逓信委員会 第15号
- 発言数
- 239 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/03/24
会議録
○山手委員長 これより会議を開きます。 郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。谷口善太郎君。
○谷口委員 最初に郵便貯金の資金コストの実態、これは普通の銀行なんかから見ると高くなっているか、そこらの実態を聞きたいと思います。
○小金国務大臣 数字にわたる問題でございますので、局長から答弁させていただきます。
○大塚政府委員 詳細な数字は後刻申し上げますが、経費率におきましては、全国銀行の平均と大体同じでございます。それから支払い利子率におきましては、郵便貯金の方が若干高くなっておりますけれども、しかし民間銀行の中には御承知のように利息のつかない当座預金というものがございますので、その当座預金を除きまして支払い利子率を計算いたしますと、むしろ民間の方が郵便貯金よりも少し高目くらいになるという大体の状況でございます。
○谷口委員 具体的な数字じゃないのでありますけれども、一応当座預金を引きました民間の分と対比いたしますと、こっちの方が資金コストが安いということになりますか。
○大塚政府委員 三十四年度の数字で申し上げますと、郵便貯金の支払い利子率が四分六厘でございます。これに対しまして、全国銀行の平均支払い利子率は四分三厘二毛六糸、これが支払い利子率でございますが、先ほど申し上げましたように、無利息の当座預金というものを除いて計算いたしますと、これが五分一厘程度になるようでございます。 それから人件費、物件費等の経費率で申しますと、三十四年度郵便貯金が二分一厘六毛、これに対しまして、全国銀行が二分一厘四糸というふうな数字になります。
○谷口委員 そうすると、経費の問題でも経費が若干高いということになるのだけれども、そんなに違わないということになるわけです。そうしますと、運用益といいましょうか、政府の預金部運用資金として利用されているわけですが、その運用益の具体的な数字というものはわかりましょうか。
○大塚政府委員 これは御承知のように大蔵省で運用いたしております。従ってこれは国民年金、厚生年金等の金と一緒に運用しておりまして、中の資金別の区別をいたしておりませんが、大体六分五厘弱に大蔵省ではこれを運用いたしておるようでございます。それに対しまして、民間銀行の運用率は、正確な数字は今ここに持っておりませんが、たしか八分何厘かのように記憶をいたしております。
○谷口委員 郵便貯金は、自由に使えるといいますか、内部で使える金は全然ないわけですね。簡易保険なんかはあるわけですね。——一応事実を聞かしていただいたわけでありますが、ほんとうはもっといろいろ知りたいわけなんです。利率のような形で経費なんかのことを言っていらっしゃるわけなんですけれども、経費全体をやりますと二分一厘六毛というようなことになるのだろうと思うのです。そこらの内容を具体的に私知りたいと思うのですけれども、それはデータがありますか。
○大塚政府委員 詳細な数字はございませんが、二分一厘六毛のうち、大体人件費が八割程度、あと二割程度が物件費というふうになると思います。
○谷口委員 私がなぜこういうことを聞くかと申しますと、われわれしろうとの考えでは、郵便貯金のうち、特に通常貯金というのは、金を預けて、それで利子をかせいでいくというようなものよりも、これは確かなところだからちょっと預けておこうというような程度の、非常に零細な人たちの貯金だと思うのです。これは郵便貯金の中でも非常に多いわけなんです。従って、集めるのにも相当経費がかかっているんじゃないかというふうにしろうと考えで考えるわけなんです。そういう点では、資金コストとしては、むしろ市中銀行よりは高いものになっているのじゃないかという予想を一応しておったわけなんですが、そうではないようであります。そうしますと、今度は逆に、今の郵便局のシステムの中にあまり合理的でない、あるいは経済的にいったらむしろ改革すべきところがある。としますと、もっと安い資金コストになる余地があるわけですね。たとえば、特定郵便局のあり方なんかは相当問題があるようであります。全体から見たら、合理的のように見えておりますけれども、一つ一つ見ますと、むしろ反対の状況が出てきているのじゃないかという点で、特定郵便局の人たちは今運動をやっておる。あすこは食えないからという要求で出てきておるわけでありますけれども、しかし、踏み込んでいきますと、経済的に成り立たないという要求が下から出てくるだけに、運営の上に非常な不合理があるのじゃないかというような点が考えられるわけなんです。そういう点では、どうなんでしょう、郵便局の預金を集めてくる仕事の中で、もっと合理化された場合資金コストが安くなるような面がかなりあるのじゃないかという、そこらの点はどうでしょうか。
○大塚政府委員 資金コストの銀行との比較でございますが、これは、先ほど申し上げましたように、大体同様でございます。しかし、御承知のように、採算のとれないような山間僻地にまで郵便という窓口を作って貯金を集めておるという点からいえば、もう少し高くつくということも考えられるわけでありますが、これが比較的安くできておるということは、一つは郵便や保険と一緒に建物を建て、同じような、共通の人間、共通の部門を使ってやっておるという点から、比較的コストが安くついておるというふうに私ども考えております。それで、郵便貯金の中でさらにコストを引き下げる余地はないかというような御質問だったように伺うのでございますが、さらに機械化等の余地が若干ないことはございません。しかし、特定局等における事務をさらに機械化する、あるいは簡素化するということはなかなかむずかしい問題だと思っております。資金コストを下げる一番よい方法は、もっと貯金を多額に集めるということでございまして、貯金がたくさん集まればその経費は割安につくことになりますので、私どもはそういう方向においてなお資金コストを下げる努力をいたしたいというふうに考えております。
○谷口委員 もっと集まれば資金コストが安くなるというお説ですけれども、その見通しについて——次に入りますが、預金利率が安くなったりするという状況が、ここへ出て来まして皆さんの資料を拝見したのですが、貨幣価値の変動なんかを勘案いたしてやりますと、若干の伸びはありますけれども、実質的に伸びているかどうか、そういう言い方はできないではないかというように思うのです。特に最近では、こういう郵便局に金を預けるということ以上に、投資信託といいましょうか、ああいうものが非常に大衆をとらえまして、その方へ流れている傾向がございます。そういう点で、今後伸びていくことについて皆さんの持っていらっしゃるような確信がはたして正しいかどうか非常に疑問に思うのですが、見通しはどうでしょうか。
○大塚政府委員 郵便貯金は、長い目で見ますと着々と伸びておりまして、大体銀行と同じような伸び率で伸びております。多少それより低くはなっておりますが、今後それがどういうふうな傾向をたどるかという点は、おっしゃられましたようなこともありまして、いろいろ問題でございますが、大体政府の経済政策が高度の成長ということを目ざしておりますので、−そういきますと、従って国民の所得もふえますから、そのふえた割合に応じてやはり貯蓄というものもふえていくというふうに考えております。従って、いろいろな要素が入って参りますけれども、基本的な線としては、貯蓄は大体今までのような傾向をたどって伸びていくものというふうに考えているわけでございます。
○谷口委員 そこらにだいぶ甘い考えがおありではないかというように私ども思っているわけです。これはあとに若干触れることになるかと思うのですけれども、経済成長という今の政府の政策から、近い時期に所得格差が非常にひどくなりまして、通常貯金をするような大衆の貧困化がさらに深刻になる、そういう内容を含んでいると見ているわけであります。そういう貧困化の拡大ということが、零細な金を預かっている通常貯金に大きな影響を今後もたらすだろうという見通しの方がむしろ堅実な見方になるではないかというふうに思うのです。五千円とか一万円とか定期あるいは定額の積み立てをできるような人たちは、さっきもちょっと申しましたように、郵便貯金に預けるということよりも、例の投資信託の形態の方向へどんどん大きく流れていくのじゃなかろうか。御承知でしょうけれども、投資信託でなされております——いろいろ種類がございますから一がいに言えませんけれども、これはほんとうにそれこそ投資という観念に当てはまる、大衆的にいえばそういうことでありまして、安いものでも七分何、厘、八分というようなものの利率がある。また特にオープンなんかの中には、一割も二割も三割もというようなところがありまして、そこへ大衆がどんどん向いていくそういう時期であります。だから一方に大衆の貧困化が進んでいくという見通しが考えられるわけであります。従って郵便貯金の最も本体とでもいうような通常貯金が将来は非常に伸びるかどうかという点では、むしろそうでないような見通しが立つのじゃないか。そこらに非常に甘いお考えがあるのじゃないかというような気がしますが、どうでしょう。
○大塚政府委員 問題が日本の経済機構、経済政策の根本に関しますので、私どもがその意見を申し上げるのも適当でないと思いますが、私どもは現在の経済成長政策というものが続く限りにおいては、先ほど申し上げましたように、国民所得もふえ、従って貯蓄もふえていくというふうに考えておるわけでございます。
○谷口委員 大臣がお時間があまりないそうで、大臣に対して質疑があったら先にということでありますので、実は私ここでいろいろこの問題について深い討論をやるとしますと、政府の金融政策それ自体、今の所得倍増計画、経済の拡大計画の中で行なわれている金融政策自体に踏み込んでいかなければならぬ問題だというように思うのですけれども、それをやりますと大へんなことになりますし、現在政府だって、自民党の中にだって、あるいはまた市中銀行、日本銀行その他の関係部門の中でいろいろ意見がございまして、そう一致した意見ではないと私は思っておるのです。その中で今度の金融政策が行なわれていくと思いますので、この問題に触れますと深くなりますから、ここでは非常に端的に申しますが、郵便貯金というものに金を預けているのは、さっきから何回も言いましたように、国民の中でもいわば非常な零細な者の金ですから、層から見ますと金持ちじゃない。むしろいわゆる大衆でありまして、こういう人々の金を預かる場合現在の政府の施策の中の低金利政策でもって経済成長を促進しようということだと思うのでありますけれども、その政策的な立場からこういう零細な国民の貯金に対して、あるいは零細な貯金しかできない国民に対して、わずかの金の金利を引き下げてまでそこへ犠牲を転嫁するという結果になることについて、これはやっぱりよろしくないのじゃないか。ここのところだけは一つ郵政省として、零細な国民の貯金に対して、預金金利を引き下げて一応の犠牲をしいるような状態にすることについては大蔵省とも十分に話し合って、これを食いとめるという態度をとっていただくことが必要じゃないか。そういう点の郵政大臣の、これは政治論ですが、お考えはどうでしょうか。
○小金国務大臣 今度の金利の引き下げにつきまして、郵便貯金もその一つを実現するわけなんですが、実は谷口さんのような御意見も、私もちろん尊重すべきだと思っておりますが、ただ日本全体の金利政策をどうするかということになりますと、やはり官営でございますから、これだけが金利が高くてよろしいという議論がなかなか立ちかね美して、そうしてむしろ金融政策の片棒をかついでおって、その郵便貯金を財政投融資で働かせるというような点から申しますと、やはりコストがそうかからぬ方がいいのでありますから、この財政投融資の使い方に問題があるので、なるべく地方に還元するとか、あるいはまた財政投融資という形で出ましても、下請とかその他に回るような種類の財政投融資にして、そうしてコストの安いお金を地方に還元するというような一翼をになうものでありますから、日本の金利政策全般の一翼をになっておるという立場から、私は引き下げに同意いたしました。同時に金利は、個人々々の貯金に支払われる金利は下がりますけれども、しかし総括的にその地方なら地方が受けるお金のコストが下がるというようなことをにらみ合わせまして、私は今回は引き下げに応じたようなわけであります。
○谷口委員 大臣そうおっしゃいますけれども、今度の低金利政策の基礎になっておりますのは、市中銀行なんかが金利を引き下げる。従って、また預金金利を引き下げるとすれば、政府のやっておる事業の中では、こういう金融の中では、やはり金利を引き下げていかなければならないし、これだけ上げておくわけにいかないとおっしゃるのですけれども、今度の場合は、金融界にもまた産業界にもいろいろ意見のあることに対して、むしろ逆に政府のイニシアで低金利政策をやらしていくということが前提になっておるじゃありませんか。ここに提案理由のところを見ますと、全体金利水準の低下に見合って、郵便貯金金利も利率を少し引き下げるのだと言っておりますけれども、全体金利の情勢ではなくて、低金利政策をとったのは、政府の施策でしょう。政府がそれを要求しておる。だから銀行にしましても、日本銀行にしましても市中銀行にしましても、金利の問題は何も政府のイニシアではなくして、自分の自主性でやっていいわけでありますけれども、政府の施策がそういうふうにして、まず低金利政策を政策的にやっていって、そうやって、それを預金金利の利率なりに及ぼそうという段階にきておる。その際、まず市中銀行なりの預金金利を下げるという問題の先鞭をまず郵便貯金でつけようというところにほんとうのねらいがあるのではないですか。まずここで預金金利を引き下げて、そうしてそれを一般の銀行に及ぼす。そういう意味では先鞭をつける突破口にしておる。そこのところにほんとうのねらいがあるのではないですか。そういう点では私は大へん大事な政治問題があると思う。その点どうでしょう。
○小金国務大臣 政府は確かに低金利政策をとりまして、国際金利にできるだけさや寄せをしていこう、そうして産業なり地方の諸事業、公共事業等もコストを下げよう、こういうような政策は確かにとりましたが、しかし同時に政府が低金利政策をとるというその実現の方法としては、市中銀行等に金利統制をやっておりませんから、自主的に引き下げる意向があるかどうかというようなことは、もう大蔵省の方で十分検討いたしまして、これは自主的に金利を銀行その他で相談して下げるということがきまりましたので、政府の取り扱う郵便貯金だけが高金利であるというわけにも参らぬので、しかし、これを突破口にするのじゃないかとおっしゃいますけれども、これはむしろ、市中銀行の金利を下げるから、政府の関係のものだけがそのまま高くとまっておっては困るというので、政府の政策でありますから、やはりこれを引き下げざるを得ない。また引き下げてコストを下げるという立場をとったのでありまして、法律案によって国会の御承認を得てやりますから、これが突破口のように見えるかもしれませんが、実は全体の一翼をになっておるということでありまして、その点は総合的に私どもは考えてきております。
○山手委員長 谷口君、大臣はちょっと参議院に出席して、また帰ってきますから……。
○谷口委員 それでは、私はさっきの点でもう一つ大臣に念を押しておきたいんです。念を押すというよりも要望しておきたいんです。つまりさっきお尋ねしますと、事務当局のお答えは、市中銀行に比べて資金コストは決して高くない。それから経費なんかも、いろいろな保険その他を総合してやっているだけあって、むしろ市中銀行から見たら高くなるような状況でありながら、そんなに高くない、あるいは同等のような状況だというように言っていられるわけなんです。だから運用益の面を見れば、なるほど生産事業に、独占資本に出していくような面が割合少なくて、その他の地方公共団体に出すとか、あるいは社会保障的な面へ出すとかということになっておりますから、市中銀行に比べてはるかに及ばないという状況でありますけれども、しかし預金の実態は相手が大衆だ。これらに対して金利を引き下げてまでその犠牲をしいるということは、大衆にとっても一つの犠牲でありますし、また金を集める点でもなかなか困難な見通しが立つという状況があると思うのです。通常貯金なんかのあれは三厘六毛ですか、さようなことになりますね。あれは下げたってそんなにたくさん余裕ができるわけじゃありません。だから昭和三十四年の通常貯金の増加の状況から見ましても、私ども計算いたしますと、一年間に二億円足らずの金利を引き下げることによって余裕ができることになる、わずかの金なんです。これで何百万の人間に対して相当悲しみを与え、あるいは損害を与えるということになるのでありまして、ここらのところを考えて、この原案をもう少し考え直す必要があるんじゃないかという点、そこらを一つ考えていただくようなことはできませんか。
○小金国務大臣 お説ではございますが、いろいろな方面から検討を加えまして、市中一般金利から離れて郵便貯金だけを、大衆がその目標であるからということだけの理由でとどめておくというのは、私どもはとらなかった政一策でありまして、むしろお金の余裕のある人にはできるだけいろいろな形で貯金してもらうけれども、郵便局の窓口で扱っているこの郵便貯金の本質にかんがみまして、できれば金利は高い方がいいかもしれませんけれども、しかし、今、谷口さんも御指摘になりましたように、これがまとまって還元される場合には、地方の公共的なものとかあるいは福祉増進というようなものに使われるのが、大体今のところ主でありますので、これは金利政策全般の一部としてやはりどこまでも考えて参りたい、こういうことできめましたので、ただいまこれを撤回したり、また直すという考えは今のところ持っておりません。
○山手委員長 谷口君、ちょっと大臣は参議院の方に……。
○谷口委員 それでは仕方ありません。どうぞ。 今、大臣がああいうことを言って帰られたわけでありますが、実際そうだろうと思う。政府の今度の低金利政策の基本には、世間でもそう言っております。大臣が今おっしゃって行きましたし、公式の文書を見ましてもそう書いてあります。理由は、金利を国際水準に引き下げていこうということと、それから貿易、為替の自由化に応ずるためというようなことを言っているようでありますけれども、ほんとうは経済成長政策の中で安い金利の金をどんどん独占資本に注ぎ込んでいこうという、そこのところに目的があるのでありまして、従って正直に経済成長拡大のためにとおっしゃっておりましたが、そういうところに問題があると思うのです。ところがこの政策自体がもうすでに現実に破綻の状況がきていると私どもは見ているわけです。きのう参議院でも問題になったようでありますが、国際収支の上でも赤字が出てきているという点が指摘されております。一月が九千万ドル、二月も約九千何百万ドルの赤字が出てきておりますが、一月、二月が割合そういう点では国際収支の上で輸入が多いからこういう結果になるのだというふうに政府は説明しておりますけれども、しかし現在の国際関係の中で見ておりますと、決して日本の国際収支の上には安全な展望がなされないのではないかということを関係者の有力な人々も言っております。また識者もそれを認めております。従って低金利政策でもって資金をどんどん市場へ出していくという、いわゆる景気過熱のムードを作っていくというやり方は非常に危険じゃないかというふうなかなり手きびしい批判もある。また意見も決して一致していない。私、実は若干の人々の意見を調べてみたのであります。いろいろそれぞれの立場がありますから無理もないのでありますけれども、必ずしも一致した意見ではない。そうした意見の不統一の中で低金利政策を政府として政策的に推し進めていく、そして郵便貯金の利率まで引き下げていくことは非常に危険な状況であるというふうに私どもは思うわけです。これらの点につきましてもっと深く入って論議すべきだと思いますけれども、大臣もいらっしゃいませんし、大蔵省の方もお見えになっていないので何ですが、この政策はむしろ間もなく破綻する、そういう条件を持っている。この前の前ですか、自民党の同僚議員の諸君からも御質問がありましたが、間もなくまた金利を変えていくときがくるのではないか、今度きめたら何年間か動かさぬ方がいいのではないかという意見も出ておりました。そういうふうな経済の前途を見通しておりますと、そんなに安定した時期ではないのでありまして、そういう時期に低金利政策をやり、大衆に犠牲を転嫁するというやり方をやって、しかも景気をあおり立てていくというやり方は必ず破綻がくるのでありまして、そういう点でわれわれはこれに大きな疑問を持っているわけであります。大臣いらっしゃいませんので私の質問をやめますが、大衆に犠牲を転嫁するというこの点につきましては、国民としては決して承認しないものだろう、こういうふうに私どもは考えているわけです。
○山手委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○山手委員長 速記を始めて。 上林山榮吉君。
○上林山委員 決して無理に質問するわけじゃないので、私は質問は山積するほど持っているのですが、できるだけ簡明に一部の問題だけをこの際質疑をいたしたいと思います。 これは大臣が来ましたならば、あとでまた大臣に最終的答弁をしていただくという意味でお伺いするわけでありますが、それは私が当委員会並びに予算委員会において取り上げた問題であります。ことにこの貯金金利の引き下げについては、郵便貯金の本質から考えて、預金者、新しい預金者、古い預金者ともにできるだけ有利になるように、郵政省、政府としては処置していただかなければならぬ、こういう意味で申し上げて、大蔵省立ち会いの前で私はるる意見を述べた。また大体において政府も私の意見に賛意を表せられて、それぞれ努力しておられるようでありますが、まだまだ不安な点が残っております。 第一点は、既預金者に対しては十年間は旧金利で、契約当時の金利で進んでいく。これははっきりしたわけであります。この一つは預金者も、郵政省のやり方に対して、あるいは政府の考え方に対して非常に私は歓迎しているだろうと思います。だが、その次に問題になっております新金利によって契約した者に対しても、私はよき前例、旧金利に対してとったと同じような処置をとるべきである。たとえば十年間の期間は一つ同じように認めたらどうだ。あるいは金利がかりに、低金利政策をとってさらに安くなった場合、新金利よりもさらに安くなった場合、そういう場合も一つ旧金利に従ってやっていく、こういうことを確約してほしい。またそういう処置をとらなければならぬ、こういうように言ったわけであります。これに対しては大蔵省側も郵政省側も、預金者に対して不利益にならないような処置をとる、こういうことは明言をされました。これはあとで大臣にも私は再確認をしてもらっておこうと思いますが、抽象的ながらその当時における有利な態勢において預金者を保護するというとおかしいのですが、預金者の利益を守る、こういうふうに言われたことは、一つの約束を国民にしたわけでありますけれども、もっと具体的に、たとえば期間の問題はどうか、あるいは低金利をさらにやらなければならぬ時代がきたときに——これは私は長いことじゃないと思う。三年も五年もあとじゃないというような気がしてならないので、念を押しておくわけです。そういうような意味で、少なくともこういうような問題について、大蔵省事務当局と郵政省の事務当局との話し合い、あるいは大臣同士の話し合い、これを局長なり官房長が知っておられる範囲、単に国会答弁に終わらないで、一つありのままをお互いにさらけ出して、お互いに協力して善処し得るものは善処していく、こういう気持で私はこの問題を聞いているので、何もあなた方をとっちめて喜ぼうというさもしい考えはこの問題については持っておりません。だから、一つそういうような意味でお答え願っておきたいと思います。
○大塚政府委員 郵便貯金の預金者の利益を常に考慮して、その利益に沿うような措置を考えなければならぬという御趣旨に対しましては、私どももしごく同感でございます。そういうような線から、今回の金利の引き下げにつきましても、定額郵便貯金の既契約の人たちに対する旧利率の適用を十年間というふうに政府部内できめたわけでございます。それでは今後さらに金利の引き下げ等がありました場合に、同じように十年間有利な利率を適用するのだということをこの際はっきりきめておかないかという御意見でございますが、この点につきましては、私ども実は今回の十年というのを認めさせるのに精一ぱいでございまして、今後のものについてまでその確約といいますか、法文上に明記するというところまでは実は力が及ばなかったということでございます。しかし、すでに金利の引き下げが昭和十九年と今回と二回になりますが、その二回とも定額貯金の預金者に対しては十年間旧利率を適用するという前例がありますので、三回目は当然これと同じ措置を預金者も期待いたしておりますし、私どももそれが前例となってできるものだというふうに期待をいたしておるわけでございます。ただ従来、金利の改定の場合におきまして、既契約に対してどういう利率を適用するかということは、法律の附則をもってそのつど規定をするという取り扱い上の慣例になっておりますので、今回は将来の利下げについてまで規定はできませんでしたが、次のそういうチャンスがもしありました場合には、附則において今回と同じような規定が当然二回の前例から見てもなされ得るというふうに私どもは信じておるわけでございます。
○上林山委員 局長は局長の立場から自分の考えというか意見を述べたと思うのですが、それも一つの答弁だと思いますけれども、私が言っておるのは、これは今までの例に従って今後も有利な解決をするであろう、またそういうふうに努力したい、こう言っておりますが、前例においては悪例もあるわけですね。悪例というのは、金利を下げた場合に新金利によった場合もあるわけです。だからこれは、時に悪例によって処置せられ、時に今言ったようなよき例によって処置せられておって、そのときどきの情勢で変化しておるのです。だから、これは郵便貯金の本質からいって、庶民大衆から集めた金であるから、政府を信頼して貯金をしたのでありますから、この信頼にやはりこたえなければいかぬ。三十六年度の貯金の総額の目標が示されておりますが、この低金利政策によって、はたしてその目標が達成できるとごらんになっておりますか。この点もお答え願いたいと思いますが、同時に、私はせっかく郵政省と大蔵省と立ち会いの上で、これは同僚諸君の御了解を得ることができれば私は附帯決議をやってもいいくらいに考えておるのですが、これはさておきまして、いずれにいたしましても両当局が国会においでになりまして、いかなる事態がこようとも、そのときにおいてさらに金利を下げた場合でも預金者に有利な解決をする、こういう約束をしておられるのに、あなたの答弁はそれよりも、ニュアンスの違いがあるかもしらぬが、一歩退却したような気がしてならない。今度の法案の附則に盛るのが一番いいのですが、それができないとするなら、それにかわる、両当局において、あるいは大臣同士において、何かの約束なり覚書なりをかわしておいていただきたい。そうしなければ、せっかく両当局おそろいの上で、いかなる事態がこようとも、その当時において有利に処置をすると言ったのと少し違うように思いますが、この点いかがですか。 それから悪例もあったわけですね。これとの関係はどうなるのですか。あるいは預金の目標をこの行き方で十分達成し得るか、私は多少の危惧がある見解を持っておるのですが、時間がないから申し上げませんけれども、この辺をもう少し積極的に御答弁になっておく方がいいと思います。最終的結論は大臣に聞きますが、事務当局としてお答え願っておきたい。
○大塚政府委員 金利改定の場合の前例の問題でございますが、定額郵便貯金ができましたのは昭和十六年からでございますけれども、それから金利の引き上げは何べんかございました。そのうちにたった一ぺん、金利を引き上げました場合に、その一部について有利な新金利をすぐに適用しなかった例が一つだけございます。しかし金利の引き下げにつきましては、その引き下げがありました場合に、有利な旧金利を十年間保障しなかったという例はないわけでございます。引き下げは二回でございますが、今度が二回目でございますが、二回とも十年間保障をする、そういうことになりますので、その点は御心配要らないのではないかというふうに私ども考えております。 それから目標の達成がどうかという問題でございますが、確かにこの二月、三月非常に預金が減少いたしておりますので、私どもも心配をいたしておりますけれども、金利の低下ということも一応予想に入れまして作った目標でございますので、私どもとしてはこれをぜひ達成をしなければいけないし、また従業員の効力等によりまして何とか達成ができるものというふうに考えておるわけでございます。
○上林山委員 次に貯金の目標達成のための合理的経営と申しましょうか、貯金の集め方について郵政当局はこの機会に相当お考えにならなければならない時期にきておるんじゃないか。というのは、まずその前提としてお聞きしたいのですが、窓口で集まる預金の総額と、窓口以外で集められる預金の総額と、どちらがどれくらいになっておるかということ。まずそれを聞かして下さい。
○大塚政府委員 大体通常郵便貯金は窓口でございまして、それから積立貯金と定額貯金は大体勧誘によって集めるというふうな大ざっぱな分け方をいたします。中には、積立あるいは定額につきましても窓口に積極的に公衆の方から申し込んでくる場合もございますが、大ざっぱにそういう分け方をいたしますと、最近におきましては、積立と定額の方が通常貯金よりも多くなっております。ただ今年度におきましては、金利引き下げの関係で定額が多少低下の徴候を見せておりますが、そういう面からいいますと、やはり外勤によって集める貯金がだんだん多くなるという傾向にあるということが言えるかと思います。
○上林山委員 郵政当局としては、預金の集め方についてよほど合理化して、費用がからぬように、そして効果を上げるように、なかなかむずかしい注文ですが、そういうような基本方針でお進めにならなければならぬのではなかろうか。たとえば今答弁を聞きますと、外で集めて歩く預金に重点が置かれつつある。これは意識的にやっておられるのか、やむを得ず無意識的にやっておられるのかは知りませんが、言いかえますと、金のかかる貯金の集め方をしておる、こういうことになるのですよ。だから、そういうやり方をしておりますと、結局は郵政省の運営といいますか、そういうところにロスが相当に出てくる。このロスというものをよほどお考えにならないと私は問題だと思うのです。時間があれば私は計数的にもう少しこの問題をやりたいのですけれども、いろいろな事情があるようでございますから、この辺でこれはおきますけれども、これは重大な問題です。だから、私はしろうとでよくわかりませんが、外を歩いて金を集めるのもある程度やらなければならぬけれども、要は、もう少しPRその他の条件をよくして、預金の切りかえのような場合も、もう少し思いやりを持った処置をして、そうして窓口へ預金がどんどん集まってくるというような方向に力を入れていかぬと——やむを得ず今そういうふうにしておられると思いますけれども、金のかからない預金の集め方ということにもう少し御苦心をなさらなければならぬじゃないかと私は思います。お答えがあれば承ります。
○大塚政府委員 非常に有益な示唆を与えていただきましてありがとうございます。私どもも貯金を集めますのになるべく経費を安くしたいということで考えているわけでございますが、外で集めるにいたしましても、また中で集めるにいたしましても、いずれにしても周知宣伝ということが非常に大切であるということは痛感いたしておりますので、そういう面においてさらに一層の工夫と努力をやっていきたいというふうに考えております。
○山手委員長 この際、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十二分休憩 ————◇————— 午後一時九分開議
○山手委員長 これより再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を続行いたします。
○佐藤(洋)委員 議事進行。私は、この際、政府に御忠告を申し上げておきたいのです。実は今年度逓信委員会の議案は、例年より多いんです。しかるに政府の出し方が非常におそいのと、われわれ委員会としては相当勉強いたしておりまして、理事会ごときものもほとんど全員出席して、定刻に会議を開いておるわけです。しかしどうも政府の御出席が悪くて、まことに委員会の能率が上がらない。従って上がるべき案件もおそくなるということになりまして、この責任はあげて政府が負わなければならぬということになると非常に困ると思うのです。今後、委員会の運営について支障のないように、政府は必ず定刻に出席して、委員会の促進をはかるように特に御注意をお願いいたしたいと思います。
○山手委員長 委員長といたしましても善処いたします。 森本靖君。
○森本委員 今回のこの郵便貯金法の改正の趣旨が、貯金の金利の引き下げということとそれから二十円の手数料を廃止するということと、それからこれは手続上の問題ですが、利子の記入の問題、この三つが一つの主要項目になっておりますが、まずその前に、先ほど金利政策その他については若干谷口君の方から質問がありましたが、私がまず最初に大臣にお聞きしておきたいと思いますることは、郵政省もだんだんこのごろPRがおそまきながらなかなか上手になりつつありまして、今度でも郵政省の「郵政の問題」というパンフレットを出して、郵便料金の問題にしても、振替貯金の問題にしても、なかなかきれいな宣伝方法をやっておるわけであります。この中で郵便貯金の項があるわけであります。これは郵政省の発行したパンフレットでありまして、郵便貯金制限額三十万円は低過ぎはしないか。低過ぎる制限額といって盛んに三十万円は低過ぎる、低過ぎる、これを上げなければならぬというPRを、郵政省が全国民に対して行なっておるわけであります。そこで金利の引き下げ問題はあとでお尋ねするといたしまして、郵政省としても、かなりこの金利の引き下げの問題についても異論があったことと思います。しかし先ほど来大臣の答弁によりましてもわかりますように、政府全体の金利政策の一環としてこういうふうな措置をとったのだという大臣の答弁であったわけでありますが、一応その答弁は政府の答弁としてわれわれは受け取ったにいたしましても、そういう金利政策がそういうことでやむを得ないとするならば、その反面、この郵便貯金の制限額の三十万円を引き上げることについては、これは交換条件ということじゃないけれども、私はやはり郵政大臣としては全力を傾注すべきではないか。しかも郵政省が三十万円は低過ぎます。これは上げなければなりませんということを全国民に向かってPRをしておる。その貯金の最高額の引き上げが、何ゆえに今回この金利の引き下げと同時に行なわれることができなかったのか、その間の事情を一つ御説明を願いたい、こう思うわけであります。
○小金国務大臣 経済上の諸般の情勢からいって三十万円では低過ぎるという考え方を持っておりましたが、これは先般の金利政策、金融の基本的な考え方、こういうようなものとにらみ合わせまして、日本の財政上の立場から、今回の最高制限を一応据置ということにいたしました。これは一般銀行その他の預金を取り扱う機関とも関係がございまして、国民貯蓄組合ですか、これの免税点が三十万円になっておりまして、本来ならば減税をもう少し高額の所得者にまで及ぼす予定でありましたところが、これが七十万円をめどにそれから下の所得税の減免をやりましたので、そこで貯蓄組合の方の三十万円と歩調を合わせておく必要があるというので、今回は一応現行法通りにいたしましたが、これは将来——将来というよりも次のきわめて近い機会において、減税とにらみ合わせて必ずこの最高額は引き上げる、こういうことでございますので、私もその点は最大の努力を払いましたけれども、金利政策及び貯蓄政策の一環として一応これを承諾したのであります。
○森本委員 貯蓄組合の分と免税点の問題について確かに関係があるということは言えると思います。しかし郵便貯金の預金部資金のいわゆる財政投融資の資金として絶対これだけの額が要るというのが予算に組まれ、そして郵便貯金の純増目標を明確に予算に示す以上は、一方で金利を引き下げる。それに対する措置を全然やらぬということはこれはあくまでも片手落ちだと思う。だから金利を引き下げると同時に一方において最高額を引き上げる。最高額を引き上げるということは貯蓄組合の免税点が三十万円になっているからそれとの均衡があるということでおそらく異論が出たと私は思うわけであります。しかしそれが同時に行なわなければならぬという法律的な見解はないわけでありまして、郵便貯金を五十万円に引き上げるということをやっても何ら差しつかえない、こういうことであって、ただ免税点だけがひっかかっている。しかし免税点といえども、これの慣例を調べてみると、貯蓄組合と郵便貯金がずれた場合も過去にあったわけであります。そういうことを考えた場合に必ずしも不可能ではない。そう言っては失礼だけれども、大臣の政治力が若干足らなかったのか、あるいはちょっと不熱心であったのか、その辺はわれわれとしては疑問に思うし、またもうちょっと一押しすればできたのではないかという気もするわけであります。ただほめていい点は、定額貯金の十年据え置きについてはそのまま金利を続行していくということを今度やっているわけでありますので、この点、私は率直に言ってよかった措置だ、これもできないということになると郵政大臣としての政治手腕はゼロということになるが、それはできておるということになると、やはり郵便貯金の最高額ということになると思います。大臣が次の機会には考えるということでございますので、次の機会といいましても、私は明確にしておいてもらいたいと思いますことは、やはり臨時国会あたりに提案を願いたい。そして最高額はこの次も簡単な提案になるから、最高額五十万円なら五十万円にして、次の国会に上程をするなら上程をするということを大臣、一つこの際言明をしておいてもらいたい。このくらいの言明ができぬようでは急いで審議をしてあげるわけにはなかなかいかぬと思うわけでありますが、どうですか、大臣。
○小金国務大臣 臨時国会はいつ開かれるか、これは臨時のことでございますから、そのときになってみないとわかりませんが、次の通常国会に減税を私ども考えておりますから、政府としては必ずその減税に伴いまして最高額を上げる法案を出します。ただ、今、森本さんからも御指摘になりましたように、国民貯金とのズレが多少あった時代もございましたけれども、多くの場合一致しておりますのでこういうような結果になったので、今のせいぜい御趣旨を体して必ず次の減税政策の際にはこれを実行して参りたいと考えております。
○森本委員 減税の際実行するということでありますが、今の内閣のやり方ではその減税ができるかどうかわかりませんので、かりにそれができるにしてもそれはずれている面があって、過去に一つの経験があるわけでありますから、とにかく次の国会には貯金の最高額の引き上げについては政府としては必ず責任を持って提案をする。その金額その他についてはそのときの問題になると思いますが、いずれにいたしましても金利を下げておいて最高額をそのまま据え置くということは不合理である。次の国会には必ず最高額の引き上げについては何らかの形において提案をする、こういうことを一つはっきりと言明してもらいたい。もっともそのときにあなたが大臣であるかどうかわかりませんけれども、これは次の大臣がそれだけの政治的責任を負わなければならぬと思いますが、この際はっきりとこの問題を言明願っておきたいと思います。
○小金国務大臣 最大の努力をいたします。
○森本委員 最大の努力をするということで、次に提案するということはなかなか言いにくいかもわかりませんので、あえてこれ以上私は責めません。 そこで事務当局にお聞きしておきたいと思いますが、郵便貯金法の第十一条に該当するような項が三十四年度にどの程度あったか、一つ御明示を願いたいと思います。
○大塚政府委員 貯金法の第十一条は貯金の総額制限をこえた金額のことでございますが、これは三十五年度に一件もございません。と申しますのは、そういうあれがあります場合には、大体話をしますと、正式の取り扱いにいくまでに預金者が自発的に制限をいたしますので、なかったということであります。
○森本委員 そうすると、預金者に忠告をしたというふうな項がどの程度ありますか。
○大塚政府委員 これはあるいは郵便局であったかと思いますが、正式に報告をとっておりませんので、正確にはわかりかねます。
○森本委員 こういうことについては正確にわからぬと言われるけれども、やはり最高額の問題にからんでくると、第十一条の項なんかというものはそれがための制限規定でありますから、この制限規定に基づいたものがどの程度あって、しばしばそういうことがあり得る、またしばしばあったということになると、やはりこれを引き上げなければならぬということになりますし、あるいはまた現実の問題として三十三万円くらい預け入れをしておっても、郵便局としてそれをそのまま見のがしておるのか。そういう具体的な例がここに必要になってくる、こう思ってあえて聞いたわけであります。去年は一件もないというけれども、私の知っている人だけでも、金額印を見たところが実際に三十二、三万円のものがあるわけです。そういうことになると、ほんとうは第十一条を発動してこれを正式にやらなければならぬ。それとも郵便局の窓口においてそれを忠告をしなければならぬわけです。保険と違って貯金の場合はおそらく非常にルーズになってそのままになっておるのじゃないかという気がするわけでありますが、その辺はどうですか。
○大塚政府委員 実際問題といたしまして、あるいは厳格に調べますと制限額をこえた貯金があるかと思いますが、何しろ名寄せということが非常に困難でございますので、一人々々について通帳を合計してどうなるという計算まで、口座も非常に多ございますので、正確につかめてないということでございます。また会計検査院等の検査もございますが、確かに保険の場合に比べては検査院の検査も貯金については多少寛大であるように私ども受け取っております。
○森本委員 会計検査院は事実上ほとんどこの方の検査はやっておりません。ただ問題は、貯金支局において原簿を一々見て忠告をするということはとうてい不可能ですよ。不可能だが、郵便局の為替貯金の窓口において、預け入れに来たときに、今は昔と違って合計額が最後に出ておりますから、これは一万円オーバーしておるからこの一万円だけ引いておいて下さいということをほんとうは言わなければならぬ。しかしあなたの方はそういう指示は全然現場にはやってないでしょう。全国の一万七千の郵便局の為替貯金の窓口にはそういう指示はいってないでしょう。答弁して下さい。
○大塚政府委員 やはり厳然たる法律の規定がございますので、それを励行するようにという通達は何べんか出しております。
○森本委員 その通達というのは局報とか公報とかいうような形で通達を出しておるだけであって、普通貯金部長から現場長あて、一般長あてというような、実際の業務上の指示、指令という形の通達は出てないはずなんです。もし出ておったら、その文書を一つ私にお見せ願いたいのですが……。
○大塚政府委員 これは正式の通達として出しておりまして、一番最近のものは昭和三十二年の八月にもやはり制限額規定を励行するようにという通達を出しております。
○森本委員 三十二年にはちょうどそういうふうな問題があったから通達を出したのであって、大体そういうふうな通達というものは年に一回か二回は出さないとほんとうはなかなか実行されないものであって、実際はないがしろになっておるというのが今の実情です。しかし、ないがしろになっておってもこれはそう悪いことじゃないから、保険の方と違ってそれほどあえて摘発するということもないと思うが、ただ、今の最高額引き上げというような問題にからんでくると、やはりこういうことがあってどの程度郵便局が困っておるという実例を事務当局としては平生から用意しておく必要があるのじゃないかと思うわけであります。あえてこれ以上この問題については追及しませんけれども、そういう点を摘発するという形でなしに、そういうふうな困った実例がどの程度あるかというようなことについては今後一つ貯金当局としてもやはり一応調査をして、確固たる資料を作っておいてもらいたい。そのことによって、これを摘発して押えつけるという形は私はとってもらいたくない。それは今の貯金事業からいって保険と違うわけでありますから、一銭一厘なりともこえたら絶対この十一条を発動してやれるというような強硬な策をとらずともいいと思います。ただその実情がどうなっておるかということについては、一つ十分に調査をしておいてもらいたい、こう思うわけでありますが、どう思いますか。
○大塚政府委員 ごもっともでございまして、私どもも全部の調査は不可能でございますが、できるだけ抽出いたしまして調べておきたいというふうに考えております。
○森本委員 それから本年の郵便貯金特別会計の法律が、これは与野党とも賛成をして満場一致で大蔵委員会を通っておりますが、この四百八十億円の赤字を一応帳消しにして今後六分五厘の金利で行なう、こういうことになっておるわけでありますが、もしこれが従来のように貯金特別会計が赤字になるということであった場合には、今度は逆に預金部の方から借り入れをするという形になると思います。その場合の借り入れの利息は幾らになりますか。
○大塚政府委員 六分三厘になっております。
○森本委員 六分五厘で貸しておいて六分三厘で借るということになりますと、その金利は六分三厘ですか。
○大塚政府委員 現在六分三厘でありますが、何か六分五厘に来年度から上げたいということを大蔵省側が考えておるそうでございます。
○森本委員 だからそれがどうなるかということです。私の聞いておきたいのは、来年度からうらが預けるやつが六分五厘になるわけでしょう。今度は今までの無利子と違って、向こうから借り入れた場合は正式に借金になって、それに利子をつけて向こうに払わなければならぬ、こういうことであって、その金の金利は向こうはどの程度考えておるのか。向こうに六分五厘で貸して、向こうから借るときは六分くらいで借るというなら、それは話は大体わかりますが、どうですか、その辺は……。
○大塚政府委員 今の郵政事業特別会計でも、保険の金を借りておりますが、今は六分三厘でございます。ただ先ほど申し上げましたように、来年度から六分五厘にしたいという計画というか希望があるようでございますので、そうなると可能性があると思うのであります。
○森本委員 それなら、まず今年度の郵便貯金特別会計から郵政事業特別会計に繰り入れた金額、これは二百十何億だったと思いますが、正確には幾らだったですか。
○大塚政府委員 二百十一億でございます。
○森本委員 そこで、これはやっぱり根本的な問題になってくると思いますが、金利政策そのものもありますけれども、この郵便貯金法の改正を行なって、金利を引き下げると同時に、郵便貯金特別会計法の改正を行なって、郵便貯金が今後完全に独立採算をとっていくという建前になっているわけであります。そうなって参りますと、今度の郵便貯金特別会計が、完全な独立採算のもとに運営ができるかどうか、こういう問題になると思うわけであります。その点で、かりに二百十一億ということになりますと、その二百十一億の内訳は、預託利子が幾らで、その分が幾らですか。大体収入というのは、預託利子と、それからいつも問題になります、例の貯金の十年間の没収、これしかないわけですが、その内訳はどうなっておりますか。
○大塚政府委員 ただいま申し上げましたのは、郵貯特別会計から郵政事業特別会計へ繰り入れている事務費を二百十一億と申し上げたのですが、御質問の趣旨は、資金運用部資金特別会計から郵政省がもらっておる収入というか、繰り入れの意味でございましょうか。——そうしますと、ちょっと違います。
○森本委員 予算面では、郵便貯金特別会計では全部収入、支出になっておるけれども、郵便貯金特別会計としての実際の収入になり得るものは、預託の金利と、それから実際問題としては、今度はこの貯金については手数料がありませんから、貯金の没収のものと、この二つしかないでしょう。その純収入の内訳がどうなっておるか、こういうことです。
○大塚政府委員 郵便貯金特別会計の収入としましては、おっしゃるように、利子収入と雑収入しかないわけでございます。そのうち、これは三十六年度の予算でございますが、利子収入が七百六十二億でございまして、雑収入が四億七千八百万円、合わせまして七百六十七億というのが収入のすべてでございます。
○森本委員 そうなると、この七百六十二億というのは預託金の全部の金利であって、結局これから一般の貯金の利子その他が出ていって、残りが郵政事業特別会計にいく、こういう形になるわけでしょう。予算をこまかくここでやっておっても話にならぬわけですが、結局郵政事業特別会計に繰り入れる金が二百十一億ですか、その程度残るという形になりますね。あとの利子その他を払っておったら、今の収入からかれこれ引いて、そういう数字になるわけでしょう。どうですか。
○大塚政府委員 ただいま申し上げましたのは、三十六年度の予算でございまして、先ほど二百十一億と申し上げましたのは、三十五年度の事務費でございますので、三十六年度では、その二百十一億が二百二十億になります。従いまして、結局その七百六十七億の中から二百二十億を引いた残りが、利子として預金者に払う金、こういうことになるわけであります。
○森本委員 だから貯金の特別会計のあり方が、入ってくるものを全部収入として、出るものを全部支出にしておるわけです。ただしその中の、結局郵政事業特別会計に繰り入れる金が、純然たる貯金事業の運営費、こういうことになるわけですね。現実の問題としては、結局その運営費が足らぬということで、今まで四百八十億円の赤字というものを毎年借り入れてきた、予算的にはこういうことになるわけでしょう。
○大塚政府委員 さようでございます。
○森本委員 そういたしますと、二百二十億円ですから、昨年から約十億円程度しか今年度ふえていないわけです。そこで、今の公労協その他でどうなるかわかりませんけれども、いずれにいたしましても、二千円から三千円の間か、あるいは二千円から一千円の間か、それはわかりませんけれども、若干の賃金ベースの引き上げの仲裁裁定が出るということは、これは明らかです。その場合、この郵便貯金事業の運営費というものについてはどうなんですか。
○大塚政府委員 三十六年度の予算は、結局収支とんとんで、六分五厘と雑収入だけでカバーできるということで成立をいたしております。しかし、年度途中でベース・アップが行なわれたという場合に、その原資がどこから出るかということになりますが、どの程度のベース・アップになりますか、予備費は一億ございますが、おそらく一億では足らないと思いますので、その分は資金運用部なりあるいは簡保なりからの借入金でまかなうということに、さしあたりはなろうかと考えます。
○森本委員 だれか経理局でおりますか。
○山手委員長 来ておりません。
○森本委員 官房長でわかると思いますが、大体それが二千円程度だった場合、貯金の事業会計でいくと、どのくらいの金額になりますか。
○大塚政府委員 二千円で、正確にはじいたことはございませんが、これはかりの話でございますけれども、一般公務員と同じに一二・四%上がったら幾らになるかということは試算したことがありますが、それで貯金では二十億でございます。
○森本委員 そういうことになりますと、いずれにしてもベース改定をやれば、貯金の赤字というものは当然借り入れてくる、こういうことになるわけですね。
○大塚政府委員 預金が非常に伸びまして、ここから預託利子がふえるということになれば別でございますが、そうでなければ、やはり借り入れによってまかなうということになろうと思います。
○森本委員 そこで、はっきり聞いておきたいと思いますが、三十六年度もたちまち赤字になる、そういうことになると、大体黒字になりそうなのは一体何年ごろですか。今のあなた方の見通しとしては……。
○大塚政府委員 結局貯金の伸び方いかんと、それからベース・アップの金額がどれくらいになるかということによってきまりますので、私どもここではっきりは申し上げかねますが、もしベース・アップがないということになりますと、三十六年度は、先ほど申し上げました予備費の一億というのが大体黒字になります。それから三十七年は十一億、三十八年は二十六億くらいの黒が出る。それから三十九年が四十五億、四十年になりますと六十一億くらいの黒字が出ていく見通しでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、ベ−ス・アップがおそらくあると思いますが、その金額いかんによってこの黒字がどの程度消えるか、あるいは逆に赤字になるか、ということになりますので、一にかかってこのベ−ス・アップの金額いかんによるのじゃないかというふうに考えております。
○森本委員 三十六年度が一億ですね。そうすると、三十六年度の一億の場合の貯金の純増目標は何ぼですか。これは予算ですから、わかりますね。
○大塚政府委員 千四百五十億でございます。
○森本委員 あとの十一億、二十六億、四十五億、六十一億の場合、この金額はどういう見込みをしておるわけですか。
○大塚政府委員 三十七年には千五百十億の増加目標、三十八年には千六百三十億、三十九年は千七百八十億、四十年は千九百二十億というような目標を一応立てております。
○森本委員 これは貯金の最高額はこのままということですか。
○大塚政府委員 一応そういう前提で出発をいたしております。
○森本委員 それは、三十六年度一億で千四百五十億、これはいいとして、あとの千五百十億から千六百三十億、千七百八十億、千九百二十億ということになると、大体去年度あたりから見ると約二倍にならなければならぬわけですね。池田内閣の所得倍増でも、昭和四十一年にはまだまだとても倍になる見込みはないと思うのですが、郵便貯金だけが先行して倍になるという可能性は私はおそらくないと思うのです。こういうふうなことで増収の見込みをつけておっても、一方、毎年また二十億、三十億、四十億というふうな赤字をかかえ込んで、今度は郵便貯金特別会計法を改正いたしておりまするから正式の借金でありまするし、それから現実に利子を払わなければならぬ。こういうことになってきた場合、こういう観点からいくとするならば、この郵便貯金の金利を引き下げるということについては——あなた方は心の中ではこの方がいいと考えているかもわからぬ。大蔵省には貯金の金利を引き下げたら非常に貯金の募集がやりにくい、貯金ができないからむずかしいということを言っておっても、実際はこの程度の金利の引き下げがあるとちっとは違うということでそういう考え方になっておるかどうか知らぬけれども、いずれにしても、こういう目標額を定めるということについては、今の最高額でそのままこれをやっていくということは不可能じゃないですか。いかに経済状態がよくなっても、去年あたりから見て、昭和四十一年に二倍になるということは、私はよほどのことでないと、今の投資信託それから証券会社のああいうふうななにを見た場合、非常に困難性があるのじゃないか、こう思うわけですが、この辺確固たる見通しがありますか。
○大塚政府委員 目標額だけを見ますと毎年百億あるいは百億以上ふえるということになります。その内訳としましては、ふえますのは大部分が利子収入、要するに預金に対して利子として元金に加えていく金額でございます。従って、純然たる募集によってふえる額はきわめて少ない。たとえば三十六年で申し上げますと、千四百五十億の平均預託に対しまして、資金運用部から今までの一兆一千億円余りのあれに対してもらう利子が七百六十三億ございますが、それが三十七年度は八百六十億というふうに利子だけで百億くらいふえるわけでございます。従って、千四百五十億が千五百十億になりましても、むしろ募集の方面は三十六年度は利下げその他の影響があって少し減る。しかし、利子が百億くらいふえるのでそれを差し引いて千五百十億、結局六十億くらいふえる、こういうふうなことになりますので、私どもとしてはそう無理な数字ではないというふうに考えておるわけであります。
○森本委員 今のは貯金のなにが一兆一千億程度ですか。
○大塚政府委員 ただいま一兆一千億余りでございます。
○森本委員 だから、あなたの今のお話は、その一兆一千億というものが現実に滞留すると仮定して、その上にその六十億ないし七十億の千何ぼですから、やはり千何億の純増目標があると仮定をしてずっと今の数字が出てくるわけですね。どっちにしても、相当景気がよくて郵便貯金から横へ逃げることがないということでないと、今の見込み目標が狂ってくるということになるわけですね。要するに金利が下がった。だから定額貯金、これはあとで申し上げようと思っていたけれども、かりに今の郵便貯金でも、通常貯金の場合は金利を考えて今預け入れをしようという人は少ない。しかし、定額貯金については、金利を見て預け入れをしようという考え方が多いわけです。統計に出てきておるものは、たしか通常貯金の方がふえつつある率が多いではないかというふうな気がするわけでありますが、どうですか。
○大塚政府委員 ずっと最近におきましては、定額貯金のふえ方がふえてきておるのでございますが、ただ、本年度におきまして金利の問題が表面化いたしましてからは、むしろ定額の減り方といいますか、も非常に多くなってきておるという状況でございます。数字的に申しますと、三十四年度末の現在高は、通常貯金が四一・四%、定額貯金が五一%、残りの七・六%が積立貯金というふうな構成になっております。
○森本委員 だから、今後の場合、通常貯金の金利は若干引き下げても、定額貯金について従来とあまり変わらないような優遇策を講じていくことになれば、郵便局並びに郵政省のやり方いかんによっては、十分目標額を達成できるし、またその方向に進むことができるけれども、御承知のように、通常貯金なんというものは、これは何ぼ郵政省の職員が全努力を傾注してみても、それから貯金当局が全努力を傾中してみても、これは向こうさんが持ってきてくれるのを待っておらなければならぬわけでありますから、当然そのときの景気その他によって変動がある。積立貯金、定額貯金については、これは勧奨、募集、そういうことによって非常に影響が大きいわけですね。そういうことを考えた場合に通常預金と定額貯金も押し並べたような一般の金利の引き下げということを行なっておるわけでありますが、そういう点ではもう少し郵便貯金というものの特殊なあり方を考えて、この金利の引き下げについてもやるべきではなかったかという点をわれわれとしては考えるわけでありますけれども、その他の銀行との関連があって、こういうやり方をやらざるを得なかったというふうなおそらく事態になろうと思います。 そこで今回の貯金法の改正の中で、新しく定期郵便貯金というのが出てきておるわけですね。これは三十六年度の予算においてはどの程度の目標額を見込んでおるわけですか。
○大塚政府委員 新しくできますので、どの程度募集できるかということについてはっきりした見通しは立ちませんが、私どもは定額貯金と込みにいたしまして、大体従来の定額が減る程度はこの一年制の定期貯金でカバーできるだろうというふうな見方をいたしておるわけでございます。
○森本委員 それでは千四百五十億円の内訳をちょっと言ってくれませんか。
○大塚政府委員 千四百五十億のうち定額貯金が八百五十三億、それから通常貯金が五百九十六億、積立貯金が一億、こういう内訳になっております。
○森本委員 この八百五十三億のうちで、定期というものをどの程度見ておるわけですか。
○大塚政府委員 先ほど申し上げましたように、はっきりつかみにくいのでございますが、この八百五十三億という定額のふえる中で、従来の利子でふえますのが大体三百四十九億ございます。従って新たに預入と払い戻しを差し引いて貯金の純増として残りますのが五百四億でございますが、大体そのうちの一五%くらいが定期貯金というふうな一応の考え方でございます。
○森本委員 一五%というと何ぼになりますか、大体。
○大塚政府委員 大体七十五億くらいでございます。
○森本委員 七十五億ということになりますと、これを二十で割ったとすると大体十五億。かりに七十五億円ということになりますと、これを二十分の一にすると約十億円程度になりますか、それで十五億円を大体四つに割ると三億五、六千万円ですか、そうすると高知県あたりで、大体の目標が三億五、六千万円という数字が出てくると思いますが、おそらくそういうふうな金額は私は、定期郵便貯金については不可能じゃないか。おそらくその三億なんというものはとうてい不可能であって、具体的にいってこれはもう一億もこさぬのじゃないかという気がするわけでありまして、かりに一億であるとするならば、郵便局数が二百六局ですから、この一億という数字を二百六局で割っていって、そのうちに集配、無集配というもので割っていって、統轄局にやっていくと、この定期貯金というのはとてもあなた方が望んでいるような金額は出てこないような気がするわけでありますが、これは自信がありますか。
○大塚政府委員 おそらく高知県について……
○森本委員 いや、全国的なところで見た場合。
○大塚政府委員 先ほど申し上げましたように、はっきり私ども見通しが立ちませんので、定額貯金と込みにして五百億というふうに考えておりますので、どちらでとってもよろしい。ともかく定額貯金でとってもいいし、一年制定期貯金でとってもいいし、いずれによってもいいから五百四億だけは純増をふやしてほしい、こういう数字でございますので、一年制定期貯金だけについて、はっきりそれだけ自信があるかと言われますと、実はあまりないから定額貯金と込みにして考えておるのだ、こういうことでございます。
○森本委員 これは私は率直に言って定額貯金の金利が、こちらに書いてあるように、今度下がっても五分五厘、五分、四分七厘、四分二厘、こういう数字になっておるのだね。定期郵便貯金が年五分、しかしこれはそのままの金額で、単利の形で、そのまま一年で通常貯金に繰り入れらる。一方は十年で通常貯金に繰り入れられる。それで複利計算でやっていく。これはだれが考えたって、定期郵便貯金一年のこの五分に入るという者はおらぬです。郵便局にしたところで、親切な窓口の従業員だったら、これは滞留期間が長くなればなるほど郵政省としては望ましいし、また政府としても望ましい。そういうことになるとするならば、政府の方針に忠実に従おうとする従業員であるならば、それはあなた定期郵便貯金なんかに入れたら損ですよ、定額貯金の方がずっとましですよ、どうぞこちらにということを動誘するのはあたりまえです。この定期郵便貯金なんというのは、郵政省は積極的に進んでこしらえたものか、それとも金利を引き下げたから何かほかにこしらえぬと都合が悪いから、一つくらい体裁ぶって作るということでこしらえたのか。この間私は十ばかり大きな郵便局をずっと回ってこれを聞いてみた。係長、課長全部に集まってもらって、中央郵便局以下ずっと聞いてみた。どこの郵便局でも、課長以下みな、こんなものをこしらえてもらったところで何にもなりません、めんどうくさいだけのことでありまして、ない方がましです——すべての現場の人がそういう回答をしておる。それから郵政局長クラスに聞いてみると、あれは反対だけれども、上の方でこしらえるからやむを得ません。これはどういうかげんでこういう新しい貯金の制度ができたかということをちょっと一つ説明を願いたい、こう思うわけです。
○大塚政府委員 いろいろの見方があろうかと思いますが、一年据え置きできるということがはっきりしておる金につきましては、定額に入りますと四分七厘でございますが、この一年制定期に入りますと五分ということで、金利が三厘明らかに相違がございます。従って、そういう金の目安のついておる方はどちらをとるかというと、おそらく一年制の定期貯金を利用するのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。それからまた民間銀行におきましても、大体定期預金が全体の預金の五〇%余りを占めておりますが、その定期預金の中で一年制定期というのが七十何%かを占めておるというふうに、一年制定期預金というものが割合によく制用せられておりますので、私どもとしても利用価値があるのじゃなかろうかというふうに考えて作ったわけでございます。
○森本委員 これは、この案を作るときに一ぺん各郵政局長会議あたりに諮問をしてみたのですか。
○大塚政府委員 別にそういうことはいたしませんでした。
○森本委員 これは全国の郵政局長会議へ諮問したら、それは本省のえらい人にあんまり逆らうのは損だからということで賛成するなら別として、現業をあずかる地方長官としてはおそらくこの貯金制度に賛成の意を表するという局長はあんまりないのじゃないか、こう思うわけです。それはあなたができる自信がある、こういうことでございましたから、それはけっこうでありますが、もし自信があるということであるとするならば、来年の予算編成のときにそれまでの決算をずっと見てみるとよくわかりますから、私はそのときに譲りますけれども、この定期郵便貯金ほど不評判なものはおそらくあるまいと思う。今までの郵便貯金の中でこれが一番評判が悪い貯金になるのじゃないかと思うわけであります。 その場合、ちょっとむだになってはいかぬので聞いておきたいと思いますが、この定期郵便貯金というのは通帳になりますか。証書になりますか。
○大塚政府委員 私どもは百円から五万円までの八種類くらいの証書にしたいというふうに考えております。
○森本委員 これはもし証書にするとするならば、あんまり先を見越してたくさん印刷しておいたら非常に損をすると思うので、これは通帳式のやつなら別として、一つその辺も老婆心ながらあえて——これは来年の予算のときにお目にかかればよくわかりますが、そういう点であんまり印刷をやって、それでしもうたということのないようにお願いしたい、おそらく局長もこれは自信がないと思う。そこにおられる課長さんあたりも、これは現場へ持っていって評判がいいという自信は絶対にないと思う。しかし金利を引き下げたこともあるし、何か新しいことを考えなければ非常に問題があるということでやったのじゃないか、こう思うわけであります。 この問題はあえてこれ以上追及しませんが、積立貯金については、今度は逆に、一年の積立貯金というものをやってもらいたい、こういう要望が非常に強いわけですね。しかしこれが預金コストの関係でできないというふうに今まで言われておるわけでありますが、現場としては定期郵便貯金の一年を作ってもらうよりかは、積立貯金の一年を作ってもらった方がずっとやりやすい。また一般の国民大衆の中にも一年の積立貯金を望むという声が非常に多いわけであります。そういう点で一年の積立貯金のコストが非常に高くなるということについてちょっと具体的に説明を願いたいと思うわけです。
○大塚政府委員 おっしゃられますように一年制の積立貯金を作ってくれという要望は前からございます。しかしこれをやりますと、今の二年制の積立貯金がその方へ移る傾向が強くなると思いますが、その場合にきわめて簡単に計算をいたしましても、百億の積立貯金をとります場合に、二年制でございますと一ぺん募集すれば二年間続くわけでございますが、一年制でございますと、一年たったらまたその百億を募集しなければならぬ、こういうことになりますので、きわめて簡単な計算をいたしますと二年の場合に倍の手数がかかるというようなことになりますので、実は私ども定員の面その他から考えまして作り得ないという状況にあるわけでございます。
○森本委員 そんな大ざっぱなコストの作り方をやるなら、それは私でもやるけれども、局長さん、今のコストの高いという説明はあんまり大ざっぱ過ぎて、実際問題として現場における積立貯金の募集その他の状況を見た場合、一年制の積立を作ってそれほどのコスト高になるということが、私にとっては非常に不思議にたえないわけでありますが、この積立貯金の現在のコスト、そしてこれが一年制にしたらどの程度のコストになるかという点についての説明を願いたいと思う。あなたの今言うような、一年制の積立だから二年になれば倍になるという説明ならそれはだれでもするわけだけれども、事実はあながちそうではないわけだ。これはあなたも御承知の通り、そういうものを具体的に、いわゆる一年制と現在の二年、三年というもののコストを、どういうふうに違ってくるか一ぺん明らかにしてもらいたいという声が非常に強いのです。望んでおりもせぬ一年定期を作っておいて、望んでおる一年積立を作ってくれぬということについては、どういうわけだろうという声が圧倒的に下部の課長クラスに多いわけです。そういう点に一つ解明を与えてやらぬとなかなか納得しない。これは幸い速記録に残りますから、その速記録を印刷して全国へ配ればみな納得するだろうと思うから、一つ納得のいくような形の説明を願いたい、こういうわけです。
○大塚政府委員 ただいま正確に現在の積立貯金のコストがどのくらいか、それを一年制のものにした場合にどのくらいふえるかということにつきましての数字を持ち合わせませんで、きわめて大ざっぱに、二年続くものが一年で切れれば、また同じ額を募集するとすれば倍の手数がかかるのだというようなことを申し上げました。必ずしもその通りにはならぬかと思いますが、やはり大体それに近い手数の増になると考えるわけでございまして、詳しい点につきましては、よく積算をいたしまして後ほど御説明申し上げたいと思います。
○森本委員 だから私がきのう、こういう問題もちゃんと説明ができるように、十分に課長連中と打ち合わせをしてということを頼んであったわけでありますが、それは膨大な規模でありまするから、今直ちにどうこうと言っても無理な点もありましょう。しかし今私が言った点は、やはりこういうわけでこうなってこうなるから、こっちの一年の積立貯金は困難であるということを解明をしてやらないと、非常に第一線の従業員の士気に影響する。これはあなた方が第一線の従業員の意向を聞いたらよくわかるように、一年制の積立貯金をこしらえてもらいたいという要望は前から圧倒的に強い。しかしこれはコストが高くなるから、採算がとれないからだめだということで今日まで押えてきておるわけだ。そこへ持ってきて、あまり評判のよくない一年定期貯金なんかをやったものだから、よけいに貯金局は何をやっておるのだろう、あれは机の上で大学出が計算しておるだけだろう、こういう極端な批評まで出てくる。しかもそれが一般の第一線の従業員でなしに、現場の中堅の課長クラスがら出ておるわけだ。中堅の現場の課長クラスというのは大体五十程度であって、この事業を二十年も三十年もやったなかなかのベテランですよ。そういう諸君からそういう声が非常に出ておる。今回のこの法案についても、できればあらかじめ郵政局長会議あたりでそういう意見も聞いてもらいたい、こういう要望も非常に強いわけであります。直接現場の従業員の意向を聞くなんということは不可能でありましょう。けれども、やはり官には官としての一つの道があるわけであります。だからこういう郵便貯金についても、確かに大蔵省との折衝その他についての政治力は要るけれども、また現実に第一線に働いている従業員がいかにして郵便貯金の純増目標を完成しようかということで日夜苦心をしておるということについては、やはり大臣がいつも言うように、相手の身になって考えてやるということが必要なのです。そういう点を十分にやるためには、やはり本省としては各郵政局長会議、郵政局長は各現業局長会議、現業局長は各課長の意見を聞く、課長は各係長の意見を聞くということをやって、そういう集約をされたものを大蔵省にぶっつけていって政治折衝をして、そしてここまではできたけれども一、ここまではできない、こういうことになると、ある程度労務問題についても明るいことになってくるのではないか。それをこういう問題でも、何か上の方できめちゃって、そのままぽんといくから、たまたま私みたいなものがおるからそういう内容がある程度わかるだけであって、われわれみたいなものがおらなかったら、第一線の従業員はわからぬので、そういう点、今後のこういうふうなことについては、確かに金利を一層引き下げるとか二厘上げるとか上げぬということについては、これは大臣としての政治問題であるし、大蔵省との問題であります。そういう問題について、われわれは希望を言うだけのことであって、従業員はそれがどうこうという最終的な権限はない。しかし今言った定期郵便貯金一年をこしらえるとか、積立貯金一年制がどうしてできないかというような点については、やはり従業員にも納得さす形のものをとらないと、非常に今後の士気にも影響する。また特にこの資金というものは、財政投融資上からいっても、今の政府としては至上命令的にこの金額が要るわけであります。そういう点にも十分一つ今後は考慮を願いたい、こう思うわけでありますが、そういうふうな点を十分に今後はお考えを願いたい、こう思うわけであります。 まず最初に、私は条項を追って審議をしていきたいと思いますが、第十八条の二十円の料金が今度なくなったわけですね。これが三十四年度にはどの程度ありましたか。
○大塚政府委員 金額にして五百四万円だったと記憶いたしております。
○森本委員 この「通帳一冊又は貯金証書一枚につき」この貯金証書というのは、利子を払う証書ですか。
○大塚政府委員 定額貯金証書であります。
○森本委員 そうすると、利子を記入した証書は何と言いますか。
○大塚政府委員 おっしゃられますのは、おそらく全払いのときの払い戻し証書というものだと思います。
○森本委員 全払いのときのあとからくる利子だけを記入した分の証書ですね。あれはこの証書には入らぬのですか。
○大塚政府委員 それも入っております。
○森本委員 そうするとこれは一般の国民によく知らしておいてやらなければいかぬと思うのですが、あの郵便貯金の利子を貯金局から貯金証書として送ってくる場合、あの証書がなくなった場合には、再交付ができるわけですね。
○大塚政府委員 先ほどは間違いました。払い戻し証書は十八条の「貯金証書一枚につき」の中には入っておりません。
○森本委員 それならあれは失ったときに払い戻す方法はないのですか。
○大塚政府委員 それは三十九条の方の「払もどし証書の再交付」というところがございますが、そこにやはり規定してございます。これも二十円とっておりましたものを今度はやめるわけであります。
○森本委員 この場合、いわゆる第三十九条の払い戻しの証書ですが、この証書を郵便物で送る場合は、普通郵便で送っておりますか、書留ですか。
○大塚政府委員 金額一万円以上は書留で、それ以下は普通で送っております。
○森本委員 あの場合、一万円以下の普通証書を送っておるわけですが、大体郵便貯金で一万円以上の利子はあまりないので、多くて五千円か三千円ですから、そういう場合普通郵便で送ってだれかが間違ってとって——あの証書はだれでもとれるわけです。記名でありまするから、たとえば森本靖と書いてきた場合、森本という三文判をつけばどこの郵便局へ持っていってもとれる。その場合、普通郵便で間違いがあった場合には、一体だれの責任になりますか。
○大塚政府委員 それは郵便局におきまして成規の手続を経て払い戻した場合においては、正当な払い戻しとみなすということで免責をされるわけでございますが、郵便局側に手落ちがあったという場合には、郵便局で責任を負うということになっております。
○森本委員 成規のものであるということを確認するにはどういうことをしますか。確認の方法がないのですよ。
○大塚政府委員 大体預金者はその付近の方々でございますので、持ってきた人によって認定をするということになりますから、その本人かどうかできるだけ確認をいたしまして、怪しくないと認めた場合には払い戻すということでございます。
○森本委員 僕はこの問題は前から一つ郵政省に忠告しておこうと思っておったのです。それはあの全払いの証書は、ただ氏名を森本靖なら森本靖、秋田大助なら秋田大助と書いてあるだけなんです。これはどこの郵便局に持っていったって引けるわけだ。そうしてこの本人を確認するという方法がない。貯金通帳なら、お前それと一緒に配給通帳か何か持ってこいと今まで言っておったけれども、あの郵便貯金の利子の支払いについては、そういうような確認の方法をやっておらぬわけです。やっていないでしょう。いつも私が心配になるのは、大体三千円見当から千円の間の利子が非常に多いのです。それからまた六百円、七百円というような利子も多いのですが、そういうような利子でも、やはりあれは郵政省でやれば書留で無料の通信事務でいくわけですから、あれは全部書留でやったらどうですか。貯金の利子の証書を送る場合、私は前からあれを不思議に思っておるのですが、あの証書はだれでもとって引きに行けるのです。
○大塚政府委員 まことにごもっともな御意見でございまして、私ども十分研究をいたしたいと思います。
○森本委員 十分研究しなくても、局長はよく知っておるはずで、だれでも引けるようなことになっておって、あぶないのです。小為替なら小為替でまた番号があるわけだけれども、それはそのままで金と同じ性質のものであります。これが百円か二百円のものなら別として、このごろは千円から三千円くらいの間の金利が多いのです。だからそういう点を十分に考えて、この点については十分研究でなしに、そういう不備な点がたくさんありますから、その点を一つやってもらいたい。それからこれはやはり何といっても、こういう例が非常に多いのです。郵便貯金通帳の全払いを受けた、ところが何カ月たっても利子がちっともこない。どういうわけだろうということで、貯金局に問い合わせると、貯金局の方ではすでに発送した。ところが案外それを子供が引いておったり女房が引いておったりして家庭げんかになるというようなこともちょいちょいあるわけなんです。そういう点でこれは通帳のように何らかはっきりと確認ができるような方法を、ちょうどこれはこの条項が改正する項でありまするから、一つぜひ検討し研究してもらいたい、こう思うわけであります。
○山手委員長 この際、本会議終了後まで休憩をいたします。 午後二時二十一分休憩 ————◇————— 午後三時三十八分開議
○山手委員長 これより再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を続行いたします。森本靖君。
○森本委員 先ほどの質問に引き続いて、今回の改正の主要点になっております、次の第二十条でありますが、第二十条は、利子記入は今日まで貯金支局でやっておったものを、郵便局の窓口でてきるというふうに改正するわけでありますが、これは具体的にどういうふうに手続がなるわけですか。
○大塚政府委員 従来は利子記入の請求がありますと、その通帳を郵便局で受け取りまして、それを原簿所管庁に送って、原簿所管庁で利子の計算をしたものを記入し、そして預入者に戻すという手続をとっておりましたやつを、今回からはそれを希望する方はそれでもやれますが、通帳を手元から放すことが困るという方につきましては、その請求がございましたら郵便局において大体それを受け付けまして、原簿所管庁に利子の問い合わせをいたしまして、その通知が郵便局にさましたら、預入者が通帳を預払い等のときに持ってきましたついでのときに、その通帳に記入する、こういうやり方もとれるというふうにしたいということでございます。
○森本委員 これは非常にめんどうくさい事務手続になると思うのですが、その辺は考慮してみたことがありますか。
○大塚政府委員 事務におきましては、結局郵便局の手数は多少ふえるということになります。他方原簿所管庁の手数は減るということで両方合わせますと、全体は少し減るというふうに私どもは計算をいたしておるわけでございます。
○森本委員 原簿所管庁がそれで事務量が減るというのはどういう意味ですか。
○大塚政府委員 原簿所管庁におきましては通帳が参りますと、その通帳を受け入れる手続をいたしまして、そしてまた記入したその通帳に計算ができますと、その通帳に記入の仕事をいたしましてそれを郵便によってまた送るというような手続を要するわけでございますが、それが今回の改正によりますと通帳が参りませんから、郵便局から利子記入の実施を通知しておるし、郵便がきますと計算をしてそれを書いて直ちに郵便局へ送ればいいということになりますので、その通帳を一々受け入れるとか発送という手数はとらなくていい、まあ郵便は出しますけれども、それだけ手数が簡略化されるということになるわけでございます。
○森本委員 それは通帳に記入することが省けるだけのことであって、実際の手間と手数というものは同じようにかかるでしょう。
○大塚政府委員 その記入する事務が減りますほかに通帳でございますと、やっぱり封筒に入れまして書留なら書留で発送しなければならぬという手数が要りますが、郵便局にただ利子額を知らせるということならば通信事務のはがきみたいなものだけで簡単に知らせ得るというようなこともございます。
○森本委員 それとこの第二十条に基づいて「貯金原簿所管庁又は郵便局は、通常郵便貯金の」云々とあるわけですが、元金に利子を記入した場合はその通帳を第二十一条の確認の事項と同じように取り扱うわけですか。
○大塚政府委員 確認の場合とはやはり同じ取り扱いはいたしません。
○森本委員 しかしその利子を記入するということになってくると、利子の記入は何月何日までの利子が何ぼと、こういうふうに記入するわけでしょう。
○大塚政府委員 さようでございます。
○森本委員 そうすると何月何日までの利子が何ぼというふうにした場合には、それまでの何月何日までの通帳面にあることはすなわち確認をされたことと同一になるのではないですか。
○大塚政府委員 大体同じようなことでございますけれども、現在の利子の記入は通帳と原簿とを正確に突き合わして、そうして利子及び現在額を確かめて利子の計算をして記入するということではございませんで、原簿だけによりまして利子を計算をして、そうして通帳に記入するということで原簿と通帳と厳格に突き合わせるということまでいたしておりませんので、やっぱり現在高の確認よりはもっと粗雑といいますか、それまでの効果は認めていないわけであります。
○森本委員 それはたとえばきょうが三月二十四日でしたら三月二十四日までの利子は何ぼということで通知するということなって、そのように通帳に記入をすれば、それまでの郵便貯金通帳の預金高から引いてなかった金額は確認をせられた金額と認めていいでしょうが。
○大塚政府委員 ちょっと先ほどの私の説明が少し足りなかったかと思いますが、利子を記入しますのは、通常貯金につきましては三月三十一日、年度末現在の利子を計算をしまして、それを元金に加える、こういうことでございまして、三月二十四日なら三月二十四日現在の利子を計算して記入するというわけではございません。
○森本委員 三月二十何日までのということになると、そうすると、これを今かりに二月なら二月に利子の記入請求した場合には、その通帳の利子はどうなるわけですか。昨年の三月の末までの貯金利子を記入する、こういうことになるわけですか。
○大塚政府委員 前年の三月三十一日までの利子を記入するということでございます。
○森本委員 そうすると、これは利子を記入して気休めになるというだけのことですか。これはえらい親切なようなことを説明には書いてあるけれども、ほかに一つも効果はないでしょう。実際問題として、利子をここへ記入しておろうがおるまいが、原簿所管庁において利子がある限りにおいては、それは複利計算で勘定されていくということになるわけですがね。そうすると、この利子の記入というやつは単に気休めですか、これだけあるという……。
○大塚政府委員 まあ、極端に申しますと、そういうことになるかと思うのでありますが、やはり通帳に金額が記入されますから、その限度においてはその預入した郵便局で払い戻しができる。記入してないと払い戻しができないというような効果はあるわけでございます。
○森本委員 そうすると、この利子の記入というものは、全然第二十一条の確認事項とは違う、こういうことでありますが、ここまで便宜をはかってやるとするならば、第二十一条のいわゆる貯金の現在高を確認するということを、第二十条と同じような格好にやることをなぜやらないのか。こんな気休めの利子を記入してもらうということよりかはこの第二十一条の確認をしてもらうことが、一番国民としては望ましいことであって、その第二十一条によるところの確認をするためには通帳が一週間もかかる、遠いところの通帳であれば十日もかかる、十日間の間は郵便貯金も一切引けない、こういうことが今非常に不便だということになるわけですね。それはこのごろは三十万円ですから、かなりの貯金利子があるにしても、そのことよりも、気休めの利子を記入してもらうということよりも二十一条による確認事項を、自分で通帳を持っておってそれで郵便局から通知があって、その利子の記入がそういう形でできるとするならば、この確認事項の問題についてもでき得ると思うのですよ。どうですか、その点は。
○大塚政府委員 現在高の確認は、結局通帳に記入されております貯金の額が原簿と合っておるかどうかということをはっきり確認いたします関係上、やはり原簿と通帳を突き合わせてみないと確認ができないということになるわけでございます。結局貯金のほんとうの現在高の第一の証拠は原簿でありまして、通帳は多少改ざんとかあるいは何かということも考えられる。従って、通帳に記入されておるのがはたして正確かどうかというやつをやはり一応原簿と突き合わせてみないとはっきり確認をいたしかねるということでございます。
○森本委員 原簿と突き合わせなければならぬと言いますけれども、たとえば三月二十日なら三月二十日の貯金原簿の現在高は何ぼという確認はできると思うのですよ。それ以降引いておればこれはその確認にならぬけれども、それ以降引いていなかったら、それは一つの確認として、この第二十一条による確認事項として他局においても取り扱うことができるのじゃないか、こう思うのですがね。
○大塚政府委員 結局、最後の残高が幾らかということだけならばそういうやり方でできると思いますが、通帳の個々の預け入れあるいは払い戻しについて一々を原簿と対照いたしまして、誤りないかどうかということを確認いたしますので、やはり通帳を原簿所管庁に引き上げないとやれないということになるわけでございます。
○森本委員 そういうことになりますとこれは不可能でありますが、この確認のやり方については何らかのもっと簡易な方法はないものか。実際に確認をやるについて、一週間も十日も自分の手元から通帳が離れていくということは非常に不便な今の確認のやり方でありますが、そこで聞いておきたいと思いますけれども、この貯金の払い戻しについての条項は、これは一体この郵便貯金法でどの条項を適用するわけですか。
○大塚政府委員 郵便貯金の払い戻しにつきましては、三十六条、三十七条、三十八条あるいは三十九条、その辺のところが払い戻しに関する規定でございます。
○森本委員 この三十六条、三十七条、三十八条のさらに施行規則において詳しくきめておる、こういう形になっておるわけですか。
○大塚政府委員 その手続等は規則によってきめられておるわけでございます。
○森本委員 今、二十一条によるところの確認をした郵便貯金通帳というものは、これは日本全国どこでも引けるわけですか。
○大塚政府委員 さようでございます。どこでも払い戻せます。
○森本委員 その場合はこの第二十五条の「郵政省は、預金者の真偽を調査するため必要な証明を求めることができる。」この項はいわゆる確認をされた通帳においてもこれを要求するということができますか。
○大塚政府委員 これは法律的にはできますけれども、実際問題としては確認をされておりますので、その必要はないというように考えます。
○森本委員 そうすると、確認をされておらないところの郵便貯金通帳というものは、これはもう預け入れした局しか引けない、こういうことですか。
○大塚政府委員 いや、預け入れした局でなくても一月三万円以内ならば払い戻しはできますし、また郵便局長の確認によりましてそれをこえた払い戻しもたしかできることになっておると思います。
○森本委員 その郵便局長の確認というのは、金額はどの程度ですか。
○大塚政府委員 今間違えました。郵便局長の確認は今ないそうでございます。
○森本委員 そうすると、本人であるということを確認をした場合は三万円までしか引けないということですか。それ以上は引けませんか。
○大塚政府委員 普通の預入局以外で払い戻す場合はさようでございますが、このほかに本人票という制度がございまして、本人票を持っておりますればそれ以上払い戻しができるわけでございます。
○森本委員 本人票というのは写真のついた分ですか。
○大塚政府委員 さようでございます。
○森本委員 それからもう一つ、この定額貯金は、これは定額貯金証書を持っていった場合はどこでも払い戻しがきくわけですか。
○大塚政府委員 定額証書ならばどこの郵便局でも払い戻しはできます。
○森本委員 それは間違いございませんか。
○大塚政府委員 間違いございません。
○森本委員 そうすると、今回の定期郵便貯金もそういうことになりますか。
○大塚政府委員 さようでございます。
○森本委員 それから第四十六条と第五十三条とそれから第五十七条というのを、これは今まで起算して二年とするというふうなのがなかったので起算という字を入れておるわけですが、これはどういう意味ですか。
○大塚政府委員 従来「預入の日から二年」というふうに書いてございますと、民法の第百四十条の規定がございまして、これは法案のうしろの方に参考条文としてつけてございますが、期間を計算する場合に、日とか月とかによって計算をします場合はその日は算入しないというふうな民法の百四十条の規定がございますので、結局その翌日から起算をするというふうな計算の仕方になりまして、預金者に一日ではございますが不利になりますので、預入の日から起算するのだということをはっきり書きたいということでございます。
○森本委員 これで今回新しく改正される条項についての個々の問題についての私の質問を終わりますが、最初に私が大臣に質問いたしましたように、今回の郵便貯金の利子の引き下げというものが、今後の郵便貯金のいわば伸びに非常に影響してくるんじゃないか、特に定額貯金の移しかえというふうなものも起こってくるんじゃないかというように考えるわけでありまして、先ほどの貯金局長の答弁にありましたように、一兆一千億円をそのままにして、その上においてなおかつ利子を計算をしていくという形のものが非常に狂ってくるんじゃないかというふうなことをわれわれとしては非常に心配をするわけでありますけれども、そういう点が、今後の見通しについても、先ほど来の質疑応答でも何か確固たる将来の見通しというか、方針というものが、とにかくやってみなければこれはわからぬということで、その意欲が、何といいますか、非常に消極的な面もあるわけでありまして、もともと根本的な問題は何といってもこの制限額の最高を今回上げておらぬというふうなことが重要な点であろうと考えるわけであります。いずれにいたしましても、この貯金の金利を引き下げるということについては、われわれは反対をするわけでありますので、また、特に定期郵便貯金の新しい設定というようなものについてもほとんど見込みがないじゃないか、われわれとしてはこういう見通しを持っておるわけでありますが、はっきり申し上げまして、本年の一千四百五十億円ということについては、これで郵政当局としては自信がおありになるかどうか、この点をちょっと政策的に政務次官の方から聞いておきたいと思うわけです。
○森山政府委員 最近における郵便貯金の利用の実態と国民所得の伸びの状況等にかんがみまして、総額制限の額の引き上げが望ましいことは申すまでもありませんが、税法上等の理由によりまして、このたびは実行することが困難であったわけでございます。しかし来年度の郵便貯金の増加目標額は、現行の制限額のもとに一応策定したわけでありますので、さしむき制限額が引き上げられなくても、できる限り努力して、来年度の目標額を達成したいというふうに考えておる次第でございます。
○森本委員 その努力というのはどういう努力をするわけですか。郵便貯金については、これは政務次官よく聞いてもらいたいと思うのだが、この定額貯金と積立貯金については、その努力によって違ってくるわけです。しかしその半分以上を占める通常貯金というものは、郵政省の努力のしようがないのです。やる方法がないのです。これは窓口に持ってくるのを待っておらなければならないわけだから、これはもうお客さんの心次第ということになるのであって、なるほど定額貯金とか積立貯金というものは、郵政省のいわゆる施策、やり方、それからまた従業員の勤労意欲向上ということによって非常に変わってくるということは私も是認をいたします。しかし通常貯金、普通貯金というものについては、これは一兆一千億のワク内においてもかなりの金額を占めておりますけれども、こういう点については、郵政省側としては、安全であるし、国家がやっておるから確実である、便利である、こういうことを宣伝する以外にやる方法がないのですよ。努力するといっても。あとは向こうさんまかせで、そのときの経済状態に待つよりほかはない。そういう点を考えた場合には、今回の金利を引き下げるということについては、われわれとしては、今後そういう資金を蓄積するという点においても非常に問題がありはしないか、こういうふうに考えておるわけでありますが、郵政省としては積極的に努力するということは、よくわかるけれども、この普通の通常貯金等の増加目標については一体具体的にどういう努力をせられるのか、こういうことであります。
○森山政府委員 大へん御心配いただいてありがたいのでございますが、さしむき現段階におきましては、ただいま森本先生おっしゃられましたような点について周知宣伝相努めまして、目標額に到達いたしたいと考えておる次第でございます。
○森本委員 それは周知宣伝をしなくても、実際の問題としては国の預金である、これは安全である、宣伝はこの方法しかないわけです。これは宣伝せぬでも、郵便貯金は国の貯金であるということでわかり切ったことでありますので、実際問題としては、やはり最高制限額を引き上げぬ限りにおいては、通常貯金の増加ということについては、いかに努力してもなかなかむずかしいということはわかり切った理屈であります。しかし私は、定額貯金あるいは積立貯金、その問題については、これは努力いかんにかかわるかなりな要素が入ってくるということははっきり認めます。これは従業員の勤労意欲と郵政省の施策よろしきを得て、その募集方法がよろしきを得さえすれば、かなりよくなってくる。しかし通常貯金については、もはや郵便局として郵政省としての責任以上のことをやり得ることがないのである。これをこれ以上やるということであるとすれば、一般の銀行、普通預金よりも若干金利がよろしい、それからまた安全であるということと、有利であるということがまずこの貯金の一番の宣伝の目標になるわけであります。そういう点を十分に考えると同時に、やはりこの三十万円ということではもはやむずかしい。やはり五十万円程度に引き上げなければ、通常貯金については問題がむずかしい。この二点にしぼられると思うわけであります。そういう点を十分に考えていただきたいと思うわけでありますが、ついででありますので、ちょっと局長に聞いておきたいと思いますけれども、本年のこういう郵便貯金関係の奨励施策というものは、昨年と本年と比べてどの程度になっておりますか。
○大塚政府委員 予算的に申し上げますと、周知奨励費関係で昨年より二千五百万円くらいふやしております。そうしてやります施策といたしましては、通常貯金につきましては、第一に恩給の振替預入という点をもう少し積極的に勧めたい。これは恩給の支払いが大体一千百億余りございますが、そのうち現在郵便局で振替預入をしております額が大体五十六、七%でございます。これを七、八十%までは振替預入をやるということになりますと、大体そのうち従来の例から見まして一七%くらいの歩どまりがございますので、通常貯金としての奨励増強策として、その恩給の振替預入というものをさらに積極的に勧めるというようなこと、あるいは地域的な団体貯金の制度をもっと積極的に作っていきたいというような点に通常貯金としては重点を置いていきたい。それから定額貯金につきましては、今度の十年保証というようなことを宣伝いたしまして、今後においても安全であるという点を強調していくし、積立貯金につきましては、いわゆるこのごろのはやりであります目的貯金等をさらに積極的に勧めるというふうな施策を講じて参りたいと考えております。
○森本委員 これはよほど新しい奨励策というものを慎重にやっていかないと、郵便貯金が途中で減少を来たして、相当あわてるという形になってくるのじゃないか、こう思うわけでありまして、そういう点から今その奨励施策というものを聞いておるわけでありますが、もう一つ聞いておきたいことは、現在の簡易郵便局が郵便貯金を取り扱っておりますかどうですか。
○大塚政府委員 取り扱っております。
○森本委員 簡易郵便局の中で、農業協同組合がこれを受託してやっておるところはどの程度ありますか。わからなければいいです。
○大塚政府委員 今ちょっとわかりかねます。
○森本委員 この簡易郵便局に対しては貯金の純増目標というものを示しておりますか。
○大塚政府委員 示しておりません。
○森本委員 それは郵政当局から直接示しておらなくとも、その当該集配局からそれぞれの関係の簡易郵便局、無集配郵便局に対してはある程度の純増目標というものを示しておるというふうに私は聞いておりますが、どうですか。
○大塚政府委員 それは、あるいはその当該集配局長との個人的な関係やなんかで依頼をしておるという点はあるかもしれませんですが、おっしゃられますように郵政局としての目標の割当とかを示すということはいたしていないと思います。
○森本委員 簡易郵便局に対する手数料の引き上げが問題になっておるわけでありますが、われわれもこの手数料を引き上げるというそのことについては賛成をいたしておりまするけれども、先ほどの郵便貯金特別会計の赤字の問題からいきまして、あらゆる面から郵便貯金事業についても合理的な運営を考えていなければならぬと思うわけでありますが、この簡易郵便局に対するところの手数料の場合、貯金の基本料金というものはどの程度になっていますか。
○大塚政府委員 ちょっとわかりかねます。
○森本委員 その金額がわからなければけっこうでありますが、私が特にこれを聞くのは、農協は農協で大いに農協貯金の奨励をやっておるわけであります。それで至るところで農協の貯金と郵便貯金とが競合しておるわけであります。御承知の通り今日簡易生命保険と民間生命保険が山間地帯において競合しておる。ところがこの簡易郵便局というものは、その競合しておるところの農協が郵便貯金を引き受けてやっておるわけです。だから郵便貯金をするくらいなら農協せいということをそこらの簡易郵便局の者が宣伝するのは当然なのです。ところがそれに対しての基本の貯金の手数料というものは、今の委託契約において出さなければならぬ。その上何件について何ぼというものを出しておるのだけれども、そんなことならば、いっそのこと、農協でやっておるところの簡易郵便局に委託をする場合は、郵便と収入印紙、切手の売りさばき、あるいはその他のものをやって、貯金関係は除くというようなこともやり得ると思う。そういうふうなこまかい問題についても相当考えていかなければ話にならぬのじゃないかというふうに考えますし、またこの間も私が言っておりますように、山間部で局長の月給が約四万円近い。従業員が二人おって、二人の月給を合わせて大体四万円越す。そこで貯金、為替口数が日報面で日に四件か五件、場合によったら郵便貯金が一つもないので定員が減るということで、自分で通帳を十ばかりこしらえて出したり入れたりしてやる。そういうことも仕方がないからやはり郵便局としてやっていかなければならぬ。ところがそれでも貯金会計から金がかなり出ておる。こういう面の合理的な運営をかなり考えていかなければ、貯金の特別会計の赤字というものが非常に累積をされて困ってくるのじゃないか。むろん預託利子の引き上げという点についても考えていかなければならぬと思いますけれども、そういう点についても十分こまかく気を配って御考慮を願いたいということを私は特に要望しておくと同時に、いずれにいたしましても、この金利の引き下げの法案についてはわれわれは反対であります。しかし与党が多数である限りは、反対は反対でも通ると思います。通ったらこの法律が施行される、こういうことになりますので、施行された以上は、どうこう言ったところでこれは法律になるのでありますから仕方がないが、その範囲内において、できる限り貯金が減少しないように、やはり貯金の目標額が達成されるように、そうして財政投融資の至上命令としての預金高をふやしていくようにしなければならぬわけであります。そうなって参りますと、その面におけるところの施策、それから奨励関係、こういう点が非常に重要になってくるわけでありますが、そういう点については、先ほどから貯金当局の答弁を聞いておりますと、半分自信があって半分自信がないような一まあ確かにそうだろうと思うのです。今度の措置は非常に危惧を感ずるわけでありまして、それが即二十六万人の従業員に反映をしてどうだろうかという心配が非常にあるわけでありますので、この法律がかりにこういう形において施行されるということになりますと、この法律の施行の際には、各従業員に十分に徹底をさして、そしてこれが万遺憾なきを期するためには、先ほど私が言いましたように、すべからくこの徹底をするために、郵政局長会議、あるいはまた貯金部長会議、さらに現業局長会議、さらに現業局の局長のもとに課長会議、係長会議というように、本国会における論争というような面もかなり末端まで徹底をさしてもらいたい。そのことによって、従事しておる者の勤労意欲も出てくるし、もうちょっとしんぼうすれば最高額も上がってくるのじゃないか、金利の点についてもある程度考えられるのじゃないか、預託の金利の点についても一生懸命がんばればほとんど黒字になるという見通しがあるのじゃないか、こういうようなことを一つ十分に徹底をされて、その施策に万遺憾なきを期すると同時に、政務次官としても、この最高額の引き上げまたは通常貯金の奨励策その他については、一つ十分に関心を払ってもらって、そういうふうな方向の努力をしていただきたいということを最後に要望しておきまして、もう時間になりましたので、私の質問はこれで終わります。
○山手委員長 片島港君。
○片島委員 貯金の利子は預け入れの月から利子をつける。しかし十六日以後に預け入れた場合には利子はつけないということになっておりますが、預け入れと払い出しの状況が月初め、月中、月の終わりごろ一まあ上旬、中旬、下旬でもいいのですが、全然波がなくて並行しておるものなら、十六日以降のやつはつけない、十五日まではつけるということに非常に意義があると思う。預け入れ、払い戻しについて、一月の間に月初めとか月終わりで波はないものでしょうか、どういう状態になっておるか、お調べになったことがありますか。
○大塚政府委員 これは実はそこまで調べてございませんが、十五日前後のものになりますと、月末、月初め近くのものにおいては、その点を考慮してやはり十五日のやつが多いとか十六日が少ないとかいうことはあろうと思います。正確には実はまだ調査したものがございません。
○片島委員 郵便貯金もだいぶ長い歴史ですが、大体月末あたりの決算のときなんかによく払い出しがある。その月は利息がつかないということにもなりますので、少なくとも法律で利子のつけ方がきまっておる以上は、やはりその一月間における波というものは御調査になった方がいいのじゃないかと思うので、一回御調査を願いたい。それからその月預けのその月払い戻し、たとえば一日に預けて三十一日に引き出しました場合には利息がつきません。その月その月ではありますが……。私なんかもよくその手をやるのですが、今あるから預けておいて、十日なり二十日してその月のうちにまた受け取る。こういうのは全国に相当あると思うが、この金は資金運用部に行って運用されているわけです。何年間でもその月預けの月払い出しという金が相当の金額でずっと続いていると私は思うのですが、それはどのくらい続いておりましょうか。これは利息を払わないでただとっているのでしょう。一日に預けて三十一日に引き出す、十日に預けて二十一日に引き出す、これは利息はつけないのです。これは月から見ればなるほどその月ですが、違う人間がみんなでそれをやっておりますから、相当な金額をずっとただで運用しているわけですが、それはどのくらいの金額になりますか。それを知らぬということは大へんですよ。
○大塚政府委員 そういう場合も確かにあるわけでございますが、実際問題としましては、幾らか預金が続いておりまして、その月に入れたものをその月に下げるのではなくて、その前からある預金を下げるときは下げるという形になっておるのじゃないかと思いますが、その月に入れてその月に下げる場合には、預入及び払い戻しの手数だけで、その十五日や二十日の利息というものは、われわれの方としてはむしろ赤字が出るというふうな計算になろうかと思います。実は正確にそこまで調べた計算をしたことはございませんが……。
○片島委員 そうおっしゃいますけれども、別にあなた方は定員をふやしたり予算をふやしてやっておるのじゃない、ついでにやっておるのですから……。ほかの利息のつく長いやっと一緒に同じ人間がついでにやって、それが相当な金額になっておると思う。その月に預けてその月に出しておるのがずっと毎月続いているのですが、その金額はわかりませんか。
○大塚政府委員 ちょっとわかりかねます。
○片島委員 何を聞いてもわからないのじゃ、しょうがないのですが、それは一回調べて下さい。それはずっと続いておるのは相当な金額だと思うのです。ぜひ近い機会に御調査をお願いします。 それから、新しい制度を今度作られるわけですが、それに対して職員の定員を増員せられるのでありますか。
○大塚政府委員 新しい今度の制度と申しますと、一年制の定期貯金を作るということでございますが、これは先ほどから御説明申し上げましたように、一年制の定期貯金のみとしては、どれだけ集めるかというようなはっきりした目標を作りませんで、定額貯金と込みにしまして、利下げによって定額貯金が減る分をそれによってカバーをするというふうな考え方でいたしておりますので、結局減った定額貯金の分の手数がその一年定期に振りかわるというだけで、新しく手数としてはふえないというふうに私ども考えております。
○片島委員 そうすると、今の定員でとれるだけとれればいい、いろいろなものをやってみて合計してみてそれだけとれればいい、こういうことなんですか。
○大塚政府委員 内訳はいろいろ作っておりますが、定額貯金と一年制定期貯金につきましては、大体そういうふうな考え方でおります。
○片島委員 郵便物数などがふえました場合には、その物数に応じて定員の増があるわけですが、貯金事業では非常勤というのはどれだけ使っておられますか。
○大塚政府委員 賃金を一年間の定員に換算をいたしますと、大体三十五年度で五百人弱でございますが、それを使っております。
○片島委員 その非常勤要員は、先般の非常勤定員繰り入れによって何名ぐらい解消したのでありますか。
○大塚政府委員 貯金事業にはそういう長期の非常勤というのはございませんで、大体臨時的な非常勤を使っておりますので、組みかえの分は貯金にはございません。
○片島委員 大体定員の増減がほとんどないようですが、ずっと年間同じ程度で、先ほど森本委員からの質問で答弁がありましたが、大体同じ程度毎年貯金ではとっていけばよろしい、こういうお考えですか。
○大塚政府委員 増加額としては毎年ふえておりますが、そのうちでふえる部分は、利息としてふえる部分が相当な額になりまして、いわゆる純増と申しますか、これについてはあまりふえておりません。しかし純増を同じに保ちますためには、結局現在高が多くなるに従って払い戻しも多くなりますので、払い戻しが多くなる分だけやはり前年よりもよけい募集をしないと同じ純増は上げられないというふうになりますので、やはり募集としてはよけいしなければならないということになります。
○片島委員 大体零細な大衆の預金ですから限度がありますから、そう奨励をしても無制限に毎年同じずつふえていくわけじゃないが、貯金額がふえてくると、今おっしゃいましたように非常な苦労が要る。新しく払い戻しもふえる。それも同時にカバーしていかなければならぬ。さらにふえていくから、毎年々々プラスですから、それ以上の努力をしなければとれていかない。そういうことになると、非常に従業員の負担というものは重くなってくると思うのです。貯金事業というのはいつごろ定員をきめられて、それからもうそのままですか、何かのときに思いついて定員を増員されるようなことがあったのですか。またあるのですか。
○大塚政府委員 二十九年に定員がきまりましてから、昨年、貯金事業としては増員はございません。しかし貯金と一緒にやっております為替貯金事業全体としますと、国民年金の支払いとかなんかというようなことで、三十五年度が四十五名、来年度は二百二十名余りふえるわけでございます。
○片島委員 それは郵便貯金事業ではなくてほかの事業ですね。今郵便貯金の話をしているわけです。郵便貯金以外のことでふえた分は、あなたの方は直接あれじゃないから自慢にならぬです。これは当然仕事がふえるので、国民年金なんかも新たにできるわけですから……。そればかりでなく、私ずっと正月の休みに各地を回ってみたのですが、農村においては、国民年金制度ができるので、簡易保険の募集が非常にうまくいかない。年度末までにはとても目標達成はできない。私が行ったところは、大体一割から二割くらいしか目標をやっていなかった。これは定額の郵便貯金についても同じじゃないかと思う。簡易保険とか郵便貯金というのは義務制でありませんから、何百円といってまとまってきまった金額を国民年金で拠出をするということになると、全国民ですから、定額の郵便貯金の方には相当影響してくると思うのです。それはどの程度影響するか研究してみられたことがございますか。
○大塚政府委員 国民年金につきましては、それに必要な定員及び経費を、厚生省といいますか、一般会計から繰り入れておりますので、国民年金の増加による郵便貯金への影響という面は、人員の面からはないと思います。ただ、掛金を国民がかけます場合に、貯金すべき金が掛金に回りはせぬかというような影響ということになりますと、あるいは多少あるかと思いますが、まだそれを正確に計算をいたしたことはございません。
○片島委員 多少でなくて、ふところはみな同じところですから、特に農村地帯においてはそう所得がふえておるわけでもありませんので、新しくああいう大きな制度ができる場合、一人残らず義務制で入られるという場合には、これは簡易保険でも定額の郵便貯金でも、それが相当大きな影響を与えるということは当然なんです。それについては全然御考慮されないでからに目標をきめるということは、これは非常に甘い目標の策定だと思うのですが、その点どうですか。
○大塚政府委員 国民年金の掛金も、ほんとうに薄収入者階級にとりましては、そうたやすい額ではないというふうに考えますが、何といっても一人百円とか百五十円という額でございますし、またそれが必ずしも、郵便貯金に回るべき金がそっちに全部回るというわけでございませんで、農協の貯金、銀行の預金その他あるいは冗費の節約ということで捻出される金もございましょうし、そのうちの何%が郵便貯金にくるべき金であったかというようなことは、これはなかなかむずかしい問題で、計算をしようとしてもちょっと計算ができないのではないかと思っております。
○片島委員 ただ簡易保険の募集目標と郵便貯金の預金の目標というものをきめる場合には、いろいろありましょうけれども、相当膨大な金で、全国民に及んでおるわけですから、そこに何%かの預金が減るという一つの想定は作ってしかるべきじゃなかったか。全然それを見込まないということは非常にずさんな目標じゃないかと思いますから、これは一つ御研究をお願いしたいと思います。 それから先ほど周知宣伝ということがありましたが、民間銀行あたりはもちろんでありますが、農協あたりでも、農村に行くと預金は農協へという垂幕なんかを張ってやっておるのです。郵便貯金はやらないのかと言ったら、役所のやる仕事ですからそういうことをやってはいけないのだということを郵便局で言っておったのですが、ああいうことはやっちゃいけないのですか。貯金は安全有利な——有利でもないが、非常に信用の厚い郵便局へ、こういうことはやれないのですか。あなたたちは、通常貯金などのごときは外に出て募集するわけではありませんから、外でこちらに貯金してくれということはいけないのですか、何かそういう指示をしておるのですか。
○大塚政府委員 それはどんどんやっていいことでございますし、また私どもやらしておることでございますが、おそらくやってはいかぬといいますのは、他の金融機関と比較しまして他の金融機関が不利だというふうな印象を与える宣伝といったようなことはやってはいかぬということでございまして、それを誤解したのじゃなかろうかというふうに考えます。
○片島委員 きょうこれを採決されるなら、先ほど私が質問をして御答弁できなかった点が納得いかないわけですが、ぜひ次の機会までにお調べを願って、委員会でお示しを願いたいと思います。 それから最後に、先ほど民間の銀行の取り扱いのコストと郵便貯金のコストについて数字をおあげになりましたが、非常に高額の預金を一口で払い込む一般の銀行預金と零細な金額とでは、同じ一億円なら一億円に対する口数というものは非常に大きな開きがあると思うのです。郵便貯金には非常に零細なものが集まっている、銀行あたりには大口一が入る、そうなってきますとコストの点で高くつくと思うのです。それが同じということは、どこかに非常にウエートがかかり過ぎておるのじゃないかと思うのですが、そういう点はどうでしょう。
○大塚政府委員 確かに大口の金を集めますのと小口の数の多いのを集めますのとではコストの面が違うわけでございますが、それが大体同じだといいますのは、郵便局が郵便や保険と同じように共同でやっておる。従って、局舎とか局長とか、課長とかいうような共通要員の分担が、事業別にされておるというような点から相当の節約ができておるということ。その他やはりわれわれ及び従業員が非常に勤勉で能率を上げておる結果じゃないかと考えるわけでございます。
○片島委員 金融機関もそれ専門にやっておるわけです。しかも、ああいう農村地帯は、特定局はみな赤字でしょう、あなたの方の経営は。経営が赤字なんでありますから、貯金の方のコストの分を引き受けてくれるなんということは実際上できないじゃないですか。他の事業に少しでもおんぶされるということは、他の事業そのものが、一般の特定局は全部赤字なんですから、そうしますと、貯金自体としても非常に無理がきておる。それは、あなた方はそう大して無理はきておらぬと思うのですが、現場の従業員の方には相当無理がきておる。ですから、定員も増員せぬ、またコストもそういう状態だというなら、あまり大きな目標を押しつけるようなことは、十分今後検討していただきたい、こういうことを要望しておきます。
○山手委員長 ほかに質疑もないようでございますので、本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。 —————————————
○山手委員長 これより討論に入るわけでございますが、討論の通告もございませんから、直ちに採決に入ります。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山手委員長 起立多数。よって、本案は原案の通り可決いたしました。 この際森山政務次官より発言を求められております。これを許します。
○森山政府委員 本法案の審議につきましていろいろ御配慮願いまして、まことにありがとうございました。審議の過程におきましてのいろいろの問題点は、十分調査し研究し検討いたすつもりでございます。どうもありがとうございました。
○山手委員長 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、先例によって委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山手委員長 御異議なしと認め、さよう決します。 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。 午後四時三十七分散会 ————◇—————