逓信委員会 第30号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1961/05/16
会議録
○山手委員長 これより会議を開きます。 公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。 本日は参考人より意見を聴取することといたします。 参考人の方々には、御多忙中にもかかわらず本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。参考人の方々におかれましては、本案に関して、それぞれの立場より忌憚のない御意見をお述べ下さるようお願いを申し上げます。ただ、時間の都合もありますので、最初に御意見をお述べいただく時間は大体一人十分程度にお願いをし、後刻委員より質疑もあろうかと存じますので、そのとき十分にお答えいただきますようお願いを申し上げます。 それでは、はなはだ勝手ながら、御発言の順序は委員長に御一任願うことといたしまして、まず、佐藤参考人より御発言をお願いいたします。佐藤喜一郎君。
○佐藤参考人 それでは、私から申し上げます。 日本の電話は、公社の最近の努力で著しく改善してきたのでありますが、それでも諸外国に比べますと、普及の程度も低く、通話のサービスも、長時間待たねばならぬ地域も多くて、まだ低い水準にあると承知しておりまして、利用者の立場としてなお一そう改善の努力を払ってほしい状態のようであります。 ところで、今回の公衆電気通信法改正案は、先般私が会長を委嘱された電信電話料金調査会で約半年にわたりまして検討を行なった結果の調査報告書の内容をおおむね全面的に受け入れて作成提案されたものと承知しておりますので、その点において、私は本案に全面的に賛成の立場を表明するものでございます。 そこで、概要でございますが、改正案のおもな内容につきまして私の意見を申し上げたいと存じます。 今回の法律改正案のおもな内容としては、第一に、市外通話の距離のはかり方を改めたということでありまして、すべて地図上の直線距離により、かつ、従来のように局対局でなく、単位料金区域を設けてその単位料金区域相互間の距離とすること。第二は、単位料金区域内の局相互間の自動通話を新たに準市内通話として一律に一分七円とすること、第三は、市外通話の料金は三分・三分制で今まであったのでありますが、これを手動通話は三分・一分制、自動通話は距離別時間差法というものを採用することにいたしたことであります。第四が、百万、二百万、三百万等の新たな電話局のクラスを設けたことなどであると承知しておりますが、これらは私どもが調査会で検討した際の、何ゆえ電話の料金体系の合理化が必要であるかというその必要性、さらには体系をどう改めればよいかということなどについての検討の結果から見まして、いずれも妥当なものと考えておる次第であります。 まず第一の、距離測定の方法をグループ対グループの直線距離に改めますことは、現在局対局で、かつ、郵便線路距離等によっている方法からいたしますれば大きな改善でございますが、これが今回電話の料金体系の合理化を必要とする根本理由の一つであるのでございます。電話もふえますし、通話もふえてその取り扱いが著しく複雑になりました今日、市内だけでなく、市外通話も今後のサービス改善は自動化を拡大していくほかないと思われるのでございますが、この場合、料金をかける基礎になる距離のはかり方を今回の改正案のように改めることによって、自動化に必要な機械を設置する局の数が大幅に削減できるのであります。同時に、それによりまして機械自体も簡素化されて安いものになりまして、必要な工事の幅も著しく緩和されるという一石三鳥の利益が得られるのでございますから、欧米諸国でもすでに採用していることでもあり、当然に思い切って改革案のように合理化をはかるべきものであり、かつ、十分社会の容認を得られると思っている次第であります。 次に、第二の単位料金区域内の電話局相互間の自動通話を準市内通話といたしまして、距離に無関係に一分七円の一律の料金とする改正も、通話の自動化のために必要な機械の設置個所を少なくいたしまして、かつ、機械も簡素な経済的なものにする必要性、合理性等から考えて当然の、かつ、妥当な措置であると考えるのであります。そして、これはまた、最近の都市の発展等に伴いまして、いわゆる社会生活圏が拡大しているのに対し、現行の市内通話と市外通話の料金の格差というものが大きいので、この点が非常に都市と近郊の境界付近にある利用者の方々に不満が多いのであります。この料金格差の是正が必要であるという面からも万全とは申し得ませんのでありますが、相当有効な是正の措置であると思うのであります。これについては、調査会でも、社会生活圏の拡大という趨勢とにらみ合わせ、思い切って市内通話の度数料を引き上げ、そのかわり、単位料金区域内のみならず、隣接の単位区域まで含めて一律の市内通話料金区域とする案もずいぶん検討されたのでございますが、その場合は、かりに全体の収入の増減なしという建前に立ちましても、個々の利用者の負担は相当変動を生ずるので、調査会としては、諸般の状況を勘案いたしまして、答申案には、その案は将来の検討問題とし、十円にしようとか八円にしようとかいう案もあったのでありますが、今回はあくまで市内の七円は維持することといたして、本法律改正案でもその意見を尊重していただいているのでありますが、私も現在のところではこの程度が現実に即した最も常識的で妥当な線であると考えております。 次に第三の市外通話の料金の距離別時間差法と三分・三分制でありますが、現在の三分・三分制の料金のとり方はまことに不合理だと思います。公社の資料によっても四分、五分の通話が非常に多いこと、また近距離の自動通話は気軽にかけられるせいか、一分、二分の通話も存外多いことからしますれば、三分単位の料金は不合理であって、自動通話の七円を単位とする距離別時間差法には賛成であります。市内通話と市外通話の料金の格差を小さくいたします上にも有効であると考えるのであります。次いで、手動通話の初めの三分は取り扱い上やむを得ないことでございますが、オーバー・タイムだけでもすべて一分ごとの三分・一分制にいたしますことに賛成で、なおこれもできるだけ今後自動化を進めていくのでございますから、この程度の改善が望ましいかと思うのでございます。この場合、ちょうど三分通話したときの料金額は現在より高くなるのでございますが、この種の改正をいたしましたときに全部公平というわけにも参らないのであります。公社の減収もできるだけ防止したいという建前で、調査会当時の資料も検討いたした結果、この程度は必要やむを得ないものと考えた次第であります。 次に第四の、百万、二百万等の新級局の設定でございますが、東京、大阪のように加入数も非常に多く、地域も広い大都市と地方都市とのコストの差や、あるいは市内通話サービスに対します利用者の公平感をいかにバランスさせるかという点でいろいろ問題はあると思うのでございます。結局常識的にいってこの程度の措置が妥当であろう。われわれが調査会でいろいろ審議いたしましたときには違った、たとえば七十万であるとか百五十万であるとかいうような区分もできたのでございますが、要するにその趣旨において百万以上の大都市についての新しい級局を作ることが必要であろうということでありまして、東京は大体十年余の後には現在の市内区域でも三百万を突破する見通しであるようであります。そこで特に調査会としても三百万の級局の設定を強く勧告した次第でございます。なお、先ほどの準市内通話の制度の場合に、その相手方の局の加入者の十分の一を加算して計算する制度の改正も加わっておりますが、これも同様に利用者側の効用差と負担公平感のバランスを考えて、調査会としても勧告したものでございまして、この十分の一というのは要するに腰だめではございますが、まずまず常識的で妥当なる線かと存ずるのでございます。 以上、私は今回の改正案の個々の内容についても全面的に賛意を表するものでありますが、今回料金体系の改正に関連いたしまして、特に重要と考える点についてつけ加えておきたいと思うのであります。 その第一は、料金水準の問題でございます。調査会の会長を委嘱されまして料金体系合理化の検討を行なったのでございますが、公社当局もすでに言明しております通り、公社の経営はきわめて順調でありまして、他の公益事業の場合と異なって、調査会の検討においても料金水準引き上げの必要は全く検討しなかったのであります。しかし、他方、しからば料金を引き下げてもよいかという点については、経営は順調ではございますが、当時においても約八十万口の電話申し込みのウェイティング・リストがございます。現在百万とか聞いておりますが、さらに続出する申し込みの充足をはかる必要がございまして、その他市外通話の手動即時化、自動化等、まだまだ改善すべきサービスが多く、そのための建設投資を莫大に必要といたします現在、その長期拡充改善計画遂行の途次にあって、利益金はあげてその建設資金に振り向けられるということ、また電話事業の特殊性としてこれらの拡充改善のための投資は、サービスの改善、効用の増大となって現在の加入者にも相当部分いわば還元されると考えてよいことなどの理由から、調査会としては特に値下げもはからない、いわば不増収、不減収の原則に立って料金体系の合理化を検討したのでございます。国の行なう公益事業であるがゆえに、論者の立場によっては、公社が相当の利益を上げて建設資金に充当するということについて、あるいは異論がある場合もあろうかと思うのでありますが、私は利用者負担という観念は、公益事業であれ、企業体としてまず健全な経営を行ない、それによって得た収益を事業の拡充改善のための建設投資に充当するということは経営の常道であり、特に電話事業のように、その結果が既設の加入者にもサービスの改善となってはね返ってくるという特質を持っておる事業にあっては、きわめて望ましい方法だと考える次第であります。でありますから、将来そういうときがくるかどうかわかりませんが、もはや拡張の必要なしというときになったらば、おそらく引き下げることが可能かと思うのであります。 第二に、この合理化の実施をすみやかに行なえるように措置をする必要があるという点でございます。本改正案の内容は、それ自体一日もすみやかな実施が望ましいと考えますが、他面これは当然に設備、機器等の改造、取りかえ等を必要とします。その工事は今直ちに着手してもなお一年余りの期間を要すると承知しておるのであります。さらに、もしこの合理化が将来に延びる場合は、全国にわたりまして市内、市外の自動化が急速に進められている現状でございますので、改造、取りかえ等の対象となる設備、機器等の数が飛躍的に増大し、あとでこれを改めるというために設備のむだを著しく増大して、工事量も膨大化し、ひいては料金の合理化を全国一斉に実施することが不可能となるのではないかと考えるのであります。従いまして、市外通話の自動化がようやくその緒についた現在において、早急に実施に移すように措置することが緊要でありまして、国会並びに政府当局におかれては、本改正案のすみやかな成立に格段の御配慮をわずらわしたいと考える次第でございます。 最後に、不増収、不減収の原則に立って検討したと申し上げたのでございますが、料金体系合理化の円滑な実施をはかるため若干の調整を行ないました結果、調査会当時の推定におきまして約三十億の減収を生ずる結果となったと承知しておりますが、これについては合理化によります機械装置等の簡素化によるまだよくわからない節約面がございます。また市外通話の料金のとり方の改善による利用者というものも期待し得ることなどによりまして、長期拡充改善計画の今後の推進に特に支障を及ぼすことはないと信じまして、あの程度の減収案で答申をいたしたような次第でございます。公社においてもこの点さらに節約に格段の努力を払われるように答申書には付記したような次第でございます。 以上をもちまして私の意見を終わります。(拍手)
○山手委員長 次に薄信一君。
○薄参考人 法政大学の薄でございます。 公衆電気通信法の一部を改正する法律案の御審議にあたりまして、御参考までに若干の意見なり感想を申し上げてみたいと存じます。 言うまでもないことでございますが、わが国の電信電話の普及と利用の程度は、遺憾ながらはなはだおくれた状態にございます。この後進国的な状態は、日本経済が高度の発展を遂げるためには大きな障害となるものでございます。幸い昭和二十七年、わが国における第三番目の公共企業体といたしまして日本電信電話公社が発足し、翌二十八年から第一次五カ年計画、三十三年からは引き続き第二次五カ年計画をもちまして、電信電話の復興、拡充発展が着々と実施されて参ったのでございます。私は経済の神経ともいうべき、また生活の必需品ともいうべき電信電話が、まだ不十分ではございますが、ここまで復興、拡充発展して参りましたことを心から喜び、電信電話の今後に大きな期待を抱くものでございます。 ところで、ただいま御審議中の法案は、このような方向へさらに電信電話を拡充発展させるため、電信電話料金のうち、特に電話料金の体系を合理化し、今後の拡充発展に便利なように料金体系を是正しようとするところに重点があるかに存ぜられます。確かに電話の理想といたします全国自動即時化の問題をとってみましても、体系上の不備が料金負担の不均等となってくるようでありますし、また課金手続、課金装置の不経済も目立ってくるようであります。従いましてこの際、電信電話、特に利用度の高い電話の一そうの拡充発展の礎石といたしまして、料金体系を合理化し、その矛盾を除去しておくことは必要であろうかと存じます。ただそれだけに料金体系の合理化は、慎重に行なわれる必要があります。もとより法案は慎重な調査の上、十分にその影響なり効果を検討されて提出されたものと信じておるのでございます。が、私は、この法案が料金体系の合理化の前提となります料金水準、あるいは料金そのものの検討に及んでいないことをはなはだ残念に思うものであります。体系と水準は一応別個の問題でございますし、それぞれ別個に検討すべきものだという考え方もございます。しかしながら、利用者の側から申しまして最も問題となります料金水準の問題に触れることなく、もっぱら経営的な立場から料金体系の問題を取り上げられますことは、年々日本電信電話公社が多額の利益金を出しております現状では、特に釈然としないものを感ずるのであります。適正な、合理的な電話料金とは何であるか。現在の料金水準は合理的であるか合理的でないのかという根本的な問題を抜きにいたしまして、料金体系を合理化いたしましても、加入者あるいは利用者相互の負担の不均等は是正できましょうし、また拡充発展のための障害も少なからず除去できると思うのでありますけれども、加入者あるいは利用者全体の過重な負担というものは是正できないと思うのであります。御存じのように現行の電話料金には今後の電話拡充に充てられる資金も含まれております。この点の再検討が法案の前提といたしましてぜひほしいところであります。 今回の法案は、料金収入に変動を生じさせないことを建前といたしております。この点に関しまして料金水準を根本的に再検討し、全体的に値下げになる、そういうことが望ましいのでありますが、全体として値下げになることもないが、値上げになることもない、このように説明されております。これは公共企業としての電気通信事業が、収入を第一義的に考えていることの一つの現われである、こう思いますが、ともかく全体として値上げにならないものでありますれば、それはそれなりにけっこうであります。ただ私は、この点に関しましても若干の疑問を持たざるを得ません。 第一に、広い意味での料金問題といたしまして基本料金が上がるのではないかということであります。級別区分の改定によりまして、東京で値上げとなることははっきりといたしておりますが、単位料金区域の設定、準市内通話制度の開始に伴いまして、級別区分が変更され、何ほどかの基本料金引き上げが生じてくるのではないか、私はかように考えております。 第二に、市外通話におきまして自動即時の場合、距離別時間差法で参りますと三分通話で二五%、手動即時の場合三分・一分制で参りますと同じく三分通話で二%の値上げとなっております。課金距離が改定されますので、一がいにこうは申せないのでございますが、大体このような値上げとなるのではないかと思います。 ついでに申し上げておきたいのでありますが、市外通話におきまして、自動即時では通話時分が三分以内で短ければ短いほど安くなることになっております。ところが手動即時では今までのように三分以上でなければ安くなって参りません。これは待時通話でも同じであります。かけ方によっては安くなるとPRが行なわれているように見受けられますが、自動即時と手動即時、それに待時ではかけ方を区別しておかないとかけ方によっては向くなるという心配がございます。 第三に、単位料金区域の問題でございます。法案の第四十五条の二によって、これは郵政省令で定められることになっております。手続的にあるいは運用の必要からこうなったものと存じますが、料金の上からも今後大きな問題となるものでありますから、できますならば、それを定める基準だけでもお示し願えたらけっこうかと思うのであります。 私は今回の電話料金体系の合理化の前提といたしまして、料金水準を検討することが必要である、そういうことを申し上げ、また今回電話料金体系の合理化が明示されてはおりませんが、料金の実質的な値上がりになるのではないか、少なくともそういう危惧を抱かざるを得ないということを申し上げます。電信電話は経済の発展に、また国民生活の向上になくてはならないものであります。今後大いに拡充発展させていかなければならないものであります。日本電信電話公社は公共企業体といたしまして、事業運営にあたりまして常にその公共性を第一義的に考え、上質低廉な電信電話サービスの提供に専念していただかなければなりません。そこに働く従業員が労働基本権を制限されているのもそのためとされております。電話需要の逼迫に便乗いたしまして、これ以上に料金を値上げするようなことはあり得ないし、採算を第一にして、大都市中心の、大都市を中小都市に優先させるようなこともあるとは考えられません。すでに電話は大衆のものとなりつつあります。電信電話事業の公共性は今後ますますはっきりさせていく必要があります。私はこの念願と期待から、ただいま審議中の法律案につきまして若干の意見と感想を述べさせていただいた次第でございます。(拍手)
○山手委員長 次に高木健夫君。
○高木参考人 私は電気通信法の一部改正法律というふうに受け取っております。この改正の中にはもちろん料金の改定が入りますけれども、私は立場といたしまして、いつも電信電話公社に対して文句を言ったり、苦情を言ったり、こうなったらどうだ、こうしたらどうだということを言う方の立場なんでありまして、その立場から今の電話の状態を見ますと、一番の苦情は何かと申しますと、やはり電話をかけるときに待たなければならぬ区域がある、あるいは電話の架設を申し込んでもなかなかつかない、こういうことがあってはどうもいつまでたっても不便なんで、これは何とかならないかと思っていたわけであります。 今度の改正案を見ますと、料金が——車の両輪のようなものでありましょうけれども、それよりも一番先に私強く感じましたのは、技術革新と申しますか、いわゆる今までの電話のやり方が非常に革新的なものになり、あるいは理想的に言うならば、十年後はおそらくダイヤル一つで北海道でも九州でもすぐ呼び出せるというふうな時代になりそうな気がしたわけでありますが、これは大へんいいことだ。それからもう一つは、電話がそういうふうにダイヤルですぐかけられるということが大事なんですが、やはり申し込んだらすぐ電話をつけてもらわなければいけない。ところが、先ほどから電話が非常に普及したという話がありましたし、事実そうなんですけれど、やはりまだ電話が一つの特殊な財産であるような感じを持っている、あるいは電話をつけるということで一つの社会的な信用がつくような状態になっている。これはもう少し積極的にみんなが電話を手軽に持つようになって、たとえば万年筆を持っていても、これはもう特権階級でないというふうな感じでしょう。おそらく電話も万年筆のように、申し込んだらすぐつけられるというふうなことになり、そうしてすぐどこでもダイヤルで呼び出せるというふうな技術改革ができるということが望ましいと思います。そういたしますと、今度のこの電気通信法の改正案を見ますと、大体その十年後の展望が私どもしろうとにも大体よくわかるような気がいたして、この点は何よりだと思います。 それから、さっき佐藤さんからもお話がありましたけれども、私なかなか覚えられないのですが、距離別時間差法ですか、何かそういうことで三分・三分が三分・一分になるというふうなこと、これは私たちずいぶんテープを聞いたりなんかして研究したのですけれども、一分という時間は非常にたくさんの大事な用事が言えるということを、発見というのはおかしいのですが、今さらのように気がついたのです。私のようにこんな話し方をしておりますと、ええと、ええとですぐ三分たっちゃって、また一分というふうにすぐ追加されて、大へん不経済になりますけれども、要領だけをぱっぱっと言うような訓練ができれば非常にいいと思うわけで、私たちもいつも電信電話公社に対して電話をかけるエチケットをもう少しPRしてもらえないかということを要求しております。つまり電話というものは自分がかけている問は自分の電話ですけれども、しかしそれをかけている間はほかの人がかけられない。そういうふうな自分本位でなしに、社会の便利のために、公益のために、もう少し能率的な話し方を研究する必要があるのではないか。それのためには、これから少しはずれますけれども、中学校とか高等学校でももっと積極的に能率的な電話の話し方を教育する方がいいじゃないかというふうに思います。 それからもう一つ、こういう電話の体系、つまりダイヤルですぐ呼び出せる、即時通話ができる。これは理想から申しますと、外国には例があると思うんですけれども、全国が全部そういう体制になったあとで料金を改正してもいいのじゃないかという考え方が私にもあったわけですが、しかしそれを待っているのじゃ、これはやはりなかなか消化できない加入申し込みがたまっているし、設備のあれもむだなところが出てくるしというふうな説明を聞きまして、これまたなるほどと納得した次第であります。 大体私の申し述べたいことは以上のようなことで、時間で見ますと大体三分程度ということになります。
○山手委員長 次に片平久雄君。
○片平参考人 電電公社の事業は第二次五カ年計画の実施によって非常に急速に進展いたしておりますし、さらに第三次五カ年計画が予定されておりまして、電信電話事業の合理化が一段と進められようとしている現在でございます。 今回の料金合理化のための公衆電気通信法の一部改正は、この第三次五カ年計画によって確立しようとする電話の全国自動即時網の完成をねらい、その前提となっているものでありまして、ただ単に現行電話料金の不合理を是正する、あるいは宣伝されているように料金の値下げになるといううたい文句にあるものだけでなくて、この第三次五カ年合理化計画の実施のための重大な要素を持つものでもありますし、また欠くべからざる条件としての内容を持つものであることは申し上げるまでもございません。従って、この第三次五カ年計画の、実施によって、膨大な合理化計画でありますから、必然的に生ずるところのまた影響されるところのきわめて深刻な従業員の労働条件、こういうことを考慮せずには絶対に考えるべきものではありませんし、言いかえるならば、労働条件と密接不可分の関係において検討されるべきものであると考えるのであります。私は、このような観点から、この法案に対しましては重大な関心を持つものでありますし、意見を申し述べてみたいと思うのであります。 電電公社の事業は、第一次五カ年計画実施以来、きわめて急速な発展を遂げておりまして、たとえて言うならば、いわゆる第一次五カ年計画発足の昭和二十八年を一〇〇としてみた場合に、三十四年度において電話の加入数は一八一、さらに電話機の数においては一八六、回線のキロ数においては三二〇という増加率を示しておる状態であります。さらにこの利益収入というものは、三十四年度はまさに五百十四億に達しまして、二十八年度に比べて十倍以上の利益を上げ、これはいずれの企業にも見ない状態であります。私たちは、この事業の発展ということに対しましては、もちろん公社の計画しておるものが都市中心主義になっており、企業の経済性というもののみを追求しておるし、公共事業という性格から見た場合に、多くの問題点を指摘するものであります。しかしながら、事業が進展して電気通信設備の機械化、自動化、こういうもので国民の便益が増大するということについては、私は基本的には賛成するものであります。しかし、自動化あるいは機械化というものの進展によって、国民の便益が増す、社会の利益になるといたしましても、この事業の中で働く従業員の労働条件というものが全く無視されてよいというものではないと存じます。事業の進展に見合ったものが、当然この労働者に対して労働条件として保障され、実施されなければ、近代的な企業経営とは言えないと存じます。しかるに、現在電電公社従業員の労働条件を、この事業の進展に照らしてみるならば、決してこのことが実施されておらず、いわゆる近代企業経営の様相をなしているとは言えなのであります。すなわち、年々拡張されて参りました事業量に見合った要員の数がはたして確保されておるか、少ない人員によってサービスが行なわれておる、いわゆる建設が行なわれておるというのが実情でありまして、電電公社の職場における労働者には、きわめて労働強化がしいられておるというのが現状であります。 一例を国会審議の場を通じての公社の要員の算定に見ますならば、最近の例をとって、昨年公社は九千五百名のいわゆる計画の拡張による要員の増を予算として要求いたしましたが、これが五千五百名、約四千名査定によって削られました。ことしは、さらに一万四千三百七十六名という要員増を公社として計算をいたしましが、これがおよそ八千名に査定され、六千名の要員というものが削減されたわけであります。従ってこの削減によるところの差、すなわち実際に必要な人間と実際に現に働いている人間との差は、現在、電電公社従業員のいわゆる労働強化、言うならば犠牲によって補われておる。今の、きわめて進展の激しい、あるいは膨大な計画の遂行といういうものが、公社が算定した要員すら満たされない状態で、働く従業員の犠牲によって行なわれていると言っても過言でないのであります。 また従業員の賃金の面を見ましても、その利益収入を先ほど申し上げましたが、二十八年当時に比べますならば、それを一〇〇とするならば一四一という労働者の賃金の上昇率でございます。従って事業収入が十倍も、しかも他の企業に類を見ない五百億という黒字を上げておる企業において、その従業員の待遇、賃金面においては、一〇〇に比べればわずかに一四一という上昇率にとどまっておる次第でございます。何ら事業の発展、生産性の向上に見合った賃金というものが支給されておらない。いかに一生懸命働き、生産を上げても、それに見合ったものが保障されておらないという従業員の実情であります。これは一例ではありますが、私たちは全電通労働組合が電電公社との問に、合理化に伴う労働条件等に関する基本的な了解事項として、昭和三十二年に企業合理化の進展に伴い労働条件は向上させるという労働協約を締結いたしております。さらにこのことは、より具体的に昨年公社と労働組合との間に協定されておるのであります。 また、昨年第二次五カ年計画の拡大、修正、このときにあたりまして、労働条件の向上を、国会の場において衆参両院におきまして附帯決議として、公社に対してその実施を義務づけておるのであります。そしてこの国会からの義務づけという内容は、一般並みの待遇を考えるのではなくて、電信電話事業という企業の特殊性と合理化進展の状況に即応する、そのことが内容として明らかに指摘されておるのであります。しかしながら電電公社はこのような労働組合との約束、あるいは国会の決議すら無視しておるのが、現在の労働者に与えておる労働条件の内容であろうと言っても過言でないと思います。 さて、第三次五カ年計画の実施がいよいよ策定の段階にございます。この料金法案がその前提をなしておると申し上げた通り、もしこの計画の遂行によりまして、市内電話の完全自動化、あるいは全国の即吟綱の確立、これが実施されました場合にどういう現象が起こるかと申し上げますと、ただいまは郵政局に委託しておるいわゆる三等局の電話交換、こういうものも含めまして有手動局、いわゆる手でもって交換作業をしておる局が六千八百くらいあります。しかしこの全国電話即時網の確立によっておよそ六千二、三百くらいの局が交換要員を必要としなくなります。交換要員というのはほとんど女子でございます。すなわちこの六千二、三百くらいの局に従事する従業員に対しは、この第三次五カ年計画の実施、全国即時綱の確立によって、労働条件に対する大きな不安があります。すなわち人が要らなくなるわけでありますから、配置転換あるいは他の職種に転換する、あるいは退職する、こういう現象が起きてくるのであります。従って配置転換される背は、従来よりも通勤時間が非常に延長されるという不便が起きてくるでありましょうし、またさらに住宅の移転という問題が起きてきます。これらのことは、現存の経済状況におけるわれわれの生活条件の中においては、決してなまやさしいものでなく、きわめて深刻な生活上の問題でございます。さらに職種転換といいましても、長年自分が手がけて参りました仕事から、全く未経験の仕事に変わるということも、それぞれの人間にとっては大へんなことであります。特に女子職員が多い交換作業においては、女なるがゆえに配置転換あるいは職種転換ということがきわめて深刻な、過酷なものであるがゆえに、余儀なく退職をしなければならないという状態が起きてくる。このことは見のがせない事実であります。 さらに有手動局として残る、すなわち交換手が直接交換業務に携わる電話局がおよそ五百三十から六百くらいの状態になりますが、しかしこれはいわゆる無手動局ができるという状態から、非常に電話線路等の保守範囲が広くなります。従って現有のままの人間では従来のような作業能率を上げることができなくなる。すなわち広い区域にまたがってまで仕事をしなければならなくなるという事情等もあります。これらのいわゆる労働条件に関する生活に直接影響するきわめて深刻な状態、あるいは毎日の仕事の量、いわゆる労働強化になる問題を含みながら、全国即時網というものが今計画、実施されようとする段階にあるのであります。従ってこれらの対象になる局、その職場で働いている従業員が、個々の人間にしてみれば、将来どうなるだろうという不安はきわめて大きなものがあり、深刻である二とは、再度申し上げるまでもないと思います。 このことは、私が単なる想像で申し上げるのでなくて、今日まで電電公社と全電通労働組合が、計画の事前協議という中で話し合った、あるいは団体交渉の場で明らかにされた実情でありまして、電電公社もこの実情については十分認めておるところであります。こういうような状態において、労働者の不安というものに対する保障、すなわち要員管理の内容というものが明らかにされないままに計画がどんどん進められるということは、働く従業員にとっては重大問題であるということを再度強調いたしたいと思うのであります。 その他、高度の技術を要する電信電話作業、あるいは高度の神経作業に従事しなければならないという状態に対する労働条件の保障が何ら明らかにされておりません。お先まっくらのまま仕事に突っ込めという状態が現在の状態であります、しかも生産性向上がどんどんとはかられる、そのことが明らかになっておるにもかかわらず、その生産性向上に基づくところの労働者に対する報酬、待遇というものも何ら明らかにされておらないのであります。 私は前にも申しましたように、電話の話備が拡張し、自動化が促進いたしまして、国民の便益が増大するということについては、決して反対するものではありません。むしろ賛成する立場であります。しかしながら、たといそうであるとしても、この計画実施が公共性を持つところの計画と実施であり、そして労働者の犠牲を排除したものであるということが明らかになる、すなわち労働条件が保障されながらこの計画と実行がなされるものでなければならないと信ずるのであります。 今日第三次五カ年計画の重要な要素、すなわちその前提ともなるべきこの料金合理化の法案が今申しました労働条件との関係を何ら明らかにせずに決定するというこのことは、今日までの合理化の進展に伴う労働者に対する電電公社の扱い、こういう経緯から見ましても、その対象になる労働者がきわめて労働不安が増大いたし、単なる不安だけでなくて、私は労働者に対する犠牲のしわ寄せというものが現われてくる危険性を持つということを明確に指摘しなければならないと思います。このことは、だれが何と言おうと、公社の今日までの労働協約の不履行あるいは国会の決議の不履行という事実からして、明らかなところであります。 この法案が、今申し上げましたように労働条件の問題の面から見ても、また法案の内容自体が、値下げあるいは合理化という美名をもってPRされておりますが、しかしこれが決して値上げを意味しないと言い切れるものではありません。われわれこまかくは申し上げませんが、結果的には事実上値上げを内容とする法案であるというこの法案の内容からいっても、私たちはこの公衆電気通信法の一部改正案、このものに対しては強く反対の態度を持つものであります。(拍子)
○山手委員長 次に吉田五郎君。
○吉田参考人 私は、今回御審議中の公衆電気通信法の一部を改正する法律案につきましては、全面的に賛成の意を表明いたします。その主要点につきましては、先ほど佐藤参考人が四つばかりの点に述べられましたことに尽きるわけでありまして、私自身も全く同感でございます。 この法律案の主眼としております現在の電話の料金体系を調整し、合理的な訂正をしようということにつきまして、まず第一に賛成すべき点は、現在の電話の基本的なものであります市内の度数料七円というものを全然値上げしないで据え置いたというのが第一の前提条件でありまして、これは現在、最近国内におきまして公共企業の各方面にわたりまして値上げムードということで、毎日、新聞をにぎわしておるあり方に対しまして、基本的な違い方だと思います。この点は、まず一番先に強調すべきものだと思うのであります。これを基本にいたしまして、これに関連します近郊の電話の料金のあり方、それから長距離の市外通話のあり方というものを検討してみますと、この七円という据え置いた現在の電話の基本料金、これを単位にいたしまして全部はかっていこうとする考え方でありまして、現在の電電公社がやられております電話料金体系を根本的に直すことになりまして、それが非常に合理的だと感ずる次第であります。たとえば、この案にあります市外の長距離電話料金の距離別時間差法、これは現在西ドイツ、イギリスその他ヨーロッパで行なわれておる考え方でありまして、三分・三分制というものに対しまして、とにかく通話する当人がしゃべった時間に応じてその分だけの料金をとろうという考え方でありまして、これが一番合理的な料金だと思います。ちょうど電力料金、ガスの料金なんかと同じ、いわゆる流れをそのまま料金化するという考え方でありまして、これは非常に合理的なものだと思います。これをやりますと、どうしても現在の手動でやっております普通の市外通話というものが三分・三分では非常に矛盾いたしますので、これを今のような考え方に直すという建前から検討されたと思うのです。ただ、手動でありますから、非常に短い時間の単位にやることは、交換手の作業上できませんから、初めの三分は従来通りとして、あと一分ずつでやるということでありまして、四分あるいは五分の通話が非常に多いのでありますから、その方たちは確かに六分分をとられないで済むという合理的なものだと思います。その場合に、公社の収入が、現在の三分の規定になっておりますものをそのまま基準にとりますと、だいぶ減ります。それで、収入がほぼ見合うようにしますために、距離別時間差法で二五%、三分・一分制の手動では一一%というようなことになっておるだろうと思うのでありますが、当然だと思います。要するに、お客さんが電話をかけているのは何も三分でかけるのではありませんで、その人の話によって非常に短い時間から連続して長い時間まであるわけでありますから、ある一点だけ上がろうが下がろうが、全体が合理的な水準になりますれば、たくさんかける人たちは平均されて——結局、通話を上手にやれば安くいくというようなことで平均化されますから、大へん工合よい制度だと思います。従いまして、この改正案が出て値上げになるということはない。この審議にあたりまして私も少し関係しておりましたが、電電公社におきまして、非常に長い東京−福岡間だとか、中かげんの東京−名古屋間だとか、ごく近郊の東京を中心にした実際の一カ月間の通話の、一分はどのくらい、二分はどのくらいという非常に克明な統計をとられまして、その統計から数学的に、統計学的に計算した結果でありまして、もしこの制度によって著しくお客さんの考え方が変わらない限りは、公社が考えられたいわゆる通話の分布状況はそう変動ありませんから、大体この数字が出るものだろうと思いまして、値上げにはならない、かように思います。 そのほか準市内通話制度の採用でありまして、これも現在の公社の設備能力その他からまだ自動化が中途半端でありますから、一分間七円でやる区域を設ける以外に方法がないという計算になるわけでありまして、実はこれは私が最も強硬に主張した案であります。武蔵野と荻窪との間で道一つ隔てて現在二十一円、三通話でとられているのは不合理だ、これを短く一分間にしゃべれば市内と同じにいくというので、東京、大阪その他の都市の近郊との通話が工合よくいくという点を十分勘案された非常にうまい案だと思います。 それからもう一つ、この距離のはかり方を相当の電話局、ちょうど郡ぐらいの単位になる電話局を合わせました一つのグループにして、そこの一番中心になる局と局との間で全部距離を直線ではかるというのは、これは大へんけっこうな案だと思います。こうしないと、現在進められております全国ダイヤルによる即時通話というものが進展した場合に、料金の登算が非常に困難になりますから、当然さるべきことで、これは世界じゅうみんなこういうふうになっておりまして、日本とイタリアだけが残っておる。当然さるべき改正案だと思います。 この法案の直接の問題点につきましては以上の所見でありますが、なお私、実は三年前から経済審議会専門委員を委嘱されまして公共部門の委員を担当しておりまして、主として電信電話の二十年後の展望を一昨年やりまして、昨年は所得倍増計画の専門委員を担当したわけですが、そのときに、十年後の加入後の加入電話はどのぐらいになるかというのを電電公社、郵政省、経済企画庁、それぞれの専門家から伺いまして判断しまして、大体十年後には千五百万加入ぐらいになるべきであろうと考えたのであります。今まで公社が言っておられる四十七年の姿が千六十万ですか、そういうのよりはもっと大きなスケールにしなければいかぬ。その場合に必要な建設資金は大体三兆三千億要るだろうという算定になるわけでありまして、経済審議会の今の所得倍増関係の財政部会は金がないから出せないというので、初めに三兆三千億でしたが二兆八千億主で認めようということで、妥協せずに政府にそのまま、私の方は三兆三千億、財政部会は二兆八千億という答申が出ております。それをやりますのにあたりまして、その資金をいかにして確保するかということが一番の問題だと思うのでありまして、電電公社が現在直面しておる最大の問題は、百万近くの積滞加入者をいかにさばくか、今後ますますふえるであろうものをいかにさばくかという建設資金の確保の問題でありまして、その一部分が減価償却費から相当出ておりまして、これは従来古いものを取りかえながら、いわゆる新式の技術革新に沿った機械にしていくわけでありまして当然でございます。そのほかにここに見かけ上出ております電電公社の利益金五百億近くのものがございます。それが法律に従って建設に回されているところだろうと思いますが、この問題につきましては、もしも電電公社が普通の私企業でありますならば、今出ました五百億の相当部分は税金に持っていかれるはずであります。それから株主配当金になるはずであります。ちょうどそれに見合う。五百億の大半はそこへいくはずであります。それを政府に税金として納めたものをちょうど国から建設資金として投入してもらうという格好で循環しているのと同様に考えれば、そう大きな、五百億出しているのがけしからぬという見解にはならないと私は思うのであります。そのものにつきまして、この改正案によりますと約一年で、三十七年の計算でやって三十億近く減るようでありまして、それが影響するので少しどうかという見解もありますが、大体収入が二千数百億ありますから、一%ないし一・五%くらいの減でありますから、当然これは経営当局並びに従業員の努力によってカバーさるべき金額だろうと思います。このもとの計算には私案は賛成している次第でございます。 なおこの問題は、実際に料金のはかり方を今までと変えますので、それを自動的に機械でやりますので、全国一斉に実施しますとすれば相当の準備期間が要ると思うのです。それが公社当局は一年は要るということでありますが、これは機械を用意しなければいかぬ問題がございますから、メーカーに作らせなければならぬということで、どうしてもこの問題を基本的に早くおきめいただかないと、この法案の最後のところに出ています実施期日はなかなかむずかしいのではないか、かように考えますので、私、全面的に賛成で、なるべくすみやかに一つ御審議をいただきたいと思います。(拍子)
○山手委員長 次に勝部欣一君。
○勝部参考人 この改正案につきまして消費者、利用者の立場からいろいろ検討させていただいたわけでございますが、全体に合理化をしているという努力は今公社側でも非常にしておられるように見受けられますけれども、まだいろいろな点で改善さるべき面が多々あるのじゃないか、そういう点で賛成できない面が多々あるのでございます。 その第一の点としまして料金につきまして申し上げますと、今度はいろいろ距離制の問題を改善しましたり、あるいは近接地の料金を改善する、さらに一分制というのを採用する、そういう点で私ども最初見ますと、何か中身は非常に合理化されて、これは値下げになるのじゃないかという印象を受けたのでございますけれども、よくよく検討してみますと、たとえば東京から札幌、福岡などにかけました場合には、確かに六分の場合だと同じ値段でございまして、それで中身が刻まれておるのでございまして、その点で非常に合理化されているということは言えますけれども、たとえば東京−大阪の例をとって参りますと、そういった中距離の、ことに東京−大阪なんかは実は一番利用度が多いわけでありますが、そういうところで三分の場合でありますと値上がりでありまして、二百九十円が三百十八円になる。六分ですと五百八十円が六百三十六円になる。実は一割の値上げになるわけであります。四分、五分の場合は確かに安くなるという計算がそこに出て参っておりますけれども、最近電話が非常に便利になりまして、みなが遠距離もよく電話をかけるようになりましたけれども、三分ぎりぎりで用を済ましておりましたのが、四分なら安いという点で、四分、五分をうっかりするとかけてしまうのではないか、そういう点で結果としてはわれわれの支払う代金というものは多くなってしまうのではないか。公社は三十億の減収を今度は見込まれておると言われますけれども、これは結果として見なければわかりませんが、どちらかと申しますと、消費者としてはなかなかうまい心理作戦ではないかというようなことさえ実は勘ぐられるわけであります。それから準市内の場合でも、三分にすれば、二十一円になりますが、従来は十四円でございまして、実際二、三通話のものが多いわけでありますから、この点もやはり問題があろうかという工合に存じております。公社全体としましてはやはり五百億以上の利益が出ているということがはっきり出ておるわけでございますが、私どもの考えでは合理化というのは利益が出ているのだから、三分なら三分の刻みのところは少なくともそのままの姿にすえ置いて、そして一分、一分の刻みで率が安くなるというなら合理化と考えられるのですが、やはりその値上げの部分が多いという余地を残した点は非常に問題があろう、ことに東京−大阪間などは問題があろうと思います。 それから第二点としまして、待時通話の際に、実際に字のごとく待っている時間が非常に長いわけであります。それですから、みな急報なり特急報にするわけであります。それが待時通話の場合、普通料金を一〇〇としました場合に、それに見合います同じ距離で、即時通話は一五〇から一八〇という数字になるわけでありますが、急報は二倍とられますから二〇〇であります。あるいは特急報は三〇〇くらいとられます。二倍、三倍とられるわけであります。そうしますと、同じ距離で即時はすぐかかる、しかしながら待時通話の方は、特急にしましてもやはり待ってかけなければならぬ、サービスの内容が悪いのによけいな料金を払わなければならぬ、この点はやはり非常に不合理な点があるのではないか、こういう点も改善されてないという点で問題があろうかというふうに考えております。 それから三点としまして基本料につきましても、先ほどの参考人も述べられましたけれども、東京の場合にあの改定の表によりますと、たしか今度は七十万以上の基準の大都市ですか、そういう圏内の基本料金が今千円でありますが、それが千百円になる。さらにもっと人口がふえれば千二百円、千円三百円というところまでランクが上がる。これはどうも加入者が多いという局の方が基本料が高くなるという、そういう制度でございますが、それは加入者が非常に少ないところでは人手もたくさん要りますでしょうからかえって高いというのが普通でございますが、加入者が多いほど基本料が高くなるというのはどういうわけだろうか、この辺はコスト・ダウンという問題も当然考えられるわけですし、問題があろうかという工合に考えます。便利になるという点では確かに加入者の多い局の方が便利で、その点で料金が高いということは言えるかと思いますけれども、ある一定のところで頭打ちをすべきではないか。こういう基本料が上がるというところは問題であろうかと思います。 それから次に第四番としまして、技術革新、オートメ化、加入者増大ということの結果、私どもはむしろ値下げをすべきである——先ほどからも全体としてはプラス、マイナスがないという計算をしたということでお話がございましたけれども、マイクロウェーブができましたり、トランジスターとかダイオードとかいう電子工業の非常な発展、これは日本でも特に発展しているものでございますが、そういうものが取り入れられてきた。これは驚異的に目ざましいものがあるだろうと思うのです。そういうものが取り入れられてきた場合、特に公共企業体の中では、鉄道とかそういうものに比べまして電電事業はオートメーション化が一番可能であり、現実に進んでいるところだと思います。そういう点でコストというものは実際下がっているのじゃないかという工合に考えられます。これは一般的に言えることでございますけれども、オートメ化が進みまして生産性が向上する、企業利益が増大するという場合、そういう利益の配分——利益はオートメ化の前とその後とを比べた場合は、最近は飛躍的に増大しているということが言えると思います。そういう点で配分ということは非常に重要になってきていると考えますが、その配分にあたって、企業利益はなるべく企業内に置いておこう、消費者の方の値下げとか、そこで働く労働者の賃上げとか、労働時間の短縮とかいう方にはなるべく回さないでおこうとする傾向が日本の大企業の中には特に見受けられるわけでござます。それでいて配当率は世界で一番高いといわれるほど高く、設備投資は非常に行なわれているということがあるわけでございますが、実際購買力を先行きなくしてしまったらどういうことになるか。たくさん作ってもあとで売れるということが前提でなければならない。そういう点で技術革新による恩恵というものが消費者にもっと均霑され、特に労働者の賃金の増大となって、それによって購買力をふやすという方向に向けられなければ、企業自身の自殺になるのじゃないか。こういう傾向が全国的に大企業に多いわけでございますが、そういうような点、公益事業の中でもオートメ化の花形である電電公社が——政府は所得倍増の問題につきましていろいろとわれわれに解説されておりますけれども、まず政府の公共企業体こそがオートメーションの恩恵を正しく分配する方途を身をもって示していただくことが、日本の産業を堅実に発展させていくことになるのじゃないか。また消費者大衆も喜ぶことになるのじゃないか。そのように考えるわけでございます。そういう点もぜひお考えをいただきたい。従って年々収入二千億という中で利益が五百億も出るという非常にりっぱな、健全過ぎるほどの企業としては、その純利益を全部設備資金に回すということでなく、逆に値下げの方にもっと回して、消費者大衆がこれを利用できるという方向に回していただくべきじゃないかという工合に考えております。おそらく加入者がうんとふえましたり、さらにオートメ化が進みますれば、現在の七円の基準をもっと下げて、たとえば五円くらいに下げることも可能ではなかろうかという工合に考えるわけでございます。今度東京−大阪間が逆に高くなるというようなことが出ておりますが、マイクロウェーブを使っております東京−大阪間の場合には実際の費用というものはあまりかからない。遠距離ほどもっと下げてしかるべきではないかということさえ考えられるわけでございまして、そういう点もお考えいただきたいという工合に思います。 それからサービスの点では、近ごろよく聞く声でございますけれども、交換嬢が非常に不親切であるということを聞くわけでございます。これは公社の方でもサービス改善の教育ということをぜひしていただきたいわけでございますが、その前に、先ほどから伺っておりましても通話数が非常に多くなっている、それから労働強化がされてきている、それから自動化でいつ配置転換になるかわからないといったような不安から、いわゆるストレス的緊張ということで不親切になっているとしたら、利用者にとっては非常な問題でありまして、こういうオートメ化、合理化をいたしますときには、そこに働く労働者の保障問題がどうなるかということはどこの産業でも重要な問題になってきているわけでございます。われわれとしましては、もちろん、自動化され、便利になることは非常に賛成でございます。賛成でございますが、そういう保障も十分にやっていただきたい。そうして労使間が大きないざこざを起こさないように、オートメ産業の中で、政府の公共企業体として最も模範的な労使関係を樹立していただきたい。これがやはりわれわれ末端利用者の声じゃなかろうかという工合に考えております。 それから最後に資金面につきましても、もっと資金運用部資金を使うべきじゃないか。これは私どもの零細な郵便貯金とか厚生年金がその内容でございます。大衆が積み立てた金であります。こういうものはうんと回してもらいたいという希望を実は持っておるわけであります。最近聞きますと、アメリカの証券業者を通じて二千万ドルの外資が導入されているけれども、そういうことをせずにおいても、もっとそういうところを回せるのじゃないかという工合に考えます。 それから需要者も、これからの需要者は一応会社とか事業場ということが終わりまして、これからは一般勤労大衆が電話を利用するようになるんじゃないか。これは政府のいう所得倍増、生活改善、向上ということが文字通りうまく実現をしたとしましたら、ますます大衆はこういうものを持ってくる。それが実際正しい所得倍増だろうと思いますけれども、そういう点で今度は大衆が引く番になってきておる。この点電話債を現在の六万円から十五万円に引き上げられましたけれども、これは実際は逆で、電話を引きにくくしている傾向がある。かえってこれを引き下げるか、あるいは加入予約積立金制度のようなものを作って、たとえば労働者や農民がよく預金をしたり利用している労働金庫であるとか農業協同組合、そういうところの組織を活用しまして、目的別に零細な預金をする、加入予約積立をしながらそういう零細な預金もとっていくということができれば、加入申込数というものも明白になりますし、工事も計画的に行なうことができる。また資金の面でも、大衆がほんとうに必要と思いますから実際集めてくるのじゃないか。そういうようなことも考える必要があるのではないか。現在市中銀行を使って月賦をやっておられますが、この月賦の回数ではまだ短いし、大衆はとても手が伸びません。実際のところ大衆が電話を引くときには、友人から金を借りたり、われわれの方では労働金庫から金を借りたりして電話を引く。そして、すぐあくる日には証券業者に債券を売っ払ってしまう。そしてつじつまを合わせるということが大部分の一般大衆の電話を引くときの状況であります。こういう電話業者をもうけさせるというようなことは、やはり政府事業としてはよくないことじゃないか。実際に供給が需要に間に合わないということで、こういう現象が起きておるわけでありますけれども、会社や一般事業者ならやみ価格でも、あとでもって企業採算の中でもとをとるからいいとしましても、一般大衆はちゃんとしたルートで引きたいと考える。それを一年も二年も長い間待っているというのが現状でございます。だから民間会社にしたらいいじゃないかというような意見もありますけれども、私どもはこれは反対でありまして、そういうようなことを実際公社が採用していただけば十分公営でできるのではないかというふうに考えます。 特に公営事業であるために、たとえば無医村で電話のないところ、あるいは母子寮、保育所、診療所、そういう社会施設の金がないところには、採算を度外視した公衆電話をつけられる、そういうようなことは公社事業であるからできるわけで、こういうことをどんどんやっていただいて、近代文明の恩恵がそういうところに及ぶようにぜひやっていただきたい、そのように考えるわけです。 全体としまして需要の方が多いせいですか、公社は電話をつけてやるとか、つないでやるといったような、どうも与えてやるという考えが現在強いのじゃなかろうか。実際に全国的に見ましても、どこでも一番りっぱな建物は電電公社の建物である。内容はいろいろ技術的な理由があると思いますけれども、大衆は何かりっぱな建物を見ますと、そこに特権があるのではないか、何かあるのではないかということをねたみがちなものです。そういうところをほんとうに大衆ともう少し密着していただく経常なりやっていただいて、そうして近代的な大衆とともにある事業体としましてお手本を示していいただきたい、そのように要望いたしまして、以上をもちまして意見の開陳を終わる次第であります。(拍手)
○山手委員長 次に中山次郎君。
○中山参考人 だいぶほかの参考人の方々からいろいろ御意見が出ました。私のこれから申し上げる意見も重複している点が多いと思いますが、ごく簡単に申し上げたいと思います。特に佐藤参考人、それから吉田参考人から法案の趣旨また内容について申された御意見は私と同じでありまして、法案の一日も早く成立することを私は御期待申し上げている次第であります。 それで、この改正法案が出されました趣旨につきましては、私としましてはこれは今後の日本の電気通信事業、ことに電話の拡張については公社の今後の拡張計画と一体をなすものでありまして、ぜひこういうような料金体系なりまた全国自動化が実施されなければならぬと思っております。御承知のようにわが国の電話事業は、明治以来終戦までは遅々とした拡張でありました。最近電電公社でやられております拡張計画に比べれば、まことに問題にならぬ、また恥ずかしいような次第でありまして、それの一つの原因といたしまして考えられますのは、やはり設備資金といいますか、拡張資金が非常に不足していた点でありました。特別会計になります前は一般会計で、収入は全部大蔵省の方にいって、支出予算で認められた範囲でしか拡張なり運用ができませんでした。また特別会計が実施されましたあとも年八千万円、その当時の八千万円がやはり一般会計に奉納されておりました。今日のような拡張計画をしようと思ってもできなかったのが実情でございました。ところが最近は幸い大拡張計画が緒についております。そこで問題になりますのは、この資金の裏づけということと同時に、またこれを実施する基本的な土台を作ることであろうと思うのであります。それで今度の改正の趣旨といたしまして料金水準を一応増減がないというところに目安を置かれまして、先ほど来お話のありますように五百億の収入があるといいますけれども、これは前回の改正によって法律上その一部を設備資金として認められたものでありますし、またいろいろ料金の改正によって利用者に多少の変動がございますが、これはやはり全体的に見ていただくことが必要と思いますし、また個々別々の利用者についてもただ一通話ということでなしに、長い間の通話料金の合計によってお考えいただかなければならぬ問題と思うのであります。それで今回の料金の合理化といいますか、だんだんと社会生活が全国的に関連を持って参りまして生活圏の拡大とかいうようなことがあらゆる方面で問題になりまして、ことに最近の産業界の発達につきましては、何といいましても運輸とか通信というものが重要な基盤になっております。従いまして従来のように、戦前のように、ただ幾らかの電話拡張でお茶を濁すというわけにはいきませんで、むしろ国家的に見ましても、電話事業がこれらの産業の土台になりまして、その産業の発達に伴うというよりもむしろ先行して設備が充実されるということが必要と思うのであります。これは今後の産業界の動向を見ましても、オートメーションとか、それからまた航空、気象の通信の迅速性、またテレビの中継とかいろいろございます。また通信事業自体についても加入電信だとかまた専用電信というようなことで利用価値は増大しております。そこで電話事業としては、これだけの拡張をするのにやはり料金の合理化というものと全国自動化というようなものが基盤にならなければ、私はこれが完成は期待できないじゃないかと考えております。 そこで今度の一部改正の内容につきましては、先ほど来お話のありましたように、市外料金を自動については距離別時間差法によるとか、また将来の全国自動になる段階までは手動において三分・一分制を採用するというようなこともやむを得ない一歩前進の方法じゃないかというふうに思っております。また市外通話料金の算定に直線距離を用いられるというのは、戦前の郵便逓送の道路を基準にしたよりも合理的と考えられますし、また準市内通話制度の採用につきましても、都市の拡大、行政区域の改正というようなものにも対応して、加入者といいますか利用者のある程度の負担の均衡から考えて適当と思います。またこの法案の一部にありますように、全国の局に度数制を将来実施されるということもまことに適切な方法でありまして、ちょうど昔電灯が定額料金であったのが今全部メーター制になったために、多少の設備資金は必要と思いますけれども、やはり利用者の負担の合理化ということにはぜひとも実施されなければならない方式だろうと考えております。また、その他こまかい改正要点につきましては多々ございますが、付属電話機の他人使用を認めるというようなことはこれはただいまPBXで認めております範囲を拡張されるので、これも私としては賛成でございます。こういうふうに電電公社の仕事が非常に拡大されまして大世帯になりますと同時にそのサービスのほんの特殊な一部、また特殊な部分というものにつきましては、なかなかそういう点まで全般的にサービスが行き渡らぬきらいも今後は多少出て参りますので、なるべく民間の設備を活用されるなり、また民間の方に委託サービスとしておまかせになるなりというようなことで電話事業の利用が各国民の層に、また都市、地方を通じて全般的に普及されるようにお考えいただくべきだろうというふうに考えております。 大体私の申し上げたい意見は以上でございます。この法案の改正につきましては賛成でございます。(拍手)
○山手委員長 以上で参考人の方々の御意見の開陳は全部終了いたしました。 参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。本日は、御多忙中長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。本案の審査に資するところきわめて大であると考えております。委員会を代表いたしまして参考人の皆様に厚くお礼を申し上げます。 本日はこの程度にとどめ、次会は明十七日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとして、これにて散会いたします。 午後零時十二分散会