内閣委員会 第34号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/05/12
会議録
○久野委員長 これより会議を開きます。 社会保険審議会及び社会保険医療協議会法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。古井厚生大臣。
○古井国務大臣 ただいま議題となりました社会保険審議会及び社会保険医療協議会法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。 現在、療養担当者の保険診療に対する指導監督に関する事項及び社会保険の診療報酬に関する事項を審議するため、厚生大臣の諮問機関として、中央社会保険医療協議会が置かれておりますが、この協議会につきましては、御承知のようにここ数年来とかく運営の円滑を欠き、そのために診療報酬の改定等の重要問題の決定に必要な手続を踏むことが困難となり、行政運営上多大の支障を生じているのであります。 先般この問題を含め、社会保険等の適正な診療報酬を定めるためとるべき方途につき、社会保障制度審議会に諮問いたしましたところ、同審議会から、適正な診療報酬算定のルールを確立するために新たに医療報酬調査委員会を設けること及び中央社会保険医療協議会はその運営の円滑化をはかるためにすみやかに改組すべきことの答申を受けたのであります。政府といたしましてはこの答申の趣旨を取り入れまして、中央社会保険医療協議会の円滑な運営に資するため、その所掌事務の範囲及び組織を改めることとし、この法律案を提案した次第であります。 次に、この法律案の内容について御説明いたします。 第一点は、社会保障制度審議会の答申の線に沿いまして、この協議会の所掌事務を健康保険、船員保険の適正な診療報酬額及びこれと関連の深い療養担当規則関係の事項とし、従前の所掌事務から療養担当者の保険診療に対する指導監督に関する事項を除いたことであります。 第二点は、これも社会保障制度審議会の答申の趣旨を取り入れまして、現在保険者の利益を代表する委員、被保険者、事業主の利益を代表する委員、医師、歯科医師、楽剤師の利益を代表する委員及び公益を代表する委員各六人、合計二十四人の四者構成となっております中央社会保険医療協議会の組織を、保険者、被保険者及び事業主を一グループにまとめまして三者構成に改め、各グループ八名ずつ合計二十四人としたことであります。 以上がこの法律案を提出いたしました理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 —————————————
○久野委員長 次に臨時医療報酬調査会設置法案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。藤枝総務長官。
○藤枝政府委員 ただいま議題となりました臨時医療報酬調査会設置法案について、その提案の理由を御説明申し上げます。 この法律案は、先般厚生大臣より社会保障制度審議会に対して、社会保険等の適正な診療報酬を定めるためにとるべき方途について諮問が行なわれ、それに対する答申の中で、社会保険等の適正な診療報酬算定のルールを確立し、そのために必要な調査を行なう中立的な機関として医療報酬調査委員会を設ける必要がある旨が述べられておりますところに従いまして、臨時医療報酬調査会を設けることといたすものであります。 本調査会は、社会保険等の適正な診療報酬の決定に資するため、適正な医療報酬の算定基準に関する事項を調査審議する機関として総理府に置かれるものであります。本調査会による調査審議の結果によりまして、従来しばしば問題となっております社会保険の診療報酬に関し、各関係者はもとより、国民一般が納得することができる適正な診療報酬算定のルールが確立され、これによって社会保険等の事業の適正円滑な運営が確立されることを期している次第であります。 次に、法案の内容につき概要を申し上げます。 まず調査会の所掌事務は、適正な医療報酬の算定の基準に関する事項を調査審議するものとし、みずから調査審議して内閣総理大臣の諮問にこたえ、または内閣総理大臣に意見を申し出ることといたしております。 次に、組織につきましては、委員を五人とし、この方面に学識経験のある方の中から内閣総理大臣が任命することといたしました。またこれと並んで専門の事項を調査するための専門委員を置くことといたしました。いずれもこの種調査会の例にならい、非常勤といたしております。 さらに、本調査会の調査に関し、関係行政機関、地方公共団体及び関係団体との間の協力関係を規定しております。 最後に、この調査会の庶務は、総理府の大臣官房において行なうことといたしております。 なお、附則で、本調査会の存続期間を一年としておりますが、その趣旨はできる限り早期に結論を出していただくことを期待したことに出たものであります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由及び法律案の内容でありますが、何とぞ慎重に審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○久野委員長 両案についての質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○久野委員長 次に恩給法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を許します。 質疑の申し出がありますのでこれを許します。受田新吉君。
○受田委員 私、この恩給法の改正案が提出されております現段階で、まず根本的な恩給制度の問題についてお伺いして、そのあとで具体的な改正の要点をお伺いしたいと思います。 恩給という言葉が国民に与える印象上、恩給制度がおい立ちました軍人恩給、文官恩給の明治の初年におけるスタート時代から、ある特権階級に対する恩典の印象を、まだ国民の上からぬぐい去ることのできない立場を当局は十分御理解いただいておるかどうか、このことなんです。これは恩という字が、特権階級に対する恩典制度であるというような、この恩給という言葉が私が今指摘したような形で国民の上に影響していることをお認めになるかどうかをまず御答弁願いたい。
○藤枝政府委員 確かに明治時代において恩給という制度が発足した当時においては、いわゆる天皇の官吏に対する−何といいますか、長年、一生を通じて公務に奉仕した、それに対する報酬ではございますけれども、何か恩典的な感じを持っておった時代があったと存じます。そしてそういうものが、特権階級に対する恩典とおっしゃいましたが、むしろ官吏に対する恩典を与えているような印象を国民に与えた事実はあろうかと存じます。しかし内容は、一生を通じて公務に奉仕した、それに対する退官後の報酬という意味を持っておることは申すまでもございませんが、御指摘のようなばく然とした感じは国民に与えておったかと存じます。
○受田委員 この恩給という言葉が、恩給法のおい立ちの建前を依然として固執しようとする事務当局の強い主張となって、恩給法にもしそうした大衆的な要素を入れるならば、もっともっと早くから恩給法が社会保障制度を加味した大衆的な法律として改められるであろうとその行きがかりが、ついに今日までそうした恩典的なものに深く閉ざされてきたという弊害をもたらしておるわけです。だからこそ、国家公務員共済組合法が誕生して、組合管掌方式をとろうとする行き方と、国家管掌方式でこうした恩給制度を温存しようとする行き方とが対立して、岸内閣当時、大蔵省と総理府総務長官、あなたの前々任者くらいになられる今松さんとの間に非常な確執があったことを、あなたは御記憶しておられると思う。そこで私は、この国家管掌方式の恩給法を将来どういう方向に持っていこうとしておるのか、組合管掌方式にだんだんと変わってきて、そうして一般の組合員の共済的な行き方と退職年金的な行き方との再建を一本にしようとする共済組合方式と、退職年金を中心にしようとする国家管掌方式の恩給とが、どういう形に今後発展するものか、今日は共済組合法が強く前進をしておりますので、恩給法というものは過去のものとして残務整理をする形になるのだという形をおとりになるのかどうか、お答え願いたい。
○藤枝政府委員 御承知のように国家公務員につきましては共済制度に移行したわけでございますから、今後のいわゆる恩給制度というものは、おっしゃいますように残務整理と申しますか、すでに恩給という形で支給をされている人たちが支給を受けるということで、今後の発生をいたしますものは共済制度に移り変わる、その方針には変わりはございません。
○受田委員 そこで問題が起こるのですが、八巻局長さんは、恩給局の従来のあり方というものにある程度の改善を加えて、せめて恩給局を国民の中の公務に従事した人々の退職後の保障という形に、何か強い機関にしたいという主張をしておられたようですけれども、今の長官の御答弁によると、残務整理が終わったら恩給局は消えるものである、こういうことになるのです。恩給局が当然近い将来に廃止される運命にあるのだ、こういうことになるわけですか。
○藤枝政府委員 残務整理と申しましたが、御承知のようにまだ恩給という形で支給を受けている人も相当おります。いずれ何十年後かには、おそらく七十年くらいかと記憶しておりますが、七十年後くらいにはなくなる。そうなれば恩給局という形のものはなくなるということだと存じます。
○受田委員 えらい長い将来にわたって予想されておりますが、七十年後、今恩給をもらっている人で一番最後の人がなくなるころまで恩給局を置くのですか。ほんのわずかな恩給事務、裁定事務を取り扱う恩給局を、その一部の者のためにそれまで置いておくという形になるのですか。あるいは恩給局は退職年金局という形にでもしておけば、大蔵省の所管する組合管掌の共済組合の方も恩給局の残務整理の方も一本にして、退職年金局として永遠の生命があるということになる。この関係で、一応の構想をお持ちにならぬと、これは容易ならぬことになります。
○藤枝政府委員 七十年後と申しましたのは、そのころに恩給受給者が全部なくなるということでございまして、従いましてそれまで恩給の事務を取り扱う局と申しますか、行政機関は必要だと思いますが、それがそういう少数のものに局というようなもので温存しておく必要があるかどうかという問題は、これは別途考慮しなければならないことだと存じております。
○受田委員 総務長官に一つの腹をきめていただきたいのです。それは恩給局の従来の行き方をもっと広げて、大蔵省の持っている共済組合の仕事も退職年金局という立場でいけば、これは移転できるのです。特に私思い出すのですが、昭和二十二年国家公務員法の審査をするとき、私その委員の一人だった。その国家公務員法の中に恩給という言葉が出ているペンションという言葉の解釈を恩給という名前でそのまま訳して、これが国家公務員法に書かれましたが、あのときに退職年金とでも書いておくならば、共済組合方式と国家管掌方式の円滑な調整はもっと早くできていたと思うのです。恩給という言葉にそれを書いたばかりに、いかにも特権的な印象を国民の上にも与え、国会の論議を通じても、恩給というと何だか古くさい形にとられ始めたのです。これは退職年金と書いておけばよかった。これは当時審査した審査委員の一人として責任を感じますけれども、しかし改むるに遠慮する必要はないのですから、この際退職年金局くらいに恩給局を変えて、そうして大蔵省の仕事とこの仕事、公務員の退職後の年金という形を一括取り扱うような役所をお作りになるというその構想は、現在人事局をお考えになり、初代人事局長官になられんとする藤枝さんとしても、当然あなたは構想をお持ちでなければならぬ。藤枝構想を伺いたい。
○藤枝政府委員 御承知のように現在国会に御提出申し上げておりまする国家公務員法の改正関係の法律を御承認いただきますと、共済関係のものも総理府に移ることに相なるわけでございます。そうなりました場合に、ただいま御提案がありまするような、これをどういう形でやるか、現在のところまだ恩給局を廃止して国民年金局に変えるというところまでの具体的な構想は持っておりませんけれども、将来のことを考えますると、総理府が国家公務員の共済制度も所管するということに相なりますならば、十分その辺の点は考えて参りたいと存じております。
○受田委員 長官の構想、やや具体的になりました。退職年金関係の仕事を一括して取り扱う局を作るという考え方もできるわけです。今、国民年金局と言われましたが、国民年金局の方は厚生省の方です。これは国民年金の方と公務員退職年金の方をそれぞれ別個に取り扱うという役所を別の意味でお考えになる必要は私はあると思う。そこで問題が発展するのでございますが、恩給制度というものが国家に特別の貢献をした人に対する退職後の保障である。その身分の上に与えられる権威を維持するというような意味でスタートしたことを考えると、最近の恩給法というものはだんだんと社会保障の性格をここで取り入れてきておる。本質的な恩給法の建前からだんだんとくずされてきておるという姿を長官はお認めになるかどうか。今度の改正要点などを見ましても、それが多分に入る準軍人という制度が生まれてきておる、あるいは恩給法の特例制度というものがそれぞれできておる。社会保障を加味して恩給法は変貌しつつある、こういう行き方を長官はお認めになるかどうか。
○藤枝政府委員 御承知のようにそもそも恩給の成り立ちは、ただいまもお話がありましたように、一生を国家の公務に奉仕した者に対する老後の保障ということでございます。しかしながら他のいろいろな社会保障制度の伸展と同時に、やはり単なるそういうことに支給を受けておりました給与にだけ準拠するというようなことでなく、あるいは家族の問題、あるいは母子の問題、こういうようなものを加味しまして、社会保障的な要素がだんだんに取り入れられてきておることは事実と存じます。
○受田委員 その社会保障の要素をだんだん取り入れることによって、戦傷病者戦没者遺族等援護法という厚生省所管の法律とのつながりが生まれてくるわけです。そうすると、恩給法では救えない、しかし援護法では救えるという問題になってくると、政府としてはその間にいいかげんな線を引かれるわけにもいかぬので、恩給法にはどうしても社会保障の要素を取り入れる限界をそがれていく。そこでちょっと手直しすればいいようなことを固執して、恩給法ではどうにもなりませんというようなことになってきておるわけです。たとえば戦争直後に生活のやむなき事情で戦死者の未亡人が再婚した。ところが直ちに婚姻が解消した。そして二十七年に援護法が生まれると、そのときになってもう一ぺん結婚したからだめだということになってくるというような手きびしい規定もあるわけです。こういうようなときに恩給法は、戦死者の遺族であるとすれば当然公務扶助料が支給されるのではないか。途中のやむなき婚姻は解消と同時に実質上恩給の権利剥奪を解消して付加するという形をおとりになってもいいのじゃないか、こういう印象を受けるのでございますが、そうした考え方の上に今の例を引いて当局のお考えを、社会保障のこの線まではよかろうという限界をお持ちであるのかどうか、今後の問題としてでも御意見を伺いたいと思います。これは局長さんでけっこうです。
○八巻政府委員 今長官から、恩給の問題におきましても、時勢の進展その他の周囲の情勢にかんがみまして、多少社会保障的な色彩を加味しておるということはその通りでございまして、特に戦後における軍人恩給の復活以後、その軍人恩給の再出発した後におきましては、こうした上薄下厚であるとか、あるいは重症者に厚く軽症者に軽いというような方式であるとか、いろいろとってきたわけでございます。しかしながらそこでどこに一体そういうものを加味する限界というものの基準があるのかということなのでございますけれども、恩給というものはまず第一に公務員、すなわちいわゆる昔の言葉で言いますと文官、軍人というふうな、そうした身分というものの限定があります。従ってその身分の限定を越えて恩給を支給することができないというのが、恩給の本質的な性格でございます。それからもう一つは在職年というものを基礎にして、またもう一つは退職時の俸給というものを基礎にして恩給年額が支給されるというような点、これなども根本的な問題でありまして、幾ら社会保障的な色彩を加味すると言いましても、そういう問題をくずしていくというわけにはいかないということになるわけであります。 こまかい問題で、たとえば家族加給の問題にいたしましても、傷痍軍人の退職後の子女に対する加給をどうするかというような問題が議論されたのでございますけれども、大体のすべての公的年金制度として、退職後の状況の変化というものに基づいて給付をさせないという原則がございますにもかかわらず、現実の傷痍軍人の生活実態というものにかんがみまして、その後の退職後に生まれた子女についても加給をするというようなこともやっております。従いまして根本をくずさない限り、そのときそのときの現実の実態に即応して許される範囲では、十分手厚く考えていくということができるのではなかろうか、こう思っております。
○受田委員 私お尋ねしたい点は、今局長の仰せられた点よりまた別の要素なんです。それは恩給法という法律の建前で社会保障を取り入れるのも限界があるが、傷病恩給の傷病等差の問題にしても、階級差をなくするという考え方でやるならば、大将の手の傷であろうと兵長の傷であろうと、傷を受けた度合いにおいては同じであるとするならば、階級差をなくして平等にその負傷に対して——根っこの恩給は別個にあるのですから、増加恩給、障害年金部分を、階級差をなくするというような努力をなされることは、これは恩給法の建前ではできるのではないかと思うのですが、そういうところにもつと進んだ考え方をお聞きしたい。
○八巻政府委員 今の階級差の撤廃の問題は、これは受田先生はすでに軍人恩給調査会に御列席で十分御承知と思いますが、そのときにそういう答申がございまして、階級差は撤廃しようではないか、大将の片腕も一兵卒の片腕も同じではないかということで、撤廃しょうという考え方が強うございましたので、従いましてその答申に基づく法律百二十四号におきましては階級差は撤廃してございます。先生はその点を御質問なさっているのではないかと思いますが、その他公務死範囲の拡大にいたしましても、また戦闘公務、普通公務の差別の撤廃というようなことにつきましても、これは現在受けている障害の実態というものに重点を置くという考え方から、その公務によって傷病を受けたという原因が、戦闘であるとあるいは流行病であるとにかかわらず、差別をつけないということも戦後やっているわけでありまして、そういうようなものが社会保障的な感覚である、こういう考え方であれば、確かにそういう点におきましては恩給というものは相当社会的に変わってきているということが言えると思うのでございます。
○受田委員 今いわゆる傷病恩給、増加恩給、障害、傷病年金の例を引いたのでございますが、恩給法上階級差の撤廃されていない根本的なものがそのまま残されている部分がある。御存じの通り公務扶助料です。英霊の未亡人として残されている立場の人は、神社に祭られておられる方々が大将の未亡人であろうと兵の未亡人であろうと、その受けた打撃は同じである。神様に上下はないわけなんです。お前はかつておれの部下であったから、低い扶助料でいいのだというような上官の神様はおられないと私は思う。そういう意味からなくなられた遺族に対する公務扶助料に、階級差を依然として残しておられる。特に先年改正の際に、兵長、下士官、准士官、将校別に、本人はわずか百円刻みの差を残しておられるわけです。こういうものは生存者とは別の意味で、戦死をされた遺族に対する扶助料というものは、一応その生命のとうとさというものを同率に見る、こういう形をおとりになるべきではないかと思いますが、いかがですか。
○八巻政府委員 ただいま公務扶助料につきましての御指摘の点でございますが、公務扶助料につきましては、なお依然としてそこに階級的な上下の差というものができているではないかという仰せでございますが、御承知の通り公務扶助料の算出の仕方というものは仮定俸給を基礎にして、そうして倍率を下げていくという算式の仕方をずっとやってきているわけでございます。しかも実態的には公務扶助料の場合は上薄下厚ということで、相当下に厚く上に薄いという倍率をとっております。従いまして大将なら大将の公務扶助料の中で占めますところの純然たる意味の公務災害補償と申しますものは非常に少ない。むしろ根っこには年限によるところの普通扶助料の部分が相当部分入っているということが考えられるわけでありまして、その点の面では、昔の開きというものは相当縮まっておるということが言えると思うのでございます。
○受田委員 縮まっております。それは認めますし、恩給当局、事務当局の苦心のあとも私はわかるのです。わかるのですけれども、たった百円刻みをまだ残さなければならなかったという、少尉から以下の人は全部整理して公務扶助料は同額にする。五万三千二百円、五万三千五百円の百円刻みの部分くらいはやめて、少尉以下は全部整理して一本にするというような形をおとりになっても、倍率を下をだんだん整理して上に上げていくということは、前例もあるわけでありますから、だんだんとせめて下級の兵や下士官の公務扶助料ということでなくして、将校並みの公務扶助料というふうに、なくなられた遺族の人にもはっきりと印象づけるような努力を払われる必要がなかったか。またこの機会にそれをおやりになる必要はないか。自分の主人はなくなったが、公務扶助料としては、下士官であり、兵であったが、将校並みの扶助料をいただいておるという形を遺族に示すというその熱情が、百円刻みを置いて圧縮したよりも、もっと大きな効果があると私は思うのです。
○八巻政府委員 この辺はやはりものの考え方の違いに属するわけなのでございまして、やはり恩給というものが、階級あるいは退職時の俸給というものを基礎にして基礎づけられておるということでありますから、伍長と兵というものとの間にはどうしても若干の差はつけなければならない。それをフラットでいいということには、どうしても恩給の性格としてならないわけであります。もちろん社会保障的な要請を加味するという相当ぎりぎりのところまできております。その根本の精神というものは、階級に応じたと申しますか、退職当時の俸給というものを基準にしてのものの考え方というものが恩給のベースになっておりますから、これを全然払拭してしまうということは、恩給の体系からはずれてしまうということになるわけであります。
○受田委員 そうしますと、かって上等兵、一等兵、二等兵まで階級差があった。その階級差を全部なくして兵長に一本にしぼったわけです。その説明はどうなりますか。
○八巻政府委員 これは仮定俸給というものを兵長にすそ上げしたということであります。それ以上のことはございません。
○受田委員 そのすそ上げの仮定俸給を一番下級の将校まですそ上げをするという形をおとりになっても、その上の階級があるのですから、せめて少尉か中尉のところまで整理するということは、兵を整理して兵長に上げた実績があるのですから、それをもうちょっと上まで持っていくという努力は、決して恩給法の建前をくずすものではなくて、すそ上げをちょっと高い水準にするということですから、できるのじゃないですか。
○八巻政府委員 ですから、その辺はやはりものの考え方の違いなんでありまして、そうした階級差と申しますか、旧秩序というものを尊重していくということを全部撤廃して考えるか、あるいはそれは相当社会保障的に緩和されたという形ではありましょうけれども、そういう考え方が依然として恩給の本筋をなしておるのだ、なすべきだという考え方の相違であろうと思うわけであります。
○受田委員 私が申し上げているのは、中尉の線くらいまで一本にできる、今のような百円刻みを整理すれば、そこで一本にいくわけです。それから上の階級差があるのですから、それから上の階級差は残っておる。つまり整理される部分をもっと広げるということであるから、決して建前がくずれるわけではない。そして遺族の立場から見ても、せめて下級将校並みということになれば、それはある程度の私は満足感もあると思う。それから社会保障が一歩前進するということにもなるわけです。それが大幅の違いがあれば別ですけれども、百円刻みですからね。兵長五万三千二百円、少尉五万三千五百円ですから、たった三百円の差で、将校と兵との階級差ができておるのですから、一歩そこへ踏み切られるということは、今までやられた実績をちょっと拡大するだけであって、決して今局長の仰せられるような階級差が全部撤廃されるわけではないのです、その上が残っておるのですから。これは国民に与える印象の上からも、私は敢然と踏み切られる必要があるのではないかと思いますが、長官、いかがです。
○藤枝政府委員 恩給並びにそれに伴いますところの扶助料の根本的な考え方は、局長が申し上げた通りだと思うのです。結局それでは底上げをどこまで持っていくか、現在兵長というところに持っていったのですが、それをあるいは少尉に持っていくか、中尉に持っていくかという程度の問題も一つあると思います。程度の問題がありますが、これらは全体の恩給の建前の感じ方、そういうものもあろうかと存じます。従いまして今後も十分その辺は国民感情あるいは財政上の問題等とにらみ合わせて研究をして参りたいと考えます。
○受田委員 将校の数字は約十分の一しかない。準士官以下が十分の九、大体そういう数字です。そうすると十分の九の人を将校の一番下のところまで引き上げてやれば、国民感情の上に与える印象も遺族に与える印象も、そして各政党の間における話し合いということも非常に都合よくいくわけなんです。階級差を漸次整理していく。これは恩給法の建前をおとりになる以上、全部下を大将にまで持っていけとは私は申し上げません。せめて少尉並み、中尉並みのところくらいに下を整理して上げてあげる、この努力、恩給事務当局としては、その作業において百円刻みまで圧縮したという努力、八巻局長の裁量は、その点においては私は大いに敬意を払いますけれども、百円刻み、たった百円の差ですからもう一歩前進して敢然と整理する、こういうふうにしていただけば、どれだけ国民も印象をよくするかということを考えるわけです。御検討願うべき問題だと思います。今度改正案になって出てくるかと期待しておったのですが、一向これが問題にされておらない。 もう一つこれに関連することで重大なことは恩給予算です。この恩給法の根本的改正をされた昭和三十三年当時、国家予算の一割に当たる、一千億をこえるというので、大へんな批判を受けたことがあります。その後だんだんと国家予算が増額してきましたので、これの占める位置は三十六年の恩給のピーク時において相当程度下がってきましたけれども、恩給亡国という世論を巻き起こしていることは間違いない。そこで公務扶助料のような性格のもの、援護法へ切りかえていいようなものは、恩給でなくして援護法でこれを取り上げるということになれば、厚生省予算でいく。恩給費の七割を占める公務扶助料が援護費として取り扱われるということになれば、これまた非常にいい印象を与えると思うのです。それから今のような階級差の撤廃ということも、公務扶助料の方が援護費としてその方で計上される。援護費的性格で考えられるならば、階級差というものを整理することが可能でありますね。そういう構想を政府としては十分御検討されなければならぬ。恩給法という建前だけに閉じこもろうとするから、いたずらに国民に刺戟を与える。それから遺族の立場を考えても、遺族の立場を保護しなければならぬ。扶助料をもらうといえども、もう一つ戦傷病者戦没者遺族等援護法の方でもらう、あるいは特別の戦死者の遺族の公務扶助料に関する法律というものを作って、その方で援護費にいこうということになっても、決して遺族の大半は異議は申し上げません。ただ特定の階級の高い遺族の方が文句を言うたり、あるいは日本遺族会の一部に反対の意見があるかもしれませんけれども、大衆的な援護費に充当する公務扶助料として階級差を撤廃していくという前進した取り扱い方も私はできると思います。これは非常に大事な問題だと思うのです。恩給法にとらわれ過ぎて今のような百円刻みができておる。これを援護費の方に切りかえていくということは、恩給亡国の国民批判も薄くなるし、むしろ歓迎されることになると私は思うのです。
○藤枝政府委員 特に公務扶助料に関係いたしまして、それを援護法と申しますか、そういう形に移行したらということでございます。一つの考え方として十分傾聴申し上げるわけでございますが、やはり遺族の方々といたしましても、何か国から恩恵的な援護を受けているということよりも、自分の主人なり子供なりが国家に貢献した、それに対する補償であるというところにも、やはり相当な感情を持つのではないかとも思います。その辺の点は十分考えつつ研究していかなければならぬ問題ではいかと存じております。
○受田委員 長官は今国家から恩恵的なという言葉を使われたのですが、これは恩給法だって恩恵的です。恩の字から見ても恩恵です。だから恩恵の点においては間違いはない。ただ恩給法という特権階級の部類に属したいという気持を持つというならば、私は一つの問題があると思うのです。やはり国全体の立場を考えていったときに、戦傷病者戦没者遺族等援護法といえども、その中には恩給法には漏れるけれども、やはりりっぱな戦死をした人であり、あるいはこれに準ずる立場の人たちであるということになると、準軍属はこれは援護法に入ります。それから恩給法に漏れた戦死者の分もこちらに入る、そういうような形が現にとられているのですから、援護法に充当される人は社会保障一本の立場の人ということに決してなってはいないのです。恩給法がきびしいので、援護法へ入れるという形であって、実質的には国家に対して生命をなげうったという人々という意味で大事にされているのですから、遺族の立場の皆さんとしても決して異議は差しはさまない。今私が申し上げたような特定の人には異議があるかもしれません。しかし遺族大衆は決してそういう異議を差しはさみません。むしろ援護費の増額を期待しておる。そういう恩給法の中へ入れてもらっているから感謝しているのではなくて、金題が多いことに感謝するわけです。そうして階級差がなくて国家が力になってくれるというところに大事な意義があるのですから、その点は増加恩給、傷病年金も同様です。傷病軍人であった人たちの立場も、同様に別に恩給法に残しておいていただかなくても、援護法でそういう待遇をよくしていただければ、その方で満足すると思うのです。だから私は公務員傷をした人、公務でなくなった人、こういう人は恩給法のワクからはずして、援護法の中で処遇を高めて守ってあげるという立場をおとりになる基本国策を検討される。一応傾聴すべき意見だと長官にほめていただきましたので、私が今指摘した問題を十分検討していただきたいと思います。 そこでもう一つ、一般国家公務員のベース・アップが相次いでなされつつあるときに、退職公務員だけは依然として昔の低い退職年金でがまんをしていなければならぬという基本的な法律になっているわけですね。すなわちやめた人は退職公務員がベース・アップしたら、スライドして退職年金額が上がることになっていないのです。この点をお尋ねしたいと思うのです。ずっと前にやめた人は、途中でいろいろ操作的な引き上げ措置がされておりますけれども、しかし、それは微々たるもので焼石に水なんです。 今政府は所得倍増論をお唱えになり、経済成長を言っておられますけれども、やめた時期によってその退職年金が差があることになると——生きる生き方においては決して違いはない。生活費は所得倍増、経済成長に沿うて依然として高まっていくのですから、今やめた公務員とずっと前にやめた公務員とに生活の差があるわけではないのですから、そういう点は公務員の退職後の保障ということについては、国家公務員共済組合法の建前からいっても、恩給法の建前からいっても、過去に退職した人々を現在の公務員に準じたような取り扱いにする措置はぜひ必要じゃないでしょうか。原則的な論としてまず御答弁を願いたい。
○藤枝政府委員 一般の公務員の給与が社会情勢その他の観点から上昇する、従ってまた恩給によって生活しておる方々も、当然いろいろな社会の情勢あるいは消費物価の上昇等から考えますと、くぎづけにした恩給でよろしいかということは相当問題であろうと思います。従いまして公務員の給与が上がったから、それに直ちにリンクして上げるということはいかがかとは思いますけれども、恩給受給者の方々の生活の状態、それから一般社会の状態、物価の問題等を考慮して、この恩給額をなるべく引き上げていくという努力は考えていかなければならないと存じます。
○受田委員 その努力がされていないわけですね、一万五千円にベース・アップされた当時の線に過去の分をやっと、ちょっと違った形で定額でこれをやるような形にしか今はなっていない。それ以後のベース・アップあるいは給与改善に即応するような、あなたの今の原則的な御意見が取り入れられていない。これは恩給局長に御答弁いただくと、長官は御納得いただくと思います。恩給局長の御答弁を願います。
○八巻政府委員 退職公務員の恩給のベースの問題につきましては、臨時恩給調査会の答申にもございますように、原則論としては、恩給というものは退職した当時の俸給を基礎にして給せられる、そこにそれだけの債権が発生するだけなんだから、たとえばその後物価の値上がりということによっても、別に法律的な意味で当然ベース・アップを主張するということはできないだろうけれども、しかし現実の物価の値上がりとか生活水準の上昇とにらみ合わせて必要な配慮をすることは、国として当然必要ではないかという答申でございまして、当時一万二千円ベースに据え置かれておりましたものを、昭和三十三年法律百二十四号によりまして一万五千円ベースに退職公務員の恩給のベースを引き上げたのでございます。ただしその際その引き上げ方におきましては、上薄下厚と申しましょうか、そうした精神を加味しまして、上級者、勅任官以上の者につきましては依然として一万二千円ベースに据え置く、それ以下若干ずつ制限をいたしまして、いわゆる判任官と申しますか、そのクラスは全面的に一万五千円ベースにいたしますけれども、中間のところは二割、三割というふうな制限を加えて現在に至っておるわけであります。一万五千円ベースの実施以後、今回のベース・アップというはっきりしたベース・アップというものの間で、何回か実質上の賃金の引き上げが行なわれておりますので、現在一万五千円ベースがまだ完全に実施されておらないという段階でございます。このベースアップの問題は、さっき長官からもお話がございましたように、物価水準の上がり方とか生活水準の上昇とかいうものを考えますと同時に、恩給内部での考え方といたしましては、恩給のレールの上であとで退職した者と前に退職した者との間のベースにおける不均衡というものを是正するという意味もあるわけでございます。そういうふうなものをにらみ合わして考えて参りますと、恩給のワク内では、少なくとも昨年のベースというものによって恩給法上の公務員が退職したという例は非常に少ない。国家公務員におきましてはもう退職年金制度に切りかわっておりますから、そういうものが対象者として起こらない。従いまして問題となるのは昭和三十四年九月三十日の切りかえ前までの退職者とのバランスということが、恩給内部でのバランスからいうと問題になると思うのでございます。いずれにせよ今後の問題として、長官も御指摘のように検討しなければならないこどだろうと思っております。
○受田委員 今局長が指摘された通りです。つまり一万五千円ベースのときに一万二千円ベース、ちょっとおくれて追っかけておるという形になったままなんです。今度の改正措置を見ますと、昭和二十三年六月三十日以前の退職者の改正案が別表第三に出ておる。これを拝見しましても仮定俸給年額が通し号俸の十八で七万九千八百円が八万八千八百円にしかなっておらない。この三分の一でございますから、大体三万円ぐらいしか恩給をもらわぬ人がおるわけです。国家の公務に二十何年も勤務して一番下までいって恩給をもらった。しかし月にすると二千五百円にしかならない。今ごろやめる人は二十万から三十万ぐらいまではもらえる。一番悪くても十五万ぐらいにはなるという段階で、年額三万程度、月額二千五百円の退職年金というものは妥当かどうか。経済事情の変遷と公務員のベース・アップに対応するものと比較したら、たった三千円か四千円しか上げないようなこういう案で、今申されたように原則的には当然であるということが満たされるかどうか。以前やめた人はとんでもない低い退職金のまま放置されておるのです。そして今度の措置を見ると、これは焼け石に水で、しかも改正措置がされておるのは通し号俸で四十九号までしかいっておらない、それから上の人はいっていない。御答弁を願います。
○八巻政府委員 今受田先生御指摘の別表の三でございますが、この表に書いてある年額は法律百四十九号の年額でございまして、一万二千円ベースを表にした金額でございます。従ってその要項のあとに出ております八万八千八百円の下にカッコして十万八百円と書いてございますが、これが一万五千円ベースです。これは百四十九号の法律改正を経て、また百二十四号の法律をくぐって一万五千円ベースに当然なるわけでございますが、この一万五千円ベースの金額というものは二十一号俸におきまして十万八百円ということになるわけでございます。まあそれはそれといたしまして、大体三万円以下の一番下の、たとえば判任官十一級俸というところでやめた人は三万円そこそこ、あるいはそれ以下の人もあるのではないか、それではたして恩給として妥当であるかどうかというふうなお話でございますが、これは全体の対象といたしましては相当年限たっておりますから、高いところでやめておる。判任官の級といたしましても四級俸、五級俸くらいのところでやめておるわけでありまして、低い階層でやめておるというのは全体の数からいえば非常に少ないわけでございます、今回の措置といたしましても、そうした少ない数ではございますけれども、その最低限というものを九万円に全部すそ上げをしようという措置を講じております。従いまして往年、大正の初めごろに非常に低い給与でやめた方なんかの例で、たとえば監獄の看守——女の看守というような方々は、月額二十五円くらいの俸給でやめておられる方もあるわけでございます。こういうような人はどういうふうに計算いたしましても、九万円までにはならないわけでございますけれども、そういう方々につきましても十二年以上の在職期間があっておやめになったという場合には、九万円まですそ上げをするということに改正をいたしてございます。 また今この引上額がわずか平均で四千円ぐらいではないかというお話でございますけれども、これはベース・アップではございませんで、昭和二十三年六月三十日以前の退職者の格づけの是正でございまして、これが昭和二十七年の二百四十四号、昭和三十一年の法律第百四十九号、それから今回の改正で三回目の改正でございまして、その意味の改正でございますから、その額も四千円ということはそう少なくはないと考えております。
○受田委員 そう少なくはないということでございますが、四千円というのは月額じゃなく年額でしょう、どうですか。御答弁願います。
○八巻政府委員 いろいろ号俸によって違います。けれども、これが対象者が十万人ございまして、その所要額が平年額で五億ということになっております。従いまして一人当たりといたしましては四千何百円ということになるわけであります。
○受田委員 年額が四千何百円、月額にして三百円ばかりです。それが少なくはないということでございますが、一万二千円ベースで八万八千円が十万八百円になっております。特別措置でそうなっておるのですけれども、しかし一万二千円ベースを解消しておるわけじゃないのですからね。根拠はやはり現在の一万二千円ベースの特別措置です。そういうことを考えていくと、今は現職の公務員が給与改善がされて、今は退職年金が一応三分の一、今度新しい制度で四割もらうが、自分たちの将来は、二十年、三十年先になって七十、八十になったころには、今の制度によって先輩がみじめな処遇を受けておるように、自分たちも退職した当時の俸給を基礎にした非常に低い年金でがまんしなければならぬということになると、現職の公務員だって不安ですよ。おれたちの先輩はひどい処遇を受けておる、おれたちもまたあの運命になるのだ、こういうことになるわけですから、これは重大なことです。これでは現職の公務員はじっとしておれないですよ。問題は、その先輩を優遇しておいて国家社会に貢献した現在の人も優遇する、こういう形にしないで、やめて何十年もした後にはとんでもない低い年金になるのだという形をとられたのでは筋が通らないと思うので、その特別の措置——現職のべース・アップごとに退職者全部とは言いませんでも、ある程度それにかけられるような措置がされておらなければいかぬと思う。長官これは非常に勇断をふるってやられないと、現職の公務員たちにも将来に対する非常な不安を与える。所得倍増計画ということになるとよけい不安がある。十年後に所得倍増になっても、当局のお考えでは、退職年金がそのまま据え置かれるということになる。この点はいかがでしょう。退職者に対して所得倍増計画、経済成長の度合いに応じてある程度のバランスがとれるように、そのつど措置をする。でき得べくんば現職の公務員のベース・アップに対して、ある程度のスライドができるような形で法律を作っていただけば一番いいと思いますけれども、これができないとするならば、それに準じた措置をそのつどとるということが必要ではないかと私は思う。長官の勇断なる結論をお願いしたいと思います。
○藤枝政府委員 恩給あるいは退職年金の額につきましては、先ほど申しましたように生活水準の上昇あるいは物価の状態、社会全体の状態から考えまして、手直しをしていく必要があろうかと存じます。先ほど申しましたように公務員のベース・アップがあったから、直ちにそれに準じて上げるということはどのようなものかとも思います。しかし公務員の給与が上がるということは、やはり社会全体の状態あるいは物価の状態等が上昇した結果がそういうことになるわけでございますから、そういう社会の全体の情勢とにらみ合わせながら考慮をして参りたいと思います。ただ何分にも相当の人数でございまして、少しばかりでも引き上げるということがまた国家財政にも相当な影響があります。その辺のところもにらみ合わせなければならぬと思いますが。ただいま御指摘のありましたように現職の公務員の将来への不安というようなことも払拭しなければならないことでございますので、十分にその辺を考えながらやって参りたいと思っております。
○受田委員 そうしますと近い機会に一万二千円ベースで押えられておる退職公務員の先輩の人々の退職年金額、恩給額というものを、現職の公務員のそれに準じたような何らかの措置をとりたいという結論をお持ちですか。
○藤枝政府委員 繰り返すようでございますが、いろいろな物価の上昇の状態その他を考えながら善処して参りたいと思っております。
○受田委員 適当に善処するという御答弁でございますので、近い機会に措置がとられるという結論になると思います。これはあまりあなたに無理を申し上げてもなんですから、総理大臣にでも……。 〔私語する者あり〕
○久野委員長 静粛に願います。私語を禁じます。
○受田委員 そこで一つ例を申しましょう。私のよく知っている人で九十九才でなくなった元老校長がいる。この人は恩給六万円しかもらっていなかった。六万円といえば月五千円です。これでは元校長をしていた人の老後を保障することはできない。こういう状態でこの世を去っていかれたのですが、非常に低い。そこに問題がある。ここは一つ十分御検討願いたいと思います。それからまじめな質問をしているときにつまらないヤジが出る場合は、これを禁止するよう委員長において取り計らっていただきたい。私は不まじめな質問をしているのではない、真剣な質問をしているのです。 〔「国民全体にせいというならわかる」と呼ぶ者あり〕
○久野委員長 私語を禁じます。
○受田委員 国民全体の問題は、国民年金の制度があるのですからね。国民年金制度の問題であれば、さらに自民党の諸君はほんとうに考えてもらわなければならない。今のやり方では絶対にいかないと思うのだが、これはまたあらためて私は申したい。 私はこの機会にそういうことに関連して、現職の公務員がいつまでもその職にあろうとしてなかなかやめていかないというのは、退職後の生活の不安があるからです。これはやはり国家社会に奉仕する立場にあった人々の退職後の生活を保障するということを、はっきり原則的に打ち立ててもらわなければならないと思うのです。それに関連して、今人事院からも、また公務員制度調査室長も出て来ておられますので、この間私がお尋ねしたことに対する御答弁を願いたいのです。この間資料要求として、現職の公務員に希望を与え、退職後の保障もされるという立場を国家は常に考えながら、一方ではそういう安心感の上に勤務に精励してもらうという立場がどのようにされておるかということで、勤務状況を資料として御提出願うようにお願いをしておきました。ただいま資料をいただいたわけでございますけれども、この資料を拝見すると、定時までの出勤者の状況は、あまり芳しい数字ではないと私は思います。各省によって、いい役所もあれば悪い役所もある。こういうようなことを見ましたときに、現職にあって国家がその生活を保障し、退職後もまたその老後を保障するという今の制度に再検討を加えるとともに、もう一つの問題は、そういう裏づけがされながら勤務を厳正にやるという立場を、政府としては十分国民に信頼と期待とを持ってもらうということが必要だと思う。この資料の中身を拝見すると、その点において、これはいろいろな調査の仕方もあろうと思うのですが、なお満足のいかない点が多々あると思います。いかがですか、これは人事院として公務員の勤務時間というものを所管されておる立場で、人事院の職員局長に御答弁願いたいのですが、勤務時間を厳重にやって、国民が役所へ行っても常に仕事が直ちにできるようにするという態勢をとるためにどういう取り扱いをされておるか、各省に対してどういう処置をとられておるか、法律的な規則的な、権限から各省に対する処置をどうされておるかを御答弁願いたい。
○崎谷政府委員 今の受田先生の御質問でございますが、私どもといたしましては、公務員の勤務状況がそれほど今まで悪いとも思っておりません。もちろん公務員は国民全体の奉仕者として、勤務時間に職務に専念すべき義務を公務員法によって課せられております。勤務時間は、これは給与法の制度であります。この給与法から人事院規則、それから総理府令というような系統で、総理府で一週四十四時間を割り振りされております。その四十四時間の割り振りで午前八時半から午後五時までということになっておることは周知の通りですが、先生のお話のように特に最近その傾向が目立つとか、そういうことは承知いたしておりませんので、人事院といたしましては調査したりあるいは勧告をしたりするという権限はございますが、今のところまだどうするとも考えておりません。
○受田委員 調査も勧告もしない。別に支障がないからやっていないのだということですが、これは人事院として実際に各役所をずっと回っておられるのですか。監督という意味でなくて、視察くらいはされておるのですか。
○崎谷政府委員 ずっと前に人事院から各省の勤務時間について調べたことはございますが、最近は特にいたしておりません。
○受田委員 勤務時間の調べということになると、勤務の態様を調べたわけではなくて、勤務時間が何時間であるかということを調べたのですか。態様を調べたのですか。
○崎谷政府委員 きめられた勤務時間に職員が出勤しておるかどうか、そういうことについてずっと前に調べたことはございます。これはもう十年も前のことでございますが、最近は特に人事院からやるということはいたしておりません。
○受田委員 それは十年に一度ぐらいはやらなければいかぬですね。それを今度総理府がやられておる。ところがこの出された資料には管理職の立場の人、私はこの前特に指摘したのですけれども、管理職の立場の人が出ていないのです。社長出勤の方々のお立場がこれに明らかにされていない。しかしそれはおおむね管理職はおそく御出勤あそばすということは通則のようでございます。それは当局もお認めになっておられます。藤枝長官、私の申し上げたことはあなたもお認めになりますね。
○藤枝政府委員 資料として差し上げましたのは、四月十五日の職員の勤務状況でございますが、まあ管理職と申しますか、部局長等は、おおむねでございまして、中にはむしろ職員よりも精励をいたしておる部局長も多数あるのでございますが、まあおおむね一般の職員よりは出勤時はおそいかと存じます。
○受田委員 御明答されたわけですが、そこはやはり管理職の立場にある方々は、管理職手当というものを甲号において本俸の二割五分ももらっておられるのです。これは超過勤務手当が一二%を限度とされている一般公務員と比較して、はるかに高い管理職手当をもらっておられるのだし、それから高い地位にあられる方々は、率先して一般公務員の師表となるような立場の勤務形態をおとりになることを私はあなたにしばしば申し上げておる。あなたにもその点を勘案されてこの資料を提出されたという点については、この資料を出されるについてずいぶん御苦労されたということもわかりますとともに、人事院がなし得なかったことを総理府がやられたということについて敬意を表するのですが、人事院は、その監督指導の立場にあり、調査の立場にある官庁として一また公務員自身としても、きちっとした勤務をすることをむしろ歓迎しておるわけですから、だらだらにならないように、もちろん二十日にわたるところの有給休暇というものもあることもよく承知しておりますから、そういうものが適当に調整されて、公務員として満足のいけるような勤務をされるように、当局として、十分人事院と総理府と常に御相談をされて、激励されるように御希望を申し上げておきます。(拍手)拍手をいただきましたので、本日の質問はこれで終わりまして、残余の質疑は次会に譲ることにいたします。
○久野委員長 本案についての残余の質疑は次会に譲ることといたします。 次会は来たる十六日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四分散会