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38回国会衆議院1961/06/07

文教委員会 第30号

発言数
55
登壇者
10
会派数
3
開催日
1961/06/07

会議録

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 これより会議を開きます。  日本育英会法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  本案につきましては、去る三月二十九日、荒木文部大臣より提案理由の説明を聴取いたしておりますが、本案は参議院において去る四月二十八日、修正され、同日本院に送付されました。  なお、念のため、便宜、委員長より参議院においての修正について申し上げますと、その修正個所は、第十六条の四第一項及び第二項の改正規定中の「継続シテ高等学校」とあるのを「継続シテ中学校、高等学校」に改められておりますことを申し添えます。  それでは本案について質疑の通告がありますので、これを許します。小林信一君。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 最初にお伺いいたしますのは、まだほんとうに学生の要求というものを満足するような状態でないわけでございますが、最も問題になるのは、回収状況というものが非常に問題になると思うのです。これを円滑にして大ぜいの学生に使わせるようにすることが大事だと思うのですが、われわれの伺うところでは、どうもこれがうまくいっておらないようなのです。この現状について文部省の方の調査の様子をお開かせ願いたいと思います。

纐纈彌三自由民主党文部政務次官

○纐纈政府委員 ただいまの御質問につきましては、数字に関する問題でございますから、説明員より御説明いたさせます。

西田亀久雄文部事務官(大学学術局学生課長)

○西田説明員 昭和三十四年度末の状況におきまして、日本育英会が過去に貸与いたしました資金の総額が約三百八十四億円になっております。この中で各人が年賦または半年賦で返還いたしますので、まだ期限のきていないものもございますし、また現在すでに時期がきて返還されたもの、また延滞しておくれておるもの、いろいろございますが、三十四年度末までの状況で申し上げますと、返還時期が到来をして戻すべき資金の総額が四十四億円になっておりまして、そのうち実際に返還されましたものは二十三億円でございます。従って返還の率の点で申しますならば、時期のきました資金の総額に対して収納された金額をとりますと約五二・五%、このような回収状況になっております。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 もちろん返還する人の経済事情ということも考えなければならぬわけでございますが、しかし一応その人たちはその育英資金によって勉強ができたわけでございますので、これから勉強する人たちのために回収に努力することが当然だと私は思うわけでございます。ただ問題は、これを回収すべく督励することが文部省としての責任であって、これを完全にして循環を容易にすることが考えられなければならぬのでございますが、これに対して今文部省のとっておいでになる方法、これが完全であるかどうか、文部省として非常に手薄であるとか、こういう点に困難があるとかということがございましたならば、その点を御説明願いたいと思います。

西田亀久雄文部事務官(大学学術局学生課長)

○西田説明員 御指摘の通り、現在までの返還金の回収方法は、本部の日本育英会が全国に分布いたしました要返還者に対しまして、期日の到来いたしましたものに文書による督促請求というもののみをもってやって参ったわけでございます。従いまして本人からこれに対して直接回答が来ない場合には、繰り返し督促という文書請求一本で参りましたので、現在までのような実績になって参ったわけでございます。これを改善いたしますために数年前から研究をいたしまして、三十五年度からは東京地区におきまして試験的に外務員制度というものを実施いたしました。そしてそれらの延滞いたしております者を直接訪問をいたしまして、そしてその延滞の事由等を実際に調査をし、経済的な理由で返還の困難なものがどれくらいか、また戻せるのになまけておるものかどうかということを実際に調査をいたしまして、その結果大体わかりましたことは、その訪問をいたしましたもの約八五%ぐらいのものは、期日をきっちり守るという意識が非常に不十分であるということで、戻す能力がないとか、また特に悪質で返還をしないというようなことを考えておるものではない、かようなことがわかったわけであります。そして一四%ぐらいのものがやはり経済的な理由で今返還が困難だというような事情もわかり、同時に返還の猶予の手続をしていないというような状態にあることがわかりました。それで返避意識が欠除してまるっきり誠意がないというものは実際に調べましたところ〇・二%以下でありまして、これらもさらに指導によって十分回収の見込みがあるということがわかりましたので、三十六年度からは、このような外務員の返還金回収網を全国的に整備をいたしまして、そして将来約五カ年計画で現在の延滞額をすべて回収できるような実行計画を立てまして、その第一次としまして、本年度大阪に日本育英会の支所を開設いたしまして、近畿地区の要返還者に対する外務員制度を実施し、今着々準備を進めておるわけであります。この完成を見ましたならば、御指摘のような現在のよろしくない状態が相当実質的に改善されることを期待いたしておるわけでございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 国の金だからということを考えれば、あるいは返還する意思もにぶるかもしれませんが、その金が自分と同じような境遇のものに使われるということを意識されれば、ある程度まで無理をしてでも返還するという態度になってくると思うわけで、これがただ自由意思で返還させるというふうに放置しておきますというと、そこに心ならずも返還がおくたり、あるいは返還しないというふうなことがあると思うのですが、そうした万全の措置を講じて循環というものが容易にできて、多勢の人が恩恵を受けるように一そうの努力を私はお願いしてやまないものでございます。  さらにまだまだこの金に対する要望というものは非常に多いわけでありまして、しかも進学の希望というものは、こういう時代の進展に伴って一般国民の熱意が高まってくるわけでありまして、単に今日の額で満足することなく、できるだけ政府においては考慮をしていかなければならぬと思うのでございますが、この点につきまして次官から今後の育英資金の増額、こういうことについての御見解をこの際承っておきたいと思います。

纐纈彌三自由民主党文部政務次官

○纐纈政府委員 お答えいたします。  文部省といたしましても育英会の制度ができましてから、この制度を拡充して、経済的事情その他によって実際進学できない方々のために努力を続けて参っておりまして、年々金額も増額するような状態になっておりまして、漸次これが満足のいくようになって参りますと同時に、ことに根本問題といたしまして、いわゆる貸与にするか、給与にするかという問題もございまして、この点につきましても今年度予算においてはある程度給与のような問題についても一応考えられるような状態になっておるかと考えるのであります。  いずれにいたしましても、この育英制度というものをさらに充実いたしまして、将来優秀な頭脳を持っておる有為の青年で経済上の事情その他によって進学できないものに対して進学の機会を与えて、将来大いにその能力を発揮するような線に進めていきたいということを考えておるわけでございまするし、同時に先ほど御質問がありました問題でございますが、返還の問題につきましても五二%程度のところまでいっておりますが、これにつきましても先ほど説明員からお話し申し上げましたように、ほんとうに悪意で納めないというものはきわめて少ないのでございます。また貧困によって実際返還ができないというものも相当あるようでございますが、そういう問題につきましては、ただいま御説明がありましたように支所を作りまして、外務員をふやし、そうしたものの活動によりまして、この返還の成績をもっとよくして、そうしてその資金と、一面年々増加して参ります国の助成の金とをあわせもって育英制度の徹底をはかりたいというふうに考えております。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 育英資金という問題については、これはそういうふうに御配慮願っていけば、だんだん学生の要望を満たしていくことができると思いますが、育英事業というものは文部省としての大きな責任の問題だと思うわけでございます。今のところかえって育英資金をもらうことよりも、もっと父兄あるいは学生当事者の希望するものはほかにもいろいろあるのですが、こういう点についていろいろと考案をしていただきたいというのがほんとうの希望なんです。たとえば宿舎の問題です。これはいなかのわれわれ父兄としては最も心配するところでありまして、なかなか東京で宿舎を見つけるのに困難である。しかもその宿舎も学生の立場を考えれば最も環境のいいところとか、あるいは勉強のしやすいところとか、いろんな条件を考えていくわけでございますが、そういうことは全然不可能である。たとえ二畳でも三畳でも住むところがありさえすればいいのだというような現状にあることは、まことに学生を遇するのに遺憾といわなければならないわけでございましてももっと育英事業というものを拡大して、その完全をはかっていただきたいと思うわけです。学生の宿舎の問題についても文部省として考慮されておるわけでございますが、なかなかその希望を満たすような状態でないことは御承知の通りだと思います、こういう点に私は画期的な施策を希望してやまないものでです。  さらに今学生はこういう資金をもらいながらも、さらに大がいの者がアルバイトをやって、学資を自分で調達しておるような状態なんですが、こういうふうなものの相談を受けるところとか、あるいはそういうふうなものについての指導をする機関とかいうような多面にわたっての育英事業というものが私は必要だと思うのですが、こういう点について何かお考えがありますならば、この際お伺いしておきたいと思います。

纐纈彌三自由民主党文部政務次官

○纐纈政府委員 ただいま小林委員の御説まことにごもっともなことでございまして、御承知のように戦後特に衣食住に困っておりましたが、衣食の方は大体整って参りました。今日なお住宅が非常に不足しておりまして、国といたしましても住宅を創設することに努力いたしておりますが、学生におきましても特にこの住宅問題には、今お話のように非常に苦しんでおるわけでございます。各府県等におきましても学生寮というようなものを作っておりますが、これもきわめて設備が小さくて十分の期待に沿うような状態にもなっておらないようなことでございます。国といたしましてもその点につきましては考慮いたしまして、今もお話がありましたように、学生のための寮を作ることに努力を続けて参っておりますが、これまた不十分な点、今御指摘の通りでございます。私立の方につきましても、私学振興会の方の融資によって、それを奨励するというようなことになってやっておるわけでございますが、もとより不十分でございますので、今後ともいわゆる育英事業——資金の問題じゃなくて事業の問題につきましても、いろいろの点を考慮しつつ、困っております学生のために、また父兄のためにも何らかのお手伝いができるようにやっていきたいという考え方を持って、今後もその方針によって進めていきたいというふうに考えております。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 政府の今やっております教育に対する施策というものは、われわれに言わせれば、まだ非常に形骸的なものであって、そういうこまかいところにまで配慮して、そして学生の勉強を十分にさせるということまでいっておらない段階だと思うのでございますが、いなかの父兄とすれば、そういうことが宿命的なもののように考えられて、非常に高額な学費を送って、しかも学生が勉強するにはまことに不適当なところで、窮屈な思いで不自由しながら勉強しておるのですが、こういう和解人たちにもっとゆったりした勉強ができるようにしてやることに、私は文部省として責任を感じていただかなければならぬと思うのでございます。今次官から、一応の御説明を受けましたが、もっと何か具体的なものが伺えると実は期待しておりましたけれども、そうしたものが伺えないのが残念ですが、とにかくそういうような要望というものがあり、それが仕方がないというふうなあきらめを持たせるような状態にあることはまことに忍びないものがあるわけでございまして、十分この点にご考慮を願いたいと思います。  そこでこの法案でございますが、十六条の高等学校、大学の教育の職にある者については返還を免除するというような特例が出たわけでございますが、中学校も今度は入れることになったわけでございますけれども、なお私は小学校あるいは幼稚園に働く者で、こういうものに該当する者があるのではないかと思うのですが、その点の御調査とかそういうものがなされておるかどうか、その点と、そういうふうな者がもしありとするならば、なぜそれを除いたのか、この点をお伺いしたいと思います。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 御承知のように現在返還免除職となっておりますのは、一つには義務教育の教員を確保するということで、大学を出て小中学校の先生になりました場合、それから学術振興研究者養成という見地から、大学院卒業後大学の教員になった場合というふうに限定されておるわけであります。今回の育英会法の一部改正で、高等学校教員確保、高等学校の急増に対して大学新卒の人材を確保するという趣旨から、この返還免除職の範囲を高等学校の先生にまで拡大するということにいたしたわけでございます。なお、大学院を出て小学校あるいはそれに準ずるよりたところに行くという者は、現在おそらくその実績はなかろうと思っておるわけでございます、現状から申しまして、そこまで範囲を拡大することは、現状においては必要なかろうというふうに考えております。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 私の質問が悪かったのですが、この最初の方の「小学校、中学校、高等学校、大学」、大学を卒業した者で教職についた者はその一部または全部を免除するというふうに書かれてあるわけですが、私の質問したかったのは、幼稚園の先生になっておる者も、大学あるいは短期大学等を卒業して、従事しておる者があると思うのですが、これを実はお伺いをしておるわけなのです。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 今回の改正では幼稚園の先生は免除職に含まれておりません。もちろん幼稚園教育の充実をはかるということは重要なことであると思っておりますが、現状を申しますと、幼稚園の先生は御承知のようにほとんど全部が女子の方でありまして、なお比較的短い期間の間に退職するということになっております。もちろんこれはいろいろ給与なり家庭事情等があることと思いますが、実際採用の状況から申しますと、大学卒業者はきわめて一部分でございますし、又、その中で奨学金を受けている数はきわめてわずかな数でございますので、これを返還免除職の範囲に入れるということをいたしましても、幼稚園に特に優秀な教員を確保するという、そういう効果は現状では期待できないというふうに考えまして、今回の改正では免除職からはずしておるわけでありまして、この点につきましては将来の検討に待つことといたします。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 少ないからといって無視するということは、私は不公平だと思うのです。そういうところを卒業した人であっても、幼稚園の先生をやるというようなことはないわけでなし、またあってしかるべきだと思うわけです。数が少ないから、また奨学資金をもらった人がそういうものにならないということだけでほうってしまうとは、これは不公平を欠くものだと思うのでございまして、少なければ少ないだけ費用はかからないわけですから、該当させることが私は妥当だと思うのですが、今お話のように、後日御考慮願うというならば、私たちはこれに異議のないところでございます。  さらに第三十六条の二でございますが、この北緯二十七度以南のところに勤務する人たちを、今の十六条の四と同じような待遇をするというその理由は、こういうところに行って勤務する人たちはどういう仕事に勤務しておるからか、それがまた何ゆえこれと同じように待遇するのか、その点を御解明願いたいと思います。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 御承知のように、この法文に書いてございます「北緯二十七度以南ノ南西諸島」云々、これは全般といたしまして、要するに沖繩のことでございますが、沖繩につきましては、わが国の施設権がございませんけれども、明らかに日本の領土でございます。従って、沖繩の教育確保という政策に日本が応援するということは、当然のことと思っております。従って、大学におきまして奨学金を受けて沖繩の先生になるという場合に、日本の内地勤務と同様に返還免除にしたい、こういうことでございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 その「研究ノ職」というのは、やはり教育に関係する、あるいはこれと同等の仕事をさしておるわけですか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 この点につきましては、教育は、小学校、中学校、高等学校というふうになっていくわけでございますし、また、大学院を出ていろいろな研究の機関につくという場合が、研究の職ということでございまして、この点につきましては、従来、内地で恩恵を受けておりました者と全然変わらないわけであります。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 私は終わりますが、関連があるそうですから……。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 関連して今の大学局長のお話の中で、私はかなりゆゆしい問題が含まれておると思います。それは、幼稚園教育に対しましての大学局長の見解として、幼稚園ではそういう人材が得られないということと、それから長年勤務しないというような考え方から、幼稚園の教員をはずした、そういう理由づけをされておりました。これはおそらく全国の幼稚園長会がこういう話を聞きましたら、非常に憤慨ををし文部省当局の考え方というものに悲観をすると思うのです。というのは、私は幼稚園の園長もやりましたが、幼稚園の教育というものは非常に重大だと思うのです。五才、六才の子供の間に社会性をつちかっていく、あるいはまた、いろいろな教育の端緒をつかむというか、そういう意味合いでこの教育はないがしろにできないと思います。そういう考え方からこれを除外されておるということになると、改めてもらわなければならぬ。それが一つ、それからもう一つは、現在大学で奨学金を受けてそうして幼稚園に行っている人は少ないというお話ですけれども、どれだけそれがあるかという基礎的なデータの上に立ってこれをはずしていく。少なければ私は入れてもいいのじゃないか、こう考えるのです。これはゆゆしい問題だと思いますので、その二つの点についてお答え願いたいと思います。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 幼稚園の教育が、小学校に上がる前の就学前教育として、きわめて重要な意味をもっておるということについては、私どもも全くお尋ねの趣旨に同感でございます。幼稚園教育の充実をはからなければならぬということは、当然のことと私どもも思っておるわけであります。ただ、免除職の範囲に入れるかどうかという点でございますが、私は決して幼稚園の先生に人材がないというふうには考えておりませんけれども、先生の現状から申しまして、たとえば幼稚園の先生は九〇数%までが女子の先生であり、それから大学の卒業者は大体五%程度の現状でございます。そのうちほとんどが五年以内に御退職になるというような実情でございまして、そういった実情から、こういったものに返還免除を今範囲を拡大するというようなことをいたしましても、特に優秀な教員を確保することができるかどうか、その点についてまだ疑念があるということを申しましたので、この点については将来、先ほど申しましたように十分検討いたしたい。なお、必要があれば、幼稚園制度全般についても検討をしていかなければならぬものというふうに私ども考えておるわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 人数。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 先ほど申しましたように、大学を出まして新たに幼稚園に採用になる幼稚園の先生は、大体全体の五%程度というふうに数字が出ております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 そういうようにお考えいただければけっこうなんですが、別に言葉じりをつかまえるというわけではないのですけれども、人材が得にくい、そうして五%程度だから、これはしなくてもいいだろうという理由にはならぬと思うのです。五%程度ならば、それを多くするためには、奨学金制度なんか設けて、その範囲に入れるならば、人がかえって幼稚園に行きやすいような、幼稚園の教師になりやすいという結果を来たすと思うのです。これは明らかに幼稚園教育を重要視する一つの施策だと思うのです。それに疑念があるということでなくて、むしろはっきりしておるのだと思うのです。そういうことをすることによって、幼稚園教育を充実していくということになると思う。それから、待遇問題ももちろんあると思うのです。それらをひっくるめて、義務教育に続く幼稚園教育としていくことは、今後必要だと思うのです。小さい間にいろいろな機能だとか社会性を伸ばすということは、非常に大事だということを私は痛感をしておるわけです。そういう立場から、大学局長のお考え——それは文部省のお考えであればなおさら直してもらわなければ、おそらく全国の幼稚園長会、幼稚園の先生は、今のお言葉では悲観すると思いますので、一つそういうお考えは是正しながら、奨学制度というものをあわせ考えてもらいたいと思うのです。  それから、第二点としてお伺いしたいのは、先ほどの質問の中にもありましたように、政府部内にまだこの未返還者があるという実態が参議院の審議段階において問題になっておりましたが、これがどうなったかということです。あるいはどういうように足元をやっていただいておるかということもやはり聞いておきたいと思います。私は、政治の姿というものは、自分自身を正すことから始めなければ、人が返還しないというためにいろいろセクションを設けてそういうことをやってみても、これは笑いものになると思うのです。これは参議院の段階にそういう審議がなされておるのでありますが、その点について一つお答え願いたいと思います。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 先般来お答え申しておりますように、確かに政府職員の中でも、育英資金の貸与を受けた後にまだ返還をしていない、返還滞納しておるという者がございます。ただ一般の場合に比べますと、その率はもちろん低くなっておるわけでございます。一般の場合に比べれば返還の成績はいいということは言えるわけでございます。ただ、いやしくも返還の強化をはかる、滞納をできるだけ少なくするということから考えますと、当然まずもって政府職員についてはこういった状況をなくさなければならぬということで、私どもいろいろ調査をいたしておるわけでございます。調査が完了いたしますれば、関係各省に十分連絡をいたしまして、場合によっては閣議でも取り上げていただいて、全体的に政府部内からは滞納者がなくなるような措置を講じていきたいというふうに考えておるわけであります。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 もう一つ、大阪支所の問題についてお聞きしておきたいのです。こういう何か事がありますと一つまた役所を設けて、屋上屋を架していくというようなことは、従来官僚機構の中で一つの弊害と私は考えられると思う。それでどういう方法によってこれを運用していくか。ただ国家の費用を使うだけに終わってしまって、もちろん成績は上がるだろうと思うのですけれども、それだけの効率があるかどうかということを私問題に思っておるのです。それで、予算書には出ておるわけなんです。しかしながらどういう格好でこれを運営されるか、あるいは東京との関連をどういう工合にお考えなっておるかということを一つお聞かせ願っておきたいと思います。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 御承知のように、返還事務につきましては、東京並びに関東関係、主として東京でございますが、これは育英会がみずからその仕事をするわけでございます。東京と並んで関西地区、ことに大阪は、学生の数も非常に多いところでございますので、これの返還事務の処理について大阪に支所を設けるということでございます。実際はこの二、三年始めておりますところの外務員制度の採用等によりまして、東京で実際成績を上げておりますので、それと同じようなことを大阪でもやっていきたい。特に大阪支所において特別な組織をもってやるということは別に考えておりません。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 どこにそれを置いて、現在そういう要員がちゃんと確保されておるかどうかというような具体的な問題、それを一つお答え願いたいのです。

西田亀久雄文部事務官(大学学術局学生課長)

○西田説明員 先ほど申し上げましたように、東京地区では三十五年度から試験的に十名の外務員によって、どの程度の能率が上がるかということを実験いたしておりまして、この外務員制度を実施いたしました場合に、従来の文書督促による場合よりも全体的なコストとしては高くつかないで、率は相当向上できるという、実績を一応つかみまして、三十六年度に大阪支所の開設を予定いたしておるわけであります。育英会といたしましては、この春から準備をいたしまして、大阪の事務所を一応きめまして、支所開設のために東京方面からの職員の配置転換が行なわれましたが、予算上これが大阪支所としてあらゆる職員を採用し、実際に活動を始めますのはこの七月以降でありまして、実際外務員が活躍いたしますのは、九月以降に予算上なっておりますので、まだ大阪支所としましての全体的な実績は上がっておらない段階でございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 もう二点お聞きしたいのです。先がたの返還の問題ですが、累年、あとほど、新しい卒業生ほどこの返還に対する意識が低い、こういうデータが出ておるように思うのですが、これはこちらの督促の仕方にも問題があるのだということを先がたおっしゃっておりましたけれども、どこにその原因があるかということも一つこの際検討されておれば御返答いただきたいと思います。

西田亀久雄文部事務官(大学学術局学生課長)

○西田説明員 昔の卒業生と最近の学業生とを比べました場合に、全体的に申しますならば、確かに最近の方が、卒業して第一年度の返還率というものが必ずしもよくなってないという状態は見られております。しかし現在の段階で全体を比較いたしますと、奨学金の単価が、御承知のように十年前にはまだ二千円以下というような単価でありましたし、また終戦当時には一人当たり六十円とか九十円というような単価でございましたので、貸与額そのものから申しましても、過去の卒業生は返還が比較的容易でございます。最近の卒業生は、一時就職難その他の状況もございまして、卒業後の返還が必ずしも思わしくいかない時期もございましたけれども、特に育英会としましては、量的に非常に返還者が膨張いたしましたので、一人々々に対する督促請求が必ずしも従来ほど徹底しにくくなってきたというような事情もあったかと思いまして、返還者の返還意識が非常に低下したというふうには考えにくいのではないかと思っております。従ってこの外務員による本人が戻しやすい方法を、育英会が制度的にしむけることによってこれらの問題は解決ができる、かように見込みを立てておるわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 もう一点お聞きしておきたいことは、国の育英会の制度の問題と、それから府県が独自でこういうことをやっておるところの問題と、なお民間団体によってこうした育英奨学制度をとっておる団体と、これらを一貫して文部省としては考える必要があると思うのです。いわゆる人材開発の面と、なお社会保障制度の上からこの民間の問題と府県の問題と、それから国の問題とを考えていく必要があると思うのですが、それをどういうふうに把握されて、将来の発展、連絡をどういう工合におとりになる規模なり考えを持っておられるかということをお聞きしておきたいと思います。

西田亀久雄文部事務官(大学学術局学生課長)

○西田説明員 最近の状況を申し上げますと、国内で全体的に行なわれております奨学卒業全体の事業規模から申しますと、日本育英会の事業が約八五%を占めておるわけであります。その次に大きいのは厚生省の関係の母子福祉の貸付金でございますし、それに次ぎまして都道府県が独自に営んでおります奨学事業でございます。民間の事業団体は、数は文部省所管だけでも四百を上回っておりますが、全体の事業規模からいえばわずか数%にすぎないという程度でございまして、御承知のように、厚生省の母子福祉は、それ自体母子家庭に対する特別な政策として立てられておりますので、各大学におきましては、その実施上これらが重複しないような調整は採用者側で配慮してやっていただいておるわけでございます。府県の採用の場合も、主として府県の教員の確保というような、比較的地域社会の目的に限定したものになっておりますので、これも現在までは事業の上での重複はあまりない、かように考えております。民間の場合は、それぞれの設置の目的で独自のやり方をいたしておりますので、これは、国としては必ずしも全体的にこれをどう整理しなければならぬかというような段階まではまだ至っておりませんので、もっぱら育英会によって全般的な育英事業のバランスのとれた姿を作っていく責任がある、かような立場から育英中業の拡充の問題を検討いたしておるわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 私のとらえ方が違っておるかどうかわかりませんが、一つだけ思うのは、民間会社の方からひもつきが出ていくということはやはり将来考えていく必要があるのではないか、そういう点のとらえ方をお聞きしておきたかったわけです。それではもうけっこうです。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 これより討論に入ります。  別に討論の通告がありません。直ちに採決に入ります。  日本育英会法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決いたしました。  なお、ただいまの議決に伴う委員会報告書の作成等につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、学校教育に関する件について、調査を進めます。  夜間の高等学校生徒の保健に関する件、義務教育諸学校の施設費等に関する件及び養護教諭等充実に関する件について、自由民主党、日本社会党、並びに民主社会党の三党共同提案による決議をされたい旨、山中吾郎君よりその提案がなされております。その決議案文の趣旨説明を求めます。山中吾郎君。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 夜間の高等学校生徒の保健に関する決議案の提案趣旨説明を申し上げたいと思います。  夜間高等学校の生徒はいわゆる勤労青年でございまして、昼は働きながら夜学問をするという変態的な状況でありますので、生徒の保健問題については、特に、文教政策として重視をし、保護しなければならない問題であると思うのであります。そういう立場から、夜間の高等学校生徒に対する給食関係については十全の措置をすべきである。ことに生活その他について豊かな青年でないので、給食に対する国庫補助率を大幅に引き上げてあげるということが非常に重要であると同時に、保健の立場から給食あるいは休憩の施設、診療の施設をその学校内に作ってやるということが必要であると考えましたので、提案を申しましたのであります。その意味において、次の決議案の提案をいたしたのでお諮りを願いたいと存じます。   勤労しつつ夜間の高等学校に通学する生徒の保健問題の重要性にかんがみ、政府はすみやかに、次の措置を講ずべきである。  一、給食、休憩、診療等に必要な施設、設備の整備  二、給食費に対する国庫補助率の大幅引き上げ   右要望する。 以上であります。  次に、義務教育諸学校の施設費等に関する決議案の提案をいたします。  その内容をまず読ましていただきたいと思います。   地方財政と父兄の負担とを考慮して、政府はすみやかに、義務教育諸学校の施設費について、国庫の負担率を引き上げ、教材費についても単価の引き上げをはかるとともに、敷地に関する経費をも国庫負担の対象とする等の措置を講ずべきである。   右要望する。  提案の趣旨は、御承知のように父兄の負担は文教関係において過重であるということは常識になっておるのであり、また地方財政へのしわ寄せも常識になっております。そうして義務教育関係の施設費については、現在形式的には二分の一負担という原則が大体認められておりますけれども、実質上はそれ以下に低下をしておる。そういう意味において、実質上国庫負担率を二分の一確保するということは、少なくとも直ちに文部省においても責任を持って実現すべき問題であると考えるのでありますし、教材費についても、義務教育の無償の原則の上に立って単価の引き上げをすることも、これも当然の文教行政の責任者の義務であると考えますので、その点をここに強調したこと。同時に、敷地に対する経費は、これは地方の市町村等においては非常に大きい負担であり、また解決については困難をきわめておるのでございますけれども、これが補助対象になっていないということはきわめて不合理である。そういう意味において、敷地に関する経費は国庫負担の対象にすべきであるということをわれわれは痛切に感じているので、この決議案を提案した次第でございます。  次に、養護教諭等充実に関する決議案について申し上げます。  内容についてまず読み上げたいと存じます。   児童、生徒の保健の完璧を期し、学校運営に支障なからしめるため、政府は、次の措置を講ずべきである。  一、小、中、高等学校における養護教諭の近い将来においての必置制を期し、その年次計画的充実をはかること。  二、へき地学校における数校兼務の養護教諭を解消するよう努めること。  三、学校運営の支障なからしめるため事務職員の充実を期すること。   右要望する。  提案内容の説明をいたします。  生徒の保健の完璧を期する立場からいっても、また学校教育法の基本的精神からいっても、小、中、高等学校の養護教諭はできるだけ早く必置制に持っていくということは、これは法の精神から当然でございます。しかし実際問題として、養護教員の養成計画の充実というものを伴わなければできないのであり、財政的な考慮も必要でございますから、年次的充実をはかるということは当然現実問題として避くることができないのでありますから、その意味において、責任を持って政府において年次計画を立てて、必置の方向にすみやかに持っていくことをわれわれは期待するがゆえに、一の重要項目としたのであります。さらに、僻地学校における養護教諭の配置を見ますると、二校ないし三校を兼務している養護教諭があり、労働過重あると同時に、保健の職務が十分に行なわれていない。しかも現実においては、大きな学校に養護教諭が充実する反面において、小規模の学校においてはむしろ養護教諭の数を少なくするという行政措置をとっている。そういうように養護教諭について十分の理解のない地方があるのでありますから、養護教諭を充実するという大きい基本的計画と同時に現実の処理として、数校兼務の養護教諭を解消することを現在の課題として、特に留意をして行政指導をされることが必要であると考えておるのであります。  さらに、学校運営の支障をなからしめる立場から、事務職員を漸次充実するということも、学校経営の能率向上上非常に重要であります。  以上のような理由で三項目をあげて提案をしたのであります。  以上三つの決議案につきまして、その重要性を認識されて全員これに賛意を表していただくことをお願いして提案の理由の説明を終わります。(拍手)

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 八木徹雄君。

八木徹雄自由民主党

○八木(徹)委員 ただいま提案されました三つの決議案は、当文教委員会において論議され、党派を越えて推進を誓い合っている諸案件でございますので、文教行政の推進のために時宜に適した決議案であると考える次第であります。私は、自由民主党を代表いたしまして賛成の意を表する次第であります。(拍手)

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 鈴木義男君。

鈴木義男民主社会党

○鈴木(義)委員 民主社会党としても賛成であります。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 お諮りいたします。ただいまの山中吾郎君の提案のごとく決するに御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異疑なしと認めます。よってさように決しました。  この際荒木文部大臣より、発言を求められております。これを許します。荒木文部大臣。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 ただいま決議されました三つの決議事項は、文教行政上、今後に向かって十分考慮せねばならない重要の課題であると理解いたします。政府におきましても、従来から努力して参った課題ではございますが、もとよりいまだ十分と申すわけには参りませんので、決議の御趣旨を体しまして、今後大いに努力をいたしたいと思う次第であります。(拍手)      ————◇—————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に請願の審査に入ります。  本日の請願日程第一、公立文教施設整備賢予算の増額に関する請願より、日程第二二二、新教育課程へ移行に伴う措置費交付に関する請願を一括して審査いたします。  これら各請願の趣旨は、すでに配付されております文書表により御承知のことと思いますので、委員会における紹介議員の説明並びに政府の所見聴取を省略し、先ほどの理事会の協議に従い、直ちにその採否を決したいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  それではお諮りいたします。本日の請願日程中第三、第五ないし第一四、第一六ないし第一八、第二〇ないし第三三、第三六ないし第五〇、第五六、第五七、第五九ないし第六五、第六七ないし第七一、第七四ないし第九五、第九八ないし第一三七、第一三九ないし第一四一、第一四七ないし第一五〇、第一五二、第一六〇、第一六一、第一六五ないし第二一四、第二一六ないし第二一九及び第二二二の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決し、本日の請願日程中第一、第二、第一五、第五一、第五二、第五八、第九六及び第九七の各請願は、議院の議決を要しないものと決し、その他の各請願は、いずれも保留すべきものと決するに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  なお、ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。     —————————————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 なお、本委員会に参考のために送付されました陳情書は、全部で四十七件でございます。念のため御報告申し上げます。      ————◇—————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 この際、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。  国会法第四十七条第二項の規定により、委員会は、議院の議決で付託されました案件については、閉会中もなお審査することができることになっております。当委員会といたしましては、教育、学術、文化及び宗教に関する件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  次に、閉会中、委員派遣の必要が生じました場合につきましては、衆議院規則の定めるところにより、議長に対して承認方を申請いたしたいと存じます。派遣委員の数、その人選、期間及び派遣地等につきましては、委員長が理事にお諮りの上決定することとし、その手続は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  暫時休憩いたします。    午後一時四十五分休憩      ————◇—————

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