商工委員会 第43号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/05/29
会議録
○中川委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、勝間田清一君他二十八名提出の石炭鉱業安定法案、内閣提出の産炭地域振興臨時措置法案、勝間田清一君他二十八名提出の産炭地域の振興に関する臨時措置法案、内閣提出の臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案及び石炭鉱山保安臨時措置法案、以上六法案を一括して議題として審査を進めます。 前会に引き続き質疑を続行いたします。滝井義高君。
○滝井委員 石炭関係の六法案について、特に政府提出の四法案を中心に質問をいたしたいと思います。 まず第一に産炭地域振興臨時措置法案から質問いたしますが、産炭地域を振興しようとすれば、基本は政府の石炭政策というものが、一体今後どういう方向をたどるか、石炭政策の長期の見通しというものが明白になってこないと、産炭地の振興というものがはっきりしてこないわけです。ところが政府の出しております四法案を見ますと、いたずらに能率の悪い炭鉱をつぶすことが急であって、今後の石炭政策の方向というものが明白でないのです。この根本問題を論議しておりますと非常に時間がかかりますし、時間は一時間か一時間半と制限されておりますからやめますけれども、いわゆる政府のいう産炭地域というものの今後の失業情勢、昭和三十八年に千二百円程度炭価を引き下げなければならぬそれまでの失業情勢というものは、一体どうなる見通しをお立てになっておるのか、簡単にそれを一つお示し願いたいと思います。
○今井(博)政府委員 石炭産業の失業対策につきましては、昨年度から炭鉱離職者臨時措置法制定によりましていろいろ政策を講じておりますが、炭鉱の離職者というものを全国的に広域の職業紹介によりまして、できるだけ職業の転換をやるということが、今後の第一の方針になるだろうと思うのであります。しかし御承知のように炭鉱の離職者は年令的に見ましても、あるいは労務の特殊性から見ましても、現地に滞留するという傾向を持っております。現に、退職しております者が現地に何万と滞留しております。失業者が相当数現在ございまして、これにつきましては、やはり特殊な対策を講じなければならぬというふうに考えるのでありまして、できるだけ現地において雇用の機会を作っていくということをさらに補強したいと、炭鉱離職者の問題というものは解決しない、こう考えておるのであります。従いまして従来の方針のように全国的な広域職業紹介、産業訓練、緊急就労、こういったことはもちろん大いに増強するつもりでございますけれども、現地に滞留する傾向のある労務者の問題、これをやはり現地において解決するという特別の施策を講ずることが必要であると考えまして、今回こういう法案を提案いたした次第であります。
○滝井委員 今の御意見は実は私全く同感なんです。すでに労働省を中心にして行なっております緊急就労対策事業あるいは職業訓練、広域職業紹介、それから通産省に関係のある炭鉱離職者の援護会、こういうようなものではどうにもならない。現地に炭鉱失業者が非常に滞留をするこの傾向は、石炭政策の方向が明白にならないために非常な不安がつのって、ますますその傾向は強くなっておるわけです。 そこで少し具体的に入ってみたいのですが、その滞留する労務者に現地でいろいろ仕事を与えるわけですが、その場合に、産炭地振興の対象になっておる産業というものは鉱工業しか対象になっていない。自営業特に農業とか商業というものが対象になっていない。炭鉱離職者援護会九州支部等の発表を見てみましても、移住する労務者は近畿が二千四百四、九州が二千三百九十四、関東が千四百九十で、近畿に次いで九州が二番目に多いのです。ところがこの九州にとどまった二千三百九十四というものを見てみますと、年令が四十才を越えますと、たんだん自営業が多くなっていくし、特にもうちょっと下げていって、三十を越えますと、もはや広域職業紹介その他で近畿、関東に出てもいい職にありつけない、また舞い戻ってくるわけです。そうすると必然的にそこに自営業をやらざるを得ないという形になるのです。当然産炭地振興の対象となる産業の中に、やはり農業とか商業のような自営業を対象とする措置が必要じゃないかと思うのです。特にわれわれの経験で、われわれの地区における農業をやっている人々を調べてみますと、たとえば三井鉱山とかあるいは三菱鉱山というようなところを退職をして、その退職金をもらいますと、原野を買って農園をやっておるのです。これらの農園をやっておる人というのは、ほとんどかつて三井なり三菱を退職して、その退職金で土地をあがなって園芸を始めた人が多いのです。こういう実態から考えると、やはり農業とか商業とかいう自営業をも産炭地振興の対象にする必要があるのじゃないかと思うのですが、この法案はそれを対象としていないわけです。この点はどうお考えになりますか。
○今井(博)政府委員 産炭地に鉱工業を誘致するということを考えましたときには、もちろん農業問題というものも一応検討はいたした次第でございます。何分日本の現在の農業は、むしろ生産性を高めて農業人口をよそへ吐き出すというふうな方向であったところに、現在の農業対策というものの一つの問題点があるようでございまして、産炭地においては、やはり労務者を吸収するという立場から考えますと、どうしても鉱工業に重点を置かなければいかぬということに相なります。もちろん炭鉱労務者の中には、農業出身の人も多いのでありまして、帰農する人のあることは事実でございますが、現在農地を取得することが非常に困難であるというふうな点もありまして、これは農業に従事されるような場合にはやはり特殊な問題となりますので、一般の離職者対策というものによって、そういう場合には資金をあっせんしたりすることは十分なし得るのじゃないか、こう考えまして、農業の関係、あるいは自営業、商業の関係は一応除きまして、一番重点である鉱工業に限定をした、こういう次第でございます。
○滝井委員 そうしますと、農業等はどういう工合に——現実に九州の援護会で調べたのを見ますと、たとえば三十才未満では自営業をやる人は六十五人くらいしかいない。ところが四十才未満になりますと、就職が三百七十八人に対して自営業は二百十八人と、ほとんど就職者に近い程度にまで自営業者が多くなってくるんですね。特にそれが九州以外で自営業をやる人が少ない。これはやはり故郷のそばが多いのです。たとえば九州筑豊炭田における労務者というものは、宮崎とか鹿児島とか熊本とか佐賀、こういうところから来ておるわけです。従ってその炭鉱のあったところでやるか、自分の故郷に帰るか、こういう形で自営業をやっておる。やはり労務者の移動を円滑にし、炭鉱地帯における不安をなくそうとすれば、自営業への道をある程度講じておくことが必要だと思います。今がやがや言っておったので、局長さんの自営業に対する措置がはっきりしなかったのですが、もう一回言ってみて下さい。
○今井(博)政府委員 自営業の問題は、たとえば三池の問題の解決の際におきましても、確かに自営業に転換される労務者の方は非常にたくさんあります。この炭鉱労務者対策としては、自営業の問題というものは十分考えなければいけないと思いますが、これはやはり一般離職者対策という線において、十分この措置が講じられ得ると考えまして、三池の問題その他炭鉱の場合においても、それぞれ職業の紹介とか、あるいは離職者対策でいろいろ資金をあっせんするということは十分にやっておりますので、産炭地振興というふうな面からつかまえます場合には、その問題は必要があれば特殊な問題としてもちろん考えられるわけでありますが、地方一般の離職者対策で一応十分措置が講じ得るし、またその線でわれわれも大いに努力したいと考えておりますので、産炭地振興というこのテーマからは一応はずした、こういう次第でございます。
○滝井委員 一般離職者対策でおやりになるという意味が、私にはよくのみ込めないのでありますが、一般離職者対策というものは、今の日本では、日雇い労務者になるような緊急失業対策事業以外にはないと思います。自営業をするためには、何か援護会——今度雇用促進事業団になるわけですが、この雇用促進事業団で資金のあっせんか何かをやるという程度しかない。保証をやってくれる金がない。炭鉱労務者に信用保証までやってくれるということはなかなかできない。附帯決議等をつけてやれといっても政府はなかなかやらない。これは何かここらあたりで、そういう部面も当然考えておく必要があるのじゃないかと私は思います。農業基本法ができて一町五反ないし二町五反程度の農地を有する農民を作ろう、農業の所得倍増ではそういう形になっております。従ってそういう中で、五反や一町程度の農家を作るということは国の方針に反するとおっしゃるかもしれないが、過渡的な措置としては何かそういうものがないと、やはり問題じゃないかという感じがするのです。その点は一つ考えていただきたいと思います。 次は鉱工業の振興でありますが、産炭地域臨時措置法案の中からは、具体的にどういう工合にしたら今のこの気息えんえんたる産炭地に鉱工業が起こるかその見通しが、幾ら読んでみてもはっきりつかないのです。そこでもうすでに緊急就労対策事業も限界にきておる。広域職業紹介も政府の政策に逆行しておるわけです。政府が今太平洋ベルト地帯から人を分散させようという政策をとろうとしておる、工場を地方に分散させようという政策をとろうとしている。ところが分散をさせる政策の行なわれる近畿とか関東に、広域職業紹介は産炭地から人を送り込むのですから、逆の政策を炭鉱離職者対策というものはやられておるわけです。だからこれが行き詰まったから滞留をして産炭地の振興対策をおやりになろうとする。そうしますとこの産炭地における産業を振興する何か心棒を作らなければいけないと思います。通産省は公団みたいなものをお作りになろうといたしましたけれども、できませんでした。今度雇用促進事業団ができたけれども、雇用促進事業団を見ると、何か家を建てるくらいと、それから雇用を何らかの形で促進しようかというくらいのところしか出ていない。的な雇用政策は出ていないのです。だからこの促進という字をとりなさい。雇用事業団とでもした方がいいだろう。ちっとも促進になっていないのですよ。そう見て参りますと、何か産炭地振興のための心棒となる、背骨となるものを作らなければならぬのですが、政府はやはりその産炭地に公団でもお作りになる、これも二年も三年も先では気息えんえんたる炭鉱地は間に合わぬのです。たとえば私のそばのある大きな炭鉱では、一日に一人ずつやめていくのです。昨年の選挙のときには八千人くらいおった。もう六千人台になっておるのです。こういうようにどんどんやめていくのです。そして一年に一つずつぐらい炭鉱が閉山されていく、こういう状態なんですから、だから早くしないともう市町村も参るし、労務者も参ってしまう。こういう形なんです。何かこれは心棒となる公団みたようなものをお作りになる意思があるのですか。
○椎名国務大臣 一つのアイデアではあると思います。たとえば東北振興の問題をかつて取り上げて、それの母体になる東北振興という一つの特殊会社ができまして、そしてまた過般の東北振興特別総合開発の問題に関連して、このかつての東北振興が色揚げされて、そして東北開発株式会社というのになっておるわけでございます。こういったような例をわれわれは持っておるわけでありますが、産炭地に関して同様のアイデアを適用して、はたして適当であるかどうか、そういったようなものよりも、むしろ大体産業が興り得るような基盤を作って、そしてあとは自由濶達に民間の企業心というものを中心にして、そこに産業を興すという方法がよろしいか、これはよほど研究問題だと思うのであります。前者の方がいいように思われますけれども、場合によってはかえっていろいろな手かせ足かせになるというような場合もございます。それからまた特別の金融機関を作るという場合も出てくると思います。いずれにいたしましてもとにかく審議会を一つ急速に作りまして、そして中央地方の審議会の各側面からの詳細な検討をやった結論に待ちたい、さように考えております。
○滝井委員 産炭地域の振興審議会の意見を聞いていろいろおやりになるのは、法律の建前としてば当然そうなると思うのです。しかしやはり政党内閣における政党政治でございます。責任政治でございます。だからやはり政党としては当然、斜陽産業である石炭産業というものが、日の上る産業である石油産業に圧迫されて、産炭地に莫大な失業者が滞留をする。しかもその失業者は現在の炭鉱労務者の平均年齢三十六才ですから、いわゆる日本の雇用の一番隘路になる中、高年齢層というものが滞留してきておる。こういう形が出てきている産炭地の振興を、平常の常識的な姿では、とてもこれは滞留した労務者に雇用の機会を与えて産炭地を振興することはできないわけです。やはり非常措置をとらざるを得ないと思うのです。ところがこの二年ぐらいかかって意見を聞いてぽつぽつやろううというのでは、この病人は死んでしまいますよ。だからこの際政府としては思い切って政府みずからが案をお作りになって、政府試案としてその審議会の方におかけになって、そしてできるだけ審議の期間を短縮して、半年ぐらいの間に明確な方針を出していかないと間に合わないのです。かつて明治維新で勧業をおやりになったように、やはり産炭地にこれは公団なら公団をお開発がございまして、北九州は御存じの通り特定地域の総合開発の対象になっておるわけです。その特定地域の総合開発では、どういう役割を筑豊炭田は果たしておるかというと、いわゆる北九州における鉱工業に対して石炭を安く掘って提供する、そしてその総合開発では鉱害の復旧を国がやる、それが北九州の特定地域総合開発の中における筑豊炭田の使命であり運命であったわけです。そういう形にしかなっていない。それが依然としてあるのです。その国土総合開発、そういうものはそのままおやりになっておって、今度産炭地振興をおやりになるのですから、従って産炭地の振興の方法と、北九州における特定地域の総合開発との関係は、じゃ一体どうしようとするのか。
○今井(博)政府委員 これは北九州の地域開発計画ができ上がっておるのであります。これはやはり産炭地の場合は、産炭地というものにピントを合わせてそれの振興をはかるわけでございますので、やはり同じ国の計画でございますので、その間の調整は十分とらなければならぬと思っております。いずれ産炭地について基本計画、実施計画を作ります場合には、経済企画庁その他関係各省とも相談いたしまして、その間の十分な調整ははかっていくつもりであります。
○滝井委員 産炭地の振興をおやりになるにあたって、政府としては相当大作りになって、そして政府がその公団に大幅な国家資金をお出しになっておやりになるということでないと、利害得失の上にそろばん勘定の上で産炭地に産業を興そうなんといったって、とてもだめです。それはかって国土総合というものは、相当年金その他であるのですから、おやりになるという意思があるのでしょう。これ、国家がおやりにならなければ、かつて勧業で八幡製鉄を興す、北海道の開発を国がおやりになるという形でおやりにならないと、とてもこれはできない。今言ったように炭鉱労務者の平均は三十六才ですから、中高年令層です。もはや近畿や関東で使わない労務者が滞留しているのです。だからそういう労務者に適応したものをおやりになろうとすれば、ある程度損失を見越した産業の興し方をはかってやらないと、とてもこれはできないと思うのですが、そこまでの腹はおありなんでしょうね。土地その他はもうあなたの方の所管である合理化事業団がたくさん持っております。社宅もたくさん持っておるわけですから、こういうものをお使いになれば土地と住宅はすぐできる。問題は、その投下する資本。それから労働力の質が今言った中高年令層であるということ。そしてもう一つは水がないということです。特に筑豊炭田を中心に考えれば水がない。そういうむずかしい条件の中で、産炭地の振興をおやりになろうとするのだから、よほどこれは手品師のような——手品師のような明敏な頭脳かどうかわかりませんが、相当無理なことをやらないと産業は興らないのです。私なんかも炭鉱の中で生まれて炭鉱の中で育って、炭鉱はこういう面があるから何かいい方法はないかといろいろ研究してみるけれども、いい方法がないのですよ。とにかく水が要らないような産業、たとえば安川電機のようなああいう電気器具を作るものを持ってこようと言うと、どういうのが出てくるかというと、あの精神的に荒廃した筑豊炭田で、繊細な電気器具とかカメラなんか作ってもうまいものができるだろうかということを、経営者側は言うのですよ。もうそれは心配要らぬ、新しく中学校や高等学校を出た少年というものは純真で心配要らないと言うの、だが、なかなかそうもいかぬという点もある。だから口では鉱工業ですが、さて一体あなた方はどういう鉱工業をあそこに興そうと考えておるのかということなんですね。そしてその興す鉱工業に国が相当のお金を注ぎ込む意思があるかないかという、こういうこと、それから水がもし要るとすれば、水の問題をどう解決しようとお考えになっておるのか、こういう三点についてもしおわかりになっておるならば、一つ見解を表明してみていただきたいと思います。
○椎名国務大臣 そういうところに育って、そういうところの事情をよく御存じのあなたが、なかなか思いつかぬくらいですから、私が今ここでそれがわかるはずがない。要するに、審議会を作りましても、二年間かかって結論を出しているのでありませんから、もう具体的なめどがつき次第その問題を取り上げて実行に移す、こういう建前でございますから、審議会、地方の人々、それからまた中央においてはそれを取り上げて大きく展開し、推進するにはどうすればいいかということを考え、中央、地方それぞれの分野において急速にこの問題に取り組んで結論を出したい、こう考えておる次第でございます。
○滝井委員 中央、地方でめどをつけて出したいという以外に、ちっとも具体的にものが運んでこないんですね。病人は気息えんえんたる状態ですから、リンゲルか何かしてやらなければ死んでしまうわけです。そういう役割をするのを何かお出しにならないと大へんなことだと思うのです。 それから、どうも満足な答弁が得られないので非常に不満ですが、この法案の二条に、「この法律において「産炭地域」とは、石炭鉱業の不況による疲弊の著しい石炭産出地域」と、こうあるわけです。従って石炭の産炭地でも、たとえば原料炭なんかをどんどん出しておるところは割合首切りが少ないので失業者が少ない。それからそうでない地区は大がい不況なんだけれども、不況による疲弊の著しい石炭産出地、「著しい」というのがついておるんですね。これは具体的には一体どういう条件の地域が、こういう産炭地域ということになるのですか。
○今井(博)政府委員 これは今考えておりますのは、石炭産出地域はおおむねこの中に入れて、産炭地域を指定いたすつもりでありますが、具体的にどういうことを考えておるかというお尋ねでお答えいたしますと、かりにたとえば鉱産税の収入がほかの収入に対して非常に多い、非常に大きな割合を占めておる、あるいは生活保護者の割合が非常に多い、あるいは炭鉱労務者による失業の人口が非常に多い、そういった一応基準を考えて、この石炭産出地域の範囲をきめようと思っておりますけれども、結論的に言いますと、現在石炭産出地域と言われておりますものは、この法律による石炭産出地域におおむね入ってくるのじゃないかと思います。ごく一、二例外的なものがございますが、それは微々たるものでございまして、ほとんどこの中に包含するつもりであります。
○滝井委員 そうしますと、一応概念的には鉱産税の収入が多い市町村、あるいは生活保護の受給者が多い、あるいは炭鉱労務者の失業者が多いというのが、一応考えの基準に上るが、大体石炭の産出地はほとんど産炭地域に当たるだろう。そうしますと、それでわかりましたが、その次の「石炭産出地域における鉱工業の振興と密接な関連を有する地域」が、やはり産炭地域に入るわけです。従ってまず石炭の産出地で不況の地域がある。そうしてこれに隣接する地域でというと、この隣接というのが非常に問題になってくるわけです。たとえてみますならば、筑豊炭田が今一番不況ですから例をとりますと、筑豊炭田に関連して北九州、あるいは北九州の中の苅田地区というようなものは、これは鉱工業を振興する場合に密接に関連をする広義の隣接地区になるわけですか。すぐ近くの隣接地、直近の隣接地ではない、幾つかの町村があって北九州の五市がある、こういう形になるわけですが、こういう場合に、これは政令で定めることになっておりますが、このものの考え方はどういうように規定をしていきますか。
○今井(博)政府委員 これは今先生が例にあげられました苅田地区のごときは、一応この密接な地域、こう考えておりまして、それの具体的な基準とかあるいは考え方というものは、まだはっきりしたものをきめておりません。これは政令でもって一応の案を作りまして審議会に諮りまして具体的にきめようと思っておりますが、一応先ほど申しましたようなそういう意味での基準は考えておりますが……。
○滝井委員 そうしますと、これは相当範囲が広くなると考えていいのですか。というのが、私ここらあたりが、産炭地域を振興する場合に、ある程度の小さな局部的な地域ということでなくて、相当土俵を広げた、東京のような広域、都市圏というような工合にはいかぬと思いますが、やはり範囲を相当広げなければいかぬと思う。これは提案理由だったと思いますが、単一経済地域というものを、多角的な産業地帯に作り直すという意味のことが提案理由にあったと思います。この意味は第二条と関連すると思いますが そう考えていいでしょうか。
○今井(博)政府委員 お説の通り、多角的な工業地域というものを考えました場合には、その周辺の地域をも包含してもちろん考えております。従いまして、私の今の考え方からいいますと、やはり筑豊地区なら筑豊地区から一応炭鉱労務者が通える地域、あるいは通えなくても比較的移動が簡単であるというふうな地域はできるだけ包含したい、こう考えております。
○滝井委員 ある程度広くとるということでございます。そうしますと、この七条で「施設の整備等」というところがあって「国及び地方公共団体は、実施計画の円滑な実施を図るために必要な工場用地、道路、港湾施設、工業用水道その他の産業関連施設及び職業訓練を行なうための施設の整備の促進に努めるものとする。」こうあるわけです。私は産炭地の振興をやろうとすれば、まず国が、いわゆる池田内閣の公共投資の四本の柱といわれる道路、港湾、用地、用水、これを整備することが先行すべきじゃないかと思うのです。そうしますと、道路、港湾、用地、用水を整備すれば、そこに今度産業が導入されてくるわけです。ところがそれを何もやらずに産業を興そうとすることに問題があると思うのです。だから、むしろこの七条というようなもので、国がおやりになることが何より優先しなければならぬ。そしてさあ来たれ、こういう形になると産業が導入されると思うのです。そういう意思があるのかどうか。国なり地方公共団体、地方公共団体といっても、福岡県あたりは生活保護費、いわゆる失業対策費が多くて、とてもみずから先行してやるだけの力はないのですから、やらせるとすれば、起債のワクを拡大してやるか、高率の国庫補助でもやってやらなければできないことになるのですが、これが先行することが私は先決だと思いますが、その点どうですか。
○椎名国務大臣 これはもちろん重大な問題でございますから、産炭地の公共事業、特に産業の基盤となるべき公共事業につきましては、優先的に実行してもらうということにしたいと考えております。
○滝井委員 この七条の「国及び地方公共団体」、これらのいわゆる経済基盤となるべきものを先行させてやるつもりだということですから、それをやることになると、これはいわばもう竜の眼を先にかいたようなものです。あとは竜をかけばいい。普通は画竜点睛といって眼をあとにかくのですが、これは眼を先にかくのですから竜は割にやさしくできると思うのです。そうしますと、石炭を使ってやる産業は何かということになると、五千五百万トンの中から四千万トンぐらい三十六年度でも使おうかという、今石炭を一番よけいに使うのは、電力か、何か鉄に関連する産業か、ガス産業か、セメント、こういうようなものがすぐに今度は頭に浮かんでくることになるわけです。産炭地を振興する、雇用を拡大して石炭の需要を拡大するということなんですから、やはり今の四つのようなものが経済基盤を作った上に乗っかってくる、こういう形になるんじゃないかという感じがするのですが、その点はどうですか。
○今井(博)政府委員 お説の通りであります。
○滝井委員 その通りだそうでございますから、理論的にそういうことをお互いに意見の一致を見ましたが、ぜひ一つ推進していただきたいと思います。 こまかいことたくさんありますけれども、時間がありませんからこれで次に移りまして、次は石炭鉱業の合理化臨時措置法です。今度この法律の改正で、石炭鉱業の合理化臨時措置法の中にある合理化事業団というものは、非能率炭鉱の買収業務と、近代化資金の貸付の業務と、債務保証の業務、これで炭鉱整備保証基金というものを出して炭鉱を眠らせることになるわけですが、この三つの業務をおやりになる。そのほかにもう一つ今度の石炭鉱山保安臨時措置法案で石炭鉱山整理交付金というようなものを扱うようになる、こういう役割が合理化事業団の中に出てきたわけです。まあいわば合理化事業団は、少なくとも石炭行政では脚光を浴びる形が出てきたわけですね。 そこでまず第一に、この合理化事業団の非能率炭鉱の買収業務の進捗状態ですが、事業団ができてから現在どの程度買い取って、そしてなお現在どの程度ワクがあって、そしてそれに対して申し込みがどういう状態になっているのか、これを一つお示しを願いたい。
○今井(博)政府委員 炭鉱の買い上げの実績でございますが、昨年末までで買い上げの実績は約二百四鉱山でございまして、それが三百八十九万トンの実績に相なっております。これに対しまして、それ以外にその後どれくらいの申し込み数があるかというお尋ねでございますが、約三百十四の申し込み数がございます。これは申し込み数でございまして、これの全体の総量は七百七万トンという大きな数字になっておりますが、現在の炭鉱買い上げのワクから考えまして、これを全部買い上げるわけにはいきませんので、現在の申し込み数の三百十四に対しまして、三十五年度内に約四十が済んでおります。昨年の年末から現在までにかけまして約四十、それから三十六年度には約六十、ことしでございますが、約六十の山を買い上げる。それから三十七年度には約七つ買い上げまして、合計いたしまして、去年までの実績の二百四にプラスいたしまして、約三百十一という山を買い上げる予定になっております。現在どのくらいのワクが残っておるかというお尋ねでございますが、現在全体のワクが六百三十万トンでございまして、昨年の暮れまでに三百八十九万トン買い上げまして、その後約五十万トンぐらい進捗しておると思いますので、それを差し引きますと、約二百万トンぐらいのワクが残っておる、こういうふうに考えております。
○滝井委員 現在二百万トン程度残っておるということですが、そうしますと、現在三百十四申し込んでおる中で、今後三十七年度までに百そこそこ買われるわけですから、あと二百ばかり申し込み炭鉱が余ることになるわけですね。これの処置は一体どうされる方針ですか。
○今井(博)政府委員 これは数からいうと二百余ることになりますが、実際の申し込み数の中には、落第すると申しますか、買い上げ基準にはまらないものもございます。相当数そのうちから繰り上がって買い上げの中に入ってくるという実績がございます。従来の実績から申しますと、約二割程度は脱落して、あとのものが繰り上がるということがございますので、一応三十六年度、三十七年度の実績を見ないと何とも申し上げられませんが、やはり若干の山が買い上げられないという結果になることは事実でございます。この点につきましては、一応三十六年度の実績等も見まして、その上で一つ対策を立てていきたい。現在まだどうするという方針は立てておりません。
○滝井委員 そうしますと、二百万トン程度のワクが余っておるわけですね。そしてその余っている申し込みの炭鉱は二百鉱ある。二百鉱が二百万トンならばちょうどいいのですが、二百鉱は二百万トンをはるかにこえるわけですね。そうしますと、この二百鉱の中で二百万トンのワクに入らずに、買い上げにならなかったものは、今度合理化事業団のおやりになる債務の保証基金で処理されることになる可能性が出るか、あるいはもう一つはこの石炭鉱山保安臨時措置法のワクにかかる可能性が濃厚になってくると思うが、その見解はどうか。
○今井(博)政府委員 炭鉱の整備基金の対象になるということは、ちょっと考えられないのじゃないか。もちろんそれは例外的に、なるものもあるかもしれませんが、この漏れたものがこの保証債務に——この保証債務というものはちょっと目的が違いますので、この対象にはならぬ。ただ、今回提案いたしまする保安の整理交付金の対象になるものがあるかどうかというお尋ねでございますが、これは若干あるかもしれない。これはまた目的がこれと違いますので、保安が非常に不良な山で、現在買い上げの対象になっていないというものがそっちへ回るということはあり得ると思います。
○滝井委員 前者の債務保証の方の対象にならないとすれば、そういう山でございますので、大体もう売りに出すところですから、保安その他——これはあとで保安局長さんにその問題に入ったときにお尋ねすることになるのですが、そういたしますと、石炭鉱山の整理交付金の対象になる可能性は非常に濃厚になってくると思うのです。今局長さんは、前者よりか後者の方が可能性が強いようなニュアンスの御答弁をされたのですが、おそらく私はそうなるのじゃないかという気がするのです。そのときはまたそれでお尋ねします。 そこで、まずこの石炭合理化事業団の保証する債務の総額を一体どの程度と、あなた方はごらんになっておるのか。ことしの予算は三億円程度、しかしこれは三億で終わるものではないと思うわけですが、これは一体将来までひっくるめてどの程度に、あなた方はお考えになっているのか。
○今井(博)政府委員 炭鉱の退職金の総額から考えまして、一応われわれがこれの対象と考えておりますものは、三億の二十倍の六十億というものを、この保証債務の対象として考えております。炭鉱全体では、その六十億の倍の約百二十億程度が、その退職金の金融として必要になる金の総額だと考えておりますが、そのうちの約半分は保証をしないと金融がなかなかむずかしい、こういうふうに考えております。
○滝井委員 六十億程度でその債務を保証する、退職金はさらにその倍の百二十億、こういうお考えのようですが、これによって炭鉱の数はどの程度保証されることになりますか。トン数でいいますと。
○今井(博)政府委員 対象になる会社の生産トン数がどのくらいになるか、その点はまだそういう数字を実は計算いたしておりませんので、ちょっとただいまわかりかねます。
○滝井委員 借入金の二分の一を石炭業者にかわって支払うことになるわけですね。三十六条の十四です。そうしますと保証する限度は一定の倍率を乗じて得た額を限度とするわけですが、その限度と借入金の二分の一を石炭業者にかわって払うその二分の一との関係というものは、どうなるのですか。
○今井(博)政府委員 保証の限度を設けましたのは、先ほど申しましたように三億の基金から見て約二十倍の六十億、限度としては二十倍というふうなことをきめたいと考えております。それから二分の一実際に金を払うのだ、これは銀行に保証をいたしまして、その融資が返済が困難になってきたという場合には、事業団と銀行とでその金額の半分々々を責任を持つ、こういう意味でございまして、その二十倍というものと二分の一の回収というのとは直接関係はございません。一応かりに一億の融資をいたしました場合に、債務不履行になった場合は、五千万は事業団が受け持ち、五千万は銀行が責任を持つ、こういう意味での二分の一でございます。
○滝井委員 そうしますと、ある場合は、保証の契約というものは、その限度をこえて保証契約をしてはいかぬことになるから、いよいよ最後で金の足らぬような段階がくると、二分の一以下の保証しかできないことが出てくるのではないですか。特定のいよいよぎりぎりの最後の付近の炭鉱に行くと、二分の一では金が足らぬ、こちらの方の限度をこえることになる。しかしこっちの債務は銀行に支払わなければならぬ二分の一がたとえば一億円あった、こっちは九千万円しかない、こういうような場合には実際足らぬことになるわけです。そういうようなことが出てくるときには保証金額は追加をしますか。
○今井(博)政府委員 これは手元に幾ら金が残っておるかという問題もございますが、やはり相当これは回転をいたしますので、一応三億の二十倍というところに限度を置きまして、それの範囲内でこの保証の契約をやらせるということしか考えておりません。それでさらにもっと布望する炭鉱がふえて参りまして、この金では足りないという場合にどうするかという問題は、これは一応この程度でやり得るんじゃないかということを考えておりまして、理論的にはもちろんさらに予算を増すということは考えておりますけれども、一応の今のわれわれのなにとしては、この程度で十分まかなわれるんじゃないかという考えでございます。
○滝井委員 このくらいでまかなわれるという自信のほどをお示しになっておるからそれでいいのですが、そういう問題が起こり得ることは一つあり得るということをお考えになっておいて下さい。 それからこの保証契約の締結にあたって、採掘権者または租鉱権者であって、通産省令で定める基準に該当するものになっておるわけですが、その通産省令で定める基準に該当するというその基準は、一体どういうものが該当するということになるのですか、これがさいぜん、いわゆる二百鉱残っておる、この中から買い上げの対象にはならなかった、しかし相当借金があるので、もう山を閉鎖しなければならぬ、しかし鉱害もあるし未払い賃金、退職金もある、何とかしなければならぬというときにあたってから、この基準がどうだということが一番問題になると思うんですね。
○今井(博)政府委員 基準として考えておりますのは、かりに非常に高率配当をやっておるという優秀な会社、これについては保証の必要がないんじゃないか、こう考えております。それからまた逆に非常な不良炭鉱と申しますか、どう見てもこれは問題にならないというふうな炭鉱については、やはりこれを見る必要があるんじゃないか、こういう基準を考えておりまして、先生のおっしゃいました買い上げ炭鉱の場合と、それがどう結びつくかという点は、結果的に一つ検討してみないと、面接これの両者の間に結びつきはわれわれとして考えておりません。
○滝井委員 高率配当をやっておる会社、非常に不良な炭鉱——不良というのは、いろいろな不良があるので、なかなか概念がむずかしいのですが、まあ不良な炭鉱だそうです。そうすると普通の炭鉱が高率の配当もやっておらぬ、不良でもないということになると、これは中道の炭鉱になるわけですが、そういう炭鉱にお金をかわりに事業団が立てかえて借入金の二分の一払う、払うと今度はその貸付金の回収は、私は整理事業団みずからがおやりになるかと思ったら、これは銀行にやらせるんですね。なぜ事業団がやらないのですか。銀行にやらせておって、銀行がもしサボッてしまって取り立てをしないというと、これは貸しくれたまえになってしまう可能性もあるのですが、これはどうして銀行にやらせることにしたのですか。
○今井(博)政府委員 債務が不履行の場合にはもちろん事業団が当然にその炭鉱に対して求償権を持つということは、これはもう当然そうなると思います。ただ回収を一体事業団が直接やるかどうかという点は、これは銀行はやはりしょっちゅう企業の内容を見ておりまして、それ以外の貸付の回収の問題もございましょうし、やはりその点はもちはもち屋にまかして、そのうちから銀行も責任を持つという制度にした方がすべての金融が円滑にいく、実はこう考えまして銀行に委託したわけでございます。
○滝井委員 これは三十六条の十八で、貸付金の回収に銀行は努めなければならないということになっておるわけですね。努めなければならぬから銀行は努めるでしょう。しかし鉱業権者にかわって、少なくともその借入金の二分の一程度を石炭業者にかわって払ってやったのですから、当然そこの鉱区その他について、あるいは何かの資産を、これはやはり担保権か何かを留保する必要があるのではないかと思うのですが、そういう関係は何もやらないのですか、これは何かそこにとるものがあるのですか。
○今井(博)政府委員 鉱業権者が実際に銀行に融資を願い出て、その場合に保証が必要だという場合には、鉱業権者が合理化事業団へやって参りまして、一つ保証をしてくれぬか、こういう場面になると思います。従って事業団としてはその保証をする場合には鉱業権者との間にいろいろな契約を結ぶことになり盲して、いろいろな資料を出せ、あるいは経理を報告しろとか、それからこういうものは担保を出せとか、そういういろいろなことはそのときにやり得ることになりまして、一応先生の御心配になっておる点は、この鉱業権者と事業団の間は相当密接な関係になる、こう考えます。ただし担保の問題は、もともとこの制度を考えましたときには、この鉱業権者の方にだんだん担保力がなくなってきたということが、この保証の制度を考えた一つの理由でもございますので、必ず担保をとるというふうには考えておりません。
○滝井委員 だから私はおそらくそうなると思うのです。そうなるので、従って銀行に二分の一払ってやると、銀行は担保を持っておるわけです。担保を銀行は持ちながら同時に二分の一の金をもらうのですから、その担保力というものはますます強くなってくるわけです。そうすると銀行だけが得をして損上いうことはない。事業団は二分の一出して銀行を助けてやっただけになる可能性がある。だから私はその場合には当然銀行の持っている担保の中から二分の一に該当するものを事業団がもらわないと、これは均衡を失するのではないかという感じがするのですが、そこらあたりがどうも抜けておる感じがするのですが、どうですか。これはなかなかうまい話なんですが、銀行にとってこれは大もうかりですよ。石炭業者に貸しておって二分の一の担保力の力を銀行に付与してやったようなものですから、現金二分の一もらうのですから、ここらあたりを何かしないと、これは事業団があまり人がよ過ぎる感じがするのですが……。
○椎名国務大臣 これはどうも一がいに論断のできない問題であるように思います。結局銀行が貸付をしなければ、もともと炭鉱の運命というものはおかしなことになってしまう、それによって初めて合理的な制度もできる格好になったのでありますから、銀行はやはり協力を認めた、そういうので、事業団と銀行との負担の問題等につきましては、いろいろな場合が起こってくると思いますが、問題はこれは具体的な問題に当面して対処すべき事柄ではないか、かように考えるわけであります。
○滝井委員 なかなかここらあたり少し詰めていないように思うのですが、もう少し私はここらあたり法案を——この法案は三十九年の三月三十一日まで、いわゆる石炭鉱業が千二百円の炭価の引き下げが終わったときには、この法案は終わることになっておるわけです。そういう意味ではある程度その石炭山をつぶすことに一つの力を持つが、同時に、これは銀行を助けるような役割々演ずる法案となってしまって、どうも少ししりの抜けておるような感じがするのです。もう少し具体的に入ってみますと、この保証契約の締結にあたって、今度はその退職金を含んだ賃金と、それからそこの鉱業権者なり租鉱権者の持っておる鉱区、租鉱区にかかる鉱害の賠償にその金は充てることになるわけです。そうすると、退職金を含んだ賃金の支払いは、これは当然ですからいいのです。ところがそこにある鉱害の認定は、どのくらいあるということを、一体だれが認定するのですか。
○今井(博)政府委員 鉱害がどのくらいあるかという認定は、やはりこれは鉱害そのものが話し合いでございますから、話し合いを基礎にいたしまして、合理化事業団がその認定をやる、こういう関係になろうかと思います。
○滝井委員 これは一億円なら一億円を保証して、そして未払い賃金その他に充てるものが三千万円だ、そうすると、あと七千万円は鉱害に持っていく、こういうことになると思うのです。そうすると、その持っていく場合に、いろいろ債務保証する場合に、やはりその鉱害とその賃金の総額がどの程度になるかということを見ておかぬと、これはなかなか契約締結がしにくいと思うのです。それから銀行その他の債務がどの程度あるかということを見ておかないと、なかなか問題が出てくると思うのです。だから当然山の鉱害はどの程度あるということはだれかが押えなければならぬと思うのです。その場合合理化事業団がこれを押えることになるのではないかと思うのですが、そこらの鉱害の認定を一体どういう工合に見積もるかということは、私はどうも非常に重要なポイントになってくるのではないかという感じがするのですが、それによって、たとえば借りる額がある程度動いてくると思うのです。この二つのものが相関関係を持って話が進められるわけです。だから鉱害をどの程度見るか、水ぶくれでよけい見るか、非常にシビヤにぐっと小さく見るかによって、だいぶ違ってくると思いますが、その見積もりの主体というものは通産省がやるのか銀行がやるのか、合理化事業団がやるのか、鉱業権者だけがやったものでいいのか、だれか見積もり主体というものをはっきりしておく必要があると思うのです。
○今井(博)政府委員 これは鉱害の認定といいますか、鉱害がどのくらいあるかということは、これは大体話し合いが今までその基礎になっておりますので、話し合いが基礎になりますが、一応今までそういうものの認定は通産局がやっておりましたので、そういう問題のものについては、通産局に認定をやらしたらどうか、こう考えております。しかし実際に保証する業務は合理化事業団が行ないます。合理化事業団はやはりこの鉱害の認定については、いろいろと今まで経験を持っておりますので、最終的には合理化事業団が認定する、こういう形になるかと思います。
○滝井委員 そうしますと、鉱害の認定は通産局が見積もる、こういうことでございますね、一応わかりました。 そこで、そういうように今度は見積もってお金を借りて支払ってしまいます。ところが支払った結果、未払い賃金や退職金は片づいたけれども、たとえば鉱害が半分とか三分の二しか片づかなかった、あとまだ鉱害が残っておるのだ、こうなりますと、これは当然鉱業権はどこにも移転をしていないわけですね。移転をしていないから、これは鉱業権者が残った鉱害を全部責任をもってやることになるのですか。それともそれは合理化事業団がそういうお金を出したということを機縁にして、被害者は合理化事業団にいってもいいのですか。どうですか。
○今井(博)政府委員 これはもちろん前の鉱業権者、こういうことになると思います。
○滝井委員 おそらくそうだと思うのです。そうしますとその鉱業権者がこういうように莫大な借金があって——銀行から借りているわけですから鉱区は持っているわけですね。そうすると銀行から金を借りておったのだが、二分の一は払ってもらった、未払い賃金も終わった、からだは非常に軽くなったわけです。ところが三分の一の鉱害が残っているというので、この鉱区をまた合理化事業団に売ることができるかどうか。
○今井(博)政府委員 それは売ることはできると思います。売ることはできると思いますが、実際問題としてそれを買い上げるかどうかという問題は、また別でございます。
○滝井委員 そうすると、これは大事なことです。法律論的には、この保証契約を締結をした鉱区は、石炭鉱業合理化事業団の買い上げの対象には一応なり得る、買うか買わぬか別として、こういうことですね。わかりました。 もう一つの問題は、そうしますと、そういう鉱区の鉱業権者が莫大な借金をかぶっている。二分の一は銀行に払ったけれども全部差し押えを受けている。おそらく現実はそうだと思うのです。従って二分の一を持っていかなければこれは解消もできない。事業団に持っていったけれども、事業団は、もう一ぺん基金を出してあげたのですからだめですといって買ってくれない。もう手を上げる。鉱害の被害者は押し寄せてくる。どうにもならなくなったというときには、これは今度改正されましたが、もとの六十六条の対象にはなり得ますね。無資力の対象になり得る……。
○今井(博)政府委員 そういうケースが出てくるかどうか、ちょっと私もよくわかりませんが、今までの無資力認定というものは相当厳格にしぼっております。と申しますのは無資力認定は国家資金でもって復旧をやるのでありますから、やはりそういう場合の無資力認定をする基準というものは相当しぼらなければいかぬということで、今まではそういう場合には破産の宣告を受けたとか、そういった場合に限定いたしておりますので、今おっしゃいましたような事態が、そのまま当てはまるかどうかにつきましては、いま少しく検討したいと思います。
○滝井委員 私は二百鉱あまり余っている炭鉱で、買い上げの対象にならなかったという炭鉱は十分可能性があると見ているのです。従って銀行はとにかく二分の一とるだけはとったのですから、あとは二分の一とればいい。ところがその鉱区というものは押えているわけですから——おそらく銀行は押えています。そうすると銀行はそれを競売か何かに付す以外に方法はなくなってくる。とれないし、買い上げの対象にもならぬのですから。だから保安の方にかけるか、これをやるかです。だからもう一つの方法は——これは私が悪い知恵を働かしたわけではないですよ。これはあなた方がこういう法律を出したから尋ねるのです。そこで保証契約を結んでこの炭鉱整備保証基金をもらって、さらに今度は保安が悪いというのであとの石炭鉱山整理交付金にかける手もあると思うのです。もし無資力でいかなければ、これにかけることができるでしょう。
○今井(博)政府委員 それは鉱業権者が、どっちにかけるかという選択の問題ではなくて、保安の整理交付金と申しますのは、やはり保安が維持できないという山でございまして、これは結果的にそういうものを維持する場合はあり得るかし思いますけれども、初めからどうというような見当は、ちょっと申し上げかねます。
○滝井委員 実はあなた方がお出しになった四つの法律の中で、産炭地域振興臨時措置法を除いた他の三法のいろいろな関連を考えてみると、これは実に複雑な法案になってくるのです。複雑な関連が出てくるのです。この三つをからませて炭鉱の運営を考えていっておったら、これは幾らでも穴ができておる感じが非常に濃厚です。実際は整備基金にかけたらその炭鉱はつぶれてしまって、どうにもならぬはずですが、整備基金にかげながらぽつぽつ歩いて、退職金も払った、何も払ったけれどもやはり歩いていく方法はある。鉱業権がつぶれていないのですからね。いろいろ問題が多い法案ですから、これを実施するまでには、十分一つ御検討になっていただきたいと思うのです。私の今のいろいろの質問でも、どうも今の皆さんの御答弁では納得がいかないです。なるほどというところまでいかない。そこで突っ込むと、なかなかむずかしい問題がたくさん出てくるのですが、時間がだいぶ過ぎましたから、要点だけをずっと言っていきます。 こういう問題でいよいよ山が買い上げになったり、整備保証基金をもらってつぶそうという段階がやってきます。そうすると鉱業権者は当然鉱害を片づけておかなければいかぬことになるわけです。その場合に問題は、Aという炭鉱がいよいよやめる段階が来ます。ところが御存じの通り、筑豊炭田はまだ全部の炭鉱がやめておるわけじゃない、相当動いておるわけです。そこで農地の復旧をやる場合に、天水田あるいは湧水田というものがたくさんあるわけです。そうしますとAという炭鉱が、今まではその天水田なり湧水田の補償をしておった。この炭鉱がやめれば当然天水田、湧水田の補償は、水が復帰して要らなくなる、こういう基本的な考え方に立ってやめてしまったわけです。そうしていよいよ買収にかけたところが、その湧水田の水が出ないのですね。出ないので一体これをどうするかということになると、Aという鉱業権者はポンプ・アップをして、その湧水田に水をやる以外に方法はないわけです。そこで、一体もともと湧水田であったものを炭鉱がやめたのだから水が復帰するのが常道なんだけれども復帰しない、そこでこれは一体どこに原因があるのだということになるわけです。そうしますと付近に五つも六つも炭鉱があるのですから、水は全部それがあげているわけです。それらの炭鉱にAという鉱業権者が行って交渉しても、いやそれは私の鉱区じゃございません。私はそこの水は揚げておりません。水は地下ですから歩いている。炭鉱がくみ上げておるためにAの鉱区の中の湧水田に被害が出ておるということの証明がつかないわけです。従って何らかの形で水の問題を解決しない限りは、これは買い上げの対象になってこないわけです。こういの場合の処置というものは、農林省は 一体どうするつもりなのか。それから通産省としては一体どうしてこういう問題を処理していくのか。なるほど一つの方法としては、AならAという鉱業権者に一千万円を積ましておいて、毎年灌漑期になったならば、その一千万円の基金の中から出させるという方法もあります。ところがこんな小さな炭鉱は、つぶれかかって金まで借りてやるときなのですから、とても一千万とか二千万の基金を積んで、毎年の何町歩という灌漑水の維持管理の経費を、その利息だけで充てるということは不可能なんですね。従ってこれは買い上げの問題が進まない、あるいは鉱害の問題が片づかないということになって、ずっと半永久的に問題が残ってくるということになるが、こういう問題を一体農地局はどう処理しようとお考えになっておるのか。これは単に湧水田がそういう形であるばかりでなくて、炭鉱を掘ったために地下水の流れが昔と全く変わってしまってきておるわけです。従ってそういう例はもう至るところに出てくるわけです。湧水田だけでなくて至るところに出てくるわけです。こういう点を一体どう処理するつもりなのか。
○今井(博)政府委員 これは先生の御指摘のような、まわりに鉱山がございまして、その辺で水を取る、その結果脱水陥落という現象が、そのほかの炭鉱の上の農地その他の土地に起きてくる、その関係が、どこの炭鉱の採掘によってそういう脱水陥落が起きたかということの原因が非常に複雑で、きめるのが非常に困難な場合が私は相当あると思います。これにつきましては現在どの鉱業権者の鉱害が原因しているかということを徹底的に突き詰めて、その原因結果を明らかにするという以外に私は方法はないかと思いまして、このたび鉱害の科学認定という制度を設けまして、これはボーリングとか電探とかいろいろな方法を用いて、特にそういう鉱害の認否が非常にむずかしいというケースにつきましては、特に北九州についてはさっそくその鉱害の科学認定制度にかけて、その原因結果を究明したいと思いますので、その結果それを具体的に判断したいと考えます。
○滝井委員 農林省はこういう場合どう御指導をなさいますか。
○中村説明員 お答えいたします。ただいまの問題でございますが、通産省の方から鉱害として認定がございますと、私の方といたしましては、当然灌漑排水施設としてやることになります。
○滝井委員 鉱害の科学的な認定、こうおっしゃいますけれども、その場合に出るものが、付近のものは影響ありと出るか、付近のものは関係なし、こう出るかです。従って付近のものは関係ありということになれば、付近のやっている炭鉱がAという鉱業権者と一緒に基金を積む以外に方法はないと思うのです。ところがこの付近の小さな炭鉱は、一体それをやるだけの金があるかどうかということになる。理論的にはそうなってくる。なしと出たときは一体どうなるか、これは昔の地下水の流れが変わっておる、だからこれはもう出ない、そうするとAもやめておるのですからAは関係がないというか、それともAの鉱害といくか、こうなるのです。だから私はこういうような複雑な問題は、もはや老朽化した筑豊炭田においては、石炭を何層にもわたって違った鉱業権者が二重鉱区、三重鉱区で掘っておるから、だれかわからないわけですね。従ってこういうものについては、私はやはり国が責任を持ってやるような形にしないと、鉱業権者にやらせることはとても無理なんです。だからこういう場合には、どうせ整備事業団にはたくさん炭鉱から買い上げてある古いポンプもあるのですから、そういうものを関係農民にやって、そうして灌漑期だけですから、国の方で責任を持って、何かやってやるということの方がいいのじゃないかという感じがするのです。こういうものをいつまでも鉱業権者にかかわっておれば、泣かなければならぬものは農民だけなんです。こういう点、そういうように今科学的な認定をやるとおっしゃいますけれども、それはこの場をのがれる答弁としてはそれでいいと思う。しかし現実問題としてはなかなかそうはいかぬので、少し農林省と共同して御検討になる必要がある。これは一反か二反ではないのです。何町歩なんですから、だからこの点はもう少し農林省と御相談になって、すみやかにこういう問題を御検討していただきたいと思いますがどうですか。
○今井(博)政府委員 このたび鉱害復旧の改正法案を提案いたしまして、そのときに十年延長の問題の以外に、緊急認定制度というものを考案して提案をいたしておりますが、緊急認定制度という制度に引っかかって、これが鉱害の復旧をすみやかにやらなければいかぬということになりますれば、今先生のおっしゃいましたような場合は、これで復旧が私はできるのじゃないかと思います。その場合に、水の問題は非常に緊急であるというぶうな状態でございましたら、これは緊急認定制度というものを活用する対象になり得ると私は考えております。 それから先ほどおっしゃいました、そういう場合にほかの炭鉱には影響なしという場合にはどうするかというお尋ねでございますが、そうなれば、その山はそのまん中の鉱業権者が責任を負うということになりますので、その場合にはその鉱山を買い上げるということは、実際問題として非常に借金が多くて買い上げができない、こういう結果になるかと思います。ただそういう問題につきましては、水の問題は確かに緊急性があると思いますので、そういった場合に対する対策は、先ほど言いましたような鉱害認定制度の活用、それから鉱害の科学認定制度の活用、そういったものをできるだけ活用いたしまして善処したいと考えております。
○滝井委員 ぜひ一つ検討していただきたいと思います。 それから次は水道の問題です。鉱害地における水道の問題は、その関係住民の死命を制する重大な問題になっているわけです。まずこういう場合が出てくるわけです。水道というものは大体自治体がやることが常識になっているわけです。ところが炭鉱が専用水道をやっている、閉山になる、そうしますと関係住民としては鉱害の問題がからまって、鉱業権者との間になかなか水道の問題が片づかないので、一つわれわれも市民税を納めておる市民あるいは町民税を納めておる町民なんだから、すみやかに市町村はわれわれのところに他の住民と同じように水道を引きなさいという要求はできるわけです。ところが市当局あるいは町村当局は、いや君らのところは鉱害地なんだから、炭鉱からまずやってもらいなさい、こういう形が出てくるわけです。こういう問題で、水道の問題は鉱業権者と市の間の問題がからまってなかなか解決しないという問題が一つあるわけです。 それからもう一つは、その専用水道をやっておった炭住地帯というものは一体どういうことになるかというと、今の鉱業法では、Aという鉱業権者が全部その鉱区を売り払ってしまいまして社宅だけは売らなかった、こうなりますと、整備事業団はどう言うかというと、まず鉱業権者に社宅を打ち切りの登録をしていらっしゃい、こうなるわけです。そうすると鉱業権者は、たとえば滝井義高がAという鉱区の鉱業権者なら、滝井義高は、自分の持っている社宅については、もう今後整備事業団に対して鉱害の賠償の要求は一切いたしませんという打ち切りの保証をしなければならぬことになる。自分の持っているものを自分で打ち切るわけですから、だれか人にこれを一応譲り渡して打ち切りの一筆をとって事業団に持っていく以外にない、こういう問題が出てくるわけです。そうしますと、その地区は当然水についても異議は申しませんという打ち切りを出すことになる。そうすると炭住地帯には水道が行かなくなってしまう。鉱業権者が自分の持っている炭住なんですから、そういうところには水をやる必要がない、こういう一筆を書いてしまうのです。この炭住地域の水の問題は、一体そのときどう片づけていくか。鉱業権者は自分の炭住ですから、そこに住んでいる労務者は出て下さい、こうなる。ところが労務者は行くところがないから出ない、出ないけれども水は飲まなければならぬ、こういう問題が出てくる。人道上の問題が起こってくるのですが、こういう場合の処置は一体どう処置をしたらいいのか。
○今井(博)政府委員 炭住を合理化事業団が買い上げます場合に、その炭住代の中から、かりにあとの水道代とか電気代とかそういう維持補修代というものがございますれば、一応それを差し引いて買い上げるということにいたしまして、合理化事業団がその経費の中からそういうものを支払うということにすれば、一般的にはいいんじゃないかと思います。買い上げない場合は、全体の評価額からそれだけのものを差し引いて積み立てる、そういうようなことで、あとの炭住の水道代なり電気代というものをまかなっていくということがいいのじゃないかと思います。ただ実際問題としていろいろなケースがあると思いますので、これは実際に出ていけないというような炭住の労務者の場合には、期間が短かければともかく、実際問題として生きている人間でございますから、水道がいかないということについては、何か対策を講じなければならぬと思います。
○滝井委員 炭鉱が閉鎖になりますね。水道の水源地の電気もみなとめてしまうのですから水はこなくなるわけです。しかし一般の鉱害地の住民については、炭鉱は何らかの処置をしなければならぬ。ところが炭鉱に住んでいる労務者については、もう炭鉱が終わったから三カ月で出て下さいというけれども、行く先がないから出ないわけです。出ないけれども水道を切ることはできるわけです。そうして水道についても、水についても異議を申しません。炭住についても鉱害を請求しませんという一筆を整備事業団に出さないと、整備事業団は鉱区の買い上げをやらないのです。自分の持っている家についても出さなければやらないのですよ。従って水と家屋の鉱害については文句を言いませんという一筆を整備事業団に出すわけですから、そこにおける炭住の水道は切ってしまう、電気はもちろん切る。労務者は自分で電気はもちろん切る。労務者は自分で電気をつけることになるわけです。そして電気代は一般住民の鉱害地だけをやる。こうなるわけです。自分の社宅は自分の土山に建っている社宅ですから放置する。こういう問題が解決されていない。そうすると、そこの炭住の居住者は、市町村の住民なんだから、市町村でおやりなさいという理論はできるけれども、市町村も水道を作ろうとすれば、水源地から見つけていかなければいかぬから行き詰まってくる、こういう問題が現実にあるわけです。だからそういうところには、炭住の住民がお金を持っておれば、市営の水道を引いてもらうなり何なりすることもできるけれども、人里離れた炭鉱地帯では水道がないのですから、なかなか簡単にはいかない場合が出てくるわけです。これはここで議論をしてもなかなかむずかしいから、あとでもう少し個人的に議論しましょう。(「今やれ」「重大問題だ」と呼ぶ者あり)それでは今の点について……。
○今井(博)政府委員 これは従来の合理化事業団が山を買い上げます場合には、炭住はほとんど一緒に買っておったわけでありますが、炭住を買いましてもそれの労務者が一定の時期までなかなか出ていかないというケースが多くなりまして、従ってあとは合理化事業団が電気代から水道代から維持管理費を全部持たなければならぬということになり、しかもその炭住は持ったままで、なかなか換価処分できないということになりますので、非常なトラブルを現地で起こしておりまして、これの解決をどうしたらいいかという点が非常に問題になっております。従ってこれは全部合理化事業団が、そういうものを一切あとを背負わなければならぬということとなりますと、非常にいい炭鉱の場合は別ですが、炭鉱にもいろいろございまして、非常な負担となる結果になりますので、炭住を買い上げます場合には、やはりきちんとした整理をしてから買い上げないとうまくいかぬのじゃないかということで、今申しましたような炭住を買い上げます場合には、それがあまり合理化事業団の負担にならないような仕組みを、直ちに考えてほしいということを要望しておったわけであります。従って一般論としましては、その炭鉱のいろいろなものを買い上げます場合に、炭住のそういう整理がうまくいかないというときは、やはり一般的な制度としては、その中から電気代なり水道代というものをむしろ積み立てて差し引きまして、それを事業団が持っておって、あと炭住の何かを考えるということが、私は制度としていいと思いますが、ただおっしゃるように、そういうものを合理化事業団が買い上げない場合の対策ということになりますと、これは鉱業権者と居住しておる労務者との関係でございまして、やはり従来そこに長年雇用関係があって、今日まできておるケースでございますから、その間にやはり何らかの話し合いをしていただいて、合理化事業団が買い上げる場合には、今申しましたようなそういう経費を、合理化事業団に持たしていただいて対処するということをやるよりしようがないんじゃないか。しかし実際には労務者が電気もこない水道もこないということで怒っておるケースが相当あるように聞いておりますが、やはり労使関係でもって一定の話し合いをしてもらってからでないと、それをいきなり事業団でどうせいといわれても、ちょっと今日その対策は私はむずかしいのじゃないかと思います。
○滝井委員 これは現実の問題ですから、私ももう少し研究いたしますが、石炭局の方でも研究していただきたいと思う。 次は、今度六十六条が少し条文整理で変わることになるわけです。今までの六十六条で、この前ここでお尋ねをしておきましたように、いわゆる無資力の認定を受けますと、農地の復旧はやってくれる。その場合に暫定補償、年々補償、こういうようなものは六十六条の無資力の認定を受けても、それはどうですか、国が出してくれますか。
○今井(博)政府委員 出さないことになっております。
○滝井委員 そうすると六十六条の無資力認定をした場合に、農地は復旧だけだ、こういうことになる。この前農林省にここで研究をしていただくようにお願いをしておきました、いわゆる同じ農地であっても畑あるいは果樹園等は復旧の方法がないわけですね。従ってこれはもう無資力の認定を受けたら泣き寝入りなんです。御存じの通りナシやブドウ畑の下を炭鉱が掘ってしまうと、全部脱水が起こってくるわけです。従って今まで最盛期にはりっぱなナシ、ブドウがなっていたのが、ナシなんかこちこちになる。そして木の老衰が早いわけですね。こういう場合に無資力の認定を受けて、鉱害がある農地は復旧をしてもらえるが、畑あるいは花卉、園芸の場合は何もやってもらえない。同じ農産物でありながら農地は復旧してもらえるけれども、片方はやってくれない、こんな不均衡はない。だから農地を何らかすべきだという主張をしましたら、農林省はそれはどうもうかつでございました、研究さしていただきますということに、この前なっておったのですが、それはどういうことになりましたか。
○中村説明員 お答えいたします。農地の中には当然畑地も果樹園も入りますので、当然これの復旧は行なわれることになると思います。今おっしゃいますようにその上の作物が——農地の形は復旧されているけれども作物が減収してくるというふうなことの問題かとお伺いいたしましたが、そうじゃございませんでしょうか。
○滝井委員 田でも、陥落をしたって稲は植えられるわけです。し心し稲を植えてもそこに減収があるから、従って農地を復旧するわけです。ところが果樹園は、木が植わっているから復旧のしょうがないわけです。木を切り倒してまた植えてくれるならばいいけれども、そんなことはやれないわけです。従って無資力認定を受けた場合に、国は田の復旧だけしかやらぬ。農地の復旧はやるけれども、典型的なものはナシやらブドウの果樹園ですが、こんなものは何もしないわけです。これは不均衡なんですよ。農地はもとのように生産力を回復するようにやってくれる。ところが脱水の陥落があって、ナシというもののなりが悪くなる。実の質が悪くなる、こういう問題があるんですから、当然その面については、国は農地の復旧をやると同時にその木についての復旧をやるとすれば、五年分か十年分のお金をやる以外に方法はないと思うんです。ところがそれは全然やっていないんです。これは不均衡だから同じ農地の復旧をおやりになろうというならば、そういう復旧をやらない果樹園や畑については、均衡上何らかの考慮が必要じゃないか。それを何もやらないのはおかしい、こういうわけなんです。家は土盛りをやってやるんです。ところが畑だけ何もやらないのだというんです。ただそれは現金をやることができるかどうかという問題だけれども、それは踏み切って現金をおやりになったらいい。均衡の上からいったって、家も恩恵を受ける。農地も恩恵を受ける。農地の中で特にたんぽは恩恵を受けるけれども、畑や果樹園がその恩恵を受けないということはおかしいじゃないか、こういうことなんです。今答弁できなければ、もう一ぺん研究する余裕を与えてけっこうです。
○中村説明員 お話のように確かに農地の復旧はできますが、その場合においてある程度耕地として地下水位を上げるというふうな方法を講ずることによりまして、現状に近づける、現状といいますか、前の状態に近づけるということはできると思いますけれども、これは私のお答えする範囲かどうかは知りませんが、補償の問題については現行法ではできないんじゃないかと思います。
○滝井委員 凹凸のできているたんぽの効用を回復するために耕地整理をして、りっぱな水平なたんぽにするということでしょう。ナシ畑は脱水陥落で凹凸ができているけれども、木が植わっておるし、大して凹凸が見えないからだれもやらないわけです。それならば、どうせこれは現金は出しているから、農地だって家屋だって土盛りをやるときに金を出すんですから、農地についてお出しになるのならば、その畑地についても、何かその分のかわりをお出しになったらいいんじゃないですかということです。農民が泣いているんですから、それはこだわる必要はないと思うんです。これは、僕がこの前ぜひ研究して下さいと言い、研究しますというお約束だったけれども、まだあなた方はおやりになっていませんから、これはもう一ぺん一つ御研究になっていただきたいと思うんです。いいですね。 次は、買い上げ後の鉱害の処理です。石炭鉱業合理化事業団が買い上げます。鉱害がないものだと思って、もう済んだものだと思って買い上げた。そうして不安定分についてはリザーヴしておるわけです。五千万円あったら不安定分全部片づくと思ってやっておった。ところがあにはからんや一億出てきた。こうなるともう話が進まないんです。これは神ならぬ身ですから……。安定、不安定を分けて、安定分は全部やって、不安定分だけをリザーヴしておったところが、不安定分が拡大してきた。これは浅所陥没くらいならいいけれども、広大な陥没が起こってくる場合があるわけです。そこでこういう場合に合理化事業団は金がないんですね。だから私は大蔵省に来てもらいたいと言ったのはここだったんですが、いらっしゃっていないようですから、石炭局だけでいいです。そうしますと一体この買い上げた後の鉱害の復旧をどうするかということです。これが水の問題、水道にも関連をしてくるんです。それから広範な鉱害復旧にも関連が出てくるわけですが、この場合にやはり思い切って合理化事業団にやらせるような措置をとっておかないといかぬわけです。そうしてたとえば今言ったような水道でもやるという場合には、その国の補助金というものはやはり四分の一とか三分の二ぐらいつけてやるような形でないと、住民の生活の安定はできないわけですね。ですから買い上げの後における合理化事業団所有の鉱区の鉱害は、理論的には当然鉱業権者となった合理化事業団がやることに建前はなっております。ところがこれをけよい出せば赤字を出したということで、あなた方から責められるし、下からは突き上げられるということで、進退きわまってサンドイッチになっている。ここらあたりの買い上げた鉱区というものは見誤まりなんですからやむを得ない。思い切ってやってやる。そのかわりこれを野放図にやりよったらかなわぬですから、野放図にはやらない。厳重にはやるけれども、やはりやむを得ない分についてはどしどし合理化事業団がやる。そうしてその予算措置を毎年幾らかとっておかないと、とてもこれはうまくいかないのです。この点どうですか。
○今井(博)政府委員 おっしゃるように、買い上げ炭鉱の場合は鉱業権が事業団に移りますから、当然鉱業権者である事業団が鉱害の復旧をしなければいけないわけであります。今までにも相当量の鉱害をかぶって事業団が復旧をいたしております。その点それだけの資金不足といいますか、資金的な問題を惹起しているわけでございます。従って山を買い上げます場合に、やはりできるだけ十分な調査をしてそういうことがないようにするのが、われわれとしては第一に考えなければいかぬ問題かと思います。しかし買い上げました後におきまして起きた陥没というような問題につきましては、これは当然に合理化事業団が責任を持って復旧する、こう考えております。
○滝井委員 そこらの予算の措置をやはり合理化事業団の予算面にまできしっと国としてはつけてやる必要があると思うのです。やはりこれを項目に出しておく必要があると思うのです。毎年この程度のものはお前たちの厳重な査定のもとにやっていいというものを出しておかないと、それはできない。 それからそういう場合に、もとの鉱業権者の関係は一体どうなるかということです。莫大な赤字を合理化事業団に背負わしたそのもとの鉱業権者の責任は、合理化事業団としてはどう追及しますか。たとえば一億で買い上げた。そうして七千万円の鉱害があると見て、七千万円だけをリザーブして三千万円は鉱業権者に渡した。ところがあにはからんやそれが一億の鉱害があった。そうするとその三千万円は取り戻す裁判かなにかやりますか。
○今井(博)政府委員 これは買い上げます場合に、その炭鉱とそういう契約を結んでおりますので、求償権を行使いたしまして、その鉱害に見合う金を請求する、こういうことになっております。現に裁判になっているものもございます。
○滝井委員 その裁判の結果はなかなかはかばかしくいかぬのではないかと思うのですがね。そういう形になりますと、もとの鉱業権者は三千万円なら三千万円もらうと、もう雲かかすみかどっかに行ってしまってそこにおらないわけです。それを追っていっても、その金は事業かなにかに注ぎ込んでいて、手練手管でなかなかうまくいかぬという形が出る。そうするとその被害というものは鉱害を受けたその被害にさらに重なってきているわけです。だからその裁判はきしっとおやりになることは必要だと思いますが、前もってやはり鉱害を受けた被害者の救済の措置をとっていただきたいと思うのです。 次は、臨時石炭鉱害復旧法ですが、この応急工事を必要とする場合に、一体応急工事と恒久的な工事をどう分けるかということですね。たとえばこの前の豊州炭鉱のように中元寺川がぽんと陥没した、そうすると、その陥没したところだけを、とりあえずコンクリートで埋めれば河川はどうにか流れていくわけです。ところがずっと大正のころに、私のところに起こった河川の陥没は、非常に範囲が広くて、そうして鉱害の範囲が広くてもはや河川の改修をやらなければ、とてもだめだということになったのです。いわば応急的な措置というものが——ほとんど恒久的な措置をやらなければ、当面の問題はどうにもならぬという状態が出てきたのですね。単に陥没した地帯をちょっと土俵で築いて、そして川を流すというだけではどうにもならぬ、河川の改修をやらなければならぬという大工事になったわけです。従ってこの場合には応急工事と恒久的な工事とを一体どこの限界で区別するかということが問題になるわけです。そのことは同時に、これに出て参りますところの国と自治体との費用負担の問題にも関連をしてくるし、将来それが鉱業権者の負担になってくるわけですから、これは非常に重大な点なんですが、この条文を読んだだけでは、どうもそこらがはっきりしないですね。不可抗力ということなんですから、相当広範に及んでくる可能性があるわけです。そうすると、われわれが頭の中で考える単なる応急的という状態にはいかぬと思うのですよ、炭鉱の現場の状態から考えて。そこで恒久的な工事と応急的な工事との限界を、一体どういうように区別をしていくかということです。
○今井(博)政府委員 これは一がいに言えませんが、今先生のおっしゃいましたように、非常にそれが広範囲にわたって、応急的ではなくて、恒久復旧というものをやらないとだめだということになると、これは応急工事ではなくて、いわゆる臨鉱法でいう復旧工事ということに該当しますので、その場合には復旧工事を極力急ぐということよりいたし方ないと思っております。すなわち応急工事じゃなくて恒久的な復旧工事をできるだけ急ぐ、こういうことより方法がないかと思います。
○滝井委員 応急工事と恒久工事との限界というものは、これはなかなかこういう現場の状態からむずかしくなってくると思うのです。その場合の費用の負担の区分がやはり問題になってくるのですね。 次は、五十三条の三、特定の応急工事に要する費用の特例のところで、五十三条の三の一項に一号と二号があるわけですね。「当該鉱害が天災その他の不可抗力と競合して発生したことその他特別の事情により賠償義務者及びその責任の範囲を早急に確定することが困難であること。」それから二「当該鉱害を放置するときは、著しい被害を生じ、又は民生の安定を著しく害するおそれがあること。」この二つ、一号と二号を同時にこれは満足させなければならぬのか、いずれか一方に該当すれば足るのかということなんですがね。
○今井(博)政府委員 これは両方の要件を満たすことが必要でございます。
○滝井委員 同時に……。わかりました。一号二号同時に満足させなければならぬ。 次は、今までの六十六条が、条文整理をされて、なくなったわけですね。六十六条は削除になったわけです。いわゆる無資力認定は削除になった。そうすると、今度これを四十九条以下の条文に整理をしたのですが、これは六十六条の単なる整理で、今までとその運用の精神、内容は全部全く同じですか。
○今井(博)政府委員 全然同じでございます。
○滝井委員 そうしますと、ここでちょっと確認をしておきたいのは、今までここでこういうことをやったことがあるかどうかわかりませんが、この六十六条の読み方です。この「事業団は、賠償義務者若しくは第五十二条の受益者が事業の廃止若しくは休止、災害その他の事由により資力を有しなくなったため、」こういうことが一つある。それから「五十二条の負担金を納付することが著しく困難であると認められるとき、又は賠償義務者の所在が不分明」とこうなっておるわけですね。事業を廃止したり、休止したり、災害その他の事由と、それから負担金を納付することが著しく困難であると、こうなっておるわけです。これは今までの見解では、破産でなければだめだと、こういう御見解があったわけです。ところがこの条文を読むと、破産ということはどこにも出ていないわけですね。とにかく著しくその納付金を納めることが困難だということは、それは破産ではないので、破産の一歩手前かもしれないのです。だからこれは一体破産の宣告を受けたときにのみ、今までの六十六条すなわち今度は四十九条以下を適用することになるのかということなんです。この見解をここで一つ明らかにしておいていただきたいと思うのです。これは通産大臣が認定をすることになるわけですから、その見解を一つ、破産の場合ももちろん含むのですが、それ以外の場合もあり得るかどうか、です。
○今井(博)政府委員 前の六十六条の規定は、このまま読みますと、もちろん資力がないということをいろいろいっておるわけでありますが、ただこれは国の費用でもって鉱害復旧をやる場合でありますから、どうしてもこの基準を相当限定して明確にする必要がある。そういう必要性から、運用としましてはまあ大体破産の場合にこれが該当するだろうということで、破産の場合以外にはあまりやっておりません。しかしこの条文にございますように、破産とは書いてございませんから、ちょうど破産と同じように、明確に資力がないというふうな認定が客観的にできるという場合には、これはもちろん破産以外の場合でもやり得ることになっておりますから、これは通産大臣がどういうふうに認定すればできる、こういうふうに解釈しております。
○滝井委員 わかりました。実は破産ということになりますと、莫大な借金のある鉱業権者を破産にするためには裁判をしなければならぬわけです。そうしますと、裁判の費用というものが、一つの業者を破産に追い込むために、百万や百五十万円すぐかかってしまう。そうすると、莫大な負債を背負い債務を持っている人を、百万も百五十万も現金を出して破産にしたって、今度あとで競売をしたときに、全部の人が取っても百万か百五十万しか手に入らぬ場合があるわけです。こういう場合が出てくるわけですね。そこで今のような、通産大臣が認定をすればいい、こういうことであればけっこうです。 これで、あともうちょっとですが、石炭鉱山保安臨時措置法の四条ですが、「通商産業大臣は、石炭鉱山における保安を確保するため、この法律の施行の際現に鉱業を行なっている採掘権者又は租鉱権者について、」いろいろな総合的な調査をやるわけですね。経理的な基礎、技術的能力、それから石炭の鉱量、品位、鉱床の状態、その他自然条件に関する事項というようないろいろな調査をやるわけです。こういう調査はなかなかしろうとではできないことになるわけです。おそらく石炭局のすべてを動員をしなければ、あるいは地方の通産局のすべてを動員しなければできないと思うのですが、一体この調査をだれがやるのか、そしてその機構は一体どういう機構になるのか。
○小岩井政府委員 四条にうたっております調査団の編成内容でございますが、もちろん現在考えておりますのは官庁関係だけで編成するつもりであります。中央、地方一体になりまして、中央からは石炭局、鉱山保安局から一名ずつ、現地機関からは通商産業局——通産局と監督部で四名をお願いしたい、問題の内容によりましてはあるいは監督部二名、通産局の方から生産、鉱害から一名ずつ、こんなような形になるかもしれませんが、場合によりましては監督部三名、通産局一名、この現地機関の四名は問題に応じて適当に考えたい、こんなふうに考えております。
○滝井委員 わかりました。そうすると、そういう調査をおやりになることになって、そうしていよいよ相当の金が要るということになって、石炭鉱山の整理交付金を交付することになるのですが、この交付金の予算額はどの程度お見積もりになっておるのですか。
○今井(博)政府委員 交付金はまだ現在予算措置は終わっておりませんけれども、これは第二次的に予備費でもって予算を確定したい、こう考えております。ただ、トン当たりどのくらいにするかという予算の目途としましては、一応トン当たり、鉱業権については六百円、租鉱権については四百円、そういうことを一応目途にいたしておりますが、山の数がどのくらいになるかとかいうこともございまして、予備費の予算措置としてはまだ確定しておりません。
○中川委員長 この際午後一時半まで休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 ————◇————— 午後一時五十一分開議
○中川委員長 休憩前に引き続いて会議を開きます。 石炭関係六法案に対する質疑を続行いたします。井手以誠君。
○井手委員 石炭関係六法案について、特に鉱害問題を中心にお伺いをいたしたいと思いますが、その前に、石炭の運賃について関係大臣にお伺いをいたしたいのであります。 まず通産大臣にお伺いいたしますが、石炭価格の千二百円の引き下げ、この方針は今でも厳として変わりはないと承っておるのでありますが、その場合、いわゆる運賃が平均百五十円下がらなくては千二百円の引き下げというのは困難になるのであります。平均いたしまして運賃は百五十円だと思っております。そこでお伺いしたいのは、三十八年度までに運賃は百五十円引き下げる、生産価格は千三百円引き下げ、利潤その他を含めて千二百円の炭価を引き下げるということは、すでに政府から発表されたところでありますが、その点に変わりはございませんか。
○椎名国務大臣 百五十円というのは流通経済の部面における合理化の合計でございまして、もちろんその中では運賃が大部分を占めるものと考えております。そういうことを考慮に入れて、大体御指摘のような点は変わりございません。
○井手委員 ところが各方面でずいぶん問題になっております鉄道運賃の引き上げに伴う石炭運賃の引き上げ、これはトン当たり六十四円六十銭、こう承っておりますが間違いございませんか。
○椎名国務大臣 大体その程度だと思います。
○井手委員 流通部面における引き下げの中に、鉄道運賃というのは非常に大きな部面を占めておるのであります。従って鉄道運賃が六十四円六十銭上がったままでは、とても石炭の合理化というものは政府の企図通りできないことは明らかであります。そういう事情から石炭運賃の引き上げを何とかして据え置こうという要望なり要求が非常に強うございます。政府においてもいろいろと相談をされておるようでありますが、すでに日にちもたって参りました。今月も月末になって参りましたが、政府においてはこの石炭運賃の問題についてどのように今日話が進められておりますか、その点をお伺いいたします。
○椎名国務大臣 まだ具体的に結論を得ておらない段階でございます。ただし運賃の引き上げによる負担増につきましてはできるならば、これも合理化によって吸収し得ないかという点をいろいろ考究したのでありますけれども、きわめて至難である。でございますから、今日の段階におきましては、その値上がりによる負担増は実質的に何らかの方法によって、これが負担増とならないようにしなければならぬということで寄り寄り協議を進めておるような次第でございます。
○井手委員 私はここで欧州方面における石炭対策を引例しようとは思いません。今お話のように、合理化の面では六十四円の運賃引き上げを吸収することはきわめて至難であるという通産大臣のお言葉でございました。そうなれば何らかの方法で引き上げになった運賃を引き下げて従来通りの運賃に据え置かなくてはならぬと思うのであります。しかしいろいろ情勢を考えて参りますと、国鉄だけにこれを負担させるわけには参らぬと思います。石炭合理化が政府にとって至上命令のようなものでありますならば、これは政府自身が全部国鉄に負担させるというわけには参らない。そこで承るところによりますと、国鉄においても、そういう政府の何らかの方法があれば協力してもよろしいという意向に向いておるように承っておるのであります。 運輸大臣にお伺いをいたします。国の施策によって運賃を引き下げねばならない場合、政府が全部ではございません、運賃値上げに伴う分の一部を負担するようになりますならば、国鉄においても石炭合理化の国策に協力する意味において若干の負担増はやむを得ない、協力なさるという御意思がおありになるかどうか、歩合は知りませんけれども、たとえば先般傷痍軍人に対しては厚生省を通じて負担が行なわれました。この場合は全額国庫とは言えないかもしれませんけれども、国が一部補給しよう、その分を持とうというならば、国鉄も相当部分を受け持たれる御用意がおありになるかどうか、その点をお伺いいたします。
○木暮国務大臣 お答えを申し上げますが、このたびの運賃改定は言うまでもなく、国鉄といたしまして輸送力の増強のための自己資金を捻出するというために一律に運賃の改定をいたしましたような次第でございまして、個々の物資につきましていろいろ問題がございますが、この個々の物資につきましてこれを動かすというようなことになりますと、すでに国会の御協賛を経ました運賃改定の根底をゆるがすことになるようなことは御承知の通りでございます。また御承知の通り、わが国の国鉄の運賃の体系の上から申しますると、石炭の運賃というものがすべての運賃の基礎になっておりますので、これに手を触れますることは、今回の運賃改定というものを根本からゆるがすことに相なる次第でございます。石炭の問題に、今度の運賃改定によって重要な問題を含んでおるということはよく私は存じておるのでございまして、当委員会あるいは連合審査会におきましても、常に私が申し上げておりまする通り、国鉄運賃の負担というようなものによって石炭運賃が上がりました分は、企業者の努力とか、あるいは石炭合理化というようなことによって、できるならばこれを吸収してほしい。しかしながら、それが企業者の努力により、また合理化によりましても、石炭運賃の改定による負担増というものを吸収することができないような不可能の部分につきましては、石炭合理化の問題というものは通産行政の問題でございますが、わが国の大きな産業政策の問題でもございますので、閣内におきまして、できるだけ私も協力いたしたい、こういう考えを常に披瀝いたしておるような次第でございます。ただいま通産大臣から御答弁がございましたように、この問題については関係各省また経済企画庁の間において話し合いが進んでおりまして、何か石炭対策に対する一つの総合的な施策というものを作り出そう、そういう場合の一環といたしまして、国鉄として分に応じて協力をいたすことはやぶさかでないという考えをもって、私はこの問題を解決いたしたい、こう考えておる次第でございます。
○井手委員 合理化によって運賃の値上げを吸収することは至難であるということは、先刻通産大臣もお話しになりました。従ってあなたの方で総合対策ができるならば協力を惜しまないということ、さようでございましたね。 そこで通産大臣にお伺いをいたしますが、石炭運賃というものの問題の解決はきわめて急を要する事柄でございます。話がきまるまで、これを現状のまま、値上げのままで済ますということではいけないと私は思う。これは石炭業者にとって大きな圧迫であると思う。またこのままに進んで参りますと、その分だけは勢い労働者の待遇にしわ寄せされることは明らかであります。私も石炭関係者から多くの不満なり抗議を受けました。この対策の決定はきわめて私は急であると存じまするが、政府において話し中ではありましょうけれども、話がきまるまでこれを待つというわけには参らないと思います。もう二、三日うちに六月に入るのでありますが、とりあえず、その値上げ分については石炭業者に料金の延納を認めるという措置が必要ではないかと私は思うのであります。そうすることが私は政府の考えられておる石炭合理化を達成される道であるとも考えるのであります。話し合いが済んでから清算されていいでしょう。ここで政府は、合理化で吸収できないのであるから、その分は関係者相寄って協力し解決をするから、とりあえずその値上げ分の料金の延納を認めるという措置をとられることが、私はこの際政府のとるべき対策ではないかと思うのでありますが、この点に対する通産大臣の所見を承っておきたいと思います。
○椎名国務大臣 至急に妥結案を得るべく協議を進めたいと考えておるのでございますが、今お話がございましたように、話が済むまでじんぜんとして日を送ることはできないのだという点につきましては、まことに御同感でございます。できる限り早く話をまとめるようにいたしたいと思いますが、その過程において、何らかとるべき方策がございますれば、もちろんそれも考えてみたいと思います。負担増の部分についての支払い猶予というような点も、きわめて適切な考え方であると考えますので、それらの点につきましても、至急考究してみたいと思います。
○井手委員 大体通産大臣としてはいつから実施なさるつもりですか。急ぐ理由については今も申し上げましたが、おそくとも六月一日からやりたいというお考えでございますか。やはり政府の時期的な方針くらいは明らかにされぬと、政府の石炭合理化に対する誠意がわからないと思う。話し合って、方法についてはいずれ円満な解決を見るといたしましても、やはりすみやかにその措置を講ずることが非常に必要と思いますが、六月一日から間に合わない場合には、六月一日からは延納を認めるという措置をおとりになる御用意があるかどうか、両大臣から、十分話し合われてけっこうでございますから、この機会にお伺いをしなくては、またその機を得ることもございませんし、また石炭対策という重大な面からいきましても、また石炭六法案の審議を円滑にする意味においても、これは非常に重要でございますから、十分御研究の上に、この際態度を明確にしておいてもらいたいと思います。
○椎名国務大臣 いずれにしましても、この問題は全般の問題として早急にきめなければならぬことでございます。しかし、六月一日からどうかというお話でございますが、それは今直ちにお約束はできないと思います。どうしても、六月に入りましても早々にきめたいと考えている次第でございます。
○井手委員 私は何も無理なことを聞こうとは考えておりません。ここで国が半分持て、国鉄が半分持て、その返事を聞こうとは私は考えておりません。しかし石炭対策の重要な段階でございますし、また本国会において政府提案の四つの法律案を審議中でございます。従って、総合対策がきまらないまでも、その時期ぐらいは明示できないはずはないと私は思うのです。ただいま六月早々というお話でございますが、延納を認めるという程度のものであれば、六月から一つの措置をとりたいという程度の御答弁ができないはずはないと私は思います。運輸大臣も協力しようとおっしゃっておる。私はこの点について非常に重要でございますから、いましばらくお聞きをしたいと思います。十分大臣もお考えの上に御答弁が願いたい。
○木暮国務大臣 私は先ほど申し上げましたように石炭問題は非常に重要な問題で御指摘の通りでございまして、石炭合理化の問題は、これは通産行政に関する問題でございますので、通産省の方から具体的な問題が参りますれば、先ほど申し上げましたように国鉄運賃改定による石炭運賃の増額を、企業者の努力あるいは合理化によってどうしても負担し得ざる分に対しましては、国鉄としても協力させるように指導していきたい、こう考えておりますようなわけでございます。これはちょっと世間では石炭の運賃を農林水産物のように暫定割引のようにしたらどうだというような、一応御意見もよくございますけれども、国鉄運賃法の八条によりますると、国鉄の経営にごくわずかな影響のあるようなものである場合には、国有鉄道だけでこの変更を差し許すということが書いてございますので、今回の値上げによりまする石炭運賃の増というものは相当の、二十数億、三十億の金額になっておりますものですから、この法律の趣旨から申しまして暫定割引というようなことにもいくまいと考えます。従いまして通産省を中心といたしまする各省の連携のもとに、総合的の国策によって石炭合理化を進めていく方途が考究されました場合には、分に応じまして国鉄としてもこれに協力するように指導をいたしたい、こう考えておる次第でございます。
○井手委員 それでは運輸大臣に重ねてお伺いをいたしますが、協力なさることはわかりました。そこで通産省の方から対策を示されるならばという言葉がございましたが、早急に一両日でも対策が示されるならばいつでも協力する用意がある、かように理解してよろしゅうございますか。
○木暮国務大臣 ただいま御調の通りに私どもの方はこの石炭問題の重要性をよく認識しておりまして、閣内における国務大臣として、国策が総合的にきまって対策ができまするならば、国鉄としてもこれに協力することにやぶさかでない、こういう態度で指導していきたい、こう考えております。
○井手委員 運輸大臣の意見はわかりました。石炭の合理化で企業の努力で吸収し得ない分がありますならば国鉄も協力しましょう、通産大臣の方から案をお示しになるならば、すみやかに協力しましょうということでございますから、あなたの方が具体案をお示しになるならば明日でも実行できるという状態にあることが明らかになって参ったのであります。 そこで先刻も申し上げますように、その比率であるとか具体案というものを、私はここで直ちに聞きたいのですけれども、聞くわけには参りません。これはあえて私は求めませんけれども、時期というものは非常に重大でございます。通産大臣、これは通産行政あなたの責任ですから、あなたがこうしたくちゃならぬという意思が決定いたしますならば、おのずとそこには解決の方法が見つかってくると思うのです。千二百円の炭価引き下げが絶対至上命令的なものであるならば、当然そこにこなくちゃならぬと思うのです。どうですか通産大臣、六月からそういう何らかの方法を実行するという御意思がおありになるかどうか、合理化で吸収着きない部面については何らかの方法で解決をするという決意がありますかどうか、その点をお伺いいたします。
○椎名国務大臣 できるだけ早く問題を解決する重大決意をしておるわけでありますが、しかし手がかりというものはやはりあるので、実はけさ九時から経済閣僚懇談会が開かれたのでありますが、経済企画庁発表の月例報告の話のあとにこの問題について懇談をいたしたのであります。やはりこれは当面の利害関係の通産省からこの案はどうだというようなことよりも、経済企画庁というような中立的な立場の総合調整官庁があるのですから、そこでやってもらった方が問題の解決は早いのにやないか、もちろんただおまかせしてこっちが遊んでおるというのではない、非常な熱意を持っているのだから、要求されればいかなる資料も提供する、だから企画庁の方で取りまとめてほしいということを、きょうは正式に持ち出しまして、関係各相のいる前で、経済企画庁も、もちろん運輸大臣も御同意の上でございます。そこで至急に対策をまとめるということになったのでございます。 なおその経過は以上申し上げた通りでありますが、井出さんの御提案になっておる延納の問題でございますが、まずこういうことが可能であるかどうか、それからまた可能であるにしても、一体幾らを延納するのだということになる。でありますからやはり根本的にはあなたのお話しになったように、国鉄だけでこれは負担ができないかもしれぬ、だから政府全体としてあとはこれを補うというようなことが必要であろうというようなことをお話しになりましたが、そういったようなことがまずきまって、そうしてさてそれでは今直ちに手が打てるかどうか、打てないとすると延納の対象はどの程度であるか、そういったようなことに話がいくのでございまして、いずれにしましてもこういったような問題を総括的に、至急に経済企画庁を中心にして話を進めて参りたい、かように考えております。
○井手委員 そこで、あなたの方のお考えもほぼわかって参りましたが、問題は、決意と時期なんです。先刻通産大臣は、六月早々にはというお話があったが、六月早々にはというのは、上旬のうちでも早い時期であると考えられるわけであります。六月早々には何らかの方法を実行なさる御意思でございますか、その点だけ、はっきり言明願いたいと思います。
○椎名国務大臣 今申し上げたように、経済企画庁に取りまとめをおまかせしたのでございますから、われわれは、希望としてはもう六月早々、何なら五月のうちにもと、こう思うのでありますけれども、われわれの方としては、あらゆる資料を準備して、もし必要とあればいつでも提供する、こういう態勢にあるのであります。
○井手委員 それでは、その問題は企画庁の長官が、追って見えるでしょうから、それまで保留をいたしまして、せっかく自治大臣がお見えになっておりますから、繰り上げてお尋ねをいたします。 産炭地の問題でお伺いをいたします。産炭地の振興対策について、政府の今回の提案は、私ども非常に不満の点が多いのでありまして、今いろいろ折衝を進めておるのでありますが、その中で、自治省に関係する地元市町村の対策——鉱工業を誘致しようということについては一応案が出ておるのでありますが、私どもの調べたところによりますと、石炭合理化に伴う企業の不振、炭界不況、あるいは閉山、廃山による市町村税の減収、一方においては生活保護を受ける者、失業対策、鉱害復旧等の特別の支出が非常にふえておるのであります。収入は減る、支出はどんどんふえて、最近の調査によりますと、全国には収入減が六億二千五百万円。そういう石炭界の不況、廃山に伴う収入減が六億二千五百万円、支出増が十八億八千百万円。従って、この困った市町村に対する政府の対策が、関係市町村からも久しい間要望されて参りました。当然、この産炭地振興の対策には、この市町村の財政状態に対する何らかの措置があるべきものと関係者は期待をいたしておりましたが、法案を見て参りますと、何らその点に触れていないのであります。自治省は一体この地元市町村の財政の状態について、どうお考えになっているか、どういう措置をなさろうとするのか、この点をお伺いいたします。
○安井国務大臣 石炭界の不況に伴います各自治体の窮状については、それぞれ実態もできる限り調査をいたし、また、それに対する対策も極力やっておるわけでございますが、今御指摘の通りに、収入減に当たります固定資産税の減であるとか、あるいは鉱産税の減であるとか、こういうものに当たります分についても、特別交付税等で相当、年度末にかげんをいたすということを考えております。さらに、逆に支出のふえました分、失業対策あるいは生活保護費、その他鉱害等によります分につきましては、これは、それぞれ基本的には三分の二なり、あるいは一〇%の国の補助金が自動的に出ると思います。それにしましても、その差額の、不足分につきましては、やはり交付税等の面から補給していかなければなるまい、そういうふうに考えております。 それから、新しく興ってきます今度工場を誘致するという場合に、とりあえず、必要な土地取得等に対する便宜供与とか、あるいは固定資産税等に対する減免措置、それには、それぞれ適切なこの法の精神に合うような措置を自治省としてもやるつもりであります。
○井手委員 理屈の上では、一応収入減、支出増については対策を立てておる、私もそれは何回も説明を承っておりますが、市町村財政はなかなかそう理屈通りには参らないわけであります。たとえば、私はこの委員会で二回ほど申し上げたのですが、鉱害地において飲料用が枯渇してしまう。鉱害復旧は簡単にできない。しかし、水は何とかしなくちゃならぬ。灌漑水、飲料水です。その場合にはやはり市町村が相当分を負担して応急措置を講じているという例がたくさんあるのであります。だから、理屈の上では国の負担、地方の負担がきまっているから、それはそれでやるとおっしゃいますけれども、そんなことで世の中がうまくいくものではありません。こういう十八億にも上る支出増、あるいは収入減に対して、せっかくお作りになった産炭地域振興法案でありますなら、やはり何らかの措置をこの法案に盛るべきではなかったか。自治省は、この鉱害市町村等については交付税で操作をすれば何とかいけるであろうという、そういう甘い考えでありますか。
○安井国務大臣 これは今のそれぞれ各省のいわゆる国の補助金というものともからんでくると存じますし、また、交付税だけでいけるとも思っておりませんので、その差につきましては、たとえば今の水道の施設をやるというような場合に、特に必要なれば特別な起債を認めていく、融資の方をあっせんするといったようなことも、あわせて考えていくつまりであります。
○井手委員 起債だって幾多の制限があるのです。金額の制限があろうし、ワクの制限があるでしょうし、あそこに三十万円出さなくちゃならぬ、ここに五十万円出さなくちゃならぬと、一一起債でまかなえるものではない。そういうものが非常に累積している、そういう鉱害市町村においては。私は、きょうはこれが本題ではございませんから、ただ、鉱害市町村、産炭地、その地元の市町村が非常に困っておるというこの事態をもっと大臣は一あなたは都の人ですから九州と北海道のことはあまり御存じないと思いますが、産炭地に行ってごらんなさい。大へんですよ。私はこの程度で終わっておきますが、ときには産炭地の悲惨な実情——先刻滝井君からもお話がありましたが、炭鉱を買ったからあとはよいじゃないかとおっしゃるけれども、炭住に生活しているものは翌日から電気は切られてしまう、水道はとめられてしまう。その措置が通産省では今日できない。しょうがないから市町村で負担してやったり、いろいろ交渉したり折衝の上に市町村が若干の負担をする。給付金を出し、いろいろなことをして電灯をつけたり水を回している、こういう状態です。この際私があなたにお願いしたいのは、ときには今お話があった惨たんたる産炭地の実情を見てごらんなさい。そして十分なる——十分とは申しませんけれども、鉱害市町村、産炭地の市町村が何とか一人前にやっていけるような、明るい希望が持てるような指導を特にお願いしたいと思います。 どうぞお引き取りを願いたいと思います。
○安井国務大臣 いろいろお話がありましたが、御趣旨に沿いまして、できるだけやりたいと思います。
○井手委員 それでは石炭合理化の問題、産炭地その他についてはあとにいたしまして、保安対策をお伺いしたいと思います。 今度の石炭保安対策費が予備費から出されておることについての問題は本日は触れません。しかしこの対策は今年だけで終わるものではないと思いますが、通産大臣にお伺いいたしますが、この石炭保安対策は、ここで言明はできませんでしょうけれども、秋に予想される臨時国会で、主務大臣としては一般補正に切りかえられるお考えをお持ちになっておるかどうか、またこの保安対策は、もしそれができないにいたしましても、三十七年度予算の場合には、これを一般会計に引き継ぐというお考えがおありなのかどうか、お伺いをいたします。
○椎名国務大臣 予備費の支出の三億七千万何がしについては、これはあらためて組みかえるとかいう必要はないと私は思います。予算措置としてまだ問題が残っておりますのは終閉山の対策費でございます。この問題はたびたび委員会等において御説明申し上げた通り、とりあえず終閉山の候補者たる炭鉱について十分に急いで調査をいたしまして、その調査の結果に基づいて、予算措置を講ずる必要がある、そういう場合には、金額にもよりますけれども、予備費で間に合うか、あるいはまた適当な機会がありますれば、補正予算で措置すべきものと考えます。
○井手委員 それでは項目を分けてお伺いいたしますが、この保安対策費は、すでに予備費で支出されておるから、本年度補正予算として切りかえる考えはない、そういうお話のようでありましたが、それではこの保安対策費は、三十七年度においてどうなさるのですか。一般会計の予算として予備費から支出された保安対策費は引き継がれるお考えですか。
○椎名国務大臣 予算編成時期までに、またわれわれが考えておる以上のことが、もし起こりますれば、それに対してはまた考えなければなりませんが、少なくとも今からわかっておるのは、終閉山の対策費は、今年度では完成しないと思います。やはり三十七年度、場合によってはそれ以降にかかるものができてくるかもしれませんが、これらの問題につきましては、当然一般予算において考えたいと思います。
○井手委員 石炭局長、そばにいらっしゃるから、一つ十分補佐をして答弁してもらいたいと思うのです。大臣、それではお伺いをいたしますが、保安対策費、閉山、廃山の問題は別にいたしますが、三億七千万のこの保安対策費、これはもうこれで大体終わったとお考えになっておりますか。なお不足の分は第二次に、保安対策費を——廃山、閉山は別ですよ、お出しになるお考えですか。次々に第二次、第三次の対策費を打ち出しますとおっしゃっておった。通産大臣、あなた三十四億円というあの参議院における言明の数字には、それはずいぶんほど遠いのですよ。
○椎名国務大臣 おもなる支出項目としては終閉山と考えておりますが、合理化事業団への出資、本年度は二億六千万、これはあるいは引き続いて考える項目かもしれません。それからまた実態調査を引き続いてやりますから、そう大した金じゃありませんけれども、これは当然組まれることと思います。 それから保安専用機器等については、一応行き渡るつもりではおりますけれども、これらにつきましても、なお十分に実態を調査した上で、三十七年度において引き続き行なうことになるかもしれません。
○井手委員 保安対策費は、ガス警報器等いろいろな問題がありまして、とてもそれぐらいの予算では足りないと思います。ここで幾らあと出すかということを要求いたしましても、簡単に返事はできないと思いますからこの程度にとどめておきますが、もっと第二次、第三次と、約束通り保安対策費は予備費からでも何からでもけっこうですから出してもらいたい。 それから三十六年度は予備費で出された。私がお伺いしておるのは、定員を中心としてこれが予備費で出された場合には、三十七年度の予算にどうなるかという点が非常に不安な点があるのです。今度五十人か増員なさる場合に、身分保障その他についていろいろ問題があろうと思います。そういう意味で私はお伺いしておるのですが、三十六年度の予備費から出されたその予算は、保安対策費というものは三十七年度の一般会計で引き継がれるお考えであるかどうか、その点をお伺いしておるわけです。
○椎名国務大臣 当然引き継ぐことになります。
○井手委員 その定員を確保なさる見込みがおありになりますかどうですか。本年度は監督官が五十四名、それから事務補助ですか、二十五名という予定の半分程度でありますが、確保できる見通しでありますか。
○小岩井政府委員 鉱務監督官の人員の増強につきましては、当初私どもが考えましたのは、巡回の監督を倍増する、それから九州のごとき特殊環境にありますところは、必要に応じて二人を原則としてやる、こういった観点から、百十九名を当初要求いたしました。ただその充員の見通し、その点に非常に難点がございまして、過般の監督部長会議におきまして、現地の部長に増員の点を十分ただしましたところ、なかなか半分も充足は困難であるというような建前から、大蔵省への折衝としましては、今年度分といたしまして五十四名という数字に切り下げたわけであります。しかしこの五十四名もなかなか充足の点で目下急速な検討を続けておりますが、私の方の内部におきましても監督官には特殊な条件がついておりますので、でき得る限り資格のある者を監督官に任用がえしまして、なお不足の分は業界からも一部補充を依頼いたしまして、大体四十名前後くらいは充足がつくのではないか、かように考えております。なお、残余の分につきましては、来年度の予算に要求をいたすつもりでございます。
○井手委員 定員の充足その他については、通産省の責任でやってもらわなければならぬ問題ですから、一つ間違いのないように確保していただきたいと思います。 次に、いろいろ問題はありますが、時間の都合がございますから、鉱害問題で若干お伺いいたしたいと思います。 説明によりますと、鉱害の量がかなり残っておるし、また今後もどんどんふえる見通しでありますが、政府の今回の説明と、昨年の暮れまでに石炭鉱業審議会鉱害対策部会並びに通産省石炭局で出された鉱害の量と若干違いがあるようです。私どもは、今日でも二百四十億円くらいの鉱害がある、今後毎年二十億、三十億の増加が予想されて、今後十カ年の間には五百六十億円の鉱害になると聞いておりますが、その数字はどうでしょう。
○今井(博)政府委員 先生の御指摘になりましたように、既発生鉱害量二百六十三億、将来発生鉱害の予測量としまして二百九十九億、合わせて五百六十二億という数字を昨年の審議会に提出いたしております。その数字においては変わりございません。
○井手委員 五百六十二億そのもの全部を復旧するわけには参らぬでしょう。けれども、これだけの鉱害を、少なくとも予定された十カ年の間には、四十八年度ですが、その年度くらいにはやはり臨鉱法の建前からいっても完了する見通しを持たなくてはならぬと私は思います。やってみて若干残る場合はいたし方ございません。狂った場合、その後の鉱害発生が予想よりも上回った場合はいたし力ありませんが、今日の場合においては、その十年間延長された期間内にこれを解消するという見通しを持たなくてはならぬと思います。いわゆる鉱害復旧工事は、今日では八億か九億程度でありますけれども、今後もっと何倍かの鉱害復旧をしなければならぬと思いますが、いかがでありますか。その点に対する数字並びに決意をお伺いいたします。
○今井(博)政府委員 既発生鉱害量につきましては、これは相当確定した数字でございますので、このうちで安定した鉱害は約二百四十億程度になると思います。これは臨鉱法あるいは自己復旧その他いろいろな形を通じて、極力復旧に努めたいと思っております。第二に将来発生の鉱害量としまして二百九十九億、約三百億の鉱害量が発生するだろうと申し上げましたけれども、この数字は、調査をいたしましたときに、一応原形に復旧するという場合に、どのくらいの鉱害の量になるかということを中心に調査をいたしましたので、実際に効用を回復するという見地から見ますと、この三百億のうちの半分かあるいは三分の二か、その程度にとどまるのではないかと予想いたしております。しかし、そういたしましても、この合計をこの十カ年間に全部復旧するということは、ちょっと不可能ではないかと思っております。しかし、現在の鉱害の予算をこれからできるだけ毎年ふやしていきまして、この鉱害量の残るのをできるだけ少なくしたいという気持でやっております。鉱害の復旧量は逐年ふえて参りまして、最近では、臨鉱法でやります量、自己復旧あるいは打ち切り賠償、そういうものを合計いたしますと、毎年約二十八億程度の鉱害の復旧量になっておりますけれども、これをさらにふやしていきまして、今後鉱害の残るのをできるだけ少なくしたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○井手委員 大臣にお伺いをいたしますが、今お聞きの通り、鉱害復旧を要する既発生鉱害は二百四十億円、さらに今後三百億円の発生を予想されるもののうち、二百億程度は復旧しなくてはならぬであろうという石炭局長の答弁でございました。そういたしますと、合計四百数十億円のものを、この臨鉱法の目標としておる昭和四十八年度までには一応解決しなくてはならぬという決意を通産大臣は持たねばならぬと思います。私は特段の努力が必要であると考えておりますが、大臣の決意はいかがでございますか。
○椎名国務大臣 数字の点からいいますと、倍とまではいきませんけれども、相当これに近いものをやっていかなければならぬという現状でございますから、この点は今後できるだけ努力いたしまして目標を達成したいと考えます。
○井手委員 大臣の答弁はたよりないようなぼそぼそしたお話で、どうも……。 そこで午前中滝井委員から質問がありました今度の改正案の応急工事でありますが、こういう場合はどうなりますか、この例が非常に多いのです。鉱害であると一般には常識的に思われるものが、科学的な調査が進まないために鉱害の認定が非常におくれておる、こういう例が非常に多いのです。たとえば、その周辺に地すべりがなくても、ここは地すべり地帯であるから、鉱害とはにわかに断定できないということがよくいわれるのです。いま一つは、昨年あなたの方にもいろいろお世話になりましたが、多久のような問題、炭鉱が掘進を進めて参りますが、鉱区が隣接しておりますから、どちらの方の炭鉱が加害炭鉱であるか明確でないという場合、しかし実際には灌漑用水もない、井戸の水も枯渇してしまったという場合には、それは加害者がはっきりされないから、にわかに鉱害としては認定できないというのが多久の問題である。そういう例が非常に多いのです。先刻一号と二号という話もありましたが、この場合はどうか、お伺いをいたしますが、急に灌漑水がなくなって植付ができないというようなものは、今度の緊急事態と認められるかどうか、応急工事に該当するかどうか。灌漑水も非常に減っており井戸の水も枯渇して非常に支障を来たして自衛隊の出動を求める、そういう場合は、この緊急事態における応急工事として該当するのでしょうか。
○今井(博)政府委員 この緊急認定制度に該当すると思います。
○井手委員 それでは、鉱害課長はまく御存じでしょうが、多久の場合は該当するわけですね。
○今井(博)政府委員 これは灌漑用水の非常に枯渇しておる状態の問題が、非常に緊急を要するかどうかという、その認定の度合いにかかると思います。いま一つは、この鉱害の復旧は第一の原則が話し合いということを基礎にして行なわれておりますので、割合話し合いが簡単につきそうだという場合には、この緊急認定制度を活用することは一応差し控えまして、その話し合いを急速に進めるという方向で、やはり問題を解決したいと思います。ただいまおっしゃいました多久の事態は、われわれも初めは緊急認定制度を考えましたときに、やはりこの多久の問題を念頭に置いてこういうふうに立案をした次第でございまして、それが先ほど申しましたように、水の問題が非常に緊急で放置できないという事態でございますならば、この制度を活用したい、こういうように考えます。 〔委員長退席、小川(平)委員長代 理着席〕
○井手委員 緊急事態であるかどうかということは、あなたも局長ですからもうおわかりだと思うのですが、百姓にとってたんぽの水がなくなったという場合は、これは緊急事態です。井戸の水がなくなったという場合は緊急事態です。緊急事態でないというのは、山奥のいわゆる水利を得ておったり、畑が若干あるという程度、そういう場合には緊急事態でないかもしれぬ。しかし水田の場合、飲料水枯渇の場合、これはいかなる場合でも緊急事態です。そういうことをやはり念頭に置いて認定をしてもらいたい。 次にお伺いをいたしますが、今度の改正は十カ年間の延長になっております。申すまでもなくこの臨鉱法は鉱業法の補完法であると私どもは理解をいたしておるのであります。今進められておる鉱業法改正は、この臨鉱法は別建になさる、補完法として存続なさる御意思であるのか、あるいは鉱業法に全部吸収して、りっぱな鉱害対策を含めた鉱業法になさろうとするお考えであるか、この点をお伺いいたします。
○今井(博)政府委員 現在の鉱業法の建前から申しまして、やはり鉱害の基礎的な理念とか、そういう鉱害の本質については鉱業法の中に規定を設けますが、現在の臨鉱法の考え方の基本でございまする国土の復旧という観点からいたしますと、鉱業法とはおのずから別の体系の法律になりますので、鉱業法の改正の場合にもこれに吸収するという考えはございません。やはり臨鉱法をできるだけ改正しまして、これをりっぱなものにしたい、こういう考えでございます。
○井手委員 今度の改正案によりますと、期限の延長、緊急認定の二つが中心になっておるようであります。非常にけっこうなことですけれども、私はここでなお足りないものとしてお尋ねをいたしたいのは、予防措置のことが欠けておる。起こったものを何とか緊急措置をしなくてはならぬというよりも、むしろ鉱害が起こりそうな場合は予防措置をとらなくてはならぬ、鉱害が起きないような設備なりあるいは対策を講じなくてはならぬことは、これはわかりきったことであります。当初通産当局はそういう予防のために炭鉱が資金に非常に困っておりますので、資金の貸付の制度、あるいは鉱害金融公庫と申しますか、そういう融資の制度をかなり大きく考えられておったようでありますが、それはどういう意味でなくなって、緊急認定だけになったのか、その必要がなくなったと私は考えたくはないのでありますが、それはどういう理由によりますか。
○今井(博)政府委員 鉱害の資金について金融機能を、さらに強化したいということはかねがね考えておりまして、先生の御指摘のように初めはそういう案も考えておったのでございますがへ鉱害の関係で一つの金融公庫を作るということは、いろいろな関係がございまして非常に困難でございますので、一応金融公庫を作ったりそういう新しい措置は断念いたしまして、そのかわりに現在鉱害復旧事業団が一般の預金部から金を借りておりますが、今までは県を通じましての転貸で、しかも非常に短期の金融を行なっておる、こういう次第でございます。これを預金部から直接に借りて、しかもそれを長期な金融に切りかえるというようなことをいたしまして、一応この金融機能を強化するということの一歩前進をはかったわけでございます。それからいま一つ鉱害の予防措置につきましては、たとえば鉱業権者がシックナーを設置する、そういう場合の設備資金を、やはり鉱害の金融という考え方から、こういうものにも金を貸して、何とか鉱害の予防もやらせたいということを考えておりましたが、先ほどのような金融公庫というふうな抜本的な解決にまで至りませんので、この点は現在の復旧事業団というものを活用して、何らかのそういう金融機能を果たさせたいと思って検討はいたしておりますが、まだ各方面との折衝の結果こういたしますというところまでは参っておりませんが、やはり鉱害の予防についても、いま一段と工夫をこらしまして、できるだけ早い機会にそういう措置をとりたいと考えております。
○井手委員 先刻も午前中滝井君から御質問がありましたが、応急工事ということはどの程度のものでございますか。場合によっては恒久工事とほとんど変わらない、そうでなくては応急工事の費用がむだになる場合が非常に多いのでございます。今度の場合は応急工事だから、本来ならばこれは五千万円かけなければならぬけれども、五百万円でがまんしてもらおうという、二、三年程度のものですか。その辺の限界はどういうふうにお考えになっておりますか。いわゆる経済効果とかいろいろなことを考えた場合、応急工事であるから五千万円のところを一割くらいで仕方がないというお考えですか。この対策は応急工事も恒久工事もない、一本だという場合には、やはり恒久工事をおとりになるお考えですか。たとえば水の問題、水道の問題、灌漑水の河川の枯渇した場合、下を掘ったために川の流れを吸い込んで脱水して、川の流れが水がなくなったという場合、これは応急工事では済まない場合が多いと思います。鉄管を引けばいい場合もありますけれども、いなかの川というのは一定の間隔でずっと井せきが設けられておりますが、そういう場合はどうなりますか。
○今井(博)政府委員 応急工事と恒久工事の区別は、御指摘のように非常にむずかしい問題でございまして、最初われわれが考えましたのは、たとえば橋梁を直す場合にかりの橋梁を作る、あるいは堤防のかわりにかりの堤防を作る、そういうことを念頭に置いておりました。ただいま先生の御指摘になりましたような応急工事即恒久工事というふうな場合には、これは応急工事でなくて、復旧工事でございますので、そういった本格的な復旧工事はこの緊急認定制度では処理できないということになるかと思います。従ってそういう場合にはやはり本格的な復旧工事をできるだけ急ぐという方法より現在ないのじゃないか、こう思っております。
○井手委員 そういたしますと、灌漑水の対策、飲料水の対策の場合に、復旧工事ではできないような場合には、いかに緊急な事態であろうと応急工事はできないということになりますか。
○今井(博)政府委員 これは実際その場にならないとはっきりしたことは申し上げられませんが、やはり現在の法律の緊急認定制度の制度自体からくる結論としては、応急工事でない復旧工事は、これは応急工事としてやるわけにはいかぬ。ただしこれはやはり一つの理屈でございますので、その事態事態に応じましてそういう非常に緊急の度合いの強い場合に、そういう緊急の度を緩和するという何らかの便宜の措置がうまく考えられますならば、これは応急工事として取り上げられ得ると思いますけれども、しかし応急工事と復旧工事が全然同じだ、こういう場合には非常に残念でございますが、この緊急認定制度としてはちょっと取り上げにくい、こう思います。
○井手委員 それでは重ねてお伺いいたしますが、何らかの工事をしなくては灌漑水が求められない、あるいは飲料水が求められないという緊急の事態には何らかの方法で、応急工事をやってもらえるという結論になりますか。
○今井(博)政府委員 そういう場合には何らかの形において応急工事を考えまして、この緊急認定制度を活用したいと思います。
○井手委員 その場合に応急工事の費用はどういう負担になって参りますか。
○今井(博)政府委員 これは現在の法律で言いますと、六十六条の無資力認定でもって国と県の費用でこの工事をやる、こういう形になります。
○井手委員 六十六条を今ここに持っておりませんが、そうすると国、県の負担の割合はどういうことになりますか。
○今井(博)政府委員 これは対象によっていろいろと違って参りますが、たとえば農地の場合を例にとりますと、国の補助率が八三%、県が一七%、こういうことに現在なっております。
○井手委員 そこで大臣にお伺いいたします。そういう緊急の事態で、今一番社会不安の穂になっておりますのは飲料水です。水道の応急工事並びに復旧工事です。これは国の負担あるいは加害者の負担が非常に少ないために、実際問題として住民の負担が重くなって非常に困っておるのです。これは朝晩必要なものです。私はここで昨年もいろいろ申し上げましたから繰り返したくはありませんが、夏、水に不足いたしますと、一ぱいのバケツの水を四回も五回も使うのです。ふろには月に一回か二回くらいしか入れないのです。水源枯渇した場合にはそういう事態でありますけれども、負担の問題からなかなか水道の対策を講じて参ることができないのでありますが、大臣は水道の問題、水の問題でどういうふうにお考えになっておりますか。これは農地同様に、少なくとも農地くらいに国の負担を引き上げようではないかというお考えがおありになるかどうか。
○椎名国務大臣 これはほかとの権衡上なかなかむずかしい問題だと思いますけれども、よく研究さしていただきます。
○井手委員 石炭局長でもけっこうですが、私は水の問題は場合によっては農地の場合よりも深刻なものがあると思う。ところがそれほど深刻な水の問題が、負担割合のためにうまく解決しない。炭鉱側もなかなかこれはうんと承知しない。農地の復旧については、場合によっては折衝の末にやりましょうということも起こり得るでしょうけれども、水道の問題は一番難関ですよ。またこれくらい深刻な問題はないと思う。局長はよく御存じであろうと思いますが、今の状態はどうなのですか、事務的に答えられる範囲で……。研究しましょうだけではちょっと困る。
○今井(博)政府委員 おっしゃるように水道の問題は生活に直接響きますので、非常に重大な問題だと思っています。この場合に、先ほど大臣からお答えになりましたように、国の補助率が低いのは、一般の公共事業費の負担の割合というものから出ておりまして、別段大した理屈があるものではございませんが、今までの国全体の公共事業費を出します場合の負担割合からこういうものが出ておりまして、それが鉱害の場合にも適用されておる、こういう次第でございます。
○井手委員 負担割合をちょっと言って下さい。
○今井(博)政府委員 農地の場合は国の補助率五三%、上水道の場合は二五%、土木の場合は四〇%、下水道の場合は三三%、学校の場合は四〇%、こういった比率でございまして、上水道の比率が非常に低いということになっております。しかしこれは先ほど言いました無資力認定でもって国と県で負担するという場合には、上水道、下水道、学校というものは、国の補助と県の補助とはほとんど差がないということになっておりますので、先ほど申しました緊急認定制度、非常に緊急な問題で加害鉱業権者がはっきりしないという場合には、できるだけこの緊急認定制度というものを活用して、先ほど先生がおっしゃいましたような応急工事をやるというふうに持っていくのが取りあえずの処置かと思いますし、それからパーセンテージの低い国の補助率につきましては、現行法の改正審議会等においても一つ検討してみたい、こう考えます。
○井手委員 それでは私もそろそろ結論に入りたいと思います。いろいろありますけれども、鉱業法改正などについては多くの意見なり疑問を持っておりますけれども、時間の関係、審議促進に協力する意味において、私は鉱害についてはこの程度にとどめておきたいと思います。 次に石炭の合理化の問題に戻りましてお伺いしたいのですが、この間石炭局長は、最近の物品費の値上がり、電力費の値上がりといったことについて、少し間違った数字をあげられておるようでありますが、私の調べたところでは——私だけではございません、各方面に照会して党で調べたところでは、賃金の引き上げが昨年からことしにかけて、昨年はトン当たり十七円、本年は七十円、合わせて八十七円になる。電力は二十円、物品費は特に坑木の値上がりで五十円近く引き上げになっておると私は聞いておるのでありますが、それに石炭の運賃引き上げによって六十四円六十銭、この数字はどうでございますか。
○今井(博)政府委員 先生の御指摘ありました、坑木費の値上がり、これは私は国会での答弁としては、平均いたしますと十六円、年度末になりますとトン当たり二十円、こういうふうに申し上げたことがございますが、坑木費の値上がりは坑木自体の値上がり、それに運賃の値上がり等を含めましてトン当たり二十円というものが大体アッパー・リミットではないか、こう考えております。この数字を今先生五十円とおっしゃいましたが、これは物品費かそのほかの経費も含んでおるのではないか、こう思います。現在物品費全体の値上がりは約六%、こう考えておりまして、この六%と申しますと、現在の物品費全体が七百円から八百円でありまして、かりに八百円といたしますと四十八円、約五十円、こう思いますので、約六%、こういうふうに押えております。それから賃金の値上がりも、これは先生は三十四年と三十五年をおとりになった数字かと思いますが、私が国会で申し上げましたのは、三十五年の数字と今度値上がりになります三十六年の数字、これを考えまして、それを平均いたしますと四・何%、従って一トン当たりの賃金値上がり率からいたしますと、ことしと来年と平均いたしますと、ちょっと数字があいまいでございますが、やはりトン当たり百円をちょっとこすのじゃないか、こういう数字になるかと思います。これはあとで調べまして正確にお答えしたいと思います。
○井手委員 大臣そこで一つ控えて下さい。今石炭局長の話では、賃金の方で百円、電力の二十円は間違いないと思うのです。それから物品費の値上がりで大体五十円近い、石炭運賃で六十四円六十銭、合わせますとトン当たり二百円をこえるのです。そういたしますと、千二百円の引き下げというものが実質的には千四百円以上の引き下げにならなくてはならぬことになるわけですが、炭価引き下げの目標千二百円というものは、実際には石炭の運賃の問題はどうなるかわかりません。しかし運賃の問題が、ある程度解決するにいたしましても、二百円という違いが出て参るのであります。そうなりますと、石炭の合理化対策というものの目標というものを、よし悪しは別ですよ、議論はたくさんありますけれども、千二百円というものを千四百円に修正しなくてはならぬという事態になってきておると私は思う。事の重大性というものは明らかにしなくてはならぬと私は思うのです。この点に対する通産大臣の御所見を承っておきたいと思います。
○椎名国務大臣 積算すると御指摘の通りでございますが、運賃を除いた部分についてはある程度これは織り込み済みなのであります。しかしその織り込む程度にもいろいろありますけれども、大体において織り込み済みである、こう考えております。
○井手委員 織り込み済みでは、これは話は理解できません。説得できません。値上げになることは千二百円だけに限られていなかったのですよ。あの千二百円の場合には賃金の方は幾ら値上げを予定していたのですか。
○今井(博)政府委員 千二百円引き下げのときの計画では三・八%のベース・アップを織り込んでおりました。これはトン当たり約七十円程度でありまして、それは計画の中に一応織り込んでございます。 それから今大臣が織り込み済みとおっしゃいましたのは、ちょっと言葉が不十分だったと思いますが、私が補足いたしますと、この点は現在各社から長期の計画を三十六、七年ととっておりまして、この計画の中で賃金のベース・アップ分、それから坑木その他物品費の値上がり分、これは電力代も含めて、一応この中で合理化を織り込んでどのくらいのコストになるかということを今検討いたしておりまして、その中にはこの程度のものは織り込むように今指導いたしております。それを大臣が今織り込み済み、こうおっしゃったかと思いますが、これは極力その中で織り込もうと思ってやっております。ただ運賃分につきましては、非常に数字も大きいし、現在のところまだちょっと目鼻がついておらぬ状況であります。
○井手委員 賃金については三・何%は織り込み済みであった、しかし電力の問題、坑木の問題等々についてはそれは入れてなかったはずです。石炭はもちろん入れてないはずです。物価は横ばいだと言っておる政府が織り込み済みなんて言えるはずはございませんよ。そうなって参りますと、石炭運賃の問題がどういうふうに解決できるかわかりませんけれども、石炭運賃がある程度解決するといたしましても、千二百円のダウンということは、これは実際の目標が違ってきておることになるのです。実際は千三百円か千四百円になる。政府はこの際、新聞によりますと合理化の目標を修正しなくてはならぬということも一部に報道されておったようでありますが、実質的には千三百円か千四百円になる。石炭運賃が六十四円六十銭ふえたならば、千二百円をこえる。六十四円六十銭が半分で解決するかどうかわかりませんけれども、そういう目標というものを変えられるお考えはございませんか。ただ千二百円、千二百円でいこうというお考えですか。
○椎名国務大臣 今のところは変える考え方を持っておりません。千二百円引き下げの前提のもとにただいま折衝しておりますから、この段階においてはこれを軽々に手をつけることはちょっと困りますので、当分のところはこのままで折衝する考えであります。
○井手委員 目標の千二百円引き下げを軽々に変えるべきではないとおっしゃっておられる。これはなかなか勇気のあることです。意見はありますが、敬服をいたします。問題は、その勇気がありますならば、石炭運賃についてはやはり断固たる対策がなくてはならぬと思います。 間もなく企画庁長官が見えると思いますから、それまで私はちょっと質問を保留しておきます。 実は石炭運賃の問題で先刻来いろいろ通産大臣、運輸大臣等に質疑を重ねて参りました結果、あなたのツルの一声できまるということになったわけです。と申しますのは、石炭合理化は池田内閣の重要政策であり、ただいま通産大臣は千二百円の引き下げはこれを断じて変えるわけには参らないという強い言明がございました。ところが石炭合理化によって国鉄運賃トン当たり六十四円六十銭を吸収することは困難であるということを、通産大臣からはっきり言明があったのであります。そういう質疑応答の結果、運輸大臣は、国鉄の立場もありますけれども、重要国策に協力する意味において、企画庁長官、通産大臣から具体案のお示しがあるならば、国鉄に協力させるにはやぶさかではございません、またいつからでも協力するのにやぶさかではございませんという態度の表明がございました。通産大臣はいろいろと石炭対策の苦衷を訴えられ、何とか早急に、六月早々これをきめたいという御意思で、実はけさも関係閣僚と懇談をいたしました。しかし結論としては、通産大臣は、自分の方は主管の大臣であって、利害、利益代表のような意味もあるから、この総合対策をきめるのは企画庁長官以外にない。この際早急にきめていただくのは迫水長官の意思いかんにかかっておるということになったわけでございますから、あなたにまげて御出席願ったわけであります。 私はここで石炭対策の重要性について多く説こうとは考えておりません。十分御承知であろうと思う。また時期的にも、もうすでに値上げになって二ヵ月近くになるのであります。これ以上じんぜん日を延ばすわけには参らないと存じておりますし、また通産大臣ももうこれ以上延ばすわけには参りません、六月早々には実行したい、こういうことでございました。そこで私が提案申し上げたのは、具体案は二、三日で右、左ときまるものじゃないでございましょう。きまればけっこうですけれども、しかし事は急を要するのでありますから、きまるまでの間の暫定措置として、値上げ分の延納、いわゆるトン当たり六十四円六十銭というものの運賃はあとで納める。あとで解決してから払うべきものは払うということにしてはどうかということを、私は提案をいたしたのでありまして、通産大臣も、それに対しては同感の意を表明されておるのであります。そこで結論的にあなたにお伺いしたいのは、あなたの意思いかんにかかっておるこの石炭運賃の問題に対し、政府を代表するあなたの決意を表明していただきたい。早急に具体案がまとまる見込みがなければ、とりあえずこういう措置をとる、おそくとも六月の初めからはこうするという断固たる態度を一つ表明してもらいたい。これは非常に重要です。この委員会には政府提案の四つの法律案がかかっております。私どもも二つ出しておるのであります。これはいろいろ意見もありますが、この石炭関係法案の審議を順調に行なわせる意味においても、今回の長官の雷門は非常に重要な関係があると存じますので、一つ十分御考慮の上、御回答を願いたいと思います。
○迫水国務大臣 実は大体御質問の要旨をあらかじめ承っておりまして、この委員会に参りますについても割合に気楽にお答えをしたいような気持で参りましたが、ただいま井出さんのお話を聞いていますと、政府を代表しとか、断固とか、いろいろたくさん形容詞がつくものですから、私若干固くなりまして、私が今思っていることをそのまま申し上げていいかどうかというようなことを感じるので、一応政府を代表してとか、断固とかいう言葉は井出さんがおっしゃらないことにしていただいて、私が今考えておりますことを述べさしていただきたいと思います。 実は、けさの経済閣僚懇談会でこの問題を、実は私から提議をいたしました。というのは問題は非常に重要であり、急ぐべきものであると思っておりますにもかかわらず、通産省と運輸省との間ではなかなか話し合いがつく様子がございません。というて経済企画庁の方に対して調整の要請もどこからもないというような状態であったものですから、一体これはどうするのだということを経済閣僚懇談会で提議をいたしました。そこでいろいろ話が出まして、運輸大臣は、私はどういう字を書くのか知りませんけれども、親は泣き寄り、とにかくみんな三方損というのかなにか知りませんが、そういう原理があるからと言われました。それからわが党の政務調査会長は、今井出さんもおっしゃいましたように、一応値上がり分だけは鉄道の債権として残しておいて、延べ払いにする方法はないかというような話も出ました。それでいろいろみんな閣僚、関係者が話をした結果、経済企画庁から基準になるべき原案を一つ出せという話になって参りましたので、私はそれを実はお引き受けをいたしまして、きょうからその作業にかかっておる次第でございます。親は泣き寄りという見解でいきますと、業者も一部分、それから国鉄も一部分、そうしてまた大蔵省も政府も一部分、こういうことになる。延べ払いの問題を考えてみますと、国鉄もそれだけの運賃収入がなければ現金に困るわけでございますから、だれか立てかえ払いをするような道を考える方が実質的じゃないか、つまり石炭業者にかわってだれか立てかえ払いをしておいて、それに対する、つまり石炭業者に対する債権というものは国鉄以外のものが持つような格好のものも考えられるんじゃないかとも思いますし、かれこれいろいろ考えて、先ほど経済閣僚懇談会の後、事務当局を集めて至急にその基準となるべき原案の作成を命じた次第でございます。あまり時間がかかってはならぬわけでありますし、運輸大臣も親は泣き寄りとか、いろいろそういう言葉でもって問題を解決しようとする気持を持っていることは事実でございますので、この機運に乗じて早急に解決したい、こう考えております。
○井手委員 国鉄の方は、企業努力ということもございますという話をよくなさる、また三十五年度の業績を見ましても、三十億の金が、かりに金額といたしましても出せないわけでもないし、資金繰りができないわけでもございません。しかしやはり国の政策によって運賃を引き下げなければならぬというときには、国鉄ばかりが負担すべきではない、幾らか政府も負担してくれ、国鉄も泣く、政府も泣いてくれというのが、私は本音だろうと思います。そういういろいろな対策もございましょうし、延べ払いという応急措置も私はあろうかと思います。私は各国の例なりあるいは理論的なことを申し上げようとは思いません。問題はいっそれをおやりになるかということだけであります。通産大臣は六月早々とおっしゃったが、六月の初めぐらいからは、何らかの方法を実行なさるお考えでございましょうか。
○迫水国務大臣 私は実はきょう事務当局には六月十日までに解決するつもりでやるようにということを話したのです。
○井手委員 この問題は国会の重要な懸案の一つになっているわけです。従って六月の十日までと、あなたは事務当局に命ぜられたようでありますけれども、国会の会期中にいずれかの方法をきめてもらわぬと、この問題に対する誠意を政府が示したとは言えないのであります。
○迫水国務大臣 会期が八日で終わることを私はちょっと忘れていました。会期中にできるだけ解決するように誠意を持って努力いたします。
○井手委員 多くは申し上げません。誠意を持って会期中に実現をなさいますか。
○迫水国務大臣 作業を具体的に担当する調整局長にも確かめましたが、六月八日の会期の満了までに答えを出すように誠意を持って努力をいたします。
○井手委員 これで終わりでございますが、私は何もここで努力とかいう言葉じりについていろいろ申そうとは思いません。これは非常に重大な懸案の一つでございますから、両大臣とも会期中に、ぜひとも解決をなさるように、私は最後にお願い申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
○小川(平)委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は明三十日火曜日午前十時十五分より理事会、同十時三十分より委員会を開催することとし、これにて散会いたします。 午後三時三十八分散会