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38回国会衆議院1961/02/16

大蔵委員会 第7号

発言数
156
登壇者
10
会派数
3
開催日
1961/02/16

会議録

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 これより会議を開きます。  証券取引に関する件について調査を進めます。  質疑の通告があります。これを許します。佐藤觀次郎君。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 最近証券界のブームがいろいろ問題になっておりますが、きょうは大臣がどうして来られぬのか、委員長からそのいきさつをお話し願って、きょう来られなければ、また他日に大臣に対する質問を保留したいと思います。その点をまず最初にお願いします。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 佐藤委員からの御発言でございますが、ただいま社会党の理事諸君と打ち合わせをしているところであります。参議院の予算委員会において昨日衆議院を通過しました補正予算案が上提されて、大蔵大臣の出席が要求されておりますので、参議院側と交渉中でございますが、ただいま開かれた参議院の予算委員会における理事会では、本日は、予算の審議の必要上、参議院の予算委員会から大蔵大臣が離れることは認められないという連絡がございまして、今のところ大臣の出席の見通しがございませんので、その点あしからず御了承を願いたいと存じます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 それでは、大臣に対する質疑はまた他日に保留しまして、大蔵政務次官に最初にお伺いしたいと思いますが、最近証券ブームで、毎日毎日証券が上がり、投資信託の問題、オープンの問題、いろいろ問題がありますが、大蔵省はこれらの問題に対してどのような処置をとられておるのか、まずその点をお伺いいたします。

大久保武雄自由民主党大蔵政務次官

○大久保政府委員 最近社債オープンが非常な大きな動きを示しておりますことは御案内の通りでございますが、金融全般といたしまして、将来の経済の成長にわだかまりのないような方向に導いていくように、あらゆる行政努力をいたしたい、かように存じておるような次第であります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 最近、取引所の取引高が非常に多いというので、時間の短縮問題が起こっておりまして、午前中だけというふうに時間を制限しておりますが、これは一体永久に続くものか。また二月一ぱいという話もありますけれども、この点についてどういう処置をとられるのか。これは事務当局でけっこうでありますから、御答弁願いたいと思います。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 ただいまお話がございましたように、非常に最近取引高が多いものでございますから、そういういろいろな整理とかいうような関係から、時間の制限と申しますか、短縮をやっておりますが、これは大体お話のように二月一ぱいだけの予定にしております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 しかし、そういうような制限はしながら、一方においては地方の店舗をどんどんふやして、これは労働強化の問題もありますが、ちょっと矛盾してはいないか。取引所の時間を短くしていながら、実際にはどんどん店舗を地方にふやして、東京でも店舗がふえておるようでありますが、こういうことの処置はどういうようにやっておられるのか。ちょっと矛盾していると思いますが、その点を一つ伺いたいと思います。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 店舗は特に非常にふえているというふうには考えておりません。それから、取引所の方のことは、いろいろ事務的な問題がございますので、何とかやはり改善を加えて、なるべく早く旧に復するようにしたいというふうには考えております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 ふえていないというが、理財局長は最近市場においでになったことがありますか。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 市場とおっしゃいますのは、取引所の方——取引所の方には一月ごろに参りました。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 理財局も非常に忙しいので無理もないと思いますけれども、非常に大きな問題になっておりますから、そういう点についても一つもっと検討していただきたい。  それから、いろいろ問題はありますが、あとで春日委員からいろいろあれがありますし、きょう一日で終わるわけではありませんからあれですが、そこでお伺いしておきますが、この取引所の問題で一番問題になるのは、中央の東京の取引所と、その次は大阪、名古屋の順、あとはほとんど問題にならぬような小さい取引所しかないわけなんですが、こういう点について、この格差がますますひどくなる。従って、それがために、いわゆる大阪の斎藤卯の問題もあるし、それから、一昨年あたり私は中外証券の問題も論議しましたが、そういう問題が出てくるのは、これはあなた方一月ごろに行ったということを言われておりますけれども、非常に監査がおくれておる結果だと思います。こういうように監査の悪い結果、その他不祥の事件がどんどん起きるような心配もあるかと思いますが、そういう点はどのようにお考えになっておるか、一つ理財局長あるいは事務当局の方からでもけっこうでありますが、伺いたいと思います。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 私ども、今お話がございましたように、先般の大阪の事件、だいぶ前の中外の事件は非常に遺憾なことに存じております。中外の事件がありまして以来、特に検査と申しますか、監査と申しますか、そういう面をできるだけ充実するようにして参っておりますけれども、こういうふうな事件が起こります一つの問題は、やはり証券業者と申しますか、その外務員と申しますか、そういう人と株の売買をおやりになるお客さんとの間の株自身の受け渡しというようなことが、一番の問題になってきているようなこともございます。私どもの検査とかなんかの方もだんだんと充実いたしまして、できるだけこういうことのないように検査も充実いたしますが、同時に、一般にそういうようなことが起こらないように、業界自体でも十分注意してもらいたい。そういうようなことで、昨年も、大阪事件が起こりましてすぐに、各取引所その他の方々に御注意をさらにお願いするようにいたしまして、何かいい工夫があれば、できるだけ工夫をしてほしいということをお願いしたわけであります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 理財局長にお伺いしますが、現在証券界のことについて大蔵省はどのくらいの陣容でやっておられるのか、その点について御答弁願いたい。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 証券関係の陣容といたしましては、本省で検査の関係で十五名、地方の財務局なんかを通じまして百八名でございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 きのうも日銀の総裁と全国銀行協会連合会の金子会長にいろいろ話を聞いたのですが、最近、日本の証券ブームの関係上、預金が御存じの通り非常に減って、きのう相互銀行代表との会合がありましたが、その方では預金がだんだん減っておりますが、その投資熱がどんどん証券界にいくというのです。こういう点で、私はちょっと、大蔵省が理財局の一部の中でこういうような大きな問題をこのまま処理していくということについては、やはり何かの禍根が残りはせぬか。これはもうほんとうは大臣にお伺いしたいのでございますが、理財局長はどのようにお考えになっておるのか。最近投資ブームが非常に問題になっておりますが、このままでやっておった場合に、投資者の保護のためには、このままの状態でやっていけるものかどうか。これは予測のできない問題でありますけれども、今の情勢でお考えになって、一体あなたの認識ではどういうふうにお考えになっておるのか、この点も伺っておきたいと思います。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 佐藤先生からお話がございましたように、証券の取引高は、過去一年ぐらいで、あるいは一年半ぐらいと申した方がいいかもしれませんが、非常に急速な勢いで増加して参っております。そういうような関係の問題でございますけれども、大体証券業は二年ほど前にはむしろそれほど業界としていいあれではなかったわけです。それが、取引がふえることによりまして、最近じゃ相当業績を上げてきたというようなことになっております。証券取引審議会というのは、ずっと前からございましたが、一時中断しておりましたけれども、いろいろこの証券界の問題を検討していただくためには、やはり各界の方の十分な、学識経験と申しますか、そういう御意見を承ってきめた方が、一番いい案と申しますか、考え方ができるのじゃなかろうか。最初にお願いしましたのが、資本市場の問題、その結果、増資を促進させるためにはどういうようなことがいいかというような御意見をいただきました。また、社債の消化促進のためにもと申しますか、社債市場育成のための問題についても御意見をいただきました。それが済みましたので、昨年の暮れから、実は今お話しのような点で、株式の流通市場と申しますか、そういうようなことを一体根本的にどういうふうに考えたらいいだろうかということで、本格的にこの証券取引審議会でこの問題と取り組んでいただくことになりました。その中の一環といたしまして、今のような機構の問題、一体それでいいのかどうかということも御検討いただくことにしているわけでございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 どうも片手間のような感じで、火が燃え切ってしまってからあとでしまったということのないように、まあこれは理財局長の責任じゃなくて、大臣の責任でありますけれども、そういうことも十分考えていただきたいと思いますが、最近著しい傾向は、四大証券が圧倒的な勢力を持っておる。現在の取引の大体七割ぐらいは四大証券が実権を握っておるわけなんですが、こういう点について、これを規制する方法、あるいはこういうもののために小さいのがつぶれていくんじゃないかというような懸念もあるわけです。地方の何にも知らないしろうとが今たくさん投資をやっておるのですが、そういう弊害はないのかどうか、この点も一つ承っておきたいと思います。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 証券業のことをやっております人員といたしましては、先ほどは検査の関係だけを申し上げましたけれども、私の方の局の中では吉岡調査官以外に、課が二つと検査が一つございます。課長が二人、それから検査の方も今度三十六年度から課にさしていただけるようになってきております。実質的に一部三課的な形になっております。人員といたしましては、検査が十五名、その他一般の証券関係のことをやっております者が四十名、地方に先ほど申し上げましたように検査関係で百八名と、一般の監督行政といいますか、そういうことをいたしておりますのが四十名でございます。そういうような人員で、約二百名でやっているわけでございます。  今の四社とその他の中小とか何かの関係でございますが、これもなかなかむずかしい問題でございます。証券界は御承知のようにいろいろある。四社のようなところから、中ぐらいのところ、あるいは小さいところと、もういろいろな形のものが渾然一体となっているというのですか、あるいはそれぞれ分業になっていると申しますか、そこらのところも非常に問題がございます。そういうことで、先ほどちょっと申し上げましたように、やはり証券取引審議会にそういうような点もどう考えるべきかということを問題として取っ組んでいただくことにしているわけでございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 どうも証券取引審議会ばかりに責任を転嫁していられるようでありますが、実際はこれは大蔵省の監督下にあって、通産省は関係ないのです。今は銀行ほどの強い制限がない証券界で、そういうような無責任なことでは許されないような時期がくるのじゃないかということを考えておりますが、大久保さん、最近証券界について大蔵省内では検討されておるのかどうか。これはあとでまたいろいろお伺いしますけれども、そういう点、あなたは最近大蔵次官になられたばかりですからわからぬかもしれませんけれども、一体こういうような問題が起きておるときに、大蔵省はどんなような処置をしておられるのか。証券取引審議会のような第三者みたいなものに責任を負わして、あなたは知らぬということでは困るのですが、その点はどうでしょうか。

大久保武雄自由民主党大蔵政務次官

○大久保政府委員 佐藤さんのお示しの一般銀行と証券会社並びに資金の動き、そういう点につきましていろいろな問題を最近包蔵しておる点が多々あると存じます。この点は将来にわたりましてあらゆる面から検討すべき要素が非常にたくさん出てきておるように思います。そこで、ただいま局長からも申し上げましたように、もちろん大蔵省も研究をいたしますが、審議会に諮りまして、あらゆる角度から今後のあるべき姿、金融界の分担、経済成長にしこりの残らない方向といったような点につきまして、お示しの点から検討を加えていきたい、かように存じておりますような次第でございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 検討というが、今現実にこれはどんどん動いておるわけですから、検討しておる間に間に合わぬというようなことになりはしないかということを心配するわけです。  そこで、最近第二市場の問題が出ておりますが、こういう問題についてどういう処理をされるつもりであるか。すでにこれは証券界で問題になっておりますが、その点はどういうようにされるのか、事務当局から伺いたい。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 第二市場の点でございますけれども、最近いわゆる店頭売買、この取引が非常にふえて参っております。東京では実栄証券、大阪では仲立証券、こういうところの店頭で集中的に店頭売買が行なわれておる。この店頭取引がある意味では店頭市場ともいわれておりますけれども、東京、大阪、名古屋、この三つの店頭売買一日平均が大体四百万株から六百万株ぐらいになってきております。そういうような状況でございますので、あるいはこれをむしろちゃんとした市場の中に入れると申しますか、作ると申しますか、そういうようなことで監督、規制をする方がいいのじゃなかろうかというような感じもするわけでございます。先ほどから申し上げております証券取引審議会での最初の議題と申しますか、これからやっていただく一番最初の問題としてこの問題を取り上げてほしいということを、私ども希望いたしておるわけであります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 店頭取引の今問題になっておる実栄証券のような問題は、一体法律的に妥当なものであるかどうかということについて疑問が多少あるのですが、こういう点の解釈をどういうふうにしておられるかということと、それから、第二市場は大体今ほとんど四大証券の独占的なあれであるから、四大証券以外の中小の証券会社にこれをやらしたらどうかという意見も民間にはあるわけです。そういう点についてはどういうようにお考えになっておるか伺います。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 店頭市場が一体法律的にいいのかどうかという点は、御指摘のようにいろいろ問題があるだろうと思うのでございます。これは証券取引法百九十一条との関係ということになるのかと思いますが、二十四年五月に東京証券取引所が再開されまして、それからあとこういうふうに第二市場と申しますか、店頭売買が発達してきたのでありますけれども、当初の間はまあそれほど特にどうというようなことも感じられないのじゃなかろうかと思っておりましたが、最近のようになってくると、今御指摘のような点なんかも非常に問題が出てくるのじゃなかろうか、そういうようなことで、先ほど申し上げましたように、これをどういうふうにすべきか、早急に一つ証券取引審議会でも意見を出してほしい、こういうふうに思っておるわけでございます。それから、その場合に、一体今後どうするかということもやはり非常に大きな問題でございます。そこでいろいろ議論をしてもらうことにしているわけでございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 議論ばかりしてもらったって、現実に今どんどん証券が毎日あの通りに上がっておるし、それから現実に相当一般のしろうとの投資家が——この間もわれわれ議員の中で座談で話したのですが、どうも僕らも一つ投資信託を買おうじゃないか、金がないから買えぬけれどもというような話が出るくらい、貧乏人のわれわれですら考えるのですが、御承知のようにこの投資信託の宣伝、PR、これはテレビを見ればわかるわけです。われわれは何々オーブンなんというような名前は知らなかったけれども、テレビで覚えてしまうくらい宣伝があるわけです。だから、最近銀行預金、郵便貯金その他相互銀行の貯金など、そういうものが相当それに動いておる事実が画然とあるわけです。一体そういう過大と思われるような宣伝を政府は知らぬ顔してやらしておいて、あとでがらっときたときに、おれは知らない、証券取引審議会にかけなければわからないというおつもりでございますか。この点一つ、あまり理財局長ばかりさせぬで、吉岡さんも見えるから、一体あなた方責任者で、これは責任は大臣ですけれども、そういう点をどんなようにお考えになっておられるのか。あなた方は現場におられるのだから、そういう点われわれの納得のいくように説明していただきたいと思います。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 ただいまの御質問の証券会社の広告宣伝に関する問題でございますが、私どもといたしましては、広告宣伝の内容について、非常に投機を助長いたしましたり、あるいは過当な宣伝にならないようにということは始終申しておりますし、証券業協会自身でも、いろいろ自主的な申し合わせをいたしまして、自制をいたしておるわけであります。  それから、広告宣伝費の経費の問題につきましては、これも、証券業者の自主的な申し合わせによりまして、一年間の経常的な収入である手数量収入の五%以内にとどめるというようなことをいたしております。ただ、その中身につきましては、先ほど申し上げましたような投機的なものあるいは過当なものはいたさないように指導はいたしておりますし、特に今回の公社債投信の募集等につきましては、かなりいろいろな点で自粛を求めたわけでありますが、一般的にテレビに出してはいかぬとか、あるいは新聞に出してはいかぬというようなところまでは、われわれといたしましては干渉をしない建前をとっておるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 委員長、ちょっと議事進行について。  先ほどから伺っておりますと、私どもは予期はしておりましたものの、証券取引審議会にかかっておることが全部でございますから、あなた方の御答弁が全部今証券取引審議会にかかっておるからというお話なのです。本日から本委員会は証券問題についてまっこうから取り組んで、質問者が殺到しておるところなんです。ですから、重要なことになると、一々それは証券取引審議会に付託しておるからということでは、審議が一向進みません。でありますから、かかっておることは百も承知の上で、緊急の問題についてわれわれは取り上げ、できるならば本委員会としても一つの方向を何とか見出したいと思っておるのでありますから、前提は前提としても、一応あなた方の率直な御意見を、また考え方を述べられるように私は特に要望して、時間の節約上からも、委員長もそうお取り計らいを願いたいと思います。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 今横山委員から言われたように、一つ逃げないようにしていただきたい。証券審議会がこう言っているとかなんとか、そういうことじゃなくて、すでに民間では今投資ブームで大へんなことになっておるし、現在金利引き下げ問題できのうもいろいろ議論があったのですが、一方には金利を下げておるけれども、証券投資信託や何かは一体どうなっているのかというような問題もあって、非常に銀行が恐慌を来たしているくらい、きのう斜陽産業だと言ったのですが、今証券ブームのような形になっておるわけです。こういう点について、現実に取引高が多過ぎて半日以上やらぬような現状で、これを今どろぼうをつかまえてから繩をなうようなことでは困るのです。だから、そういう点で、あなた方は金利政策の立場から、理財局長は御存じだと思うが、一体こういう点はどういうふうにお考えになっておるか。一方においては金利を下げると言っておきながら、投資信託はどんどん有利なところへいっておる。そのために、まじめな国民大衆の投資家に、将来がらっとくるような場合には、どういう責任をとられるのか。これはおそらくそういうようなこともわれわれは予測しなければならぬような状態でありますから、その点も伺っておきたいと思います。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 投資信託につきましては、ただいま吉岡調査官から申し上げましたように、その性格が一体どういうものだということをいつもはっきりさせるということに、私どもとしては一番注意を与えております。でありますから、一時元本保証があるのではないかというような懸念が一般にありましたことも、いろいろ御指摘を受けました。そういう点は全然元本保証がないのだということを、いつもはっきりさせてもらうようにしております。従いまして、投資信託というものはこういうものだという本質をちゃんと認識してもらって、そしてお客にそれを買ってもらう、こういうことに一番の眼目を投資信託として置いているわけであります。  それから、投資信託等が証券市場とかそういうものに一体どういうふうに影響があるかということになりますと、私どもこれはいいか悪いかいろいろな問題があると思いますが、御承知のように、一応いわゆるワクというようなものを置いているわけでございます。最近のワクと申しますのは、従来からの普通の投資信託につきましては、大体投資信託資金の増加額のうち百八十億までは株式に入れるとかなんとかいうことがありますから、そこまでが限度だ、しかしそれ以上社債に入れるということならば限度は置かないということで、昨年の十月から今年の三月まで各社そういうことで一応のワクを設定しておるわけであります。そういうようなこともございましたのか、あるいは、先ほど申し上げましたように、証券取引審議会とかその他の答申ですでに御承知のように、社債発行をもっとふやすべきだという声が非常にあるわけであります。特にこれは前々からの問題でありまして、社債市場をどういうふうに育成するか。あるいは日本の社債というものが最近では非常に少ないわけであります。戦前は全体の資金の約一六%くらいは社債でたしか調達していたと思いますが、最近ではそれが三%か四%というような程度でありまして、非常に少ない。これを何とかふやさなければならないという声が非常に強かったわけであります。また、昨年は電気の消費が非常にふえまして、従来一一%あるいは一三%程度の増加率ということでございましたが、春から夏にかけて一八%くらいに電気の消費がふえた。最近ではあるいは二〇%くらいになってきているかもしれません。そういうようなことで、電力関係の設備も急速に投資をして拡充をしなければならないという要請が非常に強くなりました。そういうような関係で、電力資金を社債あるいはその他一般の資金でまかないたいという希望が強い。今年は昨年よりも約千億くらいそういう関係で設備資金はふえております。三十五年度のそういう電力関係の設備資金自身につきましても、百五十億くらい不足が出るのではないかということで問題になっておりまして、そういうような関係もありまして、電力債の懇談会というようなことも昨年末開きまして、日本銀行、それから全国銀行協会あるいは地方銀行協会、電気事業連合会その他とも御一緒にそういうことを御相談願って、できるだけ社債の消化を促進する。そういうような意味もございまして、ただいま申し上げましたように、百八十億の限度以上は社債を引き受ける。買うならばそれは限度がないということにしたわけであります。そういうようなこともありまして、社債が非常に出るようになりまして、私どもとしては、そういうような関係で電力資金その他長期の設備資金が社債で相当引き受けられるようになったということで、何かここで社債市場への一歩踏み出しができるのではないかと思っておるわけであります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 どうも大蔵省のやっていることは天井から目薬をさすようなことをやっておるのではないか。どうも片方はテンポが早く、片方はテンポがのろいというようなことをわれわれは考えるのですが、そういう心配があるかないか、これはあとで吉岡財務調査官が来ておりますから聞きたいと思います。  それから、もう一つ、先ほどもちょっと触れましたが、四大証券といわゆる中小との格差の問題です。今のような状態ですと、どんどん格差が大きくなっていって、中小のやつはそのためにつぶれるというような可能性が絶対ないとは保証しがたいと思いますが、その点をどういうような方法で解決せられるのかということと、また中小の証券業者の中にも四大証券の息のかかったような形で生存している証券業者もあると思う。こういうような問題は、今は順調な状態でいるからいいけれども、一たん一つの反撃があると相当犠牲が出るようにも心配されるわけであります。そういう点の問題について一体どういうような処理をしておられるのか、この点を吉岡調査官にお願いしたいと思います。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 四大証券と中小証券との問題は大へんむずかしい問題だと思います。原則的には登録制による自由な競争のできる建前になっておるわけでありますが、事業の性質上、資力信用の強い業者が大きくなる傾向がどうしてもあるということは事実であります。しかし、私どもといたしましては、やはり少数のものが非常に大きくなることは、証券という性質から申しましても必ずしも好ましくない。四大証券が大きくなることは、ある程度モデレートな速度で大きくなる必要があるのではないかというふうに考えておるわけであります。全国の証券取引所の売買高で見ますと、四社の売買高比率は、先ほど佐藤委員から七割というお話がございましたが、多少正確に申し上げますと、三十三年が六七・三%、三十四年が六五・六%、三十五年が六四%というような状況でございます。非常に大きな部分を占めていることは事実でありますが、四社のそういう比率がだんだん高まってきておるという状況にはないようであります。多少ではありますが、四社以外の証券会社の活動範囲が広がっていく傾向にあるのであります。四社につきましては、営業規模を押えます方法といたしまして、法律では負債倍率という制度がございまして、流動資産に対する流動負債の比率が二十倍以内でなければならないという規定がありまして、全証券業者がその規定のもとにあるわけでありますが、四大証券につきましては、特に自主的な申し合わせによりまして、これを十倍以内にとどめるという方法をとって、営業規模の拡大を適当な程度に押えるというようなことをやっておるわけであります。なお、中小の証券会社の中にも、会員業者と会員以外の非会員業者とがございまして、いろいろ立場が違うと思うのであります。一番小さいと言っては悪いのでありますが、会員以外の非会員業者等につきましては、昨年株式の委託手数料の引き下げを行ないました際に、業者間の手数料の配分方法を変えまして、従来は非会員業者が会員業者に委託をいたします際には手数料を支払うわけでありますが、その際に非会員業者の手取りが少なくて非常に困るという要望がありました。われわれといたしましても、手数料引き下げに際しまして、そういう必要のあることを認めまして、多少異例ではありましたが、取引所側にその手数料を改正したらどうかということを申し入れまして、それが実現したようなこともあるわけであります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 それに関連して、売買方法の改正で大証券を押えるような方法はできないのか、またそういうところを改正するような意思があるかどうか、これも関連して伺っておきます。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 御質問の売買方法と申しますのはどういう点でございましょうか。ただ四社の営業活動を一般的に抑えるいうことは、ただいま申し上げましたように、原則としてはやはり登録制による自由営業でございますので、やはり話し合いによる自主的な規制しかできないと思います。大きなものだけを特別に免許制にするとか、そういう問題も考えとしては確かにあり得ると思うのでありますが、これにつきましては、問題は営業の自由あるいは憲法の問題等いろいろ大きな問題をはらみますので、また隠れみのに隠れるとおっしゃるかもしれませんが、やはりわれわれ行政当局だけで判断すべきことではなくて、相当いろいろな各界の御意見を拝聴した上で検討したいと考えております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 そういうようにいろいろ後手々々のような感じがするのですが、最近われわれ心配しておるのは証券会社の検査です。検査は一年半か二年に一ぺんぐらいの検査をされておるようであります。それだから、結局不正の発見されるときには、銀行で不渡りが出てくる、びっくりして検査するような状態があるように、われわれ現場を見たわけではないのですが、そういうような状態であります。一体こういうようなことで今の変転する証券界の状態を安心してまかせておけるかどうかということについては、非常に危惧の念を持つわけですが、一体大蔵省はどういうふうにお考えになっておるのか、この点も伺っておきたいと思います。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 ただいまのお話しのように、検査が非常に回数が少ないと申しますか、長い間に一回くらいしかやらない、手おくれになるような心配はないかというお話でありまして、私どもといたしましても、そういうことのないようにぜひしたいということで、いろいろやっておるわけであります。特に昨年大阪の事件等が起こりまして、われわれといたしましても、検査の方法、方針等につきまして、反省すべき点はいろいろ検討して、反省してやり方を変えていきたいと思っておりますが、その一つの方法といたしまして、従来は、定期的に検査をいたしておりましたほかに、言葉はあるいは悪いかとも思いますが、要注意業者と申しますか、いろいろな風評その他からあぶないのではないかというような業者のリストを作りまして、そういう業者については特にふだんから注意をしておく、あるいは特別検査を実施するというような態勢を整えたわけであります。なお、役所の検査は、どうしても人員その他の関係がありまして、人員を増加いたしましてやりたいのでありまして、ことしの予算面も多少ふやしていただくことになるかと思うのでありますが、それでも限度があります。何と申しましても、業者自身がいろいろな検査的なそういう事故防止の予防的な措置をとることが第一であると思うのでありますが、そういう点につきまして、昨年の秋に各取引所の定款を改正いたしまして、取引所の理事長に検査の権限を持つような改正が行なわれたわけであります。従って、今後は、取引所自身が、常時業者の専門的な目でもってあらかじめいろいろな点の検査を実行するというようなことも始めたわけであります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 最近問題になっておるのは、公社債のオープンの問題で、投資信託その他公社債の投資などについては、みんなどうも銀行と同じような金融機関の仕事をやっておるのじゃないかというような懸念があるわけです。それだから、運用預かりとか保護預かりとかあるいは累積預かりのような、いわば銀行の業務と同じような仕事をやっておるような状態ですから、こういう点についてあるいはその弊害が起きはせぬか。弊害が起きつつあるので、きのうも銀行業者の方からもいろいろ問題が出ておるわけですが、こういう点はどういうふうな方法で規制をされていくのか。このままでいけば銀行の業務と同じような面があると思いますが、その点について、銀行は許可制度になっておりますけれども、この証券は認可制度で認められることになっておる。この点をどのような方法で規制されていくのか、伺っておきたいと思います。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 ただいま御指摘のございました、投資信託の業務をやる、あるいは運用預かりをやる、そういうような点は——証券会社が証券業を始めること自体は届出でございますけれども、そういうような業務は全部承認と申しますか、許可の制度になっておるわけでございます。許可のときに、全部の業者がだれでもできるわけではございません。いろいろ調査いたしまして、そうして許可すべきものは許可する、こういうふうにしております。  それから、この投資信託なんかは、御承知のように、買い入れました証券とかなんとかは信託銀行に信託するということで、それ自身は管理はちゃんとしているわけであります。問題は一般の大衆の資金を一体どういうふうに調達するかということになると思います。銀行預金になるものもございます。郵便貯金になるものもございます。あるいは大衆が株を持つものもございます。また投資信託を買う場合もございます。直接社債を買う場合もございましょうし、いろいろそういう点があるわけだと思うのです。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 そういうような問題についても一つ十分な検討をして、早く実行していただきたいと思いますが、また手数料の引き下げ問題が最近問題になってきております。この点についてどういうような処置をされるのか、これは吉岡調査官にお聞きします。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 お尋ねの点は、手数料と申しますが、株式の売買の手数料の問題でございましょうか、その他社債の引き受け手数料——どんな問題ですか。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 前です。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 株式の売買の手数料につきましては、御承知のように、これは取引所の定款によりましてきめてありまして、それによってでなければ業者は取引ができないという建前になっておるものでございますが、一昨年以来証券界が非常に好調でございまして、いろいろ証券業者の決算状況等をわれわれ見ておりまして、手数料を引き下げる余地ができてきたのではないかということで、昨年の春以来取引所といろいろ相談をいたしておりまして、結局今期と申しますか、昨年の十月から手数料の引き下げが実現いたしたわけでございます。当時の手数料の引き下げの率は、大体一般大衆の投資いたします基本料率と申しますか、それで平均一五%の手数料の引き下げをいたしたわけでございますが、その際に、私どもといたしましては、やはり全体の証券業界が業績が上がってくれば、常に弾力的に引き下げていくという方向をとるべきであるということで、取引所との間に、今期の業績がまたいい場合には、さらに引き続きことし引き下げを行なうという約束をいたしております。その後の状況を見ますと、御承知のように、毎日東証の出来高が一億をこすというような状況でございますので、またさらに本年度には手数料引き下げの実施がおそらく実現するのではないかというふうに考えております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 大臣がおられませんし、いろいろ聞きたいけれども、同僚議員もいろいろ質問があるそうでありますから、最後にいたしますが、きょう大体の話声聞きましても、どうも責任は全部証券審議会の方にぶつけてしまう、同時に、大蔵省は、あれをやる、これもやるといって、何にもやっていないというようなことが考えられます。私が冒頭に申しましたように、現在投資ブーム、それから投資信託のブーム、一般に非常に動揺しておる。それから、金利の引き下げ問題と関連して、いろいろとこういう問題がたくさんあるわけです。私は、少なくとも証券行政の強化ということをこの際やらなければ、あるいは不測の事態が起きるのではないかということが懸念されるわけです。私たちは、証券の一般投資家に及ぼす影響が非常に大きいので、こういう点について安心ができるような処置がとられるかどうか。この点について、また先ほど申しましたように、やはり証券局なんかというものも——あまり役所がふえるのは感心はしませんけれども、そういうふうな重要な問題であるだけに、理財局の一課くらいのような形で片手間にやるようなことでなくて、もっと根本的に考えて手を打つべきじゃないかというように考えておりますが、この点について、大蔵次官及び事務当局から、こうやりますというような確たる御返事をいただきたいと思います。

大久保武雄自由民主党大蔵政務次官

○大久保政府委員 佐藤委員からお示しの諸問題につきまして、証券業界に非常な新しいいろいろな問題が登場しておりますことは、われわれも承知いたしております。この面につきまして、大衆の不測の損害をなからしめ、また経済の発展に資していきますためには、相当今後におきましても機構等につきまして考えていかなくてはならぬ面が多々あろうかと存ずる次第でございます。ただいま御質問の趣旨を十分考慮いたしまして、今後の機構整備に資したい、かように存じておる次第であります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 吉国第一課長からもいろいろ問題を投げかけられており、またいろいろ名論卓説を吐いていただきました。吉国さんは前は主税局の課長としてわれわれもいろいろ議論をしたのでありますが、なかなか理論通で、いろいろ問題があるわけですが、重要な問題でもあるし、また他日大蔵大臣にも質問を保留しますけれども、これは序論でありますから、今後われわれが納得のいくように処理していただくように私希望いたしまして、ほかの方に譲ります。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 春日一幸君。

春日一幸民主社会党

○春日委員 私は、まず最初に、証券市場というものを回顧し、将来への展望を考えながら、当面いたしておりまする証券行政における重大なる問題三、四点について、政府の所見をただしたいと思うのでございます。  ただ、冒頭に申し上げておきますが、本委員会においては、証券行政について昭和二十九年に信用取引の問題、昭和三十四年の三月には投信の実質分離の促進方について、それこそ深耕細打する形で深く論じたのでありますが、政府は、熱意を欠いたのか、あるいは証券政治勢力に屈服をいたしましたのか、本委員会において指摘いたしました事柄を、時には焦点をずらし、時には物事をあいまいに過ごしまして、本日に至っておるのでございます。かくて、ただいま佐藤君から指摘されましたように、これは証券行政全般を通じて多くの不安な要素がようやくにして芽を開かんといたしておるのでございます。そういうような意味合いにおきまして、本日から証券行政と本委員会は深く取り組むことになるのでございます。大臣の出席なきはきわめて遺憾ではありまするが、副大臣大久保君にはよく銘記されて、必要なることにつきましては責任を持ってこのことをなし遂げる、質疑応答を単にその場でお茶を濁すことがないように、一つ誠意を持ってこれと取り組んでいただきたいと存ずるのでございます。  まず考えますると、今西原理財局長は二年ばかり前までは大したことはなかったと言われておりますが、二年前の正月にすでに大したことになりつつあるというので、佐藤大蔵大臣と本委員会において論議がかわされておることを、記録によって十分一つ御検討いただきたいと思うのでございます。まず遠いことは問わず、ここ一年のことを考えてみますると、三十五年度の経済、これが岩戸景気といわれた三十四年度を上回る好況でありまして、従ってわが国の経済成長率も実質で一一%の増、これを反映いたしまして証券市況も非常な活況でございまして、そこで三十五年の一月の九百三十円のダウ相場が同年末においては千三百円の台乗せという、実に四一%のハイ・ジャンプを行なっておるのでございます。しこうして、この間でありまするが、五月八日から六月二日、これは新安保によって政情不安がございまして、こんなことで若干の反落がございましたが、明けて三日から直ちにこれが持ち直しまして上昇いたしております。十一月後半から十二月の初めにかけましては、アメリカのドル防衛政策が打ち出されましたので、若干の反落はございましたけれども、その後は次第に安定をいたしまして、間もなく投信界が中心になって相場は続伸をいたしました。かくて年末にはダウ平均が千三百六十五円、明けて一月の手初めには千三百六十六円、こういうような状態で、いずれも新高値を更新いたしておること御承知の通りであります。  そこで、この現状を考えてみますると、われわれが今立っておりまする時点において証券界を見てみますると、現在は池田内閣の高度成長経済政策と、一方には、昨日金融調査で明らかにされておりまする通り、銀行金利引き下げ政策、この二つの要素がさらに刺激し合いまして、現在ではオーブンを中心とする投資信託の驚異的な躍進、株価に対する期待人気というものがいよいよ高まっておりまして、いわゆる信用銘柄の一部にはそれがすでに人気化した動きすら見受けられるのでございまして、一昨日のダウ相場は、実に一千五百八十一円という全く驚くべき高値に更新されつつあるのであります。政府は一体このような証券市場の現状を何と見ておるか。特に昨今におきまする証券投資への人気化的な傾向、これを何らかの行政指導をもって除去することの必要を認めていないか。今佐藤委員の質問に対して、証券審議会に諮問を発しておるとか、何らかの規制措置を考えておるとか言われておりますけれども、一昨年佐藤大蔵大臣に私どもが質問をいたしましたときにも、政府はその当時までにかれこれ五回の株価抑制のために規制措置を講じた。規制措置を講ずるたびに、その障害を乗り越えて、さらに株価は棒体の一途をたどっておる。何も役に立っていないのである。今こそ政府は、このような証券業界の現状にかんがみて、効果ある措置を講じなければならぬと思うが、これに対して大久保政務次官は何か聞いておられることがあるか、何も聞いておられないのか、あるいは理財局長が何らか構想しておられることがあるのであるか、まずこの一点についてお伺いをいたしたいと思うのであります。

大久保武雄自由民主党大蔵政務次官

○大久保政府委員 ただいま春日委員から非常に詳細なる従来の経過並びに今日の状況についての御意見と御質問の展開がございましたが、まことに事情御指摘の通りでございまして、私どもといたしましても、先ほども佐藤委員に対して申し上げましたように、大衆に不測の損害が起こることを極力防止いたしますとともに、証券界の持っておる経済界における役割を十分果たすことによりまして、経済成長に支障なからしめたい、かような考えを持っておるわけでございます。非常に効果的な一発命中の策ありや、かようなお尋ねでございますが、いろいろ今後考慮していかなければならぬ面が多々あろうかと存じますが、何と申しましても、一つの投機心理に作用いたしまして、不当に回転していくということが一番注意いたさなくてはならぬ筋であろうと存じますので、先ほど事務当局からも申しましたように、宣伝と申しますか、一つの大衆投機心を不当にあおるといったような面につきましては、厳に抑制いたしますとともに、そういったような宣伝のスケールと申しますか、そういう面につきましても、一定の適正なる規制を設けていくことによりまして、その面から参りまする一つの不当なる投機心のあおりといったようなものを注意しつつ、その他の各方面につきましても、今後の対策を講ずるに遺憾なきを期していきたい、かように存ずる次第でございます。

春日一幸民主社会党

○春日委員 答弁としては、若干文章をなしておるというだけの話で、政策内容はまるきりないのでございます。これはまことに遺憾なことではありまするが、しかし貴殿もまだしろうとのことでありますから、的確なる即効政策というものが御用意ないということはわかります。けれども、どうか一つ本日からのこの質疑応答を通じて、貴殿も十分勉強されるように、そうして勉強されたら、ぜひとも一つ全政府としての責任において、この問題と取り組んでいただくことを強く要望いたしたいと思うのであります。  そこで、今あなたがおっしゃったのは、何か株価抑制のための規制というところにその重点を置いておられるようでありますが、それは当然必要なことであろうと思います。けれども、行政機関といたしましては、株というものに対するPR活動を積極的に行なうことも、他面これは必要であろうと思うのでございます。思うに、経済の高度成長にささえられましたこの株高の基調というものは、おそらくはことしも持続するでございましょう。三十六年度の経済は拡大基調にあるとはいわれておりますが、昨日も論じられました通り、一方アメリカにはドル防衛の政策があります。同時に為替・貿易自由化の圧力もどんな形でわが国に降りかかってくるとも限らない。従いまして、わが国の本年度の経済は波乱含みのものと判断すべきでありましょう。だといたしますれば、ことしの株式市場あるいは近い将来における株式相場というものが、いついかなる変動を生じて参るか、何人もこれは予測しがたいところであろうと存ずるのでございます。この意味において、今後の証券行政の動向に対しましては、政府は十分なる慎重さを持って臨む必要があるであろう。ここにいわゆる証券貯蓄時代とはいいながら、現在においては大衆投資家の利回り採算、それから資産内容、こういうものを総合的に判断して適切な時期に株は買うべきものである、この点が十分大衆に理解されていないと思うのであります。一方証券会社の積極的な宣伝活動は、今佐藤君から指摘された通りでございまして、いわば宣伝時代でありますので、耳や目に触れる限りにおいてそのような積極的な宣伝がなされておりますと、これはもう悪人でも善人に見えてしまう。従って、株価というものはすべて上がるものだというように大衆が思い込みやすい環境の中に置かれておるのでございます。そういうわけでありますから、これは、昨日も横山君から指摘された言葉の中に、「銀行よさようなら、証券よ今日は」ということが言われたのでございますけれども、ほんとうにそんな宣伝があると、何だかそんなような気になってしまう。そういうふうな雰囲気というか、ムードというものがいつしかでき上がってしまっておるんだというこの現実は、政府当局が率直に認めなければならぬ。そのような雰囲気の中において、株価がだんだんと人気化して、そして棒高になっていく。しかも、本年度の経済情勢の見通しは、慎重に判断するならば、波乱含みと断ずべきものである。そこで、変動があったときに結局大衆が受けるところの被害をおもんばかりみるならば、この際政府は、ある程度大衆に対して株価に対する正当なる誤たざる認識を持たしめるための積極的な啓蒙活動に乗り出すということ、これはただ単に一方的に株価の値上がりを抑制するというような技術的な面もさることながら、同時にかつ並行的に正当なる公正なる理解、認識、知識を持たしめるという、すなわちすべての株式というものは必ずしも値上がりするものではない、投資家というものは責任を最終的には負わなければならぬものであるぞ、こういうことを徹底的にPRする必要があるのではないか、私はこのように考えるのであります。こういう点について、今まで大蔵当局として証券行政の面においてそういうPR活動をやったことがあるかどうか、あるいは将来そういうことをも加えてする必要があると思うか、この点について御答弁を願いたいと思います。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 株価というものが一体どうあるべきか、これは非常にむずかしい問題でありますが、投機的なものは入るべきでないということはもとより当然のことであります。だいぶ前にも、先ほどお話ございましたように、大蔵大臣談で、投機的なことが起こらないようにという勧告と申しますか、そういうようなこともいたしてございます。また、この二月には、東京証券取引所の理事長から、証券市場の現況に即しまして投資家としてどういうふうに考えてもらいたいかということを、談話として出したわけであります。その中にも言っておられますように、最近のこの証券市場の売買取引の実態をよく観察しますと、遺憾ながら一部の品薄株あるいは値がさ株等に売買取引が集中するとともに、株価の上昇率を急激にさせ、その間に短期的に利ざやをかせがんとする投機的要素が介在している事実を否定することはできないということも、理事長から指摘しているわけであります。証券市場の真の発展、あるいは健全な投資市場として発達させるためには、射倖心にかられた投機資金が支配的になったり、そのために一時的な活況を呈することがあればあるだけ、その健全な発展が阻害されるから、そういうことがないようにということを注意したわけでありますが、それでも依然ある程度そういうものの投機的な傾向を示しております。そういうことで、銘柄とか何かやはり……。

春日一幸民主社会党

○春日委員 わかりました。私の質問に対して横向いた答弁で遺憾であります。私は、こういうような傾向の中にあっては、株というものはすべて値上がりするものだという誤認を与えるようないろいろな宣伝が積極的に行なわれて、またそのように思い込むようなムードの中にあるので、大衆投資家に対して、株価というものは必ずしも値上がりするものではない、最終的には投資家がその責任を負わねばならぬものだぞよということをわかるように、証券行政の責任者として、国民の利益を確保するの立場において、PRする必要がありはしないか、こういう質問をしたのに対して、何だかピンぼけなことを言っておるが、これは仕方がない。私はこれは必要であると思うが、やっていないのでありまするから、そういう必要があるかどうか。大久保副大臣は、よく省議にかけられて、そういう必要ありと考えられたならば、新しくそういうようなPR活動も開始されるように、それにいたしましても、今の御答弁の中では、何といっても理財局の片手間の仕事である。従いまして、この証券行政と大衆とのつながりが、だんだんとこの数年間に何十倍と膨張いたしておりまする現段階において、わずか一部課なんというようなことでは、これはまかない切れるものではございません。さればこそ、各地において、各面において、弊害が続出いたしておるのでございます。従いまして、私は、この際、大蔵省内に証券局を設置すべし、そうして証券行政というものを拡大強化すべし、そうしてなすべきことはことごとくこれをなし得るような態勢を整備、確立することが必要であると思うが、これに対して大久保政務次官は何と考えられますか、御答弁を願いたい。

大久保武雄自由民主党大蔵政務次官

○大久保政府委員 先ほど佐藤委員からも御質問がございましたし、ただいま春日委員からもいろいろと御指摘がございまして、最近非常に急速な勢いで興隆しておりまするこの証券界に対する弊害を除去し、また将来の発展を確保いたします上におきましての機構の整備ということは、これは必要であろうと私も考える次第であります。ただいま局にまで持っていけ、かようなお示しでございますが、銀行と並んで証券界が非常な躍進をしつつある今日におきましては、銀行に対する銀行局もあることでございますから、十分御意見の点は尊重いたしまして、今後の機構整備をはかっていきたい、かように考える次第であります。

春日一幸民主社会党

○春日委員 次は、投資信託の問題に触れて、政府の見解をただしたいと思うのでございます。  ここに三十年末から三十五年末までの五カ年間の各種貯蓄形態の伸び率を調べてみますると、郵便貯金は一倍、全国銀行定期性預金は二・九倍、貸付信託が四・二倍、割引金融債は六・三倍、こういうような伸び率に対しまして、投資信託は五百九十五億円から六千四十二億円という、実にこれは十倍強の躍進を遂げており、まさに目ざましいものがあるのであります。しこうして、投信、これは当然一方においては大きな貢献がありました。国民大衆に証券投資の新しい手段を提供したこと、また投信自身が株式市場において機関投資としての重要な地位を占め、その役割を果たしておること、これは正当にわれわれは認めたいと思います。ところが、私が今ここで論じたいのは、この投信の受益者保護の面についてでありますが、三十四年の三月にも述べました通り、投信の兼営が受益者保護の面において非常に遺憾の点がある、あのままに置いては、最悪の事態において、あるいはこれはたとえが残酷であるかもしれませんけれども、これは保全経済会の二の舞を喫するような憂いなしとはしない、そういうようなことをもたとえにとりまして、とかく論じたことがございます。しこうして、その結果として、投信の兼営については、証券業界の職能分化、それから運用の自主性の強化、こういうような面もありまして、三十五年の四月に佐藤さんが四大証券を分離に踏み切った。そうして、他の十社はまだ踏み切る段階ではないけれども、早晩そういうような方向をたどることが約束されておると聞いておるのでございます。そうして、分離後の投信が、委託会社、受託会社、証券会社、販売会社、こういうような四社によって運営されることにはなりはしたが、これは旧委託会社が、すなわち証券会社が、これらの各会社の全株を保有することができる、半数にわたらないところの役員の兼任が認められておる、従業員も事務所も共通で使用してもよろしい、それが過渡的な措置とはいえ認められておりますので、従ってこんなものは何も分離ではない。完全分離でも実質分離でもなく、辛うじて一つの形式を世論にこたえていやいやながらやったということで、実際には委託会社と証券会社とはツーツーで、かつての兼営の時代と何ら実質的に異なるところはないのでございます。私は、ここで理財局長にお伺いをいたしたいことは、まあこれが形式的にしろ擬装的であるにしろ、いずれにしても政府がこれを指導して踏み切らした。踏み切らしたということは、すなわち結論として、兼営は悪い、そうして分離することがよろしい、こういう結論の上に立ってこの指導がなされ、業界もまた自主的にこれに踏み切っていったものと思うのでございます。だといたしまするならば、その趣意にのっとって、一年たった現段階において、形式分離が何らその効果を及ぼしていない、実際の効果を上げていないという事象に照らして、政府はすべからく四大証券を実質分離に踏み切らしめるべきである、残されておる十投信といえども、やはり実質分離の形態をもってすみやかにその措置を断行せしむべきである、私はそう考えるのでありまするが、これに対する政府の方針はいかがでありますか、現在その方向で進められておるのでありますか、これをお伺いをいたしたいと思います。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 ただいまの春日先生の御意見非常にごもっともでございまして、御意見がございまして、佐藤大臣のときに、四社につきましては投信の分離に踏み切りまして、お話しございましたように昨年の四月に分離したわけでございます。私どもの目的と申しますか、目標としておりますところも、やはり完全な分離でございまして、その方に極力早く持っていきたいというふうに考えております。ただ、いきなりそういうふうになりましても、こういう関係の仕事でございますので、いろいろな経験とかそういうようなものがございます。漸次なるべく早くそういうような方向に切りかえて持っていくことを念願としておるわけであります。

春日一幸民主社会党

○春日委員 形式的にしろ擬装的にしろ、いずれにいたしましても、あのように行政指導がなされたということは、そうしなければならない筋合いのものである、現状をもってしては、これは不安な要素がたくさんあるので変えなければならないという結論の上に立って、そのことがなされておるのでありまするから、従って、一年間すでに経過をいたしております現段階において、さらに分離したことの実際の効果が現われていないという実証の上に立って、その経験の上に立って、私は今こそその実質分離に踏み切って、そして委託会社の独自性を確保する、そして受益者の利益の完璧をはかること、これが必要欠くべからざることと考えますので、どうかすみやかに省議を持たれて、必要な措置をとられたいと思うのであります。  そこで、今度は投信の機関投資の面について伺いたいと思うのでありまするが、現在投信には上場有価証券の八%以上が組み入れられておりまして、増資払込額について見ても、三十五年の上半期中の増資払込総額千八百二十二億のうち五割近くを投信が占めておるのであります。そこで、投信の運用として行なわれる株式売買——問題はここにあるのであります。すなわち投信が運用として行なっておるところの株式売買、これが今の株式市場の中において株価の安定要因となっておるか、あるいは激化要因となっておるか、これを理論と実際とに照合されて、政府はこの点についてどのように理解をしておるか。現実にはどのような作用をなし、どのような結果をもたらしておるか。この点について、まず政府が、行政当事者として、その行政指導や監督を通じて得られておりまするところの認識が何であるか、これを一つありのままに御見解をお示し願いたいと思うのであります。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 投資信託——公社債と違います一般の投資信託につきましては、今のお話のように大体株式に対する運用が多いわけであります。これが株価に対して一体安定要因となっているのか、それともそれを上下にする、激化させるような要因になっているか、これはいろいろ議論のあるところだと思います。過去大体四十七、八カ月でございますか、その間における統計から見ますと、株価の動きと逆に動いている、つまり投信が逆に動いたという方面がたしか二十七回くらいかと思うのであります。そういう面からいきますと、過去の実績からいけば、むしろ安定的に動いているのじゃないかというふうに考えられます。

春日一幸民主社会党

○春日委員 それは全く不実なことである。それは、私は、バイカイ取引の問題を論じますときに、具体的な数字をあげて証明いたしたいと思うのでありますが、二十七回が逆に動いたからといって、その他の何百回がどういう形で動いておるか。これはあなたの方のデータがこれまた明確に示しているところであろうが、それは、話を進めるにあたりまして、いずれ詳細に論じて問題を究明いたしたいと思います。ただ、ここで論じ得ることは、株価の現在の平均利回りは、二月七日現在、東証二百二十五種で二分九厘六毛、有配二百三種で三分六毛、このように低下いたしておりますのに、もし投信配当を七分に維持するためには、当然株価の値上がり益に待つほかないわけであると思う。この点については昭和三十四年においてもここでとかく論じたことでありまするから、言うなればこれは討論終結になっておる問題であると思う。従って、この点からいたしましても、証券会社は株価つり上げに狂奔するということが、かりに言い過ぎであるといたしましても、二分九厘だ、三分だというような低い株価の平均利回りのものを原価として、投信受益者に対して投信配当を七分維持するということについては、各種の株価の評価益であるとか処分益であるとか、こういうようなものが原資にならなければ、そういうような配当を維持することはできない。でありますから、狂奔するということが言い過ぎであるならば、少なくともそういう方向に傾いて行為をするのでなければ、この投信配当の七分を維持することはできない。これは投信の宿命であり、物理的な必然であると思う。これでもなおかつ、あなたは、この機関投資というものが安定要因となっておって、株価の激化の要因にはなっていないとここで断言することができるかどうか。現に投信の残存元本が六千四十二億という目ざましい増加ぶり、これが今日の株価の上昇力に大きなウエートを持っておることはしろうとでもわかることである。あなたは、これでも、投信自体の持っておる機関投資がなおかつ安定要因に寄与いたしておると、ほんとうに断言できるのか。あるいは安定する面も若干——それは全然ないとは私は言っていない。けれども、値上がり要因、激化要因と安定要因との比率を比べてみた場合に、どちらに大きくその作用と効果を及ぼしておるか。そんなことくらいは行政担当官として科学的な答弁をなさらなければならないと思う。御答弁をあらためて伺いたいと思います。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 上場株式のうち投信は七・五%くらいに見ております。金融機関が大体二二%、その他の一般の法人が二一%、全体で大体五〇%ということに相なるかと思います。全国の取式所の売買高の中で投信の比率は五・二%でございます。  それから、過去のことでございますが、三十五年の収益分配金の内訳は、平均いたしまして、第一期だけでございますが、配当からのものが五八%、利息から二六%、売買益が一五%、これが内訳になっているわけであります。今後七分の配当を維持するとかなんとかいうことにつきましては、今御指摘のように現在の利回りが下がってきておりますから、これはあるいは検討すべき点があるのではないかと思います。

春日一幸民主社会党

○春日委員 私は今速記録を持っておりませんが、三十四年にお伺いをいたしましたとき、事務当局の御答弁によりますと、その当時投信の配当の原資の分析が率によって示されました。そのときには、売買益が一〇何%で、評価益が三〇何%で、相当大きなウエートを占めており、七分配当の原資が確保されておると聞いております。私は、現在でも、その率が多少は大きくなったとしても、こんなに下回っておるとは思わないのであります。だから私は変わった側から設問をしてみたいと思うのであります。  かりに日本の経済の成長に行き詰まりを来たして、株の先見性も終局に達したような場合、証券相場は当然にしてその場合は足踏みをすると思う。その場合に、株価の平均利回りが三分程度でありました場合、投信配当は一体何分くらいになるであろうか。これは当然常識で判断できると思うが、行政当局としてはどんなふうに考えられますか。もう一ぺん伺います。わが国の経済の成長が行き詰まった場合、そうして株の先見性も終局に達したような場合、そのような場合は株価は足踏みをするであろう。ところが、その株の利回りというものが三分前後となった場合、そのときに投信配当というものは一体何分くらいになるものであろうか。これは考えて考えられないことはないと思うが、御答弁願います。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 お尋ねの点大へんむずかしい御質問でございまして、そういう場合に株がどの程度下がりますか……。

春日一幸民主社会党

○春日委員 足踏みをした場合でいいです。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 株が今のままである場合、それは日本経済が今後成長いたすにつれまして当然増資が行なわれるわけでありますが、それがどの程度行なわれるか……。

春日一幸民主社会党

○春日委員 もはや成長がないから増資も行なわれない、それから株の先見性というものも終局に達したと見た場合、しこうして株価が足踏みをした場合、そうしてその利回りが三分の場合、投信の利回りは幾らになるか。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 そういう場合には非常にむずかしいことは前に申し上げた通りでございまして、そういう場合にはおそらく株は下がりましょうから、利回り三分というような状態にならないのではないかと思いますが……。

春日一幸民主社会党

○春日委員 下がらないで足踏みをしている場合です。私の設問は、上がったり下がったりした場合は売ったり買ったりしますから、売買益が当然そこに出ますけれども、そういうのではなくて、株価が大体横ばいの状態があり得るのです。そういうような状態のときに利回りが三分であった場合に、投信配当は何分になり得るか、こういうことをお伺いしている。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 足踏みをするという、今の利回り三分というままの状態が続くという御質問であれば、三分程度になるということになると思うのでありますが、ただそういう投信の運用といたしましては、ある程度先を見て運用しておるわけでありますから、そういう状況が見られる場合には、おそらく高い時代に売ってまた安い時代に買う、投信のいわゆる長期投資としての本来の動きをいたすと思いますので、その辺はどうも何ともお答えいたしかねるのです。

春日一幸民主社会党

○春日委員 それは、私たちは、悪いことを一つ直そう——それは何年も先に問題がおくれることはございません。三年か五年か、近ければ一年か二年かでいろいろな影響が現われてくる。本委員会は、そういうことが現われてこない前に、先手を打ってそういうような破局を避けよう、その心持からかくのごとくにお互いに論じ合っているわけであります。そういうわけでありますから、私の今論じておることは、そういうように今株が高くなっておるということに対する逃げ道を、株に先見性があるからだ、増資があるからだ、経済の成長が見込まれるからだ、だから株が高くなるということは経済の自然現象であって、投信その他大証券の作為的な結果に基づくものではないと論ぜられておる。だからして、私が申し上げておるのは、考えて心配をしておるのは、あるいは今はそうであるかもしれないが、そうでない場合も考えなければならぬだろう。日本の経済がエンドレスになる、ずっとこのまま無制限に膨張するものでもないだろうし、経済というものは好不況というものが相循環するということは、これはまた循環論法の原則である。そういう意味でわれわれが今ここで設問しておりますのは、これは仮定の上ですけれども、しかしそのことも考えなければなりますまい。経済の成長というものがある一定の段階に達したとき、株の先見性も究極に到達した場合、しかもそれも悪い要因というものがない、いきなりそこで悪くなるというのじゃなしに、横ばいするような場合、株価は一応安定した形で横ばいする。上がり下がりがない。下がれば売ったり買ったりして、そこで売買差益金というものがある。その場合には評価益というものがないが、売買差益というものがそこに現われてくるから、従って株の利回り三分プラス・アルファのその売買益というものが加算されて、投信の配当原資というものがまかなわれてくるからいいのですが、私の設問は、そういうことを言うと答弁もできないし、あまり仮説が多くなるとややこしくなり、答えがそこねられる形になりますから、簡単に、株というものが動かない場合、利回り三分の場合、投信の利回りは何分になるか、この程度の想定ですね。これは科学的な想定です。これは経済の必然、物理の結果、算術だ。あなたが行政専門家として、この点どうなるか、お答えを願いたい。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 今の御設問のように株価は動かない、今の利回り三分の程度の株価はずっと動かないということであれば、今設定をいたしました投信はおそらく三分にしか回らないということになるかと思います。

春日一幸民主社会党

○春日委員 これは理財局長にお伺いしたいのですが、その場合、投信配当が銀行の定期性預金——かりにそのときには六分であるのか五分であるのか下がっておるかもしれませんが、いずれにしても銀行の定期性預金の利子を下回った場合、投信の受益者は採算上は投信を解約する方向に向かっていくことは当然だろうと思う。株の先見性もないし、現実の利回りも銀行の定期よりも下回るというような場合には、解約する方向に向かっていくことは、これは理の必然である。現に投信の残存元本が六千億だが、それはやや先に現われるとして、それまでには一千億累積するか、二千億累積するか、かりに八千億、九千億というような残存元本にそれが膨張しておった場合、委託会社は、そのような大衆投資家の解約に対して、それを支払いする能力を確保しておられると思うか、この点について一つお伺いをいたしたいのであります。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 先ほど少し申し足りなかったのでありますが、春日委員がおっしゃったような条件であれば三分と申し上げたのでありますが、ただ、今三分の利回りにかかわらず株を買っておる、株が逆に三分の利回り程度に高くなっておるということは、経済の成長が将来とまる、あるいは増資その他の期待ができないというような条件があるからこそでありまして、たとえばイタリアでは二分程度、ドイツでは二分を割る程度にいわゆる株式の利回り革命ということがいわれておりますが、やはりそういう一連の現象として三分という状況があるのであって、三分の利回りがあるということは必ず経済が成長するという条件のもとにあることだということを、申し加えておきたいと思います。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 投資信託につきましては、現在でもやはり設定もございますし解約もございます。そういうようなことで、ただいまのお話のようなことがもし起こるようなことがありましたら、お話のように定期預金の方の利子自身もそういう状態なら、全体の資金需給の状況としてもっと下がっておるような状況だろうと思います。それからまた、株というものは、やはり先ほどからお話がございますように、上がることもあるし下がることもあるのであります。停止しておることもないのではないか。従いまして、横ばいということでこれが十年、何年ということは考えられないであろうと思いますから、必ずしも解約をするというふうに人の気持として動くかどうか。これはいろいろな過去の経験率とかなんとかあろうと思います。投資信託の委託会社として、いろいろそういう点を考えて現在でも運用しておるわけでありまして、従って資産を全部証券に投資しておるわけではございません。コールとかその他、そういう場合の手当をやはりしておるわけであります。

春日一幸民主社会党

○春日委員 私はその点をわきまえてお伺いをしておると思う。ただ現在の棒高、たとえば昨年の一月が九百三十円で今は千五百三十何円か、まあ八〇%の値上がりを来たしておるんですね。さらにその前の二年間を論じてみますると、十八カ月の棒高だったと思うんですね。そういうわけで上がりに上がりの一途をたどってきておるんです。その間においては神武景気もありまして、そのあとに仁徳不景気があって、なべ底不景気があった。そういう仁徳不景気のときも、なべ底不景気のときも、現実の問題としてみんな棒高だった。それは、経済の先見性だとか、株の先見性だとか、いろいろな要素がからんで高まったとはいいながら、そういうものも一つの要素ではあろうけれども、投信自体のこういう膨大な介入というものが大きな要因になっておるであろうということは、これは私一人が今ここで論じておるのではない。証券学者であるとか、経済通であるとか、あるいは株をやっておるその本人たちが、現実の問題としてみずからそのことを理解しておる。あなた方はその問題についてことさらにクッションを置いてものを言っておられる。これは責任的立場にあられるからわかりはするけれども、しかし、現実の問題として私が言うのは、今理財局長は下がった場合はどうと言いますけれども、わずかに下がるならいい。今までの上がった道を見るならば、わずか一年ちょっとの間に九百三十円から千五百何十円というふうに上がってきておるんだから、もしそんな形で下がったらどうするかということですね。そんな場合に、はたしてあなたの方が、法律や行政指導で規制しておるコールだとか、あるいは支払い準備金だとか、各種の保全措置が——それらのもの、すなわち六千何百億というようなもの、これは保全経済会のときだって銀行の取付だって何だって一緒だけれども、だめだということで受信機関が信用を失ったときには、これはみんないってしまうんです。こんなことをやるからこわれてしまうというので、良識のある諸君は一応別の側へ回ったとしても、そういうことで大勢をささえることはできはしない。そういうことでみんなが解約だ解約だということになったとしたならば、そのようなときでも、なおかつその支払いが相当の率において保証されるような態勢において、その受託資本というものが運営管理をされておるかどうか、この点を伺っておるのでありますから、これについて御答弁を願いたいと思います。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 まずその数字から申し上げますが、ただいま投信の資金をどういうふうに運用しておるかという点でございますが、株式に七五%運用いたしております。それから一五%がコールであります。それから公社債八%、その他の資産が多少ありますが、主力の株式は七五%であります。   〔委員長退席、鳴田委員長代理着席〕  それから、株が昨年の当初以来ダウで非常に上がっておる。千円から千五百円台になっておるのでありますから、五割以上上がっておるというお話であります。まさにその通りでありますが、ただ株の全体の上がった実勢と申しますものを何で表わすかは、非常にむずかしい問題であります。ダウは、御承知のように権利落ちの株価を修正して、過去のものとの対比で株価の修正値を見るという感じの指数でありまして、必ずしもこれが株全体の騰貴率を示すものとはわれわれも考えておりません。たとえば単純平均で見ますれば、同じ期間に、ダウの五割以上の上がりに対して二割九分の上がりでありますし、また各株のウエートをかけました一株五十円当たりの時価で見ますと、同じ期間に一割九分の上がりであるわけであります。一般的に、先ほども市況の点でお話が出ましたように、一部の品薄株あるいは材料株、価がさ株等が買われまして、値段が高くなりましたために、ダウには非常に響いておりますが、大型株は非常に落ちついておるという情勢であるわけであります。

春日一幸民主社会党

○春日委員 わかりました。ただ問題は、今御答弁の中にもありました通り、やはり総額の中の七五%が株式すなわちスペキュレーションに充当されておるということは、結局——そのような大変動を生じたときに、だんだんとこういうものが膨張したときに、マンモス的な形態を帯びてきたときに、そこの中の七五%がスペキュレーションに運用されておるということは、ある限界においてその率を少なくしていく必要がありはしないか。これは当然考えられてしかるべきだと思う。たとえばこれが三千億のときに七五%であったならば、これが六千億になったならば、それの危険率が増大してくるとみなすのが常識であるから、これは六〇%にコントロールするとか、さらにこれが一兆になったらそれを五〇%に制御するとか、こういうようなことが考えられてしかるべきである。最悪の場合があってはならぬが、あった場合に備えるのが国家の責務である。私はそのことを論じておりますから、その問題については、さらに省議を開かれまして、十分に検討していただきたいと思う。  ただ、私は、この問題について別の角度から論じておきたいことは、この二、三年来の株価の棒高は、投信の積極的な介入とその作為によった要素が多いと見るべきである。あなたの方が今ここで言わなくても、それは世間がそう見ておる。だとすれば、これは政務次官に申し述べておきたいのでありますが、このことは、現金を持っておる人はばかで損だ、そうして証券を持っておる者は賢くて得をするのだ、こういうような風潮が現実にかもし出されておるのですね。このことは、大蔵省が——まあ日本銀行の責務ではあるけれども、これは円価値を確保するという立場から考えて、いずれが大切であるかということを考えられるならば、金を持っておるやつは損だ、貯金するやつはたわけだ、株を買っておるやつは賢いのだ、そしてその人は得だというような印象と現実がかくのごとくに現われておることを手放しで見ておって、それでいいかどうか。いいですか、そのことこそは、ほんとうに通貨価値の安定政策から考えても、大蔵省としても実に一考を要すべき刻下の重大問題である。この点については、ただ単に証券業者に対して波瀾を与えてはいけないとか、急激な衝撃を与えてはいけないということは私もわかります。けれども、そういうような風潮がさらに濃縮されて参るならば、これは、通貨価値の安定という至上命令の上からも、大きな障害を生ずるであろう。さらにはまた、大蔵省として、証券を守ることのために、そのような妙な形が現われてきたら、一体収拾をどこに求めるか。この点は十分に検討されまして、そうして、一たん株価の大変動を見た場合、投信の大量株式は売るに売れないことになってくるのだから、当然そこで受益者が相当の損害を受ける、こういうことにならぬとも限らぬのである。冒頭に申し上げましたように、投信というものを完全分離することによって、価格操作というものを容易になしあたわざるようなそれぞれの各機関、すなわち委託会社、受託会社、証券会社、そういうようなものにそれぞれの独自性を持たして——このことは私たちが今ここで唐突に論じておるのではない。アメリカにおいても、諸外国においても、このような形で投資信託を許しておる諸外国の例はないのです。弊害があるからやっていないのです。ひとりわが国がやっておる。やった結果弊害が現われてきている。だから、これを佐藤さんが形式分離に踏み切った以上は、なるほど、経過措置としては、技術上の修得の問題もあろうし、さまざまな問題が経過的にあろうから、われわれは急にそれを言うわけではないけれども、すでにここで一年間の経験を積んだのでありますが、なおかつその成果というものは現われていないのだから、実質分離に踏み切ることのために、今こそ政府が急にこの問題に取り組むべきのときであると思う。この点については、さらに十分御検討を願いたいと思うのであります。  次は、証券業者の職能分化の問題についてお伺いをいたしたいと思います。現在証券業者は、引き受け業務、それからディーラー業務、ブローカー業務など、すべてを合わせて行なっているところに、証券取引法に大きく乖離したところのさまざまな現象が現われて参っておると思うのであります。すなわち、ブローカー業務としては、もっぱらお客さんの利益を考えて行動すべきでありましょうけれども、ディーラー業務としては、もっぱら自分の利益のために自分の商品を有利に売りつけることは、これは当然の行為でありましょう。従いまして、ブローカー業務とディーラー業務とを一つの人格においてあわせて行なっておりまする場合は、これは往々にして顧客の利益に反して自己の商品を有利に売りたいという傾向を持ってくることは、これはいなみがたいと思うのであります。ここにお客さんの立場、自分の立場、これが二律背反の形になって現われてくる。また、投信業務においてこれを兼営いたします場合は、今申し上げました通りに、委託者としてはもっぱら受益者の利益を考えて行動すべきでありましょう。これは民法上もそのように約束されておる。ところが、証券業者の立場からは、信託財産の売買を多くして、手数料収入をより多く得ようという、これは当然業務の必然の方向であります。さらに第三には、ディーラー業務としての立場からは、自分の手持ち商品を有利に信託財産に繰り込むということは、これは当然善良なる職務行為としてこれまたいなみがたい。こういうような形が現われてくると思うんです。もっとも、投信業務については、三十五年四月から、投信業務を併営する十四社のうち四大証券が不完全分離を行なって、あと十社がこれからやるといわれておりまするが、これが完全に行なわれるならば、この職能分離は、この面においては、ある一面において当然解決されると思うが、政府は、わが国証券市場が現実に投資の過熱の傾向をかまえて、かつは国民大衆の証券投資が人気化的な徴候を示しておりまする現状にかんがみまして、現在の証券業者の業務範囲とその形態を、現状のままでこれを放置しておいて差しつかえない考えなのか。この点についてどういうふうにお考えになっておりますか。この問題については二年前にも若干触れた問題ではございますけれども、実質的にはそのことが何らはかられてはいない。当時も、本日答弁になったと同じように、そういうような必要を考えますので研究したいということでございましたが、職能分化の問題は何ら実施をされていないと思われる。よってさまざまな弊害がさらに現われつつあるとおもんばかられる。いかがでありますか。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 投資信託委託業務と証券業務との分離については、分離するという方向に踏み切って昨年の四月に一部スタートを切ったわけでありますが、ただいまお話しの証券売買のブローカー業務とディーラー業務の分離の問題は、これは外国——米国に例をとりますと、市場取引については明瞭に区分されております。しかし店頭取引はまだやはり混合した形態になっている状況でございます。本来お得意の完全な利益擁護という面からいいまして、たとい同じ人格のものがこの両方の業務を行なっております場合でも、経理等については両者の区分を明らかにすべきでありますし、理想としては両者分離の方向へ進むべきものと考えられるのであります。しかし、それぞれの国におきましての長年の歴史あるいは慣習もありますし、今にわかにこれを強行して円滑に実行できるかどうかという点になりますと、この性格、それから実態というものを考えますと、なかなかそう簡単に踏み切れるものでもないのじゃなかろうか。わが国の実情に適した方法がどうあるべきかということは研究しておりますが、なかなか実態としてはむずかしいと思います。

春日一幸民主社会党

○春日委員 二年前と同じ答弁をしてもらっていては困るのでございますけれども、しかし、これはあの当時よりも激化しておりまする実情にかんがみて、本日以降のこの大蔵委員会の審議をも十分参酌されて、そうして二年前も今も将来も同じというのではなくして、必要を認めないなら認めないと確信を持って御答弁なさるべきである。必要ありということならば、それをなさなければならぬ。いかなる圧力があろうとも国民の名においてそれをなさなければ、あなた方はその職責を果たさないことになる、いいですか。だから、そういう意味において、必要なものは認めたらそれをやる、こういう良識、誠意を持って一つやってもらいたいと思う。ただ、この問題につきましては、今佐藤君も指摘されましたように、大証券と中小証券、それから大証券業者と証券取引所との関係において、別個の問題がいろいろ提起されておると思うのです。すなわち、職能分化が行なわれておりません結果、本来は各証券会社は同一の業務を法律の前に平等であるという原則でやれるはずなんだけれども、実際には業者間の格差、断層というものが大きく開いておりますね。一方の極端にはマンモスがあり、片方にはハツカネズミのような小さなやつがあって、そこへいわゆる中小証券という小ザルほどの集団が群をなしておるというような、非常に大きな断層がついてきて、そうして大証券は不覊奔放にやりながら、小証券はだんだんと圧迫されて立ち行かなくなってきている。これは私は昨年論じたときにその数字も例示しましたけれども、とにかく登録した千何百軒の中で脱落した者が五百幾つで、登録したけれどもみんなつぶれていってしまう、こういう証券行政のあり方というものは、いわゆる職能分化を通じていずれの証券業者にもその分に応じて仕事がなさしめ得るという、特色を生かした指導のあり方というものはあると思うのです。どうか、そういうような意味合いにおいて、この問題についてもさらに深く研究が願いたいと思うわけであります。  私は、次は、時間がありませんので、もう一つ、証券市場が狭くなっておること、これに対する政府の対策を伺いたいと思うわけであります。すなわち、証券市場の売買高が最近大へんに大きくなりまして、今もお話のありました通り、三十五年には一日平均一億台が、ちょうどこれは三十年のそれに比べて十一倍、これに対して、上場株数はこの五年間に約三倍程度の増加率にすぎない。このように、取引高から見た証券市場の規模は相当に拡大を見たとはいいながら、上場株数から見た証券市場の規模はなお狭隘であるといわなければならぬ。しかも、上場株数が取引高に比べて過少でありますことからして、株式の回転率が、すなわち売買の頻度が逐次上昇を続けまして、一年にほぼ一回転の割合で、すなわち需要が供給を上回って、需給の不均衡から品薄相場というこの不安定な要素が発生しておると思う。このような現象が半ば永続的に現われておること、これを政府は一体どう考えておるか。どんな対策を講じてこの需給のアンバランスを調整したいと考えておるか。それはただ単に株をふやすという増資とか、社債発行とかいうような品物を提供するような形ではなくして、現実に行なわれておるところの取引市場を、あるいはバイカイその他の取引のあり方を、これを調整、矯正することによって、なおかつその実は上がり得るものと考えるか。この点について、財務官何か着想されておるところはありませんか。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 ただいまの証券市場が、全体として、需給相場と申しますか、株式の供給の方、つまり増資の速度の方がおそいために、非常に需給相場といったような感じのいろいろな現象が出ていることは事実だと思います。従って、そういう方策ではなしにとおっしゃいましたが、やはり根本は増資を促進して、株の供給の方をふやしていくということが大筋だと思うのでありますが、お話のありましたバイカイの規制その他によって、これを何か矯正する方法を考えておらないかということでありますが、御質問の意味をちょっと私わかりかねたのでありますが……。

春日一幸民主社会党

○春日委員 その点を明らかにしましょう。わかりかねては答弁にならぬ。市場が狭隘化しておることは、四大証券の出来高、これが七〇%以上、今佐藤君の質問に対して答えられた大体その前後の指数を示しておるわけであります。従って、もしも売買の秩序が厳正に守られなければ、需給の集中による力関係から価格の公正がゆがめられるに至るおそれなしとはしない、四大証券で出来高の七〇%程度を占めておるという事実からいたしまして。加えてこの際バイカイ取引が現在の市場において著しく行なわれておるこの事実を指摘したいと思うのでありますが、現在東京証券取引所の売買高の五〇%程度以上がバイカイ取引によって占められておる。このことは、実際に価格形成に参与しておるところの需要供給、これが実際の出来高の半分以下であることを示すものであって、これでは、東京証券市場の適正なる価格形成が、この外で行なわれておる五〇%以上の取引によって妨げられておるのではないかと心配をされるわけであります。この点はどうされるのでありますか。とにかく五〇%以上のバイカイ取引が外で行なわれている。これでも需要と供給とを統合して公正なる価格を形成するという取引法の精神に照らして弊害ないと考えられるか、いかがでありますか。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 お尋ねの点は大へん重要な問題だと思うのでありますが、お話のようなバイカイというものが、市場の外において、市場の価格と無関係に形成されておるという前提をとりますと、お説のようなことになると思うのであります。やはり発生的に見ましても、場外の大量取引が乱用されていて、むしろ場内に入れて、バイカイという制度で、市場価格で取引をさせることの方がいいというようなことから、だんだん大きくなってきた傾向があると思うのであります。そういう意味で、バイカイが市場の取引と同様同様と申しますか、要するに昨年の初め以来東京取引所等においても行なわれましたバイカイの管理を強化いたしまして、バイカイは必ず直近の値段でやる、立ち会い時間終了後のつけ落ちバイカイ的なものは絶対にやらないというようなバイカイの規制によって、おっしゃるようなことのないように規制を強化してきているわけであります。

春日一幸民主社会党

○春日委員 それではだめです。と申しますのは、全取引の七〇%程度のものが四大証券、そうして総取引高の五〇%程度のものがバイカイ取引、こういうような実態の中において、その四大証券がどんな形でバイカイをやっておるか。バイカイ取引を一番利用しておるのは四大証券です。すなわちこの大証券の、昔の推奨株でありますが、今の注目株、これは一つの一番いい例でありますが、大証券があらかじめ特定の銘柄の株式を自分の資金で買い付けておいて、その買付によって株価の値上がりを起こさせる。その株式の取得を本支店を通じて一斉に顧客に推奨する。これによって生じた多量の注文を、先に自分で買い付けておいた自分の手持ち株式に対等させるために、市場の取引においてこのバイカイ取引を利用しておるというのが現状です。従って、かかるバイカイ取引は、本来の市場取引と、今のあなたの御説明では、形式的には一緒なんです。けれども、実質的には、その性格は全く異質のものである。こういう形が行なわれておっても、なおかっこのバイカイ取引を現在のままに放置しておいて、証券取引法の精神は何らゆがめられたり侵されたりすることはないとあなたは確信があるか。全取引の七割が四大証券である。そうして全取引の五割というものが四大証券のバイカイで行なわれておる。しかも、そのバイカイ行為たるや、四大証券が自分で買っておいて、本支店を通じて募集して、お客さんを集めて、先に自分で買っておいた株に見合わすために取引所の中でこれをつけている。こんなものはインチキか八百長ではありませんか。証券取引所が無作為に扱ってきたところの需要と供給とをそこで統合して、当然の帰結としてそこで一つの株価の形成をはかるという取引法の精神に照らして、このバイカイ取引そのものが今見のがされておる形は何ら弊害をもたらしてはいないか。少なくとも取引法の各何条に抵触するとは言わないが、その精神に背馳するところがないと思うか。この点はどうです。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 お話の最初にありました推奨株の販売方法という問題がかつてございました。その際には、春日委員のおっしゃったように、大量にまず手当をいたしまして、それをお客さんに推奨販売をする、しかも、その場合に、販売をするときは時価よりも多少安い値段でお得意に推奨するということが、いわゆる推奨販売方式として問題になったのでございますが、その場合には、お客さんに売る場合に、直近値段でないパイカイ、つまり不正なバイカイが起こりやすかったわけであります。そういう意味で、いわゆるそういう意味の推奨販売方式はやめるようにということを、数年前であったと思いますが、申しまして、そういう意味の推奨販売はなくなっておると思うのであります。  そこで、バイカイであれば形式的には市場内でやっておるので、それは実質的にはそういうことではないという御意見でありますが、今バイカイという制度が行なわれております理由は、一つは、大きな証券会社においてはお客さんの注文が非常にたくさん参ります。それを一つ一つ市場につないでおりましたのでは事務的に大へんである。そこである程度証券会社の中で両方同量のものがまとまりますれば、それに対して、市場の価格を見ながら、証券会社が中に立ってバイカイという方式をとるというのが一つの理由であり、もう一つの理由は、大きな証券会社等には大量売買の注文があるわけであります。機関投資あるいは大口のお客さんから相当大量の売買があるわけであります。これを市場内で大量の売りを出し、またわっと大量の買いを出すというようなことにいたしますと、そのために株価に無用の混乱を招くおそれがある、そういう意味で、大量売買いわゆるPOと称せられる売買方式があると思うのでありますが、それと同じようにバイカイが行なわれておるということだと思うのであります。  そこで、バイカイがほんとうにその当時の売買時の市場価格と違った価格形成が行なわれることでありますれば、おっしゃるように大へん問題なわけであります。そこで、昨年来証券取引法でこのバイカイの管理を厳重にいたしまして、今の直近値段で必ずやる、あるいは立ち会い時間終了後のバイカイといったようなものを認めないというような方式を出したわけでありまして、これを強化いたします前には、直近相場によるバイカイが一割余りしかなかったのが、最近では大体九五%以上がきっちり行なわれるようになっております。それから、実施前にはいわゆる時間終了後のつけ落ちバイカイが三割近くあったのでありますが、これは現在全然ない状態になっておるようであります。そういう意味で、バイカイの管理を厳正にいたしますれば、お尋ねのような点は、バイカイもやはり市場の取引の一種であるということが御納得いくかと思います。

春日一幸民主社会党

○春日委員 政府の指導と監督で推奨株の問題が一応チェックされたとはいいながら、結局、たくましい商魂を持っておる証券業者は、その指摘をのがれて、今では注目株といっておりますが、いずれにいたしましても推奨株と同じような取り扱いを現実にやっておる。特に今大量のバイカイということを言われましたけれども、特にそういうことが弊害をさらに大きく助長いたしておる。すなわち投信の介入がそれです。投信では信託会社と相互の間で振替売買が行なわれておる。いわゆる「ころがし」ですね。一つのユニットから他のユニットに向けての株式の売却、それからユニットとオープンの間の株式の売買、この場合にバイカイという手段を用いてこの「ころがし」が行なわれておる。すなわち、投信の信託財産に組み入れられておる多数の株式の売買は、株式市場における価格形成から直接には離脱した形で行なわれておる。このように、今申されましたけれども、大量の株式の取引がその市場とは離脱した形式で——間接にはあとで帳簿に載せますから参加した形にはなるけれども、直接には離脱した形でそのような取引が行なわれておるということは実に重大なことである。本来証券取引所の使命というものは、大量の証券の需要と供給がその取引所に流れ込んできて、これを統合することによって公正な価格を形成し、同時に円滑なる証券の流通をはかることである。これが証券取引法の精神である。この意味において、そのような精神に乖離したこれら四大証券の市場支配、ことにその顕著なバイカイ取引行為は全く問題が大きいと思うのです。問題が大きいから私は今ここで即答を得ようとは思いませんけれども、これまた重大な問題として、政府は、すべからく証券取引法の精神に照らして、このような弊害を伴うところのバイカイ行為に対して、適切な規制を講じなければならぬと考えますので、早急に一つ省議によってその意思表示を願いたいと思う。その結果——今までずっといろいろ質問いたしました問題は、これは問題を提起し、政府に警告を発しておくことでございますから、いずれ日をあらためて御質問いたさなければなりません。  時間がだいぶ迫っておるようでありますが、もう一問だけ一つお願いをしたいと思います。これは今佐藤君によって指摘をされた問題でありますけれども、あまりに重大な問題でありますから、重ねて一つお伺いをしておきたいのは、第二取引所の設置の問題であります。最近における東京証券業協会会員の店頭取引の売買高は一日平均一千万株、これは片道計算、これは名古屋の取引所の四百三十万株をはるかにしのいでおります。右のうら約半分は、取引所の才取り会員である今言われた実栄証券の事務所で行なわれておる。正規の市場とほとんど何ら変わるところはございません。政府は、証券取引法の百九十一条で、市場類似施設開設が禁止されておることを指摘され、「何人も、有価証券市場に類似する施設を開設してはならない。」と規定しておるが、これらの行為は証券取引法百九十一条の精神に違背をしておる。法律違反行為である。何でこれを全然取り締まっていけないのでありますか。同じような形で取引ができておる。法律は、百九十一条で、類似の施設を開設してはならぬ、そうして何人もそんな施設によって売買取引をしてはならぬぞといっておいて、実に一日平均一千万株というような——それは名古屋取引所の取引高の倍であります。しかもその中の半分を一場所でやっておる。実栄会でやっておる。法律に違反する行為かどうかは十分なる判定を必要とするでありましょうけれども、少なくとも法律の条項に禁止されておる禁止行為である。これは告発すべきではないか。禁止すべきではないか。公務員たる義務を諸君は怠っているのではないか。この点はいかがでありますか。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 その点に関しましては、先ほど佐藤委員の質問に対して理財局長から答弁いたしましたが、そのときに申し上げましたような経過で出発をいたしたわけであります。従って、最初は、実栄証券の店頭市場がただ盛んに行なわれておるという程度の問題であったのでありますが、次第に取引高が増加して参りました。特に昨年の秋以降急激に増加をして参ったわけであります。同時に、証券業協会といたしましても、これをそのまま放置するわけには参らないということで、ある程度の監理をいたし始めたわけであります。そういたしますと、相当の取引高があり、監理の必要性がある。これが進めば進むほど、おっしゃるような市場類似施設の疑いが濃くなるわけであります。私どもといたしましても、昨年秋以来の取引高の増加に伴いまして、また最近の株価の状況、いわゆる店頭株の動きが相当激しい状況から見まして、何らかこれの監理を強化し、投資者の保護に資すると同時に、いわゆる中型企業の株の公開その他にも資する必要があるのではないかということで、この段階に参りますれば、春日委員のおっしゃるように、何らかの措置を必要とするのではないかと考えたわけであります。従って、証券取引審議会での流通市場の問題につきましても、第一番目に店頭市場の問題、第二取引所の問題を取り上げていただくことにした次第であります。

春日一幸民主社会党

○春日委員 証券取引所の上場銘柄の資格審査が非常に厳重なので、従ってこれらの店頭銘柄は上場に値しない。いわゆる中型株といいますか、そういうようなものを取引する便宜のために、こんなものができちゃったんだ、大したことはないので見送っておいたら大きなものになってしまった、何とかしなければならぬ、こういうようなものだが、一体こんなことで少なくとも受信事業の管理、監督ができるものかどうか、現実の問題として。大したことはない、だからほうっておいたら大へんなことになってしまった、何とかしようと思うが、どうしていいかわからぬので、審議会に聞いておる。これでは一体君らは自分の職責を何と考えておられるか。諸君は、法律に基づいて、国家の名において職務を執行するの権限を付与されておるのですよ。それだのに、君たちは、実績ができちゃったら、それはそれでしようがないと言う。なるほど今は大した弊害はないかもしれません。私たちはその辺の情報につまびらかではないが、大阪では、中外証券のあとを継いで、この間斎藤証券の十何億のあれもあります。そのために投資大衆の受けておる被害というものに対して、諸君は責任を感じないのか、全くの話。現在少なくとも証券取引所は、法律に基づいて、諸君の直接の監督がなされておるから、従って投資大衆はその法律によって保護を受けておる。ところが、あなた方の監督権の及んでいないところの非合法的なもの、実栄会だとか、大阪にもあるようでありますけれども、法律の保護監督もなされていないそのような取引所において行なわれた取引で、実害が投資大衆に及んだとき、あなた方は一体何といって国民の前にその責任を明らかにするつもりですか。一体証券行政というものは、そんなちゃらんぽらんなでたらめで、あなたまかせの年の暮れみたいなそれでいいのですか。われわれは不安にたえない。大久保君何とか言ってみろ。

大久保武雄自由民主党大蔵政務次官

○大久保政府委員 ただいま春日委員の御指摘のような弊害がすでに社会に起こっておりますことは、私も十分確認いたします次第であります。そこで、何といたしましても大衆の損害をなくするということは、政府といたしましても一番心がけなければならない点でございますので、   〔鴨田委員長代理退席、委員長着席〕 先ほど春日委員からも御指摘がございました機構を整備すること、並びに法を忠実に執行し、大衆に不測の損害が起こらないように、今後におきましても十分配意をしていきたい、かように存じます。

春日一幸民主社会党

○春日委員 実はいただいた時間も参ったようでありますし、同僚諸君もおつき合い願って御迷惑であろうと思いますが、あとは信用取引の問題などを中心といたしまして、さらにまた、このほど証券取引審議会でありますか、それに諮問された諸要綱を中心といたしまして、いろいろと政府にお伺いをし、またわれわれの見解も述べてみたいと思うのでありますが、あと十分や十五分では解決がつきそうにもありませんので、残余の問題は次の機会に十分質問することとして保留いたします。  ただ、最後に申し上げておきたいことは、とにかく受信事業ですから、神経を使って完璧の上にも完璧を期してもらいたい。しかも、経済現象というものは、次から次へと有機的に発展していくものです。はからざる形がはからざる場所に現われてくる。しかもそれが国民の財産権に直接のつながりを持っている。生命の次の財産を脅かすおそれのあるようなそういう行為というものは、最も神経質に、ほんとうに真剣に取り上げてもらわなければ困るのです。バイカイ取引といい、現在の店頭取引といい、さらにはまた投資信託の現状といい、不安な問題、手抜かりな場所、これは随所に続発をしておる。まさにはだえにアワを生ずるばかりである。こういうような意味合いにおきまして、私どもがお伺いをいたしました諸点、さらに本日以降引き続いて指摘いたしまする諸問題については、どうか一つ大蔵省はこの際責任を持って、すでにこれが六千何百億という膨大な国民の財産が投資信託だけでも集積されておりまする実情にかんがみて、十分一つ配慮を加えられて、適切な措置を最もすみやかに講ぜられたいということを強く要望いたしまして、残余の質問は他の機会に譲りまして、私の質問を終わります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 実栄会の弊害ですね、これは第二市場の設置問題なんかでいろいろ問題があると思うのだが、早く手を打たないと、これの弊害などが起こってくるのではないかと思います。そういう心配はないのですか。どんどん莫大な取引が出てきているのですが、こういう問題について、一体大蔵省はどういうような処理をするのか。これは取引法に違反はしていないのですか。この点を一つ関連してお伺いをいたします。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 ただいまのところは、先ほど申し上げましたように、違反をしておるという見方はしておらないわけであります。ただ市場類似のおそれがかなり強くなってきておるという感じを受けておるわけであります。実際上の弊害として考えられますことは、やはり正規の市場として厳格な売買監理をしておらない取引でございますから、受け渡しその他がもしルーズになりますと、不測の損害が起こることが考えられるわけであります。現在のところは、証券業協会の自主的な監理等で、受け渡しにさような危険があるとは考えておりません。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 現実に取引所の中でやっておるのでしょう。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 そうです。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 そういうことはどうもわれわれに誤解を起こさしめるようなところがあるのですが、これがあるために何かほかの方に有利なことがあって、そのためにこういうことはやむを得ないということで大目に見ておるということですか。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 先ほど局長も多少申し上げたと思いますが、最初は、場外で、証券業者の店の先あるいは道路、廊下などで集まりがだんだんできてきたわけであります。そこで、道路やそういうところによるいろいろな弊害が起こってきたものですから、一応場所を取引所の中に提供して、実栄証券の店頭でやるということで発達してきたわけであります。

春日一幸民主社会党

○春日委員 今佐藤君の質問に対して、百九十一条に違反しない、法律違反行為ではないという断定的なことを言われて、あとに、それは今では大きくなってきたので、違反のおそれがあるというようなことを言っておられる。それは不明確だから、この問題は違反でないということであるならば、彼らは大いばりでやるのですよ。影響するところ甚大ですよ。だから注意して発言しなければならぬ。現実の問題は、こういうことは法律違反のおそれがある。何人も、裁判官でない限り、さらには最高裁判所でない限り、有権的な断定をすることはできない。けれども、あなた方としては、違反の疑いがある、おそれがあるということは、違反の疑いがあるのです。ありとするならば、行政指導でそれを直させるということが第一義的の義務である。国家公務員法は、あなた方に、法律違反の行為あることを職務上発見したる場合は、告発の義務を課しておる。われわれはそれをやれとは言わぬ。しかしながら、今おそれがあるということを言うような中身のある問題について、前提に、あなたが法律違反ではないというようなことを断定的に言うならば、ここに第二市場を設けることはどうだこうだといって諮問する必要はない。今のままにやらしておけばよろしい。この点明確にしなさい。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 おっしゃるように、ただいま法律に違反しておる問題でありますれば、それこそ何らかの処置を必要とするわけであります。従ってそういう意味で法律に違反しておるとはまだ認めておらない。しかし、おっしゃいますように、実質的にこれだけ大きくなって参り、また大きくなってきたために、売買監理ももっと強化しなければならぬということで、監理が進めば進むほど、そういう市場類似施設になってくるおそれが非常に強くなってくる。従って、われわれとしても、これは相当考えなければならぬ段階にきているというふうに感じておるわけであります。

春日一幸民主社会党

○春日委員 それは重大な問題ですよ。あの程度ならばよろしい、五百万くらい盗む程度ならどろぼうじゃない、一千万も盗むなら承知せぬぞというばかなことがあるか。とにかく百九十一条が、取引所類似の施設を開設してはならない、そうしてそんな場所で取引をしてはならないと禁止してあったら、それは禁止しなければならぬのです。あなた方の目を盗んでやるならば、神ならぬ身のあなた方としてそんなところまでわからぬ。わからぬものはわからぬけれども、わかった以上は何とかしなければならぬのがあなた方に課せられた義務だ。公務員の義務だ。それなのに、この程度ならばよかったけれども、だんだんと悪くなるようだから何とか考えるという、そんなでたらめな答弁が許されますか。しかし、一財務官をとっちめたところで、この問題の最終的な解決にはならぬので、これまた政務次官が一つ十分省議に諮られて、やはりこれは法律に基づいて——法律がいけなければ法律こそ改むべし。法律のある限りは、立憲法治国として何人といえども法律を守らなければならぬ。証券取引所であろうと、財務官であろうと、八百長でそんなばかなことをやっておってはだめだ。この点十分警告を発しまして、この点についての有権的処理というものは、すべからく省議において責任ある処理をされるように、このことが法律に違反しておらぬというような言葉は取り消された方がいいと思うけれども、取り消されなければ、このこともまた後日責任を問うことにして、いずれにしても政策問題として省において責任ある処理をされるように、重ねて要望しておきます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 今春日君からもきついあれがあったんですが、これはやはり経過的に問題が生まれてきただろうと思います。そういういきさつについて、大蔵省の方では、やはりだんだん大きくなってくるというような経過があると思うのです。それと同時に、これはまたやむにやまれない事情があるということを聞いておるのですが、その点はどうですか。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 先ほど申し上げましたように、上場株以外の取引は禁止しております結果、そのほかの店頭市場というもの、店頭の商いがあるわけであります。そこで、ある株についてその取引が非常に盛んになる。ある店の店頭が非常ににぎわう。あるいは道路上でいろいろな人が集まって、その集まりがだんだん大きくなってくる。先ほど程度の問題でそういうことを言うのはけしからぬというお話がありましたが、やはり二、三人が道路で集まっているのを、それで市場だということは言えないと思うのでありまして、それがだんだん大きくなって形を整えてくるに従って、市場に類するというようなことに問題がなってきたのだと考えます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 どうもそれは私はおかしいと思う。そういう答弁では私は納得できない。何かほかにもっと重要なことがあるのでしょう。一千万株もそんな市場の中でやっているのです。市場の中でちゃんと大きな店を張ってやっているのに、あなたの方で何か——あなたは言わぬだろうと思いますけれども、ちょっとならいいが、一千万株も見過ごしているというのは、何か反作用があるということで今まで見過ごしてきたのだ。これは今春日君の言われるように取引法の法律違反だと思うのだけれども、そういう場面があるので、何かほかの見解がないかと聞いたんですが、もしそうでないとすれば、これはわれわれは大きな問題にしなければならぬ。取引所の法律に違反だと私は思う。現場で見たんですからね、十分この目で。その点、大臣と相談されて、早急にわれわれの納得いくように解決してもらいたいと思います。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 今の上場会社は、資本金で申しますと、全体の法人で約六割でございます。だんだんといろいろな中型と申しますか、会社も増資をし、企業も大きくなって、実態的に現在の取引所だけではなかなか消化できないようなことも、先ほどからお話もございました通り。ただいまの問題は、私といたしましても早急に何かはっきりしなければならぬと思っております。そういうような経過がありまして、実は私どもの方で一体どういうふうにすべきか。私どもだけで判断すべきことであるかもしれませんが、しかし、同時に、せっかく証券取引審議会というものがあるわけでありますから、そこで早急に一つの考え方を出してもらって、これを早急に処理したい、そういうふうに考えております。極力早急に処理はいたします。ただ、ただいまのところは、お話がございましたように特別に弊害が出ているというふうには思っておりません。しかし何とかやるべきだと思っております。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 毛利松平君。

毛利松平自由民主党

○毛利委員 公社債投信が資金供給方法として画期的なものであり、昨日も日銀総裁に申し上げたのでありますが、金融界の、おそるべきといいますか、静かなる革命が起きているといわれております。この次元に十分な配慮が一段と望ましいと私は思っております。従って、問題を二つに大別して質問したいと思います。  先ほど来、佐藤委員、春日委員から、大所高所からきわめて名論卓説な、また重要な点の御質問がありましたが、私はなるべく重複を避けますけれども、二、三やむを得ない場合もあります。従って、第一点は投資者の保護に関する問題と、第二点は資金運用の面に関して、二つに大別して理財局長に御質問をいたします。  公社債投資信託は、証券会社の宣伝によると、安全で有利で換金自由をあげているが、元本ははたして安全なのかどうか。さらに、投資信託に組み入れられた政府保証債は政府が保証しているので問題はないであろうが、社債ははたして大丈夫なのか。社債の元本割れが生じた例が高砂鉄工にある。そうした場合にだれが一体この元本の支払いをするのか。昨日も日銀総裁にちょっと質問いたしましたが、干渉しない、責任保証はしないという、当然でありますが、お言葉がありました。大蔵省も当然保証できないと思いますが、ここに自己責任の原則ということが最近はやっておりますが、先ほど来春日委員の質問のように、ブローカーとディーラーの実質的な、本質的な分離、投資信託並びにその上に立った公社債信託のあり方、自己責任の原則を本気になってこの次元に考えていかなければならないのではないか。繰り返しこの点を御質問します。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 公社債投資信託はこの一月から始まったのでありますが、大体今のこういう投資信託を扱っております会社の方針としては、約八割を新規の社債に運用するということをやっているわけであります。今お話しのように、社債でございますから、現在の社債であればどの社債でも全部元本割れがないかどうかということになりますと、今後の問題でございますから、もちろん今後の当該会社の経営とか何かによると思います。これ自身について政府保証があるわけではございませんから、その意味での元本保証というものはないわけでございます。従いまして、今度の公社債投資信託を買った人は、やはり自分での責任ということはその通りであります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員 今回の公社債投信は公社債市場の育成がその目的のようであるが、必ずしも安全とは申しがたいと、今もおっしゃっていることがそれを意味しております。これに対して大々的な新聞広告並びに宣伝をやっております。一般大衆にこうした性質のものを勧奨する政策が、はたして妥当であるかどうか考えなければならぬ点があるのではないか。日銀も政府も保証しない。これが実情であります。そうすれば、この新聞にも書いてありますが、あらゆる宣伝を見ますと、元本を保証しないということを明示する必要があるのではないか。一般国民に、あたかも現金に換金するということを強く打ち出しておる以上、元金を保証するかのごとき誤解を受けておる点がある。従って、これから次第に拡大する本件の危険性というものもなきにしもあらず、従って、元金を保証しないということを新聞紙上にもっと明示して、大衆の前にその事実を言う必要があるのではないか、こういう点。さらに、証券会社のパンフレットその他を、また新聞を見ると、配当率が七分八厘前後とみな書いております。はたして実際に将来この利回りが確保できるであろうかどうか、この二点をお伺いします。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 証券会社が広告をいたしますときに、誤解のないようにということは、いろいろ注意をいたしております。元本割れとかなんかの問題でございますが、ただいま申し上げましたように、社債に運用しているわけであります。あと、コールとかなんかございますが、その社債が、今後どういう確実な社債に運用するかどうかという点が、一つの問題になろうかと思います。今までの社債は、大体いわゆる担保のついている社債というふうにして確実に運用しておりますのは、ほかの銀行やなんかがやっておりますのと同じでございまして、そういう面については、私どもとしても今後十分監督をしていかなければならぬと思っております。また、社債を出す場合に、どういう会社の社債を出していいかどうかということも、受託銀行、証券会社、それから発行会社、この三者でいろいろ協議してやっているわけでありまして、受託銀行なんかも、そういう面で、こういう会社なら確実だということで、社債の発行をやるわけであります。発行会社だけの独断でやるのでなく、それにプラスして、今の受託会社が別の意味で、そういうものが安全なのかどうかということで買うわけでございますから、そういう点は十分注意するだろうと思うのであります。  それから、利回りの七分八厘が一体どうかということにつきましては、私どもの方針として、元本保証をするとかあるいは予想利回りがこうだ、これは幾らの利回りになるんですということは、これは禁止しているわけであります。ただいろいろなあれで、現在社債の利回りは七分八厘についているわけですから、社債に運用すればというんですから、現在の社債の利回りは七分八厘だというような意味での話はやっておりますけれども、元本保証とかあるいは予想利回りの明示というようなことは、これは、私の方として、将来誤解があるといけませんから、禁止いたしております。

毛利松平自由民主党

○毛利委員 公社債投信の買いの手数料は一年目は取らないようであるが、それを大々的に宣伝して収支償なうのであろうか、予想収益あるいは元木に注ぎ込むおそれはないだろうかというのが一点。換金自由だというが、だれが責任を持って買うのか。今ちょっと御説明がありましたが、もし売りが殺到した場合に、証券会社が買い入れを断われば、換金自由とは言えないが、この点はどうお考えか。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 経費の点でございますが、大体もっと少ない金額が売れるのでも、収益はとんとんか、それ以上幾らかというような計算になっておりましたので、現在のようにこういうような大きな金額で売れるのであれば、十分収益は上がるというふうに計算されます。  それから、換金という問題でございますが、これは社債市場の問題にも連なってくると思います。今後の問題として社債が現在よりも非常に多額に発行されるということになれば、もう少し社債市場自身も何かの方法で確立する方法があるだろうというふうに思っております。投資信託会社といたしましては、先ほど申し上げましたように、大体一割から二割近いものをすぐ換金できるコールに運用しているわけであります。この点、地方銀行その他各銀行が大体一割くらいのものをコールに運用しているのと同じような運用方法と申しますか、そういうことをやっているわけであります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員 コールは、現在一覧表を見ますと次第に減ってきて、一月が一四%、十二月が一五・九%、三十四年あたりは二一%だったと思うが、この減り方はむしろ安全性を見る場合にはもっとふやすべきじゃないか、こういうように私は考えている。それでこそ安全性を言い得るのではないか。こういう点が疑問になるのですが、さらに投機を業務とする証券会社が売買に応ずるように、その掲示内容その他をもっと規制をすべきではないか。また投資信託会社自体も準備金を今申し上げますようにもっと手厚くする必要があるのではないか。はたして、投資者保護に関して、証券会社の手元現金の準備が万全を期し得る見通しがあるかどうか、こういう考えから、減っているという現象は不思議だ、もっと強化すべきではないか。はたしてコールが最も安全な保証体制であるとするならば、コールを一体どこが使っておるか、これも一つの問題点であろうと思いますけれども、はたして銀行が使っているのか、あるいは還元して証券会社が使っているのか、この点も聞きたいのでありますが、減っておるという点はふやすべきではないか。さらに、税金は一〇%の申告課税ということになっているが、無記名であるし、途中の転売のときには脱税の危険があるのではないか。今後税負担の均衡の見地よりさらに税徴収難が予想されるとき、はたしてこれでよいのかという点を御質問します。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 ただいま毛利先生が御指摘のコールの割合は、公社債投信でなくて一般の投信の方でありますが、公社債投信につきましても、一応の考え方としては、何らかの換金の必要のある者に対する手当として、コールをある程度持つという考え方が当面のところとしてはとられておると思います。もし御指摘のようにこれが少ないようなふうであれば、これはまた今後運用方法として割合を考えるということは十分注意して参りたいと思います。今までのコールの二〇%が一五%に下がってきているというのは、一般投信における今までの換金とか解約の経験から、この程度でいいというふうに下げてきているのだと思いますが、その点は今後注意して参りたいと思います。

吉国二郎大蔵事務官(理財局証券第一課長)

○吉国説明員 公社債投資信託の税金の問題でございますが、これはすでに別途所得税法の改正で御提案になっていると思いますけれども、公社債投資信託は、他の投資信託と違いまして、株式に対する運用が全然ない。しかも公社債だけに運用しておりまして、これは収入はもっぱら利子所得であります。さらにコールに運用した場合におきましても利息収入でございますから、そういう意味で、公社債投資信託だけは別にいたしまして、利子所得の中に入れております。従いまして、今の利子所得の制度が変わらない限りは、一割の源泉分離課税ということで、総合はないわけでございます。それから、買い取りの場合におきましては、解約につなぎます場合に、その収益に対して証券会社が課税を受けますので、この一割相当分を買い取りの際に買い取り価格から控除して買い取ることに制度がなっております。約款上なっておりますから、買い取りの際に転売によって税金を逃げることはできないのでございます。

毛利松平自由民主党

○毛利委員 経理内容の規制について、もうちょっと御意見を聞く必要があるのではないかと思います。さらに今後公社債の条件改定が必須であろうと思っております。従って利回りが変わってくる。それに対して、例示しているとはいえ、いかにも高利回りの宣伝をしているのは、ちょっと行き過ぎではないかというのが一点。さらに、戦後政府のとってきた貯蓄の増強は、銀行預金を軸としてきた。一般大衆の預貯金の元本を保証するために、銀行には種々のきびしい規制が加えられている。ところが、実態は、確定利付ではないのにもかかわらず、確定利付による形式をとっている。公社債投資信託を政府が認可する裏には、国民貯蓄に対する考え方の変化がうかがわれるが、これは一体どうだろうかということです。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 公社債投資信託の経理内容、資産の運用をどういうふうに堅実に持っていくべきか。これは、今後経験とか何かも入れまして、また委託会社等においても、いろんな銀行とか何かの運用の研究もされることと思います。十分注意をして参りたいと思います。  それから、利回りの問題でございますが、もし社債とかなんとかの利回りが将来下がりますれば、もちろんこれに従って運用利回りも下がる。もし将来これが上がりますれば、また上がるということになるわけであります。これは、運用と申しますか、運用資産のいかんによることであります。こういうふうに存ずるわけであります。  国民の貯蓄は、銀行預金とかなんとか、貯蓄あるいは郵便貯金、保険その他そういうような貯金を非常に奨励して参りましたけれども、同時に、自己資本の充実というような意味からも、一般的に貯蓄の奨励ということで参ったわけであります。社債とかなんとか、そういう債券の大衆化ということも奨励してきたわけであります。これも一つの貯蓄の形態だと思います。そういう意味で、これ自身貯蓄されることに対しての問題からはどうということはない。それからなお、大体自己資本とか、長期の借り入れとか、企業の資金調達の方法から参りまして、自己資本に依存する、あるいは長期資金は社債等に依存するという方が、あるいは健全な形態かもしれません。そういう意味で、広い意味での金融の正常化、企業の資金構成の正常化の方向にはやはり社債がもっと伸びる、あるいは増資が伸びるということがいいのではなかろうか。これは従来からの方針だと思います。

毛利松平自由民主党

○毛利委員 証券界は資金の有力な供給者となっている。しかも、零細な貯蓄を一種の投機にかり立てて、健全な貯蓄心を害するような気がするが、これはどうだろうか。また、公社債投信がよいとしても、零細な貯蓄を集める以上、指導、監督、行政にあたって、銀行に加えていると同じ程度の規制を、この際証券会社に自己責任の原則を、機能の分離を明らかにして課すべきではないか。この点を強く要望しながら御質問いたします。銀行法の二十一条と証券取引法の五十五条の明文を見ましても、非常に開きがある。この時点においてはそうすべきではないかと考えます。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 今後こういう公社債投信だけでなくて、一般の、先ほどお話がございました投資信託とか、こういうものを扱うものに対して、従来も同じでありますが、今後もなお一そう監督を厳重にすべきことは当然のことだと思います。ただいま御指摘の銀行法二十一条は「主務大臣ハ何時ニテモ部下ノ官吏二命ジテ銀行ノ業務及財産ノ状況ヲ検査セシムルコトヲ得」という規定だと思います。それから、証券取引法の五十五条は「大蔵大臣は、公益又は投資者保護のため必要且つ適当であると認めるときは、証券業者若しくはこれと取引をなす者に対し当該証券業者の営業若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員をして当該証券業者の営業若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。」銀行法の二十一条は検査の規定だと思います。五十五条も検査の規定でございまして、これに基づいて証券業軒の検査を現在でも実行しているわけでございます。大体検査の回数等も、銀行とかなんとかの方に対するものと同じ程度にはやっている。両方とも同じようなあれかと思います。

毛利松平自由民主党

○毛利委員 大体投資者の件は終わりましたが、資金運用面から質問したいと思います。一月の公社債投信の発足によって、今まで三百億円くらいの投信が倍増したといわれておる。これは一体国民貯蓄の面から見た増加か、それとも両建か、社債発行会社の社債保有によるものではないのか。きのうの新聞を見ますと、社債発行会社の保有が二〇%で、御祝儀分が五%と書いているが、この点の数字は間違いないのかどうか。さらに、過去一年間の長期信用銀行、すなわち興銀、日本長期信用銀行、不動産を合わせてですが、貸し出し増加は約千八百億円と見ている。ところが、一方の証券会社は、今後公社債投信が月に二百億あるいは三百億、年間二千四百億あるいは三千六百億円を設定しようとしている。これでは、長期資金を融資するところの長期信用銀行は、極端にいえば不要になるのではないか。この点に対する見解。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 一月にできました公社債投資信託の総領は四百六十億円であります。この内訳といたしまして、金融法人、金融機関が買いましたものが七%、それから一般の事業法人が買いましたものが二一%、その他の非営利団体が二%でありまして、個人が七〇%でございます。事業法人と申しましても、この事業法人の中には退職年金とかあるいは共済組合なんかで買っているものもあります。今御指摘の社債を発行いたしました会社がどの程度買っているかという問題でありますが、これは大体五%でございます。それから、今後一体この公社債投資信託をどの程度募集していくか、これはこの四月以降の問題でございまして、一般の投資信託両方合わせて考えなければならぬ。従来の分といたしましては、一般投資信託は株式に運用するのが主たるもの、それから公社債投信は社債に運用するのが主たるもの、こういう考え方でございますが、一月、二月に社債が非常に多額に出ました一つの大きなものは、ちょっと先ほども申し上げましたが、一般の投信につきまして株に充当できる分を百八十億というふうにワクを切ってしまいました。それにもかかわらず、投信が非常にでき上がったものでございますから、その関係の資金が全部社債に振り向いた。その方とこの四百六十億両方合わせまして、たとえば一月に三百七十億特別に社債が発行できるようになりました。また二月には、それに相当する分がやはり六百億ないし六百五十億ぐらいのものになるかと思いますが、そういうものが別にできるようになったわけであります。四月以後どの程度にこれができるか、これはちょっと予測ができないわけであります。こういう点で、一体長期信用銀行との関係がどうなるか。これはやはり長期信用銀行は長期信用銀行で、それぞれの使命を持たれ、また金融債を売っていかれるわけであります。両方で併存していくという形になると思います。

毛利松平自由民主党

○毛利委員 この公社債投信の拡大によって利益を受ける社債を発行し得る会社は、まるで大企業であって、一部分である。こういう点から見ると——あくまでもこれは銀行局長に聞くべき点かと思いますが、理財局長に伺いたいのでありますが、各地をいろいろ調べてみますと、どうしても相対的に銀行の資金量が減るという見解の方が強いのです。従って、銀行から受ける資金というものは、大企業と中小企業の格差が非常に拡大してくるというこの現実、さらに地方銀行や相互銀行なり金庫なりをいろいろ調べてみますと、小さな預金が引き出されて投信並びに公社債におそるべき勢いで向かっておる。数字はまだはっきり出て参りませんが、そういう点から見ましても、政府の地方格差の解消ということよりも、資金面からくる場合、従って事業の育成の面からいった場合に、中央と地方との格差が非常に拡大しつつある。この二点。これはいわゆる資金量の点でありますが、きのうも実は質問したことでありますが、銀行側から見ますと、これこそ静かなる革命でありまして、長期の定期預金が減りつつある。しかも当座及び短期資金へと向かいつつある。そうして銀行の健全性がやや薄らいできつつある。その金はコールなりあるいは政府保証なりあるいは公債に向かって、投資しようとする事業会社に対する選別がきわめて峻厳になってきておる、ならざるを得ない、こういう結果を招くのではないか。いい会社にあるいは大会社にしか出さなくなってくる、この現象を一体どう理財局長は見ておるかという点を……。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 公社債投信が発足しましてから、どの程度に銀行預金とか何かに影響がございますか、私どもよく存じませんですが、この公社債の投信の結果、今後相当程度社債の発行ができるようになるのだろうというふうには考えるわけであります。それで、社債が発行できますことは、今の企業側から見ますと、やはり企業の資金調達、資金をどういうルートから調達しているかという面から見ますと、もっと社債で調達する方がいいのじゃないかということは一般にいわれていることだと思います。そういう意味で、もう前々から、公社債市場を育成するというのも、一つの方針としてお掲げになったあれに沿ったものだ、こういうふうに思っているわけであります。なお、社債の発行できる会社は、先ほどもお話しのように、運用を確実にするということからいえば、やはりある程度限定されてくるという面があろうかと思います。しかし、それは大きな会社でなければならぬか、小さな会社じゃいかぬのか、そこは会社自身の内容、経営の実態ということにかかるのじゃないかと思うのであります。それからまた、大きな会社が社債を発行しまして安定した資金ができますと、それを下請の支払いに出すとか、あるいは下請している中小企業とかなんとかに資金として安定して融通できるというような利便もございますので、資金の調達ルートが幾らか変わってくるというような点が考えられるかと思いますが、特にこのために弊害が出るかどうか、それは今後の問題だろうと思います。

毛利松平自由民主党

○毛利委員 中央と地方との問題……。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 中央と地方の関係から見ましても、かりに中央でそういう意味で社債ができましても、地方には中小企業あるいは下請、方々の工場への支払いとして資金が流れていくわけであります。特に地方にどうという——問題は銀行預金が今後どういうような趨勢をとるか、それとこういうものとの関係がどうなっていくかということだろうと思います。

毛利松平自由民主党

○毛利委員 大体産業別にながめますと、系列というパーセントは少ないし、しかも大体は大企業にしか社債なり上場株はないという点で、投資は必然的にそっちに行く、従って、設備過剰への規制はゆるやいで、どうしても今私が申し上げましたような傾向に自然の金融革命が起きておる、こう認定すべきじゃないか。しかも、この点にこそ銀行局と理財局との勇断を持った配慮を今後具体的に考えておかなければ、相当政府の方針と逆行する事態が起きる、こういうふうに私は考えておるのですが、さらにこの点に対する見解を、あれば聞かしていただきたい。  次に、これは大臣に質問すればいいのだと思いますけれども、おいでにならぬですから、政務次官に御質問さしていただきます。政府は、貿易の自由化や産業構造の成長と企業の国際競争力を強化するために、預貯金の金利を下げてまで低金利政策を行なっている。このようなときに、高利回りの公社債投信を発足させて、資金を調達する道を広げるということは、金融正常化の逆コースではないか。さらにまた、同じ大臣が、一方で低金利政策を、また他方でこれに逆行するような処置をとるのは、金融政策の一元性を欠いておるのではないか。実施の時期を誤っておるのではないか。新聞紙上に見るごとく、証券行政をゆるやかに、銀行行政をきびしくということを盛んに書いておりますが、これに対する見解をお示し願いたい。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 最初の方の点からお答えさしていただきます。今後今のお話のように社債が相当多額に出るということになりますと、金融機関からの貸し出し、社債、これは増資もあるわけですが、この三つの外部資金の調達方法、これは十分相互関係を見て、適当なる調整をしていく必要があるだろうと思います。社債はやはり発行者の希望によるものだと思いますが、一応の限度がやはりございます。それで足りないところを結局金融機関がめんどうを見ていく、あるいは社債の発行の時期につきましても、これはいつでも好きなときにできるわけでございますが、社債の前貸しというような意味での金融機関の機能というものも昔はあったわけであります。そういう点も今後はますます活用されまして、社債と、金融機関からの貸し出し、あるいは増資、この三本が一体となってうまく調和をとって進んでいくべきだろうというふうに思うわけであります。なお、この社債も、やはり相当程度発行ができますと、どうしても自然に、その面からいっても、社債の金利というものも貸出金利と大体調和がとれるわけでありますから、金利が下がっていくということは考えられるわけであります。金利は、預金の金利だけでなくて、全体的に金利がバランスをとって下がっていくというのが今の方針だろうと思いますが、その方針には大体合致するのではないかと思います。

大久保武雄自由民主党大蔵政務次官

○大久保政府委員 ただいま毛利委員からお示しの銀行行政と証券行政、そこに何か矛盾がないかということでございますが、銀行にやかましく、証券にゆるく、あるいは甘い銀行、辛い証券、そういったような考え方でなく、十分金融全体のバランスを考慮に入れまして、ただいまお示しの点を配意いたしまして、今後の政策に遺憾なきを期したい、さように考えておる次第であります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員 一元性を欠いておるじゃないか、逆行しておるじゃないかと私は思っておりますが……。

大久保武雄自由民主党大蔵政務次官

○大久保政府委員 ただいま理財局長からも申しましたように、社債投信等につきましても、もともと所期しておりまする経済成長に負うべき使命があるわけでございまして、その健全なる使命を十分伸ばしていくという意味におきまして、両々持っております特性を生かしながら今後の経済成長をはかっていきたい、かような考え方でございます。

毛利松平自由民主党

○毛利委員 最後に、間接投資から直接投資への問題であります。個人の証券を通じて間接投資から直接投資へということで、公社債投信ははたして直接投資かという問題を聞きたいのでありますが、これに対して、換金自由を建前として零細な貯蓄を集め再投資する限り、間接投資じゃないじゃないか。これによって公社債の流通市場を作るというが、投信の中での売買だけによって流通市場がはたして確立するか。もし決算期がきてそのときの募集がはかばかしくいかない場合に、投信の中でも売買ができないととになりはしないか。こういう点について伺いたい。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 直接投資か間接投資かというのはなかなかあれでございまして、投資信託の証券を買う、投資信託会社が社債に運用するという意味においては、間接投資のような——これは社債を主とする投資であります。だから、社債を伸ばすという意味では、直接投資を伸ばす方法だというふうに考えられるわけであります。  それから、今後の換金の問題でありますが、これは流動性の問題がございまして、社債市場を今後どういうふうに持っていくか、私どもとして非常な問題でございます。御指摘の通りで、私、個人的には、社債の発行方法なんかも、今後条件改定とかなんとかいうことがございましたら、いろいろ考えていくべきじゃなかろうかというふうにも思っておりまして、勉強しております。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 辻原弘市君。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 時刻も昼下がりになりまして、腹もだいぶすいてきたのでありますが、いましばらくお許しを願いたい。従って、重複は避けますし、大臣等に関する問題は別の機会に行ないたいと思いますが、しかし、できれば政務次官から政府の方針については明確に一つ答えていただきたいと思います。  最初に、先ほどからるる同僚各委員から問題が提起されておるのでありますが、事はやはり、証券行政全般に対する政府の基本的態度は一体具体的にどうか、こういうことだと思う。その意味で、第一番の問題は、投資家の保護ということについて、現状ははたしてこれで万全であろうか。今まで具体的な問題が提起されておりますが、私も、一つ具体的問題を一、二例示いたしまして、お尋ねをいたしておきたいと思うのであります。  まず、健全な取引を行なわしめるために、どういうような具体的方法が、先ほどから分析をせられましたような今日の証券市場の中において必要であるのか。これはいろいろ大所高所きめのこまかい点もたくさんございますが、一、二私が例をあげてお伺いをいたしますけれども、まず、私は、一体不健全な取引というものはどういう認識に立つのか、どういうことをもって不健全な取引というのかという概念的な問題を、これは時間があれば少し突っ込んで聞いてみたいと思ったのでありますけれども、常識的に投機的、人気的な様相と非常に一般が受けるような取引市場、これをもって不健全な取引と今申しましょう。それに対して、従来大蔵省は、これは技術的な面にわたりますけれども、しばしば規制ということを考えられて、そうして具体的な方法をとっておられる。ことしに入ってからもうすでに二月の七日、九日両日にわたって規制の措置が講じられているが、一体この規制措置が、今日の一般にいわれている人気的傾向、投機的傾向を生みつつあるのじゃないかというその要素に対して、どういうような効果があったのか。また、本質的に、前段申した健全な市場たらしめるために、そういうような規制の方法というものが根本策となっておるのかどうか。何回も回を重ねてやられて、はたしてどの程度の効果があったのか。私は、一度行政当局に、そのやられたあとの効果について承っておきたい。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 株式取引の一般的な行政当局の関与の方法あるいは関与の限度という問題、いろいろ問題がある点だと思います。おそらく国会でも今までたびたび御答弁しておると思うのでありますが、行政当局としては、株価の高い低い自体には干渉をいたす立場にないと思うのであります。これは一般投資家の冷静な多数の判断できまるものであります。ただ、その価格形式の過程において、あるいは投機化したり、人気化したりするような場合がありましたときに、これを排除するのが一つの任務かと思います。そういう意味で、従来も信用取引の規制その他をやってきたわけであります。ごく最近におきまして御指摘のような規制が行なわれておりますが、これはまず最初に現われましたのは、東京証券業協会長の名前で、いわゆる一般的な……

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 時間がないから、そういったことの説明はわかっているからよろしい。一体そのあとの効果についてどう判断するかという私の質問に対して答えて下さい。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 それは、ごく最近行なわれましたのは、御承知のように大蔵省がやったわけではございませんで、取引所が警告を発し、一部信用取引銘柄を規制し、報告銘柄に指定するということをいたしたわけであります。規制をいたしました銘柄については、その後比較的穏やかな傾向を示しておるわけでありますが、その他の銘柄について似たような状況で、株界全般としてはかなり強い情勢を示しておるというような状況だと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 詳細にその後の推移を説明することを省きますが、二十三銘柄について増し担保を取った。それから八銘柄については売買内容の報告を求めた。ところが、私は、今までのこういう規制のあれを見てみますと、これはよく経済欄等にもひやかされておりますけれども、ちょうど空気まくらの片一方を押えると片一方はへっこむけれども、そのあおりは片一方に現われる。こういうことが今大蔵省あるいは取引所の間においてやられている規制の実相ではないか。それが今日常に同じようなことを繰り返しつつ、株は依然として国会においても指摘されるような状況を示現している。そこらに大蔵省のいわゆる行政指導——これは取引所がやったのだということはわかっているわけでありますけれども、問題は大蔵省の行政指導にあるわけなんですから、こういう小手先のことで健全な市場の育成ということが行なわれるかどうかに多大の疑問を持つ。だから、それについてわれわれは少なくとももう少し根本策にメスを入れて——健全市場育成ということが資金調達の上に今後ますます重要性を帯びてくることは必至なんです。その中に一体どういうような根本策をやるかということは、今日われわれも考究したいところであるし、またあなた方にもお尋ねいたしたい根本の問題である。だから、今まで何回もやったことを繰り返すという程度ならば、健全市場育成を言ったところで、従来以上に出ないでありましょう。一体根本的問題はどこにあるのかというようなことを、もう少し具体的にあなた方に承りたい。  たとえば、先ほどからお話にありますように、これは一つの例でありますが、健全な市場取引をやらせるために、たとえば投信の株式組み入れ率を十月以降三月まで百八十億に縛った。ところが、その縛ったことがはたしてあなた方のもくろむような方向にいっているかどうか。これにもわれわれ考えておるような疑問があるのです。今常識的にいわれておる品薄相場というものは、あなた方が規制をされようとして指導されたことによって、その一つの目的が結果として逆の方向に現われてきておるということも、われわれは感ずるのであります。百八十億に縛った。手持金が少ないために、特に投信を開始しておる会社においては基準価格の競争が行なわれる。そうでないと募集成績が上がらない。百八十億の金では、いわゆる大型株と称せられておる膨大な資本力を要する、資本構成の大きいものについては大量に手がつけられない。だから、最も目先早く動くものを少量の資金でもってこれをやる。だから、少量の百八十億の資金でもっても、小さいものであれば動く、それが一因をなしておるとすらいわれておる。そういう点についてのあなた方の反省はございませんか。どうです。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 下期百八十億に投信のワクを抑えました結果、むしろ品薄株が値上がりをしておるのではないかという御質問かと思いますが、私ども投信に金が集まるということは、根本的にはやはり直接投資に向く資金が集まるということでありますので、大筋としてはけっこうなことだと思うのであります。ただ先ほど来いろいろ問題がありました株式の需給の関係、相場の関係等を考えるとともに、各社間の設定競争式な過当競争が行なわれないようにというような両方の観点から、この百八十億というワクをきめておるわけであります。百八十億で少な過ぎるためにというお話でございましたが、百八十億というのは、上期に多少ワクの規制の仕方は違っておりましたが、設定ワク三百億という規制の方法でありましたが、実態的には大体資金純量といたしましては下期の百八十億と同じような資金量で押えてきたわけであります。それで、それ以上こしたものは社債を組み入れるならばけっこうだ、社債の消化促進にもなるし、同時に投信自体に安定部分が増すことにもなるというような趣旨で、そういう規制の方法をやったわけであります。従って、百八十億が従来のワクから比べて特に資金的に少ない、そのために品薄株だけを投信が組まざるを得ないというような感じでは私どもはいないわけであります。むしろ逆に、そのワク外に社債消化といういい方の効果が出たのではないかという感じがいたしておるわけであります。  それから、ことしに入ってから投信がそういう品薄株をいじって組み入れておるかということでありますが、この一月以来投信自体はそういう動きはあまりしておらないようでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 調査官が直接触れられて、その業務内容を精細に調べられた結果であろうと思いますから、逐一反駁はいたしません。しかし、今お答えになったことが今日のはたして常識であるかということについては、私は疑わしいものがあると思う。ところが、今最後に言われた答弁において、一月以降投信の中にそういう一つの基準価格の上下の作用の激しいような、いわゆる投機率というか、そういうものの大きいものを組み入れておらないということは私はないと思う。そういうあなたの言われたような実態に今日はないと思うのです。それから、ワクを押えたことが投信市場の開拓になった、これは問題の本質のとらまえ方が違います。私の今言っておることは、証券市場の公正健全な発達を促すためにどうあるべきかということです。社債市場の開拓ということはその次の問題に出てくる。たとえばボンド・オープン市場の開拓であるとか、あるいはさらに金融全般の問題として解決をつけていく本質的な問題である。だから、一つの投信作用をもって、ボンド・オープンを除いて、それ自体でもって社債市場の育成なんということは少しおこがまし過ぎると思う。しかし、そういう論議をやっておりますと果てしがありませんから、その次の問題に移ります。  私が今申し上げたのは、ごく短時間の間に小手先の技術的なことでは、今の証券市場の健全な育成ということは困難な情勢にあるということを申した例にすぎない。それよりも、もう一つ、これも根本策ではないかもわからぬけれども、私は、小手先よりもっと必要な今日の施策であろうと思われるのは、証券会社それ自体のあり方、証券会社の健全な運営、経営というものに対して、どう適切な指導を行なっておるか、あるいは必要とあらばどういう立法的措置が必要であるのか、法律の改正をあなた方が期待をせられるのか、そういうことについての意見を承りたいと思うのです。  これも一、二の例をあげましょう。先ほど毛利さんが言われておりましたが、たとえば銀行であれば、今日銀行に対する公共的使命から、銀行法による規制と同時にかなりの恩典を与えておる。ところが、それに比べて、一体それじゃ、今日銀行と同じようなウエートをもって高まりつつある、大衆の側からいえば一つの預貯金の場であるし、また資金調達の立場からいうならば資金調達の市場となりつつあるこの証券会社に、はたしてそれだけの義務とまたそれだけの保護を与えておるかという問題がある。もちろん今日常識的には証券会社はもうかっておるから、そんなことは必要ではない。私は、証券会社自体の貸借対照表、あるいは利益、損失を云々するのではありません。証券会社を通じてこれに信託をしている大衆の側の保護という立場において、寄りかかっている木が腐っておっては何もならない。大衆が寄りかかっておる木が健全でなければ、これは健全であろうと思って寄りかかった木が腐っておって、思わず知らずそこへ倒れてしまったなどということはとんでもないことなんだから、その寄りかかる木を健全にしなければならぬということを言っておる。たとえば投信がどんどんふくれ上がってこようが、ボンド投信がふくれ上がってこようと、また在来の通例の株式売買の量がふくれ上がってこようと、いずれの場合を問わず必要なことは、それを扱う証券会社が、たとえば株の下落あるいはその他の事由によって、大衆の動向によって、銀行でいえばかつてあったような取付、証券会社でいえば投信なら解約、株であれば売り、こういう事態が起きてきたときにおいても、その資金の需要にたえ得るという健全な経理内容を備えておらなければならぬ。そのためにどういう具体的方法が今日とられておるかということについて、行政当局としては具体的に御説明をなさり、さらには現在考えておられるような構想があるならば、一つ承っておきたいと思う。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 基本的に証券業者に対する監督と申しますか、そういうものと銀行に対する監督の一番の違いは、片一方は届出制度であり、片一方は免許制度であるということだろうと思うのであります。証券会社にもいろいろのものがございます。先ほどお話のありましたディーラー業務とブローカー業務を分けるべきではないか。普通の売買以外に、証券の引き受け業務、あるいは投資信託、あるいは運用預かり、いろいろのものがあるわけであります。大体の方針といたしましては、今の法律で免許にすべきか、あるいは届出のままの現状でいいのか。こういういろいろな形態と申しますか、実際的にはいろいろと違うものを、一体どういうふうに扱っていくべきか。これは慎重に研究を続けているところでありまして、証券取引審議会にもその点は研究してもらうことにしているわけであります。しかし、現状では届出でありますが、証券業に対して今までとって参りました監督と申しますか、投資者保護の立場から私どもがとって参りましたことは、一つは資本金をふやすということ。これは十分じゃないと思いますが、昨年ですか、全体的にいろいろ意見がございましたけれども、ある程度増資をすることに——増資と申しますか、最低資本金を引き上げることにはなったわけであります。それから、第二は、負債倍率、こういうものは銀行にあるかどうか私ははっきりいたしませんが、負債倍率は法律上は二十倍の範囲内ということになっているわけですが、これを実際上そのときの状況に応じて低くするというようなことで、そういう点を投資者保護のために監督しているわけであります。それから、今まである程度利益を上げて参りました。これをできるだけ内部に留保するということでいろいろ工夫をするように、私どものそういう指導ということで、証券業者にお願いしております。十分かどうか、いろいろ御批判はあるかと思いますが、私どもとしてはできるだけ全部内部に留保するようにということにしているわけであります。  それから、一番の問題は、証券業が自分で株を持っているということが、一つの大きな将来に対する問題であろうと思います。これは負債倍率とも関連するわけでありますけれども、なるべく手持ちは少なくする。ただしかし、日本の証券業の形態といたしまして、ある程度商品を持っているというようなことが現実の扱いとしては必要でありますので、その必要最小限度においてなるべく商品を持つ。むしろ証券業というのはできるだけ取次的なサービス機関になるようにというような気持でやっております。今までのならわしとか、いろいろなことがございますが、そういう意味で、証券会社としてはできるだけ手数料収入で収支を償うようにというふうには考えてきているわけであります。そういう面で、昨年手数料自身も、収益が上がりましたから、一般的に高いともいわれておりましたりするので、手数料は下げるようにということをこちらから話をしまして、大衆の売買のものについては大体一五%下げるということ、これはやはり売買高との見合いで、経理が悪くならないという点を見合いにしながらのかね合いだ。今後売買高がふえればまた下げるということにはなると思いますが、そのために赤字を生じないように、できるだけ工夫はしているわけであります。大体そういうようなことを経理としては心配しておりますし、また広告とか何かそういうような費用についても、ある程度割合といいますか、そういうものによってむだな経費を使わないように指導しているわけであります。  それから、投資者自身に対しましては、実は先ほどお話がありましたように、こういう株式やなんかでありますから、どうしても市況によって上下があるものであります。上下があるといことはよく認識してもらうように、その点特に投資信託なんかについてずいぶん誤解があるようなことがございましたので、それを除くことについては、従来ずっと努力して参りましたし、投資信託を扱っている証券会社としては、そういう点は今まで十分注意しているのだというふうに考えております。  大体以上のようなことであります。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 監督行政を強化するということは当然必要な措置でありますが、同時に、ただ監督を強化するということだけでは、証券行政のみならず、すべてのことにおいて別の抜け道を作るということなんだ。だから、それ自体健全な方向をたどり得るような行政指導というものが、その裏づけとしてきわめて重要な問題ではないかと思うのです。たとえば、今あなたが言われた、内部留保について指導している。これはけっこうなことだが、これは私個人の考え方ですけれども、場合によれば、たとえば電力会社が渇水積立金の積み立てをやる。それと同じような意味合いにおいて、投資家保護のためにこういう一つの積立金の制度というものをやる。また、現在はたしてそういう種類のものについて税法上の措置がどうなっているか、私は克明にいたしませんけれども、必要とあらば、それを強制するのみならず、自然的に留保積み立てが行なわれていくようなそういう善導も、これは行政上の指導のあり方としては必要ではないか。そうすることが、健全な証券業者の内容を作り上げていくことです。これは一例で、今御説明があったからそう言うのでありますけれども、そういったことが順次行なわれて、最初にあなたが例にあげられた資本金を増大するといいましても、今日扱われておる実際の売買の総額等から比較いたしました場合に、少々の資本金を増大したところで、こんなものはまさかの場合には役立つものではない。ただ、対外的にこの程度の資本金になったという信用程度を表示するものにすぎない。だから、実質的にその会社の経理内容が健全であるというふうなことにするためにはどうあるべきかということについても、もう一歩深く検討をされることを私は希望をいたしておきたいと思います。それについてどうでありますか。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 理財局といたしましては非常にけっこうなことでございまして、何かそういうような準備金ができれば、これに越したことはないと思いますが、銀行なんかの場合には、貸し倒れ準備金というものがあるわけであります。証券会社の場合には、結局手持ち商品の、つまり準備金評価による償却的なもの、これは私自身としては一つの矛盾を感じているわけなんです。何か今のようなそういう適当な非常にいい準備金ができれば、それに越したことはないと思っております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 これは多くを申し上げないでも、その趣旨はわかると思うのでありますが、たとえば火災保険会社にしても、一つの準備金制度を持っている。あるいは一般会社では、貸し倒れの準備金をとっておる。それと同一にいくかどうかは多少疑問があるでありましょう。しかし、何かそれに類するような、一つの準備金制度というものを検討する要があるのじゃないかということをつけ加えておきたいと思います。  それから、時間がありませんので、次の問題に移りますが、証券会社の健全化ということの中に、一つ考えなければならぬ問題は、最近の傾向として、大証券と中小証券との問題があると私は思うのです。大証券は相当資本投資も行なわれて、かなり他の事業会社等に比べても遜色のないような事業形態並びに資村構成を持ちつつある。また人的配置においても相当高度な要素を持ってきつつある。ところが、中小証券の場合には千差万別だと思いますが、中小証券、大証券をひっくるめて、投資家の立場からいえば、もちろんこちらの方がより大きいからいきましょうというので、一つの傾向としては大証券に集まるでありましょう。しかしながら、また外務員その他の勧誘によって、中小証券は中小証券なりに立っておる。その特色も持っておる。ところが、現実に考えられることは、経理内容においても、また実際の取り扱う量におきましても、相当な開きが今日起きてきている。この格差を縮めることが今日必要ではないか。そうすることが、あげて投資家は、いずれの証券会社に対してもその信用度合いを増して、それに寄りかかっておっても大丈夫だという安心感が出る。ところが、たまたま先ほどの例にも出ておりましたような問題が出て、大蔵省から業務の停止を命ぜられるというようなものがここに起きる。そこに問題があるのではないか。だからその格差を縮めるということについて何かお考えはないか。たとえば、今あなたは、健全な運営のために、株式の売買だけによらず、手数料によって少なくとも一般業務の経営が成り立つような指導をしているということをお話しになりました。その中で、公社債の取り扱い業務、これは取引法によって、証券会社があげて行なうことができるようになっております。ところが、実態はどうかということを調べてみれば、私はどこどこということは申しませんけれども、八〇%までは、今日大証券といわれておるところがやっている。残る二〇%のみが、それこそ群小の中小証券がおこぼれをちょうだいしておるということです。この一例を考えてみても、手数料収入によって健全な経営が行なわれるということであるならば、そうした偏在的な事柄をも是正する必要があるのじゃないか。とういう点については一体どうですか。

西原直廉大蔵事務官(理財局長)

○西原政府委員 辻原先生もよく御承知のように、また御指摘のように、証券業者は五百五十くらいあるわけであります。また四社以外の中小と申しましても、いろいろな形態また規模であります。そういう点で格差をなくすということは、いろいろございましょうけれども、なかなかそこのところがむずかしい問題で、これは御指摘の通りであります。  それから、公社債の売買でございますが、私も、株式の売買だけでなくて、できればそういう債券の売買というようなことでの手数料、これは引き受けの方もございますし、それから引き受けをしたものを、あとで、先ほどのブローカーになるか何になるか知りませんが、売りさばきの方もあるわけであります。引き受けになりますと、これは何も四社に限るわけではございませんが、ある程度の資本金、現在は一億ということになっておりまして、一億以上のものが引き受け業者ということでやるわけでありますが、この引き受けの方法につきましても、特にこれから社債の発行額もあるいはふえるかと期待ができるようなふうでもありますので、いろいろ研究を今早急にすることにしております。しかし、これは片一方で、業者がやるべきだというのと同時に、いろいろな意味で、堅実な資産の運用とかなんとかいうような点もお話がありましたように、いろいろなかね合いがございますので、全部を平等というわけにも参りません。どういうのが一番いいのか、そこらのところはなかなかむずかしい問題があると思います。しかし、いずれにしましても、株式の売買だけでなくて、債券の売買ででも、業界がある程度の収入を上げていくということは望ましいことじゃないかと、前々からそういうことを中小業者の方にもお話をしておるわけでありますけれども、中小業者の方は、そちらの方にはあまりお考えをお向けにならないのが現状であります。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 時間の督促もされておりますので、できるだけ省略しつつお尋ねをいたしたいと思います。  次に、先ほどからもいろいろ論ぜられておりましたボンド・オープンの問題でございますが、この間から大蔵大臣、それから昨日でありましたか、来ていただきました日銀総裁初め金融関係の人たちも、あげてこのボンド・オープンの開始が社債市場育成の新生面を開いたという意味で歓迎しておられますが、私も総括的な意味においてはその通りだと思います。ところが、内容につきましては、もちろん生まれて早々のものでありますから、今直ちにそれをもってああだこうだという議論も、いささか尚早に過ぎるのじゃないかということも考えるのであります。しかしながら、そのときに感ずることは、やはり問題として提起しておくことが必要じゃないかと思うので、一、二問題を提起いたしたいと思います。  その中で、今ボンド・オープンに組み入れられておる銘柄というものは公社債ですが、政府全般の——これは理財局長じゃなしに、ほんとうは大臣にお尋ねをいたさなければならぬと思うのでありますが、政務次官から御答弁を賜わりたいと思いますけれども、これは国会でもまた政府の部内でもしばしば議論されたいわゆる国債の発行の問題であります。今、市場育成ということでボンド・オープンが開始されて、公社債の組み入れをやったが、近い将来にもし国が国債を発行したような場合には、そういうことをも引き受けさせる一つの市場たらしめるというような下心がありはしないかどうか。いささかかんぐり過ぎるというような議論もあるかと思いますけれども、これらについて、国の一つの将来の方向として、この機会に私ははっきりさせておきたいと思います。政務次官いかがでございますか。

大久保武雄自由民主党大蔵政務次官

○大久保政府委員 辻原委員からお尋ねの国債の発行でございますが、政府といたしましては国債の発行ということは考えておりませんので、社債市場をそういうことの伏線にしておるということも、これはないものと一つ御了承をいただきたいと考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 当てになりませんけれども、一応承っておきます。  二番目の問題は、こういうことなんです。今盛んに金利引き下げの問題が議論せられておる。ボンドが開始せられたのは一月である。四月には郵貯その他の利下げが案として立案をせられておる。さらには長期金利の引き下げも考慮され、あわせて公社債の利下げの問題も日程に上っておるということは、すでに去年の時限においても明らかだ。ところが、そういうことに先立ってこのボンド・オープンを認可したということについては、これは、しろうと考えに考えると、時期的に見てどうも適切ではなかったという印象を受けるのですが、これについて責任者として政務次官は一体どうなんです。

大久保武雄自由民主党大蔵政務次官

○大久保政府委員 先ほど来理財局長からも申し上げておりますように、社債発行の拡大といったような一般経済社会の要望もつとにありましたことでもございまするし、さような一般的な状況下におきましてとりました政府措置でありますことを、御了承いただきたいと存ずる次第でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 せっかく御答弁をいただきましたけれども、それはお答えにはならないと思います。はなはだ失礼ではあるが、何も社債市場育成の問題は正月だけの問題じゃないのです。ところが、金利を引き下げるという問題は、少なくとも本年度の金融政府の重要な問題なんです。そうたびたび行なわれる問題じゃない。ということは、非常に多量な応募があって、大量に設定ができた、これはけっこうなことだと思いますが、しかし、それに応募した人々の感覚から言うなれば、それは将来郵便貯金は下がる、あるいは銀行定期も下がってくる、公社債についてはあるいはこれはのがれるのじゃないか——別に私は証券会社がそういうキャッチフレーズをやったとは言いません。言いませんが、これならばいいのではないかといって、そこへ殺到したような一つのムードもあったのじゃなかろうかと思うのです。ところが、集まった、募集したそのあとに、今度は公社債の利下げも行ないます、こういうことは、行政として——これを業として扱う人々は、これは一つの商売でありますから、とかくは言えないと思うのですけれども、しかし、少なくとも政府という機関が金融政策の一環として取り扱っておる重要な問題の中に、そういうことの決着も見ない直前にこれを許可するということは、はたして行政上適切であるかどうかということを言っている。悪いとは言っていない。(春日委員「不親切でないか」と呼ぶ)春日委員の不親切ではないかという言葉が適切であると私も思うのであります。少なくとも行政上適切さを欠いておる。もう少し先の話を込み入って申し上げればいいのですけれども、それは省きます。われわれはいろいろなことを聞いております。少なくともそういう金利政策の一環の中で、その直後において大衆が受くべき一つの金利というものを予定して物事をやるならばけっこうであるが、そうでない以前のものによってたくさん集まった、これによって市場が開拓せられたなどという甘い考え方で金融政策を政府がもしやっているのならば、とんでもないことだと私は思う。これがいいか悪いかについて政務次官から答弁を賜わろうとは思いませんので、ただ一言それだけを申し上げておきます。  次の問題は、やはり社債市場育成ということの中の一つの問題点は、これは先ほど毛利さんもちょっと触れておられましたけれども、もちろん小さい会社が社債を発行できないということはあり得ないでしょう。しかしながら、おおむね社債を発行でき得る会社というものは大会社である。中小企業以下は現実に発行していない。そうするならば、このボンド・オープン等によって、どんどん産業資金が今のような状況で、今後も継続して調達せられるということになれば、これは金融政策ではありませんけれども、しかしながらこれは東京電力の話も新聞に出ておりました。百五十億の資金がないと嘆いておったところが、今度のボンド・オープンによって救われた——けっこうなことでありますが、大事業会社がどんどんと一方においては政府及び民間の協力あるいは系列銀行のあと押しによって資金調達もできる。さらにはこの生面を開いたボンド・オープン市場からもまた手当ができる。設備の更新が行なわれ、近代化が行なわれる。ますます中小企業との間の格差が広がりはせぬかということを私どもは心配する。だから、一方において市場育成ということは、結局においては大資本あるいは大企業の近代化、設備改善ということのみに目を奪われる結果に陥りはせぬかということをわれわれは心配する。ただそれはそれとして、だが一体中小企業についてはどうするのか。たとえば地方銀行あるいは相互銀行等の資金は——都市銀行はそうでないけれども、これらの大量に今後動いていくであろうこの投信市場に向かって、一般の零細な預貯金というものがやや減る傾向にある。私は、相対的な立場からいうならば、今程度のふえ方で銀行が斜陽化するなどということは、いささか仮想に過ぎると思うのでありますけれども、しかし、ものによって、銀行によって、またその地域によっては、かなり痛手を受けるところも出てくる。これらはあげて中小企業のいわゆる資金パイプ——一方においてはそういった取引銀行の預貯金は減ってくるが、一方においては社債市場において大企業はどんどんよくなる。そのうちで一体中小企業はどうするかということは、これは理財局だけの問題ではありませんが、一体政府としては、そういうことをもおもんぱかって、その格差をなくするために、従来より以上の問題が出てきておるということに気がついて、その対策を講ずるということも今日必要な段階に迫っているのではないか、こういうことを考えるので、この点については一つ政務次官からまたお答えを願いたい。

大久保武雄自由民主党大蔵政務次官

○大久保政府委員 大へん重大な点を御質問になりまして、私どもも、地方中小銀行の預貯金がこれによって影響を受けるということでございますならば、まことにこれは重大だと考えておる次第であります。まだ十分にその傾向を的確に把握するところまでいっておりませんが、私どもといたしましては、将来に向かって十分戒心しなければならぬ点である、かように存じておる次第でございます。地方の中小企業の繁栄を確保する、かような意味から申しますと、今回のボンド・オープンによりまして相当な大企業の生産の拡充に伴いまして、逐次それが中小企業の方にも潤っていく、かようなことも考えられましょうし、また第二市場と申しますか、先ほど春日さんからも御指摘のありましたそういう面におきましても、今後考えていかなくちゃならぬ。中小関係の方面におきましても、相当な社債等を発行して資金をまかなうという一つの経済的な面も起こってきております傾向もございます。さような点から申しまして、今後とも、中小金融機関の育成、中小企業の保護ということにつきましては、十分御指摘のきめのこまかい配意によりまして万全を期していきたい、かような存念をいたしておりますので、どうか一つ御了承をいただきたいと思う次第でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 最後の方だけ少しわかりましたが、もちろん、金融の問題だけではなくて、政府の施策全般として中小企業の育成ということになお留意する必要を私は強調しておいたのであります。金融あるいは証券市場の問題においても、今政務次官から最後に言われ、先ほどからも論議のときの重大な問題になっておる第二市場開設ということは、今の市場が狭いという一般論のほかに、やはり問題は、最近の株式市場の傾向を見ても、従来は、たとえば特定銘柄あるいは第一類銘柄といったような、比較的事業規模の大きい会社の株式あるいは銘柄が中心になっておったのが、最近の傾向は、いわゆる店頭株というものが躍っておる。その一因をなすものは、やはり市場の狭隘——それで、その店頭株なるものは、少なくとも資本金一億円以下の、そういう中小企業に類した——中小企業とは言えぬでありましょうけれども、大企業に比較して資本の寡小なものを中心としておる。とするならば、中小企業育成の観点から見ましても、やはり第二市場を開設することによって、資本構成からながめてみて現在最も問題とされておる、たとえば三千万から五千万程度の会社の株式、こういったものが公正な取引によって市場価格がきまっていくというふうなあり方を作ることも重要な問題でないか。だから、先ほどからの答弁では、あげて審議会の議ということであるが、問題はやはりあなた方大蔵省の一つの出方、政府の出方にかかるわけなんです。だから、今日各方面の意見を徴してみても、この市場開設の急務ということがいわれておる。だから、その意味において、今政務次官も、たまたま中小企業対策の一環としてであるかのごとき第二市場問題についての答弁がありましたので、それについて私はひっかけて言うわけではありませんけれども、重ねて、この問題について政府は早期開設を断行せられる考えがあるかどうか、この点を確かめておきたい。

大久保武雄自由民主党大蔵政務次官

○大久保政府委員 ただいま申し上げましたような趣旨によりまして、せっかく証券取引審議会にもかけておりますので、一般の考え方も承りました上で、辻原さんの御趣旨を十分含みまして善処いたしたいと存ずる次第でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 最後にお尋ねいたしておきたいのは、よく問題になる日証金の制度のあり方です。証券担保金融という立場からいって、もちろん全然他に例がないことはないと思いますけれども、ほとんど私はこの日証金が扱っておると思う。で、今一つのバロメーターは、たとえば日証金の融資というもののワクが三百億あるいは三百億前後、こういうふうにいわれておるのでありますが、今の市場規模からして、はたして日証金のこの程度のワクというものが妥当であるかいなか、これについての行政当局の考え方はどうか、これを一ぺん承っておきたい。以上で終わります。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 日証金のああいう証券金融のあり方自体について、いろいろ根本的な問題があることは十分御承知の通りであります。日証金の今の三百億程度のワクの問題は、総ワクについてのワクがあるわけではございません。ただ、各証券業者別に一定の限度を設けまして、それ以上になるといろいろ負担の重くなるような制度をとっておりますが、従来の市場規模の小さかった時代に比べまして、そのワクをもっと広げたらどうかという議論が確かにございます。ただ、われわれといたしましては、そういう市場規模との関連で問題がありますと同時に、現在そういうワクを拡げまして信用取引全般を盛んにさせるのが適当な時期かどうかについては、多少疑問を持っております。そういう状況でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 先ほど忘れましたので、一つお尋ねしておきたいと思います。証券取引法第五十六条に証券業者の外務員の届出制度というのがありますが、これは厳密に行なわれておりますか。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 現実に行なわれております。ただ、間々検査をいたしました場合に、それが十分に励行されていないというような場合がありまして、その程度によっては処分までいたしておりますから、完全に百パーセントということは申し上げかねますが、大体励行されていると考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 これは問題がきめが少しこまかいように思いますけれども、先ほどから私が言っている投資家のみならず、証券会社にとっても、第一線に働く外務員の方々のあり方というものが非常に重要な問題ではないかと思う。法律によれば、これは単なる届出でありまして、はたして全体が届け出てどの程度の効果があるか疑問に思ったものですから、お尋ねしたわけであります。今後当委員会においてもこれに関する小委員会等が設けられるようでありますから、その辺のところでそれぞれの実態からわれわれも議論をしてみたいと思いますけれども、最近証券会社が急速にふくれ上がってどんどん新しいそういった雇用関係をふやされている。それも非常にけっこうでありますが、これはその外務員となる人の将来の問題、投資家、それから証券会社、この三者の立場に立って考えても、この取り扱う人々、いわゆる勧誘あるいは委託販売等の業務を扱う人々のあり方というものについては、相当考えておく必要があるのではないか。これらはよく耳にする例でありますけれども、預けた株式がどこかへ持っていかれてしまった、あるいは個人で株式の売買をやってしまって、若い身そらでもうける味を覚えて、また続いてもうけようと思ってすってんころりとやられてしまって、親が飛んできたという例もなきにしもあらずと思います。これはその本人のためにもよろしくない。会社のためにもよろしくない。もとより投資家のためにもよろしくない。従って、規制とか監督とかいうことではなしに、そういうことをなからしめるための最善の方法というものが何かあるではないかという印象を受けるのです。従って、そういうことについてもし今日検討されているようなこと、気づいておられるようなことがありましたならば、この機会に承っておきたいと思います。

吉岡英一大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○吉岡説明員 ただいま先生御指摘の通りに、外務員の問題が非常に重要でございます。いろいろな事件と申しますか、何か間違いが起こるのもそういうところから出ると思います。いわゆる戸外的な何か間違いが起こる。そういうふうにだんだんと証券売買なんかが伸びて参りまして、外務員の数もふえるわけでありますので、何かうまい工夫があればと思っております。私ども、いつも、これはやはり今お話しのように、どうのこうのと言うよりは、外務員になる人自身の心がけ、あるいはその人を使う人がどういうふうにいつもチェックをしていくかという問題が一番だと思います。いろいろみんなの方に工夫をしてもらうようにお願いしておりますが、いつもその点はよく注意をしていただきたいというふうに言っているところであります。      ————◇—————

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 この際参考人出席要求の件についてお諮りいたします。  証券取引に関する諸問題について、参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 御異議なしと認めます。  なお、参考人の人選及び出席の日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次会は来たる二十一日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十一分散会

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