逓信委員会 第24号
- 発言数
- 240 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1961/04/25
会議録
○山手委員長 これより会議を開きます。 郵便法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。 田邊誠君。
○田邊(誠)委員 今回郵政省は郵便法の重要な部分の改定の法律案を国会に提出をして参りましたけれども、今回の改正諸点は八項目ばかりございまして、それぞれ郵便事業の今後の運行にとって重大な内容ばかりでございます。しかし私はこの八項目のそれぞれについて詳細に承る時間がないかと存じますので、その中の特に郵便料金の改定の問題を中心として、大臣ほか郵政当局のお考え方を承り、それに付随をして他の項目について時間の許す範囲で若干お伺いをしたいと考えます。 今回の郵便料金の改定の理由は、この提案理由の説明にもあります通り、郵便料金は去る昭和二十六年の十一月に改定をいたしまして以来、約十三年間に及んで据え置かれて参りました。一部小包の料金の値上げが二十八年六月にございましたけれども、大筋としては十年間は実は改定がなかったのであります。そういう事情のもとに、三十六年度以降において相当な赤字を生ずるから、これは郵政事業のいわゆる独立採算制の建前からいえば非常に支障がある、こういう点に論拠を置きまして、今回の改定案が作成されたようであります。そこでさらにその内容としては、最近郵便物の中で特に原価を償わないところの低料金のものが非常にふえてきておる。確かに十年間の統計を見ましても原価に即応するところの一種、ややそれに近いところの二種に比べて、三種以下のいわゆる低料金のものが非常に激増しておることは事実であります。しかもその間郵便物の全体は非常に大きな激増を示しておるのでありまして、これに要するところのいわゆる人件費その他の経費もかなりふえている。それに付随する運送費の増加もある。もちろん時代に即応するところの局舎、設備の拡充もしなければならない、こういうことでございます。そういう間にあって、もちろん郵政事業の持ついわゆる公共性、大衆性からいって、サービスの向上にさらに努めなければならぬということもまた当然なわけであります。こういったいわゆる諸点が折り重なりまして今回の料金の改定がなされておるやに承ったのであります。しかし私がまず第一番にお聞きをいたしたいことは、この提案理由の説明を大臣がされておる中に即応いたしまして、忠実に実は提案説明の中の疑問の点をお聞きしたいと思う。 その第一番目は、二十六年の十一月以来、郵便料金は据え置きのままで参りましたけれども、今回の料金改定の理由といたして企業的に採算が合わなくなった、こういうことを言われておるのでありますけれども、一体それならばなぜ日本の経済がかなり変動があり成長がありますところの過去十年間に、企業的に見て採算がかなり合わなくなってきておる。この郵政事業の中における、特に郵便業務の運行の根底となっておるというように郵政当局が言っておる料金の問題を、なぜ現在までそのまま放置して参ったのか、この点に対して一つ大臣の所見をあらかじめ承っておきたいと思います。
○小金国務大臣 昭和二十六年十一月の改定、それから二十八年でしたか、部分的な小包料金の改正をやりまして、大筋から申しますと、十年近くもそのままにほっておいて、ここで赤字が出たからこういう案を出したが、その間どうしてほっておいたかという御趣旨と承りますけれども、大体三十五年度までは収支相償うというような状態でありましたので、それが改定を行なうという運びにならなかった。しかし年々収支のバランスは悪くなってきまして、三十六年度におきましては、料金を調整しなければ、数十億と心得ておりますが、数十億円の赤字が出るということになりまして、昨年の秋郵政審議会に諮問がなされまして、十二月二十八日に郵政、審議会から答申を得ました。そこで、私が提案理由において申し上げたようないろいろないきさつで、今回法律案の提案を見たような次第であります。こういうことは、なるべく一定した料金の方が望ましいのでありますけれども、特別会計の建前、並びにこういう事業は利用者の間の醸金によって収支償うようにしていく。その間、今、田邊さんがおっしゃったような、いろいろなサービスの向上とか、従業員の待遇の問題、また局舎の改善、機械化というようなことをやっていくには、とうていこの際改定をしなければやっていけないということがはっきり出ましたので、今回提案したような次第であります。
○田邊(誠)委員 今の大臣のお話でありますると、いわゆる料金改定というものはいろいろな影響があるからみだりにすベきものでない、実はこういうような裏のお言葉ともとれるのでありまして、その点は私もいささか同感であります。今お言葉の中にちょっとありましたけれども、これは郵務局長にお聞きいたしまするが、二十六年十一月の改定以後において、しからば郵政事業の中における郵便の収入が、いわゆる総括原価の建前をとっておりまするから、総体的にお聞きいたしまするけれども、これとどういうふうな状態にあったか、どういうふうなバランスがとれて今まで推移されてきたか、原価と収入の差について、どういう状態であったか、一つ数字をお示しいただきたいと思う。
○佐方政府委員 二十六年から今日までの郵便の収支の差の問題でございますが、実はここにその表を持ってきておりませんので、取り調べてすぐ御報告申し上げますけれども、現実の問題といたしましては、過去八%程度のベース・アップにたえるだけの収入、平均いたしますと九%程度の増収がずっとありましたので、経費をまかなってきておりましたけれども、先ほどお話がありましたように、三十四年の決算、それから三十五年の年度末等におきまして、ほか並みの経費はなかなか出せないという窮状に陥って参った次第でございます。数字につきましては、取りそろえましてあとで御報告申し上げます。
○田邊(誠)委員 この前、実は振替貯金の審議の際に、料金改定をするということになり、しかも原価主義の建前をとっている郵政当局であれば、いわゆる過去において原価と料金収入との間におけるバランスがとれてきたかどうかというのがその根拠であるから、当然その数字を示すべきであることを私はお願いをしたのでありますけれども、その当日お示しをいただかなかったことによって、実は質問が翌日にわたったということがあったわけであります。今回の郵便についても、その改定の根拠となる、企業的に見て独立採算の立場をとるところの郵政当局は、はたしてどういった収支のバランスがとれてきたのか、あるいはどのくらいの赤字が累積をされてきたのかということが、その改定の一つの根拠であるというように私は考えておるわけでありますから、委員長から即刻過去における経理の状態について、今お聞きをした点がおわかりいただけるように、一つお運びをいただきたいと思います。よろしゅうございますか。
○山手委員長 経理局長、どうですか。
○佐方政府委員 数字は、今すぐ連絡をして取り寄せますけれども、この十年間郵便は全部黒字でございます。郵便につきましては赤字はございません。それで三十六年度ベース・アップの問題、それから遅配解消等の問題のために赤字が予想されましたので、料金改定に踏み切ったのであります。過去十年間は赤字は全然なかったのでありますが、その数字は、今すぐ取り寄せます。
○田邊(誠)委員 三十五年度の決算においても、赤字はなかったのですか。
○佐方政府委員 三十五年度は、御承知の通りまだ決算ができ上がっておりませんけれども、収支全体としてバランスをとりますと、郵便は収入の範囲内でまかなっておりますので、赤字は出て参りません。
○田邊(誠)委員 まず数字をお示しいただきまして、それに対して、若干私の調べた結果についてお話を申し上げますので、その点は保留をいたしておきますけれども、三十六年度以降において相当な赤字が出るというふうに言われておるのであります。私の見るところの原価のとり方、そして今まで郵便事業が、実は非常な少ない人数でもって、労働強化のもとにこれが運行をなされてき、しかも時代とともに進展すべき郵便事業が、ほとんど明治、大正時代と、その速度においても、そのサービスの内容においても変わっていないという点が指摘された上で、私どもは実は今の問題を提起しておりますので、その点もあわせてお含みの上御回答いただきたいと思います。 今、大臣のお言葉にありましたように、約十年間、公共性を持ちきわめて普遍性を持っているところの郵政事業であり、郵便事業であるから、料金の改定もいたさないできたということであります。そういたしますと、今回は独立採算の建前から、大幅な料金改定をいたそうという郵政当局の提案というものは、いわば十年間公共性のもとにやって参ったところのこの低料金、そして郵便料金が国民生活や日本の経済に与える影響、こういった点からいたしまして料金改定をいたさなかったその考え方と、今回は、いわゆる赤字を生み、そして経営の内容が健全化しない、こういう理由のもとに料金改定をしようというのは、きわめて企業的な考え方に立っておると思うのであります。私は実はこのことは後ほど大臣のお考え方をお聞きしたいと考えておりまするけれども、郵便事業の持つ本来の使命というものをいささか没却して、きわめて企業的な立場にとらわれてものを考えている結果ではないかと思うのであります。いわばこれは過去九十年にわたって続いて参った郵便事業の歴史的な使命からいい、十年間料金を据え置いてきたというこの経緯から見まするならば、実は重大な政策の転換である。もちろん、郵政事業特別会計の中においても、企業的に経営するというようにはうたっておりまするけれども、しかし何といってもその基本は、郵便法の第一条にある、安い料金であまねくサービスをするということでありまして、その立場というものが今度はやはり変わった、こういうふうに実はわれわれは認識せざるを得ないと考えるわけですけれども、その点に対して——大臣は就任をされてから日は浅いわけでありまするけれども、しかし過去の経緯を振り返ってみた場合には、やはり今回の改定というのは、今までとは違った政策的な意味におけるところの一つの変更であり、転換である、こういう御認識に立たれるのかどうか、御所見を承りたいと思います。
○小金国務大臣 今回の料金の調整は、従来の方針を変えるというような意味からではございません。十年間に近い間据え置かれたのは、公共料金であるということはもちろんでありますけれども、今経理局長が申し上げたように、大体三十五年度までは収支償ってきた、こういうことが原因でありまして、収支償っていくならば、これを私ども今回改正する意図は持たなかったのであります。その一つの証拠といいますか現われとして、第一種、第二種のごときは、国民があまねく利用されるいわゆる手紙とはがきでありまして、これはまだ、それだけをとりましても原価を割っておりません。それで、これは不動であります。郵便物の内容、郵便物の種類の増減が相当顕著になって参りまして、第三種、特に第五種のようなものが非常にふえまして、これがかさばり方からいきましても数量からいきましても大へんなコストを食うような状態になりまして、他に影響を及ぼしますから、これを中心に改定いたします。また小包も、他の鉄道の運賃その他と比較いたしまして相当なアンバランスでありますから、これらも料金を調整して、そうして、今、田邊さんがおっしゃったように、従業員の待遇の改善、それからまた近代化、あるいはまた局舎その他働く環境の改善ということに向けていかなければ、もう今日をのがしますと大へんな手おくれになりますので、これをぜひともこの機会に調整していただきたい、こういう趣旨でありまして、独立採算制であるとか、あるいはまた、これをもうけてどうするとかいうような本質的な問題をここで変えようとは私は考えておりません。
○田邊(誠)委員 大臣の考え方がやや明白になって参りましたけれども、その考え方を尊重されるとするならば、私は今回の料金改定のより具体的な内容をこれから指摘いたしまして、はたしてその考え方に一つの統一性があり、一貫性があるかどうかをさらに究明してみたいと思います。実は先ほどお聞きをしてまだ御回答がない面とあわせまして、一つの考え方の根拠になります、二十六年以来の郵政事業特別会計の中において、郵便の業務収入が占める割合というのは一体どういう状態であったか、この点はおわかりになると思う。先ほど経理局長は、三十四年ないし三十五年まで給与改善費を八%ないし九%見込んだ場合は原価を償ってきたというお話でありますから、その点から言いますならば、郵政事業の中においてその大部分を占める郵便事業、これが会計上から見た場合にどういった収入の割合だったか、この点が非常に重大でありますので、郵便業務収入の郵政事業特別会計の中で占める割合は二十六年度以降一体どういう状態であったか、その点をお聞きいたします。
○佐方政府委員 ここに三十年から三十四年までの数字がございますが、二十六年からはちょっとありませんので、三十年から申し上げますと、郵便事業の事業収入は、三十年は四百十八億でございます。そして郵政会計全体の収益が九百九十億でございます。三十年度におきましては、千五十三億のうちの四百六十六億でございます。三十二年度は、千百五十億のうちで五百十三億でございます。三十三年度は、千二百四十四億のうちで五百七十億であります。三十四年度は、千三百五十一億のうちで六百二十四億でございます。
○田邊(誠)委員 先ほどの原価とあわせまして、はたして郵便料金収入の占める割合が健全になって参っておったかどうかをお聞きしてみたいと存じましたけれども、その根拠がまだ示されませんので、とりあえず次の質問に移ります。 今回の料金改定は、先ほど大臣のお答えにもありましたように、昨年の秋郵政審議会に対して諮問をいたしまして、その諮問二十四号に基づいて郵政審議会が昨年の十二月二十八日大臣に対して答申をいたしまして、その結果がこの提案の根拠になっておるわけでありますけれども、郵政審議会の答申の方針は、この料金改定によって郵政事業の経営がなるべく長期にわたって安定をするようにしてもらいたい、そして、政策的にとられる低料金というのがあっても、原則として直接費をまかなうようにすることが必要である。実はこういう方針が出されておるはずであります。そういたしますならば、この持つ考え方というものがいわゆる独立採算の建前に立ち、郵政事業をきわめて純粋な意味における企業体として考えておるということになりますので、この持つ論拠については、われわれとしてはいろいろの意見があるわけでありますけれども、しかし、もし大臣が先ほどから言っておるところのお考え方に基づいて料金改定をしようとするこの提案というものを、一応そのままうのみにいたしました場合には、私は郵政審議会の答申というものは、一つのそういった企業意識から言いますならば論拠を持っていると考えるのであります。そういう点をかんがみた場合に、この郵政審議会の答申というものが出されましたけれども、今回提案をされました内容はさきに私が指摘いたしました通り、若干変更を来たしておるのであります。第三種にいたしましても、あるいは第四種の農産種苗にいたしましても、実はそれぞれ違っておりますし、第二種の中における年賀はがきについても現行据え置きということであります。これはおそらく昨日の参考人の陳述の中にもありましたように、郵政審議会の答申ですらも、私は郵政事業のこれから先の企業を拡大していくためにはかなり赤字を生むおそれがあると考えておるのでありますけれども、それを一部下回るところの料金改定をいたしました。私は郵政当局はおそらく、この原案を作って諮問をしたのでありますから、当然この実施が最低限度必要であるというふうに考えたのであろうと思いますけれども、この郵政当局の考え方が今回貫かれなかったということは、企業的にものを見た場合には、きわめて不十分な不満足な結果になってきたのではないかと思うのであります。もし独立採算の建前をとるといたしまするならば、郵政審議会の答申を修正提案をいたしましたこの不足の部分というものは、一体どういう面でこれを補おうとされるのか。郵政審議会の答申がやはり一つの根拠を持っており、一つの認むべき数字的な観点であると考えますならば、これを修正提案をいたしましたその差というものは、何らかの形でもって自余の面で欠陥を呼び起こし、非常に無理をしいる結果になると思いますけれども、こういった面は一体どういう方向でもって補足されようとするのか、この点に対して大臣と事務当局の御意見を一つ、それぞれ承りたいと存じます。
○小金国務大臣 これは全責任は私が持つのでありますから、私からお答えいたします。 郵政審議会に諮問いたしました原案は、確かに郵政省の事務当局で作ったものだろうと思います。そういたしますとその原案なるものは、この数字通りでなければもう動かせないのだ、この数字通りでなければ困るんだというようなぎりぎりな数字を出したかどうかということは、これは常識的に考えてそういう考え方はとらるべきでないのでありまして、それならば郵政審議会で新たな意見が出た場合にはどうするかということが起こるのであります。そこで、事務当局の出した素案というようなものについて、郵政審議会で特別委員会をお設けになりまして、採算上の問題もいろいろ御研究になったようであります。その結果これならばというので、事務当局の案にまたさらに変更を加えまして昨年の十二月の二十八日に御答申がありました。その答申の案通りでなければ、五年なり何年なりの見通しが立たない、直ちに不足を生じて何らかの補強策を講じなければならぬのじゃないかというような御趣旨と承りますが、相当な予算の金額にも上るものでありますし、また国民の利用の数にもよるのでありまして、どこまでもこれは見通しであります。見通しでありますが、郵政審議会の答申に変更を加えましてこの案を作成いたしました点は、独立採算制からいけばおかしいじゃないかという御意見があるかと思いますけれども、変更を加えました点は、どこまでも国家の事業であるという建前から、政策的な見地からも検討いたしました。その第一点は、第三種の新聞等でありますが、これは一円を三円ということでありましたが、いかにコストを切ったと申しましても、一挙に料金を三倍に上げるということは、これは社会の常識からいきまして少し上げ過ぎるのじゃないか、二円であった場合には、二倍程度で押えた場合にはどうなるかというような検討を加えました。盲人用の点字の郵送料のごときは、これは国際条約等の関係もありまして、また金額も比較的少ないのでこれを無料にいたしました。またさらに農産物の種のごときも、これも主として農家の利用されるものでありますから、この点に考慮を加えまして、さらにまた総金額もそう大したものでないので、これも据え置きといたしました。そのほか年賀はがき等もございましたが、これも一年に一回の国民の儀礼的なものにお使いになるのであるから、できれば据え置きということで据え置きにいたしました。全体を通じましてこの程度の改変を加えたのでは、審議会の御答申とさしたる数字上の大きな違いもございませんので、私はこれに国家の行なっておる事業でありますから、独立採算制をくずさないで済むという見地でこの案を作成して、法案として提出申し上げたような次第であります。
○田邊(誠)委員 大臣が独自なお考え方でもって事を処せられることについては、私は賛意を表します。必ずしも郵政審議会の答申なり事務局の作られた案というものをうのみにされないという考え方は、私はやはり大臣としてとるべき考え方だと思うのであります。そういう一つの見識の上に大臣が事を処せられた点については賛成をいたしまするけれども、しかし現実には大臣のそうやってとられたところの処置というものが、今後事業経営の面でどういう影響を及ぼすかということについては、私はこれはまた別な話だろうと思う。 それならば一つ郵政当局にお伺いをいたしまするけれども、今回の料金改定によって種別の原価計算と料金の比較を一つお示しをいただきたい。三十六年度におきまして、一通ないし一個当たりの予測できるところの原価と、改定をされました料金の一個当たりの大体の料金の収支というものは一体どういうふうになるのか、この点に対してお答えいただきたい。
○佐方政府委員 昭和三十六年度の原価調査につきましては、実はここで御発表いたすほどまで正確に検討いたしておりませんけれども、三十五年度を基礎といたしまして一応の推定をいたしてみました。これはまだ多分に検討しなければならぬ問題があると思います。それによりますと、一種におきましては、大体総括原価としまして七円四十五銭くらい、それから二種は四円八十五銭、第三種の低料扱いは七円五十四銭、それから同じ三種の中のその他は十円五十一銭、それから通信教育で十一円五十銭、盲人用点字で四十円六十銭、農産種苗が三十三円四十六銭、第五種で八円五十四銭、それから小包の普通で百十九円十三銭、書留で百四十円九銭、それから書留速達で百八十五円十一銭、普通速達で百六十八円六十三銭、こういうような原価に対しまして、収入は、一種の場合が十円七銭、それから二極が四円六十四銭、三種が二円二銭、それから三種の中のその他が六円八十四銭、それから通信教育が五円三十一銭、それから盲人用点字は収入はゼロでございます。農産種苗が四円二十九銭、第五種が十円二十八銭、それから小包の普通が百二十円八十銭、書留が百六十七円六十四銭、書留速達が二百三十七円六十四銭、普通速達が百九十円八十銭ということになりまして、一種では二円六十二銭の益が出ておる。はがきは二十一銭の赤、低料扱いの第三種が五円五十二銭の赤、その他が三円六十七銭の赤、通信教育が六円十九銭の赤、盲人用点字が四十円六十銭の赤、農産種苗が二十九円十七銭の赤、第五種が一円七十四銭の黒、それから小包の普通で一円六十七銭の黒、書留が二十七円五十五銭の黒、書冊速達が五十二円五十三銭の黒、速達が二十二円十七銭の黒であります。ただし今申しましたように、実は本年度のベース・アップの関係のいろいろな事業別配分等がきまっておりませんので、そういうのを全部ことしの推計で給与費を伸ばしてやったものですから、相当検討の余地があることを御了承願いたいと思います。
○上林山委員 議事進行。ただいまの資料ですね、これは未確定なものであるけれども、それが今度の値上げの基礎になっているとすれば、その資料を早急に一つ当委員会にお出しを願いたいと思います。それから未確定の要素があるから、それを加えた場合はどうなるかという見込みでもいいから出し得るものを出していただきたい。議事進行にかりて資料要求をいたしておきます。
○田邊(誠)委員 大体今の概算でありまするけれども、三十六年度の原価と改定料金によるところの収入の状況をお聞きをいたしました。私はこの中にはおそらく明確な意味におけるところの仲裁裁定によるいわゆるベース・アップというものが厳格には含まれておらないと思うんです。今お聞きをいたしましたことで明らかなように、今回の料金改定といたしまして郵政審議会の答申を手直しをして、政策的な意味を含めて提案をしたという大臣の御趣旨は、私は大へんけっこうだと先ほど言いましたけれども、実はこの原価主義によるところの建前から料金改定をいたしましたというこの郵政当局のお考え方にもかかわらず、今御発表になりました原価と改定料金によるところの収支の状態というのが、三十六年度の推定をいたしてみましても、通常におきまして一種、五種がわずかに原価を上回る程度でありまして、あと二極以下はすべて原価に比べて収支償わないという状態です。私は今の御報告を承りまして、大臣が先ほど答弁をされたにもかかわらず、今回の料金改定によってすでにその初年度において種別的に見た場合には大部分が赤字になる、こういう結果でありまして、これでは独立採算の建前から原価主義によるところの適正料金であるというふうには受け取れない、こう考えるわけです。もちろん総体収入の面についてはまた別でありましょうけれども、しかし個別原価主義をとらないにいたしましても、その主要な種別において、いわゆる原価を償わない結果になるというこの御報告はきわめて重大であると私は考えるのであります。逐次お伺いをいたしますところの向こう数年間における状態はおそらくさらに私は深刻になって参ると思うのでありまして、この独立採算の建前から、原価主義による適正料金でないという状態が今の御報告の中でやや瞥見をされるのでありますけれども、これに対して第一大臣はどういう御感想をお持ちであるか承りたいと思う。
○小金国務大臣 郵便物の種類ごとに計算をいたしますと、確かに御指摘のように赤字の種類が出て参ります。しかし郵便事業の特別会計を総合的に見ますと、これで黒字が出て参りますので、その点、私は全部の郵便物が一つ一つ原価を償うような料金を定めますことは社会政策上いかがかと思いまして手心を加えたような次第でございまして、郵政審議会といえどもその点は厳格に貫いておりません。私もそういう意味であるならば、総額を押えまして、たとえば盲人用の点字の郵送だとか通信教育というような、あるいはまた農村の種の郵便料金というようなものは赤字であっても、これは総額から申せば大したことはないから他の料金で埋め合わせをする、郵便という一つの総合的な事業から申しますと、そういうでこぼこはありますけれども、これは社会政策的また国民の福祉の関係から見まして許されるものであると考えまして、このような原価主義をとりました。厳密に申し上げればまさに御指摘の通りでこぼこがございますけれども、総合的な独立採算制の立場から、ただいま申し上げたような考慮を加えた次第でございます。
○田邊(誠)委員 私も個別的に見て赤字が生ずるものがあるからそれはいけないという話は実はしておらないのであります。しかし少なくとも一種、五種を除いて、料金改定をしてもなおかつたとえば非常に大衆性を持っている二種やあるいはダイレクト・メールというものが含まれつつある第三種というものの状態がこういう赤字であるということは、私はやはり企業的にものを考えている郵政当局の考え方と現実の数字というものが一致をしておらないというふうに指摘をしているのであります。今、大臣は、種別的に見た場合には赤字が生じても総体的に黒字だ、こういうお話であります。しからばお伺いいたしましょう。料金改定によって三十六年から一つの区切りとして五年間の増収の額は一体どのぐらいになるか。それと三十六年から概算をされるところの総括原価の増加額と、今回の料金改正によるところの増収額は、三十六年から四十年までの五年間にどういう推移をたどるのですか。その点に対してお伺いをしておきます。
○佐方政府委員 今後五カ年間の収入見込みにつきましては、昭和三十六年度、今度の本予算に料金値上げを見込みました額は七百八十七億でございます。そのうら料金値上げによるものは六十七億でございます。それから三十七年度は八百七十六億の中で料金改定によるものが百十四億であります。それから翌年三十八年度は九百五十八億で、料金改定によるものが百五十二億、三十九年度は千十一億の中で料金改定によるものが百六十二億、四十年度は千六十四億の中で百七十二億というふうに収入を見込みました。 それから歳出の方面では、これは非常にむずかしいわけでありまして、ベース・アップをどう見るかということが一つの基本になりますので、見て参りますと——本年度のベース・アップをいたしましたあと、いわゆる定期昇給だけをして、あとは何もない。これは一番ひどい話ですけれども、それでいきますと、昭和三十六年度が七百八十七億、それから三十七年度が八百七十五億、三十八年度が九百五十七億、三十九年度が千十一億、四十年度が千六十四億、こういう数字になるわけでございます。 それから過去五カ年間のいわゆる給与総額の増加というのが八%あったわけでございます。それと同じように、ことし実は一〇%のベース・アップがありましたけれども、それを基礎としまして、今後もかりに八%というふうにいたしますると、収入は先ほど申し上げたものと同じでございます。 支出の方面では、昨年度は、これもことしと同じように七百八十七億でございますが、三十七年度が八百七十六億、三十八年度が九百五十七億、三十九年度が千二十八億、四十年度が千百二億というような支出を計算をいたしました。 そこでB案によりますと、三十八年度までは黒になりますけれども、三十九年度からは少し赤字になるという形になります。しかしこれは収入の見通しがいろいろ問題があるわけでございまして、逆に収入の見方の方を少し変えまして、さらに収入の見通しをことしから毎年七%ずつ上がっていくのだという計算をいたしますと、そういう八%の昇給原資を見ましても、四十年度までは収支償っていくというような計算が出て参ります。
○田邊(誠)委員 審議会の答申の、細野委員の少数意見の中にもありますけれども、この総括原価の増の見方というものについては、今経理局長が言われましたように、私はいろいろな見方があると思う。しかし今お聞きをいたしました点から見ましても、給与改定の費用といいましょうか、いわゆるベース・アップをわずかに八%と見込んでも、三十九年度から赤字であるという御発表であります。そういたしまするならば、現実の問題は実はさらに問題が含まれておることは御承知の通りであります。仲裁裁定実施によるところの問題をあとでお聞きしたいと思いますけれども、私はそれを抜きにいたしましても、いわゆる将来五年間の一つの設計をいたしました場合には、その後半においてすでに赤字を生ずるという状態であります。そういたしますならば、郵政審議会のなるべく長期にわたって安定をはかるべきであるという答申というものが、事実問題としては尊重されなかったというふうになると私は考えるわけであります。今お話がありました点を私が実は調べましたところでは、経理局長、ちょっと数字が三十八年度は違っております。百五十二億と言いましたけれども、三十七年度と三十九年度の間をとってみても、百十四億から百五十二億、百六十二億というのでは少し違うのでありまして、もうちょっと数字は正確にお示しいただきたいと思います。いずれにいたしましても、郵政審議会の答申によりまして、実は原価と引き比べた場合には、大体四十年までの五年間に、いろいろな見方はありましても百五十億ないし二百億に近いところの増収が続いて参るはずです。郵政審議会の答申において実は十億円内外の黒であって、郵政省の今回提案をいたしましたこの状態からいいますならば、向こう五年間には百億円以上の赤を生むではないか、私はこういうふうに考えるのでありますけれども、この点の数字的な点について若干の違いがありましても、今のお示しの点を根拠にいたしましても、すでに向こう五年間に赤字に転落することは事実であります。そういたしますならば、先ほど大臣が独自な見解で今回提案をされたと申しますけれども、総括原価から見て、今度の料金改定というのは、その増収分では三年後においてすでに原価に追いつけない、こういう結果になりますので、独立採算の建前を貫くという大臣の言葉は、実は現実の事態の中ですでにくずれつつある、私はこういう認識に立たざるを得ないと思うのであります。さきに私はこの面に対して収支償う期間というのは一体どのくらいかということをお聞きしましたところが、大臣は五年間くらい実は赤字を生まないだろう、こういう話でございました。実は今の経理局長の御答弁と違うのであります。しかも、これはあとでまた御質問を申し上げるところの仲裁裁定という事態がございまして、さらに私は問題は発展をすると思うのであります。こういった点から見まして、総括原価を相当長期間において償うところのいわゆる増収にならないという事態に対して、大臣はもう一度慎重な御再考をいただかなければならぬではないか、こういうように考えるわけですけれども、どういうお考え方をお持ちですか、お伺いしたいと思います。
○小金国務大臣 仰せの通り、仲裁裁定というのは、裁定が下ってみなければわかりません。大よその見当で、従来はならしてみると年八%ぐらいの昇給率になっております。本年三月終わりに出されました仲裁裁定は相当高額なものでありまして、これを基礎にすべてをやっていきますと、相当な赤字が出るかもしれませんが、毎年このような裁定が出るとは、今までの実績から見ると考えられません。そこで今私どもが提案いたしました案で何年ぐらいの安定性と考えるか。私は大体五年ぐらいは持つであろう、また持たしたいということを申しましたが、その推定はどこまでも推定でございまして、今後の経済の伸長率、生活の向上というようなことで、利用率がどうなるかということも実は一つの大きなファクターであります。今まで機械的にやってきたのが、改正が行なわれた年には、通常郵便物がその年には七%減、翌年が四%減、三年目が一%減、四年から先は普通の通りの率をもってふえていく、こういうことになる。小包もまた一五%、それから一〇%、それから五%、それからゼロという利用減を見ております。これらが経済の伸長率、国民生活の向上等によってどう変化するかということは、考えのうちに置かなければなりません。すなわち利用減、一方から申し上げれば郵便の利用の増加率をどう見るかということが大きなファクターであります。従いまして、黒字になるような種類の郵便物の利用が非常に多ければ、十分な黒字が出ていくわけであります。赤字のものと私どもが想定いたしておりますのは、第二種が多少今後問題になりますけれども、これは大衆が非常にお使いになる郵便はがきでありますから、なるべくこれは動かしたくないと私は考えて、今回も動かしませんでしたが、そのほかは第三種と第四種であります。第三種も赤字の累積がどのくらいになるか。第三種と申しますうちの新聞その他の低額料金のものでありますが、これもそうたくさん大きな率でふえるとも考えられませんし、第四種も、通信教育は今後相当ふえるとは思われますけれども、総体から見ると金額はそう大したものではない。盲人用の点字も同様であるし、農産物の種子の数量もそう激増するものではない。問題は、お手元に配ってあると思いますけれども、今日までの実情から申しまして、昭和二十六年を基礎といたしまして一番大きな増加を示しておりますのは第五種であります。第五種は、昭和二十六年を一〇〇といたしますと三三七と、これだけ利用率がふえております。第五種の料金が改定されますと幾らか落ちるだろうと見ておりますけれども、今後の経済界の発展とか、あるいはまた諸般の生活の向上等から見まして、これが一番大きなファクターになるではないかという見通しを立てていきますと、全体的にいろいろな試算をして、赤字が出る場合と黒字が出る場合と幾通りも予想いたしておりますが、どの案を見ましても、たとい赤字が出たとしても、全体の総額から見れば五年目において吸収し得る赤字である、私はこういう見解を持っております。
○田邊(誠)委員 郵便物の増加の状態をどう見るかというのは当然重大な要素になることは今のお話の通りです。それを見込んで今回の料金改定がされ、なおかつその結果というものがいわゆる原価の建前からいえば収支を償うのかどうかということは、実は今の当局からの御回答の通りでありまして、大臣は一つの見通しをいろいろと言われましたけれども、それは実は一つの考え方ではありましょうが、しかしそれらのものを集積をいたしました結果として、やはり四十年度まで黒字を続けるというわけにはいかないという状態になって参るのでありまして、大臣のお話のように第五種がさらに累増する、こういうことはもちろんでありますけれども、しかし郵政事業は今始まった企業ではないのでありまして、実は長い歴史があり、その中における経済の変動との見合いというのは当然十分考慮に入れておられるわけでありまして、そういう点から言いましても、この料金改定というものが、あなたの根拠を是認する建前に立っても、決して五年間そのまま黒字を続けるということにならない、こういうことが明確になってきたと考えるのであります。その点はさらに仲裁裁定の問、題を含めて最終的にお聞きをしたいと考えておりますので、それまでに至る間もう少しお伺いしたいのでありますけれども、一体今度の料金改定によって、値上げの率はどのくらいになりますか。これは非常にむずかしい算定の仕方でありますけれども、単純に考えて平均をいたしますと、値上げの率は一体どのくらいになるか、お聞かせいただきたい。
○板野政府委員 総体からいたしまして、一九・六号ということになっております。
○田邊(誠)委員 値上げ率は平均をいたしまして一九・六%であります。さきに政府が提案をいたしまして、通過をいたしました国鉄の運賃値上げは、実は御承知の通り一四・六%ないし一五%くらいであります。それに引き比べて、郵政省の今回の郵便料金の値上げ、為替、振替の値上げというのは、国鉄運賃の値上げよりもさらに実は大幅な状態であります。このことが日本の経済に与える影響というものは、昨日の参考人のお話を聞きましても、実はその度合いというものは、国鉄運賃に比べてみた場合に、その指数は少ないかもしれません。しかし最も大衆性、最も公共性を持っておる、こういう面から言いますならば、国民生活に与える影響というものはきわめて大きいというふうに私は考えざるを得ないのであります。今回の料金改定というのが池田内閣の手によって運賃と並んでなされつつある、こういうところに非常に大きな問題が含まれておるわけでありまして、先ほど来お聞きをして参りましたように、過去十年間実は値上げをしないで抑制して参った、この状態から見まして、どうしていわゆる値上げムードというのが今蔓延をしておるという状態の中で、今言った最も国家独占の事業として、今まで低料金でもって据え置いてこよう、こういう立場であったものが、今回二〇%に近い料金改定をしなければならなかったか、この点が非常に大きな問題でありまして、国民経済に与える影響の面からいって、過去の状態を考え合わせてみた場合に、どういう影響を国民に与えるか、こういうことについて慎重な御配慮があったかどうか、きわめて疑問にしなければならぬと考えるわけであります。中間でありまするけれども、この点は、やはり池田内閣の基本的なものの考え方でありまするから、大臣から御所見を承りたいと思います。
○小金国務大臣 たまたま国有鉄道の料金と時を同じくしてこういう提案をいたしましたのは、私も大へん遺憾に存じますけれども、先ほど来申し上げておりまする通り、郵便事業の健全な発達をはかるためにこの調整案を提案いたしました。今、田邊さんのおっしゃる通り、国民生活に相当影響するものと考えて、諸般の研究もいたしましたが、幸いに第一種と第二種、封書とはがきの値上げをいたしませんので——ただ、問題は小包等でございます。これも現場等を見ますると、小包の関係者の負担する勤労というものは大へんなものでありますので、これらを是正することも、国鉄の荷物運賃等から考えましてやむを得ないという考えでこの案を作りましたが、今郵務局長が申し上げました通り、国鉄は一四・何パーセントの値上げなのに、郵便の方は一九・六%、値上げ率がばかに大きいではないかとの仰せであります。ところが、上げられているものは、大衆がお使いになりまするのは大体小包関係でございまして、これについては一番考慮を払いましたけれども、先ほど来申し上げている通り、これは本来の郵便事業から見ると、むしろ傍系のものであります。のみならず、他に鉄道便とかいろいろなものがあります。便利屋とかいうものがありまして、これを運んでくれますから、郵便の方については、なるべくこれは動かしたくない、また上げるにしても少額でとどめたいと思いましたけれども、やはりある程度、原価主義というよりも、原価を償うというような方針のもとにこの値上げ率を決定いたしました。 そこで、私どもも最後の決意をする際に、経済企画庁にいろいろな計算をしてもらいましたところが、第一種、第二種等が上がっていないためか、ともかくも、一九・六%という値上げ率を生計費その他から引き出してみてもらったのでありますが、どうしても生計費には〇・〇〇幾つしか出てこない。すなわち、ほとんど影響なしというような——これは経済企画庁の専門の方々に御依頼したのでありますが、経済企画庁の長官から、これは全く数字的には出てこないという報告を正式に受けましたので、その点、私は国民生活に悪い影響を及ぼして、負担を非常に大きくするとは考えておりません。私ども、そういう考え方であります。
○田邊(誠)委員 国民生活にあまり影響がなさげなお話でありましたけれども、実際にはそういうふうには参らぬのでありまして、特に郵便を利用するところの大衆の生活の状態というものは、実は非常に低い、こういうことから見ましても、日本の経済の全体から見れば、あるいはそういうようなこまかい指数が出てくるかもしれませんけれども、実際に郵便を利用するところの対象になる人々というものは、きわめて広範にわたる、特に生活の面でも必ずしも楽でないという層も一般的に利用するということが実は郵便事業の持つ性格であるし、これが歴史的な任務であったはずであります。今回の料金改定というものが、その内容から見まして、はたして合理的なものであり、科学的な根拠に立っているかということになりますると、実はいろいろと疑問の点がございます。私は、この内容についてこまかくいろいろお伺いすることを避けますけれども、さらに後ほど若干内容をお聞きしたいと考えておる。今度の料金改定によって郵政事業の運営上いろいろ改善をされるということを大臣も言われておるわけでありますけれども、しからば対国民大衆に対するところのサービスの面、それから対内部的な業務の改善の面、こういった面でどれほどの改善がなされるのかきわめて疑問であります。私が先ほど言いましたように、今まで郵政事業は人力にたよりながらやって参り、しかもきわめて低い給与でもって、非常に少ない人数で労働強化をしいられてきた結果、収支を償ってきたのであって、その点を見のがすわけにはいかないのであります。そこで、郵務局長さんにお伺いをいたしますけれども、一体今の郵便事業をまかなっていくためにどのくらいの人間が必要であるのか。このことをお伺いいたします前提として、郵政省の出している資料によりますと、二十六年の郵便物の物数を一〇〇といたしますならば、三十五年には一七四になっている。こういう図表が出ております。それに引き比べて人員は、二十六年を一〇〇といたしました場合に、三十五年はわずかに一〇七、実は七%増加したにすぎないのであります。もちろん、物数が一〇〇から一七四になったから人間も一〇〇から一七四にしなければならぬという筋はありません。しかし、それにいたしましても、人員の増加というのはきわめて少ないのであります。この宣伝用に出された図表によりますと、三十六年は二十六年に比べて一八六になるというのであります。これが正しいといたしますならば、一つの見通しとして見込まれるものといたしますならば、それに対して定員は一体どのくらいになるのか。三十六年には増員が千三百十八、定員化が四千二百十五、郵便にそれぞれあるとなっているようでありますけれども、一体三十六年に郵便事業をさばく定員配置はどのくらいになるのか、お伺いいたします。
○板野政府委員 三十六年度におきましては、成立人員が定員、賃金を合わせまして九千四百二十六名ということになっておりまして、現在定員が三十五年度八万一千四百八十三名ということになっておりますので、大体九万をちょっと出るくらいの定員と賃金の要員になるわけでございます。
○田邊(誠)委員 物量の増加に比べて人員の配置が少な過ぎるというのが今までの郵政省の中の最大の欠陥であります。何といっても機械化の限度は非常に少ないのでありまして、人力にたよることが非常に多い郵政事業の中でもって、人員の配置というものがきわめて適正でないということはしばしば指摘された通りでありますけれども、一体それならば郵便物数の増加によって人員の配置ということは大体どのくらいが適正かということは大よそお考え合わせだろうと思います。まず郵便物の増加というものは向こう五カ年間に一体何%くらいずつ増加をするというふうに見込まれ、あわせて人員の増加というのはこれに合わせて何%くらいにしようとされておるのか、この点に対して一つお伺いをいたします。
○板野政府委員 物数増加につきまして今後五カ年に大体どのくらい伸びるかという御質問に対しましてお答えいたします。 三十五年を大体一〇〇といたしまして、総数で申しますと、三十六年度におきまして約一〇七%、三十七年度で一一四%、三十八年度で一二一%、三十九年度で一二八%、四十年度で一三五%、大体こういう物の増加を示して参ると予想しておるのであります。 これに見合う要員が大体どのくらい必要かということでありますが、要員の面につきましてはいろいろな要素がございます。一人の一年間の大体の処理能力も、いろいろな郵便物の種類その他によっても変わって参りますし、また配達の立ち寄り個所、いわゆる地況の変化というようなものによりましてもいろいろ変わって参るわけでございまして、私どもといたしまして、この五カ年どういうような人が増加していくかというような点につきましては、ただいまいろいろ検討はいたしておりますけれども、まだ正確な数字をここにつかんでおらない次第でございます。
○田邊(誠)委員 大体年平均七%くらい郵便物がふえるという見込みでございますね。物が大体七%くらいふえれば、単純にいってこれは当局が言われたように、その内容によって、あるいはまた業務の改善の方法、あるいは今同時に提案をいたしておりますところの取り扱いのやり方、高層建築物に対するところの配達を今度三階以上はしないというような、そういういろいろな変化、これによっても違って参りましょうけれども、これらも一応含めて、板野さんあなたは大体どのくらいの人員の増加が必要であるというようにお考えでありますか。
○板野政府委員 先ほど申し上げましたように、いろいろ今後の機械化と申しますか、そういうようなやり方とか、あるいは集団住宅におきまする配達方法の改善とか、いろいろな要素がかみ合わされますので、ここではっきりしたことはお答えできないと思いますが、過去大体六ないし七%ずつの増加に対しまして千五百名ないし二千名程度の増員がされておるようでございますので、大体千五百名程度というものが毎年の増加数になるのではないかというふうに私ども考えておる次第であります。
○田邊(誠)委員 この中にはもちろん集配度数の増加とか、あるいは郵便物逓送部面におけるところのスピード・アップとか、こういった面は含まれておらないと思うのです。それらを含みますと、郵政当局がはじき出されてもおそらくこれに倍するところの定員が必要ではないかというふうに私は考えるわけです。しかももちろんこの定員配置というのははたして適正であるかどうかということになりますならば、いろいろと問題があるわけでありまして、三十六年度の九万余の人員によりまして、はたして正常な郵便の運行ができるというふうに、郵務局長は確信をお持ちであるかどうか、この際一つお伺いしておきたい。
○板野政府委員 私どもといたしましては、この定員なり賃金要員をもちまして、本年度の物増その他に対応しまして大体の処理はできるというふうに確信をいたしておる次第でありますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、郵便物数の伸びというものは、利用分あるいは物数の増加に対応いたしまして、いろいろ変化をして参ると思いますが、そういう場合におきましてはさらにその状況を見つつ、人員もやはり考慮していかなければならぬというふうに考えておる次第であります。
○田邊(誠)委員 その根拠になるところの今までの人員の配置の状態が、実は過去十年間の郵便物数の伸びに比べてきわめて低いということは、あなたもお認めになっておるから、このPR資料の第七番目のところでもって、非常に手不足である、従って郵便物の増加分に対応した定員の増加はぜひ必要だということを告白されておるのですね。従って今の状態ではおそらく、正常な運行をするところの根拠が確立されて、その基礎の上に立って毎年の郵便物の増加によるところの定員の増加をはかられなければならぬはずでありまして、本年度若干の定員増加はありましても、盆や年末等におけるところの一時的な繁忙期を除きましても、正常な場合におけるところの時間内において郵便物をはかせるというのは、現状の改善をしない業務の内容の中でも、きわめて困難だということは明白な事実であろうと思うのですけれども、この点に対してはどういうふうにお考えですか。
○板野政府委員 先ほども申し上げましたように、大体私どもが予想しております物の伸びという点からいたしますると、本年度の定員をもってまかなっていけるというふうに考えておる次第であります。なお物数の伸びというものに対しましてはいろいろ変化もございますので、変化に対応するだけの措置もとりたいというふうに考えております。なお御承知のように過去におきましては定員という面につきましていろいろ問題がございましたけれども、本年度はいわゆる定数的な非常勤というものも全部定員化されることになっておる次第でございまして、そういう点におきまして非常に改善されているというふうに考えている次第でございます。なおこの定員の面につきましても、私どもといたしましては今後さらに実地調査その他によって検討を続けていきたいというふうに考えておる次第であります。
○田邊(誠)委員 その点に対してさらに一つだけお伺いしておきたいのは、それなら先ほど向こう五年間におけるところの料金改定によるいろいろの収支の状態、これをお示しいただきましたけれども、その中の郵便物数の増加に見合うところの定員の増は、今申し上げたような千五百人ないし二千人という定員増加を見込まれて見通しを立てられておるのか、この点を一つお伺いしたいと思います。
○佐方政府委員 定員増を大体毎年郵便で四千人程度見込んで案を作っております。
○田邊(誠)委員 私どもは今申し上げたような見解から、この程度の人員増加では、激増するところの郵便物を正常に運行することはでき得ないであろうと考えるのでありまするけれども、さらにその点に対しては最後に集約をしてお伺いをしたいと思います。 先ほどから実は保留をしておきました給与改善に対する内容についてお伺いをしたいのであります。先ほど来の御答弁の中に三十六年度以降の見込みの中で、給与改善の費用は八%くらいだ、こういうふうに言われておったのでありまするけれども、これはもちろん仲裁裁定の実施という現実の事態にあって、この内容は変わって参ったと思うのであります。仲裁裁定の実施によるところの影響というのは、七〇%から八〇%くらいまで人力にたよっておるというこの郵政事業の特殊性からいいまして、その影響が大きいことは当然のことであります。先日来お伺いをいたしましたように、大体給与総額は三十六年度一千六十九億ばかりのようでありまするが、今回の仲裁裁定実施によって必要な財源は、これまた先日百八億だというふうに大臣からお答えをいただきました。その中でいわゆる業務収入の増収分というのは、郵便料金の改定によるところの増収分が今年度六十七億、為替貯金と振替貯金が五億、合計七十二億円ばかりでございまするけれども、こういった仲裁裁定の実施によるところの影響というのが一体どういうふうになって参るのか。この現実の事態に即応して、政府はこれから必要経費を予算に組んで出されるだろうと思うのですけれども、一応見込みの面でよろしゅうございますから、仲裁裁定実施によって、先ほどお示しをいただきました原価と、これから先のいわゆる収入との差というものは一体どうなるのか。先ほどちょっとお答えが不明瞭でありましたし、なかった点もございますので、この点に対して一つ見込みをお伺いしておきたいと思います。
○佐方政府委員 今回の仲裁裁定を実施いたしました場合に、総体の金としましては先ほど先生おっしゃいましたように百七億か百八億、百七億くらいだと思います。その中で御承知の通り電気通信、貯金、それから保険等はそれぞれの会計で繰り入れがございます。補正を組みますと繰り入れがあるわけでございますので、補正が当然組まれるという前提で考えますと、その郵便と為替、振替の分としましては四十八億の金を、この成立しております予算の中から出さなければならぬことになるわけでございます。そうしてそれが一体原価的にどうなるかということにつきましては、先ほど御説明申し上げましたように三十六年度の想定原価の中にはそれだけの仲裁裁定をすでに実施したということで計算をいたしました。ただしその仲裁裁定を実施いたしましたときに現業部門とそれから非現業部門にどういうふうな配分をするかということが非常にあいまいでございまするので、ただ給与総額がそれだけふくれたんだということに想定をいたしましたので、個別の割り振りに少し問題がある。総体の金としましては、すでに仲裁裁定は実施されたものとして三十六年度の原価計算分は作った次第でございます。 それから今後五カ年間の見通しにつきましても、御承知の通り最初の案を作りますときには、ベース・アップが一体幾らあるか全然わかりませんので、物件費の中にその仲裁裁定の金を含めたことでずっと料金表を作っておりましたけれども、今度は四十八億は、そのうちの郵便の分担が四十三億になりますけれども、それは全部直接費の人件費の中に含めまして、今までは八%で上がってきましたが、ことしはそうじゃなくて、四・五%の昇給原資と一〇%の仲裁裁定があったということにしまして、それに対して今までの通り八%を見ていけばという計算をした。そこでそれは一〇%というのが一ぺんあって、それになお八%という見方をするものですから相当大きな数字になってしまうということで、先ほど両極端の数字を出しましてお話を申し上げた次第であります。
○田邊(誠)委員 この郵便料金の値上げに伴う三十六年度の増収額は、たしか六十七億円だというふうに言われました。この中に仲裁裁定実施に伴う経費が含まれているのですか。
○佐方政府委員 当然その中から出すつもりでおります。
○田邊(誠)委員 郵政省が料金改定の策定をされて国会にこれを出されたのはいつですか。
○佐方政府委員 この法案の提案理由の御説明は三月一日でございます。
○田邊(誠)委員 仲裁裁定が下ったのはいつですか。
○佐方政府委員 三月の末でございます。
○田邊(誠)委員 そういたしますと、三月の初めこの料金改定の提案をされた際には、当然仲裁裁定が実施されることがわからなかった。従ってこの増収分六十七億円の使途はその当時は違った意味でもって実は策定をされておったというふうに考えるわけですけれども、その点は間違いないですか。
○佐方政府委員 御承知のように、仲裁裁定の額は幾らあるのか全く予想もつきませんけれども、相当のものが出るであろうということは予想されたわけでございます。従いまして、いわゆる郵便事業を正常化するための非常勤の定員化でありますとか、あるいは物件費の増強でありますとかと合わせまして、ある程度ベース・アップを用意をしなければならぬということで最初から計画をいたしておった次第であります。
○田邊(誠)委員 大へん初耳のことをお伺いするわけでありまして、郵政当局は仲裁裁定が実施をされない前に、かかる仲裁裁定が出るであろうことを見越して実はこの増収分を引き当てるということを策定したということは、大へん重大な話です。それじゃ三月の当初においてこの法律案を出された際には、給与改善費は六十七億円の増収分のうちどのぐらいお組みになったのですか。
○佐方政府委員 先ほどから申し上げますように、給与総額の中にはそういう金は全然見ていないわけです。しかし当然給与改定もあるだろうということで、実はその仲裁裁定ができます前にも各官庁話し合いまして、ゼロではないという返事もいたしておった次第でございます。
○田邊(誠)委員 三月二日に大臣は組合に対して千円の回答をいたしております。ちょうどこの料金改定の法律案を出される前後であります。それに要する費用は今回の仲裁裁定実施に伴う経費とはおのずから違うはずであります。そういたしますならば、当初六十七億円の増収分に対していろいろな施策を考えられたことと思いますけれども、その中でもって給与改善費は一体どのくらいをお組みになったのか、それ以外にいわゆる長期的な常勤的非常勤を定員化するような問題や、あるいは集配運送料の増加に伴う問題や、局舎の改善等に要するところの費用に引き当てる分とか、いろいろな面があろうと思いますけれども、その六十七億円の増収分の中でどのくらい給与改善費に引き当てようとするお考えがあったか。これは当然示せると思うのですが、その点一つ金額を示して下さい。
○佐方政府委員 これは御承知のように三公社一現業におきましては、国家公務員よりも今までは給与が高かった。しかし去年一般公務員に対して一二・四%の勧告が出ましたので、三公社一現業につきましても、今度は相当に大幅な値上げをしなければならぬのじゃないかという予想は当然いたしておったわけでございます。従いまして、この三公社一現業は前年度四%のアップでありましたので、一二・四%との差額の八%というようなものはある程度考えなければならないのじゃないかということは、公の問題じゃございませんけれども、われわれとしては当然最低それくらいの用意はしなければならぬだろうということは見当はつけておりました。そこで話は、先ほど申し上げましたように、一体幾らそれに充てておったかということでございます。成立予算のいろいろな計画を考えまして、はっきりした数字は申し上げかねますけれども、こういうふうな逆算を申し上げますと、実は一度御説明申し上げたかと思いますけれども、郵便のベース・アップに関係のない郵便費だけで六十七億ことしはふえておるわけです。ところが自然増収は四十七億しかございませんので、結局料金値上げをしなかったならば、ベース・アップの仲裁裁定がなくたって郵便費だけで二十億赤字になる。そのくらいの分担をいたしますと、約三十億くらいの赤字が出るのじゃなかろうかというような予算でございますから、六十七億から三十億引きますと、大体三十七、八億の金を予想しておったというふうに、今となれば計算上言えるだろうと思います。
○田邊(誠)委員 今の段階になったからそういう話が言えるのであって、当時は言えなかったというのは、きわめてつじつまの合わぬ話です。大体八%見込まれれば、これは当然あの当時の給与改定の組合要求に対して、郵政省がもっと別の回答があってしかるべきだ、私はこういうふうに思うのです。なぜその当時八%の金を出せるという回答をしなかったのですか。その当時出されたのは千円です。今回の給与改定が仲裁裁定によって一〇%という。八%の金があるということを今あなたは言うけれども、それならば、当時なぜそういう話を事務当局は大臣にされて、その給与改定の回答をされなかったのですか。これは私はきわめて不届きだと思うのです。今お話しの点は三十八億くらい当時見込まれた、こういうことですか。
○佐方政府委員 先ほどから申し上げますように、仲裁裁定は全く予想がつかないものですから、私どもといたしましては、今の一体幾らを回せるかということになりますと、今度成立いたしましたところの予算から考えますと、そういうような計算になるだろうということを申し上げたわけです。
○田邊(誠)委員 もちろん成立をいたすことを予測しての話であります。私のきょうお聞きしているのも、今回の法律案が、あなた方が考えられて実施をされる場合におけるところの状態をお聞きしておるのでありまして、これはどちらも同じ一つの見通しであり、仮定であります。そういう点から見まして、今のお答えというものは三月の当初提案をされた際にももちろん明確にされておるべきものでありまして、そういった点から、大体八%の改善費くらいは見込んでおったにもかかわらず、五%ぐらいしか回答しなかったというのは、大臣、私は当時の状況を今繰り返しては申しませんけれども、きわめて私は不親切な回答ではなかったかと考えるのです。三十八億円ぐらい組んでおったと言うのですけれども、今回は仲裁裁定実施によって四十三億円、このくらい組む。そういたしますると、大体一〇%ぐらいに当たるわけですか。
○佐方政府委員 一〇%としますと、郵政が分担すべきものは四十八億、その中で郵便費四十三億分担しなければならない、こういうことであります。
○田邊(誠)委員 そういたしますと、私は最初の六十七億円の増収に対して見込まれた給与改善費よりも上回ってきたということは事実だと思う。従ってこの六十七億円の増収分のうち、今お話のありました業務収入で四十八億円、郵便が占める割合が四十三億円、それにいわゆる常勤的非常勤の定員化に要する費用を含めますならば、約七二、三%の数字というものが、仲裁裁定によってこの増収分から出すことを考えられておるところのいわゆる人件費関係の費用だと思うのです。さらにそれにつけ加えて、いわゆる国鉄運賃の値上げ等、集配運送料の増加によって要するところの費用を加えますならば、今回の運賃値上げや給与改定の費用によって、この増収分六十七億円と見込まれておる中から出されなければならない、いわば義務的経費の増というのは約八七%ぐらいになるはずであります。その大部分がこれらの経費に充てられている結果になるわけでありまして、そういたしますならば、この仲裁裁定の実施によって郵便料金の改定による増収分というのは、実はかなり大幅に食い込まれてしまう。こういう結果になりますならば、他の、業務の改善、サービスの向上、こういった面と見合った場合には、きわめて困難な事態がくるであろうと私は指摘せざるを得ない。これらのことを考え、なおかつ提案の趣旨であるところの業務内容の改善や公衆に対するところのサービスをさらに上向きにする、こういうことをやっていくという形でありますならば、一体この郵政事業の特別会計というのは、これから先どのくらい持つものであろうか、こういうことを私どもは考えてみた場合に、仲裁裁定実施を考えておらなかった当時の当局の見通しよりも、さらに私は困難になってくると考えるわけであります。私が三月二日でしたかに予算委員会の分科会で大臣にお伺いをいたしました際にも、大臣は、郵政審議会の答申によっても大体五年間ぐらい収支相償うことができる、こういうように言われました。ところが、その郵政審議会の答申を下回った提案をいたしましても、たとえば航空便を採用しようとするような考え方というものを若干延期をするというような、業務の内容を改善することを一時的に取りやめることによって、約五年間の収支を償うことができるというように今御答弁をいただきました。ところがせんだっての逓信委員会で、振替貯金の料金改定の質問の中で、今度は大体三年ないし五年間ぐらい収支償うことができるであろうというふうに、実はきわめてあいまいもことしたお話に変わって参りました。大体これと同じようなお考え方かと思いますけれども、今回仲裁裁定の実施によって——当初五年間収支償うことができると大臣は考えられ、事務当局は私の先ほどの質問に対して、収支償うことができるとは明確に数字的に御回答を得なかったのでありますけれども、はたしてこの仲裁裁定の実施という事態によって、料金改定をしましてこれから先どのくらい収支が償うというふうになるのか、もし大臣の今までの御意見と理論的に一貫性をお持ちになった上で御答弁をいただけますならば幸いだと存じます。
○小金国務大臣 私はこの原案を作るとき並びに三十六年度の予算を編成する際に、大体郵政審議会の答申を基礎にして、この程度の政策料金を加味したものであるならば、五年くらいならば大丈夫だ、こういう見通しを立てておりました。ところが、大幅の仲裁裁定が出ましたので、その点については数字上の計数から見ますと少しくあぶなくなるような感もなきにしもあらずであります。しかしこれは郵便を利用する人の数、すなわち増加率が相当大きな影響を及ぼします。郵便というものが確実に迅速に配達されるものだという信頼を国民から寄せていただくならば、利用減、逆に利用率の増加というものをいろいろな観点から想定して、利用減がこの率の場合、あるいはまた利用増がこの程度にふえていく場合というようなことと、それから今経理局長が申し上げましたように、毎年一〇%くらいのベース・アップが行なわれるならばこれはすぐに三年目くらいには改定しなければならぬと思いますけれども、過去の実績から見ましてそういうことは一応常識的に考えられませんので、私はまず三年ないし五年ということを申し上げたのですが、その後いろいろの試算をいたしましたところが、まず今の計数なり見込みなりを根拠としていけば五年、すなわち昭和四十年の終わりにおいては多少の赤が出るかもしれないけれども、きわめて僅少であって吸収できるような数字じゃないか、こういうふうに私は考えたのです。
○田邊(誠)委員 これは仲裁裁定の実施の前に大体五年くらい収支償うことができるというふうに言った大臣の言葉と——今いろいろな物数の増加の見込みや利用の度合い等を大臣が言われました。しかしそれは三月の当時と何ら事情変更の立場に立たれることはできないと思う。これは当然同じなんです。大臣が三月の見通しと今の見通しを変えられたというのならば話は別でありますけれども、これはそれほど事情が変わり、利用の度合いが変わったという見込み違いを大臣がされることはないと存じますので、そういった点から見ますと、やはり私は、五年間収支償うことができるという見込みはこれによって狂ってきたというふうに考えざるを得ないのです。若干の赤と申しましたけれども、この若干という数字がどの程度であるかわかりませんが、かなりの赤字を生むということはあなた自身もお考えだろうと思うのです。そうでなければ、ただ単に利用の見込みが若干ふえるというような形でなくて、何らか業務の内容について変更しなければつじつまが合わなくなる、こういうふうに考えるのですが、そういう点に対しては実はどういうことを考えられてこれから先の見通しを立てられたのか、お伺いします。
○小金国務大臣 三十六年度の予算を編成する際に、先ほど経理局長が申しましたように、いろいろな立場からある程度のベース・アップはあるだろうということで、これはひとり郵政事業ばかりでなく、他の特別会計あるいは本予算等においても、物件費だとかあるいは返還する資金というようなものの中にそういうものを含めておるのが会計の通常の状態でございます。特に昭和三十六年におきましては、ベース・アップの要求に対しては従来毎年繰り返しておったゼロ回答はしない、できるだけ誠意をもって予算にある程度のゆとりをつけておくというような立場からこういう計算をいたしましたから、この二千円に余るベース・アップが出たからといって、そうへどもどまごつく必要はございません。 そこで今の、三月の初めの見通しと今の見通しが変わったか変わらないかということでありますが、これは実は三月以後におきまして今申し上げた五つか六つの試算をいたしまして、こういう前提でこういう利用率があれば、またこういうベース・アップが行なわれればどうだという試算をいたしました。その試算の結果、私どもが最悪と考える率をとりましても、五年後の昭和四十年には十億か十数億程度の若干の赤字になるという数字が出て参りますので、遠慮して申し上げれば、まあ三年ないし五年は安定だ、こういうことを私は申し上げておるので、その点は御了承願いたいと思います。
○田邊(誠)委員 今度仲裁裁定によってだいぶ大ごとをされておるように聞こえますし、今のお話だとあまりあわてることはないような御答弁でもありますし、実は安心していいのか心配していいのかわからぬで大へん困るのであります。三年ないし五年というとだいぶ幅がありますね。これは大へんな幅です。先ほど来の御答弁では、五年間は大丈夫だというふうに胸をたたいていらっしゃった大臣が、あまりへどもどする必要はないと言いながらなおかつ三年から五年くらいというので、見通しの面でだいぶ違ってきたということは、やはり仲裁裁定の実施その他によって大へん大きな影響があった、こういうお考えの上に立っての御答弁だろうと私は考えるのです。事実、大臣はいろいろな見込みがあるからそれによって三年くらいは持つだろうというお話でありますけれども、大臣はそういう一面を強調され強弁されながらも、なおかつ一面において近い将来において何らかの措置をしなければならぬだろうという考え方に立たれておると私は思うのです。ことに最近新聞で大臣がある機会に語られた記事を読みましても、どうもこの状態ではどうにもならぬ、従って近い将来において年賀はがきも一つ低料金を廃止をする、できれば、まあお許しがあればという言葉を使っていますけれども、一種、二種も値上げをしてこれは正常な運行をするのだ、こういうお話を実はしておるのであります。私はこれは今の御答弁と明らかな食い違いがある話だろうと思うのであります。この料金改定によって、まあ長期と言えるかどうかわかりませんけれども、五年くらい料金改定をしなくても済むという大臣なり郵政当局のお考えと見通しというものはかなりの狂いが生じたというふうに私は考えざるを得ないわけであります。その点に対して、いろいろな言い回しをされましたけれども、一つ明確に率直に、あなたの見通しというものは一体どのくらいなのか、この点を一つ簡明にお答え願いたいと思います。
○小金国務大臣 新聞やその他の記事について私は責任を持ちません。ここで申し上げるのが本筋でありまして、一種、二種を上げるとか、あるいはまた年賀はがきを四円を五円にしてしまうとか、これは私の言葉ではございません。ここで申し上げるのがほんとうのことでございますから、御了承願いたいと思います。 年賀はがきについては、大体はがきが五円だから五円にした方がいいという声はいまだに私のところに伝わってきております。それは事実でございますからそれだけは申し上げます。 なお、ベース・アップが二千円をこえたということは、これは正直に申し上げると実はちょっと意外に多かったのです。けれどもこれは裁定でありますから、われわれはどうしてもこれを完全実施をするという内閣の方針に従って実施しなければなりませんので、あらゆる財源の繰り合わせに今努力しております。しかしそのために五年という見通しがくずれてしまったとは実は私は考えていない。考えていないと申しますことは、三年はもう全く問題ない。四年目、五年目がどうかというのでいろいろな試算をしてみると、試算のやり方いかんによりましては若干の赤字が出ますから、そこで私は大へん遠慮を申し上げまして三年ないし五年と申し上げたのですが、大体私は五年くらいの見通しでいけるもの、こう考えております。
○田邊(誠)委員 そういたしますると、今回の実施の一つの主要な要素というのは、何といっても国民の郵便に対する需要が高まってきておる、こういった面に対応するサービスの向上が必要であるし、業務の近代化を促進するということもしなければならぬ。こういうお話でありまするけれども、これらの問題というのは、今申し上げたような事情が変わってきたことからいって、私はおそらく相当変更しなければ収支償いおおせるということにはならぬと考えるわけです。そういった面で、先の私の質問に対して答弁があったように、郵便の速度を早めてもらいたいという国民の要望に即応し、国鉄がだんだんと郵便車の連結を好まなくなってきており、こういう事態に即応して、独自の逓送をしなければならぬと言う。たとえば航空便の採用というようなことも、速達ばかりでなく、一極、二種あたりはそういうふうにしなければならぬと言うが、時代に即応した業務内容の改善、こういったものが相当困難な事態に逢着していると考えるわけでありまして、これらの点に対しては、当初の考え方とは、その内容について変更を来たしてきている、こういうふうに認識をしてよろしいかどうか、お伺いしておきたい。
○小金国務大臣 従業員に対する処遇の問題は、ベース・アップ、それだけで済んだと私は思っておりません。いろいろ考えております。一般大衆へのサービス向上でありますが、私は、郵便事業というのは、こちらだけが幾ら力んでも完全なサービスができるものではないので、要はやはり受け取られる国民が協力をして下さることが非常に大切だと考えます。たとえば犬の放し飼いをしないとか、郵便を受け取りやすいところへ受箱をつけていただくとか、番地、姓名等をはっきり書いてもらうとか、そのほかやはり国民の御協力が得られなければ、これは幾ら力んでもだめなのでありますから、それとあわせて、私も社会的にもこの点は大いに力説して参りたいと思っています。 そこで、国民へのサービスの内容でありますが、特定局をふやすとか、あるいはまた郵便ポストをふやすとか、自動車、スクーター等をたくさんふやすとか、そのほか局舎の改善で利用者にも便益をはかるようにするとか、また非常に郵便物の多い地区に対しては、もう一ぺんぐらい配達をするとか、大体その計画は、今考えておるところのものは実現できると思っております。ただ、今、田邊さんが御指摘になりました飛行機で運ぶということでありますが、これは実は東京−大阪等、飛行機のしばしば出るところはけっこうでありますが、こうしますと、非常な密集地帯だけへの特別のサービスになりまして、できればこれは相当大幅に、北海道、九州ばかりでなく、飛行機の通うところへは、普通の郵便物も搭載できるような仕組みが必要だと私は思います。とりあえず大事なところ、忙しいところをやるというのはけっこうでありますが、これが実現できなかったことは、私も少し残念だと思っておりますけれども、そのほかの計画は、まずやっていけるのじゃないか、こういうふうに考えております。
○田邊(誠)委員 それでは、今までの大臣の御答弁によりまして、仲裁裁定の実施を含めて、いろいろな問題が包在をしておっても、今回の料金改定によって、三年ないし五年くらいその経営をまかなっていくことができるであろうから、今回の七月一日から実施することを予定いたしておるこの改正案は、その内容を変更する必要はない。従って、三十六年度は六十七億くらいの増収でもって、それぞれ給与改善あるいは業務内容の向上、こういったものがやりおおせるものだ、こういうふうに判断をしてよろしゅうございますね。
○小金国務大臣 大体そうお考えいただいて御協力をお願いしたいと申し上げますけれども、実は先ほど田邊さんが御指摘になって、私も大へん恐縮したのですが、池田内閣が公共料金について値上げをどんどんやるというようなことをおっしゃいましたけれども、これも実は国鉄と同じように、四月の年度がわりからやりたいと思っておりました。ところが諸般の事情と、第五種の利用者は、これは大体大口だけでございますが、小包とかあるいはまた大きさや重さ等の変更がありますので、周知期間を置いた方がいいだろうというようなことと、当局としての準備がありますので、その準備期間なども勘定に入れた方がいいだろうということで、一ぺんにこれが七月一日になってしまいました。私は周知期間と、私の方の準備さえできれば、なるべく早く実施していただいた方が、正直に申し上げますと、その点はありがたいことだと考えております。内容自体は、これでぜひお認めを願いたいと、私はお願いを申し上げる次第であります。
○田邊(誠)委員 お伺いしておりますと、何か内容についてはそのままでいいけれども、実施は七月一日からと作成しているが、なるべく早い方が好ましいのだ、こういうお話がありました。これはどうも、政府の法律案を出され、一つの見通しと計画の上に立って事を運ばれる責任者の立場にある大臣のお言葉としては、大へん重大な内容を含んでおると考えるのです。先ほど来私が指摘をして参りましたように、この料金改定によって、私は、原価主義をとる建前からいっても、必ずしも長期安定のものでないと同時に、これと相反して、国民経済に与える影響からいいましても、郵政事業の持つ性格、郵便事業の持っている使命から見ましても、国民のすべての階層に、すべての地域に、普遍的に利用されるという立場から、この料金改定については、実は大へん重大な問題を含まれていることから、その内容についても、その実施にあたっても、慎重な考慮が払われ、十分な配慮がなければならないと考えて、いろいろと質問をして参りましたけれども、今のお話を聞きますと、もちろん料金改定というのは、その実施の時期と、その内容と、両方その要素として含まれていることは当然でありまして、何かしら大臣のお話は、内容はいずれにしてもこれでよろしいが、実施についてはなるべく早めてもらいたい、こういうことでありますけれども、これは当然両方が含まれて、確固たる信念と見通しの上に立ってこの提案をされてきたという政府の立場からいいまするならば、今のお答えは大へん無責任な、そしてまた非常に不明朗なお考え方であると私は考えるわけであります。従って、私どもの今申し上げたような点から見まして、いろいろな面で疑問が起こっておりますが、なおかつこれを遂行しようという大臣と当局の立場からいいまするならば、政治上の責任から見ましてもこの実施の内容と時期について明確な見通しをお持ちで今回の提案がされた、こういうことを、一面において私どもの考え方は別といたしましても、大臣の言葉として私は信用したいと考えておったのですけれども、今のお言葉を聞きまして実はこの自信が非常にぐらついておるし、政治的な責任の面からいっても大へんいただけない言葉を聞きまして、まことに困った話だというふうに考えるわけであります。この点は最初からあなたは私の質問に対しても十分自己の意思を押し通そうという、しかも郵政審議会の答申はけ飛ばしても自分の考え方がちゃんと正しいものだ、こういう御認識でやって参った郵政大臣としては私は大へんいただけない言葉でありまするから、この点は一つ明確に当初のお考え方を貫き通すというふうに御答弁をいただきたいと考えるわけでありまして、当然そういうふうになるべきだと思うのであります。そういうふうに認識をしていいかどうか、もう一度お伺いしておきたいと思います。
○小金国務大臣 私は金がほしいから早く施行してくれということじゃない、これにはいろいろな国民の御協力も得なければならぬということを規定しておる法律案でございますから、私の意図としてはできれば早くこの法律改正案を施行していただきたい、こういう考えを持っておったということとその経過だけを申し上げただけで、これを早く施行してくれということは私がお願いをする筋ではございません。
○田邊(誠)委員 それでは、先ほど来私がいろいろ質問をし、また私の指摘いたしました点に対して明確な御答弁がない点もありますが、しかしなおかつ仲裁裁定の実施によってへどもどすることはないという言葉があったかと思えば、実は予想しておったよりもかなりの上回った仲裁裁定だからこれによっていろいろな影響がある、こういうお言葉もあって、その間の御答弁のどちらをとっていいか大へん迷う点がありまするけれども、しかし最終的なお考え方としては、大臣は事務当局のいろいろな考え方を参酌しながらも、今回の料金改定というのは今出されておる内容によって七月一日から実施をすることが最も適切である、こういうふうな御認識であるというふうに受け取っていいかどうか、その点一つイエスならイエスというふうに言っていただけばけっこうですが、そういうふうにお願いしたいと思います。
○小金国務大臣 私は国会の審議の過程においてこれはいい、これで通していただきたいというつもりで出しましたが、委員会の修正等を受けている例もございますから、委員会の御意思に従う所存でございます。
○田邊(誠)委員 それは大臣の言われる言葉ではないのでありまして、大臣はやはり一つの見通しと計画をお持ちで、しかも先ほど来私がるる指摘してもなおかついろいろ答弁をされておるのですから、一番最初にあなたが言われたように、つまり、郵政審議会の答申でなければ企業的に見た場合には成り立っていかぬじゃないか、五年間ぐらい、こういうように私が言いましたら、いや、それはそうではない、審議会の答申は尊重するけれども、私は一つの政治的な信念によって私の責任においてやったという。事務当局を押えてそういう答弁をされたんですから、そういう点からいいましても、今修正をされるような例があったから委員会でどういう修正をされてもそれに従う、それはいろいろ修正したり否決をされたりした場合には従わざるを得ないのが大臣の立場でありましょうけれども、大臣のお言葉としては私が申し上げた通り、当初の考え方通りが最も適正な内容と実施時期である、こういうふうにお考えであるというように受け取ってよろしゅうございますね。
○小金国務大臣 その点は御推察におまかせいたします。委員会の修正御意見が出ましてもなかなか承諾できない場合があります。政府としては非常に苦しむ場合もございますが、私としてはこれを一応整った案として提出いたしましたから御了承を願います。
○田邊(誠)委員 いろいろとお聞きをしまして、先ほど実は御答弁がない点もありますが、時間の関係もあって、私たちの同僚の委員もあとで質問をする予定ですから、その際にあわせて質問をしていただき、足らなければその際に私もさらに質問をいたしますので、さっそく資料を出していただくようにお願いをしたいと思います。そういうことでいろいろと質問をいたして参りましたけれども、なおかつ私は今回の料金改定に対する郵政当局の考え方の統一性、一貫性という面からいってもいろいろ疑問がありますし、またこれの与える経済と国民生活に対する影響、郵便事業の持つ本来の使命からいいまして、私はこの料金改定に対してはやはり反対をしなければならぬ立場である。そういった点でいろいろとお聞きをし、さらにお伺いをしたい点がございまするけれども、一応私は以上申し上げまして、さらに郵政当局がこれらの問題に対する積極的にして明確な見通しの上に立って事を運ばれるように強くお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
○山手委員長 この際午後一時五十分まで暫時休憩いたします。 午後零時四十八分休憩 ————◇————— 午後二時二分開議
○山手委員長 これより再開いたします。 休憩前に引き続き、郵便法の一部を改正する法律案を議題として、質問を続行いたします。受田新吉君。
○受田委員 郵政大臣にまずお伺いしたいことは、先ほど田邊君の質疑に対しての御答弁の中に、政府としての提案の信念と自信というものに多少ぐらついた点がうかがわれたのです。それはこのたびの法改正の趣旨、目的、内容、こういうものについて国会が修正を加える場合にはそれに従うという御答弁があったのでございますが、私は政府としてはこの法案に一つの自信を持ってお出しになった、その自信が国会でぐらつくべき筋のものではなくして、この法案がすなおに通るということに自信と勇気を持っている、そういう立場でこの法案を審査させていただいたのでありますが、この法案に対する自信と勇気というものにいささか欠ける向きがあるやにほの伺ったのでありますが、いかがでございますか。
○小金国務大臣 この法案は自信と確信を持って提出いたしましたので、その点は疑っておりません。ただ私がこのたび提案いたしました三公社の公共企業体職員等共済組合法案につきましてやはりその気持を持って出しましたが、参議院におきまして修正を受けました。その修正もごもっともと認めて、私はこれに従う意思を表明いたしまして、修正案通り法律として成立いたしたのであります。御修正をいただく場合におきましても事と次第、内容でございまして、そのいかんによりましては私は従えない場合もありますし、また従ってよろしい、差しつかえないと認定する場合もございますが、この案については私は自信を持って出したのであります。
○受田委員 この修正が実施期を繰り上げる場合と繰り下げる場合がある。おおむね政府原案よりも緩和された措置がとられるのが通例で、実施期などについては繰り下げられるのが修正の常識です。これを繰り上げるというようなことは、普通変則的なものなんです。そういうつまり国民の負担を高めるという意味から、通常実施期について修正を加えるとするならば、繰り下げの方になる。繰り下げの場合と繰り上げの場合もあるわけです。大臣はこれが繰り下げられれば承知できないというのか、繰り下げられても応ずることができるというのか、この点御答弁をいただきます。
○小金国務大臣 法律の施行期日に関する問題は、重要と申せば重要でありますが、内容とはまたおのずから別であります。繰り下げの場合、繰り上げの場合のどちらでも応ずるかというような御質問でありますが、これは繰り下げられる、すなわち七月一日以降にされるということについては、予算等の関係もありまして、歳入歳出の面に影響がありますから、これは非常な困ることになると思います。しかし繰り上げの場合は単にその施行期日が早くなって、収入の点がふえるというだけでありますから、その点は事業運営上差しつかえなく、かえってサービスの改善を多分に含んでおりますし、そういう関係でその方ならばいいだろうと今私は考えておりますが、確言は差し控えさせていただきます。
○受田委員 繰り下げの場合、実施期を一カ月でも二カ月でも繰り下げる、あるいは来年四月一日から実施する、こういう場合は郵政当局としては応ずることができないということになるのか。国会の修正がそういう方向に持っていかれた場合には、またそれに対応する策を講ずることができるものかどうか、これも一つ御答弁願います。
○小金国務大臣 この法律案の施行期日が、今予定されておるよりも著しくおくれるような場合には、これは非常に困る問題で、私はそういう予想をいたしておりません。
○受田委員 繰り上げられる方は予想しておる、繰り下げられる方は予想していないということは、何らかもうすでに暗黙のうちに実施期について了解がされておるような印象を与えるわけです。予想してないとかいるとかいう問題ではない。国会の修正というものがどういうふうになるかということは、政府当局としてはそういう取引の前提のもとに考えらるべきものではなくて、どのような立場に立っても対処するという用意がなければならないと私は思うのです。繰り下げられる場合は全然前提にしていない、こういう強い自信を今お示しになったのでありますが、政府としてはどういう立場に立っても、その実施期をもとにしてこれに対処する用意をしなければならないと私は思うのです。そういう事態を予想しないという前提で、国会の修正は繰り上げの場合だけだというような考え方で、法案の通過を御期待になるということは、原則的に見て大臣適当と思いますか、いかがですか。
○小金国務大臣 去る四月上旬に実現いたしました国有鉄道の運賃の法案は、繰り下げられては困るというような話もございましたが、現実に六日ほど繰り下がったように私は承知いたしております。この私どもが提案いたしております郵便法の一部を改正する法律案が、繰り上げて施行されるという予想のもとに私は今行動はいたしておりませんが、先般来質問に対して二回ほど、この法案を提出するに至りました経過として、四月に施行いたしたいという気持で用意をいたしましたが、諸般の事情で七月一日という表現になっております、そのことを申し上げたのでありまして、私は特にいろいろなことを注文申し上げたりまた予想いたして今議論はいたさないつもりでございます。
○受田委員 私は次に予算措置についてお伺いしたいのでございますが、先回の委員会でもはっきりお尋ねをいたしておきましたけれども、それは独立採算制を事業の形態から当然とらなければならないという御趣旨から、他の会計からの繰り入れというものについては非常に手きびしい考え方をしておられるようです。それで設備負担金などとして、これは郵政全体の問題にも関連するのでございますが、郵貯、簡保会計からの繰り入れを一部実際やっておられるわけです。こういう郵貯会計、簡保会計とかいう、同じ郵政省の企業の中で相互に助け合っていくという考え方というものは、原則論からいって適当であるかどうか、どうお思いになるのか、これをお答え願いたいと思います。
○佐方政府委員 予算を作りますときには、郵便、貯金、保険、それから電信電話事業、それぞれ必要な経費はおのおのの会計で持つという建前になっておりまして、最初から助け合うという形ではなくて、当然出すべきものを出してもらうという建前で作っております。そこで今お話のございました建設勘定設備負担金でございますが、これは郵便局あるいは地方貯金局あるいは地方保険局のように、貯金に直接使う部屋、保険に直接使う部屋の代金を設備負担金としてもらっているのでございまして、たとえば郵便のための経費につきましては別途借入金をするとか、益金がありますときはその郵便の益金で立てていくというような建前をとっておりまして、予算的にはおのおの必要経費を必要な事業で持ってもらうという建前をとっておるわけでございます。
○受田委員 今の郵便業務というものは、郵政事業全体から見て一つの柱の事業だと思います。その郵便業務で収支が相償わないという場合に、これを補う方法としてはいろいろな立場があろうと思うのです。今政府がおとりになっておられる、今あなたが御説明されたような方針で、他の会計は他の会計なりにそれに関係するように持っていくということになると、その赤字を補てんする方途は非常に限定されてくると思う。その限定されたことによってその郵便業務が維持発展させられればいいけれども、他の特別会計と有無相通ずることによってそれが大いに発展されるということになるならば、今の手きびしい考え方から一歩前進して、そうしたものの流用を考えるということが郵政業務全般の発展のためには適切ではないでしょうか。
○佐方政府委員 貯金にいたしましても、保険にいたしましても、それぞれ特別会計でございますので、やはり正当な経費でありませんと予算を組みますときになかなかその金が入ってこないという実情でございますので、建前としては一応各事業とも独立経費でいく。そしてたまたま郵便が非常に苦況に陥りましたときには、たとえば二十四年から二十六年ごろには一般会計の補給金をもらって郵便の分を応援してもらったことはございます。
○受田委員 今具体的な例を申し上げますと、五十人以上の職員のおる郵便局では雑務を担当し、あるいは管理、監視をするとか、そういう立場の職員を置くことになっているという原則があると思いますが、事実それが置かれてないところがたくさんあるわけです。これはどういうわけでそれが置かれていないのか。今も申し上げたような、それぞれのセクト的な立場からの制約を受けるから置かれないのかどうか、お答え願いたい。
○佐方政府委員 事業別セクトの関係ではございません。たとえば小使等雑務職につきましては、これは共通事業の人間でございますので、各事業でそれを分担する。郵便貯金、保険、電信電話の各事業でそういう共通の人、たとえば特定局長から庶務、会計の人あるいはまた雑務関係の人も分担するという建前になっておるわけでございます。
○受田委員 そうすると五十人以上の職員がおるところで置いてないところはないのですか。
○佐方政府委員 ちょっとその辺のことを今つまびらかにいたしませんので、調べさせていただきたいと思います。
○受田委員 どなたでもいいです。事実置いていないところが非常に多いということを私は伺っておるのです。
○佐方政府委員 ちょっとここではっきりいたしませんので、調べさせていただきたいと思います。
○受田委員 これは局長さんどなたでもけっこうですが、現実の問題として雑務に服し監視の任に当たる、これは先ほど大臣も言われた通り、サービスを徹底させるのだという趣旨からいっても、郵便局を訪れる人がどの窓口に行けばいいかという場合に、五十人も職員がおるようなところでは、それぞれ分担がきまっておるのでございますから、御苦労さんでしたといってそこへ連れていけばいいのですし、いろいろわからぬことを教えてやる監視、雑務とか、こういう任務に服する職員が当然置かれていなければならない。現実にこれが置かれていないところがすこぶる多いという実情を私は聞いているのです。これは間違いかどうか。これは定員の問題にも関係するし、郵政業務全体の問題にも関係しますので、そのことを、どの局長に御答弁いただいてもけっこうですから。
○板野政府委員 これは定員の関係でございますし、かつ共通の定員に属する面でございますので、人事部の所管になっておると思います。私、まことに申しわけありませんが、ここに資料がございませんので、後ほどまた聞きまして御答弁をいたしたいと思います。
○受田委員 これは予算の問題に関係することであります。いろいろなところから金を出し合ってそういう人を置くのだという経理局長の御答弁であったのですが、いろいろなところから出し合って置くならそれは置いていなければならぬ。現実に五十人の職員のおるところで、そういう重要な地位にある職員が置いてない。これは職場の諸君の共通の悩みである、こういうことを私は承知しておるのでございますが、それに答弁する人がおらぬということでございますので、大へん残念なことです。 もう一つ、それに関係することですが、人事部長に一つ御足労願うようにすぐ手配をして下さい。勤務時間に関係をすることでちょっと質問させていただきます。大体郵政省の公の達しによると、勤務時間の規定がちゃんと書いてある。一週四十四時間と書いてある。一週四十四時間と書いてあるけれども、実際は一週四十八時間以上働いているのが現実ではないか。そして特定の局で六十時間までを認めることができるという規定もあるようでございますが、一日四時間超過勤務という計算でいくと、一週大体二十時間以上の超過勤務をすることになってくると思うのです。そうすると合計して六十時間をこえるような働きをする人もたくさんできるので、これは公達の違反にもなるのじゃないか。勤務時間の厳守ということははっきりと、これは特に現場でございますので、時間がきたらちゃんと勤務に当たっていなければならない事情もあると思うのでございますが、一週四十四時間というきちっとした時間を守ることができない事情というのはどこにひそんでおるのでございましょうか。
○板野政府委員 これは就業規則とかそういう方面に関連することでございますが、ただいま御質問がございましたけれども、六十時間以上いわゆる就業規則その他の規定以上の勤務をしておるという事実は、私はないと思います。
○受田委員 特殊の勤務について六十時間までは勤務していい規定があるわけです。それは御存じですね。
○板野政府委員 知っております。
○受田委員 それはないと今おっしゃっておるが、今の、一日に四時間以上も超過勤務をさしておるところがたくさんあるわけなんですが、これは勤務時間という点で非常に不安がある。先般も内閣委員会で公務員の勤務時間について問いただしたのでありまして、午前八時半に出勤して午後五時に退庁するというはっきりした規則ができておるのに、八時半に役所に行ってみればほとんどの者はおらない。九時から九時半、十時ごろ行っても局長や課長は出てきていません。しかし郵政省の職員のように、現場を担当している職員には非常に手きびしい勤務時間が厳守されている。終わって後にさらにある時間を居残って勤務させられるという事情が、そこに他のずるい役所と違った——ずるいというのはちょっと語弊があるかもしれませんが、そういう時間的にルーズになりがちな役所と違った特殊な現場では、超過勤務をする立場の人がたくさん出てくると思うのです。これは局長さん、その勤務時間が長引くという事情は他の一般の役所と違った特殊事情がひそんでおるがゆえに当然だというお考えをおもちですか。
○板野政府委員 大体官庁執務時間という場合におきましては、ただいま先生のおっしゃった通りでございますけれども、郵便事業におきましては、いろいろ夜間勤務その他の特殊の状態の勤務もございますので、朝一齊に八時なら八時、八時半なら八時半ということでなしに、その勤務の状況に応じていろいろな勤務形態がとられているということでございます。
○受田委員 今の超過勤務という場合が現実の問題として郵政省の職員では特に多く出てきておるわけです。六十時間まで勤務しても差しつかえないような規定さえも一部にあるわけです。そういう一週四十四時間という原則がこわされてきておるということは、現場で勤務する職員にとっては大へん不都合なことだと思うのです。勤務時間を厳正に守るという立場、そうして勤務の時間が超過した場合におけるはっきりした手当の支給、こういう規則的な御答弁をお願いを申し上げておきたいのです。
○板野政府委員 郵便事業におきましては、御承知のように一日の郵便物数が相当増減がございまして、物の多い場合は、あるいは超過勤務を用いて物をさばくということが現在のところ建前になっておる次第でございまして、そういう場合におきましては、就業規則等の範囲内において超過勤務をしていただくということになっておるわけでございます。
○森本委員 関連して。今の受田委員の言われておる六十時間というのは、超過勤務に——われわれとしては反対だけれども、郵政省としてはそれを超過勤務というふうに見てないでしょう。六十時間というものを四十八時間に換算をした形になっておるわけだ。だから日勤、泊り、あけという形になって、拘束時間は六十時間だけれども、実際の実働時間というものは四十八時間ないし四十四時間というふうに換算をしておるはずです。これは郵務局の服務課の所管事項です。だからそういうものは親切に説明しないと、ずるずると上っつらだけ答弁をして先に延ばそうというようなことでは明確にならぬですよ。受田さんが言われておるのは、四十四時間という勤務の原則になっておるにもかかわらず六十時間という勤務があるじゃないか、それは超過勤務じゃないか、こう言っているわけだ。郵政省の方はそれに対して、われわれは反対だけれども、それを四十四時間ないし四十八時間に換算をする方法を就業規則においてとっておるはずだ。だからそのことを明確に説明しないとちっともわからぬですよ。
○板野政府委員 どうも御質問の趣旨が私にはよくわからぬのですが、就業規則によりまして大体四十四時間ないし四十八時間というのが一応きめられておりますけれども、その超過勤務につきましては、ただいまの一週間六十時間の範囲内において、一日の超過の時間四時間なら四時間、その範囲内において超過勤務をさすことができるということになっておるわけでございまして、これは平均でございますので、ある日には一時間という日もありましょうし、ある日にはそれを超過するということもあると思います。それはその日の仕事の量によってきまるわけでありまして、平均してそれをこえない限度内においてやっているというのが実情であります。
○受田委員 拘束時間と実働時間との関係はどうなりますか。
○板野政府委員 拘束時間といたしましては、大体一日八時間ということになっておりますが、実働時間は七時間三十分くらいだと記憶しております。
○受田委員 七時間半ですね。もう一ぺん。
○板野政府委員 七時間二十分ですか……。
○受田委員 どっちですか。
○板野政府委員 七時間二十分だと思います。
○受田委員 そして実働時間、拘束時間に対する給与の支払い、勤務手当の支払いはどういう形になりますか。
○板野政府委員 これは拘束時間において支払うということになっております。
○受田委員 たくさん質問することがありますから、一応今の勤務時間の問題を終わらしていただきたいと思いますが、ただここで一つ、郵政省の管理職にある方々は、勤務時間は厳重に守られておりますか。午前八時半に出勤をされておるかどうか。大臣、部下の局長さんたちの勤務時間がどうなっているか、十分監督されておられると思いますが、八時半に役所に行っておられるかどうか。
○荒巻政府委員 局長、課長の本省におきましての勤務は、九時前後に大体集まっております。
○受田委員 八時半の出勤の規則はどういうふうにお考えでしょうか。
○荒巻政府委員 本省の場合におきましては、官庁一般執務時間といたしまして、所定の時間は八時半から五時十五分までということになっておりますけれども、本省の仕事そのほか官庁の仕事といたしまして、帰る時間につきましては、比較的その日の業務に追われておりまして、時間というものを一般的に考えずに居残り勤務等いたしておりますし、その間の事務の実態に応じまして服務をいたしておるわけでありまして、仕事のある場合におきましては、午前八時半にも集まりましていろいろな会議をいたす例もございまするし、それ以前の時間におきましてもいろいろな打ち合わせをするということでございまして、もちろん原則として執務時間通りに行なうべきところでございますけれども、仕事の性質上必ずしも終業の方が勤務時間通りに行なわれておりません。むしろ実際の勤務時間は所定の勤務時間よりもはるかに長く服務しておるという実態になっておると思います。
○受田委員 官庁の勤務状況というものは、特に管理職の立場にある方々が率先して執務されることによって、その範によって職員が鞭撻鼓舞されるわけです。それで、出勤がおくれても居残りの方で時間がかかるので役所におる時間はかえって長いのだということは御説明にならないのですよ。やはりちゃんと規則に定められた登庁時刻八時半に局長さんも課長さんも御出勤になって——やむなく六時、七時までいるということであればそれは管理職手当があるのでございますから、サービスしなければならぬ。超過勤務手当に当たる管理職手当として、中央は二五%、乙が一八%、丙が一二%というお手当が出ているわけでございますから、この点は十分厳重な御勤務を願いたい。特に郵便局の人は、八時半くらいにはちゃんと出ておらないと郵便業務、貯金、簡保の取り扱いは全然できないわけでございますので、現場を預かっておられる郵政省の管理職の方々は、願わくば一つ時間厳守を厳正にやっていただくように希望を申し上げておきます。 もう一つ人事に関係したことでございますが、郵政省には臨時雇をお持ちであります。いわゆる非常勤の職員としてこれを採用しておられるのですが、今、非常勤の職員は臨時雇と本雇というような形態になっておると思うのでございますけれども、どれくらいおって、本雇がどのくらいおってどういう比率になっているか、数字で御答弁願いたいと思います。
○佐方政府委員 これも人事部長の所管でございますけれども、予算的な関係がございますので私から申し上げます。 郵政省といたしましては昨年のいわゆる年末首を除きました場合に約二万人の非常勤者を雇っておったわけでございます。その中でどういうときにおいても恒常的にある程度雇わなくちゃならぬ、いわゆる定数として考えておりますのが、約一万二千名あったわけでございます。その中で、本雇と臨時というお話がございましたが、実はそういう区別といいますか、定数的なものと定数的でないものというようなことによりまして、途中でまた組合とのいろいろな話し合いによりまして月給制をしくとかいろいろなことをやってきましたけれども、形としてはそういう数字にしております。ところが先般、三十六年の一月から三十五年度の定員法の施行によりまして、約四千五百名の人が定員となるということになりましたので、定数的な人としましては、必ずしもその点全部一致はいたしません。へんぴなところで、電信電話の拡張等で増員等がありましたけれども、大部分の人をその中から引いていきますと、残った人がいわゆる本務といいますか、定数的な人になるわけであります。それが今度の予算でまた九千人定員になって参りますので、数としましては大体そういう問題のところは片づいていくだろうと思いますが、御承知の通り本年度の定員法はまだ通過いたしておりませんので、そのままの形になっておる次第でございます。
○受田委員 定員法で公労法の対象になる人々を採用がえすることが規定されておるのですけれども、今おっしゃった数字で二万人全部は解決されませんね。これは定数としての採用者にはならない。その残余の人々はどういう扱いになるのでございましょうか。
○佐方政府委員 残余の人につきましては、当該局で欠員等ができますると、当然それは資格によりまして本務者に回っていきますが、大体は定数として認めていないのでございまして、非常に欠勤者がありますとか、いわゆる年休をとるときのあと補充でありますとか、短期の病気の人のあと補充でありますとかいうことで、制度としては短期で認めていくということでございますので、個人的にはそういう方々は、増員になりましたときには優先的に本務省になりますとか、欠員ができたときには本務者になっていくという形で、それは大きな仕事でございますので、ある程度臨時の方々には残っていただく、個々の人間はいろいろチャンスを見て本務者に上げるということでございます。
○受田委員 残余の本採用されない人々は、実際問題としてはいつまでも残ることになりますね。その人々の処遇はどうなるのですか。
○佐方政府委員 いつまでも本務者にならないかどうかということでございますが、実は約二万名近くの人の調査をいたしましたときにも、大半の人が一年以下の任期でございましたので、御承知の通り三十五年の定員法と三十六年の定員法との関係で大部分片づいて参りますと、そういつまでもそのまま置かれるということじゃなくて、逐次個人的には本務者になっていかれる、だろうと思います。
○受田委員 その残余の人々に対する処遇というものが、定数の中に入れられた人と差がないような措置を平素からとっておかれるならば、その定数の問題に関連せず、みんな満足して勤務に服することができると思う。非常に不安定な立場、給与の状況も別途収入のいろいろな諸手当もそこに差をつけられるというところに問題があると思う。そういう残された非常勤の形態を有する人々に対して、常勤定数内編入の職員と差のないような処置を平素からおとりになっておかれる必要はないかということです。
○佐方政府委員 先ほど申し上げましたように、本格的な救済としましては、当然その人たちが本務者になっていくということがございますが、事の性格上、局あるいはまた事業の幅によりましては定数としては認められない、全く臨時として雇わなくてはならぬという人でございますので、全部が全部定数と見るわけにはいかぬだろうということでございます。
○受田委員 私のお尋ねしておるのは、定数に入れられた職員と残された職員との間に、給与上の諸手当等の待遇があまり違いがないようにしておけば、定数に入ろうと入るまいと、平素から満足して働いてもらえると思うのです。それが今のように暫定的な措置で採用して、処遇の上においても差があるということになると、それは定数という問題に非常にこだわってくる危険もあるわけです。そういう点については定数に入れられるのが本則でありますけれども、それから漏れた人々にも、処遇上の均衡を保つようなお取り扱いをしておかれるならば、郵政省の職員が大体において満足した勤務ができると思う。定数に入られた常勤の職員と、残された職員との勤務上及び待遇上の差、こういうようなものに何か適切な措置をおとりになる御用意はないのですか。
○佐方政府委員 今度のいわゆる非常勤の定員化その他を機といたしまして、今まで定数として認められておった人は、原則としまして本務者に持っていこうということでございますので、今後は建前としましては、全部いわゆる定数的でなく、ほんとうの非常勤だけになりますので、今本務者と定数と臨時という形は大体解決するということで今度予算を組んでおりますから、御懸念の点はだいぶ解決すると思いますが、なお残った非常勤全体についてはいろいろな問題がありますので、長期の人についてはある程度組合との間の協約事項等もございましょうし、一般的に処遇をよく見るようにという話もございますので、今度定員法が通過いたしましたときに、非常勤問題を根本的に片づけていきたいというふうに考えておりますので、しばらく時をおかしいただきたいと思います。
○受田委員 当局の熱意のあるところを伺いましたので、根本的解決を御期待をしてこの問題を終わります。 もう一つ定数に関係した特定郵便局の主事制、これも一定の人員に対して定数の専任主事が置かれることになっておる。実際問題として専任主事を置いていないところがたくさんあるのではないかと思いますが、この問題はいかがでしょうか。
○板野政府委員 専任主事の定数につきましては、私ども一応業務の実態から算定はいたしておる次第でございますけれども、現在毎年相当のそういう職制の人もとれておりますので、今後は逐次これを専任の主事の方に持っていきたい。毎年相当数はやっておりますけれども、まだ兼任のいわゆる兼担の主事もおります。これは逐次毎年解決をしていきたいというふうに考えております。
○受田委員 定数の主事を置く規定に対して特定郵便局の場合において何人に一人実際に主事を置いておるかという問題を一つ御答弁願いたい。 〔森本委員「専任は何名以上か、兼務は何名か、それから置いておる局は何名以上か」と呼ぶ〕
○板野政府委員 ちょっとここへ数字を持ってきておりませんので、後ほど一つ……。
○受田委員 今からいろいろと実態をお伺い申し上げたいのですが、数字のないのがたくさん出るようでございます。今後十分御留意されて、どのような質問にも答弁できるような資料の御用意を願っておきたいと思います。(上林山委員「人事部長ぐらい来ておったらどうだね」と呼ぶ) 私は、次にこの法案に関係して幾つかの質問をしてみたいのです。まず提案趣旨説明の中におあげになっておられる今回の郵便料金の改正の必要性をお尋ねしたいのでございます。もちろん処理要員の大幅な増加とか、運送費の増加というようなことについては、質問も繰り返されておりまするので、やめますが、局舎施設の拡充等のためとある、この局舎施設は一体どういうふうに拡充しようとされておるのか、これの計画をお伺いしたいと思います。
○板野政府委員 局舎施設につきましては、従来八カ年計画をもちましてこれを実行して参った次第でございまするが、最近非常に郵便物数等の増加、特に三種以下の物数が増加いたしましたので、あらためて局舎の五カ年計画をもってこれに対処いたしたいというふうに考えておる次第でございます。そこでこの普通局につきましては、とりあえず小包及び三種以下の通常郵便物を処理する集中局を、東京都内におきましては四局、大都市及び周辺都市におきまする普通局の新設を八局考えております。また都市におきまする配達難救済のための配達分室の新設、あるいは郵便輸送の集約化に伴う集約局の増築を五十局、以上合わせまして六十二局考えておる次第でございます。並びに局内施設の機械化等を近く実施いたしまするものが八局、あるいは狭隘局舎の増築百四局を考えておりますし、また老朽局舎の改築につきましては百三十局ばかりを計画いたしております。それから特定局等につきましては、比較的規模の大きい集配局及び大都市中心部の無集配局を五百六十局新設する、これを五カ年の間に実行をいたしたいというふうに計画をいたしておる次第でございます。
○受田委員 年次計画を今伺ったのでございまするが、今御指摘になった最初の百三十局とおしまいの五百六十局、これはどちらも五カ年計画ですか。
○板野政府委員 その通りでございます。
○受田委員 この局舎施設の拡充——私、諸外国を旅をしてみまして、郵便局というものが非常にりっぱにできておって、そこの大衆へのサービスは、必要な場合には観光客なども郵便局に寄ると絵はがきまでも手に入って、そこからすぐ記念切手を張って出せるというようなサービスまでしているわけです。そうした近代的な設備、そういうものをあわせて御計画されておるのかどうか。世界各国の特に高い水準にある国のそうした郵便局の業務の近代化というようなものが考えられているのかどうか。今局内施設の拡充ということを指摘された局もありましたけれども、一体全体的にそういう郵便局の大衆サービス機関としての役割を果たすいろいろな施設というものをあわせて考えておるのかどうか、お答え願います。
○板野政府委員 局内施設の機械化につきましては、大体小包郵便物の区分機、通常郵便物の区分機、大物郵便物の区分機、あるいは分類、取りそろえ、押印機、こういう新しい機械、あるいは搬送設備というものも新しい局舎には施設すべく考えております。また窓口等につきましては、切手はがきの発売機はもちろん、郵便料金計器あるいは書留郵便物の自動引受機械というようなものを考慮いたしておりまして、いわゆる世界でいろいろ局内に新しい施設をしておりますけれども、そういうものも一通り今後五カ年間に特定の局には施設していきたいというふうに考えている次第であります。
○受田委員 たとえば郵便切手の自動販売機、こういうようなものを大きな局などに置くちょうど国鉄が短距離の切符の自動発売をしているような形のもの、そういうものをお考えになっていませんか。
○板野政府委員 切手、はがきの自動発売機につきましては、現在は五円の切手とかあるいは十円の切手とかあるいははがきの発売機というようなもの、いわゆる個々のそういう切手に対しまして一つ一つが出てくるというような機械でございますけれども、これらが一度に出てくるとか、あるいは郵便局舎の外からたとえば速達の切手も買い得るというような、総合的な便利な自動発売機をただいま計画中でございます。
○受田委員 その機械はいつごろできますか。今の計画中のものは。
○板野政府委員 大体今年度中にはできるというふうに考えております。
○受田委員 なかなか御計画が進んでいるようでございますから大いに期待をしておきたいのですが、これに関係する問題として、各国の郵便の配達をされる皆さんが非常に便利な、先ほど大臣が言われたような郵便受箱、それから外国でよくできているのは地番等の整理で、配達の迅速化、こういうのができている。幸い今度総理府設置法の中を改正されて、総理府の付属機関として地番等の整理ができる審議会が置かれることになって、これが法制化されている。こういうところと相待って、郵便業務を担当する人々が労力を節約して楽しく大衆にサービスができるように、しかも非常に早急にできるように御計画をお立てになる必要がある。こうした郵便配達上の便宜が配達する職員そのものにも直ちに及ぶような具体的な対策を、ただいま犬の問題も出ておったし、受箱も出ておったが、そのほかに何かお考えかどうか、御答弁を願います。
○板野政府委員 配達方面につきましては、特に最近高層アパート等がたくさんできまして配達上非常に困難がございますので、今度の法律改正の機会に三階建以上の建物につきましては、必ず受箱を一階に設置していただいて、そこに配達し得るような方途も考えております。それから特に外勤で困りますのは、先ほどお話のありましたような番地整理の問題でありますが、これも着々緒についておる次第でございます。また郵便物の受箱、つまり一般の受箱につきましても、極力これを勧奨いたしますと同時に、また道標とかあるいは名札の掲示とか、そういう面につきましても国民の一般の人々の協力を得るように、ただいまPRを盛んにやっておる次第でございます。また郵便物につきましても名あてを完全に記載をするとか、あるいは転送のないように名あてを書く、あるいは郵便物の大きさ等につきましても、一定の制限を加え、たとえばこのたびの法案にございますように、市内特別郵便には一定の大きさの制限を付するというような点もいろいろ考慮いたしておる次第でございます。
○受田委員 私はこの法案全体をながめまして、政令や省令に委任された事項がたくさん出ておるわけでございます。まず小包郵便物の料金について、特別の場合にこれを政令で定めようとされておる。こういうものは当然この法案の中へ、もう検討された結果、織り込むべきではないか。それから第三種郵便物の認可を省令に委任されておる。またおしまいの方では年賀はがきの差し出し期間を——十二月十五日から一月十日でしたか、この期間を今度は新たに省令で定めるような法律改正案を出しておられます。これは一体ちゃんとして法律で規定すべき事項じゃないでしょうか。政令に委任するという幅を持たせることによって、郵政省が国会の意思とはまた変わった料金をおきめになる、また年賀郵便の差し出し期間をおきめになる危険がありはしないか、省令、政令委任のこの規定についての御見解を御表明願いたいと思います。
○板野政府委員 御承知のように、小包郵便については、郵便事業の本来の仕事からいいますと、一種の付帯的業務でございますし、これを信書の送達という本来の業務を円滑にやって参りますためには、どうしてもやはり小包郵便の量の問題、どれだけの物数を適当に扱ったらいいかということも非常に問題になり得るわけでございます。それにいたしましても、この小包郵便の料金は、いわゆる他の料金と競合している料金でございまして、たとえば国鉄の手小荷物、あるいは一般の運送業務とも関連をして決定すべきものであるというふうに考えておる次第でございまして、そういう意味合いにおきましてこれを法律に規定しておきますと、そのときどきのいろいろな他の競争企業とのかね合いにおきまして、この事業運営上不都合も生ずるおそれがございますので、この機会におきまして戦前と同じように——戦前はこれは省令に委任されておりましたけれども、これを政令に委任をしていただきたいというふうに考えておる次第でございます。また他の第三種郵便物の認可料とかあて名変更、取り戻し料というようなものは一種の手数料でございまして、これらも、またそのときどきの情勢に応じてこの認可料を変えていくとかいうことの必要を生じてくる次第でございますし、またこれらの料金は、全体の額からいたしますときわめて料金も低い次第でございますので、これらは戦前と同様に省令に委任さしていただきたいというふうに考えておる次第でございます。また年賀の取り扱い期間でございますが、これらも現在は法律できめられておりますけれども、いつから年賀郵便を扱うか——現在は十二月十五日からということになっておりますけれども、これもやはりそのときの年賀郵便のいろいろな物量その他の状況に応じまして、あるいは期間を早めるというような措置も必要となってくると考えますので、むしろそういう面からも申しますと、これも省令に委任さしていただく方が、いろいろな情勢に即応した適切なる施策がとり得るものというふうに考えまして、こういうように提案をいたした次第でございます。
○受田委員 私はその中で特に小包郵便料金のごときが、そのときどきの情勢によって変えられるということになると、ほかの郵便料金は固定しているにかかわらず、小包郵便料金の方は政令で適当に、来年やる、再来年やるというようなことも可能である。これだけが独走する危険もあると思う。ちゃんと、こうした郵便料金全般とのにらみ合いから——今、ほかの企業との関係、国鉄の料金などの関係ということも御指摘になりましたけれども、そういう際にはそういう際でまた法律を改正すればいいのであって、こうした基本的な郵便料金はちゃんと法律で規定すべきものじゃないかと思うのです。来年、再来年と、政令で自由に小包料金などを変えてもらったんでは、ほかの料金とのバランスの問題なども起こって、はなはだ遺憾な結果が起こる危険がある、郵政省の独断で省令がぽんぽん出される、政令がぽんぽん出されるという危険があると思うが、いかがでしょう。
○板野政府委員 この小包料金につきましては、ほかの郵便料金との関連というよりも、むしろ鉄道の小荷物運賃あるいは他の運送業というようなものと関連がございますし、むしろこれとの競争的な企業の立場にあるわけでございまして、御承知のように国鉄におきましても、こういうような料金は運輸大臣の認可をもってきめられておる。またこれと同様な性質の電信電話の料金につきましても、やはり認可によってきめられておるというような実情でございますので、私どもといたしましては、やはりそういう運送料金とのかね合いにおいて料金が決定される方が、事業上非常にやりやすいということで、かようにいたしておる次第でございます。
○受田委員 過去十年間同じ道を歩んだ規定の中に、独走するのもあれば、法律で固定されるものもあるというようなことになって、この問題は私は非常に大事な問題だと思う。特に今度の改正理由の中に、「小包郵便物の送達及び郵便事業の原価」ということがちゃんと第一順位に書いてあるのでございますので、国鉄小口扱いの貨物運賃というようなものが第二義的、第三義的になっているのと比べた場合に、これはやはり法律事項にして、必要があるならば改正すればいいのですから——法律は来年改正してもいいのです。世論というものもそのころになって、また別の角度から、新しい方向を示してくれると思うのですが、これは大臣、この政令とか省令とかいうものに委任することがあまり多くなることによって、国会の意思を無視したような方向で料金が独走する危険があるのですが、どういうお考えをお持ちでしょうか。
○小金国務大臣 そういう御懸念もごもっともだと思います。しかし実態は、法律をもって定めるものと政令または省令、または各省大臣の認可にかけたものといろいろございますが、特に政令をもって定めるようなものは、そう簡単に、一省の独断できめ得るものではございません。物価等とのにらみ合わせ、経済の成長率等の関係から、これは閣議できめなければきまらない問題でございます。従って、戦前省令にゆだねておったようなものでも、慎重を期する意味において政令で定めたのであります。国有鉄道の小包、手荷物料金等に比べれば、まだもっと慎重な方法を講じたつもりでありますが、これは政令以下にゆだねたから勝手にできるというものではなくて、やはり慎重な考慮を払って研究してきめることについては、法律で定める場合とほとんど変わらないと私は思っております。ただこの小包郵便というのが、本来の信書の伝達ということから見れば、やや付属的と見てよろしいものでありますから、相当慎重には扱いますけれども、本来の法律からはずして政令で慎重に定める、こういうことにいたしました。ただいま御注意の点につきましては十分気をつけますと同時に、こういう料金につきましては、やはり国会で御審議といいますか、御検討を願う筋であります。たとえばいろいろな他の電気料金等につきましても、これは担当大臣がきめ得るのでありますけれども、そう簡単にぽかぽかきめられるものではございませんし、国会の監督、というと語弊がありますが、国会のいろいろな御審議もいただけるわけなのでありますから、そういう意味で、私はそう慎重を欠いたものとは考えませんけれども、さらに一そう御注意の点を留意いたします。 なお省令にゆだねた分につきましては、これは何と申しますか、年賀はがきの取り扱い期日なんかは、あらかじめ天気予報等で非常な大雪が早く来そうだという場合には、早めてこれを取り扱うというような便利もございます。なお、手数料的なものについてもこれは他の振り合いでありまして、そうそう簡単に勝手にやれるものではない、またすべきものでもない、こういう考え方を持っております。ただ、今、受田さんのおっしゃったように戦後ともかくも約十年近く同一法律の中に定めたものを特に分離するのはおかしいじゃないかとおっしゃいますが、今いろいろ局長からも申し上げました理由等によりまして、政令にゆだねる。政令にゆだねたということは相当省令よりも慎重に取り扱うという意味でございますから、この点は御了承願います。
○受田委員 実際に取り扱いをされているのは郵政省でございますから、郵政省の感覚でやられたということについては私わかるのでございますが、今、大臣は小包郵便物というのは付属的なものだ、大した問題はないものだというような意味の御答弁があったが、私としてはやはりこの小包郵便というのは鉄道のないところ、こういうところは小包郵便を唯一のたよりにしているわけです。非常に貴重な、大事な人に大事な物を送るにはこの道しかないのですから、これは全く郵便と同じような性質を持っていると思う。付属的なものではないと私は思う。いかがでしょうか。
○小金国務大臣 これは決して付属的な事業ではございません。ただ発達の過程において付属的な道をとったというだけでありまして、御指摘のように利用される方々から見れば非常に大切なものでございますから、この問題は軽く取り扱ったという意味ではございませんので、料金の性質からいきまして、先ほど局長が列挙いたしました理由で政令にゆだねた。これは今小包郵便が軽い仕事であるということではございません。
○受田委員 私は今度さらにこの法案の内容の問題にこまかく突っ込んでいきますが、まず第三種郵便物の取り扱いでございます。このことでまずお聞きしておきたいのは、第三種郵便物の認可数はどのくらいになっておるのか、それから取り消すのがどのくらいになっているか。日刊、週刊、月刊別に一つ数字を示して、第三種郵便物の新しい動向を確認したいと思いますので、資料を御説明願います。
○板野政府委員 現在第三種郵便物の認可件数は一万一千百三十八件ございます。これは三十五年の三月でございます。そのうち毎年どのくらい認可の申請の件数があるかと申しますと、大体千五百件ばかりございまして、そのうち不認可になるものが三百件ございます。これが日刊その他にどういうくらいに分かれておるかということでございますが、今資料を調べて後ほどお答えいたしたいと思います。それから取り消しの件数も今調べます。
○受田委員 認可され、取り消しされる数の比率、これは大事なことなのです。軽率に認可されておるという傾向はないか。それで実際は簡単に取り消しされるような事態に追い込まれるような刊行物がどのくらいあるかということも、これは非常に参考にしなければならぬと思っておるのです。そういう数字がないということでありますから、後ほどお答え願いたい。 もう一つ、新聞、雑誌には付録がある。付録にばかでかいものが今ごろくっついているわけです。この付録は主たる刊行物に付属したものとしての性格がはっきりしておれば、ばかでかいものでも同じように第三種として取り扱っておるのかどうか。
○板野政府委員 主たる認可された雑誌その他と同じ題号あるいは発行人をもって発行されるものにつきましては、その重量が重くても同じものとして取り扱う次第であります。
○受田委員 この付録の内容の検討は常にされておるかどうか。これを取り扱う当事者にまかせきりにしておるのではないか。適宜その付録の内容が性格を異にするという場合にこれを摘発しているかどうか、お答えを願います。
○板野政府委員 郵政局におきましては、発行ごとに見本を二部提出さしておりまして、それにつきまして詳細検討をいたしておる次第でございます。
○受田委員 定期刊行物、第三種郵便物の対象になっている中に、単に広告を目的として宣伝だけの性質のものなどがたまたま漏れ入っているような傾向があるのではないかと思う。その認可の基準、その取り扱い、こういうものが厳正にされて、これが末端に流されたときに社会に大きな貢献ができるようなものを特別料金で第三種郵便物として認可しておるという、そういうはっきりしたものを郵政省でお持ちかどうか、やや懸念の点が存在しておると思う。
○板野政府委員 認可の基準につきましては、法律案にございますように、「政治、経済、文化その他公共的な事項を報道し、又は論議することを目的とし、」云々ということが認可事項の一部になっておるわけでございますが、郵政局におきましては、これがはたして広告であるかどうかということにつきましても、非常にこれはむずかしい問題でございますけれども、現在はそういう観点からいたしましてもいろいろ認可の条件といたしまして検討をしておるわけでございます。また広告の部分が全体の紙面の四割までということに一つの基準を置きまして現在では認定をいたしておる次第でございます。しかしながら、最近PRの技術が非常に発達いたしまして、はたしてこれが広告なのかあるいは政治、経済その他の文化報道に属するものなのかということ等につきまして、非常に認定の困難な部面もございますので、このような点につきましては私ども今後広告をどういうように判定をするかということにつきましてもさらに検討いたしまして、広告に類するものが三種の低料として扱われることのないように、今後十分気をつけていきたいと考えておる次第でございます。
○受田委員 さらに掘り下げて、速達料金が五円ほど値上げされているのです。他の郵便物に優先して送達する任務を持つ速達というものは、最近は航空機の発達がどんどん進んでおることだし、また高速バスというものもできているので、こういう速達は、最短距離を最高度に利用するという形でどのような努力をされているか、その状況を御報告願いたいのです。
○板野政府委員 速達につきましては、まず第一に運送方法でございます。運送方法につきましては現在航空機が飛んでおります線路につきましては、一、二種はもちろん、三種以下につきましても二百グラム以内のものはできるだけ飛行機に積んでいる次第でございます。またその他最も早い鉄道なり専用自動車等を活用している次第でございますが、今後特に国鉄の集約輸送に伴いまして相当遠距離のものにつきましてはあるいは少しおくれるというような事態も考えられますので、三十七年度以降につきましては、たとえば北海道、九州あるいは四国という地点につきましては、できるだけ航空便のあるところは一、二種につきましても航空便に積みたいということで、いろいろ検討もいたしておる次第でございますし、集約輸送に伴いましていろいろ国鉄の輸送も変わって参りますので、そういう面につきましても現在これを専用自動車にするとかあるいは速達の方法をいろいろ考えておるわけでございます。また、末端の局につきましての集配の度数でございますが、これも非常に速達の速度に関連をいたしますので、特に速達の多い地域につきましては現在六回ないし八回の集配をいたしておりますけれども、これを十回ぐらいの集配に改めたいというふうに考えておる次第でございます。
○受田委員 今、交通機関では最短距離を最短時間で運べるあらゆる努力をしてみたいということでございました。これは公の機関である国鉄あるいは日航、それに対して純粋な民間の輸送経路というようなものもいろいろ利用されておる。ところが二十五円という速達料が五円上がって三十円になったが、これはそういう航空便などを利用する場合に特別料金が要るとかいうことから五円という計算が出たのかどうか、五円という算定基礎を一つ御答弁願います。
○板野政府委員 現在、速達の面につきましては、普通速達は三十五年度の原価計算では黒が五円程度になっておるわけでございます。これはあとから資料が経理局から出ると思いますけれども、五円程度の黒というものはベース・アップ等によりましてあるいはとんとんぐらいになるのではないかというふうに考えられる次第でございますが、速達の面につきましては、現在でもそう多くの黒字を出しておらないわけでございます。しかも速達の取り扱いにつきましては相当手数もかかりまするし、将来、三十七年度からは、あるいは航空機の利用も相当増していかなければならぬ。また三種の郵便物を航空機に搭載するには、二百グラム以下というただいまの制限もございますけれども、二百グラム以上の重量のものにつきましても、必要によりまして飛行機に載せて速達をはかるということも考えておりますので、あれこれ勘案いたしまして今回五円の値上げにいたしたという次第でございます。
○受田委員 航空機を利用してまとめていく、航空機も最近回数がだんだんふえてきておることだし、それから速達の取り扱い件数が比較的私はふえておると思うのです。そういう取り扱い件数が大幅に増大するというような意味から、五円という特別な料金などをとらなくても、取り扱い方いかんによってはもう十分速達に関して採算が合うというような形になるのじゃないですか。この五円というのが私は非常にデリケートな問題だと思うんです。今ベース・アップの問題がちょっと出ましたが、そういうベース・アップとのかね合いで五円が上がるということは、私はこれは問題はちょっと違うと思うのです。二十五円の二割増しになったということは、どういうところで航空機の利用がどういうふうになり、バスの利用がどうなるということと、増加件数がどのくらいあるかということを十分検討された結果二割増しということになったのか。あるいは目分量で五円ぐらいならよかろうというふうにされたのか、そこを一つはっきりしていただきたいと思います。
○板野政府委員 従来の速達、書留等の特殊料金につきましては、大体通常郵便物のいわゆる基本料金が上がります際に、それに大体比例をし、過去の値上げ率等も考えまして、これを適当に調整するというのが例でございます。今回におきましても、必ずしも原価がこの通りに上がったからこうだということではございませんけれども、先ほど申し上げましたように、原価の点につきましても相当幅が縮まってきたという点が一つ。それから三種以下のいろいろな料金の調整によって、それに比例をして、やはりある程度値上げをすることが必要じゃないか。それからまた総合原価からいたしまして、こういうような個別原価につきましても総合原価の立場からある程度の調整が必要であるというふうに考えまして、このたび五円の値上げということにいたした次第でございます。
○受田委員 総合原価の立場ということはどういう基礎になるわけか、これをもう一ぺんお答え願いたい。
○板野政府委員 総収入によって総支出をまかなっていくというのが郵政事業の一応の建前でございまして、その総合的な支出をいわゆる個別的な収入に割り振っていくということが個別の料金体系ということになる次第でございます。その割り振り方につきましては、いろいろ考え方もございますけれども、今回におきましては、一、二種はまあ一応原価的にも償っておりますのでそのまま、三種以下につきましては、できるだけ直接原価をまかない得る程度ということで考えた次第でございますが、これも政策料金または従来の料金の面もございますので、いろいろ勘案した結果、三種につきましては一円を二円、あるいは四種郵便物の料金はそのままに据え置くというような方法をとったわけでございまして、特殊料金につきましては、ある程度この個別の原価を考えつつ、総体的ないわゆる支出をまかなっていく、こういう建前からこの程度に調整をいたしたわけでございます。
○受田委員 局長さんの御答弁で、総収入、総支出の関係からいろいろ割り出された料金体系であるという意味も一つあるということですが、今郵政省が出された資料を見ますと、昭和二十六年から三十四年の間に、普通速達は飛躍的に取り扱い件数がふえているわけです。二・三倍くらいふえている。今後も件数は大幅にふえると思うのです。そういう件数がふえることによって、速達取り扱いの総収入というものがふえて、総支出が減ってくる。そういうものを計算に入れられて、取り扱い件数が飛躍的にふえることを計算に入れられてから五円増しというのをきめられたのですか。やはり今のお説の総原価に関係して、総原価の中には件数の飛躍的な数字の増大というものが計算されているかどうか。
○板野政府委員 三十六年度以降につきましての原価というものは計算してございませんが、三十五年度までにつきましては、速達の増加というものも、もちろん郵便利用数が入りまして原価が大体きめられておるわけでございます。
○受田委員 この料金は今後四、五年間は据え置かれるであろうという御説明でございましたが、五年後における速達の料金は適正料金になるか、黒字になるか、または赤字になるか、その速達に関しての場合を一つ御答弁願います。
○板野政府委員 非常にむずかしい御質問でございまして、ここでにわかにお答えできないと思いますけれども、大体ただいまの五円の値上げをすることにいたしまして速達はまかなっていけるというふうに考えておる次第でございます。
○受田委員 私は急いでお尋ねしなければならぬのですが、もう一つ、記念郵便切手と、各郵便局の、赤インクをもって、消し印として使われる記念スタンプ、こういうものは今後だんだんと国民の愛好する方向にいくと思うのです。記念切手の発行というものは限度を持っているのか、無制限に発行していいのか。国際的にはこの記念切手はどういうふうな動きをしておるのか。今の消印に使われる記念スタンプというものは特定の郵便局に指定されておるのでございますが、こういうものは今後どういうふうに取り扱いされようというのか、お答え願います。
○板野政府委員 記念切手につきましては、わが国ではこの二、三年は大体一年に二十三ないし四種類出しておりますけれども、世界的な傾向といたしましては、わが国が大体その中くらいに属しておりまして、多い国では一年間に七、八十種類出すところもございます。また少ない国では十数種類ということになっておりますが、大体中間なんでございまして、私どもは大体妥当な発行度数ではないかというふうに考えておる次第でございます。それからなお、二十四、五種類でございますけれども、これは関係各省なりいろいろな方面からの資料の提出によりまして、記念切手となるべき適当な標準を私どもはきめておるわけでございますが、その標準に照らし合わせてこれが適当であるかどうかをきめておるわけでございます。また一方印刷技術の方面からいたしましても、大体二十四、五種類以上になりますと印刷技術的な方面からも相当制約がございますので、こういう点が大体いいところじゃないか。もうちょっと余裕はあると思いますけれども、今のところ大体この辺がいいというふうに考えておるわけでございます。 それから日付印でございますけれども、風景日付印は大体本省で個々の各郵便局等の申し出によりましてこれを作っておりますが、これらにつきましても、大体地方の記念すべきいろいろな行事とかいうような場合にこれを発行するということにいたしておる次第でございます。
○受田委員 記念の行事だけじゃないです。風景スタンプというのは特別の名勝地などにはずっと置いてあるので、記念行事のときだけに押すわけじゃない。そういう記念行事だけに押すのもありますが、記念行事じゃない日付印のものがある。局長さん御存じですか。
○板野政府委員 申し落としました。風景日付印は本省におきまして各郵便局からの申請に基づいてやっておりますし、また記念行事に伴います記念スタンプは各郵政局で調達いたしましていろいろ注文に応じている、こういうことでございます。
○受田委員 こうした記念風景印あるいは記念日付印、消印を赤で押すとかいうのは非常にみなに喜ばれる。旅をしてたよりを出すというようなときには喜ばれる制度です。こういう制度は一つ大いに生かしてだんだんと文化的に、また観光的に国民の気持がゆるやかになってくるに従ってこの仕事は喜ばれることなんです。こういうことは一つ特別の計画をお立てになって御検討願いたいと思います。 最後に、国際的な立場で万国郵便関係でちょっと質問を及ぼしていきたいと思います。万国郵便関係の規則ができておるのですけれども、私いつも思うのですが、日本から外国に出す料金はちゃんと規則に定められた料金になっている。外国からこちらへ送る場合はばらばらな料金になっている。非常に高い国と非常に安くやってくれる国がある。それからまた外国郵便の規則の中に、「外国来往復郵便葉書の返信部の航空料金」というのがあって、その返信部の料金は「本邦から当該国にあてる航空通常郵便葉書の料金の金額から同国にあてる航空扱としない通常郵便葉書の料金の金額を控除した額とする。」という規定がある。返ってくる方の料金は向こうに出す料金よりもさらに安い料金ということになる。こういうことを考えると外国へ往復して返ってくる料金は非常に安い。ところが向こうの国際料金で通信をしてもらう場合にはばかに高い郵便料金ということになる。そういう関係を一つあわせて御答弁願いたい。
○板野政府委員 外国郵便料金の構成でございますが、第一に船便による通常郵便物につきましては、万国郵便条約によりまして、一応均一の基本料金が定められておるわけでございます。それは金フランによって額が定められておる。その条約によりまして各国はその基本料金につきまして引き上げは六〇%まで、引き下げは二〇%までやり得る権能が与えられておる次第でございます。たとえて申しますると、二十グラムの書状について申しますると、日本は基本料金そのものを採用いたしておりまするので三十円、ところがフランスにつきましては基本料金から二三%引き上げまして五十サンチームということにきまっておりますので三十七円、このようなきめ方をいたしておるわけでございます。航空通常郵便物につきましては、この利用上の便宜のために地帯制を採用いたしておるわけでございまして、距離による差が非常に著しいということと、それから航空運送料が相当高額であるという点につきまして、こういう制度を採用いたしまして、各国が別々におのおのその状況に応じて利用の地帯を定めて、それから料金をきめておるというような状況でございます。日本について申し上げますと、琉球を大体特別地帯といたしまして、世界を他の三地帯に分けてきめておるというようなわけでございます。従いまして航空書状について見ますると、日本からフランスあてのものが十グラムにつきまして百十五円。ところが日本にあてまするのは、百七十サンチームで百二十六円というようなきめ方になっております。そういう状況でまちまちにやられておるということでございます。
○受田委員 今の最後のお尋ね、つまり返ってくる場合、往復の場合は料金が一律ですね。外国郵便規則の第二十一条、これは返ってくる場合は同じになっています。
○板野政府委員 この点につきましては、やはり取り扱い便宜上いわゆる一定の基本料金の上げ下げが自由にできるわけでございますので、それによりまして大体取り扱いの便宜上そうしておるわけでございます。
○受田委員 取り扱いの便宜上ですか。万国間に約束か何かあるのではないですか。そうでないと、向こうから送る場合にはばか高い料金で、今度向こうへ送る場合には日本の料金で、往復の返りの料金しか取らないということになっておるのですから、そこに申し合わせか何かしてないと、そういう例外規定を設けているのですから……。
○板野政府委員 簡易航空書簡がちょうどこれと同様に一定の料金をきめておりますけれども、ちょっと条文が見つかりませんので、後ほど申し上げますが、多分条約でそのようにきめられているのではないかと考えております。
○受田委員 なお郵便逓送に関して日本逓送株式会社との関係、その他の問題等いろいろ質疑が残っておりますが、また後日ゆっくりお尋ねすることにいたしまして、本日はこの程度で終わります。
○上林山委員 記念切手の質疑に関連して一言当局の意見を確かめておきたいのでございますが、世界各国に比べてちょうど中ごろの記念切手の発行であって、妥当な発行回数である、こういう御意見であります。印刷能力その他があればもう少しくらいは発行して親しまれる郵便事業といいましょうか、私は郵便事業は割合にそうしたような意味においてはいろいろ国民に親しまれていると思うのです。なかんずく記念切手の発行のごときは、これはもう消極的にならないで、事情の許す限りは思い切って発行した方がいいんじゃないか、こういうふうに考えます。これを前提としましてまず伺いたいことは、最近数年の間において一回の発行部数で、最高はどれくらい発行したか、これはそれぞれ発行の枚数には多いのと少ないのとあると思いますが、それは一体どれくらいであったのか。続いて時間の関係があるので申し上げますが、ことに今度は国際オリンピックを控えておるわけです。郵政当局もおそらくすでに準備をされておると思いますが、これは国際オリンピックの開催されるそのときに発行するのか、あるいはもっと早目からこれを発行するのか、また発行するとすれば、これは先ほど申し上げたように、国際オリンピックというのは日本でやるのはあと何年かというと、これはもう御承知の通り、ここ当分はとうていやれない、国際的に日本が親しまれなければならぬ大事な時期なんですね。だから、今どの程度くらいの発行枚数を予想されておるものか、私はこの点については郵政大臣もぽつぽつ準備をさせていただかなければならぬのじゃないかと考えます。その図案ももちろんりっぱなものでなければならぬが、国際的に日本が親しまれなければならぬ。だから、その発行枚数はどの程度考えておるか知らぬけれども、一つ思い切った大量のものをできるだけ発行する意思はないか。こういうわけで私はもうすでにぽつぽつそういうことを考えていいんじゃないかと思います。ことにこれは郵政事業とだけ関連して考えるのはどうかと思いますけれども、場合によれば政府機関でできるものは、たとえば専売公社あるいは郵政事業、その他政府事業で協力できるものは、オリンピックに対して経費の捻出——これはどの方法が妥当であるかは別として、やっぱり郵政事業ここにあるぞ、しかも国民に、あるいは国際的に親しまれる事業もやっておるのだ、こういう意味でこの点は一つ真剣に考えていただきたいと思いますので、関連して一言質問を申し上げます。
○小金国務大臣 記念切手は大体八百万枚くらいを単位として発行しておるようであります。最高は二千五百万枚出したそうであります。それで今お説の郵便切手というのは国際的に非常な親善の役割を果たすもので、なるべく日本的ないいものを出したい、図案、色彩等については最善を尽くすよう努力いたしております。 なおまた、今御指摘の三年先に迫りましたオリンピックに関連いたしましては、オリンピックを記念する郵政事業としての役割をどう果たすか、今具体的に事務当局に研究を命じておりますし、さらにオリンピック資金財団の方からも、何か資金的に郵便料金にプラスしたもので売り出してもらって資金を援助していただきたい、こういう申し出がありますので、今、総理府を中心に、私どもの方からも参加いたしましてせっかく研究中でございます。
○板野政府委員 昭和三十三年の趣味週間の切手を二千五百万枚発行しておるのが最高でございます。 それから、オリンピックの記念切手でございますが、お尋ねはおそらく寄付金つきの切手、もう一つはいわゆるオリンピックの記念切手として出す切手はどうかという、後者のお尋ねかと思います。後者のお尋ねにつきましては、いわゆるオリンピックの記念切手といたしましては、オリンピック開催の年に五種あるいは七種となりますか、適当な数を発行したいということで、次の日本におきますオリンピックにおきましては、世界で初めての切手のオリンピックを開催するということでございますので、現在私どもは着々その方の準備をいたしておる次第でございます。
○上林山委員 時間の関係で残念ながら詳しく聞けないのでありますが、私の要望は、オリンピックはもう日本では当分やれないという時期だから、思い切った数をあとう限り出していただきたい。これは強い要望で、われわれ逓信委員をしているということで各方面からいろいろ要望もあり、また聞かされてもおりますので、これを要望として、もう答弁は要りませんが、申し上げておきたいと思います。
○山手委員長 谷口善太郎君。
○谷口委員 今度の国会の逓信委員会は公共料金値上げの委員会で、幾つかの法案が出ましたが、ほとんどが公共料金の値上げをきめた法律でして、きょうの郵便法改正の問題もそれであります。ただ一つ値の下がったものがありまして、これは貯金の利子が下がった。そういう点で、最近の物価値上げというものに大きな影響力を与えておりますから、この委員会に対しましても国民は非常に関心が強く、注目しておると思うのです。そういう意味で十分に討議をさしていただきたいと思うのですが、実はその時間が本会議までにはたしてあるかどうか。そこで質問が残りましたら、一つあした続けさしてもらうことにしたいと思います。 最初に、簡単なことからお尋ねいたしますが、午前中の討議で質問されて御答弁なさった間に、今度の料金改正案が長期安定策になるかどうかという問題について、社会党の委員の方が質問されたときにはこれはどうもその点非常に不安があるのじゃないか、そんなに三年も五年も——五年ということを郵政大臣はおっしゃっていますが、その間料金をいじらなくてもいいような安定性を持っていないということについてずいぶん各面から御質疑をなさったのですけれども、それに対する大臣のお答えは、大体五年間ぐらいは確信を持って長期安定の見通しが立つのだというお答えなんです。しかし私もその点非常に疑問を持っておるので、もう一つそこらをお尋ねしたいと思うのです。これも午前中の討議の中でありましたように、今度の予算案をお出しになり、また今度の法改正案をお出しになったそのあとに仲裁裁定が行なわれたのでありますが、この仲裁裁定を実際に予算上処理するという場合に、それまでの政府の考え方では大体八%ということであったようであります。ところが仲裁裁定は一〇%をこえておるわけであります。特に年度末手当の問題を含めますと相当のものになるのでありますが、この一つをもって見ましてもこの改正案をお出しになったときの考え方と、その後わずかの期間に事態が発展して矛盾が出てきておることは事実でありまして、そういう点で安定した料金政策あるいは料金体系というには大へん困難があるのじゃないかというように私ども思うのです。まして今後のいろいろな経済的な変動その他労働運動の発展などを考えますと、やはり一番大きな問題となりますのは、この春闘で全逓が要求として掲げました大幅賃金の値上げという要求は決して今度の仲裁裁定で満たされておりませんので、引き続いて要求が出てくるだろう。これがいいか悪いかは別としまして、そういう見通しがないことはないのであります。こういうことを見ましても、この改正案で料金の改定がなされて若干の増収ができましても、五年間ここにうたわれておりますように郵便事業の面でサービスを改善し、いろいろと近代化その他もやっていくというような面での安定性を持っておると言われることについて、われわれは大へん不安を感ずるわけです。そこらをもう少し確信のいきまするように、この案ではそうじゃないのだ、長期安定性を持っているんだという点をお示しいただいたらけっこうだと思います。
○小金国務大臣 これは先ほど来申し上げました通りに、私どもはこれで長期安定とは申しませんが、中期安定ぐらいのところは確実に確保できるという考えであります。すなわち数字的にいろいろ御説明申し上げました通り、ベース・アップその他待遇の改善に要する経費、それからサービスの改善その他局舎の改善とか整備とか、いろいろだ点を考慮いたしましてこの程度の計数になる。ただ一つの不安を感ずると仰せられるのは、利用率の上昇と、それから今後起こるべき労働組合等の要求に対する裁定というようなものがどう出るかということでありまするが、私は過去の実態から申しましてそう飛び抜けたものが出るとは考えられません。ただ経済の成長率、生活の向上等から見まして利用率は相当予想を上回るようなことがあっても下回ることはない、こういうような見地から、大体五年ぐらいは安定しておる、五年目には多少の赤字が出るとしても吸収し得る程度のものであろう、こういう推算をいたしたのであります。 なおまた御要求がありますれば、数字的に局長から御説明をいたします。
○谷口委員 それでは非常にけっこうであります、安心しております、というふうにちょっと私どもには思えぬ。午前中の答弁の中で政府側からお示しになりました通りに、第一種からずっと特殊郵便物までの大体の原価とそれから料金との対比をおっしゃいました。その中で第一種は一応黒字であるし、それから五種も加えまして小包以下若干の黒字になっておるのでありますが、しかし第二種から第四種に至りましてそれぞれ赤字続きだという原価計算になっておるようであります。これはどの部分が大きくなってどの部分が少なくなるかにつきましては、今までの動向、実績から判断するより仕方がないのでありますが、すでにこういうふうに個別的に見ますと必ずしも安定あるものじゃないということが言えるのでありまして、今後の動向いかんにかかるとは思いますけれども、そう太鼓判を押したようなそういう安定性は考えられないのじゃないか、まして今の政府の政策から申しますといわゆる所得倍増か、経済拡大か、いずれにしましても物価の上昇は避けがたいし、そういう点から賃金問題はそう単純な停滞状態、横ばい状態ではあり得ないことが見通されます。そういう点から考えましても、諸物価の問題その他から考えましても、やはりこの計画の中にはかなり不安定性があるというふうに現象から見ましても言えるのじゃないかというふうに思うのです。そこらはどうですか。
○小金国務大臣 谷口さんの御指摘になりました点は大体第三種、四極がいずれも原価的に赤字を出すから全体として不安定ではないか、こういう御指摘でありまして、一応そういうふうにごらんになれると思いますが、しかし、郵便物の数から参りますと第一種、第二種が圧倒的に多く、また最近の傾向といたしましては、最近七、八年の間に第五種が三倍半くらいまでにふえております。そこで第一種、第二種、それから第五種、小包等の増加によりまして、すなわち原価を切らない黒字になるものの数の方がはるかにふえる。そうして第三種及び第四種はおのずから限度がございまして、これらにつきましては赤字がありましても、個別的に分類すると赤字になりますけれども、全体の総合的な収支から見ますとこれを吸収し得る第三種及び第四極のごときはもっぱらといっていいくらい社会政策的な意味を加味しておりますので、これが吸収し切れない場合には別でありますが、吸収し得ると仮定いたしますと、やはりこれはあまり上げないで、他の上がったものによってカバーしていくのが郵政事業の妥当な運営の方法だと私は考えておりまして、一々当たってみますと、なるほど、これではこういう赤字のものがうんとふえた場合には不健全になるという御指摘はごもっともでありますが、大体原価を切るというようなものはふえても、他のものによってカバーし得るという見解でこの原案を作ったわけであります。
○谷口委員 私は、皆さんの今度お出しになった改正案それ自体も非常に不安定なものが内包されておるのではないかという不安を、社会党の皆さんと同様に持つのであります。同時に、郵便事業の特別会計というものの性格そのものにも、そういう不安定性がつきまとうということは避けることはできない、そういう性格ではないかというふうに思うわけであります。(上林山委員「どうすればいいんだ」と呼ぶ)そのどうすればいいかが問題であります。独立採算制をとってやるという建前、特別会計法の第六条かに、大体正しい原価に沿うようにという意味のことが書いてあったように思うのです。にもかかわらずこの会計自体、この事業自体は郵便法の第一条に原則が書いてありまして、つまり公共の福祉を増進するという目的のために、なるべく安い料金であまねく国民に利用させるということであります。従って原価計算をやって、その上に立つというふうに言いましても、これはけさから大臣何回も言っていらっしゃる通り、社会政策的な意味で必ずしも原価には沿わないような料金体系を作らなければならぬ部門もできるわけです。これは法律の建前からいっても、郵便事業の性格からいってもそうあるべきだと思う。そこで経済の変動やいろいろな社会情勢の変化によりまして、必ずしも最初の見通し通りにはなかなかうまくいかないという状況が出てくるのじゃないか、もしこれをそういう危険性から避けるとすれば、私は方法が三つあると思う。一つは完全に個別原価主義といいましょうか、一つ一つの部門で原価を割らないという、そういう個別原価主義に基づく独立採算制と申しましょうか、そういう方法をとる、つまり事業会社のような方法をとるわけです。もう一つは国家財政の補てんということも考えまして、そうして社会政策的料金体系を維持する方法がある。社会政策的な料金体系を考えていく場合にいろいろな面で原価に合わない料金もできるわけですが、それを補てんするのは国家財政という建前をとるというやり方はあると思うのです。いい悪いは別です。これで賛成、反対を言っているのじゃない。それからもう一つは、郵便事業は独占企業でございますから、そういう点で他の類似の仕事を許さない、そういう本質を持っておりますから、従ってきのう参考人の細野先生がおっしゃっておりましたが、極端なという言葉はおかしいのですけれども、つまり差別価格、ある部門は安いが、他の部門はうんととるというようなそういう差別価格でもって、独占企業ですからそういうことをやる可能性があります。そういう方法をとって、社会政策的な料金体系というやつを完備するかという三つだと私は思うのです。ところが郵政省の考え方と今度の原案の中には、厳密に分析しますと、いずれもについてない、非常にあいまいな点があるということに、やはり今度の料金体系には不安定があるように思うのです。そういう点を少し突っ込んで、私、大臣の御見解を伺いたいと思います。つまり大臣がけさから何回も言っていらっしゃるように、ある部門は、たとえば目の悪い人には郵便をただにするというような部門も今度はできました。そういうふうな点だとか、あるいは第一種、第二種は非常に国民大衆、ほんとうの大衆の利用するところ、だから、上げたいけれども上げなかったというふうにおっしゃっているわけなんです。そういう態度をおとりになるとしますと、今の時点で今の原案を見ればつじつまが合うかもしれませんが、社会の発展やいろいろな経済情勢の変化の中では非常な危険をはらんでおるのであって、そういうときにはどうするかという点では、国家財政から補てんするか、あるいはそれができないならば、やはり個別的な原価主義をとって、はっきりした事業会社のようなやり方をやるかというそういう二つのことがあると思う。これはいずれかを考えないと、ほんとうに情勢の発展に即応して料金体系を合理的にきめていくことはできないと思うのですが、そこらについて、大臣のお考えをほんとうに聞いておきたいと思います。
○小金国務大臣 郵便事業は独立採算制の特別会計制度をとっておることは事実でございます。今、谷口さんがおっしゃいました安定させるといいますか、合理化させるという方法として三つおあげになりました。その一つは、厳格な完全個別主義による原価採算制、もう一つは、社会政策的の料金については国家財政でこれを補うか、さらにまたこれは格差別とか差別価格制とかおっしゃいましたが、これはおそらくデパートとか証券会社とかの出す郵便物とそうでないものとの差を設けるとか、すなわち差出人によるか、あるいは今われわれが区別をしておる五種のほかに、別に内容によって区別しろという御意味か、その点よくわかりませんが、そういうようなこと、どっちかに割り切って根本的なものを一つ設けないと一貫しないじゃないかというような仰せでありますが、割り切って、それじゃ完全個別原価主義をとりますと、今のような社会政策的な料金はきめ得ないのであります。 非常に酷な価格を負担させるということになります。これはとれないことはお認めだと思います。そうしますと、今大体三つおあげになりましたが、私も、大ざっぱに三つの方針があると仮定いたしますと、これらを合理的に一貫性を持たせるというよりも、ここで総合的に調整をはかる料金制度が、やはり一番妥当ではないかというような意味で、この法案を貫く精神は、合理的ということよりもむしろ総合的な妥当点を見出して、これを柱にしていくというような意味で、今御指摘になりましたような、いずれにも徹底してないじゃないか、原価主義をとるといいながら原価を割ったものもあるじゃないか、それからまた内容によってはもっと差別をしてもいいが、それを一つの種類に、三種とかあるいは五種とかで出しているじゃないかというような御指摘はありますけれども、私はそこに郵政事業全般としての融通性、総合性を柱にした妥当性を認めて、この原案のような——一面から、潔癖論からいわれますと、どうも煮え切らないというような御批判はあろうかと思いますけれども、こういうので大体今日まで参ったのでありまして、また今後もこういう方針でいった方がよろしいのではないか、国家財政から補うということになりますと非常にむずかしい。盲人用の点字がただになる、その分だけ国家が補償するか、あるいは一般会計、税金から繰り入れるということになりますと、それではけが人とか、あるいは生活保護を受けている人にもやったらいいじゃないかということになると、これは理論的ではあるかもしれませんが、その事務たるやきわめて繁雑で、またどこから線を引いていいかということが非常に困難でありまして、大へんな経費、また人手を要しますので、私は、御非難はありますけれども、こういうような総合的な妥当性を中心にした料金体制でいいじゃないか、こう考えておる次第であります。
○谷口委員 ちょっと私の言葉が足らなかったので、大臣誤解された点があるようですが、盲人用の郵便物をただにしたから国家財政で補てんしたらどうかということを私は言ったわけじゃないのでありまして、郵便事業の性格からいって、社会政策的な考慮から料金をきめる面もあるのでございますから、そういう点、全体に国家財政から若干補てんをするという方針をとることも一つの道ではないか、そういう点の方法をお聞きしたのですが、大臣はそういう御意見を持ってないのですか。
○小金国務大臣 持っておりません。
○谷口委員 大臣のおっしゃった総合的に考えるという問題ですね。今度の場合はそうだとおっしゃるのですが、もしそうだとすれば、今度の場合はもう少し総合的にやるということについての原則的なものがあると思う。そこらまで掘り下げていくべきじゃないかと思うのですが、総合的なとおっしゃるのはこういうことでしょう。社会政策的な意味で安いものもある、しかし高いものもあるんだ、黒字のところもあるし赤字のところもあるんだが、全体で考えていくべきだというお言葉だと私は思うのです。今の場合は一応そういうふうになっておるというようにおっしゃっておると思うのですけれども、そうしますと、今度の改正案には若干矛盾があると思います。これは、一番極端な対象になるのは第一種で、これは黒字なんです。これは大臣おっしゃっている通り非常に大衆的に利用されておる分野でありまして、だれもかれも、どんな人もこの信書を出す。第一種のところは利用しておる。そういう点で非常に大衆的な分野ですが、ここでは黒字です。その黒字がけさの御報告では相当率が多い。ところが第五種になりますと、黒字は黒字ですけれどもその率は低い。第五種の郵便物の性格と第一種の郵便物の性格とを比べてみた場合に、さっきおっしゃったように社会政策的な見地からいったら、そこに全く違ったものがある。そこらのところまで入り込みませんと、大臣のおっしゃった総合的な意味をもう少し合理的なものにすることにはならぬと思う。そこらについてはいかがですか。
○小金国務大臣 議論になりますから私は差し控えますけれども、第一種というのは手紙であります。封書であります。これはだれでも使います。けれども一番大衆的なのはむしろはがきじゃないかと思います。そこでこの手紙の利用者に対して、一律に、黒字があるからその黒字を少し削ったら、そこまでおっしゃったかおっしゃらないか別としまして、これは黒字が出ておるからあたかも不都合のごとくおっしゃいますけれども、これはすでに今日まで長い間その料金でやってきて、利用者もこの程度でございますから、これを値下げをして他のものに回すよりも、十円の負担をする人によって他の社会政策を必要とする方々へのサービスに回したい、私どもはこう考えておりまして、これを社会政策的に見れば一種をもっと安くしなければおかしいとおっしゃいますけれども、一種を使われる人はそう社会政策的の保護を受けるような人ばかりではないのですから、これらを区別いたしますのは非常にむずかしいのであります。大数観察的にこれはいいのじゃないか、大体これで黒字が出てもいいじゃないかという考えを私は持っておるわけなんです。
○谷口委員 大臣は私の質問を議論とおっしゃいますけれども、ここに陳情、請願の要旨を書いた資料をいただいておるわけなんです。これは自民党の方なんですが、大村清一さん、早稻田柳右エ門さん、この二人それぞれから紹介されて請願が出ております。この中に、私もこれを読んでなるほどと感心したのですが、第六種という考え方を出しておる。第五種のうち書籍——きのうも参考人の中で言われた方がありましたが、書籍なんかでも第五種で相当高額になるという話も出ておりましたし、雑誌でも季刊ですね、年に四回くらい出す、これなんかも第五種で送るなら、今度の改正で倍にもそれ以上にもなる、これは学術関係が多いから大へん負担になるということを参考人が言っておりましたが、これなんかも学術文化に寄与するものでありますから、こういうものを五種に置くなら、別にそうではない、郵便事業を利用することによって利益を追求する事業会社のダイレクト・メールその他は別にして、第六種を考えたらどうだ、もっと料金を高額にしたらどうかという意見が出ておる。これは賛成する反対するは別といたしまして、一つの問題が出てくる条件、事情が現在にはあるのです。そこらは単なる議論じゃなくて、やはり料金体系を考える上に一つ政策として考えられる点じゃないかということを私も思うのですが、どうでしょう。
○小金国務大臣 非常にきめをこまかく分類して、それに従って料金を定めれば、幾らか公平にはなると思いますけれども、それは郵便事業をやる従業員の方からいきますと、あまりに複雑になったら大へんな経費、人手をかけるというようなことも考えなければなりません。私は第六種といいますか、今の五種のほかにもう一つ料金体系を作ったらどうかという御意見につきましては、考えてみるつもりでありますが、今のところはまだ具体的には考えておりません。
○谷口委員 従業員が仕事をする上に、六種郵便物ができたからといって、五種と六種に分かれたからといって、特に仕事が繁雑になるということは、私は事実仕事を知らぬから、間違っておるかもしれませんが、これは六種ときまれば、六種を表示して六種の料金を張ればいいのであって、そんなに大したことじゃないと思うのであります。ところが一方にこういう問題があるわけなんです。ここで大村さんや早稲田さんが紹介されている請願を読みますと、こう言っておる。「第六種の内容は、証券に類するもの、諸雑貨、器具機械類、動産不動産関係のPR印刷物、商品見本、薬品類等で出版物でないものの一切を含む」と言っております。これはもう少し詳しく分類していけばもっといろいろ出てくるのではないかと思いますし、あるいはこの分類は不適当であるという問題も出てくるかと思いますけれども、しかしおっしゃらんとするところはわれわれにはわかる。大体郵便に御厄介になるのは、個人にしろ団体にしろ、利益追求や利潤のために郵便を利用するのでないものが大体今までの本来の郵便物です。ところが最近の経済事情の中から、郵便事業を利用することによって利潤を得ようとする、そういうものまで出始めている。これが第五種の中に非常にたくさん含まれている。一種、二種、これは中には商売上の手紙を出しますから、利益追求とは関係ないと言ってしまえば間違いになりますけれども、大体においてこれは個人のはがきや手紙でもって自分の意思を相手に伝えたいという非常に個人的なものであります。三種はなるほど新聞、雑誌でありますから事業と関係がございますが、この場合の郵便料金というものは、買う方が、つまり読者の方が負担するという建前になっておる。従って雑誌社なら雑誌社、新聞社なら新聞社の利潤追求のための経費、生産費、そういうものの中には一応入らない。ところが広告郵便なんかになってくるとそうではないのでおります。これは個々の事業会社の経費の中に加算されて、そうして商品に加算される、つまり原価になるのであります。従ってまた利潤追求のために郵便事業を利用しているという面がある、そういう点で大臣は一種や二種の問題はということをさっきおっしゃいましたが、一種や二種の大衆的に国民に非常に関係の深いところから黒字を出しているようなやり方、利潤追求のために郵便制度を利用しているという第五種に対して、こういういわば割合で言えば第一種よりも低料金であるというやり方は不適当ではないかという議論は、これは私は無理な議論ではないと思う。そういう点はやはり考慮する余地があるのではないかと思うが、そこらはどうでしょうか。今は考えなくても、やはりそういうことは一つの重要な問題点だと思いますが、いかがでしょう。
○板野政府委員 お答えいたします。第五種の郵便物はおっしゃる通り国民文化を広めるとか、あるいは産業を発展させるというような意味合いにおきまして、従来は一種に比べて低料な制度をとってきたわけでございますが、おっしゃいますように最近は第五種の中におきましてPR活動に利用されるような、いわゆる商業的な広告文書が非常にふえて参りまして、これが相当一種、二種等の事業の運営にも影響を及ぼすという点も考慮いたしまして、今回におきましては従来百グラム八円のものを五十グラムで十円の料金にいたしたわけでございまして、そういう点につきましては十分先生のおっしゃいますような意もこれに含めたわけでございます。十円よりもさらに高くしたらどうかという議論もあると思いますが、しかしながら五種の中にも量目が二十グラム以内のものも相当パーセンテージはありまして、もし一種よりもこれが高まってきますと、結局封をされて、いわゆる高等信に値しないような郵便物が一種として差し出されるというような危険も相当ございます。もしそうなりますれば一種、二種を確実に送達したいという、郵便事業の本来の一つの行き方でございますけれども、そういう面にも相当影響を与えるというようなことも出て参りますので、今回におきましてはこのような料金体系をとったわけでありまして、考え方といたしましてはそういう考えもあると思いますけれども、料金体系上、また事業運営上、やはりこの体系でいく方がいいというふうに私ども考えておる次第であります。
○谷口委員 その点はきのうの参考人の甲にもそういう御意見があったのです。一種として出すということによって五種の料金をのがれるということにもなるおそれがあるという意見もありましたし、また五種で若干の大幅の値上げをしても、それはもしもある事業会社、商事会社が郵便で出すよりもアルバイトの学生を雇って配達さした方が安いということもあり得るから、値を上げるといっても限界があるの、だという御意見がありました。けれども、ここで私はさっきから申し上げておりますのは、つまり商社なり事業会社なりが利潤を追求するために郵便事業を利用するということから見ますと、一種、二種のように一般大衆の単なる生活の中から出てくる高等信というものと比べますと全然性格が違います。そういう点、もし社会政策ということを考えていくならば、一種、二種をこの際下げても五種からとるという考え方を持つことは必ずしも私は無理ではないと思う。そういう点を持つべきだ。そうでなければならぬと思うのです。ところがそういう考え方に立たないで、ただある部分は上げるが、ある部分は安くなっている、それで総合的になっているというが、単なる総合でなくて、理由がなければならぬ。その理由になる根拠は、私は郵便法の第一条だと思う。商社が広告郵便をどんどん出して何の国民の公益になりますか。利潤追求をするものだけが公益になる、そうじゃありません。そうでなくて、文化にも寄与しませんし、公益にもならない、ある個人なり会社の利益のために、本来国民大衆の公共の福祉を増進するということを目的とする郵便事業の中に入ってきているわけですから、これに対して相当の料金をとるという説は郵便の性格からいって当然あり得るというふうに私は考えるわけです。私はこれは必ずしも今賛成するとか反対するとか言っておるのじゃありません。そういう立場はやはり貫く必要がある。ただ総合であってはならぬと思うのですが、そういう点はもう少しお考えいただけないでしょうか。どうですか。
○板野政府委員 先ほど申し上げましたように、これは種別体系とその料金のあり方と申しますか、そういう面からやはり料金の額につきましても一定の制約があるわけでございまして、たとえば広告郵便の、ごとく実際一種、二種と比較にならぬものもございます。しかし一たびこれが封をして出されますと、これはどうしても一種で扱わざるを得ない。こういうものが相当ふえますと、やはり一種、二種のいわゆる高等信の運行を阻害するという面もございますので、私どもといたしましては第五種のそういうダイレクトメールのよりな原価を十分考慮をいたしまして、一種、二種との関連におきましてそのすれすれの線まで今度は料金を上げておる。これ以上上げますと、結局五種の中から封をされて一種、二種にかわってくる。これは結局私どもが考えております高等信をできるだけ確実、安全に送りたいという趣旨からいたしましても、どうも適当なやり方ではない。御指摘の点につきましては、五種の今度の料金なり重量なりの点に十分生かしておるつもりでございます。
○谷口委員 一種になったらいいじゃありませんか。一種になるということは、つまり信書、今の一種ですね、こういう封筒に入って、そういう形状、分量でくるわけですが、これは決して赤字じゃないですからいいわけですね。もし下げないとすれば、一種になることは私はいいと思う。しかし、そうでない、ダイレクト・メールの中のいろいろな種類は皆さん御承知の通りです。私が郵便局を幾つか見まして、郵便局の現在の事業の形態やあるいは遅配の問題のほんとうの原因はやはりここにあると思ったのは、第五種のいろいろさまざまな形状のものが、皆さんごらんの通り郵便局のあらゆる廊下にまで積み上げてある。ああいう形状で、ああいう分量でいろいろさまざまなものが、しかも大量にくるわけでしょう。これが郵便遅配の大きな原因になっておることはこの前も質問いたしましたし、世間も周知です。一番厄介です。まるいものがあるかと思えば、長いものがある。しかもかたかなで書いてハトロン紙の下から透き通して見なければならぬ。分類区分するのに往生すると言われているのは第五種です。こういう手数を食っているのです。もし形状も量目もちゃんと一種で通るようになってくれば非常にけっこうでありまして、また先ほど私ちょっと申しましたように、もし高い料金になって、アルバイトの学生を雇うて自分の会社で勝手に配達するということをやるならそれはけっこうじゃありませんか。何も郵便事業というものは、どんどん事業が大きくなってそれでもうかるものじゃないのですから。それは郵便事業の性格だと思う。きのう拡大再生産の話が出ておりましたけれども、よその事業会社とは違うわけです。生産の主導権も何も持っている事業じゃありません。郵便需要がありますから、それに応ずるための施設をこしらえ、機構を強めていくというのが政府の役目なのです。そこに建前があります。いやで入れなければけっこうじゃありませんか。しかし非常に手数のかかるもの、だれが見ても現在の郵便事業の正しい運営に障害になっているもの、しかもこれが郵便事業というものを利用することによって利益追求の手段にしているという場合、これに相当の金をかける、料金をとるということは当然じゃないですか。私どもそういうように思いますが、そういう点はなかなかできませんか。
○板野政府委員 先ほど申し上げましたように、大体五種につきましては重量も五十グラムに制限をいたし、また料金も原価を十分償うだけのものに上げました。その上に主として五種で扱いまする市内特別郵便につきましては、その重量、大きさ等もある程度制限をいたしておるわけでございまして、これ以上料金を上げるということになりますと、先ほど申し上げましたように、これが一種に転換をしてくる。もし一種に転換をしてきますると、一種と三種以下の扱い方が現在違っておるわけでございまして、一種は御承知のように市町村区分をするということになっております。三種以下は分配局区分で一段落ちになって区分されるわけでございます。従いましてもし料金、重量等の関係からこれが一種の方に、封をされてどんどん転換されて参るということになりますと、非常にこの区分に要する手数もかかりますし、元来一種というものは、いわゆる通信といいますか対人的な現実的な通信を扱うという種別に属するものでございますので、なるべくこの中にはいわゆるPR的なそういう広告的なものは入ってこないようにいたしまして、取り扱いその他につきまして十分正確、迅速なる方法を期したいと考えておるわけでございます。そういうPR的なものが一種に入ってくるということは、事業上私は適当な措置ではないと考えておる次第でございます。
○谷口委員 政府委員の皆さんがそういうふうにお答えになって、五種の中の事業会社に利用されている分を値上げすることには反対されるだろうと私は実は思っておる。というのはさっき、これは受田さんの御質問の中で問題になったのでありますけれども、今度の小包料金を決定するにあたって、政令にまかすというあのやり方が、郵便事業に対する政府のお考え方の一つの方向を暗示していると私は思う。さっきの受田君の質問に対して政府側がお答えになったところによりますと、一つは政令にまかしてもむちゃなことはしないという、一つは旧郵便法時代、戦争前にはそうであったという理由です。もう一つは、郵便事業にとっては従属的なものであるから、従ってああいうふうな料金をきめる場合も、きめる権利、決定権を持つものは政府であってよろしいという意見。もう一つ一番大事なことは、他の同じ仕事をやっている運送会社なり鉄道の小荷物なんかとの競争上ということをおっしゃった。これはそうでしょうか、小荷物と小包と競争されるつもりですか。
○板野政府委員 競争するということでなしに、従来の小包郵便の物数の増加を見ますと、国鉄の小荷物運賃に比べまして相当低い点がございます。これはいわゆる原価から申しましても相当な赤字を出しておるばかりでなく、これが相当低いために当然国鉄の小荷物にいくべきものが郵便事業にかかってくる。かかってくるばかりでなく、それが相当そこに施設なり人手を要する、これが私どもの考えております一、二種というようなものの運営を相当妨害をするという点におきまして、今後は郵便事業の本来の仕事でございます基本的なそういう種別につきましての取り扱いを十分にやっていく、そのような観点からいたしまして、この小包郵便の扱い方につきまして、運営の仕方につきましていろいろそのときの経済事情なりあるいは国鉄の小荷物のいろいろな料金などを勘案しながらこれをやっていく、いわゆる競争という意味でなくて、それとの均衡の上にこの計画をしていくということが、合理的に全体の郵便事業をやっていく上に非常にいいというふうに考えておるわけでございます。
○谷口委員 その理由で、どうして国会の権限であったものを政府の権限に移さなければならないのですか。
○板野政府委員 先ほど申し上げましたように、小包の料金というものが国鉄の小荷物運賃と見合うような料金のきめ方をする方が、いろいろな郵便事業の全体の運営のためにいい、一方国鉄の手小荷物の運賃につきましては運輸大臣の認可でこれがやられておるというような点、それからまた小包郵便の業務が、いわば、農村地帯の利用も相当ございまするけれども、一極の競争的な企業、具体的な一つの事業であるというような点からいたしまして、そのときのいわゆる運送料金あるいは一般の経済事情等を勘案しながら適切なる料金の改定をここに持ってくる方が郵便事業全体の運営上非常にいい、このように私どもは考えまして政令に委任さしていただきたい、かように考える次第でございます。
○谷口委員 今度の改正案によりますと、小包料金の決定については政令で定めることになっているのですが、その料金決定の参酌すべき事情、これは「郵便事業に係る原価、小包郵便物に係る役務の提供に要する費用、日本国有鉄道の小口扱貨物運賃、物価その他の経済事情を参酌して、政令で定める。」こうなっている。これは小包だけじゃないでしょう。なるほど市内郵便であれば事情が違うかもしれませんけれども、全国的に見た場合には、他の郵便だってこういう事情は当然でしょう。小包だけがなぜ国会の決定権をとって政府が持たなければならぬか。先ほど受田さんが質問なさったから私は詳しく言いませんが、小包に関する場合は政令で定める。今度はその他の省令できめるという点で、料金あるいは手数料あるいは認可料その他いろいろなことが、今までは法律できまった、つまり国会の権限であった、立法府の権限であったものが、今度は行政府の権限になるというふうに改正しておる。なぜそういうことが必要であるか。今まで法律でよかった、国会できめることでよかった、ところが今度は政府がそれをとろうとしている。その根拠は何ですか。それはわかりませんか。
○板野政府委員 小包郵便につきましては、先ほど申し上げましたように、これは一種の独占価格ではなくて、やはり一種の競争の価格を持ってやって、全体の郵便事業の運営の観点からこれをやっていく方が非常にスムーズに全体が運営されるという面におきまして、その料金決定につきまして慎重さを欠くという意味じゃなくて、そういうときどきの経済情勢に応じ、また運賃等に対応いたしまして料金をきめていく方が、全体の運営上非常にいいという点でございまするし、またお話のございました第三種郵便物の認可料、あて名変更及び取り戻し料あるいは郵便私書箱の使用料、こういうものはほんの手数料でございまして、この手数料的なものは額もそう大した額ではございませんし、またこの運用につきましてもやはり相当弾力性をもってこれが運用される、たとえば郵便私書箱の使用料のごときも、そのときのいろいろな考え方によりまして、これを少しく下げてより多く利用さす方がいいという場合もあり得るわけでございまして、こういう手数料につきましては、他の国鉄なりあるいは公社等におきましてもその例がございますように、省令に委任をさせていただきたい、このように考える次第でございます。
○谷口委員 独占価格でなくて、他の事業会社、国鉄あるいは運送なんかやっていられる会社などとの競合があるのだという点は、それは私も小包はそうだと思います。それだけに私は非常に不安を感じます。現在の政府に料金決定権を渡すということは、国会が持っておった権限を行政府に渡すということは、大きな不安を国民は感じます。反対ですよ。さっきちょっと私冗談に申しましたが、郵便貯金の利子の値下げの問題をやりました。私はあのときにも若干触れた。あれは市中銀行の金利値下げの問題とどういう関係を持っているか、また別な面でいえば、労働者の労働賃金が日本で今決定される場合に、政府が支配しておる国家公務員やあるいは公企業の労働者、政府や公社が最も支配しやすいこれらの労働者に対する低賃金政策をとっておることが、全体の労働者の低賃金の政策になっている。銀行の利子を下げるあるいは銀行を助ける、下げたり上げたりすることによって自由にやるという権限を政府が持って、そして金利問題でちゃんと独占資本に奉仕するような態度をとっているじゃないですか。労働賃金の問題では、政府や公社が支配する労働者に対して露骨な支配をやって低賃金政策で置くということが、日本の労働者階級の賃金水準をきめるという役割をとっているじゃないですか。そういう権限を行政府が持つとそういうふうに利用するのです。これは百も二百も国民は承知しております。小さな小包料金の問題だからといって、あるいは手数料の問題であるからといって、国会の持っておる権限を行政府が持っていくということは、皆さんの主観にはないかもしれないけれども、客観的にはそういう役割を果たす、果たしてきた。この点を私どもながめれば、皆さんがおっしゃるように簡単には了解できません。(「それは立場が違うからだ」と呼ぶ者あり)そうだそうだ、立場が違う。あなた方は国民の立場に立っておらぬ。独占資本の立場に立てばそういうことになります。だからあなた方は、第五種の中で商事会社や事業会社が、本来個人と個人との間の信書を通達することに奉仕するという郵便事業に入り込んでいって、利益追求にこれを利用しているという点に対して、どっさり料金をとったらいいじゃないですか。こういうことを私どもはやはり考えざるを得ぬのです。それをやれぬと皆さんおっしゃる。明らかです。だから小包料金を決定することを政令にまかすというこのことの理由はどうしてものみ込めません。国民を納得できるような理由を明らかにされる必要があると思う。どうですか。
○板野政府委員 先ほど申し上げましたように、小包の料金というものと、国鉄の手小荷物あるいは一般の運送料金というものがバランスがとれていっておらないと、郵便事業の本来の仕事でございますいわゆる一種から五種までの郵便の取り扱いなりその運営を合理的にうまくやっていくということが非常に困難でありますことは、ちょうど最近小包郵便物が料金がアンバランスになっておるために相当影響を与えておるという事実を見ましても明らかなことでございまして、また小包料金は法律できめずに日本のいわゆる政令あるいは省令的なものできまっておるというのが各国の例でもございますので、この機会にそういう工合にいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○谷口委員 各国の例をおっしゃいますけれども、私どものいただいた資料にもちゃんと「諸外国における郵便料金の決定手続」という資料がございます。これは私は資料として拝見しましたけれども、相当政府ではお考えを持っていらっしゃるのじゃないですか。まず小包から行政府が権限を握り、引き続いて通常郵便物の権限を握っていき、よその国はこうやって公共料金を決定するといって国会の権限を一つ一つ行政府へとっていこうという考え方があるのだと言っても言い過ぎではないような意図を感じざるを得ないのです。どうです。
○板野政府委員 私ども郵便の最も基本的な料金につきましては、これを政令なり省令なりに委任していただきたいということを毛頭考えたこともございませんし、今後もそういうことを考えることはないと思います。
○谷口委員 きのうおいでになった参考人の細野先生という中央大学の教授が、審議会の答申案をお出しになるときに個人意見を出していらっしゃる。これは皆さん御承知の通りです。「郵便料金改訂に関する意見」の中にこういうことが書いてあります。これは政府に対して直接的なことではないと思うけれども、非常に重大であるので問題にしたい。「料金そのものを法定することは選挙の利害に左右される議会に向いた任務ではない。」これは政府に答申された委員の意見の一つです。公共料金をきめるについては、いつも選挙をやって構成されている議員には正しい決定はできないから向いておらぬというのです。これほどのひどい議会不信がありますか。こういう連中の考えた答申案に基づいて政府がきめた。国会を徹底的に不信している、議会制度を否定するようなことを言っている。これが審議会の委員です。この連中の答申に基づいて政府がきめている。そうしてこういう資料を出して、実際に公共料金の重要な部分である小包、これの権限を行政府が取り上げようとしている。その点どうです。
○板野政府委員 細野先生の御意見は学者的な一つの意見だというように私ども考えております。最初から私どもは小包料金なりあるいは手数料的な部分に属するものは、政令なり省令に委任していただきたいという気持を持っておった次第でございます。
○谷口委員 この学者的な御意見を政府はどうお考えになりますか。
○板野政府委員 私ども羽状といたしましてはこれは妥当な意見ではないと考えます。
○谷口委員 それならどうしてこういうものをわれわれ国会議員に資料としてお出しになったのですか。
○板野政府委員 審議の過程におきまして、各委員からお出しになりました意見を忠実に資料として国会にお出ししたというだけのことでございます。
○谷口委員 忠実にというのはだれにですか。審議会に忠実ですか、国会に忠実ですか。
○板野政府委員 たくさんの参考意見の一つとして出てきたわけでございますので、私どもといたしましては資料上これを落とすというわけには参りませんのでそれをつけて出したというだけのことでございます。
○谷口委員 審議会はこれを国会に出せと言ってきたのですか。そうして個人の意見をつけてきたのですか。
○板野政府委員 これは国会に出すようにというようなことは、何ら審議会では話はございませんでしたけれども、一応、審議会の審議の模様を一般国民の方に知っていただくということも非常に必要なことでございますし、また同時に国民を代表されております国会の方面につきましてもお出しするのがいい、このように考えた次第でございます。
○谷口委員 あまりこれにかかわっていては時間をとりますので次会にしますが、これはあなたは不適当な意見だと言っている。べらぼうです。不適当どころではない。国会に対する大へんな侮辱です。議会制度に対する否定的な意見です。選挙で出てくる人間だから、公共料金を決定するという仕事に向いておらないというのです。これは議会主義の否定でしょう。こういう意見を個人が出し、あなた方も不適当と思っておる、よくないと思っておる。それを資料として国会議員に配っておる。どうですそういうやり方は……。それは正しくないと今後とも思いませんか。
○板野政府委員 せっかく審議会でそういう御意見がございましたので、やはり言論の自由ということもございますので、私の方といたしましては、それを取り除くということはいたさなかったわけでございます。
○谷口委員 こういうやり方をすれば、政府が何を考えておるか、あるいはあなた方が何を考えておるか私ども大いに勘ぐります。(上林山委員「勘ぐることは自由だ」と呼ぶ)上林山さんは盛んにヤジっておるけれども、国会議員が公共料金を決定するのに向いておらぬというのです。こういう意見は正しくないと政府委員が言っておる。だけれども国会議員に見せる必要があると思って、大いに審議会に忠実を尽くされた。今度の改正案は、こういう皆さんの考え方が貫かれておると思う。それは郵便事業をもうけ仕事に利用しようとしておる。社会政策の立場からいって、他の面を安くしても、郵便事業の本質からいって、どっさり料金をとるべきだという考え方にならぬはずだ。しかもそういう考え方を持っておる皆さん方が、国会から料金決定の権限をいただこうと言っておる。こんなものに賛成できますか。 そこで私は第三の問題に入ります。この前、私は郵便の遅配の問題に関連して御質問申し上げたのでありますが、郵便事業の円滑な運営と健全な発展のためには、従業員の問題、職員の問題が非常に重大です。今度の予算の中で若干のベース・アップの問題もきまったし、それからさっきお聞きしますと、毎年定期昇給のことを考えておる、ベース・アップのことは考えていないということですが、これは労働者の要求も出てくるだろうし、いろいろと今後は問題になりましょう。しかし政府の考え方としては、さっきのお話がございましたように、定期昇給は考えておって本将来のベース・アップのことは考えてないということでした。しかしことしの仲裁裁定で二千円ばかり全逓の労働者の賃金が上がるということになりましても、もちろんあれは決して労働賃金の増額ではありません。物価が上がったためにわずかにそれに追いつこうとしただけで、物価が上がった分にすら追いついていない。低賃金を打ち破るという労働者の要求からいったら、非常に違った、それに達しない、まだ低いものです。だから今後は大いに問題になると思うのですが、こういう労働者の要求というものをすなおに聞き取って、そして労働者の待遇なり労働者の要求というものを十分に当局側が聞くことなしには、郵便事業のほんとうの健全な発展、運営というものは私はできないと思うのです。そういう点では皆さんのお考えは依然として変わりませんか。この間二、三日前の委員会で、長野県の塩田郵便局の問題につきまして、自民党の羽田さんが御質問になった。私、速記録からいただいてきまして読みました。皆さんこの一つの小さな事件をごらんになっても、郵便局なり郵政局なり、つまり管理者側が働いている職員に対して、労働者に対してどういう態度をとっておるかということがわかるじゃありませんか。この間の羽田さんのお話では、労働組合が突き上げて、とうとう局長は自殺した、こうおっしゃったのでありますけれども、そういうことを私は聞きましたが、羽田さんはさすがです。全部を読みますとそういうことは言っておりません。言葉の端々ではそう言っておりますけれども、ここで言われていることは、定員が足りなかったり、欠員があったりして、そこで働いている労働者がどうしても郵便事業なり電話交換なりをスムーズにやりたいから、欠員を入れてくれという要求をやったことに対して、局長は長野郵政局にぜひ欠員を入れてくれということを頼んだけれども、入れてくれぬので、郵政局と労働者との間に板ばさみになって自殺している。そういう悲しい事実なんです。小さい二十人か三十人しかいない特定局、そこですらこういう事件が起きている。私、あちこちいろいろと見ましたが、至るところに物量がふえているけれども、定員がない、労働者の賃金が安い、いわゆる臨時職という人々なんかに至ってはまことにニコヨンのおばさんよりも安いところで使われているというところに問題があるので、全逓の諸君はこういう不合理を解決しようとして闘争をやっている。ところがこの間、春の闘争の中で、郵政大臣が何回も何回もおっしゃったが、おそろしい処分をやったわけです。弾圧を加えておるわけです。こんなことで一体郵政事業はうまくいくと思いますか。(「君らがおだてているからだよ」と呼ぶ者あり)われわれがおだてて動くようなばかどもであれば、郵便局はそれを使わなくてもよろしい。労働者というものはその事業を愛し、その事業をうまくやらすためにいろいろな職場の中から出てくる要求や解決案を持って、それで対抗しています。これはあたりまえです。しかしまるきり言うことを聞かない。だれが見てもやらなければならないことをやらない。定員の欠員を入れないのだ。だから郵便局長が板ばさみになって自殺するということになる。こういう態度をやっておるとすれば、これはうまくいきません。どうです、こういう点についてもう少し労働運動なり、労働者階級の立場をよく理解するという立場に立てませんか。
○板野政府委員 欠員のあと補充等につきましては、私ども十分なる考慮をいたしまして、郵政局とも連絡いたしてやっておる次第でございますが、たまたまそういうケースが出てきたわけでございます。これも決してある特定の人につきまして、たまたま組合とその郵便局長の間に意見の相違があったということでございます。そういう点が長い期間の団交になって、そうして局長がついに屈して自殺をしなければならぬ、こういうようなケースでございます。私どもといたしましては、そういう欠員等については極力これを補充するようにやってきておりますし、今後もその方針でやっていくつもりでおります。
○谷口委員 特別なことのようにおっしゃるからもう少し突っ込んで追及いたしますけれども、この塩田局という局では局長が自殺したという何か特別の事件のように見えますけれども、その底を流れているのは、どこの郵便局にもある非常に普遍的な事件なんです。おそらく政府の方にもまた国会にも出ていると思いますが、私どものところにたくさん参りましたのは、全国の特定局の局長さんたちの請願です。この請願によりますと、特定局の局長さんが下の従業員と上の郵政局との間にはさまれてどんなに経済的にも生活的にも苦しい状況にいるかということで、まことに涙を流さんばかりにして陳情に来ておられます。これは特定局の話でありますけれども、大きな郵便局になりましても同じことがあるじゃありませんか。私がこの前質問したのは練馬局のことでしたけれども、この間行きましたのは私ども何にも関係も持たぬ神田局、あそこに何が行なわれておりますか。御承知の通りです。この間ちょっと申しましたけれども、朝仕事に来る。直属の係長なり課長は謄写版に刷ったいわゆる職務命令を一人一人に渡す。きのうまでは入ってくると郵便物を処理して郵便カバンに入れて配達に出ていくという人に、入ってきたとたんに突きつける。郵便物を処理しないでどこそこへ行けという命令が全部の者に出る。きのうまではうまくいっておったのになぜきょうはそうしなければならぬのか、それじゃきのうの段取りと違うじゃないかといって聞きに行きますと、職務命令に反するといって処分する。そんなことで郵便事業がうまくいきますか。そういう態度を政府がとっている限りこれはだめですよ。どうです。そういうことを依然としてやられますか。
○板野政府委員 神田につきましては、御承知のように郵便物の滞留が全国で七、八十万になりましたときも、十五、六万も滞留さしている日本一の滞留郵便局でございまして、その原因を見てみますと、集配課の十数人の者が業務を放擲したり、あるいは上司の命令を聞かずに勝手に自分で仕事をしない、あるいは仕事をしてもその一部分しかやらぬ。このような事情が原因でございまして、それに対しまして私どもといたしましては、その一部の者を処分したわけでございますけれども、その処分後におきましてもなおそういう状態が改まらなかった、こういう状況でございまして、私どもといたしましては、郵便物の滞留によりまして神田の区民の皆さんに御迷惑をかけたくない、ぜひ正常化したい、こういう意味におきまして業務命令もどしどし出しましたわけでありまして、今後そういう郵便局がございましたら、私どもも国民のために遠慮なく業務命令も出し、正常な仕事をするように職場規律を正していきたいというふうに考える次第でございます。
○谷口委員 神田局だけじゃないのですよ。至るところにあるのですよ。、だから特定の局じゃなくて、そういう態度でもって労務管理をやろうとされているところに問題があるということなんです。この問題は出た時期に具体的な事例をあげていかに不当であるかということを明らかにしていきたいと思いますが、きょうは時間がありませんからこれで一応打ち切ります。しかしこういう態度でもってやるなれば、郵便料金を上げようがなにしょうが、郵便事業の円滑な健全な運営というものはできないということをはっきりしておきたいと思います。 最後に聞いておきます。これは実務的なことですが、高層建築等に対して、特にアパートなんかだと思いますが、事務所、アパート、こういうところに郵便受箱を作るという案が出ております。これは私はいいと思うのです。ただこの場合に、信書の秘密を守るということについての問題と、それから郵便受箱を、信書の秘密を守るような郵便箱を各戸に備える、あるいは適当に備えるということは、相当経済的な負担が個人にかかります。この個人の経済負担に対して、政府はこの改正案の中でどれくらい援助する予定であるか、そこのところをちょっと伺っておきたい。
○板野政府委員 郵便箱の規格その他につきましては、省令によりまして、郵便物の通信の秘密が侵されることのないように、郵便物が安全に守れるような受箱の規格標準をきめるつもりでございます。なお、この受箱につきましては、三年の間はその半額を補償するということになっておる次第でございまして、大体公団等につきましては、所有者がこれを設置するということになりますので、個々の入居者の負担というものは一時にそうかかってくるというようには、私ども考えておらない次第でございます。
○谷口委員 構想をちょっと伺いますが、たとえば二十戸入っているアパートがある。この二十戸、つけますか、戸ごとに。
○板野政府委員 法律によりまして、大体一階の入口またはその付近にこれを設置するということになっておりますので、このような法律の趣旨に従いまして、二階以上に住居されておる方は、大体一階ないしその付近の適当な場所にかためてこういう受箱を置く、一階に住居される人につきましては、個々につけられてもそこには配達をするというような一応の構想を持っておる次第でございます。
○谷口委員 きょうは時間がありませんから、これで打ち切ります。
○山手委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明二十六日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとして、これにて散会いたします。 午後四時五十三分散会