大蔵委員会 第2号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/02/02
会議録
○足立委員長 これより会議を開きます。 ただいま本委員会に付託されております所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、有価証券取引税法の一部を改正する法律案、通行税法の一部を改正する法律案、国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例に関する法律案、補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案及び予備付託されております国有財産特別措置法の一部を改正する法律案の九法律案を一括して議題といたします。
○足立委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。大蔵政務次官大久保武雄君。
○大久保政府委員 ただいま議題となりました所得税法の一部を改正する法律案外八法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 まず、今日の税制改正のうち、所得税法の一部を改正する法律案等について申し上げます。 政府は、国民の租税負担の現状に顧み、合理的な租税制度を確立するため、一昨年税制調査会を設けて、国税地方税を通ずる税制改正の諸方策について鋭意検討を加えて参りましたが、昨年末にその中間答申を得、その後さらに検討を重ねた結果、昭和三十六年度におきましては、中小所得者の負担軽減をはかり、企業の経営基盤の強化に資するため、所得税及び法人税を中心として、国税について平年度約一千百三十億円の減税を行なうとともに、最近の情勢に応じ、租税特別措置について整理合理化を行ない、新道路整備計画の財源に充てるため揮発油に対する消費税の増徴をはかる等、所要の税制改正を行なうことといたしております。これらの税制改正諸法案のうち、今回、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、有価証券取引税法の一部を改正する法律案及び通行税法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。 まず、所得税法の一部を改正する法律案について、その大要を申し上げます。 第一は、給与所得者、事業所得者等各種の所得者を通じ、中小所得者を中心として税負担の軽減合理化をはかることとしております。すなわち、配偶者については、新たに配偶者控除を設けて、基礎控除と同額の九万円の控除を行なうとともに、扶養控除については、その控除額に年令差を設け、満十五才以上の扶養親族についての控除額を三万円から五万円に引き上げることとし、事業所得者については、家族専従者の実情、法人の負担とのバランス等の見地から専従者控除を拡充し、白色申告者の場合は、新たに家族専従者一人につき七万円の控除を認め、青色申告者の場合は、現在八万円の専従者控除額を、家族専従者の年令が二十五才以上であるときは十二万円、家族専従者の年令が二十五才未満であるときは九万円に引き上げることとし、給与所得者については、給与所得控除を引き上げ、給与の収入金額から新たに一万円の定額控除を行ない、その残額について四十万円まで二〇%、四十万円超一〇%、最高十二万円の控除を行なうこととしているのであります。また、税率につきましては、課税所得七十万円以下の税率の緩和をはかっております。 以上申し述べました控除及び税率の改正により、夫婦及び子供三人計五人家族の給与所得者の場合を例にとりますと、所得税を課されない限度が現在の約三十三万円から約三十九万円に引き上げられるとともに、百万円以下の中小所得者の所得税の負担は著しく軽減され、かつ各種所得者を通じてバランスのとれた減税が行なわれることとなっておるのであります。 次に、停年退職者の実情にかんがみ、退職所得の特別控除額について、現在の百万円の控除限度額を廃し、現行の年令及び勤続年数に応ずる控除が無制限に与えられるようにしております。 さらに、公社債投資信託の創設に伴い、その利益を利子所得とすること、事業譲渡に類する有価証券の譲渡による所得を非課税の対象外とすること、配当所得または趣味もしくは娯楽に伴う所得の計算上生じた損失については他の所得との通算を認めないものとすること、原稿料、自由職業者の報酬等についての源泉徴収の税率を一〇%に統一すること等、税制の整備合理化をはかることとしております。 第二に、法人税法の一部を改正する法律案について申し上げます。 法人税につきましては、来年度の法人税に関する重要な改正である企業の株式資本の充実に資するための配当課税の改正及び耐用年数の改訂は、別途租税特別措置法の改正等により措置し、法人税法の改正では、主として同族会社の留保所得に対する特別課税の軽減合理化のための改正を行なうことといたしております。現在、同族会社の留保金が一定の金額以上に達する場合には、毎期の留保所得に対して一律に一〇%の特別課税が行なわれることとなっていますが、この制度が中小法人の税負担を重くし、資本蓄積を妨げているという意見があります。そこで、この際この制度に改正を加え、個人所得者との負担のバランス、非同族会社にこの特別課税がないこととのバランス等を考慮いたしまして、毎期の留保所得から一定の控除を行なった後の金額に対して税率を課することとして中小法人の負担を軽減する反面、個人事業者との負担のバランスから、高額の留保所得に対する税率を若干引き上げることとして、制度の合理化をはかっております。すなわち、毎期の留保所得から毎事業年度の所得の一〇%相当額か年五十万円か、いずれか多い金額を控除した金額を課税留保所得とするとともに、その課税留保所得のうち年三千万円をこえる金額に対する税率を一五%、年一億円をこえる金額に対する税率を二〇%に引き上げることとしております。なお、この場合におきましても、その事業年度終了の口における積立金額と当該事業年度の留保所得との合計金額が期末資本金の四分の一相当額に達するまでは、従来のように留保所得に対する課税をしないことといたしております。 以上のほか、非出資組合である商工組合及び商工組合連合会については、その性格に顧み、第五条第一項の公益法人と同様に、その収益事業以外の事業には法人税を課さないものとすること、及び重要物産免税の名称を制度の趣旨に合うよう新規重要物産免税と改めること等、所要の規定の整備をはかっております。 第三に、有価証券取引税法の一部を改正する法律案について申し上げます。 今回、わが国における社債市場育成策の一環として、新たに公社債投資信託が創設され、所得税法においても、その収益の所得の種類を定めたのでありますが、これが取引された場合の有価証券取引税の税率について公社債の場合の税率に準じたものとするため、所要の改正を行なうことといたしているのであります。 第四に通行税法の一部を改正する法律案について申し上げます。 この改正は、最近における生活水準の向上、旅客サービスの改善に伴い、二等寝台の利用状況が相当大衆化されていることに顧み、二等寝台料金に対する通行税を非課税とするとともに、日本国有鉄道が等級呼称の変更を行なったことに関連をいたしまして、通行税における等級区分について規定の整備をはかることといたしているのであります。 次に、国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例に関する法律案について申し上げます。 この法律案は、最近における国債及びその償還財源の状況にかんがみ、一般会計から国債整理基金特別会計に繰り入れるべき償還資金の額について特例を設けようとするものであります。 国債の償還財源といたしましては、財政法第六条の規定による前々年度の決算上の剰余金の二分の一以上の額と国債整理基金特別会計法第二条第二項の規定による前年度首国債総額の一万分の一一六の三分の一相当額とがそのおもなものとなっております。このうち、後者の前年度首国債総領の一万分の一一六の三分の一という額は、大正四年度及び昭和七年度の国債の状況等を基準にして定められたものでありまして、その額は、現状にそぐわない点もあり、また、従来決算上の剰余金の二分の一の金額の繰り入れにより国債償還の円滑な運営を行ない得る状況でありましたので、昭和二十八年度以降毎年度特別の法的措置を講じて、その繰り入れを臨時的に停止してきたのであります。 このような状況にかんがみまして、政府といたしましても、この際、最近の国債の償還状況等にも適合した合理的な減債基金制度につきまして慎重に検討をいたしたのであります。しかるに、ここ数年に満期の到来いたします国債中には、交付国債、外貨債など借りかえ困難なものが多く、かつ、年によりその額の高低が激しいので、画一的な減債基金制度になじみがたいものがあるのであります。また、国債総領の財政に占める比重は戦前並びに諸外国に比べきわめて低いものとなっております。さらに、わが国よりも国債の比重の大きい他の諸国の減債基金制度についても種々検討をいたしましたが、適当な制度を見出すことは困難でありました。一方、財政法第六条の規定により剰余金の二分の一以上の額が国債の償還に充てられることとなり、これが主たる償還財源となって円滑な運用を見てきている状況であります。 このような状況でありますので、現在のところ減債基金に繰り入れる額を画一的な一定率等により特定することは、技術的に見ても困難であり、また、国債の総額等から見ましても、今直ちにこれを特定しなければならぬとも考えられないのであります。従いまして、当分の間、一般会計から国債整理基金に繰り入れるべき金額については、国債整理基金特別会計法第二条第二項の規定による前年度首国債総額の一万分の一一六の三分の一に相当する額の繰り入れを停止し、財政法第六条その他の法律の規定により国債の償還に充てる金額と合わせて毎年度の予算で定めることとしております。しかして、その金額の決定につきましては、国債整理基金の状況、国債償還の見込みその他の事情を勘案し、将来の国債償還に支障を生じないようにすることにしております。 なお、この法律案に伴って、昭和二十八年度から昭和三十五年度までの各年度において国債整理基金に充てるべき資金の繰り入れの特例に関する法律を廃止しますとともに、廃止法律に定められていた日本国有鉄道及び日本電信電話公社からの法定債務の償還元利金の国債整理基金特別会計の歳入への組み入れに関する措置は、経理の簡素化をはかるため、従前と同様今後も継続することとし、本法律案の附則において必要な規定の整備をはかっております。 次に、補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。 政府は、昭和二十九年、補助金等の整理合理化の一環といたしまして、特に法的措置を講ずる必要がある補助金等につきまして補助金等の臨時特例等に関する法律により特例措置を講じたのであります。その後、その処理につき結論を得た補助金等につきましては、逐次別途の法的措置をとりつつ、一方この特例法の有効期限につきましては、毎年これを延長して今日に至っておるのでございます。 現在この法律により特例措置が講ぜられている補助金等につきましては、今後も引き続き検討を進めて参る所存でありますが、その検討により結論を得た上、しかるべき法的措置が講ぜられるまでの間、特例措置を継続することが適当であると存ぜられますので、今回この法律案を提出いたした次第でございます。 次に、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。 産業投資特別会計の財源は、御承知のように、貸付金の回収金及び利子、納付金、余裕金の運用利益金、特定物資納付金処理特別会計からの受入金等をもってこれに充てることになっております。しかしながら、これらの財源は弾力性に乏しいものでありますので、これら財源のみをもって投資の需要を充足して参りますときは、将来において、経済の情勢に応じた適時適切な投資を行なう上に財源の不足が見込まれることもあるわけであります。従いまして、このような場合に備えまして、この財源の不足を補てんするための資金を、あらかじめ財政の事情が許す時期において準備しておき、この資金をもって将来そのつどの財政事情にとらわれることなく、産業投資財源の不足を見た場合にこれを補うこととするのが、財政経済の調整を推進する考え方からきわめて必要であると認められるのでございます。このような理由に基づきまして、さきに、昭和三十一年度において産業投資特別会計に資金を設置し、同年度において三百億円の繰り入れを行なったのであります。この資金は、その後昭和三十二年度、三十三年度及び三十四年度において投資の財源に充当し、財政投資の計画的、弾力的な運用に資して参ったのであります。 しかして、今後の経済情勢に対処いたしまして産業投資特別会計の投資を円滑に行なうためには、この際この会計の資金を充実しておくことがぜひとも必要であると認められますので、昭和三十五年度補正予算により、一般会計から三百五十億円をこの資金に繰り入れることとした次第でありますが、これに伴いまして、産業投資特別会計法に所要の改正をしようとするものであります。 次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案について申し上げます。 日本輸出入銀行は、昭和二十五年十二月日本輸出銀行として設立されて以来、プラント輸出金融を中心として輸出入並びに海外投資に関する金融を行ない、わが国貿易の振興並びに経済協力の推進に格段の寄与をいたして参っておりますことは、御承知の通りであります。 日本輸出入銀行の業況は、わが国貿易の進展に伴って着実に伸びてきており、その融資残高は昨年十二月末において千二百五十億円に達しております。海外からのプラント輸出等の引き合いは、東南アジアを初めとして、今後さらに増加していくことが予想されますとともに、東南アジア諸国との経済協力もまた一そうその実をあげていくものと思われ、日本輸出入銀行の融資を必要とする事案はますます増加する見通しであります。 このような状況にかんがみまして、昭和三十六年度の財政投融資計画において、政府は、日本輸出入銀行の融資見込額を九百七十億円と推算し、このため必要な資金として、同行に対して新たに五百七十億円の資金を供給することといたしております。このうち百二十億円は産業投資特別会計からの出資金を予定いたしておりますので、日本輸出入銀行の資本金五百八十三億円を百二十億円増加して七百三億円とする必要があります。 これがこの法律案を提出する理由であります。 最後に、国有財産特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。 地方公共団体において水道施設として公共の用に供するため普通財産を必要とする場合には、国有財産特別措置法の規定により無償貸付ができることとなっておりますが、現在この規定により無償貸付中の水道施設は、大部分が旧軍用財産でありまして、建設以来すでに相当の期間を経過し、抜本的な施設の改良を必要とする時期に立ち至っております。これらの施設の改良を促進し水道事業を助成するためには、当該地方公共団体に対し水道施設として公共の用に供する普通財産を譲与することが適当であると考え、この法律案を提出した次第であります。 なお、この法律案の内容は、さきに第三十四回国会に提出いたしました法律案の内容と同じであります。 次に、この法律案の概要について御説明をいたします。 地方公共団体において水道施設として公共の用に供するため普通財産を必要とする場合には、その施設の経営が営利を目的としたりまたは利益をあげるものでない限り、水道施設の用途に供する等のいわゆる用途指定をいたしまして、当該地方公共団体に対し土地を除いて普通財産を譲与することができることとするものであります。 以上が所得税法の一部を改正する法律案外八法律案の提案の理由及びその概要でございます。 何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
○足立委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 各案に対する質疑は次会に譲ります。
○横山委員 ちょっと資料の要求がございます。政府側にさしあたり次の資料をお願いいたします。 税法関係では、答申とそれから大蔵委員会に提案をされる諸税法との異なる点を、一つ具体的に出していただきたいと思います。それから、租税特別措置法の改正法案による大体の現状、減税額、第三番目には、ここに家族専従者の年令二十五才以上となっておりますが、これを二十才にした場合の減税額、第四番目は滞納の現状、第五番目は、通行税の減税が出ていますが、この改正案と、それから旅館、飛行機等の通行税との比較、それを利用したらどういう比較が出るかという諸問題。汽車と飛行機と旅館、夜行、宿泊等を勘案してわかりやすいものを出していただきたい。これが一つ。 それから、産業投資特別会計法の一部改正においては、この産投特別会計法の会計の現状がわかるもの。三百五十億の資金繰り入れを必要としておりますが、その現状がわかるもの。 その次には、日本輸出入銀行法がやはり百二十億増加投資となっておるのですが、その輸銀の現状のわかるもの。百二十億が必要な数字的な状態。 それから、補助金の法律においては、補助金の適正化に関する法律の運用状況、特に違反状況。 以上を当面資料としてお願いします。 ————◇—————
○足立委員長 国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。 質疑の通告があります。これを許します。堀昌雄君。
○堀委員 昨日お話が半分くらいで終わりましたので、引き続きやらしていただきますが、きのう私が伺って少しはっきりわかりましたことは、郵便貯金の金利を下げたいということは、金利水準という面からの必要性があるということが一点と、それから、郵便貯金特別会計の赤字があるので、その赤字補てんという意味を含めて下げるのだ、こういうお話が二つあったわけです。今度の利下げ問題というのは、私が最初に伺ったように、本質的にはわが国の産業の競争力を高めるということから金利水準を下げるという意味で今回行なわれたということは、その関連は明らかだと思います。郵便貯金特別会計法の赤字があるから下げたんだということは、それは補完的にはそういう意味があったかもわかりませんが、本質的にはそれは従的なものであると私は理解をするわけです。そこで、それでは金利水準という問題を取り上げてみるときに、私は、昨日も申し上げたように、金利水準の立て方を動かしていくのは、貸し出し利率を下げるのが先行するのであって、貸し出し利率を下げた場合に、それにバランスをとった預金利率の変更ということが物事の順序であろうと思います。そうすると、そういう水準の問題が一つあるだけでなくて、今の日本のこの金融体系の問題を離れて金利水準の問題を論ずることはできないのである、こういうふうにその問題から発展をして考えざるを得ません。そうすると、今の日本の金融の体系を見て、長期融資と短期融資が本質的にあるわけですが、皆さんの方では、一体その長期融資を受け持つ金融機関は何であり、短期融資を受け持つ金融機関は何であるかということを、一つお答えを願いたいと思います。
○石野政府委員 長期金融と短期金融の金融機構における分野と申しますか、それが何か、こういう御質問だと存じますが、観念的と申しますか、筋道として申しますれば、長期の金融を行なう機関は長期信用銀行、それから信託銀行ということに相なります。ただ、現在の日本で実質的に普通銀行がそれでは短期の金融だけやっておるかといいますと、事実上長期の資金もまかなうことには相なっておりまするけれども、観念的に申しますと今のようなことになります。普通銀行は短期の金融をやるべき筋合いになっております。
○堀委員 今のお話で私も了承しますが、郵便局それから資金運用部資金というものの性格は、金融機関という表現は悪いかもしれませんから、金融の体系という面で伺えば、これはどこに入るとお考えですか。
○石野政府委員 資金運用部は——郵便貯金は資金運用部によって運用されておるわけでございますが、これを一緒にくるめて、貯蓄銀行的な役割と、同時に、資金運用部としては長期の金をまかない得る機関で——これは長期だけやっておるわけじゃありません。もちろん短期のこともやっておりますが、長期の金融をまかなうことを目的としたものでございます。
○堀委員 そこで、これは、今のような体系から見ますと、今のほかに保険が入ってくると思います。これが大体長期的な金融の体系のパートに入ってくる、こう思うのですが、原則的に分けてみると、今お話のあったように、すっぱり理論的に割り切れば、長期のものは長期信用銀行、信託銀行、保険だということであって、銀行は本来的にいえば短期のものである。郵便局は、その性格から見て貯蓄性のものであり、体系的に見ればこれは長期につながる系列の中のパートとして考えていいのだ。これは大まかな体系として理解されるわけです。そうしてみると、私は、ここで金利水準というものを見る場合には、おのずからこの体系との関連の中で水準を見ていくというのが当然ではないかと思います。要するに、これを一列に並べて同じレベルで見るということであるならば、金利水準というものは金融の体系から発生してくるものであって、金利水準が先行してそのあとに金融がくっついてくるものではない。こう考えてみると、私は、きのうの議論の中で申し上げておりましたように、本質的に銀行のあり方と郵便貯金のあり方には相違があってしかるべきであろう、こういうふうに、まず構造的といいますか、体系的な面で理解をいたします。 これがまず第一点でありますが、もう一つ、私がここに非常に重要な問題があると思いますのは、預金者の面から見た金融機関との結びつきの関係であります。そこで、ちょっと伺いたいのですが、大体皆さんの方で、貯蓄に関して、たとえば銀行、これは市銀、地銀、どれでもいいですが、信用銀行、相互銀行、それから農業信用組合というのですか、農協関係、それから今の郵便貯金というのが、当面のいわゆる預金、貯金のできるところでありますが、これの所得階層というか、それについて調査をされたことがあるでしょうか。
○石野政府委員 最初の御質問の長期の金利と短期の金利、これを金融機関の体系ごとに変えて考えなければいけないというお話でございますが、この点は、金利水準といたしましては、短期の金利も長期の金利もともに下げていく、こういう考え方をいたしておるわけでございます。その場合に、特に預金、貯金を吸収する場合につきまして、郵便貯金等について集まった金が資金運用部によって長期に運用されるからと申しましても、預貯金として集まるときの条件が長期であるか短期であるか、これはその預貯金の種類によって違いますから、同じものはやはり同じレベルで下げるという考え方をいたさざるを得ないのであります。 それから、あとの方の御質問の所得階層別にそういう調査があるか、預金、貯金等についての調査があるかということですが、ただいま私どもそういう調査があるかわかりませんので調べてみますけれども、格好のものがあるかどうか、ちょっと自信がございません。
○堀委員 それが皆さんの方になければ、これは不完全なものですが、私の方にありますから、申し上げます。 そのほかにもう一つ伺っておきたいのは、銀行の分布、これを私が取り上げておりますのは、銀行というものは大体都市に集中しております。これは小さな町や村には銀行というものは本質的にないのです。大体都市に集中しておるが、郵便局は、これは全国的な分布をしておると思うのです。これは単に貯金をするためではなくて、郵政事業といいますか、郵便の関係がありますから、相当広範囲に分布をしておる。そうすると、分布の点をちょっと伺いたいのですが、銀行というのは大体どこらまで分布しているか。たとえば、常識的な範囲では、市中銀行というのは大体地方へ行けば県庁所在地くらいにしかない。地方銀行が多少その下に市の単位くらいにはあるけれども、今度町村合併された新しい町だとか、いわゆるもとの郡部、村の単位なんというところは、地方銀行もない。こういうことではないかと思うのですが、そこらの範囲はどの程度でしょうか。
○石野政府委員 大体御質問の中のお話のようなことかと思いますが、普通銀行で申しますと、これは大体原則だけを申すわけで、例外が全然ないというわけではございませんが、原則的に申しますと、都市銀行は県庁の所在地ということでございます。それから、地方銀行の方は、ほぼ人口一万人程度以上のところということでございます。
○堀委員 郵便局の分布というのは、大体どのくらいのところまでいっておりますか。
○大塚政府委員 郵便局は全国で約一万六千ございますが、これは大都会から町村の末端まで普及いたしておりまして、大体人口割で申しますと、一局当たり六千人足らず、五千三百人平均くらいに一局というようなことになっております。
○堀委員 今伺ったように、私が大体予想した通りだと思うのですが、郵便局は全国くまなくあるから、その預金者の層というものは、きわめて普遍的な性格を持っておる。普遍的な性格だけでなくて、所得階層で見ますと、やはり日本の今の所得のあり方というものは、都市の所得者が高くて、地方の所得者が低いというのは常識です。そういうふうな所得勾配の中で低い方の所得の方にたくさんある郵便局が、本来的に低所得階層の貯蓄の対象になっておるということは、これはそういう調査がありませんけれども、私は当然だと思うのです。郵政省の方でちょっと見せていただいた資料を見ましても、私、長期の方はわかりますが、短期の方、通常貯金は大体平均一口当たりといいますか、どれくらいになっておりますか。定額の方はわかっているのですが、ちょっと郵政省の方から一つ。——わかりました。いいです。一口座当たり大体通常貯金の方は四千二百八十九円ということになっておりますから、非常に郵便局の預金というものは零細な預金であるというのは、これでわかります。定額貯金の方は申込書一枚当たりの平均が二万六千五百七十五円という、これは三十四年度末の資料のようですが、出ておりますから、いずれを見ても郵便貯金というものはきわめて零細な貯金だということは、だれでも理解できることだと思います。銀行の方についてはちょっとわかりませんが、ここに簡単な資料もありますから、一ぺんこれで問題を調べてみたいのですが、ちょっと伺いたいのは、貯蓄増強中央委員会というのは、これは一体どういう機関なのか、どこに所属しておるものなのか、ちょっと伺いたい。
○石野政府委員 これは貯蓄奨励のための民間の団体で、日本銀行から補助が出ております。
○堀委員 実は、私は預貯蓄に関する問題をいろいろ調べてみたのですが、適正な資料がなかなかないのです。今手に入ったのは、昭和三十五年十一月の、貯蓄増強中央委員会で貯蓄に関する世論調査というのをされたのが、今の国民貯蓄のいろいろな動向を見る資料として手に入ったので、これを調べてみたのです。ところが非常に統計資料としてなってない。なってない理由は、まず調査をされた対象が五万二千枚の調査表を配布されて、八三%の回収率、これは非常にけっこうですが、その層化のあり方が、年間で二十万円未満の所得の人を二三・一%、二十万円から二十万円未満二一・一%、三十万円から五十万円が二五・二%、五十万円から八十万円が二五・二%、八十万円以上が四・二%ですか、こういうような分け方で層化をして、その中でとらえておる。ところがその層化は何によってしたのか根拠が全然わからない。厚生行政基礎調査で調べてみると、大体これはちょっと低く出ておりますが、昭和三十四年の一番新しい資料で見ても、今全国の世帯別の所得階層の分布は、月収一万円以下二六・二%、一万円から二万円の間が三七・五%、二万円から三万円の間が二三・一%というように、ともかく国民の所得階層は三万円以下でほぼ八〇何%になるというのが厚生行政基礎調査ですし、これは総理府の家計調査の面で国民階層別の分布を見ましても、こんな比率になってない。要するに非常に上の方にウエートをかけて調査をされたということでは、国民の貯蓄を判断する資料にはならないと思う。土台が全然間違っておる。間違っておるけれども、何もないからその上で調べてみたのですが、その中を見ますと、預貯金、生命保険、株式、投資信託、その他金融債、電力債券などに分けて、もしこれからあなたが貯蓄をするとすれば、どういう方向にやるかというのを所得階層別に出しておるのを見ると、大体郵便貯金、信託まで入って——この資料の分け方はめちゃくちゃですが、そういうものは所得階層が低いほど高くなる。要するに、所得階層の低い者は、貯蓄はまず貯金をしましようということで、貯金をするという傾向が多い。その次の生命保険も所得の少ない階層に多い。要するに所得階層の低い者は割合生命保険によく入っている。その次の株式とか信託ということになりますと、今度は急激に下の方はなくて上の方にいく、こういう傾向が本来的にあるわけです。 そのことは何に関係しておるかというと、所得階層の低い者は、貯蓄をしても比較的利子の低いところにしかできないという条件があって、所得がふえるに従って、利子率の高いところに投資がされるというような傾向が現在あるということです。経済成長をドライブしていくためには、なるほど政府としていろいろそのための施策を考えておられるでしょうが、私はこの前十月十二日の委員会でもかなりこまかく論議をいたしましたが、所得階層が広がるという資本主義的な本質がある。こういう本質は経済成長を高度化するためにやむを得ない部分があるけれども、それを政策的にも補うのは、国民の立場から見たら当然じゃないかと思うのです。そうすると、貯蓄の面だけ見ても、所得階層がさらに高い者は利子のいいところへ投資をするが、一番零細な者は、簡易保険に入る、郵便貯金に入っておるというのが限度じゃないかと思うのです。そうすると、こういう所得階層の分布の面から見た貯蓄という問題と、今度は銀行、郵便貯金、さらに公社債、投資信託——あとでそれに触れるのですが、こういう金融体系全体の問題の中における位置というものを一体どの面で見ていくか。政府が今見ておられるのは、ともかく高度成長のための資本充実といいますか、競争力を強めるということの方には非常にウエートがかかっておるけれども、国民の階層の立場に立って、この人たちの所得バランスをどうやっていくかということの配慮が非常に欠けておると私は思う。そして、その中にさらに、私が今ここで触れたように、金融の体系上の基本的な問題もかみ込んできている。郵便貯金というものは、あなたがおっしゃったように、貯蓄性のものであるということであるならば、それは貯蓄性のものとしてまず考えることが第一点であって、分布の面から見て、一番零細な国民大衆に接触しておるという面が一つあって、その所得階層の一番低い人がここへ入っているという面があるならば、これは、単に金利水準という問題だけで、市中銀行と同じように水準を引き下げたというような考え方は、この間江田さんが参議院でおっしゃったけれども、まさに昭和の残酷物語です。持たざるところの者にはもう少し持たせてやろうという政策をやるというのが、高度成長をささえ、消費を高める方向になるのじゃないかと思うのにかかわらず、あなた方のかまえ方は、ともかく輸出ドライブができるようにすればいい、自由化に備えられればいいということで、金利体系を見られる。私はそこまでは理解をする。しかし、そこと関係のない格好でこの郵便貯金がさわられておるということが私は了承ができないわけなんです。 そこで、今まで申し上げた中で大体の方向がわかってきたと思うのですが、金利体系の面から見ますと、今度一月から公社債投資信託というのを皆さん方は認められた。公社債の投資信託というのは、オープンで、一口一万円、そうして最低利回り七分八厘ということで設定されて、第一回目は四百八十億ですか、五百億近いものがもう一ぱいになって、まだ少しその希望者が残っている。第二回目は何か一信託当たり五十億程度で設定されるということのようですが、こうなってくると、片方では金利水準は下げるんだということで、それに直接関係のない郵便貯金までも無理やりに下げさせるようなことをやりながら、公社債投資信託の方は、政策的に、資本充実の方向で公社債市場を育成するためであるならば、七分八厘でもいいんだということで、これをぽんと前へ出してくる。こういうことは、私は、今の金融体系の構造上の問題から、どちらに比重を置くのか、ここで考えてもらわないと困る。構造上の問題を比重に置くのならば、私はこれでいいと思うのですよ。公社債市場を育成するために、公社債投資信託を設けて、七分八厘で資金がそっちへ流れることを認めていいと私は思う。そして、銀行は銀行で、それが育成される過程の中で、本来の短期金融の性格の方へ戻るべきであるし、郵便局は貯蓄性があるのですから、その貯蓄性を認めましょう、そういう体系の中で金利水準というものがおのずからこういうふうになるんですというかまえ方ならば、私は了承できますが、片面、最も零細なる預金者の郵便貯金に対しては、金利水準の面だけで問題を押し出して、公社債投資信託に対しては、構造的な問題で、これは公社債市場育成の方向でありますからといってあなた方が逃げるのならば、私は、これは零細な国民の立場として、こういうことは了承できないと思う。この点について一つ……。
○石野政府委員 ただいまの御質問で、郵便貯金が低所得階層のためのものであり、銀行の方はそれより上の階層のものである、こういう所得階層と結びつけての御議論でございますけれども、金融というもので考えます場合、銀行預貯金だけを例にとられましたけれども、金融機関には、農村の金融機関もございますが、いろいろあるわけで、その場合に、全体として金利水準を下げるという場合に、一部のものは下げない、一部のものは下げるということになりますと、金利水準が体系としても非常に乱れて参りまして、下げにくいということになります。それで、その所得階層の問題としては、やはり零細な貯蓄としては、たまたま銀行が近所にある、非常に貧乏人だけれども、近所に銀行があるというので銀行の方に預けた場合も、零細な貯蓄については減税をするというような考え方もあるわけでございます。 それから、投資信託等の問題でございますが、まあその所得階層という考え方もございましょうけれども、金持ちも郵便貯金はやらないというわけではなくて、郵便貯金をやっておられる方もたくさんあると思います。そして、余裕があれば投資信託にいくというような傾向があると思っております。その点はともかくといたしまして、そういう意味で、金利水準の問題としては、やはり全体としてのバランスをとっていきませんと、なかなか金利水準を下げることがむずかしいということであります。 それから、公社債の投資信託の問題でございますが、これは、社債が日本では売れない、社債市場を育成しなければいけない、こういうことは、やはり国民経済全体としては必要なことでございます。それを、そういう考え方と、今の所得階層と結びつけてのお考えから、どっちに重きを置くかというような御質問だとは思うのでございますけれども、その点は必ずしもそう相矛盾するということでなくて、やはり社債が市場で売れて、国民経済全体が円滑に動くということによって貿易が伸び、日本経済も発展するということも必要なことでございます。そういう意味におきまして、今社債の投資信託があのように急激に売れ出しましたのも——金利が下がるという時期に非常にああいう形で売れておる。社債の金利もいずれは、預金金利等もきまりますれば、それも下がるということに相なるわけでございますが、そこのところへ、また過渡的な時期でございます関係もあって、ああいうふうにたくさん売れる要素が相当あると思うのでございます。そういう関係で、社債が一般になじみができるということもこれから必要でございまするので、ああいうものが認められたわけでございます。そういう意味におきまして、基本的な所得階層と完全に結びつけて、郵便貯金は所得階層の下の者のためなのだから、それの金利は下げないようにというふうにお考えになっておられるようでございますけれども、私どもとしては、やはり金融機関全体としてバランスをとって金利水準を下げる、そして国民経済全体として発展をする条件を作っていきたい、こういう考え方であります。
○堀委員 これはあとで一応この質疑を十分大臣に読んでもらって、また政治的な面は政治的な面でやりますが、私は、いろいろなことを起案するのはやはり事務当局の皆さんだし、やはり事務当局の皆さんがある程度考え方を変えてもらわなければ困ると思うのです。あなた方は、今のお話を聞いておりましても、日本経済、日本経済という話が出ます。経済というものは一体だれのためにあるのでしょう。私はやはり経済というのは国民のためにあるのだと思うのです。その国民の生活の上につながって経済があるのであって、日本経済があるから国民の生活がその次にあって、その中で国民が生きているのではないと思うのです。だから、私はそういうもののかまえ方を少し考えていただかないと——まず金利体系を考える場合には、一体日本の高度成長をささえているのは何かといったら、この零細な個人貯蓄がささえているのだということなんです、はっきり言うならば。そうすると、その一番ささえている人の立場を考えるのが、私は、たとい事務官僚の皆さんであろうとも、それを起案されて当然のことになるべきだ、こういうふうに思います。 そこで、今のお話に関連して、私この貯蓄の資料を見ても、非常におもしろいと思いますのは、こういうことがあるのです。五万円から五十万円までに預金を区切りまして、一体あなた今幾ら預金しておりますかという資料が、全国的に府県別に出ておる。そうしますと、五万円以下というのが一番多いのは、何と鹿児島県、五一%、おそらく国民所得として一番貧しいということの一つの現われで、これは重要なる問題だと思います。そうして、この五万円以下の一番少ないところはどこかと申しますと、これは大阪府なんです。一四・六%、その次が東京で一五・三%、大都市はそういう五万円以下というようなものは非常に少ない。しかしこれは問題があります。なぜ違うかということは、先ほど申し上げた層化の状態が上の方にずれていますから、今私が申し上げたような厚生行政基礎調査なり家計調査なりを、層化をもとにして正確な調査を入れてみるならば、私は鹿児島県なんというのは八〇%くらい出てしまうだろうと思う。そこで、もう一つの面を、同じように五十万円以上の貯金の現状を見ますと、これは今のちょうど反対に出るのです。最高は三五・七%で大阪です。その次が東京で三二・四%。ところが鹿児島へいくと何と三・五%、最低です。これを見ましても、まず第一に私が前段で申し上げたように、やはり都市と農村というか、いろいろな地帯との関係の日本的な分布が一つそこでわかる。 その次に、私がさっきちょっと触れました、今後貯金をする場合にどういうふうなものにするとかいうことで見ますと、ともかく預貯金、生命保険、株式、投資信託、その他というようなことになっているのですが、鹿児島県は今度はちょっと上がりまして、最低は岩手県にいきます。岩手県にいきますと、株式、投資信託に対してはわずかに三・五%、これが一番最低です。その最低のところは、預貯金をするというのが七二・七で、これは非常に商いです。こういうことは、岩手県なり鹿児島県というのは僻遠の地であって、そして銀行とか、さらに信託とか、投資信託とか株式投資とかは、ここの市民にとってはほんとうに遠い話なんです。ところが、東京、大阪はそうじゃないということになってみると、私は、国民的な立場から見て、あなた方貯蓄をしなさいというが、何のために貯蓄をしておるかを調べてみますと、その中で大きいのはやはり病気その他になったときの不安に備えようということで貯蓄がされているわけです。それは一面的に社会保障制度が不完全だということにつながっているとするならば、その人たちの貯蓄がもっと優遇されてしかるべきじゃないかということです。だから、山中さんなんかは、率先して、私のうしろについてこの貯蓄問題についてやってもらいたいくらいのものだ。 そこで、今度の郵便貯金の利下げの状態を見てみますと、定額の貯金に対しても皆さんの方は相当きびしい要求をしておられるということが、この資料を見るとわかるわけです。私これを見て非常におもしろいと思いますのは、なるほど銀行預金の定期は一年でおしまいになっています。これは、あなたがさっきおっしゃったように、本来構造的、体系的には短期金融をつかさどるべきものなんだから、私に言わせたら一年でも長いと思うのです。普通の約手とかそういうことでやるならば、三カ月の間に金が出たり入ったりするくらいが当然ではないか。長くて六カ月で、一年定期というものは、私は今の銀行のあるべき姿から見れば長過ぎると思う。ところが、その一年定期というものがあって、これが今度は六分から五分五厘に下がる。そうすると、いろいろな税の関係を引いてみると、裸で四分五厘九毛ですか、大体そこらになるようですが、それに合わせるために定額の方を下げてきて、しかし、それだけでは悪いから、一年制の定期貯金というおかしなものの新設を認めるのでしょう。これが大体五分だということで新設が伝えられておる。この郵便貯金について何か郵政省の方では三十万円限度を五十万円にしてくれとおっしゃっているようですが、しかし私に言わせればそういう面は必要はない。零細貯金だから、限度を上げる必要もないし、こんな定期を新設する必要もない。しかし、定額預金の金利を下げる下げ方については、郵便貯金特別会計の中の赤字の問題はもちろんありますけれども、その赤字というものは本来国が負っていいものだと思う。初めから政策的に赤字でスタートしてきているものを、今さらそうではいかぬという議論はこの時点で成り立たぬというならば、政策的な見地から見るならば、高度成長の時点において、最も恵まれない低所得階層の諸君に対して、せめてその零細なる生活の中での貯蓄に対しては金利を下げなくてもいいじゃないかと思う。それがどれだけの影響を与えているかというと、私が申し上げるまでもなく、日本の預貯金の中のウエートを見ればわかる。銀行預金は十兆円に達しているじゃないか。それに対して郵便貯金は一兆円そこそこです。郵便貯金は現在どのくらいですか。
○大塚政府委員 現在一兆一千五百億余りです。
○堀委員 銀行預金の十兆円に比べれば十分の一で、それの対象が全然違うのです。銀行が対象にしている市民なり中所得層以上の者と、それから郵便局が対象にしている最も低い層とは、競合しない本質的な性格がある。競合しないものを、あなた方は形式的に金利水準を下げますと言われるけれども、政治というものはそういうものであってはならない。これは政務次官よく聞いておいて下さい。事務当局は事務当局として、私に言わせれば事務当局だってやはり人間なんですから、あたたかみのあることを考えていただかなければならぬけれども、政治は、さらにそういう事務的な問題を越えて、もっと配慮のあることでなければならぬと思うのです。これは、私が今まで触れてきたから、おわかりになっていただけると思いますが、郵便貯金と銀行預金とは競合する性格のものではないということが第一。さらに性格が違う。片一方は貯蓄性のものであるし、片一方は本来は短期金融のためにあるべきものであるから、政策的に助長していこうというのならば、郵便貯金と銀行預金の問題は別個に考えられていいじゃないか。 そこで、今の高度成長の中に取り残されている低所得層に対してはどうかということになると、これはちょっと古いのですが、三十四年の家計調査年報で見ますと、大体国民階層別の中で、一番下の一万五千円くらいまでのところは赤字なんです。つまり貯金面ではマイナスになる。二番目が百五十一円、三番目が八百三十七円、その次が千七百六十五円、その次が六千七百四十一円、こういうふうに、家計調査年報の中で見るならば、貯金のあり方というものが出ている。保険はおおむねみなかけておられますけれども、下の階層でも三十四年に四百九十一円でスタートしております。これはおおむね簡易保険だと思うのです。こういうふうに、全体の平均値で見ると、貯金もできないという低所得の人、そういう低所得の人に零細な金利しか行かない。ここに利下げによる支払い利子の減少というものを郵政省で出していただいたが、一々伺うと時間がかかりますから、私の方で申し上げると、昭和三十七年度に利子引き下げによって生ずるものは二十七億だというのです。今の一兆一千億円を預金しておられる低所得の階層の人から二十七億を取り上げるということが、日本の金利水準、金利体系、日本の高度成長からいってそんなに問題があるかということは重大だと思う。わずか二十七億やそこらのものを無理に取り上げるのではなくて、これを置いて、さらにそこに定額貯蓄なりそういうものをその人たちがすることによって、少しでもその人たちの生活の将来へのあたたかさを保障するものでなければならぬと思うのに、今回のこの考え方については、理論的にも筋が一つも通っていない。私が今申し上げた経過でおわかりいただいたと思いますが、政策の面で見るならば政策の面で見ましょう、金利水準の面で見るならば、投資信託も何も含めて金利水準の面で全部見ましょうというならば、まだわかるけれども、部分的に自分たちの都合のいいところばかり持っていって、そうして問題が解決されるということでは、私は実は納得ができないわけです。 ですから、締めくくりとして政務次官に一つお伺いをいたしますが、ともかく零細なる預金者であるところの郵便貯金に対して、それも貯蓄性であって、今後とも郵便貯金特別会計の面から見るならば、貯蓄量がふえることによって今の赤字が減る方向にあるという時点に立って、ここで金利を下げて、今度は貯蓄量が伸びないということのために、相対的には郵便貯金特別会計の赤字というものは急激に減らなくなってくるというような本質的な矛盾を含んでおる面もあるのだし、さらに、今の高度成長の中で取り残されておる低所得者に対する配慮が、わずか年間二十七億程度の預金金利を下げるというようなことで私は取り上げられるべきでもないし、片や十兆円をこえる銀行預金は、おれたちの方のあれが困るからこっちも下げなさいということは、これも対象と地域が違うのだから、私は筋が通らない。こういうふうに見てくるならば、私としては、この郵便貯金の改定については、さらに一つ慎重な討議が要求されるべきでもあるし、今度は自民党の議員の皆さんに申し上げたい。ということは、皆さん方は決して私は資本家の代表じゃないと思っているのです。私どもと同じように国民の代表で、何万人かの支持を受けて皆さん出てきておられるわけです。この国民の立場に立つならば、私が今申し上げておることはイデオロギーの問題でも何でもないですね。これは常識論を話しているだけです。残念ながらその常識論は、自民党の皆さんは立場上言えないだろう、私はそういう意味で申し上げておるのですから、その点を含めて今後よろしくお願いいたしたい。御答弁願います。
○大久保政府委員 御答弁をいたします。ただいまの堀さんの御質問はきわめてごもっともな点もございますが、今回の利子問題は金融全般にわたる一つのバランスの問題も考えてとった措置でございまして、御指摘の低所得者に対する保護と申しますか、これを守っていく措置というものは施政全般の面ににじみ出てやっていかなければならぬと私は考えておるわけです。政府のとりました今回の予算全般をごらん下さいますと、従来と比較いたしますと、低所得階層に対しまして特段の措置をとろうとしておるということもあわせお考えいただきまして、どうかその点をお含みの上お考えをいただきたいと考える次第であります。
○堀委員 全然了承できません。それはなぜ了承できないかと言いますと、あなたは、今、今度の予算で低所得階層に対して配慮があるとおっしゃいましたね。一体どういう、配慮があるのか、ちょっと具体的におっしゃっていただきたい。私は完全に調べておりますから、具体的におっしゃって下さい。一つ一つ私はそれを反駁します。政務次官、お願いします。
○大久保政府委員 低所得者の社会保障にわたりまして、各般の措置をとっておりますが、また項目にわたりましてお答えをいたしたいと思います。
○堀委員 よろしゅうございます。それではちょっと時間が長くなりますけれども、政務次官のお答えが私はちょっと問題がありますので、具体的に一つ申し上げるようにいたします。 皆さんの方で生活保護を一八%引き上げた。これは対象は百六十万人ですが、一体生活保護の百六十万人は日本の低所得階層の分布の中でどうなっておるかということをついでに申し上げますと、今生活保護基準は東京都で一類で九千六百二十円というのが、東京都の一級地の基準です。そうすると、厚生行政基礎調査で見れば、昭和三十四年度一万円以下が二六・二%、世帯数は二千二百万世帯ありますから約五百二十万世帯、人口にして約二千万人というものは生活保護世帯と同じ生活をしておるわけですね。よろしゅうございますか。私、百六十万の生活保護の方が上がることは非常に賛成です。よろしいですけれども、生活保護を受けなくて、生活保護以下の生活をしている国民がたくさんあるのです、地方に行けば。おそらくそう言ったらまた山中さんにしかられるかもしれないけれども、鹿児島県へ行くならば、わずか一反か二反のたんぼがあるために、実際の実収入は月に五千円、六千円でも生活保護が受けられない。土地があるために受けられないという農民は、鹿児島県でも岩手県でも私はたくさんあると思うのです。だから、そういう実態があって、低所得の階層が国の中に約二千万人近くの君がいるという実態を考えたときに、その下の層ではなくて、まん中の層ですよ。そのまん中の層といわれておるけれども、低所得層の中で恵まれているのは、言葉をかえれば生活保護世帯だということを言いたい。それはなぜかと言えば、この二千万の人たちは、まず第一にあなた方の減税に浴しないのです。今度の減税に全然影響しません。これは皆さんの方の三十三年の納税者の調べを見ますと、全国の世帯二千百十二万世帯の中で、所得税の納税世帯は四五・八%、だから所得税を納めてない者は五五%あるということですね。これは今私が申し上げた二万円以下の所得の人たちは、減税の恩典に全然浴さない。 それから、今度皆さんの方では皆保険だということで、国民健康保険を非常に普及されておる。これは非常にけっこうです。ところが、この状態、これは予算委員会で私はやりますからあれですが、一体鹿児島とか岩手とか、そういう地方の農村へ行って所得階層を見て、国民健康保険がどういうふうに扱われているかといいますと、今病気になったら大体、五割を払わなければならない。掛金をかけさせられ、人頭割、世帯割というものがあって、零細でも掛金は取られて、そうして病気になったらあと半分ずつお金を出す。零細なところは金がない。そうすると、この金はどこで現金化して持っていくかというと、農村地帯でも、高額所得者が病気になったら、すぐ行って病気をなおしてどんどんやっておる。低額所得者は、富山の置き薬を飲んで、保険料をとられておりながら病気の治療が受けられないというのが国民健康保険の現状なのですよ。だから、この五割を七割、八割とわれわれが強く要求するのは、保険の本来のあり方から、低所得者を守るためにあるべきにかかわらず、こういう負担が大きいために、高額所得者がこれを現金化する。国が二割五分の医療費の国庫負担をやって、その二割五分の国庫負担が低所得者に行かないで、上が使ってしまうという現状があれば——あなたの言われた社会保障の中で、医療保障についても、生活保障についても、社会保障の予算の拡大は、中所得以上の方には潤うけれども、中以下の方は潤わないというのがはっきりした現実です。 今度皆さんは国民年金制度を創設した。ここの国民年金はどうなるか。十三万円以上の年所得の者に対してはみな取り上げられないことになる。そうしたら奪われる方は取り上げられて、与えられるものは一体どうなのですか。 さらに、教育の費用を調べてみれば、今全国の義務教育の費用は、昭和三十三年の文部省の統計を見ましても二万二千五百二十一円になっておる。大体一月一人千円になります。これは昭和三十年との間の三年間に四〇%くらい上がっておる。義務教育の費用は、貧しい者も富める者も同じように月に千円ずつ負担しなければならぬ。きわめて不公平な状態になる。そうしたら今の低所得の人はどうか。生活保護の人は教育扶助がもらえます。しかし、その次の人たちは、富める者と同じように、子供を一人学校にやるには千円ずつとられる。 物価の値上がりは一体どこに一番響いていくかといえば、低所得に一番響いてくる。国鉄運賃の値上げによるはね返りは、この間経済企画庁長官は〇・〇一%だということを言っておられたけれども、この〇・〇一%は使用する者も使用しない者も含めて平均値になっておる。低所得の人では、実際に子供を学校にやり、いろいろなときに汽車で通うということはないかもしれないけれども、そういうようなところにはね返る状態を見るならば、政府の施策で、あなたは具体的に今どれだけ低所得のところに現実に金がいくのか教えていただきたい。一ぺん一つおっしゃっていただきたい。今あなたはあるとおっしゃった。政府はやるとおっしゃった。具体的に一つでもいいからおっしゃっていただきたい。
○大久保政府委員 財政の現状から申しまして、堀さんの御質問の御意思のようには参ってない点が多々あろうかとは思いますが、今後御趣旨をくみまして、政府の施策の上におきましても逐次改善をいたしていきたい、かように考えております。
○堀委員 逐次改善していただくのなら、大蔵省でできることを一つまずやっていただきたい。大蔵省で今できることは、郵便貯金の利率を下げる下げ方を、あなた方が強く郵政省に言っているのですから、郵政省は、新聞で見てもそうだし、やはりわれわれ預金者の立場も考え、自分の方の預貯金をふやす方かに立っている。大蔵省が金利水準は国の命令だという格好で郵政省に圧力をかけて、郵政省はしぶしぶこういうことになっていると理解しているのです。そうしてみれば、郵便貯金の金利引き下げについての大蔵省の責任は重大だと思う。だから、これは逓信委員会にかかるかどうなるか知りませんが、私が今申し上げたことは、政府統計で私はものを申し上げておるのだから、少しも間違いがない。その残された一番低所得の、生活保護でない人のために、私は大蔵省として当面考えるべき施策を一つこの際考えていただきたい、こういうふうに要望して私の質問を終わります。
○横山委員 関連して。 堀君の質問は非常に説得力のある話だと思うのでありますが、その点に対する政府側の答弁は、防衛に回っているだけで、基本的な考え方をどうもつかめないうらみがある。一、二だけただしておきたいのは、あなた方は、今の金利体系を合理的なものとして、今度の金利の引き下げを考えておられるのだろうかどうかということが第一です。それから第二番目は、今度の金利引き下げは、主として金利の常道ではなくして、国内的な事情でなくして、国際的な事情によってなされたことは、大臣もおっしゃっておられるのですけれども、この政策金利といいましょうか、そういう格好が今後もなお続けられるのだろうかどうか、それをまず伺いたい。
○石野政府委員 現在の金利体系が正しいものであるかどうかという点でございますが、金利体系というものは経済情勢の変化等によっても変わって参ります。それから、現在のものも完全に正しいかどうかという点になりますと、なお検討の余地があると思います。ただ、その金利体系の正常な姿はどういうことかということにつきましては、実際問題としてときどきの金融の流れを見て参りませんと、たとえば社債などは従来はあまり売れない、これは非常に金利が低過ぎるのじゃないかというような考え方もあったわけでございますけれども、最近の売れ方等を見ると、一般的な金利の引き下げに関連して、やはり引き下げる余地があるというふうにも思われるわけでございます。そういうふうに、金利体系というものは、経済の実際の流れを見ながらきめていくことになることでございます。 それと、もう一点、外国との関係で金利水準を下げるのであって、資金の需要供給の関係で自然にきまるというような原則に反した考え方を今回はとったのじゃないか、そういう考え方が今後も続くのかという御質問だと思うのでございます。これは資金の需要供給関係できまるのが完全な自由経済 における経済原則であるという点は、御指摘の通りでございますけれども、しかしながら、日本のように経済の成長力が非常に強い国におきましては、常に資金需要というものは強い。一方資本の関係は、従来非常に重視しまして、金利はかなり高水準にきておるわけでございます。そこで、貿易・為替の自由化ということが進展して参りますと、やはり国際金利水準にさや寄せする努力が必要である。これは国民経済全体のために必要なことでございます。そうなって参りますと、資金需給の関係——これも見方でございますけれども、非常に過熱の状態で危険があるということでなくて、全体としてまずまず経済が落ちついているというような機会があれば、できるだけ下げるという考え方で、しかも下げれば必ずこれは経済を刺激するのだというふうに割り切ってしまわないで、その辺はやはりみなが努力をしながら金利も下げる。しかし、あまり思惑に走るようなことはしないというような考え方も交えながら、経済の許す限り機会を見てできる限り下げるという方向で考えていく。しかし、そうかといって、需給関係を全然無視していいというわけではございませんから、非常に思惑等が強くなり過ぎそうだという場合には、調整することも必要でございますけれども、全体としてはやはり常に心がけながら、下げられる機会には下げるというような政策的な考慮を入れていかなければならないのではないか。そういう意味においては、これは今後も続けて、そういう考え方でいくということだと考えております。
○横山委員 全体的に下げられるだけ下げる、事情を見ながら下げられるだけ下げるという点はわかりました。しかし、その下げられるだけ下げていく過程で、堀君が非常に強く主張しておりますように、現在の金利体系というものが妥当な観点の上に立つか立たぬかということでございます。妙な例ですが、最近住宅金融公庫が住宅資金を貸すについても、中小企業に対する金利と大企業に対する金利とを変えようというような考え方があります。実現するかと思います。あなたの方も預金の金利を上げるのだというふうに主張なさっていらっしゃると聞くのですが、それは、堀君が言うように、零細な人たちの金利については犠牲を負わせないということとも一脈相通ずるような気がするのです。こういう点について、あなたは必ずしもいいとは思わないから検討をしたいとおっしゃっておられるのですが、あなたの言う検討はどの角度でなされておられるのですか。どういうつもりでおっしゃっておられるのですか。
○石野政府委員 私が検討したいと申しましたのは、今の預金金利につきまして、郵便貯金と、それからほかの金融機関との関係において検討をしたいというふうに申したわけではなくて、金利体系全体としてはいいかどうか、今のが正しいかどうかということは、社債のことを例にとりましたけれども、そういう意味で、いろいろな金利体系が、現在のものが完全に正しいもので動かすべからざるものだというふうに割り切るわけにもいかない。これはよく検討する必要があり、経済情勢に応じて考える必要があるということを申したのでございます。預金金利の関係につきましては、これは預金の金利を下げるという問題、これを下げないという場合に、金融機関に集まる金の流れ方が変わってくるという問題がございまして、そのバランスというものは、各金融機関は非常にそれを重大視しておるのでございます。そういう意味におきまして、金利水準を全体として下げる場合には、やはりその間のバランスをとって下げていくということを考えざるを得ない、そういうことを申しておるわけでございます。
○横山委員 どういう角度でいくのか、まだ歯切れが悪いのですが……。
○石野政府委員 歯切れが悪いように思われるだろうと思うのですが、これは昨日の御質問の冒頭に申しましたのですが、大蔵大臣は臨時金利調整法の法律に基づきまして発議をいたしまして、日本銀行政策委員会が決定をすることになるわけであります。それは審議会に諮問はいたしますが、審議会に諮問をして、日本銀行の政策委員会が決定することでございます。現在の建前は、金融の中立性というようなことからも、政府が面接民間金融機関の金利をきめて押しつけるとか、命令するという形になっておらないわけでございます。そういう意味におきまして、郵便貯金がきまりまして、というか、法律にございますから法律による審議がございます。一方大蔵大臣の発議によりまして、日本銀行政策委員会が、金利のバランス等を考えまして、預金の金利をきめるということになるわけでございますから、私が今ここでどういうふうに考えてどういうふうにするのだというふうには申し上げられない立場にありますから、そういう意味で歯切れが悪いようにお聞きかと思いますが、その点は御了承をいただきたい。
○佐藤(觀)委員 ちょっと関連して石野さんにお尋ねするのですが、今の郵便貯金の金利というのは国際金利より高いのですか。どうなんですか。その標準はとういうように——国際金利より高いからという話ですが、それはどうですか。
○石野政府委員 これは日本の郵便貯金金利の方が高いのですが、どれだけ高いかはちょっと調べて……。
○佐藤(觀)委員 大体どのくらい高いのですか。
○足立委員長 資料で出したらどうですか。
○石野政府委員 資料で出させていただきます。
○足立委員長 有馬輝武君。
○有馬(輝)委員 私はおもに政務次官に食糧管理特別会計を中心にしてお伺いいたしたいと思います。 今度の総理の施政方針演説でも、また大蔵大臣の演説でも、所得の格差、特に産業間の所得の格差を是正するために、農業の近代化について特段の配慮が払われておるということを強調されたのでありますが、そういった観点から、私は食糧管理特別会計について若干お伺いいたしたいと思うのであります。 まず第一に、私は、生産基盤の強化その他をやったにいたしましても、なかなか第一次産業と二次、三次産業との所得の格差というものは是正できないのじゃないか。それでできない一つの限界がある。それについて政府としてはどのようなお考えを持っていらっしゃるのか。それをまず政務次官の方からお聞かせをいただきたいと思うのであります。
○大久保政府委員 農村の所得格差の是正につきましては、非常に各般の施策を必要とすると存ずる次第であります。非常に困難な問題ではございますけれども、農業基本法を初めといたしまして、この国会に御提案を申し上げます諸般の法制等と相並びましてこの困難な問題に対処いたしたい、かように考えておるのであります。
○有馬(輝)委員 日本の農業が曲がりかどにきているといわれますが、これは何も時期的な、あるいは変動的なものではなくて、むしろ構造的な、基本的な問題でございます。ですから、それに対してただおっしゃるような意味での農業基本法云々ということで解決できない部面が多過ぎるので、私は今みたいな御質問を申し上げたわけです。 それで、もう少し具体的にお聞きいたしたいと思いますが、たとえば農産物の生産費についてどのような考えを持っていらっしゃるのか。今度食管特別会計で——これは米価審議会の決定を見なければいかぬわけですけれども、米の買い入れ価格は石当たり一万四百五円という想定のもとに予算を組んであるわけです。この価格について政務次官に妥当なものかどうかお伺いしたいと思うのです。
○大久保政府委員 一応予算の上におきまして、ただいま御指摘の数字を組んだわけでございますけれども、今後の諸般の事情を勘案いたしまして、さらに決定米価がきまるものと考えております。
○有馬(輝)委員 もとより米価審議会の構成それ自体にも問題がありますけれども、現在まで、米価等についても一番決定について積極的な意欲を示していただきたい大蔵省に、むしろ問題点があったと思うのです。これは政務次官が前々から御存じのところだろうと存じますが、そこら辺について主計局から一つお考えを述べていただきたいと思います。
○佐藤(一)政府委員 米価につきましては、御存じのように毎年米審において論議を尽くされまして、その上で決定をいたしておるわけでございます。その際に、従来、いわゆる生産費並びに所得補償方式というものについて、いろいろ議論があったわけでございますが、大蔵省におきましても、それらの議論を十分考えまして、最近におきましては、生産費、所得補償方式の建前のもとに米価の予算を計上するという方針については、農林省あるいは米審といわば大体の立場を同じくして参っておるわけであります。そういう意味では、ささいな点につきましては、御承知のように、生産費の見方についてはいろいろ議論の分かれるところでもございますからして、いろいろと議論の食い違いがございますけれども、大きな筋については、目下のところそう大きな違いがないというふうに考えております。
○有馬(輝)委員 米審なり農林省と大きな食い違いはないとおっしゃるのですけれども、日ごろの考えというものがやはり機会あるごとに大蔵省の構想として出されてくるのですね。といいますのは、新聞で、昨年十一月ごろでしたか、大蔵省としては、たとえば陸稲格差を設けるとか、あるいは時期別格差はなくしていこうなんという考え方があるということを伝えておった。事実かいなかは別といたしまして、そういった雰囲気が看取される。これは機会あるごとに出てくるのです。そういう際に、私は今生産費の問題を取り上げておりまするけれども、池田内閣の一番大きな方針である所得格差をなくしていこうという方向と、そういったことを平生考え、具体的にはまた米価の問題でもこういった予算を組んで、どうやってその所得格差をなくしていこうとするのか。これは実際に予算を握っていらっしゃる皆さん方の考え方によって具体的には裏づけられていくわけですから、そこら辺について、私は頭が鈍いのでわかりませんから、一つ詳しく教えていただきたいと思うのです。
○佐藤(一)政府委員 この米価の決定の際に、おっしゃいますように、従来からも、農民のいわゆる他の所得に対する所得格差ということをつまり頭に置いて、価格の決定をすべきであるという議論が相当ございます。われわれもしばしばそういう議論を拝聴しておるわけでございます。ただ、いわゆる農民の所得格差あるいは農村全体の都市に対する所得の格差というものの解決は、米価ならば米価という価格の決定問題と直接的にからみ合わせることが適当であるかどうかということについては、議論が相当分かれるところと思っております。いわゆる国の農業政策全体といたしまして、御存じのように本年も相当の農林系統の予算の増額を見たわけでございますが、各般の措置を講じまして、あるいはまたさらにはその根本にさかのぼって、現在の日本の産業構造、特にその農業との関係を十分に探求して、そこに、経済政策全体の見地から、いわゆる所得格差の縮小という問題を取り上げていくのが本来の筋であろうかと思うのであります。御存じのように、米価の決定は、いわゆる生産費あるいは需給事情その他本来の価格の決定に必要な要因を十分検討いたしまして、そして価格自体を決定する。なるほど農民の所得に都市との格差が相当あるという議論がかりに正しいという前提をとるにいたしましても、それであるがゆえに価格の決定をそれだけ直ちに甘くするとか、そういう問題とはおのずから別なんじゃないかという感じをわれわれは持っております。でありますから、価格の決定は、いわゆる食管法が規定しておる建前に従って、それを中心にして論議を尽くして参る。そうしてその価格の決定をした結果、どういうことに相なりますか。それらについて一つ将来のいわゆる格差の是正を全体として検討して参る。大体大筋を申しますと、そういう考え方で従来大蔵省は考えておるわけであります。
○有馬(輝)委員 大筋を申し上げるといって、何も大筋は言っていらっしゃらないわけですね。問題は、かりに所得格差があったとしてというようなことをおっしゃるけれども、これはもう厳然としてあるわけです。そして、そのある格差を是正するためには、諸般の情勢を勘案してというようななまやさしいことじゃなくて、具体的に、たとえば価格の面でどうするのか、税制の面でどうするのか——税制では、先ほど堀君の議論にもありましたように、所得税等では手直しできないのだから、それを徴税の面でどう見るか、そういうことを私はお伺いしておるわけなんです。その一つの柱といたしまして、直ちにとり得る措置として生産費の問題があるから、たとえば石当たり一万四百五円の米価というものが、今おっしゃったような意味でいわゆる所得格差をなくするということを特に大蔵大臣も強調していらっしゃるんだが、そういう面から見たその価格が妥当かいなかという点において、お伺いをしておるわけです。
○佐藤(一)政府委員 昨年の米審において、一万四百五円というものが、いろいろの論議を経た後に決定されたわけでございまして、もちろんわれわれはその決定に従ったわけでございます。三十六年の問題は、また来たるべき米価審議会についてあらためて十分論議がなされるものと思っております。米価は、従来も大体その直前の米審の決定価格というものを参酌いたしまして、それとあまり離れないところで、いわゆる見積もり上の基礎として計算をいたしておるわけでございますから、実際の価格の決定は、もちろん六月の米審についてあらためてまた議論されることと思っております。
○有馬(輝)委員 総務部長にお伺いしたいと思いますが、私の知っておる範囲では、二十九年ごろ米が百四十万トン、小麦が百万トン、大麦が二百万トン輸入されておりましたものが、米はほとんどなくなりました。大麦もなくなりました。大体二十九年、三十年当時、この米、大麦に三百億以上のものを支払っておったわけですが、それと現在一般会計からの繰り入れ三百七十億というもの、これとの関連で、むしろ農業技術の発達その他によって国内で自給し得る態勢に進んできたので、これだけの節約だと私は思うのですけれども、そこら辺について、総務部長としては、どういうお考えを持っていらっしゃいますか。
○岡崎説明員 実はただいまの御質問の意味がよくわかりかねるのでございますが、私どもの持っている考えといたしましては、当時の二十九年、三十年ごろ非常に外国食糧を買い付けておりました。当時のその数量あるいは金額とただいまとでは、それは今お話しの通り大へん減っております。その面において減っているのは、つまり外貨の節約ということなのではないかと思うのでございます。やはりその当時も、食糧管理特別会計で政府は相当な財政負担をしておったわけでございますが、ただいまのところは、さらにその当時よりもふえて政府が財政負担をしているということになっておりますので、一つは外貨の節約という面であり、一つは政府の赤字負担が逐次増して参っております。そして、ただいまは、お話のように、三百七十億ということになっているということではないかと思っております。
○有馬(輝)委員 今の赤字について、私前に赤城さんや井出さんが農林大臣のときにお伺いしておったのですけれども、これは赤字というものの言い方に問題があるので、行政費的な性格を持ったものだと思うのですけれども、そこら辺について政務次官、どう考えていますか。
○大久保政府委員 赤字という言葉は、必ずしも的確に表現したものであるかどうか、私もこれは問題であると思いますけれども、食管会計の目ざしている諸案件につきましての目的を推進します上におきまして、必要なる国の費用というものは、これは食管会計に入れまして、その目的を達成していくというのが本来の趣旨であろうというふうに考えております。
○有馬(輝)委員 今の点について主計局次長のお考えを伺います。
○佐藤(一)政府委員 赤字と申しますのは、私たちはきわめて形式的に考えておりまして、食糧管理特別会計の赤字という意味でございます。その赤字が結局は一般会計及び租税の負担にめぐりめぐってくるという意味において、財政上重要な問題になっているという意味において、われわれはその問題を重要視しているわけであります。
○有馬(輝)委員 税となってめぐりめぐってくるのは一般行政費全部なんですよ。それと、ことさらに大蔵省で食管特別会計の赤字ということを言あげされるそのニュアンスの差はどこから出てきているのか、それを少し教えてくれませんか。
○佐藤(一)政府委員 食糧管理特別会計は、私たちは、いわゆる収支独立の原則というものをできるだけ貫徹していただくという意味において、本来特別会計を作っているわけであります。米につきましては、いわゆる特殊な事情がございまして、従来からいわゆるこの赤字の発生というものを見てきているわけでありまして、それにはもちろん申し上げるまでもなくいろいろな原因があるわけでありますが、それらについても、その金額がだんだん増大して参りますと、やはり財政上の負担になって参るわけであります。でありますからして、やはりこの赤字の増大というものは、これをそのままずるずる容認していくということになりますと、いわゆる予算編成上重要なことになるわけでありますからして、従って、もちろん今私たちがこの赤字をすぐにどうということでもありませんが、同時に、大蔵省の立場といたしましては、その増大を極力できるだけ大幅にならないように、今後むやみに増大しないようにというふうに、苦慮いたしているわけであります。そういう意味で、われわれ、しょっちゅう、農林当局との話し合いにおきましても、食糧管理の繰り入れ問題についてはいわばやかましく申し上げているわけであります。
○有馬(輝)委員 これはやかましく言ってもらっちゃ困るわけですね。与党の方々の中にも、たとえば三百七十億は五百億であってもいい、あるいは千億程度までは許容さるべきではないかという御議論もあるやに聞いておるわけなんです。これは僕は全く賛成だと思うのです。ところが、困るので極力そういう点については注意しておるのだという大蔵省のその頭を切りかえてもらわぬことには、これは、先ほど申し上げましたように、価格一つ取り上げましても、農民はなかなか総理大臣や大蔵大臣やあるいは経済企画庁長官がおっしゃるような意味での所得の成長率は望めないし、ましてや格差をますます拡大していくままに置いておかれるということになろうかと思うのです。そこらはどうなんですか。相変わらず今までのような考え方で、食管特別会計の赤字は困る困ると言い続けられる気持なんですか。
○佐藤(一)政府委員 実を言いますと、一ころよりはだいぶん大蔵省の頭はやわらかくなっておると思うのです。今ごろの赤字は、四、五年前の頭から見ますと、とてもない数字になっておるわけでありまして、私たちも、予算を組む際の頭痛の種であることは、はっきり申し上げられると思うのです。ただこれは、結局価格の決定をどういう方式でどういうふうにきめるかということがまず先に参りまして、その結果私たちは今その数字をやっておるわけであります。でありますからして、価格の決定方式なり価格の決定のデータをどういうふうに持っていくかということが、やはり問題の基本なのでありまして、そういう意味で、米価審議会があります際には、大蔵省の立場からの意見を申し上げておるわけであります。ただ、それにしても問題はいろいろとある。こういうことはまた別にございます。たとえば中間経費、これは十分御承知のことでありますが、たとえば米につきましては逆ざやにはなっておらぬ。しかし、この現在の赤字というものは、相当のコストによって、いわゆる中間経費がいわば赤字になっておるようなことでありますから、この中間経費を極力節減しなければならないのだとか、また食管制度自体の運営については相当われわれも注文がある。これは当然のことだと思っております。 それからまた、先ほども申し上げたのでありますが、価格でありますから、やはり経済法則にのっとった決定の仕方がされるべきだ。この経済の法則にのっとった仕方ということについての考えの違いが、生産者の立場からいたしますと生産費一本やり、われわれの立場といたしますと、今日のような米の需給状況でありますから、この需給状況というものを十分に勘案すべきが当然ではないかという議論も十分出てくると思います。消費者の立場からいたしますと、これだけ物が増産になるのに価格がどんどん上がっていくのは、一体どういうわけだろうという疑問を、また当然提示してくるわけであります。ですから、農民の立場からいたしますと、農民の見地からだけ、いわゆる生産費の立場からだけの主張になると思うのでありますが、これは、消費者の立場、あるいは国民経済全体の立場というものから見ますと、はたしてそのままでよいかどうかということについて、私たちもそこいらの点を問題にしておるわけであります。その場合に、おそらく消費者価格を上げないで財政負担でやったらいいというところにすぐ問題がいくわけでありますが、そういたしますと、いわゆる全体の予算の中で一体どの程度の財政負担をするのが適当かというような問題になるわけであります。率直に申し上げまして、予算編成の際、最近のように食管の赤字がふえて参りますと、それを組みます上において非常につらいことも確かなのでありますからして、そういう点もあわせて一つ適当なところにきめて参る以外にないのじゃないかという考えを持っております。
○有馬(輝)委員 非常に頭がやわらかくなっていらっしゃるそうで、非常に安心いたしました。ぜひ、米審あたりにおきましても、今私が申し上げましたような、そうして佐藤さんからお話のあったような立場において、一つ取り扱っていただきたい。これは強く要望をいたしておきます。 なお、今中間経費云々というようなお話がたまたまございましたが、事、食糧管理特別会計につきましては、佐藤さんも詳しいし私も少しは知っているつもりなんですよ。中間経費を問題にするのでしたら、また議論がいろいろあるところですが、たとえば去年の陸稲なんか、鹿児島のものを大阪に持っていき、広島に持ってきておる。あるいは北海道のものを東京に持ってきておるんですよ。そんなことをほかのだれができるかというんですよ。これは当然の財政負担なんですよ。そんなことを言あげしていくと、食糧管理法自体を問題にしなければならなくなるのでありまして、そういうようなことは、あまり安易に口に出してもらうと問題がこじれて参りますから、その点については機会を改めて、佐藤さんのお考えを詳しくお聞かせ願いたいと思います。きょうは、ただ、今佐藤さんの最後のお話の、非常に頭がやわらかくなっておるというこの点だけを一つのあれといたしまして、なおその点については、さっき冒頭に申し上げましたように、この価格面その他をじかに取り上げていただかないと、総理や大蔵大臣の演説というものは絵にかいたもちになってしまいまして、大きな不満を買う。そのことだけはしっかり念頭に置いて、こういう問題を大蔵省事務当局として取り扱っていただきたい。食糧庁の総務部長が来ていらっしゃいますが、年じゅうあなた方から、やわらかくならないころの頭でいじめ抜かれてしまっておるのですから、そこらはぜひ十分考えておいていただきたいと思います。 あとは、これは政策問答になりますので、政務次官と大臣とおそろいのところでまたお伺いしたいと思いますから、きょうの私の質問はこれで終わります。
○足立委員長 次会は来たる七日午前十時三十分より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時八分散会