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38回国会衆議院1961/03/23

内閣委員会 第15号

発言数
98
登壇者
10
会派数
3
開催日
1961/03/23

会議録

久野忠治自由民主党

○久野委員長 これより会議を開きます。  通商産業省設置法の一部を改正する法律案、外務省設置法の一部を改正する法律案及び在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案の各案を一括議題として、質疑を許します。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田口誠治君。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 私は産業構造調査会を新設する件について若干質問を申し上げたいと思うわけでございます。先日提案の説明を受けました提案説明書の内容を見ますと、どうもふに落ちない点もございますので、そういう点を明確にして、徐々に質問をしていきたいと思うわけでございます。  この産業構造調査会の新設の理由といたしまして特に強調せられましたことは、日本の経済の高度な成長の現状と、そうして今後の見通しというようなことから考えてみますと、国民の福祉の向上をはかるにはやはり現在の状態のままではいけない、将来のことを考えて、将来の雇用事情や、あるいは内外の需要動向等に即応した産業構造の改変をいたしたいということであったのでございます。そこでこういうような考え方の上に立って理由が述べられたのでございますが、特にその説明のときに私にぴんときましたことは、この段階になってから、説明書にもありますように、日本の産業の二重構造の実態、すなわち産業の総合的な実態を把握したい、また産業相互間に包蔵する諸問題を解剖してみたい、こういうことから、ここで産業構造調査会を作って、そうしてこの中で研究をして、貿易・為替の自由化計画に対しての産業の強固な実態を作りたいというのが、説明の内容であったわけでございます。  そこでお伺いをいたしたいと思いますことは、この調査会というのは、まず三十八年度を一応の目途として、結局三カ年間を目途として行ないたいということでございますが、今の日本の中小企業の置かれているところの諸問題を解決するには、スローモーション的な対策を立てておっては、とても貿易の自由化に対しての対策にはならないと思うので、こういう点について私の受け取ったことと、それから提案された考え方と相違があるかもしれませんので、まずもってこの点についてはっきりとしておきたいと思うわけです。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 わが国の産業が二重構造でございまして、これを解消して、産業全体の近代化をはかるということの大綱については、今さら調査会を設けてどうのこうのという必要はもちろんないわけであります。もうすでに自由化ということに当面しておる、また所得倍増計画のスタートを今や切らんとしておるという状況でございますから、その大きな見当について今さら調査をするというようなことでは、これはもちろんおそ過ぎるのでありまして、タイミングが合わないことは申し上げるまでもないのであります。ただそういう実施段階に入りまして、具体的に各産業別にどういうふうにこれを持っていけば近代化になるか、あるいは産業構造の高度化、あるいは二重構造の解消に近づくことができるかという、その実施段階に入って具体的な吟味をしながら進んで参るという段階でございますから、いわゆる一般論からもうすでに各論に入っておる。その各論の具体化についての調査をしながら実行に移して参る、こういうつもりで今回の審議会を設けたいというのでございます。  それから三十八年度までというのでは、もう事柄がおしまいになってしまうのではないかというお話でございますが、これは端から具体化を調査して、そうして三十八年度に全部を終わるというのではなくて、毎年々々とにかくこれを吟味していく、そしていわゆる実行計画というものを吟味して参る、最後の自由化、一応のその自由化の区切りを三十八年度にしておりますが、それと歩調を同じくして、吟味調査しながら具体的に実行し推進して参る、こういう趣旨でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 御答弁がちょっと抽象的で、まだ私の考えておることと相違があるようにも考えられますので、なお突っ込んで御質問したいのですが、この調査会というものは、端的に言って、大臣が将来日本の産業のあり方をこういうようなあり方にしたいという一つの抱負をお持ちになって、その上に立って調査会を設けて専門的に研究をしてもらい、それの答申を受けて実施に移していきたいというお考えなのか。その辺のところが、何のためにその調査会を設けられるかというその目的、この点がちょっと明確を欠いておりますので、はっきりしていただきたいと思うのです。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 これからの日本の産業の行く手と申しますか、これを輸出貿易について申し上げるならば、過去においては日本は紡績を初めとする軽工業で世界の市場に進出しておったのでありますが、すでに今までの需要国がだんだん繊維工業というものを興してきておる。需要国が供給国になっておるというような関係にございますことは御承知の通りであります。それに従って、一体日本はどういうふうにこの世界貿易というものに進出すべきかということになるのでありますが、最近の動向はどうしても重化学工業を中心として世界市場に進出することにわれわれの使命を見出さざるを得ない、こういう状況でございますが、はたしてそれでは日本の国内の産業の状況はそれに適しておるかどうか、適格性を具備しておるかどうかということを反省してみますと、なるほど昔よりは機械工業を中心として、日本の産業というものは非常に内容が変わって参りましたけれども、まだまだその間に脆弱性がある。これをもっと固めて、そして国際競争力を十分に備えるためにはどうすればいいのかというような点にだんだん深く探りを入れて参りますると、御指摘のような中小企業と大企業との関係、これもその系列関係にあるのでありますが、その系列関係もまことに不備欠陥だらけである。いわゆる二重構造である。その二重構造の面についてもいろいろ手を加えて、その二重構造を解消し、そうして中小企業を中小企業として相当な力と技術力、経営力というものを十分に備えて、そうして日本の機械工業の一環としてもっとこれを向上さしていかなければならぬという点もございましょうし、そのためには資金関係あるいは税制の面、技術、経営力の指導の面、その他万般の国内体制を強化すべき余地が多分にある。また大工業についても、まだまだ技術力の点において先進国と比較して遜色があるというような点につきましては、あらゆる施策をいたしましてこれを適当に指導、誘導して、その強化をはからなければならぬ。そういうような点が、いわゆる日本の産業の構造面から問題を考えていかないと、今までの状態、今までの構造のままで、ただ勤勉にやれとか工夫してやれとかというふうなことではなしに、その構造面にさかのぼって、そこから問題を解決するように努力しなければならぬ。こういうことなのでございまして、それをただ一般的に大体見当はついておるけれども、それでは一体化学工業についてはどうすればいいのか、機械工業の重要部分についてはどうすればいいのか、そういう点を具体的に関係の経験者あるいは学識経験者というような人々の意見なり、あるいはわれわれの見た一つの見方というようなものを突き合わして、そうしていわゆる明日どうすればいいか、あさってはどうすればいいかというような具体的な計画をそこに立てて、それに基づいて実行しよう、こういうねらいでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 相当幅広いお考えのようでございまするが、提案の理由書にも、将来の雇用事情というような点も憂慮されておるわけでありまするから、もちろん現在の中小企業の実態、それから親企業、下請企業の実態の隘路というものを解消していかなければならないという点は重々知っておられると思いますので、そういう審議会と並行して、今申しましたような親企業、下請企業の関係、中小企業の対策、こういうような面は並行してやはり強化策をとっていかれるのか。この審議会で大まかな一つの今後の計画というものを立てて、それにのっとっておやりになるのか。その辺のところはどういう関係になりますか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 お話のように中小企業の振興はどうすればいいかということは、別途にこれはまた考えておるわけでありますが、日本の産業全体の産業構造の高度化という、もっと広い、高い見地から見た場合に、一体どうなるか。大企業と中小企業との系列関係、あるいは今御指摘の雇用関係全般から見て、つまり人は有限である。その人を最も、何といいますか、計画経済ではございませんけれども、最も能率よく、雇用条件をよく、そうしてそれを配分してみるというふうにすれば、一体どういうことになるかというような一段と高い見地からも十分に吟味して参るというのでございますから、従来やったのと必ずしも重複するということは私はないと思う。むしろ中小企業なら中小企業の振興について、あるいは近代化、設備近代化というような施策が従来行なわれておりましたが、それをまた大きくくくった大カッコで産業構造の高度化という見地からそれをまた掘り下げて、他の部面との調整をどうするかというようなことを考えるのでありますから、必ずしもその間に重複の問題は起こらないと考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そこの点がどうも考え方の相違があると思います。それで大臣の方では貿易の自由化に備えて、激烈な各国の競争の渦中の中で日本の産業全体が発展をし、強化されていくという方策をとるための、一つの構造調査会というものを設けたいというようにお考えになっておられるのですけれども、その貿易の自由化そのものにおきましても、貿易の自由化を行なうのだということで、そういう言葉が新聞にどんどんと出されたり、あるいは政府の談話が出されたりしただけで、早くも一般の大企業、中小企業の動揺ぶりというものは、非常に大きな動揺ぶりを示しておって、そうして産業によっては早くも自由化に備えて下請の下払い賃金を抑圧するような態度に出ておるところもあるわけなんで、それでこういうような実態のままにおいて、総体的な面に立って一つの日本の産業のあり方というものを検討されても、その三カ年のうちに、参るところは全部参ってしまうのではないかという、極端な話でいきますとそういう考え方ができるわけなんです。従って今お出しになったような調査会を設けて検討をして、そうして強固な日本の産業構造のあり方をここに明確に打ち出していくということについては、その考え方においては異論はないわけでございますけれども、その間において、私が先ほどから質問し、また主張しておりますところの、現在の中小企業の実態とか、あるいは親企業と下請企業の実態を解決していかなければ、この自由化に備えることができぬのではないか、相当に破産をする企業ができてくるのではないか。これがわれわれとしては大きく心配をしておるところなんです。従ってこれは数字に示すように中小企業というのは、これはパーセンテージからいきましても絶対多数のパーセンテージを示しておるのでございますから、これがすなわち日本の経済の発展を左右するわけなんでございますから、切り離してのお考え方であるなれば、私はここで並行して中小企業の対策はどうするのだとか、親企業と下請企業との関係を今後どうするのだというような計画が、通産省の方におありにならなければならないと思うわけなんで、そういう点の抱負を承りたいと思うのです。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 中小企業等を中心としてこれを一体どうするか、貿易自由化に当面して一体これをどうするかというような問題は、従来とも、また現在においても、通産省の所管局において検討し、またこれに対する施策を行なってきておることは御承知の通りと思います。産業構造の高度化審議会ができたから、しばらくそっちの方はストップしろということはいたしません。これは従来のものは従来のままで、中小企業というものの振興、この今日の事態に当面してどうすればいいかということについての施策は、従来通りこれは強力に行なって参りますが、だんだんやはり情勢が変わって参りますから、もっと高い見地において、産業構造の一環として、今度は中小企業というものを高い見地からまた見るということも、私は必要欠くべからざる問題であると考えるのでございまして、その間の調整は十分にとって参らなければならぬと考えておる次第であります。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 どうも御答弁が抽象的になり過ぎて把握ししにくいわけなんですが、今のお答えからいきますと、産業構造調査会を設けて、日本の将来に備えての産業構造の、大規模な理想的な産業の実態を作り上げるのだというお話でございまするし、それに並行して中小企業の対策にも万全を期していくという御回答であるわけなんですが、御承知の通り中小企業の対策ということにつきましては、これはまことに政治の貧困と申しますか、冷や飯扱いされておるといいますか、この対策については政府そのものが手をやいておるというのが実態であろうと思うのです。それでここにありますところの産業の実態を総合的に把握するとか、また産業の内部及び産業相互間に包蔵する問題点を解明し、解剖をしていくということを今おやりにならなくとも、そうした実態の調査というものは、通産省にはもうできておると思うのです。できておるのだから、こういう調査会は調査会でおやりになってもいいのですけれども、もう貿易の自由化というものはどんどん進められていく。その過程において非常に激しいところの競争の中にあって、日本の中小企業が破産するというようなことは、今のままではこれは考えられるわけなんですから、こういうものの対策についてどういうようなお考えを持って今後おやりになるかという点を、もう少し大臣としての、今の実態にかんがみて将来どうするのだ、さしあたりどう手をつけていくのだというような抱負は当然おありになると思うので、その点を明確にしてもらいたいと思うのです。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 すでに貿易自由化に当面し、これからまたどんどん実行されて追加されて参るのでございます。その間に処して中小企業が、中小企業といいましてもいろいろ業種によって一律ではございまん。その自由化の影響を受ける態様は非常に多岐複雑でございますから一がいには言えないのでありますけれども、個々の中小企業で困難な状況に当面するのもございましょうし、またむしろ自由化によって従来よりも活発に動く業界もございましょう。いろいろあると思うのでありますが、とにもかくにも悪い影響を受ける中小企業に対しましては、そういうことのないように、事前に相当準備態勢を整えて、そしてしかる後に自由化を実行するという考え方で終始いきたいと考えておるのでありまして、そのために必要であれば、あるいは関税制度等によって相当の防壁を設けて、そしてしかる後に自由化を実行するというところまで参るのでございます。なおしかしいろいろ予想と現実とが狂う場合もございますから、そういう場合の措置としては、その事態に当面して適切な指導をいたしたいと考えておるわけであります。なおその実態等につきましては、官房長からお答えを申し上げたいと思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 中小企業の対策については、これは御承知の通り金融関係の援助措置として法律が三つ四つございまするが、そのほかに下請代金支払遅延等防止法というのが、ただ一つ中小企業の大きな味方になるといわれておるものでありまするけれども、この法律が一つあるだけで、この法律そのものもその内容がきわめて貧弱であって、この法律があるがために中小企業を強化していくというような内容のものではないわけなんです。従って今の主張されておりますところの、貿易の自由化に備えて、日本の産業構造というものを変えていかなくてはならないということになりますれば、当然今の中小企業が低賃金に押えられて、そうして対外競争というものは十分にできない。こういう実態にあるのだから、貿易の自由化に備えれば、当然対外競争にも十分たえられるような企業実態を築き上げてやらなければならないと思うので、そういうことからいきますると、従来とってきた程度の金融の援助政策くらいでは、これはとても追っつかないと思うのです。従って今の産業構造の一環としてこういう中小企業の強化策を考えていけば、現在の実態を一歩前進したところの一つの共同化というようなものも考えられると思いまするし、そうしてまたこの近代化をほんとうの柱として、積極的な振興への政策というものを根本的にこの際考えてみなくてはならないのじゃないか、こういうように考えられるわけでございます。従って今の産業構造調査会において、産業の実態を総合的に把握をしたり、産業内部及び産業相互間におけるいろいろな包蔵しておる問題点を解剖したりして、一つの将来に備える産業構造の実態を築き上げようとするなれば、一つの例を申し上げますれば、中小企業の場合は中小企業の基本法というようなもの、今農業基本法が出ておりまするが、基本法というようなものをお作りになって、そしてそういう中において日本の中小企業の実態を強化していくというようなことも一つの方法であろうと思うのです。こういう点について、最近なられた大臣でなくともよろしいのですが、今まで専門的にそうした面を研究しておられる局長さんの方でもけっこうですけれども、そういう抱負について一つ御説明を願いたいと思うのです。

樋詰誠明通商産業事務官(大臣官房長)

○樋詰政府委員 今の先生の御質問にあるいは直接のお答えにはならぬかもわからぬのですが、先ほど大臣がいろいろ申し上げました点と重複するかもしれませんが、通産省は、先生の御指摘のように、今までも実態調査をいろいろやって参っておりまして、それに基づきまして昨年の六月も、大体今後約三年間に八割くらいまで自由化したいといったような貿易自由化計画大綱といった大きなワクをきめたわけでございます。今後三年間に八割、もしエネルギー関係を自由化いたしますれば、九割までは自由化をしようという、非常に大きなデッサンだけはできたのでございますが、それぞれの産業ごとに、非常な競争力を内蔵しておるものもあり、弱点を持っているものもある。しかも相互の関連がお互いにからみ合っておりまして、片方の産業に一つの影響が起こると、それが波及して隣の産業に非常な影響がくるといったような微妙な問題もございますし、特に大企業と中小企業が併存しておる、あるいはその中小企業が非常に非力になっておるといったような各種の産業等におきましては、それを自由化することによって非常な影響があるいはくるかもしれない。ところがこの自由化ということは申し上げるまでもございませんが、日本産業自体の発展のために、日本の真の競争力を強めて、将来国民全体のレベル・アップのために行なうものでございますので、この自由化したためにどこかにひずみがくるというようなことであっては大へんだ。そこで一応大きな線としては、大体三年間に八割程度まで今のテンポなら自由化できるであろうということは見通しが立ったわけでございますが、凡百の産業につきますと、それぞれの立場からもう少し掘り下げた検討が必要ではないか。実は三十五年度も七つの業種あたりにつきましては、相当掘り下げて縦横から分析してみたわけでございますが、いよいよ自由化計画大綱にのっとって具体化するということになりますと、七つや十の業種だけでなくて、ほとんど全産業というものについての分析が必要になってくる。この結果どうしても自由化できないといったものがあれば、これは当然自由化いたしませんし、自由化いたしますためには、こういう措置をとって初めて自由化できるのではないかというような方策が示されるものがあれば、そういう方策をまずとって、そうして受け入れ体制を作ってから自由化する。自由化はあくまでも計画的に、まず日本が自主的にやるものでございますので、そういう受け入れ体制を作ってから自由化するという必要が当然出てくるわけでございまして、そういうような個々の産業について、あるいは中小企業全体という問題について、現在のやり方ではあぶないからこういうことをやるべきだ。こういう受け入れ体制が整った場合に、初めてこの産業は自由化できるといったような問題点が指摘されましたならば、それをどういうふうな格好に行政の面に反映さして、いわゆる政府の施策として実現するかという、政府の具体的な施策を発見する一つの方法論ということで、この調査会を活用したいと思うのでございます。従いまして今いろいろお話のございました下請代金の遅延といったものと、それは自由化するかしないかということに関係なしに、当然やらなければならないことでございます。それから中小企業全体につきましては、もし今のままの金融制度というものでは不十分であるということになれば、さらに今後新しい金融援助の道、あるいは税制関係ということについても、いろいろ全体的な問題として検討していくのは当然でございますが、この産業構造調査会では、個々の産業自体に対してどういう考慮をしなければいけないか、またその考慮がほかの産業にどれだけの影響を来たすかといったような相関関係を明らかにしまして、抽象論でなしに、具体的な政策に持っていくためにはどういうことをやらなければならないかという、その方法を見出したいということでございます。申し上げるまでもございませんが、鉱工業を中心にいたします経済情勢というものは、ネコの目のように変わっております。従いまして三年間でございますが、もちろんわれわれはできるだけ早く一通り全部当たっていきたい。しかしそれが検討を終わるころに、また新しいいろいろな技術革新その他というようなこともあって、さらに新しい情勢がきているかもわからないということから、通産省の正直な腹といたしましては、一回分析をしたら終わりでなしに、毎年々々それを繰り返していかなければならない、そう思っておりますが、とりあえずは三十八年を一応の目標に、自由化計画大綱というものがきめられておりますから、それまでの三年間は毎年々々、より新しいデータをもとにして、より総合的な分析をしていきたい。その上で三十八年になりましたならば、さらにその後どうするかということにつきましては、あらためて御審議を願いたいと考えておるわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 外務大臣がお見えになっておりますので、他の先生がその方面の御質問もあるようですから、ちょっと私は中座いたしまして、あとから継続させていただきます。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 受田新吉君。

受田新吉民主社会党

○受田委員 外務大臣はお時間が制限されているようですから、端的に簡単にお尋ねをしたいと思います。従来この委員会に外務大臣が、法案の提出の際に御出席がほとんどなかったということについては、私たち非常に不満を持っていたわけです。きょうはあなたがおいでいただいて質問にお答え願えるということで、今後こういう慣例をどんどんお作り願うように希望を申し上げておきます。  それで今度出された二つのあなたの方の御提案にかかわる法案につてお尋ねをさせていただきます。この外務省設置法の関係では、今度欧亜局に中近東部を置くという御提案であります。欧亜局というこの局は、一体所管がアジア局とどういう分け方をしてあるのか。アジアの中で欧亜局の方へ入っている地域はどことどこであるかということを再確認をする必要がありますので、御答弁を願います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 中近東という概念とアジアという概念が非常に交錯しておるわけでございまして、欧亜局の方へ入っておりますのが、中近東関係でございますが、アフガニスタン、トルコ、こういうようなところが従来欧亜局の中で所管されておるのであります。しかしこの提案の際に提案理由としてお聞き取りをいただきましたことでございますが、現在アジア、アフリカ諸国中、特にアフリカ地域におきまして、昨年一カ年でも十七カ国が独立いたしました。中近東、アフリカ地域の独立国は三十六カ国の多きに上ります。そんな関係で非常に欧亜局の所管というものがふえて参ったわけでございます。従来の地域は同じでございますが、国としての対象がふえてきたわけでございます。なかんずく新たに独立いたして参りました国々は、かつて植民地ということであったわけでございまして、いわゆる西ヨーロッパの国に対する関係を持つ局長がそのままの形で、なまの形で新しく独立したアジア、アフリカ、ことにアフリカの国と折衝に当たるということは、どうも全体的に見て感触がいかがなものか、こう思われる点がありますので、かように欧亜局の中に特に中近東及びアフリカの諸国に対する外交事務の円滑化を期するために、中近東アフリカ部というものを設けるように提案しておるわけでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 現在欧亜局の中にある英連邦課の管轄区域はアジア州の中においてはどこであり、その他の分はどこであるか、お示しを願います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 欧亜局の中のアジア関係と申しますと、俗に大洋州といっております豪州及びニュージーランドということになります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 英連邦の豪州、ニュージーランドのほかにどういうところが英連邦課の中に所管されておりますか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 英連邦のほかに、今申し上げた大洋州の二つの国、それから南アが入っております。これは今度抜けたわけでございます。それから旧イギリスの植民地でございましたガーナ、ナイジェリアとかが入っておるわけです。トーゴが入ります。それだけでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうしますと英連邦課の中にあるアフリカの地域は、今度中近東部ができればその方へ吸合されることになるわけですが、そこの所管がえというものをどういうふうに考えておられるのか、お伺いします。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 事務的な取り扱いでございますから、関係の政府委員をして答弁いたさせます。

北原秀雄外務事務官(大臣官房総務参事官)

○北原説明員 お答え申します。中近東アフリカ部の設置に伴いまして、アフリカをどういうふうに管轄するかという御質問でございますが、従来は英連邦課において、先ほど外務大臣からお答えございましたようなナイジェリア、ガーナ等を管轄して参ったわけでございます。それから東部アフリカの英領諸国、保護国、信託統治地域等は英連邦課でやって参ったわけでございますが、今回中近東アフリカ部の設置に伴いまして、アフリカに関しましては、中近東とサハラ以南のアフリカ、ほとんど中近東アフリカ部で所管するという原則のもとに、政令を制定するように検討いたしております。ですから中近東アフリカ部の設置に伴いまして、従来植民地として本国と同じような主管を行なっておりましたものは全部はずしまして、一応地理的な観念を表面に出して参るつもりでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうすると英連邦課の所管は、管轄区域は非常に狭まるわけですね。独立の課として、非常に小さい規模になるということになりますね。

北原秀雄外務事務官(大臣官房総務参事官)

○北原説明員 英連邦課といたしましては英本国と、それから先ほど来大臣からお答えございました大洋州——豪州、ニュージーランド、それからアフリカ地域にございます高度の自治性を持っておる地域に関しまして、たとえばニアサランド、ローデシア、あるいは東アフリカにおけるケニア、ウガンダ、そういうところについてのある程度の外交権と申しますか、自治権を持っておりまして、外交の面に関しましてもある程度の独立性を持っておりますので、そういう地域の外交に関する部面を英連邦課で見ていく。それから地域そのものに関しましての政務とか経済面は、今度の新たな中近東課ないしはアフリカ課の方で見ていくという考え方でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 アジア局と欧亜局にまたがるソ連邦、これは一体どういうふうな分け方をしてありますか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 これは欧亜局で所管しております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうするとシベリア地域、つまり東部ソ連地域は、アジア局でなくて全部欧亜局の所管ということですね。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 さようでございます。欧亜局の所管でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 英本国は西欧課の所管でなくて英連邦課の所管、こういうことになるわけですね。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 そうでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 この所管の問題で、豪州やニュージーランドのような地域を欧亜局の方へ入れて、アジア局の所管に当然入るような地域、ソ連邦の東部地域なども欧亜局に入るということになると、各局の所管というものが非常に入りまじって、外務行政をされる上に不便な点はないか。今度中近東アフリカ部というものをお作りになる機会に、そうした全面的な所管の問題が検討さるべきではないかと思うのでございますが、そういうことをお考えではないのでございますか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 最近いろいろ世界情勢の変化、またその国自身においての意識の変化というものもあるわけでございます。たとえば大洋州におきましてオーストラリアはやはりアジアの国なんじゃないかというふうな考え方も、少数ではございますが台頭しておるような感じがするのであります。しかしこれをもって直ちに、であるからこれはアジアの方の所管にというふうに一気に参りますのも、まだ情勢が熟しておらぬような感じもいたしますし、たとえばシベリア地域を分けるというような考え方になりますと、やはりこれは国単位で考えていった方が全体の外交関係の所管としては適当でございますので、御意見のような点で常に世界情勢をよく見て、それにふさわしいような行政機構を考えていくという点は常に心すべきことかと存じておりますけれども、現在のところではさように考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 英連邦に入っている国国、独立国家としての形態を一応備えておる国々、こういう国々が相次いで生まれてきておるわけであるし、従来英連邦の中に入っておったアフリカの植民地もそれぞれ独立国という形を一応とってきた。ただある面における実権を英本国が握っておるというような形になっておるわけでございますが、英本国と従来のその植民地との間を一連のものとして依然としてつなぐ必要があるのかどうか、一つこの点をお答え願いたい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 特にございませんわけですが、先ほど北原説明員からお答え申し上げましたように、たとえばケニア、ウガンダ、タンガニカというような国は、高度の自主性は持っておりますけれども、現在依然として保護国の立場にある、こういう中間的なものも中にはあるわけでございまして、そういう点を考慮しながらいかなければならぬと思います。しかしいずれにいたしましても中近東、アフリカの国々は、今後われわれとして非常に大切な関係を考えていくべき国だと存じまするので、ここで一つ部を作っていただくということをお願いしたわけです。しかしその部を作るにいたしましても、従来関係のあった欧亜局から離すことは、どうも現在の情勢、運営能率の点から見まして得策でない、かような考え方をとっておるわけであります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 外交事務の運営をはかる上に飛び地的な存在を認めて、その間の調整をはかるということは、非常に困難な問題にぶっつかると思いますし、特にアジア局の所管として地理的に見ても政治的に見ても、当然この方へ入るべき性格を持っておる今御指摘のニュージーランドとか豪州とか、こういうようなものが欧亜局の方へ英本国のつながりで残っておるということも、ちょっと奇異な感じがするわけでございますが、いかがですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 先ほど申し上げたように、まだこれらはアジアの国としてわれわれが考えていくにふさわしい考え方が、先方にも十分成熟しているわけでもございませんので、そういう点から見まして、英連邦としての従来の考え方もまた捨てがたいものもございまするので、この際はこの制度でいくのがよろしかろう、こう判断しておるわけであります。現在アジア局の所管と申しましても非常に実は問題が多いのでございまして、これに直ちに大洋州の国をつけたから非常に行政能率がよくなるかと申しますと、どうもさようには思えません。ただしかし御承知のようにわれわれ外地の在外公館の諸君にできるだけ日本の政治、経済の情勢の実態を知らしめるために、またわれわれもなまの声を聞くために公館長会議というものを催しておるわけでございますが、アジア公館長会議を催します場合には、豪州、ニュージーランドの公館長にもそこに出席してもらっておるというようなことを運営上いたしておるわけであります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうした運営上、公館長会議なども新しい形態をとっておるという事態に差し迫られておると思うのです。特に英国を独立の課として重視しているということは、気持の上ではわかるのでございますが、西欧課という一つの所管がある。そして今度アフリカの地域の分は中近東アフリカ部に入っていく。こういうふうな新しい所管がえ、配置がえというようなこともされておるような機会に、この所管の根本的な検討を加えて、外交事務の運営が円滑に行くように、そうしたオブザーバーで公館長会議などへ出るというような形のものでなくて、もっと本質的な外務行政の再検討というものをお考えになる必要はないのですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 御意見はなかなか傾聴申し上げておるわけでございます。ただ、たとえば豪州をとってみましても、日本との関係が非常に密接になって参りました。しかし英本国との関係というものはやはりこれに優先いたしておると考えなければならぬのであります。輸出の状況一つとってみましても、日本が最近非常に羊毛を買うので、豪州の輸出先として日本は第二の国になっているのは御承知の通りであります。しかし依然としてイギリス本国に対して特に域内輸出をいたしておるわけであります。現在この英連邦の観念から一方に見て、一方にわれわれは豪州との関係をできるだけよくしていくという目からこれをながめる。二つの面から見る方が現在のところよろしかろう、こういう状況でございまして、一気に制度改正にいくにはまだ機が熟していないのではないか、かように考えまして、現在のような体制で御承認を願っておるわけであります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 すでに国連の一員としてアフリカの独立国が相次いで参加しておる。しかもさらに数カ国が近く独立するであろうという情勢にある。こういうときに、英本国との関係あるいはフランス本国との関係というような、そうした本国及びこれに伴う連邦というような形で、いつまでも旧観念でこれらの新独立国をながめるということは、一つ検討をすべき——また独立した国家に対しても、お前の国は独立国になったけれども、まだ英連邦との深いつながりが経済面その他で残っておるので、本国のつながりに残しておくのだ、こういうような形では、新たに独立した国家に対する一つの権威を守るためにも私は問題があると思うのです。今度ローデシア・ニアサランド連邦等が次々に独立するであろう、こういうように提案理由にもありますけれども、それらが独立したら今度は中近東アフリカ部へ入れる。独立する前には英連邦課に残しておくのだ。こういうような考え方は、まだ依然として封建的な旧観念が外務省の行政事務の上に残っておると思うのです。思い切ってこれらの独立国家を本国と変わった角度から、その地域におけるりっぱな人格を形成した国家として見ていくというような、そういうたとい小なりといえども、——国という言葉が総理大臣によって発言されたことがありますが、そういうことでなくて、一個のりっぱな人格を持つ国家として認めていくような外交行政をなさるということは、外務大臣としては大事なことじゃないかと思うのです。大臣の御意見を伺いたい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 所管が欧亜局の中にあるということで、すべて独立性を見ないというふうには先方も考えないだろうと思っております。また考えないのみならず、これは外交的にそういうことがどこの国でも行なわれておるわけでございます。実態的にはもちろん英連邦課の中にあるのではなくて、中近東アフリカ部の方においてアフリカの新独立国との外交関係を処理していこうということでございます。今お話の点などにつきましても、いわゆる外交機構としての面ではさような扱いになっておりますけれども、実態的にはもうじき独立するというような国に対する所管事務というものは、新たに御承認を願えますと期待いたします中近東アフリカ部において所掌する、かようなことになっておるわけであります。たとえばタンガニカの何とか大臣が来たということになりますと、その人たちに対する接遇というものは中近東アフリカ部の方でやる。これは形式的に英連邦課の方でやるということでありましても、さようなことをやっておる、こういうのでありまして、その方が実際的な能率は現在のところよかろう、また先方に対する感じも御心配のような点は全くない、こういうことを申し上げられると思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 今御説明の中に、英連邦課が所管する仕事、それはたとい中近東部に外務行政事務の一般的なものが移されたとしても、特別のものは依然として英連邦課の方に残っておるというような御答弁があったと思うのです。それはどういう理由からですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 まだ独立いたしておりませんので、その国は認めておらぬわけであります。従ってその過程においては従来の形が残っておるわけですから、そういうことでやるということでございます。独立いたしましたら今度は配置がえする、こういうことです。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうしますと英連邦としての英本国につながる関係の課の所管は、独立したらもうどのような面も全部中近東部に移って、英連邦としての性格の部分は全然なくなってくるという解釈でよろしゅうございますか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 その通りであります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 もう一つの在外公館に勤務する外務公務員の給与に関係したことでございますが、今度アフリカにたくさん独立国ができた。それをセネガルの日本大使館に勤務する外務公務員に対して支給する在勤俸の率と、アフリカの国々は全部同じ率にしておられるようでございます。これは物価もその他の事情も全部同一条件だという判定を下されたと思うのでございますが、そういうふうな経済事情その他それぞれの国がみな同じ形態になっておるという判断ですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 そうではございませんのですが、アフリカに対して私はさしあたり拠点的な考え方をとらざるを得ないかと思っておるのであります。最初四つぐらい拠点的なものを考え、漸次それを地区々々に拡大していくというふうな考え方をとってみたらどうかと思っております。なお事務的な点は政府委員からお答えいたさせます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 大臣の時間がないから、事務的なことはあとから聞くことにしまして、今度新しく独立したアフリカの国々は、それぞれりっぱな独立国家としての形態を整えておるという自覚を持っておる。その自覚に対して、本国との間にまだ何かがあるような印象を与えて、どこかその国家の条件に欠格の点があるというような印象を、これらの国々に与えてはならぬと私は思うのです。そういう点ははっきり割り切ってこれらの国々を見ておられるかどうか、外務大臣に伺います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 御説の通りに考えておるわけであります。今度だいぶ大使館、総領事館をお認めいただきましたので、私の新しい方針として、思い切って若手の優秀な人に行ってもらう。そして将来の外務省の幹部には、そういうところに行って十分働いてきた人がなるという気持で、みなに張り切ってもらう、こういうふうに考えております。やはり何といいましても諸設備の悪い、気候、風土のよろしくないところでございますから、こういうところへ行ってもらう人に対しては特別の考慮をしなければいかぬと思っております。たとえばある期間旅行して心身の転換をはかる、さような点なども考慮すべきところかと思いまするし、またなかなか物価も高いのであります。こういう点等についてもまたいずれ皆様方の御高配を賜わりたいと思っております。われわれ幾ら尊敬し、尊重するといいましても、やはり具体的に日本から優秀な人が行って、ほんとうに現地でその国民諸君の中へ溶け込んで、そして一緒にその国の独立を達成したい、その国の国民の生活をよくしたいという熱望に協力していく、こういう行動を示さなければならぬと思っておるのであります。その意味からいいますと、あまりいきなり手を広げましてもこちらの能力の限界もあることでございます。そういう点も考慮しながらまず重点的にやっていったらどうか、こう思っておるのでありますが、現在ガーナのアクラ、ナイジェリアのラゴス、スーダンのカルツーム、なお来年などは象牙海岸のアビジャン等にもお願いしたいというふうに考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 今度在外公舘、大使舘を置き、大使を交換される新しい国々、マリとかカメルーンとか、こういう国々に対して大使を派遣する場合に、外務官僚に勉強してもらって大いに若手を採用したいとおっしゃっておりますけれども、こういう新しい形式で生まれた国にはいわゆる外務官僚でなくて、もっと経済的な見識を持った人とか、あるいは文化的な高い実力を持った人とか、そういう民間人を大公使にどんどん簡抜して、それをここへ振り当てていわゆる事務外交でなくて国民外交、これらの国々と裸で話し合いをするというような、もっと実力を発揮し得る大使を起用するという方針の方が、私はこういう独立国、新しい形態の国々に対しては適切ではないかと思うのです。外務官僚で適切な人もおるでしょうが、そうした一般民間人を大いに簡抜するという方針を、この際こういう独立国家をお認めになった機会に、外務大臣として勇断をふるわれることが必要ではないかと思う。アラブ連合の代表者の会合の時間も迫っておるようでありますが、私もその点をよく含んでおりますから……。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 その御意見は私も抽象的には賛成でございます。ただ実際的に申しますと、これらの国は全部フランス語を話す国でございます。なかなかフランス語が上手でございます。先方の一つの生活様式みたいなものがございまして、そこではむしろ実業などをやって働くよりも、口の上でいろいろな折衝をすることの非常にうまい人がおるわけです。そういう人たちから見ると、いかに日本で実力があり、りっぱな人だということになっておりましても、言葉ができませんと、そのことだけでもうアウトになってしまうということがございます。自分らがこんなにフランス語ができるのに、日本から来た人は言葉もようわからぬ、こうなってしまうとどうにもならない。フランス語を話す独立国に対しては、フランス語を話せる人ということが第一条件になるわけです。そういう人がおられればそれもまた一つの考えでございます。それからこういう国でいろいろ仕事をします場合、金を使うことがおもなことでございます。こういう国と商売をやって、いきなり何かをもらうことを考えたら一ぺんに失敗してしまいます。そうすると金を出すこと、日本にこれだけの金を出させるということになると、これはキャッチ・ボールで向こうから大使の方でボールを投げてきても、こっちで受け取ってやるということにならないといけない。全部予算化し、それを実現していくだけの、一つの全体の流れに溶け込み得る能力というものが必要であるわけで、急に人が行って必ずしもできるということでもないという点が問題であることを申し上げておきたいのであります。

緒方孝男日本社会党

○緒方委員 大臣に御忠告になるかもしれませんが、今までの言葉で常に英本国英本国という言葉をお使いなされた。これは旧本国とかまたは英国とのつながりとか言われるならばいいが、こういう議事録なり討議の内容が、それぞれ今独立しておる国家に聞かれたときにはあまりよろしくなかろうと思いまするので、英本国という言葉をお取り消しを願いたい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 そういう御忠告はつつしんで承ります。もしそれが必要であれば取り消していただきます。ただたまたま英連邦という話が出たので、英連邦に対してということで言ったのだと思いますが、この点は一つ速記を委員長においてお取り消し願えれば大へん仕合わせでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 時間の関係もありますので、ちょっと途中を省かなくちゃならないのですが、今提案されておる産業構造調査会というものの構成は、どのようにお考えになっておりますか。

樋詰誠明通商産業事務官(大臣官房長)

○樋詰政府委員 大体経済学者、それから業界の専門家といったような方を五十名程度お願いしたい、こういうふうに思っております。そのほかに専門委員、それから関係各省の職員の中から幹事若干名というものを、一応現在のところでは予定いたしております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 それで今官房長の方では、今までのいろいろな調査の上から自信がおありだろうと思いますが、もちろんこういう調査会には学者も必要であろうし、経験者も必要であろうと思いますが、中央で五十名の方がお寄りになって、そうしてこの調査会を行なわれても、完全に全国の現場において包蔵する問題点というものを解剖することができるかどうかということです。それから産業の実態を総合的に把握するというようなこともできるかどうか。これは学者が専門的にそういう実態を不断の努力において会得されておられれば消化できると思いまするけれども、今の日本の産業の実態というものは、現地へ行ってみますと相当複雑なものでございまするから、このものをただ五十名の専門の方々がお寄りになって御相談になるだけで、りっぱな方針が立てられるかどうかという点について、ちょっと心配があるわけなのです。従って中央にもどの程度置く、各府県にも置く、それで構成の内容には直接の企業の経験者、大企業、中小企業、そういうような企業者も入れるとか、そうした具体的な内容をお示しにならないと、大ざっぱに学識経験者を五十名寄せてそこで検討を加えて、それで日本の将来の産業構造の実態を確立するのだと言われても、ちょっとぴんと来ないわけなんですが、そういう点の自信はどうですか。

樋詰誠明通商産業事務官(大臣官房長)

○樋詰政府委員 ただいま参議院で御審議いただいております三十六年度の予算で、衆議院はすでに御可決いただいたわけでありますが、千万円余りの調査費というものを一応産業構造調査会につけていただいたわけでございます。この中で約五十名と申し上げました委員の方々に対しては四十四万円程度、この方々はみんなが集めてきたデータを一番最終的に総合して分析するということでございまして、その前に、先生がただいま御指摘になりましたようなそれぞれの地方の実情に応じ、産業の実態に応じてということで、産業別の実態調査費、それから委託費というものを五百五十万円ばかり、これは非常に多くの部門にわたるわけでございますので、それぞれの部門ごとに、それから各地の産業がそれぞれ違っておりますれば各地の実情に即して、まず実態調査に千万円のうちの約六割程度のものをかけるということで、そこでいろいろ集めていただきましたデータを中央に来て総合的に再編成し、あるいは科学的に分析してみる。そうして学問的に見ればこういうことになりそうだ、こういうところに欠陥があるがこれを行政に反映するにはどうしたらいいかという、最後の実態調査を行政に移す翻訳的な仕事というものをこの五十名の方々を中心に、それから通産省の現在持っております本省の全機能をあげてやろうということでございますので、われわれといたしましては大体いただきましたこの予算を最も有効に活用することによって、実態に即した具体的な施策というものを十分に導き出し得るというふうに考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 地方の調査ですが、これはもちろん文書調査ですね。

樋詰誠明通商産業事務官(大臣官房長)

○樋詰政府委員 これはもちろん文書を配りまして、書面で配るというほかに、必要があれば委嘱しました調査員あるいは通産局の人間といったような人間に、それぞれ面談なりということもして必要なデータを集めたい。しかしまず基本的には所要の様式をきめまして、それに御記入願うということから始めていきたいと考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 データを集めるということにつきましては、今までに相当通産省の方ではお持ちになっておられると思うのですが、大体それが参考になるのではないのですか。地方であらためて調査をするということになれば、地方の業者に集まってもらって意見を聞くなり、あるいは自治体のその方面の衝に当たっておる人たちの意見を聞くなり、いろいろしなくてはいけないと思う。ただデータを集めるだけでは、大まかなものとしては当然省としては把握されておると思うのです。予算は予算でよろしいですけれども、文書調査だけではだいぶ不十分のように考えられますが、その辺のところはどうですか。

樋詰誠明通商産業事務官(大臣官房長)

○樋詰政府委員 お説の通りに、通産省としましてはいろいろなデータを調査資料として、各業界等からも出していただいております。しかし今まで出していただいておりますデータというものは、非常に平面的な面が多かったわけでございまして、今回この産業構造調査会が設置の目的に即した効果を上げ得るかどうかということは、われわれとしましてはどういう点を一体調べるべきかという調査表の作成のところに一番問題がある。まず産業構造のあり方、それからそのあり方に達するための具体的施策いかんという問題に取り組みますためには、一体日本の産業が今までいろいろなことで報告しているといったような様式だけのデータを集めればそれでいいのかというと、われわれとしましてはそれでは十分な将来の対策といったようなものを導き出すためのデータは、残念ながら得られなかったわけでございます。そこで今鋭意事務当局として検討いたしておりますが、ここで構造調査会をお認め願いましたならば、できるだけ早く発足いたしまして最初の一、二カ月の間はどういう点を中心に——今までの調査で足らなかったのはどういう点か、どういう点を一体調べるべきかということをまずやりたい。実はその調査表の形式がきまれば、それでこの産業構造調査会というものの目的は、八割はもう勝負がついたということになりはせぬか、こう思うのでございまして、どういう点を調査すれば、日本の産業が今後どうあるべきかということについて、より的確な資料が出るかということについての検討を、四月早々から至急やりたい。事務当局としましては、今までのデータの欠陥等を再反省しまして、こういう点を調べたい、こういう点についてももう少し的確な資料をほしいということの研究を内々いたしております。今までになかったような点を含んだ新しい調査資料というものを得ることによって、今後の対策の具体的な根拠にしたいと考えておるわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 この仕事は、これはきわめて大きな重要な仕事だと思いますし、かけられておる期待も大きいと思うのです。従って御如才のない調査の方法をとられると思いますけれども、地方の実態を調査するということについては、おそらく失礼な話になるかもしれませんが、学校を出られて省へ入られて、順々と上がっていかれて、東京でいろいろ調査資料や文書で勉強なさって把握されておる実態とは、相当に相違のあるものがあると思うのです。こういう点を十分に留意していただいて、この調査をしていただかなくてはならないのじゃないかと思うのです。従ってその意味からいきますと、現在の通産省の、これは部局によってはいいと思いますけれども、職員の不足のところが相当あると思うのですが、そういう点はどうですか。

樋詰誠明通商産業事務官(大臣官房長)

○樋詰政府委員 ただいまの御注意の点を体して、御期待に沿うような調査をぜひやりたい、こう思っておりますが、現在の職員約一万三千名通産省におるわけでございまして、もちろんこれでわれわれ十二分とは思っておりませんが、逐次これから自由化というようなことになりますと、今まで輸入関係で仕事をしておったといったような仕事が、若干荷が軽くなって参りますので、現在もすでにそういう割当業務などというものはほとんどないわけでございますが、それでもまだ若干残っておる。そういったような、これからもある程度軽くなるであろうと思われる分を、今後こういう新しい将来に向かっての前向きの作業というものに振りかえるということによりまして、——これは多きに越したことはないわけでありますが、しかしわれわれとしましては、一応現在いただいております定員というものを機動的に活用すれば、大体目的を達し得るのではないかと考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 先ほどの大臣の答弁からいきますと、だいぶ抽象的で、こちらの聞こうとすることが聞き取れぬ面もありましたし、おそらくこの面については明日あたり同僚の先生方から質問もあろうと思いますので、これ以上私、具体的な内容に入っての質問は避けたいと思います。ただここで、幸いにその方面の通である官房長がおいでになりますので、現在の中小企業の実態からいって、今すぐ手をつけていかなければならないという問題が多々ありますので、そういう点につきまして若干お考えをお聞きいたしまして、私の質問を終わらしていただきたいと思うのです。  それで従来の中小企業の対策につきましては、先ほども申しましたように金融面につきましては三つ、四つの法律はできておりまするし、それから親企業と下請企業との間における下払いの遅延対策に対する法律もできておるのでございまするけれども、そういう程度の援助政策では今のところ実際に立ち直りをさせることがむずかしいのじゃないか、こういうように考えられまするので、私の考えておる点についてまずお答えをいただきたいと思うのです。大企業に対しましては租税特別措置の方法がとられておりますが、中小企業に対しましてもこういう点を規整されまして、そうして税金の軽減をはかるような措置を当面とられる必要があると思うのですが、こういう点については何かお考えがございますか。

樋詰誠明通商産業事務官(大臣官房長)

○樋詰政府委員 昨年貿易自由化というものの大きな線が打ち出されましたのに引き続きまして、中小企業の業種別振興法の御制定をお願いいたしまして、現在十七業種指定いたしまして、それぞれの業種別に、これは特に自由化というものに関連の深いもの、今後特に輸出を伸ばしていきたいといったような中小企業を主にした業種につきまして、現在実態調査をすでに行なっておりまして、その取りまとめをいたしてございます。この取りまとめができましたならば、それに応じて所要の施策ということが並行してできるだけすみやかにとっていきたい、こういうふうに考えております。  なお税金につきましては、今度中小企業の合理化機械に対しまして、普通償却のほかに初年度三分の一を一ぺんに償却してよろしいという制度を新設いたしましたので、これによりまして中小関係の機械化ということは非常にやりやすくなるというふうに考えております。なお今後とも税制その他につきましては、大企業だけでなしに、中小企業の方により手厚い保護を加えるということでやっていきたいと思っておりますが、三十六年度はとりあえず中小企業の合理化機械に、普通償却のほかに初年度三分の一、ですから大体初年度で四七、八%くらいまで一ぺんに落とせるということで、新しい機械を備えつけやすいというふうな税制措置をとってございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 昭和三十二年に中小企業団体の組織に関する法律ができまして、中小企業が一つの団体を作って、その中において中小企業の発展を期するような措置は講じてありまするけれども、しかしそういう方法がとれるのだということだけであって、実際において政府からのそれに対する援助の内容というものがあまりにないということなんです。従って現地の方では、中小企業団体の組織に関する法律に従って、いろいろな企業組合とか商工組合とかいう団体は作っておりまするけれども、その実が上がらないわけなんです。そういう点につきまして、さしあたりお持ちになっている対策はありますか、どうですか。なかったら私の方から項目に合わせまして質問したいと思います。

阿部久一通商産業事務官(中小企業庁指導部長)

○阿部説明員 中小企業団体法を制定されまして、ただいま中小企業の組織化がうまくいっているかどうか、うまくいってないのではないかという御趣旨のお話でございますが、従来中小企業対策では、団体法の関係あるいは金融対策の関係あるいは設備対策の関係という工合に、それぞれ業種全般を対象といたしましたいわば一般対策と申しますか、そういう方法で施策が行なわれてきたわけでありますが、先ほど官房長からお話がありましたように、昨年は業種別振興法の制定を見まして、業種別にそれぞれの問題をまとめて問題点の解決を促進する。あわせまして昨年またここで御制定を見ました商工会等の組織に関する法律によりまして、従来中小企業の小規模層についての施策の手薄面を補いますために、小規模事業対策というのが発足いたしました。昨年は四億余の予算でございましたが、三十六年度はその倍の八億余の予算の御審議を今お願いいたしておるわけでありますが、三十六年度はさらに中小企業振興資金助成法の改正法案の御審議をお願いしておりまして、中小企業者が、従来市街地や住宅地におきまして工場が手狭になり、あるいは汚水とか騒音とか、それぞれの公害問題もからんで参りましたので、中小企業を市外地に出しまして、業種ごとにまとまって今後の近代化発展に備える。このためには中小企業の組合を中心にいたしまして、中小企業の組織化という方向に、従来に増しました実効が上げられますように、従来団体法もございましたが、他の施策とのかね合いが十分でなかったと思いますので、明年度の新しい方向といたしましては、今申し上げております中小企業団地の推進については、予算も初年度まずすべり出しでありますので、三億余の御審議をお願いしております。組織化、協同組合を中心にいたしまして個々に設備の近代化、各企業の機械の更新、共同設備の充実、その他共同事業の強化をはかりまして、中小企業の組織化による近代化を促進いたしたい、このような考えもいたしております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 お答えのように、予算化をして努力をされておられる点については敬意を表しますが、法に基づいてそれぞれ組合を作って今やっております過程において、一番隘路とされておりますところは、共同事業ということなんですが、費用の三分の二を出すとかあるいは三分の一を出すとか、具体的にはそういう場合の助成対策としてはどのようになるのですか。

阿部久一通商産業事務官(中小企業庁指導部長)

○阿部説明員 共同化の手段の一つといたしまして、ただいまお話の共同施設の助成がございますが、この場合は、工業関係につきましては生産、加工、修理の施設につきまして、建屋と機械設備につきまして、国が四分の一の予算を計上いたし、道府県が四分の一の予算を計上いたしまして、所要資金の二分の一の無利子、五カ年間の長期の貸付金をいたしております。金額につきましては三十五年度は一億二千五百万円、三十六年度御審議をいただいておりますのは一億五千万円でございます。国が一億五千万円、道府県が一億五千万円、さらに過去の無利子貸付金の償還額が三億程度ございますので、合わして六億円が三十六年度は共同施設の設置助成費として貸し付けられる予定でございます。商業関係につきましては、また倉庫とかあるいはその他の施設についても共同の施設を対象にいたしております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 特にこの際希望しておきたいことは、組合ができますると、小さな企業では近代的な経営の実態を作ろうとしますと、やはり共同作業というもの、共同事業というものに移行していく必要があると思う。こういう点につきましての助成を大きく見てもらうようにしていただきたいのと、何といっても大企業の場合にはいろいろと有利な対策が立てられておりまするけれども、中小企業の場合にはそうした対策が貧弱でございまするので、税制上の特別措置ということにつきましてももう一度お考えをいただいて、軽減さすような方向に持っていっていただくようにこの点はお願いをしておきたいと思います。  それから商店街なんかの共同事業の助成の関係ですが、これは共同炊事あるいは街灯の電灯料とかいろいろ数多くあるのですが、商店街なんかの場合には相当そうした申請が今までとしては来ておりませんですか。

阿部久一通商産業事務官(中小企業庁指導部長)

○阿部説明員 従来共同施設の助成につきましては、工業関係が主でございましたが、ただいまお話のように商店街を中心にいたしまして、今お話のアーケードもその一例でございますが、その申請が毎年増加しておりますので、商業関係にも共同施設の助成の方向に入りまして、三十五年度におきましては、先ほど申し上げた予算額のうち約四分の一程度が商業関係になっております。今後の方向といたしましても、商業関係の共同施設の助成につきましては、より力を入れて参りたい、こういう方向に考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 これは大臣がお見えになりませんので、ちょっとお答えにちゅうちょされるかもしれませんが、中小企業の集団工業地域というものを助成して、必要な法的な措置を講じていく必要があると思います。こういう点についての御研究とか抱負というようなものはお持ちにならないのか、どうでしょう。

阿部久一通商産業事務官(中小企業庁指導部長)

○阿部説明員 ただいまの中小企業団地につきましては、今国会に中小企業振興助成法の一部改正案の御審議をお願いしておりまして、予算措置といたしましては、三十六年度初年度のすべり出しでありますので、国庫といたしましては三億の予算の計上をお願いして、道府県といたしましても同額の三億の予算と抱き合わせまして、初年度六億円の助成費を考えております。初年度といたしましては、今後中小企業団地の促進のためにモデルとなるような団地を選定して助成して参りたい、こういう考えでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そうしますと今御提案になっておられるので、私から質問申し上げましたようなことについてはもう手を尽くされておるということなんですね。ただ予算額が三億では、全国的に見ていかにも少ないように思いまするが、こういう必要なものに対しましてはせいぜい努力をしていただいて、予算化を十分にやっていただくように努力をお願いしたいと思うわけであります。  そこで次にお伺いいたしたいことは、今何といいましても、人を雇おうといたしましても大企業の方へ流れていって、中小企業の方は人を雇うに非常に難儀をしておるわけです。その果て雇ったのはどうかといえば、悪い言葉でいえば、いい人から順にいいところへ入っていって、学識経験というような面についても低い層が中小企業へ入っていくというのが実態であるわけです。それで働くその人たちが教育の程度が低いということは、企業の発展にも大きな支障を来たすものであるから、これは特別にこれらの人々に対する教育をする必要があると思うわけです。それで私のお伺いをいたしたいことは、現在でも職業補導所とか、いろいろありまするけれども、こうした面を十分に拡大強化をいたしまして、国庫負担においてそうした中小企業の人たちが十分に専門的な勉強をして、そうしてその企業の中で企業の発展に寄与できるような人間作りもしていく必要があるのではないか、こういうように考えますので、こういう点については、一つの仮称でございますけれども、国民職業学校というようなものを適当な地にそれぞれ設けて、そうして国庫負担においてそうした人の養成を行なうということが最も必要であるのじゃないか、こういうように考えられますので、こういう教育の面に対しましては何か抱負をお持ちになっていますか。さしあたりどういうような程度のものですか。

阿部久一通商産業事務官(中小企業庁指導部長)

○阿部説明員 非常に大事な、しかもむずかしい問題の御質問でございますが、現在非常に不十分な程度の措置でありますが、お答え申し上げます。中小企業の第一線と申しますか、現地の技術の指導機関といたしましては、都道府県やおもなる市には技術の指導機関が、御承知のようにいわゆる公設技術機関というものが設置されておりまして、これが中小企業の現地第一線におきます技術指導機関でございますが、この技術指導機関自身の設備が非常に老朽化した状況になりましたので、国庫で半額の補助をするということにいたしまして、三十五年度は二十七カ所でございましたが、三十六年度は新しく三十二カ所の府県の技術指導機関に設備近代化更新の補助金を二億余組みまして、ここで機械をよくしてそこの技術職員に中小企業の技術の問題点の指導をさせる。これは現在逐年強化してやっております。それからここでさらに予算額は非常に少のうございますが、研修費というものを少し持ちまして、各地に講習会を実施いたしまして、この場合にももちろん中小企業者を対象にしてやっておるわけでございます。もちろん国の予算措置によります以外に、やはり相当の機関が各地におきまして、講習会等の名前において技術関係の指導に乗り出しております。全般としては、はっきり申しましてまだ不十分でございますので、今後さらにこういう面の措置を増加して参りたい。ただいま学校式のお話がございましたが、われわれも先ほど申しました都道府県の試験研究機関を中心にして、そこで中小企業者の技術再訓練と申しますか、再教育と申しますか、現在やっておりますものを強化いたしまして、お話のような趣旨の程度に強化さして参りたい、こう考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 大体満足な御答弁をいただいたわけなのですが、実際問題として職業補導所なんかの場合は、時おり私ものぞいて見まするが、あれだけのものでは中小企業全般に対するところのレベルを上げるということにはならないので、これはどうしてもこの際十分に検討を加えて、一般社会教育というようなものも含めた職業教育というものをする必要があるのじゃないか、それには名前は何とつけられようが、仮称国民職業学校というようなものを創立して、そしてこの中において中小企業の労働者を教育して、地位を向上させ、そうして優秀な知識の上に立って中小企業の発展に寄与できるように、教育面からも手を伸ばしていく必要があると思いますので、   〔委員長退席、草野委員長代理着席〕 この点につきましては真剣に取り組んで考えていただきたい、実現をしていただきたいということを希望申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長代理 次に受田新吉君。

受田新吉民主社会党

○受田委員 私は通商産業省設置法の一部を改正する法律案につきまして、一点だけお尋ねしておきたいと思います。それは付属機関の設置の問題でございますが、三十四年にこの委員会に鉱業法改正審議会の設置の御提案があったわけです。私はその際、特に二年間でこの問題を審議するということは困難ではないかということを指摘しておいたことを記憶しておるわけでございますが、はたせるかな、三十四年六月に設置されて以来、慎重に審議をして参ったけれども、なかなか結論が出ない、こういうことでございまして、もう一年間これを延長してくれという御要求が出ておるわけです。鉱業法というような重大な法律の改正でございますので、十分この審議会で御審査をしていただいておると思うのですが、大体どの程度までこの審議会は作業を進めておるのでございますか、経過報告をお願いいたします。

樋詰誠明通商産業事務官(大臣官房長)

○樋詰政府委員 一昨年の六月に鉱業法改正審議会が設置されまして、現在までに十二回の総会を開きましたほか、基本問題部会を合わせまして今まで三十三回の部会を開いたのでございます。大体鉱業権の付与の仕方、いわゆる先願主義で今の通りでいいのか、あるいは能力主義を入れるべきかという付与の方法でございますとか、それから試掘権という制度がございますが、この試掘権で現在は採掘と同じようなことをやっているというので、今度もこういう試掘権といったような格好のものをそのまま残しておくのがいいか、あるいは残鉱を、全部の資源を回収するといったような見地から租鉱権制度というのがありますが、その租鉱権制度が往々にして炭鉱なんかの場合にはいろいろ社会的に悪用されているという面等もございますが、そういう租鉱権の制度というものも従来のままでいいかといった問題のほかに、鉱業権を実施いたしますと、当然地上の他の権益との間に競合関係が起こってくる。その競合関係をいかに調整すべきかということや、その他権益との関係の一つになりますが、特に鉱害問題ということが必至でございますので、鉱害の賠償制度というようなものについても、鉱業法という最も基本的な法規の中でどういうふうに考えるべきかといったような点について、今まで先ほど申し上げましたように三十三回の審査をやってきたわけでございまして、一通り問題点だけは洗い尽くされたという状況になっております。あと、今先生の御指摘のように、われわれは二年間でこれをやるつもりでおったわけでございますが、やればやるほど非常にむずかしい基本的な問題等もあるということで、もう一年期間をかしていただきまして、そうして今までの結果をもう一度再検討するということによって、本年度中には必ず結論を出すというところまでやっていきたい。大体学者的な検討というものはもうほぼ出尽くしておりますので、あとそれを行政的にどういうふうに判断して取り入れるかという行政官庁の決心といったような問題が、この一年間の一番大きな問題ではないか、そういうふうに考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 この委員に選任された皆さんは、それぞれの面における権威であって、おそらく大学の先生たちの中にも委員になっていただいている人もあると思って、当時委員の選定についても意見を申し上げておいたのでございますが、そういう人々が二年かかって、三十三回会合を開いてもまだ結論が出ないということについては、大体通産省としてこの審議会設置の見通しを誤っておられた。こういうことは、大よそ二年間なら二年間に結論が出るように会の運営をしていけばいい。必要があれば一カ月に二回、三回とどんどん回を重ねて、法律にきめられた期間中に結論が出るというような努力を、審議会運営の上においてなされておらなければならぬ。むずかしいからゆっくりやろうというような調子でいけば、こういうことになる。法律を一ぺん出したものを改正するということは、大体本則に反するのでございますから、そういうことを十分考慮に入れ、この審議会の運営を期間内に切り上げるという努力をされておったのかどうか。だらだらと運営されておるというようなことになれば、どのような問題だって時間がかかります。二年間というのは相当長い期間でございますから、少なくとも結論が出るはずだったのですが、いかがですか。   〔草野委員長代理退席、委員長着席〕

樋詰誠明通商産業事務官(大臣官房長)

○樋詰政府委員 われわれといたしましては、もちろん二年間に何とか結論を出したいということで進めてきたわけでございまして、現に三十三回と申しますと、六月から始まりまして、実働は二十カ月くらいでございますが、二十カ月の間に三十三回、非常にお忙しい一流の権威の方々にお集まりいただいて、これだけ勉強していただいたということは、事務当局としても相当御無理をお願いして、審議を促進していただいたわけでございまして、われわれといたしましては決してサボっておったといったようなわけではございません。ただ問題が非常に基本的な要素を含んでおりますむずかしいものが多いために、三十三回やっていただきましても、たとえば鉱業権の付与をどうするかということを一つ取り上げましても、かりに能力主義にするといっても能力とは何かという問題だけで、これは非常に大きな議論が出るということから、こういうふうにかかったわけでございまして、二年で済ませる予定がさらに一年延びたという点は、はなはだ申しわけないと存じておりますが、これは先生方にもできる限り御勉強をお願いしたつもりでございますし、事務当局といたしましてもこれは決して怠慢で会議の回数、度数を減らすといったようなことなしに、できる限りやってきたつもりであります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 石炭鉱害対策審議会という新しい機関もできるわけでございますが、これも今鉱業法改正審議会の方で鉱害の問題もあわせて討議しておられるということです。従ってこの問題もあわせてこの鉱業法改正の審議会で討議されるならば、石炭鉱害対策審議会等の必要ということもなくなるのじゃないか。その方で石炭対策部門というものを特に設けておけばあわせて片づく問題じゃないですか。

樋詰誠明通商産業事務官(大臣官房長)

○樋詰政府委員 これはもちろん両審議会は密接な連絡をとりながら運用していきたいと思っておるわけでございますが、実は鉱業法の方では鉱害全体につきまして、それをたとえば金銭賠償の原則でいくか、原状回復あるいは効用回復という原則でいくかといったような、非常に基本的なものを、当然鉱業に付随する基本的な問題として取り扱っているわけでございます。今度新設をお願いいたしております石炭鉱害対策審議会は、昭和二十七年に臨時石炭鉱害復旧法というものを作っていただきまして、それが来年の七月に一応十年間の期限がきれてなくなるわけでございますが、実はその当時大体百十億程度の鉱害というものがある、それを十年間に措置しようということで出発したわけでございますが、実際に鉱害の処理に取り組んで参りますと実は百十億どころではなくて、現在大体二百六十億くらいの鉱害がある、そういうふうに調査の結果出てきたわけでございます。しかもその際に今までのようなやり方ではなかなか解決できない。場合によりましては、鉱害だけ残してもう鉱業権者が行方不明になっているとか、あるいは無資力になっているといったような事態等もいろいろございます。それから下手をやりますと、これは必要以上の負担を逆に鉱業権者にかけるといったような問題もございますので、最近の九年間にやって参りました鉱害復旧の実績に照らし合わせて見まして、いろいろ石炭に特有のこまかな鉱害処理の問題というものは、やはり石炭の関係者だけと申しますか、特にエキスパートに集まっていただいて処理していただくというのがより適切ではなかろうか。全体的な鉱害の責任をだれがどういうふうに負担するかという全体論につきましては鉱業法という舞台でやっていただきますが、現実に起こっておりますいろいろこまかなケースに分かれている石炭の鉱害対策というものを具体的に処理するためには、それと並行いたしましてもう少しこまかな点まで突っ込んだ審議会というものが必要ではなかろうかということで、石炭鉱害対策審議会を設けることによりまして、今後の石炭鉱害復旧を——これは臨時法で先ほど申しましたように十年間ということでございますが、これをとりあえずさらに延期することにいたしておりますが、延期されたあと鉱害復旧を今のような形のままでいいのか、さらにその鉱害復旧法自体を何らかの格好で変える必要があるのかといったようなことについて、この石炭鉱害対策審議会で検討していただきたい、そういうことから現在あります鉱業法改正審議会のほかに、鉱害対策審議会を設けていただきたいというふうにお願いしているわけでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 たった一年くらいで結論を出すのですから、よほど拙速になることは火を見るより明らかです。思いつきで審議会を一年でさっさとやるということになれば、通産省の関係のお役人が適当に業者の意見を——審議会の委員の意見を聞くよりも、もっと手広く意見を聞いて、その意見を総合調整して結論を出すという方法の方が、もっと効果が上がるのではないか。お役人の責任転移ということにもなるおそれがあるわけです。たった一年ぐらいでさっさと片づけるというような審議会の部門は、あってもなくてもいいような形のものになりがちなんです。むしろお役人の責任感をもっと発揮して、関係の業者などの意見も聴取して、審議会の委員の答申を参考にするということに結局なるのですから、それよりももっと手広い範囲で意見を聞いて対策を立てるという方が効果がある。また責任の所在もはっきりする。それから鉱業法改正審議会で鉱害全般の対策も審議されるわけでありますから、他の鉱害との比較検討ということもできるわけであります。そういう意味から言うならば、石炭だけを取り上げるよりも、一般の鉱害としての広い分野における検討を加えるという方が、私は大所高所からの効果が大きいと思っております。何だか今年限り廃止するとか、あまりにも思いつきのような形になってきている点があるので、お役人さんたちの責任を明瞭にするという意味からも、もっとこういう審議会の答申などということでなくて、知能の高いお役人がたくさんおられるのですから、その人々によってもっと積極的に世論を聞き取って対策も練っていく。そうして臨時石炭鉱害復旧のこの法律が失効になるまでに——法律の提案の責任はあなたの方にあるのでございますから、あなたの方で責任を持って出すというようなやり方というものは当然のことだと思うのです。私はそういう意味で一年限りの思いつきのような形で出されるということは、やはり責任の所在という点においても不明瞭になるおそれがあると思いますので、これは十分に考えてもらう必要があるのではないかと思います。  産炭地域振興審議会というものがもう一つ生まれてくるわけです。こういうものをやろうとすれば、ちょっとしたことでもみんな審議会を作る必要があるわけです。どのような問題だって深刻でない問題はない。みんな深刻な問題なんです。こういう審議会を作るような対象になる問題は、ほかにもたくさんころがっているわけです。そこを行政責任という立場でもっとはっきりしてもらいたい。産炭地域振興審議会というこのことについては、石炭鉱業の構造的不況の原因、これをどう解決するかがこの審議会設置の目的のようでございますが、大体石炭鉱業の構造的不況というのはどこが原因で生まれてきておるのか、これをお答え願います。

樋詰誠明通商産業事務官(大臣官房長)

○樋詰政府委員 石炭鉱業の構造的不況と申すのは、大体二つの面から一応考え得ると思うのでございます。一つは生産の面でございます。生産の面で、これは御承知のように現在の石炭は機械化されるにしてもいずれにしても、穴を掘って人が中に入って掘るということでございまして、全世界を通じまして、大体最も有利に掘れるというところは終わってしまって、これからだんだん深くなるといったような格好になりつつございます。そこで自然条件からいたしまして、技術の革新等いろいろございまして、能率的に掘れるようになりつつございますが、一方そういうふうに非常に深いところ、あるいは運搬系統も遠くなるというようなところを掘らざるを得ないといった面で、とかくコストは合理化されたにもかかわらず下がりにくいという実情にございます。  それに対応いたしまして、当面の競争相手でございます石油は、これは御承知のように中近東あるいは南米のベネズエラというようなところで次々に新しい油田が発見されまして、これはパイプ一本通せば、あとは自然に自噴するというようなことで、生産面における石油のコストというものは毎年非常に下がりつつある。片一方は一生懸命努めてもなかなか下がりにくいという要素を持ち、片一方は非常に急速な勢いで下がる傾向を示しているという点で、まず生産費の点から石炭は石油に比べて不利な格好にある。それから需要の面につきましても、石油は流体でございますので、運搬にいたしましてもあるいは工場の中において燃焼いたしますにしても、非常に手軽にやれる。それに対しまして石炭は取り扱いが相当不便である。それから灰捨て場等の設備がどうしても要る。特に最近のようにオートメーションの時代になりますと、やはり非常に微妙な状況の変化に応じて自動的にエネルギーの供給状況を変え得る液体エネルギーの方が、どうしても優位に立つといったような、生産と需要の両面におきまして、残念ながら不利といったようなものがだんだん出ているということでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうした構造的な原因を伺って私思い当たることがあるのですが、昨年西独の炭鉱地帯を五日間ほど、私自身もホーランドの炭鉱会社の地下一千メートルの穴蔵で一日暮らしたこともあります。日本人の炭鉱労務者が百八十人行って働いている現場にも行って激励したことがあるのですが、西独は一九五八年の春、日本と同じような石炭不況のあらしが吹いてきた。そのときに構造的不況に対応する策として、まず外国から輸入する、アメリカから輸入する石炭を食いとめた。輸入を取りやめる外交交渉に成功した。それから石油に対する関税を高めてきた。これは超党派で国会の協力もあったわけでございまするが、労使一体となって増産に努力した。そういうようなところで、西独には石炭不況というあらしは吹きまくったけれども、それをついに回復して、今日鉄と石炭と相並ぶ盛大いんしん産業になっている。炭鉱労務者の賃金も、鉄鋼労務者の賃金と同じ高い水準にある。こういうようなことを私現にながめてきておるわけであります。これは一つの政治的な政策の面にも関係するわけで、こういう努力をすることで、日本の石炭の不況というものは別の角度から政策的に救われる、こういうことも考えられる。日本ではそういうところが全く傍観されて、今も申されたような構造的な不利な立場を補う努力が政治的にされていない。労働者も資本家も互いにしのぎを削っておるというこの現状で、日本の石炭産業の好況を期待することは不可能である。ここに政治的な、政策的な問題として、今のような石油との関係、不利な条件にあるものを埋める方法として、別の方からの努力が私は要ると思うのです。日本政府はそういうところにおいて、その努力に欠けている面があるのじゃないか。もっと大所高所から国の政策を高いところへ持っていって、こういう構造的な不利を補う努力もすると同時に、別の面からの石炭増産というところに、また石油では及ばない長所もあるわけだし、また石油の化学的な応用面においては、ずいぶん多方面に利用できる点もあるわけでございますから、石炭化学の振興というものにも努力をすることでその不利が補えると思うのですが、通産省としてそういう基本的な問題をどう考えておられるか、お答え願います。

樋詰誠明通商産業事務官(大臣官房長)

○樋詰政府委員 今先生の西独では外炭の輸入を制限し、石油に対する関税を上げたというお話がございましたが、実はわれわれそういう点ではむしろ日本が一番手厚い保護をしているのじゃないか。と申しますのは、日本は御承知のように輸入エネルギー、現在の段階におきましては全部外貨割当制度になっております。国内でまず掘れる炭を全部使い終わって、そして足らない部分だけを入れるということで、外炭もあるいは石油も入れているわけでございまして、従いまして国内の炭をまず全部使って、その不足するエネルギーを輸入するという外貨割当の制度をとっている国というのは、今のところ文明国では日本だけであろう、こう思われるのでありまして、自由化自由化という際にも、はたしてエネルギー関係は自由化できるかどうかということにつきましては、まだ今後さらに慎重に検討した上でないと、はっきりした結論は出ないわけでございますが、少なくとも今までは外割ということを通じて、非常に手厚いことをやって参りました。  それから関税の関係でも、昨年石炭の離職者対策について新しい方策を講じなければならないという際に、それまで暫定的に下がっておりました原油あるいは重油といったものの関税もそれぞれ引き上げまして、七十億ばかりの財源を獲得して、それをもって炭鉱の振興あるいは離職者の対策というものに充てておるわけでございまして、ただ確かに先生のおっしゃいましたようなドイツの場合の関税の引き上げというものは、重油二十五マルク、約二千円くらいになりますか、非常に大きな額になっておりまして、三年間で邦貨にしてたしか八百億円くらいのものを取る。それで転業する炭鉱労働者の賃金の下がる分をある期間めんどうを見てやるとか、あるいは住宅の世話を見てやるとかいった、量の点では確かに日本より一歩進んでおるかと思われますがわれわれのやっております大体の項目といたしましては、それは昨年援護会を作っていただきまして、また本国会において別途御審議を願うことになっております雇用促進事業団といったようなものを今後だんだん発展させていくということになれば、日本も、百点とはもちろん言えないと思いますが、相当見るべき効果を上げ得るのではないか、そういうふうに考えております。  われわれといたしましては、先ほど先生からちょっと御指摘があったように、労使が仲よくせよというお話があったわけでありますが、石炭が、正直のところ日本産業界に人気がないという一つの大きな原因は、少し好況になると、経営者は足元を見込んでえらい高い値を産業界に吹っかけたり、あるいは組合は組合でストライキをやって、口を開いて待っている産業界に石炭をやらなかった。労使ともにとにかくお客さんの方に迷惑をかけてきたではないかといった不信感が非常に大きくなっております。そこでわれわれといたしましては、やはりこれは産業相互間が持ちつ持たれつという、相互共存という関係を確立しければならないと考えまして、合理的な価格で安定した供給をやるようにということを目標に、現在非能率炭鉱は、これはいつまでも置いておきますと石炭全体のコストを高めますので、整理する。高能率炭鉱をできるだけ作って石炭のコストを安くする。非能率炭鉱の整理等から出て参りますやむを得ない離職者というものにつきましては、これは援護会を通じて、あるいは今後の雇用促進事業団を通じて職業教育を施すというようなことによって、新しい職を手につけさせてやって、将来に望みのある新しい職場に向かうようなめんどうを見ようというふうに考えておるわけでございます。この一年間主としてそういう分散政策ということに中心を置いて、労働省と協力してやってきたわけでございますが、分散政策だけではとてもいかない。これはやはり産炭地に近いところに、より適切な雇用の機会を見つけてやるのが一番いいのではないかということから、それぞれの産炭地ごとに事情がやはり若干違っておりますので、九州には一体どういう産業が向くか、北海道にはどういう産業を持っていくべきかというようなこと、並びにそれを持っていくにしても、一体どれだけの規模のものをどうやって誘致するかというようなことにつきまして、ことし三千万円ばかりの調査費をもらったわけでございますが、これは調査費と申しましても、たとえば工場を建てるという場合にもある程度具体的な青写真ができるくらいまでの調査をすることによって産業を誘致するというような、一方において機械工業、化学工業等に、ほかの地域に送り出すほかに、産炭地の付近において、できるなら産炭地自体において適した産業を勃興させるという新しい方途を打ち出すということをやらないと、石炭工業の当面しております現在の不況を摩擦なしに乗り越えることはできない。特に石炭だけに依存している地域経済が最近非常に麻痺しておりますので、そういう地元の農民あるいは中小企業という人のためにも、やはり地元にいい産業を興す必要があるのではないか。そのためにこの審議会をお認めいただきまして、どういう地方にどういう産業を興すべきか、またそのために地盤その他もどうなっておるかと、場合によっては必要なボーリングまでやれるようにしたいということで、三千万円の調査費をいただきまして、その使い方等はこの審議会で考えていただく。  それから先ほど責任の所存をはっきりせよとおっしゃいましたが、われわれ決して委員会の袞龍のそでに隠れて責任を回避しようとは思っておらないのでございまして、先生がおっしゃいましたように、あくまでも責任は行政官庁にある、こう思っております。ただ、よりよい行政をするために、われわれにない知恵を一つかしていただけぬかということで審議会に権威のある方々にお集まりいただきたいと思ったわけでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 官房長はきわめて政治的な円満な御意見をお持ちで、通産省の官房長としては適任であると思いますが、非常に広範な見識を持っておられます。ただここで一つ通産省として大いに馬力をかけていただきたいことは、国の政策の中において通産省の占める役割が、日本の産業振興に決定的な結論を出させることにもなるのでありますから、石炭産業の化学的進出、こういうもので他国に劣らない化学技術的な努力を払われて、日本はどの国にも負けない石炭の化学的利用度を高くしていく国だ、こういうところで今の石炭産業の不振を補う道もあるわけです。そういうところへも一つ精魂を打ち込んで、科学技術庁などとよく提携をされて馬力をかけていただきたい。  もう一つは政策的に、今官房長が言われたように日本の資本家も経営者も労働者も、一つの壁にぶち当たるような行き方をしている。このことについてあなたがすなおに指摘されました事実、この労使協調の面において日本は大きく欠けておると思います。これはやはり経営者そのものが労働者の立場を考え、労働者も事業の運営の上に貢献するという立場を考えるように、政府自身が指導せられなければいかぬ。対立を激化するような形に今まで日本の政府は拱手傍観した趣があるのです。これは一つあなたは政治的責任という立場にない方でありますから、事務的な立場からもその点十分考えて、ただ単に労働省にまかせるということでなく、石炭の対策については通産省が一番の責任を持ってやるのだ、労使間の協調ということについては通産省が片づけていきたいという馬力でもってやっていただきたい。特にこうした審議会をお作りになる際に、そういうあらゆる角度から検討を加えていく。特に三十八年でしたか、炭価引き下げという一つのめどがあると思うのです。その炭価引き下げのときには、ちゃんとすべての用意がされておらないと、また一つの大きな波紋が起こるわけでありますから、ここにも一応三十八年度を目途としてということが書いてありますが、そういうことも炭価引き下げなどに関連するのではないか。そういうこともあわせて検討していただきたいと思います。  最後にこれら機関の審議会委員の処遇でありますが、一日出席してどれだけのお手当を下さっておるか、お答えを願います。

樋詰誠明通商産業事務官(大臣官房長)

○樋詰政府委員 今先生のおっしゃいました御意見に沿いまして、われわれといたしましては最善の努力をしたいと思っております。  なお委員の処遇につきましては、通産省関係の委員は非常に低いのでありまして、一回大体八百円から千円程度であります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 その八百円と千円の差はどうして作られたのですか。

樋詰誠明通商産業事務官(大臣官房長)

○樋詰政府委員 たまたま古いときにできましたものは八百円くらいということで、そのままほとんど何年間も動かずに右へならえになっております。今回はお車代ということで、御出席いただいたときに大体千円程度を上げておるのが通例でございます。ここにあるのは一回の分ですが、鉱業法改正審議会は、一回御出席を願うたびに八百円ずつ差し上げております。これが実績でございます。それから産業構造調査会は、大体一年間に少なくとも十回くらいは開くつもりでおるのでございますが、五十名に対しまして四十四万円ですから、一人当たりが一年間に八千円ということでありまして、大体月に一回ぐらいずつお集まり願うということになれば、やはり一回千円か八百円くらい、そういうことになると思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 付属機関は各省にもあるし、総理府にもあるし、内閣にもあるわけであります。それぞれの付属機関の審査会、調査会の委員というものは、政府の機関ですから待遇が一本であるべきであると思います。八百円があとからできた審議会と比べて低いときには、当然ベース・アップをすべきことなんです。八百円が千円になるべきなんです。それを前にできた分は前のままにしておくということは、処遇の上においてはなはだ不公平なことになるのです。そういう額は通産省だけでおきめになるのですか。あるいは総理府などとも御相談なさって、各省間の連絡調整をはかってからおきめになるのですか。

樋詰誠明通商産業事務官(大臣官房長)

○樋詰政府委員 これは一応大蔵省の主計局で、大体各委員会全部横ににらんできめておるというふうにわれわれは考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 大蔵省に御相談されておるわけですね。

樋詰誠明通商産業事務官(大臣官房長)

○樋詰政府委員 実際問題といたしましては、予算を要求するという過程においてやっておるわけでございますが、大体今までの実績といったようなものから千円見当というものを出して、通産省自体はほとんど千円くらいで右へならえ、実はもっと前に非常に安いものがあったのでありますが、それはたしか最近八百円か千円かというくらいのところまで引き上げたはずでありまして、あまりひどいでこぼこは通産省限りではない。各省ともこういう程度の審議会は一応千円というようなことでやっておられるのではないか。たとえば公安委員会とかいったような、ああいう特殊な方は別でございますが、普通の諮問機関という格好の方は、各省とも千円くらいが平均ではなかろうかというふうに考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 それは国家公務員の給与を規律した国家公務員給与法というようなものの中にも、こうした審議会委員などに出るような高い見識を持った人々の場合は、三千円程度の日当が出されておる。それが今度少し引き上げられておると思いますが、そういう給与基準というものが、給与関係をまとめた法律の一つの根拠もあるわけであります。その日当に準じたというならば意味があるのでありますが、これは大蔵省の主計局に伺いたいのだが、きょうは見えないようですから、この次に大蔵省の主計局の責任者を呼んでぜひ確認しなければならぬと思います。各省において大体、総理府の付属機関などは千五百円出しておるところもある、千二百円のところもある、九百円のところもある。全くばらばらですが、通産省の部内においてすらも八百円から千円というふうにばらばらになっておる。こういうことでは委員の中に八百円の分と九百円の分と千円の分、また十回で八千円のものと、委員の立場というものに上下があるのかどうか。大体付属機関として御苦労していただく場合は、千円なら千円、千五百円なら千五百円とぴしっとおきめになって、そして各省間の連絡もはかられてからこういうものを予算にお立てになるべきだと思う。ここから各省のセクト主義というものも起こってくると思うのです。大体これに出られる委員というものは、そんじょそこらでかき集められるような方々とは違って、一応各界各層の権威を網羅されているはずです。そういう人々にお車代として差し上げるのに、鎌倉やら静岡の方からお車に乗ってこられるならば、鎌倉から来ても千五百円かかる。往復で三千円かかる。非常に御負担をかけてお手当が八百円、こういうことでは問題があるわけであります。ちゃんとお車も差し向けるなりといった方法もとって、この人々に大儀な気持で出席されぬよう、進んで委員会に出席されるようにされたい。こういう人々の出席が常にないから、会合を何ぼやっても結論が出ないという原因の一つにもなろうと思う。いつか参議院でしたか、予算委員会の公述人が、自分はこれだけもらっているというので、千円かそこらの手当をはなはだ不服に思っておられることを表明せられたこともあるわけであります。一つこの点、通産省として、今度新しく委員になられる人々に対して、ちゃんとした基準をおきめになって、進んで御苦労願えるような、知恵をかしてもらえるような処遇を考えていただくことをお願いをして、私の質問を終わります。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 各案についての残余の質疑は次会に譲ることといたします。  次会は明二十四日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時二分散会

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