大蔵委員会 第11号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/02
会議録
○足立委員長 これより会議を開きます。 国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例に関する法律案、補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法律を廃止する法律案の三法律案を一括して議題といたします。 質疑の通告があります。これを許します。武藤山治君。
○武藤委員 最初に政務次官にお尋ねしようと思ったのですが、いないようであります。今回上程されておりまする補助金等の臨時特例等に関する法律の問題でありますが、昭和二十九年に特例法ができて、その後、年々、一年一年延長しておる、こういう取り扱いをしておるわけであります。今回の提案の趣旨説明を読んでみますと、その処理につき結論を至急得たい、こういうようなことを政務次官はおっしゃっておるわけでありますが、今まで六年有半の間なぜこれを特例法という形で処理されてきたか。もっと実体法の中へ個々のものを入れるなり、あるいは停止してしまうものは半永久的に停止してしまうかという態度が、なぜ六年有半も期間があったのにもかかわらず、検討できなかったのか。そういう点についても、私は、非常に行政当局の怠慢があるのではないかと思われるのでありますが、その点についてどのように考えておるかという点を、まずお尋ねしたいと思うわけであります。
○上林政府委員 御指摘の通りに、この補助金の臨時特例に関しまする法律は昭和二十九年に制定をいたしました。その当時から、二十一本の補助金につきまして臨時特例を設けておったわけでございます。その後毎年いろいろ検討をいたしまして、結論を得ましたものは随時本法の方におきまして措置を講じまして、現在は、今提案申し上げておりまする特例の中では、八本の補助金が残っております。従いまして、十三本ほどそれぞれの措置を講じて参ったわけでございます。なお、本年度におきましても、その後児童福祉法の一部改正の際に、母子手帳につきましては、すでに一県に配付されまする補助金の額が十四、五万程度でもございまするので、児童福祉法の改正を機会に、本法におきまして措置を講じまして、この法律案をなお本法の方の改正案で直していただくということになっておりますので、合計七本がこの特例の措置としてすることになるわけであります。なお、今後もそういうような工合に検討を続けまして、その結論を得次第、本法におきまして措置を講じて参りたい、こういうふうに考えているわけであります。
○武藤委員 ただいまの答弁だと、徐々に検討して実体法の中に入れていくという答弁でありますが、一番根本的な障害は何か。これが直ちに実体法の中に入れられない障害は、国があまり金を出すのがいやだから、たとえば建設省の関係の公営住宅法に基づく補助金なども、法の規定が非常に多額な補助金を出すようになっておるから、これでは国の負担がやりきれぬ、そういうような見地から組み入れできないのか。それとも、ほかの補助金との振り合い上、これを法律の中に規定して補助するのでは、ちょっとほかとの割り振り上うまくない、そういうような考慮の上から規定できないのか。一番障害になっておるものは何ですか。
○上林政府委員 この法律案の対象になりまする補助金につきましては、率直に申し上げまして、その対象といたします金額自体はそれほど大きいものではございません。金額的に申し上げますと、定時制の高校の職員に対しまする諸給与等につきましては、これはすでに交付税計算の中に入っておりますが、提出いたしました当時五億程度でございまして、その後は相当ふえておりますけれども、そのほかのものを除きますと、一億二、三千万程度でございます。かつ、実際問題といたしまして、この補助金臨特によりまして整理、合理化されております対象の実態につきましては、特に各省ともそれほど御異議があるとは私ども承知いたしておりません。ただ、実際問題といたしまして、法律案の改正その他になりますと、その法体系の中での一環として検討をしたいというのが各省のお気持でございます。従いまして、その法体系全体につきまして、あるいはその他の部分につきまして、検討の機会がございますれば、その際にあわせて検討をして、本法を整備したい、こういうのが各省のお気持でございますので、そこらの点につきましていろいろお話し合いを進めておるわけでございますが、本法につきまして措置を講じまする際に、あわせてその一環として検討していくということが、より円滑な措置であり、スムーズに処理されてきておりまする実情でもございますので、その本法について検討の機会がございますときに、あわせて今までは措置を講じて参っておるわけでございます。
○武藤委員 機会があれば検討するというような考え方で——特例という表現を使っておるような法律を六年有半も放置して、機会があれば何とか検討しようというような態度は、行政府の怠慢だと思うのです。やはりこれだけの補助金を出すという場合には、補助金については、会計検査院なり大蔵省の中における審議会なりで、いろいろな角度から検討されているわけで、非常に疑惑の多い支出なんです。しかも受益者負担なんかが関連したりする補助金に至っては、特にそういう傾向が強いわけです。そういう支出の性格から見ても、こういう見づらい形で特例法というようなもので置かずに、適正化法の中にも二十七項目にわたって補助対象が記入されておるわけでありますから、私の考えでは、六年間も期間があれば、これを検討して実体法に入れるチャンスなどは幾らでもあると思うのです。そういう点熱意がないような気がするわけです。そして行政上の怠慢のような気もするわけですが、あなたの考えでは、一体いつごろまでにこれを記入しようとするのか。なぜそういうことをお尋ねするかというと、去年までの特例法は一年々々期限を切って延長してあるわけです。ところがことしの提案は期限を切ってないわけです。そういう処置ができるまでということであるから、できるまでというのは、一体この一年以内くらいなのか、それとも来年、再来年にまたがって、検討の機会が生まれるまでは、このままうっちゃっておくのか。そういう点の考慮の上から、これは期限を切らなかったものなのか。その辺の考え方を一つお聞かせ願いたいと思います。
○上林政府委員 ただいまの問題につきましては、大蔵省といたしましては、できるだけ早く、本法におきまして、その関連も含めて検討を加えて、本法におきまして恒久的な措置を講じて参りたいと思っております。ただ、先ほど申しましたように、本法を直します場合におきましては、ほかとの関連もございまするし、いろいろ検討いたしまして、もちろん本法その他につきましては各省と相談をいたして参らなければならないわけであります。私どもは、そういう機会がございますときは、必ずその本法におきまして検討いたしております。今まで残っておりますのは、そういう、本法につきまして改正をし、あるいは検討を含めて、その法的措置につきまして御審議を願う機会がなかったものばかりでございまして、できる限りそういうふうな検討の機会を持ちまして、結論を得次第、できるだけすみやかに、この特例法につきましては恒久的な制度に直していきたいというふうに考えます。
○武藤委員 ただいまの問題については、できるだけすみやかに法の中に記入するようにするという見解でありまするから、一応この程度に打ち切って、補助金に関連する二、三の事項について、建設省当局にお尋ねをしてみたいと思うわけであります。 御承知のように、今、国の事業として、渡良瀬川の改修で、大きな予算をもって抜本的な改修が行なわれようとしておるわけでありますが、具体的にその個所を端的にさして質問をしてみたいと思うわけです。栃木県足利市の岩井山というところで十数億円の改修工事が行なわれるわけでありますが、つい近ごろ地主、所有者には了解がついたようであります。ただ問題になるのは、借家人、借地人、こういう人たちの行き場所もはっきり定まらないし、こういう人たちは非常な不安を持っている。建設省のやり方を見ておると、家主や地主にはすんなり補償費というものを了解つくように話を進めてきて、借家人や借地人という者に対しては、案外不親切な補償の仕方をしているような気がするのです。そういう点について借家人や借地人の取り扱いというものはどのように考えておるか、最初にそれからお尋ねしてみたいと思うわけであります。
○鮎川説明員 ただいま御指摘になりました岩井山の地点におきます渡良瀬川の改修工事に関連する御質疑でございますが、先ほどお話がございましたように、渡良瀬川の計画洪水量四千トンをすみやかに疎通いたしますために、ただいま足利市寄りの岩井山付近において分水路を作る予定になっているわけでございます。この分水路を作りますために、約四十四万平方メートルの宅地の買収と、それに伴います家屋の移転という問題がございまして、ただいまこれに関連する用地関係について地元と交渉をいたしておるわけでございます。用地関係につきましては、先ほどお話がついたというようなお話でございましたが、これにつきましても三十三年から話し合いを始めておりまして、三十四年、三十五年と地元の市当局及び関係者の方々とお話し合いをいたしまして、用地交渉もようやく話し合いのつきかける段階に至っておるわけでございます。この用地交渉及び家屋の移転につきましては、用地の面積も非常に広いことでございますし、またこれに伴います家屋の移転という問題も広範にまたがりますので、これにつきましては、私どもは当初は足利市の区画整理事業とあわせて実施いたしたいと考えておったわけでございます。ところが、区画整理事業につきましては、まだいろいろな点において話し合いがまとまりませんので、現在河川局といたしましては、単独でこの仕事を進めたいという考えのもとに、仕事を始めておるわけでございます。 御質疑の要点である、地主やあるいは家屋の所有者に対しては十分の措置をはかっておるが、借地人及び借家人についての考慮が不十分ではないかという御指摘でございますが、実は私どもも、まだその内容について、どういうことになっておるか、十分にただいまのところ了解いたしておりません。私どもは、用地補償につきましてはもちろん、家屋の移転、これに伴いますもろもろの費用をつけましても、予算を計上いたしまして、地元の受け入れ態勢が十分にできて、それに伴う費用をつけるように私どもは十分考慮してやっておるつもりでございます。
○武藤委員 十分考慮して補償の問題をやっておるつもりだと言うけれども、今の次長のお話では、当初は区画整理事業とにらみ合わせてかえ地の問題を考えていこう、こう思っておったんだが、はかばかしく進捗してないので、単独で補償の問題を今進めておる、こういう意味のあなたのお話ですね。私は、きょうは補助金等の問題に関連しての質問であるから、補償費の内容について云々しようとしているわけじゃございません。そこで、問題になるのは、区画整理事業と並行して行なう場合に、四十七万坪という膨大な農地を今区画整理しようとしておるわけなんです。この区画整理事業に対して、一体建設省当局は、負担金なり補助金なりというものを法の規定通りに出そうとしておるのかどうなのか、その点をまず最初にお尋ねしたいのです。
○志村説明員 ただいま御質問のございました区画整理の問題でございますが、足利市におきまして区画整理をいろいろ考えておるということは承知いたしておりますけれども、どのような計画でやっておるかということにつきましては、まだ足利市自身におきましても結論を得てない段階でございます。
○武藤委員 結論を得てないというなら、それは話は別といたしまして、私はその問題に最初からタッチしておるので、どの状況まで進捗しておるかもよく承知しておりますが、当局がまだこれを知らぬというのですからやむを得ません。 そこで、角度を変えてお尋ねしますが、都市計画法に基づく区画整理法による負担金補助というものは、どういう場合は補助金を出し、どういう場合は出さぬか、できるだけ具体的に、当局の今まで取り扱ったケースに立って御答弁願いたいと思います。
○志村説明員 区画整理事業でありますが、大体施行者がいろいろ分かれておりまして、個人施行、組合施行あるいは都道府県ないし市町村の施行、あるいは行政庁施行というふうに分かれておりますが、費用の負担は、区画整理法の定めるところによりまして、施行者が負担することになっております。なお、施行者が負担することにはなっておりますが、行政庁が施行する土地区画整理事業につきましては、場合によりましては費用の一部を負担することができるという規定になっております。また、もう一つ別途の公共施設の管理者の負担金の問題でございますが、これまた法律で定められておりまして、公共施設の用に供する土地の造成を主たる目的といたします区画整理事業を施行する場合には、その公共施設を管理する者に対しまして費用の負担を求めることができるという規定になっております。
○武藤委員 私はそういうことを尋ねているのではない。これは区画整理法の百二十一条、さらに百十八条に書いてあります。あなたがそういうことを答弁しなくても、大がいわかるわけなんです。私の聞こうとしておるのは、今まで、区画整理事業という場合に、どういう事業には補助金を出して、どういう事業には出さぬかという、具体的なケースに基づいて全国の例を——だから、そういう場合から見れば、足利の場合適用できるかできないかという判断を得たいと私は思っているわけです。そういう材料をあなたに求めている。もっと具体的にお尋ねしようとすれば、こういうことです。百二十一条、百十八条に基づけば、大規模な公共施設の新設もしくは変更、こういう一つの前提があるわけですね。そこでこの大規模な公共施設という大規模のカテゴリーです。大規模というのが、どの程度までは大規模に入るのか。そこは建設当局がきめる。市当局は、そういうことがはっきり最初にわかっておれば——これが何に関係あるかというと、地元民の受益者負担に関係があるのです。農民が膨大に負担をするか、それとも国の補助金が出ることによって農民の負担が軽減されるかという問題に関連があるわけです。そこで、大規模な公共施設という大規模とはどの程度であるかということから、お示し願いたいと思います。
○志村説明員 区画整理におきまして補助をやっております事例は、土地改良事業とか区画整理事業につきまして補助をやっておる例があるわけでございます。それは、その区画整理によって作られます幹線道路が二十メートル以上の場合——これは大体五大市というような大きな都市について。その他の都市につきましては、十五メートル以上の幹線道路をこの区画整理によって作り出すというような場合に、これを適用いたしておるような格好でございます。
○武藤委員 十五メートル以上の幹線道路が、かりにこの四十五万坪の区画整理の中に二本できる。しかし、県並びに建設省当局は、補助金をきめる場合に優先順位があって、もうあの町は一ぺん土地改造をしてやっておるから、お前のところはすでに割当がいっておるから、いわゆる岩井山の改修に協力する国営事業であっても、それはできないのだ、そういう形で建設省がピック・アップをしてしまうと、せっかく国の大きな事業に協力しようと思ってもできないことになる。その負担は一切住民にかかってしまう。そういう矛盾が出てくるわけです。そこで、今の十五メートル以上の幹線道路が含まれておる都市計画の場合には、必ず補助金を出すか出さぬか、どうですか。
○志村説明員 その場合におきましても、区画整理というのは、区画整理をやりました結果、その土地の値段が非常に値上がりするわけでございます。従いまして、その値上がりした分と従前の土地の値段との差額分は、保留地として取ることができるわけです。さような保留地として取ることのできる、区画整理事業としてやり得る範囲内のものでありますならば、減歩その他でもって区画整理事業が可能でありますが、ただいま申しましたように、二十メートル以上あるいは十五メートル以上の幹線道路が作られる場合におきましても、駅の周辺とか、あるいは戦災復興の関連で残っております地域とか、密集市街地等におきましては、さようなことができにくいわけでありますから、さようなところを優先して補助の対象にいたしておるわけであります。
○武藤委員 そうすると、比較的繁華街でない区画整理の場合には、そういう適用はほとんど不可能だという見解ですか。私が今聞かんとしておる点は、今回足利市が計画しておる区画整理事業は、決して足利市だけの地価を高めようとか、その住民だけの便益をはかろうという目的だけじゃないのです。建設省の大きなこの渡良瀬川改修という事業に協力しよう、そうして区画整理をして宅地造成をすれば、三百八戸の立ちのきをされる河川改修地の人々のかえ地が発見できて、そこに移動できる、そういうために国の事業を早く推進したいという立場からの区画整理なんですよ。そういう区画整理であっても、今のように厳格な、繁華街でなければ十五メートル以上の幹線道路ができてもだめです、あるいは緑地地帯ができても、公園ができても、そういうものは国の補助事業には該当しないという見解であるのか。それとも、国の事業にこれだけ協力するのなら、この法律をできるだけ有利に適用してやる、補助金を出してやろうという見解であるのか。その辺を一つ明快にお答え願いたいと思うのです。
○志村説明員 ただいま私が申し上げました補助金の対象のいろいろな基準等につきましては、個々具体の事例に徴しまして具体的な適用をやっていくわけでありますので、足利市の場合は、先ほども申し上げましたように、まだ区画整理の事業計画もできてないようでございます。その辺のことをよく地元とも打ち合わせをいたしまして、検討して参りたいと思います。
○武藤委員 それでは、最後に大へん親切な答弁をいただいたので、これから大いにりっぱな計画を持って、建設省当局の親切な指導と、ぜひ農民負担を軽減するという立場からの採択を特に希望するわけであります。 そこで、一つ、そういう根本的な計画を作る上に必要だと思われるので、お尋ねしておきますが、大規模な公共施設という場合の公共施設は、今の答弁で十五メートル以上の幹線道路ということはわかりました。それ以外に、一体大規模な公共施設の中にはどういうものを具体的に含んでおるか。 第二には、公共施設の中には、普通の十五メートル以下の道路を、もっと便利にするために、六メートル道路、十メートル道路にする。それから公園、さらに住宅地、団地、そういうものがその中には入りますか。一体建設省のやっている公共施設というのは、十五メートル以下の道路が入るか入らぬか。さらに緑地という場合の基準はあるか。たとえば公園を作る場合、どの程度の公園ならば緑地として補助対象に入るのか。法律によりますと緑地は補助対象に入っておるようになっておりますから、それをお尋ねするわけです。それが第二点。 それから、第三の点は、土地区画整理法施行令の六十六条の六号の規定の中におきまして、「国の補助、出資若しくは融資」というようになっております。そうしますと、建設省の認可を受けて起債を市が仰いだ場合には融資に該当すると思いますが、それはどうですか。もしそういう融資を受けて、三百八戸のいわゆる岩井山改修により立ちのきを要求される人たちの団地を作る場合には、政府の補助対象になるかどうか。この点もあわせてお尋ねしておきます。
○志村説明員 大規模な公共施設の新設もしくは変更にかかるものである場合におきましては、一部の補助ができるということになっております。大規模なものは何であるかということでございますが、大体私どもの考えておりますのは、おおむね区画整理によって公共施設が作られる場合に、非常に大きな通過交通の用に供する道路ができますと、直接その地元の方々の益にもなりますけれども、その他の地区の方々の益になる場合もある。そのようなものを、その地区だけの責めに帰する、その地区の方々だけがいわば受益者負担的な不利益を受けるという疑問があるという意味で、かような規定を置いたわけであります。さような意味におきまして、この六十六条も解釈ができるかと存じます。その緑地の広さとか、区画整理を施行いたします地域の広さとか、その具体的の事例において考えねばならぬかと存じます。
○武藤委員 まだ建設省に認可の書類が出ていないから、答弁もぼけると思うのでありますが、冒頭にも申し上げましたように、この区画整理事業の目的は何かといえば、政府が渡良瀬川の改修をやる。これはかつて二百五十数軒が一回の水害で流されてしまったという個所です。そこで、その水魔から救おうという渡良瀬川改修の政府事業に協力をするという前提があるわけです。国の仕事を推進するための宅地を造成する区画整理なんです。そういう大きな任務を持った区画整理であるから、ある程度幹線道路のその地域以外の人の使用度が低かろうが、そういう国の事業を推進するために協力するという自治団体の施行であったならば、当然国ができるだけの補助をしてめんどうを見なければならぬと思います。そこで申し上げたわけでありますが、なぜこういうことを取り上げたかというと、今の第一次案を地元民と折衝いたしますと、建設省の起債の認可基準、保留地の減歩の率というものは、地元民に総工費の三割までの負担をさせることができるという。三割も負担させたら、一反歩の百姓は九十坪の土地を取られる。その九十坪の土地は一坪五千円もしておる。そうすると一人で大へんな金額を負担しなければ工事ができないことになる。市はなぜ地元民にそういう負担をさせるかという農民の要求に対して、答えはこうです。建設省は補助金もくれないし、負担金も出してくれないから、結局市が負担するか、農民の皆さんが負担する以外に手がない。農民はもっと負けてくれと言う。しかしこれ以上負けると起債の認可にならない、起債の基準というのは、総工費の七割を受益者が負担をしないと国の方は起債を認めてくれないのだ、だからお前たち泣き泣きこれをのむ以外にないのだと言って押しつけるわけです。ちゃんと税金を納めておる日本の住民が、一つのそういう事業をやるたびに、税外負担という形で膨大な負担金を賦課されるという今の機構のあり方に対して、私は非常な疑問を持つわけです。そういう観点からも、こういう事業に対しては、建設省、大蔵省は思い切って——やはり国の大きな事業の一環なんですから、たとい地方自治体の施行であっても、その目的とするところは、国の考えていることを推進する大きな協力体制をやろうとしておるわけですから、そういう点から十分一つ参事官や次長にも御考慮願って、こういう大きな仕事に対して国は補助金を出すという態度を明確に打ち出してもらいたい。そうなれば、今の交渉などはもうその日にきまってしまうのです。農民も、そうか、国がそこまで親心を持ち、親切心を持って区画整理を推進したいというならば、われわれも判を押そうということで、急転直下その日にきまります。ところが、一銭も金は出さぬ、さあやることはお前たちがやってくれれば地価は上がるのだというけれども、地価が上がるのは固定資産税が上がるだけであって、土地を売れない農民は地価が上がったって何にもならぬ。だから、ほんとうに純粋の市街地の場合と、半市街地的なこれから新しい市街地を作ろうという場合の区画整理とでは、認識を根本的に変えて考えてもらわないと、その住民がひどい目にあうということなんです。そういう点を私は特に建設省当局にお願いをいたしたいのであります。もし幸い御見解が承れれば、本日見解を聞かしてもらいたい。
○志村説明員 ただいまお話のありました保留地の減歩率の問題でございますが、先生もちろん御存じのこととは存じますが、区画整理そのものはやはり費用は施行者の負担という原則でございます。なぜそういうことになっているかと申しますと、区画整理をやることによりまして土地の利用度が非常によくなりますので、相当値上がりする。そうしますと、従前の宅地の価格の総額と比較いたしまして、施行後の宅地の価格がだいぶ上がるわけでございます。その差額相当分につきましては、その一部を土地として費用に充てることができる、これが保留地でございまして、建設省で三〇%の減歩補助をしなければならぬとか、あるいは七〇%以上の費用を保留地減歩からとらねばならぬとかいうようなことは、かような原則を無視して言っているわけでは全然ございません。この原則はあくまで原則で生きておるわけであります。決して区画整理を施行される地区内の方々に御迷惑をかけるようなものではないわけであります。特に市街化しつつある農地というふうな問題につきましては、農地でございますならば値段が安いのでございますが、市街化しつつあることで、市街化の一歩手前で相当の期待価値を生んでおる、区画整理をやることによって、宅地化することによって、さらにまたその土地の価値が高まるというふうな関係等が、区画整理の仕方でいろいろ動いて参ります。さような趣旨でございますので、先生もよく御承知のことかと存じますが、あらためて御説明申し上げた次第です。なお、足利に関する事業計画その他に関しましては、当面県知事がこれを認可するというふうなことになっているわけでございますが、私どもといたしましても関心を持ちまして、いろいろ慎重に検討させていただきたいと思います。
○武藤委員 その施行者の負担であるということは法律に書いてあるわけですが、その二条三項によって施行者が地方自治体の場合は、当然地方自治体が全額持つことですか。施行者という概念は一体どこまでが含まれますか。
○志村説明員 たとえば足利市が区画整理をやるという場合には、足利市が負担するのが原則でございます。ただ、その際、その区画整理をやることによって保留地を生み出すことができるならば、保留地の費用を区画整理事業の費用に充てることができるわけであります。
○武藤委員 今参事官のおっしゃるような役人的なものの見方で考えた場合は、そういうきちょうめんな法の解釈の上に立って施行者が全部負担するんだと言えば、農民は出しませんよ。当然われわれはやりたくないのを市がやるんだから、市が全額持ちなさいと言われた場合には、今言う岩井山の住民の協力態勢もこわれてしまうわけですよ。そういう木ではなをかむような態度でなくて、施行者は市だけれども、しかし、これに関連するのは、農民も確かに地価が上がって売るときはもうかる、さらに岩井山の三百八戸の人たちも引っ越す場所ができる、そういう総合的な判断の上に立って、この区画整理は一つ国の補助をある程度はつけてやろう、そういう態度を持たぬことには、なかなか地元のこういう対立というものは解消できない。あなたのような考え方を私が地元に行ってぱんとぶてば、これは、農民は、市がやるんだろうから、われわれは判を押しませんよと言われれば、せっかくここまで進んできた計画や何かもふいになるのです。そういう点の考慮を今後十分してもらいたい、そういう注文をつけて、一応質問を終わります。
○足立委員長 辻原弘市君。
○辻原委員 国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例に関する法律案に関連をして、一、二点お尋ねをしておきたいと思うのです。 問題は、例年特例法を作って、前年度の二分の一の剰余金をもって繰り入れるという特例をここで審議決定しておるわけですが、元来例の一万分の百十六かける三分の一という方式を原則として、資金会計に繰り入れていくというのが建前だろうと思うのですが、それが、従来の特例法のあれから考えてみますと、常に特例々々という形で、例年この国債基金の方に特例でもって処理されているという感が深いわけです。元来定められておる成規の定率による繰り入れ方式がどういう関係から採用されないのかということは、これは問題だろうと思うので、その点、法案を本日ここで決定する予定でありますけれども、この機会に、去年も同様の質問が発せられているようでありますけれども、確かめておきたいと思います。
○上林政府委員 ただいまの御質問につきましては、提案理由でもその趣旨を御説明申し上げました次第でございますが、今御指摘がございました前年度消費の国債総額の一万分の百十六の三分の一という額は、御存じのように大正四年及び昭和七年に作られましたものでございまして、その点額もただいまの額で計算いたしますと十五億円でございまして、現在の国債償還の実情にそぐわない点もございます。また、ここ数年来、もちろん財政法六条の規定によります二分の一の額が国債償還に充てられますことによりまして、円滑に国債整理の運営を果たして参ったわけでございます。また三十六年度におきましても同様の状態でございます。昨年度の国会におきまして、当委員会で、これにつきまして恒久的な制度を考えるべきであるという決議をいただいたわけでございます。それにつきましていろいろ検討いたしました結果、わが国の国債の状況にかんがみますと、国債総額のうちにおきまして、外債及びその年ごとに支払って参ります、要するに借りかえの弾力性のございません国債を償還いたしますウエートが、ここ数年非常に高いわけであります。従いまして、減債基金の制度になじまない、かつまた国債の残高を見ましても、昔は、たとえば一般会計負担の国債が、一般会計の歳出規模に対しまして三倍とか五倍とかいうような状態でございましたが、現在におきましては二分程度に下がっております。また、世界各国の情勢を見ましても、アメリカないしイギリスというような、わが国よりもはるかに今申しましたような国債の比重が高いところにおきましても、現在におきましては減債基金という制度を持っておる国はございません。そういうような状況でございますので、ただいまの国債の残高あるいは償還の実際を見ますと、恒久的な減債基金制度を作るのになじまないという状況でございますし、またその必要性も必ずしもあるとは言いがたいということでございます。従いまして、今後も大体剰余金の二分の一で国債償還の運営が円滑に果たされていくと思います。なお、今後の情勢によりましては、弾力的に国債償還を運営していくという意味におきまして、この特例を今後も続けることにいたしまして、そうして、その国債償還の運営にあたりましては、今の剰余金の二分の一その他の金額と合しまして、国債償還の運営に支障を起こさないように、一般会計から予算の定めるところによって入れていきたいという制度にいたしたいというわけでございます。
○辻原委員 参考にちょっと承っておきますが、国債の残存元本はどのくらいありますか。概略数字だけを種類別に……。相当大きな額になっておると思う。
○上林政府委員 昭和三十四年度末の国債につきまして申し上げたいと思います。三十四年度末の国債の残高が五千四百十六億、内訳を大ざっぱに申し上げますと、そのうちでIMFその他の出資国債が千三百八十六億、それから内国債が二千六百六十一億でございます。そのほかに先ほどちょっと借りかえの弾力性のないと申しました交付国債が五百五十二億、それから外債が八百十七億でございます。
○辻原委員 そのうちで償還期がきて繰り延べもしくは書きかえをした分はどのくらいありますか。近く償還期が到来する分……。
○上林政府委員 ただいまのは昭和三十四年度末の国債の残高でございますが、昭和三十五年度において償還期が参りますのは、普通国債では六百二十九億でございます。それから三十六年度では三百十九億、これらはいずれも大部分が日本銀行及び市中金融機関が持っておりますので、それは借りかえということになるわけであります。それから交付国債につきましては、三十五年度が百五十五億、三十六年度が百六十一億、それから外貨債につきましては、三十五年度が二十六億、三十六年度が百七十五億でございます。
○辻原委員 一万分の百十六かける三分の一というやつが実情にそぐわないから、本年度も特例で前年度の期首の二分の一の剰余金をもって充てるという方式を採用したいという趣旨なんだが、そこで、今の残存元本に本来計算すべき率を乗じた、いわゆる国債基金に繰り入れる額と、それから前々年度の——前年度の期首だから前々年度になるわけですね、その剰余金の二分の一というやつで計算した場合の、これは本年度のこの特例を適用すべき、本年度予算に繰り入れの四百八十億ですか、それと、最初に私が申したものとの計算した相違はどのくらいありますか。どの程度実情にそぐわないかということを、一つ具体的に説明してもらいたい。
○上林政府委員 ただいま四百八十億とおっしゃいましたが、二百十九億が元本のためのものでございます。利子がその残りでございます。それに対しまして、もし特例法の適用がございませんで、一万分の百十六分の三分の一の額を入れるといたしますと、十五億よけい入れることに相なります。それで、現実の国債償還の運営といたしましては、二百十九億入れることによりまして、来年度の国債償還を円滑に実施することができるという状況でございます。
○辻原委員 そうすると、去年も非常に問題になって、特例とせずに、根本的に方式を恒久法に改めたらどうか、これは常識的にそうだろうと思うのです。ところが、それができないので、なかなか技術問題も困難だから、本年度も特例だ、また、今の御説明によれば、当分財政法六条に基づくこの二分の一の方式をもってやる、特例を継続したいというお話なんです。そうすると、一万分の百十六かける三分の一をもって計算するという時期は今後なかりそうに私は判断するのです。それは考えてみると、非常に経済が悪化し、国庫の財政剰余金も何も出ないといったような場合を想定して、そういう計算方式の本法を残されておるのか。他に何か理由があるのか。もしそういう理由がないならば、今後も特例ということでおやりになるという考え方であるならば、今国会はやむを得ないといたしましても、何かこの処理方式を統一された方がいいのではないかと思うのですが、その点はどうなんですか。剰余金が非常に少ないといったような場合に、第一の方式、本法の方式を使うのだ、こういう含みがあって残されておるのか、他に何がしの理由があるのか、その辺のところを少し聞かせてもらいたいと思います。
○上林政府委員 ただいまの御質問でございますが、確かに、一万分の百十六分の三分の一という額につきましては、現在の国債償還の実情にそぐわないと思います。従いまして、もしこれに恒久的な制度として減債基金の制度を確立するということであれば、この率その他につきまして検討を要するかと思っております。検討の過程におきましては、たとえば国債の平均年限が大体二十五年ないし三十年というようなものでございますから、あるいは二十五分の一入れるとか三十分の一入れるとかいうことを検討した時代もございます。しかしながら、先ほど申しましたように、ただいまの国債の償還を要します額につきましては、償還について計画的にやって参ります普通国債の問題よりも、償還の借りかえのききません交付国債なり外貨債なりというものの償還のウエートがここ数年多いわけでありまして、それをひっくるめて今申しましたような恒久的な減債基金の制度を確立することは、技術的に非常にむずかしいわけでございます。従いまして、今後そういう国債償還を計画的に償還して参るのに適合するときが参りましたとき、しかし、それにいたしましても、今後の国債発行につきましては、財政法の規定によりまして、建設公債以外は新たな発行をしないことになっております。建設公債でございますと、財源が必ず伴うわけでございます。そういうような問題もございまして、現在基金自体を今後の国債整理の方法といたしましてどう考えていくべきかという問題につきましては、なおいろいろと検討すべき問題があるわけでございます。そういう検討も済みません前に、こういう一定率を一応今国債整理基金特別会計法に減債基金として充てるという規定になっておりまして、それ自体をやめさせるということも、この際また行き過ぎではなかろうかという感じがいたすものでございますので、特例法として規定いたしたというわけでございます。
○辻原委員 どうもわかったようなわからぬような話なのですが、かりに減債基金の処理の問題が残ったといたしましても、当分やっぱり基金に対して繰り入れる一つの剰余金の繰入額のめどというものは、およそ全体の今の財政規模から考えてみて、さっきの定率のああいう金額とはほど遠いものになっていくということが想像できるのです。そうだとするならば、何もそのことにこだわらず、基金繰り入れの方式というものは一元化され、恒久的なものにされるということは、支障がないように私も考えるのですが、その点技術的なことはわかりませんけれども、どうも何だか特例が本法であって、本法が特例のような、そういう印象を受けていたし方がないのであります。わかりやすくするために検討されるということであれば、それでけっこうですけれども、次の機会くらいには、はっきり恒久法あるいは方針を固められて提案をされた方がよろしかろうと私は思います。毎年同じことを繰り返すのもいかがかと思うので、この機会に一言大蔵省の方に、早急に検討されて方針を定めるべきであるという要望を申し上げておきます。
○石原政府委員 先ほど来法規課長のお答え申し上げていることで尽きるわけでございますが、もともと万分の百十六、これを三分の一に昭和七年にいたしたわけでございます。三分の一にいたしません元の額といたしましても、万分の百十六ということは、簡単に申しますと一%ということでございますから、これは当時歳計の大きさに比べまして相当大きな国債を持っておりまして、そのとき考えました比較的当時としては大いに国債償還に努力するという建前のものであります。ただ、そのほかに、旧会計法上に、御記憶であると思いますが、剰余金の四分の一を繰り入れることにして、その両者をもって国債償還に充てたわけでありますが、昭和七年だんだん財政がむずかしくなってきて、三分の一ということに落としたので、三分の一ということになりますと、千分の三でございまするが、万分の三十ということになるのでありまして、これは先ほど申し上げたように小さな額になります。その点から申しますと、なぜその規定を本則として残しておくかという御疑問であろうと思います。これは、先ほど法規課長から申し上げましたように、今のところ比較的交付公債のようなものの償還が詰まっております。御承知のように、外債の償還というものは、相当波がございまして、どっとくるときがございまして、あとは小さくなっていく、そういうようなところから、実は整理基金というものがございますから、従って、やや長期に見ました償還計画を立てまして、それに伴う一定率というものがあるはずであります。ただ、外国の立法例を見ましても、償還の今申し上げました減債基金率一本で大がい行っておりませんで、加うるに剰余金に対しまする一定率、たとえば四分の一、二分の一というのは高い率かと思いますけれども、これは、財政法を作りましたときに、大いに財政を健全化しようということで、当時大きな国債を持っておりましたから、率を四分の一から二分の一に上げたわけであります。そういうような組み合わせでどういうことを考えて参ったらいいか、そこら辺に時間をいただきまして考えて参りたい。先ほど法規課長が申し上げましたように、たとえば二十五分の一であるとかいうような計算はごく初歩的にあるわけでございまするけれども、やはり剰余金が出たときにはある程度まで国債の償還に充てるということもございまするし、そこら辺も見込んだところで考えて参りたい。先ほどちょっと申し上げましたように、非常に大きな国債の償還の割合になっておりませんので、そこら辺はそう焦眉の問題でもございませんという考えでございまするから、少し時間をかけまして、相当長期にわたり検討をしてみたいということでございます。
○足立委員長 この問題につきましては、委員長として大蔵省に意見を申し上げておきたいと思います。ただいまの論議を聞きましても、毎年同じことを繰り返すというわけでして、おそらく委員全員が同じ感じを持っていらっしゃると思うのです。主計局長が今お答えになったように、外債の償還につきましては相当波動があるということは常識でもわかるわけですから、こうした特例的な措置がしばしば必要になるであろうということはわかりますが、あまりにも本則といいますか基本が時代離れをしているような感じがするので、そういう特例措置はとるにしても、もう少し時代に合ったものに至急改正されるのがしかるべき措置ではないかと思いますので、委員長として大蔵省に意見を申し上げておきます。 これにて三法律案に対する質疑は終了いたします。 —————————————
○足立委員長 なお、各法律案に対しましては討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。 お諮りいたします。 三法律案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、三法律案はいずれも原案の通り可決いたしました。 なお、ただいま可決いたしました三法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○足立委員長 関税定率法の一部を改正する法律案、関税暫定措置法の一部を改正する方立案、関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、物品税法等の一部を改正する法律案、機械類賦払信用保険特別会計法案、農業近代化助成資金の設置に関する法律案、資金運用部資金法の一部を改正する法律案、郵便貯金特別会計法の一部を改正する法律案及び企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法の一部を改正する法律案の九法律案を一括して議題といたします。 ————————————— 関税定率法の一部を改正する法律案 関税暫定措置法の一部を改正する法律案 関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案 物品税法等の一部を改正する法律案 機械類賦払信用保険特別会計法案 農業近代化助成資金の設置に関する法律案 資金運用部資金法の一部を改正する法律案 郵便貯金特別会計法の一部を改正する法律案 企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○足立委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。大蔵政務次官田中茂穂君。
○田中(茂)政府委員 ただいま議題となりました関税定率法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 この法律案は、関税率表の全面改正及び関税制度についての一部改正等を内容とするものであります。 まず、本文関係としましては、第一に緊急関税についての制度を新たに設けたことであります。後ほど説明いたします関税率改正におきましては、通常の状態を前提として国内産業の保護等をはかっておりますが、海外価格が急落する等の異常の事態は考慮してはございません。特に輸入が自由化されて参りますと、このような事態のもとに輸入が増加しまして、それがわが国の産業に重大な損害を与える場合も十分考えられますので、このような緊急事態に対処して、早急に関税率を引き上げ、国内産業を保護する必要がございます。この制度は、このような場合に緊急関税の賦課、ガット譲許の撤回または譲許撤回の補償としての新たな譲許等を、一定の要件のもとに政府限りで行なうことができることとするものであります。 第二に、関税割当制度でございますが、ニッケル及び高速度鋼につきましては、別表の税率が低税率と高税率とに分けられております。これは、一定数量以内のものは低税率として国内需要者側の要請を充たすとともに、その数量をこえる数量の輸入については高税率として、それと競合する国内産業の保護をはかろうとするものであります。第九条の三の規定は、別表によって定められておりますその低税率を適用する基準及び方法を定めたものであります。 第三に、再輸出減税の規定でございますが、機械の組み立てのため一時的に輸入され再び輸出される工具等につきまして全額課税するのは酷な場合がございますので、減税することができる規定を設けたものであります。 第四に、輸入禁制品の関係でございますが、これは、一昨年の衆議院大蔵委員会での決議の御趣旨に従いまして、その取り扱いを一そう慎重に行なうため、輸入映画等審議会を設置する等の改正をしようとするものであります。 本文関係といたしましては、その他若干の規定の整備があります。 次に、別表関係につきましては、まず税表分類につきまして、改正案ではブラッセル関税表の分類方式を採用いたしましたが、これは現行の分類体系が最近の新しい輸入商品の実態に沿わないこと及びブラッセル関税表の分類が国際的に最も広く認められていること等を考慮したものでございます。 次に関税率の改正について申し上げます。 現行関税率体系は、昭和二十六年の全面改正後、若干の小規模な改正はありましたが、ほとんどそのままこれを踏襲して現在に至っているわけでありますが、この間においてわが国経済は目ざましい発展を遂げ、当時に比べ量的にも構造的にも大きく変革してきております。このような産業貿易の変化に対応し、また今後の産業構造の高度化に順応するためにも、現行税率は全面的に再検討を行なう必要があったわけであります。特に、最近における貿易自由化の進展により、関税の機能がその重要性を増して参りますので、この再検討が一そう緊急に要請されるのであります。 このような状況から、政府は関税率審議会に諮りまして、関税率改正の作業を進めたのでありまして、検討品目は二千余にわたっております。 税率検討に際しましては、基本的には貿易自由化を前提といたしましたが、主食関係や非鉄金属の一部または石炭等のように、現在のところ基本的政策に未確定の要素が多いものについては、検討時期を後日にのばす意味で現行税率据え置きといたしたものでございます。 検討の結果、関税率の引き上げられた品目は二百五十一品目でございますが、これらは、わが国において今後積極的に助長育成するためには、現行税率では不十分と考えられる産業、たとえば酪農製品や工作機械の一部等及びたとえば大豆、非鉄金属の一部等、自由化の際の衝撃が大きいと思われる産業の生産物でありまして、適当の保護を必要と考えたものであります。ただし、この場合においても、単に内外の価格差を埋めるということでなく、将来における合理化の見込み等を勘案して税率を定めております。 次に、関税率の引き下げられた品目は三百八十六品目であります。この引き下げ品目には、すでに対外競争力を備えるまでに成長した産業を対象としたもののほか、従来の奢侈関税としての高税率を若干引き下げたものも含まれております。これらは保護関税の立場からは従来の税率を維持する必要が認められないので、需要者の利益を考慮して引き下げを行なったものであります。たとえば、塩化ビニール、貴金属製品等であります。 なお、税率の据え置かれたものの多くは、現行税率が今後も適当とされたものでありますが、現状では積極的結論を得ることが困難のため、一応現状維持とされたものもあることは前に述べた通りであります。 また、今回の改正案におきましては、従量税を採用したものがかなり増加いたしております。その形態も単純な従量税ではなく従価、従量のいずれか高い方の選択課税や、従価従量の併課税率等、税率に弾力性を持たせることを考慮しております。 以上のような改正案を作成するにあたりましては、産業保護の面を考えるとともに、国内一般需要者の立場に立って考慮を加えたことは言うまでもございません。また、関税の国際性、特にガット関係等についても十分に考慮いたしております。 次に、関税暫定措置法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。 この法律案は、従来から関税の暫定的減免措置を行なっていた物品のうち、所要のものについてその適用期間を延長するとともに、今国会に別途提案されている関税定率法の一部を改正する法律案が施行された場合の基本税率とわが国産業の実情等を勘案して、若干の物品について暫定的関税率を定め、あわせて必要な事項について規定の整備を行なおうとするものであります。 以下、その内容につきまして簡単に御説明申し上げます。 第一に、現在暫定的に関税の免除または軽減を行なっている物品のうち、重要機械類、給食用脱脂粉乳、農林漁業用重油、肥料製造用原油、製油用原油等の物品につきましては、本年三月三十一日でその適用の期限が到来するのでありますが、最近におけるわが国産業の実情等にかんがみ、その適用期間をさらに一年間延長することとしております。 第二に、従来から免税措置をとって、おります給食用脱脂粉乳につきまして、児童の体位の向上等の必要性を考慮して、その適用範囲を拡大し、幼稚園及び児童福祉施設の幼児または児童の給食の用に供されるものについても免税することとしております。 第三に、ガス事業の公共性にかんがみ、ガス原価の引き下げに資するため、その原料として使用する原油の関税を免除することとしております。 第四に、先に申し上げました関税定率法の一部を改正する法律案において、新たに緊急関税制度及び関税割当制度を導入することになっておりますが、これらの制度を暫定税率を定めている物品について適用する場合に必要な規定の整備を行なうこととしております。 第五に、現在減免税を行なっている物品のうち国産が可能となったもの、または関税定率法の一部を改正する法律案において、従来の暫定税率を基本税率としているものについては、暫定措置を廃止するとともに、新たに必要となった若干の物品について暫定税率を定めることとしております。 また、関税定率法の一部を改正する法律案において税率を引き上げることとしてている酪農製品、機械類の一部等について、国内消費者または需要産業に対する負担の増大を避けるため、これら物品の輸入を自由化するまでの間、暫定的に現行税率を据え置くこととしております。 その他、貿易の自由化に伴う一時的輸入の増大により、国内産業が打撃を受けるおそれのある物品については、国内産業が合理化されて国際競争力を備えるまでの間暫定的増税を行ない、あるいは国内生産業と当該物品の需要産業の両者の保護調整をはかるため、特定物品について関税割当制度を適用することとするなどの措置をとることといたしました。 このほか必要な規定の整備をはかることとしております。 次に、関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。 この法律案は、最近における沖繩との貿易の実情に顧み、沖繩等の生産品に対して従来行なっていた関税免除の制度に加えて、新たに関税軽減の制度を設けようとするものであります。 沖繩等から輸入される生産品に対して関税を免除する現行の制度は、当初その土産品を対象と考えておりまして、それ以外の物品、すなわち外国産物品を原材料として同地域で生産された物品をわが国に輸入する場合には、政令でこれらの品目を指定し、これについては全額課税する建前でございました。しかしながら、従来はこの種の問題となる物品の輸入はほとんどなく、従って政令による品目指定も必要としなかったわけでしたが、最近、たとえばエンジンを外国から沖繩へ入れて、そこでボートを組み立ててわが国に輸入する等、沖繩を中間生産地とする物品の輸入が増加する傾向が出て参りました。これらについて従来のものと同様に関税の全額免除を行なうことは、関税定率法の一部を改正する法律、附則第四項の本来の趣旨ではございませんので、政令でこれらの品目を指定することも考えられますが、全額課税を行なうことは、結果的には同地域における加工産業の存立を困難といたすことになります。本法案は、このような場合に、本邦の産業に重大な影響を与えず、かつ税負担の公平を失しない範囲内において、政令をもちまして沖繩において付加された価値の部分については、関税を課さないこととしようとするものであります。 次に、機械類賦払信用保険特別会計法案について申し上げます。 政府におきましては、中小企業の設備の近代化及び機械工業の振興をはかるため、機械類の割賦販売契約による取引につき信用保険を行なう制度を確立することとし、別途今国会に機械類賦払信用保険臨時措置法案を提案して御審議をお願いいたしております。この保険事業につきましては、その収支を明確にするため一般会計と区分して経理することが必要であると認められますので、ここにこの法律案を提案することといたした次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、この特別会計は機械類賦払い信用保険に関する経理を行なうことを目的とするもので、通商産業大臣が管理することとし、一般会計からの繰入金に相当する金額をもって資本とすることとしております。 第二に、この会計の歳入は、保険料、保険金支払い後納付される回収金、一般会計からの繰入金及び付属雑収入とし、歳出は、保険金、事務取扱費、一時借入金の利子その他の諸費としております。その他、この会計の予算及び決算に関して必要な事項のほか、利益及び損失の処理、余裕金の預託等について必要な事項を定めることとするとともに、この特別会計の設置に伴って必要な関係規定の整備を行なうことといたしております。 次に、物品税法等の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。 物品税は、多種多様の物品を課税対象としている関係上、関連業界はもとより、国民経済にもきわめて密接な関係がありますので、政府は、機会のあるごとに改正を行ない、その軽減合理化をはかって参りましたが、なお課税物品相互間の負担のバランスを中心とした多くの問題が残されております。しかし、さきに昭和三十四年度においてもかなりの減税を行なったことでもあり、これらの問題につきましては、今後なお税制調査会を中心に、間接税全般の問題とも関連して十分検討を続け、その結論を待って所要の改正を行ないたいと考えているのでありまして、昭和三十六年度においては、原則として改正を見送ることとし、特に緊急やむを得ないと認められる物品について、所要の改正を行なうにとどめることとしたのであります。 次に、改正案の概要でありますが、第一は、乗用自動車の税率区分の改正であります。 その内容は、まず小型乗用自動車の範囲の拡張であります。すなわち、現行法では、輪距が二百五十四センチメートル以下で、かつ気筒容積が千五百立方センチメートル以下の乗用自動車につきましては、これを小型自動車として、一五%の税率を適用しているのでありますが、最近他の法令でも小型自動車の範囲が拡張されたこと等に顧み、物品税においても、小型自動車の範囲を改正することが適当であると考えまして、その範囲について、輪距を二百七十センチメートル以下、気筒容積を二千立方センチメートル以下まで引き上げるとともに、関係法令間の小型自動車の範囲の統一をはかる等の見地から、新たに幅についての制限を設けることとし、これを百七十センチメートル以下としようとするものであります。 次に、高級乗用自動車の範囲の改正であります。現在、気筒容積が四千立方センチメートルをこえる高級乗用自動車につきましては、五〇%の税率により課税しているのでありますが、最近において、気筒容積が三千立方センチメートルをこえる自動車は次第に高級化し、現に五〇%の課税を受けております自動車と比較してみましても、車体の大きさもほとんど同じで、その豪華性において甲乙がつけがたいばかりでなく、その価格も現行物品税の税差を別にすれば同程度となっておりますので、両者の課税上のバランスを考慮いたしまして、気筒容積が三千立方センチメートルをこえるものにつきましても、これを高級乗用自動車の範囲に含めることに改めようとするものであります。 改正案の第二は、映画用カラー・フィルムに対する軽減税率の適用期限の延長であります。 映画用カラー・フィルムにつきましては、昭和三十四年以降本年三月末日まで、基本税率の三〇%を暫定的に一〇%に軽減することとしているのでありますが、現段階におきましても、国際水準から見て技術的になお研究を要する余地が残されており、基本税率による負担を及ぼすことが困難であると認められますので、その軽減措置を、昭和三十七年三月末日まで、さらに一年間延長しようとするものであります。 なお、この法律案による改正規定は、本年四月一日から施行することといたしております。 次に、農業近代化助成資金の設置に関する法律案について申し上げます。 政府は、農業協同組合等の農業関係の融資機関が行なう長期かつ低利の資金の融通を円滑にするため、都道府県が行なう利子補給について国が助成することとし、もって農業経営の近代化に資するため、今国会に別途農業近代化資金助成法案を提出して御審議をお願いいたしております。 農業近代化助成資金の設置に関する法律案は、この農業近代化資金助成法の規定に基づき、都道府県が農業近代化資金の融通につき利子補給を行なうのに要する経費を補助するために必要な財源を確保するため、政府の一般会計に農業近代化助成資金を設けようとするものであります。この資金は、一般会計から資金に繰り入れる金額及びこれを資金運用部に預託した場合に生ずる利子をもってこれに充てることとし、前述の都道府県に対する補助の財源に充てる場合に限り、予算の定めるところにより使用できることとしようとするものであります。なお、以上申し述べましたほか、資金の管理、受け払い、増減の計算等所要の規定を設けることといたしております。 次に、資金運用部資金法の一部を改正する法律案について申し上げます。 資金運用部資金は、郵便貯金、厚生年金積立金その他の政府の特別会計の積立金等の政府資金を統合管理し、いわゆる財政投融資として運用されていることは御承知の通りであります。昭和三十六年度には、拠出制国民年金が発足することに伴い、特にこれを契機といたしまして、資金運用部のあり方、国民年金積立金の運用等につきまして、資金運用部資金運用審議会を初め、国民年金審議会、社会保障制度審議会からも、それぞれ建議や答申が行なわれております。これらの建議や答申におきましては、これら政府資金を国民生活に直結する部門に積極的に運用し、かつその使途を明確にするとともに、他方資金運用部資金の源泉が一般国民の貯蓄的性格のものであることにかんがみ、その適正なコストをまかない、できるだけ有利に運用すること等が要望されております。また資金運用部資金の運用計画等について審議を行なっております資金運用部資金運用審議会の構成及び運営の改善をはかることも要望されております。政府といたしましては、これらの要望を十分考慮し、その趣旨に沿って制度及び運営の改善を行ない、もって資金運用部資金のより適正な運用をはかりますため、資金運用部資金法に所要の改正を加えることとし、ここに本法律案を提案いたした次第であります。 次に、この法律案の概要を申し上げます。 第一に、資金運用部資金運用審議会の名称を簡明な資金運用審議会に改めますとともに、その組織を中立公正にしてしかも実質的な審議を行ない得るものとするため、従来行政機関の職員が多数を占めていたのを改めて、学識経験委員七人以内で組織することとし、会長は委員の互選によって定めることといたしますほか、専門の事項を調査審議させるため審議会に専門委員若干人を置くことができるものとし、関係行政機関の職員を専門的立場から調査審議に参画させることといたしました。 第二に、資金運用部資金の運用につきましては、前に申し述べました通り、昭和三十六年度には拠出制国民年金の資金も加わりますので、これらの資金について特に国民生活の安定向上に直接役立つ部門に最重点を置いて運用いたしますとともに、その使途を明らかにする見地から、資金運用部資金の運用計画書及び運用報告書を作成するにあたっては、大蔵大臣が審議会の意見を聞いて定める分類及び区分に従って使途別に分類し、これを国民年金、厚生年金等の年金資金等と郵便貯金資金等とに区分した表を添付しなければならないことといたしました。 第三に、現在資金運用部預託金のうち約定期間七年以上のものに対しましては年六分の利子を付しておりますが、郵便貯金の資金につきましては、この預託利子収入によっては収支相償わず、その赤字は毎年資金運用部特別会計からの繰り入れによって補てんしているのでありまして、その累積債務額も相当多額に上っている状況であります。しかしながら、郵便貯金は国民の零細な貯蓄であり、適正なコストをまかない得るよう運用すべきものと考えられるのでありまして、郵便貯金事業の経営の合理化にさらに努力いたしますとともに、資金運用部におきましても預託利回りの向上をはかる必要があるものと考えられます。同時に、厚生年金、国民年金等他の長期預託金につきましても、同様に国民の貯蓄的性格の資金であり、ひとしく利回りの向上をはかるべきものと考えられるのであります。これらの点を考慮いたしまして、資金運用部におきまして、約定期間七年以上の預託金に対し、年六分の通常の利子のほか、昭和三十六年度以後当分の間、大蔵大臣が資金運用審議会の意見を聞いて定めるところにより、特別の利子を付することといたしました。この特別利子につきましては、金利水準の推移並びに資金運用部の収支の状況に即応しつつ、毎年度資金運用審議会の意見を聞いてその年度に適用する利率を定めることを予定いたしております。なお、資金運用部預託金利率の特例に関する法律は、郵便貯金の約定期間五年以上七年未満の預託金に対し、特別利率による利子を付することを定めたものでありますが、実体的にその必要がなくなりましたので、廃止することといたしました。 第四に、簡保資金につきましては、積立金を分離運用しておりますため、資金運用部に対する余裕金の預託は、これが翌年度積立金となって払い戻されるまでの間の短期の預託となり、このため利回りが低くなっておりますが、毎年度新たな余裕金の預託が繰り返される点から見れば、その資金は実質的には安定的に滞留しているものと見ることもできますので、簡保資金の特殊性やその利回り向上の要請をも考慮いたしまして、昭和三十五年度以後に簡保余裕金として預託された資金で、預託期間一年以上七年未満のもののうち、新たに預託された余裕金の額に応じて払い戻されるものに対しましては、昭和三十六年度以後当分の間、通常の利率による利子のほか、特別の利率による利子を付加し、原則として年六分まで預託利回りの向上をはかることといたしました。 次に、郵便貯金特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。 資金運用部資金法の一部を改正する法律案によって、資金運用部の、長期預託金について特別の利子を付することといたしておりますことは、ただいま御説明いたしました通りであります。これらの措置等によりまして、郵便貯金特別会計においてもその経理内容の改善がはかられることとなりましたので、従来暫定的措置としてとられてきた一般会計及び資金運用部特別会計からの郵便貯金特別会計への赤字繰り入れの措置を廃止するとともに、あわせて、過去の赤字繰入金につきましては、今後の郵便貯金事業の経営の健全性の維持に資するため、この際一般会計への返済義務を免除することといたしております。また、これに伴いまして、郵便貯金特別会計の借入金の制度につきまして所要の整備をはかることといたしております。 最後に、企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。 企業の資本構成の是正に寄与し、その経営の安定と経理の健全化をはかる見地から、一定規模以上の株式会社に対して、再評価積立金の資本組み入れを促進し、あわせて必要な減価償却を行なわせますため、従来から企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法の規定によりまして所要の措置を講じて参ったところでございます。近くこの規定の適用期限が切れることになりますが、わが国の企業経営の現状にかんがみ、その健全化に資するため、この規定を若干強化して、適用期限を延長する等、所要の改正を行なう必要があると考えられますので、ここに法律案を提出した次第であります。 次に、本法律案につきまして、その概要を申し上げます。 まず第一に、再評価積立金の資本組み入れ促進の措置でありますが、現在、昭和三十七年三月三十一日を含む事業年度の直前事業年度までは、再評価積立金の資本組み入れ割合が百分の三十に満たないときは年一割二分、百分の五十に満たないときは年一割五分をこえる配当を行なってはならないものとされておりますが、この措置を若干強化して、昭和三十七年三月三十一日を含む事業年度から二年間については、資本組み入れ割合が百分の三十に満たないときは年一割、百分の五十に満たないときは年一割二分、百分の七十に満たないときは年一割五分をこえる配当を行なってはならないこととし、さらに、昭和三十九年三月三十一日を含む事業年度から一年間については、資本組み入れ割合が百分の四十に満たないときは年一割、百分の六十に満たないときは年一割二分、百分の八十に満たないときは年一割五分をこえる配当を行なってはならないことといたしました。なお、再評価積立金の資本金に対する割合が一定の基準割合(現在は百分の二十五)以下の会社に対しましては、現行法におきまして上記の配当制限を適用しないこととされておりますが、昭和三十七年三月二十一日を含む事業年度以降三年間につきましては、この基準割合を段階的に引き下げることにより、上記配当制限の適用会社の範囲を若干広げることといたしました。 第二に、減価償却励行のための措置でありますが、減価償却の額が普通償却範囲額の百分の九十に満たないときは、昭和三十七年三月三十一日を含む事業年度の直前事業年度までは年一割五分をこえる配当を行なってはならないこととされておりますが、この措置を若干強化して、昭和三十七年三月三十一日を含む事業年度から二年間については年一割二分、昭和三十九年三月三十一日を含む事業年度から一年間については、年一割をこえる配当を行なってはならないことといたしました。 第三に、再評価積立金の資本組み入れ割合が百分の八十以上である場合または再評価積立金の額が資本の額の百分の十以下である場合には、その全額を資本準備金に組み入れ再評価積立金勘定を廃止することができることといたしました。 最後に、昭和四十年三月三十一日を含む事業年度以後における再評価積立金の資本組み入れの促進については、追って法律で定めることといたしました。 以上が関税定率法の一部を改正する法律案外八法律案についての提案の理由及びその概要でございます。何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
○足立委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 各案に対する質疑は次会に譲ります。 次回は来たる九日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十七分散会 ————◇—————