予算委員会第一分科会 第6号
- 発言数
- 212 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/03
会議録
○相川主査 これより第一分科会を開会いたします。 昭和三十六年度一般会計予算中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、経済企画庁を除く総理府、法務省及び大蔵省所管、昭和三十六年度特別会計予算中、大蔵省所管、昭和三十六年度政府関係機関予算中、大蔵省所管を議題といたします。 質疑を続行いたします。木原津與志君。
○木原分科員 昭和三十六年度裁判所の予算について、事務総長にちょっとお尋ねいたします。あと同僚の横路委員も裁判所関係について質問する予定ですから、私は、特にこの予算中、判事の定員増に伴う予算、それから書記官、書記官補、これの増員に伴う予算関係、この二点にしぼってお伺いするわけなんです。 そこで、実はきょう私この質問に入る前に、先般来から問題になっております。東京地裁判事の飯守裁判官の、赤尾拘留直後に談話いたしたその内容——これは非常に今問題になっております。この談話について最高裁当局の所見をただしておきたいと思っておったのです。ところが、きょう午後から法務委員会で、この飯守裁判官の問題の談話の内容について、集中的にあなた方に質問することになっておるということでありますから、詳しい質疑は私遠慮いたします。ただ、予算関係について、特に判事の増員についての予算関係についてお尋ねするのでございますが、どうしても私はこの飯守発言について合点がいかない点が二、三ありますので、その点を簡単にお尋ねしますから、お答え願いたいと思います。 きのうの新聞によれば——日本経済新聞を私見たのですが、これによると、先般の飯守裁判官に対する最高裁の注意、この注意の内容について新聞記者に語っておる。その語っておるところを読んでみますと、自分に対する最筒裁判所の注意は、これはあの談話の内容がいけないという注意じゃないんだ、注意されたのは内容ではなくて、その談話の方法あるいは時期、場所、こういったものが適当ではないという注意だ、談話の内容そのものが悪いといって自分に最高裁が注意したんじゃないんだ、こういうことをきのうの日本経済新聞の記者会見で発表しておる。そこで、これはどうしてもこの点についてあなたにただしておかなければ、私も納得できないからただすわけなんですが、一体、最高裁判所が先般飯守裁判官に対してなしたところの注意は、飯守が言うように、ただ談話の時期、方法、場所が不適当だという意味での注意か、それとも談話の内容そのものが裁判官の発言として悪い、だから注意しろという意味の注意なのか、どっちか、その点を一つここではっきりお答え願いたい。
○石田最高裁判所長官代理者 お尋ねの点でございますが、結局、裁判官といえども個人的な意見を述べることは、これは自由だろうと思います。ただ、その時期と場合によって、かりに——かりにですよ、当然のことを申しましても、それは裁判官として妥当ではないという場合があり得るわけでございます。それで、その点につきまして、注意の文言は大体こういうふうになっております。「裁判官は個人的な感想を発表するにあたってもその地位と職責の重大性にかんがみ、世人に与える影響等を考慮し、その時期及び方法について慎重であり、特に裁判官の公正を疑われるような誤解の起こることのないように注意しなければならないところ、貴官はこの点の配慮を欠き」云えというふうな文言でお尋ねの点が表示してございます。あの内容自体については、日本じゅういろいろな御意見があろうかと思うのでありますが、お尋ねのように、あの時期にああいうことを言ったのはいけないという趣旨でございます。
○木原分科員 それでは、さらにお尋ねいたします。 裁判官が個人的な意見を述べることは自由だ、こういうお答えですが、なるほど、個人的な意見を述べることは自由かもしれない。しかし、問題は、赤尾被疑者を拘留し、その拘留の請求中に、殺人教唆という点については自分は認めないのだという中で、裁判官が、自分のやった裁判の決定の直後に、裁判所においてただ単に当該被疑者を自分が拘留尋問で調べただけで、その原因を深く追及して尋ねたわけじゃない、ただ拘留尋問という簡単な尋問を赤尾にやっただけで、このような大きな社会現象の原因を、直ちに裁判官が、これは左翼の集団暴力がその原因になっておる、明らかに内閣総理大臣が、皇室侮辱の「風流夢譚」について名誉棄損の告訴をしなかったことがこの原因である、こういうことを言うのは独断もはなはだしい。いかに何を言おうと自由であろうといいながら、こういう場合に、この浅薄な、皮相な見解を裁判の直後に世間に発表するということ、こういうことが裁判官として一体許されることかどうか。あなた方は、それでもこういうことは司法権の自由だ、こういうふうに考えておられるのですか。
○石田最高裁判所長官代理者 さようなわけでございますから、裁判官が、ああいった際にああいったことを言うことは、中立性を疑われるような誤解があるからという意味になるのであります。ただ、事、実関係は、今拘留尋問の理由を述べたというふうにおっしゃいましたけれども、それはちょっと違っておりますので、一応赤尾敏被疑事件について暴力行為等処罰に関する法律に基づいて拘留状を出しまして、それから殺人教唆の点については、拘留するだけの嫌疑があの書類ではうかがえないというので認めなかったわけですが、その理由をプレスの御連中に話しまして、それで一たん会見は終わったのですが、その直後ああいうことを言ったので、だから拘留事件の理由として述べた事実ではないのであります。その点、まだ事、実関係を詳しく取り調べておりませんからあれでございますが、決して理由として、述べたのではございませんから、その点を申し上げます。
○木原分科員 理由として述べようが述べまいが、同一新聞記者とのそういう談話の中で、裁判の直後に、そういったことを、言っておるのです。あなたのおっしゃることはあまり形式的に過ぎますよ。理由を言って殺人教唆は認められないのだ、それを言うて、そのあとで言っておるでしょう。そうすれば、その理由とそのあとのものとは一緒になるじゃありませんか。その点はどうでもいいですが、そうすればこの内容そのものもいけない、裁判官としてあの場合にああいうような内容のことを話したということはいけない、裁判官として不謹慎だ、不届きだという意味も含まれておるのでしょう。その点どうです。
○石田最高裁判所長官代理者 先ほども御説明いたしましたように、あの機会にああいう内容のことを言うたのがいけない。裁判官としてはやはり公正な立場を守っておるべき立場にあるのだから、その点がいけない。それで、申しました言葉の内容自体は、あれはもう世間にもざらに出ておることのように考えるのであります。それについてはいろいろな御批判があろうかと思いますが、それがいい悪いということは、それぞれ人によって意見が違うのではないか。
○木原分科員 事務総長、談話の内容というものは、それは人いろいろ意見はありましょう。意見はありましょうが、その意見がいいかどうか、内容が適当か適当でないかということは、そのある地位にある人の語ったことかどうかということに非常に関係があると思うのです。これが世間一般の人、あるいは司法権に従事していない人、あるいは当該裁判官でない人が個人の意見として言うのだったら、この談話の内容でも一向差しつかえないと思う。これは個人の信条として自由でございますから。しかし、この赤尾敏氏を拘留した、あるいは拘留を却下したところのその裁判官が、その裁判の直後にああいう内容のことを世間に発表するということは、これは内容自体が裁判官の威信のために不都合だということになるのですよ。その点はあなたも認めるでしょう。もう一ペン……。
○石田最高裁判所長官代理者 さればこそ、その点が行き過ぎであったということで、最高裁判所では慎重に裁判官会議を開きました結果、厳重に注意をしたという次第でございます。
○木原分科員 それならば、あなたはお帰りになってから最高裁の長官に相談して、そして直ちに飯守裁判官をもう一ぺん呼んで、お前のあの日本経済に発表しておる、内容について注意を受けたのではないのだということは、さらに間違っておる、あの最高裁の注意は、これは内容もいけないのだ、ああした内容の発表がいけなかったのだということを本人によく言うて聞かせなさい。そうしないと、本人は、内容は悪くはないのだけれども、だた発表の方法、時期、場所が悪かったのだ、こういう恥知らずのてんとした談話をさらに性こりもなく新聞記者に語っておる。こういう判事なんというものは、むちゃくちゃですよ。こんな判事が国民を裁決するなんということは、言語道断です。おそらく、国会の訴追委員会に今かかっておりますが、これの結果が白と出るか黒と出るか予想はできませんけれども、これほど横着というか、世間をなめておるというか、あるいは司法権の独立というものの上にあぐらをかいておるというか、これほど思い上った裁判官というものは私も聞いたことがない。あなたはきょうお帰りになったら、即刻飯守裁判官を呼んで、お前の日本経済に発表しているあの談話は不届きだ、内容もいけないのだ、裁判官としての発言として、あの談話の内容もいけなかったのだという意味だから、お前、考えを訂正しろということを注意していただきたい。 さらにもう一点お伺いしますが、最高裁が個人の下級裁判所の判事に注意をするという、この注意なんですけれども、これは私どもしろうとは何のことだかわからぬわけです。だから注意というのは、一体どういうことなのか、特に法律上本人をどの程度拘束する力があるのかどうか、あるいは拘束する力は法律上何もないものか、分限法のいわゆる懲戒とどういう関係に立っておるものか。この点を一つあなたからお聞きしたい。
○石田最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 司法の独立ということは、民主政治の基礎でございます。それで、司法の独立のためには、裁判官の独立と申しますか、地位の保障、これも何人からも尊重せられるところであります。さればこそ、裁判、官に関しますさようなことにつきましては、法律が明らかに制度的にきめておりまして、憲法でもその地位を保障いたしまして、罷免の事由として、弾劾されなければ裁判官の地位というものは動くものではないのであります。それでございますから、もし飯守判事が裁判官として適当でないというようなことがございましたら、これは弾劾裁判の発動、つまり訴追委員会の方の問題になろうかと思います。 それから、裁判官といえども、ときに間違いがございます。この間違いは、単に道義的に間違っているという場合のみならず、さらに程度が過ぎた場合がございますが、これは裁判所法の四十九条で、裁判官が職務上の義務に違反したとき、あるいは職務を怠ったとき、あるいは品位を辱める行状があったときという三つの場合に限っておるのであります。その事由に当たれば分限の手続が発動いたしますが、それには、監督権を持っている監督官が分限の申し立てをいたしまして、分限の裁判は、これは分限裁判所というものがございまして、そこで裁判をいたします。戒告または一万円以下の罰金、そういうことになっております。 それから、裁判官といえども、やはり司法行政上の監督には服さなければならない建前になっておりまして、これも法律によりまして、裁判所法八十条でそれぞれ監督官が明定してございます。その裁判官の属します裁判所、さらにその上級の裁判所、さらに、最高裁判所は最終の監督機関として監督権限を行使することになっております。 〔主査退席、稻葉主査代理着席〕 でございますから、今度のような問題がありましたときに、結局最高裁判所は、裁判所法八十条の規定に基づきましてその監督上の注意をいたす、そういうわけでございまして、それで御了解願いたいと思います。
○木原分科員 だからその注意というのは、法律上本人にどういう効力があるのかということを私は聞いているわけです。
○石田最高裁判所長官代理者 効力と申しますと、どういう……。
○木原分科員 本人に法的にどういう拘束力があるか。
○石田最高裁判所長官代理者 でありますから、今後は注意をされた点について注意をしなければならないという、道義的な拘束力を持つことになるわけであります。
○木原分科員 道義的な拘束力、そのほかには、別に何にも法律上の拘束は……。
○石田最高裁判所長官代理者 たとえば、どういうことをおっしゃるのですか。
○稻葉主査代理 ちょっと御両所に注意しますが、委員長の許可を得て発言して下さい。
○木原分科員 法律に何か規定があって、たとえば戒告だとか、あるいは罰金だとかいうような規定があれば、これは法律上の戒告、あるいは罰金を出さなければならぬというような、法律上の義務というか、拘束を受けることになりますね。しかし、その注意というのは、裁判所法八十条の発動によってやられるという点は私どもわかるのですが、その注意を受けた場合に、受けた本人が法律上何らかの拘束を受けるのか、あるいは受けないのかという点を重ねてお聞きするわけです。 〔稻葉主査代理退席、主査着席〕
○石田最高裁判所長官代理者 結局、先ほど申し上げました通り、今後本人の、さような注意を受けた点について反省を期待するということでございます。
○木原分科員 それでは、最初断わりましたように、この問題については、やがて法務委員会においてあなた方に対して質疑があるそうでありますから、私はこれ以上あなたに質疑はいたしません。ただ、予算関係について質疑をいたすにあたりまして、特に先ほどの裁判官の独立保障、司法官の独立ということについてのあなたの御意見、これはもっともなんだ。私ども不敏ながら、日本の司法権の独立ということは、私はもう命がけで守っていきたいという考えを持っておる一人なんです。しかし、事務総長、よく考えていただきたいのだが、司法権の独立だとか裁判官の地位の保障だとか、こういったようなことは、終局的には国民がきめることなんですよ。国民が、これはけしからぬ、こういう司法官を野放しにしておったのでは、自分たち国民の権利の保障、自由の保障はとてもむずかしいということを考えた場合に、司法権の独立はやっちゃいけないのだという判断を国民の多数がやるようになったら、なるほどあなた方、あるいは私ども、司法権は独立でなければいけないのだということを主張しても、終局において、この独立をさせるかさせぬかということは国民の意思にあるわけです。ここのところを一つよく裁判官諸公には考えていただきたいのです。自分たちが、法律によって、あるいは憲法によって身分の保障をされておる、司法権は独立だというかたい考え方をお持ちになっておられるのはけっこうであります。それを持たせるのは国民全体だ。その国民全体の意思が、司法権独立をさしてはならぬというふうに持っていく。一人の裁判官が、あるいは数人の裁判官がこうした飯守発言のようなことをやれば、私どもが心配するのは、こういうような裁判官が裁判をすることは裁判の純粋性が疑われるから、司法権を独立さして裁判官を野放しにさしてはいけないということを国民が危惧することになれば、これは大きな問題になる。司法権独立どころの問題ではない。根本的に日本の制度を変えられる、また、変えることができるのは国民その人たちであります。このところを一つよく戒心して、お互いに私どももあなた方も、司法権独立のために今後とも戦って、守り続けていきたいということを最後に申し上げて、予算の質問に入ります。 今度の三十六年度裁判所予算の中で、私が二、三あなたにお伺いしておきたい点は、判事の増員の問題ですね。二十八人を増員するということになっておる。この経費が四千六百五十一万一千円計上されておるのであります。これは主として第一審の裁判を強化するということにあるようですが、私が聞くところによれば、今判事が定員の数ほどいない、定員に非常に足りない、補充ができないという点で当局が非常に悩んでおられる。この判事の数が定員に不足しておるのに、さらにこれを定員において増員するというところに、私は、しろうと考えからか、何としても納得できないところがある。判事の定員数と現在の実人員は一体どういうふうになっているか、一体定員に対して実人員はどのくらい不足しておるかということを明らかにしていただきたい。
○石田最高裁判所長官代理者 念のために申し添えておきますが、裁判官の中に、判事と判事補と簡易判事という三つの種類がございます。それで、今お尋ねの趣旨を、判事だけに限って判事とおっしゃいましたが、その御趣旨と思ってお答えいたします。 判事の定員は千百五十二名でございます。それに対しまして、本年の一月三十一日現在の現在員が千百五人でございます。従って、欠員が四十七名あるわけでございます。それに対しまして、今回の予算で二十八人増員をお認め願えるかと思いますが、合計いたしまして七十五人の欠員を抱えることになります。ところが、これに対しましては、本年四月十四日になりますと判事の資格を得る判事補等が相当数ございますので、今の欠員分は大体補充ができる、そういう予定でございます。
○木原分科員 判事の定員に限りますが、大蔵省に要求しておる判事の予算、これは定員一ぱいで要求しておるのですか、それとも欠員、実人員で要求しておるのですか。
○石田最高裁判所長官代理者 毎年定員があるわけでございますが、大体補充し得るという見込みを立てて、その基礎の上に立って予算を計上いたしております。
○木原分科員 定員一ぱいで……。
○石田最高裁判所長官代理者 さようでございます。定員一ぱいで。
○木原分科員 先般、自衛隊の増員問題について、本予算分科会で非常に問題になったのです。それは、御案内かと思いますが、自衛隊は、十七万人の定員のうちで二万人からの欠員があるにかかわらず、本年度さらに千五百人の増員の要求をして、それに伴う予算措置をやっておるということが、この分科会でやかましい論議になったわけです。そこで、私は、そういう論議が起こるんじゃないかということを考えますので、この点についてお尋ねするのですが、裁判所当局としては、増員の要求をする場合においては、まず一応定員に満てるだけの補充をして、その上でさらに増員をはかるという手順をとらなければ、現在の定員の何%か実人員は少ない、少ないにもかかわらず、定員数だけを上げるということについては、これは非常に問題があると思うのです。まず定員を一ぱいに増員をして、そうしてさらに増員の必要があるからというのでなければ、定員は満ち足りておらない、それでさらに定員だけ何人か、二十八人かの要求をするというところに、われわれとしてもどうも割り切れないところがあるのです。その点についてどうお考えですか。
○石田最高裁判所長官代理者 御趣旨はよくわかるのでございますが、裁判所の場合は、多少の欠員がありましても、定員を頭に描いて、大体補充し得る見込みが非常にはっきりしていれば、それを考えて予算をいただいておきませんと、もし万一適当な裁判官がございました場合、定員がないからといって断わることになりますと、非常に困る。人数もそう多くございませんし、私どもといたしましては、言葉は悪いかもしれませんが、私の偽らない気持はさようなことでございます。
○木原分科員 私は、何年か前に、内閣委員会で、やはりこの判事の定員について、当時の人事局長にお尋ねしたことがある。とにかく私どもの知った範囲では、昔のことはともかくとして、終戦後、裁判所の判事さんの実人員一が定員一ぱいにおったためしはない。これは補充難とでもいいますか、ひどいときは三年間、私が当時人事局長にお伺いしたときは、百何十人定員が不足しておった。そういうことで、今日までいつも充足したためしがないわけです。それにもかかわらず、なお増員ということになれば、本年度あなた方の方では、この定員一ぱいに予算を使ってしまう確信がありますか、その点の見通しを伺いたい。
○石田最高裁判所長官代理者 その確信はございます。現に先ほど申し上げましたように、本年の四月十七日になりますと、八十三へばかり判事の有資格者——判事の有資格者は、司法修習生を終わりましてから十年間実務にいなければ資格が得られないわけでありますが、そういう修習生の課程を終わって実務についている者が八十三名ございますので、今年の四月十七日でもっておそらく完全に充員できるものと、確信を持ってお答え申し上げます。
○木原分科員 今の総長の確信を期待しておきます。私も弁護士ですから、裁判官がどのくらい忙しい仕事に追われているかということは、よく知っているわけです。何としても判事を仕事から多少でも解放するには、定員をふやすことが、さしあたりの一番の要件だろうと日ごろ思っておった。ところが、調べてみると、判事きんの実人員が定員に満ちておったためしがないわけです。だから今年度は、幸いにやがてこの予算も通りましょうから、二十八人増員になりますが、ぜひ定員一ぱいに判事を採用していただいて、多少でも仕事から解放されるようにしてやってほしいと思う。 次に、裁判所の書記官ですが、この書記官も、判事さん以上に仕事に追われている。今度の予算によれば、四十人増員ということになっているが、私どもの目から見れば、四十人どころでなく、もっとたくさす増員をしなければならぬ。するのがあたりまえだ。あなたも御承知のように、行政官庁は早く帰ってしまっているのに、時間過ぎまで、夜電気をつけて時間外の勤務をやっているのが、書記官あるいは書記官補の人なんです。これは私も事情をよく知っておりますが、書記官四十人の増員では少ないと思うので、もっと大幅に増員せらるべきだと思う。 さらに、書記官補、これは予算で見てみますと、本年度二百十名になっておりますが、この書記官補というのは、書記官とほとんど同じ仕事をやって、そうして、書記官以上に仕事に追われておる人なんでしょう。しかし、私の知っているところでは、その人たちの仕事の内容は書記官と一緒なんです。そして、何十年とその仕事をしておるが、いつまでたっても書記官にならないで、そのまま書記官補としての地位で仕事をやっておるというようなことなんで、これは私どもは裁判所にたびたび要求をしたのです。書記官補は、今三千何百人おるということを聞いておりますが、その人たちをここ何年間で必ず全部書記官に切りかえてしまうということを要求いたしたのです。最高裁の方でも、書記官補の書記官昇格については、去年の法務委員会で、たしか、今後三年間のうちに書記官補を全部書記官にするということを言明されたはずなんです。ところが、この予算を見てみますと、かりに三千名以上だとすれば、三年間にこれを書記官にするというのだったら、少なくともことし千名以上の書記官任用がなければならぬと思うのですが、三年間に書記官補を全部書記官にするという言明があったその直後の予算措置で、わずかに二百十名を書記官に切りかえるというのでは、これはちょっと話が違うと思うのです。どういう計画でこういう二百十名ということにされたのか。そうすると、来年あるいは再来年度において大幅な増員を予定しておるのかどうか。とにかく三年間で書記官補を書記官にするということを、はっきり最高裁当局が法務委員会で言っておるのです。その構想をお聞きしたい。この点については、私、大蔵省をいささか折衝したことはあるのです。私が折衝したときは、千五百人増員をしろということを去年の暮れ折衝したことがあるのです。ところが、出てきた数字はわずかに二百十人、これでは私どもはどうしても納得できないのだが、どういうことで、こういう二百十人というわずかな数字でとどまっておるか、その点をおき聞したい。
○石田最高裁判所長官代理者 書記官補の中でも、裁判所に入りましてから、相当年数もたち、力もつき、あるいは試験とかいろいろなことをやりますと、それに合格し得るだけの職員が、非常に育っておることは事実でございます。昨年法務委員会で、三年計画で云々ということを裁判所当局が言明いたしましたかどうか、私はちょっと覚えておりませんし、その後私は事務総長になりましたので、聞いておりませんけれども、なるたけ書記官補を書記官に切りかえていきたいという方針はとっております。ことしは、諸般の事情によりまして、大体二百十人程度ということになりましたが、来年あるいは再来年等にこの問題はぜひ解決をはかりたいというふうに考えております。
○木原分科員 あなたは、あとから事務総長になったということですから、知っておられぬかもしらぬが、人はかわっても、最高裁の意思は変わるはずはないのです。最高裁では、三年間に三千数百名の書記官補を解消して、全部書記官に切りかえるということをはっきり言明しているのです。ですから、ことしは二百十名、これは、あなた方の大蔵省との予算の折衝かはなはだ怠慢というのか、あるいは力かないというのか、あるいは技術的に下手くそというのか、今度は四千億の自然増収で、どこもかしこも総花的に花盛りのように予算をとっているのに、あなた方だけが、この一番大事な、一番かわいそうな、一番下積みで、一番仕事を長時間やっている人たちのためにする予算をとれぬようなことは、腕がないですよ。もう少し張り切って、じゃんじゃん予算をとるようにせなければだめですよ。ことし二百十名では、来年は二千名、三年間で解消するというと、あと二年間で三千名以上のものを一ぺんに切りかえなければならぬのですよ。そういう自信がありますか。それとも、当時はそういう言明はしたけれども、あの言明は取り消すとでもおっしゃるのですか。
○石田最高裁判所長官代理者 今申し上げました通り、最高裁当局でも、その問題に非常に関心を持っておることは事実でございますが、今後とも努力はしたいと思っております。
○木原分科員 くどいようですが、三年間でやると法務委員会で言明しているのだから、やらなければ食言になりますよ。責任を持ってやるということを、もう一ぺんここで言うて下さい。そうすれば、私は質問をやめますよ。
○石田最高裁判所長官代理者 今も申し上げましたように、できるだけ努力をしようと思っております。
○木原分科員 それでは、あと横路委員に譲ります。
○相川主査 横路節雄君。
○横路分科員 事務総長にお尋ねしますが、この間の予算要求の説明に、庁舎等特別取得費として、前年度国庫債務負担行為が認められました裁判所書記官研修所施設取得のために必要な経費として四億五千万円計上されております。これはどこへ建てるのですか。
○石田最高裁判所長官代理者 さような点につきましては、経理局長が来ておりますので、経理局長の方がよく存じておりますから、答弁してもらいます。
○栗本最高裁判所長官代理者 裁判所書記官研修所の敷地を取得いたしまして、かつ、その建物を建てる、そういう金といたしまして四億五千万円、不動産購入費という形で計上されております。鋭感努力はいたしておりますが、土地等もまだ現段階におきましてはきまっておりませんので、なるべく早く目的を遂げたい、かように考えております。
○横路分科員 経理局長にお尋ねしますが、今の最高裁判所の書記官研修所というのは、上野の不忍池に近い旧岩崎邸の跡にあるわけですね。この建物並びに敷地はどうなさるのですか。
○栗本最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 本年度、昭和三十五年度の債務負担行為によりまして、その本郷の建物と敷地を売却いたしまして一それはもちろん国庫収入になるわけでございますが、それの見返りというと語弊がございますが、そういう収入もあるからということで、それも考慮に入れまして書記官研修所の敷地と建物を他に求める、かようなことになっておりますので、これを実現いたします際には、本郷の敷地と建物は他に売却するということになるわけでございます。
○横路分科員 経理局長にお尋ねしますが、最高裁判所は、昭和三十三年の十二月八日に、東都起業株式会社との間に、今の旧岩崎邸について、当時は建築交換ということのようであったが、今あなたの方では、これを売却して、それの見返りとして四億五千万円を国庫収入に入れてやるということだが、これはやはり東都起業株式会社との間に三十三年の十二月八日に結んだ覚書に基づいて売却を進めているのか、それは全部御破算になったのか、どうなったのですか。
○栗本最高裁判所長官代理者 昭和三十三年の十二月八日に結びましたのは、今御質問の通り、東都起業と最高裁との一種の契約でございますが、これは、御指摘の通り、いわゆる法律上の交換の契約であったものでございますから、大蔵省の了承を得られない場合には当然効力を生じないわけでございます。そして、大蔵省といたしましては、さような建築交換は認めがたいとうことで、いわゆる認可がございません関係上、この交換の契約は現在では御破算になっております。
○横路分科員 あなたの方では、ことしの予算で四億五千万円、これは書記官研修所の建物と土地も含んでいるでしょうが、これは当然売却を見込んでいるわけですね。これはもう具体的に話が進んでいるわけだろうと思う。そうでなければ、当てもないのに四億五千万も建物なり土地を取得する予算が組めないわけだ。どことの間に売却の交渉をしているわけですか。
○栗本最高裁判所長官代理者 先ほどもちょっと申し上げましたように、本郷の土地、建物を売りまして、裁判所の必要とする書紀官研修所の土地、物を取得するということでございますが、債務負担行為という、なれないことを裁判所がやります関係上、われわれの方としては初めてのケースでありますので、いろいろ手続上の疑義もございました。現段階におきましては、どことやっておるというような段階ではまだございません。ただ、売却は大蔵省の方が一応やりますから、形式的には大蔵省が主体になりますので、大蔵省ともいろいろ、お打ち合わせをしなければなりません。打ち合わせは、ある程度は今まで進めて参りましたけれども、現段階におきましては、具体的にどこと進めておるということには、まだなっておらない状態でございます。
○横路分科員 経理局長、それはちょっと話がふに落ちないのです。われわれとしては了解ができないと思うのです。全然どこに売るのかもわからない、まだどことも交渉していない、幾らに売れるかもわからない。幾らに売れるかもわからないものを、売れるものと予定して、そして、この四億五千万については大蔵省の査定を受けたわけですね。あなたが先ほど言ったけれども、ことしは国庫の中にこの売却代は幾ら入るのですか。土地、建物として幾ら入って、それを見返りにして四億五千万ということになったのだから、一体歳入の中に幾ら入れておるのですか。
○栗本最高裁判所長官代理者 御指摘の点は、現在まだ売却いたしておりませんので、歳入に入っておりません。ただ、入る見込みのもとにかような行為が認められたということでございます。
○横路分科員 それでは、見込み額というのは、土地が何万坪——あれは話によると、オリンピック競技場ではなしに、野球場になるとかいろいろなうわさもある。そこで、これは土地は何万坪、建物は何百坪あるか何千坪あるかわからぬが、これの国有財産としての評価額は幾らなんですか。
○栗本最高裁判所長官代理者 土地は一万四千余坪ございます。それを売却いたします際には、土地並びに建物を売却するわけでございますが、その評価額は、大蔵省としてはまだやっておらないのでございます。われわれの方で参考までに一度やったことがございますが、それは正確に申しますと、敷地は一万四千四百六十坪でございます。建物は延べ坪数で二千三十五坪ということになっておりますが、私の頭にございますのは、約四億という評価と、約七億という評価と三回あったように記憶しております。ただし、これは今から三年ほど前のことでございますので、現在になりますと幾らになりますか、ただ、私たちの方といたしましては、もちろん、その当時の評価よりは今上がっておる。こういうふうに考えております。
○横路分科員 最高裁判所というものの金の計算には驚きました。この間、私はこの現地を見に行った。松坂屋から上がって、よくも東京にこれだけの広大な土地があるものだと思った。なるほど、うわさによれば、あそこに野球場を作って後楽園に対抗してやろうという考えで東都起業株式会社が建物交換でやったということも、さもありなんと思った。しかし、土地だけで一万四千四百六十坪、四億ないし七億というと、坪何ぼだと思いますか、幾らだと思いますか。四億ないし七億という計算だと、坪四万ないし七万でしょう。冗談じゃないですよ。少なくとも坪二十万から三十万しますよ。建物が全然ないのですから、建物の移転その他がないのです。それを四億ないし七億というのは、坪四万ないし七万ですよ。この国の大事な財産について、そういうことで処分なさるということは、私は、まことに不届きだと思うのです。それは、なるほど三年前のことだというし、それから地価も上がっておるから、幾らということにはなるでしょうがね。そういう地価の評価は、当然大蔵省の国有財産の担当の方でやるのでしょうが、そういう考え方があるから、世間でとやかくのうわさを言うのです。前に三十四年の三月に、これが参議院の決算委員会ですかの問題になって、当時あなたの方では、建物その他を入れた評価額は九億五千万だと言っておるじゃないですか、これだってべらぼうに過小な見積もりですよ。 ちょうどいいところへ管財局長が見えましたので、管財局長、もう一ぺん私から説明いたしますから、どうぞお聞きになって下さい。 実は、ことしの裁判所の予算の中に、この間も私たち説明を承ったのですが、庁舎等特別取得費として前年度国庫債務負担当行為が認められました裁判所書記官研修所施設取得のため必要な経費四億五千万が計上されております。これは前にも問題になりましたが、上野の不忍池の近くです。私もこの間行ってきましたが、今日立っておりますね。それで、今最高裁判所の経理局長にお尋ねいたしましたところが、土地は一万四千四百六十坪だ、建物は延べにして二千三十五坪だ、それで今、三年ほど前、一体この価格は幾らとお考えになっておりましたか、こう聞いたら、四億ないし七億だ、こういうわけですね。そうすると、土地が一万四千四百六十坪で、建物が全然ないとしても、これは、かりに四億とすれば、大体坪三万円、それで七億とすれば、坪五万円です。しかも、あの建物というのは、何か文化財の指定になっておるくらい非常に重要な建物だ。私この間あそこに行ってきたんです。あの広大な土地、国有財産を処分するにあたって、三万だとか五万だとかいうようなことが一体あり得るでしょうか。私もしろうとでよくわかりませんが、まあ二十万から三十万、必要な人であれば三十万でも買うでしょう。そうすると、土地だけで最低二十五億から三十五、六億くらいにならなければならないものを、四億ないし七億、しかも、三十四年の三月の参議院の決算委員会では経理局長は九億五千万でやろうとしておると言って、当時問題になって、佐藤大蔵大臣も、これは大へんなことだ、何かあっては大へんだということもあったのか、この覚書はかわしたけれども、とうとう大蔵省が承認しないためにだめになった。それで管財局長に私がお尋ねをしたいのは、この土地、建物の国有財産としての評価は幾らでございますか、こういうことなんです。
○山下政府委員 ただいまお尋ねの最高裁判所の書記官研修所の土地、建物の評価のことでございますが、御承知のように、この財産は、まだ行政財産として最高裁の方の所管になっておるわけでございます。管財局といたしましては、まだ本件について正式な評価ということをやったことはございません。また、評価を依頼されたということもないわけでございます。もし、これを民間に売るというようなことになりました場合には、最高裁としましては、この用途を廃止して普通財産に所管がえをされまして、その上で私どもの管理に移して処分するということになるわけでございますが、そのときに、ありためて適正な評価をする。これは財務局の従来のやり方によるところの評価と、民間の精通者等の意見を参考にいたしまして、十分に現在の地価を反映した価格で評価する、こういうようなことになっておるのであります。
○横路分科員 今の管財局長のお話で大体わかりました。最高裁判所の方から大蔵省の方に、この土地、建物を処分したいが、一体どういうように評価したらいいかという見積もりについて、まだ協議もないから何ともわからぬ、こういうわけですが、いずれそれはあるだろうと思うのです。しかし、管財局長、こういうことなんだそうですよ。経理局長のお話、事務総長のお話によると、この土地、建物を処分する、それは、もちろん国の歳入になるということの約束があって、それでは一つ四億五千万でやろうじゃないか、こうなっているのだそうです。そして、これは今年度中にどうしても処分しなければならないのです。経理局長、そうですね。そういうことじゃないですか、先ほどの御答弁では、そういうことになりませんか。ことし三十六年度で処分する。それが幾らになるか、管財局長の話では、あなたの方から相談があれば、それについて相談をされるそうですか、そういうものを当て込んで四億五千万というものが出る、何か、事務総長の御答弁はそうだったじゃありませんか、どうですか。
○栗本最高裁判所長官代理者 先ほど申し上げましたのは、昭和三十五年度の予算書に、債務負担行為といたしまして、四億五千万の限度において土地、建物の購入をする契約をやってよろしいということになっておりますので、現在でも、すでに土地、建物の購入の契約はできるわけであります。つまり、新しい書記官研修所の土地、建物購入の契約はできるわけでございますが、売却の方もそれと同時に行なうのが建前でございます。予算の方式からいいまして、なるべく三月一ぱいまでにこれをやるのが普通であり、また望ましいのでございます。けれども、いろいろのことがおくれておりますので、なるべく早くやたりいと思っておりますが、大体来年度に入りましてもできないことはないのであります。
○横路分科員 経理局長、今の土地、建物については、三十五年度中に、三月三十一日までに、できれば処分をしたい、こういうわけですか。
○栗本最高裁判所長官代理者 できればしたいと思っております。
○横路分科員 それはちょっとのんきですね。きょうは三月の三日ですよ、それを三十一日までとは…。最高裁判所の方では四億ないし七億、三年ほど前は九億五千万、これは、私どもしろうとの考えから言ってみても、二十億から三十億はあるのじゃないですか。しかも、貰う相手はきまっているのですか。あなたの話では、まだどことも交渉していないようである。どこも交渉していないようである。どことも交渉していな、相手はない、これから探して、三十一日までに、二十億になるか三十億になるかわからない土地や建物を売却したい、その間には、国有財産法の舞十四条ですか二十七条ですか——これは管財局長にあとで聞きますが、十四条か二十七条かで大蔵大臣と協議しなければならぬ。きょうが三月三日で、三月三十一日までに、東京ですから二億や三億のことはできるかもしれないけれども、二十億になるか三十億になるかわからないものを、そういうことができますか。経理局長、だいぶ相談相手がいるのじゃないですか。大体ここに売りたいという相手がいるんじゃないですか。その点どうなんですか。
○栗本最高裁判所長官代理者 法律の上からは、なるべく今会計年度中にそういう売買の契約、つまり、売りと買いでございますが、本郷の土地、建物を売りまして新しい書記官研修所の敷地を買うということが望ましいのでございますが、御指摘の通り、物理的に申しまして、きょうは三月の三日でございますか、三月三十一日までにできるとは思っておりません。ただ、気持の上から、なるべくそういたしたいということを申し上げただけでございます。法律的に申しますと、来会計年度に入りましても、さような契約はできるわけでござます。
○横路分科員 できればやりたいといことになると、東都起業株式会社との問の折衝というのは切れていないのでしょう。建物交換については、大蔵大臣との間の協議がととのわなかったからだめだったが、東都起業株式会社と一ぺん覚書を交換した。だから、それとの間の売却の問題はやはり進んでいるのでしょう。それとも、全然他の者なんですかその方はどうなんですか。それからもう一つは、今度四億五千万でお建てになる場所はどこなんですか。その二つをお聞きします。
○栗本最高裁判所長官代理者 先ほどお話いたしましたように、東都起業とのいわゆる交換契約の力は、大蔵省の了承が得られません関係上、御破算になりましたので、現在東都起業とは法律的には何ら関係はございません。新しく買います土地は、現在のところは、まだきまっておらないような次第でございます。
○横路分科員 経理局長、そうですか、新しく四億五千万でお建てになるところは、土地はまだ全然きまっていないのですか。しかし、予算を計上なさるときには、大体の予想を立ててやるんじゃないのですか。この四億五千万は、土地は大体どこを売却する、どこに建てるということは、予算を作るときには全然そういうことは考えなしにやったのですか、大体きまっているのでしょう。きまっているものならば、大体どこにきまっておるというようなことについて、別に何も差しつかえないでしょう、あなたの方で、もう交渉しているでしょう。
○栗本最高裁判所長官代理者 債務負担行為を本年度成立させていただきます際に、その内容は、先ほども申し上げましたように、本郷の土地、建物を売却して、その金額の範囲内において、かつ、四億五千万を限度として書記官研修班の土地、建物の取得の契約を今会計年度内になし得るということが予算の中に書いてございます。でございますので、法律的には東都起業とは縁が切れております現段階におきましては、新しく買う土地、建物、これが確定しなければ契約が結べない関係上、確定さすべくいろいろ手続的なことは進めて参りましたが、現段階におきましては、まだきまっていないと申し上げるよりいたし方ないわけでございます。
○横路分科員 なるほど、今のでわかりました。そうすると、現在の旧岩崎邸のところを先に売却して、それから次に四億五千万の土地、建物、こうなるわけですね、順序としてはそういうことですね。
○栗本最高裁判所長官代理者 通常申しますれば、その通りでございますが、予算書によりますと、岩崎邸の土地、建物を買う人と最高裁へ書記官研修所の施設と敷地を提供する人が同一人であるというふうに書いてございます。同時にそれが行なわれることになるわけでございます。
○横路分科員 管財局長、これはどうでしょうかね。土地、建物の処分が、私は二十億ないし三十億になると思う。そこで、たとえば、国が出資をする。十億出資をする、五億出資をする、一億出資をするという場合には、きちっと国会に出してくるのですね。ところが、こういう国有財産の処分は、これが四億なのか七億なのか、九億五千万なのか、そうして二十億なのか三十億なのかというのは、これは処分したあとで問題になるわけですね。こういう、たとえば十億以上とか、あるいは二十億、二十五億というものが、下手すると十億以下で処分される危険性も今まであったわけです。こういう十億以上のような建物の処分等については、全然国会の承認を得なくてもいいものでしょうか。私もちょっと国有財産法その他を調べてみたのですが、その点はどうもはっきりしません。 まず、第一番目にあなたにお尋ねしたいことは大蔵大臣と協議をしなければならない、それから、その土地、建物の評価は関東財務局ですか、そこでしなければならなぬ、それは同時に、管財局長、あなたのところで承継を与えて、大蔵大臣が承認しなければならない、こういう順序になってくると思うのです。あわせて、国会の方の関係はどうなりますか。これだけの莫大な国有財産というものが、ともすれば、国民が全然知らないうちに勝手に処分されてしまう。しかも、低い評価額でやられてしまう。こういうことであってはならないと思うのですが、その点どうでしょう。
○山下政府委員 普通財産の処分につきまして、特に国会の御承認を得なければならないという規定は、現在のところないわけでございますが、普通材産でも、最近は、旧車引き継ぎの財産等相当膨大なものがございます。その評価並びに処分の仕方等につきましては非常に問題になる点も多いわけでございますので、管財局といたしましては、慎重の上にも慎重を重ねまして、国有財産審議会というようなものを法律でもってお認めを願いまして、その公正妥当な御判断に従いまして、かつまた、評価も十分に御納得のいくような方法によりまして適正な評価を出して処分をする、かような方針で参っておるわけでございまして、本件につきましては、そういうふうにいたしたいと思っております。
○横路分科員 これは大事な国の財産ですから、その処分については、評価等について、あとで疑惑の残らぬようにぜひしてもらわなければならない。このごろ、ともすると、そういう点が、国会で事前に問題になった点は慎重を期すけれども、そうでない点は、どこからどういうように処分されるのか、どうもはっきりしないという点がございまかすら、その点、一つあらかじめ申し上げておきます。 次に、事務総長に伺いたい。現在書記官の定員というのは何人ですか、そして欠員は何人ですか、予算上どういうように組んであるのか、その点、一つお知らせ願います。
○石田最高裁判所長官代理者 書記官の予算定員は三千百九十九人、書記官補は二千百二十八人でございます。欠員につきましては、現在書記官が三千七十八名でございますから、百二十一名でございます。書記官補の方は、現在員は二千二百三十四人でございますから、百六名オーバーしておるわけでございます。
○横路分科員 従来、労働時間は、四十四時間ですか、それを四十四時間から五十二時間に、八時間去年ふやしたのですね。そのための手当を出すことにしている。そのため何%かずつそのための調整手当というか、調整予算を組んだわけですね。書記官補は何%、書記官は何%の予算になっておりますか。
○石田最高裁判所長官代理者 書紀官補は四%、それから書記官は一六%です。
○横路分科員 事務総長、実はこの聞こういう予算や定員のことで現場の人々がどういうように考えているのだろうかというわけで、実は私、御案内をしてもらって職場の人にお会いをしたんです。そうしますと、書記官と書記官補というものの仕事の内容は何にも変わらないわけですね、行って聞いてみたら。その現場の主任の書記官というんですか、その方に僕が、違いますかと聞いたら、いや何にも違わないんです。その何にも違わないものを、書記官は二八%の調整、書紀官補は四%、これはまことに困ります、こう言っているんですが、あなたにはそういうような苦情は、一つも耳に入りませんか。私は現場に行って聞いたんですよ。そうしたら、そこの主任の書記官の人が、仕事は何にも変わらないというんです。それを片や一六%、片や四%、そのために、まず、同じような学校を出て、大体月四千円違うんです。ことしの予算はこう組んだのだが、三十七年度の予算の中でこれをお直しになるお考えはございませんか。仕事の内容は全く同じだというんです。何にも変わりはございません、こう、言っている。どうなんですか。
○石田最高裁判所長官代理者 書記官につきましては、昨年裁判所法の改正がありまして、判例その他の調査事務というものが加わっておりますけれども、そういう制度ができましてまだ日が浅いので、つまり、そういうふうな面はすみずみまでいっていないので、そういうふうな感じを与えているのじゃないかと思いますが、その点がはっきりして参りますと、またはっきりしていかなければならぬわけでございますが、やはり仕事の内容は違うということになるわけでございます。
○横路分科員 事務総長、あなた、そういうことを言ってはいかぬですね。それは事務総長の耳に一つも入っていないのですか。私は行ってきたんですよ。そうして現場で会って、しかもその主任の書記官は、そこにいらっしゃる書記官補の諸君を集めて、どうだ、君、私は担当の者として一つも変わりはない——今あなたが言った判例その他ということは、それは一、二のものがあるかもしれませんが、やっている仕事は同じじゃありませんか。同じじゃないですか。片や一六%片や四%、こういうことで、あなた、裁判の仕事が円滑にいきますか。あなたもう少し現場をよくお歩きになって、書記官補の諸君とよくお会いになって意見を聞かなくちゃ——これはみんなの不満なんですよ。そういう点は御存じございませんか。書記官補の諸君は仕事の内容が同じであって、一六%と四%と、これくらいの差をつけられている。裁判所内におけるこういう問題についてあなたは御存じないのではないですか。少しのんき過ぎませんか。
○石田最高裁判所長官代理者 ただいま申し上げた通りでございます。それに、書記官の方はそのために勤務時間も延長をされておるという点が加わっております。
○横路分科員 それは初めてお聞きしますね。書記官はそのために勤務時間が延長しているのですか。何時間なんです。
○石田最高裁判所長官代理者 四十四時間が五十二時間になっております。
○横路分科員 書記官補も四十四時間が五十二時間になったじゃありませんか。そんなことはありませんか。事務総長、どうなんです。
○石田最高裁判所長官代理者 書記官補は上がっておりません。四十四時間です。
○横路分科員 そうすると、四十四時間そのままで調整四%つけたわけですか。その点どうなんです。その点は、私たちはあとでよくただしすまから。
○石田最高裁判所長官代理者 その通りです。
○横路分科員 これは書記官並びに書記官補に対する調整でしょう。時間の延長でしょう。あなたの方でこうやっていませんか、会計課長だとか、総務課長だとか、係長だとか、こういう者に対して調整の四%ないし八%を出していませんか。
○石田最高裁判所長官代理者 出しておりません。
○横路分科員 だから事務総長、あなたは御存じないというのです。これは出していますよ。私は現にこの間行って調べてきたのだから。これは出していますよ。事務総長、だから、現場ではこう言っているです。いいですか、あなたより私の方が詳しいことになるじゃないですか。現場ではこう言っているのです。会計課長だとか、総務課長だとか係長に、本来からいえばつけられないはずの、調整手当というのですか、これを四%ないし八%組むために、あなたの方で今言った書記官並びに書記官補の定員については、何も欠員がなくていいのです、みんななりたいのだから、それをわざわざ予算上欠員にしておいて、その分の給与総額の中からこれに使っているのですよ。うそだと思ったら、呼んできてやってもいいのですよ。
○石田最高裁判所長官代理者 さようなことはないと思います。ただ、人を得られないために、たまたま書記官がほかのそういうことに当たっている場合はあろうかと思いますが、それはあくまで書記官としての評価に基づくものであります。
○横路分科員 会計課長が何で書記官に該当するのですか。会計支出の課長じゃないですか。そんなことはありませんか。なければないと言っていいです。
○石田最高裁判所長官代理者 絶対になかろうと思います。
○横路分科員 そうですか。絶対あることをこれから言いますよ。私はこの間東京地方裁判所の刑事部に行ってきたのです。いいですか。そうしていろいろみなの諸君に会ってお話を聞いた。これはやっていますよ。事務総長、やっていますよ。
○石田最高裁判所長官代理者 今の一六%の調整は絶対受けておりません。
○横路分科員 一六%と言っていない。四%ないし八%これはどうです。
○石田最高裁判所長官代理者 私はまた一六%のことかと思ったのですが、四%ないし八%は、書記官の資格ある者については従前からあるはずです。
○横路分科員 しかし、それは会計課長なり総務課長なんだから、実際には仕事はやっていないのでしょう。ただ、なるほど、おっしゃるように資格はあるかもしれないが、仕事はやっていないでしょう。その点はどうなんです。
○石田最高裁判所長官代理者 そういう場合には、書記官の資格がありますから、必要があれば仕事をやる建前になっております。
○横路分科員 どうも最高裁判所の事務総長がそういう政治的な発言をしては、私はうまくないと思う。政治的な発言ですよ。書記官の資格があるから、やる。会計課長には管理職手当を払っているのでしょう。どうですか。払っていませんか。総務課長にも管理職手当を払っているでしょう。これはどうなんですか。
○石田最高裁判所長官代理者 さような事実はないはずでございます。
○横路分科員 どっちがないのですか。
○石田最高裁判所長官代理者 管理職手当は払っていない…。
○横路分科員 払っている事実はない。では、管理職手当を払っているのはどこまでの職についてですか。
○石田最高裁判所長官代理者 首席書記官、事務局長。
○横路分科員 部長、課長は。
○石田最高裁判所長官代理者 部長というのはありません。課長には管理職手当はありません。
○横路分科員 それでは、今の事務総長の御答弁で、会計課長や総務課長は、書記官としての資格があるからというゆえをもって払うわけですね。仕事をやっているから払っているのか、資格があるから払うのか、そのどっちなんですか。
○石田最高裁判所長官代理者 結局両方ということになると思います。資格もありますし、それから必要に応じてやらなければならない場合——東京あたりでは非常に少ないと思いますけれども、いなかの方へ行きますと、人手が足りないために、どうしてもそういう仕事をやらなければならない場合があるわけでございます。
○横路分科員 これはやっていなければ、もしも払えば違法ですね。なるほど、書記官の資格はある、しかし実際には仕事をしていないのに払っていれば、それは違法ですね。その点はっきりどうですか。それはあなたの方であれであれば、私の方で調査してやりますよ。違法なら違法としてやりますよ。
○石田最高裁判所長官代理者 ともかく、少なくも書記官の資格を持っておりますし、書記官が本務でありますから、決して違法ではないと思います。
○横路分科員 書記官が本務で、会計課長や総務課長といのうは兼務ですか。そっちが兼務なんですね。
○石田最高裁判所長官代理者 そういう場合もあると思います。あるいは会計課長や総務課長が本務である場合もありますが、書記官が本務で課長が兼務である場合もあると思います。
○横路分科員 事務総長に申し上げておきますが、なるほど、そういう資格はございましょう。しかし、均衡をとるためというのでしょう。均衡をとるためだということだと思う。そこで、会計課長や総務課長等に四%ないし、八%払っているためにどういうことが行なわれているのかということ、実際には充足さるべき定員というものがそこで落としてある、その中の予算上の操作でやっているのだ、こういうことになるのですよ。こういうように現場の諸君はみな苦情を訴えている。 その次に私はあなたにお尋ねしたいのですが、先ほど木原委員からも定員の問題についてお尋ねをしました。ことしの定員については、先ほどお話がありましたが、裁判所の書記官補の定員は裁判所の書記官の定員に二百十人組みかえをする、それから裁判所書記官四十人を増員する、そういうことをやれば、これから何年たてば書記官補は書記官になれますか。
○石田最高裁判所長官代理者 何年たてばと言われますが、将来のことで、予算が取れなければこれはできないわけですから、ちょっとお答えいたしかねます。(「三年以内に繰り入れると言うているじゃないか」と呼ぶ者あり)取るように努力はしてはおります。
○横路分科員 最高裁判所に予算の折衝について大蔵省に行ったときにこうしてもらいたいとか、これが必要だとかということについて話をしているのだろうかと、みんな世間でうわさしているのです。取れなければ仕方がありません……今あなたのお話では、書記官補二千百二十八人いるのでしょう。今年これが二百十人、それから定員の方に四十人ですか、こういう格好でいったら、どんなに急いでやっても八年くらいかかるじゃないですか。私は法務委員会に出ていないからわからぬが、あなたでなくて、前の事務総長かもしれないが、三年間でやると言っても、とてもこんなことではならぬと思う。この点は三十七年度以降どうなさるのですか。
○石田最高裁判所長官代理者 書記官補を全員書紀官にするというには、ただそのまま書記官にできるわけでないので、研修とかいろいろなことを相当やりまして、場合によっては試験等もやりまして、それに値するだけの力が出て初めてなり得るわけであります。でありますから、さようなこともにらみ合わせまして、極力予算化するように将来とも努力はしたいと思っておるわけであります。
○横路分科員 しかし、実際には書記官補は書記官と同じ仕事をやっているじゃありませんか。だから、実際にお勤めの書記官補の諸君は何と言っているかというと、今の代行書記官制度はやめてほしいと言っているのです。あなたの方で代行書記官という制度を設けないで、書記官補に絶対やらせてはならぬぞということで実際やらしていないならいいですけれども、実際において書記官補にやらしているじゃありませんか。それはなるほど資格がどうだということで研修をおやりになってもけっこうです。やるべきですが、現に仕事をさしているじゃありませんか。だから、全然仕事をさしていないならとにかく、やらしているなら、きちんと年次計画を立てておやりになるべきじゃないかと聞いているのです。さっき木原委員から言われたのもそういうことです。そういう点について精一ぱい努力しますが、大蔵省がだめならば仕方がありませんでは、実際に裁判というものが公平に、すみやかに審理されるかどうか、問題になるじゃありませんか。あなたの方で代行書記官制度をやっていなければとにかく、やっているのだから、同じ仕事をやらしているのだから、そういう意味であなたにもう一ぺん聞いてみたい。
○石田最高裁判所長官代理者 理論的に言えば、おっしゃる通りなんです、か、実際問題としては、ほんとうはさような仕事は相当能力の高い書記官クラスにやらせたいのです。ところが、戦後裁判所制度ができましてからいろいろやっておりますが、さような仕事は効果をおさめるまでには相半日数がかかりますので、ある意味で過渡的な現象でさような矛盾を指摘されるのでありますけれども、われわれの念願といたしておりますところは、やはり裁判に関与する職員は、相当レベルの高い、しっかりした職員を置きたい。だから、書記官補クラスの人たちに今はやってもらっておりますけれども、できればなるべく早い機会にそういう事態はやめたいというふうに考えているわけであります。
○横路分科員 あなたができるだけ早い機会にやめたいという以上は、現に代行書記官制度を設けてやっているのだから、しかもそれが今のお話では二千からいるわけです、から、そういう意味で、研修制度をどんどん拡充して、早く資格を与えてやらせなければならぬと思うのです。 次に、同じく定員の問題ですが、ここの定員で、家庭裁判所の事件処理の適正円滑化をはかるための家庭裁判所調荘官三十人の増員に関する人件費というものが組んであるわけです。私は調査官のところに行って、その諸君といろいろ話をしてみた。家庭裁判所の少年事件を扱っておる調査官というのは、言うなれば心理学の研究その他、教育者と同じなんです。だから、いろいろ話を聞いてみると、大学の助教授をして調査官に入られた、あるいは文理大を出られてから調査官になられた、こういう諸君があるのです。事務総長、この調査官の諸君は、わざわざ大学の助教授等から調査官にきて、そうしてそういう少年事件の被疑者に将来よき環境を作って、問題がないようにしようと思って、いろいろ努力している。ところが、その諸君は、もとの同じ職場にいた者に比べると、二号俸ぐらいずつ低い、こういうふうにいわれておる。そういう実態を御存じですか。どうもあなたは十分御存じないようですから、きょうは一つ私の話をよく聞いてもらいたい。
○石田最高裁判所長官代理者 多少、御指摘のような向きは実際あるようでありますけれども、一般官庁の職員等と比べまして、別にそうひどい待遇をしているというわけではございません。
○横路分科員 事務総長、あなたもう少しよく現場をお歩きになったらどうかと思う。私は東京家裁に行ったのですよ。まず、主任調査官については、予算定員の上からいくと、二等級が八人おっていいことになっておるけれども、実際には、あなたの方では、予算関係で二等級は二名なんです。平調査官は四等級ないし五等級なのが、実際には六等級というのが実に多いわけです。今日この少年事件関係が非常に多くなっている。その中で、ほんとうに親身になって、その少年の環境なり将来のいろいろな問題その他について、教育学的な立場から調査をしている諸君が、二等級主任調査官は八名が二名、平調査官は四等級ないし五等級のものが、実際は六等級が多く、七等級にもいる。こういう現状なんです。これは御存じでしょうか。それならば、なぜ一体二等級八名というなら八名にしないのですか。平調査官四等級ないし五等級というなら、なぜ一体四等級、五等級に上げないのですか。それが六等級が非常に多いという失態です。これをどうなさろうとしておるのですか。
○石田最高裁判所長官代理者 家庭裁判所の調査官制度も、できましてからまだ日が浅いので、漸次充実しつつあるわけでありますが、あるいはその年令が低過ぎて基準に合わないとか、そういういろいろなちぐはぐがあるので、さような現象があろうかと思いますが、漸次これはそういうことができる事態になれば是正していきたいと思っております。
○横路分科員 私、現場で実際に調査官の諸君といろいろこの問題について話をしてみますと、いわゆる身柄事件ですね、身柄を拘束して、この諸君がいろいろそういう心理学的な、よってきたった経過の調査、また指導をやろうとすれば、大体毎月扱う件数は七人から八人ぐらいが限度じゃないか、ところが実際には今平均で十五件くらいきている。そのほかに、在宅事件というのが今日は二十八件くらいに伸びている。これではとてもよき指導、その他調査はできないというのです。この点は、書記官への繰り上げ定員の増とあわせて、この調査官か——実際私も現場の諸君といろいろ話をして、なるほど、調査官の諸君の拡充強化がなければ、少年事件に対してはよき適切な指導、調査ができないのではないか、こう思っておるわけです。調査官に対しては、なるほどここで少しばかり定員がふえておりますが、こういう点についてはどうなさるか。あわせて、あそこは二つの建物に分かれております。そこで、あの行き来をするために交通事故も起きる。こういうことを訴えているわけです。あの庁舎等については将来どうなさるのか、あわせてお尋ねをしておきたいと思います。
○石田最高裁判所長官代理者 どうも裁判所職員のためにいろいろ実情を御調査下さいまして、その点はお礼を申し上げますが、今の少年部と家事部が分かれておるために云々という点については、幸い今回の予算で東京家庭裁判所の建築費の一部が計上になりましたので、結局一カ所にまとめてできることになっております。調査官の定員も非常に足りなくて、仕事がかなり忙しいということも事実でございます。あるいは、職員諸君が横路委員に申し上げたほどではないかももしれませんが、当局者としても十分配慮いたすつもりであります。ありがとうございました。
○横路分科員 なお、事務総長にあと一、二点お尋ねしたいのですが、全国裁判所、特に地方裁判所支部、家庭裁判所支部、簡易裁判所の中で、裁判官が配置されてないところはどこか。どこどこということになると、たくさんございますから、裁判官が兼務しておる、実際その地に常時勤務していないという庁は全国でどのくらいありますか。それは調べがついておるでしょう。
○石田最高裁判所長官代理者 乙号支部というのがございますが、乙号支部の中で、全国で二十二ヵ庁だったと思いますが、ここには判事の定員がないわけであります。地方裁判所も家庭裁判所の事件をやりますので、判事の資格者が要るわけでありますが、そこには判事の定員がありませんので、置いてありません。しかし、簡易裁判所判事の定員はございますから、御当人にはいささか気の毒でありますけれども、簡易裁判所判事兼判事ということにいたしましてまかなっております。なお、簡易裁判所については、全国的に申しますと、まだ判事が行き届いていないところが多少あろうかと思います。
○横路分科員 これはあとで法務省の方にお聞きするのですが、ちょっと墨田簡易裁判所の関係で事務総長にお尋ねしておきます。今度法務省の歳入の予算を見ましたら、罰金過料というところを見て驚きました。昭和三十二年度の予算額は九億九千四百三十七万が、昭和三十三年度では三十億になった、昭和三十四年度では二十九億、昭和三十五年度では罰金、過料が三十三億になった、今度は四十三億になった。所得倍増といって大体九%伸びるはずなんだが、罰金の方だけは三〇%伸びたわけです。そこで、私はどえらい罰金だなと思いまして、この間、墨田の簡易裁判所にちょっと行ってみたところが、この表を見せていただいて驚きましたことは、あそこにおける交通事件の取り扱い件数について、三十一年は即決で十四万二千五百九十五件、略式が三万五千九百二十件、全部で十七万八千五百十五件だが、三十五年になりますと、今度は逆に即決が十二万六千九百二十五、略式が二十三万七千七百四十九、こういうようになっておる。三十一年には即決が十四万、略式が三万五千、それが三十五年になると、即決が十二万で、略式が二十二万、こうなっておるわけです。なるほど、あそこへ行ってみましたら、実に見事な流れ作業でした。道路交通取締法施行規則によりまして、事件をすみやかに審理していくということももちろん必要でございましょうが、どうも三十一年からのこれを見ていると、だんだん裁判を簡略にしている。私も運転手諸君に聞いてみると、いや、ほんとうは略式でなしに、われわれの言い分もあるのだから、聞いてもらいたいと思うけれども、そうすると、もう一日棒に振るし、結局その日働けなくなるから、まあまあしょうがない、言いなりにやった方がいいのじゃないか、こういう気持もだいぶ強い。これは事務総長、どうでしょうか。裁判は裁判だが、なるほど、警察官が調べる、それから検察官が調べる、そこで罰金幾らと言われる。書記官はその通り書く——その通り書くと言うと失礼だが、大体その通り書く、それを裁判官がただ読むわけです。これじゃ、私も現場へ行って見たのですが、極端に言えは、判を押すということにならないでしょうか。裁判とは名ばかりで、実際には、事務的に上がってきた、検察官の方できめたやつに判を押して、お面これだ、こういう言い渡しになりはしないでしょうか。こういうことになる危険性があるのではないでしょうか。なるほど、審理を非常にすみやかにやるという点はいいのですが、私は現場を見て、そういうことになる危険性があるのではないか、こう思ったわけです。どうですか。
○石田最高裁判所長官代理者 交通違反事件については、今の制度がいいかどうか、これは法務省あたりでもお考えがあると思いますが、出発いたしまして、六、七年かたったわけでありますが、これは十分反省をする必要があると思います。しかし、今の段階では何しろこれに当たる裁判官の手が非常に足りないということ等もありまして、遺憾ながら、交通違反事件にあまり時間をかけて、言い分を十分聞くことができないということは、事実であります。裁判でやりました分も、ごらんになったように、ごく簡略に手続が進められて、間違いのないことを保障しているような状態でありますけれども、しかし不服があれば、これに対してはまた異議申し立てをいたしまして、今度は、そうなれば割合丁重な裁判手続をとっておりますから、差しつかえなかろうと思いますが、根本的には考えてみる点が幾多あろうかと考えております。
○横路分科員 事務総長にお尋ねしますが、これは三十四年度からですが、刑事事件については、検察の当局の力で仕分けしまして、これは一回の公判で済むと検察官が考えれば、裁判所の方に、これは裁判一回切りですと、こう仕分けして送ってやる、これは何回もかかりそうだということになると、普通公判部に送る。これは民事の方は前からやっているそうですか、刑事の方は、その点どうなっていますか。
○石田最高裁判所長官代理者 おそらく何か次に申し上げるようなことの誤解ではないかと思いますが、地方裁判所の事件につきまして、一審の裁判手続に重点を置く裁判手続で、証人等から直接聞いて十分に心証をとる、ややともすると警察や検察庁から送られてきた書面に重きが置かれてしまう趣があるのにかんがみまして、なるべく法廷で裁判官が直接事件関係人の言い分を聞いて裁判する。これはその被告の人のためには非常にいいことなんであります。そういうふうに考えておったわけでありますが、検察庁の方でも、そういう趣旨に同調されまして、東京都下のある特定の地域内の事件に限っては、警察が調べ、検察庁が調べられるのですが、検察官はわざわざ調書、書面を作るというふうなことをされないで、メモ程度のことをしておきまして、むしろ、その証人は公判手続で裁判官の面前で調べる、その力が効果的であるというふうな観点から、一昨年来そういう手続が進められまして、これは事件の処理も非常に早いし、裁判を受ける者も非常にこれに満足しておりますし、非常な効果を上げているのでありますが、あるいはそのことについて職員のだれかが横路委員にそういうふうにお耳に入れたのではないかと思いますが、決してこれは御心配のようなことはないと思います
○横路分科員 あと一点だけお尋ねをしておきますが、あなたの方から調停委員、証人等の待遇改善で、証人の日当三百三十円を三百円に増額するというのでありますが、たしか日雇い労働者の諸君の日当は三百八十六円だったと思います。それに比べて二百三十円を三百円にするというのは、非常に少ないのではないですか。それから司法委員、参与員の日当五百九十円を六百円に十円増額するということですね。私もこれを見て、何と珍しい予算だろうと思った。まず第一に、証人の日当三百三十円を三百円にするというのは、これは日雇い労働者の日当がたしか三百八十六円だったと思いますがそれと比べて、不当に低くはございませんか。それから次に、五百九十円を六百円に十円上げるというのは、またどういう考えでおやりなったのでございましょうか。
○石田最高裁判所長官代理者 証人の日当でございますが、これは実は私の方といたしましては、証人は裁判に協力する非常に大事な地位でありますから、これを優遇しなければならないというふうに考えております。労務が対象ではございませんから、日雇いの賃金に比較することはどうかと思いますが、三百程度ではまだまだ非常に低いというふうに考えております。それから可法委員等の十円値上げの点でありますが、これは調停委員が、四百八十円から今回六百円になりましたので、それと歩調を合わせて同じ額にした、それで十円というようなことになったと思います。
○横路分科員 事務総長にお尋ねすることはまだたくさんあるのですけれども、他にお尋ねしたい点もありますので、次に移りますが、今の日当等は裁判に協力をしてもらうという点からいっても、二百三十円を三百円というのは非常に低いと思う。この点、先ほど木原委員から言われたように、どうも最高裁判所の事務総長その他の方々は、大蔵省との予算折衝の際に少し腰が弱いんじゃないかといわれておる。そういう点でほんとうにきちっと折衝されておるかどうかということを皆が思っておるのです。実際に公平な裁判を、しかもすみやかに審理を進められる、こういう点等からいきましても、定員や給与の問題等は、何も次の通常国会ばかりでなしに、補正予算等もございますから、一つしっかりやってもらいたいと思います。最高裁判所関係はこれで終わります。 次に法務省の方にお尋ねしますが、ちょっとその前に、警務部長が来ておられるそうですから先に国会職員のことについてお尋ねしますので、法務省関係の人、ちょっと待って下さい。どうも国会職員の方の質問がほとんどなくて終わる傾向がございますから、きょうちょっとお尋ねをしておきたいと思います。 衆議院の事務職員並びに衛視等の処遇のことについてお尋ねしたいと思うのです。ちょうど参議院の方の関係者も来ておるからいいのですが、これは警務部長にお尋ねをします。前々から私たち承知しておったのですが、衆議院の衛視の給料と参議院の衛視の給料と比較をしてみますと、たとえば参議院で二十二年の五月十三日に採用した人は、今大体三万一千五百円になっている。ところが、衆議院で二十二年の五月から二十二年の九月、大体同期に採用された者は、二万八千三百円が最高で、二万六千二百円が一番低い。大体五千三百円くらい違うわけです。同様に、二十三年の十一月に採用された者は、二万六千二百円と二万三千七百円で、大体二千五百円くらい違っている。私ども実際にいろいろ警務部の衛視諸君の比較表をいただいて、前々からそういう話を聞いておるわけですが、それを実際に比較してみると、そういうことになるわけです。これはどうしてこういう差が出るんでしょうね。同じ国会に勤めていて、参議院と衆議院でなぜそういう違いが出るのでしょうか。そういう点はお気づきになっておられると思うのですが、その点どうですか。
○山野参事 ただいま仰せの五千円とか六千円とかいう数字でありますが、その点はちょっとあとで勉強させていただきますが、私どもの調査では、大体今仰せになったようなランクで、一号俸違う程度でございます。詳細に調べれば、個人的には二号俸くらい違う人が出てくるのではなかろうかとも思いますが、一応調べましたところでは一号くらいの差になっております。この差は、主として、参議院におかれましては臨時期間——御承知のように、大体衛視は初め臨時で採りますので、臨時期間が長い人になりますと工、六年、短い者でも二、三年というようなケースが多いのでございまして、その場合、参議院さんの方では、常員に切りかえるときに、臨時期間一年について一号の昇給と申しますか、初任給の格づけをする際にそのように見ておられるようであります。従いまして、二年間臨時をやっていたという場合には二号見るというようなことに相なっておるようでありますが、私どもの方では、初任給の場合には一年間だけ見るというような方針を従来とっておりますので、ほかの特殊な場合は別といたしまして、原則的にはそういうところから差がついておるのではなかろうかと存じます。
○横路分科員 山野さん今のあなたの説明では一号ということですが、私どもは、二号ないし三号違うというように聞いておるわけです。資料もそういうことですが、大体二号は低いと思うのです。しかし、それにしても、あなた御自身の答弁でも衆議院の衛視の諸君については一号低いのです。これは臨時衛視からいわゆる採用してくるので、その臨時衛視の期間中のが参議院は一年について一号、二年なら三号という格づけだ、衆議院は全部一号ということになりますので、その差が出るのでしょうということですが、同じ国会で働いていてこういうような差が出ることについて、直接の責任者であるあなたとしては、これを参議院側と同じ待遇ができるように是正するということについて、お考えになっていないのかどうか。仕方がないから、このままの姿でいくのかどうか。同じに採用されているのに、その臨時衛視から本採用になるときの格づけで違ってくるのだということが今はっきりしたわけだが、その点については、私はこれは当然お直しになるべきだと思うのですが、いかがでございますか。
○山野参事 初任給のことにつきましては、従来数カ年にわたりまして、ただいま衛視のことについてのお尋ねでございますが、衛視についても、また、ほかの職員につきましても、過去の経験年数として見るべきものは、同種の職種であったかどうかということはございますが、なるべく見られるだけ見るようにということで、全体の職員についても考えております。予算その他の関係もございますが、ただいま仰せの衛視については、明らかに一号ないし二号の差がついておるのでありまして、これは仰せに従って、将来考慮すべき問題であろうと存じます。
○横路分科員 それから、臨時衛視の三十名を定員化してもらいたいという要望が強いのです。私、これは当然だと思うのです。暮れから始まって五月に終わるまで五カ月の国会ですが、実際は、国会も普通一カ月くらい延長して六カ月、そのほかに、臨時国会等を入れれば七カ月ないし八カ月なんです。その間臨時衛視として働いてもらう、こういうことになっているわけです。私は、この臨時衛視はやはりすみやかに一般衛視の定員に入れて、一般の衛視諸君が労働過重にならないようにすべきだと思うのですが、この定員繰り入れの件についてはどうですか。
○山野参事 御承知のように、議長は国会閉会中といえども警察権を持っておられるのでありまして、ことに最近の情勢にかんがみまして、臨時衛視の定員というものは、できれば本定員に入れたいと私も考えております。ただ、過去私が警務部長として在任しておるのが約五年間でございますが、その間大蔵省の御協力も得まして、三十名と二十名、合わせて五十名の臨時衛視を定員化いたしております。昨年来の国会警備の重要性にかんがみまして、三十六年度予算におきましても三十名の臨時衛視の定員化を大蔵省にお話をしたのでございますが、ここ数年間に五十名増員しておることでもあり、また、大蔵省側の御意見としては、とにかく閉会中というのもあるのだから、閉会中と開会中との警備のウエートの問題からいって、やはり三十名くらいの臨時衛視があるのが筋ではなかろうかという御意見でございましたが、国会警備の重要性にかんがみまして、現在、臨時を合わせて、衆議院ではわずかに二百二名でございますが、今後におきましても、臨時衛視の定員化ということについて最大の努力を私としてはいたしたいと存じております。
○横路分科員 それから、実は、われわれ国会におって衛視の諸君の御苦労がよくわかるのですが、山野さん、こういうようになっているという話なんですね。いわゆる衛視の夜の勤務について、午後五時から朝の十時まで勤務する、実働十六時間ですね。その間に三時間勤務して、三時間は仮睡といいますか、実際に寝るのは二時間で、また起こされて三時間勤務して、またということなんです。これは朝の十時に終わるのですが、さらに、居残り勤務として、本会議終了まで残ることになっている。これは七日間について一日だけ夜勤できるようになっている。そこで、ちょっとこの点をお尋ねしたいのですが、本会議開会の場合には、衆議院の衛視は、非番者であっても本会議終了まで残ることになっている。ところが参議院の衛視は、非番の者については休みになっておる。こういう勤務時間の点ですね、この点はどうなっているのでしょう。参議院の方はそこにおりますから、私は、きょうは山野さんに聞いているので、山野さん、何でしたら参議院の方と相談されて答弁されてもいいですが、どうも衆議院と参議院は号俸で一号ないし二号差がついている。そのほかに、そういうように日常の勤務の時間で、さらに差がある。この点どうですか。
○山野参事 衆議院の衛視の総数は、先ほど申し上げましたように二百二名でございますが、それは臨時の三十名を含めてでございます。そのうち、幹部と申します者を除きますと、百三十三名に相なっております。この百三十三名を、八個部に分けまして、常時昼、間勤務いたしております衛視は五個部でございますので、約七十名でございます。あとの三個部は非番になってり、夜勤になったり、あるいは日曜祭日勤務者の代休ということになりまして、これが常に循環をいたしておるわけでございます。そこで、ただいまお話がございましたが、私どもの方といたしましては、固定配置と申しまして、各出入口に警備に立てております衛視、あるいは受付に事務をしておる衛視、あるいは盗難の被害をよけるために、私服でもって絶えず先生方の控室を歩かせている防犯係、あるいは最近では、議員の身辺警護のために特につけている衛視といったようなものが、昼間で七十名必要といたしております。そこで、ただいま仰せのように、本会議があるとか、委員会があるときには、通常の場合でございますれば、夜勤者は翌日非番になって休むわけでございますが、ただいま申し上げましたような数の問題で、本会議、委員会等がございます際には、常に全部というわけではございませんが、夜勤者についても翌日の非番を取り消す、日曜祭日の代休者についても出てもらうことがあるわけでございまして、院さんの方はちょっと存じませんが、想像いたしますのに、たとえば、七十名とただいま申し上げましたが、立番個所その他が複哨といいますか、二人ずつ立てておりますので、それらの点を考慮いたしまして、警備の軽車の度合いに応じまして、その程度まで必要がない。たとえば、立番個所について三十五カ所ございますが、そこを二人立てなくても一人でいいということになれば、三十五人の人が浮いてくるわけでございますから、勤務の割り振りのもとは、警備の軽車の度合いといったようなことから出てくるのではなかろうかと存じます。私どもの勤務の体系は、ただいま横路先生の仰せの通りでございます。
○横路分科員 参議院の方は、衛視の場合には、今のお話の代休並びに非番の者については休んでいいわけですね、答弁して下さい。
○佐藤参議院参事 おっしゃる通りでございます。
○横路分科員 山野さん、今のお話のように、参議院側は非番や代休の者は休めるわけですね。それが衆議院の方は、非番の者についても本会議終了までおりなさい、あるいは委員会終了までおりなさい。特に分科会などになれば夜の八時、九時十二時までやるわけですから、全く過重な労働になるわけです。この点は、やはり定員が少ないからだと思うのですが、定員についてどういうようにお考えになっているか、これは増員するように、特段の努力をしてもらわなければならぬと思うのです。
○山野参事 仰せの通りだと存じます。そこで、先ほど私ちょっと申し上げたのでございますが、衆議院と参事院では、警備をする度合いがだいぶ違うのではなかろうか、たとえば、外部からこられます集団陳情といったような場合におきましても、両院にこられることもございますが、主たる勢力は衆議院ということが多いのでございます。あるいは議事運営、議事進行の過程におきまして、ともすれば、衆議院の方が高度の警備を必要とする場合が多いのでございます。もちろん、現在の定員は、それぞれもとがありまして、それらのことも考慮して積み重なってきてい石ものであろうとは存じますが、最近の内外の情勢にかんがみまして、衆議院としては、衛視の定員はどうしても増員しないと、ややもすれば過重労働になるというのは仰せの通りでございまして、今後におきましても、定員増加のことにつきましては、事務局といたしましては最大の努力をすべきだと存じます。
○横路分科員 山野さん、会館の受付等の職員についての超過勤務手当は、あれは月十六時間ですね。今度幾らになっていますか。
○山野参事 会館は管理部の所管でございますが、かわってお答え申し上げます。 これは通常の場合に。おきましては、超過勤務手当は、大体その職場の状況に応じまして割当制度をとっております。仰せのような時間と聞いております。
○横路分科員 そこで、国会開会中は会館受付の超過勤務は十六時間とすると、一日一時間ずつの超過勤務としても二十四時間くらいなければならぬわけです。ところが実際には、本会議や委員会が終えてから私たち帰ると、七時か八時になるわけですね。五時からですと、国会開会中は六時までの一時間の超過勤務であっても、二十四時間くらいの超過勤務がつかなければならぬのに十六時間、しかも、今のようにわれわれ七時ないし八時になる。そうすると、毎日二時間ないし三時間ですから、月平均五十時間くらいは超過勤務をしているのに、実際の金の支払いは十六時間、こういうことになるわけです。このごろ事務職員が回ってきて、先生いらっしゃるのですか、こう聞くわけです。これは何のことかなと、だんだんと考えてみましたが、このごろは、会館でいろいろ調査その他をしたいと思っても、私たちがおれば、あの会館の受付の人はいつまでも帰れないわけですね。そうすると、あの人たちは何時間超過勤務をして、超過勤務の時間が当たらない。これは気の毒だということになる。せっかく会館で調査をしたいなと思っても、このごろはドアをあけて、先生まだいらっしゃるのですかと言われると、何だか帰りなさいと催促されたようにも受け取れないわけでもないので、だんだん聞いてみると、気の毒だな、いつまで残っておってもこの人たちに超過勤務は当たらないし、そんなことなら、いっそのこと、きょうは調べたいと思ったが、さっさと帰るとしょうか、こうならざるを得ない。これは私ばかりでなくて、みんな——もちろん、このころは右翼テロに対する警備の問題もありますが、超過勤務の実際の時間を聞いて、これは全くわれわれとしては、あそこで七時までも八時までも九時までも、自分の勉強だからといってそういう調査をすることは、非常にこれは事務職員の諸君に迷惑をかけるわけです。こういう点については、あなたの直接の所管かどうか知りませんが、十分超過勤務の割当等については、ただ何でも実績主義というのでやらないで、前の年にこれだけやったからというのではなしに、実情に即してやるようにしなければならぬと思うのですが、この点どうですか。
○山野参事 結論から申し上げますと、先生のおっしゃる通りでございまして、私どもも、以下若干御説明申し上げますが、御趣旨に沿うような措置を講じつつあるわけでございます。と申しますのは、平素におきましては、会館の勤務者は、警務部の衛視と同じように班を作りまして、これが順回して、ぐるぐる回って勤務をしておるわけでございますから、原則的には超過勤務というものはないわけなんでございます。ただし、これは原則でございまして、帰っていい者が、そのときの状況に応じて若干残るといったようなことがございまして、過去三カ年間ぐらいの平均実績をとって、十六時間なら十六時間という割当をやっておるのでございまして、通常の場合においてはそれで何も不満も出ておらぬわけでございます。しかしながら、最近、まことに残念ではございますが、会館、宿舎等の警備を強化しなければなりませんので、人数等の関係もございまして、班別にぐるぐる交代している勤務ではやっていけなくなっておるのでございます。そこでやむを得ず、その当日の人間について、先ほど仰せになりましたような、従来と違った数時間にわたる居残り勤務を命ぜざるを得ない状況になるわけでございます。このことに関しましてはこれは過去の実績による割当ではいけないのでありまして、現に働いているわけでございますので、予算的措置等については大蔵省の御協力をお願いしておるのでございますが、現実に働いた瞬間現在支給をいたしておる次第でございます。
○横路分科員 山野さん、なかなか、予算の分科会で事務職員や衛視のことについて質問する機会がありませんから、もう二、三点したいと思います。 衛視の諸君の被服ですね。お尋ねをしてみたところが、年の単価が二千三百円だそうですね。私も、これはずいぶん安い洋服もあるものだと思って感心したのです。まあ、なかなか激しい勤務でもありますので、洗濯にやった、アイロンをかけた、その間に……。どうも二千二百円では、あまりこれは単価が低過ぎはせぬか。国会の衛視の諸君ですから、もう少し誇りを持ってというか、服装についてももう少し…。しかし、それにしても、二千二百円ではひどいじゃないか。これも私、一体どうなんだ、こう聞いてみますと、五千円と言いたいところだけれども、三千五百円もあれば何とかできるかもしれない、こういうささやかな要求ですね。私はささやかだと思うのです。洋服一着三千二百円が三千五百円、私は、これは五千円にしても決して多過ぎはしない、こう思うのです。この服装の点は、もう少し考えてやる必要があると思うのですが、どうですか。
○山野参事 衛視の服装は、制服職員でございますので、見苦しくない、きちっとしたものでなければならぬということは、私の長い間の念願でございます。ただ、ただいま仰せになりました二千二百円という予算は、たしかそうなっておると思いますが、実際のことを申し上げますと、これはやりくりではございますが、実際はその倍くらいのものを着せておるわけでございます。御参考にちょっと拾って申し上げますと、衛視の冬服の上下のものは三千九百三十円、それから昨年IPUの会議がございまして、諸外国の議員さんもこられることでございますので、全部には行き渡りませんが、目立つところの場所に勤務する者については、少し質のいいものできちっとしたものを着せたいということで、これは七十四着作りまして、その単価は四千七百五十円と相なっております。そのようなことでございまして、二千二百円は予算でございますが、これは何と申しますか、やりくり無理算段をして、そこまで持っていっておるのでございますが、このことにつきましても、数年来研究をいたしておりまして、たとえば警視庁の警察官の服装単価等も調べておりますが、警視庁の警察官は、御承知のように、都内だけでも二万四千人おるわけでございまして、非常にコストが安くできるわけでございます。うちの衛視は二百二人でございますので、そういうわけにも参りませんので、結局は単価を引き上げていいものを着せる、ぜいたくではなくてもいいものを着せたいというのは、私もそのように考えておるわけでございまして、せっかくの仰せもございましたので、この点につきましても、予算のことが伴いますので、今後予算折衝上最大の努力をいたしたいと存じます。
○横路分科員 今あなたのお話では、二千三百円という予算単価だが、何ぼですか、苦労して三千五百円ということになるのですか、そうすると、あなたの方では、大体三千五百円ぐらいの予算単価を組んでもらえば、五千円ぐらいのもののが支給できることになると思うのです。これは実際、事実上五千円ぐらいのものはぜひ支給できるようにしてあげなければならぬと思うのです。 やはり今の被服のことですが、これはいろいろ私も話を聞いてみますと、たとえば女子職員について事務服、上っ張りですね、人によっては着ている人もあるし、人によっては着ていない人もある。これは一つ全部支給してもらうようにしてもらいたい。被服の制度について拡大してもらいたいという希望があるわけですが、この点についても一つ……。 なお、時間がございませんから、一括して質問しますが、国会職員給与規程の六条の八項で、議会手当が支給されることになっている。現在〇・四カ月だそうですか、実際の職員の諸君のいろんな意見を徴してみると、これはぜひ一カ月分を組んでもらいたいということです。 それから、同じく国会職員給与規程の十三条に、これは年度末に賄雑費を支給することができるということになっておるのですが、この点についても、ぜひ一つ賄雑費一律五千円は支給してもらいたいという希望が強くあるわけです。 なお、国会の運転手の諸君ですが、私も聞いてみて驚きましたのは、勤続十五年で一万五千円ぐらいの月給の人がある。これは年令にもよるのでしょう。大体年令はどのくらいか聞いてみたら、三十二、三という人もあるようですが、その点が一つ。 それから、これは事務職員もそうですし、衛視の諸君も同様なんですが、いわゆる一般官庁では行政(二)から行政(一)ですね。こちらの職員の場合には、特別な給与法ですが、これは一般官庁の職員と同じように行政職の(二)表から行政職の(一)表に移行する場合に、どうも一般官庁の職員と、それから国会の事務職員並びに衛視その他の諸君の移り工合が、だいぶ差がある、こういうようにもわれわれは聞いておるのです。 大へん恐縮ですが、時間も今委員長から催促されておりますので、それらの点について、まとめて一つずつお話をしていただきたい。
○山野参事 お答え申し上げます。 女子の被服につきましては、できるだけまんべんなく行き渡るようにしたいという御趣旨は、私もさように考えておりますが、ただ、これは勤務個所によりまして、普通着ているものがいたむとか、そでがすり切れるというようなものから、優先的にやっておりますことを御了承願いたいと存じます。 それから国会手当、賄雑費等、これは予算の関係もございますが、これもかねがね私どもとしては増額要求をいたしておるのでございます。国会職員につきましては。大体において勤務も過重ではございますが、手当の面で、超過勤務手当といったようなことについては予算的にも大蔵省は相当めんどうを見て下さっておるわけでございまして、それらのかね合いもございますし、こういったような特殊なものが本質的に超過勤務手当とどのような関係にあるかといったような問題もございますので、いろいろと話はいたしておりますが、ただいま仰せの点は、私といたしましても、もちろんこれは増額できれば増額したいというふうに考え、そのようになお努力いたしたいと存じます。 運転手の俸給につきましては、これは採用時におきまして、過去の経験年数等によりまして、人によってどうということのないように、一定の基準によってやっておるわけでございますが、なおそう申しましても、たまたま間違いがないとも言えないと思いますので、せっかくの仰せでございますから、全運転手について再調査してみたいと思います。 それから、行政(二)から行政(一)への移行等、につきましては、今回幸いにして、ここの事務局はほかと比べてあまり数がありませんけれども、行政(三)から行政(一)の移行十五名といったようなものも予算的に認められまして、逐次御趣旨に沿うようになってくることと任じますが、今後におきましても、私として最大の努力を払いたいと思います。
○横路分科員 山野さんに対する質問はこれで終わります。それで今申し上げましたように、何も私たちは、参議院の方の待遇がいいから参議院側をどうしなさいということではないのです。当然待遇はよくしなければならぬので、衆議院側が実際には、先ほどあなたから御指摘のように、国会に対する陳情、請願その他にしても非常に多いわけですね。だから、それだけ仕事が過重になっているのに、やはり定員が少ないという点等もあるわけですから、この点は十分大蔵省側ともよく折衝して、とりわけ衆議院に勤めておる職員が負担が重いということのないように、公平にやってもらいたいと思います。参議院の方には、どうも米ていただきまして大へん恐縮でしたか、ほかに質問もございますから……。 一つだけ法務省の方に聞いて終わりたいと思います。 民事局長にお尋ねしますが、昭和三十四年十二月十七日に、人事院総裁の浅井さんから「人事院は、全法務職員組合中央執行委員長坂元登から、昭和三十三年十月三十日付で提出された「渡切費に関する行政措置の、要求」について、次のように判定する」これを読みますと「「法務局、地方法務局における四人以下の出張所に支給される渡切費を増額する措置を行うこと。」を要求」云々、それで、私も聞いてみて驚いたのです。全国出張所の実際はどうなっておるのかをだんだん聞いてみたら、燃料代、電灯料その他いろんなものについて、年間わずかなものですね、一万八千円ぐらいです。それがあなたの方では年間の予算を一万二百円ぐらいしか払ってないので。実際にはそこの出張所の所長がそれを自己負担している。少なくともこれは役所に入るわけですね。電灯料だ、石炭代だ、薪炭代だというものが大体平均一万八千円かかるのに——渡し切りというのは打ち切りと同じで、旅費なら打ちりというのでしょうけれども、そういうものについては渡し切りといっているようですが、一万円程度で、あとは自己負担だ。これは珍しい役所だなと思って、私も感心したわけなんですが、実際に電灯料とか薪炭代とか、石炭代とかがか かつているならば、なぜそれの支払いをしないのですか。なぜそれをそれぞれの職員の負担にしているのですか。 〔主査退席、保科主査代理着席〕
○平賀政府委員 渡切費につきましては、法務局、地方法務局の出張所で職員が四人以下のところには、庁費では支弁いたしませんで、渡し切りと申しまして、ただいま御指摘のように、薪炭料とか電灯料とかをまかなっているわけでございます。私の方といたしましても、この渡切費が、実際に徴しまして額が少ないというので、以前から増額の努力をして参りまして、昭和三十七年当時は一庁平均の単価が五千円でありましたものが、漸次増額されて参りまして、昭和三十二年には一庁当たりの平均の単価が九千円となっておるのでございます。三十二年から以後も私ども努力いたしておるのでございますが、不幸にしまして、来年度三十六年度におきましても一庁当たりの単価が九千円ということで、その後は増額を見ていないのでございます。私どもといたしましては、今後も極力渡切費の不足をカバーしたい、今後も努力したいと思っておる次第でございます。
○横路分科員 平賀さん、実は学校等においては、たとえば教員一人、二人という学校がある。その場合に宿直、日直をしている。本人が住んでいながら建物の管理をしているわけです。その場合には、日直、宿直の手当については払うわけです。ところが、これは払っていないのでしょう。渡切費がかりでなしに——たとえば一万八千円かかるのを九千円とか九千五百円払って、残りの分については本人負担、役所なんですから、当然役所の一般の経費でやるべきものを、渡切費として、なお残ったものについては本人負担、そのほかに日直、宿直手当も出していないわけですね。学校には出ているのですよ。学校の職員については、日直、宿直手当というものが、一人の教員であっても出ている。この点は、そういう制度化については全然お考えになったことはないわけですか。それとも、考えておるので、一つ近々これを検討して実現させたいというのか、その点はどうなんですか。
○平賀政府委員 法務局の出張所と申しますのは、全国に約千七百あるのでございます。非常にほかの役所に見られない特色がございまして、千七百のうち、職員が七人以上の庁が四十九庁でございます。その残り千六百幾つかは、これは職員が六人以下の省でございます。一人の庁が三百五十八、二人の庁が八百六十七、三人の庁が二百七十という工合に、非常に職員の数の少ない役所が全国に多数分散しておるわけでございます。 現状を申し上げますと、七人以上の四十九ヵ庁につきましては、それは宿日直手出が出ております。ところが、この六人以下の庁におきましては、御承知かと思いますが、出張所に居住室がついておりまして、所長がそこに家族と一緒に起居しておる、居住をかねております関係で、現在のところ、宿直手当は出ておりませんで、日直手当年間十日分というのが出ておるのが現状でございます。ただいまお話の学校の事情は、私は全然存じないのでございますか、これも宿日直手当を一つ増額していただきたいというので、年来私ども努力しておりまして、今後改善に努力していきたいと考えておる次第でございます。
○横路分科員 今のお話で、七人以上の庁舎に勤務している者については日直、宿直手当を出している。しかし、六人以下のところは、所長というか、出張所長はそこに住まいをしているのだから、払っていない。しかし、年間十日だけ日直手出を出している。時間があれば、年間十日という算定がどこから出てきたものか聞きたいのですが、実際私どもふに落ちないわけです。週に一ぺんずつ日直手当を出すというなら、九十二日分くらい出したらいいかもしれない。十日というものが、一体どこからそういうものが出てきたのか、全くわれわれとしては理解に苦しむわけです。しかし、これは建物の管理をやっているわけですね。責任を持っているわけです。だから、そういう意味からいけば金額のことは、それぞれに予算の制約もございましょうが、私は、少なくとも、宿直については、やはり建物の管理その他をしているわけですから、この点は考慮すべきだと思うのです。時間があれば、年間十日の日直手当というのはどうやってきめたのかということを聞いてみたいと思いますが、時間もありませんからやめますけれども、これはだれが聞いてもふに落ちない点が多々あると思うのです。この点は、あなた方でなおこういう現場の第一線で実際に働いている職員のことについて十分考慮してやってもらいたい。最後にそれだけお聞きしておきたいと思いますが、どうですか。
○平賀政府委員 お言葉、私どもも全く同感でございまして、今後なお一そう努力いたしたいと考えております。
○横路分科員 なお、民事局長に沖繩の戸籍のことをちょっと伺いたいのですが、これは前に安保特別委員会で、沖繩の戸籍のことについては、総理から、どうするとか、こうするかという話があったのですが、今その沖繩関係の戸籍というのはどうなっていますか。
○平賀政府委員 沖繩の戸籍は、これは、かなり複雑な関係になっておりまして、沖繩が日本の領土でございます関係で、日本の本土の戸籍法の建前といたしましては、沖繩にも本籍を持つことができる、樺太などとは違いまして、沖繩にも本籍を持つことができるということになっておるのでございます。ところが、沖繩の現地はこちらの施政権が及びませんで、アメリカが施政権を行使しておる。そういう関係で、沖繩の現地の市町村長は、これは本土の地方自治法による市町村長ではございませんし、そういう関係で、本土でも、沖繩に本籍を持っている人の戸籍につきまして戸籍事務を処理する必要があるわけでございます。現に沖繩に本籍を持っていられる人で本土に居住している方が、はっきり数字を覚えませんが、十数万人本土におられますので、そういう方々の戸籍をやはり本土の方でも作っておく必要があるわけでございます。そういう関係で、法務省の出先機関の福岡法務局に沖繩戸籍事務所というものを設けまして、そこで沖繩に本籍を持っている人たちの戸籍の調製、戸籍の記載というものをやっておるのでざざいます。他方、沖繩の現地におきましても、本土とほとんど内容の同一の戸籍法というのもが現地の法律として施行されておりまして、現地でもやはり本土におけると同様の戸籍事務を行なっておるわけでございます。ただ、これは、アメリカの施政権に基づく住民の登録事務と申しますか、戸籍事務なのでございまして、法制上は直接はこちらとは関係がない、そういう建前になっておるのでございす。
○横路分科員 民事局長にお尋ねしますが、たとえば、日本の国内に本籍を持っている者が沖繩の女の人と結婚した、そこで本人は沖繩に行きたい、ところが、沖繩に本雑はない。女の人は沖繩に本籍はあったが、日本国内における男と結婚した、一緒に沖繩に行きたい。その場合に、沖繩に本籍を設定すれば沖繩に行けるのかどうか。これは渡航の問題になるのでしょうか、これは日本の領土なんだ、潜在主権はあるのだ、だから戸籍については、そうするのだ、こう言っている。そういう希望者があるのですが、実際には沖繩に本籍が持てないから帰れないというのか、向こうで許可にならないから行けないというのか、女の人だけは帰れるが、男は結婚して入籍したのだが行けない、しかし、向こうの女の人に男が入籍すれば行けるかもしれない、それなら一たん離婚して向こうへ帰ってもらって、もう一ぺん籍を入れたらどうかというふうなことを言う諸君もあるわけですが、そういう点についてはどうなっているのですか。向こうに本籍が設定できるかどうかということです。
○平賀政府委員 ただいまの例について申し上げますと、沖繩に本籍を持っている女の人と、本土の方に本籍を持っている男の人が本土で結婚したと仮定いたしますと、現在の建前は、こちらから出ていくのは、出る分は自由なのでございますが、ただ、向こうにおきましては、第一に入域の制限がいるわけでございます。出入国の管理の関係上、入域の制限がございます。そのほかにさらに、向こうに本籍を移しますことにつきましても向こうは制限をいたしておるわけでございます。この制限と申しますのも、要するに民政府の許可でございまして、民政府の許可を得れば本籍を向こうに移すこともできますし、入域もできる、許可がおりますれば、この二人の人は向こうに本籍も移せる入域もできる、現在そういう建前になっているようでございます。
○横路分科員 大へん時間がおそくなりまして、公安調査庁の次長の関さんには申しわけありませんが、実は、主査の方から要求されておりまして、理事会が一時半からということですし、その他、党との打ち合わせもございますので、ほんとうはもっといろいろお尋ねをしたいのですが、これで終わりたいと思います。関さんにおいでをいただいて恐縮ですけれども、前の質問にちょっと時間をとられましたので、またあらためて適当な機会にお尋ねをいたしたいと思います。 それでは、時間もだいぶ過ぎましたので、終わりたいと思います。
○保科主査代理 午後二時半より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時四十一分休憩 ————◇————— 午後三時三十六分開議
○相川主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。 川俣清音君。
○川俣分科員 この際、大蔵大臣に数点にわたってお尋ねいたしたいいと思うのです。 大体、大蔵省というところは、金のことについては非常にうるさく各省を規制するのですが、物のことになりますと、大蔵省自体が管理が非常に不行き届きだということをたびたび私は警告をしながら、歴代の大蔵大臣に要求しておるわけです。最近幾らかよくなりましたにいたしましても、大蔵省の所管にかかわる農地であるとか、あるいは宅地であるとか、そうした財産の管理が行き届いておらないんじゃないか、また、内容をはっきり把握しておらないんじゃないかということを感ずるわけであります。それは、すでに税務署として税務署を建てておりながら、まだ地方の土地台帳には原野であったり、山林になっておる場合がある。ところが一方、国民から税金をとる場合はなかなか過酷であって、地目がどうであろうと、実際宅地の場合には宅地としての評価をいたしまして課税対象にする。ところが、大蔵省が持っておる場合は、これは固定資産税でありませんでしょうが、国有財産所在町村交付金などは、依然として古い台帳価格の原野であるとか、あるいは山林であるとかいう評価の上に支払うというようなことが現にあるわけです。私、時間がないから一つ一つの問題は取り上げませんけれども、金の面では相当やかましく言うが、こういう物の管理については疎漏であるというか、ずさんであるというか、民間ほどに十分な関心を持っていないということを意識されませんかどうか、この点を伺いたい。
○水田国務大臣 終戦後、軍用財産や物納財産が一度にきたために、その管理が非常に悪くて、台帳と実際のものが一致しないというようなものがたくさん出て参りましたので、三十二年からこの整理に入って、今着々その整理をやっておるというところでございまして、大体近く一応整理が終わるであろうということでございます。
○川俣分科員 だいぶんやかましくなったので、三十二年から十分精査しておる、こういうことでございますが、しかし、もう三十二年から三十五年、六年となるわけですけれども、これは普通の民間であれば当然税の対象となるのです。大蔵省の所有地なるがゆえに、官庁の持ち物なるがゆえに特権があという印象を地方民に与えることは、徴税の上からも、これは考え面すべきじゃないか、検討すべきじゃないか、こう思うのです。これだけ努力しておられるのでありますから、継続してさらに一そうのすみやかな努力を望みたいと思います。農地法によりますると、農業者でなければ土地の所有ができない。大蔵省の持っておる土地は当然農林省に所属がえしなければならぬはずのものが、まだ残っておる部分がある。一般の方には法律規制が非常にやかましいのにかかわらず、官庁なるがゆえに、てん然としておられますことについては、十分関心を呼びたいと思うのです。 そういう意味で、物に対する見方がどうも疎漏だという一つの例をあげながら、お尋ねしたいことがあるのですが、今度の国会に、大臣御存じのような大豆なたね交付金法案というのが出来ました。この説明によりますと、外国産大豆の輸入の自由化が国内産の大豆及び菜種の価格に及ぼす影響が非常に甚大であるから、当分の間国内産大豆及び菜種について交付金を交付するのだ、こういうのです。大豆の輸入の自由化によって国内産が打撃を受けるのだから、一つ交付金でめんどうを見てやろう、こういうことです。このことで、特に開拓農民などが大豆を作っておるためにその打撃が甚大だということで、これを救済しよう、こういう考え方です。これは必ずしも悪くはないと思う。ところが、大豆は、とうふとか、あるいはみそ等によってかなり普遍化された食料品ではあるものの、砂糖ほど普遍化した食料品ではないわけですね。一般の国民から見ますると、物価がいろいろ上がるのは、砂糖くらいは一つ下げてもらったらどうだ、下がっていいはずじゃないかという期待があるわけです。そういう世間の批評を大臣は十分聞いておられると思う。いろんなものが上がるけれども、砂糖くらいは下げることができるのじゃないか、砂糖会社は年間八十億も超過利潤をとっておるのだから、下げることができないわけはないじゃないか、こういう気持があるわけです。これに対しては、大蔵大臣、あなたと、それから通産大臣、農林大臣が、昨年の十一月ですか、集まって、自由化しようということをきめた。それをまたことしになってからやめたのですね。国内甘味資源を保護するために自由化をやめたというのですが、大豆の場合と同じように、関税をとりまして、それをもって交付金にしてやれないことはないじゃないですか。その方が砂糖の値段が下がるじゃないですか。これと同じように砂糖の値段を下げたらどうです。これは大豆の値段が下がる、その下がるのは消費者の方にいく、農民の手取りが少なくなるから、交付金でいこう、こういうわけです。砂糖も同じく一般には下がる。甘味資源を作っているところのビートはビートとしての救済をする、あるいはブドウ糖はブドウ糖としての救済をやる。これは日本の甘味資源でなじみがないから、なかなか消費量が増大してこないけれども、ブドウ糖などは、甘味は薄いけれども、これを食ぜんにのせることは決して困難ではない。ビート砂糖についてもそういう消費拡大をはかっていくようにして救済をしていく、そうして輸入については自由にしておいて、関税でカバーしていけば、やれないことはないじゃないですか。この砂糖にだけは特別に総理大臣が関係が深いと世間でいわれて、それでやめたのじゃないかとさえ、誤解を受けるのです。ほんとうに誤解を受けるのです。大豆や菜種と同じように、どうしてできないのか、できない理由はないじゃないですか。区別しなければならぬ理由がどこにあるか、この点をお伺いします。
○水田国務大臣 前に三省で関税率を石定率引き上げるということによって砂糖の輸入は自由化そうという方針をきめましたが、その後農林省の方から、あの話を変更してもらいたいということで、またいろいろ相談した結果、しばらく砂糖の自由化はとりやめるということになりました。そうしますと、そのあとの措置をどうするかという問題でございましたが、できるだけ輸入量をふやして砂糖の値段を下げる、超過利潤の発生しないような措置をとるということをきめたわけでございますが、その後、一月でしたか、大体十万トンぐらいの輸入をふやすという処置はとりましたが、まだ砂糖についてはもう少し量をふやすことによって値下げの必要があるというふうに考えておりまして、今関係者が相談しておるところでございますので、必ず砂糖の値段を上げない措置を近くとることと思います。
○川俣分科員 その調整をしようとするところに、どうも人為的な上がりと申しますか、精糖会社の思惑が生じて、政府の大体の腰を見られて、もっと外貨の割当をするのだといっても、それは大したことはあるまいというふうに見られ、また、外貨の割当についても相当牽制できるのだというような安逸な気持が、なかなか価格の下がらないゆえんだと思うのです。だから、思い切って、農林省が自由化は絶対反対なら、大豆なんかは反対したらいいのですよ。大豆の方は開拓農民のだから交付金だ、砂糖の方は精糖会社が困るから自由化を延ばしたと、こういうふうに世間では受け取る。世間で受け取っておる力というものはなかなか大きいです。農林省の連中がどんなにしゃっちょこ立ちして説明しましても、やはり精糖会社におだてられて、国内甘味資源擁護だなんといって、ほんとうは精糖会社に踊らされておるのではないかという批評が農村にびまんしておる。農民のためにやってくれておるのじゃない、あれは精糖会社のためではないか。アンケートをとって聞いてごらんなさい。おそらく八〇%近くそういう結果が出る。だから、要は、確かに日本の甘味資源は不足ですから、これを培養していくということは必要でしょう。その点は砂糖に限って、砂糖だけはやはり自由化して、むしろ、日常化活に一番関係の深い砂糖を下げていって、それに対応できるように、国内の甘味資源を養成していくという方が、むしろ私は、積極的な妥当な方策だと思う。 それでは、次に菜種及び大豆に移ります。これは一般会計に関係深いので、このために約四十億が使われるわけです。この計算は、農林省の説明によりますと、基準価格と標準価格の差、それにいろいろな流通経費を加えるわけでしょう。その差金を交付金として出す。その数量はというと、御存じのように、農家の販売数量を基準とし、生産事情を参酌して交付金の交付の対象数量にするのだ、こういう説明です。法律もそうなっておる。過去の実績で数量を算定して出したのだ、こういう説明です。ここに役人のけさがあるのです。というのは、大豆は別として、小笠の方を見てごらんなさい。小笠は殻物取引所の上場品目です。小豆は生産数量よりも多いほど上場しておるわけです。取引の対象になっておる。そこで、から取引だというようなことで問題が起こる。小豆は、今までは販連が一手販売をやっておって、集荷業者が少なかったものですから、市場に出てくる品物が不足だったけれども、この法律が出ましてからは、取引所の連中におととい電話で聞いたのですが、人にもよりますけれども、この法律によりますと、少なくとも、少ない人で五割、倍くらいの取引になるのじゃないかという意見が多い。これは家庭で消費しておったり、近所で消費しておったものが、市場に乗ってきますと、先物がありますから、先物に押されて庭先から市場に出てくるわけです。これが取引所の機能でしょう。そうすると、従来は少なかったけれども、これからも少ないのだという考え方なんですね。しかし、これからはそういうわけにいかない。法律からいいますと、過去一定期間の生産者の販売数量−農林省では家庭で食っておるものまでは出てこないだろうと言いますけれども、穀物取引所の対象物品です。先物があるのです。先物によって庭から押し出されてくるわけです。吸い取られてくるわけです。自家消費したものも市場に出てくるという作用をなすわけです。そのために殻物取引所の機能があるわけです。それを、従来の統計によれば、これだから大丈夫です、こう言うが、取引所の者にすっかり撹乱されるおそれがあるのじゃないかと言うと、そういうことは考えられませんと言っておる。調査もしないでそういう答弁をしておられる。大蔵省はどうなんですか。
○石原政府委員 川俣委員が御指摘になりますように、過去の一定期間におきまする生産者の販売数量、いわゆる出回り量というもので買い入れをするわけであります。御承知のように、三十六年度予算におきましては、二十万トンを見込んでおられます。この数量の見方についてはいろいろな御議論があろうかと思うのでありますが、生産農家の所得という点から見まして、激変を緩和するという意味におきまして、今まで出回りました数量というものを見ておるわけであります。ただいま取引所のお話がございました。私はその方のことをよく知らないのでありますか、取引所は、今お話しのようなことで、従来からもあり、今後ももちろんあるでありましょう。そこで年産者の売りまする量がどうなるかということでありますが、これは今申し上げましたような趣旨、また、財政負担の限度ということから見まして、今申し上げましたように、現実の販売数量というものに対しまして若干余裕を見たところで処理をし得るのではないかというふうに考えております。
○川俣分科員 一定数量より変わらないというところに、取引所の連中に撹乱される余地が出てくるのではないか、こう言っておる。過去の大豆の取引数量を見ますと、三十年が六万二千俵、三十一年が六万三千俵、三十二年が二万九千俵、三十三年が七万四千俵、三十四年が六万何千俵、これは一俵一枚の計算です。そこで、三十二年の二万九千俵しか取引のなかったときが、一番高い安いの差が少なかった。数量が多くなれば、高い安いの差が激しいわけであります。だから、数量が少ないという見方は高低が少ないと見てよろしいのですが、少なくとも五割から倍の数量が出て参りますと、高低の差がもっと激しくなる、こう見なければならない。高低の差が激しくなれば、上場としては非常に興味が出てくるから、さらに取引の対象物としての数量が増してくる。ということになる。増してくるにかかわらず、これだけしか押えていないということになりますと、輸入や何かで大きなものをやればある程度別ですけれども、そうでないと、わずかしかつかんでいなければ、せっかくのこの法律の意味がなくなってくるのではないか。これは作付規制をしようとかいうのではない、国内需要としては足りないから、もっと増産をしよう、もっと安くたくさん作らせようというねらいの法律です。そうすると、何でも買ってやるという態勢でなければならない。お前のところのものは買ってやらない、市場にどんどん出ているけれども、お前のものは買わないのだということになれば、生産を押えることになる、あるいは大豆の買い入れを押えていくという結果になるのじゃないか。もっとたくさん増産させて、外国からの輸入を阻止するまでにいこう、しかも、価格も国際価格に対応していこうというねらいで出された法案なんです。それでこそ意味があるのだと思う。ところが、実際の出回りの半分あるいは三分の二も力がなくては、むしろ、農民の生産したものに交付金を出してくれないとなれば、市場のいわゆる取引業者の方へ回してやるということになってくると、そこであなた方がすっかり撹乱されるおそれが出てくる。そうなればなるほど、翌年度はもっと大きな数量を割り当てなければならないということになる、再来年はさらに大きな数量を割り当てなければならないという結果になるのじゃないか、こう私は言及した。過去の実績はこうだからということの答弁なんです。幾ら言っても、過去の、実績はこうだ。学者も同じです。過去の分析はなかなかうまいけれども、将来の人間の動きや物の動きについては、鈍感なのが役人の大きな欠陥だと私は思う。従って、小豆のような場合でも、農林省がどんなに手を打っても、打てば打つほど、裏に回られてああした騒ぎが生ずるわけです。この点いかがですか。
○水田国務大臣 あるいはそういう問題があるかもしれません。しかし、今度の趣旨は、要するに、大豆を自由化した場合に、従来の大豆を作っておった農家に打撃を与えないようにというために農林省でもいろいろ研究してくれたのですが、内地産の大豆が事実上例の値段で売るということになると、問題は特に北海道を中心とした大豆で、これが自由化された場合には、よほどの支持をしてやらなければ、その商品の価格の維持はむずかしい事情にございますので、どれだけの量にどれだけの金額の補償をつければ、農家にそう打撃を与えないで自由化ができるかという立場からの計算をして、予算に計上したということでございますので、この実施のやり方については、相当農林省に善処してもらわなければ、確かにそういう問題が考えられるのではないかと思っております。
○川俣分科員 せっかくこういう方途を講じたのだから、効果のあるようにしなければ、いたずらに金を出されても、国の金を使って効果の現われないようなことであっては何にもならないのではないか、こういう点から話をしておるのであります。やはり価格を安定させるからには、販売数量全部に交付金をつけてやるのだというふうにいって、一部はやらないのだということになってくると撹乱される、こういうことになるのです。全部買うということになると、価格の操作のしようがないから、撹乱の余地はなくなってくる。価格の操作のしようがなければ、取引の対象にしてもおもしろみはないわけです。価格の変動のあるところに取引のおもしろみ——おもしろみと言っては人の商売を批判するようで悪いけれども、取引の妙味があるということになるのであります。従来のように妙味がなければ数量が減ってくる、妙味があれば数量はふえるのです。妙味はどこから出てくるかというと、できた数量を全部対象にしないというところに妙味が出てくるわけです。そこでこれは効果がなくなるわけです。このくらいのことはおわかりでしょう、どうですか。
○石原政府委員 川俣先生御承知のように、大豆の生産量は若干減りぎみでございまして、三十一年ごろの五十万トン、四十五万トンというような量から、大体四十万トンそこそこに減ってきております。今後も引き続き減るかどうかということは問題ですが、従いまして、今後も、従来の商品化率を著しく越えて、市場に出る数量が二十万トンを上回わるというようなことはちょっと想像できません。御承知のように、従来からも農産物価格安定法の指定物資でございまして、一応支持価格というものがあるわけでございます。それが、商品の取引所におきましてどういうような考慮をいたしますか、今度は、少なくとも二十万トン買い得る三十億の資金を持ちまして、基準価格を、実力をもってそれをベースにして買うわけであります。しかも、自由化が行なわれるわけでありますから、川俣委員の非常に御心配になりますようなことになりますれば、先ほど来申し上げておりますように、従来の商品化率、従来の生産実績、出回り実績というものを見込みまして、合理的な線で価格をきめ、また、金も用面するということでございますので、御心配のようなことにはならないのではないかと考えております。
○川俣分科員 もう一点だけ。国内大豆と外国大豆をというふにした場合は、国内大豆の方がとうふとしては価値が高いといわれておる、国内産の大豆は脂肪が少ない。とうふの場合は、そんなに脂肪が必要でないが、油にする場合は、脂肪率が商い力が非常に価値が高いわけです。とうふの場合は、どうせ脂肪を流してしまうわけですから、そんなに高くする必要はない。そうして、とうふの場合は、国内産の方が歩どまりがいいから、国内産の大豆を使いたがる。そういうことを何も考えないで、——これは大蔵省に考えろと言っても無理ですが、農林省自体が考えないで、ただ、大豆の値が下がるから何とかしろ、そうか、というようなことを大蔵省は考えられて——今そこで首を振っておるけれども。大蔵省はずいぶんけちでありながら、こういうところが抜けておるのじゃないか。一年たってごらんなさい、私の言うておることは——局長は、その間にやめて民間に入っておるかもしれませんけれども、そのとき、初めてわかったということになったのではおそい。国の経費をいいかげん使って。やめられてからわかったのではおそいと思うのです。 次に、肥料のことについてお尋ねしたいのですが、日本開発銀行で業種別融資を計画されております。その中で、電力、海連とありますが、その他として三百億、その三百億の中に、石炭、特定機械などで百五十億、さらに、その他で小さいのがたくさんあります。これが百五十億。このあとの百五十億ですが、まだ百三十三億よりきまっておらない。
○石野政府委員 今の御質問の趣旨をちょっとつかめなかったかもしれませんけれども、三十六年度の新規計画の問題で、その他のうちの内容がまだきまってない部分が非常にたくさんあるのではないか、こういうお尋ねだと思いますが、これは開銀の新計画のワクを財政投融資計画できめます場合に電力、海運、地方開発等につきましては地方財政投融資計画できめまして、そうして開銀に対するいろいろの資金の需要を各省から推薦等の関係もございまして、そういうものが集まって参りまして、その上で具体的に決定することになる関係で、その他として一括して財政投融資のときには計上してございます。従いまして、内容につきましては、三十六年度の分はきまっていないわけでございます。
○川俣分科員 その他その他でずいぶん分けてあるのですが、あと十七億ばかりがはっきりしてないわけです。まあそれはそれでしよろしゅうございます。この中に硫安の合理化資金としては十四億あるのですが、大臣、合理化資金というと、どういう資金でしょうか。硫安を国際価格並みに下げるという意味もありましょうし、また今一番問題になっております農産物の価格を引き下げて、国際競争力を持たせるということになりますと、生産コストの重要な要素であるところの肥料を下げていかなければ、農産物の価格は下がっていかない。価格を上げて所得を増すか、あるいはコストを下げていくよりほかない。農産物のコストを下げるとすれば、コストの一重要なパーセンテージを占めております肥料を下げていくということになるだろうと思う。そのために硫安の合理化資金を出す、こういうのじゃないですか。
○石野政府委員 仰せの通りで、第二次合理化等につきましては、ガス源転換の金を六分五厘で融資をいたしております。
○川俣分科員 これは今の説明のように、合理化資金なんですね。救済資金ではないんですね。
○水田国務大臣 救済資金じゃなくて、合理化資金です。
○川俣分科員 合理化資金というと、私どもの常識からすれば、なるべく安くしょう、硫安価格ができるだけ安くできるようなふうに工場を持っていこう、こういうことだと思うのです。そうじゃないですか。もう一度一つ…。
○水田国務大臣 そうですから六分五厘の低利にしてあるということであります。
○川俣分科員 そこで、お尋ねしたいのですが、今通産省と農林省の間で、肥料審議会を前にしてまだ意見の調整がつかないのですね。それは、さらに、五十六万九千トンかの増設をさせよう、この計画をめぐって、農林省と通産省の間の意見が合わないわけです。農林省の主張をちょっとここで読み上げますと、合理化計画の内容について納得のいくまで検討する、原価要素の想定のルールを今後三年間にわたって固定できるように協議してきめる、過去の赤字の処理方法をきめる、年次別目標、コストをできるだけ正確に想定するなどの点で、十分意見を調整した上でなければ、肥料審議会を開くべきじゃないという基本対策を立てておるようなんです。ところが、通産省の増産計画は、平均より低い工場、何とか救済していかなければ成り立たないようなコスト高の工場を、まず救済していこうという案のようなんです。すでに設備をしておって、さらにもっと安い硫安を作られて、価格が引き下げられては、業界に大きな影響を与えるから、通産省としては、できるだけコストの安いところの方は押えておって、コストの高いところを少し上に上げていこうという計画のようなんです。これは合理化計画じゃないと私は思う。そういう弱い工場を助けるのは、救済でやればいい。救済することも、私は決して悪いとは言わないのですよ。肥料を安くするというからには、さらに安くしようとする工場に融資をしていくということが合理化だ、私はそう思うのです。世間ではそう思うのですよ。大蔵省とか通産省の頭が変わっておれば別ですが、世の中の常識としてはそう考えるのですが、この常識が誤りでしょうか、どうでしょうか、大臣、答えて下さい。
○水田国務大臣 硫安の合理化の問題は、今、確かに、そういういろいろな意見を調整しているところでございます。私どもが、今三省間でいろいろ相談しております方向は、合理化を今までの計画に従ってあと三年間くらいでやらせる、そうして、当初の予定通りの合理化ができ、予定通りの値段になった場合には、もう商コストの工場に特に資金を与えて合理化するというようなことはやめて、一定の合理化ができた場合には、そこで、むしろ自由化をやって、外国の肥料が入ってきてもよろしいという措置をとることによって、立ち打ちできないものはやめてもやむを得ぬ、それ以上に合理化する力のあるところに合馴化の主力をそそぐべきであるというような、大体の大筋の考え方に立って、今いろいろ相談中であります。
○川俣分科員 その通りなのです。そこで、ちょっと違うのは、将来もう打ち切るのだから、今のうちに助けておかないと永久に助けられないから、今のうちに助けておかなければならぬという考えがが、通産省にあるのじゃないか。一番高コストのところに何とか手配をしようという考えかなのですね。これがおかしいのですよ。しかも、これは私、どうしても大臣に一つ反省を促しておかなければならぬ。銀行局長もそうなのです。私は名前を言うのを控えますが、今度の融資の対象になっているある工場に、通産省の係官にある者が行くことが条件になっているのですよ。おれのところに割り当てればお前を採ると言っている。もう行くことになっているのですが、そういうところへもなお大臣割り当てるのですか。これは大蔵省の考えをだいぶ違えなければならぬと思うのです。綱紀粛正の上でもおかしいと思う。国家公務員法によれば、監督の地位にあってやめた者は、二年の間はそういうところに行けない規定になっている。行く場合には大臣の許可を要することになっている。もうすでに内約ができておるということは、周知の事実なんです。こういうことがやられておって、合理化とはとても言えないだろうと思う。どうです、もしもそこへ行った場合に、あなたどうしますか。
○水田国務大臣 私は、そういう事実はよく存じません。
○川俣分科員 御存じなければ、会社の名前と本人の名前をあげてもいいのですが、これは少し酷になると思いますか言いませんが、そういうことがないことが必要だと思うのです。名前をあげることよりも、そういうところに融資はしないということを銀行局は言明できますか。
○石野政府委員 通産省の人事の関係関係は、全然私どもはございません。それから私の方の監督は、銀行局としては、開銀の具体的な融資について、政府がどの会社に出せとかいうようなことは言わないという建前で、ああいう銀行ができておるのでありますから、開銀全体の経理内容等につきましては私も十分監督をいたしますが、今のようなお話になりますと、結局その合理化の計画が、通産省、農林省等でお話しになって、それでいいという結論が出れば、それが推薦になって、開銀が推薦を受けて決定するというような関係になってくるわけです。ただいまお話しの人事等の関係がどういうふうになっておりますか、私全然わかりませんが、そういう意味で、開銀合理化資金の問題は、今お話しの人事の問題等とは一応切り離して、私どもとしては開銀の監督をいたしておりますので、そういうふうに御了承いただきたいと思います。
○川俣分科員 合理化資金だから、合理的に使われることが望ましいのであって、情実融資じゃないのでしょう。救済融資でもないでしょう。やはり合理化融資だから、合理化の目的が達成されるということでなければ、国の資金を融通してやることの音一味をなさないのじゃないですか。あくまで合理化資金だから、合理化の達成できるような融資でなければ意味をなさないのじゃないか、こういうことです。
○石野政府委員 その点はおっしゃる通りなんですが、ただ、先ほどの人事の関係は、たまたまそういうお話があるかないか存じませんけれども、そういうことがあればすべて不合理であるということでもないかもしれません。それが情実でない合理化にならなければいけないかもしれませんが、合理化は合理化計画として通産省として検討して、農林省としても検討されると思いますが、それに基づいて推薦されたものに開銀融資をする。合理化そのものが合理的でなくて、情実だということでは、それはもちろんいけないと思いますが、その点一応切り離して考えていただいていいのじゃないか、こういうことであります。
○川俣分科員 この内閣は、姿勢を正して正しい政治をやろう、こういう主張をしておられる。これには間違いないでしょう。しかも、法律上、国家公務員法百三条の規定によりまして、行くことを一応禁じているのです。ただし、大臣の許可があった場合には認められる、こういう特例でしょう。これは融資の対象になっていなければ別ですが、しかも、疑問なところに融資しておいて、そこに入るんだということは、何といいましても政治の正しい行き方じゃないのじゃないか。少なくともそういう誤解を招くのです。別な関係のところに行くなら別ですよ。問題になっている融資のところに行くということは、何といっても誤解を招くのじゃないでしょうか。大臣、どうでしょうか。
○水田国務大臣 そういう事実があるとすれば、招くかもしれません。今、合理化のお話が出ましたが、私は、合理化の従来の計画も、実はもう少し慎重な再検討をやってくれぬかと、今言っているときでございます。と申しますのは、従来のような合理化計画でいっても、ある程度の合理化はできると思いますが、御承知のように、すでにいわゆるコンビナートの建設計画が各所にできてきまして、製鉄会社その他がああいう形で硫安を作るということになりましたから、硫安のコストというものは全く安くなる。そういう将来の問題を考えたら、ここで今の肥料会社の合理化を進めるとするのなら、もっとほかの多角的な化学会社への発展というような形のものを考慮してやるのか、そうでなければ、ほとんど専業の肥料会社というものをここで資金を入れて育成しても、はたして今後ほかの形で出てくる硫安のコストに追いつくかどうかということは問題で、下手をやったら、ここでむだな投資をやるという事態になるかもしれないということを私どもはおそれておりますので、この合理化計画については、特に農林省、通産省、関係省で慎重に考慮してほしいということを言っております。そういう意味から見て、今おっしゃられる事態が、そういう線に沿っていくところがあるのか、そうでないのか、これななかなか具体的の事例を聞かなければわからないことでございます。
○川俣分科員 大蔵大臣、あなたの言われる通りなんです。今までの合理化がほんとうは不徹底であった。今度の工場も片肺工場で、しかも、原油の分解方式のところもあるのです。これはどんなにやったって、回収硫安には対抗できないのです。大臣が今述べられたような、製鉄から出てくるところの廃ガスを利用するようなものとは、とうてい対抗できないのです。また、肥料一本でやろうとしても、世界の例でございますが、なかなかコストを、下げるわけにはいかなくなってきている。結局コストを下げるためには、回収硫安にいくより方法がなくなってきている。それにもかかわらず、三年たてば、五年たてば、もう救済の融資は出ないんだから、今一つ助けてもらおうという考え方は、合理化ではなくて、救済ではないか。救済なら、それはそれでいいんですよ。通産省として、工場のつぶれそうなのを救済するというのなら、それはそれで意味がある。これは合理化資金だから、区別をしなければならぬと思う。大臣の言われる通り、そう思うでなく、そうさせなければ、十四億の融資というものは意味がないんじゃないか。この点を明確にしてほしいのです。言われる通りやるのか、そう思うだけでとどまるのか、そこの点どうです。
○水田国務大臣 過日、三省のいろいろ相談がありましたときに、そういうような検討を十分してみてくれと私から要望してある次第でございますので、いずれその合理化資金をどういうふうに使うというようなときには、いろいろ研究した具体的なものが出てくるのじゃないかと思っております。
○川俣分科員 この三月の二十日から肥料、審議会が開かれる。その原案には、大臣が今言われるような内容がちっとも盛られていないようです。すっかり裏切られているじゃないですか。あなたの力がなくて通産大臣に徹底しないというならば、これはやむを得ませんけれども、台所を持っておる大蔵大臣の威力が及ばないなんて、及ばないのに、融資はいたしますなんて、情ないことはないじゃないか。肥料審議会の原案はもと通りのようですよ。大臣、どうです。延ばして検討させるくらいのことは言ってもいいんじゃないですか。 〔主査退席 保科主査代理着席〕
○水田国務大臣 まだ両省で審議会の原案を検討中でございます。
○川俣分科員 検討したものをあなたの方で目を通さない限りは、合理化資金は出さない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○水田国務大臣 私どもの方も、十分その説明を聞いて検討いたします。
○川俣分科員 そのつもりでしっかりやってほしいと思います。ほんとうに大臣、そうしなければ、日本の農産物は、国際市場で対抗するということにはなり得ないですよ。 次に、大臣には少し無理かと思うのですが、先ほど予算の理事会で、主計局長においで願って法案の検討をしたのですが、新聞によりますと、利水公団とか治水公団というものを作るというようなことが紙上に載っているわけです。先日第四分科会で、建設大臣より、治水公団の必要性をるる述べられまして、何としても治水公団を作るという熱心な御要望がございました。この考え方は、私必ずしも悪いとは言いませんけれども、問題は二つあると思う。一つは、その資金をどこから持ってくるのかと言ったら、予備費を流用して公団に使わさせるのだというお話です。流用というのはおかしいじゃないか、いや、今の言葉は悪かった。予備金から公団に出資するつもりだ、こう言う。それもおかしいじゃないかと言ったけれども、そのままになっているわけです。そこで、予算上としては、そういう公団ができれば、おそらく出資をするということになるであろうと思いますが、今日予算審議の途中に、予算を変更するようなことがあったのでは、私どもは今直ちに、この予算の総体の結論を出すわけにはいかないということになる。予算の変更になるわけですから、変更になることを前にして、今総体を仕上げるというわけにはいかないということになる。そこで、おそらく出されないのではないかということを官房長官に念を押したわけです。大体そうなると思ってもよろしいでしょうということで、絶対そうなるとは言われない。予算の変更を伴うことが出てこなければ、それで一応分科会を終わることができるわけですが、出すかもしれぬというような余韻がありますと、終了するわけにはいかなくなるのですが、大臣、この点をはっきりしてほしい。
○水田国務大臣 予算の変更を今私どもは考えておりません。
○川俣分科員 三十六年度本予算に関する限りにおいては変更しない、こういうわけですね。
○水田国務大臣 そうです。
○川俣分科員 また出てきて補正なんかでやるのは、これまた別です。そのことまで制約させようという意味じゃありません。 そこで、もう一つは、大臣、この際、御検討していただきたいと思いますのは、日本の水利に対するしっかりしたものがないということです。今まで水利権の争い等は数万件に及んでおる。明治の時代は、大きな裁判所の争いというものは水利権の争いです。大審院の、水についてのいろいろな判例もあるわけであります。従って、水については、まだ日本では固定した意見というものはできておらないわけであります。国土総合開発審議会水部会におきましても、満場一致できまったものは一つもないくらいなんです。こんなひどい審議会は——ひどいと言っちゃ語弊があるかもしれませんけれども、意見の分かれた審議会というものはないということです。一番多数であったのでも三十五人のうち三十四人で、全体満場一致はないんですね。ひどいのになりますと、賛成二十人、比較多数二十人というふうに、それほど水に対しては問題が多いんです。これはどうして問題が多いかといいますと、日本の河川法は登録河川なんですね。登録河川の上流は、準用河川として地方庁の指定する河川、それからもっと上流にいけば、これは私の川になるのです。従って、私の川であるから、災害が起きた場合でも直接国がやる場合でもなく、県がやる場合でもない、個人がやるということになって、農地に付属した施設として、農業施設として補助があるだけなんです。川としての補助はないのです。災害があった場合、農業施設としての補助がある。準用河川のもっと上流は私の川になっている。判例もそうなっているのです。私の水だから、災害が起きた場合でも、国は川としての復旧補助はしないで、農地の付属施設、農業施設として補助の対象にしている場合があるのです。そこまで権利が及ぶのだというような考え方が一部にあるのです。上から流れてきたけれども、途中でとめればおれのものだと言うけれども、だんだんに上からわずかずつ水が流れてきて、それがたまって川になるわけです。幾つかの小さな渓谷が流れて支川になる。その支川、派用用の先は私の用、私の水なんです。それが少し大きくなって、共同の用に達すると支用であるとか、あるいは団体の水利用であるとかということになる。それからもっと下流にいくと、今度は準用河用の適用を受ける。今度準用河用が幾つも一緒になって大きな用になると、河用法の適用を受ける用ということになる。上から水がこなければならぬ。上からおだやかに流れてきたとすれば、これは貯水しておくことが可能でございますけれども、上から荒れてくると、土砂を含んで参りますから下流でダムを作りましても水よりも土砂をためてしまうという結果になって、いわゆる有効貯水量というもとをなくする結果になるので、上流から治めてこないと河用は治まらない。水源も確保できないわけです。そうなると、上流の権利はどうなっているかということを考えないで、ただダムを作ればいいという考え方にはなかなか問題があると思う。しかし、昔と違いまして、農業だけに水を使って、ほかのものに使わせなくてもいいなどという考え方じゃない、そんなことはないのです。これは今後の産業の発展に伴いまして、水をどうして配分して産業の伸展をはかるという新しい任務もありますから。それにしても水の量を多く持っていなければ、配分計画ができないわけなんです。少なければ、先に優先権のあるものにとられてしまって、適当な配分がでなくなる。水の秩序というものがありますから、新しい秩序を作るには、どうしても量を持ってこなければ工業用水に回すことができない、上水道に回すことができない、こういう結果になる。量を多く持ってくるには、上流から治めてこないと、水というものは、たまらぬものなんです。上流の権利がどうなっているかということもきわめないで、検討しないで、ただ、水というものは上から流れてくるものだなんていうことになると、水ばかりじゃないのです、土砂も流れてきますし、いろいろな危険物も流れてくるわけです。そこで治山、治水の問題も起こってきましょうが、そういうものを検討しないで、ただ水だけがほしいのだということの計画には、非常に大きな危険を伴っておりますために、水部会を開きましてもなかなか意見がまとまらなかったのは、この点だと思うのです。そこで、必要に応じて治水をしなければならぬ。治水をしなければならぬでしょうけれども、にわかじかけでこれをやりますと、かえって社会的不安を起こして、紛争を起こすもとにもなりますので、慎重に考えてほしい、こういうわけなんです。御意見を伺いたい。 〔保科主査代理退席、主査着席〕
○水田国務大臣 今水資源開発についての法案をこの国会に出したいという方向でいろいろ検討しておりますが、そういうようなものも含まれましてなかなかむずかしい問題がある。さらに、たとえば水資源開発についての一つの基本法ができて、それにのっとって、今一部計画しているような公団というものを作ってこの仕事をしようということになりますと、またさらに、別の問題が出てくるということになりますので、早期に法案を作りたいとは考えておりますが、おっしゃる通り、いろいろな根本的に解決しなければならぬ問題までが介入しておりますので、なかなかできなくて今弱っておるところですが、それだけ私どもは、この問題では慎重な討議をしておるのだということを御了承願いたいと思います。
○川俣分科員 従来の行政裁判及び民事裁判おいても現われておるところでございますが、学者の定説もございまして、日本の河川法は純粋な治山立法であって、利水行政の観点は、ほとんど考慮されていなかったというふうに見られておるわけです。従って利水については、河川法は利水を地方行政庁の許可事項として、従来の慣習的利用を是認してきておる、こういう見方でありまするし、また、河川法の施行規程十一条も、大体そういう条項のようであります。従って、ここにいろいろな今後の産業の発展から、あるいは国民の厚生施設の面からいいまして、水の利用がふえてきたことは、これは何といってもいなめない事実だと思います。それをどうして満たすかということは、今後大きな問題として考えなければならぬことは、先ほどから大臣が言われましたし、私どもも認めるところであります。河用法というものは、かなり旧式な法律であって、登録河用以外のものには権限はないわけです。農林省と建設省の争いはどこにあるかというと、予算を見てごらんなさい、林野庁にも砂防工事がある、建設省にも砂防工事があるわけです。同じ項目で予算が計上されている。それではどこで違うのか。建設省は、河川法の河用及び準用河用、いわゆる重要な河用に影響のある砂防事業だ。林野庁は、重要、重要でないということは別にして、山腹砂防はおれの方だ。上流になったらみんな山腹ですよ。山腹でない上流というのはありませんよ。渓谷でしょう、沢でしょう、みんな山腹じゃないですか。結局、河用法の上流の限度が、林野庁の限度というのがはっきりしてないんです。今までずいぶん協議をととのえておられますけれども、限界がないんですよ。役所間ですら限界がないものですから、それを、今農林省が悪いの建設省が悪いのと私は言うんじゃないんです。今まで明確になっていないものを今明確にするといっても、なかなかできない問題であろうと思うわけです。これは相当に検討されまして、すみやかに国の一定方針を打ち出される必要がある。打ち出すまでにいろいろなことをやりますと、かえって混乱を起こすもとになるんじゃないかと思うのです、慎重なお取り計らいを願いたい、こういうことなんです。どうですか。
○水田国務大臣 私どももその通りに考えています。
○川俣分科員 もう一点だか、小さいことですが、主計局長にお尋ねいたします。 農林省の統計調査部の予算の中に、わざわざ統計調査部だけは一人当たりの単価を出しておるわけです。臨時雇いの費用二百五十円という単価を出しておる。ほかも全部見たけれども、一人当たりの単価の出ているところはないんですが、統計調査部だけは二百五十円という単価を出している。これは臨時であろうけれども、今どき一日二百五十円という単価は、あまりにも安過ぎるんじゃないかという気がするんですが、この点どうでしょうか。
○石原政府委員 御指摘のは、おそらく臨時の補助的な仕事をいたします人の単価かと思います。アルバイトの場合もございますし、もう少し何といいますか、格の商い人もおります。これは、必ずしも全部が全部一本の単価でやっているわけではございませんで、二百五十円というのは低い方だろうと思います。これはおのおの業務の実情がございまして、四本か五本かございます。この農林省の統計調査部に限りませず、ほかのところにおきましても、日額計算の単価をとっておりまする臨時の人たちもございますので、特に統計調査部だけを低くしたのじゃないのでございます。
○川俣分科員 それにしても、これは単価ですから、何人かの平均でしょうけれども、平均二百五十円というと、今の失業救済から見ましても、ほかの方から見ても、あまりにどうも少な過ぎるという感じはいたしませんか。これは平均ですから、それ以下の人と上の方の——上の方はいいですか、上の人があれば以下の人もあるということですからね。これはどうでしょうかね。
○石原政府委員 申すまでもないことでありますが、臨時の仕事をいたしまする人のうちには、いわゆるフル・タイムの方々と、そうでない、時間のもっと短い人とあります。従って、いわゆるアルバイトと申しましても、これはいろいろな仕事の業態がございますので、いわゆる失業対策事業費の日雇い労賃よりも下の単価で従来からも組んでおります。これは仕事の内容なり、あるいは時間、そういうものにも関連しておりますので、実情にあった単価で組んでおるのであります。
○川俣分科員 これでやめておきたいと思うのですが、いかにしても、どんなアルバイトにしても平均二百五十円——平均二百五十円というと、まあ三百円の者があれば百五十円の者があるということにはなると思うのですが、それでも、これは少し無理な予算じゃないか、もっと別なところに検討すべき点があるのじゃないか、これはもう国民の税金をもってまかなうのですから、やかましいことはあまり言いたくありませんが、しかし、あまりにも低い。アルバイトにしても、平均二百五十円というようなことは、これは検討してしかるべきじゃないか。私は、別に現実にぶつかったわけじゃない。ただ予算書から見てそう感ずるので申し上げておいたのですが、御検討願いたいと思います。
○石原政府委員 臨時の仕事でありましても、一日フル、タイムでやりまする人につきましては、単価の改定をいたしまして、三百三十円になりました。御指摘の点は、今ちょっと探し出せないのでありますが、おそらくは、そういうような一日じゅうやる人じゃなくて、調査員の手出じゃないかと思います。従いまして、調査員は本来の仕事を持っておりまして、調査の仕事もやりますが、それに対しまする日当的な意味のものじゃないか、かように考えております。
○川俣分科員 まあ、時間の関係がありますから、一つお約束に従いまして、この程度にいたします。肥料問題については、大臣もしっかりやってほしいということを一つ念を押しまして、これで質問を終わります。
○相川主査 以上をもちまして本分科会における質疑は全部終了いたしました。 —————————————
○相川主査 この際お諮りいたします。 本分科会所管の予算各案に対する討論採決は予算委員会に譲ることといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○相川主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 これにて本分科会の議事は全部終了いたしました。 分科員各位の御協力によりまして円満に議事を進行することができましたことを感謝いたしますとともに、厚くお礼を申し上げます。 これにて第一分科会を散会いたします。 午後四時四十七分散会