文教委員会 第10号
- 発言数
- 119 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/24
会議録
○濱野委員長 これより会議を開きます。 この際、理事の辞任並びに補欠選挙についてお諮りいたします。 理事前田榮之助君より理事を辞任いたしたいとの申し入れがあります。これを許可するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○濱野委員長 御異議なしと認めます。さよう決しました。 それでは、ただいま一名欠員となっております理事の補欠選挙を行なわなければなりませんが、先例によりまして委員長においてその補欠を指名するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○濱野委員長 御異議なしと認め、小林信一君を理事に指名いたします。 ――――◇―――――
○濱野委員長 次に、社会党提出にかかる学校教育法の一部を改正する法律案を議題とし、その提案理由の説明を聴取いたします。山中吾郎君。
○山中(吾)議員 ただいま議題となりました学校教育法の一部を改正する法律案につきまして、その理由を御説明申し上げます。 御承知のように、昭和三十三年六月に学校保健の推進と充実をはかるため、学校保健法が施行されました、以来、児童生徒の健康管理並びに保健指導が学校教育の一環として重要な位置を占めるようになりましたことは、将来をになう青少年のためにまことに喜ばしいことでございます、このようなことこそ、よりその充実をはかるため万全の策を講ずる必要があると考え、その一つといたしまして養護教諭の問題を提案申し上げる次第でございます。すなわち、学校教育法第十二条には「学生、生徒及び幼児並びに職員の健康の保持増進をはかるため、健康診断を行い、その他のその保健に必要な措置を講じなければならない。」とあり、また、学校保健法第一条には、「学校における保健管理に関し必要な事項を定め、児童、生徒、学生及び幼児並びに職員の健康の保持増進をはかり、もって学校教育の円滑な実施とその成果の確保に資することを目的とする。」と規定されております。そしてこのことは、都市であるとか農、山村、また学校種別や学校の規模の大、小によって差別があってはならないものと考えますし、それぞれの学校において、これが実施はあたりましては綿密な計画のもとに方策が行なわれなくてはならないわけでございます。 さらに、わが国は諸外国と異なりまして、学校に学校医が常勤ではありません現状からいっても、専門職としての養護教諭が必要であると考えます。また、このことについては、学校保健法の制定にあたりまして国会審議の過程で衆、参両院とも養護教諭の必置の促進と必要性が強調された附帯決議が行なわれております。しかしながら、学校教育法第二十八条におきまして、小学校には「養護教諭を置かなければならない。」と規定されており、同法第四十条においては、中学校にこの規定を準用いたしております。ところが、同法第百三条では、「当分の間、養護教諭は、これを置かないことができる。」とされているため、せっかくの本則で各校に必置とされているにもかかわらず、この附則によって任意とされているのが実情でございます。 学校教育法が施行されましてすでに満十四年になろうとしておりますが、現在のように学校保健の重要性、養護教諭の必要性は当時と比較することができぬほどの相違があると考える点から申し上げましても、当然今までに何等かの対策がとられてしかるべきであったと思われるのでございますが、次に申し上げますように現状はきわめて悪い状況にあります。 養護教諭の配置率は私どもが多年要望する一校に一名を配置するとしますと、その配置率は小学校二五・五六%、中学校一五・三八%、高等学校四三・七八%という低い率でございます。 これについて、さらに詳しく申し上げますと、養護教諭の配置のよい県は、別紙資料にもございますように、小学校では東京の七八・八%、佐賀の五八・八%、福岡の五六・九%、大阪五三・四%、群馬の五二・〇%でございます。中学校では、佐賀四九・六%、福岡四七・五%、大阪四四・六%、千葉の三八・九%で、よいと思われます県でも半数に満たないありさまでございます。悪い県の実情を申し上げますと、小学校では島根二・二%、栃木の五・九%、青森、三重の九・八%で、中学校では徳島が一人も配置しておりませんし、岡山、愛媛の二・四%、香川、群馬二・五%、兵庫の二・八%、和歌山の四・二%、東京四・五%、北海道、栃木、山梨、静岡、三重、島根、鳥取の五ないし七%というような状況でございます。 しかも、その上に、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律、第七条第四項及び第八条三項の規定が優先されまして、小学校児童千五百人に一人、中学校、生徒二千人に一人という算定により、このことがあたかも養護教諭の配置基準であるかの印象によって配置されているために、地教委単位や同一市町村に配属するということから小規模学校の幾つかを兼務する養護教諭が年々ふえてきております。その実情は、千葉、岩手、富山、新潟の六校を初めとして、ほとんどの県が二ないし三校を兼務いたしております。また、都職員の定数に関連いたしまして養護教諭が授業を担当しております。このことは、明らかに間違いであると考えますが、中学校で約五〇%、小学校では二〇%の授業担当がおるわけでございます。一校であっても、また過度的段階にあります学校保健の実情からしても、容易でないと考えるのでございます。従いまして学校教育法の附則にあります「当分の間、置かないことができる。」という規定については、すでに法制定後十余年を経ている今日でも、当然これを削除しなければならないと考えるのであります。 同時に国及び地方公共団体の財政事情や、これに伴うところの養護教諭の養成に日時を必要とする点などから考えますと、一挙に整備することは、事実上困難であろうかと存じますので、本案におきましては、昭和三十七年度から年次計画を定めまして、これによって年々財政措置その他の必要な措置をとりまして、順次整備を行なっていきたいと考え、そのようにいたした次第でございます。 次に高等学校の養護教諭に関してでありますが、現在高等学校におきましては、養護教諭は、学校教育法第五十条により「必要な職員を置くことができる。」という任意規定が適用されておりまして、必置の規定になっておりません。高等学校の場合におきましても、生徒の養護に当たる教諭の必要性は小学校、中学校と全く同じでございまして、現に多くの高等学校には必要性から養護教諭が置かれていることから見ても、そのことが明らかにされていると思います。 そこで、本案におきましては、同法第五十条の規定を改正し、高校についても養護教諭を必ず置かなければならないといたしたのでございます。 高等学校の場合におきましては、昭和三十七年度から完全な実施を求めるといたし、あわせて年々養護の施設の整備をはかることといたした次第でございます。 次に、事務職員について、御説明申し上げます。 御承知の通り、戦後わが国の教育制度は根本的に改善されてから十数年ようやくにしてその基盤が整いつつあります。しかしながら以前はそれほど問題にされていなかった学校事務も、今日では教育の機能を十分発揮せしめる推進力として大きな役割を果たしつつあります。 小学校中学校において学校事務を担当する職員の置かれていない学校では、教師が二百種類に及ぶ広範多岐にわたる事務を、児童、生徒の教育という重責を果たしながら分担処理しなければならない状況であり、義務制諸学校の教職員の悩みの種であり、他の社会人の想像し得ざるものがあります。 不十分ながらも専門的な学校事務機構の確立されている高等学校及びそれ以上の学校に比べて小学校、中学校は、県教育庁、出張所、地方教育事務所、地方教育委員会等からの直接、間接に管理されているために事務量は前述のように複雑多岐にわたるのでありますから、事務を処理する専門職がどうしても必要であり、事務職員が配置されなければ教師が本来の目的を達成することは事実上不可能に近いといわなければならないのであります。現在の義務制諸学校の事務職員の配置状況は全国の学校三万九千百三十五校に対して、九千三百四十名にすぎません。 第二十八回国会で成立を見た義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律によれば、事務職員は、小学校十八学級、中学校九学級以上の学校にのみ配置することになっております。このような基準のために、現実に見られる事務職員の配置は全く不十分な状況になっており、事務職員一人で数校を兼務しているのが実情であります。従いまして、これが改善の要望は、学校運営事務を預かる事務職員の過去数年にわたる切なる声であります。にもかかわらず、現実には、学校教育法第二十八条第一項ただし書きによりまして、ただいま申し上げた通りの定数標準法による不十分な配置が行なわれているのであります。このような状態では、教師の保健、児童生徒の教育の建前からも、正常な学校教育の運営をはかることは不可能であります。従って、教育基本法の根本精神から考えても、学校の正常な教育及び運営を行なうために、全国の小学校、中学校に事務職員をぜひ配置しなければならないと思うのであります。学校教育法第二十八条に「小学校には、校長、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない。ただし、特別の事情のあるときは、事務職員を置かないことができる。」となっておりますが、以上申し上げました理由により、本条第一項のただし書きを削除して、事務職員を義務設置とし、学校教育及び運営の万全を期したいと考えるのであります。 なお、国及び地方公共団体の財政事情を考えまして、一挙に配置することは事実上不可能であろうかと存じますので、本案におきましては、国及び地方公共団体はその実施のため昭和三十七年度から年次計画を定め、これによって年々財政措置その他必要な措置をとり、順次配置を行なっていかなければならないことといたした次第であります。 以上がこの法律の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上御賛成下さるよう御願い申し上げます。(拍手)
○濱野委員長 本案の質疑は追って行なうことといたします。 ――――◇―――――
○濱野委員長 次に、国立工業教員養成所の設置等に関する臨時措置法案を議題とし、審査に入ります。 質疑の通告がありますので、これを許します。山中吾郎君。
○山中(吾)委員 工業教員の臨時養成の施設については非常に多くの疑問を持っておりますので、御質問をいたしたいと思うのでございますが、まず第一に、この法案がかりに実施されるといたしましても、この卒業生を工業教員として何%確保できるかという確信をお持ちになっておられるかどうか。もしそれについて一つの見通しをお持ちならば、入学をした学生が教壇に立つのは何%ぐらい見込んでおるかという具体的なことを含んでお答え願いたいと思います。
○小林(行)政府委員 本法律案では、この養成所の卒業生は、法律上、就職につきまして、義務就職あるいは指定して就職させるといったような拘束を設けておりません。法律をもって就職を拘束するということにつきましてはいろいろ問題もございますので、現在の段階におきましては困難であろうかと思っております。ただ、できるだけ、この教員養成所が、本来の趣旨が工業教員を養成するということでございますので、卒業生が工業教員になってもらうということを私どもとしては期待をいたしておるわけでございます。従って、たとえば学生の入学選抜にあたりましても、将来工業高等学校の先生になる意思のはっきりしたものを選抜するということもございますし、また卒業後に教職についた者には教員の資格なりあるいは給与等でできるだけ優遇をしたい。それから育英資金をこの工業教員養成所で受けました場合に、高等学校の先生になれば返還免除の特典を与えるというようないろいろな方法を講じまして、実際的に就職についての効果をあげるように努力をしたいと考えておるわけでございます。ただし法律上の拘束はございませんので、卒業生の全部が工業高等学校の先生になるという保証はないわけでございますが、私どもといたしましては一応卒業生が全体として工業高等学校の先生になることを期待して、その養成数だけの先生を得るということを目途といたしておるわけでございます。
○山中(吾)委員 期待するだけで二億近い金を計上して養成するということでは、私たちはこの法案についてどうしても賛成しがたいわけなんですが、大体過去の状況からしまして、こういう経済成長率九%というふうな経済の上昇期においては、若い青年は教員にはなりたがらないで経済界に走るということば、明治以来の鉄則であります。そういう戦争前からの日本人の就職の慣行という点からいっても、こういう臨教というふうなものを作っても、確保の見込みはないと私はむしろ確信に近い考えを持っておるのでありますが、今のような御答弁では私は納得できないのであります。文部大臣は参議院の予算においでにならなければならぬそうでありますので、これだけの国費を使っていくという、そして新しい機関なのでありますが、私はまず第一に、この法案についての最も根本的な問題として、文部大臣から責任のあるお答えを伺っておく必要があるので、大臣から直接お答えを願いたいと思います。
○荒木国務大臣 大体の考え方につきましては、今政府委員からお答え申し上げましたが、すでに話が出ましたように、法律上教員になることを業務づけることは、今の憲法解釈とからみまして困難だと思って、そういうことはやっておらないわけでありまして、ですから制度の上に立って確信あるかとおっしゃれば、確信ありとは申し上げかねる道理でございます。しかしながら、一般に民間からの中級技術者、技能者と申しますか、所得倍増問題にからんだだけを推定いたしましても四十四万人足りないという、足りないその需要先は一般民間であります。この学校を卒業した人がスカウトされる行く先も一般民間が大部分だと思われるわけでありますが、その民間からの誘引することそれ自身を取り締まったり、また押えつけたりする法律、制度上の権限もこれまた一応ないといわざるを得ないわけでございまして、その点ははなはだ心もとない意味もむろんございますけれども、中級技術者を必要とするその需要先が、あわせて大学程度の教育を受けた技術者を必要とする需要先でもあるわけですから、総合的に日本の科学技術の振興また科学技術に特に関係のある企業体に対しまして、十分のPRの努力をする責任もあわせ持たねばならぬと私らは思っております。十分に話し合いをいたしまして、事情をわかってもらって、引っこ抜くということを極力遠慮してもらう、またこの養成所に入りたいという希望の学生に対しましても、先刻政府委員から申し上げましたように、十分の納得をして入ってもらう、本人の道義心に訴える、本人の教育者としての情熱に訴えるやり方でやっていきますならば、おおむね八千七百人ばかり足りないといっております教員の充足に事欠くことはあるまい、むろんこの養成所卒業生以外の大学卒業者も極力教職員になるように努力をせねばなりませんが、その他の現職教育ないしは再教育等のやり方で、何としても必要数を充足せねばならない。また今申し上げた努力を懸命にやりますならば、大かた支障なきを得るであろう、こういう気持でおるわけでございます。
○山中(吾)委員 今大臣が、義務にすることは憲法解釈上違反というふうなお考えがあるから、この設置法の中に教員になる義務を負わすわけにはいかないので、どうも確信はないけれども努力をしていくというお話ですが、憲法違反であるという根拠を一つ御説明願いたいと思います。
○小林(行)政府委員 御承知のように、憲法の二十二条に職業選択の自由が規定されておりまして、これに基づきまして労働基準法の第十四条に契約期間の規定がございます。これによりますと、一年をこえる期間について労働契約を締結してはならぬというような規定がございまして、この規定の解釈上、義務就職を課することはそれらに違反するのではないかということが従来学説上もいわれておりますし、実際そういった態度で政府としては対処してきておるわけでございます。
○山中(吾)委員 二十二条の職業選択の自由については旧憲法でもあったはずです。同じことじゃないですか。選択の自由について、新憲法と旧憲法に相違はないでしょう。「公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」ということで、二十二条と旧憲法と違うところがあるかないかということになれば同じだと思う。それから学説というのはどの学者の学説ですか。
○小林(行)政府委員 旧憲法の規定を私持っておりませんが、この憲法の職業選択の自由の規定に基づきまして、先ほど申しましたように、労働基準法の労働契約の中に契約期間の規定がございまして、これに基づいて、一年をこえる期間についての労働契約を締結してはならぬという規定ができておるわけであります。この規定の精神から、従来政府としてはそういう態度で法律制定の際に臨んできているわけでございます。
○山中(吾)委員 労働基準法は法律ですから、法律を改正すればいいと思うのです。憲法違反かどうかというなにで、基準法の問題じゃない。その点について、あくまで憲法違反かどうか、違反でなければ法律をかえればいいのですから……。局長の話は法律論になってきたので、ちょっと話がほかにいったのですが、そうじゃないですか。
○小林(行)政府委員 労働基準法のこの契約期間に関する規定は、先ほど申しましたような憲法二十二条の規定に根拠を持ちまして規定されておるというふうにいわれております。この根拠法の関係から、労働基準法に違反するようないわゆる契約、就職義務というようなものは、憲法の職業選択の自由の原則に精神的に違反するということがいわれておるわけでございます。
○山中(吾)委員 それから、契約という、民間上の契約を前提にされておりますが、国立学校とかその他の教員の就職というのは契約なんですか。任命という言葉を使われておるのですけれども、それはどういうことでしょう。
○小林(行)政府委員 この工業教員養成所で、たとえば卒業者が卒業後一定の期間工業教員になるという約束をいたします場合には、これは将来にわたっての身分上の契約になるわけでございます。
○山中(吾)委員 その辺はどうもまだ――これはあとで法制局の専門家に来てもらって質問しないと、私は納得しないのですが、いずれにしても、切実なる技術者養成という国家的な要請の中に立ってこの法案が出ておるのですから、何かたよりない。養成しても六・七〇%外へいくような危険のある法案については私は納得できないのです。そのときに十分に検討されないで、ただ憲法違反だからといって、普通の軽い第六感的な解釈でされておるのではとんでもないことだと思うのです。その憲法違反であるかいなかということは、もっと学者の意見も聞き、法制局の権威的解釈を聞かなければならないが、局長はこの法案を作るまでにはあらゆる人々の見解を聞いて、そしてこういう法案を出されたと思うのでありますから、今までの検討した知識をお聞きしているわけですけれども、だれですか、その憲法違反と言う学者は。
○荒木国務大臣 私も憲法学者ではございませんから、この憲法問題についてはあれこれ申し上げかねますが、政府としてこういう法律案を提案しますときに、むろん事務当局で学者の学説等は勉強はしたろうとは思いますが、よしんば勉強しましてもそれだけで結論が出ないことは御趣旨の通りであります。政府としての提案上の憲法との関連は、有権的解釈というか、政府としての最終的解釈は、法制局で審議する場合の話でございます。法制局で政府にかわって学説等も勉強し、その見地に立っての法制局の審議過程においてそういう解釈で参っておる、こういうことでございます。
○山中(吾)委員 局長、その学者がわかれば言って下さい。
○小林(行)政府委員 その点につきましては、この法律案をいろいろ作成いたします際に、法制局といろいろ検討したわけでございまして、特にどの学者がということは私ども今聞いておりませんが、要するに、憲法に基づいてできておりますこの労働基準法の規定の精神と申しますか、趣旨の上からいって、これは好ましくないというのが法制局のはっきりした見解でございます。
○山中(吾)委員 基準法は公共の福祉に反しない部面も含んでおるわけですから、そういうことは違反にならぬことは明らかです。国の一つの大きい教育というものがあっての論理ですから――基準法のことをよく局長は出されるけれども、これは、憲法論としてしないと、どうしても質疑が幅広くなり過ぎて変になるので、憲法だけに縮めて話したいと思うのですが、今のそういう問題を一応たなに上げても、たとえば臨時教員養成所が設置をされてこの学校に入って卒業する者は一応教員に就職する義務がある、こういうことが看板に掲げられて、その学校に入学した者に義務を与えるというなら別です。特定の人間は就職する義務があるというなら別です。その学校に志願するかいなかは自由なんで、教壇に立たなければならないということが明らかになっておる学校に、自由意思によって願書を出して試験を受けて、そうして合格をして入る。その者はみずから教員になるということを自由意思によって予約をしたものであるというふうに解釈をすれば、一方憲法論にある程度疑義があるとしても、自由意思に基づいて志願をして入学をした、そしてその学校を出た者は教員になる義務があるということが明らかである場合については、ほとんど疑問はなくなるのゃないですか。あるいは局長の方で、この学校には特定の資格を盛り、特定の条件を持った者は、昔の徴兵制度のように、入学しなければならぬということを書いておりますか。
○小林(行)政府委員 要するに、この教員養成所に入ります者は、ただいまお尋ねのございましたように、本人の自由意思によって入学志望をするわけでございますが、しかし入学後におきましても、三カ年の修業年限のうちにその気持が変わるということも実はあり得るわけでございまして、そういった場合に、それでは当初に予約したのであるから、それをたてにとって、卒業後もはたして義務就職ということで拘束することができるかということになると、その辺については疑問が出てくることだろうと思います。私どもといたしましては、先ほど申しましたように、本来の趣旨から、この工業教員養成所が工業高等学校の先生を養成するということでありますので、先生になることを期待しているわけでございますが、現在の法律制度ではそういった義務就職をさせることは困難であるというふうにいわれているわけであります。
○山中(吾)委員 予約があっても、途中で教員になるのがいやで、外へ出る。それはたくさん出るでしょう。それは学校で退学をさせればいい。契約ですから、契約違反については、お前はこれ以上修学する資格がないということだけの話であって、私の質問に対する答えには何の関係もない。私は憲法違反になるかどうかという観点から質問しているのですが、いかがでしようか。
○小林(行)政府委員 確かに入学は志願者の自由意思によるのでございますので、その入学自体が義務入学ではございませんけれども、ことに現状では、先ほど申しましたように、たとえば就職義務を課するということにいたしましても、義務違反を押える方法については非常にむずかしいのではないかということもいわれております。いずれにいたしましても、憲法違反かどうかという点につきましては、先ほど来申しましたように、労働基準法の労働契約というものの規定が、現在では雇用契約の基礎になる規定になっておりまして、その労働契約について一年以上の期間についての労働契約を締結してはならぬという規定が、普通の契約にも当然その精神が適用される。これが憲法の精神に基づいて作成されておるということから、労働基準法の契約期間をこえるものについては憲法の精神からいっても好ましくないというのが、政府の態度でございます。
○山中(吾)委員 局長とここで論議しても権威的結論が出ないようだから、法制局の専門家をぜひ呼んでいただいてこの辺ははっきりしておかないといかぬと思うのです。そうでないと、この法律を施行されても、おそらく確保できない、これは私はほとんど確信に近いと申し上げてもいい。それで税金のむだ使いをするのではないかという感じがする。私は憲法の各条文はもっとすなおに解釈すべきだと考えておるわけでありますが、人権を尊重するということと、公共の福祉に従う限りにおいては公共の福祉のために制限するというふうなことをもっとすなおに考えていかなければ、私はほんとうの意味の憲法に忠実なる教育政策はできないと考えておる。そういう意味において簡単に、憲法違反だからこういうものを作ったと大臣も言われたけれども、吟味をされないで、まず現代のムードで憲法違反だからということで、こういう法案を考えられたような感じもする、これはこういう機会に私は権威のある法制局からも十分聞いて結論を出すべきであると思いますので、局長が来たときにいたしたいと思います。 基準法の関係を局長はよく言われますけれども、そこのところにこだわっておられると、本質はつかめないのじゃないかと思うのです。二つ御検討願いたいことは、まっすぐ三十二条の違反であるかどうかということと、他の法律に関係なしに現行法においてその法律があれば、後法は先法に優先するのですから、こっちの法律で規定すればその部分は憲法違反でない限りにおいては有効に基準法に対する特別法になるはずでありますから、その論議は考えないで、まっすぐ正面の方面から憲法違反であるかないかということをもう少し研究していただきたい。それから第二にはその憲法上疑義があるなしにかかわらず、自由に自分の意思によって志願をして、その学校の性格というものを確認をして、その学校に入学を志望して入学をした者はその学校の規定は卒業をすると教壇に立たなければならぬとなっておる場合については、憲法と無関係に、今の二十二条直接の問題でなくて、いわゆる職業選択の自由を制限したということにならない。従って二十二条というものにその意味から違反にならないのだ、いわゆる自由意思に基づいて教員になる義務のある学校に志願して入学をした者については、憲法の人権を制限することにならないかどうか、私はならないと考えておるのですが、この二つに分けて御検討いただいて、いま一度明確なる回答をいただきたい。それによってこの法案に対する私の態度も変わってくるわけです。
○小林(行)政府委員 まず第一点でございますが、要するに労働基準法の規定は規定として、別個の特別法を作った場合に、後法が先法に効力がまさるということからできるのではないかということでございますが、もちろんそういうことも考えられると思います。ただ先ほど申しましたように、労働基準法は労働契約の基本的な法律として従来定められておりますし、また社会一般にこれを基礎として契約が締結されるということになっておりますので、これの特別法を個々別々にいろいろなケースに従って作るということは、相当私は問題が出てくるのではないかと思います。 それから第二番目は、要するに入学する場合には自由意思によって志願をするのであるから、あらかじめそういった約束ができている者、自由意思で志願した者については、憲法の職業選択の自由違反ということにはならぬのではないか、こういう仰せだと思います。ただ先ほども申しましたように、大体労働基準法の規定が憲法二十二条の職業選択の自由の規定の精神に基づいて出ておるというのが一般の解釈でごいます。従って、労働基準法の十四条に反するような制度は憲法二十二条の職業選択の自由の原則に精神上違反するようなこともいわれるので、趣旨上おもしろくない、こういうのが従来の定説かと思います。
○濱野委員長 山中委員に申し上げますが、憲法論の問題は、今法制局長官を呼んでいますから、その問題に関する限り、おいでになってからただして下さい。
○村山委員 ただいまの問題に関連いたしまして、予算折衝の過程で、文部省は、一人当たり七千五百円という貸費制度といいますか、生徒に対して貸費制度を考えて予算折衝をしたやに聞いておるわけでありますが、それが大蔵省の査定で削られた、そういうような結果に対しまして今のような憲法の問題、職業選択の自由に基づく考え方のもとに、そういうようなものを貸与しても、教職員として三カ年間義務づけることもできないのじや意味ないじゃないか、こういうような理論で削られたものか、それともそういうものをお考えになったところの月に七千五百円を貸与して、それによって今後就学できるような形を特別な措置として工業教員養成所の問題については考えていかなければどうしても確保できないんだ、そういうような考え方のもとに出発をされたのか、今の論議が、その労働基準法違反の問題に関連をしてどういうように予算の査定の過程でなされたのか、明らかにしていただきたい。
○小林(行)政府委員 この工業教員養成所の予算を編成します際に、大蔵省との折衝におきまして、できるだけこの養成所が魅力あるものにしたいということから、給費生の制度をとりたいということを考えましたことは事実でございます。ただいろいろ折衝いたしました結果、給費制度は認められませんでしたけれども、この給費生の制度と義務就職の問題とは別個の問題でございまして、もし給費生の制度がとられたといたしましてもそれによって就職義務を課するということは困難であろうということは、そのときからいわれておったことでございます。給費生制度ができなかったから、義務就職もできないという直接の関連はございません。
○村山委員 そういたしますと、この給費制度がなくなった最大の理由は、予算の関係からきておるものだ、こういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。
○小林(行)政府委員 折衝の段階におきましては、要するに、工業教員養成所の趣旨なり、重要性はよくわかるけれども、入学者全員に対して給費生の制度をしくことは、他の教員養成等にも影響するところが出てくるのではなかろうかということが、大蔵省の方の見解でございました。従って、直接この予算の金額の問題よりは、そういった趣旨の点から文部省の要求が認められなかったわけであります。
○村山委員 どうしても所得倍増計画に基づいて中堅技術者を養成していかなければならぬ、それにはまず人間を作っていかなければならないし、まずそのためには工業学校の先生を養成をしなければならない、こういうような非常に大きな基本的な立場に立っていくならば、当然他の教員養成制度との関係というようなことでなしに、ほんとうにそれを遂行していこうという熱意があるのであれば、そういう給費制度というものを発足させて、将来卒業した人が教職につくような方向を内閣としても示すような方向がとられなければ、問題の解決にならないと思うのです。そういうような点から考えますと、やはりこれは文教予算全体に対する配慮というような予算上の措置からなされたのではないかと思うのですが、大臣、その点はいかがでありますか。
○荒木国務大臣 大体御指摘の通りでございます。それといいますのも、一方におきまして育英奨学をうんと大幅に前進させようという課題との現実問題としてのからみ合い、その方をふやすことによって工業教員養成所の方にも育英奨学の資金を流し得るような人がたくさん入ってくるという配慮をするならば、一挙両得じゃないかというがごとき、いわば打算的なことではありますが、そういう気持も手伝いまして、当初貸費制度を考えましたけれども引っ込めた、卒直に申し上げればそういうことでございます。
○村山委員 大臣の説明で納得をいたしますが、それであれば、こういうような貸費制度という特別な措置でも講じてやろうじゃないかというくらい文部省としては熱心にやった、しかしながら、内閣自体がそれを認めなかった、こういうようなことになりますと、工業教員養成の樹立といいますか、工業教員を養成する基本的なかまえ方というものが現在の池田内閣にないのではないか。そういうような考え方に立ちますと、卒業してもそれを教職にとどめさしておく方法というものは道義的なもの以外には何もない。そういうふうに発展して参りますと、養成をしても、産業界が盛んになっていけばそちらの方にとられる。それを残していくためには、その工業教員の待遇問題というものを、もっと抜本的な立場で、科学技術者の地位の向上というような立場から考えなければならないと思うのですが、それに対する考え方といいますか、文部大臣はどういうふうな立場に立ってお考えになっておるかを承りたい。
○小林(行)政府委員 工業教員養成所の卒業生が、この養成所設置の本来の趣旨通りに工業教員になってくれるということのためには、先ほど来お答え申し上げておりますように、資格とか給与の点でできるだけの優遇をしたいということでございまして、給与の面につきましては、これはまだ人事院と折衝中でございますが、大学の卒業者と同等に取り扱うような措置をできればとりたいと思っているわけであります。
○荒木国務大臣 なお一般的にどういう心がまえでおるかという御質問の趣旨もあったように拝察いたしますから申し上げます。 大体文部省といたしましては、今まで、大学の先生を初めとして、先生の給与が戦前に比べてまだ劣っておる、特に大学においてそうだ、高等学校またしかりでありますが、せめて物価指数から推算いたしましての戦前の水準までは早く持っていきたいということが年来の文部当局としての主張であったわけであります。昨年の人事院の勧告によってある程度その方向へ近づきまして、十分じゃございませんが、一応成果を上げたと思います。これはこれで終わりじゃないので、戦前並みよりはもっと上をねらって給与というものを考えることが教職員の場合は必要じゃないかという考えを持っておるわけであります。そういう考えのもとに、むろん一挙には参りませんけれども、あらゆる機会にその努力を続けていくという趣旨で参りたいと思います。
○村山委員 この問題だけですのでこれで終わりますが、待遇の問題ということになって参りますと、三年制の課程を経て四年制の大学卒業と同じようにするという考え方は、基本的に大きな問題があると思う。それよりも問題は、現在の教職員の給与が、大学を出ても一万二千四百円ですか、それに対して民間の場合は科学技術者は一万六千円ないし一万八千円、そういうような大きな開きがあるがゆえに、その問題が出ているわけですから、社会の需要状況、そういうような、ベースの問題について、どうしても公務員、教育公務員の給与水準を上げることによって解決をしていかないと、この問題の基本的な解決はできないと思う。ただ三年制を卒業したら四年制と同じような待遇をするのだというようなこそくなやり方では、この問題の解決はし得ないと思っておるのですが、この点に対してはどういうふうにお考えになっておりますか。
○荒木国務大臣 ただいまの御質問に対しましても、今お答え申したことで一応お答えになろうかと思います。公務員の給与の問題は、政府もむろん努力いたしますが、具体的には人事院の勧告の線によって決定づけられるわけですから、そういう努力を今後も続けていく。目標は戦前並みではなしに、戦前以上であるべきだという目標のもとに努力をし続ける。しかし、今の時点で考えるとすれば、三年制度の大学でありますけれども、相当詰め込み教育もやるわけですが、その能力においては四年制度に匹敵することを目ざして教育していこう、そうして現実の需要にも応ずることにしたい、そういう角度から、せめてもの給与上の優遇措置と申しましょうか、そういう考慮を払いたいというのが今政府委員から御説明申し上げたことでございます。もとより民間給与ベースとのにらみ合いは当然なさるべきではございます、さりとて算術的に同じでなければならないというほどでもない。おのずから別個の給与体系としての考慮があってしかるべしと思うのですけれども、それにしましても、目標は先刻来申し上げるような目標を持って政府としても努力していく。それをあわせて応急的な対策と将来に向かっての長い目で見た対策とが並行的に努力されていかねばならない、さように感ずるわけであります。
○村山委員 将来工業教員をどのような立場で確保をするかという問題になって参りますと、やはり公務員の給与を取り扱う人事院の考え方というものが明らかに示されなければならないと思うのです。そういうような意味において、人事院の力からこの委員会に出席をされるように委員長の方で手続をお願いします。
○濱野委員長 承知いたしました。 山中君に申し上げます。今法制局第二部長が参っておりますから、質疑を継続して下さい。
○山中(吾)委員 法制局からおいでになっておるからお聞きしますが、今国立工業教員養成所設置についての法案に関連して、憲法違反であるかどうかということを文部当局に質問をしておったのでありますが、どうも権威的な解釈が出ないので、法制局にお聞きしたいわけなんですが、この法案が卒業生に教員になるという義務づけをすることは憲法違反であると当局が断定を下しておるわけです。法制局においては、この法案を作るについては参画をされたのであろうと思いますから、いろいろと論議もされたと思いますけれども、法制局の立場から、憲法違反であるかどうか、その点についてお聞ききいたしたい。
○野木政府委員 私、ただいまのこの法案の審議に携わったのでありますが、実はただいまの点につきましては、原案から就職義務を課するというようなことになっておりませんでしたから、はたしてそれが憲法違反になるかどうかという点をぎりぎりに論議はいたしませんでした。しかし一般にこういう場合に何年とか就職義務を課するのは、どうもいろいろ問題があるという程度には考えておりました。しかし、養成所に入るのは自由意思で入るにしても、卒業した者に対してずっと教員として就職する義務を課する、あるいは何年か課するということは、直ちにここで違憲でないと言い切ってしまうには、やはりいま少し研究させてもらわないと、そう違憲じゃないとまで何か言えないような気持はいたします。いま少し研究してみたいと思います。
○山中(吾)委員 それを一つ研究していただかないと、この法案が通りましても、実はほとんど教員確保はできないと僕は見ておるのです。国の文教行政からいっても、国政のロスになるおそれが非常にあるので、憲法解釈において違反でないというならば、私は、やはり義務づけるという行き方をしないと、日本の経済政策の観点からいってもまことに遺徳で、こういう法案には賛成できない。今のお話では、まだ憲法違反だというはっきりした論議をしていないというので、これはぜひ研究して御報告願いたいと思います。 それから文部大臣と局長にお伺いしますけれども、法制局が憲法違反であると断定を下していないのに、皆さんの方で断定を下しておる。そうしてわれわれにこういう法案を出して直ちに賛成しろというのでは、やはりこれは無理だと思うのですよ。やはり実効のある法律を作るならば、責任のある法律をもっていくべきでありますから、法制局の回答によっては文部大臣も考え直される意思があるかどうか、それを先にお聞きいたしたいと思います。
○荒木国務大臣 憲法論議もさることながら、職業選択の自由という基本的人権、これにはなるべく触れないでいけるものならその方がましだ、こういう考えは大前提として気持の上ではむろんあったわけであります。御説の通り義務づけなければ民間からスカウトされるのを防ぎようがないじゃないかということも、むろん気持としては同感でございます。ですけれども、先刻来申し上げましたようなあらゆる手立てをやることによって、また本人が教職員たらんと欲して入学した以上は、本人の牢固たる意思を信頼して、そうしてやっていければ、その方がベターじゃなかろうか、そういう気持が先にありまして、義務づけるという条項が少なくとも憲法上疑義があるということだけはわかっておりましたから、そういう原案として提出しなかったわけでございまして法制局も国会も、特に国会の総意がそういうことであるという確定的な御解釈が確立しますならば、将来に向かって憲法が改正されてもしかるべし、しかし当面としましては、今申し上げましたような心がまえのもとに――また法制局でもとことんまでの論議は今第二部長のお答えのごとくであったとは思いますけれども、これでいけるものならこれの方がベターだということだけは言えるかと思います。ですからこの原案を一つ御承認下さいまして、実施上の結果に基づいて憲法上の疑義も刻明に検討を加えられて、青天白日の姿で憲法との関連が解明された後においては、この原案が修正されることが望ましいと思います。
○山中(吾)委員 文部大臣の御答弁がだいぶ回りくどいものだから結論がわからなかったのですが、法制局から憲法違反の疑義はないという結論が出て、そうしてこの文教委員会で、与野党もそれは異議がない限りは修正すべきであるということになれば、大臣はこの原案について修正することにやぶさかでないかどうかということをお聞きしたが、この原案についてお答えがはっきりしないものですから、どうも回りくどくなっているのですが、その点はどうですか。
○荒木国務大臣 この原案を提案しますまでの段階においては、むろん法制局の審議を経まして御提案申し上げているのです。法制局の最終的な憲法との関連における解釈は、今の御答弁によると、相当時間をかけて検討しなければ最終的な結論は出ないようなお話ではありますが、少なくとも疑義があるということだけは法制局におきましてもはっきりいたしております。憲法との関連において疑義のあることを提案すべきじゃないと思ってこの提案をしているような次第でございます。従って、さっきも申し上げましたように、今この席で直ちに原案を修正するということに賛成かどうかというお尋ねに対しましては、私はノーと申し上げるほかにない、これでいきますのがベターだと思っております。しかし、義務づけておかなければ確保できないおそれがあるからという意味において、憲法解釈上の確定議が、今後いつかわかりませんが結論づけられて――しかもこの線で実施し始めたところが、どうもさすがに村山さんの御説の通りであったという事実に即して、将来に向かって改正することがあり得るであろう。この原案そのものを提案しました側としては、直ちに御修正をお願い申し上げたいという意思はございません。この原案の方が、これでいけるものならばベターであると存じております。
○山中(吾)委員 法制局は、検討してこの国会中にすみやかに結論を出して報告すると言っているわけですから、従って疑義がないという結論が出たときに大臣に、こう言ってお願いしているのです。現在疑義があるからということについては、大臣のおっしゃる通りごもっともなお考えなんですが、教員の確保にあまり確信のない法案を出されたというような御答弁なんですから、疑義がなくなったならば――技術革新のために切実な問題として確保するということが目的の法案なんで、確保できなければこんな法案などくその役にも立たないのだし、疑義があることから、やむを得ずこういうあいまいな法案を出したというお答えなんですから、疑義がなくなった場合にはやはり国会の意思も尊重されるということはお答えになっていいじゃないのですか。
○荒木国務大臣 現実問題としては、法制局でこの法案の審議をなされた過程において、当然そういう課題にも触れて、なおかつ疑義ありという状態においては、時間的にいかがかと思います。しかし、観念的に、国会の御意思がそういうことであるという場合に、かれこれ申し上ぐべき立場でもなければ、筋合いでもない、こう思います。
○山中(吾)委員 まずその辺だろうと思いますが、原案が国会で修正されることはむしろ好意のある措置という考えも持っていただかないと、出したものが絶対だというならば国会は要らないのですから、その辺は一つオープンにお答え下さるべきだと思うのですが、最後の大臣の御答弁は老練なる御答弁で、いつも老練なる御答弁なんで、私どもどうもはっきりしないのですけれども、一応はお聞きしておいて、この点については法制局の御報告によってまた御質問をいたしとたい思うのです。 次にお聞きしたいのは、この臨時工業教員養成所の性格でありますが、学校教育法における学校との関係においてどういう性格を持っておるかをお答え願いたい。
○小林(行)政府委員 この工業教員養成所は、いわゆる六・三・三・四の学校教育法の第一条に規定しておる学校ではないわけであります。入学資格及び就業年限からいたしますれば、大体短期大学に似たような性格でもありまするけれども、教育の内容からいたしますと、短期大学は御承知のように四年制の大学を平均的に教育内容を縮小したというのが従来の考え方でございまして、この養成所は大体専門学力においては工業教員を養成する上からいって、大学卒に劣らないようなものを与えたいということで考えておりますので、大学並びに短期大学とは性格が違っておるわけでございます。ただそれでは学校教育法第八十三条の各種学校というのがございますが、各種学校であるかと申しますと、この法律については、御提案申し上げておりますように、特別の基礎法を置かせようということでやっておりますので、各種学校ではない。それでは学校教育法第一条に基づく学校でもないし、各種学校でもない。要するに他の法律に基づく特別の教育機関というふうに私どもとしては考えておるわけでございます。
○山中(吾)委員 この養成所は第一条の学校でもない。それから八十三条の学校でもない。そのほかの特別の学校だということは、学校教育法違反じゃないですか。
○小林(行)政府委員 御承知のように従来から学校教育法に基づかない特別の法律に基づく特別の教育機関というものがあるわけでございます。他省所管のものにもそういうものがあるわけでございます。たとえば例を申しますと、自治大学校であるとか警察大学校であるとか、そういったようなもの、あるいは水産講習所その他の特別の法律に基づく特別の教育機関というものがあるわけでございます。要するに当該教育を行なうのに他の法律に特別の規定がある、これに相当するものというふうに考えております。
○山中(吾)委員 今例を出された自治大学というものは再教育機関でしょう。従ってこの教員養成所とは性格が違うと思う。同じ例に出されることは不適当だと思うのですが、いかがです。
○小林(行)政府委員 お尋ねのように自治大学校あるいは警察大学校は職員の再教育の機関でございますが、水産庁の関係でございますところの水産講習所というようなものは、再教育機関ではございませんで、職員養成のための特別の教育機関でございます。
○山中(吾)委員 水産講習所というのは戦争前の学校じゃないですか。今は水産大学でしょう。水産大学というのは、学校教育法ができてから水産講習所というふうなものは学校教育法によって認められないものになったから、それで大学にしておるのであって、水産講習所というのは戦争の前の制度に基づいたものなんです。そういうものは現在もうないですよ。どうですか。
○小林(行)政府委員 御承知のように水産講習所の中で一部が水産大学になったのでありまして、他の部分は現在でも水産庁設置法に基づく水産講習所になっているわけであります。
○山中(吾)委員 それは学校教育法における学校でないでしょう。
○小林(行)政府委員 要するにその教育を行なうために他の法律に特別の規定がある教育施設ということになっております。
○山中(吾)委員 講習所の第一条は、文字的にはどう書いていますか。どういう法律によるか、一つ示して下さい。
○小林(行)政府委員 ここに水産庁設置法の原本を持っておりませんので、すぐ取り寄せてお答え申し上げます。
○山中(吾)委員 それまで待っています。
○濱野委員長 村山委員。
○村山委員 給与局長局長がお見えになりましたのでお尋ねいたしますが、先ほど大学局長の方から工業教員の待遇改善の問題に関連いたしまして、今後三カ年で養成所を出て就職をした場合に、少なくとも四年制制度の大学を卒業した者と同等の待遇を与えなければならない、こういうふうに考えている、こういうようなことでございました。それで現存の給与法の上から考えて、そういうような考え方というものがとれるかどうか、この問題について人事院としてどのように考えておられるかということをお尋ねをしたいわけでございます。 それともう一つは、それが可能であるとするならば、現在の給与法の上からいった場合には、当然三カ年で大学卒業ということの資格が与えられなければこの問題は解決はしない。そうした場合において大学卒業の資格を与えるということは、現在の法律案の中においては考えられていない。ただ免許状だけは二級の高等学校の免許状を与える、こういうようなふうになっておりますが、今日免許状が給与を決定するのではなくて、いわゆる大学の卒業というものによって初任給というものが一万二千八百円というものが決定をされている。そういうような点から考えた場合には、当然大学の卒業の資格が与えられない限り困難であろうと私は思っているのですが、その点について給与局長はどういうようなお考えをお持ちになっているのかということを、まずお尋ねしたい。
○滝本政府委員 この問題につきましては、法案を準備されまする段階におきまして、文部省の方から事務的に御連絡がいろいろございまして、それでわれわれが考えておりますことは、こういう措置をおとりになろうとすることは、科学技術の振興に十分沿いたいというお気持であるわけでありまして、その点につきましてはわれわれもそういうことをおやりになるのに妨げにならないようにやりたいという気持は十分持っておるのでございます。ただ給与上の問題といたしましては、先ほど御指摘になりましたように、現在学歴というものが相当大きな初任給決定の要素になっております。教員の場合におきましては、免許と学歴ということで現在やっておるわけでございます。従いまして四年制の課業を修得いたしました者と、それからまあおそらくは四年間に修得いたしまする課程を三年でやるということなんであろうとは思うのでありまするけれども、Ⅲ年の卒業の場合におきましては、やはりこれは違いを置かなければ現在の給与の体系としておかしくなるのじゃなかろうかという感じがいたすわけでございます。しかしこれは今直ちに卒業生が出るというわけの問題でございませんし、それから給与法におきましても、今度文部省でお考えになろうとしておりまするようなそういう方々を予想して現在俸給表はできておらないのでございます。従いましてそういう新規の卒業者に対しましては、それに適応するような俸給表と申しまするか、俸給表土のある部分と申しまするか、そういうものを当然作らなければどうしても処理できないのではなかろうか、まあこのように考えております。従いまして二級免許状を取得されるのでありまするから、免許状の資格上はこれは高等学校の二級免許状取得者、たとえば等級で申しますならば、同一等級に扱われるということは当然あってしかるべきではなかろうかというふうに思うのでありますけれども、初任給の点につきましては、これはやはり四年制修得者と三年制修得者の間に差等があるのは当然で、またそのことが全体の公平を保つゆえんであろう。しかし今すぐの問題ではございませんで、われわれとしましてはその問題については十分今後研究してそういう方々が実際にお出になるのにもちろん間に合うように、この問題に対してわれわれの方の考えをまとめたい、このように考えております。
○村山委員 将来の問題ですので、考え方をまとめたいという程度しか言えないだろうと思うのですがね。しかし今日切実な問題としてどうしたら工業教員としての確保ができるかという問題を今論議しているわけなんです。そういたしますと、将来こういうようなものについてはこういうような条件で将来は雇用するのだ、待遇をするのだ、こういうようなものが示されなければ、せっかく養成をしても産業界の方にとられてしまうのじゃないか、こういうふうな心配をいたしているわけです。 ところで、お尋ねをいたしたいのは、現在の給与制度というものの上において、なるほど二級免許状を持っているからこれは二等級に間違いございません。その点においては問題がないのですが、片一方の条件であるいわゆる学歴の点からいった場合には、幾ら単位を修得いたしましても三年で四年間の単位を修得することは不可能である。だからこそ一般教養については単位修得をゼロにして、理科については単位数を半分しか修得をしなくてもいいような形における免許法の改正案といいますか、そういうふうな方向が考えられてきているわけです。そういうようなことからいいまして、当然これは三年制の卒業生であって、四年制の大学の卒業生じゃないのですから、現在の給与法が続く限りは、これはその待遇において同等にするということは不可能だろうと思う。それを今度は、じゃあ三年制を四年制の点から同じように将来変えていこうということになりますと、いわゆる給与に対するところの原則というものが、これが大きな変化を示さない限り不可能だろうと思うのです。現在の給与というのは、この第四条に明らかに示されている点がございまして、職務の複雑困難性及び責任度に基づいて、かつまた勤労の強度、勤務時間その他の勤務条件を考慮したものでなければならない。こういうような点から言いますと、やはりその職種だけを特別に基本給を引き上げるということが可能であるのかどうかという問題については、非常に私は疑義を持っている。そういうような面において考慮するとしか言えないのだろうと思うのですが、そういうような給与の大原則というものを人事院としては将来変更しようというようにお考えになっているのか、その点について重ねてお尋ねをいたしたい。
○滝本政府委員 現在給与法でおきめ願っております給与の原則というものを将来どういうふうに変えるかということでございますが、これは今御指摘になりましたように、やはり職務と責任に基づいて給与がきめられるという建前をくずすわけには参らないと思うのであります。と同時に、やはり現実の問題といたしまして学歴を無視して給与をきめるというようなことをいたしますと、これは申すまでもなく現在の給与体系を非常な混乱に陥れるということに相なろうかと思いますので、現在やっております原則というものが、現実の事態に適応しておるとわれわれは思っおるのであります。学歴の長短というものを無視して初任給をきめるというようなことには、原則的には変えられないことであろうというふうに思うのであります。ただそうは申しましても、御指摘の通りせっかく臨時教員養成所を設けまして、工業教員が足らないところを補おうということをされておる、そういう目的に沿わなければならぬということもあろうかと思うのであります。従いまして給与体系上は四年卒業者と三年卒業者との序列はやはりつけた方がいいと思うのでありますけれども、全体としてそういう方々の給与水準自体、給与水準と申しますか、給与額を今後でき得る限り御要望に沿える線に従って考えて参りたい、このように思っておる次第であります。
○村山委員 今三年制と四年制は序列をつける、しかし全体の水準は引き上げるように努力をする、こういうようなことですが、問題は、先ほど大臣の方でも答弁をされたのですが教職員の給与というものがもっとよりよくなるように、そして戦前よりもさらに上回るように努力をしていきたいと考えている、こういうようなことを言われるわけです。そういたしますと、人事院とされては教職員だけでなくて、ほかの公務員とのつり合いの問題もお考えにならなければならないだろうし、さらにまた私がお尋ねをいたしたいのは、現在大学を出た者が初任給が一万二千八百円、大学院を出た修士で一万六千百円、こういうような賃金体系というものがあるわけです。そういたしますと、民間の産業界で初任給として支給をされるものは、特に工業関係の技術者については一万六千円は最低下らない、中には一万八千円、二万円という初任給を出している。そこに大きな開きがあるということが、今日学校の教職員を確保できない原因だと思うのです。そういうような問題に対して民間とのバランスというような点から考えたら、あなた方は給与算出をされるときには、いつも大きな企業だけでなくて、中小企業のほんの町工場のような五十人程度のようなところのものまで一つの資料としてあげて、そして一つの給与水準というものを国会や内閣に対して勧告をされる。そういうような点から考えた場合に、現実において教員が確保できないという問題が出てくる。教職員の確保という面から考えて、今日までどのような立場で内閣にあるいは国会に勧告をし、そして今後されようとお考えになっているのか、人事院の立場を御説明を願いたいと思う。
○滝本政府委員 ただいまお話がございました一万二千八百円という数字は、これは俸給表上の数字でございます。従いまして東京あたりになりますと御承知のように暫定手当というものがつくわけでございまして、これが約一三・四%つくだろうと思います。それからまた現実に公務に入って参りますと、たとえば行政職でありますならば事実問題として超過勤務をやるという場合ももちろん想像できます。教員の場合は別途俸給表の昇進カーブが違っておるというようなこともございます。そういうようなことで今御指摘の一万二千八百円と一万六千円の差であるというふうにはわれわれは思っておりません。やはり人事院がやりますことは国民全体の御納得がいただけますような線に従いまして、民間と比較する場合の事業場の規模をきめておるわけでございます。そのようにして少なくとも調査いたしました範囲におきましてはこれはバランスをとるようにいたしたい。しかし現実に非常に高い会社もあって、競争上不利であるということもあるわけであります。従って人事院といたしましては科学技術振興という線に沿いまして、これは先般国会で御承認を得たのでありますが、いわゆる初任給調整手当というもので、科学技術系統の職員の場合には最初の年に二千円出す措置をとりたいということで、科学技術振興の趣旨に沿いましていわゆる工業課程というようなものの場合にはこれを出したい。それを高等学校の工業課程の先生の大部分の方にも出したいということで、それが四月一日から実施できますようにすでに法律の大綱は御承認を得ておりますので、近くやろうと思っております。そういうことで人事院といたしましては民間の初任給の水準とバランスをとるということのみならず、科学技術振興の線から、現在の場合工業高等学校の先生の話でございますが、工業課程の方々には初任給調整手当というものを大部分の方に出したいということで、現在対処して参っておるわけでございます。
○村山委員 初任給調整手当は初年度に二千円、それから漸次年数が古くなるに従って少なくなっていくのですね。それから例の産業教育手当というものが別にありますね。あるいは地域的な暫定手当、こういうような諸手当類を合わせて民間との給与のバランスをとろう、こういうようなお考えのように聞いているわけですが、この前大学局長の説明では、百三名の工業教員の有資格者が大学を出た、ところがその中で教員になったのはたった一人だ、こういうような現実があるわけです。そういたしますと、今日の段階においていわゆる初任給調整手当をつけてプラスすることだけで教員を確保することができるというふうに人事院としてはお考えになっておりますか。その点について伺いたい。
○滝本政府委員 工業教員を確保するというお話でございますが、われわれの立場から申しまするならば、いわゆる科学技術系統の学校卒業者を公務に誘致するということを考えなければならぬわけであります。それではそこだけをほかの体系にかまわずに非常に高くできるかと申しますと、公務におきまする全体の体系の中のバランスというものもございますので、そういうこととかけ離れてその問題を取り扱うということは、これは限界のある問題でありまして、そういうことのみで解決できるというふうにはなかなか思えないのであります。ただ問題をすべて給与にしわ寄せて解決しようと思いましても、たとえば科学技術関係の卒業者は一体日本でどれだけ毎年出てくるのか、日本のそういうものを需要する側の要求がどれくらいあるのか、この絶対数がつり合いません場合には、幾ら給与を上げましても、また相手が上げれば同じことになるのでありまして、給与だけで解決はなかなかいかない問題ではなかろうか。しかし給与の問題でこういうことを非常に阻害するというようなことになっては相済まぬというので、われわれとしましては、できるだかの給与上の措置はやりたいということで努力しておりまするけれども、これはやはり全体の中のバランスの問題でありますので、独走もできない、こういうのが現状なのであります。
○村山委員 では端的にお聞きいたしますが、給与改定について、本俸等の改定について、これを勧告をされる考え方は今のところお持ちになっていない、こういうように受け取っていいですか。
○滝本政府委員 人事院の責務といたしましては、これは公務員法に規定してあるのでございまするが、御承知のように、公務員の給与がどういう状態であるかということを年一回報告しなければならぬということにきまっておるのでございます。その際に、必要があれば、五%以上俸給表を増減する必要があったら、人事院は勧告しなければならないということになっております。人事院といたしましては、毎年のことでございますけれども、民間給与調査ということをやりまして、その結果に基づいて、一方公務員の給与の現状がどうなっておるかということを調査いたしまして、これをあわせ考えまして、公務員の給与水準を上げる必要がある、あるいは体系を是正する必要がある場合には勧告を出すのでございます。ことしはそれでは勧告することになるかどうかということをこの席で私は言えないのがはなはだ残念でございます。それは、民間給与の調査が出て参りまして、それから公務員の給与を比較いたしまして、そうしてその上で人事官三人が判断をいたしまして、それできまるべき問題であります。従いまして、私はこの席でそういうことを憶測をして言うわけに参らぬのでございまするけれども、そういうことがある場合には、資料がなかったというようなことがないように、われわれ事務当局としては十分努力したいと思っております。 なお現在の給与法が国会で御決議になります際に附帯決議が参議院の内閣委員会でつきまして、初任給等については十分考えて対処しろという附帯決議がついております。人事院といたしまして、そのことについて参議院で人事院はどういう見解かということをただされましたのに対しまして、この点につきましては十分慎重に検討して御趣旨に沿うように努力したいということを、人事院として申し上げておりますので、念のため申し上げます。
○三木(喜)委員 ただいま村山委員の方から質問いたしましたのに関連いたしまして、大学局長並びに人事院の課長にお伺いしたいと思うのです。われわれかりに工業教員養成所に入って教育を受けようとする場合に、その給与ということがやはり第一になると思うのです。さらにまた大臣の答弁では、給与あるいは義務づけということ、この関連において、その受験する者の良識に訴えなければならないというような話があったわけでございますが、それだけでは律し切れぬものがあると思います。そこでただいま大学局長のお話では、四年制の大学を出た者と三年修学課程のこの工業教員養成所の課程をおえた者と同じようにするということを私は聞いたのです。そうしますと、ただいまのような疑義が出てくるわけでございますが、この場でそういうことをおっしゃったことがこれを受けようとする者の頭には非常に大きく影響すると思うのです。そこで、このことについてどのように文部当局と人事院と打ち合わせをされておるか。はたして同じようにできるものかどうか。 それから二千円程度の初任給の調整を、初任給において工業教員には調整の手当をつけるということでありますが、こういう調整手当というものは、人事院の方においての解釈では、あるいは労働の上で非常に過重になるとか、高次な仕事に携わるとかいうような趣旨がはっきりしなければならぬと思います。そういう点はどういうようにお考えになっておるか。これは人事院の方にお聞きしたいと思います。 なお大学局長には、ただいま同じようにするとおっしゃったことは、これは文部省の一つの言明だと思うのですが、どのような方法で同じようにするのか、また人事院とどのようにその事務打ち合わせができておるのか、それを明らかにしていただきたいと思います。
○小林(行)政府委員 先ほどもお尋ねに対しましてお答え申したのでございますが、給与等については、この養成所の卒業者を大学卒業者と同じようにしたいという希望を文部省は持っております。そして、その点について人事院とも御折衝申し上げております、こういうふうに申したのでございます。私どもは人事院に対して、そういう希望を表明して御連絡申し上げておるわけでございますが、先ほど滝本局長の方からお答えのありましたように、人事院としては、大学卒業者とその工業教員養成所の卒業者とのいわゆる修業年限の差、それから授与される免許状の点等を勘案されまして、最終的な両者の間の結論には達していないで、今後もちろん卒業者が出るまでの最も早い機会にこれを最終的にきわめよう、こういう話し合いになっておるわけでございます。
○三木(喜)委員 同じようにしたいということと、ただいまの、修学するところの年限が違うし、免許状の問題があるからということになれば、同じくできないということを肯定しての問題でありますが、それは根本的に同じくならないものを同じくするというような印象を受けた御答弁があったのですが、そこに私は非常に混乱があると思うのです。その点一つはっきりしていただきたいと思います。
○小林(行)政府委員 もちろん学校教員の給与につきましては、修業年限ということも一つの重要な要素でございますが、同時に、持っておる免許状、教員資格ということも非常に重要な点でございます。私どもはこの養成所の卒業生が工業教員にできるだけなってもらうということを念願しておりまして、従って、養成所の志望者にできるだけ魅力のある制度にしたいということから、修業年限は大学と同一ではございませんけれども、授与される免許状の点から申しますと、大学卒業者と同じでございますので、できればこの養成所の卒業者に対する給与も大学卒業者と同等にしてもらいたいという希望を人事院に出しまして、その点の折衝をいたしているわけでございます。
○三木(喜)委員 先ほど、この工業教員養成に対して、給費制度といいますか、そういうものを七千五百円か文部省は計上して大蔵省との折衝に当たったということがありましたが、その問題が今の段階では一朝にして消えてしまっておるわけです。そういう過程を通ってきた中で、今またそうした希望を持って人事院と交渉しておるという段階で、このことの審議をする根拠が一つ欠けることになるわけです。そういうふうにわれわれは解釈してよいかどうかお聞きしたいと思います。と申しますのは、ただいま申しましたように、こうした養成町を受けるという立場に立った場合に、その給与はどうなるか、ただいまの大学局長の言われるように、同じようにしてもらいたいということで希望しているということになれば、先ほどの七千五百円何がしの給費制度というものと同じ道をたどるのではないかと思います。ここにも一つの疑義が出ておる。そういうふうに解釈していいのですか。
○小林(行)政府委員 私どもとしては、先ほど申しましたように、給与は、できれば大学卒業者と同等にしてもらいたいという希望を持ってやっておるわけでございます。しかし、これがたとえば予算の際のいわゆる給費制のごとく全然根拠のない、あるいは跡形もなく消え失せるというものではないと私は思っております。できるだけ早くこの点の線を出しまして、養成所の学生に対してもその点をはっきりさせるようにしたいと思います。
○三木(喜)委員 そうしますと、現在その具体的な折衝は何もない、ただ希望だけの段階である、こういうふうに解釈していいですか。
○小林(行)政府委員 少なくとも、短期大学の卒業生より上回るものについての線につきましては、大体人事院との御了解の線に達しておるわけでございます。
○三木(喜)委員 先般の委員会で大学局長にお伺いいたしたわけでございますが、大学の教授、助教授で民間に引き抜かれていく者の様子をお伺いいたしました。若干助教授陣ないしは若い層でそういう人があるという話を承ったのですが、その給与の面からくるそうしたことが私は問題だと思うのです。それだけではないということを大臣も言われておりましたが、またそうあってはならぬという観念的なもの、あるいは道徳的なものというような考え方から申されておったのですが、それははたしてどれくらい――数では言いにくいだろうと思いますけれども、もう少しその点を明確にしていただきたいと思います。
○小林(行)政府委員 大学の教官が産業界の方に転出するという点につきましては、文部省も一応の調べをいたしたこともございます。今はっきりした数字を持っておりませんが、ここ二、三年、四、五百名程度であったと思いますが、その大部分はやはり理工系の教官であったように思っております。もちろんこれは産業界における科学技術者の需要が非常に大きいという点から、そちらの方に誘引されるという点もございます。もちろん、ただいまお尋ねのございましたように、産業界と大学教官との給与の開きがかなり大きいという点もあろうと思います。しかし。産業界と大学の教官の給与を今直ちに同じにするということは非常に困難でございます。文部省としては、少なくとも理工系大学教官全般でございますが、待遇改善をしなければならぬということを考えて、現在努力をいたしておりますが、ことに理工系の先生についてはそういうことが必要である。助教授以下の若手の先生に特に待遇改善の必要があるということで、先ほど人事院の方でもお答えがありましたが、初任給調整については、少なくとも理工系についてはできるだけ幅広くこの調整手当を出してもらいたいというようなことをやっておるわけでございます。
○三木(喜)委員 調整手当の名目をどういう工合になさるわけですか。今大学局長の方から話がありました、民間におけるところの産業というよりも研究施設に問題があると私は思う。また給与よりも研究機関そのもののあり方に問題があるのじゃないかと思う。 従って名目として研究助成費というような形で出されるならば、大学関係の教官に対しての特別優遇措置もまたとり得ると思う。そうした点について助成費だけでやられようとしておるのか、あるいは研究費を補助するという格好にするか、助成するという格好にするか、そうしたお考えは今のところお持ち合わせにはならないわけですか、その点をお伺いしたい。
○小林(行)政府委員 教官の待遇改善も、もちろん先ほど申しましたように、今後最善の努力をしていかなければならぬ点でございますが、仰せのように、教育あるいは研究の環境を整備するということが一つ重要な要素であろうと思っております。たとえば研究の施設なり設備を十分に手当てするということが要望されておりまして、国立大学の研究設備等につきましても、理工系の点については、三十六年度の予算にもかなり大幅に増額しております。これも年次計画的に整備していく考えであります。また教育並びに研究所の施設の面につきましても、三十六年度には大幅にこれを増額いたしておりまして、国立大学の施設の予算の半分以上はこの方面につぎ込むということにいたしておるわけでございます。なお研究費の増加でございますが、これは現状はまだ戦前の三分の二程度にしか達しておりませんので、昨年に比べて十億の増額はいたしておりますが、さらに今後も研究費の大幅の増額について努力して参りたい思っておるわけであります。
○三木(喜)委員 この前の委員会でもちょっとお伺いしたのですが、それについても確たる返事を得ていないのです。大学の教官の生活白書というものが新聞に発表されておる。これについて大学局長はつぶさにごらんになっておるかどうか、そしてその白書の中に、大学教官がいろいろ研究費を使っておる、段階はございますけれども、最高十万円、一カ月に研究費を使う、個人の負担においてということが書いてあるのですが、これはごらんになったか、おるいは意識的にこういうものを大学教官に出させたものかということもここでお伺いしておきたいと思う。 それから第二点といたしましては、きのうの新聞にこういうことが載っておるのです。「さかんな民間の意欲、大学研究所は貧弱」データとしては三十三年と三十四年のデータがけつてある。その末尾の方に「かけ声だけの政府」ということが載っておるのです。これも局長は関係のある記事でありますが、ごらんになったか、あるいは関係方面から入手されて御存じであるかということだけきょうお伺いしておきまして、この内容について、私はいろいろな疑問点がございますので、その白書、研究機関のこの問題について後ほど質問をさせて、いただきたいと思います。このことが工業教員養成所というものに直接関連のある問題でありますので、その二点を最後にお伺いいたしておきたいと思います。
○小林(行)政府委員 第一の大学教官の生活白書ということでございますが、文部省でこういうものを出したということではございませんし、また公の機関でそういうものを最近出したということは聞いておりません。おそらく新聞等でいろいろ集録されたものにそういった表題をつけられたのではなかろうかと思っております。 なお民間研究機関と国立の大学あるいは研究機関等に関連する昨日の記事ということでございますが、私は出たことは承知いたしておりますが、詳細にまだ検討はいたしておりません。
○三木(喜)委員 第一の方はごらんになりましたか。
○小林(行)政府委員 表題に出たことは知っております。ただ、昨年は各委員会に呼ばれまして多忙でございましたので検討はいたしておりません。
○三木(喜)委員 それではけっこうです。
○濱野委員長 中山君に申し上げますが、水産講習所の資料が入っております。
○山中(吾)委員 先ほどお尋ねした水産講習所の性格を法文によって御説明願いたいと思います。
○小林(行)政府委員 水産講習所と申しますのは、水産庁設置法にその根拠の規定がございます。「水産講習所は、水産に関する学理及び技術の教授及び攻究を行なう機関とする。水産講習所は、下関に置く。水産講習所の内部組織については、農林省令で定める。」こういう根拠規定が水産庁設置法にございます。この根拠に基づきまして、農林省令で水産講習所組織規程というものがございまして、こまかい規定をいたしております。 なお、この講習所の具体的なことにつきましては学則でいろいろと定められております。四年制の技術職員の養成所ということになっております。 なお、先ほど学校教育法第一条との関連でお尋ねがございましたが、御承知のように学校教育法第一条では「この法律で、学校とは、小学校、中学校、高等学校、大学、盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園とする。」こういうようになっておりまして、工業教員養成所はこれ以外の学校でございますので、いわゆる第一条の学校ではない。ただし第八十三条に、第一条〔学校の範囲〕に掲げるもの以外のもので、学校教育に類する教育(当該教育を行なうにつき他の法律に特別の規定があるものを除く。)を行なうものは、これを各種学校とするということになっておるのでございますが、他の法律に特別の規定があるものを除くとなっております。私どもといたしましては、ただいま御提案を申し上げておる工業教員養成所は、このカッコ書きの他の法律に特別の規定があるもの、要するに特別の規定のある特別教育機関というふうに考えておるということを申し上げたわけでございます。
○山中(吾)委員 その講習所にはどういう資格を付与しておるのですか。
○小林(行)政府委員 講習所の卒業生に対して、たとえば四年制ではございますけれども、学士号を与えるというようなことはございません。なお、給与は大学の卒業者と同等ということになっております。
○山中(吾)委員 資格付与はないわけですね。――それから先ほど局長がお話しされたのは、教員養成所と類似の性格として講習所を例に出されたので、それは質の違うものじゃないかと私が質問をしたら、同じ性格のものであるからさしつかえないといよううな御答弁だったのでお聞きしたわけです。依然としてそれを類似のものとして例にあげることは不適当なものである私は思うのですが、その点はどうですか。
○小林(行)政府委員 性格が類似をしておるということで、私は例にあげたつもりではございませんで、要するに学校教育法第一条の学校ではないけれども、特別の法律に特別の規定があって設置が認められているという点で、その例として申し上げたつもりでございます。
○山中(吾)委員 農林省とか文部省以外の管轄に基づいたそういう教育に類似する機関は、やはり、文部省は学校とみなしておるわけですか。
○小林(行)政府委員 これは先ほど申しましたように各省にいろいろあるわけですが、要するにこれは特別の法律に基づく特別教育施設であって、これが全然教育を行なっていないというふうには見ていないわけです。ただ、文部省で見ておりますものは、普通には学校教育法第一条の学校、それから八十三条の各種学校、それからただいま申しました他の法律に特別の規定のある教育の機関、こういうふうに考えておるわけであります。
○山中(吾)委員 ちょっとわからないのですが、今の講習所というものは学校とみなしていないのでしょう。
○小林(行)政府委員 学校教育法に基づく学校ではございません。
○山中(吾)委員 ほかの学校と見ておるのですか。
○小林(行)政府委員 当該教育を行なうにつき、他の法律に特別の規定があるもの、この八十三条の規定にございますものに該当するものということでございます。
○山中(吾)委員 学校というのは、第一条と第八十三条に規定するものだけが学校で、そのほかは学校に類似する施設にすぎないのではないですか。学校教育法にないものはいわゆる学校とは認めないというのが学校教育法の精神ではないのですか。大学局長がわからなければ、専門家の方からでも…。
○木田説明員 学校教育法が系列では、今、大学局長が申しましたように第一条で言います学校と各種学校のことだけを規定しておるわけでございます。ただ、これらのほかに八十三条にございますように、ほかの法律で個別に教育、訓練の機関というものが設けられておる例がございまして、それらの学校としての色彩の強いものを他の法律で便宜学校という名称を使っておる場合がございます。ですから、俗語としての学校という意味におきまして、それはたとえば防衛大学にいたしましても、航空大学校にいたしましても、学校というふうな呼称をして間違いということはなかろうと思います。ですから、そういう非常に広い意味におきます学校としては、学校教育法にいう学校のほかに、水産講習所であるとか、そういうものを便宜一つの類似概念として学校という言葉で取り扱うことがあるのでございますけれども、学校教育法の系列におきましては、先ほどから大学局長が申しました通りの建前になっておるわけであります。
○山中(吾)委員 そうすると今度の臨時工業教員養成所も、いわゆる学校でないのですか、取り扱っておるけれども、ほんとうは学校でないということですか。
○木田説明員 学校教育法第一条で申します学校及び学校教育法第八十三条が言っております各種学校以外の教育施設である、このように考えております。
○山中(吾)委員 結局、学校でない教育施設だというのですか。
○木田説明員 学校教育法で言います学校でないもの、このように考えます。
○山中(吾)委員 学校教育法に規定するものだけが学校であるというのが学校教育法の本来の規定の本質でしょう。従って学校でない教育施設かと聞いておるのに、学校教育法に規定しない学校だというのはおかしいじゃないですか、そちらは立案するとき参画したのでしょう。うそを言わなくてもよろしい。
○木田説明員 学校教育法で申します学校は一条の学校と、八十三条でいいます各種学校のことを規定いたしておりますから、学校教育法の系列といたしましてはそれ以外のものは学校という観念で呼称しておらないのでございます。しかし他の法律におきましては、学校教育法に規定いたしております学校以外のものを適宜学校ということで取り上げておる例もございますから、通称としての学校という意味ではこれを含めて言うことはさしつかえなかろうというふうに考えます。
○山中(吾)委員 それを通称、いわゆる俗称として学校と言っていることは勝手だというお答えでしょう、法律論じゃないでしょう。こういうわけのわからぬ、あいまいな工業教員養成所というものをお作りになるものだから、学校教育法を逸脱して、そしてあいまいもこたる論議をせざるを得ないことを私はまことに遺憾に思うのです。各種学校でも大学でもない、そういうところで教員の免許状を与える、しかも大学四年出なければ普通免許状を与えないのに、あいまいもこたる学校か学校でないかわからぬところで三年にして、しかも普通免許状を与えるということについては、どうも承服できないわけです。その点については私は学校なら学校で、付属工業教員短期大学ならそれはわかるですよ。東北大学付設工業教員養成短期大学で、それは二年にしようが、三年にしようが別で学校教育法には二年または三年と書いてあります、短期大学なら短期大学の性格で教員を養成する目的の短期大学があってしかるべきでしょう。それをわれわれがどこからつついても、どうもどういう学校だかわからない、ヌエ的な性格では私らは納得いかないわけであります。どうして工業教員養成短期大学という案をお出しにならないのですか。私はその辺がわからない。わざわざこの学校教育法を乱して、そしてわれわれが簡単に賛成できない――技術教員養成の必要ということはきっちりわかっておるのです。あえていろいろと論議する必要はないわけです。学校教育制度を乱して、そして審議が渋滞するようなおかしい出し方については、あまりにも軽卒だと私は思うのです。この点についてはもう一回、もう少し現在の学校制度というものに準拠して考え直される――まだ期間はたくさんありますよ、たくさんあるのですよ、私も協力いたします。やはり現実の必要性に基づいて必要なものは置くべきであるということには私は協力するにやぶさかでないのであります。日本の学校制度というのは百年の大計ですから、そのときどきの思いつきとかいうことで乱していくような、思いつきの法案というものは――私はやはりこの法案に限らない、一貫して自分が質問をするときには突き通すはずですから、便宜で変えません。もう少し真剣に国家の学校制度についてお考えになってお出し願わないといかぬのじゃないかと思うので、その点次になお納得するように御答弁をいただきたい。ほかに免許制度の関係もありますし、給与の問題は他の方から話しがありましたけれども、そういう問題もあるし、また教員を吸収するという点について、どれだけの特典をどういう自信を持って与えられておるか、そういうことについて私は将来の見通しをつかむことは、現在の学校制度の関係において私はもう少し見きわめないと、まだ私の判定ができないわけなんです。きょうはそういう意味において学校の性格について、文部省の中でもう少し検討を加えて納得できるような御答弁をこの次の委員会のときにしていただきたい。 きょうは質問はこの程度にしておきます。
○濱野委員長 臼井莊一君。
○臼井委員 こういう法案を出して工業教員、理工科系の教員を養成しなければならぬということも、一つは需要供給の関係からきておると思う。今日本の産業の発展の上において、民間事業会社においても、そういう技術者が必要だということで引っぱられる。そこでやはり必要な技術者を養成するもとの教員ということが、さらにより重要であるということは論をまたないところだと思います。ただ工業教員養成所を卒業した者は、二級の免許証を与えられる。そういう意味においては、給与の面でも大学卒業生と同等に扱える。少なくとも先生という面においては扱える理由も成り立つと思うのですが、しかし今人事院の給与局長のお話しのように、給与の体系を乱すという点で一つの問題があると思います。そこで今小林局長の御答弁にもあったように、単に給与ばかりでなく、教員としての環境を整備するという意味の中での一つの問題である住宅についてであります。これについても、文部省では行政的にどういうふうにお考えになっておられるか。たとえば卒業して、たとい先生になろうとしても住宅などで、相当ハンディキャップがつく、そこでほかの事業会社等で、そういう問題が優遇されれば、そちらへいくという問題があるわけです。理工科系の先生だけを特別に扱うということになると、学校の経営管理上の問題もあるかもしれませんけれども、今言ったように、どうしても学校に理工科系の先生を迎えたいという点では、時代の趨勢で、特にそういう先生を優遇するということも当分の間やむを得ないのではないかと思う。そこでその先生が住宅を自分で建てたいとか、あるいはその学校に付属するなりなんなりの形で宿舎を建てたいという場合に、住宅公団なりなんなりと話し合って、特に優先的に便宜を与えるとか、権利を与えるようなことをするのも私は一つの方法じゃないかと思うのですが、これらの点については、文部省ではすでにそういうことをやっておられるかもしれませんが、その点についてのお考えなり御意見を伺いたいと思います。
○小林(行)政府委員 大学教官の教員住宅につきましては、これは国立大学の教員住宅については、特に住宅事情の悪い都市にありましては、公務員住宅のワクの配分にあたりましては大蔵省といろいろ折衝しまして、特別に教員に重点を置いてございまして、ワクの中でできるだけの操作をしてもらって、教員住宅を優遇するという措置を従来から講じております。もちろんワクそのものがまだ非常に少ないものでございますから、各大学の要望に沿い得る点に至っておりませんけれども、この住宅というものが一般の待遇改善の面と並行して、一つの重要な条件になっておりますので、今後もこの点については努力をして参りたいと思っております。また私立の大学の先生の住宅、この点につきましては実は従来住宅公団等とも話し合いをいたしたことがございます。しかしその点では学生の寄宿舎の方が先決であろうということで、私立の大学におきましては、学生寮の建設については住宅公団からの特別の融資のワクをもらって、ここ数年実は実施をいたしておるようなことでございます。将来は私立の先生の住宅についても、できればそういう措置をとりたいと思っております。なお高等学校以下の先生の住宅建設につきましては、直接文部省としては、たとえば公立学校共済組合の積立金の中からかなりのワクをとりまして、各希望の府県を通じまして、教員住宅の建設ということをやって喜ばれております。たとえば北海道なり栃木県あるいは長野県というようなところで、実際そういった住宅資金による教員住宅の建設ということが行なわれておるわけでありまして、積立金のワクの許す範囲内で、今後もこれらの住宅資金の貸付のワクをふやしていくようなことを考えていきたいと思っております。
○臼井委員 いろいろ工夫されてやっておられるようであります。よい先生を迎えるという意味においては、これは教授にしてもあるいは他の教師にいたしましても、できるだけそういう便宜を与えるということが必要でありますが、ことに理工科系の先生を学校の方で求める上において特に優遇されるのだ、こういうことが一般に知れれば、ひとり給与ばかりでなく、あらゆる便宜をでき得る限りにおいて与える、こういうことになれば、やはり落ちついて一つ先生になろう、こういうことにもなろうと考えますので、特にそういう点を今後とも力を入れるように、公団あるいは特別にワクをとってでもお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○濱野委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせいたします。 これにて散会いたします。 午後一時四十四分散会