商工委員会 第44号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/05/30
会議録
○中川委員長 これより会議を開きます。 割賦販売法案を議題として審査を進めます。 本案は去る十二日以降、割賦販売法案審査小委員会において審査された議案であります。この際、同小委員長の報告を聴取することにいたします。割賦販売法案審査小委員長岡本茂君。
○中川委員長 以上で報告は終わりました。 —————————————
○中川委員長 ただいまの小委員長の報告にありました通り、本案に対し修正案が提出されておりますが、原案並びに修正案につきましては質疑も十分尽されていると存じますので、両案に対する質疑を終局するに御異議ありませんか。 〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
○中川委員長 御異議なしと認め、両案に対する質疑を終局いたしました。 この際、本修正案にあります割賦販売審議会の設置に伴う予算関係につきまして、内閣において御意見があれば御発言願います。通商政務次官始關君。
○始關政府委員 ただいま割賦販売法案の国会修正におきまして審議会を設置することに相なりましたが、この審議会の委員は十名内外でございまして、所要の経費はわずかな額であると思いますので、本年度につきましては通産省の既定予算の範囲内におきまして審議会の運用に遺憾なきを期したいと考えておる次第でございますので、御了承いただきたいと思います。 —————————————
○中川委員長 引き続き原案並びに原案に対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中川委員長 御異議なしと認め、順次採決いたします。 まず割賦販売法案審査小委員長岡本茂君より提出された修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中川委員長 起立総員。正案は可決いたしました。 —————————————
○中川委員長 次にただいまの修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中川委員長 起立総員。よって本案は割賦販売法案審査小委員長岡本茂君提出の修正案の通り修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○中川委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表し、中村重光君外六名提案の附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。中村軍光君より趣旨の説明を聴取することにいたします。
○中村(重)委員 割賦販売法案に対しまして慎重審議の結果、ただいま修正議決となったのでありますが、なおこの法案の内容よりいたしまして割賦販売業者並びに消費者、中小企業者に及ぼす影響は相当大きいかと思うのであります。従いまして割賦法案に対する附帯決議が必要となって参るかと存じますので、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表いたしまして附帯決議案の趣旨の御説明を申し上げます。 割賦販売法案に対する附帯決議案 政府は、本法施行にあたり、一般小売商業者ならびに消費者の利益擁護の立場から、次の事項につき、特別の考慮をはらうべきである。 一、割賦販売審議会の委員のなかに、一般小売商業者ならびに消費者の代表をそれぞれ任命すること。 一、一般小売商業者の行なう割賦販売に対しては、税制上、金融上の特別優遇措置を講ずること。 一、消費者の利用に供するため、消費者金融の道を考究すること。 一、信用保険制度の整備に務めるとと。 以上であります。何とぞ満場一致御賛同をお願いいたします。
○中川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議に対しましては、別に御発言の申し出もないようでありますので、本動議を採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中川委員長 起立総員。よって本動議は可決され、本動議の通り附帯決議を付するに決しました。 この際、通商産業省より発言があればこれを許可いたします。
○始關政府委員 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして善処いたします。 —————————————
○中川委員長 お諮りいたします。ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成に関しましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 ————◇—————
○中川委員長 次に輸出入取引法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。 お諮りいたします。本案審査のため来たる六月一日木曜日午前十時より参考人の出席を願い、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中川委員長 御典議なしと認め、さよう決定いたしました。 なお人選、出頭の手続等に関しましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 —————————————
○中川委員長 本案に対し、質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。加藤清二君。
○加藤(清)委員 ただいま上程されております輸出入取引法一部改正の法律案に関しまして、私は本国会が始まりました当初に、委員長に対して資料要求をいたしておいた記憶がございますが、いまだにそれが出ていないように思います。出た分もややございますけれども、出ない分がございまするが、これは一体政府としてはこの法案を通すつもりなのか、通さぬつもりなのかと疑いたくなるわけでございます。あるいはまた、もし通すつもりであるとすれば、ほおかむりをして質問に答えずに通す、こういうふうに解釈せざるを得ないのでございますが、一体これはいかように相なっておるのでございましょうか。まず第一番にそれからお尋ねをいたします。
○中川委員長 加藤君にお答えします。大体政府の方では全部資料を出したと言っておるのですが、不足がありましたら……。
○加藤(清)委員 政府からいただいたのはこれだけでございます。私が要求いたしましたうち、特にこの輸出振興に関係をいたしまして、輸出が難渋をいたしておりまするもののうちに、これはいろいろな原因があるのでございますけれども、そのうちの一つにこういう点がございます。すなわち、内地で売られまする値段よりも輸出値段の方が非常に安いというものがある。この安い結果は、やがてこれを買い取りまする相手国から、レーバー・ダンピングであるとか、あるいはソーシャル・ダンピングであるとかいっていろいろ苦情が参っております。その苦情は、その相手国のみならず、ガット総会においても常に問題にされておる。そこで私は、ほんとうに輸出を振興するには、ここに検討を加える必要がありと考えましたので、主要輸出物資の内地の卸売価格、小売価格、それと、同じ品物が輸出されまする折のコストの一覧表、こういうものを出していただきたい、こうお願いをいたしましたところ、繊維関係の一部、ほとんどそれだけです。あとは出ておらないのです。私は、ここに問題をかもしておりまするカメラであるとか、あるいは陶磁器であるとか、常にアメリカ市場において問題が絶え間なく起きておりまするところのあまたの品物、それを要求したはずでございますが、出ていないのでございます。これでは審議のしょうがないのであります。 次に、また、本法案は、独禁法をある程度緩和しても、なおカルテル行為をせぬければならぬ、こういうようなお話のようでございます。そこで、日本でカルテルの一番きついところのものは何かと見れば、言うまでもなくこれは石油合成産業でございまするが、この石油合成産業の材料、すなわち、原油が輸入される価格は、大体世界プライスできまっておるようでございます。そこで、問題は、それではこれが国内で売られる場合にカルテルがあった方がいいのか、ない方がいいのかは別問題として、国内で売られているところの価格は、一体アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス等の先進国と比較してどうなのか、これも私はお尋ねしたはずでございます。そういうものが出ていないのでございます。
○中川委員長 加藤さん、わかりました。出ていないものについては、至急出していただくように取り計らいます。
○加藤(清)委員 それでは、その質問はそれが出るまで留保する、こういうことにさせていただきたいと存じます。 次に、それでは大臣はいらっしゃらないようでございまするが、私一人がこの法案通過のじゃまをしたような印象を与えては、まことに意図せざるところでございまするので、私は、法案の審議促進に協力するために、大臣の質問をはずしまして、主として通商局長に質問をしたいと存じます。 第一番に、この法案のほんとうのねらい、この改正のほんとうのねらいは一体どこにあるか、改正されることによって、一体日本の貿易はどのように伸びると思考していらっしゃるのか、この点をまずお尋ねいたします。
○今井(善)政府委員 今回の改正で一番大きな点は、輸出入調整がまずあげられると思います。御承知のように、従来は外貨資金の割当によりまして、低開発国の比較的割高な物資でも、割当を受けたものを無理に引き取ってもらうということによりまして、辛うじて輸出と輸入のアンバランスというものをある程度是正していたのでございますが、貿易自由化になりまして、外貨割当というものがなくなるという場合におきまして、輸出は出るけれども、輸入がほとんどできないという点がありますので、従って、その点は、輸出入業者の協定によりましてぜひ直していきたいという点でございます。 第二といたしましては、やはり御承知のように、日本品に対します輸入制限運動というものは、下火になるどころかますます勢いを強めてきておるというふうな状態でございます。従いまして、わが方といたしましては、従来以上に輸出取引秩序をお行儀よくしなければいかぬということになってくるわけでございます。御承知のように、従来輸出組合あるいは輸出業者の段階においていろいろお行儀をよくする措置をとっておりますが、特にメーカーの段階においていろいろ問題がある。その結果安売りが起こる場合があるわけでございます。従いまして、メーカーの段階においてお行儀をよくいたしますために、メーカーの段階で輸出品について協定を結んでおります場合、今まではアウトサイダー規制がないということで、非常にお行儀が乱れておりますので、その点アウトサイダー規制をすることによって、輸出品全体についての秩序の確立を期したい。また、今回の改正の中には、たとえば貿易連合という仕組みによりまして——中小の商社がお互いにしのぎを削る、そのために非常に輸出阻害になっているという面がございますので、貿易連合というような仕組みを作りますことによりまして、それらの中小商社が過当競争を排除するだけではなくて、たとえば共同して海外に支店を設置するとか、あるいは信用力をつけることによって、それらのものの輸出に寄与できるような態勢を作るということをねらいとしております。また、この輸出組合の強化、活用という意味合いからいたしまして、たとえばある輸出組合については課税しない、非課税法人にするとか、あるいは負担金をとりまして必要な事業の遂行に資するとか、輸出振興のできるようないろいろな態勢をとらせたい、かように考えておるわけであります。さらにまた、輸入の面につきまして、後進地域に対する輸出入調整の話はいたしましたが、さらに、貿易自由化に伴いまして過当競争が激しくなる。特に相手国が売手市場であるという場合におきましては、わが方がその狭い門に殺到して値段をつり上げるというふうなことになりますので、その点につきましてメーカーのカルテルをきわめて厳重な範囲で結ばせて、やたらに高いものを買い付けることがないようにしたいというふうな点、あるいは輸入組合がもっとできやすくなるように、貿易自由化に対する配慮からいたしましていろいろの改正をしておるという点でございます。
○加藤(清)委員 ただいま局長から本法案が実施された場合の長所についてお述べになったようでございまするが、これにまつわりまするところの欠点と申しましょうか、輸出上のマイナスと申しましょうか、そういう点は何ら考えてはいらっしゃらないのでございましょうか。
○今井(善)政府委員 必要以上にやりますと事は何と申しますか、自由を束縛するという関係でマイナスが出てくると思いますので、改正点は必要最小限度にとどめております。
○加藤(清)委員 必要最小限度にとどめていらっしゃっても、行なわれることによりまして、たとえば負担金の徴収であるとか、アウトサイダー規制であるとか、特に輸入の場合などは、その輸入業者と需要者の国内取引の協定が行なわれるとかいうことが、主たる改正の要点のようでございまするけれども、それが行なわれることによって国内に及ぼされる悪影響ですね、それは一体あるとお思いなさるのですか、そういうものは全然ないというお考えの上に立ってこの改正を試みられたのでございましょうか。私どもは輸出振興はしたい、しかしそのゆえに非もない国民や消費者に悪影響が及ぼされることは最初から除去してかからなければならぬ、かように思いまするがゆえにお尋ねするわけでございます。
○今井(善)政府委員 いろいろのことをやります場合に認可制をとっておりますが、その認可の要件といたしましては、申請されましたものが必要最小限度である、あるいは関係中小企業あるいは農林漁業者に害を及ぼさない、あるいは消費者に不当の不利益を招かないことというふうなことを条件として認可するわけでございまして、法律自体の建前としてさような点からいろいろ配慮しておりますとともに、認可の際にもさようにいたしたいと思いますし、特にこの法律の立て方のみならず、運用の面において、さような点は十分心配のないように注意して参りたいと思います。
○加藤(清)委員 あなたがどのように注意なさろうとも、過去の、いわゆる修正以前の輸出入取引法におきましても、なお共同行為ということは行なわれておったわけでございます。その共同行為の協定の内容は御承知の通り、価格、数量、品質、意匠その他の事項、それから取引条件や購入条件にまで及んでいたわけでございます。このことがやがて農業関係に例をとってみますと、硫安一かます十貫目俵につきまして、国内の農民には八百円前後で売られなければならぬ。ところが同じものが南朝鮮に着きますと大体七百円台、台湾に着けてもそのような値段でいける。インドやビルマの方向へ着けまするとこれが六百円台になる。これは国内のメーカーの協定やあるいは通産省の指示その他がなければこのようなことはできないはずでございます。この失態を受ける農民側にとりましては、石当たり一万円の米価に対して硫安一かます十貫目俵八百円は一体高過ぎるではないか、安くしてもらいたい、こういかに懇請してみても、出血輸出の分を何とかしなければならないから、こういうことで御衆知の毎々の肥料審議会は終わっておるようでございます。肥料審議会の答申その他を見ますると、いやそうじゃないのだ、出血輸出で安く売っておっても、なお大量生産することによって内地の肥料も安くなるのだ、もし少量生産しておれば内地の八百円は九百円以上になるのだ、こういう答弁が毎度繰り返されておるようでございます。その実態をここで究明する場合ではございませんのでなんですが、いずれにいたしましても内地売りの値段を八百円前後にし、輸出は七百円台から六百円台に売っておるという、このことが行なわれる一つの原因は、これはメーカー側に品質、数量その他のコストを設定する協定の権限が与えられているからだ、これは疑う余地のない事実でございます。いわんやそれにかてて加えて、今度一そうカルテル行為が強化されるということに和なりました場合に、はたしてメーカーは内地の農民にかぶせておりました多くの犠牲をだんだん少なくする傾向にあるか、そうでないかといえば、私はむしろドイツの硫硝安などとの国際プライスの関係、あるいは輸出競争、入札競争の関係でますます内地の農民に背負わせる負担は多くなるではないか、かように思うわけでございます。いずれ本件については農林との合同審査も行なわれるようでございますので、その折に詳細にわたって御質問をしたいと思いますけれども、この際概略的にお尋ねをしておきます。
○今井(善)政府委員 今硫安の例が出ましたが、私硫安の例はつまびらかに存じませんので、一般的な問題として御答弁申し上げますと、現在御承知のようにたとえば繊維品にしろ雑貨にいたしましても、日本人商社の競争によりまして、国際価格をはるかに下回って日本が売っておるというケースがしばしばあるわけでございまして、たとえば国際価格は一〇〇といたしますと、日本人商社が売っておりますのが八〇、国内の価格がたとえば一〇〇とか一〇五とかいう例がございます。それを何もそのまま八〇でもって売る必要はないわけでございまして、日本人商社なりあるいはメーカーがもっと高く売ろうという足並みがそろって、努力いたしますれば、これがたとえば九〇に、それでも国際価格よりも安く売れるということになるのでありまして、今までのように輸出秩序なくほうっておきました場合には、お互いに安売りして自分のコストを一割るとか、経費を償わない程度に安売りする。企業といたしましては結局自分の経営を成り立たせなければならぬ、そのしわを国内にやる、そういう傾向が逆に起こりやすいというふうに考えるわけでございまして、法律によりまして日本人だけで安売りするようなばかなまねをやめまして、できるだけ出血を少なくする、コストが償えるようにするということになりますれば、結局国内もそんなに高く売らなくて済むということになるわけでございます。硫安の問題あたりは、国際相場が非常に安い。従って日本として安く売らなければ売れないんだという問題、あるいは例が、一般的に私が申しました例と違うんじゃないかと思いますが、一般的には国際価格よりも、むしろ日本人商社の安売り競争によってかえって出血輸出しておるという現状を何とかやめたい。もっと高く引き上げていきたいというのがわれわれのねらいでございまして、決して安売りさせるために協定をするというわけのものじゃございません。このガットの規定におきましても、コストを割り、あるいは単に安売りのためにいろいろの協定をするというふうなことは、ガットの精神にもそぐわないわけでございます。私の申し上げるのはいかにして、ほっておいてさような状態が現出するのを直すかというための協定でございます。
○加藤(清)委員 そういうふうにお答えになるだろうと思いますればこそ硫安を例にとったわけでございます。なるほど局長さんのおっしゃいます通り、日本の商社が終戦後雨後のタケノコのように貿易を始めた。国内の業者が非常に多い。多過ぎるがゆえに売らんかなという競争をし、買わんかなの競争をして、そのおかげで売るものは安く、買うものは高く買っていたという実例はたくさんあるわけでございます。これはあなたのおっしゃる通りです。それを私は否定しようとは思いません。しかし問題はどこにあるかといえば、そういう商社の競争のゆえに会社が背負うべき、メーカー側が背負うべき責任を国内の消費者におっかぶせているという例が非常に多い。その例が今の肥料でございます。たとえて申し上げますと——たとえるまでもなく肥料コストは会社によって違うわけなんです。それは繊維に限らず、何に限らずそうでございましょうけれども、これは非常に開きがあるわけなんです。そこでそれじゃコストを設定される場合に一体どこに置かれるか。調べてみるまでなく、事実六百円ムリでできるところもある、あるいは八百円をこさなければできぬという場合もある。硫安のごときは硫安専門に作る会社もあれば、余剰物資として、それを加工することによって現われてくるという場合もございますので、こんなに格差がある。その際にどっちにしわ寄せをしているかというと、高い方へ高い方へと持っていっておる。そのことは、内地販売の協定が行なわれているがゆえなんです。今までだってそうなんです。波打ちぎわから向こうと競争するときには、常にカルテル行為が破られておる。お宅の方が設定なさったチェック・プライス、フロア・プライスが常に破られがちである。結局それが国内に向かったときにはとたんに一致する。品質、数量、コスト、意匠等々の協定は、国外に向かったときよりも、国内に向かったときの方が多く強硬に行なわれているというのが実例なんです。それで常に国内の消費者がその犠牲を背負わなければならぬということになっておるわけなんです。そこへもってきて国内の場合も国外の場合も同じように強化をするというこの法案の趣旨からいきますと、ますます国内売りの業者間の統制がきびしくなって参りまして、犠牲は国民に背負わされる、こういうおそれが生じてくるわけでございます。私はその点を質問しておるわけなんです。
○始關政府委員 ただいま肥料の問題が出ましたが、肥料の問題は、これはいわゆる私的独占ではございませんで、御承知のように肥料二法によりまして政府がその公定価格をきめる、その場合におきましては、今お話しのように各地滝者のコストがそれぞれ違いますが、コストの安い方から大体六割、つまりこれは国内向けのものでございますが、そこまでをバルク・ラインとして引きまして、その平均価格で国内の販売価格をきめる、こういうやり力になっております。輸出の方につきましては、主として海外における硫安相場が安いという関係がございますので、その輸出赤字を国内に転嫁してはいかぬという趣旨からいたしまして、硫安輸出会社というものを作りまして、これが国内によるものと同じ価格で買い取りまして輸出をしている。でございますから、実際問題といたしまして、三十四年度までに七十数億という赤字が肥料会社にたまりまして、その処理についてただいまいろいろ検討中なんでございますが、肥料の問題はいわゆるカルテル行為ではございませんで、今回の法律改正とは今までの建前上では全く関係がないということを御承知願いたいと思うのでございます。 それからもう一つ、今度の生産者のカルテルにつきましては、アウトサイダー規制を認めるという条項がございますが、これはきわめて限定された場合に、いわゆる波打ちぎわの方に向かって輸出業者に対する出荷というようなところについてのみ数量なり価格なりというものを協定するという建前でございまして、これが一般の国内向けのカルテルにまで及ぶというような、そういう弊害が生するということにつきましては、非常に厳重に注意をいたしまして、国内の農林漁業者あるいは中小企業者あるいは一般消費者等に悪影響のない場合ということを、十分法律上にもうたってあるわけでございます。 なおこの認可にあたりましては、公取あたりとも協議をいたしますし、ただいま加藤先先御指摘のように、波打ちぎわに向かって、その方向だけの共同行為というものが、もし国内全般に向かっての共同行為になる、そういう例がございますれば、それについては許可を取り消すなり、変更命令を出すなり十分に注意して参る、そういう法律の建前でございますので、その点お答え申し上げたいと思います。
○加藤(清)委員 先日の総理のお答えや、ただいまの次官の御答弁の後段の内容が事実であるとすれば、この心配は解消すると思うのです。ところが御承知の今回の修正にあたりまして、輸入関係の場合に、輸入業者の共同行為の中に新しく輸入業者と需要者、販売業者の国内取引の協定が行なわれるべく挿入されているようでございます。ここを私は心配するわけでございます。そこで先ほどの局長のお話の通りこれが輸出の場合にのみ適用されて、しかも投げ売りだとか、協定破りをしてもなお売った、チェック・プライス、フロア・プライスを破ってでも、なお売っていたという者にのみこれが適用されるということであれば、これはそんなけっこうなことはないわけです。ところが残念なことに、今度の改正には内地の需要者との協定も結べるように挿入されているわけです。従って過去の協定の実績から見まして、常に外向きでなしに内向きに多く悪用されていたものが、ここに需要者や消費者の協定——消費者と申しましても、それは国民ではなしに販売業者のことなんですが、それなどとの協定が一そう強化されて、そうしてアウトサイダー規制をするということになって参りますと、今まででさえも内向きの方が強かったものが、一そうそちらに向けられるおそれが十分にあると思うわけです。ここに農業協同組合なども非常に心配をすると同時に、この原案作成者であるところの与党の方でさえも、事農林関係の方々には心配の向きが非常に多い。従ってこれの詳細については連合審査のおりに各項目にわたって、硫安のみならず、窒素、燐酸カリ、すべてにわたって詳細に質問したいと思っておるわけでございますけれども、この点はこれを審議するときには、委員長にもお願いしたいことなんですが、農林当局もぜひここへ呼んでおいていただきたい、こう思うわけでございます。従ってそれは次に譲るといたしまして、先ほどの局長さんの御答弁の通り、波打ちぎわ、向こうへ向かった場合に、いろいろな、あまたの正常取引を破るような行為が行なわれていた。それが安売りの結果になった、こうおっしゃるので、そこへわれわれはメスを入れなければならぬ、こう思いまして、私は、忘れるといかぬから書いておいたのですが、輸出難渋をしている品物、日貨排斥をしておる品物、三十五条が援用されている国は、一体日本商品の何々が原因をしておるのか等々の物資の一覧表をお願いしたい。第二番目には、輸出物価と国内物価の比較のうちで、輸出は港渡し、内地値段は卸、小売りをともにつけてもらいたい。特にそのうちでも国民消費生活に必要なカメラ、時計、ミシン、自転車、自動車、オート三輪、要すれば乗用車、それから近ごろ問題をかもし出しております電気器具、トランジスタ・ラジオ等、それから肥料、さきにこういうふうに申し上げておいたはずでございます。その一部は出ましたけれども、出ていないので、審議の過程においてこういうトータルが出ておりませんと、どうも輸出難渋よりもその以前の審議が難渋するわけでございますので、これを一つ大至急整えていただきたい。もちろんこれは通商局だけでは不可能なことだと思います。その断わりの中に、聞きにいきましたけれども、輸出業者がなかなか本物の値段を知らしてくれませんから、こういうようなお答えもあったようでございますが、これはわれわれが行けばそう言うでございましょうが、担当官が行かれて輸出業者がそのような答弁をして、これで済むものとは私は心得ないのでございます。そういうことであれば、実態をつかまずに法律を作ろうとしていらっしゃるのか、実態をつかまずにチェック・プライスやフロア・プライスを通産省は御決定になるのかと聞きたくなるわけでございまして、それは御調査に時間もかかるでございましょう、難儀もかかるでございましょうが、これはぜひ一つ大至急出していただきたい。そうして局長さんのおっしゃいましたポイントに具体的事実からメスを加えてみなければ、それに対処するところの具体策というものは止まれてこないのじゃないか、こう思うからでございます。この点一つ局長さんの御答弁を……。
○今井(善)政府委員 前に要求されました資料につきましては、われわれ全部届けてあるつもりでございましたけれども、今お話しの、たとえば輸出難渋をしている商品とか、あるいは日貨排斥を受けておる商品とか、あるいは三十五条を援用している国というふうな資料につきましては、あるいは出ていないかもしれませんので、できるだけ至急整えまして提出したいと思います。
○中川委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○中川委員長 速記を始めて。
○加藤(清)委員 せっかく大臣がいらっしゃったようでございますから大臣にお尋ねしますが、ただいま上程されております輸出入取引法は、今国会に通産省が提出なさいました貿易関係の唯一無二の法案だと心得ておりますが、きのう、きょう実際行なわれております取引の状況というものは、必ずしも芳しい状況ではない、貿易の帳じりは去年の秋以降ずっと不調で、むしろ赤字の累積のようでございますが、こういう貿易状況にかんがみまして、大臣としては通産省の貿易振興の基本方針をどこに置いていらっしゃるのか。この法案だけを通せばそれで貿易の関係は好転するというふうにお考えでございましょうか、まずその点からお尋ねいたします。
○椎名国務大臣 貿易振興の方策は、これは一がいに言えないのでありまして、その地域あるいは国あるいは物によってそれぞれ違ってこなければならぬと思うのであります。しかしこれは概観して申し上げますれば、結局アメリカあるいはヨーロッパの先進国に対しては、やはり秩序ある取引構造ということに尽きるのではないか。それから後進地域に対しては、これから相当有望な市場でございますけれども、何といっても向こうの方に資力がない、しかし物はほしい、こういう関係でございまして、これらの地域の市場開拓のためには、やはり貿易金融を非常に豊富にして、借款あるいは延べ払いの方式によって売れやすくする。向こうからいうと買いやすくする。そして経済力をつけてだんだんりっぱな市場に作り上げていく、こういうことが必要であるように思います。今回お願いした輸出入取引法の改正につきましては、先進国に対するいわゆる秩序ある取引、そういうものをもっと強化して参りますために必要である。同時にまた、後進地域で相当片貿易になっているところがあります。日本からはその国に対して相当輸出されますが、その相手国から買おうにもどうも買いようがない。しかし物がないわけじゃない。ただいろいろな取引の条件が非常に不利である、こういう関係にあるのでございまして、その関係の調整をつけるためには輸出、輸入の関係を一体にいたしまして、そして向こうの方にも相当なフェーバーを与えるというような関係を作り上げる、こういったようなことが今回の法案のねらいでございます。大体以上でございます。
○加藤(清)委員 当然のことながら、本法案、すなわちあなたのお言葉を借りて言えば、先進国と秩序ある取引をするということだけでは、今日累積を重ねてきております赤字を解消することはできない問題だと私も思います。それに加えて貿易金融をするとおっしゃっていらっしゃいますが、この貿易金融は概括的に言ってどういう態度で臨まれましょうか、これをお尋ねいたします。
○椎名国務大臣 従来はプラント輸出なんかにつきましては、物を渡してから長くてせいぜい七年、二年据え置き、五年償還、それがまたいろいろ変わる場合もございましょうが、とにかくせいぜい七年間でございましたけれども、最近の国際取引の情勢からいうと、それではどうしても間に合わない。これを十年にし、あるいは物によっては十王年にする、あるいは大きな発電機等については、各先進国が二十年というようなことをもうやっておるのでございますから、七年の延べ取引ではどうしても競争にならぬ、こういう状況でございます。つまり長期資金の問題、それからもう一つは、短期の貿易資金について利子が、日本の方はかたり勉強したつもりでおりますけれども、先進国から見るとまだまだ利率が高過ぎる。こういうようなことがあるのでありまして、長期、短期その両面にわたって条件を緩和するというところにあると考えます。
○加藤(清)委員 貿易金融の金利を安くする問題と、期限を延長する問題についてお答えをいただいたわけでございまするが、国別に申しますると、これは今後どういう方向に行かれる御予定でございましょうか。たとえばドル地域に対してもあるいはポンド地域についてもスターリング・エリアについても同じような方針で臨まれますのか。それとも今までおつき合いのあるところだけはこのようなことを適用するが、おつき合いの薄かったところはしないとおっしゃるのか、その点をお尋ねいたします。
○椎名国務大臣 長期金融は先進国にはその必要はない。これは物が行かないせいもございます。後進地域についてはどうしても延べ払いの程度をもっと高くしなければいかぬ。それから短期の輸出金融の問題は、後進地域であろうと先進地域であろうと同じでございます。船積みをしてから日歩七厘でございますが、船積みをする前の、すなわち注文を受けて物を生産する過程は依然として日歩一銭四、五厘ですか、普通の金利でやっておる。ところが海外では、貿易金融というともう物を製造造するときから七厘くらいの安い条件でやっておる。これに対抗するためには、どうしても製造行程までもさかのぼって金利を安くするという必要があるのであります。これは後進地域と先進地域の区別がない、そう思っております。
○加藤(清)委員 これは当然後進地域に当てはめられる問題とは思いまするが、品物の銘柄あるいは相手国のいかんによって、それが行なわれている国と行なわれていない国があるわけでございますね。そこで私は先般も、たとえばエジプトへ繊維機械が輸出されます場合はどうなっておるかとお尋ねしたことがございます。あそこは本年もずいぶんたくさんのオファーを出しておるわけでございます。ところがこれが、あなたのさっきおっしゃった通り、ドイツ、イタリアのいわゆる長期の延べ払い方式と有利な金利のおかげでなかなか難渋しておる。機械そのものは日本の方がはるかに優秀であるけれども、決済の方式においてとても太刀打ちができない、こういうことになっているわけです。しかもこれはほとんど国営で行なわれるのでございまして、これが初手であって、ここの勝負で負けんか、今後との地域を開拓するということは非常に難渋しなければならぬ、こういうことはだれしも御存じの通りであります。そこでこれは一体どうなるのかお尋ねしましたところ、研究しておくということでございましたが、これは当てはめられますか、当てはめられませんか。
○今井(善)政府委員 今具体的な問題が出ましたけれども、私、実はつまびらかに承知していないのでございます。エジプトはもちろんわれわれから見ますと後進地域ということで、延べ払い条件に当てはまるわけでございますが、ただ、これは想像でございますが、ものによりまして、延べ払いの年限をある程度輸銀の方で、内規がございまして操作をしておるわけでございます。先ほど大臣から、一般的に現在七年と申し上げましたのは、これは普通の基準でございまして、繊維機械等につきまして若干あるいは短くしておって、そういう問題が起きているのかとも想像されるのですが、いずれ詳しく調べましてお答えいたしたいと思います。
○加藤(清)委員 この前の大臣のお答えの場合には、いや、繊維機械は一人歩きできるのだから、さようなことまでは考えていないとおっしゃられましたので、私は、いや、一人歩きじゃないのだ、それは一人歩きをせざるを得ないように政府がしむけたので、やむなくやっているのだという具体的事実を申し上げました。すなわち繊維設備制限法によって内地売りが不可能なのだ、従ってどうしても輸出しなければならぬというので、無理やりに輸出している。大へんな利幅をもって輸出しているわけではございません。出血なんです。それこそさっき大臣が来られなかったときの話じゃないですが、別のことでもうけて、これだけは継続していかなければならぬので、やむなく作る、やむなく安値で売っている、こういうことです。にもかかわりませず政府の方は、これは輸出が伸びておるから、一人歩きができるのだから、こういうことのようでございまするけれども、これはとんだ考え違いでございまして、もししかりとするならば、自動車工業に転業したり、いろいろする必要はないわけです。また株価その他からいきましても、同じ会社でありながら、自動車工業の方の株価は五百円の余飛んでいる。ところが繊維の方は二百円以下であるというような、こういう現状にかんがみても、いかに繊維機械メーカーが下火で難儀をしているかということは明らかな事実なんです。ここでどんな答弁が行なわれましょうとも、業界はそんなことは受け取らない。これについて大臣、どのようにお考えですか。
○椎名国務大臣 ちょっと御質問の要旨を聞き漏らしました。まことに相済みません。
○加藤(清)委員 もう一度申し上げましょうか。大臣のお答えによりますると、貿易の秩序を整えるだけでは輸出振興にならないから、それに加えて貿易金融をもするのだと、こう言う。しからば貿易金融はどのようになさいますかという質問に対して、ある程度金利を下げる、それから期間を長くする、こういうお答えなんです。しからばその貿易金融の利点を国別にすればどちらに適用なさいまするかと言ったら、これは後進国だと言う。しからば後進国の中にエジプトという国があって、今度は具体的になってくるわけです。そこが繊維機械をこのたび十六万錘も買おうとしていて、世界の競争入札になっててんやわんやだ。ところが機械の優秀性は、世界中のパテントまで持っている日本の機械でございますし、非常に値段も安い。しかしながらそれがイタリアやドイツに負けるというのは一体どこにあるかというと、決済の方式が、今あなたのおっしゃったような優遇措置が行なわれていない、そういうところから出発してきている。従ってこれには御適用なさいますかというお尋ねなんです。それをかつて尋ねましたところ、いや、繊維機械は一人歩きができるのだからまだそこまで至っていない、こういうことでございました。大臣、これで私は三べんも申し上げるわけです。さきに一度と、いま一度ともう一度、これで三べん申し上げるわけです。一人歩きとおっしゃいますが、一人歩きじゃござんせぬ、やむなくそららへ追い出されていったということを申し上げている。だれが追い出したかといえば、日本政府が追い出した。すなわち、繊維設備制限法で、紡績業界の言を取り入れて、内地の設備はもうこれ以上ふやさないのだ、こういうことのゆえに、やむなく輸出で伸びなければならない。それじゃやめてしまいましょうかと言うたところ、あの繊維設備制限の折には、やめてもらっては困る、なお研究してもらわなければいかぬということです。研究するというても、試験所じゃございません。企業ですから、研究して作れば売らなければならぬという勘定になるわけです。だからやむなく出血輸出をしている。そこであなたは一人歩きだとおっしゃるけれども、そうでないという実例を、私は株価をとって申し上げたわけで、同じ会社でありながら、自動車を作っていると五百円も株価がする、繊維機械をやっている方は、これは二百円以下である。ということは、すでに世間が自動車工業よりも繊維工業の方が悪いということを認めている証拠である。だからあなたは一人歩きだとおっしゃっても、世間が優秀であると認めている自動車工業に対する援助の方式と、世間が優秀でない、劣っていると認めている繊維機械との援助の仕方が、逆になっているのじゃないかと私は申し上げているわけなんです。おわかりになりましたか。
○椎名国務大臣 エジプト向けの繊維機械の問題について……。
○加藤(清)委員 あえてエジプトに例をとっただけでございますが、これは全部でございます。
○椎名国務大臣 そうすると、繊維機械の支払い条件について制限を受けている問題を一体どうするか、こういうお話でございますね。これは具体的な問題として、少し研究させていただきましよう。
○加藤(清)委員 大臣は御多忙のため健康状態がよろしくないそうでございますので、私の質問のゆえに心臓麻痺でも起こされては、ヒューマニストの私の趣旨に反する結果を招来しても申しわけございませんので、ほんとうは突っ込んで聞きたいところでございますけれども、そのことは研究していただくことにして、次へ進ませていただきます。 貿易を振興するにあたりまして、私が最も必要であると思いますのは、これは専門商社の指導育成だと思うのでございます。たとえばアメリカ輸出に例をとりましてもさようでございますが、先進国へ輸出されます品物の銘柄は、ほとんど労働集約的な製品が多いようでございます。この品物は大工場で、はんこで押したような工合にオートメで出てくるものとは事変わりまして、日本の手先の器用さを最高度に利用し、たくさんの労力をかけ、すなわち労働集約製品でございますが、それが多いようでございます。これを扱う商社というものは、やはり大きな総合商社ではなくして、そういう小さな授産場であるとかあるいは小さな町工場であるとか、そういうところへ出入りをし、そこの実情をよくわきまえたものでないと、なかなかアメリカ等のバイヤーの好む品物はできない、そういう生産システムになっているわけでございます。そうなりますると、そういうこまかいことまで、一葉をかえていえば、きめのこまかい事務をあえて行なえるというのは、長年の伝統と、こまかい技術をよくわきまえた、すなわち専門商社、これが扱っているようでございます。従って後進国へオートメ化されたものが出る場合とは事変わりまして、先進国の輸出にはぜひ専門府社の指導育成強化ということが最も大切なる問題になるではないかと思われるわけなんです。幸い今度の法律には、中に意匠という言葉も入っているようでございます。従いまして、貿易金融、秩序ある取引とともに、専門商社の指導育成ということが最も緊急な要務と相なってくると存じまするが、一体大臣はどのようにお考えでございましょうか。
○椎名国務大臣 それは全くお説の通りでございます。品物に対するいろいろな角度からの研究が十分に積まれておる人によって取り扱われるということが、輸出振興の一つの要諦でもあると私は考えております。
○加藤(清)委員 同じ陶器にいたしましても、これが鎌倉時代の製品であるかないか、よう見きわめないような方が審査するものですから、永仁のつぼなどということが出てしまうわけです。このようなことが貿易の場合にも非常にたくさん行なわれているわけでございます。何もごまかして売るとかあるいは意匠の盗用をしたとか、そういうことが最初の目的ではないのでございまするけれども、知らざる者が、もうかるからというので、ここへ手を伸ばす、そこではからざる誤謬を犯して、それがやがてクレームの原因となり、やがて日本商品の信用を阻害するという原因を作っている例が非常に多いのでございます。 そこで申し上げたいのは、こういう場合におきまして、一体政府としては、専門府社の指導育成強化の具体策というものをはたしてお持ちでございましょうか。ありましたら、一つここで御開陳を願いたいと思うのでございます。特に私は、貿易金融、それから先進国に対する秩序ある取引、こういうことが当てはめられているのかいないのか、これも一つ承りたいのでございます。
○今井(善)政府委員 専門商社は確かに育成しなければならないと思います。専用府社が一番困っております問題は、第一に、大商社に比べましてやはり信用力がない、金融の問題は非常に困っていると思います。この点につきましては、私どもといたしまして現在いろいろ研究しておるわけでございます。たとえば中小企業の輸出信用保証協会との関連におきまして、政府からもある程度、あのパイプを通じまして金を流す、府県の方からも流すというふうなことで、保証の裏づけをもちまして、貿易金融が受けられるようにしたいというふうな意味合いで、現在研究しております。またそういう意味合いで輸出保険に対する関心も非常に大きいわけでございまして、その点につきましても、私ども何とか打開したいということで検討を続けております。それからさらにこの法律との問題でございますが、私どもこの法律の運用にあたりましては、中小の専門商社が機能が発揮できるように何とかいたしたいということでもって運用をしておりますし、今後も特にそういう点について注意をしていきたい、かように考えております。
○加藤(清)委員 これは長年唱えられ来たって、年長の間具体策が行なわれなかった、言うなればこれは盲点だと思う。しかも終戦以後貿易が伸びた、商社はだんだん大きくなったといいまするけれども、それは主として総合商社だけでございまして、むしろ専門商社というものはだんだんと倒れていっておるのが実例でございます。むしろ数が少のうなってきておる。そこで政府は、口を開けば競争が激し過ぎるとか、先ほど局長もおっしゃいましたが、輸出のときに投げ売りをやらかすとか、あるいは輸入する場合にはせり上げるとか、こうおっしゃいまするけれども、第一専門商社にはそういう能力はないのです。そういう信用力もなければ、そういう金も銀行は貸してくれないわけです。政府もそのようにはしてくれないわけです。上に厚く下に薄い政策が常に行なわれまする結果は、総合商社に与えられておりまする権限のあまたのものが専門商社には与えられていないのが実態なのです。具体的に申し上げますれば、総合商社は交互計算が許されておる。外貨割当が規制されておる時代から、もうすでに交互計算が行なわれるべく外貨保有を許されていた。にもかかわりませず、専門商社は、それは与えられていない。この結果一体どういうことになってくるかというと、だんだん専門商社はジリ貧なのです。ジリ貧は政府側から見ればけっこうかもしれません。競争が多過ぎてかなわぬ、数が多過ぎてかなわぬとおっしゃる方々にとっては、数が減ることはけっこうなことでございましょう。しかし、数は減っても輸出競争、輸入、買い競争が依然として衰えていない原因がどこにあるかといえば、それは専門商社がますます扱う銘柄をふやして、総合を一そうグレート総合にしようとするところにあるわけなんです。すなわち、機械が主体であったものが糸へんに入ってきたり、陶器に入ってきたりする。今度また糸へんが主体であったものが機械からバナナといった食料品にまで手を伸ばそうとする。とんでもないしろうとでありながら、外国へ行ってみると名前が売れているから、これはくろうとだと見られて、しかも政府はそれに対して交互計算のごとき政府保証まで与える。その結果、事実はしろうとである、実際は経験も浅い、しかし信用だけはついている。これが売らんかなのことをやるわけなんです。ことにいけないことは、綿が規制されたならば、よしこちらである程度欠損しても毛でもうけてやればいいわというので、ここでチェック——チェックとまではいかないにしても、片方でもうける分だけを片方で安うしてやればよろしいというようなことで、一そう投げ売りを激化している原因があるわけなんです。これはもとはとただせば、政府が専門商社の指導育成強化の具体策を全然持たずに——口ではおっしゃるけれども持っていない、ないわけなんです。あったら出してもらいたい。要するにただ一般的な大商社のみうるおうような、金融にしても大商社のみ食いつけるような渡し方をする。この結果がこういうことになってきているわけなんです。従って、大臣も専門商社の指導育成の必要をお認めであるならば、ぜひ具体策を立案していただきたい。あればここでおっしゃっていただきたい。
○今井(善)政府委員 先ほど申しましたように検討中でございますが、単に検討中ということではございませんで、ある程度具体性を持った段階まで検討中でございます。
○加藤(清)委員 その検討中という言葉は歴代の通商局長に承った言葉でございます。一体いつになったら具体策が出るのか。所得倍増計画によれば、輸出は伸ばさなければならぬ、こういうことなんです。機械は四・六倍、繊維は二・八倍等々伸ばすということが書いてある。しかし、さてその具体策はというと行なわれていない。いないが証拠に、大臣、とんでもないことが起きている。たとえば神戸地区、東海地区では必ずしもこの法案に賛成でない業界もあるわけです。なぜそうなるかといえば、具体的事実が示している。すなわち、東海地区にその例をとってみましても、ここの貿易の主体はアメリカなんです。銘柄はといえば、繊維、ミシン、合板、陶器なんです。これがずっと赤字の累積なんです。同じ四月に例をとりましても、去年とことしと比較いたしてみますと、去年の四月に比較して陶器のごときは約三〇%近い減少を示している。だからこの間総理にも私はお尋ねをしたわけなんです。いや、それは下半期にはと、こうお答えがあるようでございます。いや、上期は輸入超過で、下期になる。こうおっしゃるようですが、しからばお尋ねしたい。下期の輸出認証高はどうなっておるか。ほとんど注文はとだえておる。ここにアメリカのドル防衛と申しましょうか、あるいはケネディの新方針と申しましょうか、それをうかがわざるを得ない。本件に関してはいずれ担当局長に銘柄順に、私は詳細にわたってこの対策をお尋ねする予定でございますが、今申し上げましたものはほとんどが二〇%以下の減少でございます。先行き不安でございます。従って、このメーカー関係は、陶器のごときは間引き出産をやっておる。九州へ帰している。それから合板のごときは週二回休日をやっているというような現状が続いているわけなんです。それでは一体下期に芽を吹くのか吹かぬのか。概括的に承りましたときに、上期はそうですが、下期はよろしいとおっしゃったんです。ちょっとこの際大臣に、今申し上げました繊維、陶器、ベニヤ板、ミシン、これらの下期の見通しをお尋ねしたい。特に通商局長にはこれの輸出認証高を承りたい。
○椎名国務大臣 個々の品物についての見通しというお話でございましたが、結局最近までの対米輸出は予想よりも低くて、大体八〇%くらいであったと思います。それからその他の地域の輸出は、これまた予想よりも下回って、昨年同期に比較して五、六%の増、ところが三十六年度におきましては三十五年度の一〇%増、これはならしてそういうことでございますから、予想よりも下回っておる、こういう状況であることは御承知の通りであります。しかし対米関係を一つとらえてみましても、アメリカの景気の立ち直りが、大体二、三月を底にして、鉄鋼なんかはかなりの増産をずっと続けておる、自動車またしかり、こういう状況でありまして、アメリカの景気の立ち直りは思ったよりも早い。それから外貨の保有につきましても、去年の同期に比べて、去年は年間に直して三十五億ドルの赤字であったようでありますが、ことしは十億ドルくらい、三・五分の一という状況で景気は立ち直っておるし、ドルの流出、すなわち国際収支の状況も非常に改善されておる、こういう状況で断りますから、対米輸出の問題につきましては、ただそれだけで座して対米輸出がふえるということはもちろん考えておりませんけれども、とにかく相手方が買う能力がなければどうにもならぬのであるから、その能力が出てきたということは、非常に大きな明るい見通しができてきたものと私は考えております。アメリカの景気がまた全世界の自由国家群の景気に非常に影響することは御承知の通りでありますから、だんだん輸出景気が出て参るということをすべての専門家は言っておるのでございます。問題の繊維であるとかあるいは陶磁器であるとかそういうものが一体どうなるのかということにつきましては、まだそこまで正確な研究はしておりませんが、輸出の専門部会においていろいろ市場別、物別に今研究をしておるところでございます。そうかといって、これは全世界のどこそこに幾ら幾らことしは売るのだというようなことを広告することが、はたしていいかどうか、これは私は疑問だと思うのであります。研究だけは相当やっております。いずれその成果を見ましたならば、あるいは非公式にお話し申し上げることができるかと思いますが、ただいまのところはその資料を持っておりませんので、申し上げかねます。
○今井(善)政府委員 手元にありますのは三月までの通関実績でございまして、認証統計は、現在それに相当する資料を持っておりません。
○加藤(清)委員 それでは時間のようでございますので、私は本日のところはこれにとどめますが、問題はきわめて深刻でございます。重大というより深刻でございます。アメリカのドル防衛は、やがて日本の自由化はいたしたものの、買いはふえたけれども売りは減っておる、こういう状況なんです。特に今お尋ねいたしましたがお答えがございませんが、下期の見通しも必ずしも楽観は許されない状況なんです。かてて加えて困った問題は、中小企業がせっかく設備をいたしましたその設備を、間引き生産であるとか、あるいは週二回は休まなければならないという問題に加えまして、北九州その他の石炭不況の方々を救おうというので東海地区へ歓迎をいたしました。ところがこれが御承知の通り物価高と、それから大企業が労働者をひっこ抜いていく結果、非常に中小企業の人手不足ということが、やがて労働組合の賃金闘争よりもはるかに上回って賃金をふやさなければならぬ、こういうことに追い込まれて、八千円の最低賃金制などというものはとっくの昔に打ち破られておる、これが実情なんです。としますと労働集約的製品というものは、今後輸出市場において——それこそほんとうに低賃金、低コストによる輸出開拓が行なわれてきたけれども、それのみにたよることはもはやできないということになっておる。このことはやがて輸出不安を醸成するのみならず、社会不安を醸成しておるわけです。この点についてそれこそこの際きめのこまかい検討を本委員会で行ないたいと思いまするけれども、時間だそうでございますので、後刻に譲りたいと思います。
○中川委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明三十一日水曜日午前十時より開会することといたします。 これにて散会いたします。 午後一時二十一分散会