逓信委員会 第21号
- 発言数
- 133 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/04/12
会議録
○山手委員長 これより会議を開きます。 この際参考人招致の件についてお諮りいたします。 来たる二十四日本委員会に郵便法の一部を改正する法律案の審査のため参考人を招致し、意見を聴取いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山手委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、参考人の人選については委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山手委員長 御異議なしと認め、さよう決します。 ————◇—————
○山手委員長 郵便振替貯金法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。田邊誠君。
○田邊(誠)委員 昨日大体質問をいたしましたので、要点がおわかりになったと思いますが、昨日の私の質問の中で二点ほど御回答がなかった点がございます。その点を中心として二、三だけお伺いして終わりたいと思います。 振替貯金法の料金は、二十九年の四月に改定をいたしましてからまる七年間据え置いたままこの日まで参りましたが、その間郵政省のとって参っておるいわゆる収支償うという立場に立つならば、年々かなりの赤字を生んできたと思うので、その間の事情を、二十九年以降一体どういうふうな、いわゆる原価主義の建前からいって状態を経てきたか、この点をお伺いしたのでありますけれども御回答がございませんでしたので、とりあえずそれをお伺いしたいと思います。
○大塚政府委員 昨日は、調査がそこまでいっておりませんで、はなはだ御迷惑をおかけいたしました。二十九年に料金改定をいたしました際以降の収支でございますが、二十九年には千百万円の黒字を出したわけでございますけれども、三十年には二千八百万円の赤字、それから三十一年には一千万円の赤字、三十二年に四千九百万円の赤字、それから三十三年に一億三千六百万円の赤字、三十四年に二億二千五百万円の赤、三十五年に二億八千五百万円の赤という経過をたどって参っております。
○田邊(誠)委員 今の御回答でもって明らかになったように、二十九年の料金改定をいたしましてから、独立採算の建前をとってきている郵政の郵便事業にしても、貯金、振替、為替等の事業にしても実は黒字を生んでいない。三十年以降はそれぞれ赤字であるという状態が判明をいたしました。これは実は非常に重大なことでありまして、おそらく二十九年の料金改定の際に同じく独立採算の立場をとる郵政当局は、これによって相当の年度を、いわゆる原価を償うに足るところの料金改定をされたというふうに私は認識をしておるわけであります。そういたしますと、わずか一年でもって赤字に転落をしたという事実は、おそらく振替貯金だけでなくて、為替にしても、あるいはまた私の推察するところでは郵便料金にしても同じようなケースをたどってきているのじゃないかと私は思います。そういった点から見ますと、きわめて見通しのない、また何かしらそこに大きな欠陥があったからこそ、こういう状態が生まれてきておるのではないかと考えられるわけです。もちろんこの間に、私の推測するところではいろいろな経済の変動や、あるいは主として人力にたよっている郵政事業の中で給与の改善の費用、その他の問題が含まれておったとは思いますけれども、いずれにいたしましても、それらの見通しを立てた上でもってこれをやるべきことは当然の措置であろうと思うのですが、なぜそれならば二十九年の改定直後においてこういう赤字転落をするという状態が起こってきたのか。その原因は一体那辺にあるか。当局の今までの経緯を振り返ってみてお考え方を承りたいと思います。
○大塚政府委員 二十九年の料金改定当時の事情を資料あるいは国会の議事録等によって調査をいたしたのでございますが、それによりますと、二十五、六年以来毎年ベース・アップが続きまして相当の赤字が出まして、二十八年には振替だけで三億四千万円余りの赤字になった。それでそのままでいきますと二十九年には約四億の赤字が出るという見通しでありましたので、さしあたり二十九年の四億の赤字を埋めるために約四億程度の増収を目標に料金を改定したというのが実情でございまして、その後どういうベース・アップがあるかというようなことも当時としては予定が立たなかったと見えまして、現在のように今後五カ年間の収支の見通しを立てるというようなことはなかったようでございます。ただ二十九年に四億程度の赤字が出るから、さしあたりとにかくそれを埋める程度の料金改定をしたいのだというのが、当時の議事録等に出ております料金改定の理由でございました。その後二十九年におきましては大体予定の四億の増収がございまして、先ほど申し上げました一応の黒字を出したのでございます。三十年、三十一年は特別にベース・アップはございませんでしたが、少しながら、一千万円あるいは二千八百万円という赤字になりまして、三十二年度において千二百円のべース・アップがございまして、その影響で三十三年から赤字が飛躍的に大きくなったというような経過をたどっておる次第でございます。
○田邊(誠)委員 今御説明がありましたけれども、昨日も私が指摘をいたしました通り、経済の推移と、特に職員の人力に依存する度合いが約七割以上といわれている郵政事業におきまして、給与改善の費用も含めて、給与総額は実は事業予算の半分以上を占めておるという現状でございまして、これらの推移というものがその会計に大きな影響を及ぼすことは当然おわかりのはずであります。そういった点から言いますならば、料金改定によってそのときの赤字を埋めることはできても、その後におけるところの経済の変動や、あるいはいろいろな給与改善の措置をとらなければならぬという段階におきまして、とりあえずの赤字を埋めるといった措置が、当然きわめて短期間にまた赤字に転落する結果になるということをやはり教えておると私は思うのです。そういった点から言いまして今回の料金改定のもくろみ、実は向こう五年間黒字だというふうに言われておったわけでありますけれども、その見通しの甘さ、見通しの暗さから言いまして、こういう黒字をそのまま続けることはおそらく困難な事態が間もなく参るであろう、こういうことを私は実は過去の例から見て判断ができると考えるのです。今日は幸い大臣がお見えでありますから、昨日次官にお伺いしておいたのでありますけれども、今お話のありましたように、振替貯金の料金改定によりまして、これは為替とあわせて総括原価をとるという建前だそうでありまするが、いずれにいたしましても、今度郵便料金の改定が策されておりまして、同じ立場で向こう五年間ぐらいは黒字だというふうな建前をとっておるようでありますけれども、御存じの通り仲裁裁定を実施するという段階でありまして、そして大臣はこれを確実に実施をするという言明をされておるわけなんです。そうしますと、大体一千六十九億円ばかりの予算総額の約一割ということになりまするから、昨日の次官の答弁にもありましたように、これによって百七億円ばかりかかるそうでありますが、この捻出のためにこれら一連の料金改定というものは一体このままで済まされるのか、これに対して何らかの考え方の変更を来たさなければならぬのじゃないか。こういうことを実は懸念する向きが多いわけであります。それらについて昨日、仲裁裁定を実施した場合においてはたして三十六年度以降における収支の状態は一体どうなのか、特に今議題になっておりますところの振替貯金の会計というものは、原価の立場からいうならばおそらく赤字を生むという結果が出ざるを得ないのじゃないか、こういうふうに指摘して参ったのでありますけれども、実は御答弁がないままに本日に至ったわけです。大臣、間近くそういう腹づもりで実施をされると思いますので、その見通しと考え方をお聞かせいただきたい、このように思います。
○小金国務大臣 この原案が作成されましたのは、昨年の暮れに郵政省から審議会に諮問を出しまして、その答申を得て、それからさらにいろいろ検討を加えて案ができたのであります。その郵政審議会に諮問する当時の見通しとしては、大体郵便料金値上げとともにこのような手数料の値上げは五年間くらいの安定性を持たせたい、こういう意向で案を作ったのでありますが、片一方で経済成長率が相当高度に見込まれて参りまして、この収支のバランスの見通しというのはその経済成長率とどういうふうに見合わしたらいいかというような点とも突き合わせてみたのでありますが、大体この程度の料金値上げで見通しが立ち得るものと私どもは考えてこの案を国会に提出したのであります。今御指摘のように相当大幅なベース・アップ、処遇問題等もございまして、少し数字が狂いを生ずる場合があるかと思います。けれどもこれは振替と同時に為替も一緒に計算をしておるようでありまして、経済成長率それからいろいろな商取引その他の取引の量もふえますから、これらの点を勘案して五年ぐらいは大体見通しが立てられる。公共料金というのはそれぞれ独立採算制をとっておるのが多いのでありまして、たとえば国鉄、電信電話、それから郵便料金、そのほか公益的な電気、ガスというような料金もありまして、これは経済の発展と負担能力といいますか、そういうようなものを勘案して三年、五年——できるだけ長い方がいいのですが、そこらでやはり改定が行なわれていくというのが今の一応の順序であり、一つの大勢になっておりますから、私は大体これで彼此、いろいろな処遇も考えまして三年ないし五年はやっていけるという見通しで、しからばその先はどうするかということになりますと、これはやはり公共料金全般の問題として考えていくべきである、こう考えておりまして、何といっても独立採算制でやっておる建前と従業員の処遇改善というようなものとの組み合わせでございますから、これらのバランスを一応の見通し以外には確固たる、こうなるという数字は申し上げられませんが、見通しとしては三年ないし五年はこれでやっていけるという見通しでございます。
○田邊(誠)委員 実はさきに私が予算委員会で大臣に料金改定後における状態を質問したことがございましたけれども、そのときには五年は赤字は出ないというお話がありましたが、きょうは少し幅が縮まって参りまして、三年ないし五年というふうに低めてきて、これは自信のほどがだいぶぐらついてきたようでありますけれども、大へん心配なのであります。おそらく給与改善というものは時代の趨勢でやらざるを得ない、これは別に郵政事業の特色という面からいっても機械力にたよるということは、これはあっても限度がありますから、人力依存度の多い郵政事業としてはそうせざるを得ない、こういうことになるわけでありまして、そこで御苦心があると思うのですけれども、今の仲裁裁定を完全に実施をした場合に、業務収入から捻出をするところの予定は一体どのくらいなのですか。これは郵便料金の改定も、まだ審議をされておりませんけれども含めていろいろと増収をあるいは七十億以上見込まれておる中から、そういった改善費用もある程度考えられておると思いますけれども、一体今度の仲裁裁定実施にあたって業務収入から、その中でたとえば——大臣おわかりでなくとも、あるいは経理局長でもよろしゅうございますが、郵便収入なり為替、振替の増収分から一体何ぼくらい改善費に振り向けをするか、その一点を一つお伺いしたい。
○小金国務大臣 この間出ました仲裁裁定の実施に関する数字の整理等は、今経理局長の方でやっておりまして、まだ私、結論として承知しておりませんから、経過的なものは局長から説明させていただきます。
○佐方政府委員 先般の仲裁裁定を実施いたしますためには百七億の経費が要るわけであります。そのうら御承知のように郵便貯金、それから簡易保険、それから特定局の電信電話の委託業務、このおのおのにつきましてはそれぞれの会計から金をもらおうと思っておりますので、その金が五十九億幾ら、大体大ざっぱにいって六十億、そういたしますと残りの金が四十八億くらいの見当になろうと思いますけれども、それは今成立いたしておりますところの郵政会計の中からひねり出さなければならぬと思います。そこで他会計から入ってきますものはそのまま予算額がふえますけれども、郵政会計の出します分は今の成立した中から出さなければならぬ。そこで成立したばかりにいろいろな流用というようなものもおかしなものでございますので、流用した形をそのまま補正予算の形で国会の御承認を得ようというのが大体今の大蔵省とわれわれの話が進んでおる段階でございます。そこでその四十八億はどっから持ってくるかということでございますが、まだ閣議決定等も全然いたしておりませんので、確定的なことは申し上げかねますけれども、御承知のようにある程度の物件費の節約でありますとか、予備費を全部投入するというふうなこともしなければなりませんので、おそらく郵便で六十七億、為替貯金で五億、合わせまして七十二億の値上げをいたしておりますけれども、その半分以上はベース・アップのために投入しなければならぬだろう、こういう段階でございます。
○田邊(誠)委員 そういたしますと、今度の値上げいたしました結果がこの仲裁裁定実施によってかなり変動を来たすことは、今の御答弁で明らかな通りであります。実は先ほどの大臣の御答弁にもありましたように、おそらくそれによって、先日来お話のありました、議題になっている振替貯金の収支状況も大きな変動を来たしてくるというふうに考えるわけでありまして、その点に対するお答えをいただく中で最後の締めくくりに入りたいと思いますが、その点の状態をとういうふうに推移されるか、お答えを願いたいと思います。
○大塚政府委員 昨日申し上げました数字は、昨日も申し上げましたように、大体ベース・アップと昇給を合わせて八%という見込みではじいた数字でございますので、今回の仲裁裁定によりましてその数字に狂いがきますことは事実でございます。どの程度の狂いがくるかということは、先ほど経理局長からお話ししましたように、大ざっぱに全体としてどれくらい要るかというような計算の過程でございまして、まだ詳細に為替については幾ら、振替については幾ら、あるいは国民年金支払いについては幾らとかいうふうにこまかく計算をいたしておりませんので、詳細にはわかりませんが、大体昨日申し上げました振替貯金についての黒字は、初年度からほとんど消えてしまうのじゃないかというふうな大体の見当でございます。
○田邊(誠)委員 どうも重大な話がだんだん出てきますので、困った話であります。実は大臣が見通しを立てられて、審議会の答申と郵便関係は若干違いまするし、為替、振替についても、実施の時期が、審議会の答申とずれておりまするけれども、いずれにしても、実は相当独立採算の立場を貫ける、向こう五年間くらい貫けるという予定でもって立てられたこの料金改定の案というものが、今の振替の問題に限ってみましても、すでに初年度からほとんど黒字を生むことはない、こういたしまするならば、これは二十九年に料金改定をいたしましたときにもたどったと同じように、三十六年度はかすかす収支償うことができたにいたしましても、三十七年度以降においては、おそらく再び赤字に転落するということは、今御答弁をお聞きをいたしました限りにおいても、すでに明らかな通りであります。そういたしますると、これは、どうも郵政事業、郵便貯金、保険を含めて、いわゆる独立採算の立場をとり、収支相償うという基本的な考え方が、大きな変革を来たさなければならぬと考えるわけでありまするけれども、その点に対する大臣の御所見を承る前に、実は今のお話を聞きまして、大体給与改定の百七億程度の費用をまかなうために、いわゆる業務収入から四十八億円ばかり、その他のところから六十億ばかり繰り入れをする、業務収入でもって充てた場合には、今言ったような状態でもって料金改定の分がふっ飛んでしまう、こういうお話でありましたが、それならば、それ以外の会計から繰り入れをする分は一体どうなのか、こういうことでもって、貯金に関係ある分だけちょっとお尋ねをいたしておきたいのでございますけれども、いわゆる郵便貯金の特別会計、大体利子の収入が七百六十億ばかり、支払い利子が五百四十五億ばかり、大体その差額の二百億はかりを一まあ差額という、これはいわゆる逆の考え方でありませんでしょうけれども、いずれにしても二百億ばかりが、いわゆる繰り入れをされておるわけですね。ところが、この郵便貯金の特別会計から繰り入れをしているわけですけれども、その根拠になるところの利子の収入というものが、私はおそらく今年度以降において少し変わってくるのじゃないかと考えておる。といたしますると、業務収入からの繰り入れも非常に困難になってくる、他の会計からの繰り入れも非常に困難になってくる、こういう事態でありまするならば、実は郵政事業の全体の会計のあり方、こういうものも非常に問題になってくるわけでありまするけれども、そこでお聞きしたいのは、三十五年度の貯金の目標額は何ぼでした。
○大塚政府委員 千三百億でございます。
○田邊(誠)委員 実績は一体何ぼくらいですか。
○大塚政府委員 千三百三十一億でございます。
○田邊(誠)委員 実績は千三百三十一億円ということでございます。これは、今利子の引き下げ等もやりましたこういう状態の中で、おそらく三十六年度以降におけるところの貯金の目標額の設定については大へん大きな変動を来たすことを、新聞等でもすでに報道しておるわけです。そういたしまするならば、この郵便貯金の特別会計から郵政会計に繰り入れをする分というのは、一体三十六年度は、三十五年度に比較して、どのくらいの割合でもってお組みになっておるのですか。
○大塚政府委員 三十五年度は繰入額がたしか二百十一億でございましたが、三十六年度は二百二十億の予算になっておるわけであります。約九億の増加でございます。
○田邊(誠)委員 九億円のよけいの繰り入れを実は策しておるわけでありまするけれども、今申し上げたように、最近の郵便貯金の状態は非常に芳しくないようです。これは私は必ずしも一時的な現象ではない、こういうふうに考えておる。千四百五十億の目標額を達成することはきわめて困難だろうというふうにいわれておるわけです。こういう状態でありまするから、これは一つの見解でありまするから御質問いたしませんけれども、利子補給、いわゆる利子の繰り入れも、当初考えるような繰り入れば郵便貯金の特別会計の全体の形からいいまするならば非常に困難だ、こういう気がいたすわけであります。おそらく支払い利子はある程度ふえて参るでしょう。そういう中でもって非常に困難になってくると考えるわけであります。時間がございませんから、実は内容をさらに突っ込んでお聞きしたいのでありますが、委員長とのお約束がございますので別の機会に譲りますが、今申しますようなことからいいましても、業務収入もかなり給与改善の方に加えなければならぬ、また他の特別会計、電電公社からの受け入れ等は別でございましょうけれども、いわゆる貯金の特別会計、保険、年金等の特別会計、それの繰り入れはかなり窮屈になってくる、こういう事態でありますると、これは、どうも郵政事業の会計のあり方という面からいいまするならば、この赤字というものの処理の仕方は、ただ単にいわゆる料金改定によって補うという形だけではどこも不足をしてくるのこれは明らかな事実となって参ります。従ってそういった面からいいますならば、実はこの振替貯金等の料金改定によって当面の赤字を埋めることができたといたしましても、すぐさま赤字に転落するという事態を予想して、どうも大臣の言われた最初からの考え方の基礎というものがくずれてきたという状態の中でもって、この料金の改定に対して新しい考え方を考えざるを得ない状態に立ち至るではないか、こういうふうにわれわれは考えるわけであります。これは会計の中から純粋に考えてもそういうことがいわれるわけであります。これに対応するととろの方策をどういうふうにお持ちであるか、大臣の御所見を承りたい。
○小金国務大臣 お説の御心配はもちろん私どもも同感の点がございます。しからば一般会計等から繰り入れるというようなことも考えないわけではありませんが、これは非常特別の場合でありまして、私どもは独立採算制の郵政事業の特別会計を持っておりますから、この運用にあたっては、郵政会計の収入をどうしたらふやすことができるかということは、結局信用と努力による業務量といいますか、手数料の増加をはかる以外にない。すなわち国民の協力、喜んでこれを利用していただくということを増進する以外にございません。それで非常特別の場合は別途考慮いたしますとして、実は御承知の通りに、今度のベース・アップ等も今までゼロ回答をいたしましたが、私どもとしては千円くらいならば出せるというので、千円をまず提案したのでありますが、二千円をこえるベース・アップがきまりましたので、そこで収支の上において、今大塚局長がとんとんになるというようなことを言っておりますが、私は利用の減少の程度の見方とか、あるいはまたこの信用と努力によって、これは先ほどは予算の説明の際に田邊さんに確かに五年くらいの見通しと申しましたけれども、こういうベース・アップ等がありますと三年ないし五年と私は言葉を変えた次第であります。郵政事業の特別会計は相当幅が広いものですから、為替なり振替なりがそれだけで赤字が出たから直ちに会計をあやうくするというようなことは、私は今のところない、従いまして今のこの状態で貯金をふやすなり、振替または郵便為替の利用度を高めていく、すなわちサービスをよくしていく、それにはやはり従業員の給与、待遇が大事でありますから、それをまず今回は相当大幅にやりましたので、これで信用を回復して事業量をふやしていくというような方法で、まずねらいの三年ないし五年は郵政事業の特別会計としてはやっていける。しからば根本的に郵政事業の会計の方をどうするかという問題につきましては、やはりお説の通りこれから慎重に根本的な問題として取っ組んでいかなければならぬと思っております。
○田邊(誠)委員 実は大臣の話と局長の見通しとだいぶどうも統一性がないように思いますので、その点はあらためてまた機会もありましょうから、郵政事業全般の問題に対していろいろとお聞きをしたいと思いますので、その際に一つよく事務局の将来の収支の見通しと大臣の御見解と一致をするようにお運びをいただきたいと思うのです。 いろいろお聞きをいたしましたけれども、いずれにいたしましても、私はこの振替貯金の料金改定の持つ影響、特に最近低額の段階におけるところの利用者が非常にふえてきたというふうにお答えになっておる。非常に大衆性を持ってきておる。これは以前からそうでありますが、よりそういう状態になってきた。そういうことでありますならば、公共性と、いわゆる仕事の持つ独占性ということからいたしまして、料金改定に対してはやはり慎重な配慮をしなければならぬということが、当局の御答弁の中からもうかがえるわけでありまして、われわれはますますもってこの問題に対するところの重大な関心を払わざるを得ない、従って今の段階における郵政事業のあり方としては、当面を糊塗するところのこういった料金改定によって大衆の負担を増すということはやはり避けるということが、当然の成り行きとして考えられなければならぬ、こういうようにわれわれは思考するわけでありまして、この仲裁裁定の実施等の新しい状態に対処して、大臣初め郵政当局はこれらの問題に対してさらに慎重な御検討をいただかなければならぬというように私は深く考えるわけであります。そういった点で意見はまた後ほど申し上げますけれども、いろいろな新しい問題がまた発見をされまして、われわれはその内容をさらによく把握しなければならぬということがわかりましたので、そういった点でもって対処をいたしたいと思います。そういった面におけるところの措置を強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○山手委員長 受田新吉君。
○受田委員 郵便の振替貯金制度というものが大衆の送金手段として、特に郵政省が奉仕的な役割を果たしていることは周知の事実でありますけれども、これを今度料金改定によって独立採算の趣旨を貫徹したいという御趣旨から改正案をお出しになっておる。そこでこの改正案について問題点を二、三取り上げて、政府の改正趣旨に対する御所見を伺ってみたいと思います。 第一の問題点は、大衆の送金手段としてのサービス機関である郵便振替貯金制度というものが、これは大衆の低額の利用者と、そして一方においては大きな団体の利用者、たとえば生命保険団体とか、その他の常に多額の、かつ口数の多い利用者というものと、それぞれどのような角度からこれをながめておられるのであるか、これは今回の改定案の中にある五万円をこえ十万円までという払い出し手段に対する通常現金払いの場合の料金なども大幅に高騰しておるのでありますが、そういうこともありますので、この問題点の第一について御所信を御表明願いたいと思います。
○大塚政府委員 振替貯金の口座が現在四十六万余りございますが、そのうち約四〇%は法人でございます。加入者としてはそういう構成になっておりますが、利用者という面から見ますと、その口座に振り込む人たちの中では、千円あるいは二千円以下の金額を払い込むという階層が非常に多いのでありまして、私ども料金の改正をいたします場合に、高額でも少額でも送金の手数料、原価という面からいきますとほとんど同一でありますけれども、総体的な原価を各利用者に分担していただくという場合に、なるべく高額の送金をする方には多く分担をしていただき、少額の送金をされる方には少なく分担をしていただくというような考え方で、料金の配分を考えておる次第でございます。
○受田委員 この前の委員会でお尋ねしましたように、何十万円、何百万円という送金に対して、銀行は百円の手数料でサービスしている。これに対して郵政省におきましては一万円以上の金額においてはもう例外なしに銀行の送金料金よりも高率である、こういうことを指摘したのでありますが、今、局長の御答弁で、法人が四〇%も加入しているけれども、実際利用しているのはその法人に払い込む大衆の零細資金であるということであります。それはうなずけることですが、しかしその大衆の零細な資金を吸収するための制度ではあっても、一方においてこれが銀行の送金料金よりも高率であるというのでは、これは意味をなさないのであって、五万円をこえ十万円までが新しく九十円から二百円に引き上げられておるというようなことは、これは大衆のサービス的な考え方からいっても問題がある。五万か十万くらいまでというのはもはや大衆的な金額に考えてもいい時代がきておるのでありますので、こういうところで同じ手数で済む料金を、特に高率にとっていきたいという御趣旨は、低額のものを送金する人を擁護するという立場からとはいいながら、やはりその引き上げ率に私は問題があると思うのです。少なくともこれが三十円が四十円にされているというような段階で、九十円であったものが二倍以上に引き上げられるということは、ちょっと私は問題があると思う。そうした新しい改正料金は、振替貯金制度を利用しようとする人々に、ここに一つの足踏みをさせる危険が私はあると思うのです。思い切った高率の料金を、今申し上げたようなところでおとりになっておられる理由は何かほかにもあるのでございますか。
○大塚政府委員 先ほど料金の割り振りの考え方について申し上げました通り、低額の送金者は負担能力も少ないし、また送金額に対する料金の割合も高率になりますので、できるだけこれを低く押えまして、そのかわり、高額のものを送金される方については負担能力もあるし、送金額に対する割合から見ましても相当低い率になりますので、そういう点を考慮いたしましてこの料金をきめた次第でございまして、五万円、十万円という金額は今日ではそう大きな額ではございませんけれども、大体において五万円、十万円というものは商取引その他のあれに使われる場合が多いようでございますので、別に先ほど申し上げた考え方以上に特別の理由があったわけではございませんが、そういう利用の実態というようなものも考慮に入れまして、高額送金の料金をきめた次第でございます。
○受田委員 これは他の送金手段との比較で指摘したいのでございますが、普通為替の料金、これが今度五万円のところの百四十五円が二百円になっており、そうして十万円の場合は、その五万円を二口為替を切らなければならないので、十万円を従来送金をした人は百四十五円の二倍で二百九十円が、今度は十万円が改正されても三百円なんです。普通為替の方が高率なのに対してこの引き上げの割合は比較的寛大である。ところが郵便振替貯金の方は、上にいくほどぐっと上がっておる、こういうことになっておるのですが、同じ郵政省のお仕事の中で、同じ送金手段で、同じ大衆の便益を供与するサービスのこの事業が、普通為替、現金書留と比較して振替貯金の送金料金だけがばか高くなっておるという根拠を、別の角度から何かお持ちではないかと思うのです。いかがでしょうか。
○大塚政府委員 先ほど申し上げた通りでございまして、普通為替につきましては十万円送金がおっしゃいますように三百円でございます。それに対しまして、振替で申し上げますと、十万円送りますのに、通常払い込みで申しまして百五十円でございます。結局為替で送る場合のまだ半分でございます。従って引き上げ率からいいますと非常に振替の方の高額送金を引き上げたという率は出ますけれども、絶対額で申し上げますと、為替で送る場合のまだ半分の料金だということでございまして、そういう同種の送金手段との比較から申し上げますと、振替の方の引き上げは、率では高いけれども、絶対額ではまだ低い、こういえるのじゃないかというふうに考える次第でございます。
○受田委員 局長さんの今の御答弁では、振替貯金制度というものの利用者に対する今までの認識を変えなければならないことになると思うのです。これは普通為替に接近させるための料金をどんどん取り上げて、振替貯金の長所である幾つかの利点を押えていく、こういうことになってしまうのであって、振替貯金制度を大いに拡充強化し、大衆化させ、どの家庭にも振替口座が一つずつあるというふうに普及徹底させようとするならば、今の普通為替に接近させるという考え方は、私は郵政省の御方針とは逆の方向に流れていくおそれがあると思うのです。これは私たちの理想とするところは、各家庭にこの振替貯金口座が一つずつある、一世帯一加入者がおる、こういうところを私はねらっていくべきではないかと思うのです。国民全体にこの制度が普及徹底する、郵便貯金通帳を持っている家庭が大半おるように、振替貯金口座も大半の家庭が持つ、こういう方向にいくべきではないかと思うのですが、その私の願っているような方向を郵政省はおとりになっているのかどうか。それから今のような普通為替に料金を接近させることが当然であるという今御趣旨でございましたけれども、普通為替と振替貯金との送金手段の長短所というものは別の角度から論じていただかなければならぬので、料金の問題を接近させることが実際の解決ではないと私は思うのですが、いかがでしょう。
○大塚政府委員 振替の利用を普及いたしまして各人が一口座ずつ持つというような状態に持っていきたいということにつきましては、私どもも非常に同感でございます。そういう趣旨もありまして、従来振替の料金というのは為替その他に比べて低い料金で参ってきたわけでございます。また今回の引き上げにおきましては、やはりその点は書いておりませんで、為替に比べれば、やはり振替の方が先ほど申し上げましたように安くなっておるわけでございますが、ただその差が従来の差を縮めるものだという点で問題があるといえば問題があるわけでございますけれども、やはりまだほかの送金手段よりも低いわけでございますので、まあ上げないよりはやはり普及を押えるということにはなろうかと思いますけれども、そう普及に支障を来たすというほどの上げ方ではないというふうに私ども考えておる次第でございます。
○受田委員 郵便の利用、それからこうした郵政省の仕事である為替、貯金の利用、こういうものは一般の市中銀行などとはまた角度を変えて、国の事業であり大衆の便益供与という使命があるわけでありますから、あまり当局の態度が、何か事業的な考え方で、一例を送金手段にとりますと、一般の送金手段に比較してまだ振替貯金の料金は低いから引き上げるとかいうような考え方でおやりになると、それぞれの持つ特色というものを殺してしまうおそれがあると思うのです。一家庭一口座というような理想はとても達成できない。むしろ、さっき大臣も局長も言っておられた利用者をうんとふやして、手数料の方はそのままにしておいて利用者が倍になれば、独立採算は幾らでも成り立つというようなそういう形で国民にうんとこれを利用してもらう、こういう方針をおとりになるならば、料金改定に多大の神経をお使いになるよりも、もっと効果的な実績が上がると思うのです。今問題になっておりました三十六年度の予算の予定額で郵政事業特別会計の歳入の面を取り上げてみましても、他の会計からの受け入れというものをそれぞれあげておるのでありますけれども、こういうそれぞれの特別会計で、郵便貯金でも簡易保険で毛、そこで大いに実績を上げておいてもらえば、特別会計の繰り入れば幾らでも可能性が出るのであって、郵便貯金の増強策、こういうものも一般市中銀行に負けぬように大衆の資金は郵便局にみな持ってくるというような立場、あるいは相互銀行、信用金庫というような庶民金融というものが繁栄するようなことを政策的におとりになることによって国の事業というものは成り立つものであると思うのです。簡易保険でも民間の保険と競争して勝つほどの実力を持つ政策をおとりにならなければならぬ。こういう料金という末端の問題でなくて、もっと根本的な問題が私はあると思うんですがね。何だか小細工をされるような印象がある。この料金表を拝見しましても三十円が四十円になり、五十円が六十円になり、七十円が百円になり、九十円が二百円になるという、ここに何か小細工をされたような印象を受けるので、少なくとも公共料金というものには、できるだけ国民の負担を軽減する目的であまり触れない、やむを得ず触れる場合には納得のいくような料金改定にしなければならぬと私は思います。 そこで問題の第二点に触れてくるわけでございますが、政府は、郵政省は、こうした公共料金の引き上げというものを何年間しなくて済むかということについて、先ほど五年くらいはこのままでよかろう、つまり赤字にならなくて済むであろうということは、とのままでよかろうということだと思うのです。そういう御趣旨のようでありますが、所得倍増計画から見て、今後こうした為替料金あるいは振替貯金の料金というものは何年間は所得倍増計画において今度改正するので差しつかえないという態度をおとりになっておるのであるか。所得倍増計画はもうすでに政府において御検討されているのでございますから、公共料金のこの問題についてもおそらくお触れになっておられると思いますので、五年間くらいは赤字にならないであろうという御趣旨は、五年間は料金改定の必要はない、こういう前提に立っておられると了解してよろしゅうございますか。
○小金国務大臣 前段の受田さんの御意見で、どういうものはなるべく手数料は安くしておいて利用者を多くするというお説には全く同感でございます。実は私も部外者でおるころはあまり郵便の振替貯金制度なんというものを念頭に置かなかった。しかしこの仕事に携わり、またいろいろな現象を見ておりますと、確かに口座を安易に設けてもらって、うんと利用してもらうということが、私は一番大事な政策だと思っております。端的に申し上げれば、こういう制度の利用について、私はもう少し周知方法が足らなかったんじゃないかというふうにさえ考えておるのであります。その点で補うことはもちろんでありますが、今所得倍増に関連いたしまして、どのくらいこの料金制度を動かさないでいける見通しかとの御質問でございますが、これは実は政府は大体において十年たてば今の所得を倍額くらいのところまで経済の成長率を実現していくということでありまして、その十年のうち池田内閣ではまた大体三年くらいを目途として、この一区切りとして諸般の政策を行なうことになっております。そこでこの振替貯金の料金だけをとってみますると、具体的に申し上げれば、昭和三十六年の七月からこの改定料金を実施すると仮定いたしますと、大体三億九千万ですか、その程度の増収を見込んでおります。しかし今、田邊さんの御質問にありましたように、ベース・アップ等をやって業務収入からこれを振り向けるということになると、なかなか余裕を見込むことが従来の通りには参らないと思います。しかし郵政事業全体としての会計から申しますと、縦割りにして神経質にこの事業もあの事業も収支償わなければいかぬというような見方をいたしておりません。大体大きな郵政事業の特別会計において収支がまかなえるならばという方法をとっておりますから、まず私は三年ないし五年はこれでやっていけるという見通しでございまして、経済成長がどういうふうに発展していくかということについて、一応三年ぐらいの経過を見ようという池田内閣の方針でございますから、その際見直す場合があると思いますけれども、大体三年ないし五年はこれでやっていけるという見通しでございます。
○受田委員 経済成長に見合う所得倍増計画というものには、こうした公共料金、生活の母体となる公共を利用しようという場合に、その料金一が据え置かれて所得が倍増され、経済が成長されるというような方向であることが私は根本的な立場ではないかと思うのです。所得倍増計画に伴い、経済の成長に伴い、当然こうした公共性のある料金もやむなく上げていくということは、私は意味をなさぬと思うのです。大臣、それはよろしゅうございますか。
○小金国務大臣 なるべくそういうふうに私どももしたいと思うのですけれども、実は公共料金の中にもいろいろ種類がございまして、国鉄もそれかもしれませんし、また場合によっては、これは公共事業ではなく公益事業でありますが、電気、ガスの料金も含まれるかもしれません。私ども郵政事業も一種のサービス業でございますから、人件費が総経費の七割とか八割とかいうものを占めるのであります。従いまして他の仕事に属する人の所得が倍になって、公共事業に従事する人の所得をどうしてふやすかということになりますと、どうしても処遇問題、待遇問題等を解決していきます場合には、その人たちの給料も上げなければなりませんので、所得の倍増というのは均等には参りませんけれども、大体サービス業に従事される方の待遇を改善しようと思いますと、人件費がおもでございますから、他の生産性の向上等によって吸収し切れない。池田内閣もその点は引き上げようということであります。従って今お説にありましたように、なるべく上げない方がよろしいのでありますが、公共料金といえどもサービス業に類するものはやはりある程度の引き上げをして、従業員の所得の倍増もはかっていかなければならぬということになりますから、十年間にほかの所得は倍増するが、公共事業の料金は動かさないようにしたいという希望はありますけれども、やはりこれは各人の収入がふえるのでありますから、ある程度の負担をそれにかけるという意味で、負担の能力が増大するのでありますから、その負担をお願いするという意味で、これは動かさざるを得ないのではないか、こう考えております。ただ、それじゃ毎年変えるかということになりますと、これはなるべく安定した方がいいので、先を見通して何年間は据え置き安定した料金にしておきたい、こういう努力を続けていきたいと思っております。
○受田委員 そこで第一点に返ってきますが、そういう意味からでありますと、この払い込み金額が千円以下の場合に今度三十五円になっている。これは会費の徴収を目的としてある零細な資金で法人ができたというようなときに百円、二百円の送金を目的に振替貯金を利用しようという場合に、三十五円の送金料をやられたのでは、定額小為替よりももっと高率の負担になってしまう。こうした百円、二百円、三百円というむしろ大衆の一番負担しやすい会費を徴収する目的で生まれたような口座の利用者などに対する便益の供与という意味からいうならば、千円以下の場合などはこれを引き上げをしない、あるいは五百円以下のものを、この際ちょうど定額小為替と同じような意味で、ごく少額の送金を目的とする人々には出血サービスをするというような制度をここに設けておくべきではなかったか。私この問題についてちょうど関係をしている一つの歌の会があるのでございますが、その係の責任者の私は百円ずつ徴収する責任があるわけです。それを振替を利用してやったのですが、百円に対して今まで二十五円。百二十五円という本人の負担になってしまうのです。こういうことを考えたときに、振替貯金は料金の安いところで特色があった。しかも低額利用者に非常にサービスしておったということから逆に、低額利用者はばかに高い高率の、百円か二百円送るのに今度三十五円も負担することになりますと、振替貯金を利用するのが大儀で、せっかく払い込み料金を一緒に持っていこうとしても、これは加入者負担の方でやってくれということになるから、なかなかおもしろくいかない料金である。低額利用者に対する根本的なお考え方が、この法案をお出しになるときに何かなかったのでしょうか。どうでしょうか。
○大塚政府委員 先ほど来料金改定の考え方で申し上げましたように、原価としましては、百円を送ります方も、十万円送ります方も同じ原価でございます。それを負担していただく場合の割り振りとして、高額の方に多く負担していただき、少額の方の負担を少なくするという考え方でやっておるわけでございまして、百円の場合二十五円が三十五円になりましても、実際の原価はこの倍以上、三倍くらい平均しますと原価としてはかかっておるわけでございまして、結局原価の三分の一程度で少額の方々には送金を取り扱っておるということでございます。ただ同じ原価を割るにしましても、どうせ割っておるのならもっと割ってもいいじゃないかという考え方もありますが、やはり独立採算で収支を考えなければいかぬということになりますと、先ほど高額の送金についての御意見もございましたが、高額の送金者だけにそれを負担していただくというわけにも参りませんので、やはり少額のものについてもある程度負担をしていただかなければいけないということになったわけでございまして、ほかに今度定額小為替という制度もできまして、定額小為替でございますと、為替料としては十円、それを郵便に入れまして郵便料を払いましても二十円ということになりますので、同じ郵便局で扱っておる送金の手段の中で利用者のいろいろなお考え方によりまして、そのうち最も有利であり、最も便利とされるものを選択して利用していただくということになろうかと思うのであります。
○受田委員 選択の自由権は利用者に与えられているのですけれども、この振替貯金制度というものの妙味は、低料金でしかも確実な送金ができるということにあるわけです。しかも通信文も書ける、なかなかおもしろい長所があるわけなんです。ただ口座は所管庁に行ってくるのに日数がちょっとかかるのが不便なだけで、あとは長所を持っている。この長所を生かしておかなければならない。この長所をだんだん殺してもらっては困ると思うのです。だから郵政省がせっかく持っておられる大衆サービスの長所を一つ一つ芽をつんでいくような気がして非常に残念に思う。まず銀行に現われる、民間保険にやられる、こういうようなところが郵政省のあらゆるところへ現われてきて、やがて国という強い背景であっても国のやる郵政省の仕事にはどうもサービスの悪い点があると思うので、せっかくの大衆を郵政省から逃がしてしまうおそれがあると思うのです。むしろ積極的に大衆へ食い込み、需要者倍加運動というようなととろへ重点を置かれる——郵便貯金なとも下げたから仕方がないが、これなとも下げ方をうんと縮めていくということをすれば郵便貯金もある程度確保できると思うし、そういうところでとうですか、郵政省として大衆サービス本位で加入者倍加運動、利用者倍加運動、こういうようなととろで従業員の給料をまかなうというような、そういう方向へ政策的に乗り出してやられてはどうでしょうか。
○小金国務大臣 まことにけっこうな御意見で、私どもその線に沿うて努力いたしたいと思います。
○受田委員 郵政大臣、あなたは非常に抱負経綸をお持ちですから、一つそういうことでPRに乗り出して、郵政省の宣伝車までどんどんかり出して振替貯金を御利用下さいとか、そういうようにしてもっともっと利用者をふやして収入を高めるという方針を積極的にこれからおとり下さるように願いたい。 森本委員も質問をお待ちのようでございますから、私はもう一つこの問題点に触れてお尋ねを終わります。今度新たに放送受信料とかその他の育英会の学資の貸与金の返還等を、郵政省が振替貯金口座でサービスをしようとしておられるわけです。サービスはまことにけっこうなことで、ここへ指摘してある育英会の学資の貸与金を返す場合に振替貯金を利用してもらう、こういうようなことは、育英会の方もまた利用者も両方とも助かると思います。こういう制度はもっともっと拡充強化して、他に幾らもまだこうした公的性格を持ったお金の送金の道があると思うのですが、ここへ二つほど今取り上げられておるのでございますけれども、何かほかに御計画がありますか。次に用意されている御計画、今まだ踏み切ってはいないが次のような問題も取り上げてみたいという御計画がありますか。
○大塚政府委員 具体的には別にございませんが、同じような公共的性格のものでございまして取り扱い件数も相当の数に上るというようなものから申し出がございましたならば、やはり同一的な取り扱いをいたしていきたいと考えております。
○受田委員 もう一つ貯金の利子、振替貯金の利子の利率と、それから現に支払っておられる年間の額等はどういうふうになっておりますか。
○大塚政府委員 振替貯金の滞留しております金で預託しておりますものに対しまして、私どもが預金部から利子としてもらっております金は三十四年度におきまして三億六千万円でございますが、そのうち利用者に支払いますのが八千六百万円でございます。
○受田委員 その利率はいかがですか。
○大塚政府委員 各月のうち最低の残高に対しまして二分二厘八毛の利子を支払っております。
○受田委員 その利率は今度の郵便貯金の利率改定に伴って振替貯金の方も改定しなかったわけですか。
○大塚政府委員 相当低い利率でございますから、これ以上下げるのもどうかと思いまして、そのままに据え置くことにいたしております。
○受田委員 残額を相当持っている人というのは、これは加入者としてはある程度豊かな人であると思うのです。普通は出し入れの方へ追いやられて金が残るほどのものじゃないのです。それが余裕があるという人は利用者の中では恵まれた人です。それでこの二分二厘八毛はほとんど問題にされないであろうけれども、この利率というのはやはり問題だと思うのです。これは銀行の普通預金の利率とほとんど同じくらいです。これは軽やかに考える問題ではないと思うのです。振替貯金に残されている預金の性格というものと、それに対する利率というものは軽く考えるべき問題ではないと私は思うのです。私が今指摘しましたように、相当の金がその月のうちに残っておるというのは、相当豊かな加入者である。こういうことがひが目であるかどうかということと、それから二分二厘八毛という今度も改定しなくても済むような低い利率に置いておいたというのは、過去において振替貯金の利用者を冷遇したということになると思うのですが、そうであったのかどうか、この二つについて御答弁願います。
○大塚政府委員 振替口座の所有者は大体四〇%が法人でございまして、大体においておっしゃられますように、富裕と申しては語弊がございますが、金のある人が口座を持っておるという場合が多いというふうに考えます。 それから第二の点でございますが、先ほど申し上げましたように、その残高に対しまして私どもは預金部から三億六千万円もらっておりますが、支払い利子としては八千六百万円しか払っていないということで、その残高がありますことが振替貯金会計をある程度豊かにしておる原因になっておるわけでございます。これをあまり引き下げますと、口座所有者は直ちにその口座から金を引き出しまして、ほかの有利な口座に回すというふうなことになりまして、この残高が減るという心配が非常にあるわけでございます。そうしますとひいては振替貯金会計も苦しくなり、従って利子を引き下げたことによって浮いてくるよりも残高それ自体が減ってしまうということによって生ずるマイナスの方が大きくなるという危険がございますので、二分二厘八毛に据え置いたということでございます。
○受田委員 これはこまかい芸でございますけれども、問題があると思うのです。この振替貯金の利率というようなものは世間であまり問題にしてないように見えているけれども、これは問題になるのです。それで今まで低率になぜ置いておいたか、これは間違っていたのかどうか、一つお答え願いたい。
○大塚政府委員 この振替貯金の滞留しております残高に対して利息をつけておるところとつけてないところがございまして、外国ではほとんどこれに利息をつけておりません。そのかわり、料金を多少安くするというような措置をとっているわけでございます。その利息をつけるのがいいか、それとも利息をつけないで料金をできるだけ安くした方がいいかという問題はなかなかむずかしい問題でございますが、私どもとしてはその中間をとりまして、低い利子をつけるという行き方をとっておるわけでございまして、これはそのどちらが最も有利かといいますと、私どもとしてはやはり残高をなるべく残しておく程度の利息を付しておいた方がよかろうというような考え方できめておるわけでございます。
○受田委員 これは銀行で言うならば、ちょうど小切手を発行できる当座預金と普通預金との相違みたいなもので、小切手が発行できる当座預金には利子をつけてない、それから普通預金には日歩六厘ついている、こういうようなものであると私は思うのです。だからその残額に対してその月の計算をして一番低いところへ利子をつけるという、その利子をつける計算事務というのは私は相当ややこしいのではないかと思うのです。これは簡単ですか。人件費などは相当必要ではないかと思うのです。それに伴う人件費などを考えた場合に、利子をつけなくて料金を下げる、 こういう利用者の側からいえば料金を下げるということでいくわけです。それはよく検討してみなければいけないと思うのです。利子を計算するのに必要な人件費というのは郵政省ではどう計算されておりますか。数字が出ているはずですが。
○大塚政府委員 利子をつけるに要する手数についての人件費その他については精密な検査をいたしておりませんが、それは相当手数を要することは確かでございます。それで結局、先ほど申し上げましたように、振替の利用といたしましては、一般の方々からその口座へ振り込んでいただくという利用の仕方と、その口座にある金を他に払う、口座所有者が支払いの手段に使うという町方の使い方があるわけでございますが、今までの使い方でいきますと、むしろ口座を持ってない方からその口座に払い込んでいただくという利用面が非常に多いわけでございます。従ってその払い込んできた金がたまりますと、それを直ちにほかの金に引き出しまして使うというようなことになる可能性が、利子が低いということになりますと、相当多くなるわけてございます。そういう点がありまして、これが小切手の場合の当座のように、支払いの手段に使うという点が非常に大きいということになりますと、無利子にしましても、支払うためにはどうしても残高を置かないと支払いができませんから、残高を置くということになるわけでございますが、今の私どもの振替口座はさっき言いましたように、支払い手段として使うというよりは払い込んでいただくために使うという使い方が多い関係上、払い込んだ金をなるべく長くそこに滞留させるというためには、やはり利子をつけておいた方がいいというふうに考えておるわけでございます。
○受田委員 今の振替貯金の残額に対して利子をつけること、その利率の問題というような点と、それから加入者、また払い込む人にどういうふうにして便益を多く与えるかという問題とは、根本的な問題としてこれは研究していただく必要がある。送金手段として振替貯金が利用されているというところに重点を多くするか、わずかの利子をつけてそれを残すために狂奔するかという問題もあるし、それからもう一つは、大衆の立場から見た場合に、振替貯金の利用はどっちをとった方がいいかというような大きな問題もあるわけですから、ただ残額を残しておく方が、あまり払い出してもらわぬ方がいいのだということよりも、もっと大きな立場でこの問題を御検討願ったらと思います。
○山手委員長 森本靖君。
○森本委員 さっそく今の振替貯金の金利の点ですが、これは二分二厘八毛の利子をつけておるわけですけれども、実際問題として、便郵貯金の利子の引き下げの際に私が質問をしたときに、大臣としては金利政策全般から見て、郵便貯金としても実際は下げたくはないけれども、政府の方針だから下げざるを得なかった、こういうことであの問題は答弁をせられたわけですが、ただ振替貯金の残高と郵便貯金の残高は性質が全く根本的に違うということは、貯金局長の答弁でもはっきりしておるわけです。しかし金利政策という点からいくとするならば、やはりこれの金利についても、郵便貯金の金利を引き下げるときには、それに準じた一つの検討をしなければならぬ、こういうことは当然なんだ。それを、振替貯金の場合は料金その他から関係してとりあえず据え置きましたということになると、いわゆる金利政策そのものとしてすでに首尾が一貫しておらぬということを追及されてもやむを得ない、こう思うわけです。しかしこの問題を幾ら追及したところで、あなたの方はこういう法律案を一応提案してきょう上げるというような段階になっておるわけだから、わが方はそういう不見識なことをやることについては反対ですけれども、答弁が終始つじつまが合わぬことになるわけです。その点を私は強く警告をしておきたいと思う。これは常識で考えても、政府の金利政策からいくとするならば、今までやったことが間違っておったのか、これから先やろうとすることが間違っておるのか、どちらかなんです。これはどちらかにつけられるということは当然なんです。そういう点は、金利については非常につじつまが合わぬ点がありますので、やはり、今、受田委員も言われたように、振替貯金は振替貯金として、この料金問題と金利の点は根本的に再検討する必要が確かにあるのじゃないか。そうでなければ、今回の郵便貯金法の改正に準じて、当然この郵便振替貯金法の十七条の利子の点は改正すべきだ。改正しないにしても、かりに一毛でも二毛でも、これはわれわれは下げることを望まぬけれども、あなたの方のいわゆる金利政策からいくとするならば、これに全然手をつけないということについては筋が通らぬということを私は言っておきたい、こう思うわけです。(「安い」と呼ぶ者あり)安いということになるとするならば、今まで郵政省がやっておったことが間違いでございます。あるいは理論的にいくとするならば、これから先やることが間違いか、どちらかが間違っておるということになる。その辺は大臣はそこまでこの法案を出すときに検討もしてなかっただろうと思うし、またそういう常識もなかったので、今なるほどそうかいなという気になると思うのですが、これは十分あとからでも検討する価値があると思います。この点は警告をしておきたいと思います。 それから第六条に、「郵便振替貯金に関し条約に別段の定のある場合には、その規定による。」こうなっておるわけでありますが、この第六条に関連をする料金はどうなっておるのですか。
○大塚政府委員 実は今回の改正と直接関係がなかったものですから、あまり研究をしていなかったのでございますが、外国郵便振替は現在スイス、西ドイツ・フランス等十カ国と交換をいたしております。その料金につきましては、各条約によってきめておるようでございますが、その詳細はいずれ調べまして……。
○森本委員 これは条約でなしに、第六条には、「条約に別段の定のある場合には、その規定による。」定めのない場合においては省令で定める、こういうことになっておるわけです。そこで、これは関係がないといっても、国内の料金をこれだけ値上げをするわけでありますから、外国との振替貯金については料金の改定も当然持ち上がってくるというのが料金関係から当然でありますから、国内の料金を改定するならば、外国における振替貯金の料金もある程度改定ということになってくる、そう思いますので、特にその十カ国関係の振替貯金の料金を現在のものをそのままにするのか、あるいは条約において定めておる場合は条約を改定しなければできませんけれども、条約で特段の定めがない場合においては省令で定める、こういうことになっておりますから、当然省令において定める場合にはこれを改定しなければならぬ、こういうことになるわけでありますので、省令できめておる場合においてはどういう改定の仕方を考えておるのかということであります。
○大塚政府委員 省令で定めておるわけでございますが、条約そのままを省令で規定いたしておりますので、今回の料金改定に伴いまして改正をしようとしましても、条約そのものを変えない限り変えられませんので、そのままに据え置いた次第でございます。
○森本委員 そうすると、その十カ国全部条約によってなされておるわけですか。条約においてきめて、それから今度省令においてやっておる分も、国によってはあるのではないですか。——またあとで速記録を消さないように、はっきり御答弁を願いたい。わからなければわからないということでいいです。あとで聞きますから。
○大塚政府委員 その点、確かでございませんので、調べまして後刻……。
○森本委員 私が最初に言いましたように、条約においてきめておる分については、貯金局長が答弁された通り、ここで幾ら論議をしても、一応条約の改定のない限りにおいてはやむを得ません。ただ条約において大綱をきめて、省令においてきめておるということがあるとするならば、それがやはり今回の料金改定に問題になってくるわけであります。その条約においてきめて省令においてきめておるということがなければけっこうでありますけれども、もしそれがあるとするならば、この料金改定には非常に関係がありますので、これは至急、今調べていただきたい、私の質問の終わるころまでには、ぜひお願いをしたい、こう思うわけであります。 それから次に、ちょっとこれは参考までに聞いておきたいと思います。第十四条の「加入者、代理署名人、参加署名人」この三つに分けておりますが、この区分けをちょっと御説明願いたい、こう思うわけです。
○大塚政府委員 私も詳細に存じませんので、説明員をして説明さしたいと思います。
○黒石説明員 第九条に参加署名人、代理署名人と、こうございますけれども、代理署名人というのは、加入者にかわりまして、あらかじめ振替の利用をするために一定の署名をする、つまり印鑑を届けておく人でございます。その人が署名をしなければ振替の利用ができない。参加署名人と申しますのは、加入者が、たとえば未成年者その他等によりまして、さらにその参加署名人の印章がなければ振替の請求ができない、そのために設けてあるものであります。
○森本委員 それで、その代理署名人というのはわかりますが、この参加署名人というのはたくさんあるのですか、具体的に。
○黒石説明員 一人ということになっております。第十一条に「参加署名人は、一人に限る。」とございます。
○森本委員 現在、振替貯金で、との参加署名人の届け出をしておるようなものがたくさんありますか。
○黒石説明員 今、そこまで調べがついておりませんが、そんなにないと思います。
○森本委員 これは私は非常に利用者が少ないと思いますので、この加入者、代理署名人という点についてはいいのですが、参加署名人というような点については、ある程度検討をする必要があるのじゃないかというふうに考えておるわけでありますが、これは施行後においてもゆっくり御検討願いたい、こう思うわけであります。 それから第五十六条でございますが、第五十六条によると、三年間口座への払い込みがなかった場合には当然これは口座から削られる、こういうことになりまして、いわゆる加入者に対して、払出証書を郵便局から出して、そうしてこれを払い出してこの口座を削る、こういう条文でありまするが、郵便貯金の場合は、十年間を経過いたしましたらこれを没収するという形になっておるわけであります。かりに、第五十六条におけるところの、三年間払い込みがない、残額が三千円なら三千円あった、それを実際問題として、払出証書を出して本人に届け出をしたところが本人が全然行方不明、居所不明だ、そういう場合に、この金はどうなるのですか。
○大塚政府委員 第五十六条は「加入者を除名することができる。」ということでございまして、当然加入者の権利が消滅するというわけではございません。従って、三年たちましても、実際問題として直ちに除名はいたしませんで、大体玉年間くらい全然受け払いがないという場合に、本人にさらに利用の意思があるかどうかということを確かめまして、その上で除名をするというような措置をとっているわけでございます。それで、口座に三千円なら三千円残高がございます場合に、それをもととしまして払出証書を発行したけれども受取人がないというような場合は、それは払出証書を請求しなければ払出証書は出せないわけでございますから——除名をしたので口座に残っている金をその加入者に払い出す場合でございますか。
○森本委員 除名の場合と、自然脱退の場合も。
○大塚政府委員 やはり払出証書について三年の時効というものがございますので、三年たった場合に、受取人がわからぬという場合にはその払出証書が国庫没入ということになります。
○森本委員 そうすると、それはどの条項になりますか。その国庫に帰属というのは……。
○大塚政府委員 第五十条の「払出証書の有効期間の経過後三年間、払出証書の再交付又は払出の請求の取消がないときは、その払出証書に表示された金額に関する加入者及び受取人の権利は消滅する。」これでございます。
○森本委員 その消滅するということはありますけれども、その消滅した金をどこへ持っていくということについての明文がないのですよ。郵便貯金の場合は明らかに国庫に帰属するということがあるわけですね。この場合、法律も若干不備ではないかと思いますが、振替貯金の場合はそういうことが郵便貯金ほど現実にないと考えておそらくこの法律をこしらえたと思います。ところが、そういう点について、振替貯金の場合もやはりあるわけです。だから、法律的には五十条の権利は、消滅することによってそれが国庫に帰属すると解釈する、どういうことになるわけですか。私もこれはあまり詳しくわからぬで疑問の点があるのでお聞きしたわけですが。
○大塚政府委員 債権債務につきましては、結局債権が時効によって消滅しますと、その権利は債務者に帰属してしまうということになるわけでございまして、その時効のあれから言いまして、債権者の債権が時効になってしまった場合に、その財産権は債務者の所有になる、こういう論からきていると思います。
○森本委員 そうすると、民法上の解釈でやっているわけですか。
○大塚政府委員 さようでございます。貯金についても国庫に没入するという文字は特にないようでございます。
○森本委員 郵便貯金の場合は、たしかあったと思います、はっきりは覚えておりませんが。そうすると、振替貯金のこういうふうな金額はどの程度ありますか。
○大塚政府委員 振替貯金につきましては、三十四年度に三万五千件、金額にしまして千二百万円ばかりでございます。
○森本委員 その金はやはり郵便貯金特別会計の雑収入の中に入っておるわけですか。
○大塚政府委員 これは郵政事業特別会計の雑収入でございます。
○森本委員 そうすると、その金は郵政事業特別会計の雑収入に入るわけですか、千二百万円も。
○大塚政府委員 為替と振替の事業が郵政事業の中に会計としては所属しておりますので、そういうことになっております。
○森本委員 これも一つの問題を私は提起したわけでありますが、第五十六条の三年間当該口座へ払い込まないというのは——三年間も五年間も払い込みをしないということについては、大体これは行方不明が多いのですね。そこでこういう金額が出てくるわけでありますが、これは一般の郵便貯金と違って、少なくとも振替口座を持つような人については、ある程度の措置をすればもっと金額が少なくなるのではないかというような点も考えられるわけでありまして、現行のやり方については私はいま少し検討を要するのではないかというふうに考えるわけであります。たとえば三年の間に一年なら一年に日を限って、全然払い込みのない場合については一応注意を喚起するとか、あるいは実地探聞をするとか、そういう措置をこの振替口座についてはとる必要があるのではないか、ついうっかり忘れてしまってどこかへなくしてしまうというのが非常に多いのではないかと思うわけでありまして、年に一回くらいの探聞をやるのが親切ではないか、こう私は考えるわけであります。これは施行上できると思いますが、どうですか。
○大塚政府委員 御趣旨ごもっともと思いますので、できるだけそういうふうにしたいと思っております。
○森本委員 それから、質問の重複を避けていきますが、今回は公金の取り扱いに関する料金も上がっておるわけであります。特に今回問題になるのは、第六十二条に、「省令で定めるところにより取りまとめた払込金額の合計額」ということになっておるわけでありますが、この省令で定める払い込み金額の合計というのはどうなっておるわけですか。
○大塚政府委員 公金の口座の、一日ごとにその口座へ入ってきた金額を取りまとめて、それに対して千分の五をかけるというようなやり方を規定する予定でございます。
○森本委員 そうすると、「省令で定めるところにより取りまとめた払込金額」というのは、金額でなしに一日ごとに取りまとめる、こういうことですか。——それでは省令でなしにここにはっきりと一日ごとと書いた方がいいのじゃないですか。これは金額か何かあるのじゃないですか、五千円とか一万円とか。
○大塚政府委員 要するに一日ごとに各郵便局で取り扱ったものを取りまとめまして、それに対して計算をする、こういうことでございます。
○森本委員 そういうことであるとするならば、これは別に「省令で定めるところにより」と書かぬでも、一日ごとと書いた方があっさりしていいのじゃないですか。何かそれを変更するとか、あるいは随時そのときによって変えるとか、金額の高によるということになると省令ということが出てきますが、一日ごとにということであれば、これは別に省令にゆだねる必要はないと思うのですけれども、その一日ごとというのを、場合によっては一週間とか十日とかいうふうにやるおつもりがあるわけですか。
○大塚政府委員 それを法律で書いてもいいわけでございますが、現在すでにそういう省令が出ておりますので、それによってやるというつもりで書かなかったわけでございます。
○森本委員 そうすると、一日ごとにというのは、ほとんど固定した考え方ですね。これがそのときの取り扱い数量とか、そのときの状況とかによって上下——大体省令にゆだねる形式というのは、ある程度緊急の場合があるとか、また違った場合があるから省令に特にこの点をゆだねるというのが多いわけですから、そういう点がないとするならば、一日ごとにということが原則であるとするならば、そういう点は私は省令に特にゆだねるというような形でなくともいいように考えるわけでありますが、これも一つあとでゆっくり勉強して検討してみて下さい。 その次に、今度の新しい条文でありますが、「その金額の千分の五に相当する金額に」というところがあるわけであります。この千分の五というのは、これはどういう条件というか、積算根拠で千分の五に十五円を加えるということになっておるわけでありますか。千分の五というのはどこから出てきたわけですか。
○大塚政府委員 千分の五に精密な積算根拠があるわけではございませんが、大体現在の金額十五円が倍額程度になるために、公平に扱うとしたらばどの程度の金額に対する率を加えたらいいかということをむしろ逆算いたしまして、一件十五円のほかに、金額について千分の五というものを加えることによって、大体平均三十円程度になるというようなことからきめた数字でございます。
○森本委員 これは、「その金額の千分の五に相当する金額」云々ということになっていくと、実際問題としては上下の変動がずっと同じような形になっていくわけですね。これはいつそのこと——金額の高ということは、取り扱い原価は同じなんです。取り扱い原価は同じだけれども、金の高が多いからということにおいて料金が高くなっておるわけですね。そうすると、札の数え方の率というか、そういう考え方に立って料金がやはり原価的に出てこなければならぬ、そう思うわけですが、そういうことを考えてみると、この料金のやり方については、こういう形でなしに、何万円までは何ぼ、何万円以上は何ぼ、こうやった方が料金体系としてはもっとすっきりするのじゃ、ないか、私はこういうように考えるのですが、その辺はどうですか。
○大塚政府委員 おっしゃられますようにそういう刻み方でいってもいいと思いますが、計算の便宜からいいますと、千分の五という方が一律に計算ができますから、むしろ簡単じゃないかという考え方でやったわけでございます。
○森本委員 それは確かに取り扱う方は便利ですけれども、実際にやる方は、やはり料金体系というものが最初の方の一たとえば料金というものは、一万円までは何ぼ、何が何ぼときめておいて、この公金のやつだけ千分の五に十五円を加える、こういう形のものを作っているわけですね。その辺の料金体系の考え方が妙に首尾一貫しない。片方はめんどくさいから千分の五にしてそれに十五円を加えろというようにしかとれぬわけです。その千分の五というものは、普通の振替貯金はこうだからこういう料金体系ができておる、しかし公金の場合はそれと違った、こういう要素があるから千分の五という形にした、こうなれば説明がはっきりしてくるわけですけれども、おそらくその説明は私はむずかしいと思うわけであって、要するにあなたの方は取扱者として便利な方向にやったということが本音だろうと思うわけですが、あえてこの問題を追及しようと思いません。ただ料金体系の考え方からいきますとこれはおかしい。だから一方の一般の振替貯金はこうである、公金の場合はそれに準じてこれだけ安い、こういうことでなければならぬと私は思うわけです。 もう一つ、公金の取り扱いの場合は振替の場合よりも若干安いわけですね。これは大臣にお聞きしておかなければならぬわけでありますが、公金の取り扱いは普通の料金よりも安いということはうなずけます。しかしその場合において、その差額というものを、いわゆる郵政事業特別会計の独立採算の中においてまかないをしなければならない。これは金額は小さいですよ。小さいけれども、これは郵政事業の特別会計でまかなわなければならぬという性格のものではなかろう。それを一般の振替貯金よりも若干安い料金にやっておけということの意味はわかるけれども、そうすればそれだけの金額はやはり場合によっては一般会計からこれを補てんをする。たとい金額は小さくても、私はそういう道を講じておくのがほんとうじゃないかというふうに考えるのですが、その辺の考え方はどうですか。現実にやる、やらぬは別にして。
○小金国務大臣 その考え方は確かに私は筋があると思います。公金だからなるべく安くする、しかしそのために郵政事業が原価を割るような場合においてはどういう補いの方法を講じたらいいかということは、私は確かに一つのりっぱな筋があると思いますけれども、金額も比較的少ないし、他の事業でカバーするという今日までのしきたりでございますから、私はこれは今回はそこまで根本的に突っ込んで考慮いたしませんでしたけれども、確かに考慮すべき一つの問題だと思っております。
○森本委員 これは確かに金額が小さいから大臣の言われた通りでありますけれども、金額が小さいからというて、それが積もり積もってくると、たとえば郵便法におけるところの郵便料金の設定の場合でも、今度の盲人用点字の場合は明らかに無料になっているわけですね。それからその他の公共的な料金というものは安くしておる。これはその郵政事業の特別会計は独立採算でやれということをやかましく言っておいて、公共的なものについては安くしろということで安くさしておるわけですね。それはしかし郵政事業特別会計でまかないをしていかなければならぬ。こうなってくると案外こういう金額がばかにならぬと思うのです。国鉄なんかこの点なかなかがめついわけでして、傷痍軍人の割引をやったら、それだけ一般会計から持ってこい、何を持ってこい、すぐこれをやるわけですね。その点、郵政事業はなかなかおおらかで、何でもすぐ引き受けてきては、しまいに金が足らぬことになる。それで一般会計から持ってこいというようなことをやると、大蔵省は断じていかぬ、こういうことになって、いつでも郵政省というのは人がよすぎるという点もなきにしもあらずである。そういう点を考えた場合には、私は小さな問題であっても、一応筋は筋としてやはり主張はちゃんとしておいてもらいたい。その上においてなおかつ包括をした予算折衝その他においては、そういう問題を場合によっては持ち出すべきである。たとえば郵便法の改正のときにも申し上げようと思ったけれども、盲人用点字を無料にするということであるならば、それだけのものを一体どこから持ってくるかという点については、郵政省としては言うべきことはきぜんとして大蔵当局に言っていかなければならぬ問題である。その点を、これは事務当局の問題でなしに、大臣としてはやはり深く考えておいてもらいたい、こう思うわけであります。 次に、今回放送協会の受信料が公金扱いになっているわけでありますが、それは放送協会の振替の送金だけがそうなっておるわけであります。そこでこの際ちょっと聞いておきたいと思いますが、放送協会の受信料はこの振替貯金で送金する場合には公金扱いになるわけでありますけれども、平常における郵政省の取り扱いは公金扱いになっておりますか。これは経理局長だと思いますが、お伺いします。
○板野政府委員 歳入歳出外現金として扱っております。
○森本委員 歳入歳出外現金というのはどういうことになりますか。
○佐方政府委員 郵政省のみずからの歳入あるいは歳出じゃなくて、郵政省が扱っておる現金でございますから、たとえば郵便貯金それから簡易保険の金と同じようでございます。郵政省の郵政会計としてみますと、本来の委託された金でございますので、その手数料でありますとかいうものは国の歳入歳出になりますが、集めた金自身は放送協会の金でありますから、歳入歳出外の現金ということで思量しておるわけです。
○森本委員 その歳入歳出外の現金として取り扱うという場合、取り扱い方法はどうなりますか。公金としての取り扱いじゃないわけですね。公金でないわけですから、歳入歳出外の現金として取り扱う場合は、その保管、それからそれを送金するという場合どういう手続になりますか。
○板野政府委員 現在出納官吏が収納した受信料につきましては、振替貯金払込書によりましてNHKの指定いたしまする振替貯金口座に払い込むようにいたしておる次第でございます。
○森本委員 この法律では、取り扱いの者が集めてきて振替貯金に入れて初めて今度公金扱いになるわけですね。だから振替貯金に入れるまでは公金扱いにならないわけですね。そうでしょう。
○板野政府委員 振替口座に払い込む以前におきましては、歳入歳出外現金でございますけれども、公金ではないというふうに私は考えております。
○森本委員 そうするとこれは公金でない取り扱いになりますので、その場合は、かりに事件が起こった場合にも公金横領にはならぬわけですれ。こういう犯罪が起こった場合はどうなるのですか。
○佐方政府委員 どうも非常にあいまいなことを申し上げて相済みませんけれども、少なくともNHKから委託をされまして、その金を集めてNHKに払い込むだけの責任を持っておるわけでありますから、その間に盗難がありますれば、当然それは犯罪になると思います。
○上林山委員 関連。ただいまの問題は私はきわめて重要な問題と思いますので、一言お伺いしておきますが、私どもの法律常識をもってすれば、これは聴取料を郵政省の従業員が、いわゆる役人が受け取った瞬間に公金とみなすべきものである、法の擬制によってそういうように解釈していくのが法律常識からいっては正しいと思うので、先ほどの森本君の質問に対して具体的に答弁されたのは、振替用紙で振り込んだときが公金になるのだ、こういう御答弁であったと思います。それは私は御検討の上、法制局等とも打ち合わせの上、正確なる解釈を郵政当局はとっておかれるべきものだと考えます。なお総括的にただいま経理局長から御答弁があったけれども、これは総括的な抽象論として私は聞いたので、法律解釈論としてはどうも受け取りがたい疑問の点を含んでいる、こういうふうに考えるのです。そこで途中において森本君の質問にもあったように、その金が横領された場合、これは公金横領になるのか、あるいは一般の横領なのか、ここもまた刑事処分として重要な観点になる。この辺は、公開の席上だから、自信がない場合は、調査の上でお答えしますと、こう言われた方が私はいいのではなかろうかと思いますので、そういう意見をも含めてお尋ねしておきたいと思います。
○小金国務大臣 ごもっともでございまして、実はこの郵便局で取り扱う振替の中に、公共事業ではなく公益事業であるガス料金と電気料金がございます。これらが公金でないことははっきりしておりますが、今の日本放送協会の聴取料につきましては、上林山さんからも御指摘がありましたが、なお法制局その他とも相談いたしまして法律上妥当な解釈をいたしたいと思っておりますから、しばらく御猶予をお願いいたします。
○森本委員 猶予は幾らでもいたします。私は大体おおらかな人間ですからそれはしますが、先ほどの経理局長の答弁が今の郵政省の取り扱い事項については正しいのです。というのは、郵政省における現業事業の公金の取り扱いというものは、すべて日報面に掲載をして、地方貯金局と統轄局の調査課に報告をしなければならぬことになる。その報告事項の中にこれはないわけです。郵便局の現業において公金扱いをするものは、日報面に載る以外のものはない。委託の放送受信料については、これは取り扱い事項としては公金扱いになっていないのです。それをもし法律的に公金として解釈するということになれば、少なくともこれは公金扱いとして日報面にぴしっと載せて、日々の受け払いの中に入ってこなければならぬわけです。現行の取り扱いはそういうふうになっていないわけでありますので、現在やっておることについては事務当局がそれを正確に答弁したわけであります。ただそれが正しいやり方であるかどうかということについては、今、上林山さんも言ったように、非常に疑問もあろうと思うわけでありますが、現在の法律上からいくとするならば、それについて公金扱いをしておらないというのが郵政省の扱いの内容です。そとでそういう点について非常に心配になりますのは、公金扱いになっておりませんから、集金人が相当集めてくるそれを振替貯金に入れて送って初めて振替貯金法に基づくところの公金に準じた扱いになるわけです。ところが法律上の公金ではない。そこまでの取り扱いにおいて、いろいろ事故が起こったりしがちになるわけでありますので、そういう点は一つ明確にする必要があると思うのであります。 郵便局にはこれと同じような性格のものがまだ二つあるわけであります。これも私が前から質問の予告をいたしておりましたので御調査になっておると思いますが、例のお年玉はがきの寄付金、これも全然公金扱いになっておらない。もう一つ不明確な点がありますのはNHKの義援金の取り扱いであります。お年玉はがきの寄付金についてもこれは公金扱いになっておりませんので、ややもすると犯罪になりがちな点があります。これの取り扱い方法については一応わかっておりますが、NHKの義援金はどういうふうに取り扱っておるのか、非常に疑問になるわけであります。これは窓口でどういうふうに取り扱っておりますか。
○大塚政府委員 NHKの義援金といいますのは、NHKの歳末助け合いの募金のことかと存じますが、これにつきましては全国郵便局におきまして、募金会からあらかじめ料金加入者負担という専用の払い込み用紙の配付を受けておきまして、寄付をしたいという者が窓口に来ました場合には、その払い込み用紙を渡しまして、それに記入をしていただいて振り込んでいただくというやり方をとっておるわけでございます。
○森本委員 それは一件ごとにその払い込みをやっておるわけですか。
○大塚政府委員 さようでございます。
○森本委員 もしそういうことであるとするならばまことにけっこうでありますけれども、そうなると、あの義援金というものは、五十円あるいは三十円というようなものが出てくるわけですね。そこで三十円払い込んで二十五円の料金を支払っておったのでは何にもならないわけであります。あなたはそういうふうにおっしゃるけれども、現実の問題としては、やはり千件なり二千件、五千件たまってきて払い込んでおるというのが現実ではなかろうかと思うわけであります。その場合非常に心配になるのは、百円寄付さしてくれといってきたときに、実際に振替貯金用紙にそのまま払い込ますということになれば、その点の事故はなくなるけれども、現実に百円一つ頼みます、五十円頼みますといったときに、これをためておいて三千円、五千円になってからやるということになると、人を疑うということはいけませんけれども、全然証拠書類というものがありませんので間違いを起こさないとも限らない。私はNHKの義援金まで郵便局が取り扱うということはどうかと思うのです。大体郵便局で取り扱う金というものは公金だけだ、それ以外の取り扱いをやるということは非常に事務が繁雑になりますし、また犯罪を誘発する原因にもなるのじゃないか。郵便局というものは少なくとも通信官署として、正式の官庁の機関でありますから、そういう点についての取り扱いについて、私は平生から非常に疑問に思っておる点があるわけであります。局長の方ではそういう指令を出しておっても、義援金というものは十円持ってきても受け付けなければなりません。案外十円、二十円が多いのです。二十円の義援金を持ってきて、二十五円の料金を払っておったのでは元も子もないから、絶対そんな払い込みはしない。少なくとも最低が千円、二千円たまらなければ払い込みをしないと思う。これはやめるか、もっといい方法があるか、十分に事務当局としても実態をつかんで御検討願いたいと思いますが、どうですか。
○大塚政府委員 建前は先ほど申し上げました通りで間違いはない建前になっておりますが、実際はおそらく先生のおっしゃられる通りではないかと思います。そういう点についてはなお私どもよく実態を把握いたしまして、それに適応した措置を研究いたしたいと思っております。
○森本委員 今回のこの振替貯金の料金の値上げの率は何%になっておりますか。
○大塚政府委員 通常払い込みにつきましては、これは算術平均の引き上げ率でございますが、九八%ということになっております。
○森本委員 値上げ率ですよ、値上げ率が九八%にもなっておりますか。
○大塚政府委員 要するに、料金の引き上げの率は、先ほど申し上げましたように、通常払い込みで平均をいたします九八%でございます。それから電信払い込みが四七%、全体を先ほどあれしまして、どれだけ増収になるかという率をはじきますと、全体で二四%でございます。
○森本委員 それから、先ほどの条約の件、わかりましたか。
○大塚政府委員 現在万国郵便連合の郵便振替に関する約定というのがございまして、これに「振替の料金は、振替金額の千分の一をこえてはならない。ただし、各郵政庁は、次の権能を有する。」ということになっておりまして、各郵政庁はさらにそれを二十サンチームまではよろしいということになっておりますが、現在私どもの方の外国郵便振替規則におきましては、この最高の二十サンチームを換算した金額できめておりますので、万国郵便の振替に関する約定を変えない限り料金の改正ができないわけであります。
○森本委員 それは上げるといった場合には改正ができないけれども、実際そのワク内において郵政省は郵政省でやれるわけですね。
○大塚政府委員 今最高の二十サンチームがきまっておりますので、引き上げはできませんが、二十サンチーム以下に下げるという場合には省令で変え得ると思います。
○森本委員 これも実際問題として、国内の料金を改定をした場合にはそういう国外の料金についても改定をしなければ、これはやはり料金体系としてのつじつまが合わぬわけであります。そういう点は、やはりこれは条約問題にもなりますけれども、国内とつり合うという形にするがためには、そこまで目を転じて料金体系をやっていかなければならぬと思うわけでありますが、今ごろこれを言ったって仕方がないのでこれでやめにいたしますが、なお私は、ほかに質問もいろいろありますけれども、一応時間もきましたので、大体この程度で質問を終わりたいと思いますが、別に反対討論という討論もやりませんので、私が今申し上げましたような質問の内容等については、十分に将来郵政当局としても御検討願うと同時に、わが党はこの法案については反対である。反対と申しますのは、何といたしましても、これはこの公共料金の一連の値上げに関係をいたしておる。こういう公共料金の値上げについては反対である。そういうことで、郵便為替と同じように、若干の金額において公共料金を二〇%何承引き上げをする必要はない。そういう関連があるとすれば、少なくとも他会計からもっと融通すべきであるという点をわれわれは考えておるわけであります。と同時に、料金体系そのものについてももっと考えなければならぬということは、為替の料金、振替貯金の料金、さらに金利についても、郵便貯金とこの振替貯金の金利の点の問題、そういう点についても十分に考えていかなければならぬわけでありまして、さらに今回の料金の改定においても、なぜこれをこういう率において改定をしたかということになって参りますれば、何といたしましても、これは原価計算を厳密に行なって、原価計算が正しいかどうかということを検討して、初めてこの料金値上げというものが妥当であるか妥当でないかということがわかってくるわけでありますが、そういう点についての検討もなされておらないという点、あらゆる観点から、この郵便振替貯金法の一部改正に関する値上げについては、反対であります。それと同時に、私が質問をいたしましたところのいわゆる口座のなくなったときの問題、あるいは先ほど申し上げましたところの義援金の問題、あるいはお年玉はがきの金の問題、それから放送協会の金の公金扱いの問題、こういう問題についても十分に御検討願うと同時に、また公金払い込みの今回の料金の設定についても、どうもこの料金の設定についてはつかみ分けで料金をきめたというふうな印象も受けるわけでありまして、そういう点からも反対を表明しておきたいと思いますが、同時に、この委員会で論議をせられた、この法律案の審議の過程において出て参りました質疑応答の中で、郵政省が検討しなければならぬ点については、一つ委員会でのおざなりの答弁でなしに、実際に省内において、事務的にもよく検討して、実質的にこの委員会の審議に沿うようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
○山手委員長 ほかに質疑もないようでございますから、本案に対する質疑は終了いたします。
○山手委員長 とれより討論に入るわけでありますが、討論の通告もございませんので、これより直ちに採決に入ります。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山手委員長 起立多数。よって、本案は原案の通り可決いたしました。 この際、小金郵政大臣より発言を求められております。これを許します。小金郵政大臣。
○小金国務大臣 本法律案の改正に関連いたしまして、大へん有益な質疑をいただきまして、今後の郵政省の法案の取り扱い、法律の施行、その他事務運営上、感謝を申し上げる次第でありまして、よく御趣旨の点に沿うて事業の円満な運行を期したいと思っております。まことにありがとうございました。
○山手委員長 本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山手委員長 御異議なしと認め、さよう決します。 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。 午後零時五十八分散会 ————◇—————