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38回国会衆議院1961/03/09

大蔵委員会 第12号

発言数
80
登壇者
11
会派数
2
開催日
1961/03/09

会議録

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 これより会議を開きます。  参考人出席要求の件についてお諮りいたします。  関税定率法の一部を改正する法律案外二関税関係改正法律案及びその他税制に関する諸問題について、それぞれ参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、参考人の人選並びに出席の日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 租税特別措置法の一部を改正する法律案、昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた国家公務員共済組合法等の規定に上る年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び会計法の一部を改正する法律案の三法律案を一括して議題といたします。     —————————————

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。大蔵政務次官大久保武雄君。

大久保武雄自由民主党大蔵政務次官

○大久保政府委員 ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案外二法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。  まず、租税特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  政府は、昭和三十六年度税制改正の一環として、すでに租税特別措置法の一部を改正する法律案を提出して御審議を願っているのでございますが、その後鉱工業技術研究組合法、低開発地域工業開発促進法その他の法案が国会に提案されることとなったことなどに伴い、必要な税制上の特別措置を講ずるため、重ねて租税特別措置法の一部を改正する法律案を提出することといたした次第でございます。  改正案の概要の第一は、試験研究の助長をはかるための特別措置であります。科学技術振興の重要性に顧み、試験研究の助長をはかるために、すでに税制上各種の措置が講ぜられているのでありますが、さらに、鉱工業技術研究組合法案の提案に伴い、同法に基づいて設立される鉱工業技術研究組合がその試験研究用の機械設備等の取得に充てるため組合員が組合に対して納付する費用については、最初の一年間でその七〇%、三年間でその全額を償却する特別償却の方法を認めるとともに、鉱工業技術研究組合が組合員から受け入れた賦課金で取得した試験研究用固定資産については、その取得価額を減額していわゆる圧縮記帳を行なうことによりその賦課金の受け入れにより利益を生じさせないことができるよう措置することといたしております。  第二は、産業助成のための特別措置であります。  この点については、まず企業基盤を強化するため特定産業の合併を促進する政策上の要請に従って合併が行なわれる場合などに課税の特例を認めることといたしております。すなわち、機械工業振興臨時措置法に規定する特定する特定の機械工業を営む法人、農業協同組合合併助成法もしくは漁業協同組合整備促進法に基づき合併を行なう農業協同組合もしくは漁業協同組合または中央卸売市場において卸売業を営む法人が一定の要件に従って合併を行なった場合には、その合併により生ずる清算所得に対する法人税の課税を軽減し、特定機械工業を営む法人が事業の共同化のために機械工業振興臨時措置法の要件に従って現物出資した場合には、その出資により取得する株式について圧縮記帳を認め、さらに農業協同組合及び漁業協同組合が一定の要件に従って合併を行なうときは、被合併法人の欠損金を引き継ぐことを認めることとしております。  次に、特定産業の合理化と工場の地方分散等のために工場用地の買いかえを行なう場合に、課税の特例を認めることといたしております。すなわち、特定機械工業を営む個人または法人が、その生産方式の改善等のため一定の要件に従って工場を移転する場合、及び中小企業者が事業場の集団化のため一定の要件に従って一団地の工場用地に工場を移転する場合に生ずる譲渡所得について、一定の要件のもとで、その買いかえた工場用地の取得価額を圧縮記帳するなどの方法で、課税の特例を認める措置を講ずることといたしております。  さらに、硫安工業の合理化に資するため硫安製造業者の繰り越し欠損の処理について特例を認めることといたしております。すなわち、硫安工業の合理化対策の一環として、硫安製造業者が日本硫安輸出株式会社に対して有する売掛金で、本年七月三十一日までに生じたもののうち、日本硫安輸出株式会社の欠損に見合うものを法人の所得の計算上損金に算入するとともに、これに伴う損失については十年間の欠損金の繰り越し控除ができるなどの特例を設けることといたしております。  第三は、低開発地域等の工業開発等の促進をはかるための特例措置であります。わが国経済の急速な発展に伴い、地域別の所得格差を是正するため、地方における工業開発等を促進することが重要な課題となっておりますが、そのため税制上所要の特別措置を講ずることといたしております。この点については、まず低開発地域工業開発促進法案の国会提出に伴い、同法に基づき低開発地域工業開発地区として指定される地域内で製造業の用に供する設備を新設または増設する場合には、一定の要件のもとで、初年度において機械設備について取得価額の三分の一、工場建物については五分の一相当額を普通償却の別ワクとして償却することを認める特別償却の制度を設けることといたしております。また、地方における工業開発等に資するため、地方公共団体もしくは日本住宅公団の行なう工場用団地等の造成のため土地が買収されたことに伴って代替地等を買いかえた場合、または首都圏整備に関する法令によって東京都の区部等の既成市街地内において作業場の新増築等が制限されているため土地等を譲渡し、他の市街地開発区域、低開発地域、工業開発地区等の地区において土地等を取得する場合には、圧縮記帳の方法により譲渡所得の課税の特例を設けることといたしております。  第四は、海外移住者に対する譲渡所得等の課税の特例であります。わが国から海外に移住する者の実情を考慮するとともに、移住振興の見地から、国の行政機関が作成した計画に基づいて海外に移住する者が移住に際して資産を処分した場合の譲渡所得等の課税について特例を設けることとし、その譲渡所得の金額から百万円の特別控除を行なった後の金額の二分の一相当額を譲渡所得の金額と見ることなどの措置を講ずることといたしております。この結果、一般の譲渡所得の課税の例により、その金額からさらに十五万円を控除した後の金額の二分の一が課税の対象となることとなるのであります。  以上、租税特別措置法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその概要を申し上げましたが、何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。  次に、昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた国家公務員共済組合法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について申し上げます。  この法律案は、国家公務員共済組合法等の規定により現に支給されております年金を、このたび別途本国会に提案いたしました恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じて、改定いたそうとするものであります。すなわち、恩給法の改正におきましては、(一)旧軍人軍属の戦務加算等の算入、(二)旧日本医療団職員期間及び外国政府職員期間の算入、(三)旧準軍人遺族についての特例扶助料の給与条件の緩和、(四)公務傷病恩給の額の改正、(五)昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた恩給の額の改定等の措置がとられることとなったのでありますが、これらの措置のうち、第四及び第五の措置は、旧共済組合法及び旧勅令に基づく共済組合の既裁定年金に関係いたしますので、この法律案において所要の措置をとることといたしたのであります。なお、第三の措置は、共済組合の長期給付制度とは関係がありませんが、第一及び第二の措置は、旧恩給公務員で現在共済組合員になっている者の年金計算に関係いたしますので、国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法の一部改正として措置することといたしたい所存でございます。  次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。まず第一に、昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた年金につきましては、その額を、同年六月三十日以前に給与事由の生じた恩給等の年額の改定措置に準じて改定いたすこととしております。第二に、昭和二十三年七月一日以後、新給与制度による俸給の再計算が実施されました同年十二月一日までの間に退職した者については、同年六月三十日に退職したと仮定した場合に受け得る年金の額に改定し得る道を講ずることといたしております。第三に、公務に基づく傷病を給付事由とする年金につきましては、恩給法における増加恩給の引き上げ措置に準じて従前の最低保障額を引き上げることとしております。第四に、以上の年金額改定のほか、若年者に対する増額分の支給停止その他につきまして所要の措置を講ずることとしております。  最後に、会計法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と概要を御説明申し上げます。  本法律案は、国の行なう売買、貸借、請負その他の契約の制度につきまして改正を行なおうとするものであります。現在、国の契約制度は、会計法及びこれに基づく予算、決算及び会計令で規律し運用されておりますが、この制度は大正十年制定にかかる旧会計法の内容を大体そのまま受け継いだものでありますので、その後の事情に照らし再検討する必要があったのであります。そこで、昨年以来財政制度審議会において御討議を願って参ったのでありますが、このほど政府においても結論を得るに至りましたので、ここに会計法の一部を改正して国の行なう売買、貸借、請負その他の契約についての制度を整備し、その運営の円滑化をはかることにいたしたいと考え、この法律案を提出いたしました次第であります。  次に、本法律案の概要について御説明申し上げます。  まず第一に、現行の会計法は、一般競争を原則とし、指名競争及び随意契約を例外としておりますが、一般競争の行なわれているのはきわめて少ない実情にあります。しかし、一般競争の方式は、国の契約方式として確保すべき公正及び機会均等の面からもすぐれた制度であり、各国もこれを原則的方式と認めている例が多いという実情にあります。従いまして、本法律案におきましては、契約の性質または目的により一般競争に付する必要がない場合及び一般競争に付することが不利と認められる場合において指名競争に付し、契約の性質または目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合においては、随意契約によるものとし、それ以外の場合は一般競争によることといたしておりますが、予定価格が少額である場合等においては、指名競争または随意契約によることができることにいたしております。  第二に、競争契約の場合における落札方式は、歳入原因契約にあっては最低の、歳出原因契約にあっては最低の入札者を落札者とすることを原則といたしますが、歳出原因契約のうち特別なものについては、入札価格が著しく低いことにより契約の適正な履行がされないおそれがあると認められるとき、またはその者と契約を締結することが公正な取引の秩序を乱すこととなるおそれがあって著しく不適当であると認められるときは、所定の手続のもとに次順位の入札者を契約の相手方とすることができる道を開くことにいたしております。  第三に、契約の適正な履行を確保するため監督及び検査について必要な規定を設け、監督及び検査の民間委託に関しても規定を明確にし、また契約の目的物について相当期間の保証がある場合においては監督または検査を一部省略することができることにいたしております。なお、この改正に伴いまして、監督員、検査員の任命についての規定を整備するとともに、その責任の明確化をはかることにいたしております。  第四に、契約書の作成、入札保証金、契約保証金等の事項につきましては、従来学説、判例等において議論がありましたが、この機会に規定の明確化をはかることにいたしております。  第五に、電気、ガスもしくは水の供給または電話の役務提供のごとき長期継続契約につきましては、手続の簡素化をはかることにいたしております。  第六に、契約事務を担当する者につきましての任命の規定を整備いたしますとともに、その責任の明確化をはかることといたしております。  以上が租別特別措置法の一部を改正する法律案外二法律案についての提案の理由及びその概要であります。何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようにお願い申し上げます。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。  各案に対する質疑は次会に譲ります。      ————◇—————

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 国民金融公庫法の一部を改正する法律案、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、通行税法の一部を改正する法律案及び有価証券取引税法の一部を改正する法律案の四案を一括して議題といたします。  質疑の通告があります。これを許します。佐藤觀次郎君。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 国民公庫の総裁にお尋ねいたしますが、戦後国民公庫が、各支所も非常に伸びて、貸し出しの方も、私たちが大蔵委員をやった最初のころと違いまして、非常に順調にいっておりますが、支所を将来どれくらいお作りになる予定であるか、まずそれからお尋ねいたしたい。

中村建城国民金融公庫総裁

○中村説明員 御承知の通り最近の数年間、一カ年に四カ所くらい増設が認められまして、現在八十四カ所ございます。三十六年度四カ所認められまして、ただいま御審議中でございます。将来といたしまして、ただいまのところは各府県で一カ所のところが多いのでございますが、二カ所、大都市は別といたしまして、例外的に三カ所ございます。そうしますと、大きい県で、一カ所では不便で、どうしてももう一カ所設けなければならぬというところが相当ございます。しかも希望もきております。私どもは、もうしばらくふやしていただきまして、大体百カ所程度までいけば普及するのじゃないかというふうに考えております。ただ、一年間に多数の支所を建設することは、人事その他でなかなか応じられませんので、大体一年四カ所くらいずつ、ここ数年間ふやしていただければ、御不便をおかけしない程度にいくんじゃないかと思います。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 今総裁から人事その他で四カ所くらいだという話でございますが、どういうような理由があるんですか。私は予算があれば幾らでもできると思うのですが、その点はどうですか。

中村建城国民金融公庫総裁

○中村説明員 やはり、支所長、次長あるいは課長は相当経験を経た者を置かないと、外からお願いしてもなかなかいい人が来てくれませんので、やはり自分の方で培養した者を逐次上げていくようにすれば、大体一年四カ所は大過なくやれると思いますが、あまり多くなりますと、かえっていい人を得られないために、御迷惑をかけるようでは困る、こういうことでございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 現在申し込みと貸し出し金額の割合はどんなようになっておるのか。大体十年ぐらい前は申し込みの三割ぐらいであったが、最近は非常によくなってきております。全体にはどのくらいの比率になっておりますか。その点をお伺いしておきたいと存じます。

中村建城国民金融公庫総裁

○中村説明員 件数と金額が違いますが、件数の方は最近は八〇%をこえております。百人申し込めば八十人から八十二、三人満足しておる。金額の方は、いろいろな理由がございまして、まだ五三%でございます。申し込みがありますと、半分ではありませんが、やはり相当応じられないというのが現状でございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 それから、資金が返ってこない不良のパーセンテージはどのくらいだか、一つ説明していただきたい。

中村建城国民金融公庫総裁

○中村説明員 これは普通貸付でございますね。普通貸付につきましては、延滞といいますか、期限に一日でもおくれるものというと三%以上ございます。しかしながら取れないというのはほとんどございません。現在やっておりますのは、最終期限の経過後六カ月たったもの、これは比較的延滞の度がきついものでございますが、これが二%弱でありますから、まずこの種の金融機関としては回収成績はよいものと考えております。ただし、例の更生資金でございますが、これはいろいろな事情がございまして、現在実態調査をしておりますが、これは七〇%近くが延滞になっておりまして、そのうち最終的にも取れないと思われるものが相当あるように考えております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 石野銀行局長がおられないから、大月さんにお伺いするのですが、私は民間に直接関係のある国会議員として非常に感じますことは、今総裁に聞きますと、大体五〇%余り、半分の希望者に満たしておられると言われるのですが、これと関連した中小企業金庫に対しましては、民間の中小というようなものはほとんど利用されてない。今度森永君が総裁になって非常にお気の毒でありますけれども、私は中小企業金融公庫はやめてしまった方がいい。あの膨大なる資金がほとんど銀行との預託の関係で銀行の方にいっている関係上、実際民間には国民公庫のように徹底しない。国民公庫は、支所が直接いっておるから、比較的公平に貸し出しが行なわれておりますけれども、中小公庫は、半分ぐらいたしか銀行の預託になっている関係上、この点で非常に工合が悪い。銀行の取引のあるものだけに金を貸して、一般の必要な人に金を貸していないような現状でありますが、こういう点についてはどういうようにお考えになっておりますか。これは銀行局長に伺いたいのだが、大月さんがここに来ておられるから、大月さんにお伺いしたい。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 国民公庫の組織といたしまして、たくさんの支所を持ちまして、そのほかに代理所を使いまして金融をいたしております。それに対しまして中小公庫の方は比較的支所が少ない。代理所を中心にやっておるという点が運用の大きな違いであろうと思います。これは歴史的な事情もございまして、中小公庫がもとの特別会計から発展いたしまして、その特別会計は全部一般の金融機関を代理店といたしまして運用しておったという歴史があるわけでございます。しかし、ただいま御質問のございましたように、みずから金融をするというところを拠点といたしまして、やはり代理所の監督、指導もやるし、またみずから貸すことによってどういう現象が起きるか、代理所を牽制するという問題もございますので、最近におきましては、それぞれの年度におきまして、昨年も支所及び出張所を設けまして、本年の予算におきましても支所及び出張所を若干増設いたしまして、直接金融もやる、こういう方向になっておりまして、仰せのような弊害も逐次是正していきたい、こういうように努力いたしております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 民間の銀行屋というのは、商売の取引があって、国家資金をそういうような銀行の直接関係のある人に委託して貸してやっている。これは本来からいえば非常に弊害があるし、それは今あなたが言われるように歴史的な過程もあるので、一がいにはそうはいかぬけれども、私は、本質的には中小公庫も国民公庫と同じように支所を中心としてやる。これは要するに三千万円ぐらい貸す場合もあるそうですから、そういう点でこれは徹底してやるべきじゃないか、私はそういうふうに考えております。そうしないと、結局国民公庫の方は三十万とか五十万とかいって、零細とまでは言わぬが、とにかくこれによって更生するような例がたくさんあるわけです。ところが、実際の場合、中小公庫の実績というものは微々たるものだと私は考えております。これは、私たちは国会議員に十年以上も出ておりまして、国民公庫や中小公庫に対していろいろお世話なり、またいろいろごあっせんをしておりますけれども、中小公庫はほとんど実際の用をなしておりません。私は名古屋市でありませんけれども、名古屋市の近くに選挙区を持っておりますが、実際の場合にこれが非常に不公平な状態が続けられておるという関係で、一体今の中小公庫は徹底的に一つ支所を中心にして国家資金を国民公庫と同じように流す意思はないかどうか、この点を一つ大月さんからお伺いしたいと思います。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 ただいま申し上げましたような段階にあるわけでございまして、逐次中小公庫の支所もふやしていく必要はあると思っております。ただ、先ほど国民公庫の総裁のお言葉もありましたように、人的な関係もあり、すぐに機構を急激にふくらますわけにも参らないと思います。予算的にも直接貸しのワクと間接貸しのワクを作っております。これも逐次ふやしておりますが、運用の実態を見まして、どの辺のところまで支所を作っていったらいいかということは、中小公庫としても検討いたしておるわけでございます。必ず全部に支所を配置することがいいのかどうか、全国くまなく店舗が必要だとは思いますが、これもほどほど、かね合いの問題だと思っておりますので、御趣旨をよく体しまして十分検討してみたいと思っております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 石野局長がおられませんから、あまり突っ込んだことは言いませんけれども、少なくとも、私は、中小公庫の資金も国民公庫の資金も、現在のワクをもっとふやしてもらいたいのだけれども、ふやさないことが現状ならば、やはり国民公庫の方に中小公庫の金をもっと回した方が、中小商工業者のために非常に利益になると私は実際見ておるわけであります。こういう点について、これは大月さんをそう責めてもしようがありませんけれども、どうもそういう点で手抜かりがあるのではないかと考えておりますが、今銀行局にはそういう考えがあるのかないのかということを、もう一言お伺いしたいと思います。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 ただいまのお話の問題は、国民公庫と中小公庫の性格の違いをどこで線を引くかという問題だと思います。ただ、運用の点あるいは機構の点について差異があるので、一方の資金をよそに移す、こういう問題ではなくして、国民公庫にどれだけの機能を期待するか、中小公庫としてどれだけの特長を持っておるかという問題だと思います。国民公庫は、やはり何と申しましても零細な金融、平均いたしましてもせいぜい十万円前後というようなものでございます。中小公庫になりますと二百六、七十万見当が平均でございまして、やはり最近の所得の伸び、経済の拡大というようなことを考えますと、むしろ中小のうちの中規模の企業についての金融が重要になってくるという問題もございますので、やはり零細な金融にも重点を置くし、中小のうちのいわゆる中にも十分関心を払っていくということで、予算措置におきましても常に両方の間のバランスを失しないように考えておりまして、必ずしも、国民公庫の規模を大きくして中小公庫の規模を小さくする、こういうようなことに割り切るべきでないと思っております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 まあ意見の相違ですし、大月さんをそう責めても、あなたが大蔵大臣ではないのだから、これ以上言いません。  それから、国民公庫の総裁にもう二点ばかりお伺いしますが、国民公庫のことは、僕らも直接支所にも行っておるし、いろいろな関係で御厄介になっておるのですが、これは仕事の性質上、たとえば銀行とか政府機関でいえば開銀などと同じような仕事をやっておるわけですから、これの職員の待遇が非常に不公平になっては困ると思うのです。ここ数年来いろいろ問題がありますけれども、そういう点について、やはりこういう銀行と同じような業務をやっておられるような立場の人に対しては、もっとめんどうを見てやるべきじゃないかと私たちは考えておるわけです。今度の給与ベース引き上げの問題についても、総裁はいろいろ苦労されたようでありますが、そういう点についてももっと親心があっていいように考えるのでありますけれども、そういう給与ベースの問題について総裁としてはどういうような御意見を持っておられますか。この点を一つ伺っておきたいと思います。

中村建城国民金融公庫総裁

○中村説明員 国民金融公庫の職員の給与は、御承知の通り昭和二十七年の半ばぐらいまでは公務員と同じであったのでありますが、どうも公務員の給与が低いものですから、それより高くしなければならぬというので、たしか二十七年六月から相当給与が改善いたされまして、公務員とかけ離れたわけであります。その後は、公務員のベース・アップに従って、大体同じぐらい増していただいておりますので、従ってそのときの差が自然に開いたままきております。そこで、私どもは公務員より高いのですが、最近も、昨年の十月、一二・四の賃上げを認められましたので、それだけ公務員と差が開いております。これも市中と比べますとなかなかめんどうなのでありますが、初任給におきましては、大体今度の引き上げによって、市中の相当いい銀行と同じになっております。あるいはまた上の方は市中とどう違うかということがいろいろございまして、単純に比較はできません。ただ、今度のあれは、大学出の初任給が一万六千円、最高給の方は十一、二万円までよいということになりましたので、それならばそう世間に比べて非常に低いというほどでもないというように考えております。ただし、これは民間の方は絶えずいろいろの関係で賃上げが行なわれますから、将来も民間の方の賃上げが行なわれますれば、それに追随をしてと申しますか、何とか改善をさらに続けていきたいという気持は持っております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 総裁は大蔵省出の人ですから、そういう点も大蔵省と話をよくつけてもらいたい。と同時に、これは、私たちは、税務署の職員とか、国民公庫の支店もそうですが、そういう政府との関係の深い、しかも民衆に直接金銭の関係でよく注意されておるような職業の人に対しては、やはり十分に従業員のめんどうを見てやるような考えがないと困ると思うのです。そうしないと、昔は税務署の官吏というのは非常に権威があったけれども、戦後は、一時は非常に混乱いたしました関係上待遇が悪くなった関係で、税務署の中に一部悪い人があって、非常に信用を落としておる。やはり昔から衣食足って礼節を知るということがありますので、どうか、上の方はそうたくさん上げなくてもいいけれども、少なくとも、直接民間の調査に行ったり、あるいは零細な人に対して三十万、五十万と貸すような仕事をやっておられる方に対しては、私は特別に待遇をして差し上げるべきだというような考えを持っております。これはだれでもそうでありますけれども、特に国民公庫の職員とか、あるいは税務署の署員に対しては、あなたも総裁である以上は特別にめんどうを見ていただきたいということを、一言お願いをしておきます。  もう一つ、今度理事が二人ふえることになっておる法令が出ておりますが、前にはやはり理事は国民公庫出身の人を一人理事にして、もう一人はどこから来られるか知りませんが、そういうことになって、了解の上でこういう案が出ておるのかどうか、名前は指定しませんけれども、そういう仕組みになっておるかどうかということを、一言お伺いします。

中村建城国民金融公庫総裁

○中村説明員 これはどうもデリケートな問題でございまして、はっきり申し上げられませんが、私の希望的腹づもりでございますが、現在のところ理事、監事の構成が、半数は十年以上公庫事務に従事した者が上がっております。半分は、また違った目から見るという意味におきまして、官庁方面その他から一人、この原則は非常にいいと思いますので、今回も、二人ふえましたならば、一人はやはり長年の経験者から上げてもらいたいと考えております。これは大蔵省の認可事項でございますから、これから大蔵省の方にお話しして御了解を得たい、こういうように考えております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 そういうことを十分に、あなたも、総裁として、あまり大蔵省の役人ばかり入れないように、一つ職場から上がるように、大蔵省の人に悪いけれども、公平の立場からやっていただきたいと思います。同時に、これは国民公庫とか開銀その他住宅公団なんかもそうでありますが、どうしても谷間にあるような形になっておるわけです。どうかそういう点についても十分に一つめんどうを見て——特に国民公庫は最近非常に民衆から親しまれ、またこのごろ非常に迅速にやられる関係上、この数年来非常に進歩したということを、私は名古屋の両支所を通じて感じております。そういう点でぜひ、理事をふやしてもらってもけっこうだけれども、一つそういう点についても円滑な運営ができるように希望して、私の質問を終わります。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 関連して。  最初に、国民金融公庫の出張所の増設のことですが、ただいま四カ所くらい年々ふやすような希望でおる、こういう御説でございます。そのふやす場合の基準でございますが、どんな基準で——たとえば地理的な、県庁所在地と他の大きな都市との距離が離れておるとか、あるいは産業構造が非常に中小零細企業が多い都市があるにもかかわらず、県庁の所在地に遠いとか、いろいろの考慮が必要だと思うのですが、とりあえずそういう出張所を設ける場合の基準というのはどんなものを考えておるか、この点一つ伺いたいと思います。

中村建城国民金融公庫総裁

○中村説明員 ただいま出張所とおっしゃいましたが、支所のことだと思いますが、これは大体大きな県では一カ所をできるだけ二カ所にしたい。これは距離です。その距離は別に何キロというのではありませんが、たとえば例をあげますと、三十五年度島根県におきましては松江という束の端にございまして、西の方にない、非常に不便であるというので、西の方の浜田に置いたのですが、そういう関係で、三十六年度におきましても、そのようなつもりでやっております。ただしどこに置くかということはなかなか地元でも関心がございます。その場合、私どもの方は私どもの方でいろいろ数字をいじくって考えることもございますけれども、これはなかなか数字だけでもいきませんので、主として県の責任者にお聞きしまして、県の責任者の方で県としてどこに置くのが一番いいというところにきめるように、今までいたしております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 自分の県のことで恐縮でございますが、たとえば栃木県などは、宇都宮にはありますけれども、足利、佐野というような比較的中小企業の多いところ、こういうところは、宇部宮まで、金をわずか十万か十五万借りるのに、印を持って公証役場へ行って、何か書類を一つ忘れたというので帰るにもその日には間に合わぬ、こういう不便なところに公庫があるわけです。こういうものはぜひ私は産業構造なども考えて、所得を国民全体に倍増するという大きな見地からも、もっとサービス的な性格を持った国の銀行ですから、私はぜひ足利か佐野方面にできるような運動をということで、そういう要望をしておきたいと思うのです。これは要望ですから、御答弁はけっこうです。  次に、中小企業金融公庫の方の問題で、先ほど佐藤さんからの質問の中で、各銀行が委託業務を受けて代理をしておる。従って銀行取引のある者しかほとんど利用できない。これは確かにその通りです。特に銀行がこれを取り扱いたがらないのは、自己資金を借りてくれというので、銀行の資金を貸してしまう。公庫の手続はなかなか厄介だし、おまけに今の規則で委託銀行が債務保証をしなければならぬ。たとえば八割なら八割を債務保証をしなければならないというようなことになっているために、なかなか銀行は手続をしてくれぬ、こういうような問題があるのですが、そういう点、係官としてどのように現状を把握しておるか。特に私が聞きたいのは、甲乙という二つの様式があるようですが、直接公庫の方へ借りる申込率と代理業務の銀行を通じて申し込む率とのバランスはどんな工合になっておるか、ちょっとパーセンテージでお示し願いたいと思うのです。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 先ほどからお話のございますように、代理店を使って金を貸すか、あるいは直接支所を作って貸すか、これはなかなか利害得失がございまして、問題になっているということは承知いたしておるわけであります。いろいろ調査もし、あるいは行政監察もいたしますが、そういう場合に指摘されますことは、やはり代理所が公庫自体の立場において金を貸すということでなしに、代理所の地位を利用いたしまして、なるべく自分の仕事に都合のいいように使う傾向があります。たとえば自分の得意先に優先して貸すとか、あるいは自分の貸し出しの中であまりよくないのがある、それをむしろまた公庫に振りかえてくるとか、いろいろなことをいわれております。これは初めの間そういうようないろいろな批判がごさいましたので、われわれも十分承知いたしまして、そういう方面の是正に努めておるわけでございまして、公庫当局におかれましても、やはり支所を通じて、あるいは本所直接、そういう現象がないように、始終指導監督を願っておるわけでございます。そういう意味におきまして、現在の段階は、公庫ができましてからもう十年近くなるわけでございますが、大きな弊害はだんだんなくなってきておる。ただ傾向といたしまして、やはり代理所は代理所としての自我を持っておるわけでございますので、とかく乱用なりあるいはいろいろな弊害が起こりがちだということで、われわれも十分戒心して指導して参っておるわけでございます。  今の直接貸しと間接貸しの比率は、他の説明員から御報告いたします。

橋口收大蔵事務官(銀行特別金融課長)

○橋口説明員 手元にございます資料でお答えすることをお許しいただきたいと思いますが、昨年七月から九月までの三カ月間の貸付方式別の申込状況を申し上げますと、代理貸付が二百五十九億円、直接貸付が六十二億円、合計いたしまして三百二十二億円となっております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 今の説明のように、直接貸しが六十二億円で、窓口からが非常に多いわけですが、私が言わんとしておることは、出張所を作れとか支所を作れとかということではなくて、私の今聞かんとしていることは、今代理業務をやっておる普通銀行は、八割の債務保証を仰せつかるために、なかなか書類を作りたがらない。そこで、その八割という保証を五割とか四割とかに減らして、企業状態がある程度希薄でも、もっと新しい機械を入れかえたい、もう一ふんばりやれば自分の企業が前進できるんだがという、そういう企業内におけるボーダーラインというような企業も、中小企業金融公庫の金を借りられるような方策が私は必要だと思う。そうすれば、取り扱い機構は今のままでも、内容の保証という額を減らしてくれれば、私はもっと銀行が気楽に書類を出せると思うのです。めんどうも見られると思うのです。そういう点についてはどう考えますか。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 やはり代理所として貸していただくわけでございますので、審査自体も代理所にまかしてある。そういたしますと、無責任な貸し出しをしておいて、その責任は自分にはなかなかかぶってこない、全部親方日の丸だというような貸し出しをやられることは、やはり金融機関としての健全性に非常に障害があると思うのです。特に政府関係機関は、大事な国民の税金、あるいは資金運用部の郵便貯金、あるいは年金、あるいは簡保、そういうような資金をもって構成されておるわけでございますので、やはり健全性という面を十分考えなくちゃいかぬ。中小企業金融をできるだけ疎通させたい、一方金融機関としての健全性を十分に確保したい、こういうようなところが保証の制度でございまして、われわれといたしましては、やはり保証の制度は必要だ。それから、現実におきましても、この保証があるために金が出ないというような現象はないと心得ております。先ほどからお話がございましたように、充足率が五〇%というようなことでございますと、これは十分代理所の方からも出ておる。それから代理所から貸しておるパーセントも七、八割になっておるわけであります。保証をつけるために中小企業金融が疎通しない、そちらの方の弊害はむしろないんではなかろうかと考えております。ただ、この間の伊勢湾台風のときには、特にその点疎通をさすということで、この保証率を一〇%なり臨時に下げたということはございますけれども、それは、ほかの場合よりも下げることによって、ある程度のインセンティヴがあるということでございまして、全体のレベルを下げるということは、今のところまだ適当ではなかろうと考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 金融機関の健全性という原則論からいけば、できるだけ保証は目一ぱい取って、確実な方法で貸したいという気持はわかります。しかし、借りる人は、担保物件を提供して、確実に万が一に備えての担保は提供するのです。それをさらに銀行が八割の債務保証をしなければならぬという規定がある。私は確実といっても限度があると思うのです。だから、国の銀行が取り扱い銀行に八割も債務保証をさせなくても、担保物件を取ってあるんだから、私はその率をもっと五割なり四割くらいにおろしてやっても、何ら健全性というものを侵害するようなことにはならぬと思う。ただ、八割あっても、銀行の取り扱いは二百五十数億一ぱいあるじゃないか、七割、八割も希望を達せられておるじゃないか、こうおっしゃいますけれども、あなたの方に集計されてくる数字というものは、銀行の窓口でみなシャット・アウトされて、あなたがこうして出しても、だめですよ、むだですと言われて落されている数というものは膨大にあるわけでしょう。そういうものを拾い上げてやる考慮というものが必要だと思うのです。そういう考慮を払うためには、銀行がもっと気楽にあっせんできるような、保証を八割もつけなくて、もっと楽な気持で取り扱えるような考慮というものが必要じゃないかと思うのです。それでもなお健全性という立場からだめなんだということには、今の答弁では納得までいかないのですが……。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 ただいまの担保の問題でございますが、これは担保を提供してある貸し出しにつきましては、仰せのように確実であるということが言えると思います。ただ、代理所といたしまして担保を取るかどうかという判断をする場合に、自分の責任が全然なければ、少々担保に欠缺があっても、あるいは担保をかりに立てなくても、別に腹は痛まない。しかし、自分の方で何十%かの責任を負うということになりますれば、その貸し出しを極力健全にしなくちゃいかぬという努力をするわけでございまして、担保を取るかとらぬかということをきめる一つのまた要素になる。こういう意味におきまして、やはり代理所自体の保証責任というものは必要であろう。  それから、先ほどの保証責任があるために金が出ないということでございますが、現実の姿から申しまして、充足率が五〇何%であるというのは、決して代理所が貸したがらないために、需要者がなくて貸せないということでなくして、需要はやはりオーバーしておるわけでございますが、それが資金量の関係で充足されておらない、こういうことでございまして、現実の姿として、どっちの要素が多いのか、需要が超過なのか、あるいは窓口がやかましくて借り手がないのかといいますと、やはり需要超過の現象がある、現実の姿はさようであるというふうに御承知願いたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 需要は超過しているから、足りなくて貸せないというけれども、現実はそうじゃない。現実は、たとえば五十人なら五十人の業者がわっと申し込みをする。ところが、銀行は、確実に取れる、絶対心配のないと思われる程度の高い事業内容の人に貸し付けていく。従って、この仕事は重要だ、国家的にもいい仕事だと思われても、今言ったように、従来からの取引量が多かったり、信用度の高いものが、資金量が少ないから、どうしても優先的に借りてしまう。いつになっても、中小企業者は、近代化しようとしても、設備がえをしようとしても、一段上に飛び上がれない。もちろん資金量が少ないということも一つの原因であるけれども、今の取り扱いの仕方にもそういう大きな欠陥があると思う。従ってそういう点をさらに考慮しなければならぬと思う。  今の答弁の中で、あなたは、八割なら八割の保証というものをしておけば、担保を十分取るという考慮を受託者はとるだろう、そうおっしゃいますけれども、無担保で中小金融公庫は貸しておらない。業務方法書には担保を取るということがきまっている。従って、原則として担保は取るのだから、それをさらに銀行が手間をかけるような、あまり銀行に神経を使わせるような業務方法書というものは好ましくないと思う。将来、検討して、もう少し率を下げていいのではないか。そういう点の考慮をする必要は全くないかどうか、もう一回お聞きしたい。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 中小金融公庫の担保の徴求方針は、原則として担保を取ることになっておりますので、百万円以下のものにつきましては、代理所の選択にまかすということになっておりまして、無理に担保を取るということになっておりません。そういうものにつきましては、代理所自体におきまして、企業自体が健全であるかどうかという判断を働かしてきめるわけでございます。判断を働かせると申しましても、やはり自分に全然責任があるという立場において健全性を見るのか、あるいは変な貸し出しをすれば、自分もかぶらなければならぬのか、そういうことによって相当心がまえは違う。これは国の代理所としてやるわけでございますから、極力健全にかつ国民経済の要請に合うということは、もちろん理念的にはそうなっておるわけでございますが、代理所自体としては、私企業としての立場も持っておりまして、どちらかと申しますと、そういうような誘惑にもかられやすいということになりますれば、やはり機構的にある程度健全性を確保し得るような仕組みが必要ではないか。そういう点から申しますと、今公庫の立場におきましても、あるいは代理所の貸し出しにおきましても、この保証率を下げるということはむしろ考えられないのではないかというふうに考えます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 もう一つ最後に、今のお話はもう少し研究してさらにあとでお聞きしたいと思いますが、代理所を通じないで直接貸し出している、先ほど発表の三カ月間に六十二億、そういう代理所を通じないで直接本店から貸し付けるようなものは、おそらく、銀行といたしましては、私のところはちょっと取り扱いは困るというようなものが集まってきて、ある程度の政治家や事業家や他の有力者からの口添えがあって、そうして本店の窓口から出ていくというケースが多いと思うのです。今まで直接代理所を通じないで貸し出しておる何か特殊性というものがあると思うのですが、そういうものをどんなふうに考えておりますか。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 直接貸しの方式といたしましては、必ずしも本所だけではございませんので、全国にございます支所の網を使って貸しておるわけでございます。そういう意味において、直接貸しに特にいろいろな弊害があるということではなしに、やはり直接貸しは公庫本来の立場において適正に運用されておるというように考えていいのではないかと思っております。なお、直接貸しと間接貸しと、需要者の側においてどういうように振り分けてきておるのかというお話でございますが、大体におきまして金額の大きいものは直接でやってきておる。比較的零細なものが代理所を通じておる。これはやはり全国に何千という代理所があるわけでございますので、それぞれ配分してあるワクに限度がございますし、一件大きいものを貸しますと、ほかの人に迷惑がかかるということもございますので、大体において小さいものが行く。そういたしますと、貸し出し得る限界内で、比較的大きいものは直接要請してくる、こういう大体の傾向になっておると思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 直接貸ししておる比較的大きいという基準は、大体幾らくらいからなのですか。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 これは結果におきまして平均の金額が出ておるわけでございますが、中小企業金融公庫におきましては、一千万円が原則としての最高になっておりますから、それに近い何百万というものがそちらへ行く。窓口におきましては、全体の総平均は二百八十万でございますが、そのうちで直接貸しが大体一千万、代理貸付の平均が二百三十万、これだけの違いが出ております。

田原春次日本社会党

○田原委員 関連して。  おもに国民金融公庫の総裁にお尋ねしたいのでありますが、貸付の審査をする場合に、借り受け申請者の思想というものが条件になるのですか。

中村建城国民金融公庫総裁

○中村説明員 そういうことは今まで全然考えてもおりませんでしたが、日本国民大衆であれば、だれでも借りられます。

田原春次日本社会党

○田原委員 必要とあれば資料を出しますが、あるところでの実例なのですけれども、必要があって書類を出し、貸し出しの審査をしている最中に、そこの責任者が、社会党所属の者には貸さぬと言い、自民党に入るかどうかという話をしたのです。そこで、借りる方では、どうしても借りたいものですから、貸してくれるなら自民党へ入りましょう。そうしてその結果借りたのです。国民金融公庫の趣旨は、一般の銀行で貸し出し対象になり得ないものということなのです。もちろん政党に関係ないけれども、取り次いだり紹介した者が、社会党であったということで呼びつけて、社会党の紹介者をのけて自民党の紹介者を連れてこい、そうすれば貸してやるということで、もう年末も迫っておることだし、泣く泣く自民党の人に行ってもらって借りた実例があるのです。人名も場所も金額もわかります。それがはたして国民金融公庫の貸し出しの内示になっておるかどうかということをはっきりさせてもらいたい。   〔「表彰ものだ」と呼ぶ者あり〕

中村建城国民金融公庫総裁

○中村説明員 初耳でございまして、具体的な例をもし別途お知らせ願えれば、十分戒告いたします。もちろん、方針といたしましては、全然そういうことはございません。その例といたしましては、たとえば支所の開設のお話し合いなどが私どものところへ参りますのは、ある県の国会の方々が挙党一致で参りまして、党のいかんを問わずそこへ置いてくれということを言われるのでありまして、私どもは、党のいかんを問わず、思想のいかんを問わず、条件にかなうものは全部無差別に扱っております。もし心得違いのものがありましたら戒告いたしますから、別途お知らせ願いたいと思います。

田原春次日本社会党

○田原委員 自民党の方では表彰ものだという声もありますけれども、その紹介した自民党は落選した。社会党は当選した。これは、自民党の紹介で貸し出しはできたが、投票してないということになる。それは自民党側でむしろ戒告すべきだ。総裁の方で戒告すると申しましたが、戒告は、松平大使程度の戒告で、またアメリカに帰ってしまうようじゃだめだ。今、佐藤委員も言われたように、国民金融公庫の職員に対しては待遇などは直してもらいたいというのが、むしろわれわれの主張です。従って、貸し出しの基準については、政党のいかんを問わず、厳重に貸付内容、返済時期等の基準でやるべしという指令をあらためて全国に出す必要があると思う。これは実例ですから、ここで氏名をあげて言う必要もありませんから、いずれ後ほど他の機会に総裁まで氏名を申し上げます。これはその男の首を切れというのではない。頭を改造しなければならぬということで、よく覚えておいてもらいたい。  次は、貸し出しのタイミングとスピード・アップの問題です。先ほど武藤委員からお話がありましたように、零細業者は、一日休みますと、一日仕事を休まなければならぬ。それでも遠方まで行く。そうすると、書類の書き方が悪い、いずれ調べに行くから待て。それで、よほど運動して、そういうように自民党の推薦があればちっとは早くなりますが、そうでなければ半年くらいかかる。必要なときに借りられない。特に年末の場合であります。年末の場合は、あらかじめ一定領を用意されておいて、非常に急いだ場合は、審査等も、今まで借りた例があれば、とりあえず年末の融資をしてやるというくらいの親切があっていいのに、大銀行並みに相当の時間をかけておる。国民金融公庫の事務的な都合で延ばして、借りる方の緊急性に対しては、ちっともかまわぬということだが、ただ数字だけを大蔵省は見ていっておる。そういうことじゃいかぬ。実際国民金融公庫を作るときの趣旨が、中小企業のためであって、一般の銀行では借りられないほんとうの零細業者のためなんです。回収不能の場合を予想して非常に綿密に調べるということは、少し考え方を変えてもらえば、スピード・アップができると思う。一定の基準の様式を作って、この種の事業にはこの程度のワクまで貸せるというように、貸付の方針をもう少し借り受け業者の必要な時期に貸すということ、それから手続をもう少し簡素化して早くするということ、これはおそらく自民党といえども賛成だと思いますが、いかがですか。

中村建城国民金融公庫総裁

○中村説明員 これも御趣旨は全く賛成でございまして、私どもの方は、ただいま指導方針が窓口に申し込んでから貸付の可否を決定するまで三週間をこえてはならぬという方針でやっておりまして、毎月実績をとりまして、長いときはいろいろ事情を調べて戒告してやっております。ことに年末は、実績でもわかる通り、普通のときよりよほど早くなっておる。一つには金があるからであります。しかし、金が十分ない、従ってほかから返ってくるものをそちらへ貸すというときは、多少長くなるということもありますが、年末には比較的金がありますから特に早くなっておる。特別に何か理由がない限りは、そんなに長いことはないと思います。一般的傾向といたしましては、最初に貸し出すときは比較的長くかかりますが、二度、三度といわず、おなじみになると非常に早くなるということはございますが、平均いたしまして決定までは大体三週間——印鑑証明とか保証人の認可ということでおくれることはございましょうが、大体三週間以内にせよということでやっておりまして、一般的にはそうおくれてないつもりでございますが、特別に例外的におくれるものがございましたら、もし支所で解決されなければ、私の方へ申し出ていただけば、調べまして、もし不当に長引いているものならば、十分に戒告いたしたいと思います。

田原春次日本社会党

○田原委員 そういう場合もありますので、借り受け申し込みをした場合は、拒絶するということでなく、をこの辺は直せ、こうしたら貸してやるという、貸すことを前提としたいろいろな指導をしなければならぬ。そういう指導が足らないと思いますから、これは十分本省の方から注意しておいてもらいたい。  次は、保証の問題ですが、もちろん一般商業銀行から借りられないような、資格に足らないような、担保の力の弱いようなところが借りにくるのが国民金融公庫なんですから、従って、物的担保のほかに、人的保証と申しますか、その部落、その町内等で相当多数の者が共同保証したような場合は、これは信用して貸す。貸すことを前提として書いてもらわなければいかぬ。このことは、一ころ国民金融公庫では融資償還組合というものをむしろ奨励しておった。何十人かの者が共同で借り入れを申し込む。そのうちの一人や二人がもし返済がおくれたときには、他の者がかわってでも返す。そのために融資償還組合を作って、一定の金を積み立てておいて、これを保証にしておった。ところが、支所等によりましては融資償還組合を認めない。融資償還組合となると、金融ブローカーの発生の余地があるからと、弊害の方をやかましくいって認めない所もある。また所によっては認めている所もある。むしろそれは、そういう啓蒙——共同保証の意味において、融資償還組合を全国的に認めて、その償還組合の総会等に支所あたりから行って教育していく、指導していく方がよくはないか。融資償還組合ないし人的共同保証に対してどういうふうな方針をとられておるか、伺いたい。

中村建城国民金融公庫総裁

○中村説明員 国民金融公庫は、業務方法書によりまして、百万円をこえますと担保をとらなければならないことになっております。百万円未満は保証人をもって足りる。しかし、担保の場合、保証人を取らぬということは認められておりませんので、保証人は取ります。  それから、今の償還組合でありますが、これは協力団体として私どもはむしろ歓迎しておりまして、私どもで指導して作らせるということは遠慮しておりますが、自発的にできるならば非常に歓迎しております。ただ、私ども直接指導するというのは、もちろん法律の根拠はございませんけれども、やはり皆さんの便宜のために一種の準則を作り、それを見せておりまして、できるならこういうふうにしてやってくれというふうにやっております。ただ、償還組合の組合員が連帯保証する制度はかつてあったのでございますが、実際上トラブルが起こりまして、その中で一人事由があって延滞したら、延滞者にまかしてもらいたい、こっちもその人からできるだけ取れる額を取るようにしていきます、皆さんの方で、関係のない人がそれに対して立てかえ払いすることは、かえってあとで困るということにしておりますので、ほんとうの意味の連帯保証は取りますが、そういうことで、償還組合の組合員であるために関係ない人の債務の連帯保証をするということは、かなりの危険があるというふうに指導しております。

田原春次日本社会党

○田原委員 もう一つ。先ほど佐藤委員からも希望的な意見がありましたように、理事の増員を機会に、全理事の少なくとも半数は専従現場職員から引き上げていく、こういう慣行を作ってもらいたい。そのことが現場におる人々に将来の希望を持たせることになる。もちろん経験とか、才能とか、学力とかいろいろありますけれども、みな中央から、何となしに大蔵省から下ってくるということでなく、半分は自分の一生を託した金融公庫の職員のために一つの希望を持たしておくという必要がある。あなたが総裁になって二名増員の機会でございますから、今後は、部内において、まじめにやっておって才能があるという者は理事までいけるという慣行を作る。この意味で、今回の二名の増員は、二名とも部内から任命するというくらいの勇断を持っていただきたいと思いますが、そういう確信がありますか、確かめておきたい。

中村建城国民金融公庫総裁

○中村説明員 先ほど御答弁いたしました通り、現在の役員の構成を見ましても、半数は経験者から任命いたしております。今後も、増員いたしますならば、これは私の認可事項ではございませんから、私がきめるわけではございませんけれども、できるだけ御趣旨に沿うようなふうにまとめるよう努力いたしたい、かように考えております。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 銀行局長にお伺いをしたいのですが、政務次官も一つ聞いておってほしいのです。  先年、私は、中小企業金融について、全般的な問題と各個の問題についていろいろと問題点を提起いたしました。しかし、あれから二年くらいになりますが、改善の跡が一向見られない。あのとき、私は、中小企業金融の特質というものを、率直に私どもなりに数えて、そういう共通のベースでまず意見を一致させたわけです。あのとき私が言ったのは、こういうことでした。中小企業金融というものは、ほうっておけば改善される見込みがない。なぜならば、まず第一に、貸付や割引の手数は大小にかかわらずみんな一緒だから、小口の貸付が多くなればどうしても口数がふえる、人件費ないしその他の費用がかかるばかりである、融資にあたっては信用調査をしなければならぬので、調査料が高くなる、保証や保険をつけなければならぬ、大企業に比べたら延滞や貸し倒れが非常に多い、担保物件の処分も、大企業の担保と違ってスムーズにはいかぬ、こういう特質がある。それから、客観的には大企業に比べて収益率が少なく、自己資本が少なくて、借り入れ依存が多くて金繰りに追われているから、預金も歩どまりが起こる、大企業のように系列融資ができない、送金を通ずる為替銀行も少ない、銀行はまた従業員預金に期待できぬ、こういう一般的な中小企業の状況を考えると、どうしたって中小企業専門機関なりあるいは銀行なりが中小企業に金融をあまりつけなくなるのは、この意味では当然だと思う。だから、ほんとうに中小企業金融をやろうとするならば、政府は相当思い切った改善なり改革をしなければいかぬ。そういう意味で、私は、各相互銀行から町の高利貸しに至るまで問題を提起して改善を迫ったのですけれども、一向改善の跡がない。たとえばきょうの日本経済を見ますと、日銀で全金融機関の三十五年度中の中小企業向けの貸し出し状況をまとめた。そうしたら、大企業貸し出し増加額の伸びははるかに大きく、中小企業向けは前年度五三%だったけれども、本年三十五年度は四四%に増加率がとまっている。おととしよりも去年、大企業も中小企業も金融を非常に要望したにかかわらず、大企業は驚くべき貸し出し増加額であって、中小企業は、前年五三%の増加率が本年度は四四%、一〇%も増加率がとまっておる。これは一体何に原因するのだろうか。増加残高の構成比を見ますと、政府金融機関は二千七百五十五億円というのですから、わずか六%です。政府がかねや太鼓で中小企業の金融を言うておるけれども、実際政府金融機関の動いておるのはわずか六%、全残高の中の六%、しかも歴年の表を見ますと、なるほど絶対額においては中小企業金融に対する政府からの資金の繰り入れ、出資もふえてはおるようだけれども、全体がふえておりますから、その残高の構成比は六%をちっとも動いていない。だから、いろいろとあれをやります、これをやりますと言っても、結局一つのリミットを持っているのではないか。中小企業金融を飛躍的に拡大しろという私どもの主張と、いたしますという政府の主張は一体どうなっておるのか。きわめて概括的ではありますけれども、どういうお考えなのか、六%というこの数字を動かして、もっとふやす意思があるのかないのか、全貸し出し残高のうちの大体六%というリミットをもって考えてやっておるのか、その点まず基本的にあなたのお考えを伺いたい。

石野信一大蔵事務官(銀行局長)

○石野政府委員 ただいま御質問の冒頭にございました昨年でございましたか、一昨年でございましたかの横山委員の御質問、私今日でもよく記憶をしております。そのときの御質問の御趣旨は、ただいまもお話がございましたように、政府の金融機関からの中小企業向けの金融について、画期的にこれを大々的に強化するという考え方はないかということが基本的なお考えでございまして、私どもも、政府の中小企業向け金融機関の資金をできる限り確保するという意味において、方向としては同じ方向の考えでございますが、ただそれをやる段階と申しますか、考え方、進め方等につきましては、やはり私どもは、政府の金融機関というのは民間の金融機関の補完的な役割を果たすということであって、政府の金融機関が中小の金融について大部分を行なうというようなところへ飛躍することはできないというような趣旨のお答えを、そのときも申し上げたかと思うのであります。従いまして、私ども、政府の中小金融機関の資金の確保については毎年努力をいたしております。三十六年度も普通貸付につきましては一七、八%三十五年度に対して増加を予定しておるわけでございます。ところで、この金融というものは、やはり全体の資金がどう流れるかという点で、数字的に分析いたしますことが実際問題としてなかなかむずかしいのでございますが、大企業、中小企業というのは、今の統計の数字もございます。実は、けさ新聞に出ているものもまだ十分検討いたしておりませんけれども、中小企業というものの定義が、たしか統計では資本金千万円以下ということになっていると思うのでありますが、国民金融公庫とか中小企業金融公庫とかは、資本金千万円以下、あるいは従業員三百人以下で、どちらかに該当すればよいということに相なるわけであります。従いまして、資本金千万円以上であっても、従業員三百人以下という企業が非常に数も多いので、民間の金融機関の統計はそこが食い違っておりますので、経済全体が非常に発展して参ります場合には、資本金千万円で出た数字が若干小さくなるのじゃないかという面があるのではないかと思います。と同時に、大企業から中小企業にまた金が流れる面、そういう関係もございまして、画然と大企業の金融が幾ら、中小企業の金融が幾らというふうに、割り切って考えるわけにもいかないと考えるわけでございます。  結論的な点を申し上げますれば、政府の金融機関の資金確保につきましては、私どももできるだけ努力をいたしておるわけでございますが、もちろんお話のように六%なら六%でそれ以上ふやさないというようなことを考えているわけではございませんけれども、これはやはり財政投融資全体の計画の範囲内の問題でございます。できるだけ中小企業向けの資金も確保いたしていく、そうして補完的に中小企業の金融のためにそれだけの補完措置を講じていく、そういう考え方でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 好況のときであってすらこうなのですね。不況のときにおいてはなおさらです。不況のときの分析はやはりだいぶ前に私はいたしましたが、あれだけ大蔵委員が全員かかって当時の大蔵大臣の池田さんに頼んで、そうして財政投融資から百五十億、その他百五十億、三百億を投入したにかかわらず、その年度における中小企業金融というものは、大企業が増加したにかかわらず、激減をしたのですから、好況のときにおいてすらしかり。好況のときにおいてすら、大企業の増加額と中小企業の増加額とは非常に違うということは、やはりどこか政府の施策のしんが足らぬということを私は思う。  今中小企業金融公庫と国民金融公庫の例が出ましたから、国民金融公庫の総裁に私は一つお伺いをしたいのでありますが、あなたのところは今大体平均二十五万円ですね。個人ならば百万円、法人ならば二百万円まで貸しますと言いながら、実際貸しているのは一件当たり二十五万円、これでは看板が泣くと私は思うのですよ。今度四月から、何か設備資金については百万円というカテゴリーを一つお作りになるという話でありますが、二十五万円ぐらい貸して、それでは実際どういうふうに行なわれているかというと、——先ほどまで各委員からいろいろと意見が出ましたが、国民金融公庫のいい面を言ったって、総裁には何も足しにはならぬと思う。だから、私はきょうは悪い面だけ列挙いたしますから、その点どうぞ御注意を願いたいと思います。  まず第一に悪い面を考えてみますと、国民金融公庫が信用保証をしろと言う点です。国民金融公庫なり、中小企業金融公庫というものは、今の大月さんや銀行局長の話のように補完金融である。私はその点については議論はあるけれども、補完金融であって、よその銀行、町の銀行が貸してくれるようなところならば、そう力を入れる必要はない。貸してくれるか貸してくれぬかわからぬようなところへ貸すのが本来の任務である。そういう人が行ったら、信用保証を取ってこいと言う手はないではありませんか。私は、それを一番主張したのは京都だというように前に聞いたことがあるのでありますが、一つの支所の方針がなるべく信用保証を取らせる。あぶないと思ったらなるべく担保を取るということに重点が置いてある。そういうことで国民金融公庫の任務が果たせますか。  第二番目の問題は、代理店です。代理支所です。代理支所が、国民金融公庫の金を貸してやるから、おれのところに定期を預けろとか、おれのところと取引をしろということを強要している。おれのところと取引をしていなければ、あなたのところに国民金融公庫なり中小企業金融公庫の金は貸せません——そうは言わないけれども、実質的にこういう態度である。そういう政府の金を預かっておって、自分の商売を一緒にやらせるのですか。  第三番目の問題点は、国民金融公庫が芸者周旋業やキャバレーに金を貸している。なぜそういうことをするのですか。私どもはそんなつもりで国民金融公庫に政府資金を預託した覚えはない。なるほどそれもそれだけの理由はあるでありましょう。私は絶対にいかぬとは言いませんけれども、ものには順序があって、日本の産業なり、日本の発展なり、あるいは中小企業本来の持っておりますいろいろな問題についてこそ行なわれるべきであって、行政管理庁がすでにこの点は指摘いたしているのです。どうしでそういうことが行なわれるのか、これが第三の点であります。  それから、特別の小口貸付ですが、普通貸付と同じような審査をまだやっているところがよくある。特別小口貸付を設定したゆえんのものは、ほんの小口だから、それじゃ手続も便利にやらせましょうということで始まったのにもかかわらず、同じような審査をしている。国民金融公庫の窓口で受け付けてから決定通知が行くまでは、今は三週間ぐらいだというのですがね。たしか、金が出るまでではありませんね。金が出るまでという時間を考えると、二十五日から一月ぐらいかかる。どうしてそんなにおくれるのですか。町の銀行や大きなところならばいざ知らず、国民金融公庫が、庶民や中小企業者、零細企業者が行って一月もかからなければ銭が出ぬということは、私は、どこか国民金融公庫の運営に問題があると思う。人が足りないならば人をふやさなければなりません。あるいはまた機械化ができていなければ機械化をしなければなりません。そういう点について、二、三年前と比べますと、わずか一日か二日の短縮はできておるけれども、一向まだ国民金融公庫本来の任務は達成されておらないと私は思う。数え上げればまだいろいろありますが、あんまり言うと総裁はお忘れになろうから、この辺まで申し上げて、あなたの改善策をお伺いしたい。

中村建城国民金融公庫総裁

○中村説明員 ただいまの御質問の順を迫って申し上げます。  まず第一に、保証の点でございますが、政府金融機関が保証をとることは原則とすべきでないことは私は全くそう信じております。従って、私の方針といたしましては、特別な災害の場合とか、特別の場合以外は、こっちから保証をつけろと言ってはならぬということをはっきり申しております。多数の職員のうちには、あるいは誤解してそういったことを言った者があるかもしれませんが、僻陬の地であって、こちらも何かと忙しく、信用保証協会の保証をつけるから貸してくれという受け身の場合は仕方がないだろう。しかし、こちらから一々信用保証協会の保証をつけろ、つけなければ貸してやらぬということは言っておりません。そういうことでございまするから、ただいまのところ貸付残高のうちで保証付のものはたしか二%を割っております。一%七か八でございます。ただし青森県、京都府が多いのでございますが、これはいろいろ沿革がございます。青森県は、非常に遠隔の地が多いところへ、県の方針として保証協会を活用するという方針がございます。そして保証協会の方でむしろ保証をつけて貸してくれということからきまして、その結果が青森県は非常に保証が多い。しかし、県も方針を変えましたので、漸次減少しつつあります。京都の方もこれと似たような原因で多いのでございますが、こちらから保証をしろと強要することはないということに切りかえておるはずであります。ただいまのところは、災害等特殊の事情の場合のほかは、こちらから保証をつけろということは申さないことに方針としていたしております。従って、もしもそういうことがございまするならば、これは戒告しなければならぬ問題であると思っております。  それから、第二に、代理所でございます。代理所が、国民金融公庫代理所の看板を借りまして、そうして自分の本業の足しにするということ、これは筋としては全くいかぬのでございます。従って、国民公庫の代理業務に不熱心で、代理所を基礎として預金を取ったり金を集めたりということは厳に戒告しておりまして、検査に参りましてそういう事実があれば具体的に指摘して、そういうことをしてはいかぬということをはっきり言っております。しかしながら、それ以上は私どもも手段がございませんので、私どもの方で一種の内申書を調べますと、はっきり言っていいかどうかわかりませんが、私どもは、そこが公庫の代理業務に関してよくやってくれているかそうでないか、検査の結果を集録しております。その結果によりまして、将来代理所をうんと活用する場合には、よくやってくれている代理所を活用する、そうでないところは避けていきます。もし具体的に貸したうちの一部を預金に強要したり預金を積むことを条件にして貸すというところがあれば、具体的に指摘して、そういうことをさせないように指導しております。御指摘の通り、そういうことがあれば全くけしからぬことでございまして、十分戒告いたしております。  次は、これは公庫の行政監察のときにも一、二ございますが、見解の相違もございましたが、そうはでなキャバレーとか、そういうところに貸しておることはないと思うのでございます。たまたま喫茶店と思って貸したら、夜行ってみたら酒を飲んで多少遊興的な分子があったというような程度でございます。私どもの普通貸付は六十七、八万円でございますが、そのうちで多く見ても十件か二十件だと思うのでございまして、担当者はそれぞれの見解でやっておりますが、あとから見て悪いものはすぐに戒告をして返させるものは返させる、あるいはまたできるだけ早く返さして、あとそういうものには貸してはいかぬということでやっております。初めからだれが見ても貸すべからざるところに貸したということは、私は聞いておりません。ただ、審査したときは大丈夫だと思ったが、結果がおかしかったということが指摘されたのでございます。この点も、そういうところにはでに貸しておるということはけしからぬことでございまして、そういう具体的な例がございますれば、別途に忠告いたしたいと思っておるのでございます。  その次は、特別小口でございますが、これは最初にいろいろ理由があって設けましたのでございますが、特別小口の一番の欠点は一括払いです。つまり月賦払いでなく、金は小さいけれども一括払いでございます。しかし、皆さんの希望するのは、たとえば二万円、三万円借しましても、月賦で返すというところに非常に特徴がある。そこで、むしろ普通貸付で貸した方が借りる方も便利なのでございます。  それから、これももちろん問題と思いますが、非常におそい。三万、五万貸しても、窓口で、さあ貸して下さい、よろしいというわけにはいかぬ。やはり小さいのは小さいなりに調べなければなりません。特別小口といえども、簡単に貸すと申しましても、簡単にも程度があって、御要望があるように窓口で即日貸す、あるいは翌日貸すというわけにもいかぬのであります。特別小口という制度はかなり私ども検討しております。検討した結果を監督官庁の方に申し上げて、何らかの措置をとりたいと考えております。一般におそいという点、二十一日、三週間ではおそいという御指摘でありますが、ごもっともでございます。ただこれは私ども預金を取っておりません。要するに「いちげん」です。お客が窓口に参りまして、こういうわけだ、貸してくれ、それに対しまして、当座の取引でもありますれば、その預金の増減とかその他で、間接にいろいろとその一部を推定する資料があるわけでございまして、市中銀行はその点で簡単に出せる。私どもの方は何もない。窓口に来てすぐ、こういう計画をして、こういう金が要るからこれだけ貸してくれ、はいというわけにはいかぬので、調べますのにどうしてもある程度日がかかる。それから、人がすっと来て、すぐかけていって調べろと申しましても、なかなかそうも参りません。しかし、このごろは逐次人員も増員されまして、おそらく二、二年前よりはよほどその点は人がそろって参りましたけれども、今後ますます熟練するに従いまして、もう少し日数を減らしていきたいというふうに努力しております。  それから、機械化の方も、幸い昨年三十五年度から一部認められまして、窓口の機械化をやっておりまして、ただいま六カ所の支所でやっておりますが、これも非常にいいようでございます。非常にスピーディに機械がやってくれますので、チェックの必要がない。普通ですと必ずだれかがチェックするのでございますが、そのチェックの必要がない。それで人手が助かる。それだけの余裕がスピード化に貢献するのでございます。もう少しお待ち願って、もう少し早いという実績をお日にかけてから、御答弁申し上げたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 国民が国民金融公庫に要望するところが多いからこそ、多くの不満や要求が殺到しておるのでありますから、もう少しうまくやってから答弁するということでなくて、さっそくこれは実現に移してもらいたい。少しレベルの高いところで、政務次官に一つ政治家として御判断をお伺いするわけでありますが、これはいろいろな前提はございますけれども、結論を先にいえば、中小企業の範囲の問題ですね。先ほど銀行局長が三百人以下一千万円以下いうことを説明の中に言いました。今そういうのは低位であります。それが中小企業ならば大企業は一体何だろうか。四百人なら大企業と言えるであろうか。資本金一千五百万円ならばはたして大企業と言えるだろうか。そうは言わない。実際大企業といえばどうでしょうか。一億以上ならみなだれでも大企業だと思う。そのまん中が今ウィーク・ポイントになっておると私は思うのです。工場関係で言うならば、四百人で仕事をしておると言うんなら、これはどうしても中小企業だと思う。資本金は、今政府が自己資本を充実しろと盛んにかねや太鼓で鳴らしておるのですから、一千万円をもう少しどうしても増資をしたいと思う。ととろが、中小企業の範疇からはずれるものですから、この中小企業金融の恩恵が受けられない。だから、無理にしぼって三百人でとめておるところを私は現に知っています。どうしてもやらなければいかぬなら別の会社にしてしまうという無理までしておるところが一部にありました。私は、もうこの辺で、三百人以下、一千万円以下というふうにきめたのはもうだいぶ前のことでありますから、天井を少しずらしたらいいという考えを持っております。しかし、私の今言うような資金繰りの中で天井をずらしたら、これは上へ資金が行ってしまって、経済ベースが上がった中小企業のところへばかり資金がいくのですから、上へベースをずらすときには、下の方へしっかりかすがいを打たなければなりません。しかし、いずれにしても、今日の経済の尺度からいいますと、三百人以下、一千万円以下というのを少し上へずらす、同時にそれによって国民金融公庫なり何なりというところへ大きい資金や人を投入をすること、そういうことをすることによって、中は中、零細は零細という、私どものかねての主張が達せられると思うのですが、法律改正としてはそうむずかしいことではないのです。私の調べたところによりますと、二、三の法律改正をすればよろしい。あとは政府の運用に待つところが非常に多い。そういう点からいって、私の言う天井を少しずらして下にしっかり資金を投入するという点について、政務次官の御判断をお願いしたい。

大久保武雄自由民主党大蔵政務次官

○大久保政府委員 お答え申し上げます。  日本の経済界に占めておる中小企業の役割というものはきわめて大きいと考えております。ことに中小企業から上へのし上がっていくときの、いろいろな乗り越えなければならぬ条件というものがございまして、その点に、もう一歩前進というときに、どんなに中小企業者が苦しみ、かつ努力しておられるかということもよくわかるわけであります。そこで、ただいま御指摘の、資本金なりあるいは従業員なりのワクを今後広げていくかどうかという点につきましては、それかといって零細なる金融業者に対するしわ寄せがいっては相なりませんから、今後中小企業金融全般といたしまして、政府もただいまとっておりますけれども、なお一そう資金額等について裏打ちをしていかなければならぬ筋合いだと考えるのであります。それらの面と相待ちまして、ただいま横山委員から御指摘になりました中小企業の上の方のワクというものも、逐次これを引き上げることを考慮していくことに、一つ今後努力を重ねていきたいと考えておる次第でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 やや抽象的ですけれども、政務次官は私の言うことに御賛成でございますね。

大久保武雄自由民主党大蔵政務次官

○大久保政府委員 趣旨として賛成であります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 これは技術的にはそうむずかしいことではないのですよ。要するに、私の言うように、上を上げて下にしっかり金をおろすということで、両々相待てば、それだけの決意があれば、今日これは喫緊の問題だと思うわけですから、またいずれこの結論はしっかりお伺いいたしますが、ぜひあなたの在任中にこれは実現をしていただきたいと思うのです。  その次は、銀行局長に聞くのですけれども、まだ十分な成果を見られないものに相互銀行の問題があります。この前のときにも言ったのですが、相互銀行で借りられる表金利は上がっている。しかし、実際の金利は幾らかと言って、答えられる人はないのだ。それと、歩積み、両建で、しかも百万円借りて毎月々々払っておるにもかかわらず、金利はいつまでたっても年がら年じゅうしまいまで百万円だというばかげたことが、一体いつまで続けられるのでありましょうか。そんなことは相互銀行で自主的にやっておれば、百年河清を待つというようなものだ。どうしても残債方式に早く切りかえていかなければならぬ。ただでさえ、先般来本委員会で問題になっておりますように、「銀行よさようなら、証券よ今日は」と言っておる時代に、相互銀行が早く目をさまさない限りにおいては、この問題はさらに相互銀行自体に不利になると私は思われるのです。ですから、一、二やっておるところはありますが、全般的に少ない。相互銀行が、今日の証券の異常な発展と相待って、自分たちのところに預金を集めたいとするならば、また中小企業金融専門にしたいとするならば、一刻も厚く歩積み、両建を改めて、そうして金利のあり方についても、中小企業から見て、今自分は幾ら借りておる、実質利息は幾らだということがはっきりわかるようにすべきだ、私はこう考えるのです。  第二番目に、この間はっきりした御答弁がなかったのでありますが、中小証券業者の店舗の問題と、それから中小金融機関の店舗の増設の問題と、非常にアンバランスがある。中小証券業者は店舗の開設は自由であります。自主規制をやっておるといったところで、一店について一年に三店舗まで自主規制で認めておるのですが、銀行の店舗の方は一店について一年一カ所だ。しかもそれも相当厳重な許可制度になっておる。こういう点については改善をしてやるべきだ。少なくとも証券関係の店舗の増設と同じような比重をもって改善をしてやるべきだ。しかもこれはすみやかにしてやるべきだ。こう考えるのですが、いかがですか。

石野信一大蔵事務官(銀行局長)

○石野政府委員 最初の御質問の相互銀行の金利の問題、その方式の問題につきましては、これは前会の御質問のときにもその御趣旨であったと私承知しております。その点につきまして合理化を進めるべきことは、御説の通りであります。従いまして、私どもといたしましては、この相互銀行にそういうことの必要性というものを理解させ、そうしてこれが残債方式に変わるというような点についてみんな努力するように、指導いたしておるわけであります。これがもともと御承知のような相互掛金業務というような、日本特有と申しますか、古くからのああいう制度として発達してきておる関係で、一挙に規制をして直させるということも、実際の金融がそういう形で行なわれてきて、それがまた中小企業金融にも役立っておることも事実でございますので、それを一挙に規制して混乱するということでは、その弊害もあるわけであります。従いまして、先ほど来お話しのような考え方から、相互銀行に指導いたしておるわけでありますが、最近特に金利引き下げの雰囲気が強くなっております。御指摘のように、相互銀行としても、この高い金利でいつまでも今のようなことではいけないという気持もだんだん強くなってきております。従いまして、御趣旨の方向にさらに進めていくように協会の方でも研究もしておりますが、私どもとしても指導していきたいと思います。  それから、金融機関と証券会社との支店設置のバランスの問題でありますが、これは、御指摘の通り、金融機関の方は認可制度になっておりますし、片一方の方は認可が必要ないことになっておりましてアンバランスがある。ただ、この金融関係、証券関係を含めまして、広くこういう金融関係がどんどんみんな競争して支店を設けるというようなことになりますと、コストの関係とかその他いろいろ弊害もあるわけでありまして、これを規制していくということは意味があるわけであります。従いまして、片一方が今自由だから金融機関の方も自由にしたらどうか、もっとどんどん認めたらどらかという意味でのバランスのとり方は、必ずしもそういう考え方はすべきではないのじゃないか。もちろんそこに程度の問題がありましょうが、やはり金融機関の支店もそうどんどんふえていいという問題ではございません。このバランスの問題につきましては、私は銀行行政だけを担当いたしておりますから、御趣旨はなおよく関係の方と相談もいたしまするけれども、バランスをとるように努力をいたしたいとは思いますが、それかといって金融機関の方の支店をどんどん認めるという方向では解決すべきではない、こういうふうに考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 意見のあるところでありますけれども、時間がございませんから、次の問題に移りたいと思います。  もう一ぺん政務次官にお伺いをいたしますけれども、私ども大蔵委員をやっておりますと、町の金融の相談にいろいろな角度で乗るわけであります。そしてときどき突き当たるのが、銀行と中小企業の紛争の問題であります。この紛争についても一回たしか前に触れたことがあると思うのですけれども、結局最後になれば金融機関というものが強いのでありますから、中小企業者をいざとなったら骨までしゃぶってしまうわけです。これは何も中小企業ばかりでなくて、市中銀行と一般の企業についても往々にして問題があるわけでありまして、最近の十合の問題なんかもその実例なんであります。貸した金だから返すのはほんとうだ、返さぬならばおれが権利があるからお前のところを握る、こういうことは一見妥当なようではあるけれども、金融機関として越えてはならぬ一線があると思うのです。常に本委員会で特定の問題については論争はしませんけれども、金融機関が横暴な態度にならないように、しかも、特定の問題については、預金者保護の立場からいって、あまり本委員会も関係しないようにという矛盾をはらみながらも、金融機関の独占なり、あるいは中小企業なり、大企業に対して金融機関が乗っ取りを企てることを、超党派でこれを戒めておったわけです。しかし、そういうことをやってみても、現実に十合の問題なら十合の問題が起こるといたしましたならば、その問題については、預金者保護の立場から、あまり本委員会で具体的にならないようにというリミットがいつもあるわけです。私どもはそれに悩むのであります。だから、ここに一つ私の考えでありますけれども、何か金融問題の紛争処理機関を作ったらどうかと私どもは思うわけです。税には苦情処理機構というものがある。協議団がある。建築関係にもそれぞれの県に建築関係の審議会というものがある。証券についても紛争処理機関が現に存在しておるわけであります。ひとり金融の問題についてだけがそういう紛争の処理機関がなくて、私どももあまり中に入らないように、しかも何とかそういうものが円満に解決してやられるように、一、二のあっせんをしたことはございますけれども、おのずから私どもにはリミットがあります。本委員会にもリミットがあります。けれども、ほうっておけば、先ほど申しましたように、銀行がいざとなれば結局自分の権利を主張してしまう、こういうことになるわけです。従いまして、大まかな構想ではありますけれども、金融機関と中小企業なりそれらに対する——単に中小企業に限定しなくてもいいのでありますけれども、紛争を処理する機構というものが必要なのではないか。こうして私ども政治家が一々タッチして仲裁をするということも避けたいし、本委員会も具体的な問題にタッチするということも避けたいし、政府としても多くは中正な立場が政府にあるとおっしゃるけれども、やっぱり客観的な判断をもって、公正な民主的な判断を立ててあっせんをするということが必要なのではないか、こう考えているわけであります。きわめてこれは常識的な問題でありますから、銀行局長うしろからささやかないように、政務次官の温厚な御答弁をお願いしたい。

大久保武雄自由民主党大蔵政務次官

○大久保政府委員 中小企業においてこそ金融と事業の経常というものが非常に密着して動いており、また、その盛衰と申しますか、中小企業の破綻というものが一つの金融面からきて難関にぶつかるという例は、よく私も承知いたしております。優秀なる注文をかかえながら、金融がつかぬために蹉跌をする。いろいろな問題は私ども身近なところからもよく聞くところでございまして、そういう際に、いろいろわれわれも、中小企業の立場、それに対する銀行の金融的な立場というものの調和の点は、きわめて困難な問題がたくさんございまするし、また中小企業にとってみれば、それが全く死活問題であるという場面にしばしば遭遇いたすわけであります。そこで、ただいま横山委員の御指摘の、何らか他の面にもあるような苦情処理機関でございますか、そういったような解決の方途を講ずべきではないかということは、きわめてごもっともな点もあろうと思うのであります。今後金融、ことに中小企業がこの激動の中にのし上がっていき、また今後国民所得倍増の線で栄えていっていただくために、何らかその金融との問の調和する方途につきましては、十分一つ御趣旨をくみまして研究させていただきたいと存ずる次第であります。

石野信一大蔵事務官(銀行局長)

○石野政府委員 事務的な面から政務次官の御答弁を補足させていただきたいと思いますが、もちろん方針としては政務次官のお答えになった通りでございます。ただ、御質問の御趣旨が、こういう金を借りたいんだがどうしても貸してくれないからとか、あるいはつぶれそうだから何とか金を貸せというような意味の金融あっせんのようなことになりますと、これは政府としてはそういうことに関与すべき問題ではないという点でございます。  それから、貸したあとの問題あるいは預金等の紛争につきましては、実は私どもの方にも、そういう意味でこういう問題があるというような話がありまして、そして金融機関の方の実情を聞いて、ある程度両方に、どういうことか、こういうことはこうであるから理解してくれというような意味で、あるいは金融機関の力が場合によってはこうしろということで、解決する場合が事実上あるのでありますが、ただ金融関係のそういう紛争というものは非常に司法的な問題が多いわけです。たとえば例の導入預金の問題というようなことになりますと、本人がほんとうにそういう事実を知らなかったのかどうかということになりますと、行政当局であります銀行局として判断できないというような問題で、裁判になるという場合が多いわけでございます。裁判になるものでは、先ほどお話しの公取関係の問題につきましても、一般的にもちろん法令を順守すべきであるということは私ども常に申しておりますけれども、具体的にこれに違反することになっておるかどうかということになりますと、やはりその法律の解釈を直接担当しております公取委員会の問題ということになるわけでございます。そういう意味で、今お話しの相談所というようなものはどういう役割を果たすかというと、実際問題としてなかなかむずかしい問題でございますので、御趣旨に反対するわけではございませんけれども、そういう意味でむずかしい問題であります点を、ちょっと補足させておいていただきたいと思うのでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 きわめて常識的に、賛成だ、そういう意味合いで考えよう——あなたは、反対するわけじゃないけれども、こういうところでむずかしいんですよという点、アリバイをお作りになるけれども、政務次官の立場のように、賛成である、こういう問題があるけれども、それを解決する方向に努力するならするというふうに言わなければだめです。大体金を借りるあっせんをしろと言った覚えは何もないわけでありますから、余分なことは言わなくていいんですよ。政府は大体監督機関ですからね。監督機関が紛争のあっせんをするということについては、私は実際問題としては矛盾があると思います。紛争が解決した結果についても、また政府は監督のあれがあるのですから、政府が、行政機関がその紛争処理機構についてイニシアをとるということは、一員として入ってもいいけれども、問題がある。  それから、公取の話が出ましたけれども、公取もそれはもちろん関係はあります。けれども、公取に全部持っていくわけにいかぬ。公取は銭金のことはよく知らないのですから、銭金を貸した、借りた、その紛争というものは、やはりそれらの経験者なり常識豊かな人たちがやって解決をしなければ、解決はしない、権限だけの問題、債権と債務だけの問題じゃないのですから。そういう点について、念を押して恐縮でありますが、政務次官は賛成だから勉強しようとおっしゃっておられるのですから、あなたもそういう意味に理解してよろしいのですか。

石野信一大蔵事務官(銀行局長)

○石野政府委員 そういう意味に御理解いただいてけっこうでありますが、ただむずかしいいろいろの問題があるということをつけ加えせさていただきたいと思います。   〔「賛成だがやらない」と呼ぶ者あ り〕

横山利秋日本社会党

○横山委員 今与党から出たように、賛成だがやらないということを、やはりあなたの答弁を聞いている人は感ずるのですよ。私も実はそう感じているのです。

石野信一大蔵事務官(銀行局長)

○石野政府委員 決して賛成だけれどもやらないという意味ではございません。できるだけやりたい、やりたいけれども、むずかしい点があるということも御承知願って、そこでやり方をいろいろ研究する上では、なお与野党皆さんの御意見を伺って研究をいたしたい、こういうことでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 それでは、私の質問をこれで終わります。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 これにて各案に対する質疑は終了いたします。     —————————————

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 なお、各案に対しましては討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。  まず、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。   〔賛成者起立〕

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 起立多数。よって、本案は原案の通り可決いたしました。  次に、国民金融公庫法の一部を改正する法律案、通行税法の一部を改正する法律案及び有価証券取引税法の一部を改正する法律案の三案について採決いたします。  お諮りいたします。三案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、三案はいずれも原案の通り可決いたしました。     —————————————

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 次に、ただいま可決いたしました通行税法の一部を改正する法律案に対しまして、広瀬秀吉君より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際提出者の趣旨説明を求めます。広瀬秀吉君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 ただいま議決されました通行税法の一部を改正する法律案に対して、本委員会として附帯決議を付したいと存じまして、御提案を申し上げる次第でございます。  この附帯決議は、与野党の理事の間でも意見の交換を十分に遂げておりますので、どうか満場一致の御賛成を賜わりたい、かように存ずるのであります。  まず、附帯決議の件名と主文を読み上げたいと思います。     通行税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議   汽車の寝台料金に対する税率に関しては政府は間接税体系の一環としてなるべく速かに再検討すべきである。  以上でございます。  この趣旨は、すでに本委員会において通行税に対して質疑等もございまして、各委員とも御了承のことであり、また大蔵大臣あるいは政府関係においても、この点について、間接税体系の一環として、少なくとも間接税についても来年度からこれに手を染めて、この軽減をはかる方向をとるということをお約束されておるところであります。私どもがこの附帯決議を提案する最大の理由は、やはり今日の特に汽車の寝台料金というものが、他の間接税体系全般から考えましても不均衡であり、従って同時に過重の税金になっておるんじゃないか、かように考えられておるところであります。外国の例等を見たり、あるいはまた特に宿泊料との関係、これも遊興飲食税の改正等も今回行なわれまして、千円までは免税点が引き上がりました。こういうようなことから考えまして、またそれらによりますと、現行でも都内の一流ホテルの標準料金が三千八百円、そのうち三百円程度の税金しかかからないというにもかかわらず、東京−大阪間を寝台で旅行をいたしますと七千六十円払わなければならぬ。そのうち一千百九十円、約一千二百円というものは税金になっている、こういうような現状になるわけでありまして、こういう間において苦しく税そのものとしても均衡を得てないんじゃないか思います。さらにまた航空機との関係におきましても、東京−大阪間を航空機で旅行いたしまして六千三百円でございます。そのうち税金は五百七十円、片方の航空機よりも一等寝台で大阪まで旅行をしますと倍の税金を払わなければならぬ、こういうような不均衡、同時に過収の税金になっている、かように思われるわけであります。従いまして、これはもとより間接税全般の体系の中で検討さるべきことはもちろんでありまするけれども、このような矛盾がこの通行税法の中で明確に発見をされ、指摘をされて参ったところでございますから、これらの全体的な均衡をとり、著しく過重でないような方向に、軽減あるいは免税の方向というようなものに向かって施策を進めていただきたい、かように考えるわけであります。  以上をもちまして通行税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議の提案の趣旨にかえる次第ででございます。何とぞ満場の御賛成を賜わりたいと存じます。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 これにて提出者の趣旨説明は終わりました。  お諮りいたします。  本附帯決議を付するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、本附帯決議を付するに決しました。     —————————————

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 なお、各法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、本委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は明十日午前十時より理事会、十時三十分より委員を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十八分散会      ————◇—————

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