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38回国会衆議院1961/05/23

農林水産委員会 第40号

発言数
62
登壇者
10
会派数
2
開催日
1961/05/23

会議録

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。過日大蔵委員長とも協議いたしたいのでありますが、ただいま本委員会において審査中の内閣提出農業近代化資金助成法案と、大蔵委員会において審査中の内閣提出農業近代化助成資金の設置に関する法律案は互いに関連を有する法案でありますので、両案について大蔵委員会と連合審査会を開会いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   「異議なし」と呼ぶ者あり

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 御異議なしと認め、さように決しました。  なお、開会の日時につきましては委員長に御一任を願います。      ————◇—————

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 角屋堅次郎君外二十三名提出、水産物の価格の安定等に関する法律案を議題とし、提出者に提案理由の説明を求めます。角屋堅次郎君。     —————————————

角屋堅次郎日本社会党

○角屋議員 ただいま議題となりました水産物価格の安定等に関する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  わが国の水産業は、戦後他の産業と同様に著しい復興の過程をたどり、昭和二十七年に漁獲高は戦前水準を越え、その後においても引き続き年率三%の割合で伸び、昭和三十四年の総漁獲量五百八十八万トン、その金額は三千億円に達したのでありますが、ここに見落としてならないことは、かような漁業生産力の発展の債杆となりましたものは、イカ釣漁業、揚繰きんちゃく網漁業、サンマ棒受網漁業等中小漁業者によって営まれる漁業であって、そのおもなる魚種は、イワシ、イカ、サンマ、アジ、サバ等一般家庭の食膳をにぎわす大衆魚であるということであります。  これらの大衆魚は、北海道、東北地方あるいは九州方面等水揚げ地点における受け入れ態勢の不十分な漁場に片寄って、しかも短期間に集中的に漁獲されるという特徴を持っているのであります。従いまして、これらの多獲性大衆魚は、全国的に見まするならばその供給は必ずしも需要を上回っていないにもかかわらず、地域的または時期的には、はなはだしい過剰生産の様相を呈し、その価格は暴落し、せっかく大量の漁獲をあげながらも漁業者の所得はかえって減少し、漁業者は明日の油代、明日の生活費にも事欠くという事態をしばしば招来しているのであります。大漁貧乏という言葉はあまりにも多く人口に膾炙されておるのでありますが、不思議なことには、このような場合におきましても、これらのものの消費者価格は生産地における魚価の低落をそのまま反映しないのが通常でありまして、ここに水産物の流通価格政策に重大な欠陥の存することを指摘せざるを得ないゆえんのものがあるのであります。このことは、単に漁家経済あるいは漁業経営の面からのみならず、国民生活の観点からもゆるがせにできないところであります。  農業におきましては、米麦を初め、カンショ、バレイショ、大豆、菜種等重要農産物に対しましては、内容は不十分ではありましても、とにもかくにも価格安定装置ができ上がっておりまして、豊作貧乏の嘆きを緩和できるのでありますが、水産業におきましては、多年にわたる水産物価格安定対策樹立の強い要望にもかかわらず、遺憾ながら今日まで無為無策の放任状態であると申して過言ではないのであります。  政府は、昭和三十四年度において、わずかにサンマかす及びスルメに限り、系統機関が共同保管した場合その組合員に対する前渡金の金利の一部に相当する金額を補助する措置を講じましたが、これは全く一時的な糊塗策であったにすぎないのであります。また、今回政府から提出され、現に当委員会に付議されておりますところの魚価安定基金法案及び漁業生産調整組合法案にいたしましても、その考え方はきわめて消極的であるばかりでなく、後で申し上げますように、池田内閣の中心政策である所得倍増計画と矛盾する考え方の上に立っており、私どものとうてい納得し得ざるものであります。すなわち、政府案によれば、新たに創設される魚価安定基金は、漁業生産調整組合に対し、同組合が組合員に調整金を支給する場合、その支給に要する経費の全部または一部に相当する金額を支給することにしたほかは、サンマかすの調整保管に要する金利及び倉敷料の一部を補助するための仕組みにすぎず、従来政府が予算上の措置として実施してきた範囲を多く出ないものであります。  しかも、価格安定のための前提として提案されております漁業生産調整組合法案は、さきにも申し上げましたように、池田内閣の中心政策である所得倍増計画と矛盾する考え方の上に立っておるのであります。農林漁業基本問題調査会の計算によりますと、国民所得の成長率を七・八%とした場合における水産物に対する需要は十年後には八百四十万トンに達するが、その供給は七百四十万トンにしか達し得ないことになっております。国民所得の倍増を達成し国民生活の向上をはかるためには、水産物の生産を増大させるための諸施策を今後とも強力に推進する必要があるわけであります。従いまして、多獲性大衆魚の生産制限を基調とする魚価安定対策は国民所得倍増案にそむくものと言わねばなりません。  以上のような見地に立って、全国の漁業関係者の長年にわたる切望にこたえ、関係漁業者の所得を積極的に保障する措置を講ずるとともに、他方、国民の食生活の向上に資するため、多獲性大衆魚の価格の安定と適正な魚価水準の実現をはかるべく、この法律を提出することとした次第であります。  以下法律案の骨子について御説明申し上げます。  第一点は、この法律で対象とする魚種を、アジ、サバ、サンマ、イワシ、スルメイカ等の多獲性大衆魚としたことであります。これらの魚種は、その漁獲量においていずれも重要な地位を占め、年間三十ないし五十万トン程度の漁獲を示し、しかもその平均販売価格は一キログラム当たり十五円ないし三十円という最も低廉なものであります。  第二点は、農林大臣または都道府県知事は、組合の申請に基づき、また、漁船等の生産能力を基準として、それぞれ組合ごとに標準販売数量をあらかじめ決定、この数量の限度内において価格を保証することとし、その手続規定を定めたことであります。  第三点は、政府は、多獲性大衆魚につき、その生産費を基準として水産物価格安定審議会に諮った上その保証価格を定めなければならないこととする一方、漁業者が漁業協同組合または同連合会を通じて指定市場において漁獲物を共同販売することを条件として、その平均販売価格が保証価格に達しない場合には、政府はその差額に標準販売数量の限度内における販売数量を乗じた額に相当する金額を組合に交付することとしたことであります。また、交付金の交付を受けた組合は、その組合員に対し、組合員の販売数量に応じて按分してこれを交付しなければならないこととし、組合員の生産費等を補償することといたしております。  第四点は、組合が、多獲性大衆魚を販売する市場を指定することとし、この指定市場の開設者は、組合が多獲性大衆魚をその市場において販売した場合には、その販売価格及び販売数量を農林大臣に報告しなければならないこととし、これに要する経費は国が負担することといたしております。  第五点は、多獲性大衆魚を原料として製造した魚かすの低落を防止し、その価格の安定をはかるため、農林大臣は、必要に応じ輸入魚かすの輸入業者に対しその輸入した魚かすを水産物購買販売事業団に売り渡すべきことを指示することができることにしたことであります。  第六点は、多獲性大衆魚の価格の安定に関する重要事項を調査審議するため、委員二十人以内で組織する水産物価格安定審議会を設置することであります。  第七点は、多獲性大衆魚等の適正な魚価水準の実現をはかるため、特殊法人として水産物購買販売事業団を設けることであります。事業団は、多獲性大衆魚等の保管等のため生産地及び消費地において冷蔵庫の建設、運搬施設の整備等を行なうほか、多獲性大衆魚及びその製品が著しく低落もしくは騰貴し、生産者または消費者を保護する必要がある場合における買い入れ、売り渡し、あるいは大衆魚の需要の増進等に関する業務を行なうものとし、その資本金は、政府出資額二十億円と都道府県、水産業協同組合等の出資額五億円との合計二十五億円とし、その他の組織規定は他の同種組織体の例にならってこれを設けることといたしております。  以上が本案の提案理由及びその概要であります。何とぞ御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。     —————————————

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 芳賀貢君外二十四名提出、水産業改良助長法案を議題とし、提出者に提案理由の説明を求めます。芳賀貢君。     —————————————

芳賀貢日本社会党

○芳賀議員 ただいま議題となりました水産業改良助長法案について、その提案理由を御説明申し上げます。  この法案は、昭和三十四年三月提出され、自来継続して御審議を願っていたものでありますが、昨年十月の衆議院解散により廃案となりましたので、今回若干の修正を行なった上であらためて提出することといたした次第であります。  わが国の水産業は、近来めざましい発展を遂げ、年間、約六百万トン、三千億円に上る漁獲をあげ、国民経済の成長と安定の上に重要な役割を果たしているのでありますが、ひとたび漁業生産の内部構造に目を転じまするならば、そこには企業形態の相違による生産面の断層はきわめて著しく、資本漁業の漁獲は零細なる漁家漁業のそれを圧倒しており、多数の漁民を擁する沿岸漁業の悲運は日に深刻の度を加えていることは、もはやおおうべからざる事実であります。  ここにおいて、このような現実の事態に対する反省の上に立って、ようやく水産政策の重点を沿岸漁業の振興対策に指向し、各般の施策をここに集中すべきであるとの機運が次第に醸成されて参っていることは各位の御承知の通りであります。しかしながら、これらの諸施策が真に実効をおさめるには、漁業者の自主的な再建意欲を盛り上げ、その活動を助長するための裏づけとして、技術の経営に関し国と地方公共団体とが協力一致、指導と援助を行なうことができる基本制度の確立がはかられなければならぬことは言うを待たないところであります。  近年、沿岸漁村においては、青壮年による研究グループが続々と結成され、沿岸漁業振興の推進力として実践活動を行ない、その成果には見るべきものが少なくないのであります。国及び都道府県における試験研究機関の相互の連絡を一そう緊密にし、能率的に試験研究を推進助長するとともに、漁民の要求に応じ、あるいはみずから進んで彼らに接触し、漁掛、養殖及び加工の各般にわたり技術の改良と経営の刷新に役立たしめるよう広くこれを提供し、あわせて生活改善の原理と技術を授け、もって、水産業の合理的な発展と漁民生活の安定に資することができる基本法制を整備いたしますことは、現下の最も重要かつ適切な施策と考えられる次第であります。  このことは、最近におけるわが国農業生産力の顕著な発展と安定が農業改良助長法に裏づけされた農業に関する試験研究及び普及事業の強力な推進によることに徴して毛明らかなところであります。水産業にあっても、農業に劣らずかねてよりその必要が痛感されつつも、立法化がおくれ、辛うじて若干の行政措置により当面を糊塗して参ったというのが現状であります。三十六年度予算によって見ましても、関係予算四千三百九万円であって、新たに設けられることになった沿岸漁業改良普及員はわずかに百名にすぎず、従来からの普及員を加えても百九十六名、一普及区(五漁協の地区を一普及区とする)一名あてを配置する計画のようでありますが、一普及区わずか一名という劣勢をもってしては、真に漁民の話し相手となって複雑な漁業の実態と取り組み、困難な問題を解決することはほとんど不可能と言わざるを得ません。  以上申し述べました趣旨に即し、この際、農業改良助長法の例により所要の法的措置を講じ、水産業改良普及事業の積極的発展の基礎を固めたいと存じ、ここにこの法案を提出いたした次第であります。  次に、この法律案の大要について御説明申し上げます。  第一に、試験研究に対する助長措置でありますが、水産業改良普及事業に関する試験研究を推進するため、国は、都道府県その他の試験研究機関に対し、次の各号に定める経費を補助することといたしました。  (一)水産業改良研究員の設置につい   て都道府県の要する経費の三分の   二  (二)改良普及事業に必要な試験研究   を行なうための試験研究施設の設   置及び運用について都道府県の要   する経費の二分の一  (三)国及び地方の実情から見て緊急   と認められる都道府県及びその他   の試験研究機関の行なう特定の試   験研究に要する経費の全部または   一部  (四)都道府県の行なう水面の総合利   用をはかるため必要な調査並びに   試験に要する経費の二分の一  第二に、農林省の試験研究機関の協力についてでありますが、都道府県水産試験場は、この法律の目的を達成するために行なう試験研究に関し、農林省の試験研究機関に対して必要な助言と協力を求めることができることといたしました。  第三に、水産業改良普及事業に対する助成でありますが、国は、都道府県に対し、水産業改良普及事業に要する経費のうち、次の各号に定める経費を補助することといたしました。  (一)水産専門技術員及び水産改良普   及員の設置のために要する経費の   三分の二  (二)水産専門技術員または水産業改   良普及員の巡回指導、出版物の配   布、講習会の開催、器材の利用そ   の他の手段による漁民に対する水   産業または漁民生活の改善に関す   る教示及び実施展示のために要す   る経費の三分の二  (三)水産業改良普及員の養成及び研   修のために要する経費の二分の一  (四)水産専門技術員または水産改良   普及員に協力して水産業または漁   民生活の改善を推進する漁民の育   成のために要する経費の二分の一  (五)漁村における研究団体の自主的   な活動を助長するために要する経   費の二分の一  第四に、水産業改良普及事業の実施についてでありますが、この法律の規定により補助金の交付を受けた都道府県は、水産業改良普及事業の実施にあたっては、農林大臣と協議して定めた方針によらねばならないことといたしました。  第五に、改良研究員、専門技術員及び改良普及員の任務その他についてでありますが、改良研究員は最も高い資格を有する研究者を充てることといたしており、改良普及事業に必要な試験研究を行なうことをその任務といたしております。専門技術員は、試験研究機関及び水産改良研究員と密接な連絡を保ち、専門の事項について調査研究をするとともに、水産改良普及員を指導することが任務となっております。改良普及員は、直接漁民に接して水産業または漁民生活の改善に関する科学的技術及び経営上の知識の普及指導に当たることを任務といたしました。日常漁民に接し、技術・経営及び生活改善についての普及指導に当たるのは主として改良普及員であり、その能力のいかんは水産業の発展と漁民生活の改善に大きく影響いたします関係から、水産改良普及員の養成と研修を積極的に行なうことといたしております。  第六に、水産改良普及所についてでありますが、各都道府県の特性を勘案し、水産改良普及所を設置し、水産業改良普及員の行なう水産業改良普及事業に関する事務の連絡調整、その他水産業及び漁民生活の改善に関する科学的技術及び経営上の知識の総合的な普及指導に関する事務をとらせることといたしました。  以上が、本案を提出した理由及び法案のおもな内容であります。  何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決下さらんことを希望いたします。     —————————————

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 ただいま提案理由の説明を聴取いたしました両案に対する質疑は後日に譲ります。      ————◇—————

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  ただいま当委員会において審査中の、内閣提出、魚価安定基金法案、漁業生産調整組合法案、角屋堅次郎君外二十四名提出、沿岸漁業振興法案、角屋堅次郎君外二十三名提出、水産物の価格の安定等に関する法律案、及び、芳賀貢君外二十四名提出、水産業改良助長法案について、参考人の出頭を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。  なお、参考人の出頭日時、人選等につきましては委員長に御一任願いたいと存じます。      ————◇—————

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 内閣提出、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題として、補足説明を聴取いたします。伊東農地局長。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由の補足説明をさせていただきます。  本法案につきましては、先般政務次官から提案理由の御説明がございましたので、簡単に補足説明をいたしたいと思いますが、今回の改正案の内容といたしておりますところは、現在の法律では連年災の規定がなかったのでございますが、連年災につきまして公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法と均衡をとりまして特例措置を設けようという趣旨でございます。  実は、三十五年度の災害は、三十四年度なり三十三年度なりに比較いたしますと、どちらかというと規模が小さかったのでございますが、三十四年の伊勢湾台風で非常に激甚な災害を受けました岐阜県でありますとかあるいは京都府でありますとかというところに同じ地域で災害が起きて参りましたので、三十五年につきまして地元から特に要望があったようなわけでございます。  それでこの法案の一部改正を御審議願うわけでございますが、対象になっておりますのは、農地、農業用施設、林道でございまして、漁港は入っておりません。入っておりませんが、漁港につきましては、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法という方で、市町村が管理しております漁港につきましては公共土木の方に規定がございますので、そちらでいっておりますので、こちらの対象になっております農地、農業用施設、林道が連年災の対象になったわけでございます。  公共土木の負担法の関係では、単年災でございますと、標準税収入の二分の一から二倍までのものについては国が四分の三を負担する、標準税収入の二倍をこえますと全額国が負担するというような規定になっておりまして、それが連年災になりますと、二倍と言っておりましたのを、二分の一から標準税収入まで、一倍でございます。それから、国が全額持ちます場合には、従来は二倍をこえるものであったものが、一倍をこえれば連年災の場合には国が全額持つというような規定になっておりますので、これに準じましてこの法律を直したわけでございます。  御存じのように、現行の法律のもとにおきましては、農地、農業用施設、林道の災害復旧というような事業に対しましては、原則としまして、農地にあっては五割、農業用施設は六割五分、林道は、奥地幹線林道でございますと六割五分、その他の林道は五割という補助率の適用がございます。ただし、例外がございまして、いわゆる被害激甚という場合には、これは、法律並びに政令におきまして、今の原則の率が、たとえば農地でありますと五割でございますのが八割、九割まで上がる、施設災害が六割五分といいましたのは、ある金額をこえますと九割あるいは全額、幹線林道でございますと六五が九〇、一〇〇というふうに累進いたすような体系になっております。それで、今度の改正におきましても、補助率の体系としましては、現在の累進して参ります体系の考え方をとっておるわけであります。  それで、適用の町村でございますが、これは、農地、農業用施設に例をとって申し上げますと、現在では、単年度の場合は、一月から十二月までのその年に発生しました災害の災害復旧事業費を関係農家で割ってみました場合に八万円をこえますと、さっき言いましたように五割が八割になったり九割になったり、六割五分が九割、十割というふうになるわけでございますが、連年災につきましては、三年間をとってみまして関係実農家でこれを割ってみました場合に一戸当たりが平均十万円をこえる、それから、なおかつ当年だけをとってみましても二戸当たり四万円をこえるというような市町村につきましてこれは適用市町村にしようというようなことを政令で考えているわけでございます。従来は八万円以上でございましたが、十万円をこえる場合、それから当年度は八万の半分の四万をこえる場合という間のところに線を持って参りまして、それをこえます適用町村につきましてこれを適用するという考え方をとっております。町村につきましては、市町村合併がありまして、市町村合併で広くなりましてこの基準に合わぬというような場合には、町村合併前の町村を対象地域とすることは従来通りでございます。まだはっきりしたことはわかりませんが、こういう基準でやってみますと、三十五年度の災害を受けました町村が千百四十くらいございますが、その一割をこえます百二十くらいのものがこの連年災の適用を受けるのではなかろうかというふうに考えられます。  次に、補助率の算定の方法でございますが、これも農地、農業用施設に例をとって申し上げますと、現在の政令では、関係一農家当たりが八万円をこえる場合、それから十五万円をこえる場合というふうに区切っておりまして、平均八万円までは、農地で五割、農業用施設は六割五分でございますが、八万と十五万の間までは、これは農地が八割、農業用施設が九割でございます。それから、十五万をこえる分につきましては、農地は九割、農業用施設は十割ということで補助金を計算いたしておるのでございますが、連年災の場合には、三年間の災害がその一年間に起きたというふうに仮定しまして、今の八万、十五万というこえるおのおのにつきまして計算しまして補助率を出しまして、それを災害復旧費とその比率をとってみまして、その比率で今度は連年災の補助金をはじくということで、重複いたしておりますような場合は、一体の場合は連年災の方が有利になるというような計算方法になって参るわけでございます。これは林道につきましても大体同じ考え方をとっております。これで計算いたしますと、九千万をこえるくらいのものがこれにさらに追加して災害復旧の補助金としていくのではなかろうかというふうな計算に一応なりますが、これは、実際具体的にまた市町村につきましてこの計算で当たりまして、出ました金は三十五年度の補助金の差額としまして三十六年度になるべく早い機会に交付するというような考え方をとっておるわけでございます。  それから、もう一点、こういう計算をやりました場合と単年度で計算してみました場合といいますのは、単年度でその年が非常に災害が多いという場合には、過去の二年間を入れますと薄まってくるというような場合には、単年度だけをとって計算すればいいということで、どちらでも有利な方でやったらいいじゃないかという規定を置いて、おるわけでございます。  それから、この災害が先ほど申し上げましたように、特に三十五年度の災害が三十四年の伊勢湾台風とダブりまして災害を受けたところがあるという問題がございましたので、災害といたしましては三十五年の一月一日から十二月までに起きた災害につきましてこの法律を適用するということになっているわけでございます。  以上で説明を終わりますが、小災害につきましては、実は、これは公共土木の方にも三十五年度は特例を設けるということがございませんでしたので、農業用施設の小災害につきましては市町村で起債をしてやってもらうというような形で進んでおりますが、農地につきましては私有財産であるというような関係でまだ話し合いがついておりません。これにつきましては、公共土木の方でも特例法を作りませんので、これも一応法律は作らぬということで、連年災の規定を作りまして御審議をお願いしたわけでございます。  そのほかに、資料といたしましてお手元に二つお配りしてあると思いますが、これは特に御説明する必要もございませんので、一枚紙の連年災における補助率の特例の計算例、これは、単年災で普通補助率のものを連年災の補助率でやった場合、あるいは単年災で高率補助になりましてもさらに連年災の規定を用いますれば有利になる場合というようなもの、あるいは単年災でやった方が補助率が上がるというようなものを、ある前提を置きまして計算をしたものでございます。  もう一つの参考資料は、先ほど申し上げましたように、三十五年度の災害につきまして大体どのくらいの町村がこれでやれば適用になるだろうかというようなことを試算いたしてみましたものと、三十三年度からの災害復旧の進度状況を御参考までに差し上げたわけでございます。  よろしくお願いいたします。     —————————————

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 本案につきましては別に御発言もないようでありますから、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 御異議なしと認め、直ちに採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決いたしました。  ただいま議決いたしました法律案の委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  大豆価格の問題等について質疑の通告がありますので、これを許します。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 質疑に入る前に、政務次官が来ておられるのでお尋ねしますが、実は、当委員会においてしばしば砂糖の超過利潤に関する資料の要求をしておるわけなんですが、いまだに提出されないようです。この資料要求の経過は、三月二日の予算委員会の第三分科会において私から農林大臣に資料の要求をいたしまして、直ちに提出するという回答があったわけです。その後提出がありませんので、当委員会において数度提出を督促し、なお政府が自発的に提出しない場合には国会法並びに衆議院規則に基づいて成規の手続で委員長から要求してもらいたい、こういうことになっておるのでありますが、いまだに資料提出がないわけであります。いかなる事情で提出ができないのか、あるいはまた提出がおくれておるのか、この際弁明をしてもらいたいと思います。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 私から超過利潤に関しまする資料の取り扱いの状況につきまして御説明申し上げます。  砂糖の超過利潤に関しまする資料につきましては、私どもの方で過般来しさいに検討をいたしておりまして、農林省といたしましては、三十四年、三十五年のそれぞれの製糖関係企業の実績に基づく数字によりまして精査を一応終えたわけであります。この問題は、過般予算委員会において大蔵大臣から御答弁がありましたような経緯もございますので、その内容について大蔵省方面とも打ち合わせをいたす必要があったわけでございます。それで、大蔵省方面とも相当時間をかけまして検討を進めておったわけでございますが、意外にその間に時間を要したわけでございます。大体大蔵省方面との打ち合わせも順調に進んでおりますので、できるだけ早く最終的な数字に整理いたしまして当委員会に資料として提出するようにいたしたいと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この問題は、昨年末政府側において、砂糖の国内事情等にかんがみて相当超過利潤がメーカー側に吸収されておる、この際超過利潤の内容を明らかにして、あわせて砂糖の自由化政策を進めるという方針が部内で明らかになったわけなのです。従って、その当時、超過利潤がある、あるいはまた自由化を進めるというその基礎的な材料というものは、当然超過利潤の実態から出発したわけですね。ですから、その当時超過利潤の内容というものが明らかになっていなければ、農林省内部においてもそういう議論というのは出てこなかったはずだと思うのです。ですから、その時点の資料というものをわれわれは要求したわけです。それを修正したり適当にでっち上げたような資料であるならば、何もこれは必要ないんですね。われわれが要求したのは、その当時の農林省、政府が、相当不当に類するような超過利潤があると言う、その根拠となった資料を国会に提出してもらいたい、こういう要求を行なったわけなのです。もう四カ月たっておるわけですから、大体見通しとしてはあと何日後あたりにわれわれの要求した資料が提出されるものか、その点についてもこの際明らかにしてもらいたい。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 近くお出しをいたす用意をいたしております資料は、さきに予算委員会におきまして政府側から御説明を申し上げました資料と、その後三十四年及び三十五年の実際の糖価なりまた製造諸経費等の実績に基づきましてそれぞれ計算をいたしましたものと、それぞれととのえましてお出しをいたしたいと思っているわけでございます。これはいずれ資料によりまして詳しく御説明を申し上げることと相なるわけでございますが、前に試算をいたしましたものは、いろいろ前提を置いておりますので、実際の実績で計算をいたしておりますものとある程度数字が違って参っております。それは資料によりまして詳細御説明を申し上げますれば御了解いただけることと考えております。その両方の資料によりまして御説明をするつもりでおります。  それから、提出の時期につきましては、さらに両省とも打ち合わせまして、できるだけ早い機会にお出しするように考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 大体、今までも、できるだけ早く早くと言って四カ月たったのですから、あなた方の言うできるだけというのは何カ月後ということになるか、どうなるのですか。国会が終わるのを待っておるのか、会期中に出すという誠意があるのか、その点ぐらいは明らかにしておいてもらいたい。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 別に延ばしておるわけではないのであります。私どものつもりといたしましては、会期中に御説明申し上げるつもりでおります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、会期中に出すように委員長からも要求しておいて下い。  大豆問題について質問しますが、特にこれは昭和三十五年産の国産大豆の処理についてでありますけれども、当委員会においては、四月十三日及び十四日に農林大臣並びに食糧庁長官に対してこの問題に関して質疑を行なったわけであります。大体質問の内容は政府においても同意しておったわけでありますが、これもその後一カ月半経過しておるのですが、現在どのような作業が進んでおるか、その点について明らかにしてもらいたいのです。当時の事情を判断いたしますと、これは事務当局の責任の範囲において処理できるものであるか、あるいは大臣の政治責任において解決すべきものであるか、判断がこのいずれによるか結論をつけなければならぬというところまで行っておったわけですが、政府としてはどういう方針で進んでおるのですか。大臣の政治責任においてこれを完全に処理する方針でその後仕事を進めておるのか、あるいは食糧庁長官を中心にした事務当局の段階でわれわれの納得のできる処理をする努力をしてきたのか、その点について、これは政務次官から御答弁を願います。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 政務次官からお答えをいただきます前に、私からその後の経過なり現段階におきまする考え方について申し上げておきたいと存じます。  この問題は、前回におきましていろいろ御質疑がございました際にお答え申し上げましたように、三十五年産の大豆の処理に関連いたしまして、農業団体が自主調整をしたものの清算をする場合の価格の基準に関する問題でございます。この問題は、その際にも御指摘がありましたように、大豆の自由化の問題が論議をされました当時からいろいろな経過をたどって参っておるわけでございまして、今日当面の北海道産の大豆五万トンを対象といたしました問題のようにそれほど具体的にこまかく詰めて議論がなされておりませんでした段階が相当期間にわたってあったわけでございます。内地産大豆、北海道産の大豆全体をひっくるめまして総括的な論議をされておったような時代があるわけであります。ただいま当面いたしております問題は、北海道産の大豆につきまして農業団体が集荷をいたしました五万トンを対象とした具体的な問題になっておるわけであります。これにつきましては、私どもの考え方といたしましては、本年産の大豆の支持目標としては三千二百円を適用するということを繰り返し申し上げておるわけでございますが、この三千二百円につきましては、これは、前にも申し上げましたように、従来農安法によりまして支持価格をきめておりましたが、その価格にかえまして三十五年産については特に三千二百円を当てはめるという考え方をとっておるわけでございます。従いまして、そういう考え方に立って考えますと、北海道産の大豆については、三千二百円というものを具体的に当てはめます基準は、いわゆる農産物規格規程のその二の検査を受けたものでなければならぬ、それに三千二百円を当てはめることになるということを繰り返し申し上げておる次第であります。そうなりますと、いわゆる農家手取り三千二百円といいます場合、その価格の実際の農家に対する適用の額がそこに若干の食い違いができるという問題を先般から御指摘になっておるわけでございます。この問題はその後私どもの方でもいろいろ検討をいたしたわけでございますが、従来の農安法価格との関連等の立場から考えますと、この際私ども事務当局といたしまして、従来御説明を申し上げております考え方と変わった考え方をとるということは、私は困難であるというふうに考えるわけでございます。しかしながら、いろいろいきさつもある問題でございますし、最終的にどういうふうな手をいたしますか、さらに農林大臣の御指示、御判断も仰ぎまして、これも会期内に一つ最終的に結論を出すようにさらに考慮いたしたい、さように考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これはその経過について繰り返して説明してもらう必要はないのです。たとえば四月十四日の農林大臣との質疑の中においてもこれは尽くされておるのです。ただ、問題の性質は、歴代の農林大臣、福田農林大臣、南條農林大臣から現在の周東農林大臣に至る間の国会における責任ある言明の中において、その方針の大綱というものは明らかにされておるわけです。しかも、アメリカとの間における大豆の自由化政策を農民の反対を押し切って進める、その自由化に踏み切るという前提の施策として、これは当然なことではあるが、三十五年産の大豆に対する処置、それから三十六年産以降の国産大豆に対する保護政策と畑地農業の振興の線に沿った一連の保護政策を講ずるということがあわせて言明されておるわけです。ですから、最初からこれは政府の政治責任においてこうしますということが表明されておるわけであって、その基本原則は、三十五年産の大豆については農家の庭先手取り価格を三千二百円にしますということが、これは繰り返し繰り返し国会においては明らかになっておる点であります。それを原則を曲げるということは事務当局においてもできないことであります。しかも、食糧庁長官も、昨年の南條農林大臣のこの言明に対しては、私の質問に答えて長官が補足答弁に立って、現在の農安法の規定によると庭先手取り価格三千二百円にすることはなかなか至難であるので、農安法はそのままにしておいて特別の立法措置を講じて必ず三千二百円の手取りになるようにしますということを、これは長官の方から自発的に発言を求めて補足答弁を行なっておるわけです。ですから、これをまた事務当局においても曲げるわけにはいかないわけです。それが、最近になって、いや手取り価格ではない、業者や協同組合等が生産者から大豆を買い取った後に品質をよくするために改造を行なっておる、そういうような姿が変わった大豆を対象にして三千二百円にするというような、こういう間違った見解は国会においては通用しない点ですからして、われわれはそれを取り上げようとはしていないのです。ただ、問題は、三代の大臣にわたって言明した政府の政治的な責任ある態度というものをすみやかに行政的に事務的に処理していくということが長官以下事務担当者の当然の責任であります。これをあなた方は怠っておるのだ。ですから、いつまでにそれを処理するかということをきょうは尋ねたわけであって、今の長官の答弁から言うと、会期中に必ず処理しますということで、これもいいのでありますが、この国会における歴代の政府を代表した農林大臣の言明が事務当局の処理によって狂いがあるようなことは、よもや周東農林大臣もそういうことはしないと思いますが、とにかく、現在の政府のやり方は百パーセント信用できない点が多々あるので、この際念を押す意味において、その基本方針に狂いのないことで作業を進めておるかどうかということ、その点だけをここで重ねて明らかにしてもらえばいいわけです。その点はどうなのですか。これはぜひ大臣がきょうは出席すべきですが、来ておらないので、その点はぜひ八田政務次官から明らかにしてもらいたい。

八田貞義自由民主党農林政務次官

○八田政府委員 従来の経過も十分に織り込みまして検討して参りたいと存じます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでいいですか、長官、間違いないですか。歴代の大臣の言明した通りやっているかやっていないか、これからが大事だ。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 その問題は、先ほど申し上げましたように、いろいろ今までの質疑の中に取りかわされました政府側の考え方につきまして、これは、いろいろの段階におきまして、国内産大豆、北海道産大豆、それぞれこんがらかって議論されておりますから、今北海道産大豆だけにしぼって考えますと、私ども従来繰り返し申し上げております考え方が筋としては別に誤ってはいない、さように考えておりますが、ただいま政務次官からもお答えがありましたように、いろいろその経過のある問題でもございますし、そういうようなこともいろいろ織り込んで考えなければならない筋合いのものと考えます。従いまして、さらに大臣の御判断を仰ぎまして早く結論を出すようにいたしたい、かように考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 政務次官に尋ねますが、池田総理が六月十八日に渡米予定ということになっておりますね。いろいろ向こうへ行けば話をするでしょうが、この自由化の問題もやはり総理が行く仕事の一つだと思うのです。しかし、総理が行って自由化の問題だけを話をつけてきても、国民に約束した、たとえば大豆問題にしても農産物の問題にしても、三十五年産の大豆の処理を国民の納得のいかぬような形のまま放置しておくとか、あるいは今国会に大豆なたね法案が出ておるが、これもやはり自由化をやる場合の前提になる施策として政府は法案を提案しておるわけで、この二つの当面した問題、この国会において今後審議するかもしれないこの法案とか、懸案になっておる審議中の三十五年産の大豆の問題、これを全く処理しないままにアメリカへ行っても、農産物の自由化問題は話ができないと思うのですよ。あるいはまた、外務委員会においては関税協定の条約の修正に対する審議も現在やっているわけですが、これもやはり大豆問題というものがガットの関係において出てきておるわけですね。ですから、そういうことを外交交渉の中において条約を通じて進めながら、国内においては国民を裏切るようなことばかり今までやっておるわけで、これを片づけないで行くということはできないと思うのですが、これはどう考えていますか。

八田貞義自由民主党農林政務次官

○八田政府委員 今芳賀委員のおっしゃることは同感でございまして、十分に検討して参りまして、早い機会に結論を出したいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それから、事務的な点ですが、全販連が手持ちしておる分で三十五年産の対象になるものは五万トンということは長官からも説明があったですね。この五万トンの内容は全部北海道で生産された大豆であるわけです。ですから、問題が複雑ということはないです。この五万トンというのは全部北海道産大豆が中身になっておる点と、それから、前回においては、五万トンのうち一万八千トン程度政府が指導して時価でこれを早期に処分するように進めておるという説明でしたが、現在はこの五万トンがどのくらい処分されて残数がどうなっているという点は説明されると思うのですが、その点と、もう一つは、前の委員会にも問題になっておった北海道における大豆の生産者検査の実情については、当時食糧庁長官も農林大臣もあまり熟知しておらなかった。それで私が資料の要求をしたが、この資料についても十分な資料が提示されておらないのです。きょうは特に総務部長あるいは検査課長の出席を願っておりますが、北海道における大豆の検査の実情というものは、検査法の規格規程の規格その一による検査というものが北海道の大豆の生産者に対する検査である、そういうことを断定して前回は指摘したのだが、これは政府が正当な答弁ができなかった。ですから、この点については実情について岡崎総務部長から説明を願っておけばいいです。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 三十五年産の大豆で処理の対象になっておりますものは五万トン、これは全部北海道産でございます。それから、その五万トンのうち、時価で売却をいたしておりまして、最近までに大体二万七千トン売りまして、残りが二万三千トンになっております。  それから、北海道の検査の実情につきましては、検査課長が出席しておりますから、検査課長から御説明申し上げます。

中正三農林技官(食糧庁総務部検査課長)

○中説明員 お答え申し上げます。  北海道の大豆の検査につきましては、北海道の道条例に基づきまして、食糧事務所が検査を執行いたしておるわけです。北海道の道条例によりますと、道内受け渡しのものにつきましては、規格その一、通常生産検査と申しておりますが、規格その一による検査済みのもので受け渡しをしております。検査を受けなければ受け渡しをしてはいけない、こういうふうになっております。それから、道外に出すものについては、規格その二による検査を受けたものでなければ受け渡しをしてはいけない、そういうふうに道条例できめられておるわけであります。従いまして、規格その二で検査を受けたものは、道内・道外を問わず受け渡しができる、こういうような規定になっております。われわれは、農家の方から主としてその一による検査の請求がございまして、それによって規格その一の検査規格によって等級格付けをいたしております。規格その二は、主として農協あるいは商人による、いわゆる手選りなりあるいは機械選りをいたします調製施設を持った者から検査請求がございまして、規格その二による検査をいたしておるのが現在の実情でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 もう一度確認しておきたいのですが、それでは、北海道における大豆の生産者が、生産した大豆を自分の手で選別して包装して、そして生産者検査を受ける、これは当然なことなのですが、その姿は規格一によって必ず生産者検査を受けなければならぬ、その検査を受けたものを農協とか業者が生産者から買い取るとか、また委託販売をする、そういうことになる。ですから、生産者に課せられた検査の義務というものは、そういうことで終わるわけですね。それで、今度は農協とか業者が買い取った大豆を取引する場合は、北海道内においての取引は規格一の生産者検査のままで取引ができる、それから、北海道外において取引をする場合においては、農協及び業者は規格二に基づいた検査をさらに受けて、そうして取引をしなければならない、こういうふうになっておるわけですね。ですから、実態は、生産者としては、それが道内で取引されるか、あるいは北海道外に取引されるかというのは、これは生産者の意思ではなくて、生産者としては国の検査法の規定とかあるいは北海道の検査条例に基づいて必ず規格一の生産検査を受ける、これで検査に対する生産者の責任とか義務は完了するわけですね。それが最終ということになるわけですね。その点はどうなのですか。

中正三農林技官(食糧庁総務部検査課長)

○中説明員 生産者が検査の請求をいたします場合は、従来の実績によりますと、規格その一による検査請求をいたしております。従いまして、われわれの方の実績といたしましては、生産者が手選りをいたしましてその二の検査請求をしたということは今までほとんどないというのが実情でございます。従いまして、道内で実際に動いておるのは、その二とその一と両方が動いておるというふうにわれわは聞いておるのです。あるいは農家が直接集荷業者その他にその一の規格の検査を受けたものを売り渡ししておる場合がある。それから、買った集荷業者が道内の他の調製業者に売っておる場合もあるようであります。それは自由な形態になっております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 今の検査課長の明快な答弁で大体内容はわかると思うのです。ですから、生産者の果たす段階というものは、規格一の検査を食糧事務所の出張所の庫前で受ける。それまではどうしても生産者がしなければならない。それを終わって、そして農協へ売り渡すとかあるいは業者に売り渡すわけで、それ以後の規格二の検査というものは生産者には直接関係のない行為ということに当然なるわけですね。これを持ち出して、これが生産者価格の基本だなどというのは、全く専門家としては噴飯すべき解釈ということになるわけです。  それで、もう一度お尋ねしたいのは、農産物の価格をきめる場合の考え方は、農安法によって、たとえば、今まで発動はしていないが、大豆、菜種等についても発動する場合も予見されるわけですが、その場合はあらかじめ政府が農安法に基づいて保管すべき指定倉庫というものを告示して指定して、そこに買い上げするものは保管させることになるわけであって、その場合の荷姿というものは、従来の農安法によると、主として消流は北海道外に行なうということで保管を完全にしなければならぬという考え方から、指定された倉庫に買い上げする場合には規格その二によって売り渡せということになっておるのだが、今度の場合は農安法とは何も関係のない特別の行政的な措置ですね。しかも大豆の自由化に関係のある政策的な措置として行なうのであって、歴代の大臣が言ういわゆる生産者手取り価格というのは、生産者が自分の生産した大豆が検査規格の何に当てはまるかということが認定されないと、やはり政府から適正な保護を受けることは当然できないわけです。ですから、その場合の等級が一等級であったとか二等級であったという判断は、当然いわゆる生産者検査である規格一の検査によらなければ、生産者の出した大豆がどういう等級であったかということはわからぬと思うのですが、その点はいかがですか。これは検査課長でも総務部長でもいい。

中正三農林技官(食糧庁総務部検査課長)

○中説明員 生産者が受けますのは、主としてその一の検査を請求いたしております。われわれの方は、条例によりますと、生産者のみならず、検査を請求する者であればいいわけです。生産者がその二で検査請求をいたしましてもかまわないわけです。請求者の自由でございますから、われわれの方は検査規格に従って検査をしていく、それだけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうじゃないのです。あなたのさっきの御説明は、北海道においては実績としては生産者がみずから検査規格二の検査を受けていないということを言われたでしょう。われわれが今問題にしているのは、去年の三十五年産の大豆を問題にしておるのだからして、従来は規格二を生産者自身の農民が受けたことはないということであれば、二は対象にならぬわけですね。そうでしょう。

中正三農林技官(食糧庁総務部検査課長)

○中説明員 生産者が受ける場合は大部分その一で、ほとんどその二による検査請求はなかった、こういうふうに了解いたしております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その点はそれでいいのですが、もう一つ、これはやはり具体的な問題になるのですが、規格一の検査をやった場合の等級と規格二の場合の等級が、これは規格内容が同一のものであるか、違うかどうか、その点は御存じだろうと思うのですが。

中正三農林技官(食糧庁総務部検査課長)

○中説明員 規格その一とその二は等級区分も違っております。それから内容も若干違っております。たとえば、等級では、その一は五等級までございます。その二は三等級しかない。それは調製をいたしますので夾雑物その他が省かれております。製品の幅が比較的狭いということで、その二は等級区分を少なくしておる、こういう状態でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ですから、昨年の事例がら言うと、北海道の大豆の規格一の検査等級は三等級が大体五〇%こしておるのです。今度それを業者や農協がさらに調製して規格二の検査を受けた実績は大体九〇%くらいが規格二の検査による二等級ということになっておる。だから、実態と違ってくるわけですね。ですから、生産者価格手取り三千二百円なんという場合、規格二なんかを無理に当てはめた場合は、これは、生産者は規格一の生産者検査を受けて売り渡しておるのですから、非常に混乱が出るし、その根拠がなくなっておるのです。こういう点は国会でわざわざこまごましたことを議論すべき筋合いのものではないが、従来は農林大臣も長官もそういうことを全然知らないので、えらくなったからわからぬというのがあたりまえだと言えばそうなんだが、国会議員であるわれわれは少なくともそういうことを知っておるわけです。だから、この最終的な処理をする場合も、実際北海道における大豆の検査の実態がどうなっておるかというような点も、現地の事情等食糧長官や第二部関係では十分わからぬと思う。ですから、総務部の方の実際に検査を行なっておる岡崎さんの関係でも、大豆の三十五年の問題には関心を持って一つ十分の資料を出して間違いのない処理ができるようにぜひ積極的にやってもらいたいと思うのですが、いかがですか。

岡崎三郎農林事務官(食糧庁総務部長)

○岡崎説明員 北海道の検査につきまして、ただいましっかりやれということでございますが、これは、ほかの内地と違いまして、北海道では御承知のようにその一とその二と両方やっておるわけであります。限りある人間で非常に最盛期で忙しくやっております。しかし、私どもは、それぞれのその一の検査、その二の検査に応じまして全力を尽くしてやっておるわけでございます。また、私どももそういった末端の事情につきましては十分とはいきませんでしょうが極力勉強いたしておるつもりでございます。先ほどの御質問のその一とその二の検査でございますが、つまり、その一の検査で五等級に分けて、そして集まったものをその五等級の格づけに応じて農協とそれから農家との間で仕切るわけでございます。ただ、その場合に無条件委託ということもございましょうが、大体においてそこで仕切られる。ただ、そのままでは道外に対して出す場合に商品とはなりませんので、その形では流通いたしておりませんで、検査規格その二の検査に合格したそれぞれの格づけに応じて流通しておるわけでございます。でございますから、農協なりあるいは商人の段階で先に五等級に分けられて出て参りました大豆を一ぺん混合いたしまして、それを新しく三つの等級、その二の等級に分けて格づけするわけでございます。ただ、その場合に、経済的な観点から申しますとその二というのは御承知のように段階が三つでございますから、それぞれの段階に応じて一番有利な仕分け方をするというようなことも、これは当然農協なり商人でやっておるわけでございます。私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、建前として道外に移出するものにつきましてはその二の三等級の段階ということになっております。それをとらざるを得ないというようなつもりでただいまやっておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それはよくわかるのですが、ただ、三十五年産の大豆の処理について食糧庁が間違った判断に立って長らく作業をやっておるのです。その間違いは、内部的の事情が明らかになれば、これは是正できるわけですね。そういう点について、岡崎さんの検査関係を掌握しておる方からも、そういう長官たちの間違いというものはやはり是正するための協力が必要だと思うのです。それには、北海道の事情がどうなっておるかということが明確になれば政治的な議論をする必要のない問題ですから、そういう点の努力をしてもらいたいということを言ったわけです。  それから、この点についてこれ以上質問する必要を感じませんが、ただ、今岡崎部長からも言われた通り、生産者が検査を受けて出荷したものをさらに規格二で調製する場合の作業というものは商品化を高める作業だというお話ですが、これはその通りだと思う。ですから、三十五年産大豆についても、歴代大臣は庭先価格手取り三千二百円で全量政府が買い上げるということを当時言ったわけですね。ですから、たとえばその通り政府が生産者から規格一の検査によった大豆を買い上げても、これを国として商品価を高めて処理するためには、そういう調製価格というものとの差額を見ることは必要であるとわれわれは考える。商品価を高めれば国の差損というものは少なくて済むのですからね。ですから、今提案されている大豆なたね法案にこれを当てはめると、その規格二の調製差額というものはやはり経費として落とすべき費用となるわけですね。そういうものを全部除いたあとで、いわゆる生産者価格ということに当然なるわけです。大豆、なたね法案はまだ審議に入っておらぬから、私はそれには触れませんが、そういうことはやはり三十五年産の大豆に対する経費部面の解釈にも当然当てはまると思う。だから、この生産者価格というのは当然規格二を適用すべき問題ではない。それは、末端で全販連が政府の命令によって時価でこれを売るという場合の経費の中から、この規格二にするための調製経費というものはすべて経費として落とされるものであって、結局、生産者の手取り価格という場合には、規格一で農民が検査を受けて、そしてその売り渡す状態というものが対象になるべきで、それがいわゆる生産者の担当すべき状態であるというようにわれわれは解釈しておる。これは政治的な配慮は要らぬですから、純理的に考えてもそうなんじゃないですか。

岡崎三郎農林事務官(食糧庁総務部長)

○岡崎説明員 ただいまの御質問でございますが、私あるいは間違って解釈しておるかもしれませんが、ただいまの芳賀先生のお話ですと、いわゆる調製のための経費というものを当然見るべきじゃないかということでございますが、私、これはあるいは個人的な考えになるかもしれませんが、調製、あるいは機械より、手よりということをやりますのは、商品価値を高めるわけでございます。等級には幅がございますので、従って、全体としてできる限り高い等級にする、しかし、それのコストなども考えましてそしてそういうふうにえり分けるということになるわけでございますので、一方において商品価値を高める、一方においてはそれだけのものがかかるということで、はたしてプラス・マイナスどうかというようなことは、私どもはある程度差引して考えていいのじゃないか、こういうふうに私自身は実は考えておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それはおかしいですよ。食糧庁の計算は、素俵から本作りにする経費が百五十円かかるのだ、そういうことで、生産者価格を百五十円安くして、そして生産者価格を三千二百円でなくて三千五十円くらいにしようと考えておる。だから、プラス・マイナス差引して考えなければならぬというなら、それは調製しないで規格一のままそれが今度は北海道内外で処理をできるようにした方がいいじゃないですか。わざわざ百五十円かかるという経費を加算してもプラスにも何にもならぬ、商品価もそれだけ高まらぬということであれば、もとの姿のままで販売さしたらいい。とにかく、売却した時価と三千二百円との差額というものは国が負担するということを全販連に約束しているのですからね。その差が五百円であっても千円であっても政府は当然負担する約束を全販連にしているのですよ。だから、百五十円かけてやってみてもプラスにならないなら、かけなくてやった方が国としても有利じゃないですか。農民としても有利になると思うのです。現実の問題はそういうことになるじゃないですか。商品価が高まるだろうと言うけれども、売れぬという場合に何も百五十円かけて素俵を木作りにする必要はないじゃないですか。国の負担も少なくならぬ。商品価が百五十円とか二百円高くなればこそ国の差額負担は僅少で済むわけです。それは政府の方にプラスになる面ではないか。それがプラスにならないとすれば、やり方を変えた方がいい。規格一ででもきっちりきめた方がいいじゃないですか。その点どうなんですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 その問題は、私が食糧庁の責任のある立場でお答えをいたしているわけでありまして、ここで岡崎君にいろいろお尋ねになりましても、私がお答えをいたします以前に検査関係の事情は私の方でとくと伺った上でお答えをいたしているわけでありますから、私に一つ御質問を願いたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これはまた農林大臣から最終的な話の結論を出してもらえばいいと思う。きょうはこの程度にしておきますが、会期中に結論をつけるそうですから、これは委員長も記憶しておいて下さい。会期はあすまでですから……。  次は、三十五年産の農産物価格安定法に基づく澱粉の買い上げ措置の点についてですが、われわれが調査した事情によると、本年は、カンショ澱粉の関係は、カンショが例年より不作であった関係で、需給上から、政府が買い上げ措置をしなくても済むのではないかというように判断しているのですが、これは間違いがあれば是正してもらえばいい。しかし、バレイショ澱粉の場合は、現在の市場価格等から見ても、需給関係から見ても、当然これは農安法の発動によって早期に調整保管したものを買い上げる必要がもうすでに生じているわけです。これがまだ行なわれておりませんので、この点に対する政府の作業はどの程度まで進んでいるか、具体的にお話を願いたいと思います。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 カンショ澱粉の方は、ただいまお話がございましたように、本年は、昨年のカンショが予想外にできが悪かったというような関係もございまして、おそらくカンショ澱粉については買い上げをするような事態にならないであろうというふうに私どもは考えております。これは今後の価格の推移その他によって大きく事情が変わりますれば別でありますが、最近のカンショ澱粉の価格の情勢なり、また一応私どもの方でつかんでおりまするカンショ澱粉の需給事情からいたしますれば、おそらくことしは買い上げという段階に至らないであろう。ただ、バレイショ澱粉の方は、カンショ澱粉と事情が違いまして、バレイショ澱粉は相当値段も低い水準で横ばっているようであります。それで、需給関係の方の見通しも、われわれの方で実際に生産いたしました数字その他をよく検討いたしましたところ、どうしてもある程度の数量の買い上げをいたしませんとバレイショ澱粉の価格支持ができない、さような判断に立ちまして、目下買い入れ数量を具体的に計算をいたしまして大蔵省と話し合いを進めております。できるだけ早くきめたい方針で、毎日のように督促をしているわけであります。どうしてもある程度大蔵省と話していると時間がかかりますので、なるべく早く結論を出すようにしたいと考えております。買い入れを予定いたしておりまする数量、今大蔵省と話し合いをいたしておりまする買い入れ数量は六百五十万貫であります。そういう状況であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 大体わかりましたが、それは時期的にはやはり会期中にやるわけですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 これは別に会期ということには関係ないわけでございます。きょうにでも大蔵省の返事が来れば、きょうにでも一つ……。きょうも実は私の方から催促に行こうとしておるところへ芳賀先生からお呼び出しがあってこちらに参りましたようなわけです。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私のために一日延びたようなことになるかもしれませんが、これも、従来の例を見ると、買い上げの時期が適正を欠いておくれつつある。いつもおくれておる。ことしも予算は成立して計上されておるのだし、同じ買い上げする場合には効果のあるような時期に買い上げした方がいいじゃないかというように考えておるわけであります。ぜひこれはすみやかにやってもらいたいと思います。  それで、買い上げ予定の数量は今聞きましたが、現在どの程度農安法に基づいたこの自主調整が行なわれておるのか、それも参考までに数字を聞きたい。

黒河内修農林事務官(食糧庁業務第二部食品課長)

○黒河内説明員 芳賀先生、団体の自主調整数量ですか。——それではちょっと資料を調べましてあとでお返事をいたします。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 資料であと出してもらいたいと思います。  この際、あわせて、これは簡単なことですがお尋ねしておきたいのは、昭和三十六年に生産されるてん菜生産振興臨時措置法に基づくてん菜の価格ですね。いわゆるてん菜糖の原料価格がもうすでに発表になったわけですが、われわれがながめると、これは昭和二十九年以来一貫して千斤当たり三千百五十円という決定になっておる。これは六年も七年も経済事情とか需給事情その他が同一条件で推移しているとは見られないわけですね。特に、今の政府や与党の諸君も宣伝しておる所得倍増とかあるいは農業振興とかあるいは甘味資源の国内自給度の向上とか、そういう点から見ても、ことしはせめて原料価格というものの相当積極的な引き上げということが当然行なわれるという期待をわれわれは持っておったので、あまり国会においてもやかましく指摘しなかったが、しかし、それを指摘しないせいかもしれませんが、また据え置くということになった。これは特にてん菜糖の振興上から見ても非常に悪い影響を及ぼすと思うのです。昨年は特に北海道においてはてん菜の生産状態が例年にない不作だったわけです。そういう状態で、ことしは作付もあまり伸びていないわけなんです。その上に今度はまた原料価格の据え置きということになった。不作のあとにまた水をかけたようなことになったわけで、まことに遺憾にたえないのですが、これはどうしてこういう据置価格になったのか、一応の説明だけは聞いておいて、あとまた適当な機会に内容の質疑はしたいと思います。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 三十六年産の原料てん菜の支持価格につきましては、ただいま御指摘がありましたように、去る四月末日付で告示をいたしたわけでございます。その価格は、トン当たり五千二百五十円ということで、前年と同一、据置価格になっておるわけであります。この原料てん菜の支持価格につきましては、ただいまも御指摘がございましたように、かなり長期にわたって据え置いておるわけであります。一応、過去の傾向としましては、パリティ価格の上昇をいたしております反面、年々生産性の伸び——具体的には反収の伸びでございます。反収の伸びがありまして、それらを総合いたしまして据え置きにいたして参っておるわけでございます。   〔委員長退席、小山委員長代理着   席〕 本年の価格の決定については、かなり長期にわたって据え置かれておりますし、また、今後北海道において原料てん菜の生産を逐次伸ばしていこうという基本的な考え方からいたしまして、相当私どもも慎重に検討いたしたのでございますが、一応、価格計算の基礎は、反収の傾向なりパリティ価格の傾向なりから割り出しまして、総合的には据置価格に決定し得る数字的な根拠は出ておるわけでございますが、それよりも、さらに、総合的な考え方といたしまして、今後北海道、暖地を通じまして原料てん菜の生産をふやしていきますにつきましては、このてん菜そのものの支持価格をどういう水準に置くかということはよほどよく検討して結論を出さなければならぬ。これは、輸入糖との関係その他もございますし、国内甘味資源も順次ふやしていくという立場で考えます場合の原料てん菜の価格支持水準というものはなかな  か判断に慎重を要する問題であります。それで、いろいろ考えたわけでありますが、ことしの場合、具体的には製品でありますてん菜糖を買い入れるという事態は一応予想をしていない。従って、てん菜振興法に基づいて買い入れの告示並びに支持価格の告示をはたしてすべきかどうかというような点もいろいろ問題になったわけでありますが、やはり、原料てん菜の価格を支持するという一つの大きな目標からいたしまして、具体的に製品でありますてん菜糖の買い入れが想定されません場合におきましても、やはり原料てん菜の支持価格というものは政府からこれを告示しておくことの方が望ましいというような考え方から、告示をするということに踏み切ったわけでございます。しかしながら、ここで原料てん菜の価格水準を従来の基準から変えましてこれを手直ししますことは、いろいろ、てん菜糖そのものに対するはね返りその他につきましても十分精査をした上で結論を出さなければならない問題でありますし、ちょうどてん菜振興法も来年三月に満期になりまして、当然これの延長ということも考えなければならない事態になっております。その際はまたこの支持価格制度の内容ともあわせましてこのてん菜に対する全体の対策、制度の裏づけというものを総合的に検討していかなければならぬ、かりに支持価格水準について別の結論を出すといたしましても来年産以降の問題ということに考えまして、本年産は従来の水準でこれを据え置くということに結論を出したわけでございます。  計算の基礎といたしましては、一応、過去五カ年の趨勢、反収の中で著しく偏差の大きい二年、具体的には三十一年と三十五年が除かれるわけでございますが、三十二年から三十四年の平均反収を基準といたしまして、三十六年産の想定反収に対する伸び率、それからパリティ指数の伸び、両方を総合、たしますと、出て参りまする数値はトン当たり五千二百六十円ということになり、前年度が五千二百五十円、大体前年度と同じ程度の数値でありますので、今年産はとりあえず据え置くことにいたしたわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 時間がないですから、今言われた算定の内容等を資料にして委員会に配付してもらいたい。  それから、今お話がありましたが三十五年産のてん菜糖についても買い上げの必要がなかったという話でありますが、これに関連しても、毎年のことでありますが、北海道におけるてん菜工場七工場の昨年の製糖の歩どまりとか、そういう関係の資料もあわせて出してもらいたいと思います。  それから、今の問題ですが、結局買い入れ措置が行なわれないということで振興法もだいぶ弱くなった点もありますが、ただ、その場合、現在のてん菜糖の基準糖価は、いわゆる工場の基準糖価が一斤五十三円十四銭、それから国内の全体の標準糖価を一斤七十二円ということで押えておるわけですが、この五十三円十四銭の標準糖価を設定する場合は、原料価格は浮動性があるとしても、歩どまりについては大体二二%を基準としているわけです。二二%で、一日千二百トン、百二十日操業というような一つの基準がありますが、最近の各工場の成績から言うと、台糖等は去年も二二%を下回ったような歩どまりであるが、あとは大体一四%あるいはそれ以上の歩どまりに上昇しておるわけです。ですから、原料を三千百五十円にいつまでも据え置いた場合に、これは歩どまりが上昇しておる。二二%の基準歩どまりよりも一%以上上昇しておるわけです。ですから、それでいくと、結局この歩どまりの上昇分はメーカー側の利潤がそれだけふえておるということになるわけです。われわれは、原料だけをつり上げて標準糖価をくずせとか、それを上回るように改定しろという考えは持っていないのです。ただ、そういう企業の実態から見た場合に、基準糖価の五十三円十四銭というものの設定内容がどうであったかということを知る者の立場から見ると、この基準糖価の範囲内において、もちろんその工場の企業努力というものはあるとしても、そういうことであげた利潤の増大分に対しては、これは生産者に対しても原料価格の引き上げというような形で配分するのが当然じゃないかというように考えておるのです。それをあえてやらない、基準糖価もくずさないということになれば、これは結局経営者の利益だけを温存するということになるのじゃないか。原料価格は据え置きだが、基準糖価は歩どまりが上がったからまだ下げる、そして国民経済上国民に低廉な砂糖を供給するというのであれば、まだこれは一歩譲って筋が立つが、実際は、歩どまりが上がっておって利潤が増大しておるということを知りながら、原料価格を依然として据え置きにする。しかも、昨年の三十五年は計算から除外したような不作の年なんですよ。こういう実態を知りながら、去年の減収に対しても何ら減収補てんのような価格改定の措置は行なわないで来て、これもことしの試算の対象から除外する、そういうことだけやれば、これはどうしても、そしりは、農民を犠牲にして会社側の利益を擁護するために農林省がやっているんじゃないかということになると思うのです。これは否定できないでしょう。それで、発表した点でありますが、経済事情が変化した場合においては政府の告示価格というものは随時改定できるということになっておるわけです。ですから、今後においても良心的な判断をした場合には改定の機会は収穫までにはあると思いますが、そういう是正をやる用意が今後あるかないかという問題が一つ。もう一つは、会社と生産者がいわゆる契約を締結するわけです。締結する場合には、今までは政府のきめた原料価格によって契約をしてきたわけでなんですが、今度の場合は、そういう不当に安い原料価格を政府が告示したわけですから、生産者と会社間の契約の内容については、たとえば、政府が告示した原料価格の五千二百五十円を、あるいはトン当たり六千円というような契約をした場合でも、それは政府としては妥当な契約であるというふうに認めるかどうか、その点はいかがでありますか。この二点について伺います。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 御指摘のように、てん菜の歩どまりは昔標準糖価をきめました時代に比較をいたしまして順次これは上がってきております。特に去年あたりは全体の原料の生産が少なかったというような関係で非常に歩どまりが高くなっているというような状況であります。この点は原料てん菜の支持価格をきめます場合に十分判断をすべき問題でありますが、ただいまも御質問の中にありましたように、これは、いわゆる製糖加工工場側の歩どまり引き上げの努力なり工夫、またそれに伴う経費の増加というような問題もあるわけでございまして、単純に工場の実績歩どまりというものだけをそのまま織り込んでいくというわけにも参りません。これは、さきにも申し上げましたように、そうなりますと全体を総体として洗い直してみなければならない問題でありますので、今回はその問題まで織り込んで結論を出すということにはいたさなかったわけであります。  それから、今後経済事情の変化等によって検討し直す場合があるというお尋ねでございますが、ことしはおそらくてん菜糖を政府で買い入れるという事態はまずないと考えておりますが、万一そういうような事態が出ました場合には、実際に政府で幾らで価格支持をするかということが現実の問題になってくるわけでございます。その場合には、そのときの情勢によってさらに検討するという用意は持っております。  それから、この支持価格を上回る契約を現実にした場合はどうかということでございますが、この点は国として直接立ち入っておる問題ではございません。それぞれの契約におきまして現実に処理されておるわけでございます。また、それでよろしいというふうに私どもは考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、上回った契約をしても政府はそれに対して干渉や阻害はしないのですね。建前は標準糖価をくずさないということを原則にするわけですね。そういう点が明確になればいいわけです。  それから、価格決定の点については、いろいろ言われましたが、結局会社側の利益を温存するためにことしもまた価格を据え置きにした。これはもう何と言っても否定できないのですね。ですから、所得倍増とかいいかげんなことを宣伝しても、実際今の政府の腹とか、担当者の皆さんの腹は農民を犠牲にするものと言われてもしようがないんじゃないですか。正直な須賀さんだからそれをまっこうからそうでないとも言わぬと思いますが、これは答弁を求めるのは気の毒だから、その点だけを指摘しておきます。  最後に、もう一点。ビート工場の建設問題についても、長年ごたごたして、やはりこれは事務的には解決できない問題だと思いますが、しかし、大臣を補佐する食糧庁長官として、この工場建設の問題を、たとえば許可をするとかしないとかいう問題がいつごろ発表になるかならぬか、その程度のことはおわかりと思いますが、どうですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 これは、ただいまも御質問の中にありましたように、事務的な問題のワクを越えておる面もございますから、私だけの判断ではもちろん申し上げられない問題でございます。私は、三十七年度操業開始に間に合いますように工場の建設認可をするという考え方で、大臣にいろいろ資料を整えてさし上げたり、あるいは私の意見を申し上げておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、世間に流布している池田総理がアメリカに出発する前に何らかの発表があるだろうというようなことを目途にして進めておるわけですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 総理の渡米とは直接関係はないと思います。大体三十七年度に間に合いますような時期までにおきめいただくよう、私どもいろいろ申し上げております。

小山長規自由民主党

○小山委員長代理 本会議散会後再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時四十三分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らな   かった〕      ————◇—————

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