大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 18 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/16
会議録
○伊藤小委員長 これより会議を開きます。 私このたびはからずも小委員長に選任されました。金融並びに証券取引に関する現下の状況にかんがみ、本小委員会の責務も重大であると思われますので、何とぞ小委員各位の御協力をお願いする次第でございます。 本日は、まず金融及び証券取引に関する問題について調査を進めることといたします。 質疑の通告があります。これを許します。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)小委員 理財局長にちょっとお伺いしたいのですが、最近公社債投信というようなものが認められて、従来の銀行を中心にした間接金融という形から、大衆による直接金融の方向というようなものが非常に強く出て参りまして、金融における分野が、銀行は本来の通り短期金融、証券関係が長期金融を担当するというような、いわば金融界における大きな革命ともいうような傾向というものが出て参ったわけでありますが、そういう状態になって参りまして、この前高橋参考人を大蔵委員会で参考人としてお呼びして、いろいろ御意見を聞いた中でも、大衆投資家を保護するというような立場からも、証券業者が健全であるかどうかということが非常に大きな問題なのだということを指摘されたわけでありますが、地方の中小証券会社というようなものが、大証券の圧迫で非常に経営として脆弱な基礎の上に立って、今日までも幾つか事故を起こして倒産をするというようなこともあったわけでありますが、先ほど申し上げたように、金融の分野が長期のものと短期のものに分かれてきたということになって参りますと、やはりこれは、今銀行は全国的に非常に地方にも分散をして、たしか人口何万というような基準のところには一つくらいはあるというような分布状態になっている、これは大蔵委員会の質問に対する銀行局長からの答えの中にたしかあったと思いますが、そういうものと見合った形で、やはり地方の小さなものではありますけれども、証券業者というようなものを分散配置をして、しかもそれを適正な、資力、信用等においてしっかりした、健全なものに育成していくというようなことが非常に必要な段階を迎えたのではないか、こういう工合に考えるわけですが、そういった点についてどのような御方針をお持ちか、お聞かせをいただきたいと思うのです。
○西原政府委員 ただいまのお話、私どもも常々研究と申しますか、勉強しております点でございますが、なかなかちゃんとしたいいものがないのでございますけれども、お話のように、地方の中小証券をどういうふうに配置と申しますか、持っていくべきかという点が問題になると思います。ごく最近までは、御承知のように千以上の証券業者があったのであります。これが現在五百五十ぐらいに減りましたのもごく最近のことでございます。今までのところは一部証券業は、資本金五百万とかあるいは千万円、そういうような一つのある程度の限度がありますと一般業務、それから二億以上にならないと、たとえば特殊業務は追加してはできない、この追加してやれます業務には、たとえば証券引受業とかあるいはいろいろな投資信託などもあります。運用預かりというような点もございますが、そういうようなものは実質的には免許、許可というようなものです。ですからいろいろな意味で証券業というのは広くいろいろな業態と申しますか、分野があるわけでございますけれども、いわゆる株式の売買という意味の本来の証券業は届出制になっております。今申し上げましたように、一つのあれによりまして、五百万とか千万とか、ある業態によって少し余類を違えておりますけれども、その他そういう一つの資格を備えればできるということになっているわけであります。そういうようなことで、最近におきましても年に二十くらいかあるいはそれ以上新しく業務を始められた方もあります。また御指摘のように、中小の業態でいろいろな間違いなんかがありまして結局業務ができないというので、業態からはずれていかれる方がやはり同じくらいありまして、そういうような関係で、大体五百五十の近辺の数字がずっと続いているわけであります。中小はその意味でよく大証券との職能分離とかいろいろなお話がありますけれども、職能分離をある程度以上いたしますと、また中小も苦しい面が出てくるのであります。それで中小証券をどういうふうに健全に育てていくかというのが非常な問題として頭を悩ましているわけですが、要するに中小でも一般的な株式の取引高で、その手数料で暮らしていくということが一番いいのだという意味で、そういう指導をいたしておりますし、利益が出ますればなるべく内部留保を厚くするというふうに努めているわけであります。おかげで中小証券も、昔はずいぶん赤字の方が多かったのでありますけれども、最近では大体みな黒字になりました。それでもあるいは若干赤字のところもあるかとも思います。 証券の場合もう一つ問題になりますのは、これは大証券なんか特にそういうことが言われ、取引所についても同じようなことが言えるのですが、最近の電話と申しますか、通信網の発達なのです。結局株の売買でありますから取引所の相場というものの連絡が一番大切になるわけですが、昔だと通信がなかなかいかなかったので、中央にすぐ電話で聞くとかなんとかいうことはできなかったわけです。最近では即時通話とかいろいろなもので通信が非常に発達しているわけであります。でありますから地方の店舗でも中央にすぐつなげる、あるいは中央とすぐ取引ができるというようなことがあるものでありますから、その意味で全国がある程度狭くなったと申しますか、同一店の扱う場所がだんだんと広がっていく。今後こういう通信網がだんだん便利になり、電話が即時通話とかなんとかにここ数年の間に今よりも発達していくのじゃないかと思いますが、そうなりますと、ますますそういう傾向は強くなるだろうと思うのです。両方いろいろな問題がございますので、いろいろ研究いたしておりますが、私どもとしてはもちろん既存のものはできるだけ健全に育てるようにしていきたい。そういうようなことから、いろいろお話もございましたが、たとえば大きな証券会社の地方へ進出する店舗とかなんとかいうものに、自主的に制限をしてもらっているわけであります。こういうようなことで、地方の中小証券の方にもできるだけ自分の業務ができるようにというふうに考えているわけであります。
○広瀬(秀)小委員 お答えをいただいたわけでありますが、先ほど局長も言われましたように、地方の中小証券会社が一番困る問題は手数料収入が中央の方に大体五割ぐらいは取られてしまって、結局東京の取引手数料の半分くらいの収入しか上がらぬというのが実態のようであります。この点もう少し、今日取引上における手数料はかなり高いということも、この委員会でも指摘したようでありますが、それでも地方の証券会社が決済をして手数料を受け取るときには、大体五〇%程度になってしまう。中央では何十カ月分も賞与を出せるというような余裕もあるわけですから、そういうような面でも、もう少し手数料の配分というような問題について、これを行政指導をなさって地方業者が十分立ち行けるようなものにしていくお考えはあるかどうか、その点ちょっと伺いたい。
○西原政府委員 ただいまの点、実際的に中小証券、特に地方の中小証券と大証券の間、その他で問題がございまして、昨年の秋に御承知のように株式の売買手数料の引き下げを証券界にお願いして実現していただいたのであります。これは主として非常に売買高がふえましたから、取引量がふえたわけですから、売買手数料を下げて、それだけ投資家に還元をする、こういう趣旨からいたしたわけであります。もちろんその際手数料が下がりますと、収入はある程度減るわけであります。減るからといって、経理あるいは将来の償却に非常に影響を与えることはいけないというので、両方のかね合いを見たのであります。その際に、お話のように、中央との関係で五割ぐらいとられるというのが実情だと思いますが、私どもとしては五割というのはあまり多過ぎるし、できればそれを少なくするということで、そういうことをお願いしました結果、最近は大体四割ぐらいにその点は減っているはずでございます。今後いろいろなことで、今のようなお話の点その他もちろん行政によって必要であれば考慮を加えていかなければならぬだろうと思っております。
○広瀬(秀)小委員 大証券の地方に進出するという問題をある程度押えるように指導しているというお話ですが、具体的にどういう措置をおとりになっておりますか。
○西原政府委員 証券会社の店舗の問題は、結局証券業協会とかなんとか、そういうところにおける実質的な調整ということでお願いしているわけであります。それぞれ各府県なんかに協会がございます。この協会が同意しなければ店舗は出せないということになっております。大証券なんかもそういう意味ではそういうところの協会の同意が要るわけですから、それで具体的には店舗を出せないわけであります。全体的には大体年幾らというふうに総体の数も押えておりますから、そういう意味で大証券は進出するにしてもそうできないというふうになっております。
○広瀬(秀)小委員 そういう形のものばかりじゃなしに、大証券から直接セールスマンがどんどん自動車で飛び回る。いわばサービスカーのようなものをどんどん動かして、それなかりせば当然地方証券会社に来るお客さんをさらってしまうというような現実が所々方々にあるように聞いているわけですが、あまりそういう形で——この間実は大蔵委員会でも四大証券等の公正取引に反する、独禁法に反するというような面を指摘する質問もあったわけですけれども、取引量が非常に四大証券に集中している。しかも今の段階ですらそういうことなのに、さらにそういう形でどんどん地方証券にいくべきものまでさらってしまうという傾向については、やはりこれはかなりきつい指導、今のところでは指導以外に方法はないと思うのですけれども、そういう行政指導、これは今のお答え以上の何らかの指導をおやりになる気持がありますかどうか。
○西原政府委員 片方で申しますと、やはり証券というものをお客が自分の好きなように買うわけであります。それに従いまして、どの証券会社とか、お客さんの好き好きがあるわけだと思います。それから、今のお話のように証券会社も信用のあるところと信用のないところ——ないと言うと少しあれですが、信用の程度が違うというようなことも、お客さんによってですが、見方がいろいろございます。ですから、大証券が地方に行くというようなことが今の程度のもので、あまり行き過ぎにならぬようにということは努めなければならぬと思いますし、今後そういうことは十分注意して参りたいと思いますが、同時に地方の証券業もだんだんと電話その他もさらに発達するわけでありますから、お客に対するサービスということも、もう少し自分でもよく考えていくというような、中小証券自体が信用をつけるということがやはり必要ではないか。中小証券といいましても、これは何も日本に限らない、あるいは証券業に限らないと思いますが、小さくてもやはり従来からのしにせとかなんとかでりっぱにやるのがどの業態にもあるわけでございます。小は小なりにやはりちゃんとした信用、堅実なる経営ということをやっていってくれるのが一番いいのではなかろうか。そういう面を私どもとしてはできるだけお願いするというふうに指導と申しますか、経理その他いろいろな点を注意して参りたいというふうに思っております。
○広瀬(秀)小委員 これ以上申し上げませんが、とにかく大証券に非常に取引量が集中して、独禁法違反の疑いすら今日言われておる段階でありますから、特に大証券が地方の中小証券を圧迫しないような、できるだけの配慮を引き続いて十分監視しながら行なっていただきたいと要望しておくわけであります。 次にお伺いしたいことは、投資家保護という見地から、証券会社の設立の免許制といいますか、認可制といいますか、いずれにしてもそういう形の、銀行においてとられるとほぼ見合ったような方向に持っていくお考えはお持ちになっておられないかどうか。これは地方証券などでも認可制というふうにしていただいた方が当然責任も感じますし、また不適正な場合には絶えず監督を受けるというようなこともあって、それだけに投資家保護の立場がより貫かれるというようなことをもうすでに言い出しているわけでありまして、そういう方向に進まれるのが、今のこの段階にきては、先ほど局長が言われましたような五百数十業者というところまで減って、既成業者についても保護育成をやっていきたいというお考えでありますが、その意味においても認可制というようなものをとられるお考えに踏み切るべき段階にきていると思うのですが、それについてのお考えはいかがでしょう。
○西原政府委員 証券業のいろいろな業務がございますが、最初にも申し上げましたように、たとえば投資信託、運用預かり、あるいは累積投資、こういうようなものにつきましては、結局免許と同じような性格の制度に現在なっているわけでございます。登録届出でいいのは、要するに株の売買の中継ぎとかあるいは債券とかそれだけの仕事になっておるわけであります。この免許制度をやるべきではないかというお話は、各方面にも相当ございます。またこの間から公社債投資信託というようなことから、なおいろいろ御意見を承っておるところであります。一体どうすべきか。いろいろ問題もございますので、実は昨年の十二月早々に、現在のような登録制度ということでこれ自体続けていっていいのか、それともこの際免許制度にすべきかどうか、どうすればいいのかということを、証券取引審議会に諮問いたしておるわけであります。ちょっとむずかしい点は、今御承知のように株式の売買ということに関連するわけであります。この間もこの委員会で春日先生やその他の方から、株の売買だから投資家は必ずこれで利益が出るものだというのではなくて、その相場によってやはり損があることもあるのだし、利益が出ることもあるのだということを、もっともっとPRしなければいかぬじゃないかというおしかりをいただいたわけでありますが、今まで証券業の中で譴責をいたしましたり、あるいは過去において登録取り消し、あるいは営業取り消しという件数が相当多いわけであります。一部分だけの問題ではなくて、そういうことが非常に多いわけでありますが、それがいろいろなことで損が出て営業停止をする場合があるわけであります。そういう損が何によって起こってくるかということを考えてみますと、どこまで免許制度でやっていっていいのか、それとも今のようなことでいいのか、あるいは中間的な方法が取り得るかどうか、そこらのところをどうするかという研究の結果が、私ども自身としてまだ出ないような状況であります。そういうこともございまして、今申し上げましたように、証券取引審議会にいろいろな権威の方とかあるいは経済界、一般の方、あるいは金融界の方などに入っていただいております。ここで何かいい結論を出していただきたいというふうに思っておるわけであります。
○伊藤小委員長 藤原君。
○藤原(豊)小委員 ちょっと関連してお聞きしたいのです。今の千くらいから半分の五百五十くらいまで減ってきたということですが、その大きな原因は何でございますか。もう一つは届出をする人とやめる人が一年にどれくらいございますか。それからその証券業者がやめたために一般の人がどんなに被害を受けておるか。みんな被害は受けていないでしょうが、やめた場合に相当な被害があるでしょう、そういう点を伺いたい。 もう一つお聞きしたいのは、やめるというか、長くやっておられないのはいろいろな関係がございましょうが、大きな証券会社の系列に入っていないと、仕事のできないような状態があるように思われてならないのでありますが、そういう点もちょっとお伺いしたいと思います。
○西原政府委員 昭和二十三年には年度末でありますけれども、業者の数が九百四十八ございました。二十四年が一番多いのですが、二十四年末には千百二十七あります。昨年の十二月の数が五百五十三になっておるわけでありますから半分以下になっております。その間の全部の統計はちょっとあれでございますが、廃業というかなくなりましたのが六百十六、そのうち店の工合が悪いというので、登録を取り消したものが三百十二ですから半分、あとの半分が自分で店をしまわれた。自分で店をしまわれたり何かしておる関係におきましては、お客に特に迷惑をかけておるということはございません。ただたとえばこの間の斎藤卯証券のような事件とかあるいは中外とかああいうことで事件がございまして、お客に迷惑がかかっているのももちろんあるわけです。ただこの協会でも、そういう場合にはなるべくお客の迷惑を何とかしたいということもございまして、さっきの話と少しあれしますが、大きな証券会社がそういうところに金を出して幾らかめんどうを見たり、あるいはのれん代その他を全部出すということで損害を幾らかカバーしている、あるいは協会の方でめんどうを見るというようなこともしておりますけれども、こういうことが今までの経過でございます。
○藤原(豊)小委員 そうするとやめましたのは、ほとんど赤字でやめているわけですね。取引数が少なくなって手数料でやっていけなくてやめたのですか。それとも証券業界の人が、何かほかの、自分の思惑でもやって、そういうふうな赤字でやめたのでしょうか。
○西原政府委員 今申しました六百ちょっとのうち、三百くらいが業態が悪いもので、政府の方の関係で取り消したわけです。これは免許取り消しと同じような意味の取り消しですから、その意味では相当きつくやっているわけですが、あとの半分は、今のお話のようなことや何かで廃業したのだと思いますけれども、ちょっと私の方でわかりません。
○伊藤小委員長 お諮りいたします。 この際、調査の便宜上懇談に入ることといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤小委員長 御異議なしと認めます。 それではこれより懇談会に入ります。 ————◇—————