逓信委員会 第14号
- 発言数
- 83 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/23
会議録
○山手委員長 これより会議を開きます。 郵政事業及び電気通信に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。森本靖君。
○森本委員 今、労働問題が非常にやかましくいわれております。まず現在郵政大臣と全逓信労働組合との間で紛争が起こっておるやにわれわれは承知いたしておりますが、その具体的な内容についてはいろいろあろうと思いますけれども、その紛争の焦点は一体何と何であるか、御回答願いたいと思うわけです。
○小金国務大臣 今御指摘になりましたように、郵政省と全逓との間に紛争が起こっておりまして、その争点は、総評と申しますか、労働組合の連合体の春季闘争に関連したものと、電気通信事業の合理化に関したものと二つが原因でございまして、春闘の方は一定の方針のもとに賃金値上げ、あるいはその他の問題を掲げております。そこで今、労働大臣の職権による仲裁申請をされたような状態で、この方は今仲裁にかかっておるのです。 もう一つは、いわば郵政省と全逓との間の独特の懸案事項と申しますか、争点といいますか、電通合理化問題で全逓の方の主張と私どもの方の考えておる基本方針とがなかなか一致しない。そこで今いろいろないざこざが起こっておるような次第であります。
○森本委員 これは事務当局からでもけっこうでありますが、そうなりますと、一応現在労働大臣が職権による仲裁申請をしておるというのはその賃金だけですか。
○長田説明員 初任給のベース・アップとか、そういうものを含めまして、いわゆる賃金問題であります。
○森本委員 そういたしますと、今大臣が言われましたように、大別して賃金問題と電通の合理化に伴うところのいわゆる労働協約と申しますか事前協約と申しますか、その二つに焦点がしぼられておる、こう解釈してよろしいわけですか。
○長田説明員 さように存じます。
○森本委員 そういたしますと、賃金問題については一応労働大臣が職権による仲裁申請をしておるということでありますので、当委員会における論議は私は避けたいと思います。そこで残りのもう一つの問題であります電通の合理化によるところの事前協約という問題が相対立をしておる、こういうことでありますが、それについてはどういう点が対立しておりますか。
○小金国務大臣 組合側の主張が何点かございますが、私の承知しておりまするところでは大体四点か五点だと思っておりますが、基本問題でなかなか意見が一致を見ないようであります。その組合側の主張は、労働条件を主体として事前協議をしろ、こういうことのようでありまして、これは本省と全逓との間で労働問題なら当然協議すべき事項でございますが、先般来の交渉の経過に顧みますると、どうも電通合理化については、これに伴うすべての労働条件については、事前に協議決定した上で実施しろというような要求でありまして、先般参議院でもある委員からお話がありまして、決して経営管理権に口を出すのじゃないのだ、電通の合理化は妨げないのだというような前提でお話がありましたが、その後交渉の経過によりますと、なるほど電通の合理化、あるいは様式の変更と申しますか、電話の自動式化に反対はしないのだ、しかしながら個々の労働問題、むしろ人事権といいますか、管理権にまで及んで、組合側の末端まで了承できなければ実施してはならないというような主張で、労働組合側が言っておられるような、管理権や経営権には全然タッチしないのだという表看板と、実際とが、そこでだいぶ食い違っておりまして、結局その主張を認めるということになりますと、管理経営権が組合の末端の意思によって全く左右されてしまう。あるいは組合というか、組合員の意思によっていろいろな障害ができてしまう。これはむしろ人事権なり経営権の問題であるという見解をとっておりますので、なかなかそこに一致点が見出されなかった。なおまた具体的な詳しいことにつきましては、その折衝に当たった政府委員、またはその関係者から御説明申し上げますが、要点はそこにございます。
○森本委員 私は、こまごましたことをここでいろいろやろうとは思っておりませんが、ただ、一番の争点になっておるのは、労働条件であるか、管理、運営事項であるかという点であるのか、それとも、そういう合理化を行なう際の労働条件については、事前に協議をし、これを決定して実施に移すということについての反対、賛成であるのか、その辺が、今の大臣の答弁ではまだちょっとわかりかねる点があるわけです。これは大臣からでなくてけっこうです。大臣にお聞きする場合には、大臣と私の方から言いますから、事務当局の方からお答え願いたいと思いますが、今私が申しましたように、管理、運営事項として、これはできない、できるという争いになっておるのか、それとも労働条件についてでも事前にこれを協議し、決定し、実施に移すということはできない、こういう形の争いになっておるのか、いずれになっておるか、その点お聞きしたい。
○長田説明員 先ほど大臣からも御説明申し上げたのですが、労働条件というものの解釈が、非常に組合側と省側とで食い違っているわけでございます。私どもも通常いわれておる労働条件、公労法の第八条にいっておるような労働条件について、労働協約を締結してやっていくということはあたりまえだと思っておりますけれども、よく話を聞いてみますと、そういうことばかりではなくて、一定の協約なり何なりをかりに結んだとしまして、その範囲内での個々の人のいろいろな希望なり事情というもの、これも労働条件に入るのだ、こういうような考え方であります。それを引き延ばして参りますと、従来個別的な人事権だといわれているようなものまで労働条件に入ってくるようなことになりますので、その面で一つ大きな考え方の対立があったわけでございます。 それから、あとの方の事前に協議、決定した上で実施するということでございますが、協約を結ぶのにふさわしいような労働条件につきましては、事前協議とかいうことばかりでなくて、協約を結んでやるというもっと拘束力の強い形も、こちらとしては考えているわけでございます。一たん結ばれれば、十分それを尊重してやっていくというようなことを、こちらで予想しているわけでございますから、この事前協議という言葉も、もし労働条件というのが、こちらの考えておるような概念でありますと、少しそぐわないのじゃないかという用語の問題が一つございます。それから、決定した上で実施をする話がつかなければ、個々の合理化計画をやってはならないのだという趣旨、ここも非常に大きな対立点でございまして、結局大きな対立点は、今の労働条件の問題それと決定した上で実施する、双方の合意で決定がなされなければやってはいけないのだという問題その二つが大きな問題で、あとは、事前協議という言葉は、この場合にはちょっとふさわしくないのじゃないか。そういうような点が問題になったわけであります。
○森本委員 そうすると、その労働条件である、ないというふうなことで対立していることは、どういう内容ですか。
○長田説明員 たとえば、これは例が適切かどうか問題でございますけれども、その場合に、団体交渉の席上でも例が出たわけですが、岡山県の児島郵便局の近辺から、こちらの電報電話局が新しくできまして直轄化された際に、方々へ散ったわけであります。児島の方から倉敷だとか岡山だとか、いろいろなところへ局員が参ったわけです。その岡山、倉敷あたりまで参りましても、所要通勤時間が一時間半以内くらいで、郵政部内で一応常識的に考えておりました通勤時間の範囲内だというようなことになった場合に、私どもの方の考え方からしますと、まだ協約ができておりませんけれども、できるとすれば、たとえば一時間半くらいの範囲内で、交通手段なども相当便利ならば、そこが一つの基準になる。かりに一時間半がまとまらないとしても、一時間なり何なりという形である範囲をきめる。それが協約の結び方で、その範囲内のものについては、個々の人の事情というものは、もちろん局長なり何なりはよく聞きますし、場合によれば組合の方の要望なり何なりも事実問題として受けるということはあるわけでございますけれども、労働協約を締結したら、その範囲内でだれがどこへ行くという問題は、人事権の方の系統の問題じゃないか。人事権の運用については、相当慎重を期するとしても、一応人事権の問題だと言うのでありますけれども、組合の主張によりますと、その際ある職員が、岡山へ行きたいのが倉敷の方へ回る、あるいは倉敷へ行きたいのが児島へ回る、児島に行きたいのがどこかほかへ回るというのも労働条件で、全員について協議がまとまらなければ、その計画を進めてはならないのだ、そういうような主張でございます。例が適切かどうか、ちょっと問題でございますが、こういう話が事実上出たわけであります。
○森本委員 そうすると、その労働条件ということについては、ある局がある局に自動化で集中化されるという場合に、どこそこの通勤の範囲が一時間なら一時間、あるいはどこそこの局へは何名、どこそこの局へは何名、こういうふうなきめ方をするということについては——個々にどこそこへだれが行くということについては、これは管理運営なら管理運営事項である。しかし、どこの局へ何名、どこの局へ何名配置するというような点については、一つの労働条件の問題である、こう解釈をして、郵政省側としてはどうなるのですか。
○長田説明員 どこの局へ何名、どこの局へ何名という問題も、美は団体交渉事項ではないというふうに私ども考えているわけでございます。
○森本委員 それはちょっと僕はおかしいと思うのです。その局へだれそれをその中からやるということについては、これはある程度私は管理運営事項だと認めてもいいじゃないかという考え方を持っているわけですが、しかし三十名なら三十名の中で、A局へ何名、B局へ何名、何局へ何名ということについては、これは人事権の問題ではない。配置がえの問題になってくるわけです。配置がえを何名、どの程度やるということについては、これはやはり労働条件の変更ではないか。ただしそれを、個々の森本なら森本がAの局へ、それからだれそれがBの局へと、こう指定をする場合は、これはそれぞれの人事の問題になってくるわけです。その辺はどうですか。
○長田説明員 実は郵政省側と公社の側との両方にまたがる問題で、ちょっと申し上げにくい、あるいは適切でない点もあるかと思いますが、どこの局へ何人やるという問題は、一面では事業計画の問題ではないかと思いますし、それから、通常の場合には局の定員の問題にも閥達するというようなことからいたしまして、これは団体交渉事項ではない。それから、たとえば公社へ移る際にも、給与の問題なんかは通常団体交渉事項に一番該当するわけですが、これは公社の給与の問題になりますから、直接私どもが全逓と公社の給与の問題を交渉するわけに参りませんで、別途公社の方から別の形で保証を取りつけるということになるわけでございます。公社へ移る人間の特に団体交渉事項に該当する一つの例としましては、休暇の残日数をどうするとか——あるいはそういうようなものが一つのはっきりしたあれじゃないかと考えております。
○森本委員 そういう言い方は非常におかしいのであって、郵政省と電電公社は当然これは一つの協定というか、そういうものを結ばなければならぬわけです、それの受け入れをする場合に。退職願を出した人が直ちに電電公社と交渉するわけにいかぬですからね。これはやはりその職員が所属しておる全逓信労働組合と郵政省とが話し合いをして、そうして今度は郵政省と電電公社がこれの協定を結ぶ、こういうふうにしなければならぬわけであって、あくまであなたの方は、その職員が公社へ行って、ちゃんとした身分を取得して、公社の職員として一本立ちになるまでは郵政省が最後までめんどうを見てやる責任がある。それは形式的には退職願を出しておるけれども、それなら退職願をみんな出さず居すわるということになったらどうなる。これはやはりあなた方の方針通り、まじめに退職願を出して、そうして公社の方へ行って、おれは仕方がないから働こうということであるとするならば、郵政省としては、少なくともそれらの人については保証してやらなければならぬ。電電公社の職員になった以降は、電電公社の職員としてその方の労働組合に入って、その方の交渉事項があるから、そこからは私は知りませんじゃいかぬ。入るときまではちゃんと郵政省の職員としてめんどうを見てやる責任があるわけだ。その点はあなたの方も確認ができると思うのですが、どうですか。
○長田説明員 給与とか退職年金の継続の問題とか、そういう問題につきましては、これはちょっと私どもが今——先ほども申し上げましたように、全逓側と団体交渉事項で公社へ移ってからのことをきめるというのは、どうも適切でないような感じがいたします。公社の側と郵政側とで保証を得まして、それについては従来も全然問題ございませんし、おそらく今後も移る職員は、それらについて不安を抱いていることはないのではないかというふうに考えております。
○森本委員 それは不安がある、ないということを現実に言っているのではなしに、手続上の問題としては、私が今言ったように、あなたの方と全逓の職員とは、電電公社へ移る際にはこういう給与、こういうふうな形において移るというように、その労働条件については話し合いができるはずなんです。また、しなければならぬはずである。それをせぬでおいて合理化に賛成せい、賛成せいと言ったところで、自分の身分がどこに行くかわからぬのに賛成できはしませんよ。あなただって、あなたの身分がアメリカへ行くか、イギリスへ行くか、わからぬときに、そういう仕事の方針に協力せよと言われても、大臣の方針に賛成するはずはない。やはり私が言ったように、かりに電電公社へ移るにしても、移るまではあなたの方に責任があるのだから……。どうですか、それは。
○長田説明員 電電公社と郵政との間の協定によりまして、決して不利にならないようにするということについては十分協定ができておりますし、私どももまた、個々の場合につきましてそういうような心づもりで進めているわけでございます。ただ、先ほどのお話のどこの局へ何人移るかという問題は、一面では公社の方の……。
○森本委員 まず話を一つ一つやっていかぬとこんがらかるから……。相手方へ移るというときに、待遇その他の条件について郵政省と電電公社がちゃんと協定を結んで、その協定の範囲内においてあなたの方が全逓の職員との団体交渉に応じて、その人の配置がえによる労働条件その他については協約を結んでもよろしいわけでしょう。そうでしょう、これは事務的には。これはうかつな返事をせぬようにして下さい、私もあなたと一緒で、専門家だから。
○板野政府委員 お答えいたします。現在公社との間に、郵政職員の待遇関係の措置についてというような協定がございまして、このようないろいろな労働条件につきましては、公社の部内に採用されるものの取り扱いについては、他の公社の職員に劣らないように、同様な措置を講ずるように配意するものとするということになっておりまして、個々の問題につきましては、公社の方とも労働条件について十分話し合いまして、その結果不利にならないように現在までもやっているわけでございます。
○森本委員 だから、私が言っているのは、郵政省の職員側と、個々の問題をとやかく言っているわけではない。配置がえをされるときには、こうこうこういうような労働条件で、こういうような給与の条件で、こういうような退職金の条件で、共済年金はどうというようなことについては、これは明らかに全逓側と郵政省側とが協定をすべきことであるし、また、できるだろう、こう言っているわけです。それができぬようだったら、郵政省は責任を持って向こうへ送ることはできぬわけです。また、職員側としても当然これを要求する権利があるわけです。
○長田説明員 実はほかの企業体に移った場合の待遇を協約の形で保証するのが適当かどうか、私まだ十分自信を持ちかねております。研究いたしたいと思います。
○森本委員 いや、それは研究よりも何よりも、そういうことを協約で結んでおかぬことには、これは大きな配置転換ですから、実際問題としてそのめどがつかないことには、それはやはりだめですよ。だから、そういう点については、あなたの方と公社が協定を結ぶ。その協定の範囲内において、労働条件というものは、こっちで団体交渉をして結ぶ。その結んだものが電電公社よりも上回らなければならぬというようにあなたの方が協約を結んだとすれば、郵政省は今度は電電公社とはっきり協定をし直す交渉を始めなければならぬ。そうでなければ、全逓の組合が直接電電公社の総裁に交渉していかなければならぬという、へんちくりんな格好になるですよ。そうでしょう。
○長田説明員 現在のところ、公社との間でそういうことについては話し合いできめておりまして、それを職員に周知する。職員が移った場合にも、その周知されたものに違反したような、それと相違するような事柄が一ぺんも起こっておらないという程度でございますが、ただいまのお話の点につきましては、私ども十分研究いたしまして、あと措置して参りたいと考えております。
○森本委員 それは私はちょっとおかしいと思うのだ。それなら、われわれはもうみんな向こうへ行くのはいやだ、ほんとうに自分の給与がどうなるやらわからぬのに、自分の意思によってはそれが決定できぬということであったら、みんなは行くのはいやだ、それなら退職願なんか、わからぬのに出せるかということで、みんな出さぬということになれば、郵政省全部かかえてやるということになるわけだね。
○長田説明員 事実問題といたしまして……。
○森本委員 いや、事実問題を聞いておるわけじゃないのだから。
○長田説明員 職員にも、公社に移った場合はこうなりますということは、省の責任で十分知らせてはいるわけでございます。
○森本委員 私が言っているのは——今まではまだ少ないわけですよ。これから先、拡充五カ年計画で、ここの委員会が審議をしたように、ものすごい数になってくるわけです。たとえば私の選挙区でも、もう来年の十月からはどんどんこれが実行されていくという形になるわけだ。今までは個々にそれぞれあったのだけれども、私が言っているのは、これから先は大量になるから、そういう点については職員側から要求があれば、当然その職員側の要求を受けて立って、そうしてその次の労働条件その他については、ちゃんと公社に移るまではあなた方が全責任を持つ必要がある。公社に移るときの最初の初任給なり将来の問題については、そこまではちゃんと作っていく責任があるわけです。そこまではあなたの方が全逓と交渉してちゃんとした協約を結んで、それから郵政省は郵政省で電電公社と協定を結ぶ、こういうことが労働問題としての筋じゃないですか。
○板野政府委員 先ほど申し上げましたように、現在は労働条件なりあるいは配転の問題について公社の職員と同様な措置をするというようなことは、きわめて抽象的に書いてはございますが、具体的に郵政省におきまして組合との間にそういう配転協約なり労働条件の協約が結ばれたということになりますと、公社の間にもそういう協定を結ぶべく私どもは措置したいというふうに考えております。
○森本委員 だから、筋としては、はっきりもう一ぺん確認しておきますが、郵政省と電電公社は一つのこれについての協定を結ぶ必要がある。その協定の範囲内において、今度は郵政省は全逓の組合と話し合いをして、そこで協定ができる。その場合郵政省としては、電電公社と結んでおる協定以上の団体交渉をやって結ぶことは不可能だ。現実に不可能だけれども、郵政省が考えてみて、なるほど組合が言うことも正しいということで、団体交渉で結んだものが、電電公社より上回ったとするならば、郵政省は全責任を持って今度は電電公社と話し合いをして、その協定を更新をする、こういう責任が出てくるわけでしょう。いわゆる法律技術上としての問題はそうでしょう。
○板野政府委員 先生のおっしゃる通り、いろいろ私どもそういう方向に進めたいと思っております。
○森本委員 そういたしますと、最初の問題ですが、大体配置がえということは労働条件にはまらぬのですか。
○長田説明員 非常に広義に解しました際の労働条件には——労働条件と申しますか、あるいは勤務条件と申しますか、そういうものには入ると考えております。
○森本委員 そうすると、先ほど私が言ったように、私は労働組合と同じようなことを言っておるはずはないのだから、あなたはよく聞いていればわかると思うのだが、個々にお前はB局へ行け、お前はR局へ行けということについては、私はまだ言ってないわけだ。そうでなしに、A局に三人、B局に二人、C局に三人というふうな配置がえを行なうということについては、これは明らかに一つの労働条件でしょう。それを個々にだれとだれとだれをやるということになった場合は、これは明らかに、人事権とあなた方は言っ ておるが、一応これを一歩譲って、私も人事権を認めるとしても、何名やるという一つの計画というものは配置がえの労働条件に関する計画でしょうが……。
○長田説明員 どこの局に何人回すとかいうような問題は、事業計画あるいは定員の問題というように考えるべき一ではないかと存じます。
○森本委員 それなら局内において郵便をやっておって貯金へかわる、保険へかわるということについては、これは管理運営事項であって、労働条件の変更じゃないかね。そんなことはないはずだ。今日までそういうことはちゃんと労働条件の変更として交渉しておるわけです。ただし保険課のたれそれが貯金課の何々に行くということについては、これは人事権であるからということで今までタッチしてきてなかったはずだ。しかし、今回郵便課から保険課に何名移す、保険課から何へ何名移すということは、これは明らかに労働条件として今日までやってきておるはずです。私は、十年くらい前になるけれども、十年前に団体交渉としてこれを扱った経験を持っておるわけです。それは労働条件でしょうが、労働条件の変更でしょうが……。
○長田説明員 ある課の人間をどのくらい減らして、ほかの課の人間をどのくらいふやすかという問題は、それ自体は労働条件というよりも、やはり事業計画の方の問題じゃないかというふうに考えます。
○森本委員 今までそんなことは労働条件として団体交渉をやったことはないかね。あるはずなんだ。僕ら何回もやったもの。郵政省も明らかにそれは労働条件の変更として認めて交渉に応じておる。国会も慣例をたっとぶところだけれども、郵政省も歴史があるわけだから、その歴史をひっくり返すようじゃ困る。
○長田説明員 事実上お話し合いをすることは、たとえば先ほど申し上げました、個々の人事などについても、配転の話などいたしますけれども、それはやはり団体交渉事項ではないというふうに考えております。
○森本委員 それは押し問答みたいになるけれども、よくこれを調べてもらったらわかると思うのですが、そういう点については、やはり明らかにその勤務場所の変更でありまして、勤務場所の変更ということは、その人の労働条件に影響があるわけだから、これは労働条件の変更ということで交渉事項として今日までやってきたことは再々あるのですよ。だから、そういう点が労働条件でないというふうな考え方は、私は、一種のかたくなな考え方でないか、こう思うわけですがね。これはあなたばかりに質問しておると、あなたが集中攻撃を受けるようになって妙に悪いが、これは政務次官どうかね、今の点は。
○森山政府委員 当該問題に直接のお答えをすることにはならないと思いますが、事柄によりましては、労働条件にも関係のある管理運営事項という問題もあり得るだろうと思うわけでございます。そのボーダー・ラインの問題をどう処理するかという問題でございますが、やはり電話の合理化、自動化を進めるという見地から見まして、これを団体交渉の対象としないということが適当な場合には、管理運営事項として交渉外に置くべきものであるという問題もあり得ると考えております。
○森本委員 これは自動化に伴ってその自動化の事業計画そのものには、あそこに何名、あそこに何名ということについては直接の関係はないはずなのです。ただ、電電公社がこれを受け入れるときの欠員状態、そのときの状態によってあの局へ、この局へ、こういうことになる。これが配置転換をされるということは、自動化に基づいてこれが市外に集中されるから、今の自動化はその者だけが来るわけであって、その他のところへ行く場合には、あそこの局が今ちょっとあいておるから、こっちへ回そう、こっちの局があいておるから、あそこへ回そう、こういうことで回す事実があるわけです。これが事業計画そのものに非常に影響があってやるということは、本局へ集中される場合だね。しかしその場合も、本局に集中しようにも、もう一ぱいの場合もあり得る。そうすると、電電公社は六割なり七割を受け入れなければならぬということをあなた方の方の協定できめておるのだから、どこかの局に回さなければならぬということで、あいておる局へ回そう、こういうことになる。その回す局は、現実の問題として必ずしも一定してないわけです。そういうことになると、従業員としては一体どこへ回されるかわからぬという不安があるわけです。焦燥感が出てくるわけです。そこにあらかじめ電電の合理化そのものに基本的に反対しておるわけではない。ただし、身分の安定と、どういうところへ行くかということが、ちゃんと明示されぬことには不安でたまらぬという、ここに一つの協約を結ぼうという考え方を持ってきているわけだ。全逓の組合というものは、何もこのことによって事業を金縛りにしようという考え方ではないと思うんだ。それは現実の問題として、そういうふうな従業員側からすれば非常に不安があるので、そういう点について一つ事前にそういうことを明示をしてもらって、そういう一つの話し合いを行なって、これが円満に遂行されるようにというのが、ほんとうは組合側の基本的な考え方だと思う。それが妙なところで角が突き合うて、ああでもない、こうでもない、だんだんおしまいには感情的になって何くそというようなことをやっておるのじゃないかと、私は横から見てそう思うけれどもその辺何か郵政省側もかたくなな、貝がらに閉じこもったような考え方にならずに、もっと協約の問題を一歩前進をさせて、そして何らかの解決をつける系口は私はあり得ると思う。今のような話の問題について、もっともっと話を進めていけばどうですか。その辺森山政務次官、あなたは労働問題のベテランだが、あながち反対してストをやらせてそれを弾圧するだけが能でないと私は思うんだ。やはりそういうものはとめて、円満にこの郵政事業というものが遂行されるということが——大臣に対する補佐役としてあなたが一番適任だ、こう思うわけだが、この辺はどうですか。
○森山政府委員 一般的に合理化の問題に対しまして、組合の中にはこれに反対するものもあり、またこれに対して協力すべしという態度を打ち出す組合もあるわけですが、しかし合理化反対闘争というものは、しょせん時代の流れに逆行するということをもちまして、従来合理化に反対しておりましたところの部門に属する組合の諸君も、これに対する一つの、よく言えば方向転換、悪く言えばカモフラージュといったような形で事前協議ということを言い出しているわけです。事前協議ということは、申すまでもなく団体交渉の対象にならない事項であるから、これを事前協議にしようということでございまして、当然管理運営に関する事項に相なるわけでございます。ところで今日世にいわゆる一般の事前協議というものは——この合理化計画というものは本来なら管理運営に属し、従って団体交渉の対象にはならないが、それについて立場はいろいろありましょうから、事前に相談をするという体制でございます。もし郵政の場合、あるいは電通合理化の問題、電話の自動化の問題について事前協議というものが論理的に成り立ち得るといたしますならば、これは電通合理化計画、電話の自動化計画というもの自体について事前に相談をする、これが事前協議の本来の正しい姿であろうと思う。しかし現実にこの郵政事業の場合につきましては、電通の合理化あるいは電話の自動化計画は郵政省の計画にあらずして、郵政省とは人格を異にする電電公社の——郵政省自体の計画でないというところに特殊性があることは今さら私が申し上げるまでもないのでございます。そういうことが本来の事前協議であるべきにかかわらず、今回の全逓の主張するところの事前協議というものの内容を見ますと、その根本的な計画について云々するということはやめる、こうおっしゃっておられる。それもけっこうなことであろうと思うのでありますが、その下に属するところの合理化計画の実施の過程において生ずる労働条件の変更というようなことについて、一般的にこれを協約の対象にする——これは団体交渉事項であります。協約の必要も何もない。そういうことについては、郵政省におきましては、実施に伴う通常の意味における労働条件について中央において統一した協約を締結することは異存がないということは、前々から宣明いたしておるところであります。 しかるに全逓の労組の主張いたしておるところの事前協議なるものは、そういう一般的な労働協約締結というものを論外にいたしまして、主として一人々々の配置転換、一人々々の労働条件の変更というものについて——これ一は見方を変えますれば人事権である、あるいは管理権であるという見方ができるわけです。そういうものについて話し甘いが成立しなければ、合理化の推進というものを認めない、こういうような考え方は、そもそも合理化、事前協議制というものをどういうふうに了解しておるか。今いろいろ事前協議制ということが世に議論されておりますが、こういう事前協議を主張しておるところの組合は日本じゅうただの一つもない。従って、もしこれを善意に解釈しないといたしますならば、これは結局なんとかかんとか理屈をくっつけて、口では電話の自動化に反対しないのだと称しながら、実は結果においては、話し合いがつくまでは電話の自動化をやらせないということでございますから、これは一種の合理化反対運動の変形とも見れるという見方もあるわけでございます。そこまでの考え方に必ずしも今日徹底しておるわけではございませんけれども、もし今日真に全逓の諸君が電話の自動化というものに対して、これは必要なんだ、ただ一般の合理化に伴うところの労働条件の変更について危惧の念を持たれると言うならば、まずなすべきことは、全逓の諸君の言われるような事前協議をやることより、実施に伴う通常の意味における労働条件について中央において統一した協約を締結する。これは郵政省も異存がないと言っておるのですから、事前協議にあらずして、これは団体交渉の対象としてやられればいいのです。ところがそういう問題は抜きにして、一人々々のことで話し合しがつかない限りは電話の自動化は反対であるというようなことを言っておるのは、私はどうしても了解することができない。こういうことを言っておる事前協議制は日本じゅうどこへ行ったってございません。また事前協議をそういうふうに解釈しておるところの学説あるいはそういう種のものの考え方というのはどこにもない。まことに奇妙きてれつなる事前協議制というものをもって今日の郵政省は悩まされておるというのが現状でございます。
○森本委員 今の答弁は労働組合に対するふんまんをぶちまけたみたいな答弁で、全く国会答弁になっておらぬ。それは労働組合を相手にして団体交渉するときに言えばいいことであって、あなたがそういたけだかになって言うならば、そういうことは労働組合と団体交渉をやってけんかしておるときに言えばいい。私はそんなことを聞いておるわけじゃないのです。僕の方としては、いかにしてこれを円満におさめるかという根底でもって質問をしておるわけです。あなたの今の答弁はいかにしてけんかをするかという答弁をしておる。全く野党の質問と政府の答弁とは逆なのです。私の方はこういう問題をいかにしてまとめ得るか、どこに妥結点があり得るか、どういうところが根本的に違っておるか、いかにして妥協点を認めて、その妥協点を拡大をしていってこれを円満におさめるか、こういう趣旨において質問をしておるわけだ。それをあなたの方は、そういうことについては今の状況では一切だめだというまっこうからの答弁でありますけれども、私はそういう答弁を一つも要求しておらぬ。あなた今言ったように、全部が全部悪いというようなことを言っておるけれども、組合にしても、おそらく電通の合理化そのものについては反対をしないということはほんとうの考え方だろうと思う。ただし自分の身分に影響して、自分がどこへ行くかわからぬ、自分がいつ首切られるかわからぬ、自分がどこへ配置転換せられるかわからぬ、将来の待遇がどうなるかわからぬというのを、電通の合理化に賛成して一つ協力をせよといったところで、これは無理なんだ。だから、そういう問題について一体どことどこが話が違うのか、話が違うものなら、その違うところをもっともっと接近さしたらどうか、こういうのが私の趣旨なのです。あなたが今のような考え方で労働組合と対決をしてやっておったら、それは実際問題としてまとまるものもまとまらぬよ。もっともっとどこに一体原因があって、どういうことを掘り起こしていって、どうしたら妥協できるかということを考えるべきなんだ、政府当局としては。そういうけんか腰で問題をやるならば、それはもう国会でも組合でもどこにおいても話し合いの余地はない。あなたも国会議員として御承知の通り、国会においてさえ、いろいろな意見が対立をしておっても、話し合いに話し合いを重ねていって、一つの妥協点を見出してやってきておるわけだ。当委員会においても、いろいろ対立する法案もたくさんある。あっても、それは話し合いに話し合いを重ねて、しんぼう強くやってきて一つの到達点に行っておるわけだ。おそらく労働組合だって、あなたが考えておるほど、それほど私は突き詰めて最後まで対決するということでなしに、何かの妥結点の話し合いがあれば、その妥結点を通じて話し合いをしていくということがほんとう、じゃなかろうかと思うわけであります。どうですか、政務次官。あなたはどだい今の組合は話にならぬ。あんなものはけんかをふっかけてつぶしてしまえという考えか、それとも、もう少し対立点をちゃんとほぐしていって、だんだん話し合いを進めていくという誠意があるのか、ないのか。そうじゃなかったら質問したって何にもならぬ。
○森山政府委員 電通合理化の問題について、従来全逓の主張している内容についての一般的な所見を私は今申し上げたわけであります。 それじゃ、一体具体的にどういう点が問題なのかといいますと、電通合理化については、これに伴うすべての労働条件については事前協議、決定した上で実施するということでございますが、すべての労働条件についてというところに問題があるわけです。ですから、先ほども申し上げたように、まず一般的に電通合理化に伴う労働条件の取り扱いについては一応協約を結んだらいいじゃないか。事前協議よりも、団体交渉事項として協約を結ぶように努力したらいいじゃないかということをわれわれは話しているわけでございます。オール・オア・ナッシング、あるいは自分の主張が通らなければ全部ということを言わず、まず一般的な労働条件の中央協約を締結したらどうかということをわれわれは申しておるわけでございますが、そういう意見について、現在組合側は合意をされないという段階にあるわけでございます。 それから合理化計画自体につきましては、先ほどのような特殊性があるわけでございますが、合理化計画に基づく要員計画並びに関係資料の組合への提示を協約上義務化することということをいっておるわけでございます。計画等の提示については、すでに電電公社の計画でございますから、それを組合に示すと申しましても格別協約というものを結ぶ必要はないが、事実問題として組合にお示しすることは一向異存がない。それはそれとして、確認事項というような形でやりましょうということで、これは形式上の問題になっておるということでございます。 それからいろいろなこういう問題について、具体的な協議決定は労使とも地方の下部組織に移譲しようというわけでございますが、中央段階で解決すれば、下部における協議事項はないことになるわけでございますから、そういう必要はないではないか。今いろいろ、五項目ほど問題があるのでございますが、問題として今議論されているのは以上の三点でございます。 われわれの方としては、まずできることからこの問題を解決していったらいいじゃないかということを主張しているわけでありますが、先ほど申し上げましたような特殊の事前協議の考え方をやっておられますために、今のところ、どうしても組合側の了解を得るに至っておらないというわけでございまして、われわれとしては、決してそれはだめだと頭からきめてかかっているわけではない。具体的な回答内容を用意し、またこの回答内容は、今日識者の大多数の方が穏当な内容だといわれるような内容を備えておるのでございますが、何せ特殊な事前協議という形をもって迫ってこられる状況でありますために、われわれとしては、これに対応してどういうふうにして御了解を願えるかというふうに今考えております。ですから、ちょっと見ますと、電通の合理化問題に対する当局の態度はいかにもかたくななような印象を受けるわけでございますが、当局がとっておる態度は非常に柔軟性のある、まただれが見てももっともだという内容を示しておるのでございますけれども、それじゃだめだというふうにがんばってこられるものですから、今のところいかんともいたし方がない。 今森本委員がいろいろ具体的な事例で御質問されましたような点に入りまして、こういう事項については一つ一般的な労働協約を結ぼうじゃないかということで御議論になってこられると、私どももやりいいのでございますが、先ほど申したような点が入口でもって議論を重ねておられまして、ちょっと今の段階はやはり時間がたたないと——組合として言い出された以上、私のようにすっきり割り切って言ってしまえばそれまでのことでありますが、先ほどお話がありましたように、いろいろな経過その他がございますから、今直ちに私どもの主張にすぐうんと言うような段階になかなかなっていないしかし、われわれが今申しましたような回答内容を用意しておるということは、森本委員が言われるように、何でもかんでもだめだから門前払いを食わせちゃえというような考え方は毛頭ないということを示しておるわけでありますので、事前協議制についての全逓側の主張について、一般的にどう考えておるかということは、先に私がお答えした通り。具体的な問題についても、今申し上げましたような弾力性あり、かつ条理兼ね備わった回答を用意しておるわけでありますから、この辺から、さらに森本委員の言われるような具体的な問題に入って論議を進めたいと思うのでございます。どうも入口でもって問答を重ねておりまして、一向に中に入ってくれない。何らかのお考えが組合の方にはあるのではないかというふうな感じすら実は持っておるわけであります。 さらに今申し上げました三点より中の具体的な問題に入りたいと思いまして、それらの問題についても回答を用意しておるのでございますが、従来までの団交においては、その中身の方にまでは議論を深めていくという段階に入っておらないような状況にあるわけでございます。従って郵政省、と申しますよりは森山政務次官は、どうも相手の言うことをぴしゃっとやり過ぎるのじゃないかとおっしゃいますが、そういう御印象を受けたことは遺憾でございますけれども、しかしながら、われわれの意図しておるところは、あなたもおっしゃいましたように、合理化に伴う職員の福祉というものを終始念頭に置いて、この事柄に対処しておるんだということについては、組合同様重大な関心を持っておるということを申し上げたいと思う次第でございます。
○森本委員 言葉つきはだいぶ変わりましたけれども、その基本を流れておる精神というものはあまり変わらないように思う。まあしかしそんなことは別ですが、ただ政務次官に御忠告申し上げておきたいことは、もうこの委員会でも再三私とあなたとは質疑応答をやったことがある。私が突っ込んでずっと質問すれば、あなたも立ち往生する場合がたびたびある。しかし私はそれ以上あえて突っ込んだことはない。大臣にしても政務次官にしても、今知りませんという回答があれば、そのままのがしておる。法案の審議等のときにおいてもしかり。どうしたって私の方が専門家だから、あんたと質疑応答をどんどんやれば絶対負けるつもりはない。しかし私はあえてそういうふうなやり方をとろうとは思わない。そういうことをやはり政務次官は考えなければならぬ。すべて世の中というものは話し合いであって、お互いに譲り合っていくという精神がなければ、どうしたって物事は先に進まない。今政務次官は言葉つきがだいぶ変わったけれども、まだ労働組合をたたきつけてやれという精神がどこか言葉の端々に出てきておることは間違いない事実だ。それはそれで、あんたの考えがそういう考え方とすればやむを得ぬけれども、僕はあんたがそういう考え方だから、どこかであだ討ちしようという、そんなけちな考え方を持って委員会の運営をやろうとは思わないが、しかし私の言おうとする一番の根本は、こういう労使の紛争というものをなるべく円滑に解決をつけたいということ。何も半日ストをやって首切ることが能ではない。そのことによって組合も痛手を受けるかもしれないが、郵政省の郵政業務が麻痺すれば、それによって迷惑をこうむるのは一般の国民だ。その国民が迷惑をこうむることを何とか避けようというふうに、労使がお互いに真剣になっていかなければならぬ。この考え方に基づいて私は言っておるわけであって、あなたの言い分を聞いておると、すべて組合が悪いということだが、組合に譲れというなら、あなたの方もある程度譲って話を前進さしていく、こういうことでなければ、その前進の過程というものは見えてこないわけです。私はあえてこれ以上、この内容についてこまかいことを聞けば、いろいろおもしろいと思うけれども、そういうことは聞かない。聞かないけれども、私が特に政務次官なり大臣に要請をしておきたいと思うことは、そういうふうにお互いが譲り合って団体交渉をして、そうして紛争を円満に解決をつけるという精神をあくまで持ってもらいたい。組合がこうきたからおれの方もこうだということでやっておったんでは、何回話し合いをしたところでまとまらぬ。組合と話し合いをしておって、腹が立って、もうこれで決裂だということであっても、なおかつ政府側としてはもう一ぺん組合と話をしようではないか、こうやって話し合いを申し入れる。そういう場合にはやはり政務次官、大臣が先頭に立って話し合いをすることがあってしかるべきだと思う。一ぺん聞いておきたいと思うが、政務次官、あなたが労働組合と団体交渉をやったことが何回ありますか。
○長田説明員 団体交渉という御質問でございますのでお答え申し上げますが、実は郵政省でも沿革的に交渉委員会を作ってやっておりまして、人事部長が省側の交渉委員会代表になっておりますから、大臣、政務次官は、ときどき会われることはございますけれども、団体交渉という形にはならないわけでございます。
○森本委員 正式の団体交渉じゃなくても、こういう問題について一々人事部長から報告を受けて、けしからぬというて考えるよりは、単刀直入に会うて相手の意見を聞いてみるということも——それは人事部長は優秀な人だから、一字一句間違わずに報告するだろうと思うけれども、これは人間だからわからぬ。やはりそのときの感情によって、えいくそ、腹が立つ、政務次官にこういうふうに報告して、もっとたきつけてやろうという考え方を場合によっては持つかもしらぬ。人事部長はそういう人じゃないけれども……。直接大臣なり政務次官が会えば、やはり組合の意見なりそれぞれの考え方というものを、大臣、政務次官が一番よく知ってくると思う。だから、そういう点においても、なおかつ交渉が決裂したとか、あるいはまたどうにもならぬという場合は、大臣、政務次官の方から逆に組合の方に、一つ交渉をして話し合いをしようじゃないかという申し入れをして、とにかく三十日、三十一日を目標にしての解決のめどをつける、こういう方向に一つ大臣なり政務次官は御努力を願いたい、こう思うのですが、どうですか、その辺は。
○森山政府委員 森本委員の先ほど来のお話のような観点から電通合理化の当面の問題について話し合いをするということなら、われわれは必ずしも異論はございません。そういうことになれば、過般の十七日の一時間職場大会を行なわれる日に徹宵の団体交渉を行なったわけでございますが、もっと議論は煮詰まってこなければならない。ただいま森本委員からお話がありましたような事項について、具体的にもっと話がついていなければならないと思うのでございますけれども、事実は先ほど申し上げましたように、家の中へ入るのに、門のところでの議論ばかりに終始しておりまして、中の問題にまで話はどうしても進まないという状況にあったわけであります。われわれといたしましては、今後電通合理化問題について組合側と話を進めるについて異存はございません。大臣も、先般大臣会見の御要望が組合にあったわけでございますが、すでに十八日の朝の一時間の時間内職場大会が行なわれてしまったあとでもございますし、さらに団体交渉を進めるようにという強い意思表示をされたわけでございますが、不幸にして組合側が団交を打ち切ってしまったという状況でございまして、私どもは人事部長から正式の手続によって、さらに団交を再開するようにということを、むしろ前々から考えておるわけでございます。森本委員からさらに話し合いを進める意図がないかというお話でございますが、われわれは、われわれの方から団交を打ち切った覚えは毛頭ない。組合側の方から団交を打ち切って、われわれの方はむしろ困っておる状況でございますから、ただいま野党の森本委員からの御親切なアドバイスもありますので、あらためて正式の手続によりまして団交の再開を申し入れるというふうに、人事部長の方から、取り計らいたいと思っておる次第でございます。
○森本委員 人事部長から、団交を再開してこまごました問題をやるということもいいけれども、こういう際に一つ大臣の方から、直接大臣と政務次官と二人が、それじゃもう一ぺん組合と会うてみようかということで出ていって、会うてみたらどうですか。
○小金国務大臣 いろいろ条理を尽くされた森本さんの御意見及び御質問の趣旨はよくわかりました。問題は、今、政務次官から、また政府委員からもお答え申し上げました通り、基本は、どこまでも話し合いで円満に片づけていきたい、これは御趣旨の通りなんです。ただ今までの経過から、また御質問、御意見等から、いろいろなものを総合いたしますと、どんな事業でもそうでありますが、特に郵政事業のごときは、信頼関係がなくちゃだめなんです。どんなに給料を出しましても、またどんなに訓戒、訓告をいたしましても、まじめに区分けをして、まじめに配達をしてくれなければ、途中で一分かかるところを三分かけられても、これはしようがないんですから、どうしても信頼関係が大事だ。それには私どもとしては、特に郵政大臣として、部内の従業員に対してはあたたかい親心を持って接しなければいかぬ。同時に、従業員はサービス精神に徹していただかなければならない。ポカ休をどんどん——言葉がよくないかもしれませんし、偶然でありましょうが、その局としてはもう予想外の大ぜいがポカ休をとるとか、あるいはまた遅刻を盛んに——盛んにじゃない、平気で何人もやられるというようなことは、私はやはりサービス精神といいますか、勤務内容の充実において欠けているのじゃないかと思われる節もあります。そこでサービス精神というのは何かと申しますと、私はサービス精神というのは、結局相手方の立場に立ってもらうことだ。郵便を受け取られる人の側に立って考えてもらいたい。そうして一刻も早く正確に届けられることが、私はサービスの徹底化だと思う。これらの問題をやはり心の根元に置かないと、どんなに待遇改善、労働条件をよくいたしましても、郵政事業のごときものは国民の信頼をかち得るわけにいかない、こういう考え方を持っております。条理を尽くされた森本さんの御意見もよくわかります。 そこで今個々の、お前はどの局へ行けとか、あるいはお前はどの職場へ行けというようなことは、なるほどそれはもう労働条件ではなくて、管理運営権であるということも、まあお認めになっておるし、これはまた労働組合の方もそうだろうと思うのです。しかるにもかかわらず、さっきのような、もう全然個々の末端まで、一人でも不服があってはいかぬというような表現もあるものだから、ここで窓口で戸惑ってしまったようなことになった。そこで私は、森本さんのおっしゃったお言葉の中で、過員が生ずる、その過員の配転先の人数ぐらいは、何局は何人くらい、ここは何人くらいという、そこらくらいまでは労働条件として約束してもいいのじゃないかというようなお話でありますが、先ほどの答弁にもありましたけれども、これは私の方でなくて、一応公社というものが計画を立てて配置をいたしますので、直接私の方で割り当てるわけにいかない。しかし、そうかといって、現に私のところの直接の従業員でありますから、その点について、私は今まで全然遺憾の点がなかったとは申し上げかねるんじゃないか、すなわち、もう少し思いやりがあってよかったんじゃないか、こういうような気もいたします。けれども、何局に何人配置するかということは、これは運営管理権になりますので、またそういう解釈もとれるし、そうかといって、今、森本さんの御指摘のように、やはりそれも一つの労働条件じゃないかというお考え、そういう意味も私はかかってくると思う。ここでオーバーラップしたところで、なかなかむずかしい点もございますが、これらの点について、私は郵政省と電電公社とがもう少し突っ込んだ話し合いをいたしまして、具体的な電電公社の計画について、私の方でもそれに対応した一つの考え方、基礎をもちまして、そして大よそのところは電電公社が割り当てる人員であるが、郵政省の方でもそれを承知いたしまして、今度の合理化につきましては、こういうような人員の配置があるということを胸に置きまして——しかし最後の決定権は電電公社でありますから、最後の決定権は別といたしまして、話し合いの過程等におきしては、大体こちらも、できればまあ配置転換の人数ぐらいは知っておきまして、そうして全逓との話し合いに臨むというような心がけはできるだけ努めたいと思っております。 そこでさらに、私先般事務当局に命じましたのは、もう少し郵政省と電電公社との間に突っ込んだ話し合いをしなさい。これをもっとやってもらいたいということを私は命じておきまして、最近連日のように盛んにこれをやっております。今、森本さんの御指摘のように、何もこれで済むわけじゃない。これから多数の電電公社の事業の合理化がございますので、まずそういう電電公社との間の話し合いをして、大よそ何人ぐらいがどうなるかということは郵政省においてもこれを把握いたしまして、そして話し合いの基礎にするというふうな運営をやっていきたい思っております。要するに、電電公社と郵政省との間に、非公式、公式は別として、協議機関を充実させまして、これを新たに設けて至急検討するように私は命令しております。 そこで具体的に、じゃこれからどうするかというようなことを皆さんお考えになると思います。私は今のように事前協議がどうだとか、こうだとか——これは国鉄が自分で事業の合理化をやるのと違いまして、電電公社にやらせておりますから、回りくどいようですが、今のような方法をとります。そして今度、奈良県の下市、上市で、大事には至りませんでしたけれども、ああいうような困る事態が起こりました。労働組合の方では合理化を待てというので、引き延ばすということだろうと思うのです。しかし電電公社の事業の合理化は国民の要望であります。国民へのサービスでありますから、これは規定通りやってもおそいと言われる。また私の方から言えば、それじゃ十八日の職場大会のごときは、何も十八日の午前八時を期して職場大会に突入しないで、しばらく待ってくれないか、話し合いも現にやっているのだからということを言いましても、これも待ってもらえなかったというのが実情でございます。こういうことを繰り返してやることは、あまりおとなのやることじゃないので、なるべく話し合いで進めて参りたい。そういうような段階でございますから、私はこの問題につきまして、全逓というこれもれっきとした有識者の幹部がおられる労働組合でありますし、私自身としても、話し合いを決して避けているわけじゃない。ただ十八日の場合は、今、政務次官も申しました通り、すでにこの事態に飛び込んでしまって、三百十七の局に指令を出して、もう職場大会をやらしてしまったのだということであったから、私はさらに次官及び人事部長にメモを渡しまして、できるならば交渉の糸口を続けて参りまして、打ち切らないように話し合いを続けなさいということを命じたわけなんです。ところが、今、政務次官から申し上げたようないきさつで、一応物別れのような格好になっております。御趣旨もよくわかりましたので、私はいつでも話し合いの機会を作ります。
○森本委員 一つ十分に大臣からも積極的に出て話し合いをやってもらいたい、こう思うわけであります。 それから、今言ったように、たとえば私と労働組合とは全然人格が違うわけでありまして、私の言うことが即労働組合の考え方であると思ってもらったら、これはなんでありますから、その点も断わっておきます。たとえば先ほどの問題についても、どこの局へ三名、五名というようなことについて協約が結ばれる。実際には、本人があっちの局へ行きたいというものを無理にこっち側の局にやるということはあり得ないわけですから、そういう点については団体交渉等の話し合いにおいて十分にカバーできるというふうに、私自身としては私の経験から見た場合に言えるわけであります。ただ労働組合が非常に心配しているのは、その下部末端において、個々の局長に非常に悪い局長が——大ぜいとは言いませんけれども、全国に一万五千も特定局があるわけでありますから、その中には百局や二百局のまれに感情的にやろうというのがおるわけで、たまたまそのまれに感情的にやるというところに巻き込まれちゃたまらぬというのが、おそらく組合側の考え方であって、それで、がんばっておるというふうに私は考える。常識上考えた場合には、B局へ行きたいという者をA局へやって、A局へ行きたいという者をB局へやるということは現実にはあり得ないということは言えるわけだけれども、その例外中の例外というものが今日まであったからこそ、組合側としてもそういう点を考えているのじゃないか。大臣は先ほどいみじくも相手の立場を考えてやらなければならぬということを言いましたけれども、組合がどういうわけでここを一番がんばっておるかということについては、やはりそういう現実の問題に照らし合わせて考えてみたらよくわかってくると思うのです。そこに、相手方の考え方というものを考えると同時に、こっちもこういう考え方だから、こういう点については一つ考え直してくれということを単刀直入に話し合いをするということが私は必要じゃないかと思う。私はあなた方の団体交渉の速記録を見てみたけれども、上っぺらだけで、やっさもっさけんかしておるような気がして仕方がない。今言ったような大事な現実の問題に行き当たった場合にどうなるかという点においてはあまり話をしておらないというような点もあるわけであって、一つもう一ぺん大臣が積極的に出ていって、大綱的に話し合いをして、そうしてそのもとにまた事務当局と話し合いをする。私は大臣がしょっちゅう会えということを言っているわけじゃないのだが、やっぱり二日に一ぺん、三日に一ぺん、時間があればどんどん会って、この間には事務当局がどんどん話を進めていく、それで話し合いが煮詰まり煮詰まりしていかなければならぬわけですから、先ほど大臣の回答にありましたように、積極的に話を進めていこう、こういうお考え方でありますので、ようやくその点だけは了承いたします。 それともう一つは、今度の電通の合理化の問題について一つの収獲であったことは、今の大臣の言明を聞いて——私が前々からこの委員会を通じて追及しておったことは、電電公社との話し合いがほとんどなされていない。今までは郵務当局と電電公社との間において大体荒削りな話し合いがなされてどんどんそれが進んできた。御承知の通り郵政関係の定員配置標準というものと電電公社の定員配置標準というものは違うわけだ。たとえば電電公社で交換要員を組んだ場合には五十人になる、ところが郵政で組んだ場合は三十五人という定員数字が出てくる。大体常識で考えた場合、全然違った定員配置要綱でやっておるものをそのまま移行して、そのうちの六割を電電公社がとって、残りの四割を郵政省がとる、そういうふうな協定で今日までやってきておるところに非常なトラブルが出てきておるわけだ。こういう問題を、根本的に電電公社と郵政省との話し合いをする必要があるということを前から私は言っておったわけでありますが、こういう紛争が起きて、ようやくこの点について本腰を入れて話し合いをしなければならぬということになった点だけでも私は一つの収穫じゃないか、こう思うわけであります。そういう点は大臣のところへ事務当局から報告があっておると思いますが、一時間の職場大会くらいやったところで、実際問題としてはっきり言って郵政業務にそう影響しない。もしそういうふうにどこか大きな影響があったという報告あったとするならばその報告の内容を聞いてみたいと思うけれども、現実の問題として、半日ストでもやれば大ごとだけれども、全国三百何カ所でやって、これがそれほど処分に値するような影響は出てないはずなんです。それは、あなた方もその他のところとのつり合いがあって、処分しなければならぬということで、政務次官、無理やりに処分しようとすればできるけれども、それほど処分に値するような甚大な被害を与えておるとは私は思わぬ。ただ新聞がとにかく一時間スト、一時間ストというふうに書いておるだけであって、現実に一時間やって大きな障害になったということがあるとするならば、私はその問題にお目にかかりたい。そういうものはそれほどないと思う。半日ストをやれば、これは相当混乱するということは私も考えられるけれども、今までのことでそれほど処分に値するようなことは出ない。ただこれは、こらしめのために、見せしめのために厳重な処分をしなければならぬ、首を切らなければならぬということになればこれは別だけれども、首切りに値するようなそれほどの影響はない。影響はないと言うと、労働組合は怒るかもしれないけれども、現実の問題としてはない、こう考えるわけであります。 いずれにしても、先ほど申しました電電公社と郵政省との話し合いの問題でありますが、もう一つ申し上げておきたいと思いますことは、郵政省は電電公社から委託を受けておりますので、おれのところはもう委託してあるやつをやめた、こういうことになれば、今までのやり方が全部電電公社の方が指導権を握っておるわけですから、郵政省の委託関係というものは、それはちょっと困る、待ってくれと言っても、おれのところは委託しているのだからこれは引き揚げるのだ、こう言えば仕方がないということで、今日まで郵政省は黙っておった経験がある。しかしこれは郵政省は郵政省としての考え方があると思う。郵政省の考え方からしてこれはこうやってもらっては困るということを、きぜんとして言うべき点があるのじゃないかと思う。たとえば今の集中合併の問題についても、市内集中の問題についても、これを段階的にああいうふうにやるのがいいのか、あるいは一ぺんに自動化するのがいいかということについては、やっぱり郵政省としても意見があると思う。そういう意見は全然郵政省から電電公社に出てこない。今までの委託業務の運営については全部電電公社のやり方の通りになっている。これは明らかに郵政省にも委託業務を受けてやっておるところの権限があるわけでありますから、それほど電電公社が言うなら、委託業務は全部電電公社に戻せばいい。それで経営ができるものか電電公社にやらしてみればいい。そこがやっぱり電電公社と郵政省との話し合いです。それを何か郵政省は、委託されているものを戻してくれということなら、戻さなければ仕方がないという考え方に立っているわけです。これは郵政省としても郵政省の人員の配置とか、本年度の定員の削減、そういう観点から意見があるはずなんです。そういう意見をどしどし出して、遠慮なしに電電公社との話し合いをして、その話し合いがつかなければ、これは電電公社にやらさぬ。こういうふうにやらぬと、委託業務に従事しておるところの従業員というものはどこに行っていいか全くわからぬ。こういうことで右往左往するというのが現状なんです。 早い話が、私の選挙区なんかにおいて、これは特に私が自動化をやれということで、電電公社に圧力をかけて、三十七年の十月から、まだ二年くらいあるから大丈夫だと思ってやらせたわけだが、そういう局が二、三局ある。そういうものによる配置転換の及ぶ局員というものは相当数出てくる。しかし、それまでには労働協約も結ばれて自然円満にいくだろうと思って、三十七年の十月ということにしてあるけれども、そういう場合でも、郵政省側の意見をかなり入れた形においてやらしておるわけです。はっきり言うと、私の選挙区だから、とんでもないことになると困るので、十分にそういう点は考慮して、あらゆる観点から見てそれを三十七年からやれ、やろうというふうな格好になっておるわけであって、そういう点については具体的にこうなるという内容を局員に詳しく説明してやって、一年半くらい前から心の準備をしておけば、ある程度納得がいくわけです。そういうところにあまり意見が出てこないということは、森本さんに聞けば大体わかる。おれはどこに行くということが大体納得ができる。ここが明らかになってくると、不安動揺がない。その不安動揺がないために、事前にこういうことの協約を結んでそういう内容を明らかにしてもらえば、従業員としてもある程度協力ができる。それがためにこういう協約を結ぼうということを全逓が言っていると思う。 だから、そういう点を、政務次官のさっきの話でも、全逓という組合は何かというと自動化をやらさぬ、合理化絶対反対、それがためにしゃにむに闘争しておるというふうに頭の中で誤解をしておる。その点、実際問題として政務次官の頭の切りかえをせなければいかぬ。だから、そういう労働条件の問題がすべて解決がつくなら、全逓はこの合理化に何らまっこうから反対するものではないと私は思う。そういう点を十分お考えの上、そういう何が労働条件で、何が管理運営事項であるというようなこまかいことは、あなた方がそれぞれ交渉してもらってけっこうだが、とにかく私は要するに郵政省側もあまり色めがねで見ずに、単刀直入にこの困っておる現状を見て、いわゆる電通の合理化問題が円満にいけるように、従業員が安心をして納得をしてこの合理化に協力でき得るような労働協約を結ぶという点に全精力を傾注してもらいたい。それがためには、先ほど言いましたように、大臣としても一つ十分にこの話し合いには何回でも応ずる、その間には事務当局が話し合いを進めていく、こういう態勢を一つとって、石田労働大臣がやっておる賃金問題において、不幸にして公労協が突っ込むということになれば別問題でありますけれども、郵政省独特の問題においてそういうふうな突っ込むということのゆめゆめないように、一つ大臣、政務次官、事務当局あげてこの解決に努力をしてもらいたい、こういうことを私は要望しておきまして、先ほど大臣が言いましたように、今後大いに組合との話合いに応ずるということを一応了承いたしまして、本日の私の質問を終わります。
○小金国務大臣 大へん参考になる御意見を聞かしていただきまして、これを大いに私活用いたしたいと思います。私、今申し上げた通り、労働組合と会うことは少しもいとっておりません。ただ私の方の代表者の人事部長が会って、その報告によりますと、どうも私が会ってどうのこうのと言う余地もないような状態であったから、もう一ぺん会いなさいということを私が命じて、そのままあと味の悪いような物別れみたいな状態になっておるそうでありますが、まずその責任者である人事部長にさっそく会わせるようにいたしますから、御了承願います。
○森本委員 私の言っておるのは、政務次官がよけいな心配をせぬでもいいのだ。そういう技術的な問題を僕は言っておるわけではないのだ。要するに、事務当局と話し合いをやって、その話し合いが決裂してどうにもならぬ、それじゃ政治家として大臣が行って会おうかということで、それでいかなければまた事務当局が話し合いをする。また場合によっては大臣が二日後に会う、そういうふうな一つの政治家的なセンスを持って会ってもらいたいということであって、今どうのこうのということを言っておるわけでない。私の趣旨が了とせられるなら、大臣が会ったって、別に政務次官が心配する必要はないのだ。どうですか、政務次官、横から妙なことを言っておるが……。
○森山政府委員 横から妙なことを言ったのではないのであります。ただ組合側が一方的に団交を打ち切っておりますから、それでは困るので、われわれの方は、やはり事務的にも団交の再開を求めて、そして御趣旨のようなお話し合いを軌道に乗せていきませんと、大臣との話し合いだけで片がつくものではございませんから、やはり少なくとも全逓として一方で打ち切ったものをまず開いてもらうということを了承してもらいませんと非常に困るのであります。大臣というのは郵政省を代表しておるわけでありますから、大臣が会われる前に、やはり事務当局としてある程度話を煮詰めてとも思いますし、また今お説の通りに、行き詰まっておるならそれを打開するためにということで、少なくとも事務的な折衝は継続していく態勢のもとでなければ、現段階においてはいかがかと思っておるわけであります。御趣旨の線には基本的にははずれておらぬと思いますが、しかし結果的にいいまして、ただ大臣との面会というだけの形で動いてはいかがか。われわれの方は、事務的にも団交を再開するということで、それに従ってまた大臣が顔を出されて問題点を検討する、こういうことで双方相進めていきませんと、事をうまくまとめていくことについて成果を期しがたい、こう思った次第でございます。どうぞその点を御了承願いたいと思います。
○森本委員 念を押すようだけれども、あなたの言うのは、あなた方の考え方としては筋だと思う。ただそういう筋だ、骨だということを言っておったのでは間に合わぬ場合があるので、そういう場合には政治家的に頭を働かして——あなたも事務的な行政家ではないので、やっぱり政治家の一人なんだから、政治的センスを働かせて、事務当局も話し合いをするし、また大臣も積極的に出ていって、それならおれも一つ聞いてみようじゃないかということで話をしたらどうかということです。僕は小むずかしい理屈を言っておるわけじゃない。行き詰まっておって、若干組合の面子があれば、なるべく解決をつけ得るという方向に、やはり大臣が出ていって、じゃおれが会うてみようということで会うて、あとの話は事務当局でやれ、こうやったっていいじゃないか、こういうことなんです。これはあなた、それでいいでしょう。どうですか。
○森山政府委員 私は決して事務的に申し上げておるわけじゃない。政治的感覚をもって、先ほど来の発言をしておるわけでありますから、一つ……。
○森本委員 政務次官の政治的発言でけっこうだけれども、事務当局がもう一ぺんやって、きちんとしなければ会わないとか、会うというようなことではなくて、やっぱり大臣に組合が会見を申し込んできたら、そのことによってすぐ解決がつくとか何とかいうことじゃないが、一応今の段階ではどうなっているかということで、組合側の意見も聞いてみる、それで行き詰まうたら、また事務当局と話をしてみる、こういうことでやったらいいだろうと思うのです。
○森山政府委員 だから、団交を再開してもらうということです。
○森本委員 団交再開で、五分くらいやって大臣に移る場合もあろうし、一分やって大臣に移る場合もあろう。そういう事務的な、手続的な問題は抜きにして、重要なときは大臣がぽんと出ていって、向こうも大臣と会って話をしたいというなら、話をしたらどうかこういうことです。いいでしょう。
○森山政府委員 先ほど申し上げた通りであります。
○森本委員 大臣いいですか。
○小金国務大臣 ええ、よろしゅうございます。 ————◇—————
○山手委員長 次に、郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。大上司君。
○大上委員 ただいま議題になっております件について、二、三お尋ねしたいと思います。 本法案の提案理由を見せてもらいますのに、定期郵便貯金制度を新たに設けることにより、預金者の利便をはかる、まず一項、こう出ております。ついで、あわせて金利水準の低下に伴い、郵便貯金の利率を引き下げる云々。そこで私が疑念を抱きますのは、提案理由としては潜在的に二つの問題があるが、新たに設けることは、一応預金者の便利をはかるということではあるけれども、逆な面として金利を下げるのだ。そうなりますと、便利と、それから金利を引き下げるということで、どうも提案理由の説明の納得に苦しむのですが、その点はいかがなものでございますか。
○大塚政府委員 お答え申し上げます。提案理由に、まず最初に定期貯金の創設について申し上げまして、あわせて金利の低下をはかるというふうなことでございますが、法案の内容自体を申し上げますと、金利の低下ということが大きな部分を占めております。しかし私どもの考え方といたしましては、あくまで郵便貯金法は利用者の便利をはかるのだという観念をまず第一に置いておりますので、そういう観点から、定期貯金の創設ということをまず最初に理由にあげまして、次に利率の引き下げをうたったというわけでございます。
○大上委員 どうもわかったようで、わからぬのですが、定期貯金は、大体国民の観念的というか、感情的というかある程度普通の預貯金に比べてやや高金利だ、利息が高いのだということによって、一定期間の預け入れをする。その間は引き出さない。この法案にもはっきりしておりますように、第四号に「定期郵便貯金」として、「一定の預入期間を定め、その期間内には払いもどしをしない条件で一定の金額を一時に預入するもの」とある。これは普通の、今私の申した観念の通りだと思います。そこで、金利が高いのだから預けるのですが、どのような具体的な便利が生まれてくるのですか。
○大塚政府委員 定期貯金を作る便利な問題といたしましては、一つは、やはり利率が定額貯金に比べて高くなるということでございます。定額貯金につきましては、今回の引き下げによって、一年預けておった定額貯金の利率は四分七厘ということになります。従いまして少し低くなるので、一つはそれを救済するという意味もありまして、一年定期について五分という利率の定期貯金制度を設けた。従って、一年程度据え置きできるという目安のついた貯金につきましては、この一年定期を利用する方が、郵便貯金としては最も有利な貯金だということになるわけでございます。
○大上委員 ではその理論に基づいて、今日の通貨の流通量から見て、いわゆる本定期貯金の制度が新設せられて、どの程度の預金者が集まるか、そしてこの裏づけとして、どの程度の金額になるのか、さらにこの新しい定期貯金の制度によって、いわゆる郵便預貯金がある程度圧迫——という言葉はおかしいかもしれませんが、伸びが縮んでいくのじゃないか、この点の関連性をお尋ねいたします。
○大塚政府委員 一年制の定期貯金を作った結果、どの程度の貯金が集まるかという問題でございます。これは郵便貯金としては全然新しい制度でございますので、なかなか見通しがむずかしいのでございますが、私どもは今回の定額貯金の利下げによりまして、定額貯金の方が減った部分程度のカバーは、この一年制定貯金期によってできるのではなかろうかというふうに考えております。額で申し上げますと、大体定額貯金の一割五分程度が減少するのじゃないかというふうな見通しを持っておりますので、それに当たる程度の部分くらいは、一年制定期を集め得るというふうに、一応予想いたしておるわけでございます。
○大上委員 いろいろ新制度もできますが、そういたしますと、その基本的観念に基づいて、昭和三十五年度の郵便預貯金の伸びがどうか。それから増加がどうか。もうやがて締めくくりができると思います。そこでそれに基づいて——このたびの貯金金利の引き下げは、国民はあらゆる方法で知っている。たとえばNHKのテレビでやったとか、新聞に書かれたとか等々から、見て、どのような影響が生まれておりますか。従ってこのはね返りが、いわゆる今度新たに設けんとする定期貯金の方へうんと流れていきはしないかというような考え方がふっと浮かんだのですが、その点はいかがですか。
○大塚政府委員 今回の郵便貯金の利下げが発表になりましてから、郵便貯金の伸び方に相当の変調が現われてきております。一月までは大体順調な伸び方をいたしておりましたのが、二月になりまして、昨年と比較しまして——昨年は二月に十七億黒字を出しておりましたのが、本年は七十九億の赤字、従って、差引いたしますと、昨年に比べて二月だけで九十六億の減少というような状況でございます。三月に入りましても、二十日までの状況を見ますと、昨年は二十九億の赤字であったものが、本年はすでに六十四億の赤字を出しております。従って、昨年よりも三十五億程度の赤字の増加というような傾向でございます。これはいろいろ原因がございまして、公社債投資信託の創設あるいは利下げの影響、どちらの影響が大きいのかというような点がなかなか判断のむずかしい問題でございますが、いずれにいたしましても、利下げの影響も相当あるということは否定できないのではないかというふうに考えておるわけでございます。こういう状況がいつまで続くかということは、なかなか見通しが困難でございますが、私どもとしまして、やがてほかの預金金利、あるいは公社債の発行条件というものの均衡のとれた下げ方が行なわれますと、こうした影響も消えていくのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。その間、今度作ります一年制の定期預金というものが少しでもこの減少をカバーしてくれる、この二月以来の減り方を全部直ちにカバーをするかということになると、なかなか予想以上の減り方でございますので、むずかしいと思いますが、一年間程度の期間を限って見ますと、大体定額の減り方を一年制定期でカバーできるのじゃなかろうか、また、そうしたいというふうに考えておる次第でございます。
○大上委員 大臣にお尋ねします。ただいま事務当局からこれに対する赤字その他の説明がありましたが、これはひっきょう、ずっと見詰めていきますと、例の資金運用部資金または産業投融資等々の原資に振り向ける点が非常に減ってきやせぬ。こういう面から見て、郵政当局としては、新しく設けんとするこの定期の郵便貯金制度にどのような具体的な心がまえで臨み、どのようにして、ただいま事務当局から話があった赤字を克服せんとせられますか、大臣の心がまえをお尋ねします。
○小金国務大臣 大へん大事な問題でございまして、今大塚局長から申し上げましたように、まず郵便貯金が昨年に比べると二月、三月は相当大幅に減少しております。その原因は、一月の終わり、いち早く郵便貯金の利息が引き下げられる、すなわち、これが現政府の低金利政策、国際金利へのさや寄せというようなことによりまして、まず官営の預貯金機関である郵便貯金について決定したわけであります。これは私の承知しておるところでは、一般銀行の預金も相当激減しておるのではないか、たしか六百億減ったとかなんとかいう数字も聞きましたが、大へんに貯金、預金が減少した現実の姿がございます。これは昨年の当該の月に比べてそれだけ減っております。その原因は那辺にあるか。これは金利の引き下げも影響しておるだろうし、また、もう一つは、新しい国民の貯蓄の道、投資信託ですか、あるいはオープンなんとかというようなものが非常な勢いで今発展いたしておりますから、経済の伸びと、それからまた一部の好奇心を かり立てて、そちらにお金が回っておるのではないかと思っております。それから、この際一年の定期預金——定期の郵便貯金を始めるということは、今、大塚局長が申し上げた通りに、これが定額の郵便貯金の減りをある程度までカバーして、もっと特別の、独特の効果を発揮させたい。それには、何といっても、こういう新しい種類の貯金ができたということを知らせなければいけないので、この周知方についても全力をあげるつもりでおります。 もう一つは、定額貯金の利率は、この際金利を引き下げてもなお十年間は保証するということになっておりますから、あわててこれを引き出したりなにかしない。また、三月三十一日と申しますか、四月一日まで、すなわち、この法律が施行されるときまでに預けられた貯金は従前の例による利率でございますが、そこらの点がなかなか周知できないではないか。これを周知させて、できるだけ今、大上先生のおっしゃったような——郵便貯金は財政投融資の貴重な原資でございまして、地方にも還元されるし、また国家的な財政投融資に使われる大事なものでありますから、この旧利率による分と新しい一年定期の効用等を全力をあげて周知させて、そうして、全国くまなくございます郵便局の窓口で、こういう資金を国民の貯金というような形で吸収して参りたいと思っております。
○大上委員 大体了承しましたが、次いでお尋ねしたいと思います。今から五、六年前と思いますが、この郵便貯金等の宣伝において相当活発にやったところ、大蔵委員会において、郵政当局の預貯金の集め方、宣伝あるいは。パンフレット等は少し行き過ぎではないかというような質問のあったことが記憶にございます。だが、ごらんの通り、国民的な考えからいえば、なるほど普通の銀行はわれわれと違った立場の人が行くのだ、行きやすいようになっておっても、なかなかむずかしいのだ、郵便局こそわれわれがほんとうに依存する金融機関だ、このように庶民階級には、われわれの選挙区の方でも観念的に強く植えつけられております。ところが、今申しました宣伝というか、PRというか、こういうようないい方法ができたとよしや仮定しても、知らぬ人が非常に多い。これをどういうようにして推進なさるか。また大蔵委員で、かつてのように摩擦を生じないような方向でおいきになるのか、この制度を進めるについてどういう案をお持ちか、具体的にお示し願いたいと思います。
○大塚政府委員 五、六年前に宣伝について摩擦を生じたということを実は私詳しく存じませんが、普通の宣伝でございますれば、幾ら宣伝をいたしましても問題になりませんが、ただ、他の貯蓄機関の悪口といいますか、不利な点とか、あるいは他との比較をあまり露骨にするというようなことにつきましては、お互いに金融機関として慎むべきことだというような点から、問題があったのじゃなかろうかというふうに考えております。従いまして、今度の一年制定期預金を私どもが幾ら宣伝いたしましても、それがそういった点に触れない限りにおいては、問題になるおそれはないというふうに考えておりますので、従来の周知方法でありますビラとか、あるいはチラシ等によるもの、あるいは局内の掲示、あるいは局前の掲示、場合によりましてはラジオ、テレビ等をも使いまして、こういうものの宣伝をいたしていきたいというふうに考えております。
○大上委員 最後にお尋ねしたいと思います。この郵便貯金の金利の引き下げにおいて、いわゆる郵便貯金とそれから銀行預金、あるいは現在はやっておりまする投資信託等の利回りから見て、それぞれある一定の基準を持つべきものであろうとは思いますが、はたして、こういう問題から不均衡を生じて、国民のいわゆる貯金心理というか、貯金も、いろいろ実際余った金を預ける、老後のためのものもあろうし、あるいは便宜的に次に使いたいのだから、一応ちょっと入れておこうかというような立場もあると思います。そこで、この不均衡が生ずることによって——経済的な情勢の変化あるいは変動というものはおのずからはっきりわかっておる。そこでこの不均衡という問題について、特に大臣のお考えを承って、私の質問を打ち切りたいと思います。
○小金国務大臣 お尋ねの点はごもっともでございまして、私ども事前に大蔵省とも、また私自身大蔵大臣とも折衝いたしまして、十分均衡のとれるという見通しがつきましたので、その点は御心配はないと思います。
○山手委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明二十四日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとして、これにて散会いたします。 午後零時三十二分散会