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38回国会衆議院1961/03/22

農林水産委員会 第17号

発言数
124
登壇者
7
会派数
2
開催日
1961/03/22

会議録

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 これより会議を開きます。  午後一時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。    午前十一時五十分休憩      ————◇—————    午後三時九分開議

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  連合審査会開会申し入れの件についてお諮りいたします。  ただいま運輸委員会において審議中の、内閣提出、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案について、運輸委員会に連合審査会開会の申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、連合審査会開会の期日等につきましては運輸委員長と協議の上しかるべく取り計らうことといたしますから、御了承を願います。      ————◇—————

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 次に、内閣提出、開拓融資保証法の一部を改正する法律案及び農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題として、質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを許します。角屋堅次郎君。

亀岡高夫自由民主党

○亀岡委員 開拓融資保証法の一部を改正する法律案に関連をいたしましてお尋ねをいたしたいと思います。  まず、きょうわれわれの方に資料が配付をされまして、開拓可能地の調査あるいは草地造成目標、開拓融資条件一覧、開拓者の借入金残高、開拓地大規模機械化実験農場設置予定地区の概況、こういうふうなことで資料を配付されたわけですか、御承知の通り、今日、政府の開拓政策は、当面既入者の安定対策というところに重点を置いて、積極的な農地造成あるいは積極的な開拓政策という点については最近はきわめて慎重な態度をとっておるわけであります。最近数年間年々新規入植を千戸程度予定をしておるという現況からいたしましても、その間の事情の一端が判断をされるわけでありますが、しかし、今次国会で論議されておりますところの与野党の農業基本法の中においては、一体これからの日本農業の経営の近代化あるいは構造改善をどうすべきかという問題に関連をいたしまして、私どもの方では、積極的な農地造成を考えるべきではないか、こういうことを質疑を通じて明らかにいたしておることは御案内の通りであります。  そこで、本日配付されました資料の中に、開拓可能地の調査ということで、昭和二十二年度の調査、あるいは昭和二十八年度の調査、さらにまた農地行政白書に現われた数字、こういうようなことで経過的にいろんなデータが示されておるわけでありますが、この際農地局長から、昭和二十二年の際における約五百四十九万町歩の開墾可能面積というものがどういう方法によって出てきた数字であり、さらにまた、その後数字的に相当程度縮小をいたしましたけれども、昭和二十八年の調査に基づく数字というのが一体どういう方法によって出てきた数字であるか、さらにまた、御承知の通り、開墾可能地を考える場合に、従来のような開拓政策の考え方から、さらに今後成長財と言われる畜産部面あるいは果樹部面、こういうような部面を考えての開墾可能地というものを判断をいたしました場合に、これらの数字から当面開墾可能地としてどういうふうな数字が出てくるかということについて、農林省の方で基礎資料があれば、その点もあわせてお答えを願いたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 御質問でございますが、きょうお配りいたしました資料に、開拓可能地の調査といたしまして、いわゆる緊急開拓当時にやりました昭和二十二年当時の調査の表と、それから、その後二十八年にやりましたものとを御参考までに出してございます。二十二年当時でございますが、ここに書いてありますように、五十町歩以上の団地と未満の団地に分けまして、未満のものにつきましては市町村から報告をとったのでございますが、五十町歩以上の団地につきましては都道府県から事情を聞きまして農林省で作り上げたものでございます。数字はここに一ページにございますように、約五百五十万町歩という数字が出たわけでございます。そのときの選択の基準といたしまして、ことに書いてございますように、たとえば傾斜度は十五度から二十度でございます。あるいは、気温は、五月から九月までの平均気温十三度以上で、日数が九十日以上でございます。あるいは標高、土壌、用水等、ここに書いてございますように、二十八年にやりますよりは若干大ざつはな基準で、五万分の一の地図をおもに使いましてこれをやったわけでございます。よく五百五十万町歩ということを言われているのがこの調査でございます。  それから、資料の三ページでございますが、これは実は二十八年度に県に照会をしたわけでございます。このときには、従来の調査がもっぱら自然条件というものを基礎に行なわれましたのに対しまして、その後、ここに書いてありますように、自然条件につきましても若干基準をこまかくいたしましたことと、そのほかに、やはり、二十八年ごろになりますと、開拓をやりましても社会・経済的な条件からいきましてなかなかうまくいかぬというようなところもございますし、また、用地取得の見通し等の問題もございますので、そういうものを頭に入れまして、自然条件の基準も若干精度を高くし、社会的・経済的条件も頭に置いて県から報告をとったわけでございます。そのときに出てきましたのが、四ページに書いてありますように、七十二万七千町歩という数字が出てきたわけでございます。これとその当時取得しておりました面積との合計が二百十万町歩になりますが、それから事業を着手しました面積を引きましたものが、とこにございます百五万町歩でございます。先ほど御質問にもございましたように、農地行政白書というものを農地局が三十三年度に出しましたが、そのときもこの数字を外に発表しているわけでございます。その後開拓に着手しました面積は約五万くらいございますので、この面積から、今後の開拓可能地として推定されるのは百万町歩というようなことに相なろうかと思っております。  それから、もう一点御質問のありました、今後のいろいろな営農の形態あるいは技術等の進歩でどのくらいのものと見ているかというお話でございますが、これは、私の方としましては、草地の問題その他ございます。今後の営農の特に伸びていくであろうというような酪農等の問題を考えますときに、草地の問題が非常に問題になって参ります。これも、先生御承知のように、今さらにもう一回検討してみようと言われております所得倍増計画では、草地として三十三万九千、約三十四万町歩くらいのものが実は一応対象になっております。開拓の方は二十一万町くらいが対象になっております。しかし、草地につきましては、その後また、ここに載っておりますように、これは案でございますが、約三十四万町が百万町くらいのものが必要ではないかという検討が加えられておるわけであります。この百万町——一部、どの程度ダブっておるかということはまだ判然はいたしませんが、百万町の中とダブっている問題もございますので、今百五万町がさらにどのくらいになるかという正確なことは検討中でございます。特に、草地につきましては、三十五年、三十六年度予算を取りまして調査をいたしておりますので、その調査が出次第数字が出てくると思うのでございますが、これがこの百万町とまたある程度ダブっているということに相なろうかと思っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 開拓可能地の面積の問題でありまするけれども、今農地局長のお話から判断をいたしましても、私どもがかねてから言っておるように、国土総合開発の一環として国土の土地利用区分その他を綿密に精査をして、そして、耕地になるべきところ、あるいは草地として利用すべきところ、山林として将来ともにやっていくべきところ、こういうところを必ずしも明確に区分をして出した形ではないわけでありまして、当初の昭和二十二年度の調査においては、いわば、五万分の一の地図で、プラニメーターを回しながら、そして面積のトータルが大体五百五十万町歩になった、あるいはまた、昭和二十八年の場合には、その中で用地取得の見通しその他社会的・経済的条件で若干それぞれの地域でふるいにもかけて、そしてこういう数字を出したという経緯のようであります。  そこで、今後の工業立地の問題と関連をして注目されますところの干拓関係の問題、これは、かねての伊勢湾台風の際の鍋田干拓その他の関係の問題で、再度こういう干拓地域を農地として造成をしこれを利用するか、あるいはそうでなくて臨海工業地域等の関係地域のある場合にはこれを工業用地方面に振り向けるのがいいのかというふうな点が、おそらく東海地域においては農林省内でもいろいろ検討されているのじゃないかと思うわけですが、いずれにいたしましても、干拓地における入植その他の場合は、御承知のように案外営農の安定が容易であるというふうな点もありまするけれども、同時に、反面臨海工業等の関連で大きな視野から見てどうするかということがいろいろ問題になって参るわけであります。そこで、農林省として、これから干拓の可能な地域の総面積、——かつてこれは農地行政白書によれば九万町歩というふうに押えた段階があったと思いますけれども、今農林省として全国的に把握をしておる干拓可能面積、そして干拓可能面積の中でこれからの産業の発展に伴って農地方面に活用すべき部面あるいはまた工業方面に活用するという部面、こういう方面の総合的な調整というものについていろいろ相談をし論議をしておるとするならば、その間の経緯についても一つ御説明を願いたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 干拓地の問題は、先生おっしゃいましたように、今後の日本の二次産業、三次産業の伸びに従いましていろいろ調整を要する問題でございます。特に、過去だいぶ今と経済情勢が変わる時代に手をつけたところ等につきましては、でき上がりましたときには周囲がほとんど工場になっている、あるいは都市化しているというようなことにつきましては、全然農地として使わぬで地方公共団体に払い下げするというようなことをやっているところもございます。今後の干拓地の問題は、先生おっしゃいましたように、そういう問題との調整がかなり問題になってくるのではなかろうかというふうにわれわれ考えております。たとえば鍋田等につきまして伊勢湾台風関係をとってみますれば、復旧はいたしておりますが、一部は工業用地として使ってもいいのじゃないかというふうな判断で、具体的な例で申し上げますれば、調整といいますか、いろいろ相談をしておることがございます。また、衣ケ浦等につきましても、これはあるいは工業用地にしてもいいのじゃないかということで、伊勢湾近辺におきましても、現に手をつけでき上がりつつあるものにつきましても、そういうような調整をいたしておるところがございます。  それで、今後新しく手をつける問題としまして、大きなところは、おそらく有明海をどうするかという問題が一番大きな問題であろうと思いますが、これ等につきましては、幾ら農地を作り、幾ら工場用地を作るというほどまではっきりした調整等は実はまだできておりません。その他大きなところについてみますと、中海の干拓をいたすことになっておりますが、これ等も将来は一部は工場用地になるだろうとは考えておりますが、具体的にはまだそこまでの調整はできておりません。私どもとしましては、今後手をつけますところはなるべく農業用地として使えるところを中心に考えていく、やむを得ざる場合は工業用地と両方である程度していくということも考えられましょうが、なるべく農業用地を中心に作っていくんだという考え方は変えたくないと考えております。  可能面積につきましては、いろいろ見方がございますが、その後、私ども、開拓可能、干拓可能面積として特に白書以後に数字はいじっておりません。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 先ほど局長からもお話があったわけですが、畜産局の方で両年にわたって調査をしながらこれからの草地造成の面積というものをどの程度見込むかということを今検討中のようでありますけれども、資料の中では、いわゆる集約牧野の牧草地として四十五年までに四十四万四千町歩、改良牧野として野草改良地に五十四万七千町歩、こういうふうな全体の集計として九十九万一千町歩、約百万町歩程度の草地の造成ないし改良をやろうということですが、先ほども局長が触れられましたように、こういう草地造成の場合の地域というものと、特に最初に触れました開墾可能地の昭和二十二年度ないし昭和二十八年度の調査の範囲というものとはダブる部面が相当程度出てきているのではないか、こういう感じがいたすわけであります。元来、農林省の仕事の部面で、いわゆる畜産関係であれば畜産局、あるいは蚕糸関係であれば蚕糸局、農地の土地改良その他農地造成部面であれば農地局ということで、各局間の連絡調整というものが農政全般の推進という立場から見て必ずしも十分でないということが農林漁業基本問題調査会の答申の中でも述べられておるわけでありますが、いずれにいたしましても、所得倍増計画なりあるいは農業基本法という新しい段階におけるこれからの農業の近代化あるいは各般の施策を進めていく場合には、どうしてもそういう部面の総合的な緊密の連絡というものをとっていかなければならぬ。従って、農地局で立てるところのこれからの開墾可能地、あるいは畜産局で立てるところの草地造成、こういうものを全体ひっくるめてやはり総合的な農地造成というものを具体的に各地域別、各地点別にどういうふうに把握していくかということは非常に大きな問題だろうと思う。もっとも、これは、政府の政策として、そういうものは、開墾可能地であっても、それを年次的に積極的にやっていくのか、あるいは消極的にこれをセーブしていくのかということはいろいろあろうと思いますけれども、少なくとも農林省の心がまえとしては、国土総合開発の観点から、利用し得る部面について積極的に調査もし、資料も整備をし、そうしてそういうものが取り上げられる段階に備えるということが必要であろうと思うのであります。そこで、再度お伺いしたいわけですが、従来からそういう面では必ずしも各局間の調整というものは十分についていないのじゃないか、今後、こういう方面の問題は、同じような性格の問題については緊密な連携をとってやっていくことは必要であろうし、そういう面では農地局の押えておる数字と畜産局が押えようとする数字との間に局長は一般的にダブっている点もあるだろうということで済まされようとしますけれども、その辺のところはやはりもっと調整をしてやっていくということにすべきじゃないか、どの程度にこの数字間の連絡がとれた形で出てきておるのかという点を一応お伺いしておきたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 農林省の中でいろんな部局の関係等で連絡不十分な点があるのじゃないかというお話でございますが、確かに、私どもも、情勢がこうなって参りますと、たとえば農地局で開拓ということをやりましてそのあとの営農指導をやるということになりましても、畜産等につきましては、特に百頭とか百五十頭の乳牛を入れてやっていく、あるいはまた法人経営でそういうことをやるという場合に、農地局で一体営農指導ができるかということを考えてみますと、私は、農地局でそういう営農指導をいたします限界がもう来ているのじゃないかというふうなことを実は率直に感じます。それで、開拓等につきまして今の機構のままでいいのかどうかということにつきましては、私どもも、いろいろ問題がございますので、これは、機構改革ということがありました場合には、畜産あるいはその他の振興と農地の開拓の関係というようなことにつきましては、私は、率直に直すべきものは直したらいいのじゃないかというふうに考えております。  今、数字について御質問がありましたが、草地の調査をいたします場合にも、現在の機構のもとで私どもの農地事務局がまたお手伝いをしていくというようなことについては、十分協議をしてお手伝いをしているつもりでございます。今ここにあがっております畜産の改良牧野なりあるいは集約牧野の数字につきましては、実はこれは私がお答えするのはどうかと思いますが、現在、たしか、牧野としてやりますのは、河川敷とかそういうものはみんな除きますが、百三十万町歩くらいだったと思いますが、そういうものを特に改良していくということが中心になっていくのじゃなかろうかと思っております。それで、このうちどのくらいダブっているかという御質問でございますが、私どもとしましては、これを十分詰めましてとれだけダブっているということはまだ今の段階では申し上げることはできませんが、畜産でこのくらいの牧野の面積がどうしても必要だということでこれは一応検討をしてある数字で、農林省として決定はいたしておりませんので、それにつきましては、決定いたします際には、農地局と十分相談してもらって、両方で、今後の開拓可能面積はこうだというふうなことをきめていきたいと思っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 農林省関係のいろんな数字を私ども分析をします際に、今申しましたような開墾可能というふうな面積を検討します場合でも、農地局からの数字あるいはまた畜産局から出てくる畜産を主体にした数字、あるいは過般法案を通過させました果樹方面から来る数字というふうなものの相互連絡という問題が、必ずしも十分に密着をして把握をされないという点が感ぜられるわけであります。従って、私は、一般的に申し上げるならば、いわゆる適地調査というのは今日の機構からいけば農地局の方でやられることだろうと思いますけれども、適地調査というものを総合的にやった中で、その適地調査の部分のあるものは現地計画で果樹の方に変わるであろう、あるものは草地農業として畜産部面に活用されていくであろう、こういうやはり脈絡一貫した総合的な筋道の中で、われわれが数字を見れば一見して判断ができる、こういう形にぜひしてもらいたいものだ。御承知のように、政府・自民党から出ておる農業基本法の関係から言っても、これから国会に提示しなければならぬ計画の問題もありましょうし、また、一般に公表しなければならぬ数字の問題もありましょうが、その基本はやはりいろいろ数字的な部面にわたることが多いわけであります。従いまして、積極的に政府・自民党が開拓政策として農地造成をやるにしろやらないにしろ、おぜん立ての部分としては、やはり相互連絡をとりながら、われわれが一見して判断ができるような体制というものをぜひ一つ作ってもらいたい。昭和二十二年の開墾可能地にいたしましても、昭和二十八年度の数字にいたしましても、必ずしもまだ地についた科学的な基礎に基づく数字と言うわけにはいかないだろうと思いますし、また、その時期における段階では、今日成長財と言われる果樹、畜産部面を十分に考えに入れた形の数字と言うわけにも参らないだろう。従って、こういう点については一つ十分配慮をしてもらいたいというふうに考えます。  なお、この際、今後の開拓政策の立て方の問題でありまするけれども、昭和三十六年度の新年度予算の説明等を見て参りますと、御承知の通り、これから新しい形として県営のパイロットあるいは団体営パイロットという形でパイロット事業を開拓政策の一環としてやろうということを考えておられるようでありまして、その県営なり団体営のパイロット事業というものは、これから、成長財と言われる畜産あるいは果樹を主体にし、しかもまたこれの入っていくのは地元増反ということを建前にしてやろう、しかもこの土地の取得の問題については相対の相談でこれをやっていくんだ、農地法の路線に乗せてやっていくという形ではなしに、いわゆる話し合いによって開墾可能地を取得をし、そうしてまた、パイロット事業をやったあとの配分の問題については、地元の増反ということを中心にしながらやっていくということが出ているように判断しておるわけですけれども、これは、今後の新しい開拓政策の行き方としての本流としてこういうことを考えておられるのであるか、それとも、従来の開拓政策、つまり入植等も含んでの開拓政策は開拓政策として推進をしていくけれども、補完的にというか、あるいは同時並行的にこれからの構造改善の政策に見合ってこういう方面についても取り上げていくんだという立て方であるのか、これからの開拓政策の推進の基本的な立場に立って、今新しく芽として出て参ったところのこれらの問題について解明を願いたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今パイロット事業について御質問がございましたが、これは、内容等は先生が今おっしゃったような点がおもな点でございます。従来の開拓を考えますと、これが、どちらかというと、就労の機会を与えるというようなことで、農家として維持していくんだというような、人口問題といいますか、産業政策といいますか、そういう問題から来た観点と、もう一つ食糧増産というようなことがあったのでございますが、最近のことを考えてみますと、そういうことでなくて、一つ開拓の根本は既農村をどういうふうにしていくかということを中心にして考えるべきじゃなかろうかということで、従来は入植ということを中心に考えていたわけでございますが、今後は、一つ、既農村をどうやっていくかということから出発いたしまして、既農村から人が一家あげまして開拓地に入るという場合に、残った土地を残った農村の人々に分けるというような場合には入植も考えていく。しかし、今まで増反ということに対してはどちらかといいますと力が入っておりませんでしたが、先ほど申し上げましたような観点から増反というものを相当取り上げたらどうだというようなことを考え方として持っておるわけでございます。また、作物等につきましても、先生おっしゃいますように、これから需要が伸びるであろうということが予想されるものにつきまして、そういうものを中心にしてやっていくというようなことを考えております。また、既農村ではなかなか権利の関係等がむずかしい問題がございますので、開拓地では、既農村ではできないようなモデル経営も一つやってみようというようなことをいろいろ考えておるわけでございます。  それで、来年新しく出しましたのも、まさにパイロットと銘打っておるのでございますが、実は、根本的には、現在開拓審議会が持たれておりますことと、畜産局では草地関係の協議会が持たれております。それで、今後の開拓といいますか、もう開拓という言葉があるいはどうでございますか、畜産その他を含めましてこれからやっていきます場合に、どういう形がいいかということは、基本的には私どもは両方の審議会の答申を待ちましてその上できめていきたいというふうに思っております。それで、このパイロットといいますのは、これはそういう基本的な問題が草地等につきましては相当時間がかかるのじゃないかというふうに私は思っておりますので、それまでの間、新規事業として考えるものについてはこういうものをとっていったらどうだろうか。土地等につきましては、実は全部相対でというわけにもいきませんので、三十六年度等につきましては、従来国が買いました未墾地等の上に開拓をやっていくという場合もいわゆうパイロットとしまして、従来のように建設工事だけではなくて土壌改良まで一貫施工してやっていくというような方式もとっていきたい。そういうものもパイロットと銘を打ちましてやっていったらどうだろうかというようなことも考えておりまして、先生のおっしゃいました基本的な問題は、両方の審議会の御答申を得た上で考えていきたいというふうに思っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 今の農地局長のお話を聞いておりますと、従来の開拓政策の推進の仕方というものをこれからは少しく変えていこうというふうに受け取らざるを得ないかと思います。つまり、農地造成全体の部面でも、これから十年間に予定しておるところの面積は大体二十万町歩程度のものだと思いますが、同時に、そういう農地造成のこれからの帰着点という問題についても、新しく入植者を入れて、そこに総合的な農業経営の地域を作るという考え方よりも、従来の既存の農家の経営拡大の観点から活用するという部面の比重を相当に増大していこう、こういう観点に立っておられるのじゃないかという感じがいたすわけであります。ところが、先ほど取り上げました県営あるいは団体営の場合に、土地の取得については相対相談という考え方が強く打ち出されておりますが、私ども地元あたりからいろいろ承っております点で問題になりますのは、たとえば三重県の南部の海岸地域で、かねてから約三千町歩からさらに五千町歩近い果樹を中心にした果樹農業の振興地域を作ろうということを積極的にやって参っておるわけであります。従って、その点では農林省関係の方から調査地域あるいは実施地域ということでそれぞれ不十分でありますけれども取り上げられて参っておるわけですが、ただ、関係者の御意見等を聞いてみますと、戦後の法律としてある程度後退はいたしましたけれども農地法の適用でやって参ったのが、相対みたいで山持ちと相談をしてやらなければならぬということになると、なかなか計画通りいかない。つまり、開墾をやろうという者と山持ちとの相談という、相互の力関係といいますか、相互の経済的・社会的な条件といいますか、そういう中にはやはり段差があることを否定できないのでありまして、そういう点から、なかなか当初予定したような点がこれから相当にむずかしい状態になってくるのじゃないか。これは、関係町村の場合でも、これからやろうとする関係者の場合でも、農地局の言っておる新しい開拓政策の振興というキャッチ・フレーズについて相当な不安を持っておることは事実であります。従って、私どもは、開拓政策を積極的にやるにしろ、あるいはもっとじみちにやるにいたしましても、未墾地の取得の問題については、単に未墾地を持っておる者とこれから開墾をやろうという者との相対みたいの相談ということだけではなかなかいかないだろうというふうに思う。そういう点で、やはり、農地局がこれからとろうとしておるそういう土地取得の方式というのは、民主的な行き方として一面では考えられる方法であるけれども、そういう方向ですべてを律していこうということになると、やはり計画的・総合的な開拓政策というものを推進することは非常にむずかしくなるのじゃないか。これは、草地の取得の問題にいたしましても、樹園地あるいは農耕地の取得の問題にいたしましても、計画的あるいは適地を適地として活用していくという大きな視野からの開拓の推進という部面では、この点がやはりネックになるのじゃないかという感じがいたすわけですが、その点一つ再度お伺いしたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 御指摘の点でございますが、従来の開拓について私どもの経験を見ておりますと、どちらかと言いますと、市町村というような地方公共団体がほとんど中に入らぬで、国が買収しまして、——これも、買収しやすいところと言っては語弊がございますが、結果においてはそういうことになっております。買収しやすいところを買収いたしまして、中間の地方公共団体等はほとんど関与せずに、国と県と開拓農協というような結びつきでやっていた例が多うございまして、私は、こういうととや、また自然条件、社会条件等が非常に悪いところに入ってくるというようなことで、あまり成績がふるわなかったというようなことが非常に多いのじゃないかと実は判断しております。それで、今パイロットとしてやろうというようなところは、実は大体市町村当局がほとんど用地の話し合いもし、たとえば部落有林を出すとか、あるいは町村有林地を出すとか、あるいは山なり土地の持ち主と話をつけてきておるというようなところが大部分でございます。先生は将来の問題としてなかなか用地の問題がむずかしくなるのじゃないかという御判断でございますが、先ほど申し上げましたように、根本的には、私どもは、両方の審議会の結論をいただいて、どういうようにするかというふうに判断したいと思いますが、その間のいわゆる経過的といいますか、パイロット事業として新規にやるところにつきましては、私は、地元の人もみんな納得してもらっているというところについて入植してもらうなり増反をしてもらうというやり方が一番うまくいくのじゃないかというふうに考えまして、こういう事業を新しく始めてみようということにしたわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 これは、私どもから言えば、農地法の一歩後退ということであろうかと思うのです。政府の今日の開拓政策に対する意欲という面から見れば判断ができないわけではありませんけれども、現実にこれからいろいろな悪条件を打開しながら日本の農政に新しい道を見出そうという情熱に燃えておる農家の立場から言えば、何といってもこの土地取得ということが一つの隘路でありまして、その隘路の問題について相互相談ということは、民主的な性格から言えば望ましいことでありますけれども、それをもってしては、今日山林地主の力あるいはまた農地被買収者同盟等を通じての地主の組織的な動きというふうなものをいろいろ勘案して参りますと、なかなか土地取得の面で大きな障害が生ずる危険性を持っておる。従って、今局長が言われたように、審議会でこれからの基本的な開拓政策をどう進めるかということについていろいろ論議が行なわれるわけでありますけれども、その中では、やはり、土地取得等の問題についても、単に話し合いの問題だけで処理するということではなくて、総合的な視野から推進をしなければならぬ部面については国が責任を持ってそれを処理していく、こういう立場を貫いていく必要があるのじゃないかということを痛感をいたしておるわけであります。  なおまた、今度の開拓融資保証法の問題に関連をして、既入植者の安定対策という観点から見て参りますと、御承知のように、過剰入植という問題については、やはりこれを整理していかなければいかぬ。従って、昭和三十五年度の場合には六百戸の過剰入植の整理に乏しい予算を若干つけ、さらにまた新年度では戦後の過剰入植の整理をやろうという計画のようであります。昭和三十五年度における過剰入植の整理の場合には必ずしも六百戸の目標に達しませんでしたが、それらが一体どういう方面に行こうとしておるかということを調べて参りますと、もちろん、海外に移住するというふうな考え方の者もあり、他産業に行こうという方々もありますけれども、これらは比率的には少数であって、いいところがあるのならぼ再び適地を得てやはり農業部面で安定をいたしていきたい、こういう者が相当数あるわけであります。そうなって参りますと、今の地元増反主義ということと既入植者の安定対策の重要な一環として取り上げられておる過剰入植の整理という問題とをからめて考えて参りますれば、やはり入植によるところの開拓政策という部面も決してこれは軽視すべからざる問題であろう。単に既入植者の安定対策の一環からこれを取り上げるのでなくて、今日農業就業人口が相対的に多い、従って、政府・自民党の言っておる自立農家という立場からいくならば、それらの者をやはり他に考えなければならぬという場合に、他産業で考える部面と農業自身で考える部面とあろうかと思うのですが、そういう場合に、やはり農業自身で考えていきたいという希望の者も相当数あろうと思う。それやこれや考えて参りますと、新しい県営、団体営パイロット事業的な考え方でやっていこうとするその考え方は、単にそれだけでは、これからの農業それ自身の諸問題あるいは既入植者の安定対策として取り上げられておる過剰入植の整理対策というものは、なかなかはかどりがたいのじゃないか、こういうふうに思うわけですが、その辺のところをさらに実態に即してお答えを願いたいと思うわけであります。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 三十五年の予算で、先生おっしゃいましたように、六百戸というものを対象に過剰入植対策としての予算を計上いたしました。実績は大体四百二十戸ぐらいの実績でございます。そのうちで再入植をしたいという数が約六十九戸、七十戸足らずが再入植をしたいという希望でございます。これは私どもはそのまま受け入れていくという考え方でおります。先生おっしゃいましたように、パイロットで新規なものをやるとすればそれは増反が中心であるから入植はできないのじゃないかというお話でございますが、実は、現在手をつけてすでに何戸か入っておりましたところをさらに地区拡張工事をやっておるところがだいぶあります。国営ももちろんございますし、代行で手をつけているところが数百ございます。こういう地区につきましては、これは当然また入植ということも考えられますので、継続地区等でありましてそういう再入植者が入りたいというところがあれば、当然そこへお世話もしますし、また、県営のパイロットということを言っておりますが、これにつきましても、入植は全然いかぬということは考えておりません。おりませんので、継続地区が中心になりますが、そういう過剰入植対策で再入植をする人につきましては、これは前入植者として新しくまた考えていくという方針でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 本年一年この既入植者のうちで過剰入植の整理という仕事をやってみて、いろいろ実施の過程で問題点もやはり経験として出て参ったのじゃないかと私は思う。いわば転業資金的な性格のものとして出しておる十五万円の三分の二補助、あるいは新しい年度の場合は三十万円の三分の二補助、この辺の金額等の問題についても、もちろんさらに実際に新しい分野へ行こうとする場合には強い増額の要請があろうかと思いますけれども、同時に、こういう既入植者の安定対策の一環として実施しておる過剰入植者の整理という問題の過程で、一体どういう問題が具体的に出てきておるのか、また、新しい昭和三十六年で千戸やろうとする場合にそういう問題の処理をどういうふうにいかしていこうとするのか、その辺の実情を少しお話しを願いたいと思うのであります。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 ことし六百戸というものを予算に計上しまして四百二十三戸というような数字になったのでありますが、いろいろ話しかけました農家は実はもっとよけいございます。その場合に、先生のおっしゃいました、いろいろな問題があったんだろうからどういうことだということでありますが、やはり、これは強制してどうというわけには参らぬ問題でございますので、ほとんど入植者の自由意思を尊重するというような建前をとっておるわけでございます。問題はいろいろございまして、先生がおっしゃいましたように、出る意思はあっても十五万というような数字ではいろいろな借金の関係とかそういうものを払えるというわけにも参らぬので、もっとその金を増額してほしいというような問題も一つの大きな問題でございます。また、出ていくにしましても、あとの土地を自分の債務と一緒に引き受けてくれるかというような問題で、その債務の引き受けはなかなかむずかしい、それかといってその土地を買うといいましてもなかなか金を借りられぬというような問題で、出る意思はありましても、あとの権利関係等がはっきりせぬというような問題もございます。また、この中をごらんになりましても、先生御承知と思うのでございますが、はっきり再入植でございますとかあるいは海外移民というもののほかに、はっきりした職がなく、いわゆるその他部門というようなことで都会に出ていく人もございますので、これは、外へ出ましたあとの生活の問題、やはりそういうことがはっきりいたしませんとなかなか出づらいというようなことが問題になるので、やはり、一回出て、さらに海外へ行くなり再入植するなりあるいは工場へ行くなりという、はっきり就職先のことまで考えてやりませんとなかなか問題だというふうにわれわれは考えています。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 過剰入植の問題につきまして関連質問をしたいと思います。  ただいま角屋委員から質問がありましたように、いろいろ問題があると思うのでございますが、現に今私の手元に参っております手紙の中にもこの問題に触れているのがございます。これは宮崎県西都市茶臼原の開拓地から過剰入植ということでブラジルに集団入植をいたしました件でありますが、そのときに、過剰入植者の分散政策の一環として取り上げられておりまするところの移住者に対する一世帯二十万円の申請をいたしましたところが、これが来ないうちにブラジルに行かなければならないということになった。そういうことのために、このケースは、むすこ一家が海外に移住いたしますために、おやじの名義の土地をむすこの土地にして、そうしてそれを処分してブラジルに行った、そのおやじはあとに二十万円が入ってこないために非常に経済的に苦境に陥っておる、こういうことを訴えてきておる一つの事例でございますが、こういったことがほかにもあるんじゃないか。海外へ移住して、過剰入植者の分散政策の一環として国の政策に協力しようということで非常な決意を持って出かけていくのであります。こういう農民に対して十分な行き届いた施策が行なわれていないというようなことを感ずるわけなんでありますが、事実、今日まで過剰入植者に対する処置、海外移住に対してはどのくらいの資金が出たのでありましょうか。あるいはまた、国内の新たな適当な開拓地に新しく入植をした者に対してどの程度のものが今日まで支払われたのでありましょうか。とういう事例に対して局長は御存じかどうか、そういう点をお伺いいたしたいと存じます。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 御質問でございますが、先生のおっしゃいました例で、それにまだ十五万というものが支払われておらぬということを具体的な事例として私存じておりませんので、これは一つ調べましてまた御返答いたします。ただ、この仕事が年度の途中から行なわれました関係で、たとえばブラジルへ移住される方が前年度から計画しておられまして年度当初に出るという場合、そういうような時間的な問題があるいはあったのではないかというようなことも想像されますが、一つ先生のおっしゃいましたような事例を当たってみまして、何か役所側の親切心が足りぬといいますか、手落ち等でそういうような事例が出ておるものがありますれば、私どもの考えとしては何とか解決したいというふうに考えます。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 これは内地の場合は十五万でございますが、海外の移住者に対しては二十万じゃなかったですか。その点どうでしょう。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 失礼いたしました。三十五年は両方区別いたしております。先生のおっしゃった通りであります。失礼いたしました。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 新しい農業基本法の政府案の提案に関連をいたしまして、例の農地の移動の問題について農協への信託というふうな関係法案が出て参っておるわけでございますけれども、ここで、必ずしも過剰入植の整理という問題ばかりに関係するとは限りませんけれども、過剰入植の整理の場合に、当然農地をどなたかに譲り渡して新しい天地に行かなければならぬということに相なりますが、この場合の農協の信託というのは、おそらく政府の法案の中では開拓農協というものについては考えていないのではないか、こういうふうに思うのですが、この辺のところは、開拓農協というものも考え、あるいは従来言っておる農協というものも考えてやろうというのか、いかがでございましょう。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 これは信用事業も行なっております農協を考えておりますので、開拓農協の中でも一部はそういう資格のあるものが出てくると思いますが、ごくわずかな組合、たしか私の記憶では開拓農協で信用事業をやっておりますのは三百あったかなしかと思うのでありますが、そういう信用の力のある農協につきましては考えておるということでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 この農協に農地を信託する関係法案というのは、今後の審議によってどういうふうにするかという決着がつくわけでありまして、この法案を前提にしていろいろお伺いするということはむしろ当面の段階では適当でないかと思いますけれども、しかし、かりに政府の提案しております考え方というものを法案を対象にして考えて参りますと、やはり、開拓地の場合に、かりに信用事業等をやっておらずに、一般の農協に農地の信託をやる、そうして新しい対象を求めてそれを売り渡していくという場合には、必ずしも開拓地の農地は開拓地にという形にならない場合が出てくるのではないかというケースもあろうと思うわけであります。元来、開拓地であれば、通常集団的にまとまって入植をしておる場合であり、しかも既入植者の安定対策として過剰入植を整理するという考え方からいくならば、農地信託等の法案がかりにそのままでやられる場合を前提にして考えてみます場合には、そういうふうな点がやはり変わった形でもって農地の信託をされて、だれにそれを新しく渡していくかわからぬ、もっと一般的な立場からやられるという可能性が出てくるということになりますし、相当問題だろうと思います。その辺のところは今の段階でこういう問題について細部に入って質問をする気持も私はありませんけれども、たまたまこれに関連をして出て参った問題でありますので、その辺のところを一体どうするのか。要するに、開拓農協のうちのごく小部分がそういう法案の場合には対象になる、大部分は対象にならないという場合に、今言ったような問題の場合には一般的に処理されるというようなことでは、開拓政策というか、開拓地の適正規模というものが、そう意味から言っての妥当性というものが失われる危険性が十分にあるという判断をせざるを得ないのでありますが、いかがですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 開拓地の場合に外に出ていく人の農地の問題ですが、先生のおっしゃいますように、論理的にはこれを農協に信託して出ていくということも当然考えられるわけであります。しかし、現実の問題としては、開拓者が外に出ていきます場合には、なるべく残った開拓者の経営面積を広めていくのだという趣旨でやることでございますので、信託というような形でなくて、これはどちらかといいますれば残った開拓者に譲り渡していくということが大部分であろう、また、その方が望ましいと私どもは考えております。ただ、先生のおっしゃったことは論理的には当然考えられることでございますが、これは、たとえば、仮定の問題として、総合農協に信託したとしても、総合農協が経営構造の改善のためにだれかに貸すなり売るなりという場合には、やはり運営としては残った開拓者にそれが渡っていくのだというようなことになる場合が多いでありましょうし、特に間引きのあとの農地については、私はそうすべきであると考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 次は、昨年法案通過の結果新しく設置されました開拓営農振興審議会の問題でありますが、これはすでに六、七回にわたっていろいろ会合が開かれたようでありますけれども、今日までの開拓営農振興審議会の審議の状況と、これからの運営の問題を一体どこにどういうふうに焦点を合わせてやっていくか、この点を一つお話し願いたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 この審議会は、三月までに約八回でありましたか開催いたしております。詰問いたしました問題は、既入植者の振興というものをどう考えたらいいかという問題と、もう一つは、今後の開拓をどう考えたらいいかという二つであります。それで、審議の状況は、既入植者の対策というものをどう考えるかということをまず議論して、そのあとで新しい開拓をどうするかということに入ってみたらどうかということで審議が続けられたわけであります。当初三回ほどは、特に三十六年度の予算要求の前でありましたので、審議会等で、一体農林省は開拓についてどういう予算を要求しておるのかというような話がございまして、たしか三回目でありましたか、中間的に、三十六年度の予算としては、たとえば建設工事なり開墾作業なり、あるいは仕事を末端まで動かせるようにしたらどうかというような、予算に対する御要望がございました。それはたしか三回までだったと記憶しております。その後既入植者の問題を取り上げておったのでありますが、これについてもまだ結論を得ておりませんが、大体の方向といたしましては、開拓者を今後どうするかという場合に、開拓者全般ということを言うても、これが十五万戸近くもありますので、その中でやはりグループを分けまして、大体この人たちは開拓の卒業者であるというような人については一般農政の中に移していったらどうか、残った人々につきましてどういう対策をとっていったらいいのか、その中でも、先ほどから問題になっております過剰入植とか、営農の意欲のない人とか、いろいろこれはあると思いますが、そういうものもまた仕分けをしてみて、残って今後開拓をやっていこうという意欲のある人、またある程度望みのある人についてはそれでは一体どういうような振興対策を何年間どんな時期までにやったらいいんだろうかというようなことがその場合に問題になっております。また、その場合に、一体どの辺までをさしあたり目標にして振興するんだというようなことが議論になっております。それから、特に、先ほど総合農協とのお話が出ましたが、開拓農協と総合農協の関係、これにつながる金融の方式というようなことにつきまして、特に組織論あるいは供与方式というようなことでいろいろな意見が出ておりますが、しかし、これもまだ中間的な意見でございまして、もう一回新規の開拓をどうするかということを振り返ってみて、最終的な結論を出そうじゃないかということになっております。それから、新規の開拓の問題につきましては、八回目に一回議論がありまして、今後これについて議論を願っていくことになろうかと思います。めどは、大体三十七年度の予算を要求しますときまでには、審議会としては結論を出したい、それを役所もいただきまして、実施については考えて参りたい、こういうことで御審議を願っておるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 ただいまの農地局長のお話で、今までのところは既入植者の安定対策というところに大体の審議の焦点を合わして、特に予算編成の前段の部分では予算に関連していろいろ論議がなされ、今後新しい開拓政策の問題をどうするかということについて、三十七年度の予算編成までに一応の結論を得たいという見通しを申されたわけであります。しからば、既入植者の安定対策として、予算の編成前あるいは編成後にも問題が残ったと思いますけれども、審議会でどういう点をどうしなければならぬという意見が要約的に出て参って、そして新しい新年度予算の中ではそれをどの程度に生かしたということに相なっておるのか、その辺のところをもっと具体的にお話しを願いたいと思うわけであります。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 特に出ました意見で強かった問題は、今までの開拓につきまして、入植者を入れたあとの建設工事なりあるいは開墾作業というような問題、あるいはそれができたあとでも水の問題とか道路の問題とか、そういうどちらかといいますと建設工事的なものが非常におくれているのではないかということが、出ました議論の圧倒的に多い部分でございます。そのほかには・融資の問題等で、たとえば二十八年から三十二年までに入った人につきまして、いわゆる谷間農家と言っておりますが、この人々についてあまり融資が考えられていないんじゃないかというようなことが議論のおもだった分だと私記憶しております。そこで、来年度の予算をごらんになりますと、特に開拓の建設工事につきましては、三十五年、三十六年に比較しますとたしか二十数億ふえているはずでございますが、建設工事等につきましては、今議論が出ましたことを中心に考えまして、特に振興地区等につきましては前年度よりも相当大幅な増額をいたしております。また、谷間の開拓者につきましても、これは多年の要望でございましたが、三十六年度からは新しくこの人たちに対しましてもいわゆる振興資金に類似の融資ができるというようなことを新規に予算に計上いたしたような次第でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 新しい昭和三十六年度の開拓関係予算の中身のうちで、開拓事業の実施の公共部面あるいは開拓営農振興のための非公共部面、こういう点で本年に比して新しい年度に新しい芽としてどういうふうなことを織り込んでおるかというようなことについては、私どもも資料をいただいて承知をいたしておるわけでありますが、ただ、私どもの率直な考え方からいけば、戦後今日まで十五年間、緊急開拓政策推進の過程から、さらにそれが修正をされて開拓政策が実施された過程の中で、約十五万戸に上る入植者が今日入植をいたしておるわけでありまするけれども、この既入植者の安定という問題は、やはりいついつまでもこの問題で論議が続いていくということではなくて、既入植者の安定対策というものは抜本的な対策をもってなるべく早期に解決をする、そうして新しいこれからの農業の非常に困難ないろんな諸問題に対応できるような態勢を整備するということに十分やはり努力をしなければならぬ。そういう観点から、今申しました昭和三十六年度の新しい芽というものをいろいろ見て参りますと、努力の跡はある程度わかりまするけれども、これをもってしては、既入植者の安定ということは、まだまだ、百年河清を待つといってはちょっと大げさでありまするけれども、なかなかその苦悩する開拓者の悩みというものを解消するのにはほど遠いのではないかという感じを率直に持つわけでございます。きょうは法案の関係から見てこれらの関係について詳細に触れることは避けたいと思いますが、そういう感じを率直に言って持たざるを得ないのであります。  そこで、開拓融資保証法の一部改正をする法律案の中身は、政府の方の出資五千万を増額をするという、そういう簡単な条文になっておるわけでございまするけれども、しかし、この問題に関連をいたしまして、御承知のように、昨年償還条件緩和の関係法案を通過さしたことは御案内の通りでありますが、この問題が現在進行過程でありまして、昭和三十五年、昭和三十六年両年度にわたりまして、約二百三十一億でございましたか、そういう対象の借りかえの問題を今やっておると存じます。これらの償還条件緩和の進捗状況というものについてこの際お話しを願いたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 三十五年度から償還条件の緩和を始めたわけでございますが、御承知のように、法律の通りましたのが八月でございまして、それに基づきまして政令、省令を作り、通達等を作ってスタートを始めたわけでございます。政府の債権の残高は、先生おっしゃいました通り二百三十一億でございますが、そのうち比較的これははっきりしているのじゃなかろうかというような、約四千の組合のうち二千組合を対象にしまして、その二千組合の負債約六十億でございますが、六十億というものを今年度中に一つ借りかえをしようじゃないか、その中で条件緩和をするものがあればやろうじゃないかというようなことで、三十五年の九月からスタートを始めたわけでございます。やります仕事は、現在組合一本貸しになっておりますものを個人別に割っていくわけでございます。しかし、その場合に、国の債権だけ割るということだけじゃなくて、これは条件緩和をします場合に優先債務としまして中金の金等の分を優先債務で取りますものもございますので、ついでと言っちゃ何でございますが、一緒に、公庫の資金でございますとか、あるいは系統の資金も個人別にだれだれというふうにいたしておるわけでございます。これはなかなか手間のとれる仕事でございますが、国だけじゃなくて、系統の金融、それから公庫の金というものも個人別に大体確認をいたしております。そして、一月末でございましたかの実績は、約二十六億くらいが、借りかえといいますか個人別に割り切ったというような形になっていまして、私どもとしましては、三月中にはぜひ割り当てました六十億につきまして三十五年度の借りかえを終わりたいというふうに考えております。六十億といいましても、しかしこれは全部が条件緩和になるわけでございません。一部は一本化するだけのものもございます。われわれの予想でございますが、御承知のように、あれは、単に一本化しますものと、従来のものを十五年年賦にいたしますのと、五年据え置き・十五年の二十年にするのと、三つございます。だから、五年据え置き・十五年の二十年が一番条件緩和されるものでございますが、おそらくこれは全債務の六割くらいがそういうことになるのじゃなかろうか、十五年になるのが一割くらいじゃないかと予想を立てておりますが、そういう予想のもとに、今督励いたしまして、本年割りつけた六十億は借りかえをしよう、こういうふうに考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 新年度で借りかえの全般的な仕事が終わるのかどうか、あるいはさらに新しい三十七年度に持ち越すような状態になるのかどうか、その辺のところは両年度で一応借りかえ全般について完了できる見通しを持っておるのかどうか、そこのところを伺っておきます。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 九月から始めたばかりで、趣旨の徹底とかいろいろ時間がかかりまして、今申し上げましたような数字になっておりますが、私どもとしましては、これは何とか六年度中には終わりまして、法律改正ということをせぬでも済むようにいたしたいと思って努力いたしておるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 今の開拓者資金融通法によるところの開拓融資特別会計からの貸付金の問題以外に、御承知のように、農林漁業金融公庫からの借り入れ、あるいはまた農林中金等からの借り入れ、こういうものが全体的に集計されまして、開拓者のいろいろ借財として、経営に対する大きな圧迫になっているわけでありますが、この際、今政府関係のものはわかりましたけれども、公庫関係、中金関係、こういうものの最新の年度における今の借り入れ状況というものを伺いたい。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 これは若干の推定が入りますが、三十六年の三月三十一日現在といたしまして、三百六十億くらいの借入金の残高がございます。その内容でございますが、一番多いのが開拓者資金でございまして、これは先生のおっしゃった二百三十一億で、これが一番多い金額でございます。そのほか、多いのは、公庫資金が約四十五億、それから系統資金から借りております災害の資金がございます。これが約四十億くらいございます。それから、自作農資金が四十五億ぐらい残っておりまして、これが大きいものでございます。そのほかに、個人から借りておりますものとか、あるいは保証制度等によらないで農協から借りております数字は今申し上げましたものの外でございますが、制度金融として貸しておりますものの残りは三百六十三億くらいございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 総計で三百六十三億八千八百万円、大体推計もまじりますけれども、そういうことに相なりますると、入植者全体でこれを割ってみますれば、全国平均で一戸当たり二十四万五千円程度に相なると思います。そうしますと、相当なこういう方面の重圧が開拓者に振りかかってきておる。そういう状態の中で、開拓者の資金融通の一環として短期あるいは中期の開拓融資保証法によるところの営農資金の貸付をやろうということで、新しい年度五千万円をさらに出資増加をやろうということに相なっているわけですが、この制度は昭和二十八年から御承知のように実施されて参りまして、累年政府の出資金等も増額いたしております。  そこで、第一の問題は、この法案の適用の対象になるべき開拓農家の加入ないしは利用状況の問題でありますけれども、資料によりますと、指定農家に属する農家数というものが十三万三千八百三十二戸、このうちで、加入戸数が十一万一千九百八十月利用戸数が七万五千二百三十戸ということで、加入率八三・六%、利用率六七・二%、しかも開拓農家十四万八千八百戸という対象からいけば利用率としては五〇%程度であるというふうな状況になっておるわけでありますけれども、実際の今言ったような開拓者の借り入れ状況、経済的な負担状況、あるいは今日置かれておる開拓者の基本営農類型あるいは営農振興の到着目標という点から見て、たとえば三十五万なら三十五万という所得目標で一線を引けば、大半が三十五万以下のところにあるという実態から見ると、資金需要の強い要請から見て、もっとやはり利用率を上昇せしめるという必要があると思うのであります。なぜこういうふうに利用率がきわめて低いのか、低いというからには、やはり金融ベースにおけるところのいろんな取り扱いというものが、せっかく資金需要な考えながらも、その資金需要の線に乗らないというふうな実態に置かれておるのだろうと思うわけであります。従って、こういう今日の加入あるいは利用の状況から見て、もっとこれらの面についての改善策というものを積極的に考える必要があるのではないかと思いますが、その辺のところはいかがでありますか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今おっしゃいましたように、私どもも、もっとこれは加入をしてもらい、もっと加入した人については利用してもらうという必要があるだろうと思っております。なぜ加入できないかということにつきましては、これは組織論といいますか、開拓農協と総合農協との関係が非常に関係してくるのだろうと私は思っております。実は、開拓農協といいましても四千ありますが、これは、名のみの開拓農協も、ほとんど信用のない開拓農協もかなりございます。また、非常に不便なところにございますので、加入してもあまり恩恵を受けられぬような人もあり、今申しましたように農協自身が非常に名だけだという農協がございますので、それで加入もしないというようなものが一つは予想されます。もう一つは、加入しましても利用しない場合でございますが、これは、おそらく、やはり信用力が非常に低いものであったり、あるいは、もう一つは、加入はしているのだが、非常に優秀な組合で、これを使わなくても総合農協等から物は買えるというような逆な現象も実は出ております。それで、私どもとしましては、せっかくこの制度がありながら、加入もできない、あるいは加入しても利用しないということじゃなくて、これはまたいろんな手続の問題もあるかもしれませんし、もう一つは組織の問題として開拓農協と総合農協のことをもう少し突き進めて考えていけば、ある程度また利用率がふえてくるということも出てくるのじゃないかというふうに思っております。実は、総合農協と開拓農協の関係は審議会でも非常に問題になっておりますので、その結論等によりましても、この制度自身がある程度総合農協との結びつきも出てきまして利用率が上がっていくというようなことも考えられるのじゃないかというふうに現在考えておりますが、審議会の推移も見たいと思っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 この法案そのものにはわれわれも異存がない問題であります。これの運営の問題でいろいろ伺っておるわけです。従って、たとえば、今後の問題の中では、農業近代化資金等の問題も新しく法案として出て参りますと、そのにらみ合わせから見て、今日実施をしておる短期、中期の経営資金の今申しましたような開拓融資保証法の関係でやる運営問題と農業近代化資金との関連、そういう面から見て、利率、償還期限というふうな問題でやはり十分検討すべきじゃないかという感じが率直に言ってするわけです。御承知のように、この金の方は、大体普通原則として一年、最大限三年というふうな形で処理されていくわけでありますけれども、こういう中央開拓融資保証協会業務方法書の第三条でうたうべき経営資金として借りる対象の品目を実情に応じて拡大をしていくというような問題もありますが、同時に、新しく出て参りました農業近代化資金との関連において、特に開拓の場合にはそれとアンバラにならないように十分検討していくという、そういう問題はこの法案を出すまでに検討されたのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 近代化資金とこの資金との関係でございますが、この資金は、今先生おっしゃいましたように、肥料とか飼料とか、そういう農業経営上必要な資材が中心になっておりまして、ごく短期資金、毎年々々の収穫で返していとくいうような短期資金が中心でございますが、一つ問題になりますのは、従来、開拓農家につきましては、乳牛の導入等につきまして、特別会計から借りていた人のほかには、有畜農家創設事業資金から借りるということができたわけでございますが、これが近代化資金の中へ入っていくというようなことになりますと、その関係で若干調整を要する点があるかと思います。特別会計から借りられる人はいいのでございますが、一般開拓農家等になりますと、これは、近代化資金の方から借りまして乳牛を導入するというような場合には、出資も一部するというような形になりますので、その辺のところが若干将来の問題として考えていく問題はあるとは思っておりますが、対象、また対象の性質等から考えまして、そう大きな変革をせぬでもいいんじゃないかというふうに実は思っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 まだあとたくさんの同僚の質問の予定者もありますので、いわば質問半ばでありますけれども、私の質問は一応この程度でとどめたいと思います。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 次は、芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 法案については、中央協会に対して五千万の出資を追加するということで、これは問題ないと思うのですが、従来政府の出資を増加する場合に問題になるのは、この地方協会における出資の内容や資金構成の問題がいつも議論されておるのですが、特にその主要なる点は、たとえば地方協会の出資等については、これは会員と都道府県が大体一対一の割合でやるというような不文律で運営しておるのですが、政府が出した資料等によっても、まだ相当多数の府県が積極的にその出資を追加しておらぬというような実情が見られるのだが、これは政府としてもその指導の怠慢だと思うのです。いつもこの問題を扱うときにわれわれ指摘している点が、いささかも改善されておらぬ。どうしてその指導を怠っておるか、局長から説明してもらいたい。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今御指摘の点は、先生おっしゃいましたように、現在でも、会員の出資が二億七千万に対しまして、県が二億六千万、約一千万ぐらいへこんでおります。県の数にしましてたしか二十数県、まだ少ない県がございます。私どもは、これは実は、いろいろな予算の執行その他いたしますときにも、低い県につきましては会員まで上げるようにということを機会あるたびに話しておりまして、県の数は実はここ二、三年は少しずつは減っております。まだ、しかし、先生のおっしゃいましたように、全部まではいきませんのははなはだ遺憾でございますが、私どもといたしましても、金額的にはもう一千万ぐらいのところにいっておりますので、何とか御期待に沿うような指導をしたいと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、速急に是正するように努めるというのですか、そこをはっきりしておいて下さい。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 御趣旨のように努力いたします。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、努力の結果を適当な機会に局長から報告してもらいたいと思います。  その次は、政府は出資される場合の出資の根拠というものはやはり算出されておると思うのですが、三十五年度以降、これはその算出の方式を相当根本的に改めていくということが示されておるのですね。それは、地方協会の出資額よりも中央協会の出資額が少なくてはいけない、そういうふうな基本原則があるわけですからして、今回の出資についても、五千万で、それでもう十分なものであるか、ほんとうはまだまだしなければならぬが、予算上の都合で五千万で消極的にとどめたものであるかどうか、そういう点はどうですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今の点は、予算が足りませんので出資をとどめるということはいたしませんでした。これは、協会と連絡をとりまして、算出基礎は、差し上げました開拓融資保証法の一部を改正する法律案の参考資料の六ページに書いてございますが、地方の出資の見込みをもらいまして、その上で、それを基礎にいたしまして、私の方の中央の出資を出しまして、それに基づいて予算を計上したわけでございまして、三十六年度では、予算が足りないからこれを減らすということは実はやりませんでした。三十五年度は一億出資しまして、現在も若干国の方がよけいになっておりますが、三十六年度は、協会の意見を聞きまして、大体このくらいというところと見合ってやりましたので、予算の関係で切ったことはございません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、好ましい形でできたというのですか。最も望ましい状態がこれだというのですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 これは、三十三年まででしたかは、常に中央保証協会の方が低くて地方が多くて、実はおかしな形になっていたわけです。三十四年度からその関係を是正いたしまして、たしか三十四年が八千万、三十五年が一億だったと思うのでございますが、過去のおくれを取り戻しますとともにそういう出資をしたのでございますが、三十六年度の予算につきましては、私どもはこれで両方がバランスがとれるのだというふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 問題は、開拓の短期融資というものは、これは相当大きな役割を果たしておるのですが、まず、方針としては、計画的な年次的な資金需要計画というものを確立して、そういう場合当然中央の協会とか地方協会とかの意見を聞く必要があると思うが、ただ地方協会の出資の総計と見合う線までであればいいということだけでは、これはいけないと思うのです。ですから、今回の場合はこれでやむを得ぬとしても、将来の問題については、開拓の短期金融の制度の上から立った場合には、やはり開拓政策の金融の面の促進を相当充実する必要があるから、そういう場合の長期的な計画というものをやはり農林省としては指導的に示して、それに到達するように各協会とも努力するということにする必要があると思うんですが。…

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 論理的には先生のおっしゃる通りなんでございまして、ただ、私は、それにはやはり農協と開拓農協との問題とが非常に関連してくるのじゃないかというふうに実は思います。ここで三十四年度まで保証いたしましたのも、ピークが十七億くらいでございます。十七億といいますと、開拓者がおそらく使うであろうと思いますものが二百億をこえる金額が予想されますので、その比率からすると実はわずかなものでございます。ただ、大部分が肥料でございますので、肥料についてはおそらく三十数%のものがこの制度を利用しているというふうに思うのでございますが、その場合にどっちの農協を使っていくのだというようなことで金額等もかなり違ってくるのだろうと思います。ですから、おっしゃることは実はよくわかるのでございますが、その前提になります農協等の問題をやはり相当詰めておかぬと、計画だけができましても実際は出資金はなかなか集まらぬというようなことにも相なろうかと思いますので、そういう問題もひっくるめまして、一緒に考えていきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に、局長はこの資料を持っているわけなので、この保証実績というのは非常に下回っておるわけですね。六倍までの保証ができるわけですけれども、それが保証実績においては大体半ば程度ということになっている。開拓者の諸君がこの資金の利用を好まないというわけじゃないと思うんですね。決して不利な内容じゃないです。だから、これが九〇%とか一〇〇%近く高度に利用されておってこそ初めて基金の使命が達成せられることになるが、それがその実績を見ると半ばにも達しておらぬ程度だということになると、やはりどこかに大きな理由があると思うんですね。今言われた肥料問題にしても、二、三年前、たとえば中金が中心になって不振組合に対しては選抜融資の形をとったような時代さえあって、これはある程度改善されたかもしれないけれども、やはり満足にこれが利用されておらぬということにはやはり相当の欠点があると思うんですね。そういう点をやはり局長からここで示してもらって、どうすればこれが改善されて十分な利用が行なわれるかというような点もこれは明らかにしてもらう必要がある。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 数字をおあげになりましたが、確かに業務方法書で六倍までの限度がございますが、今までの実績は四倍程度でございます。満度にいっておらぬのははなはだ遺憾でございますが、さっき申し上げましたように、入っている人でも、農協自体としてその信用がない、一回借りてもなかなか返さぬというようなことが出てきますとか、あるいは非常に力がありましてこれを利用せぬでほかのものから借りているというようなものもございます。そういうようなことで、利用率といいますか、また倍率も低くなっておるのははなはだ遺憾でございますが、これも、いろいろな借り入れ申し込み等の手続の問題等もございましょうし、先ほども申し上げましたやはり農協の問題が一番この問題を左右する問題じゃなかろうかと私は判断しております。総合農協とあまり力のない開拓農協との関係で、これは政令で大部分が開拓農協というような指定をしておりますので、その辺が解決いたしませんと、私はなかなか利用率あるいは倍率を上げていくことがむずかしいのじゃないかというふうに思っております。それで、実は、審議会でもその問題が非常に議論になっておりますので、その結論も見まして、私どもはもう一回その点を考え直す必要があるのじゃなかろうかと率直に思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 たとえば、農林中金とか協会が、代位弁済組合に対しては新規保証はあと回しということになるでしょう。ですから、その問題が片づかない限り新規保証をしてくれないということに大きな問題があると思うんですね。ですから、そういう点はやはり改善していただかなければならぬ。代位弁済組合であっても、生産資材の購入資金ということになるんで、特に肥料が中心であるとすれば、それはその所属組合が代位弁済組合であるとしても開拓者個々には別に全部に罪はないと思うんです。そのうちの部分が償還ができなかったり怠ったということでその組合が代弁組合ということになるとしても、やはり大多数の組合員というものは善意な返済を行なっていると思うんですね。ですから、そういう組合に対しても、開拓者を中心にして生産者自体を対象にして考えるという法律の精神であれば、やはりそこへ代位弁済組合であっても新規の保証が行なわれて、そうしてやはり資金が流れるということにこれは配慮してやる必要があると思うのですが、その点はどうですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 二、三年前にその問題が非常に深刻な問題になりましたことは先生も御承知の通りでございまして、その際は、私どもとしましては、そういうものがありましても、どうしてもほかから肥料等を買い取るというところには貸すようにということで、具体的に個々の組合へ行きまして、全国的に指導といいますか、中金と一緒に指導したことがございます。その後制度としてそういうことまでみなできるということまではいたしておりませんが、一つの大きなネックであることは私どもも承知いたしておりますので、先ほど申し上げましたような農協の組織の問題ともこれは関連させまして具体的に検討いたします。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは十分善処してもらいたい。  その次、この保証業務の運営の方式なんですが、地方協会が保証すると、さらにその上に中央協会が副保証しなければならぬということになっておるのですね。こういう二重の保証というものは要らないと思うのですよ。法律でこれは制度があってやはり地方協会が保証するということになれば、それにさらに中央協会が必ずしも副保証しなければならぬかどうかということも、これはやはり一つの検討の課題だと思うのですがね。これに対してはどういう結論が出ていますか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 これは再保証の問題でございますが、全国的に危険の分散をいたしますとか、そういうことから考えていきますと、末端の農協というものがあまり力がないということを保証していきます場合に、中央をとりますと、これは相当地方の保証協会の資金というものがある程度潤沢になる必要があるのじゃなかろうか、また、どこか一カ所にそういう大きな履行ができなくなるというようなことになりますと、その地方保証協会が運営がむずかしくなるというようなこともございますので、私どもとしましては、まだ中央の再保証をはずしていくという段階ではないのじゃないかというふうに現在は考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは大事な点ですから、とうしても今の方式でなければならぬとすれば、もうちょっとはっきりした理由を述べてもらわぬといかぬです。検討中だから結論が出るまでもう少し時間が必要だとすれば別ですけれども、これは議論のあるところですから、他のこれに類似な保証制度と比較しても、この二重保証というのはあまりないですね。ですから、目下検討中だからもうちょっと時間が必要であるとすれば、それはお待ちするが、これは未来永劫これでいかなければならぬとすれば、そういう信念的な気持でがんばるとすれば、これはいろいろ議論の余地があると思う。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 私どもも、未来永劫という言葉を使われましたが、そういうことでがんばっておるわけではちっともございません。今の段階では、まだ地方の開拓農協、保証協会のことを考えれば、現在すぐはずしていいかどうかということにつきましては、私どもまだ確信が持てませんので、これは将来の問題として検討したいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に、先ほど角屋君も触れられたが、たとえばこの国会でいろいろ新しい金融制度というのが法的に出てくるわけですね。たとえば、近代化資金であるとか、農業信用基金だとか、そういう制度がだんだん出てくる。それから、開拓関係の金融措置にしても、昨年の開拓三法の改正によってある程度改善と統一の方向に向かっておるわけです。ですから、この際、近代化資金とこの保証制度による開拓の金融措置との間における一連の関係というものが当然出てくると思うのです。ですから、そういう運営上の調整とか改善というものを今後どういうふうにやるつもりでおるか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今の御質問の点で、近代化資金等の対象は、これは金融の上からいたしましても相当長期な、——長期と言っては何でございますが、長期の施設資金を考えておるわけでございます。こちらで考えておりますのはごく短期な経営資金を考えているわけでございまして、先ほどちょっと申し上げましたように、乳牛等につきましては確かに問題が出てくるだろうと私は思いますが、現在肥料とかあるいはえさとかいうおもにこれを使ってやっております金融につきましては、さしあたってすぐに同じ分野で競合するとかいうような問題は出てこないのじゃないか、開拓者の短期の経営資金としては、この制度が、いろいろ検討することはございますが、一番正道な金融でなかろうかというふうに実は考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この点については、たとえば開拓者の組合等からも、対象を、今局長の言われた問題があるという乳牛の購入資金とか、それから重油、ガソリンとかの燃料油、これの購入資金、あるいは機械の借料、たとえば相当大きな農具とか機械をやはり生産の作業上賃借し、使用料を払うような必要が生ずる場合がある。やはり、近代化、機械化が進む場合には、自分の所有の機械だけではなかなか十分なことはできないと思う。特に開拓地の場合には機械化の事業に依存する場合が非常に多いと思うのです。トラクターとかブルドーザーとかレーキドーザーとか、そういういろいろな大型の機械に依存できれば非常に事業が進むということになると思うのですが、そういう場合の使用料等についてはやはり対象にするべきだと思うのです。ですから、当面したそういう問題とか、あるいは開拓の経営転換に伴う必要な経営資金、農業経営に必要なたとえば労賃の支払いというようなものも十分検討して、当然必要だとみなせば、これは業務方法書でどうでもなるわけですから、そういう点も速急に検討を進めて、やはりこの制度の充実というものをぜひ近代的な方向に進めてもらいたいと思う。そうすべきであると考えますが、これは検討しておるのですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今先生が例示されましたものをわれわれも知っております。改正いたすべきものがあれば、また充実いたすべきものがあれば、短期資金だという性格に違反しない限り、これはある程度改正も考えたらどうかということで検討いたしております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それから、この保証制度その毛のなのですが、これは局長にだけどうだと聞いてもちょっと無理だと思うのですが、現在の制度は、開拓者を主体とした相互保証的なものが中心になって、それに国と府県が助長するという体制なのですが、制度がここまで高まってくれば、むしろ国が主体になって、これに開拓者あるいは府県が出資する、そういうところにこれは当然制度の根本的なものを切り変える必要があるのじゃないかというふうに考えられるのですが、どういう点に対しては、たとえば審議会等に対して基本的な問題というものは諮問しているかどうか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今先生がおっしゃいましたような点につきましては、実は諮問をいたしておりませんので、そういう問題に触れました議論はないのでございますが、現在の制度でも、出資の内容をごらんになりますと、やはり国と県が一番多く出資しておるわけでございます。先生のおっしゃる方向とそう大きな内容的な違いはないのじゃないかと私は思っておりますが、また、形として、先生がさっきおっしゃいましたように、こういう二軍保証といいますか、再保証がいいのかどうかという御議論はございますので、これは根本的にどうするかということを考えますときの一つの問題になるんじゃないかというふうに思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それから、先ほど申した乳牛の導入資金とかその他を業務方法書の中へ入れるとすれば、やはり最高三年の年限は短いということに当然なると思うのです。その場合、最長を五年ぐらいということに改める必要は当然出てくると思うのです。そういう必要はないですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 一つ乳牛を例にあげられたのでございますが、先生おっしゃいました中には、労賃の問題とか燃料の問題とか借料の問題とか、いろいろございました。そういう短期なものと、乳牛を導入しました場合にこれを三年で返すといいましてもなかなかむずかしい問題がございますので、乳牛等の問題になりますれば、ここでやるということよりも近代化資金の方で考えていくようにこれは検討すべきじゃなかろうか。やはり、この経営資金というのは短期なものというふうに限定した方が、一線を画した方がいいんじゃないかと現在思っておりますが、内容の充実をどうするか、どういうふうに改正するかということにつきましては、至急検討いたします。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 今まで質問した点が、大体法案改正に直接関係のある諸点だと思うのですが、今局長の答弁では、特に保証制度そのものに対しては、昨年営農振興法の改正の中でうたった審議会等には何ら意見を求めていないということなんだが、それならば、結局、開拓審議会にはどの程度の小さい問題だけを諮問して答申を求めるのか。根本的な大きな問題は何も審議会にかけないのでしょう。かけてもかけなくてもいいような軽微な問題だけ、審議会ができてから今までそこへかげているのですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 私どもが審議会にお尋ねしましたのは、既入植者の方向をどうやったらいいか。具体的に言いますと、今開拓営農振興臨時措置法があるわけでございますが、そういうもので一体いいのだろうかというようなことで、これは私は非常に大きな問題だと実は思っております。先生おっしゃいました、保証制度そのものがどうかというような形の諮問はいたしておりませんが、しばしば開拓営農振興臨時措置法の抜本的改正ということが議論の中心になっておりまして、私は、この問題は非常に大きな問題じゃないかと実は思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういうことだけじゃなくて、たとえば開拓金融全体の問題ということで、これは当然諮問すべきことなんだが、その一環をなす融資保証制度等についても何も諮問していないということになれば、これは、たとえば昨年の開拓三法、——開拓者資金融通法であるとか、条件緩和法であるとか、開拓営農振興法であるとか、それぞれ金融面とも不可分の関係にある制度ですから、これに保証制度等をあわせて、開拓金融全体の問題をまず重要視して取り上げる必要が当然あったと思うのですが、それをやっていないというのはおかしいと思うのです。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 実は、金融の問題は、私ども、諮問という形じゃなくて、いろいろ問題点としては出しております。ただし、先ほど申し上げましたように、開拓農協と総合農協の関係が非常に議論がございまして、実はこれは金融と結ぶつくわけでございまして、既入植者の考え方の問題、いろいろ出ておりますが、開拓農協、総合農協、金融の形ということにつきましては、実はあまり議論されません。今後これは当然論議される問題として結論を出してもらいたいと思っておる問題でございますが、開拓の団体あるいは金融方面と意見が食い違っていて、まだ結論に達していないわけでございます。今後私はやはり金融の問題としてこういう問題も議論は出てくるだろうと思いますが、今までのところは実はあまり全員でこの問題を討議するというまでには至らなかったわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 審議会を設置することをきめた趣旨は、やはり重要問題についてはたとえば即刻審議会等の意見を徴して一つ一つの問題を処理しなければいかぬということでこれはやったのです。何か重要問題にぶつかると審議会に全部逃げ込んでしまうという逃避の場所としてわれわれは審議会を設置すべきだということにしたのではないのですから、この点は間違わぬようにしてもらって、何か隠れみのみたいにそれを使って、まだ審議会の答申が出ていないからはっきりせぬとかわかりませんということでは、むしろもう一度改正して審議会の条項を削ってしまった方がいいと思うのですが、政府の責任上、むしろない方がいいんじゃないですか。どうですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 私どもも、審議会ができましたので何でもそこに逃げているという意味ではございませんで、今先生のおっしゃいました問題は、委員の中で、金融関係の方々、それから団体関係の方々では非常にその点は問題になりまして、実は問題が非常に深刻な問題になっておりますので、今までそれに対する結論的なものは出てないのでございますが、今後団体問題、金融問題というのは当然議論してもらう問題だと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ですから、もし審議会の委員の人選に誤りがあるとすれば、これは適当な人に交代してもらっていいじゃないかと思うのです。変な議論がいろいろ出てまとまらぬとすれば迷惑な話だから、そういう場合には、当然、理由が明らかであれば交代してもらうということもできると思うのですが、せっかく作った委員会ですから、もう少しこれを活用するということに向かってもらいたいと思う。特に金融問題に関係がありますが、たとえば昨年の開拓三法のそれぞれの附帯決議の中にもうたっておりますが、政府資金以外というものはあの法律の対象にはなっていない。ですから、政府の資金の緩和ということは当然必要であるが、それと同時に、相当の比重を持っておる政府資金以外の各種の旧債の整理というものは当然行なうべきであるということが指摘されておるのですが、こういうものがどの程度進んでおるか。それから、組合の不良化債権、固定化債権というか、たとえば農村工業の資金であるとか、開拓組合が中心になってやっておる自家発電施設とか、こういうものは一口々々の資金の量というものは相当大きいのです。ですから、こういうような問題が解明されていかないと、政府資金だけの条件緩和ができたらこれで好ましい方向に進むということにはなかなかならぬと思うのです。だから、今言った二点が政府の熱意等によって即刻に打開の道が講ぜられるということになれば、開拓金融全体ももう少し円滑化するのじゃないかと思うのです。こういう点に対して具体的にどういう施策を進めておられるのか、おらないとすれば、どうやればいいと考えておるか、伺っておきたい。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 先ほど申し上げましたように、借り入れ残高で一番大きなものは国の資金でございますが、先生おっしゃいましたように、公庫資金あるいは災害資金等のかなりな額が借り入れ残高として残っておることは確かでございます。ところが、開拓農協につきましてはこれは一本になっておりますので、実は、国の債権債務をはっきり個人に割り振るという場合に、国の債権だけでは困りますので、一体中金の金はどうなっているか、あるいは公庫の金はどうなっているかということを個人別に確認しているのが現状でございます。これは、個人別の確認ができましてから、一体個人にとってどのくらいの重圧になるかというようなことを見ました上で、私どもは対策を立てたい。個人別割り振りがまず第一歩じゃないかということで、今手続を国、中金、公庫等と一緒になってやっているわけでございます。その結果を見ました上で、私どもは、どういうふうにするかという判断をいたしたいと思っております。先生のおっしゃいました、たとえば小水力発電の問題等が出て参りましたが、こういう問題については、何か制度として考えるか、あるいは個々の場合として考えるのか、これはもう少し検討したいと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 特に農村工業資金など、これは共同化資金ですね。それから、農電資金にしても、僻地にある開拓部落の電化を進めるということは非常に大事な点ですから。(「時間だ」と呼ぶ者あり)まじめな質問をしているのに、時間だというなら、あしたでもいいですよ。  委員長、きょうやめますか。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 いや、やります。質問して下さい。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 大事な点ですよ。こういう問題は笑い話じゃないと思うのです。  だから、この政府の条件緩和の作業が進むと並行してお調べになっておるというから、それは非常にけっこうですが、開拓の固定化負債をこの際整理するということであれば、やはり、その政府の条件緩和と並行して、それに付随してこれらの固定化の負債も処理できるような道を即急に講じて、法律が必要なら法律を作るということでもいいですが、これは特に相手が公庫とか中金ですから、何とかならぬということはない。特に、農電関係は施設が老朽化して、これもまた整備したりなんかしなければならぬという時期に到達しておる。それとあわせて、返済すべきものは焦げついておるということで、二重の悪条件が出ておるわけです。これは局長十分御承知だと思う。ですから、共同化資金とか農村電化の焦げつき資金というものは即急に解決しなければならぬ。それにあわせて系統とか政府資金以外の個人のいろんな旧債等についても総合的な負債整理の方針を確立する必要があるというふうにわれわれは昨年から指摘しているのですが、これを即急にお進めになるかどうか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 先生おっしゃいましたように、政府の資金と個人の高利の借金につきましては、実は自作農資金で大部分肩がわりしたようなことがございます。そのほかの問題につきましては、先ほど申し上げましたように、系統資金、公庫資金等につきまして、できるものは個人別に幾らという確認をいたしておりますので、その結果を待ちまして、先生のおっしゃいましたような対策が必要かどうか、必要な場合にはどうしたらいいのだということを考えさせていただきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に、これは非常に重大な点ですが、ことしから政府はパイロット事業というものを進めることにしたのですね。これは、われわれの承知している範囲では、従来の開拓制度を廃止する、——廃止と言った方が適切か、大幅後退と言った方が適切か、それは局長の判断にまかせるとしても、そういう開拓制度の大後退というものを条件にして大蔵省とことしの開拓予算を作ったという説が非常に濃厚に流れておるわけです。これは裏話というところまでいかぬが、どういうわけで、そういう条件を農林省から示して、そしてことしの開拓予算というものを確保したのか、その点を説明してもらいたい。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 パイロットということを考えましたのは新規のものでございます。従来のものは従来通りやり、必要なものは未墾地買収も実は予算に計上いたしておるわけでございます。新規のものにつきましては、先ほども御説明いたしましたように、従来の開拓のやり方等から考えまして、あまり関係者が納得できないような、また、されないようなところで開拓をしていくというふうなことは、結果においてうまくいってないというような判断をいたしまして、新規のものにつきましては、土地の取得の問題だけじゃなくて、もっと改善を加えるものは改善を加えまして、たとえば工事の施行等につきましては、これは土壌改良まで一貫して施行するとかいう改善を加えて、新規のものは一つやってみようじゃないか。従来のものは、継続しましたものは継続の通りでございまして、未墾地買収等も続けておるわけでございます。それで、私どもとしましては、基本的には、先ほど申しましたように、草地制度協議会とかあるいは開拓審議会の結論を待ちまして、そこでどういうふうにしたらいいかという再検討をしていきたいというふうに考えている次第でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これからこうするというんだからなお重大なんですね。今まではこうだったからこれはやらないというなら話がわかるが、従来の継続分については従前通りの方式を存続するが、新規のものについてはこのようなパイロット事業方式をとるというところに大きな問題があると思う。これは審議会がそうした方がいいという答申をしたのですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 審議会の答申はまだでご、さいます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それじゃ、審議会でこれと異なった答申が出て、これは非常に弊害が多いからこういう方式はやるべきでないということになれば、これはこのパイロット方式を改めるわけですね。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 審議会は、草地制度協議会と開拓審議会と両方ございます。両方関係がございますので、その結論を得ましたら、その結論をいただきまして、どうした方がいいかということはもう一回検討する必要があると思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 特に大蔵省とこれを条件付で取引したというのは事実ですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 先生のおっしゃいます条件付という意味がよく了解できないのでございますが、新規のものにつきましては従来の方法と変えて一つやってみようじゃないかということは、これは大蔵省もわれわれも実は意見が一致した点でございまして、ただし、その中でも土地につきまして国が買ったところがすでにございます。そういう土地の上でも新しいたとえば圃場というような形で一貫施行するというふうなことも、これは新規の問題として考えていくというようなことで、特に条件としてどうということではございませんで、一方には今先生がおっしゃいましたように審議会もございますので、これの結論をもらいましたら、もう一度どうしたら一番いいかということを再検討をする必要があるだろうと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この点は開拓行政の基本的な問題だが、きょうは時間が十分ないですから、この点だけに議論を固定することはできないですが、重大問題だということだけは頭に入れておいてもらいたい。  これに関連して、今後農地法による未墾地の取得というのを認めないというのですが、これもやはり農地制度上から、開拓制度上から言って重大な点ですね。これはどういうことなんですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 三十六年度の予算にも、未懇地買収は、たしか八千五百ヘクタールくらいの予算を組んでおります。これは、先ほど申し上げました継続地区等につきましては、今後未懇地買収をする必要があるものを予算に計上しているわけでございます。新規のものについては、今パイロットとしてやるものについては、そういうことはやらぬでも土地の取得ができる、あるいはすでに国が持っておりました上でも若干やることを考えようというふうに思っておるのでございますが、パイロットとしてやるものについては、そういうことはやらぬでも、話し合いでやっていけるいいところがあって、そうして市町村等がここをやってほしいというところがあれば、そこのところをやっていくという考えでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 相対売買というのは非常に弊害があるわけですね。金を山ほど積めば成立するとしても、国の開拓方針に基づいて未懇地の開発とか取得をやるということになれば、話し合いで所有者が納得できるほどの金を個人が積むといろことはできないと思う。そういう資金的な余裕があれば、何も開拓地に入って粒々辛苦している必要はないということにもなるのですね。そう思わぬですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今後の開拓の問題でございますが、これは、私どもとしては、やはりある程度企業として成り立つといいますか、そういうことでやっていく必要があるんじゃなかろうか。単に従来のような入植の考え方から、全部わずかな携帯資金で入ってやるということは、私は過去において相当問題があったんではないかというふうに思っております。それで、土地等についても、従来は、実例を見ておりますと、買いやすいところから買っていく。買いやすいというのは、実は自然条件あるいは経済条件等の非常に悪いところを買っておることが多うございます。その結果はかなり不振というような形で出てきておりますので、私どもは、市町村というものが中に入って、農地の問題と土地の問題等について話し合いのできる、みんなが納得して開拓をやっていくというやり方でやりませんと、また過去の二の舞をするんじゃないかということを考えまして、パイロットとして新しいものについてはそれでやってみようということで、取り上げたのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは問題点として指摘しておきますが、最近の農地委員会の農地の扱い方というのは、局長も大体その実態は御承知と思います。ですから、相対売買ということになって、農地委員会の手を経るということになれば、全部とも言わぬが、今の農地委員会というのは土地の周旋屋とかブローカー的な性格があるとさえも非難をされておるわけですから、こういう点は、やはり、市町村とか農地委員会の今の農地に対する行政的な態度とか、政府の補助機関的な農地に対する管理の態度というものは、これは非常に問題があると思う。こういう点も、きょうは時間がないから議論しませんが、これは今後大きな問題だと思う。  それで、特に、今局長が言われたが、今までの農地開拓の行政の一番大きな失態は何かという点ですね。今度の政府の所得倍増計画とか基本法においては、開拓地ということについては一言も触れていないのですね。これはどうしてことさらに触れなかったということも根本的な問題になるが、今までの開拓行政の失敗というものは、われわれが判断した場合、一番劣悪な条件の土地へ従来の家族経営主義の方式で開拓者を個々に分散入植さしたということに一番の失敗と弊害がある。ですから、これをやり直すとすれば、やはり根本的に方式を変えて、やはり共同化方式ですね。その開拓全体の計画的な開墾とか入植とか営農とか近代化とか、そういうことをやはり共同の力と責任でやるように最初から仕組んでいけば、おそらく現在と違った大きな成果があがったと思うのです。だから、局長は正直な人ですが、何も自民党や政府の——あなたも政府の一員だが、気がねは要らぬです。その失敗の大きな原因がどこにあったかくらいのことはこの委員会で明らかにしておく必要がある。やはり今後家族経営方式でなければ開拓はうまくいかぬものであるかどうか。いつまでも未来永劫に失敗を繰り返させる家族経営主義でなければならぬのか、家族経営主義でやった開拓行政を放棄したのか、そういう点は一番善良な正直な伊東さんからここで明らかにしてもらいたい。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今、芳賀先生が、開拓の失敗の大きな原因だということで、土地の条件が非常に悪いようなところへ、あるいは経営の形態として家族経営だけというような形でやったのが失敗の原因じゃないかというお話がございました。私どもも、先ほどから申しておりますように、非常に開拓につきましては劣悪な土地に入った人が多かったということは、どうしても見のがせない事実だと思います。それで私どもは土地の問題につきましてはパイロットというような考え方も出したのでございますが、そのほかに、やはり、資本の面等におきましても、わずかな資本で入ってほとんど手開墾をやったということも失敗の原因だろうと思っております。最近は、これは不十分でございますが、開拓につきましては、パイロット・ファームを作りましたり、あるいは基本営農類型ということを考えまして、資本の点その他につきましては従来のやり方を変えようというふうに考えておるわけでございます。また、家族経営の問題でございますが、私どもの考え方としましては、これは必ず家族経営でやらなければいかぬ、あるいは必ず共同経営でやらなければいかぬという態度はとっておりません。ただし、開拓地等におきましては、今後、労力その他の面で、一部の共同経営でありますとか、あるいは全部の共同経営になりますか、そういうものが既存の農家よりも相当出てくる可能性はあるのではないか。現に、実は私の方で、三十五年度から、全国五カ所でございますが、大規模な機械化しました開拓地を作っていこうということを試験的にやっております。これは全部法人という形をとりまして、小団地をあわせまして共同経営をやってみようというような予算もとりまして実験をいたしております。将来の問題としてどういう経営形態がいいかということは、私どもの方としてはぴっしゃりきめてませんが、開拓地等においてはそういう形のものが出てくることは、これは予想されます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 いや、出てくるという予想じゃなくて、あなたの所管で開拓地の優秀な共同化の成果のあがったところはたくさんあるでしょう。共同化方式でやっているところが一番成果をあげているのです。そういう事例をどんどんあげて、日本の農業はこうやっていかなければならぬということを、局長が先頭になって、まず政府部内を啓蒙して、そうしてまた与党の皆さんを啓発していかなければだめだ。こういう絶好の機会はないですよ。あなたのなわ張りの中で一番共同化というものは伸びているわけだからして、これでいかなければだめだと、実際は推奨したいのでしょう。あなたのほんとうの気持はそうだと思います。たとえば、機械開墾地区のパイロット・ファーム、根釧にしても上北地区にしても、ああいうふうに、二月入植する場合に、自己資金二百三十万も持って入らなければならぬという条件、あるいは農業の経験年数何年以上とか、それから従業者三名とか、そういう一つの選抜した農家の人たちを入植させた場合でも、北海道では相当大量の戸数があの機械開墾地区から脱農しているでしょう。そういうことはあなたはわかっていると思うのです。ですから、ああいう大がかりな機械開発の開墾方式をとって最初から近代的な営農のできる形で入植させる場合は、当然、家族経営主義でなくて、やはり大前提を共同化ということに置いて、そして条件を了解して進んでそれに参加する人たちを選抜して、そして新天地を開拓するということでやればよかったんだが、やはり、従来の家族経営主義にこだわって、背負えない荷物を背負わしたから、だんだん他に農家として移住するのではなくて脱農する傾向が現われてきている。何百万円も借金をそこへ残して、それをどうやって処理していいかわからぬという状態になっている。ですから、この問題はやはり基本法の問題とも大きな関係がある。一つ、農林省の中から、あんたの方から、こうしなければならぬという具体的な事例をぜひ適当な機会に進んで出すべきだと思う。どうですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 先ほど申し上げました通り、私の方では、今大規模機械化の実験農場というものを予算でとっております。これは全国五カ所ぐらいでございますが、全部法人経営でやろうと考えておりますが、これがどういう形になるかという実験をしようと実は思っております。先生のおっしゃいました、開拓地に入る者は全部共同化でなければならぬという何か方針を出したらどうかというお話でございますが、この点につきましては、私どもはいろんな基本営農類型を一応方式的には出しているわけでございますが、これにつきましては、そういう経営体に実は触れておりません。実は、どういう形がいいかということはわれわれの中でまた検討はいたしますが、全部割り切ってどうでなければならぬというところまでいきますかどうか、これは相当今後検討する必要があるのではないかと思っております。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 ちょっと速記をとめて。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 速記を始めて下さい。  芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に、この開拓地の営農方針を畜産農業や草地農業の方へどう持っていくかということは、方向はきまっておると思うんですが、この点はどうですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 新しい問題としては、新しい開拓なり、新しく継続して入植していくというような人については、極力、今先生がおっしゃいましたような営農の内容のものにしてもらう。ただし、そう言いましても、地帯によりましては、やはり若干の水田を作るとか、そういうような問題は出てくるかと思いますが、なるべくそういうふうに持っていく。既入植者につきましては、とれも先生御承知のように、基本振興計画を作ったわけでございます。振興計画の内容は、どちらかと言いますと、現在、やはり、従来の穀菽農業よりも、あるいは畜産をおもにするとか、あるいは果樹とかに切りかえる、そのために必要な金を貸してくれというのが多うございますので、私どもは、開拓審議会でまた別な結論を得ればそのときでございますが、現在の考え方としては、そういうものに融資をしましてやはり進めていくということでそれに対処したらどうだろうかというふうに思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 近代化資金のこれが成立すると、乳牛資金とかそこへ重点を置くことになるのです。また共同利用施設もそこへ移行するということになるわけなんですが、近代化資金と開拓融資との関係は、どの程度近代化資金に積極的な期待が持てるかどうか、この点も不安が多いわけなんです。名目は借りられることになっているが、実際は開拓者は近代化資金が借りられないという事態が生じないとも限らぬでしょう。そういう疑問とか不安点はどういうふうに考えておりますか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 開拓者の中でも、振興農家につきましては、これは振興資金を特別会計から借りてくるということになろうと思います。乳牛を入れていくという必要があれば振興資金の中で借りてくる。それから、基本営農資金を借りられる開拓者は、例の三分六厘五毛で二十年というのがございまして、これで当然借りられるわけでございます。先生のおっしゃいましたのは、それ以外の、いわゆる振興農家にもなってない、あるいは基本営農資金を借りぬでもいいような農家がその対象だろうと私は思います。どちらかと言いますと、振興農家以外でございますので、まあ不十分ではございますが開拓者の中では若干上の人だろうというふうに予想されます。こういう人につきましては、施設資金あるいは乳牛資金等については、近代化資金の方に出資をしまして、協会に出資をして、そこで借りるという道があるわけでございます。これがどのくらいかということにつきましては、まだ開拓のワクをどう作るというようなこともやっておりませんので、今後の問題で、私どもとしては、そういう希望者があればなるべくそれも利用できるようにというようなことを考えていく必要があるだろう、また、そういう指導も開拓者に対してしたいというふうに私の方も思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その点は、後日近代化資金法が審議に入った場合、局長の方から開拓の立場から意見を聞かしてもらいたいと思います。  それから、開拓地でもう一つ重大な問題は、新しい入植方式によると、今後二、三男の新規入植ができないということになるのです。これも非常に重大な問題だと思います。まさか開拓地に老齢者と婦女子だけを残すような考えはないと思うのです。長男坊が残るからいいじゃないかということになれば、それも一つの理屈でありますが、とにかく二、三男の新規入植の道が閉ざされるということは非常に大事な点だと思います。そういう点はどう考えられますか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 私、先ほど、今後の入植者はなるべく一家をあげて入ってもらいたい、残った土地は残った人々に分ける、経営規模の拡大に使うということを申し上げたのでございますが、これは、私どもは原則としてそうだというふうに考えます。ただ、先生がおっしゃいましたように、それじゃそれで全部貫けるかということになりますと、現実の問題としては、やはり二、三男の人でも入りたいというところがあるだろうと思います。これは、私どもは、一線を画しまして絶対そういうものはだめだということじゃなくて、実情に応じましてそういうことを考えるところも出てくるというふうに思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは開拓者の二、三男の新規入植は認める、その道は残っておるし、その道はあるということを確認していいのですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 原則としては先ほど申し上げた通りでありますが、私は、やはり実情によってはそういうものもあり得ると思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 あり得るじゃなく、原則がそうでなければいかぬでしょう。それは、二、三男が農業者になりたくない、他業に転出するという場合、これは本人の自由意思ですからいいが、いわゆる長年の経験に基づいて新しい入植地に入りたいという場合には、当然これは国の責任で取り入れるべきだ、それを原則とすべきだと思う。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 これは、先生がおっしゃいますような事例を、それが原則だというふうに考えますと、開拓の入植というのはやはり農家をふやしていくということに結果において実はなるわけでございます。私どもとしましては、開拓というものはそういうものじゃないんじゃないか、今後の開拓というものは、入植の場合は特に一家をあげて入ってもらって、そのあとの土地は残った人に配分するということがやはり入植の原則ではなかろうかというふうに実は思っておるわけであります。ただ、そうは言いましても、先生のおっしゃいますような事例は私は必ず出てくるだろうと思います。そういう場合に、そういうものは一切いかぬということじゃなくて、その地帯では一家をあげて入るという人もない、二、三男で希望者があるだけだというような場合には、私どもとしては、そういうものはだめだということじゃなくて、考えたらどうだろうかというふうに思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この点は、話がもとへ戻るようだが、あくまで家族農業経営主義でいけば、二、三男のその者一人だけはふさわしくないということになれば、たとえば農村の開拓者の二、三男、あるいは既存農家でもそうですが、そういう優秀な農業に経験を持った青年諸君が、新しい共同化の方式によって新しい開拓地に入りたい、農業生産に挺身したいというような道は、やはり積極的に講じてやる必要があると思うのです。そういう次代の者が新しい農業に進んでいかなければ、日本の農業の発展なんかできないと思うのです。ですから、そういう点は、やはり局長からはっきりとすべき点はしておいてもらいたいと思うのです。それがはっきりしなければ、今後開拓の新規入植はもうストップということになってしまうのですよ。そのつもりでおるらしいが、そこを明らかにしてもらいたい。農用地の増大はやらぬらしいですが…。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 所得倍増計画の農地のバランスをはじきましたときも、開拓についてはやはり二十二万町歩くらいのものを開拓しようということでやっておりますし、これは、過去十五年でやりましたのが約五十万町歩でございますから、かなりな数字だろうというふうに思っております。決して増大をしないという意味ではございません。そして、入りました場合の形ですが、先生のおっしゃいましたような、たとえば二、三男の人が何人か、ごくわずかな基幹能力で、たとえば地元増反した分を集めて共同経営をやるというような場合には、そういうものは一切だめかというお話ですが、そういうふうにかたくなには考えておりません。原則としては一家をあげてということを言っておりますが、地帯により、また場合によりまして、先生のおっしゃいましたような場合には、私ども考えていっていいと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次々に重大な問題が出てくるので質問がなかなかやめられぬのですが、たとえば、農地の拡大にしても、局長が農林大臣にかわって答弁した中で、十年計画によると水田面積については十年後は現在よりも四万町歩減少する、畑地については十一万町歩増加する、そういうことを十年の長期見通しの上に立って答弁しておるのですよ。ですから、総体的に政府の考え方は、とれから十年間は農地は現状維持である、あくまでも現状維持方式でいく、ただ、毎年一万五千町歩とか二万町歩壊廃地ができるが、それだけは補充していく、どこまでも拡大しない、不拡大方針で現状維持でやっていく、これは間違いないんじゃないですか。間違いあるとすれば、この前の大臣の農政の基本施策の答弁というのは、これは全くでたらめだったということになります。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 説明が若干不十分でございましたが、今言いました開拓二十一万七千あるいは干拓四万四千というのは農地造成でございますが、先生おっしゃいましたように、その間のつぶれ地ということを考えますと、ふえる農地というものはそれほど多くないということは、これは確かでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 最後に機械開発の問題でありますが、これはまた日を改めて質問したいと思っておりますが、農地開発機械公団というのは、一体今どういうようなことをやっているのですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 機械公団の仕事のおもなものは、先生の御承知のように、北海道根釧地区あるいは上北、北岩手等の仕事をしておりますことと、そのほかに、開拓事業でございますが、いろいろ北海道の付随工事、たとえば重抜根でございますとか、そういうようなことをやっております。そのほかに、これも御承知のように、北海道では篠津等に機械を貸しますとか、内地でございますと八郎潟に、持っておる機械を貸すとか、あるいは船を貸すというようなことをやっておるわけでございます。私どもとしましては、公団につきましては、やはり、今後特に北海道、東北等で行なわれます大規模なものの開拓、あるいは大きな国営事業等にその持てる機械を貸しまして、あるいは開拓でありますと開墾作業をやりますとか、そういうことを中心にして運営していきたいと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この点については資料としてあとで出してもらいたい。今の機械公団の人的な構成とかがどういうふうになっておるか、それから、主としてどういうような種類の機械を現在保有されて、年間どのくらいの事業成果をあげているものであるか、それから、公団発足以来今までにどの程度の仕事が行なわれたか、その他必要な点等についてはまとめて委員会に資料として出してもらいたいと思いますが、いかがですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今の資料要求でございますが、先生のおっしゃいましたものは後日資料として差し出します。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 最後に、これ一点だけで終わりますが、間引き対策ということを過去二、三年言っておったのですが、最近は脱農奨励というふうに転換したらしいですが、そういうことですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 これは、最近といいましても、実は予算を取りまして初めましたのは三十五年度、ことしが初めてでございます。それで、私どもは、そういう意図じゃなくて、これはほかへ出ていって、たとえば海外へ出ますとか、あるいは再入植しますとか、あるいは鉱工業に行きたいというような個人の意思を尊重しまして、それに合うようにいたしております。ですから、再入植をしたいという人があれば、それは新規扱いにしまして再入植するということでやっておりますので、先生のおっしゃるような意図で、最初から脱農させるのだというようなことでなくて、本人の意思をあくまで尊重するという建前でやっております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私の言っておるのは脱農奨励でないのです。局長や政府の意思が、今までの間引き対策というものから露骨に脱農奨励政策に変わったというようにわれわれは見ておるわけです。これも所得倍増計画とか今の池田内閣の農民首切りに非常につながっているのですよ。その片棒を局長はかついでおるのじゃないかというようにわれわれは受け取ったので、そうかとうかということをただしたのです。それでは、従来通り、間引き対策というのは、他に新しい有利な条件の入植地があればそこに転換させる、移動してもらうということがあくまでもその前提条件になって、しかし本人の意思で農業以外の部面に変わりたいという場合にはそれに対しても十分助長してやる、こういうことに変わりないですね。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今私説明いたしましたように、過剰入植と思われるところで、だれかそとへ出ていかないとあとに残った人が経営規模を拡大してうまくやれないというところを対象にいたしておるわけであります。その場合に、出られる人については、これはその人のほんとうの自由意思を尊重いたしておりまして、入植したいという人には、先生のおっしゃったように、入植地を世話するとか、新規入植でまた新しく金を貸すということを実はやっておるわけでございまして、あくまでこれは本人の希望でやる、本人が行かぬと言う場合には、そういうことは政策の対象としないということで、あくまで自由意思でございまして、ある意図を持って脱農をさせようとか、そういうことではなくて、残ったところの入植者をどうやってうまくやっていくかということが実はスタートでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、先ほど来重要問題として指摘して提起した問題等については、後日農林大臣の出席を求めて質問することにして、その点だけを保留して、きょうはこれで終わります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 資料要求で…。  旧軍用地で開拓地になったものがどれくらいあったか。それから、それらの中には、それをまた再び自衛隊用地に取り返したのが相当あるはずです。それが何件で、とれくらいあるか。それから、現在旧軍用地で開拓地になっておるものがどれくらいあるか。その資料を一つ出していただきたいと思うのですが、よろしゅうございましょうか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 大体出せると思いますので、なるべく御希望に沿うように資料を作りたいと思います。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 次会は明日午前九時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十五分散会

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