農林水産委員会 第44号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/05/31
会議録
○坂田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、農業近代化資金助成法案、農業信用基金協会法案、農林中央金庫法の一部を改正する法律案、内海安吉君外四名提出、自作農維持創設資金融通法の一部を改正する法律案及び芳賀貢君外十一名提出、自作農維持創設資金融通法の一部を改正する法律案を一括議題とし、審議を進めます。 まず五法案について参考人各位から御意見を聴取することにいたします。 本日御出席をいただきました参考人の方々はお手元に配付いたしてあります参考人名簿の通りであります。 この際、参考人各位に対しまして、一言ごあいさつ申し上げます。本日は御多用中にもかかわらずわざわざ当委員会に御出席いただき、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。農林金融関係につきまして深い経験を有しておられまする参考人各位には、それぞれの立場からこの際忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 では、参考人の方々から、それぞれ一人二十分以内程度の御意見を承り、そのあとで質疑にお答えいただきたいと存じます。 それでは、荷見参考人からお願いいたします。荷見参考人。
○荷見参考人 ただいまお話のありました農林関係に関する金融制度の諸案につきまして、私の感じたことを申し上げて御参考に供したいと思います。 まず私は農林中央金庫法の改正に関しまして一言申し上げたいと思います。 この農林中央金庫法の改正問題になっておりますいわゆる農林中金の民主化問題につきましては、昭和二十七年十月の第一回の全国農業協同組合大会におきましてその実現をはかるように決議いたしましてからこの方、昭和三十五年十二月の第八回の農協大会に至るまで、毎回ごとの会合におきまして同趣旨の決議をして政府に要望して参っておるのでございます。 農林中央金庫について一言申し上げますと、農林中央金庫は、御承知の通り、大正十二年に特別法によりまして産業組合中央金庫として設立され、昭和十八年の農業団体法の制定されますときに農林中央金庫という名称に変わったのであります。この大正十二年の特別法は議員提出の法案でありまして、当時提出者の代表である政友会の横田千之助氏が提案理由を説明しておるのでありますが、その趣旨は、切り詰めて申しますれば、中央に農林金融機関を中央機関として設けまして、これに対して政府の低利資金を供給し、産業組合連合会及び産業組合を通じて農業者に資金を供給いたしまして農業の振興に資しようという趣旨であります。 農林中央金庫の民主化と申しますのは、最初全国農協大会で決議されましたときには、政府任命の役員のやり方を団体の選任による役員ということにしたいというのであります。元来、産業組合中央金庫ができましたときには、そのお手本といたしまして、日本勧業銀行のいろいろの制度が参考になって作られたのでございますが、その日本勧業銀行、日本興業銀行等が特別銀行でありまして、総裁、副総裁というようなものも政府の任命でありましたものが、昭和二十五年に廃止されまして、政府任命ではなく団体の任命というようになった社会状態もございます。もう一つ、政府出資の関係を申し上げますと、設立当初の農林中央金庫の資本金は三千万円でありまして、その半額は政府がこれを出資すべしという規定になっております。その後昭和十三年に漁業組合及び漁業組合連合会が加入することになり、昭和十八年には森林組合等が加入することになったのでございますが、昭和十三年に漁業組合等が加入することになりましたときも、農林中央金庫の出資金が五百万円増加になりまして、そのときも半額の二百五十万円は政府の出資とすべしということになったのであります。そのようにできました政府出資も、戦後、経済・社会の激変によりまして、全くただいまではなくなっておる次第であります。なお、大正十二年にこの法案が審議される際にも、政府が資本金の一部を支出するということで、役員全部を政府任命とすることは適当でないというような強い議論も行なわれたことが当時もあるのであります。これは御参考につけ加えて申し上げておきます。 さようなわけで、中央金庫の民主化の問題につきましては、全国農協中央会、農林中央金庫、全国組合金融協会等の関係者で組合金融対策委員会を設けまして、その具体化を審議したのでありますが、一面、政府とも共同いたしまして、農林漁業金融に関する協議会を設けて、政府と御一緒に研究いたしたのであります。その協議会には、金融対策委員会の方々のほかに、全国森林組合連合会の会長、全国漁業組合連合会の会長、農林漁業金融公庫総裁等も御一緒になって審議したものでありまして、その関係の人の意見も調整をされて具体案がまとまって参ったのでありますが、その際、重大な問題でありますので、その結果とあわせて外国の事情も調査しようということになりまして、農林中央金庫の理事長、全国組合金融協会の会長、全国共済農協連合会の副会長等と全国農協中央会の会長などが農林大臣の委託を受けまして欧州の金融事情を調査したのであります。なお、この調査団には、農林省の金融課長、大蔵省の特別銀行課長も参加いたしておるのであります。欧州の協同組合は、御承知の通り、おおむね消費組合として発達して参ったのでありまして、農林中央金庫に相当するものといたしましては、デンマーク、西ドイツのように消費組合等に所属しておるものがあり、また、イギリスのCWSの銀行部のように消費組合組織の中にあるものもあります。これらの国の役員選任の方法につきましては、資本金の一部または全部を政府より受けるものがあり、西ドイツは一部、フランスは全部の資金を政府から受けるのでありますが、これらを除きまして、役員の選任ということはすべて構成員によって選任せられておるのであります。また、ドイツ、フランス等におきましても、その選任方法は、組合金融対策委員会で協議いたしましたように、間接的選任の方法をとっておるのであります。 農林中央金庫の民主化の問題は、これは機構の、つまり組織の問題であります。農林中央金庫を現在の社会経済情勢に最も合うように運用いたしますのには、運用の改善というものがこれに相応して行なわなければならないのでありまして、これは組合の方においても十分努力しなければならぬと思っておりまして、現在では組合金融刷新対策に関する協議会を設けて研究いたしておるのであります。 なお、前後いたしますが、今回の農林中央金庫法の改正では、業務の運営に関する重要な事項については審議委員会を設けて十分に審議をして適当な解決をするようにする趣旨のことも定めてありまして、これらは現在としましては非常に大切なことであると思っております。また、もう型式だけになったと思われます監理官制度及び評議員制度を廃止することは、これはきわめて適切なことでなかろうかと思います。なお、主務大臣が業務に関しまして必要な場合の監督事項が定めてありますが、これは現在の段階におきましてはやむを得ないものであろうと思っております。 はなはだ簡単でございますが、他の方もおいでになりますので、中金問題は、その程度で、これまでの経過等を申し上げました。 それから、農業近代化資金の助成法につきましては、農業者に対し長期かつ低利の施設資金を円滑に融通するため、都道府県が行なう利子補給等の措置に対し国が助成するという制度で、これは政府の政策を推進するため必要という見きわめのついたものについて実行されることはけっこうであろうと思いますが、大切なことは、その運営につきまして、いたずらに形式にとらわれまして時期を失したり、または形式だけ合わせて実態に合わないようなことがありますと、非常に遺憾でありますから、この運用については十分そういう点について留意していただきたいということを申し上げておきます。 農業信用基金協会の制度におきましては、農業金融が農業協同組合の本来の趣旨に沿うて、いわゆる指導金融の精神によって運用され、それ自体が組合員の正当な経営改善に寄与するようにするということは中心の問題だろうと思います。この基金協会がそれを促進するために設けられまして、融通を円滑にするということは、非常に時勢に適しておることかと思いますが、単に安易な保証制度に依存してしまうというのではなく、組合が積極的に活動することを期したいと存じます。基金協会の運用にあたっては、私の感じますことは、事効をおさめるのに急であって、内容の検討が不十分であってはいけない、融資を進めるにつきましては十分念を入れまして、時期を失することがないように、また、事業計画が将来そこを来たさないように十分な検討をして、その効果を十分におさめることが必要であるという感じを持ちまして、この近代化資金の助成法、農業信用基金協会等の法案の趣旨については現在けっこうであると思いますが、要はその運用を適切にするということが大事ではないかと考える次第であります それから、自作農資金の問題等につきましては、これはいろいろ現状に対してお考えの方法があると思っておりますが、要するに、念頭に置くべきことは、資金源というものの制約がどのくらいあるということ、農業経営に当たります人の活動年限がどれくらいであるかということ、それから、他の金利状態がいかようになっているかというようなことについて十分御考慮が願いたいと思うのでありまして、農業経営といたしましては、現在各人の活動期間が二十五才ぐらいから始めまして五十才ぐらいまでになるといたしますと、その活動期間があまり長くなり得ないという状況もあると思いますので、これらに対しては運用について十分何か適当な方法をお立て下さらぬといけないのではないかというふうな感じもいたしております。ただ、外国等の例を見ますと、六十年ぐらいの期限のものもございます。それから、私どもが大正の中ごろに耕地整理法などを改正いたしましたときには、十五年の長期限界を三十年に延長したこともございます。時の状況でいろいろにこれは実態に合わせ考えなければいけませんことで、私どもが単にどれくらいがよろしいかということを腰だめで申し上げることはむずかしいことだと考えますから、それは御参考に、いろいろのものがいろいろの国、いろいろの時代においてあるということだけ申し上げておきます。 非常に簡単でありますが、皆さんお話の方が多いようでありますから、私はこれぐらいにいたします。(拍手)
○坂田委員長 次は、楠見義男君。
○楠見参考人 提案されておりますそれぞれの法律案について、ただいま全中会長の荷見さんから御意見の御開陳がございました。伺っておりますと、私は大体荷見さんと同じ意見でございます。従って、つけ加えて申し上げることはございませんが、若干蛇足をつけ加えさせていただきたいと存じます。 最初の農林中央金庫法の一部改正法律案でございますが、この問題についての経緯はただいま荷見さんからお述べになった通りでございます。特に、昭和二十四年には、現在の法律と若干異なるところもございますが、中金のいろゆる民主化に関して衆議院に議員提案の法律案が提案されまして、多数の今日委員の方々もその法案について御論議なされたことと存じます。不幸、その法案は衆議院で審議未了に終わりましたが、そういうような国会における経緯、また、農協大会におけるただいまお話にございましたような経緯がございまして、実は業界多年の懸念でございます。従って、その意味からも今回政府でお取り上げいただいたことと存ずるのでありまして、ぜひこの国会で成立を見ますようお願いいたしたいということだけを申し上げておきたいと存じます。 ただ、農業基本法が制定され、その達成における農業金融の役割がきわめて大である、従って、その大である使命を負っておる農林金融のいわば中枢的な立場にある農林中金が、民主化されて政府から野放しになって、それでうまくいくだろうかどうだろうかというような懸念が一部にあるように伺っております。しかし、今日の農林中央金庫は、これはもちろん皆様方からごらんになって不十分なあるいは不満足な点も、私どもの努力の足りぬゆえをもちまして多々あろうかと存じますが、しかし、少なくとも私ども役職員は、農林金融における農林中央金庫の使命・役割というものを十二分に了得しておりまして、その使命達成には、従来もそうでございますが、今後はなお一そう努めて参りたい、こういうことをみずから強く言い聞かせて努力をいたしておるような次第でございまして、今申し上げましたような一部の御批判は必ずしも当たっておられない、また、そういう批判があればあるだけ、一そう自戒いたしまして、その使命達成に十分努めたいと考えておるような次第でございます。 それから、農業近代化資金助成法でございますが、御承知のように、組合金融が最近非常に力がついてきた、にもかかわらず、末端における顕在・潜在の資金需要を十分まかなっておらないではないかという点、もう一つは、貸し出し金利が高いではないか、こういった組合金融に対する批判が従来ございました。実際の組合金融の貸し出し金利は、その地方のいわゆる市中一般金利に比較いたしますと決してこれは高くはございません。実際お調べいただいても、その地方金利としては決して高いものではございませんが、しかし、農林金融の特質から見て、かりに一般市中金利と同じであっても、これは相対的に見れば農業の特異性から見て高い、従って、できるだけ低くしなければならぬという意味で、先ほど申し上げました一般の批判に対しては組合金融としても十分努力をしなければならなかった点でございます。今申し上げた二つの問題点の批判にこたえることになり、ことに農業基本法が所期いたしておりまする農業の近代化に対して大きな役割を果たす法案でございまするから、法案としては私どもはまことにけっこうだと考えております。 もっとも、この法案がねらっておる七分五厘という貸し出し金利、この程度のものは実は組合金融自身がみずからの努力をもって努めるべきではないか、こういうふうにわれわれ自身は考えておるのでございます。しかし、それを実現するためには、現在、御承知のように、農協におきましては、数年前から、組織整備強化あるいは体質改善運動と称しまして、いわゆる部門別、信用・購買・販売・利用、各部門別の収支を明確化するとか、あるいは現金決済運動を進めるとか、いろいろ総合的な施策によって体質改善をいたしましてその金利の低下に努めなければならないということで努力をいたしておるのでございますが、その努力が実を結ぶまでには相当の時日を必要といたします。従って、時日を要しますがゆえに、間に合わなくてこの法律の御厄介にならざるを得なくなったというようなわけで、そういう意味から申しましても、今申し上げた体質改善運動というものは、農協自体としてもさらに一そう努力を続けていかなければならぬと考えております。従って、そういう意味で、この体質改善運動におきましては、先般も合併促進法が国会で成立を見たわけでございますが、この体質改善運動について、政府なりあるいは国会方面におかれましても、今後その推進上何分のお力添えをお願いしたいと存ずる次第でございます。 そういうようなことで、助成自体はけっこうだと考えておりますが、運用の点につきましては、ただいま荷見さんからお話がありました通りでございまして、これも一種の制度金融でございますが、制度金融にありがちないわゆるお役所主義的な画一的な運用が行なわれるということが運用上一番心配な点でございます。たとえば、国の助成予算が地方に画一的に配付される、あるいは農家戸数だとか耕地面積だとかそういう形式的なものが基準になって配付される、近代化についての地方の実際の動き、あるいは熱意、こういうものから出てくる実際の資金需要とマッチしないというようなことがあっては、せっかくのいい制度の効果が半減するわけでございますから、特に運用の問題が、荷見さんと同じように、大事ではないか、私もこういうようなことを心配しておる一人でございます。 それから、次は基金協会の関係でございますが、この点は荷見さんと全く同じでございますので省略させていただきます。 最後に、自作農維持創設資金融通法の一部を改正する法律案でございますが、この法律につきましては二つの法律案が出ております。どっちがいいだろうかということになれば、芳賀さんが提案者代表になっておりますこの法案がいいことは、借りる面から見れば当然でございます。ただ、私、まことに申しわけないのですが、不勉強で、両方とも、どれだけの資金量を要するものなのか、その点、芳賀さんの案で見ますと六億円の減収見込みだというようなことが本法施行に要する経費として出ておりますが、予算的な裏打ちあるいは資金的な裏打ちというものが一体どれだけあるのかというようなことを十分勉強せずに申し上げるのでございますから、従って、きわめて抽象的でありますが、借りる方から見れば芳賀さんの案がけっこうだということを申し上げる程度にとどめたいと思います。ただ、農家経済調査で見ますと、ことしの一月末の全国の農家についての農家経済調査における負債調べでございますが、これで見ますと、全国平均は一農家当たり六万五千七十一円、この内訳は、北海道が二十一万三千百五十九円、北海道を除く各府県が五万八千九百二十五円、こういう数字になっております。農家経済調査は、こういうことを申し上げていいかどうかわかりませんが、若干上層偏倚の傾向がございます。従って、実際の各農家の負債というものはこれよりも多いのではないかと思います。しかし、少なくとも農家経済調査に現われたところだけを見ましても、各府県の五万八千何がしに比較して北海道は二十一万三千円である。特に北海道のこの問題は、数年来の北海道における要望もございまするし、今申し上げたような数字から見ましても、北海道の農家が多額の負債に苦しんでおる。そこで、これは私の申し上げることではないかもわかりませんが、両案についていろいろと御検討になった結果、これは根本的にさらに検討しようじゃないかというので、二つの法案ともこの国会で流れてしまうというようなことになってはまことに残念でございまして、少なくとも今申し上げたような北海道の数字でありますから、どちらもだめになるというようなことのないように、少なくとも北海道の分だけはぜひ発足していただきたい、こういうことを希望として申し上げて御参考に供したいと存じます。 はなはだ簡単で、ございますが……。(拍手)
○坂田委員長 次は、山中義教君。
○山中参考人 私は、ただいま御審議中であります農業近代化資金助成法案及び農業信用基金協会法案の二法案につきまして意見を申し上げてみたいと存ずるのであります。 このたびの立法化はまことに時宜に適しました処置でありまして、すみやかな成立を希望いたします。以下二、三の点につきまして率直に意見を申し上げてみたいと思います。 まず、農業近代化資金助成法案についてでありますが、この法律案の目的は第一条におきまして明らかにいたしているところでありますし、また、本制度創設の背景あるいはその骨子につきましてはすでに御承知のことと存じますので、さっそく意見を申し上げてみたいと思います。 私ども農業協同組合法第十条第一項第八号の規定に基づきまして共済事業を実施しております農業協同組合連合会も、このたび融資機関として法案第二条第二項第三号におきまして法定されたのでございます。つきましては、農業共済事業の今日までの足取りを振り返って見ますれば、昭和二十九年の六月の第十九国会におきまする農業協同組合法の一部改正の際、共済事業関係の法的整備を行なわれましたが、その結果は、農村の百年の計を立てまする基礎を確立し、また、強固な基礎を築くことができることとなったのでございます。これに引続きまして、昭和三十三年三月の第二十八回国会におきまして、農業協同組合法の一部改正によりまして、責任準備金の積み立て義務を法定されまするとともに、財産の運用方法につきまして規制をされたのでございまして、これら一連の処置を今日の業績から振り返って見ますると、今はなつかしい思い出といたしまして心によみがえってくるものがありまして、わが国の農協運動に新しい息吹きを与えたものと存ずるのであります。従いまして、国会の諸先生方に今日の姿を私は報告する義務があろうかと存ずるのでありまして、この席をかりまして厚くお礼を申し上げておきたいと存じます。 農協の共済事業は年々比較的順調な発達を遂げまして、昭和三十六年の三月末におきましては、生命共済及び建物更生共済のいわゆる長期共済の事業の契約高はおよそ一兆円に達しましたし、また、団体建物火災その他の農家火災が約一千五百億に達しまして、従いまして、共済資金も約九百億を蓄積することができたのでございます。また、昭和三十九年度末におきましては長期共済事業の保有契約高は約二兆円に達する見込みを立てておりまして、その共済資金も二千億円をこえることとなりまして、契約並びに共済資金量も今日の倍になる計算に計画をしておるのでございます。さらに進みまして十年後の昭和四十五年度末におきましては、長期共済事業の保有高は三兆円をこえるものがあるのでございまして、従いまして、これの資金は三千五百億円の共済資金の蓄積を計画しておるような次第でございます。このことによりまして農協共済事業本来の機能を遺憾なく発揮できまするし、また、長期かつ低利資金の供給体制も確立ができますので、農協総合事業の一環といたしましての共済事業の位置ができ、また、あわせてオール農協の本来的使命にこたえる大きなてことなりますが、進んで組織的機能の発揮と総合的効果をおさむべく鋭意努力して参りたいと存じております。 私はかかる観点に立ちまして本法案に対し意見を申し上げたいと思います。 第一点は、農林水産部門におきまする財政金融政策等の確固たる基本方針が具体的に明示されずに、このまま放任されて、ややもいたしますれば従来の制度金融に見られるようにこの農業近代化資金助成法もやがて時限法として終わることのないよう十分な配慮を払って、最近一部に抱かれておりまするような不安を一掃していただきたいということでございます。また、ここで特に希望いたしますることは、従来のおのおの金融制度によく見られまするように、予算上の制約からいたしまして、せっかく制定されました制度を廃した例もあるのでございます。従いまして、この農業近代化、農業金融制度におきまして金融・財政的の制約から途絶することのないようにしていただきまして、大蔵委員会で御審議中の農業近代化助成資金の設置に関する法律案の審議にあたりましても十分な処置をお願いしたいと存じます。つまり、農業近代化資金に対しまする利子補給、補助の財源確保に努力されまして、いやしくも政府の一般会計に新設されまする農業近代化助成資金の欠乏と申しますか困難性に直面して実態的に時限法といたさないように十分に意をそそいでいただきたいと思うわけでございます。 第二点は、本制度の適用に際しまして農協の自主性を阻害しないように万全の処置を講じてほしいということでございます。また、先ほども荷見会長、楠見理事長からお話のありました通り、貸付手続等の錯綜を極力避けなければなりませんし、また、農民が限定されて弱小農民を締め出すことのないように配慮を願いたいと思うわけでございます。 第三点は、農協の共済資金の運用と農業近代化資金融通制度との関連、いわゆる制度金融の改善等についてでありますが、共済資金は、農協共済事業の性質上、長期かつ低利の安定的な運用ができますので、このたび農業近代化資金を原資としてその特徴を生かしつつ大いに参画して参りたい。ただ、私ども長期・低利資金の供給部門でありまする農協共済事業にとりまして自主性と事業の健全な発達を阻害しないよう十分配慮してほしいと存じます。 今さら申し上げることもありませんが、農協の共済事業は農民の自営組織の一環でありまして、この事業は特定された偶然な事故によって生じまする経済的な需要を相互扶助組織によって充足することを目的とするものでありまして、多数の契約者であるところの組合農家の拠出金を基礎とする共同的・社会的備蓄制度であることにかんがみまして、その期待にこたえて参りたいと思うのでございます。幸いに昭和三十六年の三月末におきまする農協の共済契約準備金、つまり共済資金は約九百億円に達しておりまするが、それを見ますると、そのうち農村還元として貸し付けておりまするものが百四十五億円あります。その内容を見ますると、預金におきまして六八%、有価証券が一四%、貸付金が一六%というよりな率でありまして、年々この貸付金の増加を見ておるでのございます。今後の問題といたしましては、農協の共済資金といたしましては、中長期の資金の供給担当部門と言われておりまする加工あるいは保管等の共同施設資金とかあるいは農業の経営拡大によりまする資金等を重点として考えて、農業者の期待に沿いたいと存じておるのでございます。 次に、農業信用基金協会法の問題でございますが、これも、先ほどお話がありました通り、農協の自主性を損じないような運営をしていただきたいということを申し上げまして、これをもちまして私の意見を終わらしていただきます。(拍手)
○坂田委員長 次は、鈴木勇造君。
○鈴木参考人 私、御指名をいただきました鈴木でございます。私は、御承知の通り、神奈川県の信用農業協同組合連合会の会長を勤め、同時に全国組合金融協会の会長を勤めております。従って、きょう、私は、この五つの案が出ておりますうちの、農林中央金庫法の一部改正と同時に、農業近代化資金助成法案、また農業信用基金協会法案の問題につきまして若干の私の考えを申し上げてみたいと思います。 農林中央金庫法の一部改正につきましては、もうすでに荷見会長さん並びに楠見理事長さんからそれぞれお話がありまして、もう私が申し上げることは全然ないと思います。ただ、皆さん方にお願い申し上げたいことは、先ほど来荷見先生なりまた楠見理事長さんからのお話しの通り、この問題につきましては、農業協同組合中央会はもちろんのこと、全国の農林団体から十数年以来の要望でありまして、これが今日問題になったということはおそすぎるほどのことであります。従いまして、どうぞ一つすみやかに御審議をいただきまして、もう数日きりしか余さないようでありますが、この国会でこの法案が必ず成立するように皆さん方の格段なるお骨折りをいただきたいと思うのでございます。ただ、私一言つけ加えて申し上げたいことは、この農林中央金庫法の改正につきまして、先般もわざわざ総代会におきまして、この法案がぜひすみやかに通るようにということを決議しておりますが、とかく、この法案につきまして、われわれの問の一部の者だけでこういう要望をしているのではないかというようなお考えをお持ちの方があるようでありましたら、それはそうではなしに、全農林団体が一致しましてこのことを御要望申し上げておるところでありまして、それがはからずも総代会においては満場一致一人の異論もなく決議をされ、御要望を申し上げておるような次第でありますので、この点につきましてはどうぞ十分御了承の上御審議のほどをお願い申し上げたいと思います。 なお、近代化資金につきましては、もうすでに新聞紙上に大要は二カ月ほど前に発表されまして、全国の農家はこの処置が一日も早く施行されますことを要望しております。もしかりにこれがおくれるようなことになりますれば、せっかくの農家の今日の意欲の芽をむしるような形になりますので、どうぞ一つすみやかにこれも御制定をお願い申し上げたいと存じますが、ただ、このことにつきましては、先ほど来楠見理事長のお話のように、この運用につきましては、どうぞ取り扱い機関の自主性を阻害しないような御処置を願いたい。 なお、それから、金利の問題が一部ありますが、とかく、われわれの農林金融に対しまして、だいぶ組合金利は高過ぎるのじゃないかという御批判がありますが、これは、楠見さんのおっしゃるように、決して一般の市中金利と比べましてわれわれの取り扱っておりまする金利は高くはないのでありまして、ただ、臨時金利調整法によりまして一厘だけの高さは認められております。われわれの取り扱います金はごく零細な金を取りまとめておるのでありまするが、そこに費用がかかるということからしまして、一般市中の預貯金の金利よりも一厘だけ高いことを今日認められておりますが、それ以上にわれわれの間では高い金は取り扱わない。それが集まりまして資金として貸し出されますが、これにはやはり相当の経費が要りますから、従って、まず三銭から高くも三銭二厘は今日仕方がない金利ではないかと思っております。一般市中の金利におきましても、これは皆さん方よく御了承だと思いますが、銀行さんあたりが二銭八厘とか二銭六厘とか表面は言っておりますが、実際には徴収する金がそれだけになっておるのかどうかということについては、私が申し上げるまでもなくよく皆さん方が御了承のことだと存じます。それは、まず第一に、銀行へ金を借りに行ったならば、調査手数料を徴収されるでしょう。五分ないし一割程度の調査手数料が徴収されます。さらに、一定の歩積み預金をしておかなければ貸さない。これは御承知の通り歩積み預金は全然無利息であります。少なくとも三割ないし四割程度のものが歩積み預金として強要される。従って、そうなりますれば、せっかく二銭六厘ないし八厘で借りた金というものは、百万円を借りて事実は七十万円か六十万円で、そうして百万円に対する金利を払うとするならば、表面は安くても、実際の支払う金利はもっともっと高いものになる。と同時に、手形あたりの割引については、これはもう一カ月、せめて長くても二カ月の程度であります。それが切りかえられていきますから、日歩もおどりますし、相当の高金利であります。われわれの組合金融ではそういうことは一切ないのでありまして、一年なりもしくは長いものは二年、三年という長期契約をしましても、利息の収入というものは半年に一ぺんもしくは一年に一回であります。従って、利子の徴収方法にしましてもそうですし、また、金利も表面は高いようでありまするが、一切歩積みとか調査手数料というようなものは徴収しておりませんから、自然それは実際の貸付の利息だけであります。そういった意味から言って、われわれの金利は断じて高くはないと私は思っておりますが、ただ、農業については、これはもう御承知の通り原始産業でありますから、農業が他の第二次、第三次産業のようにきょう借りた金があすすぐ利益を生んで返ってくるというわけにはいきませんから、従って、農業金利というものは安くなければならない。しかも、農産物については、今日のような価格不安定の事態において、さらに、価格が非常な低廉のときにおきまして、農産物を生産しておる農民としてはできるだけ安い金でなければならない。しかし、一面、農村で集めます農協の金というものは決して世間一般の金とは変わらない金でありまするから、従って、これを今日のような近代化資金助成法によりましてせっかく二分の御助成をしていただくということは、私ども非常にありがたいことだと考えております。しかし、この二分は九分五厘を一応めどとしての二分の利子補給であります。従って、受ける農民は七分五厘の借り入れをするということになりますが、この七分五厘は、これは、今日このまま予算の御措置はできないと思いますが、これで十分だとは皆さん方お考えになっていらっしゃらないのではないかと思うのです。それは、今日の農業事情からしまして、七分五厘の金で決し農民が満足するような金にはならないのではないかと思うのです。もしお許しが願えるならば、もっともっと皆さん方の問でお考えを願いまして、今この予算措置はできないでしょうが、次の国会あたりでぜひできることならば五分ないし六分くらいの利子補給をしていただくことがいいのではないかと思っております。そうしますれば三分五厘くらいの金になる。このくらいのものになって長期ということになりますれば、相当皆さん方の御期待下さる農業の近代化が実行され、実現されていくのではないかと思うのでございまして、この点につきましては、この国会では間に合わないでしょうが、次期国会あたりに皆さん方の特段のお考えをお願いができますればまことに仕合せだと存じます。ただし、これはあまりお前勝手なことを言うなというおしかりをこうむるかもしれませんが、ただ、私は、決して皆さん方の今日お考えいただいておることについてけちをつけるわけでもなし、ありがたく農民としては感謝し、そうして今燃え上がりつつある意欲を皆さん方によって至急に実現をしてほしいとは考えまするが、さらに私の希望を申し上げるならば、今のような御処置を講じていただけるならばまことに仕合わせだと考えておるわけでありまして、その他のことにつきましては、もうすでに荷見先生なり楠見理事長さんなりのお話で尽きておりますから、私は以上で失礼させていただきます。 失礼いたしました。(拍手)
○坂田委員長 次は、高橋雄之助君にお願いいたします。
○高橋参考人 私、まず先に自作農維持創設資金融通法の一部を改正する法律案の関係について申し上げたいと思います。 このことは、北海道の農民、さらに諸団体が多年にわたってこの法律の改正を強く要望して参った次第でございます。そのことは、なぜかと申しますれば、すでに御承知でもございましょうが、北海道は地域的に非常に悪い条件下にありまして、常に冷災害を受けておる地帯でございますので、農民の負債が非常に多いわけでございます。先刻楠見理事長が申されましたところによると北海道の農家の負債が二十一万三千何がしということでございまするが、これをしさいにさらにまた調査して参りますと、この額ではないのであります。現に二年ほど前にいろいろ調査しました結果、固定負債としてすでにもうどうにもならないという借金が実は百億をこえておる現状であるわけでございます。そういう関係の中で、さらに短期借金あるいはその他の制度資金等も合わせて参りますと、非常に大きい金額に実はなるわけでございます。そういう関係から、私ども、昭和三十一年以来、北海道の農村に関係する二十四の団体が総力をあげて、いわゆる負債整理の特別なる法律を制定してもらいたい、こういうことをいろいろ相談をいたしまして、今日まで続いて、各政党の方々、国会の方にお願いをして参った次第でございます。しかしながら、この特別措置法の関係については、諸般の事情もあって、今日なおその実現を見ていないわけでございます。そういうような運動過程の中で、私どもも、その法律を制定することにいろいろな難色があるとするならば、この自作農維持創設資金融通法に基づく資金の融資をしていただいて、この負債を一日も早く解消させていただきたい、こういうことをいろいろお願いを申し上げて参ったことは皆さん御承知の通りでございます。この点については、各政党も常に会議を持ってこのことの処置について御心配をいただいたことも私ども重々承知しておるわけでございまして、その点、深く敬意を表し、感謝しておる次第でございますが、ようやく今日この問題を取り上げて法律案として出されておるわけでございます。 私ども、今申します通り、現に昨年も自作農資金のワクを三十一億あまりちょうだいいたしまして、この固定化しておる負債の整理をして参ったのでございます。しかし、なお七十億近い固定化負債が実はあるわけでございまして、この点については農林省当局においても北海道の事情を昨年調査を願ったわけでございますが、その内容についてはいささかわれわれの見解と違う点があるわけでございますけれども、実際において、農家の系統の負債、あるいは個人の負債それらをしさいに調査して参りますと、私が今申し上げておるような負債が現にあるわけであります。こういう負債を一日も早く解消して、新たなる今後の農業計画を立てて、安定農業に入らなければならない、こういうように私どもも立場として非常に強く感じて、この解決に寧日なくいろいろと心配をしておる次第でございます。ことに、最近農基法をいろいろ御審議いただきまして、近くこれが成立する運びになっておるように承知しておるわけでございますが、こういうような画期的な法律ができて、関連法律もできてこれが実際において行なわれる段階に入りましても、あの北海道の地域的に非常に悪い条件の中にこのような重圧を受けておる農民が、この法律の保護の中で今後農業を営むことについても、具体的にこれを進めることができ得ない現況にあるわけでございます。 とにもかくにも、この問題を解決して、今後行ないます国の施策が順調に軌道に乗り、また、われわれ農業団体もそういう熱意を持って農民の将来の健全経営を進めていく体制を整えなければならない、かように考えておるので、ございますが、そういう意味からも、当時からお願いしておりますのは、相当長期にわたってこれを融資していただき、また、金利についても、非常に低利なものでなければならない、また、額にいたしましても、そういう負債が完全に解消される額でなければならない、五十万の負債があって二十五万だけが融資される、二十五万は依然として高金利の負債として残るということでは、その人の更生の道を立てるにも立てられない現況にあるわけでございますので、そういう意味から、額にしましても五十万円、五年据え置きの年三分、三十年の融資を願いたいということを四、五年にわたってお願いして参っておるわけでございます。そういうようなことで、とにもかくにも、この問題を今後とも取り上げていただいて、これの解消に一段のお骨折りをいただきたい、かように考えるわけでございます。 そこで、今出ております法律については、私どものお願いしておる点とは多少ほど遠いものがあるわけでございまして、私どもは、今後ともこの問題の解消に一般の御心配をいただきたい。そして、北海道の二十三万農家が今後さらに適正なる経営ができ得るように取り運びいただきますれば、まことにありがたいしあわせでございます。ことに、北海道の持つ今後の使命というのは、いわゆる畑作振興であり、畜産、果樹、蔬菜、それらの面に大きく飛躍していく農業を営まなければならない大きな使命を帯びておる状態でございますので、そういう点についてよろしくお願い申し上げたい、かように考えるわけでございます。現に新聞でも発表になっております通り、農林大臣は、やはり農業の近代化をはかっていくためには長期・低利の資金を貸さなければとうていこれが実現できぬだろう、三分五厘の低利資金を三十年以上の長期にわたって貸さなければ近代化農業が行ない得ないだろうというようなことも申されておるようでございますが、全く私はその通りだと考えるわけでございまして、大臣みずからもそうおっしゃっておるわけでございますので、諸先生方もその点について十分取り上げていただいて、今後の実現に一段のお骨折りをいただきたい、かように考えるわけであります。しかし、現時点においてやはり一歩でも前進する方策を講じていただいて、さらに私の申し上げるようなことを取り上げていただくということを特にお願い申し上げたいと思う次第でございます。 次に、農業近代化資金の関係でございますが、これは非常に画期的な方策として取り上げていただいたことについてはまことに喜ばしいことでございますが、しかしながら、これも先刻来いろいろお話のあった通り、七分五厘の金利で、また期間もあまり長くない中期資金として考えられるというところに問題があろうかと思います。これも、やはり、今後行なわれますところの農基法の実際運用の面にあたってもこれが非常に大きく結びつくものと私は承知しておるわけでございまして、資金ワクにいたしましても、いろいろな事情がありましょうが、これは系統の持つ資金でございますから、現在三百億というのでございますけれども、全国的に見ますとそのワクは決して大きいものではないのであります。ことに、北海道の農業は規模も非常に大きいわけでありますし、投下資本も非常に必要なわけでございますので、現在、団体で五千万、個人で二百万ないし百万ということでございますが、これはまたその額においても北海道の場合問題があるわけであります。そういうような問題で、金利もやはり、前向きの施策として取り上げられる以上は、五分五厘くらいになるような資金として運用でき得るような処置を一つ講じてもらいたい、かように実は考えておりますし、期間もいま少しく延ばしていただかなければ、近代化農業を営む資金としての効力を発揮するためにもいろいろな問題点が出てくるわけであります。運用の問題等についても実は多々あるわけでございますが、こまかいことは避けて参りたいと思いますけれども、利子補給の点についてもう一段と今後皆さん方のお考えをわずらわしたい、かようにお願いする次第でございます。 さらにまた、基金協会の関係でございますが、基金の会員が出資一口につき一個の議決権を有するということになっておるわけでありますが、これは、近代化資金は系統組織の資金に対して国が利子補給を行なうことによりその機能を促進・補足するのがねらいであるのでございますから、従って、系統組織の自主性はやはり尊重さるべきであろうと考えるわけでございます。そういう意味から、これは一つの会社的なようなものでなく、やはり、われわれの組織はあくまでも民主的に組織されておるという立場から、一会員一議決権ということで取り運んでいただかなければ、協会は行政・民間の合同機関であるわけでございますけれども、そういうような姿でいきますると、行政に対する民間の諮問機関となってしまうような関係になるわけでございますので、そういう精神から考えてみても、一会員一議決権ということを特にお考えを願えれば、非常に民主的にこの運用ができるのじゃなかろうか、かように実は考えるわけでございますので、よろしくその点お願い申し上げたいと思います。 それから、農林中央金庫法一部改正法律案の関係については、いろいろお話がありましたので省きたいと思いますが、私が特に申し上げておきたいことは、あくまでもこれは民主化するための法律の改正ということがねらいであろうと承知しております。この点について、第十一条の二にただし書きが前についておったわけであります。「但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケタトキハ此ノ限デナイ」、——いわゆる「理事長、副理事長、理事及び監事ハ他ノ報酬アル職務又ハ営業ニ従事スルコトヲ得ズ」ということの中に、ただし書きがついておったわけでありまするが、このたびの案にはそれを削除してあるわけであります。ということについての考え方は、中金のおもなる出資者は、主たる預金者八〇%程度は農業団体、なかんずく都道府県の信連であるわけであります。その他は、水産業団体、林業団体等でございます。そういうことで、現在では政府の出資はないと承知しております。すなわち、中金を構成する重要な団体の役員が中金の役員になれないという非民主的なものがあるわけでございますが、いろいろなことはあろうと思いますけれども、やはり、おもに資金を出しておるこれらの団体から役員を出すことのできないことは適当ではないと私は考えておるわけでございまして、この点を特にお考えを願いたいと考えております。 さらに、審議委員の関係でございまするが、これは前の段階では、「理事長之ヲ委嘱ス」とあったのを、今度の改正案においては、「主務大臣ノ認可ヲ受ケ定款ノ定ムル所ニ依リ理事長之ヲ委嘱ス」ということでございます。これは私は理事長の委嘱でよろしいのでないか、従って、政府の指導監督はみずから別途の形で行なうということを正確にされれば、理事長の委嘱でこれはよろしい、かように考えるわけでございますので、その点も一考をわずらわしたい、かように実は考える次第でございます。 以上、簡単でございますが、それぞれの点について申し上げた次第でございます。(拍手)
○坂田委員長 ありがとうございました。 これより参考人各位に対する質疑に入るのでありますが、荷見参考人は御病気中おいでを願っておりますので、最初に荷見参考人に対する質疑をお願いすることとし、荷見参考人に対する質疑を終了いたしましてからほかの参考人に対する質疑に入ることといたします。 足鹿覺君。
○足鹿委員 荷見さんには御病気中だそうでありますので、ごく簡単にお尋ねを申し上げます。 先ほどのお話の中にもありましたように、農林当局あるいは大蔵当局もまじえて外国の農林金融制度の調査を先年なさると同時に、農協の大会等の決議において今後の農林金融対策のあり方について御検討になる機関を設けておるというお話でございました。その機関の作業の現在の状況、また、その設置され検討されておる構想の概要、そして、今後どの程度の時間があれば結論としてこれを御公表になるのでありますか、それらの点についてこの際明らかにしていただきたいと思うのであります。と申しますのは、今回のこの農林金融関係の四法案は、問題の端緒に手をつけたという程度ではないかと思います。従って、本格的に新しい段階を迎えたわが国の農林金融の基本的な制度のあり方については、おそらくこれが機会となりまして今後全般的な検討のもとに適当な結論が国会においても得られなければならぬと考えておるものでありまして、そういう意味において、この法案の審議はきわめて大きな意義を持っておるのではないかとわれわれは考えておるわけであります。私ども忙しいので資料等も十分よく渉猟しておりませんが、世間一般の伝えるところによりますと、元来が農民資金の農村還元の精神に現在の系統農協の資金運用が必ずしも合致しておらぬではないか、系統外への流出も相当あるという批判が行なわれ、また、最近においては固定資産等を系統資金において購入して業績向上の一助にもしておるというような話もずいぶん聞かされるのでありますが、それらを正確に握るところの完全な資料も実は私どもはまだ把握しておりません。そういう点について、系統機関の中央におられます各位に本日は御出席を願っておりますので、あとでまた他の参考人各位からもこの点については御意見を承りたいと思いますが、少なくとも農民資金の農村還元についての全中としての今後の制度のあり方に対する基本的な構想をこの際明らかにしていただきたいと思います。 第二は、現在、農協が農業・農民に対して果たしておる役割の中にあって、一番弱い面と申しますか、十分力が入っておらない面は、生産活動対策がその一つではなかろうかと思うのであります。そういう生産面から日本農業を考えてみた場合において、一番近代化と企業化を阻害しておった原因は何かといえば、まず、農地が狭小であるということ、資金が著しく欠乏しておる、この二つが大体において端的な原因の一つ一つではないかと思うのであります。そういう点から、農協自体としてこの近代化をはばんでおる原因に対してどういう手を打ち、どういう対策を具体的に講ずるか、今後の農協系統機関としての農林金融のあり方についてもその角度から検討されなければならぬのではなかろうか、かように考えるのでありますが、その点について御意見を伺いたい。 それから、近代化をはばんでおるこれらの金融上の制約やあるいはその他の制約について、いろいろ国が施策を講じておりますものの、少なくとも今回の近代化資金法を見た場合において、先ほども農協の自主性を案ずる旨の御発言もあったようでございますが、一つの新しい制度金融的な道がこれによって開かれていくことは間違いないと思いますし、従来の改良資金あるいは自作農維持創設資金の中の運営の変化等、いろいろ他の金融制度にも大きな影響を与えながらこの制度はいろいろな形で将来完全な運営になることをわれわれも期待しておるわけでありますが、そういう一面、農協みずからが自主的にこれらの農業近代化のための低利資金の融資ということに対して手がおくれており、また、現にまだその具体策が行なわれておらないままに政府が手をつけざるを得なくなったところにも、農協自体の一つの大きな責任と申しますか、やはり力の関係があり、また、再建整備なり整備促進をしなければならないような現状に農協自体があったという特殊事情はわれわれもわかりますが、少なくとも整備促進と再建整備の目的も一応終えた今日にあっては、当然、農協みずからの自主性において、これらの近代化をはばんだ原因にメスを入れ、その対策を講ずることにおいて、初めて農協の自主性を主張し、自主性の立場から仕事がされるのであって、自主性の喪失をおそれるといいますか、事実において農協の金を三百億ひもをつけるわけで、これは農協の意思と政府の意思が今のところ食い違っておらぬからけっこうではありますが、場合によっては一致しない場合もあるかと思います。そうした場合においては、農協の自主性というものが著しく阻害をされ、系統金融というものに対する政府のいろいろな介入という姿になって、将来われわれが事態を考える場合においては大きな問題をはらむ余地がないとも言いかねないのでありまして、この点について、政府の今回の考え方に対応して農協の自主性ある立場を守るためにはどういうことを農協人としてお考えになっておるのか、この点をお尋ね申し上げたい。 大体三つだろうと思いますが、あとは他の参考人に伺います。
○荷見参考人 ただいまの御質問の最初の問題は、組合金融をいかにして刷新するかということにつきましてわれわれが考えております主要な点はどういうことかということにあったように思います。それは、組合金融刷新対策の委員会におきまして一応検討の題目となっております項目だけ申し上げます。 第一は、現在の貸付の施設につきまして、金利の引き下げをはかること、貸付の最高限度の拡大をはかること、金融と他の部門の収支の明確化をはかること、それから、画一的な要綱融資の整理をすること、というようなことを考えておりまして、なお、これに関連いたしまして、販売事業に関連する加工業その他諸施設への投資の関係、共済責任準備金の積み立て制度並びにその運用に関する件、それから、農林債券の系統内の消化方策、かような事項を掲げておるのでございます。 それで、これらをいたしますにはいろいろの方法が必要でございますけれども、まず基本になりますことは、組合内の関係者の組合意識に関する徹底ということが基本的のものでなければならぬと存じます。ただいまもお話にありましたように、戦後農業協同組合法が制定されまして、急速に数万の組合ができたのでございます。これは、もともと、産業組合法あるいは農業会法等、団体活動に関する制度が長い問半世紀以上にわたってわが国にありまして、そういう関係もありましたけれども、それはそれといたしまして、実に急激な組合の普及だったと存じます。それがために、ややもすれば組合運用におきましてふなれなところもだいぶありますし、あるいは組合員に対して組合精神が徹底しないところもあったのでありまして、それがため、お話のように、あるいは貯金の支払い停止・制限のようなものもでき、連合会の運営に支障を起こすようなものもあったわけでありまして、これは、幸いに、皆様の御尽力によりまして、あるいは再建整備法による単協の建て直し、あるいは整備促進による連合会の整備のようなものをいたしまして、順次それが進んで参りまして、本年度は連合会の大部分が整備促進を終わるような段階に到達しておるのであります。 そこで、そういう団体の方の歩みと、また社会一般の歩みとが必ずしも並行いたしませんで、世間の動きの方がいろいろ急速な進展をいたしておるのであります。ことに、一般産業関係と農業関係との成長率の関係が非常に格差がありまして、それがいろいろ問題になりまして、ただいまでも、基本法の方針といたして、これらの格差をなくそうというようなことを政府も非常に考えられておることはけっこうなことでございます。ございますけれども、これは政府の力のみによってできることではございませんので、要するに、関係する農業者、ことにそれの経済的部面を預かる農協がこれに積極的な協力をいたして参らなければならぬことと考えるのであります。 そこで、その事業を進めますためには、どうしてもこれに伴う金融というものが大事なことは今お話しの通りであります。しかして、金融というのも組織的な金融でありますから、資金の吸収と、その吸収しました資金の融通と、この二面の関係がきわめて必要になってくるのであります。金融機関といたしましては、申し上げるまでもなく、資金の集積ということが一つの大きな分野であります。しかして、これによる資金の融通ということが他の一面の職務となっておるのであります。ただ、一般金融と組合金融との相違のあります点は、組合金融におきましては、御承知のように、その資金を吸収します相手方も組合員でありますし、これを融通する、つまり資金融通の対象になる者も同じく組合員の内部なのでありまして、これが特に組合金融の特色であることは申し上げるまでもないと思うのであります。それで、組合員の中から資金を吸収して組合員の中に資金を貸し付ける、こういうことになるのでありまして、資金の吸収につきましては、預金者に対しては預金者保護のために相当の金利を支払い、また債権の確保をいたさなければならぬことは申し上げるまでもございません。しかして、その金を資金の乏しい組合員の内部に放出することになるのでございますから、そこに金利の引き下げと申しましても非常に困難な事情があるのであります。この資金吸収の方から言えば、預金金利が高くありますことはきわめて大切なことであります。しかし、その資金を貸し付ける相手方に対しましては、金利が下がっておりませんければ農業経営の改善あるいは生活の向上ということに非常に支障を来たすことも、これまた申し上げるまでもないのであります。相互主義であり、共存同栄であると申しまする組合の精神はそこに根拠があると思います。資金のある者は比較的低金利でも預金を組合に出す、それから、組合員で資金の少ない者はなるたけ安い金利で借りるのでありますけれども、それは限界があるということを承知されて借り受けをしていただく、そういたさなければいかぬと思うのであります。 そのほかに、諸外国で見られますよりも日本の制度がすぐれておるところがございます。それは、外国の組合等におきましては、ややもすれば担保力に欠けたところには資金の融通をしない、いわゆる組合金融がコマーシャル・ベースに乗ったものであるという点がございますが、日本では必ずしもこの点が強調されておりませんので、資金のない者には人的信用ということに非常に重きを置きまして、組合がその計画の内容にまで必要とあれば立ち入りまして、その計画の適当であることを指導いたすとともに、その返済方法までも研究してあげまして、できる限り資金のない者にも人的保証によって資金を供給し、しかもこれが安全にいくようにしようということになっておるのであります。そこで私が申しました組合教育の必要な点になってくると思うのでありまして、どうも当事者になってみれば債権の確保ということに何としても力が入るのであります。しかして、預金者の保護ということにも非常に力が入りまして、ややもすれば貧弱な資力者に対する貸し付け方が少ないのじゃないかというようなこともございます。そこが組合精神の徹底が必要なゆえんで、つまり、相互に相当の犠牲を払いまして、必要な資金はなるべく組合内部から融通することにいたしまして、両者相待ってその発達を遂げなければならぬと思いますが、現在の状況で特に必要なのは、金利ができるだけ低いということであろうと存じます。これは原則論でありまして申し上げるのもはなはだ気恥ずかしいのでありますが、どうも順序として申し上げなければ刷新要綱の御説明になりませんので、申し上げておるわけであります。 それから、従来のやりきたりで貸付限度というものをきわめて制限いたしておるのであります。これは、現在のような場合には、昔の白地信用限度貸付というようなものを守っておるようでは十分にできませんから、指導金融の精神を発揮いたしまして、できる限り実態に合った貸付をする。そのためには、限度のあまり硬直しておることを訂正をいたしまして、弾力性を持たした拡大をする。これが一つ必要であると思います。 それから、御承知のように、いわゆる兼業をいたしておりまして、単協におきましては信用部門と事業部を一緒にいたしておりますので、その自己資金がややもすれば混淆されておりまして、金融の合理化にははなはだ不適当なところもあります。言うならば、事業経営の方の負担信用事業にかかるということもございまして、それは単一のものでありますからそれでよろしいのでありますが、これを合理化するためには、部門別の収支を明確にいたしまして、信用部門の負担するもの、あるいはこれが合理化し得るもの、事業部門の合理化をしなければならぬもの、そういう点をはっきりしなければいかぬと思いますので、部門別の収支の明確化というようなことを考えておる次第であります。 それから、どうも、いろいろな仕事が広汎に及びますと、画一的に取り扱われまして、実態に即応した、いわゆるかゆいところへ手の届くような金融ができないということもはなはだ遺憾な点でありますので、できる限り実態に即した融通ができるようにいたしたいということで、これを組合金融刷新の項目といたしまして私どもは研究いたしておるわけであまりすが、それを徹底する方法といたしましては、あるいは実態の指導、あるいは研究会とか講習会等の開催とか、いろいろなことで組合精神の徹底をはからなければならないと考えておる次第であります。 そうして、今後組合というものが自分の責任において十分にその役目を果たすという精神を養成しなければならぬと思っておるのでありまして、組合金融の本体は自主自立の精神にあると考えております。諸外国の組合状況などを先般も見に行って参ったのでありますが、日本で問題になっております員外利用というようなものについて私どもの同行の人が質問をしたところが、二カ国くらいであったかと思いますが、われわれの方は組合員が必要に応じて組合を作ったのであって、員外利用というようなことは問題になったことはありませんと言う。それでよく預金が持ちますねと言うと、それは私らは組合員が作った組合ですからさようなことはありませんと言うくらいに徹底した組合の自主性が普及しおります。わが国の状態はその点においてはやや彼らとは違った点がありまして、員外利用というようなこともかなり行なわれておる。これは私ども常時指導の任にある者としてははなはだ相済まぬことと思っておりまして、その是正には非常に力を尽くしておりますが、これはいつまでというわけにはいかぬので、組合のあらん限りはそのことを努力して参らなければならぬと存じております。 また、自主性の問題につきまして、あまり外部から干渉いたすというようなことは、やっかいなことになりますから、できる限り避けて、単協は単協の自主性、連合会は連合会の自主性というようなところでいくべきてあって、それではいかなる方法で組合精神を徹底するかというようなことが私どもに課された任務であろうか、かように考えておる次第であります。今度農業基本法等が制定されまして、私が今触れました他の産業と農業との所得格差の是正というようなことが行なわれますれば、この組合金融等の運用もきわめて効果をあげると考えておるのであります。これについては他の問題のときにあるいは私どもは皆さんにもお願いしなければならぬかと思いますけれども、農家の収入は要するに農産物でありますので、農産物の各般の価格の適正を期するというようなことが組合金融の健全化ということに対しましても根本的に必要なことであるかと存じますが、これは関連事項でございますから、この場で申し上げることを差し控えます。
○坂田委員長 荷見参考人に対する質疑として、芳賀貢君。
○芳賀委員 荷見参考人に法案に関係のある点だけ簡単に御質問いたします。 第一点は、中金法の改正の政府案についてはだいぶ御不満のようなお話もありましたが、われわれとしてもそれは同様であります。特に、役員の選任方法についても、理事長については出資者総会でこれを選任するということになっておるが、副理事長以下理事、監事等については理事長の任命ということになっておる。せっかく理事長が総会で選任される場合においては、副理事長、理事、監事等も総会の選任というのが当然だと思う。しかも中金法においてはこの出資者なるものが法律で限定されております。これこれのものか出資者であると第五条にうたわれておる。その会員の総会という場合においては、当然民主化の線に沿えば役員は総会の選任であるべきである。これが貫かれなければ民主化の第一歩を踏み出したということにはならないと思うのです。 それから、第二点については、先ほど北海道の中央会会長の高橋参考人も言われたが、一体政府が企図しておる兼職禁止規定というのはどういう意図であるかということを参考人の皆さん方にも十分判断してもらいたいと思うわけであります。十一条の二、「理事長、副理事長、理事及監事ハ他ノ報酬アル職務又ハ営業ニ従事スルコトヲ得ズ」という点ですが、もちろん、常勤職員ですから、理事、監事も理事長も副理事長も業務に専念することは言うまでもないが、ここでいう「報酬アル職務」というのはどの程度までの範囲をさすかということが、これは非常にデリケートな問題だと思う。たとえば出資者の資格を持っておる団体はほとんど農協系統の団体です。そういうことになると、それらの団体においては、常勤者であれば当然報酬を総会の議決によって受けるが、常勤者でない場合にも役員に対する報酬というものは総会の議決によって出すということになる。この解釈からいくと、常勤者であっても、非常勤者であっても、そこで報酬を受ける場合においては、この役員の職につくことはできない。これは厳重な規定になるわけです。一歩誤ると、これは会員の中からこういう役員を出すことをはばむような結果も生じないとは限らないわけです。就任した場合はやめてしまえばいいじゃないかということになれば、これはこれとして解決できるとしても、中金の会の運営と会員・出資者との結びつきというものを考えた場合、そういう単純なものではないと思う。ですから、こういう点については、たとえば会員外からだけ役員を迎えて運営されるというような危険性もここから生まれてくるわけです。ですから、この兼職の規定のこういう表現と意図というものに対してはどういう考えを持っておるかという点です。 それから、次に、現行法においては評議員を三十五名選ぶということになっておりますが、今度は、評議員制がなくなって、審議委員十名を置く、しかもこの審議委員の選定にあたっては農林大臣の認可を受けて定款の定めるところによって理事長が委嘱するということになっておる。せっかく民主化の線に沿って理事長が選任された場合は、理事長の責任でこれらの審議委員を委嘱するということは、当然これは可能であり至当であるとわれわれは考えるわけでありますが、この点をわざわざ主務大臣の認可を要するということに縛るところにも問題があると思うわけです。 その次は、運営上の問題ですが、中金法の歴史については、荷見さんが述べられた通り、これは大正十二年から中金法になっております。それから今日に至るまで二十五回にわたってこの法律の改正が行なわれておる。これほど数多くの改正を行なった法律というものはないと思うのです。ですから、ほんとうに抜本的な改正をやって民主化をやるとすれば、昔作った中金法の体系ではもう役に立たないとわれわれは見ておるのですが、しかし、改正でいくという場合においては、やはり、現行の内容に対して運営上も検討を加える必要があると思うのです。これができた当初は、国の責任でこれを育成するという必要があったので、そういうことが法律に多々盛られておるわけです。今日においては、この中金自体は完全に自主的にやれるわけです。政府の善意な指導とか監督を受ける必要があるとしても、内容的な運営はこの中金自体の機構の中でこれはやれると思うわけです。そういう場合に、現行法に規定された、たとえば会員に対する出資の制限規定等については、これをやはり根本的に検討していく必要があると思うわけです。 最後に、もう一点は、先ほども御意見にありましたが、中金の資金が相当大幅に員外の方に流れておるというのが今日の趨勢であります。これを系統内部に還流して農村の近代化や農業発展のために活用するということになれば、やはり、系統内において資金やあるいは余裕金が運用されるにはどうしたらいいかということを法律の改正の中で明確にしていく必要があると私たちは考えておるのですが、こういう点についても今回の改正においてはいささかも触れられていないわけです。 以上私は主要なる点だけを五点お尋ねするわけでありますが、御見解を示してもらいたい。
○荷見参考人 個条にわたっての御質問でありますので、私も一つ一つお答えいたします。 この団体が選任いたしました理事長が副理事長以下の役員を指名するということは、これまでの理事長も政府任命であったのを、団体の選任ということにしたらばその方が適当ではないかという御趣旨のように思います。これは私どもこういうふうに了解しておるのであります。われわれが組合金融対策委員会で結論を出しましたのは、理事長以下の役員を選任いたすことにつきましては、これは管理委員会というものを設けまして、そこで数名の選ばれた者がその選考に当たりまして、その選考した者を総会で選任するというふうにしたらば適当であろうという案を提案いたしたのでありまして、最初のときに申し上げましたいわゆる間接選挙方法の一部の採用でございます。しかし、それは、団体で選任するということになれば、その管理委員会というものは内部の選考委員会でありまして、いわば内部関係であるから、定款において規定してよろしいのではないかという審議の過程でございました。なるほど、団体で選任する以上は内部の関係でございますから、それならば管理委員会のことは定款に規定すればよいだろう、こういうことに考えたわけであります。従って、理事長が指名するといたしましても、内部関係においてはきわめて民主的な手続をとってやればよろしいのだ、こういうふうな考えでそのことを解釈いたしておるわけであります。 それから、役員の兼職禁止の問題でございます。これは、金融機関は、ほかの仕事でももちろんさようでありましょうが、特に組合金融につきましては、その間に立って預金者の取り扱いあるいは貸付を受くる者に対する取り扱い等にきわめて厳正公平な立場をとらなければならぬことでありますから、兼職というのもいろいろありましょうが、いろいろな仕事を兼ねるということは、あらゆる面に適当でなかろうというので、兼職禁止ということをわれわれは考えたわけでありまして、対策委員会でもさような趣旨を出したのであります。ただし、この例外として、必要な場合には主務大臣の承認を経れば兼職を認めてもよいのじゃないかというような考えがありましたのですが、それが審議の途中で削除されたように考えております。しかし、どうも、私の過去の経験から申しますと、県の連合会の会長さんから初めて中金の理事になりましたのは、昭和八年の静岡県の山本謙治君があったことがあるように考えますが、どうも県の連合会長と兼ねていては都合が悪いので、これはおやめになりまして、中金の役員専任になられました。監事の方は兼任の方もございましたが、もう中金の監事になられるようなお方は、当時も県を卒業してしまった非常な古参の方がおなりになりましたので、この問題はございませんでした。長野の深井君とか千葉の方とか数名ございますが、これはもう最長老でございまして、県の連合会はやっておられませんでした。そういう結果はありました。 それから、評議員というものを廃止したことでございますが、これは沿革を申し上げますればよろしいと思うのでありますが、初め評議員というものによって政策を十分審議するような建前でやられたのでございますが、私ども中金に関与しておりましたずっと前のことでありますが、評議員というものを置きますと、農林省で二人局長を出すなら大蔵省でも二人出せ、林野庁長官を入れ蚕糸局長を入れれば、大蔵省のこの局長を出せというようなわけで、おそらくただいまでは政府のお役人が七、八人入っておるのでありまして、民間の人はなかなか……。そして、年に一回ぐらいの会合でございますか、ほとんど会合がございません。それで、お役所の人は、入っておっても、会をやるといえば出てもこないというような場合が多うございまして、この評議員会はあまり実のない、有名無実のように思いますし、現在ではそれが自然かと思いますので、さようなものはなくした方がすっきりすると私は思っておるのであります。 それから、審議委員をきめますときに、これを大臣の承認を受けてということになっております。私は、団体側といたしましては、十分公正な審議委員というものを中金の理事長というような民選による責任者が任命するのでありますから、間違いはないと思っておりますけれども、それも御心配ならば大臣の承認もまあやむを得ないだろう、しかし、御承認にならぬような者は出すことはしないという確信のもとにこういうことを納得いたしておるわけでありまして、これは選任を申請したら必ず承認を受くべきような適格者を出す、こういうふうなつもりであります。 それから、全面的な改正をしたらどうかという問題でございますが、これは、どうも、いろいろやっておりますと、それにひっかかって、肝心の役員の民主化というものができないならば困ると思っておりますので、これはぜひしでかして、それからそれらを中軸として必要な改正があれば改正した方がよいのじゃないかというふうに考えております。なお、審議委員というものができますれば、これらの運用も、外部の意見も加わり得るわけでありますので、よほど適正にいくのじゃないかということを考えております。 それから、その他の系統機関の関係等につきましては、これは機構の問題よりもむしろ運用の問題でございまして、妨害になるような規定は排除しなければいけませんけれども、規定があります範囲内においても、よほど運用の仕方によっては民主的に実行できるものと考えますので、ただいまの分ならば、まず、検討は今後もした方がよろしいのでありますが、この程度の改正でも第一段階としては役に立つのではないか、かように考えております。 〔委員長退席、田口(長)委員長代 理着席〕
○芳賀委員 ただ、先ほど言われた通り、昭和二十七年から今日に至るまで八年間も中金民主化を唱えて、荷見さんが先頭に立ってこられて、この理事長だけを総会で選べばいいという程度のこれで大成功だというふうには、ちょっと私たちには見られないものですから、その点だけをちょっと申し上げておきたいと思います。 次に、簡単に申し上げますが、この近代化資金法と信用基金法は一体をなすものでありますが、この近代化資金の内容についても、とにかく七分五厘の金利の金を中金金融として流すということなんで、これはあまりにも貧弱過ぎるわけなんですね。しかも、政府がこの七分五厘以上の金利分を全額利子補給するというのであればまだ筋は通るわけですが、原則としては国と関係の都道府県が二分の一ずつを負担するということになるが、国が一分、都道府県が一分ということに終わってしまうわけです。この程度のことであれば、単に宣伝だけにすぎないわけですね。だから、この際、根本的には、一体農村における金利水準というものはどのくらいが限度であるかということをやはり十分把握して、それに対して政府が積極的に助長するということでなければいかないと思うのです。われわれは、少なくとも、自創法等のような場合はこれは三分五厘以下でなければいかぬと思いますが、この種の金融については五分五厘以内くらいの金利体系のものでなければいけないんじゃないかと思うわけです。ですから、そういう点に対して政府が非常に消極的な態度を維持しているにすぎないというような点については、やはり痛烈な批判をする必要があると思う。われわれは、こういう点に対してはやはりこのままでは相済まぬというふうに思っておるので、これに対する御意見を伺っておきたい。 それから、基金の問題については、先ほど北海道の高橋参考人が触れられたが、これは社団法人ということになっているわけですね。特に、都道府県地域内に協会を設けるということになって、その会員はその地区内の協同組合関係あるいは地方団体等が主体をなすわけでありますが、そういう場合においてもなお株式会社方式で出資一口について一個の議決権を与えるというようなやり方は、これは全く性格が異なったような方向にこの運営を持っていくと私たちは考えているわけなんです。ですから、これは予算や何かの伴わない点でありますが、やはりこの原則は一人一票ということでいくべきであると思いますが、これに対する御見解を示してもらいたいわけです。 ついでに、自創法の改正案が社会党、自民党からそれぞれ出ておりますが、これは特に今国会で審議中の政府及び社会党が提案した農業基本法と非常に大きな関連があるわけです。社会党の場合には、基本法の中に明らかに国の制度金融というものの確立をうたっておる。農民が国家に蓄積した、たとえば郵便貯金であるとか、あるいは簡易保険であるとか、現在進行中の国民年金の積立金、これらは零細でありますけれども農村から主として蓄積されて国家の資金を形勢しておるわけです。ですから、これらのものが大部分農業発展のために農村に還流されるような機構がすみやかに講ぜられなければならぬわけです。これを原資として農村に対する制度金融を確立するということになれば、そのコストの低い資金を政府が農村に流すことができるわけなんです。ですから、われわれは、こういうものも大きな資金源として根本的な制度金融の改正を講じたいというふうに考えておるわけです。ですから、そういう場合には、当然、この農地制度と関係のある自創法については、今後は少なくとも金利についても三分五厘以下であるとか、年限についても五年据え置きで三十五年以上の期限を付する必要があるとか、あるいは、貸付の限度等についても、現在の経済事情等を考えた場合においては少なくとも百万円程度を貸付の限度と定める必要があるというふうにわれわれは考えておるわけです。そういう趣旨で社会党から自創法の改正案を出したわけですが、これについては、参考までに申し上げますが、基本法の審議の過程において、池田総理大臣も、たとえば二分五厘の金利を考えておるとか、農林大臣の場合には三分五厘の三十年の資金を考えておるとか、そういう発言が国会の中ですでに行なわれておるわけです。そういうことで、われわれは、先般農林漁業金融公庫法の改正をやる場合にも、この際すみやかに自創法の根本改正をやるべきであるということの内容の決議を付して、これは全会一致で議決しておるという経緯もあるわけです。その資金源についてはわれわれはそういうことを考えております。特に、三十五年という根拠等については、その農業経営に責任を持てるという年代がたとえば二十五才とすれば、農村においては五十五才定年といったってなかなかあと老後を安心できる状態ではない。健康であればやはり六十才くらいまでは働くということにやむを得ずなるわけです。そうすると、二十五才から六十才ということになると、三十五年間勤労するということになる。それがいわゆる一時代ですね。その農業者の一時代を三十五年を一区画とすれば、その次はむすこの時代、その次は孫の時代というふうにだんだん世代がかわっていくわけです。ですから、農地制度のもとにおける金融措置というものは、一つの時代を通じて長期的に有利な条件で、そうして農業の安定とか健全化が行なわれることが自創法の本旨でありますからして、当然われわれが提案したくらいのことは政府は率先してやるべきなんです。何もわれわれが出さぬでもいいのですが、そういう熱意がないから、この際社会党が先鞭をつけてこの改正を試みたわけでありまして、こういう点についても率直なる御見解を聞かせておいてもらいたいと思います。
○荷見参考人 第一は、近代化資金の金利の問題であります。これは、私どもは、こういうもののあるなしにかかわらず、さきに足鹿君にお話ししたように、組合金利は低下することに努力しなければならぬと思っております。そこで、国と県で、総体で二分ですか、これの補助をいたしまして、少なくも七分五厘以下にしようというような関係でありますが、われわれといたしましては、それらの事項等見合わせまして、これが七分五厘金利を七分にも六分五厘にもするように努力しなければならぬ、いわゆる急速に要望される近代化資金というものの需要に適合するような金利にしなければならぬと思っておるのでありまして、政府の補助がよけいであればよけいなほどけっこうでありますけれども、この程度でもありますれば、まず組合内部でも努力をいたしまして、できる限り資金の需要者に対する負担の軽減をするようにがんばらなければならぬと考えております。それが第一点であります。 それから、保証基金の議決権の問題でございますが、これは、組合で参りますれば、確かに組合員内部の相互扶助の問題でございまして、さいぜんも申し上げましたように、これは一人一票主義というものを確実にとるべきだと考えております。ただ、今度の問題がどうも基金協会という財団法人のような関係になっておりまして、その中で、組合関係では一人の持ち株のようなものも大体平均しておるのでありますが、拝見すると、組合のほかに県のような公共団体も多額の出資をするようになっておるために、それらの平等議決権という趣旨がこの分野においては導入されておらぬように思います。それは組合的運営という点から見れば幾分欠けるところがあるように思うのでありますけれども、これが組合でない別の形態になる保証協会という財団的特別法人でありますことと、それに参加しまする出資者が、農業関係者以外の公共団体のような者が大きく介入するということになりますので、かような制度をお考えになったのだと私は想像しております。しかし、その運用につきましては、これは農家を相手とする問題でありますから、あくまでも資本主義的な運用は是認されるべきものでありませんので、たとい議決権が異なるものがあるといたしましても、総体の利益のためにこの表決権というものは行なわれなければならぬ。しかも、信用基金の特別の目的を達するために的確に運用されねばいかぬから、運用の点は十分注意をしてもらわなければいかぬ、形式に堕してはいかぬということを、これは私さきにも申し上げましたが、その通りに考えております。 それから、農業基本法等の成果をあげますために、組合資金の内部還流をはかることが必要でありますことは申すまでもないと思いますが、私は、基本法の精神は精神でわかりますが、その運用に関する各個の制度につきましては、これは基本法の精神に合うような方向になるように各個の制度を認めなければならぬと思っております。そういう場合に、どういう事業をどういうふうにするかというようなことにあわせまして、一つ適切な解決をするように努力いたしたいし、また、そういうような措置を皆様方にもお考えを願いたい、かように考えております。
○田口(長)委員長代理 荷見参考人には病後にもかかわらず本委員会に御出席下さって貴重なる御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。 足鹿委員。
○足鹿委員 楠見さんなり山中さんに伺いたいのですが、農林金融のあり方の問題については、先ほど私どもの気持を申し上げましたので、御所見がありましたらあわせて伺いたいのでありますが、具体的な面で近代化資金法の運営の面から伺いたいと思うのです。 それは、先ほど来、組合金融もようやく基礎が固まって非常に健全な育成を見た、蓄積された資金の量も直当に達するし、また今後の展望もきわめて明るいということで、まことにけっこうであると思いますが、問題は、その蓄積された資金がいかに有効に、先ほど言いましたように農村に還元をされ、農業の振興発展、農民生活の安定に寄与するかという点にあるのではないかと思うのであります。いかように組合が隆盛になりましても、また、資金の蓄積が多くなりましても、それが有用に農民なり農業に活用されてこそのことだ、このことは今さら申し上げるまでもないのでありますが、ややもすれば、平凡できわめて簡単なことが、団体至上主義的な面から失われていく懸念もなしとしない。そういう面から、今回の近代化資金の運営については考えてみたときに、近代化資金の資金源としての三百億はなるほど農協資金が活用される。しかし、それに対する金利補給は国と県が折半で持つ。また、すでに県その他においては数年前からもっと徹底したこの種の資金制度が出発して成果をあげておるところもある。これらを通覧して言えますことは、系統農協が従来できたこれらの資金また今度できる近代化資金というものの上に果たす役割は、ただ単に若干の取り扱い手数をもってその運営に当たる、それに必要な機構改革をやるとか、あるいは人事面について配置を変えるとかいうことを各系統機関では始めておるようでありますが、ただそれだけであっていいのかという点を伺いたいのです。たとえば、農林中金にしましても、全共傘下の各都道府県の連合会にしましても、相当の剰余金が出ておることは私ども存じております。最近その業績が著しくあがって、剰余金もだんだん多額になりつつある。そうした場合に、赤字を出しながら協力せよということは申しませんが、その剰余金の中から、たとえば農協法に基づく教育・情報資金の積み立て制度はちゃんと定款あるいは法に基づきまして一〇%の積み立てをするようになっておるがごとく、農業近代化という現在最大のこの命題に農協が有用な役を果たすためにも、みずからの力においてそれに協力していくためにも、何かその剰余金等の活用について積極的に考える必要があるのではないか。三百億の資金源についてだけ自主性を心配しながらおそるおそるこれに参加をするというのではなくして、もう少し意欲的に積極的に、それらの金利の軽減等について剰余金をもっと活用し、それが成果をあげるような運営を通じてこの近代化資金に協力をしていくかまえはとれないものかどうか。現在、単協の場合、教育・情報活動資金の一〇%の積み立てということは、私はそのこと自体には反対をいたしませんが、それがはたして何ほどの効果をあげておるか、農協あるいは単協その他が行なっておるところの教育・情報活動というものは実にみみっちいものでありまして、ようやく中央機関その他における情報活動等が緒についたのは最近のことであります。ほとんど連合会あるいは末端の単協の場合あるいは業種別の組合の場合におきましては見るべきものはないのが現状ではないかと思う。それも充実していかなければなりませんが、近代化のために、その剰余金等の処分をめぐって、法規その他の規制によらずして農協の自主性の立場からこれに協力し、ただ金利が五分五厘以内であることが望ましいとか安い方がいいというようなことはわかり切ったことでありますが、それをどう達成していくかということにもう一歩も二歩も踏み込んだ系統農協の人々の配慮と努力が望ましいのではないかと思うのです。これは困難なことではなくて、きわめて簡単なことだと思う。赤字のある場合、あるいは赤字発生のおそれのある場合などは、かようなことは願ってもだめなことでありますが、少なくともそれをなし得る組合あるいは団体が現にあるにもかかわらず、ただ剰余金の多きをもって誇り、あるいは資金蓄積の多いことをもってその健全性を謳歌するというだけでは済まされない。日本農業は非常な難関に直面しておるだけに、系統金融機関に携わりあるいは農民資金の蓄積に携わっておられる皆さん方の創意と責任における具体的な考え方をこの際お聞きしたいと思うわけであります。
○楠見参考人 先ほど足鹿さんから三点について御意見の御開陳がございまして、それについて何か意見があったら述べてみろということでございます。それについてただいま近代化資金問題に関連しての御質問でございます。 三点お述べになりましたことのうちで、特に最後の自主性と農協の努力という点に関連して、実は、私先ほど意見を開陳いたしました点において、全く同感の趣旨のことを申し上げたつもりでございます。先ほど申し上げましたことを再び繰り返しませんが、要するに、組合金融自身として、もっと早くから努力をして、今回の政府あるいは県の補助なくしても七分五厘で資金が出せるように努力したかった。それが時期がおくれて、しかもなおそれを達成するのには数年かかるから、時間的に実はこの法律の御厄介になっておるという点はまことに残念であるが、それだけに責任を組合金融は一そう感じて、従って、体質改善その他のことをやらなければならないのじゃないか。御承知のように、現在、組合金融の信用部門におけるだけの原価計算と申しますか、それを調査いたしますると、実は七分五厘でやっていける数字が出るわけであります。ところが、これも全く私よりも足鹿さんが御承知の通り、今日の総合農協は信用部門にずいぶんしわ寄せが来ておる。と同時に、現在の単協の職員はきわめて低ベースというようなことで、非常に苦しんでおる。そこに合併促進の問題が起こり、事業分量を経済的にやっていけるように持ち上げていくとか、そのほかいろいろな問題が起こっておるということを申し上げたのであります。その点は全く同感でございます。 それから、第一の御質問として、組合金融の問題について、今回いろいろの法案が出ているが、実は特に農林金庫法の問題は問題の端緒ではないか、もっと総合的なことがあるはずなんだ、そのことを組合金融対策委員会はどういうふうにやったか、こういうような御質問でございまして、それについて先ほど荷見さんから御答弁があったことでございますが、実は私は別な観点からそういう意見を持っております。 私は荷見さんとは違った意見ではないのでありますが、観点を異にして申しますと、日本の経済事情が変わり、あるいはまた御承知のように農村の事情がだんだん変貌を遂げて参りますから、その中における組合金融の問題というものは、ある意味においては、常にその情勢の変化に即応して考えていかなければならぬという意味から言えば実はエンドレスというふうな見方も成り立つと思うのでありますが、一応昨年来農林中央金庫法の改正が議題になったときに、こういう問題がございました。農林中央金庫の民主化の問題は国会と申しますか政党方面においても必らずしも不賛成ではない、しかし、農林中央金庫の民主化と同時に、あるいは先行して、組合金融についてこういう問題があるじゃないかという問題が若干あげられました。それはどういうことかと申しますと、これも申し上げるまでもなく十分御承知のことで、繰り返すことははなはだ恐縮なんでありますが、一つは、組合金融は資金がずいぶん蓄積された、金がある、金があるにかかわらず、これは先ほど申し上げたことなんでありますが、組合金融は金があるにかかわらず潜在・顕在の資金需要に応じてないじゃないか、けしからぬじゃないか、これが一点。 〔田口(長)委員長代理退席、秋山委 員長代理着席〕 それから、貸出金利が高いではないか、これが二点。それから、第三点に、組合金融は、ずいぶん力がついたといいながら、全国のどこかにいまだに預金の支払い停止だとかあるいはそのほかの預金者の保護に欠けるような事態が起こっておるじゃないか、これは組合金融は力がついたといいながらこういう事態があることはまことに遺憾である、けしからぬじゃないか、これをどうするんだ、こういう問題が第三点。それから、これは組合金融と制度金融あるいは組合金融の中でも信用事業と共済責任準備金の運用の問題との関係でありますが、いわゆる交通整理の問題が一向進んでおらないじゃないか。こういう四点の問題が、実は農林中央金庫の民主化の問題に関連して昨年来国会でもずいぶん問題になったと思いまするし、われわれは前々からこの問題を取り上げてやっております。 そこで、第一点、第二点は、これは、先ほど来申しますように、私個人の立場から申しますと、こういう法律の御厄介になったことはまことに遺憾である、遺憾であるけれども、しかし、曲がりなりにも——これも七分五厘というのはなお高いという御批判があることは承知いたしておりますけれども、曲がりなりにも資金需要に応じ、また金利が七分五厘になるという点で、今申し上げた第一点、第二点については曲がりなりにも何とか格好がついた。ところが、第三の点が実はまだ残っおる。預金者の保護の問題は、私は実は組合金融協会の方にも御協力を願い、われわれとしては本年度真剣に取っ組んで結論を得べき問題として実は考えておるわけなんであります。ということは、結局、組合金融についてはあるいは預金者の秘密が十分守られないとかいろいろの問題がありますが、同時に、組合金融としては、蓄積資本を、預金を今後ますます増加していかなければならないと思いますが、一面組合の信用という点において欠けるところがありはしないか。その点から、たとえば、まあ組合の方に三十万円持っていけば、それ以上は他の金融機関に持っていく、五十万円は組合へ持っていくけれどもそれ以上は持っていかないとか、もちろん最近の証券ブームによる情勢の変化等もございましょうけれども、そういった点が一つの問題点になっている。そこで、組合金融については、末端の農協に預金が参るわけでありますけれども、その預金の保護については、中金、信連、単協、この三者が一体となって、いわゆる組合金融がバックすると申しますか、担保力になると申しますか、そういう点で、安心して組合に持っていってもらいたい、こういうような預金保護の問題を本年はぜひ取り上げていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。その資金と申しますか基金と申しますか、これを、今お述べになった剰余金から見ていくのがいいか、それはもう剰余金でなしに特別の会計的な意味で中金も信連もあるいは単協もこれを一つこしらえていく、こういうような構想をとれないものだろうかということで、実は私どもはそういうことで踏み切りたいと考えて組合金融協会の方も御検討をお願いしておる、こういうような情勢であります。 それから、第四点の交通整理の問題は、これは私は実は思ったことをぶちまけて申しますから、はなはだ失礼なことを申し上げたり、お気にさわるようなことがありましたらいつでも取り消しますし、また、お許しをいただきたいと思いますが、私は、交通整理の問題は一番真剣に実は考えて参ったわけであります。ところが、その交通整理がなかなか実現しない。場合によってはその交通整理が逆行する方向にございます。一体だれが交通整理をそういうふうにしておるのかといえば、これは政府と国会がそういうことをやっておられる。たとえば、畜産なら畜産で、これは非常に大事だ、成長部門として大事だ、これはその通りわかるのでありますが、その場合に、たとえば、これは差しさわりがあるかもわかりませんが、明治だとか森永だとかいうところに対してまで財政資金の公庫の金を融通できるような法律改正をなぜやらなければいけないのだろうか。あるいは、三年や五年で回収できるような遠洋漁業の漁船にまで財政資金を七分五厘でなぜ出さなければいけないのだろうか。一方では、財政資金が足りないと言っておられる。しかも低利の金が必要だと言っておられる。にもかかわらず、今申し上げたようなところまでなぜやらなければいけないのだろうか。それをやっているのはどこがやっているか。政府がやっているし、国会が法律を修正されたりしてやっている。だから、この交通整理の問題はエンドレスの問題だ。われわれが石をせっせと積んでおるのを政府と国会がつぶしておられる。今申し上げたように、もし言い過ぎであれば取り消しますが、従って、交通整理の問題は、これもエンドレスじゃないか。もし国会と政府がそういうふうに頭を切りかえていただければ、交通整理はあすにでもできる。こういうような気持を率直に申し上げて恐縮でございますが、実はそういうようなことでございます。 それから、二番目の問題の、生産活動が中心で、従ってそれは農地が狭小でありあるいは資金が欠乏であるというような問題、これはまた同時に今後の近代化資金の問題にも関連をするわけであります。農地の狭小の問題あるいは資金が欠乏の問題、特に農地の狭小の問題については、自作農の創設維持資金を創設に重点を置かれようとしておったり、あるいは社会党の方でこれを共同経営的な方向に持っていって効率的に能率的にやっていこうということでありますが、その資金の欠乏の点にも関連をするわけでありますが、私どもは、たとえば第一種兼業、第二種兼業の狭小農家については、これは、農業法人なり、会社組織でも、あるいは生産組合でも、あるいはそのほかの農業法人でも、どんな格好でも私はいいと思いますけれども、共同経営的な方向に進んでいくべきではないか。それに対して資金の必要があれば、組合金融としては、これはもちろん農地の取得の問題あるいは土地改良の問題等の長期かつ低利の資金は組合金融としてはなかなか手が回らない。というよりも、その預金コストの関係から言ってなかなか組合金融はむずかしいと思います。従って、これは財政資金でお願いしなければならぬと思いますけれども、このような点はむしろ共同経営の方向に進んでいくべきではないか。そうして、長期・低利の金が必要であれば、先ほど申し上げたように、ほかに出す、われわれから見ておかしいではないかと思うような金は減らして、そっちの方に向けていただくべきではないか。 それから、近代化資金の問題でありますが、私どもは、実は、これは私が申し上げるからあるいは我田引水にお聞きになるかもわかりませんが、どうも、今まで、資金需要に応じていない、あるいは農林中金はどうもけしからぬではないかというようないろいろなことを言われます場合に、これは足鹿さんに申し上げるのは釈迦に説法で恐縮なんでありますけれども、中金の段階と単協の段階とをよく間違えておられる。私たちは、単協から信連へ、信連から中金へというように、その間に荷物を金利という運賃をかけて中金まで持ってきて、そしてまた運賃をかけて信連、単協というふうに持っていくのはおかしいではないか、単協がたとえば八千億、昨年の暮れは御承知のように八千二百億でしたが、その中で三千億が貸付金、五千億が運賃をかけて上に上がっていく、この場合、その運賃をかけずに、その段階で出したらいいではないか、こういうことを言っておるわけであります。そこで、資金需要があるにかかわらず応じていないという場合に、単協の段階と中金の段階とを一般的にはよく混同されております。私どもは、系統内の資金需要に対してはお断わりしたことはない。これは、御承知のように、大体県内の農協は信連がまかなっていく。昔と違いまして今日は自まかないできない信連というものは全国で二つか三つでありまして、大部分は自まかないがやっていける。そこで余裕ができると、中金に持ってきたり、あるいは有価証券にしたり、コールにお出しになったり、信連の段階ではやっておられる。そこで、われわれとしては、信連なりあるいは水産なり漁業の系統内の資金需要に対してはお断わりしたことはございません。むしろ、去年はおととしよりも系統の貸し出しが減ったといって、これは大へんだ、系統貸し出しの伸長だ伸長だと、こう言い、今年は幸いに去年に比べて系統内の貸し出しが百億以上もふえた。これはわれわれの努力の結果こうなったといって、むしろ喜びこそすれ、系統貸し出しの減ることはわれわれとしても非常に残念だと思っておるくらいなんです。従って、中金の段階と単協の段階とをよく混同といいますか間違っておられる。これは意識的に故意に間違って農林中金を攻撃する意味で言われておる方は別でありますが、誤解というか、知らずにそういうことを言われる方には、こういう機会に国会を通じてよく申し上げておきたいと実は思っておるわけであります。そこで、近代化資金というものは、単協でそういうように八千億という金があるのだから、それをどんどんと出してもらいたい、そしてこれが足りないところは信連で出してもらいたい、信連で足りないところは中金で出しましょう、こういうような行き方であります。 そこで、最後にお述べになりました剰余金の問題ですが、私どもも剰余金の多いことは喜んではおります。喜んではおりますけれども、その半分に近いものは、結局、事業分量の配当という格好で、預金に対する配当、それから貸付金に対する配当、これをやっております。今日、系統貸し出しのコストというものは、系統からの預かる預金のコストと比較しますと、預金のコストと貸し出しのコストはとんとんに実はなっている。利ざやはどうしておるかというと、今の資本金の稼働だとか、あるいはほかの関連産業だとか、そういうところで得た金でコストをまかなっておる。系統が実はコストからいくととんとんになっておる。それでも政府の方はこれは貸し出し金利を下げろ下げろと言っておられる。われわれもその趣旨にはできるだけ沿いたいと実は努力しておる。しかし、特配分は、とんとんの場合にはそれよりもその分だけは下になる。貸し出し金利のコストの特配は、ことしも実は去年に比べて若干上げたのでありますが、そういうことをやっておりますが、これはなお続けていきたいと思いますけれども、剰余金の問題は、先ほど申し上げた預金者保護の問題なり、あるいは貸し出し金利の結果においての引き下げの問題なり、あるいは別のことをいろいろと御示唆に基づいて努力して参りたい、かように考えております。
○山中参考人 ただいま御質問があったようでございますが、資金の積極的な貸付をするか、消極的な態度かというようなお話でございまして、このことについていずれ鈴木さんの方からもお話があろうと存じますが、共済事業の資金として一応御説明を申し上げておきたいと存じます。 共済事業は、御承知の通り、広く農家に指導といいますか勧誘いたしますときに、その給付として共済の将来の資金というものについての魅力が持たしてあるわけです。従いまして、その資金の運用が将来の農民に何か貢献せねばならぬという一つのものがあるわけなんです。従って、私どもが今までやっておりますることは、その地方の農民の状態によって、一歩でも農業生産を増加し、また農家の経済に寄与し、また文化の向上にプラスになる資金であるならば、積極的に低利に長期に出さねばならないということを考えて指導しておるのでございまして、一例を申し上げますると、広島県の尾道に日本一の民間の病院があります。これには共済資金が一億数千万円投資されまして、これは窓口を一本化して信連を通じて出ておりますけれども、共済資金が一億数千万円でありまして、その利息は多分六分三厘くらいと思っております。そういう資金がその地方全体の保健の問題に貢献しておるという事実もあり、また、その他、果樹地帯であるとか、あるいは土地の改良の問題であるとかいうような方面にも積極的に出されておるのでございまするし、また、建物更新共済のような蓄積されました資金については、これは全国的にわら屋根のかわらぶき改造資金に多く出ておりまして、これらの問題については県が利子補給しておるという実態でございます。その他各般にわたって、今楠見さんのおっしゃいました通り、共同施設に対する資金はこの資金をもってできるだけ出したいというような考え方をもちまして、県々の情勢に即応いたしまして積極的な構想を立てながら進んでおることをここで申し上げて、御了解を得ておきたいと存じます。
○足鹿委員 まだ他に御質疑の方がありますので、一問だけお尋ねを申し上げて終わりたいと思うのであります。 先ほどの楠見さんのお話の中に出てきましたが、資金需要の問題は、今度の近代化資金の窓口の問題との関係において、今後の運用上非常に大きな問題が残ると思います。従来の実情から見まして、資金需要が今度の近代化資金の場合にはたしてどの程度まであるのか、三百億で足りるのか足りないのか。地方を回ってみますと、非常な前人気のところもありますし、一皮むいてみますと、農協の組合長さん方は、重たい荷物を背負わされるからなるべくそっとしておいてくれという気分のところもあるようです。そういった点で、一方金融業者の方には、窓口を農協のみに限定せずして金融業者の方にもあけるべきであるといった動きもあることは御存じの通りであります。これに対しては、もちろん本委員会の審議を通じていろいろな点も明らかになり、対策も出てくると思いますが、私どもやはり系統金融中心でいくべき筋のものだとは思っておりますが、少なくともそういう動きのあるということは見のがすことはできないと思うのであります。なぜそういう声が出てくるかというところに、系統金融としても今度近代化資金の窓口の事務をとる者としては真剣に考えてみなければならぬ点があるのではないかと思うわけであります。従って、今のところでは、一応資金需要は三百億をもってはまかない切れないのではないかというような前人気はありますが、これを受け付けて実際に融資をやってみないと、はたして資金需要があるのかないのか、また、あっても実際の貸し出しがどの程度まで満たされるのかわからぬと思うわけでありますが、問題は、私ども非常に案じますことは、窓口になる単協の責任が重くなる、従って、十年の長期の近代化資金に対する責任を負わねばならぬ、回収の責任その他運営上の責任も負わねばならぬ、すると、理事の任期は御存じのように三年にすぎない、にもかかわらず十年間の長い責任を負わされるということは耐えられないというきわめて素朴な気持から、むしろ、一般の農民の資金需要は相当あっても、窓口で押えられる傾向が出てきはしないか。これは地方を歩いてみた現実の実感であり、その声から申し上げるのでありますが、系統金融の中心に立たれる楠見さんとしましても、十分こういう点については御認識があろうかと思いますが、資金需要のあるなしという点がいつも問題になる。政府当局は、三百億で十分でしょう、こちらの方では、いや、足らないだろう、こう言いましても、いざふたをあけてみたところが意外に少なかったという場合に、その少ない原因がどこにあるかということは政府はあまり関知しないで、資金需要がないからということで、これに対するところの対策をややもすれば免れようとするのが現実の姿になりはしないかと思うのであります。問題は、資金需要はないどころか非常に大きいものがある。ただ、それを満たしていくための諸条件がその資金を申し込む立場の者に整っておらない、また、整っておってもできる限り窓口で押えられる、そういったものが相累積して、資金需要の面にはきわめて微妙な形となって現われてくると思うのでありますが、この点について、新しく近代化資金の窓口になる単協に対する金融上の心がまえ、この資金運用上の心がまえなり、これに対する指導対策いかんということ。 なお、これに関連しまして、農協の金融を担当しておられる楠見さんなりその他の方に伺いたいのでありますが、農協自体が短期金融なり相当の中期資金を今でも出し得るのです。ところが、財務基準令が非常にきびしいものがございまして、一戸に五万とか六万とかいうことで、それは出資金の額と見合うということになっておりますから、あながちそれが一律とは申しませんが、きわめて僅少なものであります。財務基準令からいきますならば、五、六万という程度が私どもの地方では大体通常になっております。ところが、総会等を開きますと、きょう日の物価なりあるいは世間の情勢に照らして考えてみて、一体農協の個人貸し出しの限度あるいは団体貸し出しの限度はあまりにも実情に離れておりはしないかというので組合員から非常なしかりを受けるのですけれども、財務基準令に著しく反するようなことはできません。従って、これまた資金需要があってもその財務基準令の関係上押えざるを得ない。しかも、そういう零細な金融を求めておる者はいわゆる金融ベースではよそでは借りることのできない人で、そういうようにほんとうに困った諸君があるにもかかわらず、そこまで手が伸びない。農協自体の従来の金融の面から見ましても、こういう矛盾が明らかに露呈しておる。むしろ、これらの矛盾に対しては、農協みずからが立ち上がって、そして政府の財務基準令という一つの桎梏を中心に制度全般の是正に向かって踏み切っていかなければならぬと思うのです。今度の近代化資金だけでは目的は達成できないと私は思う。農協本来のいわゆる資金の融通の問題にもっと手を入れて、そうしてこれに対するところの改善を実現しない限り、そして両々相待ってやらない限り、この問題は私は解決がつかないと思っておるわけでありますが、そういった点で、いわゆる農協みずからが、みずからの責任において現段階における日本農業の資金に対してどうこたえるかという点についてきわめて熱意が足らない感のあることを私は遺憾に思うものでありますが、その点、財務基準令等をめぐる農協本来の金融の問題をこのたびの近代化資金の運営と相待ってどのように今後改善を求め、指導していかれる御所存であるかということを伺いたい。 それから、先ほどの山中さんのお話で実例を承りました。私どももそういった実例は数多く聞いておりまして、そういう実例はけっこうでありますが、この農業の近代化という最大の使命を与えられた際にあって、農協の一つの取り組み方として私はお尋ねを申し上げておるわけなんです。私は剰余金という一つの事例を教育・情報・宣伝費の積み立ての例から申し上げたわけでありますが、楠見さんは、それもよかろう、しかし、別にお互いが出資を出し合って一つのものを作り上げて、それをもって近代化に踏み切っていくことも考えられるということで、いずれでもけっこうでありますが、そういったことに対して、先ほど荷見会長に農林金融のあり方、その構想の一端をというお尋ねをしましたが、御老体でもありますし、御病気でもあるそうでありましたので、あれ以上御質問申し上げることをこちらで遠慮いたしましたが、少なくとも、私が伺いたいのは、今述べたような点を新しくどう対処されるかということ等が聞きたかったのであります。そういった点についても、この際まとまった方針がありますならば承りたいし、また、近き将来においてそれらに対しても系統農協がすべての力を結集してこれに対処される御用意があるかどうか、これらの点をお伺い申し上げておきたいと思います。
○荷見参考人 近代化資金の問題に関して、資金需要あるいは窓口の点等についての御質問でございます。 その前に、余談でございますけれども、若干お触れになりました役員の任期の問題、あるいは財務処理基準令の問題、これは、先ほど来申し上げておりまする組合金融対策委員会でも実は論議に上りまして、農協の役員は現在三年が一番長いんですが、これは延長すべきじゃないか、少なくとも四年にすべきではないかというようなことを実は政府の方にも答申をしておるわけでございます。それから、財務処理基準令の方も、これはきわめて簡単にして、支払い準備の点と余裕金の運用の点だけに一つしぼってやってもらいたい、こういうことを実は政府の方にもこの組合金融対策委員会としては陳情申し上げておるような次第でございます。 それから、本論から離れた方からだんだんに申し上げますが、他の金融機関の点は、これは地方銀行等がいろいろとやっておられる。これは、近代化資金の問題だけに限らず、こういうものを通じて、あるいは米の代金の問題なりそのほかの問題なり、いろいろと影響するところが大きいわけでございまして、従って、私どもは、この窓口はあくまで系統でいくべきであるということを実はお願いもし、また、申し上げておるようなわけであります。 最後に、資金需要の点でありますが、これは足鹿さんは私どもよりもっと全国をかけ回っておられますのでよく御承知だと思うのでありますけれども、私は、この資金需要は相当あると思っておる。ただ、本年はあるいは趣旨の徹底が十分でないとかあるいは年度の途中であるとかいうようなことがあろうかとも思いますまれども、これは、その趣旨が末端にまで行き渡れば資金需要は相当あるのではないか、こういうふうに観察をしております。ただ、現実に資金需要があるにもかかわらず、先ほど参考人として冒頭に申し上げましたように、この資金需要に応ずるような政府の運営が行なわれずに、ただ画一的に、この県は大きいんだから、この県は小さいんだからというようなことで予算の割当のような行き方をすれば、ある県は余り、ある県は非常に資金需要があるにかかわらずそれがマッチしないというようなことがある。運用の面において十分に考慮してもらいたいということを希望申し上げましたのは実はそういう意味であります。同時に、これはきわめて皮肉な言い方を申し上げますと、従来農村にはどうも制度金融にたよる弊があるのではないか。俗な言葉で言えば、親方日の丸の金なら幾らでも借りたい。そういう皮肉な見方をすると、この資金需要というものはますます多いのではないか。それは、金利は安い、協会の保証はある、そこで、その単協の当事者としては、自分の責任というよりは、これは制度金融である、親方日の丸の金である、だから、出してもその責任は軽い。これは全国でもきわめて少ない例であろうと思いますまれども、単協は、その金があるにかかわらず、これを近代化資金として貸すにはあまり熱心でない。直接単協は県の信連に金を預ける、信連からこの資金を流してもらう、そんなら幾らでも資金需要がある。こういう事例が、きわめて少ない事例でありますけれども、全国の中にはそういう県があるわけなんです。それで、今皮肉な言い方を申しますが、親方日の丸の制度金融の金なら幾らでも資金需要がある。そういう感覚が農村にはまだ相当にあるんじゃないか。そういう意味の資金需要が非常に多いという結論はまことに残念でありますけれども、実は、私は、皮肉な見方をしまして、これに対する資金需要は相当あるんじゃないか。初年度は若干少なくても、後年度は相当あるのではないか、こういう見方を実はしております。 それから、最後にお述べになりました点は先ほどちょっと触れたわけなんですが、組合金融としては、これはひとり中金だけ、あるいは信連だけ、単協だけというわけに参らずに、全体が一本になってこの問題を考えなければいかぬと思いますから、私は構想としては預金者保護だけの問題について若干申し上げましたが、そのほかの問題についてもなおよく検討してみたいと思っております。 なお、鈴木さんは信連の会長さんで、実際のことをよく御存じですから、鈴木さんからもお答え願うことにいたします。
○鈴木参考人 大へんよく御存じの方に私が申し上げるのもどうかと思いますが、よく農協が金を出さない出さないとおっしゃる。そのことについて、少々弁解がましいかも存じませんが、私たち農協が設立されました当時におきましては、実は、御承知の通り、農協には金はごくわずかしかなかった。そういった時代に、また同時に、国をあげて貯蓄増強ということでここ十数年はずっとやってきまして、農協もそれと呼応しまして農民の貯蓄の増強ということに力を注いできたのです。また、われわれ考えまして、今までのような農民の経営の規模、五反百姓の程度で、もしこれに借金をさせたら、これはもう借金地獄に陥らせる以外の何ものでもなかったということはよく御承知の通りでありまして、従って、まず貯金をして、そしてその貯金から必要な資金を得るというような形をとらしたということは、これはいなめない事実であります。と同時に、貸付が非常に小さかったことも、農協の資金がごく少なかったために、まず必要な再生産の肥料資金程度にとどめておこうじゃないかということからして、貸付限度もごく少額に規定をされたと思うのであります。しかし、今日いわゆる近代式のもうかる農業が営まれるようになりましてから、今までの農協とは経営を変えなければならぬということが全国的に今考えられると同時に、これが実行に移されていることであります。北海道のようにすでに大規模になったところは別でありますが、全国的に本州においては大体において小規模でありましたのが、最近は、乳牛を飼うにしましても、豚を飼うにしましても、また鶏を飼うにしましても、私の県のごときは鶏も十五万羽養鶏、豚をやるにしましても百頭、二百頭とすでにやっております。牛も二十頭、三十頭の牛飼いが出てきております。これらがはたしてすぐもうかるようになるかどうか知りませんが、しかし、非常に資金需要は旺盛になっております。従って、これに即応するには、農協も今までのような三百人、五百人の程度でやっておりました小規模の農協ではすでに仕事ができかねまして、津久井郡のごときは、郡全体の十一農協が一丸となって、これは一つ一つではほとんどものの数にならないほどの零細な力の弱い農協でありましたが、郡一円となりますと、相当の規模の農協になりまして、今ではかなり農民の需要にこたえ得るような農協になっております。それで、農協の規模についても、今日私の方の県では、できるだけ大規模の経営体に直そうということで、着々、論議され、進められておりますが、ただ、それについては、今までのように隣保共助とか相互扶助というような精神はちょっと薄らぐのではないかという懸念はありますが、しかし、農協として新しい農民の意欲にこたえ得るような形をぜひとって参りたい、こういうふうに考えておりますので、どうぞ一つ、そういった点については、今後とも先生方のいろいろ御指導、御援助によりまして、農協本来の使命が果たし得るように御勘考願いたいと思います。
○秋山委員長代理 中澤茂一君。
○中澤委員 この近代化資金法案について皆さんの御意見を聞いておると、私は何だか漫画を頭の中で想像した。片方で非常に飢えておる農民に米の倉庫の番をさしておいて、お前は幾ら飢えて餓死してもこの米は食っちゃいかぬということで、そこには約一兆近い金が中金と信連にある。片方わずか一億八千万円の利子補給をお願いすれば、ありがたやありがたや。農林金融が行き詰まって、片方ではわずか一億八千万のはした金でありがたやありがたやでは、これはもう問題が少し時点がずれているのじゃないか。むしろ、この際、第一次産業である農業構造であるからには、これは政府自体が農業金利をどうするかということは考えなければならぬ。そういう意味においては、私は、この法案というものははたして将来どうなるかはわからぬが、口火をつけたというか、つばをつけた程度のものであると考えております。そこで、むしろ私は、さっき足鹿さんも言ったように、やはり、農協自体として、農林金融をどうするのだということをもっと真剣に深刻に考えてもらわねばいかぬ。かつて河野農林大臣のときに、高金利はどうしても三段階制に問題があるのだということに着目されて、御承知のように二段階制理論を出して、猛反撃を食って、さすが剛腹な河野さんも一本取られた。こういう例もあるわけですが、今鈴木さんが津久井郡の例をとられて大農協について言われた。私はそれについて一つの考え方を持っておるのですが、少なくとも、各単協の協業化と申しますか、金融に関する限りはもっと大規模なものにしていったらどうか。金融協業化と申しますか、これは金融協同化と申しますか、金融部門だけは単協と切り離して、一郡一本にするような体制にして、そうして何か制度的にそこに二段階方式に近づけて、コスト低下をみずからやはり農協がはからなければならぬ、こういうことを私はいつも考えている。そういう考え方の上に立って、現在、このまま放任しておけば問題になると思うのは、信連と共済資金の問題が県連によると相当問題になっておるところがある。そこで、今まで農林中金というものの存在も非常に莫大なものでしたが、さっき楠見さんの言ったように、自まかない体制が各県でみなできちゃった。そうすると、一体農林中金というものの存在は今度はどういうものにならなければならぬか、ここにも私は解決しなければならぬ問題点が出てくる。そうすると、共済の資金というものを今度はどういう形で信連と一本化する体制をとらなければならぬか、これも私は基本的な問題だと思う。そういうふうにいろいろ問題を実は考えておるのですが、私の党といたしましては、農林金融が全くこれではだめだ、この際、党としても、本年度は特別委員会を作って、休会中も、非常に御経験の深い方から、特に楠見先生は長く議員もやっておられて政治的な情勢判断もよく御存じですから、御意見を承って、来年の通常国会までには何とかして農林金融体系をどういう形でこれを方向づけていくかということはやらなければならぬということで、このごろ実は政策審議会全体会議で特別委員会設置を決定したわけです。また御意見はいろいろそのときこまかに承りたいと思うのですが、その間、今のうちに何か農協自体が話し合いの中で話を進めていかぬと、私はこれはまた大きな禍根を残すと思う。そういう点について、今ここでみな責任者の皆さんですから軽々な御発言はできないと思いますが、今私の申したような方向に行く以外方法はないと考えているのですが、心がまえだけ、そういう方向に行くことがいいのか悪いのかということを一言だけお聞きしたいと思います。
○楠見参考人 お答えする前に、中澤さんもちょっと皮肉な言い方をされたのですが、誤解があるのです。中金と信連でああして一兆円の金があるというお話ですが、ところが、もとの単協が八千億で、そのうちの四千億が信連に行って、その四千億の半分の二千億が中金に来ている。だから、八千億の半分が信連、半分が中金、こう来ているので中金と信連で一兆円あるということは、先ほど申し上げたような中金段階と単協段階の錯覚から出る原因で、よく知っておられながらそういう皮肉なことをおっしゃるから、その点は申し上げておきます。 それで、今の点は私どもも実はよく検討したいと思いまするし、農林金融の問題は、さっき申し上げたように、見方によっては非常にエンドレスな問題であると同時に、きわめて大きな問題でありますから、党の方でも十分御検討いただきたいし、私どもも、経験から来た知識は惜みなく吸収していただいて、いい案を作っていただきたいと思います。ただ、この前の河野さんのときもそうでありましたが、単協の段階で信用事業を分離するという事業はきわめて大きな問題で、この問題には私どもは実は消極的な態度をとっておるわけでございます。それから、お述べになりました共済責任準備金と信用事業の問題は、私は率直に申しますが、解決がおくれればおくれるほど禍根が大きくなって、将来解決が困難になるのではないか。そこで、たとえば中澤さんのお国の長野県のように運用委員会できわめてうまくいっておられるところがあるかと思うと、全く今日の制度金融と組合金融以上の摩擦があるところがございます。特に、責任準備金は、本来長期・低利の資金を農村に確保するということが目的でああいう制度ができたわけでありますが、このできた趣旨から逸脱して、実は法人自己主義と申しますか、逸脱した方向に向かっておる県が若干ございます。私は、これは、今申し上げたように、解決がおくれればおくれるほど禍根を残すのではないかということを実は申し上げておるわけなんです。一つの例でありますけれども、たとえば、これは近代化資金に当たるようなものでありますけれども、共同利用施設というものは、公庫が七分五厘で出しておられた。それで、これは私どものことを申し上げて恐縮なんですが、農林中金の現在信連からの預金は、一年定期で、それに奨励金とか特配とかいろいろなものを加えますと、利子は最高八分三厘になっております。それを交通整理をやるのには、逆ざやでも踏み切るべきではないかというので、全国連の、たとえば全購連の飼料工場であるとか、あるいは全販連が畜産の施設をやるとか、あるいはそのほかの新聞連が印刷工場をどうするとか、全国連に対しては、これは中金が七分五厘で出して交通整理をしましょうということで、実は昨年の三月からそういう線に踏み切ったわけなんです。同時に、全国の段階は中金はそういう逆ざやでも踏み切ったのだから、県の段階は、信連なり共済連で踏み切ってもらいたい、特に、共済連関係は、今申し上げたように、長期・低利の資金を農村に還元するということはできるようになったのだから、信連の窓口を通じて信用事業と共済責任準備金の一元化をして、これは組合金融対策委員会でもそういうことをきめまして、そしてその資金は七分五厘、その金は決して無理な資金ではないのだから、県段階はその金でまかなってもらいたい、こういうことで、全国連はいかように資金需要があろうとわれわれは出しましょうというので実は踏み切って去年から進めておるわけです。ただ、窓口一元化がまだできない。その結果、七分五厘でそこへ回すよりは有価証券その他で回した方が有利だという県も、きわめて少ないのでありますけれども、一、二あって、それはできない。これは政府や国会で御厄介になる問題でなく、組合内部でわれわれがみずから努力すべき点があるのではないか、そういう努力を怠って近代化資金に補助金をよけいくれとかいうことはおかしいじゃないかということを、私は声を大にして申し上げておるのであります。
○中澤委員 高橋さんに自創資金の関係でお尋ねいたしますが、今回出されたのは、与党の内部の農政関係の議員の皆さんの御協力で、議員提案で三年が五年に、二十年が二十五年になる。高橋さんの御意見はそうありがたやありがたやでもなかったようでありますが、農業基本法のとき、総理大臣も農林大臣もはっきり答弁をしている。農林金融というものは三分五厘で三十年くらいでなければだめだと言っておる。周東さんは自創の三分五厘・三十年構想というものを昨日の日経で発表になっておるから、来年の予算措置はそういう方向でとられると思うのですが、一体、高橋さんの方で、先ほど負債整理の問題を聞きましたが、私は北海道だけの問題でないと思う。内地も平均して約七万円の農家負債がある。この固定負債を絶対的にどう整理するかということが、北海道だけでなく、私は問題である。今度の自創資金の場合も、どういういきさつか知らぬが、北海道だけが特別待遇というような変な形のようですが、その点については高橋さんの御意見ではそうありがたやありがたやでなかったのですが、少なくとも農林金融というものはわれわれ社会党が提案している線くらいまでは行かなくてはならぬ。われわれは、どうしてもそこまで持っていかなければならぬ、こういう確信を持って提案しているわけですが、その点について高橋さんの御意見を聞きたいことが一つ。 それから、いま一つ伺っておきたいことは、共済の資金問題でありますが、さっき山中さんの方から御説明がありましたが、私は、少なくとも共済の資金というものが一番低コストであるから、共済の資金の即時還元というものが絶対に必要であると思う。それについては、今度の資金量三百億の中らか少なくとも共済資金を二百億くらいこの中につぎ込むべきではないか、そうして、その二分の補給以外に、県によれば五分五厘にしようという動きをしている県もありますし、あるいは六分まで下げよう、県の利子補給を上げようというところもありますが、農民の資金を農民に還元するということは、一番低コストの共済資金をまずみずから第一に推すべきではないか、こういう考えを持っておりますが、その点について山中さんから御意見を聞いて、私の質問を終わります。
○高橋参考人 私、先ほど申し上げたことについて、特に北海道の事情が御承知のようなことでございますので、その点自説を申し上げたわけでございますが、全国的に整理しなければならない方々が多数おると思いますので、私は、やはり全国的に取り上げてもらわなければならぬ、こういうように考えております。ただし、北海道の場合、現段階においては、非常な苦しい状態にありますものですから、特に申し上げたような次第でございまして、申し上げるまでもなく、何十万という借金をかかえ、中には百万以上というのがあるわけでございまして、この人のいわゆる現在の負債をどのように処置をするかといいますれば、何と申しましても、長期・低利で一応これをたな上げの形にしておいて、これからの営農は確実に一応計画的に進め得るような、状態にしないと、その負債のために、いかに計画を進めても負債でつぶされてしまう、こういうことでございますので、やはりこれは長期・低利の資金に置きかえてしまう。そうして、これからの関係については、農協は言うまでもなく、村をあげて、これは経営規模の問題等も今後十分考えられますけれども、その人の営農などをよく指導し、協力して、そうして軌道に乗せる、そういうことでいかなければならぬと思いますので、農林大臣が言われておることは私は必ず今後実現していただきたいというふうに願うわけでございますし、議員諸公においても、そのことの実現に一そうの努力をしていただきたい、かように実は考えておるわけでございます。それで、この法案の説明の中にも、これは三十六年度限りだぞ、今後はさらに根本的な処置を考えての前提だ、こう言われておるようでございますから、私は実はここに大きな希望を持っておるわけでございまして、現時点においては何とも方法のない時期になっておると思いますが、このことを将来一つまじめに取り上げていただきたい、こういうふうに実は念願しておるものでございます。 それから、山中さんが今の共済資金の問題で申し上げますでしょうが、北海道はこのいわゆる負債整理あるいは営農資金、営農改善、こういうような関係について、五百億以上のいわゆる共済準備金を持っておるわけです。このことはなぜかというと、北海道は、あくまでもこの共済は農村に還元される金だ、こういうような低利な金で農村に還元されるのだということを前提として猛運動をしておるわけです。ある組合のごときは十二億あまりの共済準備金を持っておるところもあるわけでありまして、ことに、このたびの体質改善の問題についてもやがて結論が出ますが、信連と共済は、看板は二枚で一本だ、こういうふうにして、いわゆる金融措置をこの中でほんとうに正常に乗せたいというような結論が、今北海道の場合には出るわけです。そのことと密接不離な関係において、運用をより以上効果を高めていきたいというふうに考えて進めておる現状でございますので、申し上げる次第でございます。
○山中参考人 中澤さんにお答えいたしますが、その御趣旨は私は賛成です。ただ、資金量の問題が、二百億でいいのか、三百億でいいのか、五百億でいいのか、あるいは百億でいいのか、これは、経営者としての考え方、それから、全共が持っておるわけでありませんので、やはり県の段階の連合会が貯蓄面を持っておる関係にありますから、県々のいろいろ資金運用の実態も把握せねばならぬことでありますので、資金量については、今二百億という線を私一存で承知しましたということを言えない立場ですが、ただ、その方針としては、私はけっこうだろうと思っております。
○秋山委員長代理 芳賀貢君。
○芳賀委員 法案の審議上参考になる点だけをお尋ねしておきます。 まず、中金の関係で楠見理事長にお尋ねしますが、現在の出資者の数と会員総数、それから、第二点は、資本金の構成状態がおおよそどうなっているかということ、政府の出資と会員出資の内訳ですね。それから、会員からの預かり金あるいは会員に対する貸出金の運用状態、これは大まかな数字でいいです。それから、余裕金の運用で、特に会員外に対する貸し出しは現在どういうような程度になっているかという点と、それから、なおお尋ねしておきたい点は、今度の近代化資金法によると、金融機関というものは、中金、信連、単協、それから共済事業を行なう協同組合並びに連合会ということになっておるのですが、このそれぞれの段階における資金のコストが必ずしも均一でないと思うのですね。そういう現段階における資金コストというものは、これは地域とか府県の組合の経営力の強弱によっても違うと思いますが、大体その中庸をとったところでどういうようなことになっておるかという点であります。 それから、山中参考人にお尋ねしたいのは、先ほどもお述べになりましたが、現在の時点で、共済事業を行なっておる全国の単位組合のこの共済事業の積み立てがどの程度の額になっておるか、それから、全共連等の関係は先ほどお述べになりましたが、府県の連合会等の各段階における積立金がどの程度の金額になっておるか、また、その運営状態というものについてもう少し具体的な内容を示していただきたいと思うわけなんであります。 その点をまずお二人にお尋ねいたします。
○楠見参考人 第一の出資者数でございますが、現在二万三千八百十でございます。それで、お尋ねではございませんでしたけれども、その内訳のうちで大きなものだけを申し上げますと、農業協同組合及び同連合会が一万二千九百二十二、それから、森林組合及び同連合会が四千百七十九、漁業協同組合及び同連合会が三千九十四、それから、土地改良区及び同連合が二千九十七、農業共済組合及び同連合会が千八十八、千以上の大きなものは以上五つでございまして、あとは小さいもの、たとえば漁業生産組合ですとか、あるいは水産加工業協同組合ですとか、蚕糸業、林業または塩業に関する中小企業協同組合、こういった小さいものでございます。 それから、資本金でございますが、今日は十六億でございます。これは全部民間だけでございまして、政府の出資は、たしか昨年の五月でございましたか、全部お返しいたしました。これは普通の出資と違いまして、二十六年でございましたか、金融機関再建整備法で旧資本金は全部ゼロになりまして、新たに二十四年から再出発しまして、そうして、二十六年でございましたか、優先出資というものが二十億出まして、これは毎年その剰余金かあるいは増資してその金で返していくということになりまして、年々返して、実は計画は三十九年度に全部返す計画でございましたが、昨年完済をいたしまして、今日は民間資本だけ、こういうことになっております。 それから、預金と、系統及び系統外の貸し出しの状況でございますが、一番新しいのを申し上げればいいのでありますが、その数字を持ってきておりませんで、この三十六年三月末現在の数字で、約二カ月ほど古い数字で恐縮でございますけれども、預金は、三十六年三月末日で二千六十三億でございます。これと、発行債券、つまり農林債券、これには御承知のように利付債券と割引債券がございますが、この債券が五百十九億でございます。金庫の資金源としましては、この預金と、発行債券と、それから資本金の今申し上げました十六億、そのほか、貸し倒れ準備金だとか、あるいは特別準備金だとか、いろいろな準備金がございます。これは大体百億程度ございます。この預金と債券と、それからこの資本金そのほかの準備金、引当金、いわゆる自己資本と称しておりますが、これが資金源になって貸し出しをしておるわけであります。 そこで、貸し出しの状況は系統貸し出しと、それから系統外の貸し出しに分けまして、同じく三十六年の三月末でございますが、系統貸し出しは五百八十九億でございます。先ほど去年よりもふえて非常に喜んでいるということを申し上げたのは、昨年の三月末は四百五十八億でございました。これはついでに申し上げますが、その前の三十四年の三月は五百二十六億であります。二十八年の災害のときに、御承知のように三百億以上の金が出たのですが、それが年々の豊作その他でだんだんと返って参りまして、系統貸し出しは、単協が力がついてくる、信連が力がついてくる、災害の貸し出しが減ってくるということで、系統貸し出しが実はだんだんと減ってきておったのですが、それがことしは去年に比べて百三十億ほどふえて、実は喜んでおるわけですが、系統貸し出しが五百八十九億。それから、系統外のいわゆる関連産業への貸し出し、これが千五十九億ございます。これのうちで農業関係が七百九十五億なんです。ついででありますから、御質問ございませんでしたけれども、御参考までに申し上げますと、農業関係では肥料が一番多いのでありますが、肥料メーカーが三百六億、それから、農機具等の農業用資材が百四十七億、アルコールあるいは酒、これが七十四億、澱粉、製粉、製飴、これが三十五億、農産加工が七十九億、繊維関係が二十八億、青果が五億、畜産が百十五億、その他が六億、こういうような数字になっております。実は、これは系統外とは申しますけれども、私どもは、関連産業に貸し出すことは、組合活動の方の販売・購買事業がうまくいく、あるいは現在販売・購買事業と密接な関係がある、あるいは将来密接な関係に立ち得るというようなものを優先的に取り上げて、関連産業の育成というものを実は重視しておりまして、外部からは、また法律的には系統外運用余裕金という格好になっておりますが、気持といたしましては、もちろん第一順位は系統でありますけれども、それに準じたような関心を持って実は関連産業に対して貸し出しております。それから、乙短と申しまして、短期貸し出しで、インターバンクの貸し出しでありますが、これが四百九十二億、それから、コール・ローンが九十三億、こういうような数字になっております。昨年と比較してみて、この系統外の関連産業、それから乙短、ローン、この三つの動きを見ますと、関連産業に対する貸し出しが約三百億ほどふえております。そのかわりに、インターバンクが約百二十億ほど減って、それからコール・ローンが百十五億ほど減っております。結局、インターバンクとコール・ローンが減り、関連産業がふえておる、こういうような格好になっております。 それから、最後の御質問の、各地区のあれでございますが、大体中金の段階は先ほど申し上げましたような数字でありますが、信連の方は、一年定期において大体七分から七分五厘の間、鈴木さんのお話では、一年定期は六分五厘に五、六厘の奨励金が加わって七分から七分一厘、こういうような数字だというお話でございます。
○山中参考人 ただいま御質問のありましたことにお答え申し上げます。 農協の共済組合責任準備金の額は、先ほど申し上げました通り、大体県連と全共と合わせまして九百億ということです。まだ事業報告書がととのいませんので、まあその検討でおるわけです。その中で、全国段階が六十億くらい、県連段階で八百四十億くらい持っております。全国段階は御承知の通り危険部分だけを持っておる準備金です。それから、県段階は、いわゆる貯蓄部を持っておるところのものでありまして、その貯蓄面を持っておるところのものが、資金運用として長期・低利なものに該当する。そこで、三十五年はどういう状態になっておるかということを、九百億を基礎にいたしまして計算いたしますと、預金がおおむね六百十億、これが六八%、約七〇%ということになります。それから、金銭信託が十三億、一・二%、有価証券、農林中金の債券とかその他の主として金融債ですが、これが百二十四億、一四%、それから、貸付金が百四十五億、これは直接貸しというのがありまして、共済証書を担保として年七分で貸しておる額があるわけです。それに二、三、先ほど例として申し上げましたように、信連で貸し出しのできない共済資金として貸し出して、そして信連の窓口を通るというものもあるわけです。そういうものと、それから信連の預金が貸付に振りかわって信連で貸付をしているものを合わせまして百四十五億あります。これが一六%を占めております。それから、不動産、これは土地、建物でありますが、これが金額として八億、それで合計九百億。不動産は〇・八%ということになっておりますので、これも法律によって定められた省令の範囲内で運用いたしておるわけでございます。 それから、貸付の内容につきましては、いろいろありまして、大きいものが共同利用施設、それから農機具の購入資金、それから住宅の生活改善、これはカヤぶきをかわらぶきにするとか、台所の改善資金とか、これが二二%くらい占めております。それから、営農施設、共済拡充の資金とかいうようなものでありまして、利率にいたしますと、平均して八分くらいのものでははないかと思います。組合に対する貸付は平均して七分五厘、それから農業者に対する貸付が平均して八分くらいじゃないかという計算をしているわけなんです。 以上でございます。
○芳賀委員 そこで、結局、近代化資金に関係ある今述べられたそれぞれの組合あるいは中金が金融機関ということに認定されるわけですね。それぞれの金融機関は保有する資金のコストが不同なわけです。ところが、これを運用する場合には、この法律によりますと、七分五厘という基準が設けられて、特に、政令で定めた耕地防風林の造成資金とか、あるいは農林大臣が定めた農地または牧野の改良造成資金等は五分五厘ないし五分ということになっているが、それ以外は全部七分五厘という基準が適用されるわけですね。ですから、七分五厘より高い資金を近代化資金として流した場合の金利の差額だけを国が都道府県とともに負担するということになるわけです。ですから、通例二分利子補給をして、国と府県が一分ずつということを言っているが、現実に八分のコストの資金が流されたとか、あるいは八分五厘とか九分ということになると、その差額というものは必ずしも二分の補給を要しないということになる。一分で問に合う場合もあるし、一分五厘でいいという場合もある。ここにやはり法律上の問題がある。むしろ、われわれは、二分の負担にして国が一分なんというばかなことはないと思っているのですが、そういうふうに、結果的には、一分くらいの補給でいいということになれば、国と府県が五厘ずつの負担ということになる。これは負担しないと同じことなんです。ですから、こういう点に対して参考人の皆さんは大きな疑問を持たれると思うわけです。ほとんど指定される金融機関の努力だけで近代化資金を造成するということになってしまうと思うのです。この点はやはり一言なかるべからずと思うのですが、高橋参考人以外の皆さん方は、大体、ないよりはましだからやむを得ぬというような消極的な賛成の御意見ですが、これではいけないのじゃないかと思うのです。もう少し国が本腰を入れて、全面的な制度金融ではないとしてもやはり国がこれだけ積極的に努力しているんだから団体の方でも十分企業上の努力をしてもらいたいということであれば話がわかるが、何にも国がやってないのですよ。ですから、こういう点に対しては、この機会に政府や自民党に遠慮しないではっきりしたことを一つ言っておいてもらいたいと思います。どうですか。
○楠見参考人 私は実はこういうふうに理解しているのです。この近代化資金は、本来、単協の段階で預金として上がってくる金を上へ上げずにその段階で使え、これがねらいなんですね。従って、単協の段階における金利というものは、たとえば九分五厘か一割だ、一割のところは努力して九分五厘まで原価を下げてそれで出せ、こういうことで大部分の金は単協の金を動員する。そこで、中金の段階は一体どういうことになるかというと、今の信連の段階と中金の段階の金利コストは、御指摘のように、また御説明申し上げましたように、違うのです。違うのですが、金庫の金はこれには行かない。それは、金庫へ上がってくる金が上がらずに、信連の段階で単協へ共同施設資金として行く。だから、中金の段階と信連の段階の資金コストが違うということは、この問題とは直接関係がない、こういうふうに理解しているのです。 それから、もう一つは、全国段階では、先ほど申し上げましたように、昨年の三月からわれわれは七分五厘で出している。一年あとからこの法律が出てきた。そこで、金庫としては、一年定期のコストがかりに八分になるとして、八分になるから七分五厘との差額を補給してくれということは実は言ってないのです。言ってないと同時に、政府の方も、金庫の方は一年前から自腹を切って七分五厘をやったのだから、こういう法律が出ようと出まいと、全国段階における共同施設はそれでまかなったらいいじゃないか、こういうことをおっしゃるし、われわれも、全国段階における共同施設資金は、何億、何十億出ようと、先ほど申し上げたように、もうすでに交通整理の模範を示す意味で踏み切ったのだから、この資金の御厄介にはなりません、こういうことを言っておるわけなんです。そういう意味で、金庫と信連との間における資金コストの差は直接これには関係しない、こういうふうに実は理解しておるわけなんです。 ただ、問題は、県の段階においてそういうものが出て、私の見解からすれば、県には共同責任準備金があるのだから、共同施設の資金は本来それも出してもらいたいということを主張しておるわけなんですが、しかし、県の方ではどうしても出さない、中金の方で出せ、しかもこれは金融機関としてあげられておるのだし、中金の段階で出せと言ったときに、これは全国の段階ではないのですから、その資金コストはどういうことになるか、現在八分なら八分、そうすると五厘は補給してもらいたいというようなことを主張すべきかすべからざるべきかという点が実は問題になって、その点はまだはっきりと解決はしておりませんが、要するに、先ほど申し上げたように、単協の段階でその金を出せるということが一番のねらいじゃないか、こういうふうに私は理解しております。
○芳賀委員 ただ、問題は、近代化資金が全部農業を営む耕作農民に融通されるということであれば、それは楠見さんが言われた通り末端段階で融通すべきであるということでいいのですが、しかし、この法律の第二条には、耕作者もうたってあるが、農業協同組合、あるいは協同組合の連合会、あるいはこれらのものが構成員になる会社も対象になるのですね。それらの団体や会社が、最高限度は五千万ということになっておりますが、そういう大口の需要者が耕作者以外にある。三百億というのが一応限定された年度のワクですから、三百億全部が耕作者あるいは耕作者が組織する生産共同体に流れるのであればいいが、貸し出しをする農協自体が近代化資金を必要とするという場合も出てくるし、連合会もそういうことになるので、これらの点に矛盾を包蔵しておると思うわけです。それで、私は、各段階における金融機関のコスト上の差異というものを対象にした場合、その差額だけを補給するということになれば、これは非常に消極的なものでないかというふうに指摘したわけです。 それから、もう一つ、今後の見通しとして、たとえば当初が三百億としても、この三百億ずつの資金を毎年放出するということになれば、十年後には三千億ということになる。しかし、貸し出しの政令規定で短いのは二年据え置き五年償還なんというのがありますから、七年ないし八年がピークになるとしても、その場合にもやはり二千億円ぐらいにはなると思うのです。その場合、今のように国がただ一分しか利子補給しないということになれば、二千億の場合でもわずか二十億円で足りるということになるのです。ですから、一方において長期的な所得倍増計画というものを進めて農業の一大発展を期すというようなでたらめなことを政府・与党は言っておりますが、しかし、その二千億にしても、これはたとえば二分の利子補給を国がしても四十億で足りるわけです。三分の場合でも六十億円あればいいということになる。ですから、こういう点から考えた場合、われわれ社会党としては、強力な農政を展開するためには、たとえば国の予算の総額の二〇%くらいは農業政策の面に確保すべきじゃないか。ことしは補正で二兆円予算ということになったのですが、その二割の四千億円くらいの農業政策上の財政資金が予算約に確保されるとすれば、相当積極的な飛躍的な政策が金融あるいは生産・経済面に当てはまると思う。われわれは、そういう長期的な雄大な政治的な構想の上に立った場合、これは出発点からあまりに貧弱過ぎるではないかということを指摘しておるわけです。権威者の皆さんも、そのくらいの長期展望の上に立って、なるほどこれはけしからぬくらいのことはこの委員会の記録にとどめておく必要があるのではないか。私はこちらから誘導するわけではないけれども、やはり、全国農民の代表として皆さん方をお呼びしたわけですから、ここで率直にその点を指摘して大いに政府や与党を鞭撻したらどうかと思うわけです。どうでしょう、皆さんのそれぞれの御意見をお聞きしたい。
○楠見参考人 ほかの方からも順次御意見があると思いますが、私個人としましては、先ほど足鹿さんにお答えをした気持がどうしても抜けないのです。政府からいろいろの補助金をもらうのはけっこうのようだけれども、組合自体が今までどれだけの努力をしたか、自分が努力をしてなおかつ政府からしてもらうというのはいいが、どうもみずから省みて努力が足りなかったのではないか、こういう気持があるものですから、従って、あまり政府に大きなことは言えないという率直な気持があるのです。(「遠慮するな」と呼ぶ者あり)別に遠慮して何とかというのじゃなしに、みずから省みてじくじたるものがあるということだけを申し上げておるわけです。
○鈴木参考人 実は、この近代化資金が出る前から、神奈川の方では、さっき楠見理事長さんがおっしゃったようなことを自分自身はやっているのです。それは、共済連の方も相当金ができておりますし、私自身共済連の会長も兼ねておりますので、常に共済連と信連とで密接な仕事ができております。昨年は、とりあえず、単協と信連、共済連、三者一体になって三億円といういわゆる近代化資金、系統資金を出そうということで、これは信連と共済連から出すのは七分で出しまして、単協は自分自身の金が八分、われわれの方から借りて使う金も一分の利幅で同じ八分で農民に出してほしいということで、その金をすでに出しております。そして、ことしもまたそれに三億を追加して出すということでやっておりますが、そのために県の方に非常にめんどうを見ていただきまして、三十六年度からはとりあえず二億円について二分の利子補給をしてやろうということを当初予算できめていただきました。ところが、また国の方からも同じような助成方法が出るのだということで、県内の農民は非常に喜んでおります。できるだけ自分たちもやることの努力は払っておりますが、それが及ばないものはたくさんあるのでございまして、何とも申しわけのないことが多いのでございますが、しかし、実は全国どこの県でもそういう気持でやっておると思います。 ただ、しかし、何としましても、農業の仕事というものは、今まででも、また今後とも、第二次、三次の事業のようにそうもうかるというわけにはいかないと思います。従って、できるだけ低利の金がほしいのではないかと思いますので、その面においては、今の二分の利子補給がこれでいいのだとわれわれは考えておりません。先ほども私ちょっと申し上げた通りに、できることならば三分五厘程度の金になったならば非常にいいのではないかと思いまが、しかし、それをいきなり、われわれの方から、自分がやりもしないうちから三分五厘がいいのだというような口幅つたいことは申し上げかねておりますが、しかし、希望としてはそういったことを希望しておる向きがたくさんあるということだけはお含みを願いまして、次の国会あたりで御措置ができるならば、できるだけそういった二とをしていただけば非常にしあわせである。しかし、今すぐにできないことを、われわれの方から、自分もやらないくせに何でもかんでもしてほしいということを言うことは、幾らか遠慮をしておるということで、御了承願いたいと思います。
○山中参考人 これは、中金の理事長がおっしゃったように、この制度によって、一段階として、地方の単協が金利を下げて、その余裕金が近代化に使われるという効果は相当なものであろうと思います。それですから、段階としてはこの制度が悪いとは言えない、やってもらいたいのです。 そこで、最初に私が申し上げました通り、ややもすると政府の予算措置においてこれが時限法になりかねない。そういうことが今まで過去に相当あるのです。こんな利子補給なんというものは、そのときの政策上の問題で、内閣がかわったり人がかわったりするとまた考え方が変わる。こういう時限法的な措置を講ぜられるとほんとうに迷惑するのが農民です。それだから、これは時限法にならぬように恒久的な施策として考えていただく。しかも、先ほどちょっとお話があったけれども、これが十年したら二千億くらいになるのでしょう。そうすれば、これは二分くらいなことではいかぬようになりますよ。先になるほど利子補給を多くして高度な近代化をさせねばいかぬということだろうと思う。そのときになって一分や二分の補給をするようなことでは困ったことであります。それでありますから、将来はこれを下がらぬように維持するという考え方で、一つ時限法的なものでないように措置していただきたいということが私の念願です。
○高橋参考人 いろいろお話があったわけでございますが、実は、北海道の場合、この制度よりもより以上の恩恵のある制度があるわけであります。それは、先生方大いに時間をかけていろいろ審議を願って特別な法律を作っていただいたマル寒資金の問題であります。これはいわゆる政府資金でありますが、年五分五厘で相当の長期で借りる金でございまして、過去三年ほど前から実施されております。十二億程度のものがきめられておるわけであります。そういう非常に恩恵のある、北海道としてふさわしい資金を貸していただくことになっておるのですが、それが三億程度しか毎年使われないという姿なのでございます。なぜそういうことになっておるかというと、手続上の問題が非常にむずかしい。非常に煩瑣なことになっておるわけです。借りようとしても借りられない。いろいろな条件の問題、いろいろな手続上の問題その他の関係がありまして、せっかく皆様方にお骨折りいただいてこういう制度を作ってもらったものさえ実は使われないでおる現状でありまして、それよりも今度の近代化資金というものは一歩前進した形でわれわれはこれに期待しなければならない、こういうふうに考えるわけでございまして、そういう点から考えますと、もちろん系統の資金を使うわけでありますけれども、やはり、北海道の場合、そういう別な恩典がある以上のものでなければならぬ。また、貸付についてもいろいろな問題がありますが、そういう点も、マル寒資金のような実例から見て、この貸付は全国的なものでございますが、いろいろ内容についても検討を加えていただかなければならぬ。従って、マル寒資金より以上の一つの制度の中でこれが貸し出されるようなことを私は期待しておる次第ございます。いずれこの問題等についても今後さらに検討される段階が来るのではなかろうかと実は考えております。先ほど芳賀先生のおっしゃったように、農林予算というものは年々膨張して参りましょうが、その比率というものはあまり上昇していない現段階でございます。しかし、農業のいわゆる所得倍増、他産業との均衡という問題から考えてみて、やはり、おっしゃるようなことで相当の予算を上げてもらいたい。そうすると、この資金源をそこでお考え下されば、私はこれが相当生きてくるのではないかと考えますので、やはり、この制度は、いかに系統の金が使われようとも、国の一つの施策として考えられるのですから、五分五厘程度に使えるようなことにならなければ農業の近代化が進んでいかない、かように実は考えておりますので、そのようなことを一つお考えを願いたいということでございます。
○芳賀委員 最後にもう一点だけ申し上げてお尋ねしたいのですが、特に系統内の金融についてもそうですが、実際、農村の末端に行くと、経営力が弱くて今後善意な努力をして経営を高めたいという場合にも必要な資金が手当できないということは、皆さん御存じの通りなんです。同じ協同組合に加入しておっても、経営のたくましい人たちは黒字になって、それを農協に定期預金等で預けますが、経営力の低い人たちは赤字が年々出て、どうしても借り入れに依存しなければならぬということになるわけですね。そういう場合に、農協の経営者から見れば信用力が低いということになるわけです。信用力の低い者に対しては有利な資金がほとんど流れていないのですね。一番条件の悪い不利な資金だけがようやく不十分な状態で貸し付けられるわけです。特に制度資金とか中金からの長期的な資金等についても、中層以上の農家は比較的その資金の借り受けができるが、一番てこ入れをしてやらなければいかぬ中層以下の、今後また農業に精進していきたいという人たちに、そういう制度金融とかあるいは系統の有利な長期的な資金がほとんど流れていかない、こういう現況は否定できないと思うのですね。今度、かりにこの政府案にしても、この種の近代化資金法案が通った場合においても、先ほど参考人諸君は末端の農協における資金を活用して組合員に非常に有利な資金を流せるという御意見でありましたが、実情はそういかないと思うのですよ。今度の場合にも、やはり、中層を中心とした、あるいはそれ以上の部面にこういう資金が持続的に流れる、そして、中以下の農家にはそれほど恩恵が及ばないのではないかというふうに、われわれは現在までのいろいろな実例をながめた場合非常に憂慮にたえないわけなんですが、こういう点は、もちろんこの法案や近代化資金の運営いかんによるわけでありますけれども、従来の弊害をどのように除去できるかということに対する当事者の皆さんのお考えをこの際参考までに述べていただきたいと思います。
○楠見参考人 芳賀さんのおっしゃる通りだと思うのです。近代化資金をゆうゆうと出せる組合もありますけれども、実は、近代化以前の組合が相当ございます。これは差しさわりがあるかもわかりませんが、県の名前をあげますと、全国どこの県にもそういうのはありますけれども、地域的に集中をしているのは、東北でたとえば青森県、それからこの近くでは山梨県とか、九州で言えば宮崎県というふうに、主として東北三県、それから九州三県ですね。所得倍増計画とかいろいろなことが言われているし、あるいは農業と工業との格差の均衡というようなことも言われているのですが、普通のこのような状態でいけば、農業の地域的な格差といいますか、農業といわず何といわず、地域的な格差というものが所得倍増計画に関連して一番大きな問題になるのではないか。農業関係の中でも、今体制がだんだんとできてきたとはいいながら、今の東北の隅の方の三県とか、あるいは南九州とかいうところが非常に大きな問題で、特に、これは例をあげて恐縮なんですが、青森県のようなところは、近代化資金以前の組合がずいぶんある。そこで、私ども金庫の立場からすれば、もちろんこれは県の中央会なり経済連なり信連なりが中心となってやっていただくわけなんですが、農林中金としましても、その中へ入り込みまして、それで単協を金庫自身も受け持って、それらの組合をレベルに引き上げるということに実は努力をしているわけなんです。従って、そういう面に対する人的な面あるいは資金的な援助の面、こういうものをできるだけお手伝いする。私どもの方の支店長にやらしているわけなんですが、支所長もそういう意味で優秀な人間を充てて、少々失敗してもいいから、そういう掘り起こしといいますか、レベル・アップ運動に努力しろということで、実は努力をしているわけであります。おっしゃる点は私どもも全く同じような考えで、近代化資金以前の状態の組合を少なくともレベル・アップをしていく、こういうことでございます。 そこで、そういうことで、組合が更生する上においての努力はもちろんですが、その組合員なるがゆえにこの近代化資金の恩典にもあずかれないというような者は、もちろん私どもとしては信連を通り越してかき回すようなことは遠慮しなければいかぬと思っておりますが、信連とも協力をしまして、できるだけ御援助申し上げる、こういう態度で進みたいと思っております。
○鈴木参考人 今楠見理事長さんからの答えのほかに、おそらくこういう問題じゃないかと思いますが、農民の中でごく零細な農民に対してこの近代化資金が貸し出されにくいのではないかというふうなお尋ねに思っておりますが、お説の通り、私は、そういったことになる危険性があるということはよく承知しております。しかし、この零細な農民の中に、実は、立ち上がろうという意欲のある者と、それから、全然そういう意欲のない者との二種類あります。意欲のない者は、これは、いかに農協だからといいましても、慈善団体ではありませんから、これに対してむやみに資金を貸し出して貸し倒れということになったのでは、これは預金者本位にならないと思いますから、私は、立ち上がろうという意欲のない者に貸し出すということは無理があるのではないかと思います。これはまた救済方法を別にお考え願わなければならない問題であると同時に、立ち上がろうという意欲がある者に貸し出しができなかったということが今まで非常に残念なことであったのが、今回のこの信用基金協会の法律によって、そういう者にもある程度まで保証によって貸し出しが活発にできる可能性ができたということで、われわれの方も非常に喜んでおるのですが、アメリカあたりにはそういった者についてはさらに別な施設があるように伺っております。日本にまはだそういう施設がありませんが、今回のこの信用基金協会の制度によれば、今まで御心配になったような形の者がある程度まで救われていくのじゃないか、そういった面で非常にけっこうなことだ、こういうふうに私は考えております。
○芳賀委員 近代化施設に関係ある信用基金法について一点だけお伺いして質問を終わりますが、私が気になるのは、先ほど、荷見参考人は、私の質問に答えて、この議決権の行使の場合、この法律には出資一口について一個の議決権を有するということになっておりまして、一口の出資は一万円ということになっておる、こういう株式会社方式がいかにも当然であるというようなお言葉であった。御老体であり、病後であるので、私も聞き流しにしておいたんですが、ただ、この基金に参加する団体が、協同組合関係以外の団体としては地方公共団体だけに限定されてしまうわけなんですね。しかも、地方公共団体の基金に対する出資分の二分の一についてはまた政府がそれを補助するということになっておるわけですね。ですから、地方公共団体の出資については、国の意思が行為として流れておるわけです。そういうものに対して、出資が多いから一口一個の議決権を与えるということになると、これはいかにも官僚支配的な基金になってしまうおそれが多分にあるわけです。むしろそれらのものは議決権を持たないで指導推進の任に当たるというのが役割であるとわれわれは考えておるのです。また、今度は、農協関係にしても、連合会等は当然単協として出資に参加するものよりも口数においては多数の口数を持つということになると思う。そうすると、基金の構成の中において、連合会は口数が多いから発言権が十倍もある、単協は少ないから発言権が少ないということになって、そういう議決権の行使の中において、この農協や農民を主体にした近代化法の運営の裏づけになる基金協会というものが、性格が全く異質なもので運営されるということになると、重大な問題が生じてくると思うわけなんです。 こういう点については、今後の審議上大事な点になりますので、こういう間違った資本主義的な株式会社方式の基金協会というものが当然であるというお考えであるかどうか、お残りになっておる四人の参考人の方からそれぞれ見解をお述べいただきたい。
○楠見参考人 直接お答えする前に、組合金融の方はこういうふうに考えておるのですが、そこへ保証してくれと持っていく案件は、制度金融の例として割当式にこの村には幾らこの村には幾らというような割当じゃなしに、その案件については、信連も、中央会も、経済連も、中金も、そういうものが入って、幹事会と申しますか、そういうところに組合金融のほんとうの自主性を持たして、それでやっていくようにしてもらいたい、こういう要望を実は政府の方にも申し上げておるわけなんです。先ほど来組合金融の自主性というお話が山中さんなどからございましたが、そういう意味と御了承いただきたいのであります。 それから、荷見さんのお答えになった点、これは、私、荷見さんのいないときに想像してお答えするのはまことに恐縮なんですけれども、いわゆる農協運動者といいますか、組合運動者としては、協会で保証してもらうのはけしからぬ、こういう基本的な考え方が実はあるんです。これは、組合金融というものは本来相互金融なんだ、それがよそから保証してもらわなければならぬというのは組合金融の自殺ではないかという考え方が、組合金融論者といいますか、農協運動者といいますか、そういう方々にはあるわけなんですが、しかし、現実はなかなかそうにもいかない。単協もあるいは信連も、こういうものがなければ貸さない。これはなげかわしいことだという気持がある。そこで、この信用基金協会というものは、全く組合金融の立場から離れたものだ、いわば別に援助するような、そういうようなものなんだ、基本的にはこれは好ましからざるものだという考え方を組合金融論者あるいは組合運動者としては持っている。そこで、これはもはや組合理論といいますかそれで律すべきものではないのだ、ただ金が保証しているのだ、金が保証しているなら、金の性格に従って金が投票権を持ったらいいじゃないか、こういうことじゃないかと私は想像して申し上げるのですが、そうなってくると、私も本日組合金融論者の立場から申し上げるのですが、金の性格が事を解決する、もはや組合金融の問題ではないのだ、こういうような考え方から来ている答弁だというふうに御理解いただければいいのではないかと思います。
○鈴木参考人 今、楠見理事長さんからのお話のように、それと大体違わないのですが、こういう制度を作っていただき、この金を出す立場になりますと、今おっしゃるように、みな平等であるというこの農協本来の考え方から言えばごもっとものように伺うのですが、農協で発言権を平等に持つということは、単位組合における出資はあまり違わないものです。二十口から三十口の問で、金額的にはあまり違わないのです。ですから、村内で、裕福な者はよけい出して、一般は少なくても、お互いに発言ができるということですが、さてそれでは今度相当の金を集めた場合においてどうなるかというと、あくまでもそう農協精神ばかりでは金が集まらないという危険はなくはないと思います。同じ発言権ならなるべく少なくしておけという形がとられてしまったのでは困る。こういう信用基金協会なんていうものが相当大きくできていかなければならぬものだと私は思いますが、その意味においては、少し現実問題として、政府の方では、相当金を出さすべき信連あたりに負担をさせるのにはこんなふうにでもしなければならないのではないかとお考えになったのではないかと想像いたしまして、そういうことなら金を出すのに出しやすい、こういうことになるのではないかと思っております。
○山中参考人 この問題は、芳賀さんのおっしゃるようなことも考え方であろうと思う。社団的な構成をもって質的には財団法人的な運営をやるわけですから、その点が理論的にはおかしいようですけれども、今、前参考人のおっしゃるように、金というものがあるものですから、資金をどこかで多く持って、それを基本にして貸し付けようという、正直に言ってそういうことではないかと思います。そこで、このことはこれとしますれば、いわゆる農協の自主性を阻害しないように運営をしていただくということではないかと思われるのでございます。何だか不明確な答弁でございますが、農協の自主性を阻害せぬように一つ運営していただくことを希望いたします。
○芳賀委員 参考人に議論をふっかける気はないのですが、自主性自主性と言われるけれども、自主性を貫く場合は、政府とか府県から基金を出資してもらうというような考えそのものが、自分から自主性をそこなっておると思う。政府から何も出してもらう必要はありません、私たちだけで協会をやりますということになれば、りっぱに自主性も貫くし、民主化もできたということになるが、わずかなはした金も県から出してもらわなければならぬ、政府から補助してもらわなければならぬということになるので、そういう基金の構成についてもおかしくなるのです。皆さん方は確かに農協精神というものは堅持しておられるかもしれぬが、資本主義の毒気に当てられて、その精神が実は一つのレジスタンスに終わっている。特に政府なんかには接触も多いし、あまりたてつくとまた別な面でしっぺ返しを食っては困るというようなことで、筋が立たぬと思っても、まあやむを得ぬというようなことでおさまってしまう。楠見さんなんか農林省の先輩でしょう。大先輩がおって、万やむを得ないと思いますというようなことでは、ますます後輩が調子に乗って間違ったことをやるかもしれぬ。この辺で少し後輩に対しても活を入れるくらいのことを言ってもらわぬと困る。どうも、皆さんのやることは、現実だけにとらわれて、政府や与党のやることは現実に即しておる、現実に即してということになるとこのくらいしかやむを得ぬだろうというような幻想にとらわれているのですよ。われわれは、現実の段階よりさらに前進するためにはかくあらねばならぬということを言っておるが、皆さん方は現実にあまり定着しちゃって、政府や与党のやることが現実的だ、このくらいしかできないのがあたりまえで、それ以外のことは理想であって現実離れしておるというのは、指導者層になればなるほどそういうことを割り切っておるわけです。だから、末端や農村大衆には夢を与えることができない。夢をみんなこわす役割をなさるのではないか。これは質問ではないが、老婆心までに申し上げておきたいと思います。
○高橋参考人 私、先ほど申し上げてあるわけでございまして、いまさら申し上げる必要はございませんが、ぜひ一会員一議決権にということを申し上げたい。特に、開拓融資保証法の二十一条に基づく開拓融資保証協会は一会員一議決権になっておる。こういう点もあるわけですから、この点もやはりお考えをいただきたいと思うのでございます。事実そういう例も保証協会にあるわけですから、一つよくお考えを願いたいと思います。
○秋山委員長代理 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位には御多用中にもかかわらず本委員会に御出席下され、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時十四分散会