逓信委員会 第16号
- 発言数
- 107 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1961/03/28
会議録
○山手委員長 これより会議を開きます。 郵政事業及び電気通信に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。森本靖君。
○森本委員 昨晩午後の六時に仲裁裁定が出たわけでありますが、これに対するところの組合側の意見、あるいはまたそれぞれの関係者の意見というものもまだ詳しくわれわれの方は聞いておりませんけれども、現実の問題として仲裁裁定が出たことは間違いないわけでありまして、この仲裁裁定の内容等については私はけさの朝刊で知るだけでございます。本来ならばこれは郵政大臣にお聞きをしたいと思いまするが、この仲裁裁定についての措置は郵政省としては一体どうせられるつもりであるのか、政務次官からお聞かせを願いたいと思うわけです。
○森山政府委員 昨夜仲裁裁定が提示されまして、私どもも一通り読んだだけでございまして、なお数字的に詰めるというところまではまだ作業は進んでおりません。しかし基本的には仲裁裁定は尊重しなければならぬというふうに考えており、またこれを実施に移す方向に向かって作業を進めたいと考えております。ただ具体的に補正予算を組むかどうか、またそれをいつ組むかというようなことにつきましては、目下検討中の段階でございます。
○森本委員 仲裁裁定は完全に実施するということを石田労働大臣は言っておりまするが、郵政大臣としてはこの仲裁裁定を完全に実施するつもりなのかどうかということを聞いておるわけです。
○森山政府委員 仲裁裁定は完全に実施するつもりでございます。
○森本委員 完全に実施するということになりますると、予算的にはやっぱり郵政省としては補正予算を組まなければ、ほとんどこれは不可能に近いということがはっきりと言えると思いますが、その点はどうですか。
○森山政府委員 おそらく補正予算を組むというようなことになろうかとも思いますが、これを組むかいなか、また組むについての時期等につきましては、目下検討中という段階でございます。
○森本委員 いや、私が聞いているのは、郵政省としては補正予算を組むつもりであるかどうであるか、大蔵省並びに政府の意思がどうあろうとも、郵政省としては補正予算を組まなければ、本年度の予算の中においてはこの仲裁裁定は実施ができないはずであります。その点で郵政省としての意思を明確に聞いておるわけです。
○森山政府委員 おそらく補正予算を組むことになるのではないかと思っておりますが、目下検討中というふうにさしていただきたいと思います。
○森本委員 目下検討中であっても、私が聞いておるのは、仲裁裁定を完全に実施するということを政府当局が言っておるし、郵政省としても完全に実施するということを言っておるわけでありますから、そうすると三十六年度予算についてはすでに当委員会においても、予算委員会においても、衆議院としては十分に審議をして、そうして参議院に送付しておるわけであります。だから、これは政務次官も内容を十分に知っておりましょうし、われわれもあの郵政省の三十六年度の予算については十分に承知をしておるつもりであります。その内容を見た場合、今回の仲裁裁定を完全に実施するということになった場合に、郵政の場合については補正予算を組まなければ、実際はにっちもさっもいかないという状態であるということはわれわれも十分承知をしておるわけであります。だから郵政大臣としては、補正予算をはっきりと郵政省としては組まなければならぬお考えであるかどうか、こういうことを聞いておるわけであります。
○森山政府委員 先ほど申し上げました通り、おそらくさようなことに相なるかとも思っておりますが、予算の問題でございますから、内部的な調査はもとより、大蔵省の方との打ち合わせ等もございますので、目下検討中ということにいたさせていただきたいと思います。
○森本委員 目下検討中ということは、この計数を検討しておるということであって、郵政省としては補正予算を組まなければならぬということは検討の要はないでしょう。補正予算を出さなければ、この間審議した予算の中ではこれだけの財源は全然出てこないはずであります。だから私が聞いておるのは、計数をいろいろ検討しておるということはわかるけれども、その計数の整理をやってもなおかつ郵政省としては補正予算を組まなければ当然この裁定を実施することはできない、政府全体の意思とか大蔵省の意思を聞いておるわけじゃなしに、これから先、閣議あるいはまた大蔵省との折衝の過程になろうと思うが、それぞれの折衝の過程になるにいたしましても、郵政省としては補正予算を組まなければこの仲裁裁定は完全に実施できない、こういう郵政省の考え方に立って大蔵省並びに閣議に臨む、こういうことでなければならぬと思う、その点を私は聞いておるわけです。固まった政府当局の意見をここで言えといったところで、それは閣議が終わって政府の方針が明確にならなければ、私はそれを聞こうとは思ってないわけであります。郵政省としては、郵政の三十六年度の予算案を編成してそして衆議院を通過したその段階において、補正予算を組まなければならぬという考え方に立って今後の、との仲裁裁定をやっていかなければならぬだろう、こういうことを言っておるわけです。
○荒卷政府委員 政務次官のお答えにつきまして補足的に申し上げますが、仲裁裁定はもちろん政府としては尊重するという線で進んでおるわけであります。ただ裁定の出ました数字の面につきましては、はたして予算の移流用でできるか、補正予算を組まなければならないかという点につきましては、目下検討中であるということを政務次官からお答えしておるわけでございまして、さようなことでございます。
○森本委員 移流用ができるかできないかについては、すでにこの委員会で審議したじゃないか。予算委員会の分科会でも私が質問をしたら、それだけの財源はございません、二千円以上にわたった場合にはございませんということを経理局長ははっきり言ったじゃないですか。だから将来仲裁裁定が二千円を上回るというようなことになった場合は、当然補正予算を組んでもらわなければ、この予算ではできませんと、これは速記録を見たら残っておるのだ。そんなものを今ごろ検討する必要はないですよ。だからその計数整理をやってどの程度移流用するということについては、あの補正予算を組むときに、大体去年の公務員のベース・アップが何ぼだからということで、ある程度検討しておるわけです。だからこういう郵政の二千百三十三円という数字が出れば、直ちに頭の中に浮かんでくるということは言えると思う。この程度は移流用ができるけれども、あとはどうしても移流用はできない、やはりある程度の限度をもって補正予算を組まなければならぬ、これは郵政省の考え方でしょうが。そんなことは勇気を持って——別に勇気も要らぬわけですよ、補正予算を組まなければ郵政省は困ることはわかっておるじゃないか。予算の内容はあなたと同じ程度に私どもも知っておるのだから。私が聞いておるのは、そのことによって何も郵政省を拘束するとか政府を拘束するということを言っておるわけじゃない、政府はまだこれから閣議において検討する、大蔵省はいろいろ検討すると言っておるけれども、郵政省としては、昭和三十六年度の今参議院で審議しておる予算案から見た場合においては、いわゆる補正予算を組まなければ仲裁裁定は実施はできない、こう考えております、その方針で臨んでおります、こういうことを言えばいいじゃないか。あなた方は、職場大会やったとかなんとかいうときには処分することばかり考えておって、人が聞く際に明確な答えができぬようで、一省を預かっておる責任者であると言えますか。そのくらいの回答ができないのですか。そういうあなたが答弁をしたようなことは、もうすでに予算委員会の分科会で何回もやったじゃないですか。どうですか、政務次官。
○森山政府委員 森本委員の言われることはよくわかるのでございますが、その意味で先ほどお答えしたわけでございます。ただ、当面の予算的措置等の問題につきましては、大蔵省と十分打ち合わせをしてから回答を正式に打ち出すということに内輪の話がなっておりますので、大体先ほど私が申し上げましたような答弁の範囲内において御了承願いたいと思います。
○森本委員 いや、私が聞いておるのは、郵政省としては補正予算を組まなければ仲裁裁定を完全に実施するには予算的に不可能であるということは言えるでしょうが。
○森山政府委員 先ほど申し上げましたように、多分そのようなことに相なろうと思いますがという前提はつけてあるわけでございます。
○森本委員 だから、多分そのようになるとは思いますがといっても、そのようにしたいと思っておる——そういうふうにしたいと思っておっても、それは大蔵省との折衝、閣議の関係、政府内部の考え方でできなければ仕方がないのです。ただ郵政省として、こういう考え方かどうかということを聞いておるわけなんです。政府全体の意見を聞くなら、この席上に石田労働大臣なり大蔵大臣を呼んで聞かなければならぬが、そんなことを私は聞いておるのじゃない。あなたの権限の範囲内のことを聞いておるのです。そういう方向において郵政省は努力をしなければならぬということははっきりしているでしょうが。そんな回答ばかりするのだったら審議やめだ。
○森山政府委員 せっかくの森本委員の御追及でございますから。郵政省の立場としては、補正予算を組まなければならぬことになると思っておりますし、またそのようなことになろうかと考えておりますが、なお部内の検討あるいは大蔵省との打ち合わせもございますから、答弁はこの程度でお許しを願いたいと思います。
○森本委員 私が心配しておりますのは、そういう答弁をしておるからこそ非常に心配になるわけです。これはすでにわれわれが予算の審議をしたときに、確かにこれは郵便事業の会計においては若干の財源はある、しかし、その若干の財源というものは知れたものだ。この間も私が郵便貯金の特別会計のときに追及したように、これはその席上でも貯金局長が大臣の横におって、明確に、仲裁裁定が出た場合にはこの特別会計は全然ございません、そういう答弁をしておるわけです。だからそういうあらゆる観点からいった場合に、郵政省としては、仲裁裁定によって、どうしても補正予算を組んでおかなければ、年度途中において事業的に予算的に破綻を来たすということははっきりしておるのだ。それを、その他の移流用を一ぱいにやって、そうして何とかして補正予算を組まないという形においておさめつけたらつけられないことはないのです、建築予算も一切やめてしまえばいいのだから。だが、そんなことをしたら、郵政事業というものは舞台が回らぬことは確かなんだ。そういうことは郵政省としてはきぜんとした態度で臨んでいかなければ、今の政務次官のようにあやふやな態度で大蔵省あたりとやった場合には、大蔵官僚は郵政官僚ほどおとなしいことはないから、どえらいことになる、途中で困るということになるので、私がこのことを仕切って強く追及しておるのでありますから、別にどうこうという他意はないわけです。ただ、郵政省としては、しっかりした態度で補正予算を組むことについては邁進せよ、そうしなければ年度途中で困ることはわかっておるから、こういうことを言っておるわけです。大臣がきょうはおられないけれども、政務次官からこの委員会におけるところの質疑応答を大臣に強く言っておいてもらいたい、こう思うわけでありますが、よろしゅうございますか。
○森山政府委員 仲裁裁定の実施についていろいろ御心配いただきまして、まことにありがとうございます。御承知の通り、このたびの仲裁裁定につけ加うるに定期昇給分を合わせますと、郵便につきましては、今回の郵便料金の値上げに伴う値上がり分の大部分がそれで食われてしまうということになりまして、事業の運営について相当大きな問題になろうかと思います。その意味におきましては、森本委員の御趣旨について私どもも十分考慮いたしたいと思いますし、なお今後の郵便法の改正等の問題につきましては、いろいろまた御相談を申し上げたいと考えておる次第であります。
○森本委員 郵便法のことは今何にも言っておるのではないのであって、そういうことまで答弁してもらわぬでもけっこうなんですが、いずれにしてもこの補正予算を組むということについては、郵政省としてははっきりした態度をもって臨んでいかなければ、途中で非常に困るということは予算上これはもう明らかでありますので、その点は政務次官としても十分留意をしておいてもらいたいということを私は言っておるのであって、その点をよく考えてもらえばいいわけであります。 それから、私はこの問題についても深く追及しようとは考えておりませんけれども、ただこの中でいわゆる一時報奨金というような形で出ておりますけれども、各組合に〇・五カ月分という形において三月一日現在の者に出すということが、出ておるわけであります。これはおそらく年度末手当というような形のものであろうと思いますが、郵政省の場合はこの中には載っておらぬわけであります。ただ、私は多くを質問しようとは思いませんけれども、こういう問題についても、やはり同じ現業官庁として郵政当局としては、もしこの問題の解決をつける場合には、一つ十分考慮してやってもらいたい。同時に、おそらく郵政省の場合は年末首繁忙手当が出たからというようことが考慮されておると思いますけれども、郵政省の年末首繁忙手当というものは、特殊な年末首の繁忙対策におけるところの業務報奨金でございますから、こういう形とは全然別でありますので、そのものが出ておるということにおいて他の組合との差がつくということになりますと、おそらく従業員としては何か割り切れない、やり切れない気持になるであろうということが考えられます。こういう点についても、十分に政務次官としても事務当局と協議の上、一つしかるべく善処を願いたい。これが今直ちにどうこう、あるいは額がどうこうということを私は言っておるのではなしに、そういう線を含めて、他の組合との均衡上、こういう問題についても一つ十分に政務次官は善処を願いたい。これは大臣に対しても同じでありますが、このことについてのお答えを一つお願いをしたい、こう思います。
○森山政府委員 郵政の年度末手当あるいは業績賞与というものが御承知のような郵政会計の現状でございます。と申しますことは、今日の段階においては赤字というようなことになっております。文字通りないそでは振れないというような状況ではございますが、電電等との話し合いのもとに、何がしかの額を出さなければならないということで、今日まで鋭意努力をして参りましたことは、森本委員御承知の通りであります。しかもなお三公社一現業、郵政以外の公社におきましては、 〇・五の年末手当が大体予想をせられております。しかるに郵政の場合は、今日の段階において〇・一、それに多少の色がつく程度でしか不可能な状況にあるのでございます。他の公社との比較におきまして、他の公社の年度末手当〇・五は、郵政の場合年末の繁忙手当と関係がありますから、〇・四程度といたしましても、均衡論から見ますと若干何とかしてやりたいという気持はあるわけであります。しかし遺憾ながら郵政会計の現状が、どんなに努力してもどうも〇・一ちょっとよりこれが許さないという現状にございますから、森本委員御指摘のような状況になっておるわけであります。今日までの段階における省側のこの問題に対する誠意の一端だけは御了承願えれば幸いに存じております。
○森本委員 政務次官、私の質問を一つはき違えないようにお願いしたいと思いますが、私は詳しい答弁は初めから要らぬということを前もって断わってあるわけなんです。だからそういうこまかい数字については私は当委員会においてとやかく追及しない。ただこれが円満におさまるように、他の組合との均衡もとって十分に話し合いを行なって解決をつけるようにしてもらいたい。その辺は政務次官が事務当局とよく打ち合わせをして、政治的にうまいこと解決をつけてもらいたい、それについての善処方をお願いしたい、こういうことです。
○森山政府委員 これを打開する技術的な手段がありますならば、最善の努力を尽くしたいと考えております。
○森本委員 そのことは一つ最善の御努力をお願いするということにいたしまして、さっそく電電公社にお聞きしたいと思います。郵政省の分については、きょうは人事部長がおらぬようでありますから次会に回します。電電公社の方でこの間何か八千名くらいの処分をしたやに聞いておりますが、これはどういうふうの理由によって処分をしたわけですか。
○横田説明員 先般の処分の問題につきましては、去る十六日、従来の職場大会等の問題とは違いまして、今回はことに保安要員、保留要員を残さなくて、ほとんど全部の職員が作業につかないということの事態を起こしたわけであります。なおこれにつきましては、われわれのような公共的の独占事業において、こういう違法行為によってお客さんに御迷惑をかけるということは、ほんとうにわれわれとしても残念でありますので、この実行に当たりました人たちについて処分をいたしたわけであります。なお処分の内容につきましては、約八千名のうら、解雇十六名、停職八十四名、減給約二千五百名、戒告約五千二百名、こういうような処分をいたしたわけであります。違法行為に出てお客さんに御迷惑をかけたということについてわれわれとしては断固たる処分に出たわけであります。
○森本委員 それでは処分を受けたうちの解雇というのは何によって処分をしたわけですか。
○横田説明員 今回における処分につきましては、ことに解雇に当たった人たちについては、この実行行為について一般より特にその状況がひどかったという場合における直接その指導に当たった人たちを対象にいたしておるわけであります。
○森本委員 その解雇した法的根拠は何ですか。公社法ですか、公労法ですか。
○横田説明員 公労法によって処分いたしたわけであります。
○森本委員 特別ひどいというのはどういうふうな意味ですか。
○横田説明員 大体この解雇に当たりました人たちは、大づかみにいたしまして、信越の長岡における、通俗にはね上がり行為と申しておりますが、いわば相当に混乱のありました問題に関係したもの、それから東北の郡山関係において、そういう行為について、相当のはね上がり行為についての実際の指導、実行に当たりましたもの、それから九州の大村における関係、それから四国において丸亀関係及び須崎関係、それから岐阜における多治見の関係、こういう関係者であります。
○森本委員 何々関係、何々関係というのでは、さっぱりその具体的な事実がわからぬ。これを一つ一つ聞いていきたいと思うのだが、もしかりにあなた方が認定をしておるところの解雇の理由と、当該通信部長なり通信局長をここに参考人として呼んで、もし私の質問によってあなた方の認定と違った場合に、その違った責任の取り合いというものはだれがとるのですか。
○横田説明員 これは処分権者といたしましては通信局長でありますが、その通信局長の事実認定については、われわれも事情を承っておりますし、まずその事実認定について間違いがないものとわれわれは思っております。
○森本委員 この解雇の十六名と停職の八十四名について、具体的な解雇の理由とそのときの状況、それから停職におけるところの具体的なそのときの状況、詳細な処分の理由のデータを一つお出し願いたいと思う。そのことによって、場合によっては当該局長なりそれぞれの者を参考人として当委員会に招致をして、そして私も具体的にその処分の内容というものを調べて、そして質疑応答で明らかにしたい。もしあなたの方が間違っておった場合には、私は場合によっては総裁の解任決議案でも出していきます。この十六名なり八十四名については、それは場合によってはあなた方が言えるようなところもあったかもしれぬけれども、場合によっては間違ったところもなきにしもあらずというように私は考えるわけであります。そういう点で、これは時間のむだになりまするから、一つ一つのことにおける追及は私はやめますけれども、一つこの解雇の十六名と停職の八十四名については、処分をした具体的な、詳細な理由というものをお出し願いたい、こう思うわけでありますが、どうですか。
○横田説明員 御質問の点につきまして、個々のケースについての御説明はここでさせていただきたいと思いますが、この膨大にわたる資料を全部出すについては、相当の困難もありますので、この点は御猶予を願いたいと思います。
○森本委員 説明を全部受けてもいいのですが、説明を全部受けておったらあとの法案を審議することにならぬ。だから私は資料として要求しておるわけであります。本来ならば初めから一人ずつやっておってもいいのだが、そんなことをしておったら、三日も四日も委員会で審議しなければならぬが、そういうことになってはつまらぬから、委員会の審議を促進する意味において、あとの方も問題でありますが、とりあえずこの十六名と八十四名が一番問題でありますから、解雇と停職についての具体的な理由をあげてもらいたい。そして具体的な資料を御提示願いたい。私は私なりにその方面において、それぞれのスタッフを動員してその内容を詳細に調査する。内容を詳細に調査してみて、なおかつおかしい点があったとするならば、場合によっては当該局長にここへ参考人として来てもらう。そして私が質問をして納得がいくまでやってみたい、こういうことを言っておるわけであります。私はあえてこの委員会でから回りの論議をしようとは考えておらぬわけであります。そういう具体的な実例によって一つの論議をしていこうと考えておるわけでありまして、もし資料が出ないということは、われわれの方としては考えられぬわけでありますから、その点重ねてもう一回御答弁を願いたいと思うわけであります。
○横田説明員 われわれといたしましても、この事実認定はいたしておりますので、資料を持っていないというわけでもなく、各地においてそれぞれ詳細な資料を持っておるのでありますが、この資料をここで全部まとめて提出できるかどうかにつきましては、なおわれわれの内部にも打ち合わせてみたいと思いますので、答弁を留保させていただきたいと思います。
○森本委員 出せないという理由は、法律上どこの法律において出せないというのですか。私は憲法上の国政の行政調査権に基づいて要求しておるわけであります。もしあなたがそれを拒むとするならば、正式の委員会の決議として申し入れをすれば、あなたの方では正式に出さなければならないはずであります。そういうしちめんどくさいことは、当委員会としては今まで省略しておるわけであります。だからそういう問題については、委員会の資料として行政調査権に基づいて要求しておるわけであります。だからあなたの方が事務的に出せないということであるならば、ある一定の期限を待てば出るということになるわけでありますが、それ以外にあなたの方が、何か行政上の秘密ということがあるとするならば、その行政上の秘密に基づいて出せないということであるとするならば、少なくとも警察あるいは検察、裁判というふうなことに基づく問題であるとするならば、それはある程度法律上その問題が除外される場合があるわけであります。しかし一般の行政問題については、少なくとも国会が資料を要求した場合については、それを拒む権限はないはずであります。この間も決算委員会においてこの問題が大きな問題になって、会計検査院長が会計検査院長としてこれの提出を拒んで、最終的には結局会計検査院長の発言が間違いであったということにおいて、すべて資料は提出いたします、こういうことになっておるわけであります。本来ならば当委員会で一つ一つ質問をしていくということでございましたけれども、それが長時間に及んではまずいので、資料として一括お出しを願いたい、こういうことを要求しておるわけであります。
○横田説明員 だいぶ個人の一身上の問題にも当たることでありますので、ごく簡単な一覧表程度のものにして事実を提出いたしたいと思います。
○森本委員 ごく簡単な一覧表と言いましたけれども、やはりそれぞれにはできる限り具体的な詳細なことを書いてもらいたい。そうしないと、私の方でも調査するつもりでありますから——これは自民党の諸君も調査をするつもりなら調査してもらってけっこうだと思う。やはり間違いがあってはいかぬから、そういう点に間違いがあるかどうかという点を私は調査をしてみたいということを言っておるわけでありまするから、そういう点については、一つ詳細な資料と、できる限りのデータを出してもらいたい。そのことによって十分に私の方で調査をして、そのことによって再度この問題については質問をするなり、あるいはまた参考人を招致するなりしてやりたい、こう考えておるわけであります。 それからこの今回の処分の問題でありまするけれども、私は、これは電電公社の処分としてはいまだかつてない処分のやり方であるというふうに考えるわけであります。先ほど与党の諸君から私語の間でありましたけれども、私の選挙区に関係があるということも言われましたが、なるほど確かに選挙区にも関係があります。ありますと同時に、私の選挙区だけの問題ではございません。こういうふうな今回の処分というものは、電電公社始まって以来の全国的な問題であります。しかも、私はこういうふうな内容については詳しく承知をしておるどころではありません。特に、私は自分の選挙区だけではなくて、少なくとも四国管内については、その行政のやり方、また局長以下の考え方等についても詳しく承知をいたしておるつもりであります。だから、他の人のように表面だけを見てこれを律するということはあえていたしておりません。その点は、私は私なりに、かなりこの業務の内容については自信を持って詳しく承知をしておるつもりであります。そういう点からいっても、今回の場合はかなり行き過ぎた点もあるのじゃないか。なるほど私は、組合側のやったことについて全部が全部いいとは申しません。ある程度全国的な問題でありますから、かなりトラブルのあった点もございましょう。またある程度の行き過ぎがあった場合もありましょう。しかし、そのことが全国的にこれだけの処分を及ぼすというふうな形になるとはとうてい信じられません。あまりにも今回の処分は大きくあり、また過酷な処分であるということは、これを見ただけでもいえるのじゃないか。しかしこれを一つ一つやるということについては非常に時間がかかりますから、その資料を見て私はやりたいと思いますけれども、少なくとも電電公社は処分をするだけが能ではない。相手方の言い分に立って、やはり相手方の言い分というものも相当聞いてやるという態度をもって進んでいかなければ、こういうふうな激突が次から次へと繰り返されていった場合には、それは組合もある程度の被害を受けるでしょうが、しかし電気通信事業というものについても、これはかなりの被害を受ける。結局は、そのことによって公社の幹部がどうこうということではないということになりますると、やはりこの労働問題についても、この間大臣がここで答弁したように、相手方の立場に立ってものを考えるということはお互いがやっていかなければならぬ、こう私は思うわけでありまして、この点については、今回の処分は、いわゆる電電公社としては妥当なりと考えておるかもしれませんけれども、何か、電電公社始まって以来の、非常に大上段に振りかぶったところの問答無用式の処分であるということを痛感するわけでありまして、この際、こういうふうなやり方については、私は電電公社の幹部当局に強く警告を発しておきまして、いずれそういう資料が出ましてから詳細な質問をしたいというふうに考えるわけであります。どうか公社当局としても、処分をして首を切るだけが労務管理の能じゃないということは一つ……(「国民が迷惑だ」と呼び、その他発言する者あり)やかましい、黙れ。——こういうようなことについて、一つ公社当局としても——私はいつの委員会でも言っているように、何も、問題を荒立てて、事業が混乱するようにということをいつも考えているわけではない。物事を円満にしろ、円満に解決をつけていけということが私の信条であります。そういう考え方に立って、やはり相手のそれぞれの立場に立っても考えていかなければならぬということを特に公社の当局が一つお考えを願いたいということを、本日は総裁もおりませんけれども、次会には総裁も呼んで申し上げたい、こう思うわけであります。 電電公社としては、電信電話拡充五カ年計画、さらに今回の全国的な電信電話事業の発展からいたしましても、今日重要な段階に立っているわけであります。しかも、この電気通信事業の合理化を進めていくということになりますると、いわゆる一般の世情からいたしましても、従業員の労働強化の問題にいたしましても、配置転換の問題にいたしましても、それから給与の問題にいたしましても、当然これはいわゆる従業員の協力を得なければ絶対にでき得ない問題であります。こういう点についてはまず従業員の協力を得・そうして……(「組合側をよく指導してくれよ」と呼ぶ者あり)人の質問中にやかましいことを言うな。 〔「なっておらぬことを言うからよ」と呼ぶ者あり〕
○山手委員長 私語を禁じます。
○森本委員 私は質問をやっておりますけれども、かなり御意見があるようでありますから、遠慮いたしまして、御意見のある方から一つやっていただきたい、こう思いますので、私の質問を一応中断をいたします。
○山手委員長 森本君、継続してやって下さい。
○森本委員 文句があるんだったら自分で質問をやってくれたらいい。僕の方は質問を歓迎するんだ。何も僕の方だけやらなければならぬことはないのだから、どんどん質問をやって下さってけっこうですよ。
○山手委員長 森本君、やって下さい。
○森本委員 今申し上げましたように、私はやはりこういうふうな電気通信事業の——われわれがこの委員会において賛成もし反対もした法案がございますけれども、そういうふうなことによって電気通信事業をさらに発展させていくということについては、やはり何といたしましても、その実になっておるところの従業員の協力を心から願うという形に置かなければ、弾圧的にこれをやりましても、当座はある程度しのげるかもしれませんけれども、とうてい長い年月を経た場合には電気通信事業の発展は私は望み得ないと思うわけでございます。そういう観点から、少なくとも従業員の方ともよく話し合いをし、円満に解決をつけて、この電気通信事業の発展を望んでいきたい。それがためには、こういうふうな処分というものは、将来私は非常に大きな禍根になるであろう。少なくとも、今回仲裁裁定が出ましたけれども、これに対する問題もまだ解決をいたしておりませんけれども、いずれにいたしましても私は公社当局の労務行政に対して、もう少し思いやりのある、しかも電気通信事業を発展させていくという観点からいたしましても、従業員の側と十分に話し合いをする、こういう観点から労務行政を進めてもらいたいということを特に私は要請をしておきたいと思いますが、今私が申し上げたことに対する公社当局としての御見解があれば、副総裁から承っておきたい、とう思うわけであります。
○横田説明員 ただいまお話がありましたごとく、われわれの電気通信事業として、これからなすべき重要な時期であることは私どももよく承知いたしております。また従業員と一体になってわれわれのこれからの事業の再建、発達に努めていって、国民の皆さん方にいいサービスを提供していくということがわれわれの任務であるということもよく承知いたしております。ただ、ただいま公社始まって以来の処分だとおっしゃいました。この点は私も公社始まって以来の処分だと考えます。何分、先ほども申し上げましたように、今次闘争は従来の時間外職場大会あるいは順法闘争という名前で呼ばれておるようなものと異なりまして、保安要員を全部残さず、時間内職場大会ということで、一般のお客さん、国民一般に非常に御迷惑をかけるというような、こういう事態になったわけでありまして、この点につきましては、あらかじめこういう事態を起こしたならば、われわれとしては処分せざるを得ないということを前々十分警告しておったにもかかわらず、こういう事態になったのであります。私どもとしましてもやはりこういう独占的公共事業でとういう事態を起こしたのでは、これはそのままにほっておけないということは明瞭でありまして、われわれはやはり公共企業体としての姿勢を正していくために、これだけの処分をやらざるを得なかったわけであります。その点はわれわれはこの重大時局を認識していないつもりはないし、また今後もいろいろな問題について従業員と話し合って、できるだけ物事を円満にやっていこうというつもりがないわけでもないのでありまして、その点は御了解願いたいと思います。
○森本委員 私はいずれ日をあらためまして、この不当処分を受けた資料については、その資料をいただいて十分に質問をすることにいたしまして、本日のこの電電公社の処分問題についての私の質問は一応これで打ち切ります。
○谷口委員 関連して。質問というよりも、今資料をいただくことになったわけでありますけれども、その資料の、森本君との間の問答で、ちょっとあいまいなところがある、リストを出す程度だったら困るので、そこらの事情がわかるような、そういう資料を出していただきたい、これは森本君の意見だと思います。これは確認されておりますか。——なぜ私はこれを念を押すかと申しますと、ちょうどあの処分が出ましたころに私は京都におりまして、京都の中話で団体交渉があるところに、私は局長のところにちょっとあいさつに行っていて立ち会ったわけです。そこでこういうことが問題になっております。慣例からいいますと、そういう場合には、京都の中話では管理者の当局の方々と、それから労働組合ではちゃんと交渉委員会があり、それに対して、各分会の責任者も一緒に出ていって交渉する、そういう状態が慣例になっておるのです。ところが局長は、どうしてもこの従来の慣例を認めないで、各分会の代表者が出てきておることには、これは承認できないから、退席する以外には交渉に応じないという態度をとっておる、そういうところが問題になっておりまして、どうしたのだと聞いたのです。そうしたら、在田局長と中尾労務課長が私につくづくと言ったのは、上部機関から、今回に関する限りいかなる慣例があってもそれを無視して、そして交渉委員会だけでやって、それ以外のことはやらぬということをいってきておって、しかも現在二人来ておって督戦している、だから従来の慣例でやれば非常に円満に話ができるのだけれども、できないのだ、こう言っておる。そういう態度でやってきて、それじゃ、従来の慣例で、どうしても労働組合はやれというし、あなた方上からそういう命令でやれないとすれば、一体どうなるのだといったら、それをさせなければ処分しなければならぬ、こう言っておる、これは一つの事情なんです。そういういろいろの事情が、具体的にはそれぞれの現地にあると思いますから、だから、現地から出ました報告書が皆さんの判断の基礎になっていると思うのでありますが、それの具体的なものを出していただけませんと、われわれが調べました理由と、あなた方のいっておられる理由との間に食い違いがあったりしますと、これは問題であります。そういうことを明らかにするのはわれわれの任務だと思うのでありますから、資料をお出しになる場合には具体的に出していただきたいということを強調しておきたいと思います。
○横田説明員 資料の問題は別にいたしまして、ただいまお話のあった点で、私も京都の問題をよく存じ上げませんので、今お話の点の詳細はわかりませんが、今お話のありましたことについてだけちょっと御説明させていただきますと、団体交渉には団体交渉としてのルールがありまして、やはり交渉委員相互でやっていく、これが団体交渉であります。これを交渉委員以外の者が多数集まって、そこに集団的にやっていくというのは、これは決して団体交渉じゃないのです。われわれは団体交渉のルールに従ってやるようにということをずっと下部機構まで流しておりました。この点はわれわれの方針とおっしゃれば、まさにその方針であると思いますが、御了承願います。
○谷口委員 そういうことを言っておるのではないのでありまして、それは副総裁そうでありますが、現場におきましては、団体交渉をやる相手の団体交渉委員が出ていくと同時に、その関係の分会の責任者もそこへ参加する、そういう慣例がずっと過去においてなされてきている、そのために非常に職場ではうまくいっておる、御承知でしょうけれども。私どもの関係から申しますと、京都の全逓の職員は、共産党支持はいたしておりません。中話なんかも共産党支持をしていないのでありまして、社会党一本であります。まことに残念で、早く共産党の勢力を植え付けたいと思っておるのでありますが、そういうところであります。そういうところでなされているのは、今申しましたような慣例がありまして、非常に円満に話がいつでもできる。ところがそういう慣例が、公式的なことを言えば、今あなたがおっしゃった通りでありますけれども、そういう慣例があって、その中で非常にスムーズにいろいろな労使間の問題が話し合いによって解決していくという事実がある。この事実を非常に尊重しなければならない。特に現在の状況の中では尊重しなければならない時期に、逆にそれを無視して、公式的なことだけ言って、もしやらなかったら、これは規則であり、正式なやり方であるから、これに反する場合には処分しなければならないという態度で臨んでいること自体に問題があるように思う。私どもはそれのどちらがいいか悪いかはいろいろな資料を知った上で判断いたしますが、そういう点で労組の言っている、あるいは私などが立ち合っているそういう場合の事情、あるいは皆さんが持っていらっしゃる具体的な事実、あるいは調査資料というものを出していただかないと判断できないから、出していただきたいと言っている。今おっしゃっているそれが正式で、これが不当である、ということをここで論議したって仕方がないのでありまして、そういう慣例が非常にうまくいっているというのは事実なのです。それをやろうという態度を持っておられるかどうかということを、実際には資料があるとわれわれは判断の上で助かるのです。そういう点で具体的な資料を出していただきたい、こういうことであります。 ————◇—————
○山手委員長 簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。 森本君。
○森本委員 この簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案件については、前からこの問題については非常に問題になっておったわけでありまするが、そこで私がお聞きしたいと思いますることは、たとえば今回のこの運用範囲を広げるということについて、一応われわれは納得するにいたしましても、さらにこれを国民各層の利益に資することができるようないわゆる対象である場合には、そうして運用の利回りはかなりよろしいという場合には、これを広げていってもいいというふうにわれわれとしては考えるわけでありまするけれども、それに該当するようなものは一体どういうところがあるか、一応お答え願いたいと思うわけであります。
○西村(尚)政府委員 お話のごとく、国民大衆の利益にも資し、また運用範囲の拡大、簡保資金の利回りの向上にも役立つような対象といたしましては、今回法律改正案で御審議をお願いしておりますこの対象以外には、さしむき具体的には思い当たらないのでありまするが、今後そういうものができますれば、範囲を拡張するように検討し努力いたしたいというふうに考えるわけでございます。さしむきは具体的には対象はちょっとないように考えるのでございます。
○森本委員 そんな答弁ではちょっと困るので、これはわれわれは、この法案がかりに可決されて満場一致で通るとするならば、満場一致で一つの附帯決議でもつけてこれを通そうかという気になっているわけであって、あらかじめあなたの方にも大体のそういうふうな案文については一応内々でお見せをしているわけであります。だからその内容について私の方は若干聞いておるわけであって、それについて全然今のところ見通しがございませんでは困る。かりにそれが将来あなたの方の省議それからまた閣議、いろいろなところで引っかかることとは思う。けれども郵政省としては、こういうところとこういうところには将来広げていきたいと考えております、——そのことが即政府の方針になるとはまだ限らぬと思う、ただ郵政省の簡易保険局としては、こういうふうなことを運用の利回りの拡大という点とそれから国民各層にこれが還元される形で考えておるという点が、ある程度三つ四つ具体的にあってもいいじゃないか。それが今のところ全然ございませんということでは、そんなら私らは何のために決議したかわからぬということになるわけであって、そういう将来対象になるようなものが大体どの程度あるかということを聞いておるわけであります。
○西村(尚)政府委員 郵政省といたしましては、この法律改正案を提出いたします前の段階におきまして、簡保資金の利回りを向上させたいということで、資金運用部資金運用審議会にいろいろと交渉いたしたのでありますが、その段階におきまして、私どものねらいは、ここにお諮りしております対象のほかに、公益事業会社の社債、株式、こういうものを持ちたい、たとえば電力会社とかガス会社、交通関係、そういったような公益事業会社の社債、株式をも持ちたいということで交渉したのであります。これは利回りの向上に非常に役立ちますのと、それから公益事業会社でありまするから、経済の発展、国民生活の育成と申しますか、そういうものにも役立つことになりますので、簡保資金の投資先としてはきわめて格好なものだという観点から交渉したのでありますが、資金運用部資金運用審議会におきましては、現在財政投融資資金というものは需要に比較して必ずしも十分ではない、その現段階においてはまだそこまで手を出すのは早いであろう、いずれ将来適当な時期、方法等を考えてそこまで範囲を広げることには賛成であるけれども、少なくとも現段階においてはその時期でないという結論になったわけであります。それで私どもといたしましては、その方は次の段階に譲ることにしたのでありますが、先ほど先生のお話の広く庶民各層に対する融資という点にはたしてマッチするかどうかわかりませんけれども、現在団体貸付というものを昭和三十四年度から始めておるわけでございます。十五人以上の加入者が任意の団体を作りまして、保健施設、衛生施設等共同の施設を作ります場合には、月額保険料の三十倍程度まで貸すという道を開いておりまして、これが国民の皆さんに対する資金の還元融資としては一番手っとり早い行き方であります。非常に好評を博しておりまして、現在五億程度今まで貸し付けておるわけでございます。そのほかには、お話の御趣旨のようなものはさしむきは見当たりませんので、いろいろ検討はしてみたのでありまするけれども、たとえば社会福祉事業振興会というようなものもございます。また日本赤十字社、それから私立学校振興会、労働金庫というようなものもございますが、みなそれぞれいろいろ難点がございまして、まだこれが一番そのねらいにマッチしたものという結論にまでいかないわけでございます。今後引き続きよく検討してみたいと思っておるわけでございます。
○森本委員 それからちょっとお聞きいたしますが、おたくの方から出ておりまする参考資料の中の十四ぺ−ジでございますが、十四ぺ−ジのところに株式とありまして、三千六百万円という数字が出ておりますが、これは何ですか。
○西村(尚)政府委員 これは、戦前に郵政省におきまして簡保資金を自主運用しておりまして、その当時には投資先に対しまして制限がございませんで、株式も保有してよかったわけでございます。その当時保有いたしました株式が現在まで続いておる、それが三千六百万円でございます。
○森本委員 その内容はどういうところですか。
○西村(尚)政府委員 九つの電力会社と勧銀と日通のはずでございます。
○森本委員 これは私の賛成、反対は別として、将来こういうふうに還元するという意思はありませんか。——還元ということは、もとへ戻るということです。とういうふうなやり方を昔やっておったわけですね。先ほどのたとえば九電力あるいはまた交通機関、そういう点については、社債とかそういうものをとりたいということで運用審議会に諮ったところが、まあ今回はだめだった。しかし将来についてそういう面も考えていきたい、こういう話でございますが、ああいうところの電力会社なんというものは、かなりこれは公益的なものであって、かりに今利回りがどうなっておるか知りませんけれども、そういう場合に、社債を買うよりも、場合によっては投資した方が有利だという場合もあり得るわけでありますが、そういうふうに金融債あるいは社債を買うことができるという場合、そういう場合に株式を保有するというふうな考え方は一歩進んでないのかどうか。
○西村(尚)政府委員 むしろ私どもとしては大へんありがたい御意見でございまして、私どもも全くその通りに考えておるわけでございます。広くどんな会社の株式でもというわけには参りませんから、公益事業会社の社債及び株式はぜひ持ちたいということで、昨年の春以来運用審議会を通じましていろいろと折衝を重ねたわけでございますが、先ほど申し上げましたような事情で、その郵政省の立場はわかる、わかるけれども、まだその段階ではない、しかし今後その時期、方法等を慎重に検討の上で考慮の余地はあるであろうという結論になりましたので、さしむき今回の対象には入れませんでしたけれども、今後引き続きその線での折衝は続けていきたい、かように考えておる次第でございます。
○森本委員 それから今回のこの法律改正をやって、さしむきこの法律改正に基づいての充当する資金というのはどの程度ですか。
○西村(尚)政府委員 今度新しく投融資範囲を拡張いたします分につきましての金額は、日本道路公団に二十五億円、首都高速道路公団に十五億円、帝都高速度交通営団に二十億円、日本不動産銀行に五億円、それから電源開発株式会社に百六十億円を考えております。そのほか日本長期信用銀行等の発行いたします長銀債、これに対しましては短期運用の対象として考えております。先ほど申し上げましたのは長期運用のものであります。
○森本委員 その百六十億の電源開発というのは、これは貸付ですか、それとも債券ですか。
○西村(尚)政府委員 債券でございます。
○森本委員 それから同じくこの資料にあります十五ページの預託金でありますが、これは資金運用部の積立金と余裕金とそれから日本銀行、これの金利は幾らですか。
○西村(尚)政府委員 この預託金金利は、内訳が預託期間によっていろいろ違うわけでございますが、資金運用部に預託しておりますものは、従来平均いたしまして四分七厘五毛になっております。それから日本銀行に対しますものは無利子でございます。
○森本委員 日本銀行に一千万円ですか、この預託金が資金運用部の積立金と余裕金、これはどうしても必要な金であるといたしましても、この面の金利をもうちょっと調整するというわけにはいかぬのですか。
○西村(尚)政府委員 この点につきましても、運用範囲拡張の折衝をした段階におきまして、並行してこの預託金金利の引き上げの交渉もしたのでございます。従来の四分七厘五毛という低金利では、私ども加入者に対する保険料引き下げ、分配金増額というような面の非常に大きな制約になりますので、ぜひともこれを六分三厘程度に上げてもらいたいということで鋭意交渉を重ねたのでありますけれども、他の国家資金との関係等から、最終的にはそれでは一年以上の預託金は六分ということにしようということで、目下大蔵委員会で審議されております資金法が通過いたしますれば、四月一日からこれが六分ということになる見込みでございます。
○森本委員 今回の郵便貯金特別会計法に基づいて、郵便貯金の場合が六分五厘になるわけですね。あの郵便貯金とこの金とは若干性格が違いますけれども、六分でこれを満足するということでなしに、やはり郵便貯金と同じ程度の金利にするのが妥当ではないかと思うのですが、その辺はどうですか。
○西村(尚)政府委員 お説もよくわかるのでありまして、私どもも六分で満足しようとは思わなかったのでありますが、実は郵便貯金の方は預託期間が非常に長期にわたるわけでございます。そのために、六分に対してあとの五厘は特利ということでもらうわけであります。ところが私どもの方は預託期間がきわめて短いので、早く郵政省の方に回収いたしまして、こちらで自主運用いたすべき性質のものでございますので、どうしても郵便貯金と同率には扱えないということで、六分ということになったわけでございます。
○森本委員 そういう理由もあろうと思いますけれども、政務次官、ここから先は政治問題になりますが、これは簡保が二十七年かに自主運用を始めて、簡易保険の会計がかなり明るい見込みを持ってきたわけでありますが、それと同時に今回の運用の範囲を拡張すれば若干でも明るい見通しになるわけでありますけれども、それに応じてこういう預託金の金利等についてもある程度の金利を確保することが必要でないかというふうに考えるわけであります。この辺は私もよく知っておりますけれども、郵政当局と大蔵当局とのいろいろ事務的な折衝段階においてさえかなり困難な問題であるわけであります。こういう問題については、やはり政務次官あるいは大臣等の政治折衝にゆだねられる事項が非常に多いわけでありますので、この金利の歩上げ、拡大ということについての大蔵当局との政治折衝その他については、一つ今後も十分に気をつけてやっていただきたいと思うわけでありますが、どうですか。
○森山政府委員 金利の歩上げ等につきましては、先ほどお話がありました運用範囲の拡大等とあわせまして、大いに努力いたしたいと考えております。
○森本委員 それから日本銀行の一千万円というのは、どんなことですか。
○西村(尚)政府委員 これは、国庫金は各省のもの全部日本銀行の口座を通る建前になっておりますので、私どもの方の簡保の収入保険料また余裕金も全部日銀の国庫金口座を通して出納することになっておるわけであります。ですから、ここに預託しておるというのではなくて、ここを窓口として、トンネルとして通過しておるわけであります。この統計表を出しました期間におきまして、たまたまそこに残っておった金額が一千万円ということであります。これは無利子でありますから、できるだけここには残留させない建前をとっておるわけであります。出したり入れたりするときの残留分だということでございます。
○森本委員 私は、これは相当質問事項がありますけれども、一応私の質問をこの程度で終わりたいと思います。ただ、私は、この法案が通過するに際しましては賛成討論もあえて行ないませんので、最終的に意見を申し上げておきたいと思います。 今回の運用範囲拡大によって郵政省はある程度の金利が得られる、そのことによって簡易保険事業の運営、経営がある程度よくなるということはわれわれは認めますけれども、そのことによって、やはりこの金利の点がまちまちでありますので、そういう点について、ややもいたしますと高い方に高い方にということになろうかと思います。これはだれが経営いたしましてもそういうことになるのは当然であります。しかしながら、その場合におきましても、この運用の範囲拡大によるところの法律の範囲内においては、その利回りという点とその重要性というものも考えて、その両者をかみ合わせて運用に遺憾のないように期せられたいということを私は特に強く要望しておくと同時に、このことによってその収入が増すということになれば、保険料率の引き下げなり、あるいはまた保険の加入者に対するサービスの改善、そういう点についても大いに意を用いていただきたい。それからこういうふうに運用範囲が拡大されますと、ややもいたしますと、保険の加入者に対する貸付は、なるべくならそっちをおいて片一方の方に回したいという気になるのも当然でありますけれども、もともとこの金は保険の加入者によって出されておるわけでありますから、そういう方面における保険の加入者に対する貸付は万遺憾なきを期してもらいたい。そのことを忘れてしまったのでは何にもならぬわけでありますので、そういう点についても十分に留意を願いたい。同時に、将来にわたっては、もっともっとこのいわゆる融資の範囲拡大、先ほど保険局長が答弁せられたような方向における拡大というものを十分に考えていっていいのではないか。そういう点もいろいろ政治的にはむずかしい点もありますけれども、簡易保険は国民のものであるという考え方に立つならば、今日国民年金の積立金においてすら、やはり利回りのいいところに運用しようという意見が圧倒的に強いわけでありますから、理屈は理屈といたしましても、現実の問題としてはそういう点も十分に考慮していかなければならぬ。しかし、ただそれが営利的な方面だけに流れたのでは、簡易保険事業というものはその本来の使命を失ってしまう。これはなかなか微妙な点でありますので、そういう点についても運用するにあたっては万遺憾なきを期してもらいたい。 重ねて申し上げますけれども、将来のこの運用の範囲拡大については、広く国民各層の利益に資することが認められる対象については、郵政省としても、運用審議会あるいは政府の内部においても大いに留意をしていただきたいということを私は強く要望しておくものでありますが、この点について最後に政務次官から今私が申し上げたことについての総括的なお答えを願いたい、こう思うわけであります。
○森山政府委員 ただいま森本委員御指摘の諸点はまことにごもっともでございまして、御趣旨を体しまして、御趣旨の線に沿って今後の運営を進めて参りたいと思います。
○山手委員長 受田新吉君。
○受田委員 私は、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部改正案の中で、特に簡保と民保の契約関係、簡保が漸減され、民保が漸増されつつある傾向がどこに原因があるのか、これに対してどういう対策を立てることが必要であるかということをまずお尋ねいたしたい。 いただきました参考資料で、簡保は昭和三十年以後大体逓減の傾向を持っております。契約件数にいたしましてもそうでございますが、民保はこれに反して著しく飛躍的な傾向を示しておる。私この前の委員会で、大蔵省に対して、民保の解約状況つまり契約解除の状況の資料を要求しましたところ、大蔵省からこの委員会にその資料を下さいました。これを見ますと、解約件数と解約金額は相当なものであって、解約、失効率において、A’をAで割ったものが六・六%の昭和三十年を中心にいたしまして、大体その前後が解約されておる、こういう状況であります。無理をして民間保険に入った。しかしこれを継続できなくて途中で解約する、こういうことが盛んに行なわれてきておるわけでございます。 ここでちょっとお尋ねしておきますが、簡易保険の解約率はどういう傾向をたどっておりますか、民間保険の場合と比較してお答え願います。
○西村(尚)政府委員 正確な資料をちょっとここに持ち合わせておりませんが、簡易保険の解約率は大体三%前後でございまして、おかげさまで毎年この率も逓減しております。民間保険の方は、今、先生のお手元にあるようでございますが、私どもの計算では大体一二、三%になるのではないかというふうに考えております。正確にはあとでまた資料をまとめまして提出させていただきたいと思います。
○受田委員 今の解約、失効率の出し方はいろいろあるわけですが、お説の一二、三%というのは金額の側じゃないかと思います。件数の側でいくと、今私が指摘した大体六・六%、だから金額で比較しますと、簡易保険の大体三倍から四倍というばかげた解約者がおるということです。これは大蔵省にこの間私はちょっと注意を申し上げておいたのですが、無理やりに民間保険に加入せしめて、継続できなくて投げ出すというようなものがはなはだしく多い。そうしてそれを計算に入れて、初め莫大なる契約をさせて、箱根、熱海の方で大いに豪遊させておるというような忌まわしいやり方をしておることを私この間この委員会で指摘して、民間保険の監督を厳重にせよと注意しておいたのです。その点においては国が経営する簡易保険の果たしてきた役割は大きく、またそういう零細な人々を保護する立場でやってきたということがはっきりわかります。ところが・ばかげた契約をさせて、これをどんどん一二、三%も解約させるようなそういうでたらめをやっておる民間保険に比較して、着実に大衆の一人月々を守ってきておるこの大事な簡易保険が逓減するということははなはだ残念なことで、契約件数が昭和三十年から——三十四年ちょっと頭をもたげたが、大体逓減しておる。これをこのまま放置することが適切かどうか。民間保険と簡易保険の比率をどの程度に守っていくのが国としては適当であるかというところを、政府側の御意見として御答弁願いたいと思います。
○西村(尚)政府委員 簡易保険が昭和三十年度以降、この資料にございますように、件数において毎年逓減をたどっておるということは、私どもこれをこのまま放置しておいていいとは思わないのでございます。ただ保険金額といたしましては、わずかながら毎年逓増を見ておるのでございます。実は簡易保険は、御承知のように最高制限額というものはきわめて低額に押えられております。それから対象としてねらいますものが、中堅階級以下の庶民階層でございますので、どうしても一件当たりの保険金額が少なくなるわけでございますが、しかし保険事業の経営の立場から言いますれば、保険契約件数が多いととより、むしろ保険金額が多い方が、資金コスト、経営コストその他から申しましていいわけでございます。私ども保険契約件数があまり激減することは好まないのでありまするけれども、この程度の減でありますれば、他方において保険金額の方がふえておりますので、それほど心配する必要はなかろうかというふうに考えるのであります。ただこの対策といたしましては、今この法案で御審議願っておりますように、運用範囲を拡張いたしまして、資金の運用利回りを向上させたい、そうしてできました剰余金を加入者の方々に還元いたしますことによりまして、正味保険料をできるだけ安くいたしたい、こうすれば加入者の方ももっと喜んで入ってもらえるだろうと思います。もう一つあわせてまたいずれ御審議をお願いいたします簡易生命保険法の改正で、最高制限額を現在二十五万円でありますものを五十万円に引き上げ方をお願いするわけでございます。そういうようにいたしますれば、そういう面でもさらに加入者の方々に入ってもらえる可能性が強くなるのじゃないかというようなことで期待を持っております。
○受田委員 私は簡易保険局長に特にお尋ねをしておきたいのは、今あなたは保険金額の方で非常に楽観的な御意見を吐かれたわけですが、昭和三十年には、民間保険と比較したときには約三分の一の保険金額であったわけです。それが三十四年には、民間保険は簡易保険の五倍以上という契約保険金額を数えておるのです。もう簡易保険はどんどん低落して、民間保険は飛躍的な発展をし、四年間に簡易保険の三倍から五倍になっているのです。このままの情勢をそのまま傍観していいかどうか、民間保険と簡易保険との契約及びその保険金額の比率というのはどの辺に置くのが国策として適当であるかというような高い観点からのお答えがまだないわけなんです。これを一つ御答弁願いたいと思います。
○西村(尚)政府委員 簡易保険の現状を私も決して楽観しておるわけでは実はございませんので、件数は逓減しておる、これも確かにそうでございますけれども、わずかながら保険金額の方がふえて参りますのでそのことを申し上げたわけでございますが、そのために簡易保険局といたしましても、郵政省といたしましても、何かこれに対して手を打たなければならないというので、先ほど申し上げましたような二つの法律案を御審議願うようにお願いしておるわけでございます。そのほか簡保事業の振興のためのいろんな施策は、省内におきましていろいろ検討はしておるわけでございますが、先生のお尋ねの簡保の額と民保の額がどの程度の比率を保つことが妥当か、至当かという問題につきましては、実は的確な計数はちょっと申し上げかねるのでありまするけれども、これは一方におきまして国民年金制度というものも出てきておりますし、それから国民所得というものも今後だんだんふえていくことも考えられます。民保の額との比率をどこに置くかということにつきましては、まだ私ども検討はしていないのでありまするが、今後こういう点も十分一つ頭に置いて勉強していきたいと思っております。ただ戦前は民保の方が簡保よりかだいぶ総額におきましては契約金額が多かったわけでございます。ただ戦後民間保険の方は、インフレの打撃を受ける度合いが強かったために簡保の方が伸びましたけれども、民保はあまり伸びなかった。それが最近インフレの影響を民間保険も克服いたしまして、戦前の調子を取り戻した、それで飛躍的に伸びつつあるというわけでございますが、簡易保険の方は国家資金を集めるという大きな使命もございまするし、できるだけ新規契約が伸びるように施策し努力はしなければいかぬとは思いまするけれども、両者の比率をどの程度に保つことが至当かという点につきましては、まだ実は遺憾ながら検討いたしておりませんので、今後十分検討してみたいと思います。
○受田委員 私はこれはやはり国策として検討していただかなければならぬ問題であろうと思うのです。つまり、将来国民年金制のだんだんと完成される過程においても、この老後の保障、途中の死亡に対する保障制度というものを、民間と官営とどういうふうなところへ持っていくかというのは、一つの国策として検討してもらわないと、野放図にこれを放任しておいてもらうということは私はいかぬと思う。まだその御研究ができておらぬということでございますが、これは大蔵省とも御相談されて、民保と簡保との比率はどの程度に置くのが適当か、その調整をどうしたらいいかというようなものは、国策として御研究をいただかなければならぬ、かように私は思っておりますから、この点大蔵省と十分御協議をされて、その国策としての決定線を一応お出しいただけるようにお願いをしておきたいと思います。 私は今ここでなぜこれをお尋ねしたかと申しますと、もう一つの最高制限額の法案のこともありますが、積立金の運用利回りに関して、この契約金額が件数や金額が変わってくると思います。この運用利回りをもっと高めれば、当然簡易保険の方へ大量に流れてくる。それから民間保険は加入させるやり方がきわめて悪どいといいますか、無理やりに、強引にいくというやり方をとっておる、また簡易保険の方は公務員がやられるのでありますから、郵政公務員が着実なやり方でいくのでございますから、商売気を出してやる方の民間保険と、それから公務遂行の立場でやる簡易保険との間には、どこかに政府がバランスをとる努力をされないととても太刀打ちができないのです。そういう意味で運用利回りというものをどう引き上げるかということの点は、これは非常に重大な問題になってくるわけでございますが、その具体的な解決方法として、この法律で認められている運用範囲を運営する上において、たとえば電電公社の発行する電信電話債券、こういうような高利回りのものをどんどん簡易保険の方で用いるというようにすれば利回りが自然に上がってくると思うのですけれども、そういう高利回りのものを運用するというそうした工夫というものは別にされていないのですか。
○西村(尚)政府委員 そういう点での努力は十分やっておるつもりでございますが、ただ現在の運用対象では対象が非常に制限されておりまするので、もう少しこの範囲を拡張いたしまして、高利回りのものにも運用できるようにいたしたいというのがこの法律案のねらいであるわけでございます。御指摘の電電公社債も従来から引き受け対象になって一おりまして、これにも新年度十億円の電電債を持つ予定にいたしております。ただ高利のものばかりをねらいますということは、簡保資金の性格からいたしまして、先ほども森本先生からも御指摘がございましたが、あまり採算本位に走ってはこれはまた困る面もございますので、地方公共団体その他の比較的低利なものにも、簡保のいろいろな従来からの経過から見まして、そういうものにも毎年新規財源の四〇%くらいは貸し付けておるわけでございます。その他の残りの六〇%というものをできるだけ先生御指摘のような高利のものに回したい。従来の対象では十分でないから、さらにここで範囲を拡張いたしていただきまして、そういうものにも今後鋭意振り向けるように努力いたしたい。そうして運用部であります簡保資金全体としての運用利回りの向上をはかっていきたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○受田委員 民間の保険は株式投資までやって投機的な性格まで入った利回りの向上を考えているわけです。これは民間保険の加入者にまた一方において一つの危険を負担させることにもなるわけなんで、われわれとしては生命保険事業などが株式投資などやるということは大体反対なんです。民間保険もそういうところへ制限を加えることに上って、民間保険の内容が簡保に近づいてくるということにもなるわけなんです。民間保険との関係を終始大蔵省と話し合いをし、大蔵省にその民間保険の運用範囲とそれから運用方法というようなものに手きびしい制約を加えて簡保に近づけるような努力を一方においてするというようなことは、やはり簡保とのバランスをとる上においても私は大事なことじゃないか。簡易保険局長、どうですか。民間保険が株式投資に眼を向けるという行き方というものに対して、やはり簡保の伸びるか縮むかにもこれは影響する問題でありますだけに傍観するわけにはいかないのですが、お考えをお示し願いたいと思います。
○西村(尚)政府委員 実は民間保険の監督指導というものは大蔵省が所管しておりまして、私ども簡保の立場からそれに意見を差しはさむととはできましょうけれども、あまり差し出がましいことは遠慮しなければならない立場にございますので、ちょっと今の御質問には答弁いたしかねるのでございますが、実は私どもといたしましても、運用利回りを向上するために、広くすべての会社の株式ということは言いませんけれども、公益事業会社の株式くらいには簡保の積立金をも投融資いたしたいという考えで、昨年の初め以来資金運用部と交渉しておったようないきさつもございまするので、ただいま御指摘のような民保が株式を保有することについての云々ということにつきましては、ちょっと大蔵省にも発言しかねる立場にございます。あしからず……。
○受田委員 これは簡保と民保の比較をする場合に、一方を放任したままで簡保のことを考えるったってなかなかむずかしいことだと思います。一方を野放図にしておいて簡保を議論しようとしたって、これは同じ土俵の中で勝負できませんよ。やはりそういう投機的な——あなたのお説のように公益事業としてはっきり国が半分くらい出資しているとか、そういう性格の事業そのものが公益性を持って暴利をむさぼるような考え方じゃないというなら筋が通るわけです。社債と大体似通った性格を持っているのです。私が申し上げたいわゆる投機性を有する株式投資、こういう行き方は非常に問題がある。そういうものとの関係を全然無視して簡保の運用利回りを引き上げるとか、あるいは債券を引き上げるという、そういう勝負では根本的な問題が解決されないと思っておるのです。そういう点については私自身としては簡保がどんどん成長して民保と非常に接近する傾向を好ましい行き方だと思っておるのでございますので、それへいかせる努力をただ郵政省が一人相撲されないように、たとい政治力において大蔵省との間において負けるとしても、正義の声は郵政省の方が通るのだという努力をされなければいけないと思うのです。これは簡易保険積立金運用権を半分でも奪還した当時の郵政省のあのたくましい熱情をもって民保と簡保とのバランスをとる努力を私はされる必要があると思うのです。こういう点について一つ、ただ単に郵政省部内の問題でなくして民保との関係をどうするかというところへ終始眼をお向けいただいて、この問題の検討を続けていただくように要望いたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
○山手委員長 谷口善太郎君。
○谷口委員 私は若干の質問をするつもりで用意をしてきたのですが、この法案の内容は非常にはっきりしたものでありますし、時間もございませんようですから質問を省略したいと思うのですが、ただ一つだけここでつけ加えておきたいことがあります。これは年金事業だの、あるいは簡易保険事業の健全な発展のためにという名目で運用の範囲を拡張されるわけでありますけれども、本来零細な金を集めておる、あるいは零細な資金を出すことによって生活の安定を願っておる非常に貧困な国民大衆が相手の事業の金でありますから、これらの人々に対してむしろいかに利益になるような運用をするかという面の運用の問題が考えられるべきであると思うのです。原案ではむしろ道路公団とか、あるいは電源開発の面に資金を流そうということでありまして、いわば独占的な大資本に対して、あるいは大事業に対して安い国民の金を流そうという、その点の拡張がねらいでありまして、われわれ賛成できない性格を持っておるというふうに思うわけです。そういう点で私どもとしましてはこれに反対でございますが、今後社会事業の面にむしろより多くの運用をするというような方向をとってもらうことはできるかどうかということを一応ここでお聞きしておきたいと思います。私、つけ加えておきますが、討論もおそらく時間の関係で省略されるのじゃないかと思いますし、それでいいと思うのですが、私も討論に参加しませんが、附帯決議で出されます案もいわば原案に大いに賛成されているのでありまして、これにも私ども賛成しかねます。ですから反対の見地をここで明らかにすると同時に、今後大資本を助ける方向じゃなくて、国民大衆をほんとうに現実的に助ける方向へやっていく、そういう考え方があるかどうかを一つだけお聞きして、質問にもなり、討論にもなり得るような発言を終わらしていただこうと思います。
○西村(尚)政府委員 加入者である庶民階層の人々に還元する方法を考えておるかという御趣旨だったと思いますが、その方法といたしましては、現在団体貸付という方法を講じて実施しておるわけでございます。これは先ほどもちょっと申し上げたのでありますが、十五人以上の人が加入者団体である任意団体を作って衛生施設とか厚生施設、そういったような施設をなさる場合には六分という低利資金を供給いたしまして、これも無制限にというわけではございませんが、月額保険料の三十倍程度の額の合計額をお貸しすることになっております。これが非常に喜ばれております。これは三十四年度から始めたのでありますが、毎年ふえて参っております。そのほか契約者貸付というものを個々人にはお貸ししておるのでございます。そういうような方面を今後もできるだけ広げて、広く加入者の方々の御利便に資していきたいと考えるのでありますが、ただ、ただいま先生がおっしゃいました道路公団とか、その他今度の範囲を拡張する、その対象は大資本擁護になるではないかというようなお言葉でございましたけれども、実は大資本擁護といったような考えは毛頭ございませんで、そういったものは割合利率が高いのでございます。現在簡保貸付対象というものは非常に制約を受けておりまして、きわめて利率の低い、たとえば地方公共団体、国といったようなものが大半だったのでありますが、できるだけそういった利回りのいいものにも範囲を広げて参りますと、積立金の運用収入というものがふえるわけであります。積立金の運用収入がふえますと、それだけ事業の収支の面で剰余金がふえますので、そのふえた剰余金は個々の加入者である庶民階級にこれを還元いたしたい。間接的にはこれが加入者の利便に資することになるのでございます。そういった加入者のための法律改正であるというねらいでございますので、その点を御了承願いたいと思います。
○谷口委員 私はさっきの発言でよすつもりだったが、今の御答弁がありますと、若干つけ加えておく必要があるような気がするのです。私も当局の皆さんの主観といいますか御意向はわからぬことはないのです。これは現地に参りましても、現地の簡易保険なんかやっておられる局長あたりの二、三の人の話を聞きますと、やはりもう少し運用をうまくやって、もう少しもうけができれば、部内でも契約者に対して勧誘することができるから、そういう事業を考えられないか、何とかして利回りの運用の範囲を広げて、もう少し高利率のところに回したい、そういう気持を持っておると言っています。この気持は私もわかるのです。それは主観ではそうだと思うのです。しかし、そのことの結果、客観的に独占的な事業を助けることになるという、客観的な事実をわれわれは無視することはできないのです。そういう点で、反対の意見をちょっと申し上げたのでありまして、あなたにそういう御答弁をいただかなくともそういうお気持はよくわかっております。しかしわれわれは、主観で政治をやりましても、現われてくるところは客観的に現われるから、その問題を問題にしておるのでございまして、従って大資本を助けるという問題では運用部の運用全体の問題もありますけれども、そこらのところはまた別の機会に論議になると思いますが、この際その点だけを指摘しておきたい、こう思ったわけです。
○上林山委員 時間の関係で平板式に並べてお尋ねしますから、並べてお答え願いたいと思います。 まず第一点は、大臣のおるところでも大体私申し上げてこれに確約されたように思うのでございますが、との機会に再確認しておきたいことは、地方公共団体に対する短期の融資、この期間の問題については、実情に沿うたように検討を加えていくという御答弁を、この際にはっきり願っておきたい。三カ月ではあまりに期間が短いし、地方公共団体の事情に適しない。こういう短期融資に対するととろの考え方を一歩前進せしめる。これが一つ。 もう一つは、せっかく利回りをよくして利潤を高めていこうとする法案でございますから、ここでこの利益を一番これに協力しておる契約者に還元していくという考え方を持っていかなければならない。まず第一に、年次計画で、いわゆる契約者の貸付はどの程度漸増さしていく方針か。貸付を保険契約者にふやしていくということが簡易保険の使命でありますから、この点をどの程度考えておるか。 三番目は、三十六年度にはあるいはむずかしいかもしれないが、三十七年度には簡易保険の契約数を予定通りふやす一助として、料率をどの程度引き下げるという考えを持っているか、持っていないか。この点をこの際明らかにしておいていただきたい。 なお、最後につけ加えたいことは、私は運用の利回りをよくして事業の内容を堅実にしていくという点には賛成であるが、このために地方公共団体の貸付のワクというものが漸増していかなければならない。くぎづけであってはならない。こういうふうに結論として考えておりますが、この点については、その場限りでなくて、私はこれ以上質問しませんから、一つ明快にお答えを願っておきたいと思います。
○西村(尚)政府委員 第一点の地方公共団体に対する短期貸付でございますが、これは現行におきましては三ケ月ということになっております。ただし三カ月以内に完全償還される率は大体六五%くらいでございます。あとの三五%程度のものは借りかえになっておるのが現状でございます。それで実情を見まして、三カ月では不十分だと思われるようなものにつきましては、今後よく検討いたしまして、また関係の向きともよく相談いたしました上で、六カ月程度の期間のものを今後設定いたすように善処いたしたい。この点はここではっきり申し上げておきたいと思います。 それから第二点の、契約者に対する利益の還元の問題でございます。これは第三点とも関連があるかと思いますが、契約者貸付の金額、これは三十六年度では百四十億円を予定いたしております。毎年ふえてきております。今後も加入者からの要望がありますれば、ふやしていきたいつもりでおります。 それから第三点の、料率を引き下げる考えがあるかということでございますが、今度別途御審議をお願いしております簡易生命保険法の改正案、あの方の内容に織り込んであるのでありますが、今年の四月一日から、保険料計算の基礎になっております生命表、これが現在は九号表を使っておるのでありますが、先般厚生省の方で新しく第十表というものを発表いたしました。これによりますと、九号表に比べましてだいぶ死亡率が低下しております。この死亡率の低下しておる十表を新しく四月一日から採用いたしますと、保険料もそれだけ下がるわけでございます。この保険料引き下げとあわせまして、この四月一日から分配金の増額もいたしたい。従来予定利回り利率四分のほかに、加入者への分配金は積立金の一分にすぎなかったのでありますが、これを一分五厘に増配いたしたい。そういう計画で今準備を進めております。五分五厘になるわけでございます。 第四点は、運用範囲を拡張いたしましても、今後地方公共団体に対する貸付のワクは減らそうという気持は毛頭ございません。あくまで簡保の積立金の建前からいたしまして地方公共団体貸付は第一義というふうに今後も堅持して参りたい、かように考えております。
○山手委員長 ほかに質疑もないようでございますので、本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。 —————————————
○山手委員長 これより討論に入るわけでありますが、討論の通告もありませんので、これより直ちに採決に入ります。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山手委員長 起立多数。よって、本案は原案の通り可決いたしました。 この際佐藤洋之助君より発言を求められております。これを許します。佐藤洋之助君。
○佐藤(洋)委員 私は、ただいま議決せられました簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の共同提案として次の附帯決議を付する動議を提出し、その趣旨を御説明いたしたいと存じます。 まず附帯決議の案文を朗読いたします。 簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案 附帯決議(案) 簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関しては、政府は、さらに一層運用利回りの向上をはかるとともに、現行の運用範囲のほか、なお積立金の貸付によってひろく保険年金加入者たる国民各層の利益に資することができると認められる対象があるときは、遅滞なくこれに対して運用範囲を拡大する措置を講ずべきである。 右決議する。 提案の趣旨といたしましては、さきに法律案審議の過程において政府側の説明にもありました通り、現在、簡易生命保険及び郵便年金積立金の運用利回りは平均五分九厘一毛でありまして、民間保険の九分一厘一毛に比べればもちろん、資金運用部の六分六厘七毛と比較しても相当に下回っておるために、配当を加味した正味保険料も簡保年金は他に比してかなり割高となっております。このことは、国民大衆に対してできるだけ低廉な保険年金を提供しようとする事業本来の使命からいっても、きわめて遺憾であるのみならず、簡保事業の伸び悩みの最大の原因ともなっておるのであります。すなわち、昭和三十年を一〇〇とした場合、民間保険が件数において一七九、保険金額において二二六ときわめて順調に伸びているのに対し、簡保は件数においては九四と減少し、金額は一二一というように著しい遜色を示しておるのでありますが、これは正味保険料の割高が大きく影響していることは明らかであります。 この簡保年金積立金の運用利回りが低い原因は、国営の保険事業なるがゆえに、その資金の公共性を重視して運用範囲を極度に制約したためでありますが、現在の制約はあまりに狭きに失するという見地から、今回議決を見た法律案によって運用範囲が若干拡大せられたのであります。しかしながら、当委員会の見るところでは、運用利回りを向上して、その利益を保険年金加入者に還元するという事業目的からいって、今回の改正はその方向に一歩を踏み出したとはいえ、いまだ必ずしも十分ではないと認められるのでありまして、現に昨年九月の資金運用審議会の建議を見ましても、簡保資金の運用につき、「公共の利益のための運用の趣旨に反せず、かつ安全確実をそこなわない範囲内で、比較的有利な運用対象への拡張は認むべきものと考える。」といっておるのであります。よって政府としては、この線に沿って今回の改正の限度を越えて、さらに運用利回りの向上策につき検討の必要があるのではないか、たとえば電源開発会社のほかにも有利確実な社債への投資、あるいは短期融資としての金融債、コール等についての運用も十分考慮に値する問題であると考えられるのであります。 また、これら融資対象の物色にあたっては、その公共性に留意すべきことは当然でありますけれども、融資の利益が広く国民各層によって構成される保険年金加入者に還元される場合には、必ずしも従来のようなかたい制約の中に立てこもらず、いま少しく弾力性のある見方をもって対象を選ぶべきであると考えられるのでありまして、これを要するに政府は一そう積極的態度をもって簡易保険年金積立金の運用に当たり、その利回りの向上をはかって、その利益を広く国民大衆に還元せられんことを要望するの趣旨をもって、本附帯決議案を提出した次第であります。 何とぞ全会一致御賛成あらんことを希望いたします。(拍手)
○山手委員長 ただいま佐藤君より提出の動議の通り、本案に附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山手委員長 起立多数。よって、佐藤君提出の動議の通り附帯決議を付することに決しました。 この際森山郵政政務次官より発言を求められております。これを許します。森山君。
○森山政府委員 ただいま御決議のありました簡保年金積立金運用法の附帯決議につきましては、御趣旨を尊重いたしまして鋭意努力いたすつもりでございます。(拍手)
○山手委員長 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山手委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 次会は明二十九日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十六分散会 ————◇—————