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38回国会衆議院1961/02/08

農林水産委員会 第2号

発言数
47
登壇者
10
会派数
2
開催日
1961/02/08

会議録

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  国民所得倍増計画のうち主として農業所得の問題について経済企画庁から説明を聴取することにいたします。大來総合計画局長。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 お手元に「国民所得倍増計画」十二月二十七日閣議決定の分が参っておると存じます。この計画の閣議決定までのいきさつにつきましては、昨年の十一月一日に経済審議会から総理大臣あての答申がございまして、その答申を政府部内で検討いたしました結果、この刷りものの最初の別紙にございます「国民所得倍増計画の構想」とあわせまして、政府の経済計画として決定するという次第になったわけでございます。従いまして、農業問題につきましても、この構想と、それから第一部以下の内容とあわせてごらんいただくことが必要なわけでございます。  まず最初に、倍増計画の第三部に農業の問題が記述してございますので、五十四ページをお開き願いたいと存じます。こちらに3といたしまして農林漁業の近代化というのが五十四ページの中ほどにございますが、ここにございますことは、この倍増計画の中で農林漁業の考え方の一応の基本的な筋を示しておるわけでございます。  まず、農業につきましては二つの大きな変化の要因が予想される。第一は農業人口の減少であり、第二は食糧消費構成の変化である。農業人口は戦前固定しておりましたけれども、最近は、経済の高成長を反映いたしまして、特に新規学卒者の農業への就業が減少し、この趨勢が続きますと、十年後には農家は約五百五十万戸、就業人口は、現在の四分の三程度の千ないし千百万程度に減少するものと見込まれる。食糧消費構成におきましては、澱粉質食糧の比重が低下し、畜産物、果実、油脂等の消費が飛躍的に増加するというような見方になっております。  このような条件の変化に対応いたしまして、農業構造の近代化をはかり、他産業の所得水準と均衡のとれた農業所得を確保できる自立家族経営の育成、零細家族経営の協業化というようなことを進めていくことが必要となる。その場合に、自立家族経営として百万戸程度というものが考えられ、それ以下の経過的非自立経営と完全非自立経営というような考え方をいたしておりますが、この中間部分はだんだんと分解して、一方におきまして完全離農者が出て参りますし、他方において農業自体は農業として十分成り立つという形の経営に将来は分かれていくというふうな考え方でございます。  それで、このような構造変化に対応いたしまして、米は約一割増、麦は約一割強の減、それから、蔬菜、果実あるいは畜産物等は大幅な上昇を予想いたしております。  さらに、生産性の問題でございますが、五十五ページの下から七、八行目にございますように、農業部門については所得の成長率は二・九%と見ております。これは経済の成長率よりも低いわけでございますが、農業以外の部分では、急速な労働力雇用の増加がございまして、生産の伸び率も高いわけでございますが、雇用の増加も大きい。従って、一人当たりの生産、つまり生産性においては農業部門が他の非農業部門よりやや高いというような考え方になっておるわけでございます。過去におきましてはこの間の格差がだんだんと開く傾向があったわけでありますけれども、今後はこれをだんだんと縮小して参るというような考え方になっておるわけでございます。  このような農業対策の実現のためには、農地制度、相続制度等を再検討するとともに、従来の米麦増産的農業政策を反省し、畜産、果実等を含めた総合的な農業政策を急速に発展させる必要がある。  それから、農業投資の方向は、次の五十六ページにございますが、大圃場整備事業の拡充、大型機械、農業共同施設、家畜資源等に対する政策の強化に置かれている。新しい方向といたしましては、農村生活の向上等に資するような、住宅、上下水道、道路等、農村再開発事業への配慮が必要となる。なお、生産、流通、加工にあたって農業協同組合の強化と活用、さらには農林漁業を貫く協同組合組織について施策が必要である。  大体、この倍増計画の農業部門は、従来農林省の基本問題調査会の検討の結果に大体において基づいておるわけでございます。  なお、計画全体といたしまして、これは計画の前の方に、国の経済規模、国民所得あるいは国民総生産をおおむね十年間で倍増すると、おおむねということが入っておりまして、これは情勢がよければ九年くらい、さらに条件がよければ八年くらいで達成される可能性もあるということを言外に意味しておるわけでございます。最近二、三年の成長から申しますと、一昨年が約一八%、本年が一一%というような伸びをいたしております。十年倍増の場合には年率七・二%になりますが、成長を先取りいたしまして、かなり繰り上がって成長いたしておるような傾向がございます。そういう点も含みまして、おおむね十年、もしも十年以内に倍増する程度に経済が伸びます場合には、この農業人口の減少ということも、ここで指摘しておりますよりもさらに急速になる可能性があるわけでございます。  さらに、この倍増計画の農業投資の面につきまして、これは実はいろいろと審議会の答申が出ました後に問題になった点でございまして、国の経済成長一応十年倍増の場合におきます公共部門の投資に向け得る行政投資の大ワクというものを経済規模から算定いたしまして、その算定に基づきまして必要な行政投資の中身に対する配分というものを試みておるわけでございます。この結果は、ただいまの資料の二十二ページ、第十表に「行政投資実績および計画期間中の投資額」というものが出ておりまして、これがよく言われております計画期間一兆円、これは非常に問題になった点でございます。これは後ほど申します「構想」の方である程度この数字について弾力的な考え方をするという方針が出されておるわけでございますが、一つには、行政投資というのは、公共事業的な概念に該当するものを選んで行政投資にあげておりますので、畜産業の発展その他農業の近代化についての施策は、この行政投資にかなり含まれておらないものがございます。どういうものが含まれておりますかは、備考の2の(3)に書いてあるわけでございますが、それ以外のものが行政投資の農林水産業に入っておらないという点が一つございます。さらに、融資ペースのものも、この行政投資にはそういう意味では近代化関係のものが入っておらないという点もあるわでけございます。  もとに戻りまして、最初の「国民所得倍増計画の構想」でございます。目次の次のページにございますが、この中に「(3)計画実施上とくに留意すべき諸点とその対策の方向」としてございまして、ここに「経済審議会の答申の計画は、これを尊重するが、経済成長の実勢はもとより、その他諸般の情勢に応じ、弾力的に措置するとともに、経済の実態に即して、前記計画の目的に副うよう施策を行わなければならない。とくにこの場合次の諸点の施策に遺憾なきを期するものとする。」といたしまして、以下「農業近代化の推進」として、「国民経済の均衡ある発展を確保するため、農業の生産、所得及び構造等各般の施策にわたり新たなる抜本的農政の基底となる農業基本法を制定して農業の近代化を推進する。これに伴い農業生産基盤整備のための投資とともに、農業の近代化推進に所要する投融資額は、これを積極的に確保するものとする。なお、沿岸漁業の振興についても右と同様に措置するものとする。」、こういうふうに特に留意すべき点として農林漁業の問題が掲げてございます。この点は、農業基本法の制定等にかんがみまして、倍増計画の中で一応の投資規模が経済審議会の答申として出ておりますけれども、これはさらに基本法制定その他の情勢と勘案して十分に検討を行なうという意味になっておるわけでございます。  以上、概略ですが、御説明を終わります。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 ただいまの説明に対する質疑は後日に譲ることといたします。      ————◇—————

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 次に、農林漁業災害に関する件について調査を進めます。  東北、北陸地方の雪害問題について質疑の通告がありますので、これを許します。大野市郎君。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 昨年の十二月三十日から降り続きました降雪のために、近年まれな、あるいはここ七、八十年まれな大雪が東北並びに北陸地方を襲った次第でありますが、この豪雪のもとにおきまして、諸般の住民に対する直接の損害あるいは耕地その他交通の麻痺のための間接の損害など、莫大な被害が惹起されたわけであります。いずれそれらの被害の詳細については委員会の被害調査の御進行によってさらに明らかになってくると思いますし、また、恒久対策については別個にいろいろ御検討いただく機会があると思いますので、本日は当面ただいますぐに困っております農林災害についてだけ限定をいたしまして、いろいろ質疑をいたしたいと思うわけでございます。  そこで、当面急に迫りました農林災害といたしまして、実は果樹園の全滅にひとしい災害があるわけであります。これは、昨日農林当局の調査結果がわれわれの手元にも配付されまして拝見しましたが、果樹園、果樹だな、これだけのものに限定をいたしましても、実は、その被害が、御報告の程度であっては、まことに遺憾なことでありますが、僅少に過ぎる見積もりであると見たわけであります。これは雪解けとともにもっとはっきり出るわけでありまするが、私どもが被害地を見に参りましたその経験にかんがみまして論及できまするのは、かろうじて雪の上に果樹の頭の部分と枝が露出しておる地帯、その被害状況だけを見ましても、莫大な被害の状況であります。たとえばナシの主産地でございますが、そのナシの主要地のあたりは、三十年からの大きな樹木が幹までなまなましく雪の重みで裂けておりまして、これらは苗木を植えかえる以外に方法がないという悲痛な叫びを、地元の農民の諸君から聞かされて参ったわけであります。  そこで、その被害の御調査も綿密になさったことと思いますが、二、三私どもが現地でなるほどと思った点がありまするので、これをまず御参考にしてもらいたい。それは、たとえば桃の木でありましたが、雪の上に桃の枝がすくすくと伸びて露出しておったので、これは助かったかと思って参りますと、雪の中につぼみごと沈んでしまった桃の枝は、芽をふく時期になっても、これは凍死をしておって開花をしない、こういうわけでありまして、生きている芽のついた枝を凍死をしてしまった桃の枝とを折ってくれまして、比較をしてもらいたいと差し出されたのであります。こんな工合で、一目で見ても、われわれしろうとではちょっとわかり得ないようなことでありますが、開花期に花が咲かないということになれば、これはその年も全滅なわけであります。ところが、驚いたことに、桃、クリ三年カキ八年とかいう俗説があって、三年もたてばよかろうというような話をしますと、いや、とんでもない、企業として採算が立つのは、桃のごときでも三年などではなくて七年からかかる、すべての果樹の企業としての採算のとれるのは、そういう長い年月を要するので、われわれは途方に暮れておるのだと言うのであります。特にナシの木などの状況を見ますと、御承知のように、枝を張って、果樹だなを地面に打ち込んで、そこで八番線の太い鉄線を鉄条網のように張りめぐらして、その枝をささえる。この八番線が積雪に埋もれてしまいますと、朝起きて頭の上の雪を払いのけてやっても、今回のような豪雪のために時期を失して、鉄線がばらばらに切れておる。われわれが行きましたときも、その鉄線はぴんと張って枝を押えているように見えましたので、これは助かったのかといいますと、農民の諸君がその鉄線を小指の先でひっかけまして上にはじきますと、八番線の鉄線がずるずるっと切れておりまして、根元で切断されておって抜け出すのであります。この果樹だな自身も、雪が消えるとばたばたと根元から折れて倒れておるのだというような説明でありまして、それを立証するためにそのたなをひっこ抜いて見せてくれたりなどしたのであります。こんなわけで、目で見た状況と、そういう鉄線の切れ工合なというものから判断しますと、農林省が早期にきのう発表された被害のごときはとても及びもつかない大被害が考えられるわけであります。しかも、そのあとで起きるのは、野鳥あるいは野鼠、これは根元に巣を食っておって、雪が解けて頭が出てくると、一番おいしい木の芽、木の皮をかじるわけであります。これから被害が出るわけであります。  そんなわけで、きょうは中間の御報告でもあり、われわれは被害の大きいことを期待するのじゃありませんけれども、被害が大きいのが現実であろうと思うので、御注意を喚起したいと思うわけであります。  被害状況についての特性としてさらに激増するであろうというわれわれの予測、それから、農地の復旧のような雪解けにつれて明確に予想せられるのは将来の論議の問題として触れませんが、先年茨城県のひょう害を委員会としても参りましてこれの視察をし、また対策を講じた経験がございますが、そのときでも、果樹がひょうの害によって枝がむくれて赤身が出ると三年は不作である、その年の花が落ちただけではないので、三年は実がつかないという現地の悲痛な叫びを聞いた経験がございますが、今回は三十年からの樹木がもうさけ切って倒れておるのでありますから、これから苗木を入れて育てるということになると、三年でも足らない。七年はかかるという悲惨な実情であります。われわれが将来の適地作物として、あるいは需要に向く作物として果樹をねらいにしておりまする今日この際、果樹園の災害復旧に対して格段の政府の施策が施されないならば、果樹の栽培をいたす諸君ははなはだ不安にかられるに違いない。ただ、誤解のないように、少量の雪であれば何でもなかったのでありますが、今回は特に三十年の樹木が幹そのものが折れるほどの豪雪であったことでございますから、適地適作ということはどうかというふうな疑問は、この被害に対してはお持ちをいただかないでいただきたいのであります。この点は誤解を生ずると大へん残念でありますので申し上げておきますが、特別に今回の果樹園地帯の被害はひどいのであります。  そこで、その特徴を申し述べましたあとで、この際農民諸君を安心させてあげる方法があるかないか。今日までの災害対策として、現行法によってはその運用によってどこまでこれらの果樹園の災害復旧についてはっきり御援助をいただけるか、農村に安心を与えていただけるか、この具体的な方途について御質疑をいたしたいと思いますが、詳細にお答えを願いたいと思います。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 ただいま先生のお話のありました通り、今回の北陸、東北におきまするところの豪雪に伴う果樹災害は予想以上に大きいものがあるのではなかろうかというように想像されるわけでございまして、特に新潟県からはいち早く被害状況の調査につきましての報告もございましたので、振興局といたしましても、特に被害の大きい果樹関係についての専門家をさっそく現地に派遣いたしまして、つぶさに状況を見て参ったわけでございます。  今回の被害が、何しろ現在のところ積雪が一、二メートルにも達するというような状況でありましたので、詳細にいまだ被害の状況はつかみ得ないというのが率直に申しまして現在の状況であります。ただ、これらの報告によりますると、お話にもありましたように、例年にない積雪量、二倍、三倍に達する積雪量でありまして、しかもそれが短期間に降り積もった関係で被害もそれだけ大きくなる。また雪質がきわめて比重の高い関係もあったということで、果樹に対する被害が特に大きくなったという報告も受けております。その結果、今お話がありましたように、あるいは果樹につきましては、主幹部分でさえも分岐点が裂けるというような状態が見られ、また、果樹だな等につきましても、今お話がありましたように、鉄線が切れる、あるいは果樹のコンクリートさくさえも折れておるというようなこともありますので、今後の融雪に伴ってどのような被害が出てくるかということを待つ以外にないのでありますが、相当の被害であろうという二とは想像にかたくないのであります。  これらの災害に対しまするさしあたりの対策をどうするかという点が一つと、今後の復旧をどうするかという点が第二の問題でございますが、さしあたりの技術的な指導ということにつきましては、今申し上げましたような状況で、現在雪の下に多くの果樹が入っておるというような状況でありますので、さしあたりの技術的な指導といってもなかなか困難な部分が非常に多いのであります。たとえば、今後雪の解けるに応じて一そう枝が折れてくるということを最小限度にとどめるためには、何をおいても除雪をし、あるいは折れんとする枝条をささえるような手段も必要かと思いますけれども、同時に、一方降雪を見つつあるというような状況下でありますので、そういうようなことの指導自身にもなかなか踏み切れぬ部分があろうかと思われるのであります。また、なまじっか掘ることによりまして、今先生のお話がありましたような野鼠の被害、野鳥の被害というようなものも出てくるおそれもあるわけであります。従って、結局は、そういうようなことも考えられますけれども、融雪後における措置を待って、できるだけ今後の復旧対策を講ずるということに主眼を置かざるを得ないのではなかろうか。もちろん、積雪中における技術指導対策については、できることでは今申し上げたようなことをやっていくということでありますけれども、主としては融雪後の対策について考えていくということにならざるを得ないのではないだろうかと思われるのであります。  農林省といたしましては、従いまして、今の状況下におきましては的確な被害の状況というものがまだ判明し切れないという状態にありますので、これらの被害の判明を待ちまして、従来これらの果樹の災害に対する措置の例もございますので、十分その措置に従って検討いたして参りたいと考えるのであります。ただいまのところの被害の状況でございますると、たとえば農作物全体をとりましても、昨日の農林省の資料にありますように、十一億程度のものでありまして、林産物を除くと六億程度の農作物被害ということに相なるわけであります。従って、従来でありますならば当然天災融資法の発動ということも考えられるわけでありますが、現状におきましては、今申し上げたような被害程度であるということでありますると、これらについての被害の状況をもう少し待って検討すべきではなかろうかというようにも考えられるのであります。また、果樹だなの被害につきましては、これは従来農林漁業金融公庫の災害資金の中から融資をするという措置をとっておったのでありますが、これも、今の天災融資法の発動とあわせて、今後被害の状況の判明を待って早急に検討すべき問題であろう、かように考えておるわけであります。  いずれにいたしましても、この融雪後におきまする果樹の復旧につきましては、樹園の整備であるとか、あるいはさらに全面的に改植を要するようなところも出てくると想像されるのでありますが、さような場合における園地の整備であるとか、あるいは、さらに、改植程度にとどまるものでありますならば、各種の継ぎ木、高継ぎ、芽継ぎ等によりまして、樹枝の回復をはかるような措置を講ずるとか、あるいは樹枝に対する保護の措置を加えるとかいうようなことについて、具体的なことも考えられるかと思うのでありますが、現状におきましては、今申し上げましたように、いまだ被害の状況を融雪を待って確定していくということがまず第一の措置だろうと思いますので、そういうこととあわせまして目下検討を続けておるという状態でございます。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 ただいま局長から大まかな見通しについてのお話を承りましたが、天災法の発動が行なわれるかどうかは、その他の災害と相持って判断の基礎になることと思いますので、この点は本日結着を申すわけにはいかぬかとも思いますが、私どもに、天災法発動の範囲に当然入る悲惨な被害であると確信して、その対策を待っておるわけであります。  そこで、この機会にお願いいたしたいのは、冒頭申し上げましたように、この委員会を通じまして、被害を受けた農民諸君が、どんなことを国会は考え、政府は考えておるか知りたいのでありますが、それについては、大へん恐縮でありますが、たとえば主務大臣指定災害復旧資金の手続、あるいは自作農資金のワクの問題とかについて、ごく簡潔に農民諸君が理解できるような説明の仕方でこの委員会でちょっと述べておいていただきたい。

松岡亮農林事務官(農林経済局参事官)

○松岡説明員 ただいまの大野先生の御質問の点でございますが、経済局といたしましても、振興局あるいは県当局の方からいろいろ状況を聞いておりますので、目下金融の方からの対策としてとり得るものはどういうものか拠るかということを検討いたしておるのでございます。そのうち、天災融資法の関係は、ただいまお話がありましたように、直ちにこれが発動できるかどうかということは、今後の状況を待たなければならぬと思うのでありますが、お話しの果樹だなにつきましては、今日までの例といたしましては、農林漁業金融公庫の主務大臣指定災害指定地でこれに対して融資をいたしております。それにつきましては、主務大臣でありまする農林、大蔵の両省の意見が一致いたしまするならば、災害の実態が判明した上で、これは相当なものであるということで、融資するのが妥当であるということになりまするならば、この関係からの融資が一つ対策として考えられるのではないか、かように考えておるのであります。  また、お話がありました自作農維持資金につきましては、これは実は従来天災融資法が発動されました際にこれを適用するように運用しておりまするので、これは天災融資法を発動するかどうかということが今後きまりました上でのことでありますけれども、さしあたりといたしましては、すでに自作農維持資金のワクを昨年の十二月で使い切っておりまするので、天災融資法がもしも発動された場合におきましても、その点についてさらにどうするかということの検討が必要である、かように考えております。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 まず、主務大臣指定災害復旧資金の利率、条件などについて、お互い承知しておることでありますけれども、つけ加えていた、だきたい。  それから、ただいまの、自作農資金か十二月でワクが切れておるので天災法の指定があってもなお相談ものだというのは重要なことでありまして、国に予備金もあり、災害の場合には、そんなことはあなたの方の中の話ではあるかもしらぬが、当委員会で言うことはならぬことである。そんなことでは、被害を受けた人たちは事情がわからぬからはなはだ心配をするのであります。こういう点についてもっと明確にしていただきたい。

松岡亮農林事務官(農林経済局参事官)

○松岡説明員 第一点の、主務大臣指定災害復旧資金の条件でございますが、これは、貸付の利率が年に七分でございます。それから償還期限が十五年以内で据置が一年以内、かようになっております。  第二点の自作農維持資金でございますが、私ちょっと説明が足りなかったかと思いますが、実は、昨年の十二月に、もう大体災害がないのではないかということから、自作農維持資金で留保しておりましたワクを出したのでございまするが、もちろん、農林公庫の中には大きな資金がございまするので、これについて、非常に重大な事態が起こりまするならば、その間において彼此融通の措置を考えるということは、今後の問題として研究できることではないか、こういうように考えております。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 自作農資金の問題で、たとえば新潟県の例を見ますと、二千万円から予算のワクがまだあるのだというようなことを地元から聞いておるのでありますが、まだ年度の半ばでありますが、なくなってしまったというのは、予備費に手をつけるまでもなく、割当のものまで食ってしまったというのでありましょうか、もう一回伺いたいと思います。

松岡亮農林事務官(農林経済局参事官)

○松岡説明員 その点、私なおお話もございますのでさらに検討いたしたいと考えまするが、今まで決定されましたワクについては、一応それをおろしておる、こういうことでございます。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 特に自作農の資金の問題につきましては、私が御注意を申し上げたように予備費もあることでございますから、この点、災害地は敏感でありますので、部内の事務経過については必要がないと思いますが、結着の事柄を御要求するわけであります。  それから、主務大臣指定災害復旧の問題で、やはりそういう意味合いにおいてはワクが一応あるものでありましょうか、それらは今日の状況でどんな程度になっておりますか。

松岡亮農林事務官(農林経済局参事官)

○松岡説明員 ワクはなお残っております。ちょっとここに資料を持って参りませんでしたが、大体二億程度残っておるのではないか、かように考えております。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 いろいろ金融面だけを取り上げて詳細に御説明を願ったわけでありますが、この点一つ、今の質疑応答にございましたように、被害民が七年間食うや食わずというような状況を訴えておりますので、据置期間一年間というような問題自身も、災害の問題全般を検討するときにはまたわれわれは問題にしたいと思います。現行法の範囲内のお話でありますので質問を一応これだけにしますが、どうか一つ、災害の問題は非常に神経質になっておりますので、格段のあたたかい気持で見守っていただきたい。  なお、振興局長のお話のうちに、野鼠の害にかからないために雪を掘らなければよかろうというような聞き方になるような御発言がありましたが、これは実情を御承知ないから思いつきであろうと思いますが、もちろん雪は掘らなければなりません。雪は払いのけて枝を支える設備が必要であります。それらの費用もまさに災害の大きなものだと思いますから、この点、実情は違うので、振興局長一つ雪を一ぺん見にいっていただきたい。このようなこともつけ加えて、災害の中に枝を支える復旧費が入るのだ、こういうことにわれわれは考えておりますが、局長はどんなふうにお考え直しを願えるか、一言お聞かせ願いたいと思います。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 野鼠の害におきましては、今先生のおっしゃられた通りでございまして、私もそのような趣旨のことを申し上げたつもりでございます。  それから、復旧の資材につきましては、これは、当然、天災融資法等も発動されれば、必要な経営費として入るのではないかと思います。それから、同時に、公庫の方の復旧資金の中にもそういうものが含めて考えられるのではなかろうかと思いますが、なお検討してみたいと思います。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 金融はわかりましたが、なお、苗木あるいは肥料その他についても毎々いろいろこの点についての国の援助があったはずでありますが、この点についてつけ加えて御説明をいただきたい。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 果樹の復旧につきましても、実は直接の助成措置というものは従来はあまりないのでありまして、先般の伊勢湾台風あるいはその前の十五号の台風等における山梨、長野に対する措置も、原則として融資措置でほとんど終始いたしたわけであります。そうでありますが、現在の被害の実態がどうなのかということに応じたいろいろの検討をしてみる必要があろうと思いますが、従来はそのような建前になっております。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 最後に、政務次官がおられますので、政府としてのかたいお気持を一言述べていただきたいと思います。

八田貞義自由民主党農林政務次官

○八田政府委員 ただいま事務当局から説明申しましたように、現行法に基づいての対策について申し上げたのでございますが、十分に今の御質問の趣旨を織り込みまして、あたたかい気持で復旧対策に進んで参りたいと思います。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 石田宥全君。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 ただいま大野委員によって雪害の状況はつぶさにお述べになりましたし、またそれに対する緊急措置としての金融面その他についてもお話がありましたので、私はそれに触れようとは存じませんが、きのう報告になりました資料は、ただ県からの報告を集計したにすぎないのであります。雪害は、御案内のように、被害が現われて参りますのは雪解けを待って今後にかかっておるわけであります。しかし、ただ県からの報告を集計しただけでは全く権威のないものでございまして、政府がいかなる措置をとるについても、やはり農林省独自の調査機関があるわけでございまして、これについて統計部長さんに伺いたいと思いますが、最終的な被害の判明はもちろんずっと後になると思いますけれども、現在は現段階においての被害というものがやはり把握できる状態であると私は考えるのでありますが、統計の方ではいつごろおおよそその集計が行なわれるお見込みでありますが、お聞かせ願いたいと思います。

久我通武農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○久我説明員 ただいま御指摘のございました通り、農林省といたしましても目下調査中でございまして、来たる十五日に第一回目の報告が参ることになっております。直ちにとりまとめ次第委員会の方へ提出いたす予定でございます。  なお、御指摘の通りに、雪が降りました場合には、雪そのものでの害ばかりではなしに、それによりまして、雪解けのあとからいろいろの病虫害が発生いたしましたり、先ほど御指摘の野鼠等の害も出て参りますので、それらにつきましても順次調査をいたしまして御報告申し上げる予定でおります。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 部長さんの今の御答弁で大体のめどはつくわけでありますが、御承知のように、実はことしの被害は例年にない豪雪だものでありますから、足が奪われまして、ときには汽車もとまる、電車も不通になる、白根市のごときは完全に孤島のようになってしまっておるわけであります。ことに統計事務所の活動の機能がどうもきわめて不十分なようであります。これに対しては、やはり、雪の中ではオートバイを持ち出しても仕方がありませんが、しかし、予算的にはそれ相当な予算を見ていただきませんと、なかなか実態の把握が困難ではないかと思うのであります。どんな被害でも常に似たようなところはあるけれども、雪の被害は特別な関係がありますので、そういう調査費用についての御配慮がありますかどうですか。

久我通武農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○久我説明員 今回の豪雪によります害につきましては、ただいま御指摘の通り、特別の調査費用が要るかと存じまして、特に本年度の予算の中で急遽やりくりをいたしまして、適当な金額を特に統計事務所に出すということを処置してございますから、どうぞ御安心になって下さい。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 次に、国鉄の当局に伺いたいのでありますが、来ておられるのは貨物課長さんでしたか、実は新潟県は十三万トンないし十四万トンの肥料の輸送を国鉄の貨車輸送に依存しておるわけです。ところが、一月中には肥料の輸送はほとんどストップしてしまって、一月中の輸送量は二月に繰り越しをしたわけです。それが八千三百トン、それに二月分が一万八千トン、三月分が四万トン以上、四月分が六万六千六百トンというような数字を計画しておるのでありますが、ただいまのところ計画量の一〇%程度の輸送でストップの状態です。今のような状態でありますと、春肥の手当が不可能になるという実態にあるわけです。いろいろ地元では検討いたしておるのでありまして、貨物輸送がきわめて困難であるというならば、あるいは船で回していけるところは船で回すということも考えられましょうが、船で持っていきましても、あとはトラックなり、場所によってはトラックも困難であって、やはりまた貨車を使わなければならぬというようなことで、鉄道に依存する度合いが非常に強いわけです。私はきょうは春肥の輸送の問題にしぼって申し上げておるわけですけれども、鉱工業の資材や燃料とかあらゆる面が滞貨をしておるわけでありますから、その中にあって、肥料の輸送というものが、春肥として耕作に間に合う程度に輸送が可能であるか、それが不可能であるというならばまた別な方途を考慮しなければなりませんので、この輸送についてのお見込みを伺いたいと思います。

白崎正義日本国有鉄道参事(営業局貨物課長)

○白崎説明員 御説明を申し上げます。  全体の輸送の関係でちょっと概略申し上げますが、雪害でおくれましたものが、北陸、それから新潟地方、全部合わせまして大体百万トンでございます。これは北海道、大阪等から通過するものもありますので、そういうものを差し引きまして、秋田、新潟、金沢、そういう地帯の連日の送り不足が約五十万トンでございます。これは昨年の十二月二十八日から一月末までの状況でございます。それに対してどういう手を打ったかということにつきましては、二月中に、送り不足になりました約五十万トンに対しまして十二万トンばかりの回復輸送をする計画でおります。現地へ配車課長をやりまして、早いものはこの月曜日から臨時列車の運転をしております。臨時列車の運転で残っておりますのは、運転の都合がございまして金沢管内の一部がまだちょっと残っておりますが、これも今週中には運転に入る予定でございます。  それから、その十二万トン余り増送をいたしますが、その内訳について申し上げますと、大体去年の八%増しになります。それで、御質問のございました肥料を取り上げて申し上げますと、この三県でお話のございました肥料を九十二万二千トン輸送せいということでございました。これに対しまして八十二万五千トンだけお送り申し上げるような計画になっております。先ほどお話もございましたように、全体が非常に詰まっておりますので、この計画でいきますと三県の分で御要請に対しては十万トンばかり送り不足ということになりますが、昨年の実績は七十七万トンでございます。全体の品物では、十二万トンばかり二月で予定を組みまして、去年よりも八%増しでございますが、肥料では約一五%で、全体よりも七%ほど肥料の方がよけいになっております。これでやりますと、大体二月に八十二、三万トンのものを送りまして、三月にまた最盛期の春肥輸送がございますので、三月当初から力を入れてやりますれば、何とか肥料の輸送は最低限のところは確保できるのじゃないかという見通しでおるわけでございます。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 何とかできるだろうというお見込みで、安心するわけですが、ところが、なかなか安心ができないと思うのです。今度の豪雪による列車の遅れというものについては、これは実はきょう営業局長かだれかによく伺いたいと思ったのでありますが、昨年の暮れから今年の春にかけての雪害については、国鉄当局のいろいろな手落ちというか、注意の不十分な点が非常に多かったと思うのであります。この点を少しばかり伺っておきたいと思うのでありますが、昨年の暮れ、十二月二十五日に大雪警報というものが発せられておったのであります。それに対してはほとんど何らの手配か行なわれなかったということを伺っているわけです。そういうような状況でありまして、またこのままであと雪が降らないというならば今の御答弁で安心できるわけですけれども、たとえば、この間、二月二日の夕刻から二月三日の朝にかけた雪のごときは、わずか三十センチか五十センチしか降っておらない。普通の常識ではそんなことで列車が混乱するようなことは考えられない。ところが、新潟操車場がだめになり、新潟駅が詰まってしまう。新津−新潟間のわずかな区間が二時間も三時間もおくれるという状態になっているのです。これについては、私どもは国鉄のどこかに大きな欠陥があるのじゃないかということを考えるのです。私はあなたとそんなことをここで一々問答しょうとは思いませんけれども、そういう点についてはやはり国鉄は再検討しなければならないと思います。年末から年初にかけての状況にいたしましても、私もその被害者の一人なんですけれども、新潟県のああいう高雪の中で、先が詰まっているのを承知で次次と上野駅から列車を出していって、各駅ごとに一列車ずつ入れている。だから、除雪車があってもそれが十分に機能を発揮し得ない。各駅ごとに一列車ずつ詰めてしまって、そういう詰まっているところへまた次々と発車させている。一体これはどこの責任なんです。これはわかり切っているのです。三メートルも四メートルも降ったところで動かないことはわかり切っている。わかり切っているところへ一駅一列車ずつ詰めてしまう。除雪車が入ることができない。通ることができない。除雪車の機能も麻痺してしまった。全く無計画であって、全然子供の仕事のようなことをやっておる。これは一体どこに欠陥があると考えられますか。

白崎正義日本国有鉄道参事(営業局貨物課長)

○白崎説明員 その前に、私が間違ったことを申し上げたので訂正を申し上げます。先ほど肥料が九十二万トンと申し上げまして、それから輸送目標八十二、三方トンと申し上げましたが、これは全国の数字でございましたので訂正をいたします。全国で九十二万二千トンの申し込みがございまして、輸送できるものが八十二万トン、こういうことでございます。それから、昨年の全国の数字が七十七万トンでございます。それから、秋田、新潟、金沢の二月の申し込みは、秋田が一万九千トン、新潟が八方五千トン、金沢が六万一千トンでございます。これに対しまして、秋田で送る目標が一万七千トン、新潟が七万三千トン、金沢が五万四千トン、こうなっております。もちろんこの数字では足らないわけでございますが、昨年の実績で申しますと、これに対して約一一五%以上の実績になりますので、一月分も回復を半ばいたしますとともに、三月初めから力を入れまして解消をいたしたい、こう思っております。  それから、雪のお話がございましたが、総裁か副総裁が御説明申し上げませんと、私では御納得がいかないとも思いますので、その方からお話を申し上げることになりましょうか。

柴田元良日本国有鉄道参与(施設局長)

○柴田説明員 ただいまの先生の御質問で、総裁にかわってと申しますと大へん何でございますが、私どもの当時の模様につきましてちょっと御説明したいと思います。  ただいま、先生から、大雪警報が二十五日に出た、これに対して大体あのくらいの雪が降りそうなことは見当がつくのじゃないかというお話がございました。大雪警報は、これは例年何回か実は出るものでございます。地方的な判断といたしまして、当時の状況も、たとえば平地部につきましては二十ないし三十センチ程度、山沿いにつきましては五十センチないし七十センチ、こういう程度の警報は出ております。また、現場におきましてもそういう見通しは十分持っておったわけでございます。ところが、現実に二十五日あるいは二十七日くらいから少しずつ混乱をして参っておりますが、直接あの混乱を巻き起こしましたのは二十九日から三十日、それから三十日から三十一日にかけまして実は非常に大きな雪が降ったわけでございます。四十年ぶりと言われておりますが、私どもが従来大体考えております以上の雪であったことは事実でございます。こういった状況と、それから、こういった吹雪の中でとにかく雪を除くということを必死になって考え、また列車の運行につきましてもできるだけ整理をするということは当然考えておったわけでございます。ただ、たまたま年末という輸送を控えましたことと、それから、私どもの除雪の中心は、もちろん機械もございますけれども、やはり沿線約五百キロにわたっておりますので、沿線の方々の御協力をいただくという建前を従来ともとっておりまして、こういったところにつきましても常に連絡を十分して参っておるのであります。当時、正月にかかったということもございまして、こういった面での御協力も実は常時よりは十分には得られなかったということも一つございます。そのほか、年末の輸送を控えていたということももちろんございましたし、それから、雪に対する機械の使い方なり何なりにつきましてもできるだけのことは当時やって参っておったわけでございますが、結論的には先生の御指摘のような状況に実はなったわけでございます。こういった輸送の指令の仕方につきましても、除雪のやり方につきましても十分今検討いたしておりますが、ただ、東京からあるいは北陸へ、また大阪、関西方面から北陸へのお客様の当時の空気と申しますか、そういった御要請から見まして、現実には上野なり大阪なりであの暮れの列車をとめ得たかどうか、この辺につきまして実はかなり私ども幹部といたしましては判断に困ったことは事実でございます。こういった判断が間違っておったか、あるいはあのとき列車をとめたらどうだったか、実は結果として私ども今日十分の検討はいたしておりますが、当時としてはやむを得なかったのじゃないかというふうに実は考えております。ただ、私ども、いろんな災害を受けておりますが、いわゆる台風につきましては、おおむねその進路を見ておりますので、被害が発生いたしますと列車の運転の制限をあらかじめいたしますことはかなりできるわけでありますが、実は、雪につきましては、ささやかな雪でありますと、列車を通しますことによって線路が使えるわけでありますので、雪については行けるところまで行くのだという考え方で現実には今日までやってきておることは事実であります。ただ、ああいった大きな問題を起こしましたことにつきましては、私どものやり方について、確かにまだ問題があるというふうに反省をいたしておるわけでございます。  なお、つけ加えさせていただきますと、根本には、やはり、北陸線にいたしましても、上信越線にいたしましても一本の線路に一ぱいの列車を入れざるを得ないというところに根本の問題があるようにも考えておる次第でございます。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 まあ、いろいろ事情はあったと思うのですけれども、今お話しのように、やはり除雪人夫によらなければならないという点が非常に大きいということですね。ところが、そこに問題が一つある。あの降雪がありまして、除雪人夫の日当はおおよそ千円から高いところは二千円なんです。一体国鉄は幾ら出しましたか。

柴田元良日本国有鉄道参与(施設局長)

○柴田説明員 七百円ないし八百円であったかと思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 それは時間外勤務やらいろいろな手当等が入って、あるいは平均してそうなったかもしれませんが、標準賃金は三百四十円です。一方は千五百円から二千円で雇っておるのに、また、あがり酒の一ぱいも出すのに、国鉄は三百四十円、そんな賃金で一体だれが除雪に来ますか。子供だましのようなことです。こういった責任はだれが負うのですか。どこで賃金をきめておるのですか。国鉄全体できめておるのですか、新潟支社できめておるのですか。

柴田元良日本国有鉄道参与(施設局長)

○柴田説明員 賃金につきましては、これは各都道府県別に賃金が一応きめられる基準があります。私どもといたしましては、支社または局におきまして、そういうものを参考にいたして、事前に、大体十一月ごろにそういった関係の方とお話し合いをいたしまして標準賃金をきめて参っております。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 そういう十一月中くらいの雪の降る前にきめられた標準賃金で押し切って、どうして一体除雪ができますか。全く子供のやるようなことをやっておる。雪が降ったら、その状況によって賃金というものは千五百円にも二千円にも上がっておる。ところが、三百四十円。そこで、市町村等にいろいろ要請があって、市町村長が中心になって人夫を出したものについては、市町村が弁償しなければならないという問題が起こっておる。そういうふうな官僚主義というか何というか、全くお話にならない。今後そういう問題は徹底的に検討されなかったならば、この被害というものは幾らでも繰り返されることになると思うのですが、どうですか。

柴田元良日本国有鉄道参与(施設局長)

○柴田説明員 賃金につきましては、ただいま先生おっしゃいました通り、そのときどきに応じました需要の状況、供給の状況に応じて当然考えなければならないと考えております。ただ、結果的に申しますと、やはり年末であったということのために御援助がいただけなかったという点もかなりございます。これは事実でございまして、その後、二日、三日以降におきましては、かなり強力に御援助いただいております。もちろん、賃金につきましては、私どもとしてはこれが妥当であるとは考えておらないわけでございます。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 いや、そういう考え方がおかしいのです。暮れだから、正月だから人がなかったというのではない。よそにはあるのです。千五百円や二千円出しているところに、三百四十円出して、どうして人が集まりますか。そういうことであってもなお人間が集められるなどという考えがおかしいのです。そこで、今度国鉄当局は市町村長に頼んだ。市町村長は、汽車が動かなければ困るから、自分の方である程度の割当を受けた分を何か責任を感じて出した。出したが、国鉄の方から支払ったものは、時間外勤務や何やらを入れても、われわれの地方では五百円程度、そこで、市当局が今度予算を組んでその差額を弁償しなければならないような状態に追い込まれておる。こういうものをあなた方は見過ごして一体いいと思っているのですかどうですか、国鉄という性格からいって……。

柴田元良日本国有鉄道参与(施設局長)

○柴田説明員 賃金につきましては、先ほど申しましたように、一応一つの地方的な標準もございますし、ただいま先生がおっしゃいますように、無制限に広げるわけにも実は参らないと思います。しかし、決して、ただいまの七百円なり八百円では、私どもとしてこれでいいんだということは実は毛頭考えておらない次第でございます。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 これは、一つ、施設課長、徹底的に検討してもらわなければ、今後雪の降るたびに問題が起こる。  それから、もう一つ伺いたいのは、さっきちょっと触れた二月二日と夕方から二月三日の朝にかけての新潟市周辺の雪、これは多いところで四十センチくらい。そこで、各列車とも、羽越線も盤越線も信越線も、全部順調なのです。ただ新潟−新津間だけで二時間半も三時間もおくれておる。これはどこからきたかということを、われわれしろうとの話だけれども聞くところによると、新潟操車場並びに新潟駅の転轍が全部機械化してしまっておるということからきているという。昔は、そこに人がちゃんとおったから、被害が起こればすぐわかるのです。ところが、今度は、機械化してしまって、寒いときにヒーターを置いて、おのずから氷が解けて運転ができるようになるというふうに、あまりにも高度に機械化をやったために、一つどこか狂うと全部雪をのけてみなければわからぬというような状況で、あればかりの雪でそういう大混乱を生ずるというようなことは、これは機械化の行き過ぎじゃないかと思う。こういうことはお聞きになっておりませんか。

柴田元良日本国有鉄道参与(施設局長)

○柴田説明員 ただいま先生から御指摘のございました二月三日の事件につきましては、実は私どもちょっと承知いたしておりません。ただ、機械化し過ぎたためにかえって混乱したのではないかというお話につきましては、実は、私どもはそうは考えないのでございまして、かりに機械化いたしませんでも、急激に寒さが参りますと、例のポイントというものは実は氷結いたします。それを機械化さない場合は、一々人が氷を砕いて取らないと取れないものでございまして、時間的にもかなりかかるわけでございます。そういった意味におきまして、融雪器その他できるだけ機械化す、また、その扱いにつきましても、機械にしてその安全性を高める、こういったことが私どもが今日考えて参っておる考え方なのでございます。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 ところが、たまたま二月二日から三日にかけては温度は平年より高いのです。ちっとも凍っていない。私はあそこにおって見ておった。だから、そういう答弁は全く筋違いです。そこらにやはり何か欠陥があるんじゃないか。これも再検討していただかないと、将来鉄道というものに信頼ができないということになる。雪に対する対策については、きょうは時間がございませんから、多くを申し上げませんが、徹底的に対策を検討してもらわなければならぬと思います。これは別に答弁は要りません。  それから、貨物関係ですが、私も、数字がちょっとおかしいので、今数字を整理しようと思っておったところが、そちらで修正されましたからけっこうですが、そういうような状況でありますので、貨物の肥料の輸送は、ほかの鉱工業の資材についても、これはどっちが先でどっちがあとという問題ではありませんけれども、とにかく、われわれ農民としては、春肥の手当は例年でさえも相当に心配をしておる問題でありますので、これは一つ十分御配慮を願いたいと思います。これも別に答弁を聞く必要はありません。  それから、今度国鉄の料金全体についての改訂が行なわれましたが、その改訂の資料を拝見いたしますると、公共政策割引についての数字がどこにも見受けられない。これは従来全体で百十品目ほどございまして、その中で農林関係が七十八品目かと考えますが、これについては三月三十一日までは据え置きにするという副総裁の言明があって今日に及んだわけです。ところが、今度の新しい改訂については、予算書を拝見いたしますると、その点が数字でちっとも表われておらないようでありますが、公共政策割引はどういうふうにきまったのか、伺っておきたいと思います。

白崎正義日本国有鉄道参事(営業局貨物課長)

○白崎説明員 今お話がございましたように、三月までは、運輸大臣から御指示がございまして、現行の割引をするということにきまっておる。それから、四月以降は一五%運賃を上げさせていただくという案の上に現行の割引をしばらくはそのまま継続するということで今進めております。四月一日になって暫定割引とわれわれが称するものを廃止するということはないと思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 どうも、その点、予算委員会における運輸大臣の答弁でも、何か四月一日以後も公共政策割引は存続するかのごとき口吻も受け取れるのだけれども、また一部は改訂をするかのようにもとれるような答弁をしておるのです。そうすると、部内で決定を見ておって、全面的に改訂をしておるから、四月一日以降も公共政策割引の百十品目ほどのものについては値上げをしないんだ、一般の値上げの中に入っておるから、公共政策割引の改訂はしないんだというふうにはっきり理解してよろしいですか。特に農林水産関係の物資についての改訂は行なわないのだというふうにはっきり理解してけっこうですか。それは部内で決定を見ておるでしょうから、伺っておきたい。

白崎正義日本国有鉄道参事(営業局貨物課長)

○白崎説明員 値上げをしないというわけではございませんので、事務的なことをちょっと申し上げますと、暫定割引のついております物資は、一度現等級へ引き直しまして一五%の運賃値上げをいたしまして、その上で、現在ついておるのと同じ方式で、同じ距離、同じ割引率でもって割引をかけていくわけでございます。ですから、数量が違いまして、二十億というものが、多くなれば、二十一億になるとか二十二億になるとかいうことはございますけれども、暫定割引そのもののスケールは現在と同じ格好で残る、こういうことでございます。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 どうもはっきり理解できないのですが、そうすると、貨物全体の値上げがそのままずっと存続していくから、その中で公共政策割引というものは全体の平均の値上げの中に含まれているから、公共政策割引という暫定措置はやはりそのまま存続するのだ、こういうふうに理解していいのですか。

白崎正義日本国有鉄道参事(営業局貨物課長)

○白崎説明員 上げ方が、一五%一律に上げさせていただくということは、割引のついておるものもついていないものも、何もかも全部例外なく上げさせていただくということであります。割引ということはそのまま制度的にしばらくの間残す、こういうことですから、暫定割引は、結論から申しますと、全然今度はさわらない、こういうことであります。

坂田英一自由民主党

○坂田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二分散会

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