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38回国会衆議院1961/05/31

文教委員会 第28号

発言数
225
登壇者
25
会派数
2
開催日
1961/05/31

会議録

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 これより会議を開きます。  文化財保護に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。高津正道君。

高津正道日本社会党

○高津委員 東京国立博物館において先月から今月にかけて約一カ月の間宗元展が開かれ、われわれもこの委員会から多数見に行ったのであります。そこに陳列してあった第三十八号の「客来一味図」という御物が出ておったのでありますが、人が、これは牧谿ではない、怪しいという注意をしたので、博物館では中途でその三十八図、一つの蕪を大きく書かれてあるものでありますが、その御物を撤去したという事件がございました。私がそれを最初に知ったのは、二十九日の有力新聞の夕刊でありますが、そこの放射線欄にこのように書かれております。非常に短いのだから、三分の一ほど読めば要領を得ますから、そこだけ読ませてもらいます。「きのうの日曜、宋元展の目録などを取り出してレジャーを満キツしていると、これも陶磁協会の用無し男、庭先からぶらりと入って来た。そばからその目録をのぞき込んで、蕪(三八図・宋)の絵をそっと指でおさえた。「客来一味図」じゃないか、伝牧谿で御物だくらいはだれも知っているよ、これがどうかしたかネ。いやどうもしないがネ、よく見たがいいよ。皮肉まじりにそういわれてみると、何かいままでみた「客来一味図」とちがったところがあるようだが、ハッキリしない。「ニセものだよ」と相手は言下にいい放ってニヤニヤしていた。「まさか!御物だぜ」「御物だって…」その直後、その図は彼の指摘で会場からひっ込めたそうである。ウソをいう男ではないから信じてよいと思う。ここにまた永仁のツボが一つあらわれたわけだが、あれとはわけがちがう。かりにも「御物」である。唐九郎ふぜいの金もうけ仕事とはわけがちがう。国立博物館の衆知をあつめて吟味したものなのだ。」以下省略です。  そこでお尋ねいたしますが、牧谿筆とは疑わしい、これはにせものだという意味の注意をした男がありますかどうですか。それから、陳列してあったものを途中で撤去したという事実がありますかどうか。この二点をまずお伺いいたします。

清水康平文部事務官(文化財保護委員会事務局長)

○清水政府委員 お答えいたします。ただいま御指摘のことにつきましては、何にも私聞いておりませんし、何とお答え申し上げていいかわからないのでございますが、お許しを得れば、美術工芸課長が来ておりますので、もしわかっておったならばお答え願いたいと思いますが、いかがでございましょうか。

高津正道日本社会党

○高津委員 美術工芸課長のお答えでけっこうです。

松下隆章文部技官(文化財保護委員会美術工芸課長)

○松下説明員 お答えいたします。ただいま御質問の、そういうにせものだという申し入れがあったのかないのかという点、並びにそれによって撤去したというようなことは、私も全然聞いておりません。そして今お読みになりました新聞の書いておりますところですと、これが何か牧谿のにせものというふうに私には聞こえたのでありますが、これは群がら非常に有名な伝牧谿、牧谿と言われております作品でございまして、学問上の議論といたしましては、これを牧谿その人の真筆にするか、あるいはその人の書きましたものの非常に古い写しにいたしますかということは、非常に議論のあるところだと思います。ただ牧谿画の資料といたしましては、中国に蔬菜図鑑があったという記録がありまして、牧谿の蔬菜図鑑の一断片あるいはそれの古い写しか、そういう点では学問的な価値は非常に高いものだと思います。日本の記録にも、この絵につきましては室町時代の終わりからの記録にたびたび出てきておりますものでありまして、これは昔から牧谿の客来一味図として非常に有名なものであります。  そういうにせもの論の申し出があって、その結果博物館が撤回したかどうかということは私も全然承知いたしませんが、ただ博物館は、今度の宋元展の場合にたくさん品物が集まりましたので、途中で陳列がえをたびたびやっておりますが、私の想像では、おそらくそういう陳列がえの一つとして撤回が行なわれたのではないか、こういうふうに考えております。

高津正道日本社会党

○高津委員 陳列がえの結果やったものかと思う、その男の注意によってやったものではなかろう、こういう意味のお答えであります。それ以上事情を御承知ないのでありましょうから、それではもちょっと角度をかえますが、御物として納まっていく経路が幾つかあると思うのです。今の筆者の文章によれば、国立博物館が吟味して、そして宮中のお買い上げか何かになるように書いておりますが、御物に納まっていく幾通りの経路があるのですか。それを清水局長から聞きたいと思います。

清水康平文部事務官(文化財保護委員会事務局長)

○清水政府委員 御物の経路につきましては、まことに申しわけないのでありますが、私どういう経路でどういうふうになって御物といわれているかということもつまびらかにいたしておりません。これももしお許しを得ましたならば、美術工芸課長をして申し上げたいと思います。

高津正道日本社会党

○高津委員 美術工芸課長でむろんけっこうです。

松下隆章文部技官(文化財保護委員会美術工芸課長)

○松下説明員 御物と申しますのは、私の知る限りでは、何かそういうきまりがありまして、御物というようなものにきめられているのではないように思うのであります。いわば宮廷の所有品という意味で御物と今日では言っているのではないかと思います。この中にはいろいろございまして、古く明治時代に献納されたものが非常に多いのであります。最近展覧会の出品や何かで宮内庁がお買い上げになっているようなものもあるいは御物というようなことでばく然と呼んでいることがあるかと思いますが、少なくとも客来一味図につきましてはおそらく明治天皇のときに献納されたものであろうと思います。

高津正道日本社会党

○高津委員 最近皇室の所有される陶器でも、あるいは洋画でも、日本画でも、あるいは彫刻でも、そのような美術品が納まっていく道は何本あるのか、どういうことになっておるのか、それを聞いておるのです。

清水康平文部事務官(文化財保護委員会事務局長)

○清水政府委員 申しわけありませんが、よく存じません。   〔委員長退席、中村(庸)委員長代理着席〕

高津正道日本社会党

○高津委員 二十九日の東京新聞にこういう記事が出たのですが、博物館と連絡をとって調べるようなことをしたのですか。

清水康平文部事務官(文化財保護委員会事務局長)

○清水政府委員 その新聞に載ったことも、私うかつで存じませんでございました。

高津正道日本社会党

○高津委員 私はきのう博物館に一時二十分ごろ電話をかけたが、どの人もいない。けさ十時二十分ごろまた電話をかけたが、やっと岡田課長がいただけで、あの人は火曜日に来ます、あの人はまだ来ていませんという。名前を幾人も私が呼んだが、みんな来ていない。あそこには文化財保護委から月給を出しておる文部技官その他事務系統の人が百八十人もおります。それから文化財保護委員会にも人が多いので、こういう、この記事によれば第二の永仁のつぼというような事件が起きれば、それを監督するものは文教委員会だということから、文教委員会があるから、これは質問が出るだろうというのですぐ御用意あるのがいいように私には思える。どうも東京国立博物館も文化財保護委もたるんでおるように見受けるのであります。  そこで、もう一点だけ聞いて質問をやめますが、御物にもにせものがあるということになると、古美術品全体の権威をそこなうに至る。唐九郎もの、松留窯ものという角度からではなくて、この際御物に対し全面的に再検討を加えて、あとはもう信用できるのだ、りっぱなものだということにすべきだと思うのですが、文化財保護委当局の御所見を承りたい。きょうは河原委員長がおいでになっておりませんが、清水事務局長からお答えを願いたい。

清水康平文部事務官(文化財保護委員会事務局長)

○清水政府委員 お答え申し上げます。  いわゆる御物ににせものがあるかないかという問題でありますが、これは御物ばかりでなくすべての美術品について言えることだと思いますけれども、その価値判定ということは非常にむずかしいと思うのでございます。私はその方面の専門家ではありませんが、少なくとも多年にわたる経験の蓄積あるいは深い学識というようなものが一体となって鑑識せられ、もしそれでもまだ疑いのある場合は科学的調査もしなければならぬと思うのでございますが、ただいま御指摘の伝牧谿ということについては、先ほど美術工芸課長から申し上げました通り、学説上二つに分かれておりまして、伝牧谿は牧谿として考えていっていいのではなかろうか、しかし一般論といたしまして、文化財保護委員会といたしましては、指定したものも指定していないものも常に調査研究はいたさなければならぬ、かように思っておる次第でございます。

高津正道日本社会党

○高津委員 御物の中には広い意味で皇室の御所蔵の、たとえば陶磁、瀬戸物について古瀬戸がどのくらいあるのか、その古瀬戸は今回の六十何点か調査した中からはずしてあるのか、古瀬戸の調査には皇室のものは含まれていないのか、また古瀬戸は皇室のものの中にあるのかないのか、それからもう一つは、あなたははっきりお答えにならなかったが、日本のそういう御物その他のものについてまで、これから全面的に再検討を加えて、もうこれはみな真正なものだ、りっぱなものだということにするお気持があるかどうか、それだけをお答えいただけば、私は質問をやめます。

清水康平文部事務官(文化財保護委員会事務局長)

○清水政府委員 最初の、御物の中に古瀬戸がどのくらいあるかというようなお話については、私つまびらかにいたしておりません。  二番目の、指定物件なら指定物件を全面的に再検討する意思があるかどうかという御質問でございますが、これは多年にわたる経験、学識あるいは勘によってやっていくべきものでございまして、あらためて全面的にこれをやり直すというようなところは考えておりませんが、常に調査研究をして参らなければならぬということは変わりないと思います。特に学問の進歩によりましてはまた見方も違ってくることは考えられることと思います。

中村庸一郎自由民主党

○中村(庸)委員長代理 次に、公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律案を議題とし、その提案理由の説明を聴取いたします。纐纈政務次官。

纐纈彌三自由民主党文部政務次官

○纐纈政府委員 今回、政府から提出いたしました公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  高等学校は、義務教育に続く学校として戦後の学制改革により新たに設けられた制度でありますが、十数年を経過した今日におきましては中学校卒業者の半数以上が高等学校に進学しており、わが国の学校教育において大きな役割を果たしているのであります。しかしながら、高等学校の設置、規模、学級編制、教職員定数等につきましては、従来、学校教育法及び文部省令である高等学校設置基準等の規定を根拠としてきたのでありますが、その後高等学校教育の実態が大きく変化して参り、現行の規定が必ずしもこれに即応しないこと、高等学校の教育課程の改訂に伴い、これを実施してゆくために必要な教職員定数を確保しなければならないこと、最近における地方財政の実情にかんがみ、高等学校の設置等について国が一定の基準を示す必要があること、また、今後における中学校卒業者数の急増に伴い、高等学校進学者数の増加に対処する必要があることなどの理由により、公立高等学校の設置、適正な配置及び規模並びに学級編制及び教職員定数の標準について、国の方針を策定することが緊要となって参ったのであります。  政府におきましては、これらの実情にかんがみまして、この際これが解決をはかるべく、本法律案を提出いたしたのであります。すなわち、この法律案は、公立高等学校の設置について所要の規定を設けるとともに、その適正な配置及び規模並びに学級編制及び公立の高等学校に置くべき教職員の定数の都道府県または市町村ごとの標準を定めることとしたものであります。  まず、公立の高等学校の設置につきましては、現在、都道府県及び市町村がこれを設置する場合には別段の制限がないのでありますが、一方、地方自治法におきましては、高等学校に関する事務は主として都道府県が処理するものと規定されております。この法律案におきましては、この考え方を進めて、公立の高等学校の設置は原則として都道府県が行なうものとし、政令で定める一定基準に該当する市町村は高等学校を設置することができるものとすることにいたしました。  第二は、公立の高等学校の配置及び規模の適正化について規定したことであります。すなわち、都道府県はその区域内の公立の高等学校の配置及び規模の適正化に努めなければならないことといたしました。なお、この場合において、私立の高等学校が公立の高等学校と相ともに高等学校教育の普及と機会均等のため果たしている役割の重要性にかんがみ、私立の高等学校の配置状況を十分に考慮しなければならないことといたしました。また、公立の高等学校の学校規模の最低標準を定め、高等学校の教育水準の向上をはかることといたしたのであります。  第三は、学級編制が教育効果の上に大きな影響があることにかんがみ、学級規模の適正化をはかるため、その標準となるべき生徒数について規定いたしました。  第四は、公立の高等学校の都道府県または市町村ごとの教職員の定数の確保をはかるため、その標準となるべき数を定めたことであります。すなわち、この法律案におきましては、校長、教諭、助教諭、講師、養護教諭、実習助手、事務職員などの職種別に教職員数を算定し、これらの数を合計して、都道府県または市町村ごとに置くべき教職員の定数の標準となるべき数を定めたのであります。この場合、標準となるべき数の算定の基礎については、高等学校の課程ごとの生徒の数を基本とし、これに課程の特色や学科の数、学校規模などの諸条件を十分考慮するようにいたしました。  なお、これらの教職員の具体的配置については、各教育委員会が、地方の実情に即して適切に措置できるように考慮したのであります。  第五は経過措置であります。  その一は、この法律案によって算定した教職員定数の標準を実施することに伴う急激な財政負担を緩和するための規定でありまして、この法律施行の際、現に定められている教職員の定数がこの法律による教職員定数に達しない都道府県または市町村は、昭和三十八年三月三十一日までの間に、順次、教職員定数を充実していかなければならないことといたしました。  その二は、昭和三十八年度以降昭和四十四年三月三十一日までの間における生徒数の急増に対処するための措置でありまして、この間におきましては、約一割までの生徒増について教職員定数を増加させることなく、生徒を収容できるようにいたしたのであります。  なお、これに伴って、この期間中は学級編制の標準についても、一学級当たりの収容生徒数を一割だけ増加できることといたしました。  以上が、この法律案を提出いたしました理由及び内容の概要であります。何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。

中村庸一郎自由民主党

○中村(庸)委員長代理 本案についての質疑は迫っていたすことといたします。  この際、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時二十八分休憩      ――――◇―――――    午後二時三十九分開議

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  予備審査のため付託されております学校図書館法の一部を改正する法律案(参法第十七号)、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案(参法第一八号)、学校給食法の一部を改正する法律案(参法第二四号)、夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律の一部を改正する法律案(参法第二五号)及び盲学校、聾(ろう)学校及び養護学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律の一部を改正する法律案(参法第二六号)を一括議題とし、提出者よりその提案理由の説明を聴取いたします。参議院議員。矢嶋三義君。     ―――――――――――――

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋参議院議員 委員長のお許しを得ましたので、学校図書館法の一部を改正する法律案外四法律案につきまして、発議者を代表して説明をさせていただきます。  ただいま議題となりました学校図書館法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。  学校図書館が、学校教育において欠くことのできない基礎的な設備であるとして、その健全な発達をはかるために、学校図書館法が制定されましてから満八年を迎えようとしております。この間、関係者の努力により、学校図書館の設置は急速に進められ、今日全国の小・中・高等学校の約九〇%が、何らかの図書館施設を持つに至り、学校教育充実のために、重要な役割を果たしておりますことはまことに喜ばしいことであります。  しかしながら、その実状を見るとき、まだまだ問題は多いと言わなければなりません。申すまでもなく法律では、学校には学校図書館を設けなければならないこと、また学校図書館には、専門的職務をつかさどるための司書教諭を置かなければならないと規定されており、附則で、当分の間司書教諭を置かないことができるとなっております。この特例は、必要な人数だけの司書教諭を短期間に養成することが困難であったためのやむを得ない措置だと了解しております。  ところで、法制定後、七年を経た現在でも、司書教諭の発令を受けている者及び司書教諭の有資格者は、なお非常に少ない状態であります。この原因は、司書講習が円滑に行なわれていないというよりは、一般教科の教員が不足しているところからきておると思われるのであります。これがため現場では、やむを得ず図書館事務員を数多く採用し、図書館を支えているというのが実情であります。  昨年一月に行なわれた全国学校図書館協議会の全国実態調査の結果によれば、このような事務員の数は、高等学校で約五千名、小、中学校で約四千名、計九千名に上っております。そしてその給与の出所を見まするに、約七〇%はPTA等の私費負担であり、わずかに三〇%が公費負担であります。私費負担による事務員は昇給もなく、社会保険の適用もないありさまで、せいぜい月額五千円程度の給与しか受けていないというひどい待遇であります。また公費負担の場合も、たとえば学校司書、司書見習、主事、主事補、講師、実習助手、用務員、雇員、給食婦等々三十種類に余るさまざまの任用形式がとられており、その身分、待遇ともにまことに不安定であります。  御承知の通り、本年四月一日以降は、市町村立学校で働らくこうした事務員等の給与はPTA負担等に転稼してはならない旨、地方財政法が改められました。またこれらの事務員の職務は、図書館業務を行ないつつ、生徒、の読書指導等の教育面をも担当するわけで、その責任は重く、従ってそれにふさわしい素養、資格を必要といたしますが、現に働らいているこれらの図書館事務員の学歴は、大多数が高校もしくは短大卒であります。  右のような諸事情を勘案いたしまして、今後の方向としては、第一に、こうした図書館事務員の身分、待遇を安定化するとともに、その素質をさらに高めるため、助教諭である者もしくは助教諭たるべき資格を有する者で、一定の講習を受けた者については司書助教諭に任命すること、第二には、小、中学校において新たに助教諭に任ぜられ、司書助教諭を命ぜられた者の給与は、自動的に市町村立学校職員給与負担法によって県費負担とされ、その半額は国庫負担とされることにより、市町村やPTAの負担を軽減できること、この二点が、真に学校図書館を充実する道であると信ずるものであります。  以上の理由により、現行法に必要な改正を加えることが適切であると考え、ここに本法律案を提出した次第であります。  改正のおもな点は、現行法第五条を改めて、学校には司書助教諭を置くことができることとし、司書助教諭は、文部省令で定める一定の講習を受けた助教諭でなければならないといたしたことであります。なお、講習計画の立案と実施、地方財政計画の策定と義務教育費国庫負担金の計上等の準備の諸点にかんがみ、本法の施行は昭和三十七年四月一日といたしております。  以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概略であります。  次に、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表して、提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。  御承知の通り、働きながら学ぶ青少年に対し、教育の機会均等を保障する目的をもって、戦後制定されたこの法律は、発足以来すでに十年になんなんといたしておりますけれども、これらの教育のための施設設備の拡充強化、教職員の待遇の改善等は、いまだ必ずしも遺憾ない状態にあるとは申されません。昨年第三十四回国会において、政府の提案にかかる本法律の改正を見ました結果、定時制教育及び通信教育に従事する校長及び職員に対しては、昭和三十五年四月一日から、七%の手当が支給されておりますが、この定通手当を支給する根拠は、定時制教育及び通信教育の複雑困難性にありとし、これらの教育に携わる校長及び職員に対し、その労に報いて、専心その職務に精励できるようにするとともに、優秀な人材をこの方面に誘致確保して、もって定時制教育及び通信教育の振興をはからんとすることが、政府の意図でありました。この改正案の審議に際し、衆参両院の文教委員会において、定時制教育及び通信教育における複雑性と困難性とは、教員についてのみ当てはまることではなく、これらの学校に勤務する事務職員についても同様の事情にあるから、定通手当の対象はすべからく事務職員にまで拡大すべきであるという趣旨の主張が繰り返されたのでありますが、このことは、夜間において授業を行なう定時制の課程の事務職員については特に強調されなければなりません。  すなわち、勤労青少年の特殊性による事務の繁雑困難は、一般全日制高校とは比すべくもなく、しかも夜間勤務は全く特殊勤務であって、その勤務時間も大体午後二時から十時半にまで及ぶのでありますから、一週間にわたり、連日家族と夕食をともにできない実情にあり、かつ、各校とも非常に定員不足でありますために、その事務量も絶えず過重になっておりますばかりでなく、軽微な疾患などは押して出勤しなければならない事情にありますことから、往々健康をそこねる結果を招いている現状であります。  以上述べました理由により、この際、夜間の定時制課程の事務職員に対しましても、教員と同様に七%の定通手当を支給いたしますことが、その労に報いるとともに事務能率を高め、ひいては定時制教育の振興に資するゆえんであると考えられますので、ここに改正案を提出いたした次第であります。  改正の主要点は、第五条及び第六条の定時制通信教育手当の対象に、本務として夜間において授業を行なう定時制の課程の事務その他の職務に従事する事務職員、その他の職員に限ってこれを加えることとしたことでありまして、その他若干の字句の改正をいたしております。なお、この法律は昭和三十七年四月一日から施行することといたしております。  次に、学校給食法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。  御承知の通り、終戦直後の昭和二十二年、食糧事情が著しく窮迫していた大都市において開始されました学校給食は、次第にその意義と効果を認められ、着実な発展を遂げて参りました。特に昭和二十九年には、広範な国民の希望と支持により、学校給食法が制定され、その後は一そう堅実な普及を示し、児童、生徒の心身の発達と国民の食生活改善に多大の貢献を果たしました。しかしながら他面現行法の建前は、学校給食の重要性を認めながらも、国や地方公共団体に対しては、その普及発達に努力せよといういわば訓示的任務を課しているにすぎません。つまり給食の実施は、あくまでも設置者の任意になっているのであります。従いまして全国的に見ますと、給食未実施校はいまだ数多く、小学校児童のうち約三二%、四百万人、中学校生徒のうち約八七%、五百万人が、給食を受けていない状況であります。ところで、小学校における未実施校は、主として農山漁村に集中しております。これは結局のところ、町村財政が豊かでなく、給食の施設設備費、人件費等の捻出が困難であり、現金収入の乏しい農山村家庭にとって給食費が重荷であることに起因していると考えられます。また中学校においては、以上の理由のほか、進学や就職の問題に教職員が忙殺されて、現状の人員構成ではその余裕がないことによるものと思われます。学校給食の目標からいえば、児童、生徒の体位が劣り、食生活の改善も必要な農山村においてこそその実施は必要であり、また心身ともに育ち盛りにある中学校生徒に対する給食の効果は、非常に大きいと言わなければなりません。  次に、最近、増加傾向にある父兄負担教育費の軽減については、昨年、地方財政法が改められ、給食関係の施設設備費や人件費を父兄負担に転嫁することは、禁止されました。しかし、この程度の禁止規定とこれに対応する地方財政措置だけでは、給食未実施の地域に、今後給食を普及することは、期待できません。  そこで、この際、現行法を抜本的に改めて、義務教育諸学校における学校給食の実施を年次計画をもって義務制化し、それに必要な国庫負担もしくは補助の措置を強化することが、日本の将来をになう次代の国民の育成に不可欠の教育的配慮であると考え、本改正案を提出した次第であります。  改正のおもな点は、第一には、国、公立の義務教育諸学校における学校給食の実施を、昭和四十一年四月一日から義務制とすること。第二には、国、公立の義務教育諸学校には、昭和四十一年四月一日から栄養士及び給食従事員を必置することとし、公立義務教育諸学校の栄養士の給与費の十分の八を国庫の負担とすること。ただし、昭和三十九年までは、法律で定める別の負担率によること。第三には、公立の義務教育諸学校における学校給食の施設設備費の十分の八を国庫の負担とすること。第四には、国、公立の義務教育諸学校における学校給食費は、昭和四十一年四月一日から全額国庫の負担とし、それまでの間は、法律に定める割合で、保護者に対し給食費の国庫補助を行なうこと。第五には、学校給食を実施する私立の義務教育諸学校の設置者に対し、その施設設備費の二分の一を国庫から補助するものとするとともに、学校給食費の十分の八を保護者に対し、国庫補助するものとすること。ただし、給食費については昭和三十七年度及び三十八年度に限り、法律で定める別の補助率によること。第六には、この法律は、昭和三十七年四月一日から施行すること、などであります。  以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概略であります。  次に、夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。  高等学校の定時制夜間課程に学ぶ勤労青少年のために、特に、学校給食の実施を普及することを目的として、昭和三十二年、現行法は制定されましたが、その普及率を見るに、給食を受けている者は、夜間課程生徒約四十万人のわずかに二〇%にすぎません。従いまして、別に学校給食法を根本的に改める提案を行ないましたが、この際本制度における給食についても、その普及を一そう促進するために、現行法の一部に必要な改正を加えることを適当と考え、本法律案を提案した次第であります。  改正のおもな点は、夜間学校給食の施設設備費の二分の一、学校給食費の十分の八を国庫から補助することとすること。ただし、給食費の補助については、昭和三十七年度及び昭和三十八年度に限り、法律で定める別の補助率とすることなどであります。なお、この法律の施行日は、昭和三十七年四月一日といたしております。  以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概略であります。  最後に、盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。  昭和三十二年に制定されました現行法の趣旨は、特殊教育諸学校の幼稚部及び高等部における教育が義務制並みに扱われることが適当であり、学校給食についても同様の措置をすべきものとされたところにあるものと考えられます。翻って、本法に基づく給食の実施状況を見ますと、約九千名の幼児及び生徒のうち、約四〇%の者が給食を受けているにすぎません。従いまして、別に学校給食法を根本的に改める提案を行ないましたが、この際、本制度における給食についてもその普及を一そう促進するために、現行法の一部に必要な改正を加えることを適当と考え、本法律を提案した次第であります。  改正のおもな点は、特殊教育諸学校における学校給食の施設設備費の二分の一、学校給食費の十分の八を国庫から補助することとすること。ただし、給食費の補助については、昭和三十七年度及び昭和三十八年度に限り、法律で定める別の補助率とすることなどであります。なお、この法律の施行日は、昭和三十七年四月一日といたしております。  以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概略であります。何とぞ以上の五法案について十分御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、予備審査のため付託されております学校教育法の一部を改正する法律案参法第二八号及び公立の小学校及び中学校の特殊学級における教育の振興に関する法律案参法第二九号を一括議題とし、提出者よりその提案理由の説明を求めます。     ―――――――――――――

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 参議院議員千葉千代世君。

千葉千代世日本社会党

○千葉参議院議員 ただいま議題となりました学校教育法の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表してその提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。  去る第二十四回国会におきまして、参議院文教委員会の提案にかかる公立養護学校整備特別措置法が成立いたしまして以来、地方公共団体による養護学校の設置が漸次進展し、同法制定の当時、わずかに六校であった養護学校が本年四月現在四十七校を数えるに至りました。しかしながら、その収容人員はいまだ四千九百人の少数にとどまり、これを学齢にある特殊児童生徒のうち養護学校に就学すべき該当者の推計二十六万余人に比しますれば、まことに微々たる現状と申さねばなりません。昨年度文部省予算では肢体不自由者養護学校六校分が計上されましたが、そのうち設立されたのはわずかに三校であったことを見ましても、一方では小児麻痺対策が大きく世論化されつつあるおりから、教育施設の整備について、地方公共団体の一そうの努力を要請しなければならない段階であります。さらにまた昨年五月一日現在の学齢児童生徒のうち、精神薄弱者、肢体不自由者、病弱者、身体虚弱者の推計は実に百十六万人に達しており、これらのうちすでに養護学校に就学中の者及び就学猶予者、就学免除者等を除きましても、一般の義務教育諸学校に就学している学齢特殊児童生徒の数は優に百万人をこえるものと推定されるのであります。劣弱な心身を持つ特殊児童生徒が、その体力知能に適応しない教育を施されることによってこうむる甚大な不幸は、彼らの生涯を通じて、ぬぐい去ることのできない結果を招きますのはむろんのこと、他面一般正常児に対する教育効率の上に及ぼす影響もまた僅少にとどまらないことが容易に察知されます。  近時特殊学級設置について社会の関心が次第に高まり、保護者においてもその必要性に対する理解が深まりつつありますことは、まことに喜ぶべき傾向でございまして、中学校の特殊学級におきましては、個々の生徒の能力に適応した職業指導を行なうことによって、社会人としての彼らの将来に光明を点じ、着々その成果を上げておりますことも、特に注目すべき事実でございます。  しかるに、学校教育法第七十五条には特殊学級を置くことができるとなっておりますために、公立の小学校及び中学校における特殊学級の設置はなお遅々として進まず、昭和三十五年度におけるその学級数は小学校においては二千二十九学級(二万四千四百一人)中学校においては九百九学級(一万四百四十一人)でありまして、それぞれ総校数に対する比率は小学校八・九%、中学校七・四%の低きにすぎません。  教育基本法にうたわれております教育の機会均等の趣旨を尊重し、真の人間愛に立脚して教育の本質に思いをいたしますならば、これらの学齢特殊児童生徒のため、すみやかに養護学校及び特殊学級を設置して、その心身に適合した教育を施しますことが、国家社会に課せられました大きな責務であることを痛感いたします。  以上申し述べました理由により、この法律案は、学校教育法に所要の改正を行なおうとするものでありまして、改正の第一は、養護学校における就学義務及び都道府県の養護学校の設置義務に関する規定を昭和四十一年四月一日から施行するものとし、それまでの経過措置として、都道府県は政令の定めるところにより、最低一つの養護学校を設置しなければならないことといたしたことであります。  改正の第二は、特殊学級の定義を明らかにするとともに、小学校及び中学校の特殊学級については、昭和四十六年四月一日から設置することを、市町村に対して義務づけるとともに、経過措置として、市にあっては昭和一千七年四月一日から、町村にあっては昭和四十一年四月一日から、政令の定めるところにより、その区域内の小学校及び中学校のそれぞれ一つ以上に、特殊学級を置かなければならないことを規定したことであります。  なお、それぞれの学校に該当者少数等のため設置不可能、または不適当と認められるときは、市町村における統合設置を認めるとともに、学校教育法第三十一条によって、他の市町村、市町村学校組合に対し教育事務を委託することができることを前提として立案しております。  以上がこの改正案の主要点でありますが、なお、この法律は、公布の日から施行することといたしております。  次に、公立の小学校及び中学校の特殊学級における教育の振興に関する法律案につきまして御説明いたします。  さきに、学校教育法の一部を改正する法律案の提案理由としてるる申し述べました通り、精神薄弱、肢体不自由、身体虚弱その他心身に故障のある児童生徒に対する教育の特殊性にかんがみ、国及び地方公共団体が小学校及び中学校の特殊学級における教育を振興し、これらの児童または生徒に対する教育の水準の向上をはかることが重要な課題であることを痛感いたしますゆえに、ここにあわせて本法律案を提出いたす次第でございます。  法案は、第一に、国はその任務として、公立の小学校及び中学校における特殊学級教育の振興をはかるように努めるとともに、地方公共団体に対し、特殊学級教育の振興に関する総合計画の樹立、教育内容及び方法の改善、施設設備の整備充実、特殊学級教育に従事する教員の現職教育または養成の計画の樹立とその実施等の諸施策を奨励しなければならないことを規定いたしております。  第二に、地方公共団体は、特殊学級教育の特殊性に基づき、公立の小学校及び中学校において特殊学級教育に従事する教員の定員及び待遇について、特別の措置を講ずべきことを規定いたしました。  第三に、国は、特殊学級を置く小学校または中学校の設置者である地方公共団体に対し、特殊学級教育に必要な施設及び設備で政令で定めるものに要する経費の五分の四を最高として補助することとし、その補助率を、昭和四十年三月三十一日までに漸次増加させるように定めました。  なお、この法律は、昭和三十七年四月一日から施行することといたしてあります。  以上が、この法律案の内容の概略でございますが、申すまでもなく、この法律案は、さきに御説明いたしました学校教育法の一部を改正する法律案と表裏一体、密接不離の関係に立つものでございます。  何とぞ、以上の二法案をあわせて、十分御審議の上、すみやかに御賛同下さいますようお願いいたします。(拍手)      ――――◇―――――

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、学校教育等に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許可します。山中吾郎君。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大臣に緊急質問いたしたいと思います。  山火事で岩手の沿岸地区の各町村それから青森県の八戸、この付近に非常に集中的な災害が起こっておるわけであります。その中に学校関係も暴風のために相当大破したもの、それから火災で全焼したものがあるわけでありますが、文部省の方においてその災害の状況をどういうふうに調べられておるか。それを局長からまず報告していただいて、後大臣にそれについての対策をお聞きいたしたいと思います。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 ただいまの東北地方の強風、火災の被害状況でございますが、これはまだ詳細な報告がございませんので、現在いろいろ調査中でございます。これから申し上げる被害の状況は、昨日の夕刻までに判明いたしました資料によるものでございます。  それによりますと、単なる建物の風害によるものが、小学校におきまして七校、金額にいたしまして二百十三万四千円でございます。それから中学校で一校、金額にいたしまして二百五十二万八千円となっております。それから高等学校で数校被害を受けておるようでございますが、まだ調査の結果が届いていないものがございまして、わかった範囲では三校でございます。これは金額にいたしますと五十五万二千五百円となっております。  以上、風害によりますものは幸いに被害程度は屋根の大破とか、その他小破損の模様でございまして、まあ不幸中の幸いとでも申しますか、あまりひどい被害ではないようでございます。  次に火災による分でございますが、これにつきましては小学校で全焼いたしましたものが三校ございます。校舎、講堂等を全焼いたしておりまして、被害金額は目下のところ二千五百六十八万円となっております。それから中学校も全焼の見込みのものが分校として一校ございますが、これはまだ金額ははっきりいたしておりません。それから高等学校におきまして、これも分校でございますが、全焼一校、これも被害金額は未報告でございます。従いまして十分ではございませんが、この火災によりますものは地区的に限られておりまして、岩手県の田老それから黒崎というような地区でございます。  そのほかに教員の住宅等におきまして被害を受けたものが若干ございます。全体で四十二戸でございますが、その中で三十二戸は田老町を中心にいたします教員住宅の災害でございます。これは全焼いたしておるようでございます。それから青森県の八戸で約十戸、これは全焼ではないようでございますが、まだはっきりした調査ができておりません。  大体以上のような状況でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 生徒の死亡もあるはずなのですが、そういうところは全焼したところだと思うのですが、お聞きございませんか。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 申し落としましたが、中学校の生徒で一人死亡いたしております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 なおそのあと、非常な僻地で連絡が十分ついていないところがあるので、さらに災害の増加があると思いますから、あとでまた報告していただきたいと思います。  大臣にお聞きいたしたいのですが、この地域は昨年の津波、それからしばしば津波に襲われる地域であって、そして非常に貧しい町村であります。こういう状況でない場合でも、少し不漁になると欠食児童の出るところで、町村において復旧する能力というものは非常に貧しいところでありまして、学校も集中的にやられておりますので、復旧については特別に、文部省においてできるだけの協力をお願いしなければ、なかなか復旧が急速にいかないのじゃないか、それを心配しておりますので、教員の住宅及び校舎の復旧について特別の配慮を払っていただきたいのでございます。その点、文部大臣から対策についてお考えをお聞きしておきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 岩手、青森岡県の暴風の被害、さらにフェーン現象による大火災の被害の状況を新聞で見まして、ラジオで聞きまして、びっくりしたわけでございます。新聞の報道写真を見ましても、まるで焼け野原になっておる状況を見まして、かつての戦災直後のような気持がいたしたのでございます。ことに死亡者が出たり、重軽傷者数知れず、行方不明者もあると承りました。今山中さんのお話のように、数回にわたる津波、最近のチリ津波で被害を受けたことも私どもも承知をいたしております。重ね重ねの被害に心痛むわけでございますが、私はこの機会に、この委員会を通じまして、罹災者の方々に心からなるお見舞を申し上げたいと思います。まだ正確な報告に接しませんので、ただいま御報告申し上げた程度でおそれ入りますが、なるべくすみやかに現地との連絡も積極的にとりまして実情を把握し、現地のそれぞれの当談県なり市当局も応急措置から復興に至りまするまでてんてこ舞いで多忙をきわめていると思いますが、現在の援助の制度に従いまして、最大限度の救援と復興のために全力を尽さねばならないと思うわけでございます。何を申しましても、まず正確な情報を早く入手して、一日も早く復興の手だてをやらねばならないと考えておる次第でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 実はこの災害の原因は山林の火災から来ておるので、その火災による焼失林野は五千百町歩。あの地域の学校復旧の場合には、そういう村有林、町有林があるので実は学校復旧ができておる。国有林が一つもない。そういう関係で実際上非常に困難をきわめると思いますので、今大臣がおっしゃった言葉で私も非常にありがたく思うのですが、特殊の事情もあるということを御認識の上に、ぜひ一つ特別の措置を講じて万全を期していただきたい。  このことについてはこれで質問を終おります。  なお次に別の問題でありますが、科学技術者養成について池田長官からいろいろの勧告があったようですが、そういうふうな中で私学において定員超過の措置というものを大体黙認するという形でけりがついたような格好でありますが、その点についてはかれこれ言うのではありませんけれども、定員超過でとったあとにおいて、学校が何の責任も持たないで教室も入るところがない。必要なる顕微鏡その他の数も少しもふやそうとはしない。ただ多く入れて何らの措置をとっていないということになれば、これは経営の立場は単なる営利主義に終わって、教育機関としてはまことに無責任であると思うのでありますが、率直に私の、耳に入っておることを申し上げますと、近畿大学などにおいては、四十名の定員を二百名入れて、そして教育も何もすることができないので、入学した学生が学校当局にその無責任を訴えておるというような状況を聞いておるわけなんです。こういうことはおそらく全国的にぼちぼち現われてくるのじゃないか。そこで法律では届出制になっておりますから、それはその通りでけっこうでありますが、そのあと私は私学に対して教育的責任を要求するということは、これは当然文部省の責任であり、もしそれが行なわれなければ、やはり文部省の教育の立場から何らかの私学に対する監督的処置をとらなければいかぬのじゃないか、私はそういうことを思いますので、近畿大学のことについてお聞きするのですが、今までの状況をお知りでしたら、これは局長でけっこうです。それから大臣はこういう状況に対してどう対処するか、この点についてお聞きしておきたいと思います。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 ただいまお尋ねの近畿大学の件でございますが、これは化学科の問題であろうと思います。少し前に近畿大学の教授、その他の方から、化学科について非常に定員をオーバーして入れているというようなお話がございました。その施設、設備等も十分ないのに、学生は非常に困っているというような陳情がございました。定員につきましてはいろいろの問題がございますが、近畿大学の場合を調べてみますと、理工学部全体で入学定員は二百六十人程度でございますが、には相当定員を上回っておりまして、約六百人程度三十六年度において入れているというような実情のようでございます。従いまして、私どもとしましては、これは大学自体の問題でございますけれども、施設、設備の状況を十分考えて、そうして学生の教育ができる状況において入学というものは行なうべきものである、こういうように考えておりますので、そういった点については、他の大学の場合もございまして、最近問題になっております。要するに定員は届出によって今後実施すればよろしいのだというような私大側の意向もございますので、そういう六百人の現実の定員について、いろいろこれを黙認してもらいたいというような大学当局の御希望のようでございますが、これはやはり実態をよく調査いたしまして、今後十分学校当局と話し合って参りたい、こういうふうに考えておるのでございます。実情は大体そういうことになっております。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 ただいま御指摘のような傾向が本年度におきましては特に顕著であるように見受けられるのであります。正直のところ、全国の私立大学につきまして、正確な把握はできかねておる現状でございます。法律、制度上は、私大側から指摘されておりますように、国会でも問題になりましたように、法律の文言から申しますと、学科の新設、増設ないしは学生の定員増につきましては、届出をすれば足りることになっております。先日の委員会でもお答え申し上げましたように、届出になってはおりますが、学部新設のときは認可を必要とするということで、大学教育の質の低下を来たさないようにという配慮が認可の制度でとられておりますが、もし学科の新増設、定員増を勝手に届出だけでやることに野放しにいたしますれば、終戦直後以来の実情に即してのことではございますが、今御指摘のようなことがかつて起こったので、当分の間は届け出っぱなしじゃなしに、文部省と御協議を願いたいということで、学部新設のときの認可条件として協議をして参っておるわけであります。そういうことは今さら申し上げぬでも万々御承知のことでありますが、事実届出もしない、もしくは協議もしないで、定員をはるかにオーバーして入学が許可せられておるという事実を前にいたしましては、私は私学側の自主的な立場において、学生に対しても責任をもって施設、設備を充実するという決意があればこそのことである、そう考える場合においてのみそれが是認せられると思うのでありますが、事実は全貌は正確に把握し得ませんけれども、一部わかっておるところだけを申しましても、今申し上げた意味においては、いささか私学側に行き過ぎの点があることは指摘せざるを得ないと思います。  そういう批評は別としまして、現に学生が正式に入学しておるとするならば、今後に向かっては、当該私立大学があらゆる努力をして、施設、設備をなるべくすみやかに整備することによって、学生に対して誠意ある措置を講ずることが必要だろうと思います。同時にまたそういう線に沿って遺憾ながら一挙には事実問題としてできないと思いますが、政府側といたしましても、なるべくすみやかにそれが整備されるような慫慂をすると同時に、制度上認められておる方法の限度内にとどまるとは思いますけれども、施設、設備の充実のための協力をしていかねばならない、かように思うわけであります。  さらに、今の具体的の問題を離れまして、一般に学生定員をある程度オーバーして入学が許されるということは、学生の卒業までの減耗等を考慮に入れて事実上入れておった慣例があるようでございますが、それが常識的に妥当と認められる限度内ならば、むろん問題はないことでございますが、そうでなくて、相当大幅に定員をオーバーしておるということも、以前からある程度あったことは事実であります。そのほかにまた文部省みずからとして知り得ないプラス・アルファの予備定員等もあるやに承知いたしておりますが、そういうことが行なわれますことははなはだ遺憾千万でありまして、これはどうしても文部省と私学側と腹を割っての話をして、そういうことに今後はならないようにという話し合いを基礎といたしまして、具体的にはどうすればこういうばかげたことが起こらないようになし得るか、制度論ではなしに、事実問題として十分話し合いをして、今後に備えねばなるまいかと考えておるのであります。  ついでながら大学設置基準は、今申し上げましたような教育の質の低下を来たさないようにということで、そもそもは私学側が自主的に定められたものを文部省令に取り入れたと承知をいたしておりますが、そのころの本来の趣旨に立ち返って、私学も十分お考えを願うと同時に、設置基準そのものも質の低下を来たさない範囲で今後に向かってもし改善すべきことありせば、それを発見すべく検討もしなければなるまい、そういうふうなことを次善の対策として考えまして、なかなか早急には結論が出かねる本質を持っておりますけれども、誠意を持って今後に対する対策を講じてみたいと考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 具体的に入学した学生まで犠牲になるということは問題でありますから、そういう学校に対しては施設充実年次計画を指示して、そうしてそれに基づいて学校が三カ年計画にしても、あるいは五カ年計画にしても、最小限の教育ができるというまでの施設の充実計画を指示するということは、最小限度文部省の責任ではないかと思います。それをやるのが私学の責任であって、入れた学生を取り消すとか、定員を認めないというようなそういう問題でなしに、入れた学生を最小限教育できる責任を、文部省は助言において、私学は教育できる責任を持っておることが必要ではないか。同時にこういう私学に対する補助、財政的援助という努力も当然文部省ですべきであり、その二つの面から私は現実の超過定員に対して今後どうするということではなくて、入った学生を卒業するまで最小限の教育ができるように応急の措置だけはとらなければならぬと思うので、その点を一つ大臣、具体的に計画を立てて、今その計画をお持ちになっていないと思いまするから、もう少し全国的な数が出ましたならば、具体的な対策を立てて、次の機会でけっこうですから発表していただきたい。そうでないと私学の問題ではなしに、学生の問題として私は考えなければならないと思いますので、それだけ希望を申し上げておきます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 関連して……。今山中委員から近畿大学の問題について質問なり要望をなされたのでございますが、私はこの問題は実は看過することのできない重要な問題でございますので、二、三きわめて簡単に関連をしてお尋ねをしたいと思うのであります。  その第一は、近畿大学の定員の問題が出されましたが、私も最近入手をして驚いたのでありますが、法学部は三百二十名の学則による定員に対して八百五十、商学部は学則定員三百二十に対して一千七十七、これが現在の学生の数です。経済学部は定員三百二十に対して一千百二十四、化学科に至っては、一年から四年まで各学年の定員四十で百六十名、これに対して三百六十、機械科は百六十に対して六百五十、土木科は百六十に対して三百九十二名、こうなって参りますと、文部省に届けておる学則というものは何のために届けておるのか、実は理解に苦しむのでありますが、こういう学校が出てきたのであります。私は今日まで私学の育成強化ということは重要であるというので、その角度からお尋ねをし、要望をして参りましたが、しかしこのような経営の乱脈きわまる学校に対して、私は見のがすことはできないと思うのです。今、近大では教授会が立ち上がり、そうして学生が決議をいたしまして、こういう学校ではもうわれわれはがまんができないのだ、というその学園内の問題が明るみに出ましてから、実は半年に近いのでございまするが、文部省がこれを知らないとは言わせないのであります。どのような指導助言を近畿大学に与えてきたのか。一体昭和三十五年度には化学科は定員が四十名に対して二百名募集したことを知っておられるのかいないのか。二百三名入学させたのです。これを知っておられたのかいないのか。これは届け出でございますから――届け出とは文字通り届け出であって報告ではないのであります。あとから言うていくのが報告で、届け出は事前に届け出るのが筋のはずです。だからこれを知っておられるとすれば、昨年化学科の募集にあたってどのような指導助言を具体的に近大になさいましたか。   〔委員長退席、中村(庸)委員長代理着席〕

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 ただいまの定員の関係は大学学術局の所管する問題でございますが、具体的に化学科の定員に対して入学者の問題を指導するということは一般的にはやっておりません。しかしながら責任者等を通じまして定員四十名に対して、今のお話のように二百名も入れたというようなお話もございました。しかもその中で特別のコースを設けてやっているというような話も伺っておりますので、その点については調査をしてみようということで、大学学術局の方で調査をいたしました。それが大学当局の話によりますと、化学科につきましては二百名でなくて百五十名入れたというようなことでございます。コースについては電気化学コースというものを設けてやっておるようでございます。そういう事実は明らかになりましたが、大学当局としては、百工十名程度の学生は十分やれるのだ、教育ができる、こういうようなことを申しておるようでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 これはもとより文部省に監督権限はございません。監督権限はございませんから強い要請を大学にすることはごませんけれども、文部省設置法の第五条の十八によれば、大学の運営については文部大臣は指導と助言を与えなければならないことになっています。だから私はお尋ねするのですが、百五十名いるというのはまっかな偽り。まっかな偽りの数で指導助言する機関に対して再度うそを言ってごまかすということになると、ますますもって許すことができないのではないかという気が実はいたしております。二百三名入学さして現在は百八十二名在籍をしておる。それは具体的に一人々々全国の大学を回って学生の頭数を調べるわけにはいかないでしょう。そうなりますと、こういうやり方というものは許しがたいものがあると思うのであります。  そこでもう一、二点お尋ねをしたいことは、理事会の申し合わせもございますから、これはあらためてぜひとも理事会において取り上げていただきたいと思いますが、あと一、二問ということでございますので、簡単にいたしたいと思います。  原子炉設置の認可を文部大臣は最近近畿大学に与えた、これは御承知だろうと思います。その原子炉設置に要する金は三億円でありますが、先ほど山中委員が指摘いたしましたように、雨漏り教室で化学の実験をやっておる。これは近来、私立大学の経営も困難でありますから、気の毒な状態でありましょう。そういうところから生徒の募集もふえたのではなかろうかと思いますが、雨漏り教室で実験を行なわなければならないような実情の学校が、原子炉設置の認可を申請するにあたって、教授会に諮っていないのです。これは重要な問題は教授会に諮らなければならぬという法文が、今ここで要覧で調べてみたら出てきたのです。そうして私は、そういうようなことが出て参りますと、すでに福田局長の答弁によればやみ入学と申しますか、そういう定員についての違反が明らかでございますから、原子炉設置の申請があったならば、文部大臣は指導と助言をその場でなぜしないのかというのです。三億円もかかるのだがこれでいいのか、君の学校の施設整備というものは十分でないじゃないか、しかも定数は三倍から四倍とって、今大学では騒いでおるじゃないか、こういうような金があれば基礎的な化学の実験道具、校舎の施設改善、そういうことをまずやることが当面の急務ではないのか、時期的にまずいじゃないか、一体教授会の意見はどうなんだ、こういうようなことについて、私は助言と指導をなされていないと思うのです。やられておるとすれば承りたい。こういう点をなさっておりますか、いかがですか。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 お尋ねの点は、本年認可しました原子炉工学科の問題と存じますが、従来大学の設置あるいは学科の新設の場合におきまして、学内で教授会に諮るということは当然に各大学やっていることでございます。従いまして文部省で一々教授会にかけてあるかどうかということは確めもいたしませんが、これは学内の自治の問題でございます。そういった点から近畿大学の場合も当初はそういう点をお尋ねしなかった。こういう問題が出て参りましたので、文部省といたしましては大学当局にこの点をお尋ねいたしました。そうしましたところ、昨年の九月に理工学部の各科合同主任教授会においてこれを諮りまして、十分その趣旨の徹底もはかった、こういうような回答があったようでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 時間がありませんから、非常に問題が多いので、あらためて私は詳細なデータを出して、文部省の見解を聞いておきたいと思います。  もう一点で終わりますが、教員の採用承認は教授会に諮らなければならぬと思いますが、いかがですか。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 その通りだと思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 諮らぬのです。驚くなかれ理工学部長は、年令満八十一才のドイツ語のおじいさんが、今日の重大な理工学部の部長に任命されておる。教授会はこれはいけないというので、ほかの者を選出したにもかかわらず、それを任命をした。それから助手の任命、教授の任命、ことごとく教授会の議を経て学長が任命するというのが法規でございますけれども、これもやらない。これは法文を調べたら、明らかな通りです。非常に問題があるのです。全くこういうような大学が現われてくると、学生はがまんできない。心ある教授はがまんできない。最近学士院賞をいただきました市原博士のごときはもうがまんできないといって憤慨していらっしゃる。こういう点でございますから、腰を入れて、たとい監督の権限はなかろうとも、文部省が指導助言をしなければだれが一体いたしますか。今日、日本で私立の学校に対して上から押えつけることのできるものはだれもいない。やはり国の教育であり、若干の補助金でも出しておるということであれば、しかも法的には文部省設置法の第五条十八に条文も明記されておるのでございますから、腰を据えて、いいかげんな調査じゃなしに、本気になって、私は指導、助言、監督の責めを果たしてもらいたい。果たしていない。これは早急に実はお願いをしたいのであります。これを早急にやらなければ、学園の紛争はますます広がっていって、父兄も学生もその渦中に巻き込まれて、非常に困っておる実情でありますから、このことを要望いたします。私はあらためてその他の問題等も取り上げてお尋ねしたいと思います。      ――――◇―――――

中村庸一郎自由民主党

○中村(庸)委員長代理 次に、オリンピック東京大会の準備等のために必要な特別措置に関する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。森本靖君。

森本靖日本社会党

○森本委員 まずお尋ねいたしますが、この文部省の担当の局はどこですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 体育局でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 体育局長は来ておりますか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 私です。

森本靖日本社会党

○森本委員 まず文部省にお尋ねしたいと思いますが、このオリンピックに要する総経費はどの程度ですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 組織委員会が準備及び運営に要する経費としてただいま見込まれておりますのは八十八億円でございます。そのうち管理費十五億、事業費六十九億、予備費四億になっております。なお、そのほか日本体育協会が実施いたします選手強化に関する経費がございますし、国が設置いたします競技施設に関する経費並びにオリンピック開催に対して、交通事情簿も考えました道路整備計画がございます。   〔中村(庸)委員長代理退席、委員長着席〕

森本靖日本社会党

○森本委員 もう一ぺん順序を追って聞いていきますが、まず、そういう道路を直すとかなんとかいうふうな経費は除きまして、オリンピックに要するところの総経費は八十八億円ですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 総経費と申しますと、面接的な経費と間接的な経費とがありまして、なかなか区分がむずかしいのでございますが、ただいま申し上げました準備及び運営に関する直接的な経費は八十八億でございます。そのほか国が設置いたします競技施設並びに東京都が設置いたします競技施設は直接的な経費だと考えます。

森本靖日本社会党

○森本委員 この八十八億円の大体の大まかな使途を先ほどちょっと言いましたけれども、もう一ぺん言ってくれませんか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 管理費としまして十五億円、事業費が六十九億円でございます。事業費の内訳を申し上げますと交通、輸送費が四億九千万円、渉外費として一億六千万円、宿舎運営費としまして十三億四千万円、広報宣伝費としまして十五億九千万円、入場券管理費として一億円、競技費としまして六億八千万円、式典費としまして一億六千万円、維持、衛生費としまして一億円、施設費としまして二十二億八千万円、予備費としまして四億円、以上の内容になっております。

森本靖日本社会党

○森本委員 それからこれ以外の東京都並びに国が直接施設をする、その施設の経費は幾らですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 この計画はまだ確定しないものも相当ございまして、正確なところはちょっと申し上げにくいのでありますが、約百億円と計算されます。

森本靖日本社会党

○森本委員 その百億円というものの東京都と国との割合というものはわからぬですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 この点、先ほど申し上げましたようにまだ未確定な部分がございますが、大体半々と見られます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたします、東京都の方はさておきまして、国のその半々の五十億の予算というのは何年度の予算に計上するわけですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 これは今年度からすでに始まっております。今年度は国の設置いたします競技施設としましては、国立競技場の拡充の経費、これが一億円ちょっと計上されております。明年度以降、明年度、明後年度あたりに相当多額の経費が計上されることになると考えております。

森本靖日本社会党

○森本委員 相当な金額でありまして、本来ならば、このオリンピック東京大会の準備等のために必要な特別措置に関する法律案を提案するときに、やはり総合的な施策というものが明確に明示されるということがあってしかるべきである、こう私は考えるわけであります。しかし、今の御答弁では、ばく然と百億円ということで、半分が東京都で半分が文部省、その程度しかわかっておらない。来年度と再来年度とにおいて残り四十七、八億円という予算を組む、こういうふうなことでありまするけれども、本来ならばこういう点についてはもっと詳細に緻密な計画を出してしかるべきじゃないか、こう私は考えます。そういう総合的なオリンピックに要するところの経費、さらに六二年度、六三年度にどういうふうな支出の仕方をするというその計画は、資料としてお出し願えますか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 まだ未確定な部分がございますが、一応そのような計画は持っておりますから、そういった未確定のものとしての資料は提供できると考えます。

森本靖日本社会党

○森本委員 それからこの八十八億円というのは、そういたしますと、この法律案件の中にありまするところの資金財団が調達をする金額が八十八億円ですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 さようであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、先ほどは支出の内容でございましたが、今度はこの八十八億円の調達の内容を概略御説明願いたい、こう思うわけです。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 ただいま八十八億円と申し上げましたのは、組織委員会が準備及び運営に必要といたします経費の総額でございまして、この全部を資金財団が調達するものではございません。資金財団が調達いたしますのは、この経費のうち、なお体協が行ないます選挙強化に関する経費を含めた必要経費総額のうち三十六億円を資金財団が調達する計画でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、残りはどこが調達するのですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 組織委員会の経費につきましては、国庫補助金が約二十億円、東京都補助金が二十億円、寄付金が十九億円、事業収入、たとえば入場券を売りますから、その収入等の二十五億円などが見込まれます。その他雑収入四億円、このような計画になっております。

森本靖日本社会党

○森本委員 それで八十八億円ですね。もう一ぺん――三十六億円がどこと言いましたかね。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 八十八億円の収入見込みとしては今申し上げた通りでございますが、ここで寄付金十九億円と申し上げましたが、これは資金財団が集めた金をこの方に回す金が十九億円ここに計上されているわけですが、そのほか日本体育協会の選手強化費に十七億円ばかりを回すわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 ちょっとこまかいですけれども、国庫補助が二十億円ですか、それから東京都補助金が二十億円、寄付金が十九億円、事業収入が二十五億円、雑収入が四億円、これが全部ですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 さようでございます。ただ、資金財団が調達いたします三十六億円というのは、このほかに、日本体育協会が選手技術向上のために必要とする経費をも資金財団が調達するものでございます。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 そうするとどうなるのですか。もっと明快に答えて下さい。

森本靖日本社会党

○森本委員 ちょっとわからぬが……。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 こういうことでございます。組織委員会の必要とします経費のうち、資金財団が調達し、回す分が、ただいま申し上げました十九億円、そのほかに、日本体育協会の方に回す金が十七億円、こういう計算になるわけであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 ちょっともう一ぺん言いますが、国庫補助金が二十億円、東京都の補助金が二十億円、寄付金が十九億円、事業収入が二十五億円、それから雑収入が四億円、これで八十八億円になるのですね。それ以外にありますかと聞いているわけです。それは中には含まれておるとかなんとかごちゃごちゃ言われるとわからぬです。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 組織委員会の所要経費とその収入源はただいま申し上げた通りでございます。ところで、ただいま問題になっておりますオリンピック資金財団が調達するのは、この組織委員会の必要とする金の一部と、そのほかに、日本体育協会が選手技術向上のために必要とする経費の一部をあわせて資金財団が調達するものでございます。その合計が三十六億円になっている、こう申し上げているわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうなりますと、この八十八億円というものは資金財団の方に入るわけじゃないのですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 そうじゃございません。今八十八億円と申しますのは、オリンピック大会の準備及び運営に必要な直接的経費、これは実際には組織委員会が使うものでございます。その必要な経費のうち一部と、日本体育協会の選手技術向上のために必要とする経費の一部をあわせてオリンピック資金財団が調達し、その集まった金を組織委員会と日本体育協会の両方に配分する、そういう目的を持って資金財団が設立されたわけであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、この金を作るのはどこどこですか。組織委員会とか資金財団とかごちゃごちゃにするとわからぬ。もっとわかりやすいように、いわゆる資金財団が何ぼの金を作って組織委員会が何ぼの金を作ってどうなるということでないと、要するにこの中に入っておるところの八十八億円の中に組織委員会の方で云々ということになると、わからぬのですね。一つわかりやすく説明願いたい。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 資金財団が調達する金は、組織委員会と日本体育協会の両方に流れるわけでございます。この組織委員会に流れるものが十九億円で、この十九億円が組織委員会の必要とする経費総額の八十八億円の一部になるわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 それでは資金財団は全部で幾らの金を作るわけですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 それが三十六億円でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 その三十六億円の内容はどうなっているのですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 どうしてそれを調達するかということですか。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうです。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 ただいまの計画では次のようになっております。  オリンピック協賛事業広告による収入、そういう分類で計画されておりますが、その一つとして屋外広告が二億円、国鉄の広告、ただいま法案で規定してございますが、これが二億円、放送、テレビ、新聞、銀行等の広告が六千二百万円、それからやはりこの法案の条項にございます電話番号簿、電報発信紙等の広告で三億円、その他のオリンピック協賛事業広告というもので一億円、それから現在すでに実施しております、マークをつけた宝くじの販売益金によるものが四億円、以上が十二億六千二百万円であります。  そのほか、一般募金並びに協賛事業等による募金というものがございます。その一つとして一般募金四億五千百万円、スポーツ関係募金として二千七百万円、地方競馬による益金が三億五千万円、ローマ・オリンピック記念映画による寄付金が二億円、寄付金付記念切手による寄付金――これは法案の一つの条項に規定されておるものでありますが、これが三億円、たばこにつける抽せん券付広告カードによる寄付金――これも法案に規定してありますが、これが三億円、オリンピックの割増金付定期預金による寄付金が七億二千万円、以上小計で二十三億四千八百万円、前のと合わせますと三十六億一千万円となります。

森本靖日本社会党

○森本委員 もう一ぺん言いますが、そうすると屋外広告が二億円、国鉄が二億円、放送関係が六千二百万円、電話関係が三億円、オリンピック協賛広告が一億円、宝くじが四億円という分と、それからその次の分と全部一緒ですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 そうです。

森本靖日本社会党

○森本委員 この中で放送関係が六千二百万円というのはどういう根拠ですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 これはオリンピックの映画等を放送させる場合の権利金がおもになっております。

森本靖日本社会党

○森本委員 これはたった六千二百万円程度ですか。これはテレビ、ラジオの全世界に対する放送権と、それから国内に対する放送権と合わせたら六千二百万円程度の金にはならないと思いますが、どうですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 その方の直接の映画の権利金は、先ほど申し上げました組織委員会の雑収入の方に入っておるのであります。これはそういうオリンピックの直接の記録ではなくて、オリンピックに関連した各種の放送等を行なう場合の権利金でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、そのオリンピックの放送権というものはどこにあるのですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 オリンピック大会の記録映画そのものの放送でございますか。

森本靖日本社会党

○森本委員 いやラジオ、テレビ……。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 これは組織委員会が主としてその権利を持っております。ただここにいっております放送、テレビ等の広告の際には、これはオリンピック・マークを使用させて、いろいろな広告を放送、テレビで行ないます。その際の収入をここではいっておるわけであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、組織委員会における放送権の予算は何ぼに組んでおりますか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 約三億円計上してあります。

森本靖日本社会党

○森本委員 その一億というのは、全世界に放送する権利と国内と合わせて三億ですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 さようであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 ついでに聞いておきますが、ローマのオリンピック大会において、イタリアのローマで行なったところのラジオとテレビの世界に対する放送の権利は何ぼでありましたか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 その点はつまびらかにいたしておりません。

森本靖日本社会党

○森本委員 ちょっとこの金額は安いのじゃないかという気がするのですが、外国との関係でどういうように取りきめをされておるのかわかりませんが、これは一つ後ほど調べてもらいたいと思います。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 承知いたしました。

森本靖日本社会党

○森本委員 それから、今のようにぺらぺらと言われると、なかなかすっと頭にきませんので、一つ系統的な各種の資金の集め方の資料をぜひ御提出願いたいと思います。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 承知いたしました。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 承知したのはよろしいですけれども、そこにあるはずでしょう。なぜあるのを出さないのですか。配りたまえ。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 手持ちのものを…。

森本靖日本社会党

○森本委員 それは手持ちのものというよりも、おそらく各委員とも全部これはやはりほしいんじゃないかと私は思う。相当何ですから、今言ったようなある程度こまかい点の系統的な資料がやはりほしいというわけです。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 今あるようですから配付させます。

森本靖日本社会党

○森本委員 これは今言ったようなこまかい内訳は出てないですから、私は委員長にお願いしておきたいのですが、これは一応正式に資料として、各委員全部に渡るように印刷してお渡しを願いたい。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 とりあえずあるやつだけは……。

森本靖日本社会党

○森本委員 とりあえずあるやつだけはもらっておきますが……。  それでは、私はこの法案の条項に従って聞いていきたいと思いますが、ここにありますところの「予算の範囲内において、その一部を補助することができる。」というこの第二条の項は、先ほど説明があった国庫補助金、さらに国が競技場を設営するというふうな項のことですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 さようでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、先ほど私が言いましたように、この五十億円の分についても半々というようなことでなしに、国はこういう計画に対してこれだけの計画である、東京都はこれとこれとこういう計画であるという――その通りなるならぬは知りませんけれども、やはりこういう法案を出す以上は一応それに対するところの計画の裏づけというものはちゃんと資料としてお出しを願いたい、こう私は思うわけですが、どうですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 承知いたしました。

森本靖日本社会党

○森本委員 それから次に、この第三条のことについてはあまり問題がないといたしまして、この第四条でありますが、第四条については、具体的にどういうふうなことを計画をしておるわけでありますか。

板野學郵政事務官(郵務局長)

○板野政府委員 第四条関係につきましては、先ほど体育局長から御説明がございましたように大体三億見当というようなお話でございまして、私どもできるだけその趣旨に沿いまして具体的な計画を立てていきたいということで、現在大体この大綱だけを私どもは頭の中に描いておるわけでございます。これが具体的にどうかということになりますと今後さらに検討をいたしたいと思いますが、一応申し上げてみますと、大体三億見当の寄付金付の切手の中から得るということになりますと、この法案がこの国会で通ると仮定いたしまして、三十六年度に一回、三十七年度に二回、三十八年度に二回、三十九年度に一回、合計六回程度の寄付金付の切手を発行するといたしまして、大体一回三種類の切手を発行いたしますと、オリンピック種目は大体十八種目でございますので、各種目につきまして一つずつの切手が発行できるのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。そういたしまして一回の発行枚数を大体三百万枚、三十九年度の最終の年度につきましては一種類五百万枚程度を仮定いたしますと、発行の総数が大体六千万枚になる。そういたしまして、五円の切手に五円の寄付金をつけるということになりますと、このような切手を発行いたしますと大体三億程度の寄付金が得られるのではないかというふうな一応の計算をいたしておる次第でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 五円の切手に五円の寄付金をつけるなんていうことは郵政省始まって以来初めてのことでありますが、そういうのを六千万枚も発行して、売る自信がありますか。

板野學郵政事務官(郵務局長)

○板野政府委員 過去におきまして、例のお年玉はがきに寄付金をつけた例はございます。切手につけたということは過去二、三の例がございますが、額面に対しまして一〇〇%の寄付金をつけたという例が昭和十二年の六月に一回ございます。しかしその以後はございませんので、これは集めるにいたしましてもやはり相当の努力をするとか、あるいはデザインその他等相当考えてやらなきゃならぬじゃないかというふうに考えておる次第であります。

森本靖日本社会党

○森本委員 デザインを幾ら考えても、これを一般に市販をしたら、とても売り切れるものじゃない。だから、たとえば六千万枚の切手を発行した場合に、実際に売るということになった場合には、このオリンピック関係の体育協会なりあるいはその他の機関を通じてこれを一つ責任を持ってはかしてもらう、こういうことでなければ、結局これが肩にかかってくるのは、全部郵政省が負わなければならぬということになる。あなた方がやることでありますから、当然しまいには全部これは局員に一人何枚の売りさばきを強制してやるということになりかねぬわけであります。今でこそお年玉はがきについては飛ぶように売れておりますけれども、最初のころは一つも売れてなかった。そして無理やりに一人何ぼというふうなことで強制されて売った、こういうふうな経験をあなた自身も持っておると思いますが、六千万枚も、しかも五円に五円の一〇〇%の寄付金をつけるということになりますと、戦時中の昭和十二年ならいざ知らず、今日において強制的に上からこれをはかすということは不可能であります。だから、もしそういうふうなことをやろうとするならば、これは郵政省が責任を持ってはかすということよりも、そういうふうなオリンピック関係の体育協会その他の人々が責任を持ってはかしてくれるということでなければ、おそらくこれは郵務当局あたりは、なかなか責任を持てぬのじゃないか、こういうふうに私は思うのでありますが、いかがでございますか。

板野學郵政事務官(郵務局長)

○板野政府委員 先生のおっしゃいましたように、これはなかなか容易なわざではないというふうに私どもも考えておる次第でございますが、趣旨が趣旨でございますので、私どもといたしましてもできるだけ御協力を申し上げますと同時に、関係の文部省なりあるいは体育協会からも十分な御協力を得なければ、これは相当の難事であるというふうに私どもも考えておる次第でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 これは別に八百長質問じゃないから……。しかし、これは大事なことであります。特に六千万枚という切手であります。しかもこれが一〇〇%の寄付金付の切手でありますから、今郵務局長が言われたように、特にこの点については、こういう関係向きの協力を全面的に仰がなければならぬ、こう思うわけでありますので、この点については、念のために、私は文部政務次官に聞いておきたいと思うのだが、これはほんとうに文部省が責任を持って郵政省と協力をしてこれをはかす、こういうことでなければ、郵政省がこういうような善意のことであるから大いに協力しましょうということをいっておりますけれども、実際にはこれをはかすということはなかなかむずかしいわけであります。今言ったようなことにおける御協力が文部省あたりから願えるかどうか、その点を特に私は確かめておきたい、こう思うわけであります。

纐纈彌三自由民主党文部政務次官

○纐纈政府委員 森本委員のお説に対しましては私も非常に共鳴をいたしておりまして、ただいま郵務局長からのお話のように、なかなか難事でございますので、これをお世話いたしまする文部省といたしましても、オリンピックの主管省でございまするので、あらゆる団体等につきましても十分連繋を密にし、また郵政省と最も強力な連携のもとに、この目的を達成するために十分の努力をいたすことをお誓い申し上げます。

森本靖日本社会党

○森本委員 どうせこれをやられる時分には政務次官は更迭されておりますけれども、あとの大臣なり政務次官に今の言はしかと一つ申し送っていただきたい、こう思うわけであります。これは冗談でなしに、実際に売る者の方の身になってみると、なかなかそうたやすく売れるものではないわけでありますから、この点は私は繰り返して申し上げておきたいと思うのであります。  次に聞いておきたいと思いますことは、この第五条の方でありますが、逆に聞いていきますが、第五条の第三項に「日本電信電話公社の事業の用に供される印刷物その他の物品を利用して広告事業を行なう場合には、」云々ということがあるわけでありますが、これを具体的に一つ説明を願いたいと思うのであります。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 お答え申し上げます。  電信電話公社の協力の手段といたしましては、現在考えておりますのは、電報用紙の広告によるもの及び人名別の電話番号簿の広告によるものを予定いたしております。現在人名別電話番号簿を発行いたしておりますのは、東京、大阪、横浜、名古屋でございます。この四都市について電話番号簿による広告を予定いたしておるわけでございます。電報用紙につきましては、資金財団が広告を掲載いたしました電報用の発信紙及び電報用の封皮を公社に提供いたしまして、これを公社が使用する、資金財団は、その広告料から実費を差し引きましたものが資金財団としての収入になるということになるわけでございます。また電話番号簿の方につきましては、これは現在人名別の電話番号簿には広告のスペースは実はないわけでございますが、新たにこれを設けまして、これを資金財団に一括販売をいたします。資金財団はこの広告について募集をいたしまして、そうして集金いたしまして、広告収入の中から電電公社との契約に定められました金領を公社に納入いたします。そしてさらに必要経費を差し引きましたものが資金財団としての収入になるわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 ちょっと初めの郵政省の寄付金の件で忘れましたが、ついでに聞いておきますが、この寄付金を集める場合に、五円の切手を十円で売った場合に、この残りの五円の寄付金の取り扱い方法はどうなるのですか、公金に準ずるわけですか、それとも全然一般寄付金として取り扱うわけですか。

板野學郵政事務官(郵務局長)

○板野政府委員 郵便局でこの切手が売れますと、本来の国庫に属すべき収入になります五円の方は、一括して現金出納簿に記帳するわけでございますが、そのうち寄付金になるものは、その日分をその欄外に再掲をするというような方法をもちまして、大体この寄付金がどのくらいあったかということをはっきりさせておるわけでございますが、それを何日分かまとめまして、そうして郵便募金管理会の方にこれを送付するということになるわけでございまして、その寄付金の性質は一応ここにありますようなお年玉の法律によりまして、募金管理会に一括して寄付されるということに法律の建前がなっておりますから、一応公金ではなくて、私金として扱われるということになる次第でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 この扱い方は、全国一万六千もある郵便局で扱うということになるのでありますから、非常に三億円になんなんとする金でありますから、この扱い方をかなり厳密にやらないと、非常にこれは危険な要素を持っておるわけでありますので、その辺の取り扱いについては、一つ万遺憾なきを期せられたいということを特に私は申し上げておきたいと思うわけであります。  それから、今の監理官の説明によります電電公社の分でありますが、そういたしますと、現在電話番号帳の広告、それから電報用紙には広告をやっておりませんか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 現在電話番号簿の方は、これは職業別の電話番号簿でございますが、先ほど申し上げました四大都市につきましては、職業別電話番号簿というものがありまして、その方に現在広告をとっておるわけでございます。またその他の都市におきましては、その区別がございませんので、この方は普通の電話番号簿に広告をとっておるわけでございます。それから電報用紙の発信紙の方には現在広告をとったのがあるのでありますが、現在封皮の方は――電報を配達いたします際に電報送達紙を入れる封皮でありますが、この方は現在公社として使用いたしておりませんので、従って、とっていないわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 今それでは発信の電報についてはとっておりませんか、封皮というのは何ですか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 現在は封皮を慶弔電報以外では使用いたしておりません。従いまして、今度考えております広告をとる封皮というものは、特別に対象といたします三年間だけ広告をとった封皮を使おうというわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 それは、そういうことはあなた方は上の方で頭だけで考えておるが、今の着信紙というものは、着いたやつをそのままテレタイプで印刷したやつを配達しておるわけだ、だから全部封皮に入れて送るということになると、かなりのこれは手数になるわけです。しかも中央電信局あたりになると、相当の手数になるわけだ。だから今封皮を使っておるのは慶弔電報だけであって、実際問題としてはそれほどのあれはないけれども、すべての電報を封筒に入れて送るということになると、かなりの手数になる。これは全部のなににやるわけかね。そんなことせずに、着信紙に広告をとって、それでやった方がずっとましじゃないですか、普通の電報用紙に。

大泉周蔵日本電信電話公社営業局長

○大泉説明員 ただいまの森本先生の御意見ごもっともでございまして、私たちもこの問題につきましては慎重に考慮した上でございますが、一般の電報は特別の折り畳み方がございます。この封皮を使いますと、折り畳み方が簡単になるということと、それから配達人が持ち出す際に入れていくということで、特にオリンピックの協力のために多少手数は、あるいはないとは申しませんが、こういう点の御協力をすべきだと思ったのであります。なお、今おっしゃいました送達紙に広告を入れるということは、通信文本体にそういうものを入れるということは、やはり公社としてはいかがかと思われるわけでございまして、ただいま監理官から申されました電報に関するものは、発信紙に対してと、それから封皮に対して広告をとったものを資金財団から公社の方へ出していただきましてこれを使うわけであります。従いまして、この発信紙の方は使う方が気に入らなければ別な紙をお使いになってもよろしいのであります。送達紙になりますと、これは受け取る方の本文の中に広告がついていますことはいろいろ困るということでございまして、このような送達紙というものは、いわば非常に大事なお客様のものでございますので、こういうものは広告をとらないという考え方を従来とも堅持いたしておる次第でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 私はすべての電報に封皮をつけるということはやめてもらいたいと思う。それは、あなた方は局長で上の方にすわっておってそういうことを命令すればそれでいいけれども、実際現場でやる者については、今電報用紙というものはついたやつをそのまま折って配達しているのだから、それを一々封皮に入れるということになると、十通や二十通のものなら大したことない。しかしこれが何千通、何万通になると、この労力というものは大したものです。だから、封皮で広告をとるというなら、今の慶弔電報の封皮で広告をとるというのは仕方がない。しかし一般の電報にわざわざ封皮をつけて広告料をとるなんということは私はやめてもらいたい。だからそれ以外に、着信紙の表に書くということがいけないということであるとするならば、その裏に広告をつければいい、そういう点はやはり実際に働く者の身になって考えてやらないと、場合によってはこれは大きな反撃を食いますよ。だから、この法律においてはそういう内容についてはとやかくいっておりませんので、私はその内容については、電報の封皮の点については実際の現場の意見も徴して検討願いたい、こう思うわけでありますが、どうですか。

大泉周蔵日本電信電話公社営業局長

○大泉説明員 ただいまの御意見ごもっともでありまして、私たちの方ではこの点につきまして十分検討はいたしてみたのでありますが、なお実施にあたりましては従業員が喜んで協力していただけるようにしたいと考える次第であります。

森本靖日本社会党

○森本委員 それから国鉄の場合でありますが、この国鉄の施設を利用して広告事業を行なう場合においてというのは、車内とか駅とか、こういうことですか。

山崎武日本国有鉄道参与(管財部長)

○山崎説明員 さようでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 現在これの収入がどの程度あります。

山崎武日本国有鉄道参与(管財部長)

○山崎説明員 十三億円くらいございます。もちろんこれは電車の中詰み広告、それから駅のポスター、屋外の建値板、各分野にわたっておりますが、大体十三億でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 その十三億円のうちでオリンピック資金財団に渡すという金額は幾らですか。

山崎武日本国有鉄道参与(管財部長)

○山崎説明員 実はこのやり方は十三億円の収入の中から資金財団の方に二億円なら二億円ぽんと寄付するという形ではございません。もちろんこの前提としましては、資金財団と広告業者と緊密な連絡がなければいけないと思いますが、私の方に広告業者からある場所に広告を建てたいという話があります場合に、現在一万円なら一万円の広告料を取っている場合に、割引をしてやりたい、こう思っております。森本先生に的確なお返事ができないのでありますが、この目標について何とか確保したいということから目下いろいろな具体策を考えているわけであります。その一つとしてある程度の割引をしてやる。一万円とるべきところをかりに五割引いたしますと、五千円というものは広告業者の方から資金財団の方に寄付の形になる。ですから、ここには「広告事業を行なう者が、」ということがございます。それから「大会準備資金に充てることを寄附目的として資金財団に寄附するときは、」ということになっているのはそれでございます。国鉄がいただいた広告料から別途の寄附をするという意味ではございません。

森本靖日本社会党

○森本委員 国鉄はよく汚職が出たりするから、そういうふうな割引のやり方をやると、私はどうも危険なような気がするわけです。これは国鉄がとった十三億円なら十三億円の中から何ぼというふうに出した方がかえってすっきりするのではないか。実際問題として割引ということになると、割引の率をおそらく全国一率ということにするのじゃないかと思うわけでありますけれども、その広告においても、おそらく広告のそれぞれの場所、内容等において広告料金も違ってくるということがあるわけでありますので、割引というようなやり方をするよりも、いっそのこと十三億円なら十三億円の広告料の中から一億円なら一億円、二億円なら二億円寄付するというようにした方が資金的にかえってすっきりするのではないか、こう思うわけですが、どうですか。

山崎武日本国有鉄道参与(管財部長)

○山崎説明員 先生のお説も、実は一つの方法としてはそういう行き方もあるのではないかということを考えたわけであります。実は私も経理をやっておりませんので、経理局とも相談したわけでございますが、現在の規定を使いますと、割引ということはできる形になっております。それから森本先生の御心配は、割引の率を場所によって勝手にやるというふうに聞えたのでありますが、実は私の方では、各駅、各線区、各車両と申しますか、たとえば東京ですと山手線は三日間掲示する場合は幾ら、京浜線は幾ら、あるいは東京駅と大阪駅と比べますと、片方を特別駅、片方を一等駅というふうに駅格がきまっております。それから一つ一つの駅の掲出場所も違っておるわけであります。そういう工合に現在私の方としては、その場所に広告を掲出する場合においては、割引率を一定してやりますと、場所によって割引の料金が違ってくるわけでございますので、そのために料金が納まらないとかあるいは手かげんするというようなことは今のところ考えられない。ただし割引率につきましては目下いろいろと考えております。と申しますのは、オリンピック広告をあしたからつけるといいましても、はたして効果があるかどうかという問題がありますので、資金財団、広告業者、両方の意見を聞きまして、これから新しく建設を希望している場所もございましょうし、それからオリンピック・マークをつけることによって、ある程度さらに料金を上げるという場合もございますし、いろいろと考えておるわけでありますが、まだ成案は得ておりません。

森本靖日本社会党

○森本委員 こういう法案を提案する以上は、ほんとうはそういう成案ができていなければいかぬはずでありますけれども、それはそれといたしまして、ちょっと聞いておきたいと思いますが、たとえば東京都内の山手線なら山手線に対する広告をやってもらいたいという場合は、広告業者というのはどの程度ありますか。

山崎武日本国有鉄道参与(管財部長)

○山崎説明員 私の方に関係いたしますのに広告連盟というのがございまして、東京では、はっきりいたしませんが、三百八十軒ぐらいあると記憶しております。

森本靖日本社会党

○森本委員 広告業者が競合した場合は今どうしておりますか。

山崎武日本国有鉄道参与(管財部長)

○山崎説明員 広告は実はオープンになっております。ある場所に出してもらいたいというのがたくさんあります場合には、過去の実績を検討いたしますし、相手方の資力、信用力も考えなければいけません。実は私直接担務しておりませんが、各管理局の担当者がいろいろと話し合っておるようでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういうやり方がほんとうは一番問題になってくるわけであって、過去の実績、資力、その広告業者の内容というようなことになると、これは普通の建築業者におけるところの随意契約あるいは指名競争入札というようなことと同じような格好になってくる。これは別な問題でありますから、そういう問題については私はいずれ決算委員会で聞きたいと思いますが、このオリンピックの場合、今度そういうふうなことで競合した場合には、オリンピックの方を優先的にやらすとか、そういう内部的な考え方がありますか。

山崎武日本国有鉄道参与(管財部長)

○山崎説明員 広告業者の競合の問題でございますが、ただいま聞いておりますところでは、資金財団が広告連盟に所属しております広告業者に一つ一つ五輪のマークを承認することになっているようであります。おそらくほかの業者がその広告のマークを承認されて競合するということは、ちょっと今のところでは考えられないのじゃないかと思っております。

森本靖日本社会党

○森本委員 だから広告連盟が全部一手に引き受けてやる、こういうことですか。

山崎武日本国有鉄道参与(管財部長)

○山崎説明員 さようでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういうことになれば比較的問題がないと思いますが、それでは次の五条の一項の専売公社の分でありますが、この専売公社の分については、これは今は特別のたばこを作っておるわけでありますが、ああいうことをやるわけですか。

谷川宏大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○谷川政府委員 お答え申し上げます。  第五条によりまして、資金財団が広告事業を行なうと書いてございますが、これは資金財団が直接にか、あるいはまた電通等の広告業者を通じまして広告主を募ります、広告代金を受け取るわけでございますが、その場合に広告をどういう形式でやるかと申しますと、たばこの箱程度の大きさのきれいな印刷物を作りまして、それに広告を載せるわけでございます。その広告を載せた紙にあわせて、たとえばオリンピック入場券の当せんする抽せん番号を刷り込みまして、そういう広告付の印刷物を資金財団が発行いたしまして、広告主と広告契約をするわけでございます。その広告付の印刷物をたばこの小売店を通しまして、たばこの購入者に配るわけでございます。その配るやり方といたしましては、年じゅう配るというのは、先ほども御指摘がありましたように、公社の職員あるいは小売人の過労になりますから、一年間一定の期日を設けまして、オリンピックの開催までに大体五回程度、一週間程度の期間抽せん券付の広告を交付する期間を設けたい、かように考えております。その場合に、すべてのたばこではございませんが、オリンピック協賛たばこ、意匠をこらしましたたばこを売り出すということもあわせて考えております。そこで、先ほど体育局長からお話がございました目標の三億円でございますが、大蔵省といたしましても、また日本専売公社といたしましても、できるだけ三億円に近づくように、小売店の方々の協力を得たいと考えておりますが、なかなか容易なことではないと思います。現在一年間のたばこの販売本数は約千三百億木でございますが、個数にいたしますと、大体一年間で七十五億箱でございます。一日に約二千万箱売れているわけでございますが、二千万箱が一日で、八日間で一億六千万箱、それを五回やりますと、大体八億箱、その一箱に一枚つけますと八億枚、広告料を一箱について一円もらえると仮定いたしますと、印刷費とか入場券の経費等を引きますと、大体、一割程度資金財団に残るという計算になりますので、大体二億程度は確保できるのじゃなかろうか、かように考えておりますが、小売人あるいは小売人で組織しておりますたばこの販売についての連合体の協力を得まして、資金財団が広告事業をやる場合に日本専売公社におきましてもいろいろな資料の提供とか、あるいは広告付の印刷物を配る場合に、場合によっては公社の職員の協力も行ないたい、かように考えております。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、これはたばこの側にやったりなんかすることでなしに、ビラをこしらえて、それをたばこを売るたびに一株ずつ配る、こういうことになるわけですね。

谷川宏大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○谷川政府委員 たばこを買いに来た方にたばこに添えて配ると申しますか、差し上げるということであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 今でもたばこ小売人の手数料の引き上げはなかなかやかましく言うておるし、去年でしたか、与野党の議員がやかましく言って、それであれは手数料の引き上げでなしに、たしか割増金か何かみたいなことでお茶を濁したことがありますが、おそらくこういうことをやった場合に、小売人に対してオリンピックだから協力せよと言えばそれまでですが、何か小売人に対する手数料の割り戻しとかというようなことはやらぬのですか。

谷川宏大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○谷川政府委員 やります。先ほど広告主から一株について一円かりに入るといたしまして、経費その他六割見当必要であると申し上げましたが、その中に小売に対する交付手数料というのも入っているわけであります。できるだけ実費を弁償するほか、できるだけ協力を得るために適当な手数料を財団の方から差し上げるということになっております。

森本靖日本社会党

○森本委員 これで私の質問は一応終わりますが、この質問を通じて皆さんの答弁を聞いておりますと、これはとにかく金を作るために、そそくさとこういう法案を出しておいて、その内容についてはあとでまた十分に検討して具体的な実行にかかろう、こういうふうな答弁がほとんど全部であります。本来ならば、こういう法案を出す場合には、一応どういう計画を持って、どういうように具体的に実行していくという内容を明確にして、法案を提出するのがしかるべきじゃないか、こう思うわけでありまして、おそらくこの実行段階においてはいろいろな問題が提起されてくるのじゃないかと考えられるわけでありますが、一つこの実行段階における実施にあたりましては、そういう点についての慎重な配慮と緻密な計画を立ててもらいたい。とにかく金を集めさえすればいいわということでそそくさとやらぬように、一つ十分に私はこのことを注文しておいて、一応私の質問は終わります。終わります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 この法案の内容については、森本委員の質疑の中から大体のことは判明いたしたのでありますが、実際はおそらくオリンピック資金の調達費用の中に汚職その他の問題が起こるという危険をわれわれは非常に感じておるので、その点について次官にお聞きしたいのですが、大臣の答弁と同じ責任を持って御答弁願いたいのですが、その点についてどういう御配慮をされておるか、それをお伺いいたします。

纐纈彌三自由民主党文部政務次官

○纐纈政府委員 山中委員の御質問にお答えします。  ただいまの御心配のような点につきましても、十分われわれとしましても配慮し、法文の中においても、それらの点についての特別の規定も設けておるような次第でございます。御心配のないように十分努力をいたしたいと思います。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 私も関連して、そのことについてお尋ねをしたいのですが、これは文部省が提案をし、文部省が全体的には総括して管理するというふうな形になると思うのです。しかし、実際においてはあまり文部省には関係ないようなところで仕事をするわけですね。従って文部省の責任というのは非常に大きいけれども、それを果たすのにどうやっていくかということが非常にわれわれとしてはこの法案を通すのに疑義があるわけです。今いろいろお話を聞いておりまして、たとえばたばこの方で抽せん券を出しますね。これは一つの電気器具を売る会社で抽せん券を出すという場合に、これは地域的にはどういうふうに配分するのか。ある会社は東京のような非常に有利なところに抽せん券が配られる。ある会社のものはへんぴないなかの方へ回されるというようなことになりますと、これは非常に問題になるわけです。従ってそういうところに、ただ役所の皆さん方が、――あなた方を信用しないと言うとまことに申しわけないのですが、あなた方たちだけにそういう配分指定の権利があるというふうな場合には、これはどうしても残念ながら汚職だとか、冒職だとかいうものが出てくるようになって、せっかくのオリンピックが国民には非常にまずい感じを与えるような結果になるわけです。私はこの問題は単に資金を集めるだけでなくて、いかにこれが有終の美をなすかということがオリンピックそのものを成功させるもとだと思うのです。従ってそのようなことは専売局の問題であるとか、あるいは国鉄の方のどこの車内が最も有利である。こういうところにどの会社のものを出すかというふうな指定をする、選考をする場合、ただ皆さんだけでやるのか、何かそういう場合に公平な審議機関のようなものを作ってやるとか、あるいはそういうことは全然考えないで、あなた方の良識だけでやろうというのか、これはそれぞれお聞きしたいと思うのですが、そのことについて総括的に責任を持っておる文部省に何か御意向があれば聞きたいと思うのです。

纐纈彌三自由民主党文部政務次官

○纐纈政府委員 この世紀の祭典と申しますか、オリンピックを完全にやりますことが日本の国際信用のためにも、また国民の士気高揚のためにも非常に大切なことでございます。文部省といたしましてはこの主管省でございまするので、ただいま論議をいただきました法律の内容につきましては、それぞれ大蔵省あるいは国鉄というような関係各省の仕事自体につきましてはそれに関係する問題でございますが、先ほど来政府委員の方々からそれぞれいろいろと御答弁もされております。森本委員からも御指摘になりましたように、立法の問題につきましては、なお今後さらに検討もしなければならぬ点があるでありましょうし、また小林委員、山中委員からも御指摘がありましたような点、ことに金を扱うことでございまして、先般のアジア大会におきましても多少の問題もあったというようなことは非常に悪影響を将来に残す憂いもありまするので、われわれといたしましても関係各省と密接なる連絡をとり、また主管省といたしまして、十分責任を痛感いたしまして、オリンピックを完全に有意義に催すように努力を続けて参りたいと思う次第であります。   〔「名答弁だ」と呼ぶ者あり〕

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 次官の御答弁を聞くのは初めてでございまして、(笑声)確かに今御意見がありましたように名答弁だと思うのですが、しかし、私のお聞きしたことは、そういう御努力をなさるということは当然のことであって、そういうことについては、法案を提出するのは文部省である以上は、責任は当然あることなんですが、しかし、文部省はほかのところに金もうけをしてもらう立場なんで、金が出てくることに頭を下げなければならない立場なんですから、そういう強権発動なんかはおそらく私はできないと思う。それよりも、今申し上げましたように、公平を期するために残念ながら申し上げるのですが、その各省の方たちだけに今のような広告の場所とかところとかいうようなものを指定する場合に、公平を期する機関を作るかどうか、これを具体的に私はお聞きしたいと思うのです。

纐纈彌三自由民主党文部政務次官

○纐纈政府委員 ただいまのところ、文部省といたしましては特別の機関を設けてやるかどうかという点についてはまだ決定をしておりませんが、御指摘のように重要な問題でもありまするし、また関係省がたくさんありまするので、そういう問題についても特に検証をいたしてみたいと思うのであります。  なおこの法案には資金財団の会計につきましては、特に会計検査院で検査をするというような特例を認めて参っておりまするし、汚職その他のいまわしいことが起こるというようなことにつきましては十分注意をいたしまして、楽しいオリンピックの祭典といたしたいと思っております。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 この際委員長より一言いたします。  本案が両院を通過して後、その施行にあたっては関係各省及び関係機関においては十分慎重なる配慮の上、不祥事件などの起きないよう万全の措置を講ぜられるよう強く要望いたしておきます。  これにて本案に対する質疑は終了いたしました。      ――――◇―――――

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 これより討論に入ります。  討論の通告がありませんので、直ちに採決に入りたいと存じます。  オリンピック東京大会の準備等のために必要な特別指貫に関する法律案について採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決いたしました。  ただいまの議決に伴う委員会報告書の作成等につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認め、よってさように決しました。      ――――◇―――――

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に学校教育等に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。三木喜夫君。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 基地の周辺並びに日本の飛行場の周辺の騒音防止について、特に私は学校の防音装置につきまして関係者の御意見を聞いて、相なるべくは一致点を見つけてもらいたい、こういうことを質問し、要望もいたしたい、こう思うわけでございます。  最初に基地ないしは自衛隊の飛行場の付近にあるところの小学校、中学校、高等学校等の防音について、文部省としてどういうような一致した見解に立って、この実施を調達庁ないしは防衛庁にやっていただいておるかということをお聞かせ願いたいと思います。防衛庁ないし調達庁からの内閣委員会における答弁においては、本年度どの程度やるかということが出ておりますけれども、この際やはり文部省の関係において総括した、あるいは一致した見解を述べてもらいたいと思いますので、文部省側から最初そのことに対する計画を一つお聞かせ願いたいと思います。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 基地周辺の騒音によります学校教育の支障を取り除きますために、従来文部省としましては、それらの必要な学校につきまして防音装置をつける、あるいはまた必要によりましては老朽校舎の鉄筋化ということを進めて参ったわけでございます。これは大体二十八年ごろから実施して参ったのでございますが、従来からも調達庁その他と十分緊密な連絡をいたしまして、その年度々々の実施すべき学校をきめて参っておりまして、これは調達庁の方から申し上げた方がよろしいと思いますが、三十六年度におきましても鉄筋改築を大体十校程度予定いたしております。その他の学校につきましても防音装置を実施します学校も相当数、約三十校以上に上ると思います。そういう学校を大体予定いたして、これから三十六年度、の整備にかかりたい、そういうような準備をいたしております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 ただいまの答弁で、必要度の高いもの、あるいはそういう計画を立てて三十六年度からやっていきたい、こういうお話でございますが、私がお聞きしたい要点は、調達庁ないしは防衛庁がいろいろ計画を立てておられることも内閣委員会で仄聞しておりますけれども、これは文部省の立場からすれば、やはり教育的に必要度をどういうように配列されて、順位をつけておるか、あるいはまたこれについてどういう立場から順位をつけておられるかということについて、全国的にどういう配置をしてやっていくかという計画、そういうものをお聞かせ願いたいと私は思うのです。  培地については飛行機の爆音によって教授等相当妨害されております。なお最近機種が相当変わって参りましたので、そこに順位、必要度、反教育的な影響というものがだいぶ違っておるだろうと思う。そういうものをどういうようにお考えになっておるかということをまずお聞かせ願いたい。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 一般的に申しますと、飛行場に距離が近いもの、言いかえますと、騒音の程度の高いもの、またその騒音の頻度が非常にはなはだしいもの、こういうものは優先するわけでございます。従って板付にいたしましてもその他の飛行場周辺の学校にいたしましても、できるだけやはり騒音のはなはだしいものから鉄筋化をはかっていく、あるいはまた一般の木造校舎にいたしましても、そういうものに対する防音装置を施していく、こういうようなことで参ったわけでございます。最近は機種が相当変わって参りましたので、単なる距離ばかりでも考えられません。従って、そういう騒音の程度のはなはだしいものにつきまして、できる限り鉄筋化をはかっていこうということで、三十五年度から鉄筋化をできる限り予算の許す範囲において促進していくというようなことをやってきておるわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 そういうものができておりますなれば、そういう統計とか、あるいは一覧表とかいうようなものをお見せいただけば一目瞭然でありまして、そういうものを要求しておるわけでありますが、私が思いますことは、やはり陳情とかその他の事由によってこういう工事がやられることよりも、優先順位あるいは被害軽減措置の程度率等、統一的な規制が大事じゃないかと思います。そういう立場から文部省の統一したものがほしい、こういうことでただいまの答弁をお聞きいたしますと、ただ騒音度の高いもの、あるいは基地に近い、距離の問題、なお頻度の問題というようなことを抽象的におっしゃいますけれども、それがどういうような配列になってやっていただいておるかということが私の質問の焦点でありますので、それに合わせて一つお答え願いたい。なおそういう一覧表ができておればそれもお見せ願いたい。そういうことが私大事じゃないかと思うので、あえてお聞きしておるのです。一つその点再度お返事願いたいと思います。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 後ほど資料を出してもらいましょう。この問題はそれで……。  質疑を続行して下さい。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 従来やりました方針はただいま申し上げた通りでありますが、やはり飛行場の滑走路から近いものが頻度が高いというような関係上、三十三年、四年、五年に鉄筋化をはかりました学校は約九校ございます。それぞれやはり飛行場に最も近くて騒音の程度の高いもの、こういうようになっておるわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 ただいま委員長がおっしゃいましたように、やはり資料として一つこれをお出し願いたい。公平な立場で各条件をよく検討した上で、一覧表として出してもらうことが私は妥当ではないかと思いますので、その点一つお願いいたしたいと思うのでございます。  それでは調達庁あるいは防衛庁の方からおいでになりましたから、基地周辺の学校防音設備の現況を一つお知らせ願いたいと思います。

眞子傳次調達庁次長

○眞子政府委員 米軍基地、なかんずく御指摘の飛行場の周辺に所在する教育施設の防音工事につきましては、昭和二十八年度から実施を開始いたし、今日継続し、なお今後引き続いて全体にわたりまして、すでに実施したもの及び今後続いてやるものを含めますと、昭和四十一年までに約三百数十校を実施し、また実施する予定でございます。  しこうしてその概要を申し上げますれば、昭和二十八年度から昭和三十五年度までに実施いたしましたものが百九十一施設、工事費で十九億一千二百万円であります。また騒音が特にはなはだしいため、在来の木造物を鉄筋化いたしましたものが九校、工事費約五億六千三百万円でございます。なお昭和三十六年度に実施を計画いたしておりますものは四十五校、工事費約九億百万円でありまして、特に木造建物を、ただいま申しますように鉄筋コンクリート作りに改築をして防音工事をしようというものが五億九千七百万円であります。今までのところはそういった実施状況でございます。昭和三十七年度以降につきましても、ただいま申し上げますように、引き続いて実施する計画でございまして、その数は約四十校、四十億一千万円の予定でございます。大体そういった概況でございます。  しかしながら、ただいまのお尋ねのようにどういう標準でやっておるかということでございますが、御承知のように、これは騒音度のまず第一に高いもの、あるいは飛行機の離着陸する頻度の状況、あるいは飛行場からの距離等考えまして、大体教育施設に対して七十フォン以下に下げることを目標といたしまして、教育効果を阻害しないよう十分な配慮をすることを眼目といたしまして、関係各省、特に文部省と協議し、また地元のいろいろな協議機関あるいは地方機関と協議しながら、でき得る限りその速度を早めながら、しかも効果のしがる方法をとりたいということをへ心願として工事をし、改築をいたし、あるいは場合によっては基地の近いところからある程度遠いところにまで移転をして防音効果を上げるというようなことも実施しておる次第でございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 ただいまの説明は調達庁関係ばかりの説明になっておりますが、防衛庁も入れてですか。

眞子傳次調達庁次長

○眞子政府委員 私が以上申し上げましたことは、調達庁関係、すなわち特損法に基づいて実施するものだけでございまして、防衛庁の方でやっております防音工事の点は私の方にはよくわかりません。しかしわれわれの考え方といたしましては、同じ自衛隊の基地から発する騒音におきましても、あるいはこれは言い過ぎかもしれませんが、普通一般の飛行場から発する騒音につきましても、その周辺に所在する教育施設に対する教育阻害ということは同じ質のものでございまして、同様にこの騒音防止という措置は講じていかなければならぬ、手当はしていかなければならぬものと考えるわけでありまして、私どもの防衛庁長官のもとにある調達庁それから自衛隊の施設、これは将来の計画としてはどこまでも連携を保って、同一の方針で、同一の基準で、しかもその速度も同じようにやっていく、いろいろな不公平のないような措置をとっていくというようなことが必要であろうと考えられるのでありまして、事務当局の段階では何とかこういった処置もほかの基地関係の行政等についても同様に一体的に処理するというふうにすべきだということを協議しておる段階でございます。しかしながらまた一方に、ただいま申しました一般の飛行場等の関係もございますので、昨日閣議決定でできまして基地等周辺問題対策協議会、これにかけて、関係機関全体の協力を得て、こういう騒音対策もその全体対策の一環として、統一した連絡のある公平な防音措置というものをとるべきだと考え、今後は調達庁の防音工事につきましてもこの協議会にかけていきたい、こういように考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 ただいまの御答弁の中で、二つの要素が心配なんですが、一つは、七十フォン以下におさめたい、こういうことなんですが、現在板付にしてもその他の飛行場にしましても、具体的に調査してみて、防音装置で七十フォン以下に実際なっておりますか、その点一つお聞きしたい、それが一つと、それから今も文部省と同じような御答弁をいただいて非常に不満なんですが、その度合いとかあるいは頻度とか距離とかによって、優先的にやる序列をきめていく、こういうお話でしたが、これはなかなか序列をきめにくいものですから、何かやはり基準を設けて――相当これからこの問題は各地に起こってくると思うのです。今度の防衛二法においても飛行場の増設が予定されておるようにも思いますし、自衛隊の飛行場もありますし、あるいは民間の飛行場もある。それからいわゆる米軍の基地の場合もあると思うのですね。そこでどういう序列をそちらの方でつけられるか私は心配に思う。その二つの点についてもっと明確に一つお聞きをしたいと思います。

眞子傳次調達庁次長

○眞子政府委員 こまかいことにつきましては補償第二課長高橋君が来ておりますから、説明員に説明いたさせたいと思います。

高橋勝利総理府技官(調達庁不動産部補償第二課長)

○高橋説明員 ただいまの最初の御質問でございます。現在の防音工事をやった結果、七十のフォン以下になっておるかという問題でございますが、私の方は防音工事が竣工いたしますと、必ず騒音を測定いたしまして確認いたしておりますので、間違いなく下がっておると思っております。  その次に将来の計画でございますが、先ほど文部省の方で将来の序列の問題がございましたけれども、実は各飛行場ごとによりまして、多少飛行機が移動いたしましたり機種が変わったりした関係で、大体昭和四十三年度までに一応学校防音は終わるのでございますが、その四十三年度までの間のすべてにつきまして、現在序列等をつけることはちょっと困難でございます。調達庁といたしましても、昭和三十六年度にやりますものはきまっておりますけれども、三十七年度以降のものにつきましては、要するに木造校舎の場合は防音効果が上がらないために、鉄筋化するもの四十数校のリストを作りまして、毎年工事をやる前に簡易な騒音測定を行ないまして、それによってその年度の序列をきめておるわけでございます。それからこれは板付飛行場のように非常に騒音の高いところがございますけれども、学校防音は結局飛行場からの距離によりますので、結局飛行場の近くに学校がなければ、飛行場の音がひどくても、学校の音は大したことがないわけでございます。そういう関係で個々の学校ごとに騒音測定をやります結果、全国的に見ますと、現在のところは各基地ごとに大体公平にばらまかれているのではないかと思います。同じ条件でありますれば、私の方といたしましては一つの基地に片寄ることがないように、なるべく全国を公平にやるように心がけておるわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 大体わかりましたですが、それもやはり要望として公平なデータによって序列をつけていってもらうことが望ましいのではないかと思いますが、この点一つ御留意いただきたいと思います。  なおただいまのお話の中にもありましたように、騒音防止対策について、日米合同委員会の下部機構として飛行場騒音対策特別委員会を内閣の中に、昨日ですか、今のお話では設けて、その会合をしたというお話ですが、二月二十八日、西村防衛庁長官は、防衛庁と調達庁と運輸省その他を合わせて協議会を現在設けつつあるという答弁をされておりますが、これと同質のものであるかということが一つと、その中にやはり文部省が入って、この協議会を構成するかどうかということも一つお答え願いたい。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 この防音対策の問題につきましては基地等周辺問題対策協議会というのができたのでございまして、これは関係各省の局長をもって構成するということになっておりますので、文部省もこれに入っております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 そうしますと先がた申しました、文部省の立場としてこの騒音防止、特に学校防音についてどの程度の要求をされて、どういう対策で臨まれるかということも一つこの際文部省から聞かしてもらいたいと思います。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 先ほど御質問の中にもございましたように、最近機種の近代化と申しますか、非常に変わっていくような傾向が強いのでございまして、それに伴って学校が教育上いろいろ支障の起こる状況も変わるのが非常に激しいようでございます。従いましてただいま申し上げましたような委員会が総理府にできるわけでございますが、それを受けまして、文部省といたしましても将来の学校教育の支障をできるだけ最小限に防止するというような事柄、あるいは教育上の支障をどうしたら防止できるかというような積極的な施策を研究をいたしますために、三十六年度におきまして若干の予算を認められましたので、教育上の問題を主とした騒音対策調査会というものを文部省に設けまして、そうしてそれによって具体的に個々の学校についての調査もできる限り十分いたしまして、先ほどおっしゃいましたような序列の問題も当然それから結果的に出て参るわけであります。そういうことを進めて参りたいと考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 なるべくそういう教育的な問題は進んで文部省から指導権を持って――この会議の中に参画しておるというだけでなくして、発言をするだけでなくして、その実施を要請してもらいたい、こう思うのです。ただいまお話の中にもありましたように、木造建築におきましては防音をやりましても今や機種の変更によってその用をなさないということも局長の方から言われましたが、その通りでありまして、そういう点一つ全国的な視野あるいは現場的な検証の上に立って、文部省が指導権を持ってこの会議で強調していただきたい、これをお願いいたしたいと思います。  次に調達庁の所管にかかる飛行場の面積と、防衛庁の所管にかかるところの面積とは一体どちらがどれだけ大きいか、こういう点を調達庁の方でおわかりになっておれば一つお知らせ願いたいと思います。

眞子傳次調達庁次長

○眞子政府委員 ただいまのところ手元に資料を持ち合わせておりませんのでお答えをいたしかねますが、御必要でございますれば調査の上……(「大体のことを言え」と呼ぶ者あり)面積等わかりませんが、米軍の飛行場は大体大きい、滑走路の長い面積の広いものが数少なくあり、防衛庁は比較的それより滑走路の短い、狭いものが数多数ありますので、正確なことはわかりませんが、大体面積から申しますと、防衛庁の方が大きいだろう、こういう考えでおります。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 私の方で持っておる資料が違っておれば御訂正願いたいと思うのです。そういう意味でもお尋ねしたのですが、確かにただいま言われましたように、防衛庁関係の基地、それから調達庁関係の基地は、防衛庁の方がはるかに多くなっておるように思うのです。これは後ほど正確な資料をいただけたらいただきたい。無理にいただきたいということを申し上げておるのではないのですが、両方の仕事の所管という立場に立ってその面積を比較してみたい、こう思うのです。防衛庁では一億一千八百四十九万坪に飛行場の面積がなっておる。それから調達庁関係は九千五百十九万坪、この間に約二千万坪の開きがあるように思うのです。この広さの中に配置するところの飛行機の台数といいますか、そういうものは、お互いに変化があると思うのですけれども、管理しておる面積によって、大体所管が広いところは相当の飛行機もあるというように想定しまして、防衛庁関係には相当の広さがありますし、調達庁の方は若干少ないように思う。従いまして、私がお聞きしたいのは、この防衛庁関係の学校防音装置、これは自衛官が今その仕事に当たっておるというように解釈するのですが、いわゆる基地の補償業務というものをそういう自衛官がやっておるということについて、調達庁としてはどういうように考えられておるか。その点一つ伺いたい。あるいは防衛庁からおいでになっておりましたら聞かしていただきたい。

眞子傳次調達庁次長

○眞子政府委員 自衛隊の施設のことに関しましては、私からお答えするわけに参らないだろうと思います。御了承願いたいと思います。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 三木さんに申し上げます。防衛庁の政務次官も今決算委員会に出ておりますから……。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 自衛官がこういうことをやっておられるということについて私は問題があると思いますので、その点につきましては後ほど防衛庁の方から見えたときにお聞きいたしたいと思います。  なお、先ほど文部省に強く要望しました一点もここに私はあると思いますので、将来防衛庁、調達庁、そして文部省一致した中において、学校防音装置についてはどういうようにやるかという一元化を考えてもらわなければならないのではないか、こう思うのです。それで今お聞きしておるわけなんですが、そういう点について文部省はどういうようにお考えになりますか。今学校防音装置を自衛官が防衛庁の立場でやっておられる。これは後ほどその件数並びにそれに要るところの予算というようなものもお聞きしたいと思っておりますけれども、文部省としてはその点について特段にそういう要望があるかないかというような点、一つ文部省のお考えをお聞かせ願いたい。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 私どもの方では調達庁も同様でございますが、防衛庁の方と緊密な連絡をとりまして、三十五年度までに防衛庁関係だけで五十五校、四億五千万程度の防音工事を実施して参りました。従来防衛庁でやっていただく分につきましても別段の支障は起こっておりません。従って文部省としては、従来通り防衛庁関係あるいは調達庁関係においてやっていただきたい、かように考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 そうしますと、防衛庁がおいでになりましたらその他の問題もお聞きしたいと思いますが、現在木造二重構造の建物、それから将来鉄筋にすべき建物が考えられると思うのです。そこで調達庁に主としてお聞きしたいのですが、この騒音の度合いが、現在のF86ジェット戦闘機、あるいはロッキードF104の間においてどういうような違いがあり、将来このロッキードがどの速度においてどれくらいできてどこにそれが配属されるかということも調達庁としてはよくお調べになっておりますか。その点お聞かせ願いたいと思います。

高橋勝利総理府技官(調達庁不動産部補償第二課長)

○高橋説明員 ただいまF86で防音工事をやっているところとおっしゃいましたけれども、大体現在の防音工事は、現在の各飛行場に配属されております一番音の大きな飛行機でやっております。従って、板付とか横田とかにつきましてはF102であります。F86の場合は従前のままの防音でありまして、F100になりました結果、木造校舎を鉄筋化するようなものは数倍にふえているというのが実情でございます。  それからロッキードの104でございますが、これは防衛庁の関係でございまして、米軍の方には104は現在は参っておりませんし、将来もおそらく参らないのではないかと考えております。104の騒音の程度は大体102と同程度だろうと思っておりますけれども、もし参りましたら、やはり騒音測定をやってみないと、どの程度に違うかということははっきりわかりません。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 それから機数の配属状況について……。

高橋勝利総理府技官(調達庁不動産部補償第二課長)

○高橋説明員 機数につきましてはちょっと申しかねます。正確な数字を私の方でもつかんでおりませんので、一応冬飛行場の配属機種程度はわかっておりますけれども、機数はちょっとわかりません。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 それでは木造の建物とそれから機種との関係ですが、機種が、ただいまの話ではF86の数倍ということを言われましたですね。

高橋勝利総理府技官(調達庁不動産部補償第二課長)

○高橋説明員 数倍と申し上げたのは音ではございませんので、F86に比べまして、いわゆる木造校舎を鉄筋化するような、条件が悪くなったような学校の数が非常にふえたという意味でございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 三十九年度末で大体ロッキードが二百完成する、現在三菱でこれが製作中であるということを言われておるのですが、それが配属されるところによってだいぶ防音装置というものが変わってくると思う。その点もやはり将来計画の中に入れて検討していただきたいと思います。

高橋勝利総理府技官(調達庁不動産部補償第二課長)

○高橋説明員 先ほど申し上げましたように、ロッキードはF104でございまして、これは米軍の飛行場にはおそらく参らないと思っております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 それでは防衛庁の方から見えましたらこの次の機会に両者の比較において、私はこの仕事は一元化してもらうことの方が、より効率的だと思うのです。どこかに一つやってもらわぬと……。そこで文教委員会としてはそういう要望を付したい、こう思いまして防衛庁にお聞きをしたい点がありましたけれども、きょうはおいでにならぬようなので、次会に一つお聞きしたい、あるいは要望もさしてもらいたい、こう思います。きょうはこれで終わりたいと思います。      ――――◇―――――

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  別に質疑の通告がありませんので、これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 これより討論に入ります。別に討論の通告がありません。直ちに採決に入ります。  これより私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案について採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決いたしました。     ―――――――――――――

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 上村千一郎君より、ただいま議決いたしました私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三党共同提案による附帯決議を付する旨の動議が提出せられました。提出者よりその趣旨説明を求めます。上村千一郎君。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 私はただいま私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して附帯決議を付するの動議を提出いたします。その附帯決議の案文並びにその趣旨の説明をいたしたいと存じます。まず附帯決議の案文を申し上げます。   私学教育の重要性と社会保障改善の緊要性とにかんがみ、現在私立学校教職員共済組合法の適用外にある私立学校の教職員並びに私学振興を目的とする関係団体職員に対し、政府はすみやかに同法適用の道を開くよう、所要の措置を講ずべきものと認める。  右決議する。  次にその趣旨の説明を申し上げます。本法案の審議を通じまして明白になりました通り、私立学校教職員共済組合法が成立施行されました当時、私学共済組合未加入の私立労使が七十八校、人員に対して二万三千余人に及んでおりましたが、その後私学共済組合の健全なる発達を見るに従い、未加入者の加入の希望の意思が非常に強くなって参った実情であります。しかるにこれら私立学校の教職員並びに私学振興を目的とする関係団体職員につきましては、現在私立学校教職員共済組合法の適用外にありますことは、私学教育の重要性と社会保障改善の緊要性にかんがみきわめて遺憾とするところでありますので、政府はすみやかにこれに対し同法適用の道を開くよう所要の措置を講ずることがこの際ぜひ必要であると信ずる次第であります。以上簡単でございますが、ここに附帯決議の趣旨説明を終わります。(拍手)

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 上村千一郎君提出の附帯決議を付する動議について採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を願います。   〔賛成者起立〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 起立総員。よって、上村千一郎君提出の附帯決議を付する動議は可決いたしました。よって、本案は附帯決議を付し議決いたしました。  この際纐纈政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。

纐纈彌三自由民主党文部政務次官

○纐纈政府委員 ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、趣旨説明を聞きましても、しごく妥当なものと拝聴いたしました。文部省といたしましても今後関係省と十分なる連絡協議を遂げましてこの実現に努力をいたす覚悟であります。(拍手)     ―――――――――――――

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 ただいまの議決に伴う委員会報告書の作成等につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認めます。  よってさよう決しました。      ――――◇―――――

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律案を議題として審査を進めます。  質疑の通告がありますのでこれを許します。小林信一君。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 きょう提案になりましたこの法律は非常に大事な法律だと思うのでありますが、きょうはだいぶ時間がたっておりますので、私はその中を一々お聞きしようとは思いませんが、ただ一つ、非常に国会が会期末になっておりましてもう文教委員会も予定されるものは二日しかないというときに出されたのでございまして、しかも地方の高等学校ではこれには深い関心を持っておるわけなんです。関心を持っておる者にただ何か好感を持たせるだけでいいのか、ほんとうにこの法案を審議さしてこの国会中にこれをどうでも通させなければならぬというような決意に立っているのかどうか、私は非常に疑わざるを得ないわけなんです。この点で、単に見せるだけの法案であるのか。もしこれをどうでも通さなければならぬというなら、もうこんなに会期末に迫っておりますので、これは私たちの方からは遺憾の意を表さなければならぬと思うのです。与党の中で相談をしさえすればいいんだ、政府の中で腹をきめさえすればいいんだ、国会というところは出せば通るんだというようなそういう国会軽視のものであるならば、これまた異議を申さなければならぬわけです。そういう点でこの際時間がありませんからそれだけでもお伺いしたいと思うのですが、大臣にかわって次官からその御意思をお聞きしたいと思うのです。

纐纈彌三自由民主党文部政務次官

○纐纈政府委員 この法案が非常におくれましたことにつきましては、われわれといたしましてもまことに恐縮に存ずる次第でございます。しかし政府といたしましては、この法案を提案いたしました以上は、ぜひとも皆様方の格別の御協力をいただきまして、十分御審議の上で今国会におきまして成立することを期待いたしておる次第でございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 そういうような御決意があるならば、なぜこういうふうに法案提出がおくれたか、その理由くらいはお述べになってしかるべきだと思うのですが、いかがですか。

纐纈彌三自由民主党文部政務次官

○纐纈政府委員 お説の通りまことにこの法案重要なものでございまして、いろいろと検討をいたしておりまして、そのために実はなかなかいい結論が出なかったために提案がおくれましたことはまことに恐縮に存じております。しかしこの問題は重要でありまするために、文部省としても相当慎重に協議を続けて参ったようなわけでありまして、そういう点からいたしまして、おくれたことについてはこの機会に直々おわびをする次第でございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 検討すると申しますが、これはたしか昨年も提出されたと思うのですよ。それが一応検討されているのですから、もう今期初めに提案されなければならぬものだと思うのですが、その点は大臣が来たらまたそのときにお伺いすることにいたします。  そこで初中局長に一言お伺いしたいのですが、もちろん私たちの伺うところも高等学校の現状というもの、これに対する父兄の関心、あるいは教育課程の改定というふうな問題がありまして、この法案の必要性はわれわれも感じておるわけなんです。この際初中局長から、そういうようないろいろな情勢からどうでも通さなければならぬという具体的なものを承って、そしてそのいかんによってわれわれも慎重に審議する態度をきめるか、あるいは簡単でいいのかというような気持でいるわけなのですが、具体的にその点を御説明願いたいと思います。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 御承知の通り教育課程の改正が行なわれまして、高等学校は昭和三十八年から改定を学年進行をもって行なうことになっておりますので、新教育課程に即応いたしまして教員組織をできるだけ充実したいというのが一点でございます。なお、高等学校につきましては従来乙号基準がございましたが、これが不備な点もございまして、財源措置が不十分である、特に行政管理庁から立法化するように勧告を受けております。そこで立法化いたしまして財源措置を明確にしたいというのが第二の理由でございます。第三に、御承知の通り昭和三十八年から高等学校の生徒の急増を控えておりまして、どうしても百万程度は高等学校に収容いたしませんと現在の進学率が落ちてしまいますので、子供たちにも非常に不安を与え、親たちにも御迷惑をかけますので、高等学校急増の面から定数を確保しなければならない、こういうような実情でございます。義務教育諸学校については、御承知の通り公立義務教育諸学校の定数法がございまして、あれに基づいて交付税を算定いたしておりますので、赤字団体等どんな貧乏県でも一定の水準は確保いたしておるわけであります。ですから同様に高等学校につきましても交付税で保障いたしたいというのが念願でございまして、三十七年度に単位費用の測定単位及び単位費用の改正をいたしませんと、財政的な裏打ちが不十分になるわけであります。こういうような点を考えまして、私ども力が大へん不十分な点がありまして皆さん方に御迷惑をおかけいたしました点は、先ほど政務次官からも申しましたように重々反省もしおわびも申し上げたいのですが、ぜひ以上述べたような理由で御賛成いただきますようにお願いを申し上げる次第でございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 お話を聞けば、やはりわれわれが感じたと同じように非常に重要な法案であり、しかも差し迫った使命を持っておる法案だと思うわけです。それにしてもどうしてこんなにおそく差し迫って出されるのか、ますます疑問を持つわけですが、そこでそうであればこれから審議を進める上で私お願いをしたいと思うのですが、私たちも非常に不勉強なもので、この法案の中のいろいろな表現の仕方も専門的であるために非常に苦労する点があるわけです。できたら前のものと対比できるようなものを素材を作ってきていただきたい、そして審議を進めるのに簡略にできるようにしていただきたい。  もう一つは、一般公立高等学校の要望をさることながら、私は私立学校も同じような要望を持っておると思うのですが、そういう点につきましても、今後私立学校についてはどういうふうな処置をするという具体的なものを一目瞭然わかるように資料提出ができればしていただきたいと思うのです。  私はきょうはこれで終わりたいと思います。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 承知しました。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 本日は、この程度にとどめ、次会は、明後六月二日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会いたすことにし、これにて散会いたします。午後六時六分散会      ――――◇―――――

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