大蔵委員会 第17号
- 発言数
- 53 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/03/17
会議録
○足立委員長 これより会議を開きます。 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題といたします。 御質疑はありませんか。——御質疑はないようですから、三法律案に対する質疑はこれにて終了いたします。
○足立委員長 続いて三法律案を一括して討論に入ります。 通告があります。これを許します。辻原弘市君。
○辻原委員 ただいま上程せられました所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案並びに租税特別措置法の一部を改正する法律案に対しまして、私は、日本社会党を代表いたしまして、これら三案に対して反対の意思を表明せんとするものであります。 以下、その理由の概略について申し述べてみたいと思います。 そもそも、わが国の税制を考えてみますと、特に税制の根本的考え方として重点を置かなければならない負担の程度の問題、また公平の問題、これらの諸点を戦前に比較をしてみましても、負担においては依然としてその程度は重いのであります。また、諸外国のそれに比しましても、なおかつわが国の税負担というものは過重の域を脱しておりません。にもかかわらず、税制調査会の答申案におきましても、またそれを受けて立案をせられた政府の今回の改正案の内容にいたしましても、これらの負担の問題、また公平の、原則を貫くという根本的問題の解決には、いまだ日暮れて道遠しの感が深いのであります。従いまして、私どもは、今回のこの改正案について、根本的問題に触れておらないという点につきましても、不満の意思を表明せざるを得ないので、ございます。 さらに、三十六年度予算案の中における政府の税制に対する内容を逐一検討して参りますと、確かに配偶者控除の新設や、あるいはまた白色申告にも専従者控除を認めるなど、今まで私ども社会党が主張いたしておりました若干の項目が取り入れられまして、巧みに擬装をいたしておりますが、その本質は、依然として、大資本、高額所得者の利益に奉仕し、大衆課税の現実を無視しようとしておるものであります。具体的には、次の点において国民の期待をはなはだしく裏切るものであるということを、この際指摘をいたしておきたいと思います。 その第一は、昭和三十六年度租税の自然増収は三千九百三十億円計上せられながら、防衛費その他の予算の食い荒らし、かつまたガソリン税二五%の引き上げにより、実質減税額は六百二十一億に削られてしまっておるのであります。しかも、昭和三十五年度に実質四千百七億円以上の自然増収がありながら、一切の減税が見送られてきたことを考え合わせまするならば、この昭和三十六年度の減税規模は、国民の期待から全くほど遠いものであることを指摘いたすものであります。 第二番目に、減税内容も、低所得農家、勤労者、中小企業者に対する減税はきわめて不徹底に終わっているという点であります。特に所得税減税のらち外に置かれている低所得階層に対する税制上の救済策は、政府税制改正案において皆無であるばかりか、著しく増額され、税外負担等、池田内閣の物価政策のもとで、低所得階層は最も大きな被害者となるであろうということは、予測するにかたくないのであります。法人税関係におきましては、累進税率の適用による低税率を希求する中小企業者の期待を無視し、株式配当に対する法人税率の引き下げ、主として大企業の資本蓄積に偏重した機械設備耐用年数短縮等の措置を講じているだけでありまして、本質的に中小企業、大企業の格差を縮めるといったような配慮に基づく税法上の改正には何ら触れられておらないのであります。 第三に、大資本本位に設けられた偏向減税、三十六年度予算ベースで千六百五十四億円に上る租税特別措置は、その整理合理化が強く要請せられているにもかかわらず、大資本の意向に奉仕するため依然としてこれを存置して、先般の当委員会における中山会長の参考人としてのお答えにもありましたように、わずかに百十八億円の整理を行なって表面を糊塗しているにすぎないのであります。逆に、大衆性も強く、むしろ存置すべきであるといえる米穀所得課税の特例、社会保障診療報酬の特例の廃止を検討しておるのでありまして、これは租税特別措置改廃の世論をまっこうからまじめに取り上げる態度では決してないと、私どもは論断せざるを得ないのであります。 このように、生活配慮よりも政治配慮に堕する自民党の税制改正に対し、わが党は、生計費には課税をしてはいけない、租税特別措置で大資本を不当に肥やしてはいけない、酒、たばこ、砂糖等の重税で大衆を収奪することはやめなければならない、の基本方針のもとに、あくまでも税負担公平の原則に立って、労働者、中小零細企業者、農林漁業者を含む勤労大衆の租税負担を軽減するため、左の要綱に従い、税制改正を主張するものであります。特に所得税免税点引き上げの恩恵に浴さない広範な免税点以下の低所得階層の減税対策を重視し、大衆生活に結びついた大衆酒、砂糖、たばこなど、あるいは入場税等々の一連の間接税の軽減を、対政府重点の争点として、これを推進することをここに宣言をいたしまして、私の反対討論を終わる次第であります。(拍手)
○足立委員長 井堀繁雄君。
○井堀委員 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま提案になっております所得税法一部改正、租税特別措置法一部改正、法人税法一部改正の三案のうち、所得税法の一部改正、租税特別措置法一部改正に対しましては、わが党は反対の意思表示をいたしたいと思うのであります。 簡単に申し上げますが、政府案の所得税法の一部改正につきましては、政府の本年度予算編成の中にあります自然増収を故意に過小評価したものと思われるのでありまして、こういう財源から判断をいたしますならば、今日所得税の十五才以上の扶養親属に対する控除を六万円程度に引き上げ、かつ義務教育を受けておる扶養親属に対する義務教育控除一人につき一万円を新設し、また所得税の免税点は五人家族で年収四十二万円程度に引き上げることは可能であることを、われわれは以上の資料から十分判断することができるのであります。かような意味におきまして、本案の改正はわれわれの同意し得ざるところであります。 第二は、租税特別措置法の一部改正に対する反対理由でありますが、政府案は、この租税特別措置法改正法案によって、大企業向けの極端なる減免に対するかなり偏した措置をとっておるものと判断されます。たとえば貸し倒れ準備金や価格変動準備金あるいは交際費課税などについて、もっと積極的な措置がとらるべきものであると思うのであります。こういう点に対して、はなはだしく大企業に偏重したものでありまして、かかる改正はこの際われわれは同意し得がたいのであります。 以上、簡単でありますが、二案に対しての反対理由を申し上げました。 最後に、法人税法の一部改正案でありますが、不満な点はありますが、今日政府の提案しております改正の範囲内におきましては、一応了承を与えることができると思いまして、本案に賛成をいたすものであります。
○足立委員長 これにて討論は終局いたしました。 続いて採決に入ります。 まず、所得税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第二四号)の両案を一括して採決いたします。 両案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○足立委員長 起立多数。よって、両案はいずれも原案の通り可決いたしました。 次に、法人税法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。 〔賛成若起立〕
○足立委員長 起立多数。よって、本案は原案の通り可決いたしました。 なお、三案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○足立委員長 次に、揮発油税法の一部を改正する法律案及び地方道路税法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 質疑の通告があります。これを許します。武藤山治君
○武藤委員 揮発油税の税率引き上げについて質問いたしたいと存じますが、今回提案されております揮発油税の中で、非常に各方面に影響があり得る改正が行なわれておりますので、きょう質問のしきれない場合には、後刻また追加質問をいたしたいと存じます。 まず最初にお尋ねいたしますが、三十二年度、さらに三十四年度と引き上げを行なってき、さらに今回再び一五%という非常に大きな引き上げをする最大の理由、それをお尋ねしておきたいと思います。
○村山政府委員 お話のように、三十二年におきましてキロ当たり五千三百円、三十四年におきましてはキロ当たり四千四百円の増税を行なったわけでありますが、今回新たに道路五カ年計画が計画いたされまして、その所要経費も、当初大蔵省の方では五カ年間で一兆八千億程度と考えておりまして、この程度ならばあるいは増税しなくても済むかもしれないと考えておったわけでありますが、その後、諸般の事情でどうしても二兆一千億の計画を必要とするということになりましたので、その財源といたしまして揮発油及び軽油引取税に求めたわけでございます。すなわち、揮発油税につきましてはキロ当たり三千四百円、地方道路税を含めまして三千四百円、それから軽油につきましては二千百円、それぞれ一五%、二〇%の税率引き上げをせざるを得なかったわけでございます。ただ、これによって見ましても、小売価格の中に占めるそれらの税金負担率というものの各国との比較をとってみますと、揮発油で申し上げますと、改正前で日本は五三・三%、それが改正後で五六・七%でございます。英国におきましては五八・八%、西独が五九%、フランスは七四%、この程度になっている。それで、アメリカは、これは生産国でございますので、もちろん低うございまして三二%程度、こういう国際的な商品でございますので、税を抜きました価格はどこの国でも似ております。従いまして、それらの点を考え、あるいはそれの運賃の中に占める比率というようなものも勘案いたしまして、二兆一千億の新道路計画を推進するためには、この程度の増税はやむを得ないのではないかということになった次第でございます。
○武藤委員 ただいまの答弁では、諸般の事情によって一兆八千億円の当初の五カ年計画を二兆一千億円にした。その諸般の事情というのが非常に私は問題だと思うのです。当初、大蔵省は、一兆八千億円程度でなければそれだけの仕事量を消化することも困難だ、あるいはそういう無理な二兆一千億円というような膨大な計画を立てても、なかなかそれだけを完遂する作業能力というようなものも限度がある、そういうような立場から、非常に渋っておったというようなことが、新聞にも報道されたわけです。ところが、自民党は、それだけは選挙公約だからというので、無理やりに二兆一千億円という膨大な新道路計画を作った、それを大蔵省に無理やりにのませたというところに、私はこの計画の非常な無理があると思うのです。そういう一つの政治的な政略的な考え方から道路計画を作って、その財源を特定の揮発油税に負担させるというやり方は、非常に間違っておると私は思うのです。その諸般の事情という局長の今の言葉の中身は、自民党からのそういう強い圧力でやむを得ず二兆一千億円に変更したという、そのいきさつを諸般の事情という言葉で言っておるのか。それとも、第二の方の、国際的な価格と比較して小売価格中に占める負担割合が比較的低いから、揮発油税を上げてもいいのだ、こういうような引き上げが絶対的に無理がないのだという考え方に立って引き上げをしてきているのか。それとも、諸般の事情で圧力に屈服して、どこかから財源を出さなければ仕方がないという形で、揮発油税の引き上げということにきているのか。その辺のいきさつが非常に問題だと思うのですが、もう少し具体的に御説明願いたいと思うのです。
○村山政府委員 どうもその算出の方を私からお答えするのが適当かどうかわかりませんが、われわれの聞いている範囲でございますと、十カ年四兆九千億の道路計画、これを前半と後半でもって均分するという考えもあるであろうけれども、こういう事業の性質からいいまして、特に所得倍増計画に即応して、前期に比較的比重をかけるという考え方に立って、二兆一千億という数字になったと聞いておるわけであります。ただ、税制の力から申しますと、その負担が無理であるかどうか、あるいは経済界に非常に大きな影響を及ぼすかどうかという点は、これは税制として当然考えなければならぬ点でございまして、先ほど申しましたことは、そういった意味から言いますと、やはり増徴の余地はあるということだけはわれわれは言っておるわけであります。政府の税制調査会におきましても、その点につきましては、揮発油税を増税すべきかどうかということは、これは新道路計画の決定を待ってきめるべきことであるが、かりにその必要があるという結論が出れば、相当程度の負担力があると認められる、こういう答申になっておるわけであります。今回行なわれました一五%ないし二〇%程度の増徴であれば、この程度の負担の増加はやむを得ないのじゃないか、またそれによって及ぼす影響もさして弊害も考えられないのじゃないか、かように考えております。
○武藤委員 答申案を読んでみると、揮発油税の引き上げには検討の余地があるということを言っておりますが、国際的にその国の経済力なりあるいは国民所得というものの比較の上で考えた場合には、日本より高いのはイタリア、その程度で、あとの国は大半が日本よりも低いことになる。そういう実質的な国民所得なり国の経済力というものとの比較の上に立って、税率はきめなければならぬと思う。そういう点の考慮からいうと、今回の引上率は十分そういう点の考慮が払われていないと思うのですが、そういう点はいかがですか。
○村山政府委員 もちろん、この引き上げにつきましては、単純に小売価格の中に占める比率とか、そういったものだけでなくて、国民所得との比較も考えてみなくちゃいかぬと思います。それでとってみますと、今度改正後で日本は国民所得に対する揮発油税の税負担は一・三%くらいでございます。アメリカは、先ほど申しましたように、税率として比較的低うございまして同じく一・三%、英国におきましては一・九%、西独は一%であります。それからフランスが二・八%、イタリアが二・五%となっておりまして、全般的に国際的な水準から見て、まずまずこの程度のことはしんぼうすべきではなかろうか、かように考えております。
○武藤委員 それから、この引き上げが、諸物価の引き上げ、あるいは生活の負担率というものを非常に高めていく、そういう心配もあるわけなので、ちょっと尋ねておきたいのですが、現在揮発油を使用している消費者の階層といいますか、業種別といいますか、たとえば農林漁業の中の農林関係がどのくらい、漁業関係がどのくらい、あるいは比較的小さい商工業がどのくらい、そういう各業種別の消費量、さらにその金額、そういう点の検討もおそらくされていると思いますので、一つ承っておきたいと思います。
○村山政府委員 今度三十六年度に見込みました全体の揮発油の消費数量は六百三十九万キロリットル、こういうふうに見込んでおります。そのうち大部分が自動車用でございまして、それ以外に使われているものは、これは推定でございますが、大体十八万キロリットルくらいと考えております。そのうち農業用が七万キロリットル、その他漁船用であるとか、クリーニング、溶剤、清浄、ライター、えりふき用、モーター・ボート、建設機械用というようなものを合わせまして十一万キロリットルくらいになる、かように考えているわけでございます。
○武藤委員 ただいまの内訳の金額がどのくらい、そのうちに占める税額がどのくらいあるかをお示し願いたいと思います。
○村山政府委員 金額の点はあとで計算して申し上げますが、税額で申しますと、全体の税額が、地方道路税を含めまして、今年見積もっておりますのは、揮発油税で千三百八十一億、地方道路税で二百五十億でございますから、合計いたしまして千六百三十億程度となっております。そのうち、ただいまお話しいたしました自動車用以外に使われるものの税額が、四十六億程度ぐらいであろうと思います。大体五割六分くらいでございますから、これをそれぞれ〇・五六割り返したものが、その税込みの金額になるわけであります。
○武藤委員 そうしますと、これは局長にお尋ねするのはちょっと無理かと思うのですが、今政府は、減税なり、国民負担を軽減する、国民所得を倍増するのだというような大きな看板を掲げておって、物価はできるだけ上がらぬように施策を講ずる、そう言いながら、国鉄運賃も上がる、郵便料金も、さらにガソリン税も上がる、医療費も上がる、国民年金の掛金も上がる、私大の授業料も上がるというような形で、こういう一連の国民所得倍増論とは逆に物価が上がるという傾向にあるのに、拍車を加えるようにガソリン税の引き上げをしたというところに、私はものの考え方がさかさのような気がするわけです。そういう点、主税局あたりでは、ガソリン税を上げるということは、物価の値上げにはね返るから、好ましくないというような考え方は全く持たなかったのか。たとえば農業用に七万キロ程度のガソリンを使う。それの税額だけでも十五億円になる。十五億円だけは農民の負担になるわけです。しかも、今では、ガソリンを使用するのは、決して自動車会社とかあるいは観光会社だけじゃなくて、いなかの農家でもあるいはサラリーマンでも、ガソリンを使用するバイクに乗っておるわけです。そういう非常に広範な大衆に使用されるようになっておるガソリンというものの使用度を考えた場合に、私は、この物価値上げとの関連の上でガソリン税引き上げを考えた場合に、この引き上げはどう考えても物価値上げにはね返ってくる、こう考えるけれども、その点はどう考えておりますか。
○村山政府委員 これは、一般物価の問題とそれから自動車の方に使われておるガソリンにつきましては、この増税によって運賃引き上げがあるかどうか、それから、その運賃引き上げがあった場合に、どれくらい物価に影響を及ぼすか、こういう問題だろうと思います。それから、農業用につきましては、この引き上げによってどれくらいの負担の増になるかという問題であろうと思います。 前段の運賃の引き上げになるかどうか、あるいはそれによっていろいろな物価が上がるかという問題でございますが、これは三十二年と三十四年に実は大幅な増税をやっておるわけでございます。そのときの経験で見ますと、三十二年にキロリッター当たり五千三百円の増税をやっておるわけでございます。そのときに小売価格の引き上げになった分は四千八百円でございます。五百円はメーカー負担になっておる。しかし、そのとき運賃の引き上げは実際には行なわれずに、一年たちましてトラックの分だけが若干上がりました。バス、タクシーの分は全然運賃の引き上げが行なわれなかった。ですから、理論的に見ますと、運輸業者がそれを非常に負担したという形になるわけでございますので、収益率は落ちるはずなんです。ところが、実際見てみますと、その後原油の価格が非常に下がってきた。キロ・リッター当たり二千円くらい下がっております。輸送量が非常に増加しておる。それから道路の整備に伴うコストのダウンによりまして、実際上は全部経済成長によって吸収されております。従いましてかえって運輸業者の収益率は上がった、こういう実例がございます。それから、三十四年は四千四百円の増税を行なったわけでありますが、このときは小売価格に一〇〇%響かしたわけです。メーカーは負担しなかった。しかし、運賃はどうなったかと申しますと、この四千四百円の小売価格の引き上げによっても、運賃は全然改正しておりません。収益率はどうなったかと申しますと、やはりよくなっておるという結果が出ておるわけです。以上の経験から見、それから最近の石油事情等を考えてみますと、これはわれわれの推測の範囲を出ないのですが、運賃はそんなに上がらないのではないか。上がらないか、あるいは上がるにしても、これは他の要素を勘案してごく一部であろうというふうに考えるわけであります。 それで、もしかりに一〇〇%今度税負担が上がった分だけ運賃を上げたらどうなるか、こういう計算もやってみたわけですが、これは運賃の中に占める今度の増税分の比率というものは、揮発油でいいますと〇・八%、軽油の場合一・六%程度でありますが、このくらい上がる。それだけ運賃が上がるものとして計算いたしますと、これは企画庁の方に頼んで計算してもらったのですが、理論的には卸売物価に対しまして〇・〇五%、それから消費者物価については〇・〇一%、一〇〇%運賃が上がるとしてそれくらい響く。しかし、先ほど申しましたような過去の事例と最近の事情を考えまして、運賃は上がらないか、上がるにしてもごく一部であろうということが理論計算上出て参ります。だからそれほど響かないのではないかと考えております。 次に、農業等の農業用の機械を使っております分についてどれだけ上がるかという問題でございますが、これは水稲の場合の計算でございますが、これもこの増税分によりましてコストのアップは〇・一六%くらいであろう。それで、最近におきます農業の土産性の向上等を見ますと、これも、実際問題としては、ほとんど吸収されるのではなかろうか、かように考えておるわけであります。
○武藤委員 税金を引き上げても自動車の運賃にはあまり影響がないとか、農業の方にもそう響かぬと言われますけれども、私は、運賃にはね返ってこなければ害がないというような考え方は、あまりにも単純だと思うのです。何らかの形でこれが消費者の負担に転嫁されて、結局、所得倍増の方向ではなくて、逆の方向に行くということは明らかだと思うのです。 それから、もう一つは、製造業者が収益率をそれだけ減らして今まで負担をかなりしてきた。しかし、需要が伸び、非常に経済成長がはなはだしかったから収益率はそう減っていない、こういう説明をしております。そこで、もう一つ具体的にお尋ねしておきますが、昭和三十四年に原油の関税が特別暫定措置で二%引き上げられ、それを三十五年には六%引き上げておる。四%の引き上げです。そういう場合に、わずか四%の関税の引き上げですら、消費者に相当の価格でやはり反映しておる。小売価格に相当影響しておるわけです。そういうような点を考えた場合に、製造業者がこの引き上げ分を負担するだろうという見方は、あまりにも甘い。というのは、各業者から陳情が殺倒しておるのです。その陳情書のどれを見ても、とにかく裸価格がもうすでに二十割をこえておる。こういう重税をされておったのでは、とてもわれわれ業者としては運賃を上げないわけにはいかないし、このままほうっておくわけにはいかぬという意味の請願、陳情が殺倒いたしておるわけです。業者がそういうことを言って騒いでおるのは、単なるおどかしであるというような程度にあなた方は受け取っているのか。それとも、真剣に、なるほどガソリン税の引き上げが年々引き続いて、こんなに引き上げられたのではとてもたまらないから、これは消費者に転嫁するという業者の気持は本物であると受け取っておるのか。そこらのあなたの判断はどのようになっておるか。一つその辺をお聞かせ願いたいと思います。
○村山政府委員 先ほど申しましたのは、過去の事例は、三十四年はもちろん全額ですけれども、三十二年の場合は、五千三百円のうち四千八百円は小売価格を引き上げております。三十四年はメーカーは負担しなかったわけです。従って運輸業者が負担したという形になっておるわけです。しかし、そのときに運賃の引き上げが行なわれたかということを見てみますと、先ほど申しましたように、三十三年の下期におきましてトラック運賃の一部がその他の事情と合わせて引き上げられた。ほかは上げられていない。従って、運賃が上がりませんから、理論的に言いますと運輸業者が負担した形でありますが、実際に収益率がどうなったかといいますと、引き上げ前の収益率よりは、引き上げ後の運輸業者の収益率がよくなっておるということでございまして、これはやはり輸送の増加あるいはコスト・ダウンあるいは原油そのものの価格が下がってきたことによるものであろう、こういうことを申し上げたわけであります。 念のために、原油の価格、これは中近東の石油でございますが、これはいろいろございますが、三十二年にはF○B価格で三千九百円から四千七百円、それが、三十四年になりますと、三千四百円から四千六百円、三十五年になりますと、三千三百円から四千三百円、まず三十二対三十四で見ますと、五百円見当のダウン、三十四対三十五で見ますと百円ないし三百円のダウン、こういうことになっておるわけであります。
○武藤委員 はね返りが非常に少ないという見解と多いという見解で、これはいつまで論じても平行線でありますが、あとでまた質問の機会を得て詳しく質問したいと思います。 次の質問は、道路財源を充実するために、特定のこういう業者に、目的税だと称して、揮発油税なら揮発油税だけに多額の負担を負わせて、それで東海道弾丸道路を建設するとか、こういうような形で一つの業者に非常に多くの負担をかけて、一般財源の租税収入からの負担を非常に少なくしておる、こういう予算の使い方のために税金を上げるという考え方には、おのずから限度があると思うのです。そういう限度は大体どの程度にめどを押えるべきであるか。今後もっとどんどん交通機関道路を整備しようという場合に、そのたびごとに今のようなシステムで揮発油税を無制限に上げていくということはとうてい許されないと思うので、それは一定の限界がなければならぬと思う。そういうめどは一体どの辺に押えておるか。またどの程度に押えるべきか。また、政務次官は、政治家として、大体こういう財源を捻出するのに、揮発油税という特定の財源に非常に多くのウエートを占めるほど負担をさせるという財源の出し方、こういうことをあなたは自民党出身の政務次官としてどうお考えになるか。その辺のめどもやはりあなたなりに考えがあると思いますが、その点もお聞かせ願いたいと思うのです。
○村山政府委員 ただいまお話のありました限界は一体どこだというようなお話、これはなかなかむずかしゅうございますが、道路整備の財源のうち、こういう特定財源、揮発油税、地方道路税あるいは軽油引取税でまかなっておる部分がどのくらいということは……。
○武藤委員 それはわかっておる。そうじゃなくて、限界はどの程度かということです。
○村山政府委員 これは、過去の一兆円計画の場合でも二兆円計画の場合でも、そういう財源構成比を見た場合ほとんど変わりございません。従って、その全体の財源のうち、今度特に財源構成が上がっておるのではないかという点はないものだと考えております。ただ、一体どこまで上げられるかという問題は、これは上げる方の具体的な必要性と、果してその負担に耐え得るかどうか、それからまたその諸物価あるいは国民生活に及ぼす影響、こういったものを慎重に考慮しながら、そのときどきの事情を勘案しなければいけないと思いますので、一律に何%ということは申し上げかねると思います。われわれの考えといたしましては、一応税としては、歳出上も考えねばならぬのでありますが、常識的に、やはり国際負担の線、これが小売価格の中に占める比率、あるいは国民所得に対する比率、こういったものは税制上一つのめどになるだろう。しかし、具体的には、そのときどきの事情によりまして、それがどんな作用を持つかという諸般の事情も十分考慮しなければならぬ。石油の価格、原油の価格が上がる状況にあるか下がる状況にあるか、タンカーの価格、今の運賃の価格が上がる傾向にあるのか下がる傾向にあるのか、そういう周辺の事情も十分考慮の上、その及ぼす影響を読みとらなければならない、こんなことを考えております。
○大久保政府委員 ただいま局長から御答弁を申し上げましたが、大体私も同じような趣旨でございますが、やはりガソリン税は国際的な水準をにらんでいきますと同時に、ガソリンによって運営しておりまする業態の事業にはね返る率というものが、事業に対して非常な支障を及ぼすとか、あるいは国民生活に対してそのはね返りが非常な影響があるといったような点は、私どもといたしまして十分考慮を払っていかなくちゃならないと考えますが、一方、それによって道路が整備されていきますことが、経済の成長並びに国民生活を向上せしめていくわけでありますから、その辺の両者の見合いによりましてその限界を定めていきたい、さように考えております。
○武藤委員 そんな程度の答弁ならだれでもございます。具体的にお尋ねしますが、あなたもおそらく国会議員を長くやっておったのでしょうから、昭和三十年六月二十九日の衆議院(しゅうぎいん)本会議、さらに三十一年十二月十三日の参議院の本会議、三十二年一月十一日の自民党政調会における決議というものがあるわけです。この決議をあなたはお読みになったことがありますか。それをまずお尋ねします。
○大久保政府委員 関税部会の決議でございますが、一般財源の投入額をできるだけ増額するとともに、担税力の限界を十分考慮して、揮発油税及び軽油引取税の税率を引き上げるべきである、かような決議に相なっております。
○武藤委員 そういう決議の趣旨からいけば、揮発油税にウエートを全部食わしてしまって、一般財源からの持ち出しを非常に少なくしておるというところに、問題があると思うのです。だから、めどをどの辺に置くか、その引き上げの率を一応どの程度を限界とするかという問題は、そういう決議を尊重するという立場からいけば、たとえば揮発油税の同額程度、あるいは少なくも三分の一程度なり三分の二程度は一般財源の方から回すべきだという趣旨なので、本会議における決議もそういう趣旨なのです。ところが、三十六年度の内訳を見ると、揮発油税が千三百九十八億円、一般国費から出るのは百億円ですよ。十三分の一にしかすぎない。これでは、一般財源から道路整備の方に金を出しておるなんということは言えないわけですよ。こういう形で財源を見つけておって——道路がよくなることは、経済が成長し国の経済力が成長するのであるから、けっこうだというのは同感です。しかし、問題はその金の出し方なのです。少なくとも一千三百九十八億道路整備の金を出すからには、五百億程度の金をやはり一般財源の中から出すべきなのです。そういう点の負担が、あまりにも特定の、国民の中の一部の人たちに負担が重過ぎる。そういう傾向が非常に強いと思うのです。そういう点について、五カ年全体の計画からいっても、国の出す費用は十分の一、本年は十三分の一にすぎない。こういうことは、私はやはり公平なる負担——国民全体の公共資本というか、社会資本とも称すべき道路整備ということに対して、あまりにも国の考え方が揮発油税にたより過ぎておる、こういう点を一つ強く指摘しておきたいのです。そういう点について、まあまあ国から出るのは百億程度でけっこうなんだと政務次官はお考えになるか、これじゃ少な過ぎるから、もっと上げるようにしなければ、自民党の申し合わせや本会議の申し合わせも、どうもあまり効果を現わしていないとお考えになるか、その辺の政務次官のお考えをもう一回お聞かせ願いたい。
○大久保政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、私どもも相なるべくば一般財源を投入いたしたいということも考えたわけでございまして、一兆円予算で参っておりましたときの計画の一般財源からの支出は三百十七億でございまして、これが全体の中に占める構成比は三・二%でございました。今回二兆一千億に改定いたしました際の、一般財源によって充当します額は八百五十九億円、約八百六十億円に増額されております。これが全体に占める率は四・一%に増加いたしております。そこで、十分とは申されませんけれども、一般財源は増加をしていく形において編成をいたしておるということを、御承知をいただきたいと存ずる次第でございます。 なおまた、ガソリン税によって道路の財源をまかなっていくということは、欧米各国におきましてもその姿をとっておるのでございまして、中には道路費をほとんどガソリン税のみでまかない、なおそのうちから一般財源の方に繰り入れておる国もあるやに聞き及んでおるわけであります。日本といたしましても、また日本の国情もございますから、一がいにそのままというわけではございませんけれども、御質問の御趣旨によって努力しておりまする姿は、どうか御了承いただきたいと存ずる次第でございます。
○武藤委員 パーセンテージがわずか増加されておるから、そういう努力をしておるんだから了としてくれと申しますが、そういう微々たる率が上がったからというのは、これは偶然の帰結であって、出初から一般財源をよけい出さなければならぬなという、意識的な立場からの増加だとは全然考えられない。というのは、先ほど申したように、五年間全体の計画で一般財源がわずか十分の一ですよ。一カ年間は十三分の一ですよ、負担率が。こんなわずかな一般財源しか負担しないという考え方は、どう考えても片ちんばだと思うんで、これはやはり揮発油の取り扱い業者が、これでは、将来、道路整備のためにまた値上げだ値上げだといって、どこまで上げられるかわからぬじゃないか、こういう不満を抱くのは当然だと思うので、それには一定の限界がおのずからあると思う。そういう限界を考えたときに、何かかわる方法はないかということを検討しなければいかぬと思う。何か財源をほかに求める方法はないものかどうか。一時水田大蔵大臣も、道路公債を発行しようというようなことを、予算編成以前にはちらほら新聞などでも発表しておったわけです。ところが、道路公債の問題もだんだん立ち消えになって、揮発油税の引き上げという形で、予算査定のぎりぎりごろになってばっと引き上げが行なわれた。こういう思いつきの税金の引き上げという態度はけしからぬと思う。もっと計画的に長期の見通しを立てて、どの程度まで引き上げて、どの程度の道路整備ならば合理的であるか、科学的であるかということの検討をなされずに、思いつきで引き上げをしたような印象が非常に強いわけであります。こういう点は非常にけしからぬと思うのです。 そこで、政務次官にお尋ねするのですが、揮発油税をそのつど引き上げをするということは、もう一定の限度があるから、適当な時期に、道路公債なら道路公債というものを市場で公募するような形で、赤字公債にならぬような形で公債発行に切りかえて、それと揮発油税とを合算をして道路の整備に当たる、そういう考え方を持たなければ、この限界がどこに引けるかということを業者は非常に不安を持っているので、ぜひこの問題についての検討もしなければならぬと思うのです。そういう点についてのあなたの見解はいかがですか。
○大久保政府委員 道路公債を出すか、どうかというお尋ねでございましたが、目下のところ、ただいまのガソリン税並びに一般財源と合わせまして、計画いたしております道路の拡充は可能であるという見解に立っておりますので、道路公債を出すという考え方は持っておりません。
○武藤委員 目下のところは持っていないというのは当然言えますよ、予算に出てないから。しかし、このままガソリン税の引き上げという形で道路整備を行なっていくという態度は、反省も検討もしないでずっとこのまま続けていくというお考えですか。
○大久保政府委員 道路政策は長期計画でやっております。五カ年間の財源見通しも、かようなガソリン税との見合いにおいて大体可能であろう、かような判断に立っておりますので、さような公債ということを考えておらないということを申し上げた次第でございます。
○武藤委員 では、ガソリン税との見合いの上でということになりますと、当初一兆八千億の道路整備五カ年計画だったものを、二兆一千億円という膨大な計画に変更した最大の理由は何ですか。
○大久保政府委員 先ほどちょっと局長から発言しておったようでございましたが、道路計画は長期計画を立てておりまして、十カ年間に四兆九千億の道路整備をやっていこう、かような計画を持っているわけであります。それを十年間の年度間にどういう配分をしていくかということは、いろいろな構想が立って参るわけで、経済の成長とどう見合うかということも入って参るわけでございますが、その辺を種々検討いたしました結果、大体第一期五カ年間に四兆九千億のうちの二兆一千億程度は何とかこなせるだろう、かような結論に相なりまして、二兆一千億の予算構成をとったような次第であります。
○武藤委員 従来の三十三年から三十七年までの五カ年計画の推進状況を調べてみましても、非常に進捗率が低いのです。はなはだしいのに至っては一一・九%あるいは二九%、多いのでも五七%、五〇%というのが大体であります。本来ならば、あと二カ年を残しておりますから、七〇から八〇%の進捗率を示さなければならぬわけであります。そういう点からいっても、今までの計画ですら遂行率が非常に低いということを見ると、二兆一千億円という膨大な計画は、おそらく工事の能力あるいは事業者数、それの能力というような点からいっても非常に難点があるのではないか、そういう点、非常に無理な計画が今度の二兆一千億円の計画のような気がするわけでありますが、そういう点は自信がありますか。
○大久保政府委員 ただいまお示しがございました一般道路の五二%の進捗率というのは、第一次五カ年計画の中の三十三年から三十五年までの三カ年間の進捗率でございますから、三カ年間に五〇%をちょっと越えておりますから、まずまず進捗率といたしましてはかなりの進み方をしておるのじゃないか、かようなことも考えられるわけであります。しかしながら、御指摘の、この膨大な計画を遂行するにあたっての人的な準備は十分であるか、あるいはその他の準備は十分これを完遂できるかどうかということにつきましては、これは、私どもといたしましても、御指摘のように、今後十分注意をしてこの計画の完遂をはからなくちゃならぬところであろうと考える次第でございまして、建設省当局に対しましてもこの点は十分申し入れをいたしておりますが、今後における工事の機械化でありますとか、あるいはこれが要員の十分なる獲得によりまして、この計画は必ず遂行するということを断言いたしておりますので、ぜひともこの予算に構成せられました計画を実施いたしたい、かように存じておる次第であります。
○武藤委員 ガソリン税の引き上げの問題については、さらにこまかい検討も必要でございますし、政務次官では満足な答弁を得られない点もありますので、後刻大蔵大臣の出席の席上で、物価値上げとの関連、減税や国民負担の軽減という立場から、私はこの問題をさらにこまかく質問をいたしたいと思いますので、きょうのところはこの程度にしておきます。
○広瀬(秀)委員 関連で若干質問をいたしたいと思います。 昭和三十三年から今日までのガソリン税の値上げの趨勢を見てみますと、このわずかの間に販売価格の中に占める税額が倍以上になっておる。このような非常に短期間に税金の上げられたものは、ほかに類例がないと思うのですが、その点いかがですか。
○村山政府委員 お話のように、この最近の期間における増徴率といたしましてはガソリン税が最も高い、他に例はなかろう、かように考えております。
○広瀬(秀)委員 これは明確に出ている数字でありますから、その通りだろうと思いますが、結局ガソリン税の最終の負担は消費者大衆にかかることになるわけであります。その負担割合は非常に低いということを、いろいろ数字をあげられたわけですけれども、しかし、今日の情勢というのは、経済企画庁長官が物価ストップの方針を強硬に出した、こういう措置を今とって水をかけていますけれども、しかし、依然として物価値上げのムードというものは存在しておると思います。名古屋での談話におきましても、やむを得ないと思われるものは上げるということを、ストップをかけて強硬な方針でやっていると言いながら、すぐ言っている。これは、こういうような時期において非常に問題だと思います。特にいわゆる運費値上げ等に響かないと思うということなんですが、この前五千三百円上げたときに、トラックだけしか、運賃はほんのわずか、その他の事情も勘案して上がったにすぎなかった、こういう説明があったわけでありますが、運賃値上げというものをこの前もわれわれはがまんしたのだと、業者側に言わせるとおそらくそう言ってくるだろうと思う。収益率は上がっていると主税局長はおっしゃられるわけですけれども、収益率というようなことも、現在東京都を走っているハイヤーの運転手の給料は悪い。あのようなめちゃくちゃな長時間労働をやらせ、一日の走行キロは三百六十キロを今も下がらない。これは当時大問題になりまして、非常に労働強化じゃないか、それで適正な標準走行キロというようなものをきめようということになったが、やはりオーバーしている。そしてものすごい長時間労働でやっている。こういうことから見れば、八時間労働——あるいは特別なああいう断続勤務的な要素もありますから、かりに十時間勤務として引き直してみましても、総体的には非常な低賃金だと思います。こういうようなことを考えますならば、そういう労働者の待遇を改善する、適正な労働時間を設定するというような、労働基準法を犯さない、そして労働基準法に定められたようないろいろな待遇を与えるというようなことを、交通労働者に対して業者が行なう。あのメトロ争議のような争議なんかが起こる要素は至るところにある。今交通労働者特に運輸労働者は労働強化が激しいことは、トラック業者でもバス業者でもあるいはハイヤー業者でも、みな共通のことであります。そういうようなところにしわ寄せしながらきているのじゃないか、こういうようなこともあわせて考えますと、その点非常に楽観に過ぎはせぬか。そういう形で、労働者の方からも爆発的に立ち上がってくるというようなことがあり、また業者側としては、この前もわれわれはがまんしたんだ、企業努力によって、血みどろの努力によって、値上げをがまんしたんだ、今度こそは承知せぬぞ、こういうような爆発的な立場で値上げ要求が熾烈なものになり、押えても押え切れぬという事態がくるのじゃないかと思います。そういうことについてあまりにも楽観的過ぎはしないかと思いますが、それらの点について、いかがお考えでしょう。
○村山政府委員 先ほど申し上げましたように、今度の増税分の運賃に対する比率は、揮発油税の場合一・六%、それから軽油引取税の場合〇・八%程度でございます。これが、今度の増税によりまして、はたして運賃の値上げに響くかどうか。過去の事例等をあげまして、われわれの見通しとしては、引き上げにならないか、上がるとしてもごくわずかであろうという見通しを申し上げたわけですが、結局今日の日本の経済成長に伴う輸送の増加、この必要があればこそ、また道路整備の声がやかましいわけでございまして、今度新たにまたこの計画によって道路が整備されるといたしますと、いよいよもってその方面の輸送が円滑にいく。この面からくるコスト・ダウンも考えられますし、原油の価格並びに運賃、海上運賃は低下傾向にございます。この辺考えてみますと、広瀬先生のおっしゃるほどの心配はないのじゃないか。それから、収益率を考えてみましても、運輸業者の収益率は一般産業の収益率よりはよろしゅうございます。なお、現在トラック運賃は公定の運賃を割るような形で——これは競争のせいでしょうが、割るような形で現に行なわれておるというような点もあわせて考えますと、おっしゃるような爆発的な運賃値上がりがきて、それが大きく物価に響くというようなことはないのじゃなかろうか、かような考えを持ておるわけであります。
○広瀬(秀)委員 その点非常に楽観されているわけですが、私が質問した、特に収益率がいいということが、非常に労働者を犠牲にしながらやっておるというような面が、特に交通運輸関係の事業には目立つわけでありまして、そういうような面もやはり考えていただかないと、判断を間違うのじゃないかということを警告しておきたいと思うわけであります。 そこで、別な質問に移りたいと思いますが、今日日本の道路の舗装率というものは世界一低いわけで、口の悪いやつが、日本には道路はほとんどない、道路予定地ばかりだということを言うたそうでありますが、そういうような状態で、おそらく国道の舗装率でも一〇%をこえる程度じゃないか、おそらくまだ二〇%までに至っていないのじゃないか、こういうように思うわけであります。それで、舗装道路を走る場合と、それから砂利道を走る場合では、大型バス、トラックのたぐいは一キロ当たり二十三、四円の差がある。また小型乗用車等の場合には十七円ぐらい、いろいろこれは耐用年数が非常に縮まるとか、あるいはガソリンをよけい食うとか、あるいは自動車がこわれる率が高いとか、そういうようなことで、走行一キロ当たりについてそれだけの損失があるというようなことが、これは道路の専門家が調査をした統計を、二、三年前に私道路問題を調べたことがあって、そういう数字を記憶しているのですけれども、そういうような状況であるわけです。それで、先ほど主税局長もお話しされましたけれども、販売価格の中で占めるガソリン税の割合というものは、日本は引き上げ前は五四%程度であった。諸外国に比べてもまあまあだし、むしろその点では低い、国民所得に対する比率においても大体とんとんじゃないか、こういうことを言われているわけですが、日本の業者というのは、そういう非常に悪い道を今日走っておって、そういう面での損失というものは非常に大きいわけであります。それで、完全な舗装道路の上を走っているような場合には、企業の担税力というようなものも、これは高くてもいいと思います。若干高くても、これは企業として労働者を十分に規定の時間で働かして、しかもそれほど酷使しないで、適正な賃金を与えるというような経営も成り立つかと思いますが、ガソリン税をほか並みにしていって、そういう道を走らしている。そういうことでも経営の圧迫というようなものがある。収益率が高い高いとおっしゃっていますけれども、それにはやはり人件費等の極度の節約というようなものが見られるわけでありますから、そういうようなことで、道路をこれからよくしようという場合に、すでにもうでき上がった非常にりっぱな道路の上を走っている、そういう国々と同じような税率まで持っていく、あるいはそれをこすというようなことで済まされるものかどうか、そういう単純な考えでそういう実情を考えることが許されるものかどうか、こういう点については、もっと考えなければならなかったのじゃないか、こう思うのですが、そんな点をどう思いますか。
○村山政府委員 まさしく、現在の日本の道路の改良状態あるいは舗装状態というものは、他国に比べては低いであろうと思うわけであります。それであればこそ、道路整備というものが計画されているというふうに理解するわけですが、三十六年三月末現在で一級国道の舗装率は四九・六%でございます。今度の五カ年計画の目標が、五カ年後の到達目標を九五%に置いておるというのは、その辺にあるわけであります。ただ、そういたしますと、むしろコストの関係は逆でございまして、やはり自動車の耐用年数を税法上幾らにきめるかということとは関係なく、実際その使用に耐える効用持続年数は、道路が改良されあるいは舗装されれば、それだけ効用持続年数は伸びるわけであります。実際の償却費はそれだけ少なくて済む、あるいは修繕費もそれだけ少なくなってくる、こういったことで収益率のアップをもたらしてくるのではないか。その点は、むしろ今の道路の状況が悪いからこそ、道路整備計画をやる。それはやがてはそういうコストの面を通じて運輸業者の利益に結びつく問題であり、またそれによって一般の輸送量がふえるということも考えられますので、収入の面からも、輸送業者には将来はよくなる要素であろう、かように考えておるわけであります。
○広瀬(秀)委員 私の意図したのと反対のことを言われたわけでありますが、だからこそ、そういう現に舗装率が非常に低い、非常に不利な条件の中で営業をやっているのです。そういうものの負担になり、また不便を忍んでおる大衆の負担になるようなこのガソリン税は目的税だ、やがてそれは報いられるであろうということではなしに、やはり国家で、これはあと先の関係になるかもしれませんが、一般財源を——やはりドイツのアウトバーンをヒトラーが作ったというあの時代にも、あれだけの短期間において、あれだけのすばらしいものを作ったのでありますから、おそらくこれはガソリン税の増徴だけで九割以上も財源を求めるなどということはされなかったはずだと思います。これは一般財源をやはり集中的に、傾斜的に投入をして、短期間にあれだけの大仕事をやられたと思います。やはり国家資本、一般財源というものを投入して、そうしてりっぱなものを作って、それからほんとうに企業に担税力が完全に出てくるというときにガソリン税を上げるというなら、話はわかりますけれども、今そういう状態にあって非常に不便をし、大へん損失をしておる業者あるいは消費者というものに、お前たちは将来これさえ作ればよくなるのだからということで、今のうちに税金を取り上げるということは、非常に前後しておる政策じゃないか、かように考えるわけです。二兆一千億のうち八百五十九億、四・〇八%、まさに十分の一にもならないわけです。そういうようなやり方というものは、やはり何といっても国民が喜んで納得できるところとはならない。このことだけははっきりしておると思います。そういう点いかがお考えですか。前後しているのじゃないかと私は思うのです。
○村山政府委員 直接のお答えになるかどうかわかりませんが、最近におきましてずっと各国の事情を見てみますと、やはり道路財源としてのガソリン税というものは大きく着目されまして、いずれもここに大きな財源を求めておるのであります。年次はちょっと古くなりますけれども、米国は一九五七年から八年度のあれでございますが、道路支出額が約十六億ドルでございますが、これに対してガソリン税の収入は十九億ドル、つまり道路支出額をこえておる。一・三倍でございます。英国は、六千五百万ポンドの道路支出に対して三億四千万ポンド、五・一倍のガソリン税をあげておる。道路支出の五倍でございます。フランスは、一九五四年の数字でございますが、道路支出が二千二百三十八億フランに対しまして、約二倍の揮発油税収入。西独は道路支出が二億九千万マルクでありますが、これに対して揮発油税収入が九億七千万マルク、三・二倍でございます。同じく五八年でございますが、日本の場合は八二%ぐらいになっております。今度の計画で見ますと、特定財源で六二・五%という構成比になっております。この辺を考えてみますと、それは御議論はありましょうが、ガソリン税という、成長産業といいますか、新しい実施に対して道路財源としてどこの国でも多くを求めておる、あるいはその余力をもって一般財源に回しておるというのが、目下のところ世界的の大勢ではなかろうか、かように考えております。
○広瀬(秀)委員 そのような数字はやはり受け取れないのでありまして、かつてやはり、今おあげになったような国々においては、一般財源を相当強力に投入をして、現在の基幹道路といいますか、そういうようなもの等についてはほとんど改修が終わって、りっぱなものになっている。そういうようなことで、あとはそれぞれの人口なりあるいは面積なりというようなものに応じて、やはり非常に少ない道路支出になっておると思います。だから、そういうような時代があったからこそ、今そういうガソリン税を取っても国民には苦情が出ないのだ、こういうことだと思う。これは、やはり先ほど申し上げたように、前後するだろうという証明を今あなたがなされたと思うのです。きょうは関連質問でありますからこの程度でやめますけれども、一般財源をもっともっと充実させていくという点をやはり考慮に入れていただかないと、これは大きな反撃を受けて大きな狂いを生ずるし、道路計画そのものも今言ったように成らないだろう、こういうことをおそれるので、一つ最後にそれらの問題についての政務次官の御答弁をいただいて、きょうはやめたいと思います。
○大久保政府委員 道路の整備拡充ということは、目下のところ非常な大きな経済成長の上における一つのネックでもございます。そこで、これが拡充整備の完遂をいたしますことはきわめて重要でございますから、これに対しましてあらゆる必要な財源を調達するということは、きわめて重大でございます。そこで、私どもといたしましては、その道路に最も関係の深いガソリンにこれを求めまして、しかもそれがきわめて成長し得る一つの財源でございますので、これに求めていっておりますけれども、先ほども武藤さんの御質問にお答えいたしましたように、一般財源におきましても、許し得る限度におきましてこれを投入いたしたいと存じまして、今回も若干の繰り入れの増が行なわれておりますことは、先ほど申し上げました通りであります。それで、私どもといたしましては、国家の財政の状況に照らしまして、このガソリン税並びに一般財源というものを見合いまして、しかしながら、その主たる面はどうしましても私はやはりこのガソリン税に求めつつ、これが整備をはかっていく以外には方法はないのじゃないか、かように考えておりますので、御質問のまた御提案の御趣旨は十分今後考慮いたしまして、一般財源の配当につきましてはこれを検討していきたいと考えておる次第でございます。
○足立委員長 次回は来たる二十二日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十三分散会 ————◇—————