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38回国会衆議院1961/02/23

大蔵委員会 第9号

発言数
87
登壇者
8
会派数
3
開催日
1961/02/23

会議録

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 これより会議を開きます。  証券取引に関する諸問題について調査を進めます。  本日は、小池厚之助君及び高橋亀吉君のお二人より、御意見を聴取することといたします。  参考人には御多用中のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。本問題について参考人よりまず御意見を述べていただき、その後に質疑を行なうことといたします。なお、高橋参考人には、やむを得ざる先約により、十二時三十分に退席されますので、お含みの上御質問を願います。  では、まず小池参考人に御意見をお願いいたします。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 最近におきます証券市場の概況を申し上げて、御参考に供したいと存じます。  まず、発行市場について見ますと、株式の払込金額は、昭和三十四年の二千九百二十八億円に対しまして、三十五年には五千九十八億円と、きわめて顕著な増大を見せたのでございます。事業債の発行高も、三十四年の千八百七十九億円に対しまして、三十五年には千九百六十一億円と、戦後の最高を示しました。特に本年に入りましてからは、公社債投資信託の発足によりまして、一月に五百七十八億円が発行され、二月には八百四十四億円、三月には約八面五十億円の発行が予定されておるのでございます。また、証券投資信託につきましても、その設定額は、ユニット型、オープン型を合わせまして、三十四年には千八百二十四億円であったものが、三十五年には三千六百二十億円と、ほぼ倍額に近い伸びを見せました。これに伴いまして、残存元木も、昨年十二月末現在には、六千四十二億円と著しき増大を見たのでございます。なお、この間におきまして、四証券会社につきましては、投資信託の委託会社、販売会社をそれぞれ分離独立いたしまして、昨年の四月にその発足を見たのでございます。  次に、流通市場でございますが、全国の市場の株式売買高は、三十四年には三百十八億株、三十五年度には四百三十三億株と、前年に比較いたしまして約四〇%の増加を示しております。東京証券取引所におきましても、今年一月の一日平均売買高は一億一千九百万株です。二月上旬並びに中旬の一日平均売買高は一億四千万株となっております。また株価も上進を続けておりまして、東京証券取引所におけるダウ式平均株価は、三十五年初めに百六十三、旧ダウでし申ますと八百六十九でございましたが、年末には二百五十五、旧ダウで申しますと千三百五十六となり、昨日、すなわち二月二十二日には二百九十三、旧ダウで申しますと千五百六十二でございます、このように、最近における証券市場は、全般的に見ましてきわめて活況を続けておりますが、特に株価につきましては、行き過ぎまたは人気化、投機化のおそれがあるのではないかという御意見もしばしば承るのでございます。業界といたしましても、行政指導による規制と相待ちまして、顧客に対する注意、増し担保の徴収や売買報告銘柄の指定等の措置を講じまして、公正な株価形成の場としての健全な証券市場の秩序が維持されるよう、多くの努力を払っておるのでございます。  しかしながら、株高の傾向はひとりわが国のみに限られませんので、海外諸国の証券市場におきましても同様でございまして、また、これに伴いまして、各国と株式の利回りが事業債の利回りよりも低いという、いわゆる利回り革命という現象が起こっておるのでございます。特にわが国の株高の傾向につきましては、わが国経済の今後の成長に対する確信と国民生活の向上に伴って、国民の証券に対する認識が高まってきた反面、証券市場の規模がまだ狭小であるということが株高の一つの原因であると存ずるのであります。すなわち、国民所得、鉱工業生産、預貯金額等がすでに戦前の水準をはるかに上回っておるのに対しまして、証券市場の諸指標を見ますると、三十五年におきまして全国の上場株式時価総額は戦前の七五%でございます。また全国株式売買代金は戦前の九四%であります。また、国民所得に占める株式払込金額の比率も、戦前は六・九%でありましたが、三十五年におきましては四・四%にすぎません。さらに、企業の資本構成を見ますと、戦前は自己資本六〇・七%、他人資本三九・三%でありましたに対しまして、現在では自己資本が三〇・七%、他人資本が六九・三%と逆転しておるのでございます。これらは、一見好調に見える証券市場が、実はまだまだはなはだ立ちおくれているということを示しておると思うのでございます。本来国民の有価証券に対する直接投資を推進することは、国民貯蓄を安定的な長期産業資金へ転化させ、経済の安定的成長を確保する基盤となるばかりでなく、産業に対する持ち分や産業の収益を直接国民に広く分散させることになりまして、社会の健全な発展のためにも大へんけっこうなことだと思うのであります。このことは近年に至りまして欧米民主主義国においてもあらためて認識されまして、国民経済における証券市場の機能と役割につきましては、各国と毛ますます重大な考慮が払われつつあるのでございます。わが国におきましても、最近証券に対する認識が国民大衆の間に漸次浸透いたしまして、取引所上場株式の個人株主数は、三十五年三月末現在で、延人員で約千万人、実人員の推計は約三百五十万人でございます。また七世帯のうち一世帯は株式を持っておるという状況でございます。この数字は東京証券業協会が関東地方の調査をやりましたときの数字でございます。かくのごとく株式の大衆化の傾向は次第に拡大しておりまして、また投資信託受益証券の保有者並びに社債の個人消化も漸次増加して参りました。今後もさらに証券貯蓄の普及に努めて参りたいと思っておるのであります。  次に、ここで、証券市場の当面しております諸問題につきまして、若干申し述べたいと存じます。  第一点は、企業の自己資本充実促進の問題でございます。このためには、税制上所要の措置を講じて、企業の内部留保を拡張し、耐用年数を短縮し、特別償却制度を強化することももとより重要なことでございますが、株式資本の不足が特に顕著である今日では、企業の増資を促進する一方、国民の株式に対する直接投資を推進する施策をとることが最も必要と存ずるのでございます。従いまして、企業の増資を促進するために、いわゆる支払い配当控除方式への方向がとられる場合には、投資意欲を減殺せぬよう、所得税、住民税を通じて慎重な考慮を払っていただきたいと存じます。また、大衆株主の増加の著しい今日には、配当所得の支払い調書提出不要限度額の引き上げにつきましても、御考慮を願いたいと思っておるのであります。  第二の点は、自己資本充実と関連いたしまして、いわゆる株式の公募、時価発行の問題でございます。最近有償増資、新株式の一部につきまして、プレミアムつきで公募する傾向が多くなってきておりますが、現在の株価は、株主に対する額面割当という、わが国の明治以来の慣行に従いまして形成されておりますから、公募が行き過ぎますと、証券市場を混乱せしめ、株主の利益を侵すことになるのであります。また、長期的にこれを見ますと、自己資本充実の効果も減殺される疑いがあるのでございます。従いまして、増資の場合には、株主に対する額面割当を原則として、公募は増資額の一割以内にとどめ、かつそのプレミアムは適当の時期に資本に組み入れ、無償交付をする慣行を確立するなど、慎重の取り扱いを要することと思っておるのでございます。  第三の点は、債券市場育成の問題でございます。債券市場の育成につきましては、従来からも各方面におきましてその必要性が指摘されおります。しかしながら、なかなか実現を見ずに今日に至っておるのでございます。しかしながら、このたび公社債投資信託の発足に伴いまして、ようやく解決のきざしが見えて参りましたので、この機運を阻害することなく、また金利体系の正常化の観点から、特に今後の債券の発行条件の変更にあたりましては、長期貸出金利の動向との見合いをとりながら、慎重な配慮が必要であると存ずるのでございます。  第四の点は、証券金融の円滑化の問題でございます。証券金融の円滑化は証券市場の機能を十分に発揮するために必要なことでございますが、今日の状態では必ずしも十分の状態とは言えないのでございます。特に証券担保金融は戦前に比しましてきわめて僅少でございまして、今後その拡充につきましては考慮を払われるように希望する次第でございます。  第五の点は、貿易・為普の自由化の世界的の傾向に伴いまして、わが国におきましても資本取引の自由化を一そう促進されたいことでございます。昨年の大層に外資導入に関する規制の緩和が行なわれましたが、なお元本の回収期間は四年余りを有するなど、わが国の資本取引は西欧諸国に比しましてまだまだきびしいのでございます。外資の流入はわが国における金融正常化にも役立つところがきわめて大きいと思うのでございまして、外資の流入を促進するために、資本取引につきましてもすみやかに制限を緩和していくことが必要であると考えるのでございます。  次に、第六の点は、証券業者の経営基盤の拡充等の問題でございます。証券業者の経営基盤の強化、拡充は、投資者保護にとりましても最も肝要なものの一つと存ずるのでございます。証券業者としましても、株式資本及び社内留保の増加に努めまして、資産内容の健全化、信用力の向上をはかる一方、株券の振替決済制度を初め事務の機械化等、経営諸般の合理化に努めているのでございますが、貿易・為替の自由化を控えて、業績波動の著しい業態でございますから、有価証券に対する価格変動準備金制度は、現行通り存続恒久化していただきたいのでございます。その他証券業の経常基盤の育成強化をはかることが必要と存ずるのでございます。  企業の長期資金調達の場として、また国民の健全な貯蓄の場といたしまして、証券市場の機能がますます重大化しつつある今日におきまして、われわれ証券業者といたしましては、国民の信頼にそむかぬよう、一歩々々着実な進歩を遂げるべく努力する覚悟でございます。特に最近には、店頭売買銘柄数やその売買額の増加等から、いわゆる第二市場問題が世間の注目を集めておりますが、これは他の種々の問題と関係するところが多いので、目下広く各方面の御意見を伺って、あやまちなきを期したいと存じておる次第でございます。  以上、はなはだ簡単でございますが、最近における証券市場の概況を申し上げて、同時に問題点を数点述べまして皆様の御参考に供しますとともに、格別の今後の御配慮をお願いする次第でございます。ありがとうございました。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 次に、高橋参考人に御意見の御発表をお願いいたします。

高橋亀吉経済評論家

○高橋参考人 証券市場の根本の問題につきましては、ただいま小池さんよりお話がありましたので、重複を避けます。今どういう点が問題になっているかということを、もう少し現実に即して私の見方を申し上げて、御参考になればと思うのであります。  第一は、株が高過ぎやしないか、行き過ぎがあるのではないか、こういう問題でありますが、これに対して、行政庁がその適否を判断する責任をとるかとらないかということが、第一に問題になると思うのでありますが、私は、株価が高過ぎるかどうかということを行政庁が判断することは、行き過ぎだと思うのであります。と申しますのは、専門の人が判断しても必ずしも当たらないのであります。いわんや、今の行政機構におきましては、ある期間たてばポストがえらく変わる、そういうわけで、ほんとうに専門の行政官を育成するということはできない状態なのであります。それが株価の高い低いという判断の責任を、あるいは判断をしていろいろの措置をとるということは、無理だと思うのであります。そこで、問題は、証券の行政としては市価の公正をはかる、そのためにはどういう機構が要るか、あるいは投機が行き過ぎていはしないか、その投機の値段が適正かどうかというのは別の問題なのであります。それにもかかわらず、投機が行き過ぎておるということであれば、これは明らかに問題になるわけであります。そういう点についての適当な指導、これにとどめるべきである。高いかどうか、行き過ぎかどうか、そういうことを行政庁に判断を求めるということは、私は正しくないという考え方であります。二、三年前までは、株価が適正かどうかというので、日本銀行総裁がしばしば発言しました。私どもは、日本銀行に一体そういう判断をするスタッフがいるのか、いやしないじゃないか、それが軽々しく判断するのは間違いだという議論を当時したのでありますが、最近になりまして、日本銀行総裁だけはそういうことは言わなくなって、大へんいい傾向だと思うのであります。  もう一つは、株価が高くなりましたので、大衆の安全を守るという線がかなり強く出ておるようでありますが、これも、私自身の考え方では、そこに重点を置くべきではないのではないかと思うのであります。そうではなしに、やはり証券市場のあり方や、行政庁としては、その株価が適正であるかないかということ、市場が健全であるかないかということ、及びこれを取り扱う証券業者の経営が健全であるかどうか、そこに問題を置いた施策をする、その角度からいくべきではないかと思うのであります。そこさえ十分できれば、おのずから大衆の利益は保護されるのであります。といいますのは、これは株式投資あるいは社債投資でありますが、これの本質は、取引する人があるリスクをみずから負担するということなんです。ある投資家は、相当危険を冒してもたくさんもうかるような株に投資したいという人もいるわけであります。それがいいかどうかということは問題でありますけれども、少なくとも株式取引所が円滑な発展をするためには、どうしても、たとえば売りたいという人に思惑で買うという要因が要るのであります。また、売りたいという人にも、買いたいという人にも、必ずしも実際要る人が見合うというわけにはいかないのでありまして、必ず一方には、安ければ買おう、しかし長く持っているつもりではない、そういう投機的な要因が要るわけなのであります。そういう意味において、投機性というものを全的に否定したのでは、株式市場というのは成り立たないのであります。そういうつもりで取引する人を、その利益を守らなければならないというのは、どうもおかしいと思うのです。ただ、今申しましたように、投機が行き過ぎておる、あるいは証券市場が健全でないとか、証券業者自体が不健全であるとか、これは明らかに行政の対象にはなりますけれども、大衆を守る、こういうのはどうもちょっと、聞くと口に甘いようでありますけれども、私は根本の見方に若干の食い違いがあるのではないかというふうに思っているのであります。自然最近の株高につきまして現に問題があるといたしますと、一つは、証券業者のあり方であります。それと離れて投信等が非常な勢いで発達しておる。それが株価にどういう影響を及ぼしているかということも問題になっているようであります。同時に、現在特に私自身の判断から見まして、行き過ぎており、危険があるのではないかと思いますのは、店頭取引の株にそういう危険があるように思われる。それに関連して株式を今のままでほうっておいていいかどうかという観点から、いわゆる第二市場といわれる問題が出てきておるのであります。そのほかに、最近いわゆる社債投信が異常な発達をして、金融界の方からいろいろな問題が起こっております。そういうのが今の問題の主要点ではないかと思うのでありますが、ここでは、問題になっております第二市場の問題と、社債投信が非常な発達をしてきたことから起こっている問題点等に、お話を集中してみたいと思うのであります。  第二市場の問題は、根本におきまして日本の経済が最近非常な成長をいたしまして、その結果として、これまで三流、四流あるいは中小企業あるいは町工場という状態に置かれておった事業が大きく伸びてきたということであります。また、日本の経済の成長からいいますと、そういう企業がぐんぐん大きく伸びていく必要があるわけでありますが、これが伸びていくということは、二つの問題を持っておるのであります。  一つは、事業の評価というものが、従前に比べると革命的に高くなってきておるということであります。今までは、小さい工場というものは、不景気の波がくれば倒れるのではないか、そういう危険を多分に持っておりました。ことに終戦後相当の間そういう事実がひんぴんとして出ておりました。そういう危険感が相当あったわけであります。それに株式自体の流通性というものもなかったのであります。自然これらの株価というものは非常に低く評価されていたのであります。それがこのように、以上申しましたような日本の経済の成長に伴って、事業自体の位置が非常に強くなりました。近代化ができ、生産もたくさんできるようになった。今まで町工場的なものが相当の工場に発展し、中企業と考えられていたものが近代工業に発達してきた。そういう形で評価の仕方に一種の革命が出てきた。自然この方面から、こういう種類の株の値上がりというものは、一般の株価に比べて格段高い騰貴率を示してきておる。これが最近の株高が不健全ではないかと一方ある方面から言われておる一つの理由だと思うのであります。とにかくそういう形に上がってきた。同時に これらの事業は、従来であれば自己資本でまかなっていく、他人の資本が入るということはむしろいやだというふうなことだ。ところが、こういうふうに発達しますと、自己資本だけではこの発達に間に合いません。どうしても外部から資本を入れなくちゃいけない。そこで株式の公開が起こる。これを中心にして流通性は変わるという面等から、この面からもそれらの株価を相当高めた、こういうわけであります。  第一次大戦中、戦後に日本の経済が非常な発展をしたのでありますが、それまで財閥は株式を公開しておりませんでした。公開して、ほかの資本が入る、いろいろなものが入るというのがいやだという建前をとっておりましたが、当時財閥独占というものに対する社会的批判が一番の理由でありましたけれども、根本は、財閥の資本だけでは発展に必要な資金がまかなえなくなった。これが株式を公開するに至った私は最も基本的な理由だと思うのであります。そういうように、それに似たような関係が起こって参っております。そういう基盤の上に株価は相当上がり得る基盤、事情を持っていたわけであります。これを跳躍台にして、そこに投機が入ってきている。そういう基盤の上に株価がぐんぐん上がる。これは、そういう形で上がるのは問題ない。合理的なのであります。その勢いを跳躍台にして当然思惑が入る。その思惑でそれ以上上がったところに危険があるのだ、そういうことになるのではないかと思うのであります。自然こういうふうに根本の事情が変わって参りますれば、今までこれを店頭取引という形で放任していたのでありますけれども、これはその急激な変化からいうと適切でない。何らかの新事態に即する機構が要る。制度が要る。これが第二市場を作る必要があるのではないかと考えられるようになった基本的な理由だと思うのであります。要するに、こういう問題が起こりました根本は、日本の経済がここ数カ年非常な高度の成長をいたしまして、今まで二、三流あるいは四流というふうに、株式取引の対象としての資格が非常に少なかった株が、その資格を多分に持ってきた、そういう激変に際しては、今のままではほうっておけないのではないかというのが、第二市場の問題だというふうに思うのであります。従って、この問題はそういう角度から対策が講ぜらるべきだというふうに思うのであります。  それから、近来証券業の位置が非常に高くなりまして、それに関連して銀行業との関連、金融との調整、そういうことが新たにクローズ・アップされて参っておるのであります。ところで、この点につきましては、二つの異なる問題が混同せられがちだというふうに思うのであります。それは、特に戦後問題になりましたのは、ボンド・オープンその他公社債、今のところ社債でありますが、その方の証券業者の起債率が非常に強くなったということが中心をなしておると思うのであります。そこで、どういうふうに調整するかという問題としてはいろいろありますが、今一番問題になっておりますのは、社債の発行量を調整する、こういう問題が出ております。これは、従来におきましても、市場の消化能力に適応するような発行量にこれを調整するという意味合いだったと思うのであります。ところが、いま一つこれには問題の点があるのであります。それは、市場の消化率は豊富にあるにいたしましても、その国の金融政策一般から見まして、今そういう証券を発行さして業者に金融をつけるということは望ましくない、こういう一般金融政策の観点からいま一つ問題があるのであります。こういう意味の問題が今度新たに登場してきた、こういうふうに思うのであります。ところが、その意味であれば、これはその国の金融政策一般の一環として問題にすべきなのであります。というのは、金利政策なり、あるいは公開市場操作なり、支払い準備制度の運用なり、要するに、金融政策一般の観点から一応問題になるかもしれません。今なるとは申しておる、わけじゃありません。金融との関連ということになれば、そこから問題点が出て参る。それであれば、日本銀行の政策として考えるべきなのであります。今考えられておるように、銀行の立場からその決定に銀行が参加していくというのはおかしい。そういう意味において、何とか銀行と起債市場との関係を調整せられねばならないというのはおかしい。従来あったのは、市場の消化力とマッチする方で、それの方の調整で、従って市場に消化力があれば問題ないのであります。それが行き過ぎるとかなんとかいうのを銀行の立場から議論されておるのはおかしい。当然にその調整を今までのように銀行業が相当入ってきて発言力を持っておる。これは今までは銀行が主として消化力であったからそれでよかったが、今度消化力の主体、重点が変われば、銀行がその立場において調整せられねばならない。そういうことは私はおかしいと思うのであります。同時に、日本銀行が金融政策一般としてこれをどういうふうに取り上げていくか、それの中へどういうふうに組み入れていくかということは、新たに大きな問題になった点ではないかと思うのであります。  次は、こういうふうに証券業の位置が強くなりましたので、銀行業との競合をどう調整していくか、こういうことがいま一つ現在の舞台に登場しておるのであります。これは、急激な変化を及ぼさないという意味においては、過渡的に何らかの話し合いがあっても私は差しつかえないと思うのでありますけれども、その場合におきましても、証券業と銀行業との分業という将来の位置のあり方というのを根本においてはっきりさして、その上で当面急激な変化がないようにするのにはどういう措置をとったらいいか、ということの正しい判断が初めてできると思います。そうなると、問題は、やはり長期の設備投資はできるだけ社債——自己資本以外で借り入れるとして、借り入れるものは社債で調達する。その方面をすべきであり、その方面を証券業が受け持ってくれて、銀行業はそれ以外の分野、主として商業分野、もし長期資金を供給するとすれば、社債を所有する形で担任する、こういう方式をまずはっきりさすべきだと思います。その上で、当面の急激な変化をどういうふうに一時的に調整するか、こういうことが問題になると思うのであります。一部には、今のように大きく社債市場に銀行の資金が取られると、中小企業の金融の資金源がなくなるのだという意味において、議論が出ておるようであります。私はこれは逆だと思うのであります。ちょうどそれは開発銀行を見るとよくわかると思うのです。ある時期においては、日本の大企業の金融も十分でなかったのですが、基礎産業その他に開発銀行は資金を供給しました。今度は大企業の地位が向上し、自分の力で、ことに社債等の発行によって自分でまかなうことができる、こういうことになれば、開発銀行の大きな任務はどこへ残るかというと、社債の発行できない企業、国家的に必要な企業、そういう方面に資金の得意先を拡大していく、開発していく、それよりほかないのであります。今現にそういう方向に行きつつある。——あるというのは言い過ぎで、あると私は思うのであります。それと同じように、大きな企業の設備資金は大部分が社債でまかなわれて、銀行の貸し出しは社債の発行ができない規模の方向に貸し出し努力をする、こういうことになるのが順序だと思います。それが見通しだと思うのでありまして、そのために中小企業の金融が圧迫される、そういうことにはならないのではないかと思っております。あるいは過渡的にそういう現象が起こるかもしれませんが、根本の考え方はそういう方向に行くべきじゃないか、そういうふうに思う次第であります。  もう一つは、株式市場と金融との結びつき、金融政策と株式市場との関係でありますが、従前におきましては、株式市場がある点以上に騰貴いたしますと、事業の新設拡張というものが大体それに歩調を合わせて進んで参りまして、そういう意味において、株式市場の推移というものは、国の設備資金の推移を大きく支配していたのであります。これは明治、大正、昭和の初めにかけてそうでありました。というのは、当時におきましては新設事業が多かったのです。まだ日本の事業の発達時期でありまして、新設事業が多かった。新規に事業を起こす。それを市場に売らなくてはいけない。従って株価が非常な騰貴をしました。新設の株が権利がついて売れる。こういう時期には設備の新設拡張が非常にふえました。それが行き過ぎる、行き過ぎない、そういう意味において、株式市場の調整、市価の調整ということが、金融政策一般として大きく見られていたのであります。ところが、現在におきましては、大部分の事業は既設の事業がやるので、新規の事業の新設というものはきわめて少ないのであります。たまたま新設ものが起きましても、形の上の新設でありまして、既存の大きな会社が別会社を作って事業を新設する、こういうわけであります。従って、現在におきましては、株価の騰落が設備投資の増減に及ぼす影響はきわめて少なくなっております。そういう意味において、昔のような意味において日本銀行が株式市場に敏感であったということは、金融の実際からはずれて参っております。おそらく、しばらくの間、さっきも申しましたように、日本銀行が、株価が高過ぎる、どうだということを最初の間言っておりましたのは、昔の感覚だったと思うのでありますが、それが漸次言わなくなったということは、その一般の金融との関係が非常に実際的に薄いということに根ざしておると思うのであります。そういう意味において、株式市場と金融の一般においては、新設事業が多かった明治、大正、昭和の初めと現在とは非常に違っておる。それをごっちゃにした議論が出がちでありますが、これは十分考慮して御審議、御研究をお願いしたいと思うのであります。従って、さっき申しましたように、株式市場におきましては、その株価の形成が適正であるかないか、そういうことを通じて、一般の人の設備投資を健全に導いていけるかいけないか、そこに問題が集中してきておると思います。そういう観点から金融との関係を考えて、御審議していただけたらと思うのであります。  それから、もう一つは、最近に公社債、ことにボンド・オープンが急激に伸びたこと、これをどう評価するかという問題であります。それによりまして、問題の見方、対策の考え方がおのずから違ってくると思うのであります。これは私は自分で現実に調べたわけではありませんが、また聞きの勉強なのでありますけれども、アメリカにおいてはボンド・オープンが発達しなかった。今でも発達していない。なぜかといいますと、向こうには社債市場がすでにあるのです。だから、買いたい人は社債市場で買えるわけです。日本にはそれがなかった。しかも、一方には、社債に投資したいという資金は豊富にできておった。それが社債市場がないために抑えつけられておった。それがボンド・オープンによってここに道が一つ開けた、そこで吹き上げた、こういうふうに考えるべき筋のものではないかと思うのであります。従って、社債市場ができ上がった場合にどうなるかということが、これからの問題の考え方の基本の問題だと思うのであります。同時に、アメリカにおいては社債市場があればボンド・オープンというものはあまり発達しないということだが、じゃ日本にそれなりに当てはまるかというと、日本の場合はボンド・オーブンという形で社債投資が非常に育成された特殊な別の発達の仕方を持ったわけであります。これは生きてくると思うのです。というのは、ボンド・オープンは、大きな投資家については損ですけれども、そうでない人には直接投資よりは相当便宜がある、利益があるから、別途の発達をするということは当然考えられる。それは、一般の株式投資信託自体でも、日本は外国に比べて非常に急激な発達をしたというのには、日本自体に別な特殊の理由があったからだと思うのであります。そういう意味において、公債との関係は、このボンド・オーブンをどう見るかということの判断が要るのではないかと思うのであります。と同時に、ボンド・オープンが非常に成功したということは、国民の蓄積の仕方に新たな道が一つ開けたということだと思うのです。つまり有力な蓄積の機関、今までにないものが一つできた、これを中心にして当然いろいろの変化が起こってくる、こういうことになります。一番いい例は、ボンド・オーブンが発達しない前までは、銀行関係は社債利子の引き下げに反対でした。社債利子を引き下げては困る、今の定期預金ではあまりマージンがないから、下げてはいけないと言っていた。今度は、社債投信と競争の立場になったものだから、社債の利子を下げろという主張が金融界から一番先に出た。それは、今までにない機関ができたということなんです。これは分業さして、適切な発達をさす必要がある。とともに、今までの考え方とはかなり違ったものを持ってきたということになると思うのであります。というのは、この形からいきますと、たとえば日本で定期預金一年というものを認めていたのでは、いろいろの点において金利との食い違いが起こりはしないかと思うのです。それは、外国流に、日本でもわれわれの仲間その他は、銀行預金は半カ年に限るべきだという意見を早くから持っておるのでありますが、どうもそこに問題が起こってくるということになりはしないかと思うのです。  大へん長くなりましたので、これで終わります。     —————————————

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 続いて質疑に入ります。  通告があります。これを許します。佐藤觀次郎君。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 小池さんに四、五点。あとで同僚議員の質問がありますから、なるべく簡単に御答弁願います。  小池さんは、長い間ずっと証券界におられて、いろいろ事情を知っておられると思うのですが、先ほど西欧諸国より日本の証券がおくれておるということをおっしゃったのですけれども、一体具体的にどういうところが日本の証券はおくれておるのかという点を、まずお伺いしたいと思います。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 先ほどおくれておると申しましたのは、戦前と比較して非常におくれているということ、それから利回りだとか何かというものが、日本ではまだまだほかの欧米なんかよりも高い、そういう意味のおくれということ、それから社債の民衆化等は非常におくれております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 そういうふうに言えば、大蔵省のやり方もおくれておるというのですか。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 日本の証券界が立ちおくれているから、むしろ大蔵省はわれわれを引っぱって下さっていると思うのです。ただし、その親心があまり行き過ぎれば、これは子供の方が悪いのでありまして、子供自身がもう少し育って、自身でもって自治的にやって、なるべく大蔵省には御心配をかけないようにやることがわれわれの理想だと思っています。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 なかなか小池さんも商売人ですからお上手がうまいと思うのですが、ここでは遠慮なく参考人がおしゃべりになっても、大蔵省から怒られることはない。われわれが承知しませんから、一つ正直に答えて下さい。  それから、四大証券の株を一般公開しろというような意見もあるそうですが、この点はどのようにお考えになっておられますか。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 これは元来純理論的だけに申しますと、業者の株を上場するというのには若干疑問があると思います。ただし、私ども今度増資をいたしまして、四社は八十億の資本金になるのでありますが、その大部分を他人資本に——他人の、われわれ軍役だとか従業員以外のお客さんに持っていただく。そうしますと、お客さんの御便宜もはからなければならないというので、やはり店頭の上場はやむを得ないことだと思います。ただし、店頭上場したことによって、その株価の不当競争とかあるいは営業上の不当競争が激化されないだけの自治的な措置は十分講ずるつもりでおります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 先の問題になりますので、また他日にでもお伺いしたいと思いますが、今高橋さんからも御意見がありましたけれども、銀行業者の方から、最近の証券ブームのために、金利の引き下げなんかの問題で、だいぶ金融界を圧迫するのじゃないかという意見があるのですが、これについてあなたはどういう御見解を持っておられますか、この点も伺っておきたい。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 私どもは金融界を圧迫するとはごうも考えておりません。たとえば私どもの債券オーブンにしましても、あるいは一般の投資信託にいたしましても、そういうものの応募があった金は、結局かめに入れて土の中に埋めるわけではなくて、みんな銀行にいくのであります。マネー・フローに若干の異変は起こるかもしれませんが、これは、先ほど高橋参考人のお話のありました通り、大勢として、は、私はむしろ正常化の方向に向かっているものと思います。ただ過渡期的に気をうけるところがあったら気をつければいい、こう思っております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 これは証券業者の側と銀行業者の側と意見の相違があるかと思いますが、先日も銀行の代表の方をここに参考人に呼んでいろいろお話を伺った中にも、そういう点の含みがあるわけで、現実には預金の問題なんかについてもいろいろ問題が出ておりますが、そういう問題はまた他日お伺いいたします。  それから、今問題になっておるのは、日本に証券取引所が八つか九つありますが、そのうちで実は東京が取引が多い。その次が大阪、名古屋、あとは問題にならぬくらい取引の数が少ない。こういう点で、これは地方との関連がありまして、いろんな問題がありますけれども、そういうところには四大証券の支店がみんなあるわけです。その点では独占的なことであるので、むしろこんなくらいならば東京、大阪、名古屋くらいに証券取引所を置いたらどうかという意見も一部にはあるのですが、こういう点についてはどのようにお考えになっておるか、伺っておきたいと思います。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 地方証券取引所の問題は、いずれ証券取引審議会で審議される問題だと思います。これは人為的の問題よりも、やはりだんだんと自然が解決していくのじゃないかと思っております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 あなたは東京ですからそういうふうに言われるのでしょうが、地方の問題となるといろいろ問題があると思いますが、ここではこれ以上触れません。  それから、今問題になっておるのは、四大証券が大体六割八分、七割程度の実権を持っておる。しかも、そのほかに、あなたも四大証券の一つの大将でございますから、率直には言わぬかもしれませんけれども、一体中小との格差をどういうふうにするかという問題が出てくるわけなんで、これは大蔵省でありませんから、あなたの立場は立場としてわかりますが、中には、東京なんかでも昔の株屋と同じような小さいのがあって、非常に危険な問題も考えられるわけです。そういう中小との格差の問題については、小池さんはどのようにお考えになっておられるか、この点も伺っておきたいと思います。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 四社と中小証券業者との関係でございますが、戦後登録制になりまして、業者の数が非常にふえました。それが最近は、いわゆる健全な業者だけが残りまして、現在残っておる業者は、みなそれぞれ堅実な営業ができる程度の業者が多いのであります。四社が特にこれに圧迫を加えておるとは私は存じません。ことに東京等におきましては、お互いの密接な連絡がございまして、経費の負担その他につきましても、われわれも相当犠牲を払っておるつもりでございます。それから、地方の業者に対しましても、できるだけ御協力を申し上げたいと思いまして、これは御承知でございましょうけれども、日本証券業協会連合会の申し合わせがございまして、われわれは勝手に地方に支店を出すことができません。地方の業者の同意がなければ支店が出せないというような配慮もいたしております。その他、最近では、地方業者に対する、いわゆる手数料を有利に解決するとか、あらゆる努力は払っているつもりでございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 もう一点伺っておきたいのは、御承知のように、証券の取引がずいぶんふえまして、一日一億五千万株というような莫大な数になりまして、業者の方も一億五千万株に応ずるようなりっぱな計算機を買われて、労働の強化にならぬようにやっているそうでありますが、実際は最近の膨大な膨張のために労働強化の問題が出て、労働対策というような問題が相当あるようであります。私は最近組合の方には会っておりませんけれども、そういう問題について、これはいろいろ問題が出てきているように思いますが、そういう点について小池さんはどういうふうにお考えになっているか、この点を伺っておきたいと思います。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 ただいまの御質問は、まさに事実はその通りでございまして、われわれは、取引所の方も、それから業者の方も、予期以上に事務が繁忙になって参りまして、従いまして、機械化等は非常に先を見て用意しているつもりでありますが、それが追いつかない。仕事に追われている。従いまして、取引所におきましても、業者の従業員も、相当今事務が繁忙でもって、居残り等が多いということは事実でございます。これからはさらに機械を入れますなり、あるいは私最初のお話で申し上げましたように、いろいろな工夫をいたしまして、事務をもう少し迅速に処理できるような努力を今いたしているところでございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 最近は、取引所で争議が起きるような問題は、これはもう小池さんはよく理解されていると思いますが、一方だけどんどんもうけて働く者には知らぬ顔をしているというようなことがないように、一部の人の利益だけ見ないように、できるだけそういう問題についても御配慮願いたいと思います。  なお、これから高橋さんに二、三点お伺いしたいと思いますが、私たちは政治家でございますから、この証券の問題は、大衆の利益を保護する立場から、やはり大蔵省は監督しなければならぬという立場をとっています。高橋さんは、経済評論家で長年ずっとやっておられて、われわれも長い知り合いでございますが、よく私たちは、佐藤さん、どういう株を買ったらもうかるだろうかということを選挙区の人に聞かれるわけです。それで、私は、回答するときには、われわれは政治家だから、どの株とどの株を買っていいということは言えぬ、世界の情勢がこうなる、ああなるということは蓄えるけれども、そういうようなことを言えばはからぬ結果が出てくるから——そういうことで、私たちは座談会をやって絶えず責められるわけだ。高橋さんの立場とわれわれの立場とは違うので、やはり私たちも、選挙で選ばれてくる以上は、信用して何か安心していけるだろうと思ってわれわれは支持されて、今日まで出てきているわけです。そこで、私たちが今この大蔵委員会で大蔵省にいろいろ言うのは、これは不特定多数の大衆の利益を擁護するために、大蔵省の方でこういうことをやらなければならぬのではないかということを私たちは言わざるを得ない。高橋さんは、先ほどは、そんなことを言ったって、株は株で上がったり下がったりするのは当然のことで、それは役所はやるべきではないというような御意見を言われておりますが、私たちの立場では、やはりこの株の問題、証券の問題については、大衆の利益を守ってやるようなことをやはり大蔵省が監督しなければならぬというように考えておりますが、この点は一体どういうふうに考えておられますか、ちょっとお伺いしたいと思います。

高橋亀吉経済評論家

○高橋参考人 実は政治家である佐藤さんが株がわからないばかりじゃないのです。私はその方面の専門家というふうに一般にはいわれているのですけれども、どの株を買ったらいいかということはわかりません。証券業者に聞きます。というのは、どの株がいいかということは、個々の事業を調査しなければわからないのです。大勢はわれわれ判断いたします。個々の株というと、どの株というと、個々の会社の性格が出るわけです。そこで僕らはもうわからないと思うのです。ほんとうにわかっていない。しかし、大勢的にはどうもおかしいとかなんとかということは言えます。しかし、その株がはたして妥当かどうかということになると、その事業を調べなければいけないのです。それはなかなか専門家でないとできるものじゃないのです。そういう意味において私自身もわからない。では株を買っていないかというと、大勢的にこれは景気がよくなるとか、金融がどうなるとか、そういう場合にはどういう株がいいだろうかということは証券業者に聞きます。その方面の専門家に聞きます。僕の方が大蔵当局よりはかなり専門家だと思うのです、株の方は何しろ年期を入れておりますから。官庁では、専門で優秀な人が長くその位置にいるというわけではないのです。それは御承知のように、どんな仕事だって十年はやらなければほんとうのことはわかりません。一般のことはわかりますけれども、十年同じポストにいるという行政家はいないのです。そういう意味において、それはむずかしいというふうに思う。  そこで、大衆の利益を保護せねばならないということにおいては、私も決してその趣旨に反対ではないのです。保護の仕方なんですね。保護の仕方は、証券業者が健全な証券業者であるということなんです。従って、勧めるものに責任を持ち得るような業者を育成していく、こういうことだと思うのです。しかし、それでもその人の判断が百発百中であれば、その人はうんともうけるわけですが、そんなことは言えないわけです。せいぜい六〇%以上の的中率があれば成功だと言わざるを得ない、こういうわけであります。従って、大衆の保護を必要とするという意味はわかるのですけれども、その保護の仕方は、証券市場を健全にするということですね。そこに主点を置いたやり方をやるべきなのであって、株が高いか安いか、高いから押える、そういう方角からものを考えるべきではないのではないか、こういうのが私の申しておる点なんです。  それで、いま一つは、証券取引というのは一種の取引なんです。だから、むしろその点にPRが必要なのでありますけれども、私は、その国の国民が、ものを自己で判断し、自己の責任においていろいろのことをやる、そういう意気込みのない国民では、その国は衰微すると思うのです。それはやるべきだと思うのです。株式投資家にはその責任は当然とらすべきだと思うのです。違う例を言いますと、あまり保護すると非常な弊害が出るわけです。というのは、当然政府は保護するものだと考えていけば、どんどん上がっても、損はしないものだと思うから、むちゃくちゃに買うということも出るわけです。銀行の例をいえば、昔は銀行の経営が悪ければ預金者が損をした。だから預金者は銀行の経営がおかしければ預金しない。その監督があったから、銀行の経営者は変なことはできなかったわけです。現在はすでに刑事問題まで起こしておる。千葉銀行のような経営をしても、預金者は大丈夫だ、こういうことになると、経営者はほんとうに一生懸命にやらないのですよ。そう言うと銀行から怒られるかもしれませんが、つまり今までの政府の監督じゃなしに、社会的監督がより大きく必要なんです。従来銀行の経営についても社会の監督があったわけです。ところが今は社会の監督は要らないのです。預金者が損をしてはいけないというので、経営者が悪くても今度は政府の方で保護をする。そうすると、全部とは言いませんが、一部の経営者は非常に不当な経営をしていても、それをどうすることもできない。そういう弊害が出るわけです。そういう意味において、私は大衆の利益の保護というのは、証券市場を健全にして、そこを中心にして保護をする、こういうことでなければいけないので、株を買う人があれば——社債を買う人もそうですが、それにはリスクが伴う、そのリスクは当然負担する、それを判断してやる、こういうことが根本に要ると思うのです。そういう考えです。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 高橋さんは若いときには政治運動をやられたし、農民運動も非常にやられたことがあると私は聞いておりますが、日本の国民というのは、そういう点では、自己の判断でやったから反省して自分が悪かったというようなことを、簡単にはなかなか言わない。特に商売で一もうけしようというような人は、もうかれば黙っているが、損をすると文句を言う。こういう点で実は大蔵省にわれわれ要求するのですが、銀行などは、支店を一つ設けるのにも、許可制度ですから、なかなか規制がやかましくて、むずかしい。今のところは、先ほど小池さんが証券界は大体自主的な方向でやっておられるというふうに言われましたが、何といっても証券界は大蔵省とは違いますから、やはり自分の商売を中心にしてやられるところに危険があるものですから、大蔵省もそういう点を十分考えてやってほしいという主張を持っております。  それから、さっき高橋さんが触れられましたが、最近、第二市場問題で、われわれの聞くところによりますと、どうも四大証券があまり圧倒的な勢力を持っている、だからせめて第二市場くらいには四大証券を除いてやったらどうかというような意見があるわけです。こういう点については、高橋さんはどういうようなお考えを持っておられるか、この二点を伺いたいと思います。

高橋亀吉経済評論家

○高橋参考人 第二証券市場というものをどう考えるかによってそれはきまるわけです。つまり、現在あそこで取り扱っておる、いわゆる今の店頭売買の株式のより多くの部分——割引は詳しいことは存じませんけれども、取り扱っているものは大証券以外だと思うのです。しかし、ちょうどこの点は、昔三井物産がこまかいところまで入って問題を起こしたことがあって、大きいところだけにとどめろということがあった。しかし、こういう問題が、ことに今の第二市場というのにはあるのです。今まで小さい企業であってぐんぐん発達するものがどんどんあるわけです。そういう会社の株を育てていかねばならない、そういう任務があると思うのです。育てていくという観点に立つと、中小企業だけで育て得るかという問題も出てくるわけです。ある点以上それを大きくして、だんだん大きくなっていく。それで今かりに分けたとして、第二市場の方が第一市場に当然移り変わっていく。そのつなぎをどうするか、こういう問題が起こってきます。だから、単に大証券と中小企業との格差をどう調整するかということは、私も大きな問題の点だと思うのですが、その方法として第二市場はそういうふうに限っていいかというと、今言ったように、中小企業を大きな企業に育てていかねばならない、その任務を第二市場は相当強くになうべきだと私は思うのであります。その観点から見まして、それがいいか悪いかという角度から審議すべきだと思うのです。入らなくてもできるのだというならそれでもいいかもしれませんが、結論はまだ出ておりません。ただ、考え方は、中小企業の救済とかなんとかということでなしに、一体第二市場というものは何のために設けるか、広く国民経済の立場から見るとそこに一番大きな意味があると思う。その目的に沿った、それに逆行しないような形において、中小企業と大証券との摩擦といいますか、競合というものをできるだけ調整していく、そういうふうに研究すべきじゃないかと思っております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 時間がありませんから、最後に一点高橋さんにお伺いします。  先ほど述べられましたが、金融市場の圧迫という問題が最近投資信託の活況によって出てきた。それから、政府は金利の引き下げをやって、郵便貯金を非常に下げてきておるような状態が出ておるのです。こういう点について、投資信託の方では、今のような状態が続くとなると、ますます格差がひどくなって、金融面についても相当銀行の市場が圧迫されるのじゃないかという話があるのですが、この点はどういうふうにお考えになっておりますか。

高橋亀吉経済評論家

○高橋参考人 今までは日本の金融業というものが何もかもやっておったのです。まだほかの資本市場ができておりませんし、十分でなかったため、何もかもやっておった。そのために日本の経済が戦後発達したという功績はあるわけでございますけれども、しかし、いつまでもそういう八百屋でいいかというと、やはりそうではないので、漸次専門化していくのが当然だ。その専門化の一つのきっかけとし、一つの大きな分野として、ボンド・オープンの場で、あるいは投資信託の場で株式投資が一般化してきた、そういう形になるわけです。そうなれば、今までそれらの資金をほとんど独占的に自己の運営の圏内に置いていたものを、ある部分が外へいくから、圧迫だといえば圧迫なんです。しかし、それを金融への圧迫と見るかというと、それは当然今まで銀行でやるべきでなかった、あるいは日本でまだ条件ができていなかったために八百屋をやっていたものが、専門化の方向にいったのであって、圧迫というよりは、銀行の本然の姿に、その本領を発揮していく方向に銀行としてはどんどんいくべきである、こういうことになり、証券業としても、今までのような自覚ではなしに、金融業の一環として大きな影響力を持つようになったのですから、そういう自覚が要るし、その立場において是正すべき問題が幾多あると思うのです。私どもかなりの注文を持っておりますけれども、それはそれとして解決すべきじゃないか。圧迫というふうに見ることは、今までの銀行の業務の分野を、あれが正常であったのだという前提に置けば圧迫です。しかしそういう前提を置いていいかどうかということが問題じゃないかと思うのです。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 私は、銀行の立場を擁護するわけでも何でもないのですが、そういう言葉の中に、銀行業者の方から、証券界が活況を呈すれば銀行が圧迫される、そういう表現が出ておるので申し上げたのでございまして、私たちは銀行業者の代表でもないし、そういう点については御了承願いたいと思います。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 この際重ねて申し上げますが、高橋参考人には、やむを得ざる先約がありまして、十二時三十分に退席されますので、質問通告者の中で高橋参考人に対する御質疑のある方は、関連等をもって先に一つやっていただきたい。お願い申し上げます。  平岡忠次郎君。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 私は主として手数料の問題について御意見をお伺いしたいと思うのですが、その前に二月二十一日——一昨日でございますか、東証会員総会がございまして、決定された事項が新聞に報道されております。そのことに関連しまして、最初に三点ほどお尋ねをしたいと思います。  まず第一に、信用取引銘柄の現行五百株単位を千株として三月一日から実施するという取りきめがございますが、そういたしますと、今度五百株以上千株未満の分は端株になると思うのです。端株の取り扱いは従来投資家に対しては不利となっておるようですが、この問題はどういうふうに処理されますか。小池さんから御所見をお伺いしたいと思います。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 信用取引銘柄の第一類銘柄売買単位を五百株から千株に上げる、こういう決定を先般取引所の会員総会で決定いたしました。おもな原因は事務処理の問題であることは、先ほども申し上げました。しかしながら、問題は、千株に達しない株数を、九百とか八百とか、そういう株数を売り買いなさる投資家に不利じゃないか、こういう御質問だと思います。私はこれは御心配いらないと思うのです。と申しますのは、戦後初め百株単位で始めました。ところが、百株単位だといろいろの手数が非常に繁雑になりましたので、これを五百株単位にした。その際に、五百株以下、これはしかし百株単位ですけれども、百株単位では実際上は仕切りをやっておりますから、取引所の市場で相対でできておるのです。それはお互いの九十九人の同業者がみなにらんでおるのでありますから、競争であります。お互いの仕切りもお客に有利なような仕切り方をしなければ負けてしまうのですから、ほとんど五百株単位の値段と変わらない値段でできております。それから百株に満たないものはほんとうに場外で仕切っております。これは若干不利だと思います。百株未満は手数がかかる。手数は千株でも六十株でも同じようにかかるのですから、若干の投資家に不利なことは免れないと思います。百株のものはほとんど変わらない値段でできております。従いまして、従来の経験から考えまして、このたび第一類銘柄の売買単位を千株に上げました。やはり五百株では、あの市場でもって仕切りですけれども、お互いにできますので、その値段は千株の売買単位の相場のあれとほとんど変わらないものができると思います。それで投資家に御迷惑をかけることはないと思います。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 第二点は、現行の九時から十二時までの立ち会い時間の二月末までの暫定措置、これをまだずっと続けていくつもりであるかどうか。もっとも、新聞の記事によりますと、二十四日の臨時理事会で、三月以降の立ち会い時間について検討すると言っておられますが、おおよその方向はどんな方向に進むのでありましょうか。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 お説の通り、この二十四日の臨時理事会でもって、現在の暫定処置をどうするかについて討議することになっております。ただ、見通しといたしましては、これは私個人の考えを申してよろしいでしょうか。——私個人はやはり投資家の御希望を十分尊重すべきだと思います。投資家がどういうことを欲しておられるか、それと従業員の事務処理の限度でございます。これとの折り合いがついたところできまると思うのです。それで、なるべくならば、私個人といたしましては、日本の現状としては、投資家の御便利からいって、も少なくとも午後一時間やそこらのものを立ち会うべきじゃないかと思います。ただ何分にも今人手が足りないので、午後一時間の延長ということは、またあとに非常に響くことが多いのでございます。その辺の実情について、理事会でもって十分検討したい。取引所並びに証券会社の従業員の方からは、もうしばらくこれを続けてくれという希望が実は多いのであります。それらの実情と、それから投資家からの御希望、これを突き合わせまして決定せざるを得ないのじゃないか。見通しとしては、どういうふうにきまるかは、まだきまっておりません。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 第三点といたしましては、先ほど高橋参考人の方からの御開陳もございましたが、第二取引所の設置につきまして、証券業界自体としても、早急に業界の意見を統一するため、近く研究委員会を発足せしめる、さように伺っておりますが、結論の時期、実施のめどを大体いつごろに置かれておりますか。むろんこれは監督官庁の大蔵省との話し合い等も残っておると思いますが、業界としてはいつからこれを発足させるか。もっともその前に第二市場を設定するということが前提になりますけれども、第二市場設置はほとんど争いのないところであろうと思うのですが、具体的にいつ発足をするか、そのめどにつきまして、御所見を承りたいと存じます。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 ただいま、私ども業界におきましては、事務当局で、第二市場につきまして、いろいろの問題点を研究中でございます。それから、業界の取引所の理事だとか、あるいは協会の理事等が集まりまして、よりより話をしております。しかし、結局私どもは証券取引審議会の審議と並行しながら結論を出したい、かように思っております。従いまして、設立の時期等につきましては、証券取引審議会の審議の模様によってきまるのじゃないか。先ばしるわけにもいきませんし、あとにおくれるわけにもいかない。それと並行していくことになると思います。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 それはそうでしょうけれども、たとえばお宅の方の決算期が九月でございますね。そうすると、ことしの十月ごろから発足させたい、あるいは、そんな時間をおくのではとうてい間に合いかねるから、これは四月ごろにでも発足したいとか、おおよそのめどがあろうと思うのですが、具体的にお伺いしたいと思います。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 これは私の全くの個人的な感想でございますが、この問題はなかなか複雑でございまして、東京のみならず、大阪、名古屋その他にもございまして、また第二市場と申しますか、第二取引所と申しますか、その性格いかんというような問題とからみまして、証券取引審議会の審議の結論も一日や二日で出るというふうには思っておりません。従いまして、四月一日から発足ということは、どんなにしても無理だと思います。しかし、先ほど申しました通り、証券取引審議会の審議とわれわれはペースを合わせながら、われわれ自身も考えておりますが、必ずしもいわゆる決算期その他で四月とか九月というところにとらわれる必要もない、そういうふうに思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 関連して。  先ほどから伺っていたのですが、ちょっと意見らしいことを申し上げて、あなたの御意見を聞きたいと思う。第二市場の問題について当委員会が取り上げておりますいろいろな理由の中の一つは、これが証券取引法に抵触する疑いありという考え方があるからです。一たん国会で取り上げまして、政府側にも意見を言い、政府側もそのような国会側の意向については十分に考える点があるという立場に立っておるわけであります。一たん疑いありとしてこれを取り上げまして公になりました以後に何かの問題が起こりましたのでは、これは責任問題に発展しないとも限らない。従いまして、いろいろ困難な問題はありましても、でき得べくんば、発足するとするならば、なるべく早い方がよろしいのではないかという考え方を持っております。今のお話を聞きますと、できる、できない、ないしはできるとしてもいろいろな問題がある。いろいろ各方面の意向を尊重しながら、自分の方としても考え方をきめていきたいというお考えと、私どもの法律上の立場とはいささか違うので、もちろん第二市場も法律上の立場からばかり云々できませんけれども、私どもが取り上げております一端がそこにあるのであります。そういう私どもの考え方をいかに思っていらっしゃるか。また、そういう基盤であるとするならば、ペースもなるべく繰り上げてもらわなければ、問題が起きましたときに、いろいろな議論に発展するおそれがあると思うのでありますが……。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 私、言葉が足りなかったかもしれませんが、私の発言の意味は、ただいまのお説ですと、そう違わないつもりでございます。お説まことに同感でございます。その意味において、私ども業界でも緊急にかつ熱心に考えているわけです。しかし、同時にまた、いろいろの複雑な問題もございますので、審議会でもこれはやはり熱心に討議される、こう思います。それで、その審議会の審議と歩調を合わせていきたい、こういうふうに思っておるわけであります。私どもの気持は、ただいまのお説とそう違わないと思います。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 では次に、売買手数料の問題につきまして質疑をしたいと思います。昨年の十月以降から売買手数料の料率が約一五%引き下げられたわけであります。引き下げは当然の措置と考えておりますが、下げ幅を一五%とした根拠は何であるか。積算につきまして政府も当然介入するところでありましょうが、法の建前からは、証券取引法の百三十一条に基づいて取引所の受託契約の準則できめる、具体的には取引所の理事会がこれをきめるということになっておりますので、一五%の幅の引き下げ理由、その根拠を一つお教え願いたいと思うのです。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 これは私の個人的な意見とお聞き願いたいのですが、われわれも商売人でございますから、昔から薄利多売ということが商売の原則でございます。できるだけ利薄くして大きな商売をする。その意味におきまして、われわれの手数料はお客様の便宜をはかって安くして、そうして大きな商売ができるに越したことはない。ただ戦後人件費を初めとして非常に経費が膨張いたしました。現在の証券取引法によりまして、戦前に比べまして、事務処理の童もふえております。従いまして、われわれは好きこのんで手数料を高くしているわけではないのでございます。われわれの経営の健全化がはかれる範囲内においてこれを下げていきたいということは、われわれも考えております。その意味におきまして、昨年の十月の基準料率に対して一五%の引き下げということは、現在のわれわれの業界におきまして、われわれが健全経営ができる範囲の手数料をちょうだいするということから出てきたわけでございます。これでもって昨年は非常に繁忙でございましたけれども、商売が薄商いになったときに手数料の値上げができるかというと、ちょっとできないと思います。それこれ考えまして、基準料率の一五%が適当なんじゃないか。ただし、大蔵省の御了解も得ておりますが、なおこれでもって余裕のあるときは再度引き下げをしよう、こういうような気持でおります。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 ちょっと平岡君に申し上げますが、高橋参考人に対する御質問はございませんか。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 これからやります。  今業界の必要とする経費を支弁するに足るものという目安だというお話ですが、実は株式売買手数料の変遷を見ますと、三十三年に百五十三億円でありましたものが、三十四年には三百二十億円、三十五年には五百三十三億円と急増いたしております。これを分析してみますと、売買高の増高に依存する分と株価水準の上昇に依存する分との二つの要因があろうと思います。前者の分につきましては、経費も増加すると言えましょうが、これとても仕事の分量に正比例するのではなくて、経費の増加は当然鈍化する。後者の株価水準の上昇からの手数料の増収は、言うなればまるもうけ分ではないかと思います。そこで、手数料の下げ幅として一五%が必ずしも適当だとは私どもは考え得られないのであります。私は結論的にはやはりかなり業界の方から譲っていただいて、その分を必ずしも投資者に返せというのではないけれども、これを国家の収入源としての証券取引税をもう少しよけい取って調整した方がいいという考えを私は持っておるのです。というのは、大体証券取引税という比例的な租税自体にしていることが変則だと私は思っております。総合課税の対象として実際の投資者の収益自身に対して累進課税していく建前を、把握がしがたいということで、比例税にしているだけです。もともとそういういきさつなんですから、私は、ある意味では証券業の贅肉だけは落としていただいて、その分は租税として国家に納めてもらう。しかも、その方法は手数料の場合と逆にする。すなわち手数料では五千株未満とか、それ以上一万株、あるいは一万株以上三万株未満、三万株以上ということで、逓減的に徴収している。これは中小証券に言うなれば有利な仕組みになっております。取引税については、手数料とは逆に、むしろ累増して課税していくという段階方式をとって調整していく、こういう必要が私はあろうと思うのです。それは利害関係者の小池さんからは、話自体が手数料をうんと引き下げろということで質問を申し上げておるのですから、色よい返事があろうとは思いませんけれども、この点は客観的な立場にある高橋さんの御所見をお伺いしたいのであります。

高橋亀吉経済評論家

○高橋参考人 今おっしゃったのは、今売買単位が多くなると手数料が下がっていくのを、むしろ逆にしろということですか。たくさん手数料を取れという意味ですか。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 証券業界を中心に置いた場合には、とにかく取引高の増高によって手数料がうんとふえてきております。

高橋亀吉経済評論家

○高橋参考人 それはわかっております。最後のあなたの提案された……。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 私の提案ですが、業界の方に大いに譲っていただいて、もう少し手数料を安くしてもらう。ただし、安くなった手数料を、すぐばくちをやっている——言うなればばくちをやっている投資着それ自身にそのまま還元してその手数料を安くしてやる必要はないので、その分はむしろ税金として徴収したらどうかというのが私の提案であります。

高橋亀吉経済評論家

○高橋参考人 私は一般論として手数料を下げ得る努力の余地がまだあると思うのです。というのは、これは証券業界ばかりでなしに、ほかのたとえば銀行なら金利を下げるということになるんですけれども、特に証券業界を責めるという意味ではありませんで、あの手数料を下げるのには、いま一つ証券行政のあり方、できるだけ手数がかからないような形という分野に入っていくと、相当余地があると思うのです。ところが、実際は、手数料を下げることに対して、私どもから見ますと、証券業者はいやなんですから、初めに反対という形がまず出る。従って手数料を下げるのにはどういうことをやればいいかという分析が出ないです。自然一応今までのやり方、今までの行政のやり方だけできまるわけです。その点をもう少し変えるとか、あるいは取引単位を上げるとか、手数料を下げるという観点に立てば、その観点からどういうふうにやれば下げ得るか、業者の収益の域を脅かさない範囲においてやり得るかという余地は相当あると思うのです。従って、そういう観点に立って手数料を吟味するという必要は私はあると思うのです。しかし、手数料を安くするということ、それが安くなればそれは税金で取ればいいじゃないかという御見解に対しては、私少なからず疑問を持つわけです。というのは、手数料が高いということは、株価の変動を大きくするわけです。大きくないと手数料が払えないのです。そういう意味において、変動の多い、投機性の多い株式に売買が集中してくるわけです。手数料が高ければ高いだけそうなるのです。健全な事業とか、株価があまり動かないものへの投資が自然に鈍くなるわけです。そういう意味において、私は、手数料を安くするということは、株価を安定させるのに必要だと思うのです。そういう意味において、売買をやる人の利益というよりは、その方が株価が安定し公正になる、こういうふうに思うのです。手数料が高いと、相当上がったり下がったりしないと売買ができないのですね。だから波が非常に大きくなる。手数料が安くなれば、手数料がかりに半分になれば、波がもう少し小さくても売買ができるのです。そういう意味において手数料を安くするということの方が、国民経済からいって、株価の安定をはかるのにいいと思うのです。それから税金を取るということよりは、そういう形において株価の安定をはかっていく、そうしてできるだけ株価が正しい形成をしていく、その観点から私は手数料を議論すべき筋のものではないか。それで何がもうかるというのじゃなしに、取引している人がもうかるということじゃなしに、そういうふうにその点は考えております。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 とにかく手数料の引き下げの余地があるようだという御見解のようであります。まあこれは小池さんには耳が痛い一つの論議でありましょうけれども……。それからあとの、手数料で負けた分だけはどこかに取りのけられるわけですから、これをどこに還付または配分していくか、どう処置をするかが第二段として問題となります。大体手数料の引き下げの余地があるという、私の議論のもととなっておりまする統計資料をお手元にも参考までに配付していただきました。実は大蔵省の方に要請しましてたくさんの資料をちょうだいしましたが、この資料を、私は、まだ受領後短時間でございまして、つぶさに見ている時間もなく、従ってまだこさいな検討をいたしたわけではありませんけれども、この一連の資料から味読できることは、まず第一に、二十四年の証券取引再開以来、株式売買高が驚異的な伸びを示しているということ、例を東証にとりますならば、昭和二十四年を一〇〇として、三十三年には二九二一、三十四年には五三一九、三十五年には六七六四になっております。ただし、昭和二十四年それ自身が一カ年に満ちませんので、これを一〇〇として設定することは、必ずしも正確なことにはならぬと思いますけれども、上昇の飛躍的なトレンドを示すには十分であろうと思います。第二の特徴は、株価水準の上昇であります。二十四年ごろから比較する必要はございませんが、三十三年におきます売買株価一株当たりの平均を、この資料、「東証の一日平均売買高および売買代金の推移」の表から試算いたしますと、百三十五円。それが三十四年には四〇%を増しまして百七十五円に上がっている。三十五年には六〇%増しまして二百十三円になっている。このように価格水準は著しく上昇いたしております。従いまして、取引の絶対量の増加と株価水準の異常な上昇によりまして、売買手数料が異常な伸び方をしているわけであります。その具体的数字は先ほど申し上げた通りで、三十三年の百五十三億が、三十四年に三百二十億円、三十五年には五百三十三億円と伸びておるわけです。それから第三の特徴がございます。それは全国取引所売買高の中に占める四大証券売買高の比率の相対的な大躍進ぶりです。全体に商い高が上がっておりますが、その中において特に四大証券の比率がものすごく伸びてきているということであります。これを数字的に見ますと、全国取引所売買高を、二十四年のものを一〇〇とした場合、四大証券のその中に占めておった。パーセンテージはわずか二五・三%、ところが、三十三年、三十四年、三十五年になりますと、ほぼ六五%前後に上昇しておるわけです。そういうことで、結論的には、証券業界は、特に四大証券は手数料で相当大きく譲歩してもらってもいいのではないか、こういうことになるわけであります。そこで、小池さんにははなはだ申しわけないですけれども、一つ大乗的な御所見をお伺いしたいと思います。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 大へん参考になる御教示をいただきました。この四社の数字でございますが、これは実際の数字が出ているので、これに対して弁解するあれはないのですけれども、一応この数字を判断するときに御考慮願いたいことは、これは後刻きっと御質問があるかと思うのですけれども、バイカイの問題がございます。四社の商いに非常にバイカイが多い。このために数字が実際の手数料収入よりもうんと大きくなっているわけなんです。他の業者に比較いたしましてバイカイの数字が多いですから、場合によっては、極端なことを申しますと、四社の数字を大ざっぱにいって半分にしていただけると、実情に適するというようなことかとも思うのです。まあそれは少し脱線いたすかもしれません。そういたしますと……。(佐藤(觀)委員「そのバイカイの多い理由は何ですか」と呼ぶ)それは後にまた御質問があるのじゃないかと思いまして——それだけのことは、この数字だけでもって御判断になると非常な伸び方のようにお考えになるかもしれませんが、普通の中小のあれには委託売買がパーセンテージにいたしまして非常な数を占めております。それから四社あたりでは——四社と限りませんが、相当バイカイをつけておりましたために、委託が何倍かになっているという形になっております。それも御考慮願いたいと思います。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 いずれにいたしましても、一日当たりの手数料そのものの金額を申し上げますと、私は、立ち会いの日数は一年に三百日と想定して、当たらずといえども遠からざる日数であろうと思いますので、三百日として計算してみました。そうしますと、東証の手数料が三十三年では一日大体五千万円です。それか三十四年にはこれが約一億一千万円に伸びております。それから三十五年には一億八千万円であります。そのうち四大証券自身がどのくらいなっているかというと、三十三年の五千万円中三千六百万円、三十四年の一億一千万円中七千六百万円、三十五年の一億八千万円中一億二千万円くらいが四大証券の手数料です。だから、四大証券がおのおの同一としますれば、手数料が三十五年度においては一日四千万円です。今日の時点ではこれは五、六千万になっていると思うのです。異常な金額になっておるわけであります。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 ちょっと平岡さんにお尋ねしたいのですけれども、今の数字はどこから御計算になりましたか。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 質疑の途中で恐縮ですが、最初にもお断わりしたように、高橋参考人が十二時三十分までというお約束で、もう退席の時間が参っておりますが、春日委員からぜひ質問したいというお申し出がありますので、この際これを許したいと思います。春日一幸君。

春日一幸民主社会党

○春日委員 先生がお帰りになるようでありますから、ただ一点だけ、私ただいまの参考意見をお述べになりました中で興味深く拝聴した点がありますので、この点だけ明らかにしたいと思うのでありますが、それは、ただいま証券行政の重点について見解をお述べになりました。それによりますと、現在の証券行政は大衆の安全を守ることにあるようであるけれども、ここに重点を置くことは間違いである。先生の御意見をもっていたしますと、株をやるということは、投資家がリスクを負うことは当然事項であるから、従ってそのような投機性を否定しては株式市場は成り立たない。だから、株価が適正かどうか、市場が健全かどうか、証券業者が健全かどうか、そこへ証券行政の重点を置くべきであって、よってもってそのことの健全が確保されれば、投資家の利益は守られるものである、こういう御意見がございましたが、これが若干私どもの考え方と違うように思うのでございます。と申しますのは、経済立法は、戦後できましたものはすべて第一条にそれぞれ法律の目的が書いてありますが、そこには健全なる経済の発展とか、民主的な経済の発展とか、あるいは経済力の発揚とか、そういうアドヴァンスの方向を目ざしていろいろ書かれておりますけれども、この証券取引法には、御承知の通り、適切な運営であって、それを通じてあくまで投資家の利益を守るんだ、こういうところに重点がございまして、証券取引法によって経済の発展をはかったり、あるいは刺激要因たらしめようとするような行為はないように理解をいたされるのでございます。と申しますのは、現在の証券行政を通じてさまざま現われております現象といたしましては、過激要因、刺激要因になって参ったものが非常に多いのでございます。そういうような事柄が、大衆の安全を確保せねばならぬという法律の第一条の目的から判断をいたしまして、大いに注意を要し、時には調整をはかり、また改正を要するという点が非常に現われて参っております。従って、私どもは、株価の適正をはかることによって大衆の利益を守る、市場の健全をはかることによって大衆の利益を守る、証券業者の健全をはかることによって大衆の利益を守るという、とにかく証券行政の生命線というものはあくまで大衆の利益をはかっていく、そうしてわが国の証券の円滑な流通をはかる、こういうところにあると考えるのでございまして、従って、このことは、過激要因、刺激要因になっておるような取引所というものは、これはあくまで法律のあらゆる機能を発揮して、これを抑制していかなければならぬ問題であると考えるのでございますが、私は先生の御所見が必ずしもこの法律に反するものとは考えませんけれども、経済評論家の元老としての御発言がもし誤って理解されますると、現在われわれが論じておりまする立場と相当の食い違いを生じて参ると思いますので、その点について先生の御意見をもう一ぺんお聞かせいただきたいと思います。

高橋亀吉経済評論家

○高橋参考人 私、取引法にどういうことが書かれておるかということは的確には存じておりませんけれども、今お読みになったところだといたしますと、つまりなぜ株式取引所というものを各国とも公認し発達させたかという大前提があるわけですね。それは国民経済の発達をはかるということですね。企業の発達を助長して国民経済の発展をはかるという点にあるわけだと思います。従って、この観点がこの大前提から逸脱してはならないというのが第一の考え方なのであります。そこで、その大前提の中には、当然株式取引には投機要因がある点まで入るわけであります。それを認めておるわけなのであります。というのは、投機要因がなくなると、株式を売ろうとしても買い手がない、買おうとしても売り手がないというような、見合いが非常に窮屈になって、株価の健全な形成ができないし、同時にまた、株を売りたい、買いたいと思っても、その機会が非常に遠くなるわけです。買おうとしても株はないんだということになる。売ろうとしても買い手はない。そこにある点まで、株が安い、これは安いから買って、そして上がったときに売ろうという仮需要が出て、初めて売買が円滑に行なわれるわけなんです。この要因を抜きにしては株式取引というものはできないし、全体の取引というものが大体投機要因を認めざるを得ない。それは、社会的にいえば、投機要因は必ずしも芳しくないかもしれませんけれども、とにかくそういうものを認めなければ、株式市場の発達というものはできないし、株式市場の発達ができなければ、株式会社組織というものの発展ができないし、それができなければ、その国の経済の外衆の資本を中心にした発展はできない。そうであればきわめて限られる。さっきも申しましたように、どうしても自分の資本では足りなくなって株を出す、こういうことなんです。そういう意味において、ある程度の投機性というものは、当然株式を取引する場合にはあるものだ、私はこれを抜きにして考えるわけにはいかない、これが第一の考え方なんであります。  しかしながら、おっしゃるように、大衆の利益をはかる。ことに大衆は十分株式というようなことを理解していない。理解が足りない人が少なくありませんし、ちょうど銀行の預金者を保護する必要があるように、投資家を保護する必要があると思うのであります。しかし、それは、さっき申しましたように、その保護の仕方が私は問題ではないかと申したのであります。その趣旨は必要なんでありますが、それは、株は今相場が高過ぎるとかなんとかいう形でやれば、今安過ぎるから買えということも言わざるを得ない道理なんです。安過ぎるから売るなということも言わざるを得ないことになるわけです。高いときだけはどうも高過ぎると言うけれども、安過ぎるからといって今売るなと言ったことはないですね。そしてまた、高過ぎるかどうかということも、正確な判断はできないのです。たとえば、まだダウが八百円台のときに、たしか三十三年でありましたが、大蔵省は盛んに何回か規制いたしました。そして、高過ぎるという判断で、そういう意味で規制をやったのであれば、非常な失敗で、国民に非常な損をさせたということです。あれで高過ぎるというから、株を持っていた人が売った。ところがどんどん上がったということなんです。ですから、株価が高いとかなんとかいうことは、さっきも申しますように、この判断が非常にむずかしいのです。われわれ三十年もこの道にいながら、判断ができない。実は三十四年限りで私は株式景気の見通しは引退したのです。なぜ引退するかというと、責任が大きくて重荷にたえ得られないのです、言ったことが間違うと大へんだものですから。それほどむずかしいことなんだから、それを政府にやれ、行政官にやれというのは無理だと思う。やれば弊害が起こるんだ、こういうことなんです。従って、その面から大衆の利益を保護しようということは、実際は弊害が多いし、事実むずかしい。そこで、どこからやるかというと、おっしゃったような市場を健全にする。それから証券業者自体を健全にする。もう一つは、行き過ぎはしないかということがはつきり出るものは、投機的な取引が多いか少ないか——投機的な取引が適正でも、規制したからといって、投機の目標にした値段が高過ぎるとは必ずしも限らないわけです。しかしながら、とにかく投機性の多いものは危険が多いという公算が多いわけですから、こういうものを中心にして是正していく。だから、手段方法をどこに置くかという点に問題があるのであって、相場の上で相場が行き過ぎる、それを行政的に調整するというととは非常に無理なことですし、実際には非常な弊害がある。現に、今までの規制というものが、もしそういう形で、株は高過ぎたのだという規制だったら、非常な失敗で、われわれから言うと責任問題になります。あのとき規制されたので売った人がずいぶんあります。ところが今倍以上になっている。こういうことで、またそういうふうに言ったのだから、安過ぎるから買えという義務もあるわけですが、それはなかなか言い得られるものではない。だから、株価の面からはむずかしい、こういう趣旨であります。しかしながら、大衆の利益を守るという考慮、そういうことは非常に必要なんだが、その手段方法をどこに輝くかということが問題ではありませんかという意味なのであります。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 それでは、お約束によりまして、高橋参考人に御退席を願います。本日はお忙しいところをまことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。(拍手)  平岡忠次郎君。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 計算の根拠でございますけれども、衆議院大蔵委員会提出資料の「東京証券取引所正会員の委託手数料収入調」これをごらんいただいて、私の論述をお聞き取りいただきたいと思います。  この収入調べによりますと、東京証券取引所の手数料の総額について、二十四年には十二億七千九百余万円となっております。これが三十三年九月期ですか、百五十三億三千余万円になっております。それから三十四年には三百二十億余、三十五年には五百三十三億円ほどになっております。そして、なかんずく四大証券について申しますと、その手数料は、二十四年には三億六千六百万円ほどでございましたのが、三十三年にはこれが百七億、三十四年には二百二十一億円、三十五年には三百五十四億円、このような数字になっているわけでありまして、先ほど申したのは、立ち会い日数を三百日と想定した場合において、一日の手数料収入が大証券四社におきまして一億二千万に上る、こういうことを申し上げたわけであります。こういうことで、企業を守る立場から申せば、これでも足りないのだという議論もあろうかと思いますが、客観的には、大証券は笑いがとまらぬというのが実情であろうと思うのです。例といたしますれば、暮れのボーナスが十カ月、二十カ月、それから女子高校出の事務員の方のボーナスが、われわれ国会議員のボーナスより多いというようなこと、これはボーナスが多いことはけっこうなんです。けっこうなんでございますが、その他東証のアベック、殿様賃上げ争議というようなこともいわれたほどで、これはちょっとどこか狂っていやせぬかと思う点があります。現在映画女優の出演料か一本三百万円とか、長嶋選手の契約金二千万円云々と取りざたされておりますけれども、これと同様少し異常ではないかと思われるわけであります。この水準が国民全般の生活水準向上に見合っているとは必ずしも言えないと思うのであります。また、この笑いが投資者一般に通ずるものでないことも事実だと思っております。むろん、上昇一途の株式市場でありますから、投資者がもうかる公算もないわけではないでしょうが、悪口を言う人は、大証券の腕力相場で、たびたび虫下しがかけられる、そのつど痛めつけられることが多いのは投資大衆であるということもいわれております。ですから、投資大衆自身はこの値上がりのほどはもうかっているわけではないし、大体別世界を証券業界のみが作っておるということも言い過ぎではないように思います。  一例を申しますと、私の知り合いで、昨年およそ一カ月の間に、株の売買で、彼の言うには、証券会社の言うなりにまかせて、ひどい目にあったとぼやいているやつがあります。そこで、ばくちをやったのだから、そんなことはしようがないじゃないかと言いましたら、それはその通りである、やられたことは仕方がないが、親切ごかしの大証券が、損をかけながら、人の損得とは関係なしに、てめえたちだけは手数料で、人の損をしり目に、しこたまもうけているのがしゃくにさわる、そういうことを言っております。そこで呈示をしました数字が次の通りであります。それによると、買付代金が千六百七十八万七千円、それから売却代金が千四百四十七万七千円、そういたしますと、売買損が二百三十一万円、これに税金、証券取引税ですか、これが約四十五万円、ですから、この男は二百七十六万円の損をしている。この際の証券会社の売買手数料は三百七十七万一千四百円というのであります。要するに損した、得したは勝手だが、しかし損をしたケースにおいても、この二百七十六万円の損を上回る三百七十七万円という手数料が入っているということがしゃくだというわけです。なるほど客に損をさせておいて、手数料の方は、損得と関係なく、間違いなく相当以上大きく入るというこの議論を聞きますと、多少これは是正の余地があるのではないかという感じがしましたので、いろいろ数字をいじくってみたわけであります。手数料がべらぼうだという意味においては、一考に値すると考えられたからであります。しかし、私の感覚では、同時にこの手数料は投資者のために必ずしも負けてやる必要はないという気持でもあります。  そこで、それはどういうふうにしたらいいかということになれば、結局証券取引税をもう少し増徴してもいいのではないか。証券業界のだぶついている贅肉だけは取っていただいて、その分を原資として証券取引税の増徴を考えてもいいのではないかと思うのです。幸か不幸かわれわれは歳入委員会に所属しておりますので、こういうものの申し方をいたすので恐縮ではありますけれども、この機会にやはりそのことは検討されていいのではないかと思うのです。  現実に、ではどういうめどでということになると、一つの私案中の私案なんですが、私の一応の私案的なものを申し上げてみるならば、少なくとも三十五年の九月期において、四大証券において三百五十億円の売買手数料をあげておりますが、この額が三十六年の九月期において絶対額として下回るということは、これはいかぬと思うのです。絶対額を減らすという大幅な引き下げは私もいかぬと思うのですが、少なくとも取り扱いはことしもおそらく上昇してきましょう。実は去年の三百五十億円というものは、その前年の二百二十億円に比べますと、六〇%増しです。ですから、ことし三十六年度におきましても、この上昇のトレンドはさまで変わらぬだろうと思うのです。そこで、私の言うのは、三十六年度中に自然増収の部分があるであろうから、その部分だけは——三百五十億円の頭打ちということで  証券会社の方において御遠慮願っておいて、その分だけは還元していくという、かなり大幅な手数料引き下げを考えてみてもいいのではないか、こう思うのです。そして、引き下げの分は、私が再三申し上げたように、証券取引税の増徴の原資としてこれを充てるということ。この場合に、また一つの工夫が要ると思うのです。  この委員会でも中小証券と大証券との格差の問題が論ぜられております。かなり大きな論点でございます。そこで、今までの手数料の料率の表を見ますと、これは一日の売買株数の商に応じまして、少ない方から多い方に累進的に手数料を下げている。五千株未満のものは、比較的高い手数料になっている。それから順次取引株数のふえるに従って低率手数料となり、三万株以上が一番低い手数料になっている。これは大口の委託が大証券におそらくパーセンテージとしてよけいいくであろうから、そういう点のねらいからは、中小証券のマージンをふやしているという意味において、かなり合理的な配慮が加えられております。そのことは先ほど小池さん自身も御指摘なさいました。ですから、その問題はそれでいいのですけれども、今度は、投資者という立場に立って、うんと大きく取引をする人は担税力があるはずです。今の取引の手数料の表というものは、その点から見れば矛盾なんです。ですから、この分を取引税の面におきまして補完していく。取引税それ自身の底上げは全体的にいたしますが、課税率は手数料の場合とは逆にする。現在証券取引税は二月分の十五の画一税率でありますが、それを、五千株未満の取り扱いに対しては、この引き上げの程度をゆるくして、一万分の二十ぐらいにたとえばします。それから五千株以上二万株未満のはこれを一万分の三十にする。それから一万株以上三万株未満の取引に対しては一万分の四十にする。三万株以上は一万分の五十にする。信用銘柄の決済のための取引分については一万分の六十にする。そういうふうにすれば、大証券と中小証券との間の収益の格差というものの配慮は今までの通り、それから租税におけるかけ方というものは、今度は投資者の租税力に見合っての累進的課税ができると思うのです。別段私が異例な異常なことをここで申しているわけではない。証券取引法によって画一的にかけてきているということ自身が、税の原則から確かにはずれておったわけです。そういうことから考えますれば、今言ったアジャストメントが二つの要素として働きますから、うまい工合な解決になりはせぬかと思うのです。これはまことに素朴な骨格だけを申し上げたのですけれども 御検討を願えたら幸いに思うのです。これは、小池さんに対しましては、業界の利益を守る立場の方にこういうことを申し上げるのはなんでございますけれども、やはり大きな目でもって、今や銀行に比肩する産業資金の調達機関として生成発展していく大証券業界のことですから、大乗的な見地に立たれまして、この問題に対しましても深く御検討をわずらわしたい、かように考えるわけであります。  少し意見にわたり過ぎましたが、焦点がぼやけていていけませんから、一応私案的なことまで申し上げまして、御意見をお伺いしたいと存じます。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 最初に、大蔵省で御用意になった資料についての数字から御計算になりました問題についてお答えいたします。私は、せっかく大蔵省でお作り下さったのですけれども、このままの数字で御判断になるのはちょっとどうかという疑問を持っております。と申しますのは、四社は御承知のように九取引所の全部の会員です。その上に取引所所在地でないところにもたくさんの支店を持っております。従って、たとえば三十五年九月決算三百五十四億の手数料があがっておりますけれども、これは全国からの委託者の数字でございます。大阪の取引所の手数料も入っておりますし、それだけではございません。それから、その他会員の中には、大多数の方は東京だけに営業所を持っておられる方が多いわけであります。ほかの地方の取引所の会員になっておる方ももちろんおられますけれども、九取引所全部という方はおそらく少ないのではないか。ほとんど少ないと思います。あるいは大阪、名古屋ということでございます。大多数の方は、いわゆる東京の地域において商売をされておる。ところで、四社は今申しました通り全国からの注文がこれでもって計算されておるわけなんです。これは、私どもの山一証券の例をとりますと、私どもでは、東京店と申しまして、東京都内及び関東一円という管轄にいたしておりますが、その東京店管轄区、関東と東京都内からくる注文が全体の注文の約三五%でございます。六五%というものは東京地域以外からくるわけです。それで、そのことを考えますと、その他の会員の大部分は東京店だけです。あとの六五%は他から集まってくる。その手数料がこの中に入っているというととも、これは御考慮になって御計算願いたいと存じます。それを考慮した後もどういう数字が出るか、その点につきましては、数字をよく検討いたしまして、またお答えすることができると思うのであります。  その次の手数料にたくさん食われちゃうじゃないかというお尋ねは、手数料の高い安いにかかわらず、どうもそういう傾向が実はあるのではないか。ことに大いに株でもうけてやろうといわれて、年がら年じゅうどたんばたんされる方の大多数は、そう言ってはまことに失礼ですけれども、いわゆるもうけは比較的少ない。むしろ長期的に株をお持ちになってじっとしておられる、あるいは増資があったらこれを売って払い込むとか、そういう方の方が、人数から申しますとその方の方が割がいい。それは中には非常に売買のお上手な方があって、非常にもうけられる方もありますよ。しかし、百人例をとりますと、そういうふうにうまく始終高いところで売って安いところで買うという方は、比較的少ない。これはわれわれ業者としましてはまことにありがたいお客さんですけれども、それだから証券業者はけしからぬというお小言は——私どもはまことにありがたいお客さんに対してはあれですけれども、もしそういうお客さんが平岡先生の御友人にありましたら、あんまりもうけようとして売買せずに、お前、いい株はじっと持っておれ、そういう御忠告を願えますれば、その意味におきましては、業者としましてはこれがいわゆる細く長く商売ができる、そういうふうに私は考えております。これは、手数料が商い安いでなく、先にも私も読んだことがあるので申すけれども、アメリカにおいて、ニューヨーク取引所のメンバーが長い経験で見ると、あまりどたんばたんいたす人は、われわれにはありがたいお客だけれども、手数料の方が多くなるのだ、利回りは悪くなるのだということを言っておることを読んだことがございます。この意味におきましても、証券界の健全化のために、平岡先先の御友人には、あまり欲ばらずに、欲ばってどたんばたんしない方がいいという御忠告を願ってけっこうです。私どもの細く長くの商売を考えますと、私はそういうふうに考えます。  それから、手数料の低減のあれはけっこうだけれども、同時に税を考慮しなければならない。これは一つの御見解として、私どもも研究させていただくということにしたいと思います。ちょっと今御即答をすることができないので、御了承願いたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 関連をしまして、私、公社債投信のことについてだけ、ちょっとお伺いをしたいのでございますが、公社債投信の問題は、証券業界でお考えになって、大蔵省に対して接触をお持ちになった時期というのは大体いつごろでございましょうか。   〔委員長退席、鴨田委員長代理着   席〕

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 昨年の秋から暮れにかけてであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実はこの公社債投信は一月に設けられることになっておった。ところが、一月は御承知のように政府が金利を下げようという政策のスタートをした時期でありまして、これがちょうど重なって参った。そこで、最近の形勢を見ておりますと、ある新聞では、銀行筋の方が東京は今大空襲中だというようなことが出ておる。社債投資信託で空襲されておるのだということらしいのですが、実はこの問題に関連をして、利下げの問題、私実はこの前の委員会で金利の問題に触れておるのですが、銀行の側は、この一月預金が非常に減って参った、特に地方銀行が減って参ったということで、社債の金利を相当下げてもらいたい、三十二年度の水準で銀行預金の定期金利と見合うような格好で下げてもらいたいということが強く出ておりますし、特に地銀連の会長の方などは、これが下がらなければ、われわれはとにかく預金金利その他についての引き下げには応じられないと、相当強硬な意思が伝えられておるようであります。そこで、一つお聞きいたしたいのは、その利下げについて、皆さん方としては、そんなに下げては困るというお考えのようでありますが、皆さん方の立場として、公社債の利子の引き下げはこれはやむを得ないと思いますけれども、どうお考えになっておられますか。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 私どもは、わが国の金利水準が国際的に見て割高でありますので、わが国の産業の国際競争力を強めるためには、どうしても金利水準は引き下げなければならないとは考えております。従いまして、貸出預貯金等一般の金利水準が引き下げられるならば、社債の条件もこれに追随して引き下げを行なうことはけっこうなことだと思います。ただ、その場合に、引き下げの時期につきましては、預貯金利子の引き下げ時期と同じでいいというように考えておるわけであります。しかし、その下げの幅でございますが、幅は長期貸出金利と見合うべきものだというふうに考えておりまして、預金金利の引き下げ幅と同じにすべきであるということは必ずしも考えておらないのです。なお、社債の条件改定にあたりましては、よく応募者並びに発行者の意向を参酌して決定いたしたい、かように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実は私ちょっと心配をいたしておりますのは、今度の金利政策の引き下げのてこに、郵便貯金の金利の引き下げが法律で今国会に出て参るわけですが、これが出てきて、これをてこにして一切下げていく中で、社債問題でこれがこじれて参りますと、あとの地方銀行その他の金利の引き下げというものが、はたして大蔵省の予定されるようにいくかどうか疑問が出てくる。これは一に公社債の金利の下がり方との関連できまってくるのじゃないかと思います。そこに一つ問題がありますと同時に、裏返して申しますと、公社債を今銀行が言われるように下げたとすると、今度はあまり解約手数料なりを最初引いてしまいますと、公社債投信というものの魅力が著しく減殺されてきて、スタートとして非常に上向きになっておるところでがたんとする。オープンでありますから、そこに解約が激増してくるということが十分私は予想されると思うのであります。大蔵省の指導によると、大体公社債投信は、新規債八割、既発行一割、あとは含みがあるようでありますが、八割が新規債であるということになれば、下がった金利のものでいくわけでありますから、これまでの分はともかく、その後の分についてのボンド・オープンというものは魅力がなくなる、解約が殺到する、こういうことが逆に出てくる可能性が一面にある。そうなった場合は、現状で一体どのくらいの支払い準備を用意していらっしゃいますか。それをちょっとお聞きしたい。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 先ほど高橋先生のお話がありましたけれども、社債投信の問題も、結局社債の流通市場の裏づけがないと、ほんとうはいけないのだと思います。従いまして、社債の条件というものは、下げるべきものでなくて下がるべきものだと思います。それがほんとうの流通市場との関係におきましては、人意的に下げるものでなく下がるもの、ほかの金利がもし下がりますれば、自然に従来の公社債は買手が多くなる、そうしますと、今まで九十八円五十銭のものが九十九円になる、あるいは百円になる、そういう時期になりますれば、新規発行のものが、従来九十八円五十銭で出したものが、九十九円あるいは百円で出せるという時期になる。これが本来の姿だと思います。それで、私どもは、実はほんとうから申しますと、投信に組み入れるところの社債だとか、あるいはボンド・オープンに入れるところの社債について、ある程度は市場から買いたいのであります。市場の売りものが実際まだある。あるときに買って、なくなれば自然に上がって参ります。債券の値段がそこで初めて公社債の条件を変える。これがほんとうのオーソドックスのやり方だと思います。しかし、今のところは、まだそのことがある程度は既発ものを買ってもよろしいということになっておりますから、ある程度は新規発行債を、たとえばボンド・オープンあたりは八〇%いくということでありますから、今それをやっておりますが、四月からどういう行政指導になりますか、あるいは発行問題につきましては日本銀行あるいは銀行界、発行会社、みなそれぞれ関心を持っております。今申しました通り、流通市場を育成するように発行するためには、売りたい人には買ってやらなくてはいけない。ですから、その分を合わせて日本銀行——先ほど高橋先生でございましたか、日本銀行あたりで金融政策の大きな問題になっておると言われましたが、日本銀行あたりとよく打ち合わせまして、社債発行条件を変えていきたい。変えていくようになるだろうと私ども思います。そういうふうに考えておりまして、そうしますれば自然に他の金利との見合いができますから、下げたから社債投資信託が急に売りものが殺到するとかいうことはない。それでこの社債投資信託も若干長い目でもって御批判を願いたい。現在発足してまだ一カ月、第二回がやっと本日発行されるという状態で、まだほんとうに軌道に乗っておりません。今後数カ月のうちに軌道に乗ると思いますから、その節にまたいろいろ御注意いただけば幸いだと思います。  準備率は、ボンド・オープンにつきましては、新規発行八〇%、コールその他は一割ないし二割、こういうことでございます。もしコールを一割としますと、あとの一割は既発債が入れられるわけです。ですから、二割以内でございますか、こういうふうな行政指導になっております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私が伺っている準備率ということは、解約が殺到してきましたときに、証券会社自体としては、今の状態では証券金融の上からは金は回って参りませんし、その際にそれじゃ銀行が融資してくれるかというと、これは必ずしもそううまくいかないかもしれません。そうした場合に準備は一体どうなのか、その準備でございます。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 まず第一は、今の一割くらいのコールを回収してそれに応ずる。それでも足りないときは、これは先ほど申しましたあとの一割は既発ものを買います。これはなるべく私は期近ものの公社債を入れていく。期近ものの公社債は処分も容易でありますし、それから場合によりまして——これは私の個人でありますが、オペレーションの対象にしてくれということも筋が立つ、こういう意味におきまして、よほど大きな変革がない限りは、若干の売りものがきましても私は心配ないと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、今おっしゃった中で、私どもが心配をいたしております点は、今スタートのところでありますから、いろいろと問題があると思いますけれども、新聞広告その他では、元本が保証されているので非常にいいのだ、金利はこうなんだということが非常にはっきりうたわれておるわけですが、しかし、実体を調べてみますと、最初にお買いになるときは手数料は要らないということですが、解約手数料なり税金を引くなりいろいろ講じたり、おまけに今度社債が下がってきたりする条件から見ると、広告その他については何か少し行き過ぎじゃないかという感じもするわけであります。私どもは別にかまわないのですが、結局われわれとしては、一般の投資家といいますか、比較的零細な人たちを保護していかなければならぬという気持が強いものですから、そのためには、いい面ばかり触れられていて、こういうことになるという可能性がもしあるならば、その点は広告で触れるわけにいきませんけれども、やはりそういう点での配慮というものがもう少し私はあっていいんじゃないかという感じもいたしておるわけであります。今の点で二割までは何とかいけるとおっしゃっておるのは、そのワク内だけの問題になっておるわけでございますね。その設定されたワク内の資金としてだけ二割、それ以外にもしそれをオーバーしてくるということがあった場合には、その資金はどちらでお求めになることになるのか、方向は。それをちょっと伺いたいと思います。   〔鴨田委員長代理退席、委員長着   席〕

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 まず、最初の元本保証とかいうのは、元本保証という言葉は使っておりません。これはまた大蔵省からも指導がございまして、使ってはいかぬということでございますから、われわれも広告に使っておりません。  それから、今のコールあるいはその他期近ものあたりで足りないような場合もあるかもしれません。これは私ども証券会社は証券会社のリスクによって買わざるを得ないだろう。しかし、一度に二割以上の売りものが殺到するというようなことはよほどの非常時で、突発大事件でも起こらない限りはちょっと考えられないわけであります。株の方は売りものが殺到するということはまああるときには考えられますけれども、突発事件が起こっても、社債の解約を希望する者が二割以上も一度に殺到するというようなことはちょっと私は今想像できないのです。今まで私どもも、公社債に関しましては、戦争前、戦前自由市場のときの経験も持っておりますが、まずそれは特別に考える必要もないのじゃないかと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 今おっしゃったことで、二割も解約はないということはあれですが、もう一つ伺っておきたいことは、オープンで売買を解約されたときに、売り買いが行なわれなければならないと思うのですが、実際売り買いになると、今度は手数料——二回目の売買分からは手数料がかかることになるのでございましょうね。そうすると、投資家としては、それを買うよりは新規のものを申し込んで買った方が有利になるということが起きて参る。差が出てくるわけであります。そうすると、それを買う方は、証券会社の方が買うというか、今のコールに出ている分を取りくずして買うということになるか。そうすると、その価格は一体この際はどういうことになるのか。売り買いというものが、いわゆる需要家と投資家といいますか、そういう格好でされれば、公正な価格が出てくるものと私は思うのですが、買う方は会社の方が買い取らなければ仕方がないということになりますと、そこでは買い取り価格というのは自由な格好できまるのではなくて、何かこっちがこれだけでしか買えませんということで価格がきまってくるのじゃないか。要するに、それは今のコールをおろしてくる、それが一割のところまでは非常に簡単にいくから、大して問題はない。比較的それに近い水準で買い取りが行なわれるかもしれない。一割をこえていくと、今度は既発行分の問題を取りくずすということになりますと、そこではコストが高くなるという関係もあって、ボンド・オープン自体の金利をある一定にささえるというような問題から考えると、残っておる方の人の有利を考えれば、売る人の方はぐっと下がってくるのじゃないか。こういうような問題で、私、オープンになっておるところの売買価格の位置というものは一体どうなるかという点が、ちょっとはっきりしないのですが……。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 これはそのときになってみないとわからないのですけれども、大体原則としてコールを回収してあれすることが多いと思います。しかし、場合によりますと、その社債を売って資金を調達する、その社債を売るときの値段はいかんということでありますが、これは、現在の債券投資オープンにつきましては、いわゆるアモーティゼーションというのが認められておる。アモーティゼーションというのは、たとえば九十八円五十銭現発行額、そして五年先には百円になるといいますと、半期ごとに分割してその値を評価を上げているわけです。これが認められております。従いまして、売る場合にはその値を切れば債券オープンの受益者を害するわけです。私ども証券会社は、その場合は、アモーティゼーションによって評価を増しておりますから、その値段で買おうという決心をしておるわけで、リスクは、われわれ山一証券にあるわけで、その意味におきましては、受益権者にないと申し上げていいわけであります。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 春日一幸君。

春日一幸民主社会党

○春日委員 私は、いろいろ政策的な、また司法上の問題をお伺いしょうと思いましたが、時間が移っておりますので、ただ二点だけ、法律違反の疑いがあるかと思われる現在の証券業界の業務の運営の問題について、お伺いいたしたいと思うのであります。  その第一点は、第二取引所設置問題という、一部の要望に関連するものでありますが、この問題は、先般本委員会で大蔵当局といろいろ質疑応答をいたしたのでありまするが、とにもかくにも現行証券取引法第百九十一条によりますると、ここでは市場類似施設開設を明確に禁止をいたしておると思うのであります。「何人も、有価証券市場に類似する施設を開設してはならない。」第二項に、「何人も、前項の施設により売買取引をしてはならない。」これに違反をする者は、罰則規定で懲役一年以下に処すと明確にされておるのでございます。しこうして、刑事訴訟法二百三十九条によりますと、一般国民は当然告発の権利を持つが、わけて国家公務員には、その業務遂行上法律に違反をする行為ありと思量したときには、告発の義務を課しておるのでございます。こういう関係から判断をいたしまするとき、現在いずれにしても東京証券業協会員の店頭取引の売買商が一日平均一千万株をこえておる。この実額たるや、名古屋証券取引所の一日平均四百三十万株をこえることはるかに大きい。これがもう堂々と取引がなされておるのでございます。従いまして、これは百九十一条に違反する法律違反行為ではないかと質問いたしたのに対しまして、大蔵当局の答弁は、これは後ほど速記録で御検討を願うべきであると思うのでありまするが、かつては大した額ではないのでこれを見のがしたが、今やこのような膨大な額になったので、法律違反の疑いなしとはしない、よって、これが対策として、第二市場開設の問題をも合わせて証券取引審議会に付議した、こういう答弁になっておるのでございます。本委員といたしましては、この問題がそういうような行政的措置で処理をされるということについては、もとよりそれは期待をするものではありませんが、しかしながら、立憲法治国のもとにおいて、まあ証券業界だから、法律違反の疑いのある行為があっても、大蔵官吏はこれを告発の義務を免責されるものではないと思うのでございまして、また一国民といたしましても、証券取引法というものがありながら、それに禁止している禁止行為を、東京証券取引所の中において堂々とこれが行なわれておる。しかもこの取引額は膨大な額に上っておるというこの実態に対して、われわれとしてはまた重大な責任を感じておるのでございます。そこで、何といってもあなたは、連合会長として、それらの職員をも含めて、全面的な責任をお持ちになっている方でございますので、当然これらの法律の性格をつとに御承知の事柄であろうと思うのでございます。にもかかわらず、堂々とそれをやらせておられるというその理由、どういう見解を持ち、またどのような確信でそのような取引をやられておるのであるか、この機会に一つ御所見を御開陳願っておきたいと思います。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 現在は、実栄証券の店頭取引は、証券業協会公正慣習規則並びに統一慣習規則でもってこれを規制しております。それで、その限りにおきましては、私どもは証取法百九十一条の違反までにはまだ至っていないと思いますが、ただいま春日先生のお話の通り、ことに最近急激にこの方の商いがふえて参りましたので、これ以上はやはりわれわれも百九十一条の違反になることをおそれまして、われわれ業者自体も早急にこの問題に取り組もうという気持でおるわけです。従いまして、先ほど申しました通り、証券取引審議会でもこの問題が審議されております。同時に、われわれ業界におきましても、自発的にこの問題に取り組んで、そうして違反行為のないように期したい、こう思っている次第であります。

春日一幸民主社会党

○春日委員 私はくどく申し上げるわけではありませんし、またそれは本委員会として別個の論述をなすべき事柄であろうと思うのでありますが、いずれにしても、その法律に違反をして犯罪がなされたかどうかという問題は、これは行政官では判定をすることができないのでございまして、そのことは、行政官が疑いありと思量いたしましたときには、裁判所にこれを告発して裁判官の判決を待つのでなければ、差しつかえないのか、どうであるのか。今あなたは、何やら監視委員会が監視をしておるので、大したことはないと言われますが、もとよりわれわれもその条項については調査をいたしましたけれども、しかしながら、法律の条文はそのような権限を移譲いたしてはいないのでございます。そういうわけでありますから、私は、今ここで、ことさらに悪地の悪いことを言うのではありませんが、現実に法律に違反をすると思われる、法律違反の疑いありと思われるような行為を、わが国における代表的な受信事業であられまする証券業界がこのことをなしておるということは、これは国民の利益を侵害するのおそれなしとはしません。どのような弊害が発生しないとも限らないのでございますから、法律に離反をするような事柄は、私は、もとよりすみやかに、それが合法的に——立憲法治国においては、わけてあなた方のお仕事が受信事業であります限りにおいて、もう少し神経質にお取り扱いをなさるべきであると考えるのでございます。  次に、私は、分離後の投信が株式保有の点において独禁法に違反をしないかと考えられますので、これはどういう工合にされておりますか、伺ってみたいと思うのでございます。分離後の投信におきましては、委託会社の株式を分離前の証券会社が全株保有することが認められております。また過半数でなければ役員の兼任も差しつかえない、こういう工合にされておるようでありますが、独占禁止法十一条によりますと、これは明確に株式保有の制限が設けられておるのでございます。金融業や証券業を営む会社は、他の会社の株式の一〇%をこえる株式を保有してはならない。十三条は役員兼任の制限を明確に規定いたしておると思うのでございます。あなた方は一体どういうような手続をとられて独禁法の排除をされておるのでありますか。これも一つ伺っておきたいと思うのであります。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 分離に際しましては、ただいま春日先生のお話の通り、当分の間は一〇〇%証券会社が持っておるのであります。しかし、この点に関しましては、ただいまのお話の通り独禁法との関係がございますので、公正取引委員会に申請いたしまして許可を得ております。ただし、五年先には、これ一割以上のものは持ってはいかぬという条件がついております。公正取引委員会から、五年の間にそれを処置するようにという条件付で、認可されておる次第であります。

春日一幸民主社会党

○春日委員 この問題につきましては、委員長を通じまして、後ほど公正取引委員会の委員長に御出席を願いまして、少なくともわが国の経済憲章であります独禁法の排除の行政措置というものは重大な内容を持つものでございまして、この点について公取の扱い方についてただしたいと思いますので、このお取り扱いを願いたいと思います。  そこで、私がこの際特に小池さんに御要望いたしておきたいのは、事実上投信の現在の残高が六千数百億という膨大な額に上って参りました本年度において、さらにこれが躍進の傾向にあることはいなみがたいと思うのでございます。さらに、向こう五カ年間、現在と同じように、また従来と同じようなやり方で伸ばされていくという形になりますと、この形式分離というものが、現実には今までの兼営によるところの弊害がさらに躍進の五カ年間持続されるという、おそるべき弊害がここになお温存せられて参ると思うのでございます。そこで、私は、現在投信そのものの躍進の現状にかんがみまして、あなた方は、一応法的手続としては、過渡的に五カ年間の暫定措置が特免されておるようではありますけれども、しかし、わが国の証券業界の健全性をさらに確保いたしますことのためには、さらに証券取引法第一条の大衆の保護という立場から考えましても、われわれは後日公取を招致いたしまして、この点についての意見を交えるつもりではありますけれども、しかし、五カ年間の権利があるからといって、これがこのような急カーブで上昇いたしております段階で、今まで通りのやり方で、兼営の方式で、しかも形式的な分離、この体面だけを外部的にしつらって、それでやっていっていいとお考えになっておりましょうか。私はこの点大いに御反省を願いたいと思うのであります。昭和三十四年の三月でございましたか、あのような兼営のあり方というもののよってもたらす弊害点を強調いたしまして、すみやかにこの分離に踏み切れと強調をし、そうして昨年でありますか、分離に踏み切られたのでございます。しかし、それは遺憾ながら形式的な分離でありますので、かくのごとく論じなければならぬのでありますが、問題は、形式的にしろ分離に踏み切ったということは、兼営の弊害を認め、実質分離の必要性をそこに認められたからこそ、そのような措置がとられたと思うのでございます。でありますから、実質的にこの分離をするという必要性のあることは、これは理論上もまた実際的にもいなみがたいところであろうと思うのでございます。でありますから、私は、そうでありとするならば、この投資信託というものの現状がこんな急カーブを描いておりまする段階において、さらにこの先四年、五年とこのままほうっておくという結果、どんな事態が起きるかもしれない。分離しなければならないというこの持論をもう一ぺん検討いたしまして、理論上にしろ、形式的にしろ、分離せなければならなかったというその理由、それをよく考えられまするならば、この先四カ年間今のままでは、すなわち独禁法の基本的な精神、それ々逸脱——まあ特免をされておるとはいいながら、とにもかくにも特別の排除手続をとられてやっておるということは、わが国の経済の現状から考えまして、これは特異の措置と申さなければ相ならぬのであります。そういうような意味からも、とにかくこの問題は別途われわれは公取を相手として論ずるところがあろうかと思いますが、実質分離に最もすみやかに努力されることを強く要望いたしたいのであります。その点について、大体あなた方のお考えになっておることは、五年間権利があるから、五年間は今のままの形式分離でやっていくのだ、独禁法の特免排除の考え方でやっていくというお考えであるのか、この点を伺いたい。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 実は、私自身が投信の委託業務というものは分離すべしという主張者であります。と申しますのは、現実に弊害があるということより何より、理論的によくない。その意味でもって分離すべしという、私は率先その主張者であります。ただし、実際は昭和二十六年に発足いたしまして約九年間、すでに実績が現実から一つあったわけです。それを分けていくのは、いわゆるなま木を裂くようなものでありますから、その過渡的な措置については、やはり適当な処置が必要であろうということを私も考えましたし、行政当局も考えられて、その御処置があったと解釈しております。従いまして、われわれといたしましては、五年間に大いに一つほんとに軌道に乗せなければならないということであります。だれが株主になるかということは、実は大問題であります。で、まだはっきりいたしておりません。あるいは大蔵当局も、いろいろ証券と投資信託制度についても御研究だと思います。われわれもそれと並行して善処したいと思っております。

春日一幸民主社会党

○春日委員 それではもうその点はいいとして、せっかくの機会でありますので、二つの点だけもう一ぺん伺っておきたい。  日証金の現在の融資残高三百億円のうち、なかんずくその食い合いによるものの割合がどれだけになっておるか、これが一点。それから、もう一つは、四大証券は、別に日銀に当座預金をお持ちになって、信用取引に対して自己融資をおやりになっておると思うのでございます。この融資金額は現在四大証券で幾らになっておるのか。この二点だけちょっと数字をお聞きいたしたいと思います。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 日証金の食い合いは大体五十億と御承知願いたい。それから、四社の自己融資の総額は、一月三十一日現在で百三十三億二千四百万円であります。

春日一幸民主社会党

○春日委員 内訳は。

小池厚之助日本証券業協会連合会会長

○小池参考人 内訳はわかりません。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 この際、委員長より一言ごあいさつを申し上げます。  参考人には、御多用中のところ、長時間にわたりまして御出席をいただき、御意見をお述べいただきましてまことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。      ————◇—————

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 小委員会設置の件についてお諮りいたします。  金融及び証券取引に関する諸問題を調査するため、小委員十三名よりなる金融及び証券に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、設置することに決しました。  なお、小委員及び小委員長の選任、並びにその辞任及び補欠選任等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 御異議なしと認めます。  それでは、後刻委員長において指名し、公報をもって御通知いたします。      ————◇—————

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 なお、租税特別措置法の一部を改正する法律案、揮発油税法の一部を改正する法律案、地方道路税法の一部を改正する法律案、国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案、森林火災保険特別会計法の一部を改正する法律案及び国立病院特別会計法の一部を改正する法律案の六法律案を一括して議題といたします。     —————————————  各案に対する質疑は次会に譲ります。      ————◇—————

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 連合審査会開会の件についてお諮りいたします。  東北、北陸地方の雪害に対する金融措置等に関する件について、地方行政委員会、農林水産委員会及び社会労働委員会よりそれぞれ連合審査会開会の申し入れがあります。これを受託し、連合審査会を開会するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  なお、他に文教委員会、商工委員会、運輸委員会及び建設委員会よりも、本件についてそれぞれ連合審査会開会の申し入れが予定されておりますので、これら各委員会より申し入れがありました場合は、一括して連合審査会を開会いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  なお、連合審査会は来たる二十七日午前十時より開会の予定であります。  次回は、来たる二十八日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時六分散会

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