内閣委員会 第37号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/05/19
会議録
○久野委員長 これより会議を開きます。 大蔵省設置法の一部を改正する法律案及び臨時行政調査会設置法案の両案を議題とし、質疑を許します。 質疑の申し出がありますのでこれを許します。石山權作君。
○石山委員 今度、関税のお仕事が大へん多くなったというので、主税局の中の関税部を関税局に昇格をしたいという考えのようでございますが、それについてまず第一にお聞きしておきたい点は、おそらく仕事の量がふえたということが最大の原因だと思います。仕事の量がふえて、仕事の内容を整備するということも考え方の中にあると思うのですが、為替の自由化によって仕事の量がふえたということが第一の原因だと思います。そこで為替・貿易の自由化によってふえたという具体例をやはりこの際お示ししていただかないと、ただ仕事の量がふえたというだけではわかりませんので、具体例を二、三お示しを願いたいと思います。
○宮川政府委員 御指摘の為替・貿易の自由化に伴いまして、貿易の飛躍的な増加に伴いまして、税関の業務量が非常にふえておるわけであります。これを貿易船の入港隻数、出港隻数、輸出申告件数、輸入申告件数等を比較してみますると、十年前の二十六年に比較いたしまして、昨三十五年度におきましては貿易船の入港隻数は四二四%になっております。出港隻数は四一九%になっております。また輸出申告件数は三六三%、輸入申告件数は二四九%というように非常にふえておりまして、これに対しまして人員は定員並びに常勤を合わせましてわずかに一二二%でございまして、業務量が非常にふえているのに対しまして、定員も少ないし、税関の機能もそう活発ではなかった、こう申せるのではないかと存じます。
○石山委員 それにつきまして、部を局に昇格なさって整備をなさるわけですが、その整備をなさるについての人員体制等はどういうふうに考えられているか。
○宮川政府委員 関税局の設置に伴います機構、定員の増加につきましては、この際必要最小限度にとどめることといたしまして、さしあたって機構といたしましては、従来の税関部を構成いたしておりまする三課に総務課を一課増設いたしまして、定員は昭和三十五年度末の税関部の定員に対しまして、差引十名を増加して百六十九名とする予定でございます。さらに昭和三十六年度におきまして十六名の常勤労務者を定員化いたしまして、合わせまして百八十五名でもって関税局の運営をいたしたい。ただしこれとは別に、税関全体の定員につきましては、別途御審議を願いましたように、定員の増加をはかろうと考えておる次第でございます。
○石山委員 それでは官房長、私に言わせれば権力をばただ増加したにすぎないというような見解が生まれてくるような気持がしてなりません。十名くらいの増員であなたのお示しになったような仕事をさせるとするならば、あまりにも国家に奉仕させるということになるのじゃないですか。これは行管の今度の提案の中にも、奉仕の精神をうたっておる。行政の国民に対する奉仕の向上をはかる、こういうことで行管が今提案しているのですが、その趣旨にぴったり当てはまるようですけれども、あまり当てはまり過ぎるのじゃないですか。そうして部を局にする、局長さんを新しくお作りになるというところに妙味を感じているように見えるのですが、そうではないでしょうか。
○宮川政府委員 御指摘の点につきましては、税関の第一線業務につきましてはできるだけ能率を上げ、サービスをよくすることを心がける必要がありますので、この定員につきましては、別途四百名の定員増加をはかっておりまして、内部機構につきましてはできるだけ簡素に、従来の機構を強力にいたしまして運営いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○石山委員 それはあなたの方はそろばんを置く本家本元ですから、おそらくそろばんに合わないことはおやりにならないと思う。しかしあまりそろばんを置き過ぎるために、いろいろな障害も起きているということを私たちは聞いておる。そのために大蔵省にお勤めの人たちは、頭が非常にいいかわりに、非常に冷酷な人が多いということを言われておる。その例として、けさの新聞などを見ますと、鉱山の保安官を五十数名要求したのに対しまして、あなたの方では一名も採用しなかったというじゃないですか。そんな割合で御自分のところもやっているのじゃないですか。それできょうから全商工の人たちは、鉱山保安要員に対しては、実力行使で山に入らないというような決議をしているというのでしょう。そんなことをよその省にやっていられるので、あなたの方の今度の定員の増加を見ますと、十名ということを非常に手柄顔に私の方に出している。お金がかからないでいい仕事をわれわれはするのだということを繰り返しておっしゃっている。しかしその繰返しの中で、他の方を非常に押えつけているから、御自分の方では、私に言わせれば、より以上に自粛して、その自粛があまり過ぎるといけないのではないか。大がかりな犯罪等が、いわゆるアヘンでも、貴金属の問題でも、密輸入等を見のがすという問題が行なわれてくるのではないか。あまりに自粛し過ぎるという現象が逆になっていくのではないか。十名ということを大へん手柄顔にあなたはこの前の提案の説明の際にもおっしゃっていますが、それで今のところは足りるという意味ですか。為替の自由化に対して非常に仕事が繁忙だという説明の中において、増員十名で足りるということはちょっと私には解せないように思います。
○宮川政府委員 全く御指摘の通りでございまして、私ども定員の増加につきましては、主計当局にもう少したくさん要求したのでございますか、結局査定をいたしまして、本年度四百名、来年度さらに御指摘のように人員の充実をはかりまして、オーバー・ワークにならないように心がけたいと思います。先ほど来申し上げますように、本省内部部局の定員といたしましては、十六名プラス十名の二十六名でもって、最小限度細々ながらこれでもって能率を上げていきたい、かように考えておる次第でございますので、御了承願いたいと存じます。
○石山委員 私たちは国に奉仕していただきたいという気持には変わりはないのです。あまりに無理な仕事をすると、いわゆる目こぼしが起きる、手落ちが起きるということは、行政全般から見れば重大な問題だと考えておりますので、その点は十分お考えになってしかるべきだというふうに考えております。 為替・貿易の自由化によって私たちが一番ふに落ちない点は、ガット三十五条の問題でございます。三十五条を適用しない国はどこら辺でございますか。大きい取引先の例をあげて下さい。
○稲益政府委員 三十五条を援用していない国は、アメリカ初め西独、イタリア、大きな国と申しますか、援用しておる国の方が十四カ国でありまして、それ以外はみな援用しておらないわけであります。
○石山委員 関税当局としてガットをば適用しない、するによって生まれる損得ですね。僕らの方では全部平等にしていただきたいわけですが、それを拒否している国々、それが損益を想定してみた場合に、概算どのくらいでしょう。
○稲益政府委員 損益と申す意味でありますが、たとえば三十五条を援用いたしておりますのが、大きな国ではイギリス、フランスといったような国があるわけであります。私どもとしてはかねがね援用の撤回を求めておるわけでありますが、これがガット関係に入りました場合には、事実上はイギリスの場合には、最恵国待遇で税率適用上の不利は現実にはないわけでございます。フランスの場合にはかなり高税率のものがありまして、実質的な損害があるわけであります。金額的にこれをたとえばガット関係に入った場合に、フランスとの貿易がどうなるかという推定はちょっといたしかねるのでありますが、現実問題としましては、フランスの場合が一番大きいのではなかろうか、かように考えております。
○石山委員 それはどんな品目ですか。数量等はおわかりになりませんか。
○稲益政府委員 フランスの場合に、数字はただいまちょっと持ち合わせがございませんが、そういうガット関係にない国、最恵国待遇を与えない国から入りますものにつきましては、通常の特定税率の三倍という非常に高い税率を課する商品があるわけであります。御承知のようにフランスとの間では通商協定は一応結んでおりますが、全面的なそういう最恵国待遇を与えられておらないわけであります。従いましてものによってはそういう非常に高い税率が適用になるという不利がこちら側にあるわけであります。日本としましても、たとえばガット税率を譲許をいたしておりますものが、そういうフランスの場合には、便益関税も何も与えておりません。従って向こうにも不利があるという点があるわけであります。損得をはっきり数字的に出すということは困難でございます。物資ごとのこまかい点は今資料をちょっと持ち合わせておりませんが、そういう程度の損得があるわけであります。
○石山委員 ガット三十五条のために、たとえばフランス、イギリス等が例にあがっておるわけですが、そのために損害を受けておるということは確かにある。これは間違いないことだ、大小にかかわらず損害を受けておる。これがガンになっている理由は一体何ですか。ガットの恩恵を平等にさせるためにガンになって、三十五条が適用されておることは、何がガンになっているのか。
○稲益政府委員 イギリスあるいはフランスとの通商協定の交渉のたびに、援用撤回を申し入れておるわけであります。そのときに先方から言って参ります一番大きな一たとえば、三十五条の援用を撤回してもよろしい、してもいいが、実質的に完全な平等の姿といいますか、最恵国待遇を与えられない、いわゆる政府間の条項を残すとか、あるいは特殊の品目については差別待遇をせざるを得ない、つまりそういうガット関係に入るが、二国間の双務的な協定の留保を付したいという申し入れがあるわけであります。そういう際の主たる論拠、これは一々反論はしておるわけでありますが、どうしても日本の商品が急激に安い価格でいわゆるフラッドするということを言っておるわけであります。国内市場を撹乱するおそれがあるということを常にその理由として述べておるわけであります。私どもとしましては、これについては各国との間に若干そういう問題が起こる場合があるが、これは自主的な輸出規制というようなことで、秩序ある輸出の伸張ということを考えておるのだから、杞憂ではないかということで反論をしておるわけであります。なかなかそこらのところが解け合わないというのが一番大きなガンになっておる、こういうことに考えております。
○石山委員 そうするとガット三十五条でいじめている国は、われわれが頼みにしておる西欧陣営ではないですか。フランスであろうとイギリスであろうと、そうしてガットの精神に違反するような三十五条を適用しているの に対して、日本の国は常に指をくわえておるというふうな立場ですか。それとも非常に安い品物に対して外へ出るとき、何か措置を講ずることは不可能ですか、今の税法から見て……。
○稲益政府委員 三十五条の援用撤回につきましては、私どもガットの総会なりあらゆる機会をとらえて、実は今やっておるわけであります。現在開会中の総会におきましても、近く三十五条援用撤回についての関係国の作業部会の設置が決議される予定になっております。そういった作業部会が設置されますと、その部会での活動を通じて、これの撤回の方向にさらに進んでいけるのではないか、かように考えております。それから今一点、二国間の協定の場合でありますが、この際にも、絶えずそのガットの三十五条の援用撤回は、二国間の問題としても、私ども強く要請をいたしておるわけであります。先ほど申し上げましたように日本としては、相手方がおそれる、そういう急激な日本からの輸出の増大、相手方から見ますると、日本品の輸入の殺到による国内の産業の被害、そういうものは日本側で自主的に秩序ある輸出をやるということで防ぎ得るのだということを繰り返し述べておるわけであります。
○石山委員 ガットの総会の場合には日本にあまり内容が報道されなかったけれども、フランス、イギリス等で三十五条をもって防ぎとめようとする意図は、日本のある品種のものがあまりにも安いということを意味しているためではないのか。そのために市場が撹乱される、あるいはその産業が打撃を受ける。安いということは一体何だろうということになるわけですけれども、安いということじゃないでしょう。
○稲益政府委員 一つの例になろうかと思うのでありますが、先般フランスから繊維関係の視察団といいますか、日本に参って詳しく関西方面等の実情を見て参っておるわけです。在外公館からの報告によりますると、この視察団が帰りまして向こうで語っておるところを聞きますと、日本に行くまでは低賃金国だ、そのために非常に安いという考えで行ったのだが、日本は、いろいろな実情を見た結果、一般的なそういう議論は当たらないということはわかった。問題はただ過当競争と申しますか、一部に非常に秩序を乱して輸出をするような状態がある、こういうために国内の市場が撹乱される。従ってそういう輸出の秩序がうまく確保されるならば、そのおそれもだいぶないのではないかというふうなことを語っておるといったような報告も受けておるわけでございます。一般的には多分に何と申しますか、そういう危惧の念で依然として見られておるという点はあろうかと思います。私どもといたしましてはできるだけ実情をよく訴えまして、そういう一般的な問題ではないのだ、従ってわが貿易の秩序ある輸出の伸張ということをやることによって、三十五条援用撤回に何ら支障ないではないかということを強く要請しております。
○石山委員 部長は私が聞かない前に賃金のお話をしたわけなんですが、あなたの方もそれをお考えになっているだけ、よその国は日本は非常にいわゆる高度な産業力あるいは工業力といわれるものを内蔵していながら、国民生活あるいは賃金というものが非常に低レベルであるということは、あなたが、私が言わないうちから石山はそういうことを聞くだろうというので、あなたは先ばしって答弁しているわけですが、よその国もみんなそうなんですよ。よその国もおそらくそういう危惧を持って日本の産業、日本の工業、その生産品を見ている、その通りだと私は思うのです。従って日本の国民は非常に安い賃金で、そして割合にまじめに働いて、しかも非常に能力のある働き方をしている、こういうことが日本の製品を安くしているだろうと思うのですが、その三つか四つ数えられるいわゆるコストの要因の中で、やはり何としても安いといわれる賃金が問題だろうと思う。ですからこの前のガットの総会の中で、場違いである、日本でILOの問題が批准されるとか批准されないとかいう話題も出たというではありませんか。それさえ批准されないような日本の国はなどということが話題になったといわれている。私はそういう点は非常に残念なことだと思うのです。ですから低賃金だけが数えられて、われわれの能力というふうなもの、あるいはわれわれの持っているまじめな、生産に協力するという国民性、こういうふうなものがよく見られないで、低賃金だけ見られて、日本の品物はそのために安いのだというふうに誤解を受けている面があるのです。大蔵省なんか特に私見ていると、私ここに来て二年か三年になって、定員法等見ているのですが、しょっちゅういじめて、もっと数を少なくしろもっと数を少なくしろとがんばっているのですが、そんなことも私はやはり国際的に見た場合には考える必要があるのではないかというふうに思われてなりません。いわゆる国民に奉仕するために、安い賃金で能率を上げるという建前が、あまりに日本の生産コストの中にしみ込み過ぎているという傾向があるのではないか。大蔵省の考え方には特にそういう傾向があるのではないかというふうに私はいつも見ているのですけれども、ガット三十五条の問題もそういうところにかなりのかきねがあって、問題が解決しないのではないかと思うので、為替・貿易が自由化になったのですから、これは当然日本が主張していいことだと思う。主張できない、あるいはその主張が通らないというふうになれば、私はやはり問題は国内にあるのだ。対外的な関係より国内にあるのだから、国内の態勢を少しでも早く直す必要があるのではないかと思います。 次にお伺いをしたい点は、先ほど官房長がおっしゃった業務量がうんとふえるためにという言葉がもしその通りだとすれば、今度あなたの方が部から局に昇格させようという直前に、大蔵大臣が本年度の赤字は二億ドルと想定して、それにまた輪をかけるように、池田首相は十七日に上野の東京文化会館で開かれた青年会議所の創立十周年記念会議でお話ししていますが、日本の場合には四億ドル、五億ドルの赤字であっても大丈夫だと言っておる。四億、五億ドルは大丈夫だということは四億、五億ドルの最悪の場合の赤字を想定してこういう発言をしていると思うのです。輸出入の中で四億も五億も赤字が出るとすれば、業務量はあまりふえないのではないかというのが私の意見です。いやそんなことはないというならば、一つ御答弁をいただきたい。
○宮川政府委員 三十六年度の国際収支の見通しにつきましては、まだ正確に見通しを立て得ない現状でございますが、御承知のように最近の輸入の伸び工合、輸出の状況からいたしまして、経常収支が赤字になるものと思われます。しかし貿易量の点につきましては、輸出も去年よりはふえておりますし、輸入は去年より飛躍的にふえておりまして、従いましてどうしても輸出検査、輸入検査、通関事務等はふえて参りますので、そういう点につきましては国際収支のいかんにかかわらず、業務量はふえて参るものと考えている次第でございます。
○石山委員 大蔵省の建前はいつでもそうですが、一年、二年の変動によっていろいろな機構をいじったり、人員をふやしちゃいかぬという建前なんでしょう。それからもう一つ。私大蔵省に考えていただきたいことは、今行管が、言うところのフーヴァー委員会にならって七人委員会を作る、こういう構想を立てる前に、いろいろなことを他の省に対してはとやかく介入をなさる大蔵省が、その直前に、行管等のこういう委員会の査察を受けない前に、部を局に昇格なさるという試みをすることに、私はおもしろくない面が出ているような気がしてならないのです。なぜもうちょっと待てないのか。しかも為替の貿易量が二億ドル赤字になれば、相殺上からいえば二億ドル分だけ輸出量が減るということになるわけですよ。四億ドルならそれだけ輸入、輸出量がいずれにしても大減少するということを意味しているわけでしょう。そういう場合に、いろいろ行管の中で新しくいわゆる行政全般を見て、そして日本の機構をば再検討するという強力な委員会を作ろうという直前に、最も口やかましく他省の機構に介入をしておられる大蔵省が、なぜこういうことをおやりになるか。早急の問題でない。しかも変動にかかっておる場合に、その変動の一番直接の影響を受ける関税関係を昇格なさるということは、意図ははなはだあいまいで、理路整然たりとする大蔵省のものの考え方からすれば、理路整然としていないように見えてなりません。ですから、機構の問題と、それから変動期にあるということ、赤字であるということ、この三つの建前から、私はあまり賛成できないでいる建前で質問しているわけですが、その賛成のできない建前でいる私に、もっと理路整然とした御説明をしていただきたい。
○宮川政府委員 関税局の設置につきましては、大蔵省といたしましてはかねてから念願いたしておったわけでございますが、行政機構の簡素化の趣旨から今まで押えに押えてきたような次第でございます。石山先生も御承知と思いますが昨年行政管理庁におかれまして、検査、査察をいたされましたが、税関の業務がいかにふえておるか。税関の業務をもう少し能率的にやる必要があるという御指摘を受けました。それとからみまして、先ほども御説明いたしましたように、国際収支はあるいは赤字になるかもしれませんが、日本の経済の発展に伴いまして輸出も伸びる、輸入も伸びるという状況でございまするし、量的にふえるのみならず、為替・貿易の自由化に伴いまして、関税政策というものが、産業政策なり貿易政策なりというものと非常に密接不可分の関係を持って参りまして、質的にウェートがふえて参る。こういう際に関税政策の企画、立案並びに関税行政の円滑、弾力的な運用をはかりますためには、一つの独立した局にすることが適当ではないかというような見地から、行管の昨年の査察と相待ちまして、この際思い切っていたしたような次第でございます。
○石山委員 私、きょう工合が悪いせいか、あなたの御説明がどうもぴんとこないのです。 〔「定足数、が足りないぞ」。と呼ぶ者あり〕
○久野委員長 臨時行政調査会設置法案につきまして、小澤行政管理庁長官より補足説明をいたしたいとの申し出があります。この際、これを許します。小澤行政管理庁長官。
○小澤国務大臣 本法案の御審議に先だちまして、この際、特に明確にいたしておきたい点がございます。 すなわちこの臨時行政調査会は前回にも申し述べましたように、行政を改善し、行政の国民に対する奉仕の向上をはかる目的のために、行政の実態に全般的な検討を加え、行政制度及び行政運営の改善に関する基本的事項を調査審議するものでございまして、人員整理を目的としておるものではなく、また政府は人員整理を行なうことは全く考えていないということでございます。 以上、補足して説明を申し上げます。
○久野委員長 引き続き質疑に入りたいと思います。 質疑の申し出が、ありますので、これを許します。石山權作君。
○石山委員 大蔵省の方には、私は関税部門から見た洋の東西の貿易の問題をもう少しお聞き申し上げたいと思っております。それから関税の操作によって非常に過当利益を得ている砂糖等の問題につきまして、抑制の方法がないのかどうかということ、過剰利得を吸い上げる方法がないかどうかということもお聞きしたい。それから弱小産業は今まで保護関税によって救われておる面がたくさんありましたが、それが今度なかなかそういうわけにはいかぬ。しかし税をなくすることによって、非常に利得を得る業種が反面に出て参ります。そういうものに対して、総体的に税でなく、操作として弱小企業を救うという方法がないのかどうかということ、それから実務上の問題、ガットの関係において目的関税のようなものをかけることのできないものかどうかというようなこともお聞きしたいのですが、きょうはごらんのようにあなた方を支持なさる与党の諸君の出席が悪いので、残念でございますが、質問を継続することはできない。ですからこれで一応保留しておきます。
○飛鳥田委員 ちょっと大蔵省の方に一つお願いがあるのですが、金融機関資金審議会の今までの活動状況を、われわれがよく知れる程度の資料を一つ至急この委員会にお出しをいただきたいと思うのです。それを拝見した上でまた伺いますから……。
○宮川政府委員 承知いたしました。
○石山委員 小沢長官にお聞きしたいのですが、今度の臨時行政調査会設置法案は、世間ではアメリカのフーヴアー委員会をまねしたというか、その真意をうまく利用すると申しますか、そこら辺から問題が出たと言っておりますが、その通りでございましょうか。
○小澤国務大臣 これは行政審議会の答申に基づいてやったものでありますが、その行政委員会はフーヴァー委員会をまねしたものと考えております。
○石山委員 フーヴァー委員会がアメリカで問題になったのは、第二次大戦でしたか、戦争のあと非常に機構がふくれた、これが大体問題になっておるようでございますが、一九二九年から一九四八年までの統計からこの問題が生まれてきたと言っております。年間の費用が四十億ドルから四百二十億ドルにふくれ上がり、公務員が、六十万から二百十万、部局の数が約四倍にふくれ上がって千八百を上回った、こういうようなことから強力な行政の整理を行なう必要がありというふうになった。今度日本の場合でも総理大臣級の人を委員長にするというのですが、それほど皆さんの周辺のお役所というものは、アメリカの戦後の変動を解決するためにやったのと似ているわけでございましょうか。戦後十何年もたちまして、そして今ごろアメリカの古い一九二九年から一九四八年の実態をそのまま受け継ぐような格好で、日本のお役所の中が非常に入り乱れておるというふうなことになるのでございましょうか。
○小澤国務大臣 客観的情勢はアメリカと必ずしも一致するものではありませんけれども、少なくとも行政面が一般国民にサービスする点が少ないのでありまして、繁文縟礼といいますか、そうした模様がありますので、この際思い切ってフーヴァー委員会類似のものを設けてこれを整理したい、こう考えております。
○石山委員 すると、端的にお伺いしますと、この委員会は総理大臣級の人を委員長に発足する。フーヴァー委員会のいいところをとって、進むというふうなことだろうと思うのですが、この委員会はフーヴァー委員会のほとんど七〇%ぐらいを採用になっているわけですね。そういうふうな考え方でこの委員会をばお作りになる、こういうのでございますか。
○小澤国務大臣 もちろんこの委員会は従来の委員会とは異なりまして、国会にも報告するような制度に設けております。従って実施の面については従来の審議会以上に強力なものにしたいと考えております。
○石山委員 組織上の問題については、ここに法律案としてはあまり詳しく出ていないので、その内容は順次お伺いしますかきょうはおおむね構想だけをお聞きしておきたいと思うのです。たとえば今の防衛庁の問題がございますが、防衛庁では西村長官になる前からもそうですか、だいぶ省に昇格したいという意欲を持っておる。そうすると、この委員会は端的に——という言葉を私使うわけですが、庁の昇格、庁の統合、こういうようなものにまず取っ組むというのでございましょうか。それとも各お役所、お役所なりの機構内部の統合、能率等をば手を染めるのか。一体どこを一番先に手をつけられるのか。 〔委員長退席、宮澤委員長代理着席〕
○小澤国務大臣 お話でございますけれども、これは大体大きい問題、たとえば国防省とかいうものを作るというようなものでございませんので、まず備品、部品のようなものをどうするか。たとえば官庁で紙を使いますが、これを各省で使わずにみな共通なものにして配るというような制度から取り組んでいきたいと考えております。
○石山委員 各官庁の共通事項に手を染める。そうすると、この前ちょっと私言ったことがあるのですが、文書なんかも縦書きで出しているお役所と横書きで出しているお役所があるのですね。そういうのを横書きにするというようなことを手初めにやるという意味ですか。
○小澤国務大臣 たとえばの話でございますけれども、そういうものも一つ含まれておるものと思っております。
○石山委員 元総理大臣が入っている委員会がそんなことに手を染めなくても、もっと手を染めるところがあるのではないかというのが私の意見です。ですから私の言わんとしているところは、各省に共通するという事項、そんなことは次官会議でいいのですよ。強力なる委員会でやることは私、別だと思う。特にあなたがきょう冒頭で説明をなさっている人員の整理という問題がありますが、行政をいじるからには、人員を縮小する、あるいは増員する、それが行なわれなくして行政の機構いじりをするということは何ら意味がないのではないか。ですから、私はまず省の統合等を行なうのではないかと思う。共通の省の統合等を行なうという建前がなければ、この委員会はうま味がないということを私申し上げているわけですが、そういうことをまず一番先にやらないで、次官会議でもいいようなものに手を染めるなどと、そんな委員会ならお作りにならぬ方がいいじゃないか、こういうふうに思うのですが、どんなものでしょう。
○小澤国務大臣 それは小さい問題であってなかなか大きい問題なのであります。わずか紙一枚でも高度の能率を発揮できるように、購買の方法等を考慮しますれば、それだけ大へんな収獲になるのであります。それも一部でありまして、もちろん行政機構の改革にも手を触れるのであります。しかし最初からそういうことはできませんから、そのほかには、専門委員が下におりまして、専門委員の事実調査した案を七人の委員で調査するということになって参ります。そうですから問題は小さいようでありますけれども、金額にすれば非常に大きい問題等も含まれておるものと考えます。
○石山委員 長官のおっしゃるのは、各省の消耗品、これは国全般から見れば大へん大きなものになるのだから、そういうものの規格を統一したい、あるいは共同購入をしたい、こういうことによって国に与える利益は大きい、こういう意味でございますか。
○小澤国務大臣 そうです。
○石山委員 それは消耗品だけでなくて、たとえば合同官庁、こういうものは今大蔵省が手を染めてやっているようですが、こういうこともおやりになるわけですか。
○山口政府委員 事務的な改善というものも非常に困難がございまして、その事務的な改善をいたします仕事でも、かなりさまつなものでもなかなか実効が上げにくいのが実情でございます。そういうものの根源をただしていく。現われておるところは非常にさまつのように見えても、その根源が改まらないと、いろいろな着想は出ますけれども、それがなかなか実施に移らないというので、行政審議会では体質改善という言葉を使っておりますけれども、根本的に行政のあり方の本質的な究明をしよう、こういうところへきておるのでございます。もちろんそういうもの以外に総合調整の問題、各種の重要な施策を実施するにあたりまして、建設関係でありますとかあるいは交通関係でありますとか、現在の政策の遂行上も各省の総合調整ということが非常に困難な状況になっておりますので、そういうことにつきましては内閣内の制度につきましてさらに突っ込んだ検討をする必要がある。さらに行政のサービス向上という面が非常に欠けておるという声が高いので、そういう行政の実施面における責任体制をもっと明確にしていくというのでございますが、これも言うは易くして、長年の行政の因襲がございますので、そういうことを改めるのは、単なる思いつきのような着想が出て参りましただけではだめで、それをさらに実行に移す推進力が必要である。そこで今度の調査会といたしましては将来に向かって、そういう、従来たびたび言われてきたけれども行なわれないようなことを実行に移す力をつけなければいけないというので、特に強力な体制を考え、しかもこれを臨時的に置くということで、さらに強力の度合いを強めるというような感覚でございます。実際にどういうことを取り上げますか、ただいまの御指摘のありましたような合同庁舎というようなものもございまして、そういうところにもちろん問題がございますが、その根源になりますようなところを、この際はこの調査会において十分に検討していただきたい。しかもこれは従来の各種の委員会の意見等に徴しましても、その行なわれない一つの原因といたしましては、その資料を見ますと意見の組み立てが思いつき的であって、合理的の基礎を持っていない、非常に科学的な根拠を持っていないということが推進に弱い点でございますので、今度は調査機能をつけまして、十分に理論的にも、だれでも納得し得るようなものにし、かつまた力の上から言いましても各方面の方が納得し得るような委員の構成にしまして、その力の面と合理面と両方から実行を期していきたい、かような考え方でございます。
○石山委員 そうしますと小沢長官、あなたを前にして言うのも非常に失礼ですけれども、小沢長官には腕がない、力がない、だから今の機構ではやっていけないから、元総理大臣の人に頼む、こういう格好なのでございましょうか。
○小澤国務大臣 まあそういう点も多分にありましょう。しかしながら問題は、一人でこれを審議するのではなくして、七人もの委員が集まって、多くの才知を集めまして、あらゆる方面から、学者、経験者が寄って集まりますれば、私よりもおそらくりっぱな頭が持てると思います。そうしてそういう人々によく相談してもらうのがこの調査会でありますから、私が一人でやるよりはずっとよろしいと思います。
○石山委員 われわれ社会党側から見れば、現状のわが国の省の機構を見ますと、経済企画庁などには力を持たすべきだ、行管にも力を持たすべきだ、ここに持たしてまた問題を調整、監督をする、機構に暗示を与える、こういうやり方が必要だと見ているのですが、なぜ行管自体をば強化するという方に向かないで、どうもあなたまかせの方向になりやすいところの調査会設置ということは、私は情けないような気がする。 それからもう一つは、戦後十何年にもなって、アメリカの立場とはだいぶ違うのじゃないかと思う。局長にお伺いしますが、アメリカでは三百名以上の専門員を使っております。うちは専門員は非常勤でしょう。人員などはたとえば事務局を置くというふうになっておるわけです。専門員が非常勤で、事務局には事務局長のほか所要の職員を置くなどとなっているのですが、こういうふうな場合へ行管の職員との関係はどういうふうになるのですか。行管が、このいわゆる強力に発足するであろうという調査会をばどういう立場でこれを見るのか、バック・アップするのか、その点を一つ明らかにしてほしいと思います。
○山口政府委員 行政制度の改革につきましては行政管理庁で所掌いたしております。行政管理庁とはきわめて密接な関係を持っておるのは当然でございます。と申し上げますよりは、むしろ行政管理庁で本来こういう仕事をやる、かつまたそれができるのが当然だとおっしゃられるかもしれないと思います。しかし実情といたしましては、実は率直に申し上げまして行政管理庁は監察機能を持っております。これは千四百名ばかりの人員を持っておりまして、約十年間にわたって行政各部門の監察をいたしております。その結果すでに累次御報告を申し上げておりますように、各所に行政上の欠陥が非常に指摘されております。それが改善につきまして、また各省にも勧告によって要望しておるわけでございます。しかしやはりそれが跡を断って参りません。従来の経験から見ましても、これを改善するためには、別途の方法を考えなければいけない。従来はその欠陥を指摘しておるだけでありまして、これをいかに新たに改善をしていくかという前向きと申しますか、積極的に直していく政策を立案するためには、これは今の行政管理庁の事務的機能では十分でない点がございます。これはやはり専門は何といいましても所管省でございまして、知識もありますし、経験もあるわけです。それをさらに強力に、その政策を、やり方を改めさすということになりますと、どうしても一段高いと申しますか、従来の役所で持っておりますような一般職の職員の要求されております限度のもの以上のものがある。ですからできるだけ外部の有識者に、お願いしてやりたいと思っております。ただアメリカの場合とは違いまして、先ほど申しましたように、行政管理庁自体に調査機能を持っておりますので、これを大いに活用いたしまして、そうして民間の方々に協力をしていただいてやっていきたい、かような考え方でおります。ですからその点アメリカのフーヴァー委員会では二百人、三百人という調査員を擁しておりますけれども、まあそれとは別の行き方でございますが、調査機能としましては、行管の協力によりまして相当な効果を上げ得るのではないか、かように考えております。
○石山委員 アメリカのフーヴァー委員会の場合は、反対党のトルーマンが大へん協力したいといっております。それで行管にこの問題が出たとき、新聞にもこの問題が出たのですが、私どもの前委員長である鈴木茂三郎さんもこの中に入れるのだ、こういうような話も出ているわけですが、私どもの鈴木前委員長が小澤さんのもとにいて紙を買うなどに協力するようでは、どうも心もとないと思うのです。やはり元総理大臣とか私どもの前委員長が委員になるようなだけの、大規模な、強力な委員会であるとすれば、もっと構想が大きくなければならないような気がいたします。しかしものは順序であって、徐々に腕ならしをして、それから大局に取り組むのだという御意向もわからないわけではございませんけれども、どうもそういう構想は長官からは伺われないのでございます。 そこでもっと突っ込んで一つだけお聞きしたい点は、機構いじりだけで終わるのかどうかということと、それからたとえば公務員諸君に非常に利害関係のある人事院等の問題にも手をつけるのかどうかということ、それから能率と奉仕という言葉をお使いになって——あなたの提案の中には能率と奉仕と経済という言葉を使っていますよ。能率、経済、奉仕、この中には当然公務員の精神部門、権利義務の部門までも入っていく可能があるのでございますが、その方の点は説明の中には触れておらないのでございますが、そういうところには入らぬのでございましょうか。
○小澤国務大臣 これはもとより超党派でやるのでありますから、あるいは鈴木さんかどなたか知りませんけれども、社会党の代表の人にも私どもは入ってもらいたいと思っております。しかしこの審議会が私の下にあるという考えではないのでありまして、むしろ私の上にあるというような方向でこれは考えておるのであります。行政機構にしても何にしても、行政整理というような問題はセクショナリズムとかなんとかでながなか実行できません。せっかくいい案ができても実行することが困難になってくるのであります。そうでありますから、やはり大きな力も必要だという考えを持っております。また人事院機構に対しましては、触れる考えは持っておりません。
○山口政府委員 ちょっと補足いたします。公務員の身分上の問題についてお尋ねでございましたが、この調査会は、制度と申しましても行政の組織並びに運営の制度、そういうものについてやることを目的としておりますし、期間も実質的には二年余りしかございませんので、あまり手広くすることもできません実情もございますけれども、主眼点がそういう点にございますので、公務員の身分上の問題、制度ということについては、触れる考えを持っておりません。
○石山委員 それでは制度の問題として一つお聞きしておきたいことは、国民、国家に奉仕する公務員の立場というようなものを、いわゆる能率的だとか奉仕あるいは経済というようなことに求めるだろうと思います。総合的な学校でもお建てになるというふうなこと、これはそういうことを考えなくちゃいかぬというふうに私は言うのではないけれども、そういう構想などは中には入っているかどうか。公務員の学校、研究科目も中にあるかどうか。
○山口政府委員 具体的にそういうことを現在は考えておりませんが、実は運営を改善するということを能率の問題として御発言がございましたが、能率は結局一人の方が多く仕事をするという意味ではございませんので、労務提供面から申しますれば、楽に仕事をできるようにする、そうして同じ効果を上げるということが能率であります。能率というのはハード・ワークになったら能率ではないので、できるだけ楽な仕事ができるような仕組みにするということをねらいにしておるわけでございます。行政の事務は年々歳々増加して参ります。しかし一方人間の需要が、大学卒業生でもなかなか官庁に取り入れられないというような状況でございますので、どうしてもその業務量を消化するにはやり方を変えていかなければならない。そうでなければ、いたずらにハード・ワークをしているようになる。そういう面で検討いたしますと、かなりまだ行政のやり方自体には、それほど骨が折れなくても同じ効果を上げる面が改善すれば相当あるというようなことが、民間の審議会の方々の意見でございます。そういうことで、それを公務員に実際に教えることが必要になってくるという面がございますので、実はそういう研修所を作って再教育するというようなことも、あるいは必要かもしれない。ただそれらの具体的な方法につきましては、今度発足いたしまして検討されると思いますけれども、現在のところそういう観点から再教育のようなことは、あるいは問題になってくる可能性はあるのではないか、かように考えております。
○石山委員 アメリカではフーヴァー委員会をやって、終戦後の処理をうまくやったようでありますが、イギリスの場合は、公務員の能率を上げるために環境の整備を行なったのであります。日本の場合も、これ以上能率を上げるということをお考えになるとすれば、環境の整備が必要だろうと思う。たとえば各省の人数に比例した坪数を与える、机も広いものを与えるとか、休みをちゃんとあげるとか、休養できるような賃金を与えるか、いろいろなことが必要だろうと思うのですが、イギリスでは戦後、ただ奉仕々々ということで痛めつけられていた公務員を、そういう自主的創意を含んだ優秀な公務員を得るためには、環境の整備をやって成功したわけです。日本の場合は人員を増減しないと言っているのです。長官は、増はするかもしれないが、減はしないと言っているのですが、より以上能率を上げるためには、公務員の環境の整備ということを大きな研究の題目にしていただかなければ、そこには創意とか能率という言葉は生まれてこないのではないかと思う。環境の整備が行なわれないで、ただ機構をつけるとか、統合するとか、縮小するということだけでは、私は能率的にならないというふうに思っております。 きょうは約束の時間もありますので、一応私の質問はこれで終わらせていただきます。
○宮澤委員長代理 暫時休憩いたします。 午後零時八分休憩 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕