予算委員会第一分科会 第5号
- 発言数
- 396 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/02
会議録
○相川主査 これより第一分科会を開会いたします。 昭和三十六年度一般会計予算中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、経済企画庁を除く総理府、法務省及び大蔵省所管、昭和三十六年度特別会計予算中、大蔵省所管、昭和三十六年度政府関係機関予算中、大蔵省所管を議題といたします。 質疑を続行いたします。滝井義高君。
○滝井分科員 財政投融資の計画について、大蔵大臣にいろいろお聞きしてみたいと思うのですが、ことしの財政投融資計画は七千二百九十二億、世にこれを七福神というそうですか、ここからおめでたいえびす様や大黒様が出てくれば、これは非常に幸いだと思います。これは昨年に比べて千三百五十一億円増加をしておるのですが、この増加ぶりは、日本の過去の財政史をずっと調べてみますと、準戦時体制のときにしか見られなかった状態になっておるわけです。これは一体どういう原因でこういう大きな増加になったのか、これをまず御説明を願いたいと思います。
○水田国務大臣 これはやはり根本的には、経済成長が進んできたために、いろいろな需要が増大してきておるということと、所得倍増計画の中におきましても、国民生活の向上という問題についての見通しの線に沿った施策の強化が必要となっておるというために、直接国民の役に立つ厚生福祉的な資金の需要が非常にふえておるというような一連の関係から、財政投融資の需要が非常に大きくなっておるということだろうと思います。
○滝井分科員 結局、理由は、経済成長が非常に進んだということと、所得倍増計画における国民生活活向上のためにいろいろな施策が必要だ、こういう二点に大まかに言ってしぼられるようですが、よく見てみますと、どうも初めのうちからこんなに七福神といわれるほどの莫大な増大になるとは考えられなかったような感じがするのです。どうも予算編成過程で一般会計から締め出されたというか、そでにされたというか、こういうようなものが、財政投融資計画の中に、最終段階でしわ寄せをされたという感じがするわけですが、そういう点についてはどうお考えになりますか。
○水田国務大臣 最初の計画は、作成の当時は、七千億円前後、七千ちょっとぐらいの考えでございましたが、最後に二百億ちょっとになると思いますが、それだけふやすことにしたわけでございます。どこをふやす必要が出てきたかというような問題でしたら、事務当局から一応御説明いたします。
○滝井分科員 当初七千億ぐらいの計画だったのが、二百億以上もこれがふえなければならなかったという原因は、一体どういうところにあったのですか。
○西原政府委員 ことし最初、いわゆる大蔵原案として出しました数字は七千十一億でございます。それが結果といたしまして七千二百九十二億、二百八十一億ふえたわけでございます。三十五年度におきましても、おおむねその程度ぐらいのふえ方がございましたけれども、三十六年度でふえましたものは、いろいろこまかく申し上げますとあれでございますが、輸出入銀行の関係で、大きなものを拾いますと、七十億、それから国鉄で三十億、電電で十七億、中小企業公庫で二十億、医療公庫で十三億、国民公庫で十億、北海道東北開発公庫で二十億、それから地方債の関係で総計で五十五億、それから商工債券が十億、こういうようなものが大きなものであります。 なお、もしあれでありましたら、詳細申し上げます。
○滝井分科員 今、二百八十一億ばかり増加をしたものの内訳をいろいろと御説明いただきましたが、増加の内容は、聞くまでもなく、きわめて政治的なニュアンスの強そうなものが多いわけですが、これらの内容は、時間があればもう少しあとで聞かしてもらいます。 そこで、そういうように、とにかく一般会計から相当そでにされたもの、しかも、それが相当政治的なニュアンスの強いものが、最後になって七千二百九十二億の中にかけ込んできたというような感じがするわけです。ことしの予算の明説番を見てみますと、財政投融資の使途別分類というのが、今までの予算の説明その他にはなかったものが出てきたわけです。こういうことは、これはいいことだと思います。こういうように分類していただくことは、わかりやすくていいことだと思いますが、こういう使途別分類表を予算説明書に今まで示さなかったのを、今度示すようになった原因というのは、これはどういうところにあるのですか。
○水田国務大臣 御承知のように、今年度から国民年金の拠出が始まりますし、そういたしますと、厚生年金とか国民年金の資金は、国民の零細な資金でございますから、拠出者の直接利益になるような運営をしろという希望が、それらの政策を扱っている各審議会からの愚見として政府に出されましたし、それからそういう方向になるたけ金を使えということと、それからその使い方を明確にしろ、年金資金等は特にどこにどういうふうに使っているかという使途を明確にしろということと、そういう資金を有利に運用しろということ、それから資金運用部の運用の仕方あるいは機構を変えろという、大体共通して四つの御意見が、三つの審議会から出されましたので、この意見に沿うために、預金部の運用についても改正を加えますし、この使途別分類表というものを作るのだということを法律で明記して、そうして使途を明瞭にさせようという意図から、今度初めてこういうことに相なった次第でございます。
○滝井分科員 そうしますと、こういう分類表をお作りになった主たる原因は、厚生年金なり国民年金、特に国民年金の新たな発足にあたって、その資金の運用の面というものをできるだけ効率的に、しかも、被保険者の有利になるように運営をするために、こういうものをお作りになった、こういう御説明でございます。一応それで了承しておきます。 それならば、少し具体的に入ってみたいと思うのですが、厚生年金の積立金で本年度千四十億、それから国民年金で三百億、この中から二割五分程度還元融資にお回しになることになっているようにあるのですが、この二割五分というものをおきめになったのは、何か根拠でもおありになるのですか。
○西原政府委員 いわゆる還元融資というのは、厚生年金の積立金につきまして、従来からそういう制度ができておるわけであります。大体これを何%にするかというようなことは、はっきりいたしておりません。まあ、過去何カ年かの経験で、大体一五%程度ということになっておりましたが、年金とか何かいろいろな問題が出まして、私どもとして、資金運用審議会に、今後こういう問題をどういうふうに、取り扱っていただくのがいいのかということをお諮りしたわけでございますが、資金運用審議会の各民間委員の方の御意見で、従来の一五%程度の還元融資というものは、二五%に上げるのが適当じゃないか、こういう二五%の範囲内でそういうものをやるのがいいだろう、こういうことでございましたので、三十六年度から二五%こういうふうに上げるようにしたわけでございます。
○滝井分科員 そうしますと、その二五%というものは、別に理論的な根拠があるわけではなくて、全く民間の資金運用部審議会の委員の皆さん方からそういう意見があったから、大蔵省としてはとりあえず、やかましい問題なんだからそうしておきましょうという、こういう軽い程度のものなんですか。
○水田国務大臣 大体その辺が妥当と思っておるところでございます。
○滝井分科員 その辺が大体常識的に見て妥当だろう、こういうことからお考えになった、こういうことでございますから、まあ、一応了承いたしておきましょう。 そうすると、今後こういう積立金というものは、非常に急激な増加を見るわけです。これは私の調べたところでは、昭和九十年になると国民年金は四兆八千億でピークになるようです。厚生年金の方は昭和八十五年で三兆六千億になるというのですが、このピークはそういうことでございますか。
○西原政府委員 厚生省の方での一応の児積もりでは、そのようになっているということを承知しております。
○滝井分科員 そうしますと、相当莫大な金が集まってくることになるわけですが、こういう金の今後の財政投融資における使用の重点というものを、大蔵省としては一体どこに置くかということです。当然、所得倍増計画というものは長期の見通しに立った経済計画でございますから、その所得倍増計画の有力な資金源となるこういう財政投融資についても、当然長期の使用計画、資金計画というものを考えなければならぬと思うのです。遠い将来はとにかくとして、ここ所得倍増計画の十カ年間の中で見ても、これは一兆ぐらいはすぐ増加するわけです、そうすると、その二割五分ということだけでもこれは二千五、六百億で、相当な金になるわけです。それから残りの方の金だって七千億、八千億は残るのですから、何か所得倍増計画に見合うこれらのお金の——財政投融資計画における重要な資金源なんでしょう。これは一体どういう長期の計画をあなた方お持ちなのですか。
○水田国務大臣 これは非常に大きい問題でございまして、今、特別なこの長期計画というものを実は私ども持っておりません。と申しますのは、たとえこの年金資金というものが増大しましても、この資金の性格上、やはり一定の制約があって私どもはしかるべきものだと思っております。そういたしますと、将来この金がふえたからといって、他の部門にこれを使用することがいいか悪いかという問題は、現在の資金量の程度では、そう心配はございませんので、将来これが大きくなるというときには、またそれに即応した新しい考え方とか計画が必要だろうと思うのですが、さしあたりここ何年間の資金量を考える限りにおきましては、この資金の性質上、まず第一に、国民生活の安定向上に直結する分野への投融資、住宅、生活環境の整備、厚生福祉施設、文教施設、中小企業、農林漁業、こういうようなものにまず優先的に使用するし、それに準ずるものとしては、国土保全の問題、災害復旧、道路、運輸、地域開発というような、産業の基盤を整えるというものが、これに準ずる使い方として妥当性を持つだろう、それ以下のものへの投資というものは、この資金の性格上、いろいろな問題があると思いますので、当分の計画としては、ここに重点を置いて年金資金等は使用するという一応の方針だけを立てて、この方針にのっとって三十六年度の使途別分類表を作った、こういうことでございますので、この資金が膨大になったときに対しては、また別個の計画を立てなければならぬだろうと思っております。
○滝井分科員 今、別にそういうものの計画がないとおっしゃいますが、この国民年金なり厚生年金の金というものは、もう確実にこれは入ってくるお金なんです。しかも、昭和九十年とか八十年のピークになるときの額までがわかってきておるわけです。そうしますと、一体これをどういう工合に計画的に使っていくかということがわからなければ、そのときそのときの風のまにまにゆられて、これは大へんなことになると思うのです。私は、少しこまかく入る前に、これは大臣でなくても、理財局長でもけっこうですが、一体過去十年間に、日本の財政投融資計画というものが、どういう変化を見せて参りましたか、おのずからそこに資金配分の重点がずっと違ってきておるはずだと思うのです。それを一つ、過去十年間に財政投融資が一体どういうように歴史的な変遷をやってきたか、御説明願ってみれば、今後の計画は立たないことはないと私は思うのです。
○西原政府委員 戦後早々の場合におきましては、御承知のように、生産設備とかは全部非常に痛めつけられたわけでございます。まず、生産設備を旧に復する、経済復興が第一、そういうようなことから、主としてそういう経済の生産の基盤をなすような事業、電力とか、あるいは海運、あるいは石炭というようなところに、重点的に政府資金が充当されたわけでございます。しかし、だんだんと生産が向上して参りまして、今度の分類で申し上げますると、国民生活に直結している部門及び産業の基盤とかあるいは国民生活の基盤をなすところ、つまり、基幹産業とか輸出振興なんかを除きました部分の方に、どの程度財政投融資が充当されたかと申し上げますと、三十年度くらいは約七割でございます。それが漸次その部分がふえて参りまして、三十五年度の計画では、御承知のように七八%、ことしの三十六年度は八〇%ちょっとこえる、こういうふうになって参っておるのでございます。
○滝井分科員 今の御説明のように、相当大きな変化が現われてきておると思うのです。私もちょっと調べてみたのですが、もう少しこまかく分類をしてみますと、戦後の復興途上では、農業とか鉱業の原始産業に主として向けられておったと思うのです。ところが、そういう原始産業に大体資金がずっと一巡をすると、その後、あなたのおっしゃるように、電力、鉄鋼、海運、それから石炭、こういう重要産業に向けられています。そして、昭和二十四年にそれらのものは約六割を占めておったのですが、もう三十二年になりますと三割になっています。半分になってしまっている。そうしてその後に、これに取ってかわったものが、公共事業、中小企業、住宅、輸出振興、こういうようになってきておりますが、今度はそれらのものの比重というものが、だんだん民生安定、いわゆる国民生活の安定——ここの分類でいけば一から六までの分ですね。これが大体ことしの財政投融資全体に占める割合は五〇・一です。一から六までの国民生活の安定の部門と申しますか、こういうものが非常に増加してきておるわけです。分け方からいいますと、そういうものが非常に増加している。これは、福祉国家を建設するということからそういうことになったのかもしれませんが、とにかくそういう変化があることは確実です。こういう状態が、歴史的な経過としてここ十年に呪われておるとすると、今後における財政投融資の方向というものは、おのずからイギリスあたりの状態と同じような傾向が出てきているのです。資金面では、非常に長期の、こういう所得保障的な面の積立金が、中心になって財源を形成していく、そうしてその財源は、そのお金を拠出した田川大衆の生活安定と申しますか、広義のいわゆる生活向上の面に重点が移るという、こういう形になってきているのです。そうしますと、日本のような低所得階層、貧しい附属の多いところでは、そういう人の拠金なんですから、従って、それが計画的にそういう部面に回る方針を確立することは、財政当局としては私は当然の義務じゃないかと思うのです。ところが、今大臣の言われるように、そういうものの計画は今考えていない、莫大になったらそのときそのときで考えるというのでは、どうも私は納得がいかない。歴史的な経過から見ても、そういう形になってきているわけです。この点はどうですか。歴史的な経過を見ても、資金の重点は、おのずから民生安定の方向に、少なくとも一から六までの住宅、生活環境整備、厚生福祉施設、文教施設、中小金融、農林漁業、こういうようなものに重点が移ってきているわけです。これは三十五年度の状態を見ると、三十五年度で一から六までの割合は四六・一%だったのですが、これが五割になっておるのですから、四%程度増加をしてきているわけです。これは他の増加に比して一番顕著な増加なんです。その次に、二番目の産業基盤的な七から十までですね、国土保全、道路、運輸通信、地域開発、こういうところになっている。一番最後の、三のクラスに所属をする輸出振興や基幹産業の分というのは、これはむしろ減少する、こういう傾向になってきているのです。そうすると、少なくとも、十カ年の計画は立たなくてもここ四、五年くらいの財政投融資、特に国民年金なり厚生年金から入ってくる金の計画というものはお立てにならぬと、なかなか国民は、その使途をこういう分類をしただけでは納得しないわけですよ。どうですか大臣、今のような御答弁ではなくて、もう少しこの計画をお立てになる意思はないのですか。
○水田国務大臣 さっき申しましたように、そういう方向にこの資金を使用するという計画は、大体私の方で方針を立てておりまして、ことしの姿を見ますと、国民生活に直結する分野の使用が約五〇%ございまして、その次の、基盤を整備する方面に使用される資金が三〇・六%、約三一%、その他が二〇%前後、一九%でございますが、この一九%のうち、私どもは、当時民間資本の蓄積というものがなくて、基幹産業の育成も政府資金にたよらざるを得なかったということから、これの融資の比重が今までは大きかったのですが、御承知のような工合に、民間が相当民間企業の必要資金を、長期資金も消化するような方向にきましたので、それと対応して、できるだけ民間企業の資金は、民間金融に依存させるという方向は今後も強めていくつもりでございますので、この一九%の比率はだんだんに下がっていく傾向になるだろうと思います。それに付随して、その他の部面の比重がふえるということになると思いますが、そういう方向で今後運営していくという計画をきめておりますので、今は無計画というわけではないわけでございます。
○滝井分科員 旧民生活に直結する部面と、それから産業基盤の方向に、ある程度重点を置いて資金の配分をやっていく、だから無計画でない、こうおっしゃるのだが、私はもう少し、やはり五カ年くらいの見通しを立てて、年次計画の中でやってもらいたい、こういうことなんです。それは、あとでもう少し具体的な質問のときに鮮明にしてみたいと思うのですが、そうしますと、今大臣がお話しになりました、いわゆる基幹産業部面あるいは輸出振興の部面というのがだんだん減少してきて、一九%程度に下がる、これはもう歴史的にずっと下がる傾向が出てきている。そうしますと、今後民間産業というものは、一体どこに資金の供給源を求めるか、こういうことなんですね。自己資金が三割で、借入金七割程度の資本構成から見ると、やはり依然としてこれはどこかに資金源を求めなければならぬ。そうすると、今大臣が言われたけれども、自力でそれは調達しなければいかぬ。日本経済は、自力で企業が資金を調達するような環境ができておるかもしれません。が、一面、最近は公社債の投資信託というようなニュー・フェースも登場したわけです。そしてこの金が、昨日も多分第二分科会だったと思いますが、春日君が同じようなことを言っておったのですが、地方銀行の金をみんな引きおろして投資信託に持っていく、公社債の投資信託に持っていってしまう。そして、地方銀行は中小企業の資金源を供給するところだったのだが、それがみな預金をおろして投資信託に走るために、資金源がなくなるという一つの現象が出てきて地方銀行は恐慌を来たしていることは、新聞紙上その他も報じております。そうすると、この輸出振興や基幹産業というものは、財政投融資が今後減少する傾向が出ると、一体これらの資金源というものを大蔵省としてはどこに求めさせる方針なのか、しかも、公社債の投資信託というものが今みたいにぐうっと伸びていく、こういう形になると、これは相当の資金難が出てくると思うのですが、そういう点の打開の方針は、財政投融資との関連でどうお考えになっておるか。
○西原政府委員 今大臣からお話がございましたように、収支とか何かから考えまして、民間の産業はできるだけ民間資金でまかなってもらう、こういうようなことを考えておるわけでございます。先ほどお話がございましたように、これは所得倍増計画のあれにもございますが、大体今後の趨勢といたしましては、企業設備とたとえば行政投資、これはどういうふうに分類いたしますか、いろいろ御意見があろうかと思いますが、従来の割合から言えば、企業設備が大体三あるいはそれよりちょっと上、それに対して行政投資が一ぐらいのものが、十年後ぐらいになるかどうか知りませんが、一応の感じとしては二対一というふうに変わってくる、そういうのが大体一般的な傾向というふうに考えられているわけであります。これは御承知の通りであります。従いまして、基幹産業とかあるいは輸出関係とか、そういうものでございますが、こういうものはできるだけ民間資金でまかなってもらう。民間資金といたしますと、これはそれぞれの性格によりますが、内部留保とか、あるいは増資とか、あるいは社債とか、銀行からの借り入れ、こういうものでできるだけまかなってもらうように考えているわけであります。
○滝井分科員 理論的には内部留保、社債、それから銀行からの借り入れという形で私は出てくると思いますけれども、特に問題は、大企業は何らかの形でいくかもしれないが、日本の輸出産業の一番の根幹をなす中小企業、これは下請関係その他で、中小企業の輸出に演ずる役割というのは非常に大きいわけです。そういう点から考えると、ここに基幹産業、輸出振興と書いてありますけれども、中小企業に金がいかないというようなことになったら、これは相当な問題があると思うのです。まあ私は、この財政投融資との関連で、だんだんと財政投融資の重点というものが、国民生活に直結する部面や、産業基盤の強化の方向に向いていくと、その資金源というものにやはり相当計画的な考慮が必要になってくるんじゃないかということを、実はこの部面でも指摘したいのです。そうしないと、公社債の信託投資のようなニュー・フェースが出てくると、それによって直ちに日本経済というものが騒がなければならぬというような、こういう無計画性はやはり問題があるということは、その裏からも私は指摘できるんじゃないかという感じがするのです。 そこで、もう一つ前に返りまして、厚生省にお尋ねすることになるわけですが、この長期の資金計画というものを大蔵省は今お持ちがない、方向だけはわかるわけです。その前に、まず私が一つ心配するのは、今度長期の所得保障である国民年金において、全く当初考えてなかった死亡一時金というものをお出しになることになった。死亡 一時金というものを国民年金の計画の中に入れることによって、どの程度の財政上の支出が必要になってくるのですか。
○高木説明員 現在私どもが立案いたしております死亡一時金制度を実施するといたしますと、制度発足の当初の原価にして三百億円程度の財源が必要になってくるわけであります。
○滝井分科員 そうしますと、大蔵大臣今お聞きの通り、死亡一時金と与党は簡単にお取り入れになったけれども、三百億円の財源を一体どうして大蔵省はお出しになりますか。
○西原政府委員 これは、私から御答弁申し上げるのが筋かどうかわかりませんが、国民年金の一応予定利回りとして計算されておりますのは、現在五分五厘であります。いろいろこの運用について配慮いたしまして、資金運用部といたしましては国民年金の関係で六分以上、できれば六分五厘程度まで運用できるようにしたい、この利差益から死亡一時金の財源を考えております。
○滝井分科員 言葉の上では、五分五厘を資金運用の面から六分ないし六分五厘にして、その利ざやで三百億かせごう。当初はそういう計画でないわけです、これはなかったわけですから。一体財政投融資の傾向が、公共的な要素の強い面に向いていっている。道路、港湾、住宅等。そうしますと、一体庶民のための住宅を作る、日本の経済基盤を強化しなければならない道路なんというものを作るために、六分五厘も七分も金を払ったんでは地方公共団体はやっていけません。問題はここにあるんです。歴史的に見て、日本の財政投融資の重点が、だんだんと第三の部面、基幹産業とか輸出とか、いわゆる民間にお金をつぎ込んでおったものが、今度は公共的な部面に、社会資本の充実に向けられるということになると、社会資本の充実ということは国民生活に直結してきて、高い利回りを取っておってはうまくいかないことになるのです。そこで私は、二割五分のあとの残りの七割五分をお分けになることは一応認めるとして、しかし、そこに計画がなければ地方財政はたまらないです。当初の計画で安く貸してもらおうと思っておったのが、来年度の計画から高く取るのだ、そのために三百億の死亡一時金を出さなければならぬ、全く計画になかったものが突如として出てきたのだ。これは年金というものは、大臣も御存じの通り、年金のあの電子計算機ですか何か、ああいうもので一カ月も二カ月も長期にわたって計算をして、月々二十才から三十四才までは百円、三十五才から五十九才までは百五十円、そしてその加入者は大体二千三、四百万ぐらい、そしてそれが四十年掛金をかけたときに、初めて複利の計算の結果三千五百円上げますよ、しかも、それは六十五才から五カ年間据え置きした結果上げられますよと、こういう綿密な計算になってきておるわけです。その中から、今度は三百億のお金をどこからか出してこなければならぬ。利回りから出してきますと口では言えます。しかし、具体的にどういうところにどういう工合に預けたならば、三百億という莫大な金が出てくるのか。これはこの法律の改正をやればすぐ発足するんですよ。そして、三年したらすぐ出てくるわけですから、当然そこに計画的な運用の方法がないと、こういうお金は立てておかないと、私がさいぜん言いましたように、この零細な金を集めた人の将来を保障するという部面に欠けるところが出てくる。その欠けた場合に、水田さんの方で、それは一つ一般会計から出しましょう、こういう御言明をいただけばまたこれは別です。そういうことができますかどうですか。その面を、もう少し科学的に、具体的に一つ御説明願いたい。
○水田国務大臣 国民年金資金を、この性格に従って運用するといいますというと、その対象は、どうしても高利で回すわけにはいかないというものが大体対象になります。そうしますと、運用の利益というものは、そう多く期待できないということが考えられますので、預金部資金の全体運用の利回りの中から、この年金資金の貸付だけで計算したら出てこない利回りを、一方の全体運用の中からそこに回すという方針を今立てておりますので、それによって今言ったものを支払えるように、われわれとしては調整するつもりでございます。
○滝井分科員 調整するつもりでできないときは、一般会計からでもこれを出すという御言明でもいただいておかぬと、死亡一時金を作ってもらったけれども、今度はあとの人が、四十年の後には、自分の年金が保障されなかったというのでは大へんなことになるわけです。何か具体的に、理財局長の方で計数を計算したものがありますか、あれば一つ御説明願いたいと思う。
○高木説明員 先ほどお話しいたしましたように、年金財政の上では、予定運用利回りを五分五厘といたしておるわけであります。現実には、この国民年金の資金はすべて運用部に預託されるわけでありますが、これが六分五厘程度にまで運用されることになっております。この三百億の金は、計算上五分五厘と六分との差の五厘、この五厘の利差益を使えば、二十三年間で全部この三百億が償還される、こういうことに計算上相なっております。
○滝井分科員 計算上はどんな計算でもできるのです。しかし、現実の日本における財政投融資の傾向というものが、もうける方向にはいっていないということ、高利で運用をしてもうけるような方向にはいっていないという、この現実があるということですよ、私が指摘するのは。まず、国民生活に直結する住宅とか、病院とか、養老院とかいうようなものに重点を置いていかれた場合に、それを六分とか六分五厘取れますか。取るとするならば、そこに入るところの御老人からよけい金を取るか、あるいは入院患者からよけいに金を取るか、あるいは住宅の家賃を高くするか以外には、そんなものは出てこやしないのです。それを取れないとするならば、結局二割五分をもらったところで、その金は高利に運用するんだから、民間資金に流れてしまうじゃないですか。こういう矛盾が今あることを私は指摘している。だからこういう国民年金なるものを、初めの計画から死亡一時金というものをつけておけば別だが、途中になって国民から言われたからといって、わあてふためいて三百億も金の要るものをつけてきて、それは利子が出しますなんという、こういう不見識な政治というものは、私はないと思う。それは利子が出たら、死亡一時金じゃなくて、むしろ老後の安定のために回してやることがほんとうであって、死亡一時金を新しく加えるならば、一般会計から回すというようなはっきりした公約を国民にしてやらなければならぬと思う。財政投融資計画は、そんな先の夢みたいなものを簡単に財政の中に入れて、そして法律を作ることは、私は困ると思うのです。これは具体的なものが何もないようですから、一ぺん十分大蔵省と厚生省が御検討になって、三百億をもう少し具体的に出す方針を、法案が国会に出てどうせ審議されますから、されますまでにはお出しを願いたいと思いますが、大臣いいでしょうか。
○西原政府委員 国民年金の積立金は、資金運用部に全額預けられるわけでございます。それで、従来のやり方でございますと、これに六分の利子をつけるわけであります。従いまして、先ほどのお話のように、国民年金が将来何兆というふうになりますと、そういう計画でありますればこの六分の利子と五分五厘の差の五厘、それが二十三年間、今のような計算でずっと国民年金の積立金の計算が一応厚生省でできているわけです。それに今の五厘をかけますと三百億の財源ができる、こういうふうに言っておるわけであります。資金運用部といたしましては、それ以外に、もし今度法律の改正を御賛成いただけますれば、三十六年度から大体プラス五厘程度のものを出そう、つまり、六分に回るものを六分五厘程度にいたしたいというふうに考えております。このプラスされるだけ国民年金積立金の方の年金会計としては利益が出るわけでありますが、この利益を適当に使っていただきまして、年金福祉事業団なんかができますれば、そこで適正なる運用によって、今お話しの老人ホームとかその他の方に対しても、適正なる家賃と申しますか、使用料と申しますか、そういうものでやっていただく、こういうふうに考えておるわけであります。
○滝井分科員 説明はよくわかります。しかし、銀行その他についても、金利を引き下げなきゃならぬということをおやりになろうとしているのです。これから日本経済を順当に発展させていくためには金利を引き下げなきゃいかぬのだ、こうおっしゃっておるくせに、しかも、財政投融資の一番よけいにいく、国民生活に直結する部面あるいは産業基盤、こういうところだけでお金が八一%いくんですよ。他のものはみんな金利の引き下げをしようとしておるときに、こういう部面にいく金だけは今度は金利を上げるんだ、こういう全く矛盾したことでは、どうも納得できないのですよ。銀行でさえも金利を下げさせようかというときに、今度は政府のものは、国民生活に直結する部面の金は上げるんだということを言ったら、小学生だって笑うでしょう。それでは納得できないです。大臣、これは、あなた方がわれわれに今まで説明したこととは違ったことを説明しているのです。銀行や何かは金利を下げる、金利を引き下げなければ日本の経済はうまくいかないんだから、金利を引き下げる時期だということを、池田総理大臣以下みんなそういうことを言われているのに、今度は、国民生活に直結する財政投融資は金利を上げて、国民年金に三百億をかせいでやるんだなんという、そういうまるっきり違ったようなことを言ってもらっては困るんですよ。これはどうですか。
○西原政府委員 資金運用部といたしましては、そういうような面には現在大体六分五厘程度の貸付をしておるわけでございます。これを今動かそうというあれはございません。今資金運用部としていろいろ考えられておりますのは、貸付でいくべきものと債券でいくものと、両方ございます。債券の方になりますと、ある意味において、別の意味では流動性ができるわけであります。そういう面もありまして、資金運用部自身は、第一義的には、債券が発行できるものはなるべく債券で持つようにということを言っておるわけであります。債券の場合には、大体七分三厘に回るわけであります。そういうふうなこともございますし、現在の資金運用部の大体の利回りから考えまして、預かっております金が全部長期のものでございません。ほかに、いろいろな会計から短期で預かっている金がある。これはまあ三分五厘で利子をつけるものもございます。そういうふうにいろいろなものをまぜます結果、今申し上げましたような六分五厘の利子を、今度厚生年金あるいはその他の長期のものに差し上げるようにしたい、こういうことでございます。
○滝井分科員 この三十六年度の財政投融資の使途別分類というものから見れば、今の説明は当てはまらないことになるのです。なぜならば、国民生活に直結するものや産業基盤の方向に金がよけいいくのですから、そこらのものを一あなたの言うように、貸付や債券があって、債券の部面というものは七分三厘くらいで高く取れると言うけれども、債券の部面は、おそらく(三)の方の、資金量が非常に少なくなる方面にしかいかれないのですよ。普通の道路を作ったり何かするのに七分も八分も取っておったら、道路の経費が高くついて大へんです。有料道路なんというのは、莫大な金を国民大衆から収奪することになる。だからこれは理論的にどうしても合わない。これ以上私はあれしませんが、どうせ法案が出ますから、もう少し具体的にそこらあたりのものを、十分納得のいくような答弁のできるようにしていただきたいと思います。それだけお願いしておきますが、大臣どうですか。
○水田国務大臣 よろしゅうございます。
○滝井分科員 よろしいそうですから……。 次は、財政投融資の根本的な問題と申しますか、そういうものを、ちょっとついでにここで尋ねてみたいと思うのです。それは、水田さん、中央政府と地方政府の財政投融資に対するいろいろの関連というか、話し合いというか、そいつは一体どういう工合に調整をしていっておりますか。
○西原政府委員 お尋ねの点は、財政投融資一画を作る過程のことだと思いますが、地力ということになりますと、大体地方債の関係だと存じます。これは自治省の方から、地方債、計画で、こういうふうに財政投融資を計画してほしいという希望がございます。いろいろ自治省と相談しまして、大体そういう数字を策案ずるわけでございます。
○滝井分科員 その場合には、自治省は自治省の責任だけでやらして、その数字をただ大蔵省で見るだけなんですが、それとも、その内容まで立ち入って十分中央、地方の連関をつけておやりになっておるのですか。
○西原政府委員 御承知のように、自治省の方で地方債計画というのを発表いたしておりますが、地方債計画の内容の総括ですか、全体の数字が、財政投融資の地方債のそれぞれの欄の数字になっているわけであります。この地方債計画について、大蔵省と自治省との間で十分話し合う、内容的にも話し合うということであります。
○滝井分科員 中央政府の中で一財政投融資の主体として、まず一般会計がありますね。それから特別会計がありますね。それから政府関係機関、いわゆる公社関係があるのですね。それから各種の公団があるですね。それから特殊会社があるですね。一体、これらの関係というものがどうなっておるかということです。私の見るところでは、中央と地方と、どうも自分の所轄の事業の拡大をはかる努力を非常にやっておる。それから同時に、中央政府の中でも、今申しましたような一般会計、特別会計、政府関係機関、各種公団、特殊会社、それぞれやはりなわ張り争いで、自分の事業の範囲を拡大しようとしている。そうして、そこには、より効率的に事業を遂行しようとする明白な目的意識というものがはっきりしない。これはあとで私、具体的に触れてきますが、はっきりしないのですよ。なるほど大蔵省は、今局長さんが言われたように、紙の上では調整をしておるかもしれぬけれども、現実の具体的な事業の面について、ほんとうにどこか中枢になってやっておるところがあるかどうかということです。これは大蔵大臣、どうですか。
○水田国務大臣 大蔵省は、そういう予算の査定官庁でございますので、これは各省関係、地方自治体を総括して自治省からの要求、各省からの要求をそれぞれ調整してわれわれが査定するということで行なっております。
○滝井分科員 実態を調べてみますと、実はそれらのなわ張り争いが激しくて、効率的な運用というものがほとんど不可能なんですよ。今私は具体的なこまかいことはやめて、少し大きいところであげてみますと、まず、公共投資の計画はそれぞれ各所管官庁の内部で立案されますね。たとえば、建設省でいえば道路整備計画、それから住宅の建設計画、こういうのをやられるわけです。それから運輸省だって、港湾の整備計画、これは二千五百億ですか、やられておるわけです。農林省だって、治山計画、それから治水計画は、これは農林省と建設省です。そうすると、これらのおもな計画を総合的に立案する官庁と申しますか、これは経済企画庁ですよ。ところが、経済企画庁が一体これらの計画について総合調整の発言力を持っておるかどうかということです。これは持っていないですよ。数字の上だけで見ておるので、ほんとうに中身に入った発言力を持っているかというと、持っていない。だんだんもめてくると、今われわれが外から客観的に見ておると、どういうことできめられておるかというと、結局、大蔵省と政府・与党の有力者の間で、何か足して二で割るようなふうにきめられている。ちっともそこには科学的な計画、効率的な事業の運営というものが詳細に検討されてきまっていない。これはいわば日本の中央政府における財政投融資のいっている実態です。これは水田さん、いやというほど御経験になっていると思うんです。これはやはりその査定官庁であるあなたのところなり、迫水さんのところがもう少しバック・ボーン持たなければいかぬですよ。それがないところにこういう問題が起こってくる。やはりこういう計画というものは、われわれの税金を使うんですが、ほんとうに一体自覚を持ってやっておるかどうか、そういうことが非常にあいまいなんですね。こういう点どうですか。
○水田国務大臣 これは私も予算否定について初めての経験をいたしましたが、あなたが考えられておるほど実際はずさんなものでございませんで、もう大蔵省はえげつないと言われて各省にも責められるというくらい、事業の内容の末端に至るまで査定計算をやって、そうしてその予算を計上する。その内容に立ち入った査定もいたしますし、同時に、各省のそういう事業は今計画化しておりますので、その年次計画に従って、本年度はまずこの計画の伸び率をどのくらいに見るかというふうに、大ざっぱな計画的な観点から押えるという方向と同時に、その具体的内容についての審査というものも十分にやって査定しているというのが、実際の実情でございます。
○滝井分科員 大蔵省はみんなから責め殺されるくらいに一生懸命に冷酷な査定をやっておるそうでございますが、まあそれはけっこうなことだと思います。 それじゃ、もうちょっと具体的に聞いてみますと、道路整備五カ年計画、これは昭和三十三年から発足いたしました。三十三、三十四、三十五年と、一体進捗率は幾らくらいになっておりましたか。
○西原政府委員 現在の道路整備五カ年計画、つまり三十三年から三十七年度、五カ年の分でございますが、三十五年度までで、一般道路で五二%、それから有料道路で二三%、地方単独分が六二%、合計いたしまして大体五割程度進捗しておる見込みになっております。
○滝井分科員 大臣、今お聞きの通りです。三十三年から発足した一兆円の道路整備計画が、五割ですよ。そうすると、その計画がまだ終わらないうちに、今度は二兆一千億にお上げになった。一兆円の道路計画でも五割しか進まなかったものを、今度は倍の二兆一千億の道路計画にされたわけです。一体、日本の請負は請け負う能力があるかどうかということです。現在都道府県知事に届けられておるところの土建業者を全部動員したって、これはなかなか大へんですよ。五割進まぬですよ。こういう、とにかく現在の日本の土建業者の建設能力をあげて一兆円の五カ年計画をやったのに、三カ年間で五割しか進んでいない。あと五割残っている。それを今度は倍にしてやる、こういう計画を平気でお立てになる。今まで一体五カ年計画とか十カ年計画というものをお立てになって、その計画の年度にきちっと完成したためしがない。上下水道なんとか十カ年計画とかなんとかで、私の今まで勉強した上水道、下水道の計画がありますが、全部三割かそこらですよ。その年度分の三割かそこらしかいっていないのだから、全体にしたら、今言ったように五割もいけば上等の方です。こういう計画をとにかく二兆一千億、一兆で五割しかいかなかったものを、今度は途中で倍にしてやって、全部やろうとするのですから、いかにこういう計画がいじめられて、結局あなたは参っちゃって、最後は、取り上げたくなかったけれども取り上げたという形がここに出てきている。これは日本の土建業者の能力その他から見ても不可能ですよ。学者も皆そう言っている。不可能ですよ、よくもまあこんなことをやったものだと言っていますよ。こういうように非常にいわゆる力の強いところがとっていくという形が、財政投融資計画の中には出ているこの計画の中に投融資されていくのですから。いわゆる道路——池田内閣の公共投資の一番花形ですよ。道路、港湾、産業用地及び用水——選挙のときにみんな自民党の代議士さんがやったところですよ。やって絶対多数をとったところ、そのとったところがこの実態ですから、いじめられても、科学的に正しいところを正しいように一つがんばり抜いていただきたいと思います。 次は、一体、この公共投資計画というのは、だれに対して責任を持つのかということなんです。当然それは、やる人たちは国会に対して責任を持たなければならぬと思うのです。ところが、私もいろいろ財政投融資計画を勉強してみたのですが、わからぬですね。とにかく、われわれのもらっておる厚い予算書、それからあの薄いやつ、われわれのもらっているすべてですよ、それを全部ひっくり返してみても、とにかくわからぬです。財政投融資計画の全貌を、一生懸命にやってみたけれども、つかむことができないです。特に公共投資関係の支出のかなりの部分が、国会の審議の及ばない財政投融資計画その他の資料の提出だけで済まされておるわけです。そうしてその内容、たとえば特に公団とか特殊会社、これは相当政府は出資しておるわけですが、そういうものの事業計画というものが、ほとんど国民の目に触れられないままで国会を通ってしまっておるのです。これでは七福神と言うはずです。打ち出の小づちを持って、どんどん金を出してくるのですから、事業主が七福神と言うのもやむを得ぬと思うのです。全くわれわれの国会の目に触れないところで、しかも今申し上げたようなずさんな一画でどんどん通ってしまっておる。だから、公団とか公社とかいうようなものを一々洗ってごらんなさい。それは大へんです。洗えば洗うほど大へんです。どんどん大きな有料道路を作る、そうすると、今度は県道あたりをめちゃくちゃにしてしまって、ほったらかしてやっておるのです。有料道路はそれでお金はもうかるかもしらぬけれども、もとの道路はちゃがんちゃがんにしてしまうというように、全く無計画的に、統一を欠いた運営の仕方がされている。そこで私は、この際、財政投融資計画のこういう多元的な、無計画な運用をどこかでがらっとつかんで——それは水田さんのところでもけっこうです、がちっとつかんで、そうして国民のこういう税金に等しいものが正しく運用される姿を作ることが当面一番必要だと思うのですが、これはどうですか。大蔵大臣、一つそういうことを閣議で発言されて——これはむしろ池田総理に言いたいところですけれども、分科会だから仕方がないのですが、あなたは一つ発起人になられて、閣議でこういうものをお作りになって、えりを正して、この財政投融資計画の多元的な、無計画な運用をきちっと正す必要があるのじゃないですか。
○水田国務大臣 これは各省大臣が、自分の所管下の財政投融資の対象になっているそれぞれの機関に監督権を持って、それぞれ監督するという立場になっております。それで、今、財政投融資計画は予算とは別の扱いになっておりまして、予算の政府原案というものは閣議でこれをきめるということになっておりますが、その予算に付属してこの財政投融資計画を資料として出すということで、これについての閣議決定をするという慣習には従来からなっておりません。やはりこの財政投融資計画というものは予算に関連して政策的にも非常に重要な問題だと思いますので、この取り扱いについては、私ども今後一つ検討しようと考えておるところであります。
○滝井分科員 水田大蔵大臣が発起人になってこれをおやりになれば、あなたの方の所管権限がそれだけふえるわけですから、あなたの権限をふやす意味でも大いにおやりになることが必要だと思うのです。 それで、ただ、私たちとしては、今までの運用の仕方を見ると、大企業ばかりに国民年金とか厚生年金の集められた金が行って、そうしてどうも民生安定、国民生活に直結する面に返ってこない。従って、厚生省で自主運用をやれという運動を起こすのはそのためなんです。こういう無秩序な使い方をされては困る。だから、これを一つ厚生省の過渡的な処置として、将来は今私の言ったような方向に向くのだが、われわれ社会党からいえば、社会党政権ができたならば、一元的な運用をしてもよかろうが、どうも今の保守党政権のもとでは困るから、厚生省に自主運用をさせようという主張を、社会党はそういう観点から、してきておるわけなんです。 そこで、今度は、これからいよいよ本論に入って具体的な問題に入るのですが、厚生省の保険局長かだれか来ていますか。——財政投融資計画の中で。特に、厚生年金なり国民年金の積立金の中から二割五分を還元融資として配分されるわけですが、その二割五分の問題についてこれから少しお尋ねしてみたいと思うのです。 厚生年金関係で二百六十億の還元融資が配分されることになったわけですが、この二百六十億の行方は、一体どういうところにいくのか、御説明願いたいと思います。
○西原政府委員 三十六年度の厚生年金積立金の還元融資は、お話のように、総額二百六十億、これはちょうど二五%に当たるわけであります。その内訳は、医療金融公庫に二十億、住宅に五十九億、病院に八十億、厚生福祉施設に五十六億、その他、上水道、下水道、そういう地方債に四十五億、これで二百六十億になるわけでございます。
○滝井分科員 そうすると、今の二百六十億の中で、夢業主と地方公共団体にいくものは一体幾らになるのですか。それを簡単に、今言われたように、病院とか住宅とか厚生福祉施設、上下水道と分けてみていただけませんか。
○西原政府委員 お答え申し上げます。 地方公共団体の分が百四十億、事業主等転貸分が百億、その百億の中の四十億が年金福祉事業団になります。地方公共団体に参ります百四十億の内訳は、公営企業債と私ども申しておりますいわゆる上水道が三十億、下水道が十五億、住宅が十五億、病院が五十億、厚生福祉施設が三十億でございます。それから事業主等転貸分でございます。これは百億でございますが、これは先ほど申し上げましたように、そのうちの四十億が今度の年金福祉事業団で、年金福祉事業団は、大体その配分として、病院に十七億、厚生福祉施設に二十三億、こういうふうに考えられております。それから年金福祉事業団以外の分は六十億でございますが、これは住宅が四十四億、病院が十三億、厚生福祉施設が三億、こういう内訳に一応考えられております。
○滝井分科員 そうしますと、この二百六十億の運命は、地方債百四十億と事業主百億で、事業主百億の中で、年金福祉事業団四十億と、住宅、病院、厚生施設として六十億は全部事業主にいくことになるわけですか。
○西原政府委員 その通りでございます。
○滝井分科員 そうしますと、零細な金を自己の老後を保障するために集めた労働者の団体その他にはこれは貸さないのですか。水田大蔵大臣、どうですか。なるほど、厚生年金は保険料の半額を事業主も納めておりますが、労働者も半額納めておる。この金は、しかも積立金ですから、権限は率業主にはない。この金は全部労働者のものなんです。積み立てるのはなるほど事業主も積み立てたかもしれませんけれども、このお金の帰趨は労働者のものなんです。いわゆる健康保険の積立金とは違うのです。これは短期の医療に使うのですから、事業主がある程度発言力を持つことはよろしい。しかし、将来この金は全部労働者に帰着するものなんです。従って、労働者の団体に幾分かの配分がないということは、どうもわれわれとしては納得いかないところなんです。
○西原政府委員 地方債で直接地方公共団体が行ないます住宅なんかも、これは結局地方公共団体が家を作りまして労働者に貸す、そういうことになろうかと思います。それから事業主が作ります分も、これは労働者のそういう年金保険を出す量とかなんとかを考えまして事業主に対して転貸をするわけでありますが、これも事業主が作りまして労働者が入る、こういうことになるわけであります。
○滝井分科員 そういう形でものを論破すれば、何も国民生活に直結する部面に持っていかなくたって、基幹産業に金を持っていったって、この基幹産業の恩典を受けるものは、国民の中の九割を占める労働者が受けるんだから、それはかまいませんという理論と同じです。そうじゃなくて、一体この金はだれが自由に使うか、これが問題なんです。だれがその金のつかさを握るか、急所を押えるかということが問題なんです。事業主が借りて自分で作ったものを労務者に住宅として住まわせるならば、それは労務管理の方で大いに役立つだけのことなんです。それは他よりは安い住宅を借りるのですから、事業主はもうかる、そういうものの考え方ではとても話にならぬ、どうですか。厚生省の厚生年金関係の方は来ておりませんか。——では理財局にお尋ねしますが、今、年金福祉事業団の中で、病院が十七億、厚生福祉二十三億で、その二十三億は結局事業主にいく、こういうことになったのですが、厚生省等の説明によりますと、融資の相手方に、事業主及び事業主の組合と、それから船主、これは事業主の範疇に入るわけです。それから、被保険者のための福祉施設を建設しようとする法人で政令で定めるものというのがあるのです。それから、かつてわれわれが中小企業の退職金共済法を作ったのです。そのときもやはり同じように、今のような被保険者のための福祉施設を建設しようとする法人等とか、何か等を入れたと思っておるのですが、そうすると、こういう折衝は厚生省としておらぬのですか。今言ったような事業主及び事業主の組合、船主、これは年金福祉事業団に限るわけですけれども、今のあなたの説明では、被保険者の団体なんかにいくようになっていないわけですね。事業主だけになってしまっておるわけです。
○西原政府委員 年金福祉事業団は、病院と住宅とに融資をするわけでございます。厚生福祉施設と住宅、それに合わせて四十億、大体この事業団が融資する先は、厚生年金保険の適用事業所の事業主あるいは船員保険の船舶所有者、また、これらのもので組織する団体、あるいは農業協同組合その他の被保険者などで組織する団体、あるいはそれ以外に、被保険者等の福祉を増進することを目的とする法人、こういうようなものが入るというふうに考えられていると存じます。
○滝井分科員 被保険者の福祉を増進する団体ということになると、具体的にはどういうものが入るのですか。
○西原政府委員 これは厚生省でお答えいただかないと、私の方ではちょっとはっきりわかりません。
○滝井分科員 率直にお尋ねしますが、労働金庫は入りますか。
○西原政府委員 私はちょっとその内容についてよく承知いたしておりません。
○滝井分科員 これは厚生省で決定する権限はないのじゃないですか、そこらあたりまでは。大蔵省でOKを与えないことに、はこういう融資の相手方なんというものは——かつて私は経験があるのです。さいぜん申しました中小企業の退職金共済法の業務の委託機関の指定で、国会の審議の過程では、労働金庫を受託の金融機関として指定するということが強調されたのです。ところが、実際問題として、現在中小企業の退職金の共済法が発動しておるにもかかわらず、指定をしてない。労働者の集めた金であり、最後にはそれは労働者のものになる金なのです。積立金ですから、もう事業主はくちばしを入れる段階ではなくなってきているわけです。その金を融資する場合に、地方公共団体と事業主に貸す。何もこの金に縁のないところに貸して、一番この金の取得権を持っておる労働者の団体には何も貸さぬというばかなことはないですよ。こういう運用の仕方をするから私たちは気に食わぬというのです。だから、当然これは労働者の団体に貸す機関である労働金庫を通じたっていいわけなのです。労働金庫を通じて確実なところに——確実であるかどうかということは、これは厚生年金の方で還元融資をやる場合に、あなたの方と厚生省が十分協議をして、そうして貸すか貸さぬかおきめになったらいいと思う。これは最終的な決定はあなたの方でされるのでしょう。あなたの方でなくて、厚生省だけでよろしいのですか。
○水田国務大臣 そういう問題は政令できめることになっておりますが、まだその政令案が厚生省から出て参りませんし、閣議で議題になっておりませんので、そこまで私承知いたしておりません。
○滝井分科員 それは政令できめるからと言うけれども、これは予算審議の上で一番重要なところですよ。この金が事業主と地方公共団体だけに回っていく。厚生年金は、一体どういうところで地方公共団体と関係がありますか。事業主は、なるほどその半額を出しておるという点においては関係がありますよ。しかし、この金を運用する主体というものは、あくまでもこれは労働者の金なんですから、労働者の福祉を考えることは労働者が一番よく知っているのであって、ただそれはさいぜん申しましたように、多元的な運営になってはいかぬ、この金が有効に計画的に使われなければいかぬという点について、私たちは、大蔵省かどこかに、きちっとした急所だけは押さえて下さいよと申し上げているわけです。しかし、そうだからといって、これを借りる相手方についてまで、主と地方公共団体とに制限をして、他の者には困るのだということでは困るのです。だから事業主と対等に、労働者の団体がどうして一体いけないのかということです。労働者の団体は、事業主よりか信用がないのかということです。これだけ総評だって何だって大きくなっているのですから、私は、労働組合に貸せとは言いません。しかし、その金融機関である労働金庫を通じて、たとえば労働者の住宅を立てる団体があるのですから、そういうものにお貸しになったらどうか、こういうことなんです。だからこの点、閣議にかけなければならぬとかなんとかいう問題ではないと思うのです。事業主と地方自治体は、閣議にかけなくても御発表になったでしょう。
○西原政府委員 私は、従来の還元融資のことを申し上げまして、今度厚生年金の年金福祉事業団、そういうものができるということで、年金福祉事業団のことを申し上げました。資金運用部の融資先といたしましては、地方債という形で地方公共団体に全部出すわけでございます。それを地方公共団体が、事業主とか何かに転貸をしている。直接事業主に貸しているわけではございません。それで、地方公共団体にそういうふうにごめんどうを願っておりますのは、公共団体が中小企業その他いろいろなことについて、その地方で一番まとめるあれとしてはいい。これのできた施設を使われる方は、そういう保険に入られた方、そういう方が主であります。それから資金運用部といたしましては、やはり先ほどお話がありましたような、確実な運用というようなことはどうしても考えなければならぬ、そういうようないろいろなことで、地方公共団体に中に入っていただく、あるいは地方公共団体が家を作るなり、そういうことで、労働者の方もおられると思いますし、そういう方に施設を使ってもらう、こういうことにいろいろごめんどうを願っている、こういう次第でございます。
○滝井分科員 厚生省の年金課長が見えていませんから、国民年金課長でも同じだと思うのです。年金福祉事業団には、十億だけ、国民年金の七十五億の中から入っていくわけですから、どうですか、あなたの方としては、その一場合に労働金庫を通じて、国民年金の七十五億の計画の中で見てみましても、従来の三還元融資事業——住宅、病院、厚生福祉施設として、住宅十億、病院十五億、厚生福祉施設(合同合宿)三十憾あり、医療金融公庫八億、一般地方債十二億あるわけですから、従って、当然こういう形であるわけです。その場合に、あなたの考えとしては、労働金庫を通じて勤労者住宅協会等に住宅を作らせるというような方向に向くことになるのかどうか。
○高木説明員 私どもの方としては、今度できまする年金福祉事業団の貸付の資金として十億出したわけでありますが、国民年金は、被保険者が主として農民、漁民、こういった農村部におられる方々が主でございますので、そういった被保険者が組織する農業協同組合なり、漁業協業組合なり、あるいは国保の特別組合、こういうものに事業団から融資していくようにいたしたいと考えております。
○滝井分科員 そうすると、この国民年金というものは、中小企業や農民を主体として集まった金を積み立てて、還元融資してきておるわけです。そうすると、今、年金課長は、農協とか漁協とか、国保の特別組合まで貸すというのです。それなら、労働者が金融のために作っておる労働金庫を通じて勤労者の住宅協会に貸して、私はちっとも差しつかえないと思う。どうして労働者だけこんなに、保守党の政府はまま子扱いにするかわからない。まさか、労働金庫に金を出してやったからといって、それはひもつきの金だからスト資金には回らぬでしょう、住宅を作るために、労働金庫が仲介機関になっていくわけですから。だから、農協や漁協、国保の特別組合に厚生省ははっきりお出しになると言っておるのだから、どうですか、大蔵大臣、あなたが踏み切りさえすれば、厚生省はすぐ踏み切るのです。きわめて具体的に厚生省から出ておるのに、労働者だけどうして具体的にならないのですか。
○西原政府委員 具体的にどういうようなものを政令で定めたいとかいうようなことについては、まだ私ども相談を受けておりません。
○滝井分科員 そうしますと、労働者の側だけは相談を受けぬが、農民なり漁民の側は、はっきりと厚生省が答えておるじゃないか。そういうばかなことはないですよ。それじゃ今の厚生省のはうそですか。大蔵省は何も相談を受けてない、閣議もやってないし、そんなものは知らぬと言っておる。
○高木説明員 現在年金福祉事業団の法案を準備しておりますが、その法案の中で、国民年金に関しましては、被保険者をもって組織する農業協同組合というようなことをはっきりうたいたいということで、今作業を進めておるわけであります。
○滝井分科員 はっきり法案の中に盛り込むと言っておるのですよ。そうすると、農協が入って、労働金庫が入らないという理由はないのですよ。農協だって農民の金融機関でしょう。労働金庫は労働者の金融機関でしょう。対等じゃないですか。
○高木説明員 現在私どもの方で作業を進めております法案の文章を読上みげます。「次に掲げる者に対し、厚生年金保険、船員保険又は国民年金の被保険者、被保険者であった者又は受給権者の福祉を増進するため必要な老人福祉施設、療養施設その他の施設で政令で定めるものの設置又は整備に要する資金の貸付けを行なうこと。」「イ厚生年金保険の適用事業所の事業主又は船員保険の船舶所有者」「ロ イに掲げる事業主又は船舶所有者である事業者で組織された事業協同組合その他の法人又はこれらの法人の連合体である法人で政令で定めるもの」「ハ 被保険者等である者で組織された農業協同組合その他の法人又はこれらの法人の連合体である法人で政令で定めるもの」「ニ イからハまでに掲げるもののほか、被保険者等の福祉の増進に必要な業務を行なう法人で政令で定めるもの」、こうなっております。
○滝井分科員 大臣今お聞きの通り、一番最後の項には、ぼかしておるけれども、あなたの決心次第でこれは入るわけですね。それならそれを修正したらいいので、いよいよになればわれわれは修正しますが、あなたの答弁がいただけぬということになれば、今のところに、農協に並べて労働金庫類似のものを入れたらいい。どうですか、大臣、ここで御言明いただく方が混乱がなくて早いでしょう。私は、財政投融資に関連してえりを正して御質問申し上げておるのですが、大臣の一存でいかぬことはないのですよ。過去にも、やるということは何回も言明したのです。中小企業退職金共済事業団ができるときも、それは言明しておったのです。それを、やらないのです。だからわれわれは、これは今度は大へんだ、今度はやらせなければいかぬ、こういうことなんです。どうですか、大臣、ここで政治的にきちっと言明して下さい。
○水田国務大臣 今お聞きの通り、原省において法案の研究中ということでございまして、まだ政府部内でこれを中心に討議して案をまとめる段階になっておりませんので、これから内部の検討になる問題でございますから、ここで私は意見を述べないことにいたします。
○滝井分科員 あなたの方は、きょうまで、少なくともきょうの正午までには法案を出す約束なんですよ。われわれは、ほんとうは先月の二十四日までに法案を出していただくということだったけれども、寛容と忍耐の政治を行なおうという池田総理の言葉もあるので、社会党が寛容と忍耐を破ってはいかぬと思って、寛容と忍耐を守ってきょうの正午まで——正午を十分間過ぎてしまったが、まだ法案がきまっておらぬ、そんなばかなことはないです。それなら、われわれはここでストップしますよ。あなたがそれをはっきりしてくるまではストップします。私の質問は続けられぬです。第一、事業主の団体には幾らでも金は貸します、ところが、保険料の半分を出している労働者の方には貸さないという理屈が一体どこにあるか。事業主だってお金は半分しか出してないんですよ。半分は労働者が出しておるのに、その半分を出している労働者の方に国は金を何で貸せませんか。それを言明できないはずはないですよ。こういうことは、閣議にかけなければとか、政令でまだ固まってないというけれども、厚生省は一課長が堂々と、農協には出しますということをおっしゃっているじゃないですか。
○水田国務大臣 さっきから申しましたように、私まだこの問題の検討をいたしておりませんので、聞くところによりますと、きょう与党の政調にはかっておる段階だということでありまして、これは約束のあることだから、急いでやっておることだと思いますが、私自身、まだこの問題の相談を受けておりませんので、その事実だけを申し上げておるわけであります。
○滝井分科員 そうしますと、これは法案に関連をし、しかも、予算に関連をするんです。年金福祉事業団の財政投融資で五十億金を出すことになっております。その資金の使途さえもはっきりしなくて、われわれは予算を通すわけにいかないでしょう。そこで、それをはっきりするまでは、これでストップしてもらいたいと思います。午後までに聞かせてもらえますか。これを二日も三日も待つというわけにいかないですよ。保険局長を呼んでくれませんか。
○相川主査 あなたの質問は一応保留しておいて、あとで続けたらどうですか。——楯兼次郎君。
○楯分科員 この前の予算委員会で、冒頭に、今の税金の徴収の仕方は非常に不公平であるという点で、われわれ理解しがたい点があるので質問をいたしておりましたが、時間がございませんでしたので、四点ばかりこの機会にお伺いをしたいと思います。 私は、しろうとでありまするから、こまかいことはわかりませんが、同一の所得がありながら、法人あるいは個人、あるいはその中に給与所得者が入るということで税額が違うということは、われわれとして、税の公平の原則からいってどうしてもわからない点であります。これは、なぜ徴収形式によって、同一所得でありながら税額が違うのか、こういう点をまずお聞きしたいと思います。
○泉説明員 お答えいたします。 法人と個人との間の税負担のバランスをどういうふうにしてとるかということは非常にむずかしい問題でございまして、諸外国の事例、また、わが国の過去から現在に至るまでのいろいろな事例、これは非常なむずかしい内容を含んでおるわけでございますが、普通に考えられますことは、個人は、その所得の稼得を自分自身でいたしまして、それを自分自身で処分する。法人は、数人の個人が集まりまして一つの組織を作って、そこで所得を取る、稼得する。しかし、その処分は、法人自身でするというよりも、それに勤労いたした者に対しまして給与の形で与える。それから株主に対しましては、配当の形で分配する。役員に対しましては、給与並びに賞与の形で分配する。そうして、その個人がそれらの所得を受けて消費を行なうという形になっておるわけでございます。そこで、その法人が独立した納税主体として、独立の法人格を認めるという考え方と、法人は個人が組織した一つの擬制体であるという考え方と、いわゆる法人実在説と法人擬制説との考え方によりまして、その税負担につきましても考え方が違うのが各国の例になっておるわけでございます。もちろん、そういいましても、純粋に法人擬制説あるいは法人実在説というものをとっておるわけではございません。現実に行なわれている各国の税制と申しますものは、どちらかといえば実在説寄り、どちらかといえば擬制説寄りといった形でございまして、両者の混淆した姿が現実のありさまになっておるわけでございます。 それで、楯委員のお話のように、問題になりますのは、個人でも法人でも、自分の親族以外の者が事業に従要しておる場合におきまして、その事業に従事している勤労者に対して給与を払った場合、これは法人の場合でも個人の場合でも、同様に損金あるいは必要経費になるわけでございます。ただ、個人の場合におきましては、配偶者その他の親族で、生計を一にいたしております者が事業に従事しておる場合におきましては、現有所得税法十一条の二の規定におきまして、そういう給与の支払いはなかったものとみなす、事業主自身の所得であるというふうにいたしておる。そこに差異があるわけであります。
○楯分科員 それではお聞きいたしますが、生計を一にしておる場合に、個人の場合、そこに家族に給与所得者が入っておりまする場合は、その一家の税額が、私の計算したところによりますると、所得九十万円あると仮定いたしますれば、一方は半額、一方は倍の所得税を出さなくちゃならぬ。徴税形式によって多少の相違はこれはやむを得ないと思うのです。ところが、まあ金額によって違うでしょうけれども、九十万円の所得を現行法で計算をしてみますると、倍と半分である。このように、所得の実態が同じでありながら税額が違うということは、非常に不公平だと思う。これはなぜこのように違うのですか。
○泉説明員 この点は、税制というものは、やはりその国の一般的な状態というものを前提といたしまして税制を立てる以外はございません。御承知のように、わが国の個人事業の場合におきましては、そこに家族従事員が従事しておる場合におきまして、雇用契約といったようなものがはっきりあるわけではございません。従って、給与支払いという慣行もはっきりいたしておりません。そこで、そういう事態を前提といたしますと、やはり個人事業の場合におきましては、給与の支払いということを認めることができないのであります。しかし、法人企業の場合におきましては、企業と家計というものがはっきり分離いたしております。個人企業の場合には、企業と家計の分離が明確になっておりませんために、そういうふうになっておるわけでございます。そこで、個人企業の場合におきましても、青色申告を出すというようなことになっておりますと、企業の形態と家計との分離というものが相当明確になりますので、その場合におきましては、従来は年八万円まで、給与として支払いをした場合に、それを必要経費に認めるということにいたしておったのであります。また、今回の改正におきましては、年令二十五才以上であれば十二万円まで、十五才以上二十五才未満なら九万円まで給与の支払いを認めるというふうにいたしましてできるだけ法人と個人との間の税負担のバランスがとれるような方向でやっていこうといたしておるわけでございます。将来、わが国におきまする個人企業の経営形態におきまして、家族従業者がはっきりと給与の支払いを受け、また、生活費の分担を行なうというような姿になって参りますれば、また事態は変わってこようかと存じます。
○楯分科員 今の答弁は、あなたの方でお出しになりました資料によってわれわれも十分承知をしておるのです。そういうあなた方の立場の説明をお聞きしておるのではないのです。給与所得の取り扱いがあいまいであるという点もありますけれども、その一家の所得が同額であるにもかかわらず、あなた方が区別をされる、徴税形式によって倍になり、半分になるという相違というものは、税の公平の面から見た場合に、あまりにもひどいではないか、こういうことを私は言っておるわけです。こういう点について、あなたは、徴税形式によって、申告形式の相違によってそのような相違があるということを御存じかどうか。なぜそんなに違うのでしょうか、こういう点をお聞きしておるわけです。
○泉説明員 お話のように、法人形式である場合と個人事業主の場合におきまして、家族従業員に対する給与の扱い方の相違のために税負担の相違が出ておるということは、十分承知いたしております。承知いたしておりますから、今回のような改正案によって、できるだけその負担のバランスをある程度回復しようということで出しておるのでございます。ただ、申し上げておかなければなりませんのは、実体が個人であるのに法人という形だけとっておるという姿でなしに、法人の場合には、やはり法人としての実体を備えておるからそういうふうになるということでございます。従って、また他面におきましては、法人企業の場合におきましても、ほんとうにその法人企業に従事しておらない者に、単に名目的に賃金を払ったからそれを損金にするというような形で、真実のことが行なわれておらないとすれば、それは否認さるべきことでございまして、やはりその実体が法人であって、そうして実際事業に従事いたしまして、それに給与が支払われたということを前提にして、経費として認めるということになるわけでございます。
○楯分科員 答弁者も、徴税形式の相違によって、同一所得でありながら非常な相違があるという点は認められておるようです。それを是正するという方向にいきつつある、やろうとしておるとおっしゃいますが、われわれの方から見れば、そんな専従者の控除額を上げたぐらいではこの差は縮まらない。抜本的に、税の公平の面から法律の改正を行なう必要がある、こういうふうに考えておるのです。 そこで、前へ進みますが、昭和二十六年に、国税庁の通達で三百二十六号という通達をお出しになっております。きのう聞きますと、法律が改正になってこの通達の内容が変更になっておるそうでありますが、本庁だけで訂正をやって、末端組織にはいっておらない、こういうことを聞いたわけでございますが、この点について、通達の訂正を末端へ行なわなければ、徴税解釈上重大な支障がないのか、こういう点をまずお聞きしたいと思います。
○泉説明員 お尋ねの通達は、その後専従者控除の制度がとられましたときに新しい通達を出しまして、そこで、従来の通達で今回の通達に抵触するものは廃止したという形で廃止されておるわけでございます。ただ、その条文の個条を一々あげて、これとこれとが抵触するから廃止したということをいたしておらないために、あるいは第一線におきまして混乱が起きておるというような御事情があるのかもしれませんが、もし、さようなことでありますれば、その趣旨を十分徹底させるように国税庁の方に十分連絡いたします。
○楯分科員 私がお聞きしておるのは、法律が改正になって通達の内容を本庁においては訂正した、それが下部に通達されておらない、それによって出先機関が解釈を変える、あるいは納税者に非常な迷惑を及ぼすような訂正であるかどうか、こういうことですもし、納税者に非常な迷惑を及ぼすというような、あるいは税務署の解釈を変えるというようなことであったならば、これは非常に重大なことだと思いますので、未通達の分が納税者に大きな迷惑を及ぼすような訂正になっておるかどうか、それが支障がないのかどうか、こういうをお聞きしておるのです。
○泉説明員 お答えいたします。 国税庁の力でやっておることでございますが、納税者の方に非常な不利益を及ぼすようなことにはなっておりません。その点は御安心いただいてけっこうだと思います。
○楯分科員 それでは、二の通達の中でちょっと理解に苦しむことがありますのでお聞きいたしたいと思いますが、この三百二十六号通達の中で「法第十一条の二の「当該所得は、これを当該納税義務者の有する事業所得とみなす」とは所得を合算する趣旨でなく、法の適用については、当該納税義務者一人の所得として課税するものであるから、税額をあん分する等の必要がないことに留意する。」こういうことですが、これは幾ら読んでもわからない。所得を合算する趣旨ではない、ところが、一人の所得としてとれ、これは一体どういう意味ですか、この解釈を一つ簡単にお聞きしたいと思います。
○泉説明員 当時の税法におきましては、納税義務者と生計を一にする配偶者その他の親族が当該納税義務者の経営する事業から所得を受ける場合においては、当該所得は、これを当該納税義務者の有する事業所得とみなすという規定になっておったのでございます。そこで、その解釈といたしまして国税庁で通達を出した際に、配偶者その他の親族が所得を受けておるというので、一見、配偶者その他の親族も一つの所得者である、それから、事業主も一つの所得者であるかのごとく解されますので、そういう事業主も一人の所得者、あるいは配偶者その他の親族も一人の所得者としてそれを合算するというのではなくて、所得を与えたというけれども、その合わせたものが事業主の所得である、別々に所得者となってそれを合算するというのではなしに、もとから事業主の所得である、こういう解釈であったわけでございます。
○楯分科員 そういたしままと、個人の場合には、この納税義務者以外には所得はない、こういう御解釈ですか。
○泉説明員 当時はそういう考えであったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、青色申告の制度が行なわれまして、配偶者その他の親族——それも最初は配偶者でなしに、配偶者を含めないその他の親族、つまり、子供とか弟、こういうものが専従者である場合に専従者控除を認め、そして、次いで配偶者にも専従者控除を認めるというふうな改正になって参ったわけであります。そして、その青色申告の場合の配偶者その他の親族が受ける給与というものは、配偶者その他の親族の給与所得であるという考えに変わってきたわけでございます。
○楯分科員 私の聞いておるのは——簡単でよろしいですが、その納税義務者以外の人も、所得はあるけれども、便宜上一人にしぼった、こういうことですか。つまり、納税義務者以外には所得があるのかないのか、所得ありとみなしておるのかどうか、こういうことを聞いておるのです。
○泉説明員 当時の税法におきましては、その事業主以外の者は所得がないのだ、すべて事業主の所得であるのだという考えであったわけであります。
○楯分科員 今日はどうですか。
○泉説明員 今日は、先ほど申し上げましたように、青色申告の場合の配偶者その他の親族の受ける所得は、配偶者その他の親族の給与所得である。ただ、現在の個人経営の実態からいたしまして、雇用契約が明確でもありませんし、労働時間等についても制限がはっきりいたしておりませんので、八万円の最高限度額を置くということであります。その限度内の支払額は給与所得である、こういうふうに見ておるわけでございます。
○楯分科員 そういたしますと、先に進めますが、十一条の三は、同一世帯であっても個々の所得を認められておるようでありますが、これとの関係はどうですか。
○泉説明員 十一条の三の方は資産所得でございます。資産所得の場合には、御承知のように、株の名義であるとか、あるいは土地家屋の名義を変更することによって、真実の所得者がだれであるか、容易に不明にしやすい性格を持っているわけでございます。そこで、そういう場合におきましては、所得の金額が多額になりますと合算しますということにいたしておるのでございます。十一条の二の方は、事業所得者の事業所得について、それに従事する配偶者その他の親族の者の所得の関係を言っておるわけであります。所得の性質が違うわけでございます。
○楯分科員 この十一条の二は、生計を一にするということで納税義務者一本にしぼっておりますが、これは所得税法の第三条の二の実質課税の原則に矛盾をしておると思うのです。第三条の二と十一条の二との関連はどういうふうに御解釈になりますか。実質所得が優先するのか、生計を一にするという項目が優先するのか、まっこうから相反していると思うのですが、所得税法としてはどちらをとるのですか。
○泉説明員 私どもといたしましては、所得税法の三条の二の実質課税の原則と十一条の二の規定は矛盾しておらないというつもりでございます。と申しますのは、三条の二の規定は、資産または事業から生ずる収益の法律上帰属するとみられる者が単なる名義人であって、実際その収益を享受しておらないで、その名義人以外の者が収益を享受しておる場合におきましては、その収益については、実際収益を享受する者に課税するのだということをうたっておるわけでございます。十一条の二の方の規定は、先ほど楯委員からお話がありましたように、配偶者その他の親族が生計を一にしておって、そして、その事業主の事業に従事している場合におきましては、先ほども申し上げましたように、わが国の現在の個人企業の実態からいたしますと、雇用契約などもありませんし、給与支払いの慣行も一般的にございませんので、それにただ給与を払ったという形式的なことだけで税負担を動かすということが行なわれると、かえって負担の公平を欠くということからいたしまして、一般的な事態を前提といたしまして、そういう場合におきましては、業主個人の所得であるというふうに見る。それは事業主個人が実質的にその所得を受けて、そうして切り盛りをしておるのだ、こういうふうに見るというのであります。その意味で、三条の二と同じ考え方に立っておるわけでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、それは、今の個人企業の実態というものを前提としております。従って、もし、楯委員のおっしゃるように、現実に、ある個人事業主がほんとうに給与を払っている、そういう事例があるじゃないかとおっしゃいますと、あるいはそういう事例があるかもしれません。しかし、税法では一般的な場合を想定いたしまして、それを前提にして規定いたしております。そこに具体的な場合と、そういう一般的な前提の場合との食い違いから、いろいろ問題が起きてくることは私ども承知いたしております。そして、そういう事態をできるだけ救済する意味におきまして、先ほど申し上げましたように、まず、青色申告の場合におきまして専従者控除の制度を認め、それから、今回青色申告以外の白色申告の場合におきましても専従者控除を認めようということで、解決の方向へ進んでおるわけであります。
○楯分科員 どうも説明を聞いておりますと、法律より、雇用条件等、そういう取りきめがないから云々とおっしゃいますが、条件の方を主としてあなたは考えておられるようだと思うのです。私は、所得税法を中心としてものを解釈しておるのですが、そういう雇用条件がないからそうやらざるを得ないというのは、これはちょっと論理の矛盾じゃないかと私は思うわけです。 そこで、今度は、よくわかりませんので、私は、逆にお聞きしたいと思いますが、個人企業で、納税名義人以外の者が、それぞれ税務署で所得税法できめる所定の書類をもって個々に納税申告をした場合に、これを拒否する法的根拠を一つお示し願いたいと思います。その方が私の解釈としては早く理解できると思います。
○泉説明員 お話の場合、その配偶者その他の親族がどういう所得であるかということによって違って参るわけでございますが、今まで申し上げましたその事業主たる者の聖業所得に関係して、そうして、その事業から給与その他の所得を受けておるのだ、こういうのであれば、それは十一条の二の規定に違反いたしますので、その場合には、それらの金額は事業主の所得として課税するということになるわけでございます。
○楯分科員 そういたしますと、もっと具体的な例を申し上げますが、たとえば、個人企業、家内企業で、原料、これを製品にする部門と、それから販売部門と、おのおの独立採算制をとって、生計を一にしておる、個別損益計算書を作成してはっきりしておる、それが分割納税申告をした場合に、これを拒否できるかどうか承りたいと思います。
○泉説明員 申告をなさることは御自由でございますが、それは申告書を受け付けた後、今申し上げましたように、十一条の二の規定、それから更正決定に関する規定に基づきましてそれを更正するということに相なるわけでございます。
○楯分科員 その更正の仕方は、私はちょっとわかりませんが、その分割納税を認めるかどうか、それは認めないということですか。
○泉説明員 更正いたしました結果、分割納付は認めないということになるわけでございます。
○楯分科員 では、もう一回繰り返しますが、なぜ認めないのか、それをはっきり条文に照らして御説明を願いたいと思います。独立採算制をとっておって個別損益計算書を作って、各人の利益が赤の分割納税申告をした場合に認めない、それはどの条文によって認めないのか。私しろうとでありまするから、はっきり条文と字句をお示し願いたいと思います。
○泉説明員 楯委員は独立採算制とおっしゃいますけれども、法人企業の場合と違いまして、個人企業の場合におきましては、それは単なる計算にすぎないわけでございまして、やはり先ほど申し上げました十一条の二の規定に基づきまして——なるほど、事業全体は事業主が総括しておる、そうして長男が仕入れの方をやり、次男が販売を担当するという事例はあろうかと思います。しかし、その場合におきましても、事業の総括主宰者である事業主の所得であるというのが十一条の二の規定の趣旨でございますので、その十一条の二の規定に基づきまして更正を行なうということになるわけでございます。
○楯分科員 われわれは、憲法三十条あるいは税法一条、二条、三条の二等からいって、十一条の二は、明らかにこれは矛盾をしておる、われわれの解釈をもってすれば、十一条の二を削除すべきである、こういうふうに考えるわけです。今、一つの例を申し上げましたが、あなた方にそういう企業がある実態をここで申し上げましてもおわかりにならないと思います。実際独立採算制をもって、あるいは一家の中で作業場所も違い、違わなければできない仕事がたくさんあるのです。一つの例を申し上げますると、私の付近で陶器業者が非常に多い。陶器業者は、原料、製品にする場合のかまたき、それから販売は、全然仕事の性質が違うから融合できないわけです。作業場も、かまをたくところと原料を扱う仕入れの土場と販売とは、全然場所が違うわけです。そういうところで、ただ一緒に飯を食っておるというだけでこれを税務署の方で受けつけないということは、非常に矛盾しておると思います。こういう、ほかの企業もたくさんあると思いますが、特に陶磁器関係においては、一家の仕事の中でそういう形態が非常に多いのです。従って、これを認めないということは、この所得税法の解釈からいきましても非常に不合理だと思います。原料あるいはかまたき、あるいは製品の販売は、絶対に融合できない。独立採算制をとってやっておるのです。そういう点を想定しながら、もう一回御答弁願いたいと思います。
○泉説明員 個人企業の実態は、いろいろの姿がございますので、お話のような事例もあろうかと存じます。ただ、先ほども申し上げましたように、十一条の二の規定は、一般的な個人企業を前提として規定いたしております。従って、お話のような場合に出っくわしますと、何だかどうも実態と税との関係がそぐわない感じがなさるのは、ごもっともだと思うのであります。しかし、税制といたしましては、一般的な事例を前提として規定せざるを得ないのであります。従って、もしそういうような、相当規模の大きい形で、しかも、それぞれの分担がきまって、そうして、企業としての経理と家計との分離ができるというのであれば、法人組織にしていただく。それが企業のだんだん進歩していく過程だと思うのであります。そうしていただく以外、個人企業としての姿におきましては、私が先ほど来申し上げておるような形にならざるを得ないのでございます。
○楯分科員 法人にしようと個人であろうと、それは各個人の意向でありますから、そういうことは慫慂しなくてもいいと思いますがね。それなら、そういう独立採算制をとっておるところでも、生計を一にするという項目にこだわっておられると思いますが、飯を別々に食えば分割課税を認めますか。
○泉説明員 もちろん、生計が全然別ということでありますれば、十一条の二の規定は適用はないわけであります。しかし問題は、生計を一にしているかどうかの実態でございますが、飯を別々の個所で食っているというだけでなしに、家計が全然分かれておるということが前提でございます。そういうふうに家計が全然分かれておるということでありますれば、生計を一にしておるというわけに参りません。しかしながら、個人の場合におきましては、家計が明確に分かれるかどうかということについて、はっきりしないような場合がいろいろございますので、そこは明確になった場合に限るわけでございます。
○楯分科員 これは水かけ論になりますからやめたいと思いますが、あなたの御説明では、十一条の二は他の矛盾した法規のすべてのものに優先する、こういう前提に立って議論をされていると解釈できるわけですが、そうじゃないですか。
○泉説明員 私は別に、他の法規に絶対優先して十一条の二の規定を適用していると申し上げているのではないのでありまして、私どもの解釈におきましては、三条の二の規定と十一条の二の規定は、決して矛盾しておりません。すなおに考えて、十一条の二の規定が具体的に適用になるが、三条の二のような実質課税の原則というものがバックグラウンドにあって、その上で十一条の二が具体的な姿として現われておる、こういうように考えておるわけであります。
○楯分科員 これは平行線でありますからやめたいと思いますが、われわれもなお研究をします。どうしてもあなたの答弁では納得がいきませんので、あなたの方でももう一度研究をお願いしたいと思います。
○相川主査 午後二時より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時五十六分休憩 ————◇————— 午後二時十三分開議
○相川主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。この際、大平官房長官より発言を求められております。これを許します。大平官房長官。
○大平政府委員 先般の本分科会におきまして、横路委員から御質疑がございました、元北方漁民に対する補償問題でございますが、この問題について、あらためて政府の現段階における見解を申し述べることをお約束申し上げておきました。本日お答えいたしたいと思います。 この問題、つまり、元北方漁民に対するある種の金銭給付を行なうべしという問題が、政治問題として起こって参りました。そして、それが今日に至るまでの経緯につきましては、横路委員もよく御存じでございますので、省略させていただきます。この過程を通じまして、この金銭給付は、一種の見舞金的な給付にすべきであるという考え方が、政府の一部に起こったのでございますが、その見舞金支給という方法による措置は、大方の賛成が得られなくて、立ち消えになっておるのであります。従って、問題は二点にしぼられてくるわけでございまして、旧漁業権の補償という方法によるか、安全操業がはばまれたことに対する代償という方法によるべきかということに相なるわけでございます。この二つの方法にいたしましても、各種の論点からいろいろな反論が成り立ち得るわけでございますので、政府としては、その一つ一つの反論につきまして、終始周到な検討を続けて今日に至っております。 今日の段階におきましてこれを取り扱う方法といたしましては、旧漁業権の補償に準ずるような措置を検討してみようじゃないかということになって、目下内閣審議室を中心に検討を続けておるわけでございます。その検討が固まりますれば、特別の立法が必要であることは申すまでもございません。そして、予算的措置といたしましては、その措置の実体がきまり、そして特別立法を出すということに相なりますれば、これに即応いたしまする予算的措置も講じなければならない、このように考えておる次第でございます。
○横路分科員 大蔵大臣、今官房長官からお聞きのように、これは北方領土、国後、択捉、歯舞、色丹等から引き揚げた諸君に対する、当初は引揚者に対する見舞金ということでありましたが 今官房長官からお話しのように、旧漁業権の補償に準ずる措置としてやる、こういうわけなんですが、特別立法が必要だということは、私もそう思います。そこで、立法化されれば予算的な措置をする、こういうことなんですが、まあ、特別立法までの措置は、いろいろ政府部内で官房長官のお骨折りによるわけですが、予算的措置ということになると、大蔵大臣、どういうことになりましょうか。
○水田国務大臣 当初予算では、知の通り、措置は今とっておりません。で、どういう方法になるか、今お聞きの通り、総理府において研究中でございます。いろいろの場合が考えられますが、かりに交付公債というような問題が起こってきましても、その時期とか期間によっては、利子もあるいはこの予算の変更によらない措置でも可能である場合もありましょうし、そうでない場合はそうでない場合の措置を考えなければならぬと思いますが、いずれにしましても、当初予算におきましては、この措置はとってございません。
○横路分科員 官房長官、これ大体総額は十三億ですね。十三億円前後ということになるのですか。十三億円ということできちっとしているわけですか。金額については大体どういうことになっていますか。
○大平政府委員 金額につきましては、先般の分科会で私がお答え申し上げました通り、今御指摘の金額は、ある種の仮定に基づいて概算すればそういう金になるということでございまして、本件を実行する場合、実体がきまらなければ金額が出てこないわけでございます。今鋭意検討中でございますので、その実体がきまらないと所要金額が出てこないと考えております。
○横路分科員 官房長官、大体十三億内外ということで考えておいていいわけですね。やってみたところが、それが一億になったとか三億になったとかいうものではなくて、たとえば十二億七千万になるとかあるいは十三億三千万になるとかというような、そういうところで移動があるのであって、その十三億の前後というところで考えているのであって、それから大幅に減るとかなんとかということはないのでございましょう。その点火体のところはどうなんですか。
○大平政府委員 今申し上げましたように、実体やその方法がきまらないと何とも責任を持って申し上げるわけに参りません。
○横路分科員 官房長官、せっかくここまで答弁したのに、私が今十三億——何も十三億円かちっとという話をしているのではなくて、もちろん数字は幾分かは動くでしょうが、十三億円前後と考えていいのですか、こう聞いている。そうでなくて、この問題は、一億なのか、二億なのか、三億なのか、五億なのか、十億なのか、全然わからないで、今官房長官から御答弁をいただくというのは、ちょっとおかしいですから、十三億円前後という考え方でいいのかどうか、その程度のことはお答えできるのでしょう。
○大平政府委員 政府の措置で、しかも、やるとなりますれば特別の立法でやるということでございますので、この措置を権威あらしめるためには、私どもが今金額を予定してうまくやってみようというような工合にはいかぬと思います。やはり下から積み上げて方式をきめまして、それから反射的に金額が出てくるというように御了解いただきたいと思います。
○横路分科員 せっかくお答えになりながら、金額についてはっきりしないということになると、この前私が申し上げたように、大蔵大臣御承知のように、予算折衝の中で、一番最初、者に対する見舞金として二億円組んだわけですね。大体一人前五万円の四千世帯ということで組んだ。現に予算に一ぺんあなたの方で組んでみた。それを落として、そして交付公債でやる、特別立法でやるのだということで、その大体の金額は十三億円ということなんで、官房長官がお答えにくかったら、一つ大蔵大臣から——われわれも、予算折衝の過程で、十分あの問題は承知をしていたわけですから、その点は大体のところどの程度になるかということは、金の勘定ですから、一つ大蔵大臣の方から答弁していただきたい。
○水田国務大臣 予算折衝のときはそういう金額は出ておりません。もし見舞金という従来の例にならった方式でこの補償をするというのでしたら、例は、ちょうど同じような例で小笠原の問題がございましたので、それにならってやるのがよろしいのじゃないかということで、計算した金額はございましたが、なかなかその方式に議論がございまして、いろいろ考えるということになって、一応ことしの予算に補償の金額は計上しませんでしたが、今後どういう形式で、どういうふうな形でこの補償をするかということは、今検討中でございまして、大蔵省で計算した数字はございません。
○横路分科員 そうすると、大蔵大臣、当初は五万円の四千世帯の二億円ということで組んだわけですね。これはわれわれも承知しているのだし、今大蔵大臣からも答弁があった。これはいろいろ関係団体との間のいきさつもあったでしょうが、官房長官からの今のお話によりますと、引揚者に対する見舞金ということになると、いろいろ他の問題との関係がある、こういうお話だったのですが、大蔵大臣はどうなんですか。これは五万円の四千世帯の二億でいけるじゃないか、そういうことで予算を組んだわけだが、それが落ちたのは、漁業権の補償の問題等もあったのでしょうが、官房長官のお話ですと、引揚者に対する見舞金というのが他の方に波及するのではないか、いろいろな問題があるので、この際、漁業権の補償という考え方でいった方がいいのじゃないか、こういうことになったように聞くのですが、その点はどうなんですか。
○水田国務大臣 私の知っている限りでは、必ずしもそうではございません。他に波及するということが問題になったのではございませんで、その方式についていろいろ意見があって、一応最初私どもの考えた案は見合わせてあるということでございます。
○横路分科員 そうすると、大蔵大臣、今のお話ですと、これからの政府部内の意見としては、これからまとめていくでしょうが、漁業権の補償あわせて引揚者に対する見舞金と、こう二本建できても、その点はいいわけですね。私は、また、その引揚者に対する見舞金というものが、一般的な他の引揚者にも相当波及するところが多いという点を考慮されたのかと思ったら、全然そういうことはないというのだから、それならば、一般的な漁業権の補償とあわせて見舞金、こういうことで二つ出てもいいわけですね。
○水田国務大臣 それは幾つ出てもかまいませんが、今後たとえば漁業権の補償という形でやろうとしますと、まだ法律的にいろいろ検討しなければならぬ問題も、御承知だと思いますが、出ておりますし、どういう形式で、実質的にはどういう補償をするかというようなことを、今検討しているときでございますので、まだきまっておりません。
○横路分科員 官房長官、どうもその点について、お忙しくて大蔵大臣と十分お打ち合わせもなかったのかもしれませんが、これは今国会に出るんでしょうね。政府としては、特別立法として今国会中には提案するわけですね。その点どうなんですか。
○大平政府委員 今鋭意検討を急いでおりまして、今国会中に出したいというつもりで準備中です。
○横路分科員 大蔵大臣、今国会中に法律が出れば、これは時間は、交付公債ですから、おくれていつというように出てくるわけですが、その場合に、利子はわずかですね。かりに十三億として、あれは六分、五厘でいくのですか、何ぼでいくのですか、六分五厘としても、年間まるまる見て八千万ちょっとですね。これは先ほどのお話で、利子は組んでない、事実組んでないわけです。私も、大蔵省側に資料の要求をしましたが、組んでないわけです。しかし、これはいずれ、大蔵大臣、補正予算を組まなければならないのですね。医療単価の問題だって、与党の方で一生懸命やっているんだし、どうせ組まなければならぬのですから、これは大蔵大臣の考えとしては、補正予算を組んでその中でやるのか、それとも、今まで組んでいる特別会計その他の中の操作でできるというようにお考えになっておるのか、その点はどうですか。
○水田国務大臣 政府案がきまるときは、その予算的措置をどうするかという問題も、同時にきめなければなりませんが、そのときに考慮いたします。
○横路分科員 官房長官、金額のことは何でもないようですけれども、やはりこの問題は大きなわけです。漁業権、これはいろいろあります。専用漁業権であるとか、定置の漁業権とか、特別漁業権とか、いろいろあって、その補償ということになれば、関係団体の意向としては、十二億七千万円ということにもなる。ところが、戦後十五年間、実際に仕事ができなかった、こういうので漁業権の賃貸料というものでいけば、大体十三億八千万くらいになるのではないか、こういういろいろな考えもあるが、どちらをとっても大体十三億前後であるわけです。ですから、私は、その点だけ、金額については、いや幾らになるかわかりませんではなしに——五十億になるのですか、百億になるのですかとは聞いていない。十三億前後ですかということをお聞きしているわけですから、その点幾らになるかわかりませんということでは、せっかくまる二日官房長官にお骨折りをいただいた御答弁にはならないと思うので、その点は、やはり政治的な配慮の上に立って御答弁を願いたい、こう思うわけです。官、房長官はそれだけの実力があるのですから、どうぞ一つ……。
○大平政府委員 金額は、一つの実体がきまってから出てくるものでございます。その金額が問題なんで、問題であるだけに、その金額に権威を持たせるためには、やはりちゃんとした実体が備わって、反射的に出てくる金額でなければ、責任を持って申し上げられないわけでございまして、そういう措置を今検討中でございますのに、金額を先に幾らというようなことは、不謹慎だと思っております。
○横路分科員 もう少し官房長官は柔軟性のある態度で御答弁になられるのかと期待をしておったわけですが、はきのうもここで、北海道の予算の中で、補償が五億かかるのに一億しか組んでない、しかも、それがことし中に解決するものが、三年度にわたって予算を計上するというので、だいぶ問題になった。これは開発庁としては補償を全面的にやりたいが、なかなか大蔵省がうんと言わぬというところに支障があるように、われわれも聞いたわけですが、この問題は、私はこれだけ聞いて、実はあと関連して永井分科員の方からお尋ねをする予定になっているわけですが、この金額のことだけは大体のところをお話しにならないと、私ども一昨日あなたにお尋ねをして、政府部内の意見をまとめてもらいたいということで、今あなたがここで御回答なさるのに、一体幾らになるか、全然見当がつかない、下から積み上げてくる数字によってはずいぶん動くのだ、こういうことになれば、せっかく主査から、この質問は簡単にやってくれということだから、簡単にしたいと思っておるのですが、金額の点が大体のところ十三億円前後であるとかどうかということでなければ、前当、億円を組んで落とした経緯があるのですから、だからその点は、やはり官房長官から、ここで、大体この程度のことはいたします、そういう見当で進めていこうという御答弁でなければ、この問題は、いつまでたったってここで私は重ねて何べんもお聞きいたしますよ。だから、せめてその程度のことはここで御答弁をいただかなければ、これでは何でせっかく官房長官から御答弁をいただいたのか、また、われわれも質問しているのか、わけがわからないですよ。せっかく主査が簡単におやり下さいというから、私も簡単にしたいと思って、今お尋ねをしているのですが、これでは簡単にいかないから、だんだん詳しく聞かなければならないということになるわけです。この金額のことを、官房長官、少しあっさりとお答えなさい。そう大蔵大臣に遠慮なさらずにおっしゃったらいい。なんだったら少し待ってもいいですよ、お急ぎにならぬでも。
○大平政府委員 それは、先ほどるる私が御説明申し上げた通りです。もし逆に、私が、このくらいの金額を目安に補償するつもりでございますなんてお答えしたら、私は横路委員からしかられると思います。お前は、まだ、実体もきまらないのに金額を出すなんということは軽率だということで、おしかりを受けるに違いないと思います。ただ、申し上げられますことは、見舞金方式で二億円という案が、ある段階におきまして政府の一部にあったことは事実でございまして、それをそれではいけないということで、その案が結実しなかった経緯は、御案内の通りでございまして、従って、それよりもよけい考えろというお含みだと承知いたしております。
○横路分科員 もうやめますが、しかし、官房長官並びに大蔵大臣、これはもう少しあっさり答弁してもらわないと、総括質問で重ねてこの問題をお尋ねしますよ。これは、官房長官が政府部内のいろいろな意見があるのをまとめてそうして答弁される苦労は、われわれも承知いたしておりますから、私はこの程度にお聞きをしているのですよ。そうでなければ、この問題については、もっと別の角度からお尋ねをいたしいことはたくさんある。しかし、この問題は、多年向こうから引き揚げて苦労している諸君のこともあるのだから、できれば大体の概算の金額のところがわかれば、われわれとしても、それでこの点については終わりたいと思っておりますが、今のように、二億円という金は、なるほど予算編成の過程で出てきました。その後は——苦労していることはわかります、検討していることは。しかし、その検討も、どうしてもお二人がお答えができないのであれば、総括質問で総理大臣に答弁してもらいますよ。総理大臣は約束しているのだから、十三億円と……。そうでしょう、約束しているんですよ。だから、十三億円に基づいて——その約束は、何も団体に約束したばかりではないのです。予算折衝の過程の中仙で、みんな約束しているのですよ。大蔵大臣は初めてかもしれませんが、去る二月の十一日に、北海道議会の水産常任委員会で、この十三億円をもとにして、どういう配分をするかということについてまで、関係当局は答弁しているのです。ですから、この点については、私は、何も総括質問までわざわざこの問題を持ち出して、総理大臣に答弁を——限られた時間の中で多くの時間をとろうとは思っていないわけです。ですから、できればきょうは一つあらかたの数字について、大体これぐらいのことにはなるであろう、しかし、詳細については、まだ下から積み上げがわからないので、動くであろう、それぐらいのことはここで御答弁いただかなければ、全然わかりません、こういうことで、この問題は、そうですか、それじゃ官房長官の答弁はそれで私了承しましたというわけにいかぬですよ。大蔵大臣、そうでないですか。あなたの方で十二億円と約束したことは、総理大臣以下みな約束しておるじゃありませんか。ですから、私も数字は動くだろうと思うのです。しかし、動く動き方が、十三億円という中である程度動くということと、全然幾らなのか見当がつかないということでは、話が違いますよ。大蔵大臣、どうですか。私は、何も、総括質問で、またこの問題で総理大臣に、あなたはやったじゃないかということでやるよりは、分科会でこのことについてある程度の目安がきまるならば、御答弁していただければ、私もそう触れたくない。大蔵大臣、どうなんですか。全然検討も何もしていないのですか、十三億円という数字も全然あなたは知らぬというのですか。この程度になるだろうというくらいお答えをいただかなければ、これは終わりませんよ。
○水田国務大臣 かりにこれが見舞金というような形式のものでございましたら、総理府と私の方は直接協議するということになろうかと思います。しかし、いろいろの方式が考えられますので、たとえば漁業権とからんだ適当な補償方式を見つけようとしますと、これは従来の日本の漁業権補償の問題もありまして、それとの均衡とか、いろいろな問題が出ますので、これは一応農林省が総理府の相談相手となって検討する事項になろうかと思います。そういうことで、今総理府において、いろいろの方式について、関係者と検討しているという次第でございますので、まだ私の方へは、こういう方式でこうういふうにいったらどうだろうという相談ができておりません。従って、私の方では、これが幾らになるかというようなところまでは、まだこの問題に携っていないということでございますので、御了承いただきたい。
○横路分科員 それでは、なるほどこれは官房長官ですね。今大蔵大臣の方は、金がきまってから、こういう金がきまったので、一つこれを予算十組んでくれ、特別立法で交付公債でやるか、利子はどうなるかというのが、今のあなたの答弁で聞いたわけです。官、どうですか、これは政治的に——大体これは政治的な問題ですね。事務的問題ではないわけですね。事務的な問題だということになれば、いろいろな角度からいろいろな問題が出るわけです。政治的な配慮に基づいてやるわけですから、官房長官、どうなんですか、大蔵大臣に遠慮されないで、こういうときは、一つ官房長官として政府部内をまとめる立場において、大体この程度のことでまとめるようなことになるであろうというぐらいのことは、 一つ御答弁いただかなければならぬと思います。
○大平政府委員 政治的な問題でございまして、また、今までこの問題をめぐる事実上の問題がいろいろあったわけでございます。従いまして、横路委員からそういう御質問が出るのも無理ないと私は思うのです。ただ、そういう事実上の経過も十分頭におきまして、それを具体的な法制上の措置、財政上の措置に翻訳していくには、今まだその過程にあるわけでございます。従いまして、今御指摘のような事実の経過を十分頭に置きまして、政府部内の検討に努めて参りたい、こう考えております。
○横路分科員 これでやめますが、官房長官、大蔵大臣、きょうのお昼の予算の理事会で、大体、今の見通しでは、明日の午後には予算委員会の全体会議が再開されるようになるのではないか、そうすれば、あさって私から三十六年度予算全般について総括的なお尋ねをしたいと思うのです。そのときには、今から申し上げておきますが、重ねてこの問題は私の方から総理大臣にお尋ねをしたいと思う。これは何も私だけが承知しているだけではなしに、みんなが承知をしておるわけです。いろいろな折衝の過程の中で、与党の議員の諸君も入り、道の関係団体の諸君にも集まってもらって、十三億円という話が大体きまっているわけです。今大蔵大臣は、水産庁その他の方から予算が上がり、内閣審議室の方でまとめて特別立法ということになれば、予算上の措置をするというお話でありまましたから、これは一つ総理大臣に大蔵大臣からもお話をしていただきたいし、官房長官からもお話をしていただきたい。もともと、これは事務的な問題ではないわけです。事務的だということにななると、いろいろな角度から問題があるわけで、政治的配慮の上に立っておやりになったことです。来たる総括質問において私から重ねてお尋ねをいたしますから、そのときには総理大臣から大よその金融についてはお話をしていただけるように、ぜひ大蔵大臣並びに官房長官から総理大臣によくお話をしておいていただきい、こう思うのです。またそのとき総理大臣から今のような御答弁だけですと、この問題は相当もめますし、それがいろいろな角度から検討するということになりますと、問題も非常に広がっていくでありましょう。そういう意味で、まだ日にちもあることですから、この間から幾分か前進したようでもありますが、なお一つきょう、あすというように努力をして、総理大臣から相当正確な金額について御答弁いただけるように特に私から要望しておきたいと思う。よろしゅうございますね。
○永井分科員 私は、千島の引揚者に対する補償の問題については賛成であります。法的にあるいは予算的にはなはだしく抵触しない限り、できる、だけの便宜と融通のある運用の中においてこれを認めていきたい、こういうふうに考えておる者の一人であります。従って、これが適正に、公正に実施されるものであるならば、これも賛成であります。最初は、一人当たり五万円ということで二億を予算化しようとしておった。それがいつの間にか、三億プラス・アルファということで、もっと予算を拡大しなければいけないということで、今の漁業補償という形に変わってきたようであります。先ほど来横路委員の質問に対して、金額その他は御説明なかったわけであります。そこで私は、在島時の人たちの生活を幾らか見てあげようというような補償的な性格でなしに、漁業者だけを対象としたものになるのかどうか、政府の考えておる一つの構想を承りたいと思います。
○大平政府委員 御案内のように、外地から引き揚げた方々に対する給付金法案は、国会を通過いたしまして、先年実施されたわけであります。引揚者に対する措置は、政府の方におきましても、審議会を作りまして慎重審議いたしまして、あのような給付金を差し上げるということで一応の終末を見たわけでございます。従いまして、今後、政府は、一応一般引揚者という資格におきましては、あの措置でもって結末がついたと見ておるわけでございまして、新しく、積み上げるということになりますと、また新しい問題になることと思います。今御指摘の、北方地域における川漁民についての問題になってきたわけでございますが、この問題は、ただいま横路、委員にお答え申し上げましたように、旧漁業権の補償というものに準ずるような措置、そういう方向で解決の目安を見つけ出していきたいというような姿勢でおるわけでありますから、一般引揚者の問題としてではなく、旧漁業権にかかる問題として取り上げていく、このようにお考え願いたいと思います。
○永井分科員 在島時の居住者に対する補償というものは済んでおりません。さらにこれはお考えを願わなければならないのでありますが、漁業者だけを対象としてこれを運用するということになりますと、私の手元にありますものによると、在島時の漁業経営者は当時の住民の六三・三%、海藻を取っていた者が九・一%でありますから、七三%内外、あとの者はこの対象から削られる。それならば、それらの人々が引き揚げてきて現在どのような状態にあるかと言えば、現在、漁業をしておる者が一八・一%、海藻を取っておる者が三%、そうすると、二〇%内外の人よりこの恩恵に浴しない、こういうことになります。また、地域的にこの予算がどういうふうに運用されるかということでありますが、今、官房長官は、予算その他わからないと言っているのですが、そういうことはないと思う。正確な何円何十銭まではわからなくても、大体の大まかなところはわかっているから、現地にいろいろな調査や何かをやっておるのだろうと思う。ただ、こういう場合はこのくらいになる、こういう場合はこのくらいになる、こういうようないろいろな査定はあるでありましょうけれども、そういうことは大体筋は通して、現地でこれが行なわれておるのだと思うのです。それは、自民党の北海道支部が、もうこういうふうにきまったのだということでやっておりますし、北海道庁におきましても、大体の素案を持って、この公の道議会等においてこれは論議されておるわけであります。でありますから、こういうような運用の状況から見ますと、これは地域的に制限を受けるわけです。この受益者というものが地域的に制限を受ける。その居住の関係がどうなっているかと言えば、根室市に二五・五%、根室市庁管内に一一%、釧路市庁管内に一五・一%、これだけのものが、大体政府の考えておる、これから共同でいろいろ施設をしてやろうというものの利用者で、受益者になる。そのほかのものは、大部分もう受益者にはなり得ない。あとは道内に散らばり、あるいは内地にある。こういう地域的に利用できない条件の人たちが非常に多いわけです。そういたしますと、漁民以外の者は削ってしまう。それから、漁民のうちでも、現在漁業をしている者はその恩恵に浴するが、していない者は七〇%から受けられない。それから地域的にいうならば、七〇%くらいの者がその受益者にならない、こういうへんぱな形が出てくるわけです。こういうことを十分お考えになっていろいろな構想をお出しになっておるのか、基礎調査をお進めになっておるのか、この点を承りたい。
○大平政府委員 実態は、今永井委員が報告された通りだと思います。だから、漁民以外の補償に準ずる措置の対象にせよという問題になりますと、これは引き揚者一般の問題になるわけでございまして、大へんむずかしい問題に転化してくると思うのでございます。元北方漁民の方々の窮状をそのまま放置するわけにはいかないということで、政治問題化いたしまして、いろいろな事実の過程がありましたことは、御案内の通りだと思うのでございます。これに対して、政府としては、一体それではこれに接近する手順があるかということをいろいろ考えてみると、さだかではないけれども、旧漁業権補償という方向で考えられないだろうかということで、今検討中でございます。漁業民以外の方々も補償の対象にせよということになりますと、問題は振り出しに戻りまして、引揚者一般の二百数十万の問題に転化してくるわけでございますから、私どもとしては、直ちにこれに対してどうというお答えを出すことはできないと思うのでございます。従いまして、今こういう問題に接近し得る唯一の通路は、旧漁業権補償に準ずるような措置しかないじゃないかということで、せっかく苦労いたしておるわけでございます。
○永井分科員 時間がありませんから、いろいろお尋ねしたいことはありますが、省略いたします。あとはまた個々に折衝したいと思います。 長官は、実態は予算の数字も何もまだ固まらない、こう言っておるのであります。それならば、一つの考え方として伺いますが、現地でいろいろ言われておることは、生業資金としての貸付、これを行なう金は個々にばらばらにしない、そうしてできるだけ固めて共同的な使い方をするという一つの考え方のようでありますが、これはどうなのか、そういう考え方に立っておるのかどうか、これが一つ。それから、生業資金の貸付として、一件二十五万円で六百件、生活資金として、住宅、奨学、厚生、これは一千件と予定して、マーケットを建設するとか、漁船の建造資金を出すとか、こういういろいろな計画があるようであります。これはどうなのか。それから水産物の総合加工工場、これを四億ぐらいで建設する、こういうことで、現地でいろいろ工作や動きをやっておるわけであります。それから、海産乾場の造成、ノリの増殖施設、貸しビルの建設、これは二億前後、土地造成で一億四千九百万円、北方海域問題の調査経費につきましては三百万円、こういうものを公社として経営していくのだ、こういういろいろなことがあるわけですが、大体こういう予算の配分なり、こういうこまかな事柄が、何も中央の予算の関係と無関係に、しかも、自民党の支部というような、そういう責任のある公党が、現地でそういう動きをするわけはないと思う。ある程度一つの考え方でこの使い方の方向というものが出て、そうして、それならば、これくらいでこういうふうにということで動いておると思うのです。こういう現地の動きは、全く荒唐無稽なものかどうか、荒唐無稽であるならば、われわれはまた現地に対してやらなければならぬ、荒唐無稽でないというならば、現在、官房長官のところなり大臣のところで固まった一つの考え方というものの輪郭ぐらいは、自民党には言えるが、社会党には言えない、また、党の関係ではなくて、国会でありますから、ここである程度言えないというわけはないと思う。その関係を一つお示し願いたい。
○大平政府委員 今私どもが検討いたしておりますのは、旧漁業権の補償に準ずる措置の方向でどういう姿の補償措置を考えるべきかということを検討いたしておりまして、その検討の中には、当然、補償に準ずる措置を受ける対象が何かということも検討の題目になっておるわけであります。しからば、かりにこういう補償に準ずる措置がとられまして、ある種の金額が補償対象に渡されたということに相なりますと、それから先その人たちがどのような方法においてこの金を費消していくかということにつきましては、その人たちの判断の問題になると思うのであります。政府あるいは道庁等がこれに対してどうやるかは、行政指導の問題でございまして、今私どもは、補償に準ずる方法をどういう方法によるか、対象はどういう対象にするかということが検討の中心題目となっておるわけであります。
○永井分科員 官房長官に伺いますが、現地では、この各項目についての予算がずっと入っておるわけです。ノリの増殖には七千八百万円とか、ずっと小さく入っておる。自民党の支部及び道庁が現地でこういうことをやっておることは、全く荒唐無稽なことだ、中央では数字も何も出していないんだ、考えも何もしていないものを、現地は現地で勝手に荒唐無稽なことをしておるんだ、こういうことなのか、どうですか。それは荒唐無稽なら荒唐無稽のように、一つこのマイクを通して官房長官からはっきりしてもらいたい。荒唐無稽でないというならば、あなたのところで、金額の大きな総ワクぐらいの考え方は、若干の動きはありましても、まとまっておるのじゃないかと思うのです。どっちですか。荒唐無稽なら荒唐無稽とおっしゃっていただきます。
○大平政府委員 先ほど横路委員にもお答え申し上げました通り、この問題をめぐりましていろいろ事実上の過程がありましたことは、御案内の通りでございます。そういう過程も頭に置きまして、今補償に準ずる措置を検討いたしておるわけでございます。はっきりこれこれの金額というまでの段階にまだ至っていないということは、御了承願いたいと思うのでございます。 第二の問題として、現地でいろいろな動きがある、これは荒唐無稽かどうかということでございますが、ある種の想定に基づきまして、行政指導の問題としていろいろな考案がなされて参っておることは私どもも承知いたしておりますし、そういうことは荒唐無稽だとは思っておりません。私どもは今鋭意、その前提になっております補償に準ずる措置をどういうふうにするかということに総力をしぼって努力中でございます。
○永井分科員 影の動くところ実体あり、だから、現地でこういうふうな動きがあることは、それは荒唐無稽でないんだということが、長官のお話によって大体わかりました。そういたしますと、そういう影においては、これを積算いたしますと十三億八千万とかなんとか、いろいろありますが、大体そういうところの数字だ、こういうことがはっきりしてきたと思います。言わなくたって、荒唐無稽でないというからには、こういう実態がある、こういうことははっきりいたしたわけであります。その限りにおいて、私はこの問題は了承いたします。ただ、この問題の運営にあたりましては、いろいろなものが、おれも千島に関係があった、千島に関係があったというので、ほんとうに実態は、在島住民の一つの史上対策として出されたものが、いろいろな運動によって、違った形で運用される心配が非常に現地では出てきております。ことに、そういう関係が、与党の息のかかった関係において非常に大きな動きが出てきております。こういうことは、官房、長官、大蔵大慶は公正に措置されることを確信いたしますから、困っている島民を食いものにしてうまい汁を吸うというような結果にならないように、また、これが新たな実行上の一つの大きな戒めとしておいていただきたいと思います。もう一つは、こういう予算が出されても、三〇%以上は対象外に切り捨てられているのですから、そういうことは、ただ一つの考え方をする場合に、どこに線を引くかということでこれは区分されることであって、それはもう少し運用の上において——最初は全品に二億というようなことが土台であったのですから、そういう関係を無視することのないように善処していただきたい。この二つの注文をつける次第であります。 そこで、引き続いて簡単に大蔵大臣にお尋ねしたいのですが、国家公務員関係で恩給が共済組合に切りかわった。そこで、本年度の予算を見ますと、政府の繰り入れが十四億八千万円、こうなっておりますね。これは政府の当然負担すべきものの全額をここに計上してあるのか、あるいは負担すべきものを奔走して少額にこれを計上したのか、この点を伺いたいと思います。
○谷村政府委員 こまかい問題になりますので、お許しを得ましてお答えをいたします。 負担すべきものという意味にもよるかと思うのでざいますが、いわゆる国家公務員共済組合の法律に従いまして、われわれが納付金、を出しております。それに対応して政府の方が出す、そういうものの全部がそこに本年度分としてあげられておるわけではございません。その一郎に相当するものがあげられていると言ってよろしいと思います。
○永井分科員 では、全領に相当する金額はどのくらいですか。
○谷村政府委員 ただいま突然に御質問がありまして、ちょっと記憶いたしておりません。
○永井分科員 三十五年度におきまししても政府は十億を計上しております。われわれの計算によると二十五億計上しなければならぬものを、十億、本年は四十億以上計上しなければならぬものが、十四億八千万円で、非常に少額計上なんですね。これは財源がないからこうなったのか、これは少なくしていっても、こういう形でだんだんこまかしていこう一ごまかすというのは少し悪いのですが、そういったお考えがあるのか、これを伺いたいと思います。
○谷村政府委員 双方で負担いたしまして、掛金と国庫の方と両方合わせて、全体としてのいわば給付の原資として積、み立てておるわけですが、現実の給付に必要な金額というものは、これはそれほど差し迫った金を必要としないわけです。だんだん積み立てていくわけであります。どの程度にこれを入れていけばよろしいかということは、ただいま御指摘がありましたように、そのときどきの財政上の状況ともにらみ合わせて適当に入れていくというやり方をとっておるわけであります。なお、こういった問題につきましては、諸外国等においてもいろいろと例があるようでございますが、国家が必要な資源を常に予想して当初から入れていくか、それとも、負担することは約束しておりましても、そのときどきの財政事情全体として出していくか、いろいろなやり方があるようでございますが、私どもは、ただいま、そのときどきの財政事情を見ながら入れていく、こういうやり方をいたしておるわけであります。
○永井分科員 それは政府の一方的な考えで、当然負担すべきものを計上しないでほったらかしておる、こういうことは、共済組合運営の全体の上から経済的に非常に違ってくるわけです。 そこで伺いますが、昭和三十四年十月一日に恩給法がなくなって共済組合になった、そのときに政府が積み立ててあったもの、当然恩給法によって共済組合に引き継がなければならない金額が二千億からあるだろうと思うのです。その二千億の原資とその利子部分、こういうものは、当然新しくできた共済組合に引き継がなければならない性質のものだと思うのですが、これはいつどのような方法でお引き継ぎになりますか、あるいは引き継ぐ必要がないとお考えになっておるのか、この関係を一つ解明していただきたいと思います。
○谷村政府委員 従来の恩給法でございますと、特に積立金というふうな考え方がなかったわけでございますが、それが共済組合にわたりまして、いわば一種の保険組織のような形において積立金というものをある程度持って、そうして長期の給付をやっていくという形になりますと、計算上はそういう整理資源を入れるという考え方もできるわけかと思います。しかし、計算上整理資源というものをどの程度に入れていくかということは、そのときどきの財政の状況を見て漸次入れていくという考え方をしておるわけでございます。
○永井分科員 政府の当然負担すべき恩給部分としては百分の二、これが国庫納付金にしなければならないということは間違いございませんね。いかがですね。
○谷村政府委員 ちょっと質問の趣旨がよくわかりかねたのですが、それは恩給時代の話でございますか。
○永井分科員 恩給時代です。
○谷村政府委員 恩給時代に政府がどのくらい国庫納付と申しますか、私どもが国庫納付金をいたしますほかに、政府がどのくらいの金を恩給として払うかは、そのときどきに必要な恩給支払のための予算として計上しておったと私は思っております。
○永井分科員 百分の二、これが画廊納付金として差し引かれる、そのうちさらに国庫負担分がある、それを積み立てていけば、その部分の金利がある、こういうものが原資としては共済組合に引き継がなければならない性質のものではないでしょうか。
○谷村政府委員 先ほど申し上げました通り、恩給法時代にはさような考え方はとっておらないわけでございます。共済組合になって参りました場合には、理論上必要な計算をいたしまして、このくらいの全体としての支払い資源が積み立てられてあるべきだということは出て参りますが、現実の給付に必要な金額というものはそこまでは参らない、年々積み立てていくという形になるわけでありますから、さような現実の扱いはいたしていないわけであります。
○永井分科員 そうすると、みんなから差し引いてとる、しかし、国が当然負担しなければならぬ分は必要なだけ出してやろう、おれの方は出さなくてもいいんだ、こういうお考えですか。
○谷村政府委員 その問題は、たとえば金利の問題等にもからんでくるかと思いますが、そういう相当部分は、これはもちろん見る必要があると思いますし、さらに加えて、ある程度プラスになる部分も入れていく、それが十億がいいか十五億がいいか、さらに、それが来年になりましたら二十億、三十億というふうにできるかという問題はございますが、全体として、政府は、常にそういった制度の上においては、いつでも必要な給付に対してのお金は出すのだという義務を持っておるわけでございますので、その義務は、現実の予算の支出とはなりませんでも、全体として国の義務として持っているわけだと思っております。何様の問題は、いろいろ各国の例なとも調べて——実は正直に申しますと、あまり詳しくないのでございますが、アメリカあたりでも、そういった整理資源をどのくらい繰り入れるべきか、政府は怠慢じゃないか、いや政府はりっぱに債務として心得ておって、いつでも必要なときには出すということを言っていればいいじゃないかといったような議論があったように聞いておりますが、正直申しまして、私あまりその辺は詳しくございませんので、失礼いたします。
○永井分科員 詳しくない人に聞いてもこれは困るんですが、これは、政府が当然負担すべきものは負担し、みんなから、取るべきものは取ってそこへ積み立てて、積み立てればそこに金利が出てくるのですから、金利が出て参りますと、それだけみんなの負担部分が軽減されていくと思う。その軽減されるべき原資を積まないでおいて、こういうふうにやって、それでみんなからたくさん一取るというやり方は、私は妥当ではないと思うのです。それを大臣、一つよく考えておいて下さい。本年度だって四十億積まなければならぬところを、十四億五千万より積まない。その負担は、みんなこの加入組合員にかかってきておる。そこで、その点は、恩給の方から引き継ぐべきものは引き継いでもらう、それから、その積立金の利子部分も一緒に積み立ててもらう、毎年計上すべき負担部分のものは毎年計上する、こういうことを一つ励行すべきである、こう思うのです。それから、費用の負担区分でありますが、これは労組の専従者、それから共済組合の職員、こういったものは、当然国庫で負担しなければならぬものじゃないでしょうか。
○谷村政府委員 最初の点でございますが、現在の長期給付のための掛金として、千分の四十四という数字を計算いたします際の問題といたしましては、これはただいまの整理原資をどのくらい入れておくかという問題とは別だと私どもは考えております。それは別途保険計算等をいたしまして、考えて出して参りました数字でございまして、お話のような整理資源を入れるかどうかということは、十分な、いわば金利相当部分がかせげているかどうかという点にからんでくると思います、一文も政府が出しませんと、御指摘のような問題が起こると思いますが、少なくとも金利相当部分以上のものを出しておりますので、その点では、私どもは、保険掛金の問題には直接は響いて参らないと考えております。それから、恩給時代のものもそっくり持っていけというお話でございますが、それも同じような意味に即解いたしております。 それから、第二の点ございますが、第二の点は点は……。
○永井分科員 第二の点は、労組の専従者、共済組合の職員の費用……。
○谷村政府委員 これは共済組合法の改正をただいま考えておりまして、近く成案を得る段階にまで至っておりますが、なお二、三の点について、そういう問題も含めまして、ただいま関係の向きと、せっかく議論しておりますので、もう少しお待ちいただきたいと思います。
○永井分科員 どういう方向においてその改正案が考えられておりますか。
○谷村政府委員 ただいま御指摘になりましたような点につきましても、確かに一つの問題点にいたしております。ちょっと方向を申し上げることはお許しいただきたいと思います。
○永井分科員 それでは、私の質問の方向において了解されたと思うから、その方向にするのが当然だと思うので、一つそういうふうにやっていただきたい。それから、前歴の通算についてです。これは公団等の各種前歴も通算すべきではないかと思うのですが、これはどうでしょう。
○谷村政府委員 ただいまの点は、二つ問題があるように存じます。一つは、恩給等においてもいろいろ議論されております。たとえば医療公団とか、そういった古い前歴で、公務員でなかった方が公務員になられた場合の問題というふうなのがあると思います。それからもう一つは、たとえば現在公務員であられる方が、官の都合でかりに公庫等に出向され、そうして、また戻ってきたときの扱いをどうするか、それを通産するかどうかというふうな問題であるかと思います。この二点を含めまして、やはり恩給法等のそういった問題ともにらみ合わせまして、そういう前歴の通算関係のことにつきましてはただいませっかく検討中のところでございますが、おおむねいろいろ問題になっております点は、われわれといたしましては、あまり波及度がひどくない程度において、ある程度考えていきたいというふうに今進めているところでございます。
○永井分科員 共済組合の問題については、これは国鉄、三公社等がすでに実行して実績を発揮しているわけですが、それによると、修正、賦課方式、利子部分を中心に不足分を繰り入れておるわけです。この部分は、当然国家公務員関係においてもその方式に従うべきだと思うのですが、これはどうでしょう。一つ事務当局からお話を承るとともに、先ほど来大臣お聞きのように、みんなから当然取るべきものを取って、当然国が負担すべきものを出していない。当然出すべきものを積まないで、わずかより出していない。そうして、組合運営の経費は、みんな加入の組合員に負担をかけている。こういう一方的なやり方は、これは私は妥当じゃない。金額はそう大きくないのですが、ないとしても、公正な負担という面において私は妥当でないと思いますので、この点だけ、大胆おわかりでなければ御研究いただいて——前歴の問題も、本年の三月までの期限で調査しているのでしょう。そういう調査も今しておるところでありましょうし、今後の運営についても、この大きな財政を持っていて、けちくさいことをしないで、国の方はもう少し負担すべきものは負担し、できるだけ正当な範囲において、みんなの軽減になることは軽減してやる、こういう方途をとっていただきたいと思います。前の問題については、国鉄、三公社の修正賦課方式、それから利子部分、こういうものを中心にした繰り入れ、これについてお伺いしたいと思うのです。先ほど来答弁は一部あったのですが、最後に締めくくりとして、そういうものと、今後法律を改正し、あるいは前歴等を調査中でありますから、大蔵大臣としてのこれに対する所見を伺っておきたいと思います。
○水田国務大臣 恩給制度が共済新制度に変わったのでございますから、これは一つの保険制度となった以上は、この線に沿ったやり方をしたいと思います。それで、あとの問題も十分検討いたします。
○谷村政府委員 いろいろ御意見を承ったのでございますが、ただいま大臣おっしゃいました通り、もちろん、私どもといたしましては、制度の精神を没却するような思いやり方をすることはよろしくないわけでございまして、いろいろの御意見がございます。それからまた、掛金等につきましても、再検討する機会というものがもちろん今後にもあるわけでございます。各方面の御意見は十分伺いまして、なお、われわれといたしましても、ただいま発足いたしました協同組合の姿がりっぱにいくように、よく御趣旨に沿って研究もいたしたいと思います。
○永井分科員 あなたも含めて当事者でありますし、国会はそうけちけちしませんから、思い切って予算を出していただくように希望いたしまして、質問を終わります。
○相川主査 滝井義高君。
○滝井分科員 午前中に引き続いて政府の見解をただします。財政投融資の中における国民年金、厚生年金の還元融資の貸付対象の問題でございますが、まず厚生省にお尋ねいたします。 厚生年金課長さんにお尋ねするわけでございますが、今回の厚生年金の還元融資をするにあたって、大蔵当局の答弁によれば、主としてこれらの資金は地方公共団体並びに事業主にいく、そういうことであったわけです。しかし、これらの資金は、事業主がその保険料の半分を持ち、労働者が半分を持っておるのであるから、従って、当然労働者にも権利がある。なお、積立金になったからには、もうその金は事業主の容喙すべき金ではない、この帰属は、あげて労働者の老後を保障する金となっておるものである、こういう見地に立つと、ますますこの還元融質を使用するにあたっては、当然労働者の団体についてもこれが貸し付けられなければならない。その場合に、この還元融質を受託する機関として、労働金庫というものを入れるか入れないかという問題でございます。すでに国民年金の積立金を運用するにあたって、年金福祉事業団というものをお作りになる、その場合に、国民年金の課長さんの方は、その資金は農協を通じて農民の福祉の向上をはかりたいということを言明されたわけです。厚生年金課としては、一体受託機関として労働金庫を考えておるのかどうかということを、一つあなたの方の考えを率直にお述べいただきたいと思う。
○加藤説明員 ただいまの御質問の第一点でございますが、還元融資の相手方といたしまして、被保険者の団体というものを認めるかどうかということでございます。今度年金福祉事業団というものを作りまして、還元融資に新たな面を切り開こうということで、今国会に法案を提出する予定でございます。この事業団法におきましては、被保険者で組織された団体、これで政令で定めるものにつきましては、これは融資の相手方として取り上げよう、そういう考えを持っております。 それから、労働金庫につきましても、これは事業団の事務の一部を金融機関に委託するという規定が法案にありますが、金融機関といたしましては、労働金庫を取り上げるという問題につきましては、私どもは取り上げるべきではないかという工合に考えておりますが、労働金庫につきましては、大蔵省、労働省も関係がございますので、両省と協省の上、でき得べくんばそういう方向で進みたい、かように考えております。
○滝井分科員 そういたしますと、労働金庫の監督をやられる労働省に伺いますが、労働者が自己の給与の中から厚生年金の保険料の半分を負担をして出した、その積立金が労働者の福祉に還元をせられる場合に、労働者がみずからその団体で自主的にこれを借りて、労働者の福祉向上のために使うことは当然だと思う。労働者のサービス機関としての労働省の見解は、労働者の団体にそういうものが貸されることは一体どう考えておられるか、また同時に、その受託機関として、労働金庫を政令の中に入れることについてどうお考えでありますか、労働省の見解をお尋ねいたしたい。
○坂本説明員 お答え申し上げます。 現在の労働金庫法におきましては、五十八条におきまして労働金庫の業務の範囲がきめられております。それによりますと、代理業務を行なうことができます場合につきましては、「住宅金融公庫、国民金融公庫その他大蔵大臣の指定する金融機関の業務の代理」ということになっておりますので、問題といたしましては、現行労働金庫法の上で代理業務をいたすということになりますと、この五十八条の二項の二号の規定との関係が出てくるわけでございます。従いまして、そこで問題になりますのは、大蔵大臣の指定する金融機関ということに年金福祉事業団が該当するかどうかという問題があるわけであります。これはむしろ大蔵省の方の権限の問題でございますので、私どもの方としてはお答えいたしかねることであります。 それからなお、その他の措置といたしましては、年金事業団法の中で、特別に労働金庫にも融資する道を講ずることは、厚生省の方のお考えできまるものと思います。
○滝井分科員 そうしますと、大月さんいらっしゃっておりますが、結局問題は、厚生省としては労働金庫を指定をする受託機関といたしたい、その方向に向かっていきたいという意思表示があったわけです。労働省についても同じです。ただ、指定をする金融機関に大蔵省がしてくれるかどうかという問題になってきたわけです。これはもし法律の改正を必要とするならば、まだ法律は出ていないのですから、今度の新しい福祉年金事業団法と一緒におやりになればいいと思うのです。大月さんの方の見解はどうですか。実は私が特にきょうこういう問題を質問するのは先般この中小企業の退職共済法ができるときに、同じく労働金庫を業務受託機関にしてやるということを言っておったが、それをやらないのです。それで今日、こういう福祉事業団ができても、やはりまたやらないのじゃないかという杞憂が出てきたので、きょう特においでいただいて質問するわけです。できればこの際、労働省の方の中小企業退職共済の方と、それから今度の新しい年金事業団と、両方一緒にしてやられるのかどうかを明確にお答え願いたいと思います。今度、どうせ中小企業退職共済法の方は、法案が出ておりますから、二、三日のうちにやります。われわれ、与党と約束して、与党がやるという言明をしておるわけです。それを今までほおかぶりされてきておるから、その二つを同時にお答え願いたいと思うのです。受託機関としてやれるかどうかということです。
○大月説明員 年金福祉事業団の法案はまだ提案されておりませんが、厚生省から御相談を受けておりますところでは、この事業団の委託機関といたしましては、金融機関全般につきまして業務の一部の委託ができる、こういうようになっております。従いまして、現在の労働金庫法で特定の限定がございますけれども、この新しい法案が正式に法律になりますれば、その方面の制限はなくなるわけでございまして、法律的にはあらゆる金融機関が代理金融機関となることができる。ただ、それにつきましてては、厚生大臣の方の認可が、要るという制度になっております。それで、ただいまのところ、この事業団がいかなる対象に貸すかということは政令事項で、まだはっきりいたしておりません。大蔵省といたしましては、事業団の貸付対象を拝見いたしまして、それが労働金庫が代理をするのにふさわしいものであるかどうか、ふさわしいものであるというように判断いたしますときには、特に労働金庫を排除する積極的な理由もないであろう、こういうように考えておりますので、具体的な御相談を受けましたときに考えてみたい、こういうように存じております。 それから、現在の退職事業団の問題につきましては、あの貸付の対象が下業主ということになっておりまして、労働金庫の性格といたしまして事業主に融資をすることは適当でないということで、今われわれとしては、否定的な見解を持っているわけでございます。従いまして、今回の年金の事業団におきましても、事業主に貸すという範囲におきましては、われわれは、やはり労働金庫は適当ではないんじゃないか。その他労働金庫として適当である部面があるかどうかというところの問題かと考えておるわけであります。
○滝井分科員 中小企業の退職金共済法は、この金は事業主自身がお出しになるんだから、われわれは、まだ論議の余地を残しておいていいと思うのです。これは与党がわれわれに、法案を通すときに約束したのです。しかし、きょうは問題がこんがらかりますからおくとして、労働者の将来の身分を保障する金、積立金は労働者のものなんです。この帰属は、明らかに将来労働者に帰属するもので、事業主に帰属するものではない。その運営は、今言われるように、政府としては事業主か地方公共団体にしか還元融資はいたしません、こういうことなんです。そうすると、すでに国民年金の方は、農協に貸しますとはっきり言っている。停止年金の方は、労働者の団体には一体なぜ貸さないんだ、こういうことになるわけなんです。どうも大月さんの答弁では明確を欠くのです。相談があった場合にはやるというけれども、法案はきょうのお昼までに全部出すことになっている。それを出さなければ、社会党は、予算審議をストップせざるを得ないということを国会対策できめて、はっきり指摘してきておるわけです。ですから、この段階で、相談があるとかないとか私は言わせない。相談がないことはない、あるはずです。あるからこそ、国民年金課長なんか、ああいう言明をやっている。それなら政府は不統一です。受託機関として労働金庫を指定するかしないか、これを一つはっきりして下さい。
○大月説明員 ただいま提案の予定されております法案におきましては、そういう対象は全部政令事項にゆだねられておるわけでございまして、政令のきまり方いかんによって考えるべき問題だと考えております。
○滝井分科員 政令できまるというけれども、こういう大事なことをそう行政だけにまかせるわけにはいかない。当然国会は、その政令は一体何なのかということを、国会に法案が出てくればすぐに尋ねることになる。大臣、どうですか。もう大体問題の全貌はおわかりになったと思うのです。農協や漁協は受託機関としてお認めになるけれども、労働金剛を認めないという法はないと思うのですよ。どういう論理を立てたらそれを認めないということになるのか、私は理解することができない。労働者の金です。だから一つ大臣、政治的に、政令にと逃げられるけれども、われわれは政令はだめだ、法律に名前を書いて下さい、こういうことになれば。たとえば農協その他と、農協はわざわざ書いているのですからね。大臣明白な答弁をして下さい。
○大月説明員 政令できまると申しましたのは、年金福祉事業団の貸付の対象自体が政令できまるわけでございます。その内容が具体的にきまりまして、その結果、それが労働金庫に代理をさすのにふさわしいということでございましたら、われわれとしては異論がないわけでございまして、その内容自体は、今後事業団ができましてどういうものをやらすかというように、具体的に多分労働者がおきめになる、そのときにまたいずれ御相談になるであろう、こういうことでございます。
○滝井分科員 いいですか。その政令にきまるもので、事業主とか事業主の組合あるいは船主というようなものは、もうここではっきり答弁しておるわけです。そこで、被保険者のための福祉を増進しようとするところの法人、それらのものも政令できまると、こうなっておるわけでしょう。そうすると、あなたの方では、労働金庫の内容というものは絶えず検査をしておるわけです。労働金庫が、業務受託機関として一般の市中銀行と同じように取り扱えるか取り扱えないかということは、大月さんの方の監督官庁である銀行局の判断できまってくるわけです。だから今その判断を聞いておるわけです。それをやれるのかやれぬのかということを聞いておるわけです。あなたの方が、これはやれないというのならば、やれないとはっきり言ってもらえばけっこうなんです。それを政令できめますから、まだ相談を受けてないからと言うが、主務官庁がそれをやるのだ、やりたい方向に持っていくのだとおっしゃっておるのです。それを大蔵省だけが、銀行の監督官であるあなたの方で、それを言えぬということはおかしいですよ。
○大月説明員 今の法案の関係から申し上げますと、十七条の二号に相当いたします対象の問題でございまして、これにイ、ロ、ハ、ニと四つの号が立っております。これは私の方からお答えすべき筋のものじゃないと思うのでございますけれども、そのイ、ロ、ハ、ニの事項のうちで、イは事業主でございますから労働金庫の対象にならない。ロもやはり事業主でございますので、ロに該当いたしますものについても対象にならないと思っております。そしてハは「被保険者等である者で組織された農業協同組合その他の法人又はこれらの法人の連合体である法人で政令で定めるもの」、ニは「イからハまでに掲げるもののほか、被保険者等の福祉の増進に必要な業務を行なう法人で政令で定めるもの」、こういうことでございまして、これはもっぱら年金福祉事業団自体でどういうものに貸したらいいかということを御決定になる筋であろうと思います。その決定の仕方によりまして、事業主でないものでありまして、労働金庫としてこれを代理するのにふさわしいものがあるということでございましたら、われわれといたしまして、代理さすのには異存はない。ただ、今のような状況でございまして、労働省の御方針、政令がどうなるかということは、まだ法案の段階でございますのではっきりいたしておらない、そういうことを申し上げておるわけでございます。
○滝井分科員 そうしますと、農協というものだけどうしてそこに掲げたのです。それがふさわしいかふさわしくないかということは、一体何を基準にして決定したのです。わざわざ農協ということをあなたの方が了承したのでしょう。政令の方はまだ相談しなければならぬが、この法案を国会を通すにあたって、農協ということは認めているわけです、農協ということが明らかに法律の案文の中に出てきておるのですから。 いいですか。この年金福祉事業団のお金というものは、四十億が労働者の金なんですよ。十億は国民年金です。十億の少ない方の金については農協というものが出てきて、多い方の金については何も労働者のものが出てこないのです。それで事業主だけが出てきておる。事業主は、一体この積立金にどういう権限を持っていますか。これは積み立てたらもう事業主の金じゃないのですよ。それを事業主だけわざわざ法律に書くなんという、ばかなことがあるのですか。農協というものを何で出したのですか。どういう基準によって農協が出てきたのです。
○高木説明員 対民間の還元融資につきましては、国民年金の場合を考えますと、被保険者の大部分が農民でございますので、貸付対象の例示的なものとして農業協同組合を書いたわけであります。
○滝井分科員 そうしますと、国民年金の被保険者の大部分が農民であるとすると、厚生年金の対象の大部分はだれですか。労働者でしょう。それなら、どうして農協と同じようなものが法律に書けないのです。
○高木説明員 年金福祉事業団は、被保険者の福祉を増進する施設の設置等につきまして、必要な資金を融資するわけでございますが、国民年金の場合には、先ほど申しましたように、被保険者の大きな部分を農民が占めるので、農民のために新しい施設を設置し、経営する適当な主体として、農業協同組合を書いた次第でございます。
○滝井分科員 年金福祉事業団のお金は、厚生年金から四十億の金が入っているのですから、そのお金を貸すのに、農協は入ったけれども、なぜ労働者の方は入らないのだ、私はそれを聞いているのです。農協だけは例示的に法律に名前をあげたのだが、労働者の側はどうしてあげないのですかというのです。
○加藤説明員 これは特に他意があったわけではございませんが、この二号のイロハを見ますと、厚生年金の方では事業主、船員保険では船舶所有者というふうなものが出ておりますので、国民年金も一つくらい出しておいたらいいだろうということで、農業協同組合というものを出したわけであります。「被保険者等である者で組織された農業協同組合その他の法人」ということで、この厚生年金の被保険者の対象となる団体はいろいろございますので、ことに今社会保険審議会で、御存じのように、いろいろ御意見があると思いますから、そういう御意見を十分聞いた上で、こういう政令を作りたいということで、しいて法文にあげなかったわけであります。
○滝井分科員 それならば、課長さん、何か労働者の団体で代表的なものをあげるとすれば、あなたの方としては、農協に匹敵するものとしてどういうものがありますか。
○加藤説明員 私の方で、この条文におきまして、ただばく然と厚生年金の被保険者が大部分を占めておる団体というのは、そういう見地からしますればあげられるかもしれませんけれども、私どもといたしましては、この融資をいたしますのに適している被保険者の団体ということになりますと、一例をあげますと、たとえば消費生活協同組合とか、住宅等につきましては労働者の住宅協会というふうな、もろもろのものがございます。また、こういう法律ができますれば、おそらく被保険者の団体等で、福祉施設を作ろうということで、あるいは財団法人、社団法人というのをお作りになる例も出てくると思います。できるだけそういうものを拾いまして政令でうたいたいということで政令に入れたわけでございます。
○滝井分科員 これで大体問題がはっきりしてきたのです。それならば、厚生省はまだ固まっていないそうですから、例示的に、今言った生協、労働者の住宅協会など政令で定める団体と、こうおやりになったらどうです。農協というものが出ておるのですから、やはりこういうものは、農民、中小企業者、労働者、均衡をとる必要があるのです。片一方は名前をあげるけれども、他方はあげていない。そうすると生協とか労働者住宅協会というものがあがって参りますと、業務の代理機関として労金は当然出てくるのです。それをやっていないから問題なのです。どうですか、そういう政令例示をやる意思はありますか。
○加藤説明員 この問題につきましては、実は社会保険審議会で十分検討していただきまして、社会保険審議会におきまして、一応それは政令にまかせていい、とにかく被保険者で組織された法人には貸し得るということさえ法文にはっきりさせておけば、その中で具体的にどういうものをあげるかということは、政令段階でけっこうである、しかも、その政令を作るときには、厚生省は勝手に作ってはいけない、必ず社会保険審議会に諮って、そこで労使双方の意見を聞いてからきめるようにしようということで、私どもはそれでは承知いたしましたということで、社会保険審議会においても、とにかく被保険者で組織した団体に貸し得るということさえ法文に書いておけばよろしいという御意見もありましたので、こういうような条文になったわけであります。
○滝井分科員 それならば、どうして被保険者の団体で組織しておる農協をおあげになったのかということです。なぜ農協だけをおあげにならなければならなかったのか。農協をおあげにならなくとも同じじゃないですか。問題はそこにあるんですよ。だから、労働金庫を受託機関に認めるか認めないかという問題があいまいになってくる。厚生省は、そういう立法上、非常に弱い立場にあるのですから、もう少し立法上の問題は均衡をとって条文を扱わなければならぬ。社会保険審議会が何と言おうと、それはわれわれの知ったことではない。それは諮問機関として言っておるのだから、国会に出たらそうはいかない。やはり条文は均衡をとって対等に扱ってもらわなければいけないと思います。それはあなたの方でやれなければ、われわれは国会に出て直さざるを得ない。そうすればはっきりしてくるわけですから、まだ法律を出しておらなければ、もう一ぺん大蔵省と十分相談しておやりになっていただきたいと思います。どうですか。
○加藤説明員 これは先ほどちょっと申し上げましたように、イ、ロ、ハの中に、厚生年金とか船員保険とか、それぞれ被保険者という形では出ておりませんけれども、一応その関係あるものが出ておりまして、国民年金についても同じく出したらいいだろうということで、ばく然たる意味で農業協同組合というものが入りました。これは、農業協同組合以外のものをこの法文上出さなかったということは、それ以外に特に他意はないわけであります。政令できめるのだから、一持して検討してきめたらいいだろうということで、こういう条文になったわけです。
○滝井分科員 事業主と船主が出ておるから、従ってあとはもう書かないでもよいというような考え方があるから、結局、日本の財政投融資というものが、私が冒頭に指摘したように運用されているわけですよ。勤労大衆の零細な金が大企業優先に使われていくということが、こういう立法のすみずみにまで現われてきておると言うんですよ。これはいずれ法案が出たら詳しくやりましょう。あなたの方としては、この労働金庫というものは、業務受託の機関としてぜひ取り扱いたいと言っておりますから、あなたの方に文句を言ってもしようがない、問題は大蔵省です。大臣、どうですか。あなたの方は一つの政治的判断で、農協等がこういうものに指定されるのですから、この際労働金庫もおやりになる御意思があるかどうか、あなたの最後の御答弁をいただきたいと思います。
○水田国務大臣 これは政令段階で私ども十分検討しようと思います。そこで貸付の対象がきまることによって、この金庫を受託機関として認めるということも差しつかえないだろうと思います。
○滝井分科員 政令段階で検討するが、労働金庫を受託機関として認めることは差しつかえないだろうという御言明でありましたから、了承いたしました。ぜひ一つそのように実現をしていただきたいと思います。 次は、厚生年金の還元融資の二割五分に当たる分が三百三十五億あるわけです。今二百六十億の運用についていろいろお聞きしたのでありますが、この財政投融資がいろいろの方面に投資をされておりますが、その中で——これはほんとうは建設省にもちょっと来てもらわなきゃならぬのですが、時間の関係から、大蔵省だけで質問いたしますが、まず病院から入りますと、この財政投融資計画というものが、の建設をやる場合には、当然病院の整備十カ年計画と申しますか、そういう整備計画を基礎にして投資をせられなきゃならぬことになっておるわけです。医務局としては、この手百二十五億の財政投融資、還元融資の金を病院の建設に充てる場合には、十分その整備計画と見合っておやりになっておるのでしょうね。
○黒木説明員 お説の通りでございます。
○滝井分科員 そこで、大蔵省にお尋ねをするわけですが、今度のこの計画を見てみますと、病院などの医療施設にいく分は、三百三十五億だけに限ってみまして、厚生年金だけで百億ですね。それで医療金融公庫からいく分と地方債でいく分と、それから事業団でいく分と、こうなっておりますよ。同じ病院を建てるのに、一体どうしてこういう複雑なことにしなきゃならぬかということなんです。厚生省も、整備の十カ年計画というものをお立てになっておって、医療金融公庫はできましたよ。そして、これは私的医療機関を中心にしてやる。それから今度は地方自治体が起債で病院をお建てになるときには、これはさいぜんの説明のように、事業主にいくと思うのです。それから今度は年金福祉事業団ができてここでまた病院にいくんですよ。一体同じ病院を建てるのに、同じ財政投融資が、どうして二つにも三つにも分かれていかなきゃならぬのかということなんです。これでは病院の一元的な、統一的な計画というものはわからないですよ。私も、実は一生懸命に首っ引きで調べてみて、こういうことがわかってくるのです。この予算書の中から簡単に見たって、これはわからぬですよ。わからぬから、いろいろの方面から聞いて調べてみると、そういう形になっておるのです。しかも、その中で、たとえば厚生年金でいくと、八十六億というのは、事業主や地方公共団体にいくんだが、あと十四億というものは、これは今言ったように、だれを通じていくのか、被保険者の団体らしいような感じがするのです。そうすると、被保険者の団体は、一体どういうところにいくのか。それは済生会とか日赤とかにいくのかもしれませんけれども、一体どういう経路で、これが計画的なものと合っていくのかということがさっぱりわからぬ。この大事な百億以上の金が——日本における病院の投資というものは、全体で三百億かそこらしかないのですよ。その中の三分の一がこれで出ていくわけですね。一体どういう計画に乗ってこういう形になっていくのか、私的医療機関と公的医療機関のものにはどうなるのか、さっぱりわからない。一体これをわかりやすくどう説明すればいいんですか。
○黒木説明員 便宜、私から一応お答えをいたします。 お説のような問題がございますので、一昨年厚生省に、医療機関整備調整連絡会議がある補助金あるいは融資、起債、そういうものにつきましては、この連絡会議の議を経なければ承認をしないという体制をしておるのでございます。現在のところ、おおむね所期の目的を達しておりますが、ただいま御指摘のございました問題に付きましても、厚生省の直接関係しておりまする国立の医療機関に対する補助金あるいは経費、それから地方起債、厚生年金、国民年金等の還元融資及び医療金融公庫の融資、中小企業金融公庫の融資、これらはすべて各省との話し合いがつきまして、医療機関整備計画にのっとりまして、それぞれ手当をいたしておる、こういう状況でございます。それから国立、都道府県立の公的病院と民間病院あるいは医療機関との比率の問題でございますが、これは過去における実績がございますから、その実績を踏襲しまして、按分をいたしております。
○滝井分科員 医療機関の整備連絡協議会ですか、何かそういうところでおやりになっているということでございますけれども、私はここで具体的に聞こうとは思いません。たとえば地方債で六十五億くらい病院ができておる。継続分と事業団合わせて九十五億できるわけです。こういうもので、たとえば地方起伏でできるものは、一体どういう種類のものがどこでできるかというようなことになると、それはなかなか問題が出てくるわけです。そこで、せっかく医療金融公庫をお作りになったのですから、どうして年金福祉事業団でまた病院を厚生省の中でお作りになるかということです。厚生省の所管の医療金融公庫がある。それをまた別に年金福祉事業団をお作りになって、そこでまた病院をお作りになるのです。それならば、医療金融公庫の中に、私的医療機関の部門と公的医療機関の部門をお作りになって、そうして融資を一元的に入れてくれば、人間も倹約になれば、事務も倹約になるのですよ。こういうむちゃくちゃな、わかりにくい方法をおやりになることが、私はおかしいと思うのです。これが、日本の財政投融資がばらばらで、何ら統制のないという一番具体的なところを示しておるのです。あとは、私はもう一回住宅で質問しますが、住宅になるとまだわからない。これよりかもっとわからない。まだ医療は、病院の配置は割合簡単だからわかってくるのですが、住宅になるとまだわからぬです。一体その金がどこにどういう工合にいっておるかと、ずっと系統的に探していくのに、大へんな骨が折れるのです。われわれしろうとでは、ひっくり返していろいろ調べてみるけれども、わからぬ。財政投融資の綿密な計画を一つ一つ当たっていかぬと、住宅は、一体最終的にどこに運命が決着していくかということがわからぬですよ。医療機関だってそうですよ。地方起債の運命を探していこうとするならば、今度は自治省にいって、県、市町村別に調べてみなければわからぬ。どういう配置計画になるのか、さっぱりわからぬ。こういうように、われわれ国会議員は全くつんぼさじきに置かれて、そして紙の上だけで予算を通しておる。われわれは、ちょうどヤギが紙を食うようなものです。羊の紙食いの仕事をわれわれがやっておるようなものです。そんなばかな予算審淡というものはない。やはりもう少し具体的に、計画的に、一元的におやりになる方がいい。それの方が、あなたの方の医療機関整備十カ年計画にきちんと合っていくのです。これは大蔵大臣どうですか。今のように、たった三百三十五億のワクの中だけをとってみても、こういう工合に医療金融公庫、年金福祉事業団——医療金融公庫で病院を一元的にやるのかと思うと、また年金福祉事業団でやる。これだけかと思ったら、また地方起債でやる。地方起債も、福祉事業団でやるものと公共団体でやるものと分かれている。追及すればするほど、無限に分かれていってこちらはさっぱりわからないんですよ。だから、こういう点、あなたの方でお金を出すときに、もうしぼりとられた形だろうと思うんです。あちらからもぎとられ、こちらからもぎとられ、四苦八苦の形で、こういう何だかわからぬようなことになっていると思うけれども、しかし、これはもう少し簡素にして、国民のわかるような姿で七福神のこの金を使われるようにしてもらわなければ困るですよ。どうですか、大蔵大臣の意見は。
○水田国務大臣 それはお説の通りだと思います。
○滝井分科員 私の意見の通りだと思う。ぜひ一つ改作するように努力してもらいたいと思います。医務局の方も、せっかく整備十カ年計画をお作りになっても、こういうように厚生省の中で二元、三、川に分かれれば、またここでけんかですよ。だから、それならば医療金融公庫の中に病院はきちっとお入れになって、そうして公的部門と私的部門とにお分けになって、そうして処理していけば、医務局も簡単じゃないですか。大蔵省と折衝する窓口が一つになって、こんな簡単なことはない。ところが、一方に、年金福祉事業団が理財局と交渉をする、あなた方の方でもしなければならぬ、そうして、わずか十億の金を医療金融公庫に入れる、それから二十億か三十億をまた事業団に入れる、これでは分散されて資金効率も悪いですよ。こういうやり方をやらぬように、省内でなわ張り争いをしないように一元的にしていく、そのかわり、たとえば養老院を作るとか何かはその方で一元的にやっていく、こういうようにしてもらわなければ困ります。 次は住宅です。住宅が実にわからぬです。まず大蔵大臣、あなたが予算を編成するときにやったのだから、この予算の説明書の六十六ページを大蔵大臣に見せて上げて下さい。こまかいことは大臣に聞きませんから……。 六十六べージの昭和三十六年度財政投融資使途別分類、いわゆるニュー・フェースですよ。この使途別分類をごらんになると、住宅、三十六年、三十五年、こうなっておる。三十六年の住宅につぎ込む金が九百五十九億ですよ。そうすると、まず産投特別会計から百六十億住宅に出ていきますね。それから今度は、資金運用部資金の中で二つに分かれて、年金資金等から二百十五億、郵便貯金資金等から二百二十九億、計四百四十四億出ていくわけです。それから簡保資金から百四十億出ていくわけです。それから公募債借入金から二百十五億、汁九百五十九億出ていくわけです。そうしますと、今度産投会計を見てみるんです。産投会計を見てみますと、これが二つに分かれておる。産投会計は予算の前の方を繰らなければわかりませんが、産投計会が二つに分かれて、その産投会計の百六十億が、住宅金融公庫九十億と日本住宅公団七十億と、こういう工合に分かれていっておるんですよ。ところが今度は、運命がそこまでいっているから、住宅金融公庫なり日本住宅公団がまたどこかずうっと先に貸していっておると思うんです。これはさい、ぜんからいろいろ御説明になったように、事業種や何かにいろいろ課しておると思うんですね。ところが、その次の四百四十四億の年令資金と郵便貯金資金です。これが住宅金融公庫に三百十億いっているんです。この三百十億は、資金運用部の中からおそらくいっておるので、そのほかに、おそらくこれは簡保資金も何ぽか入っているのじゃないかと思うんですが、その三百十億というものが、いずれから三百十億になっているかということが、われわれの持って入る資料からでは全然わからぬ。三百十億の金が何からきたのか、予算書をあっちこっちひっくり返してもわからぬです。とにかく、三百十億簡保資金からきたということだけはわかるんです。それから、日本住宅公団に資金運用部と簡保資金から百六十五億きておることもわかるでしょう。そうすると、それを足しますと四面七十五億になるんです。三百十億と、日本住宅公団にいっておる資金運用部資金の借入金百二十五億と簡保資金の借り入れ四十億を足して百六十五億、これで四百七十五億になる。そうすると、四百四十四億と簡保資金の百四十億を足した五百八十四億、これから四百七十五億を引くと、百九億というのがどこにあるかということなんです。そうすると、百九億は、さいぜんの厚生年金の還元融資、国民年金の還元融資の中に百九億の一部があると思うのです。しかし、あとは一体どこにあるかということはわからないのです。こういうように、われわれ代議士が、住宅、の資金源は一体どこからきて、どういう工合に配分されておるかということを勉強しようとすれば、これは二日も三日もかかるのです。全部の予算書を繰ってみなければわからない。だから、今国会で問題にしているのは、住宅金融公庫の、日本住宅公団の住宅がどうだこうだといろいろやっておるけれども、その資金源というものは、一体どういう形でそこへ流れてきたのかということを詳細に見ていくためには、二日も、三日も予算書と首っ引きしてもわからぬ、そういう形になっております。そうして、なるほど、ここには九百五十九億と出ているけれども、一体その行き先がどういう形で配分されていったのかということは、もうとっても簡単にはわからないのです。こういう財政投融資の仕方になっているのですよ。これでは、われわれが熱意を持って勉強をして御質問を申し上げようと思っても、これでは何が何やらわからぬことになる。途中で投げ出さざるを得ない。私は、こういう住宅政策のような大事な政策にしても、医療機関の設備の問題にしても、その資金が一体どういう工合に配分されて、その税金の運命は、財政投融資の運命は一体どうなっておるかということが追及できぬような予算の出し方、資金の組み方というものはよくないと思うのです。おそらく、こういう資金の組み方を知っておるのは、建設省の特別これをやっておるお役人さんだけでしょう。岬町局長さんもこれはよくわからぬのじゃないかと思うので、いわんや、大蔵大臣はなおわからぬ。そうすると、大蔵大臣はこれにめくら判を押したことになっちゃうのです。それは国会は大きなことばかり質問するだけでは話が済まぬと思うのです。この資金の運命は一体どうなっておるか、こういう運命の問題をきちっと見届けることがわれわれ議員の任務だと思うのです。ところが、こういう配分のやり方ではその任務を果たせない。だから、もう少し住宅なら住宅というものに、どうせ簡保資金や何かお出しになるものならば、他のものの資金をどこか一元的にまとめて、これから出していくような方法を講ずる方がいいのです。たとえば、資金運用部門の年金資金だけは重点的にみな住宅につぎ込む、そのかわり、簡保や何かは別なところにつぎ込んだらいいんです。ところが、同じ住宅に簡保からもつぎ込み、年金資金からもつぎ込み、いろいろまぜこぜにしてやっていくから困難な問題が出てくる。だから、資金はある程度一元的に、系統的におやりになる、そうして、ある程度政府が利率を重要な部門は保障でもするつもりでやらなければいかぬと思うのです。ただ問題は、資金を効率的に、安全に運用するために、あるいはずっといろいろなところに分かれるのかもしれぬけれども、しかし、住宅なら住宅というものに五割置く。そうして、ほかの道路には五割置くというように、何か一つの資金を系統づけていった方がいいと思うのですよ。ばらばらと全部まいてしまうと、予算編成の上で非常に複雑になるのです。しろうとはわからないのです。大臣、これはおそらく大臣も、これだけをごらんになって、これを前からお練りなって——私は全部解き抜いてみたのですが、とってもわからぬです。こういう点も、この財政投融資の細目明細表をお出しになる場合においても、もうちょっとやはり合理的に資金をお出しになってやれば、そんなにむずかしくないと思うのですが、大臣、こういう点はどうですか。
○水田国務大臣 これは財政投融資の資金源が幾通りもあって、その資金源の性格がまた違う。たとえば年金資金を例にとってみますと、やはり拠出者の意思に沿う貸付をしているのだ。だからここへも出している、ここへも出しているというふうに、一定の項目に限らないで、幾つかの目的に合った項目に出さないと、やはりそこに問題が起こるというように、各資金源とも、それぞれの性格からの要望を持っておりますので、どうしても名資金源ともこういう格好の割り振りをするということになって、今のところはやむを得ないのじゃないかと思います。もし、これが使途別にはっきりすればいいのだというので、全部の金を一本でほんとうの統一、運営ができるというようなことでございましたら、こういうむずかしい、ややこしいことでなしに、簡明な仕方ができると思いますが、資金源が違ってその性格が違う以上は、この運営はなかなかそう簡単にはいかない、やはり今のような刷り振りになっていくのじゃないかと思います。
○滝井分科員 たとえば、国民年金や厚生年金の金は約十種類分けて使っておるわけですが、これは私はもう少し簡単にできると思うのです。たとえば一から六までぐらいの方に重点をずっとお置きになれば——現在も重点を置いておるのですから、そういう形でやって、そうして最悪の場合にはある程度国が利率でも保、証するというくらいの気持になっておけばいいのです。あるい全資金を一括プールして、ある程度運営をしておけは——さいぜん局長さんが言われたように、七分三厘程度で運営する部面も出てくるわけですから、利子はプールをしておって、年金の勘定に六分なら六分上げたらいいのです。あとはがらがら計算にしておけばいい。この受け取った金というものは一から六までにいきますよとはっきりしておけば、割合に簡単にいけると思うのです。どうせ使途を明らかにしなければならぬのですから、そういう点で公明正大に行なわれて、民生安定なり国民生活に直結する部面に金がいくということになれば、そう私は文句はないと思うのです。住宅一つを見ても実にわからぬですよ。僕らこれを勉強しようと思っても、実際わからぬです。いろいやっているけれども、とにかく九百五十九億という金の行く先を知るのに、われわれしろうとが全部調べて、いろいろなところから資料をもらってきてやるとすれば、三日ぐらいかかるのです。第一、計画の内容をあなた方のところに行って説明を聞いてこなければ、わからぬのです。全然国会にそういう資料が出ていないのです。だから、そういう点、われわれに予算を審議させるならば、もう少しわかりやすいようにして下さい。ヤギや羊が紙を食うだけのことでは困ると思うのです。そういう点を一つ要望しておきます。 それからもう一つ厚生省にお尋ねしたいのは、国民年金の十億ですが、この年金福祉事業団にいく十億円は、どういうところにいくことになるのですか。
○高木説明員 この年金福祉事業団の十億は、厚生福祉施設の融資に充てられます。
○滝井分科員 そうすると、厚生福祉にいく場合、具体的にどういうところにいって、その利率はどの程度ですか。
○高木説明員 この厚生福祉施設に参ります利率につきましては、通常の利率よりも引き下げる、ことに社会福祉関係は引き下げたいと思っておりますが、どの程度まで引き下げられますか、現在まだはっきりしておりません。
○滝井分科員 大蔵省にお尋ねしますが、問題は、こういう年金福祉事業団というようなものにいく利率、それから三百三十五億の還元融資の利率、これは五十億を除いたものがいろいろのところにいくのですが、こういうものは一体どの程度あなたの方としてはもらったならば一さいぜん申し上げた三百億みたいな一時金を出さなければならぬわけですから、常識的に見て、どの程度を運用すればいいとお考えですか。これはこういう福祉施設にいく分と一般的な分と二通りあるわけですね。
○西原政府委員 還元融資に参りますものも含めまして国民年金の、積立金の金額、それから厚生年金の積立金の金額は、全部資金運用部に預託になるわけです。その総額に対しまして、大体現在の制度では、七年の長期の預け金になれば六分をつける、こういうことになっておりますが、今度法律改正でそれにプラス・アルファしたい、こういうのが、先ほど申し上げましたものでございます。そして資金運用部から還元融資分あるいは特別融資分というのが貸し出されるわけです。これの利率は現在六分五厘であります。
○滝井分科員 特別融資の中にも、病院とか住宅にいく分と、養老院とか母子寮とかいうものにいく分とは違わなければならぬと思うのですが、そこらあたりはどうお考えになっていますか。
○西原政府委員 養老院とか何かの分で、地方公共団体が養老院とか何かいたします分は、地方公共団体に直接出るわけでございます。これは六分五厘であります。それから年金事業団を通じて出ます分は、年金事業団に対してはやはり六分五厘で貸し出す。それから年金福祉事業団がそれぞれの養老院とか何かに出される場合は、先ほど厚生省の方からお答えがありましたように、今後研究されることだと思います。
○滝井分科員 母子施設とか養老院とかお作りになるときに、今までの慣例があると思うのですが、そうすると、六分五厘プラス・アルファになるわけですね。六分五一厘よりか高いものにしないと、手数料その他必要でしょうから。どうですか、それはもう少し安くして損でもするのですか。
○西原政府委員 三十五年度までは厚生年金の還元融資だけはございまして、まだ年金福祉事業団というのは発足してないわけでございますが、今まで厚生年金の還元融資で老人ホーム的なものに出ましたものは、たしか東京都の三千万円か何かかと思いますが、これだけでございます。これは東京都の方に六分五厘で所要資金を出しました。あとは東京都自身の金か何かできっと採算がとれるようにしておられる、こういうように思います。
○滝井分科員 今度老人ホームや何かにお出しになるということになりますと、これは全部が地方自治体にいくわけでなくて、相当各種団体が借りることになるわけですね。農協なんかも借りるかもしれませんし、そのほか事業主の団体等も借りると思うのです。そうすると、その利率は六分五厘になる。直接その事業団が借りた金で貸すというわけにいかぬのですから、六分五厘に何ぽかやはり取らなければならぬのです。一体、その限界というものは、どの程度のものが常識なのかということなんです。
○西原政府委員 従来の扱いで申しますと、三十五年度までの扱いといたしましては、地方公共団体に六分五厘で貸すわけです。地方公共団体は、事務費その他は自分で負担されることに結果的にはなると思いますが、それを六分五厘でそのまま各事業者団体に貸すということでございます。それから、今度三十六年度に年金福祉事業団が発足いたしますと、この年金福祉事業自体には資金運用部の方から六分五厘で貸すことになります。しかし、年金福祉事業団としていろいろ経費が要りますから、この分につきましては政府からの交付金がございまして、これがたしか予算のあれでは七千九百万円だと思いますが、これだけがそういうものに使われることになる、こういうことで一ございます。
○滝井分科員 そうすると、ちょっと厚生省に確かめておきたいのですが、今、理財局長さんから、六分五厘で貸す、いろいろ事務的なものは政府から交付金が千九百万円出ておる、こういうことになるのですが、団体に貸す場合には、六分五厘がそのままいきますか、それとも、プラス・アルファがつきますか。
○加藤説明員 団体に貸します場合には、これはたとえば老人ホームというような施設をやります場合には、ほかの体育館とか会館というものにやりますよりも、やはりある程度低利に貸す必要があるということで、貸し出しの利率を六分五厘から若干引き下げたい、それを六分にするか、五分八厘にするかというような点につきましては、今後事務当局とよく相談の上きめたいと思いますが、若干下げたいと思います。しかし、そうしますと、六分五厘で資金運用部から借りまして、それで六分とかなんとかいうことで貸しますと、五厘の逆ざやが出て、損するわけでございます。それは政府交付金で補っていくというようなことで、先ほど理財局長の御答弁がありましたように、七千九百万円の政府交付金というものを予算に組んでおるわけであります。
○滝井分科員 そうしますと、もう一つ、これは同時に事業主にも、たとえば会館とか体育館とかいう第一種の厚生福祉施設があるわけです。こういうものについても同じですか、これはやはり六分五厘そのものですか、それとも、上がることになるのですか。
○加藤説明員 これは、現在のところ、そういう事業主のやる会館とか体育館というものについては、特に利子を下げる必要はないということで、六分五厘で貸すということにしております。
○滝井分科員 大よそその全貌がおぼろげながらわかりました。時間がきたそうですから、まだございますが、これでやめますが、朝から財政投融資のほんとうの輪郭だけをやったわけですが、やればやるほどなかなか問題の多いものなのです。今後、水田大蔵大臣としましても、財政投融資を予算と同じように十分御検討になっていただいて、できるだけわれわれ議員がわかるようにいろいろ資料その他を出していただきたいと思うのです。ぜひそういうことを御希望申し上げ、これで質問を終わりたいと思います。
○相川主査 横山利秋君。
○横山分科員 いろいろお伺いしたいのですが、時間もありませんから、問題点をわずか二つにしぼってお伺いをいたします。 大蔵省の予算の中に、相互防衛援助協定交付金として、アメリカの軍事顧問団に対する交付金に必要な経費として三億七千二百万円が計上されておるのでありますが、これは何に使われる金でありますか。
○谷村政府委員 私からかわってお答えさせていただきます。 米国の軍事顧問団に交付するわけでありますが、そのほかになお、住宅公団の方へ出すのも含まれております。内容的に申し上げますと、三億が軍事顧問団に対する交付金、その残りが住宅公団のいわゆる米人等に提供しております住宅のための費用、こういうことになっております。
○横山分科員 軍事顧問団に交付されるという三億何がしは、何のために使われるのですか。
○谷村政府委員 そのうちの三分の二に当たりますほぼ二億円は、軍事顧問団に雇用されております日本人労務者の給与でございます。残りは旅費等でございます。
○横山分科員 三億が日本人労務者の給与、残りは旅費というのですが、旅費は日本人の労務者の旅費でありますか。
○谷村政府委員 この軍事顧問団経費は、軍事顧問団の外人の方の給与の分は全然含んでおりません。日本側が出しますのは、日本人労務者の給与と、それからそういう方々まで含めた、軍事顧問団も入れての国内における旅費、こういうわけでございます。
○横山分科員 交付金のほかに住宅等の現物が給与されるのでありますが、それはどういう経費から落ちますか。
○谷村政府委員 住宅公団に対する交付金として、住宅公団にはその軍事顧問団の方々はお払いになっておられませんから、政府がかわって公団に払うわけでございます。
○横山分科員 交付金というものの性格でありますが、どういうふうに支出をされるのでありますか。三億七千二百万円の支出はどういうふうに行なわれ、決算はどういうふうに行なわれますか。
○谷村政府委員 これは、ただいま御指摘になりました交付金という項のうちから大蔵省が支出をいたします。支出いたしました金は、先方が円預金として日本銀行に勘定を持って経理をいたします。
○横山分科員 その場合に、請求があって、それを精査して、そして支払うのですか。それとも、三億七千二百万円は全部予算として交付をされるものですか。
○谷村政府委員 一括して一度に三億という金額を渡しておらないと思いますが、具体的にどういう支出の手続をとっておるかということは、ちょっと私とっさに今お答えできませんので、すぐ調べてお答え申し上げます。
○横山分科員 防衛庁は見えていますか。——この支出は大蔵省の所管でありますか、防衛庁の所管でありますか。
○谷村政府委員 大蔵省所管でございます。
○横山分科員 私の聞くところによれば、事、実があって請求をして、そして審査をして、それによって支出されるのでなくて、交付金として交付をされるというふうに聞いておりますが、いかがですか。
○谷村政府委員 一つ一つの具体的な必要性に応じてそれを審査して出すということではなくて、ある程度まとまった金額として交付しておるというふうに私どもは承知いたしております。それを一度に三億ということではなく、たしか分けて四半期ごとに渡すということにしておると思いますが、ちょっとその辺の正確なことはもう少し調べさしていただきます。
○横山分科員 質問を後にしますから、すぐそれを調べて下さい。 それから、軍事顧問団というものの性格は一体どういうものでありますか。防衛庁にお伺いします。
○麻生説明員 お答えいたします。 軍事顧問団の性格につきましては、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定の第七条に書いてあるわけであります。同条には次のように規定されておるわけであります。「日本国政府は、アメリカ合衆国政府の職員で、この協定に基いて供与される装備、資材及び役務に関するアメリカ合衆国政府の責務を日本国の領域において遂行し、且つ、この協定に基いてアメリカ合衆国政府が供与する援助の進ちょく状況を観察する便宜を与えられるものを接受することに同意する。」こう書いてあるわけであります。軍事援助に関しまするところの合衆国政府の責務を日本の領域において遂行するということと、それから、この協定に基づいて合衆国政府が日本国政府に対して提供いたします援助の進捗状況を観察する、よく見るということが、顧問団の任務であるわけであります。
○横山分科員 アメリカ合衆国の責務に基づき、アメリカ合衆国から提供された装備その他の使用状況、そういうようなものを調査し、その結果を報告する、こういうことでございますね。
○麻生説明員 御承知のように、毎年、日本政府といたしましては、自衛隊の増勢をどうするかということを考えるわけであります。その場合に、日本において日本の資力ではこれだけのことができる、従って、あとの援助の方については合衆国から援助をしてもらいたいという援助要請を日本としては出すわけであります。そういう援助要請を出します場合には、この軍事援助顧問団を経由してアメリカ政府に出すわけであります。従いまして、アメリカ政府としましては、防衛庁の援助の要求というものがいいかどうかというような意見をまずこの軍事顧問団でつけまして、それを本国に申達するということになるわけであります。それから、この協定に基づいて、たとえば装備品等が供与されるわけでありますが、その供与がよく使われておるのかどうかというようなことを観察をする、見るというようなことは、協定上認められているわけであります。
○横山分科員 軍事顧問団は、一本アメリカ側の立場に立つものでありますか、日本側の立場に立つものでありますか。
○麻生説明員 もちろん、軍事援助顧問団はアメリカ政府の職員であるわけでありますから、アメリカの立場でものを判断すると思います。しかし、日本におりまして日本の実情をよく見て、アメリカの日本に対する軍事援助というものが日本の実情に即するようにやるという仕事も当然やっておるものである、こう考えております。
○横山分科員 基本的にはアメリカ側の立場においてやる、もちろん、あなたのおっしゃるように、日本の実情に適したようにそれを修正し、日本側の一要請を受けて本国に伝達をする、こういうことでございますね。
○麻生説明員 先ほど申し上げましたように、あくまでもMSA協定に基づきますところの援助でありますので、日本側が援助を要請するわけであります。ただ、その援助につきましては、これは認められそうかどうかというようなアメリカ側としての考え方というものが当然あるわけであります。しかし、日本側の立場というものは十分尊重して、それをアメリカ政府に伝達する、それからまた、アメリカ政府の意向がそれについてありますれば、それを日本側に通報してくるということで、両方の希望というものがよく合うように機能しておるということになっておると思います。
○横山分科員 そうすると、この顧問団というのは、むしろ合衆国の顧問団として派遣されておって、日本の自衛隊の顧問団ではない、こういうように理解してよろしゅうございますか。
○麻生説明員 自衛隊の顧問団ではないという、御質問の趣旨がよくわからないわけでありますが、軍事顧問団は、アメリカ政府の機関として、アメリカ大使のもとに行動しておるわけであります。従って、アメリカ大使館のもとにあるわけでございますので、直接自衛隊の軍事上の顧問とかいうと、必ずしもそうは言えないのじゃないかと思います。ただ、日本が援助を要請するにあたりまして、こうした方がいいのじゃないかというような、そういう助言と申しますか、アドバイスと申しますか、そういうことはやってくれるわけであります。こういうふうにした方が、あるいは援助をするにしてもアメリカ側としてもやりやすいのじゃないか、あるいはこういうものであればアメリカ側としても援助ができる、そういう助言的なことはしておると思います。
○横山分科員 語尾を一つ明瞭にお答えを願いたいのですが、この軍事顧問団はアメリカ側の指揮系統を受ける、日本側の指揮系統は受けない。従って、アメリカ側の立場に立つ、アメリカ側から日本へ派遣されておるアメリカ側の顧問団と見るべきであって、日本政府ないしは自衛隊の顧問ではない、こういうふうに理解してよろしいですか。
○麻生説明員 先ほどお答え申しましたように、アメリカ大使館のもとに先ほど申しましたような任務を持って働いておるものでありまして、日本政府なりあるいは自衛隊がこれに対して指揮をするというようなことは全然ありません。
○横山分科員 大臣にお伺いします。今の資疑応答で明らかになったのですが、アメリカ側の軍事顧問団、日本政府の指揮命令は受けない、自衛隊の顧問団ではないというところに日本政府が交付金をするという意味は、どういう意味でありますか。
○水田国務大臣 相互防衛援助協定に基づいて日本側が負担するということになっておりますので、負担しておるということであります。
○横山分科員 条約のどこによってそれがなっておりますか。
○麻生説明員 お答えいたします。 先ほど申しましたいわゆるMSA協定の第七条の二項に書いてあるわけであります。読んでみますと、「日本国政府は、この協定の実施に関連するアメリカ合衆国政府の行政事務費及びこれに関連がある経費として、アメリカ合衆国政府に随時円資金を提供するものとする。」こういう明文があるわけであります。
○横山分科員 先ほどの質問に返りますけれども、この三億七千二百万円、明年度はそうでありますが、本年度はたしか三億八千万円、あまり変わりはありませんが、この支払いは、現実問題として事実があって、請求があって、審査があって支払いがされるものか、それとも、三億八千万円というのは一括でないにしても、四半期ごとに一括して交付されるものであるか、その点をお伺いします。
○谷村政府委員 四半期ごとに分けまして、そうしてまとめて渡しております。それで、そのつど審査はいたしませんが、使用状況等につきましては、報告を後ほど徴しております。 それから、ちょっと先ほど失礼をいたしましたが、日本人給与等は一億二千万程度でございました。二億と申しましたのは誤りでございます。
○横山分科員 そういたしますと、結局、この三億七千二百万円というものは後刻使用の報告は受けるけれども、どういう性格であるかはともかくとして、四半期ごとに、四つに分けて、つかみ金と言ってはなんですが、四分の一をそのまま軍事顧問団側に渡す、その使途が、実際はどういうふうに使用されるかについては、日本政府側においてその瞬間においてはチェックすることをしていない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○谷村政府委員 使途につきましては後刻報告を受けておりますが、なお、毎年々々の経費の査定にあたりましては、私どもといたしましては、やはりただつかみで渡すということではなくて、前年の使用実績等を勘案いたしました上で毎年の金額をきめておるわけでございます。さような意味におきまして、たとえば昭和三十年度におきましては、軍事顧問団に対する交付金は約五億七千八百万円ほどでございましたが、逐年これを詰めて参りまして、大まかな数字で申すと、三十四年度が四億、三十五年度が三億八千万、そういうふうにして詰めておるわけでございます。まあつかみでということではなくて、一応中身は見ておるつもりでございます。
○横山分科員 今軍事顧問団は何人おって、その内容はどういうような状況でありますか。
○麻生説明員 お答えいたします。昨年の十二月一日現在で、全体で二百十七名でございます。そのうち、軍属が四十一名でございます。
○横山分科員 その内訳をもう少し説明して下さい。
○麻生説明員 陸軍が、士官が三十八人、下士官が三十四人、海軍が、士官が二十二人、下士官が十九人、空軍が、士官が三十人、下士官が三十三人でございます。士官が合計で九十人、下士官が八十六人、先ほど申しましたように軍属が四十一人、合計二百十七名ということになっております。
○横山分科員 この二百十七名の人は、先ほどお話しのアメリカの軍事顧問団として派遣されておるのであるけれども、その指揮系統は国務省に属するものでありますか、それとも、極東の司令官の範疇に属するものでありますか、どういう連絡系統をもって指導に当たっておられるのか。
○麻生説明員 MSA協定から申しますと、先ほど申しましたように、軍事顧問団の職員は大使館のもとにあるわけであります。従いまして、第七条におきましては、日本国政府に対する関係においては、アメリカ合衆国大使館の一部とみなされ、大使館の長、すなわち大使の指揮及び監督のもとに行動するものとする、こういうことになっておるわけでございます。いわゆる政策的な事項につきまして大使の指揮、監督を受けるわけでございます。在日米軍司令官の指揮は受けておりません。
○横山分科員 在日米軍司令官の指揮は受けておらない。それで、軍事的にはどこの指揮を受けるわけですか。
○麻生説明員 御質問の軍事的という意味がどういう意味か、ちょっとあれですが、この軍事援助の技術的な面につきましては、ハワイの太平洋軍司令部を通じて国防省に通じておるということになっております。
○横山分科員 ハワイの司令部の指揮を受けるということが主であるか、それとも、国務省の指揮を受けるというのが主なのか、本来の任務からいって、どちらに中心があるのでありますか。
○麻生説明員 いわゆる国務省関係の事項、はっきり言いますと、いわゆる政策に関する事項につきましては、アメリカ大使を通じて国務省の指揮、監督を受けるわけであります。ただ、その政策の中で、具体的な技術的な面につきましては、太平洋軍司令部を通じて国防省の指揮系統に入って——指揮系統と申しますか、その指示を受けてやっておるわけであります。ただ、国防省でも、主として、国際安全保障担当という次官補がおりますが、そちらの関係の指揮と申しますか、そういう指揮系統に属しているわけでございます。
○横山分科員 政策という意味がどういう意味だかわかりませんけれども、装備品の供与計画並びに訓練計画の立案、防衛問題に関する助言、供与装備品の整備、使用状況の調査、援助の成果などに関する報告というものは、政策に入るものでありますか、技術に入るものでありますか。
○麻生説明員 これらの装備につきましても、それが日本政府に大きな影響を及ぼすもので政策的な性格を有するというようなものにつきましては、大使の指揮を受けてやるというようなことになるわけであります。たとえば航空機の生産協定というようなものをやっておりますが、このもとの協定というのは交換公文で、外交ルートを通じてやっておるわけでございます。
○横山分科員 ここにいうところの訓練計画の立案ということは、アメリカから装備品の供与あるいはそのほかの供与があった場合において、それを実際使用する場合に常にこの軍事顧問団の助言があるのですか、あるいはまた、防衛問題に対する助言は、日本政府として常に助言を求めるということになるのですか、助言の発動は日本政府がなすのですか、向こうが自発的にするのでありますか、それとも、自発的にし得るような——こういう点についてはいかがかという、し得るようなこちらからの連絡が常にあるのでありますか。
○麻生説明員 先ほどもお答えいたしましたように、この協定に基づいてえられます援助は、あくまで援助でありますので、日本政府が要請をして、それに対して援助を与えるということになるわけであります。ただ、その援助を与えるにあたって、アメリカ側の事情もあるわけであります、また、アメリカ側としていろいろ技術的に進んだ面もあるわけであります。従って、それにあたりまして、装備の使用の問題あるいは教育訓練——と申しましても、向こうからくれる装備品についての主として教育訓練というものに対して、いろいろ技術的な資料をいただいたり、いろいろ自衛隊としても大いに役立っているというような関係になっておるわけであります。
○横山分科員 私の聞いておるのは、防衛問題に対する助言が、軍事顧問団の任務の重要な一つになっておる、防衛問題に対する助言が得られやすいようなしかけになっておるのか、こう言って聞いているのです。
○麻生説明員 防衛問題全般について、軍事顧問団に対して日本側がいろいろ助言を求めなければならないというものではありません。あくまで、日本がアメリカ政府からいわゆるMSA協定に基づいて援助を受けるにあたって、こちらから要請して、それに対していろいろ助言をしていくという格好になっております。
○横山分科員 まだよく私にはわからないので、もう一ぺん繰り返しますが、防衛問題に対する助言というものが、軍事顧問団の任務の大きな一つになっておるとすれば、助言がなされるような状況に常に顧問団を置いていかなければならぬ。従って、助言が得られるような状況、そういうものが顧問団に常に連絡がなされるのか、状況を周知させるのか。
○麻生説明員 軍事顧問団は、陸海空のそれぞれ有能な人が来ておられるわけであります。従いまして、われわれが、たとえば装備の援助を受けるというようなことにつきまして助言を得たいと思って、あちらに連絡いたせば、すぐそれに対する適切な援助を与えられる態勢にあります。なお、ここで十分な援助が与えられないという場合には、本国なりに連絡をして、向こうから有益な資料を送ってくれるというような態勢にあるわけであります。非常に自衛隊としては役立っておる機関であるというふうに考えております。
○横山分科員 そうすると、軍事顧問団は、日本の防衛状況について常に詳細を承知しておるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○麻生説明員 いわゆる軍事援助を受けるに関連しての事情というものは、向こうはわかっておるというふうに考えております。
○横山分科員 軍事援助に必要な資料は常に承知しておるんだというが、必要なという意味においては、防衛問題全般についての状況も知っておらなければならぬ、こういうことになるわけですね。
○麻生説明員 日本の防衛問題全般に対しての理解というものはもちろん持っておると思います。しかし、そのこまかな点についてまで日本側の事情について干渉するかと申しますと、そうではない、日本側できめたことについて、必要に応じて十分な情報が軍事顧問団としては得られるという状況にあるわけであります。
○横山分科員 少しその辺の言葉があいまいになるのですが、この三億七千二自万円——私の手元に二十九年ごろからの顧問団費があるわけでございますが、二十九年ごろから推計をいたしましても、約三十五億円になんなんとすると思うのですが、大臣、どうでありますか、これらの費用が、今の主計官のお話によっても、常に一年のうちで四半期ことに分割をして——年度当初にきめたのであるから、四分の一に割って渡すというようなやり方を是正なさる気持はありませんか、どうです。政府の支出金でこういうふうに使われているものはあまり例がないと思う。いかにアメリカの問題といえども、予算で年間きめたのであるから、あとで報告はいただくけれども、四分の一、さあどうぞというふうなやり方というものは、年度の予算の支出のやり方としては不適当だと私は思うのですが、どう思いますか。
○水田国務大臣 使途がわかぬわけではなくて、その使途についての十分な査定を行なって予算に計上した額でございますから、この使途がどうなされたかをあとで報告を受けて私どもで十分に知ることができるという形なら、実際問題としては問題がないだろうと思うのです。ただ、それを内地の各機関に支払うような形のやり方をするか、交付金でやるかという問題でございますが、これは外国との協定に基づいた日本の負担の仕方でございますから、交付金の方がむしろ適当ではないかと思います。
○横山分科員 しかしながら、年度の予算というものがそういうような形で支出されてよいものではないと思うのです。最初査定するということは、あらゆる予算がすべて大蔵省と各省の間で査定をされて決定をするわけですから、決定したものを、予算のときに査定をしたのだから、もうあとはどういう要求項目であるか審査しなくてもいい、こういう議論は、大蔵大臣としては乱暴なお話ではありませんか。現にこの金は、審査が年度当初に行なわれておるものであるならば、それはそれとしてそれぞれの支出要求が適正であるやいなやということは、国内法に基づいて当然やるべきではありませんか。いかがですか。
○水田国務大臣 この使途の問題でございますが、事実上はほとんど人件費、旅費でございますから、これは計画に基づいて査定によってきまれば、あとはそれがどう変わったかという報告を常に受ければ大体監督もできるというもので、大部分がとにかく人件費でございますから、その割に問題はないと思います。
○横山分科員 人件費と旅費だから、査定は済んだのであるから、従って、予算の支出についてはそのときどきの問題はない、それは一般論でありますか、本問題についてだけでありますか。
○水田国務大臣 一般論ではありません。外国との協定に基づいて日本が負担する経費でございますから、一々国内事務に対するやり方をするよりも、厳重な査定が行なわれて、使途が明瞭になっておるのなら、こういう形で負担するのがいいのではないかというだけでございます。
○横山分科員 主計官に伺いますが、二十九年以来今日まで、予算と決算との状況はどうなっておりますか。
○谷村政府委員 恐縮でございますが、ただいまその資料を持ち合わせませんが、毎年ある程度の交付済みのもので先方が引き出して使用していない金額、いわゆる繰り越しの金額はあるように記憶いたしております。ただいまもし必要でありますれば、直ちにそういう資料を取り寄せるようにいたします。
○横山分科員 この予算できめて、それが足らぬということはおそらくないですね、余ったとすれば、その金はどういう性格のものに使われていますか。
○谷村政府委員 使わずに、先方が日本銀行に対する預金として持っておると思います。そこで、そういったまだどの程度の使い残りがあるかということも、予算査定の際には調べまして、見ておるわけでございます。それからたとえば人員等、今申した顧問団それ自身ではなくて、先ほど申しました日本人の労務者などの人員につきましても、大体そのつどその経費が必要かどうかということを一応見ております。
○横山分科員 大臣にお伺いをいたしますが、今の話は私はどうも納得ができないと思うのであります。本来これはアメリカの責務に基づいて日本に派遣されておる顧問団で、その使用する労務者は、やはりそのアメリカの軍事顧問団と同様に、アメリカの責務に基づいて行なわれるものです。しかも、それに対して日本が負担をするということはいかがなものでありましょうか。同時に、それを年度当初に否定をしたけれども、あとは四半期ごとに四分の一に割って、さあお使いなさいということで、その場の査定は全然ない。あとで御報告を受けるけれども、その御報告に基づいて、実際はそれじゃ年度の半ばにおいて査定したことがありますか。今承れば、それは余っているかもしれぬという。余っている金は、アメリカの軍事顧問団が預金しておるかもしれぬという。まことにずさんな話だと私は思うのです。これはどうしてあなた方はちゅうちょされるのでありましょうか。国内法の財政法会計法等に基づいて、その支出については、そのときどき、四半期ごとなら四半期ごとでもいいのです、なぜその支出が必要なりや、適切なりやという査定をなさらぬのでありますか。アメリカの軍事顧問団であるから特別の恩恵が与えられておるのでありますか。この点はいかがですか、大臣にお伺いをします。
○谷村政府委員 ちょっと補足的に答えさせていただきたいと思いますが、先ほど預金と申しましたのは、日本銀行に顧問団の公の資金として持っておるのでございまして、間々の者がもちろん持っているわけではないのでございますから、念のため申し添えます。 それから、なぜ途中で査定しないかということでございますが、ちょっと技術的な話になりますけれども、私どもの知っておりますところでは、先ほど申し上げました援助協定の第七条に従いまして、元来日本がその義務を持っておるわけでございますが、さらにそれの詳細につきましては、付属書がございまして、その付属書におきまして、今御指摘がございましたように、できるだけ両国政府は随時提供すべき経費の価格を必要最小限に制限しようという基本的な考え方がきめられております。でございますから、私どもとしては、できるだけこの金額を必要最小限にするようにいつも見ておるわけでございまして、この点ではまことに御指摘の通りになっておるわけでございますが、ただ、それをなぜそのときそのとき査定しないか、見ていかないかということでございますが、それは、やり方といたしましては、一応予算で日本国政府が計上いたしましたところに従って、その分については、先ほど大胆が申されたように、両方でもって合意といいますか、取りきめをいたすわけでございます。すなわち、付属書の方の第四項に、「日本国政府による負担は、両政府の間で合意することがある取極に従って使用に供されるものとする。」とありまして、国会で予算が通過いたしまして成立いたしましたあとで、それでは両国間でそういうふうに負担し、使用しようという取りきめがなされます。その取りきめがあった上は、先ほど大臣から申し上げましたように、先方に対して、交付する。しかし、交付した金額が、もし翌年、毎回々々報告を受けますところに従って、どうも少し使い残りがあるようだというふうに見ておれば、たとえば今回の予算におきましても、先方の要求に対して、当方といたしましては、ある程度査定をした金額でもって見ておるわけでございますが、ある程度の滞留と申しますか、繰り越しがあるということは承知の上で一応査定をしておる、こういう形になっております。
○横山分科員 私には納得ができないのです。もう一度、角度を変えて麻生さんにお伺いをいたしますが、軍事顧問団が派遣をされてから今日まで、軍事顧問団はどういう仕事をしたのでありますか。たとえば自衛隊の防衛計画、訓練計画に参画するとか、あるいは訓練の際に常にともにあるとか、軍事顧問団の日常の仕事の実態はどういうものなのか、これを明らかにしていただきたい。
○麻生説明員 先ほど、基本的な任務といたしましては、MSA協定第七条に規定してあるということをお答えしたのでありますが、もう一度読んでみますと……
○横山分科員 文章でなくて、実際何をやっておるか。
○麻生説明員 実際の問題といたしましては、一番先に申し上げましたように、毎年、日本としては、明年度どのくらいの自衛隊を増設するか、建設するかということを考えるわけであります。その場合、日本の負担としてはこのくらいのことができる、従って、あとの不足分というものをアメリカに援助してもらいたい、こういう一要請をするわけであります。これにあたりまして、向こう側としては、先ほど申し上げましたように、向こうの立場からいろいろ意見を付して本国にこれを送付する、あるいは本国からいろいろ連絡がありましたことをこちらに連絡してくるというようなことがあるわけであります。それからまた、自衛隊の職員が教育訓練をアメリカあるいは日本国内でも受けたことがある、こういう教育訓練の援助とういものに対して、本国政府なりあるいは在日米軍との間の連絡をするというような仕事をぬっております。それから、最近は非常に少なくなりましたが、日本で航空機の訓練というものについて直接助言をしてもらう、あるいは訓練をやっていただく、あるいは巡回指導をするというようなことをやっていただいているわけであります。
○横山分科員 日本の国防計画、防衛計画、そういうものを示して助言を得ることはございますか。
○麻生説明員 先ほど申しましたように、毎年計画を立てて、その不足分をアメリカ側に援助してほしい、こう言うわけであります。従って、この援助に必要な限度において、向こうが日本に援助をするかどうかを判断するに必要な限度で必要な事項を話をすることはありますが、一々向こうの意見を聞かなければ防衛計画を樹立できないというような関連には立っておらないわけであります。
○横山分科員 もちろん、そういうことはあり得ないことだと思うのですが、しかしながら、援助を受けるに必要な限度においてということについて私はひっかかるものを感ずるわけです。援助を受けるに必要な限度ということはどういうことなんでしょうか。言葉の端をとらえるわけではないけれども、援助を受けるためには、全体計画を示さなければその必要性ということがわからない、こういうことに当然なるのではないですか。
○麻生説明員 お答えいたします。防衛計画全体を必ず示さなければ援助ができないかというと、必ずしもそうとは考えられない。たとえば船について申し上げまするならば、船体というものは日本が作り、そして船のうちの主要な部分で、国産でできるものは日本で作る、しかし、現在の日本の防衛生産の技術的な水準では、どうしてもこういう計器はできない、こういう電子兵器はできないというようなものがありますならば、それを援助してもらいたいということを頼むわけであります。従って、そういう船を作るということについての考えというものは、向こうにそういう計画を話さなければ、もちろんそれはわからないわけでありますが、それがために、全体の計画を詳細に向こうに当たって一々了解を得なければ日本の防衛計画ができないかというと、必ずしもそういうことにはならないというふうに考えます。
○横山分科員 船を作る限度においては海軍の顧問団、それから飛行機を作る限度においては空軍の顧問団、それから陸の問題の限度におていは陸軍の顧問団、全体計画にしても、部分計画にしましても、あなたのいつも言われるところの、そうではないということを、かりに一歩退いて認めても、軍事顧問団は三者それぞれ、日本の防衛計画を、部分々々をつなぎ合わせても、結局、ある時期においては全体的に常に承知をしている、こういうふうに理解をしてよろしいですか。
○麻生説明員 お答えいたします。自衛隊がどういう防衛計画でやるかという大きな線というものについては了解しておると思います。しかし、こまかい一つ一つのことについてまで知って一いるかというと、それは、先ほど申し上げましたような、軍半援助に必要な限度でということになると思います。
○横山分科員 防衛庁長官が出ておりませんので、あなたへの質問はこの辺にいたしまして、大蔵大臣に国務大臣としてお伺いをしたいのですが、軍事顧問団は、これは大蔵省の予算書を見た感じにおいては、日本の自衛隊の顧問団のような錯覚を受けるのでありますが、実際問題としては、アメリカ合衆国政府の派遣された顧問団である。むしろ顧問団という言葉に間違いがあると私は思う。質疑応答を通じて痛感されることは、これは日本の軍事顧問団ではないのですから、名称を変えるなりすべきではないかと思う。同時にまた、この支出の方法について改善をすべきではないかと思う。同町にまた、日本の国防計画なり、あるいはその他の軍事計画というものを常に日本にいるアメリカの軍事顧問団が承知をしておるということに私は大きな問題を感ずるのであります。国務大臣としてあなたの御意見を伺いたい。
○水田国務大臣 一定の任務を持ったこういう顧問団というものの必要性を両国で認めて、協定して、日本が給与の一部を分担しておるということでございまして、この顧問団というものが今果たしている機能が必要であるかないかというようなことは、これはまた別の問題でございまして、今、防衛庁の説明する範疇におきましては、大体日本の援助についての意見を述べる機関であって、この機関の存在によって日本が毎年々々具体的な軍事援助を受けているものでありますから、やはりこの機関は日本にとっても一定の任務を果たしておられると思います。名称の問題は、これは私にはよくわかりませんが、要するにそういう機能を果たしている存在があるんだということについては、私は一応必要な任務を果たしておると思っております。経費の負担の仕方については今後十分検討いたしますが、今までのところ、この方式は大きい弊害を起こしているという事実は大体ないのではないかと思っております。
○横山分科員 あともう一つ実は質問の問題を持っておったわけでありますが、時間がないようでありますから、私の質問はこれで終わることにいたしますが、今の大臣の御意見については私は承服をいたしかねるのであります。先ほど申しましたように、これは何か日本の自衛隊の顧問団のような印象を与えておること、それから支出が必ずしも適切ではない、国内法の定めるところによってこれは支出をすべきである。それから私が最も危惧を感じますのは、私どもの立場は全然別にいたしましても、政府・与党の立場をもってしても、この機能というものは、しょせん、日本の国防計画なり日本の防衛計画というものの国内における一つの監視機関である、そうして情報収集機関である、日本の自衛隊の存在、日本の自衛隊の動向、その運用、それらが一切この手に握られておるということを私は結論として痛感せざるを得ない。こういう点については大いに意見を異にするところでありますが、私の質問をこれで終わることにいたします。
○相川主査 河野密君。
○河野(密)分科員 私はきわめて簡単に御質問したいと思います。 御承知のように、アメリカのドル防衛の問題が起こりましてから再び問題となり始めたものにガリオア、エロアの資金の返済のことがあります。この問題は非常に重要な問題でありますので、この国会で質問しないということははなはだ不本意でありますし、分科会が必ずしも適当であるとは存じませんが、ここでその問題を質問したいと思うのであります。 まず第一に、ごく簡明に御質問申し上げますが、ガリオア、エロア資金の総額を幾らと算定しておられるのか、これからまず承りたいと思います。
○水田国務大臣 これはまだ総額が全然きまっておりません。一昨日でしたか、大蔵委員会でも質問がございましたが、昭和二十四年以後援助資金勘定ができてからの数字は明らかになっておりますが、二十四年以前は総司令部が実際に貿易の仕事をやっており、一般の物資と援助物資との勘定の区分というようなものは日本に知らされておりませんでしたので、これは総司令部がおらなくなってから旧貿易庁の資料や総司令部が残していった書類等によって大体の推算はつけておりますが、この額がアメリカ側と突き合わされて債務総額はこのくらいときめることが急務でございまして、今まで長い間両国の当事者間でこの問題をやっておりましたが、まだ総額の突き合わせが済まないという段階でございます。
○河野(密)分科員 総額をきめるのにはどういう方法でおきめになるのでしょうか。
○西原政府委員 通産省から資料の要請がございまして差し…してあるのが一応の資料でありますが、それ以外に、それを裏づけるようなものをできるだけアメリカ側に今要求しておりますし、向こうからも要求しております。それから、私どもの方にはございませんが、ただいま大臣から少しお話がございましたように、いろいろな資料が若干残っておるものもあります。それを目下整理いたしておる、そういう段階でございます。その後において総額を突き合わせることを考えております。
○河野(密)分科員 資料を今整理しておるというのですが、アメリカ側ではこれは予算書に載っておるのでしょうか。
○西原政府委員 通産省から予算委員会に提出されました資料の第一ページでございますが、米国の対日援助額というのがあります。一の方は、連合国軍総司令部経済科学局の統計からの数字でございます。それから二の方は、通産省の企業局で調査いたしました数字でございます。アメリカの予算関係では一応こういうような数字が載っておると聞いておりますが、実際上の受け取りの問題があるわけでございますので、そういう点をいろいろと考えておるわけであります。
○河野(密)分科員 そうしますと、まだ数字がきまっておらないわけですか。これは国会の中でしばしば問題になりまして、ガリオア、エロアの援助資金は債務と心得るというふうに政府は答弁しておりまするが、この債務と心得るというのは、どういう理由によって債務と心得るのですか。
○水田国務大臣 無償援助でないということははっきりしておりますし、そうすれば、これは将来両国の協議によって、何らかの処置をつけるものということでございますから、そういう意味で債務と心得ておるということでございます。
○河野(密)分科員 総額がまだわからない、しかも、内容的に、はたしてその援助物資がその通りに来たかどうかも確定しないが、しかし債務と心得る、債務である、こういうことなんでしょうか。総額もわからないし、その物資がそのまま来たかどうかもまだわかっておらないけれども、とにかく、これは債務なんだ、総額はこれからきめるが、とにかく債務なんだ、こういうわけですか。
○水田国務大臣 二十四年以後の数字は明らかになっておりますが、それ以前が、いろいろな資料でわれわれの方で推定できる額はわかっておりますが、向こうとの突き合わせによってこれをはっきりさせなければ、ほんとうの総額というものは明確になりません。いずれにしましても、昭和二十年から二十四年までの援助ははっきり受けておりますので、そういうものは全部無償援助とすべき性質のものではなくて、米国が直接日本占領のためにいろいろ使った経費というものは、これは講和条約によって放棄されておりますが、放棄されない部分のこの種の援助は、一応私どもは債務であると心得て、何らかの処置をすべきもの、こう思っております。
○河野(密)分科員 これは日本の方で債務と必得ているというのですか。アメリカの方で、これは債権だから返せということを要求しておるのですか、どちらでしょうか。
○水田国務大臣 こちらが債務と心得ておりますし、向こうは、むろん債権と最初から心得ておるものでございます。
○河野(密)分科員 アメリカの国会で問題になったときに、すでに、その予算の取り扱いについては、これは日本の駐も軍事費というものと相殺するという考え方にアメリカは立っておったと私は聞いておるのですが、この点はどうでしょうか。
○西原政府委員 私の承知いたしておりますところでは、そういうことは聞いておりません。
○河野(密)分科員 一九五一年にアメリカの国会で対日援助が問題になったときに、当時の陸軍次官のヴォルヒーズが証人として公聴会に出て、そのアメリカ軍の田本駐留に対する費用というものは、日本に出した援助をはるかに越えているんだから、これを請求するのは二重に請求することになるのだ、こういう証言をしているはずだと思うのですが、これはどうなんですか。
○西原政府委員 ヴォルヒーズは、向こうの第八十一議会、第一会期下院の歳出委員会の公聴会で、ガリオアはドイツ経済に対する貸金となるが、これは日本についても同様であるというふうにも発言しております。
○河野(密)分科員 同時にヴォルヒーズは、日本に援助したものが、日本が負担したものより多い場合においては、今あなたがおっしゃったようなのだろうと思うのですが、そうでなくて、日本のアメリカの駐留軍費というものは、アメリカが日本に対して援助を与えたものよりもはるかに越えておるのだ、こういうことを証言しておるのです。
○西原政府委員 ただいまの御質問は、終戦処理費の額との比較じゃないかと考えますが、終戦処理費とこれとはまた性質を異にいたしておりますので、そういうようなことにはならないということであります。
○河野(密)分科員 御承知のように、終戦処理費というものは非常に莫大な額に上っております。私たちも、終戦処理費とガリオア、エロアとすぐそのまま比較しようとは考えませんが、アメリカの駐留軍の費用として日本が負担したものよりも、そのガリオア、エロアの援助資金の方がはるかに少ないんだ、こういうことを言っておることは、これは間違いじゃないと思うのですが、その点は、外務省あるいは大蔵省の方ではどういうふうにお考えになりますか。
○水田国務大臣 終戦処理費の累計は、大体五十四億ドルぐらいに上っておると思います。ですから、援助額よりもはるかに多いということになります。
○河野(密)分科員 もちろん、終戦処理費は、全級アメリカ駐留軍のために使われたものではなく、今お話のように、大蔵省が発表されたところによりますと、終戦処理費は昭和二十一年から二十六年まで四十七億ドルだということでございます。この四十七億ドルに比べて、そのガリオア、エロアの資金が少ないことはもちろんでありますが、同時に、このヴォルヒーズがこういう証言をしておる。日本のために要求している経済援助額は、大ざっぱに言って、日本が米軍の費用として組み込んでいる額よりも五千ドル少ないのだ、現在の日本の支払うこの占領費がなければ、兵力維持は米軍の経費から必要とされるわけだが、この占領費によってそれだけ米軍の経費は減少する、だから日本に対して援助資金というものを組むことは、これは占領費の一部を負担するものであって、別に日本に対する持異の援助ではないかという趣旨の証言をヴォルヒーズはしておるのですが、これはどうでしょうか。
○西原政府委員 ただいま大臣から申し上げました五十四億ドルというのは、二十一年から二十六年度までの合計額を、当時の軍票換算率で一応換算したものでございます。なお、西独におきましては、占領経費はその援助額よりも相当多いのじゃないかといわれております。 また、ただいまお話のヴォルヒーズの証言でありますが、これはアメリカの国会に対して、できるだけ日本に対する経済援助と申しますか、ガリオアや何かを出してもらうように承認を受けるということを強調するためにそういう話をしたのである、こういうふうに聞いております。 〔主査退席、保科主査代理着席〕
○河野(密)分科員 これは、特にそういうふうに国会の、反対を押し切るためにやったというふうにも見られぬことはないのですけれども、そうでなく、これはアメリカの、駐留軍の費用を上回るものを日本が負担しておるのだから、特に日本において援助資金を取り立てるべきでないという趣旨のことを、その同じときにやはり証言をしておると思います。こういうことになりますと、アメリカにおいては、国会に対する——それはどこの国でも同じですから、国会の神経をなるべくいら立たせないように証言することもあり得ると思いますけれども、その援助物資も、余剰農産物であるとか、アメリカにおける、いわば余ったものを日本に送ったのであるから、特に援助というようなものではないという意味のことも言っておるわけであります。だから、その点は、われわれとすれば、ガリオア、エロアの資金を債務と心得るのだという、その考え方自身が非常におかしいと思うのですが。どうですか、
○水田国務大臣 終戦直後の混乱のときに、日本の民生安定ということが一番必要なことであり、その安定のための物資援助と、次に、日本経済の応急的な復興ということも当時の課題でございましたので、これに要する援助というようなものは、これは当寺から、すでに米国の占領軍に直接占領に必要な経費というふうにも見られておりませんでしたし、また、日本としても、これは日本への純然たる援助である、そして、この援助は、無償ではないということも、当時すでに日本側は承知しておったことである以上は、これはやはり、将来ただそのままでは済まされぬ問題であるということを、もう当時からそういう了解があったのでございますから、政府としては、これはいつか解決すべき債務である、こういうふうに考えておるわけでございます。
○河野(密)分科員 その問題は、またあとで触れることにいたしまして、見返り資金に繰り入れた分は計算が明確だというのですが、見返り資金に繰り入れた額は大体三千四十二億四千六百万円、この数字はこれで間違いないでしょうか。
○西原政府委員 ただいまお話の金額と余剰農産物の売却代金、それを合わせまして三千六十五億が見返り資金に繰り入れられたものでございます。
○河野(密)分科員 三千六十五億が見返り資金に繰り入れたものである、これだけははっきりしておるわけですが、この見返り資金として繰り入れられたものは、少なくとも、この額のものは債務として返済する場合においてはどういう方法で返済されるつもりですか。大蔵大臣、これをかりにあなたのおっしゃるように債務と心得るというならば、債務として返済する場合にはどういう形で御返済になるのですか。
○水田国務大臣 その方針はまだきまっておりませんが、もう物資を国民に先って、そこから代金はとっておるのでございますから、これは、その支払いについても合理的な支払いをしなければならぬと今考えております。
○河野(密)分科員 合理的な支払いをするという、その合理的なというのはどういう方法で支払われるのですか。賠償とか、そういう形がありますね。現在ビルマに賠償を払ったり、インドネシアに賠償を払ったりする、そういうような形と同じような形式で国家の予算に組んでおやりになるのか、どういう形でこれをお返しになるおつもりですか。
○水田国務大臣 今、その問題は政府で研究中であります。
○河野(密)分科員 しかし、これはおかしいと私は思うのですね。債務と心得てこれを返すというのですから、それではどういう方法で返すか、その返す方法がはっきりしないというのは、もし、かりに返すということになった場合に、政府としては、国会にもう一ぺんそういうあれは当然かける、こういう意味ですか。
○水田国務大臣 債務額が確定し、そうして、両国の協定によって日本がどれだけの返済をするというようなことがきまりますれば、きまった額は、憲法によって政府が国会に承認を求める、国会の承認を得たときに、これが初めて確定債務となる、確定債務になってから、こちらはその返済の仕方をきめるわけでございますが、今申しましたように、この援助物資は一ぺんもう国民に売ってあるという形をとっておりますので、この支払いの仕方については、どうするなら一番合理的かということをただいま検討をしておる、こういうことでございます。
○河野(密)分科員 私は、それでは内容的に伺いますが、この見返り資金三千六十五億の運用は、どういうふうに運用されておるのでありますか。
○西原政府委員 お手元に資料が差し上げてあると存じますが、二十八年度に始まりまして、三千六十五億収入が入ったわけでございます。それ以外に、運用収入金その他のものがございまして、いろいろなものを合評して、収入合計額が四千八億ございます。それが支出といたしましては、公企業支出に千三五十二億、私企業支出に千四百億、債務償還費に六百二十四億、経済再建及び安定費に五百九十六億、合計で三千九百三十三億、これだけ支出をされたわけでございます。
○河野(密)分科員 公企業支出というのは、御承知のように、専売公社とか、国鉄とか、そういういろいろなところだと思います。私企業支出には電気事業とかいろいろあるようでありますが、この千四百億私企業に支出されたものは、昭和二十九年の九月に開発銀行に引き継がれたはずであります。そして、その私企業の相手方というのは、具体的に言うとどういうところになりますか。
○西原政府委員 差し上げてございます資料の二枚目の下の方に「開発銀行における承継債権の現在までの回収及び残高」というのがございます。これをごらんいただきますとおわかりいただけますように、貸付先と申しますか、運用先は、電力、海運、石炭、鉄鋼、中小企業、農林漁業等でございます。それの三十四年度末残高は、電力が六百二億、海運が四百七億、その他で千二十三億ということになっております。
○河野(密)分科員 そうしますと、私企業に融資されたものはのは、大体開発銀行に承継されておって、現在お話のような数字が残っておるわけですが、これはいよいよガリオア、エロアの資金を返すとなれば、当然国の予算とか、そういうもので返すべきものじゃなく、現在融資を受けたものでわかっておる額は、その融資を受けた人たちが返すべきだ、こう思うのですが、これはどうでしょう、大蔵大臣。
○水田国務大臣 外国の例を見ましても、これの返済がきまった場合には、おそらく三年、五年という期限ではございませんし、十年、二十年という長期にわたっての分割払いとかいうことになるのじゃないかと思います、まだそこまで交渉しているわけではございませんし、債務額も決定しておるわけではございませんが、そうなったら、その年賦額のいかんによっては、そういう形の回収金でりっぱに払っていけるという見込みも立ちましょうし、まだ問題の解決ができておりませんので、債務が確定したという場合には、支払いについて、さっき申しましたようないろいろな合理的な方法をもってこれに当たりたいと思って、いろいろ検討はいたしておりますが、まだ全然そこまで問題がいっているわけではございません。
○河野(密)分科員 これはさっき申し上げましたアメリカのヴォルヒーズの証言の中にも、日本人は一ぺん支払ったのだから、日本人からもう一ぺんこれを取り立てるべき筋合いのものじゃないということを明確に証言しておるようですが、日本の政府も同じような考えですか。
○水田国務大臣 それはそういう性質のものもございますし、そうでないものもございますし、そこらは十分に分析の上、適当にやらなければいかぬだろうと思います。原則としては、国民に二重払いをさせるというような形のものは避けるべきだと思います。
○河野(密)分科員 この点はきわめて明確で、日本人は一ぺん払っているのですから、少なくとも、アメリカ側においても、先ほど私が申し上げたように、国会の中の陸軍次官の証言でも明らかのように、アメリカ政府も、これは予算の関係においては一応済んでおるという考え方に立っておると私は思うのです。もし、これを取り立てるということになれば、日本の国民から二重取りになるのだということを向こうでも明確にしておるのでありますから、問題になっておるガリオア、エロアの資金は、もう国会で論議すべき段階を越えているのじゃないか。これは開発銀行が融資したものを取り立てて、その取り立てたものを、かりに返すという場合があって、開発銀行が処理すべき問題だと思うのですが、どうでしょう。
○水田国務大臣 これはさっき申しましたように、いろいろございまして、国民が一ぺん代金を支払っているというものもございますし、政府が国の必要によって使っている部分もございますし、いろいろございますから、そこらは十分検討して善処したいということでございます。
○河野(密)分科員 その点は、私は、どうもまだ債務全体の総額もわからないし、それから、私の見るところによれば、一応アメリカ側において解決しておる問題を、もう一ぺん持ち出してくるというようなこと自身がわからないし、見返り資金として融資されたものをどういうふうにするか、かりに、返済する場合としても、どういう形で返済するかという点もはっきりしないし、非常に不明確でありまして不満でありますけれども、一応この問題はその程度にとどめておきたいと思います。 あともう一点、きわめて簡単に御質問申し上げたいと思うのは、今盛んにいわれておる物価の問題についてお尋ねしたいと思うのですが、私は、政府の御発表になった所得倍増計画というものを丁寧に読んでみまして、この所得倍増計画の中に欠けているものが一つある。それは何かというと、物価の値上がりという問題について、政府はこの所得倍増計画の中において何ら考慮しておらないという点が、私は一番大きなミステークであると思っております。物価が上がるということを少しも考えに入れないで所得倍増計画をお立てになっておる点が、私はこの倍増計画の一番大きな問題じゃないかと思うのであります。これをずっと読んでみても、物価の問題については、わずかに「計画期間における物価問題」という一ページほどのことが書いてあるだけであって、この中に何ら物価問題に対して取り組んでおらないと思うのであります。 そこで、私は、きわめて簡単に、具体的な問題だけをお尋ねしたいと思うのですが、料金の引き上げ、増税あるいは減税、そういうものを出し入れして計算してみますと——私の申し上げることが違っておるなら、違っておると言ってほしいのでありますが、政府の今度の予算によりますと、国税の減税で六百三十億まず減税いたします。それから地方税においては、増減税を差し引いて大体三十三億の増税になっております。それから、国鉄料金で四百八十六億円今度は上がることになっている。郵便料金で六十七億上がることになっている。ガソリン税が百八十億円上がることになっている。これをプラス・マイナスすることは非常に機械的でありますけれども、プラス・マイナスしただけでも、減税の恩典というものは、料金の引き上げ等によって全く相殺されてしまう。その上に、いろいろな、ふろ代であるとか、散髪料金であるとか、パーマネント代とかいうものがどんどん上がるということになれば、それだけで国民のふところは、政府が考えておられることと違った方向にいくことが明らかであります。 そこで、私は、政府にお尋ねしようと思うのでありますが、この政府が考えておられるところの減税あるいは料金の引き上げ等に、かりにバランス・シートを作った場合において、国民のふところ勘定はどういうふうになるのだ、現在よりも支出が多くなると考えておるのか、考えておらぬのか、国民のふところのバランス・シートはどうなるという前提を立てておられるのか、これを一つ伺いたいと思います。
○水田国務大臣 よくそういう算術計算をされるのですが、減税される人個人々々と、公共料金が上がったものの負担をする個人々々とは、むろん食い違っておりますので、減税があって、それだけの値上がりがあれば、それだけ相殺されるという計算をするとしますなら、今度は、全体として金利の引き下げがあったためにどれだけ金利の負担が軽くなっているかという問題、さらに根本的には、そういう経済の過程において、国民所得が、常に全体として幾らふえるかということを見のがしたのでは差引勘定になりませんので、私どもは、国民負担は特に中小所得者を中心にして減税するという方針と、それから、公共料金その他利用者が若干負担増になる部分、それから、賃金その他の上昇による所得の増大との関係、いろいろなものを見合って国民の所得が上がればいい、社会保障制度も強化するし、そういう形で、全体のバランスで国民の生活が上がっていけばいいという方向で施策するよりほかには仕方ないと思います。減税によって助からぬ人も国民層のうちには相当ございますが、その国民層に対してはどういう処置をとったらいいかといったら、根本的には、やはり経済成長政策による国民所得をふやす、その過程において、そういう問題を解決するという基、本方向をとっていくよりほかには仕方がございませんので、そういう基本方向によって国民生活をとにかくよくしていく、個々の値上がりがあっても、これは企業の生産性によって一部は吸収させるし、吸収されない部門の解決は、それに対応する所得増をもって臨むというような個々の政策ではなくて、全体の総合政策でいく以外には仕方がないだろうと思います。
○河野(密)分科員 端的に伺いますが、政府は物価は押えるのですか、上げるのですか。
○水田国務大臣 物価はできるだけ押えるべきものだと思います。しかし、経済の成長過程において、この物価体系のひずみが直されない限りは、ひいては経済成長それ自身をはばむ原因になるという、いろいろなネックの問題もございますし、成長過程においてそういうものの解決をやっていくということが次の成長の地ならしになる問題でございますので、いろいろ政策的に押えられておったものが、物価体系全体として見る場合には、今ひずみになっている問題もございます。これらは、やはり成長政策の途上において解決しなければならぬ、やむを得ない問題だと私は思っております。
○河野(密)分科員 わかりました。そうすると、政府の考えるのは、成長政策にプラスになるかマイナスになるか、それがネックになるかならぬかというようなことで、物価を上げるものもあろうし、押えるものもあろうし、いろいろある、こういうふうに大ざっぱに受け取っていいと思うのです。そういう非常に複雑な物価体系を考えておられる中で、今度ガソリン税を百八十億増徴されるわけですが、これは一体だれに納めさせようというのですか。
○水田国務大臣 これは、今のところ、ガソリンの使用者ということでございます。使用者が負担増になることによるいろいろな影響は当然出て参りますが、問題は、ガソリン税の場合は、一時的なそういう負担増をさせることと、それによって経済基盤が整備されることによる将来の経済成長による恩恵というものの比較勘案で、政策的に決定する以外には仕方がないと思います。
○村山政府委員 ただいまの問題につきまして、補足して御説明申し上げます。 ガソリン税を、今度は地方道路税を含めまして、キロ当たり三千四百円上げたわけであります。大体一五%です。軽油引取税の方は二千百円で、大体二割上がったのです。これが上がりますと、直ちにガソリンなり軽油の小売価格に響くかという問題であります。過去の事例でございますが、三十二年、三十四年と、それぞれやっております。三十二年の場合は五千三百円上がりましたが、このときは、小売価格には四千八百円響かしております。三十四年は四千四百円上がって、このときは、フルに小売価格に響かしております。このとき、運賃にどう響いたかという問題でありますが、今度の増率によりますと、揮発油の増税分は、ちょうど運賃に対して一・六%くらいになります。軽油の場合でありますと〇・八%、過去にほとんどフルに及ぼしたのでありますが、そのときの運賃に対する比率は、三十二年には二・四%、三十四年には二・八%であったわけです。しかし、そのときに運賃を上げたかということになりますと、三十四年には全然運賃を動かしておりません。三十二年の場合は、五千三百円のうち、四千八百円だけ小売価格を上げたのですが、運賃は、バスとハイヤーにつきましては上げておりませんで、トラックにつきまして、約一年たってから一部上げた、こういう経緯がございます。それなら一体、当時のハイヤー業者やタクシー業者の採算はどうなったか。小売価格が上がったにもかかわらず、採算はどうなったかということを見ますと、実はかえって採算、収益率はよくなっているという状況でございます。と申しますのは、一つは、当時原油の価格が下がりつつあるということ、特に運賃が下がっていること、それから、お客、貨物の輸送量がふえてきた、道路が整備されておりますので、修理費が理論的に少なくなる、こういう格好で、要するに、そういう経済成長のもとに吸収されたのではないかと思っておるわけであります。 今度の引き上げに伴いまして、小売価格はどうなるかということですが、小売価格は別に認可にはかかっておりませんので、これは石油精製業者がどれだけで売り払うかという、需要供給の関係できまるだろうと思います。 それからまた、これだけ小売価格を上げて、それが従って今度は運賃にどう響くか。これは御案内のように、運輸省の認可になっておりますが、過去におきましては、ごく一部を除きまして運賃に響かせていないのであります。かりに今度一・六%なり〇・八%なりをフルに運賃に響かした場合に、物価に幾ら響くかという問題はもちろんございます。これについては、われわれの方で企画庁の方に計算してもら いましたが、全部動かすといたしますと、理論的には、卸売物価に対しましては〇・〇五%、消費者物価に対しては〇・〇一%響くはずだという計算をちょうだいいたしております。 大体過去の例から申しまして、こんな事情になっているということを申し上げておきます。
○河野(密)分科員 詳細に御説明になりましたが、そうすると、要するに、このガソリン税引き上げは運賃等には響かせないという方針でありますか、それとも上がっても仕方がない、これは自然にまかせるのだ、こういう御方針でありますか。基本的なことだけ一つはっきりしていただきたい。
○水田国務大臣 過去の例を見ましても、計算通りには響かないものでございますし、特に今ガソリンは競争が強いときで、下がりぎみのときでございます。いろいろなことを考慮しますと、大体そう響きはないじゃないかとわれわれは予想しております。従って、これはほかの方面には、響かせないという政府の方針でおります。
○河野(密)分科員 もう少し明確にしてほしいのですが、ガソリン税が百八十億上がった、これは物価に響かせないという方針で、運賃とか、そういうものは上げさせない、上げさせなくても、政府の考えておるいわゆる所得倍増計画の輸送等には支障がないというお考えなのか。あるいは、それは自然にまかしておいて、その吸収し得なくなったものは上げさせるのだ、こういうのか、この百八十億をだれに負担さすのか、政府の考え方を一つはっきりしておいてほしい、こう思います。
○水田国務大臣 ガソリン税のこの程度の値上げだけの原因によって、価の、たとえば政府の認可料金というようなものにも響かせることはしないという方針でおります。
○河野(密)分科員 どうも明確でない。サービス料金とか公共料金とかいうものは、政府では、ある程度上がっても仕方がない、こう言っている。しかも、ガソリン税というようなものは、実際そういうサービス関係のもの公共料金というようなものに関係を持っている問題である。これは上げさせるのか、上げさせないのか。これを物価に響かせないという政府の方針としては、低物価政策というか、物価をできるだけ押えるという方針でいくのか、いかないのか、そこのところを明確にしてほしい。この所得倍増計画の中で、先ほど言ったように、物価の問題をどういうふうに考えるかということは、一番大きな盲点です。物価は、大体過去の実績に照らして上がらないだろう、私は、時間がありませんから、その点は申し上げませんけれども、過去の昭和三十一年から三十四年までの実績をとって、上がらないだろうという想定のもとに、所得倍増計画を立てたとたんに、物価がどんどん上がり始めている。そこに問題があるわけです。その最中に、政府のやっておることは、物価が上がるような政策をとりつつあるから、一体政府の考え方はどうだと聞いておるのです。上げさせるつもりなのか、消費税というものは消費者へ転嫁して、物価が上がったっていいのだ、こういう考え方なのかどうか、それを聞いているのです。 〔保科主査代理退席、主査着席〕
○水田国務大臣 これは非常にむずかしい問題ですが、経済計画を作るときには、物価というものは一応安定して、横ばいという線で計画を立てる。物価が上がるというときには、それに伴った伸び率も考えられますが、一応一つのベースに戻せばこうだということで、いろいろな計画が立てられておることは事実だと思います。しかし、これは指針になり、指標になるものでございましても、現実の経済はそうではないのでございますから、そのために、やはり年度別の一つのものさしは持っていなければなりません。そのものさしに沿った年度別の具体的な計画というものがまた別に立てられなければ実際の運営はできませんので、私どもは、そういう方向の経済運営をしようと思っておりますが、物価というものはどういうことかと申しますと、国民の生活水準が上がるということは、一体どういうことかという問題になってきますが、国民の生活水準が上がるということは、国民が高度のサービスを享受できるということでございます。高度のサービスということは、低度のサービスよりは値段が高いのが当然でありまして、その高くなったサービスを享受し、これを消化し得るだけの所得というのが問題になるのでございますから、常にそういうものよりも所得のふえる方が多いという施策が行なわれるなら、この施策が達成されたときが、やはり国民の生活水準が上がったというときになります。上がったときの姿というものを見ましたら、やはりサービス部門というようなものも、上がるべき姿に上がっておるということになりますので、物価は上げないのだ、しかも、所得は倍にするというふうに単純に考えられたら、これはやはり一つの誤りでございまして、私どもは、そういう点から、十年先の物価の見通しというようなものも、これは正式機関じゃなくて、いろいろの機関を通じて参考のために、今勉強しておりますが、なかなかおもしろい計算が出ます。もし、今、一定の作業に従事しておる人の所得が倍になるというためには、その人の扱っているものが幾らになるかということを、代表的な、特に労賃が多く含まれておるものと、そうじゃなくて、労賃はわずかだが、原料費が大部分だというようないろいろな品物についてやってみますと、これは政府の計算ではございませんで、私個人の計算でいきますと、所得が倍になったときに、物価が三〇%上がると予想されるものが今のところ最大であって、平均十何%という上がり方になるのじゃないか、そのとき所得が大体倍になるという計算もいろいろ出ますし、これはむずかしい問題でございますが、私は、十年で国民所得を倍にするという過程において、関連する物価が十何%程度上がるということは、これは、むしろあるべき姿じゃないかとすら思っておりますので、これを十年で思ってみるということになると、物価の上昇が必要に応じては一%前後上がるというようなことは、不自然なことでもなし、これが経済成長を阻害することでもない。これは個人意見でございまして、今研究中でございます。この点について、私は、今あまり心配しておりません。
○河野(密)分科員 大蔵大臣、あまり調子に乗っていろいろなことをおっしゃられると、かえってぼろが出るから、少し控えた方がいいと思うのです。そんな大蔵大臣のようなことを言われると、すぐ、あなたの方から下さったこれをお読みになって下さいと言いたくなる。物価のところにこういうことが書いてありますよ。所得は倍にするのだけれども、もし、物価が上がれば、名目的には倍増以上の目標に達するのだ、こう書いているので、あなたのおっしゃるように、所得が倍になれば物価も三〇%上がるんだというようなことは書いてないのです。実際は、所得が上がれば上がったに応じて、物価が上がれば上がったように、所得の倍増よりももっと大きな計画にいくのだ。そこで、所得倍増計画の盲点というものは、物価のことを計算に入れておらないところに非常に大きな盲点があるし、しろうとだましの点がある。これは一番大きな問題であるが、その問題が、今ちまたにやかましくなってきた物価の問題になってはね返っているんだ、こういうことを申し上げたわけです。その点は、ここで議論してもあれだからやめておきますけれども、そこのところは大蔵大臣も一つ慎重に発言してほしいと思います。 そうすると、いろいろ物価論議はいたしましたが、とにかく、物価をなるべく上げないという方針で、あるいは消費税を上げても直接物価には響かないようにするのだというのがあなたの方針ですか、それとも、ある程度消費税が増徴されたものは転稼されていくことはやむを得ないというのがあなたの方針ですか。これを明確にしておいて下さい。
○水田国務大臣 さっき話しましたように、他に響かないようにするというのが方針でございます。それから、今言ったことに誤解があるといけませんから、もう一言つけ加えますが、最悪の場合の計算をして、しかも、その場合に生産性の向上というものを一応見ないで、最悪の場合としてやってもそれしか計算がつかぬということになりますと、日本の経済が今後十年の間にどれだけ生産性が向上するかという要素を入れたら、物価問題は、さらにそれよりも低いところにいくという計算になりますので、私は、だいぶ物価問題についていろいろ騒がれておりますが、この問題が、今われわれの持っている経済成長政策を特に阻害するものではないというふうに、この点は非常に楽観しております。
○河野(密)分科員 最後に、一つごくこまかい問題をお尋ねして、私の質問を終わりますが、大蔵省の印刷局の方は見えておりますか。——見えておらなければ、官房長でもけっこうです。 印刷局が、あそこのアメリカ大使館の前の、元の電電公社の建物を本庁に改装するという計画、これが予算の特別会計の中に十四億幾ら載っておるのですが、これはその通りに承知してよろしいのですか。
○宮川政府委員 その通りであります。
○河野(密)分科員 電電公社の本社が移ったあとの建物はこわして、新しく庁舎をお建てになるという、そういう計画なんですか。
○宮川政府委員 ただいま電電公社が使用しております庁舎の木造の方はこわして鉄筋にする。鉄筋の部分はそのままでございます。
○河野(密)分科員 鉄筋の部分と木造の部分はどのくらいの比率になりますか。
○宮川政府委員 ただいま調べておりますので、暫時お待ちを願います。
○河野(密)分科員 その数字は、あとで伺ってもよろしいのですが、私のお聞きしたいことは、ああいう恒久的な建物を建てて、また、全くこれを改装して別の目的に使うというために莫大な金を使うというのは、ちょうど道路を掘り返しているのと同じで、非常にむだだと思うのです。その点は、国の予算を経理しておられる大蔵省としては少しおかしいじゃないかと思うのですが、どうなんですか。あそこに工場をお建てになる、地下を、工場にされるということなんですが、ああいうところに工場をお作りになることは、どうして必要なんですか。
○宮川政府委員 鉄筋の部分をもう一度改装するというようなことはいたしませんで、木造の部分だけを鉄筋の部分に改装する。従いまして、非常に不合理な改装をするようなことは厳に慎みたいと思っております。
○河野(密)分科員 地下を工場にするというのはどうなんですか。
○宮川政府委員 地下は二階になりまして、そのうち、一部が上場になるかもしれぬということです、不確かではなはだ恐縮ですが、ただいまその程度のことしかわかっておりません。
○河野(密)分科員 こういう中央に工場を作るということ自身が非常におかしいのではないかと思うんですが、どういう関係でそういうことになるのでしょうか。
○宮川政府委員 御承知の通り、印刷局は、官庁関係の印刷を全部総合してやっておるわけであります。従って、官庁街に最も近い葵町の土地を選びまして市ケ谷から工場を移したい、かように思っておる次第であります。
○河野(密)分科員 中央の、ああいうところへ工場を作るといずことは、無計画ではないかと思うんです。私の聞いたところによれば、あの電電公社の現在の建物は、鉄筋を残すとおっしゃったけれども、あれをみんな改装して、根本的に建て直すということになったところが、アメリカ大使館から、あそこへ工場を建てるのはけしからぬという抗議が出て、そういうアメリカ大使館の抗議をかわすために地下に工場を作って、そうして、音が外部に聞こえないようにするために、莫大な金をかけてあそこの建物を全然建て直して工場を作る、せっかく鉄筋コンクリートで建てておいて、ほかに利用価値のあるものを、特に全体をこわしてやるというのは非常にむだがあるんじゃないか、そういう計画というものは、われわれとしては納得がいかないと思うので、私御質問申し上げたのですが、あなたが、木造の部分だけであって、決して鉄筋の部分は手を触れないのだとおっしゃるならば、一応そのように伺っておきますが、その点は十分お考えを願いたいと思うのです。
○宮川政府委員 印刷局長が参っておりませんで、正確なことの御答弁ができませんことは遺憾ですが、御趣旨の点は、実施にあたりまして十分配意して参りたいと思っております。
○河野(密)分科員 どうも、実施にあたりましてはというよりは、これを実施する前に考えてほしいのです。そういうことは、だれが考えてもちょっと非常識ではないかと思うのです。電車公社の建物はりっぱな建物です。あれをぶちこわして、あそこに、下を工場にして全部やり直して建てる。予算は去年が三億ですか、今度は十四億予算を計上してあります。ただでできるんじゃないですよ、実際。これはどういう考え方によってそういう計画を立てられるのですか。せっかく使える建物、あの電電公社のはりっぱな建物ですよ、これをぶちこわしてしまって、また地下からやるのじゃ、私は非常に不合理じゃないかと思うのですが、これは一つ、十分実施にあたりましてはというより、実施しないようにしてほしいのです。
○宮川政府委員 よく検討いたしたいと考えます。
○河野(密)分科員 終わります。
○相川主査 明日は午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時二十二分散会