとしましても、生産性を高めようとしましても、あるいはその他の対策を講じようとしても、一つ一つ大きな壁にぶつかるような現状で、はたして目的が達成できるでしょうか。政府の農業基本法の問題については別な機会にみっちりお伺いをしたいと思っておりますので、本日は触れません。触れませんが、あれは原則をきめたものだけであって、問題は中心となるべき重要関連法とその運用にかかってくるのであります。これはわれわれが出しておりますものも同様でありますが、そういう点をあなた方が十分に考えられない限り、これは絵にかいたもちに終わりはしないか、実効を期しがたいのではないか。そういう点を真剣に反省、検討されて、万全の対策を講ぜられんことを私は強く申し上げて、この資金問題については、まだたくさんありますが、一応打ち切ります。  近代化の第三条件としての農業技術の問題でありますが、この農業技術の問題について、いわゆる水稲中心の農業技術が従来から展開されておった。あなた方の機関であるところの農業総研の研究官が、日本の農政の歴史を調べました。それによりますと、いわゆる徳川時代、封建時代から明治に入り、そうして現在に至るまで、日本はいわゆる米中心の農政が行なわれておった、それに関連する技術も相当進んでおった。農学博士の学位をとろうとしても、麦やあるいはくだものや、そういうものではなかなか博士になる率が少ない。いわゆる副業的な軽視をされた技術の検討では、役人としても、学者としても出世ができない、そういう長い伝統が流れております。私は水稲を軽視しろなどということは決して考えておりません。これもまだまだ改善の余地があろうと思いますが、そういう技術の歴史的な経過の認識の上に立って、新しい農業技術のあり方、その体系は一体どうあるべきか、こういう点はどういうふうに考えておられるか。聞くところによりますと、農業機械、畜産、園芸、農業土木、その他縦割りの試験研究機構が新しく実施されるように聞いておりますが、その機構もけっこうでしょう。けっこうでしょうが、一体国は畜産とか、あるいは果樹とか、その他の成長部門に対しても、それにふさわしい技術の体系と新技術の農家への応用、活用をはかる点をもっと考えない限り、私は農業近代化は達成できないと思います。現在普及員が全国におるわけでありますが、私どもの考え方をもっていたしますならば、末端の普及員は八百屋的になっております。専門的な技術というものを一時は持っても、末端で働いている間に自然と一般の空気から離れて、農家の相談相手的な形にならざるを得ない。従って高度の技術をもって農家を指導するというようなことは、末端の普及員についてはやや期待が薄らいでおるのではないか。これらの普及の組織にいたしましても、私は、もっと改善をしていかなければならぬと思います。これは先年北海道へ国政調査に行ったときの北海道の国立の試験場長のお話がありましたが、ビートの研究をやっておる。大きなガラス室を作って、ビートの品種改良をやっておる、品種改良は、一年や五年や六年で目的を達成するものではないために、期間を縮めなければならぬ。いわゆる温室の中で期間を短縮して、その成果の早期実現に努力しておるさなかにあって、施設はできたが石炭代がない、こういう技術者の切実な声を聞いておりますが、施設は作っても、その運営用に一つも改善の跡が見られない。地力の都道府県農業試験場も、国のひもつきの研究テーマを与えられて、そうしてそれを農家に普及するよりも、どちらかといえば、一つのデータを作ることに終わってしまう。こういう今の試験研究のあり方につきましても、もっと改善をしなかったならば、農業近代化の大きな柱の一つである新技術の研究導入ということは、百年河清を待つたぐいでしょう。元来農家というものは保守的なものでありますから、なかなか新しい技術に飛びつこうとしない。そういう農家の気持もよくくんだ上の、ほんとうに権威のある技術指導が、近代化に必須の条件だと思いますが、国が一つの新しい農業近代化に必要な技術の方針を立てて、そうしてどのように試験研究機関に研究を命じ、どのようにこれを応用化するために、都道府県の試験場にこれを連絡し、どのように農村の末端に浸透したか、こういう点について、私は非常に現状を遺憾とするものであります。ある試験場長が、とにかく自分たちに、近代化のためにはこういうやり方でやれという指針を示さずに、われわれが何ができるか、こういうことを漏らしておったといいますが、技術者関係はじみでありますし、いわゆる政治的な圧力を加えて予算を獲得することも不得手でしょう。従って、今日まで放任されておったのが現状ではないかと思う。そういう技術の点について、口に近代化を唱えても、こういう具体的なものについて、お互いもこれを知り、そしてその線に沿って農民にも啓蒙宣伝普及をしていくというような、一つの太い柱もなければ、具体案も何らないではありませんか。この点に対して農林大臣は、いたずらに抽象的な農業基本法の原則論を検討されるよりも、現状を正しく把握されて、そうしてその打開に善処されなければならぬ責任があると思いますが、大体の御所見はいかがでありますか。

周東英雄自由民主党

○周東国務大臣 いろいろと御所見を拝聴いたしましたが、同感であります。しかもこれに対しましては、私ども今度の予算等においても処置をいたしておりまして、急速に伸ばしたいと思います。畜産、園芸等に対する技術指導というものをやっていかなければならぬことは、全く同感であります。しかしそれがための専門技術員というものを急速にふやすことも、なかなか事実上少ないので困難をきわめておりますが、試験研究機関の統合、再編成も考え、特に果樹、園芸については今度は独立させる。しかも今御指摘になった農業改良普及員ですが、それがお話の通り、ある程度八百屋的に今までやっておりました。その中から特技、すなわち畜産、 園芸というものに対する特技を特に修得させる。それについては、園芸の方は昨年からやっておったと思いますが、一面におきましては、農業者を農業試験場の園芸部において、五十人ずつ集めて研修する、また府県の農業者自体におきましても、同様に果樹、畜産をやる人に対する技術研修をやらせるために、府県農事試験場の園芸部等において、それが特技の指導を行なうというような方法をとろうといたしております。畜産部門についても同様でありまして、中央畜産試験場等で、地方の技術員の中の一定数ずつ、毎年これを特に指導していく。そうして技術指導者を養成していく。それを今われわれの計画に沿って、直接農業者に指導しさせるようにするという考え方を持っております。換言すれば、中央の試験場等に対しての特別な処置と、それから地方において指導に当たる、従来農業改良普及員等でやったものの中から、畜産、果樹園芸等にそれぞれ特技を持たせるように、それに対して研修を行なう、同時に、農業者に面接に新しい農業の行き方に関して、それぞれ講習、研修をして、技術修得をさせる、こういう三段がまえになっております。この点は本年も予算で進めておりますが、今後さらにこれがやり方を強化していく必要はあると思います。御趣旨の点に沿うた考え方で私は進めていきたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿分科員 選果場の固定資産税の問題等については検討しておりますか。対策を立てておりますか。

周東英雄自由民主党

○周東国務大臣 選果場は共同施設でございますが、私どもは農村における負担軽減の問題として、固定資産税、住民税の問題を取り上げておりますが、地方公共団体の収入財源というようなことと関連して、まだ不十分であります。今の共同選果場の問題については、詳しくは局長から説明いたさせますが、特に今度農家の住宅家屋につきましては、固定資産の評価がえが、来たる三月に行なわれるので、そういうときにも、ただ広い施設を持っておりますが、実際の効用率は比較的少なく、時期的に使うだけですから、そういうことを考えて——宅地等においては、評価がえの場合においても従来通り据え置きでありますが、農家関係は三%引き下げるというような方法をとろうとしております。共同選果場の問題については、ちょっと私は記憶しておりませんから、局長からお答えいたさせます。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 選果施設の課税の問題でございますが、私の承知しておるところでは、従来から個人々々が選果施設を持っておった、それが新しく共同で、大きな共同選果施設ができた、これに伴いまして、各個人の持っておった選果施設が不要になったわけでございます。それにもかかわらず、新しくできた共同選果施設にも固定資産税がかかり、それから従来各個人が持っておった選果施設にも固定資産がかかる、これを何らかの形において軽減すべきじゃないか、また制限してもらいたいという御要望を聞いているわけでございます。この点につきましては、自治省とも話したわけでございますが、結局その選果施設ということについて固定資産税がかかるわけではなくて、その農家の持っている農作業施設であるとか、つまり固定資産税の対象になるべき建物として残っている限りにおいては、それは選果場としての意味は失ったかもわからないけれども、固定資産税としてはかけざるを得ない、しかし、それがもはや選果施設としての意味をなくして、固定資産税の対象にもならない程度の、納屋とか小屋とかいうようなものになっておれば、これはその見地から課税をするかしないかということを判断すべきだ、こういうことでございました。現在はそういうところではなかろうか、こう思っておるわけであります。

足鹿覺日本社会党

○足鹿分科員 その程度の対策では、あなた方が近代化、共同化のかけ声をかけられましても、解決にならないでしょう。現に近代的な共同選果施設というものに対して、具体的に問題が起きておるのでありますから、これを全額免除するくらいの意気込みを持って対処しなければならぬ問題だと思います。しかし百歩を譲ったとしても、これは季節的利用の非常にあるものでありますから、利用期間分だけの固定資産税をかけるとか、そこに何らかの対策が早急に立てられない限り、かえってそれらのことをやったために、べらぼうな固定資産税を——きょうは資料を持ってきておりませんので、詳細な資料はあとで差し上げますが、これは早急に解決されなければならぬ。共同化、近代化といっても、一つ一つ農家が実践し、協同組合が実践をしようというものに対して、打開の対策なしに放置しておるようなことでは、問題の解決にならぬということを強く指摘しまして、これは大臣の間にあってもこの基本をすみやかに解決されることが私は必要でないか、この点を強く指摘し、対策を要望して、この問題は一応終わります。  次に農業災害補償制度の抜本改正の問題について伺います。政府は昨年の四月一日に制度改正協議会を作って、四十四名からなる協議会の委員を、学識経験者、関係団体、国会代表等を入れて大がかりな協議会を発足されました。それまでに部内にも研究会を設けられて検討をしておられたわけでありますが、私どももその一人として参画をいたしまして、昨年の十月十五日に、忍びがたい点もございましたが、やはり一つの制度の前進と充実のために最大公約数を得まして、いわゆる小委員会案なるものができました。そして二十日には全体協議会を開いて正式に政府に答申を行なうことがきまっておったにもかかわらず、突如として十八日自民党の農林部会が開かれて、そうして議長も知らない間に二十日の全体協議会を政府の一方的な手段によってこれを長文の電報で無期延期した事実は、あなた方も御記憶にあるところでありましょう。歴代の農林大臣がこの問題に対して、就任と同時に抜本対策を口にしながら、今日までこのような状態であったことを私は非常に遺憾に思いますが、私どもはこれに対するところの小委員会案に対するところのいろいろな世論も聞いておりますが、大体において私は妥当な、少なくともわれわれは不満であるけれども、世論は妥当な意見として認めておったにもかかわらず、しかもこの全体会議を選挙後にまで持ち越し、年を越させてようやく二月十三日に開き、その間一月十四日自民党の農林部会はこともあろうにまだ正式な採択になっておらないところの小委員会案に根本的な一番重要と思われる点に修正を加えて、昭和三十六年度の予算編成に名をかりて作業を急がなければならぬということでもって、協議会を開かずに一方的に政府がこの小委員会案の答申に修正を加えて制度改正の法案の検討を始め、それに付随する予算を計上したということは、私はこれは農災制度の改正の問題のみに限らず、審議会あるいは研究会あるいは協議会という政府の諮問機関のあり方として、実に重要な問題だと思います。このようなことが行なわれていいのでありましょうか。私は少なくともその手続の上においてもやり方においても遺憾千万なことであったと思いますが、協議会はその遺憾の意を正式の答申の前文として満場一致採択して農林大臣に答申したことは、すでに御案内の通りであります。ところが現在われわれがこの予算に関連して国の農政の中で百二十億以上も経費を持ち、しかも農民もこれと同額以上の負担をする制度としてはおそらく大きなものでありましょう。しかも制度に欠陥を持ち、運用もまた妥当性を欠いたために、各地で解散、事業休止、いろいろな農民の抵抗が起きておるわけでありますが、政府は小委員会の案に自民党の修正を加えた点で法案の改正をそのまま進めていかれる所存でありますか。私どもは協議会の正式答申が行なわれた以上、その案をこれは自民党の政府与党を代表した委員も入っておられる、そうしてでき上がったものであります。これをどのようにあなた方は尊重されるか。現在この予算を見ますというと、市町村の人件費等の補助は本年の七月から、事業団の発足は来年の二月からということになっておりますから、これは現状の上においては、制度改正協議会を開かなかった点は政府の怠慢と私は思いますし、力を頼んだ自民党の一部の人々の私は不法なやり方だと思っておりますが、それはまあとにかくとして、小委員会案のみならず協議会の正式答申に対して農林大臣としていかに対処される御所存でありますか。まず当面はこれでいくとしても、予算の実施は本年の後半期または来年にかかる部分もあるわけでありますから、この際あわてずにもっとよく協議会の精神を尊重されて練り直される御用意があるかどうか。この大臣の御答弁いかんによってはわれわれは重大な決意を持って今後に対処いたします。国会の審議はもちろんのことでありますが、国会外における大きな農民の抵抗をあなた方は受けるでありましょう。もし一歩を誤れば、この制度はおそらく崩壊する重大な危機にあるということもよくお考えになった上で、腹を据えた一つ御答弁なり、御意見、御所信を聞いておきたいと思います。内容についてはあとで二、三申し上げます。

周東英雄自由民主党

○周東国務大臣 御意見はよく私どもお伺いをいたします。従来とも足鹿さんに大へんこの制度の改正について御努力をいただいたことについて心から感謝いたしております。が、私ども今日の状態におきましては十分に小委員会の決定の内容なり、総会の決定の内容を尊重はいたしておりますが、ただいまの状況においていわゆる機構の問題についてはやや考え方を異にせざるを得ない状況であります。この点につきましてはざっくばらんに申しまして、共済連というものをはずして一本にまとめるということだけが別になっておりますが、その他の御要望に関しましては十分に小委員会の御希望をいれて今立案を進めております。ただ共済連等の機構について小委員会の御答申と違った形にただいまのところなっておりますが、これは種々の事情と申しますか、なお蚕繭に関する問題とか、家畜の問題等につきましては保険の今後のやり方等についてももう少し研究の余地は残っております。それは共済連等があずかっておりますので、なお今後の問題として一応今日の段階では進めつつ将来に問題を残したという格好になりますが、まず今日の段階で農業者自体に対する従来の要望を十分取り入れた案ということで一応進めて参りたいと思いまするし、もう一つの問題は建物共済等に関する共済連と農業協同組合との問題が残されております。それは任意共済の問題でありますので、これらにつきましても、一体建物共済というものの内容に種々まだ検討を要する点もございましょうし、これをこの農業補償制度の改正に関連して至急に共済連をなくして農業協同組合関係一本にすぐするということがいいか悪いかということも問題であります。しかしその点についてはでき得る限り両者間における任意共済としての建物共済に関して引き続き検討を進めつつ対策を考えていきたい、かように考えておる次第であります。  いろいろと従来の経緯についておしかりもございましたが、せっかく御努力いただきまして、十月十五日御策定をいただいて、前の大臣も、その当時直ちに総会を開きたかったのでありましょうが、当時の事情といたしましては、総選挙が行なわれ、引き続き内閣がかわるというようなことでおくれましたし、さらに予算編成に引き続き、時日的におきまして年末、年始を控えて委員会の招集がちょっと困難であったと存ぜられます。そういう事情で延びたことはまことに恐縮でありまして、遺憾の意は表しますが、ただその間に、予算の編成によってすべてを決定したというのじゃなくて、予算中に盛るべき事項というものを考えて、機構の問題はあとでよく考えるということで予算編成に対処していったわけであります。その間いろいろと御意見もございますが、十分に委員会との連絡がとれなかったことは遺憾でございます。どうか御了承いただきたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿分科員 ただいまの御答弁を聞きまして私は納得することができません。制度改正協議会自体の運用についても問題がありますし、この種の諮問機関の運用の上にもこれは大きな問題を残すものでありまして、その点についても大臣がこういう誤った運用はやらないという決意を御批瀝になると同時に、制度自体の改正は小委員会案の問題ではなくして協議会の答申であり、そういう立場に変わったわけでありますし、周東さんが大臣就任のときにこの問題について談話を発表されたときにも、協議会の答申を待って抜本改正の問題を検討するんだということを言われており、前の福田農林大臣も、その趣旨において協議会を設置して、その意見を尊重する旨の言明があったればこそ、この問題に対してわれわれは総選挙前も、選挙のことも議員でありますから念頭にはありますが、選挙の直前まで努力したのです。その事実は、私どもは党派的な気持や一つの団体の立場に固執するというようなことではなくして、日本の農業政策の中の重要な柱であるこの制度の存廃を決する立場から、心配する立場から、ベストを尽くしたつもりであります。その点については相当評価しておられると思いますが、それが実際に現われない限り、私どもは納得がいかない。今の大臣の御答弁は納得がいきません。すなわち、この機構の問題について県段階の問題をすぐに大臣は言われますが、あれには前提があるのです。中央、地方との二段階にする前提としては、農林省の特別会計、農災基金、全国農業災害協会、この三つを一応一つの機構にして、そうして公団または事業団を作って、その出先機関を都道府県に置いて、職員の身分の安定をはかって、精励して自分たちの仕事に打ち込めるように、最大の配慮を払ったものであります。別にわれわれ小委員会は連合会をつぶすというような考え方に立っておりません。大臣は途中から大臣に御就任になりました関係もありましょうが、小委員会の審議の経過は速記録もありますからごらん下さい。決してそういうものではない。ただその結果として制度の抜本改正をはかるような場合には、たとえば連合会の役員とかいうような人々の身分には若干の動きはあっても、全国で二万数千の職員の身分を安定し不安なからしめるという一点にわれわれは衆知をしぼったわけであります。ところが伝えられるところの改正案によりますと、農林省の特別会計だけを事業団に看板を塗りかえるというだけではありませんか。機構改革にあなた方は手をつけておきながら上の段階だけを、しかも農林省の特別会計を事業団に切りかえることは農林省の労働組合、あなたの部下も反対をしておる。こんな不安定な案ではいつまで持つか。だから職場が変わる、名前が変わることに不安を抱いて絶対反対をしておるではありませんか。しかもその背景としては、行政と事業の分離という一つの大きな背景がある。林野庁の官行造林の廃止といい、そして公団への吸収といい、また愛知用水の事業完工に伴う、豊川用水等を愛知用水に、直轄工事から公団に吸収する事態といい、一連の、政府が行政と事業を分離して、でき得る限り国家の負担を軽くして自前で農業または農業に関係する公団、または事業団に仕事を転嫁していくおそれがあるのではないか、そういう不安すらも持つと思うのです、背景としては。しかし、今日それは私はあまり言及をいたしません。別な機会でまた申し上げますが、少なくともそういう背景に立ち、中央から地方まで県連合会の職員は、今の政府の案では末端の自主性を強めるということについては賛成であるが、歩合共済などというようなことでは、自分たちは今後事業していく熱意を失う。歩合共済を末端の組合がやらないといえばどうなりますか。都道府県連合会は事実上半身不随の状態になる。従って身分の不安定がくる。今畜産や養蚕の問題もあるからということをおっしゃいますが、少なくともそれ自体の運用にも大きな支障となって現われるでありましょう。そういうふうに世論は、その事業に関係しておる人たちはもちろんのこと、あなた方の政府の一部分である行政管理庁も、連合会のあり方については適機にこれを廃止すべきであるという行政監察の結果を掲げておるではありませんか。私どもは一つの立場にとらわれた意見ではなくて、客観性のある、合理性のある、少なくとも妥当性のある意見をよく詰めて、そして若干のそれによる連合会役員等の出血はあっても、制度の存廃という場合におきましてはやむを得ざるものである。しかもその連合会長として何とかして生活を続けなければならぬというような方々に対しては、別途にまたそれだけの措置を講ずることによって、その人々の立場も解消するでありましょう。そういう措置を講ぜずして、何かあなた方の党を代表する人々も一緒になってきめた案、それすらも尊重しないということでは、私どもはおそらく多くの人々は納得しないと思います。事業団を作るとおっしゃいますが、事業団の構想について、小委員会なり協議会の考えた構想とは全く違う。何の意味がありますか。むしろ事業団に国の財政支出をやって、そこで一応打ち切ってしまえば、現行制度のスライドによる、災害の頻発したときはしたときのように、国の財政支出を伴うというような点も、おそらく大蔵省は異を唱えてくるでありましょう。事実上においては、事業団に看板を塗りかえる利益というものは、私どもは何ら発見することができません。それをおやりになるならば、中間のつなぎの都道府県の機構も当然考えられなければなりますまい。どうも私どもは納得がいきませんが、中央の事業団の看板を塗りかえるというだけでもって、いわゆる一応答申の一部を尊重したかのような考え方は、この際是正さるべきことだと思いますし、この点について一つ伺いたい。  それから本年十四億の予算が増額になります。主として人件費であります。市町村の人件費に対して七月から全額を補助しよう、こういうことでありますが、事実上においては事業実績を中心とした配分基準が検討されておるではないか、こういう心配を各地から私どものところに訴えて参ります。もしそういうことになりますならば、むしろ市町村の人件費の全額国庫負担の基準の立て方によっては、この制度改革の根本であったところの農民負担の軽減、つまり掛金よりも賦課金が高いというこの矛盾は根本的に解決できません。賦課金は依然として残るでありましょう。現に人件費以外の事務費は掛金に付加保険料としてとる形式を考えておられるようでありますから、依然としてそれは高率のまま残るでありましょう。従って、今後のこの人件費の配分基準についてもよろしきを得なかったならば、制度改正の中心の一つであった農民負担の軽減、市町村職員の身分の安定も目的が十分達成できないでありましょう。この点について適正な予算の配分基準を十分検討されるつもりがあるかどうかということが一つであります。  あとたくさんありますが、これはまた別の機会に申し上げましょう。予算との関係で非常に重要な点でありますので、現在あなた方が考えておられる制度改正とどうしてもこれは並行しなければならないものではありません、人件費の問題でありますから。その点について予算を立案され、今後これを配分される立場に立ってどのように考えておられるか、この点を今後に起きてくる重要な問題として伺っておきたい。二点です。

周東英雄自由民主党

○周東国務大臣 第二点は事務当局からお答えさせますが、第一点は、中央だけ事業団に特別会計を変えるというだけで目的が達成するかというようなお尋ねでしたが、これは私は制度改正に関する前一歩だと思うのです。今日までいろいろと事務の関係におきまして、こういう事業と行政を分離いたしましても、御心配のような、それを移してもはや国家は何も関係せぬという関係ではなくて、実体的には常に農業災害補償制度について責任を持っていくわけであります。しかも一応とにかく通常災害におきましては町村段階における保険制度を責任の第一線にし、異常災害においてはこれを国と第一線とが直接結びつくという二段がまえを原則としてとっておるわけであります。その間に御指摘のように、保険損害に対する評価というようなものについて、今の特別会計だけを移転したのではなかなか実行できないのではないか、正確な形ができないので、共済連等に委託というような関係になるといろいろ困りはせぬか、実際はたしてその人数でできるかどうかというまじめな職員の考え方は、私どもは尊重いたしております。幸いと申しますか、保険事業団の発足は来年の二月になっておりまして、それまでに十分それらに関する問題は研究の上、人等についての足らぬ分については三十七年度予算に計上する道もありますし、充実していきたいと思います。なお職員の身分等につきましては、あらゆる点から総合的に考えまして、不安のないような形に持っていくつもりでおりますので、一応私は改正の第一歩を踏み出す意味において他の方法を大きく取り入れて、従来と変わった形にものを考えていくということで一応進めていったらどうかというのが今日の私の考え方であります。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 共済組合の事務費の配分の問題でございますが、この三十六年度から——七月からでございますが、基幹事務費の金額補助ということをお願いしておるのでございますので、その機会に今までの配分等につきましても十分検討を加えまして、合理的な配分ができるようにやろうということでいろいろ調査をいたしておるのでございます。従来は、大体過去の配分実績を六割とりまして、それから事業量を四割ということで配分をいたしておりますけれども、そういう配分におきましても、末端におきましてはいろいろ実情に沿わないものがございますので、そういう点十分調査いたしまして、合理的な配分ができますようにということで、今いろいろ検討をいたしております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿分科員 その問題は、もう時間もありませんし、土曜日の正午を二時間近くも過ぎておりまして大へん恐縮でありますので、いずれまた機会を得て申し上げます。  最後に二点簡単にお聞きして、私の質問を打ち切りたいと思いますが、そ一点は麦対策に伴う問題であります。政府は、麦対策特別措置法と申しますか、まだ名称はきまっておらぬようでありますが、現行食管法の四条ノ二を事実上適用をはずすような構想のもとに、大麦、裸麦等の買い入れ制限をしたり、あるいは価格の引き下げを考えたり、いろいろなことを現在考えておられるようでありまして、その結果麦対策措置法という特別立法を起こされようという話を聞いておりますか。事実でありますか。食管法第四条ノ二はこれは、昭和二十五、六年当時であったと思いますが、参議院において審議の結果、このように具体的に——当時の政府が非常に低米価、低麦価を考えておるので、法律の上において明文化しようということにおいて、これは羽生三七氏が参議院農林委員長当時であったと思いますが、新しく修正された重要な事項であります。ところが食管法の改正には真正面から取り組まずして、食管関係の特別会計の方を若干手を入れる、そして別に特別措置法で四条ノ二を事実上無視するような準備がされておると聞かされておりますが、私は、これは戦中昭和十七年以来毀誉褒貶の中にあって今日まで続いてきた食管法を無視するような重要な変更だと思うのです。政府が勇気があるならば、真正面から食管法の改正で世論に問うべきであろうと思います。しかるに肩透かしを食わせて、別な対策措置法というような、特定の大麦、裸麦を他に転換させるという考え方、それからそれに対する補助金を反当たり二千五百円出すというような目前のわずかな金をつけて、そしてこの食糧問題の基幹法ともいうべき食管法に穴をあけよう、こういう意図ではないかと一般は疑い、また私どももその疑念を強く持っておるのでありますが、これは明らかに違法の措置だと思います。その点について、私が今申し上げたようなことについて、政府は本気で考えておられるのでありますか。これは重要な問題であります。都合の悪い法律がある。そうした場合には、その法律の条項を事実上において抹殺していくような特別立法、臨時立法を次々と出していく、こういうことになりますならば、法の威信というものはどこにありますか。政府の意図によって、都合の悪いところは改正をする。あるいは国会においてこれを修正する、こういうことでなければならぬと思う。一々特別立法を出したり、臨時立法で切り抜けるということは、現在の法治国の法の運用を誤るものである、私はかように考えております。麦の問題については内容にはいろいろな問題がございますが、この基本問題について農林大臣はいかようにお考えになっておりますか、構想を聞かしていただきたい。

周東英雄自由民主党

○周東国務大臣 御意見でありますが、私はそう考えないのであります。都合の悪いのは別の法律を作るというのじゃなくて、実際大麦、裸は足鹿さん御承知の通り需給関係が非常に変わって参りました。食糧としての需要は減退するばかりでありまして、これが実際の需要との間に違いが生じてきておるということであります。そういう意味合いにおいて、一面には新しく作ってもそれ自体でもうかる他の作物に転換させるということが、農政上親切なやり方であると私は思いまするし、また一面大・裸麦等につきましては、将来の需給の範囲においてはこれは他の方面に活用させるということはもちろんでありますが、現在の形で生産費が高くなるということではやはりいけないだろうし、その意味において生産技術その他に関しても改善を加えつつ、生産性を高めてコスト・ダウンさせるということの必要も出てくるわけであります。そういう措置を講じて将来のことを考えるのでありますから、これはむしろあなたのお話しにあるような食管法の基本には触れるものではなくて、私はこの特別措置は時限法だと考えております。そういうふうな考えで出したものが、あるいは一面で転換され、残る面におきまして生産コストの引き下げ等によりまして、合理化された形における価格の形成、需要にマッチした供給というようになれば、そのときにおいてはおのずから目的を達するわけでありますから、この特別措置法をはずせばまたもとへ還元するというような形にもなろうかと思う。私はむしろ根本法を改正するよりは、特別な法律をもって、臨時的な、時限的な法律の改正を加える方がよろしい。そういうことは他にもたくさん類例があるのでありまして、違法というお言葉をお使いになりましたが、私はさようには考えておりません。

足鹿覺日本社会党

○足鹿分科員 この点は非常に根本的な大きな問題でありますので、別の機会にまたいろいろと論議することがありましょう。しかし四条ノ二は「政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ麦ヲ其ノ生産者又ハ共ノ生産者ヨリ委託ヲ受ケタル者ノ売渡ノ申込ニ応ジテ無制限ニ買入ルルコトヲ要ス」、買い入れることができるとか、あるいはその他のゆるい表現のものではなくして、これは義務づけられておるのです。「要ス」であります。戦時中の立法でありますから、字句は非常にかたい字句で最近の法律とは体制を異にしておる点はありますが、少なくともこの法の精神というものが時限立法によってくずされる。そうすると二つの法律が同じ問題に対して片一方は義務づけておる、片一方は時限法によってこれを緩和する、こういう運用がなされたといたしますならば、一般の者は何を基準にして行動すればいいのでありますか。私は大臣の御所見は一つの御所見として、あなたの所信として承りますが、これは他のわずかな政令の変化だとか、あるいはその他の関連法の整備をしてよりよくしていくということよりも、少なくとも同一の対象に二つの異なった法律が施行されるという矛盾した結果になろうかと思います。これは法制的な面からも非常に重要な点だろうと私は思います。あなた方がどうしても必要だということになれば、農民は喜んで麦作を転換するような、一方において菜種の問題あるいはてん菜の問題、あるいは小麦への転換の問題等を喜んでするような行政的な活動、それに必要な措置を講じられれば事足りるのであって、現行の法の精神にまっこうから反するような暫定立法というものは、従来例があるとおっしゃいますが、どういう例がありますか。若干のこれに類したことはあるでありましょうが、少なくとも法の基本をくつがえすような立法例は他に私はないと思います。これはただ単に農林水産関係のみならず、いわゆる国会において決定されました法律を行政府が運用する立場に立って重要な点だろうと思います。麦対策に対する内容の問題は今日時間がありませんから触れませんが、基本において私は大きなあやまちをあなた方は犯そうとしていると思う。この点についてさらにもう一度大臣より御所見を承っておきたいと思います。

周東英雄自由民主党

○周東国務大臣 お話でございますが、私は先ほど申し上げたように、時限立法として作られた法律によって、食管法の方は、時限立法として有効の間は眠るということは、これは従来先例があるわけであります。これはたとえば租税の一般法に対して租税特別措置法とか、繭糸価格安定法とかいうものは、本来の法律のほかに立法されて、時限的に施行されるということはあるわけであります。これは今足鹿さんのお話ですけれども、基本としてある法律に対して特殊な経済事情なり、その他の事情が起きたときに、その中にある特殊の条文に対して特例を設けてやるということ、施行するということは、これは私は決して違法ではない、かように考えております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿分科員 これはもうこれ以上は申し上げても見解の相違ということになるようでありますからくどくは申しません。しかし今政府がとらんとしておる措置は、その基本において大きなあやまちを犯さんとしておる。従って麦対策の内容の問題については別な機会に私はよく検討してみたいと思います。  最後に農地問題について香川県に発生しておる問題でありますが、他の同僚議員からもその点について一般質問で若干の質疑があったやに伺っておりますが、重要な点でありますので、ごく簡単に伺いたいと思います。  昨年の十二月以降に、香川県下の地主多数が法定小作料の十五倍、生産量の五割五分の高額小作料を要求する地主運動を起こしまして、社会問題化しておることは御案内の通りであります。その明確な件数は三百件もあるといわれておるのでありますが、香川県の地主連動というものは国の農地法を否定する最も過激と申しますか、反動的な運動を起こしておることで、私ども先年現地に行きまして実情を調査して非常に驚いた経験も持っておりますが、この点に対して、その根拠として地主諸君は国家総動員法第十九条に基づいて旧年貢を米換算にして五万七千八百円を要求する、こういうことをやりまして、そうして放送原稿を作ってこれを各農業委員会に有線放送を依頼しておる。それらの資料も全部持っておりますが、詳細は省略いたします。こういうことは現行農地法をまっこうから否認する。しかも戦時立法の国家総動員法のごときものを根拠法として主張するがごときは、全く事態をわきまえない不法な動きと断ぜざるを得ません。これに対して農林省は今日まではっきりとした見解を示しておらないようでありますが、静観をしておられるのでありますか。真正面からこれらの問題の誤りを指摘して、そして一般のこれに基づく善良なる旧地主諸君、あるいは現在の地主諸君たちが盲動しないように、そしていたずらに農村に無用の波風を立たしめるようなことに対して断固たる政府の方針を示すべきだと思いますが、この点についていかように考えておられますか。しかも重大なことは、先国会で成立をいたしました農地被買収者調査会が先般発足したと聞いております。過去二回において開かれておるそうでありますが、それはどういう方針によって検討されておりますか、資料等がありましたら、お示しを願いたいのででありますが、この香川県の地主の一部の人々は、地主が解放した農地に対して補償金が交付されると宣伝しております。これはもう文書になってはっきり出ております。調査会はそういう方針で調査をしておるのでありますか。私が昨年の予算委員会において質問をいたしました際に——二千万円の調査費はこの地主団体に交付するやに巷間伝えられておりましたので、当時の総務長官に、はたしてしかりかということを質問いたしましたところ、別個な調査機関を作って、利害関係を有する者には断じて交付しない、どうすればいいかということを調査するにすぎない、こういう明確な御答弁がありました。ところが、無知というと語弊がありますが、一般の情勢を知らない地帯に向かっては、反当十万円の補償金がもらえるだとか、勝手なことを文書にして流し、そして扇動しておるのであります。もちろん、農民でさようなことに乗るのはごく少数であろうと思いますが、私どもが全国の農村を歩いてみますと、山間地帯とか、特に農地の狭小な地帯とか、そういうところにおいては農地をめぐる紛争があります。どこにもあります。いざこざがあります。ところが、これらの宣伝が誤って伝えられることによって、とにかく非常に無用の摩擦や危惧や、そして戦いが展開されております。公然と会合を開いて、そして、その人々は組合費か何か、負担金を旧地主から取り立てて、そして、一時はそれが特定の参議院候補者の選挙費用に使われたという事態もありまして、世論の反撃を受けて一時休止しておりましたが、去年の安保国会の混乱に乗じて被買収者問題調査会法が成立したことを機会に、また反撃態勢に出て、そして今言ったようなことを公然と言いふらしております。これらに対するところの、農林省は断固たる決意を表明して、少なくとも農地法にまっこうから挑戦をするようなこの盲動に対して所信を明らかにして、この予算委員会を通じて全国に方針を示していただきたいと思いますが、これに対するところの実情把握、対策等を中心に御所信を明らかにしていただきたいと思います。

周東英雄自由民主党

○周東国務大臣 第一のお尋ねでありますが、香川県に起こっておりまする地主団の動きについては、これは明らかに農地法二十三条の違反であります、そういう法律に違反して小作料の増額を授受するということは、罰則の適用も受けますし、これは違法であるということをはっきりと県当局へ連絡し、通牒を出しております。その後におきましては、その動きも表面には出ておりませんし、従って、一部に言われているように、もし小作料を払わなければ集団的に小作料を引き上げるというようなことも実際行なわれておらない状況になっております。私はその意味におきましては、農地法の趣旨は絶対に守っていくつもりでありますし、すでに農林省としてはそういう通牒を出しておるわけであります。  それから、農地の被買取者に対する調査会の問題でありますが、これに関連しましても同様にいろいろと盲動があるにいたしましても、この調査会を設置いたしましたる趣旨は、決して旧地主に対して補償をするということは考えておりませんし、これはその所管としてただいま総理府の方でやっておりまして、この間総務長官からもお答えをいたしておると思いますが、これは決して補償をするということではない。ただ、土地を放した旧地主がいろいろと社会的に困窮されている実態が訴えられまして、その事情を調査し、それらに対してどういうようにするかということの調査をいたしておるわけでありまして、補償をするために調査をしているわけではございません。ことに、この問題に関しましては、裁判所の判例もすでにありまして、当時の事情によりまして買収された土地に対してはすでにその当時の物価を基礎としての支払いが行なわれているのでありますから、補償ということを考えておるわけではございません。

足鹿覺日本社会党

○足鹿分科員 これで私の質問を終わりますが、昭和三十三年以降県の農業会議や農業委員会、また地主、小作人等によりまして組織された小作地解消推進委員会の運動はその後遅々として進んでおりません。五カ年計画で四万二千町歩をやるという考え方であったようでありますが、農林省もこれに対して相当バックアップをして、自創資金のワクを特別に与えるとかいろいろな対策を講じておったようでありますが、一向に進んでおりません。それが逆の形となって、今度は小作料の増額運動が起きるというようなことでは、農地法の厳正実施という精神が弛緩しておるではないか。通牒を出したというお話でありますが、私の出身のところで、農民の組織のところに香川県のような動きがあるかどうか県が係官を出して何ということなしに調査した程度であります。一般には全然浸透しておりません。そういうところから、このような不法不当な運動が芽ばえておるのではないか、そして、あたかも被買収者の問題に対する調査会が直ちに補償を出すんだというふうな宣伝がどこからともなく出てくる。公式の場合でわれわれが政府にただしますというと、もっともな御答弁をいつもいただいておる。しかし、今私が指摘したような事実が日とともに広がっていくのは、まことに理解のしがたいことでありまして、この点について断固たる方針を持たれるならば、その方針が徹底するように農地法の厳正実施をもっと末端にお示しになり、よく普及徹底せしめられる責任があろうかと思います。それを除いてのこれに対する対策は、力をもって農民が自分たちの立場を守る以外にはないのでありまして、この風潮が進んでいきますたらば、重大な事態を招来すると思います。近来農地法の実施がやや弛緩したような結果になり、農業委員会の農地部会等におきましても、地目の交換を中心とした活動にとどまって、農地法をいかにして厳正に守っていくかという点については、やや力が抜けているのではないか。県の農業委員会が農地問題の紛争について現地へ調査に行こうにもその調査費も十分でない。二、三年前に私はこの問題を追及しました結果、若干の調査費が年々組まれてくるようになったと思っておりますが、事実上県の農業委員会が末端へきて厳正に調査をしようとしても足代がない。一方農村の労力調整の問題であるとかいろいろな点で、農業委員会には生産計画やあるいは就労対策の一環としての助成がことしの予算にも相当出されておるようでありますが、肝心な農地制度の根本をなす農地の問題に対するところの徹底した施策というものは、やや後退をしておるのではないか、予算の面においても私はそれは指摘できると思います。この点については十分善処せられて、私が今指摘したような事態の未然防止、また起きたところには、これを正しく解決する対策を強く打たれんことを要望いたしまして、私のきょうの質問を終わります。大へんおそくまで失礼しました。(拍手)

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 本日の質疑はこの程度にとどめたいと存じます。  この際、有馬輝武君より資料要求の発言を求められておりますので、これを許します。有馬君。簡潔に願います。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)分科員 本日の大臣の予算説明で、官行造林の廃止とその公団に対する移管が御説明になりましたが、これに関連いたしまして次の資料をお願いいたしたいと思います。  一つは、公団林道の開設地域における森林伐採の実態に関する調査、これは熊野地区だけでけっこうでございます。  それから熊野川及び剣山地区における林道開発による経済効果の調査。  三番目に、森林開発公団の構成事実、経理内容、これは役職員、課長以上の前歴、人員構成、給与予算、それから、それの一般公務員、林野職員との比較。それから次に、事業経理内容。い、年度別出資金、ろ、路線別事業の計画と実行、は、路線別の受益者負担賦課金の徴収状況、未納者及びその理由、に、路線別利用料の徴収状況、林道復旧、補修、管理費の使用状況。  それからハ、造林事業の実行につきまして、組織機構、人員構成、年度別の事業計画。  四といたしまして、水源林の造林拡大の推進方策。  それから五番目、これは最後でありますが、官行造林の現況表、これを営林局別、都道府県別にお願いいたしたいと思います。  それで、月曜日に関連して質問をいたしたいと思いますので、資料が多岐にわたっておりまするから、あるいは間に合わない場合があるかもしれませんが、その場合には、三番目と五番目だけはぜひ間に合わせていただきたいと思います。お願いいたします。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 本日はこの程度にとどめ、明後二十七日は午前十時から農林省所管に対する審査に入ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時十四分散会

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