地方行政委員会 第21号
- 発言数
- 48 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/04/11
会議録
○濱田委員長 これより会議を開きます。 後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律案並びに地方交付税法及び地方財政法の一部を改正する法律案、以上二案を一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。川村継義君。
○川村(継)委員 初めに後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律案に関して二、三お尋ねをいたしたいと思います。 まずその前にちょっとお聞きしておきたいと思いますが、これは財政局長の方ではっきりさせていただきたいと思います。それは、法案の附則第四項に「地方財政再建促進特別措置法の一部を次のように改正する。」とございまして、「第十七条各号列記以外の部分中「財政再建団体の」を「財政再建団体(都道府県を除く。)の」に改める。」こうございますね。ところが、あなたの方からいただいておる資料で新旧条文参照表というのがありますが、その新旧条文参照表の第十七条の新旧の改正を示しておるものと、先ほど申し上げました附則第四項の改正の点とは一致していないように私は見受けておるのですが、その点はどうなっておりますか。
○奥野政府委員 ガリ版刷りの資料には、大へん恐縮でございますが間違いがあるようでございまして、趣旨は、財政再建団体に対します公共事業費の国庫負担のかさ上げ制度、これは今回の特例法案によりまして都道府県に関するものはやめてしまう、市町村に関するものは従来通り残しておく、こういう趣旨でございます。
○川村(継)委員 資料のことですから、誤植があったらそれでもいいのですけれども、そうすると第十七条の地方財政再建促進特別措置法の国の負担金等を伴う事業に対する特例の中の、いわゆる「財政再建団体の」という文字は、法案の四項のように訂正されるわけですね。——そうすると新旧条文参照表の中にある「当分の間、」というのが「当分の間(都道府県に係るものについては、昭和三十五年度までの間、」これが新しく出てくるわけですね。どちらなんです、それは。
○奥野政府委員 ガリ判刷りの方は、実は違っておるのでございまして、ガリ版刷りの一行目第十七条「財政再建団体の」こう書いてありますが、その字句につきまして下に「(都道府県を除く。)」こう書くべきであったわけであります。同時に今お読みになりました部分はこれはないのでありまして、この法律改正は三十六年度から適用するわけでございますので、三十五年度までは従来通り都道府県でありましても国庫負担のかさ上げを受けることは当然のことでございます。おそらく担当者のところでいろいろ法案の修正案を練っておりましたときには、こういうことでも書かなければならない、こういう誤解を持っておったのではないかと思うのでございます。資料の間違いでございまして、訂正さしていただきたいと思います。大へん恐縮に存じます。
○川村(継)委員 わかりました。それはやはりあとできちっと訂正して、お示し置きいただきたいと思います。 同じように東北開発促進法の一部改正、この法案の五項に示してある改正の要点と、参照条文の方に示してあるのはやはり同様の間違いがあるように思うのです。たとえば「東北開発促進法の一部を次のように改正する。」「第十二条の見出しを「(地方財政再建促進特別措置法との関係に)」改め、」これはずっと四国開発、九州開発にも同じようなことが出てくるわけであります。それが参照条文の中にはない。それから二項を削る。これはそのままでいいと思います。それから三項の「「地方財政再建促進特別措置法第十七条及びこれに基づく政令、第二十条並びに第二十一条第一項及び第二項並びに前二項の規定は」を「前項の規定は」に、」改める、これも参照条文でもそのままのようでありますが、その次に「「同法」を「地方財政再建促進特別措置法」に改め、」というのがありますが、それが参照条文の方にはそのように書かれていないと私は見ておるのです。これも一つの誤字ではないかと思うのですが、その点いかがですか。
○奥野政府委員 御指摘の通りでありまして全く恐縮に存じております。さらによく調べまして訂正の上提出させていただきたいと思います。
○川村(継)委員 それでは今の参照条文の間違っておる点は、法案の改正に合うように一つぜひきれいにして、審議の参考になるようにしていただきたいと思います。 それから後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律の要点は、適用団体の問題であるし、適用の対象であります。負担割合の引き上げの方法、それから現行の公共事業に対する特例制度との関係、これらがおもなる点になっておるようでありますが、大臣まだお見えになっておりませんから、次官から御見解を承っておきたいと思います。 このように産業経済の立ちおくれておる地域に対する開発、これは政府の方でもたびたびいろいろの場合に指摘をしておるところでありますが、その地域開発に伴って公共事業が伸びていく。ところが、地方の団体がこれを受け入れるだけの力がないということになると、その開発がそごを来たす。そういう意味で公共事業の開発にかかわる国の負担分というものを考えて、何か特例を作らなければならぬということは前々から言われておったところでありまして、こういう形ででも提案されたことは、われわれ非常に喜んでおるわけであります。提案理由の説明にもそういう点の必要を力説しておられたと思います。ところが基本的に第一疑問になりますのは、たとえば提案理由の説明の中に、こういう言葉が説明されております。「今後これらの後進地域において公共事業の増大することが期待されるのでありますが、財政力が十分ではなく、その消化が容易でない地域の開発に関する公共事業については、」云々とありますが、この公共事業の増大することが期待されるというようなお考えは、自治省の方で公共事業の増大を考えて、あるいは自治省の力で後進地域の開発のためにそれだけ公共事業の事業量を増大してやらねばならぬという措置ができて期待をしておられるのか、そうではなくて、やはり国の施策のことでもあろうから、おくれておる後進地域には公共事業の増大があるであろうという、そういう考え方の期待なのか、それはどういうお考えで考えておられるのか、次官の方からお聞かせ願いたい。
○渡海政府委員 現実的に公共事業の配分はそれぞれ各省によって行なわれておりまして、もちろん自治省の権限ではございません。しかしながら、予算全般を見ていただいてもわかりますように、公共事業の増大ということは、三十六年度以降相当期待できるものであります。また昭和三十六年度以降において増大された公共事業は、今後も引き続いて行なわれるものだと期待もし、そのように確信をしておるのであります。一面、従来の本年度よりも少ない時代の公共事業の状態をながめましても、ただいま御指摘になりましたような後進地域につきましては、せっかく割り当てられた公共事業も、財政上の理由に基づいて一部返上しなければならないというふうな事態が起こっておったということは事実であります。もちろん政府といたしましても、地域格差の解消という面から、私たちが期待しておることを各省の方におきましても一貫してやっていただくことを期待し、お願いしておるのでございますが、それとともに、本年度の具体的に増加された予算並びに従来割り当てておられながら財政力がないために返上しておったという実情から見まして、このような措置が行なわれましたなれば、当然私たちは公共事業がそれらの地域において増大して実施されるものである。このように両点から確信を持っておるような次第でございます。
○川村(継)委員 お話しのように、財政力が弱いために、せっかく割り当てられた公共事業が十分にやれなくて、一部返上するというような事態がある。今度の法律が制定されますと、あるいはそのような事態は解消されるかもしれぬ。ところが、はたして後進地域のいわゆる産業経済の開発、そういうものに対してこのような負担割合の特例で十分なのかどうか、私たちこれに少し疑問が出ているわけです。と申し上げますのは、私が申し上げるまでもありませんが、地方税財政に関する地方制度調査会の答申が、昨年の十月出ておりますが、それによりますと、幾つかその答申事項がありましたが、その中に、「国において公共投資の充実が図られる場合においては、現に公共事業が一般に国と地方公共団体との共同負担とされているので、その施策が地方公共団体の財政負担を増加し、地方財政を圧迫することのないよう必要な措置を講ずること。」というようなことやら、「特に、後進地域の開発を促進するため、公共投資を後進地域に重点的に振り向けるとともに、後進地域の地方公共団体が積極的に開発のための事業を受け入れることを可能にするよう国庫負担金制度を改善すること。」こういう答申の条項があったと思います。私が申し上げましたその後段の点が、私非常に大事な答申の条項ではないかと思っております。公共投資量が後進地域に重点的に振り向けられるというようなこと、その公共事業を喜んで積極的に受け入れられるだけの財政の力を持たせるというようなことが一番大事だ。ところが、ただ単に割り当てられた公共事業がスムーズにいくということ、それだけを決して否定するわけでありませんけれども、地方の後進地域の開発ということになると、やはりたくさんの思い切った公共投資量が投入される、これを受け入れるところの力が生まれるということが一番大事だと思うのです。そこで先ほど次官のお言葉にありましたように、提案理由の説明の言葉の、「公共事業の増大することが期待される」ということは、これは自治省の方でこの後進地域開発についていろいろの積極的な措置ができるのでなくて、建設省や運輸省や農林省や、そういうところの各省における公共事業の配分というのが結局問題になってくるのじゃないか。そういう各省の公共事業に対する配分の量が後進地域にたくさん落ちないということになりますと、後進地域開発という目的には十分沿い得ない結果を招来する。こう考えねばならないと思いますが、その点はそのように考えて間違いないでしょうか、次官の見解を伺いたいと思います。
○渡海政府委員 御承知の通り、この法律が出ましても、ただいまあります後進地域開発に対するところの各地域の総合計画を立てるための法律は、そのままその他の計画を立てる部面におきましては、東北とかあるいは九州とか、新たにできました四国というふうな面でも残るのでございまして、この方面で総合計画が立てられることによりまして、各省の事業配分もこういった地域に対して比較的に増大いたしていくもの、そのように期待しておるのでございます。政府といたしましても、それらの地域に進んで公共事業を投資するということを一つの方針としておりますので、各省におきましても、おのおのの見解に立ちまして増大いたしていただけるものと、かように期待をいたしておるのでございます。なお、この程度のかさ上げ率ではたして増大する公共事業が受け入れられるかどうだろうかという点は、御疑問の点まことにごもっともでございまして、私たちもこのために、この案よりももう少し十分な案をもって当初大蔵当局にも折衝したのは川村委員御承知の通りでありますが、国の財政にも限度がございまして、この程度で妥協させていただいたのでございます。しかしながら、これで十分とはいかなくても、私は必要の限度のものはなし得るもの、またそれだけは確保した、このように考えておる次第でございます。 もとよりこの制度だけでこういった後進地域の団体が公共事業を受け入れられるということは困難でございますが、ただ私たちが措置いたしましたのは、この制度だけでなくて、地方財政計画で御審議願いましたように、本年一度の増加しました地方財源を、主として公共投資的経費の方に充てさせていただきまして、従いまして国の予算に対しまして増大しますところの公共負担の増というものは、一般財源におきましても、特に増大するであろう河川あるいは道路、そういった部面におきまして、基準財政需要額の方で増大して見積もらせていにだき、一般財源におきましても、それを受け入れられるだけの力ができるように、特にその増額を財政需要の中に見積もります際にも、努めてこの法律に該当するような後進地域に、そういった需要額を多く傾斜的に算定できるように考案させていただきましたので、この制度も両々相待ちまして、後進地域の府県公共投資の増大に対しまして、財政的にもたえ得るものと、このように期待いたしておる次第でございます。
○川村(継)委員 お話よくわかります。こういうかさ上げの特例をお作りになった、また交付税の配分においても、財政計画の策定においても、十分そういう財政力の弱いところに力をつけてやろうという配慮のもとになされておるということは、もうよくわかります。ただ、私が皆さん方の見解を聞いておきたいと思っておりますことは、そのような自治省の配慮があっても、後進地域の開発、産業経済の力を伸ばしていく、それに十分なところの公共事業量がはたして投下されるであろうかということであります。先ほど次官がおっしゃったように、あるいはこれだけの処置をしておれば、せっかく受けた公共事業を返上しなくてもやっていけるだけの力は十分ついておるかもしれぬけれども、国は、後進地域の開発といいながらも、はたしてほんとうに思い切った必要な最大の公共投資をやるであろうかということを私聞いているわけです。国が思い切った必要な公共投資をそういうおくれた地域に投下するということになりますと、これは相当に国庫負担というもの、いわゆるかさ上げの金額というものが大きくなっていくに違いない。これは一つの筋道として考えられるわけですね。初めちゃんとワクをきめておいて、ワクの配分ということになりますといざ知らず、私が申し上げるような考え方でやっていくとなると、これは百四十億のかさ上げだといっておられても、百七十億にも百八十億にもなるかもしれない。そういう場合に、はたして大蔵省がそれをうんと言うかどうかというような一つの疑念も出てくるわけです。それでは公共投資を増大して後進地域を開発していく、そしてなるだけ地域格差をなくしていこうというようなことにはなかなかならぬのじゃなかろうか、こう考えて、一応配分されるものを受け入れるだけの態勢というものはできたように見受けられますけれども、配分量のところにやはり今後大きな問題があるのではなかろうかと思っているわけです。これも私が申し上げるまでもないことでありますけれども、次官の方でも、政府が考えております国民所得倍増計画はおそらく御支持なさると思います。いろいろなことを倍増計画には策定をいたしておりますが、「その対策の方向」というところの(二)の項に「経済合理性を尊重し、同時に地域格差の拡大を防止するため、とくに地域別の公共投資については、地域の特性に従って投融資の比重を弾力的に調整する必要がある。これにより経済発展に即応した公共投資の効果を高めるとともに、地域間格差の是正に資するものとする。」というようなこともうたっておるし、「後進地域の開発促進」については、「後進性の強い地域(南九州、西九州、山陰、四国南部等を含む。)の開発促進ならびに所得格差是正のため、速やかに国土総合開発計画を策定し、その資源の開発につとめる。」というような一つの基本的な方向も打ち出してはおります。ところが産業の適正配置というような問題になりますと、四大既成工業地帯についての進め方を書き、第二にベルト地帯といわれる地域の工業開発、あるいは道路交通等を初め公共事業関係の重点的投資をうたい、それから四大工業地帯の周辺の開発を考える。そして四項に「北海道、東北、裏日本(中部)は期間中において現に行なわれている既定の計画を実施するが、これら地域は、倍増計画につづくつぎの期間にいっそう重要な役割を果すものと考えられるので、計画期間の後半期に重点をおいて、」こういうことを実は書いているわけです。そうなりますと、私が先ほどから御見解を聞いておりますように、どうしても後進地域といわれる北海道、東北、あるいは裏日本、南九州というところは、この所得倍増計画からは二、三の次に考えて進められていくと思われます。そう考えると、今後の公共事業の投資ということについては結局置き去りにされるといいますか、先ほどお話しのような形でそういう地域にわれわれが欲する開発の態勢というものはなかなか生まれてこないのではなかろうかと考えるわけです。この点、次官いかがでございましょうか。
○渡海政府委員 ただいまの所得倍増計画の案につきまして、私たち政府間におきましても種々問題点のあった点でございまして、御危惧の点があるのは川村委員御指摘の通りであろうと思います。しかしながら、その案は主として所得を倍増するのだ、それまでに持っていくのだということを意欲的に、その点に主眼を置いての計画性が立てられたのでございまして、従ってまず最も効果の多い四大工業地帯あるいはベルト地域というようなところに重点的に差し向けるような表現の仕方になって、後段として後進地域の点を上げていくというような、所得倍増そのものを主眼として取り上げました関係でそういう表現でなされたものであろう、かように理解しておるのでございます。 しかしながら、四大工業地帯における公共事業のあり方は、後進地域の公共投資のあり方と問題が違ってくるのではなかろうかと思います。四大工業地帯におきましては、すでに産業立地条件の基礎的な公共事業はほとんど完備されたような状態でありまして、むしろ現在不足しておるのはそうではなくして、それらの地域の環境衛生施設あるいは住宅の問題、学校の問題といった、基礎的条件よりも一歩進んだものの拡充が目下急務に迫られておる。また、ベルト地域につきましてはこの点幾分か違いますが、それにいたしましても根本的な公共事業よりも、むしろ相当進んだ地理的条件のもとに立って、具体的に工場その他の立地条件と直結するような事業が必要になってくるのではなかろうか、むしろ後進地域におきましては、そういった産業立地条件に直接結びつく事業よりも、基礎的なそういった立地条件を作り上げる、ほんとうに根本のさかのぼった公共投資が必要になってくるというふうに、公共事業のあり方につきましても、それぞれの地域につきまして相当質が違うのではなかろうか、かように考えておるような次第でございます。 従いまして国の予算配分におきまして、その根本的な公共投資の河川とか、海岸とか、あるいは道路にいたしましても都市計画による道路ではなくして、むしろほんとうに国道の幹線の末端に至るまで完備するといったような投資の仕方をされるというようなことは、四大工業地帯とかベルト地域にはもうすでに必要でなくなってくる。むしろこういうものに対する予算の増額というものは、そのまま後進地域に振り向けられるのではなかろうか。かように質的の相違があり、むしろその質的な相違で、根本的な立地条件の基礎的になる部分にかけられる国の予算の配分の仕方それ自体が、後進地域の公共投資を増大してくるのではなかろうか、予算的に見てもそうなってくるのではなかろうか、かように考えておる次第でございます。 なおまた、その方針は、一応はそういった所得倍増を主目的として書かれた方針として決定いたしましたが、その後、これらと後進地域の地域格差を是正するんだというふうな観点に立ちまして、すでにあります東北、九州あるいは四国その他山陰等の総合開発計画に相当力を入れて、これを軌道に乗せなければならないという議論も出ておりまして、経済企画庁におきましても、所得倍増と、これらの国家資源を全部総合的に開発するという案を、少なくとも六、七月ころまでには立案できる段階に来ているそうでございます。この後進地域の開発も、本国会で承認を願いましたなれば、本年度をもって出発するのでございますが、これらの制度と相待ちまして、今後後進地域の開発に積極的に乗り出して、所得倍増計画におきましても積極的に、むしろさきに出されました答申案の中にあります後半期にすべきこの後進地域に対する公共投資なども、これが繰り上げになって実施される導きにも、この後進地域公共事業の国庫負担のかさ上げ制度がなってくるのではなかろうか。また政府自体におきましても、経済企画庁で目下作業を急いでおりますように、そういった方向で目下進捗しつつあるという状態でございますので、川村委員御指摘の危惧の点は十分参酌に入れまして、政府部内におきましても、今後とも積極的に後進地域の開発に進むように私たちもともに努力していきたい、かように考えておる次第でございます。
○川村(継)委員 お話しのお考えの方向はよくわかりますけれども、せっかくの御意見ではありますが、公共事業の投資の質的問題等でいろいろそういうような心配は要らないのじゃないかという御見解でもありますけれども、どうもその点私まだ十分納得がいかないわけです。たとえば先ほどちょっと申しましたように、ベルト地帯というようなものが、所得倍増に伴う重点的な開発地域と考えられておるならば、やはり国の公共投資量というものもそういう方面に多く出されて、後進地域のいわゆる東北、南九州、裏日本というようなところには、三十三年度、三十四年度、三十五年度でやってきたような事業の継続、あるいはそれらとあまり大差のない事業量しか振り向けられないのじゃないか、こういう心配があるわけであります。この心配は決して私一人の心配ではないと私は思います。そうなると、この法案そのもののあれからは少しはずれるかもしれませんが、せっかく後進地域の開発ということを考える場合には、問題は今次官のお話のような形ではなかなか解決されぬだろう。 そこでこれは財政局長にお尋ねいたしたいと思います。これはほんとうは企画庁の方にお聞きするのが妥当だと思いますが、今年の公共事業の配分であります。これはまだ建設省、農林省関係でも、最終の事業配分ということが決定していないと聞いておるのですが、四月でありますからあるいはそうかもしれませんが、しかし予算の編成期において考えてみましても、今次官のおっしゃったようなことでなくて、やはり東北や九州というのは、そういう点からすれば、私が心配しておるようなことが事実ではないか。最終の事業の配分がなされていないのでよくわかりませんが、たとえば東北地方の公共事業の配分率はどうなっておるのか、九州関係は一体どうなっておるのか、大体地域ブロック別にでも分けてみると明らかになるのじゃないかと思います。四国開発があるし、九州開発があるし、東北開発があるし、中国開発がある。こういうような開発地域のいわゆる公共事業の配分率というものを見てみると、はたして先ほど次官がおっしゃったように、そういうところに重点的に公共事業というものが伸びておるかどうか。たとえば九州の場合を見て参りますと、これは先般九州開発審議会に発表されたものでありますが、これも先ほど申し上げたように最終の数字ではないのでありますが、大きくは狂わないと思います。道路にいたしましても、全国平均は一四六%の伸びを示しているのに九州は一四四、港湾は全国平均一三四の伸びに対して九州は二三〇であります。河川改修につきましても、全国の伸びは一一七である。ところが九州は一〇八である。土地改良等におきましても、これは国営関係だけのようでありますけれども、全国は一〇七を示しておるが、九州は九九である。こういうように拾ってみても、全国の伸びよりもはるかに低い伸びしか公共事業関係、九州開発関係のものは示していない。おそらく東北にいたしましても、裏日本地域にいたしましても、こういう数字が出てくるのじゃなかろうかと私は思うのです。そうなると、先ほど次官のせっかくのお話でありましたけれども、実際は後進地域開発のために公共の投資量が大きく増大しておるのではなくて、国がこれだけ伸びたから、ちょびっと従来よりも伸びたくらいのものであって、ほんとうに所得倍増とか、地域の経済格差をなくする、そういうものにそぐわない実際の事業量しかないのじゃないか。こう思われるわけでありますが、何かその点につきまして財政局長の方で数字的なものがありましたら、九州開発、東北開発、四国開発の地域別でもよろしゅうございますから話していただけませんか。
○奥野政府委員 今川村委員からお話しになりました三十六年度の地域別事業配分は、まだわからないわけであります。私もいろいろな団体から、三十六年度の事業についてどの程度の配分の通知を受けておるかというような話を伺うのでありますけれども、各省について見ますと、やはり若干の保留もあるようであります。そういうこともございますので、今おあげになりました数字も、はたして三十六年度の実績見込みだといえるのかどうか、ちょっと疑問を持つのでありますが、そういうことでございますので、私たちが三十六年度の姿を推定します場合には、三十五年度の実績に按分していろいろな数字を検討しているというような状況でございます。三十六年度の地域別の配分は、各省につきましてもなお答えてもらえないというような状態に現在あるわけでございます。
○佐野委員 関連して。先ほど次官からいろいろ政府の方針を承ったわけですけれども、三十五年度のいろいろなそういう調査なり集計が出ておると思うのです。それで、ただいま地域格差の問題を中心にして川村さんからもお話しになっておるわけですけれども、それに関連して、他の面から見て参りますと、たとえば地域格差あるいは産業別格差というものが同じく入り組んでおるわけです。そういう意味からも、たとえば農業における行政投資は、昭和三十五年度は九千七百億円の一般行政投資であり、農業投資は八百三十七億ですか、その割合は八・八%になっておると思うのですがね。ところが十年計画、経済高度成長政策ですか、所得倍増計画ですか、その計画の中における行政投資を見て参りますと、一般の場合は十六兆円に対して農業投資は一兆円、その割合が六・二%になっておると思うのですがね。そうしますと、次官は後進地域の開発のために行政投資をふやすのだ、こう言われますけれども、政府自身の計画の中における数字はこういう工合になっておるわけです。これでは農業県を多く持っておる東北あるいは裏日本というところにおいては、いわゆる地域格差が拡大していく。こういうことを政府自身が政策の中に出しておるんじゃないですか。その点どうですか。今次官の言われる政府の方針というものと、政府自身が出している資料との間に、何だかこう割り切れない点を感ずるのですがね。 それからそれと関連して財政局長にも伺いたいのですが、どうですか、三十五年度の、地域的なのは出なくても、産業別の行政投資の比較ぐらいは把握しておられるんじゃないですか。後進地域の開発とか、後進地域の国庫負担の補助率の引き上げというようなことに対する基本の考え方として、一体三十五年度におけるそれはどういう状態になってきておるか、こういう点に対して把握した数字がございますか。この二点をお伺いしたいと思います。
○渡海政府委員 大臣今参っておられますが、今までの質問の続きでございますので私からお答え申し上げます。 先ほどの川村委員の御指摘で局長から答えましたが、前論にございました問題の点につきましてはまことにごもっともでございまして、率直に申しましたなれば、私たち法案の審議の過程におきましても、ただいま川村さん御指摘になりました所得倍増の計画論につきまして、これでは後進地域の開発ということを重点的に取り上げるというのと、表現の仕方が悪いじゃないかという議論もずいぶん出たような次第でございまして、その点も両々相待ちまして、目下経済企画庁におきまして、国土総合開発計画とこれに伴うところの公共投資のあり方、これと所得倍増等の計画につきまして、公共投資という面を主といたしまして、目下七、八月ごろを目途として検討を練っていただいておるような次第でございます。 なお、ただいま農業投資との点もございましたが、御承知の通り公共事業の面に現われますものは、私も確実な数字を見ておりませんからわかりませんが、ただいま佐野委員の御指摘になられました数字そのままといたしまして、大へん少ないようにも思いますが、私は、農業というものが主として個人の農地というものを生産基盤として行なわれます関係で行なわれますが、他の投資がそのまま農業に振り向かないかということになりましたなれば、他の道路にしましても、河川にしましても、河川の改修自身が農業を水害から防ぐ、あるいは水利の関係をよくするというような数字で、あながちほかの公共投資が他の産業に全部振り向けられて、農業投資そのものに現われております直接農業につながっておるものだけが農業だという観点で考えることはできないんじゃないかと思います。その点本年度の予算で農業に関連する予算をあげていただきましたら、たしか千八百億ですか、そういうふうな画期的な増額された数字になっておりますので、こういった数字からながめまして、ただいま御指摘になりました統計そのものが、産業別の格差をいよいよ助長するのじゃないかという結論にはそのままならないのじゃないか。公共投資そのものは、あらゆる産業に役立つ公共投資である。その中から特に公共事業という形で行なわれる農業の分を取り上げると、全体の公共事業から見てそのような数字になるというのであって、農業以外の公共事業が直ちに他の産業ばかりのものであるという概念には当てはまらないのじゃないか、かように考えますので、この点弁解のようになりますが、御了解賜わりたいと思います。
○佐野委員 どうも次官のお話を聞いていると、数字の魔術に踊らされるような形になるのですけれども、農業予算が急に本年度はふえた、四二%ふえたと言われる。しかしながら、食糧管理特別会計の繰り入れ三百九十億円を引いてしまいますと、一般の予算の二四%よりもまだ伸びが縮まってしまっておる。これは数字というものを正しく分析していただければそうなっていくのじゃないか。もう一つ私は、公共投資ということで行政投資を中心としてお聞きしておるわけです。ですから、行政投資が持つ役割——全体の所得倍増計画というのを抜きにしても、行政投資として農業並びに他の産業における投資は、一体政府はどういう計画の上に今後十年間進んでいかれるか。その政府の計画によると六・二%にとどまっておる。三十五年度は八・八%という比重を占めておる。それではどうも、後進地域というと農業県が多いだろうと思いますが、そういう意味における矛盾がそこから出てくるのじゃないかという点が、納得しきれないということです。 それからもう一つは、もちろん行政投資はいろいろな産業に影響があるのだと言われるわけですけれども、そのことは逆な面もたくさんあると思うのです。たとえば、北陸の一つの県を例にとってみますと、その地方は雨の降る量が日本一だ。そのために電気が起こるというわけですが、電気が起こるためには、そこに砂防工事なり河川の改修なり、やらなくちゃならない。そこで、その起こって参りました電気の量もまた全国で一、二だ。しかしながら、その電気というものは八〇%までは大阪に送られていく。途中で二割ないし二割五分の電気をロスするそうですけれども、ロスしてもかまわない。これはやっぱり大阪の方に、いわゆる川村委員の御指摘になるように、四大工業地帯を何としても経済成長の拠点としたい、そのベルト地帯に送り込まなければならない、そういうことになってくるでしょう。ですから、その県の公共投資は非常にふえて参っております。しかしながら、それはちっともその地域における地域格差の解消に役立つものじゃない。その地方は農業の部面が多いから、農業投資は逆に下がってくる。こうなって参りますと、ちっともそれが地域格差の解消ということに役立ってこないじゃないか、こういうことが実際上において証明されてくるのじゃないかという意見なんですがね、ですから、行政投資そのものを切り離して考えるのじゃなくて、やっぱり民間設備投資、これに行政投資、むろん皆さんの方のお得意であるところの公共料金なんかの問題でよく問題になります。いわゆるガスあるいは下水道、上水道、農業用水、こういう公営企業、社会施策ですか、この三つが相関連して今日の経済成長計画というものが組み立てられておると思うのです。国の予算もそういう一環として出て参っておると思うのですけれども、そういうのを単なる数字の上に港湾がどうだ、道路がどうだというのじゃなくて、川村委員の指摘されるように、その個所づけで分析してみると、道路五ヵ年計画の二兆一千億円を、詳しいことはわからなくても大体大筋だけを個所づけにやっていって参りますと、川村委員の御指摘のある通りになってしまっておるでしょう。あるいは公営企業にいたしましても、そういういわゆる四大工業地帯なり、ベルト地帯ならベルト地帯を作るために、どうしてもそこに上水道が必要になってくる。工業用水が必要になってくる。そのために学校施設が必要になってくる。そのために理科教育が必要になってくるというような形で出てきてしまっておると思う。ですからそういうことが逆に言って参りますと、文部省の高等学校の理科高等工業を新設する、これは各県に全国にばらまいておるわけでしょう、そこで結局教育されたところの理科の高等学校の生徒は都会に就職するわけであって、しかもその農業県に設けられるところの高等工業のために、県は、たとえばその県を見て参りましても八百五十円の授業料を取っておる。国立の大学の授業料よりもなお高い授業料を高等学校の生徒から授業料として、取らなければ高等学校を維持していけない。それかといって、その高等学校を卒業した者はほとんどベルト地帯に就職していくというような関連が出てきておる。そういう点をもっと分析していくと、なおさら地域格差が大きくなっていくのじゃないかということを地方自治体の現況を通じて痛感するわけです。これらに対する解決を一体どうしていくか、その意味において今度の法案に対して川村委員もいろいろな点を御指摘になっておられるので、私も、そういうような意味において自治大臣としてのそういうものに対する御所見を一つ承っておきたいと思います。
○安井国務大臣 ちょっとおくれまして、川村委員の御質問を的確に承っておりませんので、あるいはちょっと違うかと存じますが、今お話しのように、どうしてもベルト地帯と申しますか、従来の大都会中心地域に人口なり産業の集中傾向が今後とも強くなっていくであろうということは否定できまいと思うのであります。従いまして、それを何とか将来直していこうというのが今政府が全体的にとっておる方策で、その中には公共事業費もでき得る限り地方で重点的な配分をやる、あるいは今御審議を願っております特例法等によって、さらに地方の開発に資していく。または基幹都市といったような構想によって地方中心の産業なり文化、経済の基盤を造成していくという方向を打ち出しておるわけでありまして、これはいわゆる計画経済のように全体をきちっと計画をして、初めから機械的に配分をきめるというふうにはなかなか今の経済では参るまいと思います。同じ地方を開発するにしても、それだけの立地条件を作っていくということが大事だろうと思いますので、この一年、二年に直ちに右から左へどうなるというふうなことでなくて、できる限り、多少の年期は入れてもその方向へものを進めていきたいというふうに考えております。
○川村(継)委員 財政局長、先ほどお話しの県別かブロック別か、三十六年度の公共投資の配分等がきまりましたら、少し分析をして、国の伸びが、港湾なら港湾、道路なら道路については、昨年に比べてどのくらい伸びておる、それに県別でもいいし、ブロック別でもいいですから、大体どうような伸びを示しておるか、これを一ついつか示していただけませんか。そうすると、われわれがこの後の地域開発を考える場合に重要な参考資料になるだろうと思います。この点はお願いしておきます。それでなければ、今ここでそれらの数字が固まっていないときに、私が指摘したような問題を論議しておっても、これは結局明らかにならないわけですから、お願いしておきたいと思います。 要するに、地方制度調査会の答申にもありましたように、後進地域の開発を促進するためには、公共投資を後進地域に重点的に振り向けること、一方その後進地域の地方公共団体がそれを受け入れるだけの財政の力が出てくる必要がある。それには国庫負担制度も考えなければならぬ。こういうことでございますし、前段の場合は、これは自治省にとやかく国策の論議を繰り返してもはっきりしないことだと思いますが、自治省に考えてもらわなければならぬことは、いかにして受け入れるところの財政力を持たせるか、あるいは国庫負担制度を改善してやるかというようなことになるだろうと考えます。私たちはどんなにたくさんの公共事業の事業量が後進地域といわれるところに振り向けられても、それを十分受け入れるだけの力があるということが一番大事じゃないか、こう考えておるわけです。ところが、今度の特例のあれでは、どうも今までは公共事業がやれなくて一部返しておった、その返しておった部分を返さなくても済む、やれるのじゃなかろうかというような点に落ちつくくらいが関の山じゃなかろうか。こういう考え方をしているわけですが、そこで大臣においでいただきましたのでお尋ねいたしますが、今度の特例に出て参りますように、財政力指数の〇・四六で押えられておる、この線を引いておられる。自治省は、初めは大体財政力指数の五〇%程度をやはり適用団体にしたいと考えておられたようであります。これは一昨年あなたの方でこのような制度の構想が出たときからそうであったようであります。〇、四六に今度線を引かれた理由、それは大臣どのようなお考えに基づいてやられたのでございますか、この際明らかに一つ御説明をいただきたいと思います。
○安井国務大臣 〇・四六にきまりました経緯について話せ、こういうことでございまして、実はでき得れば五〇というあたりに持っていきたいというのは、自治省として正直な話希望いたしておったわけであります。実は大蔵省は四〇で押えてくれという非常に強い要望がありまして、その間種々折衝を重ねました結果、四六で、しかも切り上げるということで、これは実質上四七くらいなところで落ちついたというのが偽らざる真相でございます。そこで、まあこれは高いことに越したことはございませんが、五〇というものはわれわれからいって一種の理想というふうに考えておりましたし、それから四六にいたしましても、三十数県、ほとんど三分の二以上のものがこれに加わり得るというような実情でもございますので、第一歩といたしましては、これによってその出発をすることに取りきめた次第であります。なお、この対象事業等につきましても、できる限り十分な折衝をいたしまして、この趣旨の通るようにわれわれはいたしたいと考えております。
○川村(継)委員 参考の資料によりますと、三重、岐阜というような県は一%の引き上げになってくるようでありますが、三重や岐阜等を後進県と言っていいかどうか、それは私もよくわかりません。うっかり三重、岐阜県は後進県だと言ったら、当の県が怒るかもしれませんが、しかしそれにしても、これは今日の経済の伸長からいうと、三重や岐阜はあるいはこの指数のバランスからいうと、やがては適用団体からはずれるという可能性もあるわけですね。もう一つ疑問は、かりに三重や岐阜がこのような財政指数のバランスの上に立っておるとしても、はたして三重や岐阜は公共事業を十分に消化し得るだけの財政力があるかどうか、十分なのかどうか、こういう点もやはり問題として考えねばならぬと思うのです。大臣のお話でございますが、このかさ上げのために必要なお金というものは百二十億しか出さない、その範囲内でやれということであれば、それはこのような配分ということも一応は考えられるかもしれませんけれども、公共投資を完全に消化して、その府県における経済力を高めていくということになると、はたしてそういうような〇・四六の線の引き方でいいかどうか、これはやはり私たちも疑問に思うわけです。自治省が当初考えておられたような線、あるいはそれ以上のところに持っていくということも必要ではなかったかと思います。しかし、今さらそれをどうにか言ったってやむを得ないかもしれません。ただ先ほどから御指摘いたしますように、少しくらいの財政力の基準収入と需要とのバランス、その指数が〇・四六に達したから適用団体からはずれるということについては大いに問題があろうかと思いますし、この後これらの運用については、法案の中身についてやはり十分一つ検討していただかなければならぬ問題じゃないかと思います。私たちは、やはり自治省が当初考えられておったような考え方にどうしてもまだ賛意を持っているわけです。つまり、事業量の増大するに従って負担率を高めていくというようなお考えがありましたね。ところが今度は財政力指数一本やりになったのでありますが、これは先ほど大臣がお話しになったように、大蔵省との折衝、そういうような関係で自治省の方が一歩下られたということになるのかもしれませんが、このような形でやって参りますと、もちろんずっとおくれて財政力の弱い鹿児県、徳島、鳥取というところには〇・二五%のかさ上げがありますから、従前よりは公共事業を受け入れる態勢、その力というものは非常にプラスになっていると思いますけれども、事業量が増大してくるということになりますと、やはりこの力では不十分だということも指摘できると思います。ところが問題は、先ほどから申し上げておりますように、公共事業がはたして重点的に投入されるか、どうかというところに問題はあるわけですが、それはしばらくおくといたしまして、〇・四六にしぼられているということについては、決してこれは問題が解決しておると申しましょうか、問題が残らないわけじゃありませんから、一つ今後の検討をぜひ願わねばならないと思います。 もう一つこの際お聞きしておきたいことは、事業量の増大するに従って負担率を高めていくという当初の構想を捨てて、財政力指数一本にしぼられた見解は、どうでございましたですか。
○安井国務大臣 御指摘の通り、自治省では当初そういった考え方も持っておったわけであります。これはすべてを理想的といいますか、現在のうちで最高の標準として持っていく場合にこういうことが考えられるという考え方を持っておったことは事実でございますが、いろいろ検討いたしました結果は、事実量に比例させるということになりますと、各団体間の配分等の問題でまた非常に混乱を生ずる実際上の危険もある、あるいは補助率自体が当初からきまりかねるというようなことから、事務的に取り扱いが非常に不便になるといったような事情も、検討しております結果から生じて参ったものでありますから、種々各省との検討をやりました結果、今のような案に落ちついたわけでございます。
○川村(継)委員 もう一つ、適用事業についてお聞きしておきたいと思いますが、法案に十項目ばかり示しておられまして、最後は政令できめられることになっておるようであります。これはこの前奥野局長からちょっとお聞きしたところでは、指定事業の範囲よりも少なくなったようなお話であったわけであります。最後のことはよくわかりませんが、一つの問題として、災害の関連事業ははずすというお考えのようでありますが、どういうように政令で取り扱われるお考えでございましょうか。
○奥野政府委員 災害関連事業で事業費が一億以上のものは含めたい、こういうことで話がついておるわけでございます。しかし一億円でいいかどうかという点に若干議論もございますので、なお政令を制定いたします段階におきましては十分検討いたしたいという考えでいるわけであります。
○川村(継)委員 一億円以上のものは今のところ含ませるように考えている。それぞれの事業に今の一億円という制限をつけておられるようであります。たとえば海岸保全施設事業、これは建設省関係の分を見てみましても、あるいは農林省関係、そういう点を見て参りましても、そういうようなことが考えられているということでありますが、災害関連事業についても、海岸保全事業についても、どうして一億円というような制限をつけようとなさっているのか、その辺のところを少し御説明を願いたい。
○奥野政府委員 開発を促進していくということがねらいなのでございますので、相当規模の大きなものについて特にその受け入れを容易ならしめるために、国庫負担をかさ上げするという考え方に立っているわけでございます。そういうようなところから、特定の事業でありましても、ある程度ものによりましては金額で限定せざるを得ないということになっている次第であります。
○川村(継)委員 最後はどうおきめになるかわかりませんけれども、一億円というようなことは、いわゆる後進地域の団体の財政力から見ると、われわれは高過ぎるのじゃないかというような考え方をするのです。制限をしたいならば、たとえば五千万円なら五千万円というようなところにしぼって、その辺で制限を引いて、そしてその後進地域の財政負担を軽からしめるというような考え方がよくはないかと思いますが、そういうお考えは全然ございませんか。 〔委員長退席、吉田(重)委員長代 理着席〕
○奥野政府委員 率直なことを申し上げますと、自治省としては、できる限りこの限度の額を引き下げたいということを考えております。しかしながら、国庫負担の増加する側から見ますと、その事業費の額を引き下げる結果は、さらに開発事業の範囲に入れなければならないものが追加されてくる。こういうようなことにもなって参りますので、そういうものとの見合いで事業費の金額は一億円より下げたくない、こういう気持があるわけであります。事務当局間で話し合いはいたしているわけでありますが、今おっしゃいますように意見などもあるわけでございますので、最終段階におきましては、さらに十分検討したい、こういう気持であるわけでございます。自治省といたしましては、ある程度範囲をいま少しく拡大できぬものだろうかという気持を今日も持っておるのでございます。
○川村(継)委員 河川事業についても、小規模河川改修等はこれからはずすというようなお考えがあるようであります。それもやはり同じような考え方でございますか。局部改良等についても同じような考え方があるようでありまして、相当制限がつくようであります。それも自治省としてはやりたいのだけれども、どうも財政負担の面から、こういう考え方でございますか。
○奥野政府委員 開発指定事業の範囲をどうするかということをきめます場合に、一つの基準になりますのは、従来地域開発促進法がいろいろございますが、その場合に、国庫負担のかさ上げの対象といたしまして、指定事業を重要事業と呼んでおるわけであります。今回の法案も後進地域の開発を促進しようということがねらいでございますので、どうしてもこの重要事業を基礎として考えていく、こういうことになるのじゃなかろうかと思います。そうしますと、重要事業の範囲におきましても、小規模河川改修事業というものは入っていなかったわけでございます。そういうところから、現在のところは開発指定事業から除かれるということになっておるのであります。他面、先ほどちょっとおっしゃいました赤字団体の財政を立て直していく場合に、国はある程度援助を与えていく。その援助の対象が、事業としては小規模河川改修事業も入っておったわけでございます。そういうところから一そうこの問題を入れる入れないということについて両論があるわけでございます。率直に申し上げますと、私たちとしては、小規模河川改修事業というようなものは入れたいという気持を持っておるわけでございますけれども、一応今私たちが数字をはじいている段階におきましては除かれておるのでございます。局部改良とか維持修繕というようなことになりますと、これはまた開発促進という大きな方向から考えますと、特に取り上げて論ずべき筋合いのものではなかろうというような気持でおるわけでございます。
○川村(継)委員 大臣、今の局長の説明でよく自治省の気持はわかったわけですけれども、私たちも、関連事業であるとか、海岸保全施設の事業を一億なんというような線で引くということはちょっとふに落ちないと言うのです。というのは、これは後進地域の開発を助けるための特例でありますから、小規模河川等についてはもちろん重要事業からはずれておった、しかし指定事業の中には入っておる。そういう点、いろいろ論議があって、これを今度の場合には、開発指定事業の中には含めないように一応考えておるということでありますけれども、こういうものは、前はどうであったが、今度はこうであるというようなことではなくて、ほんとうに後進地域の開発にということで特例を作ろうと思うなら、やはりもう少し積極的にそういう立場から財政措置ができるようにすることがいいのじゃないかと思います。そうなると、結局問題は大蔵省でございますが、これは大臣が一つ向こうはち巻を二重にも三重にも締めて、大蔵省が百二十億しか出さぬというときには、それではまかりならぬというようなことで、大いにがんばってもらわなければならないのじゃないかと思います。大臣、いかがでございますか。
○安井国務大臣 いろいろこの地方開発のために御助言を賜わったり御激励をいただいております点は心から感謝をいたすわけでございます。ただ、今度のかさ上げ法案につきましては、かなり自治省といたしましても意を決して大蔵省と折衝いたし、いわば新機軸を出したつもりでもおるわけであります。それに対しましては、むろんいろいろああもしたい、こうもしたいということになりますと、非常にまだ不十分な点も、確かに御指摘のような点はあろうかと思いますが、相当強い主張がある程度までは貫かれたと私どもは思っております。今御指摘の金額にいたしましても、百十億とか二十億とかいったものは全然予想しておらぬのでありまして、百七十億以上のものを当然獲得し、あるいは百八十億になり得るようなものを自治省としては獲得でき得るという線で今も細目について折衝しておるわけであります。少しでも多い方がわれわれの立場からいたしますればよろしいのでありまして、そういった点につきましては、さらに十分な検討はいたします。全部が全部満足がいくようにはなかなかいきかねる面もできようかと思います。しかし、いろいろな御激励なり御指摘を賜わった点につきましては、今後とも十分留意をして折衝を続けるつもりでおります。
○川村(継)委員 補助事業等については来年のことになるかもしれませんが、政令をおきめになるときには十分一つ努力してもらって、私が今ほんの一つ二つ指摘いたしましたが、そういう点にも検討を加えて、せっかくこういう特例法ができるのですから、地方の未開発と申しますか、後進地域の負担がやはりなるたけ軽くなるように全力を尽くしてもらいたいと思うのです。 そこで、最後にちょっと奥野局長にお聞きしておきますが、今、低開発地域工業開発促進法案というものが商工委員会に提案されておるのでありますが、これはこの前本会議で私の方の阪上君が指摘いたしましたように、ほんとうによく見てみると、工場誘致条例みたいな格好で何かはっきりしないようなことになっておりますが、この中には非常に税法の特例みたいなものが出てきておるわけです。どうでございましょうか、そこに工場がいったら地方税を減免する、そのかわり交付税で見てやるんだというようなことが出てくるようでありますが、これを奥野局長はどう考えておられますか。こういうのはこれでいいのですか。私は交付税というもののあれからして、税金をそこで大幅に負けておいて、その足らぬ分は交付税で措置するというようなことに、ちょっとすっきりしないものを感ずるのですが、あなたの見解をちょっと聞かせておいていただきたい。
○奥野政府委員 率直に申し上げますと、国がほんとうに減税を必要とする部分を国自身の責任できめまして、それにつきまして財源補てんを国からの補助金等で行なうというような考え方が一番すっきりしておると思うのです。しかし今度のような工業開発の促進ということになって参りますと、具体的にどの地域のどの税をどの程度負けたらよいのかということについて、国自身が責任を負いかねるのじゃないかと思うのであります。そうしますと、ある程度地方団体にその辺の選択をさせなければならない。そういうことになってきますと、地方団体の選択に乗っかりまして、その財源補てんをしておりますものが、交付税制度がありますので、勢い交付税制度でその解決をつけなければならない、こういうことにならざるを得ないと思うのであります。こういう考え方が無限に広まっていくことは非常に警戒しなければならぬと思いますけれども、今度の場合はやむを得ない方法ではなかろうか、こういう判断に立っておるのであります。問題は、どういう地域を政令で定めるか、こういうことになってくるわけであります。一応現在のところ、その地域指定の基準として、第二次商業就業人口及び第三次産業就業人口のウエートの低い団体でなければならない。こういうようなことにしたいと考えておるわけでございまして、そういうような縛り方をすることによって、御指摘のありました単なる工場誘致条例の穴埋めを交付税制度ですることになるのじゃないかという批判は免れることができるのじゃないかと考えておるわけでございます。
○川村(継)委員 工場は誘致をしたいわ、道路や港湾はめちゃくちゃだし、公共事業はうんともらわなければならぬ。いろいろな問題が重なってくるわけです。工場を誘致すると税金はまけてやらなければならない。ところが、それに伴ってやるべき仕事は地方にはずいぶん出てくる。財政負担は大きくなってくる。そうなりますと、こういうような国庫負担の特例というものも、またその辺から中身を検討していくことにしていかなければ大へんなことになるのじゃありませんか。その点大臣、いかがでございますか。
○安井国務大臣 今財政局長からも、お話し申し上げましたように、工場誘致に伴う税金の穴埋めをやるという点には、今御指摘のような意味の懸念が全然ないとは私ども申しません。ただ、今地域開発を総合的にやっていこうという点は、低開発地域工業開発、工場分散だけではないの、でありまして、あらゆる施策を自治省で考えております。基幹都市の構想もそうであります。また建設省自体もそれ相当な対策も講じつつあるようでございます。それからこういった補助特例、そういったものを総合的に推し進めていってやるのでございまして、今の工場分散は、私どもは、ある特定の地域で、特にこれは工場分散に非常に都合がいいという条件が現在備わっておる小都市については、それに対してできるだけの便宜をはかっていこう、こういう案でありまして、それだけに依存して全体の地方財政なり地方の計画をあれだけで推進していくというようなもので、財政のあり方も根本的に改めなければいかぬというふうなものとまでは考えていないわけであります。
○阪上委員 今の後進地域の開発について、関連して二つ、三つお伺いしたいと思います。 今もちょうど川村さんから発言があって問題になっておりますが、大臣は今総合的にやらなければいけないということでありますが、もっともだと思います。しかし総合的であると同時に、この種の開発は合理的に行なわれなければならない、こういうことだと思います。そこでこの際大臣にお伺いいたしておきたいと思いますのは、低開発地域工業開発促進法案でうたわれている低開発地域というのと、この法案で出て参っております後進地域というものと、どういう相違があるのですか、あるいは同じものですか。この点一つ伺っておきます。
○安井国務大臣 今御審議を願っております法案につきましては、これは都道府県を単位に全般の財政需要の基準を考えておるわけでございます。あの低開発の工場分散の法案につきましては、都道府県を超越しまして、現在ある小都市、日本じゅうの小都市で現在条件のふさわしいと思われるようなところは、でき得る限り工場を誘致しよう、それについてのさしあたっての便益を供したい、こういうような考え方であります。
○阪上委員 そうしますと、今使われている低開発地域という用語の内容というものは、この後進地域よりも範囲が広いものである、こういうことだと私は思うのであります。そこで私お伺いしたいのですが、その範囲が広いものの中に狭いものが含まれておるわけなんですが、低開発地域工業開発促進法案の考え方のもとになっておるのは、企画庁の中にあった所得倍増の計画を立案するときに作られたところの工業立地小委員会でありまするか、これの十年計画というものが大体基礎になって、ああいった法案がちょっぴり頭を出してきた、こういうことなのであります。そしてこの中には、この十年間の地域開発地図というものを頭に置いて考えていきますると、大体において行政投資と設備投資でもって総額十六兆三千億円に近いところのものが大体想像される。そして在来行なわれておったところの後進地域の開発、地域開発というものに対する設備投資と行政投資の割合が三対一であったものを、今度は二対一くらいに持っていかなければ、十年間で所期の目的は達成できない。こういうことになってきておりまして、年間に直しましても、少なくとも五千億以上の行政投資がこれに打ち込まれる、こういうことになるわけなんです。ところが、この開発の順序というものを企画庁は予想いたしておりますが、その開発の順序が、先ほども問題になっておったような、まず既成の工業地帯、この付近で言うならば京葉地帯、あるいは名古屋を中心とした伊勢湾、京阪神、有明湾、こういう既成の工業地帯に向けてまずぶつける。次に太平洋沿岸のベルト地帯、その背後に直結しているところの地域、そういったものに次の段階として開発を持っていく。こういう順序をたどって、今一番問題になっておる北海道とか、裏日本であるとかいうところは、この計画の最終年度に実施しようという考え方になっておる。 そこで私は大臣に伺いたいのは、そういうような計画が政府の一角から出てきている。すでにその一部は法案として今審議中である。ところが、また皆さんの方からこういう法案が出てきている。この場合に問題になるのは、その対象の地域の問題だと私は思うのであります。こういった行き方も必要でありましょうし、ああいった行き方も必要である。その他いろいろな基幹都市のような受け入れ態勢を整備していこうという考え方も必要になってくる。あるいは土地収用の関係も出てくる。いろいろ問題が出てくるのでありますけれども、それは総合的に合わせれば総合的なんだというものの考え方でありましょうけれども、私は、ここで非常に問題になってくるのは、総合的であるけれどもばらばらである。ばらばらのものを集めて総合的だというものの考え方は、経済効果からいっても大きなマイナスじゃないか。ことに五千億からの金を毎年行政投資だけでも使っていかなければならぬというときに、そういう合理性のない行き方では私はいけないと思う。この場合大臣に伺いたいのは、その地域指定等につきまして、向こうの地域の指定とこっちの地域指定が違うというようなことで、ほんとうに地域開発がやっていけるかどうか、この点でありますが、どうでしょうか。
○安井国務大臣 後進地域開発につきまして非常に御懸念といいますか、御配慮をいただいております点は、われわれも十分考えなければなるまいと思いますが、実は今出ております低開発工場分散の法律案につきましては、今御指摘になったような計画に基づいて、そのはしりとして一歩出たというものではないように私どもは考えております。これはとにかく現在の状況において小都市に——これは決して地域的に太平洋沿岸であろうとかなんとかというふうに考えていないのでありまして、全国的な地域をながめてみて、とりあえず、これは工場誘致ができやすいというような場所には、一日も早く、小規模なものでもいいから、持っていこうという一種の拙速主義の実効を上げようという法案の趣旨でありまして、今のこの手順を追って開発していくときのはしりのための工場分散というふうには、政府としては考えていないはずでございます。従いまして、今度の特例法案と競合があっても矛盾するようなことはないかという御心配に対しましては、これは低開発の工場分散につきましても、政府部内に十分な審議機関を置きますし、また自治省としましても当然関与をして、合議をいたすわけでありまして、そういったようなことで矛盾をするというようなことは、今のところ御心配はないと思っております。
○阪上委員 あなた方が考えられている考え方の方向は、私は結論において正しいと思っておるのです。そしてこれはほんとうの地域間の格差是正という方向に乗り出すための一つの法的措置だ、こういうように私は考えておる。ところが、一方においてそういった地域間の格差是正のためのやり方が、ただ財政的に考えられてみたとしたって、これはどうにもならない。そこで、やはり農村の地域等を含んだところの比較的格差のひどい地域との格差是正ということになってくると、当然その方法、手段として考えられるのは、やはり工業の誘致だと思う。なるほど農業基本法その他の問題が今問題になっておりまするが、それでもって現在の地域格差を是正しようとしたって、なかなか簡単にいくものじゃない。経済成長率の非常に高いものということになってくると、やはり工業です。その場合に、低開発地域工業開発促進法というものが一方に出てきておって、それらの進んでいく方向というものは、ほっておいても工業開発のできるような方向へ順次順位をつけておる。そしてあなた方がねらっているようなところのものは一番最後の順位の中に入っている。今大臣は、あれはそういうものではないと言われたが、そういうものでなければ、一体何のためにあんな法案を出したかとわれわれは言いたいくらいです。そういう順序でもって工業開発が一方において進められている。われわれがねらっているものは、そうじゃなくして、考え方によれば、ある程度の強制力を持って引っぱってこなければならぬようなそういった工業開発をやらなければならぬ、その受け入れ態勢を作っていかなければならぬ。こういう段階にきておるときに、こうズレがあるようなことであって、はたして工業がくるだろうか。河川を改修し、道路を改修し、港湾を改修し、いろいろなことをやってみたとしたって、今言っているように、工業立地から見たならば、自由主義の経済の中において何ら法的な強制を加えることができないという観点から、自己に最も有利な地域へ地域へと工業は立地していくわけなんですから、案の定そういった——また政府の計画が一方で総合的に、企画庁からはそういうようなものを頭に置いた計画が出されておるという段階において、実際こういうことをやってみたとしたって、はたしてあなた方が期待しているような工業を誘致して、そして高い程度の経済成長をこの後進地域にもたらすことができるだろうか。私は、今一番心配しているのは、大臣が言われたように、総合的だということと同時に、合理的な方法でもって地域開発は進められなければならぬ。合理性がちっともない。私はこういう意味合いにおいて、これはやらぬよりもやった方がましだということだけは言えると思いますけれども、そこのところの、もう少し総合性のある、合理性のある話し合いというものが、政府部内の間ではっきりと作り上げられなければ、これは意味がないことじゃなかろうか、私はこういう非常な疑問を持つわけです。こういう点について、いまだに大臣の方からは基幹都市法案というようなものが出てこない。そして一方において新市町村建設促進法の改正案みたいなものを出して、さらに五年も延期しようというようななまぬるい考えを持っている。 私がきょうお伺いしたいのは、こういう関連において、大臣がほんとうに決意を持って基幹都市法案を出すところの腹があるのかどうか、出るなら一体いつ出すのか、これを一つ伺っておきたいと思います。
○安井国務大臣 お話しのように、低開発につきましては、総合的かつ合理的にやらなければならぬ、こう思っております。そしてこれは相当根本的に手を入れていくのでなければならないということから、基幹都市の構想にいたしましても、これは関係各省との間の折衝もございますし、そういったことで具体案がきまるにつきまして若干の時間をとっておりますが、これはぜひとも提案の運びにいたしたいという方針で、今折衝を続けておる次第でありまして、今ちょっと期日をはっきりと申し上げかねるような状況でございます。 なお先ほども申し上げましたように、企画庁では、全体としての開発計画というものについては構想を持ち、いろいろな検討はいたしておりますが、企画庁自身が、その計画の実施の第一段階の手段として、あの低開発地域の工場分散を出してきたのではないというふうに、私どもは内部でも受け取っておるわけでありまして、これは先ほど申し上げましたように、自治省なり建設省あるいは通産省も関与しまして、全体的な開発を推し進めていくのには各方面から、今の特例法があれば基幹都市の計画もある、いろいろあるというふうに総合的にやっていきますが、これは多少時間もかかるし、また基礎的な問題で相当資金も多量に食うといったような状況もありますので、とりあえず全国的に検討をいたしまして、これは決して太平洋岸というようなことに限定しないで、むしろ地方を中心に検討いたしました結果、現状でも呼び得るというようなもの、あるいは多少の操作をすることによって呼びやすいというようなものは、今からでも手をつけちゃどうかというのが今出ておる工場分散の案だと心得ておりますので、そういうような観点から、今御指摘のようないろいろな御懸念につきまして、われわれも今後も十分に配慮いたしながら一つ基本的に進めて参りたいと思っております。
○阪上委員 端的に言いまして、地域地域と言われるけれども、府県の中においてもやはり、かりに未開発後進県でなくても、各自治団体の間におけるところの地域格差というものはあるわけなんです。どの府県をとってみたって、相当府県の中における格差というものがある。でありますので、地域間の格差を是正するという考え方の中には、最も基本的なものから格差の是正に入っていかなければいけない。今日、大きな地域を指定して地域開発をやっている国もなきにしもあらずだけれども、国民経済の相当なところまで発展しておるところの国においては、むしろ小地域に限って地域経済開発というものが行なわれていっておる。現に大阪を一つ例にとってみたって、大きな格差が市町村間にあるわけなんです。だから、単に地域間の格差の是正ではなくして、そういった小さなセンターといいますか、小さな部門の格差というものがその中に含まれておる。従って私は、基幹都市の考え方というものは、非常に基礎的な地域開発の構想だと思う。そういうものができ上がっていって、そうしてさらに広域的なものの考え方で、その結果、その小さな点を集めたものの全体の計画をさらに整備していくというような考え方に進まれていくということの方が、私はほんとうにわが国の国民経済の現状から見て正しい行き方だ。こういうふうに私は日ごろ考えておるわけなんですが、そうなってくると、基幹都市というような考え方がまず最初に出てきて、こんなものはそれに伴った付属法の必要な整備の一つの法律改正として出てきてしかるべきだし、先般出てきたような工業開発促進法のごとき、税制の一部改正みたいなものも、付属的な補完措置として出てくる性質のものである。それをこうして先にぽんぽんともう出してきて、肝心かなめの基幹都市構想とか、そういった開発構想というものが全然法案として出てこない。ここに私は、ほんとうにこういうことによって地域格差の是正というのができるのかどうかというような問題が出てくるのじゃなかろうか、こう思うのでありまして、むしろこれは逆に法律改正が先に出ておるのではないかという感じが強いのです。でありますので、特に大臣に一つがんばっていただいて基幹都市建設の法案を即刻出すように一つ努力してもらいたい。私は、考え方によっては、こんなものはその法案が出てきてから審議してもいいんじゃないかというような考え方しか持っていません。そこで今伺うと、まだ法案が出るとか出ないとか、こう言っておられるのですが、ほんとうにこれは出るのでしょうか。
○安井国務大臣 出すつもりで、今鋭意折衝といいますか、検討を進めておるわけであります。
○阪上委員 この国会中に出ますか。
○安井国務大臣 そのつもりでおります。
○吉田(重)委員長代理 次会は来たる十三日開会することとして、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十一分散会