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38回国会衆議院1961/04/13

農林水産委員会 第29号

発言数
223
登壇者
12
会派数
2
開催日
1961/04/13

会議録

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  日ソ漁業交渉の経過等について政府に説明を求めます。周東農林大臣。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 日ソ漁業委員会におきまする経過につきまして、ごく概要を申し上げます。  日ソ漁業委員会の第五回会議にことしはなるのでありますが、これは、実は、最初の予定は一月二十三日から東京で開かれる予定でございましたが、首席の代表で来られるモイセーエフ氏が、病気のために、日本へ来ることがおくれました。ただ、その間にありましてじんぜん待っておることはいかがかということで、話し合いがつきまして、その間科学小委員会というものを開いて、常に問題になっておりまするサケ・マス資源等に関する事項について相互に話し合うということで、常に本会議が開かれた後にやられておりましたのを、むしろ先にこの科学小委員会が開かれました。二月六日から二月二十二日までで大体この小委員会は終わりました。ちょうどそのころ、二月二十日ごろにモイセーエフ氏が参りまして、そこで本会議を始めました。そして本会議を今日まで二十四回ほど開いております。  本会議におけるおもな議題は、科学小委員会においてサケ・マス資源の状態を討議されておりますのを、本会議にかけて、その資源状態について採択するかしないかということであります。これが一つの議題になり、その次に、網の糸だとか針だとかによって損害を受けておる魚の状態なり、従って網の目の大きさをこれからどうするかというような問題が議題になっております。それから、北海道、樺太のニシンの問題。それから、第三はカニの問題。これは、西カムチャッカの資源状態はどうか、それに関連して成熟はどうかというようなことが本会議で問題になりました。  大体、今までのおもな合意の内容でございますが、科学小委員会で論争されました資源状態については、大体、マスに関し、またシロザケ、ベニザケの状態に関しまして、内容について多少の意見の相違はありましたが、一応科学小委員会において話し合った結果は本会議で一応まとまったわけであります。合意に達しておるわけであります。  それから、ニシンにつきましては、これは樺太、北海道においてのニシンについて、今後もなお科学的調査研究を引き続き続行実施するというようなことで話がまとまりました。従って、現在の状態におきましては、サケ・マスの年間の総漁獲量をいかにするかということ、それから、規制措置に関して区域外なり区域内の問題が残っております。  それから、カニにつきましては、去る七日でありますが、金曜日に一応小委員会における非公式会談において意見がまとまったのであります。これを翌日の本会議にかけて決定する段取りになってちょっと停頓いたしておるというのが状況であります。  それから、あとに問題になっています、今新聞紙等でごらんのように、規制区域外というものの魚について、サケ・マスについてもう少し規制を強化しようじゃないかという申し出があります。これに対しては、皆さま御承知の通り、年々、この問題につきましては、これは、日本は、漁業交渉の外にあって自主的規制によって処置をいたしておりまするし、ことに、昨年自主的規制を行ないました結果はその効果も相当見るべきものがあるというので、ことしもまた自主的規制を考えていこうというのに対して、ソ連側では、新聞のように、もう少しこれを区域を拡大して規制しようじゃないかというのが問題になっております。これは、わが方としては、そのことを入れることは認められないという段階に今立っております。  従って、残っている問題は、カニの非公式会談において決定された問題を総会に移すことと、この区域外の自主的規制はどういうふうに進めていくか、最後に、禁止区域内における数量を決定するということが現在残されておる状態であります。  御承知のように、いろいろとデリケートな段階にございますので、詳しく申し上げる自由を持ちませんが、経過としては以上の状態であることを御了承願います。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 ただいまの説明について質疑の通告がありますので、これを許します。角屋堅次郎君。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 第五回の日ソ漁業交渉の経過について今周東農林大臣から御報告があったわけですが、御承知の通り、今度の日ソ漁業交渉は第五回目でありまして、ただいまも大臣お話しのように、ソ連の代表団の渡日の日程等の関係から、従来の本会議から科学技術小委員会の審議に入るという過程でなく、いわゆる小委員会先行方式で今回の会合が開かれることになりましたけれども、日ソ漁業交渉の正式会談の前に、私ども新聞・ラジオ等の報道を通じて承知をしております通り、一月の二十一日に周東農林大臣とイシコフ漁業相との会談もありましたし、また、一月二十五日には小坂外務大臣とイシコフ漁業相との会談もあり、同日また池田総理大臣とイシコフ漁業相との会談等もあり、こえて二月の五日には大日本水産会の会長である高碕さんとイシコフ漁業相との会談も行なわれた。こういう経過の中で二月の六日から科学技術小委員会の審議が開始されて、前後十三回の審議を経て、二月の二十二日にはこれがまとまる、そして二月の二十日以降本会議の中でただいまのような焦点で議事が進められておるというふうに承知をいたしておるわけであります。  そこで、漁業交渉の焦点は、本年度のサケ・マスの漁獲量をどういうふうにきめるかということが重要な問題の一つに相なろうかと思うのであります。この点については、年々サケ・マスの総漁獲量というものがだんだんと減少の過程にありまして、昭和三十二年の第一回の漁業交渉においては、十二万トン、第三回目には十一万トン、第三回目には八万五千トン、昨年の第四回交渉では六万七千五百トン、こういうふうに相なっておるわけでありまするが、本年度の日本側のサケ・マス総漁獲量に対する希望数量というものは、新聞報道等を通じては、本年度は、一昨年の八万五千トン、こういうところに基準を置いて要請がされるというふうに報道されておるわけですが、一部また業界等では、九万五千トン程度の要望も出ておるというふうにも報道されております。これらの細部の数字については、いろいろこれからの折衝の問題もあろうと思うのですけれども、考え方の基準として、本年度のサケ・マス総漁獲量に対する日本側の基本的な考え方というものをどういうところに置いておられるか、お伺いいたしたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 その点はまだ具体的にお話を申し上げる段階でございません。ただ、ことしは、よく言われておりますように、いわゆる豊漁年に当たっております。しかし、豊漁年に当たっておりますけれども、一昨年の事態よりも資源状態は必ずしもよくない。その間においていかに話し合うかということで、今それぞれ考えを練っておりますが、数量についてはまだ申し上げる段階でございません。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 この際、数字的な問題でありまするけれども、水産庁長官の方から、一九六〇年度の昨年のサケ・マスの漁獲量、——これは、ソ連の場合には六万九千五百トン、日本の場合には十三万九千百五十七トン、それがまた実際に、母船式の漁獲量、あるいはまた流し網の漁獲量、はえなわの漁獲量、さらには沿岸における漁獲量等にそれぞれ分かれて、総合計として十三万九千百五十七トンというように出ておるわけなんですが、昨年度におけるサケ・マスの漁獲量の細部についてお話しを願いたい。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 昨年の日本側のサケ・マスの総漁獲量につきましては、御承知のように、区域内の総漁獲量は、第四回の日ソ漁業委員会において、六万七千五百トン、こう決定したわけでございます。これを、母船式と、四十八度以南、四十五度以北の区域において操業するいわゆる以南の流し網の業者等に配分いたしました。その配分の数字は、母船式は五万四千トン、流し網が一万三千五百トンでございます。これに対しまして、それぞれの実績を申し上げますと、母船式が五万三千九百七十六トン、それから流し網が一万二千六百三十トン、以上が区域内の漁獲数量でございます。それから、区域外につきましては、太平洋側のいわゆる区域外の流し網の漁獲量と申しますのは四万八百五十五トン、それから、太平洋のいわゆる四十五度以南において操業するはえなわ漁業者の漁獲量が九千二百十三トン、そのほかに、日本海における多数の小漁船によって漁獲されるもの及び北海道、内地沿岸における漁獲の全体を合わせまして、これは統計上沿岸ということで一本にしぼっておりますが、これが二万二千四百八十三トン、総計いたしまして、角屋委員のおっしゃる十三万九千百五十七トン、こういうふうになっております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 この点については、参考までに、一九六〇年度の数字は今明らかになったわけですが、第一回の漁業交渉以降、第三回までの点についても一つ明らかにしてもらいたい。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 第一回と申しますと、一九五七年、昭和三十二年の漁獲量について申し上げますと、区域内、これは先ほど御指摘がありましたように十二万トンでございます。母船式に割り当てられたのが十万トン、それから流し網が二万トンでございます。これに対しまして、区域内の実績は、母船式が、きわめて少ない端数がございますが、十万トンでございます。流し網が二万トンに対しまして二万一千九十三、こういうことになっております。それから区域外の漁獲につきましては、区域外の太平洋の流し網の漁獲量が二万八千三百二十一トン、太平洋のはえなわ、四十五度以南において操業しますはえなわの漁獲量が一万二千八百五十一トン、それから、日本海及び沿岸すべてを含めまして、いわゆる沿岸と申しますのは一万九千二百七十三トン、こうなっております。従いまして、日本側の総漁獲量は十八万千五百三十九トン、この年におけるソ側の漁獲量は、計画十四万トンに対して十四万九千九百七十八トン、こういうふうになっております。  次いで、一九五八年におきましては、日ソ漁業委員会における第二回の妥結数字は十一万トンでございます。この年はモスクワでございます。これの母船式への割当の数量は九万一千六百六十七トン、流し網への割当は一万八千三百三十三トン、実績は、母船式は九万一千六百十九トン、流し網が一万八千五百二十六トン、その年の区域外につきましては、太平洋の流し網四十五度以南が四万八百五十三トン、はえなわは九千八百七十五トン、沿岸は三万五千百五十七トン、総計いたしますと十九万六千六百三十トン、この年におけるソ連側の計画並びに実績は、計画は十二万トン、漁獲実績は七万三千八十三トン、こういうことになっております。  一昨年、一九五九年におきましては、日ソ漁業委員会の妥結数量は八万五千トンでございまして、これの母船式への割当は七万八百三十四トン、流し網への割当は一万四千百六十六トン、これの実績は、母船式が七万九百十七トン、流し網が一万四千百四十一トン、区域外の実績は、区域外の太平洋の流し網が五万八千七十四トン、はえなわが一万二千百五トン、沿岸が二万三千八百二十四トン、総計いたしまして十七万九千六十一トン、これが日本側の一昨年の実績でございます。その年におけるソ連側の計画並びに実績は、九万五千トンに対して実績九万四千百九十四トン。  昨年の実績は、先ほど申し上げた通りであります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 ただいま水産庁長官からお話がありましたように、サケ・マスの漁獲量の日本側の割当並びに実績の経過につきましても、第一回の約十八万トン、第二回目の約十九万六千トン、第三回目の約十七万九千トン、それから本年の数字が約十三万九千トンということで、第二回目は少々増加したけれども、歴年減少の傾向にあるわけであります。  そこで、科学技術小委員会でもいろいろ資源論争がなされて、最終的には科学技術小委員会として最大公約数の意見の一致を見たということになっておりまするけれども、昨年の第四回の漁業交渉の際に、福田首席代表から共同調査という問題を提起されて、これらの問題については日本側からこれを科学技術会議等の段階で処理するというようなことも意見として述べたように伝えられておりますが、現実には、この共同調査、つまり日本側とソ連側との資源の論争の食い違いが従来から起こっている、これを共同基盤の上に立って共通の認識を持つという立場から、おそらく昨年は共同調査の提案ということになったと思うのでありますが、これらの共同調査の提案以降のこの問題の経過と、こういう問題に対する日本側の考え方というものについて、この際承りたいと思います。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 昨年の第四回のモスクワにおいて開かれました日ソ漁業委員会におきまして、当時福田農林大臣が行かれましてイシコフと話した際に、従来の資源論争というのは、御承知のように、日本側は主として——主としてと申しますよりも、沖取り漁業によるデータに基づく資源論を展開する、ソ側は沿岸あるいは河川における生活史あるいは漁獲、そういうものに基づく資源論、共通の立場でないというところに一つの問題がある、問題というより、そこで資源論というものが常に平行線をたどっていく、こういうことでは結局正しく条約に定められたほんとうの趣旨を実現できないではないか、こういうことのためについに交渉がうまくいかない、従いまして、こういう問題を解決する一つの方法としまして、両方の科学者が相寄って問題を共通の土俵において議論できるような科学者の会議を持ちたい、と申しますのは、たとえば、そういう根本的な問題を離れましても、未成熟魚の問題、未成熟魚をどこで判定するかというような問題についてもすでに両方の見解が違っているわけで、未成熟魚の卵巣の重さの問題とかそういう問題、未成熟そのものが違いますから、いつも議論が全然違う土俵でお互いに行なわれているということになる、そういう点について科学者によってお互いに共通の土俵を作るべく一つやろうじゃないか、こういう申し入れを福田大臣がされまして、イシコフも、それは趣旨において賛成だ、こういうことで、福田大臣は帰国後そういった趣旨の書簡をさらにイシコフあてに出されました。  これは両国政府間においてそういう専門家の会合の場を持とうじゃないかということになったのでございますが、去年秋に至るもソ側としての何らの回答に接しない。従って、そのまま発展をしなかったわけでございます。そうこうするうちに、本年東京で開かれます第五回漁業委員会の期日も迫りました。従いまして、わが方としては、でき得べくんば去年の秋にでもそういう会議を開きたい。要するに、ねらいは、今後における日ソ漁業交渉を安定したものにするために、話し合いをスムーズに進める、従いまして、本年の会議も、いつものような百日交渉でなく、早く進めるという趣旨であった。そこで、去年の秋ごろに持ちたいというふうに希望を持っておりましたけれども、先ほど申し上げましたように、ソ側から何らの回答に接しない。そのうちに年があけてしまった。こういう格好になりまして、多少そこにソ側の認識と日本側の認識が、問題がはっきりクリアになっていなかったものですから、食い違いもあったわけであります。そうこういたしますうちに、会期も迫ってくる。従いまして、日本側としては、こういう専門家の会議を日ソ漁業委員会とは別途に持つということになりますと、それだけいたずらに会期を遅延させるということになりますので、日本側としては、日ソ漁業委員会をやると並行して、そういうものをやるとすればやるべきではないかというような心がまえでいたわけでありますが、その本会議自体が、実は、先ほど大臣の申し上げたように、モイセーエフの病気等で遅延して、二月二十三日までに来ないことが明らかになりました。ちょうどたまたまイシコフがオットセイの代表として日本に参りました際に周東大臣にもお会いして、そこで。周東大臣に対し、イシコフは、ああいう福田さんの提案もあった、要するに、従来のようなお互いに資源論の別の見地に立って、そしてお互いに言いたいことを言って、それでお互いの見解を違うままにいくと、そこから結論は出ないじゃないか、もっと両方で資源論について科学者が十分話し合って、そうしてその土台の上に立って問題を進めていけば、もっと合理的な解決ができるのではないかということで、これはもちろん抽象的にはその通りであるわけであります。しかしながら、今年のやり方としては、要するに、モイセーエフが病気で来られない、そのために日本側としては非常に本会議が遅延することは困るということを言ったのであります。イシコフは、ちょうどそういう科学者の会合というような日本側の提案もあったし、とにかく科学者による資源論をことしは先にやろうじゃないかということを提案してきたわけであります。私どもとしては、本会議がなかなか開かれない事態においては、資源論だけでも先にやるということは会議を促進する上にはきわめていいことであるから、そういうやり方に応じた。ただし、イシコフの言う趣旨は、何もことしに限ってそういうことをやろうということじゃなくて、要するに、御承知のように、オットセイの委員会もしかり、日・米・カの漁業委員会もみな科学者による科学技術委員会が本会議に先行して行なわれておる、そこでディスカッスした結果を本会議において委員が議論する、こういう建前をとっております。その方が時間の節約にもなるであろうということでありますので、イシコフの提案は、そういう趣旨から見ましても決して差しつかえないものである、むしろ審議を促進する、こういうことで、ことしは科学技術小委員会先行方式をとったのであります。  しかし、今申しましたように、イシコフとしましては、今後とも科学技術小委員会を先行して、そこで科学技術資源論をはっきり議論して、その土台の上に立って議論しようじゃないか、こういうことを今後もとりたいということは明らかなようであります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 共同調査の問題に対する今日までの経過については、経過としてはよくわかりましたが、今度の科学技術小委員会等の資源論争の問題については、アメリカの代表をオブザーバーとして参加させるということに双方ともに意見の一致を見て、アメリカの代表がオブザーバーとして参加するという結果に相なったと思いますが、この間の問題について経過をお話し願いたい。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 アメリカのオブザーバーが本会議に先行する科学技術小委員会——そこでサケ・マスの資源問題について討議したのでありますが、その場面にのみ出席するということに本年からなりました。この問題はアメリカ政府としては数年前から実はそういう、希望を持っておったわけであります。いろいろそこに手違い等もありまして実現しなかったわけであります。その趣旨は、御承知のように、北太平洋国際漁業委員会、これは日・米・カで会議を持つわけであります。これにはソ連の要請によってソ側のオブザーバーが出席しております。出席する範囲は限定されております。やはり、科学技術生物学小委員会、それと本会議というふうに限定されております。従って、それに対応いたしまして、アメリカ側としても、同じサケ・マスの——同じと申しますか、サケ・マスの問題でもあるし、科学者として日ソ間に戦わされる科学的な論議には参加したいという希望があった。従って、その限りにおいて、われわれとしてこれは差しつかえないのではないかということで、ソ側と協議をいたしまして、ことしからこれを認めたのであります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 資源論争の問題については、今度の経過もあるわけで、例年交渉の際に大きな問題にいつもなっておるわけでありますが、先ほども御報告になりましたように、第一回以降第四回までの漁獲総数量が年々全体的には減少傾向に来ておる。この点について、ソ連側は、こういう漁獲の減少傾向については、その原因は日本側の沖取り漁業等の乱獲が相当大きな原因になっておるというふうなことを指摘しておるやに聞いておりますが、総漁獲量の減少傾向、つまり、資源の減少傾向の根本的な要因はどこにあるというふうに日本側としては考えられておるか、こういう点についてお伺いしたい。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 資源論につきましては、先ほども申し上げましたように、ソ側と日本側との立場も違っておるということが従来から言われており、事実そうであったわけであります。これは、そういうことでいつまでも並行的なものをやっておったのでは、いつまでも、漁業条約に定められておりますようなほんとうのまともな意味の資源論が出てこない。従って、方向としては、両方が共通の土俵の上に立って議論できるようにする。これが共同調査なり今後の方向であるというわけであります。しかしながら、そこから資源量全体をどういうふうに具体的に把握するかという問題は、おのずから別問題でございます。これは非常にむずかしい問題であろうと思います。実際にそういうことが簡単に実現できるかどうかは、なかなかむずかしい問題でございますが、ソ連側が、従来、全体の減少は日本側の沖とり、特に乱獲にあるということを絶えず強く言ってきておることは事実でございます。日本側としましては、資源に与える影響というのは、それは人間の人為的な漁獲努力というものもありましょうが、自然的な変動要因というものもそこに大きな原因となってある。特にサケ・マスというのは川に上って産卵をするという決定的な生活環境を持っておりますために、その産卵の量が何らかの原因で破壊されたりする場合に、たとえばそこが開発されたり、河床が荒されたりという場合になると、そこのストックはゼロになるわけであります。そういうこともありますので、そういうことはにわかにきめがたい、ソ連の言うごとく、単に日本の沖とりのみが資源に影響を与えるということは絶対に承服できないということをもって対応しております。これはわが方の信ずる通りを申したわけであります。しかしながら、全体の資源状態につきましては、もうすでに御承知と思いますけれども、ことしの科学技術小委員会では、これはソ側と日本側ではそれぞれ最大公約数の外に控えるものはだいぶ違ったものを持っておりますが、日本側としましても、ことしのマスの資源状態については、これはマスが豊漁年、不漁年を決定する要素でありますが、マスの資源状態は奇数年としては低い水準である、一九五九年、おととしが豊漁年、おととしよりは低いであろう、こういうところに合意したわけでございます。日本側もこれは率直に事実として認めております。白サケにつきましては、近年の水準に近い、少なくも一九五七年程度であろう、こういうことで合意に達しております。それから、紅サケにつきましては、去年と同じだ、これはソ側も認めております。こういう資源状態につきまして、両方の合意したところに立ちまして、その原因がどうであろうと、これに即応して、今後の、ことしの漁獲量、いろいろな規制措置、こういうものは考えていきたいと考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 ことしはマスについても豊漁年に当たるというふうに歴年の経過からいけばなるわけですけれども、その点については、今もお話しのように、ソ連側では、これは豊漁年といっても最悪の状態の年になってくるのだと言い、日本では、豊漁年とはいっても低い状態の年になっておると言う。こういうことで、豊漁年についての基本的な考え方についてもやはり両者で論争がなされて、最終的には、最大公約数として、ただいまお話しのようなところで、いずれにしても豊漁年としては必ずしもいい条件の年ではないということに一致をしたように、われわれも報道を通じて承知をしておるわけですが、資源論争の問題で、百日交渉の形で従来から漁業交渉を何回も繰り返してきておるこの状態を今後第六回以降において打開をしていくためには、昨年の福田首席代表の出したような共同調査、その他各般の問題を考えていかなければならぬかと思うのです。この漁業交渉が今後一応の結着を見るとしても、これからの資源論争に対する日本側の理論的な言解というものは、やはり過去の四回を含めての交渉の中ではっきり打ち出すべきじゃなかったかというふうに思うのですが、これからのこういう問題に対する基本的な日本側の考え方というものについて、この際一つ明らかにしてもらいたい。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 結局、従来百日交渉という長い交渉が持たれておったことの一番大きな原因は、一つには、資源に対する評価というものが根本的に違っておったというところに根ざすもの、こういうふうに私は考えております。従いまして、この問題を打開するためには、やはり、両方が同じ土俵の上に立って資源状態を判定するという方に一歩でも近づくように努力するということが必要である、こういうふうに考えております。従いまして、その目的のための共同調査ということ、これは立ち会い調査という意味ではございませんけれども、共同調査をより進めて参るということは必要であろう。従いまして、今年としましても昨年とはまた異なって調査の方式等も新たな項目が加えられます。まだこれははっきり最終決定には至っておりませんけれども、日本の科学者も従来と異なった地域に行くなり向こうの船に乗る、あるいは向こうの科学者も日本側に来るということをさらに進めて参るという方向でいくことになっております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 この機会に、資源論争に対する日本側の科学的な調査体制といいますか、そういうものは一体現状はどういうふうになっておるのか、あるいはまた、この資源論争に備えるためにも、そういう資源論争に対する科学的な調査体制というものの整備についてどういうふうな考え方を持っておられるか、お伺いしたいと思います。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 私、こまかい予算の数字とかそういうものを持ち合わせておりませんので、そういう点についてはちょっと今資料がございませんが、私の方の調査体制というものは、年々拡充せざるを得ないので、拡充して参っております。サケ・マスにつきましては、私の方の水産庁の調査研究、ここが主体、それから、研究所としましては北海道の水産研究所が主体になりまして、わが方の科学者を動員しましてサケ・マスの調査研究をしておりますが、もちろんカニもございます。そのほかに、私どもは、そのために調査船を七隻と思いますが派遣しておりまして、これは、オホーツク海、あるいはべーリング海、さらに四十五度以南、あるいは日本海、——日本海等は昨年から実施しておりますが、ことしからさらに太平洋の四十五度以南についても調査を拡充して参りたい、こう思っております。さらに、そのほかに、御承知のように、今十二船団、母船式のサケ・マス船団が出ておりまして、これに乗せます監督官、これは監督官であると同時に調査を担当する者でありますが、それを、一昨年までは一人ずつ乗せておりましたものを、去年から二人ずつ乗せております。これは、監督を強化すると同時に調査の体制も整える、こういうことでやっております。私の方としましては、現在許される範囲において最大の努力を傾注してデータの収集ということをやって、それに基づいて調査の結果を取りまとめております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 ソ連側のこういう資源論争に対する研究体制というふうなものについて私はお伺いをしたいと思うのですけれども、今度のソ連側の代表団のモイセーエフが全連邦海洋漁業海洋学研究所の所長代理だということでありますし、また、パーニンは太平洋海岸漁業海洋学研究所長、こういうふうに承っておりますし、そういうようなことで、やはりソ連側の代表人員は資源論争に十分たえるような試験研究体制の人々が代表団として加わっているように判断しているわけですけれども、この機会に、ソ連のこういう極東方面の北洋漁業を中心にした試験研究体制、そういうものについての現状を  一つお聞かせ願いたい。

法眼晋作外務事務官(欧亜局長)

○法眼政府委員 ソ連側の研究体制は、これは十二分にはわかっておりませんけれども、大体わかっておるところでは、全国に四カ所の研究所を持っております。その中央の研究所の所長代理というのがモイセーエフ氏であるわけであります。四つのうちの一つの研究所長が。パーニン氏である、こういうことに了解しております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 これは一月二十五日の小坂・イシコフ会談でも取り上げられたし、おそらく一月二十一日の周東・イシコフ会談でも取り上げられたと思うが、これは大臣から明らかにしてもらわなければわかりませんが、例の北洋漁業における安全操業の問題であります。この点については、ソ連側として、私どもが承っておるところでは、これは日ソの平和条約締結後において審議すべき問題であるというふうな立場に立っておられるやに聞いておるわけですけれども、この問題については特に小坂・イシコフ会談において安全操業の問題についてソ連側の十分なる誠意を要請をしたというふうに承っておりますが、日本政府の方では、この問題については暫定案等提示して、これらの問題についての円滑なる解決ということでいろいろ折衝しておるように承っておるが、安全操業の問題に対する従来の経過と日本の考え方について明らかにしてもらいたいと思います。

法眼晋作外務事務官(欧亜局長)

○法眼政府委員 安全操業に関します日本側の態度は、従来しばしば新聞等に報道されておる通りでありまして、御承知の通りだと思いますけれども、これは、要するに、あの地域の領土権の問題がまだ解決しておらぬ、そこで、領土権の問題の解決前の暫定的措置として、昔からあの辺に漁捜しておった日本の漁夫、漁民の操業を安全ならしめたい、こういう趣旨をもって一貫して交渉していることは御承知の通りであります。ただ、ソ連側は、これに対しては、当初一時は、交渉に入ろう、こういう意思を表明したことがあるのでございますけれども、その後、その理由はわかりませんけれども、これは平和条約ができなければ取り上げられない、こういう回答でありました。先般イシコフ氏が来たときも、やはりソ連の態度は変わっておらぬ、こういうことの繰り返しが見られたわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 この点について、日本側の従来から提示しておる暫定案というものの内容はどういうふうなものですか。

法眼晋作外務事務官(欧亜局長)

○法眼政府委員 これは正確を期するために一応詳細を調べましてから追って申し上げたいと思います。私はその案の御質問があると思わなかったものですから案を持っておりませんので、これは次の機会にでも御説明したいと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 この点は外務大臣が直接安全操業の問題ではイシコフ会談のときに話し合っているわけです。われわれがこの日ソ漁業交渉を取り上げる立場は、政府が責任を持って交渉しておる点についていろいろ追及をするという立場でなしに、問題を日本の北洋漁業の立場からより適正に解決するという立場でやっておるわけですし、やはり北洋漁業の問題は重要な問題ですから、できれば外務大臣等にも出席を願って、二十五日の小坂・イシコフ会談におけるこちら側の要請並びにそれに対するソ連側の見解等についてもこの機会にぜひ明らかにしてもらいたいと思いますが、その点は委員長の方ですみやかに連絡を願いたいと思います。  安全操業の問題にも関連するわけでありますけれども、御承知の通り、昭和三十一年に締結をいたしました海難救助協定というものについての改善問題について、御承知のように、日本側から従来から強く要請しておるわけです。とれらの問題について日本の水産界の代表がイシコフと会談をしたときには非常に好意的な態度であったというふうにも新聞報道を通じて伝えられておるわけですが、この海難救助協定の改善問題ということについて、現段階における状況をお話し願いたいと思います。

法眼晋作外務事務官(欧亜局長)

○法眼政府委員 この海難救助協定については、締結した当時から、緊急と申しますか、たとえば病人が出るとか、そういう場合には当然向こうの港に入れるということは、これは暗黙の前提であったわけです。従って、現在でも、その点は、明文がないけれども、事実上日本の漁船が入ってソ連もこれを拒否しておらぬ、こういう実情でございます。従いまして、この点については、現在急にこれを明文の上に書く必要がないのじゃないか、何となれば、条約自体がそれを前提にしておる、こういうふうな考えで進んでおるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 海上保安庁の方からお見えになっておると思うのですが、北洋漁業等の場合における海難救助等に対する海上保安庁の取り扱い、そういうふうな問題を含めてお話しを願いたいと思います。

松野清秀海上保安官(警備救難監)

○松野説明員 日本の漁船がたとえば千島列島のどこかに緊急入域したいというような場合におきましては、漁船の方から海上保安庁に連絡があります。そこで、海上保安庁におきましては、直ちにウラジオストックのURH局に連絡いたします。そういうことにしておりますが、少なくとも最近におきましては緊急入域は円滑に行なわれておるものと存じております。また、海難にかかりまして早急に救助が必要であるというような場合におきましては、もちろん私どもの方の巡視船も直ちに出動はいたしますが、特にソ連側の救助が必要であるという場合におきましては、やはり海上保安庁からURH局に連絡をいたします。従来も必要があれば非常に好意的にソ連側も救助に当たっていただいておるという状況であります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 今回の交渉の焦点になっておるような漁業交渉の問題は、大体漁期としては五月から八月にかけての問題になるわけですが、海上保安庁の方にお伺いしたいと思うのですが、こういう北洋漁業の操業時における海上保安庁としての海難救助等を含めての体制、段取りというものは従来からどういうふうにやっておるか、現況をお伺いしたい。

松野清秀海上保安官(警備救難監)

○松野説明員 海上保安庁におきましては、昭和二十七年の夏ごろから、漁船が違反操業をしないように、あわせて拿捕されないように、特にある程度の船艇は専従的にあの方面の海域を哨戒させております。御承知のように、北洋におきましては、特に冬季においては海象、気象等の関係で非常に海難船舶が多い実情でありますので、私どもといたしましては、できるだけ一管区の船艇、船腹を増強いたしまして、海難救助もあわせまして操業の秩序の維持並びに拿捕というような点に対して努力して参っておるというのが現在の状況であります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 今度の会議に水産庁の方から資料として出されたと思うのですが、昨年度においての日本漁船の違反件数は一体どういうふうな状況であったか、御報告を願いたい。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 今たまたま私その資料を持って参っておりませんが、違反で日本側の出したのは、たしか四十件程度だったのではないかと思います。これは間違うといけませんから、もし何でしたらあとでお知らせしますが、ただ、違反の内容はいろいろございますが、たとえば母船式についていった独航船の違反というものもありますし、一番多いのはオホーツク海における無許可船の操業であります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 日本側の昨年度においての日本漁船の違反件数というのは、報道等を通じて承知をしているところでは、司法行政処分の完了したものが三十八件、現在取り調べ中のものが四件、ソ連側が摘発したものでその調査のまだ届いてないものが七件、こういうふうな形になっておるように聞いておるのですが、大体、北洋漁業等は国際的な関連の問題もありまして、こういう問題についてはいろいろ日本側としても行政指導その他の面で十分配慮しておると思うのですが、こういうふうな問題に対する従来からの指導方針というものはどういうふうにやっておられるか、伺いたい。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 私どもとしまして、一つの基本的な考え方としましては、これは条約に基づく国際漁業でありますので、主張すべきことは主張するかわりに、きめられたことははっきり日本側としても守るという体制が必要であろうと思います。そういう意味におきまして、取り締まりには万全の措置を払っておるわけでございますが、何せ、広漠たる海洋であるし、そこに操業する隻数も非常に多いために、毎年違反があとを断たないということについては非常に遺憾に思っておりますが、その監督、指導、取り締まり体制の強化の措置としましては、先ほど申しましたように、昨年から母船式につきましては監督官を二人に増強するというようなこと、あるいは去年から重量計を各母船につけさせまして、その漁獲量をはっきり記入するということを実施しております。それから、母船が製品を持ってくる場合において、陸揚げ地においてその数量々検査するということを実施しておりすす。それから、以南の流し網なり、あるいははえなわにつきましては、従来から非常に無許可船が多いということにもかんがみまして、流し網につきましては、ダイダイ色と申しますか、日通色に船体から全部塗らしております。はえなわにつきましては空色を塗らしております。こういうことにしまして、いわゆる無許可船は、船体まで塗っていくというわけにはなかなかいかないということで、無許可船の対策としては非常に効果をあげておるというふうに考えております。  そのほかにもいろいろございますが、たとえば、母船式の操業につきまして、網の長さが十二キロ及び十五キロときめられております。これを従来とかく非常に多く持っていくというようなことも聞かれておりますので、昨年からその辺の点の取り締まりは厳重にやって参り、昨年の操業におきまして、母船に付属しています独航船で網の長さの長いために摘発されたのがたしか七隻かありました。結局処分されましたのは七隻。これは操業の途中で起きましたけれども、私どもとしては、直ちにその漁船は釧路まで帰港を命じまして、そこで行政処分をするということで、厳重な処分をする。これは、きめられたことを確実にやるということは、国際漁業にあっては絶対必要なことであります。これをやらない限り日本側の主張というものは年々弱くなっていくということにかんがみまして、本年におきましても、昨年と同様、あるいはもっときっちり監督、指導、取り締まり体制を整備していきたい、こういうふうに考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 これは日ソ漁業条約の付属書の関係になる問題で技術的な問題に入りますが、先ほど大臣からも少し話が出たかと思うのですけれども、網目の問題、あるいはまた網糸の太さの問題等が本年度の場合もやはり爼上に上りまして、特に網目の問題等については、いろいろ両者の見解等について論争があって、最終的に三月の十六日に網目の問題については一致したというふうに承知をいたしておるわけですが、これらの網目なり網糸の太さの問題についての交渉の経過と、それから結論というふうなものについて一つお知らせを願いたい。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 網目の問題につきましては、従来母船式につきまして六十・五ミリという網目を使っていたわけでございます。ところが、ソ連側としましては、この網目は小さ過ぎる、要するにここにいろいろな技術的な問題がからむわけでございますが、小さ過ぎる、もっと太くしろということを絶えず主張しております。これはもう第一回から問題になっておりましたけれども、ソ連側は六十五ミリとか六十八ミリとかいうことを言っておりますが、結局、一昨年の東京の会議におきまして、日本側としては、母船式については、ある一定の線を南北に引きまして、それの東側においては六十五ミリを使う、しかしそれは毎年四分の一ずつ変えていくということで、それは昨年からです。四分の一ずつ変えて、ある線より東については全部六十五ミリ、それより西は六十・五ミリ。これは、マスとか、ベニ、シロというのは、漁場によって魚体がいろいろ違うわけであります。それで、そういうようなことに一応なっていたのでございますが、昨年の交渉におきまして、日本側としては、それは二重に網を持っていかなければならないといろことなので、そういう線をきめるということは、これは科学的に非常にむずかしい、合理性が乏しいというようなことで、ともかく昨年から網目は全海域について六十五ミリを四分の一にするということで、一応妥結したわけであります。ことしにつきましても、日本側としては、おととしの日本側の提案もございますけれども、もっと現実的に問題を解決する方法として、よろしい、今後は全水域にやるかわりに六十五ミリは半分にしようじゃないか、こういう提案をしたわけであります。ところが、そういう問題につきまして、なかなかソ連もイエスとは言いませんで、結局、ともかくことしは、半分は六十五ミリ、半分は六十・五ミリということで妥結いたしました。わが方としましては、今後もこれでやるべきじゃないか。要するに、ある境界から東は全部六十五ミリ、西は六十・五ミリということになりますと、網を二重に持っていくという問題にもなりますので、今後もこういう方向でやって参りたい。ただ、昨年は六十八ミリの網目の問題をソ側は非常に強く主張いたしましたけれども、本年はそれは別途調査をしてみるというようなことで、その問題はケリになりました。  網糸の太さにつきましては、従来からソ連側は、これがいわゆる損傷魚を発生するもとになるのだ、もっと糸を太くしろというような議論を強くして参りましたけれども、わが方としましては、必ずしもそういうふうには言、えない、これは張力の問題とか糸の質の問題というような非常に技術的な問題も関連いたしますけれども、結局、本年としましても、これはさらに両国で検討をする、こういうことで妥結したわけであります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 今度の第五回の漁業交渉の中では、資源に関するいろいろな双方の討議の問題も非常に焦点の一つでありましたが、同時に、今日非常に微妙な段階といいますか、デリケートな段階にあると言われているのは、要するに規制区域の問題であります。この点については、モスクワ放送なり、あるいはまたおそらく今日の本会議等で毛、向こう側から——きょうの新聞では、正式に規制区域の拡大というふうな形できのう提案したやに報道しておりますけれども、規制区域の問題については、日本側としては、規制区域内のサケ・マス総漁獲量の問題や、あるいは漁獲禁止区域の設定その他の規制措置の問題や、さらにまた規制区域の内容等の問題を一括して討議に付すべき問題であるというふうに考えておるように報道しておりますが、ソ連側の方では、規制区域の境界問題を先議すべきであるというふうな見解のように承っておりまするけれども、従来の交渉経過の中でも、禁止区域が出されて参ったり、あるいは停止区域が新設されたりして、いろいろ規制区域問題というのは一つの漁業交渉の中の難問題に相なっておるわけですけれども、これらの問題の交渉の経過と、討議の経過と、今日の時点における状況について、発表し得る範囲内でもけっこうでありまするから、お話しを願いたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 この点は、先ほどもお話を申し上げましたように、規制区域の境界線の拡大ということを言っておりますけれども、わが方としては、従来からこれは日本政府の自主的の規制によって昨年も非常に効果をあげておりますから、その方向で進みたいというので、規制区域の拡大は今こちらは認めておらぬわけであります。これはあくまでも私どもはその主張を貫きたいという気持で交渉しております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 規制区域外の問題についてはそれぞれの国の自主規制でやるという立場については、その方向でよろしかろうというふうに私自身は考えますが、しかし、資源の立場から言えば、規制区域内にあると規制区域外にあるとを問わず、資源の保存あるいは資源の培養という問題については、やはり双方に関連をして考えていかなければならぬ問題だろうと思うのです。そこで、問題になるのは、昨年から実施をしてきておる日本の自主規制の実態というものが、やはり向こう側で規制区域の拡大と関連をして取り上げてくる一つの根拠になっているのじゃないかという判断をするわけです。そこで、水産庁では三月の二十三日に全国のサケ・マス流し網業者等の団体と会合を持って自主規制等の問題についていろいろ話し合いを進めたいというふうな報道等も出ておりまするけれども、日本側として自主規制の措置をあくまでも堅持してやるという立場に立つ以上、従来からとってきている自主規制の措置あるいは今後自主規制として新しくまた考えなければならぬ問題等も含めて、どういうふうに対処しようとしておるのか、こういう点について一つ明らかにしてもらいたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 お話の点でございますが、昨年とりました自主規制の結果は非常に効果をあげて、その漁獲高も昨年は一昨年に比して二万トンも減じてきたのであります。そういう規制の方法をとってその効用をあげておるのであります。本年向こうの言うのは、内容よりも区域を広げろ、規制区域を拡大しろと言うのです。私どもは、それは応ぜられない。しからば内容についてどういう交渉をするかということは、まだ今日ここで申し上げる段階ではないと思います。ただ、お尋ねの中の昨年とった自主規制はどういうことであるかということについては、事務当局からお答えいたします。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 この規制区域の拡大の問題は、実は昨年も議題としてソ側が提起しておったわけであります。それに対しまして、日本側としては、自主規制をするということで、結局この審議には応じなかったということで、昨年はそのままになったわけであります。今年は、この区域の拡張、いわゆる規制区域の中にあります漁獲量なりあらゆる規制措置がかぶされるということにつきまして、私どもとしてはこの区域を拡大するということには応じられない、ただいま大臣のおっしゃった通りであります。しかしながら、資源の状態というものにもかんがみて、日本側として自主的な規制はやる、こういうことで今対処しているわけでございます。  昨年の自主規制措置というものにつきましては、いろいろこまかい点はございますけれども、一口に申し上げますと、要するに、先ほど申し上げました陸揚げ量を制限するとか船の大型化を認めないとかいうことのほかに、区域内と区域外という問題が従来から一つ問題になってきたわけでございます。と申しますのは、従来から四月の中旬から区域外に出漁をする。そうして、六月の二十日過ぎから、日ソ漁業条約によって妥結されましたところによって、——昨年であります六万七千五百トンのうちの一万三千五百トンが以南の流し網の業者の区域内の漁獲量として割り当てられたわけでございますが、このようにしまして、六月の二十日ごろから区域内に入って従来操業をしたわけであります。ところが、区域内に入りました際におきましては、結局、昨年で申しますれば一万三千五百トンというものを各漁船に割り当てて、そうしてノルマを与えて、それ以上とってはいけない。これはもう区域内の操業は当然そうしなければいけない。こういうことをやっておりましたけれども、従来沖で漁船の位置が必ずしもわからないということもありまして、区域内でとったものを区域外というようなことで申告されました場合においても、これは必ずしもわからない。そういうことで非常にソ側も疑惑を持ちまして、要するに、区域外と区域内というものはごっちゃになっているじゃないか、お前の方は区域内は一万三千五百トンとか言うけれども、実は五万トンもとっていながら、それはみな区域外につけかえているじゃないか、こういうことを絶えず言ってきたわけです。これに対処するために、昨年から入域許可証というものを発給しまして、これは区域内に入る場合の許可証で、第二段の許可証である。そこにノルマが書かれるわけです。それを発給したあとは、どこでとってもそれは区域内とみなすという措置をとったわけです。それが昨年の規制措置の一つの大きな眼目でございます。本年どういう措置をとるかということにつきましては、これはまだわれわれの方として最終的に決定しておりませんし、今申し上げる段階ではない、こう思っております。  いずれにしましても、私どもとして、区域の拡張ということは日本側として応じられないけれども、自主的にとるべき措置はとらなくちゃならない、これはとる用意がある、こういうことははっきり申せると思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 区域の境界の問題については、きょうの新聞報道では、きのうの本会議で正式にソ連側から提案をされた、こういうふうに報道されているわけですが、正式に提案されたというきのうの本会議の状況はその通りでございますか。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 ことしの本会議の議題としましては、区域の境界についてという議題が正式に当初から載っておりますから、昨日の本会議においてその正式議題についてのソ側の見解が表明された、こういうふうに御了解願いたい。それで、先ほど大臣の申し上げた通り、ソ側は、新聞にも出ておりますように、区域の境界を拡大すべきであるという主張。それに対して日本側は反論いたしておる。ただ、この問題につきましては、最近もう二週間以上、非公式会談という格好では絶えず論議は進めております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 オホーツク海の禁止区域あるいは昨年の交渉で出て参りました停止区域等の問題に対する今年の第五回漁業交渉にあたっての日本側の方針というものは、そういう区域についての撤廃なりあるいは是正なりという方針で臨んでおられるかどうか、その辺のところの本年度の日本側の折衝の立場というものはどういうことでございますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 これらはいろいろすべての問題を解決することに関連をしておる事柄でございます。まだここで申し上げる段階ではございません。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 先ほども触れた問題でありますけれども、自主規制措置の問題で、三月二十三日に関係業界、団体を集めて、水産庁から、漁期の制限問題、あるいは休漁期の設定問題、あるいは漁獲数量検査の徹底の問題などについて、従来の自主規制に加えてさらに自主規制の徹底を期するためにこれらの問題を提示したというふうに伝えられ、また、これらの問題については関係業界としてはいろいろ難色を示したというふうな点が報道されているわけですけれども、自主規制問題に対する今申しましたような経過について、少しく水産庁の長官からお話し願いたい。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 自主規制の問題につきまして、これは太平洋の流し網業者のみならずはえなわ業者、これらの業界の方とは、最近もう二週間以上にわたり、ほとんど連日のように話は進めております。その自主規制という趣旨は、条約上、委員会の決定によってやるのじゃなしに、日本政府としての独自の考えでやる、こういうことでございます。それは日本政府の責任においてやる。しかし、その内容につきましては、業界の希望等も必ずしも受け入れられない場合もありますが、できるだけ受け入れるという意味において、ここ二週間ばかりほとんど連続していろいろ話を伺っております。今角屋さんの言われたようなこともその中に話題としては出ました。しかし、最終的な具体的な姿につきまして、私どもとしては今まだ申し上げる段階には至っておらない、こう御了承願います。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 角谷委員に申し上げますが、できる限り簡潔に。また、政府答弁も簡潔に願います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 それでは、規制区域の問題について毛さらに問題がありまするけれども、本会議で決定する段取りにまでいっておりましたカニの漁業規制の問題について、これは、日本側、ソ連側ともにおおむね見解の一致を見て、本会議の採択というふうな段階に進もうとする中で規制区域等の問題についてまた本会議で議題が変わったということなんですけれども、このカニの漁業交渉の問題についての妥結点というふうなものについてお話し願いたい。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 カニにつきましては、先ほど大臣からちょっとお触れになりましたように、先週の七日に小委員会の非公式な会談において妥結をして、八日に本会議で決定するばかりになっておりましたが、突如としてその会議に出られないという向こうからの話があり、それっきりになっておりますことは事実であります。いかなる理由によるか、それにつきましてはわれわれとしてにわかにわかりません。ただし、いろいろ技術的な問題についてもう少しカニについては話があるというようなことを向こうは言っておるようです。私の考えとしましては、おそらく一両日中に片づくのではないか、また、片づけなければいけない、こういうふうに考えております。本年の非公式会談で一応きまりましたところは、昨年とほとんど全くと言っていいほど同じでございます。従いまして、漁獲量も日本がカン詰にしまして二十六万ケース、それから、ただ一つ違いますのは五月の漁期です。それから、沈設反数とか、そういうものも、沈設期間も全部前年通りでございます。ただ、ソ連と日本との船団が漁区割当をする期間は五月二十日を五月二十五日まで延ばす、そのあとは自由である、それだけが違う、こういうように思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 五月の出漁を真近に控えて、今日折衝されておる日ソの漁業交渉の問題がこの出漁の前に双方ともに意見の一致を見て解決するかどうかという日ソの漁業交渉の今後の見通しという問題、これは出漁を控えておる直接の関係団体としては最大の関心事だろうと思うのです。すでに資源論争等についてもいろいろありましたけれども、これらの問題については科学技術小委員会でおおむね結論が出され、本会議で採択され、今日先ほど来承っておりますように、規制区域等の最大の難関に問題の焦点が来ておるわけですけれども、これらの問題が両者の十分なる意見の一致を見て日ソ漁業交渉全体として妥結する時期、それが出漁等の問題に対して十分即応し得る時期において、解決できるかどうか、今度の場合は、これらの問題について、日本側から出しておる代表団とソ連側の代表団との話し合いでもって最終段階の妥結点までいくのか、あるいは問題の推移いかんによっては政治折衝というふうなことまで進まなければならぬという問題にまで発展をするのか、これら日ソ漁業交渉の漁期を控えての今後の見通しというものについてはこの機会に明らかにしてもらいたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 この点に対しましては、私どもも、できるだけ早く妥結して、業界の方々の出漁をできるようにいたしたいということで折衝いたしております。しかし、あくまでも相手のありますことですから、私どもはできるだけ円満裏にこの話し合いをつけるためにいろいろと今後も努力し続けていくつもりであります。ただいまのところ、いつごろまでに妥結するかというお話は、ちょっとこれは申し上げることもおかしいし、時期をきめることも困難だと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 ただいまの点、大臣の話では、漁期を控えておるだけに、問題が非常に難航する場合においては政治的な折衝も含めて漁期に間に合うように解決をする、こういう方針で今後の最終的な交渉に臨まれるということであるのかどうかだけは少なくとも大臣として明らかにしてもらいたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 だんだん切迫してはおりますが、まだ時期はございます。今からそういう話を、どうしますということを申し上げることはまだ早いと思います。決して去年の五月十八日まで待つとかなんとかいうことじゃございませんけれども、まだ時期もございますし、その間懸命の努力をして、できる限り円満に持っていきたいと思うのであります。必要があれば今お話しのようなことになるかと思いますが、今事務的に各委員が熱心にやっておりますものを、もうできなくなったから政治的にやるかというようなことを今申し上げる段階ではないと思います。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 楢崎弥之助君。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 本来漁業というものは平和のうちに行なわれるものであるわけです。それが監視とかあるいは臨検とか拿捕とかいうような全く戦時さながらのもとにこういう漁業が現在もなお行なわれておるということは、全く漁民にとってはけしからぬことだと思います。そこで、たとえば北洋漁業は今進行しておる日ソ漁業交渉に見られる通り。また、李ライン問題では最近も福岡市の船が拿捕されておる。また、日中の漁業協定ももう無協約状態になって四年近い。あるいはアラフラ海の真珠の採取の問題もあるし、あるいは日・米・カの漁業交渉の問題もある。こういう八方ふさがりの日本の国際漁業について、一体政府は今どういう打開策といいますか根本的な考えを持っておられるか、まずお伺いしたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 お話のように各地域においていろいろ問題がありまするが、私どもは、あくまでも、国際漁場において漁業をしていくという問題については、国際間における漁業協定を守る信義の上に立って、資源保護を考えつつ漁獲を進めていくということが必要だと思います。これに関して、今お話のありましたように、場所によって拿捕とかいろいろなことが起こって因るというお話でありますけれども、この点は、国際漁場で協定に従って漁撈する上において、少しでも違反のないようにするということは必要であります。これは、やはり、国も考え、かつ漁業に従事する業者も考えていただかなければならぬのでありまして、そういう点は、ともに、国もまた業者も考えつつ、国際漁場に出漁する場合における心がまえはしっかり持っておく必要があろうと思います。  また、御指摘の日韓問題については、これは今日韓国を相手にすみやかに日韓交渉を進めようということで外務大臣が努力しております。  その努力の実績を待っておるわけであります。  それから、日中の関係でございますが、これは、幸いに、あの地方に出ている漁業者が、民間協定というものは一応更新されずにおりますけれども、民間協定の趣旨を守って漁場に出漁いたして、非常に信義を守ってやっていると見えまして、この方における拿捕ということは聞いておりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 外交問題に非常に関連がございますから、その問題はこの程度にしておきますが、二十七年の五月に結ばれた日米漁業協約あるいは日・米・カ漁業協約、こういうものが漁業の抑止の原則の上に立ってアメリカ産のサケ・マスというものを日本が自発的に抑止するように強要されておるわけですね。これは講和発行後一方的にアメリカから強要されておりまして、自発的にそういう措置をとっている。この日・米・カの漁業条約が現在の日ソの漁業交渉で非常に日本側の主張を弱くする一つの根拠を与えておるのじゃないかというふうに言われておりますが、その点についてどうですか。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 御指摘のように、北太平洋国際漁業条約は日・米・カの漁業条約でございます。これは、サケ・マスあるいはオヒョウあるいはニシンというような海洋資源の保存の方式として、いわゆる抑止の原則、アブステンションという方式をとっております。それに対する批判のあることもよく承知しております。しかし、このアブステンションの方式というものにつきましては、これは、分配がゼロである、過去に歴史的な実績がないところはとらない。しかし、その前提としては、その魚種がある他の国によって十分開発され、しかも保存措置が十分とられ、しかもこれ以上漁獲してはだめだという原則に立っておりまして、現在この条約は締結しております。しかしながら、この条約は一九六三年に失効することになっておりますので、その後においてどういう方式をもって日本がこれに対処していくかという問題は、今後政府として決定しなければならない重大な問題であると思います。しかし、現在において、このアブステンションの方式というものは、条約がきめられている以上、いたし方のないことであろう、こういうふうに考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると、現在日・米・カの漁業条約を改定する御意思はないわけですか。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 これは、今申し上げましたように、明後年失効することになりますので、失効したときは、当然、その後の条約をどういう方式にするかということにつきまして、われわれとしては今検討はいたしておりますが、私が今申し上げる段階ではございません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 サケ・マス漁業の昨年のわが国の総漁獲量に対する比重はどのくらいになっておりますか。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 昨年の総漁獲量は、まだ最終的な集計はございませんけれども、総漁獲量約六百万トン、こういうふうに考えております。そういたしますと、先ほど申し上げましたように、サケ・マスは十三万九千トン、約十四万トンでございますから、六百万分の十四万トン、こういうことでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 サケ・マス漁業に参加をしておる階層の問題でございますが、先ほどもちょっとお話がありましたように、母船式漁業と四十八度以南の総漁獲量の配分について、基本的なあるいは原則的な考え方についてはどういうことなんですか。要するに、四十八度以南の業者というものは、母船会社あるいは独航船に比べて経済的な基盤が弱いから、非常に劣弱な条件のもとにあると思われるわけです。そこで、北洋に加えられております国際的ないろいろな規制というものはそのままその四十八度以南の漁業者にしわ寄せをされるというような傾向が強いと思うわけですが、そういう点についてお考えをお伺いしたい。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 先ほど数字は申し上げましたけれども、区域内の漁獲量がきまりました後において、国内問題といたしまして、それを母船式と以南の流し網の業者に配分するわけでございます。それが、第一回すなわち一九五七年から一昨年までは、母船式に十、四十八度と四十五度の間の区域内の流し網のために二、こういう割合で配分いたしております。しかしながら、昨年六万七千五百トンというものがきまりました際におきましては、その十対二といういわば過去において一応きめられました配分率によらずして、先ほど申し上げましたように、母船式には五万四千トン、流し網の区域内につきましては一万三千五百トン、こういう配分をいたしました。これは、比率を変えたという趣旨ではございませんで、これを数字的に見ますと、八対二くらいの程度になります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 今のサケ・マス漁業に参加している階層の問題でほかにいろいろございますが、母船式の漁業内部における母船対独航船の問題といいますか、これは出漁の前に一応魚を売る協定をすると思います。そういう場合においても、独航船は母船からいろいろ資材なりあるいは資金を借りていくのだと思います。そうして沖でとったやつを売って差き引きで返していくという立場にあると思うのですが、一体、独航船一隻が出漁する前に借りていく平均の借金の高というものは大体どのくらいになっておるか、おわかりですか。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 今のお話の点は、仕込みにどれくらい借りるかということだろうと思いますが、これは、私の方は実は正式な資料を取っておりません。経営の内部まで立ち入ることは現在の制度として適当でないし、取っておりませんので、はっきりしたことはわかりませんが、仕込み資金というのは一応四百万円程度であろう、こういうふうに言われております。しかし、現実に私どもがいろいろ聞いておる場合におきまして、あるいは船を作る場合に母船会社に保証してもらうという問題、あるいは単なる仕込み資金のみならず資金を母船会社から借りる、そういった関係で、母船と独航船は対等の地位において許可を受けるということにはなっておりますが、経済的には母船会社に非常に大きな借金を持っているという独航船主も相当あるというふうに聞いております。ただし、これは船によって非常に違いまして、全然借金のないのもあります。また、系列と申しますか、ある母船会社とそこの独航船との関係は割合そういう関係が多いが、しかし、ほかの方ではそうでもないということが言われております。一つ一つ具体的な数字というものは持っておりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 同じ階層の問題ですが、母船会社の中にもいろいろ経済的な関係があると思います。今母船会社は大きなところでどういうものがあるか、ちょっとお知らせ願いたいと思います。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 ちょっと御質問の趣旨ははっきりいたしませんけれども、北洋のサケ・マスについて申し上げますと、現在十二船団ございます。そのうち、四船団が日魯漁業、二船団が大洋漁業、一船団が北海道漁業公社、一船団が函館公海漁業、一船団が日本水産、一船団が報国水産、一船団が極洋捕鯨、一船団が宝幸であります。しかし、一般に常識的に言われることは、日魯が四船団、俗称でございますが、大洋系列と言われるものが四船団、日水系列が二船団、極洋一船団、宝幸一船団、こういうことになっております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 この母船あるいは独航船に乗り組んでいる漁業労働者の問題でございますが、その構成は東北あたりからの季節労働者が多いと思うのですけれども、非常に無理な労働内容があるのじゃなかろうか。組合も作られていないような状態もあるし、そういう労働問題についてどのようにお考えか、この際伺っておきたいと思います。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 特に母船式に付属する独航船につきましての労働問題、こういうものについて私どもが特別な調査をしたものはまだございませんけれども、ただ、その調査の結果ではなくて、われわれが承知している範囲におきましては、なるほど組合も作られていないかもしれませんけれども、この独航船に乗り込む漁業労働者の経済的あるいはその他の地位も、従来よりははるかに向上している。たとえば、独航船も、従来と違いまして、現在大部分のものが八十五トンという、しかも鉄鋼船で、日本では最も優秀な漁船のうちの一つに入っておるというようなこともあります。その給与内容等につきましても、それは歩合制の問題もありましょうけれども、決して経済的には私は悪いというふうには考えておりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 最後に一つお尋ねしたいのですが、先ほども角屋委員から規制区域外の区域の問題でいろいろ質問がございましたが、新聞の報道するところによりますと、もしこの交渉が最悪の事態に至った場合には、これは規制区域外の問題は委員会のワクの外の問題であるから、日本側も独自の立場で船を出漁するのを強行させるというような報道が載っておるわけですが、この点については、規制区域外といっても条約の区域内であると思いますし、あの日ソ漁業条約の精神から言って、そういう最悪の事態には、委員会のワク外の問題であるから、出漁時期とも関連をして強行出漁する、そういうことは道義的に問題があると思うのですけれども、その辺の点についてどのようにお考えか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 今、私ども、強行するとも強行しないとも、何とも言っていないんです。あくまでも努力を続け、相互了解のもとに立って妥結していきたいという努力を続けていると申し上げるほかありません。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 第一点は、日ソ漁業条約の条約区域の問題と規制区域との関連なんですが、最近の交渉の経過を見ると、規制区域に対するソ連側の取り扱い方針が本質的に非常に変わってきているようにもわれわれは判断しております。それで、第一の点は、この日ソ漁業条約で示す条約の区域というものは北西太平洋ということになっておりますが、日本海ということはわかるが、一体、条約区域としての北西太平洋の限界は、南はどこに及んでおるか、その点を明らかにしてもらいたい。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 御指摘の通り、日ソ漁業条約での条約区域というのは北西太平洋で、それはどこかと言えば、私は、率直に言って、ばく然たるものであると思います。ただ、ばく然たるものでありますけれども、現実に漁業条約できめられておる方式は、その中でお互いに保存措置として規制措置をとるべき区域は規制区域になっております。条約区域はばく然であっても、条約上の動かし方としては、私は、差しつかえない、こういうふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この点は日米安保条約の区域とは非常に違うと思うんです。この漁業条約の目的は、両国がサケ、マス、カニ、ニシン等の漁業資源的を生産的に合意の上に立って保護し生産するというところに目的があるんですからして、これらの示されたサケ、マスあるいはカニ、ニシン等が生息しておらない地域まで、北西太平洋はばく然としておるということでそういうあいまいな解釈をすべきではないと思うんです。サケ・マス漁業の場合は、一体北西太平洋のどの海域まで生息し回遊するかということは、これは科学的にも明らかになる点だと思うのです。従って、その条約区域の及ぶ範囲というものはこれらの魚類の生息し回遊する範囲に限定されてしかるべきだと思いますが、ばく然ではわからないので、これは農林省でわからなければ外務省から明らかにしてもらいたい。大事な点ですよ。

法眼晋作外務事務官(欧亜局長)

○法眼政府委員 これは、サケ・マス漁業を対象とした条約でありまして、そのほかニシン等もございますけれども、従って、そういう対象とした魚が一応生息している区域ということに眼目を置いた条約を作ったわけでございます。従いまして、北西太平洋に関する漁業という名前をつけたわけであります。そこで、その中でサケ・マス漁業の規制をしなければいかぬ地域ということについて具体的な区域がきまっておる、こういう建前になっておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういうことは小学校の生徒もわかっているのですよ。区域内における規制区域というのは、これは毎年漁業委員会の両当事者の合意の上に立ってきまっておるのだから、そんなことはわかっているのですよ。わからないのは、条約区域内に毎年のように規制区域が拡大されているという事実なんですね。ですから、場合によっては条約区域全体を規制するということはあり得るでしょう。だから、この魚類の生息する区域、それは主としてサケ、マス及びカニ、ニシン等の限定された魚類の生息しあるいは回遊する区域ということになれば、北西太平洋の条約区域といっても、それはおのずから限界線というものは科学的に出てくるわけです。ですから、そこは大体どの線であるかということを今尋ねておるのです。規制区域のことなんか聞いておらぬですよ。

法眼晋作外務事務官(欧亜局長)

○法眼政府委員 これは、条約を作るときには、双方ともどこまでだということを言わないできめたわけでございます。従って、その点についての双方の合意は存在するわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 日ソ漁業条約の第一条に、この条約の区域の問題が示されておるわけですね。「この条約が適用される区域(以下「条約区域」という。)」となっておりまして、これは、「日本海、オホーツク海及びベーリング海を含む北西太平洋の全水域(領海を除く。)とする。」ということになっておって、いかにも条約はこういう抽象的な「北西太平洋の全水域」となっておるが、ただ、今政府委員から言われた、ここで示された魚類の生息しあるいは回遊する区域ということになれば、それは、北西太平洋においても、たとえば北緯四十度であるとかあるいは三十五度であるとか、そういう科学的な限界線というもの、これはもうソ連側においても日本側においても認むるその線というものはあると思うのです。ですから、実質的に北西太平洋の適用される条約の区域というものは、大よそどこまでかということを私は質問しておるのです。

法眼晋作外務事務官(欧亜局長)

○法眼政府委員 これは、具体的に特殊の魚類について規制する必要が生じたときに付属書においてきめていく、こういうような建前であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 いや、それは付属書の第一条に出ておるが、とにかく、この条約の中で、サケ・マスがどの辺まで泳いでおるか、生息しておるかくらいのことを日本の政府が知らぬじゃ、交渉できないんじゃないですか。それもわからないと向こうは言うのですか。一体どうなんですか。漁業委員会においてどういうことを言っておるのですか。

法眼晋作外務事務官(欧亜局長)

○法眼政府委員 そういうことは問題になっておりませんです。つまり、これは生物学的にこの魚類の性質その他はきまっていく問題であります。でありますから、双方とも毎年研究をしておるわけでありますけれども、条約の建前としては、それは具体的に線を引いてきめているというわけではないわけであります。北西太平洋、今のお読みのような条文になっておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、外務省がわからぬとすればこれは水産庁の長官にお尋ねしますが、生物学的に見た場合、  一体その北西太平洋のどの辺までサケ・マスが生息しまた毎年回遊してくるのか、それはわかるでしょう。これは条約と関係ないことなんです。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 サケ・マスの回遊、まあ当年遡上する魚とその前の年のものですね。それらにつきまして、当年遡上するものは、おおむね北緯四十度あるいは三十五度の間くらいじゃないかというふうに言われております。ただし、日本にいるのは生物学的には太平洋岸では利根川まで行く、——現実にはもうほとんど来ません。従いまして、サンプル的にはそういうことは言えますけれども、現実に相当大きな回遊となりますと、やはり四十度くらいじゃないか、こういうふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、ソ連側が現在提示をしようとしている、北緯四十五度の南においても大幅に規制区域を拡大しようとする意図は、今長官が言われた、おおむねサケ・マスが漁業期に回遊してくるその全地域を規制区域としよう、そういう考えなんですか。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 今の四十五度以南に、少なくともソ連側は、何度まで拡張しよう、そういうことは言っておりません。ただ一般的な見解を言っているのです。ただ、以南の方には相当多い、現実に漁獲もあげておりますから、それをそこまで含ませる、そういうことがソ連の主張の根拠であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 新聞によると、明らかに日本側の主張とソ連側の主張が示されておるわけです。ソ連側の提案は、「日ソ漁業条約による規制区域は現行北緯四十五度線以南のサケ、マス生息区域全域に及ぼし従来の規制区域内で実施しているサケ・マス規制措置に準ずる規制措置をとるべきである。」、こういうのが先方の意図であるということが明らかに新聞等で示されておるわけです。これはそうなんですか。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 それはその通りでございますが、何度までということは言っておりません。全生息区域。その根本としては、さっきも数字を申し上げたように、区域外の漁獲量というものが相当多いわけですので、ソ連側の見解に日本海は当然含まれています。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうして、これに対して日本側は、現行規制区域の拡大は条約成立の経緯から見て条約の基本に触れる問題であるから軽々に変更することはできない、今までの規制区域外の漁業を規制する必要性については、昨年以来とったいわゆる日ソ当事国の自主規制だけで十分である、こういう見解で反論の態勢を示しておるわけなんでしょう。これがやはり規制区域をめぐる一番大きな論争点になるんじゃないかとわれわれは憂慮しておるわけです。ですから、これに対する日本側の態度というものは、相当腹をきめてかからなければいかぬと思う。過去四カ年、毎年々々押し切られておるだけでしょう。今の政府は国民の利益を守るという限界線一つ守れないで来ているのですから、これがまた回遊する全区域ということになって押し切られるようなことになれば、今の政府は自国民の利益を守る能力も力もないということになると思うわけなんですが、一体、この基本的な態度というものはどういうことで進める考えなんですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 先ほどからそれはお答えを申し上げております。角屋君の質問に対して、私どもは、従来の漁業条約の経過におきましては、規制区域というものがあって、規制区域外の方は自主的にやってきておりますから、その範囲においてはわれわれはあくまでも日本政府の自主的な規制でいくということで交渉を進めておりますと申し上げております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それはその条約の本質論になるわけですが、結局、その条約区域内において必要と認めるということを両当事国が合意した場合は、これは毎年の定時の漁業委員会において規制区域は変更できるということになっておるわけですね。毎年、その問題については、意見の相違はあるが、だんだん拡大されておることは間違いないことです。それから、規制区域外においても、昨年からは日本側が防衛措置のような形で区域外の自主規制をやりますということをこちらから先に手を打って、その後に福田農林大臣が最終的に代表としてモスクワへ行って、こちらでは誠意をもって区域外の自主規制をやるからということで、そういうことで昨年の規制区域拡大ということを防ぎ切ったことはもう明らかになっているわけです。この点は何も首を振る問題じゃない。ところが、ことしは、こっちが自主規制をやったにもかかわらず、まだ向こうは回遊する全区域に及ぼそうとする意図を示してきておるのだから、これは相当重大な決意と——しかも、この委員会は科学的根拠で両当事国が話し合いをしなければならぬということが条約の中でも示されておるのですが、どうも科学的な主張が弱いんじゃないですか。また、外交上の態度というものも非常になまぬるくて、いつでも押し切られてしまう。これでは条約というものを対等の立場でやるなんということはできないじゃないですか。ですから、そういう基本的な態度を、大臣は魚のことしかわからぬとすれば、これは外務大臣から、この交渉上、条約上の問題の処理に対する日本側の態度というものを国会の中においてもう少し明確にしておいてもらいたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 外務大臣の答弁の前に申し上げたいことがある。あなたは禁止区域と規制区域を混同されておるんじゃないですか。去年から規制区域はちっとも拡大されておりませんよ。後退しておりません。ことしはさらにこれが両方に強くなるだけであって、その点については、あくまでもわれわれは規制区域に対する拡大には応じていない、こういうことを先ほどから申し上げております。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 農林大臣の答えられた通りでありまして、私ども外務省といたしましては、外交上正当に主張すべきことを主張しておるのであります。ただ、問題が技術的な面にわたりまするので、農林大臣の考えというものを前面に出して交渉願っておるわけで、私と農林大臣との間に考えの違いがないことは当然であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、先ほど角屋委員からの質問もありましたが、昨年日本が自主的に講じた自主規制の成果というものに対しては、相手国はその成果を認めておるのですか。それとも、いやそれではだめだから規制区域を広げなければならぬというのですか。いかがですか。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 相手側が認めておるかどうかという問題、これは、私、必ずしもわからないと思います。よしんば認めておっても、認めておるとは外では言わないでしょう。これは交渉の問題ですから。ただ、いずれにしましても、ソ連側が区域の拡大というものについて非常に強い態度であるということだけは、これは事実であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それじゃ、別の角度から見て、過去四カ年の区域外における日本側の漁獲量というものは、実績においてはそれほど大きな変化はないと思うのです。こういう点は、資源論の立場から見ても、相当日本としては主張すべき点でないかと思うのです。たとえば、先ほど長官が示された毎年次の規制区域外の日本側の漁獲量は、一九五七年から始まるわけですが、端数を切り捨てて六万トン、次が八万六千トン、それから九万四千トン、昨年が七万二千トンとなっておるわけです。これは豊凶年によって多少の変わりはあるが、大きくながめると、規制区域外においてこれを資源的に見た場合に、それほど減少の傾向にはなっておらぬというふうにわれわれは考えておる。しかも、昨年の七万二千トンは、区域外の規制措置によって七万二千トンということに大よそなっておる点を見ると、そのことは明らかになると思うわけです。資源論で科学的な根拠が薄弱なものだから、いつもこっちが後退々々でいっているわけなんですが、こういう点は一体相当頭を働かしてやっておるのですか、どうなんですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 後退々々とおっしゃるが、先ほども言っておるように、規制区域については後退しておりません。さらにことしもこちらは相当強く主張しておりますと、こう申し上げております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 農林大臣、何を根拠に後退していないと言うのです。たとえば、初年度は規制区域内で十二万トン、その次は十一万トン。この一万トンは、昭和三十四年からオホーツク海の海域においてはサケ・マスの漁業をしませんということを条件にして、取引にして、そうして第二年目は十一万トンということにふやしておるわけです。わずか一万トンふやすために、オホーツク海の漁業権益を放棄してまで毛二年目は十一万トンということにしておるわけです。三年目が八万五千トン、去年が六万七千五百トンじゃないですか。ですから、第一年目の十二万トンに比べると、およそ四年間に半減しておるということは否定できないじゃないですか。一体何をもって規制区域を後退しないということをあなたは言っておるのですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 あなたの御質問がだんだんと変化して参ります。あなたは大体規制区域の拡大についてだんだん取られていくじゃないかという御質問ですから、私どもは規制区域の拡大はいたしませんというので、これは去年から強硬に主張しております。区域は自主的に日本政府がやるので、全体としては規制区域の拡大はごめんこうむると言っております。その点についてことしも去年と同じように主張しておると言っておるのであります。あなたの御質問の最初は、数量の問題でそういう規制区域について拡大されるというようなことになると困るじゃないか、そして、去年も譲った、ことしも譲るかというお尋ねでありますから、この区域は全体の禁止区域とは違い、規制区域の四十五度の問題とも違って、その境界線を拡大していくことについては私どもあくまでも譲れぬということを申し上げておる。漁獲量につきましては今日の日本人の問題も考えなければならぬ、そういう意味合いにおいてはお話し合いの上で日本政府が自主的にやっていくのだ、向こうのお話のように拡大して全体の話し合いの中には入れぬということで、はっきりしております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ソ連側もただ数量に触れなくて規制区域だけ広げればいいとか禁止区域だけ広げればいいということじゃなくて、問題は、そういう規制をやることによっていかにして資源を保存するかという主張に沿って毎年の漁獲量をどうするかということが一番の問題なんです。だから、両国の利害関係というものは、単に規制区域が広いとか狭いとかいうよりも、毎年の漁獲量をどうするかということがやはり結論的な問題になるわけでしょう。これが毎年々々減っているじゃないですか。ですから、かりそめにもまた今度大幅に角度の変わった意味で規制区域というようなものが拡大されるようなことになれば、これは今までの規制区域外の漁獲量も相当強い影響を受けることは否定することができないと思うのです。今までは、この規制区域内において数量的には非常に後退を示しておるが、幸いというか、規制区域外において毎年数量的には大きな変化のないような状態でこちらの生産をあげてきておるので、総体から見れば、たとえば十三万トンとか十五万トンとかいう線で生産があがっておるが、この区域がずっと拡大され、規制区域外が圧縮される、なくなるということになれば、総体の漁獲量というものは大幅に減少するということは何人も言える点だと思うのです。ですから、われわれはその点を心配して鞭撻しておるのです。ぐずぐず言う余地はないのです。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 それは根本的には資源の問題です。先ほど角屋さんは、全体的に資源はどうなっているかということで、ソ連と日本側の全体を通じて見て、とっておる数量をお尋ねになりました。このお尋ねは私は適当なお尋ねと思います。全体から見ると、ずっと四、五年減ってきております。こういうところから見ると、やはりわれわれは、日本人のことをもちろん考えなければならぬ、しかし、人類全体のことを考えまして、長く資源を保護してとるということが日本の漁業者のために毛必要である。しかし、そういう点に触れてソ連が区域を拡大して強力な規制措置を講ずることは困る。この点、区域外は日本へまかせます、こういうことで進んで、全体的にはまた、資源ということに対する共同調査もやって、資源保護の上に立って、科学的根拠の上に立って全体的に考える。これは一歩進める必要があると思います。しかし、まだ共同の土俵に立たぬ資料に基づいていろいろなことを言われても、そこはそういうふうにいかぬ。角屋さんもそういうことを言われておるので、私は、角屋さんの先ほどの数年間の漁獲量を見てのお尋ねは正しいお尋ねだと思う。そういうものはそういう分野に立って対処していかなければならぬ。部分的の問題についての論争はいかないと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 御注意しますが、質問する委員が穏やかなことを言ったから正しいとか、追及したから正しくないとかいうことは間違いです。この交渉は科学的な根拠に立ってやるということが条約に示されておる。資源的に見た場合に、条約区域と規制区域内——実績に基づいて言いますが、一九五七年は、日本側区域内において十二万トン、区域外において六万一千トンです。五八年は、区域内において十一万トン、区域外において八万六千トンですから、区域外では前年度よりも二万五千トンふえておるわけです。三年目の五九年は、今度は区域内では八万五千トンに減らされて、しかし区域外では九万四千トンの生産をあげておるわけです。そして、昨年度は区域内では六万七千五百トンに減らされて、区域外においてはこちらで自主的な規制を行なった関係もあったが、しかし区域外においては七万二千トンの生産をあげておる。こういうことを資源論的な立場で区域内と区域外を比較した場合においては、大臣の言われた資源が全体的に毎年々々減少しておるのが正しいというのであれば、どうして区域外と区域内における資源の差が生じておるか。この点は科学的に見てあなたはどう考えておるのですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 それは、昨年におきましてはマスの資源が非常に減っております。従って、区域内におけるその方の漁獲は減りましてベニマスをとっております。私の申し上げるのは、今資料をすぐに正しい論拠とは申しませんが、ソ連側の方における漁獲量は先ほど示したようにだんだん滅ってきておる。総体的の問題としてものを考えていかなければならぬ余地がありますが、その資料だけで飛びつくとは言わない。もう少し同じ立場に立って共同調査を進めた上でものを考えたい。それまでは区域外のものは日本政府の自主的な規制にまかせてもらいたい。こういう主張をしておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから、資源論的に言って、規制区域内では毎年やかましく百日以上も議論をしておるが、規制区域外についてはやってはおるが、規制区域内の論争ほどではないわけです。ですから、これを同じ北西太平洋の地域ではあるがいわゆる条約上示された規制区域内と規制区域外におけるサケ・マスの資源状態を区分してながめた場合において、日本側としては規制区域内と区域外の資源の増大の傾向はどういうように見ておるかということを、長官から専門的な立場で説明してもらいたい。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 一つお答えしておきますことは、四十五度というところで区域が内外に分けられるのですが、四十五度の南のサケ・マスと北のサケ・マスと別のものであれば、全く別の資源だということになりまして、議論はおのずから全然別のことになります。しかし、これは日本の科学者もソ連の科学者も同様でありまして、これは一つのものであります。この遡上する川はいろいろあります。カムチャッカ、オホーツク、サガレン、千島、北海道、内地もあります。それらを全体として見た場合に、先ほど科学技術小委員会の結論を御披露いたしましたが、マスについて、日本側としても、ことしは豊漁年である、しかし豊漁年としては低い水準である、一昨年は豊漁年であったが、一昨年よりは低いであろう、これはわれわれとしても認めざるを得ない。これは事実であります。しかし、それがどの程度であるか。ソ連は、古今未曾有に低いのだから、あらゆることをもって日本の漁業を押えなければならぬ。わが方はそういうふうには見ていない。しかしながら、全体のマスの量が減っておるということは私どもも率直に認めざるを得ない。その場合において、なるほど、区域外の漁獲量は減ってないから資源は減ってないじゃないかということをおっしゃいますが、区域外が減ってないということはマスの資源全体が減った場合において区域外の漁獲圧力というのが非常に大きくなってくることを意味するわけであります。そこで、われわれとしては、将来にわたってもこのサケ・マス漁業をやっていくというためには、これを保存する方向にものを考えていかなくちゃならない。ただし、ソ連の言うがごとく区域を南の方まで延ばすということは、これは応じられません。区域外について日本は日本政府として独立の立場で自主的な規制をやる、これによって資源の保護という問題について今後も対処していく、こういうことを基本的な考え方として進めているわけであります。従いまして、区域外における自主的規制というのは、単なる交渉上の問題じゃなくて、やはり、資源を将来にわたって保護するというためにも必要なことである、こう考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その点が非常に大事なんですよ。今、長官の言ったように、区域外と区域内は系統が別のものではない。そういうことになれば、説を立てれば、たとえば回遊の状態が南に移行しておるのじゃないかというようなことを言われる場合もあり、それから、区域外の漁獲量がそう減ってないということは、これを総体の資源が減っておるということと対照した場合は、やはり、一方から、区域外の漁獲というものは資源的な立場から見ると相当強圧するような漁撈の状態が行なわれておるのじゃないかということも指摘されると思うのです。ですから、こういう点については、心配がなければいいんですよ。絶対大丈夫だということで交渉が進められればいいが、そういう区域内、区域外の問題は、今やこれは一体化したような形で交渉に入ろうとしておるようにも客観的には見られるわけです。ですから、今までのように敗北主義的な態度で臨んだり、科学的にもこっちが非常に劣勢にあるような、自信を喪失しておるような態度で漁業委員会に臨まれては、結局国民の不利益がだんだん進んでいくということで、われわれは国会の立場から問題点を指摘してあなた方を鞭撻しておるわけです。ですから、その期待にこたえて、ことしは国民の利益を守るという立場あるいは外交上の信頼の上に立って交渉を進めることが大事だと思うのです。そういうことでおやりになるかどうか、この点は両大臣から所信のほどを明らかにしておいてもらいたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 先ほどからお答えを申し上げているのは、とにかく、私どもは、漁業者の利益を守るためにも、全体の中に含ませないで、日本政府において区域外の問題を扱いたいということで進んでおります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これにあわして、毎年指摘しておる点でありますが、ことし漁業委員会の議題の中に、オホーツク海のサケ・マスの禁漁措置を解除すべきであるというような提案を一体日本側で行なっておられるのかどうか、この点はいかがでしょうか。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 オホーツク海の禁漁は禁止区域の問題のあれでございまして、特別そういう議題はございませんし、そういう提案を出してはおりません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 両国からそれぞれ提案すべき議題は出すことになっております。これは三浦農林大臣の時代からわれわれが指摘した点ですが、オホーツク海における禁漁措置は日本側から提起して、一昨年から禁漁という状態に入ったのです。全面禁止区域ということにしたわけです。この点はやはり共同調査とも大きな関係があるわけでありますが、一昨年の当委員会においても、まず共同調査の対象区域等については、これは当然オホーツク海におけるサケ・マスの漁業状態や資源状態を何をおいても両国の共同調査の対象にしてすみやかに結論を出し、そうして日本側からこの禁止区域としてのオホーツク海域を解除するというような提案を漁業委員会に出すべきであるという主張をわれわれは続けてきているわけでありますが、共同調査をすみやかに進めて、なるたけ早い機会にそういう措置をいたしますということは、政府当局から従来述べられている点なんです。そういう経緯もありますから、今年度の漁業委員会においてはそのような当然の提案を日本側から提起したかどうかということを尋ねているわけです。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 共同調査に関しましては、先ほど私がお答えをしておりますように、同じ土俵にあってしかも全体の資源を調査するというならば、当然オホーツク海その他沿岸も入らなければならぬので、非常にその点についてやり方に複雑な点があるので、今後の折衝に待って、今のように北の方まで入れて共同調査を進める、こういうような形で話を進めております。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 芳賀委員に申し上げますが、時間もないですから……。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこで、御承知の通り、北海道のオホーツク海岸並びに太平洋岸においては、このサケ・マスの養殖放流事業を農林省の方針でやっているわけです。ところが、このオホーツク海の全面禁止ということによって、せっかく関係の側でサケ・マスの養殖放流を行なっても、その沿岸の漁民や関係の漁業者は、全くオホーツク海においてはサケ・マスの漁獲ができないのが今日の状態です。すでにそういう状態は二年過ぎたわけです。特に、この条約によると、領海は除かれているわけです。ところが、領海の回りにおいても、ソ連の領海は言うまでもなく十二海里、日本側は三海里ということになっているので、日ソ漁業条約上から見てもこれは非常に差異があるわけであります。海洋会議等においても領海問題はしばしば国際会議で議論している点でありますが、せめて沿岸に接岸する分だけでも条約の規制から除かれるということにすれば、やはり、ソ連側が十二海里であれば、わが方においても十二海里というものは除くという、同じような条件のもとにおいてこの日ソ漁業条約は運営されるのが当然だと思うのです。もちろん領海は今三海里だが、向こうが十二海里まで除くということになれば、こちらもやはりこれと同じものを除くくらいのことはやってできないことはないと思いますが、どうなんですか。

法眼晋作外務事務官(欧亜局長)

○法眼政府委員 この領海に関する問題は非常に重大な問題でありますので、これは非常に慎重に考慮して、あらゆる措置をとらなければならぬと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それで、これは条約上も領海を除くとなっておりますから、そこだけ領海をふやすわけにはいかぬと思うが、やはりそれに準じた措置は考えていかぬといけないと思います。  そこで、念を押すようですが、一体このオホーツク海における共同調査はいつごろまでに終わらせて結論を出して、その結果において、当然オホーツク海においてもサケ・マスの漁業を行なうべきだという日本側の態度をきめる時期は、おおよその見通しにおいてはどうなるわけですか。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 先ほど大臣から申し上げました通り、共同調査の一環として当然このオホーツク海は含まれるわけであります。しかし、これはいつまでにどういうふうな結論を出すということではなしに、全体の資源状態をつかむという方向に向かって調査が進められていく、年々改善された方向にいくその中の一環としてオホーツク海の問題がそこに現われてくる、こういうふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、ことしの委員会において、共同調査の問題については、特に重点をオホーツク海に置いて、オホーツク海の資源状態については速急な調査を行なう、そういうことをソ連側にも話をつけてやる用意はあるのですか。

西村健次郎水産庁長官

○西村(健)政府委員 今申しましたように、共同調査の全体の一環として、——これはオホーツク海だけ特別別に切り離してやるということはソ連はなかなか応じない問題だと思いますから、全体の一環としてそういうものが進められていくべきだ、こういうふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 最後に外務大臣にお尋ねしますが、先ほどわが党の角屋委員からも質問があったのですが、北洋における近海の安全操業の問題でありますが、これはやはり多年にわたる懸案事項になっております。それで、日本側においても、外務省においては暫定案なるものが用意されておることもわれわれは承知しておるのですが、これは日ソ漁業交渉との関連もあるわけですから、この機会にこの点に対する外務大臣の所信を伺いたい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 角屋委員からの御質問に対して欧亜局長から御答弁があったと承知いたしておりますが、若干それを補足いたしますと、イシコフ氏に会ったとき、この安全操業の問題は、実は零細なわが同胞の漁民が何百年という昔から出ておるのだ、そこで、今度の戦争の結果領土不拡大という方針になっておるのだから、今まで出て操業できたものについては、やはりそういうことが認められておったという歴史的な事実も考慮してもらいたい。先方は従来の先方の見解を繰り返しておりましたけれども、そういうような平和条約が夫締結であるという責任を論難し合うようなことではこの問題は解決しないから、やはり、善隣友好という考え方に立ち、しかも人道的な見地から、零細漁民が出て苦労しているという事実を十分に頭に入れて、当方から提案をしておることであるからできるだけ早く一つ話し合いに入ってもらいたいという要望をいたしております。先方はそれに対しましては同じ趣旨の答弁を繰り返しております。すなわち平和条約が夫締結であるからできないという答弁を繰り返しておりましたが、私の方から強くそのことを要請いたしております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 先ほど法眼さんからも言われたのですが、暫定案なるものはある程度ソ連側に示して話し合いをしてみたことはあるのですか。

法眼晋作外務事務官(欧亜局長)

○法眼政府委員 この問題は、先ほども簡単に申し上げましたけれども、数年来続けて交渉いたしております。角屋先生からの御質問につきまして、詳しくはあとで申し上げると申しましたけれども、ごく簡単に日本側の案を申し上げますと、これは要するに双方の領海に関する見解を留保しております。距岸一マイルないし十マイルの間において、零細な漁船に対して、コンブであるとか、あるいは帆立貝であるとか、そういった貝とか魚類の漁撈を認める、そういうことを主とする案でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この点については、実は、昨年高碕代表が先に参りましてなかなか難航しているので、最後に福田農林大臣がモスクワに行ったわけですが、福田農林大臣が帰ってからこれは非公式に話した点でありますが、昨年も実は高碕代表とソ連側との間においても、あるいは福田代表の間においてもこの問題はある程度話をしたそうです。ところが、昨年は、御承知の通り、日米安全保障条約が国会でああいう状態になったときでもあるし、むしろ日ソ講和条約の問題よりも日本がアメリカとの間においてああいう中ソ敵視のような安全保障条約を締結しようとして国会で取り上げているような状態の中においては、これは、ソ連側においては、人道的な国際的な見地から見るとこの必要性を否定するものではないが、日本の現在の態度から見るとこういう近海の安全操業の話し合いに応ずるという条件と時期ではないということを向こうが述べたということをわれわれは聞いているわけです。ですから、この一事を取り上げてみても、やはり国際関係というものは相互信頼の基礎の上に立たなければこれは進まないということは何人も認めるところなんですが、これは打開していくということになると大へんな努力が要ると思うのです。だから、おざなりに思い出したときにちょっと話してみる程度では、解決の糸口もなかなかできないと思いますが、この際積極的にこれを進めるという考えが一体あるのか、そういう場合にはどういうようなわが方の信頼の態度というものを示してやるつもりか、こういう点はもちろん総理大臣から聞くべきでありますが、この際、両大臣がおられるので、この日ソ交渉の基本態度とあわせて安全操業の今後の打開の態度についても所信を示してもらいたいと思います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 日ソ間の問題につきましては、御承知のように、通商関係が非常に多くなっております。御承知のように、通商協定ができまして、貿易を拡大していくという関係を通じて非常に改善せられている面が多いと思います。ただいまの安全操業の問題は、御承知のように、従来から一貫してわが政府はこの問題は主張し続けております。先ほど申したように、イシコフ氏は特に安保条約という問題に触れてこの話に回答しておられます。私は、日ソ間の友好関係というものは、今申し上げたように、現在次第にまた正規の状態に復しつつあると思いますので、さらにわが方の主張をしんぼう強く続けて、先方の理解を得たいと思います。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 午後二時より再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時五十七分休憩      ————◇—————    午後四時五分開議

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  大豆価格の問題について質疑の通告があります。これを許します。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 昭和三十五年産大豆の処理問題についてお尋ねしますが、食糧庁長官は責任のある答弁ができるかどうか、その点はどうですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 三十五年産大豆の処理の問題につきましては、私のところでこれを取り扱っておりますので、私が承知している範囲においてなら責任のあるお答えをいたします。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、昨年の国会において時の福田農林大臣、並びにその後の南條農林大臣、さらに今年度の周東農林大臣、それぞれの農林大臣の責任において、昭和三十五年産の国産大豆についてはこれが販売については農家の庭先手取り価格を六十キロ一俵三千二百円を確保する措置を大豆の自由化と対応して必ず行なうということが政府の方針として言明されておるわけです。ですから、この三大臣の国会における責任ある言明を中心にして、事務当局においてはそれぞれ適切な行政的な方針をきめておると思うので、その内容について長官から説明してもらいたい。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 昭和三十五年産大豆の処理につきましては、昨年の秋、大豆の輸入自由化に関する大筋の方向を政府としてきめますと同時に、三十五年産の国内産大豆をどういうふうに処理していくかということにつきまして同時に検討を進めたわけでございます。ただいま御指摘がありましたように、歴代の農林大臣から、農林水産委員会等におきまして、三十五年産については一俵三千二百円を価格支持の基準といたしまして、そういう基準でこれを処理して参るということをお答え申し上げておるわけであります。  それで、三十五年産の大臣を実際にどういうふうにやるかということにつきましては、具体的にその処理を決定いたしましたのはたしか三月の初めであったと考えておりますが、当初の考え方では、ただいま提案をいたしておりまする大豆なたね交付金暫定措置法の対象といたしまして、三十五年産の大豆もあの法律によって処理をしていくという考え方で進めておったわけでございますが、その後諸般の状況を検討してみますると、——少し話が長くなって恐縮でございますが、経過がございますので、一応御説明申し上げたいと思います。諸般の事情を検討してみますると、大豆なたね交付金法でこれを処理するということになりますと、この法律が成立をした後でありませんと処理ができないわけでありまして、それは同時に大豆の輸入の自由化が実施をされた後になるわけでございます。そういたしますと、国内産大豆の市中価格も相当下がることが予定をされるのであります。その場合、国でその差額を補給するといたしましても、その額が非常に大きくなるということが一つあります。もう一つは、ことしの初め以来、大豆の需給関係が非常に窮屈になって参りまして、国際価格が非常に上がっておるわけであります。これに伴いまして、実需者側からの国内産大豆の早期入手を希望する声が非常に強いわけであります。この国内産大豆の処理との関連で、実際に農協系統で集荷いたしておりますものをあまり長く持たしておくということは適当でないという事情がございまして、これは交付金の対象からはずしまして、三十五年産大豆については予算措置によって処理するということに、財政当局とも協議をいたしました結果決定いたしまして、三十六年度予算に三十五年産大豆の価格補給の金も含まれております。  それで、ことしの二月に、実際に全販連が国内産大豆について販売委託を受けております数量を調べましたところ、北海道産大豆が五万トン、農協系統で集荷をいたしておったわけであります。それで、この五万トンを対象としてこれについて価格支持の措置をとる。その場合、全販連との間におきましては、三千二百円で価格支持をいたしまして、全販連としては時価でこれを売却いたしまして、末端で清算をいたします場合三千二百円見合いの価格の保障になりますように、その差額相当分を国から補給するという約束を全販連との間にいたしておるわけであります。それで、実需者の方で国内産大豆をなるべく早く入手したいという希望がありますので、全販連の方にも極力その販売を急がしたわけであります。最近では五万トンのうち約一万二千トンを処分をいたしまして、最近の手持ち状況は三万八千トン程度になっておると思います。これをできるだけ早く売却をするように全販連の方に対しても指導をいたしておる次第でございます。  大体の経過は以上の通りであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それで、三大臣が今まで言明した三十五年産の国内産大豆農家庭先手取り三千二百円というのは、どういう具体的な方式で処理するようになったのですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 全販連が農協系統で集荷をして手持ちしておる五万トンについて農協が農家に対して清算をいたします場合に、その基準価格を三千二百円とするという約束を食糧庁と全販連との間において三月にいたしたわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 いや、私の聞いておるのは、全販連とかなんとかいうことではないのです。いわゆる三十五年産の生産農家の手取り価格が庭先三千二百円に確保される具体的な措置というものはどうしてできておるかという内容を説明してもらえばいいわけです。全販がどうなどということとそれは別です。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 現実に今対象になっておりますものが全販連が手持ちいたしております大豆でございますので、具体的に全販の大豆を対象として申し上げておるわけでございますが、その大豆については全販連は時価で売却をするわけでございます。従って、最近の相場で見ますと、先般四月四日に入札をしたものは、約三千五百トンばかり売ったのでございますが、その相場は一俵三千四百円から三千四百四、五十円くらいになっております。それ以前に売りましたものは、もう少し高くて、三千五百円あるいはそれを上回るくらいで売っておりますが、それがいわゆる時価になっておるわけであります。今後も、いろいろ需要者があるわけでありますから、価格を公正に決定いたしますためにやはり入札売却の方法が一番適当ではないかと思いまして、なるべくその方法によらしたいと思っておりますが、そういう売却の方法によって時価を確定いたして、その時価によるわけであります。そういたしますと、先般の場合は三千四百円から出ておるわけでありますが、三千四百円で全販はこれを売る、そして農家に対して三千二百円の生産価格ということになりますと、その間東京までの運賃であるとかあるいは集荷をして保管をいたしておりますものの保管料というような経費がかかりますが、これをそれぞれこまかく計算いたしまして、その計算で積み上げました額を国から補給いたしませんと生産価格が三千二百円にならない。その額を発見いたしまして、その額を補給する、そういう処理の仕方になっております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それですから、全販が三千四百円あるいは三千五百円で処理する、それはあくまでも時価で処理しておるわけですから、その価格は農家の庭先価格三千二百円を保障する価格とは言えないわけですね。ですから、政府が全販とどういうような話し合いをしても、実質的には三十五年産大豆の価格が農家手取りとして庭先において三千二百円が確保されなければならない。確保させるということを三大臣が言明しておるわけです。しかし、それも国内の単なる経済事情とか諸般の事情による影響ではなくて、政府が無理に大豆の貿易自由化をやることの影響を排除するために三千二百円で必ず政府が全量買い取りますということを事前に政府が言明しておるわけです。ですから、生産した農民に対する政府の約束というものは当然忠実に守っていかなければならぬのであるから、これをやるためには、昨年も長官が言明した通り、現在の農産物価格安定法だけでは三千二百円という庭先価格の数字は出ないから別途に措置しなければならぬということで、その最終的な時期にもう到達しておるので、それでは処理方針としてはどういうふうにして三千二百円が農家に確保されるか、その具体的内容をここで説明してもらえばいいわけです。われわれはとにかく三千二百円が最低ということになっておるのだから、納得できるような説明をしてもらえばいいわけです。それを繰り返して尋ねておきます。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 御承知のように、大豆は現在なお農産物価格安定法の対象になっておりまして、農産物価格安定法によりまして処理をするということが最も本来的な形でございます。しかしながら、三十五年産の大豆は、ちょうどAA制に移行をいたします準備の段階にはさまれまして、大豆の価格も従来の水準からはある程度変わった動き方をいたしておりますし、また、農家に対する関係におきましても、昨年来私ども申し上げておりますように、三十五年産大豆はそういう特殊の事情にあるということの関係からいたしまして、支持価格、いわゆる農家に対して価格を保障する基準は、生産農家の過去三年の手取りの平均を一つの基準として考えていきたいということを繰り返し申し上げておったわけであります。それが三千二百円という額になっておるわけでございまして、それを基準として価格の支持をするという考え方は、従来申し上げておりますことと全然変えていないわけであります。それの実施の方法については、先ほど来申し上げておりますような方法で処理をいたしておるわけでございまして、大豆は現実に農業団体が集荷をしたわけでございますが、これは現実に売りますのは申し上げるまでもなく時価でなければ売れないわけでございます。これは時価で売らせるわけであります。時価で売りまして農家に三千二百円の価格を保障いたしますのには、それだけでは保障ができないわけでございまして、時価で売って三千二百円の保障をするに必要なる差額は国でこれを補給するという約束を農業団体との間にしておるわけでございます。それぞれ基準をきめましてこういう約束を取りかわしておるということが、現在の段階における実際に進めておる仕事の内容でございます。実際に政府が金を払いますのには、まだ三万八千トンばかり手持ち大豆が残っておりますが、この大豆を全部売り終わりまして、全部の処理がつきましたときに、五万トンの全体につきまして、それぞれの実際の売却価格と実際に要した経費、それを全部こまかく計算いたしまして、それに基づきまして、おそらく六、七月のころになると思いますが、農業団体に政府から補助金を出すということになるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういうことを聞いておるのではない。どうしたならば三千二百円農家の手取りになるかということなんですが、三千四百円、五百円というものは三千二百円にはいかないのです。時価との差というが、三千六百円、三千七百円にならなければこの生産者価格が三千二百円にならぬということはわかるでしょう。ですから、最終価格というものを想定してきめて、それから結局生産者価格の三千二百円との価格の差というものはいろいろな諸経費ということになると思うわけでありますけれども、その間の経緯、いわゆる段階を述べてもらえばよい。最終価格がこれだけになった場合、時価で五万トン販売した場合、それを総平均した場合には一俵についてどれだけの不足格差が出るか。その不足格差については政府が予算的に措置するということになっておるのだから、その金額というものは大よそわかると思うのですよ。ですから、全体を言ってもらわないと、全販連が売った三千四百円とか三千五百円だけを繰り返して言われても、これは農民として納得できないと思うのですね。そういうことですから、もう少し詳しく……。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 ただいま芳賀先生からお話がありますようなことを私どもやっておるわけでございまして、あるいは私の申し上げ方が適当でないために十分御理解いただけないのかとも思いますが、実際に幾らの額を補給すれば農家が三千二百円の生産価格になるかということは、これは、実際に保管をいたしました期間期数にもよりますし、また、時価で幾らに売れたか、その販売した実績にもよるわけでありまして、全部の処理が終わりませんと、総額幾ら補給をすれば生産価格が三千二百円になるかということはわからないわけでございます。それで、全部の販売を終わりました直後に清算をするわけでございますが、全販の三千四百円で売った場合には、その大豆について考えてみますれば、まだ私ども詳しく計算しておりませんけれども、従来おそらく全販の経費として大約三百円くらいのものを見ておったと思いますが、三千四百円で売りました場合は百円程度のものを補給しなければならぬ。しかし、これから先で売れますものは、保管の期数等も延びております。おそらく、これからの見通しといたしましては、どちらかと言えば国内産大豆の価格は下がるものもありましょうから、従って単価も下がってくるわけであります。それらを全部実績によって積算をいたしまして補助金を出すわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、もう少し具体的に生産者価格からそれを保障できる最終価格までの算定の内容についてお尋ねした方が長官も答弁がしやすいと思うのです。まず農家の庭先というところから出発するわけですね。庭先三千二百円から出発して、庭先から、大体北海道の生産地は農業協同組合の所在する地域に国の食糧事務所がありますが、国営検査だからとにかく検査を行なう場所までこれは運搬して、そこで検査法に基づく検査をして、それから農協の倉庫に収納するということになるわけですね。それまでが第一段階ということになるのです。その後は、北海道においては、特に北海道内で消費する分も全体の出回りの三分の一ぐらいはあるが、残余の三分の二以上は内地府県に運んで、そこで消化しなければならぬということになっておるのです。とにかく、協同組合が扱う段階においては、さらに今度は作りを直すとか、選別する、そういう作業を生産者でなくて農協段階やあるいは集荷業者が行なって、そして今度は内地府県にいわゆる移出をする。そういう手続は、検査法に基づいて、都道府県の条例によってそういう検査規格等は定めることになっておるので、それぞれの条例とか法規に基づいてそういう作りかえというものをやるわけです。これは生産者の関知しないことですから、そういう作りかえとか選別とか保管とか、それに対する金利、倉敷とか、そういうものがすべて合算されて、それが全販連の販売に委託されるような場合には、最終的には全販連がそれを販売、処理するということになるわけです。ですから、その各段階を追ってどうなるかということを、長官で詳しく説明ができなければ、第二部長の方からでもいいから、そういう段階的な経費の額であるとか、そういう点について詳しく述べてもらいたい。これがわからぬと、庭先で三千二百円になるかどうかということは簡単に信用できない。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 この農家庭先三千二百円という問題につきまして、いろいろ従来から申し上げております内容が必ずしも明確でないわけです。(芳賀委員「明確だよ」と呼ぶ)三千二百円という額は明確でありますけれども、その中身が必ずしも明確でない。それで、その点をここで重ねて申し上げておきますが、今回私の方で三十五年産大豆をこういう方法で処理をいたしておりますのは、従来、国内産大豆は、農安法で政府買い入れをいたしまして、それによって価格支持をするということが農安法にきめられておる本来の行き方でございます。しかし、従来におきましても、実際の処理は、その農安法のそういう制度を背景といたしまして、あるいは輸入大豆との抱き合わせによる処理でありますとか、また、今回のように、全販連の処理に対して国で補助金を出すというような方法を講じまして、政府が直接その現物を買うというような形において処理をしてきておらないわけです。これは、大豆の特殊の事情等からいたしまして、一応農安法の制度を背景としながらそういう制度をとることの方がより実際的であるということから、そういうふうに処理をいたしておるわけであります。それで、三十四年産までは、御承知のように、農安法の支持価格は三千二十円で、(芳賀委員「長官、そういうことはいい」と呼ぶ)三千二十円を基準にいたしましてやっておったのです。それで、従来は三千二十円でやっておったけれども、三十五年産については、AA移行の切りかえの時期でもあるし、農家の手取りに急激なる変更を加えないというような建前からいたしまして、特に三十五年産については三千二百円、これは過去三年の手取りを基準としたものでありますが、三千二百円で価格を支持するということを再三にわたって申し上げておるわけです。それで、この三千二百円という価格は従来の三千二十円にかわるものでございまして、われわれは、これの基準は従来の農安法の告示に出ておる基準と同様に考えておるわけでございまして、農安法の告示では、これは農産物規格規程に規定してある種類及び規格その二による等級のものである。今北海道については農家が手放したあとで選別をするとかあるいは包装をやり直すというようなことが行なわれているというお話がありましたが、そういう選別をして包装をやり直した結果規格その二による検査を受けたものということにきめられてあるわけであります。(芳賀委員「長官、農安法を聞いているのじゃない」と呼ぶ)それで、私どもは、三千二百円という価格は、従来三千二十円という価格によって支持しておりましたものを、三十五年産についてはこういう事情によって特に三千二百円で支持するということを申し上げておるわけでありまして、その規格基準等は従来の農安法の告示のものと同様に考えておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 委員長から注意してもらいたいと思いますが、私の質問と違うことを政府委員が答弁している。私の質問は、委員長が冒頭に言われたごとく、昭和三十五年度の国産大豆の処理をいかにするかということで、それがただいまの審議の対象になっている。三十五年産は農安法の対象からはずすという意図で行政措置が進められている。ですから、今の説明は、いわばこれは昔話を政府委員がしているわけです。従って、本論と違うようなことを幾ら繰り返しても、この問題は進まない。そういうふまじめな答弁をするのであれば、責任のある農林大臣が出席した際私は質問をしたいと思いますが、この点について政府委員に注意をしてもらいたい。いつまでもそういう的はずれの答弁をするつもりでおれば、何ら質疑する必要がないのです。この点委員長からただしていただきたい。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 私は別に的はずれのお答えをしているわけではございません。三十五年産の大豆は、農安法によって処理するかわりに、先ほど来申し上げておるような方法によって処理をいたしておるわけであります。従いまして、価格の基準等については、農安法の支持価格三千二十円のかわりに、現在三千二百円という価格を当てはめてやっておるのであります。これは、従来の農安法の価格とのつながりにおいてこういうことになるということを申し上げておるのでありまして、決して的をはずした答弁をしているのではございません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、試みにもう少し聞いてみますが、農安法で三千二十円で買ったという事実はありますか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 農安法では三千二十円で買った事実はございません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうでしょう。これは、農安法の規定に基づいて、政府は、毎年所定の期日までに、国内の最低価格を維持するために買い入れる場合を予想して、政府の買い入れ価格というものを決定して、これを公表することになっている。ところが、今までは三千二十円なんかという政府が一方的にきめたこの安い価格で取引されたという事例はないのです。それはおわかりでしょう。従って、この農安法を議員改正でやって、適用品目になって以来、それ以来の平均国内の取引価格というものは、農家の庭先で三千二百円を上回っているのですよ。ですから、政府がこの安い三千二十円で買い上げる必要性というものは一度もなかったわけです。澱粉の場合には毎年のように買い入れる必要があって措置しているが、大豆の場合にはそういうことになっている。だから、今まで三千二十円で買い入れしておるなら、これは話は別ですよ。政府は法律に基づいて発表しているだけであって、実際の取引価格というものはそれより二百円も三百円も高く取引がなされて、農家の手取りがすべて平均した場合でも一俵で三千二百円以上になっている。ですから、農安法の大豆に対する買い取り発動というものは、今日まで起こらなくて済んだわけです。ですから、これを引き合いにして三十五年産がどうだこうだと言うことは、これは当を得ないわけです。  それから、もう一つは、政府が農安法に基づいて買い入れる場合と、今回の措置は全く性質的に違うのです。農安法の場合には、まず農家が農業協同組合を主体にして共販事業等を通じて販売の自主調整を計画的に行なって、そして調整しても、なお価格が政府価格よりも下回る場合に、初めて政府が調整保管分に対して買い入れを行なって、そして最低価格を維持する、そういう方式に基づいておるわけです。ですから、この調整保管をして場合によって政府の買い入れの対象になる澱粉であるとか大豆の形というものは、当然、これは保管に耐え得るように、全国各地で保管する場合においても統一された規格と荷姿によって保管されなければ政府としても買い入れすることができないという事情にあるので、その場合は、生産者が農協に販売するとか、あるいは地元において処理する、そういう包装ではいけませんので、それで、農安法においては、大豆については、たとえば小粒二等の木作り、そういう規格を、この調整保管分の、場合によっては買い入れ対象にする分に対しては示しておるので、その点は明らかである。今回の分は、政府が政策上の見地から大豆の貿易自由化をあえて行なうわけです。これをやれば当然国内の農家に対しては経済的な圧迫と犠牲が及ぶことはわかっておってやるわけです。ですから、罪滅ぼしではないけれども、とにかく、急激にそういう犠牲が加重されては相済まぬということで、やめて庭先三千二百円の価格は必ず政府が保証しますということで進められておるのが今回の措置なわけです。ですから、調整保管をやってそれから買い上げるという段階ではなくて、この貿易自由化の影響による被害を国家が補償する、その限度は、三千二百円手取りに達しない分の不足額を政府が支払いをします、全量を買い上げをします、こういうことで進められておるので、農安法がこうだからこれを木作りにしなければならぬというようなことは全く当を得ないわけです。ですから、あくまでも農家の庭先における価格、しかも生産者が食糧事務所にこれを搬出してそこで検査法に基づいた検査を受けて、そうして農協に販売するとかあるいは共販に出すとかいう形の農家庭先手取り価格ということにこれは当然初めからきまっておるわけです。ですから、そこから出発してどうなるかということを数字的に算定の方式に基づいて説明してもらえばいいわけです。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 ことしの大豆の処理につきまして今御指摘がありましたが、私どもは、やはり、ことしの大豆の処理につきましては、いろいろ検討いたしましたけれども、これが北海道産大豆のように大量にまとまっておるものであれば、ことしのように支持価格と実勢価格とがすれすれになってくるというような場合には、政府において直接買うというようなことも十分考えられるという考え方で臨んでおったわけであります。しかし、実際には農業団体でこれを集荷いたしたわけであります。先ほど自主調整の結果のものであるかないかというような点につきましての御指摘がありましたが、集荷をいたしました全量は今対象にいたしておりまする五万トンを上回っておったわけでございます。五万トンを上回りますものにつきましては、これはいわゆる市場価格で十分採算のとれる値段で売れたわけであります。その残りのものについて、先ほど申し上げましたように処置をとっておるわけでございますが、これは、こういう方法によって、農安法によって直接政府が買い入れなくても、農業団体に補給金を交付するという方法によって十分価格保障の目的を達することができるという考え方に立ってやっておるわけでございます。その場合の価格の基準は、やはり従来農安法の価格支持の基準の考え方としては同じようにつながっておるわけであります。実際の額が、従来は支持価格が三千二十円が基準になっておりましたけれども、ことしは、AA制に移行をする直前の段階であるから、今までの手取りを保障するような趣旨において、特に三十五年産については三千二百円にきめるということでやっておるわけでございます。三千二百円という価格の具体的な対象になりまするものは、従来の農安法できめておりまする基準の内容と同じように考えておるわけでございます。従って、農家が直接この規格に当てはまっておりますような調製、包装をいたしまして出荷をするというような場合には、実際に農家が三千二百円の手取りになるわけでございます。北海道の取引の実情から見ますると、農家は選別前の姿のものを出荷をいたしまして、それを集荷業者、農協等で選別して包装をやり直すというような過程を現実に踏んでおるようでございます。その場合には、その分の経費が農家の実質的な負担になると私どもは考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、農家は手取り三千二百円にならないと言うのですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 先ほど申し上げましたような規格、等級、包装で農家が売り渡します場合は三千二百円の手取りになります。そういう姿にいたします仕事の一部を農協等によってかわってやったという場合には、そういう処理に必要な経費は農家が負担するという形になると考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、たとえば農産物検査法等によって、全国のどの地域でか生産者が国営検査を受ける場合、従来と全く違ったいわゆる木作りにしなければならぬ規定を適用しておる府県はどこにあるのですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 本作りにしなければならないという規定を適用しておるというわけではございませんので、政府が買い入れる対象に考えておる大豆は、毎年告示をいたしておりますように、二重包装のもの、農産物規格規程、規格その二の等級に該当するものというふうにきめておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは農安法の発動で買い入れる場合の条件でしょう。普通取引する場合、生産者が本作りにして国営検査を受けなければならぬという規定を用いておる地域というものは日本の国内のどこにあるかということを示してもらいたい。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 生産者が検査を受けます場合は、本作りにして検査を受けますか、あるいは本作りにしないで検査を受けますか、それは生産者の選択によるわけでございまして、どちらの検査を受けなければならないということを規則で一律にきめておるということはございません。これはどこの府県も同様であると思います。ただ、農安法で政府が買います場合の告示の基準は、先ほど来申し上げておるような基準になっておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ちょっとあなたは検査法を知らないのではないですか。わからぬければ検査課長でもあるいは食糧庁の総務部長でも呼んでもらわなければ、あなたとだけで検査規程の話はできないと思う。どこの県のどこでそういうことをやっておるかということくらいわからぬければ話にならぬではないですか。おわかりにならなければあなたの部下の検査課長か総務部長を呼んでもらいたいと思う。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 どちらの検査を受けなければならない——検査には、その一の検査と、その二の検査があるわけであります。生産者はどちらの検査を受けなければならないということを一律にきめておる県はございません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから、生産者を対象に普遍的に考える場合は、どちらの検査によるのですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 これはどちらの検査を選んでも生産者の選択によるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、最近の実績でもいいが、生産者が直接国営検査を受けた場合、——素俵で受ける普通の生産検査ですよ。生産検査というのは素俵をいうわけです。その数量と、それから、いわゆる木作りによる検査と、どの程度の数量で受けておるか、その内訳はわかりますか。大体でいいです。何万石くらいでもいい。大体の比率でもいい。農協とか業者の受けるのは別です。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 手元の資料で見ますると、これは生産者が直接受けたかあるいは中間の業者が受けましたか、そこのところはこの資料でははっきりしませんが、三十四年産で申し上げますと、いわゆる規格その一の検査を受けましたものが全国で百四十八万俵でございます。それから、同じく三十四年産で規格その二の検査を受けましたものが百五十万六千俵、そういうことになっております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その規格その二の百五十万俵のうち、農家、生産者個々が受けた分はどうなっていますか。これはおそらく業者でしょう。業者とか農協とかあるいは連合会じゃないですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 規格その二で、北海道と府県との内訳が、規格その二の検査の百五十万俵のうち、北海道が百二十九万俵、府県が二十万九千俵になっておりますから、府県の分は大部分これは農家が直接受けたものと想像いたしますが、府県産のものではその二の検査を受けたものは二十万九千俵でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから、北海道は百三十万俵、これはもう全部生産者個人以外のものは木作りの検査を受けたということになりますね。これは食糧庁長官としてはわかっているでしょう。全国に食糧事務所もあるし、出張所もあるのですから。そういうものを見なくても、そんなことはわれわれはわかっておる。そういうことで、結局、内地府県においても、北海道においても、生産者が検査を受ける場合には木作り検査を受けておらぬということが現実なんですよ。しかも、本作りによる取引というものは全体ではないということも明らかですね。結局、根本は、農家の庭先価格の三千二百円というのはどのような姿で三千二百円を政府が支持するかといったところに根拠が出てくるわけですね。それは、やはり、通例行なっておる国営検査を受けて、そうして生産者が販売するという、その状態で三千二百円であるということは、これはもう議論の余地がないわけですね。ですから、昨年は南條農林大臣も北海道へ行って、特に十勝とか北見の生産地を回って、農家庭先価格三千二百円で政府は買う、あるいは池田総理大臣も札幌へ行ってそういう点は強調しておるわけです。だから、農林大臣や総理大臣がそういうことを国民に約束しておるのだからして、それを具体的に行政的に処理するというのがあなた方の仕事でしょう。だから、それと全く違うことをやるところに問題があるわけなんです。本作りか素俵かということは、その作りにするまでの諸経費等を入れると、少なくとも一俵百五十円ないし二百円違うのじゃないですか。皆さんが木作りを主張するという点は、実際は農家の庭先価格というものが三千二百円よりも百五十円ないし二百円引き下げられるということに帰納するわけですね。だから、これが重大な点なんです。ほんとうに三千二百円を保障するのであれば、これに本作りの費用を加えて、さらに諸経費を加えて、最終的には三千六百円とか三千七百円になる。それを五万トンについて全販で時価で処分したその不足額というものを国が予算的に措置をするということであれば、これは筋道も立つし、生産農家もすべて納得できると思うのですが、そういう擬装したやり方でどこまでもいこうとするから、これはいつまでたってもわれわれとしても絶対に容認できない。それから、生産者としてもこういうインチキなやり方で説得しても、これはだれも納得はしないと思うのです。だから、もう少しまじめに、政府が一たん言明したことは、これは行政官として完全に処理するということで進めてもらいたいと思うのです。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 農家手取り三千二百円ということは歴代の大臣が申し上げておりますが、それは、現在の農安法なり大豆価格支持の実際の制度に当てはめました場合、それぞれの段階においてどういう価格になっていくかということにつきましてそれぞれこまかく申し上げているわけではないのであります。農家手取り三千二百円という建前で現在の農安法を背景とした価格支持の実際の制度を当てはめていきます際に、今私が申し上げましたように、三千二百円ということは、従来の農安法で三千二十円の支持をいたしておりましたかわりに三十五年産大豆について特例の措置をとるわけでございまして、今お話のように、そうなると農家が素俵で出す場合は三千五十円見当になるではないかということでございますが、三千二百円でこれを農安法告示のそれぞれの規格条件を充足したものとして考えますと、その間やはり百円以上の経費がかかっておりますから、農家が素俵で出します場合の手取りは三千五十円見当ということになると私ども考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、三千二百円ではなくて、三千五十円を今考えておるわけですね。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 先ほども申し上げましたように、農家が直接この告示できめられておりますような包装、調製をいたしまして出します場合は三千二百円になりますけれども、北海道の場合でありますと、素俵で出しまして、選別、加工、包装という仕事を集荷業者または農協がかわってやります場合は、農家の手取りは三千五十円見当になると思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 あなたの素俵というのはどういう観念に立っておるのですか。包装とか選別というが、農家が国営検査を受けて一等とか二等とか三等という検査の等級をつけられる場合は、自分の生産した大豆等について、選別も行なっておるし、包装も行なってちゃんと規格に合った荷姿で検査を受けているわけですよ。その点何か勘違いしているではないですか。圃場で収穫したままのものをざくで持ってきて等級検査だけ受けて、そして農協の倉庫にあけていくというような、そういう考えに立つのですか。そうじゃないですよ。素俵という場合だと、選別もやっているのですよ。その点がわからぬと、いかにも無責任に食糧事務所へ持ってきて検査を受けておるように誤解を生じますが、この素俵で検査を受けるという状態は、一体農家はどういうふうに持ってきているんですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 もちろん農家としても適当な調製はしておると思いますが、農産物規格規程、規格その二による等級に該当をいたしますような検査に合格したものでなければいかぬわけでございます。それと、包装が、かます入り二重包装、そういうことになっておるわけであります。包装は二重包装に該当するものと同様二重俵その他のものもございますが、かます入り二重包装ということで、その両方から、素俵のものとそうでないものとがあるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 繰り返すようですが、生産者はそういうことをやっておらないんですよ。そのくらいのことはわかっておって、行なわれておらないそういう状態とか慣行というものをあえて押しつけようとすることは、単に百五十円か二百円手取価格を下げようというだけのものでしょう。一体どこに生産者が木作りで検査を受けたという事例があるのです。全然それはないじゃないですか。全国の食糧事務所の出張所長を集めて調べてごらんなさい。行なわれておらない状態を無理に行なわれておるように擬装して、本作り三千二百円などという押しつけは、全く誠意のないやり方じゃないですか。しかもこれは役人が考えたことですよ。大臣連中はそういうことを何も考えていないんですよ。あなた方がそういう悪知恵をつけて、いかにもこういうことになっているというようなことを装って、そうして農民を苦しめるということは、これはわれわれとしては了解できない態度だと思うんですがね。そういうことをやらなければ出世できないんですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 これは別にあとからいろいろそういうふうに考えていったというわけではないのであります。従来からも、北海道の大豆につきましては、ホクレン、全販が集めましたものを、一定の目標価格を置きまして、その目標価格が実際に達成できますように、政府において、あるいはその外割との抱き合わせでありますとか、そういういろいろな方法を講じて努力をしてきたわけであります。その額は毎年違いますが、ことしの場合は、先ほど来申し上げておりますように、過去の平均手取りを保障するという建前から三千二百円。三千二百円というととは、これは、北海道の取引実態から見ましても、農協、ホクレンが集荷をするわけでございまして、そこで大量に集中的に取引をされる形になったものを対象として考えておるわけでございますから、別に従来と、ことしの場合に限って特に変わった使い分けというような考えではございません。やはり、十分できますように、大量取引の対象になりますような荷姿になりましたものを対象として従来からいたしておるわけでございまして、それと同様な考え方でやっておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 あなたと質疑してもしようがないですから、そういう人物と議論をしてもむだですから、大事な点は明日農林大臣に質問しますが、一体、農家手取りという概念はどこから出発しているのですか。農家手取りの基礎が今までは百パーセント素俵価格から出発しているという場合、それをさらに今度は本作りに直せという場合、その経費というのは手取りから差し引くべきではないのでしょう。それは手取りの基本価格に加算すべき筋合いであるということは、これは、たとえば米価決定等も、あなた何年か手がけておるのだから、そのくらいのことは専門家としてわかると思うんですよ。この大豆問題だけにへ理屈をつけて、普通の手取りの状態からさらに百五十円、本作りという問題を持ち出して下げなければならぬというような手取りの状態というものはどこにもないと思うんですがね。そうなれば、結局、手取り三千二百円ではなくて、手取り三千五十円というところに基礎を置いて、それに木作りの費用百五十円を加算する、結局そういうことになっていくのじゃないですか。その点はどうなんです。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 三千二百円から逆算をいたしますと、三千五十円に本作りの経費百五十円を加えれば三千二百円ということにもなるわけでありまして、三千二百円を基礎にいたしますと、木作りの経費を引きますれば、今お話のありましたように三千五十円、そういう実質手取りになると思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういうコンニャク答弁でなく、役人はその場限りいい工合なことを言えばいいようですが、そういうことじゃ済まぬですよ。農家手取りの概念はどういうことになっておるかということをもう少し学説的に話したらどうですか。それは、引けば減るし、足せばふえるにきまっておるじゃないですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 繰り返し申し上げておりますように、北海道の場合は、お話のように、木作りで出す場合は少ないということでございますが、この三千二百円という基準は、これも繰り返しになりますが、従来の三千二十円という価格のかわりに三千二百円を当てはめておるわけでございますから、そういう形で農家が出す場合の計算は三千二百円ということになるわけであります。従いまして、三千二百円というものを基準にいたしまして、それから実際の農家手取りが幾らになるという計算をするということにならざるを得ないと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それじゃ、これは保留して、明日大臣から責任のある答弁を求めたいと思います。  委員長、この点は、明日農林大臣の出席を求めて、その際責任のある答弁をしてもらうことにして、これ以上政府の役人に質問してもむだですからやめます。  ただ、最後に、これは参考になる点ですが、最近における数カ月間のアメリカ大豆のアメリカにおける価格の趨勢はどうなっておるか、その価格によってそれが日本に輸入された場合の取引価格がどういう状態になるかということ。まあ九十五ドル時代はまだいいが、最近は百ドルをこえて毎日のように高騰しています。そういうものが輸入された場合の取引価格がどうなるか、これは資料があれば今出してもらえればいいですが、なければ、そのままに説明してもらわなければいかぬと思う。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 これは、去年の暮れからアメリカ大豆が急激に上がって参りましたから、現在入っておりますものと現在買付をしておりますものとで多少違いますが、ただいま入着をしておりますものは、大体通関価格で、これは二月のものでありますが、百三ドルくらいでございます。それから、最近買付をいたしておりますものは、百二十ドルないし百二十五ドルくらいになっております。これから出て参りまする国内価格は、百十ドル見当のものでございますと、輸入大豆の港倉庫渡しで、この場合は一俵六十キロでありますが、百十ドル見当のものでありますと大体二千九百円から三千円、二千九百円がらみでございます。それから、百二十ドル……

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 上場したときの値段まで言わなければだめだ。港じゃわからぬ。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 これは、大豆が港へ着きまして、港チャージその他も加えましたいわゆる実際の取引価格になると予想されるものでございます。それから、百十五ドルくらいでありますと、一俵三千四、五十円、そのくらいの見当になるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 三月ごろから、先物になると百三十五ドル、ごく最近は百四十二ドルまで高騰しておるという情報をわれわれは得ておるのです。たとえば百三十五ドルないし百四十二ドルになった場合はどういう価格になるのですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 実際にそういう高いものは買っておりません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 来た場合はどうなるのですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 百四十ドルの計算はやればすぐ出ますけれども、手元に百四十ドルで計算したものはございません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ちょっとやりなさい。百三十ドル、百四十ドルで……。  時間がおそいですから、あすの朝そういう計算は出してもらいたいと思います。  それから、なお、これは参考になる点ですが、大豆に関する外貨の特割はもう全部終わったのですか。大豆の外貨特別割当の運営については、これは最善の方法ではないということはわれわれもわかるわけです。国内産の大豆をあわせて安定処理するための方法として抱き合わせ方式というものが従来続けられてきた。こういうふうにアメリカ産大豆が日増しに高騰する状態の中で外貨の割当をする場合は、当然これは日本の国内産大豆を有利に販売することが可能な条件が出てきておったわけであります。ですから、ほんとうは、手取り三千二百円に到達できるような割当に関連した措置というものは、善意にやればできたわけですね。そういうことをどの程度上手にやってきたか、どうなっていますか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 国内大豆の外割との抱き合わせば、三十五年度上期まではこれはやってきたのでありますけれども、この方法も従来政府買い入れの方法にかえましてやっておりましたが、実際に運営をいたしまするとやはり問題があるわけであります。それで、三十五年の下期からこれはやっておりません。ただ、外割発券等につきましては、国内産大豆の価格にいろいろ悪い影響を与えないようにということを十分配慮しながらやって参ったわけでありますが、その結果の問題といたしまして、三十五年産の下期の大豆は、結果的には発券がおくれたというような非難も相当あるわけであります。しかし、われわれとしては国内産大豆の価格のこと弔いろいろ配慮しながらやりましたので、あの際の措置としてはやむを得なかったと思うわけであります。今後も、国内産大豆については、外割との抱き合わせというものは現実問題として考えておりません。それで、三十五年度の発券は、これはもう三月に全部終えておりまするし、大豆実需者側の希望もいろいろありますので、三十六年度上期の発券も先般これを実行いたしたわけでございます。そのかわり、先ほど申し上げましたように、国内産大豆については、別途三十五年産大豆の農業団体手持ちのものを冒頭に申し上げましたような方法で処理をいたしておるわけでございますので、これは外割との関係は一応遮断をいたしまして、国内産の大豆の価格支持は国内産大豆の価格支持として別にこれを処理しておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この抱き合わせをやめたというのは、これは私は一度予算委員会で指摘した点ですが、池田総理大臣がことしの二月十四日の閣議の席上、外貨割当を早くやるということを指摘したところから端を発して、農林省は全面的に抱き合わせをやめたという経緯はわかるわけです。もし所信を貫いてそれを続ければ、何も政府が差額負担をして無理な工作をしてまで農民の手取りを下げるようなことをしなくても済んだわけです。これはあなた方に言ってもしようがないことなんだが、その点だけをはっきり指摘しておきます。  それから、もう一点お尋ねしたい点は、昭和三十五年産の産地における検査の等級別の割合というものは、これはもう集計が大体出ておると思いますが、これは全国と言ったってなかなかむずかしいでしょうから、重点的に、北海道と、それから、東北は相当主産地になっておりますから、東北の主産県において、一等、二等、三等、四等、五等というふうに規格が分かれるが、等級別はどういうパーセントで検査がなされたかというその資料を、これも明日出してもらいたい。  資料を整理して要求しますと、第一点は、アメリカ大豆の価格別、たとえば先ほどは百十五ドルまでの説明がありましたが、それから五ドル上がったごとの、百四十ドルに至るまでの間の、アメリカ大豆が国内に入ってきた場合の日本の取引価格がどうなるかという点。それから、第二点は、今言った等級別の検査の割合について、こういう点については明朝までに正確な資料をお出し願いたい。もう一点は、長官が繰り返して言われた本作りを農協とか業者が集荷したもについて大量にやる場合、これは素俵の場合と減耗も相当出る。あるいは素俵で生産者が検査を受けて農協や業者に販売した場合の値段というものは、これは等級別に値段が違うわけですね。建値より下がるものもあるし上がるものも等級別でありますから、ですから、本作りにする場合、素俵の等級別の大豆をどのような割合で調製した場合にいわゆる規格二の基準等級のものができるか、そういう場合の経費とか減耗はどういうことになっているかというような点についても、これは専門の食糧庁ですから、資料として明朝同時に提出してもらいたい。これを委員長から要求してもらいたい。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 初めの御要求の二つの資料につきましては、これは私の方でさっそくととのえたいと思いますが、最後の点は、それぞれ農協なり生産者がやっておるわけでありまして、私の方で、本作りにする場合と素俵にする場合とどの程度のロスなり経費が実際にかかるかということについて、私の方自身が調査をしたものがございません。それで、資料としては用意いたしかねると思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これはおかしいですよ。食糧庁が規格品とか見本品というものを毎年生産者並びに生産者団体に提示して、こういう規格でやりなさいということで見本を示してあるのですよ。ですから、あなたの方で作って示して指導しておるのだからして、わからないということはないのですよ。少なくとも専門の食糧庁で国営検査の元締めであるあなた方がわからないじゃ、検査も何もできないじゃないですか。ですから、集荷する場合は、これは素俵のままで国営検査を受けたものは、これは出荷される。その集荷したものを業者やあるいは農業団体が調製工場等において本作りの規格品というものを調製して、それから、今度は、北海道においては木作りのいわゆる規格二を移出検査と称して、北海道の条例によってきめられた規格によって検査を受けて、そうして内地府県にこれを移出しているわけです。いいですか。だから、それがわかりませんなんということは、これは私に言う答弁じゃないですよ。できなければ、これは国会法並びに衆議院規則に基づいて資料として要求しますよ。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 規格その二の検査に合格すべきものとして、検査規格から見てどういうものが見本になるかというような、そういう見本品のようなものはもちろんございます。しかし、規格その一から規格その二に直すのには実際にどういうふうにロスが出るか、そういうことは必ずしもその検査の規格とは直接関係がないわけでございまして、そういう資料は私の方の手元にはございません。ホクレンその他そういう農業団体等で実際に処理しておりますところから聞きまして、実際の扱いとしてはこういうふうになっておるというような聞き取りによる資料等は、間に合いますれば用意をいたしたいと思いますが、私ども自身の手で調べたものはおそらくないと思いますので、ございませんでしたら一つごかんべんいただきたいと思います。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 その資料要求の件については委員長において適当に取り計らいます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ただ、食糧庁長官に要求しているんですから、政府に対して、われわれが国会で資料を要求しておることを委員長から伝えてもらいたい。  あとは、保留して、あす農林大臣に伺います。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 寺島隆太郎君。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 大臣がおられませんから、しかし大臣がおるお含みで政府委員の諸君には御答弁願いたいのであります。  ただいま、当委員会におきましては、農業基本法の審議につきまして、朝野両党総力をあげて、その情熱を傾倒いたし、これが成立に向かって努力をしておることは、政府委員の諸君もまたすでに同様のことであろうと思うのでありますが、ちなみに伺っておきたいと思うのであります。須賀政府委員並びに振興局長の両氏は、大豆自由化に関連する問題について伺うのでありますけれども、農業基本法について熟読せられたことがございますか。まず、事のけじめでございますから、冒頭にそれぞれお伺いいたしておきたいのであります。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 基本法は読んでおります。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 私も読んでおります。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 しからば、農業基本法、これは社会党からも提案せられておりますが、私がここに申し上げまた引用いたしたいのは、もとより政府提案の、すなわち政府委員の諸君がすみやかに成立せしめんとして情熱を傾倒しておる政府案の農業基本法でありますけれども、農業基本法に申しておりまする第一条の、「農業の自然的経済的社会的制約による不利を補正し、他産業との生産性の格差が是正されるように農業の生産性が向上すること」云々という条句と、それから、第二条の一項一号、「農産物の生産の合理化等農業生産の選択的拡大を図ること。」、これが新農政のいわば重要なる柱であるということに対しましては不退転の情熱を持って努力いたしておるということは疑うべくもないと思うのでありまするけれども、念のため、これは両政府委員とも心に体して日夜国家行政組織法の定むる政府の高級官僚といたしてこの二つを不退転の柱といたしてそれぞれ所管行政の陣頭に立ちおるものなりやいなや、まずけじめとしてそれぞれ伺っておきたいのであります。須賀長官、振興局長から、それぞれ御答弁ありたいと思います。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 ただいま御指摘がありましたような気持でやっておるつもりでございます。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 振興局におきましても、特に生産面を担当いたしておりますので、今お話しになりましたような趣旨でやっております。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 時間がありませんから結論に入ります。きわめて急いで申し上げますが、その選択的拡大と他産業との格差是正という範疇の中に農政の大きな問題が要約せられて大ざっぱに答案としてここに出されているのであって、同僚芳賀君が、立場は異にいたしますが、社会主義農政の観点からるる大豆問題に対して言及せられたのも、要約すればこの二点の追及にほかならないのでありまするけれども、大豆というものの概念についての追及は、もう芳賀君もすでにいたし、わが党の別途の機関においてもそれぞれ発言もいたしておりまするので、これはこの時点においては差し控えたいと思いますけれども、振興局長に伺いたいのでありまするが、同じく豆科作物の中にありながら、落花生というものが食糧庁の行政所管下にあらずして振興局の所管下にあるという具体的なゆえんのもの、並びに便宜的なゆえんでもけっこうでありまするけれども、これも話の順序を追って参ります建前上一応御答弁ありたいのであります。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 豆類につきましては、従来とも生産並びに流通にわたりまして振興局で慣例的に扱うことにいたしております。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 豆には相違ない。豆科作物であるという植物学上の分類においてはこれは違いないのだ。さりながら、これは、便宜上、従来の慣習上、食糧庁食品課が扱うにあらずして、これは振興局農産課が所管いたしておるという答弁なりと了承してよろしゅうございますか。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 豆類につきまして、たとえば大豆であるとか、特殊な立法措置等があまりするものにつきましては食糧庁の所管のものもございますけれども、それ以外の他の法律のないものにつきましては、大体におきまして、生産、流通一貫して行政をした方がよろしいというふうなことから、振興局でやっております。ただし、その用途等につきましてやはりいろいろ関連する部分がございますので、そういうような際におきましては、食糧庁ばかりでなしに、経済局等とも相関連いたして連絡してやっております。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 しからば伺いたいのでありますか、まあ私は決してこれはあなたと討論的にいたそうというのじゃないのですから、そこは御了承願いたいのですが、もっと端的に言えば、一方の大豆は食管の農産物価格安定法の範疇に属する農産物なるがゆえにこれは食糧庁所管であるし、落花生は農産物価格安定法に所属せざる所管であるからして振興局所管であるというけれども、これは同じ豆科作物であり、ひとしく加工形態の最終過程は油という形において消費せられるものである。胃袋の中においては、半分は食糧庁担当の胃袋、半分は振興局担当の胃袋というふうに分かれていないじゃないですか。だから、便宜上これは行政組織においては二つに分けているのだ、こういうことが答弁としてはより妥当なんですよ、はっきり言うと。しからば、伺いますけれども、大豆に対しても、党の総力をあげ、朝野両党とも関心を払い、その背後には、ただいま芳賀君がるる述べられたごとくに、十勝あるいは私の同僚並みいる青森その他の産地の大豆を作り出す多数の生産農民の声を背景といたして本委員会にその議論が集中しておるのでありますけれども、やっぱり同じ豆科作物でありまする落花生に対しましても、しからばなぜこれを農産物価格安定法に取り入れて価格安定を保し、暴騰暴落を防ぎ、農家経済のいわゆる発展を期する道を講ずることができないのか。これは大へんわかりきったことであろうと思いますけれども、念のために、食糧庁長官、さらに振興局長、それぞれ御答弁をわずらわしておきたいのであります。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 農産物価格安定法の対象といたしておりますものは、これは申し上げるまでもなく、現在の段階では、イモ、大豆、菜種、この三つに限定をいたしております。これは、安定法の第一条にもありますように、米麦に次ぐ重要農産物であって価格の支持、保障をしなければならないものを対象とするというようなとこに相なっておるわけであります。お話のように、落花生につきましては、もちろんそれぞれの生産地帯におきましてはきおめて重要な農産物ではありますが、一般的に農産物価格安定法の対象にするというふうにはまだ現段階においては考えておらないわけでございます。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 御答弁に対しましては、どうもこれは非常に常識的な答弁でありまして、これ以上追及いたしてもいたし方ないのでありますけれども、しからば、農産物価格安定法によって保障せられざる作物である落花生に対しましては、振興局、長はいかなる方途をもって具体的にこれが価格安定をいたしておるか。これは経済局にもまたがっておるから、おれはどうだこうだと言わずに、これは政府委員として、しからばこれに対しては従来いかに措置し、今日いかに措置し、将来またいかに措置するかということを一つお答え願いたい。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 豆類について、特にそのうちの千葉県を主産といたしまする落花生につきまして価格安定上必要な措置をとるべきではないかという御質問のように伺うのでありますが、安定法にこれを入れるかどうか、つまり、安定法の対象として価格安定措置を講ずるかどうかということにつきましては、ただいま食糧庁長官から御答弁があったところであります。しかしながら、安定法に入っていないからといって、価格の変動が特に大きい落花生につきましては、これを放任することが決して望ましいものではないばかりでなしに、安定法にあろうとなかろうと、われわれは、一般に農産物というものにつきましては特に価格変動の激しいものでございますので、これが安定をはかる措置を講じて参る必要を認めておるわけでございます。ただ、非常にむずかしい問題でございまして、落花生について見ますると、出回り期と端境期におきましては七千円から一万二千円といったような非常な変動のあるものでございます。このようなものに対しましては、やはり、現段階におきましては、出荷団体による出荷調整ということに重点を置いて指導して参るということがまず第一の仕事であろうと考えるわけであります。しかし、そうは言っても、全体の需給の関係をどうするかということは、生産者団体としてもできないわけでございますので、これについては、やはり大きくは輸入面における調整という措置も必要かと思うのであります。落花生につきましては、先生十分御承知のことでございますが、大粒種、小粒種とございまして、小粒種系統のものにつきましては、これは菓子用の用途でございますが、現在需要に満たないというようなことで輸入もいたしております。しかし、大粒種につきましては、これは国内においてまだまだ伸ばしていける可能性のあるものでございますので、こういう部面につきましては、輸入によって圧迫を受けないように、輸入の調整の措置を講じていくということは今後とも十分留意してやって参りたい。現在までも輸入いたしておりませんけれども、そういう考え方をとって参りたいと、かように考えておるわけであります。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 関連して食糧庁長官にお尋ねいたしたいのでありますが、食糧庁長官が私の質問に答える際にあげ来たりたる食糧管理法第一条に述べられたる作物中、農業基本法第二条第一項に述べる選択的拡大の範疇に属する作物は具体的に何と何であるかということを御答弁を願いたい。順序として御答弁願いたいのであります。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 基本法で選択的拡大の対象と一般的に考えておりますのは、今後国民の消費水準等の向上に伴いまして順次消費ないし需要の伸びていく、そういうものを一般的にその対象と考えておる。従いまして、最も一般的に考えられますものは、あるいは酪農関係のものでありますとか、あるいは果樹でありますとか、そういうようなものを一般的には考えておるわけでございます。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 私の質問の要旨は、須賀食糧庁長官のいわゆる所管事項の所管事務中、もっと端的に言えば、農産物価格安定法第一条に掲げておる作物の中のどれとどれが左前になっておる作物で、どれとどれがこれから大いに伸ばしていく作物なんだと頭にぴんと来て答弁しなければ困るよ。あさっての答弁じゃなくて、明確に。すぐ済むんですから、ちょっと言うて下さい。そうしないと、振興局長の方にバトンが行かない。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 私の所管をいたしておりまする物資は、概して斜陽的なものが多いのでありまして、あまり成長性に富んでおるものはございません。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 しからば、おそらくさような答弁があろうと思うのでありますが、食糧庁というのは膨大な機構を従え、しかもあまた各地に食糧事務所を拉し来たって、膨大な官僚のピラミッドの上にあぐらをかいているけれども、実は身上は左前なんだ、左前のだんな様だということで、それはそういうことでけっこうなんだ。——けっこうかどうか知らぬけれども、そういうのが現時点の偽らない姿なんです。しかし、その中で特にサツマイモについて、あなたは具体的に選択的拡大の作物なりと考えておるかどうか。これも大豆に触れさらに落花生に移る際に必要でありますので、簡単に答弁していただきたいのであります。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 サツマイモは、長期的な見通しはなかなか困難だと思いますが、私自身の判断で申し上げますと、生産性を上げるということに努力をすることが現段階においては重点である、総体の生産量はそう大きくふやしていくという方向のものではないのではないかというふうに考えております。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 寺島委員に申し上げますが、お約束の時間はもう二、三分ですから、そのつもりで一つ……。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 ただいまの答弁はどうも奥歯にもののはさまったような答弁であるが、これを要約いたすと、サツマイモは選択的拡大の範疇に属して大いに将来を嘱望する作物でないというふうな御答弁なりと了承いたして、しからば、振興局長は、農業基本法を熟読翫味しているというのだから、この代替作物である落花生は選択的拡大に属する作物なりやいなやということを御答弁願いたいのであります。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 落花生が選択的拡大の対象になるかどうかは別といたしまして、落花生自身がともかく相当需要が伸びておるということはきわめて顕著な事実でございまして、そのゆえにまた、小粒種等につきましては、先ほど申し上げましたように輸入もいたしているような状況でございます。従って、大粒種等の落花生につきましては、今後とも需要に見合って生産の拡大をしていくべきものではなかろうか。ただ、先ほど申し上げましたように、価格変動の非常に多いものでございますから、そういう点も十分考えながら、需要に相応じて拡大していくべきであろう、かように考えております。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 時間が制約されておりますから、私も端的に質問をいたしますから、もう枝葉なく端的に答弁願いたいのでありますが、振興局長の行政所管下においておおむね選択的拡大の範疇に属する作物は、あげ来たりていかなるものありや、具体的に落花生もまたただいま選択的拡大に属するものなりというも、選択的拡大に属する作物として大いに情熱を傾倒いたして留意せねばならない作物はどれとどれがありますか。これを簡単に並べてもらいたい。数だけでけっこうです。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 私の方で今年度の予算で特に選択的拡大の重要な作物としてあげておりまするものは、麦につきましては、大はだか麦の転換によりまして、今後小麦。それから、油糧作物としては菜種、大豆。それから果樹。甘味資源としてのテンサイ。このようなものが面積的にもウエートでも主要な農作物でございます。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 しからば、ただいまあげたものに対しましては、それぞれ予算を付して、しかもあらゆる行政措置をもって暴騰暴落を防ぎ、選択的拡大の方途を講じ得るか。本落花生もまた選択的拡大に属する作物なりというけれども、ちなみに、本作物の全国の作付面積は逐年伸びておりますけれども、振興局長に、どのような位置にあるかということを、これまた端的に簡単に一つお答え願いたのであります。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 最近におきましては、だんだん伸びて参りまして、三十五年度では約五万五千ヘクタール、収量にしまして、約十二万五千トン程度でございます。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 ただいまの御答弁によりましても、これは少なからざる量を持っている作物であるということは、もう答弁をわずらわすまでもなくこれは自明の理なんです。これは、あたかも選択的拡大の標本とも言っておる果樹にいたしても、統計に資するべきいわゆる面積統計表なんというものはないのです。しかし、ただいまの落花生というものは、かくかくのごとく所要の面積というものがある。所要の面積がこういう明らかなものであるにもかかわらず、しかも輸入を制限すれば大体値段が落ちつくというのにもかかわらず、暴騰暴落常なしという御答弁なんです。それに、果樹なんというよるべき統計表のない作物を、今のような行政のニュアンスで選択的拡大で大増産したら、いかなることに相なるか。これは思い半ばに過ぎる問題であろうと私は思います。  再び議論を落花生に返しますと、本落花生に対します——千葉々々と私をにらんで申しますけれども、別に委員会審議の場において千葉について私はあなたに借金があるわけではないのですから、広く落花生に触れておる農家の立場からさらに質疑を重ねておるのでありまするけれども、過去におけるたとえば輸入の制限に対してとられた措置、——現時点においては、大粒の落花生については輸入を断じてさせないのだ、将来もさせる見込みはないのだ、これは了承いたしますけれども、過去においてどういうことをしたのだということに対するあなたの答弁がない。しかし、委員長からはどうも時間の制限の督促がだいぶきついのでありますから、便宜上私が言いますと、あなたの先輩である東畑四郎君が、今そこにすわっておる須賀君の位置、すなわち食糧庁長官たりしときには、総力を傾倒して落花生の輸入を全部ストップする措置をとったのです。その結果、落花生というものは非常に安定作物になって、全国の農民諸君に喜ばれた。これは過去の事実なんです。今日の時点においては、大粒の落花生は輸入させない。小粒のみ許しておるのだ、こういうことでありますけれども、されば、その過去の経過の中においてなぜ落花生の輸入をとめねばならなかったかというと、あなたの言った小粒と大粒というものの中にいわゆる手品の種がある。小粒として輸入したもの、すなわち加工用原料として輸入したものを選択して、良質な品種を選択して、これをいわゆる食用、生食用としてマーケットへぶん流していくから、そこでとめてもききめが端的ではないのです。そこで、過去においてこれをとめた。現在においては、輸入をとめれば、これが選択的拡大の最たる作物としていくことは、もとより明々白々たることだ。しかし、現時点においてはできないということでありますけれども、貿易自由化がきわめて最近行なわれるというムードの中において、振興局長は、農業基本法一条、二条にも触れて、この作物を選択的拡大の作物なりとして守らんとする情熱と気薄を胸に蔵しつついかなる施策を包蔵いたし用意いたしておるか、大体のスケジュールを承りたいのであります。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 落花生につきましては、先ほど申し上げましたように、国内の需要から見ましても、まだまだ伸びる性質のものであります。それから、先ほどイモにつきまして関連して御質問がございましたけれども、大体において落花生の生産地帯は同時にイモ作地帯でもあるわけであります。従来、麦、イモ、麦こういう連作の形態で来たものが、時によって価格が上がるということで落花生がふえるというような、生産の上における不安定という面もあったかと思うのであります。われわれといたしましては、今後、麦の連作対策、さらにまた、それに置きかえまして落花生導入による新作付方式といいますか、そういうものを今後普及して、それによって生産面における安定をはかっていく必要もあろう、こういうことで、本年度から、予算にも、新しい作付方式の導入の一つの形態といたしまして、イモ連作地帯には落花生を入れる、そういうモデル的な地区に対する助成方法をとることにいたしたのであります。今後ともこれによる効果を期待いたしておるわけでございます。  さらに、流通面におきましては、先ほど申し上げましたような出荷団体における協議会等を通じての指導をやって参ることはもちろんでございますが、輸入につきましては、ここ当分落花生について自由化するという考えは持っておりません。さらに、今国会におきましても落花生についての関税引き上げの措置を講ずることにいたしておりますが、そういうふうな万般の措置によりまして価格安定の対策を講じて参りたい、かように考えております。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 関税の問題に触れ、さらに流通対策の問題等に触れてお尋ね申し上げたいのでありますが、すでに所要の時間も参りましたから、農業基本法を審議いたします際に触れまして御質問申し上げますから、以上をもって終わります。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 明日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。午後五時五十三分散会

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