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38回国会衆議院1961/05/16

大蔵委員会 第33号

発言数
31
登壇者
5
会派数
2
開催日
1961/05/16

会議録

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 これより会議を開きます。  国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の通告があります。これを許します。有馬輝武君。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 私は、この前の委員会におきまして、おもに運営審議会と評議員会の性格についてお伺いをいたしました。その構成につきましても、非常に各省庁の監督的な立場にある人たちだけが入っておりますし、それから評議員会と運営審議会といういわば執行機関を兼任しておるような事態については望ましくない、こういう立場から御意見を申し上げたのでありますが、それについて、私どもは、各省庁の長が任命する者を半分、それから組合員代表というようなものを半分にする、こういう方向で改正していくことが審議会の民主化をはかる唯一の道である、このように考えておりまするけれども、大蔵省として将来そのような方向へ進める考え方があるかどうか、もしあるとするならば、どのような時期にこれを考慮するのかという点について、この際お聞かせをいただきたいと思います。その考え方の基礎につきましてはこの前の委員会で詳しく申し上げましたので、繰り返しません。今の執行機関と決議機関がダブっておる。この性格をどのように改めるかということと、それから民主化の点について御答弁いただきたいと思います。

船後正道大蔵事務官(主計局給与課長)

○船後政府委員 本件につきましては前回も御質問に対しまして御答弁申し上げた次第でございますが、第一点の、評議員会の評議員と理事会の理事が同一人格の者が重複して任命されておるという点についてでございます。御承知の通り連合会の評議員会は諮問機関でございまして、連合会加入各組合のそれぞれの意思を反映させる、連合会の運営に参加させるという形態でございます。従いまして、この諮問機関である評議員が、他方におきまして連合会の執行機関である理事を兼ねるということは、これは法律的にも差しつかえがないのではないか、また、各単位組合の意思をより直接的に反映させるためには、あのような形態をとるのが現在の状況では妥当ではないか、かように考えておる次第でございます。  それから、評議員会の構成でございますが、これは御承知の通り各単位組合を代表する組合員である評議員ということになっておりまして、この評議員は連合会加入組合のそれぞれの省庁の長が任命することになっております。このことを規定いたしましたのが共済組合法の第三十五条の二項と三項でございます。この解釈につきましても、やはり評議員には各組合の事務について最も通じておる者が任命されるのが妥当ではないかと思うのでございますが、いずれにいたしましても、これは各省大臣の権限として運営されておるという次第でございます。  以上が現状でございまして、連合会の理事会、評議員会の構成並びにその運営の民主化につきましてはしばしば御指摘もございましたし、私どもも現在のような構成並びに運営でもって絶対に将来とも妥当であるというようなことも申せない事情もあるわけでございますので、御趣旨につきましては十分各単位組合並びに連合会の方へも通じまして、今後御趣旨の方向で十分検討を進めていきたい、かように考えておる次第でございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 単位共済の問題につきましては、各省庁の権限だというふうにおっしゃるのですが、この前もお話しいたしましたように、やはりこれはあとでお伺いいたしますが、大蔵大臣の権限の問題とも関連してくるわけですけれども、大蔵大臣が大きな権限を持っていらっしゃることは御承知の通りです。定款の問題からあらゆる問題について指導し得る立場にあるのでありまして、私は、単位共済の民主化という点につきましても、大蔵省の考え方によって各省庁はそれに即応した構成について考慮する、そういったつながりは十二分にあるし、現在までもあったと思うのです。そういう点について、単位共済の問題だからということで突っぱねるのではなくて、私は、この前からもお話しいたしておりますように、できるだけ全組合員の意思が反映し得るような機関構成にすべきだ。これについては大蔵省としてもそう反対の御論議はなかったようです。とすれば、そういう面について指導する考えはないかどうかという点をお伺いしておるわけなんです。各単位共済の問題だからということで済まされるのじゃなくて、これに対する大蔵省としての考え方を再度お聞かせいただきたいと思います。

船後正道大蔵事務官(主計局給与課長)

○船後政府委員 評議員の人選は単位組合の問題ではございますけれども、もちろん各組合を通じた問題でございますので、大蔵省といたしましても、種々その検討はいたしておる次第でございます。従来から、組合員各位の方から、この評議員会のメンバーといたしまして組合員あるいはその省庁の労働組合員の代表を参加させるようにというような御要望もあったわけでございますけれども、何せ連合会は十九の単位組合で形成いたしておりまして、評議員会の人数というものにも一つの制約がございます。そこで、要は、各組合員のほんとうの声がこの評議員会に反映され、組合員の真の利益を守られますように運営されていくというのが主眼点であろうと考えておるのでございまして、そういう趣旨に基づきまして、今後といえども、評議員会の構成等につきまして、さらに再検討はいたして参りたいのでございますが、今直ちにしからばそのうちのどの程度を各省庁の厚生課長あるいは会計課長以外の者をもって充てるか、どの省庁だけがそうするかというような具体的なところまでは申し上げる段階にはないのであります。いずれにいたしましても、先ほど申しましたような趣旨で本件は考えていきたいと思っておる次第でございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 この点につきましては、どの省庁ということではなくて、十九の単位共済すべてにおいてぜひきわめて早い機会に考慮していただきたい、このように考えております。  それから、先ほどお伺いいたしました大蔵大臣の権限でありますが、組合を設けること、それから連合会を作ること、各組合の事業の企画や実施、連合会においての年金の企画や実施、各組合や連合会の管理運営やこれを担当する人事、各組合、連合会の予算、決算、附加給付の実施の仕方から各組合で行なう福祉施設の利用料金、あらゆる点について大蔵大臣の認可、許可、承認、協議を得ることになっておりますが、少なくともこの共済の性格からいたしまして社会保険として私たちは見るべきだと思うのであります。そういった点について、しかも、大蔵大臣だけではなくして、各地方の支部に対しましても財務局を通じて同様の縛り上げをいたしておりますが、これは当然報告程度にとどむべきものではないか、このように考えております。この現在の大蔵大臣の強大な権限について私は早急に再検討すべきだ、このように考えております。この点についての大蔵省としての御意見を承りたいと思います。

船後正道大蔵事務官(主計局給与課長)

○船後政府委員 国家公務員共済組合に対する大蔵大臣の許認可等の権限でございますが、この法律によりますと、大蔵大臣の権限事項は相当多いようにも見受けられるのでございますけれども、これは何も公務員共済組合法に限った問題ではございませんでして、たとえば公務員共済とほぼ同じような公企体職員の共済組合における主務大臣の権限というものとほとんど一致いたしております。従いまして、特に公務員共済のみが主務大臣である大蔵大臣の権限が強大に過ぎるというようには私ども了解していないのでありまして、この点は、また、共済組合のみならず、各種の特殊法人、たとえば公庫、公団、事業団等に対するそれぞれの主務大臣の権限等を考え合わせましても、公務員共済に対する大蔵大臣の権限が多きに失するというようには考えておりません。特に公務員共済の場合に問題になりますのは、各単位組合が相当数が多くございまして、しかも、各単位組合の実行をある一つの基準でもって統一を保たなければ、共済組合相互間の権衡が守れないという問題があるわけでございます。従いまして、先ほど有馬先生御指摘の事項の中に、たとえば附加給付に対する問題というふうなことをおあげでございましたけれども、これが公企体共済でございますれば、主務大臣が一つ、そのもとにある組合が一つという関係になっておりますけれども、私どもの場合には、この大蔵大臣の監督のもとに二十数個の単位組合がございますので、この単位組合の附加給付の実施方法を統一する必要上、現在は、共済組合運営審議会の意見を聞きまして、大蔵大臣が個々に認可するというような仕組みになっておるわけでございます。これは一例でございますが、公務員共済には公企体共済に見られないそういった特殊性があるということでございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 それから、掛金率等につきまして、大蔵省としてはその計算の基礎その他について検討をしておられますか、まずそれをお伺いしておきたいと思います。

船後正道大蔵事務官(主計局給与課長)

○船後政府委員 期経理の掛金率と思いますが、これは組合財政の根本でございますので、大蔵省におきましては常にこの検討をいたしております。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 それでは、具体的な問題について二、三お伺いしたいと思いますけれども、総脱退率の基礎というものはどのようにして求めておられますか。

船後正道大蔵事務官(主計局給与課長)

○船後政府委員 現行の財源率は三十四年の十月発足の際に算定したものでございますが、その基礎といたしました総脱退率は、二十九年から三十二年までの各省の実績であるところの脱退実績をとりまして、これを統計的に操作をいたしまして求めた数字でございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 それから、俸給現価と平均の初任年令等はどのように見ておられますか。

船後正道大蔵事務官(主計局給与課長)

○船後政府委員 まず、俸給現価でございますが、これは三十四年十月に最も近い現在における数値、つまり三十四年分たしか三月——ちょっと今資料を持ってきておりませんので、あるいはあとで訂正しなければならぬかと思いますが、三十四年の四月一日の実態に基づいております。それから、初任年令につきましては、過去数年間の実績を平均いたしまして、二十五才という初任年令を出しております。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 今の二十五才の平均初任年令というものは、私は実情に沿わなくなってきておるのではないかと思うのですが、その点どうなんですか。

船後正道大蔵事務官(主計局給与課長)

○船後政府委員 三十四年十月の財源率計算当時に用いられた資料から判断いたしますれば、当時におきましては、過去数年間のあらゆる実績が大体二十五才前後に分布いたしておりまして、平均値がさようになっておりましたので、二十五才という数値を採用したのでございますが、最も最近の採用実績からいたしますれば、中途採用者のウエートが逐次減りつつあるのではないか、つまり学校卒の新規採用者のウエートがふえつつあるのではないか、かように考えられますので、次回に財源率の再計算をいたします際に用うる資料によりますれば、あるいはこの二十五才よりも低い数字が得られるのではないかというような予想もされるわけでございます。現在把握しておる実績では二十五才でございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 そのほか費用の負担割合なりいろいろな問題について、私は、先ほどの評議員会あるいは理事会と同じように、やはり計算委員会というものを設けまして、これに理事者側とそれから一般の組合員との同じ構成による検討というものが、今言ったようないろいろな問題点を整理するために非常に好都合ではないか、このように考えておりますが、単位共済の中でそういった方向へ進んでおるところもあるやに聞いておりますので、この点について考慮する余地がないかどうか、お伺いしたいと思います。

船後正道大蔵事務官(主計局給与課長)

○船後政府委員 先ほども申しました通り、この長期経理の財源率は長期経理の中心をなすものでございますので、この算出につきましては最も慎重を期しておる次第でございます。三十四年発足の際には、御承知の通り、種々のトラブルがあった次第でございますが、法律上はこの財源率は五年に一回ということになっております。しかしながら、昨年の十月に大幅のベース・アップもございまして、基礎として用いました俸給現価にも相当の変化があろうと考えておりまして、また、その他脱退率あるいは初任年令等につきましても相当の変化も予想されないわけではございません。従いまして、私どもといたしましては、できるだけすみやかな機会に、五年とは言わず再計算を行ないたい、かような計算のもとに、現在連合会におきましては、昭和三十四年度と三十五年度、一番新しい資料を収集中でございます。この資料の収集が、やはり、夏から秋にかけて終わると思うのでございますが、できますれば、それを基礎といたしまして、連合会におきまして財源率の再計算作業に入るわけでございますが、その際に、先生の御指摘のございました通り、広く組合員の声も聞くというような仕組みを考慮いたしたい、こう思っておる次第でございます。ただ、この財源率計算の問題は、どこまでも保険数理に即しまして客観的に算出さるべき性質のものでございますので、いわゆる給与問題のように、団体交渉というような対象になる事項ではない、かように考えておる次第でございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 さらにお伺いいたしたいと思いますが、施行規則の第八十七条の二に基づきまして、前歴調査をやっておられるように聞いておりますが、この点について、その実施の過程で非常に無理な注文をされておるやに聞いております。たとえば軍人歴、こういったものについて証明書を持ってこさせる。これは、部隊のいかんによりましては、証明書なんかとても出せっこないところが多いのであります。こういう点について、この前歴調査というものはいつごろまでに完了させる予定なのか、そうしてその内容についてどのようなものを求めておられるのか、お伺いしておきたいと思います。

船後正道大蔵事務官(主計局給与課長)

○船後政府委員 御承知の通り、前歴調査は、更新組合員、つまり過去の恩給公務員あるいは過去の旧長期組合員であって、この新法の組合員になった大多数の人々でありますが、この更新組合員の給付を決定する基礎となる資料でございますので、それの事実関係につきましては慎重を期して調査をいたしておる次第でございます。御指摘のように軍歴関係につきましては非常に調査が困難でございますが、資料は引揚援護局その他等にあるはずでございますので、でき得る限り資料の正確を期したい。しかしながら、具体的な問題といたしまして、実施方法をどうするかということ等につきましては、もちろんその事情々々に即して判断して参りたいと思っておる次第でございます。この前歴調査は、各個人の給付金額決定の基礎となるのみでなく、いわゆる追加費用の総額の確定の資料となるわけでありますので、私どもその完成を急いでおる次第でございます。当初の計画によりますれば、三十五年度末に完了を目途としておったのでございますけれども、種々の事情がございまして、現在のところ連合会に集まりました資料は一〇%にも達しておりません。従いまして、私ども現在いかなる事情でこれが遅延しておるのか——相当部分各省でまとめておられるというふうに聞いておりますので、実際の調査完了はこの統計数字よりも上回っておると思うのでありますが、とにかく遅延の原因その他を調査中でございまして、その結果に基づきましてさらに今後の処理方針を考え、これを促進して参りたい、かように考えておる次第でございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 今実情に即してというお話がございましたので、ぜひ、そういった面につきましては、今もお話にありました軍人歴等に対しまして無理な形で資料を要求する、証明書を要求するというようなことは、できるだけ避けていただきたいと思います。もとより、より正確をという点は望むべきでありますけれども、やはりそれは常識的な範囲に限るべきでありまして、無理なことを要求するとかえって逆な結果が出てこないとも限らないのであります。そういう点についての特段の御配慮をわずらわしておきたいと存じます。  以上でこの問題に対する私の質問は終わりますが、政務次官も、前の委員会におきます私の質問また本日の質問を通じまして御承知のように、社会保険としてのとの共済組合というものが、大蔵大臣の強大な権限、あるいはその運営面における審議会あるいは評議員会等の構成等におきましても、非常に常識にはずれた面が多分に残っておるのでありまして、こういう面については積極的に——問題は共済組合がいかにスムーズにしかも全組合員のために運営されるかというところにねらいを置かなければならない、このように考えておりますので、こういう面についてぜひ早い機会に再検討していただく、このことを強く要望いたしまして私の質問を終わりたいと思います。      ————◇—————

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 次に、機械類賦払信用保険特別会計法案及び企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  質疑の通告があります。これを許します。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 簡単にこの会計法案について質問をいたしますが、そのもとになる考え方についてどうもすっきりしない考えが私に浮かんで参りますので、率直にお伺いをいたしたいと思うのです。  この機械類賦払信用保険というものは、一言にして言うと機械メーカー救済法案のような気がしてならないのです。中小企業の救済のような体裁をしておりますけれども、中小企業にはどうも縁がなさそうだと思う。その理由の第一は、中小企業が相手でなくして、機械メーカーが貸し倒れをした場合ないしは賦払いの契約が実行されない場合に、この損失を国が補償するというのですから、中小企業が金繰りについてこの信用保険に期待をするということではない。それが第一の私の心配です。心配というか、ちょっと案外だったという点です。  第二番目には、中古品を扱わないということです。今もちょっと聞いたのですが、中小企業のほとんどと言っていいくらいではないかと思いますが、まだまだ設備の近代化の中で占める中古品の位置というものはきわめて高いのです。現に、その善悪は別として、アメリカから中古品を中小企業のために入れようという意見もあり、それから国も、この数年来国が持っておりました中古品の工作機械を中小企業に数万台流したという事実もあり、それらを考えてみますと、新鋭機械を中小企業に充てなければならないという理屈はわかりますが、事情がこれと反しておるのではないか、それが第二番目の私の考えです。  第三番目の考え方は、これは私ちょっと事情に暗いのですが、この機械類を中小企業が買うときに、メーカーから直接買う率と、卸ないしは商社から買う率とどういう関係になっておるのであろうか。卸や商社から中小企業が買った場合には、この問題が一応適用されないように原則的にはなっておるように思うのです。そうすると、間接的な利益をも供与せられないのではないか。真にこれが中小企業のためだと考えられるならば——どうもそうではないようでありますけれども、そうであるとするならば、むしろ中小企業が機械類を賦払いで買う場合のその金融の信用保証に中心が置かるべきではないか。そうでなくして、メーカーのためにこの会計法案が行なわれるとするならば、ますますこれは機械メーカー救済法案になる。機械メーカーといえば大体大企業でありますが、大企業救済法案に堕しておるのではないかという点が、どうも私しばらく休んでおりまして、説明を承って、直感的に受ける印象です。この直感的な印象がどこが間違っておるのか、実際はそういうことなんだというふうになるのか、御説明を承りたい。

佐橋滋通商産業事務官(重工業局長)

○佐橋政府委員 お答えいたします。  ただいまの御質疑の中で、本法案がメーカーの救済で、中小企業の設備近代化に役立たないのではないかという第一点の御質疑でありますが、この点につきましては、私はそうではないというように考えております。と申しますのは、御承知のように中小企業の機械設備の近代化が非常におくれておるわけでありまして、機械工業のレベル・アップをするためには、下請企業が非常に多いわけでありまして、中小企業の作り出します製品の性能をよくし、同時に価格を安くするということが、機械工業を全般的に振興させるためにはきわめて重要でありまして、その点について中小企業が大企業に比べて設備の近代化のテンポが非常におくれておるわけであります。と申しますのは、これは信用力の点その他もありまして、なかなか新鋭の機械が買えないところに問題があるわけであります。通産省といたしましては、中小企業の設備の近代化等の施策を講じて、その方の近代化を促進させておりますが、これだけでは不十分でありまして、本法案によりますと、機械メーカー、特に中小企業に向く新鋭機械をこの指定機種にいたしまして、それを割賦販売で売る場合にこの保険をかけようということでありまして、中小企業が従来要しました金の非常に少額の金額——といいますのは、頭金を払えば新鋭機械が一応手に入る、それで稼働いたしまして、その得たるもうけによりまして逐次割賦を払っていくという施策がとれるわけでございまして、中小企業の設備の近代化には非常に役立つ、こういうふうに私たちは考えておるわけであります。  それから、中古機械の点でありますが、確かに現在中古機械の需要は多いわけでありますし、現在中小企業が現実に買っておりますのも五割以上は中古機械であります。これは、大企業あるいは中堅企業が新鋭機械にリプレイスいたしました古品を安い値段で買うということでありますが、これは、先ほど申しましたように、機械工業を急速にレベル・アップさせるためには、こういった耐用年数の尽きたような機械を買うことによっては必ずしも品質の性能の高度化だとかあるいは価格の低廉化ということは期待しがたいのでありまして、できるだけ大メーカーが入手すると同じような新鋭機械を買わせたいというのがわれわれの念願でありまして、そのためにこの制度を創設いたしたわけであります。  第三番目の商社を扱わせるかどうかという点でありますが、われわれが考えておりますのは、機械の製造メーカーが、メーカーの販売部門が独立したような形で機械を売る場合、これは機械の販売の形ではほとんど常道に近いと思いますが、あるいはまた大手商社が一括して、たとえばAという機械がいろいろ作っておりますうちの小型機械はもう全部一つの商社が一括して引き取ってそれを売っていくというような形の場合には、これは賦払いの信用保険の対象に入れておるわけでありまして、商社を全面的に排除しておるわけではないわけであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 あなたのおっしゃったことを時間の関係上節約して私の意見を申し上げるのですけれども、これが中小企業に、私の言う直接目的でなくても、間接目的、救済目的があるとするならば、この信用保険をメーカーにつけることが一番大事でなくして、中小企業が機械を買う信用力を増すことが一番の大目的ではないか。これをあなたは排除せられるのですか、どうですか。一番中小企業は設備の近代化をするために中小企業の信用力がないからと、そこまではいいのですが、それから先、中小企業の信用力をつけるのでなくて、メーカーの救済措置を講じてやるというところに飛躍がある。これが私の第一の意見です。  それから、中小企業に向く機械を選定するとおっしゃる。そうして三つぐらいおあげになっておるのであるけれども、今もちょっとほかで説明を聞いたのですが、中小企業に向く機械と選定をされても、それは大企業が使ってもいいわけですね。大企業が使って信用保険を受けても差しつかえないわけですね。買う方の大企業にもこの恩恵がいくわけです。それをあなたは否定していらっしゃらないようですね。ここでいう中小企業を相手方としてという中小企業とは、常識にいう三百人以下、一千万円以下ではないということになるならば、信用保険をつけられる対象となるものは、中小企業に向く機械という、その向くということは主観的なものであって、これは向く、この機械はいいとすれば、それを買った大企業においてもこの信用保険が付せられる。ここに私は矛盾を感ずる。しかも、新鋭機械であること、設備の近代化に非常に力がつくこと、そう考えてみますと、その機械はまあ大体いい機械であると思われる。いい機械であるならば、中小企業のみならず、大企業もこれを使う、だんだん政策の恩恵が上の方へ向いていく、こういう危険性があると私は思うのですが、それをリミットする方法があるのか。  それから、販売、卸は原則としてだめだ。けれども、メーカーが直接に販売しておるか、あるいは同系資本でやっておる場合はいい。なぜそこで区切るのかと私は思うのです。なぜ純然たる機械販売商社、あるいは卸商といいますか、そういうものをこの信用保険に該当させては悪いのであるか。あなたはむしろいかぬという立場をとっておられるのであるが、いかぬ理由はどこにあるのか。まあそれだけお伺いします。

佐橋滋通商産業事務官(重工業局長)

○佐橋政府委員 第一番の中小企業に信用力をつけることが第一番だということでありますが、まさにその通りだと思います。その点につきましては、中小企業の金融は、いろいろめんどうを見ておるわけでありますが、今度のこの法案はさらにそれ以上の役割を果たしておる。といいますのは、中小企業に金融をつけることはいろいろやっておりますが、いずれにいたしましても、金融機関が中小企業に金を貸すわけでありまして、その金を貸す場合には、中小企業の施設なりあるいは信用力なりというようなものがまたさらに中小企業金融には前提になるわけであります。なかなか中小企業は金が借りにくいのでありますが、今度のこの機械を買うための保険というのは、決して中小企業のそういった総合的な信用力を問題にしなくても、この売った機械自身に抵当権なりあるいは所有権留保の措置を講じておけば、あるいは講じなくても、その機械だけを相手にして、もしも不払いになった場合には、その転売なり何なりということが可能であるわけでありまして、中小企業が一般金融で機械を買う場合に比べますと、この方がはるかに中小企業としては機械を買いやすい状況になるわけであります。かりにその企業が信用力が弱い場合でも、この売った機械だけを相手にしておるわけでありますから、もしも割賦の不払いというような状況が生じました場合には、その機械の転売によって貸付金の回収ができるとかいうことになりますので、その機械だけを相手にし得るという点で、普通の一般金融に比べますと、中小企業は機械が買いやすい、それからメーカーの側からいけば売りやすいという形になると思います。  第二番目の、機械が中小企業ばかりでなくて大企業にも向くのではないかということでありますが、ものによっては明らかにそういうことが言い得るわけであります。私が申し上げたいのは、この法で指定します機械は、法に明らかにありますように、中小企業の設備の近代化に資すると同時に、機械工業の振興に資するという二つのねらいを持っておるわけで、それ以外のものは指定できないということが法の三条に書いてあるわけであります。そこで、そういった二つの目的にかなう機械をここで指定をいたしまして、そこで、その指定されました機械を作っておるメーカーと包括契約を国が結ぶわけであります。その包括契約を一応受けましたあとで、私がメーカーだといたしますと、これは主として中小企業に売っていきますが、そのほか中堅企業あるいは大企業に売る場合でも、これを法的には排除いたしておりません。と申しますのは、そのこと自体がいわゆる危険の分散にもなり、機械のメーカーからいえば、大企業にはかけずに、あるいは中小企業に売る場合にはかけずに、中小企業の弱体なのだけに割賦販売をする場合にかけるということになりますと、いわゆる逆選択ということになりまして保険料率が非常に高くなるということは、かえって中小企業がこの法案を利用して買う場合にマイナスのファクターになる、こういうふうに考えて、中堅企業あるいは大企業に売られる場合も、必ずしもそれを排除するということにはなってないわけであります。しかし、われわれが考えております機械は主として中小企業に売るものを指定しますので、大部分のものが中小企業あるいはせいぜい利用いたしましても中堅企業が買うということになると思いますし、あるいは非常に大型なあるいは非常に高い機械というようなものはほとんどこの法案で指定することはないと考えますので、そういう比較的廉価なあるいは小型な機械というようなものは、大企業が買うというときには現在でもほとんど全部即金で買っておりますし、おそらくこの制度を利用する点は少ないのじゃないか、こういうふうに考えております。  それから、商社を使うことがむしろ現状よりマイナスになるのではないかという点でありますが、従来の機械の販売方法というのは、メーカーからいわゆる需要者である需要家に対する直売がほとんどでありまして、いわゆる店頭に並べて売るという筋合いのものではありませんし、私たちがこの法案でねらっておりますのは、一つの機種を指定することによって、その機種を専門化させることによって、コストを安くさせる、品質をよくさせるという機械工業の別の面もねらっておるわけでありまして、どういう機械でも中小企業に向くという機械を指定するつもりはありませんので、メーカーを主として国との包括契約の対象に選んでおるわけであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 第二の点はよくわかりました。了解をいたしますが、三つ目の点がどうもまだ系統的によくわからないのです。メーカーと離れた、独立した商社ないしは卸商が中小企業に向く機械を実際に売っておることはない、私はないということはないと思うのですけれども、そういう場合に、その中間的な業者の救済はしないのだ、むしろメーカーから中小企業への特売を奨励し、そのことによってコストを安くするという思想が流通部門に対するあなたのお考えを物語るのか、特にそれを排除せられる理由というものが私にはよくわからない。  それから、もう一つは、こういう指定をした機械を輸出をする場合においてはどういうことになるのか、その点を一つあわせて伺いたい。

佐橋滋通商産業事務官(重工業局長)

○佐橋政府委員 今度この法案で指定を予定しておりますのは、工作機械、鍛圧機械、建設機械の三業種でありますが、工作機械、鍛圧機械は一〇〇%直売を現在いたしております。建設機械につきましては、メーカー直売が七〇%、それからいわゆる販売業者を経由しているのが三〇%というのが実態であります。その三〇%の場合でも、大体これは代理店という形で売っておりまして、いわゆる大衆消費財のように、メーカーから卸あるいは小売を伝わって、そこに並べておいて売るという筋合いのものではありませんので、いわゆる需要家としての中小企業が卸屋から買うとかあるいは商人から買うということはほとんどない、こういうふうに私の方は考えております。先ほども申しましたように、これはそういう意味で代理店の場合はメーカーに直結するわけでありますから、メーカー自身が機械の専門化、多量出産化ということも一つのねらいでありますので、私の方はメーカーを主として相手にし、メーカーから一括して買うという販売業者の場合は、その販売業者と国との包括保険を認めておるわけであります。  輸出の点でありますが、輸出につきましてはこの法案は全然関係をいたしておりません。この法案によってねらいました効果が出ますと、機械メーカー自身のいわゆる専門生産化、多量生産化ができまして、それがひいては輸出の競争力もつき、これが輸出にも向いていく、こういう付随的な効果をねらっておるわけであります。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 両法律案に対する質疑はこれにて終了いたします。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 なお、両案に対しましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。  採決いたします。  両案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、両案はいずれも原案の通り可決いたしました。  なお、両案に対する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は来たる十九日委員会を開会することとし、開会の時間等につきましては公報をもってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時三十八分散会      ————◇—————

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