地方行政委員会 第9号
- 発言数
- 113 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/03/02
会議録
○中島(茂)委員長代理 これより会議を開きます。 濱田委員長は都合により出席がおくれますので、その指名によりまして私が委員長の職務を行ないます。 地方財政計画に関する件につきまして調査を進めます。 昭和三十六年度地方財政計画に対する質疑を続行いたします。山口君。
○山口(鶴)委員 一昨日に引き続いて若干お尋ねをいたしたいと思うのですが、一昨日給与費の単価の問題につきまして公務員課長でしたかにお伺いをいたしましたら、後日計算をいたしましてお答えをするという点がございましたので、その点をまずお聞かせをいただきたいと思います。
○今枝説明員 前回の当委員会におきまして、教員の宿日直手当についてその単価が低いではないか、こういう御質問がございました。その際に御指摘になりましたように、宿日直を労働基準監督機関が許可をする場合に、許可の条件の一つとして、宿日直勤務に対しては、通常の労働に対する賃金とは別に相当の手当が支給さるべきである、こういうことが昭和二十二年の労働省の解釈令規として示されておるのでございます。その条件の中の相当の手当ということの解釈といたしまして、労働省におきましては、宿日直手当の最低額は、当該事業場において宿日直につくことを予定されておる同種の労働者に支払われる賃金の一日一人平均額の三分の一とすること、こういうふうな解釈令規が示されておるのでございます。この場合の一日一人平均額の算定の仕方につきましては労働基準法並びにその施行法によりまして、通常に支払われる賃金ということを標準にいたしておるのでございます。計算技術は具体的な場合には非常に複雑になっております。特に地方団体の場合には、各都道府県で、それぞれの給与の額、それから宿日直の額が違っておりますから、一がいに幾らになるということを具体的に申し上げかねますが、一応財政計画上の本俸に相当する額を基準にとって計算をいたしますと、現在の財政計画に計上いたしております額では三分の一に満たない点が出て参るかと思います。個々の地方団体になりますと、三分の一をこえているところもあり、あるいはそれに達していない、こういうものもあろうかと思いますが、全体としては財政計画上はなおそれに達しないものもあるかと思うのであります。 ところで、先般も申し上げましたように、財政計画上教員の場合他の職員が三百六十円であるにかかわらず、二百六十円という額にしておりますのは、国庫補助負担を伴う経費の積算は、国庫補助の積算の単価とその負担割合に応じまして積算をする建前をとっておるものですから、宿日直手当についても二百六十円という額を計上いたしておるのでございます。必ずしも現状において満足すべきものではないと思いますが、連年この改善をはかってきておりますので、今後も各都道府県の実績の支給額等を考えながら改善をはかっていくべきものである、こういうふうに考えておるわけでございます。
○山口(鶴)委員 今のお答えは非常におかしいと私は思うのです。三十六年度は宿日直両方二百六十円ですか。三十五年度は日直が二百五十円ですね。宿直が二百円でしょう。三十六年度は幾らですか。
○今枝説明員 三十六年度は二百六十五円と二百六円という単価になっておったかと思います。
○山口(鶴)委員 労働省の見解でいきますと、宿日直ともに三分の一を下回ってはいけないことになっているわけでしょう。個々の地方自治団体について云々と言われておりますが、たとえば、私は群馬県の例を調べてみましたが、条例に規定するところの一日当たりの給料を計算するのに、本俸を二十六日で割って、その三分の一にいたしました額が県立学校では三百二十六円、これは三十五年の四月一日、中だるみ是正をやったものの金額ですよ。義務制が三百九円、一般職が二百五十一円、警察職員が二百五十九円、平均をいたしまして二百七十三円です。これは三十五年四月一日ですから、中だるみ是正をやっておりまするが、その後の給与改定は見ておりません。県立学校については大体一五%くらい上がるでしょう。義務制については一二・四%ですか、若干上がりまして一三%くらい上がると思います。一般職は一二・四%よりは上がらない、一二%、警察も一二%というふうに抑えてかりに計算をいたしたといたしましても、県立学校については三百七十五円になりますよ。義務制は三百九円、一般職は二百八十一円、警察が二百九十円、平均をいたしますと三百七円になります。といたしますと、昭和三十六年度の基準財政需要額を算定するにあたっての単価が日直二百六十五円で宿直二百六円といえば、これは給与改定をいたしましたあとの本俸を対象にした昭和三十六年度の財政計画ですから、明らかにどんな地方自治団体に行っても三分の一にならぬということは明瞭じゃないですか。課長さんの方は、お話によりますと二分の一国庫負担金がそうだからこれに合わしたと言いますけれども、前会指摘したように二分の一国庫負担金というのは実績主義で、三百六十円払えばその半額を出す。ところがこちらの財政計画の方の見積もりは、これは積算をいたしまして、後日出てくる交付税法の附則で、本俸は単位費用の中に入っているのですから、この単位費用の根拠が出てくるわけでしょう。ということになれば、そちらはコンクリートされるのでしょう。そのコンクリートされるものが労働省の方針に著しく違っておる。いわば法令にも反する。こういうものを含んで、しかもそれがコンクリートされるというのでいいとお思いですか。これを直すつもりはありませんか。
○今枝説明員 私から申し上げましたのは、ただいま御指摘になりましたような数字でございますと、当然三分の一に達しないということはその通りでございます。しかし、現実に都道府県の中には財政計画の計上額よりも高い宿日直手当を支給しておるところもございます。従いまして一つ一つ見た場合には一がいには言えないということを申し上げたのでございます。ただ財政計画の数字そのままで申し上げますと、先ほどもお答えしましたように、当然予定される三分の一というものには達しておりません。そのことが適当であるかどうかということになりますと、必ずしも私は適当であるとは考えておりません。ただ財政計画の積算の一般的な方針といたしまして、従来とも国庫負担補助を伴うものについては国庫負担補助単価、それから負担割合、それでもって逆算をしてきた。こういう取り扱いをいたしておるものですから、今後都道府県においてそれぞれ宿日直の額が引き上げられる傾向にございます。また引き上がっているのが実績として出て参りますと、国庫負担の単価も当然引き上げなければなりませんし、それならば財政計画の積算の単価も当然引き上げていく、こういう方向へ持っていかなければならない、かように考えております。
○山口(鶴)委員 財政局長にお尋ねをしたいと思うのですが、とにかく個々の地方団体といいますと、義務制の学校ということになれば四十六の都道府県しか対象にならぬですよ。市町村の対象はないのですから、四十六の都道府県だけでしょう。それについて三分の一を下回っているかいないかということは、明らかに自治省の方できわめて簡単に計算がつくはずだと私は思うのです。そうなってきて、群馬県は決して優位にあるところではないのですが、群馬が三分の一を下回っているということは大部分の県が下回っているということになると思うのです。しかも補助金を対象にして、国庫補助金を伴うものはそれを基礎にして組むと言いますけれども、四、五年前までは宿日直手当については三百六十円組んでいたわけですね、そうでしょう。三十一、二年ごろはたしか組んでおったと私は記憶しておりますが、それが急に下回った。そうしてしかも片方はコンクリートされるのですから、そうすると明らかに国軍補助金を伴うもので計算をして出すけれども、片方は実績主義なんだから、財政計画上はつじつまが合ったように見えても法令には反しておる。そうしてしかも自治団体では法令に違ってはいかぬというので、財政計画をどう組もうとも、三分の一で組んでいるということになれば、財政計画というものは、国庫補助金を伴うものについてはそれに見合って組んだといたしましても、実際の自治体の支出というものは財政計画とは離れて、財政計画以上に支出していく場合が非常に多くなるんじゃないですか。これは私は単に義務制の教育費の問題に限らぬと思うのです。たとえば土木費、河川堤防についてもそうでしょう。建設省がたとえば補助金は二分の一のものは二分の一組んだ、同紙を自治省が組む、そうなっても実際にはいろいろな工事の関係でふくれていく場合が多いのですよ。そういう場合がみんな自治体にしわ寄せになるんじゃないですか。こういう点についてなぜ法令に違反するような、公務員課長が適切でないというような財政計画を組んだのか。それからこういう組み方が自治体を非常に圧迫しているという事実をどうお考えですか。これに対して自治省としてはこれを改めるおつもりがあるかどうか、この点を一つ局長からお聞かせ願いたいと思うのです。
○奧野政府委員 義務教育職員の宿日直手当の組み方につきてましては、率直に申し上げまして、数年来私は是正をして参りたいという気持を持って実は大蔵省とも話をいたして参ってきているわけであります。宿日直の問題に限りませんで、国庫補助負担金を伴います経費全体につきまして、一応国の予算に計上されている額がかりに二分の一の額として計上されているなら、それが現実に運営されている額になっているのだという建前で地方財政計画をずっと立てて参っておるわけであります。その結果、御承知のように現実には二分の一にならないものですから、地方財政にしわが寄ってくる、こういうようなこともあるわけでございます。それでは、この分は二分の一にならないから、その増加地方負担分を別途地方財政計画に計上するか、こういうようなことにもなりかねないわけでございますけれども、やはり国の予算はそれで執行されるものとして編成されておるのだと思うのでございます。またそうでなければならないと思うのであります。追加負担を地方団体がかぶってよろしいという建前で地方財政計画を作っていきますことは、将来に禍根を残すのじゃなかろうかという心配を持っておるわけであります。しかし現実の姿はやはり引当な追加負担をかぶっておるわけでございます。そのことが今回単独事業費におきまして相当な是正を行なわなければならなくなった原因の一つでございます。宿日直の手当につきましては、これはすでに御指摘になっておりますように、実績を基礎にして国の予算が組まれておるのでございますから、必ずしもその額が過小だと実績だけから見て言い切れないのかもしれませんけれども、私たちとしては、一応三百六十円という定めがあるものですから、できる限りそういう組み方をしてもらいたいという希望を持って参ってておるわけでございます。しかし、宿日直手当だけを国庫補助負担金と違った形において地方財政計画に計上するという形になりますと、あらゆる国庫補助金についてそういう問題が起こってくるものでございますから、やはり大きな問題にならざるを得ないのであります。国の予算と地方財政計画とはずを合わせて、ともどもに是正をする努力をしていくべきではなかろうか、かような考えを持っておるわけでございます。それで、わずかではございますが、三十五年度よりも国の予算も若干引き上げられた、地方財政計画も引き上げられたというような格好になっておるわけでございます。将来もっと強くこの改善に向かいまして努力を続けていきたい、かように考えているわけであります。
○山口(鶴)委員 どうもお答えがわからないのですがね。義務制だけはこういうふうに組んであって、警察とか一般職が三百六十円で組んであります。大体差別するのがおかしいのですよ。しかもそういうことをするから、現実には、警察や一般職が三百六十円で組んであっても、どこの県でも同じ研直に差別して払うというわけにいかぬです。そうするとみんな下の方へ下げるということになる。現実には都道府県みんなそうですよ。自治省でもよく把握をされておるところだと思うのですがね。しかも差別をする根拠というのはないと思うのです。しかも労働省の通達で、とにかく下回ってはいかぬということがきまっておって、それに反する単価を組むということが私はどうしてもわからぬのです。だから三百六十円に全部そろえるべきでありましょうが、今労働省の方針を下回る単価というものだけは即刻是正しなければならぬ、こう思うのです、その点はどうですか。
○奧野政府委員 先ほど率直にお答えを申し上げたわけでございます。国の補助負担金を伴いますものは、そのベースに合わせまして地方財政計画を組んであるわけでございます。それ以外のものは自治省だけの考えに基づきまして単価をきめることができるわけでございます。従いまして義務教育国庫負担職員以外のものにつきましては、御指摘のように三百六十円の単価を用いておるわけでございます。義務教育職員につきましては、国庫負担金が国の予算に計上されるものでございますから、これだけにとどまらず、あらゆる国庫負担金で約五千億円に上っておるわけでございますけれども、その国庫補助負掛金につきましては、国の予算は、地方負担分を正確なものとして地方負担額を算定し、これを地方財政計画に計上して参ってきておるわけでございます。義務教育職員の宿日直の予算計上額も、あるべき姿に基づいて計上するように文部省にも努力していただきたい、大蔵省にもその気持を持っていただきたい、こういう気持は連年申し上げて参ってきておるわけでございまして、将来ともそういう方向に向かって努力していただきたい、かように考えておるわけでございます。国の財政計画が変わらずに地方財政計画だけを変えるということは、これだけにとどまりませんので、かなりむずかしい問題が残される、かように思っておるところであります。
○山口(鶴)委員 では内藤初中局長さんがお見えですからお伺いしますが、今の財政局長のお話では、三百六十円で組むのが正しいのだ、労働省の通達に反するようなものを組むのは正しくないと思っているとはっきりとおっしゃっております。ところが、国庫負担金を伴うものはああいう形になっているから、それに右へならえするより仕方がないのだとおっしゃっておりますが、それではなぜ文部省は労働者の通達に反するような単価をお組みになったのですか。
○内藤政府委員 宿日直につきましては、国家公務員は人事院規則によりまして三百六十円ということになっております。それを受けまして公立学校の教職員につきましては、教育公務員特例法にございまして、公立学校の教員の俸給の種類、額は国立学校の教員の俸給及び額を基準として条例で定める。こういうことになっておりますから、いかにきめるかは自治体の権限でございます。その場合に国立学校の給与の額及び種類を基準としてきめるという制約があるだけでございます。どういうふうにおきめになるかということは、先ほど来申しましたように条例がきめるわけであります。文部省の義務教育費国庫負担法の建前といたしましては、これは御承知の通り実支出額の二分の一を国が負担するという法律上の建前になっておりますから、実績で予算を組んでいるわけでございます。宿日直にいたしましても、旅費にいたしましても、給与にいたしましてもそうであります。ですから給与でも、かりに国の基準よりも上回った基準で条例をおきめになった場合でも、私どもはその実績の二分の一を負担する、こういう建前であります。今度は逆に、宿日直の場合に国の方は三百六十円となっておりますが、これは自治体でおきめになるその基準の範囲内か範囲外かということは私は問題があろうかと思いますが、自治体がおきめになったことについて実績の二分の一を負担する。そういう関係で予算は前年度の実績を基礎にして組んでおります。そういう関係から三百六十円という予算は組んでおりませんが、実績を基準にいたしまして二百六十円を組んでおるわけであります。
○山口(鶴)委員 どうもおかしいですね。実績々々と言われますけれども、財政計画で二百六十五円なり二百五十円、あるいは二百十円というものを組めば、それしか財政計画の方は自治体に金が行かないということになるのですからね。だから結局そういう財政上の制約があるから、貧困な地方自治団体では、国からこれしか金が来ない、国庫負担金の方は実績主義で幾ら組んでも来るけれども、かんじんのあとの半分の財政計画の方がこれしか組んでないから、もしよけい組めばその分だけ持ち出しになるのだというので抑えているというのが実態だと思うのですよ。だから実態々々で組んでいれば、いつまでたっても上がりっこないじゃないですか。問題は、労働省の通達によって、違反であるかないかということがはっきりしているのですから、方針が出ているのだから、少なくともそれだけは組めば、自治団体も二分の一の財政計画上の金が来るならそこまで上げましょうといって実績も上がっていく、こういう格好だと思うのです。結局低いものを文部省が組んでおれば、国庫負担金を伴うものだから、自治体はそれに右へならえです。それではいつまでたっても地方は上がらぬじゃないですか。少なくとも労働省のそういう通達が出ている以上は、中央はそれを下回らぬだけの指導性を発揮する責任があると思うのですが、この点はどうですか。
○内藤政府委員 国の基準がございますから、国の基準に該当するように指導する責任はあると思っております。
○山口(鶴)委員 責任があるということになったら単価を変えたらいいじゃないですか。この財政計画で二百六十五円なり二百六円で組んでしまえば、交付税策定の仕方はそれできまるのですからね。だからもし指導性を発揮して是正をやるとすれば、少なくとも三十六年度の財政計画、それに伴う単位費用を変える以外にないと思う。この点はどうですか。一つ文部省と財政局長さんとお二人から聞かしていただきたい。
○内藤政府委員 国の基準ではじき直しますと、これは大へんな問題が一面起きてくるわけでございます。と申しますのは、本俸にいたしましても一々国の基準でやり直さなければならないという問題があるわけでございます。定員にいたしましても、現在のところ地方の実績を尊重して組んでおりますが、これも国の基準で定員をはじき直さなければならぬというような点で、従来から実績ということを尊重して実績主義でいくことの方が地方の自治を尊重するゆえんでもあるし、待遇改善ができる。こういうふうに考えておりますので、実績主義の建前をくずすことはいかがかと思っております。
○奧野政府委員 宿日直手当の計上の仕方は多年の問題でございます。私は実は実績と、ここまで引き上げてもらいたいというような希望の額、そこに目標を置いて予算を計上するように将来とも私も努力をしていきたいと思いますし、文部省にも努力をしてもらいたい、こういうような気持を持っているわけであります。給与費につきましても、やはりある程度の昇給額を予定して予算を組んでいくわけでありますので、宿日直の手当につきましても、ある程度改善目標を立てて二分の一の国庫負担額を予算に計上されるというような方向に努力をしていきたいと考えておるわけでございまして、将来とも文部省、大蔵省、自治省三者が話し合いをしながら努力を続けていきたい、かような考え方でおるわけであります。
○山口(鶴)委員 指導々々と言うのは私はおかしいと思う。ほんとうの指導は、やはり財政計画の単価で指導すべきですよ。これから交付税法に伴う単位費用の法律案もお出しになるわけですから、そのときにはちゃんと少なくとも三百五円なり六円に指導をするというつもりならそのつもりでこの中に計上してもらいたいと思うのですが、そういうおつもりはありますか。
○奧野政府委員 財政計画の単価に従いまして地方交付税の単位費用も算定していきたい、かような考え方でおるわけでございます。現状におきましては、やはり私は国庫補助負担金の計上額のあり方につきましてぜひ改善をしてもらいたい。数年来言うてきておることでございますが、今後ともそういうような気持で努力をしていきたいと思います。
○安宅委員 関連して。内藤局長がせっかく来ておるので、さっきあなたは旅費の問題まで触れたのでちょっと聞いておきたいのです。向上するように指導するんだ、指導するんだ、こういうふうに言っておられますが、今山口君が言うように単価を変えなければ指導にならないという結論を実は出しておるのですが、あなたは宿日直手当だけではなくて旅費もすべて云々と先ほど申されましたが、旅費なんかは特定旅費で教員はみなやられておる。一般の教職員や警察官などは、旅費の請求書並びに精算書に減額を承認する欄までちゃんと印刷してある。そして減額を承認したものは備考欄に判こを押すところまで印刷してある。そういう旅費の請求書並びに精算書を持っている職域はありますか、ちょっと聞きたい。義務教育に従事している地方公務員だけにそういう旅費の請求書や精算書が使われていることはあなたは御存じありませんか。
○内藤政府委員 旅費については減額支給をしていることは承知しております。教員の場合、研修の機会が非常に多いので、実費支給というような点から正当旅費が支給されないということもよく存じております。
○安宅委員 そうしますと、たとえばあなたの方で講習会や何かを開く。そういうときには、その減額を承認する欄に減額の金額を書かなくとも金はちゃんと出す。ところが普通、学校の先生方が出張なされる場合には、たとえば二万三千円なら一万三千円という旅費額になる。ところが、そのうちの六千円なら六千円というものを減額することを承認いたしますという判こをつかなければ、県の教育委員会は旅費を出しませんよ。そういうことをやっているということはあなたは御存じですか。
○内藤政府委員 これは条例で減額支給することができるとなっておりますから、その条例に基づいて委員会が行なっております。
○安宅委員 そういうことをちゃんと知っておる。だから旅費の請求書並びに精算書にそういうところまでちゃんと印刷をしておる。あなたを含めた教育公務員でない皆さんは、そういう旅費の請求書なんかをごらんになったことはないのじゃないですか。それはどうなんです。
○内藤政府委員 現場の大学の場合では事実上ほとんど減額支給でございます。と申しますのは、国立大学の関係におきましても旅費が十分でございません。本省におきましては各事業費がございますので、事業費の中に旅費が組んでありまして、その減額支給をしない限度にありますから、そこで調整いたしますけれども、教職員の場合には非常に研修会が多いので、やむを得ず実費で支給する、こういうことでございます。
○安宅委員 最後に言いますが、あなた方は先ほど実績で組むのだというが、実績を常に減らすようにしておいて実績で組んだら、いつまでたったってふえないじゃないですか。そして自分たちだけ特定旅費でないやつをちゃんとがめつくいただいて、現場の教師には特定の減額を承認する判こを押さなければ旅費を出さないなんておどかしをかけておいて、勤評の講習会なんというとべろっと出すのです。条例に基づいてというが、条例にどういうふうにありますか、ないでしょう。ただあなたの主観でそれを区別しているにすぎないじゃないですか。これではいつまでたったって向上するはずがない。実績が上がるはずがない。やはり結論的にいえば、単価そのものを上げていかなければならぬ。宿日直手当についてもその通りであると思いますが、その点について何か私の意見が間違っておるとお考えですか。
○内藤政府委員 決して間違っておると思いません。先生の御意見が正しいと思っております。そこで教職員の旅費も宿日直手当も上げたいと思います。ただ義務教育費国庫負担法の建前は、実績主義に基づいて半額を負担するという建前になっておりまして、かりに不足が出ましてもあとで精算払いを補正予算等でする建前になっておりますので、決して地方に二分の一負担の御迷惑はかからぬようになっております。ただ基準ということになりますと、たとえば地方の教員の俸給が国立学校の先生よりも高いという場合には、そこで計算をし直してやるかという問題があるわけであります。私どもとしては、実績でやった方が伸びるのではなかろうか。特に旅費のようなものは実績で必要な経費は組んでいただくように指導しております。 それから勤評その他の講習会につきまして、特別に扱ったという事例はございません。全部減額支給いたしております。
○安宅委員 それでは絶対にないということをあなたはここで言明できますか、それを聞きます。あったらどうします。
○内藤政府委員 私が承知しておる範囲においては、文部省でやっております校長、教頭の研修会あるいは指導者研修会においては、全部実費を基礎にして減額支給しております。
○山口(鶴)委員 ただいま安宅君から旅費の関係も出ましたが、問題は、文部省は幾ら実績々々と言われましても、確かに出したものの半分は行くことは承知しておりますよ。しかし見積もりの単価を低く組めば、もう是正も何もしようがない。財政計画がそれできまっているのだ。その分だけは地方自治体の持ち出しになるのだということは一つよく御銘記をいただきたいと思うのです。文部省としてもそういう形で地方自治体にいつまでも迷惑をかけていいということは絶対に考えておらぬだろうと私は思うのですがね。とすれば、はっきり年度当初において法令に反しないきちっとした単価を組む、こういうことをどうしてもやっていただかなければならぬ。自治省の方も単位費用を計算するのは、まだ法案が出てないのですから、少なくとも法令に反するような単価については何ら万の是正をしていただくように、そうして法律案として出していただくようにお願いをいたしておきます。単位費用が出ましたときにまたその後の御努力をお伺いすることにいたしまして、これはそれで一応打ち切っておきます。
○川村(継)委員 内藤さんがおいででおりますから、ちょっと関連して。第一次補正が行なわれたときに四十億でしたか、義務教育費国庫負担の精算が行なわれたと思うのです。あれは幾らでしたか、奧野さん御存じでございますか。
○奧野政府委員 おっしゃいましたことをちょっと理解していないのですが、三十五年度の第一次補正において、義務教育費の関係について幾ら追加をしたか、こういうことでございましょうか。
○川村(継)委員 三十四年度の精算額を第一次補正のときに繰り込みましたね。その額は幾らでしたか。
○内藤政府委員 正確な数字はちょっと記憶しておりませんが、大体三十億程度じゃなかったかと記憶しております。
○川村(継)委員 もっと多かった——私も忘れたのですが、四十億近かったと私は思うのです。毎年見ておりますと、今のように義務教育費国庫負担の精算分が次年度に精算されていきますね。手続として私はそうならざるを得ないと思います。ところが今度は第一次補正の機会に三十四年度分をやられましたから三十五年度に入ったという形になりましょう。しかしあの補正がああいう手続がとられなかったならば、その精算は三十六年度に入ってくることになりますね。こういうことが例年行なわれておる。これは相当の額ですね。あなたは先ほどからいろいろ実績に見合ってとか、いろいろお言葉がありますけれども、こういうような見積もりが、いわゆる精算される額があまりにも大きい。これは一体どんなことだろう。もちろん私も、これは実績の半分を負担するのですから一銭一厘違ってはいかぬとは言いません。三十何億も四十何億もあるいはそれ以上も毎年々々こういう精算、しかも次の年に飛んで精算されていかなければならぬということは、実際は地方団体がそれを支払っているわけです。それを一年置いてあとから追っかけて精算していくというそのやり方においては、地方財政に与える影響というものは実に大きいといわねばなりません。そうお考えになると思います。そうなりますと、あなたの方で計算される場合に、なるたけやはり小さく精算額が出るように計算されるのが当然じゃないか。毎年々々あまりに大きい。大蔵省からあなたの方へこれは少し低く見積もっておけと言われたのか、あなたの方で教育費があまりにも大きくなってはちょっと工合が悪いからこちらの方で抑えておけということなのか、いろいろ邪推すれば切りがないのですが、そういうことで地方財政に大きな影響を与えるということはもってのほかだと思うのですが、その辺のいきさつはどうなんですか。
○内藤政府委員 お説の通り、できるだけ精算額が残らないようにするのが建前でございます。私どももそういう配慮でいたしておりますが、他の補助金ですと打ち切りになっておりますからそういう問題はございませんが、義務教育費国庫負担法は精算払いを建前にしておりますので、どうしても精算額が残るというのはやむを得ない現状でございます。そこで三十五年度の補正に組みました分のうち約二十億程度が精算額だと記憶しております。残った半分は三十五年度の不足をカバーしたい、こういうことだと私は記憶しております。ですから、三十何億ありましたうち全部が精算額じゃございません。精算額がどうしても狂ってきますのは、一番問題になっておりますのは退職金の問題です。退職手当がどの程度勧奨退職で出るかということになると、なかなか捕捉しにくいわけです。いま一つは、新規の増員の場合に、特に生徒の急増にあたってどの程度にふえるかというある程度の見通しはつけておりますが、予想外にふえる場合がある。と申しますのは、意外に早くすし詰め学級の解消が計画以上に進むという場合に人員のズレが起こることがあります。それから今申しましたように退職金のズレが出てくるわけです。一番大きいのは退職金のズレであります。地方財政のためにある程度勧奨退職を強行するような場合もございますので、その場合に割増し手当等を出します。そこにズレが出る。義務教育費総額が千三百億にも上っておりますから、ある程度の誤差はいたし方ないと思いますけれども、その誤差をできるだけ縮めるように今後も努力いたしますし、三十六年度におきましては非常に少なくなるものと私は確信しております。
○川村(継)委員 三十六年度は少なくなるものと確信する、それはどういうふうに参りますかね。とにかく先ほど申し上げますように、義務教育費国庫負担法の精算額が出るということは、これは地方財政の運営には相当な支障を与えておるわけですから、この点を文部省はもう少し慎重に、専門家がおって三十六年度なら六年度の場合にどのくらいの実支出になるだろうかくらいのことは見当がつくはずですから、それに見合った予算をとって参りませんと、極端な言い方かもしれませんが、このくらいでよかろうというようなことでやっておりますと、これがまた大きなズレになって出てくるわけです。こういう点は十分一つ考えていただきませんと、先ほどから宿直、日直の話が出ておりますが、結局今度は形を変えてその府県等の教育費の運営上窮屈になる。旅費とか宿直、日直料とか、そういうものが低く低く押えられていく結果にもなりかねないわけですから、これは文部省として非常に責任があると思う。その給与、待遇そのものに対するあなた方の責任と、それから地方財政計画の運営に与える影響というものを考えて、十分一つ検討してもらわねばならないと思います。今までのようなあまりものすごいズレが出ないようにぜひ研究願いたい。
○山口(鶴)委員 財政局長と初中局長に地方財政の運営に関してお尋ねをしたいのですが、地方財政法の第二条を見ますと、国は地方財政の自主的なかつ健全なる運営を助長することに努め、いやしくもその自立性をそこなってはならない。こういう規定があるわけでございます。そこでまず財政局長さんにお尋ねをいたしたいと思いますが、国が、国の会計法の四十八条に基づきまして、知事あるいは地方自治体の部長等に支出行為担当官を委任いたしまして国庫支弁金を支払う場合が間々あるかと聞いておりますが、これについては当然国の法律、政令の定めによってでなければ私はなし得ないと思います。たとえば警察法によりますと警備関係の経費あるいは警察学校の経費、あるいは文化財保護の経費等については、文化財保護法によって管理等に要する経費等を、国が自治体の歳入歳出予算にかかわらず国の支弁金を直接支払うという例があるように聞いておりますが、おおむね大きなものでけっこうでありますから、どのような例があり、それはどのような法令に根拠がありますのか、おもなもの二つか三つでけっこうでありますから、御指摘をいただきたいと思うのです。
○奧野政府委員 委託費と呼ばれておりますもの、そういうものが大体において国費のままで地方団体に支払われていくということが多いようでございます。その場合に、御指摘のように出納長がその国費の要務を扱っていくということになっておるわけでありまして、警察関係では、警備関係の費用は警察法で国費で支弁する、こう書いてありますので、地方団体の歳入歳出に入っていないようであります。
○山口(鶴)委員 そうすると、根拠としてはみんな法律に定めがあるわけですね。そこで初中局長さんにお尋ねいたしたいと思うのですが、昭和三十三年度に、文部省では、当時共済組合の金が余ったということで、これを各都道府県に対して勤評の戦いを弾圧するためにお流しになったという事例がございました。全国で二千万円に達する経費をお出しになったようでありますが、私が立っております群馬にも七十二万程度の金が来たことを私は承知をいたしております。これがどういうものに使用されたかということは、内藤初中局長よく御存じだと思うのですが、それは一体どの法律に定めがあるのですか。
○内藤政府委員 それは、先ほど財政局長が申しました会計法の規定に基づいて国費の委任をしておるわけであります。
○山口(鶴)委員 会計法では何でもかんでも勝手に出せるとは書いてないでしょう。国でこのものについては支弁していいという規定が根拠になって支払いがされるわけですから、その会計法に基づく、支払う必要のある根拠となるべき法令は一体何か、このことです。
○内藤政府委員 それは国の政策について趣旨を徹底する、こういうことでございますから、その趣旨に基づきまして委託をしておるわけであります。
○山口(鶴)委員 財政局長に聞きますが、そういう国の趣旨を徹底する場合はできるというなら、法律は何も関係なくて——警備関係の経費は警察法でちゃんと国が支出するんだと書いてあるから出すのでしょう。ただ国の趣旨を徹底するためには勝手に国が金を出していいんですか。文部省はそう言っていましたがね。
○奧野政府委員 文部省の所管のことでありまして、どういう性質の金でやったか、よく承知しないわけでありますけれども、予算によって国が直接活動できる分野の金でありますと、その計上の仕方で、委託費等のような名目をもちまして国費のままで使っていくということがあるわけであります。要するに、その仕事の範囲が国の機関の事務に属するか、あるいは地方団体自体の任務に属するか、そういうような大きな仕事の分野から、予算の計上の仕方によって国費のままで使われていく、あるいは地方団体の歳入に入って使われていくというようなことになるような場合もあるわけでございます。要するに、仕事の分野でおのずからそういうことを決定していくことができる。それは予算の上でその関係が明確にされていくというような部分が相当多いわけでございます。
○山口(鶴)委員 さっき、警察法なら警察法という法令に規定がなければいかぬですねと私が聞きましたら、財政局長はそうだと言われましたね。そうですね——さっき言われたじゃないですか。今の御答弁は違いますよ。
○奧野政府委員 同じような警察活動に所属するものでございましても、これは本来府県が負担していくわけでございますけれども、ものによっては国費のままでやっていけるものがあるわけでございます。そういうものにつきましては、警察法に根拠を置いているわけであります。そういうことを申し上げたわけでございます。
○山口(鶴)委員 そうすると、文部省のお答えは、法律にきちっと規定がなくとも、国がこれは必要だと思えば出せる、こう言ったでしょう。財政局長の方は、法律に根拠がなければ出し得ないのだと言っているわけですね。お二人違いますけれども、財政局長、その点は文部省の御回答でいいのですか。財政局長にお聞きいたします。
○内藤政府委員 私から補足させていただきます。文部省設置法の第八条に、初等中等教育局の所管事項が出ております。この中で第三号に「地方公務員たる教育関係職員の任免、給与その他の身分取扱に関する制度について企画し、並びにこれらの制度の運営に関し、指導、助言及び勧告を与えること。」ができる。こういう関係で、勤評というものも人事管理制度の一つとしてやるわけでございますので、こういう制度に基づきまして、その趣旨を徹底するための経費でございます。
○山口(鶴)委員 とにかく、警備関係などは警察法という法律の中に、このものは国庫で金を出すのですよと規定してあるわけです。こういうものは根拠があるから、警備関係の費用をどんどん出すことについては、内容的には私どもいろいろな感想を持っているにしろ、法的な根拠としてはこれは当然だと思うのですね。ところが、ただいまのは指導、助言というのでしょう。金を出していいとは書いてないのじゃないですか。
○奧野政府委員 私の答弁の仕方で多少疑義が生じているようでございますので、補足をさせていただきたいと思います。 警察に関する経費は府県の負担となっているわけでございますが、ものによりましては国費でそのまま支払われているわけでございます。そういう関係でございますので、警察法に明確な規定を置いておるわけでございます。およそ国費であろうと地方費であろうと、それぞれの機関の権限に属さない事柄につきましてみだりにその経費を使っていくべきものでないことは断然のことだと思います。それぞれの機関の権限とされています場合に、たとえば中央政府の権限とされておることにつきまして地方団体にその仕事を委託していく、その場合に国費のままで使っていくというようなことがあるわけでございまして、そういうことは予算の計上の仕方によって、両方の権限に属する場合にはあるいは国費のままで使っていく、あるいは地方団体の歳入に受け入れて使っていく、これは予算の計上の仕方によって違ってくるのではないか、こう申し上げておるわけでございます。とにかく、仕事の内容が地方団体、中央の両方に所管する場合もあるわけでございますので、そういう場合には予算の定めるところによって区分がなされていってしかるべきではないか、かように思っておるわけでございます。
○山口(鶴)委員 あとで国庫支弁金の種類についてはどういうものがあり、その根拠法規はどこにあるのかということを、文書にして一つ委員会にお示しいただきたいと思います。 それでは、それとは別に、とにかく国の事務であれば云々ということで、国の権限に属する仕事であるならば出しておる場合もあるのだ、こういうお答えでありますから、その点で一つお伺いしておきたいと思うのであります。内藤初中局長さんにお尋ねいたしますが、群馬県ではこの七十二万円をどういうふうに使ったか御存じでしょう。私ははっきり言いますが、統一行動をやったことは違法であると称しまして、群馬県の教育委員会が八人の教育公務員を懲戒免職にいたしました。で、その前に減俸その他の処分をいたしました。二回の処分をやったわけです。二回の処分をやったあと、こういうわけで首を切ったのですということをチラシにして、新聞折り込みにしたのにその経費を使ったのですよ。私ははっきり言いますけれども、とにかく、地方公務員の教育職員の任免権は文部省にはないわけでしょう。文部省の権限にないことでこのお金を使っているじゃありませんか。この点はどうなんですか。
○内藤政府委員 この勤務評定その他教育課程あるいは道徳教育等につきまして、当局側の趣旨が不十分な点も多々あろうかと思うのです。そういう趣旨を解明するためのPRの経費でございまして、それに派生していろいろな問題が起きたと思うのであります。それに関連した事項について趣旨を徹底したことは、これは適当であろうと考えております。
○山口(鶴)委員 奧野財政局長さんに聞きますが、地方公務員の任免権は当該自治体にあることははっきりしていますね。そうでしょう。懲戒免職は地方自治団体固有の権限である任免権の発動ですよ。それが国の仕事だとお思いになりますか。公務員課長でもいいです。
○今枝説明員 教育公務員の場合には、地方教育行政の組織及び運営に関する法律がございまして、地方教育委員会、都道府県教育委員会、市町村教育委員会等の権限の行使に技術的な助言を与える権限はあると思います。
○山口(鶴)委員 任免権者は地方自治体ですね。技術的な指導といいますけれども、これは切ったことに対しての発動ですよ。それに対してPRをするというそれまでが国の仕事になりますか。
○内藤政府委員 普通の場合ですとこれは別のことでございますけれども、群馬県の事例につきましては、勤評というものの反対闘争で切られた。ですから、その勤評闘争という問題の一環として考えてみれば、私は適当であろうと考えております。
○山口(鶴)委員 公務員課長どうですかね。そういう拡大解釈は許されるのですか。少なくとも地方公務員法、地方教育行政の組織及び運営に関する法律で任免権者というのははっきりしているのですからね。懲戒免職をするその行為自体が国の仕事なんということに絶対ならぬはずでしょう。この点はっきり公務員課長さんにお伺いしたいと思うのです。
○今枝説明員 具体的にどういうふうに取り扱われているか詳細を承知いたしておりませんが、お話から察しますると、懲戒免職をされた事由が勤評反対闘争ということで公務員法に触れた事実があり、それを理由にして懲戒免職になったものと了解いたしますが、その場合に問題になっておりますのは、個々の懲戒処分が問題になっておるというよりも、むしろ勤務評定制度をめぐってその取り扱い等についていろいろと議論になったことだろうと思います。そうなりますと、一般的な教育行政に関連をした事項でございますので、そういう面から取り上げて国がいろいろと勤務評定制度の趣旨を徹底される、あるいは勤務評定制度に対する反対闘争に対してどういうふうなあるべき姿が好ましいかというふうな趣旨についていろいろと趣旨を徹底されることは別に差しつかえない、かように考えます。
○山口(鶴)委員 しかもその新聞折り込みは群馬県教育委員会斉藤隆平という名前で出しているものなんです。それまでも国が持っていいんですか。奧野財政局長にお尋ねしましょう。公務員課長でもいい。私は一年生だからどこへ聞いたらいいかよくわからぬけれども……。
○奧野政府委員 ちょっと話をしておりまして大へん失礼いたしました。国が地方団体の財政状況その他によって補助金を交付することができるというような規定が地方財政法に設けられているわけでございます。ちょっと御趣旨をはき違えているかもしれませんが、そういう規定は置いてあります。
○山口(鶴)委員 特に地方財政法を見ますと、国が地方自治団体の自主性をそこなってはならぬということは、金を出す場合でも何をするのにも、明らかに固有の任免権に対して国がその金を出していく、地方自治団体の機関である群馬県教育委員会の教育長何のたれがしという人が行なう行為に国が金を出すということは、しかもその任免権というのは地方自治団体固有の権限である。こういうものに金を出していくということが地方財政法第二条の規定からいって好ましいと思いますか。
○奧野政府委員 地方団体本来の任務につきまして特に必要がある場合には補助金を交付してよろしいわけでございますけれども、限定的に私たちは考えておるわけでございます。具体の事案につきましては文部当局の方でお答えをいただきたいと思います。
○内藤政府委員 先ほど来申し上げますように、勤務評定ということは法律に規定されておるわけでございまするので、文部省としてはその法律を実施させる責任があろうと思う。この趣旨が不徹底のためにいろいろと誤解を招いているようでございますから、その趣旨を解明するためのものでございます。
○山口(鶴)委員 とにかく私は国がいろいろお金を出す場合があろうと思いますけれども、少なくとも地方公務員の任免権という地方自治体個有の権限の行使、こういった問題に対して国が明確な法律の根拠規定というものがないにかかわらず、国の経費を支出していくというのは、明らかに地方の自主性というものをそこなうものであり、国と地方の権限を混同するものであり、地方財政法第二条の規定にはっきり違反するところの不当な行為というふうに言わざるを得ないと思う。国の会計からいきましても、法律、政令に根拠がないものについては、そういう支出行為の担当官とか支出官というものの委任ができないわけでありますから、会計法からいきましても、私は明らかに違法な措置であるというふうに考えざるを得ません。こういった不当な問題に関しましては、地方自治団体の自律性をそこなわないという観点で十分対処をしていただきたい。かつて自治省の行政局長に私はこのことを聞きましたら、好ましい行為ではないというふうに言われました。今日は行政局長がおられませんからこれ以上はお尋ねいたしませんが、またあらためて行政局長でも参りましたら見解を伺うことにいたしまして、少なくとも文部省は地方自治団体の自主性をそこなわないように十分戒心されるようお願いを申し上げまして、一応この点については打ち切っておきます。
○太田委員 関連して。 先回に引き続いてのお尋ねになりますが、地方財政法第二条につきまして、給料表に関しまして、国家公務員と同じでない場合は、これを不適当なるものとして改善を勧めた勧告をした。こういうことが奧野局長からお話がありましたが、財政法第二条によりまして、なるほど一応そういう御意見も出ようかと思いますが、第二項によれば、それとまた反対の意見が出てくるわけであります。従って、もう一度お尋ねをいたしますが、三重県に具体的に現われました通し号俸はどうしてもこれは今回は認めることはできないとお考えになっておるのかどうか、この点念のためにお答えをいただきたいと思います。 〔中島(茂)委員長代理退席、委員 長着席〕
○奧野政府委員 公務員の給与制度について職階制がとられておるわけでありまして、それを無視して公務員の給与体系を作るということはぜひ避けていただくように希望いたして参りたいと存じております。
○太田委員 その避けるというのですが、現実に通し号俸を使っておるところがあるのでしょう。
○奧野政府委員 私、率直に申し上げまして、全地方団体の給与制度の内容を承知してはおらないわけでございますので、あるいは例外的にそういう地方があるのかもしれません。しかし私たちは、財政再建計画の変更の承認を求められる場合には、どういうところからそういう事態が起きてくるのかということで、内容を点検するものですから、給与制度の変更にも接触して参るわけでございます。そういう場合には、御指摘のような事例につきましては、ぜひそういう方向をとらないで、国の制度に準じた制度をとっていただくようにお願いをいたして参ってきておる次第でございます。
○太田委員 それはお願いをされて向こうが聞けばいいんです。ところが三重県の場合は、自治労の県連合会と県当局並びに市町村当局との間で団体交渉上まとまったものを、あなたの方のお願いによって非常に混乱が起きたわけですね。従って今この収束に困っているのです。だからお願いは向こうは聞けない、そう言っています。しかしながら今回の場合、そのお願い程度ならば、あなたの方でお出しになりました二月十一日の書簡も、これはお願いと解して、今回はそれは一応研究課題にしておこうということにしてよろしいですか。
○奧野政府委員 給与制度のあり方から財政にも影響がくるわけでございまして、他の団体との関係も生じてくるわけでございます。そういうことがどういう姿になるものであるかということは、いろいろと問題がある場合には、お話しをしているわけでございます。そういうような事実を理解してもらえますならば、必ずや是正していただけるというように確信をいたしておるわけでございます。
○太田委員 どうも私は先回のお尋ね以来不審に思う点があるのですが、あなたの方が、せっかくまとまったものであるけれども、どうしてもそれを承認するわけにはいかない。どうしても国の号俸給を使えとおっしゃるのは、何かしら今の地方の号俸給を適用して上がる人たちの給与額が不当に高過ぎるという先入観があるのではないかと思うのです。これは不当に高いようにお考えになるのですか、どうですか。
○奧野政府委員 高いとか安いとかいうことじゃございませんで、現在職階制におきまして、職種に応ずる号俸を定めておるわけでございます。通し号俸でありますと、どういう職種でも同じにどんどん上がっていってしまうわけでございます。そういうようなことが給与のあり方としていいか悪いか、自然、人によりましては非常に高くなる人もございましょう。人によっては必ずしも十分でない人もあろうかと思うのでございまして、そういうようなことを考えて参りますと、やはり一つの基準は守っていただいた方がいいんじゃないか、こういうような感じ方をいたしておるわけでございます。
○太田委員 国家の号俸給を使わなければならない、基準とおっしゃったが、基準とすべき法的根拠はどこにあるのです。
○奧野政府委員 やはり給与はそれぞれの法律に基づきまして、国家公務員の給与も考慮して定めるというような規定が設けられておるわけでございますし、またそういうこともございまして、すべての財政措置もそういう考え方のもとにとられて参ってきているわけでございます。地方財政計画、地方交付税の運用、すべてそういう姿になって参ってきているわけであります。給与のあり方というものは、これはよく御承知のように、一つの団体だけが勝手なことをやって、そのまま通していける性格のものじゃなくて、やはりそれぞれの団体に深い影響を及ぼし合う性格のものでございますし、それだけに私たちとしては給与のあり方については深い関心を持っておるわけでございます。
○太田委員 私は、警察官の場合などは警察法にあるのだから、それは基準として定めるという基準という言葉をお使いになるのは妥当だと思う。ただし地方公務員の場合、どう考えましても、そういうようなことは二十四条に出ておらぬじゃないですか。やはり条例で定める。条例には地方自治体の自主権があるではありませんか。条例で定めるというのは、この場合再建団体には、その条例で定めるということについては九割九分九厘の制約があるということをあなたはお考えになっていらっしゃるのですか。
○奧野政府委員 お話しのように、条例で定めるわけでございますので、必ず国家公務員の給与制度に完全に右へならえというふうなことは毛頭考えていないわけでございます。ただ職種に応ずる給与の額を基礎にして号俸を定めておりますのに、職種を無視したような号俸の定め方をしていくということは、給与のあり方全体に大きな影響を持って参るわけでございますので、そういう点から、ある程度そういうものを考慮した給与体系をとってもらいたい、こう思っておるわけであります。国家公務員のものずばりというような指導は行政局の方でもしていないようでございます。行政局の指導からかけ離れた勧奨を財政面からだけしていくという考え方は毛頭ございません。
○太田委員 ついでにその辺のことに関連しますから、内翰についてお尋ねしますが、昨年の暮れでしたか、自治省の「地方公務員給与改定に伴う自治省内翰」、この中に「給与改定の基本方針」というのがあるが、その中にこう書いてある。一の(1)「一般職の国家公務員の俸給表のとおり給料表を改定すること。」こういうのがあるんですが、これは今あなたのおっしゃったことのうらはらでもっとはっきりしている。「国家公務員の俸給表のとおり給料表を改定すること。」これにはいささかもゆとりがない。この内翰は少なくとも地方公務員法違反であり、憲法違反だと思うのですが、どうでしょうか。
○今枝説明員 御指摘のありました内翰は、昨年の十一月二十二日付をもって公務員課長名で都道府県の人事委員会事務局長と総務部長あての内翰であろうと存じます。この内翰の基本方針の中に、確かに御指摘のように給料表については「一般職の国家公務員の俸給表のとおり給料表を改定すること。」こういうことを一項書いております。しかし表現はこうなっておりますが、国家公務員の給料表そっくりそのまま採用できないということはお互いに承知の上でございます。たとえば国の一般職の場合には等級が八つに分かれております。地方団体の場合には原則として六つの等級に分けることが適当であるというふうな扱い方につきましては、現在は、等級制に基づく給与制度が実施になりました昭和三十二年の給与改定の際からお互いに承知の上で、そういう取扱いをいたしておるのでございます。その趣旨は、との内翰を成文化いたしました先般の二月十一日付の事務次官通達では明確にいたしているつもりでございます。その間に全部が国通りということにならないのは当然でございます。都道府県であれば六等級、市町村であれば六等級、五等級、三等級というふうな等級の区別においてはもう当然違ったものにせざるを得ない。こういうことを含んだ上での内翰であるというふうに御了解いただきたいと思います。
○太田委員 公務員課長にお尋ねしますが、今の内翰の趣旨に基づく二月十一日の通牒によれば、どうしても国家公務員の俸給表を使わなければならぬことになるわけですが、その内容は、別な言葉で言えば通し号俸給はいかぬ。こういうことなんですが、通し号俸がどうしていけないのか、現実にそれを採用しているのはたくさんあるじゃないか、先ほど奧野局長は例外としてはあるかもしれぬとおっしゃったのですけれども、あなた御存じだと思うのですが、例外じゃない、たくさんあるはずなんです。それについてあなたのお考えを承りたいのです。
○今枝説明員 地方公務員の給与制度を作る場合に、これはもちろん最終的には、御指摘がございましたように、地方団体の条例で決定するわけでございますから、地方団体の意思で最終的には定まるものであると思います。しかし、どのような建前の給与制度を作るかという点につきましては、御指摘のありました通し号俸的な給与制度をとるか、あるいは現在のような職階を基礎にいたしました等級制度の給与制度をとるかということは、いわば給与制度に関する基本的な考え方の問題でございます。いずれがより正しいものであるか、あるいはより適当なものであるかということについて議論はあると思います。しかし現在の公務員の給与制度は、地方公務員法にも明記してございますように、「職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。」ということがやはり基本原則ではないかと思います。そういう基本原則に基づいて、職務と責任に対応した給与制度が去る昭和三十二年四月以降国において採用をされておりまして、地方公務員も、三十二年の給与改定の際に、やはり等級制を基礎にした給与制度に変えるべきである、こういう判断に立って今日まできておるわけでございます。もちろん御指摘のように、そこに通し号俸的な要素を加味した給与制度を現に作っておられる市町村があるかもしれませんが、私どもといたしましては、地方公務員の給与制度はやはり国家公務員がとっておる等級制を基礎にした給与制度を採用することが適当である、こういうふうに判断をいたしております。
○太田委員 あなたはそう判断された。しかし今のあなたの言葉をかりて、職務と責任とにふさわしいところの給料ということになれば、それでもいいでしょう。しからば同じ三重県なら三重県の方面の同じような仕事をやっておる者は、それではどれくらいとっておるか、こういうことですね。これを考えてみますると、あなたのおっしゃることははなはだ影が薄くなってくるんじゃないか。そのために職務と責任にふさわしい給与たるべしという考え方から、国家公務員の等級表を使えということは出てこない。かりに今一つの例を申し上げますと、これは三重県の方面の初任給でありますが、石原産業は特別高いか知りませんが、高校卒におきまして、十八才、一万二千四百円、東海硫安一万六百二十円、日本合成ゴムが一万円、東洋紡績におきましても八千五百円、あるいは東亜紡織におきましては八千五百円、このように給与というのは非常に高いのですよ。高いからどんどんそちらへ今流れていっておるんじゃないですか、地方自治体の職員が……。そしてもう一つは、先回も申し上げましたが、生活保護法の扶助額よりも低いという人が何百人とある。自治労県連で発表した数字によりましても、六千円以下の人が三重県においては四百八十二人もあるということが新聞に報ぜられている。そういう点からいって、非常に低い賃金である。他の民間産業などの給与の実態と非常にかけ離れた立場に置かれておる。再建団体としてあなたたちの方で問題になっておるところを考えてみれば、なおそれ以下に低いのです。そういうときに、あなたの方がさらに低くしなければいけないということはどういうことだろうか、私は不可解千万です。二月二十一日の朝日新聞の記事がありますが、ずいぶんひどいことをいっているのです。どういうことをいっているかといいますと、これは結局は自治体の貧しさ、貧しくさせている国の行政がここでも最後の壁となっている。自治体が貧しい、それを貧しくさせたのは国の行政、その二つがここで最後の壁となっているということを指摘している。だからこの際において適当な初任給を作らなければいけない。適当な定期昇給を実施しなければ、職員に希望を与えることもできなければ、何かしら非常に大きな不信というものがある、その不信というものも除かれないということを朝日新聞が三重県版で言っているわけですが、このような実態から考えたら、平均のアップ額が国家公務員の場合が二千六百八十円、この通し号俸給によっても二千七百円、ほぼ一緒なんだ。だから内容の形、数字が国家公務員の号俸給に相似形でないからといって、そこまでやかましく言われなければならぬというのは理由がないじゃないか、いわれがないじゃないか、こう思いますが、いかがでございますか。
○今枝説明員 私は特定の地方団体についてそれが適当であるかどうかという判断を申し上げるつもりではございませんが、今御指摘になりましたように、給与水準がどの程度高いか低いかということと、給与の制度をどういうふうに作るかということは一応別の問題になるはずでございまして、私が申し上げておりますのは、給与制度は通し号俸でなく、やはり職務と責任に応ずるような等級別の給与制度を樹立することが適当である。こういうことを申し上げたのでございます。給与水準の著しく低いところにつきましては、かねてから自治省が通達を出していろいろと指導をいたしておりますように、これは諸般の情勢を勘案いたしまして逐次改善を加え——必要のあるところは改善を加えなければならないと思いますが、しかしそのことと、通し号俸を作らなければならないということとは全然関係のないことであると思います。そういう意味において、給与制度を作る場合には、国と同じような等級を基礎にした制度を作るべきである、こういう考え方を申し上げておるものでございます。
○太田委員 従って通し号俸を作ることと給与の内容を引き上げることとは別だというお考え方に、あなたの方の考え方と現地の実態との相違があると思うのです。御承知のように、今私が申し上げましたように、このように低い地方の給与実態、それを全然かぶせておいて、そうして国の形の号俸給を使えばよろしいのだ、それで公正な給与が行なわれるのだ。こういう考え方は、あまりにも究明を欠いた議論だと思うのです。もうちょっと実態を考えてもらわなければいけない。ある市——津市におきまして、ある課長さんでありますが、こういうことを言っているのです。用務員を生活保護以下の状態に置くなどということは古い考え方だ、生活を保障してやらなければいい仕事はできない。それからまたこういうことも言っております。国の給与の引き上げ率が一二・四%、津では平均一七%だったが、自治省にしかられて国と同じにした。同じ一二・四%でも、給与のもとが低いから、金額にすれば上がる率は倍も違う。だから国の基準より率を高くしたのだが、しかられてしまったから安くしたのだ、こういうことであります。こんな状態にしておいて、そうして地方の行政水準のアップだとか、一生懸命いい仕事をやりなさいといったところで、私は通らない話だと思うのです。だからこの際、公務員課長がいらっしゃいますから公務員課長の見解でよろしいですが、昨年の十一月の内翰の趣旨も少し行き過ぎていると思うのです。基準によるなどと公務員法には書いてない。条例によりなさいと書いてある。地方の民間産業を給与の基準の参考にしなさいと書いてある。単に責任論において給与を作りなさいなんて書いてない。正直言って条例を作ったものを、あなた方が不当に制肘を加えることは、どう考えてみても地方自治権に対する侵害行為としか見られないわけです。あまりにやかましく厳格に通達を解釈せずに、あの趣旨というものを尊重しつつ地方の実情に沿った給料表を作るということは、私は妥当だと思うのです。あなたも同意見だと思いますが、いかがでありますか。
○今枝説明員 先ほども申し上げましたように、内翰なり通達を出しておりますが、従来給与制度について根本的に改正を行なう際には、きわめて詳細な通達を出しております。たとえば中だるみ是正であるとか、初任給引き上げの是正が三十二年以降二回行なわれましたが、この場合には、それほど基本的な改正でございませんので、通達も簡単に、国家公務賞についてこのような改正が行なわれたからこれに準じて措置せられることを要望するという程度の通達を出しただけであります。今回こういう内翰なり通達を出したいきさつを率直に申し上げますと、今度の給与制度の改正は給料表の構造にかなり変化が生じております。各地方団体とも実は正直に申し上げまして、よるべき基準が非常に発見しにくい、何か国において一つの基準になるような考え方を示してもらいたい、こういう強い要望があったわけでございます。そのことは八月に勧告が出されて以来引き続き、要望がございましたので、研究して参りました結果を、十一月に内翰の形であらかじめお示ししたようないきさつになっておるわけでございます。従いましてこの基本的な考え方は、こういうふうな内翰なり通達なりに示したところを基準として、それぞれの地方団体に応じた給料表を作成すべきであるという、御指摘にありましたようなお考えはわれわれも全く同じでございます。今申し上げたように、国通りにしろと言っても、全部国の八等級の給料表をそのまま採用できるわけではございませんし、都道府県では六等級が基本であり、市町村では一番幅の狭いところでは三等級くらいの給料表を作っておるわけでありますから、またその方が実情にも合うわけでございます。国通りではございません。しかし今議論になっていますのは、そういうふうな問題ではなしに、三等級にしろ五等級にしろ、通し号俸にするのが適当であるか、等級別給料表を作ることが適当かということの問題であります。その一点に関しては、通し号俸ではなしに等級別の給与制度を作ることが公務員の給与制度としては現在の段階においては適当である、こういうふうな判断を持っておるわけでございます。
○太田委員 どうも最後になるとあなたは間違ってくるんですね。独善の押しつけがあるのです。あなたの方の行政指導の立場からいえば、なるべくなら全部同じ方がいいんでしょう。すべて形式的に同一ならば考えがしやすいから。しかし給与の実態というものが地方にはあるのだから、その地方自治団体の現実の姿をよく把握して後の立論でなければ間違いがくるのです。大体憲法九十二条は、地方自治の本旨に基づいてその他の法律でこまかいことは定めるというように、非常に地方自治の本旨というものを強調しておる。その立場からいっても、国家公務員の俸給表を基準として作れなんということを内翰として出すという自治省の方針は、これはどういったって行き過ぎである、違憲の疑いが非常にある。あなたの方も何か魂胆があるんでしょう。私は不幸にしてその魂胆を知らない。もしこれを知ったならば、私はもっとあなたに対して、そんな間違ったことをしたらいけませんよと言えるかもしれないけれども、私はその魂胆を知らない。けれども、自治体に自由というものがなければ、どうして自由というものが国に存在しますか。個人にも自由がある。地方自治体には地方自治体の自由があるはずです。先回も奧野局長にお尋ねをいたしましたけれども、今自治省のすべての方針は地方行政というものを中心としておる。これはまあけっこうです。地方行政については行政という言葉でいいでしょう。けれども地方自治体の地方自治法の自治の限界を侵すおそれがある限りは、中央集権であり、中央独裁政治だ。だから独裁政治にだんだん似通っていく。それはいけないということを私は先回も申し上げましたが、地方自治体に自由がなければ国にも自由はありません。なぜ絶対に通し号俸ではいかぬのですか。適当と思うということではいけませんか。向こうは通し号俸を適当と思った。地方自治体は条例による。これを適当と思って作ったのを、あなたの方は再審議させた。これは私ははなはだ行き過ぎだと思う。何回も申し上げますが、もう一度これに対して公務員課長と奧野財政局長もいらっしゃるから何とかついでに答弁して下さい。何とかこれを解決しなければ、このままあなたの方の便宜主義で押し切るには少し事態が深刻ではございませんか。
○奧野政府委員 私たちは、地方公務員の給与が特に低位に置かれている、そういう人たちにつきまして給与の改善を行なっていくことにつきましては、むしろ積極的に財源措置をして参りたいという気持を強く持っておるのでございます。ただ給与のあり方のいかんによりまして財政負担が特に増高する、また他の地方団体にもいろいろと影響を及ぼしていくというような面につきましては、それぞれの団体にその実情をよく理解してもらいまして、あとう限り是正をしていくように進んでいかなければならぬと思うのであります。もちろん地方自治の干渉にわたることがあってはならないと思います。いわゆる命令と服従の関係、これは排除していかなければならないと思うのでございますけれども、助言と協力の関係は今後ますます強めていくべきものだ、効率的な地方自治を考えていかなければならぬと思っております。財政制度の面におきましても、そういう面において計画的な配慮がなされておると思うのであります。私たちのやっておりますことにつきまして行き過ぎなりがあります点につきましては、いろいろ御指摘をいただきまして十分反省もいたしていきたいと思います。ただ給与の問題につきましては、財政的に大きな問題でございますので、私たちが常に深い関心を持っておる事実であるということは御理解をいただいておきたいと思います。
○太田委員 公務員課長の方にお尋ねします。再建団体の予算に占める人件費の割合、給与費の率、先回お答えがなかったのですが、わかりましたか。
○首藤説明員 人件費の各市町村の再建団体に占める比率でございますが、団体の大きさとかあるいはその経済力あるいは産業構造の状況等によってそれぞれその比率は若干ずつの増減はございますが、大体ただいまの状況では平均的に申し上げますと、都市におきましては当該都市の一般財源の四〇%程度以内、こういったところが平均でございます。町村におきましては大体三○から三五までの間、規模によっていろいろ増減はございますが、その程度が平均となっております。
○太田委員 三重県十二市の場合は何%になっておりますか。
○首藤説明員 三重県の場合もそれぞれ市によって率がございますので、今手元にそれぞれの市の分については持ち合わせていないわけでありますが、大体四〇%から若干その上の都市もございます。
○太田委員 奧野局長、給与の額が多過ぎるのはバランスを失するとおっしゃったのですが、しからば市町村でこの通し号俸を使っておったところの人件費のパーセンテージというものはどれくらいだと思っていらっしゃるか。
○奧野政府委員 委細のことは私承知しておりませんので、調査した上でお答えいたしたいと思います。
○太田委員 しかるがゆえに奧野局長がお出しになりました——非常にあなたは頭がいいので、将来の自治大臣だろうと思うのですが、二月十一日付の通牒は、どう考えても大臣コースに傷がつくような気がするから、これはぜひ一つ、あなたがもう少しかゆいところに手が届く、いわゆる政治というものには思いやりがなくてはならないわけですから、不遇者調整ということは、中だるみということも先ほど公務員課長がおっしゃったと思うのですが、中だるみ是正もありましょうけれども、不遇者調整の措置というものは非常に力を入れなければならないと思うのです。生活扶助以下の人が何千人も何百人もあるような三重県、いかに再建団体であるといいながら気の毒だ。何とかその不遇な人を調整して、給与を調整して上げてあげましょう。ここが政治の要諦であり、そこに初めて地方再建団体に対する指導、助言というものの本筋があると思うのです。だから「国や他の地方団体と比較して著るしく均衡を失するものと思われる。」奧野局長は今この給料表のことについて所見を述べていらっしゃるわけですが、できるだけこういうことに、なるべくならばできる限り何か責任と仕事の壁というものにふさわしいものにするという御指導はあっていいと私は思う。ならば、五等級になっているところを、一等級と二等級のところは通し号俸ではない。二、三、四、五は通し号俸的であるといっても、別にあなたの趣旨に沿わないわけではないのだから、その辺のところは全部国家公務員の何等級にイコールさせろということでなくして、できる限りそこは各地方自治体の実情に応じた給料表を作るように、これはそちらの関係するところの勤労者の職員の意向も聞いて、組合の意向も聞いて、そしてそれを作ることに御指導に相なるべきだと思うのです。こうしろという命令でなくしてね。通し号俸を使っているところはあるのですからね。県なんかではかなりあると聞いているのです。できるならばそういうことに配慮をしてこの文書を読ましていただきたいと思うのですが、そういう配慮というか、そういう考え方はいいでしょうね、局長。
○奧野政府委員 低位に置かれております公務員の給与を、新しい給与制度に切りかえるにあたりまして、少しでもそれを高めていく、国家公務員ベースに持っていくということについては何ら異存はございません。もう一つは、どういう給料表を作るかということでございまして、この給料表も全くしゃくし定木に国家公務員の俸給表と同じでなければならないという、こういう考え方は持っていないわけでございます。しかし、公務員課長からも申し上げましたように、職務と責任に応ずるものでなければならないというような考え方から、今日職階制をとられて参っておるものでございますので、やはり通し号俸じゃございませんで、職種に応ずる号俸を定めるというような考え方で、しゃくし定木に国とイコールにしろという考え方じゃありませんけれども、そういう考え方に立って給料表を作るようにしていただきたい、こういうように存じておる次第でございます。
○太田委員 三重県の自治労県連の気持を相当御理解をいただいたように私は聞きました。できる限り理解をしていただきたいと思うのです。私はそれだけのお答えで満足というわけにいきませんけれども、できる限り今の統一号俸でなければならないということではなくして、給与を引き上げるという点に重点を置いて、不当に低い給料をそのままにしておかない、くぎづけにしておかないという方針ならば、あれはある程度あなたのお言葉はわかると思う。 最後にもう一つ念のために聞いておきたい。これは津の市長さんが言っている言葉です。これは新聞に伝えられている言葉ですからほんとうかどうかわかりませんが、「財政再建計画がいかんといわれたり、起債をストップされたらお手上げです」、だから給与体系のせっかくのきまったものであったけれども、自治省の叱られた通りに変えました。こういうことを言っているのです。だからあなたは今度のこの場合、この通りにしなければ、あなたの方の勧告の通りにしなければ、もう起債はつけてやらないぞ、利子補給はしないぞ、こういうようなことをまさかおっしゃるとは思いませんが、そんな意図がこのうしろにあるということではないでしょうね。局長、いかがですか。
○奧野政府委員 自治省から出しております通達は、しゃくし定木な必ずこうこうだというような式の書き方はしていないと思うのでございます。考え方の基本を示しているのだと、こう御理解いただけると思うのでございます。また自治体といたしましても、そういう考え方をいろいろ言うていきますことによって、もっともだと思うことは私は是正していただけると思うのであります。あくまでも命令的なことでなしに、助言的なことでわれわれは考えていきたいと思います。地方団体も、もとより服従的な気持でなくて協力的な気持で考えていただいていいんじゃないか、こう思っているわけでございます。
○太田委員 従って財政再建計画に不当にけちをつけたり、起債を断わる、認めない、こういうようなことを、これをその通りにしなかったから意趣返しにするという意思はございませんね。意趣返しと言うと言葉が悪いのですけれども、そういう心配を非常に地方団体は持っているのですよ。そういうことはございませんね。念のためにもう一度お答えをいただきたい。
○奧野政府委員 私どもとしては、そう無理なことを申し上げるつもりではないわけでございまして、あくまでも相談ずくで解決をはかっていきたい、こういう考え方でおるわけでございます。またすぐに利子補給の停止とかそういういやらしいことを考えたくないと思っておるわけでございます。お互いに理解し合えば他の地方団体にも迷惑をかけないような方向へ必ずや進んでいけるものだということを確信しているわけでございます。
○濱田委員長 門司亮君。
○門司委員 それではごく簡単に、これは大臣がおいでのときに聞こうと思うのですけれども、自治省の考え方をこの際財政局長からでも一応聞いておきたいと思うのだが、国と地方との税財源の配分が非常におかしくなっています。地方財政の拡充とかあるいは地方の自治体の問題が非常にやかましく言われておるが、財源的に見てくると最近は非常に悪いんだな。たとえば基準年度といっておる戦争前の管理行政のときでも、昭和九年から十一年の平均をとってみると、国税と地方税の割合は、国税の八・五に対する地方税の四・四という数字が出て、五一%が大体地方税になっておる。ところが戦争後はこれがずっと下がってきて、最も悪かった二十四年の財政計画を見ると、国の二三・二に対する地方は五・三という割合を示しておる。このときはパーセンテージで言うならば、国税の二三・七%しか地方税はないのです。これは一番悪いとき。これから順次ずっとよくなりつつあるのだが、昭和三十四年度の決算で見ても、国が一三七に対する地方は六二であって、四五%、さらに三十五年度はまだ決算が出ておりませんからはっきりわからないが、大体予算と現在までの見込額をそのままの数字で表わしてくると、国が一四四で地方が六一、この場合は四三%にしかならない。こういう姿を実はたどってきている。従って憲法で地方の自治体の運営が保障されている今日、国と地方との国民の税負担の関係というものがこういうバランスになって現われてきているということは、私は、この地方の行政あるいは財政の非常に貧弱性を示してきたもので、憲法の趣旨にも合わないと考える。従ってこのバランスを戦前のように国民負担の五一%くらいまで地方税をふやすということに大体気がついているかどうか。自治省は一体気がついているかどうかということです。気がついているとするならば、これをどういうふうにして是正していこうというようにお考えになっているか、一応聞いておきたい。私がこのことを聞きますのは、これは日本の状態が非常に悪いのでございまして、これをたとえば自治制度がやや確立しておると考えられている西欧諸国に比べると非常に大きな開きを持っております。たとえばアメリカの場合を見てみても、昭和九年から十一年のアメリカの税収、地方税、国税を通じて見てみた場合に、合衆国の税収入と地方の各州の合計した税収入と比較してみると、合衆国が七三の場合に、各州の税収は一九九という数字を示している。地方の方が非常に大きいのであります。国の割合よりも何倍か使っている。これはアメリカの特殊性があります。アメリカの国でやる仕事というのは大体主として外交と貿易と軍事だけしかやっておらない。あとはほとんど全部といってもいいほど大部分を地方に委譲しておるから、そういう形が出てきていると思う。たとえばアメリカの昭和三十四年度の決算を見てみると、これは決算でよろしいと思いますが、国は二〇六の場合に地方は二七八、イギリスの三十四年度の決算 は、国が二八六の場合に地方が三二三、西ドイツも同じような三十四年の決算を見てみても、国が二六七の場合に地方は一三一、フランスは三十四年度は私の手元にはありません。三十三年度の決算を見てみると、国が二五一で地方が二八五という数字を示しております。ところが日本では全く逆なんです。この点は私は日本の自治行政の中で非常に大きな問題だと考えておる。ここに国が地方自治体を支配する最大の原因がある。何でもかでも、今も太田君が言っておりましたように、国は地方団体に指揮命令してはならないということを明確に書いておきながら、実際は指揮命令しておる。これは各般にわたって相当その結果が私はそこに現われておると思う。こういう日本の不健全な地方自治体の財源というものをどういうふうに直されるおつもりなのか、その点を一応伺っておきたいと思います。
○奧野政府委員 国と地方の財政関係は、公債政策をとるかとらないか、あるいは軍事費の関係がどういう変化をたどってくるか、要するに仕事の分担がどう変わってくるかというようなことで相当の変化を示すだろうと思うのでございます。ただ地方税の絶対額だけで考えていきますと、国民所得に対しまする割合は、三十六年度ベースで六・二%に当たっているようでございまするので、大体戦前よりも若干上回ったところということになっておるわけでございます。国の方は戦争前後、そのときには現在よりももっとそういう負担が多いわけでございますけれども、戦前、昭和の初めころから考えて参りますと、かなり大きなウエートを占めるようになっておるわけであります。こういう点を門司さんで御指摘になっているのだろう、こう思うのであります。私は国民所得に対する比率で申し上げているわけでございます。ただ経済発展の状況から考えて参りますと、独立を主体にして地方財源を構成するという姿がかなり困難になっていくのじゃないか、こう思うのでございます。そういうところから地方交付税のようなものが地方財源の中で大きな割合を占めるようになって参ったわけでございます。荒っぽく申し上げまして、御承知のように国民総租税負担の七割を国が徴収し、三割を地方団体が徴収しているわけでございますから、使っている姿だけで見ていきますと、地方交付税であるとか、あるいは国庫補助負担金というようなことで、国の予算から地方団体に交付されて参りますが、これを地方団体の支出に合算して計算して参りますと、六二%までは地方の団体の手で使われている。従って国の手で使われるのは三八%くらいになっておるわけでございます。この六二%の分量は戦前に比べますと非常に大きな額になっておるのであります。戦前はたしか四六%くらいではなかったかと思います。四六%くらいに使っておったのが、現在は六二%使っておるわけでございまして、分量的には地方財政のウエートはずっと高くなってきておる。おそらく質的構成について大へん御意見がおありだろうと思いますが、ただいま申し上げますような諸事情がございますので、それだけでもなかなか律しがたいのじゃないか、こういう考え方を持っております。しかし、もとより自治団体でございますので、その財政的な独立性もできるだけ強めて参りますことが、そういう工夫を助長するゆえんでもございますので、そういう方向では将来とも留意をいたして参りたい、かように考えております。
○門司委員 いずれまた大蔵大臣にも来ていただいて、この間の事情をもう少し詳しく実は聞きたいと思っています。だから一応今の財政局長の答弁では、どうもそういうことになっていないのであって、それだから困るというのであって、国から一切がっさいのものをもらっているという建前のところに自主性がないということで、いろいろ教育の問題にしても、何にしても国が金をやって指図する、こういう形を示している。自治省としては、自治省になったのだから、自治省自身がもう少しはっきりしてもらいたい、こういう姿でよろしいかどうかということを。それ以上聞きませんが、今のお話しのようなことでは私は問題にならないと思う。 その次にごく簡単に聞いておきたいと思いますことは、固定資産税の問題で一応聞いておきたいと思いますが、御承知のように固定資産税の評価は三年ごとに一応確定することになっておる。ところが国有財産の方は五年なんですね。そこで民間の固定資産税の関係は三年ごとに地価が上がってくる、あるいはものが上がってくればずっとふえてくる。国の方は五年に一ぺんしかやらないというのが法律にきめられておる。国有財産法にきめられておる。そうだとしますと、そこに出てくるギャップというものが、たとえば当地に対しまする交付金の算定の基礎になりまするというようなものは、どんなにこれを公平に見てやっても、台帳の方が片方では五年たたなければ改まらないのでありますから、民間からとるのは三年ごとに更新していくが、国の方は五年ごとにしか更新しないということになると、ここに私は非常に大きなギャップが出てきていると思う。こういうものについての考え方は一体どうなんですか。
○奧野政府委員 基地交付金の問題は実は税務局の主管でございますけれども、便宜一応私からお答えさせていただきたいと思います。 御承知のようにいろいろな経緯を経まして基地交付金が国の予算に計上されるようになったわけでございます。その額が十億円の絶対額のままで据え置かれているわけであります。地価の上昇等を考慮すれば、これをもっとふやすべきではないかという御意見ごもっともなことだと思います。別途大蔵省の方では相当返還になっている部分も出てきているのだから、対象関係が減っているのじゃないか、こういうことが要するに増額しない説明としてそういうことも言っているわけでございます。自治省といたしましては基地関係のいろいろな財政事情を考えていきますと、できる限り増額もいたしたいのでございますけれども、そういう問題もございまして三十六年度も十億円に据え置かれることになっているわけでございます。ただ五年据え置きましょうと、地方団体間ではこの価格を十億円を配分する基礎に使っていることだけでございますので、そういう意味ではそれほど問題ではない。全体の傾向を見てこの十億円を増額しなければならない、そういう意味では非常に重要な問題だ、かように考えておるわけでございます。
○門司委員 今半分はそれでいいかもしれませんが、半分は質問に答えないのだな。私は五年ごとの更新と三年ごとの地方の更新と食い違っておるのだが、これでよろしいかということなんです。ことに農林省は二十九年に改正したきりまだ改正していないのだな。そうすると農林省は当然改正すべき年度がきておっても、まだ改正しておらない。要するに林野庁はやっておらないのだな。二十九年から今日までずっとやりっぱなしである。そうすると、地方財政に関しても、ことに町村が一つの財源として考えておるのは、こういう国有林野に対する交付金のようなものについても、多少自治体の一つの財源になっていることは間違いない。これが依然として土地台帳でやられておるということになると、あるいは農林省の台帳面だけで換算されるということになると、時価と非常に離れてくる。ことに二十九年から今日までばかばかしい大きな開きを持っておることはだれでも気がつく。こういうところにもやはり地方財政の貧困性の中から国がもう少し責任を持ってやれば私はやれると思う。そういうことについてどうして気がつかなかったかということです。これは明らかに国の怠慢なんです。これは会計検査院も黙っているのですからどうかしている。二十九年に改正されたまま、農林省に聞いてもやりませんと言っているのだ。その他のものについては三十一年に改正しておるからことしが改正の年度になる。こういう点も、やはり地方財政をほんとうにめんどうを見ていこうとすれば、国の責任においてまだ地方の財源のふえる余地があると私は思うのです。そういう点についての考え方をもう一度聞かしておいていただきたい。すぐこういうものを改正していくかどうかということ、自治省は働きかけるかどうかということです。
○奧野政府委員 国有資産の評価の問題は、特に国有資産所在市町村交付金、これに影響してくるのだと思うのでございます。基地交付金の方は、今申し上げましたように、総体的な額をきめる基礎として重要な問題だと考えます。国有資産所在市町村の方は右へならえをしたようなものでございますので、評価が改められぬと、それだけ確保できる地方財源が確保できない、こういうことになってしまうと思います。国有資産の評価につきましては御指摘のような問題もあるわけでございまして、自治省としては、国有林野の評価その他につきまして一段と適正化してもらいたいという希望は言うて参ってきているわけでございますけれども、なかなか希望通りには参っていないようでございます。今後一そう努力をしていかなければならない問題点だろう、かように考えております。
○門司委員 これは努力をするというよりも、大体法律違反です。五年ごとにやれという法律があって、二十九年から今日までやりっぱなしでおくということになっておる。ことに貧弱な市町村財政にとっては非常に大きな問題だ。だから、国の方も少し気をつけてもらいたいと思う。いずれこれは大蔵省に来てもらって、大蔵大臣に強く話をしたり、あるいは農林省においでを願って実態をよく究明する必要があろうかと私は思う。そういうことが非常に問題になるということです。 それからもう一つ二つ聞いておきたいと思いますことは、地方の自治体の最近の財政上の格差がだんだん開きつつあるという実態について、一体どうするかということが非常に大きな問題になろうかと思います。町村合併ができて大体地方の行政規模というものは、いいとは言えませんが平均化しつつある。そうだといたしますと、その次にくるのは都市と農村との財政の不均衡をどう是正するかということが当然問題にならなくてはならない。その場合に、今までとられております処置というものはほとんど何もとられておらない。しかし、私が先ほど来申し上げましたようなことは、いずれも都市でなくて町村の問題でもあるのであります。財政の不均衡をどう是正するかということがほとんど考えられておらない。それで問題になりますのは、たとえば税外収入あるいは税外の収益等にいたしましても、地方差というのはだんだん開いておる。競馬とか競輪とかいうようなものがありますが、これらのものもほとんど特定されたところに限られております。これは非常に範囲を広げて、そうして許可あるいは施行団体をきめる場合も幅は広げましたが、一定の地域に限られてしまっておるのであって、何といっても一般の財政援助にはならない。しかし、これがあるからといって、交付税その他についての手かげんは多少はしていると思いますが、実質上の問題としては格差がだんだん広がってきている。そのほか娯楽施設等にいたしましても、大体財政上の格差の一つの大きな原因になっておる。最近の状態を見ても、地方の町村と割合に繁栄している都市との格差というのは非常に大きい。ことに固定資産税については私は格段の差が出てくると思う。ばかばかしい土地の値上がりをしているところと、依然としてたんぼであり、畑であり、山であるところの固定資産税の税収入の格差というものは非常に大きなものだと思う。こういうものは、交付税とかなんとかいうようなものと離れて、実際の自治体の財政規模というものが非常に大きな差を生じてくるであろうということは、これはもうわかり切ったことなんです。従ってこの差をどう縮めるかということです。この差をどう縮めるかについて、政府のものの考え方は、傾斜的のものの考え方をしていこう、いわゆる地方の自治体間においてコントロールをしていこうという考え方があるようにどう考えても見受けられる。ときどきそういうものが出ておる。現実にこういう格差がだんだん強くなってくるものを自治省は一体どういうふうに縮めていこうとしておるのか、この点をもう一応この際聞かしていただきたいと思う。
○奧野政府委員 これは私が申し上げるまでもなく門司さんよく御承知のように、地方団体間においても格差がかなりあるわけでございまして、国民所得全体は伸びておりましても、業種間の格差というものはかなり大きいものがあるようでございます。そういうことで、農業構造の改革というような問題も取り上げられて参ってきたと思いまするけれども、基本的には住民所得が増大してくるというような政策がとられなければ、農村と都市との間で格差が開いてくるという問題は解決されないのじゃないだろうか、こう思っておるわけであります。そういう意味での政策がいろいろとられておる中に、自治省におきましても、基幹都市なり、あるいは開発予定地帯の開発の問題なり、いろいろなことが取り上げられておるわけであります。住民所得のないところで独立収入を増やそうとしましても不可能なことでありまして、いたずらに苛斂誅求になるばかりでございます。そこで、そういう団体につきましては、基準財政需要額の増額をはかることによって地方交付税を傾斜的に流すような方法をとりたい、こう思っておるのであります。両々相待ちまして、格差を締めるといいますか、あるいは底辺におります地域の発展をはかっていくと申しましょうか、そういう努力をしていくべきものだ、かように考えておるのであります。
○門司委員 前段の抽象的な答弁では、いつのことか、今の間に合わぬ。どんなに政府があわててやっても、地方の公共団体間の財政が均衡するような工場配分というものはできはしません。ことに資本主義の社会の中でそんなことを言ったってとうていできない相談です。これは一応政府はそんなことを考えて、工場の配置について考えておるようですし、また農業基本法の中にもそんなことを書いておるようです。しかしこれは書いてあるだけであってどうにもならぬ。だから問題は、今のような交付税の算定の基準を上げていってというような限られた交付税のワクの中で操作するということではならないと私は思う。これは自然現象からくると同時に、日本の経済発展そのものからくる問題であって、従ってこの格差を縮めていって、そうして地方の自治体の行政水準を上げていこうという考え方があるならば、当然出てくる問題は、固定資産税はどんなに伸びても、伸びたからそれでよろしいという筋合いじゃございませんので、都市が発展すればするほど道路の問題もありますし、学校の問題もありますし、消費の面がだんだんふえるわけです。従って、地方の財政というものは、かりに財政だけを見ればふえるような形を示しますが、その反面に公共施設の改善というものをどうしてもやっていかなければならぬ。そうすると、税収がふえたからといって地方の財政が豊かになったとは言えないのであります。この点は特に自治省は気をつけてもらいたいと思う。これはいずれ大蔵省に来てもらって聞かなければなりませんが、大蔵省のものの考え方は、税収がふえれば何でも豊かになるように考えておるが、必ずしもそうではないのです。自治省はその点に気がついていると思う。気がついているとすれば、次に出てくるものは、何といってもそれらの国の経済発展に伴う財政の伸びというものをどう配分するかということであります。そうするには、結局国民所得が都会においてずっと伸びてくる、あるいは法人の所得も伸びてくるということになれば、勢い考えられるものは、やはり交付税の増額ということがどうしても考えられてこなければならない。ところが、これが今度の予算を見てみましてもやはり依然として二八・五という数字にとめ置かれておる。私はこういうことではいけないと思う。ことに私が自治省でお考えを願いたいのは、地方の自治体のあらゆる施設の中で急速に行なわれなければならぬものがたくさん出てきている。道路の問題についてもこのままでよろしいか、学校の問題についてもこのままでよろしいかということです。国の五カ年整備計画は実はありますけれども、これはただ国の五カ年整備計画であって、これに伴う地方自治体が管理をする道路を直していかなければ実体は整わない。そうすると、財源の伸びというものは大体そういうことに全部使われてしまう。となると、国の施策で、地方自治体間の財政格差はやはり国が責任を持ってこれを埋めていくという態度をこの際とるべきではないか。そうするには、今申し上げますようなことが当然私は考えられると思いますけれども、交付税についても、一つどういうお考えなのか、その点をもう一度お伺いしたい。
○奧野政府委員 お話しのように、格差是正といいますか、そういうようなことを考えていきます場合には、地方交付税といったようなものを多く持つ必要があろうかと思います。ただ地方交付税制度のもとにおきましては、地方税が伸びていきます場合には、伸びた団体の地方交付税はそれだけ減額してもよろしいというような問題がありますので、地方税が相当伸びた場合には、地方交付税がそれほどなくてもよろしいということも言えるのではなかろうかと思うのであります。幸いにして、地方交付税も九百七億円だけ前年度よりよけい配分していけるというような姿になっていますので、三十六年度に関します限りは、それで相当な改善ができる、こういうふうに考えております。将来に関する問題につきましては、なお一そう留意して参りたいと思っております。
○門司委員 奧野君も何かお忙しいようですから、大臣にもう一ぺん聞きますが、自治省の考え方はおかしいのです。三十七年度に当然使うべき金を三十六年度に二百七億使っておる。そういうせつな主義で一体地方財政が確保できるかということです。三十七年度に使うべきものでしょう。三十五年度の補正予算でとった財源のうち、ベース・アップで幾らかさいて残りが二百七億ある。その二百七億をそのままで置けば三十七年度の財源になるものを、三十六年度に使ってしまっておる。毎年これを繰り返している。ことしも当然今の五十七億か八億の三十四年度分の増額でなくして、もっとあるはずだということです。これは前借りというか、前貸しというか、前食いというか、全部使い果たしていって、そうしてやり繰りしているこの自治省の姿というものは実に気に入らない。一体何をしているかということです。当然財政法上三十七年度に使うものを三十六年度に使って、せつな的にこれを補っていっているということ、こういう財政の立て方で、健全な地方財政と言えるかどうか。自治省自身の考え方がおかしいと思う。なぜ国に要るべきものを要求しないのか。三十七年度に使うなら三十七年度に取っておけばいいのだ。また三十七年度に使ってしまえば、三十八年度の財政というものが非常に危機になってくる。こんなことを繰り返していれば、いつになっても地方財政の健全化ははかれない。これだけ国からいじめられるという言葉を使えばどうか知りませんが、当然の要求ができないで、自分の持っておる財政をタコの足みたいに自分で食っていくという地方財政の立て方については、私は自治省の考え方はどうかしておると思うのですよ。なぜ一体そういう方法をとるかということです。地方の政治だって国の政治でしょう。地方自治体も日本の国の外にあるわけじゃない。国の施策を完全に行なうために地方の財政が必要であるということは一面言えるのであります。ことに、日本の今日の国と地方の仕事の関係から見れば、地方に財源をあてがわなければ満足なものができないということはわかり切っておる。ことしの財政計画を見てごらんなさい。こういうことが平気で行なわれておる。自治省の考え方もこれ以上責めません。奧野君も忙しいようだから、いずれまた大蔵大臣に来てもらってよく話さなければならぬだろうが、こういう地方財政の立て方であってはならぬと思う。きょうはこの程度でおきまして、あともう一つ考えておいてもらいたいことは、都市計画と住宅公団との関係、建設省の関係であります。住宅公団は勝手に家を建てる、建設省は勝手に家を建てる、しかし都市計画とほんとうにマッチしておらない。道路の問題、学校の問題、すべてがきわめて不均衡で不便を住民にかけておる。こういう問題についてもこの次の委員会までに考えてもらえませんか。きょうは一応この程度にしておきましょう。 なお、委員長にお願いしておきたいことは、今申し上げましたように、自治省だけにお話し申し上げてもなかなか問題が片づきませんので、いずれ大蔵省なりあるいは文部省なり建設省、農林省という各担当省においでを願いまして、そしてもう少し地方行財政のあり方というものをただしたいと考えておりますので、その点を一つ委員長に御配慮願いたいと思います。
○濱田委員長 ただいまの門司委員からの御発言は十分了承いたしました。善処いたします。 次会は明三日開会することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十六分散会