P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
38回国会衆議院1961/02/23

農林水産委員会 第7号

発言数
43
登壇者
7
会派数
2
開催日
1961/02/23

会議録

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出の森林開発公団法の一部を改正する法律案、公有林野等官行造林法を廃止する法律案及び森林火災国営保険法の一部を改正する法律案を議題とし、まず政府に提案理由の説明を求めます。八田農林政務次官。     —————————————

八田貞義自由民主党農林政務次官

○八田政府委員 森林開発公団法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明いたします。  森林資源の確保と国土の保全上森林の果たす役割につきましては今さら申すまでもないことでありますが、なかんずく、近年の台風災害その他の実情を見ますと、治山治水の目的をよりよく達成するための森林の造成を今後さらに積極的に推進することの必要性が痛感されるのであります。このための国の施策といたしまして、造林、治山等に対する公共投資等が行なわれてきたのでありますが、この一環として、水源地域における民有の要造林地につきましては、公共事業費による補助造林の推進のほか、従来より公有林野等官行造林法に基づき国が収益分収の方式による造林事業を行なってきたのであります。ところで、この官行造林事業の現況を見ますと、対象地が零細で分散しているほか、国有林野事業における生産力増強計画及び既往の官行造林地に主伐期の到来したこと等に基づく事務量の増大等の事情もあり、かつ、造林事業につき地元市町村等に全面的協力を期待することも緊要であるので、国が引き続き国有林野事業として官行造林を行なうことが適切でない状況になって参ったのであります。このため、今後における水源地域の森林造成の事業につきましては、森林開発公団が分収造林特別措置法に規定する費用負担者または造林者となることにより、地元市町村、森林組合等の造林能力の活用と相待ってこの事業を進めて参ることといたしたいと考えております。このような理由により、森林開発公団法の一部を改正いたしたいのであります。  以下法律案の内容につきましてその概要を御説明申し上げます。  まず第一に、公団法の目的に、水源を涵養するため急速かつ計画的に森林の造成を行なう必要がある地域内における当該森林の造成にかかる事業を行なうことを加えることとしたことであります。  第二に、これに伴い、この水源涵養林の造成を行なう必要があるものとして農林大臣が指定する地域内の土地につき、同公団が分収造林特別措置法第一条に規定する費用負担者または造林者として同条の分収造林契約の当事者となり、これに基づいて森林の造成にかかる事業を行なうことを同公団の業務に加えたことであります。  第三に、この業務を行なうのに必要な財源として十億円の政府出資を行なうこととし、また、政府がさらに追加して出資を行なうことができる旨の規定を加えたことであります。  第四に、これらの規定を設けたことに伴い、経理の方法その他の必要な規定の追加及び関係規定の整理を行なうこととしたことであります。  以上がこの法律案の提案の理由及び内容のおもな点であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。  公有林野等官行造林法を廃止する法律案について、その提案の理由を御説明いたします。  公有林野等官行造林法は、公有林野に対し国が森林の造成を行なうことを目的として大正九年に発足したものであり、その後水源地域における私有林等にまで対象地を拡大して今日に至ったものでありますが、次に述べる理由から、このたび同法を廃止することが必要になったと考えられるのであります。  まず第一に、公有林を含めた一般の民有林に対する森林の造成についての施策といたしまして、昭和三十三年に分収造林特別措置法が制定され、同法により公有林についても分収契約の締結を通じて造林に必要な資金の導入をはかることが容易になって参ったのでありますが、さらに昭和三十四年度からは市町村に対する農林漁業金融公庫からの造林融資の制度も開かれ、これらにより公有林野における造林事業についての助成態勢が着々と整備されてきていることであります。  第二に、水源地域における森林の造成についての新たな施策として、このたび別途御審議いただきます森林開発公団法の一部を改正する法律案におきまして、従来国が公有林野等官行造林法に基づき行なってきたものと同種の事業を森林開発公団に行なわせることとしたことであります。  これらの理由により、公有林野等官行造林法を廃止したいのであります。なお、これに伴う経過措置として、同法を廃止する法律の施行前に公有林野等官行造林法に基づき締結された契約については、同法はなおその効力を有するものとし、これに関連して関係法律における規定の整理を行なうこととしたのであります。  以上がこの法律案の提案の理由及び内容の主な点であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。  森林火災国営保険法の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明いたします。  最近におけるわが国経済の成長はまことに著しいものがありますが、これに伴いまして、木材需要も急速な伸長を見せ、今後もこの趨勢が続くものと推測されているのであります。このような情勢に対処いたしますためには、人工造林面積を経済的及び技術的に可能な限り拡大することがきわめて必要でありますが、御承知の通り、林業は造林から伏採に至るまで非常に長期間を要するものでありまして、わが国のように災害の多いところにおきましては、森林は常に危険にさらされているわけであります。そのため災害対策として種々の措置を講じているのでありますが、その一つとして、昭和十二年から、当時民間保険のベースに乗りがたいといわれた人工幼令林を対象とする森林火災国営保険事業を開始し、以来おおむね順調な発展を遂げ今日に及んでいるのであります。しかしながら、火災による損害のみを垣、補するのでは、災害対策としての面のみならず、林業金融の裏づけとしての森林の担保価値の面におきましても、なお不十分であると考えられ、さらに一そうこの国営保険事業を拡充することが必要であります。  この法律案は、以上述べましたような趣旨に基づきまして、従来火災のみであった保険事業に、気象上の原因による災害を加え、森林保険事業を総合的なものに発展させようとするものであります。  以上がこの法律案の提案の理由であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 ただいま提案理由の説明を聴取いたしました三法律案に対する質疑は後日に譲ることといたします。      ————◇—————

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 次に、議員提出の南九州防災営農振興法案及び南九州防災営農公団法案を議題とし、提出者に提案理由の説明を求めます。片島港君。

片島港日本社会党

○片島議員 ただいま議題となりました南九州防災営農振興法案及び南九州防災営農公団法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  まず、南九州防災営農振興法案について申し上げます。  南九州地方は、今日産業経済の面において他の地方に比べ全般にはなはだしいおくれをとっておりますが、農業におきましても生産性の低さ、従ってまた農業所得の低さが多くの人によってしばしば指摘せられているのであります。しかして、そのよってきたるゆえんのものを考えますならば、究極におきましては、後進地域産業開発に関する従来の施策に適切を欠くものがあった事実に帰せざるを得ないと存ずるのでありますが、しかし、一面におきましては、南九州農業をとりまく自然条件の苛烈さ、あるいは社会経済的環境の劣悪さによるところも決して少なくはないと申さざるを得ないのであります。御承知の通り、南九州は、台風襲来の玄関口ともいうべき地点に位置し、また、そこに分布する土壌はそのままでは農耕にとってまことに工合の悪い性質を有しておりますので、勢い農業生産力は低い水準にとどまらざるを得ず、他方、社会経済的条件から見ましても、工業の発達に見るべきものがなく、大消費地からも隔絶して市場条件に恵まれない状態にありますので、農家は父祖伝来の狭隘な農地にひしめいていて零細経営に呻吟することを余儀なくされているのでありますが、さらに、これらが原因となり結果ともなって、現在見るような資本装備の貧弱、他地域に比しての著しい所得の落差、負債の累積等をもたらすことと相成っているのであります。  以上が南九州農業の偽りのない実態でございますが、今にしてここに適切な施策が及ばないとするならば、これら一連の悪循環は絶えず繰り返され、農業の停滞性、ひいては産業経済の後進性はいよいよ深刻なものとなり、国民経済にとってもゆゆしき損失をもたらすおそれなしとしないのであります。しかしながら、幸いにして、近来この僻遠の地に対してもようやく科学技術の進歩の影響が及び始め、土壌保全に関する耕地防風林、耕地牧草あるいは灌漑水等の効用が明らかにせられるとともに、水陸稲の早期栽培やビート等の新秋作物導入の可能性が実証され、またカンショや豚等の生産の伸びにささえられ、農業発展の前途につきひそかなる曙光を見出すに至っているのであります。  かくて、この地域における農業振興の法本方向は、農業生産当盤の画期的な整備拡充と合理的な営農方式の採用によって再編成された総合的防災営農の確立にあるべきことを明確に指向するに至っているのであります。  ここにおいて、われわれは、国の責任を中心とする大幅な財政投融資と濃密な指導態勢のもとに、大規模な生産基盤整備事業、防災作付体系の確立、畜産の向上発展、生産、加工、流通過程の共同化等を包含した抜本的かつ総合的な防災営農振興対策を講ずることによって、立ちおくれた南九州農業に科学技術の進歩にささえられた安定と発展の地位をもたらそうとして本案を提出することとした次第でありまするが、かくすることが、経済の高度成長下に発生する所得の地域的産業的な不均衡を改め、国民経済を全体として健全な姿で発達せしめる方途につながるものでもあると深く確信いたすものであります。  なお、従前の地域特殊立法は、その施行後の実績にかんがみまするに、いずれも計画に対する財政上の裏づけがきわめて貧弱であって、計画面と実施面に大きなそごを随所に露呈しておりますので、本案におきましては、かかる欠陥を是正するとともに、事業の特殊性をも考慮いたしまして、別途に南九州防災営農公団法案を提出して、公団方式により必要な事業の推進をはかる措置を講ずることといたしておりますが、南九州防災営農対策の樹立と実施の期間は五カ年間、所要事業費の総額は約五百億円、その負担区分は、当地方の財政状態と住民の負担力を考慮して、国費七割、県費二割、市町村、受益者それぞれ五分ずつとして法律の運営をはかる所存であります。  以上、本案の提案理由について申し上げましたが、以下そのおもな内容について申し上げます。  第一に、農林大臣は、九州地方開発審議会の審議を経て、南九州の地域でしばしば台風の来襲を受けかつ特殊土壌のため農業生産力が著しく劣っている地域を、南九州防災営農振興地域として指定することとし、その場合、閣議の決定を経なければならないこととし、また、農林大臣は、南九州防災営農振興地域の指定を審議会の審議に付する場合、あらかじめ関係県知事の意見を聞かなければならないこととし、さらに、地域指定をしたときはこれを公示しなければならないこととしております。  第二に、農林大臣は、南九州防災営農振興地域について南九州防災営農振興計画を策定し、閣議の決定を求めた上これを公表することとしておりもこの決定事項に関し利害関係を有する者は、公表の日から三十日以内に政令の定めるところにより関係県の知事を通じて意見を申し出ることができることとしており、この申し出があった場合、農林大臣はその申し出を考慮して必要な措置を講じなければならないこととしております。  第三に、防災営農振興計画の内容は、一、灌漑排水事業に関する事項、二、耕地整備事業に関する事項、三、農地及び採草放牧地の開発に関する事項、四、特殊土壌対策事業、急傾斜保全事業その他の農地防災事業に関する事項、五、農地の集団化に関する事項、六、農業水利の調整に関する事項、七、営農類型の設定その他農業技術及び農業経営の改善に関する事項、八、以上のほか防災営農の振興に関する事項、等について定めるものとしております。  第四に、関係行政機関の長、関係地方公共団体及び関係事業者は防災営農振興計画の円滑な実施が促進されるように協力しなければならないこととしております。  第五に、農林大臣は、南九州防災営農振興地域における農業者の農業経営の目標として、当該地域につき自然的・経済的・社会的条件が共通な地区ごとに当該地区の立地条件に適合する営農類型を定め、これを公表しなければならないこととしております。  第六に、政府は防災営農振興計画を実施するために必要な資金の確保をはかり、かつ、国の財政の許す範囲内においてその実施を促進することに努めなければならないこととしております。  第七に、国は農地事務局の付属機関として南九州防災営農振興地域において必要な地に農業サービス・センターを置くこととし、農業サービス・センターは、南九州防災営農振興地域における農業技術の改良、農業経営の機械化・共同化に資するため、農業者に対し、農業用機械器具を貸し付け、その使用に関し指導し、また依託を受けてその修理をすることとしており、また、農業サービス・センターの管轄区域その他農業サービス・センターに関し必要な事項は政令で定めることとしております。  第八に、農業改良助長法に基づく国の助成を本法の対象地域については特に増額することとしております。  第九に、農林漁業金融公庫は、南九州防災営農振興地域における農業者に対し、営農類型に基づく農業経営改善計画の達成に必要な資金を、利率年三分五厘以内、償還期間二十年以内の条件で貸し付けることとしております。  第十に、国土総合開発計画、九州地方開発促進計画または台風常襲地帯における災害の防除に関する特別措置法に基づく災害防除事業五カ年計画と、防災営農振興計画との調整は、内閣総理大臣と農林大臣が国土総合開発審議会、九州地方開発審議会または台風常襲地帯対策審議会の意見を聞いて行なうこととしております。  第十一に、防災営農振興計画に基づく事業のうち必要かつ適切な事業は、南九州防災営農公団が行なうこととしております。  その他、附則で、本法は公布の日から施行すること、南九州防災営農振興地域として指定された地域については特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の規定についてはこれを適用しないこととしているほか、農林漁業金融公庫法、農林省設置法、総理府設置法に所要の改正を加えることといたしております。  次に、南九州防災営農公団法案について申し上げます。  この法律案は、先述いたしました南九州防災営農振興法案第十二条の規定により、南九州防災営農振興地域における畑地灌漑事業、農地防災事業等を総合かつ効率的に実施するため南九州防災営農公団を設立することとし、その組織及び業務並びに公団に対する必要な監督規定等を設けたものでありまして、その大要を申し上げますと次の通りであります。  第一に、この南九州防災営農公団は法人とし、主たる事務所々鹿児島市に置くこととし、役員は、総裁及び副総裁を各一人、理事五人以内、監事二人以内とし、その任命は、総裁及び監事は農林大臣が、そして副総裁及び理事は総裁が農林大臣の認可を受けてそれぞれ任命することといたしております。しかして、これら役員の任期は三カ年とし、その再任は妨げないことといたしております。  第二に、公団の業務としては、南九州防災営農地域における畑地灌漑事業、特殊土壌対策事業、急傾斜対策事業、農地防風林の造成、開田、開畑等の事業及びこれらの事業の施行によって生じた施設についての災害復旧事業及び管理等を行なうことといたしておりますが、公団がこれらの事業を行なう場合、関係知事と協議して定めた事業実施計画、または施設管理規程に基づいて実施しなければならないこととし、その費用としては、大体現行の土地改良事業に準じ公団が受益者及び関係地方公共団体から賦課金あるいは負担金として賦課徴収することができることといたしております。  第三に、公団の財務及び会計につきましては、その収支予算及び資金計画につきましては毎年度農林大臣の認可を受けなければならないことといたし、さらに、借入金の借り入れ、余裕金の運用、財産の処分等につきましても一定の制限を付する等、その経理に公正を期しております。また、公団は農林大臣の認可を受けて防災営農債券を発行できることとして、所要の規定を設けております。  第四に、公団に対する監督につきましては農林大臣が行なうことといたしており、農林大臣は、この法律を施行するため必要があると認めたときは公団に対してその業務に関し監督上必要な命令をすることができることとし、さらに、公団に対し、業務及び資産の状況に関し報告させることができることといたしております。  第五に、公団に対する税法上の特例を設けることとして、公団に対しては所得税、法人税及び固定資産税等の諸税を課さないことといたしております。  以上、両案の提案理由とその大要について申し上げました。何とぞ御審議の上すみやかに御可決賜わらんことをお願いいたします。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 ただいま提案理由の説明を聴取いたしました二法律案に対する質疑は後日に譲ることといたします。      ————◇—————

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 次に、農林漁業災害に関する件について調査を進めます。  この際、東北、北陸地方における農林水産関係の雪害状況調査について報告を聴取することといたします。  第一班につきましては、便宜、同班に同行されました大野市郎君から報告を承ることにいたします。大野市郎君。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 私は、今般の六委員会で行なわれました雪害調査につきまして、関係委員会の第一班の共同調査に同行いたしましたので、本委員会関係事項について調査の概要を御報告いたします。  本調査班は、私のほかに、地方行政委員会からは二宮武夫君、大蔵委員会からは広瀬秀吉君、文教委員会からは上村千一郎君、運輸委員会からは肥田次郎君、建設委員会からは大村守江君、及び民社党代表として井堀繁雄君が参加せられ、山形県、秋田県及び新潟県下を二月十三日から十八日までの六日間にわたり調査して参ったのであります。  本雪害を起こした原因については、委員各位はすでに十分御存じの通り、昨年の十二月二十八日に千島方面に去った低気圧が、北西に逆戻りするという異常進路をとり、三十日にはオホーツク海に入ったため、その低気圧の中心から南西に延びる気圧の谷は、日本海南部を通って北陸方面に走り、その上空に冷たい空気が侵入しており、また、一方、大陸から張り出した高気圧は、日本の南部から南の海上に強く張り出してきて、この気象状況のために北陸地方の沿岸に前線ができ、日本海から吹きつける北西の風は平野部にある前線面にぶつかり上昇気流を起こし、とりわけ、上空に侵入した寒気は空気の層を一層不安定にして上昇気流をますます強くいたし、濃密な雲を作り、平野部に多量の雪を降らす結果となったのであります。  この豪雪は、強い季節風によるものではなく、南からの弱い風による大雪の好気象条件が偶発したためであります。従って、通常の降雪と異なり、海岸線から平野部にかけて多く、さらに、その量も記録的で、山形県では尾花沢で三百二十五センチ、秋田県では沼館で百五センチ、新潟県では塚山で三百九十センチが記録されているのであります。本年一月に入っても降雪は平年度を上回る激しさを見せており、われわれの調査に参りました二月中旬においてさえ連日風雪注意報が出されているという状況であったのであります。  以上のような豪雪のもとにあります山形県、秋田県及び新潟県の実情について調査いたしましたことを簡単に御報告を申し上げます。  最初の十三日は山形県の米沢市に参りました。米沢市の市内の積雪地帯を視察しながら、地方事務所に参り、地元の方々の陳情を受け、再び現地を調査しながら上山町に参りました。東京は快晴であるのに、上山到着直前から降雪が激しくなり、朝までにすでに六十センチの降雪を見るほどの大雪となったのであります。  十四日は、その降る中をジープで山形市に参り、県庁で知事その他担当部課長の報告を聴取いたしまして、また要望も受けたのであります。続いて大石田町に参り、町役場で地元の関係者と懇談をいたしまして、暴風雪の中を新庄市に進んだのであります。新庄市は山形県下第一の多雪地帯でありますが、国道の両側には、機械力その他で除雪された雪が積み上げられて、三メートル以上の雪の壁が作られ、これがえんえんと続いておるような状況でありました。新庄市から横堀駅に参りまして、さらに山中八キロある雄勝村に向かって参りましたが、積雪は激しくて、除雪用のブルドーザーを先頭に立てて、除雪を行ないながら夜道を進んで目的地に着くという難行軍でありました。  十五日は、湯沢市を調査して横手市に参りまして、横手市の除雪状況を視察しながら秋田市に列車で向かったのであります。秋田市は風速十五メートル以上の粉雪まじりの強風にさらされて痛ましい姿の町と化しておりました。われわれは、到着が非常におくれましたが、予定通り調査を進めて、深夜まで県庁で地元の陳情、要望を受けて参ったのであります。  十六日は、秋田市から新津市に参りました。この新津市から新潟市に至ります国道は、県当局の努力によりまして、除雪機械を駆使いたしました結果、完全除雪が実現をいたしておりまして、除雪機械の効果に今さらながら驚いた次第であります。  さらに、十七日は、新飯田の果樹地帯と三条市の果樹被害現地を、ゴム長に米俵のふたを足にしばりつけるという、かんじきのようなものを使用しまして、果樹園内を一時間余にわたって調査して参りました。特に果樹園の被害がはなはだしいのに驚いたのでございます。この地帯は、樹齢二十年から四十年のナシ、ブドウが多く、ナシは、樹齢四十年のものでありますと、一本の木から五十貫はナシがとれるという、農家にとっては宝物でございますが、これらがむざんに枝をもぎ取られ、幹は裂けてしまって、八番線の鉄線のたなはことごとく雪のために切れておりまして、雪の害がいかにおそろしい力を持っているかをまのあたり見せられたのであります。長岡市に至ります途中、中之島村に立ち寄りました。ここは信濃川の本流と支流にはさまれた中州地帯でありますが、低地帯のせいもありまして融雪溝が完備しておるのでありますが、除雪のために投げ込まれた雪が融雪溝で流水をとめまして、あふれた水が民家の床下浸水を来たしている実情でありました。長岡市に至りまして、市役所で種々陳情並びに要諦を受けまして、融雪時の再調査を約して調査を終了したのであります。  調査中に感じましたことは、今日はいまだ降雪の最中でありますから、現時点で被害の全貌をつかむことはむずかしいのでありまして、今後時が過ぎるに伴って被害の状況が激増することが予測せられたのであります。豪雪によって交通が麻痺して種々の被害が出ているのはよく理解できるのでありますが、特に、諸産業は、原料その他の搬入ができず、製品の搬出ができないために、事業は休止状態となり、交通機関の運行麻痺によって足を奪われた町や村は開店休業の状況で収入の激減が見られるのでありまして、これらの間接損害は大きな額に上ると思われます。特に、農家の屋根の除雪をいたしますその労力、その費用、あるいは子供を学校に通わせるための雪踏みの労力というような、雪の降らぬ国では理解いたしがたいような多大の労力と費用の犠牲が払われておる実情を見て参ったわけであります。山形県の調べによりまする被害額は六億円、秋田が十一億四千万円、新潟県が四十九億円という被害実数の報告を受けたのであります。融雪時のさらに累加された被害額に対しては想像も及ばぬような状況でございます。  以上、実情報告を終わりまして、最後に要望事項について簡単に申し述べます。  第一は、農林水産業の施設の災害復旧でありますが、融雪時においては農地及び農業用施設、林業用施設、共同利用施設等は融雪水等のため相当の小被害が予想されますし、この積雪地帯は連年の災害を受けていると同様の実情下にありますので、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置法による災害復旧対象事業を五万円以上にするとともに、開拓地の住宅、農舎、畜舎、鶏舎についても、被害が相当大きく発生することが推定されますので、開拓者の現状にかんがみ農業施設とみなして救済の措置がとれるよう所要の措置を講じられたいというのであります。  第二は、農舎、畜舎、鶏舎、サイロその他個人の農業用施設については、すでに被害が発生し、新潟県においては二六二戸が数えられているのでありまして、これらに対しては農林漁業金融公庫の主務大臣指定災害復旧資金の貸付を行なうよう早急に所要の手続を講ずるとともに資金ワクの確保をはかられたいというのであります。  第三は、果樹及び樹園農業、特殊園芸農業、畜産農業、養蚕農業、製薪業者及び木炭製造者に対しては、国民金融公庫の事業資金の貸付を行なうこととし、資金ワクの確保と手続の簡素化をはかられたい。  第四は、本雪害により炭がまが多数被害を受け、また果樹だなの破損が激甚である点等からして、早急に被害査定を行ない、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法を適用し、特別被害地域の認定についてはその区域を実情に合わせて決定し、天災法による資金の早期貸付を講じられたい。  第五は、農家は家屋、畜舎等農業用施設の除雪、修理等に多額の出費が必要である実情にかんがみ、早急に自作農維持創設資金の貸付計画をきめることとし、その際現行二戸当たりの貸付限度を三十万円ないし四十万円に引き上げて貸し付けるよう所要の措置を講じられたい。  第六は、開拓者に対しては開拓営農振興臨時措置法に基づく経営資金、施設資金を早急に貸し付けるとともに、貸付限度二十万円を三十万円に引き上げられたい。  第七は、森林の雪害を森林火災国営保険法の対象にするよう所要の措置を講じられたい。  第八は、積雪地帯の土地改良事業については、積雪地帯の特殊性により事業期間が短くかつ、事業費が割高となる関係上、補助率の大幅引き上げを行なうとともに、補助額の早期決定、早期着工ができるよう特段の配慮を講じられたい。  第九は、本雪害で最も大きな被害を受けているものは果樹農業でありまして、果樹農業は、その特殊性からして一、二年で再生産ができるものではなく、改植したもので、十年、継ぎ大したもので六年を経なければ採算期に入るものではないのであります。従って、これ等の被害農家に対しては、果樹園の除雪費及び果樹の改植及び継ぎ木に要する費用については高率の補助を行なうとともに、特別低利長期資金の融通をはかることとし、改植用及び継ぎ木用苗の確保をはかり、これに補助することとし、また、これが指導について万全を期するものとし、これに対しても助成の途を講ずるよう特段の配慮をされたい。  第十は、本年は融雪期が例年に比し著しくおくれることが見込まれるので、あらかじめ消雪に対する準備を整えるものとして指導を行ない、特に苦しろ及び田畑の消雪についての共同土取場設置費、消雪促進費、苗しろ除雪費のほか消雪に必要な事業を実施したるものに対し高額の補助をされたい。  第十一は、消雪のおくれによる稲作の植付のずれを取り戻すために行なった健苗育成用温床紙、防鳥網及び種子の購入に要した経費並びに水稲予備苗しろ設置費、水口被害防止施設、病虫害防除器具購入費、雪害対策指導費については高額の補助をされたい。  第十二は、積雪地帯の農業振興方策としては特別の助成政策を講じるとともに、農業の転換資金の貸付については暖地より有利にするよう特別の措置を講じられたい。  第十三は、なだれ防止林造成事業のうち、保安林として指定し治山事業で実施するものは国が半額補助となっているが、一般造林として実施するものは低率にある。これを保安林としての造林補助率と同様に引き上げるとともに、事業費の一ヘクタール当たり三万円の単価を積雪についてはこれを増額されたい。  第十四は、雪害を受けた桑樹、果樹、菜種草等の樹勢回復に要する肥料代及び飼料確保用施設設置費について高額の補助をされたい。  第十五は、災害対策制度の確立をはかるため、災害基本法を制定し、積雪地帯の農林漁業者は連年雪害を受けている実情にかんがみ、連年災害としての高率補助の条項を設け、高率補助の対象とされたいというのであります。  なお、農林省総合研究所を新庄雪害研究所に復活されたいということ。それから、林業試験場東北支場山形分場の火災復旧工事を促進されたいということであります。  以上をもって御報告を終わります。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 次に、第二班、角屋堅次郎君。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 私は、今般六委員会合同で行なわれました雪害調査につきまして当委員会を代表して参加いたしましたので、これら調査の概要について御報告いたします。  一、調査団の構成  北陸地方雪害調査団には、私のほかに、運輸委員会から壽原正一君、地方行政委員会から宇野宗佑君、大蔵委員会から米山恒治君、文教委員会から井伊誠一君、建設委員会から岡本隆一君、及び民社党代表として内海清君が参加せられ、福井県、石川県、富山県の三県下を二月十三日から同月十八日までの六日間にわたり調査して参ったのであります。  二、雪害の原因  三県下における雪害の原因につきましては、委員各位はすでに十分御承知の通り、昨年の十二月二十五日夜からの西高東低冬型の気圧配置によってもたらされた寒波が、同月二十八日に至り急激に勢力を増し、年末の冬型としては明治三十年の観測以来異例の大積雪を見たためであり、さらに加えて、風が弱いときに大雪という北陸前線の常識を破る猛吹雪が本年の一月上旬まで三県下を荒れ狂って全交通網に痛撃を与えたために、かつてない大雪害がもたらされたのであります。  三、各県下の雪害状況  本調査団は、福井県では、福井市、吉田郡、勝山市、大野市、足羽郡、坂井郡の三市三郡を、石川県では加賀市、小松市、能美郡、石川郡、金沢市、河北郡の三市三郡を、また、富山県では西礪波郡、高岡市、射水郡、富山市、婦負郡、中新川郡、滑川市、魚津市、黒部市、下新川郡の五市五郡を調査して参ったのでありますが、各県下の全域にわたる豪雪は、二月中旬に至るも降りやまず、平年度をはるかにこえる激しさを見せており、福井県の南大谷では百三十三センチ、石川県の目附谷では二百五十七センチ、富山県の東部山沿い地方では二百三十センチ以上の積雪を記録しておりました。われわれが調査に参りました期間中も連日大雪注意報が発令されているといった状況であり、特に、福井県においては、勝山市から大野市への道中、福井県、石川県の県境における倶利加羅峠越え、さらにまた、富山市以北の黒部、下新川にかけての丈余と思われる雪中視察旅行については、折からの猛吹雪のため視界が全くきかず、しばしば停車して文字通り牛歩前進を行なうなど、実に言語に絶する難行軍を繰り返したのでありました。  三県下の雪害状況につきましては、各県庁においてそれぞれ知事を初めとして各担当官からつぶさに説明を聴取し、かつまた、雪害復旧に対する県並びに関係団体の要望を受けたのでありますが、各県の東、西部山沿い地方、沿岸地方、平野部の現地において、倒壊家屋、農林水産被害、なかんずく果樹のたな、枝の折損倒伏、立木等の林産物の被害、さらに文教施設の被害、道路の損傷等、見るかげもない状況を直接に見聞するにつれて、その甚大な被害に驚愕したのであります。  さらに、三県下ともに、いまだ降雪期にある関係上、豪雪のため輸送の停滞による生産能力の低下、商工業等営業の休止による損失等、長期にわたって県民生活に及ぼす影響ははかり知れないものがあり、まことに憂慮すべき状態でありました。  視察当時までに判明した三県下の農林水産関係の被害は次の通りであります。すなわち、福井県、二月十四日現在、農林関係三億五百四十一万円、石川県、一月八日現在、農林水産関係二億五千四百三十八万三千円、富山県、二月十五日現在、農林水産関係三億七千六百二十三万六千円。なお、三県下とも融雪時においてはその被害額はさらに増大の一途をたどることが予想されるのでありまして、その場合における各県の推定額は優に三十億円を突破するものと見込まれております。  四、各県の雪害対策  豪雪の襲来によって、北陸線及び地方鉄道、バス路線等は完全に麻痺状態となり、このため、上野発北陸号の百時間以上の遅延を最高として、立ち往生列車が各地に続出するなど、県民の生活に未曾有の緊急事態を惹起したことにかんがみ、各県とも、直ちに雪害対策本部を設置して、全力をあげて県民の保護と雪害復旧に努め、これに要する緊急経費として三千万円ないし一億円以上を投じて万全の対策を講じつつあるのであります。  五、各県の要望事項  以上申し上げましたように、かつてない豪雪による県民の悲境にかんがみ、各県から数多くの切実な要望がありましたので、そのおもなものを申し上げます。  一、一般関係   雪害対策基本法(仮称)の制定    積雪寒冷地帯に対する現行の国の特別措置のおもなるものとしては、(イ)積雪寒冷地帯振興臨時措置法による農業の振興、(ロ)積雪寒冷地域における道路交通の確保に関する特別措置法による道路交通の確保、(ハ)地方交付税法における基準財政需要額算定のための寒冷補正などの諸制度があるが、これらは相互に関連なく断片的に規定されているのみならず、雪害対策に対し十分な成果を期待し得ないので、この際防災並びに雪害に対処するための総合的な特別法の制定をはかられたい。  二、農林水産関係   (1) 雪害による果樹、立木、家畜及び漁網、漁船の損傷等農林漁業者の被害に対し、経営資金の円滑なる融通をはかるため、すみやかに天災融資法を適用するとともに、農林漁業金融公庫の主務大臣指定施設災害復旧資金ワクの増額の措置を講ぜられたい。   (2) 耐雪性紫雲英採種圃田に対し助成されたい。   (3) 交通途絶に際してのなま牛乳に対する対策について適切なる措置を講ぜられたい。   (4) 果樹だなの支柱をコンクリート等に強化するための資金の特別低利融資をはかられたい。   (5) 雪害による立木被害に森林火災保険制度を改正して適用できるよう措置するとともに、さしあたり本年度の被害の補償を行なわれたい。   (6) 雪害木に対する免税措置を明文化されたい。   (7) 積雪地帯における造林補助金の単価を引き上げられたい。   (8) 林業労務者に対する失業保険制度適用のすみやかなる実現をはかられたい。   (9) なだれ防止造林事業を拡大されたい。   (10) 積雪のため崩壊した木炭がまの復旧に対し国庫補助の道を講ぜられたい。   (11) 雪害を受けた開拓者入植施設の改良復旧費に対し全額国庫助成措置を講ずるとともに、開拓営農振興対策資金(雪害による農産物被害の別ワク)を増額されたい。   (12) 農林水産業施設の融雪被害に対し復旧費を増額されたい。  以上をもって報告を終わります。      ————◇—————

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 この際お諮りいたします。ただいま報告を聴取いたしました東北、北陸地方の雪害に対する金融措置等の問題について、大蔵委員会に連合審査会開催の申し出を行ないたいと存じますが、御異議ありませんか。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、開会日時等につきましては、大蔵委員長と協議の上、追って公報をもってお知らせいたします。      ————◇—————

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 次に、農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  加茂水産の漁業権問題について質疑の通告がありますので、これを許します。松井誠君。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 私は、漁業権の行使の方法、特に定置網漁業権の行使の方法を主として水産庁にお尋ねをしたいと思いますが、まず一般的な問題といたしまして、漁協が免許漁業権を持っておるときに、それを完全に自分で自営をしないで、漁協の資本以外の資本を入れて経営をする場合に、漁協が資本の過半数である五割一分、漁協以外の資本が四割九分、つまり過半数を漁協が持っておれば、それで漁業権の自営という範囲は逸脱しないんだ、そういう指導の方法をされておられるかと聞いておりますけれども、その点をお伺いします。

高橋泰彦農林技官(水産庁次長)

○高橋説明員 お答えいたします。  漁業協同組合が定置漁業権の免許を知事から受けた場合に、この漁業権につきましては漁業権者がみずからこの漁業を経営しなければならないことは明らかでございます。なお、そのことは、漁業法第三十条、貸付の禁止の規定がありまして、「漁業権は、貸付の目的となることができない。」という規定がございます。従いまして、繰り返して申し上げますと、定置漁業権は漁業権者がこれを賃貸することなく、みずからこれを経営しなければならないのは当然のことだと思います。  お尋ねの第二点は、しからば漁業権者たる漁業協同組合が漁業協同組合以外の資本を入れて経営する場合はどうかというお尋ねでございますが、その点につきましては漁業法第三十八条に規定されてあることでございますが、この第三十八条の趣旨を申し上げますと、漁業権者たる漁業協同組合が他の者の出資を受けて当該漁業権の内容たる漁業を営む場合の規定が第三十八条の四項として規定してございます。従いまして、漁業協同組合が漁業協合組合以外の資本を入れて漁業を経営すること、そのこと自身は差しつかえないというふうに解しております。  お尋ねの第三点は、しからば漁業協同組合が五一%の資本金を持てばそれでよいかというお尋ねでございますが、この第三十八条の四項の規定を見ますと、それは、単に出資額の過半ということだけではなくて、実質上当該漁業の経営を支配するかどうかという点が問題であって、逆に言いますと、単に資本金だけが過半を占めておるというだけの理由で当該漁業の経営をそのものが支配しておるというようなふうに解釈してはならないという解釈規定もございます。従いまして、結論といたしましては、資本の問題もさることながら、漁業協同組合が他の者の資本を受けて経営することそれ自体は漁業法違反ではないというふうに解釈する次第でございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 そうしますと、たとえば漁協が五割一分の資本を出すという、そういう形式的な数字だけではだめなので、五割一分をこえておる場合でも実質的に支配をされるという場合もあり得る、従って、五割一分ならよろしいという、そういう画一的な指導をされておるわけではないわけですね。  それでは、その点に多少関連しますけれども、御承知のように、水協法には年五分以上配当してはいけないという配当の制限がございます。従って、その配当の制限を免れるために、漁協が五割一分の資本を持ち、同じ漁協の組合員を構成員とする任意組合が四割九分の資本を持って経営するということは、これは水協法の建前から言ってどのようにお考えになるか。

高橋泰彦農林技官(水産庁次長)

○高橋説明員 お答えいたします。  ただいま漁業法の方から説明いたしましたように、漁業権者以外のものが資本参加をすること、それで、その資本参加をする場合に、よく漁村ではあることでございますが、一種の網組等のものを組織して、漁業協同組合と共同経営の形でやるということ、これ自体については違法性はないというふうに考えるわけでございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 私がお尋ねしましたのは、資本が足りないためによその資本を入れるというのではなくて、漁協が経済的には自営できるという経済的な力を持っておるけれども、しかし、漁協が形式の上で単独で経営をすると、組合員には年五分以上の配当をしてはならないという制限があるために、その漁業から莫大な収益があっても、組合員に還元をする方法がない。そこで、その同じ漁協の組合員を構成員とする任意組合を別個に作って、その任意組合が四割九分を出資する、そして漁協が五割一分、そういう形式で共同経営をやっておるところは相当あると聞いておりますけれども、それは配当制限を免れるという意味でやっている。これは水協法から見て違法ではないでございましょうかということでございます。

高橋泰彦農林技官(水産庁次長)

○高橋説明員 お尋ねのように水協法の規定を免れるために脱法的にやるということが事実でありますれば、これは趣旨から考えましておもしろくないことだと思います。しかしながら、それがはたして脱法の目的をもってそういうことをしたのか、それとも経営全般の問題としてそういうような話がついてやったのかという事実問題については別でございますが、ただ、お尋ねのように単に税金なり配当制限をのがれるだけの目的でやったとかりにいたしますれば、そのこと自体はおもしろくないことであるというふうに考えられます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 ただいまの点ですけれども、それはその漁協の組合員全部を同じ構成員とする任意組合で、しかもその構成員がやはり漁協に対する出資と同じような割合で任意組合に各構成員が出資をする、そういう任意組合が四割九分を持っておるという、そういう形式のところでは、これは漁協に増資をするというかわりに実はそれだけのものを任意組合に出資をしてその漁業権を行使しておるという形態をとっておるということは、外から見ただけでもわかると思う。そういう場合にも、やはり具体的に実態を調査しなければ、配当制限を免れるためにだけやったかどうかということはわからないというようにお考えになるわけですか。

高橋泰彦農林技官(水産庁次長)

○高橋説明員 まず、法律の解釈の問題の御参考までに、実態についても若干御説明いたしておきたいと思います。  漁業協同組合が定置漁業の自営をなさる場合がかなりの件数ございますが、しかし、御案内のように、定置漁業それ自体はかなり豊凶の変動の激しい漁業でございます。これは、極端に申しますと、四年に一ぺん漁があって過去三年分の赤字をこなすというのが通常だとも言われるくらい、かなり豊凶の差の激しい、特にこの地帯におけるお尋ねのブリ定置漁業につきましてはかなり危険な漁業でございます。従いまして、そのような危険な漁業を漁業協同組合が自営するのが一体妥当であるのかどうかということについては議論はございます。しかし、一応漁業法の上ではその自営をするものに漁業権を与えるという趣旨を貫きましたために、相当の漁業協同組合があえてこの危険を冒してまで漁業権者の地位にとどまっておるという現実の事態があります。しかしながら、そういう実態はありますものですから、一つは漁業協同組合全般の財政的な安全を幾らかでもカバーする意味で、お尋ねのようにその半分ほどを危険分散するという意図もあってこのような共同経営体に入る実例も漁村には数々ございます。従いまして、お答えするわけでございますが、そこら辺の諸般の実態をよくよく見ませんと、今にわかに、四九%の出資をして別働隊を作って、それが出資に対して五%以上の配当をするということが直ちにそれははなはだ違法であり、はなはだ妥当を欠くという御意見につきましては、必ずしも私どもはそう思いませんので、その点は、お尋ねのように当初から脱法の目的でやったとすればこれは論外でございまするが、ただいま説明したような実態もありまするので、実態をよく把握しておられる県知事、この免許をしておられる県知事と連絡しながら、そこら辺の実態についてなお究明した上で適切な指導をするのが現在の状況では一番いいのではないかと考えるものでございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 それでは具体的な実例についてお尋ねをいたしたいと思います。  ただいまのお話を前提にしまして、私は、新潟県の佐渡の両津湾にあるブリの定置網の一つを経営しております加茂水産組合の漁業権の行使の形態についてお尋ねをいたしたいと思います。もう水産庁で御承知のわけなのでありますけれども、ここでは昨年の春以来激しい労働争議が起きております。このブリの定置網は、年間一億数千万円の漁獲がある日本海でも有数なブリの定置網でございますが、ここに働いておる漁業労働者というのは、御承知でもありましょうけれども、ほとんどすべてが漁協の組合員であるわけです。そして、この漁業権は三つの漁協が共同で免許を受けた漁業権です。従って、この漁協がほんとうに民主化をされておって名実ともに自営をしておるならば、このような労働争議というものは元来起きる余地がない、そういう形態であるわけです。ところが、現実には昨年以来非常に激しい労働争議が起きておるというのは、やはり、この漁業権の行使の方法がほんとうの自営でないということが一つ、それから、その漁協なり、あるいはそのような経営をしておる団体の統制が非常に民主的でないということが一つ、そういうことのために、実際にこのような激しい労働運動が起きておるのだと私は思う。そこで、そのようなものを根本的に直していくためには、どうしても漁業権の行使の方法について根本的に考えざるを得ないのではないかということを考えるわけなのです。そこで、加茂水産につきまして、その構成については非常に複雑になりますので、あるいはおわかりでもございましょうし、簡単にいたしますけれども、三つの漁協が共同の免許を受けておりまして、その三つの漁協がおのおのの自分の漁協に見合う任意団体を一つずつ作っておる。そして合計三つの任意団体と三つの漁協の六つの団体が漁業権を行使するので、その行使の団体のために、加茂水産組合という、これまた任意組合を一つ作っておる。そういう複雑な機構になっておることは御承知の通りであります。  そこで、この行使の方法については、私は三つの問題があると思うのです。一つは、先ほど言いましたように、五割一分と四割九分という問題があるわけです。これは詳しく申し上げませんけれども、実は、四割九分という任意団体を作ったのは、やはり配当制限を免れるための意図でしかないということは、双方の組合の構成員が全く同じだ、そうして、少くともほかの二つの漁協に見合う任意組合につきましては、出資の割合も、漁協に対する出資と任意組合に対する出資とが全く同じ比率で行なわれておるということ、そういうことでおのずから私はわかると思いますけれども、その点についてはあえて今解れようと思いません。第二番目の、加茂水産という独立の経営の団体を作っておるということが、漁協あるいは六つの団体が自営をするという立場から見て一体適当であるかどうかということにつきまして、これは去年の二月の五日に新潟県の農林部長が条例検査をいたしまして、そのときに、現在の加茂水産組合は役員の構成内容からしても漁協とは別個の独立した企業体として運営され、漁協の自営形態として範囲を逸脱しているような観があるので云々という、漁業の自営についての意見を知事に報告いたしております。この点については御承知でございましょうか。

高橋泰彦農林技官(水産庁次長)

○高橋説明員 第一点の前段の基本的な問題についてでございますが、私ども、もちろん、漁業権の行使も漁業協同組合それ自体の内部も民主化されることを基本方針にしておりますので、その点につきましては全く同意見でございます。従いまして、特に新潟県その他のやや漁業的にはおくれた地帯におきましては、漁業協同組合の民主化が必ずしも徹底されていないということもしばしばございますので、かねがね私どももその点を考えまして指導にも万全の措置をとりつつある段階でございます。  第二点の御質問は、加茂水産という独立の経営体を作っているということについてどう思うかという御質問でございます。私どもとしては、先ほど御説明申し上げましたように、漁業権者と全然無関係な経営体があるということは、漁業法から見まして明らかにおかしいことでございまして、これは、漁業法の規定のように、貸付するのを禁止しておりますが、ただ、免許を受けたあとで出資を受けて漁業経営体に入ることは禁止しておりませんけれども、明らかに漁業権者と無関係な経営体がこの定置漁業権を経営していること自体は、私は漁業法に違反していると解さざるを得ないと思います。  具体的な御質問の加茂水産でございますが、県御当局より説明を受けている範囲において私どもの知っておる知識から考えますと、これは特定のしっかりした法人を作っておるという話は聞いておりません。三つの漁業協同組合と、ただいま御指摘のいろいろな各漁業協同組合とほぼ同一の構成メンバーによる網組との六つの共同経営体、これを通称して加茂水産というふうに漁民の方々は呼んでいるということは承知いたしております。しかしながら、ただいまの六つの協同経営体と別個の法人があり、その別個の法人が漁業権を事実上行使しているというふうには私ども理解していないのでございまして、従いまして、お尋ねの具体的な問題について違反があるということは、ただいまの段階では考えておらないような次第でございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 加茂水産の機構は非常に複雑で、その運営の方法にもいろいろ問題はありますけれども、そのこまかい点は私もここで申し上げるつもりはございません。私がさっきお尋ねしましたのは、昭和三十五年の二月五日に農林部長が、現在の経営の方法は漁協の自営形態を逸脱しておる観があるという報告をされているのを御存じでしょうかということです。

高橋泰彦農林技官(水産庁次長)

○高橋説明員 恐縮でございますが、私自身はまだその報告を受けておりません。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 それでは、水産庁の方で、この加茂水産の経営方法を名実ともに漁協が自営するような形態に改めるべきだという御指導をされておりませんか。

高橋泰彦農林技官(水産庁次長)

○高橋説明員 先ほど申し上げましたように、豊凶の差の非常に激しいブリの定置漁業権をただいまの漁業協同組合がみずから経営することが最善のことであるというふうには必ずしも私考えません。従いまして、私どもはもっともっと科学的に豊凶の問題と取り組まなければなりませんが、しかし、ただいまの科学的な知識をもってしては、来年のブリがどうなるかということにつきましてはまだ予断を許さない程度の乏しい科学的な知識しかございません。従いまして、そのような段階の定置漁業を、場合によってはみずから組合だけで経営することがいい場所なりいいケースも相当ございますけれども、しかし、それは定置漁業権すべて組合だけで自営しなければならないということを断定するのにはあまりにも豊凶の差の激しい、危ない経営でございますので、これは漁民の方々の唯一の団体でございますから、これの財政的な安定につきましても私どもはやはり考えざるを得ないわけでございます。従いまして、御指摘の件につきまして、今その方が絶対間違いなくよろしいということをお答えする気持は現在のところございません。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 私の質問にそのままずばりお答えいただけばけっこうなんでございますけれども、このような加茂水産の運営の方法について、名実ともに漁協が運営をするという方法に改めるべきだという意味で指導されておるかということを私は聞いておる。そこで、されておるのかどうか、もしされておるとすれば、逆に申しますならば今までの運営の方法が名実ともに自営の形態ではなかったという前提に立っておられると思いますので、具体的なこの問題についてどのような指導をされておるかということについて簡単にお答えを願いたい。

高橋泰彦農林技官(水産庁次長)

○高橋説明員 この定置漁業権が漁業権者の完全なリーダーシップのもとに経営されることが、法の精神から見ましてこれは当然だと思います。従いまして、漁業権者が事実上リーダーシップを失いまして、通称加茂水産という経営体が事実上その定置漁業権の行使を自由にやっているという事実がありますれば、それは非常にいけないことでございますので、それは一つやめさせたいと思います。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 どうも時間が不経済になりますので簡単にお願いしたいと思うのですが、私の今お尋ねしておるのは、抽象的、仮定的な問題ではなくて、現在加茂水産についてどのように指導されておるか、そのことを一つお答えを願いたい。

高橋泰彦農林技官(水産庁次長)

○高橋説明員 新潟県当局より状況については刻々の報告がございますので、その報告について、法制的に誤まりがないかどうかという点から適切な指導を加えております。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 そうしますと、先ほどの私の質問いたしました、名実ともに漁協が自営すべきだ、そういう方向に返るべきだという立場からの指導をされておられるかどうか、おわかりでございませんか。

高橋泰彦農林技官(水産庁次長)

○高橋説明員 名実ともにという言葉では、非常に私どももお答えがしにくいわけでございまして、お言葉ではございますが、やはり、この経営については、当然、漁業権者たる漁業協同組合と申しますか、それがリーダー・シップをとって、その意思のもとに経営されるということをただいまの段階では申し上げる以外にないと思います。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 それでは、一つ最後に一番重要な問題と思いまする点についてお伺いをしたいと思います。先ほど三つの漁協と申しましたけれども、そのうちの一つの漁協は内浦漁協という漁協でございますが、内浦漁協に見合う任意団体としては丸内組というのがあるわけです。この丸内組というものの組織について、どういう組織になっておるかということは御承知でございましょうか。概略およそどういう組織になっておるかということを一つ……。

高橋泰彦農林技官(水産庁次長)

○高橋説明員 これは、詳細な点まで私承知しておりませんが、私の聞いている範囲では、先ほど御指摘のありましたように、内浦漁業協同組合の、漁民の雷葉で言うと別働隊と申しますか網組と申しますか、そういう意味での、まだ法人化されない網組というようなものというような報告を受けております。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 実は、丸内組はほかの二つの漁協におのおの見合う任意組合とは全く性質が違いまして、ほかの二つの漁協に見合う任意組合は、漁協の組合員をそのままその任意組合の構成員にして、そして漁協に対する出資と同じ比率の出資で各任意組合に出資をさしておる。従って、漁協の場合には出資の最低と最高との開きというものは非常に小さいので、それが任意組合の出資にもそのままの形で出てくる。ところが、丸内組の場合には、これは少数の人がその株の多くの部分を持っておって、しかも、この丸内組というのが、実はこの六つの団体を事実上支配するような、そういう大きな力を持っておる。そういうものだということはお聞きになったことはございませんか。

高橋泰彦農林技官(水産庁次長)

○高橋説明員 ただいまの御指摘の点でございますが、丸内組につきましてただいま御質問のような事実があるかどうかの具体的な詳細についてはわかりませんが、まだ私承知しておりませんが、しかし、このようなことがあるだろうということは考えております。多くの場合、漁村におきましては、御承知のように、漁業協同組合のほかに網組を形成する場合に、全く漁業協同組合と同じような趣旨で、全く同一と思われるほどの別働隊のような組織をする場合と、そうではなくて、そのやろうとする漁業に関係の深い組合員だけを吸収して網組を組織する場合と、二つのケースがございます。それで、その点は、部落々々の実情、たとえば、全部が定置関係者であるか、それとも組合員の中には相当遠洋に出ておって定置には関心があるかないか、どの程度業種別の階層分化が行なわれておるかという部落の実態でこの網組がきめられるのでございまして、いろいろあるだろうということは私想定しております。従って、あるいは、私詳細に聞いてはおりませんが、先生ただいま御指摘のような事実もあろうかというふうに考えております。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 実は、この漁業権は三つの漁協が共同で持っておりますけれども、内浦漁協というものはその七割を持っておる。そして内浦漁協の七割のうちの四割九分ですから、約半分に近いものを丸内組が持っております。従って、この丸内組というものは全体の約三割五分を持っておるという計算になる。その丸内組の構成員は、組は大体内浦の漁協の組合員の数をそのまま持っておる。しかし、丸内組の株は、私の計算によりますと、組合員の約七%足らずの構成員が丸内組の総出資の約三割を独占をしておる。そういう出資の形態になっておるわけであります。そうして、この出資は、一株三万ないし五万という相場がついておって、一般の組合員がその開放を願っても、開放をしてくれない。これは、よそから資本が欲しくてこれだけの金を特に入れたのではなくて、それらの少数の人が初めからその漁業権を独占しようという形で実はこういう出資の形態が行なわれておるわけです。従って、これは、このような丸内組の少数の人間がこのブリの定置漁業権というものを事実上支配するという、そういう経済的な基礎になっておる。そこで、このような丸内組の株というものを、内浦の漁協の組合員に要求があるならばもっと平等になるように開放をするのが、漁業法が持っておる民主化の精神というものに合致するのではないかと私は思うのですけれども、その点についていかがですか。

高橋泰彦農林技官(水産庁次長)

○高橋説明員 ただいま先生のおっしゃった全体の考え方については、私何も申し上げない。あるいはそういう考え方もあると思います。ただ、私、お答えいたしますのは、あくまでも法律のもとでどの程度許されているかというお話として一つお聞きいただきたいと思います。  まず第一点は、一体漁業権の行使について出資で物事がきまっていくかどうか、全く株式会社と同じような決定が漁業協同組合においてされるかどうかという点が一つのポイントだと思いますが、法制上そのようなことにはなっておりません。従いまして、漁業権者たる漁業協同組合がみずから意思決定をする場合に、これは当然組合の総会にかけてその漁業権の行使がきまるわけでございますから、従いまして、その組合員が集まる総会におきましては、御存じの通り、いずれも出資と無関係に一人一票でもってこの漁業権の行使がきまるわけでございます。従いまして、そのような民主的な方法できめられた漁業権の行使の段階におきましてある程度資本主義的な経営の要素が入ってくることはやむを得ないと思いますが、しかし、最初の意思決定、それは少なくとも一人一票できめられるのが当然でございます。ただ、その資本を出した場合の出資に対する報酬その他は、出資額に応じて配当されることはやむを得ないことであろう、このように思います。従いまして、この問題を要約して申し上げますと、組合員の間の一切の紛争なり漁業権の行使について根本論として振り返って考えてみますと、それは漁業権利者たる漁業協同組合の総会において一人一票できめられるんだということでございますから、ただいまの御意見がございますけれども、そのこと自体で——株を公平に分配するということの御意見はわかりますけれども、そのこと自体が漁業法に違反しているというふうには私どもは考えない次第でございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 私のお尋ねしたのは、それが漁業法に違反しておるかどうかという、そういう趣旨でお尋ねしたのではなくて、漁業法の精神から見て適当ではないんじゃないかということをお尋ねしたわけです。そうして、漁協はなるほど御承知のような議決形態でございますけれども、この丸内組は持株数に応じた議決権を持っておるわけです。従って、そのような少数の人間が丸内組を支配することができる。そしてその丸内組は全体の三割五分を持っておるというような現実から、事実上全体の漁業権の行使方法について非常に決定的な力を持っておる。そうしますと、元来この定置漁業権というものがその沿岸の三つの漁協の組合員にほんとうに民主的に開放されるべきものが、依然として少数の人の支配のもとに置かれておる。そういうことが、法律の形式論は別として、現実に行なわれておるというのが実は実態なんです。そこで、私は、法律の形式論を言うのではなくて、このような丸内組の実態というものを見るときに、ほんとうに現在の労働争議というものを根本的になくするには、丸内組の株を開放して、ほんとうに漁協がまず民主的になり、そして民主的になった漁協がほんとうに自営すること、そういう以外には方法はないと思いますので、実は、そういう観点から、漁業の民主化、あるいは漁村の民主化という立場から、現在のような封鎖的な独占的な丸内組の形態というものが漁業法の精神から言って適当であると思われるかどうかということをお尋ねしたわけです。

高橋泰彦農林技官(水産庁次長)

○高橋説明員 実態のお答えと、政策的なお答えと、二つしなければならぬわけでございますが、まず政策としての問題でございますが、やはり、漁業協同組合がかなり高度な資本を要する経営をする場合に、そのような出資と申しますか株と申しますか、それが平等でなければならないかどうかという非常に重要な御質問だと私考えております。これにつきましては、私どものただいまの段階において事務的にお答えするのにはあまりにも問題が重要ではなかろうか、こう考えまするが、御指摘の点は、実は私どもも非常に悩みに悩んでおる問題でございますので、なおその点は検討を進めまして、私どもも数々の矛盾も実は痛感しておりますので、それにこたえるべく法制を整えなければならないだろうというふうには考えております。しかし現在の段階でそのような大事な法制の問題を今にわかにここで結論を出すのは少し早過ぎるので、その点は十分に検討させていただきたいと思います。  第二の実態の問題でございますが、これは、御指摘のように、漁業権者がどうすることもできずに、実態はまるで妙な経営体に事実上の支配権が移っているのだということが事実でございますれば、これはかなり憂うべき現象でございまするから、その点は県と十分打ち合わせをした上で適切な指導をする方針でございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 長くなりましたのでこれでおしまいにいたしますけれども、最後に私は一つお願いを申し上げておきたいわけです。それは、先ほど申し上げましたように、昨年の二月に県自体が実態の調査の結果、これは自営の範囲を逸脱しておる、そういう意見を持っておる。そこで、このような実態について、御承知のように、水産庁は、実は、漁協が自営をするようにという、そういう形態に改めるようにという具体的な指導もされております。それは私は方針として正しいと思う。そこで、その自営の方針というものを貫かれるとともに、今言ったように、形式的な民主化ではなくて、漁業法というものがほんとうにねらっておる漁業なり漁村なりの民主化というものについて、さらに一つ徹底的な御指導をお願いしたいと思います。社会党の方でも、近日中に党本部から現地に調査に参りまして、根本的な調査をして、われわれの対策を新たに立てたいと思いますけれども、どうか水産庁でも今私がお願いしましたような立場から一つ御指導いただきたいということを最後にお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時十五分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗