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38回国会衆議院1961/03/30

内閣委員会 第18号

発言数
188
登壇者
12
会派数
2
開催日
1961/03/30

会議録

久野忠治自由民主党

○久野委員長 これより会議を開きます。  農林省設置法の一部を改正する法律案、沖縄における模範農場に必要な物品及び本邦と沖縄との間の電気通信に必要な電気通信設備の譲与に関する法律案、厚生省設置法の一部を改正する法律案及び労働省設置法の一部を改正する法律案の各案を一括議題とし、質疑を許します。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。有馬輝武君。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 私はこのたびの農林省設置法の一部改正法律案に関しまして、二、三の点について官房長にお伺いいたしたいと思います。  まず最初に、今度の農林省の機構改革について、農業基本法が出されておりますが、その農業基本法の示す今後の農政の方向にマッチするという形で、今度の農林省設置法の一部改正法律案を出されたのかどうか、この点についてお伺いいたしたいと思います。

昌谷孝農林事務官(大臣官房長)

○昌谷政府委員 今回お願いをいたしております設置法の改正は、ただいまお話のように今後の新しい農政の展開のために、その最も必要な第一着手というふうに私どもは考えておるわけでございます。もちろん基本法は御承知のようにその第二十三条におきまして、農業行政に関する組織の整備と運営の改善をうたっておりまして、その期待するところを完全にこなして参りますためには、今回企図いたしております改正のみでは十分とは考えておりません。ただ何分行政機構の再編整備ということになりますと、なお今後の農政の方向をこなす上の十分な基礎的検討を積んで、いささかも的はずれにならないように万全を期して参りたいというつもりでおりますので、その辺は今後十二分に時間をいただきまして、もっと基本的な検討を加え、次の機会にさらに手を入れたいと思います。  今回企図いたしました点は、御承知及びのように農林省の政策全体について総合調整機能を強化するという問題を処理いたします上に、当面最も欠けておるというふうに内外ともに痛感をしております点をとりあえず手を加えたこと、それから一方農業そのもののあり方が、ますます専門分化の方向に参り、さらにもっとすぐれた技術を農業でこなせるようにするという、そういった農業技術の専門分化あるいは進歩といったことと、この二点は相矛盾するようでありますけれども、ともに今後の新しい農政に欠くことのできない第一歩的なことであろうというふうに考えまして、その点をまず改め、しかる後先ほど申しましたようにさらに基本的な改革を考慮いたしたい、さようなつもりでおります。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 この機構改革の前提といたしまして、技術会議の東畑会長なりあるいは事務局長の御意見を参照されたのかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。

昌谷孝農林事務官(大臣官房長)

○昌谷政府委員 もちろん十二分に御意見を拝聴いたしました。と申しますよりも、試験研究機関のあるべき姿につきましては、技術会議発足当初から引き続いて御検討いただいておった課題でございます。たまたま新しい農政の発足ともからみまして、試験場のあり方をもっと日常の農業との関係においてどう方向づけていったらよろしいかということで、過去一年以上に及びまして技術会議では試験研究機関のあり方について御検討があったわけでございます。その結果、部門別にはある程度、先ほど申しましたように専門分化を行なうとともに、その専門分化せられたものの総合調整は、従来の技術会議の機能をさらに強化をいたしまして、技術会議がもっと基本的な問題から統括整理ができるようにというふうな二つのねらいで御結論をいただいたわけであります。その技術会議の御検討の結果を、そのまま今回の改正に取り入れた次第であります。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 一つは、少しいやみみたいですけれども、どの程度尊重されたのか、そのニュアンスについてお伺いしたいということと、一つは第一次試案から第五次試案までの変化といいますか、おもだった変化についてお伺いしたいと思います。全面的に取り入れたという官房長の今のお話でございましたので、第一点のニュアンスについてお伺いするわけです。

昌谷孝農林事務官(大臣官房長)

○昌谷政府委員 技術会議におきまして、先ほど申しましたように一年以上にわたりまして、今後の主として国の試験研究機関のあり方、さらにはそれと密接に関係いたします府県の試験機関その他等について、抜本的な御検討が重ねられたことは先ほど申した通りでありますが、その過程におきまして幾つかの技術会議内部の検討のための案が作られ、またさらにそれを土台として関係者の意見を聞いた上で次の案に移り、またさらには検討の結果別案に移るというふうに、かなり弾力的かつ広く関係者の意見を聞きながら技術会議の検討が進められたことは、先生御指摘の通りでございます。従いまして技術会議が今回の改正でお願いしておりますような結論に到達いたします過程におきましては、いろいろ違った案も検討されて、その大ぜいの方々の御意見、さらには実際に試験研究に従事しておる皆さんの御意見等を取り入れた最終的なおとりまとめ案が、今回お願いいたしております案でございますので、ニュアンスと、仰せられる意味がどういうことであるか、十分理解いたしかねるのでありますが、技術会議が長期にわたって検討したその過程において、いろいろな案があったことは事実でございますが、その結論をそのままここへ採択いたしたこともまた事実なんでございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 ニュアンスの意味がおわかりでないようでありますので、私からいま少し詳しくお話し申し上げますが、会長は昨年の十一月十二日、二十二日、それから十二月の十日に職員の者に対しまして、今度の試験研究機関の統合整備について、会長としての意見を出しておられます。その中で言っておられますことは、まず第一点に今度の改革案を撤回する意思がないこと、それから機構改革をするのに最もよい時期であるということ、それから第三点といたしまして、今回の機構改革は行政面の強い圧力ではなく、会長個人の発意であって、農業基本対策とは別に関係なく取り上げた。理由は、いかにして能率的に研究できるか、研究体制の刷新にある、こういう言明をしておられるのであります。といたしまするならば、この会長の御発言が真意であるといたしするならば、今度の農業基本法には関係なく、現在までの試験研究機関のあり方が、曲がりかどにきている日本の農政に対して、いま少しマッチできるような体制にしなければいかぬ、こういった長年の懸案を解決すべき時期に来たので、そのために農業基本法の問題とは関連なく、今回の機構改革案を出したのだという意味に私には受け取れるのであります。それがたまたま農業基本法が出されたということであって、全面的に官房長はこの技術会議の意向を取り入れたというお話でありますが、この基本法に関係あるなしという、農林省は基本法の線に沿って今度の機構改革をやったのだとおっしゃる。技術会議の会長はそれに関係なく、現在までの経緯からして当然試験研究機関の性格、あり方について再検討すべき時期にきておる。この二つの考え方には、今申し上げました大きなニュアンスの差があろうと思う。全面的に技術会議の意向を取り入れたとおっしゃる官房長が、こういったニュアンスの大きな差というものをどうお考えになっておるのか、この点について再度お伺いいたしたいと思うのであります。

昌谷孝農林事務官(大臣官房長)

○昌谷政府委員 技術会議の検討されました動機、あるいはねらっております今回の試験場関係の体制の整備そのものは、かねての懸案であり、先生の仰せのように最近における農業の事情の変化に即応した試験研究の体制のあり方ということを課題としてやっておるということは、その通りでございます。私はそういった曲がりかどにきた最近の農業の体制に応じ得るように試験研究機構のみならず、すべての行政機構をそういうふうに再編整備をするということは、とりもなおさず私どもが基本法で考えております今後の農政の推進、その推進のための行政組織の再検討ということと全く同じと申しますか、何ら矛盾のないと申しますか、はからずも同じことを考えておるわけでございます。先ほどもちょっと引きましたように基本法でも、そういう趣旨で行政機構のあり方の再検討をうたっておるわけであります。もちろん技術会議そのものにつきましては、かりにその他の行政部局が曲がりかどに対応するようなこと、再編整備を一挙にやることが多少時間がかかりましても、試験研究機関そのものはかねての懸案でもあり、また技術というものは何と申しましても農業の基礎でございますから、それ自体としてそういった転換期の農業にふさわしいあり方に、一日も早く体制を整備する必要があるということであろうと思います。その意味で試験研究機関の体制を整備いたしますことは、何も基本法という法律で要請せられて受け身の形で出てきたのではなくて、試験研究機関自体の必要から出てきたことであることも間違いのないことであります。しかしそのことが農林省の機構全体として考えますれば、基本法の目ざしております転換期の農業の新しい行き方の確立、あるいはそれへの接近という、もう一つ大きな農政全体の目標にも全く合致をいたしておるという意味で、私はお答え申した次第であります。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 今官房長から今後の農政の方向を差し示す農業基本法の方向とも、全く一致しておるというお話でございました。今度の機構改革によりますところの技術会議、特に事務局長の権限というものは私は大臣に匹敵するとさえ考えております。ただ現在までの蚕糸なりあるいは畜産なりあるいは総合試験場、それだけではなくして、水産庁なりあるいは林業関係なり、すべての試験研究機関を統合し、企画その他のあらゆる施策をこの技術会議で統合していこうとしておられます。しかもその試験研究というものは単なる試験研究ではなくして、密接に、今お話のように農政に結びついた今後の農政の基本方向を示すものでありまするから、その権限、また意義たるや私は非常に重要なものがあろうと思うのであります。そうなって参りますと、私はここでお伺いいたしたいと思うのでありまするが、農業基本法の線に沿ってというお話でありましたけれども、申すまでもなく農業基本法は現在国会において審議の過程であります。政府からも農業基本法が出されておりまするし、また野党である日本社会党からも農業基本法が提起されて今真剣な論議が、審査が進められておるのは御承知の通りでありまして、今度の農業基本法の方向に従ってとおっしゃいまするけれども、少なくともその農業基本法の方向というものはきまっていない。審査の過程である。にもかかわらずこの農政の方向に沿ってとおっしゃるのでありまするが、どこに沿って今度の機構改革をなされたのか。私はこれはいやみではなくして、そういった国会軽視の、国会の審査を軽視するような手だてをされることは、ただ単に私がここでいやみを言うのではなくして、農林省自体がお困りになる事態が出てくるのじゃないか、こう憂慮するがゆえであります。と申しますのは、たとえば現在農林水産委員会にかかっておりますところの公有林野等官行造林法の廃止、そうしてそれに伴うところの国有林野事業特別会計の一部改正、これに伴って起こっておる事態について、すでに官房長は御承知の通りであります。林野庁では当然この公有林野の官行造林の廃止が四月一日から実施できるであろうという先走った前提のもとに、それに対する手だてを各地方自治団体なり何なりに講じて、また民間にもそれぞれの指示を流して、そうしてまた予算は官行造林をやめるのでありますから、林野特別会計には組まないでおいて、森林開発公団に十億の出資をするという前提のもとに、苗木を準備をしておる。ところがこの法律が通らないために、高知あたりではすでに苗木が芽を吹き、手を上げておるというのが実態でございます。これは国会の審議を軽視するがゆえに、農林省自体がそういった羽目に追い込まれるのでありまして、その意味で今申しました農業基本法を参考にした今後の農政の方向を基準にして、今度の試験研究機関の機構の検討を行なったと仰せられるのでありまするが、どこを基準にして、どこの案を基準にしてその方向を見定められたのか、この点について明瞭にしていただきたいと思うのであります。

昌谷孝農林事務官(大臣官房長)

○昌谷政府委員 私が先ほどから申し上げましたことは、今回の組織法の改正の内容につきましても、今後の新しい農業のあり方に即して考慮すべき行政機構のあり方の、まず基本的な方向との調整を十分考えたという意味で申し上げたわけでございます。従って冒頭申し上げましたように、その他の案と申しますか、農林省の機構全体につ  いての基本的なあり方につきましては、ただいま先生の御指摘のような点もございますので、次の機会まで十分検討さしていただいた上でというふうに申し上げて、御説明をした次第でございます。今回お願いいたしております官房の総合調整機能の強化充実という点と、それから試験研究機関のあり方の再編整備、特に専門分化と総合調整という機能との調和といったような、今回切り離して改正をお願いいたしております主要点二点につきましては、私どもの考えております今後の農林省の機構のあり方の線から申しましても矛盾はいたしませんし、また何はさておいても、かねがねそういった点が農林省の機構において欠ける点であるというふうに、内外ともに御指摘を受けておった点でございますので、そういったかねがね御指摘を受けておった農林省機構の欠陥をとりあえず補正をするということで考えたわけでございます。   〔委員長退席、草野委員長代理着席〕 従いまして農業基本法制定実施ということになりますれば、それだけではとうてい十分でございませんので、先ほど来申し上げておりますように基本的な機構のあり方については、時間をかけて検討さしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。決して、そういった基本法との密接関連性というものが、先生が御懸念のようなことではないと私どもは考えております。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 技術会議事務局長にお伺いいたしますが、今度の機構改革によりますと、私がさっき申し上げましたように、少なくとも現在までの欠陥を克服して、試験研究機関を総合調整し、しかも企画立案する、そういった大きな権限を持つことになるわけであります。そしてその企画立案に際しましては、今後の農政の方向という大きな一つの土台がなければ、その企画立案はできないかと思うのでありますが、その点について今後の農政の方向をどのような方向へ持っていかれようとするのか。この案が通りますれば、さっそくあしたからその方向に沿って運営していかれなければならない立場にある事務局長から、今後の農政の方向をどこへ持っていかれようとしておられるか、その点についてお伺いいたしたいと思います。

増田盛農林事務官(農林水産技術会議事務局長)

○増田(盛)政府委員 私どもの考えております試験研究は、やはり目先の問題も大事でございますけれども、十年先を見通して、それの技術的な根拠を与えるということが大事だと思うのであります。特に最近におきましては、一方におきまして科学の急速な進歩、それからそれに伴いまして技術の高度化、この二つの現象があるわけでありまして、特に科学の進歩に関しましては、いろいろな政策のあり方いかんにかかわらず、科学自体の本質に基づきましてこれを追求していくという立場があると思うのであります。しかしこれを受けて立つ技術の問題に関しましても、あまり狭く解釈しますと、先に行ってやはり適応できなくなる、あるいは困るという事態が発生してくるわけでありまして、具体的であってしかも普遍的な技術的な基礎を築くのが、農林省の研究機関の任務だと思うのであります。しかし、一方におきましては、やはり産業省の試験研究機関でございますから、どうしても農業の長期的な動向あるいは農業から参る諸要請、こういうものに対しても十分即応する必要があると思うのでありますが、こういう科学の進歩に対する体制をいかに整えていくか、それから農業の長期的な動向から出てくる諸要請に対してどうこたえていくかという点は、なかなかむずかしい問題だろうと思うのでありますが、これが基本的な試験研究機関に対する使命だろうと思うのであります。  そこで技術会議におきましては、昭和三十一年に発足いたしまして以来、試験研究機関の基本計画の企画立案という権能を与えられているわけであります。それと同時に各種の試験研究機関の総合調整の機能もまた与えられているわけであります。今回におきましては、三十一年からいろいろやってみた結果を検討、反省いたしますとともに、一方におきましては、農業に関する試験研究機関というものが昭和二十五年に整理統合されまして、十年の歴史を持っておるわけでありますが、その間の過去の実績なり、それを取り巻く科学の進歩あるいは農業の変化、こういうものを十分検討いたしまして、その上で新しい体制で発足しようということであります。従いまして実は技術会議といたしましては、根本的な変化になるような特に大きな変化といいましてはないわけでありますが、むしろすでに三十一年に発足しておりましたいろいろな情勢に対して検討を加えた結果、今までの不十分な点を修正する、こういうことであります。特にそれに対しましては、御存じの通りいろいろな御議論があるわけでありますが、私どもは農業並びに林業及び水産に関しまして試験研究の目標というものを設定いたしまして、大体作業が終わっているわけであります。技術会議の主要任務の中に基本計画に対する企画立案の業務がございますが、この大きな一つは目標を設定することだろうと思うのであります。これは仮印刷にしてただいま印刷いたしておるわけでありますが、あるいはこれを十分お読みいただきますと、私どもが技術の長期的動向に即してどのように考えているかということが御理解願えるのではないかと思うのであります。林業、水産業に関しましても同様にこういう作業をしているわけであります。そして先ほどのお言葉の中に、技術会議の統制の問題が出たわけでありますけれども、この点は従来と非常に変わっている点は、従来は試験研究機関の企画立案は農林省でやったわけであります。大綱は技術会議できめますけれども、あとは全部振興局、畜産局あるいは食糧庁あるいは農林経済局というような行政部局で研究課題の選定をし、企画立案したということであります。今回はこの権能を原則として試験場に譲るわけであります。従って今回の改正によりまして統制を強化するのではなしに、取りまとめなり、ものの考え方はできるだけ統一いたしますけれども、実際の試験研究の実施は大幅に試験研究機関に移譲するということを私どもはねらっているわけであります。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 先ほど官房長から、試験研究機関のあり方については内外からもいろいろ意見があったというお話がございました。またただいま事務局長の方からも、昭和二十五年に整理統合して以来の歩みの再検討の上に立って今後の農政の方向、農業、水産、そして林業について企画立案されるというのでありますが、問題は二つあろうかと思います。少なくとも現在までの、たとえば食糧増産政策というものは大きく変革していかなければならぬという一部の意見がある。あるいは林業に関しましては、日々高騰する木材の価格に対して手を打たなければならない。造林のあり方はどうあるべきか、伐採の量についてはどうあるべきか、各分野におきまして、たとえば水産におきましては沿岸漁業をどうするのか、沿岸漁業のままで振興する措置をとるのか、それを沖合いから遠洋へと転換させていくのか、いろいろな問題が山積いたしております。しかもこの第一次産業の他産業との格差を縮めていくためには、それこそ抜本的な対策が講じられなければいかぬということで、その憂慮の上に、内容についてはいろいろ問題があり、先ほども申し上げましたように現在審査の過程でありますけれども、与党の方においても農業基本法を出され、また私どもの方でもこれを出しております。これは現在までの農業に対して一つの大きな変革を加えなければならない、この要請にこたえた動きであると思います。ところが今事務局長は、十年先、二十年先の展望に立って、試験研究機関は農政にマッチする試験研究を行なっていかなければならない。その基本になる態度といいますか、指導の根本を、現在までの試験研究の歩みの上に立ってやるとおっしゃるのでありますが、今私が申し上げましたことと、過去の実績の上に立ってやるとおっしゃることとでは、私は根本的に問題があるのじゃないか、こう思うのであります。その点について事務局長はどうお考えでございますか。

増田盛農林事務官(農林水産技術会議事務局長)

○増田(盛)政府委員 ただいまのお話の中に含まれている問題は、試験研究の体制の問題が一つございます。もう一つは試験研究自体、分解してみますと、研究の目標をどこに定めるか。しかもその目標に基づいていかなる企画をするか。すなわち課題を選定し、試験研究の設計をし、実施をし、そして取りまとめていく、こういう問題と二つあると思うわけであります。そこで後者の試験研究の目標なり課題の選定なり、試験研究の実施、取りまとめ、これは農業の諸要請あるいは科学の異常な進歩発展からくる諸要請にこたえるということで、私はまことに御指摘の通りだろうと思うのであります。ただこれを遂行するためには試験研究の体制をどう持っていくか、たとえば今回企図いたしましたように、技術会議もやっておる、各局もばらばらにやっておる、こういう体制を一つに取りまとめて、横断的な連携をとっていかなければ、基礎科学がきわめて広範に発達して参りますと、ばらばらに試験研究をやっておったのではどうにも収拾がつかないわけであります。どうしても総合的な研究、それから共同研究、現実にこの問題はすでに技術会議が中心になって発足しておりますが、こういう問題に深く取り組んでいく。そのためには農林省自体の試験研究機関だけでもやはり力を合わせる必要がありますし、ものによっては農林省外の試験研究機関に働きかけていかなければならぬ、こういう問題が実際に私たちの立場に対してひしひし迫ってきているわけです。こういう問題を解決していくためには、農林省自体の体制も従来のやり方によりますとどうも不十分でございますし、むしろ現在は困っている事態も起こっておるわけであります。それから試験研究機関の場合におきましてもやはり同様に、昭和二十五年に考えたいろいろな考え方が全部いかぬというわけではございませんけれども、一部に手直しをする必要が出てきているわけであります。二つの問題がお話の中にあると思いますが、しかし要は、そういうような科学の情勢なり、あるいは技術の高度化に対応する必要が迫ってきておる。それに対してそれをいれる試験研究の体制をさらに変えていかなければいかぬ、こういう情勢に差し迫っているものと考えております。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 小倉さんから引き継がれまして増田さんが技術会議の事務局長になられまして、私たちの尊敬する大先輩の増田さんがこの困難な農政の方向について、試験研究を通じて一つの大きな方向を与えていただけることについては、私たちは非常に喜びとし、期待を持ってお迎えしております。が、問題は機構というものがそれにふさわしい形を持たず、そしてその時期というものをあやまつならば、せっかくの御努力が実を結ばないのではないか。小倉さんが寄せられました熾烈な熱意、そしてまた今度増田さんが熾烈な熱意を寄せられていることを知っておりますだけに、私はその時期の選び方についてやはり慎重を期せざるを得ないのであります。たとえば私が先ほどから農政の基本方向、そしてその中でこの総合調整、企画立案はどこによりどころを求められていくかという点をお尋ねいたしておりますのもそこにあります。私はことしの一月に屋久島の蚕糸試験場に参りましたが、八人で仕事をいたしております。あるいは熊本の蚕糸試験場にも寄りました。機会あるごとに各職場にお伺いいたしておりますが、非常に少ない研究費の中で、旅費もなく、自分の月給の中から旅費をさいて、研究会議があれば出ている。そういった熱心な試験研究機関の人たちは、それぞれの分野において日本の農業を、日本の林業を、こういう熱意に立って努力を続けておられるのであります。にもかかわらず、日本の農業が追い詰められてきている、この矛盾に、増田さんと同じようにこの出先の一人々々の職員は非常な苦しみと悩みを持って、しかもそれを乗り越えて努力を続けております。屋久島の蚕糸試験場でも、蚕糸業というものがこういう状態に追い詰められている中で、しかもその努力を続けているわけであります。それに対して今技術会議が与えなければならないのは、今後の農政の中で蚕糸はこういった位置を持つのだ、畜産はこうあるべきだ、それにはどのような研究をしなければならないかという方向でなければならないはずであります。ところが先ほどから申されておりますように、それに対して過去の経験の上に立って、これだけでは問題は解決しないのではないか、こう思いますが、この考え方は誤まりでありますか。

増田盛農林事務官(農林水産技術会議事務局長)

○増田(盛)政府委員 まことにごもっともな御意見だと思うわけであります。ただいま蚕糸の例をとられたわけでありますけれども、私どもも蚕糸の会議に幾たびか出席いたしておりますが、蚕糸関係の技術者は、目先だけではなしに、長期的な動向を伴った研究をやる場合に、非常な苦しみと悩みを味わっているのは事実であります。しかもこれは単なる見通しだけではなしに、計画的に産業として蚕糸業をどう持っていくかという問題は農林本省の問題でもあり、これに対して試験研究機関との間に大きなかけ橋をかけるということが技術会議の任務かと思うのでありまして、ただいまのお話は全く同感に考えるのであります。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 今同感というお話でございましたので、この点についてはあとでお伺いをいたしたいと思います。  先ほど官房長は、試験研究機関のあり方に対して内外からいろいろ要望があったというお話がありました。私たちもささやかな経験の中から、試験研究機関がこうあってほしいという要望を持っております。たとえば私のところの鹿児島県におきましては、畜産に非常に熱を入れるようになりまして、特に黒豚の奨励に躍起になっております。ところが熊本に種畜牧場があるが、そことこの畜産奨励との結びつきはどうなっておるのだろうか。何だか隔靴掻痒の感を免れないのであります。しかもそれぞれの試験研究機関におきましては、あるいは牧場におきましては、長いじみな研究を続けながらも、先ほど申し上げましたように旅費一つ取り上げてみましても満足ではないから、本省の各庁なりあるいはその他の出先機関なりに比べまして、非常に少ないというよりも、ほとんどないと言っていいような状況の中に置かれておりまするから、せっかく自分たちで成果を上げていながらも、それが日本の農政の中で実を結んでいかないという、研究者としての真摯な悩みを持っておるわけです。そういった悩みを解決することが、現在までの農林省においてやらなければならない手だてではなかったか、こう思うのであります。官房長も繰り返して言っておられるように、内外からもいろいろな期待が寄せられておった。これに現在までどのようにこたえてこられたのか。この点について内部の環境の整備、研究の充実のためにどのような手だてをしてこられたのか。それからその成果を農政の中に生かすことにどのような手だてをしてこられたのか。そして技術会議と振興局との仕事の関連についてあわせてお話をいただきたいと思うのであります。

昌谷孝農林事務官(大臣官房長)

○昌谷政府委員 農林省の試験研究機関のあり方につきましては、先ほど来増田事務局長の方からお話もございましたように、農業の基礎となる技術の問題でございますので、相当長期の見通しを持ってやる必要があるわけであります。一面ではそういった技術の活用をはかるための組織との連携といった問題もございます。また先ほど来問題になっております研究目標の設定といったような問題もあろうかと思います。   〔草野委員長代理退席、委員長着席〕 そういった目標の設定から研究成果の活用に至るまでの手段、方法等を含めまして、従来必ずしも十分であったとは言い切れないと思います。その点を私ども省内におきましても苦慮いたしておりましたし、また外部のそういった試験研究の成果に期待を寄せられる向きからも、一そうの充実なり効率の発揮を御要望あったことは御承知の通りであります。私が先ほど来申し上げましたことも、そういった目標の設定から成果の活用に至るまでの一連の仕組み、あるいは内容の充実という点についてのその一そうの改善、検討等を主として申し上げて参った次第であります。先ほど申し述べましたように、一面では技術でございますから非常に専門化し、分化することが要請をせられまして、また他面では先ほど事務局長からもお話がありましたように、他の一般的な基礎科学とのつながりを持ち、かつ相互の有機的な連関を持つという意味で、総合化されてこなければいけない面もあろう。そういった点につきまして、従来の機構もそれなりにそういったいろいろの諸要請にこたえるべく努力して参ったわけでございますけれども、この際今考えておりますような姿で、技術会議にある程度の総合調整的な働きを強化していただく。同時に現地の試験場については部門別の試験研究を強化するというような姿を内容としながらやって参ることが、一そうそういった過去の経験から見て効率を発揮するゆえんであろうと思うわけであります。もちろんそういった点の組織機能のあり方のみでは十分でございませんので、研究に従事する人々の能力なり素養なりの向上でありますとか、あるいはそういった方々が試験研究をおやりになるために必要な物的施設の整備でございますとか、あるいは御指摘のような見聞を広め、あるいは研究を相互に交換するための旅費でございますとか、単に機構だけでなしに、そういった人的、物的な活動能力の充実ということが伴わなければならないことも、御指摘の通り私どももまことにその通りだと心得えております。今までも不十分ながらそういった方向に年々努力を積み重ねて参っておるわけでございますけれども、まだ決して十分とは考えておりません。今後ともこういった機構の改善をさらにきっかけといたしまして、一そうそういった人的能力あるいは物的施設の充実といったような点の発揮に心がけたい、さように考えております。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 技術会議と振興局との仕事の分野について。

昌谷孝農林事務官(大臣官房長)

○昌谷政府委員 今回は御承知のように、従来振興局の研究部で処理をいたしておりました農業関係の試験場の事務を、実質的に振興局から研究部をやめまして、そのかわり技術会議の方で総合して処理していただくというふうに考えておるわけであります。従来は技術会議は、先ほど事務局長からお話し申しましたように、農業関係、林業関係、水産関係を問わず、農林省にあります試験研究機関全部の上に立ってと申しますか、言葉が適当でないかもしれませんが、それらを総括して企画調整の任務に当たっていただいておったわけであります。しかしむしろ試験研究機関のお世話をもっと先ほど申し述べましたような方向で充実をはかって参りますためには、技術会議が従来の機能を強化する一方、さらに従来振興局あるいはその他の局で処理しておりました農業関係の試験場の直接的な行政事務等をもあわせてやっていただくことの方がより効率的であり、かつ目が届くであろうというのが今回の趣旨でございます。関係と申しますとそういう意味で、もちろんその技術成果を現実に役立てますための普及指導というような点、あるいはどういう研究を農家が期待をしているかというようなことについての試験研究機関に対する要望といったような点では、振興局は引き続き試験研究機関あるいは試験研究そのものについて非常に直接的な関心を持つわけでございますが、試験研究自体のあり方あるいは試験研究自体の問題については、一応振興局から離しまして、技術会議において他の試験研究機関との調整をはかりながら、そういった振興局の、要望に沿っていただくというふうにすることの方が、より効率的であろうと考えた次第であります。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 昌谷さんは頭脳明哲で立て板に水を流すがごとくおっしゃるわけなんですけれども、研究部の仕事を技術会議に持っていく。今のお話では、現在までの振興局の普及指導に関する要望については、うまく連絡調整をとってやっていくつもりだということなんですけれども、先ほども私は話しましたように、その試験研究機関の成果がすなおに農民の中に入っていかない隘路については、どこかに欠陥があるのではないか。それは先ほどお話しになりましたように、もちろん人的な点についても言及がありましたけれども、私は農林省の幹部の方々にこの試験研究機関におる諸君の能率、素養についてまで口を差しはさまれる資格はない、このように考えております。もし人的、物的環境の整備をするために努力をする、今後も続けていきたいとおっしゃるならば、少なくとも一歩でも二歩でも前進した経緯があって初めてそういうことをおっしゃれるのです。ほんとうに十年前と今と、前進したところが具体的にございますか。今度昌谷さんも官房長になられて、一ぺんあの屋久島の果ての蚕糸試験場に行ってごらんなさい。あそこまで行かなくても、鴻巣なり平塚なり、ずっと回ってあの研究室の諸君の声を聞いてごらんなさい。この諸君の能率、素養について言及されるおこがましい態度はやめていただきたい。そして真摯な反省の上に立って、この諸君の能率、素養をほんとうに生かすにはどうすべきかというところから、今度の機構改革についても出発しなければならぬと思うのであります。私がここでお尋ねをいたしたいのは、今申し上げましたように、また事務局長からもさっきお話がありましたが、今まで人件費と研究費の比は七対三くらいになっております。それを将来、会長も事務局長もせめて五対五くらいにしていきたい、しかしそれは予算の増ということではなくて、その中でやりくりによって五対五にしたいというような答弁をされたやに聞いておりますが、そのようなことで、今申し上げましたようなことが解決できると思っていらっしゃるかどうか、この点について事務局長からお話を承りたいと思います。

増田盛農林事務官(農林水産技術会議事務局長)

○増田(盛)政府委員 ただいまのお話、人件費並びに事業費の関係が七対三というお話もございましたが、確かにさようでございます。これは比率自体に問題があるわけではないのでありまして、研究室で研究をされる方々の試験研究費の増額が最後の目的だと思うわけであります。その点私どもできるだけこの増額を努力をいたしおるわけであります。三十六年度の予算におきましては、実質的にいろいろな試験研究の費用を合わせますと、相当な増額になっております。ただし人件費との比率に関しましては、やはり人件費自体が上がっておりますので、比率自体では目ぼしい改善を見られなかったわけでございます。しかしある程度大ざっぱな目標を私どもはつけなければならない。その場合に一体これを四対六に置くのか、五対五に置くのか、いろいろ議論があろうかと思いますが、しかも試験場におきましては畜産試験場のように大家畜を多数飼育して、これに関する飼養管理に要する経費が、人間の何倍ないし何十倍もかかるようなところは、べらぼうな試験研究費が要るわけであります。そのほかにたとえば経済調査のような仕事をやっておるところは、人件費の割合に事業費がかからないというところもあるわけであります。こういう問題を全部おしなべて、どの程度の目標にするか、いろいろ御議論があると思うのであります。しかもその可能性についても、いろいろな議論があると思うのであります。私どもは大体大ざっぱな考え方でありますが、将来は事業費をもう少し上げていくということで、あるいは四対六なり五対五程度までやれば相当できるのではないか。現在でも施設費を入れまして事業費の範囲を考えますと、だいぶ比率が上がるわけであります。正確には申し得ないわけであります。が、ただいまのお話のような点を大まかな私どもの腹づもりにしまして、今後の予算の要求に当たっていきたいというふうに考えております。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 官房長にお尋ねいたしますが、内外からだんだんの指摘があったことの中に、一つは人事の停滞という問題があったのではないかと思います。この前提が誤りであるとすれば別でありますが、試験場によりましては、これは試験研究機関の特徴といたしまして、一つの分野に深く、長く打ち込む、それゆえに成果が上がるのは当然でありまするけれども、しかし場長なり何なりの人事の交流がないところにも、私は試験研究機関の停滞する一つの大きな原因があったのではないかと思うわけであります。昌谷さんが想像も及ばれないような非常に大きな権限を持ち、まるで陛下みたいな顔をして君臨しておるところもある。もちろん非常に民主的なところもありますし、いろいろ差はありますけれども、そういったうっけつした空気が流れておる点は、この人事交流の面について適時適切な手が打たれなかったところにも、一つの原因があろうかと思うのでありますが、こういった試験場の人事についてあまり手をつけられない。試験場から本省に持ってくる。本省からまた試験場に行ってもらう。こういったことが、先ほど申し上げました農政との結びつきがはかられる一つの道にもなるのではないかと思うのでありますが、本省の官房長なり秘書課長は学士名簿だけ見ておって、本省の課長、課長補佐、部長、局長の人事に頭が一ぱいになって、試験研究機関のことは忘れておられるのではないかと疑いたくなるような空気があるのでありますが、この点について官房長の御見解をお伺いしたいと思います。

昌谷孝農林事務官(大臣官房長)

○昌谷政府委員 御指摘のようなことがないとは考えられませんので、今後とも一そうそういう人事、特に本省と試験場との関係、あるいは試験場相互でも異種試験場相互の人事の交流等も、機会あるごとにやって参りたいというような考え方を、人事管理の適正な運営の一連として私ども目下検討もし、具体的に各局相互間で話し合いもしておる実態でございます。何分試験研究という相当長期にわたって仕事をしなければ成果の上がらないという面で、御指摘のような点もあろうと思いますけれども、一面でそういう機会をなるべく積極的に心がけるという心がまえで、私ども初め農林省職員全体がいくことが非常に大切だというふうに考えまして、御趣旨に沿ってそういう停滞のないようにいたしたいと考えておる次第でございます。  なお、試験研究機関の旅費等が十分でありませんために、出たい学会にも出られなかったり、あるいは見学に行きたいが、現地の事情あるいは関係試験研究機関の試験研究の模様等も見に行けないというのが現状のように聞き及んでおりますので、先ほど申しましたように、そういったことが能力なり素質の発揮に事欠かせるような始末になっているのは残念であるから、なるべくそれを改善して参りたいというのが、先ほど私の申し述べた真意でありますので、あわせて御了承いただきたいと思います。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 この際総務長官にお伺いいたしたいと思います。先ほど官房長と事務局長に、今度の農林省設置法の一部改正の根拠についてお伺いをいたしました。そのお伺いした立場は、藤枝さんがおいでになる前に、農業基本法との関連で今度の農林省設置法の一部改正法律案を出されたのか、それとも技術会議の東畑会長以下増田さんなんかの御意見に従って今度の改正案を出されたのかという質問に対しまして、官房長は、技術会議の御意向を十二分に尊重しながら今後の農政の方向とも関連して、今度の設置法の一部改正案を出したのだという御答弁であったと理解いたしております。とすれば、現在今後の農政の方向を差し示すはずの農業基本法が提案されて審査の過程であるから、今後の農政はどこに、重点を置かれるのかというその方向に従って態度がきまってから、試験研究機関もその線に沿って仕事を進めていくべきであり、またそれが当然の方向ではなかろうかということをお尋ねいたしたのでありますが、増田事務局長からは、過去の経験に基づいて、十年、二十年の展望を立てておるし、またその具体案もできておるから、その線に沿ってやりたいというお話でありました。私はどうしてもこの二つの点がぴしっと同じレールの上に乗ってこないような気がいたします。それで私が総務長官にお伺いしたいのは、各省庁の機構について最も能率的に国民の要望しておる安い政府というものを——これは中山伊知郎さんのお言葉でありまして、安い政府というのが妥当であるかどうかわかりませんが、そのような機構を整備する基本的な態度といいますか、そういう点について総務長官としてはどのような方向を考えていらっしゃるのか、この点についてお聞かせをいただきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 ただいま御指摘になりましたように、行政各官庁の能率が上がり、そして簡素な機構で、御指摘のような安い行政ができることが望ましいことは申すまでもございません。従いまして従来とも各省庁等の行政事務の簡素化、能率化については、何度か、そうした面についての研究をさせておったわけでございます。最近に至りまして、行政審議会の答申もございまして、目下審議をいただいております臨時行政調査会、いわゆるフーバー委員会と称せられるものでございますが、この御審議を待って、これらの臨時行政調査会が設置されますならば、それによってさらに具体的に行政機構の能率化あるいは合理化、簡素化、こうしたものの構想をその調査会において御審議を願った上で、その方向に従って、政府といたしましてさらに行政機構全般についての能率化、合理化、簡素化をはかって参りたいと考えておる次第でございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 安い政府とは、人員の削限なり何なりによってできるのじゃない。国民の要望する安い政府というものは、期待する能率を上げてくれる政府のことであって、たとい現在の人員が二倍になっても、それなりの成果を上げてくれることを国民はむしろ期待しておるのではないかと私は思うのであります。政府はよく簡素化々々とおっしゃるのでありますが、これは困るのでありまして、私たちが機構について検討していただくのは、今議題になっております農林省設置法の場合でありますれば、国民が期待する、農業者が期待する農政の方向に沿った機構いじりであってほしい、この要望だろうと思うのです。そういう線に沿って総理府において各省庁の機構改革についても、——少なくとも私たちは議論が存するところでありますが、政府が指向しておる農政の方向に沿ったものであるかどうか。そういった各省の申し出に対して、それを一つの方向に持っていくのが総務長官のお仕事ではなかろうかと思うのであります。そういう意味で先ほど私がお尋ねいたしました一つの方向というものが、まだ現在審査の過程にあり、また過去の体験の中から、試験研究機関に対しては内外からいろいろな要望がある、その調整がなされない現在において、あわただしく農林省設置法の一部改正案を出すということについて、疑問なきを得ないのであります。私は政府というものは朝令暮改は厳に慎まなければいかぬと思います。単なる機構いじりはやめなければいかぬと思います。もちろん先ほど事務局長や官房長のお話がありましたように、いろいろな要望があったり、また過去の実績の上に立ってある程度の手直しをしなければならぬ。この点については私も全く同感でありますが、しかしその時期はこの時点においてではなくして、一つの方向がきまったあとにおいてなすべきではないかと思うのでありますが、その点について総務長官のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 最初にお断わり申し上げますが、簡素化ということは何も人員を減らそうという考え方ではございません。むしろ現在行政事務が非常に複雑で、一般の国民の方々に御迷惑をかけておる点も非常に多いのであります。そういう意味の能率をよくするための簡素化ということを私どもは考えておるわけでございます。  それから具体的に御指摘の農林省の機構の改善の問題でありますが、これは農林省側からお答えがありましたように、やはり一つの方向づけというものは必要でございましょうけれども、過去のいろいろな経験、あるいは国民の皆さん方の要望、こういうものを入れて、当面とにかく改革すべきものは改革するということも決して悪いことではない。ただしその方向は、常に日本の農政が進むべき方向を目ざしながら、当面の問題の解決をしていくということも必要ではないかと考えておる次第でございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 長官の御答弁ではどうしても満足が参りません。といいますのは、ほかの省庁ならまだ話はわかるのですが、日本の農業が曲がりかどに来ていてどうともならない、これを何とかしなければならないという農政の大転換期に来ておって、その方向が少なくとも今次国会かあるいは延長になりますか農政国会においてきめられようとするその時期において、今までやらないでおいてあわただしく今度の四月一日からだと争うのでは、私は話がわからない。やはり土台のコンクリートはしっかりしておかなければ、朝令暮改を免れないであろうと思うわけであります。この点について私は申し上げたいことがいろいろたくさんございますが、官房長、事務局長には非常にお気の毒でありますけれども、きょう森本委員が沖縄問題について質問の予定だそうでありまして、私時間の配分上明日またお伺いしなければなりませんので、本日はこれだけにとどめまして、あとの問題については明日お伺いいたしたいと存じます。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 次に森本靖君。

森本靖日本社会党

○森本委員 まず最初にお聞きしたいのは、この沖縄における模範農場に必要な物品の法律案によりまするところの予算は、この第一条の農業関係、それから第二条の電気通信関係、この二つに分けて、第一条関係がどの程度、第二条関係がどの程度かということを、まず総務長官からお答え願います。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 第一条関係のモデル農場の運営につきましては千三百八十九万円、第二条関係のマイクロ回線のあれが九千八百四十万円でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 まずその第一条関係の、いわゆる那覇の模範農場に対する農業技術の改良及び普及に必要な云々とありますが、大体これはどういう内容ですか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 那覇におきまして琉球政府自体が、実際の農業経営の形態を備えた一つのモデル農場を建設いたすわけでございます。そこへ日本内地の農業技術を持っていって指導をするわけでございますが、そのうちで農機具であるとか、あるいは家畜でありますとか、そうしたものを日本政府が譲与するわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 その農機具家畜の中で、農機具類は大体どういうふうなものですか。

大竹民陟総理府事務官(総理府特別地域連絡局長)

○大竹政府委員 農機具を申し上げますと、耕作に要するトラクターが入っております。それから自動耕耘機、歩行型のトラクター、作業いたしますための小型の農機具、それから農業のためのもろもろの実験器具、こういうふうなものも入っております。これを見積もりましたのは、沖縄に長く勤務した御経験を持っておられる農林省の関係の技術者に、先般沖縄に行っていただきましたが、それが現地でよくお調べになりました上で、必要な農機具、資材、こういうことで計画をいたしております。

森本靖日本社会党

○森本委員 今の総理府の連絡局長の答弁では、トラクター、自動耕耘機といろいろ言われましたが、それについての種類別と金額というのはわかっておりますか。

大竹民陟総理府事務官(総理府特別地域連絡局長)

○大竹政府委員 わかっております。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうするとトラクター、自動耕耘機の種類別の金額をちょっと言ってもらえませんか。

大竹民陟総理府事務官(総理府特別地域連絡局長)

○大竹政府委員 私も実は専門家でございませんから、申し上げることに間違いがあるかもしれませんが、御容赦をいただきます。乗用型トラクターが二百八十万円の金額になっております。トラクターの本機、それからそれに付属いたしました作業機械類、これも幾つかの種類がございますが、これを含めまして乗用型トラクターは二百八十万円という金額になっております。それから歩行型のトラクターは金額が三十万円計上してございます。これも本機がございまして、さらにそれに付属をいたしております幾つかの作業機具がございます。それから補助作業用の小型農機具、これは額面にいたしまして、幾つかの種類がございますが、十万円というふうに計上いたしているわけであります。自動耕耘機は本機が二十三万円という計算になっております。

森本靖日本社会党

○森本委員 このトラクター、自動耕耘機その他については、沖縄の地方に一番ふさわしいというようなものを選んだと思いますが、その機械類と選び方については、農林省としてはどういうようにこれをやっておられるわけですか。

昌谷孝農林事務官(大臣官房長)

○昌谷政府委員 直接その関係の事務連絡に当たりました振興局研究管理課長がおりますので、研究管理課長から詳しく御説明をお聞きいただきます。

杉頴夫農林技官(振興局研究部研究管理課長)

○杉説明員 乗用の方のトラクターは十八馬力で、乗用と申しましても営農用の割合小さいものでございます。それから自動耕耘機の方は七馬力のものを今選定いたしております。歩行型トラクターは四ないし五馬力のものを予定いたしております。従って乗用トラクターと申しましても三十馬力、四十馬力といったような大きなものは、このモデル農場には考えておらないような実情であります。

森本靖日本社会党

○森本委員 この耕作機械器具については、おそらくあなたの方で十分に研究をせられて、沖縄の農場にふさわしいという機械をそれぞれ入れると思いますが、しかしこれが将来のある程度の慣例にもなろうと思いますので、その選定方それぞれについては、現地に合うような相当慎重な御考慮を願いたい。あとになってこれは問題が出てくるというようなことがないように、くれぐれも私はこのことを要望しておきたいと思います。  それから、ついででございますので、この家畜関係、これはどういう内容ですか。

大竹民陟総理府事務官(総理府特別地域連絡局長)

○大竹政府委員 今数量は申し上げますが、大体豚と鶏と役肉牛が若干でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 この問題もやはり先ほどの耕作機械類と同じように、あとになってだめだったということになった場合、一応試験的にやったからという言いわけは立ちますけれども、一つこれの供与についても、せっかく供与せられるわけでありますから、あらかじめ慎重な配慮と御考慮は願っておると思いますけれども、将来にもこれは影響がある問題でありますから、この問題と、向こうに適するかどうかという問題についても、一つこれは適切な方法を、特に具体的な実施段階には私は慎重な配慮を願いたいということを要望しておきたいと思います。  次に第二条関係に移りますが、先ほどの総務長官が申されました九千八百四十万円というのは、どういう内容ですか。

大竹民陟総理府事務官(総理府特別地域連絡局長)

○大竹政府委員 先ほど総務長官が御説明を申し上げましたが、さらにその数字を若干こまかく申し上げてみたいと思います。負担関係をまぜて申し上げますと、このために要します総体の金額は三億五千九百万、若干の端数がつきますが、大体三億五千九百万でございまして、日本政府の負担いたします分が一億八千百万、電電公社にお願をいたしておりますものが一億三千六百万、沖縄側で琉球政府が負担をいたします分が四千百万円、こういう金額になっておりまして、政府が負担いたします分は、二年度に分けて支出を予定いたしておりまして、本年度は一億八千万のうち九千七百万を計上いたしておるのでございます。今回譲与を予定しております通信施設は、マイクロ施設によります電話六十回線、それからテレビ下り一回線、これを予定しておるのでございます。ただいま申し上げました金額は、それを完成するために必要とする費用、こういうことになっております。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、最初総務長官が言った九千八百四十万円との関連はどうなるのですか。間違いですか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 ただいま局長が申し上げましたように、日本政府の負担分一億八千万円、そのうちの本年度分が、施設関係以外に旅費等も含めて九千八百万円、こういうことでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 それでは一つ一つやっていきますが、本年の一億八千百万円のうちの政府が負担するというのは、今局長の話では九千七百万円ということを言っておったわけですが、そうすると百四十万円というのは今年度の旅費ですか。

大竹民陟総理府事務官(総理府特別地域連絡局長)

○大竹政府委員 先ほど私御説明を失念いたしましたが、総務長官が御説明を申し上げました九千八百四十万七千円、これは先ほど私が御説明を申しました政府の初年度負担分九千七百九十五万一千円、これのほかに沖縄に行って指導をいたしますための外国旅費が四十五万六千円別に予算に計上してございます。九千七百九十五万、ただいま申しました外国旅費四十五万円、これを合わせました額が九千八百四十万、こういう数字になっております。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると九千七百九十五万円というものの内訳はどうなっておるのですか。

大竹民陟総理府事務官(総理府特別地域連絡局長)

○大竹政府委員 これは先ほど御説明申しましたように、電話六十回線を収容することが可能な施設並びにテレビ一回線を通しますための所要経費、こういうことになっております。

森本靖日本社会党

○森本委員 あなたが答弁をようしなかったら、だれかにかわってもらいたいと思いますが、これは私の専門の仕事ですから、たとえば六十回線のマイクロ施設、下り一便のテレビ・ルートをこしらえるということについての九千七百九十五万円、それから四十五万円の旅費、旅費は別として、九千七百九十五万円というものについては具体的にどういうふうな内訳になっているのか、こういうことです。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 お答え申し上げます。初年度分の九千七百九十五万一千円の内訳でございますが、空中線関係で高利得空中線と申します。これはOH散乱波方式を使います高利得空中線でありますが、その分が九百万五千円、それから二千メガOH関係の設備が三千三百五十三万六千円、それから一千メガのテレビ関係の経費が七百九十五万二千円、それから電力設備が二千七百九十九万四千円、それから市外ケーブル関係が千九百四十六万四千円、以上でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 今言ったものの合計は何ぼになりますか。今言ったのはそれぞれの器材費ですか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 器材費のほかに輸送料とか保険料とか、あるいは梱包費、工事費等まで含んでおります。

森本靖日本社会党

○森本委員 この中で工費というのは大体どの程度ですか。いわゆる人件費、全郡の人件費です。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 こまかく一応あるのでございますが、工費は経費の大体二〇%程度、ものによってこれは違いますが、高利得空中線関係の九百万五千円の中には百四十四万円の工費が含まれております。それから二千メガの三千三百五十万円の中には、工費といたしまして二百九十一万四千円という工費が含まれております。それから一千メガ・テレビの七百九十万円の中には六十九万一千円という工費を見ております。それから電力設備関係では四百四十七万六千円の工費を見ております。それから市外ケーブル関係では六百二十七万六千円の工費を見ております。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると九千七百九十五万一千円のうちで、人件費というものは全部で大体どの程度になりますか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 ここにちょっと集計いたした数字を持っておりませんが、計算いたしますと出て参ると思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 この工事はだれが行ないますか。沖縄の人ですか、日本の人ですか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 ただいまの予定では今度のマイクロウエーブの工事は、政府から日本電信電話公社に委託をするという予定にいたしております。従いまして主として日本電信電話公社の方の人件費ということになりますか、そういうことになると思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうなりますとその場合、これに従事する工事取りつけの作業員はだれが行ないますか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 電信電話公社の職員のほかに、また電信電話公社がその工事を請負に出しますと、その工事会社の職員の分も含まれてくると思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 この工事は全部請負に出しますか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 ただいまの先生の御質問は、電電公社からさらに請負に出すかという御質問でございましょうか。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうです。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 ちょうど公社の施設局長が見えておりますから、施設局長からお答えをお願いいたすことにいたします。

平山温日本電信電話公社理事(施設局長)

○平山説明員 お答え申し上げます。請負に出るものが多くなろうかと思いますが、まだ詳細な設計をいたしませんとはっきりしたお答えができません。一部直営のものもあるかと思いますが、請負の方が多いと今のところ思っております。

森本靖日本社会党

○森本委員 だから、大体こういう計画をやっておるわけだから、請負入札にどの程度出して、公社がどの程度の直営工事を行なうのかということを聞いておるわけです。

平山温日本電信電話公社理事(施設局長)

○平山説明員 今申し上げましたように、請負のものが大体だろうと思いますが、一部を直営でやるものもあるいは起こるかもしれないということを申し上げたわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういう計画というのはないと思うので、具体的な計画というものがもうちゃんときまっておると思うのですが、かりにそういう場合に、公社の職員がこれに従事するという場合、公社としてはその職員の、いわゆるこの作業に従事する場合のやり方をどういうようにするのですか。これは海外出張という形になるのですか。

平山温日本電信電話公社理事(施設局長)

○平山説明員 現在普通の職員が沖縄へ出張する例によってやることになろうかと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 普通の職員が沖縄に出張するのは、今どういうふうになっておりますか。

大竹民陟総理府事務官(総理府特別地域連絡局長)

○大竹政府委員 政府の職員の場合でありますと、やはり扱いは外国の出張ということになると思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 外国の出張でも普通の外国の出張とちょっと意味が違って、実際問題として技術的に向こうで仕事をするわけですね。そういう場合の出張でも、外国出張と同じような取り扱いを行なうというわけですか。これは一度非常にもめたことがあるので、たとえば朝鮮海峡における海底線のケーブルの布設のときに、非常に紛糾を来たして、いまだに裁判ざたになっておるので、特に私はこの点を聞いておきたい、と思うわけです。

平山温日本電信電話公社理事(施設局長)

○平山説明員 お答え申し上げます。  この工事の関係と申しましても、設計の面と実際の工事の面と、こまかく申し上げますと分かれるわけであります。先ほど私が申し上げました一部を直営のものが起るこかもしれないというふうに一応考えていると申し上げましたのは、設計の関係については、やはり直営で公社の人間が直接向こうに行って設計をするというものが多かろうと思います。それから工事そのものにつきましては、工事会社に委託するものが多かろうと思います。そこで設計をする者が調査のために向こうに行ってやります場合には普通の旅費で、いわゆる工事旅費ではなく、普通の職員と同じ旅費でやっております。

森本靖日本社会党

○森本委員 普通の職員と同じ旅費というのは、普通の日本の職員が海外に出張する場合の旅費と同じ形でやるというわけですか。

平山温日本電信電話公社理事(施設局長)

○平山説明員 私ここで今資料をもっておりませんが、公社の旅費規程の定めるところに従って支出することになろうと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 だから、公社の旅費規程にきめておるところのものが、沖縄に行く場合も、フランスのパリや何かに行く場合の旅費と同じことになるかどうかということを聞いておるわけです。

平山温日本電信電話公社理事(施設局長)

○平山説明員 お答え申し上げます。沖縄に対する旅費は外国旅費に準じて扱っております。ですから内国旅費とは違います。それから単金につきましては、もちろん内国旅費とも違いますし、それから純粋の今おっしゃいましたような点のパリとか一般の外国旅費ともまた違った、外国旅費に準ずる単金をきめておりますので、それによってきまることと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 その外国旅費に準ずるというのは、電電公社がやっておるのはどこどこですか。

平山温日本電信電話公社理事(施設局長)

○平山説明員 今の御質問は外国旅費に準じて扱っているものが琉球以外にあるか、こういうお尋ねの意味に伺ったのでありますが、今のところ琉球だけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると日本の領域外、領海外に出た場合の作業はどうなっておるのですか。海底電線の場合、日本の領海外に出た場合は日本の領土ではないわけですね。そういう場合にはどうなっておるのですか。

村手羲日本電信電話公社経理局主計課長

○村手説明員 領海外の場合におきましては、電電公社の場合においては海底線について行なっておりますが、これは外国出張旅費ということでありませんで、内国旅費の特例として別途に定めた基準において、支給基準を定めております。

森本靖日本社会党

○森本委員 それと沖縄とは大体合っておるわけですか。

村手羲日本電信電話公社経理局主計課長

○村手説明員 これは全然別個の扱いでございまして、沖縄の部分については、外国出張旅費に準じてやっておりますから、全然別個のものでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 ちょっと一つ参考までに、公社の外国旅費とその外国旅費に準じた旅費とは、どういう工合ですか。

村手羲日本電信電話公社経理局主計課長

○村手説明員 今ちょっと手元に規程がございませんので、規程を取り寄せ次第、あとで御報告したいと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 これはあとでというと、この法律に間に合わぬわけで、この法律で一番関係するのは、電電公社から従業員を派遣してやる場合にどういう待遇をするかということが、従業員側にとっては関心になると思うわけです。外国旅費に準じてやるということになると、どの程度になるかということについては、外国旅費と、その外国旅費に準じてやる場合と、海底線で実際は領海外に出てやる場合とそれから内国旅費の四つを、早急に一つ資料として提出を願いたいと思うのですが、よろしゅうございますか。

村手羲日本電信電話公社経理局主計課長

○村手説明員 後ほど整備いたしまして提出いたします。

森本靖日本社会党

○森本委員 それからこのマイクロを移管することによって六十回線、テレビが一ルートということになりますと、現在の沖縄と本土との通信はどういうふうにやっておりますか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 現在電信回線が三回線でございます。那覇−名瀬間、那覇−福岡間、那覇−東京間、それから電話回線が東京−那覇間に二回線、ほかに専用線が一回線ございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 電話回線は東京−那覇間に二回線ですか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 さようでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 それは無線ですか、海底線ですか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 無線電話でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 大体通話回数というのはどの程度ありますか。この二回線というのは公社の直属の線ですか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 現在は国際電電の無線を公社が借りて、これに充当いたしております。それから度数といたしまして、昭和三十四年の統計でございますが、大体月間の発着度数が八百ぐらいでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、現在の通話度数からいたしましても、今度六十チャンネルできるということになりますと相当大幅になるわけでありますが、この場合六十チャンネルというのはどこで接続するわけですか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 今回のマイクロ施設が鹿児島から牟礼ケ岡、大浦、名瀬を経由いたしまして那覇に飛ぶわけでございますので、接続といたしましては鹿児島で内地の線と接続されるということになると思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると鹿児島と那覇間が六十チャンネルとれるということになって、鹿児島から手前の方は結局このチャンネルには関係がない、こういうことになるわけですね。現実の問題として鹿児島と那覇間は六十回線電話回線がとれる。しかし鹿児島から手前になってくるとこの六十回線の電話回線については関係がない、こういうことになりますか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 関係がないということではないと思います。現在沖縄と内地との通話というものは、東京と那覇との間に疎通線があるわけでございますが、那覇からの通話というのは日本各地方に渡るわけでございますので、東京−那覇線とか、鹿児島−那覇線とか、そういったいろいろな回線が一応予想されるのではないかと思います。従いまして鹿児島−那覇間に六十回線の電話回線ができるといたしましても、それに相応いたしましてまた内地の回線というものも同時に考えられるということでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうでなしに、鹿児島と那覇間は六十チャンネルとれるけれども、鹿児島から東京間における福岡を通ってくるマイクロ・ルートというものはまた全然別になるわけだから、電話回線としては鹿児島と那覇間は六十チャンネルとれるけれども、実際問題としてその間に東京−那覇間の直通回線をどの程度こしらえる、あるいは鹿児島と那覇間の直通回線をどの程度こしらえるということについては、これは技術的にできるわけですね。だから問題はそういうような回線の将来のケースというものについてはどういうふうに考えておられますか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 ただいまのところでは三十四年度におきます日本の電電公社の疎通状況からいたしまして、将来の需要を推定いたしまして、六十回線程度が要るのは大体昭和四十二年度であろうという予測が下されておるわけでございます。従いましてさしあたって六十回線がフルに使われることはない。この施設が完成いたします昭和三十七年度末に、大体今のところでは必要とされる回線は二十回線かそこらではないか、そういったふうに予想しておるわけでございますが、そういった場合に、たとえば那覇−東京間、あるいは鹿児島−那覇間、あるいは大阪−那覇間とか、そういった回線がどの程度がという資料は現在ここに持っておりませんけれども、鹿児島−那覇間の六十回線につなぐ回線といたしましては、これは当然日本電信電話公社の方で需要にマッチする回線を用意することになると思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 これは極東における通信路線からいくと、私は重要な幹線になると思うわけであります。その場合現在の国際電電の路線の中にもありますが、これは米軍の専用電話回線というような形のものがこの中に出てきますか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 私どもの承知いたしておる範囲内では、ただいまのところそういった要請は米側からございません。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると将来も米軍の専用回線というものは、この六十チャンネルの中には入らないわけですね。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 もともと今回のマイクロ回線は、沖縄と内地との公衆通信線を整備強化するといった目的で作られるわけでございますので、軍が一般の需要者の一人としてその線を貸してくれ、あるいは通話をさしてくれといったような申し出があれば、これは当然利用の公平という立場といった意味において取り扱わるべきものであろう。軍であるから差別待遇をするということはできないと思います。ただそういったことは現在のところ予想されておりませんが、大量の軍用線として貸してくれというようなことがございました場合に、それが一般の公衆電話を圧迫するということであれば、そういったことは許されないだろうと考えております。

森本靖日本社会党

○森本委員 これは行政協定との関連はどうなるのですか。安全保障条約並びに行政協定によって、そのうちの何チャンネルかを貸与願いたいと向こうが申し入れをした場合は、あなたの方は拒否できるのでしょうか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 行政協定は日本内地における米軍とのいろいろなものに関する取りきめでございますが、その中におきましても、米軍に対する通信の提供、サービスの提供というのは、各省各庁並みといったことに相なっておるわけでございますので、それ以上のサービスということはたとい申し出がありましても、考えなくてもいいというふうに考えております。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうするとマイクロの中継所は、鹿児島−那覇間のどこにできますか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 経路といたしましては、鹿児島の牟礼ケ岡の中継所を通りまして、鹿児島県の大浦の中継所、それから大浦の中継所から奄美大島の名瀬に飛びまして、名瀬から油井岳、それから油井岳から沖縄の多野岳に飛ぶわけでございます。沖縄の多野岳から首里に飛びまして、首里から那覇に行くといった経路になっております。

森本靖日本社会党

○森本委員 油井岳というのはどこですか。僕は南方じゃないから知らぬのだが……。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 油井岳は奄美大島にございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると油井岳というところまでは日本の電電公社の所有になるわけですね。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 さようでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 それから先が結局琉球政府の電電公社、こういうことになるわけですか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 さようでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 向こうは占領下にあるということですから、これはおそらくそのままでやっていくと思いますが、それからこちらの方は日本電信電話公社ということになりますと、先ほどの専用回線云々の問題についても、やはりアメリカの方からそういう申し入れがあった場合に、現在の条約、協定、法律の範囲内では、私はあなたが言うように拒否するということはおそらくできない、こう考えるわけでありますが、ただここに非常に微妙な点は、一方だけの施設ではこの施設は使えないわけでありますから、そういう点で、この解釈がどうなるだろうかということについては、私もかなり研究をしてみなければならぬ、こう考えるわけでありますが、さらについでに聞いておきますが、那覇から台湾にこのマイクロを延ばすというような計画があるやに聞いておりますが、そういう計画がありますか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 国際的なマイクロ回線の構成という面から考えますれば、日本から琉球を経て、台湾経由で南方の方に行くというルートは当然に考えられるわけでございます。またそういった面の実験もある一部の向きで行なわれておるというのも事実でございますが、現在そういったマイクロ回線のルートが具体的に計画されているということは、現在までのところ聞いておりません。

森本靖日本社会党

○森本委員 これは総務長官に聞いておきますが、那覇から台湾に渡るというそのマイクロの計画は、現在の政府においてはないのですか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 現在においては考えておりません。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると新聞紙上をにぎわしておるような例のカラー・テレビを台湾に云々ということについては、あれは根拠のないことですか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 私は承知いたしておりません。  〔「逓信委員会だよ」と呼ぶ者あり〕

森本靖日本社会党

○森本委員 これは逓信委員会の問題じゃないのです。沖縄を中心としてのいわゆる通信政策であるわけですから、沖縄の問題は、今のところ行政権はこっちにないわけだから、やはりこれは内閣委員会で、南方地域の担当の総務長官の所管になるわけです。そういう観点から聞いておるわけでありますので、しばらく一つごしんぼう願いたいと思います。  そこでさらに私の方から聞いておきたいと思いますことは、この完成が三十七年の末、こういうことでありますが、これは六十チャンネルを一ルートになっておりますが、将来この機械設備でこのルートを増幅するということができますか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 現在計画いたしております機械設備で増設ということはできないわけでございます。ただたとえば将来テレビ・ルートをさらにふやすとか、あるいは電話を六十回線以上にふやすとかいうようなことであれば、さらに機械の増設を必要とするわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 これは下りのテレビの一ルートだけということになりますと、日本から那覇に行くだけのことでありまして、那覇からこちらの方に来るというルートはないということになると思うのです。そういう観点からいった場合に、今度のこのことによって、那覇の住民と日本の内地の住民とがテレビを通じて非常に親近感を持ってくるということは、確かに領土が返還される前の住民の感情としては、そのテレビの増設ということは非常にいいことだ。しかし向こうからのものもやはり一応こちらに上がってくるという施設があってこそ、初めて一つのテレビとしての——同時間に違った場所が同じように見られるというのが今のテレビの一つの威力でありますから、そういう場合に、たとえばわれわれが夢みていることは、将来北海道と沖縄が同時にテレビの画面に映って、一方には雪が降っておって、一方では海水浴をしておるというようなところが、実際の場面として映るというようなことが、非常に住民としても親近感を増すということは私はいなめない事実であろうと考えるわけでありまして、そういう点からいきますならば、せっかくこれを作るとするならば、下りルート一つだけであるということでなしに、やはり上りのルートも一応とっておいた方が一番無難ではないかというように考えるわけでありますが、その面の考え方についてはどうですか。これは郵政省でなしにこれこそ総務長官、一つこっちから一方的に行くようなことでなしに、こっちから行くのと同時に、向こうからもこちらの方にそれぞれ放送ができるという設備があって、初めて一つのテレビというものの威力ができるのじゃないか、私はこう思うわけでありますが、こういうことについては、この問題を検討する場合に、沖縄当局からそういうような要請はなかったですか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 実は提案理由にも申し上げましたように、沖縄側が日本のなまテレビを見たいということが非常な要請でございます。今森本さんがおっしゃるように、向こうからのも見れるということになれば非常にいいのでございますが、実はそういう要請はなかったのでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 私はそういう要請がないというのもおかしいと思って、それがために現地に行って調査してこようと思ったけれども、今現地に調査に行くことが非常に困難でありますので、その真相はわかりませんけれども、おそらく現地の那覇の人々は、やはり上りルートがあるということを私は非常に望んでいるのじゃないかという気がするわけであります。それと同時に、ちょっとここで聞いておきたいことは、沖縄における現在の放送局の設備はどういうようなものがありますか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 現在那覇にテレビ放送局は、民間テレビでございますが、二局ございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 民間テレビが二局、それから中波放送はどの程度ありますか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 中波放送も二局と聞いております。

森本靖日本社会党

○森本委員 中波放送が二局、民間テレビが二局、沖縄くらいのところでしたら、これはかなり繁栄をしておると思いますが、民間テレビの二局の場合、今言った下り一ルートについての協定は、民間テレビが二局あるとするならば、一局と協定した場合は、あとの一局はおそらくだめになってしまう、こう考えるわけでありますが、その場合の民間テレビの二局についてのこのルートの協定はどうなるのですか。それからついでにその民間テレビ局二局の名前を一つ正確に言ってもらいたいと思うのです。それから中波放送の……。

大竹民陟総理府事務官(総理府特別地域連絡局長)

○大竹政府委員 名前を申し上げます。テレビの方は、一つは沖縄テレビでございます。もう一つは琉球テレビでございます。中波放送の方も同様でございまして、沖縄放送と琉球放送、こういうふうになっております。

森本靖日本社会党

○森本委員 それでルートが一つしかないわけですから、琉球テレビと沖縄テレビの場合、二つの民間テレビが並立しておるとするならば、かりに今回のルートを取った方が勝ちでありまして、取らぬ方はローカルだけということになりますと、全くスポンサーがつかぬ、こういうことになるわけでありますが、その辺の措置はどうなっておるわけですか。

大竹民陟総理府事務官(総理府特別地域連絡局長)

○大竹政府委員 これはでき上がりますまでに現地におきまして話し合いを続けると思うのでありますが、ただいま私どもが琉球電電公社から聞いておりますところによりますと、おっしゃいますようにこちらから通ずるルートは一つでございます。向こうは二つ利用者がいるという関係になっておるわけでございますが、時間を区切りまして、双方に便利を及ぼすように話し合いを進めていきたい、かようなことを承っておるわけであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 大体そういうことで現地の二テレビ局は納得しておるのですか。

大竹民陟総理府事務官(総理府特別地域連絡局長)

○大竹政府委員 私ごく最近向こうに参りましたときに聞いたのでございますが、そういう構想で別に異論はないということでございました。

森本靖日本社会党

○森本委員 私が聞いたところによると、やはりなかなか深刻なところがあるのじゃないか。たとえば交互にやるにしても、いわゆるテレビ局には一番のタイムがあるわけでありまして、そういう点についてやはり問題があるのじゃないか、こういうふうに考えるわけでありますが、このことについては、ここでは笑いながら話をしておるけれども、実際は民間テレビの二局にはおそらくこれは死活の問題だろうと思う。だからそういう点については、十分慎重な検討と考慮を要するわけであります。われわれは残念ながら向こうへ行って直接聞いておらぬので、想像するだけでありますけれども、これはなかなか慎重なやり方を要すると思う。  ついでに聞いておきますが、この琉球テレビと沖縄テレビのメガサイクルは、日本でいうと大体何チャンネルでやっておるわけですか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 ここに資料を持っておりませんので、後ほど調べましてお答えいたします。

森本靖日本社会党

○森本委員 これは外国のことでありますから、逓信委員会でもこういうことは全然やったことはないわけであります。  ついでに聞いておきますが、中波放送が二局、民間テレビが二局でございますが、これ以外に米軍放送の中波ラジオ放送があると思いますが、どうですか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 あるように聞いております。

森本靖日本社会党

○森本委員 あるように聞いておるということですが、電波のことでありますから、当然日本の電波監理局としては承知をしておらなければならぬと思います。米軍の中波ラジオ放送の沖縄におけるKCと、それからその電力はどの程度か。これはやはり日本の内地における放送とも非常に関係がありますので、電波監理局長がおりますから、電波監理局長の方から御回答を願いたいと思います。

西崎太郎郵政事務官(電波監理局長)

○西崎政府委員 米軍の中波の放送局はございます。その電力は千キロであると承知しております。

森本靖日本社会党

○森本委員 その周波数は……。

西崎太郎郵政事務官(電波監理局長)

○西崎政府委員 もし間違っていましたらあとで訂正させていただきますが、たしか千百八十キロサイクルであると思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 日本の国内放送で千百八十に匹敵するような放送をしておるのはどの程度ありますか。

西崎太郎郵政事務官(電波監理局長)

○西崎政府委員 ちょっと今の御質問でございますが、電力でございますか、それとも周波数ですか。

森本靖日本社会党

○森本委員 KC、周波数です。

西崎太郎郵政事務官(電波監理局長)

○西崎政府委員 そのものずばりの周波数は使っておりません。

森本靖日本社会党

○森本委員 そのものずばりの周波数を使っておらなくても、その周波数に近い、若干混信を来たすというふうな波は日本にないのですか。

西崎太郎郵政事務官(電波監理局長)

○西崎政府委員 ございます。しかしそういった波は混信を避けて、たとえば北海道であるとか、離れたところで使っております。

森本靖日本社会党

○森本委員 沖縄における電波の監理というものは、全部米軍の監理という形になっておりますが、この波は国際的には日本に与えられた波であって、そしてこれを米軍が使っておるという形になっておるのか、頭からアメリカの波としてこれを使用しておるのか。

西崎太郎郵政事務官(電波監理局長)

○西崎政府委員 お説のように沖縄における電波監理は、米軍の監理下に置かれておるものと聞いております。従いましてそこで使っております電波は、日本に割り当てられた電波は使っておりません。

森本靖日本社会党

○森本委員 沖縄のようなところで千キロの放送というのは、これはどういう意味ですか。

西崎太郎郵政事務官(電波監理局長)

○西崎政府委員 はなはだ申しわけありませんが、その意図はよく承知しておりません。

森本靖日本社会党

○森本委員 これは重要な問題です。日本国内でも二百キロ以上の放送をほとんど許可しておらないというふうな現状において、沖縄で米軍のみが千キロの放送をしておるということになるとすれば、これはあながち現在の北鮮、中共、ソ連におけるところの中波ラジオ放送だけを攻撃するわけにはいかない。電波の世界においてもかなり国際的に協調しなければならぬ点が多いわけでありまして、こういう点でもわれわれとしては非常に疑問に思うておる点が多いわけであります。実際に困るのは日本の国内の中波ラジオ放送だ、こういう形になっておるわけでありますが、この沖縄の民間放送、それからテレビ放送という点についてはまだしも、米軍の千キロ放送ということについては、かなり考えるべき点があるのじゃないかと思います。日本政府はいまだかつてこれについて全然話し合ったことがない、こういうことでありますが、あえて私はそういうふうな千キロ放送が悪い、あるいは直ちにやめろというような意味でなしに、どうも電力からしてほかとのつり合いが全然とれないのじゃないか。おそらく千キロ放送なんというものをやっておるのは、極東においてはここが一番じゃないかというふうに考えるわけであります。沖縄は何といっても日本の領土でありまして、ただ施政権が向こうにあるということであって、沖縄住民はやはり日本の国民でありますから、そういう考え方からこういう電波界における違った扱いについては、日本政府としてもかなり関心を払って、米軍との折衝のときにおいても、こういう問題について話し合いを積極的にすることが必要じゃないか。向こうさんのやっておることだから、一切私の方では知りませんというふうな答弁では、私はどうも納得しかねる点が多いのでございますので、これはいずれ専門的に別の委員会でやりたいと思います。いずれにいたしましてもこういうふうな沖縄の電波界の現状については、日本政府としてもよそのことだから知らぬという今までのような態度を持たずに、やはり総務長官あたりと十分連絡をとりながら、郵政大臣がこういう点についても万遺憾なきをぜひ期してもらいたいというふうに考えておるわけであります。  それから次にお聞きしたいことは、この公社の一億三手六百万円というのは全部機材ですか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 さようでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうするとこの三億五千九百万円というものは、先ほど言った奄美大島の油井岳だけですか、そこでなしにそこから先の分ですね。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 さようでございます。ただし一億三千六百万というのは、これは公社から今度琉球電電公社の方に譲与しようというのは、例の撤去品を当てるということになっておるわけでございますが、その撤去品を新品として護得する場合の新品価格でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 人が質問しないことまで答弁する必要はない。僕は新品とか旧品とかいうことを聞いておるわけじゃない。そうすると、そういうふうな一億三千六百万円というものについては、全部機材である。これは全部琉球の電電公社に所属する、こういうことになるわけですが、そこで琉球の電電公社の方が日本政府に対して電話回線をどの程度望んでおりますか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 琉球政府の側の要望としては、六十回線電話が通るマイクロ施設ということでございます。六十回線とテレビ一ルートが通るマイクロ施設という要望をいたしております。

森本靖日本社会党

○森本委員 だからその六十回線の電話回線は全部使うというわけですか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 これは先ほども御説明申し上げました通り、この施設が完成いたします三十七年度末におきましては、六十回線というような回線は必要ではないわけであります。電話で、大体推測しておりますところでは、三十七年度末で電話回線として二十回線程度あれば、十分ではないかというような見通しを現在は立てております。

森本靖日本社会党

○森本委員 私の聞いておるのは、琉球政府が望んでおるのは何回線程度であるか、それから琉球政府としては東京直通線をどの程度望んでおるか。それから鹿児島直通線をどの程度望んでおるのか。要するに那覇から内地へ通ずるところの電話回線のルートを沖縄がどういうふうに望んでおるか、こういうことです。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 琉球政府の側の要望といいますか、要請は、内地からのテレビをなまのままで見たいということと、もう一つは琉球−内地間の電話サービスをよくしていただきたいというようなことでございまして、具体的に東京回線を何回線、鹿児島回線を何回線というような要請ではございません。

森本靖日本社会党

○森本委員 そんなことはないでしょう。沖縄の側としては電話回線をよくしてもらいたいということは、それは当然のことであって、よくしてもらいたいということは、現在無線でやっておるところの直通回線が二回線あるとすれば、鹿児島からさらに内地のマイクロ線を延ばして、沖縄としてどの程度の東京直通線を持ち、鹿児島と非常に連絡があり、福岡と連絡があるから、鹿児島と福岡はどの程度のルートを持ちたい、こういう要望があるはずです。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 総体的に通話サービスをよくしてほしいということでございまして、推計トラフィックから三十七年度末の回線数を予測いたしますと、必要とする回線数は出てくるわけでございますが、具体的に琉球側からの要請といたしましては、どこどこ何回線、どこどこ何回線というふうな形では要請はなされていないわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 おそらくそれは具体的な要請があると私は思うのです。また現在まででも向こうの公社としてはしておると思いますが、あなたがそういうことを言うならば、まあ手紙でも出して聞いてみないことにはわからないので、一回私の方でも調査してみます。  それから次に聞いておきたいことは、これから先のマイクロの料金関係、将来の沖縄と日本との間における料金関係のいわゆる決済、そういうようなものについてはどうなるのですか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 これは将来の問題といたしまして残されておるわけでありまして、これから琉球電電公社と日本電電公社との間で話し合いが持たれた結果、こういったことがきまるのだろうと思います。ただ予想いたしておりますところでは、電報料金につきましては、現在琉球との間の料金は国内並みの料金でございまして、双方で発信側、そういった形になっておるわけであります。それから電話料金につきましては、国際通話の例によりまして現在そういったことになっておるわけですが、今度マイクロ線ができたときにはどうなるか、これはいろいろなことが予想されるわけでありまして、たとえば琉球側と日本側とで料金折半という形になるのか、あるいは創設原価といいますか、そういったことからある特殊な比率をきめるというような形をとりますか、そんなことは今後の折衝になるわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 料金の決済ということは将来一番大事な問題であって、ものを作るわ、その料金の決済はこれからじっくり話し合いをするわということではどうかと思うのでありまして、すでにちゃんとマイクロ回線はどういうふうに設置をする、それから電話回線もこの程度できるということがはっきりしておるわけですから、私が先ほど言ったようにどういうような直通回線を作るのか、こういうことを聞いておるのです。それはこれから全部話し合いをしていくのだということになれば、ここで何ぼ質問してもだめですからしませんが、しかしそれならさらに聞いておきたいことは、これのマイクロの使用料については、沖縄の民間のテレビは琉球電電公社にそれを納めたならばよろしいのか、それから琉球電電公社と日本の電電公社とがマイクロの使用料については話し合いをする、こういう形になるのですか。それとも沖縄の民間テレビは琉球の電電公社にも日本の電電公社にも料金を支払うという形になるのか。  それから民間のテレビ局に対してもう一つ聞いておきたいことは、この流すテレビのルートは、今のネット・ワークでは民間テレビのネット・ワークがかなりたくさんありますけれども、この一ルートでは、私の想像ではおそらくNHKだけだと考えておりますが、これはNHKになるのですか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 NHKと考えるかというお尋ねでありますが、これは琉球側の希望によってきまるわけでありまして、それがNHKになるものか、あるいは民間のテレビのある系統になるのか、これは琉球側の希望によってきまりますけれども、おそらく双方ということになるのではないかと私は考えておるわけであります。  それからテレビ回線に対する使用料をどういうふうな形で払うのか、そういったお尋ねでございますが、この点につきましては今後やはり両者間で折衝が持たれた結果きまるものと思っております。

森本靖日本社会党

○森本委員 それも今後の折衝に残されたということで、今後の折衝に残されておることが非常に多いのですが、もう一つ問題になるのは、今民間とNHKと交互にやるということを考えておると言われておりましたが、そういうことになると日本のテレビ界というものは大きな混乱をするのじゃないか。日本のテレビ界は四つのネット・ワークを持っておるわけでありますから、NHKを入れるとかなりの数になるわけでありますが、それはそういうことをこの委員会において言うていいですか。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 ただいまの私の答弁が不適当であれば取り消したいと思いますが、これは私個人の、実は想像で申し上げたわけでございまして、何も根拠のないことでございます。これは一に沖縄側の希望によってきまるものだと存じます。

森本靖日本社会党

○森本委員 沖縄側の希望ということになると、沖縄が民間テレビについてはどこそこのテレビを流してもらいたいと言えば、それになるわけですか。日本政府としてはそれに対しては自主的な規制方法はないのですか。これは日本政府が電波行政のあり方から、沖縄にはたった一ルートしかないのであるから、それについては日本政府としてはこのルートが一番望ましい、こういうことをやらないと、テレビが三局も四局もあるから競争することはわかっておる。でき上がって紛争を来たすようなものをこしらえるよりは、でき上がるときにあらかじめこの一ルートについては日本としてはNHKを送るのが当然である、こういうふうにきめるなら最初からきめておかないとこれは混乱すると思います。

岩元巖郵政技官(大臣官房電気通信監理官)

○岩元政府委員 ただいまの問題は、非常にむずかしい問題であると存じます。沖縄側の希望も聞きまして、日本側としては慎重に検討いたした上できめなければならない問題であろうかと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 これは日本にとっても沖縄にとっても非常に重要な問題ですよ。これが二ルート、三ルートあるとするならば別です。しかし沖縄のようなところに——そう言っちゃ失礼ですけれども、沖縄に二ルートなり三ルートのテレビ・ルートをこしらえるということも、これまたいわばある程度の浪費ということになる。そういう点からいけば本来これは上り下りの二ルートあってしかるべきである。民間ルートが一つとNHKが一つとこれだけあれば、大体日本内地の各府県と同じような格好になりますから、そういうことになれば一番いいわけでありますけれども、一ルートしかないところにやはり問題があると思う。民間放送ということになりますと、これはドングリの背比べでありまして、どれをとるこれをとるということにはなかなかならぬ。そうなって参りますと、日本内地から沖縄に送るということになると、これを公共放送として日本政府も承認をし、また今公共放送のあり方について一生懸命努力しておるNHK放送というものをこの中に入れるのが、日本政府として最も望ましいことじゃないか。その中で日に一時間なり二時間なり民間放送を入れるということになれば、おれのところもおれのところもということになると思うわけでございます。これは総務長官、もうここへくると技術的な問題ではございません。もはや問題は政治的な問題になってきます。そういうふうなことについて、こういう設備を完成し、また沖縄の住民に喜んでもらおう、こう考えておると思いますけれども、そのせっかくの情けがあだになっては何にもならぬわけであります。そういう観点からいくとするならば、総務長官はこれについてどうお考えですか。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 ちょっと答弁の前に関連して。長官は昨年現地に参られまして、当然こういった問題については現地の要望もあり、また政府としての考え方もお話しになってきていると存じますので、そういった立場から今の森本委員の質問に対しての御答弁をいただきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 私からどれにということをきめてお答えするのは不適当かと存じますが、今森本さんのおっしゃることは、確かに非常に重要なことでございまして、沖縄の希望もございましょうけれども、また日本政府として内地のテレビ等に対する行政の立場もあろうと思いますので、そういう観点からきめて参りたいと考えている次第であります。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 現地ではお話ししなかったですか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 現地でどこの波を流してくれということの希望は、私に関する限りございませんでした。

森本靖日本社会党

○森本委員 この法律案件そのものは非常に簡単な法律案件ですけれども、内容は将来の沖縄にとってはきわめて重要な意議を含んだ法律案件であります。今日電波、放送、通信というものは、時代の先端を行っておるものでありまして、しかもこれによって沖縄と日本本土とがきわめて親近感を持ってくるところの問題であります。そういうような重要な案件の提案をするにあたって、その中における重要な事項が全部まだ解決がついておらない、すべてこれから話し合いをしていく、そういうふうな態度はまことに遺憾であると考えるわけであります。  ついでにもう一つ問題を提起しておきたいと思いますが、かりにどういう話し合いがなされたにいたしましても、半分は絶対にNHKのテレビを流すということにはなろうと思います。その場合、今まで国内においてもNHKではそういう制度はありませんから、その場合にNHKの流すところの放送の料金というものがどうなってくるのか。今まで内地で取っておるところの三百円のテレビ料金は沖縄で取ることになるかというと、とても沖縄では取れぬ。そうかといってNHKがそういうふうな料金を支払ってもらったような例はない。そうなって参りますと、かりにNHKを流した場合に料金はどうなるのか。人間金の問題が一番大事でありますから、そういうふうな放送にまつわるところのNHKの料金問題等については一体どういうふうにお考えになっておるか。総務長官としてはそこまでお考えになっておらなければ、考えておらなかったと言えばけっこうでありますが、これは非常に重要な問題でありますから特に聞いておきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 私の方は実はそこまで考えておらないのでございますが、問題を御提起になりましたので、その辺は郵政当局と十分打ち合わせをいたしたいと考えております。

森本靖日本社会党

○森本委員 まだたくさん質問がありますけれども、相当時間もたちましたので、一応この程度で私のきょうの質問を終わります。しかし先ほど来の質疑応答を見てもわかりますように、重要な問題がすべてこれから先の話し合い、交渉に残されておる。それからまた検討しなければならぬという答弁が非常に多いのでありまして、そういう点で政府側がこれを提案をした心がまえというか、準備というか、そういう点について私は大いにここで不満の意を表明しておきまして、一応質問を終わることにいたします。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 各案についての残余の質疑は次会に譲ることといたします。  次会は明三十一日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十九分散会

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