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38回国会衆議院1961/06/01

商工委員会 第46号

発言数
51
登壇者
8
会派数
2
開催日
1961/06/01

会議録

中川俊思自由民主党

○中川委員長 これより会議を開きます。  輸出入取引法の一部を改正する法律案を議題として、審査を進めます。  本日は特に本案審査のため参考人の方々が御出席でありますので、この際参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、きわめて御多忙中にもかかわりませず、本委員会の要望をおいれいただき御出席下さいましてまことにありがとうございました。本案に対しまして忌憚のない意見をお述べ願いたいと存じます。ただ、時間の都合もございますので、御意見をお述べいただきます時間はお一人大体十分程度に願い、後刻委員からの質疑もあろうかと存じますので、そのとき十分お答え下さるようお願い申し上げます。  それでははなはだ勝手ながら発言の順序は委員長に第一任願うこととして、まず井深参考人よりお願いを申し上げます。

井深大日本電子機器輸出協会会長

○井深参考人 私法律専門でもございませんのでいろいろなむずかしいことはわかりません。昭和三十年ごろからトランジスター・ラジオの輸出を日本で初めてやりまして、自来いろいろ経験して参りました。本日は電子機器輸出協会の会長という立場で、実際の実情を皆様に御説明することしかでき得ないと思うのです。まあトランジスター・ラジオといった限定されたものについてだけしか説明できません。その他のことに関しましては私わかりません。  トランジスター・ラジオは御承知のように昭和三十年ごろから始まりまして、世界じゅうに非常に行き渡りまして、日本としても輸出の非常に大きな題目として考えられてくるようになったわけなんであります。その間アメリカその他に対しまして非常にたくさんなものが行き過ぎるというようなことで、アメリカの業者あるいはOCDMといったようなものから、日本の物がそう入っては困るという運動さえも行なわれておりました。現にアメリカの電子工業会の一部では、日本から入ってくる電子機器に対する輸出反対というような運動が相当はなやかに展開されているわけなんであります。それに対しまして昨年日本で打った手といたしましては、ラジオの輸出の数量規制という問題が出てきたわけであります。これはちょうど昨年の七月から実施されたわけなんでございますが、私ども生産業者といたしましては、今まで同社に数量の割当があるということに対して、いろいろな弊害が生じていたのを見聞きいたしておりましたので、このトランジスター・ラジオというものは生産業者がイニシアチブをとって、輸出をいい形にしていきたいというような考えを持っていたわけでありますけれども、どうにも生産業者がいい形をとるということができ得ませんで、やはり従来通り輸出業者というものに数量の割当が出るという形になったわけでございます。その後約一年間経過いたしましてどういう問題が起きているかということを考えてみますと、輸出業者が数量規制の切符を持っているために——御承知のようにトランジスター・ラジオというものは十ばかりの大きなメーカー、それから三、四十の中のメーカー、それから残り、正確にいえば百くらいの非常に小さいメーカーまでを含んで輸出に対するトランジスター・ラジオの組み立てというものをやっているのでありますが、商社が数量規制のワクを、これは実績によって与えられたものでありますので、商社がこれを持っているために小さいメーカー、特に中小以下のメーカーというものは非常に商社に振り回されて、たとえば国内の商いと申しますのは割に大きなメーカーという力に片寄っておりまして、小さいメーカーさんの物は主として輸出の対象となっている。この輸出をする場合に輸出の切符を持っている商社がこういう中小メーカーを振り回して、値段を非常に下げさせる。私が申し上げております商社と申しますのは、日本の商社だけでありませんで、実際大きな被害は外国から来るバイヤー、そういう人たちが個々の部品の値段を非常に詳細に調べまして、その部品一つ一つを値たたきをしまして、それをセットにまとめる人たちにむしろ押しつける、そういう形で値段を下げさせる。その場合に輸出の権利というものは商社しか持っていないために、こういう中小の人たちは非常に泣き寝りをしている。それで私たちメーカーは何とかしてこのメーカー・サイドで自主的に規制をやっていきたいということを通産当局にも再三申し上げて、いろいろ研究したのでありますけれども、アウトサイダーというものが規制ができない限り、どういう横紙破りをやるかもわからない。この横紙破りをやると申しますのは、決して中小だけに限らず、相当大きいメーカーもいろいろ商売の都合で、おれはそういう規制には、反対だという立場に立たざるを得ない方々もおられますので、アウトサイダーというものは決して小さいところだけとは限らないものでございますけれども、そういうアウトサイダーの規制ができなければ、メーカーというものが一本になって、いい輸出の形を守るということにはでき得ないというような結論が下されまして、今もってメーカー自体が固まっていい形をとろうということが不可能なような状態になっております。まずメーカーでの数量割当ということを行ないますためには、どうしてもアウトサイダーの規制をしていただく法律を出していただかなければ工合が悪いのじゃないか。その次にそこに立ちまして、メーカーというものが一本にまとまって、正しいきれいな輸出の形というものを作り上げていきたい。輸出規制というもの自体にも非常にいろいろな問題がありますし、運用面から考えましてもいろいろ改良しなければならぬ点もあるかと思いますけれども、今のような輸出業者というものに輸出の数量を割り当てるということであれば、むしろ数量規制というものはない方がいいのじゃないか。一番よく実情を知って一番苦労しておるメーカーというものが、数量規制のワクというものを持ち得れば、メーカー同士での話し合いということも可能になってくる。そのためにアウトサイダーを規制していただくことが、形をよくするためには一番大きな働きをするのじゃないか、こういうふうに私は考えておる次第でございます。  簡単でありますけれども一言申し上げます。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 それでは間瀬さん。

間瀬一日本機械輸出組合専務理事

○間瀬参考人 私ただいま御指名ありました間瀬であります。日本機械輸出組合の専務理事をしております。  日本機械輸出組合といたしましては、自転車輸出組合、ミシン輸出組合、鉄道車両輸出組合、それに機械輸出組合が加わりまして、この輸出組合の理事長の名前で、皆様方に取引法の一部改正に関する要望につきましては、すでにお送りしてございますので、それを中心といたしまして、敷衍して私の意見を申し上げたいと存じます。  輸出を盛んにするためには、申すまでもなく一面におきましては血の出るような争いと申しますか、そういう非常に強い意思と努力がなければ進んで輸出を伸ばすことができないということは申すまでもございませんが、それと同時に先進国、アメリカが代表でございますが、そういうところを考えてみますと、やはり過当競争の弊害が出て参りますので、今申しました血の出るような争いばかりでなくて、正々とした輸出、覚えとした形の整った輸出がされなければ、今後日本の輸出はいい姿で伸びていくことは困難である、かように考える次第でございます。その意味から申しまして、種々の輸出態勢の整備強化という問題を取り上げての今回の輸出入取引法の改正案は、非常に必要な措置であると考える次第でございます。  要するに、繰り返して申しますように秩序ある輸出ということが非常に必要でございますが、そのためには輸出におきまして——輸入においても同様のことが言えると思いますが、それはとにかくといたしまして、輸出の態勢を十分正しい形にしていくことが必要であると思うのでございます。特に今回の改正案に盛られております点につきまして、順序不同でございますが、輸出組合の立場から特に高く評価している点を申し上げまして、御参考に供したいと思います。  第一番自は今回の一部改正案が通過いたしますと、非出資の輸出組合は非課税になるのでございます。現在の輸出組合は準用条文の関係等からいたしまして、剰余金が出ました場合には二八%の税金を払わなければならないことになっております。従いまして多くの輸出組合におきましては、その剰余金というのは、将来の積立金になるわけでございますが、それがやはり税金にとられるというので、これは特別暫定措置といたしまして、借り受けの措置によりまして、この剰余金を次年度では借り受けて会費を翌年度分もいただいたという形で処理しておるという非常に不合理な形が多いのでございます。それが今回の改正案によりますと、非出資の輸出組合につきましては非課税になるのでございます。これは輸出組合として非常にありがたいことであると思います。ことに先ほど申しました正しい形で輸出をしていくというためには、私どもの考えといたしましては輸出組合を中心としていくということが最も重要であると考えております。その意味から言いましても、この非出資組合の非課税ということは、われわれの多年の要望であったわけでございます。  次に二十八条の第二項に、新たに輸出協定の員外規制事項として取引条件を追加されております。これは具体的な例で輸出組合で今一番考えられますのは、たとえばDP、DAの取引地域につきまして、業者の方が一致してLC取引にしようということが、実際問題としてあったわけでございますが、そういう場合に組合員だけでそういう協定をいたしましても、それではやはり実効が上がらない。もちろんそういうことをしますためには取引法自身が非常に民主的にできておりますからして、組合の事務局といたしましては、組合員の方と組合員外の方と十分お打ち合わせをし、会合と討議を重ねた上でなければ実行できませんが、その上でみんなが守るようにするためには、今端的に考えられますのは、取引状をLC取引にしようじゃないかということをきめまして、それを員外の方にも守ってもらうためには、ぜひこれを追加していただくことが必要であると考える次第でございます。  それから輸出規制事務の処理に関して、負担金を徴収する措置が二十八条の二に今度新たに規定されておりますが、今考えられます例といたしましては、たとえばアメリカで輸入制限の問題が起きる、関税委員会に対して相手方が提訴した。そうするとどうしても弁護士を使って対策を講じなければならない、相当の経費がかかるわけでございます。その場合に、その費用を組合員だけで負担して、もしうまくいった場合——うまくいくことか多いわけでございますけれども、うまくいった場合は、員外の方も当然利益を受けるわけでございますからして、こういう輸入制限問題か起きて、弁護士を雇うというような場合には、負担金は組合員以外の力でも御負担願う。これも法案によりますと、ただ単に組合の事務局だけでできるわけではございませんで、認可事項にもなっておりますし、相当いろいろな制限はございますが、そういう道がございますと非常に組合の運営上有益である、かように考える次第でございます。  最後に輸出入調整規定が七条の四に新設されておりますが、私どもの考えといたしましては、輸入自由化に伴いまして、原料、食糧等を最も安い市場からお買いになる。これはもう当然の形でございますが、そうしますと勢いその国との貿易がアンバランスになりまして、向こうの国では、日本からの輸出を制限するとか停止するとかいうような勢いがあるわけでございます。そういう国はざっと洗ってみましても二、三十というような多くの国になるわけでございます。それに対しましては相当割高であっても相手の国から物を買い、そして輸出を維持していくということが必要になるわけでございます。それに対しまして、現在のところはもう輸出に何%かを付加するということだけでございまして、この点に関しましては輸出組合は三十三ございますが、一致してやはり政府において根本施策を立ててもらわなければこの問題は解決しない、今のように輸出だけに負担をかけるようなことでは困るというような意見が強いわけでございます。しかしながら私どもの考えからもってしますれば、もちろん政府において根本施策をお立てになりましょうが、あるいは過渡的に幾分の負担を輸出なり輸入なりがしなければならないという場合も起きてくると思います。そういう場合にその規定によりまして、輸出、輸入の両面で十分審議いたしまして、日本の重要な輸出市場を維持するということが必要でございますが、そういう場合には今申しました輸出入調整規定が生きてくる、かように考える次第でございます。そのほかいろいろの規定がございますが、私ども輸出組合の立場からそういうような重要な規定がございますので、ぜひお通しを願いたい、かように考える次第でございます。一応この程度で終わらしていただきます。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 芦野さん。

芦野弘弁護士(元公正取引委員会委員)

○芦野参考人 芦野でございます。これまでおのおの御専門の立場から詳細なこまかい御説を伺ったのでありますが、私はこの問題についてごく大ざっぱな議論を申し上げるつもりでございますから、さよう御承知を願います。  一つ一つの問題について意見を申し上げる前に、一つお断わり申し上げておきたいことがあるのでございます。本日議題になっております輸出入取引法このものについて、私はかねてから相当の疑問を抱いております。数次の改正を経て、ずいぶん膨大な詳細なものになっておりますが、こういう法律がはたして必要があるのか。この法律全部とは申しませんが、大部分は一体必要があるのか。あるいはさらに進んで、かえってこういう法律が日本の輸出貿易を阻害しやしないか。進んで日本の経済の健全なる発展を阻害することになっているのではないかという点について疑問を持っておるのであります。早く申せば、輸出入取引法そのものがあまり好ましい法律ではないのではないかという考え方を持っておるのでありますから、改正案について考えますときに、これがもし輸出入取引法の範囲を狭めるとか弱めるとかいう意味の改正ならばともかくも、これを多少でも広げたり、あるいは強化するという方面であるならば、これはよほど疑問であるのではないかという根本的の考えを持っております。従って、本日議題になっております改正案の各条項につきましても、賛成と申し上げてもこれはしいて反対する必要もないだろう、まあ大して弊害もあるまいというくらいな意味でありまして、進んで非常に賛成であるというのは遺憾ながら一つもないのであります。大体においてそういう考えでありますから、これを強化するという方向に向かっている条項については、どうも御賛成申し上げにくい、これだけのことをあらかじめ申し上げておきまして、一つ一つの問題に入りたいと思います。  実は私も以前公取におりましたが、役を離れて二、三年たちますので、だいぶ離れておったので、実は昨日資料をいただきまして大急ぎで拝見いたしたのでありまして、当局等の御説明も承っておりませんから、あるいはとんでもない誤解をしておる点もあるかもしれませんが、そういう点は一つお聞きのがしを願いたいのであります。  ざっと拝見いたしまして、問題になるかと思って目にとまったおもな点が三点か四点ございます。第一は、新設の第七条の三の、いわゆる需要者または販売業者の協定に関する規定を新たに加えた点でありますが、これは法文をよく拝見しますと、ずいぶん場合をしぼっていろいろな制限がついておって、その協定し得る行為ももっぱら購入価格、購入数量、購入方法等、時人に関する点だけでありましてこれだけしぼってありますから、弊害の起こる心配というものは、ほとんど最小限度になっておるかと思いますが、その反面、これだけしぼると、この適用のある商品というものは一体どんなものであるかということについて、ちょっと私ども想像もつかないのであります。いずれ何か御必要があってこういう法律の改正案が出てきたのだろうと思うのでありますが、非常に条件を厳密に解すれば、適用の範囲が非常に少ない。多少の利益はあるかもしれぬが、利益は少ない。これに反して、とかくあるように、条件を寛大にゆるやかに解するならば、これはまたいろいろな弊害が起こりかねない。そういった改正の条項というものは、私は、むしろ法律としてはない方がいいのではないか、必要なことは現行の範囲でも適当にやれるのじゃないか、こういうふうに思いまして、この条項はむしろない方がいいのじゃないかと考えておる次第であります。  その次は第七条の四の輸出入調整に関する点でありまして、これはこういう場合もだいぶ必要があるのではないかと思って、さっき申し上げましたような意味において、私は大体においてこの条項は賛成ということを申し上げたいと思います。  それからその次の大きな点は、第五章の二、貿易連合という制度が一つ新しく設けられておるのでありますが、これも私は、はたしてこういう詳細な規定を作って認める必要が一体どこにあるのか、よく了解ができないのであります。しかしながら、これも御説明を聞けば、必ず何かこういうものが望ましいという理由があるのだろうと思いまして、また別に弊害もないことであるからして、これはけっこうであろうと存ずるのであります。ただこれは少しこまかいことになりますが、あとの要件を見ますと、貿易連合も「一定の取引分野における競争を実質的に制限するおそれがないこと。」というようなことが消極的要件になっておりまして、これで十分なんでありますが、こういうものを認める以上は、やはり何かそういった割に小規模な業者を団結して有力にするという趣旨のことを初めの設立が資格のところに出すのが本筋じゃないかと思うのでございます。  次は、ただいまの前の参考人のお話に出ました第二十八条の二の員外者に負担金を課するということを認めている点でありまして、ただいまのお話で一応ごもっともなようにも思うのであります。しかしながら私は、元来通商産業省令にかかる事務を輸出組合に取り扱わせるということ自体に疑問を持っておりまして、私は統制というものは現代の思想からいえば、なるべく少ないのがいいのであると思います。しかしながらそうばかりは言えませんで、どうしても政府が出ていって統制したり規制しなくてはならない点があることは認めるのでありますが、必要な点はすべからく政府みずからが政府自身の費用でやるべきことであって、業者の組合にまかせるということはおもしろくないというふうに元来考えておるのでありますが、進んで員外者にまで負担金を徴収させることを認めることはどうもおもしろくない。と申しますのは、員外者も利益を受けるのであるから負担さしてもいいのじゃないかというのも、一つの議論であります。しかしながら員外者というものは、元来その仕事について何も発言権を持っておらない。組合員が適当であるときめて、——これは決してここに御列席になっている参考人の方々の組合を、どうこうと申すわけではございませんが、一般的に申しまして、組合員がいいとしてやったことが必ずしも適当であるかどうか、最小限の費用でやったかどうかということについては、むしろ違った意見が得るわけでありまして、これについて何ら発言権のないものにまで分担をさせることを認めるということは、これはどうも私は現代の法律思想というか、経済思想に反するものではないだろうかと思って、前の参考人とは違いまして、遺憾ながらこの改正には御賛成できないのであります。  それから最後は第二十九条の二の、生産業者、販売業者の協定に対して員外規制を認めるという改正案であります。これも根本的に申しますと、いろいろなことを申し上げなければならないのでありますが、それは略しまして結論的に申しますと、大体この生産業者または販売業者の協定というようなこと、ことに員外規制を認めるということは、根本的に私は反対なんでありますから、それをまたさらに範囲を広め、強化するということは御賛成できないのであります。これはただいまもお話が出ましたようなトランジスター・ラジオであるとか、何か一つ一つの問題を取り上げてみると、まことにごもっともで、私も賛成したくなるのでありますけれども、しかしながら法律というものは、一つきめますとあらゆるものに対して適用があるのでありまして、こういう規定ができますと、ややもすれば輸出振興に名をかりて、国内における産業の競争制限というようなことに利用されるおそれが多大であると思うのでありまして、この点遺憾ながら御賛成できません。   以上をもって私の陳述を終わりたいと思います。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 森川さん。

森川武門全国農業協同組合中央参事

○森川参考人 全国農業協同組合中央会の森川でございます。  私は農業者の立場からこの法案についての意見を申し上げたいと思います。御承知の通り、農業者は農業の生産を担当するばかりではなくして、国民の中におきまして消費の面において大きな層をなしておるのであります。従いまして生産、消費というような両面からいきまして、輸出入取引法の改正につきまして重大な関心を払っておるのでございます。  そこで、最初に基本的なわれわれの考え方につきまして申し上げてみたいと思います。自由経済下における経済の民主化、それから公正なる自由競争、そういうことによって経済を発展させていく、そして消費大衆の利益を擁護していく、このような考え方のもとに、経済の憲法ともいうべき独禁法が定められておるのでありまして、私どもはこういう独禁法が曲げられることなく、十分にその機能を果たすことを念願をしておるのでございます。ところが輸出入取引法は前からある法律でございますけれども、ある面においては輸出入取引をより合理的にやるための独禁法の修正事項である、適用除外をしておるというふうに考えるのでありまして、その限りにおきまして、それぞれ具体的な必要があってなされたのだと思いますけれども、こういうふうに必要があるからといって、基本的な独禁法が続々と骨抜きにされていくというようなことについては非常に心配をしており、またそれについては強く反対をしなければならないのでございます。従いまして、本取引法の改正の点に関して申し上げますと、輸出入貿易における過当競争を防止するためのカルテルを国内取引の分野にまで容認する、こういうことについては反対をせざるを得ないのであります。  それから貿易の面におけるアウトサイダーの規制でございますが、これは実際の輸出入貿易の伸長の点からいって、アウトサイダーを規制しなければならないという必要性も起こるであろうということは、われわれもわかるのでありますけれども、その必要な場合につきましては、これまた公正取引の機能であるところの公正取引委員会の同意を要する、ここで慎重に審議をしまして、その同意によってこれをやるということにやはりすべきでありまして、簡単にアウトサイダー規制を認めていくということはどうか、こういうふうに考えるのであります。  本改正法案につきましての私どものまず基本的な考え方は、以上の通りであります。  さてそういう考え方に立ちまして、今回の改正法案を見ますと、一々改正条項については申し上げませんけれども、総括して申し上げますと、現行法におきましても相当独禁法の適用除外をいたしまして、輸出入貿易について便宜をはかっておるというふうに考えられるのであります。それをなお改正案につきましては、国内取引の面につきましてもそのカルテルを容認していこう、こういう点が随所にあるようでございまして、こういう点につきましては私どもも非常に心配いたしまして、本法案ができるまでに政府当局とも過去におきましてずいぶんお話し合いをし、お願いもしてきております。そういうような経過をもちまして、農業者の心配する国内の取引の面におけるところの協定の問題については、こうこうする、たとえば七条の三というものが新設されておりますけれども、そういうものにつきましては手放しでこういうことを認めるのではなくして、政令で定めるものに限ってこれをやる、こういうふうにこれは原案よりは改められました。そのほか、従って政令で定めるとなれば、当然主管農林大臣が農林業の立場において、その利益を擁護するために強い発言もできるから、心配は要らない。なお、その他の条項につきましても、公取の協議というようなこともあるではないか。あるいは農林、通産両大臣の協議、あるいは農林、通産両省の事前協議というような手続を経て、慎重に運ぶ道は残されておるのであって、農林漁業者の利益擁護については万遺憾ないように処置をするつもりであるからというようなお話もございまして、われわれといたしましては本法案の提案ということについて、一応そういう今後の両名なりの覚書あるいは協議、政令ということに一つゆだねて、われわれといたしましてはその考え方を一応了承したといいますか、やむを得ぬというふうに考えた次第でございます。従って私どもは今後これが運用される上におきましては、ただいま申し上げましたような点からいって、なお依然として不安を持っているのでございます。はたしてこれが政府当局が言明されているように、農業者の利益擁護ということに十分遺憾のないように運用されるかどうかということについて、一まつの不安を持っているのでございまして、本委員会におきましてなおこの問題について慎重に御審議をいただくことが望ましいと考える次第でございます。  この機会に、私どもの基本的な考え方からいきまして、なお今後の本法案の運用という点についての不安を除去するために、一応要望を申し上げたいと思うのでございますが、私どもは最近ややもすると独禁法の影が薄くなる、こういうことを心配しておるのでございまして、独占禁止法は、依然としてこれを堅持していくというような考え方を強く打ち立てなければならないではないか。そうしてそれを守り、それを運用する公正取引委員会というものの機能を拡充強化する、こういうことが必要ではないか。それから、カルテルを容認する場合におけるところの許可認定ということがあるわけでありますけれども、こういうようなものも、一たびその必要がなくなればすみやかに廃止する、必要によって、十分慎重に協議してこれは容認するけれども、必要がなくなれば、さっさとやめるというように運用をやっていただきたい、こういうふうに考えます。  それから、なお、今後このように次から次へと独禁法を骨抜きにするような法律を作るということではなくして、輸出入取引の場合、あるいはその他の取引関係をよくするために、万やむを得ぬというような場合におきましては、臨時に特別な措置をするというようなことがいいのではないか。これにつきましては、どうも法体系の点からいって、そのつどそのつど問題によっていろいろな臨時措置をしていくということは、体系を乱すというような御意見が強いようでありますけれども、私どもはそう思わないのでございます。何も法律のための法律ではないのでありますからして、あくまでも独禁法を堅持するという意味からいきまして、それを骨抜きにするのじゃなくして、必要な場合は臨時的な措置をして、そして終われば直ちにそれはやめるというような考え方で、今後独禁法を守るためのお考えを進めていただきたい、こういうふうに考える次第でございます。  以上の要望を申し上げまして、私の意見を終わる次第でございます。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 ありがとうございました。山本さん。

山本博男神戸貿易協会理事

○山本参考人 神戸貿易協会理事の山本でございます。本日ここに、中小貿易業者の代表という形で、中小商社の声を聞いてやろうということでお招きにあずかりましたことを厚く御礼申し上げます。私は神戸貿易協会の理事をいたしておりますけれども、神戸貿易協会の意見というものは、すでに文書で皆さんのお手元に行っていると思いますし、またもう一つ、最近全国中小貿易業連盟というものができまして、全国の中小貿易商社千三百社ほど集まりまして、全国組織を作ったのでございますが、これの輸取法に対する意見も三回にわたって出ております。ですから、私としては、ここでお許し願えるならば、日夜第一線で実際に貿易、準貿易をやっている神戸の中小商社の三等重役はどういうふうなことを感じているかということにお耳を傾けて下されば幸甚だ、こういうふうに、私個人の意見として申し上げたいと思います。ただし今申し上げますことは私個人の意見でございますけれども、私の知っている限りでは、全国の中小貿易業者は私とほとんど同じ意見じゃないか、いうならば、全国中小貿易業者の最大公約数的な意見じゃないかと、私自身はうぬぼれているわけでございます。それで、まずこの法案に対する結論から先に申し上げまして、あと、なぜそういうことを言うかという理由に入っていきたい、こういうふうに思います。  結論を言いますと、この輸出入取引法の存在理由並びに改正理由というものは、客観的に見まして、現在の統制経済上また、あるいは通商政策上やむを得ざる点はずいぶんあるのでございますけれども、われわれ中小貿易業者の立場からすると、必ずしもそうだからといって全面的に賛成はできない。具体的に申しますと、要綱第一、需要者または販売業者の輸入貨物の国内取引における購入に関する件及び要綱第八、輸出貨物のメーカーに関する国内のアウトサイダー規制、これは政策上の必要は十分認めておりますけれども、中小商社を圧迫するものとして、賛成いたしかねるわけでございます。  次に、その他いろいろな、たとえば一次産品買付の調整の問題とか、負担金の問題がございますけれども、これらの問題は、われわれとしては必要やむを得ざる最小限として、消極的に賛成するというような立場をとっております。  しからば、なぜ通商政策上この必要を認めながら中山貿易業者がこの要綱第一並びに第八に対して反対意見を述べなければならないか、こういうことを申しますと、現在の貿易政策ないし通商行政に、われわれからいたしますと一本くぎが抜けている、肝心なものが一本ないからであります。それがあればこういうものも必要だと思いますが、それがなければわれわれとしては困るので、きょうここで間に合う問題ではございませんけれども、この際希望申し上げたいことは、これと並行的に貿易業法というようなもの、流行語で言いますと、農業基本法と同じように貿易基本法、そういう一本くぎをさしていただきたい。そうして、中山商社の保護育成について全体的な法律体系として持っていっていただきたいというふうに思うわけでございます。  次にその理由を申し上げます。今言いましたように、この輸出入取引法の政府の立場は十分わかりますけれども、経済政策の効果というものと、社会政策性との関連において若干われわれの見解と違うではないか。こういうことでは、貿易振興という経済政策あるいは国家目的のために、そこに犠牲考が出てくる。これに対して手を打たないで貿易政策だけをやるということは、はたしてこういうふうなデモクラティックな国でよいかどうかという問題であります。  まずメーカーとの関係でございますけれども、メーカーといっても、マンモス・メーカーから四畳半メーカーまでございます。われわれ商社とメーカーとのバランスは、戦後だんだんはずれてきているわけです。やむを得ませんでしょうけれども、戦後政府の経済政策は、欠乏経済から脱却のために生産中心主義になった。これはものを作らなければならぬから、ごもっともです。あるいは復金とか、輸入割当によって商社はあってもなくてもよいというようなことではないでしょうけれども、軽く見られた、こういうことがございます。  第二の問題として、戦後インフレによる一番被害者は商社です。工場のある方は資産の再評価で、含み資産とかいろいろな画でインフレに対してヘッジングができるが、言うなれば、われわれは流動資産と現金しか持っていない存在であります。この上に政府の経済政策が生産復興中心になったので、メーカーと商社のバランスがだんだんくずれてきた。最初は生産復興に理由があった。ところが、三十年、三十一年になりまして、統計が示すように、生産がだんだんふくれてきますと、需給のバランスが回復してきまして、今度は逆に生産過剰面が現われてくる。そうすると、作る政策から売る政策に転換しなければならぬ。このときに際して、人間の悪いところでございますけれども、メーカーとしても、一たん握ったものは放したくない。そういうことでずるずるずるメーカー中心主義が続いてきた。そのために商社の地位が下がってきた。このときに第八のようなアウトサイダー規制をやられますと、われわれの地位はさらに振り回される。ここに不特定多数の貿易業者というものがあって、ここに特定少数のカルテルがある。特定少数のカルテルを強化しますと、不特定多数のものが振り回されるにきまっている。、だから、私としては、まことに残念ですけれども、こっちの力も何とかしてもらわぬと、こっちだけ防いでは困りますと言わざるを得ないのでございます。だからメーカーとの関係で反対するわけで、われわれは紡績とか鉄鋼とかいうようなマンモス独占資本の工場の足軽みたいにやっているわけですけれども、私的独占カルテルに持っていかれますと、これまた足軽扱いにされるということを心配しております。  次に、中小商社と大岡社の関係でございますけれども、政府はいわゆるチャンピオンシスティムというのかなんというか、大商社中心に問題が片寄り過ぎているのじゃないか。たとえば実績制度をやりますと、実績かせきという問題が起きてくる。実績かせぎでやりますと、成績を上げなければならぬ、成績を上げるためには安く売らなければならぬ、安く売るためには多少損をしなければならぬ。われわれは損したらつぶれるから、損はできない。損のできるマンモス商社が損をして、実績がそこに集中していく。そのために政府の輸出入取引法の実績制度というものは、中小に対して非常にマイナス的な面が今まで出てきております。だから今まで申し上げましたことを言いますと、結局輸入の問題では需要者というものは、言葉はメーカーと違いますけれども、大体国内のメーカーが多いというふうな、大商社と大きなメーカーと中小商社とのバランスという問題であります。言いかえますと、現在の統制方式というものは、満員の電車の中のお客さんの整理をしている、ここで実績があるものあるいはいいものを特別車に乗せてやる、そうするとこっちは相変わらず満員なんです。せめて満員だから窓口をとじて、あとお客さんが入らないようにしてやらなければいかぬと言うと、それは憲法違反でできないとかなんとかいうことで、中小府社に対しては何らの手心も、何らの恩恵もないような、これはひがんでおるかもしれませんが、そういう感じがいたします。しからば国家として中小商社は一体存在が必要なのか。単に社会政策的に助けてくれ、社会保障をやってくれというのとわれわれは若干相違がある、というのは中小商社を育成した方が国家も得であるし、国民も得である。じゃなぜ中小商社を育成すればいいのかという問題になります。これは言いますと、まず第一に統計上現在の輸出の大体半分以上は、われわれ中小商社がやっているわけです。それでまたやっている品物は何かといいますと、雑貨が多いわけです。雑貨というのは何かといいますと、日本の労働力が最もたくさん付加価値されたもの、労働力が最もたくさん商品化したもの、すなわち最も外貨取得率の高いもの、これが雑貨でございます。それからもう一つ言いますと、雑貨的備品をさらに、アメリカとかヨーロッパとかいうふうなところは、これはメーカーでやってもできますけれども、失礼ながら皆さんの御存じのないような、地理の先生でも知らないような世界の僻地まで、日本の商品を根気よく売り込み、新しい市場を開拓するパイオニアとして国家の先駆に立っておるものはわれわれ中小でございます。ですからわれわれをうまく育てた方が皆さんのお得だというふうに思います。  その次にそれじゃどういうふうにしてわれわれの育成をやるかという問題でございますけれども、現在の統制が商品別、地域別統制になりますと、統制された地域はそれである程度の秩序回復はできるが、未統制地域に対して商品なり商社がラッシュしていくわけです。そこで新しい過当競争と醜い面が出てくるということは、現在の波打ちぎわ規制といわれるものは国内の貿易業者に対しては、全然野放しになっておるわけです。ふろ屋をやるにしても、パーマネント屋をやるにしても、県か市で一札もらわなければなりませんが、貿易業者は通産省のお墨付がなくても、国会議員に落選したら、すぐあくる日からできるわけです。だれでもできる。こういうふうなことで、満員電車の入口をあけっぱなしにして電車の中を整理するということでは、われわれ中小商社としてはまことに納得できない。そこで皆さんにお願いいたしますのは、ここで貿易基本法なり、名前は貿易基本法でもよろしゅうございますけれども、やはり一定資格の水準において現在の業者を登録していただきたい。それから新規業者に対しては、現在の登録よりもやや高い水準において——これを全面的に禁止することは憲法上の問題があると思いますから、要許可営業品目にしていただきたい。それから第二の問題はマンモス商社と中小商社との間の事業分野の確定、いうなれば百貨店法、小売法というようなものも貿易関係において必要じゃないか、ということはマンモス業者の重役の方々は、非常に社会性の認識が強うございますけれども、社員の人はノルマに追い回されて、何から何までわれわれの分野を侵してくる、こういうことで新たな過当競争がマンモス業者によって起こっておるという事実がある。こういう意味で事業分野の確立と貿易業者の登録制というものを、ぜひここでお考え願いたい。事実上これをすぐやれと言いましてももちろん不可能でありますが、これができましてから、メーカーのアウトサイダー規制も需要者の問題も並行しながらやるなら片手落ちではなく、政策として考えられるが、これなしに片一方だけをやられることは、われわれとして立場上納得できない、こういうふうに思います。  以上私の希望でございますが、特にこの際申し上げたいのは、いわゆる倍増ブームとか外貨が二十億をこえた輸出ブームの陰に、こういうふうな一つの言うなれば日本残酷物語というものが現に存しておるということを御認識いただきまして、立法関係並びに法の運用、行政関係においても中小商社育成のために御尽力願いたい、こういうふうに思います。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 ありがとうございました。  以上で参考人の方々の一応の御意見を終わったのでございますが、この際井深さんからちょっと補足説明があるようでございますから、お伺いいたします。

井深大日本電子機器輸出協会会長

○井深参考人 ただいま山本参考人からいろいろ御意見を伺いまして、とメーカーとの関係という問題、いろいろお話がありました。また私自身トランジスター・ラジオに限定してはなはだ申しわけないのでございますけれども、トランジスター・ラジオはさっきも芦野参考人は一つのケースだというようなお話があったのでありますが、これから日本が輸出をしていくためには、トランジスター・ラジオのようなものがどんどん出ていかなければ、日本の輸出というものは保っていかれない。今までテープ・レーバーとかそういうもので、値段だけで競争していくといったようなものが、わが日本の輸出の代表品目のようにいわれていたのでありますけれども、トランジスター・ラジオというものは、なぜ世界に行き渡ったかと申しますと、これはヨーロッパにもアメリカにもほとんどトランジスター・ラジオがないときに、日本のメーカーが一生懸命やってこれをこしらえ上げて、従って真空に吸われるように日本のトランジスター・ラジオというものは出ていったわけであります。そこでトランジスター・ラジオというものが一つの輸出の大きな題目になったのでありますけれども、決してこれは油断はできない。たとえばヨーロッパのメーカー、ドイツ、オランダ等のメーカーもわれわれよりは二年、三年おくれておりますけれども、ほんとうの意味での物を生産する力というものは非常に持っております。現にドイツの商品と日本の商品とがヨーロッパで競争しようということになると、これは値段の点においてはむずかしさが出てくるわけなのであります。先ほど山本参考人は輸出に対する商社の役割ということをるる御説明になりまして、私もこれは一応うなずけるのでありますが、トランジスター・ラジオあるいはそれに基づくようなものの輸出を初めて植えつけて、開拓していくのは一体だれがやるかということになりますと、今日では私のフィールドに関しましては遺憾ながら大商社も中商社も——特に困るのは外国商社の場合で、これがむしろじゃまをしてもらったと言っても過言でないのではないか。なぜかと申しますと、新しい技術のもの、外国にないものを日本が広めようという場合にはどうしても技術的な問題、サービスの問題、いろいろな問題にメーカー自身が突入して、これを解決して開拓していかなければならない場合が非常にあるのでございます。私自身の話になってはなはだ恐縮でありますけれども、私どもが初めトランジスター・ラジオを商社に持ち込んだときには、どこの商社もこれを取り上げてくれなかったので、仕方なしに私たちでもってこの一つ一つを世界中に持って歩いて、そこにサービス網を植えつけて、初めてこういう世界じゅうの販売網ができたと考えるのでございます。技術革新の時代になって参りますと、こういった問題が非常に大きくクローズ・アップされて、だれでもしろうとが金もうけするために、輸出をすればそれでいいということにはなり得ないのでございまして、そういった意味でメーカーというものがかたまって輸出というものに対していかなければならない。私はこれはドイツに非常に見習わなければならないと考えおります。ドイツでは、国外に対してはつまらない競争は全然やっておりません。非常にきびしい申し合わせができて、それでもって外国に勝っているのであります。私はこの輸出ということに関しては、国内の問題じゃなしに、どうしても海外メーカーとか海外の商社に勝たなければならない立場にあるので、この海外の商売に勝っていくためにいい法律をこしらえていただくということを非常に考えなければならないと思います。取引法の内容自身は私にはよくはわかりませんけれども、とにかく正常に、一生懸命にやっていくメーカーといったようなものが、いつも後手に回って困った立場に立たされているというのが、今までの状態じゃないかと思いますので、その点に関しても、メーカーが輸出に関してはほんとうの話し合いをすることが、日本の輸出を伸ばすために非常に必要なことであるということを、私ははっきり言えると思うのであります。これは一部の方はそういうカルテルができた場合には、大企業が中小企業を圧迫するというようなことをいろいろ言われているのでありますけれども、おのずから分野が違うので、大企業がとられ得る分野と、中企業がとられ得る分野と小企業がとられ得る分野というものは、はっきり線が出てくるのじゃないか。何でも同じように大企業と小企業が同じものを出していかなければならぬと考えることは、日本全体の輸出としては非常に問題が出てくるのではないか。そういう意味で私は山本さんのお話と芦野さんのお話について感じたことをつけ加えさせていただきました。それから……。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 井深さん、御意見がございましたら質問のときにお願いいたします。ありがとうございました。  それでは、委員から質疑の通告がございますので順次これを許可いたします。板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 まず井深参考人にお伺いしたい。ソニーの社長さんだと伺いますが、日本から輸出するトランジスター・ラジオの中でソニーがどのくらいの割合を占めておるか、またソニーのトランジスターなり製品なりが、内市場と国外市場でどういう割合を持っているか、まずその点を伺いたいと思います。

井深大日本電子機器輸出協会会長

○井深参考人 月々によって違いますけれども、私どもの会社自体から輸出しております国内のパーセンテージは大体七、八%から二〇%くらいの間を上下しております。それから私どもの会社の中での生産の四〇%から五〇%近くのものを輸出をしております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 アウトサイダーの規制には賛成だという立場をとっておられる、ただいまのお話によると、ソニーが進出したのには中小商社はあまり役に立たなかった、自力でやったんだ。それで今度法律を変えて中小商社はアウトサイダーですから、アウトサイダーは規制されてもやむを得ない、どっちかというと中小商社は今では輸出のじゃまをしているのだ、こういうお話のように承っておるのですが、私はこの点はソニーさんもちょっとお考えになる必要があるのではないかと思うのです。なるほど今はソニー会社は日本のソニーであるし、世界のソニーであるかもしれません。しかし数年前はその中小商社すら見向きもしなかった小さい企業であったわけです。もしそのときに大企業がこういうカルテルを結んでおって、しかもそこでアウトサイダーを規制しておって、実績主義をとられたら、幾らソニーの製品が優秀で安くても、ソニーが今日の大をなすことはできなかったのじゃないかと私は思うのです。今までは追う身であったのが今度は大企業になって、中小企業はアウトサイダー規制で自分に従えと言いたいのかもしれません。天下を取ったものが勝ちだというのかもしれないが、われわれの方とすると、ソニーで日本経済が全部持っているわけじゃない。この輸出入取引法というものは、日本の輸出入の全体を規制しようという法律です。ソニーが日本の全輸出量をまかなうということならば、そういうお話もわかるのですがそうじゃないのです。メーカーが自分で値をつけたものを、不都合な中小曲礼がそれをくずすようなこういうものは規制していこうという気持はわかりますが、これは私ども一般的な法律としてはまずいと思っているのです。それはそういう意見だからいいのですが、今は中小企業かもしれませんけれども、中小メーカーの中に、これからのソニー会社になるようなものがあるかもしれないのですね。そういう意味で、私どもはアウトサイダー規則の強化というものはいけないと思う。過去を振り返ってちょっと虫がよ過ぎやしませんかという感じがしますが、いかがですか。

井深大日本電子機器輸出協会会長

○井深参考人 私どもは確かに十五年前、十九万円の会社から成り上がったのでございます。昭和三十年に初めてトランジスターを輸出しましたときは、私の会社以外輸出はなかった。昭和三十一年も九十数%の輸出をしてきたのです。それでほとんど私のところだけでトランジスター・ラジオの輸出というものを始めた。私はきょうはソニーの立場としてそういう発言はあまりしたくなかったのでありますが、大げさに言いますとトランジスター・ラジオというものは、私のところ自体でほんとうに苦労をして輸出の開拓をしていった、こう私は考えております。  それから先ほどアウトサイダー規制というようなお話があったのでございますけれども、アウトサイダーというものを除外して輸出ができないようにするとかいうような法律の精神じゃないんじゃないか。私どもの日本電子機器輸出協会の中を見ましても、ほんとうに大きなメーカーというものはわずかでありまして、中あるいは小の方がほとんど大きな勢力を占めておりまして、特にトランジスター・ラジオ等の輸出問題に関しましては、この副会長というのは中企業の代表的な方がなっておられまして、その方にいろいろな点はまかしてあるわけであります。大きなメーカーというものはむしろトランジスター・ラジオ等の生産をどういうふうに調整していくかということを考えなければならない立場にあると思うのです。このトランジスター・ラジオ輸出問題は、むしろ中あるいは小——実際被害をこうむっておられるものは一番小さいところが商社に振り回されておるということから、この問題は出発してきたと思う。こういう人たちがほんとうにアウトサイダー規制をやってもらって、みんなで話し合いのできる場をこしらえたいというのがむしろ、中小の方々の意見で、私はそれを代表して申し上げておる。大企業の方の中にはむしろ反対の意見の方もおられるということを、はっきり私は申し上げておきます。それから私自身の会社の立場ということも私は極力殺して、全体が正しい形でいけるようにということだけを念願しているつもりでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 今度の法律の改正点は、ある地域じゃなくてもいいです、全地域でもいいのです。日本の輸出する、たとえばトランジスターならトランジスターの三分の二を、ある場合ではソニーさんが一社でも占めるような場合があるでしょうけれども、とにかく数量的に三分の二を確保しておるならば、その数社でカルテルを結べば、アウトサイダーは、三分の一以下の業者が百あろうが三百あろうが、三分の一以下しか占めない小さい商社は、このカルテルに従っていきなさい、こういうことを改正しようというのです。そうしますと、この改正は数量的な割当もするだろうし、価格的な割当もするでしょう。そうすると、それに従わなければ、今度は二年以下の懲役、三十万円の罰金ということになる。それにはその段階かまだありますが、そのアウトサイダー規制でだめだった。政府が今度はカルテルに従え、こういう命令を出しても、それに従わなかった場合は罰金と懲役、こういうことになるのですね。ですから、今度の法律からいうと、少数の大量生産の輸出業者、メーカー、これが独占的な、支配的な立場をとれるのです。それでアウトサイダーは何十社あろうが何百社あろうが、それに従わなければいかぬということができるのです。そういう点が今度の改正で大きい問題であって、それはソニーさんが大いに進出されるのはけっこうです。六年前、ほとんど競争社はなかったからというお話ですが、仮定ですが、当時あったとしたならば、この無名のソニーというものは今日の大をなさないということになるのであるから——まあ現在の法律でカルテルをやることを認めておるのですから、三分の一以下の多数の中小商社あるいはメーカーが、数量的な、値段的な問題で多少不都合だと思われることがあっても、その辺はお互いの中で、、安くていいものを作ればその方が究極的に勝つのですから、やはり現在のところでがまんすべきじゃないか、私はこう思うんです。  それからもう一つは、井深さんも言われましたように、最近オランダのフィリップスという会社ですか、非常にトランジスターが進出をしましたね。一社の生産量からいうと、日本のソニーさんよりふえたのじゃないですか。そうですね。かって数年前、ソニーしか世界市場ではトランジスターがなかった。真空の中へ吹い込まれるように売れていった、こういうお話です。しかし今はそういう競争業者がどんどんドイツにおいてもオランダにおいても進出をして、かえって第一等のソニーさんすら負けてきたということは、どうもやはりこのカルテルなり規制をして、あまり安く売っちゃ損するぞ、それから数量をある程度規制しようというようなことで、高値に売ろう、こういうような気持もあったのだろうと思うんですが、そういう自由競争をやめたために、競争を制限したために、あとからきたフィリップスやドイツの会社に追い込まれているのじゃないか、私はこう思うんです。そういうことからいうと、今度の法律はさらにそのカルテルを強めて、アウトサイダーにカルテルの言うことを聞かせて、競争をなるべく内輪にしようというのですから、競争をしない企業は世界と競争して勝ちっこないのじゃないかと思うので、今度の法律はソニーなりトランジスター企業関係が反対をされるのがほんとうじゃないか。長い目で見るとその方が正しいのじゃないか、輸出振興にならぬじゃないか、こう思うのですが、いかがでしょう。

井深大日本電子機器輸出協会会長

○井深参考人 私、アウトサイダーというものは、必ずしも小さいメーカーさんだけとは限らないと思うので、先ほどから申し上げているように、むしろ非常に巨大メーカーすらも、アウトサイダーになり得る可能性が非常にあり得る、そういうこともあわせてお考え願いたいというわけであります。  それから、輸出というものに対して国家的な援助と申しますか、国家的の要請といったようなものが欠けているという点、それが何も現在ヨーロッパに負けているということにはなりません。フィリップスと申しますのは、御承知のように、五十の工場を植民地的に世界各国に持っておりまして、日本にもそれに類する工場があるわけでございます。そういう五十社の生産を各国でやっておりまして、それのトータルでございますから、世界一の生産になるのは仕方がないことじゃないかと思っております。私の方は数だけでそういうものと競争していくというつもりじゃなしに、むしろ質において常に技術的に新しいものを世界に売り出していって、いつまでも真空状態の輸出というものがやれるような形を保っていかなければ、そのためにはどうしてもある程度の申し合わせというものはやっていただかなければ、正常なあれができないのじゃないか。むしろ私の方はそういった意味の正常な輸出の話し合いのできる場合ということにおいて、アウトサイダーの規制ということをお願いしたい、こういうような意味でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 時間がございませんから次に移ります。  間瀬さんにお伺いいたしますが、あなたの公述の中で、たとえば米国で日本の綿製品排斥運動が起こった、これに弁護士を使う費用もかかる、組合としてはそういう対策上金もかかるから、員外者も利益を受けるんだから従って負担金を徴収するのは当然じゃないか、こういうお話でありますが、間瀬さんの輸出組合の事業というのは、今度の法律の第十一条でずいぶん変わりましたね、この中の事業をやるについて員外からも負担金を取って使おう、こういう気持ですか。

間瀬一日本機械輸出組合専務理事

○間瀬参考人 負担金を取る場合は非常に限定された場合で、私弁護士費用のような場合に負担金を取るという例を、さきに申し上げましたが、非常に限定された場合だけじゃないかと思っておりまして、あらゆる再来については考えられないのじゃないかと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 今度の法律の改正は、輸出組合がそういうことをやったことに対して分担金は員外から取れません。それは誤解のないようにしておった方がいいのじゃないかと思う。それは規制事務を輸出組合にまかせて、その規制事務の範囲でありますから、輸出組合の事業の費用には、員外からの負担金が取れないような改正になっておりますから、そういう意味では取れるから賛成だということは結局取り消しになって、とれないのじゃ反対だということになりますか。

間瀬一日本機械輸出組合専務理事

○間瀬参考人 ちょっと私そこまで研究しませんで、一応今申し上げたように、輸出数量の規制があったような場合に、弁護士費用を員外からもとれるというのじゃないですかね。とれませんか。

板川正吾日本社会党

○板川委員 その点はまたあとで通産省に聞いて明らかにしようと思うのですが、この法律からいうと、二十八条の五項で、省令にかかる事務の一部を輸出組合に処理させるのですが、この規制事務はこの十一条の事業の中に入っておりません。ですから、輸出組合が行なう宣伝やあっせんや何かをやる費用としては使えないのが建前だと思うのです。法律の規制の仕方からいうと、この通産省の窓口でやる規制事務の一部を輸出組合にまかせるのですから、その規制事務の一部の費用しかとれないというのが建前で、輸出組合が向こうで宣伝したりいろいろ運動して金がかかったから、その金を、員外の人も利益を受けるのだから、当然よこせというようなことはできないようになっておるのです。

間瀬一日本機械輸出組合専務理事

○間瀬参考人 その点は私もそう思います。先ほどから申し上げておりますように、非常に限定された範囲であることは私も承知しております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 最初の業界の気持はそこにあったかもしれないけれども、そうじゃないのですから、この法律にはそういう点では逆な意味であまり賛成じゃないだろうかと思うのです。  それから次に芦野さんに付いたいのですが、今後の法律改正で、四十二条をごらんになっていただきたいのですが、罰則が強化されておると思うのです。従来はカルテルを認可を受けて結ぶ、そしてカルテルで抽出をやっておったところが、どうもアウトサイダーが出てうるさくてしょうがない、だからアウトサイダー規制をしたが、なかなかそれがうまくいかないという場合に、通産大臣が輸出業者の順守すべき事項をきめる。それはカルテルの線で従えということをきめる。しかしそれに従わなかった輸出業者なり、商社なりがあった場合には、特定の仕向地に対して一年間の輸出停止をする。行政的な罰則を適用して、なおかつそれでも言うことを聞かない場合に、初めて四十二条によって二年以下の懲役、三十万円以下の罰金、こういうことになっておったと思うのです。今度は四十二条の改正で、一年に限って仕向地を指定した輸出停止の行政的な罰則を適用しないで、通産大臣がカルテルをやめろと言った事項に反して、食わんがために一生懸命輸出したり、あるいはソニーさんのように今のものよりも安くていい品物だと思って売り込んだら、二年間の懲役ということになってしまうことに改正案がなっておると思うのですが、こういう点をどういうふうにお考えでしょうか。

芦野弘弁護士(元公正取引委員会委員)

○芦野参考人 実はきのう資料をいただきまして、大急ぎで勉強したような関係で、終わりの方に書いてある罰則のところまで、精細に研究するひまはなかったのでございますが、私の考えは、先ほど申し上げましたように、輸出入取引法そのものについて疑問を持っている。ことに統制的なアウトサイダー規制ということは反対であると申し上げた。その点からしてこの改正案に対する私の意見も御推察願いたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 それでは次に、芦野さんは公取の委員もおやりになっていたと思うのですが、公取の経験からいいまして、今度の輸出入取引法の建前というのは、輸出なら輸出に向かってのカルテルなりはいいといっている。国内取引についてはこの輸出入取引法は適用しないで、独禁法だ、こういう建前をとっている。だから、国内のカルテルを認めるのではないから、独禁法に反しないからいいではないかということで、賛成者もあるわけですが、輸出取引、輸入取引と国内取引との一線について、これは輸出取引であり、そのカルテルは国内取引に影響がない、こういうようなことについて判定する十分な資料なり考え方なりというものが、一体長年の経験からおありになるのですか。私の気持は、輸出のために、輸入のためにカルテルを認めることは、結局これが中心になって国内のカルテルができ上がるだろう、こういう気持を持っておるのですが、いかがでしょうか。

芦野弘弁護士(元公正取引委員会委員)

○芦野参考人 日本のように御承知の通り経済において輸出が占める割合が非常に大きいところでは、ただいま板川先生がおっしゃいました通り、国内の取引と輸出取引ということを実際に分けることは、ほとんど不可能のように私は思っております。これが輸出入取引法に対して私か疑問を持っていると申し上げた一つの大きな理由になっておるわけであります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 時間がございませんから、次に森川参考人にお伺いをいたします。今度の法律改正に対して農林団体が非常に反対の空気を持ち、これでは消費者としての農民の立場というのが犠牲になる、こういうことで反対運動をされておったことは陳情等で私ども承っておるのですが、今度の法律の五条二項の六号の中で、関係の農林漁業者の利益を不当に害するおそれがないこと、こういう「関係農林漁業者」というものが七字ばかり追加になっておるのですが、政府側の宣伝を聞くと、この改正案で農林団体は了承したのだと言っておるのですが、七半を入れただけで、このアウトサイダー規制、輸入メーカーのカルテル、こういうものができたら、この字句が入っただけでは、とても農林漁業者の利益を不当に害するおそれがないというわけにはいかないのじゃないかと思うのですが、この点についてどうお考えですか。

森川武門全国農業協同組合中央参事

○森川参考人 私が申し上げましたように、私どもはそういう点につきまして政府当局にも強く要望をしたのであります。話し合いの結果それほど言うのなればということで、そういう文句を入れまして、なお政府側の心配要らぬという気持を現わすのだ、なおそればかりではありませんが、ただいま申し上げましたようなその他の条項につきましても、われわれの不安のあるところは、たとえば政令に譲るとか、あるいは両名で協議をするとか、あるいはまた農林大臣、通産大臣という所管大臣の事前協議をする、あるいはまた公取の協議だとかいうような手続を踏んで、農林漁業者の利益を守って心配のないようにする、なおその他の行政指導面、運用面においても万全を期するというようなことでございましたので、それならばわれわれは一応これはやむを得ぬ、しかし今後そういうことが実際行なわれるということに対しては不安を持っておりますから、本委員会において明確に不安のないようにしてもらいたいということでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 それからかつて農林漁業団体で経営しておられる協同組合貿易で、ソ連から燐鉱石、カリ等を直輸入しよう、こういうようなことで契約ができてやろうとした、ところがその燐鉱石やカリのカルテルが反対して、海運業者に働きかけて船を回さない、どうも農業団体が勝手にそういう安い肥料の原料を買ってやられたのではかなわぬということで、反対をして、船を回さなかったということがあるそうでありますが、その事実はあったのですか。

森川武門全国農業協同組合中央参事

○森川参考人 そういう取引のことに関しましては、私どもの組織におきましては全購連がやっておりまして、私は全購連からそういうような事実があったことを承知しております。  なおそれに関連いたしまして、実はアウトサイダー規制の問題でありますけれども、協同組合が行なう貿易ということにつきましては、そういう協同組合の仕事の性質、その組織の性格からいきまして、ぜひ一つ除外をしてもらいたいということもこれまた強く要望しております。それにつきましては政府側としましても法律の中でそれだけを除くということはできないけれども、協同組合の性質にかんがみて、協同組合貿易については一そう助長するというような行政的な、また必要な処置をとっていく考えであるということになっております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 今度の改正で輸入のメーカーのカルテルが認められる、こういうことになりますが、しかもそういう大メーカーがカルテルを結ぶということになりますと、私は消費者たる農民に大きな影響を来たしてくるだろうと思うのです。特にこの独占禁止法という法律ができたのは、大体農民がアメリカにおいて高いものを買わされるということで反対されてできた法律であり、そういう思想だと思うのです。こういう点についてはわれわれ今後の審議の中で、もっとはっきりして参りたいと思います。  時間がございませんから次に参ります。山本さんに伺いますが、全国の中小貿易業者が何回か集まって、千三百商社が三回も文書で陳情なりしておられる、こうおっしゃっておったのですが、この陳情の要旨を私ども受けてないのです。多分これは自民党さんだけか、政府筋だろうと思うのですが、どうぞ一つあとから御参考に出していただきたいと思います。  それから山本さんは中小商社として、先ほど私申し上げましたような罰則の強化にどういうお考えを持っておるか。これこそは中小商社があげて反対をしなくてはならない問題だと思うのです。あなた方はソニーさんの言葉で言えば輸出をじゃまするのです、じゃまするのは罪人、だということになっているのです。刑罰を直接与えるということになってくるのです。しかし私は山本さんが言ったように、ソニーさんが急に世界に進出したのは、ソニーさんだけでそれができたんじゃないと思う。やはり日本の中小企業者が輸出している雑貨なりが世界各地に輸出をされておって、日本の品物というのは安くて便利だなという思想があって、そういう下地があったところにソニーさんが進出できたんです。だからこれはソニーさんに戻ってしまうのですが、あまり中小商社をばかにしないで、大商社も、大メーカーも、中小メーカーも一お互いに競争の中で、日本の輸出を振興するということでなくてはならぬ、こう思うのです。商社の立場から罰則についてどうお考えですか。

山本博男神戸貿易協会理事

○山本参考人 まずお手元に要望書が届いてないそうでございますが、これはまことに申しわけございません。当方の事務局の手違いでございまして、三回現に出しております。今後はさようなことのないように注意します。  罰則の問題でございますけれども、これは基本的には統制経済法律で行なわれるということで、倫理的な法律とケースを異にするということは、非常に基本的な問題もあると思いますが、現在のところは私の知っている範囲では、通産省あるいはそういう関係を見ますと、いわゆる悪意とか非常に悪いケースの方が非常に少ないところをもってあまりひどいようなところはないし、それから中小商社が何か罰則にかかるようなことをやるというふうなことに聞えますけれども、事実上は中小西社の問題は二つに分けていただきたい。ということは今言いました登録制でねらいの一つとしては、中小商社の中でわれわれのように口幅ったいようですが、正常な貿易をやっておるという中小商社が、一部の泡沫業社あるいは今ソニーさんが言われましたように、外国から来ているバイヤーとか、そういうものはわれわれは被害者でございまして、ですからそういう法律があって泡沫業者、悪質業者が罰せられるということは、正当な意味の中小商社としては悪いことをせぬ限りはそう問題がないように思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 ガラス玉を真珠といって売るようなもの、あるいは六石のトランジスターが二石だとか、ソニーさんにまねたような意匠を盗んでやるとか、これは不正な取引ですから当然罰則は問題じゃない。しかし今度の罰則はそういう罰則ではなくて、生産業者なり、メーカーなりが輸出をする、これが三分の二を占めておった、輸出数量の三分の二を占めておったということになると、たとえばセメントなら四十七社の中に五社か六社あればこれは三分の二占めてしまう。トランジスターでもソニーさん中心に数社あれば三分の二を占めるのです。そうするとこれがカルテルを結ぶと、ほかの人がこれにアウトサイダー規制をかけられた場合には全部、たとえば数量制限は実績主義をやれ、価格は、六石のトランジスター・ラジオは価格は幾ら以下で売ってはいけないということになるでしょう。こういうことになってきた場合三分の一以下の多数の中小メーカーとしては、これはとてもそれでは大企業のカルテルに従えない、そこで同じ品物ならば大企業、ソニーさんとほかの中小メーカーのトランジスターでは、これは同じ金なら買うはずはないです。ですからどうしても値段をくずすのです。同じ六石でも値段をくずすのです。そうして数量ごまかし、この間のような検査員を買収してごまかすようなことでもしなければやっていけないことになる。そういうような形でアウトサイダーを規制する。アウトサイダーにカルテルに従えという規制命令が出る。しかしその規制命令に違反した場合には、——これはこまかしものを売るというのじゃないのですよ、数量なり価格なりを違反した場合には、二年以下の懲役になるのですよ。今の考え方は、何かごまかし品を売った場合には、そういうのは日本の輸出業者は国際的な非難を受けることになるから、それは当然輸出入取引法においても独禁法においても罰則はあるのですが、そうではなくて、数量、価格、そういうものの違反をした場合に罰則を受けるということになりますが、これはどう思いますか。

山本博男神戸貿易協会理事

○山本参考人 今の御質問は非常にむずかしい問題でございまして、今の為替管理法の問題にしましても、経済法規全般にこういう問題が存在して、私どもとして困っておることは事実でございます。本取引法に関しては、私としては、たとえばアウトサイダー規制とかそういう問題それ自体が、今言いましたように、ほかに一本くぎが抜けておるから賛成できない、こういうことで、罰則の問題は触れないでおるわけであります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 終わります。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 加藤清二君。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 時間もあと三十分程度だそうでございまするので、私はこの際参考人の皆さんに、貿易の振興ということを中心課題として、二、三の質問を試みてみたいと存じます。  私が申し上げるまでもなく、日本経済の伸展は貿易の振興ということが、今や至上命令であると存じまするが、由来日本の貿易の伸長の歴史をながめてみますると、これは政府の施策のよろしきとか、あるいは法律のよろしさという点もございましたが、それよりもむしろメーカーなり商社なりの営々努力、市場の開拓等々の方が、より一そう貿易の伸長のウェートが大きかったではないかと思われます。   〔委員長退席、岡本(茂)理着席〕 ちょうどはしなくも今ソニーさんがおっしゃられましたが、ソニーのトランジスター・ラジオの輸出にしても、ほんとうにメーカーのあなたが営々努力なさった結果である。ところで、それでは今後輸出を伸長するためのよりよい施策は、一体何であるかと調べてみましても、今国会には、法律としては本法案しかないようでございます。もちろん金融政策その他において別途考慮も払われているようでございまするが、直接振興させるという具体策というものは、この法律以外にはないようでございます。ところで、さてこれが施行されたからというて、それでは頓服的な役割を示すかというと、必ずしもそうとは限らない、むしろこれは規制されるという方にウェートが多いようでございます。そこで、では紀国屋式の独立独歩で業界の皆さんがおやりになるときに、やった結果、難渋している、困難しているという障害を除去して差し上げることなりともすることが、われわれのせめてもの任務ではないか、かように思いまする関係上、お尋ねしたいと存じます。  最初に井深さんにお尋ねしたいのですが、お宅の製品の輸出は四〇%から五〇%を占めているということでございます。ところで、せっくお宅の開拓なさったトランジスターが、アメリカにおきましてもカナダにおきましても、ある程度、トラブルと申しましょうか、問題が起きたようでございます。その原因は一体何であったか、必ずしもお宅の製品とは限らず、トランジスター・ラジオそのものが、あるいは電気製品の部品、そういうものが何かトラブルを起こしたということを承っておりまするが、一体どういう原因があってどういう結果が生じてきたか、こういうことを、まあ秘密事項はけっこうでございますけれども、私の最初申し上げました意図に対して参考になる点があったら一つお願いしたいと思います。

井深大日本電子機器輸出協会会長

○井深参考人 ただいまの輸出振興に対するお考え、非常に私も同感なのでございまして、どうやって除去して順調な輸出をやっていくかということに対して、国全体がもっと関心を持っていただきたいと思います。非常に私も切実に感じている次第であります。  ただいまアメリカ、カナダで起きている問題と申しますのは、日本から参ります電子機器の部品、これはトランジスター・トランジスター・ラジオを含めてでございますが、その輸出の伸びが毎年数倍というようなステップでいったわけでございます。それに対してアメリカというところは、そういう生産が、軍需もありまして民需の方なんか間に合わないで、非常に向こうのあせりが出てきたわけであります。ところが日本の方は、民需のものばかりたくさんやりますので、非常に大きな数でもって押しかけていきましたから、アメリカのエレクトロニクスのメーカーは非常におそれを抱きまして、それで、日本が輸出してくれるのもいいけれどもこんなえらい勢いで来たらアメリカの業者はたまらないから何とか考えないかということで、民間国防動員局に提訴いたしまして、日本から入るトランジスターを主とする部品というものはアメリカの国防計画に非常にじゃまになる、だから、これを適当にコントロールすることを考えてくれということをアメリカの電子工業会が提訴したわけなのであります。今日アメリカでは、トランジスター一個の昨年の平均単価が二ドル三十セントでございます。ところが日本から今輸出しようとしている六石の値段が一ドル台になっておるわけであります。つまり六分の一よりももっと安い値段を日本はつけているわけなんであります。そういうことに対してアメリカでは、国防ではそうもうからない、民需品をこしらえてアメリカの会社はもうけようと思うのでありますが、その民需品を全部日本にとられてしまってはかなわぬから何とか考えてくれというのがアメリカの実情でございます。  カナダはアメリカに右へならえをいたしまして、アメリカヘの輸出の十分の一くらいというようなことで同調しているにすぎないかと思います。  そういったような数に対する恐怖と、値段に対する恐怖というものを彼らに与えているということは、これは確かなことだと存じます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 事アメリカ貿易に関しまする限りは、御承知の通り、安保節二条を初め日米友好通商航海条約その他から見ても、互恵平等の精神で行なわれてしかるべきところ、この貿易の帳じりは、常に日本の輸出が少なくて、アメリカからの日本の買いが常に多い。従って帳じりは赤字が慢性的になっている、こういう状況でございますので、この際私としてはでき得る限り、アメリカ貿易も伸展させてみたいと心ひそかに思うておるものでございます。  しかるところ米国に対しては、お宅のトランジスターを初めとして三十数品目というものが問題を起こしているようでございます。それが常に今あなたのおっしゃいましたように、輸出数量の絶対数ではなくして、その伸び方が幾何級数的に伸びるというところに脅威を感じている。言うなれば水鳥の羽音に驚いて、それも何も消費者の力ではなく同業メーカーさんが、驚くというよりも脅威を感じて何とかしたい、その結果は常に関税委員会に持ち出すとか、あるいはそのつど国会に持ち出されているようでございまするが、事日本の側におきましては、そういう問題が起きたときに国会へ持ち出して見えたという例を、少々はございまするが、あまり多く知らない。ぜひ一つ本省をも国会そのものをも大いに——紀ノ国屋文左衛門から見ればたよりないでございましょうけれども、相手国はそうやっておるのでございまするから、それに対応してなさることは、これはないよりはましではないかと思われるわけでございます。  そこでネックではないかと思われる点について一つお尋ねしたいのでございまするが、おたくの製品の内地売りのコストと輸出のコストですね、これはおたくの会社でなくてもいいです、トランジスター全体の平均でもけっこうですが、一体どのように相なっておるのでございましょう。

井深大日本電子機器輸出協会会長

○井深参考人 これは日本全体として見ますと、残念ながら国内売りよりも輸出価格というものを非常に安くつけているのが実情かと思います。ただ安くつけておるというのはメーカー段階での話でございまして、そのあとに関してははっきりトレースできません。私ども自身のことに関しましては、はなはだ幸いながらアメリカでの値段というものが、向こうの製品より高く維持できておりまして、国内と同等あるいは場合によっては、相当高く値段をつけて出しているものが相当ございます。今度ロータリーで来た人たちなんかも、日本へ来てラジオを買えば安いのだというような表現をされております。由来日本の場合は特に中小のメーカーさんが、アメリカからバイヤーなんかが来てアメリカへ輸出するのだということで札束を見せつけられますと、数量も何もかまわずに安い値段をつけておるというのが実際の状況でございまして、そこに私は先ほどから申し上げました輸出業者というもののほんとうのメーカーを育成しないという一つの大きな点が、その値段の面にも出ていると思うのです。それで持っていって向こうで売る値段というものは、相当マージンをとって大きな値段で売られているのでありますが、この値段の問題に関しましてはいろいろたくさんな問題が出てきておりまして、もう十五ドルくらいで大いばりで通用したものが、現在では五ドル台の値段というものをつけて出されていくというようなことで、値段的には私は非常に悲観的な見方をしております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 お答えを返すわけではございませんが、実は井深さんとは電子工業振興法を作ってくれとおっしゃって、おたくの工場を一度拝見したことがありますが、あれ以来でございますが、私は毎日あなたにお目にかかっているような気がする。と申しますのは、私は都内の某ホテルにおきまして、お宅の短波と中波の切りかえのできるトランジスター・ラジオを購入しておるのですが、そこで買いますと、これはタックスの関係かもしれませんが、一般市販よりは安いわけです。わざわざホテルに行って買ったのはそこに意味があるわけなんでございまして、確かに品物はよろしゅうございまして、私はそれを愛用しているのですが、お宅の場合でも蔵出しのコストは今おっしゃったのが正しいかもしれませんが、市販される場合においてそういうコストの相違か生じている。流通部門においてそのあとどれだけ利潤を累加されるかは別問題でありまして、日貨排斥が起こしますところの原因のおもなものは、これは市販もさることながら、輸入価格、これに問題があるではないか、それなればこそ相手国のメーカーが脅威を感じて排斥をする、こういうことになる。そのしぼられた言葉は何かというと、レーバー・ダンピングであるとか、あるいはチープ・レーバーであるということに相なっておるようでございます。その結果が日貨排斥だけで終わればよろしゅうございますけれども、ついにこれが他国においては、お宅の例とは少し違いますけれども、三十五条の援用をされる、ガットから文句をつけられる、こういうことに相なっておるようでございます。従いましてコストの面におきましても、ぜひ一つ今後十分な御考慮をお願いしたい、こう思うわけでございます。私どもは何もこの法案に全面的に反対しているものではない、波打ちぎわから向こうへ向かったときは、いずれの国といえども、自由主義経済といえども、ある程度の交通規則というものがあるのは当然なわけでございまして、それを交通規則なしに、人道も車道も汽車道も一緒に走れというようなことは、これは無謀な自由と言わざるを得ない。  ところであなたに一つお伺いしたいのですが、国内に向かって統制が、国内の特に消費者に及ぼす影響などを検討いたしました場合——輸入の場合ですよ、輸入業者と国内の需要者、これはメーカーになる場合もあれば、消費者になる場合もございましょうが、メーカーとのカルテル行為が今日の段階においてなお妥当であるとお考えでございましょうか。向こう向きの場合は承りましたが、こちら向きの場合は承っておりませんので伺います。   〔岡本(茂)委員長代理退席、委員   長着席〕

井深大日本電子機器輸出協会会長

○井深参考人 今価格問題にお触れになったのでありますけれども、今日日本では非常に妥当を欠いたむちゃくちゃな値段というもので物が出ていっている。そのために妥当な価格を維持するという、この一点からもアウトサイダーの規制というものを考えなければならないと信じているわけであります。  それから輸入業者の場合に関しましては、私はなはだ申しわけないのですが、勉強しておりませんし、どういうケースであるのかということも、ちょっと私ここで考えつきませんものですから、輸入に対するカルテル行為、あるいはアウトサイダー規制の問題についてはお答えする自信がありません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それでは最後にお宅の方の組合と申しましょうか、懇談会と申しましょうか、メーカーなり輸出業者なりのそういうものがある程度あると思うのです。そこであとう限りの今の輸出関係のデータをあとから一つ御提出願えないでしょうか。今ここで何会社のものが幾らですかということは、ちょっと差しつかえもあるだろうと存じますから、むちゃくちゃに安いとおっしゃったが、コストを聞いておりませんので、そういう点などを一つ、あとからでけっこうでございますのでお示しを願いたいと存じます。  次に回顧さんにお尋ねしたいと存じまするが、機械の輸出の伸びは非常に目ざましいものがあるようでございまして、かつては輸出の王座は繊維であったようでございますけれども、今や機械がそれに取ってかわろうという時代のようでございます。まことにけっこうでございます。そういう時期にあたりまして、事繊維機械の輸出については、他の部門と少し風変わりの点があるようでございます。今のように他の物件に関してはむちゃくちゃに安売り競争を、チェック・プライスがあろうがフロア・プライスがあろうが排除して持ち出すミシンなどそういう例もあったようでございますが、繊維機械だけは一体将来どういう方向へ持っていったらよろしいとお考えでございましょうか。すなわち繊維機械は内地売りはほとんどできない状況にあるわけなんですね。それは政府が作りました繊維設備制限法を固く守れば守るほど、法律に従えば従うほどこれはできない。従って抱えた設備やら工員を生かすためには転用していかなければならぬ。転業しなければならぬ。さりとて全部転業するわけにも参らぬ。そこで将来の需要を考えて生き延びていかなければなりません。生き延びるためにはやむなく輸出をしなければならぬ。従ってこの輸出が非常に難渋している。政府のしろうと考え——私はあえてしろうと申しますが、政府部内のしろうとの人ではいや一人歩きができるから、これでいいじゃないかというような考え方を持っている人もいらっしゃるようでございます。あなたもかつては政府にいらっしゃったはずでございまするからよくおわかりと存じまするか、一人歩き——それはなるほど歴史が古いから、トランジスター・ラジオのような浅い歴史とは違いますから、そういう意味の当てはまる点もあるでございましょう。しかしその輸出については非常に難渋すると同時に、これは内地売りが一錘二万円程度のものを一万五、六千円でも切ってでも出さなければならぬ。やむにやまれぬ状態で輸出せんければならぬという状態に相なっておるわけであります。これについて間瀬さんのうんちくのあるところを承りたいと思うのでございます。

間瀬一日本機械輸出組合専務理事

○間瀬参考人 繊維機械の輸出につきましては、加藤さんの方がよく御存じで、私から申し上げるのはいか、かかと思いますけれども、御存じのように繊維機械は非常に伸びてはおりませんが、現実に毎年三千七、八百万ドルというものを輸出しておりまして、日本の機械のうちでも相当重要な部分を占めているのは御存じの通りでございます。今、これは機械輸出組合としましては非常に微力でございますけれども、全然タッチしていないようなお話もございましたけれども、実際はそうではなくて、たとえばこれもよく御存じのように、あるいはパキスタンに三千万ドルの延べ払いの契約ができ、その前にはインドの契約もできた、それについては政府の方も非常に援助をされたわけでございます。機械輸出組合といたしましては、繊維機械協会と手を握りまして、今申しましたような非常に重要な数量でございますから、これは伸ばしていきたい、かように思っております。  なお、これは私から申し上げるまでもございませんが、新しい国ができますると、その国の一番最初の工業化はおおむね繊維機械を入れて、繊維の自給ということから始まるように承知をしております。その意味からいいまして、この繊維機械の輸出につきましては今後十分御指導もしまして、微力ではございますが、機械輸出組合といたしましても工業会と手を握りまして、お役所の御指導も得ましてやって参りたいと思っております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 次に芦野先生にお尋ねしたいと存じます。先生の立場から、本改正案の七条の三、ここに輸入業者と需要者または販売業者の国内取引の協定が行なえるように相なっておるのであります。この点が本法改正案の一つのポインのようでありますが、この条項これだけを見ておりますと、さほど大したことはないと思いまするが、今日のように輸入業者と、輸入業者が輸入した物資を加工するところのメーカーないしはその輸入された機械を使うところのメーカー、これなどの関連性をながめてみますると、先ほど山本さんですかおっしゃられましたように、今や貿易流通部門というものはメーカー部門の下になっている、こうおっしゃっておる、確かにその通りです。次にもってきてメーカー部門の上にいるのは金融機関、その上にいるのが株屋関係、証券関係、こういう段階になっているようでございます。問題はメーカー部門と流通部門の貿易業者との関係でございまするが、ほんとうの大きなメーカーというものは、商事部門すなわち輸出輸入の部門を自分の系列の中に持っているのであります。某重役はメーカー部門の重役であると同時に、貿易部門の重役でございます。この場合にたとえば例を繊維材料にとりましてもさようでございますが、某女商社が原綿、原毛を、自由になって輸入をした、それを今度内地需要者の紡績業者がこれを加工する以前に買います。しかしこのたびは共同してカルテル行為が結べるように相なっている、言うなれば、貿易業者とはいうものの、外国からは買うのでございますが、内地へは売りなんです。今度メーカー部門はどうかというと、三品市場というものがある関係上、片一方の手で買いをやっておいて、片一方の手で売りができるわけです。そこで考えなければならぬことは、一つの業者が一つのものに対して売りと買いと両方が行なえるということでございます。ここに値段が幾らでもつり上がる原因があるわけなんで、今一御承知の通り、貿易が自由化されて材料が自由に入るようになったら、その製品は安くなるであろうという見通しを立てた人がかってあった。とんでもない大間違いで、今日メーカーの流通部門の形態がほんとうに能力を発揮すれば、自由化になったら高くなる、私はこう申し上げておいた。案の定、どうですか、繊維はどんどん上がってきた、特に毛製品のごときはぼんぼん上がってきて、二千円を飛び越えるようになった、その結果は、輸出材料としての毛糸の購入にさえも、その手当にさえ難渋するという結果を、今招来してきたわけです。具体的にいえばそういうことでございまするが、これを一つ先生、法律的な立場から解釈していただきます。一つの業者が買いと売りとが行なえる、買った後においてもまた売ることができる三品市場というものがある、そこで売りと買いが一人でできる。このことは法律的にいったならば、のみ行為に属するではないかと思われまするが、先生の御見解はいかがでしょうか。

芦野弘弁護士(元公正取引委員会委員)

○芦野参考人 今三品市場なんかに関する法律的見解をお尋ねになりましたが、私は、まあ独占禁止法はやや専門にはいたしておりますが、それ以外の法律は、特に詳しいわけではないので、私がかれこれ申しましても何の権威もないと思います。ただいまの御質問に直接お答えすることはお許しを願いたいと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 ちょうどお約束の一時になりました。私は森川さん、山本さんにこれから本論をお尋ねしたいところでございますけれども、私は、約束だけはかたく守り、国会を正常化することに協力したいと思うておりますので、この程度で遠慮させていただきます。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 参考へに対する質疑は終了したようでありますので、この際参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。  参考人各位には長時間にわたり、貴重な御意見をお述べいただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。  本日はこの程度にとどめ、次会は明二日金曜日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。    午後一時一分散会

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