農林水産委員会 第43号
- 発言数
- 36 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/05/30
会議録
○坂田委員長 これより会議を開きます。 韓国産のりの取扱に関する件について角屋堅次郎君から発言を求められております。これを許します。角屋堅次郎君。
○角屋委員 私は、自由民主党、日本社会党並びに民主社会党の三派共同提案による韓国産のりの取扱に関する件について決議の動議を提出いたしたいと思います。 まず、案文の朗読をいたします。 韓国産のりの取扱に関する件(案) 最近の国内産のりの生産状況(三五増殖年度は前年度より十三億枚増の三十六億枚程度の生産が見込まれる。)及び今後の沿岸漁業振興対策事業のうちに占めるのり養殖業の重要性にかんがみ、政府は、流通の改善等によつてのりの消費を拡大する措置を講ずることとし、其の効果のあがる迄の間は、韓国産のりの取扱については、年間一億枚を限度とするよう措置すること。 右決議する。 昭和三十六年五月三十日 衆議院農林水産委員会 本決議案の趣旨につきましては、過般、農林大臣の出席を求めまして、私からも、国内のノリ生産の現状と今後の沿岸漁業振興事業の中にノリ生産の占める重要性というものとから見て、韓国からどの程度のノリを入れるかということはきわめて大きな問題であり、特に本年においてもそういう問題が生じておるので、それらの点についての政府の方針をただしましたが、周東農林大臣の答弁から参りましても、ただいま提案をしました決議については賛成の方向に基づいて答弁がございました。しかも、これらの問題は、今後長期にわたって日本の沿岸漁業振興の中に占めるノリ生産あるいはノリ生産関係者の保護というふうな立場から見て慎重に対処しなければならぬ問題でありますので、この際、韓国産のりの取扱に関する決議案を上程いたしまして、今後政府の善処を求めたい、かような趣旨でございます。 何とぞ満堂の御賛成をもってすみやかに御可決あらんことを希望いたします。
○松田委員 ちょっと農林大臣に御注意を申し上げたいと思う。 ここにもあるように、三十五、六億できるようになった。これは非常にいいことだと思う。ところが、昨年においては百十五円から百十円しておったのが、今年は五十五、六円から四十五、六円です。ところが、市中に販売されておるものは二百円。これでは農民も勤労者もだれも食えない。ノリの価格というものは五十円なら五十円で安定させるようにしなければならぬと思う。そうしていったならば、今農林省が一生懸命にやっておる増産計画の三十五億枚どころじゃないと私は思う。五十億あっても、価格が五十円ということになっておったならばそれは大きく幅広く伸びていくと思う。ほんとうに零細な沿岸漁民であるから、この価格を安定させるように、たとえば何らかの方法でもって五十円だということになれば、国民全体がおのずからそんなに高く買わなくてもいいようになる。そういう点に対して、休会中でもいいから、次の国会までに根本的にお考えになっていただくように私は要望いたします。
○周東国務大臣 お話の点は全く同感です。松田さんはこの前の委員会においでになりませんでしたが、私がそのとき答弁いたしておりますのは、これだけの生産があがって生産者の価格が落ちる、しかも消費者の方面に売られた価格はちっとも下がらない、この矛盾は非常に大きいじゃないか、これだけ生産があがるなら、当然並行してノリの販売・取引方法等も考える必要があろう、そのことは、松田さん御指摘のように、価格についても安定させる方向にいくべきではないかということであります。すでに水産事務当局の方にはそのやり方について検討を命じておるのであります。
○坂田委員長 お諮りいたします。 ただいま角屋堅次郎君から提案されました韓国産のりの取扱に関する件を本委員会の決議とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 次に、ただいまの決議に対する政府の所見を求めます。周東農林大臣。
○周東国務大臣 決議の御趣旨を尊重いたしまして、善処いたしたいと思います。
○坂田委員長 なお、ただいま決定いたしました決議の関係当局への参考送付の手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂田委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。 ————◇—————
○坂田委員長 次に、内閣提出、魚価安定基金法案、漁業生産調整組合法案、角屋堅次郎君外二十四名提出、沿岸漁業振興法案、角屋堅次郎君外二十三名提出、水産物の価格の安定等に関する法律案及び芳賀貢君外二十四名提出、水産業改良助長法案を議題として質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。角屋堅次郎君。
○角屋委員 政府提案の漁業生産調整組合法案並びに魚価安定基金法案に対立いたしまして、私ども社会党の方では水産物の価格の安定等に関する法律案を提案をいたしまして、今日まで参考人の招致等も行ない慎重審議をして参ったわけであります。特に、政府の二法案については、私は専門的な立場からいろいろお聞きしたい点も多々あるわけでありますが、審議の現状から見て、主として農林大臣を中心にいたしまして簡潔に数点をお伺いをいたしたいと思います。 かねてから、農林水産関係のうちで、農業関係については、農産物の七割程度について、きわめて不十分でありますけれども価格安定の方策が今日までとられて参りまして、いわば豊作貧乏を最小限に食いとめる措置がなされて参ったわけでありますが、残念ながら、漁業方面については今日までいわゆる魚価安定に対する法的な根拠を持っての取り扱いということがなされて参らなかったわけでありまして、今回政府が二法案を提出になる趣旨の内容につきましては、従来行政的処置として若干のことをなされて参りましたが、これを魚価安定と銘打ってやる以上は、過般参考人の招致の際にも意見が出ておりましたように、もっと抜本的な方策を盛って提案をされるべきではなかったかと考えておるわけであります。そこで、今回とりあえず多獲性大衆魚について従来行政的に処置をして参りました点につきまして法的な裏づけをするという考え方で出されて参りました漁業生産調整組合法案並びに魚価安定基金法案については、政府といたしましては、単に多獲性大衆魚の問題のみならず、沿岸漁業における水産物の価格の安定の問題も含めて、将来魚価安定について政府から提案されるであろう沿岸漁業等振興法の問題とも関連をして、抜本的に、魚家経済の安定のために、この際沖合いあるいはまた沿岸等を含めて魚価安定の根本的な方策を講ずべきではないか、かように真剣に考えておるわけでありますが、こういう問題に対する今後の方針について農林大臣からまずお伺いをいたしたいと思います。
○周東国務大臣 魚価の安定に関してただいま提出いたしております法律だけでは不十分ではないか、もっと根本的に広い立場で魚価安定方策を立てるべきである、どう考えるかというお尋ねであります。私もその点は同感でありまして、さしあたって大衆魚に関して本国会においては二法案を出して御承認を求めておりますが、根本におきまして、次の機会には、漁業基本法とでも申すもの、これは名前はそういうことに限りませんが、そういうものの提案をなすべく準備を進めております。その中には、当然に、魚価に対する安定についてどういう方向をとるがよろしいか、——これは、農産物以上に腐敗性のものでありますし、しかも農産物と違ってある程度時期を限らずにとれておる魚を、どういうふうにして調整し、どういうふうにして価格を安定せしめるかということについては非常にむずかしい問題が包含されておりますが、これらをいろいろの面から見まして、魚価安定方策について総合的に次の段階においては施策を検討していきたい、かように考えております。その際にあるいは法制的の処置が必要となるものでありますならば法制的の処置をいたしまして国会に御承認を求めるという段取りになるかと思いまするが、ただいま検討中でございます。
○角屋委員 今回の二法案の財政的な措置といたしましては、魚価安定基金法案の第六条の中で、政府が八千万円の基金出資、さらにその他の出資の同額を加えて一億六千万円を下ってはならないというふうな条文になっておるわけでありますが、申し上げるまでもなく、多獲性大衆魚の価格の安定一つをとらまえましても、この程度の予算措置でもって今後歴年増加をしていったのでは、これは十分な措置が講ぜられないのではないか。従って、今後、この二法案の魚価安定機構の問題については、さらに参考人の意見等からいたしましても、社会党案の構想を理想とし、そこに一歩でも前進するようにという意見の開陳等もございまして、やはり魚価安定機構の問題については今後根本的に考えてもらわなければなりませんが、当面のすべり出しとしてこの二法案ですべり出す場合においても、もっとやはり積極的に予算措置を講じ、この法の運営にあたって十分成果のあがるようにするためには、相当やはり努力をしてもらわなければならぬじゃないかと思いますが、今後、こういう二法案の運営上の問題に前提を置いて考えます場合にも、予算措置という問題についてどういう方針で臨まれるつもりであるか、この点を農林大臣にお伺いしたいと思います。
○周東国務大臣 ただいまの段階におきまして、御指摘のような予算措置でございますが、今後、本件に関する限りの問題にいたしましても、これ以上の金額を要するというような場合におきましては、その場合におきましてさらに検討を加えて、必要があれば予算の増加ということも考えられると思います。
○角屋委員 漁業生産調整組合法案の中に、生産調整の問題でありますから当然公正取引委員会に関連をする部分があるわけであります。つまり、法案で申しますれば、第四章の雑則のところで、七十九条では私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外の条項、並びに、第八十条では公正取引委員会との関係、こういうことでそれぞれ条文の中に生産調整に関連した公正取引委員会との運営上の問題が明記されておるわけでありますが、この法案の作成過程で、公正取引委員会との問でどういうふうな協議がなされて法案の最終段階に至ったか、この法案作成上の経過につきまして、公正取引委員会の方からもお話を承りたいと思います。
○坂根政府委員 この法案の作成過程におきまする農林省との交渉の過程におきましては、かなり詳細にとの漁業調整組合というものが必要な実態の説明を十分受けまして、私どももこの組合の必要なることを認識しましたが、その法案の作成の過程において、原案では組合に対する強制加入の規定がございます。これは私ども独占禁止法の考え方からは容易にのめないということで交渉申し上げまして、農林事務当局もその点は折れられまして、本日御提案申し上げたようなとの法律案には私どもも全面的に了解をいたしまして、政府からお出しいただいたわけであります。
○角屋委員 さらに公正取引委員会にお伺いしたいのですが、第八十条で、今後第八十条に示された条項に関することについては公正取引委員会に農林大臣として協議しなければならぬようになっておりますが、この際、公正取引委員会としてこの条項に関する運営上の方針について見解を承っておきたいと思います。
○坂根政府委員 この法案の趣旨が、先生すでに御承知と思いますが、中小漁業者の経営の安定ということを目的としておりますから、私どもは、協議を受けましたときには、その中小漁業者の経営の安定がはたしてこの調整規程で十分行なわれ得るものかどうか、これが一つの判断基準であろうと思います。さらに、その調整規程の中に、独占禁止法上から見まして、不当に差別的であるか、あるいは、さらにもっと重点を置かなければならぬのは、調整規程の内容から関連事業者並びに消費者にどういう影響を与えるかという点を考慮して、農林事務当局からの協議に応じたい、こういうふうに存じております。
○角屋委員 漁業生産調整組合法案の第二条第一項の政令で指定するもの、つまり、第二条第一項の事態と称せられるものが生じた場合に、政令で指定するものについて以下の運営がなされるわけでありまして、この政令で指定する場合においては中央漁業調整審議会に諮問をなさなければならぬということに相なっておりますが、農林省の方から出された省令規定事項というものを見ると、「法案第二条第一項の政令で指定する漁業は次に掲げるものとする」ということで、第一に、千葉県以北の太平洋におけるサンマ棒受網漁業、第二に、青森県沖合いの太平洋におけるイカ釣漁業、第三に、鳥取県及び島根県沖合いの日本海におけるアジ・サバ・イワシまき網漁業、第四に、山口県以西の日本海、黄海及び東支那海におけるアジ・サバまき網漁業、第五に、千葉県以北の太平洋におけるアジ・サバ・イワシまき網漁業、こういうふうに一応政令案の内容についての構想が出されておるわけでありますが、今後この法案が成立以降における第二条第一項の政令で指定する漁業についての方針についてこの際お伺いをいたしたいと思います。
○西村(健)政府委員 第二条第一項の政令で規定する事項、すなわち、この漁業生産調整組合を結成すべく組織することができる漁業対象は、ただいま角屋委員の御指摘の通り予定しております。これらの漁業は第二条第一項の本文に規定する条件を満たして、かつその必要がある、こういうふうに考えております。今後法律が制定された後におけるプログラムにつきましては、それぞれの漁業の実態に応じ、現地的に関係業者あるいは関係府県とも十分協議をいたし、そうしてそれぞれの漁業の実態に即した漁業活動をする組合ができるように結成を指導して参りたい、こういうふうに考えております。たとえば、サンマにつきましては、すでに、休漁日の設定、積載量の制限、そういうものがございます。西日本のまき網につきましては休漁日の設定、八戸のイカにつきましても休漁日の設定等をやっておりますが、具体的にどういう事項をやるべきかは、法律制定の後におきまして、施行後におきまして、現地的に、現地の人たちとも相談しつつ事を進めて参りたい、こういうふうに考えております。
○角屋委員 魚価安定基金法案の関係の中で、第二十九条第二号の農林省令できめるべき点についての農林省から出されておる資料がございますが、これによりますと、省令の中身は、「多獲性の水産動物の価格が一定の原魚基準価格を下回った場合に、当該原魚基準価格以上の価格で購入した原魚を加工し又はこれを原料として製造した製品を、水産業協同組合又は中小企業等協同組合が一定条件で保管し、その平均販売価格が一定の製品基準価格を下回ったときに、その保管に要する金利及び保管料を限度として当該組合に交付することを規定するのもとすること。」こういうふうに説明が書かれておるわけですが、この問題についてもう少し御説明を願いたいと思います。
○西村(健)政府委員 いろいろこの前から御意見もございましたけれども、サンマの価格維持につきましては、魚価安定基金では、サンマかす魚価安定基金、こういうことを実現したい。しからば、そのサンマかすをどういう価格で押えるかという問題でございますが、われわれとしましては、原魚一キログラム当たり十一円というものを基準として、それ以上で買ったものを原料として作りました魚かすを調整保管する場合に、その保管料並びに金利の全部または一部を補助する、こういう考えでございます。一キログラム当たり十一円という数字はどこから出したかということを申しますと、サンマは、大漁でありました昭和三十三年と、昭和三十四年、——これは大漁でありません。この平均価格を見ますと、三十三年が一キログラム当たり十三円、昭和三十四年は一キログラム当たり十八円で、その平均をとりますと一キログラム当たり十五円、こういうことになります。サンマの漁況は、御承知のように、北海道の東方沖合いから三陸沖合いまでに時期的に伸びてくるわけでありますが、それぞれ、生鮮向けのみならず、冷凍であるとか、カン詰あるいは圧搾、かす、それらのもの等の考慮もありまして、一番典型的な港として私どもは気仙沼港を考えたわけであります。気仙沼港の魚価の標準偏差というものは、大体、昭和三十三年の大漁の年を参考にして算出いたしますと、四・一円ということになりますので、十五円を中心として四円の幅ということで十一円ということを出したわけであります。先ほど申し上げましたように、この十一円を上回った価格で作ったかすについて、これを保管する場合に、金利・倉敷を補助する。大体数量的にどれくらいを予想しているかということでございますが、大漁のときには魚かすは八十万俵程度できますのでその八分の一の十万俵程度を調整保管として市場から買ったならば魚価維持ができる、こういう前提でこれを算出したわけでございます。
○角屋委員 今のお話の問題に関連をして、農林省の方から魚価安定基金法案の参考資料として「さんまの水揚量と価格の相関図表」というのをいただいておりまして、昭和三十三年の気仙沼港の表がございますが、この方程式を見ますと、「Y=2.9×10−5x2−1.2×10−1x+200」、こういう相関図表の方程式が出ておるわけですが、今後、この法の運用上、気仙沼にしろあるいは釧路、宮古、塩釜、いろいろ各港があると思うのですが、そういう問題の理論的な根拠の統計資料といいますか、理論的な数字の整備というふうなものについては、一体どういうふうな方針で運用されるつもりなのか、その点をお伺いしたい。
○西村(健)政府委員 お手元に差し上げました資料の点でありますが、大体気仙沼というのは一つの代表的な港で、先ほど申し上げましたように、鮮魚で出荷されるもの、あるいは現地地元の加工・冷蔵とかあるいは開きにする、そういうものとか、あるいは魚かすにするとか、全般的に非常に典型的な港として、気仙沼をあげたわけでございます。気仙沼につきまして、今御指摘のありました数式のあるもう一つ前のページに「水揚数量及び平均値一覧表」というのがございます。これを数式にしたものがこのカーブになったわけでございますけれども、私どもとしまして、今後、サンマにつきましてたとえば漁業生産調整組合あるいは魚価安定基金の運用をする場合におきましては、もちろん各港につきましてそれぞれそこにおける出入港の漁船の数なり水揚げ数量というようなものの資料は整備して参ります。率直に申し上げまして、現在のところ、気仙沼のようなこういう表は全部についてはできておりませんが、今後すみやかな機会にこれを作りまして、そうして全体の関連を見つつ総合的に対策な講じて参る必要がある、こういうふうに考えております。
○角屋委員 政府から提案になっております二法案については、各条項にわたっていろいろ専門的にお聞きしなければならぬ点も多々あるわけでありますけれども、この際農林大臣の今後の法運営に対する考え方、あるいは数点について水産庁並びに公正取引委員会の方から見解を承りましたので、質問としてはこの程度で終わりたいと思います。
○坂田委員長 ただいま議題となっております五法案のうち、内閣提出、魚価安定基金法案及び漁業生産調整組合法案に対する質疑はこれにて終了いたしました。 —————————————
○坂田委員長 両案についてこれより討論に入るのでありますが、別に討論の通告もございません。直ちに採決いたします。 まず、魚価安定基金法案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○坂田委員長 起立多数。よって、本案は原案の通り可決いたしました。 次に、漁業生産調整組合法案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○坂田委員長 起立多数。よって、本案は原案の通り可決いたしました。 ただいま議決いたしました両法律案の委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂田委員長 御異議なしと認め、さように決しました。 ————◇—————
○坂田委員長 水産物価格の安定方策の確立に関する件について、田口長治郎君より、自民、社会、民社三派共同提案により決議をいたしたい旨の申し出があります。この際発言を許します。田口長治郎君。
○田口(長)委員 私は、この機会に、自由民主党、日本社会党、民主社会党三派共同提案になる水産物価格の安定方策の確立に関する件につきまして決議案を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 水産物価格の安定方策の確立に関する件(案) いわし、さんま、あじ、さば等の多獲性大衆魚の漁獲は、総体的には過剰でないにもかかわらず、これらの水産物の採補が地域的及び時期的に集中して行なわれ、処理能力をこえて水揚げされるため、局地的には過剰生産の様相を呈し、魚価は暴落し、中小漁業の経営内容を著しく不健全なものとしている。 これが対策として、今回、政府は「漁業生産調整組合法案」及び「魚価安定基金法案」を提出したのであるが、両案は、多獲性大衆魚の生産制限、さんま粕の保管に要する金利、倉敷料の一部補助等を内容とするものであつて、必ずしも充分であるとは認められない。 よつて、政府は、大漁貧乏の積極的克服策として、今後速やかな機会に、強力な消費拡大方策、魚価支持機構、漁民所得向上対策等の確立を内容とする法制上、財政上の措置を講ずべきである。 右決議する。 昭和三十六年五月三十日 衆議院農林水産委員会 理由につきましては、すでに皆さん御承知の通りでございます。このイワシ、サンマ、アジ、サバ等の多獲性大衆魚は、日本の漁業のうちで中堅漁業になっておるのでございまして、漁獲数量から申しましても、漁獲金額から申しましても、これに携わる漁業者の数から申しましても、まさに日本漁業の柱となっておるのでございます。しかるに、これらの漁業は、不幸にも、そのとれる場所がきまっておる、また、時期が集中されておる、こういうような事情からいたしまして、漁港に品物を運びましても、運搬設備その他の関係、あるいは加工設備、そういうようなことが十分でありませんために処理ができない、やむを得ず肥料に落としてしまわなければならない、こういうような実情でございまして、せっかくとってきた魚が金にならないということが現状であるのでございます。しかし、重要なる漁業でございますから、かかる状態にこれらの漁業を置いておくということは、漁民のためにも、また国民食糧のためにも非常に悪いことと存ずるのでございますから、これらの大衆魚の漁業につきましては、なお一そう、政府として、生産から流通あるいは消費、加工、こういう方面に万全の措置を講ぜられるように、すみやかに法制上・財政上の措置を講じなければならない、かように考える次第でございまして、以上の観点からこの決議案を提出したわけでございます。 どうか御賛成あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
○坂田委員長 他に御発言がなければ、この際お諮りいたします。 ただいま田口長治郎君より提案されました水産物価格の安定方策の確立に関する件を本委員会の決議とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂田委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。 本件の政府への参考送付等の手続につきましては委員長に御一任願います。 ただいまの決議に対する大臣の御所見をお願いします。
○周東国務大臣 ただいま議決になりました決議の趣旨を尊重して今後善処いたしたいと思います。
○坂田委員長 一時半より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時二十五分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らな かった〕 ————◇—————