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38回国会衆議院1961/03/28

商工委員会科学技術振興対策特別委員会連合審査会 第1号

発言数
121
登壇者
7
会派数
2
開催日
1961/03/28

会議録

中川俊思自由民主党

○中川委員長 これより商工委員会、科学技術振興対策特別委員会連合審査会を開会いたします。  協議によりまして私が委員長の職務を行ないます。  鉱工業技術研究組合法案及び新技術開発事業団法案の両案を一括して議題といたします。     —————————————     —————————————

中川俊思自由民主党

○中川委員長 本案の趣旨につきましては、各位のお手元に配付いたしてあります資料によって御承知願うこととし、直ちに質疑に入ります。  質疑の通告がございますので、順次これを許可いたします。田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 両案につきまして質問いたしたいと思うのですが、まず最初に新技術開発事業団法案についてお伺いいたしたいと思います。  この法律と理化学研究所法を比較いたしてみた場合に、理化学研究所法の第一条の目的、それから事業団法案の一条の目的、それから理化学研究所法の二十九条の業務の範囲、それから事業団法案の二十八条の業務の範囲、これを見ましたら、結局は理化学研究所法を二つに分けた、少なくとも法律の建前からはそうなっておるのであります。それで新技術開発事業団法というものを特別に作る必要があるのかどうか、今までの理化学研究所法の法の建前からは同じ文句だ、目的と事業の範囲は少しもふえていないわけです。  まず最初に、特にこの法案を提出し、事業団を作る必要があるのか、その点についてお伺いいたします。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○池田(正)国務大臣 これは御承知のように元来理化学研究所に併置しておりました。本来これは別々に出発すべき性格のものでございましたけれども、その当時の事情からして、研究所に事業団を併置したというようないきさつもございました。これがますます発展するに連れて、どうしてもこれを別個にした方がいいし、同時にまたすべきであるという建前に立って、これを分離したというふうに解釈していただきたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 理化学研究所法案提出当時のいきさつもあって、こういうことですが、どういういきさつがあったのですか。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○池田(正)国務大臣 当時私はいないので、間違うといけませんから、局長から答弁いたします。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 理化学研究所が特殊法人になりました昭和三十三年でございますが、それ以前からわが国の研究成果というものが非常に数多くあるにもかかわらず、一般の実用に供するに達しないものが非常に多い。この際そういった研究成果を事業化していくような機構を考える必要があるということは、かねがね日本学術会議、経済同友会等からもそれの要請がございました。そういった要請を反映いたしまして、新しく当時新技術開発機構というような名称で、独立法人を作りたいという考えを持っておりました。この前例になるのはイギリスの研究開発公社でございますが、研究開発公社におきましても昭和二十三年以来実施しておりますが、その実施規模というものは、最初は比較的小規模である、そういうふうな経験もありますので、初めから大規模な組織を作るよりも、ある程度規模の小さいもので試みにこれを行なって、その結果非常にうまくいくという見通しがついた暁においては、これを独立するということも考えられるが、さしあたっては理化学研究所において、そういう開発業務を行なった方がいいだろうという見解に立ちまして、理化学研究所法の施行にあたりまして開発部を設け、そこで研究成果を開発していくという業務を分担させることにしたわけであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そういたしますと、先ほど池田国務大臣の言われた、当時の設立のいきさつということではなく、最初からまず理化学研究所で小規模なものを試み的にやっていこう、そういうことでやって、三年たって、その開発部門の事業が大々的に取り上げる必要ができてきたから、こうして別に事業団を作るのだ、そういうことですか。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 おおむねそういう線でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 理化学研究所のやりました試験研究の結果を企業化していこう、こういうのがこの法律の目的でございますか。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 これにつきましては、法案の第二条でございますが「この法律において「開発」とは、科学技術に関する試験研究の成果を企業的規模において実施することにより、これを企業としうるようにすることをいう。」というふうに定義してございますが、企業化するという、企業としてやるというのではなくて、企業となし得るような段階に持っていくということでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それではいわゆる企業化していく——僕はさっき企業としていくと言ったが、企業化です。企業化していくための事業団である、そういうことなんですね。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 言葉のニュアンスがちょっと明確に理解しかねますが、企業とし得るような状態に持っていくということでございまして、企業そのものをやるということではございません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 だから、企業として成り立つようにするまでのことをやろう、こういうことなんですか。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 もう一つ違った角度からお答えさしていただきますが、御承知のように研究というものは、各方面の研究機関で行なわれておりまして、その成果が直ちに企業の中で取り入れられるものも、もちろんございます。しかし、一般に言いますと、そのままでは企業がすぐ取り上げるわけにいかぬというものがございます。どういう点からそういう点があるかと申しますと、おおむね企業として研究成果を利用するには、その研究成果が経済的な価値を持つ段階に至る、すなわちある程度量的な試みをしました場合に、それが経済的な角度から見ても、企業とし得るというような見通しがないと、その技術、研究成果というものは、直ちに企業化されないわけでございます。そういった段階におきまして開発を行ないますことを「開発」と呼んでおりますが、その場合に、必ず企業化されるというものであるならば、企業体は直ちにそれを取り入れるわけでございますが、必ずしも経済的な価値を持たないという場合も起きます。そういたしますと、研究成果としては一応でき上がっておるけれども、経済的な角度から見ると、それはうまく成立しないのだというような、いわば失敗の場合もあり得るわけでございます。そういった危険負担をこの事業団にさせて、そしてわが国の研究成果のうちで、そういう開発という段階を踏ませることによって、企業段階に入れるものをできるだけ促進していきたいという趣旨でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 法案の二条の一項なんですが、一番末尾のところに、「企業化されていないものをいう。」だから、試験研究が終わって企業化されていないものを、その企業化の段階まで持っていく、そういうのがこの事業団の目的、そういうことじゃないのですか。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 おおむねそういうことでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それではお伺いいたしますが、その試験研究の結果及びそれを企業化まで持っていく間に行なわれるところのいろいろな行政措置があります。たとえば民間の試験研究に対する補助金の交付だとか、あるいは新技術を企業化した場合の設備の特別償却の承認とか、あるいはそれに関連する開銀の融資あっせんとか、そういうものがありますね。これは一体、現在どこの所管となっておりますか。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 まず補助金関係で申し上げます。補助金関係につきましては、農林省、通産省、運輸省、建設省、厚生省等がそれぞれ補助金を持っておりまして、研究の段階におきまして、国が援助することによってその研究が促進され、しかも国家的な視野から見て重要であるというようなものにつきましては、それぞれ関係各省が補助金を交付して促進をしております。しかし、そういったものにつきましては、研究が進むという段階はございますが、その研究が終わった段階におきまして、企業化するという場合には、なお不安の残るものも起ころうかと考えております。  それから次に融資関係でございますが、開発銀行の融資等にあたりましても、ただいま申しましたような関係各省からの推薦に基づきまして、開発銀行が融資を決定しております。こういった融資の対象となるものにつきましても、その新技術が、企業といたしましては、その融資を受けることによって実施して、失敗しないという見通しについて相当確信を持ったものについて、融資を受けるわけでございます。ところが、この新技術開発事業団で取り上げようと考えております問題は、そういった企業体の意欲においてのみでは、失敗の危険があってやれないというような問題を、現段階ではこの対象に考えておるわけでございまして、そういった融資ベースでは考えられないものが、新技術開発事業団の開発対象になろうかと考えております。  それから税制関係でございますが、これも関係各省において、それぞれ所要の保護措置をとっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 その関係各省がそれぞれの行政措置をやっておるということは、結局実践的な行政措置といいますか、そういうものにはそれぞれ所管庁があるんじゃないか。これは私の理解の間違いかもわかりませんが、本来科学技術庁とか経済企画庁とかいうところは、経済または科学技術の行政についての総合的調整をなすところの主たる任務を持つものだと思うのです。現に科学技術庁設置法の第三条を読みますと、「科学技術庁は、」と始まって、「科学技術の振興を図り、」云々とあって、「行政を総合的に推進することをその主たる任務とする。」こういうことになっておるのです。従いまして科学技術庁という官庁は、そういった科学技術の行政について——今言われたように、通産省にある、あるいは農林省にある、あるいはまた文部省にあるかもわからない。そういった科学技術行政の総合調整をやるべきところである。それで、それを実際に具体化していくということは、それぞれ実践的な各官庁がなすべきものでなかろうか、このように考えるのであります。従って、本法案の四十六条第二項でございますか、各関係所管大臣と協議する、こういうことになっておるのも、そういうことじゃなかろうかと思うのです。そこで通産大臣にお伺いいたしたいのですが、今後この事業団が取り上げていくものの大部分は、鉱工業関係ではなかろうかと思うわけであります。現に理化学研究所の過去三年間における七件のものを見ましても、ほとんどが通産省所管事項でございます。この法律ができまして、そういった科学の試験研究、これを企業化の段階にまで持っていこうというこの事業団に対しまして、通産大臣は単なる協議、これであなたは了承されたのだから、こうなったのだと思うのですが、これでどうなのですか通産省としては。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 これはいきさつがございまして、理化学研究所の所管が当初から科学技術庁にあったのでございまして、それの拡大したのが今回の事業団だ、そういういきさつがございまして、科学技術庁の所管になったわけであります。それから大部分は従来理化学研究所の対象となるものは鉱工業関係でございますけれども、理論的には範囲はもっと広い。鉱工業のみならず厚生あるいは農林、建設各方面にわたる科学技術の分野を対象とするものである。こういうようなことで、科学技術庁の所管にわれわれは同意しているようなわけでございますが、しかし通産省の所管に重なる部分につきましては、今お話がございましたが、協議を受けるということになっております。協議にもいろいろ程度がありますが、われわれは相当な所管の重なる部分につきましては、単なる上っつらな形式上の協議に応ずるということでなしに、実質に十分に入って、そうして協議の目的を十分に果たし得るように今後参画いたして参りたい、かように考えておるわけであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私は当初、一番初めに質問したものは、理化学研究所法ができるときは、この理化学研究所の一開発部門としてそう多く取り上げていくのではない、一部分としてやっていくのだ。こういうことでいわゆる科学技術庁の所管といってもそうおかしくはなかった。ところが今度はこれを独立さして、いわゆる企業化の段階にまで進めていくのだ。そういうことを目的とする法案であるならば、もう少し考え方が変わってくるのではなかろうかと思うのであります。  そこで池田国務大臣にお伺いしたいのですが、科学技術庁設置法の先ほど申しました第三条それから第四条の第十二号、これは「関係行政機関の科学技術に関する事務の総合調整を行うこと。」こうなっておる。それから第八条の第三号、これのカッコの中を読んでいただきたいのですが、「他の行政機関の所管に属することを除く」ということになっておるのですが、そうするならば、私は科学技術庁としては、本来が科学技術行政の総合調整、そういうことを重点としていくべきであって、その結果これを一つの企業の段階にまで持っていこう、こういうような仕事はむしろ科学技術庁が上とか、通産省が下とかいう意味ではないが、その調整のもとにそれぞれの所管官庁が進めていくのがほんとうではなかろうか、そういうように考えるのですが、いかがでございましょう。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○池田(正)国務大臣 田中委員がおっしゃったようなものの考え方も成り立つかもしれませんが、企業化した場合には、もう科学技術庁の手を離れていきますから、そこまでの段階ですから、今あなたの御心配なさっているようなことは私はないと思います。  それからもう一つは、特にこの際御指摘申し上げたいことは、従来の官僚的な所管争いといったような概念でいきますと、そういうようなこともやかましく言わなければならぬが、少なくとも目的は国家の要請に基づいて科学技術の開発というところにあるのでありますから、従ってわれわれの方から通産省に十分相談をする場合もあるだろうし、そのときはいわゆる官僚的な概念を離れて虚心たんかいお互いにその目的に向かって相談をする、こういう態度で、そういう新しい一つのルールをこの際立てた方がよかろうと思っているのです。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 先ほど私がお伺いいたしました試験研究から企業化へのこの間において必要とする行政措置、先ほどあげたようなものですが、そういうのは各所管省が行なう、こうお答えになったんですね。その間において別に行政上支障はありませんですか。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 御質問の趣旨がちょっと明確には把握しておりませんが、関係各省と私ども呼んでおりますが、各省におきまして研究を開発されて、そしてそれぞれ各省の所掌の線に沿って企業化の方向にいく穴埋めのステージを進められるということについて支障はないか、こういう御質問と解釈いたしましてお答えいたしますが、各省においてそれぞれ研究開発されるということは、私は別に異論はないかと思います。ただそこで事業団法を提出しましたゆえんのものは、開発を進める段階のうちにおいて、その研究が、先刻も申し上げましたように企業的な段階にまだ達していない、企業的な段階に達せさせるための開発をするのに相当の資金、労力、設備等を投入してやって、もし失敗したならば大へんな損害になるというような問題でちゅうちょしているような問題がある。そういった問題を集中的にかつ総合的に進める機構としまして、新技術開発事業団というものをこの際設置して、そして開発委託をする方が、個々の企業者がそういう失敗を繰り返し、あるいはそういった機構を各省がみな持っていてそしてやるのと、どちらが効率的であるかという観点に立ちますと、総合的な角度で設置法にも科学技術に関する行政を総合的に推進する任務を持っている科学技術庁といたしまして、こういう事業団を監督するというような権限を持ちまして、総合的に推進する方がより効率的であろうという観点に立つならば、こういうことを所掌するということも意義がある、また必要であろう、そういうふうに考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 もっと具体的に言えば、ある一つのものをとらえましょう。それを試験研究をする段階、これは理化学研究所がやる、それを今度企業まで持っていくこの間ですね。企業になればそれぞれ企業体がやる。理化学研究所の試験研究の結果を取り上げて、新事業団が企業化して企業に渡すまでのこの間の過程において、先ほど申しましたような、たとえば民間試験研究に対する補助金の交付とか、術の企業化設備の特別償却の承認とか、融資のあっせん、こういうことは事業団の手を離れてからなんですね。あとの二点なんかはどうなんです。企業化のための資金のあっせんあるいはそのために作る設備の特別償却の承認、これはそれぞれ事業担当所管省がやるわけでしょう。だから今言ったようなことは、いわゆる事業団の業務から離れてから起きる事態なんですか。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 ただいまの御質問でございますが、まず第一点でございますが、理化学研究所の研究が進んで、それから企業がこれを利用する、こういうような過程からお話を進められたようでございます。理化学研究所の開発もすでにそうでございましたが、まず理化学研究所の研究の成果だけを開発の対象としてはいないという御理解に立っていただきたいと思います。そういう角度でございますので、私ども今まで実施して参りましたのは、主として公共的な使命を持った研究機関、国立の研究機関、大学の研究所、あるいは公益法人の研究所ないしは特殊法人の研究所、そういった各方面の研究所でできた研究成果で、それが直ちに企業化されるものにつきましては問題はございませんが、企業化されないでおるようなものにつきまして、開発の対象としていろいろ調査をいたしまして、その中でこれは必要であるというものについて開発を委託して実施しておるというような実情でございます。その点あらかじめ明らかにさしていただきたいと思います。  次の御質問でございますが、融資のあっせんだとか、あるいは税制上の保護というような問題は、すでにこれは企業の段階に入ったものでございまして、そういうような段階につきましては、それぞれ関係各省において所要の政策をなさるということは当然だと考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 たとえば、この新事業団は、ある企業に対してそれの委託をやるのでしょう。そこが企業化ができるかどうかをやっていく、こういうことでしょう。それじゃその委託を受けた甲という会社なら会社がやる場合に、たとえば通産省所管の事業所であれば、この事業団法に基づくところの技術の開発について、そういったいろいろな面は出てこないか、こういうことなんですよ。委託せられる受託者の方は通産省の所管でしょう。農林省の場合もあるけれども、鉱工業でいうならば通産省の所管です。委託したのは新事業団で、これは科学技術庁の所管です。委託を受けた方は通産省所管である。そして委託に基づいて、いわゆる技術開発、企業化への道を進めていくわけなんです。その間の行政措置としては何もないのか。もしあるとするならば、これは通産省に属するものじゃないか、こう言っておるのです。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 田中委員のおっしゃた通りでございまして、理化学研究所から委託をいたします場合、理化学研究所は科学技術庁の所管になるということになっておりますが、もしそれがうまい工合に成功いたしまして、今度はその委託を受けた企業なり、あるいは場合によりまして他の企業なりがその成果を実施するという場合に、たとえば開銀融資というような問題が起こりますれば、それは当然その事業を所管する官庁の責任の範囲になるものと考えます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 たとえば今の開銀融資等は、これは新事業団としてでなく、その企業がやる、こういうことですか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 その通りでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうすると、どうも試験研究の結果の普及ということと、それの企業化への道、この中において所管の問題で、何らか変なものが出てくるような気がするのですが、そういうことはないのですか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 先ほど通産大臣からも科学技術庁長官からもお答えがございましたように、私どもはこの法律を運用いたして参ります場合に、科学技術庁側といたしましては各事業所を所管いたします官庁と緊密に連絡をとってやって参りたいと考えておりますが、単に運用だけの問題でございませんで、端的に申しますと、先生がそのような御心配をなさるゆえんのものは、いかにもそういう点が科学技術庁にいってしまって、通産省の仕事でなくなるような御心配をお持ちじゃなかろうかというふうに考えるわけでございまして、理研あるいは開発事業団そのものは科学技術庁の所管ということになっておりますけれども、工業化に至るまでの仕事をするのは、すべて科学技術庁の仕事であるというような感覚ではございませんし、通産省としても、事業団の行ないます事業については、よく承知をしていただけるような仕組みになっております。その間に何ら不安はないものというふうに考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 その委託を受けてやっている、それは結局はこの事業団の仕事としてやるのでしょう。ところがそこに必要ができたときには、通産省の行政措置というものが出てくる、そうじゃないですか。そうなった場合にどうなります。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 企業化できる段階という確証が起こりますまでは、科学技術庁の所管でございまして、通産省として、たとえば先生のおっしゃいます開銀融資というような問題が発生するという段階は、それを企業が取り入れて大々的にやりますというような、ほんとうの企業として行なうという段階でございますので、ごちゃごちゃになるという心配は私どもはいたしておりませんし、またそれぞれその段階に応じて手が打たれるのは当然だ、そのように考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そういたしますと、結局は、委託をする、そうして企業化の段階になって、それじゃ私の方で企業化いたしましょうというた瞬間に、これはもう事業団から離れるわけですね。そうして受託せられた企業に移るわけですね。そうしてもし失敗をした場合に、いわゆる企業化の見通しがつかないというときには、そのまま事業団の失敗として残るわけですか。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 過去三年間の七件の経験をもとにして運用の実情をお話し申し上げたいと思いますが、ただいまの開発の委託という問題は、委託者——従来ですと理化学研究所でありますが、今後は新技術開発事業団でございますが、委託者の責任においてこれをいたします。従いまして、その間受託者の方との間にあらかじめ契約を結んでおきまして、成功という段階に到達いたしました場合には、どういうふうな債権債務のやりとりをするかというようなこともあらかじめきめた上で、開発委員会が従来は成規の認定をいたしておりますが、これは成功だということになりました場合には、今まで委託でやっておった仕事を引き継いで、ノー・ハウをもって、そうして研究成果を事業化していくという段階に入っていくわけであります。不成功の場合はどうなるかと申しますと不成功の認定がありました場合は、それまで開発の方から投入いたしました経費は、受託君の方は負担しななくてよろしいということになります。そうしてその間若干の設備等がそこに残りますから、それは売却処分等によって回収をするということをいたします。開発段階におきましては、すべて事業団の責任という形でやりまして、それが済んで事業化という段階になりました段階において、初めて融資の問題であるとか、その他の保護助長政策を受けるというような問題が、その後の問題として現われる。企業体としてはそういう問題になろうかと思っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 これからの例でも過去の例でもいいが、受託者との間に結ばれる契約の文言はどういうことになるのですか。いつをもって契約が終了するというような書き方になるのですか。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 開発の事業計画というようなものにつきましては、従来の例で申しますと、開発委員会というのがございまして、どういうような規模でどういうようなものをいつまでにやってみるということの大綱を、開発委員会というのにかけます。その開発委員会の審議の結果に基づきまして、従来ですと理化学研究所がその責任において開発を委託いたします。委託する段階は、さらに詳細な契約を理化学研究所とそれから受託者の間においていたし、さらに詳細な打ち合せをいたします。その詳細な打ち合わせと申しますのは、開発委員会で大綱をきめていただきますから、そのきめられた大綱に基づいてそういう契約を結びます。そういう形で行なわれますので、従来の例ですとごたごたなどは起こらなかったわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私が言っているのは、企業化せられるその瞬間において所管がかわってくる、こういうことになる。そうすると契約の終期といいますか、受託者と委託者との契約の期間ですね、この契約は達成せられるとかあるいは無効になるとか、こういうきめ方いかんによってかわってくると思う。だから具体的に実際やっていくのに、どういう文句を使っているか聞いているわけです。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 ただいまの終期をきめる内容でございますが、おおむね二つの角度から終期をきめております。一つは技術的な角度からたとえばかくかくの品質、性能のものができるようになるとか、それから経済的に見てこれくらいの原価でできるようになる、おおむねそういったたぐいの目標を定めます。それでその目標を定めるために必要な施設をいたしまして開発をいたします。その期間は実例で申し上げますと、おおむね二年くらいを目標にしております。二年くらいの目標で開発を委託するが、それでできますかということを受託者に相談をいたしますと、受託者の方でも、それくらいの期間ならできそうだということで、そこで契約が結ばれますので、それによって施行されるという形をとっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私の言っているのは、科学技術庁のあなたに聞くのもおかしいかもしれないが、事が重要だから聞いているのです。問題は双務契約だが、その双務契約の期間というものは、いわゆる一定した期間としてきめられるのか、それともたとえば解除条件付の期間としてきめられるのか、停止条件付の期間としてきめられるのか、こういう点です。それによっていつどういう瞬間において事業団——今までのところは理化学研究所ですが、事業団の手を離れて企業のものになるか。それと同時に所管がかわってくるのでしょう。だから契約の内容、契約のきめ方なんです。期限のきめ方をどういうきめ方にするのか。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 期間のきめ方についての御質問であるかと思いますが、おおむね開発を委託するときに開発目標というものを定めます。研究室の研究成果というのがございまして、これはまだ実際規模でやったことがないということでございますと、それを実際規模でやるにはいろいろな建設的な工事もしなければなりません。それから実際の運転の段階に入ったら、諸施設もそれに合わせてやらなければなりませんので、そういった期間を算出いたしまして、それから品物をそこで生産してみる、そして一定の歩どまりのものが一定の数量のものに達するということを検討いたします。その検討に基づいて期間をきめるわけでございます。あらかじめ二年ということをきめてから、そういう期間をきめるのではなくて、今まで開発を委託した実例は、そういうような実情から相互間で納得するような期間を考え出しまして、両者納得の線できめていくというのが実情でございますが、開発事業団の方からいえば、なるべく短かい期間で開発を終了してしまいたいというのが希望であり、そして受託者の方では確実にいい成果をあげるために、できるならば十分時間をほしいというのが、一般的な要望かと思いますので、その間相互間に打ち合わせをいたしまして、妥当な線を出してきめるというのが実情でございます。そのおおむねの期間は、平均は二年くらいを目安に、今までやっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私の聞いているのは、いわゆる話し合うとかなんとかいうことでなくて、双務契約は話し合うのが当然なんですよ。いわゆる契約書に書かれるのは何年何月何日までとか、向こう二年間とかいうきめ方をするか、それともかくかくかくたる条件が成就したるときときめるのか、すなわち条件付の期限なのか、一定期限なのか、こう聞いているのです。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 大へんどうも回りくどい回答をいたしましたが、前者の方でございまして、おおむね何年ということをあらかじめきめて、その間に目標に達するように努力をしてもらうということでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうすると、その間にいわゆる企業化できるというところまでに、一つの条件があると思うのです。これだけの歩どまりにするとか、こうとかいったような、コストが幾らとかということがあると思うのです。その二年なら二年の間にそれができなかった場合には、その期限は延長という格好をとるわけですね。そうしていわゆる条件が成就したとき、すなわち期限が来たとき——この期限というのは一定の期間、何年何月何日という期限に来たときに、初めて事業団との間の契約は無効になるということで、契約が達成せられて終わって、そこで初めて企業に移る。そのときをもってたとえば通産省なら通産省の所管になる、そういうことですか。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 その通りでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 だいぶ入口と出口がわかってきたような気がするのですが、その間にあって相当いろいろな問題があろうと思いますが、それは結局四十六条二項による協議によってすべてはうまくいく、これは科学技術庁の方も通産省の方もそう考えておられるわけですね。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○池田(正)国務大臣 田中委員は大へん御心配なさっているようですけれども、要するに開発の段階で——段階は一年になろうが、二年になろうがこっちがめんどうを見る。開発の段階が済んで実際に企業化に移す、そのときの戸籍はどうなるか。どっちにも戸籍のつかない場合もある。いよいよ戸籍をつけなければならぬというときになったら、そのときはりっぱに通産省にお渡しする、こういう考えで私はいいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 協議というのは四十六条二項、これで協議さえうまくやれば、そのときに突っ込んで出てくるであろういろいろな条件について話し合いがうまくいっておれば、その間にトラブルはない、こういうことですね。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 いわば里子を預かったようなもので、それで、いよいよこれでよろしいという段階に達すれば、今度はこっちの籍に移す、こういうことでございまして、その間のトラブルはあまり私はないように思われます。協議によって解決すると思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 野党の私がそこまで心配する必要はないと思うのですが、往々にして各官庁閥になわ張り争いがあるから、そこまで心配せざるを得ないわけです。  そこで、これと同じようなことで一つ考えられますことは、今一緒に議題になっております鉱工業技術研究組合法案ですか、これなんかは純然たる研究目的のものであるというところから見ると、これはむしろ科学技術庁で出すのが、あべこべになっているのじゃないかという考え方を持つのですが、その点、両大臣どうですか。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○池田(正)国務大臣 お説の通りであります。ちょっと見ると、そういうふうに考えられますが、ことに今の組合法案は、出てきたときに私もこれはおかしい、これはこっちでやるべき性質のものであるのに、それを通産省から出しておるので、役所の者に聞いてみましたところが、通産省は最初から手をかけてやったということなので、今さらそんなことで私と椎名君がけんかするのはみっとも、ないから預けておけ、こういうつもりであります。しかしただ単にこの問題に限らず、通産省といわず農林省といわず、各省の公立研究機関が今日のままの姿でいいかどうかということになってくると、これは私は非常に疑問だと思う。そういう意味でこれからそういう方面の検討も、科学技術会議で進めていきたいと思っております。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 内容によると思うのでありますが、ただいまのところ、科学技術庁としては分野としては原子力、航空関係、それから少しあいまいな問題として、理化学研究所というものをいきさつ上、共管したような関係になっておりますが、これは共同研究の内容によってきまる問題だと思うのでございます。一応私どもといたしましては鉱工業技術研究組合法案ということで、分野を明確に鉱工業と規定してございますから、科学技術庁の方が、そう心配する必要もない問題だと思っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 だから、ここで総理が必要になってくるのです。だから総理に来てもらうように要求しておったのですが、委員長どうですか。来ないことがはっきりしておるのですか。——経済企画庁とか科学技術庁というのができていい点もあるのだが、そこがおかしくなっておる。たとえば地域開発の問題にいたしましても、きょうの本会議で低開発地域開発促進法というのが提案になりますが、これは経済企画庁から出しておる。ところが同じようなもので、若干ニュアンスは所管庁によって違うのだが、自治省も考えておれば建設省も考えておる。通産省ももちろん工業立地のことで考えておる。同じようなことがこの技術の問題についても出てくる。大体言えばそれぞれの設置法においてきまっておることだけれども、具体的に入っていくと、どうもわけがわからないような状態になっておる。だからそういうふうな場合には、どこの所管にしてどうやるのかということは、やはり総理でないと判断がつかぬと思う。両大臣にけんかしてもらっても困るので、だから総理を要求としておったのですが、委員長、これはどうしますかね。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 速記をやめて。   〔速記中止〕

中川俊思自由民主党

○中川委員長 では速記を始めて下さい。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 この研究組合の所管について、まだ明確になっておらぬようでございますから、補足的に説明を申し上げまして御了承を得たいと思います。  この研究組合の主務大臣は通商産業大臣となるのでありますが、ただし組合の行なう試験研究の成果を直接利用される事業が、他の大臣の所管に属するものである場合には、その事業を所管する大臣が主管大臣になる。つまり鉱工業となっておりますけれども、研究の内容によって所管大臣が違う場合もございますから、御参考までに申し上げます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 本会議も始まったらしいが、どうでしょう。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 ちょっと速記をやめて。   〔速記中止〕

中川俊思自由民主党

○中川委員長 速記を始めて。  この際暫時休憩いたします。    午後三時二十分休憩      ————◇—————    午後四時四十分開議

中川俊思自由民主党

○中川委員長 休憩前に引き続いて会議を開きます。  池田国務大臣より発言を求められておるので、これを許可いたします。池田国務大臣。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○池田(正)国務大臣 先ほど私が田中委員にお答え申し上げました言葉の意味が、若干受け取り方において誤解を受けたような感じがあります。というのは、今度の鉱工業技術研究組合法案という法律は、本来科学技術庁でやるべき性質のもののように私個人は考えられる、田中さんもそういうような御意見だったと思いますが、しかし今これをどっちにやっていいかとか悪いかとか、そんなちゃちなことを私は考えているのではないのです。要するに今これだけじゃないのです。日本の科学行政あるいは研究機関のあり方について、いずれは全体として検討しなければならぬ段階に入っておる、そういう立場に立って科学技術委員会に私はこの検討をお願いしてある、こういうことを申し上げたのです。だから今ここにせっかく通産省から出されましたこの法律案は、ちょいとおかしいような感じもいたしますけれども、これは通産大臣に十分にやっていただいてけっこうだ、こういう意味でありますから、どうぞ一つ誤解のないように……。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 質疑を続行いたします。田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 今池田国務大臣から何か弁明のような発言がございましたが、大臣がどう思われようとそれは別なんです。私は法案の性質及び法案が通ってからの運営、これが各省の設置法から見ました場合に、そのようになるのではなかろうか、こう申し上げておるわけでございます。  先ほど通産大臣は、鉱工業技術研究組合法案の十七条、これで「その事業を所管する大臣とする。」ということになっておるので差しつかえないのだ、こうおっしゃったのでありますけれども、そのようにいろいろの所管大臣に事がまたがり、しかもそのこと自体が研究というものにしぼられておるものであるから、むしろこういうものこそ科学技術庁がやるべきである、たとえばこれと同じような法案がイギリスにあるのじゃないですか。それは一体イギリスはどこでやっていますか。と同時に、先ほど来言っております一方の方は、これはまた逆に通産省でおやりになる方が——理科学研究所の方は科学技術庁だが、それを実際に移していこうという、いわゆる企業化を前提とした事業でございますので、これは通産省がやるのがいいのではなかろうか、このように思って質問を続けておるわけでございます。しかも新技術開発事業団法の法文上による限り、この主務大臣といいますか、法作上の主務大臣は総理大臣なんです。科学技術庁長官が自分のところの云々と言われるが、それは四十五条による委任事項としてやるにすぎないのです。だから一応総理に来てもらわなければ、この法案は少なくとも総理が主管する建前になっておる、その主管する大臣である総理大臣が出てこられないということであるならば、この法案を採決とかそういうところに持っていくということは私はできないと思う。本日何かドイツの関係者のために、総理がこの時間に出られないというならば、これはやむを得ないが、しかしあす引き続いて連合審査を行なうか、あるいは科学技術特別委員会の方に総理は出席せられて、そうしてこれに対する考え方が明らかにされない限り、われわれといたしましては、この法案の採決等については応じることができない。私は少なくとも商工委員と科学技術の特別委員の立場を持っておりますので、ここではっきりとそのことを申し上げておきます。そこで、これに関連することは後日総理に出席を願った場所で行なうことにいたしまして、質問を前へ進めたいと思います。  これは池田大臣の方へお伺いしますが、技術開発事業団の資本金はどういうことになるわけですか。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○池田(正)国務大臣 資本金は、今まで三年間に盛り込まれております三億余万円と、今度の予算で計上されました三億、これを合わせたものであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 本法第五条に「資本金」とうたってあって、その三億円と附則第七条二項、これによって理化学研究所から譲り受けるところのものと合わせて資本金になる、こういうことですね。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○池田(正)国務大臣 そうです。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そこでお伺いいたしますが、まず附則第七条でございますが、「事業団の成立の時において現に理化学研究所が有する権利及び義務であって、旧理化学研究所法第二十九条第一項第二号及び第四号の業務並びに同項第三号及び第五号の業務のうち新技術の開発に関する業務の遂行に伴い理化学研究所に属するに至ったものは、事業団の成立の時において事業団が、承継する。」こういうことになっておるのですが、少なくとも理化学研究所という一つの法人であります。その法人の権利義務が何々によって生じたものあるいは何々部門に属するものということによって、初めからはっきりと分かれているのかどうか。理化学研究所法の第五章三十二条から以下に、理化学研究所の「財務及び会計」という規定がございます。それを見ましても、別にそういうような規定がない。おそらくや同四十一条の「総理府令への委任」というところによって、総理府令によって、その開発のための独自会計を求めるとかいうような規定があるのかと思うのでありますが、まず第一にお伺いいたしますが、一つの法人に対して所属する権利義務が分かれるということがあり得るのですか。法人という一つの人格の中に、これはこっちの分、これはこっちの分だという権利義務が区別できますかいかがでございますか。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 ただいまの御質問の附則第七条でございますが、内容的に申し上げますと、理化学研究所発足にあたりまして、新技術開発に関しましては特に別会計をいたしております。その金額は三年間通算いたしまして三億四千万円という金額が予算書にも別ワクに書いてございますし、それから財務及び会計に関する総理府令に、新技術開発関係というので分離してございます。それから理化学研究所法の御審議にあたりまして、国会の附帯決議がついておりまして、それによりましても開発関係ははっきり区別して経理すべしということが書いてございますので、そういう角度から、実態的には理研の資産というものと——理研と申しまして本来研究をやります理化学研究所の資産というものと、それから開発関係の資産関係というものははっきり分かれておりまして、この条分でいささかくどい表現がしてありますが、それはむしろ本質的な問題ではなくて、開発に伴っていろいろ権利義務が発生するようなものも若干あろう、そういったようなものについては、こういった第七条のような規定の処理をするのだということでございまして、内容につきましては、はっきり区別してあるということでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 だから私が言っているように、理化学研究所法の第五章三十二条以降に理化学研究所の財務及び会計についての規定がある。その中にはそういうことが書いてないわけです。従って四十一条の総理府令への委任という、この委任命令によるところの総理府令によって、そういうようになり得るようになっておるのかと聞いておる。だからその条文を読んでもらったらいいのですよ。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 田中委員のおっしゃる通りでございまして、昭和三十三年十月二十日の理化学研究所の財務及び会計に関する総理府令の中にうたってございます。第三条でございます。それによりますと、「法第二十九条第一項第二号及び第四号の業務並びに同項第三号及び第五号の業務のうち新技術の開発に関する業務に係る会計は、当該業務以外の業務に係る会計と区分して経理しなければならない。」ということになっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それは特別会計を設けろ、こういうことですね。——そこでお尋ねいたしますが、それはいわゆる開発部門の、理化学研究所のうちの開発部のものは特別会計にしろ、こういうことだと思うのです。しかし権利義務の主体は理化学研究所であろうと思う。法人は理化学研究所、開発部は法人ではないわけです。従って権利義務の主体とはなり得ないと思うのです。ここには権利義務の承継という言葉になっておるのですが、そういうところは初めからいわゆる権利の主体は理化学研究所なんです。開発部というものは権利の主体になり得ないのです。そこでどうです。ここに本法でいう権利義務の継承ということとの矛盾が出てこないですか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 お説の通りでございまして、ただいま私が読み上げましたのは特別会計に関する規定でございまして、その特別会計によって理化学研究所内における開発業務の範囲等が明確になっておるということを申し上げたにすぎません。従いまして田中委員がおっしゃいましたように、権利義務の主体はあくまで理化学研究所でございます。それなるがゆえに、このように法律によりまして承継に関する特別の規定を置いたというふうに御了解いただきたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 法律の書き方として、こういうことでいいんでしょうか。権利及び義務の承継ということで理化学研究所に属する権利義務、こうなっておる。だからそのうちこれこれだということは、結局この法文から出てこないわけでしょう。総理府令から出てくるのでしょう。この四十一条の総理府令への委任ということ自体が、いわゆる法人の権利義務の主体であるということとの関連において、この総理府令はどういうことになりますか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 これはあくまで特別会計によって、その範囲が明らかになっておるという実態を申し上げておるだけでございまして、田中委員のおっしゃるように開発部自体が権利義務を持っており、それを開発部が譲り渡すというような関係でございませんで、第七条をお読みいただきましてもわかりますように、理化学研究所に属するに至ったもの、あくまで権利義務の主体は理化学研究所、それが新しい機関に譲り渡す、言いかえますと、事業団が承継するということになるわけでございますが、その範囲は理研法第四十一条によりまして、授権せられました総理府令によって平素から明らかにされておる、そういうことでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それでは附則第七条のきめ方——これは法制局を呼ばないと、ちょっとまずいと思うのですが、これでいいのですか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 当然のことでございますけれども、国会に提案いたします際には法制局にも十分の審議をしてもらっておりますので、私どもといたしましてはこれで差しつかえないものというふうに考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 結局は今申された総理府令の第三条を見なければ出てこないのです。そうしますと、旧理化学研究所法の二十九条一項二号及び四号というようなことを書いてあっても、これは出てこないわけなんですよ。この七条の法文にカッコして「新技術開発業務」となっておる。この読み方でいくと「新技術開発業務」のやつを引き継ぐのだ、こういうことになるわけですね。そうすると、これは権利の主体たり得ないわけです。そういう点については法制局との検討がなされたと思うので、それはそれとして、そうなりますと、結局は理化学研究所を作るときから開発部門は独立させるのだということがあらかじめ用意せられて、こういうことになったと思うのです。そうすると先ほど私が一番最初に質問いたしましたときの経緯に云々、こういう池田長官の話がございましたが、この法案は先ほど言っているように、どうも所管がおかしいのじゃないかということは、結局内容よりもその経緯において、理化学研究所が今まで科学技術庁の所管であって、そこから分かれたものだから技術庁でいくのだというような簡単なところから出てきておると思う。しかしそのもとをただせば理化学研究所を作るときから、新開発事業団を作ろうということが意図せられておったと思うのですが、どうなんですか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 新技術開発事業団を作ろうというところまで、はっきりした構想は当初はございませんで、科学技術庁といたしまして、当時理化学研究所法の中に織り込んで出しますまでの政府部内におきまする議論といたしましては、実は公団を作りたいという希望を持っておりまして、事業団というような形で、当初から明白に目標がきまっておったわけではございません。経緯はその通りでございますが、単に理化学研究所にたまたま託されました仕事が分離したからというだけの簡単な理由で、これを科学技術庁の所管にいたしたわけではございません。もちろんそれは実態的に大きな理由ではございますけれども、田中委員が冒頭におっしゃいましたように、科学技術庁の設置の目的によく適合する事業である、事業団である、機関であるという考えのもとに、科学技術庁所管にいたしておるわけでございます。田中委員のお話では、研究組合の方は研究段階だから科学技術庁の方がふさわしい、これは企業化にいわばつながるものであるので、むしろ通産省に持っていった方がよくはないかというようにも、うかがわれるのでございますけれども、御承知のように通産省におきましても研究プロパーの問題は、たくさん取り扱っておられるわけでございます。また企業化につながるものとして、事業団の所管は内閣総理大臣になりましても、その他にいろいろございます問題は、相変わらず通産省が所管せられるものと私どもは思っております。従いまして研究組合の方が通産大臣を初めとする各省大臣が主務大臣になっておりますことと、事業団が総理大臣の所管に属することと申しますのは、単にそれが研究段階であるからとか企業化に移るからという問題ではございません。事業団の方は量的には通産が多いと思いますけれども、観念的には農林省、厚生省、建設省、運輸省その他各省においても、このような問題があるわけでございます。従いましてそれを総合的にやるという意味におきまして、総理大臣が適当であろうというところから出まして、単に研究であるとか、あるいは研究から企業につながるものだからという考え方ばかりで、これを総理大臣の所管にしたわけではないわけであります。その点御了承いただきたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 要は、この理化学研究所を作るときから、とにかくいつか開発部門だけは独立さすんだということだけは考えられておったわけですね。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 その通りでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そこでこの三億四千万円という金は、開発部門の特別会計として現在決算期に出ている金額なんです。そうすると理化学研究所の方の資本金というのはどういうことになりますか。今までの理化学研究所法の第五条、理化学研究所の資本は政府と民間の出資なんです。それから先ほど申しましたように第五章によってその財務及び会計がきめてあるわけです、それによると毎年決算をするとか、あるいはこの規正によって利益の分配をするときの規正とか、いろいろありますが、現在までに理化学研究所は利益分配という事実があるのか。  それから特別会計の方でも毎年決算をしてきたと思うのです。それは一体どういうように別な会計によってやられたのか、この配分利益、いわゆる理化学研究所の利益という面と、その特別会計との関係及びこの配分規定との関係、そういう点はどういうことになりますか。  それからなおこれが独立して開発部門の三億四千万円を新事業団の方に移したときに、あとに残る理化学研究所の資本金はどういうことになりますか。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 理化学研究所の会計、財務につきましては、毎年決算報告をいたしておりますが、その内訳は先刻お話が出ましたような理化学研究所の財務及び会計に関する総理府令に基づきまして、開発部門勘定とその他の研究部門勘定とに分けて経理しております。その経理したものを総括的に報告を出しておる次第でございます。  それとそれから理化学研究所は、民間と政府の出資になっておりまして、利益が上がった場合には配当するというような規定もございますが、御承知のように理化学研究所は研究を主力としてやっておりまして、研究それ自身から利益を生むというようなこともございません。若干の収入といたしましては、特許の使用料等によりまして、年間数千万円の実施料等は入っておりますし、それから試作品等の製造に基づきますその払い下げ等によります収入はございますが、それは研究所の経費を維持する一部にしか当たっておりません。従いまして今までのところ配当というようなことはいたしたことがございません。そういうことであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それから理化学研究所自体の、あとに残る資本金はどういうことになりますか。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 理化学研究所に残る資本といたしましては、法律案の附則第九条でございますが、「第七条第一項の規定により事業団が理化学研究所の有する権利及び義務を承継したときは、その時において、理化学研究所の資本金のうち政府の出資に係るものにつき、三億四千万円の減額があったものとする。」という規定がございまして、理化学研究所に残る資産の中に欠損金が含まれないような考慮が払われております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 この理化学研究所法の三十七条以下の条文ですね。「利益及び損失の処理」この規定は、結局は開発部門をのけた部門に対して適用があって、開発部門は特別会計だからそれはそれとして。また別に三十七条以下の条文は、今までは特別会計と一般会計の両方に動いておったのですか、一方だけに動いておったのですか。  それから理化学研究所の損失とか利益ということは全体としての利益、全体としての損失だと思うのです。そういう三十七条以下の損失あるいは利益の処分と、この分離した関係はどういうことになりますか。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 ただいまの御質問で三十七条以下の利益あるいは損失の処理でございますが、その概念の中に、開発部門関係と、その他の部門とがどういうふうにかみ合わされているかということでございますが、法律の立法趣旨としましては、両方組み合わせたといいますか、両方の計算をいたしまして、その結果損失が出ればそれを損失として落とす、あるいは利益が上がれば利益があったというふうに処理をするという考え方になっております。一応実態的には先刻申し上げましたように別会計を立てて経理をしている。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 だから一般会計と特別会計と二つ、毎年ごとに決算をする。一方にプラス、一方にマイナスが出た。そうすると理化学研究所全体として三十七条以下の処理をやる場合、プラス・マイナスを一緒にして理化学研究所の損失及び利益になると思うのですが、そういうやり方をやったのか、それとも一方は一方でためてきたのか、法律からいうならば、これは両方一緒にして理化学研究所として入るものだと思いますが、どうですか。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 最初おっしゃいましたように、両方合わせたものを突っ込みにいたしまして、それで利益があるか損失があるかということになっております。ただその途中の段階と申しますか、仕分けといたしましては、開発部門の勘定、それ以外の勘定という勘定はいたします。理化学研究所一本として計算をして結果を出しております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうしますと、結局この三億四千万円の金は、いつの時点における開発部門の金ですか。それまでも一緒にしてプラス・マイナスしているのなら、特別会計の方も動いてきていると思うのですが、それはどういう関係になりますか。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 三億四千万円という金額は三十五年度までの開発関係の政府出資分でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうすると、理化学研究所設立のときにおいて政府の資本金というものは、理化学研究所に出したのではあるが、これはこっちの分、これはこっちの分というふうに分けて出したのか、その点はどうですか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 予算書の上におきましては、政府出資一本でございますけれども、予算説明といたしまして、毎年お手元に差し上げます資料には二本立に書かれておりまして、うち幾らは開発部門の資金であるということを、最初の年からはっきりさせております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうするとこの三億四千万円というのは、三年間に政府が開発部門へ出資した合計だ、こういうことですか。開発部門の事業によってその金額は動いていないのですか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 その通りでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうすると、今私が申しました三十七条以下の利益及び損失の処理、その先ほどの説明と、どういうふうにやったか、一方にプラス、一方にマイナスを一緒にやった。それから今度新開発公団の附則第七条で言うところの二十九条第一項二号及び四号の業務及び三号及び五号の業務によって生じたということとは、実質的には違いますね。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 先ほど来振興局長から申し上げておりますように、理化学研究所のプラス・マイナスというものは、一本にしてプラス・マイナスという計算が出て参るわけでございます。内訳といたしましてははっきりと区分して経理いたしておりますけれども、理化学研究所自体の収支という形においては一本になる、これは三十七条でございますか、そのあたりの解釈からも当然そういうことになって参りますので、その点は田中委員のおっしゃった通りでございます。そこで問題は、事実そういうような一本になる関係から混淆が起こりはしないかという問題でございますけれども、実際問題といたしましては、当初から二年や三年の間にどんどん、いわば黒字をあげるということは、だれしも考えていないわけでございまして、事実問題としては何らそこにまぎらわしい問題は起こっておりません。ただ、おっしゃりますような問題がありますがゆえに、逆に理化学研究所とこの開発部門と申しますか、新技術開発の仕事が相いれない面があるということが出てくるわけでございます。将来の問題としてではございますけれども、万一にも開発部門におきまして大きな赤字が出ましたときには、研究部門の方が、圧迫されはせぬかという不安がつきまとうという問題もございます。従いまして、それらの点も、この新技術開発事業団ということに、別機関にしたいという理由の一つでございます。もちろん、もっと大きな資金によって、もっと大々的にこの新技術開発の仕事をやっていきたいということが主たる理由でございますけれども、理化学研究所内部におきましても、これを分離したいという希望があったということが、これまた一つの理由になっておるわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 もっと具体的に言えば、三億四千万円という金は、過去三年間政府が開発部門へ入れ足した金だ、こういうことでしょう。ところが事業団法の附則七条では、長たらしく第二十九条第一項第何号なんて、これは全部合わせて開発部門ということになるわけですね。開発部門の業務の遂行に伴い理化学研究所に属するに至ったものは、事業団の成立において事業団が承継するとなっている。ところが理研法の三十七条によって、毎年、年度ごとにそれは一切の合算をして決算してこられたわけだ。そうすると三億四千万円と第七条の開発部門の事業の遂行によって生じたる権利義務とは違ってくる、こう言っている。どうです。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 おっしゃることは私はわからぬではないのでございますけれども、それだから工合が悪いということには決してならぬと思います。つまり理化学研究所のプラス・マイナス、収支計算というものを三十七条によって合算した結果が出てくるということは、その通りでございますけれども、そのうち明白に区分せられておるものを、他の機関に承継させるという考え方でありまして、そこに何ら不都合なことも生じないと私どもは考えておるわけであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 三億四千万円のほかに、権利としては、たとえば特許とか、そういうものがあるわけですか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 三億四千万円と申しましたのは、田中委員もおっしゃっていらっしゃいますように、今までの政府が出資した金額の合計でございまして、新しい事業団は、先ほど長官から申し述べましたように、新年度の予算として三億、そのほかに三億四千万円程度のものということでございまして、三億四千万円ぴたり、政府出資分だけを承継するというわけではございません。実際の見込みといたしましては、それから若干減りました金額を承継するということになろうかと思います。ただ、理化学研究所の資本金から落ちます分は、この附則第九条ではっきりいたしております。つまり開発部門につぎ込んだ金額だけは、はっきり三億四千万円という数字を理化学研究所の資本金の方からは落とします。しかしながら事業団が継承いたします金は、三億四千万円ぴたりではございませんで、そこに評価された額を承継する形になります。従いましてそれは三億四千万ぴたりではございませんで、私どもの予想といたしましては、三億四千万円から若干減った金額を事業団として承継するということになろうと考えております。それは今までの人件費その他の事務的経費等もございますので、それらは消えておるという考え方から、新しい事業団としては、現に物あるいは権利として残っておるものの評価額の合計ということになるわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうすると三億四千万円というのは、金でなく、不動産その他を含んでおるわけですね。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 三億四千万と申しましたのは、二通りございまして、第九条によりまして理化学研究所の資本金から落とします三億四千万円は、これは政府のつぎ込んだ額の合計ということで、三億四千万ぴたりになるのでございます。ところが事業団が継承いたします方の三億四千万近くのもの、これはおっしゃいます通りに現金で引き継ぐわけじゃございませんので、いろいろなものになっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうすると提案説明かどこかで三億円と三億四千万というのは、程度というふうに直さなければならぬですね。——これは約になっておる。それじゃ土地建物等のほかに、開発部門等が持つ工業所有権とか、そういったものはないのですか。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 開発にあたりましては、研究をされましたところの持っておられる権利というのが、特許権あるいは実用新案権になっております。これを開発委託するにあたりましては、原則としまして、従来は理研との共有または専用、実施権をとりまして確立いたしまして、その上で委託者に委託をする、そういう形をとっております。そういったたぐいの無体財産権というものは資産としてあるわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうすると不動産とか、こういう登記を要するようなものは、別に登記手続をとるわけですね。理化学研究所から事業団への移転登記といったようなものの手続をとるわけですね。

原田久総理府事務官(科学技術庁振興局長)

○原田(久)政府委員 三億四千万円近くの金額の開発委託費が、すでに支払われておるわけでございます。これは受託者の方へ支払われておるわけでありまして、そういう意味の投資勘定が残っておるわけであります。不動産の移転がえというようなことは、今のところ起こらないと考えております。機械設備等を購入いたしました場合といたしましても、——ちょっとこまかい話になりますが、機械設備などにつきましては、投資勘定の上で、そういう設備を購入したという形になっております。従ってそういうものは、投資勘定が、今度は新技術開発事業団の方へ移って参ります。そういう形で移転登記ということは、発足にあたっては起きないだろう、そういうように考えます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 いや、さっきの説明では土地建物等も含むような話だったんですが、そうじゃないですか。いずれにしても私が聞かんとするところは、もっと具体的にいいましょう。この第七条によって権利及び義務は承継せられるということで、両者間では、いわゆる理化学研究所と事業団では、この法案が成立すれば、即そこで両者の関係は成立するのだが、第三者対抗要件等を残すものがいろいろあると思う。あるいは機械設備にいたしましても、そういう現実の引き渡しをせねばいかぬが、そういうことはやるのかどうか、こういうことです。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 開発部門が投資をいたします場合には、原則として土地建物等につきましては、まだ理研の勘定として投資をいたしますので、それらのものにつきまして、理研みずからが登記をしてみずから所有する場合がございます。後これを譲渡いたしました場合には、年賦で払ってもらうという場合にも、ある一定の時期まで所有権自体を保留しておくこともございます。従いましてそういうようなものにつきましては、当然承継の際に登記の変更をいたさねばならぬことは申すまでもないことでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それでは、事業団がある企業に委託をして、その技術の開発をやる場合にいろいろ設備も必要です。そういうものがいわゆる企業化せられて、そこで企業が事業に移すまでは事業団の方に所有権があるわけですね。そういたしますと、事業団から企業へ移った後のそういう設備とかその他のもの、あるいはそのことによって得るところのその受託企業の利益、こういうことについての事業団との間の決済といいますか、そういうことはどういうことになりますか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 おっしゃいますように、成功するか不成功に終わるか、成功いたしますれば、そのときまでは田中委員がおっしゃいますように、まだ事業団のものだということになっておるわけでございますが、その際に契約を結びまして、これを年賦でその企業に買い取ってもらう。あるいは言い方をかえますと、その企業が事業団から年賦で売ってもらうという形になる。従いましてそのときには適正な価格で事業団が委託関係を結んでいる企業との間に契約を結んで、所有権の移転を行なうわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 成功した場合、施設その他はこういう処理をする、あるいは不成功のときはこうするというようなことも含めて、委託契約の中にそういう条件まで入れて契約するわけですか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 幾ら幾らで譲り渡すというようなことまではその契約に入りませんけれども、おっしゃいましたような趣旨は当然委託契約の中に織り込まれるはずでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それはこの程度にしておきましょう。  それから、開発審議会ですか、今まで理研であったものが今度事業団の方へ所管が移るわけですね。そのときに開発審議会のメンバーは以前と変更するのかどうか。それからこれの設立委員というものが必要なんだが、すでに法が出されたときには、設立委員は考えておられると思うのですが、それはどういう観点から選ばれているのですか。   〔中川商工委員長退席、山口科学   技術振興対策特別委員長着席〕

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○池田(正)国務大臣 これは人事のことでございますから、きわめて慎重にやらなければならぬので、まだそういうこまかいところまで考えておりません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 開発審議会は今まで理化学研究所にあったんだが、事業団ができればこちらへ移る。そこで個々の名前はお伺いしませんが、委員なんかの入れかえとか、そういう点は考えておられるのですか。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○池田(正)国務大臣 実は今までの委員の分はよく知らない。これから見て慎重に、悪ければかえようと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 まあそれはそれとしておきましょう。  そこで鉱工業技術研究組合法についてもお伺いしたいのですが、これは連合審査では他の委員の方が質問するようですから、この点はまた商工委員会でお伺いすることにして、私はこれでやめたいと思いますが、先ほど来申し上げておりますように、ぜひあすでも総理に出席を願って、これは科学技術振興対策特別委員会の方でいいと思いますが、最終的には総理にその考え方を明らかにしてもらいたい、このことを要望いたしまして質問を終わります。

山口好一自由民主党

○山口委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

山口好一自由民主党

○山口委員長 速記を始めて。  これにて散会いたします。    午後五時三十九分散会

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