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38回国会衆議院1961/03/16

地方行政委員会 第13号

発言数
80
登壇者
8
会派数
3
開催日
1961/03/16

会議録

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 これより会議を開きます。  昨日本委員会に付託されました内閣提出、地方交付税法及び地方財政法の一部を改正する法律案を議題といたします。

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 政府より提案理由の説明を求めます。安井自治大臣。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 ただいま議題となりました地方交付税法及び地方財政法の一部を改正する法律案の提案とその要旨を御説明申し上げます。  (一) 明年度は、新道路整備五ヵ年計画に基づく道路整備事業を初めとする各種公共事業や社会保障制度の拡充に伴う地方団体の所要経費をまかなうための財源及び昨年十月から実施された地方公務員の給与改定の平年度化等により増加する給与費に対応する財源を関係地方団体に付与する必要があります。また明年度は、国税三税の大幅な増加や本年度からの二百余億円の繰り越しによって地方交付税の総額も相当多額の増加となりますので、この際、関係基準財政需要額を増額して将来にわたる地方行政の水準の向上を企図することが適当と考えられるのであります。  (二)なお、昭和三十四年度に実施された固定資産税の制限税率引き下げに伴う減収を補てんするための地方債についても、地方団体の財源の充実、地方交付税の配分方法の改正等と相待って昭和三十五年度限りこれを廃止することとし、地方財政運営の正常化をはかる必要があります。  以上がこの法律案の提案の理由であります。  次に、この法律案の内容の要旨につきまして御説明申し上げます。  第一は、地方交付税法の改正に関する事項であります。その一は、単位費用を引き上げて基準財政需要額を増額することであります。道府県分につきましては、(イ)新道路整備五ヵ年計画に基づく道路整備事業の実施その他公共投資の充実に必要な財源を付与するため、道路費、河川費、その他の土木費、農業行政費及び林野行政費の単位費用を引き上げ、(ロ)さらに投資的経費を包括的に算入するため、その他の諸費の人口及び面積を測定単位とするものにかかる単位費用を大幅に引き上げることとしたのであります。市町村分につきましては、(イ)道府県分と同様、道路費の単位費用を引き上げるほか、市町村の財源の総体的な充実をはかるため、その他の諸費の人口及び面積を測定単位とするものにかかる単位費用を引き上げ、また、(ロ)公共下水道、屎尿処理施設等都市における環境衛生施設の整備に要する経費及び農山漁村における投資的経費の充実をはかるため、その他の土木費、衛生費、政費及びその他の産業経済費の単位費用を引き上げることといたしております。さらに、道府県分、市町村分を通じて(イ)生活保護基準の引き上げ、結核予防行政の充実等により増加する社会保障関係経費の財源を付与するため、生活保護費、社会福祉費及び衛生費の単位費用を引き上げ、(ロ)失業対策事業にかかる労力費、資材費等の単価引き上げにより増加する経費の財源を付与するため、労働費中失業者数を測定単位とするものにかかる単位費用を引き上げることとし、そのほか、(ハ)給与改定の平年度化、昇給等に要する経費の財源を基準財政需要額に算入するため関係行政項目の単位費用を引き上げることとしたのであります。  その二は、補正方法の改正に関する事項であります。すなわち、財政力に比し公債費負担の大きい地方団体の公債費負担の軽減をはかるため、都道府県が国庫の負担金を受けないで施行した災害復旧事業の財源に充てるため起こした地方債の元利償還金を基準財政需要額に算入するにあたり、新たに財政力補正を適用することといたしました。なお、今後補正係数を定めるにあたっては、弱小の市町村に対する財源の傾斜的充実をはかるため、その他の諸費のうち人口を測定単位とするものについて、都市的形態の度合いに応じて定めている態容補正係数を改正し、行政の質の差のあることを前提として行なっている割り落としを廃止する所存であります。  その三は、測定単位の改正に関する事項であります。すでに申し上げました通り、明年度におきましては、地方交付税の増額のほか、地方税等におきましても相当な増収が期待されますので、これらの財源は当面急を要する行政水準の引き上げに重点的に振り向けることといたしたのでありますが、他方、地方公務員の退職年金制度の実施に備えてその財源を留保するとともに、長期にわたる地方財政の健全化を推進することも必要であると考えられるのであります。この意味において昭和三十六年度限りの措置として一部地方債の繰り上げ償還を期待することといたしました。すなわち、昭和二十六年度、昭和二十七年度及び昭和二十九年度におきまして給与改定財源あるいは、道路財源として、一般財源の充実にかわる特別の措置として発行を許可された地方債並びに国庫の負担金を受けて施行した災害復旧事業にかかる経費または国の行なう災害復旧事業にかかる負担金に充てるため昭和二十六年度以前において発行を許可された地方債の繰り上げ償還額を基準財政需要額に算入することとした次第であります。  第二は、地方財政法の改正に関する事項であります。昭和三十四年度に固定資産税の制限税率を百分の二・五から百分の二・一に引き下げたことに伴いまして、その減収額を補てんするための措置として起債の発行の特例が定められたのでありますが、このような措置はあくまでも暫定的なものであり、恒久的な財源措置を講ずることによりすみやかにこの解消をはかること一が必要なのであります。幸いにして、明年度は地方の一般財源に相当な増収がありますので、この際、地方交付税の配分方法を合理化することによって関係市町村に対し所要の財源を付与することとして、起債の特例措置は昭和三十五年度限りでこれを廃止することといたしたのであります。なお、昭和三十六年度及び昭和三十七年度においては、経過措置として昭和三十五年における発行額のそれぞれ三分の二及び三分の一の額の発行をすることができることとし、激変緩和の措置を講ずることといたしております。  以上が、地方交付税法及び地方財政法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ慎重審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。      ————◇—————

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 次に、予備審査のため本委員会に付託されました市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。     —————————————

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 政府より提案理由の説明を求めます。安井自治大臣。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 ただいま議題となりました市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。  この法律案は、国家公務員共済組合法及び健康保険法の短期給付制度との均衡上、市町村職員共済組合法にも法定の短期給付のほかに附加給付の制度を設けるとともに、分べんに関する給付について最低保障の制度を設けるために必要な改正を行ない、また、現行の市町村職員共済組合法における短期給付に関する市町村の負担金についての特例措置の期限を一年間延期しようとするものであります。  以下改正点の概要について順次御説明申し上げます。  第一は、市町村職員共済組合法に新たに附加給付の制度を設けることであります。現行の市町村職員共済組合法におきましては、法定の短期給付以外に附加給付の制度が一般的には認められていないのでありますが、ただ昭和三十年に市町村職員共済組合が発足いたしました際に、健康保険組合の権利義務を承継いたしました組合については、その健康保険組合が行なっておりました付加給付のうち市町村職員共済組合法の法定給付以外のものは、経過的に本年十二月三十一日までは行なうことができるようになっております。一方、国家公務員共済組合法におきましては、昭和三十三年の改正以来、一般的に附加給付の制度が設けられておりますので、市町村職員共済組合法におきましても、これに準じてこの制度を一般的に認めて、附加給付を行なうことができるようにしようとするものであります。  第二は、分べんに関する給付についてでございます。現行の市町村職員共済組合法におきましては、組合員の分べんに対しては分べん費、配偶者の分べんに対しては配偶者分べん費、また組合員またはその配偶者が分べんし、かつ保育する場合には、保育手当金を支給することになっておりますが、これらの保険給付は、健康保険の代行としての性格を持つものでありますので、健康保険法に準じて行なうことにしております。このたび健康保険法において分べん費、配偶者分べん費及び保育手当金について改正が行なわれることになりましたので、市町村職員共済組合法におきましても、これに準じて改正を行なうこととし、分べん費につきましては六千円、配偶者分べん費につきましては三千円の最低額を保障し、また保育手当金につきましては二千四百円を定額として支給することにしようとするものであります。  第三は、短期給付に要する費用についての市町村の負担金に関する特例を認める期間を延長することであります。市町村職員共済組合法におきましては、組合員の短期給付に要する費用は、組合員の掛金と市町村の負担金との折半負担を建前といたしているのでありますが、市町村職員共済組合が発足いたしました際に、従来健康保険組合において被保険者の負担する保険料より多額の保険料を負担していた市町村は、暫定的に組合員より多額の負担をすることができることとなっております。この特例措置は、現在昭和三十六年十二月三十一日までとなっておりますが、地方公務員の統一的な共済組合の制度の実施について検討が進められている際でもありますので、この期間をさらに一年間延長しようとするものであります。  以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 以上をもちまして両案の提案理由の説明は終わりました。  質疑は後日に譲ることといたします     —————————————

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 阪上委員から発言の申し出があります。この際これを許します。阪上安太郎君。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 地方行政委員会の審議と関連いたしまして若干質問をいたしたいと思います。  本国会はもう開会されましてから相当な日数を経ております。われわれとしましてはできるだけ審議を進めていきたいという考え方を持っていますが、どうも政府の非協力的な態度によってこの審議が著しく阻害をされておる、こういうことであります。このことについてはわれわれも非常に遺憾に存じておるわけであります。一つは、われわれはできる限り嶋中事件の解決を急ぎたいと考えております。これについてわれわれは理事会等において国家公安委員の喚問を要求いたしておりますが、なかなか政府当局の意向によりまして実現されないわけでありまして、この点につきましても非常に遺憾に思っております。なおまた地方財政計画の審議も非常に進んでおりまして、最終的な地方財政計画の検討をいたすためにも、ぜひとも大蔵大臣、大蔵当局の出席を求めてわれわれは質問をいたしたい、かように考えておりますが、これもなかなか諸般の関係もあることでしょうが実現されません。この二点につきましてはどうぞ一つ委員長におかれまして今後善処をお願いいたしたい、かように考えるわけであります。ことに地方財政計画につきましてはいろいろな方面との関係もありますが、特に大蔵省との関係が強いわけでありますから、一つ大蔵大臣が早急に出席されるように委員長においてお取り計らいを願いたい、かように存じております。  それと同時に私ども社会党は、今回の地方行政委員会における法案の中で、地方税法の改正案、それから基幹都市の建設促進法案、この二法案は重要法案として考えておるわけであります。ところがいまだにこの二法案が出てこない。地方税法の方に至りましては、これは財政計画とも非常に密接な関係もあるし、われわれとしては非常に重要視をいたしておりますが、どういうかげんかこれが出てこないわけであります。これは私は、政府は国会に対しての責任を感じてもらいたい。一体何がためにこの法案がいまだに出てこないのか。このことにつきまして大臣の的確な経過説明等を一つこの際伺っておきたい、こういうふう思うのであります。同時に、いつ一体これは出せるのか、一体何が原因でこれが出せないのか、こういうことにつきましてまず最初に伺っておきたいと思うのであります。

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 安井自治大臣からの御答弁を求める前に、ちょっと私からも申しておきたいと思いますが、今阪上委員からの御要望の点の中で、国家公安委員をこの委員会に呼ぶということにつきましては、これまで数回の理事会におきましても御協議をいたして参ったのであります。そのときにも申しておきましたが、できれば国家公安委員を本委員会に呼ぶ前に、安井国務大臣に対して質疑をしてみてはどうかと私は思っております。もちろんこのことは理事会で最終的な意見の一致というものは見ておりませんけれども、この点は一つなお阪上委員の方におかれましても御研究を願いたい。  それから本委員会に大蔵大臣の出席を求めることについては、これは当然のことで実は本日も出席を求めることとして私の方でもその措置をいたしておりましたが、きょうは遺憾ながら大蔵委員会の方における大蔵大臣の出席ということが非常に重要なこととなっておるようであります。時間の都合で本日は非常にむずかしくないかと思いますので、非常に残念でありますが、来週適当な日に必ず出席を求めるようにあらためて善処いたしますから、御了承いただきます。

門司亮民主社会党

○門司委員 今のに関連して、ごく簡単に委員長に申し上げます。公安委員の問題はこの前の委員会でちょうど中島さんが代理をされておったときに申しましたけれども、今まで国会でやってきまして、委員長の権限というものはきわめて薄いのだということをしばしば説明されておる。だからどうしてもあの問題については公安委員の諸君に出てきてもらわぬと話がつかぬ。幾ら委員長を責めましも、権限のないところを責めてみても話し合いにはならぬのです。だから委員長、その気持でぜひ公安委員会の諸君とわれわれとの間に話し合いができるようにお取り計らいを願いたいと思います。

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 なお今お話がありましたような考えを私も持っておりますので、その点もよく御参酌いただいて、善処してみたいと思っています。それでは安井自治大臣。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 阪上委員からいろいろ政府の方の手続の十分でない点を御指摘をいただきましてまことに恐縮に存じます。特に地方税法、基幹都市の関係の法律案、こういうものの提案がおくれておるじゃないかという御指摘まことにごもっともでございます。地方税法につきましては、ありていに申しまして、最初遊興飲食税等の問題につきましても非常に政治的な問題があったようで、この提案が全体として、おくれております。これも取り急ぎ取りまとめまして、提出しようといたしておりましたところが、またごく一部の問題でございまするが、実際問題の手続上におきして、ちょっと実態にそぐわないという点が見つかりまして、この点についてどう処置をしたものかということを今調整中でございます。それがために全体の提出がおくれておるということはまことに申しわけないと思っております。これは今関係機関を督促いたしておりまして、一両日のうちにはぜひ提出できるように運びたいとせっかく努力をいたしておるわけでございまして、おくれております点は、もう申すまでもございませんが、非常に申しわけありません。今一生懸命急いでおる、一両日のうちには提出ができ得るであろうという点を御報告申し上げまして、御了承を賜わりたいと思う次第であります。  なお、基幹都市の法律案につきましては、これはしばしば予算委員会等でも御指摘がありましたように、非常に関係各省といろんな関連が深いものでございます。それの成案を得るまでに各省との折衝についてちょっと時間をとっております。そういう関係から、今ここで直ちに何日に提出するということが申しかねる状況にございますが、これもでき得る限り急いで今成案を得るように努力しておる次第でございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 地方税法のおくれておる原因が、一部のところで何かどうかなっておる、こういうことでございます。そこはもう少しはっきりと御説明できればしてもらいたいと思います。  それからいま一つ、この基幹都市の問題ですが、どうも今大臣のお言葉を承っておりますると、この国会中に出すような腹がまえ、決意というものがうかがえないような気がするのであります。基幹都市の問題は、地域開発、低開発とからんだ問題であります。私はきわめて重要な問題だと思っております。従いまして、企画庁から法案が出ましたときに、議運でこれを商工委員会等に付託するやの向きもあったので、われわれはその点を考えて、わが党から議運に申し入れをいたしまして、なるべくこの法案は本会議で趣旨弁明をわれわれ要求するんだ。理由としては、建設省の方でも広域都市法案を準備しておるし、自治省の方でも基幹都市開発促進法を準備しておる。こういった法案が出そろった段階においてこれは審議されるべきも一のだ。しかも審議の方法については、本会議等で重要法案として趣旨弁明を求めるとともに、連合審査を当然要求されるべき性質のものである。私はかように考えて、とにかく議運の中で少しあっためてくれ、そこで議運の方でも、そのことは自民党の方でも一了承されて、まことにしかるべきものだということでチェックしている。そこで問題になったのは、一つその法案が出るか出ないかの問い合わせをしてみようということになって、そして自民党の政調の方に問い合わせをしたところが、そんな法案はもう今国会に出ないんだ、こ言うう。ところが政府の方では、私も再三確かめておるのですが、出す。ことに自治省では出すとはっきり言っておられる。そこで、そういうことであるならということで、現在なお保留されている低開発地域工業開発促進法案、あの内容等につきましては、その節われわれとしては相当な異論を持っておりますので、大きくこの問題を取り上げていきたい、かように思っております。しかもあの内容を見れば、地方財政に大きな影響を来たすところの問題ばかりなのであります。そういった法案を地域開発関係法案として一方において政府は出しておきながら、肝心かなめの同じような性格を持っておる、さらにそれよりも進んだとわれわれ見ておるところの基幹都市開発法案というものがおくれているということは、一体政府は何をしているかということで、非常に不統一な印象を私は受けているわけです。私は自治省の肩ばかり持つのではありませんけれども、あの基幹都市法案が出されることがないような状態で本年終わってしまうということになったら、自治庁から自治省に昇格した意義というものはすっかりなくなってしまうじゃないか、私はそこまで心配するわけです。地域開発というものはああいった単純な工業再分散、再配置というようなことで簡単に片づくものではない。それだけに私どもはその基幹都市法案が出てくることを大きな期待を持って今日まで見守っておったのであります。また今言ったような、与党がやらなければならぬような苦労をわれわれがして、今日までチェックさしているわけなんです。その法案について今の大臣の答弁を承ると、できるだけ早く出すように努力する、こう言っておられるけれども、必ず出すという決意のほどがうかがわれない。こういうことでありまして、その点についてもう一度大臣の決意のほどを伺いたい。できれば、こういう段階に出すというような見通し、各省との折衝はこういう状態に入っているんだという見通し、これをぜひこの際伺っておきたい。  それからいま一つは、先ほどに戻りますけれども、税法の一部ごてごてしているところの真相をこの際お話し願いたい。この二つを御答弁願いたい。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 再度の御指摘で、まことにごもっともなお話と私ども恐縮して伺っております。実は地方税法のことにつきましては、あけすけに申し上げまして、たった一点だけ、いわゆるホテルにおける外人の宿泊した場合の課税問題、この点がいまだに穏当な解決を見ないわけでありまして、この点なぜそういう問題があるかと申しますと、実は最初私どもは、これは外国人であろうと同様に課税すべきものであろうという考え方で、従来非課税になっておりましたものに課税をするという規定を新たに設けるつもりでおったのでありますが、御承知のように、ホテルの契約といったようなものが相当前から長期にわたって予備契約をやっているというような実態がございまして、何ヵ月も、はなにだしいのは一年も前からホテル契約がある。そういう場合に、この問題の適用をどういうように扱うか。そういう実態と照らし合わせました際に、いろいろ問題が起こってくるものでありまして、これに対してちょっと議論の統一ができかねて、実はおくれておるわけであります。この点はまことに申しわけないと思っておりますが、今明日中には一つ結論を出し、ぜひ御審議を早急にお願いしたい、こう思っている次第であります。  それから基幹都市の問題につきましても、御承知のように、地域格差を今後なくしていこうという政府の方針の非常に中核をなす構想であることは御指摘の通りであります。それだけにいろいろな問題を含んでおりまして、企画庁で出しております工場分散といったような形の法律案は、とりあえず現状において各小都市といいますか、小町村に工場を分散する場合のさしあたりの措置というような意味で、とりあえず急いだ方がいいというので出されている法案でございまするが、今阪上委員も御指摘のように、基幹都市の構想になって参りますと、これは相当根本的な問題を含んでおります。いろいろな公共事業の実施体である建設省の関係、運輸省あるいは農林省、通産省あるいは文部省まで関連をした実態になるものでございます。そこらとの調節をとるのに実は相当な手間をかけております。そこで御指摘のように大事な問題であるだけに、党といたしましても、政府としても、その調節にいろいろ腐心をしているような状況でおくれておりますが、私どもの方としても、何としてもこれを早くまとめてぜひ提案の運びにいたしたい。こういうことで実は党側とも折衝し、大体その折衝が進みつつあるというふうに思われる状況でございまして、しばらくこの点は御猶予を願いたいと思っております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そこでお伺いしたいのは、しばらく御猶予を願いたいとおっしゃるのですが、そういった折衝のむずかしいこともよくわかっております。猶予はいいとして、一体今国会に出すのか出さないのか、この点を一つ。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 私の力はぜひ出したいということで、今準備を進めておるわけでございます。      ————◇—————

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 次に、地方財政に関する件につきまして調査を進めます。  昭和三十六年度地方財政計画に関する質疑を継続いたします。佐野憲治君

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 大臣がお見えになっておられますので、財政計画の若干の質疑に入る前に、二つばかりお聞きしておきたいと思います。  その一つはILO条約の批准についてでありますが、所管大臣として今日までなおも提案を見ないというのは、一体どこに理由があるかということを一つ聞かしていただきたいと思います。と申し上げますのも、三十四国会におきましても、私やはりこのような質問をしなければならなかったことがほろ苦く思い起こされるわけでありますが、当時岸総理は、四月には批准を提案する、このように予算委員会においても説明しておられましたし、当時の石原国務大臣もまた、本委員会においてそのように説明しておられたのです。しかしながら、四月の末期になってようやく国会に提案されたが、安保国会のためにそれが廃案になったわけですけれども、同じ政党内閣として、しかも世界から注視を受けておるこのILO八十七号条約をどうして批准することができないのか、何かそこに大きな原因でもあるのですか。あるいは閣議においてどういうことが問題になっているか、その点を一つお聞かせ願いたいと思います。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 ILOの条約批准の問題につきましては、御承知の通り労働省及び外務省の所管に相なっておりまして、そこが中心の責任官庁でございますので、私の方からあまりかれこれ申し上げることもどうかと存じますが、私ども閣僚の一般の考え方といたしましては、この八十七号条約は当然早急に批准をすべきものである。こういうふうに考え、その提出を前提として準備を進めておる次第でございます。たた岸内閣でも出したにかかわらず、今日まだ出せないはどういうことだ、こういう御質問もあるかと存じますが、実はこの自治省関係と申しますか、地方公務員あるいは地方公労法の関係につきましては、格別岸内閣で出しました当時と変わった状況もないように思っております。この関係だけでございますれば直ちにでも出せようかと思っておりますが、その他の関係につきまして、一年もたちました今日、多少いろいろな状況上、当時の法案の不備を直す必要があるのではないか。御承知の通りに、とりあえず内政関係の法案をどうしても直さなければいかぬ個所があるわけであります。それに関連をいたしました部分で、まだちょっと調節のつきかねておるような面があるように伺っておるわけであります。しかし全体といたしましては、なるべく早急に出し得るように、鋭意われわれも側面から努力をいたしておりますし、また今後も努力したいと思っております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 地方の公務員が非常に不安に思っておるような状態でありますし、できるだけ早く自治大臣としても所信表明をされた方がいいのではないかと思います。と申し上げますのも、労働問題懇談会の条約小委員会においては、地方公務員法は改正しなくてもいいじゃないか、今までの解釈が少し行き過ぎ、拡大解釈をしておったのだから、これはこのままの条文でもいいではないか、こういう工合に述べておるわけでありますし、あるいはまた専従制限の問題にいたしましても、前の石原国務大臣は、しばしばそう大した問題はないじゃないか、今まで弊害はなかったじゃないか、という慣行に従えばというようなことも個人的にもおりおり発言しておられたと思うのでありますが、そういう意味からも安井自治大臣はどうですか、いろいろと折衝されまして、とりあえず地方公務員においては現状のままでいいじゃないか、批准をしてくれ、こういう工合に閣議で主張される考えはありますか。あるいはして参っておられますか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 地方公務員法あるいは地方公労法につきまして、いろいろ御議論はあろうかと存じますが、八十七号条約を批准いたしますと、どうしても当然地方公務員法も地方公労法も変えなければならぬ部分が、御承知の通り出てくるわけであります。それにつきまして、その程度をどの程度にするかということにはいろいろ御議論もあろうかと思いますが、私どもは今のところ、従来政府がとっておりました態度の範囲内で問題を解決したいというふうに考えておるわけでございますが、いずれ提案になりました際、またいろいろと、御意見を伺いたいと思います。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 私は非常に残念だと思いますことは、こうした問題が国内においてすみやかに解決されねばならないのに、国際労働機関を通じていろいろな働きかけが行なわれ、それの示唆に基づいて、それの勧告に基づいての国内の問題が進められておるということは残念だと思うわけです。このことも考えて参りますと、この憲章の十九条ですが、これにもはっきりと条約加盟国はこの条約が採択された場合においては、すみやかに、一年、おそくも一年半後においては批准をしなければならぬ、こういう規定があるわけです。八十七号というのは一九四八年に採択になっておるわけです。当時日本は国際連盟脱退に伴って国際条約機構からは抜けておったときの条約でもあるわけです。しかしながら、日本が昭和二十六年に国際労働機構に復活するときにおける審議記録をひもといてみますと、非常に私たちに考えさせられる点が多いと思います。このとき、日本の加入申し込みに対しまして、世界の各国からいろいろな質疑が出ておるわけです。日本の過去におけるソーシャル・ダンピング、労働者に対する圧迫、非人間的な取り扱い、こういういろいろな点が指摘されておりますが、暗黒政治をやってきた日本にはたして国禁慣行を守る能力があるかどうか、こういう点がきびしく追及されておったわけです。これに対して日本政府代表は、憲法第二十一条において言論、出版、集会の自由が保障されておる。二十八条には労働者の団結権、団体行動権、これらが保障されておるから、民主主義国家として決して過去のようなことはあり得ないという意見を力説して、ようやく加入を認められたといういきさつがあるわけです。こう考えて参りますと、それからもう十年もたっておるのに——憲章においては一年半以内には批准をしなければならぬ、こういうことになっておる。国際法規なり国際慣行に対して今日まで放任されておる。こういう点がやはり国際的にも不信をかっておると思います。日本の労働者も政府に対してぬぐい切れない不信を常に持っておるのもそういう点にあるのではないか、こういう点をおそれるわけです。そういう意味からも、私は率直に申し上げて、やはりILO条約の八十七号は直ちに批准さるべきではないかと思う。いろんな問題があるでしょう。その条約の趣旨あるいは二条、三条と、日本の国内法規を照らして参りますときに、やはり大きな問題点があると思います。昭和二十五年に起こりました朝鮮動乱を契機として日本の民主主義が逆進逆転を重ねている間に、世界の労働界は進歩して参っておる。そういう中から生まれて参りました幾多の法律は、やはりILO条約八十七号をすっかり忘れてしまって、公務員は特殊な地位にあるんだ、だから八十七号は適用しないんだという、国会答弁の記録を読んでみましてもそういうことすら述べておる政府役人もおるわけです。ですから、そういうような状態でありますので、今八十七号、国際機構からの勧告、いろいろなものを点検いたして参ります場合には、いろいろと整備しなくちゃならぬ問題がたくさんあるだろうと思います。しかし、そういう問題はやはり根本的に十分討議さるべき問題でありますので、とりあえず条約を批准する、こういう態度が最も国際慣行を尊重する、労使の対等の条約を尊重するということになるのじゃないか、かように考えますので、閣議におかれましても、やはり地方公務員の信頼を受けておる所管大臣として、ぜひとも批准することを——一九五七年だったですか、強制労働に関する条約が採択になっております。これも日本においては批准をやっていないわけだから、やはりすみやかな批准が迫られておる。この百五号条約をも勘案した場合においては、相当やはり整備しなくちゃならぬ問題があるだろうと思いますが、とりあえず条約を批准する、こういう態度で一つ早めていただきたい、かように一つ希望いたしておきます。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 いろいろ御説を承りまして、私も八十七号条約の批准の御趣旨につきましては、全般的にはなるべく急ぐべきものだと思っております。ただ、日本が十年もやらなかったのはおかしいじゃないかという御意見もございましょうが、この点御承知のように、ILOの批准条約につきましては、いろいろなそれぞれの国の実情によって、それぞれ採択をする条項も変わっておるかと思うのであります。採択しております数から思しますと、日本は現在でも一流の国から比べてそう低いレベルじゃなかろうと思います。しかし、八十七号につきましては、特に最近の情勢上早急にやるべし、さらに自治大臣としてもそれを促進すべし、こういう御議論に対しましては、できるだけ御趣旨に沿いましてやりたいと思っております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 この問題はこの程度にいたしておきます。しかし、決して高い水準ではないということだけは記憶しておいていただきたいと思います。最低賃金に対する批准も、やはり国内の今日における最低賃金法の現状から見ても、あるいはまた社会保障がいろいろ拡充されたと政府は言っておられますけれども、しかしながら、社会保障に関する条約も、日本の現在の社会保障制度の現状においてはでき得ない、こういう情けない現況に出るということをやはり記憶にとどめておいていただきたいと思います。  第二の点につきまして、選挙制度の改正に関する点でありますが、何か新聞によりますと、選挙制度審議会ですか、これを設置する法案が閣議において決定された、ようでありますが、それは国会に提案になっておりますか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 提案しております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 いずれ選挙制度の特別委員会においていろいろ論議されるだろうと思いますけれども、一応所管大臣に対して聞いておきたいと思いますのは、今までありました選挙制度調査会、これと審議会との関係は一体どうなるのですか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 選挙制度調査会、従来のものは、実は昨年の十二月でございましたか任期満了になって、全員今欠員になっておるわけであります。従いまして、今後新しい選挙制度審議会ができますれば、これに解消、吸収と申しますか、従来ありました調査会は一応廃止ということにするつもりでございます。なぜそういうことをやったかと申しますと、今までの調査会では、御承知の総理府設置法の一部で一行だけうたって、こういうものを置くことができるという非常に安易な考え方といいますか、簡単にできておりますし、この選挙の問題というのは非常に大きな根本的な問題でありますから、法制的にも完備をいたしました審議会におきまして、もう少し十分議論を尽くしていただきたい、こういう趣旨で新しく審議会を作ろうといたしておるわけであります。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 私の手元にたくさん選挙制度調査会自体の答申案があるわけですけれども、非常にまじめにあらゆる角度から答申をやっておると思うのです。そういう答申をやっておる選挙制度調査会、その中において、政府が決意をすれば今でも国会に提案され得る問題はたくさんあるのじゃないかと思うのです。今日における選挙は非常に金がかかる選挙であり、戦後最大の腐敗した選挙だった、あるいは検挙者数も非常に多い、悪質になってきておる、こういう点が指摘されておるわけです。しかしながら、警察庁からいろいろな報告をとって参りましても、現在の法規が不備だから徹底的なメスを入れることはできなかったのだということを述べておられるわけです。そういう抜け穴の多い選挙法であっても戦後最大の検挙数を出している。しかしながら、もっと根本的な取り締まりをやることができなかったというところに選挙法規の問題があると思います。これらに関しましても、選挙制度調査会では幾多の改正案を出しておると思うのです。それらを政府は受け入れてそれを実行に移す、こういう決意さえあればそれで進んでいくのじゃないか。しかも今国会中において、国民が選挙の粛正を考えておる。民主政治の危機だとも言っておる。こういう意味から、公明な選挙を行なおうとするための法規の整備をやる、こういうことはそうむずかしい問題ではなくて、今すぐできることではないか。ですから、選挙制度調査会を通じて当面やらなければならないことです。もう来年は参議院の選挙が行なわれるわけです。しかも、今回の選挙において最も悪質化したのは事前運動あるいは後援会、こういうものを選挙前において取り締まることができ得なかった。こういう警察側の意見もあるわけだし、これに対する措置というものは直ちにでき得るのじゃないかと思うのです。あるいは人口と定員数のアンバランス、この問題もそうむずかしい問題じゃなくて、やろうと思えばいつでもでき得る当面の問題だと思うのです。選挙制度調査会が当面の問題に努力をし、研究をし、いろいろな答申を出しているにもかかわらず、それを忘れたかのごとく、今度は選挙制度審議会である。審議会は何をやるのかというと、新聞紙を通じてしか知らないのですけれども、選挙腐敗の問題、選挙区制の問題等いろいろ根本的な問題をもじっくり取り上げるのだということですが、こういうことになってしまいますと、実質上において、来たるべき参議院選挙にはこれはもう間に合わないということになってしまうと思うのです。そういう点に対して大臣としてどうお考えになりますか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 先ほど申し上げましたように、選挙制度審議会の法案は、もう相当前に国会へ提出をいたしております。いろいろ国会の御都合でまだ委員会付託にまでならないようでございますが、これも早晩なるかと心得ております。  そこで、選挙制度調査会自体がすでに答申案を出しているのに、それを採用すればいいじゃないかというお話、一応ごもっともなお話でもございますが、御承知の通りに、この答申案につきまして、私は選挙法の改正は——私だけじゃございません、池田総理も言っておられますように、でき得る限り各方面の御協力と一致した見解のもとに法案を出したい、こういう気持が今非常に強くあるわけでございます。それが、あの選挙制度調査会の答申案につきましては、政府も案を考え、国会の各会派にもお諮りをしておりましても、なかなかこれは一致した案というものにならないわけであります。せんだっての選挙前にもいろいろ議論され、せめてこういう点だけでもということでいろいろ成案ができたにかかわらず、各派一致することができませんで、とうとう上程することができなかったというような状態にございます。  また、制度調査会自体が答申しております。内容も非常にごもっともで、常識上このまますぐ採用できるというふうにも一応考えられますが、実際これを具体的な成案にしようと思いますと、なかなか問題の多い点がまだ非常に残っておりまして、筋としてはけっこうであるが、具体案として実際に適用しようとする場合には、こういう場合はどうだろう、ああいう場合はどうだろうという問題が非常に多いわけでございまして、事前運動の限度につきましても、あるいは後援会活動といったようなものの限度につきましても、あの答申自体では明確な案は示されておらぬわけでありまして、ただ事前運動を取り締まるように措置しろ、こういう趣旨だけでございます。またアンバランスの問題にしましても、御趣旨の通り、これも早急に直すべきものではございますが、これをやりますと、どうしてもまた区割りの制度とも直接関連を持って参るわけでありまして、非常に定数がふえるというようなことから、区割りにまで及ぶというような問題もございます。また公営の問題につきましても、拡大しろという御趣旨はよくわかるのでありますが、これをどういう角度から、どういうふうに具体的にやるかということになりますと、たとえば例は悪いかもしれませんが、売名的な、泡沫候補と世間で言われておるものまで含んで、国が国民の税金で、非常に多額の選挙費用を負担しなければならぬかどうか、そういう点にもう少し合理性を持たせる方法が必要じゃないかどうか。こういったような点が、それぞれの答申案自体に問題が非常に残っておるという実情がございます。それともう一つは、答申案を中心にして案をまとめる際に、なかなか各派の御意見が統一できない。あまりにも離れないで、できるだけ統一に近いもので、なるべく早く法案を出したい。そのためには、至急にこの審議会を少し権威あるものにいたしまして、そういった具体的な案件までも一つ御検討願って成案を急ぎたい、こういう趣旨で今審議会の法案を提出中でございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 いずれ特別委員会においていろいろとまた討議されると思いますが、私がただ希望しておきたいのは、やはり世論が、選挙制度審議会を非常に隠れみのとしておるのじゃないか、こういう考え方を持つと思うのです。選挙が終わって幾多の具体的な事例が明らかにされておる。調査会は今まであらゆる角度からやってきておる。あるいはまた政党においてもそれぞれの調査会がある。社会党も具体的な案を提案いたしておるわけです。この選挙の腐敗の根源を断つためにどうあらねばならないかという方向も大体明らかになっておると思う。だから選挙制度調査会で、直ちに改正案を首相の責任において、決断において提案されるそういう条件が具体的にはすでに熟しておると思うのです。そういう決断をせずして、調査会でなくて審議会という権威ある機関を作るのだ、その機関においてもやはり同じことが繰り返されるだけじゃないか。要は総理大臣の決意にあると思うのです。そういう点がどうもしっくりしない。これでは参議院選挙に間に合わない。そのうちに問題がやはり隠れみのとなってしまうのじゃないか、政府の責任回避だ、こういうことを指摘されておるのは非常に遺憾だと思いますし、選挙がさような状態をやっておっては民主主義の基礎というものは破壊されてしまうんじゃないか、こういう点をおそれるわけです。ですから私は根本的な問題は根本的な問題として、小選挙区制の問題あるいは比例制の問題、あるいは現在における中選挙区制の成果と欠陥、いろいろな問題点があると思いますが、これらの問題点をじっくり腰を落ちつけて検討さるべきであるし、当面この選挙の腐敗堕落、これらを救済する、あるいは人口と議員のアンバランスを是正する、こういうことは今すぐにもでき得る問題じゃないか、こういう点を考えますので、一応所管大臣の意見もお聞きしたかったわけですが、いずれ特別委員会においていろいろ討議させていただきたいと思います。  財政計画の質問に入るわけですが、同僚議員からあらゆる角度から質疑が行なわれまして、地方財政計画の方向、問題点をそれぞれ明らかにされてきていると思いますので、私は若干の点について、できるだけ簡単にただしたいと思います。  第一に、現在における中央集権化の方向と地方自治、この点についてお聞きいたしたいのですが、特に私は自治庁が自治省になるとき、どうもそういう傾向がますます加わって参るのではないか、こういう危険性をすでに指摘しておったわけです。当時の担当大臣は、そういうことはないのだ、省になることによって権威を持ち、また地方自治を守る役割を果たすことができるのだと力説されておったわけです。私はどうもそれに納得することができないので、反対の質疑を行なったといういきさつもあるわけです。それで私も一応の期待を持ちながら財政計画を見せていただいたのですが、どうもやはり私はそういう危惧がぬぐい切れないという感じがいたしますので、質問いたしたいと思います。  まず補助金についてでありますが、一体補助金の種類は、項目別で幾らくらいになっておりますか。できたら委託金を含めて幾らくらいの件数かお知らせ願いたいと思います。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 補助金の種類をどういうふうに区分して数えるかということによって三百とか四百とかいう言い方もできますし、もっと少ない言い方もできるわけでございます。一応補助金に関する調べを、補助金の種類ごとにずらっと並べたものがございますが、それによりますと、三、四百ございますが、一応数えてからお答え申し上げたいと思います。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 大体私の調査によりますと、去年のときに調べたのですが、去年は八百八十一ですが、その前年度と比較して四十八ふえており、金額にして六百億円ふえて参っている。こういうことになっておったのですが、ことしは国庫支出金が四千九百七十五億円、前年度と比較して二六%もふえておりますし、金額にしても九百四十九億円ふえているわけですから、相当の件数になるのではないかと思います。去年の場合には委託費を含めますと、一千四百三十二、こういう工合に記録されると思いますが、こういう膨大な補助金の種類、この点について、私は補助金は、国と地方が協力して行政効果をおさめ、一定の水準を保つためには必要な制度でもあると思いますが、このように補助金そのものが持っている弊害がいろいろな意味において指摘されているにもかかわらず、逆に補助金がふえていく。こういう傾向に対しまして、一体大臣はどのようにお考えになりますか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 財政局長の方から一応事務的に御答弁いたします。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 先ほど佐野さんのおっしゃいました補助金の数は、私の方で補助金だけを総まとめにした印刷物でお数えいただいたのではないかと思いますが、その部分に関する限りは、そういうような数字になるわけでございますが、区分の仕方によって多くも少なくもなるわけでございますので、なかなか何件ということはむずかしいことかと思います。地方財政計画の方には新設されたものと廃止されたものと両方並べてありますので、これで変化をごらんいただけばよろしいかと思います。補助金には功罪両面あるわけでありまして、私たちの考え方としましては、新しく補助金ができてくることが悪いとは思わないのでございます。補助金は補助金としてその使命が終わったもの、言いかえれば、あえてひもつきの金を地方団体に渡しませんでも、地方団体が一般財源さえあれば進んでそいうことについて地方々々の創意工夫を尽くしながら実施していけるという態勢になったものはやめていくべきだと思うのであります。その方の効果がなかなか上がっていないというのが私は補助金行政の現在における実態ではなかろうか、こう思うわけでございます。ある程度中央政府が地方団体に指導的な役割を演じていく、その場合に補助金行政が有力な手段であるということは争えない事実だと思うのであります。しかしながら、地方団体が自分のものとして十分こなしていけるというような事態に立ち至っても、なおそれが残されまして、ある程度官僚支配の道具になっていくという姿、これはやはり相当あろうかと思うのでございます。そういう点につきましての整理ということについては、私たちも今後なお努力していかなければならないのじゃないだろうか、かように考えておるわけでございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 あなた方の資料によりましても、人口二百万くらいのある県において一件五十万円以下の補助金が三十七件、委託費が三十二件、五十万円以下のこういうものは一体どういう行政効果を上げているかということを考えると、私は、補助金問題をもう少しやはり根本的に考えなければならない問題があるのじゃないか。たとえばこれらのことに対して申請をする、あるいはいろいろな書類を提出をする、これに対して説明に上京する、あるいは設計変更を命じられる、わずか二十万円をもらうのに十万円のそれらの経費が要ったということも、ある地方団体から告白されているわけであります。こういう点、あるいはまた中央からその結果としていろいろ監査に来る。大蔵省からやってくる。行政管理庁がやってくる。それぞれの所管庁がやってくる。まあこういうのだけでもあるところでは一年間に一千人の人がやって参ったという記録も出ておるわけであります。こういうことになってしまいますと、全く地方機関というものは八百をこえる件数、そういう中にがんじがらめにされてしまっておるのじゃないか。そういうもとにおいては地方自治というものは一体どうなるのだろうか。まるで国の政策の下請機関としての意義しか持たなくなってきておるのじゃないかということをおそれるわけです。  それでもう一つの面からお聞きいたしますのは、人事の出向ですね。中央官庁から、一体各地方団体に課長クラスで何%、あるいは部長クラスではどのくらいか、そういう何かありましたらお知らせ願いたいと思います。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 人事関係で中央から府県に出ていますのは、府県によってかなり数が違うようでございます。全体としてどのくらいありますか、ちょっと現在覚えておりませんし、承知しておりませんので、官房の方と連絡をいたしまして、適当なときにお答えをさせていただきたいと思います。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 私の調査によると、大体課長クラスにおいては一三%、部長クラスにおいては二七%、これだけの者——が者というのは語弊がありますけれども、やはりそれぞれ中央官庁から出向して行っておるという関係になると思います。ですからこのほかにまだあっちこっちの中央官庁の出身者であって、あっちこっちの県庁に転勤して歩かれる、こういう数も膨大になるのじゃないか。ある人の調査によると、六、七割にも達するのじゃないか、今の数字の…。こういうことを指摘をしておられる方もあるわけですけれども、補助金において先ほど申し上げましたような形をもっていろいろ地方自治団体に対する干渉が日ごとに深まって参っておる。片方において人事を通じて中央の意図、中央の考えていることが地方自治団体に押しつけられて参る。こういうような弊害、いい面もあるのですけれども、弊害が非常に顕在化してきておるのではないか、こういう点を考えるのです。  それから次に国費補助職員ですね、これは一体幾らくらいになりますか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 補助職員は六万人前後でございます。そのほかに健康保険事業等につきまして国費の職員が知事の管理のもとに配置されておるわけでございます。その数、今承知しておりませんが、調べましてお答えいたしたいと思います。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 国費補助職員ですね、これも自治法の附則の第八条によって当分の間置くということになっておるのですが、これを地方に移管する、こういう交渉は一体どうなっておるのですか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 各省の立場からいいますと、ものによりましてはむしろ国の出発の機関として配置したいというような考え方の向きもございますし、また御指摘になっています地方自治あるいは総合行政としてそれを一貫して遂行していきたいというような考え方からいいますと、自治体職員としてむしろ採用していきたいという考え方があるわけでございます。そういうような両方の立場を折衷したのが今の国費の職員であって、しかも地方団体の長の管理のもとに置いているというような姿になっているのが大部分であろう、かように考えているわけでございます。どちらの立場を強く取り上げていくかということによりまして、今申し上げましたどちらかに割り切ってしまう。こういうことになろうかと思うのでございますけれども、しかしどちらにも事情のあることでございますので、今のような姿に一応なっておるわけでございます。これがどちらかに変わっていくのだというようなわけにもすぐには参らないのじゃないだろうか。かように思っておるわけでございまして、現在補助職員になっております部分につきましても、地方によりましては国費職員に切りかえていきたいというような希望を言われる向きも実はあるわけでございまして、私どもとしては、できる限り地方団体が総合的に行政を運営していけるという立場からいいますと、地方団体が任免につきましても全権を持てるというような姿が一般的には望ましいという気持で、各省との間の話し合いにも応じているような次第でございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 やはり国費補助職員の身分の問題あるいは給与の問題といいますか、付加金の問題といいますか、いろいろな問題を含んでおると思います。しかも自治体の中におって一緒に仕事をしながら、自治体の管理というものは、こういうものはやはり早く内部において解決さるべきだし、やはり地方に移管して地方行政の一環としてなされてもいいのじゃないか、かようにも考えるわけです。  続いてお聞きしたいのは、三十四年度の決算が明らかになったそうで、閣議において報告もされておると聞いておりますが、いずれも報告書は提出されると思いますが、この三十四年度の決算を通じまして、計画と決算の食い違いですね、もちろん御指摘になるまでもなく三十四年度は災害がありましたから、災害という不測のいわゆる支出もあるでしょう。あるいはまた補正予算に伴うところの自然増収なり、あるいは自然的に事務的にふえて参る経費も増高いたしておると思います。あるいはまた決算と計画との特異な性格の違いからきて、あるいは計画に載っていないというようなものも決算には出ておるだろうと思います。そういうものを抜きにいたしまして、一体決算と計画の食い違いですね、特に補助単価の実情に即しないと見られる面からの食い違いは一体幾らくらいになっておりますか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 いわゆる建設事業におきまして食い違っております点を、単独事業費の規模の是正という形で取り上げたわけでございますが、その金額が四百四十八億円でございます。その中で国庫補助分に見合うものとして取り上げましたものが三百二十七億円ということになっておるわけでございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 それは、そういう点を三十六年度の財政計画には組んだと言われるでしょう。三十四年度の決算と計画の中においてどれくらいの食い違いが出て参っておるか、こういう点をお聞きしたい。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 三十四年度で食い違っておりましたのが、維持補修の経費におきましては逆に計画の方が百三億円多かったわけでございます。それから普通建設の補助分では四百六十七億円決算の方が多かったわけでございます。単独分では三百十九億円多かったわけでございます。食い違いはその部分だけでは合わせまして六百八十三億円、こういうことになっておるのでございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 そこで三十六年度の今度の中に今申された四百四十八億円ですか、これが規模是正分として決算の中からくみとった。これはわかるのですけれども、補助金を伴わない行政費ですね、これと修繕補修費、これの分は経常費の分が経済計画大綱に従って一〇・七%だ、だからそれを計上した。こういう工合に説明なさっておったわけですが、一体この補修修理費並びに一般行政費、この中における食い違いというのはないのですか。

松島五郎自治事務官(財政局財政課長)

○松島説明員 ただいま御指摘になりました維持補修費の関係におきましては、局長から申し上げましたように、決算の方が計画よりも百三億円ばかり下回っております。すなわち計画の方が百三億円多くなっておる、こういう形になっております。このことは、維持補修費と申しますと、庁舎等の維持補修費のほかに道路修繕費なども含んでおりますので、地方団体におきましては、道路修繕費のようなものはむしろ単独事業というような形で決算上処理されているというような関係で、維持補修費と単独事業との間の入り組みがあって、こういう結果になっておるのではなかろうかと考えております。従いまして、三十六年度の地方財政計画の是正をいたします場合にも、単独事業と維持補修費は一本にして考えまして修正をいたしたわけでございます。なお、その他の一般行政経費の中でも違っておるのではないかという御質問でございますが、これにつきましても違っているということは事実でございまして、計画よりも決算額の方が多くなっております。しかし、これを内容的に分析して参りますと、いろいろな事情があるものと考えられるのでございまして、たとえば生活保護費でございますとか、あるいは児童福祉費でありますとかいうようなものの違いは、三十四年度の十月でございましたか、補正予算が計上されまして、それに伴いましてその当時計画を修正したならば相違がなかったであろうと思われるものもございます。そのほかに最も大きな違いでは、地方団体が年度内に償還される金と申しますか、いわゆる中小企業対策とか、年末融資とかいうような形で歳計現金を金融機関に預託をいたします。それを引き当てにして中小企業金融をいたすというようなものがございます。そういったものは、いわば歳入、歳出両建てで年度内操作として現金だけの操作として行なわれるものでございますので、これをあえて計画に計上するかどうかということは、計画の立て方の問題にも関連をいたすわけでございますけれども、そういった意味の違いというものは相当出てくるわけでございます。従いまして、そういう特殊なものを除きますならば、三十六年度は少なくとも実態に合うように修正はさるべきものではなかろうかというふうに考えております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 次に、自行造林を、森林開発公団法の一部改正ですかで森林開発公団に移管する法案がすでに提案されておるわけですが、これが地方団体に及ぼす影響は非常に大きいと思いますが、自治省と農林省とはこの問にどういう折衝を行なって参られたかお伺いしたい。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 今の問題につきましては、分収割合等負担関係につきましては従来と同じようにしていくという話し合いになっておるわけでございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 ただ、分収割合というだけではなくて、いわゆる官行造林が大正九年ですかに設けられましてから、やはりそのころの趣旨も、森林の造成と地方自治団体の基本財産の造成と、この二つに限定して四十年間行なわれて参ったと思いますが、三十一年だかに改正になりまして、いわゆる水原地帯の函養という意味合いも含められて部落有林と私有林が加わって参ったわけであります。こういういきさつにあったわけですが、しかしながら今度の林業問題の基本問題調査会の答申案によると、いわゆる公有林としての官行造林というものに問題がある、あるいは地方自治団体がこういうものをやることに対しては疑義がある、こういう点を指摘いたしておるわけですが、それに基づいて当然逆に地方自治団体の持っておる公有林、あれは分割して私有に払い下げた方がいいじゃないか、こういう経営構造の変革というものが答申案の中に出てきておるわけであります。と同時に、やはり今度の法律の改正の結果として出て参りますことは、水源地のいわゆる涵養というものが主たる問題となって参って、今までのような基本財産の造成というものはほとんど意義が失なわれてきておる、こういう方向をたどっていくのではないかという点が答申案の中でもはっきりしておるわけですが、それの一環として出されて参った、そのように解釈もできるわけです。それらに対して、地方における財政についても非常に大きな影響を及ぼすわけでありますので、こういう大きな変革をなす場合において、自治省と農林省との間に十分な意見の統一がやはり必要だと思いますが、それに対しては意思の交換なり、いろいろな点に対する協議が行なわれておったんですか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 お話しのようないろいろな問題を包含するわけでございまして、今度の法律改正につきましても、自治省と農林省との間にはいろいろな話し合いを繰り返したわけでございます。私たちとしては、やはり公有林の整備を将来とも主にしていきたい、こういう考えを持っておるわけでありますし、またその方向としては国庫補助金の制度がある、あるいは公有林整備について特別な融資制度がある、あるいは官行造林の制度があるというような形になっておるのじゃないかと思うのでございます。官行造林が今度は公団の経営になります場合に、やはりそれはそれなりに資金の手当から将来の責任も公団が負うということになって参るわけでございますので、公有林整備の特別融資制度これはやはり三本建の一つの公有林整備の役割にはなるじゃないか、こういふうに思っておるわけであります。自治省といたしましては、公有林を民有林に統合していった方がよろしいというような考え方は持っていないわけでございます。現在のところ勧告は承知いたしておりますけれども、今政府の方針としてそれが打ち出されて参ってきておるというふうには存じていないのでございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 官行造林の廃止だけの問題ではなくて、やはり答申案を次から次へ出ているのを読んでみますと、漁業に対する基本問題とその基本対策を見てみましても、やはり沿岸漁業のいろいろな問題点を取り上げておると思います。あるいは漁港の整備の問題につきましても、自治体としてはやはり重大な関心を持たねばならない問題がどんどんと中央から発表されて参る。これは同じく今審議されております農業基本法に関する調査会ですか、これの答申案にある農地制度の改革、いわゆる自家経営を中心とする構造改革ですか、このことが漁民の中にも出て参っておるし、今度の官業造林の廃止を主張いたしておる林業基本問題調査会の答申の中にも出ておると思うのです。ですから、こういう中央の政策、中央の考え方によって、地方自治体が大きくゆさぶられておる。大きな影響を受けずにおられないという現実を考えて参りますときに、私ここで大臣に率直にお伺いいたしたいと思いますが、大臣は、政府の経済高度成長政策、あるいは所得倍増計画のもとに地方財政計画をも策定した、そういうことを力説されておるわけですが、一体、今日における高度成長政策あるいは所得倍増計画というものは、地方自治体の行政水準なり、地方自治体に及ぼす影響はどうであろうか、こういう点に対してどのように考えておられますか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 地方自治体の財政自体は、国と比べまして従来非常に水準が低い地位にあったということは、総体的に言えると思うのでありまして、それがここ数年来相当な改善をして参っておることも事実でございます。さらに、これらの国民経済の伸びというものに比例いたしまして、やはり自治体自体の財政状況も相当よくなっておることは事実でございまして、全体の規模から申しましても、国の財政とほぼ比例したような伸びを見せております。しかし、従来の水準自体がまだ低い地位にあったわけでありますから、これで十分というような形ではむろんございませんので、ただ、今伸びて若干でも余裕の出かかっておるときに、先ほども申し上げておりますような弱い点を今補強しつつある。そうしてそれがある程度まで効果を上げつつあるという状況にあろうかと思います。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 今度の財政計画の中に言っている数字を拾ってみましても、たとえば国庫補助を伴う一般行政費が千八百八十八億円、国庫補助を伴うような投資的経費、直轄分の負担金を含めて四千百十億円、公債費が一千六十億円、給与費が七千二百二十七億円、合計いたしますと、一兆四千二百八十五億円、これは当然国の施策に基づいて行なわれる、あるいは費やされる経費だと見られるわけです。そのほかに、単独事業の場合を見て参りましも、やはり道路五ヵ年計画に伴う、あるいは治山治水五ヵ年計画、港湾整備計画、あるいはまた公立学校の整備、こういう国の施策に伴い、関連したものとして単独事業費がやはりこれに費やされて参らなければならぬわけです。そういうのを計算し、物件費、消耗品、これらを加えて参りますと、結局あとに残るのは、数字からいいますとわずか五%、九百五十億円ぐらいしか地方自治体が独自の考えに立って、独自の立場に立って使える金が残って参らない、こういうことが数字上出てくるわけです。もちろん大臣から考えられるならば、七千二百二十七億円の給与費は、国のために使っておるのじゃないと言われるかもしれませんけれども、今日における委任事務、その内容を通じて参りますと、地方自治体はやはり国の施策をやるために人件費を持っていなければならない。教育にしても、警察官にしても、あるいは社会保障、生活保護、その関係で担当する人たちをやはり維持していくためには、これだけの人件費が要るわけです。こう考えて参りますと、地方独自の仕事というものは、ほとんどでき得なくなってきてしまっておるという点を考えて参りますときに、国の政策が、やはり今日見られるように地域的格差を拡大しておる。階層別の所得格差を拡大してきておる。産業別、職業別の所得格差を拡大してきておる。そうして経済高度成長がなされて参っておる。そういう政策を国がとっておるといたしますならば、その政策のもとに地方財政計画が立てられているといたしますならば、その関係上、このような原因が出てくる。ですから大臣は、これによって投資的経費がふえた、あるいはいろいろなものがなされているんだと言われますけれども、これを実際の地方自治体の一つの町、一つの村をとって考て参りますと、はっきりする点が出てきているのじゃないかと思う。ですから町村へ行きますと、国の道路整備五ヵ年計画の中に入る道路はいいわけです。どうしてもやはり都市と都市をつなぐ、あるいはまた大資本の物資の交流あるいは工場、これらのものを中心として道路五ヵ年計画ができて、住民の福祉、住民の水準を引き上げるための町村道というものは一体どうすればいいか、全くソンな道路である、チョウソン道だといっておる。県道にいたしましても、このワク内に入るものは舗装もわずかながら進んでおるでしょう。そのワクからはずれてしまった県道は、全くキケン道だと言われているというのが地方の偽らない状態じゃないかと思うのです。だから重量制限をしておる橋、車も通れない全く危険きわまるソンな道路をかかえておるというのが町村の現状だ。その中からも、道路五ヵ年計画ですらも、一つの経済成長を高めるための、大資本を育成するための、資本家の、どう申しますか、資本費用を軽減するために道路が作られておるのじないかとすら思われる。あるいは公営企業にいたしましても、やはり何としても大都市が中心になって選ばれて参っておる。しかも、それらのものが結局は独占資本、と申しますと言葉が少し荒いかもしれませんが、大工場あるいはまた設備投資競争、競合、こういう中から出てくるところの問題を解決するために、公営企業がそれに追い回されてきておるという現状じゃないかということを考えるわけです。  そこで私、先ほど来からも補助金の問題を通じましても、地方自治体に莫大な八百、委託費をまぜますならば千四百をこえる件数をもって、地方に勝手なことをさせないように、地方が自主的な行動をとらないために補助金制度がとられて参っておる。あるいはまた人事の派遣がなされて参ってきておる。しかも補助単価を見て参りましても、決算と計画がいつも狂う大きな原因は、何といたしましても補助単価、積算単価が低く見積もられてきておる。こういうことが原因になって地方財政を圧迫して参っておる。その上に国の指向しておるところの投資的経費なり、あるいはまた行政にいたしましても、そういう方向をたどってきておるために、地方の住民の福祉というものがほとんど顧みられないという結果になってくるのじゃないか、かように考えるのです。そこで特に大臣に私お伺いいたしたいのは、先ほど来同僚議員からもいろいろ質問がありましたように、地方財政計画の提出がおくれる。私が初めて当選して参ったときには、二月早々出されて、予算案とそう違わないときに出されて参ったと思います。ところが去年になって参りますと、おくれてしまった。ことしになると、またおくれてしまって、予算が通過しようとするときに地方財政計画が出て参るわけです。そこで私は、地方財政計画が早く出るとか出ないとかいうことで論議しても無意味じゃないか、こういうことを最近感ずるので、まずこの地方財政計画というものは、国庫予算に先だって作られねばならないのじゃないか、こういうことを考えるわけです。地方における行政水準、小さな町、村、そこの住民が必死になって町村をたよりにして、住民みずからが努力して地方自治を拡充していこうとしておる。これが日本の民主主義の学校だといわれておる。そういう中から一体何を求めておるか、何が不足しておるか、こういう点をやはり探求していくことが一番大切じゃないか。そこで十年、二十年後にあるべき行政水準をはっきり示して、それに向かってどう到達していくか、この点がやはり基礎とならなければならぬのではないか。そういう中から国庫予算がそれらと関連いたしまして国の施策がきまって参る、と同時にその中から財政投融資計画が作られてくる。資本家たちの勝手気ままな設備競争、民間投資の育成、こういう形になってこなければ、地方財政計画というものはほとんどその存在の意味を失うのではないか、こういうことを感ずるわけです。  そこで重複するようでありますが、大臣に重ねてお尋ねいたしたい点は、今までのような民間の設備投資、経済成長率をきめてかかって、その中からはみ出るものをいわゆる財政金融投資計画のワク内において解決していく、それをなお補うものとして国庫予算が作られてくる。国庫予算を作ったあとの残りかすで、しかもなおそれを補完しようとするところに地方財政計画が初めて作られてくる。こういう逆な順序をたどってきておるところに、財政計画が国会に提案されようとも、あるいはまたわれわれがいかに問題点を明らかにして質疑をかわしてもほとんどその成果が上がってこない、原因がある。かように考えるわけですが、これらの私の考え方に対して、大臣はどのようにお考えになりますか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 いろいろ地方財政全般の問題につきまして、御指摘がございました。私どももなるほど考えなければいかぬというような問題も多々含んでおったと思うのでございます。全体申しまして、今御指摘のような、たとえば補助金の支給の仕方で弊害があるじゃないか、あるいは単価に不合理な点があるじゃないか、あるいは国の委託事務として、もっと地方の自治団体へ移管した方がいいじゃないか、そういったような問題につきましては、十分御意見もごもっともだと存ずる点もございますし、できるだけ今後もそういう点は改善をして参りたいと思っておるのでございます。根本的な問題といたしまして、今全体として自治体というものの規模が非常に日本においては小さい単位に区切られておる。そこで自治体だけを中心にすべてのものを集約的に考えていくというのでありますと、どうも日本全体を通じました日本国民の福祉、自治体の住民も日本国民の中でございますので、全体のバランスのとれた福祉というものをやりますためには、やはり国が相当全体的な施設をやる必要もどうしてもあるというふうに考えるのでありまして、国の政策だからこれは地方住民の福祉にならぬのだというふうな考え方には、私どもなるまいかと思います。たとえば市と市を結ぶ、村と町を結ぶ国道にいたしましても、やはり国がこれをやりましても、それによる利益は住民が受けるものであろう、こういうふうに考えております。なお全体の、たとえば三十六年度の財政計画の中で、地方の自治体がほんとうに自由にできる金はきわめて少ないじゃないかという御指摘もございますが、これも考え方でございまして、ことしの一兆九千百二十六億という金の中には、今お話しの七千二百三十七億という人件費がございます。これは教員とかあるいは警官とか、地方自治体自体の直接の福祉になる費用が多いので、国に比べまして人件興の比率がまず相当高い率を占めておるという状況でございます。その残りの中でも、今拾い出しましても、国の直接の施策というものではなくて、地方自治体自体がこれを自分のあんばいでいろいろ計画できるという金が、概算いたしまして四千五、六百億のものがあるというふうに今度の予算は考えております。そういうことになりますと、一兆九千億の中から七千二百億を引きますと、一兆二千億の中に四千五、六百億のものは自治体自体がいろいろと計画を立てて使えるというふうな余裕がことしの予算ではできておるというふうにも考えております。しかし、むろんこれで十分というわけじゃございません。最初申し上げましたように、自治体自体の財政的な規模が従来非常に低かったのであります。これが漸次向上して参っております。十分じゃございませんが、今の国の経済の伸びに従いましてそういった方面も相当程度改善されておるし、また将来も改善の方向に向かっていくというふうなことであろうかと思っております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 今この問題では多く論議しても何ですけれども、私がやはり考えますのは、財政計画も府県と町村に区別をして出すという形になってくると、もっと具体的になってくると思います。それで大臣は当局者として、今まで収支の均衡が保たれていなくて、赤字だったということで、地方財政というものは収支の均衡というところに多く能力が費やされて、ことしは非常によかった、去年はよかったということを言っておられる。しかしながら、住民にとりましては、住民の行政水準が妥当な水準が維持されておるか、福祉が維持されておるか、住民の本来の要求が満たされておるかということになって参りますと、決してそうじゃなくて、非常に低い水準の中に置かれておると思うのです。しかも先ほど申しました道路五カ年計画なり、港湾整備計画なり、いろいろな計画を見て参りますと、それ自身は何ら地方官自治体の要求に基づいて組み立てられるというのではなくて、やはり国の高度成長政策あるいはまた所得倍増計画という中から作り出されてきておる。こういうところに問題があるのではないか。ですから、この問題を具体的にばらしていってみたら、一体どうなるか。もちろん大きな恩恵を受けておるものが出てくるでしょう、顧みられないというところが出て参るだろうということが特徴となってくる。だから単なる財政調整なり、後進地域の開発とか、こういう問題では解決されぬ段階がきて、政府の根本的な政策の転換を行なわなかったら問題は解決できないのではないか。こういうことを、地方財政計画を現実の中から照らすときに痛切に感ずるわけです。  たとえば去年の暮れだったと思いますが、国が七・二%の経済成長政策を立てる、経済企画庁の案を見ておりますと、これにはやはり経済基盤の強化、いわゆる国土開発、ざっくばらんにいえば未開発地帯における投資、二つ分けて、比重は後者は少ないのですけれども一応あった。ところが池田さんの九%に引き上げるためにはどうしても国土開発をやめなければならない。前期五ヵ年の中に入れることが。できないというために前期五ヵ年、後期五ヵ年をひっくるめて十カ年計画にして、国土開発計画は一番しっぽの方に持っていったといういきさつを目の前に見て参りまして、そういう九%による経済成長政策が一体どのような影響を地域に与えるか、階層の所得拡大に影響するかという問題が出てくると思います。ですからそういう点、やはり大臣としても、自治省になって、政府の機関の一つとしての責任というところに重点を置かれるのではなくて、地方自治体の事務局を預かり、地方自治体のいろいろな問題を解決するために自治省に昇格したんだという考え方を持ってやっていただきたい。それと同時に、地方財政計画の作り方をやはり根本的に考える心要があるのではないか。単なる計画規模の是正というのではなくて根本的には、やはり補助単価が低いならその単価を引き上げる、補助率を改善しなければ困るのではないか。あるいはこういうものを中央がやるよりも地方自治体がやる方がいい。だから補助金をやめて一般財源にしなさいという強い交渉。そうして行政水準がどれだけ保たれるかということを明らかにしつつ、国の考え方、国庫予算の編成を一緒にやっていく。こういう態度が必要になってくるのではないか、そのためにはこの国庫予算編成以前に地方財政計画の輪郭が明らかにされてくる必要があるのではないか。そうでなかったら、これはもうほとんど無意味じゃないかとすら考えられるので、その点を申し添えたわけです。  私だけが独占したような形で恐縮ですけれども、時間も相当迫っておりますので急いでやることにいたします。  これと関連いたしますが、税務局長来ておられますので、税務局。長にお伺いしたいと思います。今度のなには負担の軽減の合理化をやったということを強調しておられるわけですが、そこで一体現在における国民所得に対する租税の負担の割合は、国、地方、どういう関係になっておりますか。

後藤田正晴自治事務官(税務局長)

○後藤田政府委員 昭和三十五年度の負担率は二〇・五%でございます。そのうち地方が六・一%、この地方の六・一%は三十五年、三十四年いずれも同じ率でございます。それから三十六年でございますが、三十六年の見込みでは、国民所得に対する租税負担率は国、地方合わせて二〇・七%、地方の負担はやはり六・一%でございます。変わっておりません。なお、これには地方税の関係は例の超過課税を含んだ数字になっております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 私は、日本の租税負担率が、アメリカ、イギリス、西ドイツ、これらの国々と比較して高いとは数字的には考えられないわけなんですけれども、ただ税務局長がいろいろ座談会なりあるいは各雑誌に発表しておられる論文等を見ましても、私はどうも納得できないことがあるのです。負担分任の精神と応益原則、サービス行政に伴う見返り税金、こういうことを強調しておられるわけですけれども、この点について一応私はお伺いいたしたいと思います。現在の国民の平均灰得と給与所得者に対する課税最低限、これの各国の比較を持っておられますか。

後藤田正晴自治事務官(税務局長)

○後藤田政府委員 一般的に給与所得者に対して、現行の税法であれば日本はどう、緒外国はどう、これはもちろんございますけれども、税負担となりますと、そのほかに間接税その他いろいろ複雑な関係がからんで参りますので、そういった詳しい資料は今持っておりません。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 私の手元にあるのを御参考までに申し上げますと、これは昭和三十一年ですけれども、平均所得は、日本が四十六万一千円、アメリカが三百七十六万、イギリスが百七十七万、西ドイツが百二十五万、課税の最低限は、日本が二十七万、アメリカが百二十万、イギリスが七十三万、西ドイツが六十万、こういう数字になっており一まず。それと開運いたしまして、負担人員を見て参っても、たとえば昭和十年には三十万から二百万の人たちが課税負担人員の九〇%を占めておったわけです。ところが三十三年度では五十万円以下が八三%、こういう工合に日本の現状がなっておるわけです。それから所得金額という面から調べて参りますと、昭和十年には五十万から五百万の人たちが六六%、昭和三十三年には二十万から百万以下の人たちが八〇%、こういう数字が出てきておるわけですが、日本の租税特に所得税の場合を見て参りますと、非常に低い状態にあると思います。しかるにかかわらず、今お話しになりましたような日本の租税体系を見て参りますと、国がほとんど七〇%まで優先的にとってしまっておる。そうして国の租税体系は年々近代化され合理化されていっておるわけですが、国が七〇%という最もよき財源をみんな持っていってしまっておる。だから近代的な所得税の改正とかいろいろな形において体系立った整備が一応とられてきておると思います。ところが地方税の場合を見て参りますと、その取ってしまったあとの残りの三〇%、この中でしかも零細な所得者から集めなければならない。こういうような国、地方を通ずる租税体系の混乱、ここに一番大きな原因があるのではないかと私は考えるわけです。だからこそ封建制度のときに一応の理論的な根拠とされたところの人頭税的な応益原則だとか、あるいは今残されておるような大衆課税、こういうものしか取ることができないのだ、非常に過酷なしかも矛盾した税金だけしか残っていないのだということを明らかにされずして、逆に負担分任の精神だのあるいは応益原則が地方税において最も適しておるのだ、こういうことを言われる根拠は一体どこにあるのか。

後藤田正晴自治事務官(税務局長)

○後藤田政府委員 御説のように国税の方は、所得税についてみましても、終戦後課税最低限が非常に低くて、戦前とはだいぶ違った形になっておりましたけれども、最近逐次改善されて、現行の所得税法では最低限標準世帯で三十二万七千円ばかりになっておると思いますが、今回の改正では三十九万くらい負担の軽減がはかられるわけであります。そういった際に地方税はそれについていけない。そこでそれを負担分任でごまかしておるではないか、こういう御趣旨だと思いますが、私は、根本的にはやはり税源の配分の適正花という問題があると思います。しかしながら、同時にまた地方税と国税をどう区分けをするかといった場合には、建前としては地方税の方はどういたしましてもできるだけ広い範囲の人たちから薄い負担で負担してもらう、そうして国税の方は高い累進度のかかった税率で高額所得者から予定の税金をもらっていく、こういうように分けるのが建前ではなかろうか。もちろん地方税といえども国民に負担を求めるわけでございますから、私どもが応益の原則とかあるいは負担分任の原則であるとか申しましても、その根底にはやはり応能原則というものが働いておることは申すまでもないと思います。従って応能原則の根拠の上に立ちながら、その上で国税と地方税をどう分けるかということになれば、地方税の方はやはり応益あるいは負担分任という原則を働かせて、その面で税を国と地方で分けていくということが、私は建前としてはいいではなかろうかと思います。もちろんそう申しましても、私は現在の税制が、地方税を見ました場合に、きわめて零細な方々にまで税負担を求め過ぎておるという現状は十分認めております。従ってこういう点につきましては、税源の配分をやはり現状よりはもう少し地方団体にとって有利になるように改善をして、その過程において住民の負担も現在あまりにも零細な住民にまで負担を求めているという点は改善をはかっていく、こういう方向で進んでいくべきものであろう、かように考えておるのでございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 私、あまり意見ばかり言って恐縮ですけれども、率直に申し上げて、今の地方税の現状を実際見て参りますと、施策の恩恵を受けておるのだ、サービスなんだと言われますけれども、恩恵の方をとって参りますと、まことに累進的だと思うのです。お金持ちはけっこう地方自治団体からサービスを受けておるわけです。道路もよくなった、水道もできた、固定資産税も負けてもらった、サービスの度合いから見ると全く累進的になっておると思うのです。ところが費用の負担ということになってくると逆進的で、貧乏人は数が多いからよけいに税金を払っておる。こんな地方税のあり方だと、これはやはり大きな問題点を含んでおるのじゃないか。かように考えるわけで、いろいろ具体的な例もと思ったのですけれども、やめまして、そういう点を一つ考えていただきたい。  それから財政局長さんに、税外負担の点についてですが、昨年度はは消防関係に八億円、道路橋梁に十五億円、小中学校費に三十四億円、その他に十三億円、合計七十億円、それから府県が町村に負掛さているものの肩がわりとし二十億円、合計九十億円を見込んでおられたわけですけれども、昭和三十二年度における自治省の調査、そう毎年々々調査はやらないでしょうけれども、それから見ると税外負担は相当増額になってきておると思いますが、これらに対して長期的計画的にこれを解消する——今申し上げましたように、税制においては非常に苛烈な、封建的な税制をとらざるを得ないという地方自治体の財政なんです。その上に税外負担がまた悪平等の姿をもって地方住民にのしかかってくるわけですが、これに対して、計画的にこれを解消するという体具的な案があるわけですか。  それともう一つ、財政法の改正によりまして、二十七条の二並びに二十七条の三ですか、これに対して、政令で定めるという範囲−を拡大する考え方が持たれるわけですかどうですか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 税外負担の解消を今後とも積極的に推進していきたいという気持は強く持てておるわけでございます。これは財政上の措置の問題もございましょうし、あるいは民主的な主張がどう発展していくかという問題にもつながっていくことだと考えております。御指摘になりました地方財政法の中で、負担区分を守っていく、あるいは負担転嫁を禁止していくというような一連の措置を置いておりますので、こういう考え方が今後だんだんと進展していくだろう、こう思うわけであります。ただ、反対の方向に向かっていくのだというふうには私たちは考えておらないわけでございまして、住民の意欲、意識が高揚するにつれまして、財政秩序に反して税外負担をそのまま容認していくというような形になかなかなるものではないと思っているわけでありまして、ただそういう意識に期待するだけのことではありませんで、あわせて財政措置もやっていく、あわせた措置はとっていかなければならない、かように存じている次第であります。三十五年度には、税外負担の解消の一連の措置をとったわけでありまして、地方財政法の改正の効力は三十六年度からということになっておりますので、今後の推移を見た上でどのような措置をとることが最も妥当かということをさらに一そう検討したいということでございまして、将来推移を見きわめた上でさらによりよい方法を考えたい。かように考えているわけでございまして、その場合には、当然負担転嫁を禁止する範囲を拡大するという方向に進まざるを得ないのではないだろうかと私は考えております。しかし、もとよりそういう措置をとります結果、いろいろな逆な弊害も起こりかねないわけでございますので、そういうこともあわせ検討しなければならぬ。しかし三十六年度は投資的経費をかなり充実しているわけでありまして、地方交付税の改正によりましても、そういう意味で基準財政需要額の増加をかなり積極的に行なっているわけでございますので、財政秩序に反した無理な方法をとらなくても、ある程度の水準引き上げの仕事は地方団体においてやっていけるのではないか、そのことはまた逆に税外負担を解消する、少なくともそれを拡大するという方向は阻止できるのではないだろうか、こういうような考え方を持っているわけであります。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 税務局長に、租税特別措置法と非課税、これによる金額をそれぞれ教えていただきたいのと、もう一つは、今度の地方税法の改正はまだ提案されないのですけれども、伝えられている耐用年数の改定あるいは配当課税の関係と同族会社の留保分の関係、この三つが県税並びに市町村税に及ぼす影響は平年度においてどのくらいの減税になりますか。

後藤田正晴自治事務官(税務局長)

○後藤田政府委員 租税特別措置による現在の軽減の金額でありますが、国税が三十六年度ベースで千四百億程度でございます。地方税は七百億、そのうち国の措置に伴って地方税で軽減になっているものが約三百五十億、残り三百五十億が地方税独自の非課税、こういう数字であります。  第二点の配当課税の改正による地方税の減収分は、府県民税で五億五千万、それから平年度が十二億一千万円、市町村税の関係で八億二千八百万円、平年度が十八億二千五百万、こういう数字でございます。次に留保金課税の改正に伴います減が、府県税で一億四千九百万、平年度が二億三千万、市町村税の関係で二億二千四百万、平年度が三億四千五百万、そういう金額でございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 非課税措置は。

後藤田正晴自治事務官(税務局長)

○後藤田政府委員 さっき申し上げました通りでございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 租税特別措置と違うのですか。

後藤田正晴自治事務官(税務局長)

○後藤田政府委員 先ほど申しました七百億のうち地方税独自の分が三百五十億と申しましたが、これがいわゆる非課税の分でございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 租税特別措置法による地方税の減収見込み、電気ガスその他に伴う非課税がありますね。その非課税措置による減税特別措置・・・・・。

後藤田正晴自治事務官(税務局長)

○後藤田政府委員 国税の方では租税特別措置と、こう申しておるわけでございます。地方税の方は非課税規定あいるは課税標準の特例、こういう扱いになっておるわけであります。従いまして租税特別措置法に基づく地方税の減収分が三百五十億、地方税独自の非課税規定及び課税標準の特例、これに基づくものが三百五十億、こういうことになっております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 先ほど局長さんの言われましたように地方税においても平年度において耐用年数、配当課税、留保分、これらの三つだけでも地方税に及ぼす影響は百五十三億円、私どもの計算は大体局長さんとよく似ておりますので、私の計算もそうなっておる。平年度は百五十三億円の減税になる。そういう措置がとられてくるわけですね。それは租税特別措置法による地方税の減収にいたしましても、非課税措置におけるなににいたしましても、昭和三十三年度から見ましてもちっとも減っていない。逆にふえておるという形を見て参っても、大資本に対してはこのような優遇措置をやっておるわけです。しかもたとえば固定資産税一つ見て参っても、二万円、三万円の土地、家屋に対しても固定資産税はかかって参る。こういう行き方をとっておるわけです。しかも片一方におきましては、今申し上げた耐用年数の改定だけでも莫大な金になってくるわけです。こういう工合に出て参っておるところにも、私は地方税の性格というものがどうあるかということをはっきり示しておるのじゃないか、かようにも考えるわけですが、しかしこれに対する意見はまた税法のときにおいていろいろ検討させていただくといたしまして、雪害に関してですが、財政局長さんに、積雪寒冷地帯における補正係数を求められる算定基礎というのは、農林省の農業総合研究所の積雪地方支所の統計、昭和二十四年から二十八年、この五年間の平均数字をとったという工合に聞いておるのですが、これは間違いありませんか。奥野政府委員 その通りでございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 それはことしあたり農林省において廃止になったでしょう。まあまあそれはいいですけれども、そういう積雪寒冷、こういう特に寒冷に対しては相当の調査研究が進んでおるのですけれども、積雪度合いあるいは湿潤度合い、これに対する調査というものは、積雪の場合は農林省の昭和二十四年から二十八年、この古い五カ年間の統計を持ってきておる。湿潤の場合だったら、どこで調査していいか、調査する機関もない。測候所に聞いてもわからないし、どこへ聞いてもわからないけれども、湿潤はいろいろな影響を与えておるものだということだけは言い得る。しかしその研究所もなければ、データもないというようなことが言われておるわけですけれども、交付税の補正係数の場合における寒冷度、積雪皮ですか、これに対する占める割合は総ワクからいえばどういう工合になっているかわかりませんか。今すぐというわけにもいかないでしょうけれども・・・・・・

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 寒冷度や積雪度に。よって影響を受ける経費にその度合いがかなり違ってくるわけでございます。御承知のように寒冷補正で行なっています問題は、職員費については寒冷地手当が支給される地域について給与費をそれだけ多く見るという計算をいたしております。それから積雪度につきましては、雪おろしをしなければならない、あるいは雪囲いをしなければならない。そういう施設について所要の経費を算入するという建前をとっているわけでございます。さらにもう  一つは寒冷度のきびしいところにおきましては補修費がそれだけよけい要る、あるいは除雪の費用が要る、施設の耐用年数がある程度短くなる、というような計算の仕方をしているわけであります。要するに、そういうことによって財政需要が多くなるものは、同じベースでそれだけのものを見ていくということでございます。御指摘の経費がございましたら、それについてお答えをするようにいたしたいと思います。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 私の聞いているのは、積雪度が財政需要に対する影響ですね。それがいろいろの補正が指定されておりますけれども、それの算定の基礎が、昭和二十四年から二十八年で非常に古い統計が用いられておって、現実的に雪がどういう影響を与えておるか、こういうことに対する今申されたようなことを算定する割増高ですか、こういうことに対するもっと根本的な検討が必要じゃないか、こういう点なんですけれども、それは固定資産税の質評価の場合におきましても一、積雪地における問題、これらのものは何かというと、先ほどの選挙制度審議会のようなもので、固定資産の評価調査会があるからその結論を待ってということなんですけれども、しかしながら、先ほど申し上げましたような耐用年数だとか、いろいろ法人税に関係のある減税がどんどん出てくるわけですね。しかし実際に雪の国における固定資産の評価が非常に低いということはこれは明らかだろうと思うのですが、あるいはまた交付税の中におけるところの積雪に対する度合いですね、これらに対しても検討されたら直ちにこれを一つの措置としてやることが大切じゃないか。調査会の答申を待って、来年はでき上がるのだからしばらくがまんをしてくれという形で、すぐに調査会々々々でいかれるのじゃなくて、そういう点に対して具体的に現実と合わない場合においては適正な措置をとる。こういうことが必要じゃないかということと、もう一つ大臣もおられますのでお聞きいたしますが、災害基本法は、伊勢湾台風のときに与野党とも、いろいろな災害の法規が多いから基本法を作って合理化しようじゃないか、こういう話し合いが行なわれ、政府にも申し入れがなされて、政府においてもそういう基本法をお作りになっておられるだろうと思いますが、そういう点に対して自治省としてはどういう形において関与していかれるお考えですか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 災害基本法は、各省に非常にこれから関連の多い法案になろうかと思うのであります。自治省自体としては原案、草案というものを一応持っておりますが、各省との調節というような点で、まだこれがいつ出せるか、あるいははたして今国会に間に合うかどうかにつきましては、今のところちょっと申し上げかねるような状況でございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 非常におそくなって恐縮ですが、最後に、町村合併をめぐるいろいろな紛争がまだ続いていると思いますので、いずれ新町村建設計画の中でいろいろお伺いいたしたい、かように考えますけれども、こういう紛糾の結果、いろいろ自治体に問題が起こって、あるいは議員がその中に介在して暴力団になぐられるとか、いろいろな事件が各所に起こっておることを聞いているわけですが、それと同時に地方自治の尺度と申しますか、このことがやはり町村合併の場合に一番大切じゃないか。単に経済的に、あるいは広域地域になるといろいろな利便があるのだ、こういう形で上からの町村合併を進めることは、非常にいろいろな無理が起こっておると思うわけです。その中でたとえば最近南国土佐で、委員長に恐縮ですけれども、高知県の南国市長さんが逮捕された。その中にやはり町村合併にからまるところのいろいろな問題があるように聞いておるわけですが、同時に、私、一つそういうことに対して、たとえば町村合併というのは住民が地方自治に参加する、その中から新しい村、町を作るのだ。こういう形において進められるよりも、上から、これをやったらいいのだ、経済的にもいいのだ、あるいは広域都市というものはいいのだ、こういう形で頭からやってきて、そのために起こってくる紊乱、そのために当局者が一つの国策だといって住民に押しつける。そういうことの中から、財政の紊乱、腐敗というものが起こってくる原因を作っておるのじゃないか。かようにも考えられるのでありますが、その中で、おそらく自治省の方にも報告が来ておると思うのですが、石川県の山中町でこういう問題が起こっておるのです。決算委員会の席上で、仮払いとして一千二百二十万円も出しておる、こういうことを町長さんが決算委員に、仮払いとは一体何か、いわゆる予算に計上されなくて仮払いとしてやっておるその借金が一千二百万円残っておる。それから予算に全然計上せずして過年度支出金として七百万円も出しておる。これも予算上素通りしてしまっておる。合計一千九百万円も仮払いという名義において使われておる。これについて、何やかやと町のためにやったのだ、町村合併という国策を推進するために、あるいは町のためにやったのであって、決して私腹を肥やしているのじゃないと言っておるが、こういうことになって参りますと、財政法も地方自治法も何も要らなくなって、みんな仮払いでやれる。あとから過年度支出に落としていけばやれる。こういう問題で何か告訴騒ぎになっておるそうですけれども、これらに対する自治省の指導ですね。やはりそういう意味において抜けておるのではないかということと。もう一つは、この間、ゴルフ場問題に対して、何か奈良県のある市がゴルフ場に出資金を出す。これはまあ出資の目的がよければいいんだと回答せられたということで新聞紙にも出ておったわけですけれども、そういう点に対して自治省として一体どういう考え方を持っておられるか。この機会に、皆さんすでに熟知されている問題だろうと思いますので、どういう指導をやっておられるか、一つお聞かせいただきたいと思います。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 御指摘になりましたように、仮払いというようなことは、現在の財務会計の制度の上にはないわけでございます。しかし、現実には財政法等の運用におきましてそういうことをして、しかもそれを赤字防ぎにしているというような例のあることも事実でございます。そういうような表面にはっきりしない経理をしていきますと、だんだんそういうことがわからなくなって間違いが起こってくると思われますので、私たちとしても、厳にそういうことのないように今後とも十分注意をしていかなければならない、こう思っております。ただ、合併騒ぎで、どうせ今やっておいても新しい団体に債務を引き継いでもらえるのだ、こういうような無責任な考え方から、かなりそういうことが多く、そのことがまた財政紊乱のもとをなしたようでございます。そういうこともございますので、昨年来そういう団体の建て直しということで、財政再建計画法に基づく再建計画を立ててもらい、同時にそういう資金につきましては政府資金の融通のあっせんをし、さらにある程度利子負担につきましても軽減措置をとって、若干徳政に類するかもしれませんけれども、そういう思い切った方針を打ち出しまして建て直しを督促するといいましょうか、あるいは促進するといいましょうか、そういう手を現在のところ打っておるような次第でございます。  それからもう一つのゴルフ場の入会金の問題、それを出資として地方団体が行なうことについてどう考えるかというような問題でございますが、これは私は、やはり当該地方団体が自主的にきめればよろしい問題であって、やれともやるなとも言うべき筋合いのものではなかろう、こう思っておるわけでございます。ゴルフ場を誘致いたしますことが当該団体の観光施設を整備するとか、いろいろと当該団体の発展と深く結びついているところがたくさんあろうかと思うのでございます。そういう地域におきまして、地方団体も若干それに参画していくということはあえて否定する必要はない。ただ、職員がただで遊ぶためにゴルフ場の会員権を取得するということはもとより好ましいことではございませんけれども、そういうことが起こらないように努力していかなければならないと思いますが、総合的な施策の一環としてゴルフ場の会員権を取得するということは、それは何ら誹議するにあたらないことだ、こういうような感じを持っております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 最後に、ゴルフ場の問題でも、具体的に見て参りますと、多くやっておるのは農地法の違反をやっておるわけです。五千坪以上の土地は農林大臣の許可を必要とする。しかも閣議決定においては、ゴルフ場に農地を使ってはならぬ、こういう申し合わせをやっておる。それを県と業者とが結託して、五千坪ずに区切って三回か四回に分けるとまあできてくる。こういうやり方をやられて。おる。そのこと自体がもはやすでに法律に違反しておる。ある関係者が法律には積極と消極とある、そういうものがあるかどうか知りませんけれども、法律には積極と消極とがあるからそういうこともできるのだといって、実質においてそういう脱法行為をやられておる。しかも、そういうところに、先ほど申し上げましたいわゆる補助金が八百万から一千万をこえるところのものがいく。そして、地方官庁からどんどんやってくる。ついでに中央官庁の皆さんと昼間からゴルフをやっておる。こういうことで、農民は土地は取られ、田畑はつぶされ、おまけにガソリンや煙を食って、しかもゴルフ場の出資金をまた税金で納めておる。こういうのは奈良の場合も大同小異だろうといったので、だから収入役がこれはと首をかしげたのではないかと思うのですが、そういう点に対してもっと積極的な指導が必要ではないか、かように考えるわけです。ですから、私どもの宿舎の横にあるゴルフ場を見てみましても、朝から会社族が来て、国会議員は朝からおかしな監獄行きの自動車みたいのに乗って国会に出てくる、それと前後してそういう自家用車がどんどんやってくるというようなことを見て、なおさら目につくわけですけれども、これも会社の必要経費として、損金として落とされておるそうですけれども、やはりそういうことが地方自治体にも蔓延していく。こういうことに対しては、もっと具体的な実情に沿う行政指導が大事じゃないか。  非常に長い間恐縮でありましたが、質問を終わらしていただきます。

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 次会は明十七日午前十時より開会することとして、本日はこれにて散会いたします。    午後一時八分散会

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