逓信委員会 第25号
- 発言数
- 360 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/04/26
会議録
○山手委員長 これより会議を開きます。 郵便法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。森本靖君。
○森本委員 まずお聞きしておきたいことは、今回の郵便料金の値上げによって、三十六年度におきましてどの程度の値上がりになりますか、総額。
○小金国務大臣 三十六年度の郵便料金調整によりまして、増収として見込まれるのは六十七億一千五百万円という予定でございます。
○森本委員 そうすると、一カ月平均にするとどのくらいになりますか。
○板野政府委員 年間に直しまして八十九億、月約七億になります。
○森本委員 これは三十六年度の取り扱い物数を予想しての六十七億一千五百万円で、一カ月七億平均、こういうことですね。
○板野政府委員 そうでございます。
○森本委員 それから今回の仲裁裁定——これは事務当局でけっこうですが、仲裁裁定によるところの財源はどの程度ですか。
○佐方政府委員 百七億でございます。
○森本委員 そうすると、今回の仲裁裁定において百七億というものの補正予算を組まなければならぬ、こういうことになるわけですね。
○佐方政府委員 御承知のように他会計から繰り入れをもらう問題等もありますので、当然補正予算を組まなければなりません。
○森本委員 大体、仲裁裁定が出ましてからかなりの時間がたっておりますので、大蔵省が承認をするしないにかかわらず、郵政省は郵政省としての、補正予算の組み方の原案が一応できておると思うわけであります。その他会計から何ぼ繰り入れて、それから現在の予算の中における他の流用はどの程度にして、この百七億をどういうふうに組むというような考え方ができておると思いますが、その補正予算の骨格を一つお示しを願いたい、こう思うわけです。
○佐方政府委員 計算いたしてみますと、他会計——郵便貯金、それから簡易保険、電電公社等からの繰り入れの額が五十五億になりますので、これは算出通り他会計繰り入れとしてもらいたい。それから郵政省の郵便、為替、振替等の郵政固有の業務に要します経費が四十八億でございますので、それは成立した予算の中から出していきたい、こういうふうに考えております。
○森本委員 そうすると、郵政特別会計の中で組みかえをするのは四十八億、こういうことになるわけですか。
○佐方政府委員 その通りでございます。
○森本委員 この四十八億の中の一番大きな組みかえというものはどの部面にありますか。
○佐方政府委員 物件費、予備費、それから債務償還等の経費から持っていきたいと思います。
○森本委員 建設勘定については関係はないわけですか。
○佐方政府委員 建設勘定につきましても、ほとんど関係ございません。
○森本委員 それからこの五十五億の他会計からの繰り入れの内容をちょっとお示し願いたいと思うのですが……。
○佐方政府委員 内容と申しますと、会計ごとの……。
○森本委員 そうです。
○佐方政府委員 計算をいたしますと、郵便貯金特別会計が十六億、簡易、保険及び郵便年金特別会計が二十二億、電電公社が二十億という数字でございます。
○森本委員 電電公社はわかりますが、これは、貯金が十六億ですか。
○佐方政府委員 さようでございます。
○森本委員 貯金の特別会計から十六億、保険の特別会計から二十二億というのは、こういう財源が出る余地があるのですか。
○佐方政府委員 郵便貯金につきましては、おそらくそういう財源もございませんので、今度の法律できまりましたような借り入れの措置をしなければならぬだろうと思っております。
○森本委員 これは、その利子をつけて借りる分ですね。
○佐方政府委員 さようでございます。
○森本委員 それから保険の特別会計の二十二億の繰り入れというのは、これはあるのですか。
○佐方政府委員 保険会計は、御承知のように収入と支出がいつも合いませんで、収入が相当多くて支出が少なく、その分が余裕金という形で残るわけでございます。そのうちをこっちへ回そうというように考えております。
○森本委員 保険のやつは、それは収入と支出がそういうことになるのは当然でありますが、これに実際に回す二十二億という金が、こういう形において使われてあと差しつかえがないかどうか、こういうことです。
○佐方政府委員 いずれにしましても、郵便貯金、簡易保険等につきましては、今補正の措置をいたしますけれども、現実の繰り入れというものは相当あとになるわけでございます。御承知のように相当多額の金が繰り入れになっておるのでございますから、そこで収支の状況を見まして相当あとになって入って参りますので、たとえは郵便貯金等につきましても、今すぐ入れてもらわなくても、法的措置を講じておきますと、あるいは郵便貯金がもっと伸びますならば、その借り入れの限度内で少し借りる程度で済むかもしれませんが、計算したワクだけは今度はっきり作って歳入の道は講じておこう、こういう趣旨でございます。簡易保険、郵便年金の特別会計の余裕金につきましても、そういうことで、せっかく計画されている中を、今直ちに借り入れていこうということじゃないわけです。
○森本委員 あなたが経理局長としての苦心の策はわかるけれども、とりあえず弥縫策としてやっておいて、実際問題として貯金の会計にしてもこれだけのものを資金借り入れをするということになれば、今回の法律改正に基づいてこれは無利子じゃないわけでありますから、やはり相当の金利がついて借りるわけであって、これは当然今までのような借り入れ制度ではございません。当然郵政省が今度責任を持って返さなければならぬ金でありますから、その将来の見通しのはっきり立った貯金特別会計から郵政事業特別会計に繰り入れをしておかなければ、今は済むかもしれませんが、将来困るということが出てくるのではないかということを懸念するわけであります。 それからもう一つは、貯金が十六億、保険が二十二億、電々公社が二十億ということでありますが、今回の場合はその他の他会計からの繰り入れというものはないのですか。
○佐方政府委員 これはまた政府部内でいろいろ問題があるわけでございますけれども、一般会計の方は今度はあまり補正をいじらないというような方針のようでもございますし、金額としてもあまり大きなものではございませんので、とりあえずこの四つの会計の計算だけを今いたしております。
○森本委員 一般会計の他会計からの繰り入れば、ベース・アップの場合は郵政省としては当然もらわなければならぬ予算の仕組みなんです。たとい額が少ないといっても、率でいくとどのくらいになりますか、百七億というこの率の人件費ということになってくると、今の三十六年度の予算の中における一般会計の他会計からの繰入分をこの百七億の率に直してみるとどの程度になりますか。
○佐方政府委員 非常な目の子でございますけれども、二%程度だと思います。百七億の二%としますと大体二億程度じゃなかろうかと思います。
○森本委員 これは二億でも三億でも、一般会計からの繰り入れば予算の組み方からいくと当然もらっておかなければ筋が通らぬのではないか。それからたとえば貯金会計の十六億円についても金利が今度はかなり高くなっておりますから、そういう観点からいっても、たとい金額が二億でも三億でも、一般会計から補正予算をする場合は繰り入れしておいてもらわなければ、予算編成としては私は筋が通らないのではないかと思うのですが、その辺は大臣どうですか。郵政事業の持別会計の予算の編成の方法は、郵政大臣も御承知の通り、一般会計の他会計から、郵政事業にたよっておるというところからかなりの金額を予算上としては繰り入れをしておるわけです。これはいつでもベース・アップその他の場合においてはそれに見合ったものをやはり他会計から繰り入れをする、こういう建前なんです。これは予算を貫いておるところの郵政事業特別会計の特殊な予算編成の一つの筋です。たとい金、額が二億なり三億であってもその筋を通した補正予算の組み方をしておかなければ、ここで曲げるということになると、予算編成の筋がちょっとおかしいのではないか、そう思うのですが、どうですか。
○小金国務大臣 今の森本さんのお説はやはり私は筋だと思っております。今回の仲裁裁定に基づく補正予算を組む場合におきましては、今経埋局長はすでに一応話をつけたものの説明をいたしましたが、一般会計からどれだけ一体もらうようになるかということは、まだほんの目の子勘定でありまして、筋としてはそれが正しい筋だと考えております。ただ金額のいかんによりまして、他の年度を通じての繰り入れの場合に考慮するというような具体的な方法がございましょうから、それらとも関連いたしまして考慮したいと思っております。
○森本委員 これは郵政大臣も御承知の通り、たとえば郵政省においても税金を取り扱うとか、あるいはその他の健康保険を取り扱うとか、そういうものについての他会計からの繰り入れが出ておるわけですね。それで結局ベース・アップをする場合には、それに応じての人件費の増高ということで、一般会計からの繰り入れを当然郵政省としては受けねばならぬ。ところが、たとえは貯金会計の今の十六億円の問題が、今までのように無利子で無催促で借りられるということであるとするならば、一般会計からそれを繰り入れをしなくても預金部資金の方から借り入れをして、それによって見合いをするということはある程度できたと思います。しかし今回の場合はいわゆる特別会計法の改正において、向こうからもらう利子も高くなったかわりにこっちから今度借りる場合も正規の利子を支払って借りなければならぬ。これはまた当然返さなければならぬ義務を今度は負ったわけでございますから、そうすると、いわゆる政治的な幅というものはその辺の金額には全然ないわけであります。ですからそっちから借り入れをする場合には当然借り入れをするけれども、もらうものはちゃんと筋を立ててもらっておかなければ、私は別に郵政省の人間ではないけれども、郵政省が実際問題として損をする、こういう形に予算編成がなるわけであります。たとい金額は小さくても、私は過大なものを要求しようというわけじゃないのでありますが、それに見合って正規のパーセンテージをはじいただけの金額はやはりきちんととっておかなければ、将来の予算編成ということについて禍根を残すのではないか、筋を通してもらいたい、こういうことでありますので、まだ補正予算が正式にきまっておらないとするならば、そういう補正予算の組み方の場合については、やはり郵政事業としても郵便料金の値上げをし、そうして、これだけ苦労をしながら予算編成に努力をしておるという郵政事業の苦しい台所を考えた場合には、新しく補正予算を組む場合においても、たとい金額が二億であっても三億であっても、筋を通した金額はやはり筋を通してもらっておかなければ、郵便料金の今回の値上げについても一つの筋が通ってこないじゃないか。だから料金を値上げするということについては、やむを得ないから値上げをするということであるとするならば、一方において予算編成の要求の場合には、当然一般会計の方から組み入れをすべきだと思うのですが、その辺は郵政大臣どうですか。
○小金国務大臣 お説のような筋が私は正しいと思いますので、今後の交渉の過程においてもこれを持ち出し、また補正予算の編成に際してもこれを主張いたします。実現できるようにいたしますが、もし今回の補正の際にそれができない場合においては、年度を通じての繰り入れの際にこれを包含させるようにいたしたいと思います。筋はその通りに同様に私も考えております。
○森本委員 これは大臣もそういうようにおっしゃっておりますので、かりに万が一今度の補正予算においてもそれが不可能であったという場合には、どうせこれは例年ずっと補正予算がありますから、最終的にはそういう筋を通した予算の配分をやるというはっきりした政治的な約束というものは大蔵省との間になしておく必要があると思いますが、一つこの点ははっきりと大臣も将来御記憶を願っておいてもらいたい、こう思うわけであります。 そこで、今回の仲裁裁定でも、いわゆる一般の自民党の方々は案外これが高いというように言っておりますし、大臣自体も高いというようにきのうおっしゃっておりましたが、われわれの方から見ますると、これは案外低いというふうに見ておるわけでありますが、そういう問題はまた予算委員会において論ずるわけでありますけれども、それよりも具体的に私がお聞きしたいと思いますことは、この間の参考人招致の委員会でも中大教授の細野氏も言っておりましたように、郵便事業というものは同じ公共事業でありましても、電気通信事業、それから国鉄、こういう事業との関連を考えた場合には、一番郵便事業というものが普遍的なものである。全国一律にどこの郵便局においても郵便を受け付けをしなければならぬ。それからどんなに損をしょうが郵便は必ず配達をしなければならぬ。そういう考え方からいくとするならば、郵政事業というものは一番公共性が大きい。その公共性の大きい郵便事業に対して独立採算を強要するということは私はなかなか困難な事業であるというふうに考えるわけでありまして、これは逓信事業の歴史を振り返ってみてもよくわかりまするように、もともと郵政事業の予算というものが特別会計になったときにその当時の逓信省が非常に喜んだということは、当時の逓信事業というものは御承知の通り電気通信も一緒でありましたし、それから郵便事業も一緒であったわけでありまして、逆に逓信省の方から国庫納付金を納付するという形にもなっておったわけであります。それがだんだん今日のような状態になってきますると、収入の多い電気通信というものは電電公社に離れてしまった、さらに簡易保険事業についても有利に資金を貸付をするというような、郵政事業が独自に行なうというような金利の面についても縛られてきておる、そういうふうに考えてみますると、いいところは全部縛られてきて残ったのがこの赤字をかかえた膨大な公共性を持った全国普遍的にやらなければならぬ郵便事業だけ残った。そこへ持って参りまして電気通信事業の一番もうけにならぬ委託業務だけを郵政事業が請負っておる。そうしてそれももうけになるところは電電公社がどんどん直轄にしていく、こういう形になっておるわけでありまして、これではなんぼやりましても郵政事業というものの赤字は救われない。今日今回の郵便料金の値上げをいたしましても、きのう大臣もおっしゃいましたように、五年、三年というふうに言われておりまするけれども、私はおそらくこれは自信がなかろうと思うわけであります。今日のサービスをそのまま維持するということにおいて三年ないし五年ということであるとするならばある程度これはいくかもしれませんけれども、今以上に郵便事業というもののサービスを改善をし、さらに事業をよく発展させていこうという考え方に立つとするならば、今回の料金値上げだけではなかなかむずかしいと私は考えるわけであります。 そこで、そうなって参りますると、私は日本だけがこういう形になっておるというふうには考えたくないわけでありますけれども、聞くところによりますとアメリカ政府なんかは郵政事業というものは依然として一般会計でやる、だからその年度々々において、この予算の編成の仕方が当然違ってきまするけれども、一般会計でありますからやはり赤字の場合には一般会計から補てんをする形になるわけであります。そういう点における外国の事例というものを、たとえばアメリカあるいはイギリス、こういう国の状態を、わかっておる範囲内でけっこうでありますから、事務当局から御説明を願いたい、こう思うわけであります。
○板野政府委員 まずアメリカについて申し上げますと、これは純粋の意味の独立採算ということではなしに、最近郵便政策法というものが制定されまして、公共のサービスのために支出するというようなことがございましたらこれは一般会計から補てんをするということになっておりますが、その他のサービスについてはやはり原価に基づいて料金をきめて収入を得るというような建前をとっております。たとえば第一種のごときは特別かつ優先的なサービス等の要素をこの原価に含めてきめておるというような状況でございます。 それからイギリスでございますが、これは現在収入が支出よりも上回っておりまして、これは特別会計の制度をとっておりますが、その一部を国庫に納めておる、こういうような状況でございます。しかし最近だんだん採算が悪くなりまして、やはり一九五六年から約三回にわたって料金の値上げをいたしまして収支を償っておるというような状況でございます。 ドイツにおきましては、これも特別会計制度でございまけけれども、やはり一定の割合の金額を国庫に納付しなければならないというふうになっておりまして、必ずしも日本のごとき完全な独立採算の建前ではないようでございます。この国におきましても、最近人件費等の値上がりがございまして赤字が増大いたしまするので、料金の引き上げの要求も相当あるようでございます。 それからフランスでございますが、ここも特別会計制度をとっておりまして、建前としては独立採算制をとっておりますけれども、この国では最近少し赤字になっておるような状況でございます。
○森本委員 それは郵務局長、都合のいいことばかり説明しておるが、ドイツとフランスの場合は郵政事業特別会計というのは郵便事業だけの特別会計ですか。
○板野政府委員 大体フランスにおきましては電気通信も持っておりますけれども、郵便事業につきましてはやはりその事業としての会計制度をとっておるようでございますが、ドイツにおきましては自動車運送業務、いわゆるお客さんを輸送するというような業務を持っておりますので、日本とは相当業務の内容が違っておるようでございます。
○森本委員 だからそれを説明せぬと、都合のいいことばかり説明したのでは全く何を説明しておるか私の方としてはわからぬわけであって、一番ここに似通っておるのはフランス、それからイギリスの場合は国の地理的な状況というものが日本とはかなり違うわけであります。ただアメリカの場合、相当広大な土地を持っておるわけでありまして、郵便の配達その他については、交通その他の不便という点からいくとかなり似通う点があるわけであります。ただその点でアメリカの場合どの程度の赤字になっておりますか。
○板野政府委員 大体日本の円に直しまして三千二百七十一億二千七百万円というような状況でございます。
○森本委員 アメリカの郵政事業なんかにおいて、事業の収支と、それから一般会計から補てんをしておるというのは一年にどの程度でありますか、一九五三、四年ごろに一般会計から繰り入れた場合の一番多い額、日本の円に直して。
○板野政府委員 大体七億ドル見当ではないかと思います。円に直しますとやはり二千八百億程度。
○森本委員 それにおいてアメリカの場合はなおかつ日本の八十五条適用地みたようなところが相当広大にあると思うのですが、どうですか。
○板野政府委員 おっしゃいます通り日本の八十五条適用地というようなところが、日本よりもさらに相当多いように思います。
○森本委員 アメリカにおいてもおそらく八十五条適用というふうに郵便局が直接配達をしないという場所が相当あるわけでありまして、そういう点からいきましても日本の郵便事業から見ますと、まだアメリカの郡部におきまするサービスというものは、日本の郡部から見まするとかなり落ちていると思う。ただし都会地におきまするサービスはアメリカの方が日本よりもよいということは言えると思います。そういう点から考えてみますと、アメリカというような国においてすら二千八百億になんなんとするものを一般会計から補てんをしておる。まして日本のようなこういう山岳地帯におきまする、しかも郡部において郵便配達が非常に困難な状況である。そこに持って参りまして電気通信事業その他の事業は一切やってはおらない。こういう形の郵政事業において、はたして今後もこの郵便事業というものが独立採算を強要されていくということにおいて、将来郵便事業のサービスが改善をされるかどうかという点については、私は非常に疑問があると思うわけであります。これは基本的な政治問題でありますが、大臣、今の状況からいってどうですか。なるべくならアメリカの制度にまねしていこうというのが——そういっては失礼ですが、今までの歴代の政策なんかはやっておるわけでありますが、この郵便事業だけは大体独立採算を強要されるというようなことについてはちょっと見てみても、われわれとしてふに落ちない点が多いわけであります。また特に日本の郵便事業という観点がらいくとするならば、やはり私はある程度の一般会計からの補てんということを考えていかなければ、これ以上郵便事業のサービスを改善するということは不可能ではないかということを考えるわけでありまして、今日電電公社があれだけの業績を上げてきたということについては、いまだに電信事業についても赤字が多いわけでありますけれども、だんだん電信事業が赤字が少なくなってきたということは、たとえば電報配達においても、今まで三人で配達しておったところを、モーター・バイクによって一人で配達をするとか、あるいは電話があるところは全部電話送達をするということによる相当の人件費の節約ができておるわけであります。ところが郵便事業は、これを節約する方法は全然ないわけであります。現在でも一度地になっておるところを二度地にしてもらいたいという要望がかなり強い。こういう情勢の中において、これ以上の独立採算を強要された場合には、郵政事業の国民に対するサービスの改善ということは不可能になってくるのではないか、こういうふうに私は考えるわけでありますが、この辺の政治論議というものをどうお考えですか。
○小金国務大臣 郵便の九十年の歴史からだんだん今日までになって参りました過程において、確かに御指摘になったような比較的余裕のある事業あるいは会計が別になったということは、郵便事業としては相当考えなければならぬ点じゃないかと思います。御指摘のように、第一種、第二種のごときはほとんどまんべんなくだれも利用されるものでありまして、これらについては私は十分今のお説は考えなければならぬと思います。しかし、郵便の種類の内容を見ますと、第五種というようなものは非常な勢いで発展いたしております。この第五種は十分な負担能力のある人たちの利用にかかわるものが大部分だと私は思います。そういうふうな点で、これらも加味して今度の調整をいたしましたが、基本的な問題としては、私はやはり郵政審議会等の御意見も徴しまして研究いたしたいと思っております。
○森本委員 それでは事務的なことをちょっと聞いておきたいと思いますが、第一種、二種、三種、四種、五種の今の原価を御説明願いたいと思います。
○佐方政府委員 ちょっと失礼いたしましたが、何年度の原価でございましょうか。
○森本委員 一番近い分ですから三十五年度は出ないでしょう。三十四年でないと……。
○佐方政府委員 実は三十五年度につきまして相当概計の数字を持っておるわけです。それから三十六年度につきましては、きのう申し上げましたように未定の事項が非常に多いものですから、三十五年度について申し上げます。 三十五年度の第一種は一個当たりが六円八十銭です。それで一通当たりの収入が十円七銭、従いまして三円二十七銭の益が出る。第二種のはがきにつきましては、一個当たりの原価が四円四十二銭、収入が四円六十三銭でございますので二十一銭の黒であります。それから第三種の低料扱いにつきましては、六円九十銭の原価に対しまして収入が一円一銭、従いまして五円八十九銭の赤になるわけであります。第三種のその他の新聞、雑誌は、九円六十六銭の原価に対しまして四円五十六銭の収入でございますので、五円十銭の赤。第四種の通信教育は、十円四十八銭の原価に対しまして五円三十一銭の収入でございますので、五円十七銭の赤になります。盲人用点字は、三十七円二十六銭の原価に対しまして一円二十二銭の収入でございますから、三十六円四銭の赤になります。それから農産種苗は、三十円八十二銭の原価に対しまして収入が四円二十九銭でございますので、二十六円五十三銭の赤。第五種は、七円九十銭の原価に対しまして七円七十二銭の収入でございますので、十八銭の赤というふうに三十五年度はなっております。
○森本委員 第三種の場合一円一銭の収入という、一銭の収入というのはどういう意味ですか。ちょっとわからぬ。料金よりも高い収入というのはどういう意味ですか。
○佐方政府委員 それは何グラムにつき幾らというふうになっております。それを通数で分けますとそういうふうになります。
○森本委員 わかりました。 それから特殊取り扱いの原価をちょっと言ってもらいたい。
○佐方政府委員 書留につきましては、三十七円三十四銭の原価に対しまして五十三円十八銭の収入で、十五円八十四銭の黒でございます。書留の速達は、五十九円九十二銭の原価に対しまして七十八円十九銭の収入でございまして、十八円二十七銭の黒、速達は、二十八円九十三銭の原価に対しまして三十三円九十九銭の収入でありまして、五円六銭の黒、こういうふうになっております。
○森本委員 全部聞きたいのです。内容証明なんかの原価計算はどうやるのですか。私はどうしても内容証明なんかの原価計算をやるなにがわからぬのです。
○佐方政府委員 それは特殊の中に入ってしまっておると思いますが。
○森本委員 特殊の中に入ってしまっておるというのはどういうわけですか。
○佐方政府委員 その分として実は取り出してこまかく原価計算をいたしておりません。
○森本委員 そうするとこのあとの引受時刻証明、配達証明、内容証明、代金引換、特別送達というような分についての原価計算というものはないわけですね。
○佐方政府委員 ございません。
○森本委員 そうすると、今度の料金を上げるのは目の子算用で上げる、こういうことになるわけですか。原価計算がないものを計算ができるはずがない。
○板野政府委員 大体これらの特殊扱いにつきましては書留にすることを要するということになっておりますので、書留は先ほど申し上げましたような原価、それからそのほかの内容証明、代金引換、特別送達につきましては、いろいろ特別な手数をかけておりますから、その特別の手数に対しまして現在大体平均して五十円見当の料金をとっておる次第でございます。しかしそれはここの特別の手数だけを考えてみますと、一通当たりの所要の時間的な関係から比較して参りますと、この一通を処理するのに、普通通常を一といたしますと、普通速達が大体その七倍の手数がかかる書留は大体八倍の手数がかかる。それから内容証明につきましては十六倍、配達証明が十二倍、代金引換が十七倍、特別送達が大体十九倍くらいの手数がかかるわけでございます。従いまして、普通これらは書留通常にいたしますので、書留通常の八倍というような倍率をおのおのこういう特別な取り扱いの手数の所要人員から引いてみますと、大体五ないし六倍くらいの手数がかかる、これを大ざっぱでございまするけれども、普通通常が一通十円といたしますると、五十円とか六十円というような見当が当たっているのではないかというふうに考える次第でございます。
○森本委員 一緒くたになったのでちょっとわかりにくいのでありますが、一つ例をとってみたいと思います。内容証明の謄本一枚が今まで五十円、以上一枚を増すごとに二十五円ということになっておるわけでありますが、この五十円というものの今までの単価と、それから以上一枚を増すごとに二十五円増す、この五十円と二十五円というものの単価をきめた原価計算というものは、今言ったような説明でちょっと説明してもらいたい。
○板野政府委員 先ほど申し上げましたように、厳密な原価計算といたしましては、書留として全部含まれて原価計算をしておりまして、おのおののたとえば内容証明についてはどうかということの原価計算は現在のところないわけでございます。ただ私が申し上げましたのは、仕事にかかる今の所要時間との比較において大体を申し上げた次第でございまするが、この内容証明につきまして、一枚をこえる一枚ごとに二十五円、半額ということになっておりますが、これは手数の関係からいたしまして大体半額程度でいいのじゃないか。最初の一枚を証明をいたす手数、それと一枚を増すごとの手数というものから考えまして、大体半額程度でいいんじゃないかというふうに考えておる次第であります。
○森本委員 内容証明というのは字数に制限がありますか。
○板野政府委員 証明される一枚の郵便物につきましては字数の制限がございます。
○森本委員 何ぼですか。
○板野政府委員 一行二十字で一枚二十六行以内で作成するということになっておりますので、大体五百二十字ということになっております。
○森本委員 五百二十字というのは、結局一枚が五百二十字であって、千字の場合でも一つの内容証明になるわけですね。
○板野政府委員 その通りでございます。
○森本委員 そうすると、結局千字になった場合の四百八十字の残りのものが二十五円、こういうことですね。
○板野政府委員 その通りでございます。
○森本委員 そうすると、それと同じ謄本を別にやる場合は、謄本一枚ごとに別に五十円ずつ出していかなければならぬ、こういうことですか。
○板野政府委員 これはその証明される内容たる謄本が二枚以上にわたるときには、そのこえた分について半額をいただきます。ただし同一の内容のものを、同一の名あて人にあてて出すときには、またその郵便物の一個ごとに半額ということになっております。違えばやはり五十円いただきますけれども、同一の名あて人に同じ内容証明郵便物を出す場合には半額ということにいたしておるわけであります。
○森本委員 その謄本が一枚五十円で、以上一枚を増すごとに二十五円ということの内容はわかりましたが、最初の謄本一枚が五十円で、それから以上半分というのは手数が半分になるから半分、こういうことですか。
○板野政府委員 それまで厳密にはやっておりませんが、ただ手数の省ける分もございますので、一応端数整理をいたしまして半分ということにいたしております。
○森本委員 端数を整理するということでなしに、最初の一枚が五十円、それからあと一枚増すごとに二十五円ということになっておるわけですから、その一枚増すごとに半分になったということは、手数が半分に省けるからあとは二十五円、こういうことかと聞いているのです、原価計算するのに。
○板野政府委員 厳密な意味におきまして手数が半分だから半分ということではございませんで、最初の一枚よりも手数が省けるから、こういうことであります。
○森本委員 それはやはり同じ理屈になるじゃないですか。だから、最初の分は五十円とるということは、それだけの手数があるから五十円、あとの分は半分に負けたということは、何か負けた理由がなければならぬから、その負けた理由というのは半分の手数で済むから半分だ、こういうことですか。
○板野政府委員 半額といたしたのは、数字の計算上厳密な意味におきまして手数が半分だからということではございません。その辺の原価の計算につきましてはまだ十分にできておりませんので、このときは一応手数が省けるから半分というような見当で料金を計算した次第でございます。
○森本委員 だから問題は、はっきりこんがらかさぬようにしてもらいたいのは、最初の五十円というのはこの原価計算をどういうわけできめたのですか。
○板野政府委員 これは先ほど申し上げましたように、内容証明それ自体としての原価計算はただいまできておりませんで、全部書留にされますので、書留といたしまして全体として原価計算ができておるわけでございまして、これをこまかく原価によって説明するということは現在のところできない状況でございます。
○森本委員 追い詰めようという考え方はないのですから。五十円というものについての計算は別に根拠がない、五十円くらいがまあ普通だろうということで五十円にきめた、それを今度値上げするについて十円値上げしたということも、まあ十円程度上げたらほかのところとバランスがとれるだろうということで上げた、二十五円を三十円に五円上げたということもその程度の計算だ、こういうことになるわけでしょう。
○板野政府委員 大体今までの個別料金のきめ方につきましては、総括原価と個別原価とそれから今までの料金の歴史的ないろいろな体系という三つを勘案いたしましてでき上がっておりますけれども、この内容証明とかあるいは速達、書留等につきましては、大体基本料金が上がれば、ある程度その全体の体系を見ながら適当な料金を右へならえして上げていこうというのが今までのやり方でございまして、これに対しましては、五円が確かに妥当であるというような確たる原価的な計算はまだできていない次第でございます。
○森本委員 大臣がおりませんけれども、私が聞きたいのは、第一種から第五種までの間におけるこの料金の決定については、その内容がよい悪いは別として、一応の理論というものをあなた方の方は持っておられるわけであります。それについてはどうだ、こういう質問をすれば、これはこうこうしかじかでございますという答弁がちゃんとできるわけです。それから書留、速達についてもそういう答弁ができるわけです。ところがそこから先の引受時刻証明、配達証明、内容証明、代金引換、持別送達料ということになりますと、この原価計算というものは、どこで原価計算をやってどういう形においてこの料金がきまったかということについては、現在全然それを明確にする資料がない。これは従来から五十円、七十五円、五十円でやってきておったから、今度また今値上げをする率をかけて上げただけのことであって、そのもとのきめ方というものは一つもはっきりしていない。元来こういうものはその他の料金の引き上げの陰に隠れてあまり問題にならぬことでありますけれども、この内容証明とか代金引換なんというものは、利用する人は非常に多く利用する人が多いわけであります。だからこういう点についての原価計算というものは、やはり私は将来はきちんとしておかなければならぬ、こういう意味で、これは原価計算がこうなっておりますのでこの辺の料金が妥当でございますということは、どこから聞かれてもちゃんと答弁のできるような形の用意を郵政当局としてはしておく必要があるというように考えるわけでありますが、これは郵務当局だけでなしに、郵務、経理両当局がそのくらいの準備をきちんとしておかなければならぬ。むずかしい理屈を半時間も一時間も言わずに、簡単に一般の大衆が納得できる説明の仕方をやはり平常から私は郵政省としては用意しておく必要がある。それを聞かれる、聞かれぬは別として、いつでも説明がちゃんとできるという形のものを持っておく必要があるのではないか、こう思うわけでありますが、その辺どうですか、次官。
○加藤説明員 お説の通りでございまして、今後におきましてこういった原価計算につきましてはなお一そう努力いたしまして精密な御説明ができるように準備いたしたいと思います。
○森本委員 それでは、大臣がおりませんので政治的な問題がだめでありますから、条項を追って一つ事務的な方面から先に聞いていきたいと思います。 まず最初に、第十七条の今まで千二百グラムであったものを一キログラムに第三種ないし第五種を直しておるわけでありますが、この理由はどういうところですか。
○板野政府委員 従来は千二百グラムというのは、利用する単位料金が百二十グラムということになっておりましたので、その十倍の千二百グラムということにきめておった次第でございますが、このたび第三種の重量が、単位が百グラムごとに二円ということになった次第でございまするので、その十倍でございます一キロに改めたわけでございますけれども、なお一キロ以上の第三種の郵便物は非常に数が少のうございまして、大体一万通に一通、全体の〇・〇一%しかございませんので利用も非常に少ない。こういう意味一におきまして取り扱いの便宜上から一キロということにいたした次第でございます。
○森本委員 それから第十七条の一項二号において、一つの長さそれから幅というようなものを制限をしておりますが、これは現在までは制限がなかったわけですか。
○板野政府委員 今までは最大限の方の制限はございましたけれども、最小限の方の制限はございませんでした。
○森本委員 これは何か最小限の規定をきめなければならぬというふうな不合理な点がありましたか、現実に。
○板野政府委員 最近こけしみたいな一ものの輸送とかあるいはフィルムというようなものが相当ふえて参りまして、こういうものの取り扱いが非常に業務の支障にもなりますので、このような最小限度をきめるということがいいのではないか。なお外国の郵便の法制等にもございますので、このような措置をしたわけでございます。
○森本委員 それから「郵便物の大きさは、左に掲げる最小限の制限を下ることができない。ただし、厚紙又は耐力のある紙若しくは布で作成した長さ十センチメートル、幅四センチメートルを下らない大きさのあて名札をつけたものについては、この限りでない。」ということになっておるわけですが、これはどういう意味ですか。
○板野政府委員 一応郵便物の大きさの最小限をきめた次第でございますけれども、そういうような従来扱っておりますような小さいものが全然輸送できないということは利用者にとっても不便でございますので、このようなしっかりした紙または布製のいわゆる荷札と申しますか、住所とかあて名が鮮明に書き得る、また見得るというようなものをしっかりと郵便物につければ取り扱う利用者にとって便利じゃないかというふうに考えた次第でございます。
○森本委員 これは具体的にどんなものですか、ちょっと説明願いたいのですが。
○板野政府委員 大体カラー・フィルム等を送るものでございますが、大体この程度の荷札をつければ送り得るということにいたしておる次第であります。
○森本委員 これは文章の上では非常によいようにあなた方は感ぜられておるけれども、実際の取り扱いをする人については、これはかえってありがた迷惑であるという声も相当あるわけであります。その今の見本のようにかっちり作ったものについてはこれは特別でありますけれども、おそらくそのくらいかっちり作ったものを一般の公衆は持ってこないのではないか。そこで途中においてその荷札、あて名札が落ちる率が非常に多いのではないかというような意見が圧倒的に強いわけであります。また実際に現場でこれに当たる人についても、そういう心配があるのは当然でなかろうかというふうに考えるわけでありまして、かなりこれは引き受けのときに注意を要する問題であるわけであります。実際問題としてあんた方は机上で考えてこれはなかなか名案だということで始めたと思うけれども、実際に始めてみると、案外評判が悪いのではないか、それによって還付不能の郵便物が出てくるのではないかというふうに考えられる点が非常に多いわけでありますが、これを実行する場合においても、具体的にやはり差出人の名前を名札以外に明確にしるさなければ受け付けないというふうなことをやっていかなければ、還付不能の郵便物ができてしまって、公衆に対するサービスというふうに考えてやったものが、逆にサービスが落ちるのではないかという点も考えられますので、この点については特に私が今言ったことを聞き流さずに実行段階においては十分に留意をしてやっていただきたいと思うわけでありますが、どうですか、その点は。
○板野政府委員 先生のおっしゃいますように名札が脱落をするというようなことも往々あり得ることでございます。現にまたあることでございますので、これを実行いたします場合に、その包装方とかあるいは名札をつける方法につきましては、利用者に十分に注意をいたしましてそういう脱落がないように気をつけていきたいと思います。
○森本委員 それは名札だけでなしに、差出人の名前を名札以外にどこでもいいから必ず記入をするというふうな取り扱い方法を、これは省令でも政令でもやれることでありますから、そういうことを必ず実行段階でやっていかないと、はっきり言ってあなた方机の上だけでものを考えて、これはいいことだ、なかなか名案だというのですぐやるからいかぬのであって、特に業務課長あたりは現場の郵務部長もやってよく承知をしておると思います。しかし実際の現場の仕事を取り扱った経験がやはりないので、そういう点については一度現場の長あたりの意見を十分に聞かないと、公衆に対するサービスと考えてやったのが逆に還付不能の郵便物が出ることになると困るので、これは実行段階において十分に御注意願いたいと思うわけであります。 次に第十九条の問題でありますが、「現金又は郵政大臣の指定する貴金属、宝石その他の貴重品を郵便物として差し出すときは、書留の郵便物としなければならない。」この「郵政大臣の指定する貴金属」というのはどういうものですか。
○板野政府委員 大体金銀とか宝石類を指定いたしたいというふうに考えております。
○森本委員 次に「現金及び貴重品の差出し方」でありますが、現在書留を受け付ける場合、郵便局の受付で現金書留と同じように金額を聞いておりますか。
○板野政府委員 大体聞くようにいたしております。
○森本委員 それは現金書留の場合はどこでも聞いておりまするけれども、普通の書留の場合はこれが何円の値打のあるものでありますかと聞いている郵便局はどこもない。もしそれがあると言うのなら、あなた国会内の郵便局へ行って知らぬ顔をして書留を出してごらんなさい。現金書留の場合は、これは幾ら入っているかということを聞きますけれども、書留郵便の場合に、郵便局の局員が、これは幾ら入っておりますかということを聞く郵便局はほとんどない。ためしに国会内の郵便局に行ってやってごらんなさい、絶対にない。そこでこういう点は一般の公衆にもっと知らす必要があるのじゃないか。書留の料金を四十円支払って書留にしたから大丈夫だと思っていた、ところが、実際は十万円の小為替を入れて送った、もしそれが紛失した場合には千円までしか補償されない。ところが国民大衆というものは、書留にしたのだからもしこれが紛失をしてなくなった場合でも、十万円だったら七、八万円くらいは補償してくれるだろうと思っている。だから、こういう点を公衆に徹底させないと、書留だからということで安心しているわけです。実際問題として書留においても三十五円が四十円になって、五円というのは現金書留と同じようなことになっておりますので、その辺、どうですか。
○板野政府委員 先生のおっしゃいますように、物品書留と申しますか、普通の書留におきましては評価が非常に困難なものがある。このような先入観から郵便局員は窓口においてはその評価額についてほとんど聞いておらないというのが実情でございます。私ども、これらの点につきましては、利用者に対してそういう価額の申し出をするように、今後十分PRと周知をいたしていきたいというふうに考えております。
○森本委員 それは郵務局長の断わりであって、価額がわからないというのは、小包書留郵便とかその他のことについても言えるのであって、普通の書留郵便で送る場合は、大がい郵便為替を切って送るわけでありますから、これは金額が歴然とわかるわけであります。ただし普通の書類のような書留であったとするならば、これは価額の保障というものはないのであります。千円補償されても二千円補償されても、それ以上に重要な書類だという場合があります。とにかく一般の国民大衆というものは、現金書留の場合はぴしっと保障されている、書留の場合も書留料金三十五円を払えばちゃんと保障されている、こういう考え方に立って書留を出しているわけです。ところが十万円の為替を入れて書留を出しても、それがなくなった場合にはたった千円しか補償されぬということになると、これは問題になるわけです。郵政業務はそういう点のPRについて実に不熱心であるし、やはりまだお役所式な点があるわけでありまして、こういう点については、私はもう少し公衆に徹底をさせる必要があるというふうに考えるわけであります。おそらく今この委員会におられる人の中でも、書留がそういうことになっておるということは御承知ない方がたくさんおるんじゃないかと思うくらいにこの問題は徹底されておりませんので、郵政省としてはこれを徹底さしてもらいたい。一般大衆はほとんど知りません。書留でやれば大丈夫だという気があると思いますので、今回書留の料金が上がるのを機会に、この点はPRを大々的にやってもらいたい。それから、二千円ごとに五円上がるというのは、今回は上がってないでしよう。
○板野政府委員 その通りでございます。
○森本委員 ただいまはこういう際でありますから、特にこういう問題については非常に宣伝しやすい。ほかの料金は上がっておりますけれども、今度の場合五円というものは上がっておらないのでありますから、この内容については十分に徹底をさしてもらいたいということを強く要望しておきたいと思うわけであります。 それから第十九条の二が今回新しくつけ加えられたことでありまするが、これも財政的な問題から私はお聞きしたいと思います。この第十九条の二は、これが小範囲における問題であるならそれほど経費の問題については影響がありませんけれども、かなり災害がひどいような状態になって参りますと、第十九条の二の適用を行ないましたならば、かなりの金額になることも考えられないことはないと思う。そういう場合における財政措置というものについては、ここに大蔵大臣に協議しなければならぬということがありますけれども、このことによって当然財政上一般会計から補償するということはないわけであります。むろんこれは盲人用の無料郵便というような問題についても一緒でありまするが、何かこの辺はやはりある程度一般会計から補償するというようなことを考えてもいいのじゃないかというふうに私は考えるわけでありますけれども、この辺どうですか、やはり郵政省のサービスとしてやるということですか。
○板野政府委員 郵政省のサービスとしてやるという建前でございます。
○森本委員 あなたは自分の腹がちっとも痛まぬので、それだけの太っ腹でいいかもしれませんけれども、今の郵政事業特別会計というものは赤字をかかえて四苦八苦して、それで郵便料金を値上げしなければならぬ、しかもこれでも三年も五年も安定するかわからぬ。郵政事業特別会計を考えた場合、郵政事業を円満にサービスを改善してやっていこうとするならば、やはりこの予算編成という場合には郵政事業としてはがめつい程度にならなければ、郵務局長のようにおおらかな気持でやっておるとしょっちゅう郵便料金を値上げしなければならぬということになるわけでございます。こういう点については、私はよく国鉄当局というものを思い起こすわけであります。決算委員会あたりでよく質問いたしますので承知いたしておりますが、たとえば傷痍軍人の無料パスをやる、あるいはまた国会議員のパスの法律が出る、それに対して、それでは一般会計から何ぼの補償をするかということが必ず出てくる。ところが郵政省の場合は、なかなか世帯が大きいし、人のいい人ばかりおるのかどうかわからぬけれども、とにかくサービスと心得てやる。そして最終的には赤字がだんだんたまってきて料金値上げをしなければならぬ。それで郵政事業のためにぜひこの値上げを御承認下さいということで頭を下げて回らなければならぬということになるわけであります。それよりも、やはりある程度予算編成については筋を通すべきところは筋を通すという方針をとっていくことが基本方針でなければならぬ。先ほどの一般会計からの繰り入れの点についても、私はたといその金額が二億円でも三億円でもこれはやかましく言える。さらに、こういうふうな問題についても、この法律の趣旨はけっこうでありまするけれども、その財政的な措置を全部郵政省がかぶらなければならぬという理屈には私はならぬと思うのです。たとい金額は少なくても、こういう問題についてはやはりその災害対策用の金からある程度郵政省にも配分されてしかるべきだと思う。そういう点は私はやはりがめつくなる程度にやっていかなければ、あっちからもこっちからもそういうところからぼろぼろくずれてくるというふうに考えるわけでありますが、こういう点については大臣どうですか。
○小金国務大臣 筋はお説の通りであろうと思います。そこでその第二項に、省令を定めるときには大蔵大臣と協議をするということになっておりまして、この省令を定める際に私は問題を持ち出すつもりでおりますが、今郵務局長が申し上げたのはおそらく小範囲の問題についてだろうと思うのでありまして、災害対策本部を置くというような場合においては必ず特別の措置をする法律なり予算措置をしなければならぬ場合と思いますから、その際には今仰せのような趣旨に従って参りたいと思っております。従いましてこの十九条の二はいろいろな場合がございます。ごく小範囲と申しますか郵政省の財政でまかなえる程度のことはサービスでやりますけれどもそのほかのことについては私はやはり今のお説の筋が正しいと考えております。
○森本委員 今の大臣の答弁については私も同感でありまして、何も小範囲の豪雨が降ったとかあるいはちょっとした災害であったとかいう場合をさしておるわけではなしに、かなり大きな災害がありました場合には、政府としても災害対策本部を設けて、そして建設資金その他についても配分を行なって——場合によっては補正予算を組むということもあり得るわけであります。そういう場合にはある程度の金額がここに出てくる、こういうことでありますので、この点は一つ十分にお考えを願っておきたいと思うわけであります。 次に第二十二条でありまするが、第二十二条で特に先に聞いておきたいことは、小包はがきが六円ということになっておるわけでありますけれども、この小包はがきの六円の一円というのはどういうところに意味があるわけですか。
○板野政府委員 大体小包はがきの調製費でございます。これを作るいわゆる材料費でございます。それが一円だけになるわけであります。
○森本委員 小包はがきを作る調製費が一円ですか。
○板野政府委員 その通りでございます。
○森本委員 そこに小包はがきを持っていないですか。
○板野政府委員 大体このような格好のものでございまして、この中に通信文を書いて一応封ができるというような、昔の簡易はがきですか、そのような格好をしております。
○森本委員 普通の五円のはがきの紙代は幾らですか。
○板野政府委員 通常はがきにつきましては大体一枚当たり二十三銭の材料費がかかっております。
○森本委員 その小包はがきの原価は幾らですか。
○板野政府委員 大体六十七銭くらいかかっておるかと思います。
○森本委員 そんなに違うかね。
○板野政府委員 針金とかいろいろな細工が必要でございますし、数が少のうございますから……。
○森山政府委員 針金があるから一円普通のはがきより高いということになると、その針金がかなり高い針金になりますけれども、その辺のことについてはおきますが、こういう点についても一つちゃんとしたつじつまが合う形をぜひとってもらいたいと思うわけであります。 なお私が今こういうふうに意地の悪いような質問をいたしましたのは、たとえばこのような簡易手紙というのを十二円で売っておるわけであります。そうするとここのところが十円でありまするから、このあとの紙が二円ということになる。そうすると今の小包はがきの原価が何ぼとか言いましたが、これは十二円でありますからこの二円とその小包はがきの分と比べると針金代がどうもつじつまが合わぬわけであります。 まあその辺はいいとして、ついでにこの際聞いておきますが、一般の出版協会から非常に意見が出ておりますることは、この簡易手紙の十二円の場合はこれを切り取っても郵便切手に使えるわけであります。ところが郵便はがきの場合は、この五円を切り取っては使えないわけであります。たとえば今全国の出版協会から陳情がありまするが、印刷協会にいたしまして年間はがきで約四千七百万円程度の印刷のし間違いの分があって、それだけの損をしておる、それを何とかしてくれ、こういう要望が今全国の出版協会から非常に強いわけであります。これはこのはがきはここが切って使えずに、簡易手紙はこれが郵便切手としてここだけ切って使えるというのはどういう意味ですか。
○板野政府委員 簡易手紙におきましては郵便切手を張るかわりにそこに料金を表わせるということでございます。従ってその売価も紙代と切手代の十円ということになって、別々のものが利用土便利のためにそこへ一緒になっておるということでございまして、その意味におきましてそれは切り取って使えるということにいたしておる次第でございます。
○森本委員 この十二円の簡易手紙を発行しておるところの法律上の根拠はどこにありますか。
○板野政府委員 設置法の四条の十七号でございます。
○森本委員 これは「郵便の利用上必要な包装用品、封筒等を調製し、及び売りさばくこと。」ということになっておるわけですけれども、そうすると十二円というようなものについての決定は郵便規則のどこにありますか。
○板野政府委員 別に郵便規則等にはございませんけれども、その設置法の十七号の精神に基づきまして、いわゆるその原価を見てきめておるということでございまして、そのきめ方をどういうようにきめるかということにつきましては別に法規の根拠はございません。
○森本委員 そうすると郵政省はたとえばはがきとか、あるいは包装用具というようなものを作製してもうけるために売り出してもかまわぬですね。
○板野政府委員 御承知のように以前は切手付封筒等も売り出しておったわけでございますから、もしその必要があれば売り出せるということはできると思います。
○森本委員 この簡易手紙の十円のところが切手と同じように扱われるということになりましても、これは切手とだいぶ違いまして、はさみでちょん切っても裏がかたいのではがきとほとんどかわりがないわけでありますが、これが一般大衆が受ける感じは、これが実際にちょん切って使えるのに、はがきの五円がなぜちょん切って使えぬのか、こういう大衆の素朴な意見です。だからもしこれがちょん切って使えるとするならば、これを一つ取りかえてくれ、スタンプの消印のしてないものは取りかえてくれぬか、こういう意見が出ておるのでありますが、これを何とか打開する方法はないのですか、しかも年間四千五百万円になんなんとする金額が出版協会としてはふいになっておる、こういう陳情があるわけであります。
○板野政府委員 現在官製はがきの料額印面を切って使えないということになっておる次第でございますが、元来官製はがきは国民の通常の簡易通信の用に供するために利用者の便利をはかりまして、この料額印面のついた官製のはがきを出すということにいたしておりまして、その料額印面の用紙というものが一体になっておる、離すことのできない関係にあるという工合に観念をいたしておる次第でございます。と申しますのは、御承知のようにもし切って張られるということになりますと、結局紙は紙で適当に利用いたしまして、切手の料金面の分はまた張って使えるということになりまして、利用者の方はある程度それによって利益を得るかもしれぬ、戦時中におきましては例の名刺が作れぬためにずいぶん官製はがきが利用されたわけでありますが、現在はそのようなことはないと思いますけれども、一応そういう理屈でこれを切って張って使ってはならないということにいたしておる次第でございます。また取り扱いからいいましても厚いものでございますので、これを張りますと取り扱いあるいは消印というような面にいろいろな支障があるという、そういう観点もございます。しかしながら外国の法制例等におきましては、これを手数料をとって交換するというような法制例等もございますので、こういう点につきましては今後いろいろ検討をいたしてみたいというように考えております。
○森本委員 その答弁でけっこうでありますが、これはおそらく出版協会あたりも大量に印刷をするものですから、一万枚、二万枚というように間違った印刷をする、それが困るというわけでありますから、それをその一枚をそのまま一枚とかえてくれということではなかろうと思いますので、その辺は十分に郵務当局も検討してやってもらいたい、ついででありますので申し上げておきたいと思います。 それからこの第二十二条のところで「十二月十五日から翌年一月十日までの間に省令の定めるところにより年賀状として差し出された通常葉書の料金は、四円とする。」というこの「十二月十五日から翌年一月十日」というのを変えたわけでありますけれども、これを変えたというのはどういう意味ですか。
○板野政府委員 御承知のように年賀郵便等は年々ふえて参りまして、その取り扱い等につきましてもいろいろ検討を要する点もあるわけでございます。たとえて申しますと、十二月十五日から年賀郵便として扱うということになっておりますけれども、場合によってはこれを十二月十日に繰り上げてやるということが取り扱いの円滑化をはかるために必要な場合もあり得るわけでございまして、そういう点を考えましてこれを省令に委任して、その情勢に応じて取り扱い等も変えるということにいたした方がよいというふうに考えた次第であります。
○森本委員 これは非常に小さな問題でありますけれども、私は郵務当局としては大きな誤謬を犯しているのではないかと思います。というのは、この年賀の取り扱いについては、十二月の十五日から翌年の一月十日までというふうに規制をせずに、郵政省の都合によって、あるいは人員等の差し繰りによって、実際問題としては、十二月の十日からやろうが、十二月の五日からやろうが、来年の一月五日までやろうが、一月の十五日までやろうが、それはいいと思うのです。ただここで問題になるのは、そういう年賀取り扱いについては、省令において、あるいは省の事務の都合によってこれを変えることは、私は変えても差しつかえないと思います。しかし、ここにいっておるところの十二月の十五日から翌年の一月十日までの間、この間でなければ四円のはがきは使えないわけであります。この間以外に四円のはがきを出したとなれば、これは未納切手が一円でありますから二円取られるわけです。だからそれをその年度々々の都合によってあなたの方で変えられたのでは大衆はまごつくわけです。郵政省として年賀郵便の受付を十二月の五日からやるとか、十二月の十日からやるとか、二十日からやるとかいうことは、郵政省の都合によって変更することはあり得るし、またそれはやってもけっこうだと思う。しかし、ここでいっておる日付というものは、四円ではがきが使えるか、五円ではがきが使えるかという料金の問題に関係しておるわけです。だから、これについては、省令にゆだねるということよりも、法律においてちゃんと規定をしてやっておかないと、今年は四円で何日までやったが、また来年は違ってくる、こういうことになるわけですよ。おそらく郵政当局としての考え方は、年賀の取り扱いがこういうふうに法律でぴしっときまると、十二月の十五日からやらなければならぬからということでこれを変えたと思うのです。ところがそのことが料金に関係しておるわけでありますから、実際の年賀の取り扱いについては、あなたの方が事務的に考えてもいいけれども、料金に関係するものはぴしっと出しておく必要がある、こう私は考えるわけです。その辺どうですか。
○板野政府委員 先生のおっしゃることももっともでございます。しかしながら、この二十二条の二項では、その期間に差し出されたものにつきましては料金を四円とするということでございますけれども、十二月の十五日からということになりますと、やはり引き受けたときの料金が問題になるわけでございまして、事実上ほかの日に取り扱ってもいいじゃないかということにもなるわけでございます。その取り扱いというのは、まず第一に引き受けという行為があるわけでございまして、そのときにはやはり年賀につきましては四円とするということが適当でございますし、これは料金をきめるとともに、取り扱いの、いわゆる引き受けの開始の日も同時にここできめなければならぬという格好のものでございますので、省令に委任する方がいいんじゃないか。また省令に委任いたしましても、これは年々に変わっていくというような趣旨ではございませんで、省令ではっきりと、やはり一つの考え方できめるわけでございますけれども、ある年にいろいろな観点から少し時期を変えなければならぬという必要も起こり得る可能性もございますので、この機会に省令に委任さしていただく方がいいんじゃないかというふうに考える次第であります。
○森本委員 もしそういうことであるとするならば、たとえば十二月の一日から翌年の一月の十五日までの間における年賀状として差し出すものについては四円とする、その具体的な年賀取り扱いとしての郵便局の業務を運行する場合においては、十二月の十日になるか、あるいは十五日になるか、あるいは一月の五日になるかという問題については、そういう業務取り扱いの運行何月何日から何月何日までは四円としてやるという問題と切り離して考えなければならない。出す方は四円で出すわけでありますから、それがぽこんとあなたの方で省令で変えられたら、四円で出した場合に未納不足切手の金を倍額として二円とられることになるわけです。だから料金に関係する期間と年賀を実際に取り扱う期間とは郵政省としては別に考えなければならぬ、私はこう思うわけでありますが、これは法律がこうなっておりますから今さらここでどうこう言ったところで仕方がないけれども、そういうことであるとするならば、この省令というものはあまり変えてはならぬという省令になるわけであります。実際問題として、本年十二月十五日から来年の一月十日までということになれば、来年もまたこれを変えるということになると、大きな会社なんかは非常に困ってくるわけであります。だからもし今私が言ったようなことにもう修正するということが不可能であるとするならば、やはり今言ったように、この期間については省令で一度きめたら、五年やそこらはこれを変更することはできない、そうすると、省令に委任した意味が実際問題としてはなくなるのです。省令に委任しても五年やそこらは変えないということになると、省令に委任した意味がなくなるわけであって、ほんとうは十二月十日から一月の十日までなら年賀状として出せます。しかし年賀の取り扱いは十二月十五日になるか、二十日になるか、十二日になるかわかりません、こうやるのがほんとうなんです。どうですか、その点は。
○板野政府委員 先生のおっしゃる通りでございまして、天災地変とかよほどのことでないと、省令に委任しましてもそれは変えないという考え方でおるわけでございますが、突発のそういうような天災地変等がありましたら、ある程度融通性を持たせるということにいたしたいと考えております。
○森本委員 天災の場合は別に条項があるわけであって、そんなことを心配する必要はほんとうはないわけであります。それはいいです。しかし、あなた方がこういう法律を検討する場合には、今言ったような具体的な問題をよく検討しなければならぬということを私は言ったわけであります。 次に、「郵便葉書は、その表面に差出入及び受取人の氏名及び住所又は居所以外の事項を記載し、他の物を添附し、又は原形を変えてこれを差し出すことができない。但し、郵政大臣は、省令で別段の定をすることができる。」この「別段の定」とはどういうことですか。
○板野政府委員 規則の十六条に、はがきに添付、打ち出し等のできる範囲というものがございまして、その十六条で添付物とかあるいは打ち出しのできるものというのがきめてある次第でございます。
○森本委員 「郵政大臣は、省令で別段の定をすることができる。」この「別段の定」はどうかということですよ。
○板野政府委員 郵便規則の十六条に、別段の定めをいたしておるわけでございます。
○森本委員 法律を審議しておるから、郵便規則の十六条はどういうことか、こういうことですよ。あなたは郵便規則を知っておっても、ここにおる議員は知らぬので、どういうことですか、こう聞いておるのですよ。
○板野政府委員 具体的には、ちょっと落としましたけれども、十四条には、表面に記載できる事項といたしまして、「郵便葉書の表面には、左の事項を記載することができる。」ということで、一号には「差出人又は受取人の身分、職業、称号、商標、電話番号、」二号には「至急、机下」その他これに類する尊称、敬称、三番目には「「懸賞応募」、「選挙事務」、「住民登録」」四号では「送達上郵便局に必要な注意を示す事項」こういうことを表面記載事項として記載することができる。それから十五条には、往復はがきの返信部に必要な事項をあらかじめ記載することができるということになっております。それから十六条には、はがきに添付、打ち出し等のできる範囲といたしまして、その一号では、郵便はがきを契約書、委任状、受領証、申込書、投票紙、懸賞応募書その他の書類とするため裏面に収入印紙を張りつけるというようなことができる。それから二号では、郵便はがきに切手を張りつけ、これに記念の目的で通信日付印の押捺を受けることができる、そのほかずっとそういう例が示してあるわけであります。
○森本委員 次の第二十三条でありますが、この第二十三条で一番問題になりますのは、今一番の赤字になっておるのは何といっても第三種の郵便物であります。第三種の郵便物において、確かに日刊紙あるいはまた週刊紙というふうなものについては、この三項三号の「政治、経済、文化その他公共的な事項を報道し、」云々に入るわけでありまするけれども、このあとの「但し、毎月三回以上発行する新聞紙」というふうな点については、これはある程度規制をしていいのじゃないか。今非常に新聞が多くてそういってはなんですけれども、一流新聞と違うような新聞まで第三種郵便物としてこれを優遇する措置が必要であるかどうであるかというふうな、第三種の日刊以外の新聞というふうなものがたくさん今日あるのじゃないかという点でございますが、こういう点については、このただし毎月三回以上というふうなことについても制限をして、場合によっては日刊紙なら日刊紙というふうな形にした方がすっきりするのじゃないかというふうに考えるわけでありますが、この辺どうですか。
○板野政府委員 日刊紙とあるいは旬刊、週刊とを分けるという考え方も一つの方法としてあり得ると思います。しかしながら月三回以上とか週刊等につきましても、国民文化の普及等につきまして相当効果を上げておりまするものもございますので、今回におきましては日刊と旬刊以上を一緒にいたしまして低料金扱いにする方がいい、このように考えた次第でございます。
○森本委員 これは大臣に申し上げておきたいと思いますが、将来の問題としては、第三種のいわゆる新聞に匹敵するようなものについては、今の段階においては日刊紙あるいはほんとうに定期的に出しておるところの業界紙というふうなものは必要かもわかりませんけれども、いわゆるもうろう新聞というものが相当第三種として出されておるということがあるわけであります。しかし法律に毎月三回以上発行する新聞というふうに書いてあるから、法律に適合する材料があって持ってくれば第三種で認可をしないわけには参らぬ、こういうことになるわけになるわけでありまして、そういう点の新聞については私はある程度規制をする必要があるじゃないかということをつくづく感ずるわけでありますが、その辺将来大臣としても事務当局にこういう問題についてはもう一回検討さしてもらいたい、こう思うわけでありますが、どうですか。
○小金国務大臣 ごもっともでございまして、月に一回、二回あるいは三回またはそれ以上出すような新聞の中にも、きわめて文化、福祉というふうなものから遠いものもございます。ただ一々郵便局においてまた郵政局においてその審査もむずかしいかと存じますが、お説のところはまことにごもっともでありますから、事務当局並びに知識経験者等を動員いたしまして十分検討いたしたいと思います。
○森本委員 それから第二十五条の二で、今までの第二十五条それから第二十三条においてきめておりました料金というものを省令で定めるということになったわけでありますが、この第二十五条の二の省令で定める金額ですね、これは大体どういうふうに考えておるのか。
○板野政府委員 お手元にあります郵便法の一部を改正する法律案の資料の別表五、これは四十ページにございます。そこに第三種郵便物認可料は現行料金の一件につき二千円を四千円にする、それから第三種の郵便物題号等の変更認可料が、一事項千円、二事項以上千五百円となっておりますのを、申請料を四千円、変更につきましては一事項が二千円、二事項以上三千円に改めたいというふうに考えております。
○森本委員 この決定はやはり何か根拠があるわけですか。
○板野政府委員 第三種郵便物の認可の申請につきましてはいろいろな複雑な事務がございまして、大体一件当たり郵便局で十時間、それから郵政局では六時間程度の時間がその申請の審査についてかかる、このような実情でございまして、そのような時間を現在の一時間当たりの給与単価をかけて参りまして、この料金をきめた次第でございます。
○森本委員 これは二千円のものが四千円になっておりますし、千五百円のものが三千円ということになっておりまして、かなりの高額の上がりでありますので、そういう点についての基礎をはっきりしておいてもらいたいというように考えるわけであります。 それから第二十七条の二の市内特別郵便物の問題であります。今までは同一の郵便区内それから都の同一区内または同一市町村内ということがあったわけでありまするが、この同一市町村内というのは今度なくなったわけであります。これは町村合併の関係によるわけでありますか。
○板野政府委員 その通りであります。
○森本委員 この点は郵政省から考えればこういう考え方が当然のようには考えられると思いますけれども、実際に国民大衆の側からいたしますとすると、何のために町村合併をしたかわからぬ、町村合併をしたものの、実際問題として同一の郵便区か同一の郵便区ではないかということについては国民に責任はないわけでありまして、これは郵政省が勝手にきめておるわけでありますので、そういう点については私はやはり従来の同一市町村内、これは郵政省としては相当赤字にはなりますけれども、当然町村合併を促進さした政府当局としては考えていかなければならぬ問題ではないか、こういうふうに考えるわけでありますが、その辺はどうですか。
○板野政府委員 元来市内特別郵便を設けました理由は、同一配達区域内でございますので、運送費その他の取り扱いに非常に手数が省ける、こういう意味で安くいたしておるわけでございまして、本来から申せば、同一配達区域内、いわゆる同一の区内というものに発着するものについてだけやるというのが本来の建前でございます。しかしながら京都とか大阪というような大都市におきましては、なかなかその境界線が利用者の方ではっきりわからないという点もございますので、過渡的に、これらの大都市につきましては、行政区といいますか同一区内を一応標準といたしたわけでございまして、将来の理想といたしましては、これらをもすべて含めまして郵便物の配達区域をもって区域内に発着する、いわゆる郵便区内に発着するものを安くするという建前の方が合理的だというふうに考えた次第でございます。
○森本委員 それは郵政省の方から見たことであって、国民の立場から見た場合は、大阪市内、横浜市内を同一市内郵便にしておいて、いなかの方の市で郵便局が三つあるからといってこれは同一市内郵便にはならぬということは、まことにけしからぬ話であります。それだったら郵便事業についてはあわてて町村合併なんかする必要がないということになるわけであって、逆に郵便事業については町村合併をしたことによって郵便物が紛来をして郵便物がおくれることが多い、こういうことになってくるわけであります。この辺のことは、やはりもう少しあなた方は大臣なんかに説明をして、それで大臣あたりがやはり政治的な考慮でもって、少なくとも同一市町村内には市内郵便というものの取り扱いをすることができるようにすべきだ。これはどうですか大臣、今までは第二十七条の二というやつは、同一市町村内にあるとするならばこれは市内郵便としてやっておったわけであります。ところが今度は改正をいたしまして、同一の郵便区でなければ市内郵便の取り扱いをしないということになりますから、同一市内であっても、郵便局が二つも三つもあるところは市内郵便にならぬわけであります。今までは、これは同一市町村内ということでよかったわけであります。それができないということになるとするならば、この点は公衆に対するサービスが低下することになるわけであります。理屈からいっても、大阪市、横浜市、名古屋とかいうようなところの、いわゆる大都会、そういうところとの問題とも関連いたしまして、やはり私はこういうふうな問題については同一市町村内というのを考えていくべきじゃないか、こう思うわけですが、どうですか。
○小金国務大臣 ただいま御指摘の点は、大都市は大都市の中の行政区ということで、郵便局は二つあっても、それは同一料金でやれる。しかし他の市町村になりますと郵便局の配達区ごとになりまして、今のような御議論も成り立つかと思いますが、大体今郵便局の集配区域は逐次拡張されていっておるのが現状でありまして、特定の集配局をやめて、特定局は集配を相当整理されているところもありますから、むしろ趨勢としては集配区域が広くなるんじゃないかという地方もございます。また利用者の方を見ますと、市役所とかあるいは大きな会社とかでありまして、一般の国民の同一市内の御利用というのは比較的少ないのじゃないかというような観点をも考慮してこのような改正をした、こういうことで、私は一応検討の余地はまだ今後あるかと思いますけれども、この案を決定した次第であります。
○森本委員 だから、今郵政省が進めております郵便区の統廃合が完成をされた暁においては、この考え方でもいいわけでありましょう。しかしいまだに完成さておらないところ、町村合併をせっかくした、広大な市になった、ところが郵便局がいまだに依然として三つも四つもある、これは統廃合するのにあと五年や十年はかかります。それが完全にできたならばこういう書き方でもけっこうですが、現在のような場合にこういう書き方をするということは、やはりサービスが落ちるということになります。この点はやはり郵政省の業務上、事務当局が考えた場合には、こうやった方が事務的にはスムーズにいくということはよくわかります。わかりますが、政治的な観点から考えたとするならば、やはりこれは従来と同じようにして、そのもののサービスというものはやはり政治的に行なっていかなければならぬ、こういうことになると思うのです。その辺のことは、おそらくここまで大臣に説明をしてなかったと思いますけれども、事務当局で自分の都合のよいように改正して、これでよろしゅうございますか、そんなものは見ずに、よろしいということでこうなったと思いますけれども、やはりこういう問題は、何といっても私は政治的な解決をつけなければ——事務当局が考えるのはこう考えるということはうなずけます。しかし今の町村合併を促進さしておるという政府のやり方、それから行政区域の改革というものを考えておる場合には、まだこれは時期が早いということが言えると思います。従って、これは法律が通りましても今後この問題は検討の余地が十分にあると思いますので、一つ御検討願いたい、こう思うわけであります。 それから次に、大事な点は、この小包郵便物の料金を今回は全部政令にゆだねておるわけでございます。ということになりますと、今まで法律第三十一条できめておりましたものを、三十一条において全部これを政令にゆだねるということになっておりますが、その場合、この財政法の第三条によりますところの「国が国権に基いて収納する課徴金及び法律上又は事実上国の独占に属する事業における専売価格若しくは事業料金については、すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」この財政法の三条に関連をいたしまして、私はちょっと疑義を感ずるものでありますが、そういう点についてはどうですか、これは大臣から聞いておきたいと思います。
○小金国務大臣 三十一条の小包郵便物の料金を政令にゆだねましたいきさつにつきましては、今御指摘のような点もありますが、「法律上又は事実上国の独占に属する事業における専売価格若しくは事業料金については、」云々とありまして、これは事実上郵便局で取り扱っておりますけれども、小包郵便と同様のもの、国鉄の小口扱い貨物、それからまた民間のいろいろな便利屋というようなもので運んでいるものと競合してやっておるという事業でありますから、これは政令に譲っていいんじゃないか、こういうことで政令に譲ったわけであります。
○森本委員 その考え方は、私はちょっとこじつけた考え方でなかろうかと思うのです。国鉄の小口扱い、あるいは便利屋というものはあることはありますけれども、これは全国どこにおいても受け付けをして、全国いずれの場所においても配達をするという事業ではございません。全国いずれの地においてもこれを受け付け、全国いずれの地においても配達ができるという荷物の取り扱いは、これは小包郵便しかないわけであります。その面からいきますと、やはり完全な独占的な事業であるということは言えると思う。かりにこの小包郵便と同じような取り扱いをする会社があるとすれば、それはいいけれども、大体小包郵便が取り扱う率が現に多いのですから。便利屋とか小口扱いに頼むようなところは頼むわけであって、そうでないやり方をするものは、大体小包郵便を利用しておるわけであります。そういうことを考えてみると、私はこれはやはり相当疑義があるんじゃないかと思うわけでありますが、その辺は法制局あたりにも聞いてみたのですか。
○板野政府委員 おっしゃいます通り財政法第三条につきましては、そのような独占価格と申しますか、そういう価格については法律または国会の議決に基づくということになっておりますけれども、法制局あたりのいろいろな意見を聞いてみますと、これはこのような意味のあらゆる価格とか料金を網羅するという意味ではなく、国営事業にありましても、その企業的な運営をはかるにあたりまして基本的な料金以外の料金につきましては合理的な理由があれば政令等にゆだねることができるというふうに、法制局等もそういう解釈をいたしておる次第でございます。
○森本委員 この小包郵便の料金は、基本的な小包郵便の料金でしょうが。基本的な……。
○板野政府委員 小包郵便の料金といたしましては基本的でございますけれども、先ほど大臣からちょっとお話がありましたように、郵便事業にとりましては、いわばこれは一つの付帯的な事業でございますので、これを政令に委任する合理的な理由があれば、財政法第三条の規定にかかわらず、これは政令等にゆだねることができるんじゃないかというふうに解釈いたしておる次第でございます。
○山手委員長 この際、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時二十分休憩 ————◇————— 午後一時四十三分開議
○山手委員長 これより再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を続行いたします。森本靖君。
○森本委員 先ほどに引き続きまして、条項を追って質問をいたしていきたいと思います。 次に第三十二条でありまするが、第三十二条にもやはり今回の場合「法人で省令で定めるものに対しては、前項の担保を免ずる。」こうなっておるのでありますが、この法人というのはどういうものですか。
○板野政府委員 現在は三十二条の第四項に、公団とか公社、あるいは金庫、日本国有鉄道というように列記されてある次第でありますが、そのほか輸出入銀行とかこれに類する金庫等も相当出て参っておりますし、今後もそういうものが出て参ると思われますので、これを一々法律で具体的な公団名、金庫名等をあげずに、省令に委任いたしましてこれを定めるということにいたしておるわけであります。
○森本委員 だからその省令で定めるものというのはどういうものか、こういうことです。
○板野政府委員 省令で定めますものは、ただいまのところこの四項にありますもののほか、日本輸出入銀行、日本開発銀行、中小企業退職金共済事業団、日本育英会等を予定いたしております。
○森本委員 これは国際電電なんかは入らぬのですか。
○板野政府委員 大体その性質から見れば国際電電等は入るのじゃないかと思いますが、申請がございましたら、それに基づいて審査をいたして決定をすることにいたしたいと思います。
○森本委員 省令の定め方ですね、これは具体的に何々、何々というふうにさして定め方をするのですか。それともそうでなしに、官公署及び特別の法律をもって設立された法人またはこれに準ずるような法人というような省令の定め方をするのですか。
○板野政府委員 具体的にその公団名とか金庫名等をあげて指定をすることにいたしております。
○森本委員 そうすると申請があったりした場合には、そのつどそのつど変えていきますか。
○板野政府委員 申請がありましたものにつきまして適当と思われるものはこれに追加をするということになるわけでございます。
○森本委員 その省令の定め方でありますが、そのつどというより、やはりこれは原則的にこういうものだということで、省令では一応ぴしっと全般的なものをきめるのが至当ではないか、あとからあとから追加していくというような形のものはおかしいのではないかというふうに、私はこの省令の定め方について考えるのですが、どうですか。
○板野政府委員 これは郵便料金の二倍の担保を免除することができるというような特別な利益を、こういう官公署または法律でもって設立されたものに与えるわけでありますので、やはり慎重にそれを検討いたしまして、一応の基準はこの法律にありますようなことできまっておりますけれども、省令で具体的に名前をあげてきめていくということが妥当ではないかというふうに考えておる次第であります。
○森本委員 そういう申請が将来あるかもしれぬというものについては、あらかじめきめておいてもかまわぬでしょう。
○板野政府委員 どういうものがこの特別の法律でもって設立されるかということにつきましては、抽象的には基準はきめられるわけでありますけれども、具体的な公団名、金庫名等につきましては申請があればこの申請に基づいて初めて審査されるということになる次第であります。
○森本委員 申請によってということになりますけれども、申請のつど一つ一つ加えていくという形は、いかに省令といえどもそういう形をとるよりか、やはり官公署及び特別の法律でもって設立された法人でありますから、その中で必要なものについてはあらかじめ全部きめておくということがいいじゃないか、こういうことなんですが、これは別にそう大して重要なことではありませんので、答弁は要りません。 それから第四十三条の「省令で定める額のあて名変更料又は取りもどし料を納付しなければならない。」こういうことについては、その前にあるものについては今回は全部変わっておりますが、これについての料金はどうですか。
○板野政府委員 参考資料の別表五、この四十ページにございますように、あて名変更及び取り戻し料につきましては、郵便物の発送準備完了前、そのときには現行は二十円でありますものを三十円、それから発送準備完了後であります場合につきましては、郵便によるものは、普通扱いによりますものが現在は四十円を五十円、速達によりますものは、新たに今回この取り戻しを認めまして、速達料に五十円を加えた金額ということにいたしております。それから電信によるものにつきましては、現在は電信料の実費額に三十円を加えた金額ということになっておりますものを、電信料の実費額に四十円を加えた金額ということにいたしておる次第でございます。それから差出郵便局が当該郵便物を配達すべきときと、自局の配達になるものにつきましては、現在の二十円を三十円にするということにいたしておるわけであります。
○森本委員 それから第四十四条でありますが、「その受取人から省令の定めるところによりその後の住所又は居所を届け出ているときは、」云々とありますが、これはどういう意味の省令でありますか。
○板野政府委員 省令の内容を申し上げますと、転居届は、住所を変更した者またはその代理人が次の事項を記載した届書を変更前の住所または居所の郵便物配達を受け持つ郵便局長に提出して行なうものとすること。一は転居した者の氏名、二が旧住所または居所、三が新住所または居所、四が郵便物の転送開始年月日、こういうものを届けさせるということに省令でいたす考えでございます。
○森本委員 そうすると今度から届け出がなかった場合には転送しないのですか。
○板野政府委員 原則といたしましては、届け出がない場合には転送をしないということになる次第でございますが、これはただ法律関係をここにはっきりいたしただけでございまして、実際のサービースといたしましては、たとえば旧住所に張り紙をしてあったとか、あるいは電話でやってくれというような場合につきまして、はっきりそれがわかっておるものにつきましてはサービスとしてやるように考えております。
○森本委員 これは「その届出の日から一年内に限り、」というように限っておりますが、一年というように限った点についての理由はどうですか。
○板野政府委員 一年といたしました理由は、大体一年くらいたてば転居先の住所が差出人にわかるのではないか、またわかってもらうように差出人側もいろいろ今後気をつけていただくことによりまして、郵便局は転居等に非常に手数を要しておりますので、そういう手数も省けてくるという考え方からいたしまして、大体一年という期間をきめたわけでございます。
○森本委員 それで転居した人から転居先の届け出をした場合に、郵便局としてはどういう取り扱いをするわけですか。
○板野政府委員 郵便局といたしましては、届け出の提出がありましたならば、転居届の書類を扱っております責任者がきめられておるわけでございますが、その者が居住者名簿に一応転出の年月日とかあるいは転出先等必要な事項を記入をする。その記入をいたしますると写しを配達郵便局に送付をいたしまして、担当の配達員にこれを周知させるという方法でやるようになっております。
○森本委員 その居住者名簿というのは各郵便局にあるわけですか。
○板野政府委員 居住者名簿につきましては、これが配達上あるいは新規に採用された者の訓練上非常に必要でございますので、すでに以前から居住者名簿を備えつけるようにいたしておりまして、これにつきましては大体この一年間に一〇%ないし二〇%程度の移動率があるようでございますので、そのつど名簿を訂正するように予算的な措置もいたしておる次第でございます。
○森本委員 その居住者名簿というものについては、そうすると各郵便局において現在全部そろっておるということですね。
○板野政府委員 整備等がまだ完了してないような郵便局もただいまのところ約一〇%内外はあるというふうに、調査の結果わかっておりますので、至急この整備をするように、新年度におきましても予算を配算いたしておる次第でございます。
○森本委員 その予算の措置というのはどういう措置ですか。
○板野政府委員 居住者名簿の整備のためにあるいは超過勤務を要する場合もございましょうし、あるいは非常勤措置をいたしまして、特別に調査させるという方法、あるいはカード等の購入費を含めまして予算的措置をいたしておる次第でございます。
○森本委員 それは全国的にどの程度の予算ですか。
○板野政府委員 ただいまちょっと資料がございませんので、後ほど調べてお答え申し上げます。
○森本委員 後ほどやっておったんではこれは問に合わぬので、第四十四条に関連をして私があえてこういう質問をいたしておりまするのは、今回こういう法律条項を書いたならば、全国の各郵便局において居住者名簿を確立をしておらなければ、この法律条項を入れたということが、公衆にサービスが逆サービスになるということが言えるわけであって、第四十四条で明確に法律でこういうように規制をするということになりますと、各郵便局の居住者名簿というものを完全にそろえておかなければ、この第四十四条が生きてこないということになるわけであります。現在のところでは一〇%程度であるとあなたは一言われましたけれども、それではなお念のため聞きますが、現在居住者名簿が確立をしておらないと思う郵便局は、全集配郵便局のうちで——集配郵便局が幾つあって、その中でどの程度は居住者名簿が確立をしておりませんか。
○板野政府委員 大体一〇%内外と申し上げましたのは、集配郵便局はたしか特定局を含めまして六千五百局程度だと記憶しておりますが、そのうちの大体一〇%内外が現在整備していないのがあるのじゃないかというわけで、私どもといたしましては、カード用の経費といたしまして四百万円ばかり計上いたしておりますし、あとの超勤その他賃金等につきましては一般と込みでいっております。込みで一般の賃金あるいは超勤として流れておりますので、適宜必要なものだけ使って整備するようにということにいたしておる次第でございます。
○森本委員 予算措置を講ずると大きなことを言っているので、どのくらいですかと思ってためしに聞いてみたわけでありますが、四百万円ということであります。四百万円ということになると、四百万円を六百五十で割った場合、これは各局平均をして一万円に足らぬということになるわけでありますが、六千五百の集配局の中で、居住者名簿がそろっていないという局が六百五十局程度ですか。これは確実に調査をいたしましたか。
○板野政府委員 七百五十局程度の普通局につきましては、郵政局の報告に基づきまして大体一〇%内外じゃないか。それで特定局の集配局につきましては、いわゆる居住者名簿につきましてもそう多くの人手なりあるいは紙代も要しないところもございますので、そういう面は自分のところの必要な用紙なんか使ってこれをやるということにいたしておる次第でございます。
○森本委員 それでは具体的な数を聞きますが、六千五百局程度の中で普通集配郵便局が幾つあって、特定集配郵便局が幾つあって、その中で具体的に居住者名簿が確立をしておらぬという局が普通局、特定局に分けてどの程度ありますか。ばく然としてちっともわからぬから数字をあげて一つ具体的に聞いていきますが……。
○板野政府委員 具体的にどの局がどうかというような資料はちょっと手元にございませんので、これは調べましてさっそくお答えいたしたいと思います。
○森本委員 居住者名簿が確立をしておらぬという局と確立をしておるという局については、そういう点については、この法律を今回あなたの方が提案をするにあたって調査をしたことがあるわけですか。
○板野政府委員 居住者名簿につきましては、すでに二、三年前から、この整理方につきまして予算等も相当積極的に流しておるわけでありまして、具体的には調査した資料がございまするけれども、御報告できるような資料が手元にございませんので、後刻お答えいたしたいと思います。
○森本委員 二、三年来予算を流しておるといいますが、それじゃ三十五年度は、その居住者名簿の確立についての予算は何ぼ流しておるのですか。
○板野政府委員 先ほども申し上げましたように、いわゆる用紙代として四百万円計上いたしておる次第でございます。
○森本委員 用紙代として四百万円流して、そうしてあなたの方はさっぱりわからぬというのだから質問のしようがないのだが、そうすると六千五百の局の中で普通局はどの程度ありますか。
○板野政府委員 七百五十三局集配局はございます。
○森本委員 その七百五十三局の中で確立をしておらない局はどの程度ですか。
○板野政府委員 大体一〇%内外というふうに考えております。
○森本委員 その考えておりますというのは、それは調査をしたのですか。
○板野政府委員 一応郵政局の御報告に基づいて調べておる次第でございます。
○森本委員 私が調べたところによりますと、居住者名簿については、従来からの居住者名簿は確かにあります。ありますが、転居したあるいは移転をしたということについての加除訂正というものが確実に行なわれておるという局は、いなかの局ではほとんどありません。それはなぜかといいますと、統括郵便局程度になりますと、一人か二人の専門の人間を置かないと、今日の転居その他から見ますと非常に不可能であります。 ちょっとお聞きいたしますが、それなら統括郵便局程度において年間の転居人というようなものがどの程度のパーセンテージがありますか。
○板野政府委員 大体一年間に千通につきまして五通程度の転送郵便物がございます。年間に四千万通ということになっておりますので、これが全部転居ということではないと思いまするけれども、相当な数がございますが、これは各局でどのくらいあるかという資料は全然できておりません。
○森本委員 千通について五通ということになりますと、普通の県庁の所在地において郵便が年間何通ございますか。
○板野政府委員 各郵便局ごとにいろいろ……
○森本委員 統括郵便局の平均でいいです。
○板野政府委員 大体一日一万通ぐらいございます。
○森本委員 一日一万通ということになりますと、年間を通じて統括郵便局で——ちょっと勘定がなんですが、転送の通数が千通で五通ということになりますと、年間を通じて何ぼになりますか。これはなぜ私がしつこく質問をするかというと、第四十四条にこういうふうにはっきり書いたのは今度が初めてなんですよ。それでこういうふうに書くということであるならば、こういうふうに書いたことに対する対応できるだけの郵便局の設備、準備、それが完全に確立をされておらないとこれは非常に国民に迷惑をかけるわけであります。その体制が、私が調べたところによりますと、ほとんど確立をされておらぬ、こういう情勢でありますからあえて聞いておるわけであります。そこで統括郵便局で日に一万通ということになりますと、千通に五通というあれでありますから、年間を通じて転送の通数がどの程度あるか、こういうことです。
○板野政府委員 約二万通ぐらいに上ります。
○森本委員 二万通ということになりますと、今四百万円で用紙代だけということでありますが、それ以外の超過勤務とか非常勤ということについては、三十五年度においてこの居住者名簿の確立についての資金の配分がどういう程度になっておりますか。込みである、込みであるというような答弁でごまかそうとしておるけれども、込みであるということは郵政事業全部込みであるという答弁で済むわけでありますから、そうではなしに、この居住者名簿の確立についてはどの程度の非常勤賃金並びに超過勤務というものを一人当たりにいたしまして流しておるか。
○板野政府委員 特別な郵便局のそういうような仕事に対しましては、必要な賃金あるいは超過勤務が一括して流されておるわけでございまして、その区分、これがどのくらいかということにつきましては、郵政局等におきまして実情に応じてこれを配分するということになっておる次第でございます。
○森本委員 そうした現場の方の局においてはそれが込みにおいて流されておりまするので、居住者名簿の方の整理には、平生の非常勤賃金それからその超過勤務というようなものについては、ほとんど手が回っておらない。そこでこの居住者名簿がそのままになっておる、今こういうふうなことをきめられると、かえって逆にサービスが低下をする場合があり得る。だからこの法律の第四十四条がこういうふうに明確にされて通るということになりますと、まず郵便局としてやらなければならぬことは、全国の郵便局で居住者名簿の確立ということを警察以上にやらなければならぬ。昔は郵便局にものを聞いたら大体警察より早いということがよくいわれたわけでありますけれども、このごろは郵便局の局員が逆に交番に聞く場合が往々にしてあるわけであります。それほど郵政事業自体がある程度一つの荒廃に帰しておるということが言えるわけであります。これだけの責任を郵政省が持つということになりますると、まず何といたしましても、この居住者名簿の確立を行なわなければ四十四条で行なわれるサービスが不可能になる。この居住者名簿について今聞いたところによりますと、四百万円流した——四百万円流したなんというのはずうずうしいとも言える。全国の郵便局が六千五百あって、今言った通数が千通に五通の割合で転送があるのに、四百万円で居住者名簿なんか——なんぼ鼻をすうすうすったってだめですよ、実際問題としてこれで居住者名簿が各町村に確立されるはずがない。だからこの法律を提案するなら、特別に郵政省が下部に指示を流して、居住者名簿をまず確立をするということを指示すべきではないかというふうに私は考えるわけでありますが、これは一つ早急に、この法律が施行されるまでに、かなりの金額を流してもけっこうでありますから、この二、三カ月くらいに早急にこの居住者名簿の確立をしてもらいたい。それから将来の方向については、やはり統括郵便局程度になりますると、この居住者名簿を専属的にやる者を一名ないし二名程度置かなければこの法律の四十四条が生きてこない、こう考えるわけでありますが、将来の方策とこの法律施行にあたっての居住者名簿の確立について、当面一体事務当局としてはどう考えておるかということであります。
○板野政府委員 先生のおっしゃることごもっともでございまして、私どもといたしましてはこの法律がもしお認めを願えれば、さっそくこのような措置につきまして万全の措置を講じていきたいと思います。附則の八にございますように一年間の猶予がございますので、私どもその間に予算その他の措置につきまして、先生のおっしゃいましたような万全の措置を講じていきたいと考えます。
○森本委員 くどいようでありますけれども、今回は法律に明確に載ったわけでありますから、今の答弁はこの場限りの切り抜けの答弁ということでなしに、明確にこれを実施するということを郵務当局は明確にしておいてもらいたい。これは私もそのうちに休会にでもなりましたら各郵政に行って調査して参りますから、一つこれを明確に実行段階に移すということを特に要望しておきたいと思います。これは郵便局の信用にもかかわるし、郵政業務の将来の信用にもかかわりますので、特に私は申し上げておきたい、このように思うわけであります。 今度はずっと飛びまして、第五十五条の高層建築の問題でありますが、この具体的な内容を一つ御説明願いたいと思うわけであります。
○板野政府委員 まず第一に、この五十五条の前段にございますように、どういう建物に受箱を置かせるかといういわゆる建物の指定を省令でいたすわけでございますけれども、それは大体その建物の階数が三つ以上、いわゆる三階以上、これをもう少し具体的に申し上げますと、はしご段が一つ以上あるような建物については受箱を設置しなければならない。それから建物に管理人がおりまして、その管理人が郵便物を一括して受け取るなりあるいはそれにかわるべき代理人がおるものにつきましては、この規定から除外する、それから郵便集配人が自由に昇降し得るような昇降機があるものにつきましてはこれを除外する、このような省令を作るつもりでございます。 それから省令に定めるという後段の方の省令でございますが、その場合におきましては、この郵便箱の設置方法と郵便物の配達方法を中に規定する予定でございまして、郵便箱の設置方法につきましては、使用者ごとに各別に受箱を設ける必要がある。その容積につきましては、ただいまのところ私どもは、長さが三十センチメートル以上、幅が十八センチメートル以上、厚さが十二センチメートル以上、それから構造及び材質が、配達された郵便物を安全に保護するもので、かつ郵便物の取り出し口に施錠ができるものであること、それから郵便物の差し入れ口の大きさも、縦二センチメートル以上、横十六センチメートル以上にきめたいというふうに考えておるわけでございます。それからその受箱に対しましては、使用者の氏名が適当な方法で表示されておるというような規定も置く予定でございます。 それからこの郵便物の配達方法でございますが、そういうような受箱が設置された場合におきましては、その受箱に郵便物を配達することによってその配達は完了するわけであります。それからこの受箱を置く必要のある建物につきまして、受箱がない場合につきましては、郵便局長の指定する付近の集配郵便局なりあるいは無集配郵便局に十日間とめ置いて、これを本人の出頭を待って交付するというような規定、それからこのかぎが破損をいたしました場合には、一定の修理期間を置いて、もし修理をしない場合には、この郵便局にとめ置いて交付する、そのような規定をこの中に盛る予定でございます。
○森本委員 そうするとこれは三階以上の場合でもエレベーターのある場合は別、こういうことですか。
○板野政府委員 その通りでございます。
○森本委員 郵便局へ十日間とめ置いておいて取りにこないという場合には、差出人に還付するわけですか。
○板野政府委員 その通りでございます。
○森本委員 これは私はかなり重大な問題であると思います。それなら郵便物が郵便局にきておるというような通知はしないわけですか。
○板野政府委員 この郵便受箱を置くということは、非常に新しい試みでもございますし、ただいまのところ日本におきましてはあまりまだこれになれておりませんものですから、三年間だけは猶予期間を置きまして、その三年の間に十分周知をさせ、かつ郵便受箱を設置する者に対しましては、その半額を補助するということにいたしております。それから三年後になっても郵便受箱を設置しない者には配達をしない。少なくともその当初の間におきましては、あなたのところにはこういう郵便物がきましたので、もし郵便受箱の設置がない場合には、郵便局にとめ置きますというような通知を、少なくとも二、三回は通知をいたしまして、そしてできるだけ協力をしてもらうような措置も臨機に適宜講じていきまして、できるだけ一つ協力をしてもらうというような努力をいたしたいと考えております。
○森本委員 この半額を補助するということですが、金額は幾らですか。
○板野政府委員 時価を越えない程度となっておりまして、大体私どもとしては一個千五百円かかるのではないかと考えております。
○森本委員 千五百円で総額については幾らですか。
○板野政府委員 本年度は一億三千万円だけ予算に計上してございます。
○森本委員 こういう住宅に適合するものに全部つけるとして一億三千万円、こういうことですか。
○板野政府委員 大体九万七、八千世帯ですが、そういうような考え方でおるわけであります。
○森本委員 いや、私の聞いているのは、この一億三千万円で日本の全部の、いわゆるこの条項に該当するものについて行き渡るか、こういうことです。
○板野政府委員 今のところ、はたしてどのくらい申し出があるか、はっきりわかりませんけれども、一応先ほど申し上げましたような予算でやり得るというふうに考えております。
○森本委員 これは財産権その他の問題になりますけれども、半額というようなことでなしに、これをほんとうにやるなら、私は郵政省が全額出して、郵政省のものとして取り扱いをするというふうにした方がいいんじゃないかと思うんですがね。そうしないと、つけないところについては全く郵便が届かない、こういうことになるわけであって、たとい千五百円でもやはりそういうこまごました問題が私は起こると思うわけであります。これはわれわれの方は一応サービスの制限をするわけでありまするから、そういう点については、若干の金額でありまするけれども、こういう金額については、私は郵政省が全額を負担をしてやるべきが至当ではないか、こういうふうに考えるんです。あなたの方がなるべく安くやればそれでいいという考え方に立つのは、事業の経営者としては当然だろうと思いますけれども、その辺、実施段階においてもう少し考えてみたらどうかと思うんですが、どうですか。
○板野政府委員 郵政省といたしましては、当初でき得れば先生のおっしゃいますようにこれを無償で譲渡するというような方法がいいんじゃないかというふうに考えておったわけでございまするが、国の財産の無償譲渡に関する法律がございまして、全然無償でこれを譲渡するということはできないようになっておりまするので、私どもといたしましては一応半額ということにいたしておるわけでございます。
○森本委員 それならこれは無償で譲渡するということよりも、郵政省の備品として設備をする、こういう形にすればいいじゃないかと私は思うんです。かた苦しい考え方で法律の解釈をそのまま解釈するからどうにもとれませんけれども、これは郵政省の備品として向こうに置かしてもらうんだという考え方に立っておれば、郵政省の一つの財産になるわけであります。そういう考え方に立っていけばいいんじゃないか。向こうとしても転居するものもあるし——あなた方は調べたことないかもしれませんけれども、私はアパートに三年くらいおったことがありますから、よくこの状況を知っておるわけでありますが、かなり移転するものが多いんですよ。その場合に必ず譲り渡しをしていかなければならぬ、こういう形になるわけであります。これはやはり郵政省の備品というような形においてこっちが全部備えつけるという形にしたらどうか、こう思うわけでありますが、その辺、どうですか。
○板野政府委員 先生のおっしゃいますこともごもっともでございまするけれども、もし郵政省でこれを設置いたしまして、貸与するということになりますと、やはり設置の費用その他で相当の経費がかかるばかりでなく、その維持、補修という面につきましても相当の手数なり金を要するというような点もございまして、やはりこれは建物の設置者、あるいは所有者ないしこれを利用する人がやるという方が、万事いろいろな事務の処理上非常に便利がいいというふうに考えておる次第でございます。
○森本委員 郵政省は万事向こうにやってもらったら便利ですけれども、それだけその特定の人にサービスの低下をするわけでありますから、郵政省はそれだけの人件費はもうかるわけであります。だからそのもうかった分についてはそれを一応設備してやるということの理屈は立つわけであります。本来なら三階まで上がっていかなければならぬけれども、それをやめて、下に置くわけでありますから、その間の時間、労力というものを換算をすれば、維持費なんか当然出てくるわけであります。ただめんどうくさいということは言えると思うんです。おそらくこんなめんどうくさいことができるかという考えがあるだろうと思うのですけれども、めんどうくさいということは言えるけれども、しかしこの受箱を設置しない人については、山の中の駐在所よりもまだサービスが悪くなる。付近の郵便局に置いてくれているか置いてくれてないか、それも郵便局に行ってみなければわからぬ。だからこれはよほど慎重に考えるべきだと思うのです。こういう斬新的なやり方をするということについては、基本的に私は賛成であります。しかしこれを実際に実行に移す段階については、たとえば一億三千万円、その倍額にいたしましても、三億円ないし四億円という金は、何らかの形において生み出して、これこそ郵政省が責任を持って備えつけから一切やるという形が私は一番いいんじゃないか、こう思うわけであります。これは法律を一ぺんここに書いたから仕方がないというふうに考えておっても、今言ったようにこれは非常にサービスの制限になるわけですから、それはもう一ぺん検討してみたらどうですか。
○板野政府委員 既設の建物に新しく郵便受箱を置くという場合には、あるいはそういうことも考えられると思いますが、特に新設の場合につきましては、すでに設計のときからはめ込んでいく、いわゆる設計の段階からこれをやっていくということになりますと、やはり建物の所有者がこれを設置する方が、非常に丈夫な、あるいは安全なものができ上がるということもございまするし、建物の体裁その他から見ましても、非常に便利じゃないかということを考えておるわけであります。先生のおっしゃいましたように、この受箱配達によりまして郵政省も労力その他が非常に省けるわけでございますけれども、その省けますところは、もちろんこれらの郵便受箱の設置者にほかの面でサービスをよくしていくということもごもっともな点でございますが、全体といたしまして、こういう面で多額の施設なり経費を節約することによりまして、なるべく安い料金で郵便が処理できるということも一つの大きなねらいでございますので、この機会におきまして外国にありますように、一つ不便な点もありますけれども御協力をお願いいたしたいというふうに考えているわけであります。
○森本委員 これは法律の改正になるわけでありますし、施行期日にはまだ三年ありますので、この間に今私が言ったような問題も含めて十分に検討してみて、やはりこれは改正をすべきだというふうにお感じになりましたならばこれを改正をし、またそれを実行に移す段階において方法を変えるということについてもやぶさかでない、こういう意気込みにおいてまずこれを実行してみるという考え方に立ってよかろうじゃないか。こういうふうにきめたのだからしゃにむにこれでやるということでなく、やってみて実際にうまくいかなければ、私の言うようなやり方もあるわけでありますから、そういう点についてはかたくなな官僚意識にならずに、実際の実行段階においても、これは川の水が流れるようにその方向に従ってやっていってもいいじゃないか、こう思うわけであります。だから実行段階においては必ず慎重に考慮すると同時に、私が今言ったような意見についても十分に参酌してみて、やってみて不備な点があるとするならば改正をするのにやぶさかでない、こういう態度に出ていただきたい、こういうことです。
○板野政府委員 先生のおっしゃいますように、これは非常に新しい試みでもございますし、相当居住者にも不便をかけるということもございますので、私どもといたしましては三年間慎重に検討いたしまして、もしこういうような方法が悪いという点がありますれば、改正をいたすようにしたいというふうに考えております。
○森本委員 この問題については、サービスの問題でありますから、一つ十分に慎重にお願いしたいと思います。 それからついででありますが、速達と書留、この場合はどうなりますか。
○板野政府委員 速達、書留あるいは小包等は、各戸に配達するということにいたします。
○森本委員 速達、書留、小包を各戸に配達するということになれば、まだかなり救われるわけでありますので、この分についてはその程度にしておきます。 次に、この場合郵便規則の第七十三条において、あて所配達というものの原則をきめているわけですが、この郵便受箱に配達する場合にはあて所配達の原則外の配達になるわけでありますか。それとも七十三条による配達になるわけでありますか。
○板野政府委員 七十三条の配達になるわけでございます。
○森本委員 これは七十三条の配達ですか。「郵便物は、法令に別段の定のある場合を除いて、そのあて所にこれを配達する。」この点別段の定めのある場合でありますから、私は法的にはあて所配達外の配達と、こう解釈するわけですが……。
○板野政府委員 ちょっと御説明が間違いまして「法令に別段の定のある場合」に当たると思います。
○森本委員 私の言っておるのは、郵便規則第七十三条のあて所配達外の配達である、こう解釈する。法令に別段の定めがありますから、法令に別段の定めをした配達である、こう解釈しておいてよろしいかということです。
○板野政府委員 受箱が設置された場合におきましては、その受箱による、いわゆる配達があて所配達になるということでございまして、七十三条のこれがあて所に配達したことになる、こういう意味でございます。
○森本委員 そういうことになりますかな——私は「郵便物は、法令に別段の定のある場合を除いて、」この法令に別段の定めのある場合が郵便の受箱のことであって、そういうふうな法令の定めのある以外はそのあて所にこれを配達する——というのは、この場合のあて所は何々アパート第何号室だれそれと、こうくるわけですよ。その場合は第何号室のだれそれに配達するのが、この第七十三条による原則だろうと思う。けれどもそれは別段に法令に定めがありますから、郵便受箱に配達してもよろしい、こういうことになるわけであって、このあて所配達外の配達である、こう私は解釈しておるわけでありますが、そうじゃないのですか。
○板野政府委員 これは「法令に別段の定のある」というのは、いろいろそのほかに郵便物を交付する方法があるわけでございます。たとえば窓口にとめおいて交付するとか、あるいは郵便私書箱に配達するとか、あるいは八十四条の適用により配達するとか、いろいろございますが、これは受箱に配達することをもってあて所に配達したことと同じ効果を持たせる、こういう意味におきまして、七十三条のあて所配達になる、こういうことでございます。
○森本委員 どうも私は納得がいかぬのですが、第二節の郵便物の配達のあて所配達、こういう項があって、この条文は「郵便物は、法令に別段の定のある場合を除いて、そのあて所にこれを配達する。」あて所に配達するわけでありますから、郵便受箱があて所じゃございません。あて所は何々アパート何号室森本靖、こうくるわけであります。あて所はそうでありますから、それに配達した場合にあて所配達、こう考えられる。そのあて所配達があるけれども、本来はそれに配達をするのが原則であるけれども、別に法律に定めのある場合はそれでよろしい、こうなっておるわけでありますから、私は七十三条によるあて所配達外の配達である、こう解釈をするわけでありますが、将来の問題がありますので、法律的には私の解釈が正しい、こう思っておるのですが、どうですか。
○板野政府委員 このあて所と申しますのは、いわゆる郵便物に記載をされております受取人の住所または居所ということで一般に考えられておるわけでございますが、この郵便受箱がいわゆるこのあて所として法律上そういうことになりますれば、この郵便受箱をもってあて所に配達したものとするという意味でございます。
○森本委員 それはだれがきめたんですか。郵便規則、法律の解釈を、法制局でもないのに、郵務局長がそういう解釈をするというのはおかしいと思うのですが、僕の考えでは——七十三条を改正すれば別ですよ。郵便規則のこの解釈の通りいけば、あて所配達というのはあて所の配達であって、何も別にこむずかしいことじゃないのですよ。あて所外の配達ということがあってもよろしいということでありますから、この七十三条によるところのあて所に対する配達とは私は考えない。「法令に別段の定のある場合」の配達である、こう考える。これはあなたの方はあて所配達である、あて所配達はあて所配達である、こう答弁をしておる。なぜあて所配達であるか、こういうことですよ。
○板野政府委員 普通あて所と申しますのは受取人の住所または居所ということでございますが、その郵便受箱がその建物の付属物として、居住者であります受取人の専有支配に属するところに設置してございます場合には、その受箱をもってあて所の一部とみなすことができるというふうに考えておるわけでございます。これは法制局もそのような見解でございます。
○森本委員 法制局の考え方というが、私は七十三条の解釈が、あなたの解釈がちょっとおかしいと思うのですが、まあ法制局が出てきたから、これは一応やめておきますけれども、その解釈は非常にこじつけの解釈であるような気がするのです。 それからもう一つ聞いておきたいと思いますが、今出ました八十五条の適用地域というのは、全国でどの程度ありますか、それから戸数にいたしまして……。
○板野政府委員 現在八十五条の適用地として指定されておりますところは、全国で四千五百七十一カ所でございます。戸数は大体これの三倍程度ではないか——全部はっきりわかっておりませんが、大体三倍程度ではないかというように考えます。
○森本委員 だから——この問題はきのうわざわざ通告をしてありますから、戸数はどの程度ですか。これは個所だけではわからぬですよ。わざわざきのうお知らせしてあるわけだから、困らすつもりはないんだから……。
○板野政府委員 個所と申し上げましたが、大体部落——あるいは集団をしておるところもございますし、あるいは一戸飛び飛びになっているというところもございまして、一がいには言えないと思いますが、大体部落的にこれを考えてみますと、まあ三戸平均ということになりますので、一万三千程度がこれにあろうというふうに考えております。
○森本委員 この八十五条の適用地域をきめる基準はどうなっておりますか。
○板野政府委員 非常に交通困難でございまして、そして配達が、物理的には不可能というわけではございませんけれども、非常に経費を要しますし、また場合によりましては非常に危険も伴うというようなところにつきましては、この八十五条を適用するということにいたしておる次第でございます。
○森本委員 それは、ただばく然と、危険な地域だとか遠いところだとかということじゃなしに、具体的に、八十五条の適用地域というものをきめるについては、基準があるはずなんです。郵便局からどの程度とかあるいは山岳地帯とか、そういう基準がなければ——この八十五条適用地域に住まれる国民は全く不公平なサービスを受けるわけでありまして、全然郵便も配達されず、二カ月間は郵便局に郵便をとめ置かれるわけでありますから、具体的な基準はどうなっておるか。持に北海道とか四国の山岳地帯とかいうところに多いのですね。こういうのは、国民の中から非常に不満が出て参りまして、この八十五条適用地域というものを配達の適用地域に直してくれという陳情、請願が、毎年この委員会にもたくさん出るわけであります。
○板野政府委員 地況といたしましてはそういう地帯でございますけれど一も、さらにそういう地況でありまして……(森本委員「地況々々というが、どういう地況かな」と呼ぶ)第一が「道路けん悪、又は通行困難な部落及び渡航困難な部落。」 第二といたしまして「配達困難にして、最近集配線路から二キロメートル以上を隔て、一ケ月通常郵便物数凡そ六〇通未満の部落。」それから三番目には「一ケ月通常郵健配達物数が凡そ六〇通未満の河川、港湾及び湖沼。」こういうようなところを標準として一応きめておるわけであります。
○森本委員 今言ったのが全部当てはまった場合に八十五条の適用地になるわけでありますか、それとも、その一項目でも当てはまった場合に八十五条の適用地になるわけでありますか。
○板野政府委員 通数につきましては、大体この通数が共通な一つの標準になっておるわけでございますが、その他の交通の困難、配達困難ということにつきましてはおのおの各条文等を参照してきめるということになるわけでございます。
○森本委員 いや、通数の場合はそういう通数でありますから……。これは総合的な判断でありますか、それとも郵便集配線路から二キロ以上離れておるというのが一大原則であるのか、どれなのですか。
○板野政府委員 やはり総合的な見地からこの部落を指定するということになる次第でございます。
○森本委員 この八十五条適用地域の指定の権限はだれが持っておりますか。
○板野政府委員 地方郵政局長が指定することになっております。
○森本委員 そうすると、この八十五条適用地域は地方郵政局長が直接の視察をやっておるわけでありますか。
○板野政府委員 従来からこういう地点につきましては機会のあるごとに調査もいたしまするし、また申請等もございまするので、申請等がございましたときにはまた具体的に調査をするということになっておる次第でございます。
○森本委員 これは今言いましたが、道路、通行それから配達困難、この項はほとんどないのです。これは八十五条適用地域には、向こうに人間が住んでおるわけですから、そこまで人が必ず行かなければならぬわけであって、歩行困難だとか、通行困難だとか、配達困難だということはほとんどない。ただ非常に遠いということとそれから非常に郵便物が少ない。この二つが私は原則になっておるのではないか、こう思うわけでありますが、その二つが原則じゃないのですか。非常に配達地域が遠いということと、それから通数が少ないということ、この二つが原則じゃないですか。
○板野政府委員 大体郵便物の通数、利用数につきましてはこれは一つの大きな指定の要素になるわけでございます。その他いわゆる配達困難と申しましても、その中に距離が非常に遠いという点もございまするし、また開拓部落でもちろん開拓者の人たちがときどき日用品の購買等には行くわけでございまするけれども、常時ここに一週間に一回か二回配達するということにつきましては非常に困難である。また困難であると申しましても地理上困難である場合もございましょうし、また非常に経費もかかるというような点も考慮に払われているわけでございます。
○森本委員 もう一つ聞いておきたいと思いますが、この四千五百七十一カ所の八十五条適用地域を普通の配達地域にしたならば、どの程度の人数が要りますか。
○板野政府委員 これを全部直配達にするということになりますとどのくらい人が要るかということは、地況その他のいろいろな面もございまするので、直ちにちょっとお答えできません。
○森本委員 これは四千五百七十一カ所について直配達にしたらどの程度の人員が要るかということは、一つ調査をしてもらいたいと考えるのですが、どうですか。
○板野政府委員 これは郵便局から直配達するあるいは直轄でやるという点につきましては非常に経費等もかかります。しかしこれを請負でやるかどうかにつきましても、やはり人の面ということはいずれ調査せなければならぬと思いまするから、逐次私どもは少なくとも一日一通郵便物の利用があるという場所につきましては、これを五カ年計画で解消していきたいというふうに考えておりまするので、そういう地点につきましては私どもも逐次調査を進めていきたいというふうに考えております。
○森本委員 いや、逐次調査を進めるということでなしに、この四千五百七十一カ所を全国一せいに一つ調査をしてもらいたい、こう思うのですが、どうですか。
○板野政府委員 これらの点は御承知のように非常に僻陬の地と申しますか、そういう土地でございますので、ここでただいますぐこれを全部調査するということになりますと、相当の人手と経費を食うわけでございまするので、少なくともこれらは何年かの計画をもって一つ調査を進めていくのが適当ではないかというふうにただいまのところ考えております。
○森本委員 そういたしますと、各局から、このごろは開拓部落は人数が多くなって、道路もよくなったから、ぜひ直配達区域にしてもらいたい、こういうふうな要請があった場合はどうしているのですか。
○板野政府委員 大体今までの長年の調査によりますと、そういう部落の個所とかあるいは利用通数というものは一応わかっておりますけれども、その中でたとえば開拓部落のごとき相当開拓者が入りましてそうして利用数もあるというような地点につきましては、そういうような申し込みがございますればまた調査をする。また申し込みがございませんでも、そういう事情がわかっておれば、先ほど申し上げましたように少なくとも一日一通以上の利用があるような個所につきましては、私ども調査をいたしまして、計画的に配達を開始したいというふうに考えている次第でございます。
○森本委員 これはただここでその易しのぎの答弁をせずに、ぜひ将来の業務の運行に参考にしてもらいたいと思いますのは、各局から、現実にもうすでに情勢が違ってきているので、これを直配達区域にしてもらいたいという要請があってもなかなかその調査が行なわれない。あなたの方の実情というのは四年も五年も前の実情である、こういうような格好になっている分が非常に多いわけであります。だからぜひこの四千五百七十一カ所、約一万五千人というものについては救済方法を考えてもらいたいと思うわけであります。これは政務次官どうですか、こういうのがあるということはあなたは御承知なかっただろうと思いますが、日本でもこういうのがまだいまだに残っておるわけでありまして、これのぜひ一つ改善を進めてもらいたい。特に郵便料金が今回値上がりになりましたから、われわれのところも配達になるだろうというようなことを言っている部落の人がたくさんおるわけであります。これは何とか救済方法を考えていかなければならぬと思うわけでありますが、その辺どうですか。
○森山政府委員 郵便料金の値上げによりまして財源が確保できますれば、僻陬地に対します郵便配達法の改善につきましては逐次配達サービスを改善して参りたいと考えております。現に僻地に対する集配施設の整備計画も立案中でございます。
○森本委員 これは一つおざなりの答弁でなしに、将来この問題については真剣にお考え願いたいというふうに考えるのでありまして、昨年度おそらくこの八十五条適用地域から直配達区域になったのは少ないと思いますが、三十五年度でどの程度ありますか。
○板野政府委員 大体二十カ所程度と記憶しております。
○森本委員 約四千六百程度の中で二十カ所程度でありますから、これじゃ百年河清を待つがごとしということになるわけでありまして、こういうふうな恵まれざる地域の国民大衆諸君に対しても郵便のサービスが行き渡りますように、今回の郵便料金の値上げを契機といたしましてやはり幾分の罪滅ぼしという点から言いましても、こういう点のサービスの改善については私は大いに意を用いるべきであると考えるのであります。郵務局長もやれやれ答弁が済んだのであとは知らぬということでなしに、これから先、真剣に考えていってもらいたい。覚悟はよろしゅうございますか。
○板野政府委員 私どもとしましても経費の許す限りこういう方面の救済をしていきたいと考えておりますが、とりあえず八千四百万円を五カ年かけまして四百八十二カ所につきましてこういう配達を開始していきたいという計画を持っております。
○森本委員 その場合、直配達区域に直す場合にやはり駐在集配になるのですか。
○板野政府委員 大体請負で駐在集配になるところが多いと思います。
○森本委員 それで三十五年度に駐在集配を直配達区域に直したところは何カ所ありますか。
○板野政府委員 いまだ一カ所もございませんが、そういう計画をもって調査もいたしておりますので、要員措置ができ次第、これは実現していきたいというふうに考えております。
○森本委員 これはもう五年越しで言っておる問題でありますから、八十五条適用地から駐在集配へ、駐在集配から直配達区域へというふうな転換もやっぱりやっていかなければならぬ。こういう忘れられた地域のサービスを十分に考えていかなければならぬ。ただ都会地で二回、三回、四回の配達をするだけが能じゃないということを、一つ忘れずに考えてもらいたい。去年あたり、駐在集配から直配達区域に一つもなっておらぬというのは、全くおかしな話であります。たとえば今、電源開発とか、その他の問題によって地域の地図が全く変わってしまったという状況が非常に多いわけであります。そういう点についてはこの駐在集配の問題についても十分考えていってもらいたいと思うわけであります。 そこで、もう一つ聞いておきたいと思いますが、この八十五条適用地の場合、八十五条の適用を受けておるところの住民がある一定の場所、お寺ならお寺に指定をした場合は、その郵便物をお寺に預けていって、それから部落の人がお寺にもらいに来る、こういうことになるわけですね。
○板野政府委員 その通りでございます。
○森本委員 そこで問題になるのは、一度問題になったことがありますけれども、郵便法の第九条の「郵政省の取扱中に係る信書の秘密は、これを侵してはならない。」、これは当然でありますが、「郵便の業務に従事する者は、在職中郵便物に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。」ということは、信書を開封してその秘密を侵すということもいかぬ。しかしながら、私なら私が、だれそれから手紙がきたということの内容についてもこれを侵してはならぬ。こういうのが郵便法の第九条の原則であろうと思うのですが、どうですか。
○板野政府委員 その通りでございます。
○森本委員 その場合、たとえば委託を受けたお寺ならお寺の人が、森本なら森本にある人から手紙がきておったということについてこれが流布されたということになった場合に、その責任はどうなるのですか。
○板野政府委員 この九条は、郵便に従事する者は取り扱いにかかる郵便物の信書の秘密を侵してはならない、それからまた、在職中知り得たものの秘密は退いたあとにも守らなければならぬ、こういう規定でございまして、八十五条にございます。他人にこれを委託するという場合は、この九条の関係ではないと思います。これはやはり憲法の二十一条に関連する信書の秘密じゃないかと思います。
○森本委員 それじゃ八十五条適用地域でお寺ならお寺に預けた場合は、これを配達したものとみなして郵政省の任務はそこで終わりですか。
○板野政府委員 その通りでございます。
○森本委員 そういうことになれば、あとは野となれ山となれ、おれのところは責任ない、こういうことになるけれども、今言ったように、山間において事件が起きたようなところもあるわけであります。こういう場合、責任は一体だれが負うであろうか。本来ならば郵便法に基づいて郵政省が配達しなければならぬ責任がある。しかし交通困難であるということにおいて郵便規則の八十五条で特例を設けておる。それで預けた中間の人からそういうことの秘密が漏れたというような場合には、これは一体だれの責任になりますか。
○板野政府委員 これはすでに受取入の申し出によって、いわゆるその承諾を得てそういう場所が指定された関係にあるわけでございますから、郵政省といたしましてはその委託された本人に郵便物を配達すればそれで配達が完了されるわけでございまして、もし委託された人がその通信の秘密を漏らすというようなことがあれば、これは受取人と委託者の間の刑法上の関係になると思います。
○森本委員 それから次に聞いておきたいと思いますことは速達地域であります。速達地域の設定の基準はどうなっておりますか。
○板野政府委員 速達地域の設定につきましては百一条でございまして、百一条の一号には「配達郵便局から郵政省の定める路程による陸路四キロメートル以内の場所(必要と認めるときは、これを拡張し、又は縮少することがある。)」それから二号には「前号以外の場所で、郵政省において、航空便によって運送することにより速達すると認める場所」ということになっておる次第でございます。
○森本委員 この「配達郵便局から郵政省の定める路程による陸路四キロメートル」という、この「郵政省の定める路程」というのはどういうのですか。
○板野政府委員 郵便の線路図というのが作ってございまして、その線路図によりまして通信地図というものがありまして、その通信地図によりましてこの路程がきまって参るわけであります。
○森本委員 そうすると郵便局を中心とした円を描くにはどういうふうな描き方をするわけですか。これではちょっと具体的なきめ方がわからぬですよ。
○板野政府委員 大体通信地図におきましては配達の道路等が一応わかっておりますので、その道路によりまして四キロということで測定いたすわけであります。
○森本委員 道路から四キロというのはどういう意味ですか。
○板野政府委員 郵便局を中心にいたしまして道路が通じておる。その道路によってそのキロ程をはかるわけでございます。
○森本委員 だから、その郵便局からの路程による陸路四キロメートル以内の場所となっておるわけでありますが、陸路四キロメートルというのは郵便局を中心として四キロメートルの円を描くわけですか。
○板野政府委員 大体大ざっぱに言えば、そういうことになるわけであります。
○森本委員 大ざっぱに言わずに精密に言ったら、具体的なきめ方はどうなんですか。
○板野政府委員 そういう道路によりまして大体四キロメートルの連檐地域とかとかあるいは字とかを一緒に含める場合もありますし、または字とか、そういうふうな地域等を見まして具体的にこれをきめていくということになるわけであります。
○森本委員 だから、原則としては郵便局を中心として四キロメートルを半径としての円を描いて、その中における具体的に飛び出たところを救う、こういうことですか。
○板野政府委員 大体その通りでございます。
○森本委員 そういうきめ方であるとすれば、現行の速達地域についてもそういう基準に当てはまらないところのものがすでにかなり出てきておると思うわけであります。そういう点については非常に不合理が今出てきておるわけでありまして、こういう点については、今回の郵便料金の値上げにおいて国民にサービスをするという観点からいっても、もう一ぺん再検討する必要があると私は考えるのですが、どうですか。
○板野政府委員 すでに市町村合併等による郵便の集配地の統合あるいは郵便区の調整等によりましてもそういう問題が出てきておりまして、実は私も、速達地域の拡張等につきましてはいろいろ要望もございまするのでこの料金値上げの機会にいろいろ検討いたしたのでございまするけれども、今回はこの実現をすることができませんでしたけれども、できるだけ早い機会におきまして、速達地域を拡張するなり、あるいは別配達制度を特別に設けるなりいたしまして、国民の御要望に沿いたいというように考えております。
○森本委員 速達地域の再検討ということについては、やはり国民に対するサービスという面からいきましても、この法律施行については十分に考えてやってもらいたい、こう思うわけであります。 それからもう一つ聞いておきたいと思いますが、第五種の場合ですが、今回は五十グラム十円となっておりまするから、これが二十グラムまでになった場合、第五種と第一種との区別はどういうところから見きわめをつけるわけですか。
○板野政府委員 第一種につきましては、密閉をするということが条件になっておりますし、第五種につきましては、開封ということが条件になっております。従いまして、もし第五種の中で、二十グラム以内のものが封をされて参りますと、やはりこれは第一種の扱いにせざるを得ないというように考えております。
○森本委員 だから二十グラムまでの場合は、やはり第一種として差し出した方が、差出人も得になるわけであります。しかし法律に基づいては、やはり第一種は書状ということになっておるわけであります。そういう観点からいくと、今回の料金関係で、その辺のけじめというものがちょっとおかしくなるんじゃないかという気がするわけですが、その辺はどうですか。
○板野政府委員 第二十一条の第一種郵便物は、一つの条件は、筆書した書状ということでありますが、第二の条件といたしましては、開封としないもの、いわゆる密閉したものということになっております関係上、それがたとい特定人にあてた通信文でないという場合におきましても、これを検閲できないという点もございまするので、こういうものはやはり一種として扱うということになる次第でございます。
○森本委員 そうすると、二十グラム以下の第五種というものはないということになるわけですね。
○板野政府委員 五種につきましては、市内特別郵便という特別の低料の制度が設けてございますので、二十グラム以内でございましても、やはり五種として出てくるものが相当あると思います。
○森本委員 いや、市内郵便を除いたほかの第五種の場合、結局密封をした第五種の場合は第一種と同じことになる、こういうことですね。
○板野政府委員 密封をして参りますれば、二十グラム以内のものはやはり第一種として扱われるということになるわけでございます。
○森本委員 その辺が非常に矛盾がありまするけれども、時間もきましたので、私の質問はこれで終わりにしたいと思いますが、先ほど来質問をいたしました中で、今後この法律の施行にあたっては、十分に注意すべき点を相当私がこまかく注文をつけてありますので、それを単に聞き流しということでなしに、実行に移す段階においては、十分にそういう点について留意した上でやっていってもらいたいということを、特に最後につけ加えておきまして、私の質問を終わります。
○山手委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○山手委員長 廣瀬正雄君より本案に対する修正案が提出されております。 ————————————— 郵便法の一部を改正する法律案 に対する修正案 郵便法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。 附則第一項中「七月一日」を「六月一日」に改める。 —————————————
○山手委員長 提出者より趣旨の説明を求めます。廣瀬正雄君。
○廣瀬(正)委員 ただいま議題となりました郵便法の一部を改正する法律案に対する修正案に関し、私は自由民主党を代表してその趣旨を御説明いたしたいと存じます。 修正案はお手元に配付いたしました通りでありまして、内容は郵便法の一部を改正する法律案の施行期日昭和三十六年七月一日というのを、昭和三十六年六月一日に改めようとするものであります。 このような修正を行なう理由といたしましては、郵便法の一部を改正する法律案の施行期日を七月一日といたしましたのは、郵政当局の説明によれば、実施の準備及び国民に対する周知期間等を勘案したためということでありますが、現在における各般の実施準備の段階から推測いたしまして、これを六月一日から施行いたしましても、別段の支障はなく、他方郵政事業財政の状況は、努めて収入の増加をはかって、正常運行を確保いたしますことが望ましいと認められますので、本修正案により一カ月の繰り上げ施行を行なわんとするものであります。 何とぞ全会一致御賛成あらんことを希望いたします。 —————————————
○山手委員長 原案及び修正案を一括して討論に入ります。 討論の通告がありますので、順次これを許します。 大柴滋夫君。
○大柴委員 ただいま議題となりました郵便法の一部を改正する法律案並びにこれに対する修正案に対し、私は日本社会党を代表してこれに反対の意を表するものであります。 去る四月上旬国鉄運賃の値上げが行なわれたのを先がけとして、一連の公共料金の値上げブームが起こり、今ここに郵便料金引き上げ案が提出され、これに引き続いて電電公社の電話料金についても、調整に名をかりて値上げ法案がすでに国会に提出されております。これに呼応するごとく、電気、ガス、水道等の料金その他の引き上げも相次いで計画されており、政府の抑制策もどれほどの効果があるかはなはだ疑問であります。これら公共料金の引き上げは、当然これを組成分子とする一般物価の高騰を誘発し、いわゆる所得倍増より一歩前に物価倍増がくることは、今や必至であります。わが党は、この事態を憂慮して、政府に対しあらゆる機会に警告を発しているのでありますが、政府は一向に反省を見せていないのであります。 郵便料金の値上げは、物価にはね返らないとは、郵政当局のしばしば言明するところでありますが、郵便は非常に広い階級によって利用されており、これが物価、生計費に影響しないはずはないのであって、たとえば第三種の引き上げは、新聞配達店すらない僻遠の地の新聞購買者の負担となり、第五種の、ダイレクト・メールの引き上げは、商品価格にはね返ることは明らかであります。物価の騰貴によって国民大衆の生計が圧迫されることを憂慮するわが党としては、その一環をなす郵便料金改定に反対の態度をとることは当然であります。 さらに今回の値上げによって、郵便事業収支が何年間安定するのかということになると、わが党委員の質疑に対する郵政当局の答弁は、はなはだあいまいであります。値上げをする以上、その料金は相当長期にわたる安定性を持つことが必要であることは、郵政審議会の答申を待つまでもなく当然のことでありますが、当初五年は持つと考えていたものが、本案の審議中早くも三年となり、また本案提出後二カ月にして、補正予算を組まざるを得なくなり、さらにただいま与党より修正案が提出されたごとく、わずか一カ月の繰り上げ施行まではからなければならないような状態では、この三年というのもすこぶる疑問であると考えざるを得ないのであります。すなわち、今回の値上げの後さらにこれを上回る再値上げが、あまり遠くない将来に、おそらく必至であると考えます。 今回の値上げは、原価を償わない低料郵便物の増加と、人件費、物件費の増加によって郵政事業収支が赤字となる見通しであるから、これを補てんするため料金値上げが必要であると説明されていますが、郵便事業改善のために支出が増大するのは当然であるが、収支を補てんするただ一つの方法が料金値上げであると考えるのは、郵便事業の独立採算制というものを金科玉条のごとく考えるからであります。郵便事業の独立採算制は決して絶対的なものではありません。現にアメリカのごときは膨大な額を一般会計から郵便会計に繰り入れているのであって、その額は軍事費に次ぐ大きな歳出科目となっているのでありまして、諸外国においては、郵政会計の赤字を一般会計負担としている国の方がむしろ多いのであります。それをひとり、わが国において独立採算制を固守するのは何ゆえであるか。戦前において、電信電話を含めた逓信事業が年々、当時の金で八千万円をこえる額を、これは補てんではなく、逓信会計から一般会計に搾取されていたのであって、これが今日郵政及び電信電話の著しい立ちおくれの真の原因をなしているのであります。一般会計への繰り入れが平然と行なわれていたのに、今日郵政会計が逼迫し、なるべく安い料金ということを標榜している料金まで引き上げなければならないというときに、一般会計からの補てんは絶対できないという理由はどこにあるのでありましょう。すこぶる疑問であります。私どもは、郵便料金のごときは極力低廉でなければならず、料金政策上コスト割れのものがあっても少しも不思議ではない、それによって生ずるやむを得ざる赤字は、一般会計より補てんすべきものと考えます。 さらに、かりにある程度の料金改定を是認する立場に立っても、今回の改定案はいろいろな不合理を含んでいるのでありまして、たとえば、第五種郵便物は、料金額と量目の両方面から相当高い率の値上げとなっているが、五種のうちには、営利的なダイレクト・メールもあれば、学術出版物のような国民文化の向上と密接につながるものもあります。しかるに、今回の値上げ案によると、重量の関係から、ダイレクト・メールの方は案外影響が少なく、出版物の方が場合によっては十割以上の値上げを受けるというような結果が出ているのであります。さらに、もしも値上げをするなら、年賀はがきのごとき好個の財源があるのに、今回は郵政審議会の答申を無視して、ことさら据え置きとなっている。年賀状のごときは、儀礼的なものとしては、あって悪いというものではないが、生産的価値からいえば、はなはだ乏しいものであり、これをことさらに低料金で保護すべき理由はないと思います。 次に、今回の改正案に盛られている制度関係の改正は、災害等の場合におけるはがきの無償交付を除いては、高層建築物に対する郵便受箱の設置といい、転送取り扱いの改正といい、普通郵便への現金封入禁止といい、ことごとくサービスの制限ないし低下であって、サービス向上の面が一向に見当たらないのは、はなはだ遺憾であります。 以上述べました通り、この郵便法改正案は、はなはだ好ましくない料金引き上げを主たる内容とし、その他の事項はおおむねサービスの低下となる改正でありまして、わが党としては、とうていこれに賛成することはできません。また、同じ理由によりまして、自民党提案の修正案に同意することもできないのでありまして、日本社会党は、修正案及び政府原案のいずれにも反対するものであることを表明して、私の討論を終わります。(拍手)
○山手委員長 次に大上司君。
○大上委員 私は、自由民主党を代表して、郵便法の一部を改正する法律案並びにこれに対する修正案に対し、ここに賛成の意を表するものであります。 その理由として、近年郵便物数が著しく増加しておりますが、特に原価を償わない第三種及び第五種並びに小包郵便物等が激増しており、これを処理するために要員、運送費、局舎施設の拡充費等が大幅に増加し、郵政事業財政は三十六年度において相当の赤字を予見されるに至ったのであります。さらに、今回の仲裁裁定の実施による人件費の増加により、郵政事業の運営はきわめて困難な状況となっているのでありまして、この際、値上げを含む料金の調整を行なうことはまことにやむを得ないものと考えられるところであります。 本改正案の内容を検討いたしますと、第一には、最も国民生活と関係の深い第一種及び第二種郵便物の料金を据え置くとともに、著しく原価を割っている第三種及び第五種並びに小包郵便物の料金についても、その値上げを必要最小限度にとどめて、国民生活、物価等に影響を来たさないよう慎重な配慮がなされている点が認められます。 第二には、現行の郵便料金体系を整備して、各種別間の料金の均衡がはかられていることでありますが、第一にあげました料金改正についての周到な配慮と相待って、まことに適切な措置であると考えられます。 第三には、郵便事業の運営を一そう能率的なものとするため、高層建築物に対し、郵便受箱を設置すること、郵便物の重量容積制限を妥当なものに改めたこと、並びに転送の取り扱いが確実に行なわれるよう転居届制度を明定したこと等であります。 第四には、普通郵便物に現金、貴重品の封入を禁止して、事故の防止に努めたこと。 第五には、非常災害の被災者に対し、はがき等を無償で交付する制度を設けたこと等でありますが、第三以下に列挙いたしました郵便物取り扱い制度の面についての改正は、それぞれ適切かつ有効な措置と信じます。 なお、原案におきましては、本改正法案の施行は昭和三十六年七月一日と相なっておりますが、郵政事業財政の現状から見て、努めて収入の確保をはかり、もってサービスの改善を期することが望ましいと考えられますので、国民に対する周知及び政府内部における本法案実施に関する準備の実情にかんがみ、この際、施行期日を六月一日に改めて収入の増加をはかり、事業の正常な運営に資するよう原案に対する修正案が提出されましたが、これまた当を得たものと考えるものであります。 最後に、この改正法律案の実施を機会に、政府におかれましては、抜本的に郵便遅配を解消して郵政事業に対する国民の信用を回復せられるよう強く希望いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○山手委員長 次に谷口善太郎君。
○谷口委員 私は日本共産党を代表して、本件に関する意見を申し上げます。 われわれは、本件並びに自民党の修正案に反対であります。一般に、公共事業の料金の値上げは、それ自体物価値上げをもたらすばかりではなく、社会経済を刺激して物価全体の一そうの高騰をもたらす要因となるのであります。政府が本国会に国鉄料金や郵政事業関係の料金の値上げ案を提出しただけで、すでに短期間に一般日用品諸物価が高騰し、国民生活に多大の圧迫を加えていることは、しばしば本委員会におきましても指摘されたところであります。本逓信委員会に提出された幾つかの法律案の内容は、そのすべてが料金値上げを中心とするものであって、今や本委員会は、国民の恨みの的となっていると言っても過言ではありません。そうして、郵便料金の大幅値上げを企図した本法律案こそ、その尤たるものでありまして、われわれは、次に申し述べる理由から絶対に反対するものであります。 第一に、政府はこのたびの郵便料金値上げにあたり、第一種、第二種などの高等信の値上げも同様に企図していたが、国民の強い反対にあって、意に反してこれらの値上げは据え置かざるを得なかった。その結果、第三種、第五種、小包などの大幅の値上げをすることになったのであります。値上げ率平均一九・六%という高率のこれら郵便料金値上げは、国鉄の料金の不当な値上げに比べてさえもはるかに高率なものでありまして、公共の福祉を増進するためになるべく安い料金であまねく公平に役務を提供するという郵便法の目的に反すると言えるものであります。ことに国民大衆の文化的、日常的生活や、労働組合その他大衆団体の活動に多大の関係ある第三種郵便物料金や小包料金を大幅に上げたにもかかわらず、二部独占的事業会社や商社が利潤のために郵便制度を利用している第五種郵便物の一部にはわずかな値上げしかせず、いわゆる赤字の埋めを第一種、第二種郵便物などの国民大衆の直接負担分の黒字に依存しようというのが今回の値上げの特徴であります。近年郵便業務が停滞し、いわゆる慢性的遅配現象を起こして国民生活に深刻な被害を与えている大きな原因は、ほかならぬ第五種の大部分を占めるこれら営利事業会社による、ダイレクト・メール、つまりいたずらに消費ムードを助長するための宣伝でありまして、これらの郵便物の病的な増大にあることは何人の目にも明らかであります。また、第三種などの値上げは直ちに新聞、雑誌などの値上げとなって現われ、大衆負担に転嫁される危険があることも明らかであります。今回の郵便料金値上げ案は、このように大衆の犠牲によってこれら事業会社を擁護せんとするところにその真の意図があります。 第二に、その特徴は、小包料金や各種の認可料、手数料、使用料の決定権を国会の権限から行政府に渡したことであります。すなわち、従来法律によって規定されたこれらの料金の決定権を政令、省令にゆだねたのであります。これは、国権の最高機関である国会にかわって、政府もしくは郵政省が料金決定権を握り、行政措置によって郵政事業を一部独占資本、商事会社にいよいよ露骨に奉仕させる道を開くことでございまして、ただに民主主義に反するのみならず、公共的国家事業たる郵政事業の破壊であると言っても過言ではありません。今回の料金改定は、池田内閣のいわゆる所得倍増計画、経済成長政策、すなわち、低賃金政策と国家財政を通じての人民収奪による独占資本擁護の軍国主義、帝国主義、復活強化のための経済条件を固めようとする政策の一環として行なわれたものでありまして、従って、今回の値上げをもって一時を糊塗いたしましても、いわゆる所得倍増計画が必然的にもたらす病的な消費部門の拡大及びインフレーションの中ではたちまち破綻し、近い将来再び第一種、第二種をも含む料金値上げをせざるを得ない本質を持っております。さればこそ、政府は、公共料金決定権を国会より奪い、行政府の独裁を強化せんとしたのでありまして、小包料金の決定権を政令にゆだねんとしたのはその第一歩と見るべきでありましょう。自民党政府は、かねてから国鉄、郵政関係その他の料金の決定権を国会から奪い、政府の手に掌握しようとしてきたが、今回この郵便法の改正によってその目的の一部を達成し、その野望の全面的達成の橋頭堡を作ろうとしておるのであります。 第三に、郵便事業のごとき公共的、文化的、国家的事業の料金は、公共の福祉を増進することを目的として、なるべく安い料金であまねく大衆に奉仕する見地より決定すべきであります。郵便法第一条はまさにそのように命じております。そのためには、まず独占資本の負担をふやすとともに、場合によっては国の一般会計より必要な補てんをすべきだというのが国民全体の強い要求であります。しかるに、政府は、低賃金と収奪で国民を苦しめながら膨大な軍事費と独占擁護に国家財政を消費するのみで、不当に料金を増額して犠牲を大衆に転嫁するばかりか、本来国民大衆へのサービス機関である郵便事業を利潤のために壟断している大事業会社、商社の消費景気をあおるダイレクト・メール等に対する正当な適正な料金値上げすらがえんじないのであります。 以上指摘してきたように、郵便法を改正しようとする池田内閣の真のねらいは、第一、一般会計、財政投融資を今後ますます新安保実施の方向に沿っての軍事費、弾圧費の増強と、大独占の内外への経済進出を強化するために集中し、鉄道、郵便、電話、電気、その他の公共事業への資本投下を押えて、これをすべて直接大衆の負担でまかなわせようとする政策を推し進めるために、国鉄とともに今回の郵便料金の大幅の値上げを強行しようとしておるのであります。 二つには、政府は、右の方向に沿って郵政事業の大衆的公共性をあえて無視して、これを営利事業化しようとしておることであります。そのために料金の決定について、国会を通じての国民の監視をのがれ、その要望に背を向けて一方的に強権的に決定し得るように道を開こうとしているのであります。 最後に、政府は、以上の方向への郵政事業の再編成の中で、いたずらに消費ムードを刺激し、助長することによって独占資本を太らすことにしか役立たぬような部分の料金値上げは小幅に押え、大衆負担を増し、国民の社会的、政治的活動に大きな影響を与える部分の値上げを大幅に行なっておるのであります。そうして政府は、郵政事業を通じて独占資本への奉仕と大衆負担の増大とその社会的活動の制約の意図を露骨に示しているのであります。同時にその利益採算を進めるため、合理化の名によって、直接郵政関係労働者の労働強化と低賃金及び組合活動の弾圧を強めようとしております。 以上の理由から、日本共産党は、本改正案に反対するものであります。同時に、自由民主党の修正案に対しても反対をすることをここに表明いたしまして、私の討論を終わります。
○山手委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○山手委員長 これより採決を行ないます。 まず、廣瀬正雄君提出にかかる本案に対する修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山手委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま修正をいたしました部分を除く原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山手委員長 起立多数。よって、本部分は原案の通り可決され、本案は修正議決すべきものと決しました。
○山手委員長 この際、森山郵政政務次官より発言を求められております。これを許します。森山政務次官。
○森山政府委員 郵便法の一部を改正する法律案につきまして慎重御審議をいただきまして、まことにありがとうございました。 御審議の途中において御指摘の諸点につきましては、十分検討の上今後の運営において配慮して参りたいと存じます。特に郵便遅配の解消につきましては、今後最善の努力を尽くす所存であります。 —————————————
○山手委員長 ただいま修正議決されました本案に関する委員会報告書の作成等に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山手委員長 御異議なしと認め、さように決します。 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。 午後三時二十九分散会