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38回国会衆議院1961/05/16

内閣委員会 第35号

発言数
151
登壇者
13
会派数
3
開催日
1961/05/16

会議録

久野忠治自由民主党

○久野委員長 これより会議を開きます。  建設省設置法の一部を改正する法律案及び恩給法等の一部を改正する法律案の両案を議題とし、前会に引き続き質疑を継続いたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高橋等君。

高橋等自由民主党

○高橋(等)委員 総理府総務長官に一つだけ意見を述べて御答弁をいただきたいと思います。それは終戦後、戦争が終わった直後から長年にわたりまして、シベリア、その他の外国へ抑留された方が非常にたくさんあるのであります。この人たちが抑留中に死亡などいたしました場合は、それぞれ国家としてこれに恩給等の補償の制度を設けております。しかるにこのたび問題になっておりまする恩給法等一部改正中、いわゆる加算の点におきましては、抑留は加算の年限に算入しないことになっておる。これは非常に検討を要すべき問題でありまして、何らかの加算措置を要するものと私は考えておるのであります。政府はこの法案を提出される場合にそれが落ちておりますことにつきましてのこと、及び今後のお考えにつきまして、総務長官から御答弁をいただきたいと存じます。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 ただいまのお尋ねの点は、実は今回の加算の実施の問題につきましては、御承知のように既裁定者との不均衡是正という考え方でやりましたために、さらにそれを抑留中の者をどうするかということにまで、新たな問題として取り上げてはいなかったわけでございます。しかしながらただいま御指摘のように長い間抑留されたというようなことにつきましては、非常にお気の毒な点もございます。それでいろいろなケースがございますので、相当時間をちょうだいして検討しなければならないかと思うのでありますが、御意見もございますので、今後そうした具体的なケースを十分調査をいたしまして、これに対してどういう措置をするのが最も妥当であるかというような点を、十分御意見を尊重しつつ検討して参りたいと考えます。

高橋等自由民主党

○高橋(等)委員 政府におきまして今の御答弁の趣旨に従って、できるだけ早急に結論を出していただくことを特に要望いたして、私の質疑を終わらせていただきます。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 次に石橋政嗣君。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 ちょっとお尋ねをしておきたいのですが、それは恩給を受ける権利もしくは資格を喪失した公務員を、個々のケースにわたっていろいろ調査してみますと、非常にお気の毒なケースがあるような気がするわけであります。そういったものをこの際政府の方で全部洗っていただいて、救えるものはできるだけ広範囲に救っていただきたい、こういう感じを持ってお尋ねするわけでございますが、まず一つのケースとしてこういうのがあると思うのです。  それは終戦前にいろいろな法律がございました。たとえば代表的な悪法と言われているのは治安維持法ですが、そのほかにも、私たちの調査いたしましたところによると、国防保安法、治安警察法、あるいは言論、出版、集会、結社等臨時取締法、思想犯保護観察法、いろいろあります。陸軍刑法、海軍刑法、軍機保護法まで含めるならば、相当の数があるわけでございますが、こういった新憲法の精神とは著しく相反するようないわゆる悪法によって処分を受け、そのために恩給の受給権を失った、資格を喪失したといったような人たちがずいぶんあるように聞いております。数にすれば大した数でもないかと思うのですが、こういった人たちをやはりこの際救済してやるべきじゃないかというように考えておるわけです。これが一つのケース。  そこで最初に恩給局長にお伺いしたいのですが、こういった私が今申し上げたような例でおわかりだと思いますけれども、新憲法制定前の思想と学問の自由を拘束した治安維持法あるいはこれと類似の悪法、こういうものによって処分をされたために権利を喪失した人たちがどの程度おるものか、おわかりでしたら一つお答えを願いたいと思います。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 今のお尋ねでございますが、犯罪による失権者の数というものの中で、さらにいろいろ新憲法下において認めておらないような法律によって失権したという人がどのくらいかというお尋ねでございますが、実はそういう犯罪による失権の統計というものはございませんので、現在正確なお答えをするわけに参りません。ただ最近における昭和三十二年から現在までの犯罪失権というものの数を見て参りますと十名内外でございますから、年間二名ぐらいの見当になっておりまして、戦前におきましても犯罪失権というものはそう数はない。一年に一人あるか二人あるかという程度であろうと思いますので、全体の数としてはそう大きな数ではございません。ただいまのところ、その数の問題につきましてはその程度のお答えしかできない次第であります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 まあ大した数ではないようでございますが、それだけ救おうと思えば救いやすいということになるかと思います。こういった法令に違反した人たちは、昭和二十年の勅令第五百四十二号によって一応資格の回復はしておるものと思うのです。御承知と思いますけれども勅令を申し上げますと、昭和二十年勅令第五百四十二号、「ポツダム」宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件ニ基ク政治犯人等ノ資格回復ニ関スル件という、この勅令によって、一応公民権その他の資格は回復しておるというふうに認識いたしております。にもかかわらず、恩給権は復活していないというふうな事情にあると思うのです。これと類似なものとして、公職追放で資格を失なったような人たちは、たしかこれは権利回復をしておられると思います。そういう点でアンバランスもあると思いますので、ぜひ今後調査検討の上、権利回復、資格回復をはかっていただきたいと考えるわけです。  それからもう一つのケースは、これは占領下の問題として、いわゆる占領軍命令違反という法令を越えた強権によって処分をされて、そのためにこういった権利喪失、資格を喪失した人があるということも聞いておるのでございますが、そういう例があるのか、あるとすればどの程度あるのか、この点もあわせてお答えを願いたいと思います。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 これも正確に何件というふうに申し上げられませんが、私どもはいろいろ事件を扱っておりまして頭に残っておる問題といたしまして、たとえば終戦直後、学校の校長さんが現地部隊からの要請によりまして、その現地部隊の持っておる残存兵器、弾薬というものを校庭に埋めるように命ぜられましてそれを埋めましたところが、軍政部の方から発見されまして、それによって陸軍刑法による武器隠匿罪の罪に問われて禁固の刑に処せられた。そのために恩給を受ける資格を失ったというふうな事例もございます。またある外交官につきましては、終戦直後、占領軍からの外交文書の引き渡し等の要求がございました。にもかかわらず、それに対して直ちに引き渡さなかったというふうなことのために、国内法を適用されて処刑されたというケースがございまして、そのために恩給年限が非常に短くなっておるという例もございます。それら占領軍のためにと申しますか、占領軍のさしがねによりましてそうした国内法の適用を受けて、国内法上の禁固の刑を受けたという例がございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 そういったケースもやはりあるようです。これも救済の手を差し伸べてやるべきじゃないかという感じを持っております。  それからもう一つは、これはそういったふうに一括してくくることはできないかと思いますけれども、非常に軽微な罪を犯した。この軽微という限界の判定は非常にむずかしいと思うのですが、普通常識上この程度の罪で恩給権を失うということは気の毒だというふうなものがあると思うのですが、そういうものが実際に事務を取り扱っておられた恩給局長としてあるというふうに判断されるかどうか、この辺も一つ御説明を願っておきたいと思います。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 これは思想犯とかあるいはそうした確信犯ではございませんけれども、占領軍関係のことでございませんけれども、戦前非常に規律のやかましかった当時、ある中学の先生が子弟の父兄から菓子折りをもらった、それによって試験の点数を甘くしたかどうか知りませんけれども、それが贖職の罪に問われまして禁固の刑を受けて執行猶予ということになったのでございますが、そのケースなんかは相当長く三十年もお勤めになった方がそれでおやめになって、そうして恩給権がなくなったというようなケースもございます。現在これらにつきましては具申、訴願を経まして、さらに裁判所に出訴しており、その救済の方法についての争いを続けておりますが、法律上の解釈といたしましてはこれは何ともいたし方がない、これはあくまで失権であるというふうに思っております。こういうものにつきましては個々の実情としては非常にお気の毒だというふうに考えております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 以上恩給局長の御説明を総務長官聞いておられて、十分に御認識を深めたと思いますが、確かに私たち考えてみましても、今言った大きく分けて三つのケースにわたる事案によって受給権を失っておるという人たちは、まことに気の毒な例が多いと思うのです。この際つぶさに政府側においてもそういう例を洗っていただいて、その中からなるべく広範囲に救済していただくような措置を講じていただきたい、こういうふうに考えるわけですが、この点について今の話を聞いておられてどういうふうにお感じになったか。あわせて私が要望いたしておりますような方法を講じていただけるものかどうか、この辺を長官からお答え願っておきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 先ほどから恩給局長がお答え申し上げましたように、恩給法の建前としては事のいかんを問わず、法律に触れて刑罰を受ければ失権するということになっておるわけでございますが、当時は反社会的な行為と目されたものも、新憲法下においては反社会的なものでないというふうになったもの、あるいはただいまおあげになりました占領軍命令というようなことで、しかもそれが国内法に触れたものはこれまた失権をするというようなこと、一方戦争犯罪人は戦犯に問われましたけれども、国内法に問われなければ失権してないというようなこともございますから、それらの点につきましては、個々の内容を十分洗いました上で、何らかの救済の方法をとらなければならないかと存じます。それから第三のおあげになりました例につきましては、これは認識の問題とかいろいろあろうと思います。しかしこれまた今恩給局長があげましたような事例は、事例としてはまことにお気の毒な件であります。そういう点を十分具体的に調査をいたし、そうしてそれを救済するとすれば、どういう方法でやればいいかというようなことを十分に研究をして参りたい。そしてできるだけ御要望に沿うような方向で持って参りたいと考える次第でございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 非常に好意的な御答弁をいただきましたので、私これで質問を終わります。なお本委員会としても、こういった人たちを救うのは当然の義務でもあろうかと思いますので、後ほど附帯決議をつけることを皆さんに御相談申し上げたいと思います。一応質問を終わりたいと思います。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 次に受田新吉君。

受田新吉民主社会党

○受田委員 この前の質問を続行いたします。今度の改正の重要点の一つである軍人の加算制度の採用の問題であります。これは事実上三年勤務を、三倍加算までを認めて、一つの形式的な恩給——普通恩給支給年数を計算しているわけでございますが、この制度そのものは今日はないわけなんです。過去の制度を、すでに恩典に浴している人とのバランスを考慮する上において、新しく取り上げることにしているわけでございますが、ここらに一つ問題があるのです。この加算制度というものは、本質的に今日の現状において、現に一部機関車に乗車する職員に対する措置がとられておりますが、政府としては加算制度というものを現に認めておられるのかどうか。これを一つ伺いたいのです。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 ただいまの受田先生の御質問にお答えいたします。加算制度は、御承知の通り昭和二十八年に恩給法の改正によりまして、建前といたしましてやめるということになったわけであります。すでに文官恩給につきましても、御承知の通り一般の給与体系というものが、そうした特殊の労務、いわゆる勤労というものに対して、付加的ないろいろな手当をつけるというようなことで、そうした勤労に対する対価というものをあとにしわ寄せないで、その場決裁でやっていくという給与体系をとっておりますので、従いまして危険業務加算であるとか、その他の危険業務加算というものは全部なくしてしまったわけでございます。それでたまたま機関車乗務につきましては、経過的にそれを保存していたわけでございますから、恩給法の体系といたしましては、加算制度というものはそこで打ち切られて、新しく出発したということが言えると思います。従って今回の軍人恩給に関する加算というものは、あくまでも既裁定者とのバランスというものを考えての措置でありまして、これをもって全面的な恩給体系の上で加算制度を復活するということではございません。

受田新吉民主社会党

○受田委員 この加算制度を今日原則として認めていない。こういう段階で、昔の加算制度を容認した立場で提案されておりますので、十分ここで法律的にその根拠を明らかにしておかなければ、新しく支給を受ける人々も、給与の対象となる人々も、国民に納得してもらってその支給を受けるという形にしておかないと、何だか昔の封建的なものが復活したような印象を国民に与えたままで、非常に気がねをしながら、この新しい恩給や扶助料をもらうということになると、ここにせっかくの政府の意図とは逆な方向に国民の内部に摩擦、相剋を起こさせるおそれもある。そこで私指摘しておきたいことは、既裁定者とのバランスをとる上においてという理由でこれをやられるのか、またほかに理由があったのであるか。バランスをとってやられるというのであれば、昭和二十八年に改正されるときになぜやられなかったか、この問題をお答え願いたい。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 今回の加算実施につきましては、恩給内部におけるそうした既裁定者と未裁定者との間の処遇の開きというものを、調整していこうという点にあるわけでありまして、もっと広く考えますと、結局全般といたしまして、既裁定者といわず未裁定者といわず、主として応召兵でございますけれども、そうした応召兵、下士官、兵という方々が相当年月外地で御苦労になって帰ってきておる、そういう方方が相当の年配になってきているというときに、何らか国家としての処遇をすべきであるというのが全体を貫いた思想でございます。端的には、今申し上げましたように、恩給内部でのそうした不均衡をなくしていこうというのがねらいでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 私今お尋ねしていることは、二十八年の改正のときに、なぜこの問題が解決されなかったかという原因を心配しておるわけです。そこについてのお答えを願います。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 昭和二十八年に法律百五十五号で軍人恩給が出発いたしました当時、加算制度は全面的に打ち切るということにいたしましたけれども、既裁定者につきましてはこれを認めようということになったわけでございますが、全面的に同じように扱うかどうかということにつきましては、当時の国家財政の事情もございまして、遺族、傷病者に重点を置いて処遇していこう。健康でいる人はあと回しと申しますか、遠慮してもらおうというふうな考え方、それからまたその当時における人事記録の上からいいましても、なかなかこれらのことが実施できるという段階になかったというようなこと、また昭和三十年にこの調査が行なわれたのでありますけれども、この加算を実施いたしますと、対象者が大体七十五万人ぐらいいる。この七十五万人というものも相当若い年令層で、現在は終戦後十五年たっておりますから、その当時三十才であった人はすでに四十五才になっておりますけれども、まだ二十八年と申しますと今から七、八年前でございますので、まだ相当年令層も若い、こういうような段階においてそういう加算問題というものを考える段階ではなかったわけでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 考える時期でなかった。それがこのたび、臨時恩給等調査会の答申についても、これについてははっきりした結論が出ていないわけであります。それに基づいて提案をされておるのでありますが、ここで一つお伺いしておきたいのは、この既裁定者の数と未裁定者の数は、臨時恩給等調査会のときよりも、その後調査が進んで多少プラスされておるものがあるかないか。それから現在の規定に基づく恩給の支給によって、ピーク時にどれだけの国家負担が要るか。つまり軍人三倍加算の制度を採用することに基づく国民の財政負担がどれだけになるかということを、既裁定者の場合と新しい裁定者の場合に分けて御答弁を願います。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 昭和三十二年に臨時恩給等調査会が開かれたわけでありますが、その当時の調査では七十五万という対象者の中で、約二割方が四十五才以上であるというデータでございました。ところでその後年令構成が一年ごとにだんだん上昇して参りますので、現在におきましては——現在と申しますか、三十七年度から本案は普通恩給について実施しようというのでございますが、三十七年度におきましてはその半数が四十五才以上に達する、こういう段階になっております。従いまして臨時恩給等調査会のときの四十五才以上の年令層というものと現在とは、相当違ってきておるということが言えると思います。それから既裁定者の数、全体として現在まで裁定した数は、約五十万くらいでございます。片や未裁定者、今回対象にいたしておりますのは七十五万、そういうことになっております。そうした大体の比率になっております。今回実施いたそうとするところの七十五万というものが、年令構成がだんだん高くなりますので、四十五才から五十才までは恩給の半分、五十才から五十五才までは七割、五十五才からはフルにもらえるというふうな恩給の方式になっておりますので、この方々が五十五才以上になるというときは、あと十五年くらい先であるということで、十五年先の昭和五十一年というものが一番恩給費の所要額の上でもピークになるということでございます。昭和三十七年度におきましては、本案では十月実施ということで四分の一しか実施しないわけでございますけれども、平年額として三十七年度はその費用が四十億、従いまして三十七年度といたしましてはその四分の一ですから、十億しか顔を出さないということでございますが、それがさらに平年化してだんだん延びていく、十五年先の昭和五十一年には百十七億ということに推定されております。また生存者の方の関係におきましても、五十万ということで年令構成も当然上がって参りまして、この五十万の方の経過というものにつきましては十分データをとっておりませんけれども、やはり十年先くらいが相当ふえていくというふうなことになると思います。従いましてやはり七、八十億のものに上るのではなかろうかと思います。一方におきまして公務扶助料の方の額というものは、これは年令層も高うございますから、漸次減っているということになりまして、恩給費全体から見ますと昭和五十一年ころには三、四割くらいは落ちてくるという勘定になります。従いましてこの加算関係の予算の将来の伸びというものは、恩給財政というものをそう圧迫はしていないということが言えると思うのでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 ピーク時が百十七億ということでございます。そのころには所得倍増は相当なところで、倍増後さらに五年もたっていることですから、国民所得も相当なところへ行っている。つまりこの恩給がそのままとどまっておるとすれば、そういうことになるのです。私この問題に関連して、この前の質問で伺いました退職公務員の給与のベース・アップ、従って恩給金額の増額、そういうものが当然無視できないと思うのです。やはりこれが現在の公務員にある程度追っかけていくような形をおとりになることは、藤枝長官がこの間仰せられた通りでありますから、百十七億というものはやはり十五年のうちには金額の上で、相当の増額をされるということも予想されることだと思うのですが、これは藤枝さん、そうでありますね。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 恩給の額そのものについて、生計費その他社会情勢の変化に伴いまして、これをある程度改定しなければならないであろうことは、この前もお答え申し上げた通りでございます。そうして今回の加算の実施につきましては、ただいま恩給局長が申し上げましたように、十五年後百十七億という数字になります。しかしそれと同時に一方公務扶助料その他の金額は、四百億くらいはその当時には減るということでございます。従いまして単にこの七十五万の今回の処置について、十五年後このままであるならば、百十七億ということでございますから、恩給の額そのものが全体として引き上げが行なわれますならば、それだけふえるということは当然だと考える次第でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そこでもう一つ問題があるのは、危険区域、著しく生命の危険のある戦地、これは階段があるわけですけれども、その階段を大東亜戦争の規模という形から見て、戦前の恩給法に規定しており、また施行令にいろいろと規定したそういう危険地域の分類というものが、大東亜戦争の末期にそのままの形で採用すべきであったかどうかという問題があると思う。国内も当時盛んな空襲を受けて、戦地と指定した地域以上の危険な地域もあったわけですから、大東亜戦争の末期の様相は、恩給法の古い観念の、いわゆる外国の地域で危険な戦争に参加したというような立場でなく、国内もりっぱな危険地域であったわけです。そういうものはどういうふうにお取り扱いになるのでしょうか。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 今回の措置といたしましては、あくまでも終戦までの昔の恩給法に基づいて、それぞれ三カ月の加算をつける地域、二カ月の加算をつける地域というふうな、地域なり時期なりを内閣告示に譲っておりまして、そうしたものがすでに旧秩序として戦前に安定しておるわけでありまして、それを守って、その尺度でものを見ていくということにいたしたいと思います。なお戦後の今日、いろいろな価値判断もできると思いますけれども、やはり一つの技術としては旧秩序を守っていく。旧秩序によって既裁定者と未裁定者とのアンバランスを調整していくということでないと、収拾がつかないことになりますので、新しい観点での見直しとか、あるいは旧秩序にもなかったような加算を新しく設けるということについては、非常に慎重に考えなければならぬと思っております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 旧秩序ということをしきりに言われておりますが、これは実態に即しなければならぬと思う。大東亜戦争のような規模の、国内戦などということは予想もしなかった古い時代に作られた規定を、今ごろそのまま用いて価値判断をするということは、私は公平の原則に反すると思うのです。実際戦地であってもその危険の度合いがはなはだ薄いところもあったし、国内であっても大東亜戦争の末期の様相は、大都市及びその周辺などは、非常な危険にさらされたのですから、戦地、危険地域と指定されたところ以上の危険を感じておった時期があったのですから、そういうものを全然無視して、危険の度合いを旧秩序で考えていけるというような旧観念でこの問題が処理されると、新しい時代感覚から見たらはなはだ公平の原則に欠ける。国内で特別危険な地域に勤務した人、戦地から帰ってきて、国内の危険地域に転勤して終始空襲にさらされて、多くの犠牲者も出たところで勤務された人が除外されるということになると、先ほど申し上げたような立場から見ても、旧秩序が大東亜戦争の様相では、末期では変わってきたのではないか。そのことまで含めたものを旧秩序として見るべきではないかと思う。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 その旧秩序と申したことが、非常に古いというふうに感じ取られたかもしれませんが、価値判断としてそうした危険であるかないかということは、戦争の終結までにおいて十分勘案してああした告示が出ておるわけでありまして、一般的に内地は戦場にならなかったというようなことからいって、内地についてのそうした地域的な加算は認めていないわけでございます。これらを新しい観点から、内地もどこどこはどうであったというふうなことを考えるということにつきましては、新しい問題として提起されるわけなんですけれども、今回の既裁定者と未裁定者との恩給内部における不均衡を是正していくという趣旨から、さらに前進した問題になるわけであります。慎重に検討しなければならないと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 慎重に検討しなければならぬということで、検討の種になることを局長が今御表明されたわけです。検討すべきものじゃないという問題でなくして、慎重検討の種になるような御答弁があったわけです。これは非常に大事なことで、そこまで配慮してあげてやるならば、公平にやってあげるという形をおとりになるように、そう骨は折れないと思うのです。  それからもう一つ、この加算制度では、この加算を計算すると、既裁定者の中、あるいは普通軍人恩給を受ける人の中にも、加算を認めればもっと額が高まる者がある。三年勤務した者と、実質は十年も十五年も勤務しておる者と比べたときに、十年も十五年も勤務した者は加算が認められない。そうして短い期間の者が加算を認められるという不公平が一応出ておる。この問題はどう解決なさいますか。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 その点は御説明しておかないと誤解がおありになると思いますので、御説明いたします。加算と申しましても、たとえばニューギニアならニューギニアの戦地に三年参りまして、それに対する加算が一年について三年ということで、プラス九年、十二年になるということで、普通恩給年限に達するわけであります。従ってそれによって普通恩給が給されるわけでありますが、その場合は十二年まるまるとしての計算ではございませんので、百五十分の五十から十二年に足りない九年分を、一年について百五十分の四・五ずつ引いた額を給するのであります。従ってまるまる十二年行った人と、三年しか行かないで恩給がついた人では額が違って参ります。まるまる十二年行っていれば、俸給に対して百五十分の五十ということで計算されますけれども、より少ない年限しか行っていない場合は、その短い年限一年について百五十分の四・五ずつ恩給額が減りますから、従ってその間のバランスはかえってとれておるということになると思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 私が指摘しておることは、十二年以上勤務しておる者に戦地加算をやるならば、三十年にもなることになる、こういう場合の取り扱いを私は申し上げておるのです。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 ですから十二年以上、あるいは将校であれば十三年以上お勤めになったという方、これらはそれぞれの実在職に応じて、二十年ならば百五十分の五十プラス七年、百五十分の五十七ということで計算されるわけでございまして、それに対して加算がついて、それが割増しになるということはございません。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そこが問題なんです。四・五という基準は、これは一年に計算した場合は、あたりまえの引き方じゃないのです。特例的な引き方ですからね。そういうものと、それから長期間勤務して戦時加算を通算すれば相当なものになるであろう加算部分とのバランスはとれておりません。そういうところの弁明をしていただきたいのです。頭をひねられる問題ではありません。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 加算年というものは、恩給金額の上では、恩給金額の計算上では、プラスになる部分については反映しないというふうにお考えになった方がいいと思うのです。普通恩給を受ける資格を取得する、年金を受けさせるようにするための便法である、こうお考えになっていただければいいと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そういう建前でいくということにされておるようですが、今の引き去る額が四・五というこの基準というものが、どうも私は納得ができないわけです。それはどういう基準から出されたのですか。そのことと関連するのです。算定基準を……。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 これは大体実勤が十二年で一年の三分の一、百二十日という分をもらえるといたしますと、一年について十日というぐらいの目安になるわけでございます。従いまして一年足りなければ十日ずつ百二十日から引いていいのではないかという勘定になると思うのです。それが結局俸給に対しては百五十分の四・五という割合になるということで、百五十分の四・五というものを出しておるわけでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 一年の三分の一、百二十日を基礎にして、十日分を基礎にされるというこの基準は、これはどうも……。これは議論を申し上げると問題がこじれますから、一応お預けにしますけれども、実役三年、それから通算して何年、こういう関係において長期間勤務した者と短期間勤務して恩給を受けるに至った者との間に、同じような基準が用いられるのであれば、これは私は筋が通ると思うのです。  それからこの問題に関連してもう一つ申し上げたいのですが、旧文官で今度増額措置がされた部分は、六十才にならなければ支給しないという規定がある。ところが恩給の方でこういう特例を設けるということは、恩給法の原則に反しておるわけです。これはどうしてお用いになっておられるのですか。旧軍人の場合には、五十五才で全額支給されることになる。退職公務員の場合は、文官の場合は、六十才ということで増額措置の部分が押えられておる。そこを一つ……。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 恩給の基本年限に関する限りは五十五才から支給するということになっておりますが、今回の増額措置——今までよりもふえる分については、できるだけ老齢者なり遺族なりという方に多く均霑していこうじゃないかという手法が、昭和三十三年の法律百二十四号のときにも用いられましたし、今回もそういう手法を用いておるのでございますけれども、それは六十才になるまで増額分を停止するという趣旨でございまして、これは全然恩給をそういう額にしないのだということではないのであります。六十才になるまで待っていただく、こういう趣旨でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 若年停止がそこまで引き下げられた場合——六十才というのは若年じゃないのですが、そういうところも何だか恩給法の建前から見て、六十才という新しい年令がここに生まれてきておるから、はなはだ奇異な感じがする。こういうところは、少なくとも五十五才で普通の恩給を受ける資格が発生するのでございますから、増額部分を、年令を下げなくてもこれは当然五十五才ということで、今度の加算制度に認められる人もそういうことになっておるのですから、そういうバランスをおとりになる必要がある。この問題は議論になりますから、また社会保障制度を御採用された基底として御答弁に相なるかと思いますけれども、きょうは一応問題点だけを出して、議論をしないことにします。  それからもう一つは、今度新しい措置をされた外国政府職員の恩給通算、つまり期間算入の問題、これなども従来の恩給法の建前からいったならば、非常に画期的なものであります。また実際に最近の、旧秩序ではなく新秩序でこれをやられたということなら、恩給法から見たら全く異質のものがここに入ってきたわけであります。こういうものを入れてくるということは、われわれは前々から、どういう立場で外国政府に勤めた人も日本の要請で動いたのだから、ぜひこれをやれということを要求してきたのでありますけれども、これを入れることによってまた新しい、まだ残された問題があるのです。たとえば調査の中にある満州義勇軍に参加した満州訓練本部の職員として出かけた人が、強制的に内地の職員を退職させられて向こうへ行かされた。自己の意思ではなく、休職して行った者もおれば、現職で行った者もおり、また退職して行った者もおるわけです。こういうものは、国家の要請で無理にやられたというものは同一に取り扱うべきじゃないかと思うのです。外国政府職員と同じ立場で、満州青少年義勇隊の訓練本部の職員として任についた人を、同等に取り扱うという措置をされるべきじゃないですか。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 満州の義勇隊訓練本部は、私が記憶しておるところではこれは特殊法人——満州の特殊法人でありましたか、あるいは日満合作の特殊法人でありましたか、少なくとも特殊法人でございまして、政府機関ではございません。従いまして、これが強制的に行かされたかどうかということは非常に問題でございますけれども、少なくとも日本が満州開拓政策を立てて、そうして青少年義勇隊を向こうへ送り込む。その人々を、まず満州移住協会が中心になって、内原訓練所で訓練をした。その当時は拓務省の嘱託ということで義勇軍に俸給を支払い、満州に参りましてからは拓務省の嘱託を離れて、満州義勇隊訓練本部の法人の職員になった。この方々の前身は、おもには学校の先生方が多うございまして、その方々は義勇隊訓練本部を終戦後は解体いたしまして、また日本へ引き揚げてきて学校の先生をしていらっしゃるという方もおると思います。これらの期間についての通算の措置を、満州国政府の職員と同じようにするかどうか、こういう問題につきましては、これはそうした政府職員については、恩給法の上で、昭和十八年から日満の交流人事からしてその通算措置を考えたのでございますけれども、これをそうした法人の職員にまで適用するということにいたしますと、ただ単に満州義勇隊訓練本部の職員ばかりでなく、その他の法人の職員の期間というものも問題になってくるわけでございまして、恩給法の従来の体系からはなかなか消化しにくい、こういう問題になってくるわけであります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 改正のおもな点の一つに、旧日本医療団の職員の期間通算があるわけであります。この日本医療団というのはどういう形の団体だったわけですか。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 日本医療団というものは、昭和十七年法律第七十号によりまして、国民医療法というものによって設けられました。そしてこれらはすなわち地方の都道府県の結核療養所であるとか、そうした公共の療養所が全部一つの日本医療団という公法人に一括されまして、それが昭和二十二年法律第百二十八号、日本医療団の解散等に関する法律によりまして解散をいたしました。この解散をいたしましたときに、その施設あるいは人的組織というものがあげて厚生省に移管になりまして、それぞれ国立病院の医官であるとか事務職員になってきておるわけであります。これらの方々の中には、もうすでに退職年令に到達しておるにもかかわらず、医療団期間の五年間が通算にならないというために恩給にならないという方々もありますので、これらも他の公法人と違って、この組織、機能、人的にも全部一括国に引き継がれたという特殊性を考えまして、これを通算していこうということであります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 この医療団の皆さんの期間通算については、私は前から大いに主張してきたことだし、これはけっこうなことだと思っております。思っておると同時に、私が今指摘したような満州の特殊法人も、医療団と同じような性格を持って、満州国における特殊法人のそういう人が、また無理やりに向こうで任務につけさせられて戻って再び公務に従事しておりますから、政府の指導が強制的であったために、前後公務に従事しながら中間がはずれておるという奇怪な姿になっておる。これも今の医療団の期間を算入すると同じような条件で、満州のそうした特殊の任務を持った、満鉄の職員の中にも満州政府の嘱託という立場に立った人もおるわけであります。そういうような公務性を持っておって、国家の任務に従い国家目的に協力したというような立場の人は、公的性格を持てば当然算入措置をとられるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 恩給法は、従来ともそうした恩給の体系の中に取り込むというものを非常に限定しておりまして、そういうような法人職員というものを一般的に取り込むということはいたしておりません。そうした特殊な組織とともに、あるいはその業務そのものが国に移管になったというふうな特殊な形態をとられて、そうしてその間に通算をやっておるというだけでありまして、それ以上野放しに一般の法人期間というものの通算措置は、とっておらないのであります。もしもそういうことをいたしますと、全体の体系がくずれてしまうということをおそれる一ものであります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 今回の特別措置は全部体制をくずしておるのですが、国民の要請にこたえて改正案が出ておるのです。従ってこれと類似のものはできるだけ広く救うという御処置をおとりにならないと、公平の原則に反するわけです。前後の期間のみならず、中間も国家の要請で無理やりにやらされたという、こういう問題は一つ十分検討しておいていただきたいと思います。私はきょうは回答を求めることは困難であろうと思いますので、これは御研究を願うことにいたします。  もう一つ最後に、国鉄の職員の中に国家公務員共済組合法、すなわち旧法による共済組合年金をもらっておる人、これは昭和二十三年六月以前にこの人々の年金改定措置というものが、従来文官に準じてやられておったのでありますが、今回これとやはり同じように考慮されることになっておるのですか、どうですか。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 これは大蔵省の所管でありまして、別途この昭和二十三年六月三十日以前の退職文官の措置とあわせて、同じような法律が出ております。これは衆議院の方は大蔵委員会を通じまして、ただいま参議院の内閣委員会にかかっております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうしますと、これは公平の原則を一応実行していただいておるようであります。  もう一つ、傷病関係の恩給年金の問題ですが、これは今回の加算措置によって戦時加算が認められたのでありますが、傷病についても、そういう算出基礎につき戦時公務に認めるという形をおとりになるべきではないかという意見を持っております。これを戦時加算に準じたところの取り扱いをされる必要はないか、これを一つ御答弁いただきたい。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 受田先生もすでに御承知だろうと思いますが、これは昭和二十八年法律第百五十五号制定のときに、従来戦闘公務、普通公務という別を廃しまして、傷病者あるいは遺族という方々に対する処遇といたしましては、その公務によって死亡し、あるいは傷ついた、病気になった、こういう原因が、戦闘に従事して敵のたまに当たったか、あるいは流行病のマラリアにかかったためであるかというような、そういった原因を問わないで、現に存する障害というものに重点を置いて補償額を定めるという建前に改めたわけでございまして、これはその額を戦闘公務によった場合はそれよりもふやすという考え方につきましては、その当時も賛成しておらないわけでございまして、今日もなかなかむずかしい問題だろうと考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 むずかしい問題というが、戦時加算ができた以上は、そういう戦時公務という昔の旧秩序はやはりそこでは出されて、その部分については特別の措置をするというのが順序としては、今改正案の対応策としては私は適当じゃないかと思います。  もう一つ、傷病者の、つまり子供さんが生まれた場合の家族加給についての差等の問題、これはもう全部の子供さんを対象にすることになったことは非常にけっこうでございますが、差額を依然として設けておるわけですが、この差額を廃止して、その配偶者、第一子という基準にまとめるという方針をおとりになるべきではなかったかと思うのです。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 増加恩給受給者の場合に、退職後の子女にも加給をつける、こういう問題につきましては、一般の年金制度においては保険事故が発生した以後の状況の変化というものは入らないで、保険事故が発生した当時の現在の状況に応じた給付をするという原則に対する大きな例外になっているわけでございまして、この退職後に出生した子女についての金額を二千四百円という額に制限しておりますことは、ほかの年金制度等とのバランス上、どうしてもその程度の差等をつけておかなければならぬだろう、こう思っております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 私はもう大事な問題だけ提供して、論議をしないでどんどん急速度に進んだわけでございます。  もう一つおしまいに、今回の恩給法の改正でできるだけ多くの人を、国家の公務に従事した人々を救い、特に準軍人の立場で陸海軍の学生生徒までもこれを適用するというような配慮を漸次拡充強化されている点については、われわれとしては原則的に賛意を表するわけです。これが一般大衆、国家の公務に従事した一般大衆にまで公平に及ぶという立場をおとりになるとするならば、まだまだ今も指摘したところに幾多の問題がある。これを一つ十分御考慮を願いたい。  最後に過去の公務員のベース・アップというものの問題その他についても、十分検討をして早急に具体的な方針をお示し願いたい。  いま一つ、この戦争に関係した問題で残されているのは、私たちはこれに非常に批判的な態度をとって臨んできたわけでございまするが、金鵄勲章の年金受給者が取り残されている問題が一つあるわけであります。この金鵄勲章の年金一時金を含んだ、との金鵄勲章の年金制度というもの、この受給者の老齢の人々に対して、何らかの措置をとらなければならないという動きが国内にもあり、また政府部内にもあると聞いておるが、これはどういう形でこの金鵄勲章年金受給者、一時金を含む受給者の生活保障という態度をお持ちになっておるのか、総務長官はそういう賞勲部の属する長官としての御見解があると思いますので、お答えを願います。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 金鵄勲章年金受給者についての救済の処置については、かねがねいろいろ各方面からその要望があるわけでございまして、政府部内といたしましても予算の編成にからんで種々検討をいたしたのでございますが、今回の恩給法改正等とからんでは提出をしなかった次第でございます。しかしながらその後も自由民主党の内部におきましても、いろいろと御研究になっておるようでございまして、それらの動向ともにらみ合わせて善処して参りたいと考えておる次第でございます。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 山内広君。

山内広日本社会党

○山内委員 この恩給法はなかなか私のようなしろうとには取りつきにくいめんどうな問題でありますし、何回も根本的な改正を加えられて今日に至っておりますので、あるいは私の思い違いから質問することもあるかもしれませんが、御指摘いただきたいと思います。特に今臨時恩給等調査会の正メンバーであった受田さんから、相当詳細にわたってお尋ねがありましたので、私のお聞きすることの大半がなくなったわけでありますけれども、少し私なりの立場から深めた御質問をしておきたいと思います。  この恩給論議を通じて考えさせられることは、私どもの考え方からすれば、むしろ旧軍人恩給の復活というよりも、社会保障制度でいきたい。特にああいう戦争で国家総動員によって、軍人以外の者も相当に犠牲者を出しておることは、受田委員の言われる通りでありまして、私も全く同感なわけであります。しかし局長の答弁を聞いておりますと、そうすると国民全部にやらなければならぬので、ある程度の線を引かざるを得ないということも、一応財政面等を考えたらうなずけないでもないわけであります。  そこでまず最初にお聞きしておきたいのでありますが、これからお尋ねすることは、御答弁を得やすいように提案理由の説明の順序に従って一応お聞きしたいと思いますので、先の方からいっていただきたいと思います。最初の方ですけれども、別にあげ足とりをするわけではありませんけれども、三十三年から四カ年にわたって相当に是正措置を講じた、問題の大筋が解決された、こういうふうに断定しておられるわけであります。ところが今いろいろお聞きしておりますと、大筋といえば大筋かもしれませんが、問題はまだたくさん残されているわけであります。そうしてしかもそれについては長官は、謙虚な気持で是正の用意もあるようでありますから、もしこれが大筋が解決されても、あとは政府としては手をつけないという方針であれば、これはまた私は聞き方も違うわけであります。そういう心がまえで検討の用意があるというので、若干お聞きしておきたいと思います。  最初にお聞きしたいことは、軍属の定義であります。そのことは今受田委員の質疑応答の中で気がついたのでありますが、私ここに持っておりますのは、内閣委員会調査室で作りました「恩給法の手引」という中の軍属というのを見ておるわけであります。それで恩給法の軍人と、それから援護法に回った準軍属の関係は、そう問題がないと思います。これはすこぶる明瞭だと思います。ただこの軍属の場合に、これは戦争を経験したわれわれは皆承知しておるのでありますけれども、いろいろな形の軍属がありました。各職域があげて軍命令でもって、たとえばその仕事を多少サボタージュしたら軍法会議に付せる、そういう強い指導のもとに軍属としての任務を果たさせた。ところがこの恩給法上で定義を下している軍属の中には、陸海軍以外は含まれておらない。このことがいろいろな問題を引き起こす、議論の出る要点だと思います。あの当時軍属として発令した各種の職種をやはりこの中に入れて解釈をしていくべきである、私はそう思う。これは相当に問題があると思いますけれども、一つのワクにはなるわけです。私今考えておるのは、たとえば船舶運営会の人たち、あれは海軍の命令で船と一緒に輸送船としていろいろ戦地に行かれた人です。船と運命をともにした人もたくさんおるわけです。ところがあの船舶運営会の人たちは、民間の会社が給与を出しておるから、そういう意味で恩給法の適用がないというのが、おそらくあなた方の御答弁だと思うのです。そこで私がお聞きしておきたいことは、陸軍も海軍も国で給料を払っておる、だから当然恩給の対象になる、こういうことだと思います。陸海軍の、国から予算をもらった軍人以外にも、国家から同じようにもらって軍属の発令を受けて、そして戦地で戦った人もある。そういう意味でこの軍属の定義を訂正されるお考えがないのかどうか。もっと拡大して、先ほど受田委員の指摘されたようなことは、全部といかぬでも、一歩前進された形で、当時国から給料をもらっておって軍属として発令された民間の人、あるいは民間の人はないかもしれませんが、具体的に言えば国鉄の職員のような公務員、そういう者について考慮する必要がないか、この点をまず最初に伺いたい。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 今お尋ねの軍属の問題なのでありますが、これは法律的に非常に込み入っておりまして、なかなかおわかりにくいと思うのですが、恩給法のレールに乗っているのは文官と軍人、文官というのはさらに教育職員とか監獄職員とかいうのがありますけれども、そういう恩給法の対象者としての一般官吏法に乗っている人たち、それを対象にしているわけですね。ところでこういう人たちというのは、昭和二十一年に軍人恩給が廃止されたわけです。そのときに向こうの命令では、軍人というばかりでなく、軍属というものも、つまり恩給法上のレールに乗っている軍人と同じようなレベルの人たち、すなわち軍人と同様の勤務に服して、軍の勤務についておった軍人以外の公務員も、やはり軍人と同じように扱おうじゃないかというので、それで陸海軍内の軍属というものを定義したわけです。すなわち、たとえて申し上げますと、陸海軍大臣とか政務次官、参与官、書記官、医師、法務官、司政長官、司政官、陸海軍の看護婦長、看護婦、看守長、看守、巡査、警査、そういうような陸海軍内のいわゆるそうした文官についても軍人と同じように扱おうというので、そういったカテゴリーを作って恩給法上の軍属という言葉を与えたわけです。今お話の、いわゆる一般に言うところの軍属というものは、これは対象になるとすれば援護法の対象になる。そうした恩給法のレールに乗っていた人たちの戦争犠牲者というものは、恩給法のレールで救おうじゃないか。それから漏れた人たちの処遇というものは、援護法というもので救おうじゃないか、こういう建前になっております。そこで援護法の方では陸海軍の雇用員であった徴用工であるとか動員学徒であるとか、およそ国の命令のもとに行動した人たち、こういう人たちで戦争犠牲をこうむった者に対して、一定の処遇を講じようというのが援護法の仕事であります。従って今お尋ねの軍属はどれに当てはまるか、ちょっと具体的によくわかりませんが、もしもそういう人たちに対しての処遇を何らかの形でするとすれば、援護法の中でするということになると思います。従って援護法の中でも、一般的な軍属というものと、恩給法による軍属というものは、カテゴリーが違いますので、その点を御了承願います。

山内広日本社会党

○山内委員 私も援護法と恩給法の対象の相違のあることは、さきに触れた準軍属というところで申し上げたと思います。承知してお聞きしているわけです。私のお聞きしたい点は、当時公務員として当然文官の恩給をつける資格のある人が、たまたま戦争で軍属としての発令を受けている。そして実際に戦地に行っている。戦地といっても第一線でなくとも、そういう場合のことを申し上げているわけです。おわかりになりましたか。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 今の御質問の点はたしか、たとえば野戦鉄道の機関に勤められるとか、あるいは野戦郵便局に勤められる方片だと思いますが、それは当然郵政事務官なり鉄道の書記官なりあるいは書記という身分を持っているわけであります。これは当然一般文官として恩給法上の処遇を受ける、こういうことになるわけであります。

山内広日本社会党

○山内委員 それが平時で文官としての恩給がつけられる場合にはいいのです。ところが途中でもってその人がけがをして、足がなくなった、手がなくなったという人を私も現に知っているわけです。そういう人が軍属としての対象にならないために不利益な処遇を受けている、そのことを是正するためにお聞きしているわけです。では具体的に申し上げます。青函連絡船は御承知の通り特殊な形態でありまして、海軍が非常に強力に軍属として発令した。ところが終戦間近前にたった二日間で、グラマンの攻撃で連絡船が全部沈没した。そのときたくさんの職員が死んだりけがをしております。そういうときには、そういう問題がなければ文官としての恩給はつけ得るわけでありますが、ところがあのときの処遇は、軍属としての発令はしておくけれども、これは適用を受けないのだということで除外されている。そういう事実があるのです。これは一つの例でありますが、ほかにもたくさんあるのではないかと思うのです。船舶運営会にたくさんあると思います。ただあれは民間会社が金を出しておりますから、そこまであなた方を責めることは困難だという前提に立って、同じ国家公務員であるこの人たちの処遇をどうしてくれるか、こういうお尋ねであります。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 今具体的な例をあげて御質問になったわけですが、そういう場合でございますれば、その御本人が恩給法上の公務員、すなわち文官であるといたしますれば、当然公務傷病、あるいはなくなればその遺族に対する公務扶助料というものが支給されるわけでございます。ただお尋ねの点はおそらくその方々が国鉄の中の雇用人である、こういう場合だろうと思います。雇用人である場合にはもちろん恩給法の適用がございませんから、それらについては先ほど御指摘がございましたが、旧令共済組合法の長期給付の適用があるだけであります。従ってこの場合に、戦時災害であるならばその旧令共済組合法上適用がない、こういうふうな事態があったと思います。普通の災害事故であれば旧令共済組合法の上の長期給付として扱われるけれども、それが戦争災害であるということは、こういう場合には保険の数字の上に載っていないものですから、そこで共済組合の対象にしない、給付の対象にしないという問題があったと思います。これらにつきましては国の雇用人であるという建前からいたしまして、おそらく援護法で救っておるはずでございまして、そうした穴を埋めようというのが援護法の建前でございますから、おそらくそれは援護法で救われていると思うのでございますけれども、こまかい具体的なケースについてはどうなのか私よく知りません。

山内広日本社会党

○山内委員 私も実は援護法の網で救われているかどうかわかりませんけれども、これは一つ将来の研究課題としていろいろまた私からもお話ししたいと思いますので、課題として一つ御研究いただきたいと思います。  その次は同じような問題が海上のことになりますが、戦地と非戦地の場合、これをどこでどういうふうに区別されるのか、具体的にお聞きしますが、海上はどうなんですか、この点をお尋ねいたします。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 これは加算の点だと思うのでありますが、その加算の指定の地域の範囲というものは個々の告示で指定してございまして、太平洋のこの海域であるとかいうふうに個々に指定してございますので、具体的にこの沿岸はどうであるとか、その辺はどうとかということはここではちょっと申し上げられないのでありますが、そういうきめ方をしております。

山内広日本社会党

○山内委員 実はその指定がどこかにあるかと思ってずいぶん私も見たのですけれども、いただいておる資料の中には実はないわけなんです。そこで海上というものが全部あの当時のああいう状態ですから戦地と見なされるとなると、ここにまた一つの問題が出て参ります。その点もし御回答を得られなければこの次でもよろしいのですが、陸上だけが非戦地であって海上は戦地なのかどうか。しかもその場合の領海というふうな問題はどうなるか、お伺いいたします。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 技術的なこまかいことになりますから、説明員の方から説明させていただきます。

中嶋忠次総理府事務官(恩給局審議課長)

○中嶋説明員 告示の点についてお答えいたしますと、大東亜戦争になってからは内閣の告示で概括的に、太平洋において戦務に服した場合には一月について三月を加算するという告示が出ております。ただ太平洋につきまして、ただし内地の沿岸、港湾を除くとなっておりますから、たとえば瀬戸内海が太平洋の中ではないかというふうなことは起こってこないと思いますけれども、いわゆる外洋でありますと、これは加算のつく、地域になっております。  それからその前のシナ事変等におきましては、先ほど受田先生から御指摘がありましたように戦争の態様が少し違っておりましたので、そういう太平洋という指定をせずに、シナの地域というふうなことにしております。内地から出発する人たちが内地の港湾から出発すれば、シナの本土に着く前から加算がつくという形になっております。

山内広日本社会党

○山内委員 戦時加算は太平洋地域という大きな包括的な対象である。そういたしますとあまりこまかくなって気の毒ですけれども、またこれからいろいろ未裁定者の申請などがあった場合に、適用するとかしないという問題が出ると思いますので、明らかにしておきたいと思うわけです。そうしますと津軽海峡は太平洋地域と了解していいのかどうか、これを一つ御説明願いたいと思います。

中嶋忠次総理府事務官(恩給局審議課長)

○中嶋説明員 津軽海峡そのものの中で服した場合、これは太平洋の中に、先ほど申し上げました港湾、沿岸を除くという中に入りまして、加算はつきません。ただし先ほども申し上げましたように、たとえば函館を出て、それから津軽海峡の港湾を経ずに太平洋まで行って、そういうことはないと思いますけれども、そうしてフィリピンへ行ったというような場合には、函館を出たときから加算がつく、かようなことになっております。

山内広日本社会党

○山内委員 大へん明瞭になってきたわけですが、あの当時御承知かと思いますが、グラマンがやってきたときに、あるものは港に逃げ、あるものは追われて太平洋に出て行って、相当船がいためつけられ、それであわてて沿岸にのし上げて多少でも人を救ったということで、あの沿岸で沈んだという事実もたくさんあるわけです。こういう場合などは、今のお話であると適用させて差しつかえないというふうに私は受け取るわけです。またそう解釈してやりませんと、あの辺を逃げて歩き、どこで沈められたか今わかっているのですから、そういう広い意味の解釈で適用していただくのが当然だと思うわけですが、その辺もこれはいろいろ申請があった場合に、具体的に御判断をいただく資料として参考までに申し上げておきたいと思います。  それでは次に質問を移しますが、法律案要項の三番目に、普通恩給または扶助料で支給されないものとして、イ、ロ、ハと三つ書いてあります。このイとロは具体的にはどういうことなのか、実例でお示しいただきたい。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 第一点の「普通恩給の給与開始前に恩給法に規定する普通恩給を受ける権利を失うべき事由に該当した者及びその遺族」というのは、たとえばさっき処刑の話が出ましたけれども、三年をこえる刑に処せられたというような場合にはすでに失権しておるわけです。あるいは国籍を失ったというような場合には失権しておるわけです。ロの方は「扶助料の給与開始前に恩給法に規定する扶助料を受ける権利又は資格を失うべき事由に該当した遺族」、これはたとえば奥さんなら奥さん、未亡人が軍人の死亡後どっかへ再婚した、こういう場合には失権するわけであります。あるいは子供さんなら子供さんが養子に行ったというような場合には、同じように失権するというわけであります。  次にハのこともついでに申し上げておきますが、「普通恩給を受ける権利が旧軍人軍属退職の時から発生していたとしたならば、恩給法以外の法令の規定によりその権利が消滅すべきであった者及びその遺族」、これはなかなかわかりにくい表現でございますけれども、これは御承知の通り昭和三十四年の十月一日に恩給が恩給法から国家公務員共済組合法に移り変わったわけです。従って国家公務員共済組合法になって、ずっと現在も再就職してきている、こういう人につきましては、それ以前の恩給上の権利は消滅してしまって、国家公務員共済組合に移ってしまった。そういうふうに消滅した権利がある場合には、それに対しては支給しない、こういうことでございます。

山内広日本社会党

○山内委員 わかりました。その次の四番目なんですが、一時金を支給されたが、これを返した場合は、もちろん十五分の一という問題は起きてこないわけですね。そうするとこれは本人の意思にまかして、返したければ返せばいい、これはアップしないで、現金でもらった当時の金額なんです。そう解釈いたしまして、その一時金の十五分の一の減額をするという、その十五分の一という考え方はどういうところから出ておるのですか。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 この十五分の一という思想は、恩給法の規定にございまして、六十四条の二の規定がございまして、恩給法ができたときから、一時金をもらって、そうしてその人が一時金の基礎になっている在職年数を通算して、その後普通恩給をもらうという場合には、その調整規定として十五年賦で返すという思想が打ち立てられておりまして、十五年賦で返すのがいいか、二十年賦で返すのがいいか、十年賦で返すのがいいか、これは問題でありますけれども、年金の平均的な受給年数というものは、大体その辺であるということで押えまして、そうして客観的に十五分の一というふうにしております。その例をとっております。

山内広日本社会党

○山内委員 これは十五分の一がいいのか十分の一がいいのか、私もわかりませんので、こういう法律でありますからそれはそれといたしまして、この制度は全部の恩給に通ずる規定なんですか、軍人だけですか。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 この一時金と普通恩給との調整規定というものは、全部に通ずる思想でございます。

山内広日本社会党

○山内委員 そうしますと、先ほど受田委員からお尋ねのありました国鉄の方の年金も、これと同じような制度で、その趣旨が盛られた改正になるということですか。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 お尋ねの御趣旨はこういうことだろうと思います。つまり恩給法で今度加算によって普通恩給になっておる。それが共済組合の上でも同じ価値に認められるかどうか、こういう問題だと思います。これはそういう恩給法上のそうした一定の年金を受ける権利というものがあるわけです。そこでその人が共済組合の方に行って、そうして在職年をずっと通算してみたところが、向こうの二十年に達しない。こういうふうなことで年金をもらえないということがあるわけですね。そういう場合においても、すでに軍人恩給についての恩給権が打ち立てられておる。その部分については、あくまでも向こうの退職年金においても、その限度においては保障していくという思想は貫かれております。

山内広日本社会党

○山内委員 これはまたこまいことになりますし、相手は向こうの年金制度ですけれども、ちょっとお聞きしておきたいことは、さきも話が出ましたが、昔は用人、雇員という制度があったわけです。ですから今現実の例で申しますと、極端な例を言えば、三十年国鉄に勤めておったところが判任官になって十年でやめたために、その人は一時恩給をもらっておる。ところが今は雇用人期間というのは、全期間をそのまま通算されるのか半分をするのかわかりませんけれども、とにかく通算になっているはずです。そういうことになりますと、この一時金を返すなりあるいは十五分の一の制度を適用されるということになれば、この人は恩給を受ける資格を持つわけです。これは大へんな差になる。その点を少し御説明願います。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 公共企業体共済組合法にいたしましても、また国家公務員共済組合法にいたしましても、この恩給の年限というものは、恩給公務員期間としてまるまる通算して、しかも雇用人期間も通算して、それぞれの退職年金を給する規定になっております。ただしかしそれ以前に、その基礎になる在職年に応じて一時金をもらっておるという事実に対しては、一定の調整期間を設けて、行き過ぎにならないように、つまり二重給与にならないように、そういうような処置はそれぞれ講じております。

山内広日本社会党

○山内委員 確かに二重支給をしてはいけないと思います。ただこういう制度を作られることによって、かなり恵まれる人が出るわけです。向こうも同じように公平な原則に従えればそれでけっこうです。そこで念のために伺ったわけです。  それではその次に聞きたいのですが、それは特例の扶助料というものが今度できましたですね。それは陸軍の士官学校とか幼年学校の学生に対する扶助料だと思います。今ここに文書を持っておりませんが、法律案に出ておると思うのですが、私ゆうべ読んでみて、解釈のしようによっては、陸海軍の学校の学生だけ、こういうことになるようにも思うのですが、この適用の範囲はどう解釈するのですか。逆に申しますと、あのときに学徒出陣ということで多数の一般の大学生などが全部引っぱられたというか、動員を受けたわけです。そういう人も当然私は受けるのであろうと思って読んだが、どうもそうでもないらしい。それでははなはだ私は不公平で、気の毒な学生がたくさんおると思うのです。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 恩給法の対象になります者は、軍人、文官、それから軍属、準軍人、準文官、今問題になっておるのは準軍人で、いわゆる陸海軍学校学生、生徒という方々は、準軍人という地位を恩給法の上で持っておるわけです。この遺族に対する恩給等の特例法の面では、現在の法律の上では準軍人の中でも見習士官とかという方々に対しましては給与の対象になっておりますけれども、学生、生徒、つまり士官学校の生徒であるとか幼年学校の生徒であるとかというふうな方々に対しましては、対象になっておらない。そこでこれらの人々に対しても対象を広げようというので、援護法三条に規定する「在職期間」というのを読み直して、それにのみ広げようという技術的な方法を用いておるわけなんでありますが、今御指摘のそうした学徒動員の方々というのは、軍人とかあるいは今申し上げた準軍人には身分的になっておらないわけです。そこで学徒動員の方々は、こういう方々が爆弾で傷を受けるとかあるいはなくなられたという面につきましては、援護法の方でこれを手当をするという建前になっております。

山内広日本社会党

○山内委員 わかりましたが、それでは援護法で、この学徒動員を受けてなくなられた方々の家族の扶助と、それから今ここに出されている特例扶助、この待遇といいますか、差はどれくらいなんですか。同額ですか。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 援護法の上で、動員学徒の方々の戦死亡ということに対する処遇といたしましては、遺族給与金というものが出ております。この遺族給与金の年額はたしか二万五千だったと記憶しております。でありまするから、大体一般の兵士の公務扶助料の半分でございます。しかもこの期間というものは、終身ではございませんで、五年間ということに期間を限っておりまして、こうした身分の違いなり勤務の態様の違いから、そこに若干の差をつけておるというのが実情でございます。

山内広日本社会党

○山内委員 これはものの考え方ですけれども、初めから兵隊を志望して士官学校、幼年学校へ入って、そうしてたまに当たった人と、それからほんとうは兵隊に行きたくないのだけれども、大学に上がっているのに、無理に徴用にかかって動員で死んだ、そういう人の方が、この法のもとでは薄い保護を受けるということは、私ども納得がいかない。やはりあの当時の動員態勢から見たら、学徒動員も同じくらい、この援護法を改正して、もう少し処遇を上げてやる必要があると思うのですが、それについての考え方を伺いたい。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 その問題は私ちょっと所管でございませんので、御答弁に窮するわけでございますけれども、厚生省方面におきましても、二分の一でいいのか、あるいは七割五分にしなければいけないのか、あるいは同額にしなければいけないのか、厚生省でいろいろ御要望を承って研究しておられると思うわけであります。

山内広日本社会党

○山内委員 長くなりましたのでもうすぐやめます。この提案理由の説明の第五点なんですが、文官の高等官と判任官の是正をやったということなんですけれども、この法律案を見ただけではちょっと理解できないので、これを具体的に……。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 この法律案の要綱の一番最後に、こういう三段にした表がついておりますが、これを見ていただけば多少おわかりになると思います。ここに書いてありますように、判任官の十一級俸というところから判任官の五級俸というところまでのクラスの人人に対しては三号上げる、それからそれ以上、判任官一級俸の手前のところまで二号上げる、それから奏任官の一号表の六の手前まで一号上げるということで、上げ方につきまして下の方に重点を置いて、そして一番上の方、いわゆる昔の高等官五等というところ以上につきましては、大体新旧のバランスがとれておるという考え方からいたしまして、そこまでを限度として今回是正をいたしました。

山内広日本社会党

○山内委員 これもまた内容を検討すると意見も出そうですが、これは皆さんの御修正を認めてこのままでよろしいと思います。  法案の内容については以上でありますけれども、この際ついでですから一点伺っておきたいと思います。それは通算の問題です。たとえば地方公務員から国家公務員になったとか、国家公務員から地方公務員になったという場合、これもかなり是正されております。それはよくわかるわけです。ただこれは具体的な例を申し上げた方がはっきりしていいと思うのですが、私が地方議員をやっておったときに、監査委員の事務局の職員になりますとそれが通算されないという事実を訴えられて、不合理なことを今もって記憶しておるわけです。そういうことがあるのかどうか。同じ地方公共団体の一部局である監査委員の事務局の職員に発令になったばかりに、中断されるということは非常に不合理だと思いますが、この点はどうですか。

中嶋忠次総理府事務官(恩給局審議課長)

○中嶋説明員 お答えします。通算というのは範囲が順々に広まって参りまして、先生のお話にあるのは、まだ一般の地方の退隠料規程の適用と恩給法の適用等のある職員間の通算という問題が起きる前のことではないかと思います。その前におきましても、たとえば一般の内務省系の官吏からそのまま居残っていた人につきましては通算になったわけです。ところが学校の先生の系統とか警察官の系統の人からいきますと、違う部局に行った場合には恩給法の受給が切れるという立法例がございましたから、そういう職域が違った異動をしますと、かつては通算されなかったという例はございます。現在においてはそういう例はないと思います。

山内広日本社会党

○山内委員 たしかこれも不合理是正で訂正されたと思うのですが、実はあまり古くない最近に同じような趣旨の投書を私いただいておって、それでこれはまだ是正されないのかと思ったわけですが、御必要ならその書面をここでお目にかけてもよろしいのです。  以上で法案の質問は終わりましたが、この際長官に一言だけお伺いいたしたいと思いますのは、いろいろ議論も出ております定年制の問題です。五十五才でやめるという問題、これは今政府はどういう方針をとられておるのか、また年令の延びておる時代でありますから、六十才から六十三才になるのか、その辺も政府は相当検討されておると思いますので、それを伺って私の質問を終わりたいと思います。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 定年制の問題につきましては、いわば国家公務員の一種の若返りというような問題も含めまして、政府部内においていろいろ検討をいたしておる最中でございます。現在のところは現実に、少なくとも国家公務員について申し上げますと、定年制をしくのがいいかどうかということに、まだ踏み切れないいろいろな事実がございます。現実に、特殊な例は別といたしまして、上級公務員になりますと、言われておる五十五才とか五十七才とかいうところにならぬまでにやめる例の方が多いような関係もございまして、さらにもう少し検討をいたしたいと考えております。しかしながら地方公共団体は自分らでやりたいが、政府がやらないとなかなか踏み切りにくいというようなことから、地方公共団体の実情からすると、定年制がしきたいという実情にあるようでございまして、それらともあわせてさらにもう少し検討をさせていただきたいと考えております。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 次に保科善四郎君。

保科善四郎自由民主党

○保科委員 時間も切迫いたしましたから、きわめて簡単に二、三点、要望と質問をいたしたいと思います。  今度の恩給法の改正法案は、昭和三十三年に全面的に行なわれましたものを補足されておるわけでありますが、その当時九項目重要な問題が残っておったわけであります。政府は内閣委員会において、委員長の質問に答えて、それを善処するというお約束をいたされ、それを今度着々実行をされた、このことは私は大へんけっこうだと思う。ただ一つ、恩給局長にお伺いをし、かつ御配慮を願いたいと思いまするのは、七十五万失権者があるわけでありまして、その中では軍歴がなくなっておる人もある。これは大へんな年月がかかるのではないでしょうか。ところがこれは、もらうべき人がいろいろな関係でもらっていなかったわけでありますから、これをすみやかに裁定をされて、この法律ができましたならば一日も早く失権者が恩典に浴するようにしていただきたいと思うのですが、その点に関して何か腹案があればお伺いをいたしておきたい。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 この法案がこの国会におきまして御賛成を得まして通りました暁におきましては、各府県の世話課、厚生省の援護局、全員が待機をしておりましてこの仕事の開始を待っておるようなわけでございまして、その態勢の整備のために、現在海軍でありますれば艦隊の行動表を整備するとか、あるいは軍歴につきまして、すでに一ぺんやりましたものをもう一ぺん点検してそれを整備し直すとか、いろいろな準備万端を今から整えておるわけでございまして、この仕事が始まりますれば、普通恩給につきましては三十七年の十月から支給ということで、まだ一年有余あるわけでございますし、また遺族につきましては、わずかな数でございますけれどもこれはなかなかむずかしいと思いまするが、全員が努力して態勢を整備して、間違いのないように、的確にということをモットーにして現在努めておるわけでございまして、御期待に沿うようにやりたいと思っております。

保科善四郎自由民主党

○保科委員 今恩給局長の腹案を伺いまして、大へん満足をいたします。ぜひそれを促進されるように格別なる御配慮を願いたいと思います。  もう一つは傷痍軍人に関する問題でありますが、今回の改正に対して、恩給局長もよく御承知と思いますが、多数の傷痍軍人から修正の請願書が出ておる中で、第一は戦闘公務にしてくれという問題と、間差を旧間差にしてもらいたいということであります。これは私はもっともな御意見だと思うのですが、恩給局としてどういうふうにこれを考えておられるか、きわめて簡単にお答えを願いたいと思います。

八巻淳之輔総理府事務官(恩給局長)

○八巻政府委員 この傷病恩給の年額につきまして、その公務の原因が戦闘によったか、あるいは普通のものであるかということで差別をつけるということにつきましては、先ほど申し上げましたように、現在の傷疾の障害の存する点に重点を置くという考え方から、この差別の撤廃という考え方で踏襲してきたわけでありまして、今後ともその方向が正しい、こう思っております。また旧聞差の復元、こういう問題につきましては、すでに臨時恩給等調査会の報告にもございますように、重症には厚く軽症に薄くという精神をさらに徹底させるという答申もございますので、その線に沿ってできるだけ全体の調和をとっていくという趣旨で、今回の間差を是正したわけでありまして、全く戦前のものに戻すということは軽症者を重く扱うということにも相なりまして、一般社会保障制度その他いろいろ均衡もございますし、また恩給調査会の答申にも反することになりますので、にわかに御賛成いたしかねるというふうに申し上げておるわけでございます。

保科善四郎自由民主党

○保科委員 できるだけ一つ他とのバランスも考えて御考慮を願いたいと思います。  もう一つは、実は受田委員が質問をされてまことにその意を尽くされておるのでありますが、金鵄勲章の年金、一時賜金の問題、御承知の通りこの九割は下士官、兵であります。しかも老齢者でもうきょうの命もわからぬという状態で、この経済的失権を一日も早く回復してもらいたいという、熱烈なる悲壮なる希望がございますので、先ほど総務長官からもきわめていい御返答がございましたが、ぜひ党の施策に協力をしていただいて、政府からももっと積極的にこの恩給と同様の態度を持って、この問題のすみやかなる解決をお願いをいたしまして、私の質問を終わります。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 次に建設省設置法の一部を改正する法律案の質疑を継続いたします。石山權作君。

石山權作日本社会党

○石山委員 多目的ダムの管理はあなたの方でありますか。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 多目的ダムの管理につきましては、特定多目的ダムに関する法律がございまして、この法律では建設省を所管省といたしておりますから、管理も建設省の所管でございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 法律によって管理しているという御意見だけれども、多目的ダムは文字の通り治山治水もあるわけでしょう。工業用水もあるわけです。農林関係、いわゆる灌漑用水としてもある。洪水というような関係もあるわけです。委員長、時間がないというようなところから、だいぶざわざわしておりまして、質問がうまくいきません。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 御静粛に願います。私語を禁じます。

石山權作日本社会党

○石山委員 こんなやり方ではいかぬと思うのです。われわれ質問に立っておるのは大事に思ってやっておるのですから、大事に聞いてもらわなくては困る。  そういうことからすると、出先機関で管理するにはいろいろな不都合が出るようであります。たとえば気象の問題一つをとらえて考えてみても、雨が降りそうだ、雨が降って洪水がだんだん出てきた、こういうような調査なんかも、結局は建設省自身ではやり得ないようでございます。それから灌漑用水の問題なんかを考えてみますると、農民の合理主義よりも感情論が先に立って、非常に紛争を起こす場合もあるようでございます。ですから私は極端に申し上げれば、いろいろ法律もあるでしょうが、その法律を改正なさって、むしろ管理権は総合的な複雑な関係を持つ地域の問題でございますから、この地域の県にそういう管理権を移管したらどんなものだろうかという意見でございます。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 お尋ねのうち、まず多目的ダムとして建設省が所管いたしておりますものは、どういうものかということを明らかにしておきたいと思いますが、これは特定多目的ダム法によりまして、いわゆる治水の問題とほかの利水の目的を合わせたものというふうになっております。従いまして利水だけの多目的——常識的には多目的になりますが、これは特定多目的ダムの法律上の多目的ダムではないというふうに考えております。それから治水の機能を維持したりあるいは増進するということと、利水上の働きを維持する、増進するという二つの種類の働きを持っておりますので、建設省といたしましてはこれの管理上の規定を制定いたしまして、これによって具体的なダムの操作をやってもらっておりますが、実際問題としましては、建設大臣が直轄で施行いたしましたダムは直接管理する建前をとっております。補助をして地方公共団体が施行いたしました多目的ダムは都道府県知事の責任においてやっておりまして、これに対して建設大臣が監督をする、こういう立場をとっております。

石山權作日本社会党

○石山委員 今あなたの方では、水資源の問題で大へん張り合っておるのでしょう。そういうのが地方に行っても起きるわけです。あなたの方は治山治水をおもにおっしゃっておりますが、治山治水という場合に農林省の立場はどうなんです。常に競合の立場をとるわけでしょう。それからダムの水、たとえば洪水が来るのだから放水しなければならぬと思っても、発電関係からすれば危険の九分九厘までためておいてもらいたいというのが、発電会社の方の要望だと思うのです。そういうふうに非常に問題がからみ合ってくると思います。さっき私は農民の問題にも触れましたが、それから皆さんの方で管理をなさらなければならぬという一つの強い考え方の中で、地方のいわゆる県庁あたりの技術では、大きな多目的ダムの操作はできないというふうにお考えになって、管理権はこっちにあるというふうにおっしゃっているのでしょう。地方にまかしておけば、せっかく建設されたダムが損傷、破損をする、そんなふうな考え方もその中にはあるわけですか。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 特定多目的ダム法の立法趣旨から考えまして、やはり洪水防御とか治水目的の達成ということが、多目的ダムの場合大きなウエートを占めておりますので、これは利水目的も達成されるようにということで、あわせて総合的に管理をしていかなければならぬ、こういうわけでございますから、何も基準なしに地方公共団体にまかせっきりにするというわけにも参らぬわけでございます。御承知のように洪水防御ということになりますと、むしろ下流の方の災害の発生を防ぐということを考えなければいかぬ。これはもちろん農家の方々の田畑にも相当影響を及ぼすわけでございますから、そこで先ほど申し上げましたような態勢でやっておりますし、なお今回の公団法の案もようやくまとまりましたけれども、農林省関係の灌漑用水の施設だけのものにつきましては、もちろん農林省がこれを担当するわけでございます。従いまして、新しい水資源公団はいろいろな種類のダム施設あるいは水の開発施設をやる、こういうことになっておりまして、そのために主務大臣もそれぞれ担当するということで、たくさん——たくさんといっても四者か五者ですが、五人の主務大臣がおるわけでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 私ら回ってみて管理がうまくいっていれば、そんなことを申し上げません。やはり回って歩いみるといろいろ不平を聞くのですね。もちろん工業用水の場合には電気会社のことでございますから、うまくいってないというのは一、二の話にとどまるわけです。しかし灌漑用排水の問題になりますと、多数の農民ですから、どうもそういう点では私たちはたくさんの声を聞くというような気持がするのです。それから従事している人からも、気象の把握がどうも県とうまくいっていないという事例を申してくどいてる技術官もいるわけなんです。そういうことを総合してみると、どうも地方移譲をなさった方が、あっちこっち円満にいくのではないかというふうに私たちは思っているものですから、ほんとうは時間があってきょう一日やらしてもらえれば、そういう問題の利害得失を私はちゃんと持っているわけなんです。時間をくれないというものだから困るわけなんです。ですからきょうはそういう利害得失を持ってあなたとお話し合いする時間がないというふうになれば、やむを得ません。もう一ぺん皆さんの方の部内において私などが申し上げた点を一つ詳細に検討していただいて、農民からあまりたくさんの声が出ないように、電気会社からも声が出ないように、あるいは担当の技術官が洪水の水位の増し方あるいは気象の変化についてうまく県の測候所と連絡がとれない、こういうふうなことのないようにあなたの方から検討していただく、その答えはいつかいただくということにして、この問題は打ち切ります。  次に、最近私は道路を作ってもらうことに対しては、もう手をあげて賛成しているのですが、道路問題について非常に困却した一つの問題がある。それはコンクリート工場の設置でございます。コンクリート工場は場末にあって、普通の住居する方々に迷惑を与えなければいいのでございますが、迷惑をかけているということは、地元の東京の大きな新聞にもだんだん書かれてきているような状態でございます。コンクリート工場の設置に関して規定があるのかどうか。普通の都とかあるいは市の条例やあるいは関係規制法等だけによって、いわゆる網の目をくぐって、近所の方々の御迷惑も考えないで、勝手に白い粉を飛ばして工場を作る、こういうことが行なわれているようでございますが、建設省自体としては何によって縛っているか、規制しておるかということをお聞きしたいのです。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 建設省といたしましては、全般的に工場の建設場所につきましては、建築基準法に用途を規制しておる地域あるいは地区という制度がございまして、これを実際には都市計画法に基づいて都市計画の施設として決定をいたしまして、この地域、地区を指定いたしております。こまかいことはちょっと長くなりますから省きますが、こういう種類の工場はこうした地域でなければならぬ、あるいは準工業地域というように少し緩和しておると申しますか、そういう準工業地域でなければならぬというような制限をいたしておりまして、この地域制度は大都市においては大体指定をされておりますから、実際に新しく工場を建てる場合には、そういう地域でなければ建たない。おそらくセメント工場あるいはコンクリート製品を相当大規模に製造する工場は、今の工業地域あるいは準工業地域でなければ建たぬ、こういうことになっていると思っております。

石山權作日本社会党

○石山委員 風はとらまえどころがないかもしれませんけれども、粉はどうも皆さんの方で飛ばしてはならないというような内容を含んだ規制法がないのではないですか。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 建設省で直接所管いたしておらぬのでございますが、お尋ねの点は、いわゆる都市の公害防止、塵埃でありますとか、煙でありますとか、粉でありますとか、その地域における一般市民に迷惑を及ぼす公害の防止の問題だと思います。建設省としては都市計画を扱っておりまする関係上、もちろん関係がございますが、お話のように直接法律上の制度で規制していくという問題は、これからの問題だと思っております。

石山權作日本社会党

○石山委員 あなたは東京にばかりおって地方へ出ないから、実情をよく知らぬのです。私どもも道路をこしらえてもらってありがとうございますと言っておるでしょう。みんなありがたいと言っているわけです。しかし例のコンクリートを製造する場所の設置いかんによっては、非常に迷惑を個人が受けている例があるのです。みながありがたいありがたいと言うものだから、何軒かの人がひどい犠牲を受けても、それに対して反発する勇気が出ないのです。それがまた地方の皆さんの仲間を悪く言っては悪いのですが、そういう空気があるものですから、少し横着になる。たとえば一級国道を舗装する場合にセメント工場を作るわけだが、そうした場合における設置個所に対する一つの規定があるのかどうか、こういうようなことをしなければならぬというような規定を設けて、あの白い粉がどんどん飛ぶのを防いでいるかどうか、あるいは騒音を防いでいるかどうかということをお聞きしているのです。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 ただ、いまのコンクリート製造工場のそういう公害を防ぐという問題につきましては、私どもだけでも処理いたしかねる問題でございますが、御趣旨はごもっともでございますから、さっそく関係各省庁とも相談をいたしまして、適切な対策を今後樹立するように検討させていただきたいと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 実情は野放しになって、衣類などを取り扱う店は大へん困っておりますので、ぜひ調べていただきたいと思います。  それから都市の美観に対しての立て看板等の問題でございますが、その認可権は皆さんにあるように参考書類に書いてあるのですが、これはその通りですか。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 都市のみならず、屋外の広告物につきましては、屋外広告物に関する法律がございまして、これを建設省において所掌いたしておりますが、この問題は実際には都道府県知事がこの法律に基づいて条例を制定いたしまして、条例によって具体的な広告物の規制をいたしておるという実情でございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 条例があるかどうか知りませんけれども、これもかなりに美観を害しているように思いますので、新しい都市作りの場合には、せっかくの最初の構想がくずれないような、いわゆる美観の維持ということが、この際考えられる必要があるのじゃないかと思います。  時間もございませんので終わりますが、一つ最後のところで申し上げておきたい点は、私どもが建設省の考え方に賛成をしながら、今回の建政局という問題についてかなり拘泥しているのは、一体何を意味しているかということです。これは何も建設省だけでなくて、現業官庁でありながら、技術官といいますか、技術家でもいいでしょうが、技術を持っている方々が、普通の文官——あなたのように官房長を勤めているような方々よりも、非常に不遇だというふうに聞いているのです。建政局などとなれば、文字通り文官優位の立場が以前の形でとられてくるのではないかというふうな不安を持っているわけです。これは社会党だけでなくて、皆さんの内部でもそういう不安があるやに聞いております。それではいかぬと思うので、私どもはせめて名称だけでも、そういうことをなくさなくちゃいかぬというふうに考えて修正方を出しているわけですが、ただ文字だけでなくて、内容も、そういうふうに高速度にいろいろなものが必要とされる場合に、やはり技術屋の立場というものも、将来性が十分に保証されるような格好で登用されていかなければならないのではないかということです。そういうことがないのだということならばそれでもよろしいし、将来とも技術家に対しては十分に将来性があるように建設省は考えるのだということならばそれでもいいが、これは政治問題でございますから、その点に関しては田村政務次官から御答弁をいただきたいと思います。

田村元自由民主党建設政務次官

○田村政府委員 ただいまの御質問の御趣旨はまことに当を得たものでありまして、私も確かにそのように考えます。いわゆる事務官と技官との待遇の差がある。これは日本の官僚制度の一つの悪い意味における伝統にもなっておるのではないかというふうにも考えます。これは将来改正していかなければならぬ点だと考えます。ただ建政局の場合におきましては、いろいろな長期計画の問題とかその他、企画をむしろ今までより以上に高度に行なおうというのでありますから、お言葉ではありますけれども、逆説的にいって、むしろそれによって技官の構想あるいは考え方、発言というものが、強く生きるようになるのではないかというふうに考えております。そういう意味で、私はむしろ建政局は技術屋の活躍が一段と強まる場になるのではないか、かように考えておる次第であります。

石山權作日本社会党

○石山委員 田村政務次官の御答弁がありましたので、どうぞ官房長、私最初に申し上げましたように、優秀な技術官の将来が閉ざされないように、活用する方面に十分配慮しながら庁内の人事を見ていただきたい、こういうふうに要望しまして終わります。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 田口誠治君。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 時間がございませんので簡単に御質問申し上げたいと思います。先日の質問に引き続いての質問でございますが、先日機構の面について御質問を申し上げましたら、即座に御回答がないようでございましたので、資料の要求をいたしまして資料をいただきましたので、大かた建政局の機構の内容については把握できましたので、この点については若干聞きたい点はありますけれども、時間の関係上省略いたしたいと思います。  そこで一つお聞きいたしたいと思いますのは、改正の十四条の中で、用地部を関東地方の建設局と近畿地方の建設局のみに置くということでございまするが、これに対する必要性をお聞きしたいと思うわけです。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 今回の改正におきましては、ただいま御指摘のように用地部は関東地建と近畿地建にのみ置かれるということになりますが、私どもといたしましては、各地方建設局に用地部は必要であるというふうに考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 それで現在のところは一つもないのですね。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 現在は各地方建設局に用地課という組織がございまして、その課に用地官という課長と別の特殊な官職の若干の者を置いております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 それでこれが設けられた場合には、今の課との関係はどういう工合になりますか。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 用地部が設けられますと、その下に課を二つ置く予定にいたしておりまして、若干増員をされましたので、部の職員が今までよりもふえて参るということになります。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 それでこういう法案を出されたお心持としては、やはり用地を買収するのに、このごろなかなか困難性があるので、こういう部を設けて、言葉の表現では権限を強化してスムーズに事業を行なっていきたいという心持からなされると思います。そこでそういうことになりますと、現在あるところの公共用地取得制度調査会との関係はどういうふうになりますか。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 公共用地取得制度調査会は、先生御承知のように昨年の国会におきまして、一年間の時限で、つまりことしの三月三十一日までということで認められておったわけであります。これは本省に置かれた付属機関でございまして、すでにことしの三月末で調査会はなくなっております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そこでこの用地部を設置されるときに、他の方から砂防部というのも設けてほしいという要望があって、当時審議されて、大蔵省なりあるいは特に地方行政庁の方から、この用地部の方には積極的な賛成論があったようですけれども、砂防部の方にはあまり賛成がなかったようでございます。それでこれは四月十八日に、参議院の同志会の村上委員の方から決議案ですか、要望書ですか、砂防部を設けるようにということが出されておりまするが、今いろいろ伝えられておるところによりますると、いろいろと必要に応じて部局というようなものは新しく設けられるわけでございますけれども、この言葉を悪く言えばなわ張り争いというふうなこともいろいろ気を回されて、やはりこういう一つの建政局ができれば次には砂防局もできる、その次には何部もできるというようなことで、いろいろそういうような部局が拡大されていくというようなことを想像されておるわけなんです。これは私どもだけでなしに、多くの先生方がそういうようなことをお考えになっておられるようですが、ただいま申し上げましたところのこの用地部を設置する審議と同時に、砂防部を設けてほしいということについての賛成のなかった点と、それから村上さんが決議案を出されたその後に対するところの、当局の今後のお考えというものをお聞かせをいただきたいと思います。

田村元自由民主党建設政務次官

○田村政府委員 ただいまの御質問の中で、用地部はこれは各地建にできたら作りたい、とりあえず関東と近畿に設けたい、こういうことでございます。砂防部の場合は、本省の河川局に砂防部を作るという問題でございます。そこで私どもとしましてはなわ張り争いとかなんとかということは全然考えておりませんが、砂防部はどうしても作りたい、これは必要なものだと考えております。しかしとりあえず長期計画あるいはまた公共投資の増大ということにかんがみましても、建政局というものを作る、とりあえず関東地建と近畿地建に用地部を作る、こういうことをやって、そして近き将来において砂防部はぜひ作っていただきたい。われわれとしてもぜひ作りたい、こういうふうに考えておる次第であります。参議院の建設委員会の方から砂防部をぜひ作るようにという強い御要望でございますが、全く私どもも同感でございます。ただ諸般の点から考えまして、とりあえず今国会に建政局あるいは地建の用地部あるいは計画局を都市局にするとかという問題を提起いたした次第でありまして、砂防部設置に対するわれわれの熱情というものは、ごうも衰えていないことを申し上げておきたいと思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 もう一つお聞きいたしたいと思いまするが、先般御質問申し上げたときに御回答の中で、地方業者の健全な発展というような表現でお答えがあったわけです。そこで受田委員の方からは大企業の請負業者が太るだけで、中小企業の場合は恩恵をこうむらないのじゃないかというような点か指摘されたのですが、私にお答えになったところの健全な発展に寄与するのだというあのお答えの中には、中小企業の業者の場合も同じようにやはり恵みの手というか、公平な取り扱いをされるかどうかということをお伺いをしておきたいと思います。

田村元自由民主党建設政務次官

○田村政府委員 大企業と中小企業の建設業者における差別をいたす所存は毛頭ございません。むしろ逆に中小企業を何としても育成したい。たとえば中小企業の場合でありますと、いわゆる地方業者が多いわけでありますが、地方のある程度の工事はなるべくその地方の中小業者にやらせるとか、いろいろな面においてこれを育成したい。むしろ大企業中心よりも中小企業中心にして、これからの建設業者に対する考え方は展開しなければいかぬのではないか、かように考えておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 直営を一般業者の請負に切りかえるというような御意向が、相当省の中に強くあるというようなことを若干聞いておるのですが、別にそういうようなお考えはございませんですか。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 直営の事業を請負にする方向に切りかえると言うとちょっと語弊がございますが、御案内のように数年来建設業界も業者の質もよくなりまして、業界の施工能力も非常に伸びてきております。一方直営の方はなかなか予定通り人員を獲得できない。また能率その他の点では役所の予算に縛られて、いわゆる官庁式では必ずしも能率が上がらないというようなことから、結局この二、三年事業の伸びた分につきましては、ほとんど請負の方に付せられておる、こういうことでございまして、現在は直轄事業のうち請負が約七割五分くらいになっておるかと思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 それでこれは数字的に私出しておりませんからわかりませんけれども、実際に堤防が切れたとか、いろいろなそういう水害なんかの災害が起きた場合に、やはり相当工事が手抜きされておるという点が今までも指摘されておるのですが、こういうような点から考えられて、適切なのはどちらがやった方が適切なのか、それとも業者にやらせる場合の監督という面についての強化策、こういうような面も、あればあわせて御回答願いたいと思います。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 ただいま御指摘のように、間々災害復旧工事等につきましては疎漏工事が問題になっております。私どもといたしましてはまず請負業者の選定を十分注意してやる。選定いたしまして入札、落札をいたしました業者に対しては、現場における監督に力を入れて参るように努めております。そこで業者の選定の問題に関しましては、別途建設業法の一部改正がすでに成立いたしましたが、国会の御審議をいただく過程においていろいろ御意見も承ったのでございますが、この改正法によりまして、公共工事の注文を請け負うという業者の資格審査をもっと合理化に厳密にやっていきまして、公共工事の受注能力の確かなものから指名選定をいたしたい、こういうふうに考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そこでこの案の中に、職員に相当専門的な知識を得させるために研究所、教習所というような格好で特に今度強調されておるのですが、これはどこの省でもこういうような方法はとられておりまするし、次から次へとこれが学校という名前に変えられていっておるのですね。先般もここで審議いたしましたが、運輸省の場合に大学校というようなことにもなっておりまするし、そうして同じ大学でも防衛関係の大学とそれから運輸関係の大学という名前との内容の格差もありますし、こういうような点について、省としては今後のお考えは何も持っておらないのか。どうも慣例にならってそういうような方向に持っていかれるように思うわけですが、もしいかれるとすると、私ちょっと要望しておきたいと思いますので……。

田村元自由民主党建設政務次官

○田村政府委員 省としましてはこういう機関を拡充強化することは、これは望ましいことだと思います。将来そういうふうに進みたいと思っております。大学の問題に関しましては、これは一つの考え方であると思いますが、私としてはそういうような考え方を検討してもいいのではないかというふうには考えておりますけれども、目下のところ建設省の首脳部において、そういうことを具体的には取り上げていないようでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 もう一つだけ。砂防関係に将来の計画も立てて、これの対策に相当重点を置かなければならないということは、ここ二、三年来の水害等からいって、これは地元からも相当それぞれ強調されておると思いまするし、当局としてもお考えになっておると思うのですが、ただそういう場合の地元負担金というのが、現在のところではちょっと多過ぎるのですね。今のところではたしか省の方で三分の二ですか、それを少なくとも四分の三ぐらいにはしていただかなくては、弱小の地方では、相当手を入れていただかなくてはならぬ面があっても、手をこまぬいていくということになりますから、そういう点についての将来のお考えをちょっとお聞きをしておきたいと思います。

田村元自由民主党建設政務次官

○田村政府委員 砂防工事につきまして、この重要性は、特に私は三重県でありまして、伊勢湾台風でいやというほど知らされております。建設省でも砂防工事が特に災害の予防措置であるということを非常に強く認識しておるわけでございます。さような次第でありまして、これは将来砂防工事に関してはますますその認識の度も深まるであろうし、工事施行においてのいろいろな角度からの検討も行なわれると思います。今のところ国費を三分の二から四分の三にするということは、地方財政関係も検討しなければなりませんが、それは望ましいことではありますけれども、ここで私が断定的にお答えを申し上げることはできないと思います。けれども御趣旨のほどをよく申しまして十分検討さしたい、かように考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 もうこれで終わります。今のお答えは、とりようによってはまあいいかげんに答弁しておくということにもなりまするし、ほんとうに取り上げるということにもなると思うのですが、これはおそらく全国的な各市町村、県からの強い要望だろうと思うので、私はこの研究するという面は、可能があるような方向に持っていっていただきたいということを強く要望して、私の質問を終わります。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 これにて両案についての質疑はいずれも終了いたしました。     —————————————

久野忠治自由民主党

○久野委員長 これより恩給法の一部を改正する法律案について討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。  恩給法等の一部を改正する法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

久野忠治自由民主党

○久野委員長 起立総員。よって、本案は可決いたしました。(拍手)     —————————————

久野忠治自由民主党

○久野委員長 本案に対し、石橋政嗣君外二十八名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、本動議について提出者よりその趣旨の説明を求めます。石橋政嗣君。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 恩給法等の一部を改正する法律案に対する自由民主党、日本社会党、民主社会党の三党共同提案にかかる附帯決議案を提出いたします。  まず案文を朗読いたします。    恩給法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は終戦前における治安維持法等の法令の適用または占領下における占領軍命令違反等によって、恩給を受ける権利を喪失した者のうち、その復権を認めるのを適当とする者について、すみやかに調査の上、これら復権について善処するよう要望する。  右決議する。  提案理由については、先ほど政府に対する私の質疑の中でほとんど明らかになっていると思いますので簡単に申し上げますが、一つには終戦前において、新しい憲法の精神と著しく反するような治安維持法等の法令の適用を受けて処分を受けたために恩給権を失っておるような人たち、あるいは戦後占領軍命令違反といったような罪に問われて同じく恩給権を失っておるような人たち、そのほかにも微罪と思われるような罪のために同様のうき目にあっておるような人たちを、この際政府において詳細に調査の上、できるだけ救済の措置を講じていただきたい、こういう趣旨からこの提案を行なうものであります。なるべく早い機会にこの措置が講ぜられまするように要望いたしまして、提案理由の説明にかえたいと思います。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

久野忠治自由民主党

○久野委員長 起立総員。よって本動議は可決いたしました。     —————————————

久野忠治自由民主党

○久野委員長 建設省設置法の一部を改正する法律案に対し、草野一郎平君外二十八名より修正案が提出されております。     —————————————   建設省設置法の一部を改正する法律案に対する修正案   建設省設置法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   第四条第一項の改正規定中及び同条第二項の次に一項を加える改正規定中「建政局」を「計画局」に改める。     —————————————

久野忠治自由民主党

○久野委員長 この際、本修正案について提出者よりその趣旨の説明を求めます。受田新吉君。

受田新吉民主社会党

○受田委員 ただいま議題となりました建設省設置法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提案者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。  案文はお手元に配付いたしてありますので、朗読を省略さしていただきます。  政府原案の建政局という名称は、行政機構の名称としてはあまり好ましくありませんので、これを計画局と改めることが適当な措置と考えまして、本修正案を提出した次第でございます。  何とぞ御賛成あらんことをお願い申し上げます。     —————————————

久野忠治自由民主党

○久野委員長 本修正案について御質疑はありませんか。——別に御質疑もないようでありますので、これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。  別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。  まず草野一郎平君外二十八名提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

久野忠治自由民主党

○久野委員長 起立総員。よって、草野一郎平君外二十八名提出の修正案は可決いたしました。  次に、ただいまの修正部分を除いた原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

久野忠治自由民主党

○久野委員長 起立総員。よって、修正部分を除いては原案の通り可決いたしました。  これにて建設省設置法の一部を改正する法律案は修正議決いたしました。  なお、議決いたしました両案に関する委員会の報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久野忠治自由民主党

○久野委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決定いたしました。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十分散会

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