大蔵委員会 第31号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/05/10
会議録
○足立委員長 これより会議を開きます。 製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の通告があります。これを許します。有馬輝武君。 〔「有馬君、だめだよ。きのう国会対策で申し合わせているじゃないか。定足数が足りないよ」と呼ぶ者あり〕
○有馬(輝)委員 今同僚の委員からお話がありますように、特にこのたばこの問題につきましては非常に重要な問題でございますし、与党の委員諸君の多数の出席を得まして慎重審議をいたしたいと存じますので、暫時質問を留保さしていただきたいと存じます。
○足立委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○足立委員長 速記を始めて。
○有馬(輝)委員 最初に谷川さんにお伺いしたいと思いますが、戦後、専売公社としては、一貫した生産指導といいますか、品質並びに量につきまして、特に耕作反別につきましても、長期の展望に立った指導というものをやってこられたと思うのであります。にもかかわらず、ある時期におきましては増反の声が非常に強く前面に押し出され、またある時期におきましては非常に減反の方向に持っていかざるを得ないようなシビヤーな指導がなされているような印象を受けるのでありますが、そういった原因というものが、どこにあるのか、この点について最初にお聞かせをいただきたいと思います。
○谷川政府委員 お答え申し上げます。 ただいまの御質問は、葉たばこの生産政策の問題、それに関連して耕作者との関係の問題でございますが、専売公社におきましては、たばこ専売法が施行されて以来、葉たばこの耕作者に対しましては、葉たばこが製造たばこの主要な原料であるという観点からいたしまして、その品質の向上等についての指導の面におきまして終始親切な指導を行なって参りましたし、また、製造たばこの販売状況の推移とも関連いたしまして、原料の蓄積を十分に考えまして、たばこの売れれ行きがよろしいときにおきましては、その将来の情勢判断に立ちまして、葉たばこの耕作面積の割当等につきまして慎重に検討をいたし、そうして耕作者と十分話し合いの上で面積をきめて参ったわけでございますが、お尋ねのように、最近におきましては、所得倍増計画の進行と関連いたしまして、たばこの消費が相当程度の伸びを示しておるわけでございます。そこで、今後のたばこの消費の見込みを考えまして原料対策を考えておるわけでございますが、その今後のたばこの消費の伸びがどの程度になるかということにつきましては、最近のここ数年の実績から判断せざるを得ないわけでございますが、今後は相当葉たばこの製造が必要になって参ります。そこで、最近におきましては、耕作者に対しまして、ある程度の増反の話し合いを進めておるような状況でございます。
○有馬(輝)委員 まず第一点といたしまして、耕作者とよく話し合いをいたして、耕作反別の面等につきましても需給に応ずるような方向をたどっておるというお話でございまして、この点についてはあとでお伺いをいたしたいと思います。今最後にお話のございました相当の需要の伸びがあるので増反の話し合いをいたしたいというようなことでございましたが、私の地方なんかでは、少なくとも増反意欲というものはほとんどなくなっております。これはいろいろな原因がありますことは御承知の通りであります。それで、私が今度連休中に回りました地区におきましても、たとえば私のところの肝属郡の高山というところでも、昨年に比べまして十町減りまして八十三町くらいになっております。それから、囎唹郡におきましても、各地域におきまして、私が尋ねました限り、十町から五町昨年に比べまして減反を見ておるわけであります。そういたしますと、専売公社として増反の方向へ指導していこうとしておるにもかかわらず、今言いますように軒並みに減反の現象が現われ、しかもたばこに対する意欲というものは非常になくなってきておる。戸数にいたしますと、私は、相当数のものがすでにやめており、また、やめようというような空気がびまんしておると思うのです。その最大の原因は何だとお考えでしょうか。
○谷川政府委員 お尋ねのように、葉たばこの耕作の問題は、そのときどきの経済情勢との関連におきましていろいろな問題が起こって参っているわけでございますが、一つには、葉たばこの収納価格の問題もあろうかと思います。収納価格につきましては、昨年の年末におきまして、耕作者の代表の方々と公社との話し合い、あるいは耕作審議会における慎重な審議の結果、前年の価格に比べまして相当大幅な引き上げが行なわれたわけでございますが、今後においては、耕作審議会におきましてさらに慎重な検討を加えまして、そのときどきに合いました収納価格を答申していただきまして、そうして公社の総裁が慎重に決定していただくということを大蔵省としては考えているわけでございます。葉たばこの耕作者といたしまして、単に収納価格が相半大幅な引き上げをいたしたということだけで、増反を積極的にやる気持になるかどうかという点につきましては、品種の改良とか、あるいは労力が比較的少なく済むような品種を選んで、それを耕作していただく、その他耕作組合の問題とか、またはほかの農産物との関連において、農業基本法において示されておりますような選択的な拡大という政策をとる場合において、葉たばこの耕作面積あるいは収納価格を、ほかの農作物価格との関連においてどの程度にきめるかというような、いろいろ広範囲な、むずかしい問題があろうかと思います。製造たばこの主要原料であります葉たばこについては、製造の伸びに見合うような原料の確保が必要でございますので、公社と葉たばこ耕作者の組合と緊密な連絡をとって、お互いに話し合いを行ない、そうして気持よく耕作が続けられるよう十分指導して参りたいと考えております。
○有馬(輝)委員 私たちが昭和三十二年の専売法の改正並びにたばこ耕作組合法の改正におきまして問題にした点は、今の谷川さんの答弁の中の二つの重要な問題にしぼられておったわけであります。まず第一点としましては、やはり、葉たばこ審議会の構成について、私は今の川野さんを初め皆さん方は練達の士であり、少なくともたばこの神様と言われるような人たちであられることは十分に知っております。しかし、あの委員のメンバーをずっとごらんになればわかりますように、実際今みずからやっている人たちが何人あるか。こうなって参りますと、問題が残るわけであります。やはり、実際に苦労して、あの乾燥をして汗水たらしている人たちの声をじかに吸い上げるような、そういった、審議会の構成にしたい、これがわが党の基調であります。しかし、実際にはそれが行なわれておりません。それでもって耕作者の意向を十分に参酌するの、だとおっしゃっても、なかなか道遠しという感じがするのであります。それがまず一つ。 それから、いま一つは収納価格の面でありますが、農家の人たちは、どんなに苦労いたしましても、ある程度の生産費が保障されておりますれば、決して私はやめたりあるいは減反したりするようなことはないのでして、やっぱり引き合わないから、どんなに苦労したって間尺に合わないから、今申し上げますように、減反の様相というものは、あなた方の指導いかんにかかわらず出てきておる。この実態をあなた方はどうされようとしているのですか。五年なり十年なりの、長期の展望に立った葉たばこの収納についての見通しを持って指導しておられるのかどうか、もし計画があるならば、それをお示しいただきたいと思うのであります。輸入との関係もあわせ一つ専売公社の方からお聞かせを願いたいと思います。
○石田説明員 耕作審議会の組織の点につきましては、御承知のように生産者の代表のほかに、消費者と申しますか、輸出をやっているような葉たばこの業者、その他学識経験者というふうな方々が入っておるのでございますが、生産者がどういう人を代表に選んだらいいかということにつきましては、耕作者が耕作組合ないしはその連合会という組織を作っておりますので、その組織の中で最も適当な人を選んでいただきたいということから、私どもの方で別にどういう人を生産者代表としてくれということは申しておりません。その組織の中から推薦して参りました方々を私どもは任命いたしております。従いまして、ただいまお話しのようなことで、その組織の中から推薦されます方々が出産者側の代表として適当であるかどうかということは、むしろそういう耕作組合なりあるいは耕作組合の連合会なり、そういう方面において十分検討して適当な方を選出していただければ、私ども、決してこの人はいいとか悪いとかそういうことを申しませんで、皆さんの御意向に従ってそれを委員に任命するというつもりでおります。 それから、今後の葉たばこ生産の問題でございますが、先ほど、非常に減反があったり増反があったりしておかしいじゃないか、こういうお話がございました。これは大体御推測がつくと思いますが、一番もとは、販売の見込みはどうなるかということが私どもの計画の基礎になるのでございます。この見込みの立て方によっていろいろでございますが、現在までのところ、約十年間ぐらい見て参りますと、まあ年々多少の変動はございますが、おおむね販売の見込みに対してほぼ実際の需要が一致しているという点がございます。それに基づきまして、製造計画なり原料の所要の計画なりを立てるわけでございます。ちょっと例を申し上げますと、非常に増反なり減反なりということで変動が多かったのは、御承知の黄色種についてであります。これは昭和二十四、五年のころまでは、たばこが非常に足らなかったということで、しきりに増産に努めて参ったわけであります。昭和二十六年が二万九千ヘクタール、それが昭和三十年で黄色種が四万八千ヘクタールになっております。それが三十二年、三十三年、この辺からずっと減って参りまして、昨年の三十五年は三万六千ヘクタール、こういうふうに減っておりますが、この間非常に増反をやって、また減反を始めたということになっております。私どもの原料の見方は、大体二年分、二十四カ月を標準の在庫というふうに考えて、常に標準在庫になるように努めておるのでありますが、その間の変遷を見て参りますと、黄色種の十アール当たり、まあおおむね反当たりの生産でございますが、これの生産量がその間に非常にふえております。たとえば昭和二十六年は十アール当たりの生産が百六十七キロ、それが三十年になりますと百九十五キロ、三十二年、三十三年は二百キロをこえて参りまして、この原因につきましてはこの百九十五キロくらいとれました三十年ころにおきましては、これは非常に近来まれな豊作である。農作物の豊凶を見るにつきましては、豊凶の計数を見ながら一定の算式を用いて計算するわけであります。ところがこの近来まれな豊作というのがずっと引き続いております。それで、一つには耕作技術がいろいろ進歩して参りましたこと、あるいは農薬が非常に発達して参りまして、そういうことの使用によって反当たりの生産量が上がってきたというふうなことがございまして、こういうふうにふえて参りますと正常在庫を非常に突破して参ります。そのために保管の経費とかその他いろいろの経費がよけいかかりますので、一時ちょうど民間から民営にしたら、どうかというふうな声が起こった場合にも、こんなにたくさん要らない原料を持っていてけしからぬじゃ、ないかというふうなお話がございました。それに合うようにしてある程度減反をしたわけでありますが、私どもとしますと、これは、皆さんのお話がありますように、あるときはふやすのだ、あるときは減らすのだということでは、耕作する方でも困ることは十分わかっておりますので、こういうことのないようにということで今後の計画を立てております。 そこで、大体今後の計画、まだこれから先五年くらいの長期の見通しのもとにいろいろな試算をやっておりますが、なかなかうまい計数がまとまって参りませんので、何べんも作り返しておりますので、まだ皆さんに御披露する段階に至っておりません。しかし、大体の見当を申し上げますと、三十六年度、今年度につきましては従来通りの反別でほぼよろしい、それから三十七年度以降になりましてはある程度増反をしなければなるまいというふうに考えております。そこで、この増反につきましては、ただいま監理官からもお話がありましたように、収納価格も一つの問題であろうと思いますが、私どもいろいろ産地の状況などを調べておりますと、どうも最近たばこの耕作につきましては非常に手数がかかるのでありまして、これは私どもの方で試算した数字でありますが、たとえば水稲ですと、一日八時間として反当たり家族労働の日数が一九・三日、ところが、たばこになりますと十二三・三日、非常に労働日数がかかるわけであります。そのために、最近農村の若い人たちの間では、こういう手数のかかるものはもういやだというふうな風潮がかなりあるように聞いております。従いまして、私どもはここを避けることが一番大切だ。それで、おもしろい言葉を使っておりますが、省力栽培ということをやったらどうだろうかということで、試験場なども動員していろいろ研究を進めております。一部はすでに着手しておるものも、ございます。そのほかに反当たりの収量をふやす。それには品種の転換をはかるというようなことから、すでに昨年もある程度の品種改良をはかっております。黄色種につきましては、従来米のものを第一黄色種と言っておりますが、第二黄色種の新しい種を入れまして、これがかなり成功する見込みのようで、そういたしますと、反別はある程度そうふえなくても、反当たりの収量がふえるということで原料の補給がつくというような、各方面からいろいろ考えて、今後の増反もやり増収もはかるというふうに考えて、なお具体的な方策について検討している最中でございます。
○有馬(輝)委員 今増反の計画については試管外の途中だというようなお話でありましたが、少なくとも全国的には増反は三十八年度からやるのだというような当初の計画であったにかかわらず、本年あるいは三十七年度からやるのだというようなことで、下部では戸惑いしているのじゃないですか。そういった事実はございませんか。
○石田説明員 まだ下部の方にも何年から増反をやるというふうに具体的に指示したことはありません。ただ、今申し上げましたような見通しがほぼついておりますので、三十七年度から増反をやるといたしますと、すでに今年度からある程度手を打っていかないと間に合わないというふうなこともございますので、いわば増反ムードといいますか、そういうふうなムードを先に起こしておくことが必要であろうというふうなことから、地方の生産関係の人たち、あるいはこれは府県、市町村、そういうところにもお願いしなければなりませんので、そういうところにある程度働きかけまして、たばこを作ってやろうという機運を、醸成したいというふうには考えております。従いまして、まだ下部に、三十八年からとか、三十七年からとか、そういう具体的なことは申しておりません。
○有馬(輝)委員 専売公社が具体的なことをお話しになっていないのに、たとえば私のところの鹿児島県の連合会では二日の日に総会を開きましたが、そこでは、当初の三十八年の計画が今申し上げましたように早まったので、これに対処するにはどうしたらいいかという真剣な論議がかわされております。とすれば、連合会幹部の諸君が憶測したのか、それともあなた方の指示が違っておったのか。やはり下部では、そういった一つ一つのことについて真剣に受け取り、そうしてそれに基づいての論議がかわされておるわけです。そういう計画を示したことはございませんとおっしゃっても、下部ではそうなっておるのをどう見られますか。
○石田説明員 これは先ほど申し上げました長期計画の具体化の問題とも関連するわけでございますが、実はたしか先般のたばこ耕作審議会のときだったと思いますけれども、第一次の長期計画の試算で、将来の見通しはどうなるのか、反別はどうなるのかというようなことから、数字を求められたことが、ございます。その際に、これはまだ確定したものではないのだ、現在試案として検討中のものだということで、ある程度かりにこのくらいの原料需要があるとすれば、この年度からこうなるというような仮の数字を示したことがあったように記憶しております。その際も、これはこういう性質のものだから、その数字を具体的につかまえてどうこうということはないようにと十分念を押したのでございますが、あるいはそういうものが頭に入りまして、そういう機運が出たのかとも思います。まあ私ども長期計画の数字というのは、一ぺん外に出ますと、なかなか消せないものですから、そういういろいろな検討最中の数字が外に出ることをできるだけ警戒しているのですけれども、耕作審議会などにおきましては、ある程度やはり皆さんの御協力を得るという建前から、一つの考え方を示す意味において、そういう資料も注釈つきで出すことはございますが、もしあるとすれば、あるいはそういうような考え方からそういう機運が出たのではないかというふうに推測されるのであります。
○有馬(輝)委員 そういったことであなた方の一顰一笑というものが下部には非常に大きく受け取られるわけでありますから、これにはやはりあなた方の長期の計画、先ほど申し上げましたように、五年なりあるいは十年なりの計画がないから、そういった状態に追い込まれる。今持っていらっしゃる基本計画というのは、どういう展望に立って進められておるのですか。
○石田説明員 これもまだ数字で確定したというふうに参りませんので、そういう含みでお聞きいただきたいのでありますが、大体の販売の見込みにつきましては、各方面から検討いたしまして、年に六・一%くらいずつこの五年間消費が伸びていくという前提に立って、製造なり生産なりの試算をいたしております。それで、これも反収をどう見るか、あるいは品種の転換をどういうふうに行なうか、そういう内容によっていろいろ数字は変わるわけでありますが、非常に大づかみな一つの見当をつけるというふうな意味で申し上げますと、三十七年から大体五千六百ヘクタールくらいずつ増反していかなければならないかというふうな一応の見当をつけております。
○有馬(輝)委員 次にお伺いいたしたいと思いますが、先ほども労働時間についての水稲との比較がございましたけれども、一時間当たりの単価をどの程度に出していらっしゃいますか。これは生産費の全国平均でけっこうです。
○坂口説明員 それについては、一時間当たりには計算をいたしておりませんが、三十四年度の生産費調査の結果によりますと、一日当たりのたばこ耕作家族労働報酬は、男女込みで金種類を平均いたしまして三百三十一円ということになっておりします。これが三十六年度価格の引き上げをいたしましたので、三十六年度は三百七十八円となる見込みでございます。
○有馬(輝)委員 三十四年度に、二百三十一円というようなお話でございますが、私たちの計算では二百四十円くらいにしかなっていないのです。この点についてはまたあとで数字をもってお尋ねしたいと思います。さらに、三十六年度に三百七十八円ということでありますが、十一月のあの価格の決定の際に、その引き上げ率について非常にアンバランスがあることは御承知の通りです。こういった不均衡が出てきた理由はどこにあるのですか。たとえば黄色種なんかについては非常に引き上げの率が少ない。この理由を一つ明らかにしていただきたいと思います。
○坂口説明員 従来この葉たばこの収納価格決定にあたりまして、ピリティ指数を使いまして、これと他の農作物との均衡をはかる係数とによりまして決定をいたしておったのでございますが、どうしてもこの葉たばこの収納価格については生産費のファクターを導入すべきだ、こういう要望が強くなりまして、公社といたしまして当然この生産費は重要視すべきものだというふうに考えまして、三十六年度の価格から生産費を加味した価格算定法式を採用したした次第でございますが、そういたしますと、従来の在米種は葉のし等のために非常に労力がかかりますので、生産費を導入いたしますと、種類別の価格がひどいアンバランスになって参るわけでございます。それで、そういった算式を採用いたしました関係で、種類間の引き上げパーセンテージが非常に大きく差がでて参ったというわけでございます。
○有馬(輝)委員 種類間の不均衡というものは専売公社によって是正できる、また是正しなければならないと私は思うのですが、それはただ数字の上だけで今みたいなこんな差を作った理由がわからないのです。それを教えていただきたい。
○坂口説明員 この差は専売公社の方で作ったわけではございません。そういった生産費のファクターを採用いたしますと、自然に従来のこのアンバランスが表向に出て参りまして、バランスをとるためにそういった大きな差が種類類間に生じてきた、こういうことであろうと思います。
○有馬(輝)委員 価格決定については大蔵大臣の権限でしょう。
○坂口説明員 専売公社総裁がきめることになっております。
○有馬(輝)委員 それでは、なお私は昨年十二月に出たようなバランスを失した価格を放置しておいてはいかぬと思うのです。先ほど谷川さんからもお話がありましたように、やはり増反意欲が鈍ってくるというのは収納価格の面なんですよ。だから、一応の生産費の補償方式をある程度三十六年度から取り入れられたということでありまするから、やはりそこら辺についての配慮というものが必要だと思うのですが、その配慮がなされない障害があるのですか。もしあればそれを教えていただきたい。
○坂口説明員 そういう障害はございません。ただ需給の関係は残るわけでございまして、たとえば刻みたばこの原料になります種類は、だんだん刻みの消費が減って参りますと、公社といたしましては、そこの重要さが薄らいでくる種類について他の種類と同じように値段を上げていくということもできませんので、需給関係等も十分参考にしてきめなければならぬのですが、今特にアンバランスを是正するための障害というものはございません。
○有馬(輝)委員 障害がなければ私は是正したらいいのじゃないかと思います。副総裁に特にこれに関連してお尋ねいたしますが、今の池田内閣は、所得倍増内閣でなくて、物価三倍増内閣だといわれておりますけれども、昨年決定いたしましてから物価の平均的な値上がりというものは非常に大きなものがあります。その昨年十二月に決定されたものを本年度も踏襲されるおつもりですか。
○石田説明員 それは前々から、耕作審議会が価格の答申をいたしますときに、経済状況に著しい変動のある場合にはまた再検討するようにというつけたりがついておるのでございます。今回の場合も、耕作審議会のまとまった答申では、ございませんけれども、私どももやはりかように考えております。現在いろいろな経済的な市況について調査中でございますが、いずれ八月あるいは九月ごろにはまた耕作審議会を開くことになりますので、その際までにいろいろ市況を検討して態度を決定したいと考えております。
○有馬(輝)委員 先ほどの第一点の障害がないのにあえてそのような形で放置されておる理由について、副総裁の方から一つお聞かせ願いたいと思います。
○石田説明員 生産部長が障害がないと申し上げましたのは、法制上といいますか、制度上そういう障害がない、かような意味で申し上げているのでありまして、この収納価格の決定につきましては、需給状況、それから御承知のように葉たばこの生産原価のうちの約七割というものが原料の値段でございます。従いまして、この原料の値段をどうきめるかということは、原価、従ってまた収益率に非常な影響もございます。そのほか製品の需要に従いましてどういう葉たばこが必要なのかということもあります。葉たばこの原料の葉組みの上からいいますと、こういう種類の葉たばこはこういう値段だから使えるのだ、そうでなければもっとほかのものの方がいいのだというようないろいろなむずかしい問題もございますので、そういう点をいろいろ加味いたしまして、どこが適正であるかというふうなことを私どもは考えて原案を作り、それを耕作審議会にかけまして、皆さんの御意見を伺って最終的な決定をするということをいたしております。従いまして、ただいま先生がおっしゃいますように、これは障害だというふうな見方に対しては、私どもは、たとえば、いや、それはこういう面から見てそれほどのことはないのだ、個々の問題についてはいろいろあろうと思いますが、抽象的に障害がない、なければ直したらいいじゃないか、こう仰せられましても、葉たばこの値段は個々の種類あるいは各等の値段の開き、そういうような問題になりますので、個々の問題について具体的にお話し合いといいますか、そういうことをしないと、なかなか抽象的にいいのだ悪いのだということには参らないのじゃないかというふうに考えております。
○有馬(輝)委員 私が先ほど申し上げましたように、黄色種の今度の値上がりが他のものに比べて非常に低い。こういったことは常識からはずれております。そういった点を手直しする必要はないかということでお伺いしておるわけです。
○石田説明員 黄色種につきましては、先ほど申し上げましたように、昨年ではまだ在庫過剰な状態であった。従って反別は減らさなければならないような事態であったわけであります。かつて黄色種の増反をやりましたときには、黄色種が必要だということで、かなりほかのものよりも先がけて相当な値上げ行ったのであります。そういうような過去の経緯、現在の需給の状態等を考えて、ただ結果だけ見ますと、たとえば黄色種は今度は二%何がしかしか上がらなかった。ところが第二在米種は二五%も上がっておる。おかしいじゃないかというようにお考えになるかもしれません。それから、生産費の実情をしんしゃくいたしまして、第二在米種は相当赤字経営である、黄色種については平均いたしますとほぼ黒字なっておるというふうな、そういういろいろな事情もございますので、まあ葉たばこ生産の現況からいうと、この程度の差異があっても決してアンバランスではないというふうに考えて決定いたした次第であります。
○有馬(輝)委員 今の副総裁のお言葉の中に、はしなくも耕作者に対する専売公社あるいは大蔵省の態度というものが如実に現れてきれおるわけです。あくまであなた方は需給一本やり、専売益金をどう上げたらいいかということだけであって、いわゆる耕作者の生活をあたたかく見守るという考え方が片鱗だにない。それでお伺いしたのですが、谷川さん、葉っぱと実とは違う理由をこの際聞かしていただきたいと思います。この前、政務次官もお立ち会いの上で、谷川さんが、葉っぱと実、米とは違うのだ、だから生産費を補償する云々ということはなかなか困難であるという御説明でございましたが、時間がなくて詳しいお話が伺えなかったので、この際一つお聞かせいただきたいと思います。
○谷川政府委員 葉たばこの収納価格をきめる問題につきましては、いろいろむずかしい要素がたくさんございますので、耕作者の代表あるいは学識経験者を入れました耕作審議会で慎重に検討し審議し、その結果をもとにいたしまして、予算の関係ともにらみ合わせながら公社の総裁がきめるという建前になっておりますことは御承知の通りでございますが、その耕作審議会において審議いたします場合におきましても、私どもは、あくまで耕作者に作っていただくわけでありますから、耕作者の立場も十分に考えてきめていただく。と同時に、製造たばこの主要原料でございますので、財政専売をとっております以上は、専売益金に及ぼす影響もまた大きいという観点からいたしまして、現在までのところ必ずしも一〇〇%耕作者の御要望を満たした価格になっておりませんことは、まことに耕作者に対しましては申しわけないと思っております。しかしながら、耕作審議会におきましても耕作者の立場を十分に考え、また大蔵省、公社にいたしましても耕作者の立場を十分考えるという意味におきまして、公社が千軒近くのたばこ耕作者の生産費の調査を親身になって克明に調査をいたしまして、その生産費をもとにして価格の決定をするという態度をとっておるわけでございます。そこで、葉たばこの問題は、米の価格の決定もまた非常に重大な問題でございましてむずかしいと思いますけれども、今お話がございましたように、葉たばこは、その土地土地の気象の条件あるいは土質等によりまして、また耕作者の耕作する技術によりまして、同じ労働を投下し、同じ種を植えました場合におきましても、でき上がります葉は相当品質的に差異が生ずる可能性があるわけでございまして、それだからこそ、公社におきましても、試験場等を通じまして、品質の改善あるいはどんな耕作者が耕作いたしましてもりっぱな醜い価格で買い上げられるような葉ができますように研究をし、指導をしておるわけでありますが、今申したように、葉でございますので、耕作者の個人的な技術能力の違いあるいは気象の状況あるいは土質の関係で、同じ種からできた葉でも全く同じ品質のものができるとは限らないわけでございます。米でございますと、これは農林省を初め農家の方々も相当研究をし、品質の改善をはかり、また技術面の改良によりまして、全国的にもほぼ均一の質の米ができるような状況になっておりますが、葉たばこにつきましても一日も早くそういう事態が参りますよう、公社を中心に研究、試験、改良に努めておるわけでございます。しかし、現状におきましては、今申し上げましたような事情でございますので、個々の耕作者また品種別に生産費を調査いたしますと、いろいろ差が出て参ります。そこで、そういう実態調査に基づきますところの生産費をもとにして、現在価格をきめざるを得ないという状況になっております。心がまえといたしましては、できるだけ耕作者の立場も考え、しかしながら、財政専売である以上、原料代金が専売益金に相当大きな影響を及ぼしますので、その点もあわせ考えなから合理的な適正なその年々の収納価格をきめて参りたい、かように考えるわけでございます。
○有馬(輝)委員 その棄っぱと実とが違う理由を教えて下さい。
○谷川政府委員 葉と実と違う理由と申しましても、御承知の通り葉たばこは葉自体を原料に使うわけでございます。実と言われましたのは米の粒のことだと思いますけれども、米の場合におきましては米の粒そのものが商品価値がありまして、それが食糧になるわけでございますが、葉の場合には葉そのものが原料になるわけでございますので、おのずから実と葉は違うわけでございますが、(笑声)それでよろしゅうざいますか。
○有馬(輝)委員 僕は大蔵省に行って谷川さんから初めて葉っぱとか実とかいうものの言い方を聞いたのです。だから聞いておるのです。今の御説明では何が何やらわかりはせぬでしょう。問題は、いかにして耕作者の生活を安定させるかということに目を向けなければ、今あなたは適正な合理的な収納価格をきめるのだとおっしゃるけれども、あくまで専売益金はどの程度だという視野からしか考えられていないのですよ。それは、先ほど御説明になった、三十四年度一日男女込みで三百三十一円、三十六年度三百七十八円、これも非常に高く見積ってありますけれども一時間当たりの単価を見ますと、米の三分の一もないのですよ。その米の三分の一もないようなところに置いておく理由についてわからないから、たまたまあなたが葉っぱと実とは違うのだとおっしゃったから、その葉っぱと実と違う理由をお伺いしておるわけなんです。大久保さんもお立ち会いの席であなたから葉っぱと実という言葉を聞いたのですから、その葉っぱと実との違いを、今みたいな何が何だかわからないようなあれじゃなくて、よく教えて下さい。
○谷川政府委員 葉と実とどうして違うかと申されましても、今のようなお答えになるわけでございます。
○有馬(輝)委員 あなたが違うとおっしゃったのですよ。
○谷川政府委員 違うと申しますのは、その意味が違うということでございまして、葉たばこの場合におきましては、葉を使いますので、葉というものは、葉ができ始めて取り入れるまでの過程におきまして、いろいろ成長の過程で天候に非常に左右されるということでございます。従いまして、葉たばこの葉を、同じ品種の葉であればだれが作ったものでも同じ商品価値を持ったものと考えることは技術的に科学的にできないわけでございまして、商品価値としてという意味におきまして、耕作者の作ります葉ごとに大なり小なり価値は違うわけでございます。もちろん優秀な葉を作る耕作者も非常に多いわけでございますが、同じ労力を投下し、同じ種によりましても、天候に支配されるところが大きい関係もあり、また耕作者の耕作技術の相違等からいたしまして、非常に葉というものは技術的に化物学的に違いが出て参る。米の場合におきましては、実でございますので、大体全国的に見まして、同じ品種であれば同じような品質が保証されますので、その点が違います、こういうことを申し上げたのであります。
○有馬(輝)委員 全然話にならない。先ほど副総裁が、指導の面、その他、今谷川さんもおっしゃったけれども、ずいぶん違いが出てくるとおっしゃる。しかし、専売公社の長い歴史の中で、三万の専売公社の職員の諸君は、それこそわが子以上にあたたかい目をもって見守り、指導をしておるのです。私もよく知っておりますが、とにかく一緒に歩いておっても、温室の中に手を入れて、これは何度だから何度にしなさい、そういった、ほんとうにわが子以上にかわいがるといった態度で指導しております。そうして技術の面においても非常に高くなってきておる。それと同時に、谷川さんは同じ葉っぱでも技術の差によってずいぶん違ってくるとおっしゃるけれども、それについてはべらぼうな等級間の格差もつけておるじゃありませんか。あんな等級間の格差がどこにありますか。米なんかと比べてごらんなさいよ。この等級間の格差について、少なくとも一、二等のところまでずっと下を引き上げる、こういうことがなければ、先ほどおっしゃったいわゆる増反意欲は絶対出てきませんよ。同じ難儀をしておる。それは差があるかもしれぬけれども、その等級間の格差というのは、あなた方がきめたもので買われておるのである。この際大久保さんにお尋ねしたいと思いますが、税の自然増収その他で、専売益金というものにそう谷川さんや副総裁のようにこだわらぬでもいい時期がきておるのじゃないかと思いますので、この際政府としてこの等級間の格差を是正する考えはないか、この点についてお伺いしたいと思います。
○大久保政府委員 お答えをいたしますが、耕作者の所得を引き上げて耕作意欲を増進するということは、有馬さんの御指摘の通り非常に大切な問題でございますから、今回も三十六年度でいささか引き上げをいたしました次第で、ございますが、これをもっていたしましても、まだ在米種等におきましては完全に赤字がカバーされておるというわけにも参りません。そこで、これらの面におきましては、今後、あるいは品種を考えますとか、またさらに価格面につきましても考慮を払いまして、耕作意欲を所得の面からも向上いたしますようにあんばいを、いたしたいと考えております。また、格差の問題につきましては、ただいま葉と実等のお話がございましたが、有馬さんすでに御承知の通り、たばこの葉につきましてはいろいろな品質の差もあることでございます。しかし、これはなるベくならばできるだけ簡素化いたしまして、下級品をできれば上げていくということが望ましいのでございますから、若干手直しをいたしておりますが、今後もできるだけ考慮は払いたいと思っております。品質につきまして若干の格差をつけますのも、これまた一つの耕作の技術の向上ということから考えますと必要な面もございますので、かれこれあんばいいたしまして、お話の趣旨で増産、増反意欲が向上いたしますように政府といたしましては努力を払いたい、かように存ずるわけでございます。
○有馬(輝)委員 政務次官の真摯な御答弁でございますが、御承知のようにこの等級間の格差というのはべらぼうなんですよ。四等、五等のところを作ったのでは、その鑑定を受けたあとのあの耕作者の顔を見てごらんなさいよ。、だから、問題は、あのひどい等級間の格差を、今私が申し上げますように、一、二等のところまで引き上げるのに最もいい時期にあると思うが、それをやられる意思があるのかどうか、この点だけを聞かしていただきたい。格段の努力をしたいというのは大久保さんの得意の答弁ですが、そんなことじゃないですよ。
○大久保政府委員 私も葉たばこ収納場にはしばしば参りました経験もございまして、今有馬さんの御指摘のように、あの自分の子供のように葉っぱをしっかり抱いて行っておる農民のいじらしさには、私も涙の出るような思いをいたしたことがございます。それで、今お話しの点は重々私も身にしみて感ずるところでございますから、今後とも御趣旨を体しまして努力をいたしたいと存ずる次第でございます。
○有馬(輝)委員 副総裁どうですか。
○石田説明員 ただいま政務次官からお話しのように私どもも考えております。すでに本年におきましても、ある程度格差の等級の数を減らしまして、その幅を縮めたというようなことでございますが、何にいたしましても、これは等級の違うのを吸ってごらんになると一番よくわかるのでございまして、同じ値段のもので非常に味のいいものと悪いものがあるということになりますと、やはりこれはおかしい。結局吸ってみていいものは高く、それからまずいものは安い。これは商品でございますから、そういう面をなくするわけには参りませんので、そういう点を勘案しながら、ただいま政務次官からお話のあったような趣旨で毎年努力して参りたい、かように考えております。
○有馬(輝)委員 冗談言っちゃいけませんよ。ピースの製造原価は幾らですか。
○石田説明員 三十六年度の予定では九円九十三銭でございます。
○有馬(輝)委員 ピースの場合、三十年が九円八十四銭、三十一年が九円九十二銭、三十二年が十円二十七銭、三十三年が九円九十六銭、三十四年が九円九十銭、しかもその原料はまぜるのですよ。どれだけ価格に影響がありますか。四十円のうち十円という今の御答弁には納得いかないですから、再度伺います。
○石田説明員 九円九十三銭の原価のうち、原料葉たばこの値段が六円五十九銭でございます。ただいまその定価のお話がございましたが、定価部分につきましては、むしろ消費税的な性質のものとして、益金という形で載っているのでございまして、この原料費が全体の約七割を占める。これにつきましては、私どもは、企業としても常に相当の関心を持たざるを得ないのであります。これを少しいじったからどうということはないじゃないかというお話でございますが、ピースに使っております葉たばこは相当精選して、いい味のものだけ入れております。値段の安いものほど味もあまりよくないようなものが順繰りに入っているわけでございます。そういうところから見まして、たとえばピースと新生と同じ値段だったら買うだろうかというふうに考えれば、これは同じ値段にしたらやはりいろいろな問題が起こると同じように、原料そのものにつきましても、味というものは、やはりある程度値段の差を生じてくるということは当然のことだと考えております。
○有馬(輝)委員 九円から十円の間の製造原価で、しかも葉たばこ代が今おっしゃるように六、七割とすれば——とにかく値段は四十円なんですよ。操作できないですか。操作でき得る余地というものが税制の面その他で十分あるわけなんです。先ほど申し上げましたように、あなた方は、専売益金を政府から言われた通りこの程度上げなければならぬという観点でしか、需給関係でしかものを見ていないが、いわゆる耕作者の生活はどうなるのだ。一時間当たりの労働単価はどうなるのだ。これは水稲なり陸稲あるいはほかの果樹とはどういう関連があるかという視野からながめないから、今おっしゃるような答弁をされる。先ほど政務次官にお伺いしたのもそういう大きな幅があるからで、この際耕作者の生活というものを見詰めていき、ほんとうの意味で生産費に見合う価格に近づけていく努力がなされなければならないのじゃないか。そういう点について若干——若干ではなくて非常に御努力が足りないのじゃないか。その根本的な見詰め方というものをこの際変えていただきたいと思う。 今、関連質問があるそうですから……。
○平岡委員 三十五年度の国の予算という大きな本が各議員に配付されましたが、その五百五ページから六ページに出ている数字なんですが、三十五年度のたばこの総売り上げが二千七百三十八億七千八百万円、そうしてたばこの専売納付金としては千三百九十一億五千七百万円、こう出ているわけです。そういたしますと、総売り上げに対する専売納付金のパーセンテージが結局五〇・八%、ところが、別に非公式にいただきました私の手元にある統計ですと、ピース、光、いこい、新生、ゴールデンバット、富士云々、こういう個別的な品名別の専売納付金のパーセンテージは、一番多いので四九%、低きはみのりの三二%、おしなべて四七、八%のところが大体の納付金の定価に対するパーセンテージになっているのです。いずれも四九%をこえるものが一つもないわけなんですね。それにもかかわらず、実際の専売納付金は先ほど申しましたように五〇・八%になっている。だから、やらぬでもいい納付金をよけいひねり出して、財政収入の上で大いに忠誠を励んでいるわけです。そういう数字が歴然と出るわけです。ですから、この点は、逆に申しますと五〇・八%が納付金の率であります。それから、価格構成のうちに、他の要素としては、たばこ消費税が一九%、これはきまっているわけです。それから小売手数料の八%がきまっている。そうすると、結局原価それ自身が、やはり当然なことながら各個別的には二四%を一つも切れない原価構成になっているにもかかわりませず、実際には総体としては二二%が原価となっているわけですね。三十五度におけるたばこの総売り上げに対しまして計算していきますと、原価の占める平均は二二%なのです。ところが、個別的に品名別に見ると、二二%なんか一つもなく、原価の占めるべき比率は二四%以上なのです。ですから、その辺に二、三%ずつ含みがあるわけですから、葉たばこの収納価格を上げることは私はできると思うのです。この点はいかがですか。
○谷川政府委員 たばこの国庫納付金の問題でございますが、御承知の通り、予算の上におきまする専売公社の納付金は、たばこ、塩、しょうのう三つを含めた上で計算されるわけでございますが、そのうち、たばこだけについて申し上げますと、たばこの売り上げ利益が納付金の計算の出発点になるわけでございます。さらに、日本専売公社法に基づきまして、納付金の計算はそのほかの要素が加味されるわけでございます。その一番の大きな要素は、たなおろし資産の増加の問題でございますが、特に原料である葉たばこは、先ほど副総裁が申しましたように、約二カ年分の貯蔵をしておりますので、その価格が上がりますと、たなおろし資産の増加となって現れて参りますので、それがたばこの販売利益に加算されまして国庫に納付されるという関係がございますので、先ほどのような二、三%の数字的な違いが出て参るわけでございます。 さらに詳しく申し上げますと、専売公社法の四十三条の十三という規定がございまして、この規定によりますと、総収益から総損失を控除した金額に対しまして、さらにたなおろし資産の増加を加えて国庫に納付することに相なっておりますので、さような違いが出て参るるわけでございます。
○平岡委員 要するにストックの評価益が加わるからということですね。そうすると、その評価益というのは相当高く見ているわけですね。全体として二、三%の差でですから、ストックの評価益だけだったら、相当多く見ておるということになるわけですね。
○小川説明員 ちょっと補足させていただきます。その原価率と納付金の実際のネットを逆算した比較が違うじゃないかと言われます一番大きな原因は、今谷川さんが言われたのですが、もう少し具体的に言いますと、一つは、納付金は固定資産の増加分を留保することになっております。金額で言いますと約三十億、これは社内留保するわけですから、納付金がしれだけ減るわけであります。たなおろしの葉たばこの増はそのまま出します。固定資産の増加分は留保する。それだけ納付金が減る。そこで、固定資産の増で何も含みとかまやかしとか、そういうものは専売公社の関係では一切できないので、そういう御懸念はありません。また先生との数字の突き合わせはいつでもやります。
○有馬(輝)委員 それで、先ほどから問題にしておりますように、三十六年度の政府関係機関の予算の三十四ページにもありますように、とにかく製造原価の中で材料費の占める割合というものが、たばこ消費税、小売手数料等と勘案いたしまして非常に小さい金額ですし、その差額で私は相当配慮し得る余地があると思いますが、もしないとおっしゃるならば、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
○谷川政府委員 専売納付金を減らして葉たばこの収納価格を上げる財源にそれを回すことができるのではないかという問題でございますが、現在の収納価格の決定のやり方につきましては、先ほど来御答弁申し上げましたように、生産費、調査に基づきまして、できるだけ耕作者の立場も考えながら合理的な価格の決定をやっておるわけでありますので、それをどの程度に将来上げ下げをするかという問題につきましては、毎年秋から年末にかけまして収納価格をきめるわけでありますから、そのときの経済情勢、あるいはその年に調査をした結果の数字をもととして合理的にきめていけばよろしいと考えるわけであります。結果的には、相当引き上げをやりました場合におきましては、専売益金をそれだけ食うというようなことになる場合もあろうかと思いますが、納付金を幾らにしなければいけないから、葉たばこの収納価格をどの程度に押えるかということは、理論的に考えていないわけでございます。できるだけ収納価格を合理的にきめていきたい。 ここで、御参考までに、専売制度をとっております外国におきまして、税金部分と企業利潤を含めました納付金の割合がどうなっておるかと申しますと、イタリアの場合は八割プラス・アルファ、八割は文句なしに取り、さらにその上において複雑な計算があるわけでございますが、八割以上になっております。フランスの場合は七四%、それに比べますと、日本の場合におきましては、地方税であるたばこ消費税を加えまして六六、七%でございますので、外国、イタリア、フランスに比べればまだ安い。しかし、この問題につきましては、間接税の減税の問題との関連におきまして、どうするかということを今後税制調査会等におきまして検討することになっておりますが、現在のところ、外国の専売制度をとっております国に比べれば、日本の方がまだある程度納付金の率が安いということが言えると思います。 それから、先ほどの御質問で御納得をまだいただかなかったようでございますが、三十五年度の予算書は私手元にないわけでございますが、三十六年度の予算で御説明申し上げますと、三十六年度におきまして、資産の増加といたしましては、八十三億の資産の増加が見込まれておるわけでございます。三十五年度におきましても、相当の金額の資産の増加、これは主としてたなおろし資産の増加でございますが、資産増加が納付金に入っております。これだけ実際のたばこの売り上げ利益よりも納付金がよけいになっておるということでございます。
○有馬(輝)委員 谷川さんは、私がしろうとだと思って、えらい外国の例なんか引いて、しかもその外国の例を引くのはいいけれども、都合のいいところだけ持ってくる。イタリアとフランス、日本より高いところだけ持ってきて、六七%が一番低いのだとおっしゃるのだが、西ドイツは五〇%から五六%、オーストラリア六三%、アメリカ四三%、いいかげんなことは言わぬで下さい。たなおろし資産の評価はだれがやるのですか。
○小川説明員 たたおろし資産は恣意的に証価しませんで、買い入れ値段をプールいたしまして、それにかかった経費を平均化しまして、時おり評価がえをするということはいたしません。(「しておるんでしょう」と呼ぶ者あり)しておりません。(「さっきしておると言ったじゃないか、評価益がある……」と呼ぶ者あり)評価益があるという谷川監理官の意味は、資産の増があるという意味で、少し違うのじゃないかと思います。
○有馬(輝)委員 どっちなんです。
○谷川政府委員 たなおろし資産の増加額を納付金に加えて、納付金計算上国庫に納付するということでございます。でありますから、単に製造たばこの販売利益だけの計算とその点が違うわけでございます。
○有馬(輝)委員 委員長から先ほどお話がありましたので、今の点について、あすまたお伺いいたしたいと思います。 最後に、私は製造たばこの各種数別による量についてお伺いいたしたいと思うのですが、朝日が七億一千万本、富士が三億、それからピースが百五十二億という工合になっておりますが、実際の小売店を見てみますと、たとえばゴールデンバットが七十六億ですか、にもかかわらず、市場に出回るのは非常に少ない。いなかなんかでは、とにかく出るという日を聞きつけて、朝早くかけつけなければ、そのバットが買えないというような状態にあることは、御承知だと思います。また、刻みにいたしましても、店頭に出ておるということはほとんどありません。このような状態について、私は、国民の喫煙者の嗜好というものに見合って製造をやっておられるのかどうかという点で、非常に疑問を持つわけです。ですから、国民の嗜好についてどのような形で調査され、それをどの程度参考にして製造しておられるか、この点を副総裁からお伺いしたいのであります。
○石田説明員 具体的なことは販売部長から申し上げた方がいいかと思いますが、いかがでしょう。
○三枝説明員 まず最初に、どのような消費者の嗜好状況を調査しておるかということでございますが、その点につきましては、いろいろ公社自体におましても末端の組織を利用して消費者の嗜好の動向を調査するというようなこともやっておりますし、それからまた、民間におけるそういうマーケッティングのいろいろな機関がありますので、そういうものを通じて嗜好の動向調査というものをしておるわけでございます。そういう結果につきまして公社においてとり得るようなものがあれば、それをどういう傾向のたばこを作っていくかというようなことの参考にいたしておるわけであります。 それから、バットなり刻みの問題が出たわけでございしますが、公社としては、たばこにつきましては何としても消費者の嗜好にこたえるような製造と販売を行なっていくことが大使命であるということは重々承知しておりまして、そういう方針でいろいろな計画を推進しておるわけでございます。ただ、現実にはいろいろな事情がありまして、必ずしも潤沢に供給できないというような問題があり、たとえばフィルターたばこにつきましては、一般的に相当需要があるけれども、製造する機械の関係で思うようにいかない。しかしながら、公社といたしましてもいろいろな努力をいたしまして、アメリカとの技術提携をして国内の公社の工場で目下製造しておりますので、この問題につきましては、もうしばらく、夏くらいまでいけばおそらく消費者の需要にこたえることができるのじゃなかろうか、こう思っておるわけであります。 それからまた、刻みの問題につきましては、これは実は消費の傾向がだんだん減退しておりまして、年々一割見当の減少を示しております。従いまして、刻み自体の在庫もかなり公社は潤沢に持っておるわけでございます。ただ、一挙にそれを渡しますと、小売店が売れないものをかかえるということになりますので、小売店の要求に応じて売り渡すということにいたしておりますけれども、量としては現在公社の全製造たばこの販売量のわずかに三%にも満たないという非常に僅少な量でございまして、その需要の多い地域はどうしても農山村、漁村というような方面に多いわけでございますので、公社の方針といたしましては、そういう地域に重点的に配分いたすように指導をしておるのでございます。 それから、バットにつきましては、原料の関係もありまして、製造数量といたしましては、先ほどお話がありましたように、年間大体六十五億から七十億見当の製造をいたしておるわけでございまして、その全数量を販売しておりまして、決して公社がそれを押えておるというようなことはないのでございます。その販売につきましては、先ほど刻みについて申し上げました通り、やはり単価の低いたばこでありますので、農村地区なり郡部地区に重点的にいくようにというような配慮をして販売しておるわけであります。
○有馬(輝)委員 小売店なりその他のところから資料を入れて動態を調査になっているということでありますが、大体の傾向でけっこうでございますが、ピースなりホープ、これの三十五年度から三十六年度への伸び工合、それからバット、刻み、この四段階くらいに分けて、どのくらいのあれがあったか、一つ数字で示して下さい。
○三枝説明員 三十五年度の実績について申し上げますと、ピースの売れ行きの伸びの状況は前年度に対しまして一二%程度伸びております。それから光につきましては六四%に減少いたしております。それからいこいにつきましては一二%の増加でございます。新生につきましては一・一%の増加でございます。バットにつきましては九二%に若干減少いたしております。それから、刻みでございますが、刻みのききょうが約九二%に減少、みのりは八四%程度、このような傾向になっております。
○有馬(輝)委員 あなた方は、これは今のピースが一二%伸び、光が三六%減、いこい一二%増、新生一・一%増、バットは八%減ったというような数字を出しているのですが、これは買えないからですよ。あなた方は農山村に云々というようなことを言っておるけれども、ありはせぬのですよ。いなか回りやっておられるでしょう。自由に買えますか。
○三枝説明員 ただいま申しました通り、刻みにつきましては在庫も豊富でありますので、ただ小売店が売れないものをかかえるということはいろいろな面で支障がありますし、従いまして買い受けの要求というものがそれに伴わないということで、売り渡しの関係が少なくなっているのだと思います。ただ、バットにつきましては、現実の需要は、率直に申し上げて、あるいは先ほど申しました現在の六十数億よりも上回っておるのじゃなかろうかと思いますけれども、これは公社の製造の面で、バット——御承知の通り専売制度でございますので、葉たばこは収納したものは全部使わなければならぬ、こういう条件にありますし、バットに回す原料としてはそれぞれやはり限定されますので、現在六十数億程度のものが必要な所要原料を使って作った全数量でございますので、そういう意味においては、バットにつきましては私どももあるいは需要を完全に充足することができないのじゃなかろうかというような感じを持っているわけでございます。
○有馬(輝)委員 とにかく、時の政府に対しては、どの公社よりも忠勤をぬきんでるあなた方が、事国民の嗜好なりあるいは先ほど話をいたしました生産者の生活という点については、きわめて冷淡なんです。そうして、とにかく自分たちの計画通りに売れればいいのだ、それを買わなければ国民が悪いんだくらいの頭でやっておる証拠に、たとえばテレビの専売公社の宣伝がありますね。たばこは何とかの——二年も三年も一緒のやつだ。見ただけで専売公社の能なしめという感じの宣伝をやっておって、それでも売れるのだといってあぐらをかいておる。その結果が、今申し上げるように、バットの需要に対しても応じ切れないし、そういったあれをやれない。こういう事態を引き起こしておると思うんです。いま少し消費者なり何なりの動向というものを正確に把握する努力がなされてしかるべきじゃないか、こう私は思うんですよ。その点副総裁どうですか。
○石田説明員 ただいま販売部長から御説明申し上げましたように、基本的な考え方としては、やはりよけい売っていくためには、消費者の満足を得るということが一つ、それから、公社でございますから、商売的な考え方だけでなしに、やはり国民全体の満足、消費者の満足を得るようなことはどうしてもやらなければいかぬ。これも長期計画を立てる場合の一番大きな柱にいたしております。ただ、具体的な事項になりますと、たとえばバットのようなものは原料がないのだ、それじゃもっとどんどん原料をたくさん作ったらいいじゃないか、こういうお話があろうかと思いますけれども、これは、先ほども申し上げておりますように、バットはバットとしての一つの味の基準がございまして、それに回すべき原料の性質なり葉組みというものは大体きまっているわけであります。従って、その原料面からの制約というものがあります。たとえばフィルターつきのたばこが足らぬ、こういうことになりますと、これもいきなり売り出して——どの程度売れるかという見込みをつけるのがなかなかむずかしいのでありまして、従ってそのあとを追いながら機械の整備をしていく。そのためにある程度のズレは起こるというようなことは起こりますが、ねらいは、何と申しましても、やはり消費者の満足を得ながら、しかも事業の成績を上げていくというところにございます。そういう面でいろいろ工夫をしているわけでございます。それから、もう一つは、やはり世界的な嗜好の変遷というふうなものがありまして、それに応じて、私どもも、ある程度葉たばこの質が変わってくる、そうすれば製品の質も変えなければいかぬということでありますので、なかなか需要の動向というものをつかむというのはむずかしい仕事でございます。市場調査その他いろいろ専門家を使いまして検討もいたしておりますが、できるだけそういうことで消費者の嗜好をつかまえながら、それに合わしていくという努力を続けていきたいと考えております。
○有馬(輝)委員 せっかく消費者の動向というものをつかんでいただきたいと思います。あと一年くらいして私はまたいなか回りして、バットがなかったり刻みがなかったりしたときは、専売公社がサボっておるか、国民の嗜好についてきわめて無関心で、よらしむべし知らしむべからず式のことを相変わらず続けておるか、どっちかなんで、そこら辺について格段の御努力をいただきたいと思います。 今原料についてバットのお話がありましたが、原価が昭和三十年には四円四十七銭、三十一年には四円四十三銭、三十二年には四円二十銭、三十三年には四円二十五銭、三十四年は三円九十三銭、三十五年は三円八十九銭と、だんたん下がってきておるわけであります。これは悪い葉っぱを意識的に入れておるのですか。まずくしてバットを売らないようにして、ピース、ホープをあくまで売るべしということですか。
○小川説明員 なるほど原価は今御指摘になりましたように変遷しておりますが、しかし、逆を申してはなはだ失礼なんですが、三十五年から見ますと非常に上がっておりまして、もう少し先を見ますと、二十五年は二円九十九銭から始まっておりまして、二十六年は二円八十八銭、二十七年は三円二十八銭、二十八年は三円八十銭、だんだん上がっていきまして、今御指摘の三十年の一番最高のときが四円四銭ないし八銭、それから三円九十三銭ということになっておりまして、別に意識的に下がったというわけじゃございませんので、大体ゴールデンバットの葉組みをきめましたその基本は変えておらないのでありまして、そのとき工場にありましたちょうど黄色種の何とかと何とかの間をまぜろというときに、少しの出っぱりはありますけれども、工場々々によって回送その他で動きがございますので、そういう結果になるわけでありまして、別に意識的に下げたということではございません。むしろ三十五年に比べたら上がっているというふうにとっていただいてもいいのじゃないかと思います。
○有馬(輝)委員 あなた方は、数字や例をあげるときに、谷川さんも同じだが、自分に都合のいいことばかりあげちゃうのだな。私は三十年から三十五年までのやつを聞いておるのですよ。そのときに、たとえば新生では三十年が四円七十九銭、三十一年四円八十五銭、三十二年四円七十三銭、三十三年四円九十五銭、三十四年四円八十二銭、三十五年四円八十二銭と全然変わっていないのです。バットだけだんだん下がっておる。この理由を聞いておるのです。もうけの少ないバットは、国民の需要はずいぶんあるけれども、そういうものを売ったのではしようがないからというので、意識的に悪い葉っぱを入れておるのではないかという疑いを起こさせるので、そういうことじゃないのだという、その理由をお聞きしているのです。
○石田説明員 葉たばこの生産全体から申しますと、全体として品質は上がってきております。それで、私どもは別に原料を残しておいても困るのでありまして、買いました原料は全部使うわけでありますが、そうすると、一般的な私の感触から申しますと、葉たばこの品質自体が全体として上がってきておる。収納価格もとにかく下の方の等級でも全部上がってきております。従ってバットの品質はよくなることがあっても悪くなることは絶対にない、かように申し上げ得るかと思います。
○有馬(輝)委員 今の点は数字の説明にはならぬですね。どういうことなんですか。
○小川説明員 とにかくここに非常に正確なる数字があるのですが、今御指摘の点はほんのわずかですね。最高が四円六銭か……。
○有馬(輝)委員 四十七銭ですよ。
○小川説明員 それでは何かほかに入っていますね。四円四十何銭になっておりますか。
○有馬(輝)委員 三十五年に三円八十九銭になっております。
○小川説明員 三十五年の三円八十九銭は合っておるのですが、この数字では三十年は四円四銭になっております。
○有馬(輝)委員 三十一年はどうですか。
○小川説明員 三十一年は四円六銭になっております。それはどこからの数字ですか。
○有馬(輝)委員 あなたの方の数字です。
○小川説明員 私の方から出したのですか。それは済みません。それではあすよく調べまして……。
○有馬(輝)委員 それから、ピース百五十二億本ということで、需要の伸びというものも、先ほどの御説明のように、一二%も伸びておる。これは嗜好に応じてということだろうと思いますが、少なくとも私が回った限りにおいては、ピースというのは世界一うまいたばこです。これは専売公社の皆さん方の御努力のたまものだと思うのですが、ただピースなりホープなりというものをどんどん作り、そしてスリーエーなんかも、何もだれも作ってくれなんて頼んだわけじゃないのに、新しいスリーエーというものができたのだ。いこいなんかも最初できたときにのまされましたけれども、高級たばこはどんどん作る。それでいて、先ほど申し上げましたようにバットなんかは非常に冷淡になる。この専売公社の性根といいますか、根本的な考え方について一つお聞かせ願いたいのです。一般の大衆たばこといいますか、この大衆たばこを押えて高級たばこをどんどん作っていこうとする、そのものの考え方ですね。
○三枝説明員 高級たばこをどんどん伸ばして、低いたばこを抑えているんじゃないかというようなお話でございますけれども、たとえば、現実によく構成比を見ていただきますと、いこい以下のたばこで約八割、全数量の八割を占めておるわけであります。従いまして、低いたばこと申しますか、下級品たばこを特に抑えて、上級品たばこをどんどん作るじゃないかとおっしゃっても、上級品を作っても消費者の要望にこたえておらなければ売れないわけでありまして、売れないものをどんどん作るということは商売としては下の下でございまして、私ども特にそういう高いところによけいなエネルギーを使ってどんどんやっておるというようなことはないわけでございます。長期計画といたしましては、やはりそういう下の方にもどういう銘柄を導入していくかというようなことも、今検討いたしておる段階でございます。昨年スリーエーなりハイライトを十本当たり三十円なり三十五円の価格で売り出したというのも、それは理由あるわけでございまして、現在の価格構成といたしましては、大体平均単価が小売定価にいたしまして二十五円程度でございます。そうしますと、いこいが十本当たり二十五円でございまして、平均単価以下のもので今申し上げましたように八割程度も占めておるというような状況でございます。ピースはやはり全体の一二、三%を占めておるわけで、これは四十円でございますが、二十五円と四十円の間の三十円程度のたばこが非常に脆弱な構成になっておるわけでございます。従いまして、ピースが売れるときは非常にいいわけでございますけれども、経済の変動その他によりまして一たんピースの需要が減って下に落ちるという場合においては、やはり直近のその下位の価格体系の中にそれをささえるものが必要になってくるというようなことが考えられるわけでございまして、そういう意味におきましては、どうしても三十円クラスのところに補強工作をする必要があるのじゃなかろうか。現在三十円と三十五円のたばこの全数量を合わせてもピースにも及ばない。ピースの六、七割にしか及ばないというような、そういうへんぱな価格構成になっておりますので、昨年度におきましては、新製品といたしましてスリーエーなりハイライトを出した、こういうようなことでございまして、全体といたしましては、決して今お話しのように低い価格のものを特に押えるというようなことは考えておらないわけでございます。先ほどのバットの問題につきましては、またそれ相当の理由があるわけでございますが、それ以外の点につきましては決して抑えていない。新生、バットを含めまして私ども下級たばこを考えておるわけでございまして、新生、バットを含めまして全体の需要量の大体五制程度を満たしておる、こういう状況でございまして、バットは、ところにより地域によって、あるいは消費者の需要に応じられないというようなことがあるかもしれませんけれども、新生につきましては、絶対にそういうようなことではならないということで、努力いたして祈るわけでございます。
○有馬(輝)委員 先ほどから委員長から合図がありますので、あすまた詳しくお尋ねしますが、最後に一点お伺いします。 さっき言いましたように、ピースは、これは人の嗜好によっても違うでしょうけれども、私は世界一うまいたばこだと思うのです。私も十五カ国回りましたが、ピースほどうまいたばこにぶつかったことはありません。これは専売公社の御努力に心から敬意を表するのでありますが、にもかかわらず、そのピースよりもべらぼうに高いスリーキャッスルとかなんとか店頭に出してあって、輸入たばこについてむしろ奨励するかのごとき態度をとって、国内産のたばこの伸びに水を差しているような状態が街頭に展開されておりますが、このようなことをやられる理由を販売部長からお伺いしたいと思います。
○三枝説明員 御承知の通り、外国たばこの輸入につきましては、終戦後一般売りは全然途絶しておったわけでございまして、外人客の多い観光ホテル等においてわずかに販売しておったという状況でございます。ところが、一般的な日本の経済もだんだん回復して参りまして、国民の所得も増加して参りました。また、為替関係の自由化の問題等、いろいろそういうような経済的な変化もあり、戦前におきましても相当外国たばこが輸入されて販売されておったわけでございます。そういうようなことと、さらにまたそういう外国たばこを入れることによって生活に潤いをもたらすというようないろいろな面がございまして、昨年十月から一般売りを行なったわけでございますが、今お話しのように、国内たばこの伸びを押えておるじゃないかと、それほど懸念されるような数量ではないのでございまして、現在まで三十五年度中に売りました全数量が約五億本余りでございます。国内製品全体の販売数量千二百六十五億本に対しまして五億本余りでございますので、〇・何%というような非常に小さな数量でございます。また、従いまして、この販売につきましても、全国で千店余りというごくわずかの小売店に売っておるという状況でございまして、お話のような国内たばこの販売に支障を来たすというような売り力もしていないというつもりであります。
○有馬(輝)委員 千数百億本のうちわずか五億ということでありますので、この点は納得いたしました。しかし、やはりこれは、私も含めまして、日本人のそそっかしさといいますか、スリーキャッスル、あのカンでも見れば、日本のピースよりおいしいのじゃないかというような気持になってしまう。そこら辺についていま少し専売公社の意欲的な態度というものがあってしかるべきじゃないか。だから、さっきもテレビの例を申し上げましたけれども、とにかく日本のたばこはうまいのだ、ほんとにうまいんだろうなというような印象を受けるテレビ広告なんかもやってもらいたい。年がら年じゅう、だれが企画しておるのか知らぬですけれども、見た自分がほんとうにそういう感じを受けるのでして、やはりそういった点について格段の御配慮が願いたい。専売だからとにかくあぐらかいていればいいのだというものでなかろうと思うのです。そういう点について一つ御配慮を願うことにいたしまして、生産費の問題についてはあすまたお伺いいたしたいと思います。
○足立委員長 次会は明十一日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十二分散会