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38回国会衆議院1961/05/16

地方行政委員会 第30号

発言数
147
登壇者
11
会派数
2
開催日
1961/05/16

会議録

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 これより会議を開きます。  市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案及び地方公営企業法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので順次これを許します。野口忠夫君。

野口忠夫日本社会党

○野口委員 市町村の職長共済組合法につきましては、今回の改正案で大体他の公務員、地方公共団体問における調整というようなことがだいぶ行なわれたように思うのです。非常にむずかしい点があるかとは思うのですけれども、一つお聞きしたいと思うのです。  この法案が成立した昭和二十九年のときには附帯決議がついているわけです。本院議員の切なる考え方として、この決議の線に沿うて一つやってくれという付帯決議がつけられているわけですが、その付帯決議の第一番目にあげられているのがこういう特殊の団体や、特に限られた団体というようなことを取り上げてやる社会保障的な問題ではなくて、社会保障制度という全般的な、全国民的な形の上において、こういう社会保障制度というものが考えられていくべきではないか、そういう点では現行国民健康保険組合というようなものを充実し発展させることが最も望ましいことなんだ。そして地域における住民のすべてに国あるいは地方公共団体が、恵まれない人たちのためにあたたかい手を差し伸べてやるとしうような精神に立ってこういうものは作られるべきではないか。こういうお考えであったわけですか、それに対して自治省当局の見解としては、そういうあるべき姿は当然である、私たちはそういうあるべき姿に持っていく考え方でいるのだ。こういうお話であったのですが、何分地方におけるそういう社会保障制度の本質的な発展というようなことは、言うことは簡単であっても、これに対する財源的な裏打ちというものがないと、これはどうしてもできないわけで、現に健康保険組合の方では、国保の方ではそういう点でまことに伸び悩みになっておる。そういう点もあわせ兼ねて、現在はこういうふうに特定の団体のことをやっていくけれども、ゆくゆくはそうした趣旨に従ってやっていきたいのだとお答えがあり、附帯決議がつけられたようでございます。非常にむずかしい問題だけれども、やはり私たちは一つの理想を考えて、あるべき姿に向かって努力する行政的な措置がほしいと思うわけでありまして、二十九年から現在まで五年間経過しておるわけでありますが、そうした面についてどのような御努力を今まで払われてきたか、現在どういうふうにやられておるか、こういうものについて一つ伺いたいと思います。

今枝信雄自治事務官(行政局公務員課長)

○今枝説明員 ただいま御質問がございましたが、市町村職員共済組合法の制定当時におきましても、社会保障制度としての医療保障をどのような形で行なうかということについて、確かに議論のあったことは御指摘の通りでございます。現在市町村職員共済組合法に基づいて設けられました市町村職員共済組合が実施しております事業は、年金の給付を中心にいたしました長期給付と、医療給付を中心といたしました短期給付の二つの事業をやっておることは御案内の通りでございますが、そのうち年金については、民間企業については一般的に広く厚生年金保険法がございますし、後になって国民年金法ができたわけでございます。短期給付については、ただいま御指摘になりましたように、健康保険法に基づく健康保険組合、あるいは政府管掌の健康保険組合、それから国民健康保険組合、このような形で医療保障を中心にした短期給付を行っているわけでございます。この市町村職員について共済組合という特殊の保険団体を作りましたのは、国家公務員について、公務員の特殊性に基づいて共済組合制度を設けることが適当であるという判断のもとで、国家公務員についてそういう制度がとられておりますのに準じて、地方公務員についても同じような建前をとったわけでございます。従いまして、将来社会保証制度をどのように統合していくかということについては、現在社会保障制度審議会において根本的な検討を進められておりますので、いずれ近い機会にはそのような将来に向かっての理想的な社会保障のあり方が示されるものだと思っております。現段階における問題は、市町村職員共済組合において行なわれておる保障の制度が他の制度とバランスがとれているかどうか、こういう点でございますが、この点は、短期給付につきましては健康保険の事業を代行するような格好になっておりますので、今回の改正案におきましても、健康保険法が別途今国会で改正案を提案しているのに合わせまして、保育手当金、それから分べん費については健康保険法の最低基準に合わせるような改正も行なっておるような次第でございます。健康保険法に基づく給付に決して劣らないというふうな考え方に立っておるわけでございます。また国家公務員の共済組合には短期給付の附加給付制度がございますので、市町村職長共済組合法の今回の改正案につきましても、短期給付の附加給付制度を設けるよう、こういうふうな改正案を御提案申し上げておるわけでございまして、このようにして他の諸制度との間に不均衡のないように、逐次改善を加えて参っておるわけでございます。

野口忠夫日本社会党

○野口委員 そのつどそのつど、何か問題があったときに、それをばんそうこうを張っていくような形においてやっていくというあり方について、附帯決議の本質的な問題があったわけであると思うのです。そういうことで今度市町村の共済組合が健康保険組合から移ってくる際には、附則によって非 に有利に持っていこう、下げることはなくしたい、なるべく上がったままにしておきたい、他のものとの比較の中においてそういうことをやっていきたいということ、恵まれなかった市町村職員のためにそういう社会保障制度を充実しようとしたその趣旨はみんなわかっている。そういうことばかりやっていることが、こういう社会保障制度の根本的な問題であるかどうか、やはりもっと社会保障制度というものを本質的なところから、国も地方公共団体も十分財源措置を講じながら、日の当たらない人たちのためにあたたかい手を伸べていくべきではないか、こういう本質的な問題について考えてくれろということが附帯決議の精神であったと思うわけでございます。  そういう点では、ただいまのお話では、今やっておる最中だ、こういうお話でございますけれども、そういう精神からいうても、さっそく問題になってくるのは公務員の一本化の問題であろうと思う。これが従来までは共済組合で、今回の改正措置等によって大へんよくなってきておりますけれども、従来まで市町村の職員はそういう点ではまことに不遇であった。他の国家公務員、地方公務員に比較して、同じ市町村の職員である学校職員、警察職員等と比べて、まことに恵まれない不遇の地位にあった。その不遇な地位というものは、現在でもあまり改善された面はそう見られないのではないか。この前は定員の問題で御質問申し上げましたけれども、財源的に不足という理由によって、非常に大事な公務を与えられながら、今日非常に低給な中で、身分の不安な中で市町村の末端業務に従事しているわけであります。そのことは、何かこう役場の方というのは、ちょっとまだ雇い人的なものではないかという気持すら持たれるような状態の中で行なわれているわけです。そういう恵まれなかった市町村の職員組合ができて、一応の共済的な姿が出て参りましたけれども、これがさらに全国の公務員が平等に一本化した中で共済措置が行なわれるというようなことについて、今その仕事が進められつつあるように私は聞くわけでございますが、現在のところ、それについての進行状況、どのような工合になっているということについて、もしおありでしたらお聞きしたい。

藤井貞夫自治事務官(行政局長)

○藤井(貞)政府委員 御趣旨の点につきましては、私たちといたしましても同感でございます。市町村の職員は、従来いろいろな事情もあったと思いますけれども、一般の国家公務員なり府県の職員に比較いたしまして比較的恵まれない待遇に甘んぜざるを得なかったという点はお話の通りでございます。その根本は、共済制度ということもございますけれども、さらには給与制度そのものの運用というようなことにもその原因があったと思うのであります。給与の問題につきましては、一昨年あたりから、われわれといたしましても、本格的にこの改善をはかりたいということで、随時指導を強化して漸次軌道に乗せている段階でありますが、従来の沿革等もございまして、これを急に一ぺんに改善し、理想の形まで持って参るということもなかなかむずかしいわけでございますけれども、しかし私たちといたしましては、当局の心がまえというものについて改善を加えて、歩一歩理想の形に近づけていくという方面の努力を今後も一つ大いにやっていきたいと考えている次第でございます。  なお共済制度につきましては、今お話のございましたように、地方公務員を打って一丸とする新退職年金制度というものを早急に実施しなければならぬということで、私たち、事務的には今まで準備を進めて参ったのであります。すでに地方制度調査会からも答申が出ておりまして、その答申に沿ってやってきておったのでございますけれども、遺憾ながら給付費に関する国庫負担金の問題につきまして、予算折衝の過程において実は話し合いがつかなかったのであります。私たちといたしましては、一本にいたしました新退職年金制度を確立する際には、これはやはり国家の行ないます社会保障制度の一環であるというふうに考えておるのでありまして、まさしくそうあるべきものではないかと思っております。といたしますれば、やはり社会保険として確立されるためには、国の責任というものを財源的には明確にしてもらう必要があるのではないかということから、給付費につきましては、国家公務員並みに一割の負担をしてもらいたい、事務費についても全額国が補助してもらいたい、そういう建前で予算折衝をやっておったのでありますが、国庫財政の問題その他諸般の原因がございまして、遺憾ながら今度の予算編成には実は間に合わなかったのであります。ただ事務的には法案その他もすでに準備が整っております。先般の予算編成時におきましても、一年間の猶予期間を置いて検討して、来年度からはぜひこれを実施に移すという申し合わせに相なっておりますので、われわれといたしましては、その方向に沿って今後も努力をいたしまして、一日も早く地方公務員を打って一丸といたしまする同じレベルに立つ新たなる退職年金制度を確立いたしたい、かように考えている次第であります。

野口忠夫日本社会党

○野口委員 大へん御努力になっているようなお話でございますが、問題は国の負担ということです。この負担の考え方でございますけれども、一応地方財政を豊かにしていくという立場からいえば、国との関係は地方公共団体といっても関係はするわけでありますけれども、やはり地方自治の本旨に従って、健全な地方自治の自主性の中でみずからがみずからを一つやっていこうという立場に立っている一つの共済制度として考えていくとすれば、地方公共団体としても、その点では、その共済組合に対する特段の財源的な措置というようなものを進めていくことも必要ではないかと思うのです。国ということも大事ですが、国ばかりにたよって、それがだめだったから下の方はかまわないでおくのだということであっては、自治省という地方自治団体にとっては最高の機関がそういう立場では困る。地方公共団体のやはり自治の本旨の精神に従って、お前たち一つこういうふうに共済制度を拡充していくぞ、これはこのようなことをやったらどうかというような案もやはりお作りになる必要があるのじゃないかというように考えます。これは要望みたいなことになりますか。  次に財政の問題ですが、共済組合を運営していくための財政的な問題が、これまたこの前の審議のときに職員の掛金あるいは市町村の負担等が過重になって、結局は健康保険組合のようにやりきれなくなっていくのではないだろうか、こうもしたい、ああもしたいというようなことがあっても、やりきれなくなってくる。それをやっていく中では、結局財源的に押えつけて、ここまでやりたいと思うけれども、やれないでいくというふうなことにおさまっていくのじゃないか。無理をしてやっていくと負担が多くなっていくということが心配されるというようなことが御質問等にあったようでございましたが、それについては十分善処してそういうことのないようにやっていく。交付税等においてこれを見ることによってやって、そういうことは起こらないだろうということがあったわけですが、その間に五年たったわけですが、そうした面についてどのようであったか一つお聞きしたいのですが、大体現在の共済組合の組合員数、市町村共済組合の員数とその掛金の全国的なトータルといいますか、あるいは市町村の負担金の全国的な平均、それとあわせて現在までの財政の中で行なわれてきた事業運営とそれに対する財政との関係をお話し願いたい、こう思うわけです。

藤井貞夫自治事務官(行政局長)

○藤井(貞)政府委員 第一点の問題でございますが、先刻国庫負担のことを申し上げましたのは、実は御承知のように年金制度を運営いたして参りまする際には、長期にわたる見通しをつけまして、いわゆる保険数理の原則に立った財源計算をいたすわけでありますが、その場合に所要財源というものをかりに一〇〇といたしますると、その中で一〇%、一割は国で持ってもらいたい、あとの九〇というものは折半負担になる。公共団体とそれから職員が負担をする、こういう建前で進んでおるのであります。その場合に、私たち先刻申し上げましたのは、その一割分については国の責任を明確にするために国庫の負担をしてもらいたいということを申し上げておるのであります。あとの九〇の半分、すなわち四五%に当たりますものにつきましては、御指摘になりましたように、当然従来よりもこれは負担率が増加をして参ります。その増加いたしまする分については、財政計画その他について、これは十分の手当をするという建前で本年度も実は準備をいたしたのでありますが、国庫負担という筋が通らなかたためにこれを見送らざるを得なかたということでございます。来年度実施いたしまするためには、この所要の地方団体体が負担しなければならない八月については、当然これは財政計画上、あるいは交付税上の措置をしていくということは御指摘の方針に沿ってやりたいと思っております。  それから第二の点につきましては、発足いたしまして以来、共済組合の運営自体につきましては特段の問題が実は生じておるようにはわれわれは聞いておらないのであります。むろんもう少しやりたいこともあるというような点で、それが財源等の不足のために十分できないというような点もございましょう。しかし、これはやはり社会保障の一環といたしまして、他の各種の健康保険なりあるいは国家公務員の共済組合というものの給付の内容ともあわせて考えて参らぬばなりませんので、その点おのずから限界があることは事実でございます。ただ市町村の場合は、先刻もお話が出ておりましたように、給与自体が非常に低いということから、財政運営上十分なことができない余地というものは他の場合よりも強いことは事実でございます。ただ最近累次にわたって給与ベースの改定もございましたし、また国家公務員の給与改定に伴いまして相当程度われわれも強力に指導いたしまして、給与改善という道も徐々に行なわれておりまするために、その方から財源というものもだんだんと充実されてきているという点もございます。むしろ短期給付等につきましては、掛金あるいは町村の負担金が不必要に高く取り過ぎているところもあるのではないか。と申すのは、組合の財源の決算上を見ますと、かなりの剰余金が出ておる。それは給付すべきものを十分給付しておらないという運用のまずさというものがあるのかもしれません。そういう面もあるのかもしれませんが、十分一通りのことをやっておって、なお財源が余っておるというようなところもあるようでございまして、そういう面につきましては掛金を下げろというような指導もあわせて行なっている実情でございますので、その点あわせてお含みを願いたいと思います。  組合員の数その他につきましては、公務員課長から御答弁いたします。

今枝信雄自治事務官(行政局公務員課長)

○今枝説明員 市町村職員共済組合の組合員数あるいは経理の概況を御説明申し上げたいと思います。  まず組合員数でございますが、市町村職員共済組合は、御案内の通り甲種組合員、乙種組合員、丙種組合員、丁種組合員と四種類に分かれております。甲種組合員は短期給付と長期給付、両方の適用を受けておる者でございます。乙種組合員は短期給付のみでございまして、長期給付は恩給組合の条例の適用を受けております。それから丙種は、甲種組合員がやめまして継続をして年金無限に達するまで継続をする、そういう例外的なものでございます。それから丁種組合員というのは、短期給付を適用除外しております市町村で長期給付の適用を受けておる者、これを丁種組合員と呼んでおります。そういうごく例外の者も含んでおりますが、全部合わせて四十一万七千七百三十人でございます。それから短期給付では当然被扶養者が問題になりますが、被扶養者の合計は七十万四千二百四十三人でございます。組合一人当たりの被扶養者の数は一・六九人になります。  それで組合の長期給付の経理概況でございますが、長期給付につきましては、現在組合員は掛金を給料月題の千分の三八かけております。それに対しまして市町村の負担金は千分の六五になっております。これは本来折半負担でございますから千分の三八でごさいますが、共済組合発足以前の在職期間を通算しておりますので、その過去の分の負担金として、いわゆる追加費用として支払っているものも合わせておりますので、市町村の負担金は千分の六五になっております。  長期給付の概況でございますが、三十四年の実績を見ますると、給付いたしました件数が二万五千二百十三件でございまして、給付費の総題は四億四千九百六十万円弱でございます。長期給付は年々積み立てをして参っておりますので、三十五年三月三十日現在の責任準備金総額は七十九億一千六百万円ございます。年金財政としては相当強固な財源を持っておりますので、将来に対する不安はない、かように私どもは考えております。むしろいろいろと変動を生じますのは短期給付の面でございまして、現在短期給付につきましては、職員の掛金は、全組合を平均いたしますと千分の三〇・五になっております。市町村の負担金は全組合を通じて平均いたしますと千分の五〇・三、こういうふうな割合になります。従いまして、短期給付の料率は千分の八〇・八でございます。千分の八〇・八というのは、他の共済組合あるいは健康保険等を見ますと、かなり高い率でございます。ただ年々市町村職員の給与も改善をされておりますので、共済組合の短期給付の掛金も年々引き下げております。私どもとすれば、できるだけ引き下げていくべきだということで、毎年々々引き下げております。昨年度の平均々見てみますと、料率が全部で八二・三であったものを引き下げまして、現在八〇・八になっております。三十六年度の見通しといたしましては、年度半ばから医療費の単価の改定がございます。これが当然影響を及ぼすわけでございますが、一方市町村職員の給与改善が昨年の十月から実施されておりますので、従いまして料率を引き上げることなく十分単価増をまかなえる。こういう見通しに立っておりますので、三十六年度も引き続いてこの料率を引き上げずに済む、むしろ引き下げる余地もあるのではないか、こういうふうな見通しを持っております。

野口忠夫日本社会党

○野口委員 大へん詳しくありがとうございました。  次に、組織あるいは運営の問題等についてお聞きしたいと思いますが、これが成立するときには、地方自治の本旨に従って、自主的に民主的にこれを運営していきたい、この点については他の公務員あるいは健康保険組合と比べれば非常に意を配ったんだ、こういうことで、運営等の自主組織の確立というようなことや、自主性というようなことを非常に重んじられておるようで、見ますと、この運営に当たる理事あるいは組合会の議員、そういうような役職員あるいは議決機関、執行機関等についても意を配られている点はよくわかるわけですが、大体数においては使用者側と被使用者側とが同数というようなことも考えられておるようでありまして、市町村長側と被使用人との関係を非常に民主的に考えていこうということに意を配られたという点もよくわかるわけです。私もそういう配り方については、この組合の重要な事項や組合業務というようなことについて、一方に偏るというようなことのない考え方というものは大事であろうというふうに思うわけです。市町村側が負担し、組合員一人々々もまた拠出をしているという共済制度という立場からいえば、これは一つの官庁事務でもないし、あくまでも職員が参加している立場においての運営ということが大事ではないかというふうに考えるわけでございまして、そういう点では非常に好ましい姿であろう、こういうふうに思うわけです。ただ問題は、そういうことを文章に書いても実際にそれがどのようになっておるかということなのでありまして、やはりそういう精神が事実において現わされているというようでなければならぬと思うわけです。成立当時も問題になりました職員の代表者というものが入ることになっておるわけですけれども、職員の代表者というものは、四条の二項では同数でやることになっており、三条ではその職員の代表を選ぶためには選挙をもってする、その選挙の具体的な手続、方法については組合の規約でやるということになっていて、まかされておるわけですね。この辺のところの現況は、この五年間どのように行なわれてまたか、ざっとでいいですが、お話し願いたい。

今枝信雄自治事務官(行政局公務員課長)

○今枝説明員 共済組合の構成なり、運営についてのお尋ねでございましたが、ただいま御指摘になりましたように、共済組合の議事機関でございます組合会の代議員の選出につきましては、法律の定めるところにより、市町村長である組合員と市町村長以外の組合員とが同数を選ぶことになっておりまして、選挙の手続については、それぞれの共済組合の規約で定めることになっておりますが、規約の内容は、それぞれ地区別に選挙区を設けまして、選挙区ごとに組合会議員の定員を割り振りをいたしまして選挙々いたしておるのでございます。構成はそういう形をとっておりますので、いわば理事者側、使用者側に立つ市町村長と組合員代表である側に立つ者とがそれぞれ半数になっております。それから理事会の構成も同じようにいわば労使折半というふうな形になっておりまして、理事長だけが市町村長の代表、こういうふうに法律に定められております。従いまして現実にもそのような構成を全部とっておるわけでございます。現実にそのような構成のもとで組合の事業の運営が民主的に行なわれているかどうかということでございますが、私どもが承知をいたしております範囲では、相当いろいろと職員側の御要望も出て、この組合会あるいは理事会等で議論されまして、とるべきものはとり、無理であれば将来の検討事項にするというような活発な運営が行なわれておるというふうに承知をいたしておるのであります。

野口忠夫日本社会党

○野口委員 各地区で選挙を実際やって、それで職員代表というようなものが選ばれているのだというお話でございましたけれども、共済組合法というものの精神、つまり地方公務員法においては、公務員の副利、保護の施設ということで四十三条、四十四条等によってこれが保護を与られているわけですが、いわば公務員の利益保護のために地方公務員法があるという面を具体的に事業として現しているのがこの共済組合法であろうと私は思うわけです。そういうから考えますと、この地方公務員法にある一つの服務的な面と保護の面との二つの面を考えた場合、地方公務員法の保護の精神というものは、この地方公務員法全般を流れる姿の中で考えらるべきであろうと思うわけです。そういう面で考えますと、保護される職員の自主的な要求、そういうものをいれていくための一つの交渉団体としての職員団体ができておるわけでございますけれども、この共済組合も同じ保護の精神に立っているとすれば、その運営と組織の中には労働組合、職員組合というものがやはり一応の職員代表の機関として考えらるべきであろうし、この中のものを一体共済組合の運営の中にどのような形で反映さしていこうかということを考えねばならないと思うわけであります。その点を職員団体が自主的にやるということがありましても、職員団体それ自体も、いろいろ力が弱いとか強いとかということがあって、各地区においていろいろな差ができてくるというふうに思うわけですが、こういう点について選挙というようなことをなさる場合、その選挙の手続にかわって職員団体の意向を取り上げていくというような方向の御指導や御助言等はなかったのでありましょうか、その点を一つ……。

今枝信雄自治事務官(行政局公務員課長)

○今枝説明員 共済組合の組合会議員の選挙の方法あるいは理事会を構成する理事の選出の方法に職員団体の組織を利用してはどうか、こういうふうな御意見のように拝聴をいたしたのでございますが、職員団体と共済組合とは、これはおのずから性格を別にいたしておるものであることは御案内の通りでございます。面接職員団体の、具体的に申し上げますと職員団体から推薦をする者、こういうふうな手続もないとは思いませんが、現在の段階においては、職員団体そのものを使って、その推選者と申しましても、率直に申し上げて、すべての市町村に職員団体が組織されておるところまではいってもおりませんし、団体の性格から申しましても、職員団体、いわば労働組合に相当する団体と共済組合とは性格が違いますので、法律上の建前としては、現行の一般の組合員がすべて参加する選挙による役員の選出の方が適当ではないか、こういうふうに考えております。ただし、実際問題といたしまして、私どもが共済組合制度の運営等について指導をいたすような際に、市町村職員の職員団体の代表である全国的な組織等からの御要望も十分伺っております。そのことはたとえば地方公務員全体を通ずる新共済制度の成案の過程においても、十分な話し合いをいたしておるわけでございます。そういうふうな事実上の取り扱いをもって問題の合理的な解決に当たりたい、かような考えでございます。

野口忠夫日本社会党

○野口委員 地方公務員法の精神から言えば、それは両者が同じ方向のものであるというふうな形においては了解するが、でき上がってきた職員団体と共済組合との関係は別個である。団体組織としては私はそうだと思うのです。しかし、民主的に自主的にこれを行なっていこうとする場合に、使用者である市町村長さん方と被用者である職員の皆さん方との間をほんとうに自主的に民主的に進めていくということの中では、この団体を考慮していくという建前が重要ではないかというふうに思うわけなんです。それは一つにしろというような意味ではなくて、職長団体の意向というものが常に共済組合の中にも反映する、議決機関においても執行機関においてもそういうものが反映するということこそ、最も末端に働いている一人の職員に対するあたたかい措置になってくるであろう。そのことは共済組合が職員団体化することを言うておるのではありません。職員団体がまた共済組合化することでもないわけです。二つの団体は別個ではあろうけれども、その地方公務員法の基本の精神に従って、職員団体の意向というものを盛り入れるための組織運営というものを、職員代表を選ぶという姿の中でとっていかれることは、私は望ましい姿ではないかと思うのですけれども、あえてこれを違うのだということで共済組合が考えていけないという原因が、何か二つの団体を一つにするとおかしいじゃないかというふうなものの言い方では、私は解釈ができないのじゃないかと思うのです。二つの団体は別であっても、基本の精神においては同じものであるという立場に立って考えていくことこそ、職員団体の本来の使命というものもその一点に帰してくるのであるし、また共済組合の考えている民主的、自主的運営というのもその一点にかかってくるとすれば、やはりこの職員団体の意向が反映するような措置をとるべきではないかというふうに私は思うのですけれども、その点はいかがですか。

今枝信雄自治事務官(行政局公務員課長)

○今枝説明員 御質問の職員団体も共済組合もともに職員の利益保護、福祉の増進という目的を持っておるという点につきましては、確かにそういう目的で共通したところのあることは否定はできないと思います。しかし問題は、共済組合の議決機関、理事機関を構成する選任の手続をどういうふうにするかという技術の問題になると思いますが、この技術としては、私どもは現行の選任の手続でもって十分職員の意向を反映させることができると思っております。また現実には、市町村の職員が組織しております職員団体の役員の方がそれぞれ組合会議員なりあるいは理事になっておられます。従いまして、実質上はそういう形で職員団体の意向も十分に市町村職員共済組合の運営には反映されておるというふうに私どもは理解しております。あるいは私どもの方で制度を立案する際にも、当然それの全国組織の意向等も十分聴取した上でやっておりますので、御指摘の点は現行制度のもとでその趣旨は十分生かされておるというふうに考えております。

野口忠夫日本社会党

○野口委員 県段階における今のお話はよくわかるのでございますが、全国市町村職員共済組合連合会が全国的にまとめられておるわけです。この全国的な一つの団体、連合会は、法文によりますと、技術的あるいは事務的、専門的な指導というようなことが一つの仕事に当たっているのですけれども、この連合会の中に積立金の一括管理ということがあるわけです。県段階でやられますことは、あるきまったことについての資金運用あるいは事業計画になってくるわけでございましょう。市町村においてやることを県の組合会が相談することは、ある一つの固定した姿においての短期給付の面や、そういう面について行なわれると思うのですけれども、積立金の管理ということは、そういう固定したものではなくて、非常に動的な運営が行なわれるわけでございましょう。これをどうするかという問題については非常に動的な運営をされることになります。このことは一方に偏した考え方の中で行なわれてはならない。やはり職員の意向を十分盛り込んだ運営が全国段階において特に行なわれねばならぬというように思うわけです。全国市町村職員共済組合連合会の理事と監事、こういうような形で役職員が構成されている中で、総会の構成メンバーというのが五十五名、そのうち市町村側から出された理事長が各組合ごとに一人出てくるわけでしょう。これは当然市町村長さんであるわけです。それが全国から出てくると、残るところ市町村長以外の職員というのはごく限られた数になるわけです。資金の運用という動的の仕事をやる一番最高の団体の連合会の中の総会という一つの議決機関の中におけるものは大体は市町村長さんである。職員の利益を代表するというのは、五十五人の中からとってしまうのですから、何人かごく少数になると思うのです。こういうことで総会があり、なお理事は九人というようなことになっているようですけれども、理事の九人のうちの一人は職員代表が入ることというようなことになっているようですが、御質問申し上げたいのは、全国段階における形の中で職員団体との関連というようなことについては、この役職員の構成の中ではどうも考えられてこないわけですね。やはり全国的段階においてはもう少し職員団体の意向が、こういう基金の運用というような面については、それぞれの希望を述べられるような形にあるべきではないかと思うのですが、非常にここのところが、民主的で自主的だというのですけれども、市町村長という使用者だけがこの基金を使っていく、この基金は一体どのくらいになっているのですか。

今枝信雄自治事務官(行政局公務員課長)

○今枝説明員 市町村職員共済組合連合会の総会の議員の構成は、お話のございましたように現在五十五人でございます。従いまして市町村長である理事長が四十六人、それから職員代表が九人とでなっております。もともと全国の連合会でございますから、建前といたしましては各市町村職長共済組合の代表者だけで組織をするのが普通の建前でございます。そうなりますと、代表者は市長村長である理事長がなるわけですから、理事長四十六人でもって連合会の総会を構成するのが普通の連合会の建前かと思います。しかしながら職員代表を九人入れましたのは、やはり代表者といっても、直接それぞれの組合では労使の半数ずつですから意見は十分出されておるとは思いますが、連合会の総会において直接職員代表の声を反映させる道を開いておくことが適当だということで九人、これはブロック別を考えたわけですが、九人の職員代表の定員が加えられて五十五人になっておるわけでございます。そこで組織は一応その程度で十分職員の声が反映されると考えておりますが、問題は現実に連合会がどのような仕事をしておるかということでございますが、若干御指摘の点とは私ども理解を異にいたしておりまして、市町村共済組合の事業の運営の主体は、何と申しましてもそれぞれの市町村、府県ごとにございます市町村の共済組合でございます。連合会が管理をしております資金は、長期給付積立金の一割をプール計算をしておるだけでございまして、もし必要があればそれぞれの組合に交付をしなければなりません。先ほど申し上げましたように、責任準備金が全国で七十四億ですから、そのうちの一割七億四千万円程度は連合会が現在保管をしておるはずでございます。そのほかには罹災給付積立金を全国一本のプール計算をしておりますが、これは俸給総額の千分の一をプール計算をしておるわけでございます。この額も年間通じて五億にはならないはずでございます。従いまして事業の内容といたしましては、比較的われわれといたしましては形式的な事業でもっぱらプールをしておるだけでございます。災害が起こればそのつど必要に応じてそれぞれの関係の組合に資金を交付する、そういう事業をやっております。その他は各組合についてのいろいろな仕事の連絡調整をはかっておる。こういう事業でございますので、現在の組合連合会の総会の構成なり事業の性格から申し上げまして、現状程度で十分職員の意向も反映されるし、その結果職員の利益も十分に保護されておるというふうに私どもは理解をいたしております。

野口忠夫日本社会党

○野口委員 今の積立金のことですが、これは従来までは、恩給組合のときには各県ごとに積み立てておったのだけれども、それでは非常に力が足りないので、やはり一括して積立金はすべきだということで、本法律案が成立されるときに、これは中央に一括して積み立てるということになっておって、長期給付についての罹災とそれから退職ですね、これの積立金は一括してこちらに持ってきて積んであるわけでしょう。積立金の一括管理ということが行なわれておると思うのですが、ちょっとその点をお聞きしたい。

今枝信雄自治事務官(行政局公務員課長)

○今枝説明員 市町村職員共済組合法では、長期給付に要する資金を政令で定めるところにより連合会に払い込む、連合会は必要があれば各組合に交付する、こういうふうに法律が定められておりまして、政令では、出発当初は長期給付の資金の二割を連合会で持つように定めておったわけでございますが、三年間ほどの実績を見てみますると、それほどのプール資金を持たなくても、各共済組合で十分にまかなえるという見通しをつけましたので、一割に現在政令を改正をしております。連合会では一割だけを持っております。それから罹災給付の方は、これは全額でございます。全国をプール計算をいたしております。これは俸給総額の千分の一に相当する額を払い込んでおるわけでございます。

野口忠夫日本社会党

○野口委員 今の、民主的、自主的に職員の話が入っておるということでありますが、全国段階では九人の職員代表が入っておるからそれでいいだろう、こういうことになりますが、総会の中には九人の職員代表が今おりますが、理事会の中では、特に法律によって職員代表一人ということになっておりますけれども、現在職員代表として入っておられるお一人の理事の方はどんな職種の方ですか。

今枝信雄自治事務官(行政局公務員課長)

○今枝説明員 理事会は構成が九人ございます。そのうち一人が職員代表になっております。九人のうち八人はそれぞれブロックごとに市町村長である理事長がなっておられます。一人の職員代表は、現在共済組合の事務局長が——本年の一月下旬であったかと思いますが、改選の機会にかわられた一人の理事は、共済組合の事務局長がなっておられます。

野口忠夫日本社会党

○野口委員 事務局長さんが職員代表——どうも職員代表を入れるのだと法文で表わされているから、私たちとしては、一応毎月掛金をかけて、そうして自分のしあわせを願っておる、そういう職員の代表が入ってきておるのではないか、こういうように思うておるわけなのですけれども、そういう職員の代表ではなくて、何か理事長さんの下で事務局をやっていらっしゃる方、それが職員代表だ、こういう形になると、当然この理事の中には使用者側の方が八人もいるわけでしょう。その中で八人の方々がおきめになることを、たった一人の職員代表の方というのが——どうもこういう民主的なあり方というのは、真に下の者と血を流し込んだ民主的なものとして僕は受け取れないですね。どうも今の政治の中には審議会とかいろいろな名称をつけたものが多数あるのですけれども、いかにも下の方の声を吸い上げて民主的にやっていくのだという形になっておりますけれども、実際今働いている方々の御意見というものを反映していくような形ではなくて、法文では民間の有力者、知識人とかあるいは職員代表とかいうお言葉でお集めになられますけれども、形をとっておるけれども、実質的には今おっしゃったような姿でできておるわけですね。これでは私は、職員代表を全国連合会の中の理事の一人に加えたという法文の精神には合ってこないと思うのです。事務局をやっておられる方が何で職員の代表になるのですか。非常に便宜的にそう考えてしまう中で、実はそのことによって問題が起こっておるとかどうこうとかいうことではございません。しかし制度として行なっておる。民主主義的な制度というのは、常に法文の中では職員代表ということだけをうたっておって、実質的にはそういう方は見当たらないということになってくるのじゃないかと思うのです。総会でも、九人、理事会にはほとんど職員代表というものは顔を見せていない。その中でプール計算してやっているとはいいながらも、献立金の運用をやっていくというような状態があるとすれば、少なくともこの一人の職員代表だけは、れっきとした職員代表であるという方がここに入ってくるべきじゃないかと思うのです。あるいはそういうことについて事局長さんがやっていらっしゃるということでは、私はどうも法の精神に合わないと思うのです。聞いていると、何かいろいろなことをやっているから民主的にやっているのたという今枝さんのここでの良心的な答弁だけはわかる。しかしその答えだけでは、法文にあるところの職員代表はだれかということになった場合に、少しも現場にいる職員の代表という形にならないとすればおかしいじゃないかと思うのですけれども、この辺のところでいわゆる職長団体、全国的な組織の中における方を一つ入れていくということが、職員団体の意向を吸い上げるために一番いいのじゃないかと思いますが、そういうことについてはお取り扱いにならないのですか。

今枝信雄自治事務官(行政局公務員課長)

○今枝説明員 重ねてのお尋ねでございますので内容の御説明を申し上げますが、共済組合の事務局長、共済組合の事務に従事する職員でございますが、これは当然共済組合法上は共済経合の組合員でございます。共済組合法の適用を受けでおるわけでございます。従いまして、形の上ではそれで職員代表になるということになると思います。しかし、従来は代表それから理事の方も文字通り職員代表は現場の職員の方がやっておられたわけでございますが、本年事務局長がなられましたのは、御案内の通りそれぞれブロック代表で出てこられるわけでございますが、たまたま今回理事の回り番が、ブロックの職員代表の方が事務局長であったためにそういうふうな格好になっておるわけでございます。建前は理事は総会において互選をすることになっておるわけでありますから、すればいいわけでございますが、今までの共済組合役員選出の不文律として、ブロック代表から出そうというような運営をしておられまして、その結果たまたま純粋の意味での職員代表の方が今年はおられなかった、こういう経過になっておるわけでございます。今日までずっと発足以来、いわゆる職員の代表の方が理事におられたことは間違いないわけでございます。従って、本年はどちらかといえば例外的な事情になっておるという経過を申し上げておきたいと思います。また役員の選任の方法を、そういうふうなもっぱら組合の総会の互選という建前をとっておるためにそのようになったかと思います。逆に市町村職員共済組合の方の任命方式のところでは、職員団体の全国的な組織から推選を受けた人二人を任命していただいております。そういう意味では、そういう互選方式がいいのか任命方式がいいのか一長一短のところはあろうかと思いますが、現在の市町村職員共済組合の連合会の理事の構成は、若干異例のことになっておるという経過を申し上げておきたいと思います。

野口忠夫日本社会党

○野口委員 職員の方であることには間違いないし、ブロック輪番制もわかるわけですけれども、やはり御指導なさる場合、職員団体というようなものが、全国的な職員の代表として選ばれている方がある場合、そういう方を職員代表というような形で選ぶことをしないで、それで事務局長さんが輪番であるからというので、この方も職員なんだからという形でお取り上げになっていらっしゃるということについては、地方公務員法の基本的な法の精神の中から考えてみますと、どうも何かすっきりしないものが出てくるわけでございます。私は、今年度はとにかくそうなっているわけですが、御要望申し上げたいのですけれども、とかくの問題が起こったりうわさが起こったりするような問題がある場合は、非常に良心的にやっておってもそういう疑義を持ったり不満を持ったりするようなことが起こってくるのは、やはり非民主的なあり方の中から起こってくるのではないだろうか、いたずらなるそういう揣摩憶測の中でいろんなことが言われてきたようなことが、今までたびたびあったわけですけれども、やはりこれは理事者側であるとか、あるいは使用者側であるとかいうような方たちが集まって自分たちで好きに運営しているのではないかというような印象を与える中から、そういう問題が起こってきている面が、他の面においてはしばしば見られてきているわけです。共済組合についてはまことに民主的に運営されてきて、事実職員はそれによって非常に救済されているのですから、より自分たちのやっている仕事が職員のためであり職員を励ましているんだという立場、さらに公務員の成績向上をはかっていこうとする立場であるとするならば、やはりこの際、職員団体の関係の者を全国段階においては一人ぐらい職員代表の理事の中にも入れておやりになることが至当ではないかというふうに私は考えるわけでございます。今後一つそういう点では、それはそちらというようなことではなしにお考えを願っていく必要があるのではないかというふうに思うわけでございます。  以上をもって質問を終わります。

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 太田一夫君。

太田一夫日本社会党

○太田委員 地方公営企業法の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたします。  これの提案説明を聞きますと、独立採算を建前として経営の健全な発展をはかりながら住民のサービスを確保することにいたしておるのが公営企業の精神だ、こういうことになっておりますので、その独立採算ということにつきまして少しお尋ねをしたいと思うのです。独立採算であるならば、国家補助というようなものはすべきでないと思うのです。国家補助というような補助のにおいのするものはやるべきでない、こういうはっきりした筋が通されるべきであると思いますが、その辺の見解はいかがでございますか。

渡海元三郎自由民主党自治政務次官

○渡海政府委員 補助という内容がどんな内容に——広義の補助かあるいは狭義の補助かという意味から申しましたら、狭義の意味の補助では、私は公営企業としては行なわれないだろうと思います。しかしながら、企業債を国が見る等というふうな企業債を見るというのも、その企業に対するところの国家の援助の一つと見ましたならば、公益性を考えまして、これを助長、援助する措置を講じておるということも言えるのではないか。しかしながら、今御指摘になりました補助は、いわゆる狭義の意味の補助でないかと思いますが、そういった意味の補助は行なわれないことを原則といたしておると考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 狭義の補助として考えてみましても、この改正案の中心に事務組合のほかに出資金という制度が新しくできた、この出資金というのは、少なくとも補助金的な役割を持つと思う。もちろんこれは地方公共団体がその特別会計に出資をするのだから、国家がするんじゃないと言うけれども、回り回って、現在の地方公共団体の財政を分析すれば、これは国家が補助をするということに一応理屈の上でなってくると思うのです。だからそういう意味で、この出資金というものと補助というものとを両者を考え合わせてみますと、どうも補助するというにおいが強いから私は心配するのです。それはいかがですか、立田さんでも……。

立田清士自治事務官(財政局公営企業課長)

○立田説明員 今御質問の点は、ただいま御提案申し上げております改正案の十七条の二で、地方公共団体において公営企業の特別会計に出資することができるという、その規定に関連しての御質問かと思います。この規定でございますが、実は出資という中には、われわれの方で考えておりますのは、今御指摘になりました現金面のいわゆる出資金的なものと、それから財産のいわゆる現物出資と両方考えております。それでこれで考えましたのは、実はただいま御指摘になりました通り、公営企業自身としては、運営をして参りますれば、当然独立採算ということになるわけでございますが、ただその場へ口に、いわゆる経常収支の面という上りは、施設の——公営企業については御承知の通りいろいろ膨大な施設を必要といたします。そういうわけで、その施設の建設につきましては、御承知の通りほとんど地方債、いわゆる企業債を起こしましてやるわけでございますが、最初この公営企業の事業の建設を開始します場合、あるいはまた現在経営しておりまして、新たに専業を拡張するような場合に、大部分のものは地方債でそういう施設を建設、改良いたしますにいたしましても、企業会計自身として運営をしていく場合、経営上は独立採算をしていくことになりますので、そういう事業建設の開始をするときあるいは拡張する際に、団体の中で一般会計あるいは他の特別会計からこういう公営企業に、公営企業の会計自身の基礎を固める意味で、いわゆる自己資本的なものを造成するという意味で、こういう出資ができるという規定を設ける必要があるのではないか、そういうふうにわれわれは考えた次第でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そこで私は、国家補助という精神がもう一ぺん考え直されなければいけないと思うのです。地方公営企業法にそういう補助金の停止というような明文がないのですけれども、日本国有鉄道であるとか、あるいは日本放送協会法であるとか、各種の公庫、金庫、国民金融公庫法、こういうようなものには、そういう出資金についての相当制約があるのです。非常にルーズになっておるというのが公営企業法の内容だと私は思うのです。そこで、その出資金というのを今のように事業の開始または拡張の際に行ない狩るというのは、一見いかにも合法的でありもっともらしいのであるけれども、これは補助金に類するものであるから、精神においては非常に好ましくないものだ、公営企業法そのものの精神にもこれは背馳しやしないか、そむくのではないか、こう思うのです。独立採算ということはもう少し経済性というものを考えろという精神、積極的なものがあるような気がするのですが、いかがでございますか。

渡海元三郎自由民主党自治政務次官

○渡海政府委員 公営企業でございますから、普通の地方団体の事務と違いまして、経営という意味におきまして独立採算制を運営の面において強調しなければならないというのが建前でございますが、大体施設その他におきましては、今も申しました通り企業債でやっておるのが何でございます。この点普通の経営団体と違いまして独立したところの資本金と申しますか、安定したところの資本金を持たないというところに差があるのでございますが、独立採算制を堅持する意味におきましても、出資という項目を設けまして、普通の経常企業体と同じように、その上において独立採算制を堅持するために安定せるところの資本金を与えるという意味におきまして、むしろ現在行なわれております何と言いますか、一時繰入金という形、これが返還をされるものであるということを行ないながら繰入金の形でやる、しかもそれが返還を行なわずにやるという点と相当異なってくるのではないか、かように思います。今までの分は消えていく補助、しかしながら出資金という以上は、あとに残るところの補助として独立採算制の経理面にも現われる、処置する、むしろ現状をこうする方がより健全な独立採算制に向かって前進するのではないか、こういう点も顧慮して考えた次第でございます。もちろん独立採算制でございますが、しかしながら一方、公営企業そのものが経常のを目的とするものじゃなくて、あくまでも公営企業でございますので、公益の面には営利を離れての運営というふうなことも考えたければならぬのじゃないか、こういう点もございまして、それを一般会計から出すべきか、あるいは利益を受ける、直接手数料その他料金等において徴収すべきかという点について、その運営に出すところの金の面におきましてあんばいを加えなければならないのは当然でございますが、いずれにいたしましても、現在の独立採算制を堅持させるためにも、むしろ安定せる出資ということで出させる方が適当であろう、こういうふうに考えまして出した次第であります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 渡海次官、あなたの用語はまことに適切にして柔軟性のある用語だから、聞く方にとっては雲とも見えればあるいはまた山とも見えるのです。だが十七条というものがあるでしょう。十七条は「地方公営企業の経理は、第二条第一項に掲げる事業ごとに特別会計を設けて行い、その経典は、当該事業の経営に伴う収入をもって充てなければならない。」これが原則なんです。特別会計を作った原則なんです。今立田課長がおっしゃったのは、事業の開始または拡張という言葉をつかっていらっしゃるけれども、多分に運営資金というものにもこの出資金を充てるというニュアンスがあるのです。それは参議院における問答を聞いておりましても、財政局長の答弁の中にそういうものがあった。だから、独立採算の精神というものをもとはっきりと表わすためには、あまり出資金だとか繰入金なんという制度を認めることは、早くいうならば地方住民に対する公約違反にもたるし、法律違反にもなるのだから、また同時に公営企業の健全な発展をかえって阻害することになるのだから、これはやめた方がいい、こういう議論にたると思う。だから、私は出資金は憲法違反だとまでは言いませんけれども、少なくとも法違反、法規の精神をじゅうりんする抜け道法案だ、抜け道の方便だ、こんな気がしてしようがないのです。その辺のところを、立案された当局者として公営企業課長にお尋ねしますが、そういうところに立案の当時何か良心にさわるものはありませんでしたか。いかがでございましょうか。

立田清士自治事務官(財政局公営企業課長)

○立田説明員 今の御質問の趣旨とわれわれの気持と、ある意味では結論はあるいは同じかと思いますが、われわれの方も、これによって独立採算制そのものをくずすとか、そういうことは毛頭考えておりません。それで逆に言いますと、むしろ今も政務次官が答弁なさいました通り、運営自体としては独立採算でいくことはいくのだ、そのかわり、そういうように団体の中で公営企業が運営していきますれば、当然独立採算で運営されて参りますので、特にこういう施設の建設、改良というような面において出資という点も、やはりそういう道をはっきり一応つけておく必要があるのじゃないかということで、そういうことができるというような道だけを、開きたいというのがこの規定でございます。  それで立案の過程において、そういう点についていろいろどうかという御質問でございますが、特にそういうふうな意味で、これによって独立採算制をくずしていこうというような気持は全然持ち合わせておらないということでございます。ちょっと御答弁になったかどうかわかりませんが……。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 関連でお尋ねいたしますが、この提案理由を読んでみましても、公営企業の伸展に即応いたしまして公営企業の基礎を強くするために団体から出資をする必要が生じてきた、こういう提案理由になっておるのであります。これは参議院の会議録に残っておる大臣の提案理由の説明でございざすが、その中で考えますと、これは当初における施設の建設そのほかについて必要だということよりも、三十六年度においては約六百に達する地方公営企業体というものができる。三十四年度では三百四十四という地方公営企業の実体がある。それの伸展に即応してという言葉から考えますと、やはりどうしても、もし今ここで一般会計から出資をするという道を開かないと、地域住民に対してサービスの面で料金のはね返りという形でその基礎を固めなければならぬような問題が起こってくるおそれがあるというところに、こうした出資の道を開く必要が出てきた理由があるのではなかろうかというふうに推察をするわけです。  そこで公営企業課長にお尋ねしますが、たとえば三百四十四とか、三十六年度六百に達するとか、それぞれの企業別の地方公営企業体の運営の企業の実績というものを一体どのように把握しているか。これは今もう少し一般会計から出資をしないと、たとえば交通なら料金が高くなるとか、あるいはガス企業であれば、これまた料金が高くなるとか、あるいはそのほか地方公営企業の運営というものが危殆に瀕する、こういうような事実がなければこういう提案理由というものは成り立たぬと私は思う。そこで、一番最近の地方公営企業体の中におけるそういう企業の実態に即して、こういった法律を作らざるを得なかったという企業実態というものをあなたの方で把握せられていると思うのです。それぞれ企業種別にどうしてもこういうことをやらなければならぬ、当初の独立採算ということよりも、伸展に伴ってこういうことをやらなければならなくなったという事実、実態というものをもう少し明瞭にしないと、独立採算制というものに対して誤解を免ずると私は思う。発足当時とは違った意味において、困れば一般会計から出していくのだ、こういうことになりますと、ほんとうに地方自治体が仕事をやるのに都合のいいための公営企業体であったものが、一般財政をこの中に投入しなければならぬというような格好になることは、発足当時の趣旨と相反すると思うのです。そこでそういう実態が、これはどうしてもやらなければ地方住民に逆に税外負担がかかって、料金の面等でサービスにかえってマイナスを生ずるのだ、こういうような事態がございますなら、そういう事実を一つ具体的な例として出していただきたい。そうしないと理解ができないのです。

立田清士自治事務官(財政局公営企業課長)

○立田説明員 今の御質問でございますが、われわれの方で現在持ち合わせております数字は、決算につきましては三十四年度の決算を持ち合わせております。それでただいま御指摘の数字が出たわけでございますが、公営企業総体といたしましては、三十四年度末で、事業数にいたしまして四千七というふうにわれわれの方では把握いたしております。それは一団体でかりに二つの事業をやっておりますれば二事業というふうに把握しております。去年の三月三十一日現在になっておりますが、事業数にして四千七、このうち地方公営企業法を適用しておりますのが三百四十四でございます。それで、提案理由の中で三十六年度には六百をこえると書いてございますのは、今の公営企業法を適用している三百四十四の数字が六百をこえる、こういうことでございます。それで今申しました通り、われわれの方で決算として持っておりますのは、三百四十四につきましての三十四年度の決算の数字を持ち合わしております。その点は、実は先般自治省の方でまとめて出しております「地方財政の状況」の中にもございますが、簡単にその概況を申し上げてみたいと思います。  三百四十四のうち現在建設中のものが八事業ありますので、実際に決算として出ておりますのは三百三十六の公営企業法を適用しておるものの決算であります。その三百三十六の全事業で見ますと、いわゆる損益勘定の面で見ますと、収益が約千百十二億になっております。費用の方は、総費用が千五十四億でございますので、差引五十八億が損益勘定上の黒字として一応出ております。ただ、これは全体の合計でありますので、それを内容を分けますと、いわゆる黒字を出しております額が七十四億でございまして、いわゆる欠損を出しております額が約十六億になっております。団体数は、黒字を出しておりますのは二百四十八事業、それから損失を出しておりますのが八十八事業、こういうことになっております。この内容は、事業別にだいぶいろいろ差がございまして、今全体の数字でございますが、水道事業の場合ですと、総体の差引でいきますと四十二億の黒になっておりますが、その内君としましては、そういう黒を出しておりますのは四十四億で、損失が二億といったような状況でございますが、三十四年度の決算上、事業として経営が若干むずかしくなっておりますのは交通事業と病院事業があります。交通事業につきましては黒字を出しておりますのは約十億で三十七団体、それから損失を出しておりますのはやはり同様に約十億でございまして二十団体、それから病院につきましては、黒字を出しておりますのは約一億で二十四団体、それから損失を出しておりますのは、損失額が一億で十六団体、こういうような状況になっております。従いまして水道、電気、ガスについては、そういう意味で経営は比較的よろしゅうございますが、交通、病院についてはやや困難になっている面がある、こういう状況になっております。  それから、今のは損益勘定上の問題でございますが、財政状態の方では、いわゆる貸借対照表の方で見て参りますと、資産、資本、負債という区分がございますが、今問題になっております出資の関係では、資本の中でいわゆる自己資本的なものの事業の総体が二千五十三億ございます。これは全専業でございます。それに対していわゆる企業債がそのおもなものになっておりますが、借り入れ資本金が二千三百四十億ということで、いわゆる借り入れ資本がやや多いというような財政状態になっております。  それで先ほどお話しのように、公営企業が伸展して、総体の数が四千七というのも、前年度に比べては約二百以上ふえておりますが、それとともに企業法の適用がさらにその中でふえてきておりますので、企業法を適用して参りますと、いわゆる独立採算ということになって参りますので、建設改良費については大部分地方債でやるという結果になって参ります。そうしますと、その支払い利息自身はいわゆる損益勘定の方で払っていくというような建前になっておりますので、そういう関係で料金面の問題ももちろん出て参ります。それでありますので、ある意味で建設改良をやる際にはある程度出資というような格好におきまして、多少でも利息のつかないそういうような金も導入していくこと自体が、やはり公営企業会計の基礎を固める。逆に言いますと、自己資本金をある程度最初に持っていくということが、企業自身の将来の独立採算制をやる場合の一つの健全な基礎を作れる、こういうような考え方ももちろんあるわけでございます。先ほど太田先生に御答弁申しました点と今のような点から申しまして、このようなことが考えられるということになります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それに続きましてお尋ねをします。奧野局長が出ていらっしゃいましたけれども、ただいま独立採算制の問題で議論しております。その独立採算制ということについては、私が、出資金は補助金のような性格を持つのだから十七条違反に相なるのじゃないだろうかというお尋ねをしたのですが、御答弁の方は、そういうものではないというお答えでした。しかし、どう考えてみましても、無利息の無期限の金を出すというのは、独立採算という経済性から考えてみますと、これは少なくとも事業じゃないです。企業でもないです。経済性追求事業でもない。そう思いますと、どう考えても矛盾するような気がいたしますので、地方公営企業はあくまでも住民への福祉の向上とかサービスとかを考えつつ、実は行政が経済的な活動をするという意味を持っておると思うのでありますから、経済的活動であるなら、少なくとも損益の観念というのは、もうちょっとはっきりしてもらわなければ、地方住民の血税をそのまま道路を直したり、あるいはまた学校を直すという方に使わないで、経済性追求の企業の方に回して、その赤字を埋める。そういうことに使うことはあまり好ましいことじゃない。こういうふうに私思うし、住民に対しても申しわけないことだと思うのです。奧野局長としては、参議院でいろいろ御答弁なさったように聞いておりますけれども、独立採算制というのは、そういう無利子、無期限のお金を導入することを一向差しつかえないものだとする精神であるのかどうか、この点について、あなたから一つ見解を聞いておきたい。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 独立採算ということと地方団体が出資をするということとは、必ずしも直接関係を持っているというふうには考えていないわけでございます。ただ独立採算ということになりますと、一般会計と特別会計との間の経理な明確にしていかなければならない。一般会計から特別会計へ繰り入れをしたり、特別会計から一般会計へ繰り入れをします場合には、その繰入金の性格を明確に判別できるような経理の仕方をとらなければならないということは言えると思うのであります。たとえば水道会計において消防の水を無料で提供しておる、その結果一般会計からある程度の金を消防会計に繰入金で入れる。そういう場合もございますし、あるいは赤字であるために、将来返してもらうことを考慮して繰り入れるという場合もございますし、あるいは地下鉄の料金を原価のままで徴収するわけにもいかないので、それを低くする意味において繰り入れておるということで、いろいろな繰り入れがあるわけでございます。そこで料金のコストを下げる場合において繰り入れる、今御指摘になりましたような無利子の金を使わせる、こういうことだろうと思うのであります。そういう場合には、本来その金をむしろ出資金として明確に経理した方がよろしいのじゃないか、こういうように思うわけでございますし、また赤字の穴埋めで、将来返してもらうということでありますれば、一般会計から貸付の形で繰り入れた方がよろしいと思うのであります。そういう意味で本来の出資ということも当然あり得るわけでございます。またそれを期待する公営企業も相当多いわけでございますので、そういう意味においてはそういう経理の仕方を明確にしておいた方がよろしいのじゃないかとわれわれは考えておるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 どうも答弁が私には全然納得できないのです。この問題は相当時間を要すると思いますから、少しあとであらためてまたお尋ねしたいと思いますが、念のために、答弁なされる方で次の問題との関連だけを一つ考えておいていただきたいと思います。  それは、国有鉄道の自己資本の調達の方法なんです。国有鉄道の自己資本の調達の方法は、これは長期借入金、短期借入金、また鉄道債券という三つの方法をもって限定されておりますから、無利子、無期限というものは全然ないのです。従って地方公営企業の場合は無利子、無期限が合法的だという今の御説明ですけれども、どうもこの独立採算制が、そういう意味ですべてのサービスの料金は原価を割っておるんだから出資金をもって充てなければならないんだということになれば、非常に大きなこれからの地方公営企業の構造改革が行なわれなければならなくなるような気がするのです。あらためてその辺のところをもう少し徹底したはっきりした御回答をいただきたいと思います。国鉄の場合の精神とあわせて地方公営企業に対する無利息、無期限出資がはたして合法的であるのかどうか、合理的であるのかどうかという点について、この次に答弁していただきたいと思います。

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 午後一時三十分から再開することといたしまして、これにて休憩いたします。    午後零時三十八分休憩      ————◇—————    午後二時三分開議

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案及び地方公営企業法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、質疑を継続いたします。太田一夫君。

太田一夫日本社会党

○太田委員 その前に午前中の答弁が残っております。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 午前中日本国有鉄道法の規定を引いてのお尋ねがあったわけでございます。日本国有鉄道法の第五条では、第二項に「日本国有鉄道の資本金は、昭和二十四年五月三十一日における国有鉄道事業特例会計の資産の価額に相当する額とし、政府が、全額出資するものとする。」という規定がございます。第二項にはさらに「政府は、必要があると認めるときは、予算に定める金額の範囲内において、日本国有鉄道に追加して出資することができる。」という規定もあるわけでございますので、今回地方公営企業法の中で若干加えておりまする改正点と矛盾する点はない、かように考えておるわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 大臣が御出席になりましたから、この際大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、それは午前中から地方公営企業の独立採算制という精神をめぐりましての質疑応答が今続いておるわけです。それについて大臣の御所見をしかと承りたいと思うことは、独立採算制というのは、別の言葉で言うならば収支見合うということでなければならない、こういうことだろうと思うのです。その収支ということから言えば、収入と支出でありますから、資本金は収入じゃありません。従って収支見合う独立採算制という建前で行なわれるところの地方公営企業は、しょせんはみずからの経済的な活動を通じて収支とんとんを一つの目標として運営されるのが望ましいのではないか、欠損ができたから一般会計からの繰入金をもって補てんをするとか、あるいはどうもやりにくいから、不自由だから出資金を多くというような考え方では、非常に不健全なことになるじゃないかと私も思うのです。これは基本的なものでありまして、今度の出資というのは、十七条の二を追加されたことは非常に大きな革命だと思うのです。特にその独立採算から、少なくとも地方公営企業というのは経済活動を通じて収支相償うという考え方を建前にしてやるのであって、出資金というのはあくまで資本金である。こういう建前で行くべきだと私は思っておりますが、あなたはいかがでございますか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 公営企業体に対する収支採算のバランスをとるという意味は、出資金等とか、あるいは資本金を増額して、それによって穴々埋めるということではないだろうという御趣旨に対しましては、全くその通りであります。いわゆる資本的投資といいますか、投資に当たる分におきましては、これは償却なり金利を、いわゆる経営上の収支には見ていけばいいわけでありまして、将来それに対する担保能力とかそういうものは別でございます。従いまして今太田さんの御指摘になりました御趣旨は全くその通りでありますが、たとえばここでいう十七条の二で公共団体が出資をするというような場合も、これは決して赤字補てんをやるために出資で埋めるのだという趣旨のものではないのであります。同じ投資をするにしても、一般の資金募集をやりますと金利がどうしても高くつくとか、そういう場合に、地方財政が若干の投資的な経費をそこへ補充をするということが、より経営を安全にさせる、あるいは今後やりやすくさせるという趣旨からは、公営企業体自身の持っておる公共的な性格から見て、そういう場合もあった方がいいんじゃないか、こういう趣旨でこれは入れておるわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そのことは、出資金は運営費には充てられない、こういうことでありますか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 公営企業体の収支を計算をするというこの計算上の建前から見れば、これはもう投資そのものは、資本と同じような扱いをするので、収支の計算上の問題ではない。ただ現金をどう扱うか、あるいは一時その扱いをどうするかという問題になれば、これは若干補給をするというような場合が事実上は出るかもしれませんが、建前は今御指摘の通りでなければならぬと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 奧野財政局長にお尋ねをいたしますが、あなたは参議院の地方行政委員会におきまして、たしか出資金を運営費に充てるというようなことも考えられるというのか、あり得るというような御答弁をなさっているように聞いておりますが、いかがでございますか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 ちょっと記憶がないのでありますが、もちろん出資金も公営企業がいろいろ活動をしていきます場合の財源になることには違いはございません。そういう意味でのお尋ねでありますと、その通りだと思うのであります。ただ食いつぶすか、食いつぶさぬかというような問題になって参りますと、資産状態を明確にいたして参ります貸借対照表の上では、資本金として明確に計上されて参るわけでございますので、それに対応する資産を保持しておりませんと、バランスが合わないことになってしまうわけであります。従って、もし食いつぶすというような格好になって参りますと、そこに問題が明確に出てくるということになるわけでございます。損益計算の上におきましては、もとより借入金でありますと利子を払わなければなりませんから損金にいたします。出資金でありますと、利子を払う必要がございませんので損金に当たってこない。そういう意味において損益勘定は有利になるわけであります。有利になるわけでありますが、しかし出資金が相当あるにかかわらず、損益がそういう状態であればどうであるというような明確な判断も下せるわけでございますので、それは企業の内部診断の問題に帰着することだと考えておるわけでございます。出資金だからこれを食いつぶせるのだというようなことは全然ございません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 今のお答えですが、回り回って食いつぶしができる可能性を感ずるのですがね。いわゆる内部診断の問題だという、非常にこれは複雑な抽象的な言い方であって、出資金はあくまで資本金なんだから、内部診断がどうあろうと、こうあろうと、その企業が赤字であろうと、黒字であろうと、出資金は資本金なら、それを食いつぶすなんということは一切ノーであるということでなければ、筋が通らぬじゃないかと思うのですがね。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 その通りです。そういうことはあり得ないわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そうすると、参議院の方でお答えになったことと食い違いが起きてくる。今私、その参議院の議事録を手元に持っておるわけではないから、具体的にどうお答えになったということを申し上げるわけじゃないが、あなたはそういう場合に出資金を運営費に充てる場合もあり得る、許容されるというような感じを与える御答弁をなさっていらっしゃるので、そうなると、地方公営企業自体は、場合によっては泥沼になる。赤字になった出資金、赤字になった繰入金、そのまた赤字になった出資金、これじゃ大へんだと思いますし、こういう感じをいささかでも与えることは、この地方公営企業法の基本的な精神とは非常に遠ざかったものだと思うのです。そういうことをお答えになったことはありませんか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 その運営費に充てるという意味そのものが大へん広い言葉でございますので、わかりかねておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、出資というものは貸借対照表に資本金として明確に計上されるわけでございます。従いまして、それは消そうにも消せないという性格のものでございます。従いまして、食いつぶすということはあり得ないのだ、かようになるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 資本金はあったが、銀行預金は何にもない、出資すれば資本金はふえます。それは資本金がふえたからといって、相手勘定科目の方がふえなかったら、これは食いつぶしじゃないですか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 資産状態を明確にする貸借対照表の作成の問題と、もう一つ損益計算の問題とあろうかと思うのでございます。これは損益計算の問題とは別個の問題でございます。損益計算上もしかりに損金が出て参りました場合には、これはその損金をどうするかという問題が出てくるわけでございます。損金が出てきたからすぐ資本金を減らすのだ、こういうわけには参らないのであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 あなたがどういうことをお考えになっていらっしゃるか若干不可解な点があるのですが、この提案理由の説明から見ますると、この理由は、施設の建設改良を積極的に行なう必要があるというのです。だから事業の開始と拡張にあたって出資をするのでしょう。事業の開始だから当然その出資金は設備投資となって残る、拡張をされる、やはり相手は同じ設備投資になるのだと私は思うし、そうでなくちゃならぬと思うのですよ。どうなんです。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 その通りでありますが、問題は、午前中にも例を地下鉄にとりましたように、地下鉄の性格から考えて、原価計算そのままで料金をきめていく、その原価計算の場合に、借り入れ資本金を基礎にした場合には相当な利息も払っていかなければならないわけでございます。そうなってくると相当な料金になる。その場合にある程度料金を引き下げるべきだ。そうすると原価計算においてもある程度低い金額が出てくるように、先ほどおっしゃいましたように、無利子の金を使うというような方法が必要ではなかろうか、こういう問題も生じてくるわけでございます。そうなりますと、自己資本金というものをある程度持っておりませんと、借り入れ資本金ばかりでありますと、相当な利子を払っていかなければなりませんので、損益勘定の上の損金、支払い利息というものが立ってくるわけでございます。従いまして支払い利息が大きい以上は、低い料金では赤字が出て参りまして、どうしても独立採算を保てないわけでございます。そこで料金政策との関連においてある程度自己資本金を持つ。損益勘定の上では自己資本金に対する利息というものがございませんので、原価計算上は、低い料金でありましても、それで赤字にはならないわけでございます。そういうような性格の公営企業であります場合には、企業の拡張にあたりまして、借り入れ資本金によりませんで、むしろ一般会計から相当の出資をするという必要が生じてくるわけでございます。あらゆる場合に出資を必要とするのだ、こういうふうに考えておるわけではございませんで、今申し上げましたように、料金政策上利子のつく金を使わない方がむしろよろしいというような性格の場合でありますとか、あるいは現物出資を適当とするような場合でありますとかいうようなことになろうかと、かように考えておるわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そこで大臣にお尋ねをいたします。今のようなお答えですと、地方公営企業は無利子、無担保、無期限という金を使わなければ理想的でないということになるのですがね。あなたはそういう今度の「出資を行うことができる。」という十七条の二の精神は、出資金をどんどんふやして、パーセントをふやして、無利子、無期限の金を多く資本として投下するという道を開いたものである。今の奧野局長の話ならば、無利子、無期限のものなら安気にいつまでも使える。こんな安いものはない。金を借りて利子を払うということはないのたから、無利子、無期限が一番安い。それで原価を安くするという方針だということなら、もう全部それに切りかえなければ理屈に合わない。それを拡大強化するために十七条の二というものができたのですか。その立法の精神をもう一回承りたい。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 公共団体が無利子の金を出資する場合があり得るというのが、この新しい制度を設けた理由であります。それは今言われましたように、なるほど企業体でありまするから、本来いえば利子のつく金を借りてやって、それによって営業して、その利子も払う、償却もやっていくというのが建前でございますが、事業自体の性格から見て、非常に急を要する、あるいは特別公共的なるがゆえに、一般の経営採算では成り立たないが、公共性を持っているがゆえにやっていかなければいかぬ。しかも一方では、公共企業の性格上、収支のつじつまを合わせる必要があるという場合には、なるほどそういう公共性の部分については、相当地方団体からもそういう利子のつかない金の出資もやるというようなことで、この将来の経営を楽にさせる、あるいは合理化させるという方法をとる方がよりベターであろうと思うわけでありまして、その出資をすることによって赤字を埋めるということはこれは別問題です。あるいはまた企業体によっては、それが営業開始をいたしまして、その社会、その団体で必要な合理的な経営をやりましても、その結果どうしても赤字が出るという場合には、出資金とは別に補給金なり補助金というものを公共団体が一般会計から補給するというような場合もあり得るかと思いますが、今言われておりますような趣旨のものは、あくまでそういうよりにしてコスト高になるのを防ぐ。これは一般の企業ならそういう必要もないし、あるべき姿じゃない。公営企業というものは、半分は公共目的のために採算を度外視してもやらなければいかぬ。そういう場合にはそういう必要もあろうかというので、この規定を設けたわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 大臣、そういうことになれば、公庫企業金融公庫なんというのは、利子を取って貸すことはないですよ。利子を取って貸すということはあり得ないことになりますよ。うんと安い低利の金で、まるでただにひとしいものでやるか、そうでなかったら赤字の団体には特別に差をつけて低金利で、黒字のところは市中金利でというように、二本立に区別してもいいでしょう。もしもあなたのおっしゃるように、赤字になるところもあるから、単価を下げるために出資金という制度でただの金を貸すのだとおっしゃるならば、公営企業金融公庫というのは、ああいう市中金利にひとしい金利で貸すということは間違いになりますよ。あんなことはなしにしてしまえばいいじゃないですか。そうしてもっと安い政府の公債を回してやって、その金利はまた考えてやる。そういうふうにした方が筋が通るじゃないですか。何で金融公庫などを作ったのですか。とにかく公営企業というのは、借りた金に対しては相当な支払い利息、その資本に対しては相当なものを生み出さなければならぬという思想もあるのでしょうね。だからそういう金利というものが金融公庫の方に作られておる。だからあなたのおっしゃることだと、どうもみな安気なものになる。これは十七条の二で、赤字になれば出資金だ、そういうふうになってしまうじゃないか。不健全経営を奨励しているような気がして仕方がない。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 無利子の出資金をやりましても、経常上は赤字になる場合もあると思います。利子がかからぬでも、非常に困難な企業体の形でやります場合には赤字になる。これは程度の問題だと思うのです。その公共性のあり方の問題であろうと思うのでありまして、公営企業金融公庫が一般の公団等に対しては、そういう金融の措置をとったり、あるいはいろいろと公営的な企業に対して比較的安い金利で集めやすい金を集めておるというのだが、あれと同じにしたらいいじゃないかという御議論だと思います。それも確かに方法だと思います。しかし、たとえば公団でやるような企業になりますと、完全採算無視ということにはおそらくなるまいと思う。ところが、地方団体が特別会計でやらせます場合には、初めから赤字覚悟でやっても、これは企業会計の体系をとってやらなければ仕事の能率が上がらないという性格のものもありましょうし、あるいは当分の間はどうも赤字になるが、どうしてもこれは無理してでもやっていかなければいかぬというものもあろうと思うのです。そういう場合には、地方団体が自分の方の財政力に応じて応分のそういう金利のかからない金を出資する道を設けるということは、私は必要妥当な措置じゃなかろうかと思っておるわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それは大臣、それでいいのですか。奧野局長、今大臣の御答弁をお聞きになって、それは合法的であり、妥当なものなんですか。どうしても赤字になるからそれじゃ出資金というにおいがちょっとでもあったら、これは公営企業法というものはもう全然意味をなさなくなってくる。そんな赤字になったから出資金で埋めていく、どんどん出資金をくれていく、無利子の金をやっていく、そんなことが地方公営企業法で認められますか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 赤字を埋めるという趣旨ではないのでありまして、これは先ほども申し上げましたように、赤字を埋めるという場合なら補給金かあるいは補助金のような形で経営上の赤字を埋めることも、これはやはりあり得ると私は思うのであります。いわゆる出資といいますのは、先ほど財政局長も申し上げましたように、バランスシートでいう貸方に載る。それに対応するものは預金であるかあるいは物に換算されるか、何かの形で借方の方にも載っていく形のもの。それでバランスが合うもので、これが食いつぶされるような赤子を埋めるための性質のものじゃないのです。ただ利子はかからない。従って損益計算上に有利な働きをするものである。こういうことは、この地方公共団体が企業をやる場合にはどうも必要な場合が起こってくるというので、こういう道も明確に開けるようにしたい、こういう趣旨でございます

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 関連して。大臣がどういう仕事を具体的に頭の中で描いておられるのかということは、あとから山口委員から御質疑があろうかと思うのですが、私は今のような考え方、奧野さんの御答弁、あるいは大臣の答弁等によって参りますと、これは地方においては非常な混乱を起こすと思います。たとえば公営企業法の第二条に定められておるところの自動車運送であるとか、地方鉄道であるとか、軌道であるとか、これは粒々辛苦して地方の私企業が資本を集めて、一生懸命に採算のとれるような方向で自動車のバス道路というものを一応開拓して営業を営んでおる。そういう場合に、地方公営企業体が将来赤字が出ても、赤字が出るだけ使うんじゃないけれども、資本や建設、あるいはいろいろな改良のために公金を注入できるような姿で、もしこれが今後公営企業として考えられるということになると、そこで既存の私企業、民間営業というものと公営企業というものとの間の競合は非常な問題が起こるであろうと思うのです。地方でもって公営企業が成り立たないというのは、これは武士の商法で、なかなかうまい工合にコストを押えるということが成功しないのです。従って非常に、長い経歴を持った小さい企業でも、交通業だって採算がとれていくという実想であろうと思う。そういう際に、もし施設やその他の問題で無利子、無担保、無期限の資金が導入されるということが、今後修正されまして、地方公営企業の中に該当するような条項になりますと、今申し上げましたような、水道などをやるばかな者はおりませんが、地方の自動車運送とか軌道とかいう事業につきましては、これは民間企業者と非常な混乱を免ずるおそれがあると思う。先ほどの大臣の御答弁と、午前中の公営企業課長の答弁と、渡海政務次官の答弁は、おのおの二面ずつ物語っておるものであろうと思うのです。総合的に考えてみますと、地方公営企業体というものがほんとうに独立採算で粒々辛苦をするというこの苦しさを、ただ公共のサービスのためだという言葉のためにこういう安易な——安易と言っては悪いが、こういう道がとられることになると、これはとういう企業体を考えておるのか、あとからお聞きしなければわかりませんけれども、企業内部診断をやって、これには投資すべしという事業をきめる、あるいは事業実績なり将来性なりあるいはサービスの問題なり、こういう問題を考えてやることになりますと、非常に混乱を起こすおそれがあるということを私は心配をする。そういう点はどうですか、それは心配ありませんか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 これは心配ないかと言われますと、もし乱用されるとか、今御趣旨のようなことが行なわれるならば心配は確かにあると思います。しかし、この趣旨は決して地方団体がそういう民間でやっておる企業を圧迫するとか、あるいは現在持っておる既得権を剥奪するために有利にしようとか、あるいはこれからやろうとするものでも民間企業がやるのが適切なものをあえて公営でとろうとかいう性格のものではないのでありまして、むしろ、これは民間ではどうしてもやっていけない、しかし公的に見てどうしてもやらなければいかぬという場合に、できる限り安い金利の金を地方団体なり国もめんどう見てやるが、それと同時に、さらに必要に応じてはそういった無利子の金も若干投入できるような制度を設けてやろう、具体的に申しますと、東京の地下鉄のようなものにつきましても、今の計算でいきますと、非常にコストの高いものになって、運賃を非常に高いものに見ていかなければならぬ。そこで運賃コストを若干でも引き下げるためには、無利子の金をでき得る限り財政心情に応じて入れていこうということでありまして、地方団体がむやみやたらに企業を促進して金もうけでもやるとか、民間企業を圧迫するというふうには指導もいたしませんし、また実際上それほどの余裕は地か団体にはなかろうと思いますので、極端な場合を考えると今御指摘のような心配はないとは断言できませんが、それはないように指導していきますし、実態上は起こらぬで済むと思います。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 法律を作るときにはそういう善意でもって作るのですけれども、法律を適用するような段階になったり、あるいは法律を根拠にして仕事を始めるということになりますと、今大田の言われたような、極端と言われましたけれども、幅の広い解釈というものを基礎にしてやり始めると、みな合法だと思うのです。それが非合法だと言えないと思う。だから行政指導ではやれるかもしれませんけれども、やはり法律の解釈でそれができるということになりますと、やるべき仕事の法律的な根拠が与えられたということになろうと思うのです。そこで先ほどから出ておりますような極端なものはない、将来はそういうものを行政指導でやらせないと言われますけれども、それでは午前中説明になったように、三百三十六企業体というものの中に、民間企業と全く競合していないもの、民間企業とどちらが勝つか負けるかというような同じような企業をやっているところは全然ないということが言えますか。その際に、一方に多少でウエートをかければ民業を圧迫するという問題が具体的に起こるおそれがあると思うのです。それは長崎のように県自体で全部バスをやっているというようなところは民間業者はそれに対抗できません。しかしながら、ここに今から軌道を作ろうというような場合が出ておる自治体もあるかもしれません。それを民間企業でやるか、公営でやるかという際に、やはり地方公営企業に今言ったような融資的な面、出資の面で有利な点が出てくるということになると、これは明らかに民営事業というものの圧迫になるというおそれがある。自治大臣のおっしゃるほど、それほど善意で——私が極端に悪く言っているのではなくて、そういうことをも心配をして法律を作らないと、悪用されるおそれが多分にあるし、それから生ずるところの地方の混乱というのは、あげてこの法律の責任になるというように思うのです。そういう点はどうですか、課長さん、全然ないですか。あなたの三十三年度決算における御説明が午前中ありましたが、そういう専業の中で天びんにかけて五分々々だというようなせり合っている企業はないですか。一方にウエートをかけたら一方はうんと栄えて、一方はぺしゃんこになるというような事業はございませんか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 具体的にはまた事務当局から御答弁できると思いますが、大体自治体からそういう無利子の出資をしようという場合には、非常に限られておる事業対象だと思います。そうでなければ、この法律を作らなくても、もしそういう乱用をやろうと思うならば、借入金をどんどんやって今でもできるわけです。地方団体が企業体を作れば、何も無利子でやらなくてもそんな有利な企業をやって民間をいじめようとするならば、今の制度でもやってやれないことはない。多少無利子の金を出すか出さぬかの違いであります。従いまして二宮委員の御指摘のようなことがあってはなりませんので、それには今後ともこれをやることについても起こり得ないように十分注意はしていく。それから現在競争線になるとか、ある競争事業になって、みすみす民間側が従来の慣習から見ても当然やるべきものであるが、それを横取りしてやるということは、これからもやらせないようにしたい、こう思っておるわけであります。

立田清士自治事務官(財政局公営企業課長)

○立田説明員 ただいまの御質問でございますが、午前中申し上げました事業の中で、御承知の通り水道事業は現在もほとんど公営でやっておりますので、一応民営との関係で競合の問題はほとんどないと思います。  それから電気事業でありますが、これは現在公営企業でやっておりますのは、県の場合は発電事業が主体でございまして、あといわゆる規模の小さい地域で売電でやっておるところも若干ございますが、これは電力会社との供給区域の関係は全部調整がついた上でやっておりますので、そういう意味では民営との関係は一応ございません。ガス事業につきましても、現在これは公営でやっておりますのは、比較的中小都市あるいは町村等においてやっておるものがございまして、これも民営ガスとの地域的な調整は一応ついております。  それから交通事業でありますが、これは御承知の通り公営でやっておるばかりでなく、民営でも相当大規模にいろいろやっておられるわけでありますが、個々具体的な場合といたしましては、路線の問題になることでございます。路線については、御承知の通り免許がございますので、その際に公営の路線は民営との調整がある程度はかられているという結果にはなります。ただ、たまたま具体的な例においては、一つのところを二つの系統のものが走るという場合はもちろんございますけれども、いずれも公営の場合はいわゆる都市交通ということが中心になってきておりますので、その面で、免許の面でもそういう点の調整がある程度はかられておるというふうになっております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 今の交通業の場合は、あなたの方はどういう資料を持ってやっておられるかわかりませんが、今まで民間に認可を与える際は、競合しないように一路線一バス会社という形でやっていくという指導方針でこの問題の混乱を防ぐという方針でおられるのですが、もしそういう趣旨であるとすれば、そういう行政指導でいける範囲はいいのですけれども、必ずしもそういうわけには全国的にはいっておりません。従って、それらが競合し得るという可能性は十分あります。交通問題については十分あり得るのです。ですからこれによって、従来のものに対しこういうことがやり得るということもあろうし、それから将来やる地方公営企業に対してもこういう道が開かれるということもあるのですから、従来のものがたとい非常に少ない数であったとしても、将来は必ずしも少ないということにはならぬと思う。だから、そういう点を私心配をしますから申し上げておるので、この場であなた方答弁をうまく言ったからいいとか悪いとか言う問題じゃない。法律ができた後、一般に適用される場合どうなるかということを考えないで法律を作るということは非常によくないと思う。ですから、こういうことでやると、ほんとうに地方公営企業は、少しそれにたより過ぎるということが出てくるおそれがあるのと、民間企業との門で、やはりどうしてもウエートがそちらの方に向く、困れば出してやるということになる。これは公共のサービスだということになると、やはり僕が心配しておるような問題が、数は少ないかもしれませんけれども実際は起こってくる可能性があり得ると思う。そういう点をぜひ配慮して行政指導もやるし、法律の面でも考えなければならぬと思う。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 ただいまの問題に関連してお尋ねいたしますが、東京都における水道事業が、経常が相当困難な状態に立ち至りまして、水道料金の値上げを一応考慮せられた。こういうことを聞いておるわけでありますが、結局今回無期限、無利息の出資ができるようになったのです。この場合、東京都の水道事業が相当困難になって、料金を上げなければどうしても収支相償わないという状態に立ち至ったという場合を考慮して、今回の——そればかりではないと思いますが、当然そういうような場合には出資の制度が適用せられる、こういうことをお考えでございますか。東京都の場合は、たしか料金値上げを申請したところが、政府のいわば公共料金の値上げを押えるという一貫した政策のもとにおいて困難だということで、ある程度補給金か、補助金か、出資か——出資の制度はまだできておりませんからわかりませんけれども、何らかの形で都の議会が処理しなければいかぬ。こういう事態に立ち至っているということを聞いておるのでございますが、この点は現在のところはどういう形の処理の仕方をされておられ出すか、その点もあわせて伺いたい。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 東京都の水道につきましては、御承知と思いますが、全体的に非常にまだ施設も足りない。たとえば二十三区の中だけでまだ百二十万程度の無給水状態の人口を持っておるというようなことから、現在及び将来を考えて、合理的な料金制度を立てるのでなければやりにくいという意向があったことは伺っておりますが、これは諸般の情勢から今時期じゃないということでとめておることも御指摘の通りであります。しかし、今ある公営事業に対しまして地方団体がそうむやみに出資をやり得るおいうものじゃないのでありまして、地方団体もおのずから財政上には非常に制限がございますから、そう無利子の金をどんどんあらゆる企業に投下できるというような工合にはいきませんし、またそういうことによって既存のそういう赤字企業をすべて立ち直していくという予定にはいたしておらぬわけであります。従いまして、現在あるそういう企業体に対する赤字補てんは、一般の地方税をさいて回すか、いわゆる補給金で回すか、あるいは合理的な料金値上げを将来考えるか、そういう点はもう少し検討しなければいずれともきめかねると思いますが、出資によって直ちにこの問題を解消するほどの額が、たとえば東京都の現状で一般会計から持っていけるとは思いません。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そこでお尋ねいたします。とにかく現在コストが高くて、当然これをカバーするためには料金の引き上げ等をしなければならぬ、そういうような事態を予想してこの出資の制度の道を開いたということは、先ほどの大臣の御答弁の中にあるわけでありますが、ここで都の水道について重ねてお尋ねしたいと思うのですが、現状のもとでは料金の引き上げをしないと、企業自体として困難な状態に立ち至っているということは私も新聞等で聞いております。そこでもって出資なり補給金なりいろいろな道はありましょうが、自治体がいわゆる税金をもってこれをカバーをしていく。それがいいか悪いかということはいろいろ議論がありましょうが、とにかく現在東京都の水道の値上げを押えるのは政府のいわば公共料金に対する一つの基本的な方針といいますか、そういうものからやっているわけですね。都としてはこれを上げなければ工合が悪いんだ、こう言っているわけです。東京都がこういう事態に立ち至った原因はいろいろありましょうけれども、とにかく現在の諸物価の値上がりなり、いわゆる政府の責任として考えなければならぬ部面が相当あるだろうと思います。そうしたものを結局こういう出資なり補給金という格好で自治体にいわばしわを寄せていくということは、これはやはり問題ではないか。といたしますならば、政府がまずこういった出資の道を開いてコストを下げるということをお考えになる以前に、私は当然するべき方法があるのじゃないかと思う。といいますのは、公共企業体が公募債なり政府債なり、いろいろな形で資金を借りております。こういうものに対して、特に政府の政策の一端として料金の値上げを押えていくという方針が出ますならば、それをその出資の道を開いて自治体にカバーをさせるなどというつまらぬけちなやり方でなしに、政府の方針として押えるということであるならば、当然起債の償還の年限なりあるいは利子なり、こういういわゆる政府の責任において措置し得る問題について手当をして、公共企業体の経営を建て直していく。こういうことを考えることがまず先決ではないだろうか、かように考えるのでありますが、この点に対する大師のお答えを一つ聞かせていただきたいと思います。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 その点はおっしゃる通りでありまして、たとえば地方自治体の関係しておる公共企業体が、経営上というか、採算上やっていけないから、料金で直すかどうかという問題が起こった場合に、地方団体にしわ寄せして、それに対して補給金をやれとか、あるいは逆に今度は、将来の拡張等の場合に対して、いわゆる無利子の出資をやることでそういうものを完全にカバーさしていこうというほど、行き過ぎといいますか、大きなウエートを持つものにはこれはなるまいと思うのであります。たとえば東京都を例にとりましても、何十億あるいは何百億かかりますうちの一側とか一割五分に当たる程度のものを一般会計から出資して、それも対象としては、地下鉄なら地下鉄を新規にどうしても急いでやらなければならぬときに、政府からの出資も仰ぐし、一般の起伏も求める。しかし同時にこれは地方自治体としても若干の応援をしなければいかぬじゃないか。こういうような建前から、その力添えをするというふうに運営されるのが常道でありまして、この道が開かれたからといって、直ちに赤字を云々するとかいうようなことではなくて、その点はむしろ今お話しのように全体の事業資金に対する金利の引き下げなり合理化なりというようなものもあわせて考えていくし、また経営自体の合理化をあわせて考えていくというのでなければなるまいと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 これでやめますが、そうしますと、現在いろいろな値上がりで問題になっておる中に水道料金の値上げがありますね。これについて、現在の池田内閣としては、今大臣がお答えになったような、政府の責任で措置する問題について積極的に手を打つことを通じて水道料金の値上げは完全に押えていく、こういった確固たるお考えがありますか、これだけをお伺いしておきます。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 これは今の地方団体の企業体の赤字でございますから、政府がこれを直接直ちにどうするというふうには結びつかないと思います。しかし全体の考え方としては、今御指摘のような方法も十分考えながらやっていかなければならぬ。しかし、それにしてもおのずから限度がありますし、合理的な料金面というようなものにつきましても、やはり時期、方法あるいはその率といったようなものは十分検討して、各方面から総合的に考えてやっていくべきものであろうと思うのでありまして、今後資金を、金利だけ一方的にどんどん下げていって、それだけで問題が片づくというふうには参るまいかと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そこでついでに水道のことに焦点を置いてお尋ねしますが、この水道の料金というのは、水道法にきめてあるでしょう。それからもう一つ公営企業法にきめてあるでしょう。どうなんです。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 私も今その個々の条章について確認をいたしておりませんが、妥当な料金でなければならぬというような精神をきめる場合とか、あるいは具体的な場合のきめ方というような意味から、そういう二本立になっておる面もあろうと思っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 いや、それは大臣、大事な話ですよ。あろうかじやなくて、ありますと言っていただかないと困るのです。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 地方公営企業法には、料金全般についてその定め方を書いておるわけであります。御承知のように、「料金は、公正妥当なものでなければならず、且つ、これを決定するに当っては、地方公営企業の収支の均衡を保持させるように適切な考慮が払われなければならない。」こう書いてあるわけであります。個々の事業法につきましては、またそれぞれ同じような立場に立っての規定が置かれているだろう、こう思っておるわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 水道法は厚生大臣の料金認可でしょう。その基準は、料金が、能率的な経営のもとにおける適正な原価に照らし公正妥当なものでなければならない、こういうことなんです。これと今おっしゃったあなたの方の二十一条は、単に料金は公正妥当なものでなければならない、ここにニュアンスが違うんですよ。あなたの方の公営企業には甘やかしが多過ぎる。そしてただの金を貸すからといって料金が安くなると思ったら大間違いで、それは放漫経営であり、目の光のない、熱のこもらない死んだ経営になってしまって、そして逆に非経済的な経営から料金の値上がりになることはわかっているのですよ。だから、ただの金なんというものを貸すべきだということはあまり考えちゃいかぬ。あなたたちがそういう甘やかしをするから、地方の方において、これじゃ原価が償えないから、さらにさらに高くなる。あなた方が安い金を貸せば貸すほど料金が上がると私は思う。料金が、能率的な経営のもとにおける適正な原価に照らし、その原価計算というところから——先ほど地下鉄の話も出ましたけれども、公営企業の精神は、独立採算だとかあるいは住民に対するサービスだとか、基本的な考え方がありますから、この基本的な考え方からはずれた制度というのは少なくとも違法なものだ、はずれてはならない。だから先ほどの赤字になったら、それは十八条で救っておるじゃないですか。あなた先ほどから何とかいう言葉をお使いになりましたな。補給金とかいうことをおっしゃいましたね。これは正式にいえば繰入金ですね。繰入金はその収入が見合わない場合の補てんの方でしよう。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 午前中にもちょっとお答えしたのでありますが、十八条に書いてあります繰入金はいろんなものを含んでおるのであります。赤字になった場合にその赤字を補てんする、そういう意味の繰入金もございますし、出資の意味の繰入金もあるわけでございます。従いまして繰入金と一般的に言ってしまいませんで、それぞれの性格を明確にして計上させることが、それぞれの企業の経理状況を判断していきます場合に適正ではなかろうか、こういう考え方を持っておるものですから、この際出資金についての規定を明確にしていきたい、かように考えたわけでございます。もし補給金でありますと、損益計算上の益金に入ってくるだけだと思います。直ちにそれが貸借対照表上に上がってくるものではなかろうと考えるのでございます。従いまして、その損益の結果どうなるかというようなことが貸借対照表に計上されてくるということになるわけであって、損益の問題と資産状態の問題とは別個だと思うのであります。出資金は一応出資金として貸借対照表に計上されるわけであります。一般の借入金でありますと、その利息を払わなければなりませんから、利息が損益計算上の損金に上がってくる。また資本金でありましても、借り入れ資本金でありますと、借り入れ資本金に利息を払わなければなりませんから、損益計算上の損金にその利息が上がってくる、こういうことになるわけであります。自己資本金でありますと、直ちに利息を払う必要はございませんから、損益計算上の損金には上がってこないわけであります。上がってこないわけでありますが、そういう金を使っているわけだから、損益計算上ある程度の益金が出てこなければ穏当でないじゃないかという、企業の内部監査といいましょうか、内部診断といいましょうか、そういう批判が出てくるわけであります。私たちが、出資をするからすぐそれで企業の赤字を埋めるのだとか、あるいは直ちに原価を下げさせるのだという結論を持っているわけじゃないわけでございます。ただ、できる限り原価を下げさせる、料金政策について低廉なものを定めていっても独立採算が保てるというような意味の出資金は多いわけでありますけれども、出資金が即赤字補てんであるし、あるいは料金引き下げであるのだときめてかかられることについては、非常に穏当でないものがあるわけであります、ただ、出資金は出資金、補給金は補給金で明確に計上させた方が、企業の経営状況を診断する湯一合には適正にいくじゃないか、こういうふうに考えているわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 理解の便のために念を押しますが、補給金とおっしゃるのは何のことですか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 十八条の第一項におきまして、「災害の復旧その他特別の事由に因り必要がある場合においては、予算の定めるところにより、一般会計又は他の特別会計からの繰入金による収入をもって当該企業の経費に充てることができる。」と書いてあります。これはかりに災害があって損金が出たその穴埋めをするために繰り入れを必要とするという場合が起こってくると思います。その場合に、さらに第二項をもちまして、「前項の規定による繰入金に相当する金額は、翌年度以降において、予算の定めるところにより、当該繰入金を繰り入れた一般会計又は他の特別会計に繰りもどさなければならない。」と書いてあります。普通の貸付金的な性格を持った繰入金でありますと、当然繰り戻さなければならないわけであります。独立採算を貫いておりますから、一般会計から繰り入れたものは原則として繰り戻すということを書いております。しかし、ただし書きをつけているわけでありまして、「一般会計又は他の特別会計において支出すべきものを当該企業の特別会計において支出したことに因る繰入金その他特別の事由に因る繰入金については、議会の議決を経て、当該繰入金を繰り入れた一般会計又は他の特別会計に繰りもどさないことができる。」と書いてあるわけであります。要するに赤字穴埋めのための繰入金のようなものでありますと、これは繰り戻さないただし書きに該当するようなものであります。でありますから、単に繰入金と伴いてありますけれども、貸付金的な繰入金も、補給金的な繰り戻しを予想されぬ繰入金も、出資金的な繰入金もみな一つにして書いてあるので、その意味で、この規定をさらに明確にした方が企業の経理内容を診断する場合には都合がいいのではないか、こういう判断を一応持っているわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それは今まで非常な乱用ではなかったかと私は思います。繰入金は補給金ではない。補給金は繰入金ではない。だから補給金という概念は少なくともやりっぱなしという感じを与えると思う。やりっぱなしというのは、一般会計ないしは特別会計に、出してくれたところに繰り戻さなくてもいいということになるわけでありますが、十八条は繰り戻すのが原則です。繰り戻すのが原則であるならば、これはあくまで借入金の性格を持つものであって出資金ではないのです。出資金をきめたものとお考えになっては困るのですよ。だから出資金は、今度初めて十七条の二で何かしら困るから作ったんでしょう。今までのもので困らないなら作る必要はないではないか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 十八条の規定は非常に広く繰入金のことを書いているわけであります。厳密にしていきますと、今おっしゃいましたようないろいろな場合がある。また場合によりましては、独立採算を非常に強く貫いているわけだから、出資金的なものをどうするか、この規定だけでは十分でないのではないか、こういう考え方もあり得るわけであります。そういうようなこともありまして、やはり公営企業によりましては出資を予定した方がよろしいものもあるわけでありますので、そういうものについての明確な規定をしたいということで今回改正を行なおうとしているわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 だから、今度明確化されたことはよろしいのです。十八条が乱用されたごとくに十七条の二の乱用も考えられる。これは認可、許可の問題ではなく、だれも自由にできるでしょう。企業債そのものが、二十二条でまたこれが自由である。許可を受ける必要がない。これくらい公営企業に対しましては長いなわがつけてありますから、従って、この出資金というものの制度が悪用された場合のことを考えると、あなたたちのこの最初の第一条の規定の目的だとか、あるいは第三条の原則とかいうものにそむくようなことになりはしないかということを先ほどから言っている。その点で出資金というものはあくまで資本勘定であるのだから、これは資本金として見なければいけない。同時に料金値上げという議論が——参議院の中におきましては、この法案を審議するに伴って公共企業体の各種の利用料金は値上げすべきだというムードが何か少し漂ったそうですね。それに対して自治省当局は触手を動かしなさったという話がある。これもまた困ることであって、少なくともこの住民に対するサービスとか、あるいは公共性というものを貫く限りは、政府が公共料金の値上げをしないと言ったときに、公共料金値上げが当然この地方公営企業法の精神でございますなんていう議論が今さら出てきては困るのですよ。だから筋を通してもらいたい。ですから、出資金はあくまでも資本でございますね。これを言っているのです。それはどうですか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 その通りでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それをはっきりおっしゃっていただければ、あと資本なんか食いつぶすものは少なくともきゆうをすえなければならぬ。あり得るなんていうことになったら大へんだ。  そこでそれに関連してお尋ねしますが、独立採算制ということに関して、独立採算であるならば収支が相償うということが原則でありますから、この収支償うという償わせ方が問題になるわけです。日本の国はとかく公営企業に対しては寛大であって、非課税の原則が適用されている。この非課税というものは、あなたは非常に進歩的なものとお考えになるのですか、それともこれは早晩どこかで改める必要があるとお考えになるのですか、それは大臣はいかにお考えになっていらっしゃいますか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 これはちょっとむずかしい問題でございまして、今公営企業のような仕事をやっておる、それがたとえば地方の公共団体に対して相当な負担をかけるというような場合には、それに対して課税をする場合あるいは納付金をとる場合というようなものも当然あってしかるべきものだと思います。しかしまたものによっては、取ったものがそのまま取ることによって非常にものが高くなるとか、一方で取るが一方で吐き出さなければいかぬからというような場合には、両方ともこれは取るのをやめた方がより合理的だというようなケースも出てこようと思いますし、その場その場で適正な判断をしなければならぬので、一方的にこうであるというふうにはなかなかきめかねる問題が多かろうと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 何か基本原則はきまっておって、取捨選択ができるという原則なら、それは判断していいんです。これは取った方がよろしい、これは取らぬ方がよろしい、これはいいのです。しかし一つの法の構成の中において、目的の中において、地方公営企業というものは非課税とすべきであるか、非課税であるのがほんとうであるのかどうか、これは別な意味で、基本的な観念として何かあなたの方で割り切ったものがなければいけない。地方公営企業に対しては非課税であるべきかどうかということです。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 たとえば地方公営企業体そのものに対して、地方団体自身が課税するということは原則的にはナンセンスである、と言っては言い過ぎでありますが、合理的でないと思います。しかし、地方公共団体がやっておる場合にも、これが別の角度から、ほかのものとの関連においてどうしてもこれは一応一定の率をかけなければいかぬというような場合も生じてくると思います。たとえばガソリン税のような場合にはこれは生じてきます。しかし一方では固定資産税等をその企業体自体から地方自治体が免除するといいますが、取らないという場合もあるというふうになろうかと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 いや、今の日本にも若干の相違がありますけれども、基本的にはどうですか。基本的には、地方公営企業というのは非課税という援護をしなければいけないのか、あるいはさらにこれに妥当な課税はいたして、そこで経済活動というものの堅実化をはかる必要があるかどうか、この辺はどうですか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 妥当な課税については、やはりかけるということが原価計算の建前になろうかと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 じゃ国税の中において、どのようなものをかけるのが妥当でしょうか。もし考えられるとすれば、一つか二つ例をあげて下さい。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 間接税の中にはそういうものがかなりあろうと思います。一例をあげますと、重油等の道路譲与税といったようなものがこれに当たろうかと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 少し私の考え方があなたの方に徹底しないような気がしますが、イギリスの国の運輸会社に対しては、地方税も国税も全部かかっているんですね。そうして資本に対しては適正な利子をつけてもうかれば配当をしなさいというふうに、イギリスという国は少し変わっている。日本とはだいぶ違うのです。しかしそれで公営企業というのは衰微するかというと衰微しない。これは甘やかしてはいけないという例だと私は思うのです。非常に甘やかしたのですよ。だから日本の国税の中で、私は不思議に思うことは、先ほど東京都の例もありましたけれども、最近電灯料値上げ値上げと問題になっておりますが、配電会社の株式を取得しておる地方公共団体がたくさんあるのです。どうでしょう、それはわかりますか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 配電事業をやっているのは、小規模の町村において若干ございます。大きなのはみな発電事業だけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 いや、そうじゃなくて、何ですか、関西配電とか九州配電とか、電力ですか、配電会社ですね。そこの株式を取得しておる地方公共団体は御存じですかと聞いておる。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 御質問の趣旨をとり迷えまして恐縮いたしました。電力会社の株式を持っておる地方団体は相当ございます。団体によりましては相当な分量、数%という程度に上っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 念のために、東京、京都、大阪、福岡県はありますか、その辺のところをちょっとわかりましたらお知らせ願いたい。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 たくさん持っておりますのは、たとえば山口県とか高知県とか、東京都もかなり持っておると思いますが、そういう団体でございます。要するに電力統制の以前に配電事業を行なっておった地方団体、これがそれを譲り渡すかわりに株式を取得したわけでございます。その株式が尾を引いて相当な分量になっているということでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 だから、東京はどのくらい持っておりますか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 正確に幾らでありますか、ちょっと今記憶がございません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 その配当所得というのは雑収入の中に入っておるのでしょう。だからうっかりすると、ちょっとわからないのじゃないですか。所持する株式の配当金というものは雑収入に入っておる。だから株を持っておるか持っておらないかということは、うっかりするとわからないのじゃないですか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 財産収入になると思います。また財産は議会に報告していると承知しております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 じゃ、あなたの方の財政計画をお立てになる場合に、いろいろこまかい数字なんかも積み上げていらっしゃるので、およその見当があるでしょう。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 今ここでは覚えていないわけであります。ただ財産収入全体として計算したのは持っておりますけれども、そのうちの電力だけの株式配当が幾らであったかということの資料は、今持ち合わしていないわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 じゃ、株主が地方公共団体だとして、その株主の義務というのはどうなりますか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 当時、地方団体が株式を収得いたしまして、やはり公益事業でありますので、その公益事業が住民の意志に適合するように運用されなければならない、それにはやはり相当数の株式を保有していた方がよろしいだろうというふうな考え方もあったわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 であったら、電灯料値上げに対しては、地方公共団体は率先して反対しなければならぬ。あなたの遡行から言うと、公共性という名のもとに株式を取得したものならば、電気料の値上げに対しては反対だという立場になるわけですね。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 公益の立場から考えて、直ちに電力料の値上げが常にいけないのだ、こうわれわれは考えていないわけであります。必要な発電も起こしていかなければならないわけでございまして、そのような資本をどうやって確保していくかというような問題もございますので、いついかなる場合にも電力料の値上げが即公益に反するのだというような考え方は持っていないわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 地方公営企業というものを持っておる自治体は、公営企業法の精神に基づいて住民サービス、公共性の発揮ということを非常に強く心の中に抱き締めてやらなければならないという規制があるでしょう。その精神からいって、配電株を持っておるとするならば、その株主としては公共性、サービス精神という点を主張しなければならないような気がするのですが、どうでしょう。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 地方団体が株主としても、あるいはまた地方団体自身といたしましても、公益を増進するという意味において、いろいろな事情について注意を払いながらそれに即するように努力をしていかなければならないことは当然のことだ、こう考えておるわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 だから、配慮するということからいえば、株主権は持っておるけれども、その株主総会に出れば、料金は値上げすべからず、これを発言しなければならぬことになる。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 先ほども申し上げましたように、公益のためにはむしろ料金値上げを必要とする場合もあり、それを資金としてさらに電力を充実していくというようなことも考えられる場合もありますので、仮定の——太田先生のせっかくのお尋ねでございますけれども、常にそれが正しいのだ、こういうふうな御返事はいたしかねます。こうお答えいたしておるわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 だから、株主権を行使するにあたって、一般営利会社の株式を、これは公共性のある営利聖業の株式を持っておる一般市民が、少なくともその資本の効率のみを中心として、重点に置いて、社会性の方は少し少なくなる。定款は承認しておるけれども、自分の投下資本の効率のみを中心として配当の多きを願う精神と、東京都や京都のように、あるいは高知県のように、そういう地方公共団体が株主としてそれを持っておる場合と、持つ立場が違えば反対の議論をしなければならぬことになる。全然違う。高率配当を願う民間人と社会公共性を願う地方公共団体とは全然違うと思う。そういう二種の株主があるのですか。そういうことですか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 もちろん両様の立場があろうかと思います。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 これは法律の運用の問題でちょっと聞いておきたいと思うのですが、こういう場合にはどうなりますか。たとえば水道事業というものを地方公営企業でやっていく場合、二条には附帯工事を含むということになっておるわけですね。そうしますと、地方の自治体では、下請工事というものは請負条例の中でこれを認めないことになるわけです。下請ということをやらせないということになる。なぜなら、水道工事を受けた者は水道工事そのままを建設していくことになるわけですが、実際は別途の者が下請工事をやるわけですね。そうすると、表面では条例で下請工事は認めないということになっておれば、たとえば水道工事の中で、水道の附帯工事をやる場合、下請をやる事務組合が二つあって、そうしてそれが連合して一つの組合を作って、今度の改正案のようにそこに企業管理者というものを置くというと、それに対して地方自治体からこれに対して出資をすることができるということになってくるわけですね。そこで実際は地方公営企業体の中に正式に任命権者として雇用者といいますか、雇っていないけれども、下請というものが許されない関係上、三十人なら三十人と限定された員数だけを常時雇っておるという事業体が、そこに一つの事務組合を作るというような状態になっていくと、この地方自治体から出資金がほしいということを、言い方は悪いけれども、そういうことのために、その事務組合が連合して一つの事務組合を組織するというような状態になった場合には、それには出資金が与えられるものかどうか。これは事実、将来合併しようとする町村が、今ある市とある市の中で、今言ったような事業者がほんとうに事務組合を作って、すでに出資がもらえるものだということを目標にして運営されておるという事実があるわけです。これは表面、非常に合法的なようにも考えられるし、脱法行為だとも思える筋合いもあるわけですが、それは常時雇用しておるという認定が一体どこでなされるかという問題がまず一つあるだろうと思う。それから事務組合の認可というものは、その専務組合を認可すれば、それは共同すれば一つの組合として出資がもらえる客体になる。こういう段階の運営の問題があろうと思うのですが、そういう具体的な問題が問題になりましたときに、これがはたして出資金がもらえるかもらえないかによっては、今後そうしたものが幾らでもできていくという傾向が私は出てくるのじゃないかというように思うわけです。特にこれが水道工事などの下請工事の事務組合という格好に多いと思うのですが、質問していることが、内容がわかりますか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 ちょっとわかりかねている点もございますので、間違いでありましたらお教えをいただきたいと思います。  甲と乙がそれぞれ水道事業をやっている。その場合、ただ単純に出資をしてもらいたいために合体をしたというだけでは、それに必要な出資の問題は起こってこないのじゃないか、こう思うのであります。事業拡張をいたしていきます場合には、これはやはり財的な基礎を確立しようとして、組合について必要な出資を行なうものとすると規定しておりますので、出資を期待いたしたい、かように考えるわけであります。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 非常に悪意にとらずに、たとえばA市からB市に水道を引く場合に、そのA市とB市とが合併して下請をやった方が工事の推進上都合がいい、それでその下請業者が五十人なら五十人、百人なら百人きまった員数をもって連合の事務組合を一つ作る、こういう場合のことを言っておるわけです。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 工事の場合には、市町村は請負に出すわけでございますから、工事関係者は市町村の職員になってこないと思うのです。地方公営企業法に書いております員数は、市町村の職員の数を言っておるわけでありますから、むしろその水道専業が運営される場合に必要な職員を考えていただいた方がいい、こう思うわけであります。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 それは第二条の解釈の仕方が私はおかしいと思う。水道工事、附帯工事を含むという問題がこの工事の中にはあるのですよ。附帯工事を含むという場合、職員だけでやれますか。そういう場合にはどうしても人的に技術者というものがこの中に人らなければ工事というものはできないと思う。だから、そういうときにはここではっきり合法的に事務組合を組織され得ると思うのです。法的にいって、いわゆるA市とB市が一緒になって一つの事務組合を作れば、今度の改正案でいけばはっきり出資がもらえることになる。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 ここに書いておりますのは附帯する事業でありまして、一般の工事のことは予想していないわけでございます。工事は大体請負に出すものだ、こう考えておるわけでございます。水道事業の場合には職員事業などもあるじゃないかというお話も出ておるわけでございますけれども、そういう式の経営に要する職員数を第二条では予想いたしておるわけでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 そういう技術者というものは地方公営企業法にいうところの常時雇用される員数というものの中に入らないと限定していいのですか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 水道工事そのものであります場合には、一般的に請負に出しておるわけでございますので、常時雇用される職員には入らないと思います。ただ、将来とも修理が必要だ、その修理のため市町村として常時雇用していくという場合にはこの員数の中に入って参るわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 先ほどの話に少し戻りますが、公営企業というものが現在の体系の中では一つの独特のにおいを非常に持っておるということです。これは一体地方公営企業というのは何だ、利益というものを求めないところの単なる社会主義社会における事業団のごときものであるのか、それとも資本主義社会における営利法人であるのか、両方を寄せたもののまん中のものであるのか、この点は明確でないでしょう。明確ですか。だからいろいろな二宮さんみたいな意見も出てくるわけですよ。公営企業というものの性格は一体何だ、何をねらっているのか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 大へんむずかしい御質問ですが、公営企業というのは、いわゆる民間の営利会社がやるような営利を追求するものではむろんないわけであります。しかし、仕事自体が経常的な性格を持つものである。それは必ずしも利潤を追求する性格のものじゃないが、公的に見てこれを経営形態としてやった方がいい。一般の単なる公共企業の投資のような形でなくて、収支採算を持つ、バランスシートを持って経営をやった方がいいと思われる面について、一般の企業体と同じような経営の仕方を適用してやっていく。しかし、その目的は営利を追求するのじゃないが、収支あるいは経営のあり方を明らかにして公的に奉仕していく、こういう性格のものであろうと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そういうことになるから、右か左かどちらかに割り切るにはなかなかむずかしい点がある。むずかしい点があるから、先ほどから繰入金と出資金との理論の入りまじりが出てくる。これはもう一度奧野局長にお尋ねしますが、企業の特別会計が窮屈だから一般会計から出資をします、そしてその穴埋めは地方債によって穴埋めをしておきます、こういうことをやられた例がどこかありますか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 御承知のように、地方債を起こす場合は地方財政法で限定をしておりますので、そういう意味の地方債を起こすことはできないわけであります。ただ地方団体の出資金そのもの、あるいは貸付金そのものを起債の対象として許可したことはございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それはよくわからないとは思います。一体どこにどうしたためにそこの自治体が起債を必要とするかということは、私はわからないと思いますけれども、どうもそういうようなやりくりをしたのが十八条の繰入金という運用によってあったのじゃないかと実は想像するのですが、それでは都道府県債、市債、町村債というふうに分けて、今どれくらいあるのかわりますか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 総体で一兆円余りでありますが、地方団体別の内訳は府県が五千四百六十億円、これは三十四年度末ですから一年ずれておりますが五千四百六十億円。市町村が四千三百二億円ということになっております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それからもう一つ、地方公営企業におきまして銀行から借り入れをする、あるいは信用金庫も含めますが、市中銀行から借り入れをしたものはどれぐらいありますか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 公営企業の起債総額は、これも三十四年度末ですから一年ずれておりますが三千百三十七億円ということになっております。その資金の内訳はここに資料を持っておりませんので後刻お答えいたしたいと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 地方債は三千百三十七億にしても、銀行からの借入金はありませんか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 地方債は要するに長期債でございますが、短期の借入金ということになって参りますと、時期的に相当な移動があろうと思っております。時期的に押えたのもあるのでありますが、ここに資料も持ってきておりませんので、これも調べてお答えいたしたいと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それでは課長さんにお尋ねしますが、現在生きておる公営企業債の平均金利、それから公営企業に回されておる地方債の金利、それから公営企業が扱っておる市中銀行、金融業者からの借入金の平均金利、これは大体どれぐらいになっておりますか。

立田清士自治事務官(財政局公営企業課長)

○立田説明員 ちょっと今正確な数字を持ち合わせておりませんが、地方団体関係の借入金は、御承知の通り政府資金関係は年利六分五厘でございます。一般会計は六分三厘でございます。公営企業関係は六分五厘、公営企業金融公庫の方は年利七分六厘になっております。それから一般の市中ではいろいろレートがあろうと思いますが、七分六、七厘のところもありましょうし、あるいは八分前後のところもあるというような状況でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 従いまして、将来一つの見通しがあると思うのですが、現在あなたがつかんでいらっしゃる状態から見て、昭和三十六年度以降一年間にどれくらいの借入金の需要があるものと想定されていらっしゃるか。これは今出資を認めないという場合ですよ。出資を認めないとしたならば、地方債なりあるいは公庫債なりの需要がどれくらいあるでしょうか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 出資金の規定をここに置いたから資金状況が非常に変ってくるというほど大きな影響力を持つものではないと考えておるわけでございます。現に先ほど東京都の地下鉄の例を申し上げたわけでございますけれども、本年度におきましても、また前年度におきましても、一般会計から貸付金という形で繰り入れをいたしておるわけでございます。そういう事情でごさいますので、この規定を置いたから直ちに資金状況が大きく変ってくるということはないわけでございます。地方債としては三十六年度で公営企業及び準公営企業合わせますと千百十、五億、こう予想しておるわけでございます。若干償還金がございますので、それを差し引きませんと純計が出ませんけれども、そういう状態になっております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 最後に、最近地方ではやっておりますところの事業公社でありますが、公社という名前が適当であるかどうかちょっと私も不正確ですが、土地取得、工場用地の供給、あるいはその他住宅用地などの取得に対して、なかなか土地が手に入らない。こういう場合には地方におきまして地方団体が出資をいたしまして公社を作り、それに事業を行なわせるという方式が流行しておるように承っております。それに対して地方自治庁の何か御指導の方針があったように承りまして、その資料を前回お願いをしましたけれども、まだこちらに来ておりませんが、その公社も地方公営企業法第二条第三項に基づくものとして本法を準用し経営することができるものと理解してよろしいのでございますか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 地方公営企業法の適用を受けるような企業についての規定でございまして、今御指摘になりましたような宅地造成というような性格のものはこの第二条には見ていないわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 もしそこに出資するとなったら違法ですか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 この規定の有無にかかわらず、出資しようと思えばもちろん出資できるわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 公社に自由にそういう出資ができるならば、公営企業だけ十七条の二を作ることはないじゃないですか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 先ほども申し上げましたように、現在の十八条の繰入金は、いろいろな意味の性格のものを一緒にして繰入金という形式で規定しておるわけでございますので、出資金のようなものについての内容を明確にして経営してもらいますことが判断上よろしいわけでございますので、特にそのものを抜き出して規定をいたすことにしたわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それは企業債によって許可を必要とせずにやれるくらいになっておるのだから、出資なんというものをことさら作らぬでもいいじゃないですか。だから公社の方は出資は自由だ、無制限であるならば、公社を建てるなら、幾ら出資しようとも、それは条例できめればいいのだ、議決があればよろしいのだ、こういうことに相なるとするならば、何で地方公営企業だけこんなむずかしいことをやらなければならないのか、特にこの出資というのを作る理由はないじゃないかと思うのですが、必要があるのですか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野政府委員 先ほどお答えをいたしましたように、企業の経理をその性格に即して明確に表示してもらうという必要があるわけでございますので、地方公営企業法の改正を行ないたい、かように考えているわけであります。今御指摘になりましたいろいろな公社、これについても多分に問題はあるわけでございます。ただこれらの公社は、地方団体の特別会計ということではなしに、別な人格のものにしておるわけでございますので、地方公営企業のこの規定とは特別な関係はないと、こう申し上げているわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 念のために、公社に対する通牒がありましたら、次官通牒か何かお出しになったように承っておりますが、それを一つあとで資料としてお示しいただきたいと思うのです。  それからもう一つは、参議院における奧野局長の答弁を本委員会における答弁とで若干受け取り方の違うものがあるような気がするのです。ちょっと心配になりますので、その点、私どももよく照合してみますけれども、あなたの方でも一度思い出していただいて、間違っている点があったら本委員会の答弁にきめられるということで、向こうでさきに答弁なさったのは間違いであったというようなものが出てくるような気がするのです。誤解が非常にあるようでありますから、その点が少しあとに残りますけれども、きょうは大体以上で終わります。

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 他に質疑はありませんか。——別に質疑もないようでありますので、両案に関する質疑はこれにて終了することといたします。  次会は来たる十八日開会することとして、本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十二分散会

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