地方行政委員会 第8号
- 発言数
- 86 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/02/28
会議録
○濱田委員長 これより会議を開きます。 地方財政に関する件につきまして調査を進めます。昭和三十六年度地方財政計画についてこれより質疑に入ります。質疑の通告があります。順次これを許します。山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 地方財政計画の問題に関しまして、最初に総括的な問題について数点お尋ねをいたしまして、そのあと具体的な問題について若干質問を行ないたいと思います。 地方財政計画が二月の二十四日国会に提出をせられまして、われわれその報告を受けたわけでございますが、われわれの感じといたしまして、いかにもこの地方財政計画を提出される時期がおそきに失するのではないか、かような感を持たざるを得ないのであります。地方財政計画の提出の時期等の問題につきましては、過ぐる地方行政委員会でも問題になりましたし、また過日行なわれました予算委員会におきましてもわが党の川村委員等からいろいろと御指摘があったわけでございますけれども、考えてみますと、現在地方自治体におきましては、それぞれ予算を審議する議会が開始をされ、また開始をされようとしておるわけでございます。大体都道府県におきましては、十二月から一月にかけまして予算の編成が行なわれ、二月の下句から三月の上旬にかけまして定例会が持たれるわけであります。市町村におきましても、これよりややおくれますけれども現在すでに予算の編成が終わり、近く予算議会も開始されようといたしておるわけでございます。こうした場合に自治省設置法あるいは地方交付税法の七条等によりまして、自治省が地方自治団体の歳入歳出に対する一応の目安を作ることになっておるわけでございまするが、これが非常におくれるといたしまするならば、結局地方自治団体が昭和三十六年度の独自の計画に基づきまして、そしてまた現在の地方自治法等に規定されておりまする地方自治団体固有の事務に基づきまして、仕事を遂行するための予算を編成しようとする。この場合、現実には地方自治体は自主財源が乏しいわけでありまして、国に財源を期待する面が非常に多いわけでございますが、この場合、その見積もりは昨年十二月自治庁が出しました内翰がございますね。この三十六年度の予算について自治省として地方自治団体に対して示しておるところの内翰を見ますと、きわめて抽象的な文章が羅列されておるだけでありまして、地方自治体としては具体的にどの程度、国からの交付税交付金あるいは国庫補助金あるいは起債、こういうものに期待し得るのか、またどういう形で地方財政の計画を組まれるのか、こういう点は不明のままに昭和三十六年度の予算編成をしなければならぬ。こういう事態に相なろうかと思う。こういうことを考えました場合に、従来でもおそきに失した地方財政計画が、本年度はさらに遊興飲食税その他の問題で非常におくれた。こうなりますると、地方自治体の予算を編成するにあたっての障害、これは非常に大きいと申さなければなりません。こういう点を考えまして、自治省といたしましては、一体地方財政計画はいつごろ提出するのが適当であるとお考えになりますか。本年度は遊興飲食税その他の問題でいろいろ障害があったと承っておるのでありまするが、通常の年度においてはいつごろ地方財政計画を提出することが、自治省設置法ないしは交付税法に定められた自治省の任務として適切であるとお考えでありまするか、この点をまず大臣からお答えいただきたいと思います。
○安井国務大臣 今年度は地方財政計画がおくれまして、予算の御審議にいろいろと御迷惑をかけました点につきましては、まことに申しわけなく思っております。と申しますのは、前回も説明申し上げましたように、地方税法の方で少し決定がおくれたものでありますから、それに従っておくれたわけでございますが、それにいたしましても、例年でありますと大体二月中旬前後に御提出をして御審議を願っておるというのが例であったかと思います。それに比べまして約一週間くらいおくれたわけでございます。これはそういう理由でございまして、地方税法がきまり次第大至急に御提案をいたしまして、御審議を願いたいと思う次第でございます。 なお、一般に地方の自治体につきまして、来年度の財政計画なり予算の見積もりを作るのに自治省はどういう手を尽くしておるか。こういう点につきましては、昨年大綱的なお話を申し上げましたのと、さらに本年になりまして一月二十七日に全国の都道府県の総務部長を招集いたしまして、総務部長に対しまして、来年度の大方の予算原案のきまったことをもとにいたしまして説明をいたしております。この際には各省の官房長も出席いたしまして、それぞれの所管省についての実態についても十分な説明をいたして、地方団体がいろんな構想を立てます上の実際上の便宜ははかって参ったわけであります。 そこで最後にお問いになっておりまする、いつごろ地方財政計画は出すべきものと考えておるかという問題でございます。それはなかなかむずかしいと存じますが、私どもは、やはり理想から申しますと、国の予算を編成いたします際に常に地方の実態を考えながら国の予算は編成されるべきものでもるというふうに考えておりますが、実際上の手続といたしましては、国のいろんな計画がきまりませんと——地方の財政計画を数字的に確定いたしますには、国の予算が前提になろうと思いますので、それが一応できましてから、なるべく早い機会にこれは提出すべきものであるというふうに考えておる次第でございます。
○山口(鶴)委員 重ねてお尋ねいたしますが、現在の自治省の設置法、それから地方交付税法によりますと、地方財政計画は国会に報告しなければならぬ。国会の審議事項にはなっておらないわけでございます。しかし現実には、国家予算の中における地方交付税の総額なり、あるいは各省のそれぞれの補助金なりという形で、個々の場合におきましては当然国会の審議の対象になるわけでございますが、問題は国がいろいろな施策を決定いたしましても、これを実施するのは、国が直接行なうという部面は非常に少ないわけであります。大臣御承知でありまするように、国、地方を通ずる税収入の七割がいわゆる自治体の支出である。従って国全体の施策を現実に実施いたしていくのはむしろ地方自治団体であるということがいえると思うのでありますが、そうした場合に、実際にことしのように財政計画の提出がおくれますると、現実には、国会においてはすでに予算を審議をいたしておるわけであります。そうして二十四日といえば、予算委員会も、もうそろそろおしまいに近づいて、近く分科会に入ろうという時期であります。そういたしますと、地方財政計画自体は、法律によって国会で審議をする事項ではございませんけれども、しかし現実には、この国の予算として審議をいたしておりまするものの実施は地方自治体がその任に当たるということを考えていきますと、国会の予算の審議が終了に近づいた時期においてこの地方財政計画が出てくるということは非常に割り切れない気持がいたすわけであります。大臣のお答えでありますと、例年二月中旬に出してきたがことし若干おくれたというお話でありますが、一つには、地方自治体に対するところのいわゆる国の計画を早目に知らせて予算編成の便に資するということと同時に、国会の審議のかね合いの点からいきましても、通常の年度におきましてはもっと早く財政計画を出すことが必要ではないかというふうに考えますが、特に後段の国会の審議とのかね合いの点からいきまして、一体どのくらいの時期に出すことが適切であるとお考えになりますか、重ねて一つお答え願いたいと思います。
○安井国務大臣 私どもできれば同時に出せれば一番よろしいと考えるのでございますが、これは物理的に今の会計年度の判り振りであります限り、ちょっとこれは不可能であろうと思います。そうしますと、国の予算ができまして、それからなるべく早く作りまして御提出をすることがいいのだと思いまして、今、何日というふうにはっきりとした御返事は申し上げられませんが、少なくとも中旬までには出さなければなるまいというふうに考えております。
○山口(鶴)委員 国の予算がきまりますと、その交付税の額がきまりますね。国庫補助金の額もきまるわけです。そうすれば、次に減税等の問題があれば、大体税制調査会においても、国税、地方税を一緒にいたしまして減税の方針を出すわけでありますから、国の税制改正の大綱がきまれば地方税についても大体それはきまる。国の予算がきまれば地方財政計画を律するところの重要な要素はきまると思う。ところが従来の例を見ますと、やれ財源調整の面であるとか、あるいはこれに関連する問題であるとかいって、結局自治省と大蔵省の間にいろいろなやりとりがある。そういうような格好で従来おくれたということが例年非常に多かったのではないかと承知いたしているわけであります。何はともあれ、かつての自治庁が自治省になったわけでございますから、従来とは違って、その地方財政計画を律するところの基本的な要素がきまれば、あと若干整理に要する物理的な期間は当然あり得ると思いますが、大臣が言ったように、同じ時期ないしはそれに近い時期に財政計画を出すということは、現在の自治庁から変わった自治省という制度のもとにおいてはし得ると思うのですが、この点はどうですか。
○安井国務大臣 格別問題がございませんでしたら、今お話しの通り、一週間なり十日くらいでやることが普通であろうかと存じますが、やはり予算の原案がきまりましても、いろいろな具体的な折衝には若干の時間をとるのが一応通例であろうと思いますので、やはり二月の初旬から中旬にかけてというふうに事実上の問題はなるのではなかろうかというように考えております。
○山口(鶴)委員 この点は、できる限り通常年度において早く提出をしていく、こういう点で一つ御努力をいただくことをお願いいたします。 次に、この財政計画の内容に関する問題でありますが、この財政計画を提案されるにあたりまして、自治大臣の方から大要に対する説明がございました。これを拝見いたしますと、まず「国の財政と同一の基調により地方財政基盤の充実をはかり、その健全化を一そう推進する方針のもとに」云々と書いてございますが、何かこの字句を見ますと、結局国が減税、社会保障、公共投資——現実には減税も社会保障も大へんやせまして公共投資が重要施策になっているようでありますが、それはともあれ、国の重要施策がきまった、それに従って国と同一の基調によって財政計画を立てる、こういうようなふうに読み取れるのでございます。確かに国と地方とは同じ日本国の行政を律していきまする機関でありますから、国と地方との方針が相異なるということはこれは遺憾なこととは思いますけれども、何かこの文章を見ますと、地方自治体固有の仕事ということよりか、むしろ毎年々々行なわれる政府の重要施策、これは毎年変わるわけでありますが、そういった毎年変わってくる国の重要施策に右へならえして地方財政の計画を策定をしていくのだ、こういうふうに読み取れるのでございます。少なくとも地方自治体は国の下請機関ではございませんし、憲法あるいは地方自治法の規定によりましても、地方自治の本旨というものはこれは尊重しなければなりません。こうなりますと、やはり地方財政計画の策定にあたりましては、国のその重要施策も影響する場面があることはもちろんでありまするが、財政計画を立案するにあたっては、やはり現在の地方自治体の固有の事務、この事務を十分に達成をさせる、こういうことをまず一番の柱においてこの財政計画を策定すべきではないか、かように思うのでありますが、この財政計画策定に対する基本的な考え方は一体どちらに置いておられるのですか、この点をまずお伺いいたしたいと思います。
○安井国務大臣 おっしゃる通りに、地方自治体というものは独立した一つの自治体でございまするから、その限りにおいて独自のいろいろな財政、行政の計画を立てるということは一面非常に必要なことではございますが、同時に、今日国の仕事といわれておりますものが、先ほども御指摘のように大部分が地方の自治体に委任せられて行なわれる。あるいは地方自治体の補助金のような形で行なわれるというふうな実体になっておりますために、これが事実上の問題として国の政策と基調を離れた立場で地方財政計画を立てるということは不可能であろうと思う次第であります。この地方財政法の第二条にも、そういった点が法律でも国の基調を離れちゃいかぬというふうにもきめておるような次第もありまして、その意味におきましては、大きな方向としては国の方針と基調を同じくするということはやむを得ないと申しますか、当然のことであろうと存ずるのであります。しかし同時に、地方自治体の自主性を尊重するという立場から、常に自治体側の立場に立った財政計画なり行政運営をあわせて考えていくべきものだと心得ております。
○山口(鶴)委員 やはり地方自治体の固有の事務というものを尊重いたしまして、これに合わせて国の施策を考えて立案をしていくという考え方はよくわかりました。 そこでお尋ねをいたすのでありますが、大体地方におりますると、何か自治省が立てまする地方財政計画というものは架空のようなふうに受け取られる面が非常に多いのであります。地方財政計画の組み方を拝見をいたしてみますと、三十五年度に立案する場合は、三十四年度までの地方財政計画の一応の規模を、既定規模を抑えて、その上に規模の是正というものを積み上げて年々そういう形をとっておるわけであります。三十六年度におきましても、三十五年度の規模というものを押え、この上に重要施策なりあるいは今まで規模があまりにも不当であったものについて若干の規模の是正なりという形で編成をいたしておるようでございますが、大体もとが地方財政は、特に昭和二十六、二十七、二十八年ころは地方の実態と計画とが非常に狂っておったわけですね。漸次是正はしていったものの、もとがそういうものの上につぎはぎをしていくというような格好でありまするから、何か実情に即さぬような感じを地方においてはする部面が非常に多いと思うのであります。そこで私はお伺いいたすのでありますが、そういった今までの既定規模の上に積み重ねていくという方式は、ある程度の時期を置いたらこれは変えるべきじゃないか。そうして先ほど大臣がお答えになったように、地方自治体の固有事務というものはこういうものがある、それを現実に律していく上にはこれだけの経費がかかっている。これは三十三年度の決算、三十四年度の決算は自治省ではっきりいたしておるわけでありますから、そういう決算の上に立って、しかも自治法で定められた事務配分の上に立って、これだけの経費は基本的に要るのだ、こういう形で新しく今までの既定規模というものにとらわれずに通勤な、毎年々々というわけにはいかぬと思いますが、一定の時期がきた場合におきましては、そういう観点から新たに財政計画を作る。こういうお考え方があってしかるべきではないかと思いますが、この点についてはいかがでございますか。
○安井国務大臣 作ります技術的な面につきましては事務当局からも御説明いたしたいと思いますが、お説のような御意向は十分反映いたしまして、前年度の実績並びにこれからの実態、それに収入の状況というものをかみ合わせまして、でき得る限りより合理的なものに作っておるつもりでございますが、何分今の三千数百個にわたる自治体でございますので、これに対しまして必ずしもそれが一つ一つぴたっといっていないというような感じも受ける場合もあるいはあろうかと思いますが、これにつきましては、今のような御注意の点については重々今後も気をつけて実態に合わすべく、そうしてできるだけ自治体の自主性を尊重しながら組んでいきたい、こう思っております。
○奥野政府委員 お話しのように、都道府県、市町村の行財政がどうあるべきであるかというような一つの理想を持って財政計画を立てていく心がまえは必要だと思うのであります。しかし現実の地方の行財政が前年度から新年度に向かってどういう変化を生じてくるか、その変化をとらえまして財源措置をしていく、これが現在の御指摘の地方財政計画だろうと思うのであります。しかし、それじゃあまりにも現実を無視し過ぎているという問題が出てくるわけでございまして、当初の出発は、やはり現実の地方財政の姿からこういう計画を立ててきているわけでございます。しばしばかなり離れているものがございますので、適当な時期をとらえては、その辺の問題を部分的、部分的に解決はいたして参っておるわけでございますから、今回も単独事業費の規模の是正などはかなり思い切って取り上げておるつもりでございます。
○山口(鶴)委員 確かに昭和三十六年度におきましては、単独事業におきまして四百四十八億円の決算による是正なり、また指定統計による教職員なり職員の是正なり、それからあるいは議員の報酬等が実態に合わぬというようなことで是正をするとか、いろいろな形で五百億に上る既定規模の是正ということを織り込んでおるということは私どももよく承知をいたしております。ところが現実には、たとえは昭和三十三年度の財政計画とその決算とを拝見いたしますと一千九百億円からの差が出ているわけですね。三十五年度におきましても二千億近い差が出るのじゃないかというふうにお伺いをいたしておるわけでございますが、もちろん基準財政収入のとり方におきまして、いろいろな八割なり七割なりという操作があります点はよく承知いたしておりますから、どんぴしゃと合うことはもちろん不可能でありまするけれども、現実には、しかし自治省の方では毎年々々規模の是正というものをおやりになる以上、相当やはり実情に合わぬ部面があるということは御承知になっておられると思う。聞くところによりますと、自治省としましては五百億にとどまらず、もっとより多くの規模是正をやりたかったというような希望で、大蔵との折衝をされた。しかし現実には五百億程度の是正にとどまったというようなお話を聞いておるのでありますが、自治省としては、当初三十六年度におきましてはどの程度の規模の是正を考え、どういう形で折衝され、どういう結果になりましたのか、お伺いをいたしたいと思います。
○奥野政府委員 決算と財政計画との間に食い違いがあるという点でございますが、これは当初から数字の上には相当の隔たりがあることを予想して作成をいたしておるわけでございます。あくまでも地方財政計画は標準的な行政経費を見込んでいく。さらに言いかえれば、あるべき姿を描いていくということでございます。従いまして、地方税収入におきましても、標準税率による収入額しか見込んでおりませんで、このほかに超過課税等百七十億円前後の地方税収入が三十六年度においても当然予想されておるわけでございます。歳出におきましても同じような考え方をとっておるわけでございまして、たとえば国庫補助負担金を伴う経費につきましては、その国庫補助負担金が二分の一なり三分の二なりの割合で交付される建前でありますものにつきましては、残りの部分しか地方団体は財源を出さない。こういうことで、国の予算がよろしいという建前で地方財政計画を立てておるわけでございます。その結果、よろしいと思われるものが、その通りいかない面も出てくるわけでございまして、具体的に申し上げますと、私たちは小学校や中学校の新増築についても、国の予算を基礎にしてはじかれたもので建つという建前で財政計画を作ってきたわけでございます。しかし、現実にはその単価では足りない、あるいは工賃も相当大幅に変えなければならない、そういう部分が抜けているじゃないかということが今回の是正になってきているわけでございます。特別な事由のあるものはよろしいわけでございますけれども、そういうことのない面については、なるべく決算と財政計画との数字が合っていた方が一般にはわかりやすいのじゃないか、こういう考え方があるものですから、できれば雑収入が地方財政計画で考えられているものよりももっと多い。またそれを見合いにする地方団体の仕事も自然またずっと多いわけでございます。たとえば電源開発を電力会社が行なう、その場合に道路を建設していかなければならない。こういう費用は電力会社が出すわけですけれども、仕事は府県がやっていくわけであります。そうしますと、そういう意味の雑収入が多くて、道路費もまた多いわけであります。こういうものは財政計画からははずしておるわけであります。しかし、そういうものも現実に相当行なわれているなら、財政計画に取り入れておいた方が決算との開きがその部分だけでも縮まるわけだから、一般の人に地方財政計画は何か架空のものだというふうな誤解を与えている向きもあるものですから、その誤解が解けるのじゃないか、こういう感じを持っておったわけです。今回、そういうことも思い切ってやろうと思っておったわけでありますけれども、そういう面についての話し合いを十分に遂げることができなかったわけでございます。ただ一般財源を予定しなければならない面における規模の是正、これはまあ大体において行なえたと思うのであります。完全だとは思っておりません。なお将来とも研究を重ねながら地方財政計画の規模の是正は実施していきたいと思っておるのですけれども、大筋の私たちの考え方はこれでいいのだ。今申し上げた面については、ついにそういうことを断念せざるを得なくなってきているということでございます。
○山口(鶴)委員 少し具体的な点でお尋ねしたいのですが、一般財源で見るべきものとしましては、できるだけその差を縮めるように努力を重ねてきたというお話であります。三十五年度の財政計画では、市町村の教育費を適正化するための措置としまして、百七十億でございますかを組み、そのうちたしか八十億円は減債基金等に予定されて、九十億円のうち六十四億でしたか、これをPTA等の不当なる公費の負担の解消に充てる、あるいはその若干を土木、消防等の寄付金等の解消に充てるというような措置がされたと思うのですけれども、本年度は別にそういう項目はありませんが、既定規模でありますから、同じ精神で九十億については、昭和三十六年度の財政計画の中にもPTAの寄付金等の解消に充てるものが昨年度同様含まれておるということであろうと思うのでありますが、三十三年度の自治庁の調査では、たしか二百三十五億ですか、あの「国の予算」という大蔵省の関係団体が発行しておる書類等を見ましたら、二百三十五億程度、たしか当時自治庁では、小、中学校について当然公費で見込むべき経費がPTAの寄付金によってまかなわれておるという実態の上に立って、そのうち若干であるけれども、六十四億を財政計画に組み込んであるということを承知をいたしておるのでありまするが、昭和三十六年度におきましては、これに対して前進をいたすための措置というものはされておりません。現実にその六十四億で、三十五年度においてどの程度具体的なPTAの負担の軽減なりあるいはその他の土木、消防等の寄付金が減っていったのか、具体的にある程度御調査をされましたか。そしてまた現実に当時二百三十五億という小中学校にだけ限定をしても、このPTAが、公費で当然負担すべきものを負担しておるということは、自治省ですでに承知をいたしておるわけでありますから、これに対しましては、本年度としては一体どうしようとお考えになったのですか。この点はとうですか。
○奥野政府委員 税外負担の解消ということは、非常に重要な問題だと考えるものですから、三十五年度の地方財政計画を立てるにあたりまして、重要な項目として取り上げたわけでございます。御指摘の通り、少なくとも九十億円は解消したい、こう考えたわけでございまして、それに相当するものは、たとえば消防後援会というものがポンプを買っておる、そしてそのポンプを市町村に寄付しておったり、あるいはまた学校給食人が、PTAの負担のもとにおいて、市町村の職員ではなしに、PTAの関係の人として奉仕しておったというような部分が、現実に市町村の予算から購入され、支出され、歳出に計上になっていくだろう。こういうような考え方のもとに地方財政計画を立てたわけでございます。従いまして当然九十億円はこの財政計画の現在の規模に入っておるわけでございますので、将来ともそれだけのものは公費で支出されていくということになっておるわけでございます。三十六年度において、さらにそういう問題の解消に一歩前進させなかったのはどういうことかという気持でお尋ねいただいておるようでございますけれども、そういう点につきましては、先ほど御意見のございました規模の是正をはかりながら、地方財源の充実を期していきたいということに重点を置こうといたしましたことと、もう一つは、ただ財政計画に乗って、あるいは基準財政予算にその財源を算入していくだけでは十分でない。そこで地方財政法を改正して、負担転嫁の禁止規定を置いたわけでございますが、その禁止規定は三十六年度から適用することと、こういたしたわけでございます。従いまして三十六年度どういう姿になるだろうかということを見守っていきたい。その様子を見ながら、場合によってはまた違った打つべき手を考えていかなければならぬだろうと思うのでありまして、そういうわけで、三十六年度は、問題を承知しながら、あえて従来の措置以上には前進をさせていなかったわけでございます。三十三年度に税外負担の模様をしさいに調査をいたしたわけでございますけれども、毎年々々調査をするということになりますと、市町村に非常に大きな手数もわずらわすことになりますので、また適当な時期を見て、どういう変化を遂げてきているだろうかということを調査したいと思います。またその結果によって必要な措置を講じて参りたい、かような考え方でおるわけであります。
○山口(鶴)委員 そうしますと、四百四十八億円の単独事業の規模是正がありますね。具体的には市町村におきまして、小中学校の建設があるという場合に、PTAの寄付等に頼った面がありましたが、そういうものをこれで解消していく。また昨年度の場合は市町村だけでありましたが、都道府県の段階におきましても、県立学校というものがありますね。県立学校の場合に、たとえば定時制の高等学校の校舎などは、全面的にこれは市町村が建てろというようなことをやっておる県が非常に多い。それからまた通常の全日制の高等学校におきましても、入学のときに五千円の寄付金とか八千円の寄付金とかいう形で、非常に多額の寄付金を父兄に強制をするというような形で、現実にPTAの負担によって相当の部面の校舎が建てられておる。あるいは土木事業についても同じようなことがいえる。一般住民に転嫁する税外負担というものが相当に多い。こういうものもとの四百四十八億円の中で考えておる部面になるわけですか。さらにまた、こういった市町村の段階において、すでに公費に二百三十五億というような不当な負担の部面がある。またこれを都道府県に広げた場合には、さらに多くの税外負担というものがあろうけれども、こういうものについては今後どのようにして措置していくか、どういう規模の是正をやっていくつもりか。この点はどうですか。
○奥野政府委員 規模の是正の一部は御指摘のような点もあるわけでございまして、府県が高等学校を建てる、しかし単独事業費が財政計画上は小さいものだから、実際はそれを全部は見ていない。従ってその分についての財源手当はできないというような面もあったわけであります。これを単独事業費の歳出にはっきり立てていくわけでございますので、自然裏の財源を財政計画上で見ていく、こういうことになるわけでございます。そういう部分については是正されてきていると言えると思います。ただ昨年行ないましたのは、市町村の支出になっていなくて、団体その他の支出になる。これは禁止をしただけではいかないわけでありまして、それだけのものを公費で出せるようにしていかなければならない。そういう財政計画の立て方をいたしたわけでございます。またお話しの高等学校の建築費等を市町村に負担転嫁していく、これはやはり非常に大きな問題だと私たちも考えておるわけでございます。昔は国立学校の経費を地方団体に転嫁しておったと思います。この問題をずいぶんやかましく言い出しまして、今日では地方財政法の規定で、国の施設について地方団体に負担をさせるようなことをしてはならないということになりまして、さらにその後には、地方団体は国に対して自治大臣の承認を得ないで寄付をしてはいけないのだ、寄付のような名目であっても特定のもの以外はやってはいけないんだ、こういうような禁止規定も置かれるようになったわけであります。そういうような法律改正とか、一般の空気とかいうようなものから、まず今日においては、特別の例外を除きましては、国立大学等について地方団体に負担をかけるというような姿はなくなってきたと思うのであります。しかし府県立の高等学校につきましては、ほとんど全面的にと言っていいくらい市町村に今日なお負担を転嫁しているようでございます。三十五年の地方財政法の改正におきまして、国道、河川、海岸、それから砂防、この改修費用について府県の負担に属するものを市町村に転嫁してはならない、こう書いたわけであります。率直に言いますと、府県立の学校施設についてまで同じような態度をとりたかったわけであります。個人的にはそういうことでございましたが、なお若干今後の推移を見、そういうあり方についてどういうような財政措置をとれるかということもあわせて研究していきたいということで、法律的な措置はとってないわけであります。これが先ほど来税外負担解消措置を三十五年度の結果を見ながら必要な方途を考えていきたいと申し上げました私たちが頭に描いている最も大きな問題でございます。将来この問題をどうさばいていくかということ、これを決心もし、各種の手段をとっていかなければならない、こういうような気持であるわけでございます。
○阪上委員 関連して。今の山口君の質問で、昨日も分科会で質問いたしたのでありますが、税外負担の問題、今局長の答弁によりますると、特に三十六年度の財政計画等に配慮しなかった理由として、三十五年度の実績等もさらに見きわめられて、こういう答弁なんであります。私承るところによりますと、先ほどあった法令外のいろんな負担の問題の中に、さらに新しい要素も加わってきた。たとえば学校図書館の職員など、やはり一般のPTAその他の負担においてまかなっておる、こういうような面までもさらに増加してきている。こういうことでありますので、三十六年の経過を見たい、本年実施の経過を見たいということでありますので、どうも減税に先んじて税外負担をまず処理しなければならぬということは、私は当然のことだと思います。従ってそういう経過を見てやるというととは、結論的に言うならば、何か単独立法でも設けて税外負担を解消する何らかの措置をしていこう、こういう考え方、構想を持った上での答弁であったのかどうか、こういうことなのであります。これを一つお答え願っておきたいと思います。
○奥野政府委員 今図書館の職員に例をお引きになったわけでありますが、三十六年度からは、かりに身分が市町村の職員でありますと、そういうものをPTAその他に負担させることは不可能になるわけでございます。こういう問題がどういう経過をたどるだろうかということが一つございます。それともう一つは、今山口さんから御指摘になっておりました高等学校の新増築の負担をどうさばいていくべきであるか。私は現実に思い切ったメスを入れるべきだ、どういう考えを持っているものであります。しかしながら、とにかく多年にわたりまして一割とか二割とかいうものを地元に負担をさせる慣例が、ほとんど全国的と言っていいくらいに行なわれているわけであります。そうしますと、これについてどういう判断を持つかということが一つ、その場合に財源手当をどうしていくかという場合があるわけでございます。私は、ただ地方財政計画の上に数字を並べるだけではいけないと思うのでありまして、地方交付税法を改正いたしまして、どの財源を充実するか、どの測定単位にどれだけの金額を持っていくかというようなことの検討が一つございます。それから昨年行ないましたように、禁止の法的な措置をとるかとらないか、どういう形においてとるかというような問題もあるわけでございますので、三十五年に行ないました結果がどういう姿になって現われてくるかということをいま少し見守るべきじゃないか、こう判断をしているわけであります。三十五年の法律改正で禁止いたしましたのは、府県分については四項目でございますけれども、これは府県の負担に属するもの全体についての考え方を顕著なものについて示しただけであるから、負担転嫁をしないという気持で府県の財政運営に当たってもらいたい。こういうような大きな心がまえといいましょうか、方針といいましょうか、というものは府県に流しているわけであります。考え方は流しているということでもございますので、やはり今後の推移というものを見守った上で必要な対策をとるのが穏当だろう、こう思っておるのでございます。
○阪上委員 特に特別立法を設けて、集約して税外負担の解消をはかっていくという考え方、これは持っていないというわけですか。
○奥野政府委員 今考えておりますのは、特別立法というよりも、地方財政の改正を頭に描いているわけであります。さらに地方交付税法の改正も当然入っていると思います。
○山口(鶴)委員 ただいまの阪上さんの御意見にもあったわけでありますが、現実にはたとえば高等学校の校舎を建築する場合に、各都道府県において、市町村の負担は大体幾ら、それからPTAの負担は幾らということをきめて、その負担額を都道府県に対して寄付をする、その寄付願いがあってから初めて予算をつけるというような、非常に妙な、非常に誤った運営をやっている府県が相当あると私は思うのです。そういうような実情でありまする以上、見守って対処するということはもちろんけっこうでありますが、現実にはこのような不当な税外負担に対してすみやかに是正方法をお立ていただきたい。この点はお願いをいたしておきます。 さらに地方財政計画とその実情がいろいろ合わない点がありまするが、まず従来消費的経費と呼ばれて参りました、現在そういう言葉を使っておらないようでありますが、給与費の問題であります。昭和三十五年度の地方財計画を策定されるにあたりまして、三十三年度でしたか、地方公務員の給与の実態調査をなさいましたね。その上で、給与の実態調査をした結果、従来の財政計画では非常に無理があるということで、相当額の是正をせられたということを記憶いたしております。阪上さんも指摘をされましたが、現実に高等学校なんかに行きますと、学校図書館の司書なんという人は、PTAでもって給与を払っている。県立学校の職員でありながら、県でなくて、違った面で給与を払っているというような例もあります。人員の算定では、是正にあたってはどの程度実態に即してきちっと是正をされましたのか、相当やはりあるべき姿というものを想定をされて、修正をされていると思うのですが、どの程度の具体的な是正をされましたのですか、お示しをいただきたいと思います。 次は給与単価でありますが、給与単価についても昭和三十五年度の是正をした方式を見ますと、いろいろな計算をされておるようであります。たとえばフィッシャー方式というもので計算をしたというふうにお伺いをいたしておるわけでありますが、地方公務員と国の公務員の学歴と経験年数をおとりになりまして、これでもっていろいろ計算をなされたようでありますが、現実に単なる経験年数と学歴だけで、国家公務員と地方公務員を比較をいたしまして、これでどの程度の差があるかということを見ることは、私は実情から非常に異なる結果になろうと思うのです。昭和二十一、二年ごろ、地方自治体の人員の規模が非常にふくれました。この際いろいろな仕事がふえたために、民間でいろいろなお仕事をなされた方を急遽採用されて、地方公務員にしたという例が非常に多いと思うのです。といたしますと、経験年数は少ないけれども、民間におけるいろいろな経験をお持ちの方は、地方公務員には相当多い。国家公務員の場合はそうではないと思いますけれども、そういう点を考えてみますと、単に学歴と勤続年数だけで計算をされて、その上で比較をなされて、そうして地方公務員と比べて国家公務員はこれだけの割合である、従って国家公務員の方は地方公務員よりもこれだけ高い。従来の財政計画ではこれだけ組んでおったから、その比率を引き直してみて、これだけ是正をすればいいというようなことでは、現実に地方の公務員の職員構成実態というものを考えた場合には、非常に違った結果が出るのではないか、こう考えるのでありますが、この点の職員給与に関する点については、どの程度の是正をされましたか、その是正の結果というものが適切であるとお考えになりますか、この点を一つお聞かせをいただきたいと思います。
○奥野政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたように、地方財政計画は地方団体の行財政のあるべき姿を示していくものだ、それに必要な財源措置をしていく基礎にしていくのだということでございます。従いまして、都道府県が増員をしたから、それにそのまま右へならえして財源措置をしていくという考え方は、基本的にはとるべきではないだろうと思います。しかしまた、都道府県も必要がないのにどんどん人をふやしていくということもあり得ないわけでございます。両者からみ合わせて考えていくことになるのだろうと思いますが、昨年人員について、実態調査の結果の是正を行ないました。大体において現員が地方財政計画に上がってくるようになったと記憶しております。その際には、やはり職種ごとに、どういう意味でふえているか減っているか、そういうことをいろいろ検討いたしまして、それは当然に財政計画に盛られるべきものが盛られていなかったのだという建前のものについて是正を行なったのでございます。しかし、地方団体もむちゃなことをやっているわけではございませんから、大体において実績に即したようなものを地方財政計画に計上することになったというように記憶をいたしております。なお、あるべき給与費を計算する場合に、学歴、勤続年数を一緒にしまして、国家公務員であれば幾らの給与を受けるはずであったということで計算をいたしておるわけでございますけれども、他の職歴もある程度換算をする方式でこの計算をいたしておるわけでございます。その結果、大まかに申し上げますと、町村の給与実績というものが、あるべき姿から見て低きに失する、大都市の給与はあるべき姿から見て高きに失するというようなことになっておったわけでございまして、結局国家公務員であれば幾らの給与額であるかということで計算をし直しまして、財政計画を修正いたしたわけでございます。
○山口(鶴)委員 その点につきましてはまたあとでお尋ねをするといたしまして、今回の地方財政計画で一つの大きな柱として出しておりますのが後進地域の開発の問題のようであります。この後進地域の開発の問題につきましては、大臣の説明要旨によりますと、各種公共事業にかかわる国庫負担率を段階的に引き上げる措置を講ずる、二番目としては、財政力の貧弱な地方自治団体の財源を傾斜的に増額する、この二つの措置についてはそれぞれの具体的措置をおとりになるというふうに触れられておるようであります。まず最初の公共事業にかかわる国庫負担率を段階的に引き上げる措置についてでありますが、これにつきましては予算委員会におきまして論議もあったようでありますが、従来の構想は大蔵省としては一応白紙に返しまして、さらにいろいろ検討するというふうに大蔵大臣は答えておるようでございますが、現在のところ、具体的にはどのような地方自治団体をどういうグループに分けて対象にしていこうというお考えですか。それからまた対象とする公共事業についてはどのような種類の公共事業をおとりになるつもりですか。それから率については、具体的にどのような引き上げ率をどのような段階においてお考えになっておられるのか、全般的な基本的な考え方について大臣からお伺いいたしたいと思います。
○安井国務大臣 地域の格差をなくし、後進地域を開発いたすために、公共事業費に対する補助率の特例を設けたいということをかねがね自治省は考えておりまして、これは政府の方針としてもやるという建前にしておるわけであります。そういう建前になりまして、現在これの技術的な点について各関係省と検討中でございますが、おおむねこの財政指数が五〇に近いようなもの以下のものについては今の特例を適用したいというような線で折衝を今進めておるわけであります。さらに段階的には、これも確定じゃございませんが、最高は二割五分程度のかさ上げをいたしたいと思って今関係者と折衝中でありますが、一両日のうちには決定をいたすものと心得ております。
○山口(鶴)委員 調査室からいただきました調査によりますと、自治省では百四十九億ですか、この程度の経費を考えておるようであり、大蔵省案ではこれより少ない額のかさ上げを考えておるというふうにここに述べられておりますが、具体的にはどの程度の規模で大体いつごろまでにめどがおつきになる予定ですか。
○安井国務大臣 今おあげになりました数字は、予算要求の際の最初の自治省の数字でございますので、これをそのまま実地に適用し得るようになるとはわれわれも心得ておらぬわけであります。数字の点につきましては今打ち合わせ中であります。また、この数字自身の適用の率とその対象というようなものによって段階の区分やあるいは率それ自体も相当な変動も来たすであろうと思っておりますが、今明日中には成案を得たいと思っておる次第であります。
○山口(鶴)委員 さらに問題になりますのは、貧弱な地方団体の財源を傾斜的に増額をしていくという点でありますが、これにつきましては、確かに地方自治団体の中には財政力の豊かなところとそうでないところがあることは事実であります。しかも後進地域におきまして特に財政能力が貧困である、一般財源が少ないために非常に苦労しておるということは事実であります。ただ問題は、このやり方をどのようにされるかという点でありますが、少なくとも平衡交付金制度から交付税制度に改めたときには、各自治体において、明年は大体どのくらいの交付税が来るはずだということを予知し得るということが一つの説明の根拠であったように思います。そうしますと、交付税率を大幅に、大幅にといいますか、ある程度引き上げて、そうして今までが二八・五、それに〇・三なら〇・三を足して二八・八なら二八・八というものがあって、その上に三〇なら三〇に交付税率を上げるように、交付税の配分の仕方を傾斜的にやっていくということならば筋が通ると思うのでありますが、交付税率自体を動かさないで、そのワク内で財源調整というか、配分をしていこうということは非常に問題があろうかと思います。この点については、具体的にはどういう方式で交付税のいわば貧弱団体に対する傾斜というものをお考えになっておられるのか、この点を一つお教えをいただきたいと思います。
○安井国務大臣 御承知の通りに、交付税は基本的には基準財政収入と財政需要との差額を埋めるという観念になろうと思います。従いまして、その差額の大きいものにつきましては、どうしても配付が大きいという考え方が生まれようと思うのでございますが、そういったものを一般的に傾斜と言えば言えるわけでございまして、特に未開地といいますか、後進団体へただそれなるがゆえに格別の盛り込みを機械的にやるという趣旨でその条項はうたっておるわけではないのでございます。ただ、後進地域あるいは後進団体でさらに開発を要すると思われるような面につきましては十分な財源措置を講じたい、そういう意味で基準の計算もやっていきたい、こういう趣旨をうたっておるのでありまして、ただ低いからといって機械的にそれをどんどんと埋めていこうというふうには考えておりません。
○山口(鶴)委員 そうすると、財政局長に聞きますが、具体的には態容補正等の補正係数等で考えていく、そういった方法ですか。
○奥野政府委員 そういうことが基本になろうかと思います。市町村で一例を申し上げますと、その他の行政費につきまして、市町村によって行政の質の差があるということで態容補正を行なっておるわけであります。十種地の市町村の所要経費を基礎にして単位費用をきめておりまして、十種地以下の市町村につきましてはそういう意味の割り落としをする、十種地以上の市町村につきましてはそういう意味の割り増しをする、こういたしておるわけであります。財源がふえて参ったわけでございますので、まずこの割り落としをやめてしまう。従いまして、割り落としをやめるのには三十六億の金が要るわけでありますけれども、その三十六億の金は、十種地以上の市町村には一つもいかないわけでありまして、十種地以下の市町村の基準財政需要額がそれだけふえるということになるわけでございます。そういうことで格差の是正を行ない、あるべき財産需要額を個々の市町村について算定していくわけでございますが、従来は金がないために行政の程度を引き上げることが不可能であった、そういう団体については、不可能な姿において財政需要を従来は算定してきているわけでございます。漸次そういうものをあるべき財政需要額にまで基準財政需要額を見積もっていくというように、増加財源がありますつど考えていくわけでありまして、そういう配慮は今回も計画の中に入れているわけでございます。
○山口(鶴)委員 そうしますと、大蔵省がかねがね主張しているように、富裕団体から財源を少しとってこれを埋めていくというむちゃくちゃな考え方には自治庁としてはあくまでも抵抗しよう。そうでなくて、この場合は従来と同じ方針を堅持されて考えておる、こういうふうに了解してよろしいわけですね。
○奥野政府委員 その通りであります。財源が増加いたしますつど、その財源を弱小団体に優先的に増額をして参りたい。富裕団体だからといって、その団体の命をとってくるのではなくて、その団体もやはり行政を伸ばしていく。しかしスピードは下の方の団体をもっとスピードをつけさせるように持っていきたい、こういうことでございます。
○山口(鶴)委員 そういう意味で貧弱な団体をさらに引き上げ、さらにそれにドライブをかけていきまして、追いつく時間を短縮していくということについては、できれば、やはりわれわれとしては、交付税の額をさらに高め、そういう中で抜本的にそういう点を解決していく。こういう点、やはり前向きの姿勢で問題を解決するようにしていくべきではないか。そのような考え方で、そういう点につきましては一つ十分御配慮いただきたいと思うのであります。 次は、先ほどのこまかい点についてさらに引き続きお伺いをいたしたいと思うのですが、給与費の問題であります。先ほどの財政局長のお答えによりますと、給与単価については、経験年数を考慮に入れる場合に、地方公務員は具体的に実態の上からいって、国家公務員との比較をいたす場合におきましては、いわゆる公務員としての勤続年数、経験年数ばかりではなくて、当然それ以外の経験年数というものも十分織り込んで比較をしたのであって、地方公務員のいわば経歴の特殊性というものを無視して計算をしたのではないというふうに言われましたが、具体的にはどの程度公務員以外の経験というものを生かされて計算をしておるのか、この点はどうなんですか。
○今枝説明員 昭和三十三年七月一日現在で行ないました地方公務員の給与実態調査の結果を国家公務員の給与と比較する場合に、学歴と経験年数の二つを、国家公務員と地方公務員と同じにすればどのような違いが出ておるか、こういう観点で比較をしたわけでございます。その際の経歴と申しますのは、まず公務員の経歴、これは地方公共団体に勤務しておる年数と国家公務員として勤務しておる年数とは同じ割合で見ております。それから民間経歴の場合は、国家公務員の場合でも民間経歴を、たとえば一定の規模を持った民間企業であれば八割見る、それから規模の小さい民間企業であれば六割、従いまして六割ないし八割の経験年数に置きかえて計算をしております。それと同じように、地方公務員の場合も民間経歴は六割ないし八割に換算をして比較をいたしております。それから全然そういう形で勤務をしておらない、いわゆる在家庭の場合には、その経歴を公務員の二割として計算をしております。それから軍隊の経歴を持つ人がかなりおりますので、軍隊の経歴も、軍医とかあるいは技術関係の軍人の場合には十割見ておりますが、一般の兵でございますと二割の勤務年数、そういうように置きかえまして、結局公務員以外の経歴につきましても、国家公務員、地方公務員同じ水準でそれぞれ公務員の経験年数に置きかえて比較をする、こういうふうな比較の方法をとったわけでございます。
○山口(鶴)委員 国家公務員についても、地方公務員についても、計算の過程で六割なり八割あるいは二割というようないろいろの指数をお使いになってそれぞれ組み入れたというお話でありますが、かりにそういうふうに両方ともに計算をいたしたといたしましても、やはりどうしても地方公務員の方が、そういう公務員以外の経験年数を換算をしていく場合が多いだろうと思うのです。そうなってくれば、二割あるいは六割、八割ということであれば、確かにそれはそういう計算の仕方が正しいとしてやれば、それは結果は正しいということになるでしょうけれども、しかし実際にはそういう計算をすることがはたして適当であるかどうかということもこれまた議論の対象であろうと思います。とすれば、そういう人たちが多い地方公務員の方がどうしても割合が高いという結果になりがちだということも事実だと思いますが、との点については、もうちょっと実態というものを勘案をいたしまして、将来とも是正をしていくおつもりがございますか、これはもうコンクリートのものとして、金科玉条、このままというお考えですか。
○今枝説明員 地方公務員と国家公務員の給与水準を比較する場合に、地方公務員の場合には、公務員以外の経歴のある者が国家公務員に比較して多いという御指摘はその通りでございます。従いまして、換算をされる期間が公務員として十割と見られれば問題ないわけでございますが、今のように二割ないし八割の幅で換算をされますと、低いという結果の出ることは事実でございます。しかし、現在の給与制度が、今言うような民間経歴を公務員に換算をするということを前提にして、学歴、経験年数を基礎にして給与が決定されるという建前を国も地方も同じようにとっておる以上は、今の方法しかないのじゃないか。そういう学歴、経験年数を別にいたしまして、いわゆる年令給的な要素を給与制度の中に取り入れて参りますと、御指摘のような点が是正されることになると思いますが、かりに民間経歴なりの古い人が、地方公務員でなしに国家公務員になることを前提といたしますと、やはり今言うような換算方式で計算をして初任給が決定をされることになります。そうなりますと、比較する場合には、やはり同じベースで比較せざるを得ない、こういうことになろうかと思いますので、将来の給与制度がどのように変わっていくか、そういう点を加味しながら御指摘のような点も検討をしたいと思います。
○山口(鶴)委員 この点は、学校を卒業した人が大体そのまま入っていって勤めておるといった国の場合と、地方とは実態が違うわけですし、地方は職員構成の違いもあり、従って自治省の内翰を昨年の暮れ出しまして、国の給与表が地方に引き伸ばしていった場合にはたして適切であるかどうかという点もたしか議論があったと思いますけれども、それとも関連をする問題でありまするから、この点はやはり将来とも十分御検討いただきたいと思います。 さらにこまかい点でお尋ねをしたいと思うんですが、昭和三十五年度の地方財政計画の給料を算定いたします場合のこまかな計数をずっと拝見さしていただきました。それを見ますと、具体的な宿日直手当という手当がありますね。あの手当を見ましたら、警察職員は交付団体、不交付団体合わせて三百六十円で組んである。それから県の義務制以外の職員も同様、交付団体、不交付団体を問わず、都道府県、市町村を問わず三百六十円で組んである。ところが義務制の職員に関しましては、どういうわけだか知りませんが、不交付団体では三百六十円ですけれども、交付団体では二百五十円、百十円という差別をして単価が組んでございますが、これは昭和三十六年度も同様でございますか。またこれについては何か根拠があるのですか。
○今枝説明員 御指摘の宿直手当の単価が、義務教育が昭和三十五年は二百五十円であり、その他の職員については三百六十円になっているのは御指摘の通りでございます。これは財政計画策定の際に従来の実積を見るということが一つの理由である。もう一つは、義務教育国庫負担金の精算の単価に合わせて実は財政計画を作っております。従いまして、昭和三十五年度の義務教育国庫負担金の積算の内訳で宿直手当が二百五十円の単価で計算をされておりましたので、それに合わせて財政計画も二百五十円ということにいたしたのでございます。昭和三十六年度は、この二百五十円を二百六十円に引き上げております。
○山口(鶴)委員 それはおかしいですね。義務教育負担の半額負担の場合は実績主義でしょう、そうですね。ところが、地方財政計画で盛り込んで、そうして基準財政需要はそれでもって計算をしたということになれば、こちらは実績ではなくてコンクリートされるわけですね。とすると、その点は非常におかしいと思うのです。ですから、現実に交付団体で三百六十円なら六十円を組んだ、そうすると二分の一の国庫負担金の方の場合は、その半額は必ずくる。しかし基準財政需要額の方の算定は二百五十円で押えられる、あるいは今年度は二百六十円で押えられるということになれば、おかしいじゃないか。だから、むしろ基準財政需要の方を三百六十円で組んで、実績の方は幾ら組んであっても実績主義でいくのですから弾力性があって差しつかえないというふうに組むべきではないかと思いますが、その点はどうですか。
○今枝説明員 確かに御指摘の通り、義務教育国庫負担金の性格からいって、精算で負担する格好になりますので、三百六十円というお考えも一つのお考えであろうと思います。ただ一般的に見まして、この義務教育費給与費だけでなしに、他のいろいろな国庫負担補助の伴う経費についての財政計画の積算の場合には、国庫負担の積算の単価、その負担補助の割合から逆算をして財政計画の計算をいたしておりました。そういうふうな沿革的な理由から、この費用につきましても国庫負担の単価と負担割合とから逆算をして計上したのでございまして、ただ一般的に申しまして、義務教育の宿直の手当も年々増額されていく傾向にございますので、逐次そういう傾向を見ながら是正をはかるべきものであるというふうに考えております。
○山口(鶴)委員 漸次上がっていけば是正していくということでありますが、ある程度あるべき姿というものを考えてこの単価を組む以上、私はおかしいと思うのです。現実に宿日直を許可するのは、通常の民間の事業所の場合は労働基準監督署ですね。地方自治法の規定でいけば、この権限は都道府県の人事委員会なりあるいは市町村長なり、こういったところに委任をされておりますね。その場合、こういった断続的な勤務である宿日直をやっていく場合に、これは勝手な少ない額でもって宿日直を許可していいということではないと思います。これについては、労働省の方も、許可するにあたって一定の条件を設けている。少なくともそれに従事をする労働者の一日当たりの平均賃金の三分の一を下回ってはいかぬということになっているでしょう。とすると、委任を受けた人事委員会なりあるいは都道府県あるいは市長村長がこれを許可していく場合に、基準というものは存続しなければならぬ。現実に義務制の職員の平均賃金の三分の一は二百五十円ではないと思うのです。この点はどうですか。
○今枝説明員 御指摘のように、労働基準法の建前では、宿直の場合には、宿直に従事する従業員の平均賃金の三分の一を下らない額を宿直手当で保障するというような場合には宿直の許可を与えてもいいのだという、宿直許可の場合の一つの条件に宿直手当の額が労働省の通達でもって示されておることは御指摘の通りでございます。現実に個々の地方団体の場合に、義務教育の先生方が横面をされます。その宿直手当の額がどういうふうにきめられておるか、それはそれぞれの団体において宿直に従事する職員の給与と宿直の額、財政計画では、三十六年は平均的に二百六十円という単価を組んでおりますが、各地方団体とも若干ずつ違いがあると思いますけれども、そういうもの等を具体的に検討しなければならないと思いますが、一般的に申し上げて、その基準を下回ってはおらないというふうに考えております。
○山口(鶴)委員 大へんけっこうなお答えたと思うのですが、現実には地方財政計画で組む単価が下回っている、これでは困るのじゃないですか。とするならば、当然三百何円ぐらいは組まなければいかぬ計算になるのじゃないですか、その点はどうなんですか。
○今枝説明員 計数に当たって試算をいたしてみますから、しばらく御猶予をいただきます。
○山口(鶴)委員 これは給与単価で計算をしていただいたらわかりますが、一カ月は二十五日計算で計算するのですからね。その三分の一ということになれば、二百五十円や六十円じゃ絶対におさまらぬことは事実でありますので、よく御計算いただきたいと思います。 そこで、さらに関連をして給与についてお尋ねをいたしたいと思うのですが、昭和三十三年ごろ、たとえば勤務評定の問題等あるいはその他いろいろな事由があったかと思いますが、地方公務員の人たちがいろいろな行動をなされて、その結果、幾つかの都道府県におきまして、その分の賃金についてカットをするという事柄がございました。そこでお尋ねをいたしたいと思うのですが、結局、各自治団体におきましては、それぞれ給与の条例を定めておるわけでありますが、ただ問題は、労働基準法の二十四条で、賃金というのは、労働者に対して直接通貨でもって全額を払え、こうなっておるわけですね。特に法令に特別の定めがある場合とか、労働協約がある場合にはこれを控除してもいいんだというふうになっております。そこで問題は、たとえば八月なら八月、十月なら十月ごろ、そういった行動があった。それに対して翌年の三月とか四月にいって、先に払い過ぎがあるからというので賃金カットをしたということがよく起きた。問題は結局、条例では引く場合は幾らという計算の基礎はありますが、相殺をしている。いわゆる控除をしてもいいという規定は、どこの都道府県にも条例にはないと思うのです。そうすると、労働基準法二十四条の、法令に定めがあるという事項には該当しない。ところが現実には、各都道府県では、自治庁——当時の自治庁がそういう指導をやっておるからというので、常々と相殺をしている。賃金カットをしているという例があります。これについては最高裁の判例がある。また各地域における地裁の判決も出つつあります。いずれもいかぬということになっておると思うのです。こうした場合に自治省は、今度は自治省でありますが、従来の見解というものを取り消しになるおつもりがありますか。
○今枝説明員 職員が勤務をしなかった場合に、そのしない割合に応じて賃金を、給与を減額するというのは、それぞれの地方団体で、国家公務員の給与法の十五条に定めております給与の減額と同じ減額の規定を条例で定めております。これに基づきまして、職員が勤務しないときは、その勤務しないことにつき時に承認のあった場合を除くほか、その勤務しない一時間につき、一定の給与額を減額して給与を支給する、こういう条例を定めております。それで、労働基準法二十四条に定める給与支払いの原則の例外として、法令で定める場合を除くほかは面接通貨で全額を支払わなければならないという規定の、その法令で定める場合という場合には、地方公共団体の条例もそれに含むものであるということは、労働基準法を地方公務員に適用するという建前で地方公務員法を制定いたしました際に、労働省並びに当時の自治庁では、両方がそういうふうな了解のもとに法律の運営に当たってきたわけでございまして、当初から労働基準法を地方公務員に適用する場合の取り扱いとして、政府としては一貫してその方針をとってきたわけでございます。その点については、御指摘のように現在裁判になっておるのがございますが、最終判決が出るところまで至っておりませんので、今のところは、従来の行政解釈を変更する考えはございません。
○山口(鶴)委員 たとえば十月なら十月に起きた事件に関して、その月に引くならいいのですよ。ところが、二十四条の解釈というのは、かりに支払い権者が債権があって、そのときに債権があるからといって、それを相殺して支払っちゃいかぬということを規定している条項だと思うのですね。とすると、十月にそういう事柄が起きた。それを半年もたってから引くということは、明らかに相殺になるじゃないですか。そういうことはいかぬということになっているのですからね。そういう意味で、どう解釈をされておるのですか。
○今枝説明員 今の場合は必ずしも相殺という考えではないと思いますが、現実にある月に勤務をしない期間があって、その月の給与からそれを差し引くということになりますと、現実には差し引きはできないことになります。御承知のように、給与は月の一定の期日に支払うわけでございますが、当然その場合には勤務をしたことに対するあと払いの部分と、その月に勤務するであろうという前払いの分とを含めて給与を支給する建前になっております。もちろん、月の途中で退職した場合は精算の問題はあるにはあると思いますが、一応そういう建前になっておりますから、ある月に勤務をしないという事実があったからというので、その月に差し引くということは技術的に不可能でございます。給与支給日がたとえば二十日であれば、二十日以降に勤務しない日があれば、当該月の給与から差し引けない。勢い後の支払い月の給料からその分を減額するという方法をとらなければ技術的に不可能だ、かように考えております。
○濱田委員長 太田一夫君。
○太田委員 地方財政に関連をいたしましてお尋ねをいたしますが、最初に大臣、あなたは二月十一日に事務次官の名前によりまして「地方公務員の給与制度の改正について」という通達が出されたのを御存じでございますか。
○安井国務大臣 ちょっと事務当局で今調べておりますから……。
○太田委員 それでは公務員課長さんにお尋ねしますが、同じ二月十一日、あなたのお名前による通知がまた省都道府県総務部長、各都道府県人事委員会事務局長あてに出ていますね。これは三月十一日の同じ日付の事務次官名による通達と一体をなすものと思います。従ってあなたはその関係を御存じだと思いますが、いかがでございますか。
○今枝説明員 御指摘になりました二月十一日付の自治事務次官から各都道府県知事並びに各都通府県人事委員会委員長あての「地方公務員の給与制度の改正について」の通知でございますが、これは昨年十月一日に国家公務員の給与制度が改正になりましたことに伴いまして、地方公務員の給与改定について昨年の十月に内翰を発しまして、具体的な取り扱いの指導をいたしたのでございますが、その内翰を正式に文書に改めて通知をしたものでございます。同日付で公務員課長名をもって、総務部長並びに人事委員会事務局長あてに出しております通知は、その事務次官通知の内容の細目について説明をしたものでございます。
○太田委員 ではその内容について十分御理解の上なされたものとするならば、さらに続いてその内容についてお尋ねをいたしますが、その内容の中でこういうようなことを言っていらっしゃるのですか。「一部の市町村においては、なお、その給与制度が国及び他の地方公共団体との間に権衡を失しているものが見受けられるので、これらの市町村にあっては給与その他の地方公務員制度の趣旨に則り、機構、職員配置、職員構成等を充分検討し、将来にわたる財政の推移を勘案しつつ、その適正化を図るものとすること。」こういうことが取り扱う一つの指標として、考え方としてしるされ、通知をされておると思うのでございますが、それは御承知でございますね。
○今枝説明員 ただいま御指摘の点は自治事務次官通知の中の一つの項目に御指摘の通りの文章が載っております。
○太田委員 しからば、そのことは非常に抽象的でございますけれども、具体的に言うならば、地方の町村の給与が不均衡だというのであるから、その適正化をはかるということは、高い低いがあるのですから、低いのを商い方に上げて適正化をはかるという趣旨だと思いますが、これは違うのですか。
○今枝説明員 今回の給与制度の改正につきましては、国家公務員の給与改正に準じて改正をすることを基本的な建前にいたします。そういう基本原則にのっとりまして給与改定の具体的な取り扱いを指導いたしたのでございます。ところが市町村の職員の給与制度につきましては、国家公務員に準じて給与制度の改正を行なう以前になお問題が残されているのでございます。その点については、昨年の四月一日付で「市町村職員の給与制度の合理化について」と題しまして行政局長から各都道府県知事あての通達もいたしておりますし、なお「昭和三十五年度地方財政の運営について」と題する自治事務次官通達にも市町村職員の給与の改善を合理的にはかるように、こういうことを指導して参ったいきさつがございます。しかしながら、指導の通りに全部が給与制度の合理化が行なわれたというふうにも思われませんので、そういう点についてはこの給与制度改正の機会に、将来のこともいろいろと考えながら合理化をはかってもらいたい、こういうことを重ねて強調いたした次第でございます。
○太田委員 調査課長さんがいらっしゃいますからお尋ねいたします。しからば、今のお話を総合いたしますと、現状においては一部の市町村では給与制度が他の地方公共団体あるいは国家公務員との間に均衡を失しているものがあると思われるということですが、どう均衡を失しているのですか、その内容について私はあなたの見解を承っておきたいと思うのです。今の公務員課長の御説明では、私ははっきりわからない。格差をなくするということは賛成です。それはよろしいと言った。だから具体的にアンバランスがあるというならば、低いものを高くするということに指導の中心があるのだろうと思ってお尋ねするわけですが、調査課長の御見解を少し具体的にお話しをしていただきたい。
○首藤説明員 私どもが扱っておりますのは再建団体が多いわけでございますが、ただいまの御質問にございました均衡を失しておるというのはどういう場合かという点につきましては、御指摘のように他の団体に比べまして均衡を高く失している場合もありましょうし、低い場合も場合としてはあり得ると思います。
○太田委員 また事務次官通達の中には、地方公務員の給与水準、給料表の構造等についてこの際根本的に再検討を加える必要があると認められるから、次のようにやって下さいということで、いろいろなことが指摘されているわけですが、根本的に再検討や加える必要があるという、この根本的に次にねらっていらっしゃることは何か、これは大臣に答えていただきたいのですが、もし大臣にお答えいただけなければ、どなたでもよろしい。給与水準とか給料表の構造について、根本的に再検討を加える必要があるとおっしゃる。内容を根本的に検討するのはいいですよ。見ていいの悪いのと批判を加えるだけでなくて、その次に何かあるのでしょう。何かねらっていらっしゃる。そのねらいとは何でございますか、端的に一つお答えをいただきたい。
○今枝説明員 ただいま御指摘の点は、事務次官の通達の基本方針の第一にそういう表現をいたしておるのでございますが、申し上げるまでもなく、地方公務員の給与の決定につきましては、地方公務員法に基本原則として「生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。」ということがありまして、私どもはいわゆる均衡の原則と呼んでおりますが、そういうことで国なり他の地方公共団体職員と均衡がとれておるという形にすることを基本原則にいたしておるのでございます。もちろん警察職員と教育公務員につきましては、警察法なり教育公務員特例法の中で、若干それよりも国家公務員たる警察職員並びに国家公務員たる教育公務員等に近い給与制度を設けるべきだという規定はございますが、やはり公務員であれば国、地方を問わず均衡のとれた給与を決定すべきであるという基本原則があるわけでございます。ところが、各地方団体の給与制度の実態、給与水準、制度の運用、そういう点を見ますと、そういう均衡をはからなければならないという基本原則から著しく逸脱しておると思われる団体がないわけではございません。そこでそういうふうな点については当然是正をしていただきたい、こういう考え方でございます。せっかくの給与改定の機会でございますから、従来の給与水準であるとか給与制度あるいはその運用について、この機会にあらためて検討をして制度改正をやっていただきたい、こういう意味で申し上げておるものでございます。
○太田委員 二月十一日の事務次官通知の十日前に、財政局長の奥野さんも同じように、財政計画の変更と財政計画というものに関連をして、三重県知事あてにお出しになった通達がございますね。同じような内容がこの中に書いてあるのですが、これはどういう意味でございますか。
○奥野政府委員 三重県下の市町村におきまして、給与をめぐる争いがあったことがございます。またその団体の中には、財政再建団体でございまして、もしそういうような方向で給与改定を行なうといたしますならば、その団体の給与費が相当に大きくなり、自然計画変更を行なわなければならぬ。その変更を自治省が承認できるかできないか、どういうような問題もあったわけでございます。その際に三重県知事あてに出した通達であろうと思います。問題は、やはり市町村は財源を行政水準の引き上げ、投資的な経費あるいは給与費と適正に配分して使っていかなければならないと思うのであります。ただ給与費が他の国家公務員等の水準から特に高い方向できめられるというようなことになりますと、他の団体の財政運営にも支障が及んでいくわけでございますし、また当の団体といたしましても、行政水準の引き上げというような問題に若干影響をしてくるというようなこともございますので、そういう点につきましては、基本的には国家公務員ベースを基礎として給与改定を行なってもらいたいということを絶えず申しておるのでございます。そういうような考え方の基調に立った三重県知再あての通達ではなかっただろうか、こう思います。
○太田委員 事のついでですから奥野財政局長にお尋ねをします。市と町村に分けまして、最近の両三年の間、全予算に対する人件費のパーセンテージは、再建団体と非再建団体ではどういう実情でございますか、おわかりになっていますか。
○奥野政府委員 私たちが市町村の財政実態を見ておりまして、赤字が出てきた、財政再建をせざるを得なくなったという場合に、きまったようにその団体の支出の上で大きなウェートを占めておりますのが給与費と公債費でございます。給与費と公債費に関しまする限り、ふえていった場合には、これはまず減額の余地がない義務的な経費になってしまう。そのことはまた財政計画の弾力性を失わしめ、赤字団体に陥ってきた、こういうことになっておるわけでございます。従いまして財政再建計画を立てます場合には、給与費を適正にしていく、あるいは公債費を適正にしていく、こういう眼目でやっていくわけでございますので、再建が進むに従いましてこういうウエートは下がっていくだろう、こう思っております。従いまして、また再建の当初におきましては、こういう団体の給与費は歳出の中に特に他の団体よりも大きなウエートを占めているのが一般であろうと思います。
○太田委員 数字のパーセンテージをもってお示しにならなかったからちょっと納得できなかったのですがね。人件費というのは全国平均ならば予算に対してどのくらいになっておりますか。どなたかそれはわかる方はありませんか。
○奥野政府委員 これは今市町村のことで御質問いただいているわけでありますが、市町村の規模によってかなり違っているわけでございます。市町村がある程度規模が大きなものになってきますと、いろいろな施設を設けていくものですから、施設関係の職員数がふえて参ります。その点もございまして、ある程度ウエートが高くなっていくわけでございますけれども、私たちは、市町村の歳出の中に占める給与費のウェートとしては三〇%内外で、四〇%をこえるような団体はまず危険信号だ、それは財政構造の改善を考えてもらわなければならぬというような気持で、市町村の規模、市町村の極数に応じます給与費のウェートというものを財政構造の指数ということで参考に示しておるわけでございまして、そういうものを基本にしながら自分の団体の財政運営のあり方を検討してもらう、こういう態度をとりておるわけでございます。
○太田委員 それは三〇%だ、四〇%をこえたところは危険信号だとおっしゃったのは、一つの考え方としてわかります。しかし全国平均はかなり高いのじゃないですか。昭和三十一年ごろの統計しか私の手元になかったからどうも少し古いのですけれども、町村におきまして全国平均が二二・八%、再建団体は一九・一%、こういうふうになっておると承っているのです。あなたは再建団体というのは人件費の節約はできない、抑制はできないとおっしゃるが、なかなかもってそうじゃない。再建団体は逐年減員並びに給与のダウンをはかって——ダウンというとはなはだ恐縮なんですけれども、全体的な給与水準の抑制をはかって、そうしてその人件費のパーセンテージの切り詰めというものに非常に努力してきた。これは全国的に非常な顕著な原則なんです。してみれば、再建団体というのは人件費は非常にウエートが小さく、かつまたそこの職員は非常な苦労をしておるということが痛感されるわけです。それですから今たとえば奥野局長さんは、たしか町で二百万円とか市で八百万円くらいふえるようになっては因るというようなことを数字でおっしゃったのですけれども、それはなるほど二百万円なり八百万円あれば何かやれるでしょう。人件費に出さずにほかに持っていけばやれるでしょうけれども、その全体の予算に占めるパーセンテージというものは微々たるものだと思うのです。それでその再建団体の職員が意欲を燃やして赤字克服の努力をするならば、これはまた非常に生きた金だと思う。全国的に見て再建団体の職員というのは、給与費が割合少なくて一人当たりの作業量が多いか、しからずんばベースが低いということになる。そういう中において再建団体を指導されるには、そういうむずかしい中だけれども、国家も援助するがあなたたちも行政水準の向上をはかりつつ財政を再建して下さい、こういうことでやらなければならぬのに、意欲をそいでしまったら、あぶはちとらずのような気がする。それが財政局長の二月一日の通達、二月十一日の事務次官通知も、ともに角をためて牛を殺すということに私はなっていないかと思う。先ほど大臣は、その通知については御存じないというお話でしたがどうですか。これは大事なことが秘密になされているのでしょう。
○安井国務大臣 内容的に今すぐ思い出さなかったものでありますから、御返事しなかったのでありますが、ただいまも御返事申し上げましたように、市町村の財政事情あるいはその他の状況に応じまして、それぞれの団体で若干の格差があるということも当然でございましょうが、同時に一般にあるべき基準の姿に給与はあってほしい、またできるだけそういうふう形であるように従来指導いたしておるものでありますから、そういう趣旨でこの通牒も出ておると存じます。
○太田委員 地方自治というものに対して中央政府がどの範囲において関与するかという基本問題、どの範囲において関与するかという問題は、あくまでも地方自治という原則を尊重した上の技術的な問題でなくちゃならぬと思う。技術的な問題に限られるべきだ。ところが、この通知はどちらを見ても、非常にその内容に立ち入り、団体交渉ということさえも否認をしてしまって、地方の給与の平和状態をことさら撹乱した。三重県に具体的な例が出てきておるわけですが、奥野局長の通達によりまして、せっかくまとまったものがまとまらなくなったのですから、平地に波乱を生じた。あなたがそれほど破壊主義者とは思わなかったのですが、これはどうですか。
○奥野政府委員 市町村の平和を害するような態度を自治省がとらないということはもっともなことだと思います。ただ自治団体でありますけれども、よけいなことを言うて大へん恐縮でありますけれども、孤立的な地方自治を営んでいるわけじゃなしに、地方財政法の第二条には、「地方公共団体は、その財政の健全な運営に努め、いやしくも国の政策に反し、又は国の財政若しくは他の地方公共団体の財政に累を及ぼすような施策を行ってはならない。」こう書いてあるわけであります。国の財政運営、地方の財政運営相互に緊密に影響し合っていることでもございますし、また国が地方自治の伸展のためにいろいろの措置も講じておるわけでございますので、そういうものが十分生かされるように自治省としても必要な助言は行なっていきたい。しかしながら、基本的にはおっしゃいますように、そのことがよけいな干渉にわたるようなことはしないように慎んでいきたいと思います。
○太田委員 そこで私は中央集権の問題が出てくると思うのですが、地方財政法の第二条とかをたてにとって、そこまで関与されるということになりますと、中央集権が非常に強化されて、そうして地方自治というものが破壊されてくる。地方自治権に対する侵害である、こう私は思うのです。元来民主的な政治体制が未成熟な日本の国において、そこまで強く言われるならば、地方政治というものはもう残骸を残すのみとなるような気がする。だからあなたたちは地方制度とか地方自治というものを認めるのか、地方には地方行政だけしか認めないのか、どうなんですか。地方自治を認めるのか、地方行政しか認めないのか。これでは地方自治を認めずということになると思うのですが、いかがですか。
○奥野政府委員 両方の面があろうかと思っております。
○太田委員 両方の面があるということになれば、地方自治のパーセンテージを聞かなくちゃならないのですが、地方自治というのは、憲法第八章第九十二条以下地方自治のことをきめておるのです。地方行政をきめているのではない、地方自治をきめている。この「地方自治の本旨に基いて」というなら、本旨は地方自治であって地方行政ではない、こういうことになるわけですが、両方あるなんていったって、憲法の拡大解釈であり過ぎるし、少し憲法九十二条に違反するような気がするのですが、いかがですか。
○奥野政府委員 自治団体が自治団体の住民の意思にもっぱら基づいて活動できる分野、これもございましょうし、また国の機関としていろいろな仕事を国の指図を受けてやっていかなくちゃならぬ面もあるわけでございます。また時代の変遷とともに、地方行政とおっしゃいましたが、国の機関として行なっていく建前になっておった行政が、自治団体の本来の意思に基づいて運営していくような体制に切り変わってくることもございましょうし、自治団体の任にゆだねられておった仕事が国の企画に取り上げられまして、それぞれの地方団体に、国の一つの企画のもとに遂行していくというような中身になっていくものもあろうかと思うのであります。しかし何といいましても、地方自治をきめております基本は、自治団体の住民が創意工夫を燃やして、それぞれの行政の効果を上げていくということにあるわけでございましょうから、自治団体が創意工夫を尽くしていける、独立の気がまえをもって地方の発展、住民の福祉の向上に進んでいけるような態勢を作り上げていかなくちゃならぬ、これは言うまでもないことだと思うのであります。
○太田委員 あなたのおっしゃることもわからぬわけじゃないのです。わからぬわけじゃないですけれども、やはり地方自治体に自治権というものが与えられた以上、しかも憲法九十二条に地方自治の本旨にのっとりと書いてある以上、あまり地方自治権というものを便宜的なものに考えているのだったら私は困ると思うのです。ですから、これは本来の本旨にのっとって、少々高いところがあるからあれが目についてかなわない、隣の家の身上がよくなるのが気になって仕方がないというような考え方で、地方行政的な考え方で、少しワクの外と思われるようなものを作ったらすぐにいけないいけないといってたたいてしまえば、すべておしなべて基準化されてしまう。それでは地方自治の本旨がそこなわれるから困るのですけれども、地方公務員法の第二十四条第三項は、「職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。」という考え方の基本を示し、六項において、職員の給与は条例で定めるとある。条例で定めるということは、具体的に言えば団体交渉ということになるわけだ。あなたの方がこういう条例を作りなさいということじゃない。先ほど公務員課長の地方公営企業法の話がありました。これは三十八条のことでしょうね、この場合は。「企業職員の給与の種類及び基準は、条例で定める。」こうなっておりますね。給与は職務と責任に応ずるものでなければならぬ、それは条例できめるとなっている。この考え方の基本が違います。ところが警察の方は全然ニュアンスが違う。警察法は五十六条にありますね、人事管理。これは国家公務員を基準として、警察庁職員を基準としてとか、基準という文字が使ってあるのですよ。基準という文字が使ってある場合と、なしに、ただ条例できめるというのと、同じ範疇において取り扱われたのでは地方自治権というものは私は泣くと思う。この点、この通知は非常に違憲であると思うのだけれども、あるいは違法性があると思うのですが、さて当面する奥野財政局長としてはその辺はどう考えていらっしゃるか。
○奥野政府委員 私たちは、やはり給与の低い面につきましては、なるたけ国家公務員ベースまで持っていくようにしてもらいたいという希望を持っておりますと同時に、国家公務員ベースよりも高いところは、できる限り自粛していただきまして、国家公務員ベースでやっていただくという考え方をとっておるわけであります。同時に財政措置もそれを頭に置いて行なって参ってきておるわけでございます。同時にまた給与の問題は非常にデリケートな問題でございまして、自治団体が国家公務員ベースを離れて自由に考えるというようなことはちょっと考えられないことじゃなかろうかと思うのでございます。営利団体でもございませんし、住民の税金を基礎にしていろいろな活動を行なっている団体でございますので、そこは他の企業とはもとより違った考えで給与の問題を処理していただかなければなりませんし、そういう趣旨で地方公務員法や警察法はできておるわけであります。もとより御指摘のように、地方公務員法とか警察法とか、教育公務員特例法とか、それぞれ職種によりまして若干ニュアンスを変えておるわけでございますけれども、基本的には国家公務員ベースを基礎にして運営されていくべきものだ、こう存じております。
○太田委員 それは一方的に地方公務員法を解釈しておる。今地方公務員法の二十四条を読み上げましたが、三項で民間事業の従事者の給与、これを考慮して定めるとなっておるのであって、国家公務員に準じて定めなければならぬということは書いてない。だから、それは拡大解釈じゃないかと私はおそれる。だからこの点はあなたの説明では納得ができない。 それからもう一つ、三重県の場合をあなたが特にお出しになったのでそれを中心として少し申し上げますが、三重県に特異なる一つの例があるのです。それは道路改良工事などの町村負担の場合、一級国道の改良工事で国が七五%を負担している。県と市町村とはともに一二・五%の対等負担なんです。同列負担なんです。こういうことはよそにないことです。ほとんどは都道府県が二五%負担をして、残額は市町村が全部ゼロじゃないですか。それを三重県は市町村に一二・五%負担させておる。二級国道においても同じことです。それから地方道の改良工事においても、同じ一六・六%を県と市町村ともに負担をさせる。あるいは地方道の舗装道新設工事におきましても、一六・七%の均等負担を市町村と県とが同じようにやっておる。これは都道府県が残り三三%を負担して市町村はゼロがほとんどです。あるいは二級国道の橋なども、七五%国が出した残りを府県が出すべきが普通であるのに、三重県においては市町村も県も一二・五%を負担しておる。地方道の橋のかけかえ工事におきましても、六六・六%国が出した残りに対して、ほとんどは三三・三%は都道府県の負担となっておるのを、三重県においては一六・六%を県が負担して、市町村は同じく一六・六%を出しておる。中小河川においても同じことです。全く市町村にかぶせておることが多過ぎるのです。そうしておいて、二百万円の給与費が少し上回るような気がするから、そのような給料表の是正はけしからぬといって、ちゃんと団体交渉においてまとまったものをあなたは変えさせようとしておる。これは何か行政指導の重点というのが少し誤っておりはしないか。人件費を押えて地方公務員の給与さえ下げていけば再建団体の目的を達していくということは、どうもわからないのです。そうはならないのですよ。いかがですか。
○奥野政府委員 後者の点につきましては、お気持全く私たち同感でございます。従来もそういう点についての是正措置をとって参ったわけでございますが、将来も一そう努力を払って参りたい、かように考えております。
○太田委員 最後に一つ公務員課長にお尋ねしますが、今の財政局長の指導によるものと、それから一般事務次官の御指導によって、三重県では給料表の問題が大へん大問題になっておる。実は生活保護を下回るような給料をもらっておるのが実際たくさんある。たとえば津市においてこういうことがある。四十四才、これは七人家族ですが、家族給を含めて一万四千四百円。この人がもしも生活保護をもらったらどれだけになるか。一万六千百六十一円になる。約千七百円給料の方が低いのです。これが一つありますよ。持っておる例ですから、もう一つ念のために聞いて下さい。これは伊勢市で四十二才になる男の方です。これは六人家族でございますが、一万円の本俸なんです。家族手当合わせまして一万二千八百円。その方が生活保護でいったら一万四千円になるのです。これなんかも千円以上違うのです。それからもう一つ、松阪におきましても、三十才になる男性でありますが、家族は五人、自分も含めて六人でありますが、家族手当を入れて一万四千円。この人が生活保護基準でやりますと一万四千八百円となって、約八百円この人は低い。こういう例が松阪市にもあるのです。 そのほかたくさんありますけれども、こういう非常に気の毒な実態があるところに、あまり給料表についてはなぶってはいけない、団体交渉で統一給料表をきめたけれども、それは行き過ぎだといって、低い方に低い方に給料を押しつけていこうとする。悪貨は良貨を駆逐するというような原則になる。こういう指導をすることは、輝ける自治省としてはどうかと思うのですが、奥野局長と公務員課長のそれぞれの所感を承っておきたい。
○今枝説明員 御指摘になりました具体的な実例につきましては、私も詳細に承知をいたしておりませんが、御指摘のような事例が各地方団体の中で全くないということは言い切れないものがございます。従いまして、私どもといたしましては、不合理であると思われる点は逐次これを改正をし、合理的に改善をしなければならないと思っております。もちろん給与費は財政にも大いに影響のあるところでございますし、また給与の是正は部分的にはなかなか困難でございますので、市町村職員の給与の改善につきましては、全体として給与制度そのものの合理化をまずはからなければならないではないか。たとえば初任給基準というものを一つ明確にすることによってでも、不合理な点が是正をされるわけでございます。初任給基準を明確にするためには、任用の手続もあわせて合理的にしていかなければならない。そういうふうな総合的な公務員制度全体の合理化をはかり、しかも長期的に財政の推移をにらみ合わせながら改善をはかっていくという基本方針をとっておるのでございます。御指摘のような個々の団体について、個々の場合に不合理があるという点については、全体の問題とはまた別に是正をすべき点もあろうかと思います。私どもの指導が十分に行き渡っておらないことはまことに申しわけないことでございますが、今後そういう基本方針にのっとりまして、地方公務員の給与が合理的なものになるように、今後も努力をいたしたいと考えております。
○太田委員 大体わかりましたが、私の思うことと少し懸隔があるので残念に思いますけれども、えらい済みませんが、大臣に最後に一つ所感を承りたい。それは、そういうことになれば、地方公務員給与法という法律を作って、初任給は幾ら、家族手当は幾ら、こういうようなことの統一的なものを出す必要があると思うのです。今のような考え方であるならば、あなたの方にそのような考え方があるのかどうか、これを承っておきたい。
○安井国務大臣 御承知のように今の自治体におきまして、給与のあり方が国の標準に近いベースであるというのが大勢として好ましいことは申し上げた通りでございます。と申しまして、今の自治体というものの建前から申してみましても、今のように初任給幾らであるということを一方的に法律できめるのはやはり見合わせて、その自治体自体の自主的な取りきめをされるべきものであろうと考えております。
○濱田委員長 次会は来たる三月二日開会して、財政計画に関する質疑を続行することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十九分散会