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38回国会衆議院1961/05/11

地方行政委員会 第28号

発言数
45
登壇者
9
会派数
2
開催日
1961/05/11

会議録

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 これより会議を開きます。  去る四月二十八日本委員会に付託されました参議院提出、酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律案を議題といたします。

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 まず発議者より提案理由の説明を求めます。参議院議員紅露みつ君。

紅露みつ自由民主党

○紅露参議院議員 ただいま議題となりました酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  めいてい者に対して寛容に過ぎるわが国の社会的習慣を諷刺する意味で、いわゆる酔っぱらい天国ということが言われるようになったのは、戦後のこととはいえ、すでに新しいことではないのであります。しかるに、年末年始や花見どきはいうに及ばず、盛り場、街頭、汽車、電車などの公共の場所や乗物において目に余るめいてい者を日本ほど多く見かける国はないということを絶えず内外の識者によって指摘され、めいていによる犯罪の件数も年々増加の傾向にあることは従来の統計の示すところによって明らかであります。他方、また、酒乱に基づく家庭悲劇も一向にあとを絶たないのが実情であります。  もちろん、酒が人間生活に慰めと潤いと楽しみをもたらすものであるという一面を否定するものではないのでありますが、さればといって、それが公衆に迷惑をかけるようなものであってはならないことは言うまでもないところであります。ただ、従来から、めいてい者の行為については、それが多少人に迷惑をかけるようなものであっても、酒の上のできごとという理由で社会一般もこれを大目に見、めいてい者の責任はあまり追求しない習慣があるように存ずるのであります。そのため一般の善良な市民及び家族が、めいてい者によって受けている隠れた迷惑、被害ははかり知れず、彼らが、いわゆる酔っぱらい天国に心の底からやりきれなさを痛感しているであろうことは、想像にあまりあるものがあります。もちろん、めいてい者に関しましては、警察官職務執行法、道路交通法などの現行法におきましても部分的に関連規定が設けられております。しかしながら、現下のわが国におけるめいてい者の実態にかんがみ、今後わが国がいわゆる酔っぱらい天国なる汚名を返上して、真の文明国として国際社会に伍していこうとするためには、現行法の規定ではすでに種々の点で不十分であると思われますし、とりわけ、わが国において開催予定の次回オリンピック大会を目前に控えているといった事情などを考慮しますと、その点を特に痛感するものであります。  他方、また、めいてい者に対するわが国の世論も近来ようやく活発となり、婦人団体を初め多くの団体もこぞって悪質のめいてい者を規制する立法を要望し、特定の地域においてはすでに市民ぐるみのいわゆる酔っぱらい追放運動を実施しており、報道機関などにおいてもこの問題を種々の観点から大きく取り上げるに至っております。  かような現下の情勢に対処して、私どもとしましては、この際、飲酒を強要するなどの悪習を排除し、飲酒についての節度を保つべきことを日本国民の努めとして宜明し、その啓発的措置をあわせ講ずるとともに、過度の飲酒が個人的及び社会的に及ぼす害悪を防止するために、できる限りの綜合的かつ効果的な施策を早急に樹立する必要があると判断しましたので、おおむね次に述べるような方針を骨子としてこの法律案を立案いたしたものであります。  方針の第一は、公共の場所または乗物におけるめいてい者のうち、本人のため、応急の救護を要するものについて警察官による保護の万全を期することとしようとするものであります。  方針の第二は、めいてい者が、公共の場所または乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野または乱暴な言動をしたときは処罰できることとし、また、めいてい者が警察官の制止をきかないであえてそのような言動をして公衆に著しい迷惑をかけた場合は、さらに処罰を強化しようとすることであります。  方針の第三は、アルコールの慢性中毒者またはその疑のある者に対しても、その者が積極的に医師の診療を受けるような公的な面からの必要な助言的方策を講じ得ることとすることであります。もちろん、めいてい者に対する施策の完全を期する上からは、アルコールの慢性中毒者に対しては、国立の治療センターを設けるなど国家がその責任において診療を行ない、できるだけ早期に社会に復帰させるようにすべきでありまして、そのことは福祉国家として当然なすべき措置と考えるものであります。しかしながら、今直ちにそれらの点を全面的に取り入れた施策を実現することは困難でありますので、今回はやむを得ず可能な範囲のものについて措置するにとどめましたが、今回措置できなかった施策については、今後早急に必要な予算措置を講ずることなどによって積極的に推進されるよう強く要望いたすものであります。  以下その内容の概略について御説明申し上げます。  第一は、法律の目的を明確にしたことであります。すなわち、この法律が、めいてい者の行為を規制し、または救護を要するめいてい者を保護するなどの措置を講ずることによって、過度の飲酒が個人的及び社会的に及ぼす害悪を防止することを目的とするものであることを第一条において明らかにいたしました。  第二は、わが国における今までの誤った飲酒についての社会的悪習を是正しようとするものであります。すなわち、すべての日本国民が、飲酒を強要するなどの悪習を排除し、飲酒についての節度を保つように努めるべきことを第二条において宜明いたしたのであります。  第三は、めいてい者の保護に万全を期することとしたことであります。  その一は、警察官は、めいてい者が、公共の場所または乗物において粗野または乱暴な言動をしている場合において、当該めいてい者の言動、酔いの程度及び周囲の状況などに照らして、本人のため、応急の救護を要すると信ずるに足りる相当の理由があると認められるときは、職務としてこれを保護しなければならないこととし、第三条第一項においてその旨を規定いたしました。従ってこの規定は、従来警察官職務執行法の規定に基づいては保護できなかっためいてい者を保護しようとするものであります。  その二は、第三条第二項から第四項までにおいて、第三条第一項の規定により警察官がめいてい者を保護した場合に行なうべき必要な半後手続などについて規定いたしました。これらの手続につきましては、警察官から、保護の理由などを事後毎週簡易裁判所に通知させることとするなど、おおむね警察官職務執行法第三条に規定するところと同様の事項を規定いたしております。特に留意しました点としては、本条の保護の対象となる者が、警察官職務執行法第三条第一項に規定する広範囲の要保護者と異なり、めいてい者についての場合でありますために、保護の乱用を防止し、人身の不当な拘束を避けるなどの理由から、警察官職務執行法第二条第三項ただし書に規定するような二十四時間をこえての保護はできないこととしただけではなく、さらに保護の万全を期する上から、保護の時間は、酔いをさますために必要な限度のものでなければならないことといたしました。  第四は、悪質なめいてい者については処罰を強化することといたしたことであります。  その一は、公共の場所または乗物において、公衆に対して迷惑をかけるような著しく粗野または乱暴な言動をしためいてい者については、これを拘留または科料に処することとし、その旨を第四条第一項に規定いたしました。なお、第四条第二項及び第三項につきましては、軽犯罪法第二条及び第三条と同様の趣旨の規定であります。  その二は、警察官が第四条第一項の罪を現に犯している者を発見したときは、その者の言動を制止しなければならないこととし、その制止を受けた者が、その制止に従わないで第四条第一項の罪を犯し、公衆に著しい迷惑をかけたときは、一万円以下の罰金に処することといたしまして、その旨をそれぞれ第五条第一項及び第二項に規定いたしております。これは、めいてい者のうちで特に反社会性の強い者に対しては、さらに厳しく処罰して、社会の平穏と秩序を維持しようとする趣旨のものであります。  第五は、めいてい者が、その者の住居内で同居の親族等の生命、身体または財産に危害を加えようとしている場合に、警察官が、警察官職務執行法第六条第一項の規定に基づく立入りの必要があると認めるときは、当該住居内に立ち入ることができる旨を第六条に念のため規定したものであります。本条は、言うまでもなく、あくまで警察官が警察官職務執行法第六条第一項に規定する要件に該当する場合に立ち入ることができる旨を規定したにとどまり、めいてい者の居住する住居内への立ち入りについて、警察官職務執行法第六条第一項に規定する要件を緩和する趣旨のものではないのであります。ただ、めいてい者の居住する住居内への警察官の立ち入りについて特に本条を設けた意義としては、悪質なめいてい者による家庭悲劇が一向に跡を断たない現状にかんがみ、警察官が、官職務執行法第六条第一項の規定により住居内に立ち入ることができる旨を一般に周知させ、かつ、悪質なめいてい者がその者の住居内で同居の親族等に危害を加えないようその者を心理的に強制するといった効果も考えられるのであります。  第六は、アルコールの慢性中毒者またはその疑いのある者に対し、その者が、積極的に医師の専門的な診療を受けるように勧奨するなどの方策を講じたことであります。  その一は、警察官がこの法律の第三条第一項または警察官職務執行法第三条第一項の規定によってめいてい者を保護した場合に、その者がアルコールの慢性中毒者またはその疑いのある者であると認めたときは、すみやかに、もよりの保健所長に通報すべきこととし、その旨を第七条に規定いたしました。これは、現状におきましては、アルコールの慢性中毒者及びその疑いのある者でありましても、警察官としては保護をしてもその後はそのまま放置せざるを得ない建前になっているのでありますが、今後におきましては、保健所長に通報することによって、そのことが、その者を診療への方向に向かわしめる一つの契機になるであろうことを意図して設けた規定であります。  その二は、第七条の規定により警察官からアルコールの慢性中毒者またはその疑いのある者についての通報を受けた保健所長は、必要があると認めるときは、その者に対して医師の診療を受けるように勧奨し、さらにその者の治療または保健指導に適当と思われる他の医療施設を紹介することができることとし、その旨を第八条に規定いたしました。アルコールの慢性中毒者及びその疑いのある者に対するこのような仕事は、一般的に、国民にとっての第一次的な保健に関する窓口である保健所において取り扱うのが適当であり、保健所としても必要があると認めるときは、通報のあった者に対する公的な助言者または相談相手となり、その者が自発的に診療への方向に向かうよう努めることになるわけであります。  その三は、第八条前段の規定によって保健所長から医師の診療を受けるように勧奨された者が、その勧奨に従って受ける診察及びその診察の結果必要と診断された治療について、その診療を受ける者が生活保護法の適用される要件を満たしている場合にあっては、同法第十五条に規定する医療扶助を受けることができる旨を一般に理解、周知させるために第九条に念のため規定したものであります。  第七は、この法律を適用するにあたっての注意義務を明示したことであります。この法律の大半が人権と密接な関係のあるものであることにかんがみ、その適用にあたっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意すべき旨を第十条において規定いたしました。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望する次第でございます。

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 以上をもちまして提案理由の説明は終わりました。  質疑は後日に譲ることといたします。      ————◇—————

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 次に、地方交付税法及び地方財政法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑を継続いたします。二宮武夫君。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 大体先般から質疑が続行されておりますので、その間における政府案におきまして答弁の足りないところ、あるいは資料の未提出の部分、あるいは答弁をいたしましたことについて多少の解釈の食い違い、こういうものがございましたら、冒頭に一つ御修正をいただいて——そうしないと論議が、今までの上に立ってやりますと、途中で実はそれが間違っておったのだということでは困りますので、当初において一つそういう修正の個所なりあるいは材料未提出の分がございましたら、それを先におやりいただいて、その後に私の質疑を始めたいと思います。

奧野誠亮自治事務次官

○奧野政府委員 前回の委員会で山口さんの御質問に対するお答えを留保いたしておった点がございますので、それを最初に答えさせていただきたいと思います。  御質問は、都道府県のその他の諸費にかかる単位費用を計算いたします場合に、議員定数を五十四人として計算いたしておりましたが、五十六人ではないかという御意見でございました。地方自治法の条文を字句通りに読んで参りますと、どうも五十四人としか読めないというように思われるわけでございます。そういうところから昭和二十六年にこの単位費用の基礎をきめたわけでございまして、その際に字句通りに読んで、担当者は五十四人と計算したようでございました。しかし、いろいろ調査をして参りますと、地方自治法の前の法律では、明確に五十六人と書かれておるわけでございます。今の地方自治法になりましたときに表現の仕方を変えたようでございまして、そこから問題が起こってきているようでございます。同時に、今の地方自治法にいたしましたときにも、議員定数は別段変更しないという建前で書いたようでございました。そうしますと、五十六人のつもりで今の地方自治法ができ上がっている。またかりに字句通り読んで参りますと、人口百万前後のところでは、人口がふえてかえって議員定数が減るというような問題にもなるようでございますので、そういうところから自治省行政局といたしましては、それを五十六人と考えて指導して参っているようでございます。また府県でもそのようにとっているようでございます。従いまして、その他の諸費にかかる単位費用の基礎につきましては、議員定数を五十四人といたしませんで、次の機会に五十六人と改めるべきだ、かように考えているわけでございます。  ただ、今これを五十六人として計算すれば、どういう変化が生ずるかということでございますが、その他の諸費につきましては、投資的経費等包括的に算入いたしておりますので、十円未満の金額は四捨五入しているわけでございます。現行の五十四人という計算で資料として提出しております総額では、標準団体で六億三千百八十九万円余り、これを百七十万人の人口で割りますと三百七十一円七十銭となりますので三百七十円と定めているわけでございます。議員二人を増加いたしますと、標準団体で百五十六万三千八百円の増加になるわけでございまして、単位費用としては、百七十万人で割った結果は九十二銭の増加になりまして、三百七十二円六十二銭になるわけでございます。従来通り十円未満を四捨五入しますと、単位費用そのものには変動を生じない、こういうことになるようでございます。単位費用の計算に変動を生じないからいいじゃないか、こういう意味で申し上げるわけではございませんが、今申し上げましたような経緯で五十四人と基礎をきめておったようでございます。これはいろいろ調査いたしました結果、次の機会に改むべきだ、こう考えておりますので、せっかくの御注意をありがたく拝聴したわけでございまして、今申し上げましたような経過でございますので、次の機会には改めたい、かように考えております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 財政局長が御答弁に立ちましたので、ついでにちょっと小さな問題ですが承っておきます。ことしの四月二十四日の朝日新聞の夕刊に、自然増収が九百億以上になるという国税の増収の問題が発表されておるわけですが、この中でいわゆる交付税の対象になるところの国税三税というものは一体どういう程度のものを占めておるか。まだいわゆる第二次補正以降の精算をする締め切りの段階ではありませんが、今後見通される百十七億に九十億という交付税の増額、それに精算した後のいわゆる九百億という増収の中で今後考えられる増収分として後に交付税の中に入れられるという見積もりは、大体見当はついておりますか。

奧野誠亮自治事務次官

○奧野政府委員 御指摘のように三十五年度の国税の決算見込みにおきましては、相当な増収がなお出ているというようでございます。国税三税についての増収分については、三十七年度において地方交付税に繰り入れられる、こういうことになるわけでございます。私、今正確な数字は覚えてないのですが、たしか三百億ないし四百億円くらいあったのじゃないだろうかというように存じております。正確な記憶を今失っておりますので、間違っておりましたらあとで訂正させていただきたいと思います。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 それでは各省に関係はございますけれども、最初に建設省の関係の分について質疑をいたしたいと思います。  今度の交付税等の改正についての提案理由の説明の中で、特に新道路整備五ヵ年計画に基づく道路整備事業の実施その他公共投資の充実に必要な財源を付与するために道路費、河川費その他の土木費というものを増額したのである。こういう御説明があるわけでございますが、先般私が質問いたしました際に、建設省の官房長から御説明があったわけでございますが、昨年度のいろいろな事業の単価というものと三十六年度の単価との間にどのような差異があるかということを御質問申し上げまして、その後資料として提出をいただきましたそれを綿密に検討いたして参りますと、ほとんど三十五年度の単価と三十六年度の単価においては違いのない部分がずいぶんたくさんあるわけでございます。そしてそれの説明の前文に、セメント、鉄鋼については価格の上昇というものはあまり考えられない。従って単価としては三十五年度とった単価をそのまま使ってもいいのだというような意味に私は解釈をします。そのような意味に受け取れるわけでありますけれども、またその説明の中には、こういう単価を組んでおるけれども、地域によってはあるいは工種によっていろいろ差別があるから、それは実施設計をうまくコントロールをして、計画に支障のないように考えていくのである。こういう御説明があるわけでございます。これはしかし、どの年度におきましても当然そのような実施計画というものが考えられるわけでありまして、単価そのものが、三十五年度と三十六年度において物価の上昇というものを配慮の中に入れないで単価を見積もっておる場合には、私はそういうような説明では納得はいたしかねるのであります。特に公営住宅等の坪当たりの単価を見ましても、例はあなたの方からお出しになったのですから十分御承知だと思いますけれども、三十六年度と三十五年度において坪当たりの主体工事費あるいは二月当たりの付帯工事費、こういうようなものがほとんど変わらない価格でもって見積もられておるというのが、ちょうど資料の中に出ておるわけでございます。全般的には総予算が二四%伸びておるから、そこで専業量も大体二四%伸びるのだというのが普通の解釈であろうと思うのです。もう少しこれを内容的に見て参りますと、このような単価の見積もりではとうてい事業量の伸びというものは考えられないのではないかというように思うのでありますが、特に政府自体が調査をいたしました物価騰貴の状況等について考えて見ましても、土地なりあるいは建設資材なりというものは相当の価格はね上がっておるというのが実態ではないかと思うのです。そういう物価の上昇ということを配慮の中に入れないような予算の組み方というものは、まことに機械的であって、事実はその事業量を伸ばすというような予算ではない。むしろ萎縮した方向に、昨年度よりも事業が減ってくるのではないか、このように考えるわけでございますが、この点に対する建設省としての御意見をわかりやすく御説明いただきたい。

三橋信一建設事務官(大臣官房会計課長)

○三橋政府委員 ただいまのお尋ねにつきましてお答え申し上げます。  お尋ねの中で、私どもから提出いたしました資料の単価が総じて前年度と大体同じではないかというのがまず第一点であると思われます。その点につきましては、お手元の資料の中に、治水事業、道路専業、都市計画事業、住宅、営繕、これらにつきまして単位当たりの単価についての積算を出してごごいます。これは先ほどお尋ねのごごいましたように全国の平均単価でございます。従いまして、この事業の実施される地域が大都市の非常に近くであるというようなところにおきましては、労務費あるいは用地費等は非常にほかの地域よりも高うございます。ところがそれ以外の地域ではまた低いところもある。従って事業の分布状態いかんによりましてその平均の単価というものは当然違って参ります。そこで私どもの提出いたしました資料の前文に書いておきましたことは、実はそういうことをまず申し述べたわけであります。つまり一般的に申しますと、セメントと鋼材は、御存じの通り値下がりしております。鋼材については最近また若干動いておりますが、若干の値下がりを示しております。しかしながら木材、労務、用地、これは確かに上がっております。ところが、ただいま申しましたように、事業が地域的にどういうふうに配分されておるかということによりまして平均の単価は違って参ると申し上げましたが、さらにその事業が土質とか地形とか、それによりまして、同一地域によってもまたいろいろの変化を生じて参ります。そこで私どもといたしましては、まず全般的なことを申し上げますと、予算を提出いたします際に、その前年度予算に対します値上がりを検討いたしまして、所要事業の地域別あるいは工種別、そのような点から過去の経験にも照らしまして、単位当たりの単価を出しまして、そして全国的な平均単価にしておるというように積算しておるわけでございます。従いまして、実施にあたりましては、これはそれぞれ個々の設計を組みますので、その設計を組みます際に、その地域は労賃がどうであるか、あるいは土質がどうであるか、それからまた地形がどうであるか、さらには資材が設計を組みます際の時期においてどうであるか、そういうことを個々の設計について検討いたしまして、その具体的な工事の設計の額を出す。そういうような実施をしております。従いまして、ここに出してございますのは全国の平均のものでございまして、これをさらにその実施設計の際に具体的に地域的に定めるわけでございますが、これをごらんいただきまして、治水工事等につきましては若干の単価増を見ております。また道路につきましては、改良事業におきましては、主として用地の値上がりと賃金の値上がりを加味いたしまして三十五年度から三十六年度にかけましては相当の単価増をいたしておりますが、ここにございます直轄事業、補助事業、これは一般道路事業を申しております。従いまして用地等の非常な値上がりを示しておりますのは都市の場合が多うございます。そこでこの都市計画の方の街路の部分を見ていただきますと、この一般道路の値上がりよりもそういう点の考慮を大幅に加えております。なお舗装につきましては、ただいまのところセメント舗装が大部分でございますが、若干アスファルト舗装も出ております。セメントにつきましては御存じの通り値下がりしております。そこいらを勘案いたしまして、全国平均的なものといたしましては前年度を踏襲しております。  それから都市計画でございますが、街路についてはただいま申し上げたような関係でございますが、土地区画整理あるいは下水、公園、ここいらにおきましても前年度より多く見ております。ただ住宅につきまして、先ほど御指摘のございましたように、第二種公営住宅及び公庫、公団につきましてはそれぞれ値上がりを見、あるいは規模の改良を考えておりますが、一種公営につきましては、実は正直に申しますと確かに前年度の踏襲単価になっております。そこで問題はこれを一体どうやって実施するかということでございますが、二種公営住宅につきましては、木造につきましては従来八坪のものを今回九坪にいたします。それから耐火構造のものにつきましては、十坪のものを十一坪にいたします。しかしながら、従来二種公営の実施につきましては、予算積算坪数O・五坪大きいものを作っております。そこで今度一坪それぞれふえたわけでございますが、〇・五坪だけふやすと今度の予算積算坪数になる。そこで一坪ふえたものを〇・五坪だけふやす格好になりますので、その差の〇・五坪分を活用いたしまして、この一種公営の方も目的を達するようにいたしたいというふうに考えまして、ただいま鋭意その積算の検討中でございます。それによって、何としてもこの目的を達するようにいたしたいと存じておる次第でございます。  それから官庁営繕につきましては、これはやはり第一種公営住宅と同じで、前年度と同額でございます。そこでこれにつきましては、従来から設計をいたすにあたりましては、デッド・スペース等のないように十分考慮して参っておりますが、しかしながら最近の傾向では、同じ単価ではこれはなかなかできないということも私どども、よく身にしみて存じておりますので、実行にあたって総合的に申しまして三%程度の単価増を、発注する際には、つまり予定価格積算の際には三%程度の単価増をいたしまして、それを設計の合理化その他によって企み出すように努力して参りたい、そういうふうに考えておる次第でございます。非常に大ざっぱに申し上げましたが、以上のような考え方で実行して参りたいと思っております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 私が申し上げましたのも、あなたの方から出されました資料の五種類の中で、全部が全部昨年度を踏襲しておるということを申し上げておるのではないのであります。そしてあらためて考慮した問題でもない、これは三十五年度においても同様のことが考えられておるはずであります。だからそういうものを相殺いたしますと、何としても単価を上げない限り、特に今あなたの御説明の中にもありましたように、公営住宅等におきましては、地方自治体は請負業者が出てこない。従って何らかそこに他の工事と特別な契約をするような不正行為をやって、まあまあがまんをしてこれをやるから一つこれをやってくれというような格好に持っていったり、あるいはどうかしますと公費をもってこれに付加して、これで何とか一つ単価を上げるから請負ってくれないかというようなことで公営住宅というものが実はやられておるというのが実態なんです。そこで政府が公営住宅というものを住宅難を緩和しようという一つの基本方針に立って考える場合に、三十五年度と三十六年度の物価の上昇というものを加味しないで、この住宅難を緩和するための公営住宅の建設というものを考えてみたところで、どのように地域別、工穂別というようなことでもってバランスをとるんだとか、あるいは〇・五坪だけ少なくしてその分で浮かすのだということを申しましても、地方の自治体というものは全く公営住宅では音を上げておるというのが実際の姿であります。こういうところに、やはり物価の上昇というものを十分加味をして——これははっきり数を申し上げてもわかりますけれども、第一種にしろ第二種にしろ、公団とかあるいは公庫住宅というものに対しては多少のを引き上げておらない。これは地方の自治体が何とか一般財源をこれに充ててもいいじゃないかという一つの安易な考え方があるのじゃなかろうかとさえ、誤解をするように解釈をされる面があるわけなんであります。これはどのように実施計画の中でいじくってみたところで、やはり基本的に物価の上昇に伴っての単価の上昇というものを考えない限り、この公営住宅の建設は非常に困難であろうと思う。従って政府が言っているような、住宅難を緩和するというような一つの方向に行こうとしても、なかなかむずかしい問題が起こる。そうして大きな目で見ていくと、粗悪な工事が行なわれますから、経済的にはその耐用年数というものが非常に短かくなりまして、また再び財政を投入しなければ住宅ができない、行き当たりばったりの工事になっていくというようなことになって、工事監督や、そのほか最後において一番被害を受けるのは地方公営住宅の建設者あるいは使用者ではないか、こういうように考えるわけです。これはどのようにあなた方が御説明をされましても、どのように今後都市計画をされましても、やはりこの単価を物価上昇に伴って上げるということを考えない限り、この公営住宅の発展ということは私はあり得ないと思うのです。そのほかの問題については、多少の価格の上昇というものが考えられておりますけれども、この一番問題になるところの地方自治体がやる公営住宅に対する政府のものの考え方というものは間違っている。これは今後実施の計画を立てていきます際にごまかしをやったり、坪数のごまかしをやったり、あるいはほかに不当な特別な契約をするようなことをやって業者をおだてたりするような、そういう不明朗な行き方ではよろしくないと思うのです。こういう問題については、これは三十五年度出て、三十六年度出ておりますところの単価でございますけれども、これは一つ三十六年並びに今後の三十六年度中における追加や、さらに三十七年度においては、今あなたの御説明になったような理論でもってこの単価というものを割り出されたのでは、とうてい私は解決できないと思うのです。その点について一つ今後の運営——運営というのは実施計画でなくて、こういう単価ではたして住宅難の緩和という公営住宅の筋が通せるかどうかということについて、建設省としての考え方をもう一ぺん聞かしていただきたい。

三橋信一建設事務官(大臣官房会計課長)

○三橋政府委員 ただいま先生のお尋ねの、単価が上がれば当然予算はそれに応じたものを組むべきであるという点につきましては、特に第一種公営住宅については私どもも同感でございます。そこで実は私どもといたしましては、先ほど来申し上げましたように、特に住宅につきましては目標戸数をどのようにして達成するか。そこでただいま省内におきまして、問題を二つに分けまして、今年度の実施をどうやってはかるかということ、それから来年度、三十七年度の予算単価をどういうふうにきめるのが合理的であるかということにつきまして、各専業局を含めまして、委員会を作りまして、昨日も実はその相談を始めたところでございます。それによりましてこの目標戸数はぜひとも達成するように努力いたしたいと思いますが、ことにその間、先ほど御指摘のありましたような発注方法その他につきましておかしな不祥事態の起こらないように注意しつつ、とにかく先ほど申しましたような方法で、あるいは今後検討する方法でこの事態を切り抜けて参りたいと思うのでございます。特に来年度につきましては、お説のように、その単価増の要素、単価の実態を織り込みました予算を十分に組めるように努力いたしたいと思っております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 建設省関係については新道路五ヵ年計画についての質問がまだあるのですけれども、内藤局長が参議院に出席をするそうでございますから、文部省関係の問題を先に一、二点伺っておきたいと思います。  これはもう何べんも——理屈を言うわずに、一つすっぱりと割り切ってお話を願いたいのですが、先般来日宿直の問題について幾回となく問題が繰り返されて質疑が行なわれたわけなんです。そうして自治省の意見を聞きまと、文部省が出せばうちは義務教育国庫負担の法則に基づいて半分出すのだと言われるし、大蔵省もやはり同じようなことを言われるわけですが、一番問題は、文部省に出す腹があるかどうかということだろうと思うのです。これは労働基準法やそのほかの問題については先般ほかの委員から御質問がございましたので、もうそれには触れませんが、大体地方公務員の高等学校の教職員というものと小中学校の教職員というものに日宿直において差異を生ずるということは、これはあなた自身が小中学校に身分を置いて日宿直をするという立場に立って考えて、一体これをどのようにお考えになるか。これはもう理屈じゃないです。やるという意思があるかどうかという問題なんです。これを一つはっきりここで、逃げ腰にならずに、皆さん一緒になって差異のないような方向に進めていっていただきたい。こう思うわけなので、内藤さんにこの際それについての決意のほどを聞いておきたいと思います。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 義務教育国庫負担法は、御承知の通り、実支出額の二分の一を国が負担するという建前になっておりますので、予算の面から申しますと、実績に基づいて計上する。そこで自治省の方でその半分を交付税の対象にされておるわけであります。ここにも一つ問題があろうかと思うのでありますが、本来ならば、一方が実績をはじくならば、一方は標準の経費ではじくのも私は一つの方法だと思います。しかしながら、今度は標準の経費ではじくといたしますと、実際給与の単価にいたしましても、国の単価よりははるかに商いのでございまして、その標準の単価ではじいたのがかえって実情に合わないという事態も起きているわけであります。特に給与単価と退職手当の率につきましては国の基準よりも上回っておるわけであります。そこで地方財政全体に穴があかないように適正な予算を確保するためには、今自治省でやっていただいておりますように、実績の半分を見るという方が妥当であるという結論に私どもは立っているわけであります。そこで旅費にいたしましても、宿日直にいたしましても、非常に不備でありまして、旅費は本年ようやく実績が四千四百円になりましたので、実績通り満たす、宿日手当も若干の増額をいたしました。しかしこれは国の基準で申しますと、三百六十円になっておりますので、三百六十円に引き上げるべきものと考えておるわけであります。旅費の単価も少なくとも私どもは六千円くらいにすべきものと考えておるわけであります。ただ、今申しましたように、実支出という建前がありますので、その壁を打ち破るのになかなか困難である。そこで来年の予算におきましては、できるだけ実際の実支出が、少なくとも標準の経費が払えますように一そうの努力をいたしたいと考えているわけであります。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 あまり遠回しに言われるとわかりませんが、地方において高等学校の先生が宿直すると三百六十円、小中学校の先生がすると二百なんぼですか、そういう差額ができることがないような方向にやることが最も教育的であるし、同じ大学を出た者で、高等学校に行ったら三百六十円、小中学校に行ったら二百五十円とか二百六十円、こういう差額ができるようなことは、教育的に考えてもおかしいと思うのです。それに対して率直に、一つ来年は引き上げる方向にやっていこうというお気持を言うて下さい。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 これは一方において地方自治の原則がございますので、現在でも国の基準通りぴたっと三百六十円出している県も四、五県あるわけであります。なお三百円以上出している県が八県ほどごごいます。そこで給与の額及び種類は国の基準によることになっております。国の基準というものはどこまでを限度というのか、国の負担と同額にしなければならぬかどうかということになりますと、多少そこに幅があるように思います。その金額は条例でおきめになるということになっておりますので、私どもとしては行政指導で、国の基準をあまり乱さないように、できるだけ国の基準を守るように指導し、そのためにお金が不足すれば、当然追加交付いたしまして、二分の一は、当初予算になくとも、あとでお払いいたしますから、そういうような行政指導をして参りたい。ただ来年から必ずやるというわけにも、国ですべてがきまることならば、ここで責任を持ってお答えできますけれども、相手が地方団体でごごいますので、そこに一つの限界があるということを御理解いただきたいと思うのでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 その限界は承知しているんです。ところがあなたのおっしゃるのは、これはひもつき財源でございません。一般財政に投入される交付税でございますから、これは三百六十円出しましても、三百六十円以下の場合も、あなたの論法でいくと、出てくるわけです。ところが三百六十円出さない一つの理由は、一つには二百六十円というものがある。国の算定基礎がこうだからこれしか出せませんということに地方の実態はなりやすい。そこで国がその辺を出したということが一つ基準になって、それが一つの実績になって、それから割り出していくということはあり得るんです。ところが逆に、あなたは地方自治地方自治と言うけれども、その地方自治の財源に国がそれだけの腹をきめて出すという段階になれば、交付税の算定基礎にこういうものを盛ったということになれば、とにかく同じ県内でもって小中学校と高等学校に差をつける、地方交付税で差をつける、こういうことではいけないという算定基礎が交付税の中に出て参りますと、地方というものはその自主性に応じて非常にやりやすくなる。あなたは逃げ道をいろいろ言っておられますけれども、地方の実態は、自治体を尊重するという気持はよくわかるが、ほんとうはいい方には使わずに、少ない方に下げることの理由には実察はこれを使うわけなんです。ですからそういう点を、あなたも地方の実態を十分御承知だと思いますから、そうやっておいて、それから先に、これが地方の自治体の自主性に応じてやられること自体については、もちろん容喙をする筋合いではなかろうと思うのです。そういう点を十分一つ御考慮いただいて、この際こういう差額というものは撤廃をしていくような方向に考えていくことが教育的であるし、またぜひそうしなければならない問題である。私はこういうように考えておるわけなんです。その点はもうあなたに二度と答弁を求めないけれども、多分同感であろうというように私は思うので——頭を下げて下さったということは、同感だということで私は了承いたしますけれども、そういうことで一つ進めていただきたいと思います。  それからもう一つは、地方自治体で困りますものは、義務教育費の概算払いと精算払いということについては、自治体において非常に差額が生ずるわけなんです。これはあなたの方で把握できておりますか。概算払いでもって出したものと、精算払いとの差額というのは、一体年間どのくらいあるのかということを、財政的に把握しておりますか。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 これは一千三百億にも上る経費でございますから、若干の差がそこに出てくるのは、やむを得ないと思うのです。そこでなるべくこの差が起きないように、毎年改善を加えておるわけなんです。一番大きく出てきますのが退職手当の関係でございます。これはやはり年とった先生を整理しますと、退職手当が非常に伸びますので、そことで退職手当に改善を加えるとか、あるいは昇給に改善を加えたりいたしまして、昨今はだんだん減って参りまして、当初大体毎年三十億から四十億前後あったと思いますが、最近この幅を縮めるようにいたしまして、大体二十億ぐらいで三十五年度は済むのではなかろうかと思います。三十六年度におきましては、さらにこれを改善いたしまして、できるだけ精算払いと概算払いに差のないように努力をいたしたいと思っております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 もう一点だけ。一番困っておる問題は、その他の教育費というものの中における算定でございますけれども、特に公立の保育所というようなものを持っておる場合に、保育所というのは地方では幼稚園と小学校に次ぐ一つの教育機関と言っておかしいが、学校教育法には示されておりませんけれども、一つのこれに準ずべき性格を持っておるわけなんです。ところがこれらの問題が一つも交付税の算定の基礎としては、特別な取り扱いというのはされておらないわけです。従ってこれらの人件費とか、あるいは施設に要する費用とかいうものについては、純然として地方自治体が見ているわけです。今の状態はそういうふうになっておるわけなんでございます。ところが、実際の姿においては、要望する声は、これらのものについても一つ特別な考え方を持ってくれないかというような意見があるわけなんであります。これはもちろん当然いろいろな法的手続その他は要ろうと思いますけれども、これに対する大まかな考え方として、こういうものに対する考え方を一応お話をいただきたいと思います。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 文部省所管の方では幼稚園があるわけです。厚生省所管の方に保育所がありますことは御指摘の通りでございます。この場合、今御指摘になりましたように、算定の基礎には一応入っておりますけれども、その他の経費の中で人口一人幾らということで一括になっておりますので、幼稚園の経費が明確になってないということは、これは事実でございます。その結果、幼稚園の保母の待遇が非常に劣悪であるということも、これは事実でございます。そこで一つの考えとしては、幼稚園の教員の給与費を、義務教育の教員並みに都道府県の負担に移してくれという強い要望があるわけです。それに対して国が半額負担するかどうかという問題もあるわけなんです。ところが今府県の人件費を見てみますと、義務教育だけでも非常な重圧になっておりますし、その上に高等学校の人件費がだいぶんございますので、さらに幼稚園の給与費まで都道府県に移すことはいかがかという気持でおるわけであります。その解決の方法としては、できますれば、私どもはこれは将来の問題としても自治省にもいろいろ御相談をいたしておりますし、またお願いをいたしておるのですが、その他の義務教育費の中で幼稚園の園児一人幾らというような幼稚園経費を明示していただくことが可能かどうかということを御検討願っておるところでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 先般自治省に対して私質問いたしましたけれども、文部省関係につきましては、荒木文都大臣が地方財政法の一部改正法案が三十六年の四月一日から有効になって、公費で見るべきものについてはPTAそのほかに負担をさしてはならないという付帯決議も出ておる。しかしながら、そうはなかなか簡単にいかないのだ、漸進的にやっていかなければしょうがないのだという意見を述べられたということを指摘いたしまして、自治省の見解をただしましたところが、端的に申し上げて、そういうことはよろしくない、これは当然法律が定められておる以上、しかもそれがもう有効期間がきているんですから、そういうことについては、やはり国会の権威、国会の議決、それから決律の権威にかけてやらなければいけない。こういうように御説明がありまして、自治省の見解というものは私は納得したわけなんですが、文都省——これは文部大臣に聞かなければならない問題ですけれども、そういう見解に立ちますと、文都省としても、あるいは義務教育につきましても、従来の予算要求というような問題とは違って、三十六年度は一般の税外負担をなくするという立場に立って、予算の要求というものはやらなければならない状況になっておると私は思うのです。そこで、そういう点について三十六年度の交付税やそのほかについても、十分そういうことを考えてもらわなければならないというように思っておるのであります。ところが、この内容を見て参りますと、一般教材費等につきましても、三十五年度よりもわずかに四千六百万増額ということだけであって、全く現状維持という姿をとっておる状況であります。こういうような行き方は、私は、はたしてこの法律の有効期間がきておるということを認識して、その上に立って予算の要求をしているのかどうかということについては疑いを持つのです。こういうようなことであっては、私は法律にきめたって意味がないと思うのですが、こういうような立場に立っての予算要求そのほかについて、あなた方のお考えになっておられる考え方というものを一つお聞かせをいただきたい。これは最後の質問です。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 父兄負担の軽減ということは、私ども当初から予算要求の一つの大きな柱にしておったわけでございます。御指摘のように三十六年四月一日から、校舎の維持修繕費と学校の人件費に関するものは、父兄に負担を転嫁してはならないという法律を厳守いたしたいということで、今日まであらゆる機会に市町村の教育長なり校長の集まりにおいても趣旨を徹底し、文部省からもしばしば通達も出しておるようなわけでございます。そこでこの関係については、自治省と十分協議いたしまして、本年も約四十億程度の教育費を確保していただくように折衝をいたして参ったわけでございます。この二つの経費は当然三十六年四月一日から父兄に負担を転嫁してならぬことは、これは御指摘になった通りでございまして、私どももその線に沿って強力に推進をいたしております。ただ、それ以外の経費も当然に父兄の負担に転嫁してならぬことはあたりまえでございますが、そこまで地方財政法は要求する段階には至っていない。しかしながら、御指摘の通りこれら経費も一日も早く父兄に負担を転嫁されないようにいたしたいということで、は本年は教材費の系統では理科の設備費と技術家庭科の設備費があるわけです。教材費というのは建物の中に入れる教材、教具の類でございます。建物の方は、これは一応急増の分は昨年度補正で四十億本年度で四十数億見ましたので、三十六年度で中学校の急増が一応完了する。そこであとは中身の問題になるわけでありまして、教材費についても大蔵省とずいぶん打ち合わせたのですが、一般教材費についてはことしは急増で箱の方が先だから三十七年回しにしてくれということで、私どもも一般の教材費の方はおりたわけなのです。ところが最近科学技術教育の振興が叫ばれておりますので、この方の経費だけは教材費を増額したわけであります。たとえば理科の設備費の方は五億五千万円であったのを八億五千万円に増額いたしましたし、技術家庭科の設備費は前年二億九千万程度でございましたが、これを六億六百万というふうに倍額以上に伸ばしておりますので、理科教育の関係の分は、教材費は十分に——十分にともいきませんけれども相当大幅に見た。一般の教材費については三十七年度以降において御期待に沿いたい、こう思うわけでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 一つだけ補足しておきますが、中学校にピントを合わせるために小学校が抜けてきているという形が地方では出てきている。というのは、従来中学校で計画的に屋内体育館等を作ってずっとやってきたわけです。ところが中学校の人がふえた、ふえたと言うものだから、中学校の校舎建築にピントを合わせてしまって、小学校の方はとんとんと置き去りにされている。これは計画も途中でそごしてしまって、ほとんど置き去りにされて忘れられてしまっている。日の当たらぬところに置かれているというのが実態なのです。これらについては十分実態を御調査の上で、あなたが言われる理科に重点を置いたから一方はいいんだというようなことでなく、全般的に視野を広めて見ながらやはり考えてもらわないと、文部省に偏向性が出てくると思うのです。そういう点を十分お考えをいただきたいと思います。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 ちょっと関連して。局長、今質問が出ておりませんが、この前質問が出たと思うのです。今市町村で一番頭が痛いのはあなたの管轄にある学校建築です。今度の中学校の建築もそうですが、これはものすごい負担です。これのやはり大きな原因は、先ほどの話じゃないが、学校建築の単価にある。これは全然考えていない。なぜことし、去年通りにあんなにしておるのですか。木材がどんどん上がるということはちゃんとわかっておるし、それでやっていってことしは大体中学校の教室はよくいくだろうなんて、どうもその辺の考え方がわれわれにわからぬのです。これはどうしても単価を引き上げて、市町村の負担をやはり軽からしめるようにやることが大事じゃないかと思うのです。これはいろいろ聞きたいのだけれども、一体今後考えるのですか、そのままやはり押し通すのですか。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 建物の方は私の所管じゃございませんが、先ほど建設省の会計課長からお話がございましたように、大体建築関係は統一単価をとっておりますので、その統一単価の関係で三十六年度予算の単価が上げられなかったということは大へん私ども遺憾に思うわけでございます。確かに最近建築関係の単価が上がっていることも事実でございまして、三十七年度以降におきましては、十分関係各省協議いたしまして適正な単価を作りたい、そういう方向で努力をいたしたいと思います。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 ことし中学校の新造の建築にしましても、木造と鉄筋の割合は大体少し変更されたようですね。半分々々かの割合で見ておられるようですけれども、木造がまだだいぶ残っておる。やはり木造建築にしましても、鉄筋でやる耐久建築にしましても、地方が相当な負担をしているということは御承知のことだと思いますし、しかも父兄負担を解消するなどと言っておりますけれども、PTA等があらゆる形で住民に直接学校を建てるのに二千円とか千五百円とか三千円とかいう寄付募集をやって学校を建てているという事実も御存じだと思います。こういうものを早く解消しなければならないということが一つと、それをやらなければ市町村が負担し得ないということがあるのだから、市町村に大きな余分な財政負担がかからぬように国の方としてもちゃんとやはりやってもらうということが一番大事じゃないかと思いますから、ほんとうはことしからやってしかるべきだと思いますけれども、ことしどうにもならないということになれば、これは早く是正していただかなければ、緊急にやらなくてもいいようなことばかりに文部行政もあまり力を入れ過ぎないようにして、こういうところを早くやってもらいたい。教育会館なんて要らないことだ。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 文部省関係はいいです。  先ほど質問いたしました建設省関係を続いてもう一つ御質問申し上げたいと思うのですが、どうも私どもわかりかねるのですが、非常な、キャッチ・フレーズで新道路整備五ヵ年計画というのが出ている。そして所得倍増十カ年計画などということも池田さんはおっしゃっている。ところが、それに対する具体的な計画というものがないわけですね。諸外国の状況を見ましても、五ヵ年計画としたら、五ヵ年間というものをびしびしと五ヵ年に割り付けてそれができ上がる。三カ年ででき上がったという経過も出てくる。ところが新道路五ヵ年計画に関する限り、どうしても前の道路整備五ヵ年計画というのができ上がらないうちに新たに切りかえる。この次は新々になるかもしれませんが、そのような切りかえ方をして何を望んでいるか、どこまで計画的かということを聞いてみると五ヵ年間という計画がすっきりしない。特に私が不満に思うことは、地方行政委員会ですから地方財政に関係いたしますが、たとえば三十六年度のあなた方の考えておる道路計画を見ましても、地方道については一千九十七億というものを本年度考える。その中に目的税、道路税あるいは軽油引取税というものがありまして、そのほかに一般財源というものが五百九十二億という多くの金が見込まれている。そこで地方交付税の中で、この御説明にもありますように新道路五ヵ年計画に基づく一般財源が要るから単位費用を引き上げて、道路その他の土木費を引き上げて一般財源の基礎というものをここから注入してやるんだ、こういう説明に聞こえる。そこでお聞きしたいことは、五百九十二億という一般財源を地方に求めて、目的税というものはその半分くらいしか見てないという状況です。千九十七億という新道路五ヵ年計画の一年目の計画を持っておるわけでありますが、この五百九十二億という一般財源の中に、これに見合う交付税において、単位費用の引き上げをやって一体どのくらいる中央で見てやるかという考え方があるのですか。非常に安易に地方のやつは地方にまかせておけというような考え方では、新道路五ヵ年計画というのは地方財政を非常に押えつけておるという印象を私は受けるわけです。  もう一つは、五ヵ年計画というものをここにすっきり出して下さい。二兆一千億という五ヵ年計画を、国の道路はこういうように、有料道路は有料道路、一般道路は一般道路でやるんだ、地方道路はこういうようにやるんだ。一年目はこれくらい、三年目はこれくらい、五年目はこれでやるんだ。そうして池田さんのおっしゃるように途中で変更して三年目ででき上がるということも考えていいわけですが、計画的にやる以上、新道路五ヵ年計画という以上、五ヵ年の全貌がわからないで、一方では地方の人々に目的税をとる、一般財源を注入するということでは、新道路五ヵ年計画と言うのはおこがましいと思う。そこで道路計画について会計方面でどういう考えを持っておるかわからないが、会計課長では、私の方では困るという問題かもしれませんが、建設省の方で——少なくとも目的税は、これは税理的には全般的にはわかりますよ。全般的にはどれくらいのものを、一般道路費としては目的税の中からこれくらい考えるのだという、五ヵ年間の総トータルというものはわかるのですけれども、その五ヵ年間の割り付けというのが私の方では全然わからないのです。それで地方の人は軽油引取税だ、揮発油税だ、道路税だといって目的税が取られている。こういう格好になるのですが、この五ヵ年間の全貌というものが計数的にわかるのですか、わからぬのですか、そういうものが立っておるのかおらぬのか。私どもは今まで寡聞にして、どうもどこに尋ねてもわかりかねるのですが、幸い建設省の会計課長ですから、そういうことについておわかりだと思うのですが、その点一つ御説明いただきたい。

三橋信一建設事務官(大臣官房会計課長)

○三橋政府委員 お答え申し上げます。ただいまのお尋ねのまず前段の問題でございますが、三十六年度に地方の一般財源を五百数十億要する、一体これは成り立つのか成り立たぬのか、それの財源を交付税等の単位当たりの費用の増加と申しますか、それに求めておる、それが一体成り立つのかというお話でございます。五ヵ年計画を組みます際、またそのうち三十六年度の予算をきめます際、私どもの方といたしましては、事業の大ざっぱな計画を定めまして、それの国の所要財源、地方の所要財源、これを補助率あるいは国の負担率等ではじきまして、そして国と地方を振り分けます。そのうちガソリン税が国の場合にはどのくらい入る、従って一般財源がどのくらい要る、地方の場合には軽油引取税あるいは地方道路税、これがどのくらい入る、さらにまた都市計画税、これがどのくらい入るかという見当につきまして、自治省あるいは大蔵省等と協議いたしまして、そしてそれで足らない分が地方の一般財源というふうに一応の目安を立てるわけでございます。それにつきまして、地方財政計画上可能であるかどうかという点につきましては、また単位当たり費用をどのくらい上げるべきであるかということにつきましては、私の方から、もちろんいろいろデータ等は私どもの方で用意いたしますが、これは自治省の方へ実はデータを提出するような格好になっております。従いまして、ただいまお話のこざいました交付税の額を、単位当たり費用をどうするかというようなことにつきましては、ちょっと私どもの方で完全にはお答えしかねる問題でございます。従って、それが可能であるという場合において初めて予算としてきめられておるというふうに存じておる次第でございます。  それから次に五ヵ年計画というものの全貌をここへ出せというお話でございますが、これにつきましては、御存じの通り、五ヵ年計画を二兆一千億、五ヵ年間の道路投資を二兆一千億というふうに予定いたしまして、そのうち一兆七千五百億、これにつきまして国としての道路整備計画を立て、残りの三千五百億は地方単独事業というように予定しておるわけでございます。これにつきましては道路整備緊急措置法によりまして閣議の決定を得ることになっております。従いまして、ただいまの段階におきましては、その閣議の決定を経るような準備をしておるわけでございます。従って、そこで一級国道、二級国道あるいはその他の主要地方道、一般府県道あるいは有料道路というようなものについて、それぞれ五ヵ年間で何キロ改良をし、何キロ舗装をするかということをはっきりその閣議できめることになっております。それから同時にそのキロ数が、一応事業の量が出て参ります。それをどのような目標をもって事業を行なっていくかということは、事業の目標として、計画の目標として閣議決定されることになっております。従いまして今の段階では、まだその点政府としてはっきりきまった段階にない、それは今作業中であるということについて申し上げざるを得ないのでございますけれども、あらましを申し上げますと、一級国道につきましては、この五ヵ年間で日本全国の一級国道九千数百キロの大部分、全部と申し上げたいのでございますが、大部分改良舗装を完成する。二級国道につきましては、その後五ヵ年間、つまりただいまの時点より十カ年間で日本じゅうの二級国道の改良舗装を完成する。主要地方道はさらにそれより五年程度おくれるであろうというような目安を置きまして、それでただいま閣議決定をいたします事業計画の準備をしておる段階でございます。そういう状況のことを御了承願います。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 どうももう少し的確なものをやはりぴしっと打ち立てなければ、今のところは道路一カ年計画ですよ。五カ年と言うのはおこがましい。五カ年という場合には、五カ年分の事業量をぴしっときめて、その財源の元というものをきめて、そうして、こういうことをやるのだということでなければならぬ。五カ年計画という以上、各年度によって割り振りするということをやらないと、五カ年計画になりませんよ。一般の国民は揮発油税あるいは軽油引取税、地方道路税というもので、目的税はどんどん前より増額して取られておるけれども、全貌がわからないというのが今の実態ではないかと私は思うのです。こういうことはやはり大へん大きな項目として、新道路五カ年計画というのが今度の政策の中の一つのバックボーンとして打ち立てられておる場合に、実は四年先のことはわからぬのだというようなことでは、少し体裁が悪いと思うのです。こういうことなら、今後それをやれなければ、もう五カ年計画という名をつけずに、年々やっていく政策の中に道路整備というものも考えていくのだということでやるべきであって、少し看板に偽りありではないかという感じがするわけです。これは会計課長に申し上げてもなんですが、ところで、今会計課長の言葉の中に、これは実は自治省に責任があるのだということがあったのですが、そこで奧野局長に聞きますが、この五百九十二億という本年度の一般地方道におけるところの一般財源、それを元にして、今度の交付税というものは、こういうことに充填をするために都道府県並びに市町村に対して単位費用のかさ上げをやったのだということの御説明が提案理由の説明書の中にはっきり出てきておるのです。そこで、これは今までも交付税の中には従来やっておりましたところの年次計画の地方の道路の問題もございましょうし、いろいろあると思うのですが、この新しい道路五カ年計画に対する一般財源五百九十二億に見合うところの交付税というものは一体何ほど見ておるのか。あるいは後進地開発のものは百六十億から百七十億程度のものを見るという御説明がありましたけれども、これは補助の分とあるいは交付税として交付する分とに分けてでもいいのですが、あまりこの道路計画を大きく打ち出したために、地方財政に大きくしわ寄せするということでは私はよろしくないと思う。新しい計画は、地方道の場合には目的税が半分、一般財源がほぼ半分、半分よりちょっと多いのですが、そういう割り振りになっておるようでありますが、自治省としてはこういう道路計画に対する新しい見合い財源としてどのようなものをお考えになっておられるのか。

奧野誠亮自治事務次官

○奧野政府委員 道路整備五カ年計画が新しく策定されたわけでございますが、年次割りとしてはさしあたり三十六年度の計画が定まっておるだけでございますので、これについて地方の必要な財源措置を行なっているわけでございます。これは地方の単独事業だけではございませんで、補助事業につきましてもあわせ考えますと、三十五年度と三十六年度との間では三百八十八億円の地方負担の増加になるのでございます。その中には有料道路の九億円の分も含めておるわけでございます。さらに具体的に申し上げますと、三十五年度が七百三十八億円、三十六年度が千百二十六億円、その差額の三百八十八億円だけ地方負担が新しい道路整備計画によってふえて参る。こういう見積もりをいたしておるわけでございます。先ほど目的財源のお話がございましたが、三十五年度から目的財源も基準財政収入額に算入するという方式をとることにしたわけでございまして、従いまして、それを財源にするような道路の財政需要も基準財政需要額に算入していくということにいたしたわけでございます。従いまして、今回の単位費用の引き上げによりまして、基準財政需要額を三百四十四億円ふやしておるわけでございます。そうしますと、三百八十八億円と三百四十四億円との間にはなお四十四億円だけ財源が未措置ではないか、こういう疑問が起こってくるわけであります。しかし、基準財政収入額の算定におきましては、軽油引取税にお唐ましても、都市計画税におきましても、府県分については八割計算、市町村分については七割計算しておりますので、二割ないし三割の分を見積もりますと、大体フルに財源措置をしたというふうに全体としてはなっておるわけでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 今の説明は従来のもの、新しい道路五カ年計画によって増というものではなくて、従来やっておるもの一般、そういうものは計画がなくてもやらなければならないものもその中に含めているのでしょう。そうでしょう。

奧野誠亮自治事務次官

○奧野政府委員 道路の整備計画はだいぶ前に一応作っておるわけでございます。それに合わせまして基準財政需要額の算定も行なわれております。従来の計画に合わせました地方負担の財源手当を基準財政需要額の中に算入しておるわけでございます。従いまして今私は増加額だけを申し上げたわけでございますけれども、もとより根っこから全部基準財政需要額に算入をいたしておるわけでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 この提案理由の説明を見ますと、第一のところに、都道府県分につきましては、大きく打ち出して、新道路整備五ヵ年計画に基づく云々ということがはっきり提案理由の説明の中にあって、これでもって単位費用をかさ上げしたのだというふうに端的に受け取れる提案理由の説明をしておる。そこで私のお聞きしておるのは、従来立てておる五ヵ年計画や何カ年計画か知りませんが、そういう整備計画というものは常時やるべきものであって、新道路整備五ヵ年計画というものを打ち出した以上、これに見合う交付税の単位費用を引き上げるのだと言うから、そうならば大体それの費用は地方道については五百九十二億要るということになるわけなんですけれども、そうなりませんか。  そこで私の聞いておるのは、そういう従来のものとは違って、この提案理由の中にある新しいものというものに対する財源見合いというものを一体何ぼ見ているのか、新しいものというものの初年度の財源は一体幾ら、要るのか。これに対する一般財源が地方にしわ寄せされないような考慮というものがどのように払われているかということをお聞きしたいわけです。

奧野誠亮自治事務次官

○奧野政府委員 新しい道路整備五ヵ年計画によりまして、三十六年度においては三十五年度よりも三百八十八億円だけ地方負担がふえるわけであります。目的財源も基準財政収入額に算入するようにした結果、全部一応基準財政需要額でそれだけのものは見ていくという方式をとっておるわけであります。従いまして、基準財政需要額を道路について幾ら広げたか、これが財源措置ができているかどうかということになろうかと思うのであります。その部分については三百四十四億広げておる、こう申し上げておるわけであります。そうしますと、差額がなお四十四億あるわでありますけれども、基準財政収入額の計算上は、標準税収全額を見ませんので、八割計算をしておるわけでございますので、二割分だけ見て参りますと、大体フルに基準財政需要額に算入をしているということになっておると申し上げたわけでございます。なお財源措置の内容でございますけれども、御承知のように、目的財源が半分くらい、一般財源が半分くらいでまかなわれる。しかし目的財源でまかなう部分も基準財政需要額の中に計算上一応取り上げておるということでございます。従いまして、目的財源が道路の財政需要から見れば少な過ぎるような団体でありましても、道路の財政需要額が全部まかなえるように、その体団については一般財源あるいは地方交付税等をもって補てんされるような仕組をとって参っておる、こうお答え申し上げているわけであります。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 これは前に安宅委員から御質問をいたしました問題でありますが、地方公務員の給与改定についての調査はこの一枚だけですか。自治省から出ておるのはほかにあるのですか。私は、あまり時間もたくさんございませんから、端的に申し上げますが、この前安宅君が質問いたしましたのは初任給の問題、中だるみ是正の問題、定数繰り入れの問題、こういう問題にしぼって行政局長に質問したわけですが、きょうは行政局長が出て参っておりませんから、関係の方に最後のけじめをつけておいていただきたいと思うのです。質問しっぱなしで、こういう紙を二枚出しっぱなしということでは、どうも権威がなさすぎると思うのです。これではやはり初任給の問題は出ていないのですね。私が感じますことは、この前から財政局長も、いわゆる三十四年、三十三年くらいの決算をもとにして県財政を考えていくのだ、決算をもとにして給与ベースの平年度化その他を見ていく、予算というものを見積もっていく、こういう考え方を御説明されたように私は記憶しておるのです。ところが、地方公務員のいわゆる人事院からの勧告というようなものが完全に実施をされない実態の中から出た決算をもとにして、それを中心にしたところの財源付与というものは、考えてみたところでおよそナンセンスだと思う。行政局の方に私どもが尋ねておる問題は、人事院勧告でやったものは純粋正直にほんとうに実施をされておるのかどうかという実態を調査してもらって、そういうものを実施されないようなものの実態の上に立って、これが健全でございますなどというようなことを考えて、そのほかの財源措置がされるというようなことでは、これは私はおかしいと思うのです。そこでこの内容を見てみますと、やはりどうも、私の見方が足りないかしれませんが、あまり満足したような資料じゃないと思うのです。これはどうですか政務次官、あなたの方はこれをごらんになって、この前の安宅君の質問をお聞きになっていると思うのですが、あまり繰り返す煩を省いて、このような市町村、県の実態というものをもとにして今後の財政は考えていくというようなことでは、いつまでたっても行政水準は上がらぬと思う。だから、あるべき姿というものと今の現実というものをどのように考えるのかというバランスのとり方は、やはり私は大事な政治問題だと思うのです。そういう点について、これは安宅君が質問いたしましたから、一ぺん最後に締めくくりとしてお聞きしておきたいと思うのですが、こういうもので人事院勧告はできたのだ、従ってそれを基礎にした決算は正しいものであるし、それをもとにして、これにベース・アップの平年度化その他を含めていけば、一応地方財政は健全化されるのだ、こういうような考え方はちょっとおかしいのじゃないかと思うのですが、どうですか。

渡海元三郎自由民主党自治政務次官

○渡海政府委員 給与の点におきまして、地方交付税算定の基準となる財政需要額に算入します給与額というものは、いわゆる地方の実態よりも、国の公務員に準ずべき地方公務員といたしまして、あるべき姿において財政需要額の算出をはかるように私どもの方といたしましては行なっておると、かように考えております。そのあるべき姿に比べまして、実際の自治体の給与額があるいはオーバーしておるところもあります、あるいは少ないところもあるという現実ではございますが、財政需要額の算定の場合におきましては、あくまでも国の公務員の給与ベースにのっとりましての財政需要額の算定の方法ではかるべきが当然であり、またそのように処置しておる。ただ、ここにおきまして、たとえば教員の給与を財政需要額、財政計画に組みます場合に、国の予算に組まれます定員と定額、このものが当然地方にも基礎となるのでございますが、それを国の予算に組まれました場合をそのまま持っていくのが当然でございますけれども、その際には、実際あるべき姿と異なっておるものでございますから、あるいは定数において、あるいは定額において、やや差がある。これがまた地方財政に予想外の負担をかけておるという実態があるのは御承知の通りでございまして、これらの点は絶えず実態調査に合わせまして、こういった算出の方法によるところの分の是正を行ないまして、こういった方面の財政計画とのそごをなくしていくために、三十四年度の決算に基づくところの是正を行なったという点が今御指摘の点であろうと思います。あくまでも決算によって行なっておるのでなくして、給与の実態というものはあるべき姿で私は財政需要額が組まれておるのではなかろうか、かように考えております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 何か禅問答みたいですが、まあ政務次官の心の中にあることは大体わからぬこともないのですけれども、端的に申し上げますと、やはりわかりかねるのです。(笑声)  その問題は時間もありませんからあとにして、警察庁の方お見えですか。

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 警察庁の会計課長が見えております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 それではちょっと質問をして、私の質問は終了をいたします。  警察庁に対する交付税の状況というものを、私はずっと目を通して参りました。地方においても状況は見て参っておるわけでありますが、地方の実態で一番心配になります問題は、市町村の警察というものから県警に一本になったというときの惰性がまだ残っておるわけなんです。といいますのは、庁舎やそのほかというものは市町村から借りておる、こういう実態が現在まだまだ残っておるのです。派出所とかあるいは駐在のおるところというようなものは、どうかすると民間から借りておるという場合もまだ地方にはずいぶんたくさんあるわけなんであります。民主警察とは申しますけれども、実際は警察に貸すことを誇りに思っておるというような地方の実情があるわけであります。こういう姿ではほんとうに警察のあり方としては正しくないと思う。従って警察が寄付を集めたりすると、集まったりするようなことは喜ばしいことではないと思う。そこでそういうことをなくするためには経済的にもすっきりとして、警察というものは一本で立っておらなければならない。そういう点から考えますと、そうした警察の使っておる庁舎なりあるいはその出先なりというものに対しましては、あくまで県の警察一本で独自の立場で使えるように、無料であろうと何であろうと財政負担を地方にかけない、そういうふうにしなければならぬと思うのです。それがためには警察に対する交付税の算定の中に、こういう実態というものを十分把握いたしまして、今大体これは百七十万程度のものを一つの基礎にいたしまして、警察のあるべき需要額というものを算定いたしておるわけでございますけれども、私はある一定の時期にこれらに対する財政措置を国に頼んで、そしてそういうものを民間人から借りないで済むような姿、あるいは市町村、自治体から借りないで済むような姿に切りかえなければいかぬと思うのです。そういう姿をやりませんと、くされ縁ができて、どうしてもうまくいかないというような問題も出てくるのではないかと思うのです。そういう実態について都道府県自治体の警察というものに対する情勢把握というものがあなた方の方でできておりますかどうか、お伺いします。

今竹義一警視長(警察庁長官官房会計課長)

○今竹政府委員 ただいま二宮委員から御指摘のございました警察の施設につきまして、いまだに市町村有あるいは一部個人有のものがあるという御指摘は全くその通りでありまして、これにつきましても、二宮委員がお話しのようにできるだけこれを県有にしまして、そういう関係をすっきりさせるということも、私どもも平素からさように考えております。警察といたしましては、従来もこれらの庁舎の建てかえの際にはすべてこれを県予算に計上いたしまして、県有の建物とするように極力努力いたしておりまして、今後もその方針で努力いたしたいと思っております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 国家公安委員長にお聞きをしたいのですけれども、御出席になっておりませんから、ちょっと筋違いだと思いますけれども、政務次官にお尋ねしておきたいと思います。そういうような財源措置というものは、これは国家公安委員会においても実情調査の上、ある時期に思い切って出してやるということがないと、これはぐずぐずしたままいくと私は思うのです。もちろん警察法三十七条があって、都道府県で見るべきもの、国が見るべきものというようなことははっきりしています。そういうことはわかっておりますが、今の時期は、そういう過渡的な姿なんですから、ある時期にそういうような財政的な措置をやらなければ、問題のケリがつかないというふうに私は考えるわけなんです。これは政務次官に聞くのもどうもちょっとおかしいのですが、まあどうせ国家公安委員会などを通して自治省にも、そういう問題で交付税の問題として御要望があろうと思うのです。従って、そういうことについて特殊な問題として一つ取り上げていただくように御考慮がいただきたいと思うのうすが、どうでしょうか。

渡海元三郎自由民主党自治政務次官

○渡海政府委員 二宮委員の御指摘ごもっともでございまして、従来からの慣行と申しますか、そういったものによりまして、おおむね駐在所等が各種寄付金によってこれが行なわれておるということは、私も間々その例を見るところでございますが、できるだけこれらの弊風を打破したいために、各県におきましても、新しく建てます分に対しましては、できるだけ本来の趣旨であるところの県費をもって建てておるという実情は、今まで県政を御担当になられました二宮委員の十分御承知のところであろうと存じます。財政需要額の算定の基準にあたりましても、この分を一部入れております。しかしながらなお実態は、過渡期にあると申しますか、これが完璧に行なわれていないまま、従来の慣行によっている点もあるということも事実でございまして、財政の充実とともに旧来の悪習を打破いたしまして、完全に行なうよう警察といたしましても御指導なさりましょうし、また私たちも財政需要額の計算その他におきまして、十分な財源を付与するように、今後も地方財源の充実とともに努力して参りたいと考える次第であります。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 問題が非常に多方面にわたっておる問題でございますので、まだたくさん小さな問題はあるのですけれども、一応その程度で質疑を打ち切って、なお安宅君が要求いたしました資料につきましては、再度私も検討いたしまして、安宅君とも話し合いをいたしますが、こういうものではたして満足できるかどうか、これは一応検討してみたいと思います。今ぱっと渡されただけでは、なかなかわかりかねる問題もありますし、見たところまことに不満であります。不満でありますが、こういうものでどうなのかということについては、やはり私自身がここで、これで了承できるという筋合いのものでもないようでございますので、検討してみることにいたしまして、ほかの問題については一応この辺で打ち切りたいと思います。

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 他に質疑はありませんか。——別に質疑もないようでありますので、本案に対する質疑はこれにて終了することといたします。  次回は明十二日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時十九分散会

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