地方行政委員会 第25号
- 発言数
- 51 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/04/20
会議録
○濱田委員長 これより会議を開きます。 昨十九日本委員会に付託となりました川村継義君外九名提出、地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○濱田委員長 まず提出者より本案の提案理由の説明を求めます。川村継義君。
○川村(継)議員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 政府は、所得倍増計画を策定し、経済の高度成長を期待しつつその第一年次に当たる予算を編成し、公共投資、社会保障制度の拡充をうたい上げる政策を実施しようとしています。従って、本年度は、新道路整備五カ年計画に基づく道路整備事業を初め、各種公共事業や社会保障制度の施策に伴う地方団体の所要経費及び地方公務員の給与改訂の平年度化等により増加する給与費等に十分なる財源を確保する必要があります。 また本年度は、国税三税及び地方税の増収も相当に期待できるのでありますが、それは地方団体によって大きな格差があります。毎年度地方財政上の問題となっております住民の税外負担の解消、後進地域開発に必要な財源確保及び財源偏在に伴う財源調整の問題等を解決するには、地方行財政制度に幾多検討を加える必要があるものと考えられるのでありますが、産業基盤の整備をはかり、行政水準の向上と地域の格差を解消するには、当面、地方交付税の交付税率を引き上げることによって、交付すべき交付税の配分を適正にし、急速に、地方団体の財政力を充実することが緊要と考えるものであります。 以上の趣旨によって、交付税法第六条の税率を三〇%に改正して交付税譲与額を増額するため本法案を提案いたしたのであります。慎重御審議の上、御可決あらんことをお願いいたします。
○濱田委員長 以上をもちまして提案理由の説明は終わりました。本案に関する質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○濱田委員長 次に、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律案及び地方財政法の一部を改正する法律案、以上の両案を一括して議題といたします。 両案に関する質疑は前会において終局いたしております。 これより討論に入る順序でありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○濱田委員長 起立総員。よって、本案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決しました。 次に、地方財政法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○濱田委員長 起立総員。よって、本案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決しました。 —————————————
○濱田委員長 後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三派共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、本動議の趣旨説明を求めます。前田義雄君。
○前田(義)委員 三派共同提案にかかる後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律案に対する附帯決議の趣旨説明を行ないます。 まず附帯決議の案文について朗読をいたします。 本法の施行にあたり、政府は、本法の意図する地域格差の是正を達成するため、それぞれの適用団体における開発が総合的効果をあげ得るよう配意するとともに、開発指定事業の決定に際しては、とくに左記事項の実現をはかるべきである。 一、災害関連事業並びに海岸保全施設整備事業及び湖岸堤防整備事業については、事業費の額による制限を加える場合においても、その額は最小限度に止めること。 一、河川事業については、小規模河川改修事業をも対象事業とすること。 一、砂防事業、治山事業及び地すべり対策事業については、適用河川水系及び準用河川水系にかかるものをすべて対象事業とすること。 右決議する。 以上述べました案については、各委員より十分御意見が申し述べられて、互いに了解するところと考えられますので、この際全員の御賛同をお願いいたしたいと存じます。 なお、この際別につけ加えて申し上げたいことは、本事業配分につきましては、政府はその団体の実情に即するよう特別に考慮をしていただきたい。また事業費の額による制限、対象事業等につきまして、国の負担については、いろいろ論議の過程において政府の考えておられるところは推察できるのでありますが、私どもといたしましては、そのような額によっては後進地域の開発はできがたいものと考えるのでございます。特に国の負担について増額を十分に配慮して、互いに、意見の交換のときになさいましたような額でなく、十分な国の負担を配慮せられるよう、この際特につけ加えて申し上げておきたいと思います。
○濱田委員長 以上をもちまして趣旨説明は終わりました。 これより採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○濱田委員長 起立総員。よって、本案は附帯決議を付することに決しました。 この際委員長として、私から本附帯決議について政府当局の御所見を求めたいと思うのでございます。 特にただいま前田委員から趣旨説明のありました点でもありますが、本附帯決議の特に第一項にあげてあります災害関連事業等の事業費の額による制限についてのことでございます。これまで本委員会でも審議の間において最小限度の額につきましては、あるいは三千万とか少なくとも五千万とかいうような、各委員からの強い要望が出ておりましたので、特にそういう点について自治大臣からも御所見をこの際承りたいと思うのでございます。
○安井国務大臣 本法律案に対しましてただいま附帯決議が議決されたのでありますが、本法案の質疑の過程におきましては、この精神、内容につきましても始終御問答をいただいております。また決定されました決議案の御趣旨につきましては、私ども十分にその趣旨を尊重いたしまして、極力実現に努力するようにいたしたいと存じております。 —————————————
○濱田委員長 次に、お諮りいたします。 すなわち、ただいま議決をいたしました両法律案に関する委員会報告書の作成に関しましては、先例により委員長に御一任を願いたいと存じます。これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○濱田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 午後一時より再開することとして、これにて休憩いたします。 午前十一時三十分休憩 ————◇————— 午後二時十四分開議
○濱田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより本案に関して参考人より意見を聴取することといたします。本日御出席の参考人は、全国町村会会長山本力蔵君、全国農業協同組合中央会参事森川武門君、以上のお二人であります。 参考人各位には、非常に御多端のところ、本委員会の法律案審議のために御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。厚くお礼申し上げます。地方税法の一部を改正する法律案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせ願えればまことに幸いと存じます。 なお参考人の御意見は、初めにそれぞれ二十分程度にとりまとめて御発表をお願いをいたしまして、次に委員諸君よりの質疑によりお答えをお願いいたしたいと思うのでございますから、よろしくお願いいたします。 それでは初めに山本参考人よりお願いをいたします。
○山本参考人 私、全国町村会長の山本でございます。本日、本委員会におかれまして御審議中の地方税法の一部を改正する法律案につきまして、参考人としての意見を求められましたので、簡単に意見を申し上げてみたいと思います。 結論から申し上げますると、御審議中の法律案につきましては、すでに国の税制調査会の答申が昨年末に行なわれまして、大体その趣旨を尊重されております。以来政府並びに自民党におかれましても、相当長い間慎重に御審議されておられたのでございます。私どもといたしましては、非常に町村に至大な関係のある法案でございますので、一刻も早く原案通り御決定をいただきたいというのが結論でございます。 しからば、その内容について申し上げますると、今回の改正法律案の趣旨には、地方税制の主性を強化するために、国税改正の影響が自動的に地方税に及ばないような措置がとられまして、住民税の課税方式の改正が行なわれていることはまことにありがたいことでございまして、心から賛意を表するのでございます。また国税の減税に対応いたしまして、できる限り減税を行なうことを建前として、大衆負担の軽減合理化のために、遊興飲食税、電気ガス税等の軽減措置が行なわれることになっておりますが、これらにつきましては、従来私どもといたしましては、地方税の改正は、現在におきましても、国、地方を通ずるところの税源の配分あるいは税制の根本的改正が審議中でございますので、この過程におきまして、一部こういう県市町村の国有の財源を減らすということにつきましては忍びないことでございまして、実施を全面的改正まで見送っていただきたいということを希望したのでございまするが、その後のそれぞれの御審議の結果におきまして、住民の税負担の軽減、国税の減税と呼応して零細な地方税を減免するという御趣旨でございましたので、今回はこの点につきましてやむを得ないことと同意をするものでございます。 遊興飲食税の問題につきましては、知事会等におかれましても、今回の改正にはやむを得ずやはり同意をしておるものと存じます。ただここで、当初に申し上げましたが、現在ではすでに国の予算も決定いたしましたし、地方の財政計画も決定しておりますし、地方自治体の予算も決定しておるのでございます。これらに重大な影響がありますところの地方税法の改正案が、四月末になりましてもいまだ御決定をいただかないということは、われわれ自治体といたしましては非常に心配しておるのでございます。当初申し上げました通り、ぜひとも一日も早く原案通り決定していただきたいと存ずるわけでございます。 次に意見を申し上げさしていただきたいと存じますのは、地方財政の現況が非常によくなったということを申しておりますが、特に町村の行政水準はそれほどにはまだ参っておりません。地方自治の機能を十分に発揮するにはほど遠い現況にあるのでございます。特に文教施設、道路、住宅、環境衛生施設、社会福祉等の諸施設はきわめて低水準にございます。住民の福祉の向上を期するためには、地方税源を充実し、地方財源の確立をはかることが緊要でございます。目下この点に関しまして税制調査会においても、国、地方間の税源配分の適正化を審議することになっております。これらの結論が出ようと思いますが、私どもは、この結果と相待って今後私どもの期待する税制改正が行なわれますように望んでおるのでございます。 さらに今回の改正に関係ございます住民税でございますが、一般の国等におきましての税収は、所得税等の増加が非常にあるのでございますけれども、ことに町村におきますところの住民税というものは、所得税の減税に伴いまして年々減少しております。例を私の町にとりましても、昭和三十一年度の町民税に比較いたしまして、三十五年度の実績におきましては九四%で、一般は相当伸びておるのでございますが、だんだん減っております。しかも事業所得者等の納税義務者の数も非常に減少しておる。従って給与所得者と事業所得者の負担のアンバランスがだんだんできておるというような傾向にございます。また同じ事業所得者のうちでも、青色申告者と白色申告者とのアンバランスが目立っておるのでございます。私どもといたしましては、町村という狭い地域社会の中だけに、住民相互間の負担が不均衡であるということは耐えられないところでございます。われわれはかねてよりこういう意味におきまして、青色申告者の専従者控除の拡充は住民税に適用されないことを強く要望しておるのでございます。いわんや、今回の所得税の改正によりまして、白色申告者の専従者の控除が行なわれることになりましたが、今回の地方税法の改正におきましては、この影響を住民税に及ぼさないような遮断の措置をとっていただいたということにつきまして、私どもは非常に当を得たこととして感謝しておるのでございますけれども、御審議の今までの過程におきまして、白色申告の専従者控除を住民税に及ぼせ、特に農村の農民の納税の現況からいきまして及ぼすべきだというような御意見があったように伺うのでございます。私どもといたしましても、自分の町村の住民の税負担を軽減するということにつきましてはやぶさかでないのでございますが、しかし住民税の現況からいきまして、市町村の税は固定資産税と住民税でございます。ところが最近の税法におきましては住民税はだんだん減って参ります。かりに白色申告の再従者の控除を住民税に及ぼすとしたならば、私の町でかりに算定してみますと、農業所得者の所得というものは、全体の数からいきますとほとんどゼロにひとしいことになります。従ってことに農村部面におきましては、住民税というものはほとんどないにひとしい形態になると思のうでございます。住民の税を軽減したいという気持はわかりますが、われわれの自治体といたしましては、国と違いまして住民からのいろいろな強い要望がございます。現在の住民は住民税の八割くらいの税外負担をしております。昭和二十四年に本町村会におきまして税外負担の実際の調査を行ないましたところが、大体住民税の八割に相当する税外負担を行なっております。昭和三十四年度で推定百二十五億の税外負担を町村だけで行なわれておるのでございます。こういう状況から見まして、現在の段階におきまして住民税を存続させるならば、白色申告の遮断ということは私は当然だと存ずるわけでございます。こういう点で、特に白色申告が住民税に影響を及ぼさないということは、今後におきましても十分お考えを願いたい、かように考えるわけでございます。 次に、地方税の減税は、従来地方財政の実情を見きわめることがなくて、場当たり的に行なわれてきた傾向がございます。しかもその減税は財政力の貧弱な町村にしわ寄せされる傾向がきわめて多いのでございます。従いまして、今後はよく住民負担の実情及び地方財政の実態等を深く見きわめていただきまして、体系的な納得のいくようなやり方で行なっていただきたい。地方団体に減税の余地ありという観点より減税が行なわれて参ったのでございますが、実際の現況は、町村におきましては超過課税を行なっております。さらに先ほども申し上げました通り、PTA、土木事業その他に関する税外負担をかけております。地方税、特に市町村の税の減税を行なうならば、これらの税外負担をまず解消するということが最も大事なことであろうと私は思います。現在町村におきましては住民の要望が非常に多いのでございます。なるほど税負担の軽減は望んでおりますけれども、それよりも強いのは、住民が望んでおる最低必要なる施設を多少負担は出しても作ってもらいたいということであります。その例は、私どもは自分の町におきましても、こういう立場におりますので、税外負担を極力押えておるのでございますが、本年度ごく最近、私の町は利根のほとりでございますが、子供が利根川等で水泳いたしまして相当溺死者ができるので、プを作ってもらいたいということで、町に要求が昨年ありましたが、現在の財政ではできないということを申し上げましたら、一週間ほど前に百四十万の寄付を持って参りまして、これをもってぜひ作ってくれというような強い要望がございました。さような意味におきまして、最低必要なる施設というものに対しては住民は進んで負担を納めるというのが現在の町村の財政事情では常態でございます。 次にお願いしたいと存じますのは、現下の税制で住民税、固定資産税、電気ガス税等におきまして、非課税の措置が非常に多くて、この金額も莫大でございます。今回の住民税の改正におきまして、非課税措置の整理統合がはかられましたことはまことに時宜を得たことで、ありがたいことと存じます。今後におきましても、引き続いて固定資産税、電気ガス税等についての非課税規定の整理合理化を進めていただきたいということをお願いする次第でございます。なお、法人税の非課税規定の整理合理化でございますが、これにつきましてはいろいろ御意見があろうと思いますが、いわゆる公益法人といたしましても、収益事業を営む以上は、他の法人と同様に当然課税してよいもの、かように考えておるのでございます。 次に、地方公共団体の行政内容はきわめて複雑多岐でありまして、財源特に自主財源がきわめて貧弱でございます。特に町村におきましては、年々歳入に対して税の占める比率が下がって参ります。三十四年度の実績によりましても、三十三年度に比較いたしましてやはり相当下がっております。ここで特に今後の町村が大きな課題を持っておることでございます。現在国が最も重点的に考えておりますところの、農業基本法を作りまして新しい村作りを行なうという問題でございまするが、これはあげて町村が物心両面の努力をしなければできない問題でございます。従いまして、今後これらの財政需要は非常に大きい。現在私の町で例を申しますると、総予算はわずか一億二千万くらいでございまするが、産業経済費が一千二百万円でございます。大体住民税と同額くらいでございまして、その総金額のうちの二百八十万が営業者に回っておりまするが、その他は全部農村に対する補助金その他でございます。しかも営業者の二百八十万のうちの二百万は融資に対する預託でございますから、実際は営業の方には八十万くらいでございます。その他はほとんど農村地帯の経費でございます。たとえば今度私どもは新しい村作りのために——農協がきわめて貧弱で、五つの農協がございまするが、すでに二つが数年前に破産に瀕しましたので、再建整備でこれに町から利子補給いたしまして、立ち直っておりましたが、今後新しい農村の近代化をはかり、りっぱな自活農家を作ると同時に、共同化、協業化をはかるためには、農協を統合して、りっぱな農協を作らなければならぬという立場におきまして、二、三年前から合併を推進しておったのでございますが、なかなかできません。最後に町が物心両面の配慮をし、今後の育成に努力するということでありまして、大体これの再建のために町は一千五百万の、実際はいろいろ問題がございましたが、助成を行なって、そうして合併するということにきまりまして、三月の十五日に決議いたしまして、五月から発足するということになっております。農協の合併とか、あるいは団地養鶏施設に対する利子補給、また養豚の共同経営、これらの施設に対する利子補給とか、土地改良に対する利子補給、こういうのは地方財政計画で町村に認めておらない分でございます。また三十四年度の私どもの実績といたしましても、産業経済費は都市に比較いたしまして、私ども町村の方がはるかに多くなっております。これを見ますると、町村の農業方面の助成に対する金額が多いという意味でございます。こういう点で町村におきましては今後新しい村作りに対する財政需要がたくさんございます。従って私は、農民といたしましても、多少の税はがまんするから、むしろこういう点に町は大いに物心両面の努力をしてくれ、援助をしてくれということが農村の実情でございます。こういう点につきまして、今後税制改正等の際には十分考慮していただきたいと存ずる次第でございます。 幸い国、地方を通じて税源配分の適正合理化をはかりつつ地方税制の根本的な検討を行なうということが税制調査会の今後の日程に上っているのであります。この場面におきましても、私どもは地方財政の確立、自主性の確立ということにつきまして十分お願いしたいと存じますが、今後政府、国会におかれましても、地方の行政水準の引き上げをはかり、特に農山漁村の経済開発、振興のために強力なる促進方をお願いする次第でございます。 まことに要領を得ないと存じますが、以上をもちまして御審議中の本案に対しまして、御賛成するばかりでなく、一刻も早く成立をお願いをして、私の公述を終わりた。いと思います。(拍手)
○濱田委員長 どうもありがとうございました。 次に森川参考人にお願いします。
○森川参考人 私、全国農協中央会の森川でございます。今般の地方税法の一部改正にあたりまして、私は住民税につきまして税を納める農業者の立場から、次に住民税と事業税につきまして、農業協同組合、漁業協同組合、森林協同組合、生活協同組合等の非営利団体、特殊法人の立場から意見を申し上げたいと存じます。 最初の農業者の立場からする地方住民税のことでございますけれども、今回の国税、地方税を通ずる税法の改正のもとになりました税制調査会の答申によりましても、個人事業者の家族労働報酬の取扱いを改正いたしまして、白色申告に新たに専従者控除を認めるということになりまして、国税におきましてはこれが必要経費ということにはなりませんでしたけれども、専従者控除という形で減税が認められたのであります。この趣旨は、農業等個人事業においても、特別な青色申告のような記帳をしておらなくとも、家族労働に対する報酬、給与というようなことから、すなわちこれは肥料代や農薬代と同じように、農業経営上必要な経費であるという点を、その本筋を認めたものでございます。従って、国税でそういうような考え方で専従者控除が行なわれますれば、当然地方税におきましても、その筋を通して控除をすべきであるというふうにわれわれは考えておるのであります。従来青色申告ばかりを非常に優遇しておった。そして白色申告に対しては非常に不利であったというようなことから、御承知のようにいろいろ知恵をめぐらして擬装法人を作る。法人になれば非常に有利であるからということで、擬装法人を作るということが非常に多かったのでございます。そういうような税をのがれるために擬装するということは非常に好ましくないことでございまして、私どもといたしましては、記帳するせぬということの前に、税というものに対する本質的な考え方を明確にすべきである。すなわち国税、地方税を通じまして専従者控除というものをぜひ実現すべきであるということを、農業団体を初め中小企業団体が長年にわたって主張してきたのでございまして、これがようやく曲がりなりにも国税において認められたということでございます。そしてまた今回の税制改正にあたりまして、地方税につきましては、事業税については専従者控除を認めておるのでございます。ところが住民税の所得割につきましてはこれを認めないということは、ただいま申し上げました税の本筋からいきまして非常に不合理である。農民に及ぼす影響は非常に重大であるというふうにわれわれは考えておるのであります。ぜひとも筋を通しまして、国税、地方税を通じて専従者控除を白色申告の場合におきましても認めるべきであるというふうに私どもは強く信じておるのでございます。 もしもここで専従者控除を住民税の所得割に適用しないということになりますと、税制改正の基本方針である中小所得者の負担軽減ということには反しまして、大多数の農家に対しては減税とならずに、かえって増税となるということでございます。これは非常に看板に偽りがあると言われても仕方がないと思うのであります。最近の税制の改正によりまして、国税は確かに逐次軽減をされてきておるのでございまして、昭和三十四年度の実績では所得税を納める農家は四十万戸でありまして、全体の七%でございます。その他の大多数の農家は所得税ではありません。しかしながら大多数の農家といえども、地方税あるいはその他の公租公課というような負担は年々多くなっておるのでございまして、現在の大多数の農家の租税なり諸負担の比率を見ますと、これは昭和二十四年の農家経済調査でございますけれども、全体を一〇〇%といたしますと、国税は五三・七%、地方税は二四・二%、その他の公課諸負担が二二・一%というふうになって、二十四年においては国税のウエートが圧倒的であります。しかし約十年をたった昭和三十三年になりますと、国税は一一・二%、地方税は四八・七%、公租諸負担は四〇・一%と、国税よりも地方税その他の諸負担が多くなってきております。これをさらに昭和三十四年に見ますと、国税は八・六、地方税は四九・七、公租諸負担は四一・七というふうに、逐次ではありますけれども、国税のウエートが減り、地方税のウエートが高くなる。こういうような傾向をたどっておるのであります。ところが一方、農地、山林、原野等におきましては、年々評価引き上げが行なわれておるのでありまして、率はそのままになっておっても、評価引き上げが行なわれるために固定資産税が実質的には増税になる。あるいはまた都市近郊におきましては都市計画税の増税というようなことになります。このたびはガソリン税が値上げされるということから、耕耘機やティラー等の経費につきましても、これは増税になります。こういうようなものを合わせますと、推定いたしましても相当な金額の増税になるのでございまして、ただいま申し上げましたように、いかに所得税におきまして専従者控除を認められても、地方税に及ばないということでありますれば、今言いましたような農地、山林、原野等の評価引き上げその他の増税によるところの金額がありますから、逆にこれは大多数の農家にとっては増税になるということは、数字の点からも明らかになるのでございます。 それから第二点といたしましては、今回の税制改正によっては、法人、青色申告をなす人及び所得税の有資格者、こういう方たちは確かに大幅な減税を受けることになっておりますが、こういうものの税金を払わない多数の人たちとの負担の不均衡というものは一そう激しくなりまして、いろいろな問題が出てくるわけであります。こういうことにつきまして、それぞれ個別に事情を調べてみますると、そういうようなアンバランスの点がはっきりと数字の上で出てくるのでございます。 それから第三点といたしまして、このような地方税の一部改正がそのまま行なわれますと、政府の言っておる所行倍増、農村と都市との所得の均衡というようなことの趣旨に反していくということになります。もちろん農業の生産性の向上、生産力の増強、その他積極的な施策によりまして、なおまた農家の努力によりまして増収をはかると同町に、減税、税制というような面からの負担軽減によりまして農家の所得を向上さしていくということでなければ、ただでさえも非常に不利な農業、自然的に経済的にいろいろな制約のある農業の他薦業との均衡ということはおぼつかないのでございまして、そういう点からいきましても、これは非常に重大であると言わざるを得ないのであります。 それから最初申し上げましたように、税の本筋からいきまして、国税において専従者控除が認められるということになりますれば、当然地方税にもそれが及ぶということは大多数の農家の多年の希望であると同時に、これは一種の公約というふうになっておるとわれわれは思うのでございまして、今次の地方税改正におきまして、これが国税と遮断されるということになりますれば、これは大きな公約の違反ということにもなり、農民の期待を裏切ることが非常に大きいとわれわれは言わなければならぬと思うのでございます。 以上の観点からいきまして、一つ本委員会において御審議を願っておるこの機会にぜひ税体系の本筋を通していただきまして、国税、地方税を通じて白色申告に対しても住民税所得割については専従荘控除を認めるというふうに改正をされるべきであると考える次第でございます。 これに対しましていろいろな反論があるようであります。どうも農業を初めとする個人事業においては、企業と家計の分離が判然としておらぬ、だから専従者控除というようなことはむずかしいではないか、はっきりと給与、労働というように分けにくいではないかというようなことを言っておられる方もあるようであります。そうして、そういうように明確になればこれを認めるにやぶさかではないのだ、現に青色申告においてはそれが明確になっておるからそういうように認めておるではないか、こういうような論でありますけれども、これは何回も申し上げますように、記帳をするとかせぬとかという以前の本質的な実態の問題でございます。記帳をしないから引かないのだというようなことの前に、その実態の中に厳然としてある事実に目をおおうものでございまして、そういうようなことは税制をきめる場合においてとるべき態度ではない。やはりものの実態に目を注いで税制の筋を立てていかなければならぬじゃないかと考えます。 そのほか、国税と遮断をする、そして地方税に対する影響を避けるのだというのが今度の保税方式改正の趣旨だという論、あるいはまた町村における納税者の負担の公平の点、あるいはだんだんとこういうふうに減税をすると、村によっては住民税の所得制を納める人がいなくなる、従ってこれはどうしても国税とは関係なくして税金を取らにゃならぬというような論、こういうようないろいろな反論があるようでありますけれども、私は、税制の本質からいった場合に、すべてこういう考え方は邪道である。そのためにくるところの地方財政の問題は別個の問題である。まず税制について筋を立ててそれを断行する、しかる後に地方財政にいろいろな影響があるそれをどう是正していくかということは、別個の問題であるとわれわれは考えておるのであります。そうしていかなければいつまでたっても筋は立たぬ。地方財政の問題について、たとえば固定資産税の問題をとりましても、大企業が集中しておる地方においては、あり余る税金が入って、どういうふうにその税金を使うかということで、むだな橋を作ったり、必要のないような公会堂を作っているじゃありませんか。そういうような実態です。そして片一方におきましては、税の負担能力のない疲弊しておる者にも、ただいまの理屈で、公平だとか、あるいは住民である以上は税金を納めなければいかぬというような形式にとらわれて徴税をやっておる。そしてますますその地方においては疲弊せる農家を疲弊させていく。こういうようなことは政治ではない。そのような固定資産税一つとってみても、課税のアンバランスをまず是正すべきではないか。それから租税負担能力のない者から、その形式を整えるために徴税をするということについては、これは間違いではないか。いかに地方公共体といえども、また地方自治といえども、広くは、みなこれは全体として日本国であり、日本国民であり、そうして協同体である。こういう理念からいきましたならば、納税の能力がなくとも、それぞれみずからが経営を営み生活をする国民の一人として、国民経済にそれぞれの分に応じて貢献をしておるのでございまして、そういうことが集積して日本国の経済が運営され発展しておる。大企業が非常にもうかって税金を納める、これは何も大企業だけの努力じゃないのです。そういう日に見えないところの国民がそれぞれの分野において経済に貢献することにおいてそういう利潤が止まれてくるという、この日本国全体の協同体という立場に立ってものを考えた場合に、一地方財政の問題については、そのような国民経済発展の立場から当然考えてしかるべきであるし、また考え得るのではないか。現にそのような国民の努力によりまして、国税においても自然増収が四千億も五千億もある、地方税においても千五百億もあるというような実態において、このようなささいな点において、しかも基本的な税制の筋を通すことさえもできぬということは、きわめて情けないことであると考えざるを得ないのでありまして、この点について本委員会においてとくと御審議のほどをお願い申し上げたいと思うのでございます。 次に、農業協同組合、漁業協同組合、生活協同組合等の法人としての地方住民税、事業税のことでございます。 農業協同組合、漁業協同組合、森林組合、生活協同組合というようなものは、すでに御承知のように、特に農業協同組合と生活協同組合は、戦前に産業組合という形におきまして一つであったわけですが、そのときには、これは零細なる農民その他消費者団体の自衛手段としての産業組合であるから、これを育成しなければならぬという点から、法人税を初めとして非課税になっておったのであります。ところが、戦争が始まりまして税金がかかるようになりました。しかしながら、戦争が終わればまたもとの非保税に戻すということになっておったのであります。しかし、情勢も変わりまして、現在のところはそうではなくして特殊法人としてそれぞれ税金がかかる建前になってきております。われわれは、ただいま申し上げましたように、その設立の過程からいきまして、現在これらの農協等協同組合のになう零細なる農業者並びに消費者の防衛手段としての性格、それが国民経済の安定、均衡、発展に果たす役割、そしてそれは性格上非営利の特殊法人であるというようなことからいって、当然国税、地方税を通じて非課税であるべきであるというような論議を続け、その主張を続けて要請をしてきております。しかしながら、これはなかなか理解ができないようでございまして、ようやく国税におきましては、農協の場合においては再建整備促進というのにからみまして、積立金——内部保留が出資払い込み総額の四分の一に達するまでは非課税という特別措置ということで認められてきておるのであります。しかしながら、生活協同組合におきましては、すでにもう昨年の三月で期限が切れておる。農協と漁業協同組合におきましても、整促完了をすればそれはもう期限が切れてなくなるということになるのでありまして、私どもはそのような措置の事情は解消しても、措置がとられるに至ったところの、ただいまるる述べましたところの、これら各種協同組合の国民経済に果たすところの役割についてはいささかも変わっておらぬ。むしろ農業基本法なりあるいはその他国民経済の発展につれて、この役割はますます大きくなるのであるからして、ぜひ一つ非課税の原則をここで確立していただきたいということを常々も要請をしてきておるわけでございます。 しかも内容的に具体的に申し上げますと、これらの団体はそのような大きな使命、役割をになうからして、法律によりましてまず健全なる経常を維持発展させなければならないという建前から、財務の強化ということに主眼が置かれまして、出資総額の二分の一に達するまでは、毎年々々その剰余の中から十分の一以上の積み立てをしなければならぬ。それからなお教育活動をやるために、その資金として二十分の一以上を積み立てをしなければならぬというふうにきめられておるのであります。私どもはこのことについては賛成しまして、余裕があればもっとこれを積み立てていきまして、内部留保を厚くして健全経常を拡大強化したいというふうに考えておりますが、そういうような点に対しても、そういうようなことが強調されておるのにもかかわらず、これに課税をするということは、これまた矛盾ではないかというふうに私どもは考えておるのでありまして、この点については国税におきましても強く主張をしております。しかし地方税におきましては、そういう整促という特別措置とは関係なくして、地方に行けば、われわれのこの農業協同組合等各種協同組合の組織が、地方あるいは町村というものとの関連が非常に密接でありますからして、そういう措置とは別にそれを育成強化する、そうしてその健全な発達を促すという意味におきまして、現在のところ、払い込み出資総額の四分の一に達するまではその法人に対しては住民税も事業税も、国税とは関係なくして非課税にするということになっておるのであります。しかるに今回の税法の改正におきまして、この四分の一まで云々という非課税の原則を取っ払ってしまって、国税に現在あるところの整促をやっておる組合に対して、国税において特別措置のある限りこれに準ずる、これを非課税にするということにして、四分の一を取っ払って課税をしようということは筋が通らぬではないか。それからまた事業税においてもしかりであります。事業税におきましても同じように四分の一を取っ払ってしまおう、このことは申すまでもなく現在そのように非課税になっておる。それを取っ払って、今まで取らなかったものから税金を取ろう、増税をしようということになるのであります。従ってこれは何といいましても減税々々と言っておる時代に、逆に増税をやろう、ただいまるる申し述べましたように、特殊な使命を持ったところの協同組合から税金を取るというようなことは、どのような点からいきましても筋が通らぬではないか。ぜひ今回の税法の改正にあたりまして、四分の一まで云々は今まで通り住民税におきましても、事業税におきましても非課税にするというふうにやってもらいたい。そうしてわれわれはやがて国税にもはっきりその原則を打ち立てていくべきである、こういうふうに考えておる次第でございます。 以上簡単でありますけれども意見を申し上げました。これはわれわれ農業者、その組織であるところの協同組合の主張であると同時に、要請でもございますので、よろしく一つ御審議をお願い申し上げたいと思います。(拍手)
○濱田委員長 どうもありがとうございました。 以上をもちまして参考人の御意見の開陳は終わりましたが、質疑の通告がありますので順次これを許します。太田一夫君。
○太田委員 最初に山本参考人にお尋ねをいたします。 あなたはこのたびの改正、原案に対して、原則として原案賛成、ぜひともこれを通してほしい。しかもなお四月の末になって通らぬというのはまことにもって奇怪千万だというようなお話であり、その中の非課税の整理はまことに当を得たものであるというような御意見を立てていらっしゃったのでありますが、これを通して打聴いたしますと、あなたの御意見は、地方歳入を強固にするためには増税という政策が最上のものであって、減税というのは地方の自治確立のために相ならない、こういうような御趣旨から出たように思いますが、その辺はいかがなものでございますか。
○山本参考人 お答えいたします。私どもといたしましても、あえて減税に反対するわけではございませんが、現在の地方財政の実情からいたしまして、減税する余地が困難でございます。特に地方の行政水準からいきまして、住民の希望に沿うところの必要な施設はする義務がございます。そういう意味におきまして申し上げておるのでございまして、自治体がよくなれば住民の負担はどうでもよいという観念ではございません。以上でございます。
○太田委員 そういうお考え方とするならば、道は幾多あると私は考えます。地方自治体の行政水準を上げ、あるいはまた財政を強固にするということが目的でありますから、その目的のためには幾多の方法があるわけです。たとえば地方交付税を三〇%にして、そして交付税の配分を高めていく、こういうような方法、財源の再配分、調整という大問題もあるわけです。だから現在出されております地方税の改正案というのは実はこそく的な方法でありまして、現行の地方税体系に基づいて、その中からどうするかという、まことにいわばこそく的な、応急措置というようなものであると考えられるのでありますが、あなたは少なくとも肩書きに示されております通りに全国町村会会長だ。全国町村会会長となるならば、町村会という非常に大きな勢力を持つ自治団体の代表として、住民に対する思いやりと、その住民に対するサービスというものとの両面から地方税のあり方を考えて、こうあるべきだ、こうしてほしいということを率直に披瀝される立場にあられると思うのです。だからそういう点から考えて、中央の税制と遮断された住民税方式は賛成である。遊興飲食税、電気ガス税は下がったが、これはまことに不本意であるけれども、まあ下がるものなら原案だからやむを得ない、非課税のものも整理されたのはいいことであるが、できるならば白色控除というようなものは、これは中央がとっても地方にとられると、いかに農民は所得が少ないかは知らないけれども、その農民から取り上げる住民税が減っては困るから白色控除はやめてほしい、やらないことが望ましい、こういうようにおっしゃったのでありまして、これは私は非常に重大な影響があると思う。全国町村会会長としてあなたがしばしばいろいろなりっぱな書類、要請、陳情書をわれわれのところにお送り下さったこともよく記憶しておりますけれども、そういう立場から見まして、もう少しこの際、あなたの方の全体の立場は、住民に対するサービスと思いやりを中心として地方税法を見る、こういうものであるということを私は確認したいと思うのです。今あなたがおっしゃったことは、早くいうならば血も涙もないという感じが持たれるのですが、その点はいかがでありますか。
○山本参考人 ただいま住民に対して血も涙もないという御意見でございますが、私どもは常に住民と一緒におりまして、住民の気持は一番私は知っておると思います。そういう冷酷なる気持で町政をあずかっておりましたならば、住民は一日も私を置くことができないと思います。将来国と地方との税源配分を考えまして、地方の自治体が自主性を高めて立っていくという場合におきまして、あるいは専従者控除は認むべきだというときであれば、それにかわるところの財源配分があり、住民税の形式もこれと変わって実情に合った方法に改められるという場合なら、あえて私は反対するものではありませんが、ただいま御発言の通り、今回の改正は国税の減税に伴うところの当面の処置でございます。従って、住民税というものをお認め願っている間は、この際は専従者控除を認むべきでない。先ほども申し上げましたが、非常な影響がないとするならば別でございまするが、白色申告を住民税に及ぼした場合に、全国といたしましては七十億余と伺っておりますが、農村に参りますと、農業所得に対する所得課税は、数字の上からはほとんどゼロになるにひとしいと思うのでございます。私の町の農業所得の納税義務者数は、三十五年で千六百一人でございます。課税標準額は三億二千五百三十七万七千円でございます。まだこの農家一戸当たりの専従者の数がどのくらいか決定しませんが、かりに三人とした場合でありますと、課税標準額がゼロになる。全体の住民税は三割くらいになってしまう。こういう急激なる財政の激減を及ぼす。しかもこれを穴埋めする処置は、国の方も予算が決定しております現在では、何らこれを処置することはできないのでございます。従いまして現在の場合は、どうしてもこれは減税しないという気持はございませんが、やはり住民にかわりまして共同の施設をしていくというような責任がある上は、私は断じて賛成はできないのでございます。 先ほど税の筋を通せという御意見がございましたが、国税と地方税はおのずと違いまして、地方税は地方自治の建前から自治体において当然きめるべきものでございまして、筋を通すということになれば国税の影響を遮断すべきだ。これが自動的に、国が減税するから直ちに地方団体の財政事情もかまわずに減税するということは、筋が通らないことだ、こう考えておるわけでございます。さような意味で、農民の負担力がないのに取ろうというような考えは毛頭ございませんで、できるならば負担も軽くして、しかも仕事もたくさんやって皆さんに喜んでいただきたい。こういうのが私どもの希望でございますので、どうか誤解のないようにお願いしたいと思います。
○阪上委員 関連して山本さんに伺います。ただいまの問題ですけれども、血も涙もないという言葉で大へん激高しておられるようですが、太田さんの御質問になった趣旨はここにあるわけなんです。地方財政の一切を税でまかなっていくという考え方、所得格差のひどい農村がそのことだけでまかなわれるという考え方に立っておられるのでは、少し幅が狭いのじゃないかという意味のことを申されたのじゃないかと私は思うのであります。所得格差の是正ということは、今農村にとっては大へん重要な問題だと思うのであります。それはそれなりに、税以外に打つべき手があるのじゃなかろうか。そこでこの際、財政事情が逼迫しておって、義務的な支出が非常に増高しておる。あるいはまた、農民にとっては多少の税の負担があっても、行政投資の方をむしろ好んでおるのだ、こういうようにあなたは今おっしゃった。行政投資を増高することによって——自治省なんかの方でもこういう考え方を持っておるのです。そういうことをやることによってむしろ農民は利益を得るのだから、この際多少の税負担というものは、たとい能力がなくても応ずべきである。また住民税の体系というものを考えていく場合に、そういうようなものがはずれていくということになれば、住民税というものの存在価値が薄れていくのだ、こういうような議論がよく出てくるのでありますけれども、私どもの考えとしては、そうじゃなくして、やはり今大事なことは、根本的には国と地方の税財源の再配分という問題が出てきますけれども、にそれだけでは所得格差是正ということは行なわれないとわれわれは思うのであります。やはりこれは地域経済の開発をやっていくというような観点に立って考えられなければならぬ問題である。この矛盾を何とか解決するためにも、そういった方法が考えられる。ただ単に税の面だけを考えてどうこうということでは、とてもじゃないが、格差のひどい、行政水準の低いところの是正ということはなかなかできないのじゃないか。そこで先ほどからお話がありましたごとく、依然として行政投資を望んでおる、だから応能の力がなくても農民には負担をかけてもいいのだという考え方は、やはり依然としてお持ちになるということについて、私非常に疑問を持つのですが、これはどうでしょうか。
○山本参考人 御意見の通り私どもやはり同じ悩みでございまして、都市と農村との所得の格差がだんだんついてくる。同様に都市と町村との格差がつきまして、どういう新しい税を作りましても、大体都市が重点になりまして、農村は自主財源が減っておる。また自治体の立場としてはどうしても自主財源ということが建前でございまするが、やはりこの格差を是正するという上には、交付税の問題とかあるいは譲与税の問題とかをいろいろあわせ考える必要があろうかと思うわけでございます。現在の段階におきましては、交付税の問題といたしましても、そういう問題は予算もきまっておりますし、住民税を存続させるという立場に立ちましたならば、この際専従者控除というものを住民税に及ぼした場合に、住民税というものはもうほとんど存在価値がなくなってしまうというのです。さらにまた給与所得者と事業者とのアンバランスが非常に多くなって参ります。こういう立場で私どもは白色申告の専従者控除を住民税に及ぼすことは困るということでございます。
○阪上委員 交付税の額がきまっておるからとおっしゃるけれども、これはやはり税収入その他によるところの財源の激減があれば当然見らるべき問題です。これはもう会長さんも御存じだと思うのです。道路譲与税その他の問題は別として、これは見られる問題ですから、額がきまっておるというようにお考えになってしまうとおかしいと思うのです。自治省もまた傾斜配分までしょうという考え方を今持っているのですから、この点は税とからんであまり御心配になる必要はないと思うのですが、これは意見として私の方から申し上げておきます。
○川村(継)委員 私も関連いたしまして山本会長に一言今の点でお伺いしておきたいと思いますが、今度の住民税の改正で、原案は御承知の通りに国税の影響をシャット・アウトするという考え方に立っておりました。ところがこれはよく見ると完全にシャット・アウトはしてないわけでございます。たとえば事業税においては、やはり青色、白色、国税に見合って専従者控除を見てある。住民税については、は見てあるけれども白色は見てない。先ほどからだんだん御意見がございまして、白色を見ないということは、町村の財政の立場からすると大きな影響があるというようなことが理由だろうと思いますが、青色を見たということについてあなたはどう考えておられますか。
○山本参考人 御意見の通り確かに現況では青色申告と白色とアンバランスになるわけでございます。そこで私どもといたしましては、町村において従来より青色申告と一般とのアンバランスがあるから、住民税につきましては、青色申告の専従者控除を住民税に及ぼさないように要望しておったのでございます。しかし、かねてこの青色申告の方は既得権のようになっておりまするので——まあここに問題があるわけでございますが、私どもといたしましては、今後青色申告の控除の増額等につきましては及ぼさないでいただきたい。まして白色がここへさらに加わるということは忍びないというのでございまして、実際にそのアンバランスのあることは認めざるを得ないと存じます。
○川村(継)委員 青色を認めてあるから、これは白色申告の立場からすると、いわゆる不均衡という言葉で指摘できる状態が出てくると思います。地方財政、市町村財政に及ぼす影響というものは大きいかもしれませんが、それらは一応別にとっておきまして、このような形で青色申告の専従者控除を住民税に求めたならば、同様に白色も認めていくということが、やはり税のあり方としては正しいのじゃないか。それがまた住民の負担を均衡させる道ではないか、その減収になったところの措置は別にいたしまして。そういうふうにわれわれは考えるのでございますが、あなたはそのようにお考えいただけないか。もっと逆に言いますと、あなたもおっしゃっておられるように、白色にやらぬならば青色もやらぬでくれ、はっきりこうおっしゃれば、私も何か筋が通るのではないかと思いますが、しかし国の減税政策その他の政策によって青色申告の専従者を認めたのですから、やはり当然白色申告も認めてやるという考え方がいいのではないか、それだけ下の住民の負担が減る、また均衡もとれる、こう考えていきたいと思うのです。そこで市町村に財政上それだけの減収というような困る問題が出てくれば、それはまた別の形でそれを十分考えるという財政上のあり方がよくはないかと思うのでございますが、もう一ぺん御意見を聞かしていただきたいと思います。
○山本参考人 ごもっともでございます。私どもといたしましては、税制調査会でこの点問題になったのでありますが、ただいま先生がおっしゃった通り、バランスをとるためには、非常に身勝手な考えでございますけれども、青色申告も及ぼさないでいただきたいというのが考えでございます。しかし全部私どもの要望通りにはいきませんので、今回の改正はやむを得ないと存ずる次第であります。
○川村(継)委員 関連でありまして、どうも失礼でございますが、もう一つ会長さんの御意見を聞いておきたいと思います。今のお話の中に、住民税はあまり減税政策をやらないで、むしろそういう方法の前に税外負担を解消することが先決であるというような御意見を承ったのでございますが、これはちょっと奇異な受取り方をしたわけであります。今日われわれ国民の税負担は決して軽いものではないと見ております。御承知の通り税制調査会あたりでは、国民税負担は国税、地方税合わせて二〇%程度にしなければいかぬぞという御意見が出ておりますが、今日では二〇%をはるかにこえておる。そういうことやら、あるいは物価のいろいろの変動等によりまして、生活が楽でない者も多いわけでございまして、総じて税負担は決して軽くないと私たちは見ておるわけであります。そこでなるたけ住民の税負担を軽くしてやることが今日必要である。しかも税を軽くするという方向は、持てる者に対して大きな恩典を見るのではなくて、なるたけ中小業者あるいは低所得者について減税という恩典が及ぶように考えることが至当ではないか、そのように思うわけでございまして、これはやらなければならぬ、またそれをやるべきである。ところが、そういう措置よりも税外負担をなくせというようなことについての御意見は、ちょっと何か到り切れないものを感ずるわけでございますが、かりに地方の住民の役場に納めております目に見えない税金というものが、驚くべき額でないといいましても、公租公課等を含めてPTAの負担等含めて膨大な税外負担になっておるわけでございますから、それはそれとして別の財政措置によって住民の税外負担を解消していく。と同時に、なるたけ税負担を軽くしていくという考え方に立つのがいいのではないかと私たちは思うわけであります。その点についてもう一度御意見を承っておきたいと思います。
○山本参考人 ごもっともでございますが、税外負担を私どもも希望して強要しているわけではございませんが、そのゆえんはやはり町村の財政力が弱いということでございまして、そこで町村の財政力が強化いたしました場合には、当然こういうものは整理しなければならぬ。従いまして、私が申し上げましたのは、税外負担を排除するように、町村の財政力を弱めるよりもむしろ強めていただきたい。かように申し上げたのでございまして、税外負担を一刻も早く打ち切りたいというのが私どもの念願でございます。
○太田委員 山本委員に重ねてお尋ねをいたしますが、御趣旨のあるところはだんだんわかったような気がするのです。根本的には現在の税制そのものに対してあなたにも非常な懐疑があり、疑問を持っていらっしゃる。なお交付税の配分の仕方についても、改善する必要とその意見をお持ちになっていらっしゃる。そうして地方の貧弱町村の行政の水準を引き上げたいという非常な熱意を持っていらっしゃる。これはよくわかったのです。ただその方便としまして、現在ある税制は本年度はあまり大きくなぶらないでほしいというところがあなたのお気持じゃないかと思うのですが、これを活字で伝えられて参りますと、自治省が説明しましたことと、あなたがおっしゃったこととがちょうど一致しますので、何だか町村と自治省がまさにぴったりというのも、まことにもってわれわれには不思議に感じられたのです。われわれはその中で、自治省そのものにも、まとまった御意見が出るまでには幾多の甲論乙駁の過程があってそうなってきたということなどを仄聞いたしますと、なお政府の中にも良識的な意見もたくさんあるのだから、そういうものをこの際表面に出してほしいと思っておったのです。しかし、大きく変更せずに地方財政を強固にして当面こうするという御意見ならば了承できるのですが、一つ統計を御引用なさいましたね。住民税というのはだんだん減ってくるということをおっしゃったのですが、これははたしてどの程度の統計をおとりになったのか、あなたのところの一つの特定の市町村の例をおとりになったのではないだろうかと思うのですが、大体において一割くらい所得割の市町村民税というものは逐年ふえているのです。昭和二十五年度三百七十九億円、二十六年度三百八十六億円、二十七年度四百七十四億円、二十八年度五百四十五億とふえて参りまして、昭和三十一年度は三十年度に比べて四十六億の増加による五百四十四億円、三十二年度は五百六十四億円、三十三年度五百八十六億円、三十四年度六百十二億円と、大体において一割といってはどうかと思いますが、大ざっぱに一割程度ふえていくのではないかと考えてもよろしいと思われるのです、従って中に一度二十八年度から九年度に減ったのがありますが、この特殊な現象は別としましても、ふえておる。 それからもう一つは、政府の唱えておる所得倍増の時代と今日の経済の情勢から見て参りますと、住民税が減ることはちょっと考えられない。減るとすればよほど特殊な例でありまして、その特殊な例に対してはまた別途補てんすべきである。この補てん説はあなたもおっしゃった。農民白色控除によって七、八十億円の減収になるならば、なることがちょっと痛いのだから、白色控除というのはない方がいいとおっしゃったと思いますが、七、八十億程度のもので農民を泣かせることは、農民を事業者よりも中小企業者よりももっとみじめな立場に置かせて、本年度いささかも減税の恩典に浴さない立場に置くことはないだろうと、私どもは農民の立場を推しはかって思うのです。ですから、その統計から見ますと、少し例示が片寄っているのではないかと思いますが、全体としては徴収税額そのものは上がっているのですから、この際白色専従を認めて、農民の要望にこたえてやるというのも、できれば、その穴埋めを政府が何か補てん方法を講ずるならばあなたもそれには賛成だと思うのです。補てんの方法を政府が考えてくれるというなら。その点はそういうことでございましょうね。
○山本参考人 先生の御質問通り、私の先ほど申し上げましたのは、少し言葉が足りませんで、私の町の住民税でございました。全体では先生のおっしゃる通り、都市も含んでおりますから伸びておりますが、ただ町村の立場に立ちまして、私の町は大体町村では一番大きい部類に属しまして、しかも商工業者もございます。それでかように減っているわけでございます。従って国全体ではそういうことでございましょうけれども、かりに白色申告を及ぼした場合も七十億かそこらでございますけれども、そのしわ寄せはやはり町村へ極度に及ぶということでございまして、これに対して合理的な補てんの措置があればどうかというお話でございましたが、私どもは、やはり住民税と固定資産税とが町村の二つの大きな有力財源の柱でございます。現在の住民税方式をとってみるならば、これを極度に減額、ほとんどゼロにひとしいということは、自主財源が減ってしまう。かりに交付税で見ていただくといたしましても、その七割だけしか見ていただけないのでございまして、非常に弾力性のない財政になるという点を心配しているわけでございます。
○太田委員 森川委員にお尋ねをいたしますが、非常によい御意見を拝聴いたしまして、われわれとしては一そう勇気が出たわけです。実はこの委員会の中にも税制審議の小委員会を作りまして、三党から委員を出して、ほとんど審議は終わったのでありますが、その中におきましても非常に強く言われた意見が、ちょうど森川参考人のおっしゃったこととよく似た御意見でありまして、われわれもその裏づけを得まして非常に勇気を得たのでありますが、特に農協あるいは漁協、生協という非営利の法人につきましての住民税、事業税の非課税特権を剥脱するということが、これまたあまりにも画一主義的な考え方と御都合主義的な考え方で、都合のいいところは国税の例を引き、都合の悪いところは負担分任の原則を引いて、自治省は八面六臂の防戦をされたが、そろそろ自治省もこの防戦には限度が参りまして、おそらく数日のうちに何か考え方がかわるのではないかという見方もあるわけでありますが、そのうち非営利の特殊法人の非課税の恩典を取りのけたということは、私も全く間違いだと思うのです。 そこでこれは特に政府側にある意見なんですが、積立金が二分の一になろうが、四分の一になろうが、何かその利益を得る限りは、これは課税されても文句はないのだという意見があるのです。農協というものもやはり何か営利的な事業をも行なっているのだから、課税されるのもそんなに無理ではない。こういうような意見があったのですが、利益のあることをしている限りは住民税も事業税も持つべきだ、こういう意見に対して、あなたは今非課税であるべきだという論点からどうお考えになりますか。
○森川参考人 利益があるというふうに私どもは思っておらないのでありまして、そこが見解の相違であるということを、私の意見を申し上げるときにも申し上げましたように、われわれは法で法定準備金あるいは教育情報資金の翌年度への繰り越しということを強制的にさせられているわけです。このことは非営利の団体等も、農民の利益、経済の防衛並びに福利増進の機関としての成果にかんがみ、その経営を一そう健全にし、かつ強化するという建前から、そういうような内部留保を強制的に法律できめてやらして、そうしてその役割を十分に果たさせようということからきておるのであって、利益をそこへ留保するというのとは根本的に違う。従って当然非課税であるべきだというふうにわれわれは主張しております。もしもそれがそういうことで税金を取られなければならぬというのであるなれば、協同組合の原則は、御承知のように全部剰余があれば戻すということでありますから、全部われわれは戻す。そうすれば税はとれぬでしょう。ところが今言ったように税がかかるということは、そういうような経営の健全化、強化のために利益でなくしてそれを積み立てるということであるから、利益でないというふうに考えております。
○太田委員 森川さんに重ねてお尋ねいたしますが、全くそういうふうに思われるわけですが、あっせん物資に一三%のマージンをとっておればやはりこれは商行為ではないかという意見もあります。これに対してはどう考えますか。
○森川参考人 協同組合はそういう非営利団体でありますけれども、そこには職員もおりますし、また使用した金には金利も払わなければなりません。それから運賃もかかるというふうに、経費がかかりますからして、そういうようなものは実費で、もうけるのじゃありません。必要な人件費だとか、必要な運賃その他必要な経費はその中からいただく。これは言葉をかえて申し上げますれば、全部そういうものは農民から負担金で取るということもいいと思いますけれども、しかしそういうことは一々経済行為をやっておるのであるからして、実費という意味において必要な経費をとる。しかし、年度末におきましてなお必要以上に剰余が出るということになりますれば、それは全部組合員に戻すということが建前になっております。
○太田委員 その建前でできておる法人ですから、課税するということは全く無理だと思うわけですが、特に農民の立場からあなたが非常に強くおっしゃっていらっしゃったのですが、差し引き増税になるとおっしゃったように聞いたのですが、私は農民がこのたびの地方税の改正によって減税というような恩典に浴する者がないような気がします。増税プラス増税はイコール大増税ということでありまして、固定資産税の評価がえによるところの農地の増税、それからまた先ほどおっしゃったと思いますが、ガソリン税の値上げによる耕耘機を使う諸経費の増大、こういう点から考えまして、いささかも減税がないものだとわれわれは思っていますが、差し引き何か減税があったようにおっしゃったようですが、これは間違いだったのでございますか。
○森川参考人 増税ばかりであります。
○太田委員 そこで山本参考人に今度は重ねてお尋ねしますが、先ほど筋を通すということにつきまして一つの見解を御発表に相なりましたが、地方税は自治団体がきめるべきことだ、いわゆる条例できめるべきことであるから、条例というもののきめ方によってどのようにも地方税というのは成り立ち得るものだ、こういうお考えだと思います。もっともそれは今度の憲法上の建前からいいましても、地方税法そのものだけではいけないのでありまして、必ず県の条例、市町村条例をあわせ制定しなければこれを取るわけには相ならないのは自明のことでありますが、しかし地方自治団体が、私のところはこういう事情があるからこういうものも作りますというて、むやみに法定外の税金を立てられても困るのでありまして、そのために幾多の法体系があるわけです。従って私は、筋を通すということは、地方自治の原則もさることながら、どの土地に住んでも、同じように日本国民として日本の働く者、商売する人、いろいろな事業を行なう人として同じような、大体よく似た立場、条件で暮らすことができる、相なるべくならばこういうふうになった方が理想的だと思うのです。そこでそのために交付税制度もできておるわけでありますから、だから条例こそが一切だ、条例こそが筋だというお考えではないように思うのですが、その点はいかがでございますか。
○山本参考人 先生の御説の通りでございまして、やはり条例の上に地方税法がございます。法律が優先でございますし、むろん地方自治体といたしましても国の重要方針には従うべきものであります。ただ自治体でありますがゆえに、何でもかんでも国に右へならえということでは、あまりにも地方自治を軽視したことではないか、かように考えております。先生のおっしゃる通りであります。
○濱田委員長 二宮君。
○二宮委員 先ほどから公述者が申されましたように、もう予算が通ったことでもあり、早くその裏づけになる法律を通してくれ、地方自治体はほんとうは困っておるのだ、こういう置かれておる立場はよくわかるのであります。しかしもう少しやわらかくお考えいただいて、とにかく法律を作るのは今から国会の方で作るのですから、従ってその法律によっての予算、その他また今後において予算追加等も考えられますので、先ほどのお言葉のしりをとらえるようで恐縮ですが、固定したものの考え方で、もうやむを得ないのだ、こういうことではなくて、この委員会は、小委員会を通りましても、各党派の問題は別にして、やはり地方財政というものをりっぱにしていくという方向に考えていかなければならぬ立場にあるものだというように考えておるわけであります。そこで私どもといたしましては、いろいろ申し上げて、参考人が国会には行きたくない、こういうことになっては大へんでありますので、参考にしていろいろお聞きしておきたいと思うのですが、前質問者の問題にも重複いたしますけれども、今からほんとうに地方財政をよくするための法律もできるのだということについての御信頼もいただきたいし、そういう点については与党の自民党の皆さん方も多分御協力がいただけるだろうと私は考えておるわけでありますが、ただ問題は、小委員会などで論議をいたしました市町村の段階で白色を認めなくて県の方の事業税では白色の控除を認める。こういう状態に置かれたときに、一番困るのは市町村長さんであろうと考えるわけであります。そこで国税とも遮断をしたのだというけれども、実は事業税の方は遮断をしてない、県の方はとっている、市町村の税金だけが遮断されている。こういう立場に置かれたときに、現場の行政をやっていらっしゃる山木さんとしましては、町議会の中で非常に苦しい立場に立つのではなかろうか、こういうふうに考えまして、実はこの前から小委員会で、そういうことをやるなら県並びに市町村を通してすっきりした方がいいのではないか、これはいたずらに市町村長を窮地に追い込むことになるのではないかと主張して参ったのでございますけれども、その点はどうでありましょうか。
○山本参考人 私どもといたしまして、先ほども申しましたが、住民税に専従者控除を及ぼして、しかも地方自治の当面の運営に支障がないということであれば、今もあえて反対するわけではございませんが、あまりに町村に影響が多いわけであります。なるほど国会におきまして法律を慎重に御検討いただくということは当然でございまするが、ただこの問題につきましては、昨年の八月以来、これははなはだ勝手なことを申し上げて恐縮でありますが、税制調査会におきましていろいろ実情を申し上げ、その後ずっと予算編成前に国会等にも陳情し、あるいは政府に陳情して、もう半年以上も申し上げることは申し上げて参ったのでありまして、なるほど御議論の余地はあろうと存じますが、現在の段階では、私ども、この税法を早く決定していただきたいというのが町村、長の立場に立った衷情でございまして、なるほど議会へ参りまして、税金も安くなった、しかし仕事は従来以上やるということであればよろしゅうございましょうが、税金は安くなったけれどもなかなか仕事はできないというようなことでは、やはり議会があまり認められない、こう思うわけでございます。大筋においては、私どもは住民負担を軽減するということには基本的には賛成でございますが、現在の財政事情上ほんとうにやむを得ないことと考えておるわけでございます。
○二宮委員 私どもは、政治というものはやはり地域住民に、地方民に対して進めていかなければならない、こういうように考えるわけです。従って、全国町村会長という立場に立っての山本さんの御発言というものは、微妙な問題があろうと思うのですけれども、個人山本という立場に立ちますと、やはり目の前にはっきり町村民というものを控えて、そうして中央に対してすっきりした姿で要望もしなければならぬという立場にあるというように思うのでございます。そういう点の苦しい立場もよくわかりますし、とらなければならない財源の確保という問題もよくわかりますけれども、やはり私ども一番心配しておるのは、先ほど申し上げましたように、地方議会の中で町村長さんが一番苦しい立場に立つのではなかろうか、こういうことをやった場合に……。その点を一番心配しておるわけなんです。 もう一つお聞きしておきたい問題は、市町村民税の中の軽自動車に関する増税の問題なんです。これはあなたのとられる立場ということを抜きにして、逆に市町村の人の立場、納める方の立場に立ってお考え下さって、ほとんど庶民の機動的な足になっておると思われるようなほんとうの小型の軽自動車に対して、この際一番高いのは千五百円からあるいは五百円というような増税をやっておるわけなんでありますが、これらに対してどのようにお考えになりますか。
○山本参考人 町村では、軽自動車もそうたくさんはございませんが、まあこれらも減税を、同様の言葉でございますが、することということは基本的にはけっこうなことでございますが、これは御承知の通り、ちょうど自転車税が廃止になりましたときに市町村へ委譲になった税金でございまして、私の町では三十五年度では約八十八万ほどでございます。財源としては少しでございますが、やはり主要な財源でございますので、そう減税ということも現在におきましてはあまり歓迎しないというようなことでございます。
○二宮委員 いや、私の申し上げているのは、ざっくばらんに申し上げて、大体現状維持でやっていけないかということです。無理にこれほどたくさんの増税をやらなければならぬものかどうか、そのやられた場合に、町村民の受ける気持というものを、現場の町長さんからお聞きしたいのが本心なんです。
○濱田委員長 ちょっと申し上げますが、今度の原案では、軽自動車について非常に増税になっております。そういう意味でお聞きになっておるわけでございます。
○山本参考人 はなはだ私勉強が足りませんでしたが、税の負担の均衡上増税になったと思うのでございますが、どうも申しわけないと思いますが、さようお願いしたいと思います。
○濱田委員長 本日の議事はこの程度てとどめます。 参考人の方々には、長時間にわたりまして貴重な御意見を述べていただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表して私から厚くお礼申し上げます。(拍手) 次会は明二十一日開会することとして、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十六分散会