商工委員会割賦販売法案審査小委員会 第4号
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- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/05/19
会議録
○岡本小委員長 これより割賦販売法案審査小委員会を附会いたします。 割賦販売法案を議題とし、審査を進めます。前回に引き続き質疑を続行いたします。岡崎英城君。
○岡崎小委員 きのう局長にちょっとお聞きしたときにお答えいただいたんですけれども、私、まだふに落ちなかったので、もう一ぺん聞かしていただきたいのですが、このあっせん業者が、やはり過去においても一種の金融業のようなことをやっておったように思うし、また今でもやっておるように思うのです。それで、これは日本信販のチケットですが、この中に、日本信販信用組合という名前で広告が出ています。私のところへ来た昭和三十五年、三月のものの中に、「信販会員の銀行日本信販信用組合お借入れ、お預入れは是非当組合へ」「預金何々」と書いて、「貸付、クーポン引当貸付五千円・一万円・三ケ月賦払」というようなのがある。もう一つ、三十四年の十二月のチケットにも同じようなのがあります。それから、これがまた少し変わってきて、三十五年の十二月——去年、この法案が出てから変わったと思うのですが、これは「あなたの信用で五万円迄お貸付」いたしますと、一種の会員制度にして、この日本信販信用組合というのが貸付するという広告が、日本信販のチケットの中に出ています。これはやはりあっせん業者が、実際は名前を変えているけれども、貸付業をやっているというふうに思うのです。それからまた、きょうは新聞を持ってきませんが、新聞広告で、同じようなあっせん業者がクーポン貸付の募集をしている。そういうことで、そういうような零細な貸付業者はやられるけれども、あっせん業者が同じようなことをやっていれば、それに対してはどういうふうな扱いをされるのか。きのうのお話で、信用貸付とかで、全然態様が違うようなことを言われたようだけれども、実質は同じじゃないかと私は思うのです。こういうものに対してどういうお考えか、ちょっと聞かしていただきたいと思うのです。
○松尾政府委員 今のお話のございました日本信販の場合の具体例でございますが、私どもの承知いたしております限りでは、確かに今御指摘のように、日本信販の系統で前から信用組合がございますし、現在もあると思いますが、その信用組合で貸し付ける場合に、以前には、チケットが再び使われるようなことのないように預かって金を貸し付けるということをやっておったようであります。これはさらに実情を調べてでなければ申せませんが、この法案によりますと、今のようにチケット、証票を質にとったらいけないという表現ではなくて、資金の融通に関して証票の提出を受けてはならないというふうに、そこは非常に広く制限が規定してございますので、今お話のありました、以前に日本信販がやっておったような、証票を質にとらなくても、直接証票を預かって、それを使えないような状態において金融することも、やはり証票の提供を受けて金融をすることになりますから、この制限規定にひっかかってしまう。従いまして、現在日本信販がやっております会社は日本信販信用組合と、別のものでありますが、実質的にその信用組合でやっておりますのは、チケットの提供を受けない、組合員として出資をしてもらって組合員に貸すということで、チケットの提供云々とは関係を断っているというふうに私ども承知いたしております。これは私どもの聞いております限りのことでありますから、必要でありますればさらに実情を調査して……。この三十条の規定は、証票を質入れする場合だけでなくて、提供を受けることも制限されておりますから、従来信販の信用組合でやっておりましたようなことが今行なわれておりますれば、当然この制限にひっかかって参ります。
○岡崎小委員 実情をよくお調べになっていただきたいと思います。
○岡本小委員長 中村君。
○中村(重)小委員 今の三十条の問題、日本信販が信用組合と両方の営業をやっている。初めは局長が御説明のようなことをやっている。ところが信販としては一応チケットを渡すわけです。ところがその購入者が別にお金がほしいという場合、非常に支払いが過重になってくるわけですね。そうしてそのチケットを信販の方に返すわけです。今度は信用組合が別の角度から、全然チケット信販とは関係のないような形で金を貸すのです。そこで信用組合は融資をするときに、営業が別だという形をとっていますから、チケットを預かったことにならない。ところが実質的にはそういうことをやる。これは今あなたが言うように、どうもこの法には触れないような脱法的なやり方を、きわめて巧妙にやっていくだろう。同じような営業を二つやっているのだから、どうもこの法ではその行為をくくっていく、拘束していくということは、実際できないのじゃなかろうか。ところがこれは現実にやりますよ。このとはどうなんですか。
○松尾政府委員 日本信販が前に信用組合という別の形式で、チケットの供与を受けて信用金融をやっておりましたことは、私どもその当時の実情は知っておりますが、最近のやり方はチケットとは切り離しておるということを聞いておる程度で、それ以上の実態を私どもまだ十分調査しておりませんが、ここで証券の譲り受け等の禁止制限をやらなければならぬのは、昨日もここでいろいろ御説明しましたように、そのチケットそのものが本来の用途以外の形で、いわゆる金融目的に使われて、それがある場合にはブローカーその他を通じて転々流通するというような形をとるというようなこと、そういう不健全なものを制限をしたいという趣旨でありますが、信販の場合に実態がどうなっておるかの点は、今申しましたようなところまでしか現状は把握いたしておりません。
○中村(重)小委員 その実態の調査、これは架空なことをここでいろいろ議論するということは適当でないかもしれませんが、今私が申し上げたようなやり方をやった場合はどうなるのか、信販がそういう信用組合という金融事業をやっているのですね。そこで今のチケット販売の関係では一応発行したチケットを返してもらうのですから、そこでは切れたことになるわけです。ところがこれにかわって信用組合の方で金を貸すわけです。そのときはやはり二重であるからあなたの方では負担である、だからこのチケットはお返しなさい、そのかわり信用組合の方であなたの方に融資をいたしましょう、こうやるのですよ。その返還の方法は給料から天引きをするとかいろいろなやり方をやるだろうと思うのですが、ところがうしろはつながっておるし、購入者側に与えるところの心理的な影響は同じことなんです。片一方ではチケットは取り上げられた、そのかわりに信用組合の方から融資はしてもらった、やはりこういう形になるのですね。それはどうなんですか。
○松尾政府委員 今の例としてあげられました場合、たまたま今日本信販と信用組合が資本的その他でつながっておるということは、これは法律の形式論から申しますれば、一応別個の人格でありますから、法律の扱い上は何といいますか、別人格として扱わなければならぬと思います。それではその信用組合の方がどういう形でお客さんに金融をしておるかということの実態は、私実情をよく調査しておりませんが、今お話しのような形で別途新しい借用証文をとるとか、別途何らかの形での資金を融通しておるということになれば、法律上は全然別個なものになってしまうと思います。
○中村(重)小委員 この問題はまた私の方も研究したいと思います。 昨日から質疑をいたしました第七条の所有権留保の推定の問題です。局長の解釈を伺ってみますが、所有権留保の推定をやっておる際に契約が解除される。そこで販売側は当該物件の取り戻しをするということになるわけですね。その際に購入者の承諾を受けなければこれは家宅侵入罪、こういう形になりますね。どうなんですか。
○松尾政府委員 家庭に立ち入ってやろうとする場合には、当然そういうことになります。
○中村(重)小委員 そうすると購入者が承諾したならば、これは品物を取り戻すことはできるわけですが、その購入者の解釈なんです。購入者本人か、購入者の家族もいわゆる購入者というふうにみなすのか、その点なんです。もっと具体的に言えば御主人が購入者なんです。その奥さん、子供あるいはその他の家族、この人がおったときに、販売者は法律もこうなっておる、あなたの方は支払っていないので契約は解除された、それで品物は返してもらわなければならないのだ、こういうことで、いろいろな言葉を使うだろうと思うのですが、購入者が不在の際にその当該物件を取り戻すことが可能か、その点どうですか。
○松尾政府委員 家屋に断わりなしに立ち入ることに対する、今の家宅侵入云々の問題は、購買問題とは別途の問題で、家屋の占有者として正当に権利を主張し得る人、またそれだけの法律能力を持っておる者、その承諾なしに家屋に入ること自体が、家宅侵入云々の制限に触れる問題だと思いますので、その場合には購買者云々ということとは別個の問題になるのではないかと思います。
○中村(重)小委員 家宅侵入の問題はお説の通りだと思います。私が今お尋ねしておるのは家宅侵入の問題とは別に、購入者が承諾しないのに品物を取り戻すことはできない、こういうことになるのでございましょうか、どうですか。
○松尾政府委員 割賦販売契約そのものの契約当事者が、かりにその家の主人であった場合、その主人の留守中に、今の例で、申しますと、奥さんに、契約解除云々の法律関係がすでに成立しておりまして、従いまして所有権に基づきまして返して下さいと言う場合、奥さんは家庭経済に伴う通常の経済取引の場合は、たしか妻は夫の代理ができる、そして妻の行なった家事に伴う経済的な取引契約は、夫は取り消しができないという夫婦の経済法律関係になっておると思いますから、その辺は通常の法律能力のある妻である限りは、その妻が承諾すれば、一応契約当事者である夫を代理したものとしてその取り戻しは有効になると思いますが、その辺の法律論は、私は専門ではありませんので、もし今私の申し上げましたところに不備がございましたら、また後ほど訂正さしていただきます。
○中村(重)小委員 法律上妻は夫の代理といいますか、あるいは同等というか、それを法律上有効であるとかという解釈は、法律からいえば何条になりますか。
○松尾政府委員 これは民法の一般原則によるものであると思いますが、ちょっと私不勉強で、民法のそこまでのことは承知いたしておりませんので、そこは調べまして後刻答弁さしていただきたいと思います。
○中村(重)小委員 法律的には私は妻の承諾があっても有効でないと思っております。それはあとで調べていただきたいと思います。 それから自動車であるとかあるいは農機具というものは、多く道路上に置くわけです。道路上にあるものを販売者が取り戻したというとき、そういう場合はどうなんですか、有効ですか。家宅侵入のいわゆる刑法の問題、どうなんですか。
○松尾政府委員 家宅侵入という問題に関する限りは、道路上の状態において取り返すことは、家宅侵入との関係はないというふうに承知しております。
○中村(重)小委員 家宅侵入ということとは直接は関係がないということになるかもしれません。ところが道路上に自動車とか農機具というものは置いてある。それを、契約が解除された暁に、販売者が購入者の承諾なしに持ち帰った、これは占有権の侵害という形になっていくんじゃないですか。この点は合法であり、かつ有効なんですか、この割賦販売法の所有権留保に関連して。
○松尾政府委員 今私の申し上げましたのは、家宅侵入の関係でのお答えをしたと思いますが、今の設例の場合のようなときに、所有権の留保は、この法律の推定規定等あるいは約款等によって、売主の方にありましても、占有は当然買主の方にあるわけであります。占有者の承諾なしに占有権を侵すということは、当然違法な状態を惹起する結果になると思います。
○中村(重)小委員 その場合は、占有権者というのは正当な裁判手続を経なければ、その自分の占有権下にある当該物件を取り戻すということは不可能なんですね、そうでしょう。
○松尾政府委員 その通りであります。
○中村(重)小委員 そういうことで、力関係なんというものが所有権の留保の推定とからみ合って起こってくるというようなことも、私は所有権留保の推定は非常に慎重に取り組まなければならぬ問題だというふうに実は思っておるわけなんです。 それから流通部会ではいろいろ議論があったし、また条文の中に入れるべきだという主張も行なわれたということも聞いておりますが、自力救済の禁止と契約解除後の商品の使用、移動の禁止、このことが条文の中に入れられてないということは、考え方としてはどういうことなんですか。
○松尾政府委員 純粋の法律論としては、特に売主側の保護のために、そういう規定を考えられるということで、流通部会でもいろいろ論議がございました。しかし、そこまでの条文をこの中に盛って運用しようとする際に、はたして今の売主側が実際に買主側の使用状況を逐一確認をしてどうこうというようなことは、実際問題として非常にむずかしいだろう。法律の規定の上では売主の保護になるように、形式論ではそうなるけれども、実際問題としてあまり大きな効果がないのみならず、消費者もそういう制約を受けておるということをたえず意識していなければならぬということでは、かえって実際上の法律の効果はない。逆にそういう心理的な制約を受けるということは、法律制度としてそこまで立ち入る必要はないだろうというような点が、流通部会でのおもな議論であったと思います。
○中村(重)小委員 前国会でこの法案の審議が行なわれた際、自力救済の禁止と所有権移動の禁止、この二つを条文にうたわなかったのは、自力救済の禁止は、これは当然法律的に禁止される。従ってこの割賦法案にこれを掲げることは、それならばどうして割賦法案にだけそういうものを条文化するのか、ほかの場へ口はいいのか、こういう疑念が起こってくるだろう、これとの見合いにおいて、契約解除後の当該物件の使用、移動、これも実は条文化しなかったんだと、あなたは答弁をしておられると思うのです。そういうことと違いますか。
○松尾政府委員 自力救済の規定云々の点は、今御指摘になりました通りであります。特に自力救済につきましては、政府部内では、法務省の方でも、むしろ当然のことをうたうということは反対解釈が出てくるおそれがあるというようなことで、私どももその点は、今お話しの通り、その通りであるということで、自力救済の規定は、この法案には取り入れませんでした。
○中村(重)小委員 私どもはこれは特別法であるというところに、刑法、民法に当然禁止されていること、抵触するようなことであっても、これには条文化する必要があるのじゃなかろうかということが一点。それからこの条文の中には当然刑法、民法上禁止されておることでも、条文化している面があるのですよ。それで特にこの自力救済の問題と契約解除後の当該物件の使用、移動を禁止するということをうたわないことは、特別法の性格からいって、どうだろうかというような感じがするわけなんです。やはり契約が解除されたならば、当然購入者はその物を使用したりあるいは移動をしたりしてはならないんだということを、これに知らしめておくというようなことは、法文の上において、あるいは書面の交付といったような何らかの方法をもって、そういうことが必要じゃなかろうかというように思うのですが、またその見合いということになるかどうか、自力救済の規定というようなことも、やはりあたっておくということが適当ではないのだろうかという感じがするわけですけれども、その問題はあとでまた懇談の際に検討してみたいと考えます。 それから第八条の適用の除外の問題ですが、いろいろここで適用除外になる団体あるいは組合というものを列記しておられるのですが、生活協同組合も適用除外の団体に指定されている。ところがこの中に第八条において適用除外になっている団体あるいは組合が、先で第何条かにあると思うのですが、あっせん業者にはなり得る団体があるわけです。ところが第三十一条でございますかに、生活協同組合その他の団体はその限りにあらずというような点があるわけです。そのことはあとでまたお尋ねいたしますが、ここの第八条の適用除外、生活協同組合等を除外した根拠、それらを一つお伺いしたいと思います。
○松尾政府委員 この法案の趣旨は前から御説明いたしておりますように、割賦販売に関する販売者と購入者との間の利害調整、その秩序法ということでございますが、今御指摘の消費生活協同組合の場合は、御承知のような組合の性質上、いわゆる共同目的のために組合と組合員の間に利害の相反することがないという建前で、消費生活協同組合というものはそういうことでできておる団体であると思います。従いましてそのような共同の目的のために組合員が自主的に協同組合を作って、自主主的に協同組合を運営していく、そういう関係にある組合と組合員との関係につきまして、一般の割賦販売業者と購入者との問のような調整、法律の秩序規定を適用するということは、むしろ組合の内部自治にあまり立ち入り過ぎた結果になるのではないかという意味で、そういう種類の組合は、いずれもこれは適用除外をいたしたいというのがこの趣旨でございます。
○中村(重)小委員 その点はわかりますし、二面の真理もあると思うのです。ところがこの法律によって保護されるという保護的な立場からすると、やはり消費生活協同組合の場合も物の供給を受ける側ですね。これは販売という形式をとると購入者側なんですが、やはりそうした法律によって守っていかなければならぬという一面の理由というものもまた出てくるのではなかろうか、こう思うのですが、どうでしょうか。これはまだほかに積極的に適用除外しなければならぬというような理由というものが出て参りますか、あるいはそうした当該団体が希望するならば、適用除外団体というようにしなくてもいいというような考え方がありますか、どうですか。
○松尾政府委員 現在いわゆる協同組合的性格のもので、あまり割賦販売が大規模に行なわれているとは私ども承知いたしておりませんが、現実に組合と組合員の問の割賦販売につきまして相当トラブルその他がある、あるいは起こるおそれがある、従って何らかの、こういう組合と組合員の間の利害調整を——本来共同の目的のためで利害の相反することはないはずでありますけれども、現実にはなかなかそうでない。そういう利害相反するような問題が、現実に相当起こってきたというようなことにかりにぶつかりますならば、その場合には法律の本来の趣旨から申しますと、今私が申し上げましたようなことであると思いますが、そういう自体に直面いたしますれば、その場合の立法的な考えとしては、むしろ現実的な考え方をそのときにとるべきではないかと思いますけれども、現状といたしましては、やはり組合等は組合本来の趣旨に基づいてこの法律の適用を除外しておくという方が、適当であろうというのがその考え方でございます。
○中村(重)小委員 この消費生活協同組合なんかが行なう事業の中には、組合員自体だけでなくて、認可を受けた場合は、いわゆる構成員以外の者の員外利用、そういうようなことも当然適用除外という形においてこの法律の拘束を受けない。また直接この法律の中からは出てこないにしても、一つの政策的なこととして金融であるとか、いろいろな問題が出てくるわけなんですが、そういった場合もその恩典、その福利というものを与えられないというような結果が生じてくると思うのですが、そういう点はどうでございましょうか。
○松尾政府委員 この法案の内容自体には、今お話しのような割賦販売に関して特にそれた促進するような助成策というようなものは含んでおりません。内容自体はあくまで秩序法ということでございますので、そういう趣旨からいたしますと、先ほど申しましたような意味から共同組合的なものに現在のこの法案の条項を適用する必要はないと思いますけれども、かりに将来この法案の改正等によりまして、割賦販売に対する助成策的なものが盛り込まれるというような事態が起こりますれば、その場合は今申しましたような団体の内部自治、共同目的という問題とは、別個の観点の問題が入ってくるわけでありますから、そういう事態のときにはまた別に考える必要があるかと思います。ただ現状ではそういう内容をこの法案には盛っておりませんで、適用除外で当面差しつかえないのではないかと思います。
○中村(重)小委員 それでは関連しますからあわせてお尋ねしておきますが、三十一条に、「第八条第四号の団体については、この限りでない。」というのがあるわけですね。そうすると第八条においては適用除外であっても、三十一条でみると、第八条四号以外の団体はあっせん業者として当然拘束を受けるということになりますか。
○松尾政府委員 三十一条の書き方は、今御指摘のように、第八条第四号の団体について適用除外をいたしておりますから、それ以外のものが他にありますれば、やはり登録を必要とする事態になると思います。ただ第八条の内容でごらんいただきますと、一号、二号等にはこれは登録その他のことが起こりようがございません。三号は国、地方公共団体で、実際上割賦販売のあっせんもないでありましょうし、国、地方公共団体が登録を受けるという事態も予想されないと思います。そういう意味で、ここでは四号の団体ということで限定をして書いたわけであります。
○中村(重)小委員 第五号の場合は起こり得ることがありますね。事業者が従業者に対して行なう割賦販売も福祉であるとかいろいろな名目を使うでしょうけれども、積み立てという形式でもってしておいて、あとで品物を渡すというようなことがあり得るのじゃないですか。
○松尾政府委員 事業者と従業者の場合に現在チケット云々というような事態は現実にはないと承知いたしておりますが、かりにそういうことがありますれば、第五号の専業者の場合には登録をしてもらう。要するに事業者と従業者との関係ではなくて、割賦販売あっせんは事業者の発行するチケットによって物を売ってくれる、いわゆる加盟店の保護ということに相なるわけでありますので、かりにそういうものがありますれば、やはり登録ということで加盟店の保護をして必要が起り得ると思います。
○中村(重)小委員 第九条の標準条件の公示のことでお尋ねいたします。この第九条というのは非常に重要な意味を持つ条文ではなかろうかというように思っております。その条文にあるように「指定商品ごとに、割賦販売価格に対する第一回の賦払金の額の標準となるべき割合及び割賦販売に係る代金の支払の標準となるべき期間を定め、これを告示する」、こういうことになっております。ところがこれは事業という面からいたしまして、非常にむずかしいんじゃなかろうかということですね。それから、私が委員会でお尋ねいたしましたように、二カ月以上、三回以上というようなことでもって割賦販売ということになっておるわけなんですが、現実には相当長期、六カ月以上あるいは一年というような形が割賦販売として行なわれてきているというような点等からいたしまして、政府の方でこの標準を定めていくということには、非常な困難があるのじゃなかろうかということが第一点。そういうことからいたしまして、当然ここに審議会というものを作って、その審議会の議を経る。そういうことで、公聴会が必要であるとするならば、公聴会を早く開いていくというようなことにするのが適当ではなかろうかという点が第二点であります。まだほかにもありますが、一応この点についてお尋ねしたいと思います。どうなんですか。
○松尾政府委員 標準条件の公示の際、その標準条件をどういうふうにとるかという点が、非常にむずかしいではないかという点は、私その通りであると思います。ただこういう第九条の発動される形でのいわゆる標準条件の公示の場合は、かなり極端な混乱と申しますか、事態が起こっておる場合についての条項でございますので、その場合に、より一そう理想的な販売条件というようなことではなくして、最小限これを越えるようなことはあまりにひどいというような意味の、いわば最小限度の標準条件というようなことで検討いたしますならば、またそういうことで検討いたす事態であると思いますが、そういうことでありますれば、まあ現実の場合にもちろんかなりむずかしい問題はあると思いますが、ここに予定いたしますような広く一般の意見を公聴会というような形で十分に徴しますれば、その標準条件を見つけることも必ずしも困難ではないというふうに考えております。
○中村(重)小委員 まあ非常に困難だということだけは間違いないと思うのですが、中小企業者あるいはすべてを含む販売者側あるいは購入者側の方から、もろもろの問題が持ち込まれましょうし、意見が出てくると私は思うのです。そういう場合に、お役所だけでこうした標準を定めていくということには相当困難が起こってくると私は思うのです。困難が起こってくるということは即トラブルがまた生じてくる、こういうことになって参ります。いま一つは、こういう標準を定めていくということになって参りますと、行政指導を当然行なっていかなければなりません。九条だけでなくて、その他いろいろな面に行政指導の必要性というものが出て参ります。そういう指導を行なって参りますと、その指導に従って業者はやはり話し合いをしていかなければならぬ。その話し合いを即協定という形に発展をしていく。そういうことがいわゆる独占禁止法違反というような形にまで発展していく危険性がある、こう私は考えているわけです。そういう点からいたしまして、当然通産省としては審議会の必要性というものを認めておられると思うのですが、これに対してはどうなんですか、あった方がいいというようなことが正直のお気持ではございませんか。
○松尾政府委員 私どもも審議会というような十分な一般討議の場所があった方が、法律の運用がしやすいのではないかという点は、法案検討の際にも十分考えて検討をいたしました。もちろんそういうものがあった方がさらに一そう便利だ——便利という言葉は適当でないかもしれませんが、運用上適正を期し得るだろうということは考えられますが、ただ最近御承知のように、一般に法律運用に限らず政府部内にあまりに多くの審議会が設置されて、それによっていかにもむだな審議会の通用が多過ぎるではないか、またある場合には、政府が十分な情勢判断でやらなければならないこと、あるいはやり得ることを、わざわざ審議会という形でその責任転嫁をはかるような形式が多いではないか、そういうような意味合いで審議会そのものに対する一般的な批判が片方に非常に強いというような事態も考えまして、この場合に政府側で独断的にきめることは、公聴会その他のこの法案に盛られておりますようなことで避けなければならぬけれども、どうしても審議会がなければ運用できないというようなところまでのものではないだろう。そういう意味で本法案の検討の際には、一応審議会というものを考えたことがないわけではありませんでしたが、まず公聴会というような形式で、法の運用の適正を期し得るだろうという結論になったわけでございます。
○中村(重)小委員 実はあなたの真意は、審議会の必要さというものを認めておる。ところが大蔵省との折衝の際に——今あなたの答弁は、私は大蔵省の意向をあなたがお伝えになったというように思っております。必ずしもこれは私がそういうふうに思って言っているのではなしに、前の委員会でございましたか、あるいは何か雑誌であったか思いますが、あなたは率直に審議会の必要を感じている、大蔵省の方に折衝したんだが、予算の関係その他で、大蔵省が承諾しなかったということを実は言っておられるわけなのですが、正直に言ってそういうことではございませんか。先ほどの御意見のように審議会が非常に多いわけです。不必要だというように考えられるような審議会まで確かにないとは言えないと思うのです。しかし絶対なくてはならない審議会が私はあると思うのです。この種の場合はぜひ設置しなければならないものだというように考えております。私ども実は懇談の場合においては、この審議会の設置の問題は強く与党の皆さんたちにも私たちの考え方を申し上げて、そういう方向へと持っていってもらいたい、こう考えておるわけなのですが、ざっくばらんにあなたのお気持も一つこの際聞かしていただきたいと思います。いろいろ大蔵省との関係その他もあろうとは思うのでございますが、あなたがこれは審議会がやはり必要である、この法の運営上きわめて円滑にいくと考えておることは、先ほどの答弁からいたしましてそうでございましょう。どうですか。
○松尾政府委員 審議会の必要性の判断は、私も絶対的な判断基準があるとは必ずしも思いませんが、審議会があればなお一そうやりやすいであろうというところまでは考えられないことはないと思うのであります。しかし先ほど申しましたように、かりに審議会がなくとも、公聴会というような形で十分に一般の意見を聞いて運用できるものであれば、それもまた一つの運用の仕方として、先ほど申しましたように、審議会をあまりに多く作るということに対する批判にこたえる意味からいいましても、この法案の運用はこの程度で十分できるということで、この案の内容を検討いたした次第でございます。
○中村(重)小委員 端的に申し上げて私は、公聴会を通じていろんな意見を聞くんだ、であるからして審議会があることは好ましいがなくとも何とかしてやっていけるのだという考え方は間違いだと思う。公聴会という機会を持たなくともあらゆる階層の人たちを網羅して——もちろんそれには限度がございましょうが、そういう審議会を開いて、そうしてあらゆる角度から検討して、そうして正しい結論を出していくということでなければ、公聴会はもろもろの意見が出ますが、ところが公聴会のそうした意見というものは、必ずしもこれに拘束されるものではございません。従いましていろいろ政治的な、何というのですか、まあ圧力ということもないとは言えないでしょうし、あるいはそういうことの考慮ということも出てこないとは言えない。そういうところに私は問題が非常に複雑になっていく、こういうように海えております。このことはあとで与党の皆さんたちとも一つ十分話し合っていい結論を出したい、こう思いますので、時間の関係もありますから先に進めて参ります。 第十条ですが、これは勧告の規定になっておるようでございます。この勧告の規定で私どもが非常に心配をいたしておりますし、かつまた重要だと考えておりますのは、この法律は取引秩序をよくしていくのだ、公正にしてそうして割賦販売の発展をはかっていくのだ、こういうようないわゆる秩序法であるという説明でございますが、たまたま私が質問をいたしました際の政務次官の答弁は、オーバー消費になるというような場合あるいは笹本委員の質問に関連をして、いろいろ答弁がそれぞれなされたわけなのですが、やはりそうした答弁をした中にも、やはり調節的なもの、景気調節という問題も出て参りましょうし、あるいはまた金融調整的なものも出てくると思うのですが、そうした政策的な方向にこの法律が運用されてくるのじゃなかろうかというように考えます、そうなって参りますと、この法律の趣旨説明というようなことからいたしましても、あるいはまた通産省が今日まで一貫して答弁して参りましたことは、決して政策的なものじゃないのだ、そうした調整的なものにはこれは利用しないのだ、あくまで取引秩序を公正にしていくという秩序法の行きようじゃないのだ、こういう説明と変わってくると考えております。この点ぐるぐる説明が変わってきておる面がございますので、一つ事務当局としての解釈を聞かしてもらいたいと思います。
○松尾政府委員 人のお話の中にもございましたように、この法案に関する限りは、あくまで、取引秩序に関する法律でございます。それ以上に特別の促進策も盛ってございませんし、特別の抑制策も盛ってございません。現在日本本の割賦販売の現状は、だんだんと伸びる状況にはございますけれども、これを欧米諸国の例と比べてみますと、全体の取引高の中に占める割賦販売の取引員というのは、まず非常に初歩の段階でございます。従いまして現状あるいは比較的近い将来においてこの程度の割賦販売の量は、信用調節その他の道具に使い得るような大きさのものではない。しかし将来かりにそういうところまで割賦販売の取引量が伸びれは、その事態になればそういう信用調節のことも考え得ると思います。現在私どもの考えまするところでは、現在伸びようとしている割賦販売について、それが取引秩序の上からいっても健全な形で伸びることを期待したい。将来それが健全な形で伸びていくならば、今お話しの信用調節というような問題も将来の問題としては起きるかもしれないというのが、この法案の内容と相関連した意味で、私ども考えておる趣旨でございます。
○中村(重)小委員 第十条はこれは過当競争の防止の勧告ですね。そうでしょう。そうなって参りますと、販売者側を何らかの形において守っていく。そのことは取引秩序だけではなくて、経済的な面を多分に加味した政策的な形のものだ、私はこのように実は判断されるわけなんです。そうすると、販売者側の立場、そうした経済的な立場における勧告ということは考えられておるが、先日も私が質問いたしましたように、販売者側と加入者側との間におけるいろいろな特約というものが実は行なわれる、この法律ができて特約は無効であるとかいうことを書いたといたしましても、いろいろな特約が私は出てくると思う。そういう大なり小なり加入者側を圧迫する形が出て参ります。そういう行為に対しては勧告をするというようなことは、どこにも出ていないということが一つ。もう一つは、この第十条によるような勧告であるとかあるいは第九条というような場合、その他の条文の中にも見出されるわけですが、えてしてこのような行政指導であるとかあるいは勧告であるとか、こういうものは業者の協定を促して参ります。そのことは独禁法の違反という形に発展をするということは予想をしておりませんか、どうですか。
○松尾政府委員 第九条、十条の関係は、今御指摘の中にもございましたように、大部分の場合がいわゆる業者間に過当な競争が行なわれる。割賦販売の商品の価格なり品質が、販売の公正な競争によって消費者のために有利になっていくことはもちろん非常に望ましいことでありますけれども、健全な割賦販売特有な、ある適当な頭金でありますとか賦払い期間というものがあるべきはずであるのに、その度合いを越えて、たとえて申しますと、対象商品の使用にたえる期間よりも、はるかに長い割賦販売期間が平然と行なわれる。そういう状態になることは、割賦販売そのものが不健全になるということです。もちろんそれは一面割賦販売業者の方の経営が不健全にならないようにということもございますけれども、同時にその過当競争の状態に乗じて、割賦による購買者が、商品の使用期間を過ぎたあとに、割賦販売代金だけを残すというような不健全な割賦販売が行なわれることだけは、最小限度この法律の運用上からいっても防いでいきたいというところまで含めまして、九条、十条の内容はとどめてございます。これはもちろん今申しましたように、一面割賦販売業者の経営健全ということにもなりましょうが、同時に購入者のためにも割賦販売の条件そのものが健全であるということが望ましいという意味合いであります。 今お話しの約款云々、割賦販売に関する売買約款について、この法律の企図しているようなところが守られない場合にどうするか、あるいはこの法律の予想しなかったような不利な約款が出てきた場合にはどうするかという点でございますが、これは、一応現在各種の約款を調査いたしました結果、問題のありそうな点は一応この法律で調整をとったつもりでございますが、かりに将来、そういう現在予想されないような不当に不利な約款が割賦販売業者の方から出てくるということになりますれば、これはやはり法律の改正をもって法律自体で制約するということ、個々の販売の内容、約款等につきましては、そこまでのところで解決せざるを得ないのではないかと思います。 なお最後にお話しの、とかく割賦販売業者の方で独禁法違反のような事態を起こすおそれはないかという点は、現状ではむしろ割賦販売業者の問にかなり苛烈な販売競争が行なわれておりますので、現状で協定云々というような事態か起こるとは私は思いません。しかし、かりにそういう事態か起これば、これは当然独禁法によってその取り締まりを受けることは当然であります。ただ現状ではそういう事態は私どもはないと思っております。
○中村(重)小委員 現状ではない、こうおっしゃるわけですが、この法律がそういうことを促すと私は言うのです。だから、そういうような条文を作るというところに問題があるということが一つ。 もう一つは、今あなたの答弁の中に、この法で示すところの標準をはるかにオーバーした賦払い制度であるとか、あるいは販売機関、あるいは頭金、そういうような場合にとおっしゃったが、現実ははるかにこの法律の標準とは相違しているのですよ。二カ月以上、三回以上というのは、割賦販売としては皆無だとは申し上げません。しかし、少なくとも六カ月以上、一年というのは、もう今日の割賦販売の常識みたいになっているのですよ。この法律を作るときに、一つの標準というもので、以上ということを書いてあるのだとあなたはおっしゃるかもしれませんが、あくまで原則は、二カ月以上、三回以上というのが原則なんです。二カ月あるいは三回ということが原則でしょうか、どうですか。
○松尾政府委員 第二条の定義で書いておりますことは、こういう二カ月以上、三回以上の分割払いというものが、この法律の適用対象となる割賦販売でありますということを規定しておるだけでございまして、この二条の定義に書かれているような、たとえば二カ月で三回の分割払いのものが割賦販売の標準的なものであるというような、そういう意図は全然この第二条にはないわけであります。
○中村(重)小委員 そうすると、あなたが割賦販売の標準をはるかに越えた場合と言う標準は何ですか。
○松尾政府委員 割賦販売の標準というものが、現在はっきりしているわけではもちろんございません。今私が申しましたのは、極端な場合ということを想定したのでありまして、今一つの例として申しましたのは、その割賦販売にかかる当該商品の普通に使用される期間よりも、さらに長いような割賦販売期間がかりにあるといたしますれば、それは普通常識からいっても不健全だ、標準という特別なものがあるわけではございませんが、普通の常識の標準をはるかに越えた不健全な割賦販売期間ではなかろうかということを申し上げましたが、標準というものが、はっきりしたものが現在あるわけでは、もちろんございません。
○中村(重)小委員 あなたを信頼しないように聞えるかもしれませんが、今の御説明を聞いただけでも何かばく然とし過ぎておると思うのです。そういう標準であるとか、あるいは常識的なものであるとか、こういう勧告であるとか、このような一般的なもの、常識的なものという判断等も、先ほどからるる申し上げたように審議会というようなものの議を経ていく、いわゆる衆知を集めていくということがすぐ必要になってくる。そういうことが独禁法違反にも実はならないというような形になるのだということは、今の十条を通じての質疑応答の中にも特にそうした感を強く受けるのでございます。 しかし、次に進めて参りますが、十一条の前払式割賦販売業者の登録の問題でございますが、これは実は非常に厳格になっております。ところが、具体性がないわけでございますね。登録に対しては、出資金の問題であるとか、あるいは法人であるとか、もろもろのことは出ておりますが、その出資金の額の標準というものもない。どのようにもこれを運営されるというような感じを強く受けるわけなんでございますが、この前払式割賦販売のことにつきましては先日の委員会におきましても質問をしたのでございますが、なおこの際考え方を一つ具体的に御説明願いたいと思います。この前払式割賦販売の問題に対しましては、特に強行規定になっておりますね。罰則がすべてついてくるというようなことになっておりますので、一つ単刀率直にこの点については考え方を聞かしていただきたい。
○松尾政府委員 御承知のように、現在前払式割賦販売の行なわれておりますのはミシンと手編み機械の一部でございます。私どもの現在までの調査で申しますと、現在全国にいわゆるミシンの販売業者といわれますものは四千店をこえると思います。その中で前払式の方式を併用しておるものが約千店ほどあると思われますが、今回の法案の中でも、規模の小さなものにつきましては、特に登録云々の制約を受けないように規定しております。この制限を、かりに前払式割賦販売が年間百万円をこえないものは登録の必要はないということにして試算をいたしますと、大体全体で三百五十店くらいがこの割賦販売の登録の制約を受けることに相なると思いますが、この登録の趣旨は、特に申し上げるまでもないと思いますけれども、前払式はまず代金を前に受け取って、従いまして販売業者の方はお客さんからその期間商品を渡す以前に代金を預かるわけでございますので、そのような状態における購入者の方の保護、従って割賦販売業者の資産等につきまして、十分購入者の保護になり得るような仕組みを、この登録という制度、さらにそれに伴う監督規定によって確保しておるというのが、この制度の内容であります。
○中村(重)小委員 法人にしたのはどうなんですか。法人は内容がしっかりしているということで、個人はどうもあいまいで内容等がそこではっきり表われてこない、そういうところから信用度合いというものがわからない、こういうことだけの意味ですか。
○松尾政府委員 今御指摘の通りでございます。
○中村(重)小委員 それからこの出資金、資本金ですか、これはどの程度考えておりますか。
○松尾政府委員 御承知のように、先ほど申しました前払式割賦販売業者でこの登録という形で出てきますものは、おそらく三百五十社程度あると思いますが、その中で特に全国的な規模で、ミシンの割賦販売等を行なっております大手のものが、約十社ほどあると思います。そういうことで、あとはいずれも経営規模の小さなものであります。そのような現実の状態でございまして、それぞれの経営規模に差がございますので、ここで言っております資本、出資額等も、やはりその事業規模に見合ってある段階的な基準を考えることが、現実に合うであろうというふうに考えております。
○中村(重)小委員 今の御説明でもどうもわかりかねるのですが、なおこのことはもう少し検討してみたいと思います。 それから前払式は業を営む前に登録をするということになっておるようであります。ところが先ほど百万以下の販売は登録をしなくてもいいんだ、こういうことでございますが、この前払式割賦販売業を営む前提は登録である。ところが年間百万円の販売ということは売ってみなければ結果は出てこない、こういうことになると思うのでございますが、この第十一条の一号に、「指定商品の前払割賦販売の方法による年間の販売額が政令で定める金額に満たない場合」、これは三百万円売ろうと思ったけれども、実は百万円しか売れなかった。八十万円売ろうと思ったけれども三百万円売れたということが、私は結果として出てくると思う。これはどうもこの項でもって疑問に感じているのですが、どうなんですか。
○松尾政府委員 政令の書き方の問題に相なると思いますが、この法律の規定の趣旨があまり零細な規模のものまでしいて登録というようなことで、もともと事業規模が小さくて、従ってごく限られた営業の範囲しかやっていない部分についてまで、登録制度の繁雑さを適用する必要はないという趣旨でありますから、ある人が前払式割賦販売をやろうとするときに、現在は、当面は年間取引が百万円に満たないかもしれないけれども、いずれ百万円以上になるであろうということが予想されるならば、その前払式割賦販売業者はあらかじめ登録を受けておけば、安全であるというような運用になると思います。もっともこの百万円というような点は、一応私どもの現在の腹案をその程度にいたしたいということでございます。
○中村(重)小委員 この前払式割賦販売は強行規定ですよ。登録を受けないで販売をするということは、これは刑罰に触れるのですよ。その点からみますと、強行規定という性格からいたしまして、今あなたの答弁ではちょっとあいまいすぎると思う。これは非難じゃありません。あなたの答弁を非難するのではなしに、実際問題として、強行規定の条文に対してはもっとはっきりしたものでなければ、自分は百万円には足らぬのだと考えておっても、それは商売ですから、成績を上げたい、何百万売るかもしれません。しかしそれは故意にやったのではありません。中には故意にやる人もあるかもしれませんよ。けれどもそれだけ売るつもりではなかったので登録しなかったのだ、どんな言葉でも使いますよ。そのように問題を起こすようなことを、こういう条文ではちょっとあいまい過ぎると思うのです。
○松尾政府委員 すでに前払式割賦販売の営業成績のある人は、大体自分のところの営業規模、販売規模というものは想定できると思います。私どもの調査で、たとえば東京都内での調査を見てみますと、これは悉皆調査ではございませんが、十五店の割賦販売業の中で大体九店が四百万円をこえております。従いましておそらく百万円に従来も満たなかった、将来も百万円をこえることはないであろうというような前払式割賦販売をおやりになる店というのは、大体店の規模で自分でも判断がおつきになるのではないかと思います。政令である基準を設けるということになりますと、その限界としましては、御指摘のような用心のために登録をしていただかなければならぬというような場合も起こり得ると思います。さればといって、そういうことのためにどんな小さい取引でも全部登録するわけにも参りませんので、現実問題としてはそういう若干の不明瞭はございますけれども、このような除外規定を置かざるを得ないのではないかと思います。
○中村(重)小委員 小委員強行規定の条文をお作りになるときには、そうした今の御説明のようなあいまいな条文では適当ではない、こう考えます。しかしこのことはまたあとで再度検討したいと思います。 それから前払い式割賦販売で先日もお尋ねをし、かつ指摘をしたのですが、ただいまのあなたの答弁では、現在の時点のミシンであるとかカメラであるとかピアノ等の例をお引きになったのですが、私がこの前指摘をしましたように、前払式割賦販売制度は登銀側である登銀制であるということは、非常に厳格な規定があるので、そう簡単にはだれでもやれないというようなこと、今あなたは三百社ぐらいだとおっしゃったのですが、この三百社あるいは三百五十社というのは、通産省の方ですべて指定するというそうした根拠もございません。実際の運用にあたってはいろいろな配慮も出て参りましょうし、施策も出てくると思う。またこの前払式割賦販売制度を巧みに利用していって、独占的な方向へ運営していこうという業者が、出てこないとは限らぬ。私は出てこないとは限らぬというよりも、そういう方向へ働きかけていこうということが多分に予想される。あなたはそういう予想は全然しておられませんか。
○松尾政府委員 それは全く経済の実勢に対する将来の予想でございますから、私も確定的なことを申し上げるわけには参りませんが、現在割賦販売の中で前払式が行なわれておりますのは、前から御説明いたしておりまするように、ミシンと手編み機械だけであるように、私どもの調査ではなっております。どうしてミシンと手編み機械についてだけ前払い式の割賦販売が現在行われておるのかという点は、私どももちょっと事情は必ずしもはっきりいたしませんが、一応想像いたしますれば、ミシン等は戦前から割賦販売の非常に広く行なわれておった種類の商品であると思います。そういう以前の形が戦前に行なわれておりました前払式割賦販売が、現在も相当程度残っておるというような状態ではないかと思います。現にこのミシンの割賦販売、月賦販売をやっております業者の内容を見ましても、そのミシンの割賦販売は必ずしも前払式でやっておるわけではございません。その一部が前払式で行なわれておるという程度で、私どもの聞いております限りでは、現在の消費者心理からいって、代金を全部払ってしまうまで商品が手に入らないという前払式は、初めはそういう契約であっても途中で普通の月賦販売、つまり先に商品を下さいという月賦販売契約に切りかえる事例が非常に多いというように私ども聞いております。つまり消費者心理からいえば前払式で全部の代金を払ってからでないと商品が入らないという形式よりは、頭金を払って商品が手に入るということの方が、最近の消費者心理にはマッチしておるのではないかということを想像いたしますが、これらは今後の経済実勢なり消費者心理の動きによりますので、もちろん断定的なことは申し上げかねるわけであります。
○中村(重)小委員 前払式割賦販売について今のあなたの御説明からだけ伺いますと、あってもないがごとし、こういう条文は作るけれども、前払式を利用するというようなものは消費者心理からいっても大したことはないのだというような御説明でございます。今の御説明なり答弁からだけ受ける私の印象としては、大して重点を置く必要はない、こういう御答弁のような感じすらいたします。しかしあなたの方としてはこの前払式割賦販売制度で登録制度には相当ウエートを置いておると私は考えます。この全体からながめてみまして、また現実問題としても、この制度ができたならば、現在前払式割賦販売をやっていないメーカー、なんていうものが続々と——続々と、といいますとなんですが、登録制度であるから限られて参りますが、そういう方向へどんどん進んでいく。これを巧みに利用しようという働きかけが出てくると思う。今の個別割賦販売をやっている電気製品なんかにいたしましても、やはりこの前払式割賦販売を何とか一つ利用して、中間的なものをできるだけなくして、消費者にも安く売るが同時に競争相手を少なくすることにおいて利益を特に上げていこうというような形で出てこないとは限らない。そういうことが即中小企業を圧迫するという形に発展する危険性があるんだということを、この前払式割賦販売制度の中に非常に心配をするわけなんです。そういう点、あなたはお考えになっておりませんか。今までの御答弁のように現在の時点、過去に行なわれてきた、そういうことだけでこの前払式割賦販売制度が設けられ、しかも強行規定を作り、そして罰則なんというようなところまで行なわれるというようなことをここでおやりになるということは、少なくともあなたのお考え方の中には、今ずっと続けてこられたそういう答弁、この制度を設けられたということと違うのではないか、そう考えますがいかがですか。
○松尾政府委員 私今申し上げましたのは、前払式割賦販売が将来大いにこの形式のものが伸びるだろうかということについて、私はかなり疑問を持っておるということを申し上げただけでございまして、決して現在行なわれております前払式割賦販売を軽視するとか、あるいはこの法律の運用その他にあたっても、それはあまり重要な問題ではないというようなことを申し上げておるわけでは決してございません。もちろん現在相当多額の前払式割賦販売が行なわれておるのでございますから、法律の規定なり運用については、十分重点を置いて考えなければならなないことはむしろ当然であります。ただ今お話しの今後大企業なりそれにつながるものが、さらに前払式割賦販売という形式を大いに利用して、大いに営業範囲を広げるのではなかろうかという点でございますが、これももちろん将来の問題でありますから、私ども何ら確定的なことは申し上げかねますけれども、現在の状態で申しますと前払式割賦販売を行なっておりますのは、比率で申しますとむしろ中小規模のものに見受けます。これは私どもの調査で申しますと、いわゆるミシンの割賦販売の大手といわれます十社、その内容を見ますと、達観して全体の割賦販売額の一割から一割五分程度が前払式で行なわれている程度である。あとの八割なり九割はむしろ普通の割賦販売、月賦販売で取り扱われております。それに対しまして中小規模のミシン販売業者の場合には、もちろんこれは個々によって非常な差がありますが、前払式の比率が今申しました一割とか一割五分ではなくて、達観いたしますと五割というくらいに、その比率がかなり高くなっております。この現在の情勢を見ますと、前払式割賦販売というような形で消費者から代金を預かって云々というようなことは、今お話しの大規模のものが大いに今後この制度を利用するようになるであろうかという点は、今後の実勢いかんではございますが、私は必ずしもそういうことになりそうだとは思えないような気がいたしますが、これはまあ私の感じを申し上げた程度になるかと思います。
○中村(重)小委員 板川委員の方でも御質問がありますので、時間の関係もありますから、私は二、三お尋ねをしまして、私の質問をそれで終わりたいと思いますが、第三十一条の「第八条第四号の団体については、この限りでない。」というのは、これは登録をしなくてやってもかまわない、こういう意味なんですね。必ずしも登録せぬでもよろしい、やること自体は問題ではないわけでありますね。
○松尾政府委員 その通りであります。
○中村(重)小委員 それから罰則の行為が四十三条の中に出て参りますが、「又は登録割賦購入あっせん業者の代表者、代理人、使用人その他の従業者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」この代表者、代理人、使用人その他の従業者、これについて一応御説明願います。
○松尾政府委員 代表者という場合には、もちろん法人の場合はいわゆる代表権を持っておる者。法人の場合の法律行為をいたしますのは、御承知のように対外的には代表権を持っておる者がやるわけでありますが、そういう者をここで代表者という表現をいたしておると思います。 代理人は、個人、法人を問わず、代理で法律行為をやる。従いまして、いわゆる代理権を持っておる代理人という意味であると思います。 それから使用人でございますが、これは法人、個人の場合を通じまして、その登録業者との間に雇用契約を結んでおるという者であると思います。 それ以外の従業者というのはそれではどういうものが残るかということになりますが、個人営業の場合でありますれば、家族従業者というような者でありますと、事業には従事しておりますけれども、雇用契約というものがございませんので、使用人というわけには参りません。そういう意味で、その家族従業者をここで表わしておると思います。また法人の場合等においては、御承知のように嘱託とか顧問とかいう形で、法律上はある仕事について委任とか準委任というような法律関係に立つ者があると思います。こういう顧問、嘱託というような人の場合には、雇用契約という意味での使用人という意味は含まれませんので、ここでその他の従業者ということで表わしておると思います。
○中村(重)小委員 今の御説明で何かはっきりしたようなしないような形なんですが、実際問題として雇用契約にあるところの使用人、雇用契約はないが従業者は家族だということになって参りますと、むしろウエートはその面にかかってくると思います。 しかし、それはどちらも刑罰に触れるのでありますが、みずからの意思によってそういう違法行為を犯すというようなことにならないという例が、ほとんどであると思いますが、そうした使用者の意思によって行動したとうかがわれる使用人その他の従業者、こういう者まで刑罰の対象にするということは過酷だというようにお考えになりませんか。
○松尾政府委員 これは刑法の一般問題になると思いますので、私は必ずしも正確にはお答えできないかもしれませんが、刑法ではもちろん行為者を罰するということになっておりますから、表現としてはこういうことになると思いますが、今お話の場合のように、当人が、かりに店の主人から、この罰則に該当するような行為をすることを命ぜられ、しいられて、その結果そういう事態が発生をしたという場合、通常の状態でそういう主人の指図その他を拒めないというような事態の生じた場合には、当然刑法の一般的な解釈で、その罰則の規定の適用は起こり得ないと思います。
○中村(重)小委員 いろいろ今までお尋ねをいたしました中に、たとえば自力救済の問題であるとかその他の面で、どうもやってはいけないことであるけれども、刑法、民法の中に明らかであるから、特にこの法の中には条文化いたさなかったのだという御説明があった。しかし、そうした刑法、民法の中に明らかになっておるようなものでも明文化しているものもあり、どうもそういう点について一貫性がないというように感じられるわけでございますが、そういう点はあとでまた修正するところは修正をして参りたいと考えております。 なお、先ほど私一つ聞き落としたのですが、法案の中から、また将来予想されておるような政策的な面から、この第八条の適用除外になっておる団体について、これを適用されないために受ける不利益な措置と申しますか、いろいろそういう点が出てくるのじゃなかろうかと思いますが、その点に対しては法律の適用除外になっておるということをもって直接的に、また将来の政策的なものからも、不利益な取り扱いは起こらないというふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○松尾政府委員 先ほど申しましたような趣旨から、私もそう考えております。
○板川小委員 今の四十三条をちょっとお伺いしたいのですが、四十三条にある行為をした場合罰する、こういうことになるのですが、その使用人その他の従業者、これは区分が必ずしも明確でないのですが、しかし罰する場合は業者の代表者または代理人程度までは罰すべきだろうが、使用人及びその他の従業者まで罰するのはどうも過酷じゃないか。これについてどうも答弁が明確じゃないように思うのですが、これはどうしてかというと、結局前払式割賦販売をやるのでしょう。金を集めてくれば、それは業者の代表者がそれを受け取るのでしょう。納めずにいっちゃったのならこれは横領罪とか、別の罰則にひっかかるのですから、それを業者の代表者の命を受けた代理人がそれを預かったとすれば、それが登録しないでやった行為なんですから、私は業者の代表者、代理人程度まで罰することは当然としましても、使用人その他の従業者まで罰するのは、どうも不当じゃないかと思うのですが、この点はどうお考えですか。
○松尾政府委員 四十三条で罰則を科しておりますのは、二十条第一項、三十四条一項いずれの場合も新たに契約を締結した、つまり違法な資産、信用等におきまして、購入者の方に迷惑をかけることが明らかなような状態になっておる場合に、さらにその事態を無視して、法律ではその場合の契約の禁止、新たに契約をすることを禁止し、また新たにチケットを売ることを禁止しておるのにそれをあえてする、細川消費者に迷惑をかけることをあえて辞さないような契約の締結なりあるいはチケットの交付をやる、こういう事態にその販売業者の営業状態がなっております際は、通常の状態でありますればその使用人自体までその事態は、そういう非常事態でありますから、十分知っておるはずであります。にもかかわらずあえてその使用人が自分の意思で新たに契約を締結したり、チケットを発行したりいたしますれば、その迷惑は消費者に及ぶ。使用人がそういう事態を普通の状態で知らないで、知らずにそういう事態を起こしたということは、普通では起こり得ない。そうではなくて心配されますのは、その店の主人かあえて使用人にそういうことを強制する。そういうことをこばみ得ないような状態にあったときは、使用人はいかにも気の毒じゃないかという事態は予想されますが、それは先ほど申しましたような刑法の一般規定と申しますか、解釈でそういう場合の救済は一般的にあると思います。ただここでは法律的には行為者を罰するということになっておりますので、使用人もそういう場合の契約を締結したり、チケットを発行するということは、普通の状態では使用人がやる行為でありますから、それがそういう非常事態においてならば、普通の状態ならやり得る行為を使用人もやってもらっては困りますということを、ここで押えておるわけであります。
○板川小委員 通産大臣から前払式割賦販売契約を締結してはならないという命令が出ているのですね。そうした場合には、当然代表者なり、あるいは代表者を代理する代理人が、従業員にそれは言明しますね。それで言明したのにやることはないと思うので、そのやってはいけないというのに、使用人や従業員がやるのは、それはどうも代表者の命令が十分に行き届かない場合が多いのじゃないかと思うのです。ですからいずれにしましてもその責任は代表者、代理人まで及ぶべきであって、使用人、従業者まで及ぼすのは過酷ではないかと思うのです。 本会議も始まったようですから、もう二、三ついでにやっちゃいましょう。これはいずれ委員会のときに意見を述べたいと思うのです。 それから中村委員の質問の中で残った点、ちょっと質問いたしますが、十一条の前払式割賦販売業者、この中にはたとえば百貨店やメーカーが、こういう資格をとって登録をしてやる場合には、可能ですか。
○松尾政府委員 法律制度としてはそれは排除いたしておりません。可能であります。
○板川小委員 ここで百貨店やメーカーが、前払式割賦販売業者の登録を得てやるということになりますと、私は非常に問題が将来起こってくるだろう。こう思うのです。この点は十一条の中に、メーカーや百貨店が面接に前払式割賦販売をするということを禁止するという気持はございませんか。
○松尾政府委員 現在行なわれておりますミシンの前払式割賦販売は、かなり大きなメーカーが直売の方式でやっておるものがございます。従いましてこれを禁止するということになりますれば、もちろん将来に向かって禁止をするものである、そういう御趣旨かもしれませんが、なぜそういうことをメーカーに限って禁止をしなければならないのか、そういう営業の自由の制限をしなければならないのかという問題に触れてくるのではないかと思います。
○板川小委員 ただこれは百貨店法なんかの精神にもあるのですが、メーカーや百貨店がそういう形で、中小企業者の分好までどんどん入っていくということは、中小企業者の位置というものを相当脅かすことになるのじゃないか。そういう気持で前払式割賦販売はメーカー、百貨店は一つ遠慮してもらおう、こういうことの方が、中小企業擁護政策という意味から必要じゃないか、実はそう思ったのですが……。
○松尾政府委員 その御趣旨は私もよくわかります。ただメーカーの問題につきましては、今申し上げましたような問題があると思いますが、さらに百貨店の場合には現在前払式割賦販売は現状では全然ございません。ただ問題といたしまして、先ほど中村委員からのお話もあったと思いますが、こういう形の月賦販売が将来大いに伸びるだろう、特に百貨店営業をやっておるものが、こういういわば金を預かってから物を渡すというようなそういう繁雑なこと、月賦で預かる、月々少しずつ預ってというような営業形態を大いに望むだろうかというような実態問題はあるかと思いますが、さらにこの法律の形といたしまして、そういう営業に関して、今お話しの大企業あるいは百貨店と小売商というような問の分野の調整というような、新しい別途の政策的な規定をこの法律体系に入れることは、やや異なった観点の政策論を法律に持ち込むことになるかと思います。もちろん不可能ではございませんけれども。
○板川小委員 それから十一条の一項一号ですが、先ほど中村委員からも執拗に質問があったのですが、年間の販売額が政令で定める金額に満たない場合は、業として営んではならない、こういうことになるのですが、これに違反すると四十二条一項一号で「一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」こういうことになるのですね。この表現はやはり不十分だと思います。たとえば過年度における販売額が百万円をこえる場合、以下であれば登録しないでもよろしい、このようなことにならないと、やってみなくちゃわからないという表現は、しかもこえておった場合には罰則が適用されるかもしれないというのじゃ、どうも表現として不合理じゃないかと思うのですが、この点はもう一ぺん一つ……。
○松尾政府委員 政令の書き方の際に、その辺の工夫があるいはあるかもしれないと思いますが、確かに御指摘のようにその限界線のところあたりになりますと、事案の内容いかんによっては不測の事態が起こるということも考えられないことではないと思います。政令の表現の仕方でその辺が救済できますれば、できるだけそういうことも考えてみたいと思います。
○板川小委員 九条と十条の関係ですが、九条で標準条件の告示をする。標準条件の中には頭金の額の標準となるべき割合、割賦の支払いの期間、こういったものを通産大臣が告示をする。しかしこれは一つの標準であって、必ずしもこれに従わなくてもいいわけです。しかし著しくこの標準より離れており、それが割賦販売の健全な発達に著しい支障が生じた、そういう場合には、十条による勧告で、それを是正する、こういうことになりますね。標準条件はこれを九条で告示にしておりますね。十条の勧告は標準条件を守れとかあるいは変えろというようなことを勧告するのですが、「前項の規定による勧告は、告示により行なうことができる。」こういうのですが、これはできるというよりも「告示により行なう。」といった方が、すっきりするんじゃないでしょうか。
○松尾政府委員 今御指摘の点は、「できる。」と書いてございますのは、もちろん告示によってもいいし、告示によらないで個別勧告をしてもいいということになると思います。私どもの基本的な考え方は、この十条、勧告の場合は、その効果を期する意味からいいますと、むしろ個別に勧告した方が当人にぴったり参りますから、むしろ効果が多いのではないかと思います。一般的な告示でありますと、自分のことを言われておるということが想像できるだけであって、それに比べますと個別勧告の方が効果が多いと思いますが、ただそういう勧告を要するようなものが、かなり多数である場合には、あまり個別勧告というわけにも参りませんので、そのようなときには告示で行なうことができる、両方の意味を含めて書いたつもりでございます。
○板川小委員 そうすると、割賦販売業者が告示の割合より著しく違った方法で割賦販売した場合が多数であれば、告示による場合もある。しかしそれが少数であるという場合には個々の勧告による、こういうことになるのですね。
○松尾政府委員 そういう意味であります。
○板川小委員 それから十七条の営業保証金の額ですが、これについてわれわれの方でも二つの意見があるのです。それは最高の額五十万円をこえない、最高の額を五十万円と営業保証金の限度をきめてありますが、この五十万円じゃ実態からいってかえって少ないのじゃないか、もっとこの金額をふやすべきだ、こういう意見があります。しかし、あんまりこの金額をふやすと、かえってそういう諸費用が高くついて、コストが高くついて購入者に不利な条件を押しつける結果になるのじゃないか、こういう意見もある。この五十万円というのは、そういう意見もあるが、いまちょっとふやした方がいいんじゃないか、たとえば百万円程度までやった方がいいんじゃないかという意見もあるのですが、これについてどういうお考えを持っておりますか。
○松尾政府委員 消費者に対する保護といいますか、その内容は、むしろ前渡し割賦販売業者の資産状況を絶えず監視するというところに、この法規定の重点があるはずでございますが、ただ営業保証金等の場合は、さらにそれ以上の補足的な保護規定だということに相なると思います。従いましてこれだけで消費者の保護が云々ということにはなりませんが、万一の場合の補助的な手段だ、そういう意味でほかの立法例を比較検討いたしまして、一応ここでは最高五十万円ということでいたしております。ほかの立法例を見てみますと、むしろこれは業種業態が違いますので、そのまま持ち込むわけには参りませんが、最高二十万円というのがかなり例としては多うございます。もちろん五十万円の例もございます。しかし百万円という例もやはりございます。従いましてこの辺はほかの立法例を比べて、業種業態の比較的似ておるものを持ってきたという以上のことはございませんので、五十万円というのに決してリジットな意味があるのではございません。
○板川小委員 それからもう一つ、「代理店ごとに五万円の割合」、この五万円というのは低過ぎるのじゃないか、こういうことについてどうです。
○松尾政府委員 これもやはりほかの立法例からそのまま引いてきたことで、それ以上の意味はないのであります。ほかの例といいますと、五万円のものもあり三万円のものもあり、二万円のものもあります。この辺は判断の問題でありますので、私どももはっきりした基準があるとは思われないのであります。
○中村(重)小委員 関連して一つ、今の支店、出張所——早く言えば本店があって、全国に網の目のように支店、出張所を置く、これはやはり系列化の形が出てくると思うのですよ。私どもは消費者の保護という立場、いわゆる消費者に対してそれだけの信用というような点からだけ考えるのではなしに、それほど全国に支店、出張所を持つ商社というものは、大きい商社だと思います。そして中小企業に対してカを持っておるそういう業者が、わずかの登録賢といいますか、保証金でもって全国的に強い資本カを持って経営をしていく。こういうことはやはり登録業者でなければできないことであるから、中小企業を圧迫するという形が出てくるということを問題にするわけなんです。ただ本店だけしか持たないというような業者、それに五十万円を百万だということは、これは問題があるわけです。あまりその金額を多くすることは、限られた商社だけしか前払割賦販売業者になり得ないという形が出て参ります。ですから、その本店の金額を多くすることについては、私は一面からいえば必ずしも賛成できません。消費者の信用という問題を離れて考えてみた場合……。しかし支店、出張所を持つ業者というものは、資本的にも相当力のある業者じゃないか。そういう業者の支店、出張所、代理店に対して、わずか五万円の保証金を積んだというだけで登録業者としての権利を与えていく。そのために中小企業、個別割賦販売業者というものまで、非常にこれで抑えられてくるという結果が生まれてくることを、私どもとしては非常に問題にしておるわけです。そういう意味からして、この五十万円、それから各支店、出張所、代理店の五万円ということに問題があるのであって、ほかのいろいろな例なんかという問題よりも、そういうことに対してどうお考えになったのか、その考え方を実はあなたにお尋ねをしたい、そういう考え方なんです。
○松尾政府委員 この営業保証金の制度ということの本来の趣旨から申しますと、やはりこれは消費者保護のための保証金であって、これを多くしますことによって、大きな企業に経済的負担を、制約を与えて、中小企業との競争関係について若干でも調整しようというような趣旨の法律制度では、私はないと思います。従いまして、そういう意味から申しますと、やはりこの種類の営業保証金についての他の立法例も、一つの参考にはしなければならぬと思いますが、しかしほかの立法例の場合が、この前払、割賦販売業の場合と全く同じものであるというわけではございませんので、この場合はこの易合で、やはりこの業態に合うような営業保証金を考えることは、私は当然であろうと思います。
○中村(重)小委員 その保証の制度は、対消費者の関係だけを考えた制度だ、こうおっしゃる。しかしその制度がただ消費者だけの関係で終わるならば、それは大した問題じゃないかもしれません。しかしながら、その制度のために非常に力の弱い中小企業、そういう業者が圧迫されてくるという形が出てくるじゃございませんか。だから対消費者だけの制度であるというように、私どもはあなたの答弁のように割り切って考えるわけには参りません。やはりこういう条文ができ上がったならば、こういう制度が作られたならば、どこに問題が出てくるであろうかという全般的なことを考えなければ、こういう法案の審議はできないわけなんです。私どもがそういうことを問題にするならば、立案に当たった提案者のあなたの方でも、そういうことをお考えになることが、私はあたりまえじゃないかと思うのですが、その点どうなんですか。
○松尾政府委員 今が今申し上げました点は、営業保証金というものの制度の性格は、そういうところにあるということに限定して申し上げたと思います。従いまして、本来の法律上の制度、性格はそうであるかもしれぬけれども、現実問題としてはそういう副作用と申しますか、経済的にはそういう問題が起こるではないかという点は、私も十分考えて検討しなければならない問題であると思います。
○板川小委員 五条と六条の関係でちょっと質問いたしますが、五条では契約解除の場合、購入者が金を支払わない場合に契約解除の条件が書いてあるわけですが、これは私の例でもあったのですが、ソニーのトランジスターの携帯ラジオを一万三千何がしで買った。ある年の十月ごろでしたか、十一月ごろ、それよりも小型でしかもいい性能のものが九千八百円かで売り出したのです。そういうような場合、今度は購入者の方から契約解除を申し出る、こういう場合があると思うのです。その購入者から契約解除をする場合は、これは第六条によることになりますか、一体どこによるのでしょう。
○松尾政府委員 その場合は民法の一般規定によるのであると思いますが、そういう売買契約、双務契約の場合に、一たんある商品の品質を承知して、販売契約が結ばれております限りは、その場合には売り主の方が承諾すればともかくも、法律上買い主の方に契約解除権という権利は、現在の民法ではないのかと思います。もちろん売り主が承諾してそれでは品物を引き取りましょうということになれば、これはまた別であります。契約解除権というものは、その場合には現在の民法としてはないと思います。
○板川小委員 そうしますと、そういう事実が生じた場合には、六条によって払わないで品物を返す、こういうことになると使用料を取られる、及び支払いがおくれた場合には法定利率による金利を取られる、こういうことになるのですか、返還した場合は。
○松尾政府委員 ただいま申しましたような事情で、割賦販売業者の方が承諾をして正式の法律上の契約解除をいたしましょうということになりますれば、六条の規定が働いてくると思います。
○板川小委員 割賦販売業者が承諾しなくても、金を納めなければ結局契約解除になるんでしょう。その場合には通常の使用料の額と金利とを負担すればいい、こういうことになりますね。
○松尾政府委員 その通りであります。
○板川小委員 もう一つ四条ですが、三条では割賦販売条件を明示しろ、四条では書面で契約を交付しろ、こういうことになっておるのですが、この三条の明示は、場合によってはこれはいいとしても、書面交付による契約をしなかった場合には、どういう利害関係が生まれるのですか、割賦販売業者に。
○松尾政府委員 この第四条の書面交付規定は訓示規定でございますので、これ自体に罰則その他の問題はございません。この趣旨はあくまで、割賦販売というものは通常長期にわたる契約でもございますので、契約内容を書面によってはっきりして、できるだけ紛争の起こることを防止したい、そういう意味の訓示規定にとどまっております。
○板川小委員 米国の例なんか見ますと、署名捺印しないで割賦販売の契約をした場合には、それ自体無効だ、こういうふうになっていると思うのですが、この書面交付を割賦販売業者に義務づけないということはどうなんですか。やはり問題が起こりやすいのだから、これは義務づけた方がいいのじゃないですか。
○松尾政府委員 英国の立法例の場合にはそういう義務づけ、今のお話の点があると聞いておりますが、日本の場合には、従来割賦販売の行なわれております実態は、相当高価な商品等につきましては書面の交付が行なわれており、そうでない場合は必ずしも書面の交付が行なわれてなかったというのが実態であると思います。ただ日本の場合は、今申しましたように割賦販売の適用商品がかなり広いと申しますか、例の月賦百貨店等では、くつ下のようなものまで月賦の対象に一緒に売っております。そういう場合に、この書面の交付をかりに罰則をもって強制するというところまで参りますと、どうもあまり日本の現状については即しないような実情ではないかと思います。
○板川小委員 そうしますと、商品を指定する場合には、くつ下なんかまでも指定しようというわけですか。
○松尾政府委員 くつ下という指定の仕方はいたさないと思いますが、衣料品とかいうようなもっと包括的な表現で、指定が現在は行なわれておる。割賦販売の商品を特に除外するということにはいたさないつもりでございます。
○板川小委員 もう一つ、これは私どもとしては七条の所有権に関する推定規定は、削除したらいいのじゃないかという考え方を持っておるのですが、まあ一歩譲ってそのままとしまして、この書面の交付の中で、念のために所有権に関する条項を記載するようにしないのはどういうことになりますか。たとえば、書面には次の事項を記載しておかなくちゃいけない、こういう一、二、三、四、五までありますが、その中で所有権に関する事項はどこに入るのですか、五の中へ入るということになりますか。それとも、重要な項目ならば、そちら側の立場からいうならば、もう一項それを必ず明記すべきではないかと思うのですが、どうですか。
○松尾政府委員 第四条の各号では、所有権留保の約款等を書面で書くようにということはうたっておりません。現在、大部分の場合が所有権留保の約款があるということでありますけれども、ここで特にそこまでのことは強調いたしませんで、その点はむしろ一般の取引慣行にまかせておりますが、何かトラブルがあった際には推定規定が働いてくるということの仕組みにいたしております。
○板川小委員 私どもは所有権に関する推定規定を落とせという建前からいっているから、ないことはないでいいのですが、そちら側の立法の建前からすると、七条にこうあるならば、やはり問題が起こってから七条でやるのだということでなくて、たとえば六なら六として一号作って、そういう関係も記載事項と必ずしなくちゃならぬのじゃないか、その方が実は問題を起こさないことになるのではないか、そういうそちら側の立場から聞いているのですが……。
○松尾政府委員 前に中村先生か外のお話のときにも私申し上げたと思いますが、法律技術的にはそういう立法のやり方も考え得ると思います。
○板川小委員 まだ自力救済の問題等もありますけれども、時間もきたようでありますから、私の質問はこれで一応終わります。
○岡本小委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる二十三日火曜日午前十一時より開会することとし、これにて散会いたします。 午後二時三十四分散会