内閣委員会 第19号
- 発言数
- 206 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/03/31
会議録
○久野委員長 これより会議を開きます。 農林省設置法の一部を改正する法律案、沖縄における模範農場に必要な物品及び本邦と沖縄との間の電気通信に必要な電気通信設備の譲与に関する法律案、厚生省設置法の一部を改正する法律案及び労働省設置法の一部を改正する法律案の各案を一括議題とし、前会に引き続き質疑を継続いたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石山權作君。
○石山委員 私は各省の局設置法について、おもに労働省関係についてお聞きしたいと思いまするが、その前に総務長官にお聞きしたい点があります。 政府では今臨時行政調査会設置法案を出しているわけでありますが、ここには、聞くところによりますと、総理大臣級の方をば委員長ですか、議長でございますか、据えまして、大がかりな行政機構をば検討する、こういう建前でいるわけですね。僕らから見ますると、各省の局の設置あるいは昇格などは、機構上から見ればかなりに重要案件だと見ているわけです。しかも今回出されているのは四つございます。建設、労働、厚生、大蔵それぞれごもっともな理由をば申し立てておるわけですけれども、私たちが見ていますと、各省がそれぞれの意欲を持って申し出ていること、必要性があるということはある程度わかる。しかし国家機構全般から見てこういうふうな出し方をされることは、私は機構上から見てバランスを失していく一つの傾向だろうと見ているのです。各省のこの部分の一つの面から見れば、なるほど非常に努力をなすっているという点は理解できるわけですけれども、国家全般の機構から見ると繁雑化、複雑化をして、そこに人員の多数をかかえているというふうな傾向が出るのではないか。私総務長官にお聞きしたい点は、あなたの方で行成機構をば根本的に検討なさるというとき、われわれ側から見ればかなり重要な機構である局の設置をば四つも一挙にお許しになった点をばお聞きしたい、こう思って質問しているわけなんです。
○藤枝政府委員 行政機構がなるべく簡素であることが望ましいことは仰せの通りでございます。またそれが能率的に運用されるということも必要なことでありまして、政府といたしましては常にそれに心がけておるのでございますが、さらにそれを根本的に検討して、行政の運営を能率的にあるいは簡素にできるように、そうして国民に十分なサービスのできるようにということを目途といたしまして、臨時行政調査会について御審議をいただき、これが発足いたしましたならば、そういう目的についての調査を願おうとしておるわけでございますが、そういう際に、局を内閣部内におきまして四つも各省にわたってふやすのはいかがという仰せでございます。この問題につきましては、行政管理庁におきましても十分検討をいたし、そうしてふやすことの可否について研究を続けたわけでございますが、現在御審議をいただいておる四つの省の局につきましては、政府の各般の施策を行なう上におきまして、緊急やむを得ないものではないかという結論に達して国会の御審議をいただいたような次第でございまして、この程度のものは一つお認めをいただきたいと考える次第でございます。
○石山委員 行管の長官のおいでを願って、実際各省を行政的に査察をなさって、ここに隘路があったのだというような証拠が歴然として出るならば、これは言い分もあるけれども、どうもそうではないように私たちは見ているわけです。各省からそれぞれ出たというが、それを四つに簡単にしぼった。あなたは緊急だと言っておりますけれども、緊急の中にもう一つ言葉がなければいかぬですよ。不可欠という言葉が含まれなければ、機構をいじってはいかぬということなんです。特に私たち考えるのに、機構をいじると何かうまいことでもすぐ生まれるようなことを日本の官吏の方々、特に高級官吏の方々は考えているようですが、これはそうじゃないと思うのです。たとえば一つの局がふえることによって、その末端の手足となって働ける人が五百人もふえるというならば、これは確かにおもしろいと思う。だが今度お出しになったのを見れば、各省とも人員はふやさないふやさないということを力説しているのです。そんなばかな話はないでしょう。一人の指揮能力があり、統率力の強い局長さんが出たならば、それを受けて立つ手足の数がふえなければ、ただ局長さん一人、部長さん一人、課長さん二人くらい増設した。そんなことでは私はどうも緊急不可欠というふうなことにはなり得ないのではないか。全く各省からきたのを、比較的に君の方は必要性があるだろうという妥協をしたのだ。しかも提出したものを見ますと、予算もあまりふえないのだ、人員もふやさないのだ。そうすると、政府としては肩たたき政策をとるとすれば、いわゆる池田内閣に忠勤を励みそうな人を局長さんに任命すれば行政の能率が上がるくらいに考える。けれどもわれわれから見れば、そういうやり方は実に残念だと思うのです。今度の場合、あなたの方から見て、建設の場合はたとえば土地収用のためにここは少し強化しなければならぬということは私たちもわかる。倍増計画によるところの、つまり労働者技能の再訓練、これも労働省としては必要だということはわかる。わかるけれども、今言ったようなところはあなたの方から何も説明なさっておらぬ。委員長、行管からだれか来ていますか。
○久野委員長 今呼んでおります。
○石山委員 大体けしからぬ。四つの法案も通させようとする行管が来なければだめです。委員長、各大臣が来なければこの法案はきょう上げてはいかぬ。
○久野委員長 ただいま手配いたしております。
○石山委員 それで行管からもう少し全般にわたって必要性を聞かなければ、私はあなたを帰すわけにはいかぬと思います。
○藤枝政府委員 お言葉を返すようではありますけれども、局ができても人間がふえない、費用がかからないというのは、実はそこにねらいがあるのでございまして、各省の全体としての人員がふえないということでございまして、必要として置く局については、その局を置くに足るだけの人員を省内においてやりくりをして強化をするわけでございまして、各省それぞれの局については、ただいまお述べになりましたようにその必要性があり、そうしてそれを強化することによって、国民へのサービスをさらに高めて参りたいという意味でございます。
○石山委員 あなたの方で今度の臨時行政調査会をお出しにならなければ、今の御答弁はかなりに的を射た御答弁になると思うのです。しかしわれわれはこれから慎重に日本のいわゆる行政機構、公務員制度を抜本的に見ようという調査会をあとに控えているものですから、何で今ごろこんなことを急いで出すのだろうか。あなたが緊急だということをおっしゃっても、私は不可欠という言葉が欠けているから、こんなものはまだ必要ないから、行管の意見を聞かなければ各省の審議に入れないというふうに力説しているわけです。しかしお出しになったものを今さら引っ込めろと言ったって引っ込めるわけもないけれども、いろいろな設置法に対しては、各省の便宜主義によってこういう問題が出るのではないかという不安を私たちは持っております。総務長官の腕を疑っているとか、調整役が役不足だとかいう意味ではなく、今までの慣例からしてこういう出方をするが、あなたは全体のバランスがくずれるだろうからと言って、あなたの方でお出しになったのがこの調査会だと思うのです。私はそれなりにそのときそれぞれまた質疑をかわして、その性格を明らかにしたいと思いますけれども、おそらくこの四つの法案に対しては、各省とも熱心に通過をはかることに努力を傾けると思うのです。そうするとさっきも申し上げましたように、各省てんでんばらばらに御説明を聞くと、何かよさが出てくるわけです。そうするとわれわれそのよさに耳を傾けるわけですが、今度はたとえば建設委員会とか社労とかいう各委員会は、あれは必要だからどうや、内閣委員会はそろそろ通してくれというささやきが今度は出てくるわけです。内閣委員会ではせっかく国家行政の全体のバランスから何とか押えられるものは押えよう、撤回させるものは撤回させようと努力しても、いつの間にか部分的なよさに引かれて、全体を見ようとする最初の構想がくずれていってしまうわけです。これはおそらく内閣委員会の審議過程だけの説明をしているのではなくて、政府の総理府のあなたたちの立場もそういうふうな傾向を受けて、この四つの法案が出てきているのではないかと考えているのです。ですから、おそらくこの案は通る数の方が多いでしょう。多いけれども、全体のバランスに対しては総務長官はもっと目を光らせて、少なくともあなたの方の行政調査会ができるまでは全体のバランスを失しないように努力をしていただかなければ、結論が出る二年先になりますと、その間にまた来年も四つも五つも出る、その来年また五つも六つも出て、行政改革を行なおうとするときには、にっちもさっちもいかないような状態ができたとすれば、何の役にも立たぬ。できてしまったことを減らせということに対しては、その抵抗はあなた一番おわかりでしょう。これは労働組合の首切りと同じ抵抗なんですから、大へんな抵抗を行なって、せっかくの委員会の、いわゆる答申などが生きてこないような傾向がたくさんあるのではないかと思っているのです。 行管の方が来たようですから、お伺いしますが、今度この四つの局の設置が行なわれようとしておりますが、あなたの方でこの四つにしぼった経緯について、やむを得ないという経緯を行管の行政査察の立場から、一つ御説明をいただきたいと思います。
○山口政府委員 行政機構がだんだん膨張する傾向にございますが、これは毎国会でお作りになります法律が非常にふえて参りますに伴って、行政事務が年々多くなるわけであります。しかしできるだけ能率的な運営によってその事務を吸収しようという努力をしておるわけでございますが、やはりそれには限度がございますので、能率化の問題にいたしましても、やはり急激にはなかなかできない事情がございまして、その方面に対する努力を傾注すると同時に、行政事務を処理するためにやむを得ないある程度の機構の拡充は認めていかなければならないということもございます。昨年度各省がぜひ必要だといって要求して参りました部局の新設は二十二ございました。しかし昨年度は特に一つも新設をしないということを強く方針として出しまして、できるだけ従来の既設の部局によって事務を処理するというようにいたして参ったのでございますが、やはり実施した経験上相当無理があるというので、今年度さらにまた十六新たに部局の増設を要求して参ったのであります。しかしその中で従来の経験から見てどうしても無理があると思われるものを拾いまして、最小限度として四つだけを局は認めることにいたしたのでございます。もちろん機構の拡充は望ましくはございませんけれども、しかしやはり仕事の方が大切でございますので、そういう観点から、なお各省としましては非常に不満があるわけでございますが、特別に四つにつきましては、その全体の事務を処理するという必要上やむを得ないであろう。機構の拡充は望ましくはないにしても、目的はやはり事務の処理ということにあるわけですので、認めた方がかえって行政事務が円滑、能率的にいくということであれば、形は多少ふくらむことになりましても、目的はその方が達せられるのではないかというようなことで、慎重に検討いたしまして、一応四つだけを本年度認めたわけでございます。四つといいますと非常に多いようでございますが、昨年度全部認めなかったものでございますので、従来の膨張傾向から見ますと決して多くない、かように考えております。
○石山委員 総務長官の御意見を聞いても局長の御意見を聞いても、やはり緊急という緊迫したものはないと私は思う。やはりおざなりに、十六のうちから四つ出したのだから、かなり節約したくらいの程度でないかと思う。特に事務処理ということになりますと、事務処理に限定するならば、私は企業内における努力が足りないと思います。では行管の局長にお伺いしますが、去年度あなたの方で建設、労働、厚生、大蔵の行政査察を行ないましたか。
○山口政府委員 これは実は私の所管ではございませんが、労働につきましては不確かでございますけれども、他の省につきましては行政監察をやっておるはずでございます。
○石山委員 行政査察の結果、建設、労働、厚生、大蔵、この四つのうち、緊急でやむを得ないというふうなことをあなたは力説できますか。
○山口政府委員 これは先ほど申し上げましたように、言葉は足りなかったかもしれませんけれども、やはり緊急に新しい機構にした方が結局能率的であるということを、監察をいたしましたものにつきましてはその意見も十分聞いた上で決定いたしたのでございます。
○石山委員 私は先ほどもちょっと人員について触れましたが、一つの局ができれば、局長の指令示達を受けて立つたくさんの人がいてこそ、初めて機構上の活発さがあるのだろう、こう思っているのです。たとえば局長さんが一人でき、部が二つでき、新しく課が二つ、三つ増設されたが、ただ少数の十人やそこらの人々の異動によって行政機構がうまく運用されるなどということは、私たちは考えられません。一つの局ができるとするならば、相当の今まで末端において不遇であったような人たちでさえも、定員のワク内に入るとか、身分保障されるような体制ができてこそ、初めてその機構が動くだろうと私たちは見ているのです。けれども今までお出しになったところを見ますと、どうもそういう傾向ではなくして、予算も今までのままでよろしいし、人員も十名ないし十五名ぐらい定員化すればそれで事足りる、こういうふうな御説明が行なわれているように見えます。そうすると受ける印象としましては、高級のあるいは中堅の幹部養成はなさるだろうけれども、機構全体としてはそんなにわれわれが血道を上げて騒ぐほどの改革にはならぬのではないか、お出しになってもあまりよい機構が生まれないのではないか、もっと企業努力をその間になさればよろしいのではないか。たとえば大蔵の場合でも、主税局と関税局は異質なものであるから同居は不可能である——同居は不可能であるという言葉は、私はあり得ないと思うのです。異質であってもそれを融合調整していくのが、その首脳部の力量でもあるだろうと私は考えております。異質であるものがみんな別居しなければならぬし、分離しなければならぬと言ったならば、これは機構上から見てはまことにきれいに見えるような感じがしますけれども、複雑怪奇にならざるを得ないのではないか。ですから私はこの四つの局の新設によって、末端の行政にもかなりな影響を与えるのか、こういうことを行管の方からお聞きをしたいのです。
○山口政府委員 ただいま石山先生の御意見はごもっともな点があると思います。もちろん各部課をずっと分けていって、性質の違うものをそれぞれ独立していくということになりますと、数限りなく部局が増設されることになります。さようなことは考えておりませんが、局という段階になりますと、それは局長というものが対外的にも各省の局長と折衝する段階でバランスがどうか、あるいは国会に出席していろいろ国会との関係を保つのにどの程度が必要だろうか、そういうランクの人が自分の所管として持っていく統轄の範囲が、どの程度が一番適切かというようなことを考えていくわけでございます。今度は部から局になるというものが三つございますが、その考え方は、従来局長が所管しておりました範囲内に部があるわけでございますが、局長の対外的な折衝その他につきまして、全体を統轄管理をするのに適当なものであるかどうかということが第一でございます。最近部として設けられましたものがやはり一つのまとまりでございますから、それでもいいようなものでございますけれども、その内容が非常に拡大して参りますと、局長としてそれを統括するのが有利である。あるいはまたその方は状況が変わらなくても、今度は自分のプロパーの局の方の業務が非常に膨大になってくると、中の部の方まで世話がやけない。統括管理の実際上可能な範囲というものがあるわけです。そういう点をつぶさに研究いたしまして、どちらが能率的かという判断でやっておりますので、従来、最初出発のころはそれでよかったと思いますけれども、年々事務の内容は変わってきておるわけです。今まで押えに押えてきた結果は、まあことしはそれほど定員はふえないということでありましても、すでに従来の無理がかなりかかっておるわけでございますから、それを独立の機構にいたしますと、相当それによって事務処理はやりやすくなるということが考えられるわけです。そういうような点を考えて分けておるわけでございまして、人員自体の大いさといろことは、これは一つの要素ではございますけれども、私どもは絶対的には考えておりません。と申しますのは、業務が非常に単純でありますと、多くの職員がありましても統括管理は割合楽でございます。内容が非常に質的にむずかしい、質的に非常に高度のものがございますと、統括管理が困難になる、さような点もあわせて考えておりますので、必ずしも局内の人員の数が多い少ないというだけにはとらわれておりません。しかしいずれにしましても、さような重要性を認められたようなものは、自然に人員も、業務量も多くなりまするのでふえてくる。それは現時点においてどうかということもございますが、実は今までのふくらんで参ります状況と、さらに今後どうか、今後非常にこれはおくれている行政で、十分力を入れなければならない。さしあたりの前向きに見た政策の推移を見まして、どうしてもこれから必要であるというようなこと、環境衛生なんかも非常に日本の環境衛生はおくれているといわれております。それから職業訓練にいたしましても、これは今行なわれております政策からいいますと、科学技術の向上に伴って企業の体質が変わってくるというような面で、従来やらなかった職業訓練、技術訓練、再訓練というものが非常に急激に膨大化してくる。そういう前向きの状況、それから貿易にいたしましても、貿易自由化に伴って、従来は為替管理を主としておりました行政が、今度は関税によって操作をする面がふえて参りました。それから事務量も現実に非常にふえて参っておるわけであります。それから建設にいたしましても、公共投資というものが非常に膨大になって参りましたけれども、これはばらばらの技術的な観点からのみの行政でなく、膨大な公共投資を各部門総合して、政策的に経済の発展にマッチして経済成長に合った公共投資をやっていかなければならない、そのためには今の機構は十分でないのではないか。かような点を重点に考えまして、最小限度としてこの四つだけを認めたわけでございます。
○石山委員 やはり落ちついていくところは、池田内閣の所得倍増のためですか。総務長官、そのためにこの四つの局は設置しなければならない緊急不可欠の問題でございますか。
○藤枝政府委員 別段所得倍増のためにこの四つが必要ということではございませんけれども、ただいま行政管理庁の方からお答え申し上げましたように、こうした面におきまして相当の事務量がふえて、国民の方々にも御不便をかけておるという現状を考えて、この四つはぜひお認めいただきたいというふうに考える次第でございます。
○石山委員 事務量の問題になりますと、これは心理的な問題が多分に含まれるので、はかりにかけて、これは過重労働だ、過重の事務量だというような判定はなかなかむずかしいと思います。今池田内閣の所得倍増によって、民間のいわゆる労働者はどのくらいの生産性を上げておるかということは、あなたはときどき新聞でおわかりでしょう。とんでもない過重労働をやっておるわけです。しかもあまつさえ過重労働をやって、年取った者は、石炭業界のみならず、市街にほうり出されておる現象——ですから私、官吏の方々が国民のため、国民に奉仕するという意味においていろいろ工夫なさっておるということは認めます。所得倍増、日本の産業の発展につれて、仕事の量はふえておると言っておるでしょう。おそらくふえていっておると思います。ふえていっておると思いますけれども、では外部に対してそれほど必要不可欠かというふうになりますと、私申し上げたように多分に精神的な問題が含まれておるので、これは普通の工業生産と違ってなかなか理解しがたいものがある。ですから今の場合においては、私は各省の首脳部はより以上に企業努力をなさる時期だろうと思うのです。それは先ほども総務長官に私申し上げたように、あなたの方は行政の調査会を作ろうとなさっておるのです。ですからこの場合いろいろな面で各省は御不便はあるかもしれませんけれども、企業努力をなさって、末端に働いておる人たちと同じような意気込みをもって、ここ一、二年を経過すべきではなかったかというのが私の気持なんです。しかしその気持からはみ出すものがあるとすれば、これは気持だけで押えていっては、国民に与える影響があるのですから、不便を与えるのですから、産業の発展をある意味では阻害するのですから、いけないのです。その点では、はみ出すというような御見解で出しておるだろうと思うけれども、そういうふうな必然性の積み重ねでお出しになったようには、私総務長官の御意見でも、管理局長の御意見であっても、そういうふうに思わない。とにかく議会の対策だとか、各省の部と課のバランスだとか、何かそんなものが前提条件に聞こえてならぬのですが、やはりはみ出しますか。何ぼ私聞いても、これは緊急で不可欠の問題だからどうしても通したいというふうな御意見ですか。
○藤枝政府委員 石山さんの言われるはみ出すという感じをわれわれは持っておるわけであります。もちろん各省とも首脳部において非常な努力をし、行政の能率を上げていくために努めなければならぬことは当然でございます。そういう当然の義務を果たしつつ、しかも行政管理庁の方で監察その他をし、さらにここ一、二年の経験から考えて、この四つについてはぜひ何とかしなければなるまいという結論になったわけでございまして、そういう意味においては、いわゆる行政運営の能率化をはかり、企業努力をいたしたにもかかわらず、やはりこの程度はという結論になったと御理解いただきたいと思っております。
○石山委員 それは私の呼び水だったのです。総務長官の説明を一応私は承っておいて、ほんとうにでは労働省が部を訓練局にしなければならない理由を二、三労働省関係にお聞きしたいと思います。 第一にお聞きしたい点は、この説明書の中にも安定局の中の訓練部を独立さすという御意見でございますが、その中でこういう点をあなたの方では説明しております。職業訓練の拡充強化、技能検定制度の整備、技能労働者の養成訓練の拡充、雇用されている労働者の再訓練をなす、こういう四つくらいが中心の目的のように見えます。私の方として第一にお聞きしたい点は、所得倍増によって、その方法論の一つとして、農村の人口を減らすということが池田内閣によって行なわれるわけでございます。そうした場合に、農民をいわゆる町の労働者に仕立てるためにも、これが活用されるだろうと思います。それからどこでも合理化が行なわれますと、中年者の希望退職が行なわれるわけです。そうしますとおそらく大てい四十五以上の人が、希望退職の序列の中に入れられると思います。そうしますと今のようにオートメ化された工場に対しまして、四十五以上の人をどういう格好で訓練するのか。それから農村においての方々、おそらく若い人たちだけが離農するのではなくして、農民の方々の大半は年寄りだと見なければいけない。中年者だと見なければいけません。こういうことに関しまして、どういうふうな訓練方法、教育を施そうとしているのか。たとえばこれが局になった場合に、どういううまみをもってこの問題を処理なさろうとしているのか、御説明いただきたい。
○三治政府委員 農村から都市への職業転換につきましてのものは、先生も御存じのように、昨年訓練施設を増加するため、十四カ所を主たるその目的のため予算措置をとった。今年におきましても十八カ所の増設は、主として農村の二、三男を第二次産業に転出するための処置として、それを予算の主目的として——もちろんそればかりというわけではございませんが、そういうふうな処置をとったわけでございます。そして今度の農業基本法の法案の策定や、農業基本問題調査会の場合における農村人口が第二次産業の方へ移る過程としての御相談を、労働省として種々訓練部面、職業紹介の部面で受けたわけです。まずとりあえずはわれわれの方として、農村の二、三男対策としてそういう職業訓練を大いにやる必要がある。またそうすることによって、農村から他へ転ずる場合に、所得がより増加した、より安定した雇用につけるというふうに考えております。なおさらに進んで、農村の中年以上あるいは農家が全部、挙家離村するというふうな状態につきましては、まだ具体的な構想といいますか、そういった過程まで予想しておりません。現在当分の間われわれの方として、農村二、三男対策としての職業訓練を主としてやる。だから現在のところ二、三男対策を考える。それから都市における産業構造の変化に伴う中年者の転職面につきましては、今までわれわれの方の経験といたしましては、駐留軍労務者の転職訓練、それから石炭鉱業からの離職者に対する転職訓練ということをやっております。さらに一般の職業紹介といたしましても、その中年層の転職というものにつきましては、われわれの方として今後大いに努力をしなければならない問題と思っておりますが、その具体的な処置、ことに中年以上の方々の転職の場合における所得をあまり減らさず、また維持して転職できる職種というものが、いざいろいろ研究してみると、なかなかないわけでございます。それからことにそういう方々の中年層の訓練というものを考えてみますと、それの訓練はできても、やはり所得が必ずしも伴わない職種がありまして、そういう点につきましては、今後われわれの方として大いに研究していかなければならない問題だと思いますが、日本の現在の年功序列型賃金体系をとっている職業対策としては非常に困難でございますが、それを新しくわれわれの方としてはぜひ研究して、やはり訓練の過程の一重点としてやっていかなければならない、今後の社会の進展に伴って当然やらなければならない問題だと考えます。
○石山委員 農村人口の多いということは、これは社会党も認識しているわけです。農村人口が、たとえば今の池田内閣政府のやり方でいけば、年々何%かが離農します。これに職業を与えるということは大へんに大きな問題になるだろうと思う。中年者に対して何職業がよろしいかということになりますと、これもまだきめ手がないというのが現実だろうと私は思うのです。そういうことを研究なさらなければ職業訓練は実を結ばないわけでしょう。その研究機関みたいなものは一体どこへ置かれるわけでしょう。
○有馬説明員 ただいま先生御指摘の中年層に対する職業訓練というのは、従来の学卒者中心の、子供といいますか、二十前後までの層に対する訓練とは違ったいろいろな問題があるわけであります。先年駐留軍の離職者につきまして、この問題と最初に取っ組んだわけでございますが、昨年からは石炭離職者の問題につきまして、平均年令は大体四十才前後になっておりますが、これらの中年者に対しまして現在訓練を行なっておりますが、従来の子供に対する訓練とは違った指導方法あるいは訓練基準、それから生活援護、こういった問題をあわせて解決しなければならない、こういう必要性をわれわれも感じまして、現在やっている実施の面におきましては、漸次その点を改善して参っておりまするが、根本的にはこれらの問題についてもう少し検討しなければならない。かように考えまして、昨年の十月から中央職業訓練審議会におきまして、この中年層に対する職業訓練のあり方につきまして、各方面の専門委員の方に依嘱いたしまして、どうあるべきか、教え方はどうすればいいか、それから訓練の基準が、若い者と違って学科に非常に弱いという点もございますから、その辺の基準も再検討しなければならぬ、こういったところを根本的に現在検討しております。六月一ぱいには大体その中間報告が出る予定になっておりますので、漸次本格的な中年者訓練対策を軌道に乗せて参る予定でございます。
○石山委員 訓練部に研究機関を持っているわけですか。
○有馬説明員 訓練部に中央職業訓練審議会、これは訓練法によりまして労働省に置かれておりますので、その審議会に諮問をしまして、答申を求めておるわけであります。そういう予定で本格的な中年者の訓練に取っ組んでいく予定でございます。
○石山委員 総務長官にお聞きしますが、たとえば農業政策としましては、農協を利用して土地の信託を始めるわけでしょう。そうすると農村の人口は移動を始めますよ。移動を始めた場合、まず通産省はそこにうまく工場を持っていけばいいわけですし、労働省は一生懸命そこで訓練を行なって、抱き合わせをすれば、私は政策のある部分は成功すると思うのですが、今までわれわれから見ていますと、農林行政は農林行政で、信託して土地を離せ、東京に出ていけと盛んに勧誘するわけですね。秋田県の知事であっても、山形県の知事であっても、一つの計画を立てますから、農村の人口は確かに動いていくわけです。けれども受け取る場所はなかなか見つからないという現象が出ると思うのです。一体工場を持っていくといっても、それは通産省の方ではおれは知らない。水もないし、交通も不便だし、運賃もかかるのだからいやだというふうにいくと、なかなかうまくいかないわけです。工場は青森県まで行きません。秋田県まで行かぬでしょう。そうするとその農村の人口はまごまごしてしまう。こういう調整をどういうふうに政府はお考えになって、この三つ、いわゆる離農する人、職業訓練を受けて、そうして収容の場所をば手近に求める、こういうふうな構想はどこでお立てになるのでございましょうか。
○藤枝政府委員 今御指摘になったようなことが一番問題であろうと思います。従いまして関係の各省が十分連絡をいたしまして、そうして離農する人、あるいは農村において余ってくる人口の受け入れ計画につきまして、今お話のようにできるだけ地方へ工場の分散をはかることは必要でございます。しかしいろいろな立地条件があって、口で言うようにはなかなかいかぬと思いますけれども、そういう環境を作るための地方都市の建設というようなことも考えながら地方へ工場を分散する。あるいは中京、名古屋地区のような非常に求人と求職とのアンバランスなところにつきまして、労務者住宅その他を考えていくというようなことを、関係各省で十分連絡をとりながらやって参りたいということを考えておるわけでございます。
○石山委員 これは訓練部長にお聞きしておきたい点は、皆さんが今までおやりになったのは、工場に関係なさる方々を訓練なさったわけなんです。今度出てくるいわゆる失業群といいますか、産業予備軍といってもいいような農村の離農者は、いささか趣を異にするわけですね。これを吸収する産業分野というものが目前に浮かんでこなければならない時期だと思うのです。農村の離農者のうち、みんなが三十才ぐらいであれば、お前もう一ぺん算術をやれ、かけ算を勉強せい、方程式の一つぐらい覚えろということは訓練できると思うのですが、四十ぐらいの農村の人にはなかなかそれは無理だろうと思う。そうして今日本の産業というものは一体どういう傾向を帯びているかと見ますと、いわゆる化けもの産業でしょう。もう一つは、小さいときから手元の器用さをならされなければならないいわゆる機械産業、この二つに大別されてくるだろうと思うのです。農村の四十代の失業者を収容するというのは、非物理的な機械工業であれば、これは労力を必要とするから、半分は機械、半分は労力というふうな力仕事を利用するような業種がたくさんあるわけですから、これの収容は割合に可能でしょう。しかしだんだん日本の産業が発展するにつれて、分化傾向を帯びてきておるのです。分化されております。その分化の一つが化けもの産業と機械産業の両極端に分かれてきている。そうしますとこれは農村の政策につながっていくだろうと思う。政策につながらなければ、農村の四十代の人は、町に吸収する、工場に吸収するといっても、これは不可能だろうと思います。そういう点も訓練部の方では、十分に職種を選ぶ。その職種を選ぶことが時の政府の政策になって、その産業を育成するというふうなことにならなければ、農村の方々は大へんにひどい目にあうのではないか。またこれから企業合理化によって普通の産業からはみ出されていく単純労務者、この人たちが立場を失っていくのではないだろうか。こういうふうなことを私は懸念するのですが、その点に関しましては、皆さんの方はどういうふうな腹案を持って臨んでいられるかも、一つお聞かせ願いたいと思うのです。
○有馬説明員 農村の中年者の訓練につきましては、先ほど申しましたようにいろいろな訓練技術上の問題もありますが、私どもの当面の考え方としましては、従来の製造工業の機械あるいは電気といったような、非常に手先の器用さあるいは頭脳の適応性というものを要する職種よりは、建設産業の関係の職種、たとえば左官、塗装、配管あるいは溶接、こういったもの、まあ近代的な建設産業の発展に即応いたしまして、そういった職人層が非常に足らないわけでございます。現在建設業界、建設省と連絡をとりながら相談をしておるのでありますが、過去五年の間に建設の工事量が六千億台から二兆をこす三倍強に伸びております。不足する職種の調査も、われわれの調査とそれから業界の調査と突き合わせて、大体の職種別の不足数もわかっております。数にして十数万の数が不足しておりますが、特にその中で緊急を要する職種につきまして、私どもとしましては重点を入れて訓練計画を樹立して、そうしてこの農村の、二、三男という若い層でなく、もう少しいわゆる手おくれ層の中年者層あるいは沿岸漁業の漁民層、これらに対しまして、それらの配管、電工、溶接、塗装、左官あるいは建築大工、こういった緊急を要する職種につきまして大量に養成をしていこう、こういうことで現在新年度の計画を進めております。 また最初に御指摘がありました産業との関連でございますが、建設産業以外の本来の製造工業につきましても、通産省と密接な連絡をとりまして、たとえば名古屋地方における電子工業関係の地方分散計画にマッチした訓練計画を、地域的には策定をしております。そういうふうな行き方をしておりますので、通産省あるいは農林省、建設省、こういった産業各省とは非常に密接な連携のもとに、訓練計画を推進しておりますから、大体その辺のちぐはぐはないように努めておるつもりでございますので、御了解願いたいと思います。
○石山委員 失対関係の方おいでになっておりますか。
○三治政府委員 職業安定局長が来ております。
○石山委員 石田労働大臣は先ごろ、十万くらい失業者の数が減ったと言っております。もしそういうふうな公式通りに労働者の関係が動いているとすれば、まことにいいことだと思うのですが、池田内閣のとっているアメリカ経済との密接な関係を思いますと、アメリカ経済の一つのひだとして、失業者の数がふえつつあるという現象です。ですから日本がよほどうまくやっても、今の経済政策をば取り扱うにおいては、十万は減ったというのは一つの小さい現象に終わってしまうのではないか。やはり大どころは失業者が多くふえていくだろうということが想定されるわけです。それはもちろん倍増の十年計画というものが非常に順調にいって、六年、七年と経過すれば初めて失業者の数も減っていくだろうと思うけれども、今のようなやり方で倍増計画を強行していけば、どこから見ても失業者は減りますというふうな根拠は出てこないようです。 それでお聞きしたい点は、私の方では、どうしても失業者がふえるだろう、ですから失対事業の非常に大切な場面が出てくるのではないかというのでございます。去年皆さんの方の努力でいささか失対費が増額されたようでございますが、それは一人当たり幾らくらいになりますか。
○堀政府委員 最近の雇用失業情勢は、概して申しますれば、一般的な景気の好況の影響を受けまして、雇用者は増加しております。労働省関係の毎月勤労統計等で見ましても、大体一割一分あるいは二分程度の増加を最近はいたしております。ただその間におきまして、産業構造の変化あるいはその他のいろいろな事情によりまして、離職者との断層が生じておる。そのアンバランスを今後是正していかなければならないということが一つの問題点であると同時に、もう一面におきまして、職安において職を求めるところの日雇い労働者は、必ずしも減少はしておらないわけでございます。これはその中に中高年令層の方々が非常な割合を占めておる。従いましてこれが停滞する傾向があるというのが大きな原因であろうと思います。そこで労働省といたしましては、一般的には雇用は順調に伸びておりまするけれども、そういう特別な方々のためには、やはりできるだけの援助をしなければならない、こういう考え方で対処しておるわけでございますが、来年度の予算におきましては、結局全体を平均いたしまして失対の労務費というものは五十二円増加という予算を計上しておるわけでございます。従いまして今まで三百三十四円でありましたのが、五十二円増加いたしまして三百八十六円、全国平均でそのような数字になるわけでございます。
○石山委員 労務者の三百八十六円も、たしか地域的にそれぞれ等級があったと思いますが、この等級の改正は行なっているわけですか。
○堀政府委員 失対労務者の賃金を決定するにあたりましては、先ほど申し上げた数字は全国平均の数字でございますが、この考え方は、その地域におけるところの似たような仕事をしておられます労働者の平均的な賃金を参照いたしてきめるということになっております。従いまして地域的にその都市あるいは産業の情勢によっていろいろな変動がございますので、今後は賃金を具体的に各地で決定いたします場合には、われわれといたしましてもなるべく合理的に調整を行なうという考え方で進めておるわけでございます。三十六年はただいま申し上げましたように、平均で五十二円のアップになったわけでありますが、各地における実際の賃金の引き上げにつきましては、関係者を集めましていろいろ意見を聞いた結果、各地域別にそれぞれの調整を行ないまして引き上げを行なうことにいたしました。これは決定いたしまして全国各地に公表をいたした次第であります。
○石山委員 この地域の区別については、それぞれ御研究なさって万遺漏なかろうと思っておりますが、私たち当委員会で公務員の給与を取り扱っているわけですが、それについて昔の地域給、今の暫定手当の問題に対しては、われわれはその不合理性を主張しているわけです。これは労働省で失対費をおきめになるときも、終戦後の主食を主体にした算定方式が、おそらく優位を占めたのではないかと思っております。それかどうか知りませんけれども、たとえば秋田の失対費は青森より安いという現象です。これは石田労働大臣が秋田の出身だから一番了解して、あるいは皆さんの方にチェックして下げているかもしれぬけれども、皆さんの方は科学的に物事を判断しなければならぬから、秋田の格上げはやれないというふうに突っ返しているのかもしれません。しかしわれわれはそういうふうなことでなくして、当時は主食を主体にして算定した地域なのだから、主食があり余ってくる現実においては、算定方式を変える必要があるのではなかろうかということを、たとえば力説しているわけでございます。 それからもう一つ、今度の五十二円の中の一円が、北海道の石炭手当に形を変えたというふうに聞いております。これは民間でも官公労の賃金体系でもそうですが、石炭が出れば、雪の深い東北地方、信越その他は薪炭代をもらっているというのが現実の姿でございます。来年度になれば、そういうふうなことを考えながら五十二円の中の一円が石炭に変貌した、こういう炭やまきをたくさん需要する都市の失対者に向けられるような方向を考えられて、今回五十二円の中の一円をそういう格好で取り扱ったのかどうか、この点もお聞きしたい。
○堀政府委員 お説の通り最近のいろいろな情勢の変化によりまして、地域的に合理的でない格差が生じている面があるわけでございます。私どもはただいま先生の言われましたと同じような考え方におきまして、その調整をなるべく合理的に行なっていこうという考え方でおります。 そこで秋田と青森との関係等につきましては、実は今までの賃金の格差が相当あるというような情勢にかんがみまして——昨年は全国平均で二十八円の引き上げであったわけでございますが、秋田については特に三十八円の引き上げということで、格差を十円縮めたわけでございます。本年も秋田の都市方面におきましては、全国平均の五十一円を上回る五十六円の引き上げを行なうことにいたしました。その他の地域においても五十一円の引き上げ、従いまして他の県等におきましては、この平均の五十一円を下回るようなところが出てきておるわけであります。平均いたしまして五十一円のアップという考えでおるわけであります。私どもといたしましては、ただ格差を是正すると申しましても、やはり低所得者の諸君でございますから、なかなか一朝一夕に合理的に行なうことはできませんが、なるべくいろいろな機会をとらえまして、地域差を合理的に考えていくという方向で進みたいと考えております。 次に北海道の問題につきましては、これは実は北海道方面から、冬季においては石炭を買わなければならない、冬は特に不自由するというような、非常な要望がございまして、私どももそういう観点に立って何とか実現をはかりたいということで努力したわけでございますが、石炭手当という制度は本年は認められなかったわけでございます。ただ最終の段階になりまして、いろいろ財政当局と折衝いたしましたところ、全国平均で一円くらいの単価、すなわち北海道に直しますと、冬季に大体二十円くらいの賃金増給になるわけでございますが、そういうことを認めてもいいというような話になりましたので、これは一つの足がかりを作るという意味におきまして、とにかく北海道における低所得の失対労務者諸君の生活改善にプラスになることでございますから、そういうふうにしたいということでそのような措置をとったわけでございます。今後におきましても私どもは、この東北方面の寒冷地におけるいろいろな情勢にかんがみまして、やはりそういうまきを買うために特別の金がかかるというような情勢も十分考慮いたしまして、検討はいたしたい、こう考えておるわけでございます。
○石山委員 私は総務長官にお願いしておきます。労働省の安定局としては、おそらくこれから失対事業を一生懸命やらざるを得ない場面が深刻に出るだろうと思います。あなたの方でどんな大きなことを言っても、私は、六人や七人までならば別ですけれども、そうでなければ、失業者はふえるだろうという想定のもとで施策を行なうことがよろしいだろうと思うのです。それこそほんとうに口の当たらないところへ手を伸ばす政治のうまみだと思う。そういう想定のもとで、あなたのような立場から労働行政を調整していただいて、失対費をたくさん出す。そして地域偏向にならないように、それから寒いところで働いている北海道、東北、信越等の恵まれない失対の人たちには、もう少し別な面でめんどうを見て上げるということをやっていただきたい。それをやらないで、所得倍増、合理化を行なう、農村の人口を少なくするなどと言えば、これは苛酷な悪政ですよ。そういうことのないように、私は何も安定局長に味方しているわけじゃないのだが、一つ十分に力を注いでいただかなければならないということを要望して、私の質問を終わります。
○久野委員長 次に山内広君。
○山内委員 私は厚生省の関係について簡単にお尋ねしたいと思います。この御提案の趣旨は、公衆衛生局の環境衛生部を環境衛生局に昇格したいということでありますが、各省の機構いじりに対する基本的な考え方は、今石山委員から詳細にお話もありまして、私も同感なわけであります。しかし特に環境衛生については、実は私どもも地方議会において多少体験いたしておりますので、違った観点からいろいろお聞きもし、最後に局昇格についての考え方も伺いたいと思います。 まず最初にお伺いしたいことは、進駐軍の落とし子でありましたこの環境衛生については、その後皆さんの努力で非常な成果を上げられておりますのは、とにかく文化国家として喜ばしいと私としても考えているわけであります。ただいろいろなことから施策が行き詰まった感も持ちます。いろいろ御要望申し上げたいこともたくさんありますが、まず最初に政令都市と呼ばれる十五万を単位として保健所を持っているところがあります。また現在ない都市もあるわけであります。特に町村合併が行なわれて小さい町村が合併したところは、いかにも金のかかる保健所などはもう財源的にほしくないということは、これは偽らない考え方だと思います。そこで人口十五万以上の都市で現在保健所を持っているところは何カ所あるのか、また保健所を持たないところが何カ所あるのか、これをお聞きします。
○聖成説明員 ただいま十五万以上の都市で保健所を持っている問題についての御質問でありますが、これは保健所法の施行令で指定をしているわけであります。その指定している都市が全国で三十都市で、この十五万というのは、別に施行令にもあるいは省令にも何もないわけであります。ただ昭和二十三年と記憶しておりますが、あのときに保健所法の改正がございまして、そのときはまだ連合軍司令部があった時代でありますが、あのときに十五万以上の市に保健所を持たせたらどうかという勧告がありまして、一応十五万ということで当時線を引っぱったわけでありますが、それが三十都市で、その後一カ所もふやしてないわけであります。しかしその十五万というのは意外に知られておりまして、十五万をオーバーしたから政令市に指定してほしいといったような要望が若干の都市から出たこともございますが、厚生省といたしましては大体政令市はこれ以上ふやさないという方針でおりまして、以来一カ所もふやしてないという実情であります。現在十五万以上の都市が幾つあって、保健所があるところは三十ということははっきりしておりますが、ない方がちょっとわかりません。そういう状態であります。
○山内委員 今の御答弁にちょっと私は不満を持つわけであります。なぜと申しますと、これから機構をいじって、特に局にまで昇格させて、強い指導力を持とうというときに、十五万以上の都市で保健所を持っているところは三十と指定されてわかっているが、それ以上の数十万の人口を持つところで、保健所という金のかかる機構を持っておらないのが何ぼあるかわからぬでは、ちょっと返答にならないと思います。どなたかおわかりと思いますから、ちょっとそこで打ち合わせてお答え願いたい。ほんとうにおわかりにならぬならば、ちょっとこれは不思議な御答弁だと思います。
○聖成説明員 もちろん先生御案内かと思いますが、十五万以上の都市で市立の保健所がないという意味でありまして、都道府県立の保健所は全部あるわけであります。
○山内委員 それは承知しております。
○聖成説明員 それではその数をちょっと調べまして後ほど申し上げたいと思います。
○山内委員 私の申し上げたのは市立の保健所のことを言っているわけであります。そうしますと片方では保健所を持っていて、そこの市としては非常な負担がかかっている。ところが片方にはなくても済まされるところもある。特に最近、さっき申しました通り、町村合併で数十万という人口を持つ市が保健所を持たぬで、上の都道府県におぶさって免れている、そういう傾向があるために、非常にこれはアンバランスな行政になっている。このことがこの環境衛生を伸ばしていけない一つの大きなガンだと私は考えておる。特にこういう指定を受けたばかりに、財政が困難でも維持経営しておるところには、交付税その他で何か国がめんどうを見てやらなければいくまい、私はそう基本的に考えておるわけです。ところがそれを主管しておるあなたの方で何カ所あるかおわかりにならないということは、ちょっと私は受け取れないわけです。先ほど石山委員からもお話がありましたけれども、局にして強い指導力を持つ、こういうのであれば私ども賛成いたします。特に環境衛生というような、地道なしかも日本の文化国家として大切な仕事が、こういう機構を変えることによって強力な指導性を持つ、この事業が効率を上げて行政がよくなれば、こういう社会性を帯びたところはむしろ機構でもってカバーしてやるのがいい。通産省とか建設省とかいうような事業を持つところは、黙って——極端に申し上げて悪いかもしれませんが、政治を行なわぬでも金はそういうところにどんどん入っていって事業が興こるのですから、これは政治の必要がない。あなた方のお仕事こそがほんとうに政治が要る。機構でもって大蔵省の折衝なりあるいは国会対策なり、そういうことが強力に進められてやっていくということであれば、私はこの局昇格というものは非常に生きてくる、意味をなす、こういうふうに判断しておるわけです。そこで今申し上げたようなことで、実は御答弁がないので次の質問がちょっと続かない。これ以上やると突っ込むことになりますから、そういう意地悪いことも申し上げたくないので、あと端折りまして質問を次に移します。 現在大都市のいろいろな悩みがあるわけですけれども、特にはなはだしいのは、あなたの方の所管されておる屎尿、塵芥の処理の問題だ。東京都を初め大きな都市は非常に今その処置に悩んでおる。これを解決するには設備に何億という金が要りますから、要するに現在の地方自治体ではこれに財源を振り向けることができない、こういうような悩みがあるわけです。この塵芥、屎尿の処理をあなた方はどういうふうな方法で指導されておるのか。海へ持って行って投げる建前をとっておるのか、あるいは焼却場を作って焼くことを方針としておるのか、いろいろ科学的にも御研究だと思いますし、金のかからない方法はどうすればいいのか。いろいろ諸外国の例もあると思いますので、屎尿、塵芥処理の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○聖成説明員 先生ご指摘の通り、屎尿 ごみの問題、特に屎尿につきましては、今や大都市のみならず中小都市あるいは町村に至るまで、非常に行き詰まっておりまして、環境衛生の問題でも一番大きな問題かと私考えております。そこでこの対策でございますが、まず屎尿につきましては、一番衛生的であり合理的であり近代的な方式というものは、これは下水道を整備いたしまして、末端の終末処理場を完備して、その地域内の各家庭の便所をすべて水洗便所にする、くみ取り便所を絶滅してしまうということが、一番基本的な方針と考えておるわけでございます。現在もそういう下水道が整備されております都市が、終末処理場も運転しているような、そういう都市が二十二カ所現在ございまして、それから下水道並びに終末処理場の工事を続行中の都市が五十カ所ございます。 それでまず屎尿問題の解決策としましては、十カ年計画でこの下水道の管渠、パイプの方は建設省の仕事でございますが、終末処理場は、下水中に含まれております屎尿を処理するということが一つの大きな問題でございますので、私どもの所管になっておりまして、これで十年後には大体二千万人ぐらいの都市人口の分は下水道処理をやりたい、こういうことで年次計画をいたしてやっておるわけでございます。 それから一方に小都市あるいは地方の町等で、当分まだ下水道計画ができない地域にありましては、遺憾ながらくみ取り便所が残るわけでございますので、このくみ取り屎尿の処理のためには、屎尿処理施設を設けて、そうしてここに投入いたしまして完全な処理をする、こういうことで、従来は屎尿消化槽というものを一本やりにしまして、これを奨励して、これについて助成あるいは起債などをつけましてやって参ったわけでございます。これを現在持っております市町村が約百カ所できておりまして、現在継続事業で工事続行中のものも五、六十カ所あるわけでございます。この方もやはり十カ年計画で整備いたしまして、十年後にはとにかく——現在要するにかような深刻な状態が起こって参りましたのも、わが国におきましては、御案内のように昔から農村に還元いたしまして肥料として使うということでやって参ったものが、化学肥料が大幅に出回って参ったことと、人口の都市集中といったようなことで、急速にこういう行き詰まりが起こって参ったわけでございます。そういうことで、年々その下水道計画と屎尿処理施設の設置といったようなことで、屎尿問題の解決を進めておるわけでございます。 下水道の終末処理につきましては、三分の一国庫負担をいたしまして、残りの部分については起債で見る。それから屎尿消化槽につきまして四分の一国庫負担をいたしまして、残りを起債で見るというようなことでやって参っております。明年度三十六年度も、補助金並びに起債の方も相当大幅に増額していただいておるような状態でございます。 ごみの問題は、屎尿ほど深刻ではないわけでございますけれども、現状は大体ごみの排泄量の六〇%近くが埋めて立て処分、それから三〇%強が焼却処分、残りが堆肥化、あるいは厨芥等につきましては養豚の飼料というようなことで処理されておるわけでございますが、その大部分を占めております埋立処分が、次第に埋立地がなくなって参りまして、逐次また屎尿に次いで深刻な状態になっておりますので、これにつきましても焼却場の設置あるいは堆肥化の施設、こういうようなことをやりますように補助金並びに起債をつけましてやっておるわけでございます。
○山内委員 大体わかりましたが、最近各都市とも手を上げました結果、屎尿の処理、塵芥の処理というものを、何か一つの機関を作って下請負というような形で処置しておるところが、ぼつぼつ見えてきておるわけでございます。このことは、市町村が直接自分でやる本業の仕事を、下部のそういう一つの業者にやらせておる。結果がよければいいのでありますけれども、その結果がはなはだまずいことがちょいちょい起こっております。その一つは、そこに働く従業員の非常な労働強化、特にああいうきたないものを扱うのでありますから、衛生的でなければならぬ。それを一部の業者にやらせるためにその辺の問題もあるようであります。またコストを安くするために、さっき申しましたちょっとしたくぼ地へ持っていってごみをどんどん投げてしまう。ひどいときは、近所に家があるにもかかわらず、まん中へ持っていってごみを投げた、そういうような問題でいろいろ事件が起きております。御承知と思いますが……。現在市が直接やらないで、業者に請け負わせる形をとっておるものがどの程度に行なわれているか、もし数字をお持ちでしたら、数字で御説明いただきたい。
○聖成説明員 先生の御指摘の問題は、屎尿のくみ取りあるいはごみの収集の仕事を、その市町村が直営でやる、あるいは請負でやらしている、こういった問題だと思うのでございますが、実は清掃法によりまして、屎尿のくみ取り、ごみの収集という仕事は、特別清掃地域については市町村に義務がかけられておるということは御承知の通りだと思うのです。ですから、あくまでも市町村が直営でやるのが原則でございます。ただこうした清掃業といいますか、屎尿やごみの収集という仕事がかなり古くから、文献なんかによりますと、徳川時代あたりからずっと民業でありましたという沿革がございますために、これは残念ながら全廃というわけにはいかないわけです。特に清掃法では、十五条の規定によりまして、こういうことを業としてやろうとするには、当該市町村長の許可を受けなければならない。それから地域あるいは期間等を指定して、市町村長が許可をするといったようなしぼりがかけられております。そこで私どもといたしましては、今先生御指摘のようなこともございますので、できるだけ直営に切りかえていけ、こういう指導方針をとって進んでおるわけでございます。 今お話しになりました業者がやっているのはどれくらい、直営がどれくらいという数字は、ちょっと私手元に持っておりませんから、御了承いただきたいと思います。中には一部直営、一部民間業者に請け負わしているといった、一つの市町村でも両面がある場合もございますので、ちょっと数字を記憶いたしておりません。
○山内委員 きょうは年度末の日で、早く法案を上げる必要がありますので、長い質問は避けて、あと結論をちょっと申し上げたいと思うのですが、この保健所の問題で、おそらくあの答弁からしますと、政令都市の保健所あるいは都道府県が直接やっている、こういうものの整理統合と申しますか、一貫した方針というものはまだあなたの方ではお考えになっておらないと判断するわけですが、これはぜひ一つしかるべき方々と相談の上、方針を確立していただきたい。ということは、地方自治体に対する財政上の圧迫も一つ、それから一つは、そこで働く人たちの所長以下いろいろな方々の人事交流の問題もあるわけです。そうして一貫した方針で国が政策を都道府県に落としていく。そしてそれが均霑した行政に移らないと、これはいつまでも問題が解決しないと思うのです。特に最近、先ほど申しました町村合併の結果、数十万という大都市で保健所を持たないところも私知っております。全国的には私は数字はわかりませんけれども、具体的にはそういうこともある。そうしてわずか十五万をこえたばかりに、指定を受けて、そうして金がかかる保健所の運営で財政的に非常な圧迫を受けておる、こういうアンバランスの是正をどうするか、衛生行政の指導をどうするか、そういうことでいろいろ財政的にも、さっき申しました交付税でめんどうを見るとか、いろいろな指導方針もあると思う。ぜひこの点は早く一貫した国の方針を確立して、その方針にのっとってアンバランスのない行政をやっていただきたい。そういう指導が強力に行なわれ、また先ほど来いろいろ話が出ました屎尿、塵芥の処理などについても、大蔵省との折衝も強力にできて、そういう点で地方自治体のバック・アップをあなた方が強力にできるというなら、私はこの部を局に昇格するという点も初めて生きてくると思う。そういう意味では、先ほど石山委員の指摘された点についても、そういう点が出てこなければ、さっきのような議論が出るわけであります。特に保健所の問題については重ねて御要望申し上げまして、私の質問を終わります。
○緒方委員 ちょっと関連して。環境衛生部長に、今の山内委員の質問に関連してお伺いいたします。糞尿処理の下水道の設置を促進する。そのために三分の一の国庫負担、三分の二の起債でもっていろいろ援助を与えていく、こういうことは事実やっておるようでございますが、この起債を許す前提に、必ず使用料を取らなければならないという強い御指示をなさっておるそうでございますが、それは間違いございませんか。
○聖成説明員 使用料を取るように慫慂はいたしておりますけれども、補助金をつけますのにこれを絶対要件にするというようなことはいたしておりません。
○緒方委員 地方に参りますと、言葉の表現はどうなされておるか存じませんが、使用料を取らなければ国庫負担も許さないし、起債も許さない、それが条件だということで地方の方は受け取って、それに全力を傾注しておるような状態ですが、それぞれの都市におきましては、自力でもって今までやっておるところも多少はある。そういたしますと、今まで自力でやっておるところには使用料を取っていない。今度新しく作るところは使用料を取らなければならない。そういうアンバランスができるから、さかのぼって今度は、今まで取っていなかったところまで取るようにしなければならぬ。地方におけるところの一つの悪税の促進になっておるというふうに考えますが、そういう現象が至るところにあると思いますが、お宅の方はどういうふうにお考えになっておりますか。
○聖成説明員 一般的な常識から申しましても、上水道の使用料というものは、だれでも払うという常識になっておりますけれども、下水道につきましては、どうも上水道の場合のように、使用料を払うということが何か不自然のような感じがないこともないと思います。しかし下水道の整備促進には相当の経費がかかります。また起債も、これは起債でございますから、その分につきましては償還もしなければならぬということで、下水道の使用料を取ることは、私はやむを得ないというふうに考えておるわけでございます。先ほど申しますように、新たに下水道を設置する場合に、使用料を取らなければ補助も起債もつけないというようなことはいたしておりません。そういうふうに慫慂はいたしております。
○緒方委員 あなたのお言葉を、それでは私は信頼して帰って差しつかえございませんか。もちろんこれは地方自治体の財政能力にもよりますから、自治体の方において、使用料を取らなければこの設備ができないところもありますし、また、大きな仕事はできぬでも、多少は、徐々なりとも自力でもってやれるところもあるでしょう。起債や国庫負担の御援助があればやっていけるというところがありましょうが、それぞれの地域の実情に応じてやることであって、この使用料を取る取らないが、国庫負担なりまたは起債をいただくのに決して差別はないということを、はっきりとお約束できますか。
○聖成説明員 今先生がおっしゃいますように、財政問題で、その市町村の特有の事情があるわけでありますから、その点を十分考慮してやっておるわけでありまして、一律に使用料を絶対取らなければ補助も起債もつけないということは私の方はやっておりません。
○緒方委員 もう一つお伺いしますが、最近塵埃処理やあるいは糞尿処理を業者に委託してやらしておるのは非常に不自然な状態で、いろいろな問題も起こりやすいから、あなたの方としてはできるだけ直轄にするように努力しておる。こういう答えがありましたが、私はむしろ逆なふうに今まで解釈しておった。こういうところに自治体の方でお金をたくさん使うよりも、業者に委託してやらした方がいいという勧告が厚生省から出されたのじゃなかろうか。最近に至って各自治体の方でもってこれを請負に出させる方が非常に多くなってきたという顕著な事実があります。はたしてあなたの方で直轄にしていけという御指示をなさっているのか。その点をお伺いしたい。
○聖成説明員 先ほどお答え申し上げましたように、先生も御存じのように、清掃法ではっきりとこの屎尿のくみ取り、ごみの収集は市町村長に義務づけられておるわけです。それから民間の業者がやる場合には、市町村長の許可を受けなければならないというのですから、この法律がさような規定になっておりますので、私どもとしましては、その法律の線に沿った指導をやっておるわけでございまして、それと逆行するようなことをやっているようなことはございません。
○緒方委員 どうも意味がわからないのです。もちろんそれは法律でもって市町村長が責任を持たなければならぬが、民間にやらせる場合は市町村長の許可を受けなければならない。最近市町村長の許可の上に非常に急速度に民間にやらせるような傾向に動きつつあるということなのです。市が直営をするよりも、民間に市町村が委託してやらせるものが非常にたくさん出てきておるのだが、それはあなたのおっしゃることとは実際は逆な方向に行っておるのではないかということを私は心配するからお伺いしておるわけです。法律が逆行しているとかいうことを言っているわけではありません。
○聖成説明員 ただいまこの問題につきましては私ども非常な関心を持っておりますので、全国の市町村につきまして、直営と今の業者にやらしている実態を全国にわたって目下調査中でございます。何べんも申し上げましたように、できるだけ直営でやれという指導はいたしておりますけれども、民間の方にやらせるというような方針は全然持っておりません。この点だけははっきり申し上げておきます。なおよく実情を調査いたします。
○緒方委員 これで打ち切りますが、山内委員からも言われましたように、早急に実態の調査をして資料を一つお願いいたしたい。そしてあなたが言明なされましたように、その線を強硬に自治体に徹底させるようにしていただかなければ、逆の方向に進みつつあることを私非常に悲しんでおりますので、その点お願いしておきます。
○聖成説明員 先ほど山内先生から御質問がございましたが、十五万以上の都市は、最近の国勢調査の資料は目下取りまとめ中でございまして、古いのでございますが、昭和三十二年の数字では、十五万以上の都市が五十五カ所になっております。従いまして政令都市が、さっき私が申しましたように三十カ所でございますから、差し引き二十五カ所がいわゆる十五万以上の人口があって政令市になっていない、こういうことでございます。
○山内委員 今数字をいただいて、大体半々というわけですが、私希望というよりも誤解される心配がありますので、ちょっと申し添えておきたいのですけれども、これは今市で全部十五万以上を指定してやらせるという意味で申し上げたのではないのです。都道府県に全部統一するのがいいのか、それとも十五万以上のものは全部市が持つ義務を負わせることが地方自治体として望ましいのか、いろいろこれは問題があろうと思います。それで地方自治体の権限を縮小しないで、できれば各市長に持たせることは望ましいのですけれども、財政上からそうもいかぬことも考慮されますので、その点も十分御研究になって、各十五万以上の都市を指定して、全部に持たせるということになれば、よほど財政的なバック・アップもしていかなければならぬ。その点の研究も十分されて、統一された指導をやってほしい、こういう意味でありますから、誤解のないように…。
○久野委員長 次に受田新吉君。
○受田委員 最初に行政全般の問題として、各省設置法の改正案が本委員会で採決をされる前に、ただしておきたいことがあるのです。それは厚生省にしましても、労働省にしましても、新しく局ができるわけです。行政機構の拡大強化という美名のもとに、非常に機構が拡充されるわけなんです。このことに関係して、行政審議会という行管の諮問機関があって、行政全般に対するいろいろな意見を答申しておるわけでございますが、今いただきました資料によると、旧臘十二月七日に答申をされております。その答申書をつまびらかに見て参りますと、行政運営の簡素化、能率化がうたわれておる。そして行政の運営の上における行政サービス向上の必要性がうたわれておる。こういうようなことをずっと拾っていきますと、結局今まで行政審議会はしばしば政府に行政事務全般にわたって、常に行政事務の簡素化、能率化というようなことを忠告しておるにかかわらず、一向らちがあいていない、所期の成果を上げていないということをうたっています。はなはだ遺憾であるということをうたってある。そうしてその言葉の中に、行政運営の改善の根本は行政事務の簡素化、合理化であるというはっきりした文句を示しておるのでございますが、今度厚生省にしましても、労働省にしましても、業務量の増大と国民の要望にこたえるという御趣旨ではありましても、一応局という新しいポスト、局長というポストができて、そこに機構が拡大されるという現象、簡素化とは反対の方向に行っておるのです。もう一つ、昨年十月の第三十六回臨時国会で、あなたの今の内閣の総理大臣である池田さんが施政方針演説で、綱紀の維持に努め、公費の節約、事務の簡素化、能率の向上に意を用い、広く国民の声に耳を傾け、真に国民の奉仕者としての職責を全うすべきことを、国民に訴えておる。総理大臣が事務の簡素化を訴え、行政の能率の向上を訴えておる。こういうときに、しかも唯一の行政事務の諮問機関である行政審議会がごく最近に、事務の簡素化、行政の簡素化こそ、行政運営の改善の根本であると御注意をしておられるにかかわらず、全般にわたって大幅に局部の増設を御計画されているのは、どういう理由に基づくものであるか。行政審議会の存在というものを無視され、池田総理の施政演説を無視されておるという印象を私は受けるのでございますが、これに関する御所信を、官房長官と同列にある、むしろ近く国務大臣になられる御予定である藤枝さん及び山口行管局長から御答弁を仰ぎたいと思います。
○藤枝政府委員 行政審議会からの答申その他はお話の通りでございます。行政運営の簡素化ということでございますが、ただいまの御意見に返すようでございますが、必ずしも機構の簡素化ばかりではない。むしろ現在国民の要望しておるところは、行政官庁の運営が複雑で非常に繁雑だということが非難されておるわけでございまして、そういう意味におきましては事務その他の行政運営を簡素化して参るということはどうしても必要であるというふうに考えまして、政府といたしましては、ただいまおあげになりました十月の総理の施政方針演説等にもかんがみまして、各省を鋭意督励しておるところでございます。従いましてこれと今回御審議をいただいております各省の局を作るということは、一見いかにも行政事務が複雑化するようにお考えかとは思いますが、必ずしもそうではなくて、そうした責任のある局ができて、そうしてその事務なり運営が簡素化していくということになれば、必ずしもこの行政審議会の答申等に背馳するものではないというふうな観点からいたしまして、一方各省の事務の実態を考えまして、この程度の局はぜひ御承認をいただきたいというふうに考える次第であります。
○受田委員 行政審議会は今の長官の御発言を返すような答申をしておるのでございます。すなわち機構の簡素化を阻害し、複雑化を招く原因として、人のために職を設ける傾向が見られるので、これを改めるとともにと、こうはっきりうたっておる。つまり局長というポストをそのために作るという傾向が見られるから、機構の簡素化を阻害してはならぬ、複雑化を招いてはならぬと、はっきりと機構の問題についてうたっておるわけです。いかがですか。
○藤枝政府委員 ただいま申しましたように今回の四つの局の新設というものは、決して人のためにやっているわけではございません。事務の実態を見まして、そうして局にすることがむしろ国民へのサービスのためによりよき処置であるという考え方でやったわけでございます。もちろん全般的に申しまして、官庁の機構があまり複雑になることは、これは避けなければなりませんが、また一面各省の実態からいたしましてどうしても局というような形で責任のある体制で、しかも国民へのサービスが向上するようにというような面から、局をお認めいただくような面も出てくるものと考えます。また一面、逆に今まで局であったものでも、その必要性のなくなったものは、整理をしていかなければならないと考えております。
○受田委員 必要性がなくなったものを整理しないで置いておくこと、これこそばかげたことで、必要性がなくなれば廃止、整理するのは当然のことです。 それで私、この行政審議会の答申の中にある機構の簡素化を阻害してはならぬというこの言葉、それから複雑化を招いてはならぬという言葉、そうしてその原因の一つとして特別の人のために職を設ける傾向が見られる、こううたっておるわけなんで、原因の一つとして人のためにポストが与えられる。だから機構の簡素化、複雑化を招いてはならぬ、こういうことが行政審議会の基本的態度であって、あなたの今のお説のただ運営の問題などというような問題でなく、機構の問題にちゃんと触れられておりますことはお認めになりますか。
○藤枝政府委員 もちろん行政審議会の答申には、機構の点まで触れておられます。ただその根本は、やはり国民に対して複雑な事務を押しつけないで簡素化していく。簡素化していくために機構としても、どういう機構がよろしいかということをうたっておられるものと考えておる次第であります。
○受田委員 私、お役所へときどきお伺いに行っておるのでございますが、ポストがふえる。局長の魅力というものは相当のもので、自動車もいく、管理職手当もつけば俸給も上がってくる。こういうことで魅力のあることは間違いはないはずです。だから次にだれが局長になるかということで、その順序にきた人は内心ほくそえんでおられることは、これは何人も否定できない現実であることは、長官といえどもおわかりだろうと思います。それがために設けるのではない。みな今度の各省の局長を作り、部を作る場合に、政府としてはそう御説明されるでしょう。そうしなければ趣旨が全うされないですからね。しかしながら池田内閣総理大臣の施政演説においても、行政事務の簡素化がうたわれておる。それから行政審議会の答申においてもうたわれておる。こういうときに、たとえば環境衛生——私は環境衛生を大いに重視していくことには非常な賛意を表しておる一人ですが、実際の運営において環境衛生部を公衆衛生局から離す場合に、局長を置くことによって局長決済で事が終わるので、部長、局長となるよりは行政が簡素化するという解釈ができるものか、局長を置くことが行政の簡素かどうか、機構の簡素化かどうか、このことを一つ伺います。
○山口政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、環境衛生部を局にいたしますと、責任単位としての行政機関の単位は一段階減ります。大臣の分掌事項を局長が分掌し、さらにそれを部長が分掌し、課長が分掌するという段階が、局長からすぐに課長ということで一段階減った、その面では簡素化されるということは御指摘の通りであります。ただ横の関係でどうかということで、あるいは御懸念があるかもしれません。と申しますのは、局全体としての数が多くなるということで、全体の統轄管理がどうかという問題があるかと思いますけれども、これも厚生省の現状から見ますと、他にも通産省その他の例から見ましても、大体責任大臣の統轄範囲として一局をふやすことについては、差しつかえないというふうに判断をいたしております。
○受田委員 判こを押す人が一人減ってくるから簡素化される、それから課長から局長へ簡単にすぐいく、一人だけ減る、それが簡素化だ。それから一方では横に局長が一人ふえるので、事務の統轄運営に今までは公衆衛生局の局長が全体をにらんで片づいたものが、二人の局長ができたら権限争いで複雑になる、一利一害がある、こういうことですね。
○山口政府委員 筋道といたしましては、ただいま申し上げました通りでございますが、そういうことを総合的に見まして、それでは一個の段階が簡素化されるということが形式的に考えられましても、実際の事務の運び方がどうかということが、現実の仕事の内容、その量によって判断をするわけでありまして、形式論としては今申し上げましたようないわば一利一害ということでございます。しかしそういうことにつきましては、少なくとも全体として見て機構が複雑になるのだということは考えられないのではないかと思います。これを認めました理由はそういうことではございませんので、先ほどもちょっと申しましたけれども、環境衛生の事務自体の内容の中に問題がございまして、非常に環境衛生というものがいわばおくれている。今後やらなければならない仕事の量というものは非常に重要性を持っておる。従ってその責任者というものが、対外的にも内部の統轄管理の責任上から見ましても、やはり今の行政機構の考え方で、局長というランクに考えておりますものにふさわしいということでございます。これは従来は部でやっておって、それで絶対いけなかったのかというとそうではございませんが、しかしながらどちらがいいか、そしてなお動いておりますので、今後従来とは違ったさらに一段と環境衛生を充実していこうという前向きに見た状況から判断をいたしまして、総合的にそういう決定をいたしたわけでございます。 御指摘の運営の改善、行政審議会の答申の点につきましては、さらにまた総理の方針につきましては、当然そういう機構のいかんにかかわらず、これは政府の全体の問題、各行政機関に通ずる問題として別に種々方策を講じております。能率関係の特別の官職につきましても考えておりますし、事務の運営改善は政府部内の問題として、目下真剣に各省と協議してやっております。それにつきましても昨年の十月十四日に、そういう方針を閣議で決定しております。さらに行政審議会でも機構の改変にも触れまして、これは単に事務量が増加するということのほかに、事務のやり方というものをもっと検討して機構の改変はしろということになっておりまして、否定しておるわけではございません。ただ事務量がふえたからといって安易にふやしてはいけない、こういうことで私どもが今度機構を考えるにつきましては、たくさん出て参りました各省の案を削って、最後に四つだけしぼりましたにつきましては、そういう中身の運営の方法をいろいろ考えた結果やったわけでございます。
○受田委員 行政審議会はさらに問題点の解決にあたっては、重要なものは個別に行政審議会に諮問してこれを処理するものとするという答申をしております。局を一つ設けるというようなことは、行政機構の改革におきましては重要な事項に入ると私は思うのです。これは行政審議会なんかで答申をして、その方から今度の局の新設をすべきだと思うのですが……。
○山口政府委員 これは事務のサービスの向上という観点で民間からいろいろ意見を聞き、その改善について重要なものについては行政審議会に諮問をする、こういう考え方ででき上がっております。
○受田委員 これは民間の意見を取り入れた行政改革の推進、こういうことでありまして、結局環境衛生などというのは民間の方から相当強い要望が出ておる。職業訓練などについてもそういう関係業者は局を設けてもらいたい。環境衛生局を設けるために、環境衛生部長であった人が参議院に立候補されたこともある。そういうふうに環境衛生というものは、非常に世論的に局にしてもらいたいという声が出ている問題であると私は思うのです。そういう場合当然諮問に取り上げるべき問題である。これは問題点の解決にあたって重要な場合に入るのですがね。これはどうでしょうか。重要でないと見られるのでしょうか。
○山口政府委員 環境衛生の局の問題につきましては、実はことし起こった問題でございませんで、従来から厚生省は意向を持っており、種々論議をされて、行政審議会においても今度の答申においては具体的な部局を、どういうものは作るとか作らないということは答申をされないことにしましたけれども、従来各省で要求しておりましたような機構につきましては、一応審議をしていただいております。それらについて答申といたしましては、これは一般抽象的な答申をいただくことにいたしておりますけれども、審議はされております。
○受田委員 行政審議会は具体的に人事局を設けるというような答申もしているわけです。環境衛生局というものを設けよという答申があってしかるべきではないですか。
○山口政府委員 私が申し上げましたのは第五次の審議会でございまして、第四次の三十四年に行なわれましたものは、当時ありました具体的な機構について触れておりますが、第五次にはその具体的な問題については全部触れられておりません。それは基本的な問題としまして抽象的、一般的な答申をされたわけでございます。
○受田委員 第五次の答申の中に今の人事局の設置をうたっているわけですね。
○山口政府委員 人事局は第四次に出してあるのでございます。それをただ文章の中で引用しただけでございまして、第四次の際にいろいろ具体的な案が出ました。その中に答申されたものを第五次の際にもう一度引用した、こういうことでございます。
○受田委員 だからもう一度これは出ているわけです。第五次に重ねて具体的なものが出ておるのです。この行政審議会というものをどの程度に行政管理庁は見ておられるのか。各省の要望を押え切れずして、行政審議会の答申があったにかかわらずついに押されて、土俵ぎわで押し出された、こういうことになるのではないのか。行政管理局の実力が薄くて、そしてこれは各省ともそういうことになってくるのではないかと思うのですが、例の行政管理庁設置法の第二条の第十一号の監察権、勧告権というようなものでも、実際はおやりになっておられても、各省においてその言う通りを聞いていないというようなおそれがあるのではないか。つまり行政管理庁の威信地に落ちるとまではいけないけれども、その地のちょっと上ぐらいのところまで落ちたのではないか。各省のセクト主義に押されて、知能高き方々がおられてもついに降参する、やむなく認める。こういうように毎年々々機構の拡充はされているのですから、簡素化どころの騒ぎではない。どんどん拡充されている。御感想を承りたい。
○山口政府委員 できるだけ拡大しないように努力いたします。
○受田委員 私はこの際に、全部各省に関係する問題ですから、人事院の御意見を伺いたい点がある。行政管理庁は熱心に機構の簡素化、能率化をはかられる。ところがこれに振り当てられるのは人です。人のために局を増設するというような印象を与えてはならぬと行政審議会が答申しておるのでございますが、大体人事院は毎年各級の公務員試験で相当の人を合格させております。ところがその合格者の中で、去年は制度を改正されて、上級職試験も甲種、乙種を設けられて、だいぶ人材登用の実を発揮しようとされておりますが、この問題で一つお伺いしたいのは、最近における公務員試験の合格者を何名にしておるか。その合格者を採る基準は、官庁の要請があればよけい採るのかどうか。それから最近において公務員試験に合格しながらも、せっかく目的とする公務員に就職しないで、民間へ流れていく人が一体どれくらいなのか。そしてその公務員試験に合格した者の中で、成績のいい者が官庁へ残り、成績の悪い者が民間へ流れておるかどうか、その実情を伺いたい。
○矢倉政府委員 最近民間企業の好況に伴いまして、多数の学卒者が結局公務と民間の両方に分けて採用されていくことになるわけでありますが、最近の一つの傾向として、かなり公務員に対する採用が困難だということが、一般的に言われておるわけでありますが、そういう中で人事院といたしましては、公務員にできるだけ優秀な人間が採用されることが、公務の運用上必要であるというふうなところから、昨年、そういった傾向にかんがみまして、甲種、乙種の試験制度を新設いたしたわけでございます。そういった競争関係が非常に激しくなる中で、やはり公務員としてできるだけ優秀な者を確保したいという意図が、この制度に現われたわけでありますが、その実際の状況といたしましては、実は今御指摘の試験の関係について、成績の優秀な者が民間に採用されて、公務員試験に合格しても民間に逃げるのではないかというふうな点でございますが、これは一つの実績を申し上げますと、ある程度御理解を願えるかと存じます。 数字を少しくあげますと、大体の数字は行政という試験区分によりますと、一番から二十五番までの者で、六人が採用されまして、辞退したのが十二人、大体その数字は少しく民間の方が高くなっておりますが、二十六番から五十番までが十七人、これになりますと辞退者が二人、五十一番から六十九番までが採用者が二人で辞退者が四人、こういうふうな数字になっております。それから法律は一番から五十番までが三十三名、辞退者が十五名、五十一番から百番までくらいが三十人の内定で辞退者が十八名、百一番から百五十番までが二十三名の採用で二十五人が辞退、百五十一番から二百番までが十六人の採用で、二十四人が辞退している。二百一番から二百五十番までが十四人で辞退者が二十六名、二百五十一番から二百六十二番までが採用が三名、辞退が三名、こういうふうな数字でございます。技術者の方は、心理から述べていきますと、心理が一番から二十八番までの間は十七名の採用で、辞退が二名、数理統計になりますと、一番から十番までが六人の採用で辞退が三名、むしろ技術系統は上位者が多くそのまま公務員に採用になっておりまして、辞退する方が少ない。物理の方も十四人に対して二人、地質は九人に対して一人、電気は七人に対して一人、通信が九人に対して一人、機械が十六人に対して八人、土木が大体百三十五番まで拾ってみますと、六十九人が採用になって四十八人が辞退、建築が十四人に対して十八人、化学が三十八人に対して十三人、造船が一人と一人、金属が三人と一人、鉱山が七人と六人、こういうふうに数字をあげていきますと、大体の傾向といたしましては、比較的上位者が技術系統の方でも採用になりまして、むしろ民間企業に逃げる人の方が少ないというふうな状況でございます。ただここでお断わりしておかなければなりませんのは、やはり理工系は一般的な傾向として民間企業にかなり流れるというところから、受験者が若干減っておるということは一つの傾向であります。
○受田委員 法律、行政関係の上位の合格者が大量に民間へ流れておる。そういう者の補充として試験合格者をふやしていくという方針をとっておるのか。もうそういうものは民間へ流れることを計算に入れないで試験をやっておるのか、お伺いしたい。
○矢倉政府委員 この一般的な傾向を、当然私たちは合否の決定には考慮に入れなければなりませんので、大体合格者の決定の数字をきめますときには、各省庁における需要数というものを一応基準にいたしまして、その需要数にある程度の辞退率を見込みまして、合格者を決定するという行き方をとっております。従ってその辞退者の多くなる傾向が見られます限りにおきましては、合格者の数を若干増していくというふうな操作を加えております。
○受田委員 昨年の秋の試験にはどのくらいの操作を加えられたか。
○矢倉政府委員 大体昨年度の試験におきましては採用需要数を、一応各省庁の状況を見まして一まず拾い上げたわけでございますが、これに対して本年度は乙種試験というものを新しく設定しておりますので、そこの間の需給の関係に若干見通しが困難だという点もございましたが、一応昨年度の大体二割増しというものを見込みの中に入れておったわけでございます。
○受田委員 われわれの見方からするならば、この公務員試験の合格者はそれぞれの官庁に国民全体の奉仕者として、幹部職員として採用をさるべきものである。それが一応この試験だけ受けて貫禄を示して、民間企業に採用してもらう。一つの何かおみやげを持って民間へ行くと優遇されるのだということにこれを使ってくれたのでは、これはまた問題なんです。公務員になるために試験をやっておるわけなんですから……。そういう民間へ流れる。つまり試験は受けるが、民間へ流れることを予定しておるという人々を当て込んで試験をやっておったということになると、人事院としてはまずいことになる。やはり試験を受けた者は公務員になる目的で、その目的に向かってもらいたいという基本方針を私は立てていくべきだと思うのです。そういうことを今後とも注意していただいて、各省の要求、そして優秀な試験合格者が公務員になっていくように、人事院としては御努力を願いたい。そこを御注文しておいて、この点については終わりたいと思います。 今度はちょっと関連するのですが、藤枝さん、これはあるいは官房長官の答弁の範囲に属するかもしれませんが、一つこの機会にあなたにもお尋ねしておかねばならぬことがある。それは、これは各省設置法にも関係するし、総理府設置法にも関係するが、今度あなたのところで、政府は内閣法の改正によって国務大臣の定数を改めることをやめて、国家公務員法の改正に便乗して、附則に国務大臣の増員を規定しよう、そして総理府設置法の中の「総務長官は、国務大臣をもって充てることができる。」を「充てる。」とする、こういうような御意思——人事局長を兼ねることになるのかどうか、まだ法案がどうなるのかわからないからよくはわかりませんが、こういう構想があることは、あなたも閣議に列席せられたお一人として伺っておられますか。
○藤枝政府委員 お話の通りでございまして、目下国会へ提出いたしました国家公務員法の一部改正はそのようになっております。
○受田委員 これは一つの便乗主義になると思うのです。それは次の法案で聞きたいことですが、この機会に各省設置に関係した問題ですから伺いますが、国務大臣の頭数をふやすという問題が、国家公務員法の一部改正の附則に便乗してなされるということは、本質的なものではなく、便宜的なものであるということをあなたはお考えですか。
○藤枝政府委員 改正法の提出の方法についてはいろいろあることは御承知の通りでございます。たとえば今回の問題は、国家公務員法を改正いたしまして、内閣に人事行政を担当する部局を作る。それに関連して総理府の設置法が改正され、またそれに関連をいたしまして内閣法が改正されるということでございまして、関連がありますので附則において内閣法の改正ということをやったわけでございます。お言葉のように便乗というほどのことではございません。こういうやり方は他の法律の改正にも、たとえば国家行政組織法の中で定員法をいじるというようなことが行なわれておりまして、例のないことではないと存じております。
○受田委員 これはこの法案の審査に直接関連をする問題でもあるわけですから私はここで伺ったわけなのですが、内閣法というのは、国家行政組織関係の法規としては、内閣を規定する法律ですから、根本法です。国家公務員法も、これもまた一つの根本法でございますが、それにちょっと附則として出されるということは、内閣法の権威がはなはだしく薄くなる。国家行政組織関係法の根本の場合は根本法の改正もやる、国家公務員法の改正もやる、はっきりと割り切って根本法の権威を保つという考え方にお立ちになるべきではないかと思うのですが、その点はあなたの御所見としては非常につらいところでありましょうから、次の質問のときまでに御研究願っておきます。 そこで今度は厚生省の方に入ります。厚生省の設置法改正案の中で私一、二伺いまして、もう質問を早く片づけて討論採決でお手伝いしたいと思います。この厚生省の環境衛生局を作ることは私がお尋ねしたことでおきますが、次の問題で、援護局を今度作ることになる。つまり引揚援護局の引揚を省くということです。この引揚を省くということですが、引揚業務というのは、まだ未帰還調査がそのまま残って、調査官もくっついてそこで調査をしているはずですね。引揚業務は終わったということで、引揚援護局の引揚を省くのでございますか。
○高田(浩)政府委員 御承知のように引揚援護局は、終戦後膨大なる引揚業務を行なって参りました。今日に至りまして、引き揚げの数は漸次減少をして参っております一方、ほかのたとえば戦傷病者、戦没者、遺族等の援護の関係でございますとか、あるいは恩給法の改正に伴いますいろいろな事務でございますとか、あるいは未帰還者の留守家族の援護の問題でありますとか、そういった問題が非常に増高いたしまして、むしろ引揚援護局の仕事の主力がそっちの方にさかれてきている現状に即応して、名称の改変を行なおうということでございますが、もちろんお話のように、海外にまだ残留しておられる方々の調査という仕事も残っておることも事実でございますし、また数は多くございませんが、年々引き揚げの関係のお世話の点もありますので、これらの点については、従来通り遺憾なく事柄を処理して参りたいと考えております。
○受田委員 引揚の名称を省くことになったわけですが、まだ引き揚げておらぬ未帰還者というものの数字は、厚生省で今幾らを考えておられますか、地域別にお答え願いたいと思います。
○高田(浩)政府委員 未帰還者の総数は、約二万三千人と推算をいたしております。地域別に申し上げますと、こまかい数字を省略いたしますが、ソ連地区が大体三千三百人、中共地区が約一万六千人、北鮮地区が約千人、南方地区が大体千三百人、こまかい数字を端折りましたので、総数においては多少の食い違いが出てくるかと思いますが、そういうことでございます。
○受田委員 それらの人々の帰還促進という問題を、引き続きこの引揚という名称を省くことで失わしめないような措置がとられますかどうか。
○高田(浩)政府委員 その点については、これは非常に大事な問題でございますので、従来通り熱意を傾けて参りたいと思います。
○受田委員 未帰還調査部の機構が、漸次縮小される傾向がたどられておりますが、その方は私がお尋ねする線でやっておるわけですね。
○高田(浩)政府委員 前年の通りでございます。
○受田委員 そうした海外に残っている人の数がだんだん少なくなってくる。もう二万か三万しかいないということになってきたので、引揚という名称を用いなくてもよかろうというように今踏み切られたと思うのです。戦後、復員庁、引揚援護庁、引揚援護局と漸次縮小されて、復員庁時代には長官は国務大臣が充てられた、そういう歴史が今まさに失われ、影を没しようとして、ついに引揚の文句がこの法律とともに永久に消え去るということになったわけです。感無量なものがあるわけです。けれども私は、この引揚の文句を削ることによって、全国の未帰還者の家族に一つの失望を与えることのないように、未帰還調査部を中心にして、この機構を縮小するということも、できれば調査の方へもっと徹底的な努力をされることで、これを取りまとめるような行き方が必要じゃないかと思っておるのです。その点引揚の文句を削るにあたって、残された人々の帰還促進を、なお一そう強く別の意味で続けるのだという決意を御表明願いたいと思います。
○高田(浩)政府委員 海外に残っておられます方々の調査及び引き揚げの業務につきましては、従来通り熱意と真摯な努力を傾けて参りたいと思うのでございますが、先ほども申し上げましたように、引揚援護局の扱っております業務の内容が、むしろ戦傷病者の遺族等の援護の問題でありますとか、あるいはまた恩給法の改正に伴う仕事でありますとか、直接、間接に、引き揚げられた方々あるいは今後引き揚げられる方々に関係した業務が非常に増高して参りましたので、これらの点については、一般の援護の問題と並んで、特別なこういう対策を、ますます内容を充実していかなければならないことは言うまでもないことでございまして、これら両面について今後とも十分力を注いで参りたいと思います。
○受田委員 引揚援護局の引揚を省くことで、機構が何か縮小したような印象を実際は受けるわけです。そういうことで私、ここでちょっとお尋ねしてみたいのですが、局長の次に次長を置いている局は今厚生省の中では保険局と医務局になっているわけです。こういう政府の考え方からいくならば、引揚援護局に次長を置くことももう必要がなくなるのではないかという印象を受けるわけなんです。もちろん今次長になっておられる方が局長に栄転されればいいわけなんですが、そういう次長制を設けることを必要とするかどうかということをお答え願いたいのです。
○高田(浩)政府委員 先ほど来申し上げましたように、引揚援護局の実際に取り扱っております仕事は、年々の引揚者の数とは直接には関係なく、相当膨大なものがございますので、現状においては次長というものをやはり必要とする状態でございます。
○受田委員 このたび改正案に出されております公衆衛生局の中の環境衛生部を独立させて局とするという、その公衆衛生局のような、大きな局を一つ作るというようなところに次長がなかったのが、むしろおかしいくらいだと思うのですが、いかがですか。
○高田(浩)政府委員 公衆衛生局は現在十二課ございまして、そのうちの五課分が結局環境衛生部ということでくくってあったわけでございます。お話のように公衆衛生局の仕事は非常に広範にわたっておりますし、その仕事の内容も社会保障の拡充に伴いましてますます増高いたしておりますので、この次長の問題は先年来考えたこともありますし、今後も検討いたしたいと思いますが、とりあえずことしは環境衛生局を設けることが、環境衛生行政をますます拡充していこうという方向から最も適当なことと考えて、一応この環境衛生局の設置に重点を置いて考えた次第でございます。
○受田委員 私は公衆衛生をお考えになる場合に、そういう局を新設しなければならぬほど大きな公衆衛生局である場合には、局を作る前にまず次長制が作られて、それから局が作られるというのが順序だと思うのです。機構的に次長を必要としないような局から一挙に新しい局が生まれるというのは、順序として飛躍していると思うのです。これは行政機構を検討される場合に、新しい局の——職業安定局もそうですね。訓練部という局になるほどの部をかかえている。こういうところに次長がいる。その次長でしばらく間に合わせて、しかる後に局長を作るというのなら、われわれも一応納得できるのですけれども、一挙に次長のおらぬ局を別に作り出すというのは、一段階飛躍のやり方じゃないかと思うのです。どうですか。私の法理論にあなた方は賛成できますか。
○高田(浩)政府委員 お話のような考え方もあるいはあるかと思いますけれども、これは受田さんよく御存じのように、環境衛生の関係は昭和二十四年の機構改革の機会に公衆衛生局と予防局と二つありましたのを、私の方から見れば無理々々一本にいたしまして、そのかわりに公衆衛生局の中にこの環境衛生部を作った、こういう経過になっております。その後環境衛生の仕事はこれも十分御承知のように非常に増高して参りましたし、人員、予算も非常に多くなって参りましたので、この際局にしていただくことが適当である、かような考え方に立ったわけでございます。
○受田委員 時間の切迫を私も感じますでの御協力をいたします。 そこでもう一つ厚生省の改正案の問題で、改正の第四点の医療制度調査会を一年延ばすということがありますが、この医療制度調査会に関連して、全国のお医者さんの医師と歯科医師の数とそれが充足しているのかどうか。医師を養成する国公私立大学医学部の定員は現状でいいのかどうか、こういう点について御答弁願いたい。
○黒木説明員 全国の医師の免許所有者数は九万九千八百七十六人であります。このうち九二・五%が診療に従事しておる臨床医師でございます。医師数は毎年人口増加率を上回る、年間二%ずつくらいの増加をいたしております。 そこでこの数字を基礎にして医師の需給関係を推計してみますと、次のようになります。供給の側におきましては、年々の新規医師免許取得者が約三千四百人となる見込みでございます。なおこれに関連しまして医科大学が四十六ありますが、ここの定員は二千八百名でございますが、定員外の学生を収容いたしまして、先ほど申しましたように三千四百人前後が毎年卒業し、九八%程度が国家試験に合格するということであります。ところが一方老齢その他によって死亡する者、あるいは離退職の現象がありまして、これが年々千二百人でございます。従って医師の毎年の増加数は約二千二百人程度でございます。この計算で参りますと昭和四十年には、実働の医師数は大むね十一万三千人程度になるのでございます。一方医師の需要の側におきましては、昭和四十年までの医療機関整備計画というものがございまして、四十年までに相当数の病院や診療所が整備されることになりますが、これに見合う医師の必要数を算定いたしますと、全国的にはおおむね過不足はない。医師の需給はおおむねバランスがとれるという状況でございます。もっとも僻地等の地域におきましては、医師が不足するという現象もございますけれども、全国的に見ますとそういう関係でございます。なお歯科医師関係の御質問がありましたが、昭和三十五年の歯科医師の診療従事者数は三万二千人余りでございまして、毎年卒業予定者が八百名から九百名程度でございます。
○受田委員 国公私立医科大学の学生が非常に多額の寄付金を取られているわけです。そういうような学生の勉学にも金が伴うというような形が、ここでは最も激しいわけです。そういう形で医師を養成するというよりは、もう少し国が基本的に医学部の生徒を安心して勉強できるように、医療施設に大幅の、たとえば私立大学に対して施設補助をするという努力をしていただかなければならぬという問題が一つと、もう一つは、大体医師の需給関係について昭和四十年の見通しをお話しになったのですが、今度医療制度調査会でも問題になると思うのですが、後進国、東南アジアとかアフリカとかいう後進国に対して、お医者さんがおらぬばかりに、アフリカなどは平均年令が三十才だそうですね。ちょっと医療を施すだけで人間として長生きができる。こういう人々、民族を愛するというためには、これらの国々にもっと進歩した医術力を持っている日本の医師を派遣するという意味からも、別の角度からこれらの国々に応援する医師を養成することを、国策とすべきではないかと思うのです。これは政治的な点になりますから、国務大臣である方々の御答弁が願いたい。藤枝さん、近くなられるのですが、国策としての考え方を、私が今考えておることに対する御答弁を願いたいと思います。
○藤枝政府委員 私が答弁申し上げるのが妥当かどうかわからないのでございますが、ことに医学部に学ぶ学生が相当お金のかかることは、ただいま御指摘の通りでございます。こういう点については、さらに関係当局と十分協議をいたしまして、優秀な人が医師になれますように努力をいたしたいと考えております。また東南アジアその他につきましての医術援助の問題は、すでに一部は実施をいたしておりますが、今後とも十分考えて参りたいと思っております。
○受田委員 いま一つ最後に、改正案の一つとしてこの病院管理研修所の名称を管理研究所に改める。修の字を究にする、こういうこまかいことでございますが、一応法律になって、すでに一般に研修所で通用しているところを研究所に改める必要——おさめるのときわめるのとどこか違うのか、私にはよくわからないのでありますが、なぜことさらに修の字を究の字にするために法案をお出しになったか、お答えを願います。
○黒木説明員 実は病院管理研修所は現在のところ定員が五名でございまして、所長も併任でございます。主事一名がおりまして、その他事務を補佐しておるというような非常に貧弱な状態でございます。これは従来病院管理につきましては、病院の管理者にすっかりおまかせして、行政官庁としては何らそういう面の介入をしないという建前であったのでございますが、戦後進駐軍の示唆によりまして、病院管理というものがわが国では中世のような段階だから、何とかそういう方面を近代化する必要があるということで、やっておったのでありますが、昨年の秋から病院ストが頻発をいたしまして、やはり病院の近代化を急がなくてはならぬというようなことから、どろなわでありますが、病院管理の近代化についての研究なり、あるいはその結果をいろいろ研修して、管理者の教育をするという要に迫られまして、実は定員五名を今回は十四名にいたす。そして管理学部というようなもの、あるいは建築学部というような部制をしきまして、こういう病院管理の研究面の強化をはかりたいというような実体的な意味があるのでございます。
○受田委員 研究面も研修面も両方あるわけですから、修を究にしたって——これは各行政機構の中でも一々指摘してもいいですけれども、研修所として置かれているところでも膨大な組織のところもたくさんあるわけです。研修はみがきおさめる。一方はみがききわめる。同じことではありませんか。一般に通用している言葉である研修から研究になったというような、何か飛躍的な機構上の変化があったわけではなくて、結局は人間がふえているだけです。それも五人が十四人にふえたという、まことにささやかな変更なんです。そういうところで名称を変更する必要があるかどうか。厚生省が法律を通して、その法律の名称に基づいて一般に周知徹底されておりますものを、また修の字を究の字にするのは、私はどうかと思うのです。
○黒木説明員 確かにお説のような考えもあると思いますが、従来厚生省のこういう外郭の研修機関、研究機関の発展の過程を見ますと、最初研修所的なものからだんだん研究所的なものになるのが発展の過程でございます。特に病院管理につきましては、最近医科大学におきまして病院管理学というような講座も現われて参りまして、それを実際の行政に移す研究というものが非常に重要になって参ったのでございます。研修の面では、最近では関係団体、たとえば医師会等におきましても病院課を置きまして、そういう研究に基づきました結果を、院長さん初めいろいろ病院の管理担当者に授けるというように、外郭団体の活躍も相当活発になって参りました。そういう情勢でありますので、研修よりもむしろ同時に研究部門を相当に深める必要があるというような時代の必要に即応して、こういう実体的な改革を意図したわけでございます。
○受田委員 お尋ねいたしますが、研修と研究の相違はどこにあるのですか。
○黒木説明員 研修というのは、いわゆる訓練と申しますか、トレーニングという方でございますが、研究の方はむしろ学理的な、いわゆる研修のもとになる、いろいろ原理とか原則とか、方法とかいうものをきわめる、こういうふうに考えております。
○受田委員 あなたのお言葉を返すようですが、研修の中には研究も含まれると思うのです。研究の方を省いておるのではないですよ。場合によればこの字句にについて国語の大家をここに呼んで聞いてもいいのですが、研修の中には研究が含まれていると思うのです。
○高田(浩)政府委員 言葉の使い方としては、お話のような点があろうかと思いますが、実際の面を見ますと、従来病院管理研修所においては、先ほど医務局の次長から申し上げましたように、非常に日本においてはおくれた、認識せられない世界に踏み出している。きわめて少数の人間で講習をつかさどることを中心にしてやってきた。実際やってみますと、病院管理の面において研究しなければならない点が非常にたくさん出てくる。これらの点について実際上十分の力が注げない体制になっておったのを一つ反省をいたしまして、十分研究し、研修も従来にも増して充実をしていきたい。この機会に厚生省としては、そういう場合は大体において研究所という名前を使っておりますので、その通例の名称に従って改称をしたらということで、御提案をしたというのがその趣旨でございますので、一つその辺の実情を御賢察いただきまして、御了承いただきたいと思います。
○受田委員 私はこういうふうな言葉にとらわれるということは、実際はきらいなのだけれども、しかしながら言葉の使い方を政府はよほど考えないと、今までは厚生省においてはということで言っておられるが、これは各省にまたがる全般の問題なのですから、厚生省だけでこういう勝手な名称を使うべきじゃない。行政管理庁の局長かどなたかおられますか。今の研修所には研修する者もおれば研究する者もおる。それで研究だと言われるが、研修としておいても研修する者、研究する者、どちらでも同じじゃないですか、両方がおるのですから……。
○高田(浩)政府委員 確かにお話のような点もあると思いますけれども、仕事の重点の置きどころということもございますので、御了承いただきたいと思います。
○受田委員 この問題は、各省にまたがって名称の用い方にいろいろと不統一があると思いますので、お役所の同類のところと比較してやるなら、初めから研究所にしておいてもらえばよかった。今から研究所に変えるというのはおそい。 最後に一問だけ、職業訓練局のお仕事の中に公共職業訓練と事業内職業訓練とを分けておられるのですが、どういう重点の置き方をされているかお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○有馬説明員 現在の訓練法では、公共職業訓練と事業内職業訓練と二本立の訓練体系を考えておりますが、公共職業訓練というのは都道府県での一般訓練と、それから外郭団体の事業団が経営する総合訓練所、こういうものを公共職業訓練所、事業内職業訓練というのは、民間の企業が自分のところの従業員を養成、訓練するために訓練所を設置する場合に、その訓練所を事業内職業訓練所、こういうふうに申しております。公共と事業内と二本立で訓練を行なっております。
○受田委員 今労働省はその両方における重点的な施策に、何を持っておられるかをお聞きしているのです。
○有馬説明員 私どもとしては両方とも拡充強化していこうという長期計画を持ってやっております。と申しますのは、公共だけではもちろん十分でございませんし、また本来自己の従業員に対しましてはその企業が後継者の養成をするということが、欧米の例に徴しましても原則でございます。わが国ではむしろそっちの方面がおくれておるような現状でございますので、今後の長期的な計画といたしましては、公共と事業内と両面にわたる拡充強化をしていきたいと思っております。
○受田委員 病院から退院する段階まできたいわゆるアフターケアの立場の人々、この人々に対して病後における職業訓練、これはどっちに入るのですか。
○有馬説明員 これは身体障害者の職業訓練所としまして、公共職業訓練の部類に入ります。
○受田委員 昨年通った身体障害者の優先雇用の性格を持つ法律に基づいて、事業内の職業訓練の中で、この民間の企業の中に身体障害者を優先的に一定の限度において採用するということになっておる。そういう場合には事業内においてもこういう問題が考えられるのじゃないですか。
○有馬説明員 昨年できました身体障害者の雇用促進法によりますと、適応訓練ということで、身体障害者の雇用を促進するために一定の補助を事業主に与えて、一定期間訓練をお願いする、そうしてでき得べくんば引き続いて正常雇用に切りかえるという助成措置をとっております。
○受田委員 従ってこの問題は両方にまたがることになる。実際に身体障害者があの法律ができて以来重く用いられておるかどうか、その御報告をお願いしておきます。
○木村説明員 身体障害者の雇用促進法につきましては昨年十二月一日、政令、省令の関係規定が公布せられまして、それ以来この法律の完全実施に向かいまして鋭意努力しておるところでございます。十二月以来のわれわれの活動状況を簡単に申し上げますると、今職業安定機関部内の体制をまず確立する必要があるということで、全国各ブロックにおきましてこの身体障害者雇用促進関係業務の説明会を催したわけでございます。これは一月中旬から二月上旬にわたりまして、全国五ブロックに分けまして各都道府県の担当事務官を集めまして、この法案の趣旨なり取り扱い方なりについて、詳細に説明いたしたのであります。それから官公庁につきましては、国会、裁判所、各省庁、各都道府県知事に対しまして安定局長から、身体障害者雇用率以上となるような計画作成を三月末日までに労働大臣に出していただくように要請をいたしまして、またその計画作成のやり方につきまして個別的にお回りいたしまして、あるいは電話等によりまして、いろいろ御相談に応じておる、こういうふうなことでございます。それから市町村につきましては労働省から直接お伺いするわけにいきませんので、都道府県知事にお願いいたしまして県の方におきまして会議を催しまして、そうして市町村の任命権者に対しましてこの趣旨を説明して、計画をやはり三月末日までに作って四月一日からこの計画通りに実施できるように推進しておるわけでございます。 それから民間雇用主につきまして、これは一定の雇用率以上となるように努力を要請しておるわけでございまして、努力中でございますが、これにつきましては安定所におきまして安定所の職員が必要なるリーフレット等を配付いたしまして、ここにも持ってきておりますが、そういったものを配付いたしましてこの趣旨を説明いたしまして、そして雇用率というものが設定せられたので、支障ない限りこの雇用率以上になるように採用していただくよう、回って雇用主訪問ということをやっておるわけでございます。 それから適応訓練につきましては、昨年十月から始めております。これは昨年度五百万円の予算が入りまして、現在三百二十五名の身体障害者を各事業場に訓練を委託しておりまして、そうして旋盤工とか各種機械組み立て工、印刷、木工、縫製等を現在実施中であります。この適応訓練につきましては、昭和三十六年度はそういうような職種について予算が通過いたしますれば一千万円の予算にふくれ上がりまして、これによりましてさらに規模を大きくしてやっていきたい、かように考えておるわけでございます。 それから何と申しましても身体障害者の雇用促進をするには、安定所の職員がほんとうに身体障害者の身になって活動しなければならないわけでございまして、これがためにはその身体障害者の仕事を専掌する職員を職業紹介官というものの中から選び出しまして、それに対しまして特別な講習を実施する計画でおります。なおまた一般の民間の協力を得るために、全国に職業安定協力員というものを二千名労働大臣が委嘱いたしまして、そうして安定所になかなかなじまない身体障害者というものに対して、いろいろ職業相談に応じたり、求職の取次をしたりというふうな、そういった職業安定協力員というようなものを委嘱しております。
○受田委員 よくわかりました。非常にPRがよくできている。私はPRだけでなくて、各企業が各企業内にどれだけの身体障害者を雇用したか、その実績を聞きたいのですが、実績を今お持ちでないなら、これはおもな各企業会社別に、法律ができて以来どういう採用の仕方をしているかという、各会社に照会された結果を資料として御報告をお願いしたい。それから今後とも今のPRをまじめに実行するように、訓練局ができたならば一そう奮励努力されることを希望しておきます。 それに関連して、国家公務員で身体障害者で採用試験にも通っておる者があるか、そうして現実にこの雇用法の実施とともに身体障害者が官庁にも用いられておるかということをお伺いして、質問を終わります。
○藤枝政府委員 数字はつまびらかにしておりませんけれども、採用いたしております。
○受田委員 その数字を出して下さい。
○久野委員長 次に田口誠治君。
○田口(誠)委員 時間が迫っておりますので、端的に申し上げていきます。日本の環境衛生についての貧困さということはお認めになっておると思う。それでこういう点について大きくここで働きかけをしていただき、また広げてもらおうということについては、私は希望するところであるわけです。ところが今度の環境衛生部を廃止して環境衛生局に昇格させるというこの案でございまするが、先ほどの質問者に対する御答弁からいきますると、現在のところでは課が十二ある、早い話でいきますると、十二も課を持っておるところがない。これをまず二つに分けて、それぞれの職務を充実していきたいというお考えのようでございまするが、今度お分けになる環境衛生局の人員というものはどのくらいになっておりますか。
○高田(浩)政府委員 九十八人になる見込みであります。
○田口(誠)委員 環境衛生の審議会というのが各都道府県にあるわけですが、これの活動がどのようにされておるかというと、実際的にこの審議会というものはできておっても、仕事をやっておらないということなんです。これは日本全国のうちには相当実績を得ておるところもあるかもしれませんけれども、大体私の把握しておるところを見ますと、実績が上がっておらないということです。便法的にこういうものが法律化されておるのだから、とにかく審議会を設けて、審議会を開くのだというので、審議会は開いておりまするけれども、実際においてその実績というのが上がっておらない。こういうことから、大体一年でどのくらい審議会を開いて、どのようなものが上がってきておるのか、また審議会に基づいての施策というものがどのようにとられておるのか、この点について詳細に承りたいと思います。
○聖成説明員 先生のおっしゃいます各都道府県に環境衛生審議会が置かれておるというお言葉でございますが、これは先年、昭和三十二年にできました環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律、これの審議会かと存じますが、これは中央に適正化審議会があり、各都道府県に適正化審議会が置かれておりまして、これは理容、美容、クリーニング、興業場、こういった十七業種のいわゆる環境衛生関係営業の組合ができまして、そしてこれらの料金の規制あるいはまた営業方法の規制、こういうようなことをいたしますのには適正化基準の認可を知事から受けなければなりません。それをかけるのがこの審議会でございますが、これが発足いたしましてから、まず中央で各業種の連合会が適正化基準の認可を厚生大臣から受けるということに相当の時間がかかりまして、一番最初に、一昨年の三十四年の十月にクリーニングと理容の適正化基準の認可が行なわれたわけであります。ですからそれまでの間は地方の審議会は全然動いていなかったわけです。その後こうした中央の基準がきまりましたので各府県の組合が理容、クリーニング等について適正化基準の案を作りまして、県知事の認可を受くべく申請を出して、これが審議会にかけられた。従いまして県によりましては、まだ組合からその申請がないところは、この審議会が全然開かれないということもあり得るわけであります。現在多数の県におきましては、理容、クリーニングに続いてパーマネントの適正化の基準の申請が出ております。いずれも審議会にかけられまして審議が行なわれておる、こういう状況でございます。
○田口(誠)委員 いずれにしても環境衛生については実績が上がらなければならないわけなんですが、ただいま御答弁のありましたように、三十二年の五月に、二十六国会ですか、できましてから三年目なんですが、三年たっておりますけれども、実態を見ますと、この法の目的に沿っておらないというのが実態なんです。できた当時はそれぞれ組合を作って、そうして組合の総合指導の上に立って、この法の目的を達成しようとして組合が結成されて努力をしかかったわけなんですけれども、いずれにいたしましてもこの法の内容を見ますときめ手がないのですね。こういうところから、中には組合から脱退をしていく、または組合がつぶれる、組合ができておっても機能を発揮しないというような実態にあるわけなんです。従ってそのことは即環境衛生そのものが強化されておらないということなんです。だからこういう点についてお気づきになっておるのかどうか。
○聖成説明員 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の問題につきましては、運営が非常にむずかしいことは事実でございます。同時にまた審議会が、御承知のように関係官庁、学識経験者のほかに業界代表、さらに消費者代表、こういう組織になっております。これは事が非常に国民生活と関係の深い重要な仕事の料金を規制するということになりますので、どうしても慎重に審議会で御検討を願わなければならぬという性質のものだと思うのであります。それが法律施行後、適正化基準が認可になり、続いて各府県の適正化基準が認可になりますので、それが相当な時日を要しておる原因でございます。それで業界の方からも今先生のおっしゃいましたような要望がいろいろ出ております。私どもも今までこの法律を運用いたしました経験にかんがみまして、現在法律を改正すればどういう点が問題になるかという点につきまして、目下いろいろ検討をいたしておるようなわけでありまして、先生おっしゃいましたような実情は十分承知いたしておるつもりでございます。
○田口(誠)委員 腹案をそろそろ練りつつおられるようでありますので、あえて強調する必要もないと思いますけれども、やはり組合を作って組合員相互間の協同作業として、環境衛生の実を上げようとする場合には、一つの法律的に拘束をしたものがなければ、なかなか実というものは上がるものではないのです。従って私が申し上げたいことは、中小企業団体に関する法律には、一つの組合に出資をするような法律ができておりまするし、それからもう一つは組合の規約というものを作るのだということになっておるわけです。少なくとも各業者が、特に中小企業の業者が生存競争の激しい中において立ちいこうとすれば、人を倒して自分が生きようとする、この中において環境衛生という本省の考えておられる目的を達成させようとすれば、やはり一つの法の拘束をしなければならないと思うのです。従ってそれには、まず第一には組合を作るということ、それから組合を作れば一つの規約を作る。そうして規約にはこれこれ、これこれというものを載せて運営をしなければならないというような、一つの拘束したものを考える必要があるのじゃないか。そうなりますると、従ってその規約に基づいていろいろな方法が生まれてきます。たとえて言うならば、県に対するところのいろいろな交渉のことにつきましても、これは現在の労使間の団体交渉のようなものではなくとも、やはり相当法に基づいたところの力のある交渉として、県や市へ働きかけのできるようなものを作っていかなければならないのじゃないか。こういう方法をとらなければ、三年たっても五年たっても少しも内容が強化されていかないということになるのです。こういう点についてのお考えは何かありますか。
○聖成説明員 先ほどちょっと申しました法律の改正をすればということでいろいろ検討はいたしておりますが、その中には今先生が御指摘になりましたように、共済事業の強化であるとか、あるいはまた福祉施設を組合が持つとか、それにはやはり出資というような制度を設ける必要があるといったようなことを、法律改正の機会があればやりたいというふうに私ども考えております。その他員外者の規制の問題でありますとか、いろいろ問題がありますので、それらにつきましてもいろいろな角度から検討いたしております。
○田口(誠)委員 今の御答弁は、とにかく真剣にそれに取り組んで、必要な事項については法改正の提案を行なうということなんですか。
○聖成説明員 そういう方向でただいま検討を続けております。
○田口(誠)委員 今の局としておやりになる仕事の範囲内というのは、第九条の二のところにずっと並べてありまするが、この内容のほとんどが、都道府県知事におまかせして都道府県知事の手元において指導監督をやるような内容のものが多いわけなんですね。そうしますると、都道府県と厚生省とのこういう問題に対する相互の連携とか、またいろいろな要請を受けてそれを実施に移していく、指導に移していくという面については、今までどういう方法をとっておられるのか、この点一つ承りたいと思います。
○聖成説明員 この環境衛生関係の仕事は非常に広範にわたるわけでございますが、たとえば水道の建設あるいは先ほど問題になりました清掃事業、こういったような問題につきましては、各府県の衛生部局におきまして、県下の市町村からの要望あるいは府県の立場からの必要性等を考慮いたしまして、その都道府県の計画を私どもの方に出して参りまして、水道の問題でありますれば水道課、清掃事業でございますれば環境整備課でこれを検討いたしまして、逐次実施に移していく。大体が水道の関係、清掃事業は、県というよりも市町村の仕事でございますが、県の段階で一ぺんまとめてもらう、こういうことにいたしております。それから食品衛生とか乳肉衛生という仕事は、どちらかというと取り締まり的な仕事が中心になって参ります。これは県の衛生部から保健所を通じまして、いろいろ業界の指導をやっておる、こういう状況であります。それから環境衛生課においてやっております環境衛生関係の営業の問題につきましては、これも取り締まりの面につきましては食品衛生と同じように保健所を通じてやっておりまするし、それから営業の過当競争の回避あるいはまた業界の安定というような問題につきましては、先ほどの営業適正化の法律の運用でございますので、これは本省と県の段階でやっておる、こういう状況でございます。いずれにいたしましても、県の衛生部局というものが、私どもの環境衛生行政につきましては第一線の機関としてやっていただいている、こういう実情でございます。
○田口(誠)委員 県なり市町村から上がってくる要望をどの程度消化されておりますか。
○聖成説明員 上水道あるいは簡易水道につきましては、大体その年にやりたいというものの従来七割から八割は、その年にその要望にこたえておるような状況でございます。ただ清掃事業につきましては、非常に急速に特に屎尿処理が行き詰まって参りましたので、非常に要望が多く出ております。特に三十六年度につきましては強く出ております。どこがそれをやるかということは、私どもの非常に大きな問題になっております。大体そんな実情でございます。
○田口(誠)委員 お手元でおやりになる仕事については、興行場の関係、公衆浴場の関係とか、理容、美容とか、旅館業とか、幾つかありまするけれども、こういうようなものはそんなに中央で手をかけなくても、県知事の監督下に置いておいてなされるものだと思うのです。そこでお気づきになっておられて、各都道府県の方へそういう点がまだ十分におりておらないと思いますることは清掃の関係です。東京都内を見ていただいてもわかりますが、非常に不愉快な状態にあるわけなんです。これはこういうものに対する助成が足りないから完全にできないのか、監督の注意の度合いが足りないからできないのか、こういう点、実態から見てどうお考えになりますか。
○聖成説明員 今先生の東京都内の非常に不愉快な状態とおっしゃる意味が、清掃事業というふうにおっしゃったように伺ったのでございますけれども、清掃事業につきましては、これは屎尿あるいはごみの問題なんでございますけれども、これは明治以来市町村の固有の事務でございまして、国とかあるいは都道府県があまり清掃事業に協力——協力というか、別にその法律上の責任もなかった。全く市町村固有の仕事であったというところに非常に立ちおくれがあったと思うのでございますが、昭和二十九年に清掃法が制定されましてから、国の責務あるいは都道府県の責務というものが明らかになりまして、それでやって参りましたが、その清掃事業も、先ほど来るる申し上げておりますように、急速に屎尿処理が行き詰まって参りまして、これになかなか簡単に追いつかないというような状況にあるということは言えるかと思うのでございます。あるいは先生のおっしゃっておりました東京都内の不愉快なというのが、たとえば神田川とか隅田川の水が非常にきたない、あるいは煤煙で空気がよごれる、こういった公害問題が新しい今後の問題だと思います。ただ水質汚濁の問題につきましては、三年前に公共用水域の水質保全に関する法律、いわゆる水質汚濁防止法を作っていただきまして、それが経済企画庁の所管で関係各省がこれに協力いたしまして、逐次公共水域の汚濁を防止していくという線で進んでおるわけでございますが、煤煙問題あるいは騒音の問題等は、目下私どもで、きょうも実は開いておるのでございますが、厚生大臣の諮問機関として公害防止調査会というものを設けまして、ここでいろいろ実情を検討し、そうして将来は何か公害防止法といったようなものを作っていただく必要があるのではないかというようなことで今研究しておる、こういう状況でございます。
○田口(誠)委員 尿の処理場でございますが、現在小まではいきませんが、中、大の都市は全部処理場を持っておると思うのです。ところがこれがだんだんと人口がふえて、今まで作った規模では追っつかないようになって、そうしてその中で——これはどこが許可をしておるのかどうか知りませんけれども、自治体でなしに民間の人たちが株式のような格好で……(「最前その質問はあったよ」と呼ぶ者あり)ちゃちを入れぬようにして下さい。(「ちゃちじゃない。さっきと同じことなんだ」と呼ぶ者あり)それが先ほどと同じか同じでないか、最後を聞いてもらわなければわかりませんが、実際において金を取って尿をくんでいって、夜になるとどこかの芝っ原へ持っていってあけたり、いろいろそういう不法な処理の仕方をしておるのですね。こういうものの取り締まりというようなものがなされておらないということなんです。そこでなぜこういうものができるかといえば、現在持っておるところの都道府県の処理場というものの規模が小さ過ぎるということなんです。それで今度これを作ろうとすれば、結局金の問題になるわけなんです。金の問題になれば、地方自治体ではどうしても中央からの助成を大きく取らなければならないということになるので、こういう点に対するところの恒久的な対策として、どういうようにお考えになりますか。
○聖成説明員 先ほど山内先生の御質問でお答え申し上げたわけでございますが、恒久的な対策としましては下水道の整備、それからくみ取り屎尿につきましては屎尿処理施設を整備して参るということで、おのおの十カ年計画を立ててやっておるわけでございます。現状は先ほど来何べんも申しますように、先生は大、中の都市は施設を持っておるとおっしゃいましたけれども、大は別として中程度では、持っていないところがまだ相当にあるわけでございます。そこでこれを早く整備することがただいま非常に緊急な問題になっております。この関係の予算としましては、三十五年度補助金が五億五千万でございましたものが、三十六年度は七億四千万、起債は前年度十七億、今度は三十億という工合に補助金、起債もかなり増額いたしましてこの施設の整備を促進する、こういうことにいたしておるわけでございます。
○田口(誠)委員 そうしますと今年度は結局どの程度できるのですか。その前に現在の十万以上の都市で——十万ではちょっと線が工合悪いですか。十五万でいいです。十五万以上の都市で、まだ処理場を持っていないところがどの程度あって、それに対してどの程度の……(「同じことを何べんも言うな。最前その話ばかりだった。同じことを同じ党派から二へんも三べんもくどくど聞くやつがあるか」と呼ぶ者あり)私が聞きたいのだ。(「速記を見なさい」と呼ぶ者あり)委員長に申し上げますが、途中からああいうちゃちを入れてもらうと質問がなかなか長引いて早くできないわけなんです。そういうような点については当然委員長の方へ言ってもらって、委員長から正式に私に言うてもらいたい。横の方からごたごたちゃちを入れてもらっては質問が困る。
○久野委員長 御静粛に願います。田口君に申し上げますが、先ほどあなたが退席中に同僚の山内委員から詳細にわたって質問がなされ、それに対する政府側の答弁もありました。でありますから同様の質問事項については、でき得る限り一つ簡潔にお願いいたします。
○田口(誠)委員 その点は了解をします。それで、おらなかったからわかりませんので委員長にお聞きをいたしまするが……。 〔発言する者あり〕
○久野委員長 御静粛に願います。
○田口(誠)委員 この厚生省の問題についてまだ質問の出なかったところはどことどこがあるか。(「つまらぬことを聞くな」と呼ぶ者あり)いや、私はまじめに委員長の言われることをそのままやりたいから申し上げておるのであって…… 〔発言する者あり〕
○久野委員長 御静粛に願います。
○山内委員 ちょっと議事進行についてお願いいたします。なるほど今の田口委員の質問の中には、私の質問と重複する点もありますけれども、本人がおられなかったのですから、私とちょっと打ち合わせしまして、重複のない点を質問してもらうようにして議事進行に協力したいと思いますが、ちょっとの間待っていただきたいと思います。
○久野委員長 次に杉山元治郎君。
○杉山委員 農林省設置法の一部改正案について、一言お伺いしておきたいと思います。農業に関する研究機関の再編成、こういう一項が提案理由のうちにございます。これは機構の改正もけっこうなことだと思うのですが、むしろその機構の内容の方が一そう重大だと思うのであります。農業は土壌を離れてはございません。そこで土壌に関する根本的な研究はどこでやっておるか。もちろん農事試験場がやられるのでありましょうが、これは農地局が扱うのか、あるいは振興局が扱うのか、どちらで扱うのか、こういうことをまず第一に伺っておきたいと思います。
○増田(盛)政府委員 農業に関します土壌に関する試験研究でございますが、これはまず行政部局の関係をお話し申し上げる前に、御理解願うために便利であろうと思いますので、試験場の現状を申し上げます。現在はこれの基礎的な研究は、主として西ケ原にあります農業技術研究所の化学部が担当いたしております。しかし応用的な研究に関しましては、八地域に地域農業試験場がございます。北海道から九州ブロックまであるわけでございます。そこに土壌関係に関する研究室その他がありまして、そこで担当いたしておるわけでございます。そうしてこの関係に関しましては、林業の土壌等に関しましても関係がございますので、こういう面とも連携をとって研究をいたしております。そこで実は今回の設置法の改正を提案する前の情勢でございますが、現在農業技術研究所並びに各ブロックにあります農業試験場の関係は、振興局が所管いたしておるわけであります。これと関連します林業土壌の問題は、林業試験場でございますから、これは林野庁が所管いたしております。
○杉山委員 その根本的な研究は西ケ原の試験場だということでありますが、御承知のように昔と申しますか、だいぶ前には、全国の土性図というものができておりましたが、その後変わった土性図というものができておりましょうか。
○増田(盛)政府委員 先生のお話しになりました以前というのはだいぶ古い時代だと思うのでありますが、その後園の試験研究機関はもちろん、県の試験研究機関に関しましても、その後の新しい科学の進歩に即応いたしまして、新しい高度な技術に基づきます土壌の区分あるいは土性図の作成等に着手いたしておりますが、現在はまだ進行中でございまして、部分的に、完成した地区もあり、いまだ調査中の地区もあるという状況でございます。
○杉山委員 残念ながら全国の土性図がまだできておらないということでありますが、できた部分だけでも見せていただきたい。 今お話のようにだんだん——私の言っているのは古いかもわからないが、御承知のようにリービッヒが窒素の実験をしてから今年までで約百五十年ぐらいになると思うのですが、そのうち燐酸、カリが発見されて、こういう農業の三要素が発見されても、ほんとうにこれがうまく農業用に活用されるということをよくしていくのには、御承知のように土壌には、いわゆる人間の人体には細胞と細胞の間にコロイドがあるように、土壌にもやはり土粒と土粒の間にコロイドがある。その土壌コロイドというものの関係がよくわかってこなければ、土壌の区分という問題もよくわかってこない。こういうような土壌コロイドの問題について、どういうように研究がなされておるか。私はかつて数年前でありますが、いわゆる土壌の権威者である麻生博士にコロイドの研究はどうなっておるかと聞いたところが、残念ながら日本にはまだ完全なものができておらないという回答であったのであります。その後においてどういうような状態になっておるか。今度の研究機関の再編成をするという場合に、西ケ原でそういう土壌コロイドの研究がなされておるかどうか、どういう成果が出ておるのか、そういうような点についてお聞きしたい。
○増田(盛)政府委員 ただいまの土壌膠質物質、コロイドの御質問でございますが、きわめて専門的な御質問でございますので、私どもの方の今泉研究調整官に詳細に御説明いたさせます。
○今泉説明員 今先生のお話の土壌の膠質物について簡単に御説明申し上げます。土壌が生産をする母であるといわれているのは、土壌のうちで今の土壌膠質物が非常に関係を持つわけでございます。しかしこの土壌膠質の研究は、どちらかというと戦後非常に発展をして参りまして、特に土壌膠質を作っておりますところの粘土鉱物と申しますクレーミネラル、もう一つは腐植でございますヒューマス、これが両方相関連して土壌膠質を作っておるわけでございまして、この問題は非常にむずかしい問題であると同時に、生産上の非常な重要な土壌要因でございますので、今局長がお話し申し上げましたように、農業技術研究所が中心になりまして、世界的に相当の連携をとりまして研究を進めて、相当の成果を上げることに期待をし、自信を持っております。
○杉山委員 今土壌コロイドの研究をしている試験場があるというのですが、どこの試験場がそういう研究をされておるのですか。
○今泉説明員 今の御質問につきましては土壌膠質そのものの、いわゆる非常に基本的なものは西ケ原の農業技術研究所が担当いたしております。これは非常に精度の高い器械で、非常な研究水準の高い研究に属しますので、これは西ケ原の農業技術研究所がかなり一手に引き受けるような態度で実施いたしております。しかしそれが生産と結びつくような実用場面につきましては、先ほども局長からお話し申し上げましたように、八つの地域農業試験場がございまして、これは県よりはやや段階の高いといいますか、基礎と実用とのちょうど中間ぐらいなところを研究いたしておる試験場でございまして、この八試験場が中心になって実施いたしております。
○杉山委員 地域農業試験場で土壌コロイドの研究を実際にやっておるというお話でありますが、残念ながら行ってみてその実績がないということを拝見するのですが、私はもうこれ以上追及いたしませんが、こういうような実に農業の基本である問題を、特に土壌コロイドのような根本的な問題について十分な研究がなされていかなければ、機構の改正も必要であるし、制度の改正も必要でございますけれども、こういうような研究機関の再編成をするとき、そういうような問題をもっとほんとうに、また実際にこれがわれわれ百姓にも実用のできるような研究をしていただくように、私は希望してやまないのであります。もう多くを申し上げません。あとの質問者もおりますから、これだけ申して終わることにいたします。
○久野委員長 田口誠治君。
○田口(誠)委員 もう時間がございませんので、最後に一点集約的な質問を申し上げて、それに対して責任のある回答をしていただきたいと思うのです。それで最初に申しましたように、現在の環境衛生関係については、今の日本の実態を諸外国と比較してみますと、非常に貧弱であるので、これを整備するために局に昇格をして、そうして大きく先進国に沿った状態を作り上げようとされることについては、これは異議がないわけでありますが、それにつきまして私が一応衛生小六法をずっと見まして、各企業のあれを見ますと、これは省の方でどういうようにおやりになるのかどうかわかりませんが、たとえば旅館業法関係なんかは県の方で認可をしたり、また必要な注意を行なったりするようになっているのです。ところが今旅館業法一つ言いましたけれども、これは興行場の関係でも、公衆湯場の関係でも、理髪の関係でも、どの関係でも法律に沿ったようなものができておらないということなんだ。この指導を県にまかせっきりにしておっては、幾らここで法律を作りてみても、ここでいろいろ審議をしてみても何もならないということになりますので、こういう点について、県と厚生省のこういう問題に対する対策を今後どのようにされるかということ、この一点に尽きると私は思うのです。それを一つ責任のある回答をしていただいて、私は時間がありませんので質問を終わりたいと思うのです。
○聖成説明員 今旅館業法を例におあげになりまして、県がやることになっているけれども、法律にきめられておる施設がないじゃないか、こういうようなお話でございましたが、おそらく施設の衛生設備その他が不十分ではないか、こういう御趣旨かと思うのですが、最近私どもの方ではこれらの施設の基準、一例をあげてみますと、床屋については電気バリカンというものはとても消毒薬で消毒ということはできませんので、こういうものは紫外線照射、紫外線殺菌灯のようなものでも使って消毒をやらせるといった式のものを今いろいろ検討いたしまして、全国の府県にそういう施設の基準というものを示しまして、そして全国的なディベロップをはかっていこうということでやっておるわけでございます。そういうようなわけで、法律を府県にまかせっきりである、中央の方で何もかまわないということでなくて、全国的なレベル・アップをはかっていこう、かような考えで実はやっておるわけであります。
○久野委員長 次に受田新吉君。
○受田委員 きょう四つの法案を上げることになっているわけでありますが、それなら私、沖縄に関する例の法律に対して、一言だけ質問をして、短時間に終わりますから、御協力を願いたいと思います。 今度できるこの沖縄の農業技術改良及び電信電話関係に必要な物品、設備の譲与に関する法案は、私たちとしては同じ同胞である沖縄の住民に対するはなむけ、サービスとして、本質的には非常に賛成をします。ただ問題は、沖縄はアメリカの施政権のもとに置かれておる地域であって、日本の施政権が現在及んでいない。従って沖縄の住民に対しては、施政権を有する米国政府が、米国の住民と同等のサービスをしなければならないのが原則だと思うのでございまするが、私の考え方は間違っているかどうか、政府の御答弁を願います。
○藤枝政府委員 お言葉の通りでございまして、施政権を持っておる米国政府が、沖縄の住民の民生安定あるいは経済の発展に努力すべきことは当然のことだと思います。また現実に一九六一年度においては千三百万ドル程度の費用を使いまして、そうした面にアメリカ政府が支出をいたしておるわけでございます。
○受田委員 しかしながら沖縄で先般大暴風雨の被害があったときの救済対策なども、あの窮状を住民が訴えた現実に照らしてみましても、アメリカ政府がりっぱな施策を行なっているとは断言できません。また一般社会保障の問題においても、米国の住民と著しくかけ離れた冷遇がされていることも、沖縄の住民たちが深刻に訴えるところです。米国の住民が享受しておるところの福利厚生の施設というものは、当然沖縄の住民においてもそれが享受されていなければならない。沖縄の住民が米国の住民と比べて、差別的な待遇を受けているという具体的な問題が幾つもころがっておりますね。これは長官お認めになりますか。
○藤枝政府委員 沖縄の住民が、アメリカ本土のアメリカ人の受けておる政府からのサービス、これと相当の隔たりのあることは事実として存在しておると思います。
○受田委員 施政権が及んでいる沖縄に対して、アメリカが自分の国土におる米国市民と比べて冷遇措置をとるということは、施政権を完全に行なっていない、施政権者としての義務を果たしていないという面があることを指摘しなければならぬと思いまするが、いかがですか。
○藤枝政府委員 アメリカ政府が施政権を持っておるのでございますから、当然アメリカ政府としてなすべきことはされていなければならないわけでございます。沖縄の統治を原則的に規定いたしました大統領命令等におきましても、そうした人権の保護あるいは民主主義の原則に立って施政を行なうということを言っておるのでありまして、最近の状況を見ますると、沖縄の住民の福祉の向上、あるいは経済の発展等につきましても、十分意を用いておる跡がうかがわれるわけでございますが、まだまだ不十分の点もあろうかと思います。そういう点につきましては、潜在主権を持つ日本国といたしましては、十分アメリカ側と話し合いたいと考えておる次第でございます。
○受田委員 アメリカ側と話し合いをするとおっしゃっても、すでにあそこが占領され、そして施政権を奪われて後長期間たっているわけです。そして今は沖縄住民にしましても、戦争時代のあの不安な状況からおおむね解放されておるのです。そういう時代において、アメリカの市民が受けているアメリカ政府のサービスと、沖縄住民が受けているサービスとに大きな食い違いがあるということは、外交交渉をされておるとおっしゃりながらも、現実にわずか八十万ばかりしかおらぬ沖縄住民に非常な冷たい風を吹かしておるという、そういう外交上の欠陥が今日に及んでいるのではないかと私は思うのです。同じサービスなら、アメリカが持っている社会保障制度、医療制度が、当然施政権の及ぶ沖縄にも及ぶわけです。たとい琉球政府というのがあるにしても……。アメリカの力で琉球政府の存立が果たされるように、アメリカは貢献しなければならぬのです。その義務が果たされていないということになると、日本は、施政権を取り上げているアメリカさん、あなたはわれわれの潜在主権のある沖縄住民に対してこの点とこの点を具体的にこうして下さいという、手きびしい要求を常にする権限があると思うのです。具体的にそういうことを要望されましたか。具体的な社会保障の問題、その他の民生安定の問題、産業部門の問題を具体的にあげておられるかどうか。日本政府の怠慢で、沖縄住民が悲惨な暮らしをされているのじゃないかと私は不安でならないのです。
○藤枝政府委員 私は沖縄の問題について、具体的に項目をあげて、それを外交ルートに乗せる意味において外務大臣等に申したことはございませんが、私が先ほどお答え申し上げたような意味におきまして、これを十分沖縄住民のために考慮するようにということについては、常に外務省を通じまして話し合いを進めておる次第でございます。
○受田委員 今度出された法案は、沖縄における模範農場に必要な物品及び本邦と沖縄との間の電気通信云々と、結局施政権がりっぱに行使されておるならば、当然こういう問題はアメリカ政府はやっておらなければならない問題なんです。完全に施政権が行なわれておれば、そうでしょう。実際問題としてそうじゃないですか。
○藤枝政府委員 もちろん農業の発達のためのいろいろな施策あるいは施設の建設というようなものは、施政権を持っておるアメリカ側がやるべきことでございます。しかしながら沖縄という特殊な地帯でございまして、アメリカの農業でなくて、日本の農業が最も適切な模範になるという考え方のもとに、今回御審議を願っている程度のものは、日本政府としてもやるべきである。すなわちそういう意味で、日本の発達した農業を沖縄へ移したいという考え方でございます。またマイクロ回線の問題につきましても、沖縄と日本との間のあらゆる面における交流を増進したい。そのためには、こうした問題については日本政府としてもやるべきではないかという意味において、御審議を願っておる次第でございます。
○受田委員 私は沖縄住民がしあわせになるために日本が協力することは、これはいかなることでもやぶさかではありません。ただ施政権を行なうアメリカが怠っていることを日本がやるということになるならば、それは施政権の一部返還ということにもなるわけです。その面についてはアメリカでは手が及ばぬから日本さん頼むとなれば、その部面だけは日本に施政権が返還される。そういうことが一つ一つ積み重ねられて、施政権が一部ずつ返還されるような形へ持っていくための、努力する法案であるというのなら、私は意味が成り立つと思う。そういう意味がありますか。
○藤枝政府委員 施政権の返還の問題につきましては、これは沖縄の同胞諸君の非常に強い要望でございます。しかし現実の問題として、なかなかそれは困難であることも御了解はいただけると思います。考え方は別といたしまして……。そういう点に立ちまして、できるだけ日本の内地と沖縄との間のあらゆる面の交流を円滑にし、また沖縄住民の幸福になるようなことにつきまして、日本政府もみずからの責任として考えていく。そうして今回のこの二つの問題は、先ほど申しましたように日本がやるのが最も適切な問題でございますので、そういう御審議を願っておる次第でございます。こうした問題を通じまして、いわゆる施政権返還の土台を作っていくという意味にはなると考えております。
○受田委員 そういう意味であるという点において、一応私は了解します。 そこでそれならば一つの例を引きますが、今度の電信電話施設は、沖縄と奄美大島の間に結ばれるわけだが、これに伴うすべての施設は、提供はこちらがするが、提供した施設は向こうが管理、監督するという形になるわけですね。そうするとそれは琉球政府が管理、監督するということになるのか、アメリカ政府が施政権の範囲内においてこれを管理、監督するのか、そこを一つお答えを願いたい。
○大竹政府委員 今回のマイクロ施設は、日本の政府と電電公社が協力いたしまして、琉球にございます琉球電電公社、ちょうど日本の電電公社と同じような公共企業体でございます。これに譲与いたすことになります。琉球の電電公社がみずからの責任において運営していく。ただ琉球電電公社といたしましては、やはり公衆通信を扱います機関でございますから、従って琉球政府の監督も受けるわけでございます。さらにまた大きくはアメリカ側の監督も受けるわけではございますが、直接的には琉球の電電公社、これが管理運営を行なって参る、こういうことになっております。
○受田委員 日本政府及び電電公社が提供する施設の管理権、監督権というようなものは、日本政府が持っておって差しつかえないのではないですか。日本が提供するものを、沖縄に至る路線だけは日本側の所管に入るのだ、ただそれを大いに利用してもらうのだという形でいいのじゃないですか。
○大竹政府委員 所有は別として、運営はこちらでやったらよくはないか、こういう御質問と思います。琉球におきましても、琉球の電電公社は琉球内部の国内の通信、それから国際通信、これを一元的に運営していく組織であるというふうにきめられておるわけでございます。かつて琉球の国際通信は外国側の手で行なっておったという経過もございますが、琉球電電公社が一昨年発足いたしまして以来、すべて琉球の電電公社がこれを統一して行なっておるという格好になっております。その琉球側におきまする事情を尊重いたしまして、琉球電電公社に運営をまかせる、こういうふうにいたした次第であります。
○受田委員 いま一つ、琉球と日本との電気通信関係の料金、それから郵便の料金が現状において内国並みになっているか、なっていないか、お答えを願います。
○岩元政府委員 お答え申し上げます。電報につきましては、アメリカ経由と申しますか、外国経由の電報につきましては別でございますが、直接の直通回線による分は国内料金並みになっております。それから電話料金の方でございますが、これは国際通話の例によりまして、国際料金ということに相なっておるわけでございます。
○受田委員 郵便は。
○石川(義)説明員 お答えいたします。郵便につきましては、通常郵便物につきましては国内と、種別は若干違いますが、ほぼ同額の料金となっております。手紙は十円、はがきは五円でございます。小包につきましては、海路料などが入りますので、若干高くなっております。
○受田委員 ほぼという言葉が使われ、また電報料金についても差のあることが指摘されておるのですが、沖縄の住民が日本人であるということをはっきり自覚し、日本復帰を熱願をしておるときに、郵便料金、小包料金、それから電報、電話料金、こういうものが日本内国におるときと同じような立場で、料金が一本であるということを実現さして上げることが、長い間苦労しておる沖縄の住民に対するサービスだと思うのです。だからかりそめにも差があってはならない。基本料の差は認めてもいいのですよ。しかしながら原則的な差があってはいけない。沖縄住民に対する電気通信施設を供与すると同時に、料金も内国並みにして上げるように、国際的にも沖縄と日本との深い関係を了承してもらう外交努力をして、沖縄と内国間のあらゆる通信関係の料金というものは、日本人である内国人と同じ基本でやるという努力を一つ政府はしてもらいたいと思うのですが、どうですか。長官、私の質問に対する御答弁を明快にしていただければ、これで私の質問を終わります。
○藤枝政府委員 御指摘の通りでございまして、従来の占領下におけるいろいろないきさつもございましょうけれども、今後の問題といたしましては、お言葉のように努力をいたして参りたいと考えております。
○久野委員長 これにて各案についての質疑はいずれも終了いたしました。 —————————————
○久野委員長 これより各案を一括して討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに各案を一括して採決に入ります。 農林省設置法の一部を改正する法律案、沖縄における模範農場に必要な物品及び本邦と沖縄との間の電気通信に必要な電気通信設備の譲与に関する法律案、厚生省設置法の一部を改正する法律案及び労働省設置法の一部を改正する法律案の各案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久野委員長 起立総員。よって各案はいずれも可決いたしました。 なお、各案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久野委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決定いたしました。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時十七分散会