農林水産委員会 第4号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/02/15
会議録
○坂田委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 農林水産業の基本政策について質疑の通告がありますので、これを許します。小枝一雄君。
○小枝委員 私は、当面の農林漁業の基本問題並びに緊急を要するこれらに関する諸問題について、農林大臣に数項目についてお尋ねを申し上げたいと考えます。この問題、実は同僚野原委員から大臣にお尋ねをすることにいたしておったのでありますが、にわかにかわって私からそれらの問題についてお伺いし、御所見を伺いたいと思います。 まず第一に、農業基本法についてであります。この問題は、周東農林大臣特に御承知のように、わが国の農業が曲がりかどに来ておる、そこで、曲がりかどを解消して、わが国の農林漁業の基本問題をすみやかに法制化して、裏づけのある政策を実行していかなければならぬということで、三年前に農林漁業基本問題調査会が設立されまして、自乗政府においても鋭意これらの研究、準備に没頭されておったのであります。また、周東農林大臣は、この間、わが党の基本問題調査会の特別委員長といたしまして、ことにこの問題については御造詣が深く、在野時代には党の責任者としてこれが計画立案に当たられ、また農林大臣としていよいよこれを実行に移そうという段階になった。これは大臣といたしましては実に政治家の本懐だろうと私は考えるのであります。聞くところによりますと、近くこの基本法の原案もでき上がりまして、諸般の準備が整ってこの国会に提案されるということもほぼ承知いたしております。わが国農業発展の基本である農業基本法は、はたして現在どの程度まで進んでおるのであるか、また、この問題に対する農林大臣の御熱意のほどを伺っておきたいと思います。
○周東国務大臣 農業基本法及びその関係法案というものは、大体、政策委員会、それから法制局等で立案を終わりまして、最も近い機会に閣議の決定を了して議会提案の運びになると考えております。できれば明後日の閣議にと思っております。あるいはおくれてもその次の閣議ということになるかと思いますが、大体は明後日を目ざしてただいま進んでおるわけであります。そうすると、閣議が終わり次第国会に提案の運びになると思います。 提案をいたしました以上は、ともかくも、農業基本法の国会通過に関しましては、もとより与野党ともに国会の皆さんの御協力を得てこれが成立をはかりたいと考えております。
○小枝委員 ただいま基本法に対する農林大臣のお気持を伺いましたが、一つ、わが国将来のために、最も内容の充実した、ほんとうにわが国の曲がりかどといわれる農政を打開するためにも、りっぱな法案を提案していただくことを希望いたしておきます。 次に、当面の緊急の農政の問題として、肥料の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 三十五年度の硫安公定価格の決定が御承知のようにずるずるとおくれておりまして、今日に至って今なお最後的な決定を見ないことは、私どもまことに遺憾に存じておるところでございますが、これは、御承知のように、われわれも承知いたしておりますように、今日の段階としては、なかなかむずかしい、また厄介な問題だと考えます。しかしながら、法律でこれが決定をせられ、しかも最も重要な肥料の問題でございます。どうせこれは近く決定を見なければ、農家に対しまして非常に影響の及ぶ問題でございますので、周東農林大臣の責任におきまして、一つ至急に肥料審議会を開かれ、この決定をしていただきたい、かように考えますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○周東国務大臣 ごもっともな御意見でありまして、私もこの三十五肥料年度における硫安価格はすみやかに決定をいたしたいと考えておりますが、大体昨年度と比して三十一円値下げの価格で今日暫定的に進んでおりますが、これを正式に委員会において決定いたしますについては、私といたしましては、従来から肥料は合理化して価格を下げるという話になっておりますが、なかなかその合理化の目標とする年度がきまらないというところが今日までいろいろ問題を起こしていたと思います。ただいま、私は、将来に向かっての肥料の合理化というものはどこまでいくのか、そうして限られたる年度においてどこまで下げ得るのか、これは、あくまで、国内の農家に対する低廉な価格での供給と同時に、外国に輸出する際に国際競争力を持ち得る価格にまで下げるということについて、どういうふうな形をとるのかということを年度を限ってはっきりさせてもらいたいという提案をいたしておるわけであります。その相談は関係省との間に大体まとまっております。それが決定いたし次第、肥料審議会を開きまして、三十五年度における肥料価格の問題を正式に決定するとともに、将来二、三年の間において合理化されたる場合における肥料の値下げというものはどういう姿で出てくるのだということもはっきりさせていきたい、かように考えております。その時期もそう遠くないと思います。関係省の間においては方針が大体まとまっておりまして、それを実施に移すについて、今いろいろ必要な手続を踏んでおります。
○小枝委員 肥料の問題は、ただいまの大臣の御答弁を聞きましてよくわかりました。どうか一日も早く合理化をし、しかも値下げをせられまして、納得のいく行政策を至急硫安価格について決定していただきたい、これを強く要望いたします。 次に、麦の対策であります。麦の対策につきましては、思い切った転換策を用意されまして、三十六年度予算にもこの用意されたことについて私どももきわめて適切だと考えておるのであります。この転換策は、当然将来の問題として行なわれなければならぬ問題でありますが、もう一つここに問題があります。それは、政府手持ちの大麦、裸麦をどう処分するかという問題でありますが、この問題については、政府が昭和三十五年度及びそれ以前に買い上げました麦は、ともかくも食糧に供する、国民食糧という立場において買い入れたものであることは間違いないのであります。そういう意味におきまして、今日ではその麦がなかなか売れないで政府は手持ちにいたしておりますが、至るところのそういう倉庫に充満いたしまして、これを消化することはなかなか容易でないという現状にあることは承知いたしておるのでありますが、聞くところによると、政府の方では、この手持ち小麦を四十万トン程度はこの際飼料として大幅に値下げをして払い下げるというふうなことも承っておるのであります。これもどうしても麦が売れないということであればやむを得ませんが、倉庫料を払い、しかも金利を支払ってこれを手持ちにしておくということは、策を得たものではないと考えるのであります。しかし、私どもは、これを食管会計として買い上げたこの性格にかんがみ、また国民の今日の食生活の現状を考えますときに、まず第一といたしましては、これを食糧として国民の食用に供する、この目的をまず果たすということでなければならぬと思う。その趣旨の本末を転倒してはならないと思うのであります。そういう意味におきまして、私は、この精麦をこの際思い切って大幅値下げを実行する、——今、払い下げておりますところの価格から言いますと、精麦にしたものがおよそ五十七、八円にも相当いたしておると思うのでありますが、現在、農村の価格を申し上げますと、大体精麦が五十円くらいが常識のようであります。そういう価格の差がありますと、これを国民が食わないということは当然であります。そういう点を一つ考えられまして、むしろ、この手持ちの麦の中の四十万トンを家畜飼料として大幅に値下げをして払い下げる前に、まず食糧としての麦の価格をある程度引き下げまして、そうして食糧に供する当初の目的のためにこれを供給すべきではないか、かように考えるのでありますが、これについて大臣の御所見を伺いたいと思います。
○周東国務大臣 政府手持ちの古い麦はただいま六十万トンくらいあるわけであります。これにつきまして、市中における状況を考えながら、また農家に損にならぬ程度に、飼料用としてある程度特別の価格で払い下げることについて研究中でありますが、それは、御指摘の通り、大体四十万トン、その範囲について考えております。が、飼料に向ける前に食用として精麦用に払い下げるべきではないか、この点ごもっともであります。いろいろと政府の方も消費増のために麦飯奨励会というようなものを食生活改善協会の方のお骨折りでやっておりますが、なかなか思う通り進まぬようであります。これも食用についてはできるだけ考えて参りたいと思いますが、今、その食用の方に向けるものも値を下げるかどうかということにつきましては、まだ確定はいたしておりません。
○小枝委員 次に、この際小麦の処分方法について一応承っておきたいと思うのでありますが、製粉用の小麦の払い下げ方針はとかく従来大メーカー中心主義というような批判を耳にいたしておるのであります。これでは工場の地方分散とか中小企業の健全な育成をはかるというようなことはむずかしいと思うのであります。御承知の通りに、池田内閣の基本方針としては、中小企業を育成しなければならぬ、工場は地方に分散をしなければならないということを今日提唱されておるのでありますが、そういう場合におきまして、私は、中小製粉業者の合理化、近代化というようなことについて積極的に指導をいたしますとともに、小麦の払い下げもでき得る限り中小企業者に対して重点的に一つやるということを考慮されねばならない、かように考えるのでありますが、大臣の御所見はどうですか。
○周東国務大臣 お話の通り、小麦粉の製造といいますか、製粉につきましては、従来大企業というものが活発に中心的な立場で動いているということは御指摘の通りであります。しかし、今後小麦粉の製造に関しまして中小製粉業者の立場も考えたらどうかということについては、私も同感であります。今後、小麦の中小製粉業者に対しても、設備の点、いろいろな点について十分に御努力願うとともに、原料小麦の払い下げをするというような点に対しては十分検討を加えて善処いたすつもりであります。
○小枝委員 ただいまの大臣の御答弁によりまして了承いたしますが、この問題は従来もしばしばそういう批評を耳にいたしていたしておる点でございまして、どうか、中小企業者に対して、適切にして、しかも要求額に応じまして適当なる御処置をとっていただきたいととを強く要望いたしておきます。 次に、大臣にお尋ねをいたしたいことは、砂糖の自由化の問題についてであります。 十二月の六日に、前農林大臣の当時に、どういう理由かはっきり私は承知いたさないのでありますけれども、経済閣僚の懇談会で自由化に踏み切るような決定をしたということを聞いておったのであります。国内における甘味資源対策の上におきまして、これは私ははなはだ遺憾なことであると考えておったのでありますが、周東農林大臣におかれましても、すでにこのことをお考えになって、国内におけるてん菜工業やカンショ澱粉を原料とする結晶及び精製ブドウ糖工業の育成に力を注ぐため、従って、国内におけるこれらの事業がりっぱに成長をして、格別の保護助長を必要としなくなるまでは絶対に自由化を行なわないというようなお考えのもとに、自由化問題を白紙に返されたように承っておるのであります。私は、さすがに農政に対する周東農林大臣の識見に深く敬意を表するのでありますが、甘味対策に関する大臣の御抱負につきましてこの際承っておきたい、かように考えますが、御答弁をお願いいたします。
○周東国務大臣 砂糖の自由化については、いろいろと前大臣当時からも考えておりまして、自由化にしていくということも一つの方法かと思われます。それに対して、そういう場合には関税というものの引き上げも考えられることであります。だんだんと深く掘り下げて参りますと、関税の値上げだけでは、今伸びようとしておる国内の結晶ブドウ糖あるいは精製ブドウ糖、てん菜糖というようなものに対する保護に十分でない点もあります。従って、あくまでも、私どもは、てん菜糖あるいは精製ブドウ糖、結晶ブドウ糖の原料生産をする農家というものに影響が及ばぬような施策を講じて、しかる後自由化をするといったような考え方でいく方がいいのではないかということで少しく自由化を伸ばしていく。しかし、一面、よく言われますように、それがために業者の利益といいますか、よけいに利得をあげさせるということも私はいけないと思う。そういう意味からいきますと、国内に入れる原糖の量というものに対してもう少し幅を持って割当を増加する必要があろう。そうして、一面いわゆる差益の出ないようにしつつ、一面には国内の農家の保護助長をやっていく。しかも、この点は、皆さんも御承知の通り、一番むずかしいのは、精製ブドウ糖、結晶ブドウ糖の需要増加でありまして、よいということになっておりますが、なかなか食いついてこないようであります。この点が一番の悩みであります。作りはするけれども、砂糖と結晶ブドウ糖と並べで置いておくと、どっちをとるかというと砂糖の方でありまして、売れないという点、それについては、結晶ブドウ糖なり精製ブドウ糖との価格、それから普通のお砂糖との間における評価基準というものがどういうことになるか、よくお考え願って、どうしても製品の需要の伸びる一つの策を講じなければならぬ。そういうふうなことを考えながら、しかも、一般消費者に対して砂糖という大事なものがあまり上がらぬようにするために、原糖の輸入もある程度ふやしていく、そうして常に糖価を一定の水準に安定をさせていこう、そういうことを全体的に考えておるわけでありますが、まだ二、三の点について問題がありますので、慎重に対策を練っております。でき次第また申し上げる機会があると思います。
○小枝委員 砂糖の自由化の問題につきましては、大臣の慎重な態度を伺いまして、私も安心をいたしたのでありますが、この問題は、お話のように、結晶ブドウ糖あるいは精製ブドウ糖等、なお国民がなじんでいない、こういう点もあると思いまするけれども、これは、日本の農業政策の上から言いましても、一日も早くこれを国民に周知徹底させまして、これを使うことになじませるという施策が必要であると考えます。 もう一つは、なお甘味資源といたしまして御承知のてん菜があります。てん菜の中におきましても、今や暖地ビートが各地に植え付けられまして、すでに岡山、大分におきましては新工場の設立をいたしております。ことに香川あるいは鳥取、長野、その他関東の方におきましても数県下でこの計画が進められておるということを私は伺っておるのであります。そういうことは、わが国農業政策の上におきましても非常に喜ぶべきことでありまするし、また、農業基本政策の点から考えましても、大麦、裸麦はどうも将来減反していかなければならぬ、転作していかなければならぬといったような場合に、これを一つそういうものにかえていく、さらに、農家といたしましても作物の所得の少ない今日、外国の農民の作る砂糖を国内の農家が作って国民に供給してもらうことはけっこうだと思います。これは農業の一つの基本政策でもありますので、特にこの問題につきましては大臣の十分な御検討と御努力をお願いいたしたいことを強く要望いたしておきます。 次に、大豆のAA制の問題でございます。大豆の価格安定支持を行なうということは政府の当然の責任でもありまするし、三十六年度予算におきましても、大豆等の価格支持のために三十億円の予算を計上せられておることを承知いたしておりますが、これはまことに適切な問題であると思います。北海道、内地における大豆、菜種は今後むしろ生産を飛躍的に増大する必要がある、特に大・裸麦の転作対策の一翼をになうべきものと私どもは考えるのでありまして、この三十億はむしろ過小である、かように考えておるわけであります。なお、大豆等については、従来から農業協同組合の系統機関あるいは雑穀組合系統等との二本立で集荷されてきておりまして、雑穀商人による集荷実績が非常に大きいと承っておるのでありますが、その取り扱いについてはどこまでもこれを公正かつ妥当なものにしなければならぬ。その間にいやしくも不純なものや安心して渡されないというようなことがあってはならない。そういうことにつきましても、特にこの際配慮をお願いいたしたいと考えるところであります。ことに、また、この大豆の増産対策につきましても政府は多少の予算を用意いたしておるようでありますが、これを一つ十分にやっていただきたい、かように考えておりますが、これに対して大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
○周東国務大臣 大豆についての自由化に対処する処置でありますが、今御指摘になったように、政府といたしましては、ともかく、今日の状態におきましては、何と申しましても国内産大豆が輸入大豆に比較して割高になっている、そういう点から大豆生産農家に損失を与えないように、この輸入大豆と国産大豆との差額といいまするか、これを補助しつつ、影響しないように持っていくということが、ことしの政策の第一点であります。しかし、これは、よく政治というものを考えてみましても、今売れなくて残っている国産大豆がありますが、同じく国産大豆でも相当数は今まで通り取引されて売れている。こういう点はよく考えてみなければならぬ。そこに、国産大豆の中でも品質というようなものをもっともっと改良して、品質においても生産費においても、輸入大豆と競争し得る立場において持ってくるということが、終局において私は農家のためになるのだろうと思う。その意味におきましては、大豆の生産奨励とかいうような問題につきまして、裏をなすものは、やはり品種改良というものを大きくやっていかなければならぬ。御承知の通り、日本でもかつては四十万トン作っておったんです。その後いろいろ満州大豆等が安く入ってくるために国内の大豆をやめたという格好で、今日は十五万トンくらいになっている。本来ならば日本はもっともっと大豆に対する品種改良が進んでいってよかったと思う。アメリカのごときは、大豆というものの非常によいのに目をつけて、聞くところによりますと、日本向けのとうふ用、納豆用、搾油用というように、おのおのについて品種について研究しながら増産をはかっている。このことは本来日本でやるべきことであった。今までの環境として、周囲から安いものが入ってきてそれをやらなかった。そういう面について、今後は積極的に、国内の増産ということの裏に、改良されたる品質のよいもの、そうして生産費も安く反収のよけいなものを作り出して、農家がとにかく換金作物としていいものだ、これを作ろうという意欲を起こすように持っていきたい、かように考えて、今度の予算においても些少ながら試験研究費というものの方も盛ってあるゆえんであります。
○小枝委員 次に、畜産及び酪農対策の最も重要な問題として、牛乳、乳製品及び食肉に関する価格安定のための事業団を通じて、流通の改善、価格安定対策を講ずることになりまして、御承知のように三十六年度予算に計上されたことはまことにけっこうであると私ども考えております。農業における成長部門として、この際大臣として一つ本腰を入れてやっていただきたいと考えております。特に、牛乳、乳製品の対策といたしまして、第二次加工の乳製品について考えて、なま乳の取り扱いについては消極的な考えがあるように私どもの方では見受けるのであります。と申しますのは、なま乳を対象として取り扱わないで、これを製品にしたものについての助成あるいはいろいろな処置を講ずるということでありますが、これでは何か隔靴掻痒の感がある。それでは、これを飛躍して考えるというと、消費者の景気をよくして金だまりをよくしておけば、幾らでも売れるではないか、そういうようなところまで飛躍するのでありますが、それは極端な例といたしまして、とにかく、ほんとうに生産者にぴんとくるのは、なま乳をどうするかということにあると思うのであります。そこで、困難な問題でありますが、いよいよこの基本的な施策に本腰を入れようとする今日におきまして、周東農林大臣におきましては、特にこの点に意を用いられまして、なま乳に対する対策、これを一つ取り上げていただきたい。その点につきまして、大臣の御所見はどうでありますか、お伺いしておきたいと思います。
○周東国務大臣 牛乳に対する対策、特に、酪農を奨励しながら、乳製品についての価格安定等については考えておるが、なま乳については何もやらぬじゃないかというお話であります。ごもっともでありまして、ただいまの畜産事業団構想の中には、なま乳というものの買い上げ、処理、調整というものが考えられておりませんのは御承知の通りです。少しく隔靴掻痒の気味があると申されるのもごもっともでありますが、どうもなま乳の処理はなかなかむずかしい問題です。しかし、畜産当局といたしましても考えておりますことは、なま乳を生産する酪農家の方もある意味においてなま乳の処理については考えなければならぬということで、従来からも、農家に対して、クーラーといいますか冷凍装置というものを持って、なま乳を搬出していくまでにたくわえる設備の助成というものは考えております。こういう点については、そういうもの持ちながら、一つは事業団との間における関係をつけていくということは一つの方法だと思います。進んでは、昨日も参議院で社会党の方からお話がありまして私もお答えしておいたのですが、どうも、従来、進駐軍が来られて、どういう傾向か、まあ効果的ではありますけれども、低温殺菌でないと処理ができないというような形がとられた時期がありました。これは遠距離にあるいは時間的に長く置く場合においてはその方がより効果的であるかもしれません。日本のような農村地帯において、しかも経営規模が非常に少ない、その乳を集めて外へ出荷する、——これも、将来は、畜産当局として考えておりますが、経営単位をもう少し大きくする、多頭飼育をするという格好に持っていかないと、少数の家畜を分散して遠い離れたところにやっていると、集荷費用がずいぶん高くかかって困る。それはまた外に向かって弱いゆえにそういうことも考えられますが、勢いそういう政策が進んで参りますると、やはり、農村においてなま乳をいかなる形においてやるか、また、外にだけ売らないで、農村地帯におけるたとえば学校給食というような問題もありますが、農村地帯において何もわざわざ生乳を売って粉乳を買うということは、価格の問題もありますが、できれば農村において高温殺菌という形で短時間で処理することができるならば、この方が十分衛生的にもいいのではないか、こういうことで一部これは認めております。将来、私の方としては、そういうことを考えながら、しかも、農村にも栄養価のあるもの、澱粉質ではなくて乳を飲ませるのだという形をとりつつ、外に向かっては余剰は売るぞということで、あまりたたかれるならばうちで食いますということになれば、よほど対策は強くなると思うのであります。そういうととも考えていくことが一つの方法ではないか。なま乳に対してはさように考えております。
○小枝委員 今後の日本の農業がどうしても酪農、畜産あるいは特用作物ということに移行していきます状況を考えますときに、なま乳の処理の問題については、これはきわめてむずかしい問題ではありますが、この問題を解決することが将来の酪農発展のかぎでもあると思います。特にこの点については御努力願いたいと強く要望しておく次第であります。 次に、私は、この際周東農林大臣にいろいろ御所見を伺ってみたいと思いますことは、農村の二三男対策。余剰労力の見地から、今政府では工業不振地域に対する工業発展の計画を立てられまして、それらの工業振興のために特殊な法律を作ろうかという段階にあると思います。そこで、一説に聞くところによりますと、一部では集団的にある地域に工場を集結いたしましてやろうということがあるのでありますが、これが一地域に偏しますると、なるほど二三男対策はでき上がるのでありますが、私は、今日の農村の最も重要な問題は、二三男対策であると同時に、もう一つは、五人で働いておる、三人おれば実は農家は経営できる、その余った二人の行き場がないから、三人でできるところの仕事を五人でやっておるというところに、非常に農業の貧困、いわゆる従来の農業の一つの悲しいところの惰性があると思うのであります。そういう問題を解決するためには、これは工場というものをでき得る限り、山の奥へというわけにはいきませんけれども、可能の範囲においてこれを分散させ、そうしてこれらの余剰労力というものを通勤できる範囲において吸収するということを構想として考えるべきではなかろうか、こういうことを私は考えておるのでありますが、これに対する大臣の御所見はどうでございますか。
○周東国務大臣 全く私は同感であります。これは、今政府内におきましても、もとよりそういう問題に対して総合的な対策を樹立する必要があると考えております。しかし、なかなかこれはむずかしい問題です。抽象的になりまして恐縮でありますが、やはり、今日の阪神地帯とか京浜地帯とか北九州地帯というものは、まだまだ余力はあるにいたしましても、水の問題、工業用水、それから電気の問題というようなものは、ある程度これは行き詰ってきておるのじゃないか。工場をどんどん建てながら、やれ水が足らぬからどうかしてくれ、電気が足らぬからどうかしてくれということを聞きますが、こういう点を考えつつ、むしろ地方自治体の収入増加のためにも、また、二三男対策のためにも、農家における農外所得を与える機会をこしらえるためにも、いろいろの面から見まして、後進地域と申しますか農山村といいますか、そういう方面へ工場を計画的に分散することがよろしいと私は考えております。ただ、その場合、どこにもかしこにもというわけにはいきますまいけれども、やはり、水の問題、電気の問題というものは工場というものの設置に関連して重要な問題であります。そういう問題を考え合わせつつ、また、水の問題をその新しい地域に考慮し、道路、そうして電気を考えて、分散させるということが必要ではないか。そうすることによって、御指摘のように、単に二三男のみならず、農業構造改善という立場から言いまして、兼業農家という形になりますけれども、同じ戸数の中で農外所得を与えるとか、農村を出る者、農業を守る者、そういう対策があっても差しつかえないのじゃなかろうか。これはあくまでも計画的にしなければならぬと思います。私は、よくそういう点について基本的な対策を立てる必要があろう、かように考えます。
○坂田委員長 山田長司君。
○山田(長)委員 資料の要求をしておきます。委員長から、係の方に提出してもらうように配慮願いたいと思います。 政府の買い入れ米数量及び配給数量並びに受配の数量、これを書類として御提出を願います。 委員長、お取り計らいを願います。
○坂田委員長 承知しました。 東海林稔君。
○東海林委員 先日農林大臣から三十六年度の予算及び農林水産施策の方針についての御説明を承ったのでございまして、私としては、ただしたい点がいろいろあるわけでありますが、時間の関係もありますので、きょうは、そのうちで、農業生産基盤の整備、すなわち干拓、開拓及び土地改良、こういう問題につきましてのみ数点お尋ねをいたしたいと思うわけであります。 まず第一でありますが、新しく政府がやろうとしておる新農政とこの生産基盤整備の事業との関係についてであります。予算委員会の御答弁や先般の大臣の御説明を伺いますと、まず新しい農政の中で一つの大きい柱は、農業生産の選択的拡大をはかる、こういうことからしまして、従来の食糧増産中心の農政から新たに果樹や畜産の方面に大きく政策を転換していくということが一つの大きい点になっているようであります。さらに、もう一つは、農業構造の改善という点でございまして、経済成長に伴って農業人口の他産業への移行がある程度容易になるという期待に基づきまして、従来の非常な圧力になった農業人口を減らしていくのだ、そうして経営規模の拡大と機械化によって近代化をはかっていこう、こういうような点がまたもう一つの大きい柱になっていると思うわけであります。こういう考え方の是非ということは、これは別の機会に譲って議論をいたしたいと思うわけなんですが、こういう中で日本の農業政策というものを非常に大きく方向を転換していくということになりますと、この基盤となります農業生産基盤の整備事業も従って大きく変わっていかなければならないのではないか、こういうふうに考えるわけでございますが、この点についての基本的な考え方がどういうふうになっておるのか、この点をまずお伺いいたしたいと思うわけであります。 それから、第二点といたしまして、政府は経済成長計画を十年というものを一つの目安期間にしているわけでございまして、承りますと、農業分野においては、大体畜産が現在の三倍程度に大きくなるのだ、果樹が二倍程度になるのだ、その反面食糧関係においては大体一一%程度に増加がとどまるのだ、こんなふうに承っておるのでありますが、そういうふうに考えた場合に、十年後の農地というものは、こういう各産業の中にどういうふうに配分されるのか、こういう点でございます。すなわち、第二点として、十年後の農地は全体としてどの程度になって、そのうち畜産や果樹には何%程度がそこに充てられるということになるのか、そういう農地の用途区分についての見通し、この点をまずお伺いいたしたいと思うわけであります。
○周東国務大臣 お尋ねの点でありますが、農業基盤というものの整備に関連して将来の農家の規模というものをどのくらいに考えるかということがまず第一点だと思います。 〔委員長退席、秋山委員長代理着席〕 これは、地域的にも、また業種別にもいろいろ違って参る。今後の農家の農業基盤としてどのくらいの面積が一番いいかということについては、一がいには言い得ないと思います。従来から言われておりますように、中国地方とか九州、東海道あたりにおいては一町五反、あるいはその他においては二町ないし二町五反、北海道では畑作なら五町から十町というような、いろいろな数字が出ております。また、水田経営か畑作経営かによっても違います。一律には言えませんが、しかし、ただ言えることは、今日、北海道を除いて、内地における農耕地の平均は大体八反ぐらいでございます。こういう小さい平均の反別、従って、平均八反でございますから、大体五反とか四反もあるわけであります。こういう経営単位面積のもとにおいて、農家の所得を、農業所得の面からだけ見ますと、大きく上げることはなかなか困難ではないか、いかに将来需要が伸び、あるいは新しい転換された作物を持って参るにいたしましても、またそこに近代化農業を植え付けるにいたしましても、規模として非常に小さい、これをある程度引き上げるということについては、やらなければならぬ問題だと私は思います。ただ、しかし、日本の現状から見まして、地方的に、それは耕地をそのまま拡大できる地方と、なかなかそれが困難な地方がございます。そこで、御指摘のような点において、何も追い出すとかいうことではなくて、当然、今後農業所得を上げるためには、農業は近代化され、機械化され、ある程度の規模を持たなければならぬということになって参ります。とれからあまりに小さい面積ではだめだ。これをやっていくと、おのずから、御承知の通り、能率化して参ると労働が要らなくなる。しかし、その労働をほかの方に移すその機会がないという場合において、やむなくそれは農村で温存していかなければならなかったのが今日までの実情であります。しかるに、今日におきましては、ここ数年前から、日本も、外国と同じように、他産業の成長度が大きくなればなるに従って、自然その方に必要なる労働力の移動というものが始まっております。このことは決して悪いことではなくして、その国における経済の成長、国民経済の上から見ますと、よいことであり、けっこうなことである。そういう機会もないのに近代化、高度化すれば、それをどこへ持っていくかということを非常に心配しておったのでありますが、こういう機会がここに出てきました今日においては、それをよく導く、よく育てていく。一面、外に出られる方もその方面でよりよき所得を獲得する。そういう場合において農村においてもみずから規模の拡大ということもでき得ましょう。両方が相待って日本国民としての所得を上げるという方向ができれば、非常にけっこうじゃないかというのが私どもの考え方であります。よく、おそろしい言葉を使われて、貧農切り捨てだとかいろいろ出ますけれども、これはいろいろの立場からのお話でやむを得ませんけれども、そういうおそろしいことでなくて、私は、本来、いかなるものについても、日本国民のみんながよくなるためにものを考えていかなければならぬ、それには一つそういう現実の機会というものは大きく考えていってよろしい、かように考えております。 それから、十年後における農耕地の面積はどのくらいになるか。ただいま、この間の所得倍増計画なりあるいは農業基本問題調査会等における将来の推定でございますが、大体六百万町歩前後でございます。しかし、その内容を産業別にどういうふうに持たせるかということにつきましては、事務の方から説明いたさせます。
○伊東政府委員 十年後の農耕地面積の推定のお話でございますが、三十五年の推定と四十五年の一応の目標を申し上げます。 三十五年でございますが、水田が三百四十万七千ヘクタール、灯が二百七十三万六千ヘクタール、合計しまして、今大臣のおっしゃいましたように、大体六百十四万三千ヘクタールぐらいの推定をいたしております。この十年間に壊廃とか造成の異動がありまして、水田は一応三百三十六万五千ヘクタール、畑が二百八十五万一千ヘクタール、合計しまして六百二十一万六千ヘクタールという、水田、畑ということでは微増の程度というような一応の試算をいたしております。その間に、大体水田九万六千ぐらい、畑が二十万七千ぐらいの造成をやって、壊廃と見合いましてそういうような耕地の数字を一応考えております。中で、水稲等は今申し上げましたように若干減るというような面積になっております。畑を非常に増大する。中でも、果実等につきましては、今大体二十三万町歩ぐらいでございますが、これを五十五万ぐらいに持っていくというような一応の見通しのもとに作業はいたしております。
○東海林委員 私の質問が非常に総括的だったので、お答えの方もピンとこなかったと思うのですが、それでは内訳的に少し聞いてみたいと思います。 まず、干拓事業でお伺いします。干拓事業は、海岸等で工業用地としての埋め立てというようなことは別としまして、農業用の干拓の問題は、従来、主として水田造成等で、そこに農地は持たないが、あるいは少ししか持たないが、農業で身を立てていきたい、こういう農業に対する熱意のある者を入れて水稲耕作をやっておったというのが従来の考え方であったと思うわけであります。今度の予算書の説明を見ますと、たとえば八郎潟の干拓についても、最近の農業情勢の変化に伴って基本的に計画を再検討するというようなことが出ておるわけでございますが、私がここで伺いたいのは、干拓事業を新しい農政の線から見て、従来やっておるものを引き続きやることは当然かもしれませんが、さらに新たにこれを拡大してやっていくという考え方なのかどうか、また、そうであるとすれば、どこに干拓の意義を考えておるのか、こういう点をまず伺いたいと思います。
○周東国務大臣 干拓に際しまして、その干拓地を従来は大体水田経営に持っていくというような考えであったが、将来はどうだというお尋ねであります。これは世間一般によく誤解されております。今度は米が要らなくなるからだんだん水田はやめるのだというようなことが間違って伝えられておりますけれども、その点は、私ども、今直ちにそういうふうなことは考えておりません。私はよく申し上げるのでありますが、確かにこれはみんなが認識していらっしゃることでありますが、現実の問題として米の使用量の伸び率というものが減ってきております。私は今後とも人口の増ということはやはり米食率をふやす要因であると思いますが、生活水準の向上に伴って、蛋白、脂肪が摂取されるということは年々の増大が示しております。従って、東海林さん御指摘のように、畜産というものが将来日本の新しい農業の中心になるというお考え方は正しいと思います。私も賛成であります。そのことは、日本においてはその方の需要がぐんぐん伸びるということを前提としております。そのことからいたしまして、蛋白、脂肪給源がふえますことは、澱粉質食糧というものの減を来たす要因になると思う。しかし、人口の増による増加という点から、他の生活の改善に伴っての蛋白、脂肪給源の増による澱粉食糧の減というものを差し引きましても、米の需要量はまだふえていくと思います。そこで、私は、米の生産というものを今急にとめる必要はないと思う。ただ、そこで考えられることは、それにいたしましても、単位面積の収量というものをいかにして上げるかということが問題になってくるわけです。これは土地改良の問題になってきますが、そういうことからいけば、必要量をどこに見るかということに関連しつつ、米の生産量というものは、必ずしもたんぼの面積を広げるばかりでなくて、単位収量の増、生産性の向上ということを考えつつこの増に対処するということも一つの方法だ、そういうふうに考えております。従って、もとへ戻りますが、従来干拓は水田の造成ということが中心になっておったが、それを一体将来どうするかというお尋ねに対しましては、直ちに水田をやめさせるとかなんとかいうことは考えておりませんけれども、ただいま申し上げましたような考えのもとに将来は進んで参りたいと思います。
○東海林委員 私、最初に申しましたように、政府の畜産とか果樹に重点を置いていく政策をいいとか悪いとかいう議論は今しません。ただ、そういう考え方に基づいて政府は一体土地改良とか干拓とか開拓というものをどういうふうにしようと考えておるかということを伺おうと思っておるのです。その点間違いないようにしてもらいたいと思うのです。今大臣のお話を伺うと、干拓をして今後も水田の造成をやって稲作農家をふやしていくのだというふうにちょっと聞えたのでありますが、そのように考えていいのですか。
○周東国務大臣 もとより干拓地をどういうふうな形に利用するかというようなことは考えなくてはならない問題ですが、その中で必ずしも水田をやめさせるということは考えておりません。
○東海林委員 説明資料を見ましても、従来の八郎潟というものを見ますと、この基本計画も再検討しなければならぬということをはっきり書いてあるわけなんです。従って、今後は今までと違う考えだということが説明資料から見るとちょっと推測できる。そこで、どういうお考えなのかということを聞こうとしておるのです。その点についてお答えを願いたいと思う。あまり長い御演説でなしに、質問に対して一つお答えを願いたいと思います。
○伊東政府委員 私から補足説明をさせていただきます。 先生がおっしゃいました、八郎潟の再検討ということが出ておるじゃないかということでございますが、八郎潟について言いましたのは、今まであそこは一戸当たり二町五反の水田経営というようなことで配分を大体考えておったのでございます。その後の経済情勢の変化等もございますので、一つ経営規模自体も二月当たり二町五反で割るのがいいのかどうかということを再検討する必要がある、もう一つは、水田単作でいくか、あそこに水田酪農というような形を入れまして、水稲と酪農と両方やるというような形を考えていくことも必要じゃないかという意味で、あそこが日本の中で一番大きい干拓地でございますので、再検討という言葉を使ったわけでございます。今後の問題としまして、実は、先ほど申し上げました農地の造成の中でも、干拓の受け持つ役割としましては四万四千町歩くらい十年間でということで一応計画を作っております。先ほど三十万三千という数字を申し上げました中で、干拓の持つ役割は四万四千町歩、しかし、全部水田でございませんで、これは畑地経営も考えていいのじゃないか、一万二千くらいの畑地を考えておりますということで、われわれは十年先の農産物の需要の面からいたしまして作ります農地を頭に置いておるのでございます。その場合でも、干拓につきましては、これはやはりある程度役割を受け持ってもらう。ただし、その場合には、周辺の既存の農家の経営規模を拡大していくのに役立つように考えていくべきじゃなかろうかということで、干拓地をあまり小さな面積に割ってしまって配分するとか、そういうことは差し控えたらどうだろうかという意味で、干拓の配分等につきましては再検討いたしております。もう一つは、やはりこれは相当金がかかる事業でございますので、なるべくやるとすればほかの多目的な事業と一緒にやってコストをなるべく安くしてやるということも考えらるべきじゃないかというような、いろいろな意味で再検討という言葉を使っておりますが、一応の十カ年計画では、今申しておりますように、継続地区が三万四千、新規が一万というようなことで役割を持たしておるような内容になっております。
○東海林委員 そうすると、今の御答弁からいくと、やや従来よりは消極的になる、大体入植というようなことを主体として考えずに付近の農家の経営規模の拡大ということを中心にして考えていく、こういうふうに理解していいわけですか。 それでは、次に、開拓の問題について伺いたいと思うのですが、御承知のように、この戦後の開拓は、終戦直後におきましては外地から引き揚げた者あるいは内地で戦災を受けた者に一つは働く場所を与えるというような意味と食糧増産という意味で第一期には入植が中心であり、その後は、一部の低開発地帯においては集団開墾ということをやりましたが、大部分は山村における農家の経営規模の拡大というようなことで第二次の開拓が行なわれてきたように思っておるわけです。ところが、その後最近になりまして、だんだんと所有者の抵抗が強いというような関係もあり、国の予算の面においても未墾地の調査あるいは用地取得というような予算がほとんど計上されなくなって、実際にそういう山村の農家の経営規模の拡大というような意味での増反、農地の取得ということはほとんど行なわれないような状態になってきておるように思うわけです。ところが、今度の政府の一つの大きい農政の柱として経営規模の拡大ということが出てきておるわけでございますから、私は、この際あらためてそういう意味でもう一度開拓の問題を考え直す必要があるのじゃないか、そういう点を積極的に打ち出すべきじゃないかというふうに考えるわけでございます。予算の説明書を見ますと、何か開拓パイロット地区というようなことが出ておるわけでございますが、これは、私が申しましたような、どういう増反という意味の開墾を今後積極的にやる意味での一つのモデル地区なのか、それともほかに何らか別の意図があるのかどうか、その点をお伺いしたいと思うわけです。 もう一つここで伺いたいのは、この説明書を見ますと、用地の取得については相対売買という言葉が書いてあるわけでございます。これが非常に気になる問題でございます。農地法の建前によりますと、開拓の適地は国で強制的に買い得るという規定がはっきりまだ生きているはずでございますのに、ここに相対売買というようなことで、しかもパイロット地区においてそういう建前をとるというようなことになりますと、これは非常に農地法との関連において問題が重大だと、私はかように考えるのでありますが、そういうような点はいかに考えておられまするか、お尋ねいたします。まず大臣にお伺いいたします。
○周東国務大臣 お話の点、ごもっともでございます。私どもも、戦後における開拓政策について、一応帰ってくる人に職を与えるということでやったんですが、今日におきましては、ただいまお話のような点から見ましても、私どもの考えておる行き方から申しましても、増反ということをまず考えていきたい。その際に、今お話しのような、一たん国に買い上げまして、これをまた開拓させて分けるということも一つの行き方でありますが、むしろ本人との間で話し合いをつけて売買できるものはそれでやらしたらどうだろうかというような考え方を持っておるわけであります。
○東海林委員 農地法との関連をもう少し明確にしてもらわないと、非常にこの点が問題だと思うのです。
○伊東政府委員 パイロットといいましたのは、経営規模の拡大等で地元増反や何かと関連があるかというお話が第一点でございます。これは、まさに、われわれ、そういうふうに、今後の開拓につきましては、なるべく、今までは入植中心といいますか、そういうような考え方が強かったのでございますが、今後の開拓を考えていきます場合には、既存の農家の経営規模を拡大するのだということを主眼にして考えたらどうだろうか、そして、先生おっしゃいますような、従来増反にはほとんど補助金を出しておりませんが、今後は出すということで実は新しくパイロットと言ったのでございますが、地元増反にも今後出していこうということでございます。それから、これは、今まで国が建設工事を国営でございますとやって、あと仕事はたとえば補助になりますと県がやるとかあるいは団体がやるとかいうことでやったのでございますが、やり方としましては、一貫施工で、国営であれば国が下まで、土壌改良までやってしまうというような新しい方法でやろうということをきめまして、パイロットとしたわけでございます。 もう一点は、先生のおっしゃいました用地取得の問題でございます。それで、私どもこれをパイロットと言っておりますのは、まだ最終的に全部これだということを実は言っておるわけではないのでございます。そういう意味でパイロットと言ったのでございますが、また、われわれが未墾地買収をしまして持っておるところもございます。不適地で払い下げるところもありますが、最近の傾向としまして、実は、開拓適地の買収という問題は、いろんな理由からいたしまして、ここ数カ年は思うようないいところがなかなか買えないという現実がございます。それで、個々の例を見ましても、実は非常に自然条件、経済条件の悪いところが入っておりまして、不振になっておるものが非常に多数ございます。それで、われわれの方としましては、来年度、三十六年度の予算に要求しましたところには両方ございます。両方ございますが、国の持っております土地でやります場合と、それから、強制買収もしなくて話し合いがついたところにつきましては、今まではそういうところには開拓の補助金は一切出さぬということでやっていたのでございますが、補助金をパイロット的に出していったらどうか、試験的にやってみたらどうかということでパイロットという字を使ったのでございます。ただ、最終的には、実はこれは畜産局の方におきましても草地制度の問題をいろいろ検討しておるわけでございます。そういう問題等ございますので、未墾地全部についてどうするかという最終の結論は実はまだ出しておりません。
○東海林委員 開拓の過去の実績を見ますと、入植地において非常にいいものとそうでないものとあるわけですが、増反取得した土地が開墾されずあるいは利用されずにほったらかしてあるという例はそうないと思うのです。先ほど大臣も、今後は経営規模の拡大という点から増反に力を注いでいくのだと言われましたが、そういうときに、パイロット地区で用地の取得を一応話し合いでやらせるのだという考え方でいくと、せっかく大臣が増反の意味の開拓を今後積極的にやるとおっしゃっても、そういう思想が一応開拓の中に入ってくると、実際できなくなるのじゃないか、そういう点を私は懸念するのです。こういう話し合いの用地取得という考え方を開拓事業の一つの大きい柱の中に入れてくるということは、非常に今後開拓の推進のマイナスになるのじゃないかということを考えるのですが、そういう点はどうでしょうか。
○周東国務大臣 ごもっとものお説でありますけれども、未墾地に関するもので一応まだ買収してない土地ですね、それを、増反の問題が必要だからといって一たん政府が買い上げるという形をとらなくて、あっせんによって、たとえば国有林とか公有林地なんかは、草地造成というような問題に関しましても、農林地帯あるいは農牧地帯というものを考える、あるいは個々の土地を畑地に転換するという問題について、まずあっせんをしてやるということも一つの考えでありましょうし、それから、個人所有の場所の林野について話をつけるということも、当事者の話し合いを進めながら、その間にあっせんをするというようなことはまずやっていっていいのじゃないか。なるほど、政府が強制的にという言葉でなくとも必要というものの計画に沿ってある程度買収してやりやすくして持っていくということも一つの考え方かと思いますけれども、まず、段階としては、ただいま申したような考えをもって進めたいと思います。
○東海林委員 この農地法の改正についても政府で目下検討されているようでございますが、そうすると、この未墾地取得についての条文もこれを改正するような意図を持っておられるのでありますか、どうでありますか。
○伊東政府委員 未墾地の問題は、先ほど御答弁いたしましたように、草地等につきましていろいろ検討しております。そして、私どもは、どういう方法が最終的に一番いいかということにつきましては、そういう方の御意見を承ったあとできめようということで、今この段階で農地法を改正するという意図は持っておりません。
○東海林委員 今の点は私は納得できないのでありますけれども、押し問答しておっても何ですから、次に進みたいと思います。 今度は日本の土地改良の関係について伺いたいのですが、数年前から政府の一部並びに財界に、大体国内の食糧増産も相当成績をあげてきた、また特に豊作続きで非常に米がよくとれるようになった、外国からも食糧も入ってくるという状態になった、こういう状態からして、もう金のかかる海潮排水を中心とした土地改良はやらなくてもいいじゃないかというような議論がだいぶあったように聞いておるわけでありますが、今度の政府のこの新農政を見ますと、先ほどもちょっと触れましたように、果樹とか畜産とかいう方面に非常に重点を置いて、食糧増産についてはあまり重きを置いてないという観点からしますと、どうもこの灌漑排水という事業についての考え方が変わってくるんじゃないかということを懸念するわけなんでありますが、その点、大臣いかがでございましょうか。
○周東国務大臣 その点は、別に私どもは、最も必要な灌漑排水、土地改良に重要な一部分を占めておる灌漑排水というものの設置というようなことについて後退する意思はございません。ただ、地区的に、いかなる地域にどういうふうに土地を造成していくか、いかなる土地における農業をどうするか、それに対して水の問題がどういうふうになっているかということを考えていけば、当然その地区に対しての土地改良、用排水幹線というものに対する処置は並行して考えていくつもりでございます。
○東海林委員 私が伺っておる十年後の食糧の増産工合が現在に比べて一一%、この数字が違っておれば別ですが、もしそういうふうな数字が現在政府の考えておるところだとすれば、今の大臣の御説明のようにこの灌漑排水問題も相変わらず積極的にやるのだというようなこと、さらにほかのいろいろな資料に出ておる耕種技術の改善、こういうようなこととあわせて、どうもこの数字との関連が私には理解できないのでありますが、そういう点、いかがでございましょうか。この一一%という数字がほんとうならば、何だか、そういう積極的にやるというような点が、これは言葉だけで、実際はそうじゃないのじゃないかという懸念を持つのですが、その点、いかがですか。
○周東国務大臣 その点は、ただいま私が最後に申しましたように、その地方地方により、畑地でいくのか、水田でいくのかということはもちろん関連いたします。御指摘のように、果樹とかいうものが奨励される地域におきましては、もとより水は当然要るわけであります。畑地にいたしましても灌漑排水というようなものが一番大事なもとになりますから、水の少ないような場合他の工業用水との関連もございますが、当然それらも含めて灌漑排水というものを必要な場所には考えていく。と申しましたのは、今後、畑地造成にいくのか、あるいは水田造成にいくのか、あるいはその作るべき作物のいかんということはありますけれども、それらに必要な水路の設定ということに対しては当然考えて参りたい、かように考えております。
○東海林委員 灌漑事業の中に、水田だけでなしに、従来畑地灌漑というものに十分の力を入れてやってこられておったように思っております。従来の畑地灌漑の主たる対象は陸稲の増産にあったと思うのですが、そういう点は今後どういうふうにお考えになるのですか。今の大臣の総括的な説明の中に含まれるのですか、それともそれは別なんですか、そこらを伺いたい。
○伊東政府委員 先生おっしゃいましたように、畑地灌漑は、過去におきましては陸稲が相当部分を占めておることは確かであります。今後われわれが考えております畑地海潮の対象は、陸稲というものが減りまして、蔬菜でありますとか、果樹でありますとか、あるいはビートでありますとか、いろいろそういう畑作の果樹園というものの灌漑というものが主となっていくだろうというふうに考えております。実は、愛知用水が畑灌の日本で一番大きな規模の事業でございますが、あれには、従来は、草地の問題とかあるいは果樹園がほとんど入っておりませんで、陸稲が大部分でありましたが、今計画を変えまして、その畑地灌漑には飼料畑、あるいは果樹園というようなものを相当入れたりいたしております。
○東海林委員 私はここで農地局長にお願いしておきたいと思うのですが、さっきちょっと質問した中に、十年後の畑と田の面積を御回答いただいたのですが、そのうち、果樹園が何ぼになるか、飼料作物の割が何ぼになるのかというようなこと、その他の食糧増産関係についてどの程度これが充当されるのか、そういう点、それとさっきの一一%との関連をわかるように数字的に説明してもらいたいと思うのですが、これは今すぐじゃなくてあとでそういうものを説明していただきたいと思います。 次にお伺いしますが、従来、土地改良事業をやる場合に、採択基準ということで、経済効果というものを非常にやかましくおっしゃっておったのですが、工事に要する経費と、それから増産によって一体どの程度利益があるか、また土地改良をやることによって労力をどの程度節約できるかというような点で経済効果率を出してやっておったようでありますが、今のように飼料作物だとか果樹というような場合に、はたして従来と同じような土地改良の採択基準でそういうものに対する考え方はできてくるかどうかという点が、私若干疑問に思われるのです。今後の土地改良事業の採択基準というようなことについて、従来通りなのか、それとも今後は新たに変わってくるのかどうか、変わるとすればどんなふうに変わるのか、そういうような点を一つお伺いしたい。
○伊東政府委員 今御質問の点でございますが、実は、今先生のおっしゃいましたように、現時点ではまだ採択基準を変えておりませんが、労力の節約の問題でありますとか、あるいは今おっしゃいました酪農の問題、果樹の問題等入って参りますと、これはもう一回われわれとしましては採択基準の再検討をしようと思っております。それから、そのほかに、実は排水効果の問題とか、今先生のお話にありませんでしたが、単にこれは農業だけに利益が出てほかの一般の事業には利益がないかと申しますと、そうじゃない問題もかなりあります。そういう問題も含めましてわれわれとしては採択基準は検討したいと思っております。
○東海林委員 次にお伺いしたいのは、最近、各県に、県営とかあるいは国営の大きい土地改良事業で、地元負担金が納入されないというようなこともございまして、仕事が途中で行き詰まっておる、ある程度の金はつぎ込んだが、それ以上仕事を進めることができないで弱っておるというようなのが相当あるように聞いております。団体営以下のこまかいものは別としまして、国営、県営で一体どの程度そういうものがあるように農林省としては把握しておるか、その点をお伺いしたいと思います。
○伊東政府委員 これも私からお答えさせていただきます。 国営、県営というようなお話でございましたが、国営で出ておりますのは、北の方から申し上げますと、函館地区の大野というところがございましたが、これは最近話がつきまして工事をやることになっております。それから、関東に参りまして、群馬の鏑川、茨城の鹿島南部、これは両方とも畑灌が多いのであります。これは地元に問題がございましたが、鹿島南部の方については、話がついたということで、三十六年度から着工することになっております。鏑川につきましても、これはどういうふうにしますか、もう少し検討いたしたいと思います。それから、国営にあと二つございまして、一つは滋賀県の愛知川というところでございます。これは実は理由が若干違いまして、地元負担の問題よりも水没者の問題で話がつかぬところがございます。それから、一番南の鹿児島にいきまして笠野原というところに、これも畑灌でございますが、負担問題でもめておるところがございます。今申し上げましたように、大体は、国営で行き詰まりといいますか地元との話し合いがつかぬというのは畑灌地帯が多うございます。これは、従来、愛知川は別でございますが、その他の地区は、やはり畑地灌漑という技術は新しい技術でございまして、まだ農村方面では十分普及していないという問題と、畑灌につきましては全部の施設がどんどん新しくなります。水路も水源施設も従来のものを使うというようなことは、水田ですとかなり出てくるのでございますが、畑灌にはございませんので、負担の問題が出て参ります。そういう効果の問題、負担の問題等で、今申し上げましたような地点に問題があることは事実でございます。それで、これは内地ではございませんが、実は、北海道につきましては、来年度から水田関係の国営事業の負担率は若干下げまして、畑地については畑地の補助率を上げていく。団体営でありますが、全部一割アップいたしました。北海道につきましては、畑地の負担というものが水田に比べて重いかもしれぬというようなことで、畑地の補助率を実は一割アップしたようなことがございます。それで、われわれとしましては、今後畑地の問題については畑灌の効果の引き上げの問題もございます。負担の問題等についてもっともっと考えていくべき問題はあるだろうというふうに私どもも思っております。県営は、これも途中で今度廃止になりますのが全国四百二十地区のうちで十六カ所ぐらい廃止いたしました。これも理由はいろいろございますが、中にやはり畑灌の地区もございます。団体負担の問題あるいは経済効果等の問題で地元との話し合いがつかなかったというふうなことでやめた地区がございます。これは、もう一つ言わせていただきますと、過去におきまして、十分受益者の納得といいますか、そういう手続に欠けるものがあったのじゃないか。過去におきまして増産々々という声で受益者の十分な納得を得ないで手をつけたと思われるような節もございます。今後につきましては、これは、手をつけますときには三分の二といういうことをはっきり書いでございます。受益者大多数の同意を得てやっていくというやり方でやっていきまして、手をつけましたならばそういう事態にならないように注意をしていきたいと思っておるのでございます。
○東海林委員 今の局長のお話は非常に楽観しておるようでありますが、私どもの知っている範囲では、この問題は非常に深刻なように思うのです。確かに事業を始めた当初は食糧増産というようなかけ声で大きな期待を持ってやったのが、だんだん食糧増産ということを政府でも大して重んじなくなったというような問題もありますし、農家の経済から言っても非常に苦しくなってきた、こういうことがあるわけです。こういう途中で行き詰まったような場合に、たとえば十億の事業費で始めた事業が三億なら三億かけた途中で事業が行き詰まったというような場合に、その責任の所在は一体どこにあるというふうにお考えになっておりますか、お聞きしたいと思います。
○周東国務大臣 これは、私は一がいに言えないと思うのです。初めから設計とかその他の問題が誤まりであるとかいうような問題ならば、設計をいたした方に責任が出てくる。監督上のこともあります。しかし、いろいろな経済上の変動に基づくというようなことであれば、またこれは変わって参ります。ことに、ただいまの問題は、今局長から説明いたしましたように、特に畑地灌漑というものに対しては日本では従来あまり経験がない。これは東海林さん御承知の通り、外国では非常に設備を持って自由自在にやるという形でよほど生産を上げておりますが、なかなか日本ではそこまでいっておりませんし、またそういうふうな経験がないというようなことから意欲が少ないとか、それだけ負担をするのだったらやらぬといういうような問題が出てくるということもございますから、一がいに責任の所在というものがどこにあるかということはわかりませんが、私は、そういう問題は、むしろいかにして今後行き詰まったというものの原因がどこにあるかということを調べてその原因を突き詰めてそれを補完していくかということがまずやるべき一つの仕事じゃなかろうか、かように考えております。
○東海林委員 今後新たに仕事を始めるときには、再びあやまちを繰り返さないように、事前に十分よく関係者に説明し、納得した上でやっていく、こういう態度というものはよくわかるのですが、ただ、現実に行き詰まっているととろの土地改良区、そういうものをどうするかということになりますと、これは非常に私はむずかしい問題だと思う。これまで、県だとか農林省の方に聞きますと、とかく形式論が出るのです。土地改良をやるのは、関係者が作って計画を出して、そうしてそれを申請するから、それを認めてやっているんだ、責任は関係者にあるんだ、こういう議論が形式論として出るのです。ところが、実際は、大きな土地改良区になりますと、決して農民にそういう計画を立て得る能力があるわけではないのでございまして、農林省なり県の役人がそれぞれ計画を立てて、こうやったらどうかというのを地方の有力者に話す、そうすると地方の有力者がそれを農民に話してやるというのが形だと思う。従って、多くの場合、これはなるほど厳密に言えば今度の場合は相当差はございますが、やはり、国なり県なりというものが相当責任を持って、現に行き詰まっている問題を解決する、今後やるものについては別として、現に行き詰まっているものについては積極的にやはり心配してやる必要があるのじゃないか、こう思うわけであります。今度のこれを見ますと、農林省においてもややそういう点を考えたかしらないが、土地改良整備対策費というのが新たに出ておる。大臣は御存じないかと思いますが、五十八万一千円なんです。こういう金で、現在非常に各地で大きい問題があり困っておる問題を解決できるという考え方でもしありとすれば、私は非常に実情と違うのではないかと心配するわけなんです。そこで、まずこの新しい土地改良整備対策費の五十八万一千円、これはモデル実施指導というようなことが説明に出ておるのですが、一体とれで何をやろうと考えておられるのか、まずこれについて伺いたいと思います。
○伊東政府委員 私からお答えいたします。 私ども、それで十分とは全然考えておりません。これは、今まで、土地改良区の合併あるいは旧債の問題、いろいろそういう問題が実は言われておるわけであります。それで、われわれは、その金でどっか数カ所に今までの土地改良区を合併してやっていったらいいのか、旧債の問題等があればどういう形がいいかというようなことをモデル的に調べてみたい、こういう費用の計上だけであって、そういうもので基本的な問題を全然解決するということは考えておるわけではございません。
○東海林委員 大臣が帰られたのでちょっと工合が悪いのですが、さっき局長から北海道における水田と畑地に対する土地改良区の補助率を少し変えるというようなお話があったのですが、今度新しい農政の転換をする、こういう際に、土地改良区に対する補助率なりあるいは融資の金利ということについて何とか考え直す御意向が農林省にはないのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。外国等の例を聞きますと、補助率等ももっともっと高いようですし、また、金利についても非常に長期で低利だというように聞いております。日本でも、一般の金利は下げておりますし、また、この間も、中小企業関係についても、ごく一部でありますが、国が商工中金等に対する出資を増額しまして金利の低下をはかるというような措置を一応考えておるのですが、農林省はこういう点についてどういう考えを持っておられるか、伺いたいと思います。
○伊東政府委員 土地改良なり土地改良補助率のお尋ねでございます。金利につきましては、先生御存じのように、一番低いのが三分五厘で出ております。これが実は地方に非常に需要が旺盛でございまして、それで、大体百二十億でございますが、今、三分五厘の金利ならば、団体営の指定補助率でやってもらうよう有利だ、早く完成できるということで、非常に要望がございます。金利体系は今そういうことになっておりますが、われわれとしましては、補助率、金利の問題については、北海道については先ほど申し上げましたが、今後の水田、畑作の問題をどういうふうにするかということがございますので、特に補助率等につきましては、今後、水田と畑の経済状態、経営状態がどういうふうになるかということを考えまして、合理化していくということは考える必要があるかと思いますが、今現在のところで、来年度の予算ですぐに土地改良事業の補助率をいじるというところまでは実は考えておりません。
○東海林委員 最後に大臣にお伺いしたいのですが、かつて、町村等の地方自治体で非常に財政が乱れたというような場合、あるいは農協で非常に不振な農協が出たという場合、特別立法をして、再建整備のために国として非常にこれに対して指導し援助したという例があるわけです。現在土地改良区で非常にそういう点で困っておる団体がたくさんあるわけでありますが、そういう前例も考えて、不振土地改良区の再建整備法というような形において何とかこれの道を打開するための法制的な措置を考える御意向がないものかどうか。私としてはぜひそんなふうなことも御検討願いたいと思うのですが、そういう御意思があるかないか、お伺いしたいと思います。
○周東国務大臣 ただいま当局から御説明をいたしましたように、行き詰まった土地改良区についての建て直しということを些少ながら考えておりますが、それだけでは、承っておりますと、なかなか済まぬ問題が各地にあるようであります。ただいま御指摘の問題、御意見は拝聴いたしまして、私、よく現状を調べた上、必要があらば検討して、そういうような処置も考えてみたいと思います。
○東海林委員 大体以上で質問を終わるんですが、あらためて資料要求としてお願いしたいと思います。国営並びに県営事業の現在までの進捗率と、今御質問しました特にその中で事業不振団体がどういうような実態にあるか、そういうようなことをまとめた資料を一つ出していただきたいと思います。
○伊東政府委員 進捗率はすぐにもお届けいたしますが、事業不振団体の調査につきましては、若干御希望に沿いかねるかもしれませんが、できるだけ資料をお出しいたします。
○東海林委員 これは、個々というよりは、どういう理由によってなっているかというような点を特に明らかにしてもらえばいいんです。
○坂田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時四分散会