大蔵委員会 第18号
- 発言数
- 167 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/22
会議録
○足立委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の国民年金特別会計法案、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案、大阪港及び堺港並びにその臨港地域の整備のため発行される外貨地方債証券に関する特別措置法案、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案及び税理士法の一部を改正する法律案の五法律案を一括して議題といたします。 —————————————
○足立委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。大蔵政務次官大久保武雄君。
○大久保政府委員 ただいま議題となりました国民年金特別会計法案外四法律案につきまして、その提案の理由と概要を御説明申し上げます。 まず、国民年金特別会計法案について御説明申し上げます。 老齢、廃疾または死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする国民年金制度につきましては、第三十一回国会において成立した国民年金法により創設され、すでに発足いたしておりまして、そのうちのいわゆる経過的福祉年金につきましては、昭和三十四年十一月一日からその給付が行なわれており、さらに、いわゆる拠出制年金につきましては、本年四月一日からその保険料の徴収が開始されることとなっておりますことは、御承知の通りであります。しかして、政府といたしましては、国民年金法に基づく国民年金事業を経営して参りますためには、政府管掌の各種の保険事業におけると同様に、国民年金事業に関する歳入歳出はこれを特別に経理いたしまして、その収支を明確にし、将来にわたってその財政の均衡が保持されるよう運営することが必要であると認められますので、ここにこの法律案を提案し、国民年金事業の健全な発達をはかることといたしました次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、この特別会計におきましては、国民年金法に基づく国民年金事業に関するすべての経理を行なうことといたしております。従いまして、同法に基づく拠出制年金に関する経理に限らず、同法に基づく福祉年金に関する経理につきましても、この会計において行なうこととなります。 第二、この特別会計は厚生大臣が管理することとし、その経理は、国民年金勘定、福祉年金勘定及び業務勘定に区分して行なうことといたしております。しかして、国民年金勘定の歳入は、国民年金事業にかかる保険料、国民年金印紙により納付された保険料に相当する額の業務勘定からの受入金、拠出制年金の年金給付に要する費用に充てるための一般会計及び積立金からの受入金並びに積立金から生ずる収入等とし、同勘定の歳出は、拠出制年金給付費及び国民年金事業の福祉施設に要する経費に充てるための業務勘定への繰入金等とすることといたしております。次に、福祉年金勘定の歳入は、福祉年金の年金給付に要する費用に充てるための一般会計からの受入金等とし、同勘定の歳出は、福祉年金の年金給付費等とすることといたしております。また、業務勘定の歳入は、国民年金事業の事務の執行に要する費用に充てるための一般会計からの受入金、国民年金印紙の売りさばき収人及び国民年金事業の福祉施設に要する経費に充てるための国民年金勘定からの受入金等とし、同勘定の歳出は、国民年金事業の業務取り扱いに関する諸費、国民年金印紙により納付された保険料に相当する額の国民年金勘定への繰入金及び国民年金事業の福祉施設に要する経費とすることといたしております。 第三に、以上のほか、この法律案におきましては、この特別会計の予算及び決算に関する事項その他の会計経理に関し、必要な事項について規定することといたしております。 なお、国民年金の保険料は、国民年金印紙により納付することが原則とされておりますのに伴いまして、当該印紙の形式及び売りさばき等に関する規定を整備するため、この法律案の附則において印紙をもってする歳入金納付に関する法律の一部を改正することといたしております。 次に、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案について申し上げます。 まず第一に、現行の国家公務員等退職手当法におきましては、職員としての引き続いた在職期間を基礎として退職手当の額を計算することを建前としておりますが、現行法の前身である国家公務員等退職手当暫定措置法施行日、すなわち昭和二十八年八月一日前における外地官署引き揚げ職員及び追放該当職員並びに軍人軍属等であった職員の勤続期間については、当時の特殊事情等を考慮して、外地官署引き揚げ等によって退職した後、一定期間内に再び職員として就職した場合には、前後の在職期間を通算する等の特例を設けております。これに反し、昭和二十八年八月一日以後において、外地官署所属職員等であった者が本邦に帰還して再就職した場合には、この勤続期間の計算の特例が認められておりませんので、昭和二十八年八月一日前の外地官署引き揚げ職員等に比し不利な扱いとなっております。従いまして、今回、昭和二十八年八年一日以降の外地官署引揚者等であった職員についても、勤続期間の計算について、同日前の外地官署引揚者等であった職員と同様の特例を設けることとしております。 第二に、現行の国家公務員等退職手当法におきましては、職員が退職し即日再採用される場合等においては、前後の在職期間を引き続いているものとみなし、退職手当を支給しないこととしておりますが、昭和二十八年七月三十一日以前においては、職員の在職期間が引き続いている場合においても、退職手当を支給したことがありますので、このような場合には、その職員の最終退職時の退職手当を計算する際、さきに支給を受けた退職手当の計算の基礎となった在職期間を除算することとしております。このため、外地官署引き揚げ職員等について前後の在職期間を通算する旨の特例が設けられていても、引き揚げにより退職いたしました際退職手当の支給を受けております場合は、さきの退職手当の計算の基礎となった在職期間が除算されることとなり、不利益を受ける結果となっております。 昨年、国家公務員等退職手当法の一部を改正して、公庫等から復帰した職員に対する退職手当にかかる特例を設けることといたしましたが、今回、外地官署引き揚げ職員及び追放該当職員並びに軍人軍属等であった職員の退職手当につきましても、その退職の事情及び長期勤続者優遇の趣旨等にかんがみ、公庫等から復帰した職員に対する退職手当にかかる特例に準じて、その者が退職した場合に支給する退職手当の額の計算につき特例を設けることとするものであります。すなわち、従来、外地官署引き揚げ職員等の退職手当の額の計算につきましては、引き揚げ等による退職のときに支給された退職手当の計算の基礎とされた在職期間を除く在職期間を基礎として、退職手当の額の計算を行なうことといたしておりますが、今回これを改め、当該退職者の再就職前後の在職期間を合算することとした場合受ける退職手当の支給割合から再就職前の在職期間に対応する支給割合を控除した割合を退職時の俸給月額に乗じて得た額を、退職手当として支給することとしようとするものであります。 なお、これらの特例は、昭和三十六年三月一日以後の退職者について適用することとしております。 次に、大阪港及び堺港並びにその臨港地域の整備のため発行される外貨地方債証券に関する特別措置法案について申し上げます。 大阪港及び堺港の港湾整備並びに臨港工場用地の造成等の総合整備事業計画は、かねてより関係地方公共団体により検討されて参りましたが、このほどほぼ成案を得るに至りました。その起債対象事業規模は約七百七十億円に上る予定でありますが、関係地方公共団体におきましては、その一部を外貨地方債証券の発行により調達することとし、昭和三十六年度におきましては、九十億円に相当する外貨地方債証券の発行を計画しております。政府といたしましても、この総合整備事業計画は時宜を得た適切なものであると考えましたので、この計画のために発行される外貨地方債証券の発行を円滑ならしめるために、この法律案により特別措置を講ずることとした次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、政府は、当分の間外貨地方債証券にかかる債務につきまして国会の議決を経た金額の範囲内で保証契約をすることができることとしているのであります。しかして、昭和三十六年度におきましては、保証契約をすることができる金額の限度を、この法律の附則において定めることとし、その限度額は、大阪府及び大阪市が共同して発行、する外貨地方債証券につきまして、発行時における基準外国為替相場または裁定外国為替相場で換算した金額が九十億円に相当する券面表示の外国通貨の金額並びにその利子及び発行に関する契約に基づくその他の支払金の額に相当する金額といたしております。 第二に、外貨地方債証券の消化を円滑にするために、その利子等に対する租税その他の公課については、これまでの外貨公債の例にならい、非課税措置を講ずることとしているのであります。 次に、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由とその概要を御説明申し上げます。 この法律案は、健康保険法、厚生年金保険法、恩給法の一部改正等に伴い、国家公務員共済組合法及び国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法について所要の改正を行なうとともに、共済給付に関する規定を整備いたそうとするものであります。 次にこの法律案の内容について御説明申し上げます。 国家公務員共済組合法の一部改正につきましては、まず第一に、健康保険法の一部改正に伴い、育児手当金について二千四百円を一括支給することとするとともに、出産費及び配偶者出産費についてそれぞれ六千円及び三千円の最低保障額を新たに設けることといたしております。 第二に、厚生年金保険法の一部改正に伴い、退職年金、廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げることとしております。 第三に、傷病手当金の起算日については、従来一律に療養のため勤務に服することができなくなった日以後三日を経過した日から起算することとしておりましたが、その者に俸給の全部または一部が支給されることにより傷病手当金の全部が支給されないときは、その傷病手当金の支給が実際に始められた日から起算することといたしております。 第四に、公務による廃疾年金または公務による遺族年金に要する費用について国が全額を負担することといたしております。 第五に、国家公務員が、任命権者の要請に基づき公庫等の職員となり、さらに引き続き国に復帰した場合において、その公庫等の職員期間を組合員期間に通算し得る措置を統一的に行なうこととしております。 第六に、共済組合の組合職員が国の職員となったとき、または国の職員が組合職員となったときは、その者の選択により、相互の組合員期間を通算し得ることとしております。 次に、国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法の二部改正につきましては、まず第一に、旧勅令による共済組合の組合員であった期間を旧長期組合員期間とし、これにより引き続いていない旧勅令による組合員期間も年金額計算の基礎となる期間として取り扱うことといたしております。 第二に、恩給法の一部改正に伴い、旧軍人軍属の戦務加算等を在職年に算入することとするとともに、旧日本医療団職員期間及び外国政府職員期間を組合員期間に算入することについて所要の改正を行なうことといたしております。 第三に、同じく恩給法の一部改正に伴い、公務による廃疾年金の最低保障額を引き上げることといたしております。 以上の改正のほか、その他共済給付に関する規定を整備する措置を講ずることといたしております。 最後に、税理士法の一部を改正する法律案について、提案の理由を御説明申し上げます。 政府は、昭和二十六年に税理士法が施行されて以来の税理士制度の運営の経験に顧みまして、今後早急に税理士のあり方その他税理士制度の全般について根本的な検討を加える方針でありますが、その結論を得るにはなお時日を要しますので、今回は、税理士の登録事務の移譲及び税理士特別試験の存続期間の延長等当面必要な事項について税理士法の一部を改正しようとするものであります。 以下、改正案の内容につきまして簡単に御説明申し上げます。 第一に、税理士の自主性を高めるため、税理士の登録事務を日本税理士会連合会に移譲することとし、所要の規定の整備をはかっております。税理士制度の適正な運営をはかるためには、個々の税理士が、その職責を自覚し、自主的にみずからの規律を守る態勢が確立されることが望ましいことはいうまでもありません。このような観点から、さしあたり従来国税庁長官が行なっていた税理士の登録事務を日本税理士会連合会に移譲することとしております。この移譲に伴い、登録事務の公正な運営をはかるため、日本税理士会連合会に、同連合会長のほか、税理士、国税または地方税の行政事務に従事する職員及び学識経験者からなる資格審査会を設け、問題のある事案については、同審査会の議決に基づいて処理することといたしております。また、登録を拒否された事案及び登録事務が相当期間遅延している事案については、国税庁長官に対して異議申し立てを行ない、その救済を求めることができることといたしております。なお、従来税理士会の会則の変更はすべて大蔵大臣の認可を要していたのでありますが、税理士会の自主性を高めるため、できる限り届出制に改めることいたしております。 第二に、税理士の特別試験の制度について所要の改善をはかった上、その存続期間をとりあえず延長することといたしております。この特別試験の制度は、計理士及び会計士補については十年以上、国税に関する行政事務または事業税もしくは固定資産税に関する行政事務に従事した職員については二十年以上、その他の地方税に関する行政事務に従事した職員については二十五年以上の実務経験を有する者について認められているものでありますが、このような者については、一般の理論中心の試験によるよりも、むしろ実務を中心とした特別な試験を行なうことにより税理士の資格を与えることが実情に即しているものと考えて、昭和三十一年に設けられたものであります。税理士試験については、現在行なわれている普通試験につきましても、そのあり方について多極の疑問が提出されており、税理士の業務に照らし、その資格試験にふさわしい試験のあり方について総合的な検討を行なう必要が認められております。このように、税理士の試験制度全般について、税理士制度の基本的な問題の一つとして早急に検討を行なうこととしておりますが、その結論を得るにはなお時日を要しますので、今回は、本年六月三十日にその適用期限の到来する税理士の特別試験制度について、所要の改善をはかった上、その存続期間をとりあえず延長することとしているのであります。 なお、税理士試験の受験資格、税理士試験における試験科目の免除資格及び特別試験の受験資格中、現在一定期間国税または地方税に関する行政事務に従事したことを要件としているものについて、今回これを若干拡張し、国または地方公共団体における国税または地方税に関する事務に従事した者にその資格を認めることとする等、所要の規定の整備をはかることといたしております。 以上が国民年金特別会計法案外四法律案についての提案の理由及びその概要であります。 何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
○足立委員長 これにて各法律案の提案理由の説明は終わりました。 各案に対する質疑は次会に譲ります。 ————◇—————
○足立委員長 港湾整備特別一会計法案、揮発油税法の一部を改正する法律案及び地方道路税法の一部を改正する法律案の三法律案を一括して議題といたします。 質疑の通告があります。これを許します。横山利秋君。
○横山委員 港湾整備特別会計法案に関運をいたしまして、二、三お伺いをいたしておきたいと思います。 港湾の整備が叫ばれて以来、歴史はきわめて古く、しかも、その緊急性というものは、ますます強まるばかりでありますし、政府の所得倍増計画にいたしましても、また私どもの党の経済計画にいたしましても、港湾の整備が、ベースは違いましても、焦点となっておることは申すまでもないところであります。しかし、一方において考えなければなりませんことは、港湾の形の上の整備ができましても、内容的なといいますか、いろいろな角度からの総合的な整備ができていかない、伴っていかないということが、私どもとしては多年疑念をいだいてきたところであります。 〔委員長退席、鴨田委員長代理着席〕 時間の関係上、冒頭に問題点を申しますと、たとえば、陸海の交通の関連というものは、ほんとうに港湾整備と相待った計画ができているかどうか。また、第二番目には、港湾に働く労働事情というものが、いつまでたっても封建的な要素が常に絶えないのではないか。港湾における経営及び労働問題についての近代的な変革というものが少しも伴っていないではないか。第三番目には、港湾の行政は、本委員会で何回も私から指摘をしたのでありますし、閣議でも一たん決定をしたことでありますけれども、港湾行政の一元化は遅々として進まないではないか。またそのほかたくさんの問題があるのでありますが、今ここに港湾整備特別会計法が本委員会に提案され、港湾整備緊急措置法が、別途の委員会で審議をせられ、本会議を通過した趣でありますけれども、むしろ、その港湾の整備のほかに、それに関連いたします諸問題というものは一体どうなっておるのであろうか。これは港湾局長にお伺いをしていいものやら、あるいは税関部長にお伺いをしていいものやら、あるいは労働省関係にお伺いしていいものやら、実はわかりません。つまり、わからぬということは、港湾の総合的な整備について結局欠けるところがあるのではないか、こういうことを考えるのであります。適当な回答者であるかどうか知りませんけれども、当面の問題についての一応の責任者でありますから、港湾局長にそれらの問題についての御意見をまずお伺いいたしたいと思います。
○中道政府委員 お答えできるかどうかわかりませんが、お答えいたしたいと思います。 御指摘のように、港湾の問題につきましては、終戦後、これはほかの事業もそうでございますが、特に港湾におきましては、占領軍の政策もございまして、各地の荒廃した港湾の復旧がなかなか思うように進まなかったわけでございます。しかし、わが国の経済が逐次発展して参りまして、港湾行政がなかなかそれにマッチできないというのが実情であったわけでございます。私たち考えますのに、いろいろな原因があると思いますが、何と申しましても、戦前一応整備を見ておりました港湾施設が大きく破壊をされましたために、その破壊を復旧し、さらに経済の伸展等に適応できるような施設並びに港湾行政を進めていかなければならないわけでございます。そこで、港湾施設の整備、つまり港湾行政なり港湾の管理運営なりが行なわれますその土台になります基盤としての施設というものが、ただいま申しましたように大きな破壊から立ち上がらなければならないということで、その点について鋭意努力をして参ったわけでございます。従いまして、この基盤になります施設の整備ということがある程度進みませんことには、それをもとにして行なわれます行政なりあるいは管理運営ということが、なかなか困難な事情になってくるわけでございます。従いまして、私たちの方といたしましては、昭和三十三年に、運輸省といたしまして一応港湾の長期計画を樹立いたしたわけでありますが、その後経済が非常に急速に発展をして参りました関係で、今回はさらに新しく三十六年度を起点とする新長期五カ年計画を樹立いたし、また、それを、従来のような単年度の予算でなくて、五カ年間をまとめた計画にいたしまして、全体のワクをきめると同時に、各年度におきましても、経済の情勢、地方の実情に合致できるような、それらの施設の整備を確実に実施できるような方策をとりたい、こういうことで港湾整備緊急措置法案を御審議いただきまして、それによって事業の量なり目標というものを法律的にきめていく。さらに、事業を確実に、実施していきますために、御承知のように、港湾事業は国費あるいは地方費また民間の受益者の負担等もございますので、それらの収支を明確にいたしまして事業の実施を確実に進めていく、こういうために、今回御審議をいただく特別会計法案を制定いたしまして、この計画の方と特別会計法によりまして事業の確実な実施をしていく、こういうような考え方であるわけでございます。 従いまして、これらのつまり行政の運営が行なわれます基盤をまずがっちり固めよう、その上でそれらの行政が確実に行なわれるような方策をとり得るようにやっていこう。もちろすそれができなければ行なわないということではございませんで、今日まで港湾の整備をいろいろな方法によって進めてきております。従いまして、今までのところ、港湾の行政につきましては、たとえば港湾の利用者にとっていろいろな港湾の手続が非常に繁雑である。この点は、御承知と思いますけれども、たとえば、終戦後、建物の関係等もございまして、港湾の行政事務、あるいは入港管理事務でありますとか、植物検査でありますとか、検疫でありますとか、そういう事務につきましても、各地にそれらの機関が点在したというようなこともございまして、港湾の利用者に非常に不便をかけておったわけでございます。それらのことが港湾の利用者からいろいろと要請がございまして、それらについては、できるだけこれを合同庁舎等の方策によって、手続を簡素化しあるいは簡略化するというような方向に現在進みつつあるわけでございます。また、港湾の管理につきましては、終戦後港湾法が制定されまして、全国に港湾管理者を設置いたしたわけでございます。この港湾管理者によりまして、従来のばらばらであった港湾行政を統轄いたしまして、港湾の総合的な管理の責任者たらしめるということでございまして、現在のところこれらの港湾管理者が一応まとまって活動をいたしておるわけでございます。従いまして、港湾の行政の部面につきましては今後問題点が多いわけでございます。しかし、ただいま申しましたような基本の港湾の整備とあわせまして、これらの港湾の管理運営の行政あるいはれそらの事務を推進していくことができるというふうに考えておる現状でございます。
○横山委員 ちょっと質問の焦点が抽象的であったためでありますか、御答弁も非帯に抽象的であります。あなたのお答えになった限りにおいては、私は失礼ながら事情を承知しておるのであります。これから御質問申し上げる点は、政務次官、税関部長から、一つ具体的に、時間もございませんから、お答えを願いたい。 まず第一に、港湾行政の一元化の問題でございます。これは、累次の閣議で、私の質問書に対しましても、閣議で、原則として賛成である、そういうふうにしたいというふうになりました。しかし、いかに一元化するかについては、私自身も議論の余地を持っておるのでありますが、私はこういう考え方を持っておるのです。今港湾管理者を設定されて、その地方自治体、たとえば名古屋港でありますと名古屋港の地方港湾管理者、各地方自治体、市が中心となってやっておる。ほかのところでは、また横浜では横浜方式があり、下関は下関方式があるのですが、その地方自治体に移されておる権限を将来取り上げるお気持があるかどうかということが一つ。 第二番目には、合同庁舎というのは一番やりやすい、やり方であるけれども、その合同庁舎方式によって港湾行政の一元化といってしまうのであるかどうか。各省のなわ張り争いは、これは全く世間の非難の焦点であるけれども、各省とも折れ合って、国家機関の出先機関が全くばらばらで、そのために書類が煩雑で全く意見が疎隔しておるような状態を改善して、国家行政機構、出先機関をある程度一つに集約をする、一つでいかないにしても、それを縮減して窓口を短縮するという方向があるのかどうか。できるのかどうか。また、それを実施するに際して、やれ運輸省を中心にするという考え方や大蔵省を中心にするという考え方が根を張って、官僚のなわ張り争いについてここ数年来叫ばれておりながら、だれしも納得しながら、一歩も前進しない。結局合同庁舎でごまかしてしまうというやり方であるけれども、百尺筆頭一歩を進めて、運輸省も大蔵省も建設省も労働省も、それら官署がこの目的に向かって努力する用意があるかどうかという点を、簡潔に一つ港湾局長と大蔵省の担当者から御意見を伺いたい。
○中道政府委員 大へんむずかしい問題でございまして、私どもの方といたしまては、ただいま申しましたように、これらの先進国と申してはなんですが、ヨーロッパなりアメリカ等の港湾事情等もいろいろ調査いたしまして、港湾の行政の統一ということに対しましても、あるいはポート・オーソリティ、あるいは少なくとも市でありますとか県でありますとか、そういうような港湾に直接関係いたしまする地方団体の管理下に置くということが、最も民主的であり、また港湾の管理運営を円滑ならしめる趣旨であるというふうに考えておるわけでございます。わが国におきましては、従来の例から申しますと、大部分の港湾は都道府県知事の管理下に行なわれておったわけであります。ただ、戦前は、横浜あるいは神戸等におきましては、税関の関係する外国貿易におきましては、税関の関税行政上、それらの地域が税関の行政の一部と考えられておったように思われます。しかし、いずれにいたしましても、港湾行政というものが、つまり、わが国における港湾というものが、十分に発達をいたしておりませんで、発展途中の段階にあったというふうに考えられますので、そういった港湾の管理についての統一された制度というものが行なわれておらなかったというのが、実情じゃないかと思うわけでございます。従いまして、終戦後は港湾法の制定ということになりまして、その後港湾管理者というものをもって港湾の行政を統一するというふうな方向に進んできておるわけでございます。ただ、先ほど申しましたように、内容といたしましては、施設の面におきましても、あるいはいろいろな海運の事情等におきましても、まだ不十分な点が多々あるために、現在のところいろいろな不満なりあるいは要請が出てくるわけでございます。しかし、そういう点につきましては、われわれといたしましては、現在の港湾管理の制度というものをさらに強化あるいは改善、指導いたしまして、そういうことによって港湾行政を遂行していく、港湾行政め統一なり、あるいは港湾の管理運営なりということを遂行していくことができる、そういうふうに考えておるわけでございます。
○横山委員 局長の説明は非帯に抽象的でいかぬと思うのです。弁明や事情の説明なんか私わかっておるのですから、港湾行政の一元化の前向きの姿についてお考えを聞かしてもらいたい。具体的にはどうするのか。意見がなければないでよろしい。なければ大臣を呼びます。
○中道政府委員 具体的と申しましても、これは、この前行政管理庁の行政制度審議会でありますか、港湾行政の統一に関する答申が出たわけでございます。それに対しまして、運輸省といたしましては、現在の港湾行政を、重要な港湾についてこれを国家管理に移すという点はえておりません。
○横山委員 それはそれだけでなくて、それでは、港湾行政は、今あなたもお認めになっておるように全くばらばらで、非難の的である。その非難の的であることを、あなたも言葉少なく表現されているのだから、それは審議会が重要港湾の国家管理をすることを答申したけれども、わしはいやだというならば、港湾行政の非難の的をどういうふうに改善するかということを聞いているんですから……。
○中道政府委員 その点につきましては、先ほど申しましたように、内情をいろいろ調査いたしてみますと、やはり大きな問題は現在の手続関係、船会社あるいはその他の港湾利用者が、それらの業務を行なうために、いろいろな書類を各種の機関に提出しなければならない。それが、場所的な関係等もあって、非常に時間を費やしあるいは労力を費やすということが、非帯に大きな要素であるように考えられるわけであります、いろいろ調査いたしますと。従いまして、それらを簡略にし、それらの手数を省く、そういうためには、どうしてもやはりこれを一カ所にまとめてやるということが、それにとって非常に大きなプラスになる。またそういうことを実はそれらの業界で強く望んでおるわけであります。従って、そういう方向で合同庁舎ということを考えておる。それが現在の実情であるわけであります。 それから、さらに根本的な問題といたしましては、何と申しましてもやはり施設の整備ということがその根本の原因である。たとえば月末あるいは月初めの集中配船という問題もございますが、それらにつきましても、やはりそれに適応するだけの接岸施設ができておりますれば、それらの月末、月初めの集中配船という問題も大いに緩和される。その他港湾の労働問題いろいろございますが、それらの点につきましても相当改善されるというふうに、われわれは考えておるわけであります。
○横山委員 なっておらぬですよ。私の言うことがわからぬのか、それとも認識不足なのか、判断に苦しむのです。私の言っているのは、港湾行政の根本的な改善をしなければならぬ。そんな合同庁舎を作ったり手続を統一したりするようなことは、枝葉末節の問題ではないか。一つの港に各省の出先機関が割拠して、それぞれのなわ張り争いをやっているようなことではだめなんだから、これは少なくとも行政機関を統合するか何かしなければだめだと言っているのですよ。その点については何らあなたはお考えになっていないようですね。かつて閣議でそういうことが一たん原則的に了承されて、それを審議会なりいろいろなところで議論をされていることは、あなた御存じのはずです。重要港湾を国家管理するということについては、私も議論があり、その点についてはいいというのです。それなら、それが答申がされるような現実の事態を改善するために、書類を少しぐらい手直ししたぐらいで、合同庁舎を作ったぐらいで、それでいいとあなたは思っているのですか。行政機構というものをこのままでいいとあなたは思っているのですか。だから、私は、冒頭に言ったように、港をよくする、岸壁をよくする、埠頭を作る、そういうようなことだけではつり合いがとれぬではないか、国の機構それ自信が勝手ばらばらなような状況で、国自身が改善をすることが必要ではないか、こう言っているのですが、この港湾行政の総合的な改善、一元化について、あなたは御意見はないのですか。
○中道政府委員 非常にむずかしい問題ですが、その港湾行政の根本問題に対する認識と申されますが、たとえば現在重要な港湾が非常に発展をいたしておるわけでございます。 〔鴨田委員長代理退席、委員長着席〕 従いまして、単にその港湾だけでなくて、その周辺も含めた広域な港湾の経済圏というものが順次形成されてくるのではないかというふうにも考えます。従いまして、港湾行政の大きな意味の統一と申しますか、そうよう場合には、もっと根本的に、ボート・オーソリティ方式でありますとか、あるいは各地の港湾の現在の管理制度というものを総合的に統括したやり方というものも考えられるのじゃないか。そういうふうな点についても、これは議論があると思うわけでございますが、現在のところ、われわれの方といたしましては、それらの点についていろいろ検討はいたしておりますが、まだそれに対してどうするという結論は持っておらないわけでございます。
○稻益政府委員 港湾行政統一の問題でございますが、御承知のように、三十四年に審議会の答申が出まして、いろんな事情で実現に至っておらないわけでございます。端的に申し上げまして、大蔵省としましては、少なくも税関に関しまする限りでは、ああいった当面の問題としましては、答申の線で実現の方向に向かうべきではないかと考えております。大きく二つの流れに分かれるわけでございます。現在多数の出先機関において行なわれております複雑な行政というよりは前進するのではないか、かように考えております。ただ、現実問題としまして、それが実現いたしますまでの過程におきまして、技葉末節というお話もございましたが、私どもとしましては、当面の問題としまして、いろいろな提出書類の様式の統一でありますとか、あるいは出先各機関のいろいろな連絡でありますとか、こういったようなことにつきまして工夫している、かような次第でございます。
○横山委員 別途これは一つ大臣にお伺いをすることにして、もう一つは、先ほどちょっと話をしましたが、港湾の労働条件について両氏にお伺いしたいのです。 最近全国の港に働く労働者諸君が、港湾に門限を作れという要求を出しておるわけであります。これは、私は、労働者の単なる要求と見ないで、この港湾の封建的な現在の状況を是正するために、働くときには働く、休むときには休む、緊急やむを得ざる場合は別として、原則として朝八時からなら八時から夜は何時までというふうに、門限を作るということが必要なことではないかと思うのです。現在、ある港においては、この労働者の趣旨に賛成して、それじゃ朝は八時なら八時にしよう、そうして一斉に港がそれで動き始める、各官署ともそれに合わして大体その作業のあれをきめるというふうなことは望ましいことであるということに、雰囲気としてなってきた港がありますが、政府として、それぞれを担当されるところとして、この港湾の門限といいますか、港で仕事が始まるのは何時だ、作業が終わるのは夜何時だ、そうしてそのほかのことは緊急な問題として処理するというふうな、港湾の門限を作って一斉に仕事を始め仕事を終わるというようなことを、どうお考えになっていますか。おそらく両局長ともこの問題についてはお耳に入っておると思うのでありますが、どういうふうに処置をされておりますか、両局長にお伺いします。
○中道政府委員 お話の港湾関係の深夜荷役の廃止という点につきまして、昨年、港湾関係の民間または官公庁の労働組合十四組合によりまして、港湾中央共闘会議というのが組織されまして、昨年の十月に、港湾労働におきまして、午後十時以後の夜荷役及び年末年始の四日間の有給休暇を実現するということで、関係の雇用主に対しまして要求書を提出され……。 横山委員お話し中ですが、説明が非常に多いのです。説明はみんな知っているのですから、答えだけ聞かして下さい。
○中道政府委員 そこで、この要求に対しまして、われわれといたしましては、現在港湾労働の特殊性ということもございまして、長時間労働が他の産業に比べまして相当多いということは事実だと考えております。これを何らかの方法によりまして是正する必要があると考えられるわけでございますが、この深夜荷役を一切廃止するという問題につきましては、現在のわが国の情勢あるいは商慣習の現状から申しまして、いろいろ困難な事情があると考えられるわけでございます。従いまして、運輸省といたしましては、現在さらに業界と組合におきまして双方で十分話し合いをするような努力が続けられておるわけでございますので、そういうような方法で極力話し合いを進めていかれるということを望んでおるわけであります。
○稻益政府委員 ただいまの港湾局長のお話しと大体同じでございますが、私どもとしましても、問題は、船会社あるいは荷役業者の間でそういう話し合いがうまくできるということであれば、非常にけっこうなことであります。税関としましては、税関の立場から先ばしって、私どもの方からそういう門限的なことをどうこう言うことは差し控えたい、かように考えております。
○横山委員 そういたしますと、運輸省及び大蔵省とも、船会社なり荷役業者が了承すれば、そういう港湾の門限を作るということについては望ましい姿である、こういうふうに理解してもよろしゅうございますか。
○中道政府委員 その点につきましては、いろいろの問題がございますので、なお十分話し合いをした上で結論を得るようにいたしたい、そういうふうに考えております。
○横山委員 話し合いをするというのは、あなた方が話し合いをするのではなくて、荷役業者あるいは船会社と働く人々との話し合いですね。それに対して運輸省としてはどうなんですか。先ほどのお話とすれば、原則としてそういうことは好ましい姿である、こういうふうに理解してよろしいのですか。
○中道政府委員 港湾労働の特殊性ということは十分認識をいたしておるわけでございます。それから、話し合いにつきましても、昨年の暮れには、労働省と運輸省があっせん役になりまして、業界との話し合いのあっせんもいたしたというようなことでございますので、今これが望ましいあるいは望ましくないという結論を出すのは、いささかまだ時期が早いんじゃないかと考えております。ただ港湾労働の特殊性ということはわれわれも十分に認識しておるわけであります。
○横山委員 どうもあなたは回答がいつもはっきりしないのですけれども、両方の話し合いをやらせるということはわかりましたよ。わかりましたけれども、話し合いをやらせるだけで、実際港湾行政の責任者として、それぞれの責任者としてどういう立場で話し合いをさせるのか。港湾労働の特殊性はわかっておると、この特殊性をあなたが強調される意味はどういうものなのか。港湾業者及び労働というものは、非近代的な要素がたくさんあるから、近代化するという点については、私と意見が一致するようだ。そうだとすれば、働くときには働く、休むときには休む、休むときどうしてもやらなければならぬものなら別だけれども、原則として門限を作る、そうして一斉に働き出す、そうして一斉に休むことは望ましいということについて、私と意見が一致するのかしないのか、この点はどうです。
○中道政府委員 結論的にどうこうということはちょっと困難だと思うのです。これは、お話のように近代化しなければならぬという点については、その通りでございます。ただ、夜荷役を廃止する、十時以後は全部荷役をストップするということになりますと、それのよって起こる、船会社その他に対する影響が非常に大きいわけでございます。特に港湾は外国船も多数入るわけでございますから、それらの関係もありますし、あるいは荷主等との関係もございます。従って、昨年の暮れも、その点について荷主、船会社との話し合いをそれぞれ数回にわたって行ったわけでございます。しかし、まだ結論が出ておらないというのが現状でございまして、従いまして、それについてはなお十分に話し合いをした上で結論を得たいというふうに考えておりまして、現在のところこれが望ましいかどうかということは、そういうような事情がございますので、すぐにそういう結論を出すことは困難だと思います。
○横山委員 どうもあなたの言うことはわからないのですけれども、それじゃ一体運輸省はどういう方針でその問題に望んでおるのですか。とにかく話し合え、話し合ったことが話がつけば、運輸省は無条件で了とするということなんですか。それとも、こういう方向が望ましい、押しつけるわけにはいかぬけれども、よく話し合いをしてくれというのか。無原則なのか、原則があるのか。原則があるとすれば、それは何です。
○中道政府委員 よく話し合いをしてくれということでございます。
○横山委員 話し合いがつけば、どういうふうになっても運輸省としては文句を言わないのですね。
○中道政府委員 そういうことではないのです。話し合いをした上でその姿を見まして、運輸省としての考え方を出すというわけでございます。その間の途中におきましても、両者の情勢はわれわれとしても十分連絡をして、その円滑な結論が出るように考えていきたいと思っております。
○横山委員 そういうことだからいかぬというのですよ。話し合いをしてくれ、話し合いがついたらそれでよろしいというのではなくて、話し合いがついたら、それをチェックする、チェックするというのは、一体どういう立場でチェックするのか。あなたの方が、自分だけはどろをかぶらぬようにして、やらせるだけたやらしておいて、あとチェックするというのだったら、もう少し運輸省としては——いつでも何でも運輸省はそういうやり方だけれども、こういう原則で話し合いをしてもらいたい、押しつけるわけじゃないけれども、こういうやり方が望ましいということを、なぜ堂々とあなたは鮮明されぬのか。どうも、私は、自分も交通関係出身だけれども、いつも運輸省というのは、そういう点で度胸が足らぬというか、どろをかぶらない。港湾を担当するものとして、港湾の近代化、民主化に責任を持つなら、こういうのでありたいのいうことを、なぜもっと堂々と指導なされぬのですか。あとで私は伊勢湾の問題についても質問をするのだけれども、伊勢湾の区域の問題についても、失礼な話だけれども、あなたの方の出先機関はなっておらぬ。自分が責任をかぶろうとしない。よその官署の人がものを言ったら、おれのところの権限であるにかかわらず出過ぎたまねをする、こういう言い方を陰でぶうぶう言っているそうです。それならそれで、なぜもっと堂々と、こういう主張を私どもはしているんだけれども、いかぬならいかぬで、こういう原則で話し合いをしてくれというふうに言わぬのですか。どうも、そういう点で、私はあなたの御答弁を聞いておっても不満を感ずるのです。もう一ぺん聞きますけれども、港湾の門限を作ることについて、運輸省の基本的な考えを聞かして下さい。なければないでいいです。
○中道政府委員 現在のところ、私どもといたしましては、先ほどから申し上げておりますように、現在の港湾の特殊性ということは十分認識しておりますが、この問題は影響するところが非常に多い問題でございますから、今ここでこうだという結論はなかなか出し得ないと思います。
○横山委員 まことにどうも情けない話でございまして、これはあとの機会に譲ります。 今ちょっと話をしましたが、港湾の区域の問題については各省まちまちで、関門及び京浜両港に見られるような広域的な総合港の創設を要望する、名古屋の商工会議所なり四日市商工会議所が合議の上、名古屋港及び四日市港を包含する総合港を創設してもらいたい、こういう要望を前から出しておるわけであります。この点について、実は名古屋の運輸省及び大蔵省関係の出先機関の間に一部のそごがあるようであります。私は、そのそごの、原因について、原則的に反対でなくして、原則的に賛成だけども、片一方が進むかというと、片一方がものを言わないというような雰囲気がどうもあるような気がしてならぬ。私の誤解であれば、それはけっこうでありますけれども、どうもちまたの名古屋の財界並びに有識者の間では、そういう両省の——名古屋の経済界が一致して言っているのだから、もっと積極的にやってくれてよさそうなものだということをこもごも言っている。結局、それなら両者に関係のない商工会議所や民間人が推進しょうというわけで、名古屋港、四日市港を包含する総合港の創設という陳情が正式に出されたわけであります。承るところによりますと、税関の方面では、関税法、港域法、港則法、検疫法等の関係法令の改正について、税関に関する限りにおいては何か上申書を出したそうであります。海運局長の方は、それを出していないそうであります、何でお出しにならぬかと言ったら、いろいろなことを言っていらっしゃいまして、一応もっとものようなことにも聞こえるのでありますが、そんなことを言っておったら何も片づかない。あなたのところへも陳情がいっておると思うけれども、地元においては、名古屋のみならず、どこでもそうだが、港湾整備の緊急なときにおいて、何としても早くこれを実視してもらいたい、できれば今国会でもやってもらいたいという圧倒的な意見でありますが、運輸省としてのお考えはいかがでありますか。
○中道政府委員 お話の点につきまして、われわれの方も伺っておるわけでございますが、一つは、大阪湾におきまして、大阪と堺港の港域の拡張の問題、それと、今お話しの伊勢湾におきまする名古屋港と周辺の港湾地域の港域の拡張の問題でございます。われわれといたしましては、この点につきましても、またおしかりを受けるかもしれませんが、地元で今いろいろ話し合いが進められておるわけでございまして、それらについて、いろいろ事情を伺いまた検討しておるわけでございますが、この点は、原則的に申し上げますと、港域の拡張をいたしまして、入港船舶の手数料なり手続を簡素化するということについては、原則的にはわれわれは賛成でございます。ただ、それを実現いたします前に、それらの関係するところがやはりございますので、十分検討した上でないと、早急にこの港域をすぐどうするということは、今の段階では困難だと思いますが、原則的には賛成をいたしておるわけであります。
○稻益政府委員 税関に関します限りにおきましては、私ども御要望の方向で何ら異存はないと考えております。ただ、問題は、関税法の港の区域を改正いたすだけになりますと、法の形といたしましても、実行上非常に問題が多いわけであります。従いまして、港域法その他の関連法令が同時にやはり改正されるということを前提といたしまして、関税法の改正については、その方向で進めたい、かように思っております。
○横山委員 港湾局長にもう一ぺんいやみを申しますけれども、あなたの方は、原則的には賛成だけれども、いろいろ関係者と相談をせねばならぬと言っておる。関係者は名古屋の国及び県市の出先機関が全部集まってこれをきめたのです。満場一致できまって、それじゃやろうかということになった。あなたの部下も入っておるのです。入っていながら、まだ何か、あれの意見も聞かなければならぬ、これの意見も聞かなければならぬ、というような御意見のようです。そんなことは、自分が入って賛成をするときに、済んでいなければならぬはずだと私は思う。そして、いや、あそこが出過ぎるとか、ここが云々とかいうことで、結局約束通りほかの官庁は上申書を出す。あなたのところだけが上申書を出さぬ。それで、私ども国会議員が、それなら、そんな仲間割れがあるならば、商工会議所にやらせて、商工会議所がやるなら文句はないかということになって、あっせんをして、商工会議所が相談の上で、四日市の商工会議所も異議なく、九鬼紋七さんが名古屋の佐々部晩穂さんと一緒になり、それじゃ名古屋の商工会議所、四日市の商工会議所、共同で一つやりましょうということになって、財界、経済界が花火を上げたということなんです。それでも、なおかつ、あそこに相談せんならぬ、そこに相談せんならぬと言っておるのが運輸省のやり方です。非難の的です。どういうつもりでそういうことをいつまでもやっておるのか、それがいつまでかかるのか、運輸省はどういうところなのか、こう言って非難されておるのです。もしも関係のところに相談せんならぬというなら、この話一年近くになる。どこに相談せんならぬというのですか。そういうことをやっておるからいかぬと言うのです。あなたのところは私の出身ですよ。あまりにもふがいない。なっておらない。そういう意味で私はさんざん文句を言っておるのです。あなたの部下も一枚加わっていたのにかかわらず、なぜほかに気がねをしておるのですか。いかぬならいかぬと言いなさい。いいならいいで、一緒に列席した以上は、一緒に責任をとりなさい。そういうふうにあなたはやってもらわなければならぬ。私の言うことを少しは聞いておるのですか。あるいは聞いていないのですか。どちらですか。
○中道政府委員 事情は知っております。ただいまのお話のように、現地ともよく連絡いたしまして、できるだけ改正するように努力いたしたいと考えております。
○横山委員 両省にお伺いしたいのでありますが、原則的には両省とも賛成だという御答弁を得ました。原則的に賛成で、関係のところに協議をせんならぬというふうに運輸省はおっしゃるのですが、関係のところがどういうところであるか、私にはよくわからないのです。わからないのですけれども、関係のところの了解さえ得れば、まだこの国会が終わるまでにはだいぶ時間があるのですが、できればこの国会に法案を提出していただけますか。
○中道政府委員 ここで今すぐこの点で御返事いたしかねるわけでございますが、御趣旨の線に従いまして、現地ともよく連絡をいたしまして、そういうふうに取り運びたいというふうに考えております。
○横山委員 それでは、一つ別途その結果を私のところへ報告をしていただきたい。それから、大蔵省は私の言ったことについて異存はありませんか。
○稻益政府委員 先ほど申し上げましたように、私どもとしましては改正の方向で考えております。ただ、先ほど申し上げましたように、港域法が実現しないようでありますと、ちょっと私どもとしても考えなければならぬ、かように考えております。
○横山委員 それじゃ、本件は一にかかって運輸省の態度、運輸省の責任であるということをかたく申し上げておきます。この件につきましては、地元としては全く異存のないところで推進しておるのでありますが、今のところ運輸省が何かおかしな雰囲気のためにうまくいっていないんだ、強弁をいたしますとそういうことになる。そういうことじゃないとおっしゃるかもしれないが、そういうことになっておるのです。その点を千分に腹に含んで下さって、その結果を御報告して下さるようにお願いして、この質問を終わります。 次に、ガソリン税につきまして、歴年この問題については数日間を要して審議をしておったわけでありますが、今回は時間があまりございませんから、政府側に対して従来の経緯からお伺いしたい点を端的に承っていきたいと思います。 第一のお伺いは、このガソリン税の値上げによる負担はだれが負担をするのか、こういう点であります。それは石油業界が負担をすることになるのか、あるいはトラック、タクシー、ハイヤー等の業者が負担をすることになるのか、あるいはまた利用者であるお客さんが負担をすることになるのか、どういうふうに負担を考えておられるのか、伺いたい。
○村山政府委員 端的に申しますと、今後の推移を見ないとはっきりしたことは申し上げられないのです。メーカーがどれだけ負担して小売価格をどれだけ引き上げるか。小売価格を引き上げますと、その限度におきまして、運輸業者その他の消費者がそれだけ負担を増加することになります。しかしながら、もしまた運輸業者がその全部または一部を運賃値上げという形で吸収いたしますれば、その限度においてその分は消費者に転嫁される、こういうことになるわけでございまして、今後、この増税案が通ったあとで、その価格の推移がどうなるかということによってきまるわけでございます。ただ、見通しとして言いますと、従来の三十二年——三十四年の例でいきますと、三十二年の際には増税額で五千三百円値上げをいたしたわけでございますが、そのときメーカーが五百円負担いたしまして、四千八百円の小売価格の引き上げを行なったわけでございます。 〔委員長退席、細田(義)委員長代理着席〕 そのときに、しかしそれならば運賃の値上げは行なわれたかと申しますと、そのときには行なわれませんで、一年たってから貨物自動車につきまして一部の引き上げが行なわれた。従いまして、増税の影響というものは、その帰着の結果を見ますと、ほとんど大部分が、形の上では運輸業者があるいはその他の消費者、使用者が負担したという形になったわけでございます。しかしながら、また一方から考えますと、その後原油の価格あるいはタンカー運賃が下がりまして、一年後には改訂前と同じくらいの小売価格に落ちついてしまった、こういう事実がございます。一方収益率は、それだけ、五千三百円のうち四千八百円を運輸業者が形の上では負担したという形になっているにもかかわらず、しかも運賃は一部しかトラックについて上げないにもかかわらず、実際は、その後の輸送量の増、あるいはコストの低減、あるいは原油価格の引き下げということによりまして、運輸業者の収益率はかえって上がって参った、こういう過去の事実がございます。現在の時点で、今後の推移がはっきりどうなるかという点は的確には申し上げかねますが、まず小売価格が相当上がるにいたしましても、直ちにその全部が運賃にはね返るとは、今のところ諸般の事情からわれわれは考えていないわけでございます。
○横山委員 主税局長は非常にこすい答弁の仕方をしておられる。それでは逆に聞きますので、率直にお答え願いたいのですが、推移によってはトラック、タクシー、ハイヤーの運賃の引き上げを認める、こういう前提と理解してよろしいのですか。
○村山政府委員 消費税でございますので、増税いたします場合に、その転嫁は、税の建前では消費者に転嫁することあるべし、あるいは、経済の成長によって、いわゆる排転という形で吸収されることもあり得ると、消費税としては一応予定しております。ただ、そこで運賃をどうするかという問題になりますと、これは、公共料金その他を扱っておる運輸省の方面で、諸般の事情や、その他単にコストの関係だけでなくて、いろいろな観点を見てきめられたと思いますが、税の方では、消費税を上げる場合には、これは消費者に転嫁されることあるべし、あるかもしれぬ、あるいは排転になるかもしれぬ、そこまでは覚悟してやっているつもりであります。
○横山委員 運輸省の方の御意見を承りたい。
○國友政府委員 ただいま主税局長の方から答弁のありましたように、昭和三十四年のガソリン税改訂のときには、運賃改訂をせずに参りましたわけでございます。従いまして、たとえば路線トラック等については昭和二十七年あたりから改訂をいたしておりませんが、これらの諸原価要素の値上がりというものはやはりあるわけであります。しかし、これらについて、私どもとしては、運賃改訂をするとなりますれば、それら原価構成の諸要素について、全部にわたりまして検討を加えなければならないと思っておるわけでございますが、最近の状況といたしましては、三月七日の閣議におきまして、この際当分の間は公共料金の値上げは行なわないという了解もございますので、これらの閣議で了解いたしました線と、われわれの検討の結果とをにらみ合わせて、今後の措置をきめていきたいと思っておるのでございます。
○横山委員 それでは答弁が不十分で、この法案を審議する形になりません。大蔵省としては、消費税を上げる以上は、理論的に運賃にはね返ることもあるということを予想しておるとおっしゃっておられるのですが、運輸省は閣議では公共料金の値上げはせぬと言っておるのだが——に力が入っているのですが、運賃を上げることがあり得るのかあり得ないのか、その点をはっきり聞かせていただきたい。
○國友政府委員 運賃改訂には、ただいま申の上げましたように、原価構成諸要素について検討いたしますので、それら個々の申請によりまして原価の計算をした上で、運賃改訂が必要であるということを考えますれば、その方向でわれわれとしては関係方面に交渉したいと思っております。
○横山委員 伝えられるところによりますと、今回のガソリン税の引き上げは、政府と業者の間で、毎年々々ガソリン税やそのほか油関係の値上げが行なわれておって、お前さん方が文句を言うのも無理からぬことである、今度は一つ運賃の値上げを認める方向で行くのだから、まあ一つ了解してもらいたいという話し合いが暗にあったという話が巷間もっぱらでありますが、いかがでありますか。
○國友政府委員 それらのことにつきましては、私は聞いておりません。
○横山委員 聞いていなくたって、あなたの口の裏から、原価その他を勘案をして、上げるべき必要があれば関係方面と交渉するということが、そのことをそのまま裏書きしているようなもんじゃありませんか。今まで、ガソリン税の審議に際して、そういう言葉は政府の方から話がなかったですよ。私の方から聞いて、原価はどうなっているのだ、どうなっているのだと言うのだけれども、あなたの方から、原価その他を計算をして、そういう必要があるならば関係の方面と交渉するということは、ガソリン税の審議において初めてなんですよ。ですから、明らかに運賃の引き上げを行なう意思があるというふうに見てよろしいでしょう。
○國友政府委員 運賃の値上げ等の問題に関しましては、この三月七日の閣議了解等の線が出されましたような関係からしましても、非常にわれわれとしては慎重に扱わなければならない問題だと思っておるのでありまして、これらの点につきましては、今後も十分それらの原価構成の諸要素及び国民生活に及ぼす影響を考えていかなければ、なかなか措置がしにくいと思っております。ただ、私どもとしましては、運賃改訂というような問題については、先ほどから申し上げておりますように、個々の申請を待ちまして、その申請内容について原価構成の諸要素を全部検討いたしまして、その結果どうしても現在の運賃においてやっていけないという状況が出て参りました場合には、やはりその企業を維持していきます上において、どうしてもその方向に考えざるを得ない、しかし、その場合でも、国民生活に及ぼす影響を十分に勘案して、われわれとしては措置をしなければならない、こう考えておるるわけでありまして、そういう方向で従来とも個々の申請を待ってやっておりましたので、その運賃改訂についても、さっき申し上げたような答弁を申し上げたわけであります。
○横山委員 そういたしますと、閣議決定というのは、私は、まあある程度絶対的な——池田総理大臣以下閣僚が全部集まって決定をしたことでありますけれども、この件に関する限りは、運輸省はこの閣議決定に対して留保条件を付しておる、そういうふうに理解してよろしいのですか。
○國友政府委員 閣議決定についての留保条件等は付しておりません。この公共料金の値上げについては当分の間一切行なわない、こういう了解があったわけでございます。
○横山委員 それはきわめてあいまいな話だと思うのです。もうすでにあなた自身が——たとえばここにトラック業界の関係の新聞があるわけですが、もうすでにトラック業界としては値上げ三〇%案が強まるという見出しで、あなたに業界が一時間にわたって陳情して、値上げせざるを得ない事情をこもごも訴えた、こういっているのです。あなたが今ごろになってこれから原価計算をしなければならぬと言うのは、あなたの職務怠慢だと言わざるを得ない。今日まで、トラックなりタクシーなりハイヤーなり、あなたが監督をし、その経営の事情も見てきて、今から原価計算をしなければわからぬようなお仕事をなさっているのですか。すでにガソリン税を値上げするということで、二十九年、三十年、三十一年、三十二年、三十三年、三十四年、三十五年と毎年やってきて、そのたびに論争の焦点になってきているわけですから、トラック業界が、タクシー業界が、ハイヤー業界が、あるいは石油業界が、どういう経営の実情であるかはあなたは御存じでしょう。今から勉強なさるつもりですか。あなたが知っている範囲内で、ガソリン税を値上げしなければならぬという相談が大蔵省からあった場合に、どういう結果を及ぼすかということは、あなたも判断ができるはずじゃありませんか。どうなんですか。今から勉強しなければわかりませんか。運賃は上げるのですか。上げないのですか。
○國友政府委員 大蔵省との折衝の過程におきましては、ガソリン税の値上げ等については、自動車運送業者その他に及ぼす影響も大きいので、私どもとしては反対の意向を述べたのでございます。しかし、道路整備という大命題から申しまして、私どももやむを得ないものということで認めたわけでございます。しかし、その際に、ガソリン税を値上げいたしますことについての影響等についても私どもは考えましたが、運賃改訂につきましては、単にガソリン税だけの問題ではなしに、たとえば車両の価格とかあるいは部品費、修理費の変動とか、人件費の増加とか、そのほかの問題、すなわち原価構成の諸要素について私どもとしては詳細なデータを集めなければならないのでありまして、それにつきましても、古いデータではわれわれとして納得がいかないので、それらのできるだけ最近のデータを集めて、実際に運賃を改訂すべきであるかどうかということを詳細に検討しなければならないと思っておるのでありまして、それらの原価構成諸要素についての資料を集めなければならぬ、こう考えておるのであります。
○横山委員 きょうは、港湾局長から、自動車局長から、私はまことに運輸省を責めなければならぬと思うのですけれども、一体運輸省の自動車行政というのはどうなっておるのですか。もう全国民が、白タクの問題や、トラックでも自家用トラックで商売をどんどんやっておるという、まさに戦国状態じゃありませんか。そして、砂利トラックの事故が頻発するわ、全く今日の行政というものはなっておらぬ、こう言っているのです。一体運輸省は何をやっておるのだろう、こう言っているのです。しかも、それが発展していきますと、運輸省は、業界と結託をして、新免で、あるときには左にゆれ、あるときには右にゆれ、個人の新免をやるかと思ったら、それでおしかりを受けたから、今度は既存業者にぎょうさん割当をするようになったとか、全くそれはなっておらぬですよ。それで、ガソリン税の問題についていつもいつも私どもは反対をしておりますけれども、結局大蔵省にこみやられましたという答弁で、いつもいつも運輸省に関する限りは増税を承って、謹々了承して、そしてなるべく運賃は値上げしたくないからというわけで、まあ忍んでもらいたい、こういうあり方についての御反省は、運輸省はどうなっておるのです。私はきょうは偶然にも港と陸と両方に対して詰問を申し上げるのですけれども、これだけガソリン税の値上げが論争になっておりながら、まだ値上げするか値上げせぬか、これから原価計算をしてきめなければならぬというのは、お粗末千万じゃありませんか。腹の中ではもうきまっているのじゃですか。タクシー業界やトラック業界やその他の業界に、暗黙値上げは認める、そういうことを言っているんじゃないのですか。どうせこれはガソリン税法が通ったらすぐの問題ですからね。この点は、もう少し率直に、運輸省の立場というものを鮮明になすったらどうですか。
○國友政府委員 ただいま自動車行政に対する御批判があったわけでございますが、自動車行政に関しましては鋭意努力しておりますが、関係するところは実に多いのであります。それは、今申されました、たとえば自動車の車両は非常にふえる、道路はなかなかよくならない、こういう状態がありまして、これら関係省が非常に多いので、それらの点については何とか打開しなければならないということで、鋭意努力しておるのでございますが、運賃の改訂等に関しましては、私はまだ運賃改訂についてどれだけという腹をきめておりません。この点に関しましては、先ほどから申し上げておりますように、原価の構成要素を計算しなければ、とてもその率等については出て参りませんし、さらにトラック等について申しますと、たとえば積載効率の向上というような問題もございます。さらに運賃を割引しておるというような問題もございますし、先ほど申しました原価構成要素の値上がりというような問題もございますので、それらの点を十分に検討した上で、国民生活に及ぼす影響等も考慮して、今後の運賃改訂を慎重に扱っていくという方向で考えておるのであります。
○横山委員 ここまでくるともう大体わかってきましたね。今後の運賃改訂を慎重に扱っていきたいとおっしゃるのですから、運賃改訂はする、できるだけそれを下の方で抑えたい、こういうのが率直な御意見と伺ってよろしいですね。
○國友政府委員 私どもとしては、従来、個々の申請を待って、そのような方向で考えておったのでありますが、やはり、先ほど申し上げましたように、三月七日の閣議了解の線と両々勘案しながら、措置をしていきたいと思っております。
○横山委員 あなたのお話の中で、ガソリン税の値上げによる問題ばかりでなくて、自動車業界がコストを割っているというようなお話があり、そのほかの原価が値上がりしておるのだからという御意見の開陳があったのですが、そうすると、運賃改訂は、ただガソリン税の値上げばかりでなくして、自動車業界の当面いたしますものの問題、そういうことによって原価の値上がりをも含めて、つまり二つの要素で運賃改訂が行なわれるということでございますか。
○國友政府委員 運賃改訂をいたしますとすれば、やはりガソリン税の問題だけではなしに、原価の構成諸要素について全部勘案して検討していくべきだと考えております。
○横山委員 そういうことで、かりにそれが事実であるとするならば、ガソリン税が値上がりしなくても、運賃値上げをしなければならぬという理由も理論的にはあるわけですね。いかがですか。
○國友政府委員 先ほどから申し上げておりますように、運賃改訂については個々の申請を待って審査をするわけでございますが、それらについて出て参りました場合に検討をし、その結果必要となれば改訂をしていくということになるわけであります。
○横山委員 ガソリン税が値上がりしなくても、運賃改訂をしなければならぬ要素がある。その運賃改訂については閣議の決定でいかぬということになっておる。さらに、ガソリン税の値上げで運賃改訂の要素が一つ加わるということであるならば、それは建設省が大蔵省にガソリン税を値上げしろと言うたかどうか知りませんが、もしあなたの言うことが事実とするならば、運輸省としては、今日の業界の事情を十分に話をして、きぜんたる態度で反対すべきではなかったのですか。そういう点は何もなさいませんでしたか。
○國友政府委員 ガソリン税の値上げについては、先ほど申し上げましたように、運送事業その他に及ぼす影響を考えまして反対をいたしました。しかし、最終的には、これはのんだわけであります。閣議決定としてただいまのような案が出たわけであります。
○横山委員 そののんだという理由はどういう理由でございましたか。結局大蔵省から言われた通りにのんだのか。あるいは、運輸省としては、それではこういう点は、こうしてもらうべきだというふうな点を含んでのんだのか。無条件で結果としては押し切られたのですか。
○國友政府委員 ガソリン税に関しましては、最初の案よりは下げられております。私どもとしても、ガソリン税の値上げを最低限に押えてもらいたいということで、最終的には話し合いをいたしたわけであります。
○横山委員 最初の案は幾らでございましたか。
○國友政府委員 最初の案ははっきりとは覚えておりませんが……。
○横山委員 失礼なことを言わないで下さいよ。あなたは自動車局長でしょう。ばかにしないで下さい。
○國友政府委員 ただいま調べまして申し上げます。——お答え申し上げますが、最初の案といたしましては、二兆三千億円の五カ年計画の場合に、ガソリン税その他国の資金といたしまして一兆二千億程度の規模を見込んでおりましたのを、二兆一千億といたしました結果、一兆四百億程度でございます。
○横山委員 それで、法案にある二万二千円に対して、それは幾らでしたか。
○國友政府委員 この場合税率につきましては出しておりませんが、大体税率といたしまして一・三倍程度が最初の案であったと思います。
○横山委員 三割増しということだと幾らになりますか。主税局長は御存じですか。
○村山政府委員 これは、最初は財源論として論ぜられておりまして、税率論で論じられておらなかったわけであります。従いまして、今の二兆一千億になったときに、ガソリン税その他の特定財源、引き上げる分にたよらざる分幾ら、こう出しまして、それで割り返したものであります。従って、その前の案は、二兆三千億という数字で大体特定財源を考えておった。従いまして、今から考えてみますと、ガソリン税のすでにきまったものから考えてみますと、現在の増税率を一〇〇とした場合に、それの一・三倍になります、こういうことでございます。
○横山委員 しかし、運輸省としては二兆三千億では困るという理論をした場合に、なぜ困るかというと、それでは負担がこういうふうになってしまうからとてもいかぬ、こういう理論だったと思います。まさか運輸省が道路をそんなに作らないでもよいというような議論をされるはずはないと思いますが、どうですか。結局一キロリットル当たり幾らが幾らになったのだという計算をして下さい。
○國友政府委員 私どもとしては一般会計からの繰り入れを主張したのでありまして、それらの点につきまして税率が幾らになるという計算はいたさなかったわけであります。
○横山委員 どうも私はその点が納得ができないのです。大臣に来ていただいて、その間の経緯をもう少し明らかにしていただきたいと思います。 先ほどの話にちょっと返るのですが、運輸省としては交通関係労働者の労働条件というものをどういうふうにお考えですか。この運賃の値上げは、原価等の値上がりと見合いながら、運賃をなるべく低率にきめる。値上げを低率にするというのですから、当然しわ寄せがいろいろな方にいくと思うのです。交通関係者の労働条件がどういう点になっているのか。これは人によって見方はあるかもしれぬけれども、白タクがなぜ出るか。白タクが出るゆえんの一つの原因は、今日の免許制度の不工合にもよるけれども、タクシーの運転手をやっておるよりも、この労働条件ではいやだから、一つ個人なりやみタクになろうという原因が、争われない事実だ。砂利トラックがなぜ出るか。砂利トラックがノルマで追われてどうにもやれぬから、一日何往復はぜひともしなければ商売にならぬというわけで、めちゃめちゃ運転をする、そういうところにも原因があると思うのです。こういう労働条件が、運賃の値上げあるいはガソリン税の値上げによって、結局抑えられる可能性があると私は思うのですが、この交通関係労働者の労働条件について、原価の値上がりの中に計算に入れられるおつもりでございますか。この点については、ガソリン税の値上げの運輸省の審査の中で、どういうふうなお考えをお持ちになりましたか。
○國友政府委員 もちろん、運賃の原価計算の場合には、人件費等は大きな構成要素でありまして、それらの点に関しましては、十分に運賃改訂の中で勘案するということになっております。 〔細田(義)委員長代理退席、委員長着席〕
○横山委員 勘案をするということは、つまり一般の賃金の引き上げと見合って賃金の引き上げを許す、こういうふうなお考えに立っているわけですね。
○國友政府委員 給与の引き上げ等につきましては、適正な給与というものをやはりわれわれも考えなければいけないと思いますが、これらは経営者と労働者との交渉に待って決定される部面が多いわけでございますが、私どもとしては、そういう適正な給与に関しましては、運賃の原価構成要素として考慮するということでございます。
○横山委員 今たとえば例をトラックとそれからタクシー運転手にとってみますが、そのトラックとタクシー運転手の平均の賃金はおわかりでございますか。それが全産業と比べて適正であるとお考えになっていますか。
○國友政府委員 神風タクシーが起こりましてから、歩合給が多かったので、これらに関しましては固定給を置くべきであるという指導をいたしまして、最近は固定給の率が上がって参っております。一般的に考慮いたしまして、トラック、タクシーの運転手等が平均であるとは申せませんが、大体給与についてはほか並みに上がってきておる状況は見られます。砂利トラック等に関しましては、実は私どもの権限は非常に少ないのでございまして、非常に関係するところの多い行政でありますから、砂利トラック等につきましては、まだ十分に把握いたしておりません。
○横山委員 私の聞いておるのは、トラック及びタクシーの平均賃金はどのくらいであるか、それが全産業平均と比べて適正であるかどうかというのですから、おわかりにならなければ後刻でもいいです。おわかりになっておったら、具体的な数字を一つ聞かせていただきたい。
○國友政府委員 具体的な数字につきましては、取り調べまして、後刻御報告いたします。
○横山委員 主税局長に聞きますけれども、当今まれに見る鋭敏な主税局長という評判でございますが、一体税というものを、こういう目的税——これは作ったときからもう紛争が絶えないのでありますけれども、多々ますます弁ずということで、道路がよくなるんだから、ガソリン税を何ぼ引き上げてもいいんだという考え方が、どうしても基礎になっておるような気がするのです。けれども、あなたの個人的な意見でもいいですが、こういう目的税としてできてしまったのだから、振り出しに戻って議論するもしょうがない話けれども、こういう目的税ができた以上は、ガソリン税をまた毎年上げていく、そして道路がどんどんよくなっていく、それで割り切っているつもりですか。その点はどうも私どもは釈然としない。第一に釈然としないことは、目的税そのものに釈然としない。第二番目に釈然としないことは、それでは一体それに見合う国家財源の投入が確実に行なわれているかどうかという点について釈然としない。これは数字をもって論争しなければならぬのですけれども、もう大体私の腹の中にもあなたの腹の中にもその数字がある。釈然としない理由は、ガソリン税の引き上げに伴う見合った国庫財源の投入がなされていないという点があるから、私はそう主張するわけです。そういう点について、あなたは、税の理論及び負担の公平という点からいって、これでいいとほんとうにお考えでございますか。
○村山政府委員 歳出論といたしましては、これは私の方の主管ではございませんが、おそらく、受益関係を考えまして、一般財源で幾ら、あるいは特定財源で幾ら、こういうふうに考えて参るのだろうと思うのであります。一方、われわれの方の税制を扱っている立場といたしましては、一般的に目的税といわれるものは決して、好ましいことではないと思っております。ただ、現在のガソリン税は厳格な意味では目的税とは言っていないわけでございますが、道路緊急措置法によりまして、揮発油税の収入を道路の整備に充てるという緊急措置法によってできておりまして、税そのものの性格から出ているわけでない。いわば臨時的なものでございますが、しかし、経済的に見ますれば、これは目的税といわざるを得ないと思うのでございます。ただ、それは一般論として好ましくないということと、それから、現在ガソリン税について具体的にどうかと申しますと、これはやはり現在の道路需要というもの、それから今後の経済の成長に伴う道路の非常な重要性、それがもたらす経済効果が非常に多角的であり、非常に大きいといわれております。しかもこれに損傷を与えるものが大部分自動車関係であろうというところが、税制としては、その前提として一つございます。一方、考えまして、税としてはたして負担にたえられるかどうかという問題は、先ほどからいろいろお話がございました物価に及ぼす影響、運賃に対する影響、これはわれわれの方ではその引き上げられることあるべしと、もちろん消費税のことでは考えておりまして、引き上げられた場合のその影響がどの程度であろうかというところまでは、われわれの方では十分考慮しているわけでございます。しかし、それによって——それからまた負担限度、国民所得に対して負担率がどれくらいになるのか。それから、各国における負担割合がどれくらいであるか。税込みの小売価格が、こういう国際商品でございますから、世界各国どの程度になっているのか。どこの国でも、道路の建設というものは最近における非常に大きな課題になっているわけでございます。それぞれ非常に大きな財源をここに求めている、こういう現実の姿を見ているわけであります。それらを全体として検討いたしまして、この程度のことはやむを得ないと考えているわけであります。ですから、一般論としてどこが限界だと言われますと、それらのものも総合勘案して、プラス面とマイナス面というものを比較考慮の十結論を下さざるを得ない、かように考えているわけであります。
○横山委員 抽象的でお答えにならぬのですが、要するに、あなたの論をもってすれば、とにかく目的税そのものは好ましくない、けれどもこれが厳密に目的税といえるかどうかはわからぬ、さてそれから値上げはやむを得ないものと認めるというお話のようですが、そういうことを、二十九年のガソリン税二千円、三十年の原油の輸入関税の創設、それから三十一年の軽油引取税六千円、三十二年の揮発油税五千円、軽油引取税二千円、三十四年のガソリン税四千五百円、軽油引取税二千四百円、三十五年原油の輸入関税で四%、それらを審議するときに、いつもいつもその理論を伺っているわけです。そのたびごとに、もうこれでおしまいだという話をしているんです。そのたびごとにこれでおしまいだという話も承っておる。だから、そのたびごとに、いつもいつも衆議院(しゅうぎいん)の運輸委員会なりの決議が行なわれる。参議院の運輸委員会の決議が行なわれる。そうしてまた、本委員会においても、しばしば大臣なり責任者から、もうこれでおしまいです、ガソリン税の値上げはもういたさない決心です、こう言って、また同じ答弁をこの大蔵委員会で繰り返すことになる。これは順番に聞いていきますけれども、主税局長としてはこれでおしまいだとお考えでございますか。それともまた、政府や自民党さんから、この計画じゃいかぬ、前に二兆三千億の話があったのだから、それによりを戻してくれやという話があったら、また適当と認めるということをお言いになるおつものでございますか。今回五度、六度にわたって議論をして、これでほんとうにガソリン税の増税はもうおしまいだという議論がなされたのか。なされないのか。なされないものとして、税担当者としてこれでおしまいだといっても、私は未来永劫のことを言っているんじゃないんですよ。少なくとも政治的に減税ばかりずっと続いているときに、増税ばかり歴年行なわれているのはこのガソリン税ですから、その点一つ政治責任にかけて、あなたの政治責任といっては悪いのですけれども、しかし、主税局長の立場からいって、あなたはこれでおしまいだとお考えでございますか。また場合によっては上がるかもしれぬというお考えでございますか。
○村山政府委員 これは感じでございますが、今回の増税によりまして非常に国際価格に近づいておりますので、特殊の事情でもない限り、個々に検討しなければなりませんが、今のような状況が他の状況と同じような状況でありますと、増税の余地は非常に少なくなっておる。ガソリン税につきましては非常に少なくなっております。ただ、軽油につきましては、いろいろ考えてみますと、まだ相当あるのじゃなかろうか、率直に申しましてさように考えております。
○横山委員 増税の余地が非常に少ないということは、やはり増税の余地はまだあるということなんですね。軽油引取税はこれから増税いたします、こういうことでございますか。
○村山政府委員 それは税でございますから、一方に歳出の関係がございまして、必要がないのに増税の余地があるから上げるという必要はごうもないと思います。ただ上げることによる利害得失を考えまして、しかし一方において負担がございます。負担として常識的に考えられる線からいえば、ガソリン税の方はもう余地が非常に少なくなっておる。(横山委員「非常にというのは、ないのかあるのか」と呼ぶ)まあ多少はございます。軽油引取税につきましてはまだ相当余地としてはあります。しかし、増税をやるかやらぬかは、これはそのときにその必要があるかないかという問題でございまして、何も必要もないものを、負担力があるからといって上げる必要はごうもないと思います。
○横山委員 先ほどの論争を中心にして考えれば、必要は大いにあるんですよ。道路を作れという方は二兆三千億ですか、それを二兆一千億にちぎられたのですから、あと二千億は必要が残っているわけですね。それをまた来年、再来年に復活をすることは当然考えられることなんです。その場合には、あなたの今言う趣旨によれば、ガソリン税は多少上げ、軽油引取税は大いに上げるということになりますか。
○村山政府委員 まあ、そのときの情勢でどういう必要かという具体性を見ないとわかりませんが、しかし、一方におきまして余地があるからといって、やはり激変緩和という問題がございます。ですから、軽油について一般的にガソリン税よりも増徴の余地があるといいましても、急には上げられないだろうと思います。今度おそらくガソリン税の方が一割五分、軽油が二割、実際の税込み価格の開きでいいますと、もっとずっと軽油に余地があるとわれわれは考えるわけでございますが、その辺に置かれたというのも、やはりそういう事を運ぶ場合の具体的に及ぼす影響を考えて、激変を緩和しただろうと思うわけでございまして、余地があるからといって、またその必要があるからといって、直ちにもう限界線までいくということにはならなぬと思います。
○横山委員 ちょっとうっかりして聞き流しにしておったのですが、その余地とかなんとかというのはどういうことでございますか。ガソリン税は多少まだ余地がある、軽油引取税は大いに余地があるという余地というのは、つまり石油業界なり、あるいは自動車業界なり、あるいは大衆の負担力に余地があるということなのか、どういう理由でございますか。
○村山政府委員 これが非常にむずかしい問題でございまして、その価格に及ぼす影響であるとか、あるいは運賃を上げた場合には、たとえば運賃を上げざるを得ないという情勢がある、それだけ上げるとどれだけ上がるか、その時点における経済にどういう影響を及ぼすかという、いわば経済全体に及ぼすという角度の余地という問題はあると思うのです。(横山委員「そんな抽象的な話はない」と呼ぶ)ただ、われわれは、それはその時点々々で考えざるを得ませんものですから、今私が一般的に余地々々と言っておるのは、その考慮は実ははずしておるわけなんです。その考慮をはずしまして、国際商品としての石油を考えてみて、どこの国でも税抜き価格は大体同じなんでございます。同じような経済状況にある国において、もし税込み価格も同じであっていい、こういう観点に立ちますれば、小売価格の中に占めるガソリン税の比率であるとか、あるいは国民所得に対するそのガソリン税の負担割合、こういうところを大体めどに置きまして、今余地の議論をしておるわけでございます。ですから、それだけで余地があるかないか、従って増税に賛成できるかどうかという問題は、さっき先生のおっしゃった抽象論という問題は一方においてございますけれども、それの具体的な影響度というものを見ないと、個別には決定できません。今われわれが申しておりますのは、それは一々わかりませんので、国際的な負担関係との比較、あるいは小売価格の中に占める比率、それらの比較において一般的な感じとして余地があるとかないとか、こういうことを申し上げているわけでございます。従って、具体的に、そのときにお前は余地があるというからお前は賛成すべきではないか、こう言われましても、他の要素がございますから、その際個々に検討した上でないと、最終的にはなかなか意向はきめられない、こう思います。
○足立委員長 午前の会議はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。 午後零時五十九分休憩 ————◇————— 午時二時十九分開議
○足立委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。横山利秋君。
○横山委員 午前中運輸省及び大蔵省の方々に御質問したのですが、どうしても大臣にお出まし願って明らかにいたしたいことが残りましたので、参議院の関係で時間がないそうでございますから、率直に大臣のお返事をいただきたいのです。 第一は、このガソリン税の引き上げによって、いかにその負担が転嫁されるかということに関連をして、バス、トラック、タクシー等の運賃を引き上げるのかどうかという点でありました。この点につきましては、大蔵省は、消費税を上げるということからいうならば、運賃の値上げは理論上あり得るという返事であります。それから、運輸省の局長の返事は、一つにはガソリン税の引き上げにより、一つにはそのほか物価の値上がりと原価のコストの値上がりによって、運賃の値上げもあり得ることだ、けれども、閣議の公共料金の引き上げはしないという原則もあることであるから、その見合いにおいてなるべく低率で抑えたいという趣旨の返事であります。大臣にはっきりお伺いしたいことは、今から原価計算をやってみてとか云々と言うことは理屈にならぬ。毎年々々ガソリン税を引き上げてきて、トラックやタクシーあるいはハイヤーの経営者の事情なり、そのほかのことを今から計算しなければわからないというばかげたことはない。こんなことを計算を始めたら、百年河清を待つようなものだ。今ガソリン税の法案を審査するときに、運賃値上げをするのかしないのかということを、はっきりお答え願わなければならぬのだ。こういうことで迫っておるわけであります。ですから、運賃関係が値上げをすることになる、ならないという点を、政治的に明確に大臣まず一つ御答弁願いたい。
○木暮国務大臣 お答えを申し上げますが、今お話にございましたように、消費税あるいは揮発油税、地方道路税あるいは軽油引取税等を値上げいたすというのは、これは、原則的に申せば、消費税ですから、間接税、消費税というものは、お話がありましたように、結局においては最後の消費者に転嫁されるというのが租税理論でございましょう。しかし、私どもの方といたしますと、最近引き続き揮発油税が上がったり軽油引取税などが上がるということが、バスとかトラックとかいうような自動車の方の原価構成の因子を引き上げたわけでございますし、またそのほかにも人件費が上がるとか、あるいはまた部品の値上がりがあるというような、やはり一運の原価を構成する因子というものが上がってきております。しかしながら、一方におきましては、揮発油税が上がったりあるいは軽油引取税が上がることによって、新しいりっぱな道ができてきて、自動車の運行の上から見ますると、たとえば言葉があまりに卑近になりますが、自動車にがたがこなくなるとか、あるいはまたタイヤの摩滅が非常に少なくなるとか、あるいは燃料の消費が少なくなるとかいうような、原価高とは反対に値段を減らすような方に働く方面も私はあると思うのであります。これは、現に、最近地方におきまして道路公団によって有料道路ができておりますが、その有料道路の料金が上がった。そこですぐそれならバスの値段を上げて消費者に転嫁しそうなものであるけれども、多くのバス会社によりましては、この値段を自分の方の経営の方で消化して、そうして消費者にバス料金値上げでもって背負ってもらうということをいたしておらないところが相当にあるのでございまして、今のガソリン税の値上げや軽油引取税の値上げというものが、一方におきましては、自動車業者の犠牲を大きくし、またいろいろ原価高の理由になると同時に、一方におきましては、その反対に原価を安くするような方向にも動いておるファクターとなっておるということは、私がただ理屈を言うのではなくて、事実そういうことがあるのでございます。従いまして、今お話しのように、今ガソリン税が上がった、軽油引取税が上がった、それでは自動車の運賃を上げるのか上げないのか、どっちか二つに一つの返事をしろとおっしゃられても、そのことだけですぐ返事をするということは、きわめて適当でないと私は考えるのです。私どもが今までやっておりましたことは、会社によりましてみな経理の内容が違っております。配当を一割五分も二割もしておる会社もありますし、配当をしておらぬようなバス会社、トラック会社もある。また、人件費の現状などを見ても、人件費を引き上げなくともよろしいような会社もあれば、もう引き上げる時期がきておる会社もある。従いまして、今までやって参りました方法は、申請があったときには、ガソリン税が上がったから、軽油引取税が上がったから、それではどれもこれも一切料金の値上げを許可してやろうというやり方はやっておりません。個々にケース・バイ・ケースにその会社を調べまして、妥当なことを今までやっておったのでございます。しかしながら、今お話がございましたように、先ごろの閣議の決定で、今日のような値上げの空気のあるときであるから、これにかんがみて、当分の間は公共料金の値上げは押えようじゃないかという決定がございましたから、この趣旨に従いまして、当分の間は私どもはそういう方に手をつけませんで、そうして、適当な時期に、従来運輸省がやっておりましたように個々別々にこれを検討いたしまして、しかも、それが、消費者の利益の点から見てどういう影響があるか、国民生活の上から見てどういう影響があるかというような諸般の事情を勘案いたしまして、経済企画庁と緊密な連携をとって決定していくことが至当である、こういう方針を今後においてもとるつもりでございます。
○横山委員 大臣の時間は短いそうでありますから、私もなるべく二、三点に限定してお尋ねをいたしますから、大臣も簡単にお願いいたします。 今の大臣の答弁は、最後だけ聞けば私はよかったのです。あなたの御答弁は、当分の間は値上げをしない、当分の間が済んだら、各社個々にケース・バイ・ケースで値上げが必要ならば認めていく、こういうように判断してよろしゅうございますね。
○木暮国務大臣 当分の間は私の方は取り上げないつもりでございます。それで、この値上げブームというような空気がおさまりましたあとで——この値上げブームというのはどういうところから起こっておるのかわかりませんが、値上げブームということがあるといいますから、これがおさまりましたあとで、バス会社なりトラック会社なりで申請がありました場合には、ケース・バイ・ケースで従来通りこれをこまかく検討いたしまして、消費者の利益を尊重し、企画庁と緊密な連絡をとってその意見を聞いて、そうして会社の成り立つようにやはりやってやらなければかわいそうだ、こういうふうに考えております。
○横山委員 きわめて具体的であります。当分の間は値上げをしない、当分の間ということは値上げブームが終わったころである、第三番目に、値上げブームが終わったあとはケース・バイ・ケースで経済企画庁とも相談してやる、こういうように承りました。 それでは、その次に伺いますけれども、いわゆる値上げブームなるものは一体どういうことなのかということであります。これは値上げブームなるものは一般論であります。どこをどう押えて、値上げブームとは何かという点については、これは事務官僚の言うことではありません。政治家としておっしゃることでありますから、値上げブームなるものは、一般的に政治家の感覚からおとらえになったところだと思うのであります。それは私とあなたの意見の相違はないと思うのでありますけれども、値上げブームなるものが、大臣の一存で、終わったんだ、いやあれはまだ続いているんだという論争があってはいかぬと思うのです。政治的に値上げブームが終わるということはどういうことでございますか、念のために一つお伺いをしておきます。
○木暮国務大臣 値上げブームというのは、私どもの方から言うと、たとえば、社会党さんの方々が、国鉄運賃が上がれば何でも物が上がるというようなことを盛んに宣伝をなすっておいでになって、反対をしている、ああいうことが値上げブームのやっぱりもとではないか。実際われわれから率直に言いますと、国鉄運賃の値上げというようなことよりは、御承知の通り、物価を決定するものは、今さら説明するまでもなく、需要供給とその他季節的な諸般の関係などでありますことは、これは過去において最近三回国鉄運賃改訂をいたしましても、卸売物価には何ら上がるような傾向はなく、むしろ下がったようなことによっても、私どもはそう考えておったのですけれども、しかし、世間の一部の方が、たとえば国鉄運賃が上がれば物はどんどん上がるんだ上がるんだと言うものだから、そこでだんだん物の値上げブームというような、これは何と言いますか、空気と言いますか、これは空気ですからとらえようがないのですけれども、そういう一種の気分というものが出てきた。そういうところに政府がいろいろの公共料金などを上げるということは、皆さんがお考えになっても、いいことじゃないとお思いになると思うのです。ですから、同じ政治家としては、こういうときには公共料金などは当分上げない方がいいんじゃないか、こういうすなおな気分であの閣議でできましたものですから、そこで、こういう値上げブームというものがだんだんと鎮静したときには、従来のような方針に従って、今回の揮発油税であるとかあるいは今の引取税などが上がりましたために負担が多くなったようなものに限っては、個別に一つ検討をしてみたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○横山委員 温厚な運輸大臣にしてはきわめて不穏当なお話だと私どもは思います。あなたがそうおっしゃるなら私は言いますけれども、大体この値上がりが起こり始めたのはいつからですか。何も国鉄運賃を値上げをすると言い始めたときではないのですよ。池田内閣が成立をして、所得の倍増計画が発表さて、そうして、それによって池田内閣自体がサービス料金なり賃金なりあるいはそのほかの凹凸ひずみを多少は是正してもいい、こういうような底辺のまず議論がされて、それから運賃が出て、それからいろんなものが値上がりし始めたのですよ。運賃法が国会へ上程される以前からの問題なんですよ。あなたは、運賃が値上がりしても、ほかの物価に全然影響ないと、ほんとうに断言できますか。私の方は、国鉄運賃が値上げしたら、全部すべての物価が値上がりする、そう言った覚えはありませんよ。あなたは、良心に誓って、ほんとうに国鉄運賃が値上げしても、あらゆる面に影響がないと断言できますか。私はあなたの意見を聞いているのじゃない。あなたに説得しているのですよ。あなたの答弁を求めているのじゃない。そういう言いがかりはよしたらどうです。少なくとも、私が質問しておるのは、あなたは値上がりムードというものがやまったらガソリン税を値上げするかどうか個々に検討すると言う。その値上がりムードというのは何かと言ったら、社会党の責任であるという言い方がありますか。社会党がそういうことを言わなければ値上がりムードはほんとうになくなると、あなたはおっしゃるつもりですか。言語道断じゃありませんか、そういう言い方は。(「けしからぬ」と呼ぶ者あり)何という言い方です。値上がりムードの根本の原因が社会党にあるとあなたはお言いですか。少なくとも、今日の値上がりムードは、何といっても一番基盤になっているのは池田内閣の所得倍増計画ですよ。その計画がすべていかぬとは私も言いますまい。所得倍増の計画の中でいい面では、経済のひずみを少しずつ直していくという面があると私は思う。やり方にはずいぶん議論もあるけれども、その新しい強気の経済政策というものが値上がりムードの根本原因であるということを、あなたはがえんじないつもりですか。値上がりムードの根本原因が社会党にあるというのは、何という言い方ですか。私は、もっとまじめに、あなたの、当分の間はしない、値上がりムードがやまったらやろう、やるについても個々にケース・バイ・ケースでやろうということをまじめにとらえて、私は質問をしているつもりです。値上がりムードがどういう条件のときにやむかといえば、社会党がそういうことを言わなくなったら値上がりムードがやむというのは、何というものの言いぐさです。
○木暮国務大臣 それは、私はふなれなために、言葉が非常に不穏当でしたら取り消します。社会党の方が言わなければ値上がりムードがなくなる、そういう意味じゃないのです。皆さん、今の新聞でもそうでしょう。国鉄運賃が上がればすぐ物が上がるというようなことをみな書き立てたり何かしたもんだから、世間で値上がりムードというものが出てきた。そういうような時勢にあるときに公共料金を上げることは、これはだれが考えてもよくない。そういうふうにあなたもお考え下さると思う。それですから、そういうものは、値上がりムードというものが少し静まったときに、個々別々にいろいろなことを考えてやるべきではないか、当分の間はやらぬ方がいい、こういうことを今申し上げたいと思ったのですけれども、社会党がそういう原因を作ったとかなんとかという意味にとられては困るのです。社会党の方も、また一部のお方も、やはり国鉄の運賃が上がれば物の値段は上がるのだから、国鉄運賃は上げるなという御議論を今までなすっておったことが、やはりこの世間一般に値上がりのムードを引き起こしたというものじゃないかという意見で私は言ったのです。そうでなければ非常にけっこうなことだと思うのでございます。
○横山委員 これは、事務官僚に聞けば、国鉄運賃の値上がりは〇・〇二%しか物価に影響しない、こう言っているのです。〇・〇二%影響すると言っているのですよ。しかし私はこれもそろばんだと思っているのです。算術にしかすぎない。お互いは政治の範疇で話をする場合においては、そういうそろばんが五円上がったから、荷作り費や何かはこの程度しか上がらないという議論は、これは事務官僚のそろばんであって、政治家のなすべきそろばんではないと私は思う。無形の影響というものが、あなたは悪い意味で私どもにも責任があるとおっしゃるかもしれぬ。しかし、その根本原因は、それさえなかったならば影響は全然ないのですから、その原因を作るところに一番根本の原因がなくてはならぬと私は思っているんです。ですから、あなたが、まだ私の質問をとらえて、値上がりムードについて社会党に一半の責任があるというようなお話を撤回されない限りは、むしろ、それではあなたが国鉄の運賃を値上げしても、全然物価には影響がないと断言をしなければ、私は納得しない。国鉄運賃の値上げをしても全然物価に影響がないというふうに、ほんとうに、あなたが良心的に断言されるならば、私は納得しましょう。どうです。
○木暮国務大臣 これは、先のことですから、なかなかわからないのですけれども、御承知の通り今まで三回国鉄運賃の値上げをしまして、そのあとの卸売物価にどういう影響が及んだろうということを統計で見ますと、上がるどころではない、むしろ下がっているような場合がある。そこで、私は、物価というものを左右するものは、ごく微細な、さっきあなたがおっしゃったような官僚的なそろばんでいくところの国鉄運賃値上がりというようなものでなく、やはり需要供給とかその他複雑ないろいろの関係が、物価の値上がりとか値下がりとかいうものにはあるんじゃなかろうか。極端なことをいえば、思い切った金利引き上げの緊縮政策でもやれば、あるいは原価構成の分子が上がっても、世の中は不景気になって下がるというようなことがあると思います。現に昔の政治ではそういうことが行なわれたことがあるわけですが、そういうふうで、ただ、ある原価構成分子が非常に微細な影響を及ぼす程度に改訂されたということで、物価全体が非常に値上がりの趨向を見るというふうな考え方もあるかもしれませんけれども、私どもは、必ずしもそうでなく、需要供給の関係で値上がりしそうなものは、供給をふやすとかいうようなことによって、ある程度物価を安定させることができるんじゃないかというふうにも考えます。また、これはぜい言であると思いますけれども、たとえば国鉄だけに限って申しますならば、この間の雪害のように輸送が非常に不円滑になったときは、皆さんも御指摘になったように、大根一本が小さなものが五十円もしてお困りになった。こういうことを考えてみると、一方ではかりに少しぐらいと私どもは考えるのですが、しかし、反対の御意見は多いと思いますが、この程度の鉄道運賃の改訂によりまして鉄道の輸送力が整備、増強されて、そうして輸送が円滑になれば、物価の点からいえば、この程度の運賃改訂だけならば、むしろ物価が安定するんじゃないか。輸送が円滑になれば安定するんじゃないか。よく言われる話ですが、漁場でたくさん魚がとれても、輸送が困難なために消費地は高くて漁場では捨て値で売っておるというようなものが、もし電化とかあるいは電車化ということ、複線化などができて輸送が円滑化できるようになりまするならば、これは物価の安定に資することも大なるものがあるんじゃなかろうかと私どもは考えるわけで、今度の最小限度の鉄道運賃改訂というものは、消費者に対しては、サービスの点で還元することによって、むしろ利益になるんじゃなかろうかというふうな考えで、これは意見の違う方もあると思いますけれども、私どもは出ておるわけなんでございます。
○横山委員 議論になってしまいますから、簡単に申しますが、かりに、あなたの言うように、かつて運賃を値上げしたけれども、物価に影響はしない、かえって下がったということは、かえって下がったことに直接の因果関係があるのではなくして、他の経済条件というものが下がったのであって、運賃を値上げしたから物価が下がった、こういうことはあり得ないと私は思う。今回は、そうでなくて、あなたのおっしゃるような値上がりムードのあるときに、運賃をまた値上げすることによって、しばらくの間に物価が下がるということは考えられない。これはまあ議論でありますが、先ほどの話に戻しまして、値上がりムードがやまったときというので、あなたが失言をなさったからもめたのですけれども、もう一ぺん念のためにお伺いしますが、当分の間ということと、値上がりムードがやまったというときは、あなたのお考えでは大体どのくらいの期間を予想され、そして値上がりムードがやまるというときは、大体どういう条件をお考えになっておられるか、簡単に一つ聞かして下さい。
○木暮国務大臣 お答えを申し上げますが、当分の間というのは、これは暦の上でいつまでという意味でなく、ほんとうにお互いがふだん話す言葉の当分の間という意味と私ども解釈しておりますわけでございます。今値上がりムードがある、当分の間はこれに拍車をかけるような公共料金の値上がりをつつしんだがよかろう、こういう閣議の決定がございましたので、私どももこれを了承いたしておりますわけでございます。
○横山委員 第二番目の質問は、先ほど委員会で議論をいたしましたのは、毎年々々ガソリン税や軽油引取税を値上げしてきた、減税が毎年々々行なわれているのに、これは毎年々々増税しておる、その点について気の毒と思わないか、これからまた毎年々々この問題で増税をする傾向がないか、一体これで終わりか、まだあるかという質問です。その点については、大蔵省としては、ガソリン税についてはまだ引き上げの余地が若干ある、軽油引取税はまだ相当引き上げの余地がある、これは主として国際価格との比較の点でというような意味にとられました。そして、運輸省としてはまあ十分な答えに至らないままに、午前が終わったのです。私は理論上の問題をこの審議にあたって前提として聞いてもいいのですけれども、基本的には、政治的に、ガソリン税なり軽油引取税をまだ将来において——未来永劫のことを言っているのじゃない。それこそあなたと私の、政治的にと言っているのですが、増税をすることがあるのかという点であります。この点は、毎年の値上げのときに聞くのですが、毎年、いたしませんという返事であったわけです。ところが、いたしませんといいながら、結局はまた増税なんです。今回も、承るところによれば、総額二兆三千億円が二兆一千億円に関係各省の間で圧縮をされた。それについて、二兆三千億を主張した建設省は、おそらく希望をすべて捨ててはいないと思われる。大蔵省としては、ガソリン税及び軽油引取税の増税の余地は、まだ理論上はあると言っておる。そうだとすれば、また来年か再来年、建設大臣ががんばれば、大蔵省はやむを得ないといい、運輸省はまたしかるべきところで妥協する、こういうことがあり得るのか、こういう点で私は迫っておったのですが、これは、どうも大臣がいらっしゃいませんので、はっきりしないままです。この点について、もういいかげんに、毎年々々のいいかげんなことをやめて、ごまかしをやめて、まだこれから増税をする、あるいは、もう累年のことであるからこれをもって終止符を打つ、こういう点を明確にしていただきたいのです。これは、運輸大臣のみならず、建設大臣にも御答弁をお願いします。
○木暮国務大臣 私どもの運輸省といたしましては、軽油引取税とか揮発油税とかいうものは上がらないことを希望しておったわけでございます。率直にいえば、こういう税によって道路の整備をやらぬでいただきたいという希望を持って、初めは反対の意見を言ううたわけでごいますけれども、諸般の事情を考慮いたしまして、かつそれによって新しい道路五カ年計画の整備ができるということ等を勘案いたしまして、賛成いたしたわけでございます。従いまして、私どもといたしましては、今後においてもなるべくこういう税金が上がらないことを希望はいたしておるのでございます。しかし、この決定は、国全体の財政をにらみ合わせまして決定することでございますし、決定は、主として大蔵大臣にその発案権があることは御存じの通りでございますが、(「運輸省が弱腰だからだ」と呼ぶ者あり)私の方は、税金を上げるとか、これでやめだとかいうようなことを申し上げることはきわめて不適当であると考えますので、ごかんべんを願いたいと思います。
○横山委員 発案権が大蔵大臣にあることはわかっていますが、けさほどから、私は、偶然にも運輸省のあり方について、港湾局長及び自動車局長に追及をしておったわけですが、港の問題と陸の問題と両方なんです。今たまたまヤジが入りましたが、あなたもお聞きになったと思うのですが、運輸省はいろいろな問題について非常に軟弱なんです。あなたは、わしの方に発案権はないと言うけれども、あなたの方におけるリミットが何かあるはずであります。負担がどこへ転嫁されるのかという点については、あなたの方が責任を持った発言があっていいし、その責任を持った発言というものは、ある程度政治的にきちんとしてもいいと私は思うのです。大蔵省が何と言おうと、これ以上はいけないというリミットがあっていいはずだと思うのです。わしの方は反対だけれども、しかし、またそういうことになればわかりませんね、こういう言い方で、あなたの影響下にあるすべての経営者、すべての働く労働者、またすべての納税者が納得をすると思いますか。運輸大臣としては、ガソリン税の値上げはこれで限界がきたとおっしゃるならおっしゃいよ。まだ限界がきていませんというなら、政治的責任をかけて、限界にきてない。——わしはそう思うけれども、ほかが何か言ったらわかりませんね、そういうことでは、運輸大臣のお言葉としては無責任に過ぎる。もう一度お答え願いたい。
○木暮国務大臣 先ほども申し上げたことを繰り返すようでおそれ入るのでございますが、今回の揮発油税の値上げであるとか、道路税の増徴でありますとか、軽油引取税の増徴等に最後に賛成いたしましたのは、これが一方におきましては運輸業者の犠牲になるということ、あるいはまたこれによっていろいろ負担がかかって、将来においては、消費税の建前からいって、最後には消費者に転嫁されるというおそれのあることももちろんでございますが、しかしながら、一方においては、これによってよい道ができて、りっぱな道路を走ることができるようになりますと、今の料金を下げる因子であるところの、たとえば自動車の破損の率が少なくなってくるとか、あるいはタイヤの磨損がきわめて少なくなるとか、あるいは揮発油等の燃料の消費も道がよくなれば少なくなるということは、先ほど申し上げました通り。新しい有料道路ができても、必ずしもその有料の料金を消費者が負担をしないで、輸送業者が自分でのみ込んでいくことができるほどの、むしろ原価高と反対の原価安の方の因子もできるということを考えまして、この程度のガソリン税の引き上げ、引取税の上がるということも、道路が新しく五カ年計画でりっぱなものができるのなら費用としていいじゃないか。それですから、私どもの方の希望と申しますと、こういう増徴いたしましたものをもちまして、都市交通の一番の難点でありますところの立体交差をよくするとか、あるいはまた踏み切りの立体交差にこれを使っていただくということが、希望としてはあるわけでございまして、今申し上げましたような、必ずしも上がる方の因子ばかりでなく、原価安の因子も道路がよくなることによって生じますので、この程度の負担をして、新しい道路の整備をやる財源をここに求めるということも、やむを得ないのではなかろうかという結論に達したわけございます。繰り返して申しますが、税は安いほどいいことはないのですから、私どもは上げることを希望はいたしておらぬわけですけれども、ほかに財源がないといたしますならば、ただいま申し上げましたような理由で、この財源を承認をした、こういうことでございます。 今後のことにつきましては、私が今ここで、もっと上げる必要があるとか、もう上げなくても済むのだとかいうようなことを、運輸省の立場だけで申し上げることはきわめて不適当であろうと思う。それはなぜかと申しますと、これから道路の整備にどのくらい金がかかるとか、あるいは私どもが今申し上げましたような、都市交通の混雑、輸送難を緩和するための立体交差はどのくらい金がかかるとか、あるいは鉄道の踏み切りの立体交差ということが今日一般から要望されておるのでございますが、これは鉄道だけで金を出すわけに参りませんで、御承知の通り、道路を管理する側と分担をいたさなければならぬ問題だと思いますので、こういうような、いろいろ新しく投資をいたさなければならないものが将来に出てきますこととにらみ合わせませんければ、今ここで、ガソリン税はこれで限界にきておるとか、もう取れないのだというようなことを申し上げることはいかがかと存ずる次第でございます。
○横山委員 建設大臣にお伺いしますが、今度改訂された、昭和三十六年度を初年度にいたします二兆一千億円ですか、今運輸大臣がお話しになったようなこともいろいろ想定して、道路整備計画として新しく改訂されたその五カ年の中で、このガソリン税の値上げがこうこうだということにきまったと私は理解をしておるのですが、そうでなくして、この五カ年計画の財源で、ガソリン税はこれだけ値上げしたけれども、まだ計画それ自体の財源問題は解決していないのだ、さらに五カ年計画の中でガソリン税を値上げする要素も含んでおるというずさんな計画でございますか。私は、そうでなくして、この五カ年計画は、新しく改訂されて、財源が執拗に関係各省の間で議論されて、これだけガソリン税を値上げすれば、あとは国費なりいろいろなところでまかなえる、だからガソリン税をこれだけに値上げしてほしい、それならば五カ年計画達成の中でもうガソリン税の値上げは必要ない、こう理解しておるのでありますが、間違いございませんか。
○中村国務大臣 今回の二兆一千億、五カ年計画、この五カ年計画を進める限りにおきましては、今回の増税で財源はまかなえる、こういうお話のような趣旨でございます。
○横山委員 大蔵政務次官にお伺いいたしますが、今の運輸大臣と建設大臣の意見の違いが明らかになりました。建設大臣は、関係各省と打ち合わせの上で、これだけやってもらえば、もう五カ年計画はこれでよろしいのだ、従って、ガソリン税はこれだけで五カ年計画を達成する。ところが、運輸大臣は、さらに何か立体交差とかなんとかいうことで、ガソリン税値上げの余地を考えておられるそうであります。まことに私は御両者の意見の違いがあるのを不思議に思うのでありますが、この法律を立法し提案をしておる趣旨というものは、一体両大臣のうちのどちらがほんとうでございますか。
○大久保政府委員 今回の予算は二兆一千億で組まれております。目下のところこの計画を施行する立場におりますので、今回のガソリン税はこの二兆一千億の道路整備計画と見合ったガソリン税率でございますから、この計画をやるには、このガソリン税の値上げ率で適当であろう、それで施行できるような判断でございます。
○横山委員 そういたしますと、この計画の中では、ガソリン税を値上げされるというようなことは考えられぬと理解してよろしゅうございますね。
○大久保政府委員 さようです。
○横山委員 私の質問は終わります。
○足立委員長 両大臣は参議院の予算委員会に出席をいたしますので、大臣に対する質問を先に集中してお願いいたします。 有馬輝武君。
○有馬(輝)委員 建設大臣にお伺いをいたしますが、時間がおせきのようでありますから、私も簡単に質問いたします。大臣の方も簡明に御答弁をいただきたいと思います。 まず、第一点といたしまして、今度新五カ年計画を策定されたのでありますが、私が記憶いたします限りでも、たとえば、竹山さんが建設大臣をしておられましたころも、前の計画が済まないうちに、途中で新しい構想を立てられました。それ以後におきましても、そういうことが繰り返されたようでありますが、私がお伺いしたいのは、大臣がかわるたびごとに、新しい五カ年計画なり十カ年計画というものが策定されてきたような現在までの経緯というものには、どういう点で、そういった途中で変えなければならない欠陥があったのか、そして、今度の新五カ年計画では、それをどのように克服されて策定されたのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○中村国務大臣 これは、結局、長期計画の年度途中で計画変更というものが、今回もそうでありますが、従来もあったわけでございます。これは、国の経済力が予想以上に成長いたしまして、財源もでき、あるいはガソリン税等につきましても過去二回ほど増税をいたしておりますが、幸いにして、間もなく増税をした分はもとの小売価格に戻って吸収されておりますので、そういったような見通しよりも、国の発展がよかったということから、道路のおくれを取り戻し、日本の道路事情等にかんがみて、途中改訂ということが起こってきたと思うのであります。今回の五カ年計画は、現在の経済見通しその他の上に立ちまして、この程度のことはぜひやらねばならない、またやり得るものである、かような角度に立ちまして、三十三年からの五カ年計画の途中でございましたが、道路整備の緊急性にかんがみまして、三十六年度から新五カ年計画を発足させることにいたしまして、いろいろ御審議を願っておるような次第でございます。
○有馬(輝)委員 今の御答弁でありますが、たとえば経済の伸びが予測よりも非常によかった、あるいは悪かったということで、今度の新五カ年計画についても途中で変更され得る要素があるわけですか。
○中村国務大臣 目下のところ変更の予測はございません。
○有馬(輝)委員 その立てられるときには、変更の要素はないというようなことで、いつでも出発しておられるわけですが、私がこの際お伺いしたいと思いますのは、現在、貨物にいたしましても、旅客にいたしましても、自動車輸送というものが非常に伸びて参っておりますが、今度の新五カ年計画で想定された、たとえば完成年度の四十年には鉄道輸送あるいは海上輸送等々でバランスをどの程度に考えて今度の新五カ年計画は策定されたか、その基本についてお伺いしたいと思います。
○中村国務大臣 これは主として経済審議会が検討をされまして、答申をされました十カ年計画及び前期五カ年計画、こういう経済規模と見合いまして策定をいたしたような次第でございます。従って、私どもといたしましては、これが日本の国の現状に即した案である、かように考えておるのであります。
○有馬(輝)委員 私がお伺いいたしておりますのは、昔は非常に鉄道輸送の比重が大きかった。それがだんだん自動車輸送に移ってきた。それで、一応の目標を立てて、自動車輸送はこの程度にするんだ、そのためにはこういった道路整備が必要であるという出発点であったろうと思うのです。その点で、もし大臣でわからなければ、前田さんの方からそのめどについてお聞かせをいただきたいと思います。
○中村国務大臣 こまかい数字につきましては、必要に応じて事務当局からお答えをいたしますが、鉄道と自動車輸送との今後の変遷につきましては、確固たる見通しは困難でございますが、大体自動車の増勢というものを検討いたしまして、この比率で自動車輸送というものが伸びていくだろうという、大体そういう数字を根拠にいたしまして、これを基礎にして策定いたしたような次第であります。
○前田説明員 五カ年計画の投資規模を算定いたします際に、経済審議会を中心に検討されました所得倍増計画に基づく輸送の伸びを考えまして、経済審議会の倍増計画では十カ年の趨勢を考えておられまして、昭和四十五年度における数字を検討したのであります。この五カ年計画は昭和四十年度を五カ年計画の最後の年にしておりますので、その方針を参酌しながら、五カ年間における投資規模を考えたのでございます。経済審議会の数字によりますと、貨物輸送につきましては年率五・九%、昭和三十三年度に対しまして四十五年度は二・二三倍という数字を出しております。これに対しまして、トラックにつきましては、相当大幅に伸びまして、年率が一一・八%、三十三年度に対比いたしまして三・八二倍というふうに、貨物輸送量の中におきましても、特にトラックの輸送の大幅な増加を見込んでおります。同様に、旅客につきましても、国内の旅客全体につきましては年率七・六%で伸びていき、三十三年度と四十五年度の倍率は二・四一倍でございますが、特にバスにつきましては、これに対しまして年率にして一〇・五%、倍率にいたしまして、昭和三十三年度に対して三・三一倍、乗用車につきましては、さらに大きく、年率で一九%、倍率にいたしまして八倍というふうな大幅な自動車の増加を見込んでおります。こういう数字を基礎にいたしまして、このうちの五カ年分についての計算をいたしまして、一応の投資規模の算定の基礎にしたのでございます。
○有馬(輝)委員 昭和四十五年でけっこうでございますが、今の貨物輸送、旅客輸送のトラック、バス、こういったものを合わせまして、いわゆる自動車輸送と鉄道輸送の比率はどういう想定のもとに立てられたのか、この点について数字をお知らせ願いたいと思います。
○前田説明員 昭和四十五年度におきましては、貨物の輸送量を申し上げますが、貨物を全部一〇〇にいたしますと、国鉄が三七・五%、トラックが二二・九%、内航海運が三九・六%というふうになっております。旅客につきましては、全体のうちで国鉄が四〇・一%、それからバスが二八・四%、乗用車が九・九%、航空機が二・一%、旅客船が〇・二%、民鉄が一九・三%、いずれも三十三年度に対しましては相当大幅な率の変更になっております。
○有馬(輝)委員 今数字で明らかにされましたように、昭和四十五年度におきましては自動車輸送というものが旅客並びに貨物とも飛躍的な伸びを示すことになっておりますけれども、これに、たとえば今度の五カ年計画の二兆一千億、こういった規模で大臣としては即応できるという工合に考えていらっしゃるのかどうか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
○中村国務大臣 地方財政の事情等もございますので、この程度で即応して参りたいと考えております。
○有馬(輝)委員 どうもたよりない。即応して参りたいというのは答弁にならないんで、この四十五年度に予想される数字に対して、今の二兆一千億程度で即応できる道路の整備というものができるのかできないのか、この点をはっきりしていただきたいと思います。
○中村国務大臣 大体主要の国道、地方道等、この輸送事情に対応できるだけの整備ができると思っております。
○有馬(輝)委員 この点は問題は残ろうかと思いますが、次に進みまして、その財源の手当をどのように建設省としては考えていらっしゃるか。これを、簡単でけっこうでございますから、お聞かせ願いたいと思います。
○中村国務大臣 事務当局から数字のことは申し上げます。
○前田説明員 二兆一千億の計画によりますと、その項目が分かれまして、国費の関係いたします分で一般の道路事業と有料道路事業、及び地方公共団体が単独で実施いたします単独事業と、三つに分かれます。そのうち、国費の関係する分につきまして、一般公共事業の必要な資金及び有料道路事業についての国の出資金等を入れますと、所要の額が五年間で一兆四百六十億程度かと思われます。そのうち、財源といたしましては、特定財源、揮発油税関係の税が九千六百億前後と考えております。そうしますと、残りました分約八百六十億程度を一般財源でまかないたいと思って、検討いたしております。 それから、地方の資金につきましては、先ほど申しました助成、補助ないし負担する分についての地方の負担分と、それから地方の単独事業に要する三千五百億円でございますが、それについての合計の額が地方の負担でございますが、合計いたしますと、六千六百六十億くらいかかりますそのうち、特定財源といたしまして地方道路税と軽油引取税でございますが、その合計が約三千五百億ばかりでございます。その他の分につきましては、地方の一般財源といたしまして三千百四十億くらい、現在の地方財政でこの程度まかなえるものと考えております。 あと残りました有料道路につきましては、出資金以外のものにつきましては、公団債の発行、借入金というふうなものでまかなえる見当をいたしております。
○有馬(輝)委員 今お話がありましたように、一般公共道路事業では、一兆四百六十億のうち九千六百億がそれにおんぶする。また、地単事業では、六千六百六十億のうち三千五百億を軽油引取税並びに地方道路税におんぶするということでありますが、少なくとも道路がいわゆる産業の一つの基盤である以上、負担能力と再生産の負担能力とに一つの限界があると思う。この二つの線がマッチする点、これは、先ほどの横山委員の質問に対して、午前中は大蔵省から、またただいまは運輸大臣から御答弁がありましたけれども、大臣としては、この交わる線をまだ余裕があると思うかどうか。わかりにくい質問かもしれませんけれども、再生産できないようなところまで追い詰められているのじゃないかと私たちは見ておるわけです。その点について、今この二兆一千億の財源につきましても、国だけでも九千六百億という負担をかけて、それでもまだ大丈夫なんだというお考えに立っていらっしゃるのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○中村国務大臣 現在の予想された経済成長率に対しては、この程度の規模が妥当であると思いますし、同時に、この投資規模によって道路を整備することによりまして、再生産を阻害しないでいける、かように考えておるわけでございます。
○有馬(輝)委員 予算委員会の方から催促がきておるそうでございますから、この点については議論がありますが、いすれ他の機会に譲りまして、次の問題として一点だけ簡単にお伺いいたします。 この前世銀のナップ副総裁が来られましたが、この第二次道路借款に対する見通しはどうなのか。大蔵大臣が会ったようでありますが、その見通しについて、これは道路公団の問題でもありますが、当然建設大臣としては御承知になっておるはずでありますので、この点についてお聞かせをいただきたいと思います。
○中村国務大臣 名神高速道路に対する世銀の道路公団の借款は、当初一億ドルを予定いたしまして、うち四千万ドルは栗東−尼崎間の原資としてすでに決定をいたしまして、借り入れておるわけでございます。その他の区間の資金といたしまして、残りの六千万ドルを借り入れたい予定で折衝を続けておる次第でございますが、先般道路公団総裁と世銀の副総裁等の会談の結果では、さしあたり四千万ドルになるような傾向に承知いたしております。
○有馬(輝)委員 計八千万ドルですか。
○中村国務大臣 そうでございます。
○有馬(輝)委員 最後にお伺いいたしますが、少なくとも、現在までの歴年のガソリン税増徴からして、先ほども申し上げましたように、これはもう負担の限界にきておるという立場から、大蔵省あたりでは、三十六年度ではだめだったけれども、あるいは道路公債等についても考慮すべきではなかろうかというような意見が出たやに聞いておりますが、この点に対して建設大臣としてのお考え、将来道路公債について検討する考えがあるのかどうか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
○中村国務大臣 この点は、一般財源としての道路公債につきましては、大蔵省は今日もまた将来も反対をしておられる次第でございますが、現実の問題としましては、日本道路公団、首都高速道路公団等におきまして、道路公団債を発行いたして、すでにこれは認められて実行をいたしておりますので、今後、私どもといたしましては、この線はすでにもう既成の事実になっておりますので、有料道路の需要の状況あるいは将来の状態等を見まして、大蔵当局とも相談をいたしまして、道路公団債については一そう一つ考慮を払って参りたい、かように考えております。
○有馬(輝)委員 広瀬委員の方から質問があるそうでございますので、私の質問はこれで終わります。いずれ日を改めまして、ぜひ、先ほどのいわゆる負担能力の問題について、確とした線を建設大臣からお伺いしたいと思いますから、本日の私の質問はこれで終わります。
○足立委員長 広瀬秀吉君。 広瀬君に申し上げますが、建設大臣はお急ぎですから、建設大臣に対する質問だけに一つ限ってお願いいたします。
○広瀬(秀)委員 建設大臣に、時間がないようですから、簡単にお伺いしたいと思いますが、三十三年に始まった道路整備五カ年計画は、その進捗率が四五、六%ともいわれ、あるいはまた五〇%をどうにかこえたんじゃないかという見方もあるようでありますが、いずれにしても、かりに五〇%程度になったとしましても、五年計画の三年を終わって五〇%というのは、大体において二〇%程度は予定進捗率を下回るという結果になるのではないかと思うのです。そのおもなる原因はどこにあったのかということをまずお伺いしたい。
○中村国務大臣 一般道路事業は五二・何%かに進捗いたしております。これは、いつの場合でも、長期計画を立てます場合には、国の財政状態、経済成長等五と見合いまして、先太りになっておりますものですから、前の五カ年計画の前期三カ年としましては、大体予定の目標を達成いたしておるわけでございます。ただ、少し達成率の悪かったのは、道路公団の四八%ですか、四〇数%でございますが、これは名神高速道路等当時用地取得が非常に難航しておりまして、今日ようやく軌道に乗りまして用地の方も順調に参るようになりましたが、その点が一つと、もう一つは、世銀の借款がございまして、借款を予定しておりました年度に、手続等の関係で借款がおくれましたので、その分が繰り越し等になりまして、事業がおくれました関係等で、さように達成率が乏しかったわけでございます。最近ようやく世銀借款の方もすでにコースへ入って順調にきておりますし、用地取得の方も順調に進んでおりますので、今後は日本道路公団の道路事業の方も順調に進むことができると、私ども確信いたしておるような次第でございます。
○広瀬(秀)委員 三カ年間で一般道路で五二%できたといたしましても、完遂とは言えないパーセントだと思います。これを一挙に二倍以上の二兆一千億に引き上げた場合に、これはいろいろ規模だけ大きくしても——今までの実績すら完全には遂行できなかったというのに、これを一挙に倍以上の規模に引き上げて、たとえばいろいろ資材供給能力の問題であるとか労働力をどうやって確保するかというような問題、あるいはその労働力もどうにか確保したにしても、相当これからの賃金引き上げというようなことも考慮しなければ、やはり道路関係の委員を確保することも非常に困難な事態があるだろうと思います。また、土地取得の問題についても、かなり最近の法整備によって見通しが明るいものが出て参りましたけれども、いろいろなそういった問題について、ほんとうに必ず完成できる確信がおありかどうか。特に労働力の供給の状態というような点について確信がおありになるかどうか。それらを数字をあげて一つ御説明いただきたい。
○中村国務大臣 前の五カ年計画の前期三年につきましては、先ほど申し上げましたように、年次計画としましては大体達成をいたしておりまして、用地取得等の関係で繰り越しあるいは不用額等が若干ありましたが、大体達成をいたしておるような次第でございます。ただ、御指摘のように、三十六年度以降の大規模な投資規模の拡大、これが一体順調に消化できるかどうか、この御指摘でございますが、この点につきまして、私どももいろいろ心配をいたしまして、検討をいたしておるような次第でございますが、大体三十六年度の伸び率といたしましては、五〇%以上の伸び率でございますけれども、これは完全に消化し得るものである、かように思っておるのでございます。まあその方法としましてはいろいろございますが、最近、コンサルタントの発達等がございまして、従来役所で道路測量及び設計等をいたしておりましたのを、できるだけコンサルタントの活用によって消化をしていく。あるいは、従来役所が直轄でやっておりました工事等も、役所の人員には大した伸びがございませんので、労働強化にならない程度に直轄の分量をおさめまして、あとの分は極力請負事業を活用して参りたい。それにはそれに対応する処置が必要でございますので、今国会に建設業法の改正案をお願いして御審議をいただいておるわけでございます。なお、そのほかに機械化が相当近来進んでおりまして、道路工事のネックは用地取得であったわけでござますが、用地さえ取得できれば、工事の消化能力というものは機械化によって非常に活発になって参ります。しかし、この機械化を一そう強化しようというので、三十六年度予算には機械化強化の経費も盛り込んでいただき、また、労働力につきましては、私の方から労働省にも正式に要請をいたし、労働省から予算編成段階で大蔵省へ要請していただきまして、建設下級技能者の養成を活発にやっていただこう、近いところでは千葉に相当大きな中央訓練所がございますが、これらは全部あげてこの建設下級技能者の養成所に変わっていただくように進行いたしております。同時に、これは役所の養成だけでは不足をいたそうと思いますので、建設業団体、協会ともわれわれ連絡いたしまして、団体養成も活発にやってもらおう、こういうわけで下級技能者の充足もはかっていきたいと思うのであります。かたがた、用地取得が従来何よりのネックでありましたので、用地に関しましては、最近、用地取得制度調査会の答申もいただきましたので、この答申を基礎にいたしまして、目下立案段階でございますが、用地取得に関する特別の制度——もっともこれは一般の個人の財産権との関係もございますから、そういう点も十分に考慮いたしまして、緊急を要する公共性の高い事業につきましては、用地取得が迅速に行なえるように処置いたしたい、かように考えまして、目下その作業に努力をいたしておるような次第でございます。いろいろな施策を総合いたしまして、私どもといたしましては、公共事業のおくれておりまする現状にかんがみまして、この予算は十分に消化をいたしまして、公共事業の充足をはかっていきたい、かように思っているような次第でございます。
○広瀬(秀)委員 次にお伺いしたいのでありますが、今度の五カ年計画、まあ十カ年計画になりますと、国道なども九六%程度は舗装が大体完成するということになっていますから、かなり地方にもその影響が及ぶと思いますが、今当面の五カ年計画というものは、この主要なる財源が、国費投入分の九割以上の財源がガソリン税によっているというようなことがあるわけでありますが、この計画が全面的に地方にまで及ぶというようなことが明確に示されないと、このガソリン税を負担する人たちも地方にみな分散しておるわけでありますから、特に太平洋ベルト・ラインというような構想に従って重点的にそれが使われるということになりますと、公平負担というような原則からいって、非常に問題になると思うのでありますが、そういう点についてどのように配慮され、地方の、東京からかなり遠隔な低開発地というようなところに対して、どのような考えをもってやられておるか。そういうところにおける今回のガソリン税の増税を納入する人たちを納得させる、それにマッチした計画になっていない、このように私どもは考えておるわけでありますが、その点についての大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○中村国務大臣 実は、全国主要地点を結んでおります一級国道につきましては、五カ年以内にすべて改修を終わり、舗装を完了いたしたい。二級国道、地方主要道、その他主要の個所につきましては、これは一応めどは立てて参りまするけれども、産業立地条件とのにらみ合いが相当にあると思うのです。従って、機動的にこの道路整備を進めることが肝心ではないだろうか。現在、通産省におきまして、産業立地条件の調査を進められております。地域的調査は一応完了したといいますか、一応のものができまして、三十六年度から業種別の立地条件調査というものを調査費を取りまして進められることになっておりますので、私どもといたしましては、単に建設省だけの見方でなしに、そういった政府部内の他の機関が調査をいたしておりまする産業立地条件の調査あるいは後進地域の開発、こういうことに十分重点を置きまして、それにマッチしたような道路整備を進めていきたい、そして、一挙に全部を完了するわけにはいきませんから、そういった後進地域の開発、産業の立地条件とにらみ合って、主要地点の改修及び整備を行ない、あるいは新しい道路を作り、バイパスを作りしてやっていきたい、かような構想で進めておるような次第でございます。
○広瀬(秀)委員 最後にお伺いしたいのですが、先ほど有馬委員も道路公債の問題についてちょっと伺ったわけでありますが、やはりこの道路整備が完成をいたしまするならば、これは、国民的に非常に貴重な大きな資産として、長く将来の国民にも利益を与える性格のものであります。ところが、この財源の主たるものがガソリン税によって占められるということになりますと、十カ年なら十カ年計画というごく短期間のうちに、しかも特定の業者なりあるいは特定の階層に集中的にガソリン税負担というものがかかる。しかも、こまかく論ずれば、これは担税力のない人たちのところにも一様に全部かかってくる。しかもまた、ガソリン税、これは農業の問題なんかを取り上げると大へんなことになるわけですけれども、いずれにしてもそういうようなものになっておるわけでありますから、将来の受益者に対してもやはり建設費を当然負担してもらうというような角度からいけば、これは、有料道路なんかを作る場合道路公団が道路公債を出しているということとは別問題として、やはり道路公債というものを、長期的な負担の公平という意味から考えるべきだろうと思うのです。そういうような角度から、やはり建設省としても、これをりっぱに完成するために、そういうような方法というものを今後要求し、またそういうものをやろうという気にならないかどうか、その点を一つはっきりお聞かせになっていただきたい。
○中村国務大臣 今度の五カ年計画の中には、一般財源が前の五カ年計画に比しまして相当に増強されて、金額がふえておるわけであります。そこで、この五カ年計画を進める限りにおきましては、この程度のことは、一般会計における道路公債あるいは道路特別会計における道路公債等を発行いたさなくても、一般財源で処置できる、こういう見通しに大蔵当局は立ちまして、大蔵当局とも十分協調の上、この二兆一千億五カ年計画ができましたような次第ございますから、この計画を進める限りにおきましては、私そういう必要がないと思うのであります。ただ、道路公団、首都公団等の公団債につきましては、これも実質的には道路公債の一種をなすのだと私も思うのでありますが、すでに既成事実になって進行いたしておりますから、これはこれでやって参りまして、公団道路事業というものをなめらかに進行できるようにして参りたい、こう考えております。
○足立委員長 ただいま議題となっております三法律案中、港湾整備特別会計法案に対する質疑はこれにて終了いたします。
○足立委員長 なお、本案につきましては討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。 お諮りいたします。 本案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は原案の通り可決いたしました。 なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○足立委員長 次に、八木一男君外十四名提出の一般国民年金税法案、労働者年金税法案及び国民年金特別会計法案の三法案を一括して議論といたします。
○足立委員長 提出者の趣旨説明を求めます。八木一男君。
○八木(一)議員 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題に相なりましたわが党提出の一般国民年金税法案、労働者年金税法案、国民年金特別会計法案の三案を一括して、趣旨、理由並びにその内容の大綱を御説明申し上げるものでございます。 本三法案は、本三法案が大蔵委員会に付託されると同時に、社会労働委員会に付託になりましたわが党提出の国民年金法案・国民年金法の施行及び国民年金と他の年金との調整に関する法律案、国民年金の積立金の運用に関する法律案の三法案と一体をなすものでございますので、御説明中右の内容にも及びますことをあらかじめ御了承いただきたく存じます。 申し述べるまでもなく、現在の国民年金法は、昭和三十四年、第三十一国会において成立し、同年十一月一日施行、昨年三月三日より、その無拠出部分、すなわち福祉年金の支給が開始され、本年四月一日よりその拠出年金の部分の保険料徴収が予定されております。 そのうち、福祉年金につきましては、きわめて不十分であり、給付要件等に相当不合理な点もありますけれども、とにもかくにも、今まで年金制度に関係のなかった老人、母子家庭、障害者に年金が支給され、これらの人たちの生活を幾分でも明るいものにしたことは、一つの大きな前進というべきでありましょう。このことは国民の要望にこたえ、自民党内閣よりも先に何回も国民年金法案を提出して、無拠出年金制度発足の原動力となったわが日本社会党の喜びとするところでありまして、われわれはさらにこの制度を急速に飛躍的に改善すべきものと考える次第であります。これに反して、拠出年金制度に関して、現行法ははなはだしく不十分であるばかりでなく、その組み立てばきわめて不合理であり、社会保障の名にそむくものでありますがゆえに、わが党は、審議当時これを強く指摘し、その意味をもって政府案に反対したのであります。この拠出年金の保険料徴収の時期が近づくに従って、国民各層から強烈な批判が燃え上がり、拠出年金制の抜本的改正、その改正の実現までの拠出制実施延期等の声がほうはいとして全国に高まるに至ったことは、各位の御承知の通りであります。この世論にろうばいした政府は、幾ばくかの改正意図を発表いたしておりますが、その内容は、改正を要する本質的な点には全然触れておらず、死亡一時金等給付金額増加も総体から見ますれば九牛の一毛にしかすぎない僅少なものでありますために、政府の行なわんとする拠出年金制に対する批判の声はますます高まり、厚生省の高圧的なやり方をもってする必死の努力にかかわらず、その登録は本年二月十五日現在全国で七三%、特に東京、大阪等の六大都市においてはわずかに平均三〇%前後の状態であります。 元来、国民の大きな期待と完全な理解のもとにその協力を得て発足すべき国民年金制度において、このような状態の発生したことは全く現行拠出制年金の重大な欠陥によるものでありまして、それを根本的に是正するためにわが党は本国民年金関係の六法を提出したわけであります。従って、提出の具体的な理由を御説明申し上げるためには、現行法、特に拠出年金制の欠点を指摘することが最も必要と存じますので、以下要約して申し述べてみたいと存じます。 まず第一に、現行拠出年金制の最大の欠点は、その組み立てが社会保険主義で貫かれ、社会保障の精神と全く相反する点があることであります。 その一は、定額保険料主義であります。このために、保険料は大衆にとって割高に相なります。 その二は、年金支給額が拠出期間比例制によっていることであります。このような制度では、割高な保険料を納入することの困難な、すなわち年金をより必要とする国民大衆はきわめてわずかしか年金の支給を受けられないことに相なります。 〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕 その三は、老齢年金受給資格がきわめてきびしいことであります。通常の場合、二十五年間免除適用を受けた人でも、十年間の保険料実際納入がなければ年金を支給されないことになっており、これでは、年金保険料納入が最も困難な、そして年金を最も必要とする人に年金が支給されないことに相なります。 その四は、受給資格に達しない人々に対する保険料返還制度、今回の政府改正案では、特別年金という期限付減額年金制度となっておりますが、いずれにいたしましてもそれらの制度の要件は最もきびしく、大部分の人がその適用を受けられないことであります。保険料納入期間と免除期間の合計年数が三十年に満たない人の保険料は、この制度の適用がなく、かけ捨てになることであります。政府は、かけ捨て反対の世論にびっくりして、死亡時のかけ捨てについては、死亡一時金という一時しのぎの制度を作ることによって批判を避けようとしておりますが、最も苛酷な生存時のかけ捨てについては、本質的な対処をしようとしておらないわけでありまして、この点は、まさに、社会保障の名において生活困難な大衆から収奪をするものであります。 その五は、現行法の免除制度が対象者にとって実効がほとんどないことであります。政府は、国民の批判に対して、免除制度を隠れみのに使っておりますが、この免除は実に無意味なものであります。元来免除を考えた場合、免除が保険料実際納入と同じ効果を持つものでなければ意味がないのでありますが、現行法の免除は、そうではなく、保険料を実際に納入した場合のように、老齢年金額を増大する要因にならないのでありまして、従って、免除を受けましても保険料強制徴収を受けないというだけのことであり、貧困な国民大衆がその部分だけ年金制度から締め出されるということになるだけであります。 さらに、ひどいことは、この免除期間には国庫支出がされないことであります。具体的に考えてみますれば、六十五才、月三千五百円の場合、そのうちの三分の一、すなわち月千百六十六円の原資は一般会計から国庫負担として出るわけでありまして、保険料実納可能な中間層以上の人はこの国庫負担を自分のものとすることができますが、最もこれを必要とする人々には国庫支出分も支給されないという結果に相なります。社会保障の一つの大きな柱である年金に対する国庫支出は、所得再配分という性質を持つべきものでありますが、この場合それとは全く逆な作用をするわけであり、金持ちの土持ちに用いられることに相なっているのであります。 以上五点を要約して考えれば、現行拠出年金制は、なき浅沼委員長がなくなられる寸前まで国民に訴えられたように、保険制度として組み立てられているのであって、社会保障では断じてないのであります。社会保障なら、その給付を必要とする人に、必ずその必要の度合いに対応する給付がなされなければなりません。保険料納入困難なすなわち年金が特に必要な人の年金が減り支給がなくなるのでは、社会保障ではないのであります。それらの人が年金の支給を受けたいがために苦労して納めた貴重な保険料が、わずかのところで息が切れて要件に達しないばかりに、政府に没収されたり、大切な国庫支出が所得再配分の逆になったりする欠点は、収奪であり、金持ちの土持ち政策であって、断じて許すことのできないものであります。このように、組み立てが全く不合理である点が、現行拠出年金制度の最大の欠点でありますが、それ以外にも大きな欠点が枚挙にいとまがないのであります。 第二に指摘しなければならないことは、年金額があまりにも僅少であることであります。三千五百円というのは、現行制度立案当時の生活保護基準一人分を大体の基準とし、わが国の経済成長をきわめて過小に、すなわち年率二%と見、さらに大事をとって年金額は一・五%ずつ増大すべきものとして計算して、四十年後に三千五百円という金額を設定したわけであります。その金額実施がさらに五年延ばされて、国民が四十年間保険料を納めて、四十五年後に現在の生活保護を受けている人々と同じような意味の生活がやっと保障をされるというのでありますから、全く所得保障の名に値しないことは明らかであります。経済成長九%を豪語する池田内閣としては、後日年金額を改定するというような逃げ言葉は許されないのであって、この目標年金額はただいま直ちに改定されなければならないと信ずるものであります。 第三の点は、老齢年金開始時期のおそ過ぎることであります。六十五才という開始年令では、生活が困難で苦労した人の場合、残念ながら早く年をとり長生きをする人が比較的少ないことから見て、適切ではありません。もちろんそのような状態は急速に是正されなければなりませんが、そのころには各産業ともオートメーション化が進んで、年配の人はある程度で生産点を若い人に譲ってもらわなくてはならないし、従って六十才くらいからは完全な老齢保障が必要な時代がくるわけであります。これらの両面からして、六十五才開始は断じて不適であり、六十才開始にすべきであります。 第四は、貨幣価値変動に対する処置、すなわちスライド規定があいまいな点であります。戦後のインフレの苦い経験を持つ国民は、現行法のようなあいまいなスライド規定では、安心して拠出年金制に協力できないのはむしろ当然であります。 第五は、障害年金及び母子、遺児、寡婦年金等の年金の内容のきわめて貧弱なことと、その適用要件が過酷きわまることであります。死亡時のかけ捨てに対して政府が死亡一時金制度を作ろうとすることは、ないよりはましでありますが、元来、死亡時かけ捨て論は、現行法の遺族年金の不完全、不十分なことからきた議論であり、遺族関係の年金について根本的に改正をしないところに大きな怠慢があります。 第六は、通算制であります。政府は、今回通算年金通則法、通算年金制度を創設するため、関係法律の一部を改正する法律案を提出してこの問題を解決しようといたしております。この改正点は、自民党政府としては比較的努力したところが認められますが、完全なものとは断じて言い得ないのであります。 第七は、積立金運用の問題であります。社会保障制度審議会、国民年金審議会の答申を無視し、特別勘定を作ろうとしないのみか、厚生年金の新しい積立金も合わせて二五%は還元するという宣伝をしながら、福祉資金に直接に用いられるものはそれよりはるかに少なく、被保険者団体に還元されるものは話にならないほどの少額であります。これに反して、資金の大部分は依然として大資本に、特に軍需に関係ある産業に融資されているのでありまして、このような政府の態度は全く国民を愚弄したものといわなくてはなりません。 現行拠出制には、以上のように枚挙にいとまがないほどの欠点があり、政府の数点の改正点もその本質的な欠点を補い得るものではありません。 これに対して、わが日本社会党の国民年金六法は、以上現行法拠出制の欠点を一切解決し、全国民に期待を持って迎えられる内容を持つものであり、無拠出年金においても、現行法の欠点をなくし、その給付を飛躍的に増大する内容を持つものであることを正しく御理解いただきたいのであります。 以下、わが党六法案の内容について申し述べるわけでありますが、詳しく申し述べますと数時間を要しますので、その要点のみを抽出して、できる限り簡潔に御説明を申し述べたいと存じます。 本案の内容は、大別して特別国民年金と普通国民年金の二つの部分で構成されています。特別国民年金はいわゆる無拠出年金であり、現行法の福祉年金に相当し、普通国民年金はいわゆる拠出年金でありますが、労働者の年金制度を含んでおりますことが現行法との大きな相違であります。 まず最初に、特別国民年金の方から御説明申し上げます。 これは、さらに養老年金、母子年金、身体障害者年金の三制度に分かれており、おのおの現行法の老齢、母子、障害の三福祉年金制度に対応したものであります。 養老年金は、本人の年収十三万円以下の老人に支給されるものでありまして、六十才から年一万二千円、六十五才から年二万四千円、七十才から年三万六千円を支給することを基本といたしております。ただし、七十才未満の老人には年収三十六万円未満の家庭の場合に、七十才以上の老人の場合は年収五十万円未満の家庭の場合に支給することとし、そのうち、世帯収入の少ない方に基本額を、多い方にその半額を支給いたすことに相なっております。基本額で現行法と比較いたしてみますと、六十九才現在で、現行法では支給額ゼロであるのに対して、本法案では通計十八万円となるわけであります。七十二才現在の比較では、現行法三万六千円、本法案二十八万八千円と大きな開きがあることを御理解いただきたく存じます。 母子年金は、年収十二万円未満の母子世帯に年三万六千円、多子加算は、一人当たり年七千二百円とし、年収十八万円未満の世帯にはそれぞれのその半額を支給することにいたしてありまして、もちろん準母子家庭、生別母子家庭にも支給いたすわけであります。現行法と本法との違いは、まず、現行法に対し本法案が年金額及び加算額が三倍であること、第二に、現行法では子供が十六才をこえれば適用要件がないことになっておりますが、本法案では二十才に達するまでは要件たり得ること、並びに、現行法では所得制限が約十三万円であるのに対し、本法案では十八万円とその制限が緩和されていることでありまして、わが党案の内容が心あたたかいものであることを御理解いただけると存じます。 身体障害年金は、年収十二万円未満の身体障害者に対し、一級の場合は年四万八千円、二級の場合は年三万六千円、三級の場合は年二万四千円、配偶者並びに子女に関しての支給加算は、等級にかかわらず、家族一名につき年七千三百円ずつ支給することに相なっており、年収十八万円未満の障害者にはそれぞれその半額を支給することに相なっております。現行法は、障害者に最も冷酷であり、二、三級障害には支給せず、内科障害者の場合は一級でも適用しない、家族加算がない、所得制限がきつ過ぎる等々の欠点を持っておりますが、これらの欠点をすべて本法案で解消しようとするものでありまして、支給金額より見ても大きな違いがあります。すなわち、一級障害、家族三人の場合、現行法では年一万八千円、本法案では年六万九千六百円に相なるわけでありまして、その間に大きな差がありますことを御理解いただきたいと存じます。 以上で特別国民年金の御説明を終わり、次に、普通国民年金すなわち拠出年金について申し上げます。 この制度は、一般国民年金と労働者年金に大別され、それぞれ老齢年金、障害年金、遺族年金の給付があります。主として老齢年金給付につき御説明申し上げることとし、まず一般国民年金より申し上げます。この制度は、すべての自営業者無職者に適用されるものであり、言いかえれば労働者本人以外の全国民が対象となるものでありまして、その対象者は現行国民年金法の対象者と大体において見合うものであります。 年金額は、全部一律で、制度が完成した場合は六十才から年八万四千円であります。この六十才開始、年八万四千円は、現行法の六十五才開始、年最高四万二千円とは金額から見て大きな開きがあるのでありまして、かりに六十四才現在で比較すると、現行法ゼロ、本法案通計四十二万円であり、六十七才現在では、現行法最高十二万六千円、本法案一律六十七万二千円と、数十万円の違いがあることを明らかにいたしておきたいと存じます。六十才開始を基本といたしてございますが、この場合、もし本人が、六十才より早く、またおそくから支給を受けたいと希望する場合、五十五才から六十五才までの間において、希望の年からそれぞ減額、あるいは増額した年金を支給できることにいたしております。 国は、この八万四千円の年金給付の五割を一般財源より負担し、支払いの年に特別会計に払い込みます。また、別に、特別会計で積み立ておくため、対象者の属する世帯より一般国民年金税を徴収いたします。拠出期間は二十才から五十四才までの三十五年間、税額は大体一名平均月百六十六円に相なる計算であります。国民健康保険税の場合と似た方法で、均等割五、所得割三、資産割二という割合で徴収することになっておりますので、収入資産の少ない人はずいぶんと安くなる見込みであり、さらに、納入困難あるいは不可能の人については、減額あるいは免除をすることにいたしております。免除は、五人家族の場合において月収一万七千円、すなわち年収二十万四千円以下の場合適用することに相なっておりまして、現行法で政府が考えておりますものよりははるかに範囲が広いのであります。減額の範囲は、五人家族の場合、月収二万二千円、年収二十六万四千円以下の場合であり、これまた相当多数の該当者が見込まれております。 特に申し上げておかなければならないことは、何回減免を受けた人でも、極端な場合は、全期間免除適用を受けて、一円も年金税を納めない人でも六十才になれば、他の人と同じ金額の年金が無条件で支給されるということであります。このように、所得比例の年金税、完全な減免制度によって、現在のような拠出年金制度に対する疑惑批判反対の根拠の主要な部分が解消されるものと信ずるのであります。 障害年金の場合は、一級年八万四千円、二級年六万三千円、三級年四万二千円が基本額でありまして、現行法よりはるかに多額でありますとともに、現行法と違って、内科障害にも支給するわけであり、現行法のように給付を受けるには三年以上、保険料納入後の原因によるものでなければならないというような苛酷な要件は、一切ないことを明らかにいたしておきます。 遺族年金は、老齢年金の半額、すなわち基本実額は四万二千円、子供一名につき一万四千四百円の加算をつけることに相なっております。現行法の母子年金よりはるかに多いのであります。また、現行法では、遺児年金は母子年金より年金額がはるかに少なく、寡婦年金は適用要件がはなはだしく過酷でありますが、本法案では、それらの遺族がみな母子と同様の給付を受けるわけであり、さらに男性の遺族にも支給の道を開いているわけであります。 以上、一般国民年金全般についてさらに申し上げておきたいことは、年金額に課税がないこと、並びに、年金額が、消費者物価または生計費のいずれか一方の一〇%以上の変動の際に、それに応じて必ず改定されることであります。現行法第四条の規定がはなはだしくあいまいでありますが、本法案のごとく、はっきりと規定してこそ、国民は信頼して拠出年金制度に協力してくれるであろうと、かたく信ずるものであります。 次に、労働者年金について申し上げます。 本制度は、あらゆる職種の労働者本人に適用されるものであって、五人未満の事業所の労働者、日雇い労働者、山林労働者等にも適用されます。 老齢年金は六十才から支給されることが原則でありますが、炭鉱労働者、船員、機関車労働者等は五十五才開始といたしておりますことは、現行厚生年金保険と同様であります。老齢年金額は、制度が完成された場合、一般国民年金と同額の八万四千円を基本額として、定額とし、それに標準報酬額に比例した金額が付加されます。その金額は、現存の賃金水準では平均年六万三千円になる計算でありまして、合計平均年十四万七千円に相なります。従って、将来賃金水準が上がった場合には、この平均額が上昇いたします。 労働者年金税法案に規定されている労働者年金税は、もちろん標準報酬の高低に従って定められております。一般国民年金の場合より年金額が多いのでありますから、年金税はある程度高くなりますが、この場合、使用者が半分以上負担することに相なっておりますので、労働者負担はあまり重くなく、平均して月二百円程度であります。低賃金労働者の負担は、標準報酬が少ないため、右の平均よりはるかに少額に相なることは当然であります。国庫負担については、実質上一般国民年金と同額程度が確保されるようになっており、その他、拠出期間、繰り上げ減額年金、繰り下げ増額年金制度、非課税及びスライド、免除、また害障、遺族給付については、一般国民年金と同様の内容あるいは仕組みに相なっております。 そのほか、特に申し上げて置かなくてはならないことは、通算について完全な方法がとられることであります。本国民年金法内の両制度間はもちろん、既存の年金との通算の場合も、途中の職業転換、制度転換によって一切損をしない仕組みになっていることを明らかにいたしておきます。 以上、一般国民、労働者、両年金制度について申し上げましたが、そのおのおのの年金税は、減免に対する国庫補てん分を加えまして、厚生大臣の管理する国民年金特別会計において積み立てることに相なっております。この積立金は、当然受給資格者のものであるとの観点に割り切って、その運用の方法を定めてあります。すなわち、積立金のうち相当の部分を福祉施設建設等のため運用することとし、その中で、需給資格者の団体に対して直接に貸し付ける道を大きく開くことにいたしてあります。残部は、全部の予定利率六分を維持するために、資金運用部に七分で貸し付けることにいたしておりまして、所要の法律改正をこの中に盛ってあります。資金運用部のこの資金の運用についても国民の福祉に役立つ方面に用うべき旨の規制を加えることにいたしてあるわけでありまして、軍需産業資金に用いられるようなことは断じていたさせないわけであります。実際の運用については、国民年金積立金運用審議会において審議決定した方向に従い、厚生大臣が行なうことにいたしてありまして、この審議会の構成は、一般国民年金、労働者年金の受給資格者の代表おのおの五名、学識経験者五名、官庁代表三名という、使用主代表を加えない画期的な構成にいたしてあります。 以上が、本国民年金制度の内容の大綱であります。 本法の施行期日は昭和三十六年四月一日、年金の支払い開始及び年金税の徴収開始は同年十月一日からであります。 国民年金法施行に要する一般会計よりの経費は、平年計算にいたしまして、その第一年度約二千百二十四億円であり、その内訳は、養老年金約一千三百三十億円、母子年金約三百十六億円、身体障害者年金約四十五億円、国民年金税減免の補てん分約二百十億円、普通国民年金の障害並びに遺族年金給付に関する国庫補助金、労働者年金の使用主としての国庫負担分等約百十億円。年金支払いに要する事務費約六億円、労働者、一般国民、両年金税法施行に要する経費それぞれ十五億、八十七億、小計約百二億円であります。以上の国庫支出の大部分が賦課方式でありますので、自後逐年逓増をいたします。本年金制度完成時すなわち四十年後には約年九千億円に達し、それ以上は大体増加を停止し平準化されることになります。 以上のごとく国庫支出は相当の程度に達しますが、その最初の金額は、最近の財政状態から見て、政府が社会保障を本当に推進しようとするならば直ちに実現可能であり、後々の支出増も財政上はいささかの心配のない程度であります。と申しますのは、各位の御理解のごとく、わが国の経済が逐年拡大、国家財政もまたそれに従って拡大するからであります。ただいま各党とも経済拡大に自信を持っておのおのその成長率を発表しておるわけでありますが、かりに、故意に各党の態度よりはるかに控えめに、明治以降のわが国経済成長平均率四%で考えてみましょう。この率でわが国の経済が拡大すれば、四十年後には約五倍に相なりまして、同じ率以上で財政が拡大し得ることは当然でありますが、これも大事をとって同率と見て約十兆の財政のワクが考えられるわけであり、相当の減税でワクがそれより縮まったとしても、九千くらいの程度の国庫支出はきわめて容易なことであり、それが全国民に対するものである限り、その支出は国民に理解賛成されるものであると信ずる次第であります。 以上、大体の御説明でございますが、賢明なる同僚各位には、この国民年金関係六法案が、国民から批判を受けている現行法の欠点のすべてを解決し得る内容を持ち、憲法第二十五条の精神をほんとうに実現することのできる社会保障に徹した案であることを、しかも直ちに実現容易な案であることを、御理解いただけたと信ずるものであります。それとともに、このような案であってこそ、所得保障という本来の大切な目的を果たすとともに、他の重要な面に非常な好影響を与えるものであることも御理解いただけると存じます。すなわち、本制度を通じての所得再配分によって国民生活の不均衡が相当程度是正され、これによって継続的な有効需要が確保されることによって、諸産業の振興安定に資するところ大なるものがございます。このことは、雇用の増大と安定を招来するものでありますが、さらに、完全な所得保障によって不完全就労を減少し、労働力化率が低下するという好ましい効果の面も加えまして、完全雇用への道を進めるものであります。さらに、十分な年金制度は、雇用労働力の新陳代謝を促進し、鉱工業生産力を増大せしめるとともに、農業、中小商工業の経営権を若き世代に移すことによって、その近代化協同化への原動力と相なるわけであります。以上の諸点もあわせ御理解をいただきたいと存じます。 以上、きわめて簡単でございましたが、社会党国民年金六法案に関する全般的な点の大綱を御説明申し上げたわけであります。 これより三法案の内容の大綱について御説明申し上げます。 まず、一般国民年金税法案より申し上げます。 この法案は、国民年金法案第四十条第四項の規定に基づきまして、一般国民年金税の賦課徴収その他一般国民年金税に関する事項を定める法律案であります。 まず第一に、一般国民年金税は、毎年世帯主より、世帯主及びその世帯に属する一般国民年金の受給資格者につき均等割額、所得割額、資産割額の合計額により課するものでありまして、均等割額は、一般国民年金の受給資格者一人につき年一千円であります。所得割額は、世帯主及びその世帯に属する一般国民年金の受給資格者の前年の合計所得金額の合計額を課税標準とし、それに百分の〇・二八を乗じて算定いたします。世帯主が労働者である場合、その状態に見合うべき程度の控除をいたすことにいたしてございます。資産割額は、世帯主及びその世帯に属する一般国民年金の受給資格者が所有する固定資産(これは居住用の財産を除きます)の固定資産課税台帳に登録されたものの合計額に百分の〇・二四を乗じた金額であります。この場合世帯主が労働者である場合には、その状態に見合う程度の控除をいたします。右は普通の場合でありますが、徴収不能または困難な世帯では、減免、すなわち税額控除あるいは非課税にいたしますことは前に述べた通りであります。前年の世帯の所得合計から二万四千円を控除した金額を世帯員数で除した金額が三万六千円をこえ四万八千円以下の場合、第十一条の税額控除が適用され、その控除率は百の十から始まり、九段階に分かれ、一番多いところは百分の九十に達します。右の金額が三万六千円以下、または生活保護法適用家庭は、非課税に相なります。納期は毎年六月から翌年三月まで毎月十分の一ずつ徴収することに相なっており、農家の場合は、政令の定めるところにより、申請により七月末、十一月末に、二回に分けて納入することができるよういたしてございます。 民主的構成による中央国民年金審査会、地方国民年金審査会を置き、不服の際に審査を受けることができるよういたしてございます。事務は市町村長がつかさどることになっており、国税局長がこれの監督をすることに相なっております。その他税法上必要なすべてのことにつき細目の規定をいたしてございます。 本法案の施行期日は昭和三十六年十月一日、本法案施行に要する費用は前に申し述べました通りであり、税収入額は、初年度百六十二億円、平年度約三百二十三億円でございます。 以上で、一般国民年金税法案の御説明を終わり、次に、労働者年金税法案について申し上げます。 この法案は、国民年金法案第四十六条第四項の規定に従いまして、労働者年金税の課税標準、税率、その他労働者年金税に関する事項を定める法律案であります。 まず、第一に、労働者年金税の課税標準は、事業主の使用する事業用ごとの労働者年金の受給資格にかかわるその月の標準報酬の金額の合計額といたしてございます。標準報酬については国民年金法案第四十九条において、第一級三千円より第三十級七万二千円まで三十等級に分けてございます。 次に、労働者年金税の税率は百分の二・七であります。ただし、生活保護法の適用を受ける労働者が、国民年金法第四十六条第五項ただし書きの規定により同項本文に規定する労働者負担をしない場合は、納税義務者である事業主はその分だけ税額の控除を受けられることに相なっております。この労働者年金税は毎月納入されるべく規定されております。不服あるものが地方国民年金税審査会、中央国民年金税審査会の審査を受けることができますことは、一般国民年金税法案の場合と同様であります。 事務については、税務署が直接当たり、市町村長に委託はいたしません。その他税法上必要なことのすべてにつき細目の規定をいたしてございます。 本法案の施行期日は昭和三十六年十月一日、本法施行に要する費用は前に申し述べました通りであり、税収入額は、初年度約六百三十七億円、平年計算にして第一年度約一千二百七十四億円であります。 以上で、労働者年金税法案の御説明を終わり、次に、国民年金特別会計法案について申し上げます。 この法案は、国民年金法による一般国民年金事業及び労働者年金事業に関する政府の経理を明確にするため国民年金特別会計を設置し、一般会計と区別して経理する目的を持ったものであります。 この会計は、一般国民年金勘定、労働者年金勘定の二つに区分され、それぞれの勘定においては一般国民年金税あるいは労働者年金税、一般会計からの受入金、積立金から生ずる収入、借入金及び付属雑収入をもってその歳入とし、一般国民年金あるいは労働者年金の給付金、借り入れの償還金及び利子、一時借入金の利子、業務取扱費並びに付属諸費をもって歳出とすることに相なっております。この会計は厚生大臣が法令に従って管理するものであり、厚生大臣は、毎会計年度歳出歳入予定計画書を大蔵大臣に送付しなければならないことといたしてございます。内閣は、毎会計年度、この会計の予算、決算を作成し、一般会計の予算決算とともに国会に提出しなければならないことにいたしてございます。 その他、余裕金の預託、借入金等について規定をいたしてございます。厚生年金保険、船員保険中年金部分、農林漁業団体職員共済組合等は、労働者年金に即時統合されることに相なっておりますので、従って、以上の制度の積立金等の権利義務は本特別会計に承継されるべき旨を定めておるわけでございます。 本法案は、昭和三十六年十月一日から施行され、昭和三十六年度予算から適用されることに相なっております。 以上で、国民年金特別会計法案の説明を終わります。 これで、日本社会党の国民年金制度に関する考え方と、それを実施するための具体的な法律案としての三法案の御説明を申し上げた次第でございます。何とぞ、三法案を建設的に十分に御審議賜わり、一日も早く満場一致御可決あらんことを切に御要望申し上げて、御説明を終わる次第でございます。
○毛利委員長代理 これにて各案に対する提案理由の説明は終了いたしました。 各案に対する質疑は次会に譲ります。 次回は明二十三日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時十八分散会 ————◇—————