農林水産委員会 第26号
- 発言数
- 170 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/04/07
会議録
○坂田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、森林開発公団法の一部を改正する法律案及び公有林野等官行造林法を廃止する法律案を一括議題として質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。芳賀貢君。
○芳賀委員 農林大臣が見えませんから、その前に長官にお尋ねしますが、ただいま配付されました省令並びに業務方法書の大要の説明だけ長官の方からしてもらいたいと思います。
○山崎政府委員 お手元に配付いたしました資料につきまして、その概要を御説明申し上げたいと存じます。 第一ページをごらん願いますと、森林開発公団登記令の一部改正であります。公団がこのたび国の出資によりまして資本金を持つという新たな形に相なったのでありまして、これに伴って登記に関します事項を一部改正するという、端的に申し上げますと非常に事務的な改正でありますので、内容の御説明を省略さしていただきたいと思います。 第二は、二ページをごらんいただきたいと思います。これは森林開発公団法施行規則の一部を改正する省令案であります。施行規則の一部を変えまして、第一は、森林開発公団という名前をこの施行規則の中で置く場所を少し変えただけで、事務的なものであります。契約の記載事項というところがらが今度の造林を実施するにあたりましての主要な内容であります。 公団法の第十八条第四項第五号に、「農林省令で定める事項」ということに相なっておりますが、農林省令で定める事項というのはどういう事項かということを列挙いたしたのであります。これは、造林につきましての、植栽すべき樹種とか本数とか植栽の方法に関する事項、手入れの時期とか方法、それから、契約締結前より契約に基づく事業の対象地の上にある樹木の収去に関する事項であります。それから、造林地の使用につきまして土地所有者以外の契約当事者が有すべき権利の種類に関する事項、それから、造林地及び契約に基づき植栽されました樹木の保護に関する事項、造林地における林産物の採取に関する事項、契約当事者の協議に関する事項、造林地及び造林木の持ち分をそれぞれ経済的な事情その他からほかの人に渡したいというふうな場合があるわけでありますので、そういうことに関する事項、それから、契約して実行しております過程における解約をどういうふうにするかという事項、その他、造林地の維持、管理、長い期間において起こってくるであろういろいろな事項、こういうようなことを省令で定める。こういうものを公団としての重要な契約事項としてここに盛られなければいけないということを明らかにしたわけであります。これが最も主要な事項であります。 次のページをごらん願いますと、第四条の二となりまして、森林開発公団法の第二十二条の二第二項によります農林省令で定める事項を規定いたしておるのであります。これは、公団が造林契約をやっていくべき造林地の選定基準に関する事項、それから、収益分収の割合決定の基準及び収益分収の方法、分収の方法と申しますのは、売り払いました金で分収するという方法、あるいは可能かつ必要の場合に材積をもって分収をするというような方法もあるわけであります。そういうようなことに関する事項、その他必要な事項を省令事項として出す予定であるのであります、 また、法第二十四条の規定によります業務方法書または当該業務方法書の変更にかかる部分の公告は官報は公告しなければならないということを省令できめることになるわけでございます。 次のページをごらんいただきますと、森林開発公団の業務方法書要綱(案)を提出いたしております。これについて簡単に御説明申し上げたいと思います。これは非常に重要な問題点となると思うのであります。 第一は、この定義でありまして、この造林法においては非常にわかりにくくなっておりますので、分収造林契約あるいは土地所有者、造林者というものはどういうものであろうかということをここで定義づけてあるわけであります。 それから、第二といたしまして、今まで御説明申し上げましたように、公団が締結をする分収造林計画は、造林契約、費用負担二者契約及び費用負担三者契約によるというこの分収造林法の第一条の趣旨をここで明らかにしたのであります。 それから、第三として、造林地の選定基準であります。これは、法律第十八条第一項第六号の規定に基づきまして農林大臣が指定した地域内の土地であって、しかも次の基準に適合するということにいたしまして、無立木地、散生地、粗悪林相地等の要造林地であって、一団地、カッコいたしまして併括管理が可能である数個の団地は一団地とみなしていくということにいたしまして、それの見込み面積が五ヘクタール以上のものであること、第二といたしまして、次のいずれにも該当しない土地でなければいかぬ。それは、その土地につきまして入会慣行等の権利関係が非常に複雑いたしておりまして、これの整理というようなものの話し合いがなかなかつかない、契約の履行にあたり支障がある、極端に申し上げますと、入会慣行がありまして権利義務が非常に複雑で話し合いもつかないという場合は、分収造林をやるという契約自体もなかなかできないというふうなことになるわけでありますので、そういう趣旨をここに明らかにいたしたわけであります。次は、ページをめくりまして、ロといたしまして、地位、地勢、気象等の自然的立地条件が悪く、造林いたしましてもとても成林する見込がないというような土地は除かなければいかぬ。ハといたしまして、国土保全上の見地から見まして治山工事の実施によってここに治山工事の一環として植栽すべきだ、したが適当だというような土地は除いていくというふうに考えておるのであります。 それから、第四といたしまして、造林を行なう者、いわゆる三者契約において、費用負担者でもない、それから土地所有者でもない、第三者的な造林を行なう造林者というようなものをどういうふうに選定をするかということを第四に規定いたしておるのであります。これは造林事業を行なうのに十分な能力を持っていなければいかぬということを簡単に現わしたものであります。 それから、第五として、造林者の義務であります。その義務の第一は、これはあとで御説明申し上げますが、第八によりまして、新植、補植、保育とか、そういういろいろなことに対します実施計画というものを作ってもらう。第二といたしまして、契約の定めるところによって造林地に一定の樹木を植栽し及びその植栽にかかる樹木の保有を行なうということ。これは当然であります。三といたしまして、造林地及び造林木の保護、管理のために次のような事項を行なう義務がある。それは、火災の警防とか、盗伐、誤伐その他の加害事項の予防、防止、害虫その他いろいろなものの駆除と蔓延の防止、造林地の境界の測量とか境界標その他の標識の設置とか保存、その他造林地及び造林木の保護及び管理に必要な事項、こういうことに相なっておるのであります。 第六といたしまして、それでは土地所有者はどういう義務を負うのかという問題であります。これは、公団及び造林者のために地上権を設定するという義務がある。それから、造林地に対します公租公課の負担を行なわなければならない。それから、造林地における境界の確認を行なうこと。測量等は別にいたしまして、自分の土地はこの区域だということの確認を行なわなければならないという義務をここでいたしたわけであります。それから、さきの第五にありました造林者が行ないますいわゆる保護、管理の部面の仕事に対します事項に協力するという義務があるわけであります。それから、算用数字の2といたしまして、費用負担二者契約においては、土地所有者は前項のほか第五に掲げる事項を行なう義務を負うものとする。ここにいいます費用負担二者契約といいますものは、土地所有者であって造林者であるという場合でありまして、これは第五と第六の両方の義務を負うということに相なるのであります。 第七といたしまして、費用負担者の義務であります。これは、一としまして、あとで申し上げます第九に掲げる費用の負担を行なうこと。それから、二といたしまして、契約に掲げてある事項の実施につきまして他の契約当事者に対しまして積極的に指導を行なっていかなければならぬ。それから、損害賠償金及び損失補償金の請求をする場合の当事者となるということ。それから、売払い代金をもって収益分収を行なう場合における造林太の売払い及び材積をもって収益分収を行なう場合の分収樹木の指定を行なう。こういう仕事を費用負担者は義務としてやらなければならないということになっておるのであります。 第八は実施計画でありますが、造林を行なう者は、毎事業年度実施計画を作成いたしまして、その事業年度の終了までに他の契約当事者の同意を得ることを条件とするわけであります。その実施計画に掲げます事項は、ここにありますように、施業の内容、それから施業に要する経費のうち公団の費用負担にかかるものの支出額及びその算定の基礎、こういうものを実施計画に掲げるわけであります。 第九として、費用負担の範囲でありますが、これは一から十まであるのでありまして、境界の測量とか標柱の設置、新値、補植、保育の経費、防火線の設置とか補修、歩道の設置・補修、それから、先ほど申し上げました第五の三に掲げております事項を行なうために必要な費用、これは維持、管理の経費であります。それから、事業施設費と申しますのは、造林小屋等をいうのであります。それから、国営の保険に入るわけでありますので、それの保険料、それから、先ほど申し上げました一から八までに掲げる費用の支出にかかります事業についてのいわゆる共通的な、雑費的な経費、こういうものを負担するわけであります。それで、これらの費用は通常必要とされるものに限るわけでありまして、それ以外の場合の費用と申しますのは、火災が突発したとか大きな風水害、そういうものが出た場合等につきましての費用負担については、契約当事者がその都度協議してきめていくということにいたしたいと思うのであります。 それから、第十として、費用の支払い方法でありますが、これは、公団が、実施計画に基づく施業の終了を待ちまして、検査の後に清算払いをする。しかし、地元のそれぞれ造林者に賃金の支払い等に大きい支障を来たしてもいかぬわけでありますので、第二項としまして、必要に応じて概算払いをすることを考えているというのであります。 それから、契約当事者の協議でありますが、これにありましては、火災、天災等の災害が発生した場合の措置、それから、害虫その他が異常に発生した場合の措置、造林地の貸付使用、——契約いたしておりました造林地を土地所有者等が他の用途にどうしても貸付使用しなければいかぬという場合にどうするか。それから、造林地の土石の処分、それから、造林木の伐採及び販売の時期及びその方法、損害賠償金及び損失補償金の請求に関しますもの、こういうことは当事者の協議によってきめるのであります。 それから、十二といたしまして、協議の結果将来造林地を貸すというような場合がありましたときは、特別の契約のある場合を除きまして、それは土地所有者の収入になるということにいたしたいのであります。 それから、造林木以外の樹木の帰属でありますが、これは、土地所有者は、もちろん、契約で定める期間内に、契約の締結前からその造林地の上にある樹木をのけなければいかぬというのであります。その場合に、前項の期間内にのけられなかった樹木及び契約締結後に造林地に生えた樹木というのは造林太として分収の対象にする。根株は特別の約束のある場合以外は土地所有者のものであるということにいたしたいのであります。 それから、林産物の採取、これは、土地所有者は次に掲げる林産物を採取することができる。これは分収の対象にならないという意味であります。下草、落葉及び落枝、木の実及びキノコ類、手入れのために伐除します枝と植樹後二十年以内において手入れのために伐採する樹木、これは現在の官行造林法も大体同様でございます。 それから、地上権問題。これは、公団及び造林者は契約の存続期間中は造林地に地上権を持っておる。 十六、収益分収の割合であります。これは、個々の場合によってきめるという原則に立っておるものでありまして、収益分収の割合は、各契約ごとに、土地所有者においては地代額、造林者においては造林に要する費用の額、費用負担者においては費用負担の額をそれぞれ計算いたしまして、これらを参酌してきめていくということであります。 それから、収益分収の方法は、造林地の収益分収は造林木の売払い代金をもって行なうというのを通常と考えるべきであるというのであります。これは現在の官行造林法も同様であります。ただ、特別の事情があると認められるときは材積をもって行なうことができるということにいたしたいのであります。こういう場合に為きましては、もちろん、先ほど申し上げました契約当事者間で十分協議するということを経ましてやっていくということであります。 損害賠償金につきましては、造林木に関し第三者から受けた損害賠償金及び損失補償金は、その請求に要した費用を控除した額について収益分収の割合により分収する。これは現在の官行造林法も同様であります。 持分の処分。これは、分収造林契約の当事者が造林地または造林木の持ち分を譲渡し、または担保に供する場合にはあらかじめ他の契約当事者全員の同意を得なければならない。これはその樹木が契約者それぞれの共有という形になっておるわけであります。これを処分したり担保する場合には、あらかじめ他の当事者の同意を得なければならないということにいたしたのであります。 それから、第二十として、合意解約の問題であります。この契約は左の各号に掲げる場合には契約当事者全員の合意に基づいてその全部または一部を解約することができる。第一点といたしましては、契約の目的を達することができないという場合、それから、公共用または公益事業の用に供される場合、造林地を林野以外の用途に供する特別な必要があるとき、あるいは火災、天災その他の理由によりまして造林木の全部また一部が滅失した場合であります。 それから、二十一、紛争の処理であります。長い期間を要する契約でありますので、その間にいろいろな紛争が起こるということも予想されますので、とれを明確にいたしておきたいと思うのであります。この契約の実行にあたりまして、契約当事者のいずれかによる当該契約上の義務に対する違反その他の理由によりまして紛争が生じましたときは、もちろん双方で話し合うわけであります。それでもなかなか話し合いがつけにくいという場合には、都道府県知事に紛争の解決についてのあっせんを求めるというようなことを考えなければいかぬのじゃないかというのであります。 それから、契約の解除等であります。契約当事者のいずれかによる義務の違反を理由とする紛争につきまして、先ほど申し上げました二十一によるあっせんが行なわれました場合においてなおその紛争が解決できないというふうな場合には、義務違反を行なった契約当事者以外の契約当事者は契約の解除を行なうことができるというふうにいたしたいのであります。この場合におきまして、義務違反者以外の契約当事者は、契約の解除にかえて当該義務違反者を当該契約から脱退せしめ、または当該契約を他の種類の契約に改めることができる。それから、第三といたしまして、費用負担の三者契約におきまして前二項による措置をとる場合においては、義務違反者以外の契約当事者はこういう措置をとるということについて十分に協議しなければいけないというのであります。 二十三といたしまして、合意解約等の場合における処理。二十によって合意解約が行なわれ、または二十二による措置がとられました場合の事後の処理につきましては、各契約当事者、といいますのは、義務違反者を除きました契約当事者が十分に協議してきめていくという趣旨をもって業務方法書を考えていきたいと考えるのであります。
○芳賀委員 ただいま概要の説明を受けたのですが、その中で特に分収造林法と比較して理解のできない点は、分収造林法の第一条には一号、二号、三号でそれぞれ土地所有者、造林者、費用負担者の関係が出ておりますが、この方法書によりますと、そのほかに、「造林を行なう者」というのが現われてくるわけです。一体、造林者と造林を行なう者との関係はどういうことになるのですか。
○山崎政府委員 この点につきましては、分収造林措置法が非常に明確を欠くといいますか、わかりにくいような関係になっておりますので、三井説明員から詳しく説明いたさせたいと思います。
○三井説明員 ただいまの「造林を行なう者」について御説明いたします。 これは分収造林特別措置法にあげております契約当事者以外の者ではございません。分収造林特別措置法上土地所有者と申しますものの中には、単なる土地所有者のほかに、あわせて造林を行なう者があるわけであります。それから、同法上の造林者には、みずから費用の負担を行なって造林を行なう場合と、費用負担者が別にありまして造林を行なう場合とありますが、これらのうちで特に土地所有者があわせて造林を行ないます場合も一応造林行為を行なう者でありますので、これを、造林者と合わせた意味の用語として、業務方法書の文章が簡単になるようにという配慮からこういう特別な用語を作りましたので、定義のところの説明があるいは若干表現に適切を欠いて誤解を生ずるおそれがあるかと思いますが、この点は十分後ほど検討いたしたいと思います。
○芳賀委員 費用負担者が造林者を兼ねる場合はいわゆる二者契約ということになるが、それでは、土地所有者が造林者を兼ねる場合は、これは分収造林法にいうところの二者契約にならないというのですか。
○三井説明員 ただいまお尋ねの、土地所有者が造林者を兼ねます場合は、分収造林特別措置法上の用語といたしましては土地所有者と呼ぶことになっております。従いまして、二者契約として公団が行ないますものといたしましては、公団側が費用負担者にとどまりまして、相手方が土地所有者であって造林を行なう場合、これをこの業務方法書上は費用負担二者契約と呼んでおります。それから、もう一つは、公団が費用の負担を行ないつつかつ造林を行なう、いわゆる改正の森林開発公団法の十八条一項六号で申します造林者となる場合でございまして、この場合には、相手方は単なる土地所有者になりまして、公団側が費用負担を行ないつつ造林を行なう者になるわけでございます。この場合は、公団側の名称といたしましては、分収造林特別措置法上は造林者と呼ぶことになっております。
○芳賀委員 そうすると、分収造林法と少し違うんじゃないですか。分収造林法の規定によって公団が費用負担者や造林者になることができるということになっておるのですから、土地所有者が造林者を兼ねるという場合、別の表現を使う必要はないんじゃないですか。
○三井説明員 土地所有者が造林者を兼ねます場合には、公団側は分収造林特別措置法上の費用負担者になるわけでございます。従いまして、当該法律の適用の関係といたしましては別段問題はないと考えておる次第であります。
○芳賀委員 そんなことは聞いてないんですよ。今あなたが言ったのはその通りなんだが、ただ、土地所有者が造林者になって造林を行なう場合、何も別に「造林を行なう者」なるものをここに持ち出す必要はないでしょう。そういうことは法律のどこにも載っておらぬじゃないですか。業務方法書でそれ以外のことを何も書く必要はないでしょう。これは政府委員から答弁して下さい。
○山崎政府委員 ここで「造林を行なう者」と申し上げましたのは、先ほどもお話がありましたように、公団が費用負担者になって、しかも公団が造林という仕事もやるという場合、それから、土地所有者が土地所有者としてのほかに造林者になるという二つの場合をあわせまして、「造林を行なう者」という表現をしておるわけであります。そういう意味で、両者を一括した意味でこれを表現しているわけであります。
○芳賀委員 こういうつまらぬことを聞く必要はないんですけれども、分収造林法から言えば、これは三者でしょう。あなたの持ち出したのは四者になるじゃないですか。三者のほかに「造林を行なう者」というのが出てきているじゃないですか。
○山崎政府委員 この点の表現は、先ほど申し上げましたように、公団が造林をやる場合、あるいは土地所有者が造林をやる場合、この両方の場合によりますいわゆる造林をやる当事者というふうな表現に方法書ではなっておるわけであります。それで、分収造林特別措置法ではこの三者しか関係がないわけであります。第四の関係者ができるという意味でなく、分収造林特別措置法でいいます、先ほど申し上げました二つの場合の造林を担当してやる人という意味合いになっておりますので、これを造林者というふうに表現した方がいいかどうか、いわゆる分収造林特別措置法でいいます造林者というふうに言った方がいいのかというふうな考え方もされますので、その点少し検討さしていただきたいと思います。
○芳賀委員 この業務方法書は省令の示すところに従って作るということに法律も示しておるでしょう。ですから、省令には、「造林を行なう者」というものを業務方法書でうたえということは何もないのですよ。しかもこれは契約当事者ではないでしょう。契約当事者になれる資格者は、いわゆる土地所有者と造林者と費用負担者以外にないわけですからね。それ以外にまた「造林を行なう者」というものがここに現われてくると、これはどういうことかということに当然なるのですよ。当事者以外の者を何も定義までつけて持ち出す必要はないじゃないですか。
○山崎政府委員 非常に誤解を招いて申しわけないのでありますが、ここでいいます「造林を行なう者」というのは、契約当事者であるわけでありまして、先ほどお話し申し上げましたように、公団が造林もやるという場合、「造林を行なう者」というのは公団だ、それから、土地所有者が造林もやるといたしますと、「造林を行なう者」というのはその土地所有者だという、契約の当事者だということをここでは考えておるのであります。
○芳賀委員 ますますおかしくなるんじゃないですか。今言ったのはどういう意味なんですか。土地所有者が造林を行なう場合は、これは今度は「造林を行なう者」という名前で契約当事者になるのですか。それから、費用負担者が造林者を兼ねる場合には、それもやはり同じように、「造林を行なう者」という、そういう人格で契約当事者になるという意味ですか。そういうことは分収造林法の中には何ら根拠がないことです。
○山崎政府委員 先ほど申し上げましたように、土地所有者が、土地所有者でありかつ造林という仕事をやるという者がおるわけでありますので、その場合に、この方法書で考えております「造林を行なう者」というのは造林をする土地所有者という意味にこれを表現しておるのであります。契約の当事者であるということは間違いないのであります。
○芳賀委員 それじゃ、分収造林特別措置法の第一条にはそれらの事項がすべて記載されておるのですが、その中のどれに該当するのですか。今いう「造林を行なう者」というのは各号に分けてみんなあるでしょう。——二者契約の場合と三者契約の場合と。法律にない事項を業務方法書に出して、いかにもそれが法律にあるかのごとく擬装するのはうまくないじゃないですか。
○山崎政府委員 先ほど御説明いたしましたが、非常にわかりにくい関係もありますので、「造林を行なう者」という場合を、分収造林特別措置法の用語に従いまして、ここの考え方を、たとえば土地所有者であり造林も行なう者、あるいは出資者であって造林を行なう者についてはどうだというふうな工合の表現にして考えていきたいと思っております。
○芳賀委員 長官の説明ではいつまでたってもわからぬですよ。こういうものを持ち出さなければ何も実際やれないですか。三者で契約を結ぶ場合、土地所有者が造林者を兼ねる場合にはそれを一本にまとめて契約当事者になって、費用負担者が造林者を兼ねる場合にはそれが一体になって二者契約を結ぶということ、これですっきりするじゃないですか。
○山崎政府委員 契約の形といたしましては、お説の通りで、非常にはっきりするわけであります。たとえば、ここに実施計画というのが載っております。「造林を行なう者は、毎事業年度、翌事業年度の実施計画を作成し、」となっております。この「造林を行なう者」といいますのは、公団が出資者であり造林を行なうという場合にはその公団という意味でありますし、土地所有者が造林もやるという場合にはその土地所有者はという意味になるわけであります。それから、第三者的な造林者がおりまして、この契約に入っておるという場合には、その造林をやる造林者はという意味にここを考えたのであります。それらを一括してここで表現したような関係で、おわかりにくい形になりましたことを御了承願いたいと思います。この表現は今後もさらに十分検討いたしたいと思っております。
○芳賀委員 これは農林省の一応の草案ということを昨日委員長からも言われたので、これが確定したものでないという理解の上に立って、今後、この業務方法書の正式なものを作る場合には、こういう疑惑のないようなものを作ってもらいたいという点だけを指摘しておきたいと思います。 その次にお尋ねしたい点は、造林者が行なう責任の規定がありますが、造林者が一定の樹木を植栽し、保育と管理を行なうということは当然わかっておりますが、支出の面に対してはどの範囲に及ぶのですか。その行為すべてに必要な費用を造林者が負担するということが建前になっておるのですか。その点はどうですか。労賃とか人件費等も全部造林者の負担になるということで規定していくのか。
○山崎政府委員 費用負担者といたしまして支出いたします経費の範囲は、第九に掲上いたしておりまして、いわゆる一から九までの境界の測定、あるいは新値、補植、保育、防火線、歩道、火災の警防とか、造林小屋等を作る経費、それから、特に協議してきめます天災等があった場合の経費、こういうものは費用負担者が出すわけであります。それを受けまして造林者がそれらに必要な全部の経費を支出するという形になるわけであります。その場合におきまして、お話のありましたように、いろいろな事業に伴う共通的な雑費的な経費も費用負担者が出すわけでありますから、そういうものを造林者はもらって、それで支出していくというのが建前であるのであります。
○芳賀委員 そういうことになると、造林者の行なう行為のすべてに用いられる経費は全部費用負担者が出すわけですね。植栽の労賃から造林者が行なう造林の経費のすべてを費用負担者が出す、それを費用負担者から受けて造林に充てる、そういうことになるのですね。
○山崎政府委員 費用負担者が、先ほど御説明いたしましたような経費を造林者に渡す、造林者がそれをもって事業その他の仕事をやるということに相なるのであります。ところが、御存じのように、森林を維持・管理していくという段階におきまして、造林者がその近くまでほかに用があって行きまして、造林地の盗伐がないだろうか、あるいは害虫でもよそには出たがどうだろうというのでちょっと見回りをするというような性格の経費は、この費用負担者が出すという形にはなっていないのでありまして、そういう場合の経費は造林者にやはり負担していただかなければならぬという問題になってくるわけであります。
○芳賀委員 全額費用負担者に出してもらえば、収益分収には参加する必要はないわけですね。
○山崎政府委員 先ほど御説明いたしましたように、通常の形態におきまして必要なものは費用負担者が出す、特別の天災等が起こりましたらまた協議して出すということになりますが、造林者が負担するでありましょう経費は、先ほど御説明いたしましたように、保護・管理という場合にときどき行って見回ってくれというような、いわゆる人件費といいますか、そういうものの一部はやはり造林者による負担として考えてやらなければいかぬのじゃないかというふうに考えております。
○芳賀委員 費用負担者はその分も出せるのでしょう。山の見回りとかそういう費用も費用負担者が出してはいけないということにはなっていないのでしょう。
○山崎政府委員 たとえば、通常年に三日なら三日、四日なら四日間はこういう時期に必ず見回ってもらわなければいかぬというふうにその契約で相談いたしましたものは、もちろん払うことができるように思うのであります。払っていかなければならぬと思うのでありますが、それら以外に、やはり、森林の健全な維持・管理と申しますか、そういうふうな面から、先ほど申しましたような、造林者としての随時の見回りというものもやはりいたしていかなければ、森林の長い期間における健全な成長、維持・管理が困難だというふうに考えられるわけでありますので、そういうものはやはり造林者の負担という形に考えていかなければならぬように思っておるのであります。
○坂田委員長 ちょっと芳賀委員に申しますが、あまりそこをこまかくなにせずに、先ほどのお約束もあることでありますから、ごく簡単に一つ御質問あらんことをお願いいたします。
○芳賀委員 冗談じゃありません。明確な答弁ができないから、われわれは繰り返して聞いているのです。 〔「くどいじゃないか、簡単にやれ」と呼び、その他発言する者多し〕
○坂田委員長 静粛に願います。
○芳賀委員 栽植等の費用、それから管理費は原則として費用負担者が出す、ただ、臨時的な見回りの点については、確定的に予測できないから、その分は造林者で負担してもらうということでありますれば、たとえば、一年間のうちにこれだけ臨時的な見回りを行ないましたとか費用がかかりましたという分については、これは費用負担者において支出できるとわれわれは考えるが、いかがですか。
○山崎政府委員 通常、たとえば年に三日なら三日、五日なら五日、必ずこういう時期に見回ってもらわなければいかぬという形で契約に基づいていたしておりますものは、もちろん払わなければいかぬわけでありますし、払えるわけでありますが、ただ、造林者といたしまして、不時のいろいろな心配というか、そういうものもあるわけでありますから、そういうときに見回り等をしていただくというのが森林の健全な発達に貢献するわけでありますが、その分を自後におきましてやったからこうだというふうな形で清算払いにするといいますか、そういう形というものは、むしろ管理、監督というような面から、あとでつけておいて払うという形のものは適当じゃないのじゃないだろうかというふうに考えておりまして、そういうものを契約で年に五日やるというふうに考えますと、その分はもちろん費用負担として出すわけでありますから、そういうものは造林者としての経費じゃなくなるということになるわけであります。造林者としての分収割合等をいろいろきめて参ります場合に、見回り等の経費は造林者が全部おれが持つからという場合には、もちろんそういうものは造林者の取り分がふえていくというふうに、話し合いの過程において両者で負担の方法をどういうふうにするかということをきめてやっていくというのがこの分収造林の思想といいますか、本来のねらいとしておるところのように思っておりますから、そういう線で考えていきたいというふうに思っております。
○芳賀委員 われわれ長官の講義を聞いているのじゃないのですよ。ただ、昨日来問題になった点は、公団が造林者になれるにもかかわらず、造林を行なう能力がない、造林を行なう意思がないということが明らかになっていることを前提にした場合、すべて公団が費用負担者としての立場で造林等の費用を負担するということであれば、この分収造林法でいう、いわゆる造林者としての人格を持ったものの行為というものは非常に希弱になるわけです。ですから、すべての造林者が行なった費用等に対して全額公団が支払うものであるとすれば、費用の支出は全部公団ができるのだ、そういう形で進んでいけば、最終段階におけるいわゆる収益分収という場合になれば、これは造林者というものがそういう形の収益分収に参加する必要がないじゃないかというのがわれわれの判断です。そういうことになるでしょう。何も、全部公団に費用を出してもらって最後に分収に参加するという根拠はないじゃないですか。そうなれば、結局、最終的には、土地所有者と公団、——これは公団が全部造林の費用を負担しているのだから、公団の方は費用負担者と造林者を兼ねた建前に立った分収の割合を受ける、結局実質的には最後には二者における分収ということになって結末がつくのじゃないですか。そういうことになるでしょう。それを、わずか一年に一回か二回山を見回ることもあるから、最後にそれを根拠にして収益分収にあずかれるというのは、これは全くでたらめですよ。その点だけはっきりさせていただきたい。
○山崎政府委員 通常の場合におきます分収造林の造林者のことをお話し申し上げたわけでありますが、公団との契約におきまして、先ほどお話のありましたように、とにかく公団が造林にかかった費用というものは全部出していくのだという形態におきまして契約が成立したということになりました場合には、その造林者がいろいろな場合を考えましても自己負担というものの全然ない形になる場合が理論的には考えられるわけでありますから、そういう場合には造林者が分収割合をもらうということは適当じゃないという問題になるように考えておるのであります。
○芳賀委員 その点は大体わかりました。 その次は、業務方法書に示してあるいわゆる分収の歩合の点について、これは各契約当事者が何歩ずつということはもちろん書いてありませんが、大体業務方法書で予定されているところでは、土地所有者あるいは造林者、費用負担者の場合にはおおよそどういうような基準で収益が分収されるか、その基準的なものについて伺いたい。
○山崎政府委員 この表現にありますように、いわゆる地代がどうなるということで計算上は非常に複雑でありますが、全国の主要な地域につきまして調査しました結果から、大体こういうものが基準であろうというふうに考えておりますのは、これは造林はやらない場合でありますが、土地所有者は三割から四割くらいが大体の標準になるであろう、それから、費用負担者は四割から六割くらいが標準であろう、造林者は一〇%ないし二〇%、これが大体標準のものだというふうに考えております。
○芳賀委員 それではわからないですよ。ですから、たとえば一とか二とか三という事例をあげて、土地所有者がこの場合は幾ら、造林者が幾らで、費用負担者は幾らになって、それで十になる、そういう幾つかの事例をあげてもらわないと、これは、三から四とか、四から六とか一から二までと言われてもわからない。これは基準的なものですから、またいろいろ立地的な条件もありますから、きちっとこうだとは言わぬが、大まかな第一の例はこうだとか、第二の例はこうだということで一つ説明を願います。
○山崎政府委員 例を申し上げたいと思います。費用負担者が、新植、補植、下刈りとか、いろいろなこの方法書で書かれておりますような経費を加算いたしまして支出が六万七千四百七十円と一応予定いたしまして、それから、その土地の一ヘクタールの地価が三万五千円ぐらいであるとしますと、それの地代が千九百二十五円、それから公租公課等があるわけであります。それがまあ一ヘクタール六百円……
○芳賀委員 地代のほかに公租公課を加算するのですか。
○山崎政府委員 公租公課は土地所有者が負担するということになります。
○芳賀委員 加算するのですか、
○山崎政府委員 加算するのであります。それから、造林者は年にいわゆる維持・管理という形で九百円を負担するというふうに考えまして、分収割合というものを計算いたしてみますと、この場合におきましては、費用負担者の取り分が四五%、それから土地所有者の取り分が四〇%、造林者の取り分が一五%、こういうことに相なるのであります。これが第一の例になるのでございます。
○芳賀委員 ほかにないですか。今あるのはこれだけの例ですか、基準というようなものは。
○坂田委員長 ちょっと、山崎長官、また御質問者にも申しますが、あまり微に入り細に入り——これはお約束もあることでありますから、なるべく簡潔に御答弁を願いたいし、御質問もさように……。
○山崎政府委員 第二の例を申し上げますと、費用負担者の負担額が十万四千二百二円、それから、土地所有者の負担額が、地価が二万五千円で地代が千三百七十五円、それから、公租公課がいろいろなものを合わせまして六百円、それから、造林者が、先ほど申し上げましたように大体九百円というふうに考えました場合には、費用負担者の分収割合が五〇%、土地所有者は三五%、造林者が一五%というふうに相なるのであります。
○芳賀委員 これは一つの基準だと思います。そこで、重大な点があるわけですが、この土地所有者の場合、地代がたとえば千九百二十五円あるいは千三百七十五円は一応の論拠はあるとしても、地代のほかに公租公課の六百円等を土地所有者の分収歩合の方に主張させる根拠を与えておるのはどういう意味ですか。これは重大な点だと思います。
○山崎政府委員 既往におきます官行造林等におきましても、土地所有者がそういう形で支出する経費はやはりその経費であるということで従来から考えてきておるわけでありますし、一般の分収造林等のいろいろな場合におきましても、そういうものが費用だという形で考えられておるのが通例の形態であります。そういうふうにも考えておるわけであります。
○芳賀委員 この点は農林大臣にお尋ねしますが、この分収造林の場合も、土地所有者は契約当事者となっていわゆる地上権の設定を行なうわけですね。これを農地に一例をとった場合にも、たとえば小作制度の場合は、土地の所有者と耕作者との間における契約というものは、やはり地主である土地所有者が地上権の設定を行なら、そういう形の中から地代というものが生まれてくるわけです。ですから、たとえば地主の場合、当然これは地代の中から公租公課というものを支払う義務があるのであって、地主を小作の契約の中においても、小作料のほかに、その土地に賦課される公租公課をさらに小作料以外に取り立てるというような、そういう過酷な事例というものは歴史的にもこれはないわけです。これはないのですよ。もしあれば農林大臣から示してもらいたいわけです。こういう地代の形成の方法というものは、学説的に見てもこれはないと思うのですよ。小作料を取り立てて、それ以外に税金まで小作人から取り立てなければならぬというような制度というものは、われわれは今まで記憶したことはないのです。これをあえてここで行なおうとするその論拠というものは、非常にこれは重大な点だと思うのですが、この点について、地代というものの立場から見て農林大臣の明快なる御答弁を願いたいと思います。
○周東国務大臣 これは法律には規定を別にしておりませんようですが、大体従来の慣行上これは行なわれておるのでありまして、別に新しい問題でないと私は思います。
○芳賀委員 今までそうだからこれが正しいのだというのではないのですよ。今までやったからそうだ、これは理論的根拠がないじゃないですか。いかに悪い法律であっても、今まであるのだからこれでいいのだということであれば、それじゃいつまでたっても善政というものは期待できないんじゃないですか。これはおかしいじゃないですか。地代の中から当然公租公課というものは払うのが建前でしょう。それを、地代もあたりまえに取る、公租公課も分収の方で主張するという考えは、全く不当ですよ。ここに同じ土地の上に立ったたとえば農業上の政策の問題と林業上の政策の問題の大きな差違というものがある。いずれもその根拠というものは土地じゃないですか。地上権を設定するという根拠はやはり土地でしょう。土地の上に立って、一方は現在小作料というものは適正小作料で押えられておる。農地の所有者は適正小作料だけで生活をすることはできないわけですね。しかもそのほかに公租公課を小作人から取るというのは、そういう規定も何もないです。取ってはいけないということになっているのじゃないですか。それを、分収の形で、地代はこれだけである、公租公課はこれだけだから、それもさらに費用に加算すれば五分になるとか四分五厘になるというような、そういうでたらめなことを、今までそうだったからこれからもそうしなければならぬということはけしからぬと思う。それであたりまえだと大臣は思っているのですか。
○周東国務大臣 それは場所によって、私は、一がいに、あなたのおっしゃるように、地代と公租公課というものが二重負担になるとばかりは考えられないと思うのです。同じ土地に対して地代というものと公租公課というものが二重負担だというような場合は、具体的な場合に考えていって、あると思うのですが、しかし、従来から慣行として行なわれておるのは、決してそれがすべて二重に取られておるからいけないということにはなっていないと思います。
○芳賀委員 農地法の改正案が当委員会に付託になっておりますが、その機会にわれわれは農地法の根拠から立ったいわゆる農地に対する地代の問題等についても当然明らかにしたいと思いますが、その場合、あなたは今言ったようなことをぬけぬけと農地の地代に対して述べられますか。心がまえはどうです。
○周東国務大臣 私は、農地に対して地代を払う相手方というものは、地主に対して小作人が払っていく、公租公課は国あるいは公共団体に払う、その対象というものは違っておると思う。地代というものを基準にして公租公課について計算になるかならぬかという問題は起こってくるかもしれぬ。しかし、私は、それは全然別のものだと思うのです。地代の問題は、その土地の収益から考えて一体どのくらい見積もったらよろしいかということであり、その土地を持っておる者に対する公租公課はいかなる形で計算し課税するかということは、別の問題です。
○芳賀委員 これは議論をすれば尽きないが、さすがに昭和三十一年の官行造林法改正のときに石谷長官は明快な答弁をしておられます。地代の問題については、これは学説的にも非常に重大な点である、しかし、慣例から言うと、土地所有者がたとえば市町村と官行造林法で契約を結んだ場合でも施行令で五分・五分ということになっておるが、これは問題がある、やはりこれを正しく解明すれば、国の取り分が非常に少ない、是正するという方向は、土地所有者の取り分を適正に低くして、そうして造林者及び費用負担者の取り分というものを高める必要があるということを、昭和三十一年の本委員会において石谷長官は明快に答えておるのです。それと比較して、今の山崎長官や周東農林大臣の答弁は、われわれとしては全くいただけないと言う以外、ほかに方法がないのです。しかし、地代論については、これは大きな問題ですから、今後論議するとしまして、何も業務方法書にはこのようなことは示してないが、しかし、この点については、業務方法書の内容の決定については、昨日も大蔵当局とまだ話し合いが済んでないという答弁もありましたので、ちょうど主計局次長が出席されておるので、この地代の構成、特に土地所有者の分収割合に対する主張の根拠については、今林野庁が説明したようなこういう算定の方式が妥当であるというふうに大蔵省は考えておるかどうか、その点はいかがですか。
○佐藤(一)政府委員 お答えします。 実は、その問題につきましては、間もなく公団の予算のいわゆる承認を農林省がしますが、その際事前に私の方へ御相談が参りまして、その際によく検討させていただくということにいたしております。
○芳賀委員 それはそれでいいですが、今問題になっておる点は、土地使用者に対する分収の主張の根拠を、地価から見た地代と、それ以外の土地使用者が納める公租公課というものを地代にさらに加算して、それで分収の主張というものが五分になる四分五厘になるという、そういう算定の方法というものに対して疑点がないかあるかということを述べてもらいたい。
○佐藤(一)政府委員 いろいろのお説があるだろうと思います。私どもは、これからその説明をよく伺いまして、その上で判断いたしたいと思います。
○芳賀委員 あとでわかることですから、この点は間違いないようにやってもらいたい。
○川俣委員 佐藤次長はお急ぎのようですし、法制局もお急ぎのようでございますから、この際一点だけお尋ねしておきたいと思う。 それは、湯山委員から主計官に対して質問いたしましたその要項は、この官行造林法が通らなかった場合に、植栽の義務を負っているが、その予算の処置がないのではないかという質問に対しまして、この法律が通らなかった場合は、款項目の目以下のところで流用ができるんだ、また予備費をくずして措置することができるんだ、こういうお答えであったのでありますが、それは間違いないでしょうか。そういうふうに次長も了解しますか。この法律が通らなかった場合にはその予算的措置を講じなければならないということですが、それでよろしゅうございますか。
○佐藤(一)政府委員 ただいま主計官に聞きましたら、ただいま川俣先生のおっしゃったような御趣旨の質問はなかったようであります。つまり、この法律がもしも成立しなかったという仮定の質問はなかったようであります。しかし、問題をお出しでありますから、ただいまの御趣旨でお答えいたします。 これは、予算と法律の関係は、その場合々々によっていろいろあるわけであります。そういうことがあるかどうかわかりませんが、成立しないという仮定で議論いたしますれば、その場合には、予算的に現在の予算でもって実行し得る場合にはそのままで支障ないわけです。どうしても実行できないという場合においては、これはまた別の機会に補正その他の措置を必要とすることは起こるかもしれません。しかし、ただいまの例で、この場合におきましては、御存じのように、いわゆる節の問題になりまして、これはしかも事業費という膨大な金額が一本で組まれておりまするから、十分実行が可能である。万一の場合にはもちろん予備費を使うこともできます。しかし、現在のところでは、十分現在の組んでおる予算の中で実行ができるであろう、こう考えております。
○川俣委員 次長にお尋ねしますが、あなたの方の予算の組み方は、全部合意が成り立つという考え方で組み、この法律についても同意されておるのかどうか。
○佐藤(一)政府委員 前の御質問とちょっと趣旨が変わったように思いますが、別の問題になるわけですが、この附則の第二項の問題だと思います。この第二項を読みますと、「この法律の施行前に公有林野等官行造林法に基づき締結された契約については、同法は、なおその効力を有する。」、すなわち、分収契約を結び、それが官行造林法に基づく契約の効力は失わないということからして、これは当然であります。その場合に、たまたま契約は結んだけれどもいまだ新規の造林には着手していないというものと、すでに造林に着手しているものとあるわけでございます。そこで、造林に着手しておるものはもちろんこの法律そのまま適用になりますし、予算との矛盾はございません。それから、新規にこれから造林をしようというものについて、林野庁のお考えは、今回公団方式に切りかえた際でもあるから、たまたま現在まで契約はしておるが植栽を行なってないものは、合意によって契約を更改して、そして新しい方式と同じようにやっていこうというお考えのもとに予算の要求があったわけであります。もちろんそれが強制されるべきものではありませんけれども、円満に話し合いがつくということであれば、それは一つの行政の方針でありますから、それはそれでいいのだろうと思います。そういうことを前提にして予算を組むということは差しつかえないと思います。
○川俣委員 あなたは附則の第二項は効力を有するという考え方で予算編成をしたのか、この効力というものは協議によって実際は役に立たなくなるのだという考え方で予算を組まれたかということを聞いておる。協議がととのうということを前提にして予算を組まれたのか、この法律に忠実に予算を組まれたのかどうかを聞いておるのです。
○佐藤(一)政府委員 もちろん、協議がととのってやりますことは、この法律に何ら違反したことではないのであります。
○川俣委員 相互に解約する場合はこの法律に関係のないことですから、そんなことを聞いておるのじゃないのです。契約をいたしたのでありますから、効力があるとすればすでに植え付けてなければならない時期になってきておる。今植え付けてないのです。その説明は、予算が取れなかったから植え付けられないのだということで植え付けてない。実行に移してないのです。だから、協議がととのったから植えないということであればわかりますよ。この法律が通って公団に移すのだからという前提で履行をしてないということは、林野庁の説明によれば、大蔵省の予算がつかなかったので実行できないのだという説明がなされておるから、そこで、大蔵省は全部協議がととのうという林野庁の説明を了承して予算を組まなかったのかどうか。あなた方の説明によっても、植え付けないで根腐れができて困っておる、早く促進してほしいと言っておる。そこであなたにお聞きするのですが、どうですか。
○佐藤(一)政府委員 おそらく林野庁でもそういう御説明はなさっておらないと思います。一刻も早く法律ができまして植栽に手がつくようになることを望んでおりますが、林野庁でも予算がないからというような御説明はなさっておらないと思います。
○川俣委員 これは大へんだ。早く法律が通れば植栽をすると言うが、この法律が通ろうと通るまいと、既存の契約には影響ない、植栽の義務を負っておるという説明じゃないのですか。通ればやらなくてもいいのだ、通らなければやらなければならないのだという解釈では、この法律を正確に理解しておるものとは言えない。「効力を有する。」というのですから、この法律が通ろうと通るまいと契約によって植栽義務を負っておる。ところが、契約を結んで地上権を設定しておりながら、まだごく一部よりやっていないもの、まだ植栽に入っておらないものもあるのですよ。それを、効力を有するのだということになりまするならば、当然植栽の義務を負っておるはずなんです。通れば負わなくてもいいのだ、通らなければ負わなければならないのだということのあなたの説明は、どの根拠に基づくのです。
○佐藤(一)政府委員 そういう意味で申し上げたわけではありませんが、いずれにしましても、協議がととのわない以上は従来の契約の内容は生きるわけでありますから、それはそれに基づいて実行しなければならないと思います。ただ、林野庁は、予算がないからやらないのだというふうにはおそらく御説明はなさっておらないと思います。
○川俣委員 次長、あなたよく御存じないのだと思うのですが、こういうことです。地上権を設定するには、町村有であっても部落有であっても、不動産に関する抵当権の設定みたいなものですから、従って、町村長の専決処分が許されない。町村会を開いて、——定例の時期でなければ別に開かなければならないでしょうが、多くは定例の町村会まで待つであろうと思います。財産上の処分に関する問題でございますから、おそらく相当の期間を要するであろうと思うのです。その間植え付けていないということは、この法律の効力を有するということを実際上は制限をすることになるのじゃないかということなんです。実際協議をととのえることが半月や一月でできるかできないかということは、およそ想定できる。単なる物を動かすような契約でなくして、長期にわたる契約でありますために、町村会といえどもそう簡単に議決はできないと思う。そういうことが予想せられるのじゃないですか。
○佐藤(一)政府委員 ただいまの御趣旨も一応よくわかりますが、いずれにいたしましても、これは実行の問題であります。林野庁が個々のケースに基づいて判断なさると思います。どういうふうにこれを処置なさるかという実行の問題だと思います。
○川俣委員 実行の問題じゃないのですよ。あなた方が協議がととのうということを前提にしておられる御説明があるから、協議というものはととのわないのだということ、しかも、これは、民法あるいは憲法の本則でもあります、不利益は遡及しないという原則を侵すような考え方が切実に出てくるから、私はこの問題を提起しておるのです。協議がととのった場合にはその法律に関係ないことですよ。わざわざあなたを呼んだのは、関係ある部分についてお尋ねしたいからです。協議がそう簡単にできるものじゃないということは、一般国民として、役所におられる人といえども、もう常識的なものじゃないですか。自分の財産が抵当に入れてあるいは地上権を設定して金を借りるという場合のことは、あなたも金融機関に関係ないわけじゃないでしょうからお聞きになっているでしょう。単なる地上権の設定、抵当権の設定でも相当の期間を要する。しかもこれは個人ばかりではなくて公共団体ですから、当然議決を経なければならないわけです。村長をくどいたり町長をくどいて専決処分ができない問題だということは大蔵省も認めるでしょう。専決処分はできますか。できないでしょう。専決処分ができないことを、村長が承知したから、あるいは町長が承知したからできるであろうというけれども、その間には植付の期間が過ぎていく。損害を与えるじゃないですか。契約に基づいたものを履行しないという損害を与える。そのためにもしも訴訟が方々に起こってきたらどうします。国の経費で訴訟に対抗していかなければならないでしょう。そういうことを予想しないで予算を編成したとは思われないのです。当然あらゆるものを予想して予算が編成されておるものと理解いたします。少なくともそういう態度をとっておられるものと理解いたします。できるかできないかわからぬけれども、当てにして予算を組まれたと私は思わない。そればかりではない。まず法律に従って予算を組むことが原則だと私は思う。法律のないものを予算に組むことはできないし、法律に従って組むことが大蔵省の本旨でなければならないと思うのです。これは効力があるというふうにお認めになるならば、そのような予算措置が当然少なくとも——数量は別ですよ、数量は別にして、考慮されていなければならぬじゃないですか。効力があるとお認めになるわけですか。実際にお認めにならなかったから予算を組まなかったのではないかと疑われるので聞いておる。主計官が協議は全部ととのうようなことを言われるから問題になるのです。これで協議がととのわなかった場合には、植栽の期間はきまっておって、何年から何年までときまっておるから、一年、二年という期間が過ぎるわけです。また一年植え付けないという損害が生じてくるわけです。(「秋に植えられるよ」と呼ぶ者あり)秋に植えて、また春同じところに二度植えられるか。しろうとみたいなことを言うな。従って、一年々々延期される。あるいは春植えるのと秋植えるのとでは収穫に影響してくるのは明らかなんです。このくらいのことは林業の常識ですよ。春植えたものと秋植えたものと収穫が同じだということはしろうとの言うことだ。あまりヤジらないでもらいたい。だんだん長引くだけだ。植栽の期間が、秋植えるのだというけれども、これは春植えることになっておって、そういう契約で進行しているわけです。それがもしも損害を与えられたならば、既存の効力があるのだというようなことを主張できないじゃないですか。効力があるならば当然春植えなければならぬ。なぜ根を腐らしてまで植えないでおくか。腐ると君たち説明したじゃないか。君らの言う、根が腐るから、早く植えなければならぬから早く通してくれという主張は、人をだます主張じゃないか。(「言わないぞ」と呼ぶ者あり)提案理由で言ったじゃないか。 そこで、はっきり効力があると、ほんとうにそう思っているのか。林野庁も、これは法律上法制局でこうならなければだめだと言われて、やむなくこうなったもののようなんです。ほんとうの腹は、公団に移したい、移すには、一ぺんやめておくと、法律を廃止することによって断絶しやすい、公団に移すためのてこ入れの有力な方法になるという考え方なんです。この考え方が官行造林法を無視することであると私は思うのです。それに同意した者は、これは共謀だ。国民の権利義務に関するようなことを、そう軽率にきめられることじゃないと思う。大蔵省は大蔵省の見解があったと思うから、その見解を明らかにして下さい。
○佐藤(一)政府委員 おっしゃいますように、この法律の効力はきわめてはっきりしておるわけでありまして、この法律をわれわれ何ら否定している気持はありません。ただ、林野庁の御方針として、できるだけ合意でやっていこうという前提で、つまり予算の要求がなかったわけです。ですから、われわれの方もその前提で組んでいるというだけで、不幸にして合意が予定通りはっきり行なわれなかったという場合においては、それに応じて予算を実行するようにすべきものと思います。
○川俣委員 今明らかになったが、林野庁から予算の要求がなかったから、全部合意が成り立つものと理解をした、こういうことですね。それなら大蔵省の見解は明らかです。要求はなかった。あなたの方で削ったわけではない。法律があるんだから、これは履行しなければならない建前なんだけれども、実施官庁であるところの林野庁が要らないと言うんだから、あえてつけなかった、こういうことだと思うのです。ところが、これは林野庁が契約を結んだのではないのです。官行造林は国と土地所有者との間に結ばれたのであって、国が対象なんです。林野庁じゃない。(「役所だよ」と呼ぶ者あり)林野庁は国ではない。それはそれでよろしいです。あなたの方は法律を犯す意思はなかったけれども、林野庁の方はあえて予算を要求しなかったからつけなかったのだ、こう了承して間違いございませんか。あなたの説明はそうだったのですが、私が聞き違っておれば御訂正願いたい。
○佐藤(一)政府委員 今後のこともありますから、誤解を受けるといけませんが、要求はございませんでした。もちろん林野庁も法律に反するという気持はお持ちでなかったと思います。ただ、実行上、方針としてそういう指導をやろうという御方針のようだったわけですから、それを前提にして組んだわけです。
○芳賀委員 伊東農地局長にお尋ねしますが、ただいま森林関係二法案の質疑の中で、農林省内部における、いわゆる土地に対する地代の解釈なるものに非常に根本的な食い違いがあるということがはっきりした。それであえてあなたに出席を求めたのですが、土地における地上権というものを基礎にして、農地の地代も林地の地代も基本的な観念においては全く相違するものでないことは、これは疑う余地がないが、農地の場合の地代は、その設定された地上権から生ずる収益に対する土地所有者の要求なるものは、小作料という形で表現されているわけです。森林の場合は、制度的に収益の分収方式といろものがありまして、その地上権が設定されて、造林者がその地上権に造林目的を実行して、そうして収益が行なわれる段階において初めて小作料と変わった形でその収益物に対する分収の要求が土地所有者からできることになっている。そういう仕組みがあるわけです。ところが、農地の場合の小作料というものはその地代に限るわけですね。地代、小作料のほかにその土地の所有者に賦課される公租公課までいわゆる耕作者である小作人が負担するという、そういう規定は昔からないわけです。ところが、林業関係の場合には、本日の説明を聞くと、地代のほかに、土地所有者は公租公課に対しても分収の要求ができるということが、本日これは農林大臣並びに林野庁長官の説明で明らかになった。これは重大な問題です。農地局長は、農地法の番人として、土地所有者の側に立つのではなくて、土地を耕作する者の側に立って今まで農地法を忠実に守ってきておることは、われわれ認めておるわけです。ところが、同じ農林省の中で、林野庁の方は、何ら努力する行為を現わさないで、土地を持っておるということだけで不当な分収の要求ができるような根拠を与えようとしておる。だから、あなたと全く違う態度で林野庁では臨もうとしておるわけなんですが、これは、たとえば農地法の改正のときに地代論というものは十分やることになりますが、この際、農地局長の立場から見た場合に、林野庁のやろうとするようなそういう収益に対する土地所有者の主張というものは妥当なものであると考えておるかどうか、この点だけを明快に答弁をしてもらいたい。
○伊東政府委員 お答えいたします。 どうも、私、突然参りましたので、どういうことが問題になっていたのか実は知りませんでしたが、小作料につきましては、先生が御指摘になりましたように、払います小作料を地主がもらって、その中から固定資産税を払っていくという立場をとっているわけででございます。そのほかに地主からは収益についての要求は……。純収益、土地についての収益としまして固定資産税を払ってある程度残るという計算上のことになりますが、今先生が御指摘になりましたように、たとえば固定資産税を地主が払うから、その分を分収として別にまた要求するという形ではなくて、小作人の立場に立ちましたような計算方法から小作料というものを収益価格から出しまして、その地主に払った小作料のうちから地主は固定資産税も払って、またある程度の土地の収益があるという計算方法をとっているわけでございます。今林野の問題につきまして御説明ございましたが、これは私の方でまたよく検討いたしますが、どういう立場が正しいかという問題につきましては、突然としてこうだという結論を申し上げることもいかがかと思います。私の方の土地の問題につきましての小作料については、従来の方針を堅持していきたいと思っております。
○芳賀委員 局長の答弁まことに明快で、それでいいのです。時間がそうありませんから、集約してあと二点ほど大臣にお尋ねして私の質問を終わりますが、昨日、大臣は、繰り返し繰り返し、今度の公団方式による分収についても政府としてはいたずらに大森林所有者に対して擁護したり有利にしないということを強調されたことは記憶されておると思う。それで、われわれは、この大きな、たとえば一千町歩をこえるような大森林所有者が、今まで土地を所有しながら何ら土地というものが森林として国民経済に寄与しないような所有のやり方というものは、容認することができないわけです。この点については、森林法によりましても、所有者がまじめに森林の経営を行なわない場合には植栽の命令を農林大臣が発することもできるという規定もあるわけです。あるいはまた、国が国土保安上必要と認めると規定された保安林については、これは国が森林保安法に基づいて買い上げもできるということで、これは実行を進めておるわけです。ですから、この際、そういういわゆる大臣の言った大きな山林地主等に対しては、ことさらにこの分収造林方式を適用する必要はないとわれわれは考えておるわけです。そのかわり、完全なる植栽をやらす勧告や指示を農林大臣として行なうか、あるいはまた政府が森林保安法に基づいてこれを指定して買い上げをするか、いずれかの措置をとるべきであると思いますが、大臣はどう考えておられますか。
○周東国務大臣 昨日は、私ども分収造林についての標準をまだ示しておらぬじゃないかというお尋ねでありまして、それに関しては、市町村あるいは部落有あるいは財産区等に関しましては大体市町村に準じその財政を育成するために五〇%を基準としてやるということをやっておるが、あとの個人の問題についてはいろいろの場合があろうから直ちに率をきめにくい、その場合場合によってきめたい、こうお答えをしたわけです。そうしたら、あなたの方から、あまり市町村公共団体のみを保護し過ぎるじゃないか、個人の山持ちもしっかり考えろとおっしゃいましたから、私は、むしろそういう面につきましては、大きな山持ち等についてはあなた方の方も必ずしも賛成はなかろう、また、要らぬ場合もあろう、けれども、小さい山持ちに対しましては、将来における農山村の育成の立場に立って、必要な場合には分収の割合を変えていく場合もあろうし、それで一律にきめるわけにいかぬ、こうお答え申し上げた。その点ははっきりしておいていただきたいと思います。私の方は、今のお尋ねに関しましては、将来の問題といたしましては、これは芳賀さんの御指摘のように、いたずらに山持ちが自分の山のことばかり考えて造林もやらぬでほったらかしているという問題については、これに対して造林の命令をするとかいうような問題については、将来の森林政策としては考えていきたいと思います。
○芳賀委員 それから、この水源涵養林は当然保安林として指定して、むしろ政府が買い上げを行なって、こういう経済的な効果のあがらない地域に対しては国の所有として、これに完全なる造林を行なっていくという方が、水源涵養の目的に達すると思うのです。たとえば、対象の二十三万町歩に対して、今林野庁長官が示した一ヘクタール当たりの地価は大体三万五千円ということになれば、その価格で二十三万町歩を買収する場合には、わずか八十億円あれば、これは全面的に国が買い上げをして、そうして完全な造林とその運営を行なうことができるとわれわれは考えておる。特に、この予定される地域は、奥地林で非常に条件が悪いところで、しかも立木のない地域ということになるわけですから、まだまだ地価というものは三万五千円より低いとわれわれは考えている。だから、公団が単に費用負担者くらいになって完全に造林を行なう意思もないし能力もないという場合には、むしろ徹底的にこの買い上げを進めるということの方が、大きな国の見地から見ても、大きな林政上から見ても、これこそ国として行なうべき方向だと思いますが、そういう積極的な御意思はありませんか。どうです。
○周東国務大臣 それは、御指摘の点はよくわかります。今日まだ保安林整備臨時措置法という法律が残っておりまして、政府の買い上げすべき場所がありますると、それに対してお話のような水源林涵養地帯を買い上げて植林するということは続けられていくわけであります。ただ、今計画されておる二十三万何千町歩ですか、これは、政府が買い上げて直接に国家のものとしてやるだけのまとまった団地というものも少ないようでありまするから、一応こういうふうに分けて計画を立てたのであります。
○北山委員 関連。 林政上の問題に触れてきましたので、この際にふだん私が疑問としておる点をお伺いしたいと思うのです。 それは、今後の林業の政策を国が進めていきます場合に、一体、民有林に対してどういうようなお考えであるか。と申しますのは、実際の測量調査ができておらないという点であります。政府の統計資料を見ますと、自治省の管轄をする土地台帳によっての統計を見ると民有林は七百万町歩くらいしかないのです。ところが、農林省の統計を見ると千二百五十万町歩ある。大きな食い違いがあるわけですね。それは、自治省のやつは、市町村のいわゆる固定資産税を土地台帳によって計算をした統計なんです。農林省のやつはどういうふうな方法で民有林の調査をしているかわかりませんけれども、とにかく大きな開きがあるわけなんです。その中には若干保安林がありますから、保安林は二百万町歩ですか、もう少しあるかもしれませんが、そういうものを差し引いても五割くらいの開きがあるわけなんです。私の考えでは、おそらく農林省の林野庁関係の民有林の調査もやはり実際の実測調査をしておらぬ、ある程度は推定の統計だと思うのです。もしも実測をすれば、もっともっと土地台帳との開きが出てくると思う。これをこのままほったらかして、山林原野について実測調査をしておらぬ、面積も正確に把握をしておらぬ、こういうことで何十年来やってきたわけです。私は、国が重大な国有林のみならず一般の国内の森林資源というもの、あるいは土地資源というものを有効に利用するという立場から見れば、これは当然全面的な実測の調査をして、そしてその土地が、その地積がどうなっておるか、あるいはそれがどのように使われておるか、その使用、利用の実態、どう使うべきであるかということを調査した上で、正しい利用区分をつけて、これは農地にすべきものだ、これは山林としてやるべきものだ、あるいはこれは草地にすべきものだ、こういうふうに分類をして、そうして利用していくのが国の重大な責任だと思う。少しもその調査が進んでおらない。進んでおらない結果が、今申し上げたように、自治省関係の土地台帳と農林省の統計とは大きく食い違っておる。これは私も数年前からいつも委員会でもって指摘をいたしまして、当時の経済企画庁長官は、やりましょう、こういうことを言われましたが、少しもこの調査の予算もふえておりません。農林省が最もこれは関係が深いと思うのです。周東さんもこの問題をよく御承知だと思うのですが、一体、この国土調査、ことに土地の利用について、山林あるいは農地あるいは牧野等それぞれの関係を掌握し管轄をしておる農林省として、農林大臣としてはこの問題をどう考えておるのか、この機会に承っておきたい。
○周東国務大臣 土地台帳と農林省の調査による林野面積等において非常な差がある、これを徹底的に調査するの要はないかというお尋ねです。この点は、私は御意見には賛成であります。私は実は土地調査というものについては手をつけたのであります。国土調査に関して、あなたのおっしゃる林地のみならず、農地に関しましても、おそらく実際と土地台帳は違っておる。これは、私は、根本において、農林施策を実行するについては、早く面積調査並びに土地の分類調査と申しますか、土質関係等の内容を含めた調査も要る、水の調査も要ると思うのです。非常に予算が少ないので遅々として進んでおらないことは遺憾に存じます。今後、この点については、早急に予算を増加し、計画を立てて、少なくとも一カ年以内くらいには仕上げてしまわなければならぬが、ほんとうは予算も足りないし、また、実際、北山さんのおっしゃるように、やるには相当大きな金をかけてやらないと短日月にはいかないと思うのです。林野庁におきましては、二十六年以後たしか航空写真で応急の処置をとっておりましたけれども、航空写真にとったものを土台にして実際の面積の調査をよくやることについては相当な金と時間がかかります。しかし、だからといっておくらしておくわけにはいかぬと思いますので、将来考えていきたいと思っております。
○芳賀委員 次に、公団の運営の問題についてでありますが、そのうちの第一点は、本年度は政府から十億円公団に出資が行なわれて、この十億円を中心にして造林事業をやるという一応の方向ですが、九カ年間にわたって今後二十三万町歩の造林事業をやるということになれば、事業計画から言っても大よそ百八十二億円の資金が必要だということになっておるわけです。ですから、今後この二百億円に近い資金造成というものを政府は一体どういう形で行なおうとしておるか。全額を今後政府の出資によって調達する考えであるか、そうでないとすれば、どういう方法でこの造林事業を進めるための二百億近い資金というものを今後だんだん調達する考えであるか、その点はいかがですか。 第二点は、今後の公団の運営であります。なるほど、九カ年は造林事業というものを公団は行なえないけれども水源涵養の事業は行なわれるわけです。ところが、分収造林ですからして、主伐期に至るまで三十年間と見ると、あと二十年、主伐が行なわれるまでの間の非常に長い期間というものがあるわけです。それまでの間一体公団はどうなるのかという問題も、これはやはり政府として確たる見通しをつけておくべきだと思うのです。 この二点についてはどう考えておられますか。
○周東国務大臣 まず、第一点の問題でありますが、これはこの間もお答えをいたしたと思いますが、今後の進展に応じて、必要が起こって参りまするに応じて追加出資の問題も考えていきたいと思っております。また、借り入れ融資というようなことが行なわれて仕事の遂行ができる場合には、その方向をもあわせて考えて資金面も考えていきたいと思っております。 第二点は、お話の点ごもっともでありますが、これは、御承知のように、木を植えたというだけではいかぬのでありまして、枝打ち、刈り払いから、あるいは補植というか、植え直すというような問題もあります。それから、あなたの言われた主伐の問題でも、それまでに維持・管理の仕事があると思います。これは十年たったらなくなるというものじゃないと思う。その後の状態に応じて、植え付けたものの維持・管理、枝打ち、刈り払い、その他生長についての費用負担者としての管理・監督ということが仕事になって残ってくると私は思います。
○芳賀委員 今後も全額国の出資によって無利子の資金を使ってやっていくとすれば、これは非常に安易にやれるわけですが、今大臣の言われた通り借入金等にもよってということになると、今後の公団の造林事業というものは、林野庁が官行造林方式でやったよりも一そう困難になることは火を見るよりも明らかであります。それから、九年経過した後、あと二十年間というものは、公団は造林事業をやらない、造林者にならないというような大体政府の趣旨のようですから、ただ漫然と木の育つのを待っておるための森林公団ということになるわけです。ですから、これは三十年も先には当然社会党の天下になるわけだから、われわれが主伐をしなければならぬが、とにかく長期見通しのないこういうやり方を考えていくところに大きな見当違いがある点だけを指摘しておきます。 それから、もう一点は、公団のほんとうの政府のねらいは、費用負担としてだけで終わらそうとしておるわけでありまして、そうなると、むしろ、事業の実施機関としてよりも、先ほど言った通り、この資金融通、資金を調達してそれを流すためのそういう役割が主たるものになるわけであります。そういうことであるならば、こういう公団というようなトンネル的な機構というものはこの際消滅さして、この政府が出資した十億円というものを、現在よりも有利な条件で、水源涵養のために行なう市町村や部落や私有林等に対して造林資金として費用の一〇〇%を貸し付けるというような方向に切りかえた方が効果的であるというふうにわれわれは考えておるわけです。今日におきましても、年四分五厘で二十年据え置きの五カ年償還という制度が一昨年からできたわけでございますが、さらにこれを徹底して、政府が公団に出資する十億円というものを土台にして、水源涵養のためにはさらに金利を安くし条件を有利にして、これを農林漁業金融公庫から貸し出すということにすれば、一そうすっきりした造林事業というものが市町村や現地の自主性の上に立って発展できるというふうにわれわれは考えておるわけです。だから、この際思い切って森林公団というものを廃止する法案を政府が出して、そうして資金融通的な業務というものは農林漁業金融公庫に一元的に吸収する、これがとるべき政策であるというふうにわれわれは考えますが、農林大臣としてはそういう遠大な構想の上に立った方向というものを打ち出す決意はございませんか。
○周東国務大臣 お話でございますが、私はただいま公団を廃止する意思はございません。ただし、民有林、私有林等の造成に関しましては、かねがね林野庁に命じて計画を進めさしておりますものは、国有林経営によってあがる利益を私有林、公有林、部落林等国有林以外のものの造林その他に効率的に使い得るような制度の確立ということをこれは話しております。この方の問題について出ておりますのが、一つは公営企業金融公庫に出しておる金であります。これを順次今後において年々国有林の利益が増加するに従ってその金をいかなる形において民有林の自主的発展に使うかということは、今後さらに研究を続けていきたいと思っております。
○芳賀委員 私どもが指摘する点は、これらの法律の改正等によって、次第に国有林野事業というものが国有林の経営だけに閉じこもるような方向が出ておることを心配するわけです。国有林に対して完全なる経営をやってもらわなければならぬことはもちろんであるが、これを基盤にしてさらにわが国の林政全般に寄与するというところに国有林野事業の大きな目的があることは、これは大臣も御承知の通りだと思うのです。国有林野事業の特別会計であがった収益を国の一般会計に繰り入れて、その一般会計からさらに公庫に十億円出資するとか、農林漁業金融公庫に紆余曲折を経て出資するというような形をとらないで、むしろ国有林野事業の中から国全体の林業の拡大発展のために寄与できる政策というものをそこからどんどん発展させるという意欲がなければ、ただ国有林野の事業が増大するからという、そういうようなことで終わることをわれわれは非常に心配して、この点を指摘しておくわけです。 最後に一点申し上げたい点は、一昨日当委員会に関係の参考人を呼んで意見を述べてもらったわけでありますが、特に、その中で、林野庁当局と林野の労働組合との間における問題等についても意見を聞いたのでありますが、一番大事なことを感じた点は、われわれとしては、この際、林野庁長官と労働組合との協約の中に、やはりこの事前協議を行なうという規定は当然加うべきであるというふうに強く感じたわけでありますが、この点に対しては他の公共企業体の組合等においてもそういう協約を結んでおる事例は多々あるわけですが、この点は林野庁長官も否定はしていないのです。その必要性を認めているのですが、いまだこれを協約の中に正しく加えるという決断に欠けているという点だけなんです。ですから、この際、農林大臣として、そうすべきである、あるいは林野庁長官として、そうやりますというような、そのほんとうの責任のある決意というものをここで表明していただきたいと思うわけです。
○周東国務大臣 第一点の御意見でありますが、これはもう政府においてもわが党においても前からの主張でありまして、林野庁が国有林野行政だけであってはならないので、私どもむしろ声を大にして、自民党の政策としてこれを政府の方に反映しておるのは、この数年前から、国有林からあがる利益をもって積極的に民有林行政に使うべし、この建前をとっておりますので、数年前からこの片りんが出て参ったのでありまして、今後の行政は、林野庁はあくまでも国有林並びに民有林をあわせた林野庁全体の行政をなすべしという方向で政府も考えております。 それから、第二点でありますが、この点につきましては、林野庁長官の御答弁はどうであるか私は聞いておりませんが、実際上十分に協議をいたし、相談をし、懇談をしておりますし、それを制度化するということについてはまだ私は踏み切っておりません。
○山崎政府委員 事前協議の問題については、昨日私がお話しいたしました通り、これが団体交渉等の過程から出て参りますいわゆる協約というふうな形でそういうものが結ばれるというところには、制度上も非常な問題があるように考えておるのであります。が、いろいろなそういうものによりまして職員その他の勤務条件等にももちろん影響をもたらすということになるわけでございますので、組合側とは、実質上の問題として、計画の説明をし、両者で話し合っていくということは今後とも十分にやっていかなければならぬところだというふうに考えておるのであります。
○芳賀委員 そういうなまぬるいことではだめなんですよ。林野庁がその性格としては現業官庁として公共企業体としての面を持っておることは、これは否定していないのでしょう。そういう場合には、林野庁長官と組合とにおける協約の中に事前協議を加えることは当然じゃないですか。あなたは否定していないのですからね。否定しているのならまた話は別であるが、否定しておらない立場の上に立って、いつももたもたしておるようなことしかあなたは言わないのですよ。そこを明確に、これは加えるべきであるならあると、今すぐ加えろとかなんとかいうわれわれは別に無理なことは言わぬが、加うべきであるならばあるということをここで明言しておく必要があるのじゃないか。そういうふんぎりをつけなければ、今後の進展というものはできないと思うのですよ。決してわれわれは無理なことを言う考えはないが、しかし、この労働協約の当事者としての林野庁長官の立場から見た場合には、その必要があるならあるということぐらいは言明してもいいじゃないですか。
○周東国務大臣 お話の点でありますが、林業経営に関する計画、施業、伐採その他に関するあらゆる事業計画を協議するということを協約の内容にすることは、ただいま私は考えておりません。しかし、そういう計画を立てたものについて意見を聞く、そうしてできるだけたくさんの意見をいれてよりよくするという方法はとっていきたいと思いますけれども、協約の内容に、その承認がなければ林業政策、林業計画というものが進行できないというようなことがあっては困ると思うので、私はただいまそれを協約の内容にすることを考えておりません。
○芳賀委員 私の言っているのは、そういう点とは違うわけです。たとえば今度の公団法の改正等のような問題がときどき出てくるわけです。そうして、それに伴って、たとえば営林署の廃止の問題とか事業所の縮小の問題とか、いわゆる機構上の変化というものがそれに伴ってくる場合が当然あるわけです。ですから、事業の縮小とかあるいは事業所の廃止とか人員の転換ということがそのことに伴ってくるような場合には、これは労働組合との間において事前協議を行なうということは当然なことだと思います。 〔委員長退席、秋山委員長代理着席〕 先般来、この点については、林野庁長官は、その必要性というものは婉曲に認めておるのです。否定をしていないんです。そうであるならば、正しい労使慣行を打ち立てる意味から言っても、当然協約の中にこの事前協議というものは加えるべきである、そういうことをわれわれは原則として指摘しておるわけなんです。これに対して何ら当事者としての信念がないようなことでは、職員との間において正しい協約を結んだり慣行を確立するということはできない。そういうことをやらぬから、せっかくの組合を分裂させてみたり、御用組合を作ってみたり、そういうことは決して林野行政上好ましいことではないと思うのです。くどいようでありますが、事前協議の点については、もう一段積極的な意欲というものを、この際林野庁長官からその見解として明らかにしてもらいたい。
○山崎政府委員 公共企業体等労働関係法にも明らかでありますように、いわゆる管理、運営事項というふうなものに属します事項は、団体交渉等の対象にならないというところに一つの制度上の制約もあるわけでありまして、そういう点からいたしまして、どういう事項を団体交渉し、協約にしていくのか、どういう事項は管理、運営事項として団体交渉の対象にならないのかというふうな点を、それぞれ十分に当局としても検討してやっておるわけであります。事前協議ということにつきまして、それぞれ内容的に幾つかあると思うのでありますけれども、事業の計画その他の段階におきます事前協議というものは、先ほど申しましたように、制度上からも非常に締結することには問題があるというふうに考えておるのであります。
○芳賀委員 それでは、この事前協議の問題については、後刻また十分検討することにして、この点だけを保留します。林野庁長官並びに農林大臣においても即刻これを十分検討をして、善処することに熱意を示してもらって、そういうことで、私のきょうの質問は、事前協議の問題は保留して、これでこの二法案についての質問は終わります。
○秋山委員長代理 川俣清音君。
○川俣委員 時間の都合で、私はなるべく簡略に政府の所見をただしたいと思う。 周東農林大臣は、先ほどの芳賀委員の質問に対して、非常にりっぱな林政に対する態度を表明された。まことに私はけっこうだと思うのです。ただ、それが実行されるのであるかどうかという疑惑が幾多起こってきておるのであります。その点を一つお尋ねしたい。 大臣はこの間官行造林満四十周年記念式典にあたりましてごあいさつをいたしておりますが、とのあいさつは、普通の大臣であれば人の書いたものを簡単に読むというようなことはありまするけれども、関心の深い大臣でありますから、読みながらも、おそらく自分の意思に反しているようなところは読まなかったりしたようなところもあると思いますし、これを誠実に読まれたというところを見ると、この考え方は非常にりっぱな考え方でありますから、うそではないと私は理解をいたしまして、大臣にお尋ねをいたすのであります。あなたが信頼を失ったのでは、周東さん個人の不名誉であるばかりでなく、日本の林政を進める上においても不幸でありまするので、これは熱心のあまりお尋ねするのであります。そこで、この最後に、「どうか本事業が国土保全と水資源確保に輝かしい成功をおさめ、ひいては、わが国の繁栄に大きな貢献をもたらすように、これを契機になお一そうの御協力を賜わりますよう衷心からお願い申し上げ、ごあいさつといたします。」これは十月です。式典へ行っての話ですから、これはおせじの点もありましょうけれども、やはり本心でなければならぬと思います。だから、言葉じりをとらえて言うのではない。「本事業が」——この本事業というのは、この場合は官行造林事業でしょう。「これを契機になお一そうの御協力を賜わりますよう」、こういうのですから、この官行造林に一そうの御協力を賜わりますようということに、これは日本の文章解釈上はそう解釈するのが至当だと思いますが、いかがですか。
○周東国務大臣 お答えをいたしますが、この文章を今拝見いたしております。しかし、私は十月の三日には国務大臣になっておりません。
○川俣委員 治山治水大会のときには大臣はまだ大臣になっておらなかった、それはいいです。あなたが読んだのでなければないでいいですけれども、いずれにしても、十月のことですから、十月には大臣になっておられたはずですから、大臣が読んだかどうか別です。こまかいことを言うのじゃない。これが政府の態度であることには間違いがない。だれが読もうと、だれがあいさつしようと、農林大臣のあいさつでございまするから、政府を代表してのごあいさつに違いありません。私はこの言葉じりをとらえるのじゃないのです。今日の林野行政は、幾らそれがかたくなでものわかりが悪いとは言われましても、既定方針を厳守して信頼をつないできたのです。がんこだとか融通がきかないと言われますけれども、契約については誠実に実行するというところに一面信頼も加わってきたのであります。特に、林野行政というものは長期計画を立てなければならないのでありまするから、こういう長期計画については協力を要する。そこで、努めて一般民間人の協力を願ってきたものだ、私はそう理解している。そこで、その協力を裏切るようなことがあったのでは、これからのいろいろな施策についても全部疑惑を受けるということになり、今後の施策も推進できないのじゃないかという憂いがありまするので、これはお尋ねしたのです。言葉じりじゃないのです。
○周東国務大臣 この文章を今ゆっくり拝見しておりますが、この内容というものは、水源林造林に関して今後積極的な拡大をはかっていくので、どうかよろしくこれに御協力を願いたいということが書いてあるのでありまして、別に私は政策と矛盾はしていない、かように思います。
○川俣委員 そこで、大臣、だんだんお尋ねいたしますが、結局官行造林で収益があがってきたもので民有林に協力しよう、この考え方は、国会のかつての要請もありまするし、この意図は私は大いにいいと思う。この意図をどう具現するかという問題について今論争になっておるのであります。収益をあげて民有林に協力しようということは非常に望ましいことだ。しかし、それをどう具現をするのか、具現の仕方について議論が起きてきていると思うのです。そこで、大臣にお尋ねをしますが、大臣は、大体官行造林も公団造林も同じ結果であろう、こういうふうに思っておられるんじゃないですか。そうだと思う。別に官行造林から公団造林になったために一般の人々が不利益を受けるんだというようなことは考えておられないと思うのですが、そのどうでしょう。
○周東国務大臣 その通りであります。
○川俣委員 そこで、さらにお尋ねいたしますが、なぜ官行造林がやれないのか、やれるならばやったらどうだ、こういうことになると思う。今までわざわざ四十四年までの計画をしてきたのです。これは、この前の国会において、大石政務次官でございますか、大臣にかわって説明をいたしております。その説明あるいは当時の石谷長官の説明によりますと、さらに一そう、四十四年までの計画を立てて、最もおくれておるところの水源地帯に対して保安林整備の補助事業として国が責任を持ってやるのだ、こういう説明でございました。文章を読むと長くなりますから読みませんが、そういう趣旨で発足していながら、わずかな期間に変わったからには、変わった理由がはっきりしなければならないと存じます。この方針を変えなければならない理由がはっきりしておれば、これもまた一つの方法だと思いますよ。せっかく立てた計画であるけれども、変えなければならぬ事態が起きたとすれば、これは別です。ところが、変えなければならないという理由に、これは林野庁で出されたものでありますが、強調されておりますのは、「本事業は元来企業的に運営される国有林野事業とはその性格を異にしているものである。」、性格を異にするから公団にやらせるんだというが、性格を異にするということは、これは提案理由と非常な食い違いがある。性格の違うものをなぜ一体国会に出して法律をすでに作ったんだ。性格の違うものだったら、やらないということが本来だ。人によっては、今までやってきたものは性格が合っておったんだという説明ですが、これからは性格が合わないんだということになると、これは林野行政全体の施策の上に大きな汚点を残すことになると思う。これが一点。 さらに、「このように造林地の分散化及び零細化は経費の高増と管理の困難化を招来し、従って従来の直営又は請負形式による実行は不可能となり、」と出ている。ところが、計画は四十四年まで計画して、さらにもう少し別な計画をする、それはとても手に負えないんだという説明ならわかります。すでに立てられた計画がかかり増しと管理の困難を招来するからやめるんだということは、一ぺん立てた計画が失敗であったということになると思う。これは山崎長官が計画課長時代ですから、計画に参加されて計画を立てられたはずだ。その計画が誤っておった、今度のやつがいいと言う。次の長官が出たら、あれはまただめだ、また別だということになったならば、林政というものは立っていかないと私は思う。実行が不可能となる。そうすると、大臣、こういう問題が起きてくるのですよ。大臣、ここを聞いてほしい。これはほかの人に聞いたってだめだ。大臣だけがわかる。こういう問題が起きているのです。今、林野庁というような企業体は、公益性の高いところの治山事業などは公益性を主として事業をやっておる建設省によこしてはどうだという意見が自民党の中にも有力にあるのです。それが大勢を制すかどうかは別にして、あることはある。そうすると、企業体であるからできないのだとか、あるいは手不足だからできないのだ、あるいは採算が合わないからしないのだという考え方になりますならば、治山政策などは農林省がやれないということになるじゃないですか。私はこれは重大なことだと思う。周東さんはある程度犠牲を払っても国土保全と山を治めるものはわれわれでなければならないという信念に燃えておられるということを、よく知っております。それを、採算上からあるいは運営上からできないのだなんということで、最も造林という林野事業に近いものすらできないのだなんということになりましたならば、治山のような直接に林野事業と関係のないものはやめなければならないということに追い込まれる危険性が私はあると思うのです。そこを私は憂慮しておる。大臣、この点について明らかにして下さい。
○周東国務大臣 いろいろ御熱心な御意見でありますが、私ども、治山事業の大きな問題についてすみやかにこれを完了するために昨年十カ年計画を立てたことは、御承知の通りであります。この点はもちろん遂行して参りますが、先ほどからのお尋ねの水源林涵養に関する問題については、なるほど、過去四十年、計画を立てて進めて参りましたのが、一応三十一年ごろまでにその大部分の目的を達して終わっております。そこで、新しく三十五万町歩を計画して三十二年から実行に移りましたが、それが今日までたしか十万町歩近く終わってきて、大体においてあとは小さい部分と分散した部分が残っているから、一面においてはそういうものについては地方における自治体に責任を負わせ、しっかりやってもらう。そして、そのことから生ずる地方自治体の利益も考えつつやっていくことが一つの新しい方向としてよいことであると考えて、そららへ移す。それについては、それらの自治体等と造林契約をし、分収契約をする主体として一つの公団というものを使おうという形でやったのでありまして、私は、非常に損になるからやらぬとかいう問題じゃなくて、それに関してはあくまでも国有林からあがる利益をこれに充当して、そして、直接官行造林でやっている場合と同じく、地方負担に関してはちっとも心配をかけないという形で実行に移すということによって、民間が従来通りの利益を得るならばそれでもよかろう、こういうように考えたわけであります。
○川俣委員 大臣、あなたはどうも少し本来の周東さんの姿をときどき見失うような御答弁をなさることは、まことに残念しごくに存じながら、なおあなたの信頼度を高めるために、もう一言言わなければならぬと思います。それは、林野庁は、計画したものが終わって、小さい分散したところまでやるという計画を立てておる。それを立てたのだから法律の改正の必要があるということで三十一年法律の改正が行われているわけです。そのときに四十四年までの計画ができておるわけです。それを完了したから、これ以上とても手が及ばないというなら、これは理解できないわけでもないのです。さらに制限林に手をつけましたことは、これは大臣御承知の通り。今の林政は、ちょっとくどくなりますけれども、制限林、普通林、不要林、こう分けられておる。この制限林というものは、経済林としては経営上困難なものとされておる。伐採制限を受け、適期に必ずしも適伐を受けない。ある制限を受けることもあり得るわけです。または、治山工事をするために、その植えた木を撤去しなければならないような制限を受けるわけです。従って、経営林としては不適地なんでございます。しかも山奥でございますから、大臣御存じのように、このせっかく手入れをした立木の価格というものは、里山の価格と違いまして、ほとんど価値のない形になるわけです。しかも、清悪地であり、渓谷であり、たて山でありますために、搬出に経費がかかりまして採算の合わない結果、投げられておったのが現状でございます。これは農林省も認めておる。そうだからして、投げられておるからして、何とかしなければならないということでございましょう。何とかする方法としては、そういう採算の合わない、経済林としては成り立たないところだけれども、国の国土保全と森林資源涵養のため、水資源涵養のためには林野庁は犠牲を払わなければならないといって勇躍出発したものと、私はその理想を大いに尊重しておる。かくあるべきだといって大いに賞賛をしてこれに御協力申し上げてきたつもりです。ところが、それが間違ったのだということになりますならば、今日まで協力したのは間違ったことに協力したということになるのでございまして、年来の周東さんの主張と隔たりが来るのではないか。この点について、もう一つ、これは私が聞くというよりも、国民にあなたの考えを知らせておかないと誤解を招くと思うので、お聞きしたい。
○周東国務大臣 それは、間違ったとかいうことよりも、新しい造林技術の進歩なり、あるいは、分散しておる小団地というようなものに対しては、むしろ新しい時代に即して、これを地方自治体等にやらして、しかも地方自治体の利益になるように持ってくることが一つの行き方ではなかろうかということが新しい施策の根本になっております。一ぺんきめたものはいかなることが起ころうとも変えちゃならぬということよりも、その変えたことによって不利益が地元に生ずるということでありますればこれはいけないでしょうが、しかし、これに対しては、金銭負担上の問題については全部国家がその金はつぎ込んでいくのですから、私は、その点は心配ないし、手を分けることによって事が迅速に運んでいくことがよかろう、こう考えております。
○川俣委員 もしもこれが経済林として成り立つならば、融資造林でやれるはずです。あるいは森林組合の援助を受ける、あるいは地方にあります技能者の援助を受けて、むしろ融資造林の方が四分五厘という金利で計画ができるはずです。それをやらないというのは、四分五厘でかりにやっても、立木価格が今の採算ベースから言って経費高になって採算が合わない。これは、林野庁が経費高になってやれないということは、個人がやってもやれないということです。公団がやったならばやれるということではないと思う。公団の方は、分収の点から見ますと、おそらく採算は五分五厘の計算をしていると思う。四分五厘の融資でやれないものが、五分五厘を取られて公団によってやるということは、決して親切な方法じゃないじゃないですか。公団自体だって自分でやるのじゃない。森林組合であるとか、地方の技能者を動員して協力を求めるというのですから、個人が協力を求めてやっても、採算が合うならばそれでよろしいのじゃないですか。あえて公団にやらせるということの裏には、採算ベースに合うということ、官行造林と同じような利益だということがあれば、これは別です。そうじゃない。同じベースにならない。知事会あるいは市町村会あたりから反対が出てきておるというのは、ベースが違うからです。大臣、もっとわかりやすく説明しましょう。官行造林よりも不利益を受ける。今日配付されて説明を見てごらんなさい。官行造林の場合は、施行令及び細則によりまして受ける制限はごく簡単な制限を受けておる。ところが、公団になりますと、もっと強い制限を受けておる。不利益を来たす。きょう配付されたところを見ても、大臣は不利益はないのだないのだと言いますけれども、不利益であることがちゃんと出ておる。今までは鳥獣の災害を防ぐだけで終わったが、今後は鳥獣の駆除ばかりでない。病気が蔓延をしないように義務を負わなければならない、こうなっている。今までは蔓延についての責任を負えということはないのです。細則にも施行令にもない。公団にやらせるために、公団に損害を与えないようにということは確かにいい。公団に損害を与えないように、義務を押しつけてきている。これは一つの考え方ですが、義務を押しつけてくるということは不利益を与えることじゃないですか。新しい義務が生ずるのですから、公団はいいけれども、土地所有者は不利益を受ける。今までは鳥獣の被害防止が義務だった。今度は病気の蔓延まで防止しなければならないという義務が負わされている。まだあります。今までは造林地の境界の測量なんてなかった。今度は測量の義務まで負わされている。今までは国が測量した。今度は公団が測量しなければならない。これは造林者も同じですが、今度土地所有者が造林をする場合には、その測量も負わなければならない。ですから、官行造林の場合と比べて義務負担が非常に多い。 〔秋山委員長代理退席、委員長着席〕 しかも利益があがらない。義務負担が多いのに、官行造林と同じだなんて言ったって、実際は、施行規則を見ますと、今度出ますのは、みな負担が重くなっている。(「それは知らないんだ」と呼ぶ者あり)それは知らないなんて、知らないと言う方が知らない。これは配付されたものを見るとみなそうです。前の法律と比べてごらんなさい。そのように負担を多くさせている。しかも、林野庁がやれないということでありますれば、公団はなおやれないはずです。林野庁は、これをやることによって規模が拡大するから、それを四十四年になって縮小するのに困る。そうすると公団の膨張したものを縮小するのにはどうするか。今度の公団の改正も、ここまで作った公団をやめさせるわけにいかぬから、新しい事業をやらせるということは私は必ずしも反対ではありませんが、そのように、一ぺん作ればなかなかやめられないものだというふうに私は理解する。それだのに、林野庁は大きくすると縮小できないが、公団ならできるということです。別な言葉で言えば、公団が四十四年になって事業が終われば縮小するということを幾ら言っても、それは、この前熊野を開発するときにも、熊野開発が終われば公団はやめると言ったが、一ぺん作ればなかなかやめられないと同じように、林野庁の機構が大きくなろうと、公団が大きくなろうと、作ったものは、今の時勢においてはなかなか縮小できない。だから、林野庁だけで機構が大きくなれば縮小はできない、公団は大きくなっても縮小できるのだということになったら、公団は大へんな騒ぎになる。これは相当長く続くということでないと、いい人を採用できないと思うが、この点について大臣はどうですか。
○周東国務大臣 先ほどからいろいろ新しい義務負担がつくので不利益だと言われるのですが、今後において市町村と契約を結んで自主的に市町村が仕事をやっていけるようにするわけですから、その自主的にやる市町村は、当然そういうふうな病気の蔓延その他に関してこれを防除するような施設を講じて、自主的にやる林業経営というものがうまくいくようにするのが私は当然だと思う。しかも、それをやるについては経費は全部国から出していくわけです。新しい義務負担をさせて、この経費は国が持つ。もう出ぬというのでは困るが、しかし、そのくらいのプライドとそのくらいの自信を持って今後いかなければ、自治体は全部国のやることにおんぶしていくのが一番いいということではいけない。今後の要求は、あなた方とわれわれの耳に入る点は違いましょう、全部が全部とは申しませんが、中には、早くこれをやらしてくれという市町村が出てきておる。というのは、今までのように官行造林ということを国からずっとしてもらってやっておるというものではなくて、やはりみずから自主的に村における林業経営をやっていって、それから利益を確保するという方向に持っていくのが、私は今後の行き方だと思います。しかも、それに関して経費の負担は国が持ってやるのですから、私は、その新しい義務を課せられたことによって直ちに不利益だというのではなくて、それは当然なし得べきことをしていって林業を発展させて、これに対する必要な経費は国が持つ、こういうことなのですから、不利益になっていないと同じことだ、こういうことを私は申し上げたわけであります。 それから、今縮小の問題をおっしゃいますけれども、これが十年たったらばどうなるかということの御心配ですけれども、私は、やはり仕事というものは順次分散していくのがよろしいのであって、これは私は従来からよくお聞きいたすのでありますけれども、あまりにも国が何でもかんでもやるのはいかぬ、むしろ民間に移すべき部分もずいぶんおるのではなかろうかというような声も聞いております。私は、そういう点は、今後の国有林行政においても、大きく民有林を育成するその行き方に関連し、国有林からあがってくる利益を持っていってやるほかに、いかなる地域にこれを移すべきかということも考えていくべきだと思う。そのときに、そういう仕事は国が全部やるのだということだけを金科玉条にしていくのはいけないと私は思うのでありまして、そういう関係は、あるいは公団を通じ、あるいは直接民間に林地を払い下げることによって、民間の経理を助けるというような方法を、総合的な施策の一環として考えていかなければ、部分的な問題だけをとらえて、これは損になる、仕事がなくなるというようなことでは、私は、大きな日本の林野行政というものをやっていく上において狭いのじゃないか、こう考えております。
○川俣委員 大臣、今までやったような里山の官行造林を自主造林にかえるというのは最近の要望ですから、そういう希望は希望で満たした方がいいと私は思う。別にその希望を満たすなとは言わない。ただ、奥地の渓谷のような、採算ベースに合わないけれども国土保全と水資源保全の上から必要性の強いものを国が犠牲を払ってやるということは、決して悪い方法ではなく、むしろ積極的にやらなければならぬのじゃないか、こう言っている。それを採算ベースに合わせるのだという考え方は、採算が合わないところが残っておるのだから、そういうところは採算を主にしては成り立たないであろうけれども国全体の国土保全と水源培養のためには犠牲を払うことが国民経済の上に大きな寄与をするということで、かつては一般会計でやったこともあるのです。これは造林者のためにやったのではない。国土の保全という国民経済の要請あるいは水資源確保という要請がありましたために一般会計でやったのであります。それを今度は国がやり、今度は公団がやるというのですが、そういうやれないところが残っておるのだと一方で説明していながら、それを経済的にやれるのだということは、林野庁のように山に経験のあるものがなぜそういうことを言わなければならぬのか。これはしろうとが言うならよくわかります。しろうとというものは山を知らないのだから、こうは言えるのです。なぜ残っておるかというと、採算に合わないから残っておる。がけくずれが出たり、採算ベースに合わないところなのだ。経済的に成り立たないところなのだ。それを採算ベースに合わせて公団にやらせると言う。これがもっと積極的な理由があるならば別だが、理由は、ただ、官庁規模が膨大になれば困る、あるいは、もう能力の限度を越えているということ。そうなると、能力の限度を越えていることを勝手に法律で出したということになりますと、国会を軽視したことになる。 そこで、最後に聞かなければならぬのは、この官行造林法を廃止しても、その効力は失わないのだということでございますか。そう理解してよろしいのですね。これは、実質的には効力をなくそうという考え方ですか、それとも、実質的にその効力ありという見解ですか。大臣の見解を承りたい。
○周東国務大臣 これは法文に書いてある通りであります。すでに契約をしているものについてはなお効力を有する。これがなくなっても、すでに契約している部分についてなおなさねばならぬ仕事が残っておるはずであります。その意味においてはやはりこういう法律を経過的措置として置く必要があります。もう一つの点をたびたびお尋ねになりましたけれども、もう一つ、そのほかに、強制的に一方的に解約をやることはできぬのだから、話し合いでいく。その場合に、話し合いがどうしてもつかぬときには、また従来の契約のなには残していく。この二つの部分が入っているわけであります。
○坂田委員長 川俣君に申し上げます。時間も切迫しておりますので、きわめて簡単に……。
○川俣委員 簡潔に申し上げます。 効力があるということでありますならば、これは公務員としてはその法律に従って実行をするのが本来の建前です。法律を作ってもこれを生かしていかれないというような考え方でありますならば、これから作ったものはみんな信用できないということになる。ある法律を、その効力を削減しよう、あるいはチエツクしようというような考え方でありますならば——効力を削減するような意図がなければ問題は割合に片づきやすい。ところが、効力があるのだ、誠実にやるのだと言いながら、やる予算がつけてない、要求してないということは、これはやる考えがなかったということになる。やる考え方があれば、何件かは残るであろう、訴訟の対象になってくるであろう、従って、それはやらなければならない義務を負っておる。義務を負っておりながら、話し合いでできるであろうなんということは、法律に対して忠実じゃない。契約に対して忠実じゃない。万が一この契約はうまくのがれることができるかもしれないという期待にすぎない。不利益になるような条項の多い公団にそうたやすく同意するわけもないでありましょう。また、手続等も簡単ではない。地上権の設定ということはそう簡単な手続ではない。これが明らかなんです。そうすると、植付の時が過ぎるということは明らかです。不利益を与えるということは明らかです。効力があるということでありますならば、不利益を与えないということが効力があるという意味でなければならないと思いますが、法制局、いかがです。効力があるということは、具体的な内容がなければ効力とは言わないだろうと思います。
○吉國政府委員 先ほど来の公有林野等官行造林法を廃止する法律案の附則第二項につきましては、ただいま大臣からお話がございました通り、また、先ほど大蔵省の主計局次長からも申し上げましたように、この法律の施行前に従前の公有林野等官行造林法に基づいて締結されております契約については、この廃止された法律がなおその効力を有するという意味でございまして、従いまして、現にその契約が存する限りは、従前の法律の規定がそのまま、あたかも現行法で持っておると同様の効力を持つというだけの意味でございます。
○川俣委員 効力があるということは契約が生きているということであろうと思う。契約が生きておれば、履行の義務を負っておるということじゃないですか。それでなければ効力があるとは一声えないと思う。
○吉國政府委員 これは、現に締結されて存しております契約につきましては、廃止前の公有林野等官行造林法の第一条から第五条までの規定が働くということでございまして、逆に、法律が生きているから契約が働くということではございません。法律が生きているから契約が効力を持つということではございません。現に存している契約についてはこの法律が働くというだけのことでございます。
○川俣委員 すなわち、契約は何らの拘束を受けるものではないということでしょう。契約に制限を受けるものではないということじゃないですか。
○吉國政府委員 この附則第二項の規定は、今申し上げましたように、契約が存する限りは、その契約について法律は効力を有するというだけでございます。従いまして、この規定があるがために現行の契約が維持されるというようなことはございません。この契約が生きている限りは、法律は第一条から第五条までにいろいろ規定を設けておりますが、その規定が働いてくるというだけでございます。
○川俣委員 そうすると、この契約が生きている限りにおいては、官行造林法の規定に基づいて実施の義務があるということであろうと思う。いわゆる遡及して不利益を来たすことはないという民法の原則、あるいは、憲法の、国民の権利というものは遡及されて侵害されないというこの原則を当然守り続けておるものと私は理解する。そこで、履行しなければならぬのに履行しなければ、これは契約違反の対象になると思うのですが、この点どうですか。植え付けなければならぬのに植え付けていないという事態が起これば、明らかに契約違反だと思いますが、この見解はどうですか。
○吉國政府委員 その契約がございます限りは、契約の両当事者はその契約に従って債務履行すべきものでございますから、契約が存する限りは予ての契約に基づく条項を履行しなければならないということは当然でございます。
○川俣委員 国が不履行いたした場合は損害賠償の請求の対象になるというのはあたりまえじゃないですか。
○吉國政府委員 契約が効力を存します限りは、そういうことに相なると思います。
○川俣委員 今言われた通り、契約の存する限り義務を負うというととでございまするから、このことを末端に通達する義務があると思いますが、これはいかがですか。
○周東国務大臣 私は、今の川俣さんのお尋ねがどうも片寄っていると思うのです。この法律の規定は、先ほど法制局から言われているように、問題は、既契約について前の法律が存しておるからやらなければならぬ場合は、義務だけじゃない。また権利の部分も残っておりますよ。そうすると、当然分収契約者として残っている。もとの法律がなくなれば、前に契約して植え付けが済んでいるものに対して将来分収の取り立てもやらなければならぬ。管理もしなければならぬ。こういうためにもこの経過規定は要るのであります。だから、一面の将来の問題だけにかかっているような質問で出て参りまして、予算上の問題を問われますけれども、その点があるということはもう十分御承知だろうと思うけれども、当然経過規定としての附則規定は要るわけです。それから、将来に向かっての問題は、一方的に破棄できないから、相談の上でやる。いけなければ、それに対して予算的の措置はします。こういう答弁だから、はっきりしているわけです。
○川俣委員 大臣、それは違うのです。既存の契約は、十年間で植える、何年から何年まで植えるという契約になっておるわけです。一年か二年植えて、八年なお義務を負っておるものがあるのを、これを公団に振りかえようとするから問題が出てきたのです。あるいは、七年あるものでも、契約してまだ植えてないものもある。これから植えよう、ことしから植えようという約束になっているものもある。すでに地上権を設定し契約が完了しておるところに植えないから問題が起きておるのだから、そういう点はないということを末端に徹底させる必要があるのじゃないかと思います。そういう通達ができるかできないか聞いておるのです。
○周東国務大臣 この点はたびたび繰り返しておるのであって、契約されておってこれからまだ植えなければならぬ義務のところは、これは話し合いをつけて公団に移すかどうかということを相談し、いけないときはやります、こういうことをはっきり言っているわけです。それを通達してくれというなら話もします。
○中澤委員 一点だけ。 それは、大臣、具体的におとといの参考人でこういう例が出ておるのですよ。これは長野県の伊那市の田畑という参考人なんですが、これは、僕が聞いたら、六千町歩の市有林が伊那市にある。そのうち三千町歩は既契約で植えたものだ。千三百町歩というものは新契約である。あとやりたいものが七百町歩ある。ところが、これは標高千から二千の間で、とてもこれは一般造林並みに見られたってだめだというのですよ。それで、それを森林組合なり市の財政で新値ができるかといったら、それはとても今は不可能だ、だから非常に山が荒れる、こういう陳述をしておるのです。伊那市には洪水も起こるであろう。だから、その点について、今の川俣さんの質問に関連して、千三百町歩と新規に新値を計画している七百町歩は一体どうなるか。既契約の三千町歩はいいが、それは一体どうなるのか。これは具体的な例なんですから、千三百町歩の分と今後やろうとする七百町歩の分はどうなるか。
○山崎政府委員 今後やろうとするというのは、たとえば官行造林でやってもらいたいという希望をしておるこれは新しい契約ということになるわけでありますが、それはまあそれで、新しい契約というものは、現在の段階として、希望があれば、水源林として必要な地帯であるということならば、開発公団が費用も出しましてやっていこうというふうに考えておるわけでありますが、これは現にまだ契約をしていないわけでありますから、そういうふうに考えておるわけであります。それで、契約いたしまして、契約しておるものが千三百町歩でありますかあるそのうちで、これが全部植えてないという場合を考えてみますと、その植えてない千三百町歩につきましては、これを公団に移すということが地元で希望されるかどうかという問題がまず話し合いとしてなされなければいかぬわけであります。これを一方的に国が解約するということは、この法律の趣旨から言ってもできないわけでありますから、伊那でありますか、そこの町と十分に話し合って、それを公団で費用負担者というふうな形で承諾してもらえるかどうかということを、市なり地元の所有の方と打ち合わせするわけであります。その上で、公団で一つお願いします、費用負担者ならそういう形で公団がやってくれればけっこうでございますという場合には、それが公団との契約に変わっていくという形になるのであります。それで、地元の方で、何としても、公団でやるということは困る、従来通り既契約の分でありますからどうしても国がやってもらわなければならぬという場合には、国が年度計画というものに従ってやっていかなければならぬというふうに今まで御説明いたしておるわけであります。
○川俣委員 あなたが通達を出すということで、末端にまで徹底させるということで、大体その点は了承できるのですが、この説明には、実行は不可能だからやれないんだと言っている。やるんだと言っていない。やれないんだ、実行はもうできないんだと言っておる。それでは、できないという説明は取り消しますか。従って、従来の直営または請負方式による実行は不可能である、直営では、あるいは今請負でもやっておりますが、それは実行は不可能だ、不可能ということを強調しておる。だからこの効力の問題が出てくるわけです。既契約ですよ。既契約以外は問題になっていないのです。これからの将来の問題は別なんです。従来やってきた契約の中で、実行が不可能になってきたというのですから、非常に重大なことなんです。不可能になってきたということを言いながら、法律は施行するんだと言う。不可能なものを履行するということはおかしいのです。
○周東国務大臣 これは少し言葉が足らないのかもしれませんが、新しく立てた二十二万何千町歩に関する個所については、国がやるのはなかなか困難な事情があるということを示しております。その中で従来の既契約二万三千町歩何がしが入っておるのであります。その範囲内において新しく相談をするということでありますから・それらについては、従来も一般の官行造林の中に入っておったのですから、どうしてもまとまらなければやろうということであります。
○川俣委員 ここに問題がある。不可能だから、もうやれないんだから、解約してもらいたい、こういうのか。履行の義務はあるんだからして、これだけは完了するけれども、これ以上はやれないというのか、その点明瞭でないのです。不可能だというならば、既存の契約の分までやれないという説明になるのです。それは、あまりに公団に移したいために、やれないということを強調し過ぎているのかもしれません。しかしながら、移すために強調して不可能だと言うからには、契約の履行はできないということになるのじゃないかというところに問題があるわけなんです。
○周東国務大臣 提案理由等には、別に不可能とは書いてないです。(「不可能だと書いてある」と呼ぶ者あり)それは内部的な言葉が少し足りないと思いますけれども、提案理由には、それをやることは不適当という言葉を使って書いてあります。それが正式な文章であります。あなたはいろいろの勉強家ですから、どこかから持ってきたのかもしれませんが、内部的には、全体的に見て言葉が足りぬが、そういうことを書いていると思います。しかし、私は、公の問題としては、提案理由書に書いてある通り、そうやることが不適当だという考えですから、どうしてもまとまらなければ、それはやってあげましょう、こういうことです。
○川俣委員 あなたのその提案理由は尊重できないですよ。この前提案して説明したのをもう無効にするなら、いつ無効にされるかわからないから、念を押さざるを得ない。その意味で念を押している。それで、契約したものについては不可能なということはない。林野庁の全機構をあげれば、不可能ということは考えられない。もしも不可能なということを念頭に置いてこの法律改正を行なったとすれば、明らかにこれは憲法に違反する。民法の通則でありまする既往にさかのぼって不利益を与えることはできないというこの大原則に違反することになると思うのです。これはどうですか。契約分については、不可能とは言わないで誠実に履行するものである、こう理解してよろしゅうございますか。
○周東国務大臣 私は、提案理由書の中で、「官行造林を行なうことが適切でない」というように広く考えておりますのは、二十三万二千町歩という新しい計画面積全体についてこの言葉を使っております。二万三千町歩の契約分に関しては、従来から官行造林の中にあったのでありますから、それらを合わせて、新しい契約の中で、でき得ればこれは公団に移して、市町村にやってもらうことがよろしかろう、そういう形で進んでいる。その範囲においてどうしてもまとまらなければ、これは従来の官行造林の方でやっていくのもやむを得ぬ、こういうふうに思っております。
○坂田委員長 これにて質疑は終了いたしました。 —————————————
○坂田委員長 この際、両案に対し、田口長治郎君よりそれぞれ修正案が提出されております。両修正案はお手元に配付してある通りであります。 まず、修正案の趣旨について提出者の説明を求めます。
○田口(長)委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、森林開発公団法の一部を改正する法律案及び公有林野等官行造林法を廃止する法律案の両案に対する修正案を提出いたします。 まず、両案に対する案文を朗読いたします。 森林開発公団法の一部を改正する法律案に対する修正案 森林開発公団法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。 附則中「昭和三十六年四月一日」を「公布の日」に改める。 ………………………………… 公有林野等官行造林法を廃止する法律案に対する修正案 公有林野等官行造林法を廃止する法律案の一部を次のように修正する。 附則第一項中「昭和三十六年四月一日」を「公布の日」に改める。提案をいたしました理由といたしましては、両案の施行期日はいずれも昭和三十六年四月一日となっておるのでありますが、すでに四月一日も過ぎており、施行期日を公布の日に修正する必要がありますので、両修正案を提出した次第であります。 何とぞすみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
○坂田委員長 ただいまの両修正案について質疑の通告があります。これを許します。簡潔に願います。角屋堅次郎君。
○角屋委員 ただいま自民党の田口委員の方から森林開発公団法の一部を改正する法律案に対する修正案並びに公有林野等官行造林法を廃止する法律案に対する修正案の提案理由の説明がございました。これは原案そのものは政府自身が出されたわけでありますけれども、この原案修正を自民党の方から出された。これは、当初予定した段階の期日でいかないという場合には、むしろ原案を提出された政府みずからの手で——条文が非常に輻湊するというんではなくて、簡単な公布の日からというふうな意味で提案をされる趣旨でありますので、条文の細部にわたっていろいろ修正する場合にはわれわれ議員修正で従来やった経験もありまするけれども、しかし、この法律そのものが四月一日よりおくれていることは現実の事実であって、それを政府みずから提案者として看過をして、与党みずからがこれを修正するということは、これは法案の内容から見て筋としておかしいんじゃないかと思うのですが、その間の経緯を提案者から明らかにしてもらいたい。
○田口(長)委員 この種の修正案の提出は、与党から出す場合、あるいは政府から出す場合、両方あると思うのでございますが、私どもは、この際は与党から修正した方が運営上能率的である、かように考えたわけであります。
○角屋委員 これは、本来、この趣旨の内容であれば、政府がみずから原案を撤回して、そうして今の形の、与党の内容のもので出すのが本筋じゃないですか。この点について、原案提案者としての大臣の見解を求めたいと思います。
○周東国務大臣 いろいろな御意見はありますが、これは従来の慣例にも先例にもありまして、委員会において御修正を願ってちっとも差しつかえありません。
○角屋委員 ちっとも差しつかえないということは、政府みずから出さなくてよろしいということですか。
○周東国務大臣 従来の例といたしましても、そういう場合に政府から施行期日等の変更修正をしておらない場合は多々ございます。委員会の方から出されて修正をして、私は差しつかえないと考えております。
○角屋委員 これは、従来本委員会でも取り扱ったように、法案の細部にわたっての修正等を与党自身がやられたり、あるいは三党の相談でやられたりしてやった経過はあるのです。ところが、田口さんが出された提案の内容から見ると、単に施行期日の問題を公布の日からというのだから、当初原案を出された政府自身が原案を撤回して出されたって、何ら差しつかえのない修正案の中身だと思うんです。むしろ、これは、政府みずから、当初三月三十一日まであることでもあり、四月一日以降法律案の施行ということの責任の所在というものを追及されるのをおそれて、みずから法案を撤回をして修正を出されるというそういう態度に出られるのではなくて、委員会の名において、あるいは与党の名においてこれを出されるということは、責任を回避されたということじゃないですか。
○周東国務大臣 私はそうは思いません。むしろ、施行期日の変更は、委員会で直された方が多いのであります。私の方は差しつかえないと思います。
○角屋委員 僕は、本案は撤回すべきだと思う。政府みずから提案したものだ。 —————————————
○坂田委員長 これより両案及び両修正案を一括して討論に付します。 討論の通告があります。これを許します。大野市郎君。
○大野(市)委員 自由民主党を代表いたしまして、森林開発公団法の一部を改正する法律案並びに公有林野等官行造林法を廃止する法律案の両案に対しまする修正案並びに修正部分を除いた原案に賛成の討論をいたす次第でございます。 御承知の通りに、わが国土の三分の二は森林でおおわれておりますので……
○坂田委員長 静粛に願います。
○大野(市)委員 この森林造成事業が、国土保全のため、また、水源林の涵養、木林資源を育てるということにおいて非常に重要であることは、御承知の通りであります。 そこで、特に水源地域の民有要造林地については、かねて公共事業費による補助造林の事業が行なわれておりまするが、大正九年には官行造林法が制定されて、土地所有者と収益分収の条件で国が造林をする官行造林契約によって、地方公共団体の所有の森林原野にこれが適用されたのもいなめないところであります。昭和三十一年、戦前戦後の乱伐のため大水害が起こったのでありまするが、これを契機といたしまして、(「順序が違う」「反対討論が先だ」と呼び、その他発言する者、離席する者多し)水源地域の部落有林、私有林に範囲を広めたのであります。自来、官行造林事業の重点は水源地域の造林へと移って参ったのであります。その結果、四十年の主伐あるいは三十年の間伐の適期が到来をいたしましたので、御承知のように、官行造林地は、十三万二千ヘクタール、推定価格で五百億円に上るというふうに、この事業は成果をあげて参ったのであります。従って、国有林野事業の生産力の増強計画につきましては、政府において面積においても伐採量においてもそれぞれ一割のアップを考えておりますので、事業量の非常な増大が考えられたのであります。また、対象地の零細と分散が行なわれまして、その点は、地方公共団体あるいは部落有林、私有林などでこの官行造林契約によって拡充が行なわれたので、三十一年以前は五十ヘクタール以上が対象であったのが、十ヘクタール以上となり、今回は五ヘクタール以上にこれも改正せられております。従いまして、この意味において、事業量の増大、管理面の点からいたしましても、仕事の内容について検討を要することは必要のあることであったのであります。 ことに、官行造林では、大正十一年から昭和三十五年まで、要造林面積は五十四万三千ヘクタール以上に及んでいると考えられておるのでありまするが、そのうち実行済みの分が……
○坂田委員長 静粛に願います。
○大野(市)委員 五七%でありますから、三十一万二千ヘクタールがすでに実行済みでありまして、残りは四三%で二十三万二千ヘクタールに及んでおりまするが、今回は御承知の治山治水特別措置法による治山事業十カ年計画と歩調を合わせたいという構想が生まれましたので、この二十三万二千ヘクタールを昭和四十四年までの九年間で実施をいたしたいと、こういう考え方でありまするので、わが党におきましては、この考え方に賛同をいたしておるのであります。 しかも、いろいろ質疑の中で問題が出ました既契約地における造林の未済分は二万ヘクタールでありますが、この点に対しては、しばしば政府当局の答弁によりまして、この既契約の履行は守るということを言っておるのでありまするから、わが党としては政府を信頼して参りたいと思っておるのであります。 また、公団は三十一年に発足しまして、いわゆる熊野川流域や剣山地域の幹線林道の完成を見まして、三十四年からは御承知の関連林道の開設にかかりまして、これまた三十九年度には完成の予定と承知いたしておりまするので、この公団の機構、能力、経験の活用ということに着想いたしまして、公団にこれらの事業を移しかえたいというのでありますから、われわれははなはだ時宜に適したものと賛同いたしておるのであります。 また、質疑中に、地元市町村にとって不利益かいなかの問題も出ておりますけれども、わが党におきましては、市町村の基本財産の育成策として昭和三十四年には農林公庫の融資の活用も森林組合と同様にこれが行なわれておりますので、この意味において造林者とともに土地所有者としての分収の増加も考えられるのでありますから、地元市町村の全面的な協力が期待できるとわれわれは判断をいたしたのであります。 また、私どもは、市町村や森林組合の造林能力に対しまして、一部の参考人の方は、高い山だから能力がないなどとの発言もありましたが、市町村の公民の利益のためにもなりますことでありまするから、これらも御相談によって考え直しの余地もあることと判断をしたのでございます。 また、水源造林資金は官行造林伐採による官収入を一般会計を通じて出資してやるのでありますから、今後も資金の問題に対して国がタッチすることは御承知の通りであります。ただ、問題は、資金の分収歩合の問題でありますが、この点も、現実の問題として、政府当局から個々の実情によって善処をいたす旨の弁明をいただいておりますので、われわれは政府を信頼いたしたいのであります。 さらに、資金の経理区分を明確にする規定のありますることも、この事業の一つの方向を変えますことに対して、国が資金の運用に対しても十分の配慮をいたしておるものと判断をしております。 なお、最後に、人事の関係について劈頭いろいろ質問がございましたが、この点はどうか十二分にこの法律案の成立後におきまして政府において心配のないように万全の配慮をせられんことをつけ加えて、私の自由民主党を代表しての賛成討論といたします。(拍手) 〔「修正案はどうした」と呼び、発言する者多し〕
○坂田委員長 片島港君。 〔「何の討論をやるのかわからぬ」と呼ぶ者あり〕
○坂田委員長 片島港君、討論を願います。 〔「何に対する討論ですか」と呼ぶ者あり〕
○坂田委員長 はっきり申してあります。 片島港君、討論を願います。 〔「何の法案かわからぬ」「休憩々々」と呼び、その他発言する者多し〕
○坂田委員長 片島港君。 〔「速記録を調べろ」「法律の名前が入らなければわからぬ、委員長は言ってない」と呼び、その他発言する者多し〕
○坂田委員長 片島港君。 〔「法律の名前を言いなさい」「ちゃんと言った」と呼ぶ者あり〕
○坂田委員長 片島港君、討論を願います。
○片島委員 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました森林開発公団の一部を改正する法律案及び公有林野等官行造林法を廃止する法律案について、反対の討論を行ないたいと存じます。 官行造林事業は、森林資源の造成と市町村基本財産育成に積極的に寄与する目的で、大正九年より収益分収契約によって国が造林事業を行ない、すでに四十年を経ております。 昨年十月官行造林法施行満四十周年の記念式典が挙行されましたところ、農林大臣は、官行造林事業の輝かしい成果をたたえ、大臣あいさつの最後には、先ほど川俣委員の読み上げたようなことを強調しておられるのでありますが、財政法十七条を受けて予算決算及び会計令第八条によれば、八月三十一日までに歳出の見積書を大蔵大臣に提出をし、同十一条によれば、予定経費要求書を十月末までに大蔵大臣に提出をすることになっております。時あたかも十月でありますから、この記念式典のころには、農林省としてはすでに三十六年度予算の正式予算要求の作業に手をつけていたはずであります。当時すでに官行造林予算は新年度の予算の要求の作業の中からオミットされていたことでありましょうが、しかりとすれば、四十周年記念式典は、新年度予算編成時期にあたり官行造林の告別式を前もって挙行し、大臣あいさつはこの告別式における弔いの言葉であったわけであります。官行造林を廃止して森林開発公団にその事業を移管するというのは、本委員会における数々の質疑応答で明らかなように、何一つ納得することはできません。 申すまでもなく、森林開発公団は昭和三十一年設立され、奥地未開発林のうち、熊野川流域及び剣山地域に幹線林道の開発を行ない、これが三十五年に完成を見、また、三十四年から関連林道に手をつけて、三十九年までに完成する予定であります。前記事業が終われば公団の任務も終わりでありますが、今回の法改正によって、公団本来の任務である林道開発事業に新たに官行造林法に基づく政府の水源涵養林の造成事業を行なわせようとするものでありますから、早い話が、仕事のなくなる森林公団に、その性格を変更して、新しい仕事で命を延ばすための法改正であると言われても仕方はありません。 公団は、今までに、前期事業三百二十二キロメートルの幹線林道で三十三億七千万円の事業を完成、また、後期では二百七十七キロメートルの関連林道で三十五億三千万円の大事業を行なおうとしておりますが、これらの事業は、大臣の答弁にもかかわらず、公団みずから事業を行なうことなく、工事の一切を工事者に請け負わせ、その中間マージンによって渡世をしてきたことは、工事用機械としてダンプカー・トラックをわずか一台しか持ち合わせていないことによって明らかであります。 この公団に対して、林野特別会計から新年度に十億円を一般会計に繰り入れ、一般会計から公団に出資して、分収造林特別措置法第一条に規定する造林者または費用負担者として分収造林契約の当事者たらしめようというのでありますが、分収造林法にいう造林者とは、みずから造林事業を行なう者であります。この点については、わが党委員の質問に答えて、周東農林大臣は、法的には造林者たり得るが、実際は、公団が費用負担者となり、市町村等に造林してもらうのだと答弁しております。さらに追及すれば、造林も行なうことがあると、まことに苦しい答弁であります。 官行造林の場合は、営林局長が契約当事者となり、営林署が造林を担当するのでありますが、公団が造林者となる場合は、公団理事長が契約当事者となり、また、各支所や出張所が造林を担当するとのことでありますが、これがはたして実行可能なことでありましょうか。林野庁の場合は、十四の営林局、三百四十四の営林署と三万数千人の従業員を擁していますが、森林公団の予想される陣容を見れば、従来の林道開発事業も含めて総人員百七十四名、本所のほかには、五つの支所、二つの林道事務所、七つの出張所があります。しかも、一支所当たり定員は数名、一出張所当たり人員はいずれも二名ずつであります。石坂理事長は、政府の命とあらば造林事業の造林者としての任務もやり遂げますと張り切っております。政府提出の資料によれば、石坂理事長は林野庁長官に比較をすると約二倍の給与を受けており、以下階級が下がるにつれてそれぞれ右へならえの比率で給与ができておりますが、わが国特有の年功序列の給与体系や、古手役人の天下り人事などから見て、給与の厚薄必ずしも事業遂行能力と正比例するものではありません。かりに正比例するとしても、林野庁が投げ出した二十三万二千町歩の造林未済地を、予想される公団の陣容で造林者として任務を果たすなどと口の端に出すこと自体が、国民を愚弄するもはなはだしいと言わなければなりません。 改正公団法第十八条第六項にいう「造林者又は費用負担者」という「造林者」は、大臣の言う通り法文上は造林者たり得るといたしましても、実際上は法文上のアクセサリーとしても通用いたしません。単なる費用負担者であり、しかもその費用は林野特別会計から回り回って出費を受けた国費であります。林道開発の中間マージンで渡世してきた公団は、今度は国費をもって造林の費用負担者となり、そのピンハネによってかせごうというのでありますから、まさにあきれた公団であります。(拍手) 公団と契約する場合と官行造林の場合では、公有林、部落有林が不利になることは法の建前から言って明らかであります。すなわち、官行造林の場合は、林野庁で造林業務一切の保育、管理の責任を持って、分収率は五分・五分でありますが、森林公団の場合は、資金だけ出して、保育、管理は責任を造林者にまかせ、分収率は五分・五分の保証がないのであります。 そこで、自行造林としてすでに契約済みで今なお植栽未済部分に関し、相手方に合意を求めて契約を解消し、公団との契約に切りかえると言っておりますが、相手方が合意しない場合はどうなるのか。林野庁長官は、そのときは官行造林として既契約分を従来の契約通り実行すると答えておりますが、それなら、既契約分について合意が取りつけられるまで、または合意がないときは官行造林が終了するまで、官行造林法を廃止しないのが筋であります。しかも、合意がととのわなければ林野庁予算から流用して実施すると答弁されておりますが、流用すればそれだけ林野庁の事業予算に穴があきます。むしろその分だけ公団出資金から資金を引き揚げるべきであります。 昭和三十年に、従来一般会計公共事業として行なっていた水源林造成事業を官行造林に吸収した際の言い分は、県行造林として補助しても、県は新値だけを行ない、あとの保育、管理は県の財政事情から顧みないからという理屈をつけていましたが、今や逆に、保育、管理までやっていた官行造林から、費用負担だけしてあとを顧みない公団に移すという。わずか二、三年の間に、その豹変ぶりというか、頭の切りかえの早さにはただ驚くばかりであります。 都道府県知事は、分収造林については当事者の間に入ってあっせんの役割をすることになっておりますのに、このような大改正について一度も相談に乗っておりません。市町村等は、この改正によって財政上甚大なる被害を受けますのに、事前に何の相談も受けていない。官行造林の従業員は、官行造林の廃止に伴って身分上重大なる犠牲を受けるのに、全林野労組は一度も相談を受けていない。わが党委員が、どのような団体から官行造林を廃止して公団に移せという要望があったかとただしても、その答えは、一方的に発案したとしか受け取れないのであります。自治省との間には、分収造林法を無視して覚書を取りかわしておりますが、自治省自体があまり内容を知っておらないようであります。特に、参考人の意見によれば、今度の法改正の真意をつかんでいる人はほとんどおりません。 いかなる点から見ましても、官行造林を廃止して森林開発公団に新たな任務を負わすことは、直接の利害関係者はもとより、国民ひとしく合点のいかないところであります。 今からでもおそくはありません。政府はこの際謙虚に国民の声に耳をかして両法案を撤回されんことを強く要望いたしまして、はなはだ簡単でありますが、私の反対討論といたします。(拍手)
○坂田委員長 玉置一徳君。
○玉置委員 私は、民社党を代表いたしまして本委員会に提案されております森林開発公団法の一部を改正する法律案並びに公有林野等官行造林法を廃止する法律案及びこれに対する修正案につきまして賛成の意見を申し述べるものであります。 公有林野の官行事業も今年をもって四十年を迎え、ようやく主伐期に入ったわけでありまして、官行造林の主目的であった官行造林法第一条第一号及び第二号造林のうち、水源林造林を残しては、昭和三十二年にその目的を達し、その後は農林漁業金融公庫の特別低利長期資金に切りかえて行なわれてきているわけであります。従って、昭和三十三年から行なわれております官行造林事業は、水源林のみを対象として行なわれて参ったのでありますが、この事業も細分化し、分散化して、今後は国で行なうには適当でない面が多くなってきたために、都道府県に協力を求め、公団に本事業を切りかえることになったわけでありますが、この水源林造林が官行造林よりも不利にならない条件で、市町村を初め土地所有者に自主性を持たせて造林を進めるという点については、特に反対を唱える理由はないと思うのであります。 しかしながら、四十年の歴史を有する官行造林のやり方を変えるのでありますから、この機構の変換期には格段の配意が要るわけでありまして、これらについて先般来当委員会においても十分論議を重ねられてきたのもこのためだと思います。これについて、政府の答弁は、市町村その他の地元住民に対し現行よりも決して不利にしないと言明せられておるのでありますが、かかるおそれの断じてないように、しかも国の林野行政の後退にならないよう、左記事項に十二分に配意をされたいのであります。 すなわち、まず第一点は、官行造林廃止に伴い関係労務者等が現在より労働条件の低下を来たすことの絶対にないように十分に配慮すること。 第二点は、官行造林既契約者の公団移管へのための合意契約でありますが、これは、さきにも述べました通り、何分四十年の歴史を有する官行造林を一挙に公団に切りかえることに無理があるのであって、しばらくの間これを並行してやり、これが変換に伴う混乱を避ける配意が望ましいと思うのであります。こうした見地から、既契約分の移管については、各委員からも十分御指摘のあった通り、決して無理のないように、かつ、受け入れ態勢には必ずしも十分とは想像でき得ない点もございますから、これにつきましても十二分の御配慮が願いたいのであります。 第三点は、市町村その他森林組合、土地所有者等への技術指導等に特に意を用い、地元所有者の森林涵養の意欲を促し、国の林野行政の遂行に遺憾なきを期せられるとともに、あわせて市町村の財政の強化及び農山村振興についても従来より一そう意を用いて林野行政を行なうことであります。 なお、これに関連してでありますが、国土保全、森林資源の涵養等の国の林野行政についてでありますが、これにつきましては、今後ますます強力な総合施策を積極的に進められ、いやしくも後退するがごとき感じを与えることのなきよう、格段の配意を願いたいのであります。 以上の三点について要望いたしまして、原案について賛成の意思を表明するものであります。(拍手)
○坂田委員長 これにて両法律案並びに両修正案に対する討論は終結いたしました。 これより順次採決に入ります。 森林開発公団法の一部を改正する法律案について採決いたします。 まず、本案に対する修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
○坂田委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、修正部分を除いて原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
○坂田委員長 起立多数。よって、本案は修正議決いたしました。 次に、公有林野等官行造林法を廃止する法律案について採決いたします。 まず、本案に対する修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
○坂田委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、修正部分を除いて原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
○坂田委員長 起立多数。よって、本案は修正議決いたしました。 ただいま議決いたしました両法律案の委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」「反対」「採決」と呼ぶ者あり〕
○坂田委員長 御異議のある方もあるようでありますので、起立によって採決いたします。委員会報告書の作成については委員長に一任することに賛成の諸君の起立を求めます。
○坂田委員長 起立多数。よって、委員長一任と決しました。 暫時休憩いたします。 午後二時三分休憩 ————◇—————